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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-07
(45)【発行日】2024-08-16
(54)【発明の名称】手摺用連結金具
(51)【国際特許分類】
   E04F 11/18 20060101AFI20240808BHJP
   E04G 5/14 20060101ALI20240808BHJP
   E04G 7/08 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
E04F11/18
E04G5/14 302A
E04G7/08 A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020141759
(22)【出願日】2020-08-25
(65)【公開番号】P2022037561
(43)【公開日】2022-03-09
【審査請求日】2023-06-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井原 崇之
(72)【発明者】
【氏名】小椋 凌
【審査官】油原 博
(56)【参考文献】
【文献】実開平06-087552(JP,U)
【文献】特開平11-343733(JP,A)
【文献】登録実用新案第3168635(JP,U)
【文献】特開2015-151772(JP,A)
【文献】米国特許第4869343(US,A)
【文献】特開平11-093920(JP,A)
【文献】特開昭63-067376(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 11/18
E04G 5/14
E04G 7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手摺部とその両端から下方に延びる脚部とを有し、各々の前記脚部の下端部分が所定部材に支持されて互いに間隔をあけて隣接して配置された2つの手摺の互いに隣接する2つの前記脚部の上半部分に取り付けられる手摺用連結金具であって、
前記2つの脚部を水平方向から挟むように配置される第1及び第2の長形部材と、
前記第1の長形部材に前記第1の長形部材の長手方向に離れて互いの間隔を調整可能に取り付けられ、前記2つの脚部の間隔を所定間隔に維持するように前記2つの脚部を前記第1の長形部材側から支持する2つの支持部材と、
いずれか一方が前記第1及び第2の長形部材のいずれかに固定され互いに螺合する第1及び第2のねじ部材を有し、前記2つの脚部の間を通って前記第1の長形部材と前記第2の長形部材との間を連結し、この間の間隔が狭くなるように前記第1の長形部材と前記第2の長形部材との締め付けを可能にする締付け機構と、
を備え
前記支持部材は、前記第1の長形部材の長手方向と垂直で、かつ前記第1の長形部材を貫通する水平軸線を中心に回転可能に前記第1の長形部材に取り付けられている、手摺用連結金具。
【請求項2】
前記支持部材は、前記脚部を支持する面が、上から見て円弧状、V字状またはU字状に形成されている、
請求項1に記載の手摺用連結金具。
【請求項3】
前記第2の長形部材の長手方向の両端に前記第1の長形部材側へ突出した突部を有している、
請求項1または2に記載の手摺用連結金具。
【請求項4】
前記締付け機構の前記第1のねじ部材は、
前記第1及び第2の長形部材のうちのいずれか一方の前記長形部材における他方の前記長形部材側の面に突設され、前記他方の長形部材に設けられた挿通穴を挿通するおねじ部で構成され、
前記締付け機構の前記第2のねじ部材は、
前記他方の長形部材を挿通した前記おねじ部に螺合するナットで構成されている、
請求項1~3のいずれかに記載の手摺用連結金具。
【請求項5】
前記締付け機構の前記第1のねじ部材は、
前記第1及び第2の長形部材のうちのいずれか一方の前記長形部材における他方の前記長形部材側の面に固設されたナットで構成され、
前記締付け機構の前記第2のねじ部材は、
前記他方の長形部材に設けられた挿通穴を挿通して前記ナットに螺合するボルトで構成されている、
請求項1~3のいずれかに記載の手摺用連結金具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取り外しが容易な手摺同士を連結する手摺用連結金具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、建築現場等の足場に、逆U字状に設置される手摺(手摺フレーム)が記載されている。この手摺は、両側の脚部の先端(下端)が、足場に取り付けられた固定金具の差込筒部に差込固定されて取り付けられる。
【0003】
このような足場に取り付けられる手摺は容易に取り外すことができることから、マシンハッチ周り等に設置する場合も多く、手摺のぐらつき等を防止するため、隣接する手摺同士を連結する連結金具が用いられる。
