(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-07
(45)【発行日】2024-08-16
(54)【発明の名称】アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
H02K 33/18 20060101AFI20240808BHJP
B06B 1/04 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
H02K33/18 A
B06B1/04 Z
(21)【出願番号】P 2020201110
(22)【出願日】2020-12-03
【審査請求日】2023-06-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000112565
【氏名又は名称】フォスター電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 亮
(72)【発明者】
【氏名】美濃部 浩
(72)【発明者】
【氏名】飛鳥川 孝史
(72)【発明者】
【氏名】笹沼 起史
【審査官】若林 治男
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-170118(JP,A)
【文献】特開2001-252620(JP,A)
【文献】特開2017-108595(JP,A)
【文献】特開2019-147123(JP,A)
【文献】特開2002-191092(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 33/18
B06B 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイルを備えたフレームと、
前記フレームに収納され、前記コイルに通電されることで前記フレームに対して一方向に直進運動するマグネットを備えた可動子と、
前記フレームと前記可動子との間に架け渡されて前記可動子を弾性的に支持する弾性支持体と、
を有し、
前記弾性支持体は、中央部に設けられて前記可動子に固定された固定部と、前記固定部を挟んで前記可動子の両側に設けられ、
前記フレームに保持されると共に、前記可動子の直進運動に伴い前記フレームに対して相対移動可能な被保持部と、を含んで構成されて
おり、
前記フレームには、前記被保持部が前記固定部側へ移動するのを係止する内側係止部が設けられ、
前記可動子の中心軸と前記コイルの中心軸とを一致させた状態において、前記被保持部と前記内側係止部との間には隙間が設けられている、
アクチュエータ。
【請求項2】
前記弾性支持体は、前記可動子に対して軸方向の一方側のみに配置されており、2つの板バネを含んで構成されている請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項3】
前記内側係止部は、前記可動子の中心軸と前記コイルの中心軸とを一致させた状態における前記被保持部と前記内側係止部との隙間が、前記コイルと前記可動子との隙間よりも小さくなる寸法に形成されている請求項2に記載のアクチュエータ。
【請求項4】
前記フレームには、前記被保持部の前記固定部側とは反対側への移動を係止する外側係止部が設けられている請求項1~3の何れか1項に記載のアクチュエータ。
【請求項5】
前記フレームは、矩形箱状に形成されており、
前記被保持部は、前記フレームの周壁から直交する方向を長手方向とする長尺状に形成されている請求項1~4の何れか1項に記載のアクチュエータ。
【請求項6】
前記被保持部と前記フレームとの間には、弾性変形可能な弾性材が配置されている請求項1~5の何れか1項に記載のアクチュエータ。
【請求項7】
前記弾性材は、前記被保持部と前記フレームとを接着するフレーム側接着材であり、
前記被保持部は、前記フレーム側接着材の弾性変形によって前記フレームに対して相対移動可能である請求項6に記載のアクチュエータ。
【請求項8】
前記弾性支持体の前記被保持部に対して前記フレームとは反対側にカバーが設けられており、
前記被保持部は、前記フレーム及び前記カバーに対して相対移動可能な状態で挟持されている請求項1~7の何れか1項に記載のアクチュエータ。
【請求項9】
前記被保持部は、カバー側接着材を介して前記カバーに接着されており、
前記被保持部は、前記カバー側接着材の弾性変形によって前記フレーム及び前記カバーに対して相対移動可能である請求項8に記載のアクチュエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、可動子を弾性支持する弾性支持体を備えたアクチュエータが開示されている。この特許文献1に記載のアクチュエータでは、弾性支持体が弾性変形することによって可動子の相対変位を許容する構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1のアクチュエータでは、弾性支持体の端部が内側フレームのピンに挿入されており、この状態でカバーによって弾性支持体の端部が内側フレームに固定されている。このため、可動子が相対変位した際に弾性支持体の端部に応力が集中する虞があり、弾性支持体の耐久性を確保する観点で改善の余地がある。
【0005】
