(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-07
(45)【発行日】2024-08-16
(54)【発明の名称】タンパク質粉末を処理する方法
(51)【国際特許分類】
A23L 33/17 20160101AFI20240808BHJP
A23L 33/185 20160101ALI20240808BHJP
A23L 33/19 20160101ALI20240808BHJP
A61K 35/20 20060101ALI20240808BHJP
A61P 21/06 20060101ALI20240808BHJP
A61K 36/48 20060101ALI20240808BHJP
A61K 36/47 20060101ALI20240808BHJP
A61K 36/899 20060101ALI20240808BHJP
A61K 38/00 20060101ALI20240808BHJP
A23J 3/08 20060101ALI20240808BHJP
A23J 3/14 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
A23L33/17
A23L33/185
A23L33/19
A61K35/20
A61P21/06
A61K36/48
A61K36/47
A61K36/899
A61K38/00
A23J3/08
A23J3/14
(21)【出願番号】P 2020520182
(86)(22)【出願日】2018-06-05
(86)【国際出願番号】 US2018036043
(87)【国際公開番号】W WO2018236574
(87)【国際公開日】2018-12-27
【審査請求日】2021-06-04
(32)【優先日】2017-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519456158
【氏名又は名称】スティーブン ジェイムズ モトスコ,ザ サード
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100150810
【氏名又は名称】武居 良太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100203828
【氏名又は名称】喜多村 久美
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン ジェイムズ モトスコ,ザ サード
【審査官】大久保 智之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0217974(US,A1)
【文献】特開2010-150160(JP,A)
【文献】特開2012-197246(JP,A)
【文献】Impact of thermal treatment versus cold atmospheric plasma processing on the techno-functional protein properties from Pisum sativum ‘Salamanca’,Journal of Food Engineering,2015年,167,pp.166-174
【文献】Characterization of physicochemical and structural properties of atmospheric cold plasma (ACP) modified zein,Food and Bioproducts Processing,2017年,106,pp.65-74
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンパク質粉末を処理する方法であって、タンパク質粉末は、特定の温度および出力でプラズマに曝され、ここで:
前記特定の温度は、26.7~36.8℃であり;および
前記特定の出力は、250~1,000Wである、方法。
【請求項2】
0.0453592~4.53592kg/sの特定の処理速度を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記タンパク質粉末が、乳清タンパク質およびエンドウ(Pea)タンパク質から選択される、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本願は、2017年6月20日に提出された米国特許出願第15/628,063号の優先権を主張するものであり、その全内容を本明細書に組み込む。
【0002】
本願は、一般にプラズマ処理に関連する。より具体的には、本願は方法、装置、およびプラズマ処理されたタンパク質粉末に関する。
【背景技術】
【0003】
