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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-07
(45)【発行日】2024-08-16
(54)【発明の名称】基板処理装置、及び、基板処理方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/02 20060101AFI20240808BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20240808BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
H01L21/02 Z
H01L21/304 648A
H01L21/304 651B
H01L21/30 564C
H01L21/30 569C
【請求項の数】 28
(21)【出願番号】P 2020155288
(22)【出願日】2020-09-16
(65)【公開番号】P2022049201
(43)【公開日】2022-03-29
【審査請求日】2023-06-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】弁理士法人あい特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】中島 恵
(72)【発明者】
【氏名】後藤 茂宏
(72)【発明者】
【氏名】金山 幸司
【審査官】小池 英敏
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-053550(JP,A)
【文献】特開2020-047847(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0010736(KR,A)
【文献】国際公開第2013/011920(WO,A1)
【文献】特開2019-140195(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/02
H01L 21/304
H01L 21/027
G05B 19/418
G05B 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の処理対象基板をそれぞれ処理する複数の処理ユニットと、
前記処理ユニットに対して前記処理対象基板の搬入及び搬出を行う搬送機構と、
前記複数の処理ユニット及び前記搬送機構を制御する制御ユニットと
を備え、
前記制御ユニットは、前記複数の処理ユニットのうちから、前記複数の処理ユニットのそれぞれによる複数の基板の処理結果に基づいて選択された1以上の処理ユニットによって前記処理対象基板の各々を処理するように、前記1以上の処理ユニット及び前記搬送機構を制御
前記制御ユニットは、前記複数の処理ユニットによる前記複数の基板の処理結果をそれぞれ示す複数の処理結果情報に基づいて、前記複数の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板の各々を処理するために使用する前記1以上の処理ユニットを選択する第1選択部を含み、
前記複数の処理ユニットは、所定数の処理ユニットを含み、
前記第1選択部は、前記所定数の処理ユニットによる前記所定数の前記基板の処理結果をそれぞれ示す前記所定数の前記処理結果情報に基づいて、前記所定数の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板の各々を処理するために使用する前記1以上の処理ユニットを選択し、
前記制御ユニットは、前記所定数の処理ユニットのうちから選択される前記1以上の処理ユニットを使用するか、又は、前記所定数の処理ユニットの全てを使用するかを選択する第2選択部をさらに含む、基板処理装置。
【請求項2】
複数の処理対象基板をそれぞれ処理する複数の処理ユニットと、
前記処理ユニットに対して前記処理対象基板の搬入及び搬出を行う搬送機構と、
前記複数の処理ユニット及び前記搬送機構を制御する制御ユニットと
を備え、
前記制御ユニットは、前記複数の処理ユニットのうちから、前記複数の処理ユニットのそれぞれによる複数の基板の処理結果に基づいて選択された1以上の処理ユニットによって前記処理対象基板の各々を処理するように、前記1以上の処理ユニット及び前記搬送機構を制御し、
前記制御ユニットは、前記複数の処理ユニットによる前記複数の基板の処理結果をそれぞれ示す複数の処理結果情報に基づいて、前記複数の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板の各々を処理するために使用する前記1以上の処理ユニットを選択する第1選択部を含み、
前記第1選択部は、互いに異なる複数の解析アルゴリズムによって前記複数の処理結果情報を解析して、前記解析アルゴリズムごとに、前記複数の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板の各々を処理するために使用する前記1以上の処理ユニットを選択する、基板処理装置。
【請求項3】
複数の処理対象基板をそれぞれ処理する複数の処理ユニットと、
前記処理ユニットに対して前記処理対象基板の搬入及び搬出を行う搬送機構と、
前記複数の処理ユニット及び前記搬送機構を制御する制御ユニットと
を備え、
前記制御ユニットは、前記複数の処理ユニットのうちから、前記複数の処理ユニットのそれぞれによる複数の基板の処理結果に基づいて選択された1以上の処理ユニットによって前記処理対象基板の各々を処理するように、前記1以上の処理ユニット及び前記搬送機構を制御し、
前記制御ユニットは、前記複数の処理ユニットによる前記複数の基板の処理結果をそれぞれ示す複数の処理結果情報に基づいて、前記複数の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板の各々を処理するために使用する前記1以上の処理ユニットを選択する第1選択部を含み、
前記複数の処理ユニットは、複数の一連工程を並行して実行し、
前記複数の一連工程の各々は、順次実行される複数の処理工程を含み、
前記複数の処理ユニットは、前記複数の一連工程の相互間において、処理内容が同一の2以上の前記処理工程をそれぞれ実行する2以上の処理ユニットを含み、
前記第1選択部は、前記処理内容が同一の前記2以上の処理ユニットによる2以上の前記基板の処理結果をそれぞれ示す2以上の前記処理結果情報に基づいて、前記処理内容が同一の前記2以上の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板の各々を処理するために使用する前記1以上の処理ユニットを選択する、基板処理装置。
【請求項4】
複数の学習データに対して機械学習を実行することで構築される学習モデルを記憶する記憶ユニットをさらに備え、
前記複数の学習データの各々は、学習対象基板の処理結果を示す処理結果情報と、前記学習対象基板の処理結果に対する評価を示す評価情報とを含み、
前記第1選択部は、前記学習モデルに対して、前記2以上の処理結果情報の各々を入力情報として入力して、前記学習モデルから、前記2以上の基板の各々の処理結果に対する評価を示す評価情報を出力情報として取得し、取得した2以上の前記評価情報に基づいて、前記2以上の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板の各々を処理するために使用する前記1以上の処理ユニットを選択する、請求項に記載の基板処理装置。
【請求項5】
複数の処理対象基板をそれぞれ処理する複数の処理ユニットと、
前記処理ユニットに対して前記処理対象基板の搬入及び搬出を行う搬送機構と、
前記複数の処理ユニット及び前記搬送機構を制御する制御ユニットと
を備え、
前記制御ユニットは、前記複数の処理ユニットのうちから、前記複数の処理ユニットのそれぞれによる複数の基板の処理結果に基づいて選択された1以上の処理ユニットによって前記処理対象基板の各々を処理するように、前記1以上の処理ユニット及び前記搬送機構を制御し、
前記制御ユニットは、前記複数の処理ユニットによる前記複数の基板の処理結果をそれぞれ示す複数の処理結果情報に基づいて、前記複数の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板の各々を処理するために使用する前記1以上の処理ユニットを選択する第1選択部を含み、
前記複数の処理ユニットは、複数の一連工程を並行して実行し、
前記複数の一連工程の各々は、処理内容が相異する複数の処理工程を含み、
前記複数の処理ユニットは、前記処理内容が相異する前記複数の処理工程を順次実行する2以上の処理ユニットを含み、
前記第1選択部は、前記処理内容が相異する前記2以上の処理ユニットによる前記基板の処理結果をそれぞれ示す2以上の前記処理結果情報に基づいて、前記処理内容が相異する前記2以上の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板を処理するために使用する前記1以上の処理ユニットを選択する、基板処理装置。
【請求項6】
複数の学習データに対して機械学習を実行することで構築される学習モデルを記憶する記憶ユニットをさらに備え、
前記複数の学習データの各々は、前記処理内容が相異する前記2以上の処理ユニットによる学習対象基板の処理結果をそれぞれ示す2以上の処理結果情報を含み、
前記学習モデルは、前記2以上の処理結果情報の各々を入力情報として入力して、前記2以上の処理結果情報をクラスタリングし、クラスタリングの結果を示すクラスタリング情報を出力情報として出力し、
前記第1選択部は、前記学習モデルから取得した前記クラスタリング情報に基づいて、前記2以上の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板を処理するために使用する前記1以上の処理ユニットを選択する、請求項に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記第1選択部は、前記処理内容が相異する前記複数の処理工程のうち、所定の処理工程よりも前段で実行される処理工程で得られる前記処理結果情報が、前記所定の処理工程で得られる前記処理結果情報と同じクラスタに属するか否かを、前記クラスタリング情報に基づいて判定し、判定結果に基づいて、前記2以上の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板を処理するために使用する前記1以上の処理ユニットを選択する、請求項に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記複数の処理ユニットは、前記複数の一連工程の相互間において、前記処理内容が同一の2以上の前記処理工程をそれぞれ実行する2以上の処理ユニットを含み、
前記所定の処理工程よりも前段で実行される前記処理工程で得られた前記処理結果情報が、前記所定の処理工程で得られた前記処理結果情報と同じクラスタに属する場合、前記前段で実行される処理工程と前記処理内容が同一の前記処理工程で得られる前記処理結果情報が、前記前段で実行される処理工程で得られた前記処理結果情報に対して、相関があるか否かを、前記第1選択部は判定し、判定結果に基づいて、前記処理内容が同一の前記2以上の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板を処理するために使用する前記1以上の処理ユニットを選択する、請求項に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記第1選択部は、前記複数の処理結果情報に基づいて、前記複数の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板の各々を処理するために使用する前記1以上の処理ユニットを、使用の優先順位を付けて選択する、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項10】
複数の処理対象基板をそれぞれ処理する複数の処理ユニットと、
前記処理ユニットに対して前記処理対象基板の搬入及び搬出を行う搬送機構と、
前記複数の処理ユニット及び前記搬送機構を制御する制御ユニットと
を備え、
前記制御ユニットは、前記複数の処理ユニットのうちから、前記複数の処理ユニットのそれぞれによる複数の基板の処理結果に基づいて選択された1以上の処理ユニットによって前記処理対象基板の各々を処理するように、前記1以上の処理ユニット及び前記搬送機構を制御し、
前記制御ユニットは、前記複数の処理ユニットによる前記複数の基板の処理結果をそれぞれ示す複数の処理結果情報に基づいて、前記複数の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板の各々を処理するために使用する前記1以上の処理ユニットを選択する第1選択部を含み、
前記第1選択部は、
前記複数の処理結果情報に基づいて、前記複数の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板の各々を処理するために使用する前記1以上の処理ユニットを、使用の優先順位を付けて選択し、
予め定められた優先順位より低い優先順位の前記処理ユニットによって処理される前記処理対象基板を品質検査の対象に設定する、基板処理装置。
【請求項11】
前記複数の処理結果情報の各々は、前記基板の表面における処理液に対する接触角と、前記接触角に基づく数値と、前記基板に形成された膜の膜厚と、前記膜厚に基づく数値と、前記基板の表面における熱処理後の温度と、前記温度に基づく数値と、前記基板の表面におけるパターンの線幅と、前記線幅に基づく数値と、前記基板の表面におけるパーティクル数と、前記パーティクル数に基づく数値と、前記基板の表面におけるパターンの倒壊数と、前記倒壊数に基づく数値と、前記基板のエッジのカット幅とのうちの少なくとも1つを示す、請求項から請求項10のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記接触角、前記膜厚、前記温度、前記線幅、前記パーティクル数、前記倒壊数、又は、前記カット幅を測定する測定ユニットをさらに備える、請求項11に記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記第1選択部は、前記複数の処理結果情報に基づいて、前記複数の処理ユニットのうちから、不使用対象の処理ユニットを決定する、請求項から請求項12のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項14】
前記制御ユニットは、
前記不使用対象の処理ユニットによる前記基板の処理結果を示す前記処理結果情報を解析する解析部と、
前記処理結果情報の解析結果に基づいて、前記不使用対象の処理ユニットを調節し、前記不使用対象の処理ユニットを使用対象の処理ユニットに復帰させる調節部と
をさらに含む、請求項13に記載の基板処理装置。
【請求項15】
複数の処理対象基板をそれぞれ処理する複数の処理ユニットと、前記処理ユニットに対して前記処理対象基板の搬入及び搬出を行う搬送機構とを備える基板処理装置によって実行される基板処理方法であって、
前記複数の処理ユニットによる複数の基板の処理結果をそれぞれ示す複数の処理結果情報に基づいて、前記複数の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板の各々を処理するために使用する1以上の処理ユニットを選択する工程と、
前記複数の処理ユニットのうちから、前記複数の処理結果情報に基づいて選択された前記1以上の処理ユニットによって前記処理対象基板の各々を処理するように、前記1以上の処理ユニット及び前記搬送機構を制御する工程と、
前記処理対象基板を処理する工程と
を含
前記複数の処理ユニットは、所定数の処理ユニットを含み、
前記処理ユニットを選択する前記工程では、前記所定数の処理ユニットによる前記所定数の前記基板の処理結果をそれぞれ示す前記所定数の前記処理結果情報に基づいて、前記所定数の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板の各々を処理するために使用する前記1以上の処理ユニットを選択し、
前記基板処理方法は、
前記所定数の処理ユニットのうちから選択される前記1以上の処理ユニットを使用するか、又は、前記所定数の処理ユニットの全てを使用するかを選択する工程をさらに含む、基板処理方法。
【請求項16】
複数の処理対象基板をそれぞれ処理する複数の処理ユニットと、前記処理ユニットに対して前記処理対象基板の搬入及び搬出を行う搬送機構とを備える基板処理装置によって実行される基板処理方法であって、
前記複数の処理ユニットによる複数の基板の処理結果をそれぞれ示す複数の処理結果情報に基づいて、前記複数の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板の各々を処理するために使用する1以上の処理ユニットを選択する工程と、
前記複数の処理ユニットのうちから、前記複数の処理結果情報に基づいて選択された前記1以上の処理ユニットによって前記処理対象基板の各々を処理するように、前記1以上の処理ユニット及び前記搬送機構を制御する工程と、
前記処理対象基板を処理する工程と
を含み、
前記処理ユニットを選択する前記工程では、互いに異なる複数の解析アルゴリズムによって前記複数の処理結果情報を解析して、前記解析アルゴリズムごとに、前記複数の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板の各々を処理するために使用する前記1以上の処理ユニットを選択する、基板処理方法。
【請求項17】
複数の処理対象基板をそれぞれ処理する複数の処理ユニットと、前記処理ユニットに対して前記処理対象基板の搬入及び搬出を行う搬送機構とを備える基板処理装置によって実行される基板処理方法であって、
前記複数の処理ユニットによる複数の基板の処理結果をそれぞれ示す複数の処理結果情報に基づいて、前記複数の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板の各々を処理するために使用する1以上の処理ユニットを選択する工程と、
前記複数の処理ユニットのうちから、前記複数の処理結果情報に基づいて選択された前記1以上の処理ユニットによって前記処理対象基板の各々を処理するように、前記1以上の処理ユニット及び前記搬送機構を制御する工程と、
前記処理対象基板を処理する工程と
を含み、
前記複数の処理ユニットによって、複数の一連工程が並行して実行され、
前記複数の一連工程の各々は、順次実行される複数の処理工程を含み、
前記複数の処理ユニットは、前記複数の一連工程の相互間において、処理内容が同一の2以上の前記処理工程をそれぞれ実行する2以上の処理ユニットを含み、
前記処理ユニットを選択する前記工程では、前記処理内容が同一の前記2以上の処理ユニットによる2以上の前記基板の処理結果をそれぞれ示す2以上の前記処理結果情報に基づいて、前記処理内容が同一の前記2以上の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板の各々を処理するために使用する前記1以上の処理ユニットを選択する、基板処理方法。
【請求項18】
学習モデルが学習する複数の学習データの各々は、学習対象基板の処理結果を示す処理結果情報と、前記学習対象基板の処理結果に対する評価を示す評価情報とを含み、
前記学習モデルは、前記複数の学習データに対して機械学習を実行することで構築されており、
前記処理ユニットを選択する前記工程では、前記学習モデルに対して、前記2以上の処理結果情報の各々を入力情報として入力して、前記学習モデルから、前記2以上の基板の各々の処理結果に対する評価を示す評価情報を出力情報として取得し、取得した2以上の前記評価情報に基づいて、前記2以上の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板の各々を処理するために使用する前記1以上の処理ユニットを選択する、請求項17に記載の基板処理方法。
【請求項19】
複数の処理対象基板をそれぞれ処理する複数の処理ユニットと、前記処理ユニットに対して前記処理対象基板の搬入及び搬出を行う搬送機構とを備える基板処理装置によって実行される基板処理方法であって、
前記複数の処理ユニットによる複数の基板の処理結果をそれぞれ示す複数の処理結果情報に基づいて、前記複数の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板の各々を処理するために使用する1以上の処理ユニットを選択する工程と、
前記複数の処理ユニットのうちから、前記複数の処理結果情報に基づいて選択された前記1以上の処理ユニットによって前記処理対象基板の各々を処理するように、前記1以上の処理ユニット及び前記搬送機構を制御する工程と、
前記処理対象基板を処理する工程と
を含み、
前記複数の処理ユニットによって、複数の一連工程が並行して実行され、
前記複数の一連工程の各々は、処理内容が相異する複数の処理工程を含み、
前記複数の処理ユニットは、前記処理内容が相異する前記複数の処理工程を順次実行する2以上の処理ユニットを含み、
前記処理ユニットを選択する前記工程では、前記処理内容が相異する前記2以上の処理ユニットによる前記基板の処理結果をそれぞれ示す2以上の前記処理結果情報に基づいて、前記処理内容が相異する前記2以上の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板を処理するために使用する前記1以上の処理ユニットを選択する、基板処理方法。
【請求項20】
学習モデルに学習させる複数の学習データの各々は、前記処理内容が相異する前記2以上の処理ユニットによる学習対象基板の処理結果をそれぞれ示す2以上の処理結果情報を含み、
前記学習モデルは、前記複数の学習データに対して機械学習を実行することで構築されており、
前記学習モデルは、前記2以上の処理結果情報の各々を入力情報として入力して、前記2以上の処理結果情報をクラスタリングし、クラスタリングの結果を示すクラスタリング情報を出力情報として出力し、
前記処理ユニットを選択する前記工程では、前記学習モデルから取得した前記クラスタリング情報に基づいて、前記2以上の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板を処理するために使用する前記1以上の処理ユニットを選択する、請求項19に記載の基板処理方法。
【請求項21】
前記処理ユニットを選択する前記工程では、前記処理内容が相異する前記複数の処理工程のうち、所定の処理工程よりも前段で実行される処理工程で得られる前記処理結果情報が、前記所定の処理工程で得られる前記処理結果情報と同じクラスタに属するか否かを、前記クラスタリング情報に基づいて判定し、判定結果に基づいて、前記2以上の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板を処理するために使用する前記1以上の処理ユニットを選択する、請求項20に記載の基板処理方法。
【請求項22】
前記複数の処理ユニットは、前記複数の一連工程の相互間において、前記処理内容が同一の2以上の前記処理工程をそれぞれ実行する2以上の処理ユニットを含み、
前記処理ユニットを選択する前記工程では、
前記所定の処理工程よりも前段で実行される前記処理工程で得られた前記処理結果情報が、前記所定の処理工程で得られた前記処理結果情報と同じクラスタに属する場合、前記前段で実行される処理工程と前記処理内容が同一の前記処理工程で得られる前記処理結果情報が、前記前段で実行される処理工程で得られた前記処理結果情報に対して、相関があるか否かを判定し、判定結果に基づいて、前記処理内容が同一の前記2以上の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板を処理するために使用する前記1以上の処理ユニットを選択する、請求項21に記載の基板処理方法。
【請求項23】
前記処理ユニットを選択する前記工程では、前記複数の処理結果情報に基づいて、前記複数の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板の各々を処理するために使用する前記1以上の処理ユニットを、使用の優先順位を付けて選択する、請求項15から請求項22のいずれか1項に記載の基板処理方法。
【請求項24】
複数の処理対象基板をそれぞれ処理する複数の処理ユニットと、前記処理ユニットに対して前記処理対象基板の搬入及び搬出を行う搬送機構とを備える基板処理装置によって実行される基板処理方法であって、
前記複数の処理ユニットによる複数の基板の処理結果をそれぞれ示す複数の処理結果情報に基づいて、前記複数の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板の各々を処理するために使用する1以上の処理ユニットを選択する工程と、
前記複数の処理ユニットのうちから、前記複数の処理結果情報に基づいて選択された前記1以上の処理ユニットによって前記処理対象基板の各々を処理するように、前記1以上の処理ユニット及び前記搬送機構を制御する工程と、
前記処理対象基板を処理する工程と
を含み、
前記処理ユニットを選択する前記工程では、前記複数の処理結果情報に基づいて、前記複数の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板の各々を処理するために使用する前記1以上の処理ユニットを、使用の優先順位を付けて選択し、
前記基板処理方法は、
予め定められた優先順位より低い優先順位の前記処理ユニットによって処理される前記処理対象基板を品質検査の対象に設定する工程をさらに含む、基板処理方法。
【請求項25】
前記複数の処理結果情報の各々は、前記基板の表面における処理液に対する接触角と、前記接触角に基づく数値と、前記基板に形成された膜の膜厚と、前記膜厚に基づく数値と、前記基板の表面における熱処理後の温度と、前記温度に基づく数値と、前記基板の表面におけるパターンの線幅と、前記線幅に基づく数値と、前記基板の表面におけるパーティクル数と、前記パーティクル数に基づく数値と、前記基板の表面におけるパターンの倒壊数と、前記倒壊数に基づく数値と、前記基板のエッジのカット幅とのうちの少なくとも1つを示す、請求項15から請求項24のいずれか1項に記載の基板処理方法。
【請求項26】
前記接触角、前記膜厚、前記温度、前記線幅、前記パーティクル数、前記倒壊数、又は、前記カット幅を測定する工程をさらに含む、請求項25に記載の基板処理方法。
【請求項27】
