(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-07
(45)【発行日】2024-08-16
(54)【発明の名称】ワンタッチディスペンスヘッド、それを備えるディスペンサー及び寸法変更治具
(51)【国際特許分類】
B67D 1/04 20060101AFI20240808BHJP
【FI】
B67D1/04 F
(21)【出願番号】P 2020217533
(22)【出願日】2020-12-25
【審査請求日】2023-07-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000253503
【氏名又は名称】キリンホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115794
【氏名又は名称】今下 勝博
(74)【代理人】
【識別番号】100119677
【氏名又は名称】岡田 賢治
(72)【発明者】
【氏名】山口 陽平
(72)【発明者】
【氏名】中谷 正樹
(72)【発明者】
【氏名】浅倉 貴史
【審査官】松浦 久夫
(56)【参考文献】
【文献】特開昭63-178988(JP,A)
【文献】実開平05-077098(JP,U)
【文献】特開2002-211691(JP,A)
【文献】特開平10-194391(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の口部と、該口部の外周壁から外側へ突出した突出部と、内容液を収容する胴部とを備える容器の前記口部に取り付けられるワンタッチディスペンスヘッドにおいて、
該ワンタッチディスペンスヘッドは、
前記容器の内外を連通させて前記内容液を注出させる注出筒と該注出筒の前記容器側の端部の外周壁から外側へ張り出したフランジとを有するスパウトと、
前記フランジの前記容器側の面に取り付けられて前記口部に当接するシール材と、
前記スパウトを挟んで対向配置された一対の支持腕と、
該支持腕の一端に設けられ前記突出部の被係合面に係合して前記口部を前記シール材側へ押し当てる係合爪と、
該係合爪を前記突出部に近接させる方向に付勢する第一の弾性体と、を備え、
前記フランジは、前記支持腕の動きをガイドする一対のガイド溝を更に有し、
前記一対の支持腕は、
前記一対の支持腕同士が連結されることで形成された相互に共通の支軸を有しており、
かつ、前記一対のガイド溝にそれぞれ嵌まることによって前記支軸を通る回動軸を中心に回動自在に固定されており、
該回動軸は、前記スパウトを横断する位置に配置されており、
前記一対の支持腕同士は、前記
回動軸を中心に
して、前記係合爪同士が近接方向又は離隔方向に回動する構造を有し、
前記第一の弾性体は、前記一対の支持腕の間に設けられて前記係合爪を前記突出部に近接させる方向に付勢することを特徴とするワンタッチディスペンスヘッド。
【請求項2】
筒状の口部と、該口部の外周壁から外側へ突出した突出部と、内容液を収容する胴部とを備える容器の前記口部に取り付けられるワンタッチディスペンスヘッドにおいて、
該ワンタッチディスペンスヘッドは、
前記容器の内外を連通させて前記内容液を注出させる注出筒と該注出筒の前記容器側の端部の外周壁から外側へ張り出したフランジとを有するスパウトと、
前記フランジの前記容器側の面に取り付けられて前記口部に当接するシール材と、
前記スパウトの周囲に配置された少なくとも一つの支持腕と、
該支持腕の一端に設けられ前記突出部の被係合面に係合して前記口部を前記シール材側へ押し当てる係合爪と、
該係合爪を前記突出部に近接させる方向に付勢する第一の弾性体と、を備
え、
前記ワンタッチディスペンスヘッドは、前記注出筒を挿通させる天面部と、前記支持腕を保持する側面部とを有する本体部を更に備え、
前記注出筒は、前記フランジの上方に固定部を有し、
前記スパウトは、該固定部と前記フランジとで前記天面部を挟持した状態で前記本体部に固定されており、
前記第一の弾性体は、前記支持腕の上端部を前記スパウトから離隔させる方向に付勢することによって、前記係合爪を前記突出部に近接させる方向に移動させることを特徴とするワンタッチディスペンスヘッド。
【請求項3】
筒状の口部と、該口部の外周壁から外側へ突出した突出部と、内容液を収容する胴部とを備える容器の前記口部に取り付けられるワンタッチディスペンスヘッドにおいて、
該ワンタッチディスペンスヘッドは、
前記容器の内外を連通させて前記内容液を注出させる注出筒と該注出筒の前記容器側の端部の外周壁から外側へ張り出して前記容器の前記口部を塞ぐフランジとを有するスパウトと、
前記フランジの前記容器側の面に取り付けられて前記口部に当接するシール材と、
支軸と、該支軸よりも上方部分であって開閉を操作するための上端部と、前記支軸よりも下方部分である下端部とを有
し、前記スパウトの周囲に配置されて該スパウト又は該スパウトに固定された保持部品に対して前記支軸を通る回動軸を中心に回動自在に固定された少なくとも一つの支持腕と、
該支持腕の前記下端部に設けられ前記突出部の被係合面に係合して前記口部を前記シール材側へ押し当てる係合爪と、
前記支持腕が前記
回動軸を中心に前記下端部を前記突出部に近接する方向に回動させる力を付勢して、前記係合爪を前記突出部に近接させる第一の弾性体と、を備え、
前記支持腕が前記スパウトに固定されるとき、前記回動軸は前記スパウトを横断する位置に配置され、あるいは、前記支持腕が前記保持部品に固定されるとき、前記回動軸は前記保持部品を横断する位置に配置され、
前記ワンタッチディスペンスヘッドは、前記口部の口径に応じて、前記係合爪の位置を変更するための係合爪位置可変手段を更に備えることを特徴とするワンタッチディスペンスヘッド。
【請求項4】
筒状の口部と、該口部の外周壁から外側へ突出した突出部と、内容液を収容する胴部とを備える容器の前記口部に取り付けられるワンタッチディスペンスヘッドにおいて、
該ワンタッチディスペンスヘッドは、
前記容器の内外を連通させて前記内容液を注出させる注出筒と該注出筒の前記容器側の端部の外周壁から外側へ張り出して前記容器の前記口部を塞ぐフランジとを有するスパウトと、
前記フランジの前記容器側の面に取り付けられて前記口部に当接するシール材と、
支軸と、該支軸よりも上方部分であって開閉を操作するための上端部と、前記支軸よりも下方部分である下端部とを有
し、前記スパウトの周囲に配置されて該スパウト又は該スパウトに固定された保持部品に対して前記支軸を通る回動軸を中心に回動自在に固定された少なくとも一つの支持腕と、
該支持腕の前記下端部に設けられ前記突出部の被係合面に係合して前記口部を前記シール材側へ押し当てる係合爪と、
前記支持腕が前記
回動軸を中心に前記下端部を前記突出部に近接する方向に回動させる力を付勢して、前記係合爪を前記突出部に近接させる第一の弾性体と、を備え、
前記支持腕が前記スパウトに固定されるとき、前記回動軸は前記スパウトを横断する位置に配置され、あるいは、前記支持腕が前記保持部品に固定されるとき、前記回動軸は前記保持部品を横断する位置に配置され、
前記ワンタッチディスペンスヘッドは、前記口部の外側に装着するための寸法変更治具を更に備え、
