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特許7535432対話型コミュニケーション装置及び情報提供方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-07
(45)【発行日】2024-08-16
(54)【発明の名称】対話型コミュニケーション装置及び情報提供方法
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20240808BHJP
   G08B 29/12 20060101ALI20240808BHJP
   A63H 5/00 20060101ALI20240808BHJP
   G10L 13/00 20060101ALI20240808BHJP
   G10L 15/22 20060101ALI20240808BHJP
   G10L 15/10 20060101ALI20240808BHJP
   A63H 11/00 20060101ALN20240808BHJP
【FI】
H04Q9/00 311K
G08B29/12
A63H5/00 C
G10L13/00 100M
G10L15/22 300Z
G10L15/10 500T
A63H11/00 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020176405
(22)【出願日】2020-10-21
(65)【公開番号】P2022067693
(43)【公開日】2022-05-09
【審査請求日】2023-05-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100166981
【弁理士】
【氏名又は名称】砂田 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】榎本 奈津子
(72)【発明者】
【氏名】宮本 登
(72)【発明者】
【氏名】大橋 朋佳
(72)【発明者】
【氏名】川田 拓也
(72)【発明者】
【氏名】大野 明子
(72)【発明者】
【氏名】平瀬 公太
【審査官】岩田 玲彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-106982(JP,A)
【文献】特開2019-175251(JP,A)
【文献】特開2020-166502(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04Q 9/00
G08B 29/12
A63H 5/00
G10L 13/00
G10L 15/22
G10L 15/10
A63H 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
警報器の状態に関する情報として、警報器の検出結果に関する情報、警報器の電池の状態に関する情報、警報器の故障に関する情報、警報器の異常に関する情報、警報器の通信状態に関する情報及び問題が見つかった箇所の情報のうちの1つ以上を取得する情報取得手段と、
取得した前記状態に関する情報を記憶する記憶手段と、
ユーザと自装置との会話中に、前記状態に関する情報をユーザに提供する提供手段と、
を有する対話型コミュニケーション装置。
【請求項2】
前記提供手段は、現在の会話中に、予め定めた条件が成立した場合、前記状態に関する情報をユーザに提供する、
請求項1に記載の対話型コミュニケーション装置。
【請求項3】
前記予め定めた条件は、現在の会話が、予め定めた頻度又は周期に関する条件を満たすことである、請求項2に記載の対話型コミュニケーション装置。
【請求項4】
前記予め定めた条件は、現在の会話中に、ガス機器又はガスの利用に関する内容が含まれることである、請求項2に記載の対話型コミュニケーション装置。
【請求項5】
対話型コミュニケーション装置に対して情報を提供する情報提供方法であって、
警報器の状態に関する情報として、警報器の検出結果に関する情報、警報器の電池の状態に関する情報、警報器の故障に関する情報、警報器の異常に関する情報、警報器の通信状態に関する情報及び問題が見つかった箇所の情報のうちの1つ以上を取得する処理と、
ユーザとの会話中における出力を条件として、前記状態に関する情報を、前記対話型コミュニケーション装置に送信する処理と、
を有する情報提供方法。
【請求項6】
対話型コミュニケーション装置に対して情報を提供する情報提供方法であって、
前記対話型コミュニケーション装置とユーザとの会話の開始を検知する処理と、
前記対話型コミュニケーション装置とユーザとの会話中に、警報器の状態に関する情報として、警報器の検出結果に関する情報、警報器の電池の状態に関する情報、警報器の故障に関する情報、警報器の異常に関する情報、警報器の通信状態に関する情報及び問題が見つかった箇所の情報のうちの1つ以上の提供を、当該対話型コミュニケーション装置に対して指示する処理と、
を有する情報提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対話型コミュニケーション装置及び情報提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ガス漏れを知らせるガス警報器は、ガス漏れという万一の事故に備えた機器である。ただし、ガス漏れは万一の自体であるので、通常、ガス警報器が警報を発することはない。このため、ユーザにおいては、ガス警報器が正常に作動しているかどうか不安になることがある。そこで、人の活動中に警報器が正常であることを音声で報知するシステムも存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-184964号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、普段は音を出力しないガス警報器が突然音声で報知を開始すると、かえってユーザを驚かせる可能性がある。また、ユーザによっては、誤報や故障が発生したと勘違いする懸念もある。
