(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-07
(45)【発行日】2024-08-16
(54)【発明の名称】空調システム及びその運転方法
(51)【国際特許分類】
F25B 15/00 20060101AFI20240808BHJP
F24F 5/00 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
F25B15/00 301Z
F24F5/00 102Z
F25B15/00 306Z
(21)【出願番号】P 2020195054
(22)【出願日】2020-11-25
【審査請求日】2023-04-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000001373
【氏名又は名称】鹿島建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100122781
【氏名又は名称】近藤 寛
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【氏名又は名称】三上 敬史
(72)【発明者】
【氏名】間宮 尚
【審査官】庭月野 恭
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第107091541(CN,A)
【文献】国際公開第2016/113937(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0138649(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 15/00-15/16
F25B 30/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収剤への冷媒蒸気の吸収、及び、冷媒液の蒸発により冷熱の生成を行う吸収式冷水生成手段と、
前記吸収に供する吸収剤を蓄積する吸収剤蓄積手段と、
冷熱を蓄熱する冷熱蓄熱手段と、
前記吸収後の吸収剤を蓄積する吸収後吸収剤蓄積手段と、
前記吸収後の吸収剤の再生を行う吸収剤再生手段と、を備え、
前記吸収剤蓄積手段は、前記吸収剤再生手段で再生された吸収剤を蓄積し、
前記冷熱蓄熱手段は、前記吸収式冷水生成手段で生成した冷熱を蓄熱し、
前記吸収剤再生手段が、前記吸収後吸収剤蓄積手段に蓄積された吸収後の吸収剤に温熱を供給して蒸気を排出させて濃縮する再生器及び再生器から排出される蒸気を凝縮させる凝縮器を有する、空調システム。
【請求項2】
吸収剤への冷媒蒸気の吸収、及び、冷媒液の蒸発による冷熱の生成を行う、吸収式冷水生成工程と、
前記吸収に供する吸収剤を蓄積する吸収剤蓄積工程と、
冷熱を蓄熱する冷熱蓄熱工程と、
前記吸収後の吸収剤を蓄積する吸収後吸収剤蓄積工程と、
前記吸収後の吸収剤の再生を行う吸収剤再生工程と、を備え、
前記吸収剤蓄積工程は、前記吸収剤再生工程で再生された吸収剤を蓄積し、
前記冷熱蓄熱工程は、前記吸収式冷水生成工程で生成した冷熱を蓄熱し、
前記吸収剤再生工程が、前記吸収後吸収剤蓄積工程で蓄積された吸収後の吸収剤に温熱を供給して蒸気を排出させて濃縮する再生工程及び再生工程から排出される蒸気を凝縮させる凝縮工程を有する、空調システムの運転方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調システム及びその運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、吸収式冷凍機を有する空調システムが知られている。吸収式冷凍機は余剰の温熱を利用して冷熱を得ることができるので、システム全体のエネルギー効率を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、空調システムにおいてより一層エネルギー効率を高めたいというニーズがある。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、余剰エネルギーをより効率よく利用できる空調システム及びその運転方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係る空調システムは、吸収剤への冷媒蒸気の吸収、及び、冷媒液の蒸発により冷熱の生成を行う吸収式冷水生成手段と、前記吸収に供する吸収剤を蓄積する吸収剤蓄積手段と、冷熱を蓄熱する冷熱蓄熱手段と、を備える。
【0007】