【0004】
図4(A)は、従来の手摺用連結金具が手摺に取り付けられたときの状態を上から見た図であり、図4(B)は、同手摺用連結金具の正面図である。
【0005】
この従来の手摺用連結金具30は、2つの連結部材31,32とボルト33及びナット34とを備えている。各連結部材31,32は、連結プレート31a,32aとその両端に固定された半割れパイプ31b,32bとを備え、連結プレート31a,32aの中央部分にはボルト33を挿通する穴31c,32cが設けられている。この連結金具30を使用する際、各連結部材31,32の両端の半割れパイプ31b,32bで2つの手摺21,22(図2参照)の隣接する脚部21b,22bの上半部分を挟みこみ、ボルト33及びナット34で2つの連結プレート31a,32aを締め付けることにより、脚部21b,22bに取り付けるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】実用新案登録第3168635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来の構成では、連結金具30を取り付ける際、現地で2つの手摺の間隔に応じて連結プレート31a,32aの長さを調整(切断)した後、連結プレート31a,32aの両端に半割れパイプ31b,32bを溶接により固定して各連結部材31,32を製作し、その後で2つの脚部21b,22bに取り付けるようにしている。よって、連結金具30を取り付ける際にはその製作時間も要することになり、連結金具30の取り付けに長時間を要することになる。
【0008】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、2つの手摺の隣接する脚部への取り付けに要する時間を短縮することができる手摺用連結金具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明のある態様に係る手摺用連結金具は、手摺部とその両端から下方に延びる脚部とを有し、各々の前記脚部の下端部分が所定部材に支持されて互いに間隔をあけて隣接して配置された2つの手摺の互いに隣接する2つの前記脚部の上半部分に取り付けられる手摺用連結金具であって、前記2つの脚部を水平方向から挟むように配置される第1及び第2の長形部材と、前記第1の長形部材に前記第1の長形部材の長手方向に離れて互いの間隔を調整可能に取り付けられ、前記2つの脚部の間隔を所定間隔に維持するように前記2つの脚部を前記第1の長形部材側から支持する2つの支持部材と、いずれか一方が前記第1及び第2の長形部材のいずれかに固定され互いに螺合する第1及び第2のねじ部材を有し、前記2つの脚部の間を通って前記第1の長形部材と前記第2の長形部材との間を連結し、この間の間隔が狭くなるように前記第1の長形部材と前記第2の長形部材との締め付けを可能にする締付け機構と、を備えている。
【0010】
この構成によれば、取り付け対象の2つの脚部の間隔に応じて、2つの支持部材の間隔を容易に調整できるので、2つの手摺の隣接する脚部への取り付けに要する時間を短縮することができる。
【0011】
また、前記支持部材は、正面視において、前記脚部に対する前記第1の長形部材の角度を調整可能に構成されていてもよい。
【0012】
また、前記第2の長形部材の長手方向の両端に前記第1の長形部材側へ突出した突部を有していてもよい。
【0013】
また、前記締付け機構の前記第1のねじ部材は、前記第1及び第2の長形部材のうちのいずれか一方の前記長形部材における他方の前記長形部材側の面に突設され、前記他方の長形部材に設けられた挿通穴を挿通するおねじ部で構成され、前記締付け機構の前記第2のねじ部材は、前記他方の長形部材を挿通した前記おねじ部に螺合するナットで構成されていてもよい。
【0014】
また、前記締付け機構の前記第1のねじ部材は、前記第1及び第2の長形部材のうちのいずれか一方の前記長形部材における他方の前記長形部材側の面に固設されたナットで構成され、前記締付け機構の前記第2のねじ部材は、前記他方の長形部材に設けられた挿通穴を挿通して前記ナットに螺合するボルトで構成されていてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、以上に説明した構成を有し、2つの手摺の隣接する脚部への取り付けに要する時間を短縮可能な手摺用連結金具を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1(A)は、本実施形態における第1構成例の手摺用連結金具が手摺に取り付けられたときの状態を上から見た図であり、図1(B)は、同手摺用連結金具の正面図である。
図2図2は、本実施形態における第1構成例の手摺用連結金具が手摺に取り付けられたときの状態の一例を示す斜視図である。
