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特許7535388情報提供装置、情報処理装置、情報表示システムおよびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-07
(45)【発行日】2024-08-16
(54)【発明の名称】情報提供装置、情報処理装置、情報表示システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0241 20230101AFI20240808BHJP
   G06T 19/00 20110101ALI20240808BHJP
【FI】
G06Q30/0241
G06T19/00 600
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020081341
(22)【出願日】2020-05-01
(65)【公開番号】P2021176046
(43)【公開日】2021-11-04
【審査請求日】2023-04-13
(73)【特許権者】
【識別番号】521469760
【氏名又は名称】アルテミラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100113310
【弁理士】
【氏名又は名称】水戸 洋介
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】小島 真一
(72)【発明者】
【氏名】松島 妃美
【審査官】阿部 圭子
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-021215(JP,A)
【文献】特開2018-106626(JP,A)
【文献】ユーザー体験を変えるパッケージの力,NIKKEI DESIGN 第326号 ,日本,日経BP社,2014年07月24日,P.28-29
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G06T 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料容器の画像を取得する画像取得部と、
前記飲料容器の形状から当該飲料容器の内容物を特定する特定部と、
少なくとも画像情報を含み、ユーザに提供する情報であって、特定した前記内容物に応じた情報である提供情報を、当該内容物の種類だけが特定できた場合と、当該内容物に関する他の商品情報が特定できた場合とで異ならせて決定する決定部と、
を備える情報提供装置。
【請求項2】
前記画像情報は、前記飲料容器とともに拡張現実にて表示する画像を表示するものであることを特徴とする請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
拡張現実にて表示する前記画像情報は、前記飲料容器の上に位置するように表示されるキャラクタを表示するためのものであることを特徴とする請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記特定部は、前記飲料容器に印刷された印刷画像をさらに加えて内容物を特定することを特徴とする請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項5】
前記特定部は、前記印刷画像の中の文字情報を基に、内容物を特定することを特徴とする請求項4に記載の情報提供装置。
【請求項6】
前記決定部は、ユーザに関する情報であるユーザ情報を加味して、前記提供情報を決定することを特徴とする請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項7】
前記ユーザ情報は、ユーザが前記飲料容器の内容物を飲んだ履歴を含むことを特徴とする請求項6に記載の情報提供装置。
【請求項8】
前記決定部は、前記履歴に基づき、ユーザに付与する特典を前記提供情報に含ませることを特徴とする請求項7に記載の情報提供装置。
【請求項9】
前記決定部は、前記ユーザ情報を基に、前記飲料容器の内容物を飲む行為に関し、ユーザに対するアドバイスを前記提供情報に含ませることを特徴とする請求項6に記載の情報提供装置。
【請求項10】
撮影装置から飲料容器の画像を取得する撮影画像取得部と、
取得した画像を基に、抽出された飲料容器の形状から特定された内容物に応じ、ユーザに提供する画像情報を含む提供情報を、当該内容物の種類だけが特定できた場合と、当該内容物に関する他の商品情報が特定できた場合とで異ならせて表示する制御を行う表示制御部と、
を備える情報処理装置。
【請求項11】
飲料容器の画像を撮影する撮影手段と、
撮影した画像を基に、抽出された飲料容器の形状から特定された内容物に応じ、ユーザに提供する画像情報を含む提供情報を提供する情報提供手段と、
前記提供情報を表示する表示手段と、
前記表示手段に表示する画像を制御する表示制御手段と、
を備え、
前記情報提供手段は、
飲料容器の画像を取得する画像取得部と、
前記飲料容器の形状から当該飲料容器の内容物を特定する特定部と、
少なくとも画像情報を含み、ユーザに提供する情報であって、特定した前記内容物に応じた情報である提供情報を、当該内容物の種類だけが特定できた場合と、当該内容物に関する他の商品情報が特定できた場合とで異ならせて決定する決定部と、
を備える情報表示システム。
【請求項12】
コンピュータに、
飲料容器の画像を取得する画像取得機能と、