【0005】
本発明は、ユーザを驚かせることなく警報器の状態を通知することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、警報器の状態に関する情報として、警報器の検出結果に関する情報、警報器の電池の状態に関する情報、警報器の故障に関する情報、警報器の異常に関する情報、警報器の通信状態に関する情報及び問題が見つかった箇所の情報のうちの1つ以上を取得する情報取得手段と、取得した前記状態に関する情報を記憶する記憶手段と、ユーザと自装置との会話中に、前記状態に関する情報をユーザに提供する提供手段と、を有する対話型コミュニケーション装置である。
請求項2に記載の発明は、前記提供手段は、現在の会話中に、予め定めた条件が成立した場合、前記状態に関する情報をユーザに提供する、請求項1に記載の対話型コミュニケーション装置である。
請求項3に記載の発明は、前記予め定めた条件は、現在の会話が、予め定めた頻度又は周期に関する条件を満たすことである、請求項2に記載の対話型コミュニケーション装置である。
請求項4に記載の発明は、前記予め定めた条件は、現在の会話中に、ガス機器又はガスの利用に関する内容が含まれることである、請求項2に記載の対話型コミュニケーション装置である。
請求項5に記載の発明は、対話型コミュニケーション装置に対して情報を提供する情報提供方法であって、警報器の状態に関する情報として、警報器の検出結果に関する情報、警報器の電池の状態に関する情報、警報器の故障に関する情報、警報器の異常に関する情報、警報器の通信状態に関する情報及び問題が見つかった箇所の情報のうちの1つ以上を取得する処理と、ユーザとの会話中における出力を条件として、前記状態に関する情報を、前記対話型コミュニケーション装置に送信する処理と、を有する情報提供方法である。
請求項に記載の発明は、対話型コミュニケーション装置に対して情報を提供する情報提供方法であって、前記対話型コミュニケーション装置とユーザとの会話の開始を検知する処理と、前記対話型コミュニケーション装置とユーザとの会話中に、警報器の状態に関する情報として、警報器の検出結果に関する情報、警報器の電池の状態に関する情報、警報器の故障に関する情報、警報器の異常に関する情報、警報器の通信状態に関する情報及び問題が見つかった箇所の情報のうちの1つ以上の提供を、当該対話型コミュニケーション装置に対して指示する処理と、を有する情報提供方法である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザを驚かせることなく警報器の状態を通知できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1で想定するコミュニケーションシステムの構成例を示す図である。
図2】端末装置の外観例を説明する図である。
図3】実施の形態1で使用する端末装置の機能構成の一例を示す図である。
図4】実施の形態1で使用する端末装置の処理動作例を説明するフローチャートである。
図5】ガス警報器等の動作状態に関する情報の通知例を説明する図である。
図6】ガス警報器等による検出結果に関する情報の通知例を説明する図である。
図7】ガス警報器等の電池の状態に関する情報の通知例を説明する図である。
図8】実施の形態2で使用する端末装置の処理動作例を説明するフローチャートである。
図9】ガスに関連する会話中にガス警報器等の状態に関する情報の通知例を説明する図である。
図10】実施の形態2で使用する端末装置の他の処理動作を説明するフローチャートである。
図11】実施の形態3で想定するコミュニケーションシステムの構成例を示す図である。
図12】実施の形態3で使用する端末装置の機能構成の一例を示す図である。
図13】実施の形態3で使用する端末装置及び情報提供サーバの処理動作例を説明するフローチャートである。
図14】実施の形態4で想定するコミュニケーションシステムの構成例を示す図である。
図15】実施の形態4で使用する端末装置の機能構成の一例を示す図である。
図16】実施の形態4で使用する端末装置及び情報提供サーバの処理動作例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
<実施の形態1>
<システムの構成>
図1は、実施の形態1で想定するコミュニケーションシステム1の構成例を示す図である。図1に示すコミュニケーションシステム1は、一般家庭での利用を想定している。もっとも、ガス警報器20やCO警報器30は、事業者のオフィスや店舗に設置されてもよい。
【0010】
図1に示すコミュニケーションシステム1は、一般家庭で使用される端末装置10と、ガス漏れを検知した場合に警報を出力するガス警報器20と、不完全燃焼等で発生する一酸化炭素(CO)を検知した場合に警報を出力するCO警報器30とで構成されている。
本実施の形態で使用する端末装置10は、ユーザ(使用者)40との会話が可能であり、不図示の他の端末装置10との通信も可能である。
端末装置10は、ガス警報器20とCO警報器30との無線接続により、コミュニケーションシステム1を構成している。