前記処理ユニットを選択する前記工程では、前記複数の処理結果情報に基づいて、前記複数の処理ユニットのうちから、不使用対象の処理ユニットを決定する、請求項15から請求項26のいずれか1項に記載の基板処理方法。
【請求項28】
前記不使用対象の処理ユニットによる前記基板の処理結果を示す前記処理結果情報を解析する工程と、
前記処理結果情報の解析結果に基づいて、前記不使用対象の処理ユニットを調節し、前記不使用対象の処理ユニットを使用対象の処理ユニットに復帰させる工程と
をさらに含む、請求項27に記載の基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置、基板処理方法、選択装置、選択方法、学習モデル生成方法、及び、学習モデルに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されている基板処理装置は、基板を収容するキャリアを保持するキャリア保持部と、基板を処理する複数の処理ユニットと、キャリアと処理ユニットとの間で基板を搬送する基板搬送ユニットと、コンピューターとを備える。コンピューターは、複数の処理ユニットを複数のグループに分類しており、基板を処理すべき処理ユニットを決定するときに、複数のグループのうちの1つを選択する。さらに、コンピューターは、選択されたグループに属する1つの処理ユニットを選択し、選択された処理ユニットに基板を搬入するように基板搬送ユニットを制御する。その結果、複数の処理ユニットの使用頻度のばらつきを低減できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-183545号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されている基板処理装置では、処理ユニットの使用頻度のばらつきにだけ着目している。
【0005】
これに対して、本願の発明者は、複数の処理ユニット間で処理特性がばらつくことの可能性に着目した。そして、本願の発明者は、処理特性がばらついている場合であっても複数の基板間での処理の均一性を向上するための鋭意研究を行った。
【0006】
本発明の目的は、複数の基板間での処理の均一性を向上できる基板処理装置、基板処理方法、選択装置、選択方法、学習モデル生成方法、及び、学習モデルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面によれば、基板処理装置は、複数の処理ユニットと、搬送機構と、制御ユニットとを備える。複数の処理ユニットは、複数の処理対象基板をそれぞれ処理する。搬送機構は、前記処理ユニットに対して前記処理対象基板の搬入及び搬出を行う。制御ユニットは、前記複数の処理ユニット及び前記搬送機構を制御する。前記制御ユニットは、前記複数の処理ユニットのうちから、前記複数の処理ユニットのそれぞれによる複数の基板の処理結果に基づいて選択された1以上の処理ユニットによって前記処理対象基板の各々を処理するように、前記1以上の処理ユニット及び前記搬送機構を制御する。前記制御ユニットは、第1選択部を含む。第1選択部は、前記複数の処理ユニットによる前記複数の基板の処理結果をそれぞれ示す複数の処理結果情報に基づいて、前記複数の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板の各々を処理するために使用する前記1以上の処理ユニットを選択する。前記複数の処理ユニットは、所定数の処理ユニットを含む。前記第1選択部は、前記所定数の処理ユニットによる前記所定数の前記基板の処理結果をそれぞれ示す前記所定数の前記処理結果情報に基づいて、前記所定数の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板の各々を処理するために使用する前記1以上の処理ユニットを選択する。前記制御ユニットは、第2選択部をさらに含む。第2選択部は、前記所定数の処理ユニットのうちから選択される前記1以上の処理ユニットを使用するか、又は、前記所定数の処理ユニットの全てを使用するかを選択する。
【0008】
本発明の他の局面によれば、基板処理装置は、複数の処理ユニットと、搬送機構と、制御ユニットとを備える。複数の処理ユニットは、複数の処理対象基板をそれぞれ処理する。搬送機構は、前記処理ユニットに対して前記処理対象基板の搬入及び搬出を行う。制御ユニットは、前記複数の処理ユニット及び前記搬送機構を制御する。前記制御ユニットは、前記複数の処理ユニットのうちから、前記複数の処理ユニットのそれぞれによる複数の基板の処理結果に基づいて選択された1以上の処理ユニットによって前記処理対象基板の各々を処理するように、前記1以上の処理ユニット及び前記搬送機構を制御する。前記制御ユニットは、第1選択部を含む。第1選択部は、前記複数の処理ユニットによる前記複数の基板の処理結果をそれぞれ示す複数の処理結果情報に基づいて、前記複数の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板の各々を処理するために使用する前記1以上の処理ユニットを選択する。前記第1選択部は、互いに異なる複数の解析アルゴリズムによって前記複数の処理結果情報を解析して、前記解析アルゴリズムごとに、前記複数の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板の各々を処理するために使用する前記1以上の処理ユニットを選択する。
【0009】
本発明の更に他の局面によれば、基板処理装置は、複数の処理ユニットと、搬送機構と、制御ユニットとを備える。複数の処理ユニットは、複数の処理対象基板をそれぞれ処理する。搬送機構は、前記処理ユニットに対して前記処理対象基板の搬入及び搬出を行う。制御ユニットは、前記複数の処理ユニット及び前記搬送機構を制御する。前記制御ユニットは、前記複数の処理ユニットのうちから、前記複数の処理ユニットのそれぞれによる複数の基板の処理結果に基づいて選択された1以上の処理ユニットによって前記処理対象基板の各々を処理するように、前記1以上の処理ユニット及び前記搬送機構を制御する。前記制御ユニットは、第1選択部を含む。第1選択部は、前記複数の処理ユニットによる前記複数の基板の処理結果をそれぞれ示す複数の処理結果情報に基づいて、前記複数の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板の各々を処理するために使用する前記1以上の処理ユニットを選択する。前記複数の処理ユニットは、複数の一連工程を並行して実行する。前記複数の一連工程の各々は、順次実行される複数の処理工程を含む。前記複数の処理ユニットは、前記複数の一連工程の相互間において、処理内容が同一の2以上の前記処理工程をそれぞれ実行する2以上の処理ユニットを含む。前記第1選択部は、前記処理内容が同一の前記2以上の処理ユニットによる2以上の前記基板の処理結果をそれぞれ示す2以上の前記処理結果情報に基づいて、前記処理内容が同一の前記2以上の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板の各々を処理するために使用する前記1以上の処理ユニットを選択する。
【0010】
本発明の基板処理装置は、記憶ユニットをさらに備える。記憶ユニットは、複数の学習データに対して機械学習を実行することで構築される学習モデルを記憶する。前記複数の学習データの各々は、学習対象基板の処理結果を示す処理結果情報と、前記学習対象基板の処理結果に対する評価を示す評価情報とを含む。前記第1選択部は、前記学習モデルに対して、前記2以上の処理結果情報の各々を入力情報として入力して、前記学習モデルから、前記2以上の基板の各々の処理結果に対する評価を示す評価情報を出力情報として取得し、取得した2以上の前記評価情報に基づいて、前記2以上の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板の各々を処理するために使用する前記1以上の処理ユニットを選択する。
【0011】
本発明の更に他の局面によれば、基板処理装置は、複数の処理ユニットと、搬送機構と、制御ユニットとを備える。複数の処理ユニットは、複数の処理対象基板をそれぞれ処理する。搬送機構は、前記処理ユニットに対して前記処理対象基板の搬入及び搬出を行う。制御ユニットは、前記複数の処理ユニット及び前記搬送機構を制御する。前記制御ユニットは、前記複数の処理ユニットのうちから、前記複数の処理ユニットのそれぞれによる複数の基板の処理結果に基づいて選択された1以上の処理ユニットによって前記処理対象基板の各々を処理するように、前記1以上の処理ユニット及び前記搬送機構を制御する。前記制御ユニットは、第1選択部を含む。第1選択部は、前記複数の処理ユニットによる前記複数の基板の処理結果をそれぞれ示す複数の処理結果情報に基づいて、前記複数の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板の各々を処理するために使用する前記1以上の処理ユニットを選択する。前記複数の処理ユニットは、複数の一連工程を並行して実行する。前記複数の一連工程の各々は、処理内容が相異する複数の処理工程を含む。前記複数の処理ユニットは、前記処理内容が相異する前記複数の処理工程を順次実行する2以上の処理ユニットを含む。前記第1選択部は、前記処理内容が相異する前記2以上の処理ユニットによる前記基板の処理結果をそれぞれ示す2以上の前記処理結果情報に基づいて、前記処理内容が相異する前記2以上の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板を処理するために使用する前記1以上の処理ユニットを選択する。
【0012】
本発明の基板処理装置は、記憶ユニットをさらに備える。記憶ユニットは、複数の学習データに対して機械学習を実行することで構築される学習モデルを記憶する。前記複数の学習データの各々は、前記処理内容が相異する前記2以上の処理ユニットによる学習対象基板の処理結果をそれぞれ示す2以上の処理結果情報を含む。前記学習モデルは、前記2以上の処理結果情報の各々を入力情報として入力して、前記2以上の処理結果情報をクラスタリングし、クラスタリングの結果を示すクラスタリング情報を出力情報として出力する。前記第1選択部は、前記学習モデルから取得した前記クラスタリング情報に基づいて、前記2以上の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板を処理するために使用する前記1以上の処理ユニットを選択する。
【0013】
本発明の基板処理装置において、前記第1選択部は、前記処理内容が相異する前記複数の処理工程のうち、所定の処理工程よりも前段で実行される処理工程で得られる前記処理結果情報が、前記所定の処理工程で得られる前記処理結果情報と同じクラスタに属するか否かを、前記クラスタリング情報に基づいて判定し、判定結果に基づいて、前記2以上の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板を処理するために使用する前記1以上の処理ユニットを選択する。
【0014】
本発明の基板処理装置において、前記複数の処理ユニットは、前記複数の一連工程の相互間において、前記処理内容が同一の2以上の前記処理工程をそれぞれ実行する2以上の処理ユニットを含む。前記所定の処理工程よりも前段で実行される前記処理工程で得られた前記処理結果情報が、前記所定の処理工程で得られた前記処理結果情報と同じクラスタに属する場合、前記前段で実行される処理工程と前記処理内容が同一の前記処理工程で得られる前記処理結果情報が、前記前段で実行される処理工程で得られた前記処理結果情報に対して、相関があるか否かを、前記第1選択部は、判定し、判定結果に基づいて、前記処理内容が同一の前記2以上の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板を処理するために使用する前記1以上の処理ユニットを選択する。
【0015】
本発明の基板処理装置において、前記第1選択部は、前記複数の処理結果情報に基づいて、前記複数の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板の各々を処理するために使用する前記1以上の処理ユニットを、使用の優先順位を付けて選択する。
【0016】
本発明の更に他の局面によれば、基板処理装置は、複数の処理ユニットと、搬送機構と、制御ユニットとを備える。複数の処理ユニットは、複数の処理対象基板をそれぞれ処理する。搬送機構は、前記処理ユニットに対して前記処理対象基板の搬入及び搬出を行う。制御ユニットは、前記複数の処理ユニット及び前記搬送機構を制御する。前記制御ユニットは、前記複数の処理ユニットのうちから、前記複数の処理ユニットのそれぞれによる複数の基板の処理結果に基づいて選択された1以上の処理ユニットによって前記処理対象基板の各々を処理するように、前記1以上の処理ユニット及び前記搬送機構を制御する。前記制御ユニットは、第1選択部を含む。第1選択部は、前記複数の処理ユニットによる前記複数の基板の処理結果をそれぞれ示す複数の処理結果情報に基づいて、前記複数の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板の各々を処理するために使用する前記1以上の処理ユニットを選択する。前記第1選択部は、前記複数の処理結果情報に基づいて、前記複数の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板の各々を処理するために使用する前記1以上の処理ユニットを、使用の優先順位を付けて選択し、予め定められた優先順位より低い優先順位の前記処理ユニットによって処理される前記処理対象基板を品質検査の対象に設定する。
【0017】
本発明の基板処理装置において、前記複数の処理結果情報の各々は、前記基板の表面における処理液に対する接触角と、前記接触角に基づく数値と、前記基板に形成された膜の膜厚と、前記膜厚に基づく数値と、前記基板の表面における熱処理後の温度と、前記温度に基づく数値と、前記基板の表面におけるパターンの線幅と、前記線幅に基づく数値と、前記基板の表面におけるパーティクル数と、前記パーティクル数に基づく数値と、前記基板の表面におけるパターンの倒壊数と、前記倒壊数に基づく数値と、前記基板のエッジのカット幅とのうちの少なくとも1つを示す。
【0018】
本発明の基板処理装置において、前記接触角、前記膜厚、前記温度、前記線幅、前記パーティクル数、前記倒壊数、又は、前記カット幅を測定する測定ユニットをさらに備える。
【0019】
本発明の基板処理装置において、前記第1選択部は、前記複数の処理結果情報に基づいて、前記複数の処理ユニットのうちから、不使用対象の処理ユニットを決定する。
【0020】
本発明の基板処理装置において、前記制御ユニットは、解析部と、調節部とをさらに含む。解析部は、前記不使用対象の処理ユニットによる前記基板の処理結果を示す前記処理結果情報を解析する。調節部は、前記処理結果情報の解析結果に基づいて、前記不使用対象の処理ユニットを調節し、前記不使用対象の処理ユニットを使用対象の処理ユニットに復帰させる。
【0021】
本発明の更に他の局面によれば、基板処理方法は、複数の処理対象基板をそれぞれ処理する複数の処理ユニットと、前記処理ユニットに対して前記処理対象基板の搬入及び搬出を行う搬送機構とを備える基板処理装置によって実行される。基板処理方法は、前記複数の処理ユニットによる複数の基板の処理結果をそれぞれ示す複数の処理結果情報に基づいて、前記複数の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板の各々を処理するために使用する1以上の処理ユニットを選択する工程と、前記複数の処理ユニットのうちから、前記複数の処理結果情報に基づいて選択された前記1以上の処理ユニットによって前記処理対象基板の各々を処理するように、前記1以上の処理ユニット及び前記搬送機構を制御する工程と、前記処理対象基板を処理する工程とを含む。前記複数の処理ユニットは、所定数の処理ユニットを含む。前記処理ユニットを選択する前記工程では、前記所定数の処理ユニットによる前記所定数の前記基板の処理結果をそれぞれ示す前記所定数の前記処理結果情報に基づいて、前記所定数の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板の各々を処理するために使用する前記1以上の処理ユニットを選択する。前記基板処理方法は、前記所定数の処理ユニットのうちから選択される前記1以上の処理ユニットを使用するか、又は、前記所定数の処理ユニットの全てを使用するかを選択する工程をさらに含む。
【0022】
本発明の更に他の局面によれば、基板処理方法は、複数の処理対象基板をそれぞれ処理する複数の処理ユニットと、前記処理ユニットに対して前記処理対象基板の搬入及び搬出を行う搬送機構とを備える基板処理装置によって実行される。基板処理方法は、前記複数の処理ユニットによる複数の基板の処理結果をそれぞれ示す複数の処理結果情報に基づいて、前記複数の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板の各々を処理するために使用する1以上の処理ユニットを選択する工程と、前記複数の処理ユニットのうちから、前記複数の処理結果情報に基づいて選択された前記1以上の処理ユニットによって前記処理対象基板の各々を処理するように、前記1以上の処理ユニット及び前記搬送機構を制御する工程と、前記処理対象基板を処理する工程とを含む。前記処理ユニットを選択する前記工程では、互いに異なる複数の解析アルゴリズムによって前記複数の処理結果情報を解析して、前記解析アルゴリズムごとに、前記複数の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板の各々を処理するために使用する前記1以上の処理ユニットを選択する。
【0023】
本発明の更に他の局面によれば、基板処理方法は、複数の処理対象基板をそれぞれ処理する複数の処理ユニットと、前記処理ユニットに対して前記処理対象基板の搬入及び搬出を行う搬送機構とを備える基板処理装置によって実行される。基板処理方法は、前記複数の処理ユニットによる複数の基板の処理結果をそれぞれ示す複数の処理結果情報に基づいて、前記複数の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板の各々を処理するために使用する1以上の処理ユニットを選択する工程と、前記複数の処理ユニットのうちから、前記複数の処理結果情報に基づいて選択された前記1以上の処理ユニットによって前記処理対象基板の各々を処理するように、前記1以上の処理ユニット及び前記搬送機構を制御する工程と、前記処理対象基板を処理する工程とを含む。前記複数の処理ユニットによって、複数の一連工程が並行して実行される。前記複数の一連工程の各々は、順次実行される複数の処理工程を含む。前記複数の処理ユニットは、前記複数の一連工程の相互間において、処理内容が同一の2以上の前記処理工程をそれぞれ実行する2以上の処理ユニットを含む。前記処理ユニットを選択する前記工程では、前記処理内容が同一の前記2以上の処理ユニットによる2以上の前記基板の処理結果をそれぞれ示す2以上の前記処理結果情報に基づいて、前記処理内容が同一の前記2以上の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板の各々を処理するために使用する前記1以上の処理ユニットを選択する。
【0024】
本発明の基板処理方法において、学習モデルが学習する複数の学習データの各々は、学習対象基板の処理結果を示す処理結果情報と、前記学習対象基板の処理結果に対する評価を示す評価情報とを含む。前記学習モデルは、前記複数の学習データに対して機械学習を実行することで構築されている。前記処理ユニットを選択する前記工程では、前記学習モデルに対して、前記2以上の処理結果情報の各々を入力情報として入力して、前記学習モデルから、前記2以上の基板の各々の処理結果に対する評価を示す評価情報を出力情報として取得し、取得した2以上の前記評価情報に基づいて、前記2以上の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板の各々を処理するために使用する前記1以上の処理ユニットを選択する。
【0025】
本発明の更に他の局面によれば、基板処理方法は、複数の処理対象基板をそれぞれ処理する複数の処理ユニットと、前記処理ユニットに対して前記処理対象基板の搬入及び搬出を行う搬送機構とを備える基板処理装置によって実行される。基板処理方法は、前記複数の処理ユニットによる複数の基板の処理結果をそれぞれ示す複数の処理結果情報に基づいて、前記複数の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板の各々を処理するために使用する1以上の処理ユニットを選択する工程と、前記複数の処理ユニットのうちから、前記複数の処理結果情報に基づいて選択された前記1以上の処理ユニットによって前記処理対象基板の各々を処理するように、前記1以上の処理ユニット及び前記搬送機構を制御する工程と、前記処理対象基板を処理する工程とを含む。前記複数の処理ユニットによって、複数の一連工程が並行して実行される。前記複数の一連工程の各々は、処理内容が相異する複数の処理工程を含む。前記複数の処理ユニットは、前記処理内容が相異する前記複数の処理工程を順次実行する2以上の処理ユニットを含む。前記処理ユニットを選択する前記工程では、前記処理内容が相異する前記2以上の処理ユニットによる前記基板の処理結果をそれぞれ示す2以上の前記処理結果情報に基づいて、前記処理内容が相異する前記2以上の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板を処理するために使用する前記1以上の処理ユニットを選択する。
【0026】
本発明の基板処理方法において、学習モデルに学習させる複数の学習データの各々は、前記処理内容が相異する前記2以上の処理ユニットによる学習対象基板の処理結果をそれぞれ示す2以上の処理結果情報を含む。前記学習モデルは、前記複数の学習データに対して機械学習を実行することで構築されている。前記学習モデルは、前記2以上の処理結果情報の各々を入力情報として入力して、前記2以上の処理結果情報をクラスタリングし、クラスタリングの結果を示すクラスタリング情報を出力情報として出力する。前記処理ユニットを選択する前記工程では、前記学習モデルから取得した前記クラスタリング情報に基づいて、前記2以上の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板を処理するために使用する前記1以上の処理ユニットを選択する。
【0027】
本発明の基板処理方法において、前記処理ユニットを選択する前記工程では、前記処理内容が相異する前記複数の処理工程のうち、所定の処理工程よりも前段で実行される処理工程で得られる前記処理結果情報が、前記所定の処理工程で得られる前記処理結果情報と同じクラスタに属するか否かを、前記クラスタリング情報に基づいて判定し、判定結果に基づいて、前記2以上の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板を処理するために使用する前記1以上の処理ユニットを選択する。
【0028】
本発明の基板処理方法において、前記複数の処理ユニットは、前記複数の一連工程の相互間において、前記処理内容が同一の2以上の前記処理工程をそれぞれ実行する2以上の処理ユニットを含む。前記処理ユニットを選択する前記工程では、前記所定の処理工程よりも前段で実行される前記処理工程で得られた前記処理結果情報が、前記所定の処理工程で得られた前記処理結果情報と同じクラスタに属する場合、前記前段で実行される処理工程と前記処理内容が同一の前記処理工程で得られる前記処理結果情報が、前記前段で実行される処理工程で得られた前記処理結果情報に対して、相関があるか否かを判定し、判定結果に基づいて、前記処理内容が同一の前記2以上の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板を処理するために使用する前記1以上の処理ユニットを選択する。
【0029】
本発明の基板処理方法において、前記処理ユニットを選択する前記工程では、前記複数の処理結果情報に基づいて、前記複数の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板の各々を処理するために使用する前記1以上の処理ユニットを、使用の優先順位を付けて選択する。
【0030】
本発明の更に他の局面によれば、基板処理方法は、複数の処理対象基板をそれぞれ処理する複数の処理ユニットと、前記処理ユニットに対して前記処理対象基板の搬入及び搬出を行う搬送機構とを備える基板処理装置によって実行される。基板処理方法は、前記複数の処理ユニットによる複数の基板の処理結果をそれぞれ示す複数の処理結果情報に基づいて、前記複数の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板の各々を処理するために使用する1以上の処理ユニットを選択する工程と、前記複数の処理ユニットのうちから、前記複数の処理結果情報に基づいて選択された前記1以上の処理ユニットによって前記処理対象基板の各々を処理するように、前記1以上の処理ユニット及び前記搬送機構を制御する工程と、前記処理対象基板を処理する工程とを含む。前記処理ユニットを選択する前記工程では、前記複数の処理結果情報に基づいて、前記複数の処理ユニットのうちから、前記処理対象基板の各々を処理するために使用する前記1以上の処理ユニットを、使用の優先順位を付けて選択する。前記基板処理方法は、予め定められた優先順位より低い優先順位の前記処理ユニットによって処理される前記処理対象基板を品質検査の対象に設定する工程をさらに含む。
【0031】
本発明の基板処理方法において、前記複数の処理結果情報の各々は、前記基板の表面における処理液に対する接触角と、前記接触角に基づく数値と、前記基板に形成された膜の膜厚と、前記膜厚に基づく数値と、前記基板の表面における熱処理後の温度と、前記温度に基づく数値と、前記基板の表面におけるパターンの線幅と、前記線幅に基づく数値と、前記基板の表面におけるパーティクル数と、前記パーティクル数に基づく数値と、前記基板の表面におけるパターンの倒壊数と、前記倒壊数に基づく数値と、前記基板のエッジのカット幅とのうちの少なくとも1つを示す。
【0032】
本発明の基板処理方法において、前記接触角、前記膜厚、前記温度、前記線幅、前記パーティクル数、前記倒壊数、又は、前記カット幅を測定する工程をさらに含む。
【0033】