図3図3(A)は、本実施形態における第2構成例の手摺用連結金具が手摺に取り付けられたときの状態を上から見た図であり、図3(B)は、同手摺用連結金具の正面図である。
図4図4(A)は、従来の手摺用連結金具が手摺に取り付けられたときの状態を上から見た図であり、図4(B)は、同手摺用連結金具の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略することがある。また、図面は理解しやすくするために、それぞれの構成要素を模式的に示したもので、形状及び寸法比等については正確な表示ではない場合がある。また、本発明は、以下の実施形態に限定されない。
【0018】
(実施形態)
図1(A)は、本実施形態における第1構成例の手摺用連結金具が手摺に取り付けられたときの状態を上から見た図であり、図1(B)は、同手摺用連結金具の正面図である。また、図2は、第1構成例の手摺用連結金具が手摺に取り付けられたときの状態の一例を示す斜視図である。
【0019】
第1構成例の手摺用連結金具10Aは、例えば図2に示すように、間隔をあけて互いに隣接して配置された2つの手摺21,22の互いに隣接する脚部21b,22bの上半部分に取り付けられる。2つの手摺21,22の設置場所は、特に限定されるものではなく、例えば、マシンハッチ周り、建築現場等の足場を例示できる。また、2つの手摺21,22は、上から見てL字状に配置されているが、このような配置に限られるものではなく、例えば直線状に配置されていてもよい。
【0020】
各手摺21,22は、水平に配置される手摺部21a,22aと、その両端から下方に延びる筒状の2つの脚部21b,22bと、中桟21c,22c等を備えている。手摺部21a,22aと2つの脚部21b,22bとは、例えば、逆U字状の丸パイプで構成されている。図示していないが、各手摺21,22の2つの脚部21b,22bの下端部分は、所定部材に支持されている。例えば、予め所定位置に固定された筒部(所定部材)に脚部21b,22bの下端部分が差し込まれて固定されることにより、支持されている。このように各々の両脚部21b,22bの下端部分が支持(固定)された2つの手摺21,22のぐらつき等を防止するために、連結金具10Aが用いられる。
【0021】
この連結金具10Aは、図1(A),(B)に示すように、手摺21,22の隣接する2つの脚部21b,22bを水平方向から挟むように配置される第1及び第2の長形部材1,2と、第1の長形部材1にその長手方向に離れて互いの間隔を調整可能に取り付けられた2つの支持部材3a,3bと、互いに螺合するおねじ部7と締め付け用ナット8とを有する締付け機構6Aとを備えている。
【0022】
第1の長形部材1は、3つの長穴P1~P3が設けられた主板部1aと、主板部1aの幅方向両端側に設けられた側板部1bとを有している。2つの側板部1bは強度を補強するために設けられており、主板部1aの厚みを厚くして十分な強度を持たせれば、側板部1bは無くてもよい。3つの長穴P1~P3は、第1の長形部材1(主板部1a)の長手方向に間隔をあけて設けられた同長手方向に長い穴である。
【0023】
支持部材3a,3bは、手摺21,22の隣接する2つの脚部21b,22bの間隔を所定間隔に維持するように第1の長形部材1側から脚部21b,22bを支持する部材であり、脚部21b,22bの側面と面接触するように上から見て円弧状に形成されている。このように各支持部材3a,3bは、上から見て円弧状の面で各脚部21b,22bを支持することにより、支持する各脚部21b,22bにおいて、2つの脚部21b,22bの並び方向への移動を規制し、2つの脚部21b,22bの間隔を所定間隔に維持することができる。
【0024】
各支持部材3a,3bの脚部21b,22bを受ける面と反対側の面には、寸切りボルトが溶接されることによりおねじ部4が突設されている。支持部材3a,3bに設けられた各おねじ部4は、第1の長形部材1の長穴P1,P3に挿通して各ナット5と螺合し、各ナット5を締めることで、支持部材3a,3bを第1の長形部材1に固定することができる。また、ナット5を緩めて、長穴P1,P3に沿っておねじ部4の位置を移動させることで支持部材3a,3bの間隔を調整することができる。また、ナット5を緩めると、おねじ部4を軸にして支持部材3a,3bを回転させることができる。これにより、支持部材3a,3bは、正面視において、脚部21b,22bに対する第1の長形部材1の角度を調整可能に構成されている。
【0025】
第2の長形部材2は、主板部2aと、主板部2aの長手方向両端に第1の長形部材1側へ突出した突部2bとを有している。
【0026】