本発明は、弾性支持体の耐久性を確保することができるアクチュエータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第一の態様に係るアクチュエータは、コイルを備えたフレームと、前記フレームに収納され、前記コイルに通電されることで前記フレームに対して一方向に直進運動するマグネットを備えた可動子と、前記フレームと前記可動子との間に架け渡されて前記可動子を弾性的に支持する弾性支持体と、を有し、前記弾性支持体は、中央部に設けられて前記可動子に固定された固定部と、前記固定部を挟んで前記可動子の両側に設けられ、前記フレームに保持されると共に、前記可動子の直進運動に伴い前記フレームに対して相対移動可能な被保持部と、を含んで構成されている。
【0007】
上記態様では、コイルに通電されると、可動子がフレームに対して一方向に直進運動する。また、フレームと可動子との間には弾性支持体が架け渡されており、この弾性支持体の中央部には可動子に固定された固定部が設けられている。これにより、直進運動した可動子が弾性支持体の付勢力によって初期位置に戻される。以上の動作を繰り返すことで、外部へ振動を伝達することができる。
【0008】
また、弾性支持体は、固定部を挟んで可動子の両側に被保持部が設けられており、この被保持部がフレームに保持されている。ここで、被保持部は、可動子の直進運動に伴いフレームに対して相対移動する。これにより、弾性支持体の中央部に設けられた固定部が可動子と共にフレームに対して一方向に移動した状態であっても、被保持部が相対移動することで、弾性支持体に応力が集中するのを抑制することができる。なお、ここでいう「保持」とは、機械的又は化学的に結合された状態に限定されず、重力や摩擦力などによって接している状態を広く含む概念である。
【0009】
第二の態様に係るアクチュエータは、第一の態様において、前記フレームには、前記被保持部が前記固定部側へ移動するのを係止する内側係止部が設けられている。
【0010】
上記態様では、弾性支持体の被保持部は、可動子の直進運動時に、内側係止部との間に設けられた隙間の分だけ固定部側へ移動することができる。また、可動子の移動量が過度に大きくなった場合には、内側係止部によって被保持部を係止することができる。
【0011】
第三の態様に係るアクチュエータは、第二の態様において、前記内側係止部は、前記可動子の中心軸と前記コイルの中心軸とを一致させた状態における前記被保持部と前記内側係止部との隙間が、前記コイルと前記可動子との隙間よりも小さくなる寸法に形成されている。
【0012】
上記態様では、可動子の直進運動及び外力などの影響を受けて可動子がコイルに近づく方向へ移動した場合であっても、被保持部が内側係止部に係止されることで、可動子とコイルとの接触が回避され、磁気ギャップを適切に確保できる。
【0013】
第四の態様に係るアクチュエータは、第一から第三の何れかの態様において、前記フレームには、前記被保持部の前記固定部側とは反対側への移動を係止する外側係止部が設けられている。
【0014】
上記態様では、弾性支持体の被保持部は、外側係止部との間に設けられた隙間の分だけ、製造時の公差を吸収することができる。また、外力の影響などによって弾性支持体が固定部側とは反対側へ移動した場合であっても、外側係止部によって被保持部を係止することができる。
【0015】
第五の態様に係るアクチュエータは、第四の態様において、前記外側係止部は、前記可動子の中心軸と前記コイルの中心軸とを一致させた状態における前記被保持部と前記外側係止部との隙間が、前記コイルと前記可動子との隙間よりも小さくなる寸法に形成されている。
【0016】
上記態様では、可動子の直進運動及び外力などの影響を受けて可動子がコイルに近づく方向へ移動した場合であっても、被保持部が外側係止部に係止されることで、可動子とコイルとの接触が回避され、磁気ギャップを適切に確保できる。
【0017】
第六の態様に係るアクチュエータは、第一から第五の何れかの態様において、前記被保持部と前記フレームとの間には、弾性変形可能な弾性材が配置されている。
【0018】
上記態様では、弾性材の弾性変形によって被保持部がフレームに対して相対移動するため、被保持部に応力が集中するのを抑制することができる。
【0019】
第七の態様に係るアクチュエータは、第六の態様において、前記弾性材は、前記被保持部と前記フレームとを接着するフレーム側接着材であり、前記被保持部は、前記フレーム側接着材の弾性変形によって前記フレームに対して相対移動可能である。
【0020】
上記態様では、フレーム側接着材を介して弾性支持体がフレームに接着されているため、可動子の直進運動時に弾性支持体の被保持部がフレームから脱落するのを抑制することができる。
【0021】
第八の態様に係るアクチュエータは、第一から第七の何れかの態様において、前記弾性支持体の前記被保持部に対して前記フレームとは反対側にカバーが設けられており、前記被保持部は、前記フレーム及び前記カバーに対して相対移動可能な状態で挟持されている。
【0022】
上記態様では、被保持部がフレームとカバーとで挟持されているため、弾性支持体がフレームから脱落するのを抑制することができる。また、被保持部は、フレーム及びカバーに対して相対移動可能な状態であるため、可動子の直進運動時に被保持部に応力が集中するのを抑制することができる。