本発明によれば、予め吸収剤蓄積手段に蓄積した吸収剤を用いて吸収式冷水生成手段を稼働させることで、吸収剤の再生を行う必要なく温熱の必要量を抑えた状態で冷熱を生成することができる。また、冷熱の必要量が少ない時期等に、余剰の冷熱を蓄冷することで、冷熱必要量が多い時期により多くの冷熱を供給することができる。
【0008】
ここで、上記空調システムは、前記吸収後の吸収剤を蓄積する吸収後吸収剤蓄積手段、及び、前記吸収後の吸収剤の再生を行う吸収剤再生手段を更に備え、前記吸収剤蓄積手段は、前記吸収剤再生手段で再生された吸収剤を蓄積し、前記冷熱蓄熱手段は、前記吸収式冷水生成手段で生成した冷熱を蓄熱することができる。
【0009】
これによれば、余剰温熱を利用して、冷熱の需要が少ない春秋等の中間期に蓄積した吸収後の吸収剤の再生を行って、吸収に供する吸収剤を蓄積することができる。さらに、冷熱の需要が多い夏期の夜間に、蓄積した吸収剤を消費して冷熱を生成して蓄熱し、冷熱の需要が多い夏期の昼間に、吸収式冷凍機の通常運転により得られる冷熱に加えて、冷熱蓄積手段に蓄積された冷熱を供給することができる。これにより、夏の昼間などの最大負荷時の冷熱の供給量を高めることができ、かつ、中間期の吸収式冷凍機の稼働率を高めることができる。
【0010】
本発明の一側面にかかる空調システムの運転方法は、吸収剤への冷媒蒸気の吸収、及び、冷媒液の蒸発による冷熱の生成を行う、吸収式冷水生成工程と、前記吸収に供する吸収剤を蓄積する吸収剤蓄積工程と、冷熱を蓄熱する冷熱蓄熱工程と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、余剰エネルギーをより効率よく利用できる空調システム及びその運転方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態にかかる空調システムの概略フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図面を参照して、本発明の好適な実施形態について参照する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる空調システムの概略フロー図である。
【0014】
本実施形態に係る空調システム100は、吸収式冷凍機50、濃縮塩水貯蔵槽(吸収剤蓄積手段)60、希釈塩水貯蔵槽(吸収後吸収剤蓄積手段)70、水貯蔵槽80、冷水蓄熱槽(冷熱蓄熱手段)90を主として備える。
【0015】
吸収式冷凍機50は、吸収器10、蒸発器20、再生器30、凝縮器40、熱交換器5を主として備える。吸収器10及び蒸発器20が、吸収式冷水生成手段16を構成している。再生器30及び凝縮器40が、吸収剤再生手段36を構成している。
【0016】
吸収器10と蒸発器20とは連通管15により接続され、再生器30と凝縮器40とは連通管35により接続されている。
【0017】
吸収器10と再生器30とはラインL1、及び、ラインL2によりそれぞれ接続されている。ラインL1には、再生器30から吸収器10に向かって、順に、ポンプP1、熱交換器5、濃縮塩水貯蔵槽60、バルブV2、ポンプP2が設けられている。ラインL2には、吸収器10から再生器30に向かって、順に、希釈塩水貯蔵槽70、ポンプP3、バルブV3、熱交換器5が設けられている。
【0018】
熱交換器5は、ラインL1及びラインL2の間で熱交換する。
【0019】
濃縮塩水貯蔵槽60には、外部から濃縮塩水を受け入れることができるラインL3、及び、外部に濃縮塩水を供給するためのラインL3’が接続されている。
【0020】
凝縮器40と蒸発器20とはラインL4により接続されている。ラインL4には、凝縮器40から蒸発器20に向かって、順に、水貯蔵槽80、及び、バルブV4を備えている。
【0021】
吸収器10には、吸収器10内の希釈塩水と熱交換するラインL5が設けられ、ラインL5には冷却水が供給される。吸収器10は、蒸発器20から連通管15を介して供給される水蒸気(冷媒蒸気)を濃縮塩水(吸収剤)に吸収させ、吸収器10及び蒸発器20内を減圧にする。吸収器10は、水蒸気を吸収した希釈塩水をラインL2を介して排出する。
【0022】
蒸発器20は、ラインL4及びバルブV4を介して供給される液体の水(冷媒液)を減圧下で蒸発させることで、冷水を生成する。蒸発器20には、蒸発器20内で生成された冷水と熱交換するラインL8が設けられている。ラインL8の両端には空調機が接続されており、ラインL8には空調機の冷房に使用される水が循環する。
【0023】
なお、図示は省略するが蒸発器20の底部に溜まった水はラインL4に導いて再び蒸発器20に循環させる。
【0024】