本発明の基板処理方法において、前記処理ユニットを選択する前記工程では、前記複数の処理結果情報に基づいて、前記複数の処理ユニットのうちから、不使用対象の処理ユニットを決定する。
【0034】
本発明の基板処理方法は、前記不使用対象の処理ユニットによる前記基板の処理結果を示す前記処理結果情報を解析する工程と、前記処理結果情報の解析結果に基づいて、前記不使用対象の処理ユニットを調節し、前記不使用対象の処理ユニットを使用対象の処理ユニットに復帰させる工程とをさらに含む。
【発明の効果】
【0045】
本発明によれば、複数の基板間での処理の均一性を向上できる基板処理装置、基板処理方法、選択装置、選択方法、学習モデル生成方法、及び、学習モデルを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】本発明の実施形態1に係る基板処理装置を示す平面図である。
図2】実施形態1に係る基板処理装置の塗布処理部、現像処理部、及び、洗浄乾燥処理部を、図1中の方向D1から見た図である。
図3】実施形態1に係る基板処理装置の熱処理部、及び、洗浄乾燥処理部を、図1中の方向D1から見た図である。
図4】実施形態1に係る基板処理装置の塗布処理部、搬送部、及び、熱処理部を、図1中の方向D2から見た図である。
図5】実施形態1に係る基板処理装置の搬送部を、図1中の方向D1から見た図である。
図6】実施形態1に係る基板処理装置による往路における1枚の基板に対する処理を示すフローチャートである。
図7】実施形態1に係る基板処理装置による復路における1枚の基板に対する処理を示すフローチャートである。
図8】実施形態1に係る基板処理装置における制御装置を示すブロック図である。
図9】実施形態1に係る基板処理装置が実行する基板処理方法を示すフローチャートである。
図10】実施形態1に係る基板処理方法の「処理ユニット選択」処理を示すフローチャートである。
図11】実施形態1に係る処理結果情報、優先順位情報、選択結果情報、及び、検査対象情報の一例を示す図である。
図12】本発明の実施形態2に係る基板処理装置における制御装置を示すブロック図である。
図13】実施形態2に係る基板処理方法の「処理ユニット選択」処理を示すフローチャートである。
図14】実施形態2に係る基板処理方法の「処理結果情報に基づく1以上の処理ユニットの選択」処理の一例を示すフローチャートである。
図15】実施形態2に係る基板処理装置が実行する学習方法を示すフローチャートである。
図16】実施形態2に係る処理結果情報、優先順位情報、選択結果情報、及び、検査対象情報の一例を示す図である。
図17】実施形態2に係る接触角マップを示す図である。
図18】実施形態2に係る別の接触角マップを示す図である。
図19】実施形態2に係る更に別の接触角マップを示す図である。
図20】本発明の実施形態3に係る記憶ユニット及び制御ユニットを示す図である。
図21】実施形態3に係る基板処理方法の「処理ユニット選択」処理の一部を示すフローチャートである。
図22】実施形態3に係る基板処理方法の「処理ユニット選択」処理の他の一部を示すフローチャートである。
図23】実施形態3に係る基板処理方法の「処理結果情報セットに基づく1以上の処理ユニットの選択」処理の一例を示すフローチャートである。
図24】実施形態3に係る基板処理方法の「相関関係に基づく1以上の処理ユニットの選択」処理の一例を示すフローチャートである。
図25】実施形態3に係る処理結果情報セット、優先順位情報、選択結果情報、及び、検査対象情報の一例を示す図である。
図26】実施形態3に係る処理結果情報セットを構成する、接触角マップ、膜厚マップ、温度マップ、及び、パターン線幅マップを示す図である。
図27】実施形態3に係る別の処理結果情報セットを構成する、接触角マップ、膜厚マップ、温度マップ、及び、パターン線幅マップを示す図である。
図28】実施形態3に係る更に別の処理結果情報セットを構成する、接触角マップ、膜厚マップ、温度マップ、及び、パターン線幅マップを示す図である。
図29】本発明の実施形態4に係る基板処理システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。また、本発明の実施形態において、X軸、Y軸、及びZ軸は互いに直交し、X軸及びY軸は水平方向に平行であり、Z軸は鉛直方向に平行である。
【0048】
(実施形態1)
図1図7を参照して、本発明の実施形態1に係る基板処理装置100を説明する。基板処理装置100は、複数の基板Wを並行して処理する。基板Wは、例えば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、電界放出ディスプレイ(Field Emission Display:FED)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、又は、太陽電池用基板である。基板Wは、例えば、略円板状である。以下の実施形態1の説明では、基板Wは半導体基板である。
【0049】
まず、図1を参照して、基板処理装置100を説明する。図1は、実施形態1に係る基板処理装置100を示す平面図である。図1に示すように、基板処理装置100は、インデクサーブロック11、第1処理ブロック12、第2処理ブロック13、洗浄乾燥処理ブロック14A、搬入搬出ブロック14B、及び、制御装置CMを備える。洗浄乾燥処理ブロック14A及び搬入搬出ブロック14Bにより、インターフェイスブロック14が構成される。搬入搬出ブロック14Bに隣接するように露光装置15が配置される。露光装置15においては、液浸法により基板Wに露光処理が行われる。
【0050】
制御装置CMは、インデクサーブロック11、第1処理ブロック12、第2処理ブロック13、及び、インターフェイスブロック14を制御する。制御装置CMは、例えば、コンピューターである。
【0051】
インデクサーブロック11は、複数のキャリア載置部111及び搬送部112を含む。各キャリア載置部111には、複数の基板Wを多段に収納するキャリア113が載置される。実施形態1においては、キャリア113としてFOUP(front opening unified pod)を採用しているが、これに限定されず、例えば、SMIF(Standard Mechanical Inter Face)ポッド、又は、収納した基板Wを外気に曝すOC(open cassette)を用いてもよい。
【0052】
搬送部112には、搬送機構115が設けられる。搬送機構115は、基板Wを保持するためのハンド116を有する。搬送機構115は、ハンド116により基板Wを保持しつつその基板Wを搬送する。また、後述の図5に示すように、搬送部112には、キャリア113と搬送機構115との間で基板Wを受け渡すための開口部117が形成される。
【0053】
第1処理ブロック12は、塗布処理部121、搬送部122、及び、熱処理部123を含む。熱処理部123は複数のプレート5を含む。プレート5には基板Wが載置される。塗布処理部121及び熱処理部123は、搬送部122を挟んで対向する。搬送部122とインデクサーブロック11との間には、基板Wが載置される基板載置部PASS1及び後述する基板載置部PASS2~PASS4(図5参照)が設けられる。搬送部122には、基板Wを搬送する搬送機構127及び後述する搬送機構128(図5参照)が設けられる。
【0054】
第2処理ブロック13は、現像処理部131、搬送部132、及び、熱処理部133を含む。熱処理部133は複数のプレート5を含む。プレート5には基板Wが載置される。現像処理部131及び熱処理部133は、搬送部132を挟んで対向するように設けられる。搬送部132と搬送部122との間には、基板Wが載置される基板載置部PASS5及び後述する基板載置部PASS6~PASS8(図5参照)が設けられる。搬送部132には、基板Wを搬送する搬送機構137及び後述する搬送機構138(図5参照)が設けられる。第2処理ブロック13内において、熱処理部133とインターフェイスブロック14との間にはパッキン145が設けられる。
【0055】
洗浄乾燥処理ブロック14Aは、洗浄乾燥処理部161、162及び搬送部163を含む。洗浄乾燥処理部161、162は、搬送部163を挟んで対向する。搬送部163には、搬送機構141、142が設けられる。
【0056】
搬送部163と搬送部132との間には、載置兼バッファ部P-BF1及び後述の載置兼バッファ部P-BF2(図5参照)が設けられる。載置兼バッファ部P-BF1、P-BF2は、複数の基板Wを収容可能である。
【0057】
また、搬送機構141、142の間において、搬入搬出ブロック14Bに隣接するように、基板載置部PASS11、PASS12及び後述の載置兼冷却部P-CP(図5参照)が設けられる。載置兼冷却部P-CPは、基板Wを冷却する機能(例えば、クーリングプレート)を備える。載置兼冷却部P-CPにおいて、基板Wが露光処理に適した温度に冷却される。従って、載置兼冷却部P-CPは、冷却処理ユニットとして機能する。以下、載置兼冷却部P-CPを、処理ユニットP-CP、又は、冷却処理ユニットP-CPと記載する場合がある。
【0058】
搬入搬出ブロック14Bには、搬送機構146が設けられる。搬送機構146は、露光装置15に対する基板Wの搬入及び搬出を行う。搬送機構146は、基板Wを保持するためのハンドH7、H8を有する。露光装置15には、基板Wを搬入するための基板搬入部15a及び基板Wを搬出するための基板搬出部15bが設けられる。
【0059】
次に、図2を参照して、図1の塗布処理部121及び現像処理部131を説明する。図2は、図1の塗布処理部121、現像処理部131、及び、洗浄乾燥処理部161を、図1中の方向D1から見た図である。
【0060】
図2に示すように、塗布処理部121には、塗布処理室21、22、23、24が階層的に設けられる。塗布処理室21には、反射防止膜用塗布処理ユニットAR[11]、AR[12]が設けられる。塗布処理室23には、反射防止膜用塗布処理ユニットAR[21]、AR[22]が設けられる。塗布処理室22には、レジスト膜用塗布処理ユニットRT[11]、RT[12]が設けられる。塗布処理室24には、レジスト膜用塗布処理ユニットRT[21]、RT[22]が設けられる。
【0061】
以下、反射防止膜用塗布処理ユニットAR[11]、AR[12]、AR[21]、AR[22]を総称して、処理ユニットAR又は反射防止膜用塗布処理ユニットARと記載する場合がある。また、レジスト膜用塗布処理ユニットRT[11]、RT[12]、RT[21]、RT[22]を総称して、処理ユニットRT又はレジスト膜用塗布処理ユニットRTと記載する場合がある。
【0062】
各処理ユニットRT、ARは、基板Wを保持するスピンチャック25及びスピンチャック25の周囲を覆うように設けられるカップ27を備える。スピンチャック25は、図示しない駆動装置(例えば、電動モータ)により回転駆動される。
【0063】
また、図1に示すように、処理ユニットRTが配置される塗布処理室24には、処理液を吐出する複数のノズル28及びノズル搬送機構29が備えられる。ノズル搬送機構29はノズル28を搬送する。
【0064】
そして、塗布処理室24においては、複数のノズル28のうちのいずれかのノズル28がノズル搬送機構29により基板Wの上方に移動される。そして、ノズル28から処理液が吐出されることにより、基板W上に処理液が塗布される。なお、ノズル28から基板Wに処理液が供給される際には、図示しない駆動装置によりスピンチャック25が回転される。その結果、基板Wが回転される。
【0065】
各塗布処理室23、22、21(図2)についても、塗布処理室24と同様に、複数のノズル28及びノズル搬送機構29が備えられる。
【0066】
塗布処理室24、22のノズル28及びノズル搬送機構29は、処理ユニットRTの一部を構成している。塗布処理室23、21のノズル28及びノズル搬送機構29は、処理ユニットARの一部を構成している。
【0067】
実施形態1においては、処理ユニットRTが配置される塗布処理室24、22において、レジスト膜用の処理液がノズル28から基板Wに供給される。従って、塗布処理室24、22のノズル28は、処理ユニットRTの一部を構成している。
【0068】
また、処理ユニットARが配置される塗布処理室23、21において、反射防止膜用の処理液がノズル28から基板Wに供給される。従って、塗布処理室23、21のノズル28は、処理ユニットARの一部を構成している。
【0069】
図2に示すように、現像処理部131には、現像処理室31、32、33、34が階層的に設けられる。現像処理室31には、現像処理ユニットDV[12]、DV[14]、DV[16]が設けられる。現像処理室32には、現像処理ユニットDV[11]、DV[13]、DV[15]が設けられる。現像処理室33には、現像処理ユニットDV[22]、DV[24]、DV[26]が設けられる。現像処理室34には、現像処理ユニットDV[21]、DV[23]、DV[25]が設けられる。
【0070】
以下、現像処理ユニットDV[11]~DV[16]、DV[21]~DV[26]を総称して、処理ユニットDV又は現像処理ユニットDVと記載する場合がある。
【0071】
処理ユニットDVは、処理ユニットRT、ARと同様に、スピンチャック35及びカップ37を備える。また、図1に示すように、処理ユニットDVは、現像液を吐出する2つのノズル38及び移動機構39を備える。移動機構39は、ノズル38をX方向に移動させる。
【0072】
処理ユニットDVにおいては、まず、一方のノズル38がX方向に移動しつつ各基板Wに現像液を供給する。その後、他方のノズル38がX方向に移動しつつ各基板Wに現像液を供給する。なお、ノズル38から基板Wに現像液が供給される際には、図示しない駆動装置によりスピンチャック35が回転される。その結果、基板Wが回転される。
【0073】
実施形態1では、処理ユニットDVにおいて基板Wに現像液が供給されることにより、基板W上のレジストカバー膜が除去されるとともに、基板Wの現像処理が行われる。また、実施形態1においては、2つのノズル38から互いに異なる現像液が吐出される。従って、各基板Wに2種類の現像液を供給することができる。
【0074】
図2に示すように、洗浄乾燥処理部161には、複数(本例では4つ)の洗浄乾燥処理ユニットSD1が設けられる。洗浄乾燥処理ユニットSD1においては、露光処理前の基板Wの洗浄及び乾燥処理が行われる。
【0075】
また、塗布処理室21~24において処理ユニットAR、RTの上方には、塗布処理室21~24内に温湿度調整された清浄な空気を供給するための給気ユニット41が設けられる。また、現像処理室31~34において処理ユニットDVの上方には、現像処理室31~34内に温湿度調整された清浄な空気を供給するための給気ユニット47が設けられる。
【0076】
また、塗布処理室21~24内において処理ユニットAR、RTの下部には、カップ27内の雰囲気を排気するための排気ユニット42が設けられる。また、現像処理室31~34において処理ユニットDVの下部には、カップ37内の雰囲気を排気するための排気ユニット48が設けられる。
【0077】
図1及び図2に示すように、塗布処理部121において現像処理部131に隣接するように流体ボックス部50が設けられる。同様に、現像処理部131において洗浄乾燥処理ブロック14Aに隣接するように流体ボックス部60が設けられる。流体ボックス部50および流体ボックス部60内には、処理ユニットAR、RT、DVへの薬液の供給ならびに処理ユニットAR、RT、DVからの排液および排気等に関する導管、継ぎ手、バルブ、流量計、レギュレータ、ポンプ、温度調節器等の流体関連機器が収納される。
【0078】
次に、図3を参照して、図1の熱処理部123、133及び洗浄乾燥処理部162を説明する。図3は、熱処理部123、133及び洗浄乾燥処理部162を、図1中の方向D1から見た図である。
【0079】
図3に示すように、熱処理部123は、上方に設けられる上段熱処理部301及び下方に設けられる下段熱処理部302を有する。下段熱処理部302には、密着強化処理ユニットPAHP[11]~PAHP[14]、複数の熱処理ユニットPHP[15]~PHP[22]、及び、複数の冷却処理ユニットCP[11]~CP[13]が設けられる。上段熱処理部301には、密着強化処理ユニットPAHP[51]~PAHP[54]、複数の熱処理ユニットPHP[55]~PHP[62]、及び、複数の冷却処理ユニットCP[21]~CP[23]が設けられる。
【0080】
また、熱処理部133は、上方に設けられる上段熱処理部303及び下方に設けられる下段熱処理部304を有する。下段熱処理部304には、複数の熱処理ユニットPHP[23]~PHP[34]、複数の冷却処理ユニットCP[14]、CP[15]、及び、エッジ露光処理ユニットEEW[1]が設けられる。上段熱処理部303には、複数の熱処理ユニットPHP[63]~PHP[74]、複数の冷却処理ユニットCP[24]、CP[25]、及び、エッジ露光処理ユニットEEW[2]が設けられる。
【0081】
以下、熱処理ユニットPHP[15]~PHP[34]、PHP[55]~PHP[74]を総称して、処理ユニットPHP又は熱処理ユニットPHPと記載する場合ある。密着強化処理ユニットPAHP[11]~PAHP[14]、PAHP[51]~PAHP[54]を総称して、処理ユニットPAHP又は密着強化処理ユニットPAHPと記載する場合ある。冷却処理ユニットCP[11]~CP[15]、CP[21]~CP[25]を総称して、処理ユニットCP又は冷却処理ユニットCPと記載する場合ある。エッジ露光処理ユニットEEW[1]、EEW[2]を総称して、処理ユニットEEW又はエッジ露光処理ユニットEEWと記載する場合ある。
【0082】
熱処理ユニットPHPにおいては、基板Wの加熱処理及び冷却処理が行われる。熱処理ユニットPHPにおいては、基板Wの加熱処理および冷却処理が連続的に行われる。例えば、熱処理ユニットPHPは、2つのプレート5(図1)を含む。そして、一方のプレート5に基板Wが載置されて、基板Wに加熱処理が行われる。また、他方のプレート5に基板Wが載置されて、基板Wの冷却処理が行われる。
【0083】
密着強化処理ユニットPAHPにおいては、基板Wと反射防止膜との密着性を向上させるための密着強化処理が行われる。具体的には、密着強化処理ユニットPAHPにおいて、基板WにHMDS(ヘキサメチルジシラサン)等の密着強化剤が塗布されるとともに、基板Wに加熱処理が行われる。基板Wに密着強化剤を塗布することは、基板Wに対して疎水化処理を行うことに相当する。加えて、基板Wの加熱処理後に、基板Wの冷却処理が行われる。例えば、密着強化処理ユニットPAHPは、2つのプレート5(図1)を含む。そして、一方のプレート5に基板Wが載置されて、密着強化剤が塗布されるとともに、基板Wに加熱処理が行われる。また、他方のプレート5に基板Wが載置されて、基板Wの冷却処理が行われる。
【0084】
冷却処理ユニットCPにおいては、基板Wの冷却処理が行われる。例えば、冷却処理ユニットCPは、1つ又は2つのプレート(不図示)を含む。そして、プレートに基板Wが載置されて、基板Wの冷却処理が行われる。
【0085】
エッジ露光処理ユニットEEWにおいては、基板Wの周縁部に対して露光処理が行われる。例えば、エッジ露光処理ユニットEEWは、1つのプレート5(図1)を含む。そして、プレート5に基板Wが載置されて、基板Wの周縁部に対して露光処理が行われる。
【0086】
以下、熱処理ユニットPHP、密着強化処理ユニットPAHP、冷却処理ユニットCP、エッジ露光処理ユニットEEW、反射防止膜用塗布処理ユニットAR、レジスト膜用塗布処理ユニットRT、現像処理ユニットDV、載置兼冷却部P-CP、及び、冷却処理ユニットとして機能することの可能な後述の基板載置部PASS6、PASS8を総称して、処理ユニット220(後述の図5)と記載する場合がある。
【0087】
また、図3に示すように、洗浄乾燥処理部162には、複数(本例では5つ)の洗浄乾燥処理ユニットSD2が設けられる。洗浄乾燥処理ユニットSD2においては、露光処理後の基板Wの洗浄及び乾燥処理が行われる。
【0088】
次に、図4及び図5を参照して、図1の塗布処理部121、搬送部122、及び、熱処理部123を説明する。図4は、塗布処理部121、搬送部122、及び、熱処理部123を、図1中の方向D2から見た図である。図5は、搬送部122、132、163を、図1中の方向D1から見た図である。
【0089】
図4及び図5に示すように、搬送部122は、上段搬送室125及び下段搬送室126を有する。搬送部132は、上段搬送室135及び下段搬送室136を有する。
【0090】
上段搬送室125には搬送機構127が設けられ、下段搬送室126には搬送機構128が設けられる。また、上段搬送室135には搬送機構137が設けられ、下段搬送室136には搬送機構138が設けられる。
【0091】
図4に示すように、塗布処理室23、24と上段熱処理部301とは上段搬送室125を挟んで対向し、塗布処理室21、22と下段熱処理部302とは下段搬送室126を挟んで対向する。同様に、現像処理室33、34(図2)と上段熱処理部303(図3)とは上段搬送室135(図5)を挟んで対向し、現像処理室31、32(図2)と下段熱処理部304(図3)とは下段搬送室136(図5)を挟んで対向する。
【0092】
図5に示すように、搬送部112と上段搬送室125との間には、基板載置部PASS1、PASS2が設けられ、搬送部112と下段搬送室126との間には、基板載置部PASS3、PASS4が設けられる。例えば、搬送部112と上段搬送室125との間に載置兼バッファ部を設けてもよい。載置兼バッファ部は、搬送機構115、127による基板Wの搬入及び搬出が可能に構成される。例えば、搬送部112と下段搬送室126との間に載置兼バッファ部を設けてもよい。載置兼バッファ部は、搬送機構115、128による基板Wの搬入及び搬出が可能に構成される。
【0093】
上段搬送室125と上段搬送室135との間には、基板載置部PASS5、PASS6が設けられ、下段搬送室126と下段搬送室136との間には、基板載置部PASS7、PASS8が設けられる。例えば、複数の基板載置部PASS6(例えば3つの基板載置部PASS6)が上下に設けられてもよいし、複数の基板載置部PASS8(例えば3つの基板載置部PASS8)が上下に設けられてもよい。例えば、上段搬送室125と上段搬送室135との間に載置兼バッファ部を設けてもよい。載置兼バッファ部は、搬送機構127、137による基板Wの搬入及び搬出が可能に構成される。例えば、下段搬送室126と下段搬送室136との間に載置兼バッファ部を設けてもよい。載置兼バッファ部は、搬送機構128、138による基板Wの搬入及び搬出が可能に構成される。
【0094】
上段搬送室135と搬送部163との間には、載置兼バッファ部P-BF1が設けられ、下段搬送室136と搬送部163との間には載置兼バッファ部P-BF2が設けられる。また、上段搬送室135と搬送部163との間に基板載置部PASS9が設けられる。さらに、下段搬送室136と搬送部163との間に基板載置部PASS10が設けられる。
【0095】
搬送部163において搬入搬出ブロック14Bと隣接するように、基板載置部PASS11、PASS12及び複数の載置兼冷却部P-CPが設けられる。
【0096】
載置兼バッファ部P-BF1及び基板載置部PASS9は、搬送機構137及び搬送機構141、142(図1)による基板Wの搬入及び搬出が可能に構成される。載置兼バッファ部P-BF2及び基板載置部PASS10は、搬送機構138及び搬送機構141、142(図1)による基板Wの搬入及び搬出が可能に構成される。また、基板載置部PASS11、PASS12及び載置兼冷却部P-CPは、搬送機構141、142(図1)及び搬送機構146による基板Wの搬入及び搬出が可能に構成される。
【0097】
搬送機構141、142(図1)は、載置兼バッファ部P-BF1、P-BF2、基板載置部PASS9~PASS12、及び、載置兼冷却部P-CPに対して基板Wの受け渡しを行うことができる。また、搬送機構146は、基板載置部PASS11、PASS12、載置兼冷却部P-CP、基板搬入部15a(図1)、及び、基板搬出部15b(図1)に対して基板Wの受け渡しを行うことができる。
【0098】
なお、図5の例では、基板載置部PASS11が1つのみ設けられるが、複数の基板載置部PASS11(例えば2つの基板載置部PASS11)が上下に設けられてもよい。また、複数の基板載置部PASS12(例えば2つの基板載置部PASS12)が上下に設けられてもよい。この場合、基板Wを一時的に載置するためのバッファ部として基板載置部PASS11、PASS12を用いてもよい。
【0099】
実施形態1においては、基板載置部PASS1及び基板載置部PASS3には、インデクサーブロック11から第1処理ブロック12へ搬送される基板Wが載置され、基板載置部PASS2及び基板載置部PASS4には、第1処理ブロック12からインデクサーブロック11へ搬送される基板Wが載置される。搬送機構115は、ハンド116を用いて、キャリア113及び基板載置部PASS1~PASS4に対して基板Wの受け渡しを行うことができる。
【0100】
また、基板載置部PASS5、PASS6、PASS7、PASS8には、第1処理ブロック12から第2処理ブロック13へ搬送される基板Wが載置され、又は、第2処理ブロック13から第1処理ブロック12へ搬送される基板Wが載置される。実施形態1では、基板載置部PASS6及び基板載置部PASS8の各々は、基板Wを冷却する機能(例えば、クーリングプレート)を有する。従って、基板載置部PASS6、PASS8は、冷却処理ユニットとして機能する。以下、基板載置部PASS6を、処理ユニットPASS6又は冷却処理ユニットPASS6と記載する場合がある。また、基板載置部PASS8を、処理ユニットPASS8又は冷却処理ユニットPASS8と記載する場合がある。
【0101】
また、載置兼バッファ部P-BF1には、第2処理ブロック13の上段搬送室135から洗浄乾燥処理ブロック14Aへ搬送される基板Wが載置され、基板載置部PASS9には、洗浄乾燥処理ブロック14Aから上段搬送室135へ搬送される基板Wが載置される。載置兼バッファ部P-BF2には、第2処理ブロック13の下段搬送室136から洗浄乾燥処理ブロック14Aへ搬送される基板Wが載置され、基板載置部PASS10には、洗浄乾燥処理ブロック14Aから下段搬送室136へ搬送される基板Wが載置される。
【0102】
載置兼冷却部P-CPには、洗浄乾燥処理ブロック14Aから搬入搬出ブロック14Bへ搬送される基板Wが載置され、基板載置部PASS11には、洗浄乾燥処理ブロック14Aから搬入搬出ブロック14Bへ搬送される基板Wが載置され、基板載置部PASS12には、搬入搬出ブロック14Bから洗浄乾燥処理ブロック14Aへ搬送される基板Wが載置される。