前記飲料容器の形状から当該飲料容器の内容物を特定する特定機能と、
少なくとも画像情報を含み、ユーザに提供する情報であって、特定した前記内容物に応じた情報である提供情報を、当該内容物の種類だけが特定できた場合と、当該内容物に関する他の商品情報が特定できた場合とで異ならせて決定する決定機能と、
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置、情報処理装置、情報表示システム、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、拡張現実(AR:Augmented Reality)を用い、ユーザに対し商品に付随する商品付随情報を画像や音声にて提供するシステムが考えられている。
【0003】
特許文献1には、AR利用顧客付加価値情報提供システムが開示されている。このAR利用顧客付加価値情報提供システムは、商品顧客等の利用者が、商品又は商品外装、包装箱に付された第1の識別情報を情報端末機器等で読み取ることによって、情報取得機構がインターネット等を介して第2の情報を読み出し、例えば第2の情報として商品の組立方法や安全使用方法等の商品付随情報を商品顧客等に提供をする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-12349号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、商品に付された識別情報を端末機器等で読み取ることで、商品を特定し、さらにユーザに提供する提供情報を決定することが行われている。
この場合、識別情報を商品に印刷等により表示する必要がある。商品が飲料である場合、この飲料を充填する飲料容器に、商品名や成分表示などとともに、識別情報としてバーコードなどを表示することになる。しかしながら、飲料容器上で識別情報を表示できる領域は、必ずしも十分であるとは言えず、表示するのが困難である場合がある。また、識別情報を表示した場合、印刷等を施した飲料容器のデザイン上の美観を低下させる場合がある。
本発明は、飲料容器に識別情報を表示しなくても、提供情報を提供することができる情報処理装置等を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かくして本発明によれば、飲料容器の画像を取得する画像取得部と、飲料容器の形状から飲料容器の内容物を特定する特定部と、少なくとも画像情報を含み、ユーザに提供する情報であって、特定した内容物に応じた情報である提供情報を、当該内容物の種類だけが特定できた場合と、当該内容物に関する他の商品情報が特定できた場合とで異ならせて決定する決定部と、を備える情報提供装置が提供される。
【0007】
ここで、画像情報は、飲料容器とともに拡張現実にて表示する画像を表示するものであるようにすることができる。この場合、ユーザは、飲料容器に応じた提供情報を、より直感的に把握することができる。
また、拡張現実にて表示する画像情報は、飲料容器の上に位置するように表示されるキャラクタを表示するためのものとすることができる。この場合、キャラクタが表示される位置が、より自然になる。
さらに、特定部は、飲料容器に印刷された印刷画像をさらに加えて内容物を特定するようにすることができる。この場合、特定される内容物の精度が向上する。
またさらに、特定部は、印刷画像の中の文字情報を基に、内容物を特定するようにすることができる。この場合、内容物の特定が、さらに容易になる。
そして、決定部は、ユーザに関する情報であるユーザ情報を加味して、提供情報を決定するようにすることができる。この場合、個々のユーザに合わせた情報を提供情報として提供することができる。
また、ユーザ情報は、ユーザが飲料容器の内容物を飲んだ履歴を含むことができる。この場合、ユーザが過去に飲んだ飲料を基に提供情報を決定することができる。
さらに、決定部は、履歴に基づき、ユーザに付与する特典を提供情報に含ませることができる。この場合、付与された特典をユーザに知らせることができる。
またさらに、決定部は、ユーザ情報を基に、飲料容器の内容物を飲む行為に関し、ユーザに対するアドバイスを提供情報に含ませることができる。この場合、ユーザに、さらに有用な情報を提供情報として提供できる。
【0008】
また、本発明によれば、撮影装置から飲料容器の画像を取得する撮影画像取得部と、取得した画像を基に、抽出された飲料容器の形状から特定された内容物に応じ、ユーザに提供する画像情報を含む提供情報を、当該内容物の種類だけが特定できた場合と、当該内容物に関する他の商品情報が特定できた場合とで異ならせて表示する制御を行う表示制御部と、を備える情報処理装置が提供される。
【0009】
さらに、本発明によれば、飲料容器の画像を撮影する撮影手段と、撮影した画像を基に、抽出された飲料容器の形状から特定された内容物に応じ、ユーザに提供する画像情報を含む提供情報を提供する情報提供手段と、提供情報を表示する表示手段と、表示手段に表示する画像を制御する表示制御手段と、を備え、情報提供手段は、飲料容器の画像を取得する画像取得部と、飲料容器の形状から飲料容器の内容物を特定する特定部と、少なくとも画像情報を含み、ユーザに提供する情報であって、特定した内容物に応じた情報である提供情報を、当該内容物の種類だけが特定できた場合と、当該内容物に関する他の商品情報が特定できた場合とで異ならせて決定する決定部と、を備える情報表示システムが提供される。
【0010】