気体プラズマ処理により、材料の分子工学では材料全体の大部分の特性に影響を及ぼさずに固有の性質および表面特性を付与することができる。様々な表面にプラズマ処理を用いて複数の部分同士の表面密着性を向上させることが知られている。一般に、プラズマ処理は印刷、接着、着色、ニスの塗布、および被覆の工程の前に用いられる。さらに、タンパク質粉末やビタミン補助食品が、運動選手に栄養素を与えて、その食事で不足しているビタミンおよび栄養素を補うことは当該分野で知られている。従って、吸収特性が向上したビタミン補助食品またはタンパク質粉末を提供することが当該分野で求められている。
【発明の概要】
【0004】
一態様では、特定の温度と出力で特定の時間プラズマに曝されたタンパク質粉末が開示される。前記プラズマ処理されたタンパク質粉末は、未処理のタンパク質と比較して室温での融解曲線において蛍光発光度が増加している。
【0005】
他の態様では、特定の温度および出力で特定の時間プラズマに曝されたタンパク質粉末を有するプラズマ処理された経口摂取タンパク質粉末組成物が開示される。前記プラズマ処理されたタンパク質粉末は、哺乳類の筋肉機能を向上するための使用で、未処理のタンパク質と比較して室温での融解曲線において蛍光発光が増加している。
【0006】
さらなる態様では、筋肉タンパク質を増加させる方法が開示される。前記方法は、対象に特定の温度および出力で特定の時間プラズマに曝されたタンパク質粉末を投与することを含み、前記プラズマ処理されたタンパク質粉末は未処理のタンパク質と比較して室温での融解曲線において蛍光発光度が増加している。
【0007】
本明細書で記載する実施形態により提供されるこれらおよび追加の特徴は、図面と併せて以下の詳細な記述を考慮してより十分に理解される。
【0008】
図面で規定された実施形態は、実際、例示的なものであり、請求項により規定された主題を限定する意図ではない。以下の図面と併せて読むとこれらの例示的な実施形態について以下の詳細な記載を理解することができる。以下の図面では、同様の構造は同様の参照符号で示されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本明細書で図示、記載される1つ以上の実施形態による装置の部分分解斜視図を示す。
【
図2】
図2は、本明細書で図示、記載される1つ以上の実施形態による調節可能な遮断式流量制御弁の斜視図を示す。
【
図3】
図3は、本明細書で図示、記載される1つ以上の実施形態による装置の組立て斜視図を示す。
【
図4】
図4は、本明細書で図示、記載される1つ以上の実施形態による調節可能な遮断式流量制御弁の斜視図を示す。
【
図5】
図5は、本明細書で図示、記載される1つ以上の実施形態によるプラズマ装置の一実施形態の平面図を示す。
【
図6】
図6は、本明細書で図示、記載される1つ以上の実施形態による傾斜付きプラズマ装置の一実施形態の平面図を示す。
【
図7】
図7は、本明細書で図示、記載される1つ以上の実施形態による直立プラズマ装置の一実施形態の平面図を示す。
【
図8】
図8は、様々な処理済みタンパク質粉末試料の疎水性のプロットである。
【
図9A】諸条件での処理済みWPIタンパク質の融解曲線のプロットである。
【
図9B】諸条件での処理済みWPIタンパク質の融解曲線のプロットである。
【
図9C】諸条件での処理済みWPIタンパク質の融解曲線のプロットである。
【
図9D】諸条件での処理済みWPIタンパク質の融解曲線のプロットである。
【
図9E】諸条件での処理済みWPIタンパク質の融解曲線のプロットである。
【
図9F】諸条件での処理済みWPIタンパク質の融解曲線のプロットである。
【
図9G】諸条件での処理済みWPIタンパク質の融解曲線のプロットである。
【
図9H】諸条件での処理済みWPIタンパク質の融解曲線のプロットである。
【
図10】
図10は、処理済みおよび未処理のWPIタンパク質の融解曲線のプロットである。
【
図11】
図11は、湿度25%での処理済みWPIタンパク質の融解曲線のプロットである。
【
図12】
図12は、処理済みカゼインタンパク質の融解曲線のプロットである。
【
図13】
図13は、処理済み大豆タンパク質の融解曲線のプロットである。
【
図14】
図14は、処理済みサチャインチ(Sacha Inchin)タンパク質の融解曲線のプロットである。
【
図15】
図15は、処理済み米タンパク質の融解曲線のプロットである。
【
図16】
図16は、処理済みエンドウタンパク質の融解曲線のプロットである。
【
図17】
図17は、処理済みおよび未処理の試料の懸濁タンパク質の含有量のプロットである。
【
図18】
図18は、処理済みおよび未処理の試料の溶解度のプロットである。
【
図19】
図19は、処理済みおよび未処理の試料のCDプロットである。
【
図20】
図20は、処理済みおよび未処理の試料のCDプロットである。
【
図21】
図21は、処理済みおよび未処理の試料のCDプロットである。
【
図22】
図22は、処理済みおよび未処理の試料のCDプロットである。
【
図23】
図23は、処理済みおよび未処理の試料の表面積のプロットである。
【