【0011】
図1では、ガス警報器20とCO警報器30がそれぞれ1台だけ表されているが、複数台でもよい。
なお、ガス警報器20は、空気より軽いガス(例えば都市ガス)を使用する家庭では天井付近に取り付けられ、空気より重いガス(例えばLPガス)を使用する家庭では床面付近に取り付けられる。これらのガスは、可燃性ガスである。
【0012】
図1の場合、ガス警報器20とCO警報器30は、別の装置として表しているが、実際には一体型の警報器でもよい。なお、CO警報器30は、火災警報器に内蔵されていてもよい。
本実施の形態で使用するガス警報器20とCO警報器30には、BLE(=Bluetooth Low Energy)(登録商標)が内蔵されており、端末装置10との通信が可能である。
【0013】
ただし、ガス警報器20やCO警報器30に設ける通信機能はBLEに限らず、他の通信規格を使用してもよい。例えばLPWA(=Low Power Wide Area)、ZigBee(登録商標)を用いてもよい。
本実施の形態で使用するガス警報器20とCO警報器30は、電池で動作する場合を想定するが、交流電源で動作する機器でもよい。
【0014】
図1に示す端末装置10は、ロボットの形状を有している。もっとも、端末装置10の形状はロボットに限らず、例えば動物、ぬいぐるみ、乗り物、花の形状でもよい。また、端末装置10は、スマートスピーカ等で採用されている筒型の形状や箱型の形状でもよい。
端末装置10は、ユーザ40の所有でも良いし、レンタルでもよい。レンタルの場合、有償か無償かは問わない。
【0015】
本実施の形態における端末装置10は、ユーザ40との音声による対話又は会話が可能である。
もっとも、本実施の形態では、対話と会話を厳密には区別しない。本実施の形態の場合、会話は、端末装置10からの発声に対するユーザ40の応答、又は、ユーザ40の発声に対する端末装置10の応答が少なくとも1回行われることをいう。
このため、本実施の形態における端末装置10は、対話型コミュニケーション装置の一例である。
【0016】
本実施の形態における端末装置10には、他の装置と通信するための機能が設けられている。
端末装置10が家庭内のネットワーク環境に接続されている場合、端末装置10は、インターネット経由で不図示の音声認識サーバに接続し、ユーザ40の音声の内容を認識する。
なお、端末装置10と家庭内のネットワーク環境との接続には、例えばWifi(登録商標)、ワイヤレスUSB(=Universal Serial Bus)、ブルートゥース(登録商標)、有線ケーブルを使用する。なお、デザリングにより、家庭内のネットワーク環境に接続してもよい。
【0017】
また、端末装置10が家庭内のネットワーク環境に接続されていない場合、端末装置10は、移動通信システム経由で音声認識サーバと通信してもよい。移動通信システムは、第4世代(すなわち4G)、第5世代(すなわち5G)、第6世代(すなわち6G)のいずれでもよい。
もっとも、移動通信システムを用いた通信が可能であるのは、端末装置10にSIM(=Subscriber Identity Module)カードが装着されているか、電子的に発行されたSIM情報が不図示の半導体メモリに記憶されている場合に限られる。
もっとも、音声認識機能が内蔵されている場合、音声認識サーバを利用しなくてもよい。
【0018】
<端末装置の外観構成>
図2は、端末装置10の外観例を説明する図である。図2に示したように、本実施の形態における端末装置10の外観は2足歩行型のロボットである。
もっとも、端末装置10が実際に歩行可能である必要はない。ただし、不図示の車輪等により、端末装置10の移動が可能でもよい。なお、ロボットには脚部がなくてもよい。
【0019】
端末装置10は、情報を送受信する通信アンテナ101と、画像を撮像するカメラ102と、音声を取得するマイクロフォン103と、情報を表示するディスプレイ104と、音声等の音を出力するスピーカ105と、ユーザ40(図1参照)が操作を行う操作ボタン106と、人の存在を検知する人感センサ107と、装置全体の制御を行う制御部108とを備える。
【0020】
本実施の形態の場合、通信アンテナ101はデザインの一部として現れているが、筐体内に含まれていてもよい。
カメラ102による撮像は、動画でも静止画でもよい。本実施の形態の場合、カメラ102は、ロボットの左目に設けられているが、取り付け位置は任意である。因みに、取り付けられるカメラ102の数は、複数でもよい。
マイクロフォン103は、ロボットの右目に設けられているが、取り付け位置は任意である。マイクロフォン103の数も複数でもよい。
【0021】
ディスプレイ104は、ロボットの胸部に設けられている。ディスプレイ104は、タッチパネルでもよい。もっとも、ディスプレイ104を設けない構成も可能である。
操作ボタン106は、カメラ102による録画を指示する録画ボタン106aと、他の端末装置10やスマートフォン等から受信した情報の再生を指示する再生ボタン106bと、端末装置10の設定等に用いるメニューボタン106cとを備えている。
本実施の形態の場合、録画ボタン106aが操作される画像が記録だけでなく、音も記録される。もっとも、録画ボタン106aに代えて、又は、録画ボタン106aとは別に録音ボタンを用意してもよい。
【0022】