該寸法変更治具は、前記口部の外側に装着される筒状の装着部と、該装着部の内部空間に連通して前記容器の内容液を注出可能な開口を有する擬口部と、該擬口部の外周壁から外側へ突出した擬突出部と、を有し、該擬突出部は、前記係合爪が係合可能な被係合面を有することを特徴とするワンタッチディスペンスヘッド。
【請求項5】
前記ワンタッチディスペンスヘッドは、前記口部の口径に応じて、前記係合爪の位置を変更するための係合爪位置可変手段を更に備えることを特徴とする請求項
1又は2に記載のワンタッチディスペンスヘッド。
【請求項6】
前記ワンタッチディスペンスヘッドは、前記口部の外側に装着するための寸法変更治具を更に備え、
該寸法変更治具は、前記口部の外側に装着される筒状の装着部と、該装着部の内部空間に連通して前記容器の内容液を注出可能な開口を有する擬口部と、該擬口部の外周壁から外側へ突出した擬突出部と、を有し、該擬突出部は、前記係合爪が係合可能な被係合面を有することを特徴とする請求項
1又は2に記載のワンタッチディスペンスヘッド。
【請求項7】
前記容器は耐圧容器であることを特徴とする請求項1~
6のいずれか一つに記載のワンタッチディスペンスヘッド。
【請求項8】
前記スパウトは、前記容器内へガスを注入するためのガス用通路を更に有することを特徴とする請求項1~
7のいずれか一つに記載のワンタッチディスペンスヘッド。
【請求項9】
請求項1~
8のいずれか一つに記載のワンタッチディスペンスヘッドと、
該ワンタッチディスペンスヘッドが取り付けられる容器を保持するための第一の筐体と、を備えるディスペンサーであって、
前記容器は、筒状の口部と、該口部の外周壁から外側へ突出した突出部と、内容液を収容する胴部とを備え、
前記第一の筐体は、前記容器のうち前記突出部よりも下側の部分を収容する筒状部と、該筒状部の天面部に着脱可能に固定され前記突出部のうち前記係合爪が係合する部分以外の部分を係合する蓋体とを有することを特徴とするディスペンサー。
【請求項10】
前記口部は前記蓋体の一定位置で固定されることを特徴とする請求項
9に記載のディスペンサー。
【請求項11】
前記口部は前記筒状部内の一定位置で固定されることを特徴とする請求項
9又は10に記載のディスペンサー。
【請求項12】
前記容器の前記突出部よりも下側の部分の外表面と前記筒状部の内壁とが非接触であることを特徴とする請求項
9又は10に記載のディスペンサー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ワンタッチディスペンスヘッド、それを備えるディスペンサー及び寸法変更治具に関する。
【背景技術】
【0002】
容器口部に密封的に配管部を装着して、ビールなどの液体を加圧注出するディスペンサーが提案されている(例えば、特許文献1又は2を参照。)。特許文献1では、ビール樽を分配ラインと加圧ガスラインとに迅速かつ容易に接続するための樽コネクタが提案されている。特許文献2では、比較的に製造およびメンテナンスしやすい飲料ディスペンシング・アッセンブリが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2017‐508681号公報
【文献】特表2020-520861号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ディスペンサーでは、容器の交換作業を容易にすることが求められており、例えば、配管部が、簡便、かつ、衛生的に着脱できることが求められている。しかし、従来のディスペンサーは、構造が複雑であり、衛生的な着脱が困難な場合があった。特に金属樽を用いたディスペンサーでは、配管が複雑であり、洗浄専用のタンクが必要であることから、メンテナンスが煩雑であるという問題があった。
【0005】
本開示は、内容液の注出及び容器の洗浄を、簡便、かつ、衛生的に行うことができるワンタッチディスペンスヘッド、それを備えるディスペンサー及び寸法変更治具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るワンタッチディスペンスヘッドは、筒状の口部と、該口部の外周壁から外側へ突出した突出部と、内容液を収容する胴部とを備える容器の前記口部に取り付けられるワンタッチディスペンスヘッドにおいて、該ワンタッチディスペンスヘッドは、前記容器の内外を連通させて前記内容液を注出させる注出筒と該注出筒の前記容器側の端部の外周壁から外側へ張り出したフランジとを有するスパウトと、前記フランジの前記容器側の面に取り付けられて前記口部に当接するシール材と、前記スパウトを挟んで対向配置された一対の支持腕と、該支持腕の一端に設けられ前記突出部の被係合面に係合して前記口部を前記シール材側へ押し当てる係合爪と、該係合爪を前記突出部に近接させる方向に付勢する第一の弾性体と、を備え、前記フランジは、前記支持腕の動きをガイドする一対のガイド溝を更に有し、前記一対の支持腕は、前記一対の支持腕同士が連結されることで形成された相互に共通の支軸を有しており、かつ、前記一対のガイド溝にそれぞれ嵌まることによって前記支軸を通る回動軸を中心に回動自在に固定されており、該回動軸は、前記スパウトを横断する位置に配置されており、前記一対の支持腕同士は、前記回動軸を中心にして、前記係合爪同士が近接方向又は離隔方向に回動する構造を有し、前記第一の弾性体は、前記一対の支持腕の間に設けられて前記係合爪を前記突出部に近接させる方向に付勢することを特徴とする。このようなワンタッチディスペンスヘッドは、支持腕で容器の口部を挟むだけの一操作で取り付けることができる。
【0007】
本発明に係るワンタッチディスペンスヘッドは、筒状の口部と、該口部の外周壁から外側へ突出した突出部と、内容液を収容する胴部とを備える容器の前記口部に取り付けられるワンタッチディスペンスヘッドにおいて、該ワンタッチディスペンスヘッドは、前記容器の内外を連通させて前記内容液を注出させる注出筒と該注出筒の前記容器側の端部の外周壁から外側へ張り出したフランジとを有するスパウトと、前記フランジの前記容器側の面に取り付けられて前記口部に当接するシール材と、前記スパウトの周囲に配置された少なくとも一つの支持腕と、該支持腕の一端に設けられ前記突出部の被係合面に係合して前記口部を前記シール材側へ押し当てる係合爪と、該係合爪を前記突出部に近接させる方向に付勢する第一の弾性体と、を備え、前記ワンタッチディスペンスヘッドは、前記注出筒を挿通させる天面部と、前記支持腕を保持する側面部とを有する本体部を更に備え、前記注出筒は、前記フランジの上方に固定部を有し、前記スパウトは、該固定部と前記フランジとで前記天面部を挟持した状態で前記本体部に固定されており、前記第一の弾性体は、前記支持腕の上端部を前記スパウトから離隔させる方向に付勢することによって、前記係合爪を前記突出部に近接させる方向に移動させることを特徴とする。このようなワンタッチディスペンスヘッドは、本体部を容器の口部に差し込むだけの一操作で取り付けることができる。また、よりコンパクト化することができる。
【0008】