図24】
図24は、処理済みおよび未処理の試料の対象の筋肉増加のプロットである。
【
図25】
図25は、処理済みおよび未処理の試料の対象の脂肪減少のプロットである。
【
図26】
図26は、処理済みおよび未処理の試料の胃腸痛のプロットである。
【
図27】
図27は、処理済みおよび未処理の試料の胃の快感のプロットである。
【
図28】
図28は、処理済みおよび未処理の試料の混合性のプロットである。
【
図29】
図29は、処理済みおよび未処理の試料の筋肉回復のプロットである。
【
図30】
図30は、処理済みおよび未処理の試料でのスクワットの(回数の)増加のプロットである。
【
図31】
図31は、処理済みおよび未処理の試料のベンチプレスの(回数の)増加のプロットである。
【
図32】
図32は、処理済みおよび未処理のタンパク質組成物の臨床試験の試験規約のプロットである。
【
図33】
図33は、処理済みおよび未処理のタンパク質組成物の臨床試験用パラメータを詳述した表である。
【
図34】
図34は、処理済みおよび未処理のタンパク質組成物の臨床試験用パラメータを詳述した表である。
【
図37】
図37は、臨床試験の対象における処理済みおよび未処理のWPIの強度パラメータの表である。
【
図38】
図38は、臨床試験の対象における処理済みおよび未処理のWPIの身体パラメータの表である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
発明の詳細な説明
本実施形態では、ビタミンまたはミネラル補助食品(例えば、タンパク質粉末)を処理する方法および装置に気体プラズマ処理が用いられる。
図1~
図7に示す表面処理および/またはエッチング装置は、プラズマ表面エッチングでタンパク質粉末を処理するのに用いられるようになっている。気体プラズマにより、材料の分子工学では材料全体の大部分の特性に影響を及ぼさずに固有の特性および表面特性を付与することができる。本発明でのプラズマの使用により、生体適合性、表面エネルギー、モルホロジー、質感、および吸収の変化など、表面特性を変化させてもよい。
【0011】
本実施形態では、プラズマを粉末、具体的には、タンパク質粉末補助食品に照射すると、吸収および消化因子が有意に増加する(溶解度が71%、疎水性が27%、表面積が26%増加)。ペプシン、キモトリプシン、セリン、およびエラスターゼなどのプロテアーゼ(タンパク質を分解して、身体が利用できるようにする)は疎水性アミノ酸に最も有効である。現在のプラズマ処理工程をタンパク質粉末で用いると、疎水性は27%まで増加する。補助食品により、身体は食事に不足している、あるいは普通の食事の過剰量を必要とするビタミンおよびミネラルを受容することができる。例えば、強さを競う競技者はしばしば、重量上げで生じた筋肉の損傷と回復期の筋肉を形成するのを助けることができるタンパク質粉末を用いる。本実施形態では、この装置は、タンパク質粉末をプラズマ処理するのに用いられる。しかしながら、任意の粉末、顆粒、または粉末状材料を処理するプラズマと共にこの装置を用いてもよい。
【0012】
一実施形態では、使用するプラズマは大気圧プラズマである。大気圧プラズマは、周囲雰囲気の圧力にほぼ一致する圧力のプラズマである。大気圧プラズマにより、活性化やエッチングを含む様々な特性が可能になる。本発明の他の実施形態では、また、コロナ処理、コロナ放電、火炎プラズマ、化学プラズマ、無声放電、または部分放電など様々な他の種類のプラズマを用いてもよい。本実施形態では、装置内に組み込まれたプラズマプルームが用いられる。
【0013】
1つ以上の実施形態による本発明の装置を
図1~
図7に示す。プラズマ発生器100は、プラズマ発生器ヘッド101を備える。プラズマ発生器ヘッド101は、大気圧プラズマをかけるのに必要なプルームを生成するプルーム生成器111を備える。装置100は、さらに取付穴112を有する取付ブラケット102を備える。取付ブラケット102により、装置を平らな表面に取り付けることができる。これにより、プラズマ処理時での直立した構成が得られる。この直立した構成により、粉末または他の補助食品が主粉末導入管104を通って流れる際に重力を利用することができる。この粉末導入管は、粉末導入管104を通って伸びる中央穴につながる穴114、115を備える。あるいは、ブラケット102は傾斜していてもよい。
【0014】
一実施形態では、タンパク質粉末(または、任意の他の粉末あるいは顆粒)を所定の角度で系に導入する。また、組立体全体の角度を調整することで粉末流の速度を調整してもよい。従って、主取付ブラケット102は調節可能であって、粉末導入管104の角度を調節することができる。
【0015】
プラズマ/空気オリフィス103は回転ヘッドを備える。回転ヘッドは、プラズマプルームに曝す前およびその間に粉末に圧縮空気を含ませる。プラズマ/空気オリフィス103により、プラズマ処理時により大きい面積のタンパク質粉末を曝すことができる。プラズマ/空気オリフィス103は、外表面117を備え、装置の他の部分と接続する接続部113を有する。