【0023】
第九の態様に係るアクチュエータは、第八の態様において、前記被保持部は、カバー側接着材を介して前記カバーに接着されており、前記被保持部は、前記カバー側接着材の弾性変形によって前記フレーム及び前記カバーに対して相対移動可能である。
【0024】
上記態様では、カバー側接着材を介して弾性支持体の被保持部がカバーに接着されているため、振動などによって弾性支持体とカバーとが接触することによる異音の発生を抑制することができる。また、カバー側接着材の弾性変形によって被保持部が相対移動可能な状態であるため、被保持部に応力が集中するのを抑制することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明にアクチュエータによれば、弾性支持体の耐久性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】実施形態に係るアクチュエータを示す斜視図であり、カバーが外された状態を示す図である。
【
図2】実施形態に係るアクチュエータの分解斜視図である。
【
図3】
図1の3-3線で切断した状態を概略的に示す断面図である。
【
図4】実施形態における弾性支持体を上方から見た図である。
【
図5】実施形態に係るアクチュエータを上方から見た図である。
【
図6】
図5の要部を拡大して示す要部拡大図である。
【
図7】
図5の7-7線で切断した状態を概略的に示す要部断面図である。
【
図8】変形例に係るアクチュエータを示す、
図6に対応する要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
実施形態に係るアクチュエータ10について図面を参照して説明する。なお、各図に適宜示す矢印Zは、アクチュエータ10の上方向を示しており、後述する可動子14が直進運動する方向と一致している。また、各図に適宜示す矢印X及び矢印Yは、アクチュエータ10の上方向と直交する二方向を示している。ここで、説明の便宜上、Z方向をアクチュエータ10の上方向と称するが、Z方向と垂直方向とが一致した構成に限定されるものではない。
【0028】
(アクチュエータ10の全体構成)
図1及び
図2に示されるように、本実施形態のアクチュエータ10は、X方向を長手方向とし、Y方向を短手方向とする略直方体状に形成されている。また、アクチュエータ10は、取付対象物に取り付けられる取付部材12と、上方向に直進運動する可動子14と、取付部材12に対して可動子14を弾性的に支持する弾性支持体16と、弾性支持体16の一部を上方から覆うカバー18(
図2参照)と、を含んで構成されている。
【0029】
ここで、本実施形態のアクチュエータ10は、取付部材12が取付対象物に取り付けられた状態で、可動子14が弾性支持体16を弾性変形させつつ上下方向に直進運動(往復運動)することで、可動子14が取付部材12に対して相対変位する構成である。また、可動子14が繰り返し直進運動することにより、取付部材12を介してアクチュエータ10の外部へ振動を伝達することができる。
【0030】
取付対象物としては、例えば、タッチパネルとして構成された液晶パネル等の表示装置、各種のコントローラ等が挙げられる。タッチパネルを取付対象物とした場合、アクチュエータ10の制御によって、タッチパネルに触れる使用者の指に対し、様々な触感を与えることができる。
【0031】
次に、各構成部品について概略的に説明し、続いて、本発明の要部である、取付部材12を構成するフレーム20に弾性支持体16が保持された保持部分の詳細について説明する。
【0032】
(取付部材12)
図2に示されるように、取付部材12は、コイル30を備えたフレーム20と、取付用接着シート32とを含んで構成されている。
【0033】
フレーム20は、X方向を長手方向とし、Y方向を短手方向とした略矩形箱状の部品であり、例えば合成樹脂などにより一体的に形成されている。また、フレーム20は、
図5に示されるように、底壁21と、底壁21の周端部から立設された略矩形枠状の周壁22とを含んで構成されている。
【0034】
底壁21にはコイル30が設置される。また、周壁22は、Y方向に間隔をあけて一対設けられ、それぞれX方向へ延在された長手方向立壁部22Aを備えている。そして、長手方向立壁部22Aの一端部同士がY方向に延在された短手方向立壁部22Bによって接続されており、長手方向立壁部22Aの他端部同士がY方向に延在された短手方向立壁部22Cによって接続されている。
【0035】
ここで、短手方向立壁部22BからX方向一方側へ第1突出部24が突出されている。第1突出部24は、短手方向立壁部22Bと一体に形成されており、この第1突出部24にはクリップ部27が設けられている。
図5に示すように、クリップ部27は、平面視でX方向一方側が開放された略C字状に形成されており、このクリップ部27によってコイル30へ通電するための配線が保持される。
【0036】
また、短手方向立壁部22CからX方向他方側へ第2突出部26が突出されている。第2突出部26は、短手方向立壁部22Cと一体に形成されており、クリップ部27を除いて第1突出部24と同様の形状とされている。第1突出部24及び第2突出部26の詳細については後述する。