制御部108は、プログラムの実行を通じて各種の機能を実現するCPU(=Central Processing Unit)と、半導体メモリで構成される。半導体メモリは、BIOS(=Basic Input Output System)等が記憶されたROM(=Read Only Memory)と、主記憶装置として用いられるRAM(=Random Access Memory)とを有している。また、制御部108は、補助記憶装置としての半導体メモリも有している。補助記憶装置としての半導体メモリには、会話中の音声データやプログラムが記憶されている。補助記憶装置としての半導体メモリは、書き換えが可能な不揮発性のメモリである。
【0023】
<端末装置の機能構成>
図3は、実施の形態1で使用する端末装置10の機能構成の一例を示す図である。図3に示す機能は、本実施の形態に関連する機能のみを選択的に表している。
【0024】
端末装置10は、ユーザ宅に設置されているガス警報器20及びCO警報器30(以下「ガス警報器20等」ともいう)のそれぞれから、状態に関する情報を取得する動作状態取得部111と、取得された情報を半導体メモリに記録する情報記録部112と、ガス警報器20等の状態に関する情報をユーザ40(図1参照)に提供するタイミングを指示する情報提供指示部113と、ユーザ40に対する音声を出力する音声出力部114と、ユーザ40が発した音声を取得する音声取得部115とを有している。ここでの半導体メモリは、記憶手段の一例である。
【0025】
本実施の形態における動作状態取得部111は、ペアリング済みのガス警報器20等との通信により、ガス警報器20等を識別する情報、ガス警報器20等による可燃性ガスやCOの検出結果に関する情報、ガス警報器20等の動作状態に関する情報、ガス警報器20等における電池の状態に関する情報の少なくとも1つを取得する。動作状態取得部111は、情報取得手段の一例である。
ここでの動作状態に関する情報は、ガス警報器20等が正常に動作しているかの情報、故障や異常の有無や問題が見つかった箇所の情報を含む。また、電池の状態に関する情報には、電池の電圧が閾値以上か否かの情報を含む。
【0026】
なお、ガス警報器20等の動作状態に関する情報には、通信の成立や不成立も含まれる。通信の不成立は、ガス警報器20等の故障の他、電池切れによっても発生する。
動作状態取得部111による状態の取得の頻度や周期、取得を実行する時刻は、ユーザ40による設定や変更が可能である。取得の頻度を上げれば、ガス警報器20等の異常をほぼリアルタイムで検知できるが、ガス警報器20等の電池の消耗が増加してしまう。因みに、ガス警報器20等に対する端末装置10からの状態に関する情報の要求は、不定期に実行してもよい。
また、端末装置10がガス警報器20等に対して状態に関する情報の送信を要求するのではなく、ガス警報器20等によるプッシュ配信を端末装置10が受信する仕組みでもよい。
【0027】
情報記録部112は、新たな情報が取得されるたび、情報を半導体メモリに追加する。もっとも、最新の情報だけを上書き記録してもよい。
情報提供指示部113は、ガス警報器20等の状態に関する情報をユーザ40に提供するタイミングを監視し、予め定めた条件を満たすと、音声出力部114を通じてガス警報器20等の状態に関する情報を音声で出力する。本実施の形態における情報提供指示部113は、提供手段の一例である。
本実施の形態の場合、情報提供指示部113は、自装置とユーザ40とが会話中である場合、ガス警報器20等の状態に関する情報の出力を指示する。一方、自装置とユーザ40とが会話中でない場合、情報提供指示部113は、ガス警報器20等の状態に関する情報の出力を指示しない。
【0028】
本実施の形態の場合、情報提供指示部113は、音声取得部115でユーザ40の声が検出された場合、自装置とユーザ40が会話中であると判定する。なお、会話は、例えば端末装置10が出力した音や音声に対してユーザ40から応答が検知された場合、ユーザ40からの呼び掛けや問い合わせが検知された場合、ユーザ40から端末装置10に対する動作の指示があった場合がある。
【0029】
因みに、ガス警報器20等の動作に関する情報を子供に伝えても意味を理解できない可能性がある。そのため、ユーザ40の声が大人の声である場合に限り、会話中と判定してもよい。この機能は、例えばユーザ40の声と一緒に、ユーザ40の年齢や呼び名等が事前に登録されている場合に利用が可能である。
【0030】
例えば声の主として認証されたユーザ40が中学生以上の年齢であれば、ガス警報器20等の動作に関する情報の出力を許可してもよい。もっとも、出力を許可する年齢の基準は、ユーザ40による変更が可能である。
また例えば認定された声の主に、パパ、ママ、おじいさん、おばあさん等の大人を表す呼び名が割り当てられている場合に限り、ガス警報器20等の動作に関する情報の出力を許可してもよい。
音声による提供とは別に、状態に関する情報を連携しているスマートフォン等の端末にメッセージとして送信してもよい。メッセージは、音声ファイル、電子メール、ショートメッセージのいずれでもよい。
【0031】
音声出力部114は、外部から与えられた音声メッセージや予め用意された音声メッセージ、スケジュールされた情報、ユーザ40が発話した内容に応じた情報等をスピーカ105(図2参照)から出力する。
音声取得部115は、マイクロフォン103(図2参照)を通じて取得されたユーザ40の音声を解析し、質問の内容を特定する。具体的には、音声取得部115は、取得された音声を不図示の音声認識サーバに送信し、音声に対応するテキストデータを取得する。
なお、端末装置10だけで音声認識の実行が可能な場合、音声認識サーバとの通信は不要である。
この音声取得部115と音声出力部114との連携により、端末装置10とユーザ40との会話が実現される。