【0016】
プラズマ反応室105は、装置100の下端部に設けられている。主反応室105では、導入管104からのタンパク質粉末がプラズマ発生器ヘッド101のプラズマプルームと結合する。さらに、第二の空気流制御部108はプラズマ発生器ヘッド101と流体連通するように設けられている。第二の空気流制御部108は、プラズマ発生器のヘッドにおいて粉末が逆流するのを防止する。第二の空気流制御部108は、プラズマ処理工程中、粉末を空気で膨化する。さらに、第二の空気流制御は、タンパク質粉末のプラズマへの暴露を高めて、これにより最終のタンパク質粉末の品質を高める。制御部108は、調整部158を有するコネクタ158、接続部154、およびデータ出力部152を備える。
【0017】
また、調節可能な遮断式流量制御弁107が設けられている。制御弁107は、系内の空気の流れが速くなるのを防止する「フラッパー」を備える。上記弁は、入り口127および対応する接続部119を備える。
【0018】
さらに、主空気流制御部109が設けられており、系内の空気とタンパク質粉末の流れを制御する。これは、一定の安定した空気の流れを提供し、かつ系内での動きが速すぎないようにするのに非常に重要である。
【0019】
(表面処理および/またはエッチングにより)補助食品粉末を処理する上記装置を様々な形態の他の補助食品(粉末、丸薬、錠剤など)に使用して吸収特性を高めてもよい。
【0020】
本発明のさらに他の実施形態では、気体プラズマ処理は、ビタミンまたはミネラル補助食品を処理する方法および装置で用いられる。また、表面処理および/またはエッチングを本実施形態で用いてもよい。気体プラズマにより、材料の分子工学では材料全体の大部分の特性に影響を及ぼさずに固有の特性および表面特性を付与することができる。本発明でのプラズマの使用により、生体適合性、表面エネルギー、モルホロジー、質感、および吸収の変化など、表面特性を変化させてもよい。補助食品により、身体は食事に不足している、あるいは普通の食事の過剰量を必要とするビタミンおよびミネラルを受容することができる。例えば、強さを競う競技者はしばしば、重量上げで生じた筋肉の損傷と回復期の筋肉を形成するのを助けることができるタンパク質粉末を用いる。
【0021】
(表面処理および/またはエッチングにより)補助食品をプラズマ処理することで、生物学的利用能および吸収を高めて消化過程を助け、促進する。推定では米国の人工の半分は、十分な胃酸を生成しておらず、食品から栄養素を吸収する能力が低下している。ここで
図5を参照して、補助食品粉末をプラズマ場に曝して処理する空気供給法および装置200が開示される。上記方法は、
a.手で、あるいは真空吸引により粉末を(導入口206から)回転サイクロン室に添加すること、
b.室201A、201B内の粉末を連続して所定時間の間かき混ぜて、粉末219に渦250を発生させること、
c.プラズマ(参照符号205、208)をかき混ぜている粉末の渦に注入し、かつ/またはプラズマを渦巻き流、すなわちプラズマ場250に注入すること、
d.必要に応じて他の気体を処理する複数の室と接続すること、(外気、アルゴン、ネオン、不活性ガスなどの)これらの室を(導入口206、222、および管204を介して)直列に接続すること、および
e.汚染を低減するため、粉末を個々のパウチ、真空パウチ、カプセル、または他の保存容器内に密封すること、を含む。
【0022】
図6および
図7は、プラズマ処理装置および対応する方法の他の実施形態および平面図を示す。装置300はホッパー302を備え、前記ホッパーは系に粉末を押し込む回転機構304を有する。系および方法部308は、粉末または顆粒A~Gをプラズマ処理する一連の工程および方法を含む。
【0023】
工程Aは、重力の供給と空気の流量の調節を含む。現行のプラズマ反応器炉の設計は、(40分を超える)長いサイクル時間を必要とし、下の基質に依存し真空内または非大気気体(例えば、ヘリウムまたはアルゴン)と共に動作する必要がある。本願は、重力により粉末をプラズマ室に供給することができる新規な反応器を開示する。これにより、制御された暴露および流量を維持しつつ、サイクル時間を短縮することができる。さらなる制御のため、螺旋状の錐を用いてプラズマ暴露時間を増やしてもよく、あるいは逆に空気圧を高めてプラズマ暴露時間を短くしてもよい。また、この固有の反応器設計により、反応室の空気圧を独立して制御・維持して、その下の粉末に固有の特性(例えば、本来の表面積を増加させるなど)を付与してもよい。
【0024】
工程Bは、振動能および振動器を含む。大容積の粉末を処理する際、プラズマ反応器に一般に発生するのが詰まり、すなわち、微粉体が可動部に入り込むことである。前記反応器は定期的に機械的に振動させることができ、これにより粉末の堆積や可動部の損傷を防止する。振動は特に小さい粉末粒子に有効である。
【0025】