本発明に係るワンタッチディスペンスヘッドは、筒状の口部と、該口部の外周壁から外側へ突出した突出部と、内容液を収容する胴部とを備える容器の前記口部に取り付けられるワンタッチディスペンスヘッドにおいて、該ワンタッチディスペンスヘッドは、前記容器の内外を連通させて前記内容液を注出させる注出筒と該注出筒の前記容器側の端部の外周壁から外側へ張り出して前記容器の前記口部を塞ぐフランジとを有するスパウトと、前記フランジの前記容器側の面に取り付けられて前記口部に当接するシール材と、支軸と、該支軸よりも上方部分であって開閉を操作するための上端部と、前記支軸よりも下方部分である下端部とを有し、前記スパウトの周囲に配置されて該スパウト又は該スパウトに固定された保持部品に対して前記支軸を通る回動軸を中心に回動自在に固定された少なくとも一つの支持腕と、該支持腕の前記下端部に設けられ前記突出部の被係合面に係合して前記口部を前記シール材側へ押し当てる係合爪と、前記支持腕が前記回動軸を中心に前記下端部を前記突出部に近接する方向に回動させる力を付勢して、前記係合爪を前記突出部に近接させる第一の弾性体と、を備え、前記支持腕が前記スパウトに固定されるとき、前記回動軸は前記スパウトを横断する位置に配置され、あるいは、前記支持腕が前記保持部品に固定されるとき、前記回動軸は前記保持部品を横断する位置に配置され、前記ワンタッチディスペンスヘッドは、前記口部の口径に応じて、前記係合爪の位置を変更するための係合爪位置可変手段を更に備えることを特徴とする。様々なサイズの容器の口部に取り付けることができる。
【0009】
本発明に係るワンタッチディスペンスヘッドは、筒状の口部と、該口部の外周壁から外側へ突出した突出部と、内容液を収容する胴部とを備える容器の前記口部に取り付けられるワンタッチディスペンスヘッドにおいて、該ワンタッチディスペンスヘッドは、前記容器の内外を連通させて前記内容液を注出させる注出筒と該注出筒の前記容器側の端部の外周壁から外側へ張り出して前記容器の前記口部を塞ぐフランジとを有するスパウトと、前記フランジの前記容器側の面に取り付けられて前記口部に当接するシール材と、支軸と、該支軸よりも上方部分であって開閉を操作するための上端部と、前記支軸よりも下方部分である下端部とを有し、前記スパウトの周囲に配置されて該スパウト又は該スパウトに固定された保持部品に対して前記支軸を通る回動軸を中心に回動自在に固定された少なくとも一つの支持腕と、該支持腕の前記下端部に設けられ前記突出部の被係合面に係合して前記口部を前記シール材側へ押し当てる係合爪と、前記支持腕が前記回動軸を中心に前記下端部を前記突出部に近接する方向に回動させる力を付勢して、前記係合爪を前記突出部に近接させる第一の弾性体と、を備え、前記支持腕が前記スパウトに固定されるとき、前記回動軸は前記スパウトを横断する位置に配置され、あるいは、前記支持腕が前記保持部品に固定されるとき、前記回動軸は前記保持部品を横断する位置に配置され、前記ワンタッチディスペンスヘッドは、前記口部の外側に装着するための寸法変更治具を更に備え、該寸法変更治具は、前記口部の外側に装着される筒状の装着部と、該装着部の内部空間に連通して前記容器の内容液を注出可能な開口を有する擬口部と、該擬口部の外周壁から外側へ突出した擬突出部と、を有し、該擬突出部は、前記係合爪が係合可能な被係合面を有することを特徴とする。様々なサイズの容器の口部に取り付けることができる。
【0010】
本発明に係るワンタッチディスペンスヘッドは、前記口部の口径に応じて、前記係合爪の位置を変更するための係合爪位置可変手段を更に備えることが好ましい。様々なサイズの容器の口部に取り付けることができる。本発明に係るワンタッチディスペンスヘッドは、前記口部の外側に装着するための寸法変更治具を更に備え、該寸法変更治具は、前記口部の外側に装着される筒状の装着部と、該装着部の内部空間に連通して前記容器の内容液を注出可能な開口を有する擬口部と、該擬口部の外周壁から外側へ突出した擬突出部と、を有し、該擬突出部は、前記係合爪が係合可能な被係合面を有することが好ましい。様々なサイズの容器の口部に取り付けることができる。
【0011】
本発明に係るワンタッチディスペンスヘッドでは、前記容器は耐圧容器である形態を包含する。
【0012】
本発明に係るワンタッチディスペンスヘッドでは、前記スパウトは、前記容器内へガスを注入するためのガス用通路を更に有することが好ましい。ガスによる内圧によって内容液を注出することができる。
【0013】
本発明に係るディスペンサーは、本発明に係るワンタッチディスペンスヘッドと、該ワンタッチディスペンスヘッドが取り付けられる容器を保持するための第一の筐体と、を備えるディスペンサーであって、前記容器は、筒状の口部と、該口部の外周壁から外側へ突出した突出部と、内容液を収容する胴部とを備え、前記第一の筐体は、前記容器のうち前記突出部よりも下側の部分を収容する筒状部と、該筒状部の天面部に着脱可能に固定され前記突出部のうち前記係合爪が係合する部分以外の部分を係合する蓋体とを有することを特徴とする。
【0014】
本発明に係るディスペンサーでは、前記口部は前記蓋体の一定位置で固定されることが好ましい。第一の筐体に対して、容器を一定位置で固定することができる。その結果、ワンタッチディスペンスヘッドの装着がより簡便、かつ、容易となる。
【0015】
本発明に係るディスペンサーでは、前記口部は前記筒状部内の一定位置で固定される形態を包含する。
【0016】
本発明に係るディスペンサーは、前記容器の前記突出部よりも下側の部分の外表面と前記筒状部の内壁とが非接触であることが好ましい。容器が薄肉化又は軟質化された容器であっても、容器を変形させることなくワンタッチディスペンスヘッドを口部に取り付けることができる。
【発明の効果】
【0018】
本開示によれば、内容液の注出及び容器の洗浄を、簡便、かつ、衛生的に行うことができるワンタッチディスペンスヘッド、それを備えるディスペンサー及び寸法変更治具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】第一実施形態に係るワンタッチディスペンスヘッドの一例を示す正面図である。
【
図2】第一実施形態に係るワンタッチディスペンスヘッドの一例を示す右側面図である。
【
図3】第一実施形態に係るワンタッチディスペンスヘッドの一例を示す平面図である。
【
図4】
図3に示すワンタッチディスペンスヘッドが容器の口部に装着されたときのA-A線断面図である。
【
図5】第二実施形態に係るワンタッチディスペンスヘッドの一例を示す正面図である。
【
図6】第二実施形態に係るワンタッチディスペンスヘッドの一例を示す右側面図である。
【
図7】第二実施形態に係るワンタッチディスペンスヘッドの一例を示す平面図である。
【
図8】
図7に示すワンタッチディスペンスヘッドが容器の口部に装着されたときのB-B線断面図である。
【
図9】本実施形態に係るディスペンサーの一例を示す斜視図である。
【
図12】蓋体に容器を取り付けた状態を示す図面である。
【
図13】第一の筐体に容器が保持・収容された状態を示す図面である。
【
図14】本実施形態に係るディスペンサーの変形例を示す斜視図である。
【
図15】係合爪位置可変手段の第二例の構造例を説明するための図である。
【
図16】係合爪の変形例を説明するための図である。
【
図17】ワンタッチディスペンスヘッドを装着するときの支持腕の動きを説明するための図であり、(a)は装着直前の図、(b)装着時の図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明するが、本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。
【0021】
(ワンタッチディスペンスヘッド)