【0032】
<処理動作>
図4は、実施の形態1で使用する端末装置10の処理動作例を説明するフローチャートである。なお、図4に示す処理動作は、制御部108(図2参照)によるプログラムの実行を通じて実現される。なお、図中における記号のSはステップを表している。
【0033】
まず、端末装置10は、管理対象とするガス警報器20等から状態に関する情報を取得する(ステップ1)。本実施の形態における端末装置10は、不図示の電源ボタンがオン操作されることで起動する。また、人感センサ107(図2参照)が人の動きを検知することで起動してもよい。
次に、端末装置10は、取得された情報を半導体メモリに記録する(ステップ2)。
その後、端末装置10は、自装置はユーザと会話中か否かを判定する(ステップ3)。例えば端末装置10は、ユーザの音声が検出されているか否かを判定する。
【0034】
ステップ3で肯定結果が得られた場合、端末装置10は、ユーザ40との会話中に、ガス警報器20等の状態に関する情報を音声で通知する(ステップ4)。例えば端末装置10は、ユーザ40が発した音声に対する応答中に、ガス警報器20等の状態に関する情報を追加する。
一方、ステップ3で否定結果が得られた場合、端末装置10は、取得しているガス警報器20等の状態に関する情報を取得することなく処理を一旦終了する。
端末装置10は、処理の終了後も定期的に前述した処理を繰り返し実行する。
【0035】
<会話の進行例>
以下、図5図7を使用して、本実施の形態で想定するコミュニケーションシステム1で実行される会話の具体例を説明する。
図5は、ガス警報器20等の動作状態に関する情報の通知例を説明する図である。
図5の場合、ユーザ40が「今日は疲れたわ」と端末装置10に話し掛けている。端末装置10は、この言葉を受けて「お疲れ様!」と応答している。この応答は、端末装置10が備えている会話の機能により実行される。
【0036】
図5の端末装置10は、更に続けて「そうそう、ガス警報器は正常に作動していますよ。ご安心ください。」と出力し、ガス警報器20等の動作状態を通知する。ユーザ40は、端末装置10に話し掛けた時点で端末装置10からの応答を期待しているので、ガス警報器20等の状態に関する情報の通知があっても、驚かずに済む。
【0037】
図6は、ガス警報器20等による検出結果に関する情報の通知例を説明する図である。
図6の場合、ユーザ40が「ラジオを付けて」と端末装置10に話し掛けている。端末装置10は、この言葉を受けて「かしこまりました」と応答している。この応答は、端末装置10が備えている会話の機能により実行される。また、端末装置10とブルートゥース等でペアリングされているラジオをオン動作させる。
【0038】
図6の端末装置10は、更に続けて「そうそう、ガス漏れは検知されていません。」と出力し、ガス警報器20等の状態を通知する。この場合も、ユーザ40は、端末装置10に話し掛けた時点で端末装置10からの応答を期待しているので、ガス警報器20等の状態に関する情報の通知があっても、驚かずに済む。
【0039】
図7は、ガス警報器20等の電池の状態に関する情報の通知例を説明する図である。
図7の場合も、ユーザ40が「ラジオを付けて」と端末装置10に話し掛けている。そして、端末装置10は、この言葉を受けて「かしこまりました」と応答している。この応答も、端末装置10が備えている会話の機能により実行される。
【0040】
図7の端末装置10は、更に続けて「ところで、ガス警報器の電池が減っているようです。交換をおすすめします。」と出力し、ガス警報器20等の状態を通知する。この場合も、ユーザ40は、端末装置10に話し掛けた時点で端末装置10からの応答を期待しているので、ガス警報器20等の状態に関する情報の通知があっても、驚かずに済む。
【0041】
このように、本実施の形態における端末装置10は、ユーザ40が端末装置10からの返事を期待するタイミングに、通常の会話の内容に追加して、ガス警報器20等の状態に関する情報を通知するので、ユーザ40を驚かせることなく、現在のガス警報器20等の状態に関する情報を通知することが可能になる。また、定期点検等の機会によらず、ガス警報器20等の状態を知ることで、ユーザ40は安心してガス機器を利用することができる。
【0042】
<実施の形態2>
前述した実施の形態1では、ユーザ40(図1参照)との会話のたびに、ガス警報器20(図1参照)等の状態に関する情報が端末装置10(図1参照)からユーザ40に通知される。
しかし、ユーザ40によっては、ガス警報器20等の状態に関する情報が会話の度に通知されることを望まない可能性がある。
また、会話の内容とは関係なく、ガス警報器20等の状態に関する情報が通知されるのでは、端末装置10の故障を疑う可能性すらある。
【0043】
そこで、本実施の形態では、ガス警報器20等の状態に関する情報の出力に関し、会話以外の出力条件を追加的に要求する。
なお、コミュニケーションシステム1(図1参照)の構成や端末装置10の装置構成は実施の形態1と同様である。
【0044】
<処理動作1>
図8は、実施の形態2で使用する端末装置10の処理動作例を説明するフローチャートである。なお、図8には図4との対応部分に対応する符号を付して示している。図8に示す処理動作も、制御部108(図2参照)によるプログラムの実行を通じて実現される。なお、図中における記号のSはステップを表している。
まず、端末装置10は、管理対象とするガス警報器20等から状態に関する情報を取得する(ステップ1)。
【0045】