そして、本発明によれば、コンピュータに、飲料容器の画像を取得する画像取得機能と、飲料容器の形状から飲料容器の内容物を特定する特定機能と、少なくとも画像情報を含み、ユーザに提供する情報であって、特定した内容物に応じた情報である提供情報を、当該内容物の種類だけが特定できた場合と、当該内容物に関する他の商品情報が特定できた場合とで異ならせて決定する決定機能と、を実現させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、飲料容器に識別情報を表示しなくても、提供情報を提供することができる情報処理装置等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施の形態におけるAR表示システムの構成例を示す図である。
図2】AR表示システムの概略動作について示した図である。
図3】(A)~(C)は、本実施形態の飲料容器の説明図である。
図4】第1の実施形態におけるAR表示システムの機能構成例を示したブロック図である。
図5】(A)~(G)は、飲料容器の側面方向から見た外形形状を示した図である。
図6】提供情報を基に、端末装置で表示されるARの画像の一例を示した図である。
図7】提供情報管理テーブルについて示した図である。
図8】第2の実施形態におけるAR表示システムの機能構成例を示したブロック図である。
図9】記憶部に記憶されているユーザ情報の一例を示した図である。
図10】ユーザに対するアドバイスを付与したARの画像の第1の例について示した図である。
図11】ユーザに対するアドバイスを付与したARの画像の第2の例について示した図である。
図12】AR表示システムの動作を説明したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施する形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することが出来る。また、使用する図面は本実施の形態を説明するためのものであり、実際の大きさを表すものではない。
【0014】
<AR表示システム1全体の説明>
図1は、本実施の形態におけるAR表示システム1の構成例を示す図である。
本実施の形態のAR表示システム1は、情報表示システムの一例であり、図示するように、ユーザが所有する端末装置10と、端末装置10を介してユーザにサービスを提供するサーバ装置30と、を備えている。そして、本実施形態のAR表示システム1において、端末装置10およびサーバ装置30は、ネットワーク40を介して相互に情報通信が可能になっている。また、本実施の形態におけるAR表示システム1を構成するものではないが、飲料容器50を併せて図示している。
【0015】
端末装置10は、情報処理装置の一例であり、飲料容器50を撮影すると、サーバ装置30から提供される提供情報を基にARを表示する装置である。ここで、「提供情報」とは、少なくとも画像情報を含み、ユーザに提供する情報であって、飲料容器50の内容物に応じた情報である。この画像情報は、例えば、飲料容器50とともにARにて表示する画像を表示するものである。また、「内容物」は、飲料容器50の内部に充填される飲料であり、特に限られるものではない。「内容物」としては、例えば、ジュース、茶、コーヒー、紅茶、コーラ、サイダーなどのソフトドリンクや、ビール、ウィスキー、ブランデー、ワインなどの酒類が挙げられる。
端末装置10は、例えば、モバイルコンピュータ、携帯電話、スマートフォン、タブレット等のモバイル端末である。端末装置10は、無線通信を行い、ネットワーク40に接続する。
【0016】
サーバ装置30は、情報提供装置若しくは情報提供手段の一例であり、AR表示システム1の全体の管理をするサーバコンピュータである。サーバ装置30がクラウド上に設けられる場合、サーバ装置30は、クラウドサーバであると言うこともできる。サーバ装置30は、端末装置10に対し、ARを表示するための画像情報を含む提供情報を作成する。
【0017】
端末装置10およびサーバ装置30は、演算手段であるCPU(Central Processing Unit)と、記憶手段であるメインメモリ、およびHDDやSSD(Solid State Drive)等のストレージを備える。CPUは、OS(基本ソフトウェア)やアプリケーションソフトウェア(応用ソフトウェア)等の各種ソフトウェアを実行する。また、メインメモリは、各種ソフトウェアやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域であり、ストレージは、各種ソフトウェアに対する入力データや各種ソフトウェアからの出力データ等を記憶する記憶領域である。
さらに、端末装置10およびサーバ装置30は、外部との通信を行うための通信インタフェース(以下、「通信I/F」と表記する)と、ビデオメモリやディスプレイ等からなる表示デバイスと、キーボードやマウス等の入力デバイスとを備える。
また、端末装置10は、飲料容器50の画像を撮影する撮影手段あるいは撮影装置の一例であるカメラと、音声等の音を出力するスピーカとを備える。
【0018】
端末装置10に備えられたCPU、メインメモリおよびストレージは、表示デバイスに表示する画像を制御する表示制御手段として機能する。また、端末装置10に備えられた表示デバイスは、提供情報を表示する表示手段として機能する。
【0019】