本実施形態に係るワンタッチディスペンスヘッド1(1A,1B)は、
図4及び
図8に示すように、筒状の口部91と、口部91の外周壁から外側へ突出した突出部92と、内容液を収容する胴部(不図示)とを備える容器90の口部91に取り付けられるワンタッチディスペンスヘッド1(1A,1B)において、ワンタッチディスペンスヘッド1(1A,1B)は、容器90の内外を連通させて内容液を注出させる注出筒11と注出筒11の容器90側の端部の外周壁から外側へ張り出したフランジ12とを有するスパウト10と、フランジ12の容器90側の面に取り付けられて口部91に当接するシール材20と、スパウト10の周囲に配置された少なくとも一つの支持腕30と、支持腕30の一端に設けられ突出部92の被係合面92aに係合して口部91をシール材20側へ押し当てる係合爪40と、係合爪40を突出部92に近接させる方向に付勢する第一の弾性体(不図示)と、を備える。
【0022】
本実施形態に係るワンタッチディスペンスヘッド1(1A,1B)では、容器90は耐圧容器である形態を包含する。容器90は、例えば、PETボトル若しくはスタンディングパウチなどのプラスチック製容器、ボトル缶又はガラス瓶であってもよい。口部91は、例えば、円筒状であり、キャップ(不図示)を装着するためのらせん状に突出する外ねじ94と、外ねじ94の下部で口部91の外周壁から外側へ環状に突出するカブラ95と、カブラ95の下部で口部91の外周壁から外側へ環状に突出するサポートリング96と、サポートリング96の直下に連接する首部97と、を有することが好ましい。キャップ(不図示)は、いたずら防止のために、開封時にキャップ本体から剥離される剥離リングを有している。カブラ95は、剥離リングが当接する環状突出部である。サポートリング96は、キャップ本体から剥離した剥離リングを保持する環状突出部である。突出部92は、口部91の外周壁から外側へ環状に突出していることが好ましい。
図4及び
図8では、突出部92がサポートリング96である形態を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば突出部92がカブラ95であってもよい。突出部92は、被係合面92aを有する。被係合面92aは、ワンタッチディスペンスヘッド1(1A,1B)の係合爪40と係合可能な面である。胴部は、内容液を収容できればよく、その形状は特に限定されない。
【0023】
ワンタッチディスペンスヘッド1(1A,1B)は、ディスペンサーの配管を容器90に接続するための部品であり、容器90の口部91に一操作で着脱自在に取り付けられる。
【0024】
スパウト10は、
図4及び
図8に示すように、注出筒11とフランジ12とを有する。注出筒11の一端部にはチューブ(不図示)が接続されて、チューブは容器90の胴部内に挿入される。注出筒11の他端部にはディスペンサーの注出口に繋がる配管(不図示)が接続される。これによって、容器90の内容液が容器90外へ注出される。このように、ワンタッチディスペンスヘッド1(1A,1B)は配管経路が単純であるため、洗浄容易である。フランジ12は、容器90の口部91を塞ぐ。スパウト10は、
図7に示すように、容器90内へガスを注入するためのガス用通路13を更に有することが好ましい。ガスによる内圧によって内容液を注出することができる。ガス用通路13は、容器90の内外を連通させる筒状の通路である。
図1~
図4に示すように、スパウト10がガス用通路13を有さない場合、ポンプ(不図示)によって内容液を注出してもよい。
【0025】
シール材20は、
図4及び
図8に示すように、フランジ12が容器90の口部91を塞ぐ時、フランジ12と口部91との間に介在する。シール材20は、特に限定されないが、例えば、Oリングである。
【0026】
支持腕30は、
図4及び
図8に示すように、支軸31よりも上方部分であって開閉を操作するための上端部30aと、支軸31よりも下方部分であって係合爪40を有する下端部30bとを有する。支持腕30は、係合爪40を突出部92に対して近接又は離隔させる。支持腕30の数は、特に限定されないが、2つ以上であることが好ましい。支持腕30が2つ以上である場合、支持腕30は、注出筒11の中心軸に対して回転対称となる位置に配置されることが好ましい。支持腕30と係合爪40とは一体成型品であるか、又は別体であってもよい。
【0027】
係合爪40は、支持腕30の下端部30bの突出部92側の面に配置される。係合爪40は、係合面40bを有し、この係合面40bを突出部92の被係合面92aに係合させて口部91をシール材20側へ押し当てる。これによって、容器90を密封しながら保持することができる。係合爪の係合面40bは、
図4に示すように、ワンタッチディスペンスヘッド1を口部91に装着時に、水平方向に延出する水平面であるか、又は
図8及び
図16に示すように支持腕30から離れるにしたがって下方にテーパー上に傾斜する傾斜面であってもよい。水平面であることで、係合爪40の係合面40bと、一般的には水平方向に延在する突出部92の被係合面92aとが、係合時に面で接することとなるため、より安定して密閉することができる。また、傾斜面であることで、係合爪40の係合面40bと突出部92の被係合面92aとが、係合時に線で接することとなり、装着完了状態に近づくほど係合する圧力が高まる。突出部92の被係合面92aは、
図4及び
図8に示すように、サポートリング96の下面(胴部側の面)であるか、又はカブラ95の下面(サポートリング96側の面)であることが好ましい。係合爪40の先端は、
図3に示すように、口部の外周壁の形状に沿う切り欠き41を有することが好ましい。切り欠き41で容器の口部を挟持する状態となるため、ワンタッチディスペンスヘッド1(1A,1B)の装着状態をより安定させることができる。例えば、口部91が
図4及び
図8に示すように円筒状であるとき、切り欠き41の形状は
図3に示すように円弧状である。また、係合爪40の先端は、
図1に示すように、テーパー40aを有することが好ましい。
【0028】
第一の弾性体(不図示)は、係合爪40を突出部92に近接させる方向に付勢する。第一の弾性体は、特に限定されないが、例えば、コイルばね、線ばね又は板ばねである。例えば、
図4において、第一の弾性体は、側面部に設けられた溝部53と支持腕30の上端部30aとの間に配置することが好ましい。また、
図8において、第一の弾性体は、例えばC形状の線ばねであり、一対の支持腕30の上端部30aに設けられた通し孔32(
図6に図示)に挿通され、支軸31を跨いで対面する一対の支持腕30を挟むように固定されることが好ましい。
【0029】
本実施形態に係るワンタッチディスペンスヘッド1(1A,1B)は、
図1~
図4に示す第一実施形態に係るワンタッチディスペンスヘッド1Aと、
図5~
図8に示す第二実施形態に係るワンタッチディスペンスヘッド1Bとを包含する。第一実施形態に係るワンタッチディスペンスヘッド1Aと第二実施形態に係るワンタッチディスペンスヘッド1Bとは、容器90の口部91に一操作で着脱自在に取り付けられる構造を有する点が共通する。
【0030】
(第一実施形態に係るワンタッチディスペンスヘッド)
まず、
図1~
図4を参照しながら、第一実施形態に係るワンタッチディスペンスヘッド1Aについて説明する。第一実施形態に係るワンタッチディスペンスヘッド1Aは、