次に、端末装置10は、取得された情報を半導体メモリに記録する(ステップ2)。
その後、端末装置10は、自装置はユーザと会話中か否かを判定する(ステップ3)。例えば端末装置10は、ユーザの音声が検出されているか否かを判定する。
ステップ3で肯定結果が得られた場合、端末装置10は、ユーザ40との会話中に「ガス機器又はガスの利用に関する内容」が含まれるか否かを判定する(ステップ11)。この判定が、実施の形態2に特有の処理である。
【0046】
ガス機器に関する内容には、「ガスコンロ」、「ガスヒータ」、「ガス乾燥機」、「ガス給湯器」、「湯沸かし器」、「家庭用燃料電池」、「ガス温水床暖房」、「浴室暖房乾燥機」、「食器洗い乾燥機」、「ガスエアコン」等の言葉が含まれる場合がある。
また、ガスの利用に関する内容には、「ガス代」、「○○ガス」、「ガス点検」等がある。また、ガス会社等が提供する各種のサービス名も、ガスの利用に関する内容に含まれる。
【0047】
ステップ11で肯定結果が得られた場合、端末装置10は、ユーザ40との会話中にガス警報器20等の状態に関する情報を音声で通知する(ステップ4)。例えば端末装置10は、ユーザ40が発した音声に対する応答中に、ガス警報器20等の状態に関する情報を追加する。
一方、ステップ3で否定結果が得られた場合、端末装置10は、取得しているガス警報器20等の状態に関する情報を取得することなく処理を一旦終了する。
これに対し、ステップ11で否定結果が得られた場合、端末装置10は、ユーザ40との会話の内容に応じた音声を出力する(ステップ12)。
端末装置10は、処理の終了後も定期的に前述した処理を繰り返し実行する。
【0048】
図9は、ガスに関連する会話中にガス警報器20等の状態に関する情報の通知例を説明する図である。
図9の場合、ユーザ40が「今月のガス料金を教えて」と端末装置10に話し掛けている。そして、端末装置10は、この言葉を受けて「今月は5,000円です」と応答している。この応答は、端末装置10が備えている会話の機能により実行される。
続いて、図9の端末装置10は、「そうそう、警報器は正常に作動していますよ。ご安心ください。」と出力している。
このように、本実施の形態の場合には、ガスに関連する会話中に、ガス警報器20等の状態が通知される。
【0049】
本実施の形態の場合、ユーザ40が端末装置10と会話中でもガスに関連する会話で無い場合には、ガス警報器20等に関する情報は通知しない。このため、ユーザ40は、自身に関心がある話題で、端末装置10と会話を進めることができる。
一方、本実施の形態では、ガスに関連する話題を含む会話中に、ガス警報器20等の状態に関する情報をユーザ40に通知するので、ユーザ40は、ガス警報器20等の状態に関する情報の通知に対して驚かずに済む。
また、本実施の形態では、ガス警報器20等の状態に関する情報が必要以上に頻繁に通知されずに済む。
【0050】
<処理動作2>
図10は、実施の形態2で使用する端末装置10の他の処理動作を説明するフローチャートである。なお、図10には図8との対応部分に対応する符号を付して示している。図10に示す処理動作も、制御部108(図2参照)によるプログラムの実行を通じて実現される。なお、図中における記号のSはステップを表している。
図10に処理動作の場合、ステップ3で肯定結果を得た端末装置10は、今回の会話は、通知の頻度又は周期の基準を満たすか否かを判定する(ステップ21)。この判定が、図8を用いて説明した「処理動作1」との違いである。
【0051】
頻度の基準には、例えば10回の会話に1回の割合、20回の会話に1回の割合等が定められる。なお、会話は、ユーザ40と端末装置10との間の言葉の往復を1回とカウントしてもよいし、一連の言葉のやり取りが終了するまでを1回とカウントしてもよい。頻度の基準は、ユーザ40が自由に設定できる。
また、周期の基準は、例えば1日に1回の割合、1週間に1回の割合、2週間に1回の割合、1月に1回の割合等が定められる。
例えば1日に1回の割合を基準として用いる場合、1日の会話の回数が何回でも、既にガス警報器20等の状態に関する情報が通知されている場合には、同日中に情報の通知は実行されない。なお、1日は、日付の切り替わりに限らず、前回の通知が行われた時刻から24時間以上経過することを条件としてもよい。
【0052】
ステップ21で肯定結果が得られた場合、端末装置10は、ユーザ40との会話中にガス警報器20等の状態に関する情報を音声で通知する(ステップ4)。
一方、ステップ21で否定結果が得られた場合、端末装置10は、ユーザ40との会話の内容に応じた音声を出力する(ステップ12)。
なお、ステップ3で否定結果が得られた場合、端末装置10は、取得しているガス警報器20等の状態に関する情報を取得することなく処理を一旦終了する。
端末装置10は、処理の終了後も定期的に前述した処理を繰り返し実行する。
【0053】
図10では、会話の内容とは無関係に予め定めた基準を用いて通知の回数を低減しているが、前述した「処理動作1」と組み合わせてもよい。
例えばステップ11(図8参照)で肯定結果が得られるとステップ21を実行し、ステップ21でも肯定結果が得られた場合に限り、会話中にガス警報器20等の状態に関する情報を音声で通知してもよい。この組み合わせであれば、ガスの話題が出る度に毎回、ガス警報器20等の状態に関する情報が音声で通知されずに済む。
【0054】
<実施の形態3>
<システムの構成>
本実施の形態では、端末装置10A(図11参照)が、ガス警報器20等と直接通信しない又はできない環境を想定する。