ネットワーク40は、端末装置10およびサーバ装置30の間の情報通信に用いられる通信手段であり、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットである。データ通信に用いられる通信回線は、有線か無線かを問わず、これらを併用してもよい。また、端末装置10やサーバ装置30は、ゲートウェイ装置やルータ等の中継装置を用い、複数のネットワークや通信回線を介して接続されてもよい。
【0020】
<AR表示システム1の動作の概略説明>
図2は、AR表示システム1の概略動作について示した図である。
まず、端末装置10を操作するユーザが、飲料容器50を撮影する(1A)。撮影は、端末装置10に備えられたカメラを用いてユーザが行う。そして、飲料容器50の撮影画像は、飲料容器50の撮影情報として、サーバ装置30に送られる(1B)。
飲料容器50の撮影情報を受け取ったサーバ装置30は、撮影画像を基に、飲料容器50の内容物を特定する(1C)。
そして、サーバ装置30は、内容物に応じ、ユーザに提供する提供情報を作成する(1D)。この提供情報には、上述したように、ARを表示するための画像情報が含まれる。
サーバ装置30で作成された提供情報は、端末装置10に送られる(1E)。
そして、端末装置10では、提供情報を基に、ARが表示される(1F)。
【0021】
つまり、本実施形態のAR表示システム1では、撮影画像を基に、飲料容器50の内容物を特定し、これに応じて端末装置10に対して画像や音声などを含む提供情報を送信するサービスを実現する。本実施形態のAR表示システム1では、飲料容器50が映る画像に対し、提供情報としての所定画像を重畳表示するなどのAR(拡張現実)表示を行うことで、飲料が充填された飲料容器50を購入したユーザに対して新たな顧客体験を創出する。
【0022】
端末装置10は、例えばネットワークを介してダウンロードされた、AR(拡張現実)表示システム1のためのウェブアプリケーション(以下、単にウェブアプリケーションと呼ぶ)がインストールされる。本実施形態のウェブアプリケーションは、飲料容器50の内容物に応じた提供情報を提供するために、端末装置10が搭載しているハードウェアや端末装置10に予めインストールされているソフトウェアなどの端末装置10のリソースを動作させる。具体的には、本実施形態のウェブアプリケーションは、端末装置10のリソースを動作させることで、飲料容器50を含む被写体の撮影や画面における表示、サーバ装置30等への撮影情報などの情報の送信、サーバ装置30等からの提供情報などの情報の受信、画面における提供情報などの画像の表示、画面を介したユーザの操作や指示の受け付けなどの各種の機能を実現する。
【0023】
一方、サーバ装置30には、飲料容器50の内容物と提供情報とが対応付けられて登録されている。なお、飲料容器50の内容物と提供情報との登録は、AR表示システム1を用いたサービスを提供するサービス提供者や、例えば飲料が充填された飲料容器50を販売する製造メーカなどが設定することができる。
【0024】
そして、端末装置10では、ウェブアプリケーションに基づくビューワが起動され、飲料容器50の撮影が行われる。端末装置10は、撮影した撮影情報をサーバ装置30に送信する。サーバ装置30では、飲料容器50の内容物および提供情報との関係が管理されている。そして、サーバ装置30は、端末装置10から撮影情報を受信した場合に、その撮影情報から特定でき、飲料容器50の内容物に対応する提供情報を、端末装置10に対して送信する。さらに、端末装置10では、受信した提供情報がビューワによって表示される。
【0025】
<飲料容器50>
次に、本実施形態の飲料容器50について具体的に説明する。
図3(A)~(C)は、本実施形態の飲料容器50の説明図である。
ここでは、飲料容器50の一例として、缶体50Aを例に取り説明を行う。
図3(A)は、所定方向から見た場合の缶体50Aの斜視図である。また、図3(B)は、図3(A)の所定方向とは異なる方向から見た場合の缶体50Aの斜視図である。そして、図3(C)は、缶体50Aに印刷される画像の説明図である。
【0026】
図3(A)および図3(B)に示すように、缶体50Aは、筒状に形成される筒部510と、缶体50Aの軸方向における一端部に位置する開口を塞ぐ蓋部520と、筒部510の軸方向において蓋部520とは反対側に設けられる底部530とを有している。本実施形態の缶体50Aは、アルミニウムなどの金属を材料に用いることができる。そして、缶体50Aには、飲料などの内容物が密封される。
なお、本実施形態の筒部510は、円形状に形成された円筒であるが、多角形に形成されていてもよい。
【0027】
そして、図3(C)に示すように、缶体50Aの筒部510には、飲料メーカ名51m、商品図形51g、商品名51p、お酒マーク51a、リサイクル識別表示マーク51r、製缶メーカロゴ51s、商品テキスト51t、栄養成分表示51n、注意喚起テキスト51cおよび商品説明欄51eを含む各種の情報が印刷されている。
【0028】
なお、ここでは、AR表示システム1による読み取り対象物である飲料容器50として、缶体50Aを例示したが、缶体50Aに限定されない。飲料容器50としては、例えば金属を材料としてボトル状に形成されてキャップを有するボトル缶、ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂を材料に用いたキャップ付きのプラスティックボトル、ガラスを材料とするガラス瓶などでもよい。これらの場合においても、上述した各種の情報は、ボトルの表面や、ボトルを覆う包装材や、ボトルに貼り付けられるラベル等に設けられていればよい。
【0029】
<AR表示システム1の構成の説明>