図1及び
図2に示すように、注出筒11を挿通させる天面部51と、支持腕30を保持する側面部52とを有する本体部50を更に備え、注出筒11は、フランジ12の上方に固定部14を有し、スパウト10は、
図4に示すように、固定部14とフランジ12とで天面部51を挟持した状態で本体部50に固定されており、第一の弾性体(不図示)は、支持腕30の上端部30aをスパウト10から離隔させる方向に付勢することによって、係合爪40を突出部92に近接させる方向に移動させることが好ましい。第一実施形態のワンタッチディスペンスヘッド1Aは、本体部50を容器90の口部91に差し込むだけの一操作で取り付けることができる。また、よりコンパクト化することができる。
【0031】
本体部50は、スパウト10及び支持腕30を保持するとともに支持腕30の動きをガイドする。天面部51は、
図3及び
図4に示すように、注出筒11を挿通させるための挿通孔51aを有する。側面部52は、
図3に示すように、支持腕30を保持する保持面52aとその他の面52bとを有する。保持面52aは、
図3に示すように、支持腕30を保持するための溝部53を有することが好ましい。また、その他の面52bは、支持腕30の支軸31を固定するための固定孔55を有することが好ましい。支軸31が回動自在に固定孔55に固定されることで、支持腕30が支軸31を中心に回動可能となる。第一実施形態では、支持腕30が、溝部53内に配置されることが好ましい。これによって、支持腕30が本体部50の外形状内に収まり、ワンタッチディスペンスヘッド1Aをよりコンパクト化することができる。
【0032】
固定部14は、注出筒11のフランジ12の上方の外周壁から外側へ張り出した突起であり、
図1及び
図2では一例として環状突起を示した。
図4に示すように、固定部14とフランジ12とで天面部51を挟持することで、スパウト10が本体部50に固定される。
【0033】
支持腕30の姿勢は、ワンタッチディスペンスヘッド1Aの差込方向と平行な方向で保持されることが好ましい。支持腕30の姿勢は、第一の弾性体(不図示)の付勢力を調整することで調整するか、又は、本体部50が支持腕30の下端部30bが突出部92側に移動することを抑制するストッパー(不図示)を有していてもよい。ワンタッチディスペンスヘッド1Aは、
図1~
図4では、支持腕30としてスパウト10を挟んで対向配置された一対の支持腕30を有する形態を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ワンタッチディスペンスヘッド1Aは、支持腕30として3つの支持腕(不図示)を有しており、各支持腕に設けた係合爪で突出部92を3点支持する形態であってもよい。また、ワンタッチディスペンスヘッド1Aは、支持腕30として1つの支持腕(不図示)を有している形態であってもよい。
【0034】
第一弾性体(不図示)は、コイルバネであることが好ましい。第一の弾性体(不図示)が、支持腕30の上端部30aをスパウト10から離隔させる方向に付勢する形態は、例えば、第一の弾性体を、側面部52に設けられた溝部53と支持腕30の上端部30aとの間に配置する形態である。このとき、
図4に示すように、支持腕30の上端部30aの内壁面(スパウト10側の面)に窪み34を設け、溝部53に横穴54を設け、窪み34内及び横穴54内に収まるように第一の弾性体を配置することが好ましい。より好ましくは、第一の弾性体の外径と窪み34の内径とをほぼ同じとするとともに、第一弾性体の外径と横穴54の内径とをほぼ同じとする。これによって、第一の弾性体が窪み34内及び横穴54内にほとんど隙間なく収容されることとなる。その結果、第一の弾性体によって、支持腕30の上端部30aをスパウト10から離隔させる動きの安定性がより高まり、その結果、ワンタッチディスペンスヘッド1Aを容器90の口部91により安定して装着することができる。この効果は、第一の弾性体の外径、窪み34の内径及び横穴54の内径が大きいほどより高まる。また、第一の弾性体(不図示)が、支持腕30の上端部30aをスパウト10から離隔させる方向に付勢する形態は、図示しないが、第一の弾性体を、注出筒11と支持腕30の上端部30aとの間に配置する形態であってもよい。
【0035】
次に、支持腕30の動きを説明する。支持腕30の上端部30aが保持面52a(
図3ではより具体的には保持面52aの溝部53)に近接する方向に力が加わると、第一の弾性体の付勢力に抗って支持腕30が支軸31を中心に回動し、支持腕30の下端部30bが突出部92から離隔する方向に移動する。この移動に伴って、係合爪40が突出部92から離隔する方向に移動する。支持腕30の上端部30aが側面部52に近接する方向に加えられた力が解除されると、第一の弾性体によって、支持腕30の上端部30aが保持面52aから離隔する方向に付勢されるとともに、支持腕30の下端部30bが突出部92に近接する方向に移動する。この移動に伴って、係合爪40が突出部92に近接する方向に移動する。
【0036】
次に、ワンタッチディスペンスヘッド1Aの着脱方法を説明する。まず、ワンタッチディスペンスヘッド1Aを装着するとき、係合爪40を突出部92から離隔する方向に移動させてから、係合爪40を突出部92の下方に移動させて、係合爪40を突出部92の被係合面92aに係合させる。この動作は、係合爪40の先端にテーパー40aを設けた場合、ワンタッチディスペンスヘッド1Aを口部91に差し込むという簡便な動作で行うことができる。具体的には、係合爪40の先端にテーパー40aがある場合、ワンタッチディスペンスヘッド1Aを口部91に差し込むと、テーパー40aに突出部92が当たってテーパー40aに沿って係合爪40が自動的に突出部92から離隔する方向に移動する。そしてワンタッチディスペンスヘッド1Aをより深く口部91に差し込むと、係合爪40が突出部92の下方に移動するとともに突出部92の被係合面92aに自動的に係合する。また、係合爪の係合面40bを、
図4に示すように、水平方向に延出する水平面とするか、又は
図16に示すように支持腕30から離れるにしたがって下方に傾斜する傾斜面とすることで、係合爪40を突出部92から離隔する方向に移動させると、係合爪40の係合面40bが被係合面92aの延在方向(例えば
図4では水平方向)に対して係合爪40の先端が下方を向くように傾くため、ワンタッチディスペンスヘッド1Aの差込方向が多少ずれたとしても、安定して係合爪40を被係合面92aに係合させることができる。次に、ワンタッチディスペンスヘッド1Aを外すとき、係合爪40を突出部92から離隔する方向に移動させて、係合爪40の被係合面92aへの係合を解除し、ワンタッチディスペンスヘッド1Aを口部91から外す。係合爪40を突出部92から離隔する方向に移動させる方法は、支持腕30の上端部30aが保持面52a(
図3ではより具体的には保持面52aの溝部53)に近接する方向に力を加える方法である。なお、ワンタッチディスペンスヘッド1Aの装着においても、支持腕30の上端部30aが保持面52a(
図3ではより具体的には保持面52aの溝部53)に近接する方向に力を加えることで、係合爪40を突出部92から離隔する方向に移動させてもよい。
【0037】
(第二実施形態に係るワンタッチディスペンスヘッド)
次に、
図5~