工程Cは、空気脈動および空気脈動器に関する。振動能と同様、前記反応器は、入り口開口部に取り付けられた固有の空気注入器を有する。これらを用いて反応器内の空気圧を独立して高める、あるいは粉末の流量を高めることができ、かつ粉末の堆積を防止することもできる。振動はより小さな粉末になった粒子に有効であり、空気脈動はより小さな粒子が反応室に堆積するのを防止する。堆積は、機械の運転時間に重要であり、また粉末がプラズマに過度に曝されるのを防止するためにも重要である。というのは、過度な暴露により機械が壊れる、あるいは設計した許容誤差外の特性を機械に付与する可能性があるためである。
【0026】
工程Dは、加熱コイル線および/またはヒートシンクである。加熱コイル線を前記反応器の周囲に取り付けて全体のプラズマ反応温度を上げてもよい。これにより、タンパク質ペプチドの水素結合を外して3次構造を変化させ、ペプチドを変性するなど、固有の特性を付与してもよい。逆に、(プラズマ強度に応じて)受動冷却または能動冷却の何れかをヒートシンクを取り付けて、周囲の空気の温度で反応を維持してもよい。
【0027】
工程Eは湿度および/または水注入器である。前記プラズマ反応器炉は、自然の湿度を利用して反応特性を変化させてもよい。これは、タンパク質ペプチドの加水分解を促進することが示されており、高い加水分解度が必要な場合、相対湿度により、あるいは水を直接反応に注入することで加水分解度を制御することができる。逆に、加水分解が必要でない場合は、空気乾燥器を取り付けて反応物を供給してもよい。
【0028】
工程Fは、磁性プラズマおよび/または電磁プラズマ「レンズ」である。磁場または電磁場を用いてプラズマを閉じ込めることはよく研究されており、融合研究でのトカマク型またはステラレータ型反応器などの反応器設計にも示されている。同様に、この反応器設計により、球状磁場を使用することでプラズマの濃縮を助けて、プラズマの損失を緩和することができる。これにより、プラズマ場を生成するのに必要なエネルギーを増加させずにプラズマの効率および暴露時間を高められる。
【0029】
工程Gは、紫外光および/またはパルス光である。紫外線放射または高エネルギーパルス光への暴露を用いて殺菌する、あるいは基質の表面特性を変化させてもよい。前記反応器により、プラズマ反応時に紫外光およびパルス光への暴露の両方が可能であり、必要に応じてプラズマへの暴露の前あるいは直後にこれを用いてもよい。現在、市販のシステムではプラズマへの暴露をパルス光または紫外光への暴露と一列に(すなわち同時に)組み合わせることができない。
【0030】
処理済みの粉末および/または顆粒は(
図1に図示するように)回収槽160に回収される。次いで、処理済みの粉末および/または顆粒を保存容器あるいは他の包装に移す。
【0031】
なお、工程A~Gおよび対応する装置部品は、上記の順で用いてもよく、あるいは任意の他の好適な順で用いてもよい。
【0032】
また、(表面処理および/またはエッチングにより)補助食品粉末を処理する上記方法および装置を(粉末、丸薬、錠剤など)様々な形態の他の補助食品に提供して、吸収特性を高めてもよい。
【0033】
処理済み補助食品粉末において所望のタンパク質構造を得るため、上記パラメータのいくつかを変化させてもよい。例えば、暴露時間、プラズマ強度、プラズマ周波数、温度、および湿度、あるいは水の存在をすべて調節して、タンパク質に所望の構造的変化(例えば、タンパク質の2次構造および3次構造の変化)を起してもよい。
【0034】
これらパラメータのいくつかとそれらの相互作用は互いに相関関係を持つ。例えば、500ワットのプラズマ出力を持つ上記の装置を作動させて1秒間暴露させると、1000ワットのプラズマを0.5秒間作動させたのと同様の変性タンパク質が得られる。しかしながら、実際は、暴露時間が長い方が有利な場合があり、これによってプラズマは非常に大きい粉末顆粒内に侵入することができる。湿度などのパラメータは、より線的な関係を示す。湿度がなければ変性タンパク質のDH(加水分解度、あるいはアミノ分子鎖長の分解)は非常に低いか皆無だが、湿度が高くなるとDHも高くなる。
【0035】
一態様では、用いた工程はタンパク質を熱変性させない。前記工程は、反応の熱を制御する、あるいはタンパク質が管に入る前にそのタンパク質を予め温めて、プラズマ反応の速度を上げることを含んでいてもよい。例えば、前記工程は所望の変性タンパク質構造を得るのに70度500ワットの反応を含んでいてもよい。あるいは、処理した粉末を80度まで予め温めた後、400ワットの反応を用いて同様の変化をタンパク質構造に与えて工程の処理速度を高めてもよい。一態様では、前記工程は、50~250Fの温度、1/10~10lbs/sの速度で250~10,000Wの出力を含んでいてもよい。
【実施例】
【0036】
以下に記載する様々な条件を用いて上記の装置でWPIおよびWPCを含む乳清タンパク質粉末を処理した。
【0037】