[第1の実施形態]
次に、本実施の形態のAR表示システム1の構成について具体的に説明する。
ここでは、まず本実施の形態のAR表示システム1の第1の実施形態について説明する。
第1の実施形態では、サーバ装置30は、飲料容器50の撮影画像を基に、飲料容器50の形状を抽出し、この形状を基に、飲料容器50の内容物を特定する。そして、サーバ装置30は、内容物に応じ、ユーザに提供する提供情報を作成する。
【0030】
図4は、第1の実施形態におけるAR表示システム1の機能構成例を示したブロック図である。
なお、ここでは、AR表示システム1が有する種々の機能のうち本実施の形態に関係するものを選択して図示している。
【0031】
AR表示システム1の端末装置10は、外部装置と情報の送受信を行う送受信部110と、撮影を行う撮影部120と、画像の表示を行う表示部130と、音声を出力する音声出力部140と、端末装置10全体の制御を行う制御部150とを備える。
【0032】
送受信部110は、サーバ装置30との間で飲料容器50の撮影情報や、ARを表示するための提供情報の送受信を行う。送受信部110は、例えば、通信I/Fに対応する。
撮影部120は、飲料容器50の撮影を行う。撮影部120は、カメラに対応し、例えば、光を収束するレンズ等の光学系と、光学系により収束された光を検出するCCD(Charge Coupled Device)等のイメージセンサとを備える。
【0033】
表示部130は、ユーザの操作画面やARを表示する。表示部130は、例えば、ディスプレイ等の表示デバイスに対応する。また、表示部130は、表示デバイスおよび入力デバイスを兼ね備えたタッチパネルなどであってもよい。
音声出力部140は、ARを表示する際に付随する音声を出力する。音声出力部140は、例えば、スピーカに対応する。
【0034】
制御部150は、送受信部110を介し、飲料容器50の撮影画像をサーバ装置30に送る制御を行う。この場合、制御部150は、撮影部120から飲料容器50の画像を取得する撮影画像取得部として機能する。
また、制御部150は、表示部130で表示するARの画像を作成する。即ち、制御部150は、サーバ装置30から送られた提供情報に含まれる画像情報と、撮影部120で撮影した撮影画像とを合成した合成画像を作成する。そして、制御部150は、この合成画像を、ARとして表示部130で表示させる制御を行う。この場合、制御部150は、提供情報を表示する制御を行う表示制御部として機能する。
【0035】
AR表示システム1のサーバ装置30は、外部装置と情報の送受信を行う送受信部310と、飲料容器50の形状を抽出する抽出部320と、飲料容器50の特定を行う特定部330と、提供情報を決定する決定部340と、提供情報を記憶する記憶部350とを備える。
【0036】
送受信部310は、端末装置10との間で飲料容器50の撮影情報や、ARを表示するための提供情報の送受信を行う。よって、送受信部310は、飲料容器50の画像を取得する画像取得部として機能する。送受信部310は、例えば、通信I/Fに対応する。
【0037】
抽出部320は、送受信部310にて取得した飲料容器50の画像から飲料容器50の形状を抽出する。
図5(A)~(G)は、飲料容器50の側面方向から見た外形形状を示した図である。
このうち、図5(A)は、飲料容器50として、缶体50Aの外形形状を示した図である。ここでは、缶体50Aの例として、缶体50A1と缶体50A2とを示している。
缶体50A1は、ビールや焼酎ハイボールなどの飲料用に用いられる円筒状の缶である。また、缶体50A2は、同様に円筒状であるが、焼酎ハイボール用に主に用いられる、いわゆるダイヤカット(登録商標)缶である。この缶体50A2は、側面に三角形状を単位とする凹凸が設けられている。
【0038】
図5(B)は、飲料容器50として、プラスティックボトルの一種であるペットボトル50Bの外形形状を示した図である。ここでは、ペットボトル50Bの例として、ペットボトル50B1とペットボトル50B2とを示している。
ペットボトル50B1およびペットボトル50B2は、例えば、サイダー、ジュース、お茶などのソフトドリンク用に主に用いられる。
図5(C)は、飲料容器50として、ボトル缶50Cの外形形状を示した図である。図示するボトル缶50Cは、例えば、コーヒー、紅茶などのソフトドリンク用に主に用いられる。
【0039】
また、図5(D)~(F)は、飲料容器50として、ガラス瓶の外形形状を示した図である。
このうち、図5(D)に図示するガラス瓶50Dは、ワンカップ瓶とも呼ばれ、例えば、日本酒用に主に用いられる。
また、図5(E)に図示するガラス瓶50Eは、ワインやシャンパン等に用いられるガラス瓶50E1とガラス瓶50E2とを示している。
さらに、図5(F)に図示するガラス瓶50Fは、ブランデーやウィスキー等に用いられるガラス瓶50F1とガラス瓶50F2とを示している。
【0040】
そして、図5(G)は、飲料容器50として、紙パック50Gの外形形状を示した図である。
この紙パック50Gは、牛乳、ジュースなどの飲料用に主に使用される。
【0041】
ユーザが、飲料容器50を撮影するときは、飲料容器50を手に持つか、机などに置いた上で撮影することが多い。そしてその場合、撮影画像は、通常は、飲料容器50を側面から見たときの画像となる。よって、抽出部320は、撮影画像から抽出する飲料容器50の形状として、飲料容器50を側面から見たときの外形形状を抽出することができる。また、抽出部320は、飲料容器50の大きさから、内容物の容量をさらに抽出するようにしてもよい。例えば、内容物がビールであった場合、その容量は、例えば、350mL、500mLなど予め定められた容量であることが多く、飲料容器50の大きさがわかれば、内容物の容量も把握することができる。