図8を参照しながら、第二実施形態に係るワンタッチディスペンスヘッド1Bについて説明する。第二実施形態に係るワンタッチディスペンスヘッド1Bは、支持腕30としてスパウト10を挟んで対向配置された一対の支持腕30を有し、一対の支持腕30は、相互に共通の支軸31を有しており、係合爪40同士が支軸31を中心に近接方向又は離隔方向に回動する構造を有し、フランジ12は、支持腕30の動きをガイドするガイド溝15を更に有し、第一の弾性体(不図示)は、一対の支持腕30の間に設けられて係合爪40を突出部92に近接させる方向に付勢することが好ましい。このようなワンタッチディスペンスヘッドは、支持腕で容器の口部を挟むだけの一操作で取り付けることができる。
【0038】
一対の支持腕30は、相互に左右対称な形状を有することが好ましい。また、第二実施形態に係るワンタッチディスペンスヘッド1Bでは、一対の支持腕30が、注出筒11の中心軸に対して2回対称となる位置に配置されることが好ましい。一対の支持腕30同士は、支軸31で連結されており、係合爪40同士が支軸31を中心に近接方向又は離隔方向に回動する構造を有する。これによって、一対の支持腕30によって、口部91を挟んで保持することができる。一対の支持腕30の上端部30aは、注出筒11に向かって突出する突出片33を有し、突出片33は注出筒11に当接可能な当接部33aを有することが好ましい。一対の支持腕30の上端部30a同士を相互に近接するように移動させると、当接部33aが注出筒11に当接することで一対の支持腕30の動きが止まる。このとき、一対の支持腕30の下端部30b同士が離隔した状態、言い換えると一対の係合爪40同士が離隔した状態となる。当接部33aを有することによって、一対の係合爪40間の離隔距離を所定の範囲に制御することができる。また、円弧状の湾曲面を有する当接部33aで注出筒11を挟持した状態となるため、一対の係合爪40同士が離隔した状態の安定性がより高まり、その結果、ワンタッチディスペンスヘッド1Bを容器90の口部91により安定して装着することができる。
【0039】
第二実施形態に係るワンタッチディスペンスヘッド1Bでは、フランジ12は、フランジ12の外周縁から下垂する筒部16を有する。筒部16内には、容器90の口部91が内包される。
【0040】
ガイド溝15は、フランジ12のうち筒部16の対向する位置に設けられた一対の凹部である。この一対の凹部には、一対の支持腕30がそれぞれ嵌まって回動自在に固定される。
【0041】
次に、支持腕30の動きを説明する。一対の支持腕30の上端部30a同士が近接する方向に力が加わると、第一の弾性体の付勢力に抗って一対の支持腕30が支軸31を中心に回動し、支持腕30の下端部30bが突出部92から離隔する方向に移動する。この移動に伴って、係合爪40が突出部92から離隔する方向に移動する。一対の支持腕30の上端部30a同士が近接する方向に加えられた力が解除されると、第一の弾性体によって、支持腕30の上端部30aが保持面52aから離隔する方向に付勢されるとともに、支持腕30の下端部30bが突出部92に近接する方向に移動する。この移動に伴って、係合爪40が突出部92に近接する方向に移動する。
【0042】
次に、ワンタッチディスペンスヘッド1Bの着脱方法を説明する。まず、ワンタッチディスペンスヘッド1Bを装着するとき、
図17(a)に示すように係一対の支持腕30同士が近接する方向に力を加えることで、係合爪40を突出部92から離隔する方向に移動させてから、
図17(b)に示すように係合爪40を突出部92の下方に移動させて、係合爪40を突出部92の被係合面92aに係合させる。この時、係合爪の係合面40bを、水平方向に延出する水平面(例えば
図4に図示)とするか、又は
図8に示すように支持腕30から離れるにしたがって下方に傾斜する傾斜面とすることで、係合爪40を突出部92から離隔する方向に移動させると、
図17(a)に示すように係合爪40の係合面40bが被係合面92aの延在方向(例えば
図8では水平方向)に対して係合爪40の先端が下方を向くように傾くため、ワンタッチディスペンスヘッド1Aの差込方向が多少ずれたとしても、安定して係合爪40を被係合面92aに係合させることができる。次に、ワンタッチディスペンスヘッド1Aを外すとき、一対の支持腕30同士が近接する方向に力を加えることで、係合爪40を突出部92から離隔する方向に移動させて、係合爪40の被係合面92aへの係合を解除し、ワンタッチディスペンスヘッド1Bを口部91から外す。
【0043】
(ワンタッチディスペンスヘッドの変形例1)
本実施形態に係るワンタッチディスペンスヘッド1(1A,1B)は、口部91の口径に応じて、係合爪40の位置を変更するための係合爪位置可変手段を更に備えることが好ましい。様々なサイズの容器の口部に取り付けることができる。
【0044】
係合爪位置可変手段の第一例としては、係合爪40の先端に、第二の弾性体を介して連結された先端爪部を設け、第二の弾性体が先端爪部を突出部92に近接する方向に付勢する構造である。第二の弾性体によって、先端爪部が係合爪40から突出する長さが可変となり、様々なサイズの口径を有する口部91に取り付けることができる。
【0045】
係合爪位置可変手段の第二例としては、支持腕30と係合爪40とを相互に別体とし、係合爪の位置をねじによって移動可能とする構造である。
図15は、係合爪位置可変手段の第二例の構造例を説明するための図である。
図15では、ワンタッチディスペンスヘッド1Aの支持腕30の下端部30b及びその周辺だけを抽出して図示している。第二例の構造例は、例えば、
図15に示すように、支持腕30の下端部30bがねじ孔(貫通孔)63を有し、ねじ孔63に、例えばちょうねじつまみなどの固定具62で所定の突出量で固定可能なねじ棒61を通し、ねじ棒61の先端に係合爪40を取り付けた構造である。ねじ棒61の突出量を調整することで、係合爪40の位置が可変となり、様々なサイズの口径を有する口部91に取り付けることができる。また、第二例の構造例は、例えば、支持腕30が下端面30c(
図15に図示)に窪み状のねじ穴(不図示)を有し、係合爪が長孔を有する細長部材(不図示)であり、係合爪の長孔にねじ(不図示)を通して、該ねじを支持腕30の下端面30cに設けたねじ穴に固定することで、係合爪を支持腕30に固定する構造であってもよい。係合爪の突出量を調整することで、係合爪の位置が可変となり、様々なサイズの口径を有する口部91に取り付けることができる。
【0046】
係合爪位置可変手段の第三例としては、係合爪40が切り欠き41として相対的に大きな直径の大円弧状切り欠きと相対的に小さな直径の小円弧状切り欠きとを有し、大円弧状切り欠きと小円弧状切り欠きとが同心円状に重ねられており、小円弧状切り欠きが第三の弾性体によって大円弧状切り欠き内から突出可能に固定されている構造である。例えば、口部91の直径(外径)が36mm径の容器と28mm径の容器とがある場合、36mm径の容器の口部91には大円弧状切り欠きを係合させ、28mm径の容器の口部91には小円弧状切り欠きを係合させることができる。
【0047】
係合爪位置可変手段の第四例としては、係合爪40が先端部に変形自在な軟性の弾性体を有する構造である。軟性の弾性体が容器90の口部91の大きさに応じて変形することによって様々なサイズの口径を有する口部91に取り付けることができる。軟性の弾性体の材質は、例えば、ゴム又はサーモプラスチックエラストマーなどの軟性樹脂である。