図8に、上記の工程を用いて様々な試料の蛍光分光分析により測定された蛍光発光強度による疎水性のプロットが示されている。様々な試料の測定条件を以下の表Aに示す。疎水性の変化は、未処理のタンパク質と比べたタンパク質構造の変化を示す。
【0038】
【0039】
プロットから分かるように、工程の条件を調整することで、タンパク質構造の変化を示す疎水性が未処理の試料に比べて高まった。
【0040】
以下で記載する諸条件を用いて上述の装置でWPIおよびWPCを含む乳清タンパク質粉末を処理した。
【0041】
図9A~
図9Hに、温度の関数(目盛り1は25℃を表し、目盛り750は99℃を表す)としてY軸に蛍光強度を取ったタンパク質の融解曲線を示す。様々な試料のパラメータを以下の表Bに示す。様々な温度での融解曲線の値の変化は、未処理のタンパク質と比較したタンパク質構造の変化を示している。
【0042】
【0043】
プロットから分かるように、出力および温度が増加すると蛍光発光強度も増加する。すべての処理済み試料は室温で2041を超える蛍光発光強度を有する。
【0044】
図10に温度の関数(目盛り1は25℃を表し、目盛り750は99℃を表す)としてY軸に蛍光発光強度を取ったWPIタンパク質の融解曲線を示す。室温(25℃)で1000Wの出力、1lbs/sの処理速度で処理済みタンパク質を処理した。プロットから分かるように、処理済み試料は、プロット全体の温度範囲に亘って蛍光発光強度が増加していた。様々な温度での融解曲線の値の変化は、未処理のタンパク質と比較したタンパク質構造の変化を示している。
【0045】
図11に温度の関数(目盛り1は25℃を表し、目盛り750は99℃を表す)としてY軸に蛍光発光強度を取ったWPIタンパク質の融解曲線を示す。室温で、1000Wの出力、25%の湿度、1lbs/sの処理速度で処理済みタンパク質を処理した。プロットから分かるように、処理済み試料は、プロット全体の温度範囲に亘って蛍光発光強度が増加していた。様々な温度での融解曲線の値の変化は、未処理のタンパク質と比較したタンパク質構造の変化を示している。処理済み試料は、室温で1955を超える蛍光発光強度を有する。
【0046】
図12に温度の関数(目盛り1は25℃を表し、目盛り750は99℃を表す)としてY軸に蛍光発光強度を取ったカゼインタンパク質の融解曲線を示す。室温で1000Wの出力、1lbs/sの処理速度で処理済みタンパク質を処理した。プロットから分かるように、処理済み試料は、プロット全体の温度範囲に亘って蛍光発光強度が増加していた。様々な温度での融解曲線の値の変化は、未処理のタンパク質と比較したタンパク質構造の変化を示している。処理済み試料は、室温で2177を超える蛍光発光強度を有する。
【0047】
図13に温度の関数(目盛り1は25℃を表し、目盛り750は99℃を表す)としてY軸に蛍光発光強度を取った大豆タンパク質の融解曲線を示す。室温で1000Wの出力、1lbs/sの処理速度で処理済みタンパク質を処理した。様々な温度での融解曲線の値の変化は、未処理のタンパク質と比較したタンパク質構造の変化を示している。処理済み試料は、室温で2255を超える蛍光発光強度を有する。
【0048】
図14に温度の関数(目盛り1は25℃を表し、目盛り750は99℃を表す)としてY軸に蛍光発光強度を取った処理済みサチャインチタンパク質の融解曲線を示す。室温で1000Wの出力、1lbs/sの処理速度で処理済みタンパク質を処理した。様々な温度での融解曲線の値の変化は、未処理のタンパク質と比較したタンパク質構造の変化を示している。処理済み試料は、室温で2362を超える強度を有する。
【0049】
図15に温度の関数(目盛り1は25℃を表し、目盛り750は99℃を表す)としてY軸に蛍光発光強度を取った処理済み米タンパク質の融解曲線を示す。室温で1000Wの出力、1lbs/sの処理速度で処理済みタンパク質を処理した。様々な温度での融解曲線の値の変化は、未処理のタンパク質と比較したタンパク質構造の変化を示している。処理済み試料は、室温で2426を超える蛍光発光強度を有する。
【0050】
図16に温度の関数(目盛り1は25℃を表し、目盛り750は99℃を表す)としてY軸に蛍光発光強度を取った処理済みエンドウタンパク質の融解曲線を示す。室温で1000Wの出力、1lbs/sの処理速度で処理済みタンパク質を処理した。様々な温度での融解曲線の値の変化は、未処理のタンパク質と比較したタンパク質構造の変化を示している。処理済み試料は、室温で3111を超える蛍光発光強度を有する。
【0051】
図17に未処理の試料と比較した処理済みタンパク質(MOTO)の溶解度のプロットを示す。この処理済みタンパク質は、80°Fの温度、800Wのプラズマ出力、1lbs/sの処理速度で処理したWPI-90タンパク質であった。