【0042】
特定部330は、抽出部320が抽出した形状から飲料容器50の内容物を特定する。
上述した飲料容器50の外形形状は、図5で説明したように内容物により、特徴的な形状を取ることが多い。また、同様の内容物が充填される場合でも、商品を消費者であるユーザに訴求するために、飲料容器50の形状に特別な意匠を施すことも多い、その場合、図5(A)の缶体50A1と缶体50A2、図5(B)のペットボトル50B1とペットボトル50B2、図5(F)のガラス瓶50F1とガラス瓶50F2のように、商品が異なれば、外形形状も異なることが多い。特に内容物が酒類の場合、図5(A)で示したビール等の場合、図5(D)で示した日本酒等の場合、図5(E)で示したワイン等の場合、および図5(F)で示したウィスキー等の場合のように、内容物に応じて特徴的な飲料容器50を使用することが多い。
よって、この特定部330は、飲料容器50の形状から、内容物を特定することができる。
【0043】
また、特定部330は、飲料容器50に印刷された印刷画像をさらに加えて内容物を特定するようにしてもよい。つまり、飲料容器50の形状がほぼ同様であっても、内容物が互いに異なることがある。よって、このような飲料容器50については、特定部330は、飲料容器50に印刷された印刷画像を参照することで、内容物を特定する。例えば、ラベルのデザインにより内容物を特定できる。また、印刷画像の中の文字情報を基に、内容物を特定できる。この文字情報は、例えば、商品名、〇〇ビールなどの内容物を表す文字などが該当する。そしてこれにより、製造メーカや商品名が特定できた場合は、これに応じた提供情報を設定することもできる。
さらに、特定部330は、飲料容器50の他の特徴点を加えて内容物を特定するようにしてもよい。この特徴点としては、ラベルの位置、キャップの形状、飲料容器50が有する色彩、内容物が見える場合に内容物の色などが挙げられる。
【0044】
決定部340は、特定部330が特定した内容物に応じ、提供情報を決定する。提供情報には、上述したように、ARを表示するための画像情報が含まれる。また、提供情報には、ARを表示する際に付随する音声についての音声情報が含まれてもよい。さらに、提供情報には、ARを表示するための情報以外の他の情報が含まれていてもよい。他の情報としては、詳しくは後述するが、ユーザに対するアドバイスなどである。
【0045】
図6は、提供情報を基に、端末装置10で表示されるARの画像の一例を示した図である。
この場合、端末装置10の制御部150が、画面100に表示される缶体50Aの画像である缶体画像500の位置に合わせて、ARの画像を表示するための提供画像を表示する制御をした例を示している。このとき、制御部150は、缶体画像500として表示される缶体50Aの輪郭を特定する。そして、制御部150は、缶体画像500における缶体50Aの筒部510、蓋部520および底部530の位置を特定する。そして、制御部150は、缶体画像500における予め定められた位置に提供画像を表示する。
【0046】
本実施形態の制御部150は、端末装置10のカメラ機能とモーション機能を統合し、AR表示を行う。また、本実施形態の制御部150は、特殊なハードウェアを使わずに端末装置10に搭載されるリソースと、画像解析データを元にソフトウェアベースで空間構造を認識してAR表示を行う。例えば、制御部150は、デバイスのモーションセンシング(加速度センサやジャイロ)と、端末装置10の撮影部120から取得した画像の解析とを組み合わせて実現する技術であるVIO(Visual Inertial Odometry)技術を使うことができる。また、制御部150は、三次元オブジェクトの表面に擬似的な周囲環境の映り込みを再現するための環境マッピングを用いてもよい。
【0047】
そして、図6に示すように、制御部150は、缶体画像500における蓋部520に、提供画像としてキャラクタ画像75を重畳表示させる。これによって、制御部150は、缶体50Aの蓋部520の部分にキャラクタ画像75が乗っているように見える画像を表示する。これは、制御部150は、飲料容器50の画像の上に位置するようにキャラクタを表示する制御を行う、と言うこともできる。また、制御部150は、キャラクタ画像75が、蓋部520に対して垂直方向に沿って長く延びて見えるように表示する。
【0048】
そして、ここでは、提供情報として、内容物に応じた案内をユーザに対し行う。例えば、内容物がビールであった場合は、キャラクタ画像75を用いて、ビールの新製品の案内を行う。また、内容物がワインであった場合は、ワインの産地や実際の製法の案内を行うなどが考えられる。
【0049】
記憶部350は、飲料容器50の内容物に対応させて、提供情報を記憶する。ここでは、提供情報管理テーブルT1によりこれらの情報を記憶する。
図7は、提供情報管理テーブルT1について示した図である。
図示するように、提供情報管理テーブルT1には、管理番号ごとに、「内容物」および「提供情報」が関連付けられている。図示する提供情報は、ARを表示するための画像情報である提供画像の情報の他、提供画像に付随する音声である提供音声の情報を含んでいる。