【0103】
上段搬送室125内において搬送機構127の上方に給気ユニット43が設けられ、下段搬送室126内において搬送機構128の上方に給気ユニット43が設けられる。上段搬送室135内において搬送機構137の上方に給気ユニット43が設けられ、下段搬送室136内において搬送機構138の上方に給気ユニット43が設けられる。給気ユニット43には、図示しない温調装置から温湿度調整された空気が供給される。
【0104】
また、上段搬送室125内において搬送機構127の下方に上段搬送室125の排気を行うための排気ユニット44が設けられ、下段搬送室126内において搬送機構128の下方に下段搬送室126の排気を行うための排気ユニット44が設けられる。
【0105】
同様に、上段搬送室135内において搬送機構137の下方に上段搬送室135の排気を行うための排気ユニット44が設けられ、下段搬送室136内において搬送機構138の下方に下段搬送室136の排気を行うための排気ユニット44が設けられる。
【0106】
その結果、上段搬送室125、135及び下段搬送室126、136の雰囲気が適切な温湿度及び清浄な状態に維持される。
【0107】
洗浄乾燥処理ブロック14Aの搬送部163内の上部には、給気ユニット45が設けられる。搬入搬出ブロック14B内の上部には、給気ユニット46が設けられる。給気ユニット45、46には、図示しない温調装置から温湿度調整された空気が供給される。その結果、洗浄乾燥処理ブロック14A及び搬入搬出ブロック14B内の雰囲気が適切な温湿度及び清浄な状態に維持される。
【0108】
引き続き図5を参照して、搬送機構127を説明する。搬送機構127は、長尺状のガイドレール311、312を備える。ガイドレール311は、上段搬送室125内において上下方向に延びるように搬送部112側に固定される。ガイドレール312は、上段搬送室125内において上下方向に延びるように上段搬送室135側に固定される。
【0109】
ガイドレール311とガイドレール312との間には、長尺状のガイドレール313が設けられる。ガイドレール313は、上下動可能にガイドレール311、312に取り付けられる。ガイドレール313に移動部材314が取り付けられる。移動部材314は、ガイドレール313の長手方向に移動可能に設けられる。
【0110】
移動部材314の上面には、長尺状の回転部材315が回転可能に設けられる。回転部材315には、基板Wを保持するためのハンドH1及びハンドH2が取り付けられる。ハンドH1、H2は、回転部材315の長手方向に移動可能に設けられる。
【0111】
上記のような構成により、搬送機構127は、上段搬送室125内においてX方向及びZ方向に自在に移動することができる。また、搬送機構127は、ハンドH1、H2を用いて塗布処理室24、23(図2)、基板載置部PASS1、PASS2、PASS5、PASS6(図5)及び上段熱処理部301(図3)に対して基板Wの受け渡しを行うことができる。
【0112】
なお、図5に示すように、搬送機構128、137、138は搬送機構127と同様の構成を有する。
【0113】
従って、搬送機構128は、下段搬送室126内においてX方向及びZ方向に自在に移動することができる。また、搬送機構128は、ハンドH1、H2を用いて、塗布処理室22、21(図2)、基板載置部PASS3、PASS4、PASS7、PASS8(図5)及び下段熱処理部302(図3)に対して基板Wの受け渡しを行うことができる。
【0114】
また、搬送機構137は、上段搬送室135内においてX方向及びZ方向に自在に移動することができる。また、搬送機構137は、ハンドH1、H2を用いて、現像処理室34、33(図2)、基板載置部PASS5、PASS6(図5)、載置兼バッファ部P-BF1(図5)、基板載置部PASS9(図5)及び上段熱処理部303(図3)に対して基板Wの受け渡しを行うことができる。
【0115】
また、搬送機構138は、下段搬送室136内においてX方向及びZ方向に自在に移動することができる。また、搬送機構138は、ハンドH1、H2を用いて、現像処理室32、31(図2)、基板載置部PASS7、PASS8(図5)、載置兼バッファ部P-BF2(図5)、基板載置部PASS10(図5)及び下段熱処理部304(図3)に対して基板Wの受け渡しを行うことができる。
【0116】
以下、搬送機構115、127、128、137、138、141、142、146を総称して、搬送機構210と記載する場合がある。
【0117】
次に、図6及び図7を参照して、基板処理装置100のキャリア113から露光装置15まで搬送される基板Wの処理、及び、露光装置15から基板処理装置100のキャリア113まで搬送される基板Wの処理を説明する。
【0118】
図6は、基板処理装置100から露光装置15に向かう往路における1枚の基板Wに対する処理を示すフローチャートである。図7は、露光装置15から基板処理装置100に向かう復路における1枚の基板Wに対する処理を示すフローチャートである。
【0119】
図6に示す工程S1の密着強化処理を行うために、図5の搬送機構115、128は、キャリア113から基板Wを搬出して、図3の処理ユニットPAHP(例えば、処理ユニットPAHP[11])に搬入する。
【0120】
そして、工程S1において、処理ユニットPAHP(例えば、処理ユニットPAHP[11])は、基板Wに対して密着強化処理を行う。つまり、処理ユニットPAHPは、基板Wに密着強化剤を塗布するとともに、基板Wを加熱する。そして、処理ユニットPAHPは、基板Wを冷却する。
【0121】
次に、工程S2において、図2の処理ユニットAR(例えば、処理ユニットAR[11])は、基板Wに対して反射防止膜形成処理を行う。つまり、処理ユニットARは、反射防止膜用の処理液を、密着強化処理が行われた基板Wに塗布して、基板Wに反射防止膜を形成する。
【0122】
次に、工程S3において、図3の処理ユニットPHP(例えば、処理ユニットPHP[15])は、基板Wに対して第1加熱処理を行う。つまり、処理ユニットPHPは、反射防止膜が形成された基板Wを加熱する。
【0123】
次に、工程S4において、処理ユニットCP(例えば、処理ユニットCP[11])は、基板Wに対して第1冷却処理を行う。つまり、処理ユニットCPは、第1加熱処理後の基板Wを冷却する。
【0124】
次に、工程S5において、図2の処理ユニットRT(例えば、処理ユニットRT[11])は、基板Wに対してレジスト膜形成処理を行う。つまり、処理ユニットRTは、レジスト膜用の処理液を、第1冷却処理後の基板Wに塗布して、基板Wにレジスト膜を形成する。レジスト膜は反射防止膜上に形成される。
【0125】
次に、工程S6において、図3の処理ユニットPHP(例えば、処理ユニットPHP[19])は、基板Wに対して第2加熱処理を行う。つまり、処理ユニットPHPは、レジスト膜が形成された基板Wを加熱する。
【0126】
次に、工程S7において、図5の処理ユニットPASS8は、基板Wに対して第2冷却処理を行う。つまり、処理ユニットPASS8は、第2加熱処理後の基板Wを冷却する。なお、工程S7において、処理ユニットCP(例えば、処理ユニットCP[13])が、基板Wに対して第2冷却処理を行ってもよい。
【0127】
次に、工程S8において、図3の処理ユニットEEW(例えば、処理ユニットEEW[1])は、基板Wに対してエッジ露光処理を行う。つまり、処理ユニットEEWは、第2冷却処理後の基板Wの周縁部に対して露光処理を行う。
【0128】
次に、工程S9において、図5の処理ユニットP-CPは、基板Wに対して冷却処理を行う。つまり、処理ユニットP-CPは、エッジ露光処理後の基板Wを冷却する。
【0129】
次に、工程S10において、図1の露光装置15は、基板Wに対して露光処理を行う。つまり、露光装置15は、冷却処理後の基板W、つまり、レジスト膜が形成された基板Wを露光する。
【0130】
次に、図7に示すように、工程S11において、図3の処理ユニットPHP(例えば、処理ユニットPHP[31])は、基板Wに対して第3加熱処理を行う。つまり、処理ユニットPHPは、露光処理後の基板Wを加熱する。
【0131】
次に、工程S12において、処理ユニットCP(例えば、処理ユニットCP[14])は、基板Wに対して第3冷却処理を行う。つまり、処理ユニットPHPは、第3加熱処理後の基板Wを冷却する。
【0132】
次に、工程S13において、図2の処理ユニットDV(例えば、処理ユニットDV[15])は、基板Wに対して現像処理を行う。つまり、処理ユニットDVは、第3冷却後の基板Wに現像液を供給して、基板Wを現像する。
【0133】
次に、工程S14において、図3の処理ユニットPHP(例えば、処理ユニットPHP[27])は、基板Wに対して第4加熱処理を行う。つまり、処理ユニットPHPは、現像処理後の基板Wを加熱する。
【0134】
次に、工程S15において、処理ユニットCP(例えば、処理ユニットCP[15])は、基板Wに対して第4冷却処理を行う。つまり、処理ユニットCPは、第4加熱処理後の基板Wを冷却する。
【0135】
そして、図5の搬送機構138、128、115は、工程S15で第4冷却処理行った処理ユニットCPから基板Wを搬出して、基板Wをキャリア113に搬入する。
【0136】
なお、工程S3で第1加熱処理を行う処理ユニットPHPと、工程S6で第2加熱処理を行う処理ユニットPHPと、工程S11で第3加熱処理を行う処理ユニットPHPと、工程S14で第4加熱処理を行う処理ユニットPHPとは、互いに異なる。
【0137】
また、工程S4で第1冷却処理を行う処理ユニットCPと、工程S7で第2冷却処理を行う処理ユニットPASS8と、工程S12で第3冷却処理を行う処理ユニットCPと、工程S15で第4冷却処理を行う処理ユニットCPとは、互いに異なる。
【0138】
ここで、工程S1~S15のうち、工程S10を除く一連の工程S1~S9、S11~S15を一連工程SQと記載する。実施形態1では、基板処理装置100は、複数の基板Wの各々に対して、複数の一連工程SQを並行して実行する。工程S1~S9、S11~S15の各々は、「処理工程」の一例に相当する。
【0139】
具体的には、一連工程SQは、順次実行される複数の工程S1~S9、S11~S15を含む。つまり、一連工程SQは、処理内容が相異する複数の工程S1~S9、S11~S15を含む。
【0140】
次に、図6図8を参照して、基板処理装置100を説明する。図8は、制御装置CM、及び、制御装置CMによって制御される複数の処理ユニット220を示すブロック図である。
【0141】
図8に示すように、制御装置CMは、複数の処理ユニット220を制御する。そして、図6図8に示すように、複数の処理ユニット220は、複数の一連工程SQを並行して実行する。
【0142】
具体的には、複数の処理ユニット220は、複数の一連工程SQの相互間において、基板Wに対して実行する処理内容が同一の2以上の処理ユニット220を含む。「処理内容が同一」とは、処理機能及び処理条件が同一であることを示す。例えば、図6及び図7に示す工程S1~S9、S11~S15のうちの1つの工程を「工程SP」と記載する。この場合、2以上の処理ユニット220によって、それぞれ、工程SPが並行して実行される。この場合、同一工程SPを並行して実行する2以上の処理ユニット220の処理内容は同一である。例えば、複数の処理ユニット220は、複数の一連工程SQに含まれる2以上の工程S1をそれぞれ実行する2以上の処理ユニット220を含む。
【0143】
図8に示すように、制御装置CMは、各搬送機構210を制御する。そして、各搬送機構210は、各処理ユニット220に対して基板Wの搬入及び搬出を行う。そして、複数の処理ユニット220は、それぞれ、複数の基板Wを処理する。
【0144】
基板処理装置100は、単数又は複数の測定ユニット200を備えていてもよい。この場合、例えば、測定ユニット200は、搬送部112、搬送部122(上段搬送室125、下段搬送室126)、搬送部132(上段搬送室135、下段搬送室136)、搬送部163、搬入搬出ブロック14B、塗布処理部121(塗布処理室21~24)、現像処理部131(現像処理室31~34)、処理ユニットPAHP、処理ユニットPHP、処理ユニットCP、又は、処理ユニットEEWに、配置される。
【0145】
また、単数又は複数の測定ユニット200が、基板処理装置100の一部を構成していなくてもよい。つまり、単数又は複数の測定ユニット200が、基板処理装置100の外部に配置されていてもよい。
【0146】
測定ユニット200は、処理ユニット220による処理後の基板Wの状態を測定する。例えば、測定ユニット200は、処理ユニット220による処理後の基板Wの表面の複数の測定点における状態を測定する。測定ユニット200は、基板Wの状態の測定結果を示す測定データME2を制御装置CMに送信する。例えば、測定データME2は、基板Wの表面の複数の測定点のそれぞれの状態を示す複数の測定値を含む。測定ユニット200は、例えば、基板Wの状態を測定するセンサーと、測定データME2を制御装置CMに送信する送信機とを含む。実施形態1によれば、基板処理装置100が測定ユニット200を備えることで、測定データME2を容易に取得できる。
【0147】
例えば、1以上の測定ユニット200は、図6及び図7に示す工程S1~S9、S11~S15から選択された1以上の工程ごとに、処理ユニット220による処理後の基板Wの状態を測定する。
【0148】
例えば、複数の測定ユニット200のうちの1つの測定ユニット200は、基板Wの表面における処理液に対する接触角を測定して、接触角を示す測定データME2を制御装置CMに送信する。例えば、測定ユニット200は、基板Wの表面の複数の測定点における処理液に対する接触角を測定する。測定ユニット200は、例えば、θ/2法、接線法、又は、液滴法によって、接触角を測定する。例えば、測定ユニット200は、図6の工程S1の密着強化処理後の基板Wの表面における処理液に対する接触角を測定する。
【0149】
例えば、複数の測定ユニット200のうちの1つの測定ユニット200は、基板Wに形成された膜の膜厚を測定して、膜厚を示す測定データME2を制御装置CMに送信する。例えば、測定ユニット200は、基板Wの表面の複数の測定点における膜厚を測定する。測定ユニット200は、例えば、分光干渉法によって膜厚を測定する。例えば、測定ユニット200は、図6の工程S5のレジスト膜形成処理後の基板Wのレジスト膜の膜厚を測定する。
【0150】
例えば、複数の測定ユニット200のうちの1つの測定ユニット200は、基板Wにおける熱処理中の温度を測定して、温度を示す測定データME2を制御装置CMに送信する。例えば、測定ユニット200は、基板Wの複数の測定点における熱処理中の温度を測定する。測定ユニット200は、例えば、温度センサーを内蔵した基板Wを使用して温度を測定する。例えば、測定ユニット200は、図7の工程S11の第3加熱処理中(露光後の加熱処理中)の基板Wの温度を測定する。
【0151】
例えば、複数の測定ユニット200のうちの1つの測定ユニット200は、基板Wの表面におけるパターンの線幅(CD:Critical Dimension)を測定して、線幅を示す測定データME2を制御装置CMに送信する。例えば、測定ユニット200は、基板Wの表面の複数の測定点におけるパターンの線幅を測定する。測定ユニット200が測定する「パターンの線幅」は、例えば、「レジストパターンの線幅」である。測定ユニット200は、例えば、CD-SEM、又は、CD-AFMである。例えば、測定ユニット200は、図7の工程S13の現像処理後の基板Wの表面におけるレジストパターンの線幅を測定する。
【0152】
例えば、複数の測定ユニット200のうちの1つの測定ユニット200は、基板Wの表面におけるパーティクル数を測定して、パーティクル数を示す測定データME2を制御装置CMに送信する。例えば、測定ユニット200は、基板Wの表面の複数の測定点におけるパーティクル数を測定する。
【0153】
例えば、複数の測定ユニット200のうちの1つの測定ユニット200は、基板Wの表面におけるパターンの倒壊数を測定して、倒壊数を示す測定データME2を制御装置CMに送信する。例えば、測定ユニット200は、基板Wの表面の複数の測定点におけるパターンの倒壊数を測定する。
【0154】
例えば、複数の測定ユニット200のうちの1つの測定ユニット200は、基板Wのエッジのカット幅を測定して、カット幅を示す測定データME2を制御装置CMに送信する。例えば、測定ユニット200は、円周方向に沿った複数の測定点における基板Wのエッジのカット幅を測定する。
【0155】
制御装置CMは、制御ユニットCNTと、記憶ユニットMEMと、入力ユニットINと、表示ユニットDPと、通信ユニットTRとを含む。
【0156】
制御ユニットCNTは、複数の処理ユニット220及び各搬送機構210を制御する。具体的には、制御ユニットCNTは、複数の処理ユニット220のうちから、複数の処理ユニット220のそれぞれによる複数の基板Wpの処理結果に基づいて選択された1以上の処理ユニット220によって処理対象基板Wxの各々を処理するように、1以上の処理ユニット220及び各搬送機構210を制御する。従って、実施形態1によれば、仮に複数の処理ユニット220による処理特性がばらついている場合であっても、処理結果が良好な処理ユニット220を選択して使用できる。その結果、複数の処理対象基板Wx間での処理の均一性を向上できる。
【0157】
「複数の処理ユニット220のそれぞれによる複数の基板Wpの処理結果」は、処理対象基板Wxを処理する以前の過去における基板Wpの処理結果を示す。また、処理対象基板Wxは、一連工程SQによる処理の対象となる基板Wである。なお、一連工程SQに含まれる工程S1~S9、S11~S15の各々は、「処理対象基板を処理する工程」の一例に相当する。
【0158】
本明細書では、過去に処理された基板Wpと処理対象基板Wxとを区別する必要がない場合には、基板Wp及び処理対象基板Wxを、単に「基板W」と記載している。
【0159】
制御ユニットCNTは、CPU(Central Processing Unit)及びGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサーを備える。記憶ユニットMEMは、記憶装置を含み、データ及びコンピュータープログラムを記憶する。記憶ユニットMEMは、例えば、半導体メモリー等の主記憶装置と、半導体メモリー及びハードディスクドライブ等の補助記憶装置とを備える。記憶ユニットMEMは、光ディスク等のリムーバブルメディアを含んでいてもよい。記憶ユニットMEMは、例えば、非一時的コンピューター読取可能記憶媒体である。
【0160】
制御ユニットCNTのプロセッサーは、記憶ユニットMEMの記憶装置が記憶しているコンピュータープログラムを実行して、記憶ユニットMEM、入力ユニットIN、表示ユニットDP、通信ユニットTR、各測定ユニット200、各搬送機構210、及び、各処理ユニット220を制御する。
【0161】
通信ユニットTRは、ネットワークに接続され、外部装置と通信する。ネットワークは、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、公衆電話網、及び、近距離無線ネットワークを含む。通信ユニットTRは、通信機であり、例えば、ネットワークインターフェースコントローラーである。
【0162】
入力ユニットINは、制御ユニットCNTに対して各種情報を入力するための入力機器である。例えば、入力ユニットINは、キーボード及びポインティングデバイス、又は、タッチパネルである。
【0163】
表示ユニットDPは画像を表示する。表示ユニットDPは、例えば、液晶ディスプレイ、又は、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイである。
【0164】
具体的には、制御ユニットCNTは、制御プログラムME1を実行することで、前処理部CN1、取得部CN2、第1選択部CN3、解析部CN4、調節部CN5、第2選択部CN6、基板経路決定部CN7、及び、基板処理制御部CN8として機能する。つまり、制御ユニットCNTは、前処理部CN1、取得部CN2、第1選択部CN3、解析部CN4、調節部CN5、第2選択部CN6、基板経路決定部CN7、及び、基板処理制御部CN8を含む。第1選択部CN3は「選択部」の一例に相当する。記憶ユニットMEMが制御プログラムME1を記憶している。
【0165】
取得部CN2は、各測定ユニット200から測定データME2を取得する。測定ユニット200が基板処理装置100の外部に配置される場合には、取得部CN2は、通信ユニットTRを介して、測定ユニット200から測定データME2を取得する。
【0166】
記憶ユニットMEMは、複数の測定ユニット200からそれぞれ取得された複数の測定データME2を記憶する。
【0167】
前処理部CN1は、測定データME2を処理して、処理結果情報ME3を算出する。処理結果情報ME3は、基板Wごとに生成され、処理ユニット220による基板Wの処理結果を示す。前処理部CN1は、処理ユニット220ごとに、各測定データME2を処理して、処理結果情報ME3を算出する。記憶ユニットMEMは処理結果情報ME3を記憶する。以下、前処理部CN1による処理を「前処理」と記載する場合がある。
【0168】
例えば、前処理部CN1は、基板Wの表面の複数の測定点のそれぞれの状態を示す複数の測定値に対して、統計的処理を実行して、基板Wの状態を示す数値を、基板Wごとに算出する。統計的処理による「基板Wの状態を示す数値」が処理結果情報ME3である。この場合、例えば、前処理部CN1は、基板Wに対する複数の測定値の平均値を算出する。「平均値」は、統計的処理による「基板Wの状態を示す数値」の一例であって、処理結果情報ME3である。
【0169】
また、例えば、前処理部CN1は、基板Wに対する複数の測定値のばらつきを示す数値を算出する。「ばらつきを示す数値」は、統計的処理による「基板Wの状態を示す数値」の一例であって、処理結果情報ME3である。ばらつきを示す数値は、例えば、複数の測定値の最大値と最小値との差分値、複数の測定値の標準偏差σ、標準偏差σに基づく数値、複数の測定値の分散σ2、又は、分散σ2に基づく数値である。標準偏差σに基づく数値は、例えば、3σ値である。
【0170】
さらに、例えば、前処理部CN1は、基板Wに対する複数の測定値を正規化して、複数の測定値を無次元量にする。「正規化された複数の測定値」は、統計的処理による「基板Wの状態を示す数値」の一例であって、処理結果情報ME3である。
【0171】
前処理部CN1は、同一の測定データME2から、複数種類の処理結果情報ME3を算出することができる。複数種類の処理結果情報ME3は、例えば、平均値、最大値と最小値との差分値、標準偏差σ、標準偏差σに基づく数値、分散σ2、及び、分散σ2に基づく数値のうちの2以上の数値である。
【0172】
また、測定データME2自体が、処理結果情報ME3であってもよい。例えば、処理結果情報ME3は、測定データME2が示すマップデータである。マップデータは、基板Wの表面の複数の測定点のそれぞれの状態を示す複数の測定値の分布、又は、基板Wの複数の測定点のそれぞれの状態を示す複数の測定値の分布を示す。
【0173】
例えば、処理結果情報ME3は、基板Wの表面における処理液に対する接触角θと、接触角θに基づく数値と、基板Wに形成された膜の膜厚tと、膜厚tに基づく数値と、基板Wの表面における熱処理後の温度Tと、温度Tに基づく数値と、基板Wの表面におけるパターンの線幅W1と、線幅W1に基づく数値と、基板Wの表面におけるパーティクル数NM1と、パーティクル数NM1に基づく数値と、基板Wの表面におけるパターンの倒壊数NM2と、倒壊数NM2に基づく数値と、基板Wのエッジのカット幅W2とのうちの少なくとも1つを示す。従って、実施形態1によれば、処理結果情報ME3は、基板Wの表面の状態を的確に示すことができる。
【0174】
具体的には、処理結果情報ME3は、例えば、接触角マップデータ、膜厚マップデータ、温度マップデータ、パターン線幅マップデータ、パーティクルマップデータ、又は、倒壊マップデータである。接触角マップデータは、基板Wの表面における処理液に対する接触角θの分布を示す。膜厚マップデータは、基板Wの膜厚tの分布を示す。温度マップデータは、基板Wの温度Tの分布を示す。パターン線幅マップデータは、基板Wの表面におけるパターンの線幅W1の分布を示す。パーティクルマップデータは、基板Wの表面におけるパーティクル数NM1の分布を示す。倒壊マップデータは、基板Wの表面におけるパターンの倒壊数NM2の分布を示す。
【0175】
処理結果情報ME3としての「接触角θに基づく数値」は、例えば、基板Wの表面の複数の測定点のそれぞれの複数の接触角θに対して、統計的処理を実行して得られた数値又は正規化された値である。処理結果情報ME3としての「膜厚tに基づく数値」は、例えば、基板Wの表面の複数の測定点のそれぞれの複数の膜厚tに対して、統計的処理を実行して得られた数値又は正規化された値である。処理結果情報ME3としての「温度Tに基づく数値」は、例えば、基板Wの表面の複数の測定点のそれぞれの複数の温度Tに対して、統計的処理を実行して得られた数値又は正規化された値である。処理結果情報ME3としての「線幅W1に基づく数値」は、例えば、基板Wの表面の複数の測定点のそれぞれの複数の線幅W1に対して、統計的処理を実行して得られた数値又は正規化された値である。処理結果情報ME3としての「パーティクル数NM1に基づく数値」は、例えば、基板Wの表面の各測定点でのパーティクル数NM1に対して、統計的処理を実行して得られた数値又は正規化された値である。処理結果情報ME3としての「倒壊数NM2に基づく数値」は、例えば、基板Wの表面の各測定点での倒壊数NM2に対して、統計的処理を実行して得られた数値又は正規化された値である。これらの場合において、「数値」は、例えば、平均値、又は、ばらつきを示す数値である。
【0176】
処理結果情報ME3は、基板処理装置100の外部装置に格納されていてもよい。この場合は、取得部CN2は、通信ユニットTR及びネットワークを介して、外部装置から、複数の処理ユニット220の各々による基板Wの処理結果を示す処理結果情報ME3を取得して、処理結果情報ME3を記憶ユニットMEMに記憶させる。外部装置は、例えば、サーバー又は記憶装置である。
【0177】
また、取得部CN2は、記憶ユニットMEMから処理結果情報ME3を取得して、第1選択部CN3に、処理対象基板Wxの各々を処理するために使用する1以上の処理ユニット220を選択させる。
【0178】