【0048】
(ワンタッチディスペンスヘッドの変形例2)
本実施形態に係るワンタッチディスペンスヘッド1(1A,1B)は、口部91の外側に装着するための寸法変更治具(不図示)を更に備え、寸法変更治具は、口部91の外側に装着される筒状の装着部と、装着部の内部空間に連通して容器90の内容液を注出可能な開口を有する擬口部と、擬口部の外周壁から外側へ突出した擬突出部と、を有し、擬突出部は、係合爪40が係合可能な被係合面を有することが好ましい。寸法変更治具は、口部91の口径が大き過ぎたり小さ過ぎたりして、ワンタッチディスペンスヘッド1(1A,1B)の設計された係合爪40を被係合面92aに係合させることができない場合に、口部91に取り付けて、係合爪40を寸法変更治具の擬突出部の被係合面に係合させることができるようにするための部材である。装着部は、口部91に嵌合されることが好ましく、例えば、口部91が
図4及び
図8に示すように外ねじ94を有する場合、装着部は外ねじ94に螺合される内ねじを有する形態であるか、又は口部91がガラス瓶の口部のようにリップを有する場合、装着部は、リップに嵌合する環状溝を有する形態であってもよい。ワンタッチディスペンスヘッド1(1A,1B)が寸法変更治具に装着されるとき、擬口部の開口にはスパウト10のフランジ12が当接して、注出筒11に装着されたチューブ(不図示)が擬口部の開口及び装着部の内部空間を通って、容器90の胴部内に挿入される。これによって、内容液がワンタッチディスペンスヘッド1(1A,1B)を介して、ディスペンサーから内容液が注出可能となる。口部91の口径が小さすぎる場合、寸法変更治具は、筒状であって、外形状が口部91と相似形状であり、かつ、内形状が口部91に嵌合可能な形状を有する擬口部と、擬口部の内形状を構成する装着部と、を有し、擬口部が擬突出部を有しており、擬突出部の被係合面にはワンタッチディスペンスヘッド1(1A,1B)の係合爪40が係合可能であることが好ましい。口部91の口径が大きすぎる場合、寸法変更治具は、筒状であって内形状が口部91に嵌合可能な形状を有する装着部と、装着部の上部に連接し、かつ、装着部の内部空間に連通する擬口部とを有し、擬口部が擬突出部を有しており、擬突出部の被係合面にはワンタッチディスペンスヘッド1(1A,1B)の係合爪40が係合可能であることが好ましい。このように、口部91の外側に寸法変更治具を装着することで、ワンタッチディスペンスヘッド1(1A,1B)を様々なサイズの容器90の口部91に取り付けることができる。
【0049】
(ディスペンサー)
図9は、本実施形態に係るディスペンサーの一例を示す斜視図である。
図9では、説明の都合上、第一の筐体を透視した状態を示している。本実施形態に係るディスペンサー100は、本実施形態に係るワンタッチディスペンスヘッド1Aと、ワンタッチディスペンスヘッド1Aが取り付けられる容器90を保持するための第一の筐体110と、を備えるディスペンサーであって、容器90は、筒状の口部91(
図4に図示)と、口部91の外周壁から外側へ突出した突出部92(
図4に図示)と、内容液を収容する胴部93とを備え、第一の筐体110は、容器90のうち突出部92よりも下側の部分を収容する筒状部111と、筒状部111の天面部に着脱可能に固定され突出部92のうち係合爪40が係合する部分以外の部分を係合する蓋体112とを有する。
【0050】
本実施形態に係るディスペンサー100は、第一実施形態に係るワンタッチディスペンスヘッド1Aを備えるディスペンサー100と、第二実施形態に係るワンタッチディスペンスヘッド1Bを備えるディスペンサー(不図示)とを包含する。
図9では、ワンタッチディスペンスヘッド1(1A,1B)として第一実施形態に係るワンタッチディスペンスヘッド1Aを備えるディスペンサー100を例にとって説明するが、第二実施形態に係るワンタッチディスペンスヘッド1Bを備えるディスペンサー(不図示)は、第一実施形態に係るワンタッチディスペンスヘッド1Aを第二実施形態に係るワンタッチディスペンスヘッド1Bに置換した以外は、第一実施形態に係るワンタッチディスペンスヘッド1Aを備えるディスペンサー100と共通の構造を有する。
【0051】
図10は、第一の筐体の一例を示す正面図である。
図11は、第一の筐体の一例を示す平面図である。第一の筐体110は、容器90を保持及び収容する外容器である。
【0052】
筒状部111は、天面部が開口した筒状部材である。筒状部111は、
図10に示すように、底部113を有することが好ましい。底部113は、筒状部111と別体であるか、又は一体であってもよい。
【0053】
図12は、蓋体に容器を取り付けた状態を示す図面である。本実施形態に係るディスペンサー100では、口部91は蓋体112の一定位置で固定されることが好ましい。第一の筐体110に対して、容器90を一定位置で固定することができる。その結果、ワンタッチディスペンスヘッド1(1A,1B)の装着がより簡便、かつ、容易となる。次に、
図12を参照して、口部91が蓋体112の一定位置で固定される形態の一例を説明する。蓋体112は、
図12に示すように、スリット114を有することが好ましい。スリット114は、スリット114の一端に設けられた差込開口114aと、差込開口114aに連接する通路114bと、通路114bの終端に設けられた係合部114cと、係合部114cに連接する凹部114dと、を有することが好ましい。差込開口114aは、容器90の口部91を差し込むための開口である。通路114bは、差込開口114aから差し込んだ容器90を蓋体112の中央部に移動させるための隙間である。係合部114cは、容器90の口部91を固定し、それ以上スリット114内に侵入しないようにその縁を狭めた深入制限部である。凹部114dは、支持腕30が収容される隙間であり、支持腕30が突出部92に対して近接又は離隔する方向に動くことを可能とする。蓋体112にはスリット114があり、容器90の口部91は、差込開口114aから通路114bを通され、係合部114cの縁部に突出部92の被係合面92a(例えばサポートリング96の下面)の一部が当接することで容器90が蓋体112に固定される。そして、ワンタッチディスペンスヘッド1Aの本体部50(
図2に図示)の下面又はワンタッチディスペンスヘッド1Bのフランジ12(
図5に図示)の下面が蓋体の上面に接触したとき、支持腕30の一つが凹部114dに収容され、支持腕30が突出部92に対して近接又は離隔する方向に動くことを可能とする。支持腕30が一対であるとき、一方の支持腕30は凹部114dに収容され、他方の支持腕30は通路114bに収容される。
【0054】
図13は、第一の筐体に容器が保持・収容された状態を示す図面である。
図13に示すように、容器90の口部91が固定された蓋体112は、筒状部111に固定される。これによって、容器90が第一の筐体110に固定される。この状態で、第一実施形態に係るワンタッチディスペンスヘッド1Aを、支持腕30の一つがスリット114の凹部114dに収容される向きで差し込む。支持腕30が一対であるとき、一方の支持腕30は凹部114dに収容され、他方の支持腕30は通路114bに収容される。この一操作によって、