提供画像や提供音声は、単数または複数設定される。例えば、管理番号が、No.A001では、1つの提供画像「image001」が設定される。また、提供音声は、設定されない。さらに、管理番号が、No.A002では、1つの提供画像「image002」と、1つの提供音声「sound002」が設定される。
提供画像は、静止画や、アニメーションなどの動画によって構成される。また、提供音声は、静止画や動画と同期するように構成された音を含む。すなわち、提供音声は、動画の場合、動画の動きに合わせたタイミングで流れるようになっている。
【0050】
またここでは、管理番号が、No.A001~No.A003では、内容物の種類だけがわかった場合に、提供される提供情報を示している。例えば、管理番号が、管理No.A001では、内容物がビールであり、製造メーカや商品名が不明であった場合に提供される提供情報を示している。
また、管理番号が、No.A021~No.A023では、内容物の種類とともに、製造メーカや商品名が特定できた場合に提供される提供情報を示している。
【0051】
[第2の実施形態]
次に、本実施の形態のAR表示システム1の第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態では、サーバ装置30は、ユーザに関する情報であるユーザ情報を加味して、提供情報を決定する。
【0052】
図8は、第2の実施形態におけるAR表示システム1の機能構成例を示したブロック図である。
第2の実施形態のAR表示システム1のサーバ装置30は、第1の実施形態のAR表示システム1のサーバ装置30に比較して、ユーザ情報取得部360が加わる点で異なり、他は同様である。よって、以下、ユーザ情報取得部360の機能を中心に説明を行う。
【0053】
ユーザ情報取得部360は、ユーザに関する情報であるユーザ情報を取得する。ここでは、ユーザ情報は、記憶部350に記憶されており、ユーザ情報取得部360は、記憶部350を参照し、ユーザ情報を取得する。なお、これに限られるものではなく、サーバ装置30以外の外部装置からユーザ情報を取得するようにしてもよい。例えば、ユーザ情報取得部360は、端末装置10からユーザ情報を取得することもできる。
【0054】
図9は、記憶部350に記憶されているユーザ情報の一例を示した図である。
ここでは、ユーザ情報は、ユーザ管理テーブルT2にて管理している。そして、1人のユーザに対するユーザ情報のユーザ管理テーブルT2を例示している。
このユーザ管理テーブルT2では、管理番号ごとに、ユーザが飲んだ「内容物」、「日時」、「ポイント」がそれぞれ関連付けられている。即ち、このユーザ管理テーブルT2では、ユーザが飲料容器50の内容物を飲んだ履歴を含む。
このうち、管理番号が、No.B001の場合は、ユーザが、2019/09/10の20:20に、ビールを飲んだことを示している。またこの場合、製造メーカや、商品名は、特定できなかったことを示し、さらに、このときポイントが、30ポイントになったことを示している。
また、管理番号が、No.B002の場合は、ユーザが、2019/09/11の19:00に、同様にビールを飲んだことを示している。またこの場合、製造メーカが、「◆〇ビール」であり、商品名が、「■×▼」であったことを示し、さらに、このときポイントが、150ポイントになったことを示している。
また、ここでは含まれていないが、ユーザ管理テーブルT2に内容物の容量なども併せて管理してもよい。また、ユーザ情報として、ユーザの氏名、住所、年齢、メールアドレスなどを含めてもよい。
【0055】
そして、決定部340は、特定部330が特定した内容物のみならず、上述したユーザ情報を加味して提供情報を決定する。この場合、ユーザ情報に応じ、提供情報を変更してもよく、また、例えば、新たな提供情報をさらに加えることもできる。例えば、決定部340は、ユーザ情報を基に、飲料容器50の内容物を飲む行為に関し、ユーザに対するアドバイスを提供情報に含ませるようにすることができる。そして、端末装置10の制御部150は、このアドバイスを含むARの画像を表示する制御を行う。
【0056】
図10は、ユーザに対するアドバイスを付与したARの画像の第1の例について示した図である。
図示する例では、図6の場合と同様に、制御部150は、画面100に表示される缶体50Aの画像である缶体画像500の位置に合わせて提供画像を表示する。このとき、制御部150は、缶体画像500における蓋部520に、提供画像としてキャラクタ画像75を重畳表示させる。また、制御部150は、提供画像として、内容物の飲み方についてのアドバイスを吹き出し550として表示する。この場合、缶体50Aの内容物は、ビールであり、このビールの飲み方として、「このビールは0℃まで冷やすとおいしいですよ。」のアドバイスが表示されている。また、このアドバイスを、音声としてユーザに伝えるための音声情報を提供情報に含ませるようにしてもよい。
このアドバイスは、ユーザ履歴を参照し、例えば、初めて飲む飲料の場合に、表示する。即ち、初めて飲む飲料であり、従来の飲んでいた飲料に対し、異なる飲み方があるような場合、このようなアドバイスを表示する。
【0057】
図11は、ユーザに対するアドバイスを付与したARの画像の第2の例について示した図である。
図示する例でも、缶体画像500における蓋部520に、提供画像としてキャラクタ画像75を重畳表示させる。そして、制御部150は、図10の場合と同様に、提供画像として、アドバイスを吹き出し550として表示する。この場合、制御部150は、提供画像として、ユーザの健康に関するアドバイスを吹き出し550として表示する。具体的には、缶体50Aの内容物は、ビールであり、このビールの飲み方として、「今月は飲みすぎです。1本だけにしておきましょう。」のアドバイスが表示されている。また、このアドバイスを、音声としてユーザに伝えるための音声情報を提供情報に含ませるようにしてもよい。
