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特許7535488リチウム二次電池用電極及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-07
(45)【発行日】2024-08-16
(54)【発明の名称】リチウム二次電池用電極及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/13 20100101AFI20240808BHJP
   H01M 4/66 20060101ALI20240808BHJP
   H01M 4/139 20100101ALI20240808BHJP
   H01M 50/536 20210101ALI20240808BHJP
【FI】
H01M4/13
H01M4/66 A
H01M4/139
H01M50/536
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021179982
(22)【出願日】2021-11-04
(65)【公開番号】P2022075609
(43)【公開日】2022-05-18
【審査請求日】2022-12-27
(31)【優先権主張番号】10-2020-0147990
(32)【優先日】2020-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0134755
(32)【優先日】2021-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522151617
【氏名又は名称】エスケー オン カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】カン ヨン ヒ
(72)【発明者】
【氏名】カン ビュン チャン
(72)【発明者】
【氏名】パク スン ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ジョ ビュン ウク
【審査官】鈴木 雅雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-053134(JP,A)
【文献】特開2013-246971(JP,A)
【文献】特開2008-235251(JP,A)
【文献】特開2000-251942(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 4/13
H01M 4/66
H01M 4/139
H01M 50/536
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属で形成された集電体(electric collector)、および前記集電体の一部に塗布されるスラリー(slurry)で構成されるリチウム二次電池用電極であって、
前記集電体における前記スラリーが塗布された部分および前記スラリーを含む塗布部と、
前記集電体における前記スラリーが塗布されていない残りの部分を含む無地部とを含み、
前記無地部は、
前記塗布部から延長される第1無地部と、
前記第1無地部から延長されて形成され、電極タブに結合するタブ接続部を備える第2無地部とを含み、
前記第1無地部の引張強度は、前記タブ接続部の引張強度よりも大きく、
前記集電体における前記スラリーが塗布された部分の引張強度に対する前記第1無地部の引張強度の割合は0.680.80である、
リチウム二次電池用電極。
【請求項2】
前記集電体における前記スラリーが塗布された部分の引張強度に対する前記タブ接続部の引張強度の割合は0.680.72である、
請求項1に記載のリチウム二次電池用電極。
【請求項3】
前記リチウム二次電池用電極の電極密度は、3.6~3.8g/ccであり、
前記第1無地部の引張強度は、1720kgf/mmである、
請求項1に記載のリチウム二次電池用電極。
【請求項4】
前記リチウム二次電池用電極の電極密度は、3.6~3.8g/ccであり、
前記タブ接続部の引張強度は、1718kgf/mmである、
請求項1に記載のリチウム二次電池用電極。
【請求項5】
前記第1無地部が延長される方向への前記第1無地部の長さは、
前記第2無地部が延長される方向への前記タブ接続部の長さよりも小さい、
請求項1に記載のリチウム二次電池用電極。
【請求項6】
金属で形成された集電体、および前記集電体の一部に塗布されるスラリーで構成されるリチウム二次電池用電極を製造する方法であって、
前記集電体の少なくとも一つの面に前記スラリーを塗布して、前記リチウム二次電池用電極を、前記スラリーが塗布された塗布領域と前記スラリーが塗布されていない無地領域とに区分するスラリー塗布ステップ(S110)と、
前記無地領域は、前記塗布領域に隣接する第1無地部と、前記第1無地部に接続され、電極タブに結合するタブ接続部と、前記タブ接続部から延長される切断部とを含み、前記切断部を加熱する加熱ステップ(S120)と、
前記加熱された電極を圧延する圧延ステップ(S130)と
前記圧延された電極において、前記切断部を切断する切断ステップ(S135)とを含み、
前記加熱ステップの後、前記第1無地部の引張強度は、前記タブ接続部の引張強度よりも大きく、
前記塗布領域の集電体の引張強度に対する前記第1無地部の引張強度の割合は0.680.80である、
リチウム二次電池用電極の製造方法(S100)。
【請求項7】
前記加熱ステップ(S120)において、
誘導加熱ユニットが高周波電流を形成すると、磁場が形成されて誘導加熱(Induction heating)によって前記無地領域が加熱される、
請求項6に記載のリチウム二次電池用電極の製造方法(S100)。