第1選択部CN3は、少なくとも1つの解析アルゴリズムを有している。実施形態1では、第1選択部CN3は、複数の解析アルゴリズムを有している。解析アルゴリズムは、処理対象基板Wxの各々を処理するために使用する1以上の処理ユニット220を選択する際に処理結果情報ME3を解析するためのアルゴリズムである。解析アルゴリズムは、例えば、処理結果情報ME3の種類ごとに用意される。例えば、解析アルゴリズムは、解析対象である処理結果情報ME3の種類及び処理結果情報ME3の解析方法を示す。解析方法は、処理ユニット220の選択条件を含む。解析アルゴリズムは、例えば、制御プログラムME1に組み込まれている。
【0179】
第1選択部CN3は、複数の処理ユニット220による複数の基板Wpの処理結果をそれぞれ示す複数の処理結果情報ME3に基づいて、複数の処理ユニット220のうちから、処理対象基板Wxの各々を処理するために使用する1以上の処理ユニット220を選択し、選択結果を示す選択結果情報ME4を生成する。従って、実施形態1によれば、処理結果が良好な処理ユニット220を選択できて、処理後の処理対象基板Wxの品質を向上できる。制御装置CMを「選択装置」と捉えることができる。
【0180】
例えば、選択結果情報ME4は、複数の処理ユニット220のうち、処理対象基板Wxの各々を処理するために使用する1以上の処理ユニット220を示す。
【0181】
第1選択部CN3は、複数の処理ユニット220による複数の基板Wpの処理結果をそれぞれ示す複数の処理結果情報ME3に基づいて、複数の処理ユニット220のうちから、処理対象基板Wxの各々を処理するために使用する2以上の処理ユニット220を選択することが好ましい。基板Wの処理のスループットを向上できるからである。
【0182】
また、第1選択部CN3は、複数の処理ユニット220のうち、選択されなかった処理ユニット220を、不使用対象の処理ユニット220に設定する。換言すれば、第1選択部CN3は、複数の処理ユニット220にそれぞれ対応する複数の処理結果情報ME3に基づいて、複数の処理ユニット220のうちから、不使用対象の処理ユニット220を決定する。この場合、選択結果情報ME4は、処理対象基板Wxの各々を処理するために使用する1以上の処理ユニット220を示す情報だけでなく、不使用対象の処理ユニット220を示す情報を含む。実施形態1によれば、不使用対象の処理ユニット220を決定することで、処理特性が良好でない処理ユニット220を起因とした複数の基板W間の処理の均一性の低下を抑制できる。
【0183】
第1選択部CN3は、複数の処理ユニット220による複数の基板Wpの処理結果をそれぞれ示す複数の処理結果情報ME3に基づいて、複数の処理ユニット220のうちから、処理対象基板Wxの各々を処理するために使用する1以上の処理ユニット220を、使用の優先順位を付けて選択してもよい。従って、実施形態1によれば、優先順位の高い処理ユニット220の使用頻度を増やすことで、処理対象基板Wxの処理後の品質をより向上できる。
【0184】
例えば、第1選択部CN3は、処理結果情報ME3が示す基板Wpの処理後の品質が高いほど、処理ユニット220に対して高い優先順位を付ける。
【0185】
例えば、第1選択部CN3は、複数の処理ユニット220にそれぞれ対応する複数の処理結果情報ME3に基づいて、使用の優先順位を付けて、全ての処理ユニット220又は一部の処理ユニット220を選択する。この場合、選択結果情報ME4は、使用の優先順位を示す情報を含む。この場合でも、選択結果情報ME4は、不使用対象の処理ユニット220を示す情報を含んでいてもよい。
【0186】
例えば、第1選択部CN3は、処理結果情報ME3と、閾値とを比較して、比較結果に基づいて、処理対象基板Wxの各々を処理するために使用する1以上の処理ユニット220を選択する。「閾値」は、例えば、基板処理装置100に要求される仕様値である。
【0187】
例えば、数値が小さい程、品質が良いことを示す処理結果情報ME3(例えば、ばらつきを示す数値)については、第1選択部CN3は、処理結果情報ME3が小さい数値を示す程、処理結果情報ME3に対応する処理ユニット220の優先順位を高くする。また、例えば、数値が大きい程、品質が良いことを示す処理結果情報ME3については、第1選択部CN3は、処理結果情報ME3が大きい数値を示す程、処理結果情報ME3に対応する処理ユニット220の優先順位を高くする。
【0188】
例えば、第1選択部CN3は、処理結果情報ME3が示す数値(例えば、平均値)が、所定範囲内か否かを判定して、判定結果に基づいて、処理対象基板Wxの各々を処理するために使用する1以上の処理ユニット220を選択する。所定範囲は基準値を含む。この場合、例えば、第1選択部CN3は、処理結果情報ME3が示す数値が所定範囲内である場合、処理結果情報ME3に対応する処理ユニット220を使用対象として選択し、処理結果情報ME3が示す数値が所定範囲外である場合、処理結果情報ME3に対応する処理ユニット220を不使用対象に設定する。また、例えば、第1選択部CN3は、処理結果情報ME3が示す数値が基準値に近い程、処理結果情報ME3に対応する処理ユニット220の優先順位を高くする。「所定範囲」は、例えば、基板処理装置100に要求される仕様が示す範囲である。「基準値」は、例えば、所定範囲の中間値である。
【0189】
第1選択部CN3は、解析アルゴリズムごとに用意された各処理結果情報ME3に基づいて、解析アルゴリズムごとに、選択結果情報ME4を生成する。記憶ユニットMEMは、各選択結果情報ME4を記憶する。
【0190】
第1選択部CN3は、選択結果情報ME4に基づいて、予め定められた優先順位より低い優先順位の処理ユニット220によって処理される処理対象基板Wxを品質検査の対象に設定する。従って、実施形態1によれば、全ての処理対象基板Wxを品質検査の対象にする場合と比較して、品質検査の時間を短縮できる。加えて、比較的優先順位の低い処理ユニット220によって処理される処理対象基板Wxだけを品質検査の対象にすることで、効率良く品質検査できる。
【0191】
予め定められた優先順位は、使用の優先順位であり、例えば、最も低い優先順位よりも1つ高い優先順位であってもよいし、最も低い優先順位よりもN順位だけ高い優先順位であってもよい。Nは2以上の整数を示す。
【0192】
具体的には、第1選択部CN3は、選択結果情報ME4に基づいて、複数の処理ユニット220から、処理後の基板Wが品質検査の対象となる処理ユニット220を決定する。
【0193】
例えば、第1選択部CN3は、選択結果情報ME4に基づいて、予め定められた優先順位より低い優先順位の処理ユニット220を示す検査対象情報ME5を生成する。つまり、検査対象情報ME5は、処理後の基板Wが品質検査の対象となる処理ユニット220を示す。
【0194】
第1選択部CN3は、品質検査の優先順位を付けて、複数の処理ユニット220から、処理後の基板Wが品質検査の対象となる処理ユニット220を決定してもよい。この場合、第1選択部CN3は、使用の優先順位が低い程、品質検査の優先順位を高くする。この場合、例えば、検査対象情報ME5は、品質検査の優先順位を示す情報を含む。
【0195】
複数の処理ユニット220は、所定数の処理ユニット220を含む。所定数は2以上の数である。そして、第1選択部CN3は、所定数の処理ユニット220による所定数の基板Wpの処理結果をそれぞれ示す所定数の処理結果情報ME3に基づいて、所定数の処理ユニット220のうちから、処理対象基板Wxの各々を処理するために使用する1以上の処理ユニット220を選択してもよい。この場合、第2選択部CN6は、所定数の処理ユニット220から選択される1以上の処理ユニット220を使用するか、又は、所定数の処理ユニット220の全てを使用するかを選択する。
【0196】
すなわち、所定数の処理ユニット220から選択される1以上の処理ユニット220を使用することが選択される場合、処理後の基板Wの品質(処理品質)が優先される。一方、所定数の処理ユニット220の全てを使用することが選択される場合、基板Wの処理のスループット(処理速度)が優先される。従って、実施形態1によれば、ユーザーの要求に応じて、処理後の基板Wの品質を優先するか、又は、基板Wの処理のスループットを優先するかを選択できる。その結果、ユーザーの利便性を向上できる。
【0197】
記憶ユニットMEMは、基板Wの処理のスループットを優先する場合の優先順位情報ME6を記憶している。優先順位情報ME6は、所定数の処理ユニット220の全てに対する使用の優先順位を示す。優先順位情報ME6は、例えば、所定数の処理ユニット220の全てに対して割り当てられる連続番号を示す。
【0198】
次に、図9及び図10を参照して、実施形態1に係る基板処理方法を説明する。図9は、実施形態1に係る基板処理方法を示すフローチャートである。基板処理方法は基板処理装置100によって実行される。具体的には、図8に示す制御ユニットCNTが基板処理方法を実行する。図9に示すように、基板処理方法は、工程S31~工程S36を含む。
【0199】
工程S31において、制御ユニットCNTは、所定数の処理ユニット220のうちから、処理対象基板Wxの各々を処理するために使用する1以上の処理ユニット220を選択して、選択結果を示す選択結果情報ME4を生成する。実施形態1では、所定数の処理ユニット220は、処理内容が同一の2以上の処理ユニット220である。
【0200】
次に、工程S32において、制御ユニットCNTの第2選択部CN6は、各基板Wに対してスループット優先の処理を行うか、又は、処理後の基板Wの品質優先の処理を行うかを選択する。
【0201】
工程S32でスループット優先の処理を行うことを選択した場合は、処理は工程S33に進む。
【0202】
工程S33において、制御ユニットCNTの基板経路決定部CN7は、所定数の処理ユニット220の全てを並行して使用するように、複数の基板Wのそれぞれの複数の搬送経路を決定する。この場合、基板経路決定部CN7は、例えば、優先順位情報ME6によって示される使用の優先順位に基づいて、優先順位が高い処理ユニット220になる程、使用頻度が高くなるように、各搬送経路を決定する。具体的には、基板経路決定部CN7は、所定数の処理ユニット220だけでなく、他の2以上の処理ユニット220を並行して使用するように、各搬送経路を決定する。各搬送経路は、図6及び図7に示す工程S1~S9、S11~S15をそれぞれ実行する複数の処理ユニット220を含む。
【0203】
次に、工程S34において、制御ユニットCNTの基板処理制御部CN8は、工程S33で決定された各搬送経路に従って、各基板Wを搬送及び処理するように、各搬送機構210及び各処理ユニット220を制御する。その結果、所定数の処理ユニット220の全てが並行して基板Wを処理するとともに、他の2以上の処理ユニット220が並行して基板Wを処理する。所望の枚数の基板Wの処理が完了すると、処理は終了する。
【0204】
一方、工程S32で品質優先の処理を行うことを選択した場合は、処理は工程S35に進む。
【0205】
工程S35において、基板経路決定部CN7は、選択結果情報ME4に基づいて、所定数の処理ユニット220から選択される各処理ユニット220を並行して使用するように、複数の基板Wのそれぞれの複数の搬送経路を決定する。この場合、基板経路決定部CN7は、例えば、選択結果情報ME4によって示される使用の優先順位に基づいて、優先順位が高い処理ユニット220になる程、使用頻度が高くなるように、各搬送経路を決定する。具体的には、基板経路決定部CN7は、所定数の処理ユニット220から選択される各処理ユニット220だけでなく、他の2以上の処理ユニット220を並行して使用するように、各搬送経路を決定する。各搬送経路は、図6及び図7に示す工程S1~S9、S11~S15をそれぞれ実行する複数の処理ユニット220を含む。
【0206】
次に、工程S36において、基板処理制御部CN8は、工程S35で決定された各搬送経路に従って、各基板Wを搬送及び処理するように、各搬送機構210及び各処理ユニット220を制御する。その結果、所定数の処理ユニット220から選択された各処理ユニット220が並行して基板Wを処理するとともに、他の2以上の処理ユニット220が並行して基板Wを処理する。所望の枚数の基板Wの処理が完了すると、処理は終了する。
【0207】
図10は、図9に示す工程S31の処理を示すフローチャートである。図10に示すように、工程S31の処理は、工程S51~工程S61を含む。工程S31の処理は、「選択方法」の一例に相当する。
【0208】
工程S51において、制御ユニットCNTの前処理部CN1は、複数の測定データME2を処理して、複数の処理結果情報ME3を生成する。
【0209】
次に、工程S52において、取得部CN2は、処理内容が同一の2以上の処理ユニット220による2以上の基板Wpの処理結果をそれぞれ示す2以上の処理結果情報ME3を取得する。
【0210】
次に、工程S53において、第1選択部CN3は、処理内容が同一の2以上の処理ユニット220による2以上の基板Wpの処理結果をそれぞれ示す2以上の処理結果情報ME3に基づいて、2以上の処理ユニット220(具体的には所定数の処理ユニット220)のうちから、処理対象基板Wxの各々を処理するために使用する1以上の処理ユニット220を選択する。従って、実施形態1によれば、処理内容が同一の2以上の処理ユニット220のうちから、処理結果が良好な処理ユニット220を選択できて、処理後の処理対象基板Wxの品質を向上できる。
【0211】
具体的には、第1選択部CN3は、解析アルゴリズムによって処理結果情報ME3を解析して、処理内容が同一の2以上の処理ユニット220のうちから、処理対象基板Wxの各々を処理するために使用する1以上の処理ユニット220を選択して、選択結果情報ME4を生成する。
【0212】
次に、工程S54において、第1選択部CN3は、選択結果情報ME4に、不使用対象の処理ユニット220を示す情報が含まれるか否かを判定する。
【0213】
工程S54で否定判定された場合、処理は工程S59に進む。
【0214】
一方、工程S54で肯定判定された場合、処理は工程S55に進む。
【0215】
工程S55において、第1選択部CN3は、不使用対象の処理ユニット220を調節する要求を受け付けたか否かを判定する。
【0216】
工程S55で否定判定された場合、処理は工程S59に進む。
【0217】
一方、工程S55で肯定判定された場合、処理は工程S56に進む。
【0218】
工程S56において、解析部CN4は、不使用対象の処理ユニット220による基板Wpの処理結果を示す処理結果情報ME3を解析する。
【0219】
次に、工程S57において、調節部CN5は、解析部CN4による処理結果情報ME3の解析結果に基づいて、不使用対象の処理ユニット220を調節し、不使用対象の処理ユニット220を使用対象の処理ユニット220に復帰させる。従って、実施形態1によれば、品質優先の場合において、使用可能な処理ユニット220を増加できる。その結果、処理対象基板Wxの処理後の品質を向上させつつも、処理対象基板Wxの処理のスループットを向上できる。
【0220】
次に、工程S58において、第1選択部CN3は、調節部CN5によって復帰した処理ユニット220が処理対象基板Wxを処理するために選択されるように、選択結果情報ME4を更新する。
【0221】
次に、工程S59において、第1選択部CN3は、選択結果情報ME4に基づいて、予め定められた優先順位より低い優先順位の処理ユニット220によって処理される処理対象基板Wxを品質検査の対象に設定する。
【0222】
次に、工程S60において、第1選択部CN3は、選択結果情報ME4を報知する。例えば、第1選択部CN3は、選択結果情報ME4を表示ユニットDPに表示させる。例えば、第1選択部CN3は、通信ユニットTRを介して、選択結果情報ME4を外部装置に送信する。外部装置は、例えば、基板処理装置100の管理者の端末装置である。
【0223】
次に、工程S61において、第1選択部CN3は、全ての解析アルゴリズムに基づく処理が完了したか否かを判定する。
【0224】
工程S61で否定判定された場合は、処理は工程S52に進む。そして、工程S52では、取得部CN2は、前回の解析アルゴリズムと異なる解析アルゴリズムに対応する各処理結果情報ME3を取得する。また、工程S53では、第1選択部CN3は、前回の解析アルゴリズムと異なる解析アルゴリズムによって処理結果情報ME3を解析して、処理内容が同一の2以上の処理ユニット220から、処理対象基板Wxの各々を処理するために使用する1以上の処理ユニット220を選択する。
【0225】
一方、工程S61で肯定判定された場合は、処理は、図9のメインルーチンにリターンして、工程S32に進む。
【0226】
以上、図10を参照して説明したように、実施形態1によれば、第1選択部CN3は、互いに異なる複数の解析アルゴリズムによって、対応する各処理結果情報ME3を解析して、解析アルゴリズムごとに、処理内容が同一の2以上の処理ユニット220のうちから、処理対象基板Wxの各々を処理するために使用する1以上の処理ユニット220を選択する。従って、第1選択部CN3は、解析アルゴリズムごとに、選択結果情報ME4を生成する。その結果、実施形態1によれば、複数の選択結果情報ME4のうち、ユーザーが所望する選択結果情報ME4に基づいて、使用対象の処理ユニット220を選択できる。
【0227】
基板経路決定部CN7は、記憶ユニットMEMに複数の選択結果情報ME4が記憶されている場合には、例えば、複数の選択結果情報ME4のうちの1つの選択結果情報ME4に基づいて、各基板Wの搬送経路を決定する。
【0228】
なお、「処理内容が同一の2以上の処理ユニット220」における「処理内容」は、例えば、図6及び図7の一連工程SQを構成する工程S1~S9、S11~S15のうちのいずれの工程での処理内容であってよい。
【0229】
次に、図11を参照して、具体例を挙げながら選択結果情報ME4を説明する。また、処理内容が同一の2以上の処理ユニット220として、10個の処理ユニットPAHPを例に挙げる。処理ユニットPAHPは基板Wに対して密着強化処理(図1の工程S1)を行う。説明の便宜のために、10個の処理ユニットPAHPには、それぞれ、識別情報U1~U10を割り当てる。
【0230】
図11は、処理結果情報ME3、優先順位情報ME6、選択結果情報ME4、及び、検査対象情報ME5の一例を示す図である。
【0231】
図11には、処理結果情報ME3の第1例として、基板Wの表面における接触角(度)の平均値が示される。以下、接触角の平均値を、平均接触角と記載する場合がある。さらに、処理結果情報ME3の第2例として、基板Wの表面における接触角(度)の最大値と最小値との差分値が示される。さらに、処理結果情報ME3の第3例として、基板Wの表面における接触角(度)の分布から算出した3σ値が示される。第1例~第3例において、接触角は、反射防止膜用の処理液に対する接触角を示す。
【0232】
また、スループット優先の場合の優先順位情報ME6の一例として優先順位情報A1が示される。
【0233】
スループット優先の場合、10個全ての処理ユニットU1~U10が使用される。そして、スループット優先の場合の優先順位情報A1は、使用の優先順位が高い順に、処理ユニットU1~U10を示している。従って、例えば、25枚の基板Wを処理する場合は、処理ユニットU1~U5の各々が処理する基板Wの枚数は3枚であり、処理ユニットU6~U10の各々が処理する基板Wの枚数は2枚である。
【0234】
また、品質優先の場合の選択結果情報ME4の一例として選択結果情報A2が示される。
【0235】
品質優先の場合の選択結果情報A2では、10個全ての処理ユニットU1~U10が選択されている。そして、選択結果情報A2では、3σ値に基づいて、使用の優先順位が定められている。具体的には、選択結果情報A2では、3σ値が小さい程、高い優先順位が処理ユニットU1~U10に割り当てられている。つまり、選択結果情報A2は、使用の優先順位が高い順に、処理ユニットU5、U6、U2、U3、U7、U4、U8、U1、U9、U10を示している。
【0236】
従って、例えば、25枚の基板Wを処理する場合は、3σ値が小さい順に処理ユニットU5、U6、U2、U3、U7の各々が処理する基板Wの枚数は3枚であり、3σ値が大きい処理ユニットU8、U1、U9、U10の各々が処理する基板Wの枚数は2枚である。
【0237】
また、品質優先の場合の選択結果情報ME4の一例として選択結果情報A3が示される。
【0238】
品質優先の場合の選択結果情報A3では、平均接触角が所定範囲内の基板Wを処理した処理ユニットU8、U5、U9、U1、U5、U2が選択されている。図11の例では、所定範囲は、「59±0.5」である。「59」は基準値である。
【0239】
そして、選択結果情報A3では、平均接触角に基づいて、使用の優先順位が定められている。具体的には、選択結果情報A3では、平均接触角が「59」に近い程、高い優先順位が処理ユニットU8、U5、U9、U1、U5、U2に付けられている。つまり、選択結果情報A3は、使用の優先順位が高い順に、処理ユニットU8、U5、U9、U1、U5、U2を示している。
【0240】
従って、例えば、25枚の基板Wを処理する場合は、平均接触角が基準値「59」に近い順に、処理ユニットU8が処理する基板Wの枚数は5枚であり、処理ユニットU5、U9、U1、U5、U2の各々が処理する基板Wの枚数は4枚である。
【0241】
一方、選択結果情報A3では、平均接触角が所定範囲外の基板Wを処理した処理ユニットU10、U7、U3、U4は選択されず、不使用対象として設定されている。図11では、不使用対象であることを文字「NU」で示している。
【0242】
また、検査対象情報ME5は、処理ユニットU2によって処理される基板Wが品質検査の対象に設定されることを示している。つまり、検査対象情報ME5は、処理後の基板Wが品質検査の対象となる処理ユニットU2を示す。図11の例では、検査対象情報ME5は、選択結果情報A3に関連して、平均接触角が基準値「59」から最も外れている基板Wを処理した処理ユニットU2を、品質検査の対象となる基板Wを処理する処理ユニットU2として設定している。つまり、検査対象情報ME5では、選択結果情報A3において使用対象として選択されている処理ユニットU8、U5、U9、U1、U5、U2のうち、最も使用の優先順位の低い処理ユニットU2によって処理される基板Wが品質検査の対象に設定される。
【0243】
(実施形態2)
図12図19を参照して、本発明の実施形態2に係る基板処理装置100を説明する。実施形態2に係る基板処理装置100が機械学習を行う点で、実施形態2は実施形態1と主に異なる。実施形態2に係る基板処理装置100の構成は、図1図7を参照して説明した実施形態1に係る基板処理装置100の構成と同様である。以下、実施形態2が実施形態1と異なる点を主に説明する。
【0244】
まず、図12を参照して、実施形態2に係る基板処理装置100を説明する。図12は、実施形態2に係る基板処理装置100の制御装置CMを示すブロック図である。図12に示すように、制御ユニットCNTは、学習部CN9をさらに含む。また、記憶ユニットMEMは、学習プログラムME7、複数の学習データME8、及び、学習モデルME9をさらに記憶する。
【0245】
学習モデルME9は、複数の学習データME8に対して機械学習(例えば教師ありの機械学習)を実行することで構築される。学習モデルME9は、例えば、学習済みモデルである。
【0246】
複数の学習データME8の各々は、処理ユニット220による学習対象基板(以下、「学習対象基板Wn」と記載する。)の処理結果を示す処理結果情報(以下、「処理結果情報F1」と記載する。)と、処理結果情報F1によって示される学習対象基板Wnの処理結果に対する評価を示す評価情報(以下、「評価情報TV1」と記載する。)とを含む。
【0247】
複数の学習データME8にそれぞれ含まれる複数の処理結果情報F1は、処理内容が同一の2以上の処理ユニット220による処理結果を示す。また、処理結果情報F1は説明変数である。つまり、処理結果情報F1は、特徴量である。処理結果情報F1の構成は、処理結果情報ME3の構成と同様である。評価情報TV1は、目的変数である。つまり、評価情報TV1はラベルである。
【0248】
評価情報TV1は、例えば、学習対象基板Wnの処理結果を、「正常」及び「異常」のいずれかで示す。評価情報TV1は、例えば、学習対象基板Wnの処理結果を、複数段階で示してもよい。評価情報TV1は、処理結果情報F1の評価を示す情報と捉えることもできる。
【0249】
学習プログラムME7は、複数の学習データME8の中から一定の規則を見出し、見出した規則を表現する学習モデルME9を生成するための機械学習アルゴリズムを実行するためのプログラムである。
【0250】
実施形態1において、機械学習アルゴリズムは、教師あり学習であり、例えば、決定木、最近傍法、単純ベイズ分類器、サポートベクターマシン、又は、ニューラルネットワークである。従って、学習モデルME9は、決定木、最近傍法、単純ベイズ分類器、サポートベクターマシン、又は、ニューラルネットワークを含む。学習モデルME9を生成する機械学習において、誤差逆伝搬法を利用してもよい。
【0251】
例えば、ニューラルネットワークは、入力層、単数又は複数の中間層、及び、出力層を含む。具体的には、ニューラルネットワークは、ディープニューラルネットワーク(DNN:Deep Neural Network)、再帰型ニューラルネットワーク(RNN:Recurrent Neural Network)、又は、畳み込みニューラルネットワーク(CNN:Convolutional Neural Network)であり、ディープラーニングを行う。例えば、ディープニューラルネットワークは、入力層、複数の中間層、及び、出力層を含む。
【0252】
学習部CN9は、学習プログラムME7に基づいて複数の学習データME8を機械学習する。その結果、複数の学習データME8の中から一定の規則が見出されて、学習モデルME9が生成される。
【0253】
具体的には、学習部CN9は、学習データME8に含まれる処理結果情報F1と評価情報TV1との間における一定の規則を見出して、学習モデルME9を生成する。
【0254】
更に具体的には、学習部CN9は、学習プログラムME7に基づいて複数の学習データME8を機械学習することによって、複数の学習済みパラメータを算出し、複数の学習済みパラメータが適用された1以上の関数を含む学習モデルME9を生成する。学習済みパラメータは、複数の学習データME8を用いた機械学習の結果に基づいて取得されるパラメータ(係数)である。
【0255】
学習モデルME9は、処理ユニット220による基板Wpの処理結果を示す処理結果情報ME3を入力情報として入力して、基板Wpの処理結果に対する評価を示す評価情報(以下、「評価情報OT1」と記載する。)を出力情報として出力する。つまり、学習モデルME9は、処理ユニット220による処理後の基板Wpを評価する。評価情報OT1の構成は、評価情報TV1の構成と同様である。