締付け機構6Aは、第2の長形部材2に固定されたおねじ部7とこれと螺合する締め付け用ナット8とを有し、2つの支持部材3a,3bで支持される2つの脚部21b,22bの間を通って第1の長形部材1と第2の長形部材2との間を連結し、この間の間隔を調整可能に構成されている。すなわち、締付け機構6Aは、締め付け用ナット8を締める方向に回転(例えば右回転)させて第1の長形部材1と第2の長形部材2との間の間隔を狭くすることにより、第1の長形部材1と第2の長形部材2との締め付けを可能にし、締め付け用ナット8を緩める方向に回転(例えば左回転)させて上記間隔を広くすることにより上記締め付けを解除することができる。
【0027】
本例では、おねじ部7に寸切りボルトを用い、締め付け用ナット8に蝶ナットを用いているが、これに限らない。おねじ部7は、第2の長形部材2(主板部2a)の長手方向中央部分から、第1の長形部材1側へ突出して設けられ、おねじ部7の先端側部分が第1の長形部材1の長穴P2に挿通して締め付け用ナット8と螺合するようになっている。おねじ部7の主板部2aへの固定方法は、適宜変更可能であるが、本例では、主板部2aにめねじ部2fが形成され、このめねじ部2fにおねじ部7の基端側部分を螺合させて主板部2aを貫通させ、貫通したおねじ部7の基端を主板部2aと溶接している(溶接部分9)。ここでは、おねじ部7を寸切りボルトで構成しているが、例えば頭部を有する六角ボルトの軸部で構成するようにしてもよい。この場合、第2の長形部材2の主板部2aに六角ボルトの軸部(おねじ部7)を挿通する穴を設け、この穴に、六角ボルトの軸部を挿通して、六角ボルトの頭部を主板部2aと溶接して固定するようにしてもよい。
【0028】
この連結金具10Aを、隣接する2つの手摺21,22に取り付ける際には、締め付け用ナット8および2つのナット5を緩めた状態にして(締め付け用ナット8は外しておいてもよい)、第1の長形部材1と第2の長形部材2との間で、おねじ部7の両側に手摺21,22の脚部21b,22bが配置されるようにするとともに、脚部21b,22bに沿うように支持部材3a,3bを位置合わせし、締め付け用ナット8及びナット5を締めることにより、連結金具10Aを脚部21b,22bに取り付けることができる。
【0029】
よって、取り付け対象の脚部21b,22bの間隔に応じて、支持部材3a,3bの間隔を容易に調整できるので、2つの手摺21,22の隣接する脚部21b,22bへの取り付けに要する時間を短縮することができる。
【0030】
また、第2の長形部材2に設けられた突部2bは、締め付け用ナット8を締め付ける際に、第2の長形部材2が回転した場合に、脚部21b,22bに当接して第2の長形部材2の回り止めとして作用する。また、締め付け用ナット8が緩んだ際には、例えば、突部2bが手摺21,22の中桟21c,22cに引っ掛かり、連結金具10Aが落下するのを防止できる。
【0031】
また、図1(A),(B)及び図2に示された例では、第1の長形部材1及び第2の長形部材2がともに水平な状態で取り付けられているが、これに限らない。第1の長形部材1及び第2の長形部材2が正面視において斜めの状態で取り付けられていてもよいし、第1の長形部材1と第2の長形部材2とがねじれ状態(互いの長手方向に延びる中心線がねじれの位置となる状態)で取り付けられてもよい。
【0032】
例えば、第1の長形部材1及び第2の長形部材2を平行でかつ正面視において斜めの状態で取り付けたり、第1の長形部材1と第2の長形部材2とをねじれ状態で取り付けることにより、上から見て手摺21,22からのはみ出し部分を少なくすることができ、作業者等の邪魔になるのを防止できる。
【0033】
図3(A)は、本実施形態における第2構成例の手摺用連結金具が手摺に取り付けられたときの状態を上から見た図であり、図3(B)は、同手摺用連結金具の正面図である。
【0034】
この第2構成例の手摺用連結金具10Bにおいて、前述の手摺用連結金具10Aとの相違点は、支持部材3a,3bを支持部材3A,3Bに変更した点と、締付け機構6Aを締付け機構6Bに変更した点であり、他の構成は前述の手摺用連結金具10Aと同様である。第2構成例においても第1構成例と同様の効果が得られる。
【0035】
支持部材3A,3Bは、手摺21,22(図2)の隣接する2つの脚部21b,22bの間隔を所定間隔に維持するように第1の長形部材1側から脚部21b,22bを支持する部材であり、脚部21b,22bの側面と複数の縦線状に接触するように上から見てV字状に形成されている。なお、他の例として、支持部材3A,3Bは上から見て例えばU字状に形成されていてもよい。このように各支持部材3A,3Bは、上から見てV字状(またはU字状等)の面で各脚部21b,22bを支持することにより、支持する各脚部21b,22bにおいて、2つの脚部21b,22bの並び方向への移動を規制し、2つの脚部21b,22bの間隔を所定間隔に維持することができる。
【0036】