再生器30には、再生器30内の希釈塩水と熱交換するラインL6が設けられ、ラインL6には温熱が供給される。再生器30は、ラインL2を介して供給される希釈塩水(吸収後の吸収剤)をラインL6で供給される温熱で加熱し、水を水蒸気として除去して、濃縮塩水を生成する。再生器30は、濃縮塩水をラインL1を介して排出する。
【0025】
凝縮器40には、凝縮器40内の水蒸気と熱交換するラインL7が設けられ、ラインL7には冷却水が供給される。凝縮器40は、再生器30から連通管35を介して供給される水蒸気をラインL7で供給される冷却水で復水し、液体の水を得る。凝縮器40は復水した水をラインL4を介して排出する。
【0026】
蒸発器20に設けられたラインL8における蒸発器20よりも上流側及び下流側に、それぞれ三方弁V10,V11が設けられている。三方弁V10からラインL9が分岐し、ラインL9は冷水蓄熱槽90に接続されている。三方弁V11からラインL10が分岐し、ラインL10は冷水蓄熱槽90に接続されている。冷水蓄熱槽90には他の冷凍機等から冷水を受け入れるラインL14、及び、当該他の冷凍機等への戻り配管であるラインL13が接続されている。ラインL8の三方弁V10と三方弁V11との間には、ポンプP10が設けられている。
【0027】
冷水蓄熱槽90には、ポンプP11を有するラインL11が接続されている。ラインL11は空調機に接続されており、冷水を供給できる。冷水蓄熱槽90には、さらに、ラインL12が接続されている。ラインL12も空調機に接続されており、空調機から返送される水を受け入れることができる。
【0028】
吸収剤としては、臭化リチウムなどのイオン性塩の水溶液などを利用できる。濃縮塩水貯蔵槽60に貯蔵される吸収剤は、吸収器10に供給する時点で固体を含まなければよい。例えば、再生器30でより濃い濃縮塩水を生成し、熱交換後の濃縮塩水貯蔵槽60で固体が生成しても、加温や希釈塩水との混合による希釈を行って水溶液化をしてよい。さらに、外部では固体塩として貯蔵し、加温や希釈塩水との混合による希釈を行って水溶液化して、濃縮塩水貯蔵槽60に供給するのでもよい。
【0029】
蒸発器20で蒸発させる冷媒液、及び、吸収器10で吸収剤に吸収させる冷媒蒸気としては、水を使用できる。
【0030】
続いて、本実施形態に係る空調システム100の運転方法について説明する。
【0031】
春秋期(中間期)の昼
中間期の昼には、再生器30及び凝縮器40(吸収剤再生手段36)を稼働し、濃縮塩水貯蔵槽60に濃縮塩水を蓄積する。
【0032】
具体的には、希釈塩水貯蔵槽70に貯蔵された希釈塩水(吸収後の吸収剤)を、ポンプP3を駆動し、バルブV3を開放してラインL2を介して再生器30に供給する。再生器30で生じた水蒸気を凝縮器40で復水して水に戻し、ラインL4を介して水貯蔵槽80に貯蔵する。また、再生器で生じた濃縮塩水を、ポンプP1を介してラインL1で濃縮塩水貯蔵槽60に貯蔵する。再生器30で生じる濃縮塩水は高温であるので、熱交換器5において、ラインL2を流れる希釈塩水と熱交換する。
【0033】
このようにラインL6を介して供給される温熱を利用して希釈塩水を濃縮塩水に変換することで、温熱のエネルギーを化学的エネルギー(濃度差エネルギー)として蓄えることができる。
【0034】
なお、この工程では、冷水を製造する必要は無いので、吸収器10及び蒸発器20(吸収式冷水生成手段16)を稼働する必要は無い。
【0035】
春秋期(中間期)の夜
中間期の夜は空調システム100を休止する。夜であっても余剰廃熱等の温熱があれば、春秋期の昼と同様に空調システム100を稼働して濃縮塩水の蓄積をすることも可能である。
【0036】
夏期の夜間
夏期の夜間には、吸収器10及び蒸発器20(吸収式冷水生成手段16)を稼働し、濃縮塩水を消費して冷水を生成し、冷水を蓄積する。
【0037】
具体的には、バルブV2の開放及びポンプP2の駆動により、濃縮塩水貯蔵槽60に貯蔵された濃縮塩水を、ラインL1を介して吸収器10に供給すると共に、バルブV4を開放して水貯蔵槽80に貯蔵された液体の水を、ラインL4を介して蒸発器20に供給する。蒸発器20で水の一部が蒸発して冷水が形成される一方、吸収器10内の濃縮塩水が発生した水蒸気を吸収して、吸収器10及び蒸発器20内が減圧に維持される。吸収器10内に生成した希釈塩水(吸収後の吸収剤)を、ラインL2を介して排出して希釈塩水貯蔵槽70に貯蔵する。
【0038】
さらに、ポンプP10を駆動し、冷水蓄熱槽90の水を、ラインL9、三方弁V10、ラインL8を介して蒸発器20内を通流する過程で温度を下げ、得られた冷水を三方弁V11、ラインL10を介して冷水蓄熱槽90に戻す。これにより、冷水蓄熱槽90に冷水が蓄積される。
【0039】