【0037】
図2及び
図7に示されるように、コイル30は、電線が巻回されることにより略円筒状に形成されており、フレーム20の底壁21に固定される。また、コイル30は、図示しない端子に接続される。端子に配線の一端部が接続され、配線の他端部は、アクチュエータ10が取付けられる取付対象物の電源と電気的に接続される。
【0038】
取付用接着シート32は、アクチュエータ10を取付対象物に取り付けるための部材であり、例えば、両面が接着面とされた接着シートである。そして、取付用接着シート32の一方の面がフレーム20の底壁21の下面に接着される。
【0039】
(可動子14)
次に、可動子14の概要について説明する。可動子14は、ヨーク34と、マグネット36と、ポールピース38とを含んで構成されている。
【0040】
ヨーク34は、下側が開放された有底円筒状の部品であり、軟磁性体で形成されている。具体的には、ヨーク34は、上下方向が壁厚方向となる平面視で略円形の天壁部34Aと、天壁部34Aの外周縁から下方へ延在された垂下部34Bとを含んで構成されている。
【0041】
また、ヨーク34の天壁部34Aの中央には、上方へ突出する略円筒状の突起部34Cが形成されており、この突起部34Cを加工し塑性変形させることによって、後述する弾性支持体16がヨーク34に加締め固定される。
【0042】
マグネット36は、ヨーク34よりも外径が小さい略円柱状に形成されている。そして、このマグネット36は、ヨーク34の天壁部34Aの下面側に固定される。
【0043】
ポールピース38は、マグネット36よりも僅かに外径が大きい略円盤状に形成されている。そして、このポールピース38は、マグネット36の下面に固定される。
【0044】
可動子14は以上のように構成されており、ヨーク34、マグネット36及びポールピース38によって磁気回路を形成する。また、
図7に示されるように、可動子14が組付けられた状態では、マグネット36及びポールピース38と、ヨーク34の垂下部34Bとの間の磁気ギャップには、コイル30が配置されている。そして、この状態でコイル30に通電することにより、可動子14に対してフレミングの左手の法則に基づいて与えられる推力が付与され、可動子14が上下方向へ直進運動(往復運動)される。
【0045】
ここで、ポールピース38の外周面とコイル30の内周面との間には、隙間G1が設けられており、ヨーク34の垂下部34Bの内周面とコイル30の外周面との間には、隙間G2が設けられている。また、本実施形態では一例として、隙間G2よりも隙間G1の方が僅かに小さくなるように形成されている。
【0046】
(弾性支持体16)
次に、弾性支持体16の概要について説明する。
図2に示されるように、弾性支持体16は、下側板バネ40と上側板バネ42とを含んで構成されている。
【0047】
下側板バネ40及び上側板バネ42は可撓性を有し、それぞれステンレスを主成分とする金属によって形成されている。そして、
図3に示されるように、下側板バネ40と上側板バネ42とは、外形を合わせた状態で接着材S1によって接着されることで、弾性支持体16を構成している。接着材S1は、例えば、シリコーンゴムの層の両面にシリコーン系粘着剤の層を有する3層構造の両面接着テープなどが用いられるが、これに限定されず、弾性変形可能な部材であればよい。すなわち、接着層を備えていないゴムなどの弾性材の両面に下側板バネ40と上側板バネ42とが配置された構成でもよい。なお、
図3では、接着材S1と、後述するフレーム側接着材S2及びカバー側接着材S3は、説明の便宜上、厚みを誇張して描いている。
【0048】
図4に示されるように、弾性支持体16は、中央部に設けられた固定部44と、固定部44を挟んでX方向の両側に設けられた被保持部46と、固定部44と被保持部46とを連結する連結部48とを含んで構成されている。固定部44は、
図4に示される平面視で略円形に形成されており、固定部44の中央部分には、外側孔部44A及び内側孔部44Bが形成されている。
【0049】
外側孔部44Aは、上側板バネ42に形成された貫通孔によって構成されており、内側孔部44Bは、下側板バネ40に形成された貫通孔によって構成されている。ここで、
図7に示されるように、上側板バネ42に形成された貫通孔よりも下側板バネ40に形成された貫通孔の方が孔径が小さい。このため、内側孔部44Bは弾性支持体16を上下に貫通する貫通孔となっているが、外側孔部44Aは下側板バネ40により一部が塞がれ段差部が構成されている。
【0050】
また、下側板バネ40の内周端部は、ヨーク34の天壁部34Aに形成された突起部34Cによって加締められている。加締め加工は、例えば、加締め前の突起部34Cを弾性支持体16の内側孔部44Bに挿通させた状態で、突起部34Cの先端部を上方から押し潰すことにより塑性変形させて行われる。また、突起部34Cは、加締め加工後の状態で弾性支持体16の上面、すなわち、上側板バネ42の上面よりも下方に位置しており、外側孔部44Aの内部に配置されている。このようにして、弾性支持体16の固定部44が可動子14に固定されている。また、ヨーク34の天壁部34Aの上面と弾性支持体16の下面との間には図示しない接着材が介在されており、この接着材によって弾性支持体16とヨーク34とが接着されている。弾性支持体16とヨーク34とを接着する接着材は、例えば、下側板バネ40と上側板バネ42とを接着する接着材と同様のシリコーン系の接着材を用いてもよい。