【請求項8】
前記加熱ステップ(S120)は、
前記誘導加熱ユニットから既に設定された範囲に磁場が形成されるように、遮蔽部材が前記誘導加熱ユニットと前記電極との間に配置されて磁場露出部を形成するステップ(S121)と、
前記磁場露出部を介して前記無地領域の端部を加熱するステップ(S122)とを含む、
請求項7に記載のリチウム二次電池用電極の製造方法(S100)。
【請求項9】
前記無地部加熱ステップ(S122)において、
前記誘導加熱ユニットが高周波電流を形成して形成された磁場は、前記磁場露出部を介して前記切断部を加熱する、
請求項8に記載のリチウム二次電池用電極の製造方法(S100)。
【請求項10】
前記切断ステップ(S135)の後、前記タブ接続部に前記電極タブを接続するステップ(S140)をさらに含む、
請求項に記載のリチウム二次電池用電極の製造方法(S100)。
【請求項11】
前記リチウム二次電池用電極の電極密度は3.6~3.8g/ccであり、
前記第1無地部の引張強度は、1720kgf/mmである、
請求項6に記載のリチウム二次電池用電極の製造方法(S100)。
【請求項12】
前記塗布領域の集電体の引張強度に対する前記タブ接続部の引張強度の割合は0.680.72である、
請求項6に記載のリチウム二次電池用電極の製造方法(S100)。
【請求項13】
前記リチウム二次電池用電極の電極密度は3.6~3.8g/ccであり、
前記タブ接続部の引張強度は、1718kgf/mmである、
請求項12に記載のリチウム二次電池用電極の製造方法(S100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウム二次電池用電極及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に二次電池は、充電が不可能な一次電池とは異なり、充放電が可能な電池をいい、携帯電話、ノートパソコン、カムコーダーなどの電子機器または電気自動車などに広く使用されている。特に、リチウム二次電池は動作電圧が3.6V程度であり、電子機器の電源として多く使用されるニッケル-カドミウム電池またはニッケル-水素電池よりも約3倍の容量を有し、単位重量当たりのエネルギー密度が高いため、その活用程度が爆発的に増加している傾向にある。
【0003】
二次電池の製造工程では、電池の高容量及び高密度のバッテリーセルを実現するために電極工程での圧延工程が重要である。圧延工程とは、電極工程において電極を一対のローラーの間に通して、所望のバッテリーセルの設計厚さに延ばす工程をいう。
【0004】
しかし、この工程では、電極の一部の変形によるしわ及び破断現象が増加し、製品の品質及び生産性に大きく影響しているので改善が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一側面では、構造を改善したリチウム二次電池用電極及びその製造方法を提供する。
【0006】
本発明の一側面では、品質を改善したリチウム二次電池用電極及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記または他の目的を達成するために、本発明の一側面によると、金属で形成された集電体(electric collector)および前記集電体の一部に塗布されるスラリー(slurry)で構成されるリチウム二次電池用電極であって、前記集電体における前記スラリーが塗布された部分および前記スラリーを含む塗布部と、前記集電体における前記スラリーが塗布されていない残りの部分を含む無地部とを含み、前記無地部は、前記塗布部から延長される第1無地部と、前記第1無地部から延長されて形成され、電極タブに結合するタブ接続部を備える第2無地部とを含み、前記第1無地部の引張強度は、前記タブ接続部の引張強度よりも大きく、前記集電体における前記スラリーが塗布された部分の引張強度に対する前記第1無地部の引張強度の割合は0.65~0.85である、リチウム二次電池用電極を提供することができる。
【0008】
本発明の他の側面によると、金属で形成された集電体および前記集電体の一部に塗布されるスラリーで構成されるリチウム二次電池用電極を製造する方法であって、前記集電体の少なくとも一つの面に前記スラリーを塗布し、前記リチウム二次電池用電極を前記スラリーが塗布された塗布領域と前記スラリーが塗布されていない無地領域とに区分するスラリー塗布ステップ(S110)と、前記無地領域は、前記塗布領域に隣接する第1無地部と、前記第1無地部に接続され、電極タブに結合するタブ接続部と、前記タブ接続部から延長される切断部とを含み、前記切断部を加熱する加熱ステップ(S120)と、前記加熱された電極を圧延する圧延ステップ(S130)とを含み、前記塗布領域の集電体の引張強度に対する前記第1無地部の引張強度の割合は0.65~0.85である、リチウム二次電池用電極の製造方法(S100)を提供することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一側面によると、バッテリーセルの電極しわの生成を最小限に抑えることができる。
【0010】
本発明の一側面によると、バッテリーセルの電極に対して電極タブを接続する工程での焼着問題を防止することができる。
【0011】
本発明の一側面によると、圧延工程でのバッテリーセルの電極の破断を最小限に抑えることができる。
【0012】
本発明の一側面によると、バッテリーセルの電極の不良を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る電極の断面図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係る電極および加熱装置を示す図である。