図11は、実施の形態3で想定するコミュニケーションシステム1Aの構成例を示す図である。図11には、図1との対応部分に対応する符号を付して示している。
図11に示すコミュニケーションシステム1Aでは、家庭側にガススマートメータ50が設けられており、このガススマートメータ50にガス警報器20とCO警報器30が無線で接続されている。
【0055】
本実施の形態におけるガススマートメータ50は、スマートメータ通信ネットワーク60経由で情報提供サーバ70と接続されている。スマートメータ通信ネットワーク60には、電気事業者や水道事業者のスマートメータも接続されている。
ガススマートメータ50とスマートメータ通信ネットワーク60との接続には、例えば消費電力が少ない移動通信システムの規格を使用する。
もっとも、ガススマートメータ50が家庭内のネットワーク環境に接続可能な場合には、家庭内のネットワーク環境を通じてガススマートメータ50を情報提供サーバ70に接続してもよい。
【0056】
情報提供サーバ70は、各家庭のガス消費量等を集中管理する機能に加え、ガス警報器20等の状態に関する情報をインターネット80や家庭内ネットワーク経由で端末装置10Aに提供するサーバである。本実施の形態における情報提供サーバ70は、ガス事業者やガス事業者等から委託を受けた事業者が運用している。
情報提供サーバ70は、各家庭から収集したガス警報器20等の状態に関する情報を契約者に提供するサービスを提供するコンピュータであれば、いわゆるブレードサーバに限らず、デスクトップ型のコンピュータでも、ノート型のコンピュータでも、タブレット型のコンピュータでもよい。
【0057】
情報提供サーバ70は、不図示のCPUによるアプリケーションプログラムの実行を通じ、端末装置10Aと連携する。
本実施の形態における情報提供サーバ70は、クラウド型のサーバでもオンプレミス型のサーバでもよい。
情報提供サーバ70には、事前に登録された端末装置10Aを識別する情報と、契約者の情報と、ガス警報器20やCO警報器30を識別する情報とが対応付けて記憶されている。
【0058】
本実施の形態における情報提供サーバ70は、出力条件付きで、ガス警報器20等の状態に関する情報を該当するユーザ40の端末装置10Aに宛てて送信する。
本実施の形態の場合、出力条件は、端末装置10Aがユーザ40との会話中であることである。もっとも、実施の形態2で説明したように、会話の頻度や会話中の話題に関する追加の出力条件を要求してもよい。
【0059】
<端末装置の機能構成>
図12は、実施の形態3で使用する端末装置10Aの機能構成の一例を示す図である。図12には、図3との対応部分に対応する符号を付して示している。
図12に示す端末装置10Aには、ユーザ宅に設置されているガス警報器20等との通信を通じて状態に関する情報を取得する動作状態取得部111が設けられていない一方、会話判定部116が設けられる点で、図3に示す端末装置10と相違する。
【0060】
本実施の形態で使用する端末装置10Aは、ガス警報器20等の状態に関する情報が情報提供サーバ70から提供されると、情報記録部112に記録する。
会話判定部116は、音声取得部115による音声の取得を監視し、ユーザ40と端末装置10Aとが会話中か否かを判定し、会話中と判定された場合には、不図示の半導体メモリに記憶されているガス警報器20等の状態に関する情報を音声出力部114に与える。
【0061】
<処理動作>
図13は、実施の形態3で使用する端末装置10A及び情報提供サーバ70の処理動作例を説明するフローチャートである。なお、図中における記号のSはステップを表している。
まず、情報提供サーバ70がガス警報器20等の状態に関する情報を取得する(ステップ31)。前述したように、本実施の形態の場合、ユーザ宅のガス警報器20等の状態に関する情報は、情報提供サーバ70によって収集される。
この後、情報提供サーバ70は、取得した情報に出力条件を付けて端末装置10Aに送信する(ステップ32)。ここでの情報提供サーバ70が実行する処理が情報提供方法の一例である。
【0062】
一方、端末装置10Aは、受信した情報を半導体メモリに記録する(ステップ33)。この後、端末装置10Aは、自装置がユーザと会話中か否かを判定する(ステップ34)。
ステップ34で否定結果が得られた場合、端末装置10Aは、ステップ34の判定を繰り返す。一方、ステップ34で肯定結果が得られた場合、端末装置10Aは、ユーザとの会話中にガス警報器20等の状態を音声で通知する(ステップ35)。通知するガス警報器20等の情報は、最新の情報が選択される。
【0063】
例えば前回のユーザ40との会話から次回のユーザ40との会話までの間に、ガス警報器20等の状態が「正常である」との通知と「異常である」との通知があった場合、端末装置10Aは、最新の情報である「異常である」との通知のみをユーザ40に通知する。これにより、ユーザ40を混乱させずに済む。
【0064】
本実施の形態の場合、端末装置10Aがガス警報器20等と直接通信しない又はできない環境でも、ユーザ40に対してガス警報器20等が正常に動作していること等を、ユーザ40を驚かせることなく通知することが可能になる。
なお、本実施の形態の場合にも実施の形態2で説明した出力条件を、ガス警報器20等の状態に関する情報の出力に用いてもよい。
【0065】
<実施の形態4>
<システムの構成>
本実施の形態も、端末装置10A(図11参照)が、ガス警報器20(図11参照)及びCO警報器30(図11参照)と直接通信しない又はできない環境を想定する。