【0051】
図4及び
図5に示されるように、被保持部46は、固定部44を挟んで可動子14に対するX方向の両側に設けられている。また、被保持部46はそれぞれ、
図4及び
図5に示される平面視でY方向を長手方向とする長尺状に形成されている。さらに、一方の被保持部46と他方の被保持部46とは、固定部44を中心として回転対称となる形状に形成されている。
【0052】
被保持部46はそれぞれ、Y方向の両端部が切り欠かれた形状に形成されている。具体的には、被保持部46の一端部には第1切欠部46Aが形成され、他端部には第2切欠部46Bが形成されている。第1切欠部46A及び第2切欠部46Bは、被保持部46におけるX方向他方側(固定部44側)の領域を切り欠いた形状に形成されている。また、第2切欠部46Bよりも第1切欠部46Aの方が切欠長が長くなっている。
【0053】
さらに、一方の被保持部46と他方の被保持部46とでは、第1切欠部46A及び第2切欠部46Bの位置がY方向で逆となっている。このように、一方の被保持部46と他方の被保持部46とを回転対称形状とすることで、弾性支持体16をフレーム20に組付ける際に表裏が逆向きとなるのを抑制できるように構成されている。弾性支持体16の被保持部46とフレーム20との組付状態の詳細については後述する。
【0054】
連結部48は、固定部44からY方向の両側へ延出された一対の基端部48Aと、被保持部46からX方向の内側に延出された終端部48Cと、基端部48Aと終端部48Cとを繋ぐ4つの腕部48Bとを含んで構成されている。具体的には、基端部48Aは、固定部44に接続されている。また、基端部48AのX方向両端には腕部48Bの一端部が接続されており、腕部48Bの他端部が終端部48Cに接続されている。腕部48Bは、平面視で固定部44から離間する方向へ膨出するように湾曲されており、腕部48Bの他端部が終端部48Cを介して被保持部46に接続されている。
【0055】
ここで、弾性支持体16の固定部44は可動子14に固定されており、弾性支持体16の被保持部46はフレーム20に保持されているため、可動子14の直進運動時には、主として腕部48Bが撓むことで、可動子14とフレーム20との相対変位を許容する構成となっている。
【0056】
(カバー18)
次に、カバー18について説明する。
図2に示されるように、カバー18は、X方向に間隔をあけて一対設けられている。
【0057】
それぞれのカバー18は、Y方向を長手方向として長尺状に形成されたカバー本体部18Aと、カバー本体部18Aの両端部に設けられた爪部18Bとを含んで構成されている。カバー本体部18Aの両端部は下方に折り曲げられた形状とされており、カバー本体部18AはX方向から見て下方側が開放された略U字状に形成されている。カバー本体部18Aは、Y方向の長さが第1突出部24の支持部62及び第2突出部26の支持部52(
図5参照)よりも僅かに長く形成されている。そして、一方のカバー本体部18Aの両端部は、第1突出部24の支持部62に挟み込むようにして取り付けられる。また、他方のカバー本体部18Aの両端部は、第2突出部26の支持部52に挟み込むようにして取り付けられる。
【0058】
爪部18Bは、カバー本体部18Aの両端部の下端から互いに対向する方向へ延出されている。そして、X方向の一方のカバー18は、この爪部18Bが第1突出部24の支持部62の下面に係止されることによってフレーム20に取り付けられ、X方向の他方のカバーは、爪部18Bが第2突出部26の支持部52の下面に係止されることによってフレーム20に取り付けられる(
図5参照)。
【0059】
(被保持部46の詳細構造)
次に、弾性支持体16の被保持部46をフレーム20に保持する構造について説明する。
【0060】
図5に示されるように、フレーム20の第1突出部24は、支持部62と、外側壁部64とを含んで構成されている。また、第2突出部26は、支持部52と、外側壁部54とを含んで構成されている。第1突出部24の支持部62及び第2突出部26の支持部52と、第1突出部24の外側壁部64及び第2突出部26の外側壁部54とは要部の形状が共通しているため、以下の説明では第2突出部26の支持部52及び外側壁部54について詳細に説明し、第1突出部24の支持部62及び外側壁部64の説明を省略する。
【0061】
図6に示されるように、支持部52は、Y方向に延在された平面状の支持面52Aを備えており、この支持面52A上に弾性支持体16の被保持部46が支持されている。また、支持部52のY方向両端部には、傾斜面52Bが設けられている。傾斜面52Bは、支持面52Aの端部からY方向外側へ向かうにつれて徐々に下方へ傾斜するように形成されており、面取りされた状態となっている(
図1参照)。
【0062】
外側壁部54は、Y方向に延在されており、支持部52よりもY方向の長さが長く形成されている。また、外側壁部54の上面は、支持部52の上面よりも上方に位置している。
【0063】