【0256】
第1選択部CN3は、学習モデルME9に対して、2以上の基板Wpの処理結果をそれぞれ示す2以上の処理結果情報ME3の各々を入力情報として入力して、学習モデルME9から、2以上の基板Wpの各々の処理結果の評価を示す評価情報OT1を出力情報として取得する。この場合の「2以上の基板Wpの処理結果」は、処理内容が同一の2以上の処理ユニット220による2以上の基板Wpの処理結果を示す。
【0257】
そして、第1選択部CN3は、学習モデルME9から取得した2以上の評価情報OT1に基づいて、処理内容が同一の2以上の処理ユニット220のうちから、処理対象基板Wxの各々を処理するために使用する1以上の処理ユニット220を選択する。従って、実施形態2によれば、複数の処理結果情報F1をそれぞれ含む複数の学習データME8を学習した学習モデルME9を利用することで、高速かつ精度良く、使用対象の処理ユニット220を選択できる。
【0258】
次に、図13及び図14を参照して、実施形態2に係る基板処理方法を説明する。実施形態2に係る基板処理方法は、図9を参照して説明した実施形態1に係る基板処理方法と同様である。以下、実施形態2に係る基板処理方法が実施形態1の基板処理方法と異なる点を主に説明する。
【0259】
図13は、実施形態2において、図9の工程S31を示すフローチャートである。図13に示すように、実施形態2に係る工程S31の処理は、工程S81~工程S94を含む。
【0260】
工程S81~工程S91の処理は、それぞれ、図10を参照して説明した工程S51~工程S61の処理と同様である。ただし、工程S83では、図14に示す処理を行ってもよい。
【0261】
図14は、図13の工程S83の処理の一例を示すフローチャートである。図14に示すように、工程S83の処理は、工程S111~工程S114を含む。
【0262】
工程S111において、第1選択部CN3は、学習モデルME9に対して、基板Wpの処理結果を示す処理結果情報ME3を入力情報として入力する。
【0263】
次に、工程S112において、第1選択部CN3は、学習モデルME9から、基板Wpの処理結果に対する評価を示す評価情報OT1を出力情報として取得する。
【0264】
次に、工程S113において、第1選択部CN3は、評価情報OT1に基づいて、処理内容が同一の2以上の処理ユニット220のうちから、処理対象基板Wxの各々を処理するために使用する1以上の処理ユニット220を選択する。例えば、第1選択部CN3は、評価情報OT1が「正常」を示す基板Wpを処理した処理ユニット220を使用対象として選択し、評価情報OT1が「異常」を示す基板Wpを処理した処理ユニット220を不使用対象に設定する。
【0265】
次に、工程S114において、第1選択部CN3は、全ての処理結果情報ME3に対して処理が完了したか否かを判定する。
【0266】
工程S114で否定判定された場合、処理は工程S111に進む。
【0267】
一方、工程S114で肯定判定された場合、第1選択部CN3は、選択結果情報ME4を出力し、処理は、図13に示すルーチンにリターンして、工程S84に進む。
【0268】
図13に示すように、工程S92において、第1選択部CN3は、異なる複数の解析アルゴリズムによってそれぞれ得られた異なる複数の選択結果情報ME4に基づいて、複数の処理対象基板Wxの各々を処理するために使用する1以上の処理ユニット220を選択する。例えば、第1選択部CN3は、異なる複数の解析アルゴリズムによってそれぞれ得られた異なる複数の選択結果情報ME4をAND条件によって処理して、新たな選択結果情報ME4を生成する。
【0269】
次に、工程S93において、第1選択部CN3は、工程S92で生成した選択結果情報ME4に基づいて、予め定められた優先順位より低い優先順位の処理ユニット220によって処理される処理対象基板Wxを品質検査の対象に設定する。この点は、工程S89と同様である。
【0270】
次に、工程S94において、第1選択部CN3は、工程S92で生成した選択結果情報ME4を報知する。この点は、工程S90と同様である。工程S94の完了後、処理は、図9のメインルーチンにリターンして、工程S32に進む。
【0271】
なお、「処理内容が同一の2以上の処理ユニット220」における「処理内容」は、例えば、図6及び図7の一連工程SQを構成する工程S1~S9、S11~S15のうちのいずれの工程での処理内容であってよい。
【0272】
次に、図12及び図15を参照して、学習部CN9を説明する。図15は、学習部CN9が実行する学習方法を示すフローチャートである。図15に示すように、学習方法は、工程S131~工程S134を含む。
【0273】
工程S131において、学習部CN9は、学習データME8を取得する。
【0274】
次に、工程S132において、学習部CN9は、学習プログラムME7に基づいて学習データME8を機械学習する。
【0275】
次に、工程S133において、学習部CN9は、学習終了条件を満たすか否かを判定する。学習終了条件は、機械学習を終了するために予め定められた条件である。学習終了条件は、例えば、反復回数が規定回数に到達したことである。
【0276】
工程S133で否定判定された場合は、処理は工程S131に進む。その結果、機械学習が繰り返される。
【0277】
一方、工程S133で肯定判定された場合は、処理は工程S134に進む。
【0278】
工程S134において、学習部CN9は、最新の複数のパラメータ(係数)つまり、複数の学習済みパラメータ(係数)を適用したモデル(1以上の関数)を、学習モデルME9として出力する。そして、記憶ユニットMEMは学習モデルME9を記憶する。
【0279】
以上、学習部CN9が工程S131~工程S134を実行することで、学習モデルME9が生成される。学習方法は、「学習モデル生成方法」の一例に相当する。制御装置CMを「学習装置」と捉えることができる。
【0280】
繰り返される工程S131において、複数の学習データME8の各々は、学習対象基板Wnの処理結果を示す処理結果情報F1と、学習対象基板Wnの処理結果に対する評価を示す評価情報TV1とを含む。各学習データME8に含まれる処理結果情報F1は、処理内容が同一の2以上の処理ユニット220による2以上の学習対象基板Wnの処理結果をそれぞれ示す2以上の処理結果情報F1のうちの1つである。そして、学習モデルME9は、処理内容が同一の2以上の処理ユニット220による2以上の基板Wpの処理結果をそれぞれ示す2以上の処理結果情報ME3の各々を入力情報として入力して、2以上の基板Wpの各々の処理結果の評価を示す評価情報OT1を出力情報として出力するプログラムである。
【0281】
換言すれば、学習モデルME9は、基板Wpの処理結果を評価するように、制御装置CMを機能させる。制御装置CMは「コンピューター」の一例である。具体的には、学習モデルME9は、2以上の入力情報の各々を入力して、2以上の出力情報の各々を出力するように、制御装置CMを機能させる。2以上の入力情報は、処理内容が同一の2以上の処理ユニット220による2以上の基板Wpの処理結果をそれぞれ示す2以上の処理結果情報ME3である。2以上の出力情報は、2以上の基板Wpの処理結果の評価をそれぞれ示す2以上の評価情報OT1である。
【0282】
次に、図16図19を参照して、具体例を挙げながら選択結果情報ME4を説明する。また、処理内容が同一の2以上の処理ユニット220として、図11の場合と同様に、密着強化処理(図6の工程S1)を実行する10個の処理ユニットPAHPを例に挙げる。また、説明の便宜のために、10個の処理ユニットPAHPには、それぞれ、識別情報U1~U10を割り当てる。
【0283】
図16は、処理結果情報ME3、優先順位情報ME6、選択結果情報ME4、及び、検査対象情報ME5の一例を示す図である。図17は、実施形態2に係る接触角マップデータM1~M10を示す図である。
【0284】
図16に示すように、実施形態2では、処理結果情報ME3の一例として、接触角マップデータM1~M10が示される。接触角マップデータM1~M10によって表される接触角は、反射防止膜用の処理液に対する接触角を示す。
【0285】
具体的には、図17図19に示すように、接触角マップデータM1~M10は、それぞれ、処理ユニットU1~U10に対応する。例えば、接触角マップデータM1は、処理ユニットU1によって処理された基板Wの表面における接触角の分布を示す。
【0286】
接触角マップデータM1~M10において、接触角は、領域G1が最も小さく、領域G5が最も大きい。接触角は、領域G1から領域G5に向かって、領域G1、領域G2、領域G3、領域G4、及び領域G5の順に大きくなる。領域G1は、右上に傾斜する密な斜線によって示される。領域G2は、右下に傾斜する疎な斜線によって示される。領域G3は、右上に傾斜する疎な斜線によって示される。領域G4は、クロスした斜線によって示される。領域G5は、ドットによって示される。図17図19では、図面を分かり易くするために領域G1~G5を記載したが、実際には、接触角マップデータM1~M10では、接触角の分布がグラデーションによって示される。
【0287】
図16に戻って、品質優先の場合の選択結果情報ME4の一例として選択結果情報B2が示される。
【0288】
品質優先の場合の選択結果情報B2では、接触角マップデータM1~M10を学習モデルME9に入力して得られた評価情報OT1に基づいて、処理ユニットU2,U3,U4,U5,U6,U7が選択されている。図16において、「○」は処理ユニットU2,U3,U4,U5,U6,U7が選択されていることを示す。具体的には、選択結果情報B2では、評価情報OT1が「正常」を示している基板Wpを処理した処理ユニットU2,U3,U4,U5,U6,U7が選択されている。
【0289】
従って、例えば、25枚の基板Wを処理する場合は、処理ユニットU2が処理する基板Wの枚数は5枚であり、処理ユニットU3,U4,U5,U6,U7の各々が処理する基板Wの枚数は4枚である。
【0290】
一方、選択結果情報B2では、評価情報OT1が「異常」を示している基板Wpを処理した処理ユニットU1、U8、U9、U10は選択されず、不使用対象として設定されている。図16では、不使用対象であることを文字「NU」で示している。
【0291】
また、スループット優先の場合の優先順位情報B1は、図11に示すスループット優先の場合の優先順位情報A1と同じである。
【0292】
さらに、品質優先の場合の選択結果情報B3は、図11に示す品質優先の場合の選択結果情報A3と同じである。
【0293】
さらに、品質優先の場合の選択結果情報ME4の一例として選択結果情報B4が示される。
【0294】
品質優先の場合の選択結果情報B4では、処理ユニットU1~U10ごとに、選択結果情報B2と選択結果情報B3とをAND条件によって処理した結果が示される。例えば、処理ユニットU1において、選択結果情報B2の「不使用対象:NU」と選択結果情報B3の「使用対象:優先順位4」とに対してAND条件をとると、AND条件による処理の結果は、選択結果情報B4において、「不使用対象:NU」になる。つまり、選択結果情報B2及び選択結果情報B3のうちの一方又は双方が「不使用対象:NU」を示していると、AND条件による処理の結果は、「不使用対象:NU」になる。一方、選択結果情報B2及び選択結果情報B3の双方が「使用対象」を示していると、つまり、選択結果情報B2及び選択結果情報B3の双方が「選択」を示していると、AND条件による処理の結果は、選択結果情報B4において、「使用対象」、つまり、「選択」になる。この場合、選択結果情報B4において、選択結果情報B3の優先順位が採用される。なぜなら、選択結果情報B2は優先順位を含まないからである。
【0295】
選択結果情報B4では、処理ユニットU6,U5,U2が選択されている。選択結果情報B4では、AND条件による処理の対象である選択結果情報B3の優先順位に基づいて、使用の優先順位が定められている。具体的には、選択結果情報B4では、選択結果情報B3の優先順位に応じて、使用の優先順位が高い順に、処理ユニットU6,U5,U2を示している。
【0296】
従って、例えば、25枚の基板Wを処理する場合は、処理ユニットU6が処理する基板Wの枚数は9枚であり、処理ユニットU5,U2の各々が処理する基板Wの枚数は8枚である。
【0297】
一方、選択結果情報B4では、AND条件による処理結果が「不使用対象」を示す処理ユニットU1、U3、U4、U7~U10は選択されず、不使用対象として設定されている。図16では、不使用対象であることを文字「NU」で示している。
【0298】
(実施形態3)
図12及び図20図28を参照して、本発明の実施形態3に係る基板処理装置100を説明する。実施形態3では、処理内容が相異する処理ユニット220による処理結果情報ME3に基づいて1以上の処理ユニット220を選択する点で、実施形態3は実施形態1、2と主に異なる。実施形態3に係る基板処理装置100の制御装置CMの構成は、図12を参照して説明した実施形態2に係る基板処理装置100の制御装置CMの構成と同様である。従って、実施形態3の説明において、図12を適宜参照する。以下、実施形態3が実施形態1、2と異なる点を主に説明する。
【0299】
まず、図6図7図12及び図20を参照して、実施形態3に係る基板処理装置100を説明する。図20は、実施形態3に係る基板処理装置100の記憶ユニットMEM及び制御ユニットCNTを示す図である。図20は、実施形態3に係る基板処理装置100が図12の基板処理装置100と異なる部分を主に示している。
【0300】
図6図7、及び、図12に示すように、複数の処理ユニット220は、複数の一連工程SQを並行して実行する。複数の一連工程SQの各々は、基板Wに対して実行する処理内容が相異する複数の工程S1~S9、S11~S15を含む。そして、複数の処理ユニット220は、基板Wに対して実行する処理内容が相異する複数の工程S1~S9、S11~S15を順次実行する2以上の処理ユニット220を含む。「処理内容が相異」とは、処理機能及び処理条件のうちの少なくとも一方が相異することを示す。また、実施形態3では、実施形態1と同様に、複数の処理ユニット220は、複数の一連工程SQの相互間において、基板Wに対して実行する処理内容が同一の2以上の処理ユニット220を含む。
【0301】
図20に示すように、実施形態3に係る基板処理装置100において、記憶ユニットMEMは、図12の複数の処理結果情報ME3に代えて、複数の処理結果情報セットME30を記憶する。複数の処理結果情報セットME30は、それぞれ、複数の一連工程SQで得られる。複数の処理結果情報セットME30の各々は、処理内容が相異する2以上の処理ユニット220による基板Wpの処理結果をそれぞれ示す2以上の処理結果情報ME3を含む。つまり、複数の処理結果情報セットME30の各々は、一連工程SQに含まれる工程S1~S9、S11~S15のうちの2以上の工程での処理結果をそれぞれ示す2以上の処理結果情報ME3を含む。
【0302】
以下の説明では、複数の処理結果情報セットME30の各々が、処理結果情報DA1、処理結果情報DA2、処理結果情報DA3、及び、処理結果情報DA4を含む場合を適宜例示する。また、第1選択部CN3による選択対象として、処理結果情報DA1~DA3がそれぞれ得られる処理ユニット220を適宜例示する。
【0303】
処理結果情報DA1は、工程S1(図6)の密着強化処理を実行した処理ユニット220による基板Wpの処理結果を示す。例えば、処理結果情報DA1は、密着強化処理後の接触角マップデータである。
【0304】
処理結果情報DA2は、工程S5(図6)のレジスト膜形成処理を実行した処理ユニット220による基板Wpの処理結果を示す。例えば、処理結果情報DA2は、レジスト膜形成処理後のレジスト膜厚マップデータである。
【0305】
処理結果情報DA3は、工程S11(図7)の第3加熱処理(露光後加熱処理)を実行した処理ユニット220による基板Wpの処理結果を示す。例えば、処理結果情報DA3は、第3加熱処理後の温度マップデータである。
【0306】
処理結果情報DA4は、工程S13(図7)の現像処理を実行した処理ユニット220による基板Wpの処理結果を示す。例えば、処理結果情報DA4は、現像処理後のレジストパターン線幅マップデータである。
【0307】
図12及び図20に示すように、第1選択部CN3は、処理結果情報セットME30に基づいて、処理内容が相異する2以上の処理ユニット220のうちから、処理対象基板Wxを処理するために使用する1以上の処理ユニット220を選択し、選択結果を示す選択結果情報ME4を生成する。従って、実施形態3によれば、処理結果が良好な処理ユニット220を選択できて、処理後の処理対象基板Wxの品質を向上できる。
【0308】
例えば、選択結果情報ME4は、処理内容が相異する2以上の処理ユニット220のうち、処理対象基板Wxの各々を処理するために使用する1以上の処理ユニット220を示す。
【0309】
以下の説明では、処理結果情報セットME30に含まれる2以上の処理結果情報ME3は、前処理部CN1(図12)によって正規化されており、無次元量である。
【0310】
実施形態3に係る基板処理装置100において、記憶ユニットMEMは、図12の学習プログラムME7、複数の学習データME8、及び、学習モデルME9に代えて、第1学習プログラム71、第2学習プログラム72、複数の第3学習プログラム73、複数の第1学習データ81、複数の第2学習データ82、複数の第3学習データ83、第1学習モデル91、第2学習モデル92、及び、複数の第3学習モデル93を記憶する。第1学習プログラム71、第2学習プログラム72、及び、第3学習プログラム73の各々は、「学習プログラム」の一例に相当する。第1学習データ81、第2学習データ82、及び、第3学習データ83の各々は、「学習データ」の一例に相当する。第1学習モデル91、第2学習モデル92、及び、第3学習モデル93の各々は、「学習モデル」の一例に相当する。
【0311】
また、実施形態3に係る基板処理装置100において、制御ユニットCNTは、図12の学習部CN9に代えて、第1学習部61、第2学習部62、及び、複数の第3学習部63を含む。第1学習部61、第2学習部62、及び、第3学習部63の各々は、「学習部」の一例に相当する。
【0312】
第1学習モデル91は、複数の第1学習データ81に対して機械学習(例えば教師ありの機械学習)を実行することで構築される。第1学習モデル91は、例えば、学習済みモデルである。
【0313】
複数の第1学習データ81の各々は、処理ユニット220による学習対象基板Wnの処理結果を示す処理結果情報F1と、処理結果情報F1によって示される学習対象基板Wnの処理結果に対する評価を示す評価情報TV1とを含む。複数の第1学習データ81にそれぞれ含まれる複数の処理結果情報F1は、処理内容が同一の2以上の処理ユニット220による処理結果を示す。その他、第1学習データ81の構成は、図12の学習データME8の構成と同様である。
【0314】
この場合、例えば、処理結果情報F1は、工程S1~S9、S11~S15のうち所定の工程(以下、「所定の工程ST」と記載する。)で得られる学習対象基板Wnの処理結果を示す処理結果情報である。
【0315】
実施形態3では、所定の工程STは工程S13である。従って、処理結果情報F1の構成は、処理結果情報DA4の構成と同様である。処理結果情報F1は、前処理部CN1(図12)によって正規化されており、無次元量である。所定の工程STは「所定の処理工程」の一例に相当する。
【0316】
例えば、所定の工程STは、一連工程SQに含まれる工程S1~S9、S11~S15のうち、初段の工程S1よりも後の工程S2~S9、S11~S15であれば、特に限定されない。例えば、所定の工程STは、工程S10の露光処理よりも後の工程である。
【0317】
第1学習プログラム71は、複数の第1学習データ81の中から一定の規則を見出し、見出した規則を表現する第1学習モデル91を生成するための機械学習アルゴリズムを実行するためのプログラムである。その他、第1学習プログラム71の構成は、図12の学習プログラムME7の構成と同様である。
【0318】
第1学習部61は、第1学習プログラム71に基づいて複数の第1学習データ81を機械学習して、第1学習モデル91を生成する。その他、第1学習部61の構成は、図12の学習部CN9の構成と同様である。
【0319】
第1学習モデル91は、処理ユニット220による基板Wpの処理結果を示す処理結果情報DA4を入力情報として入力して、基板Wpの処理結果に対する評価を示す評価情報OT1を出力情報として出力する。評価情報OT1は、例えば、基板Wpの処理結果を、「正常」及び「異常」のいずれかで示す。つまり、第1学習モデル91は、処理ユニット220による処理後の基板Wを評価する。評価情報OT1は、処理結果情報DA4の評価を示す情報と捉えることもできる。その他、第1学習モデル91の構成は、図12の学習モデルME9の構成と同様である。
【0320】
第1選択部CN3は、第1学習モデル91に対して、2以上の基板Wpの処理結果をそれぞれ示す2以上の処理結果情報DA4の各々を入力情報として入力して、第1学習モデル91から、2以上の基板Wpの各々の処理結果の評価を示す評価情報OT1を出力情報として取得する。この場合の「2以上の基板Wpの処理結果」は、処理内容が同一の2以上の処理ユニット220による2以上の基板Wpの処理結果を示す。2以上の処理結果情報DA4は、それぞれ、2以上の処理結果情報セットME30に含まれる。
【0321】
すなわち、第1選択部CN3は、複数の処理結果情報セットME30ごとに、第1学習モデル91に対して処理結果情報DA4を入力情報として入力して、第1学習モデル91から評価情報OT1を出力情報として取得する。
【0322】
なお、第1学習データ81に含まれる処理結果情報F1、及び、第1学習モデル91に入力する処理結果情報DA4は、正規化前の情報であってもよい。
【0323】
第2学習モデル92は、複数の第2学習データ82に対して機械学習(例えば教師なしの機械学習)を実行することで構築される。第2学習モデル92は、例えば、学習済みモデルである。
【0324】
複数の第2学習データ82の各々は、処理結果情報セット(以下、「処理結果情報セットFS」と記載する。)を含む。処理結果情報セットFSは、処理内容が異なる2以上の処理ユニット220による学習対象基板Wnの処理結果をそれぞれ示す2以上の処理結果情報(以下、「処理結果情報F2」と記載する。)を含む。
【0325】
また、処理結果情報F2は説明変数である。つまり、処理結果情報F2は、特徴量である。処理結果情報セットFSの構成は、処理結果情報セットME30の構成と同様である。つまり、処理結果情報セットFSに含まれる2以上の処理結果情報F2の構成は、それぞれ、処理結果情報セットME30に含まれる2以上の処理結果情報ME3の構成と同様である。処理結果情報セットFSに含まれる2以上の処理結果情報F2は、前処理部CN1(図12)によって正規化されており、無次元量である。
【0326】
実施形態3では、処理結果情報セットFSは、4つの処理結果情報F2を含む。具体的には、処理結果情報セットFSは、工程S1での学習対象基板Wnの処理結果を示す処理結果情報DB1と、工程S5での学習対象基板Wnの処理結果を示す処理結果情報DB2と、工程S11での学習対象基板Wnの処理結果を示す処理結果情報DB3と、工程S13での学習対象基板Wnの処理結果を示す処理結果情報DB4とを含む。処理結果情報DB1の構は処理結果情報DA1の構成と同様であり、処理結果情報DB2の構成は処理結果情報DA2の構成と同様である。また、処理結果情報DB3の構成は処理結果情報DA3の構成と同様であり、処理結果情報DB4の構成は処理結果情報DA4の構成と同様である。
【0327】
第2学習プログラム72は、複数の第2学習データ82の各処理結果情報F2から一定の規則を見出し、見出した規則を表現する第2学習モデル92を生成するための機械学習アルゴリズムを実行するためのプログラムである。
【0328】
実施形態3において、機械学習アルゴリズムは、教師なし学習であり、例えば、k平均法、kメドイド法、階層クラスタリング、自己組織化マップ、ファジィc平均法、混合ガウスモデル、又は、ニューラルネットワークである。
【0329】
第2学習部62は、第2学習プログラム72に基づいて複数の第2学習データ82を機械学習する。その結果、複数の第2学習データ82の各処理結果情報F2から一定の規則が見出されて、第2学習モデル92が生成される。
【0330】
具体的には、第2学習部62は、第2学習プログラム72に基づいて複数の第2学習データ82を機械学習することによって、複数の学習済みパラメータを算出し、複数の学習済みパラメータが適用された1以上の関数を含む第2学習モデル92を生成する。学習済みパラメータは、複数の第2学習データ82を用いた機械学習の結果に基づいて取得されるパラメータ(係数)である。
【0331】
第2学習モデル92は、処理結果情報セットME30に含まれる2以上の処理結果情報DA1~DA4の各々を入力情報として入力して、2以上の処理結果情報DA1~DA4をクラスタリングし、クラスタリングの結果を示す第1クラスタリング情報を出力情報として出力する。クラスタリングとは、類似性又は相関のある情報を見つけ出し、類似性又は相関のある情報をグループ分けすることである。従って、クラスタリングによって、類似性又は相関のある情報は、1つのクラスタに分類される。第1クラスタリング情報は、処理結果情報DA1~DA4の各々が分類された各クラスタを示す。第1クラスタリング情報は「クラスタリング情報」の一例に相当する。
【0332】
第1選択部CN3は、第2学習モデル92に対して、処理結果情報セットME30に含まれる2以上の処理結果情報DA1~DA4の各々を入力情報として入力して、第2学習モデル92から、第1クラスタリング情報を取得する。この場合の「2以上の処理結果情報DA1~DA4」は、処理内容が相異する2以上の処理ユニット220のそれぞれによる基板Wpの処理結果を示す。
【0333】
そして、第1選択部CN3は、第2学習モデル92から取得した第1クラスタリング情報に基づいて、処理内容が相異する2以上の処理ユニット220のうちから、処理対象基板Wxを処理するために使用する1以上の処理ユニット220を選択する。従って、実施形態3によれば、処理結果情報DB1~DB4を含む複数の第2学習データ82を学習した第2学習モデル92を利用することで、高速かつ精度良く、使用対象の処理ユニット220を選択できる。
【0334】
例えば、ユーザーは、入力ユニットINを介して、第2学習モデル92が生成した各クラスタに対して、処理結果が正常であることを示す「正常」又は処理結果が異常であることを示す「異常」をラベル付けする。
【0335】