図17は、タンパク質の「懸濁」量を示している。これらのプロットは、異なる量のタンパク質を水に短い時間振とうして、消費者による使用を模倣し、その後、試料を軽く遠心分離して大きな破片を除去して作成された。x軸はタンパク質の量を示し、y軸は最大溶解度の百分率を示す。両軸の0から100までの直線は、溶解度100%を示す。図から分かるように、処理済みタンパク質試料は、低濃度で性能に優り、非常に高いピークを持つ。水は、タンパク質が最大値に達する前により多くの処理済みタンパク質を取り込むことができる。
【0052】
図18を参照して、水は、未処理の試料と比較して150%以上の処理済みタンパク質を溶解することができる。処理済みタンパク質は完全に溶解されており、生物学的利用能や消化酵素の利用量が増加したことを示すような程度に粒子あるいは塊になってはいない。未処理試料の溶解度は21%であるが、処理済み試料の溶解度は35%を超える。
【0053】
図19~
図22に、未処理のWPIタンパク質と比較したタンパク質の2次構造および3次構造の変化を示す円二色性(CD)プロットを示す。この処理済みタンパク質は、80~100°Fの温度、750~1000Wのプラズマ出力、1lbs/sの処理速度で処理したWPIタンパク質であった。このプロットは、波長を表すx軸と、楕円度を表すy軸を含む。このプロットは、処理済みタンパク質試料の2次構造および3次構造の変化を示している。
【0054】
図23~
図31に、平均年齢28歳の国際ボディビル・フィットネス連盟(IFBB)およびプレオリンピックの競技者を含む20人のよく訓練した成年男子に対して行った無作為化試験の結果を詳述する諸条件を示す。対象を2つの群に分けて、一方の群には処理済みタンパク質補助食品を与え、他方の群には未処理の補助食品を与えた。参加者ごとに食事運動計画と補助食品の消費を毎日記録した。試験の開始と終わりに二重エックス線吸収法を用いて試験対象を測定した。
【0055】
上記処理済みタンパク質は、80~100°Fの温度、750~1000Wのプラズマ出力、1lbs/sの処理速度で処理したWPIタンパク質であった。
図23から分かるように、処理済みタンパク質は、高い生物学的利用能を示す未処理の試料に比べて表面積が有意に大きい。
図24~
図25に示すように、処理済みタンパク質を取った対象では、未加工の乳清タンパク質の場合に比べて、脂肪の少ない筋肉量が204%と臨床的および統計的に有意な増加を示し、脂肪減少が18%増加した。
【0056】
図26~
図30に上記の処理済み試料と未処理の試料について、消化性、混合性、および筋肉回復を詳述するプロットを示す。処理済みタンパク質を取った対象では、未処理の乳清タンパク質に比べて、胃腸痛が62.50%と臨床的および統計的に大きく低下し、胃の快感が46.05%改善し、混合性が30.26%改善し、筋肉の回復時間が33%増加した。
図30および
図31に処理済みおよび未処理のタンパク質を取った対象の強度特性を詳述するプロットを示す。これらのプロットから分かるように、処理済みタンパク質を取った対象は、未処理のタンパク質に比べてベンチプレスの強度が172.64%と臨床的および統計的に大きく増加し、スクワットの強度が170.85%増加した。
【0057】
これより年齢が高い成人の集団に対して他の試験を行って、ヒトによって消化された処理済みタンパク質の効果を決定した。12週間の試験で合計19人を無作為に2つの群に分けた。15人が試験を完了した。7人は実験群で処理済みタンパク質を与えられ、8人は対照群であった。
図32に試験パラメータの図を示す。処理済みタンパク質は、80~100°Fの温度、750~1000Wのプラズマ出力、1lbs/sの処理速度で処理されたWPIタンパク質であった。未処理すなわち対照群にはWPIタンパク質が与えられた。
【0058】
図33および
図34に示す表1および表4は、6週間の試験間隔で対照群と実験群の特性を詳述している。それぞれ
図35および
図36に、実験群および対照群について試験で消費したタンパク質の百分率と安静代謝量(RMR)のグラフを示す。これらの図から分かるように、実験群では、対照群に比べて消費したタンパク質の量が増加した。また、実験群では、対照群と比べて試験開始から12週目までRMRが大きく増加した。
【0059】
他の試験では32人の負荷トレーニングを行った男性(22.2±4.3歳;177.3±7.8cm;77.6±12.6kg)が無作為化二重盲検に参加した。参加者は、除脂肪体重に一致しており、標準WPI(n=18)または新規なWPI(n=14)に無作為に割り当てられた。標準WPI群は、1回あたり27gのWPIが与えられた。処理済みWPI群は、WPIの体積を減らして(標準WPIの1回の量と一致するように20gの固有に処理したWPIと7gのマルトデキストリンが)与えられた。両方のタンパク質補助食品は、毎日(各トレーニングセッションの直後(週4回)を含む)摂取された。処理済みタンパク質は、80~100°Fの温度、750~1000Wのプラズマ出力、1lbs/sの処理速度で処理されたWPIタンパク質であった。両方の群は同じトレーニングプログラムを行い、トレーニングからの回復とトレーニングへの順応を容易にするために1.5~2.5g/kg/日のタンパク質摂取量を維持した。ベースラインおよび続く8週間のトレーニングプログラムで、参加者はバックスクワット、ベンチプレス、デッドリフトでの最大強度について評価した。このプログラムは、8週間の2つの下半身運動と2つの上半身運動からなっていた。