ここで、可動子14の初期位置において、外側係止部54と被保持部46との間には、隙間G3が設けられている。この隙間G3は、フレーム20及び弾性支持体16などの各部品の寸法公差を考慮して、公差が許容される最大値であった場合でも被保持部46と外側壁部54の側面54Aとが干渉しない寸法とされている。なお、ここでいう「初期位置」とは、可動子14の中心軸とコイル30の中心軸とが一致した状態を指す。
【0064】
図5に示されるように、フレーム20における短手方向立壁部22Cの上面から上方(Z方向一方側)へ内側係止部56及び内側係止部58が突設されている。内側係止部56は、短手方向立壁部22CのY方向一端部に設けられており、内側係止部58は、短手方向立壁部22CのY方向他端部に設けられている。
【0065】
短手方向立壁部22Cにおける内側係止部56と内側係止部58との間の部分は、支持部52の支持面52Aと同じ高さとなっている。具体的には、
図6に示されるように、短手方向立壁部22Cにおける内側係止部56よりも内側の上面と支持面52Aとで連続する同一平面が構成されており、この平面に弾性支持体16の被保持部46が支持される。
【0066】
内側係止部56は、外側壁部54と略同じ高さに形成されており、被保持部46の第2切欠部46Bと対応するように平面視で略矩形状となっている。また、、内側係止部56におけるY方向他端部には段差57が形成されており、この段差57によって内側係止部56のY方向他端部が一段低くなっている。
【0067】
ここで、可動子14の初期位置において、内側係止部56と被保持部46との間には、隙間G4及び隙間G5が設けられている。隙間G4は、X方向の隙間であり、各部品の寸法公差を考慮して、公差が許容される最大値であった場合でも被保持部46と内側係止部56とが干渉しない寸法とされている。また、隙間G5は、Y方向の隙間であり、公差が許容される最大値であった場合でも被保持部46と内側係止部56とが干渉しない寸法とされている。
【0068】
図5に示されるように、内側係止部58は、内側係止部56と同様に外側壁部54と略同じ高さに形成されている。また、可動子14の初期位置において、内側係止部58と被保持部46との間には、X方向及びY方向にそれぞれ隙間が設けられている。内側係止部58と被保持部46との隙間は、内側係止部56と被保持部46との隙間G4及び隙間G5と同程度であり、公差が許容される最大値であった場合でも被保持部46と内側係止部58とが干渉しない寸法とされている。
【0069】
X方向一方側の短手方向立壁部22Bには、内側係止部66及び内側係止部68が設けられている。内側係止部66は、内側係止部56と略同一の形状であり、内側係止部68は、内側係止部58と略同一の形状である。また、可動子14の初期位置において、内側係止部66と被保持部46との間には、X方向及びY方向にそれぞれ隙間が設けられており、内側係止部68と被保持部46との間には、X方向及びY方向にそれぞれ隙間が設けられている。これらの隙間は、公差が許容される最大値であった場合でも被保持部46と内側係止部66及び内側係止部68とが干渉しない寸法とされている。
【0070】
ここで、
図3に示されるように、カバー18をフレーム20に組付けた状態では、弾性支持体16の被保持部46は、フレーム20及びカバー18に挟持された状態となっている。
【0071】
また、被保持部46の下面(フレーム20側の面)には、フレーム側接着材S2が設けられており、被保持部46は、フレーム側接着材S2を介してフレーム20の支持部52に接着されている。
【0072】
一方、弾性支持体16の上面(カバー18側の面)は、カバー側接着材S3が設けられており、被保持部46は、カバー側接着材S3を介してカバー18のカバー本体部18Aに接着されている。フレーム側接着材S2及びカバー側接着材S3は、例えば、シリコーンゴムの層の両面にシリコーン系粘着剤の層を有する3層構造の接着材が用いられており、本実施形態では両面接着テープを用いている。なお、フレーム側接着材S2及びカバー側接着材S3は、緩衝材としての機能も備えている。
【0073】
ここで、弾性支持体16の被保持部46は、フレーム20及びカバー18に対して相対移動可能な状態で挟持されている。具体的には、可動子14の直進運動時には、フレーム側接着材S2及びカバー側接着材S3の弾性変形によって、被保持部46がフレーム20及びカバー18に対して相対移動可能に設けられている。
【0074】
本実施形態では一例として、被保持部46は、フレーム側接着材S2及びカバー側接着材S3が弾性変形可能な範囲でのみ相対移動するように構成されている。このため、可動子14の直進運動時であっても、被保持部46がフレーム20及びカバー18に対して剥離しないように構成されている。
【0075】
(作用)
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0076】
本実施形態に係るアクチュエータ10では、コイル30に通電されると、可動子14がフレーム20に対してZ方向に直進運動する。また、フレーム20と可動子14との間には弾性支持体16が架け渡されており、この弾性支持体16の中央部には可動子14に固定された固定部44が設けられている。これにより、直進運動した可動子14が弾性支持体16の付勢力によって初期位置に戻される。以上の動作を繰り返すことで、アクチュエータ10が取付けられた取付対象物へ振動を伝達することができる。