そして、例えば、第1選択部CN3は、処理結果情報DA1~DA4のうち「正常」がラベル付けされたクラスタに分類された処理結果情報が得られた処理ユニット220を、処理対象基板Wxを処理するために使用する処理ユニット220として選択する。一方、例えば、第1選択部CN3は、処理結果情報DA1~DA4のうち「異常」がラベル付けされたクラスタに分類された処理結果情報が得られた処理ユニット220を、不使用対象の処理ユニット220に設定する。
【0336】
特に、実施形態3では、第1選択部CN3は、処理内容が相異する複数の工程S1、S5、S11、S13のうち、所定の工程S13よりも前段で実行される工程S1、S5、S11で得られる処理結果情報DA1~DA3が、所定の工程S13で得られる処理結果情報DA4と同じクラスタに属するか否かを、第1クラスタリング情報に基づいて判定し、判定結果に基づいて、2以上の処理ユニット220のうちから、処理対象基板Wxを処理するために使用する1以上の処理ユニット220を選択する。換言すれば、第1選択部CN3は、複数の工程S1、S5、S11、S13のうちの下流の工程である所定の工程S13で得られた処理結果情報DA4が属するクラスタに基づいて、処理対象基板Wxを処理するために使用する処理ユニット220を選択する。従って、実施形態3によれば、複数の工程S1、S5、S11、S13のうち、処理結果情報DA4が示す処理結果の原因となった上流の工程を特定して、処理対象基板Wxを処理するために使用する処理ユニット220を選択できる。所定の工程S13は「所定の処理工程」の一例に相当する。
【0337】
例えば、第1解析アルゴリズムAG1では、第1選択部CN3は、処理結果情報DA1~DA3のうち、第1学習モデル91から取得した評価情報OT1によって「異常」が示されている処理結果情報DA4と異なるクラスタに属する処理結果情報が得られた処理ユニット220を、処理対象基板Wxを処理するために使用する処理ユニット220として選択する。つまり、処理結果情報DA1~DA3のうち、評価情報OT1によって「異常」が示されている処理結果情報DA4に対して相関のない又は相関の小さい処理結果情報が得られた処理ユニット220が選択される。
【0338】
また、第1解析アルゴリズムAG1では、第1選択部CN3は、第1学習モデル91から取得した評価情報OT1によって処理結果情報DA4が「正常」と示されている場合は、処理結果情報DA1~DA3が得られた全ての処理ユニット220を、処理対象基板Wxを処理するために使用する処理ユニット220として選択する。
【0339】
さらに、第1解析アルゴリズムAG1では、第1選択部CN3は、処理結果情報DA1~DA3のうち、第1学習モデル91から取得した評価情報OT1によって「異常」が示されている処理結果情報DA4と同じクラスタに属する処理結果情報が得られた処理ユニット220を、不使用対象の処理ユニット220に設定する。つまり、処理結果情報DA1~DA3のうち、評価情報OT1によって「異常」が示されている処理結果情報DA4に対して相関のある処理結果情報が得られた処理ユニット220が不使用対象に設定される。
【0340】
また、例えば、第2解析アルゴリズムAG2を実行するために、ユーザーは、入力ユニットINを介して、第2学習モデル92が生成した複数のクラスタのうちの少なくとも1つのクラスタに対して、処理結果に特異性のあることを示す「特異性」をラベル付けする。処理結果に特異性があるか否かは実験的及び/又は経験的に定められる。
【0341】
第2解析アルゴリズムAG2は、第1解析アルゴリズムAG1と同様である。ただし、第1学習モデル91から取得した評価情報OT1によって処理結果情報DA4が「正常」と示されている場合であっても、一定条件の下、不使用対象の処理ユニット220が設定される。
【0342】
すなわち、第2解析アルゴリズムAG2では、第1選択部CN3は、処理結果情報DA1~DA3のうち、第1学習モデル91から取得した評価情報OT1によって「正常」が示されている処理結果情報DA4と異なるクラスタに属する処理結果情報であって、「特異性」がラベル付けされたクラスタに属する処理結果情報を、不使用対象の処理ユニット220に設定する。
【0343】
なお、例えば、第1選択部CN3による選択対象は、処理結果情報セットME30に含まれる複数の処理結果情報ME3がそれぞれ得られる複数の処理ユニット220のうち、所定の工程ST(例えば工程S13)以外の工程を実行する2以上の処理ユニット220である。ただし、第1選択部CN3による選択対象は、処理結果情報セットME30に含まれる複数の処理結果情報ME3がそれぞれ得られる複数の処理ユニット220の全てであってもよい。この場合、例えば、第1選択部CN3は、処理結果情報DA4が「正常」のクラスタに属するときに、処理結果情報DA4が得られる処理ユニット220を、処理対象基板Wxを処理するために使用する処理ユニット220に選択する。一方、例えば、第1選択部CN3は、処理結果情報DA4が「異常」のクラスタに属するときに、処理結果情報DA4が得られる処理ユニット220を、不使用対象の処理ユニット220に設定する。
【0344】
ここで、第1選択部CN3は、複数の処理結果情報セットME30ごとに、第2学習モデル92に対して処理結果情報DA1~DA4の各々を入力情報として入力して、第2学習モデル92から第1クラスタリング情報を取得する。そして、第1選択部CN3は、複数の処理結果情報セットME30ごとに、第1クラスタリング情報に基づいて、処理対象基板Wxを処理するために使用する1以上の処理ユニット220を選択して、選択結果情報ME4を生成する。すなわち、第1選択部CN3は、複数の一連工程SQごとに、第1クラスタリング情報に基づいて、処理対象基板Wxを処理するために使用する1以上の処理ユニット220を選択して、選択結果情報ME4を生成する。つまり、複数の一連工程SQにそれぞれ対応して複数の選択結果情報ME4が生成される。
【0345】
そして、第1選択部CN3は、複数の選択結果情報ME4に対して優先順位を付けてもよい。この場合の優先順位は、選択結果情報ME4によって選択されている1以上の処理ユニット220を1組としたときに、1組の使用の優先順位である。
【0346】
例えば、第1解析アルゴリズムAG1及び第2解析アルゴリズムAG2では、第1選択部CN3は、第1学習モデル91から取得した評価情報OT1によって処理結果情報DA4が「異常」であると示されている場合であって、処理結果情報DA1~DA3のうちの少なくとも1つの処理結果情報が処理結果情報DA4と同じクラスタに属する場合は、処理結果情報DA1~DA4に基づく選択結果情報ME4に対して、最も低い優先順位を付ける。
【0347】
例えば、第1解析アルゴリズムAG1では、第1選択部CN3は、第1学習モデル91から取得した評価情報OT1によって処理結果情報DA4が「正常」であると示されている場合であって、処理結果情報DA1~DA3のうちの少なくとも1つの処理結果情報が処理結果情報DA4と同じクラスタに属する場合は、処理結果情報DA1~DA4に基づく選択結果情報ME4に対して、処理結果情報DA1~DA3の全てが処理結果情報DA4と異なるクラスタに属する場合よりも、低い優先順位を付ける。
【0348】
例えば、第2解析アルゴリズムAG2では、第1選択部CN3は、第1学習モデル91から取得した評価情報OT1によって処理結果情報DA4が「正常」であると示されている場合であって、処理結果情報DA1~DA3のうちの少なくとも1つの処理結果情報が「特異性」がラベル付けされたクラスタに属する場合、処理結果情報DA1~DA4に基づく選択結果情報ME4に対して、処理結果情報DA1~DA3の全てが「特異性」がラベル付けされたクラスタに属しない場合よりも、低い優先順位を付ける。
【0349】
また、例えば、第1選択部CN3は、予め定められた優先順位より低い優先順位が付された選択結果情報ME4によって選択されている1以上の処理ユニット220の組によって処理される処理対象基板Wxを品質検査の対象に設定する。この場合、第1選択部CN3は、品質検査の優先順位を付けて、処理ユニット220の組を決定してもよい。
【0350】
さらに、実施形態3では、第1クラスタリング情報において、一連工程SQに含まれる所定の工程S13よりも前段で実行される工程(例えば、工程S1)で得られた処理結果情報(例えば、処理結果情報DA1)が、所定の工程S13で得られた処理結果情報DA4と同じクラスタに属する場合、前段で実行される工程(例えば、工程S1)と処理内容が同一の工程(例えば、別の一連工程SQの工程S1)で得られる処理結果情報(例えば、処理結果情報DA1)が、前段で実行される工程(例えば、工程S1)で得られた処理結果情報(例えば、処理結果情報DA1)に対して、相関があるか否かを、第1選択部CN3は判定する。そして、第1選択部CN3は、判定結果に基づいて、処理内容が同一の2以上の処理ユニット220のうちから、処理対象基板Wxを処理するために使用する1以上の処理ユニット220を選択する。従って、実施形態3によれば、処理内容が同一の2以上の処理ユニット220のうちから、処理結果が良好な処理ユニット220を選択できて、処理後の処理対象基板Wxの品質を向上できる。
【0351】
例えば、第1学習モデル91から取得した評価情報OT1によって処理結果情報DA4が「異常」であると示されている場合であって、第1クラスタリング情報において、所定の工程S13よりも前段で実行される工程S1による処理結果情報DA1が、所定の工程S13による処理結果情報DA4と同じクラスタに属する場合、前段で実行される工程S1と処理内容が同一の工程S1による別の処理結果情報DA1が、前段で実行される工程S1による処理結果情報DA1に対して相関があると、第1選択部CN3が判定すると、第1選択部CN3は、処理内容が同一の工程S1による当該別の処理結果情報DA1が得られた処理ユニット220を、不使用対象の処理ユニット220に設定する。従って、実施形態3によれば、処理内容が同一の2以上の処理ユニット220のうちから、処理結果が良好でない処理ユニット220を不使用対象に設定できて、基板処理装置100の全体として処理後の処理対象基板Wxの品質を向上できる。
【0352】
本明細書において、不使用対象の処理ユニット220を設定すること(つまり、不使用対象の処理ユニット220を決定すること)は、不使用対象以外の処理ユニット220を選択することと同義である。
【0353】
特に、実施形態3では、第1選択部CN3は第3学習モデル93を利用して、相関関係に基づく1以上の処理ユニット220の選択を行う。
【0354】
記憶ユニットMEMは、一連工程SQにおいて処理内容が異なる複数の工程S1~S9、S11~S15にそれぞれ対応して複数の第3学習モデル93を記憶している。実施形態3では、一例として、記憶ユニットMEMは、複数の工程S1、S5、S11にそれぞれ対応して複数の第3学習モデル93を記憶している。
【0355】
工程S1に対応する、第3学習モデル93、複数の第3学習データ83、及び、第3学習部63を説明する。工程S5、S11に対応する、第3学習モデル93、第3学習データ83、及び、第3学習部63の構成は、工程S1に対応する、第3学習モデル93、第3学習データ83、及び、第3学習部63の構成と同様であり、説明を省略する。
【0356】
第3学習モデル93は、複数の第3学習データ83に対して機械学習(例えば教師なしの機械学習)を実行することで構築される。第3学習モデル93、例えば、学習済みモデルである。
【0357】
複数の第3学習データ83の各々は、工程S1を実行する処理ユニット220による学習対象基板Wnの処理結果を示す処理結果情報(以下、「処理結果情報F3」と記載する。)を含む。複数の処理結果情報F3は、複数の一連工程SQの相互間において処理内容が同一の2以上の工程S1で得られる。
【0358】
また、処理結果情報F3は説明変数である。つまり、処理結果情報F3は、特徴量である。処理結果情報F3の構成は、工程S1によって得られた処理結果情報DA1の構成と同様である。処理結果情報F2は、前処理部CN1(図12)によって正規化されており、無次元量である。
【0359】
第3学習プログラム73は、複数の第3学習データ83の中から一定の規則を見出し、見出した規則を表現する第3学習モデル93を生成するための機械学習アルゴリズムを実行するためのプログラムである。第3学習プログラム73の機械学習アルゴリズムは、第2学習プログラム72の機械学習アルゴリズムと同様である。
【0360】
第3学習部63は、第3学習プログラム73に基づいて複数の第3学習データ83を機械学習する。その結果、複数の第3学習データ83の中から一定の規則が見出されて、第3学習モデル93が生成される。
【0361】
具体的には、第3学習部63は、第3学習プログラム73に基づいて複数の第3学習データ83を機械学習することによって、複数の学習済みパラメータを算出し、複数の学習済みパラメータが適用された1以上の関数を含む第3学習モデル93を生成する。学習済みパラメータは、複数の第3学習データ83を用いた機械学習の結果に基づいて取得されるパラメータ(係数)である。
【0362】
第3学習モデル93は、複数の一連工程SQの相互間において処理内容が同一の2以上の工程S1でそれぞれ得られる2以上の処理結果情報DA1を入力情報として入力して、2以上の処理結果情報DA1をクラスタリングし、クラスタリングの結果を示す第2クラスタリング情報を出力情報として出力する。第2クラスタリング情報は、2以上の処理結果情報DA1の各々が分類された各クラスタを示す。
【0363】
第1選択部CN3は、次のようにして、複数の一連工程SQの相互間において処理内容が同一の2以上の処理ユニット220から、処理対象基板Wxを処理するために使用する処理ユニット220を選択する。
【0364】
すなわち、第1選択部CN3は、処理結果情報セットME30に対して第2学習モデル92から取得した第1クラスタリング情報を参照して、一連工程SQにおいて所定の工程S13よりも前段で実行される工程S1、S5、S11で得られる処理結果情報DA1~DA3のうちから、所定の工程S13で得られた処理結果情報DA4と同じクラスタに属する処理結果情報を特定する。以下、簡単のため、特定された処理結果情報が、工程S1で得られた処理結果情報DA1である場合を例示する。
【0365】
そして、第1選択部CN3は、特定された処理結果情報DA1が得られた工程S1に対応する第3学習モデル93を選択する。
【0366】
さらに、第1選択部CN3は、選択した第3学習モデル93に対して、特定された処理結果情報DA1と、複数の一連工程SQの相互間において処理内容が同一の他の工程S1で得られた処理結果情報DA1とを入力情報として入力して、複数の処理結果情報DA1に対するクラスタリングの結果を示す第2クラスタリング情報を取得する。
【0367】
加えて、第1選択部CN3は、第2クラスタリング情報を参照して、特定された処理結果情報DA1と同じクラスタに属する他の処理結果情報DA1が存在するか否かを判定する。
【0368】
そして、第1選択部CN3は、判定結果に基づいて、複数の一連工程SQの相互間において処理内容が同一の他の工程S1を実行する2以上の処理ユニット220から、処理対象基板Wxを処理するために使用する処理ユニット220を選択する。
【0369】
例えば、第1学習モデル91から取得した評価情報OT1によって処理結果情報DA4が「異常」であると示されている場合は、第1選択部CN3は、特定された処理結果情報DA1と同じクラスタに属する他の処理結果情報DA1が得られた他の工程S1を実行する処理ユニット220を、不使用対象に設定する。
【0370】
なお、第3学習データ83に含まれる処理結果情報F3、及び、第3学習モデル93に入力する処理結果情報DA1は、正規化前の情報であってもよい。
【0371】
また、図12に示すように、実施形態3においても、実施形態2と同様に、記憶ユニットMEMは、スループット優先のための優先順位情報ME6を記憶している。ここで、一連工程SQに含まれる工程S1、S5、S11をそれぞれ実行する複数の処理ユニット220を1組とする。この場合、複数の一連工程SQに対応して複数の組が存在する。そして、実施形態3の優先順位情報ME6は、複数の組に対する使用の優先順位を示す。複数の組を構成する全ての処理ユニット220の数が、所定数である。つまり、優先順位情報ME6では、所定数の処理ユニット220の全てが選択されている。例えば、優先順位情報ME6は、複数の組に対して割り当てられる連続番号を示す。
【0372】
次に、図9及び図21図24を参照して、実施形態3に係る基板処理方法を説明する。実施形態3に係る基板処理方法は、図9を参照して説明した実施形態1に係る基板処理方法と同様である。以下、実施形態3に係る基板処理方法が実施形態1の基板処理方法と異なる点を主に説明する。
【0373】
図21及び図22は、実施形態3において、図9の工程S31を示すフローチャートである。図21及び図22に示すように、実施形態3に係る工程S31の処理は、工程S151~工程S166を含む。
【0374】
工程S151において、図12の前処理部CN1は、複数の測定データME2を処理して、複数の処理結果情報セットME30を生成する。
【0375】
次に、工程S152において、図12の取得部CN2は、一連工程SQにおいて処理内容が相異する2以上の処理ユニット220による処理結果情報セットME30を取得する。
【0376】
次に、工程S153において、図12の第1選択部CN3は、処理内容が相異する2以上の処理ユニット220による処理結果情報セットME30に基づいて、2以上の処理ユニット220(具体的には所定数の処理ユニット220)のうちから、処理対象基板Wxの各々を処理するために使用する1以上の処理ユニット220を選択する。
【0377】
具体的には、第1選択部CN3は、解析アルゴリズムによって処理結果情報セットME30を解析して、処理内容が相異する2以上の処理ユニット220のうちから、処理対象基板Wxの各々を処理するために使用する1以上の処理ユニット220を選択して、選択結果情報ME4を生成する。
【0378】
図23は、図21の工程S153の処理の一例を示すフローチャートである。図23に示すように、工程S153の処理は、工程S181~工程S185を含む。
【0379】
工程S181において、第1選択部CN3は、処理結果情報セットME30に含まれる処理結果情報DA1~DA4のうち、所定の工程S13(図20)で得られた処理結果情報DA4を、第1学習モデル91に対して入力情報として入力する。
【0380】
次に、工程S182において、第1選択部CN3は、第1学習モデル91から、所定の工程S13での基板Wpの処理結果に対する評価を示す評価情報OT1を出力情報として取得する。
【0381】
次に、工程S183において、第1選択部CN3は、処理結果情報セットME30に含まれる処理結果情報DA1~DA4を、第2学習モデル92に対して入力情報として入力する。
【0382】
次に、工程S184において、第1選択部CN3は、第2学習モデル92から、処理結果情報DA1~DA4のクラスタリングの結果を示す第1クラスタリング情報を出力情報として取得する。
【0383】
次に、工程S185において、第1選択部CN3は、評価情報OT1及び第1クラスタリング情報に基づいて、一連工程SQにおいて処理内容が相異する2以上の処理ユニット220のうちから、つまり、一連工程SQに含まれる工程S1、S5、S11(図20)を実行する2以上の処理ユニット220のうちから、処理対象基板Wxの各々を処理するために使用する1以上の処理ユニット220を選択して、選択結果情報ME4を生成する。そして、処理は、図21に示すルーチンにリターンして、工程S154に進む。
【0384】
図21に示す工程S154~工程S158は、それぞれ、図10に示す工程S54~工程S58と同様であり、説明を省略する。
【0385】
工程S159において、第1選択部CN3は、複数の一連工程SQにそれぞれ対応する複数の処理結果情報セットME30の全てに対して、工程S152~工程S158の処理が完了したか否かを判定する。
【0386】
工程S159で否定判定がされた場合は、処理は工程S152に進む。
【0387】
一方、工程S159で肯定判定がされた場合は、処理は工程S160に進む。
【0388】
工程S160において、第1選択部CN3は、複数の処理結果情報セットME30にそれぞれ対応して生成された複数の選択結果情報ME4に対して、優先順位を付ける。
【0389】
次に、工程S161において、第1選択部CN3は、全ての解析アルゴリズムに基づく処理が完了したか否かを判定する。
【0390】
工程S161で否定判定された場合は、処理は工程S152に進む。そして、工程S152の後の工程S153では、第1選択部CN3は、前回の解析アルゴリズムと異なる解析アルゴリズムによって処理結果情報セットME30を解析して、処理ユニット220を選択する。
【0391】
一方、工程S161で肯定判定された場合は、処理は、図22の工程S162に進む。
【0392】
図22に示すように、工程S162において、第1選択部CN3は、処理内容が同一の2以上の処理ユニット220による2以上の処理結果情報ME3の相関関係に基づいて、2以上の処理ユニット220のうちから、処理対象基板Wxを処理するために使用する1以上の処理ユニット220を選択する。
【0393】
図24は、図22の工程S162の処理の一例を示すフローチャートである。図24に示すように、工程S162の処理は、工程S201~工程S204を含む。
【0394】
工程S201において、第1選択部CN3は、第1クラスタリング情報を参照して、所定の工程S13(図20)よりも前段の工程S1、S5、S11(図20)で得られる処理結果情報DA1~DA3のうちから、所定の工程S13で得られた処理結果情報DA4と同じクラスタに属する処理結果情報を特定する。以下、簡単のため、特定された処理結果情報が、工程S1で得られた処理結果情報DA1である場合を例示する。
【0395】
次に、工程S202において、第1選択部CN3は、複数の第3学習モデル93から、工程S201で特定された処理結果情報DA1が得られた工程S1に対応する第3学習モデル93を選択する。
【0396】
次に、工程S203において、第1選択部CN3は、工程S202で選択した第3学習モデル93に対して、複数の一連工程SQの相互間において処理内容が同一の工程S1でそれぞれ得られた複数の処理結果情報DA1を入力情報として入力して、第2クラスタリング情報を取得する。
【0397】
次に、工程S205において、第1選択部CN3は、第2クラスタリング情報に基づいて、複数の一連工程SQの相互間において処理内容が同一の工程S1を実行する2以上の処理ユニット220から、処理対象基板Wxを処理するために使用する処理ユニット220を選択する。そして、処理は、図22に示すルーチンにリターンして、工程S163に進む。
【0398】
図22に示すように、工程S163において、第1選択部CN3は、工程S162の結果に基づいて、各選択結果情報ME4を更新する。
【0399】
次に、工程S164において、第1選択部CN3は、工程S162の結果に基づいて、各選択結果情報ME4に付された優先順位を更新する。
【0400】
次に、工程S165において、第1選択部CN3は、各選択結果情報ME4に基づいて、処理後の基板Wが品質検査の対象になる処理ユニット220を決定する。
【0401】
次に、工程S166において、第1選択部CN3は、各選択結果情報ME4を報知する。この点は、図10の工程S60と同様である。そして、処理は、図9のメインルーチンにリターンして、工程S32に進む。
【0402】
なお、「処理内容が相異する2以上の処理ユニット220」は、特に限定されず、例えば、図6及び図7の一連工程SQを構成する工程S1~S9、S11~S15のうちの2以上の工程をそれぞれ実行する2以上の処理ユニット220であればよい。
【0403】
次に、図15を参照して、第1学習部61による第1学習方法、第2学習部62による第2学習方法、及び、第3学習部63による第3学習方法を説明する。
【0404】
第1学習部61による第1学習方法は、図15を参照して説明した学習部CN9による学習方法と同様である。つまり、図15の説明において、学習方法を第1学習方法と読み替え、学習部CN9を第1学習部61と読み替え、学習データME8を第1学習データ81と読み替え、学習プログラムME7を第1学習プログラム71と読み替え、学習モデルME9を第1学習モデル91と読み替える。
【0405】
第2学習部62による第2学習方法は、図15を参照して説明した学習部CN9による学習方法と同様である。つまり、図15の説明において、学習方法を第2学習方法と読み替え、学習部CN9を第2学習部62と読み替え、学習データME8を第2学習データ82と読み替え、学習プログラムME7を第2学習プログラム72と読み替え、学習モデルME9を第2学習モデル92と読み替える。
【0406】
特に、複数の第2学習データ82の各々は、処理内容が相異する2以上の処理ユニット220による学習対象基板Wnの処理結果をそれぞれ示す2以上の処理結果情報F2を含む。第2学習モデル92は、処理内容が相異する2以上の処理ユニット220による基板Wpの処理結果をそれぞれ示す2以上の処理結果情報DA1~DA4の各々を入力情報として入力して、2以上の処理結果情報DA1~DA4をクラスタリングし、クラスタリングの結果を示す第1クラスタリング情報を出力情報として出力するプログラムである。
【0407】
換言すれば、第2学習モデル92は、基板Wpの処理結果を示す処理結果情報DA1~DA4をクラスタリングするように、制御装置CMを機能させる。具体的には、第2学習モデル92は、入力情報を入力して、出力情報を出力するように、制御装置CMを機能させる。入力情報は、処理内容が相異する2以上の処理ユニット220による基板Wpの処理結果をそれぞれ示す2以上の処理結果情報DA1~DA4である。出力情報は、2以上の処理結果情報DA1~DA4のクラスタリングの結果を示す第1クラスタリング情報である。
【0408】
第3学習部63による第3学習方法は、図15を参照して説明した学習部CN9による学習方法と同様である。つまり、図15の説明において、学習方法を第3学習方法と読み替え、学習部CN9を第3学習部63と読み替え、学習データME8を第3学習データ83と読み替え、学習プログラムME7を第3学習プログラム73と読み替え、学習モデルME9を第3学習モデル93と読み替える。また、第3学習部63による第3学習方法は、クラスタリングを実行する点で、第2学習部62による第2学習方法と同様である。
【0409】