【0058】
このアドバイスは、ユーザ履歴を参照し、ユーザが飲んだ飲料として酒類について飲んだ量を推定する。そして、飲んだ量に応じ、このようなアドバイスを提供情報に含ませる。また、ユーザの年齢に応じ、アドバイスを変更するようにしてもよい。例えば、ユーザが未成年であったときに、酒類を飲むことに対する警告をアドバイスとしてもよい。さらに、ユーザについての健康診断結果などをユーザ情報とし、これに応じてアドバイスをするようにしてもよい。
【0059】
また、決定部340は、履歴に基づき、ユーザに付与する特典を提供情報に含ませるようにしてもよい。この場合、特典は、予め定められた商品に対し割引等が得られるクーポンや、ユーザに対し付与されるポイントなどが該当する。本実施の形態では、ユーザ管理テーブルT2に特典としてポイント数を含ませ、ユーザ情報として管理している。また、現在のポイント数や、付与されるクーポンなどの情報を、上記アドバイスとすることもできる。
【0060】
<AR表示システム1の動作の説明>
次に、AR表示システム1の動作の説明を行う。
図12は、AR表示システム1の動作を説明したフローチャートである。
まず、ユーザの操作により、端末装置10の撮影部120が飲料容器50を撮影する(ステップ101)。
次に、送受信部110が、撮影部120が撮影した飲料容器50の撮影情報をサーバ装置30に送信し、サーバ装置30の送受信部310が受信する(ステップ102)。
【0061】
そして、抽出部320が、飲料容器50の形状を抽出する(ステップ103)。この形状は、飲料容器50の外形形状であり、例えば、図5で示したような形状となる。
さらに、抽出部320が抽出した形状から飲料容器50の内容物を特定する(ステップ104)。このとき上述したように、特定部330は、飲料容器50に印刷された印刷画像をさらに加えて内容物を特定するようにしてもよい。
次に、決定部340が、記憶部350を参照し、特定された内容物、製造メーカ、商品名等から、提供情報を決定する(ステップ105)。このとき、決定部340は、ユーザ情報を加味して、提供情報を決定するようにしてもよい。さらに、上述したように、提供情報として、提供画像や提供音声のみならず、ユーザに対するアドバイスや、特典の情報を含ませるようにしてもよい。
【0062】
さらに、送受信部310が、決定された提供情報を端末装置10に送信し、端末装置10の送受信部110が受信する(ステップ106)。
端末装置10では、制御部150が、飲料容器50と提供情報に含まれる画像情報とを合成し、ARの画像を作成する(ステップ107)。
そして、表示部130が、ARの画像を表示する(ステップ108)。このとき、提供情報に音声情報が含まれる場合は、ARの画像とともに、音声出力部140が、音声を出力する。またこのとき、図10および図11で説明したように、ユーザに対するアドバイスを吹き出し550として表示することもできる。
【0063】
以上詳述したAR表示システム1によれば、飲料容器50に、バーコード等の識別情報を表示しなくても、提供情報を提供することができる。つまり、以上詳述したAR表示システム1では、飲料容器50の形状を基に、飲料容器50の内容物を特定し、これを基に、提供情報を提供することができる。
【0064】
なお、以上説明した形態では、サーバ装置30が、飲料容器50の形状を基に、飲料容器50の内容物を特定し、これを基に、提供情報を作成したが、端末装置10で行ってもよい。この場合、上述したAR表示システム1の機能を、端末装置10だけで備えることができる。
また、以上説明した形態では、端末装置10にカメラが備えられていたが、端末装置10と別体としてもよい。また同様に、端末装置10に表示デバイスが備えられていたが、表示デバイスを液晶ディスプレイなどにし、端末装置10と別体としてもよい。
【0065】
<プログラムの説明>
なお本実施の形態におけるサーバ装置30が行う処理は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現される。即ち、サーバ装置30の内部に設けられた図示しないCPUが、サーバ装置30の各機能を実現するプログラムを実行し、これらの各機能を実現させる。
【0066】
よって、サーバ装置30が行う処理は、コンピュータに、飲料容器50の画像を取得する画像取得機能と、飲料容器50の形状から飲料容器50の内容物を特定する特定機能と、少なくとも画像情報を含み、ユーザに提供する情報であって、特定した内容物に応じた情報である提供情報を決定する決定機能と、を実現させるためのプログラムとして捉えることもできる。
【0067】
以上、本実施の形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、種々の変更または改良を加えたものも、本発明の技術的範囲に含まれることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0068】
1…AR表示システム、10…端末装置、30…サーバ装置、110、310…送受信部、120…撮影部、130…表示部、320…抽出部、330…特定部、340…決定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12