【0077】
また、
図5に示されるように、弾性支持体16は、固定部44を挟んで可動子14のX方向両側に被保持部46が設けられており、この被保持部46がフレーム20に保持されている。ここで、弾性支持体16の被保持部46は、可動子14のZ方向の直進運動に伴いフレーム20に対してX方向又は終端部48C回りに移動可能に、すなわちフレーム20に相対移動可能に設けられている。これにより、弾性支持体16の中央部に設けられた固定部44が可動子14と共にフレーム20に対してZ方向に移動して弾性支持体16が弾性変形した状態であっても、被保持部46がフレーム20に対して相対移動することで、弾性支持体16の終端部48Cに応力が集中するのを抑制することができる。
【0078】
ここで、弾性支持体16の被保持部46が機械的に固定されている場合について考える。この場合、可動子14が直進運動している状態であっても、被保持部46が移動できないため、被保持部46と連結部48との境界部分の終端部48Cに応力が集中することとなる。これに対して、本実施形態のように被保持部46がフレーム20に対して相対移動可能な構成では、弾性支持体16の終端部48Cへの応力集中を抑制できる。これにより、弾性支持体16の耐久性を向上でき、アクチュエータ10の長期信頼性を確保することができる。
【0079】
また、本実施形態のアクチュエータ10では、
図6に示されるように、弾性支持体16の被保持部46は、可動子14の直進運動時に、内側係止部56との間に設けられた隙間G4の分だけ固定部44側へ移動することができる。また、可動子14の移動量が過度に大きくなった場合には、内側係止部56によって被保持部46を係止することができる。これにより、弾性支持体16の損傷やフレーム20からの脱落を効果的に抑制することができる。
【0080】
さらに、本実施形態のアクチュエータ10では、被保持部46は、外側壁部54との間に設けられた隙間G3の分だけ、製造時の寸法公差を吸収することができる。
【0081】
さらにまた、本実施形態のアクチュエータ10では、
図3に示されるように、フレーム側接着材S2を介して弾性支持体16がフレーム20に接着されているため、可動子14の直進運動時に弾性支持体16の被保持部46がフレーム20から剥離するのを抑制することができる。また、フレーム側接着材S2の弾性変形によって被保持部46が相対移動するため、連結部48の終端部48Cに応力が集中するのを抑制することができる。
【0082】
また、本実施形態のアクチュエータ10では、被保持部46がフレーム20とカバー18とで挟持されているため、弾性支持体16がフレーム20から脱落するのを抑制することができる。また、被保持部46は、フレーム20及びカバー18に対して相対移動可能な状態であるため、可動子14の直進運動時に連結部48の終端部48Cに応力が集中するのを抑制することができる。
【0083】
特に、本実施形態では、カバー側接着材S3を介して弾性支持体16がカバー18に接着されているため、振動などによって弾性支持体16とカバー18とが直接、接触することによる異音の発生を抑制することができる。また、カバー側接着材S3の弾性変形によって被保持部46が相対移動可能であるため、連結部48の終端部48Cに応力が集中するのを抑制することができる。
【0084】
さらに、本実施形態の弾性支持体16は、下側板バネ40と上側板バネ42とが接着材S1で接着された3層構造となっている。これにより、接着材S1が弾性変形することで、下側板バネ40及び上側板バネ42に応力が集中するのを抑制することができる。例えば、可動子14のZ方向の直進運動に伴って下側板バネ40が弾性変形した変形量と、上側板バネ40が弾性変形した変形量とが異なる場合であっても、この変形量のズレを接着材S1の弾性変形によって吸収することができる。
【0085】
なお、上記実施形態では、内側係止部56により、被保持部46のX方向及びY方向への移動を制限したが、これに限定されない。例えば、外側壁部54と被保持部46との隙間G4を内側係止部56と被保持部との隙間G3よりも小さくし、外側壁部54の側面54Aにより、被保持部46の移動を制限したり、
図8に示される変形例の構成を採用してもよい。
【0086】
(変形例)
本変形例に係るアクチュエータ70は、被保持部46のX方向の移動を係止する外側係止部としてのリブ72が設けられている点で上記実施形態と異なる。
【0087】
リブ72は、支持部52の支持面52Aに突設されており、外側壁部54の側面54Aから被保持部46側へ突出するように形成されている。またリブ72は、平面視で略半円状であり、支持面52AのY方向一端部と他端部に一対形成されている。なお、
図8では、Y方向一端部に形成されたリブ72のみが図示されている。
【0088】
ここで、リブ72の上面は、支持面52Aよりも高く、外側壁部54よりも低い高さに位置している。このため、一対のリブ72によって被保持部46のX方向外側への移動が係止される構成となっている。
【0089】
また、可動子14の初期位置において、リブ72と被保持部46との間には、隙間G6が設けられている。この隙間G6は、可動子14とコイル30の内周面との隙間よりも小さくなる寸法に形成されている。具体的には、隙間G6は、ポールピース38とコイル30との隙間G1、及びヨーク34の垂下部34Bとコイル30との隙間G2よりも小さくなる寸法に形成されている(