【0060】
データを対象間の反復測定の2要因[2×2]分散分析により分析し、試料の対応ありt-検定により各群での変化前と変化後を分析した。有意性のα基準を0.05に設定した。
【0061】
ベースラインでの強度測定値では、2つの群で差は存在しなかった。反復測定分散分析により、バックスクワット(p<0.001)、ベンチプレス(p<0.001)、およびデッドリフト(p<0.001)の運動時間に関する主な効果が明らかになったが、2つの群間で絶対強度または相対強度について群と時間の相互作用は観察されなかった。
【0062】
具体的には、標準WPI群と処理済みWPI群のそれぞれにおいて、バックスクワットは131.2±25.5kgから144.8±25.1kgに増加(10.4%の向上)、131.6±37.6kgから145.5±35.4kgに増加(10.6%の向上)、ベンチプレスは100.3±19.0kgから108.0±19.5kgに増加(7.7%の向上)、96.0±19.9kgから100.9±20.2kgに増加(5.1%の向上)、デッドリフトは151.0±33.3kgから162.0±31.1kgに増加(7.3%の向上)、149.6±31.9kgから158.7±35.3kgに増加(6.1%の向上)した。この試験に関するデータを
図37に示す。
【0063】
負荷トレーニングをした男性において、運動後のタンパク質として処理済みWPIの低減した(WPIより25%少ない)量を用いても、与えたタンパク質量が多かった標準WPI補助食品と同じ程度強度を高めた。
【0064】
また、同じ試験の参加者を身体組成について評価した。32人の負荷トレーニングをした男性(22.2±4.3歳;177.3±7.8cm;77.6±12.6kg)は、この無作為化二重盲検に参加した。除脂肪体重に一致しており、標準WPI(n=18)または新規なWPI(n=14)に無作為に割り当てられた。標準WPI群は、1回あたり27gのWPIが与えられた。処理済みWPI群は、WPIの体積を減らして(標準WPIの1回の量と一致するように20gの固有に処理したWPIと7gのマルトデキストリンが)与えられた。ベースラインおよび続く8週間のトレーニングプログラムで、身体組成(FFM、除水除脂肪体重[DLM]、体脂肪量[FM]、および体脂肪率[BF%])について評価した。この負荷トレーニングプログラムは8週間の2つの下半身運動と2つの上半身運動からなっていた。データを対象間の反復測定の2要因[2×2]分散分析により分析し、試料の対応ありt-検定により各群での変化前と変化後を分析した。
【0065】
ベースラインでの身体組成測定値では、2つの群で差は存在しなかった。反復測定分散分析により、FFM(p<0.001)とDLM(p=0.05)の時間に関する主な効果が明らかになったが、群と時間の相互作用はなかった。具体的には、標準WPI群および処理済みWPI群でそれぞれ、FFMは68.8±9.3kgから70.0±9.4kg、67.1±9.0kgから67.8±9.7kgに増加し、DLMは19.6±3.7kgから20.2±3.5kg、19.3±3.6kgから20.1±5.2kgに増加した。試料の対応ありt-検定により、標準WPI群(p=0.001)で経時のFFMが有意に増加したこと、および処理済みWPI群(p=0.082)での有意な傾向が明らかになった。しかしながら、(DLM)で体内水分を考慮すると、いずれの群もDLMは経時で有意に増加しなかった(標準WPI:p=0.164;新規なWPI:p=0.185)。FMおよびBF%について群と時間の相互作用に関する主要な効果はなかった(p>0.05)。この試験に関するデータを
図38に示す。
【0066】
負荷トレーニングをした男性において、運動後のタンパク質として、低減した(WPIより25%少ない)量の処理済みWPIを用いても、与えたタンパク質量が多かった標準WPI補助食品と同じ程度強度が高くなった。
【0067】
なお、本明細書で用語「実質的に」および「約」は、任意の定量的な比較、値、測定値、または他の表示に起因し得る不確かさに固有の度合いを表すのに用いられることがある。また、本明細書でこれらの用語は、定量的な表示は記載する主題の基本的な機能を変えることなく規定した基準とは異なっていてよい程度を表すのに用いられる。
【0068】
本明細書で特定の実施形態を図示および記載したが、自明であるように、主張された主題の精神および範囲を逸脱することなく様々な他の変更および修正を行ってもよい。また、主張された主題の様々な態様を本明細書で記載したが、そのような態様は組み合わせで用いる必要はない。従って、添付の請求項は、主張された主題の範囲内であるそのような変更および修正をすべて含むものとする。