図14は、実施の形態4で想定するコミュニケーションシステム1Bの構成例を示す図である。図14には、図11との対応部分に対応する符号を付して示している。図14に示すコミュニケーションシステム1Bの場合、情報提供サーバ70Aに、端末装置10Bとユーザ40とが会話中であることを検知する機能を設け、ガス警報器20等の状態に関する情報のユーザ40に対する提供も指示する。
【0066】
<端末装置の機能構成>
図15は、実施の形態4で使用する端末装置10Bの機能構成の一例を示す図である。図15には、図3との対応部分に対応する符号を付して示している。
図15に示す端末装置10Bには、情報記録部112と、音声出力部114と、音声取得部115のみが設けられる。すなわち、端末装置10Bには、動作状態取得部111や情報提供指示部113は設けられていない。また、実施の形態3で用いた会話判定部116(図12参照)も設けられていない。
【0067】
本実施の形態の場合、音声出力部114は、ユーザ40との会話に必要な情報を半導体メモリや音声認識サーバから取得してスピーカ105(図2参照)から出力する他、情報提供サーバ70Aから受信したガス警報器20等の状態に関する情報をスピーカ105から出力する。
また、本実施の形態における音声取得部115は、マイクロフォン103(図2参照)による音声の受信を情報提供サーバ70Aに通知する。
もっとも、情報提供サーバ70Aは、音声認識サーバとの連携により、端末装置10Bとユーザ40との会話の開始や会話にガス等の予め定めた情報が含まれることの通知を受けてもよい。
【0068】
<処理動作>
図16は、実施の形態4で使用する端末装置10B及び情報提供サーバ70Aの処理動作例を説明するフローチャートである。なお、図中における記号のSはステップを表している。
まず、情報提供サーバ70Aがガス警報器20等の状態に関する情報を取得する(ステップ41)。
この後、情報提供サーバ70Aは、端末装置10B(図14参照)はユーザ40(図14参照)と会話中か否かを判定する(ステップ42)。
【0069】
ステップ42で否定結果が得られた場合、情報提供サーバ70Aは、ステップ42の判定を繰り返し、取得されたガス警報器20等に関する情報は端末装置10Bに通知しない。
やがて、ステップ42で肯定結果が得られた場合、情報提供サーバ70Aは、ガス警報器20等の状態に関する情報を端末装置10Bに送信する(ステップ43)。通知するガス警報器20等の状態は、最新の情報である。ここでの情報提供サーバ70Aが実行する処理が情報提供方法の一例である。
【0070】
一方、端末装置10Bは、情報提供サーバ70Aから情報を受信すると、ユーザ40との会話中にガス警報器20等の状態を音声で通知する(ステップ44)。
本実施の形態の場合、端末装置10Bにユーザ40との会話の実行を判定する機能が設けられていない場合でも、ユーザ40に対してガス警報器20等が正常に動作していること等を、ユーザ40を驚かせることなく通知することが可能になる。
なお、本実施の形態の場合にも実施の形態2で説明した出力条件を、ステップ42における判定に適用してもよい。
【0071】
<他の実施の形態>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の技術的範囲は、前述の実施の形態に記載の範囲に限定されない。前述した実施の形態に、種々の変更又は改良を加えたものも、本発明の技術的範囲に含まれることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0072】
(1)例えば実施の形態1の場合、端末装置10は、ガス警報器20及びCO警報器30と直接通信しているが、ルータ経由で通信してもよい。
また、HEMS(=Home Energy Management System)や住宅情報モニター付きインターホン等の住宅内の情報を集約的に扱う情報端末にガス警報器20及びCO警報器30の状態に関する情報を集約した後、端末装置10に転送してもよい。
この場合、ユーザ40に対するガス警報器20等の状態に関する情報の音声による通知のタイミングは、実施の形態1、2及び3で説明したように端末装置10内で判定してもよいし、実施の形態4で説明したように情報提供サーバ70等で判定してもよい。
【0073】
(2)前述の実施の形態では、警報器としてガス警報器20とCO警報器30を例示したが、火災警報器や防犯警報器等でもよい。
(3)前述の実施の形態では、ガス警報器20がガス漏れ等を検知した場合やCO警報器30がCOを検知した場合には、各警報器が警報を出力する場合を想定しているが、端末装置10等が音声により異常の発生を通知してもよい。この場合の通知は、ユーザ40との会話中か否かとは無関係に実行する。
(4)実施の形態3では、情報提供サーバ70をガス事業者やガス事業者等から委託を受けた事業者が運用すると説明したが、電気事業者や水道事業者等やその委託を受けた事業者等が運用してもよい。また、情報提供サーバ70は、例えば行政機関、マンション等の管理組合、管理を請け負う事業者が運用してもよい。
【符号の説明】
【0074】
1、1A、1B…コミュニケーションシステム、10、10A、10B…端末装置、20…ガス警報器、30…CO警報器、40…ユーザ、50…ガススマートメータ、60…スマートメータ通信ネットワーク、70、70A…情報提供サーバ、80…インターネット、111…動作状態取得部、112…情報記録部、113…情報提供指示部、114…音声出力部、115…音声取得部、116…会話判定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16