この工程では、再生器30及び凝縮器40(吸収剤再生手段36)を稼働する必要は無いが、夜であっても余剰廃熱等の温熱があれば、春秋期の昼と同様に吸収剤再生手段36を稼働し、消費される濃縮塩水の一部を再生して濃縮塩水貯蔵槽60に蓄積することも可能である。
【0040】
夏期の昼間
夏期の昼間には、吸収式冷凍機50を通常稼働させ冷水を得る。具体的には、吸収器10及び蒸発器20(吸収式冷水生成手段16)を稼働して、濃縮塩水を消費して蒸発器20内にて循環する冷水を冷却し、空調の冷房等に利用する。また、再生器30及び凝縮器40(吸収剤再生手段36)を稼働して、吸収器10で得られる希釈塩水を再生して濃縮塩水を得る。
【0041】
空調機から戻る水を、三方弁V10及びポンプP10により、ラインL8を介して蒸発器20内を通流する過程で温度を下げ、ラインL8を介して空調機に供給する。さらに、冷水蓄熱槽90に蓄積された冷水を、ポンプP11を駆動してラインL11を介して空調機に供給し、空調機から戻る水を、ラインL12を介して冷水蓄熱槽90に戻す。
【0042】
(作用効果)
本実施形態によれば、冷熱の需要が少ない春秋等の中間期に、発電装置等から生じる余剰の温熱を利用して、蓄積した希釈塩水の再生を行って、濃縮塩水を蓄積することができる。さらに、冷熱の需要の少ない夏期の夜間に、蓄積した濃縮塩水を消費して冷水を蓄熱し、冷熱の需要が多い夏期の昼間に、吸収式冷凍機の通常運転(たとえば最大負荷)により得られる冷水に加えて、冷水蓄熱槽に蓄積された冷水を空調機に供給することができる。これにより、夏の昼間などの最大負荷時の冷水の供給量を吸収式冷凍機の能力よりも高くすることができ、かつ、中間期の吸収式冷凍機の稼働率を高め、温熱の有効利用が可能となる。また、夏期冷房時のみ稼働するターボ冷凍機の容量を低減できるだけでなく、吸収式冷凍機を改修する際において別途冷凍機を補完することなく改修することも可能となる。
【0043】
特に、コジェネレーション装置などの発電装置が空調システムに併設される場合、発電装置の廃熱(余剰の温熱)を熱源として利用して吸収式冷凍機を稼働し冷熱を得てエネルギーの有効利用を図っている。しかしながら、春秋などの中間期には冷熱の需要が少なく、発電装置から生じる廃熱の吸収式冷凍機での利用が困難になり、廃熱を捨ててしまう場合もある。
【0044】
本実施形態では、春秋などの中間期に余る廃熱で吸収式冷凍機の再生器30及び凝縮器40(吸収剤再生手段36)を稼働して、この廃熱を濃縮塩水という化学的エネルギーの形で蓄え、夏の夜間に蓄積した濃縮塩水を消費して冷水を生成して蓄熱し、夏の昼間に蓄積した冷水を消費している。すなわち、中間期に捨てていた廃熱のエネルギーを中間期に大量に化学的に貯蔵し、夏の昼間の冷水として利用でき、エネルギーの有効利用が可能となる。化学的エネルギーであれば、温水/冷水のような顕熱を長期間貯蔵するのと異なり、数ヶ月~1年といった長期間/季節間の貯蔵も容易であり、エネルギーのロスを抑制することができる。
【0045】
本発明は上記実施形態に限定されず、様々な変形態様を取ることができる。
例えば、空調システム100は、再生器30及び凝縮器40(吸収剤再生手段36)を有さなくてもよい。この場合、空調システム100自体で希釈塩水の濃縮(再生)をすることはできないが、外部で生成された濃縮塩水を、ラインL3を介して濃縮塩水貯蔵槽60に補給すれば、吸収器10及び蒸発器20(吸収式冷水生成手段16)を利用して冷水の生成が可能である。したがって、吸収剤の再生を行う必要なく温熱の消費を抑えた状態で冷熱を生成することができる。
【0046】
また、空調システム100は、蒸発器20で生成される冷熱以外に、他の冷凍機等で生成される冷熱も併せて、ラインL13及びL14を介して蓄積してもよい。さらに、空調システム100は、吸収式冷水生成手段16の蒸発器20で生成される冷熱を蓄積せず、他の冷凍機等で生成される冷熱を、ライン13及びL14を介して蓄積してもよい。
【0047】
具体的には、夏の夜間などの冷熱の必要量が少ない時期に他の冷凍機等から排出される余剰冷水を冷水蓄熱槽90に蓄積しておき、夏の昼には、濃縮塩水貯蔵槽60に蓄積された濃縮塩水を使って吸収式冷水生成手段16で冷水を生成し、これを空調機に供給しつつ、冷水蓄熱槽90の冷水も加えて空調機に供給することができる。この場合でも、余剰の冷熱を蓄冷することで、冷熱必要量が多い時期により多くの冷熱を供給することができる。
【符号の説明】
【0048】
16…吸収式冷水生成手段、36…吸収剤再生手段、60…濃縮塩水貯蔵槽(吸収剤蓄積手段)、70…希釈塩水貯蔵槽(吸収後吸収剤蓄積手段)、90…冷水蓄熱槽(冷熱蓄熱手段)、100…空調システム。