図9に示すようにディスペンサー100が得られる。ワンタッチディスペンスヘッドが第二実施形態に係るワンタッチディスペンスヘッド1Bである場合、
図13に示す容器90が第一の筐体110に固定された状態で、第二実施形態に係るワンタッチディスペンスヘッド1Bの支持腕30の一方が凹部114dに収容され、支持腕30の他方が通路114bに収容される向きで容器90の口部91を一対の支持腕30で挟む。この一操作によって、ディスペンサーが得られる。
【0055】
本実施形態体に係るディスペンサー100では、ワンタッチディスペンスヘッド1(1A,1B)を口部91に装着した時、支持腕30とスリット114の縁とで、容器90の首部97の全周が保持されていることが好ましい。ワンタッチディスペンスヘッド1(1A,1B)をより安定して口部91に装着することができる。
【0056】
本実施形態に係るディスペンサー100では、
図9に示すように、口部91は筒状部111内の一定位置で固定される形態を包含する。これによって、容器90が第一の筐体110の高さ方向に対して一定位置で固定されることとなる。また、本実施形態に係るディスペンサー100は、
図9に示すように、容器90の突出部92よりも下側の部分の外表面と筒状部111の内壁とが非接触であることが好ましい。これによって、容器90が第一の筐体110内で宙づり状態となり、容器90が薄肉化又は軟質化された容器であっても、容器90を変形させることなくワンタッチディスペンスヘッド1(1A,1B)を口部91に取り付けることができる。
【0057】
図14は、本実施形態に係るディスペンサーの変形例を示す斜視図である。本実施形態に係るディスペンサー100は、第一の筐体110に加えて、ワンタッチディスペンスヘッド1(1A,1B)を収容・保持し、第一の筐体110に載せられる第二の筐体120を有することが好ましい。第二の筐体120は、ワンタッチディスペンスヘッド1(1A,1B)の支持腕30が蓋体112のスリット114に非接触で差し込まれるように支持腕30とスリット114の凹部114dとを位置決めするガイド(不図示)を有していることが好ましい。ガイドは、例えば、第二の筐体120の底面に設けられた窪みである。当該窪みに、ワンタッチディスペンスヘッド1(1A,1B)のうち支持腕30の上端部30aを含み、かつ、支持腕30の下端部30bを含まない領域を嵌合させることで、ワンタッチディスペンスヘッド1(1A,1B)を収容・保持する。そして、第二の筐体120を第一の筐体110に合体させるときは、操作者は、ワンタッチディスペンスヘッド1(1A,1B)が、支持腕30の一つがスリット114の凹部114dに収容される向きで口部91に装着されるように第二の筐体120を持ち、第二の筐体120を、第一の筐体110の蓋体112から突出している容器90の口部91に向けて差し込む。支持腕30が一対であるとき、一方の支持腕30は凹部114dに収容され、他方の支持腕30は通路114bに収容される。また、ディスペンサー100は、第一の筐体110の冷却状態を保持するためのアイスボックス130を更に備えていてもよい。
【0058】
第二の筐体120は、支持腕30の上端部30aを直接的又は間接的に挟持する挟持手段(不図示)を有することが好ましい。挟持手段によって支持腕30の上端部30aを押し込むことで、係合爪40が突出部92から離隔して、係合爪40の被係合面92aへの係合状態が解除される。これによって、ワンタッチディスペンスヘッド1(1A,1B)を容器90から取り外すことができる。
【0059】
第二の筐体120には、ワンタッチディスペンスヘッド1(1A,1B)の注出筒11(
図1、
図5に図示)に配管(不図示)を介して接続される注出口ホルダー121が設けられていることが好ましい。注出口ホルダー121には、注出口(不図示)が取り付けられて、注出口から容器90の内容液を注出することができる。
【0060】
また、第二の筐体120内には、ポンプ(不図示)及びバッテリー(不図示)などの電装部品が内蔵されていてもよい。
【0061】
(寸法変更治具)
本実施形態に係る寸法変更治具(不図示)は、
図12に示すように、筒状の口部と、内容液を収容する胴部とを備える容器の前記口部の外側に装着される寸法変更治具であって、寸法変更治具は、口部91の外側に装着される筒状の装着部と、装着部の内部空間に連通して容器90の内容液を注出可能な開口を有する擬口部と、擬口部の外周壁から外側へ突出した擬突出部と、を有する。寸法変更治具は、口部91の口径が大き過ぎたり小さ過ぎたりして、ワンタッチディスペンスヘッド1(1A,1B)の設計された係合爪40を被係合面92aに係合させることができない場合に、口部91に取り付けて、係合爪40を寸法変更治具の擬突出部の被係合面に係合させることができるようにするための部材である。装着部は、口部91に嵌合されることが好ましく、例えば、口部91が
図4及び
図8に示すように外ねじ94を有する場合、装着部は外ねじ94に螺合される内ねじを有する形態であるか、又は口部91がガラス瓶の口部のようにリップを有する場合、装着部は、リップに嵌合する環状溝を有する形態であってもよい。ワンタッチディスペンスヘッド1(1A,1B)が寸法変更治具に装着されるとき、擬口部の開口にはスパウト10のフランジ12が当接して、注出筒11に装着されたチューブ(不図示)が擬口部の開口及び装着部の内部空間を通って、容器90の胴部内に挿入される。これによって、内容液がワンタッチディスペンスヘッド1(1A,1B)を介して、ディスペンサーから内容液が注出可能となる。口部91の口径が小さすぎる場合、寸法変更治具は、筒状であって、外形状が口部91と相似形状であり、かつ、内形状が口部91に嵌合可能な形状を有する擬口部と、擬口部の内形状を構成する装着部と、を有し、擬口部が擬突出部を有しており、擬突出部の被係合面にはワンタッチディスペンスヘッド1(1A,1B)の係合爪40が係合可能であることが好ましい。口部91の口径が大きすぎる場合、寸法変更治具は、筒状であって内形状が口部91に嵌合可能な形状を有する装着部と、装着部の上部に連接し、かつ、装着部の内部空間に連通する擬口部とを有し、擬口部が擬突出部を有しており、擬突出部の被係合面にはワンタッチディスペンスヘッド1(1A,1B)の係合爪40が係合可能であることが好ましい。このように、口部91の外側に寸法変更治具を装着することで、ワンタッチディスペンスヘッド1(1A,1B)を様々なサイズの容器90の口部91に取り付けることができる。
【符号の説明】
【0062】
1(1A,1B) ワンタッチディスペンスヘッド
10 スパウト
11 注出筒
12 フランジ
13 ガス用通路
14 固定部
15 ガイド溝
16 筒部
20 シール材
30 支持腕
30a 上端部
30b 下端部
30c 下端面
31 支軸
32 通し孔
33 突出片
33a 当接部
40 係合爪
41 切り欠き
50 本体部
51 天面部
51a 挿通孔
52 側面部
53 溝部
61 ねじ棒
62 固定具
63 ねじ孔(貫通孔)
90 容器
91 口部
92 突出部
92a 被係合面
93 胴部
94 外ねじ
95 カブラ
96 サポートリング
97 首部
110 第一の筐体
111 筒状部
112 蓋体
113 底部
114 スリット
114a 差込開口
114b 通路
114c 係合部
114d 凹部
120 第二の筐体
130 アイスボックス