締付け機構6Bは、第2の長形部材2に固定されたナット11とこれと螺合する締め付け用ボルト12とを有し、2つの支持部材3A,3Bで支持される2つの脚部21b,22bの間を通って第1の長形部材1と第2の長形部材2との間を連結し、この間の間隔を調整可能に構成されている。すなわち、締付け機構6Bは、締め付け用ボルト12を締める方向に回転(例えば右回転)させて第1の長形部材1と第2の長形部材2との間の間隔を狭くすることにより、第1の長形部材1と第2の長形部材2との締め付けを可能にし、締め付け用ボルト12を緩める方向に回転(例えば左回転)させて上記間隔を広くすることにより上記締め付けを解除することができる。
【0037】
本例では、ナット11に高ナットを用い、締め付け用ボルト12に蝶ボルトを用いているが、これに限らない。ナット11は、第2の長形部材2(主板部2a)の長手方向中央部分の第1の長形部材1側の面に、例えば溶接によって固定されており、締め付け用ボルト12のおねじ部12mが第1の長形部材1の長穴P2に挿通し、おねじ部12mの先端側部分がナット11と螺合するようになっている。
【0038】
なお、第1構成例において、支持部材3a,3bを支持部材3A,3B等に変更した構成としてもよく、また、第2構成例において、支持部材3A,3Bを支持部材3a,3bに変更した構成としてもよい。
【0039】
また、第1,第2構成例において、2つの支持部材(3a,3b/3A,3B)と第2の長形部材2とのうち少なくとも一方の脚部(21b,22b)と接する側の面に、滑り止め塗料を塗布しておいてもよいし、ゴムシート等のゴム材を貼り付けておいてもよい。
【0040】
また、第1,第2構成例では、第1の長形部材1に3つの長穴P1~P3が設けられているが、これに限らず、2つの支持部材(3a,3b/3A,3B)間の間隔を調整できればよい。さらには、第1,第2構成例のように各支持部材(3a,3b/3A,3B)が、正面視において、脚部21b,22bに対する第1の長形部材1の角度を調整可能に構成されていることが好ましい。言い換えれば、各支持部材(3a,3b/3A,3B)は、第1の長形部材1の長手方向と垂直で、かつ同支持部材を貫通する水平軸線(おねじ部4の中心軸線)を中心に回転可能に第1の長形部材1に取り付けられていることが好ましい。
【0041】
ここで、例えば、3つの長穴P1~P3のうちのいずれか1つの長穴を丸穴にしてもよい。例えば、真ん中の長穴P2を丸穴にしてもよい。また、いずれか1つの端の長穴(例えばP1)を丸穴にしてもよく、さらにこの場合、他の2つの長穴(例えばP2,P3)を連続した1つの長穴にしてもよい。また、3つの長穴P1~P3を連続した1つの長穴にしてもよい。
【0042】
また、第1の構成例では、締付け機構6Aとして、第2の長形部材2の長手方向中央部分の第1の長形部材1側の面に突設され、第1の長形部材1に設けられた挿通穴(P2)を挿通するおねじ部(第1のねじ部材)7と、第1の長形部材1の外側からおねじ部7に螺合するナット(第2のねじ部材)8とを備えた構成としたが、おねじ部7及びナット8が逆に配置された構成でもよい。つまり、締付け機構6Aの変形例として、第1の長形部材1の長手方向中央部分の第2の長形部材2側の面に突設され、第2の長形部材2に設けられた挿通穴(丸穴または長穴)を挿通するおねじ部(第1のねじ部材)と、第2の長形部材2の外側から上記おねじ部に螺合するナット(第2のねじ部材)とを備えた構成としてもよい。この場合、第1の長形部材1に真ん中の長穴P2は設けない。この変形例の場合も、前述の締付け機構6Aの場合と同様、おねじ部(第1のねじ部材)を、例えば、寸切りボルトで構成してもよいし、六角ボルト等の軸部で構成するようにしてもよい。
【0043】
また、第2の構成例では、締付け機構6Bとして、第2の長形部材2の長手方向中央部分の第1の長形部材1側の面に固設されたナット(第1のねじ部材)11と、第1の長形部材1に設けられた挿通穴(P2)を挿通してナット11に螺合するボルト(第2のねじ部材)12とを備えた構成としたが、ナット11及びボルト12が逆に配置された構成でもよい。つまり、締付け機構6Bの変形例として、第1の長形部材1の長手方向中央部分の第2の長形部材2側の面に固設されたナット(第1のねじ部材)と、第2の長形部材2の外側から第2の長形部材2に設けられた挿通穴(丸穴または長穴)を挿通して上記ナットに螺合するボルト(第2のねじ部材)とを備えた構成としてもよい。この場合、第1の長形部材1に真ん中の長穴P2は設けない。
【0044】
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、2つの手摺の隣接する脚部への取り付けに要する時間を短縮することができる手摺用連結金具等として有用である。
【符号の説明】
【0046】
1 第1の長形部材
2 第2の長形部材
2b 突部
3a,3b,3A,3B 支持部材
6A,6B 締付け機構
7 おねじ部
8 ナット
10A,10B 手摺用連結金具
11 ナット
12 ボルト
21,22 手摺
21a,22a 手摺部
21b,22b 脚部
P1~P3 長穴
図1
図2
図3
図4