次に、図25図28を参照して、具体例を挙げながら選択結果情報ME4を説明する。また、一連工程SQにおいて処理内容が相異する2以上の処理ユニット220として、図3の処理ユニットPAHP[11]、図2の処理ユニットRT[11]、図3の処理ユニットPHP[31]、及び、図2の処理ユニットDV[11]を例に挙げる。他の一連工程SQにおいて処理内容が相異する他の2以上の処理ユニット220として、処理ユニットPAHP[12]、処理ユニットRT[12]、処理ユニットPHP[32]、及び、処理ユニットDV[12]を例に挙げる。更に他の一連工程SQにおいて処理内容が相異する更に他の2以上の処理ユニット220として、処理ユニットPAHP[13]、処理ユニットRT[11]、処理ユニットPHP[33]、及び、処理ユニットDV[13]を例に挙げる。
【0410】
すなわち、第1選択部CN3による選択対象として、処理ユニットPAHP[11]、RT[11]、PHP[31]、PAHP[12]、RT[12]、PHP[32]、PAHP[13]、RT[11]、PHP[33]が例に挙げられる。
【0411】
図25は、実施形態3に係る処理結果情報セットME30、優先順位情報ME6、選択結果情報ME4、及び、検査対象情報ME5の一例を示す図である。なお、図25では、不使用対象を「NU」で示している。
【0412】
図25に示すように、実施形態3では、処理結果情報セットME30の一例として、処理結果情報セットME30a、ME30b、ME30cが示される。
【0413】
処理結果情報セットME30aは、接触角マップデータM10、膜厚マップデータM11、温度マップデータM12、及び、パターン線幅マップデータM13を含む。マップデータM10、M11、M12、M13は、それぞれ、処理ユニットPAHP[11]、RT[11]、PHP[31]、DV[11]での処理後の基板Wpの処理結果を示している。
【0414】
処理結果情報セットME30bは、接触角マップデータM20、膜厚マップデータM21、温度マップデータM22、及び、パターン線幅マップデータM23を含む。マップデータM20、M21、M22、M23は、それぞれ、処理ユニットPAHP[12]、RT[12]、PHP[32]、DV[12]での処理後の基板Wpの処理結果を示している。
【0415】
処理結果情報セットME30cは、接触角マップデータM30、膜厚マップデータM31、温度マップデータM32、及び、パターン線幅マップデータM33を含む。マップデータM30、M31、M32、M33は、それぞれ、処理ユニットPAHP[13]、RT[11]、PHP[33]、DV[13]での処理後の基板Wpの処理結果を示している。
【0416】
接触角マップデータM10、M20、M30によって表される接触角は、工程S1の密着強化処理後の基板Wpの処理結果を示し、反射防止膜用の処理液に対する接触角を示す。
【0417】
膜厚マップデータM11、M21、M31によって表される膜厚は、工程S5のレジスト膜形成処理後の基板Wpの処理結果を示し、レジスト膜の膜厚を示す。
【0418】
温度マップデータM12、M22、M32によって表される温度は、工程S11の第3加熱処理後(露光後の加熱処理後)の基板Wpの処理結果を示し、基板Wpの温度を示す。
【0419】
パターン線幅マップデータM13、M23、M33によって示される線幅は、工程S13の現像処理後の基板Wpの処理結果を示し、レジストパターンの線幅を示す。
【0420】
図26は、図25の処理結果情報セットME30aを構成する、接触角マップデータM10、膜厚マップデータM11、温度マップデータM12、及び、パターン線幅マップデータM13を示す図である。
【0421】
図27は、図25の処理結果情報セットME30bを構成する、接触角マップデータM20、膜厚マップデータM21、温度マップデータM22、及び、パターン線幅マップデータM23を示す図である。
【0422】
図28は、図25の処理結果情報セットME30cを構成する、接触角マップデータM30、膜厚マップデータM31、温度マップデータM32、及び、パターン線幅マップデータM33を示す図である。
【0423】
図26図28では、理解を容易にするために、前処理部CN1による正規化前のマップデータM10~M13、M20~M23、M30~M33が示されている。
【0424】
図26図28において、領域G1は、右上に傾斜する密な斜線によって示される。領域G2は、右下に傾斜する疎な斜線によって示される。領域G3は、右上に傾斜する疎な斜線によって示される。領域G4は、クロスした斜線によって示される。領域G5は、ドットによって示される。領域G6は、右下に傾斜する密な斜線によって示される。図26図28では、図面を分かり易くするために領域G1、領域G2、領域G3、領域G4、領域G5、及び、領域G6を記載した。ただし、実際には、接触角マップデータM10、M20、M30では、接触角の分布がグラデーションによって示される。同様に、実際には、膜厚マップデータM11、M21、M31の膜厚、温度マップデータM12、M22、M32の温度、及び、パターン線幅マップデータM13、M23、M33の線幅もまた、グラデーションによって示される。
【0425】
接触角マップデータM10、M20、M30では、接触角は、領域G1が最も小さく、領域G6が最も大きい。接触角は、領域G1から領域G6に向かって、領域G1、G2、G3、G4、G5、G6の順に大きくなる。膜厚マップデータM11、M21、M31についても同様に、膜厚は、領域G1から領域G6に向かって、領域G1、G2、G3、G4、G5、G6の順に大きくなる。温度マップデータM12、M22、M32についても同様に、温度は、領域G1から領域G6に向かって、領域G1、G2、G3、G4、G5、G6の順に高くなる。パターン線幅マップデータM13、M23、M33についても同様に、線幅は、領域G1から領域G6に向かって、領域G1、G2、G3、G4、G5、G6の順に大きくなる。
【0426】
図25に戻って、スループット優先の場合の優先順位情報ME6の一例として優先順位情報C1が示される。
【0427】
スループット優先の場合、選択対象の全ての処理ユニットPAHP[11]、RT[11]、PHP[31]、PAHP[12]、RT[12]、PHP[32]、PAHP[13]、RT[11]、PHP[33]が使用される。そして、優先順位情報C1は、使用の優先順位が高い順に、処理ユニットPAHP[11]、RT[11]、PHP[31]の組、処理ユニットPAHP[12]、RT[12]、PHP[32]の組、及び、処理ユニットPAHP[13]、RT[11]、PHP[33]の組を示している。
【0428】
また、品質優先の場合の選択結果情報ME4の一例として選択結果情報C2が示される。選択結果情報C2は、上述した第1解析アルゴリズムAG1に基づいて得られている。
【0429】
選択結果情報C2に関し、処理結果情報セットME30aのパターン線幅マップデータM13は、第1学習モデル91の評価情報OT1によって「異常」と示されている。
【0430】
また、図26に示すように、温度マップデータM12は、パターン線幅マップデータM13に対して相関がある。図26の例では、温度マップデータM12は、パターン線幅マップデータM13に対して負の相関がある。従って、第2学習モデル92による第1クラスタリング情報は、温度マップデータM12がパターン線幅マップデータM13と同じクラスタに属することを示す。この場合、パターン線幅マップデータM13の「異常」の原因が、温度マップデータM12にあることを推定できる。換言すれば、パターン線幅マップデータM13の「異常」の原因が、温度マップデータM12が得られた処理ユニットPHP[31]にあることを推定できる。
【0431】
従って、図25に示すように、処理結果情報セットME30aに関し、選択結果情報C2において、第1選択部CN3は、温度マップデータM12が得られた処理ユニットPHP[31]を不使用対象に設定し、接触角マップデータM10が得られた処理ユニットPAHP[11]及び膜厚マップデータM11が得られた処理ユニットRT[11]を、処理対象基板Wxを処理するための処理ユニットに選択している。
【0432】
また、選択結果情報C2に関し、処理結果情報セットME30bのパターン線幅マップデータM23は、第1学習モデル91の評価情報OT1によって「正常」と示されている。
【0433】
さらに、図27に示すように、接触角マップデータM20、膜厚マップデータM21、及び、温度マップデータM22のいずれも、パターン線幅マップデータM13に対して相関がない。従って、第2学習モデル92による第1クラスタリング情報は、接触角マップデータM20、膜厚マップデータM21、及び、温度マップデータM22が、パターン線幅マップデータM13と異なるクラスタに属することを示す。
【0434】
そして、図25に示すように、処理結果情報セットME30bに関し、選択結果情報C2において、第1選択部CN3は、全ての処理ユニットPAHP[12]、RT[12]、PHP[32]を、処理対象基板Wxを処理するための処理ユニットに選択している。
【0435】
さらに、選択結果情報C2に関し、処理結果情報セットME30cのパターン線幅マップデータM33は、第1学習モデル91の評価情報OT1によって「正常」と示されている。
【0436】
また、図28に示すように、膜厚マップデータM31は、パターン線幅マップデータM33に対して相関がある。従って、第2学習モデル92による第1クラスタリング情報は、膜厚マップデータM31がパターン線幅マップデータM33と同じクラスタに属することを示す。この場合、パターン線幅マップデータM33の線幅の分布に、膜厚マップデータM31の膜厚の分布が影響を及ぼしたと推定できる。換言すれば、パターン線幅マップデータM33の線幅の分布に、膜厚マップデータM31が得られた処理ユニットRT[11]が影響を及ぼしていることを推定できる。
【0437】
そして、図25に示すように、処理結果情報セットME30cに関し、選択結果情報C2において、第1選択部CN3は、全ての処理ユニットPAHP[13]、RT[11]、PHP[33]を、処理対象基板Wxを処理するための処理ユニットに選択している。
【0438】
また、第1解析アルゴリズムAG1に従って、選択結果情報C2において、処理結果情報セットME30aに基づき選択された処理ユニットPAHP[11]、RT[11]の組に対して、最も低い優先順位が付けられている。また、第1解析アルゴリズムAG1に従って、処理結果情報セットME30cに基づき選択された処理ユニットPAHP[13]、RT[11]、PHP[33]の組に対して、処理結果情報セットME30bに基づき選択された処理ユニットPAHP[12]、RT[12]、PHP[32]の組よりも低い優先順位が付けられている。なぜなら、処理結果情報セットME30cにおいて、膜厚マップデータM31がパターン線幅マップデータM33と同じクラスタに属するからである。
【0439】
また、品質優先の場合の選択結果情報ME4の一例として選択結果情報C3が示される。選択結果情報C3は、上述した第2解析アルゴリズムAG2に基づいて得られている。
【0440】
選択結果情報C3に関し、処理結果情報セットME30aのパターン線幅マップデータM13は、第1学習モデル91の評価情報OT1によって「異常」と示されている。その他、処理結果情報セットME30aから得られた選択結果情報C3は、処理結果情報セットME30aから得られた選択結果情報C2と同じである。
【0441】
また、選択結果情報C3に関し、処理結果情報セットME30bのパターン線幅マップデータM23は、第1学習モデル91の評価情報OT1によって「正常」と示されている。
【0442】
そして、図27に示すように、接触角マップデータM20は、特異性を有する。従って、第2学習モデル92による第1クラスタリング情報は、接触角マップデータM20が「特異性」のラベルが付けられたクラスタに属することを示す。特異性を有する接触角マップデータM20が得られた処理ユニットPAHP[12]は、将来、レジストパターンの線幅に影響を及ぼす可能性が高いと推定できる。
【0443】
従って、図25に示すように、処理結果情報セットME30bに関し、選択結果情報C3において、第1選択部CN3は、接触角マップデータM20が得られた処理ユニットPAHP[12]を不使用対象に設定し、膜厚マップデータM21が得られた処理ユニットRT[12]及び温度マップデータM22が得られた処理ユニットPHP[32]を、処理対象基板Wxを処理するための処理ユニットに選択している。
【0444】
さらに、選択結果情報C3に関し、処理結果情報セットME30cのパターン線幅マップデータM33は、第1学習モデル91の評価情報OT1によって「正常」と示されている。
【0445】
そして、処理結果情報セットME30cに関し、選択結果情報C3において、第1選択部CN3は、全ての処理ユニットPAHP[13]、RT[11]、PHP[33]を、処理対象基板Wxを処理するための処理ユニットに選択している。
【0446】
また、第2解析アルゴリズムAG2に従って、選択結果情報C3において、処理結果情報セットME30aに基づき選択された処理ユニットPAHP[11]、RT[11]の組に対して、最も低い優先順位が付けられている。また、第2解析アルゴリズムAG2に従って、処理結果情報セットME30bに基づき選択された処理ユニットRT[12]、PHP[32]の組に対して、処理結果情報セットME30cに基づき選択された処理ユニットPAHP[13]、RT[11]、PHP[33]の組よりも低い優先順位が付けられている。なぜなら、処理結果情報セットME30bの接触角マップデータM20が「特異性」のラベルが付けられたクラスタに属するからである。
【0447】
なお、第1選択部CN3は、例えば処理結果情報セットME30bに関し、選択結果情報C2において選択されている処理ユニットPAHP[12]、RT[12]、PHP[32]のうちの少なくとも1つの処理ユニットを、処理内容が同一の他の処理ユニット220に置き換えることで、選択結果情報C2を更新してもよい。この場合、他の処理ユニット220は、置き換えられる処理ユニットよりも、基板Wpの処理結果が良好である。
【0448】
(実施形態4)
図29を参照して、本発明の実施形態4に係る基板処理システムSYSを説明する。実施形態4に係る基板処理システムSYSが、処理ユニット220を選択する選択装置400を基板処理装置100Aの外部に有する点で、実施形態4は実施形態1と主に異なる。以下、実施形態4が実施形態1と異なる点を主に説明する。
【0449】
図29は、本発明の実施形態4に係る基板処理システムSYSを示す図である。図29に示すように、基板処理システムSYSは、基板処理装置100Aと、選択装置400とを備える。基板処理装置100Aと選択装置400とは、ネットワークNWを介して相互に通信する。ネットワークNWは、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、公衆電話網、及び、近距離無線ネットワークを含む。
【0450】
基板処理装置100Aの構成は、図1図8を参照して説明した実施形態1に係る基板処理装置100の構成と同様である。ただし、基板処理装置100Aは、例えば、図8の取得部CN2及び第1選択部CN3を備えない。また、基板処理装置100Aは、図8の前処理部CN1を備えていなくてもよい。また、基板処理装置100Aは、測定データME2及び処理結果情報ME3を記憶していなくてもよい。
【0451】
選択装置400は、複数の処理対象基板Wxをそれぞれ処理する複数の処理ユニット220から1以上の処理ユニット220を選択する。具体的には、選択装置400は、制御ユニット401と、記憶ユニット402と、入力ユニット403と、表示ユニット404と、通信ユニット405とを含む。制御ユニット401、記憶ユニット402、入力ユニット403、表示ユニット404、及び、通信ユニット405の構成は、それぞれ、図8の制御ユニットCNT、記憶ユニットMEM、入力ユニットIN、表示ユニットDP、及び、通信ユニットTRの構成と同様であり、適宜説明を省略する。
【0452】
制御ユニット401は、図8の取得部CN2及び第1選択部CN3を備える。
【0453】
制御ユニット401の取得部CN2は、複数の処理ユニット220による複数の基板Wpの処理結果をそれぞれ示す複数の処理結果情報ME3を取得する。例えば、取得部CN2は、通信ユニット405及びネットワークNWを介して、基板処理装置100Aから処理結果情報ME3を取得して、記憶ユニット402に記憶してもよい。例えば、取得部CN2は、通信ユニット405及びネットワークNWを介して、基板処理装置100Aの外部の測定ユニット200、及び/又は、基板処理装置100Aの内部の測定ユニット200から、測定データME2を取得して、測定データME2を処理結果情報ME3として記憶ユニット402に記憶してもよい。
【0454】
なお、制御ユニット401は、図8の前処理部CN1を備えていてもよい。この場合、例えば、取得部CN2は、通信ユニット405及びネットワークNWを介して、基板処理装置100Aの外部の測定ユニット200、及び/又は、基板処理装置100Aの内部の測定ユニット200から、測定データME2を取得する。そして、制御ユニット401の前処理部CN1が、測定データME2を処理して、処理結果情報ME3を生成する。
【0455】
制御ユニット401の第1選択部CN3は、複数の処理結果情報ME3に基づいて、複数の処理ユニット220のうちから、処理対象基板Wxの各々を処理するために使用する1以上の処理ユニット220を選択して、選択結果情報ME4を生成する。そして、通信ユニット405は、ネットワークNWを介して、基板処理装置100Aに選択結果情報ME4を送信する。
【0456】
従って、基板処理装置100Aの制御ユニットCNTは、選択結果情報ME4によって選択されている処理ユニット220によって処理対象基板Wxを処理するように、各処理ユニット220及び各搬送機構210を制御できる。その結果、実施形態4によれば、仮に複数の処理ユニット220による処理特性がばらついている場合であっても、処理結果が良好な処理ユニット220を選択して使用できる。よって、複数の処理対象基板Wx間での処理の均一性を向上できる。
【0457】
また、第1選択部CN3は、検査対象情報ME5を生成して、通信ユニット405及びネットワークNWを介して、基板処理装置100Aに検査対象情報ME5を送信する。
【0458】
その他、実施形態4に係る制御ユニット401の取得部CN2、第1選択部CN3、及び、前処理部CN1は、それぞれ、実施形態1に係る制御ユニットCNTの取得部CN2、第1選択部CN3、及び、前処理部CN1と同様に動作する。その他、実施形態4では、実施形態1と同様の効果を有する。
【0459】
(第1変形例)
図29を参照して、本発明の実施形態4の第1変形例に係る基板処理システムSYSを説明する。第1変形例に係る基板処理システムSYSが、処理ユニット220を選択する選択装置400を基板処理装置100Aの外部に有する点で、第1変形例は実施形態2と主に異なる。以下、第1変形例が実施形態2及び実施形態4と異なる点を主に説明する。
【0460】
第1変形例に係る基板処理装置100Aの構成は、図1図7及び図12を参照して説明した実施形態2に係る基板処理装置100の構成と同様である。ただし、基板処理装置100Aは、例えば、図12の取得部CN2、第1選択部CN3、及び、学習部CN9を備えない。また、基板処理装置100Aは、図12の前処理部CN1を備えていなくてもよい。また、基板処理装置100Aは、図12の学習プログラムME7及び学習データME8を記憶ていていない。さらに、基板処理装置100Aは、図12の測定データME2及び処理結果情報ME3を記憶していなくてもよい。
【0461】
第1変形例に係る制御ユニット401は、図12の取得部CN2、第1選択部CN3、及び、学習部CN9を備える。また、制御ユニット401は、図12の前処理部CN1を備えていてもよい。さらに、記憶ユニット402は、図12の学習プログラムME7、学習データME8、及び、学習モデルME9を記憶している。また、記憶ユニット402は、図12の測定データME2及び処理結果情報ME3を記憶するが、この点は、実施形態4と同様である。
【0462】
第1変形例に係る制御ユニット401の第1選択部CN3は、複数の処理結果情報ME3に基づいて、複数の処理ユニット220のうちから、処理対象基板Wxの各々を処理するために使用する1以上の処理ユニット220を選択して、選択結果情報ME4を生成する。そして、通信ユニット405は、ネットワークNWを介して、基板処理装置100Aに選択結果情報ME4を送信する。
【0463】
その結果、第1変形例では、実施形態4と同様に、基板処理装置100Aにおいて、複数の処理対象基板Wx間での処理の均一性を向上できる。
【0464】
その他、第1変形例に係る制御ユニット401の取得部CN2、第1選択部CN3、学習部CN9、及び、前処理部CN1は、それぞれ、実施形態2に係る制御ユニットCNTの取得部CN2、第1選択部CN3、学習部CN9、及び、前処理部CN1と同様に動作する。その他、第1変形例では、実施形態2と同様の効果を有する。なお、選択装置400を「学習装置」と捉えることもできる。
【0465】
また、通信ユニット405は、ネットワークNWを介して、学習モデルME9を、基板処理装置100Aに送信してもよい。なお、学習モデルME9をリムーバブルメディアに記憶して、リムーバブルメディアから基板処理装置100Aに学習モデルME9を提供してもよい。
【0466】
(第2変形例)
図29を参照して、本発明の実施形態4の第2変形例に係る基板処理システムSYSを説明する。第2変形例に係る基板処理システムSYSが、処理ユニット220を選択する選択装置400を基板処理装置100Aの外部に有する点で、第2変形例は実施形態3と主に異なる。以下、第2変形例が実施形態3及び実施形態4と異なる点を主に説明する。
【0467】
第2変形例に係る基板処理装置100Aの構成は、図1図7図12、及び、図20を参照して説明した実施形態3に係る基板処理装置100の構成と同様である。ただし、基板処理装置100Aは、例えば、図12の取得部CN2、第1選択部CN3、学習部CN9を備えないし、図20の第1学習部61、第2学習部62、及び、第3学習部63を備えない。また、基板処理装置100Aは、図12の前処理部CN1を備えていなくてもよい。また、基板処理装置100Aは、図12の学習プログラムME7及び学習データME8を記憶ていていないし、図20の第1学習プログラム71、第2学習プログラム72、第3学習プログラム73、第1学習データ81、第2学習データ82、及び、第3学習データ83を記憶していない。さらに、基板処理装置100Aは、図12の測定データME2及び処理結果情報ME3を記憶していなくてもよいし、図20の処理結果情報セットME30を記憶していなくてもよい。
【0468】
第2変形例に係る制御ユニット401は、図12の取得部CN2、第1選択部CN3、図20の第1学習部61、第2学習部62、及び、第3学習部63を備える。また、制御ユニット401は、図12の前処理部CN1を備えていてもよい。さらに、記憶ユニット402は、図20の第1学習プログラム71、第2学習プログラム72、第3学習プログラム73、第1学習データ81、第2学習データ82、第3学習データ83、第1学習モデル91、第2学習モデル92、及び、第3学習モデル93を記憶している。また、記憶ユニット402は、図12の測定データME2及び図20の処理結果情報セットME30を記憶するが、この点は、実施形態4と同様である。
【0469】
第2変形例に係る制御ユニット401の第1選択部CN3は、複数の処理結果情報ME3に基づいて、複数の処理ユニット220のうちから、処理対象基板Wxの各々を処理するために使用する1以上の処理ユニット220を選択して、選択結果情報ME4を生成する。そして、通信ユニット405は、ネットワークNWを介して、基板処理装置100Aに選択結果情報ME4を送信する。
【0470】
その結果、第2変形例では、実施形態4と同様に、基板処理装置100Aにおいて、複数の処理対象基板Wx間での処理の均一性を向上できる。
【0471】
その他、第2変形例に係る制御ユニット401の取得部CN2、第1選択部CN3、第1学習部61、第2学習部62、第3学習部63、及び、前処理部CN1は、それぞれ、実施形態3に係る制御ユニットCNTの取得部CN2、第1選択部CN3、第1学習部61、第2学習部62、第3学習部63、及び、前処理部CN1と同様に動作する。その他、第2変形例では、実施形態3と同様の効果を有する。なお、選択装置400を「学習装置」と捉えることもできる。
【0472】
また、通信ユニット405は、ネットワークNWを介して、第1学習モデル91、第2学習モデル92、及び、第3学習モデル93を、基板処理装置100Aに送信してもよい。なお、第1学習モデル91、第2学習モデル92、及び、第3学習モデル93をリムーバブルメディアに記憶して、リムーバブルメディアから基板処理装置100Aに、第1学習モデル91、第2学習モデル92、及び、第3学習モデル93を提供してもよい。
【0473】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施できる。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素は適宜改変可能である。例えば、ある実施形態に示される全構成要素のうちのある構成要素を別の実施形態の構成要素に追加してもよく、又は、ある実施形態に示される全構成要素のうちのいくつかの構成要素を実施形態から削除してもよい。
【0474】
また、図面は、発明の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0475】
本発明は、基板処理装置、基板処理方法、選択装置、選択方法、学習モデル生成方法、及び、学習モデルに関するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0476】
61 第1学習部(学習部)
62 第2学習部(学習部)
63 第3学習部(学習部)
91 第1学習モデル(学習モデル)
92 第2学習モデル(学習モデル)
93 第3学習モデル(学習モデル)
100、100A 基板処理装置
200 測定ユニット
220 処理ユニット
210 搬送機構
400 選択装置
401 制御ユニット
402 記憶ユニット
AR、RT、DV、PAHP、PHP、CP、EEW 処理ユニット
CNT 制御ユニット
CN1 前処理部
CN2 取得部
CN3 第1選択部(選択部)
CN4 解析部
CN5 調節部
CN6 第2選択部
CN7 基板経路決定部
CN8 基板処理制御部
CN9 学習部
MEM 記憶ユニット
ME9 学習モデル
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