図7参照)。
【0090】
本変形例のアクチュエータ70は、以上のように構成されている。このため、可動子14の直進運動及び外力などの影響を受けて可動子14がコイル30に近づく方向へ移動した場合であっても、被保持部46がリブ72に係止されることで、可動子14とコイル30との接触を回避することができる。
【0091】
また、リブ72の形状を平面視で略半円状としたことにより、被保持部46が外側壁部54の側面54Aの全体に接触する場合と比較し、被保持部46がリブ72に接触する際の接触面積が小さくなる。これにより、万が一、被保持部46がリブ72に接触した場合であっても、異音の発生を抑制することができる。
【0092】
〔補足説明〕
以上、実施形態及び変形例に係るアクチュエータ10、70について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。例えば、上記実施形態のアクチュエータ10では、
図3に示されるように、被保持部46の下面にフレーム側接着材S2を設け、被保持部46の上面にカバー側接着材S3が設けたが、これに限定されない。すなわち、フレーム側接着材S2及びカバー側接着材S3として、シリコーン系粘着剤の層を有する3層構造の両面接着テープを用いたが、緩衝材として機能する他の材質を用いてもよく、ゴム系の接着材や粘着材などを用いてもよい。この場合であっても、可動子14の直進運動に伴ってゴム系の接着材又は粘着材が弾性変形することで被保持部46がフレーム20に対して相対移動可能であり、上記実施形態と同様の効果が得られる。
【0093】
また、被保持部46の上面及び下面に接着材を設けない構成を採用してもよい。この場合、可動子14の直進運動に伴って、被保持部46がフレーム20に対して摺動する。より具体的には、可動子14に固定された固定部44が上方へ変位することで、被保持部46がX方向に摺動しつつ湾曲し、被保持部46の一部が支持部52の支持面52Aから離間する。この場合であっても、可動子14の直進運動に伴って被保持部46がフレーム20に対して相対移動するので、上記実施形態と同様の効果が得られる。
【0094】
なお、被保持部46の下面に接着材を設けない構成では、被保持部46とフレーム20との接触時の異音を抑制するために、被保持部46の下面に防音性を高めるための表面処理を行ってもよい。同様に、被保持部46の上面に接着材を設けない構成では、被保持部46とカバー18との接触時の異音を抑制するために、被保持部46の上面に防音性を高めるための表面処理を行ってもよい。また逆に、フレーム20の支持部52及びカバー18の材質を変更して異音の発生を抑制してもよい。
【0095】
また、上記実施形態の弾性支持体16は、上側板バネ42、下側板バネ40及び接着材S1を含んで構成されていたが、これに限定されない。例えば、弾性支持体16は、1枚の板バネのみから構成してもよい。
【0096】
また、上記実施形態では、取付部材12がコイル30を含んで構成され、可動子14がマグネット36を含んで構成されるが、これに限定されない。例えば、取付部材12にマグネットを収容、可動子にコイルが設けられた構成としてもよい。また、コイル30及び可動子14の形状や構成について上記実施形態に限定されず、例えば、平面視で楕円状又は長円状のコイルを用いてもよい。この場合、可動子は、コイルに対応する形状に形成される。
【0097】
さらに、上記実施形態の弾性支持体16は、
図4に示されるように、固定部44と、被保持部46と、連結部48とを含んで構成したが、これに限定しない。すなわち、フレーム20と可動子14との間に架け渡されて可動子14を弾性的に支持する部材であれば、弾性支持体の材質及び形状を特に限定しない。
【0098】
さらにまた、上記実施形態の弾性支持体16は、一方の被保持部46と他方の被保持部46とで第1切欠部46A及び第2切欠部46Bの位置を逆に形成することで、表裏逆向きに組付けるのを抑制する構成であるが、これに限定されない。例えば、第1切欠部46A及び第2切欠部46Bの形状を略同一の形状としてもよい。
【0099】
また、上記実施形態のアクチュエータ10では、
図5に示されるように、内側係止部56、内側係止部58、内側係止部66及び内側係止部68によって被保持部46の移動を係止する構成としたが、これに限定されない。例えば、内側係止部56、内側係止部58、内側係止部66及び内側係止部68を備えていない構成としてもよい。この場合、外側壁部54及び外側壁部64によって被保持部46の移動が係止される。すなわち、外側壁部54及び外側壁部64が本発明の「外側係止部」として機能する。
【符号の説明】
【0100】
10 アクチュエータ
14 可動子
16 弾性支持体
18 カバー
20 フレーム
30 コイル
36 マグネット
44 固定部
46 被保持部
54 外側壁部
56 内側係止部
70 アクチュエータ
72 リブ(外側係止部)
G1 隙間(コイルの内周面と可動子との隙間)
G2 隙間(コイルの外周面と可動子との隙間)
G3 隙間(被保持部と外側壁部との隙間)
G4 隙間(被保持部と内側係止部との隙間)
G6 隙間(被保持部とリブとの隙間)
S2 フレーム側接着材
S3 カバー側接着材