図3図3は、圧延工程を経た後の電極を電極密度および引張強度によって示す写真である。
図4図4は、本発明の一実施形態に係る電極の製造方法を示すフローチャートである。
図5図5は、本発明の一実施形態に係る電極に電極タブを接続する過程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書に記載される実施例と図面に示される構成は、開示された発明の好ましい一実施例に過ぎず、本出願の出願時点において本明細書の実施例と図面を代替できる多様な変形実施例があり得る。
【0015】
また、各図面における同一の参照番号または符号は、実施的に同一の機能を行う部品または構成要素を示す。
【0016】
以下で使用される用語は、単に特定の実施形態についての説明に使用されたものであり、本発明を限定することを意図するものではない。単数の表現は、文脈上、取り立てて明示しない限り、複数の表現を含む。以下において、「含む」または「有する」のような用語は、明細書上に記載された特徴、数、ステップ、動作、構成要素、部品、またはこれらの組み合わせが存在することを示すものであり、1またはそれ以上の他の特徴、数、ステップ、動作、構成要素、部品、またはこれらの組み合わせの存在または付加の可能性を事前に排除するものではない。
【0017】
また、本明細書で「第1」、「第2」などの用語は、多様な構成要素の説明に使われるが、前記構成要素は、前記用語によって限定されるものではない。前記用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使われる。例えば、第1構成要素は第2構成要素と命名することができ、同様に第2構成要素は第1構成要素とも命名することができる。「及び/又は」という用語は、複数の関連項目の組み合わせ、または複数の関連項目のいずれかの項目を含む。
【0018】
また、「…部」、「…器」、「…ブロック」、「…部材」、「…モジュール」などの用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し得る。例えば、前記用語はFPGA(field-programmable gate array)/ASIC(application specific integrated circuit)などの少なくとも一つのハードウェア、メモリに保存された少なくとも一つのソフトウェアまたはプロセッサによって処理される少なくとも一つのプロセスを意味し得る。
【0019】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態をより具体的に説明する。ただし、本明細書に添付される図面は、本発明の好適な実施形態を例示するものであって、発明の詳細な説明とともに本発明の技術思想をさらに理解する一助となる役割を果たすものであるため、本発明は図面に記載された事項のみに限定されて解釈されるものではない。
【0020】
図1を参照すると、本発明の一実施形態に係る電極10は、バッテリセルに含むことができる。電極10は「リチウム二次電池用電極」と称することができる。電極10は、陽電極(positive electrode)及び/又は陰電極(negative electrode)であってもよい。
【0021】
電極10は、集電体20(current collector)を含むことができる。集電体20は「電極集電体」と称することができる。集電体20は金属を含むことができる。例えば、集電体20は金属箔(metal foil)であってもよい。集電体20は、一方向に延長して形成することができる。例えば、集電体20は長さ方向に延長して形成することができる。
【0022】
電極10は、スラリー30(slurry)を含むことができる。スラリー30は「電極物質(electrode material)」と称することができる。スラリー30は、集電体20の一部に塗布することができる。
【0023】
電極10は、スラリー30が集電体20に塗布された領域と残りの領域に区分または区画することができる。例えば、電極10は、塗布部40(coated part)と、無地部50(uncoated part)とを含むことができる。
【0024】
塗布部40は、電極10においてスラリー30が集電体20に塗布された部分を意味し得る。例えば、塗布部40はスラリー30を含むことができる。例えば、塗布部40は、集電体20においてスラリー30が塗布された部分を含むことができる。
【0025】
無地部50は、集電体20においてスラリー30が塗布されていない部分を含むことができる。すなわち、無地部50は、電極10において塗布部40を除いた部分を意味し得る。塗布部40および無地部50は、集電体20の長さ方向に沿って配置できる。
【0026】
バッテリーセルの製造工程では、高容量および高密度のバッテリーセルを実現するために圧延工程が重要である。圧延工程は、電極10を加工する工程においてスラリーを塗布する工程の次の工程であり、一対の圧延ローラーの間に電極10を通して電極を厚さ方向に圧着する工程をいう。
【0027】
塗布部40の厚さは、スラリー30のため無地部50の厚さよりも大きくなり得る。このため、電極10を圧延する過程において、塗布部40は圧力を受け、無地部50は圧力を受けなくなり得る。これにより、塗布部40の集電体20は圧力によって延伸(stretching)されるのに対し、無地部50の集電体20は延伸されない。塗布部40の集電体20は、集電体20においてスラリー30が塗布されている部分を意味し得る。
【0028】
そのため、塗布部40と無地部50との境界部位で集電体20の変形が発生することがある。集電体20の変形は、集電体20の破断につながることがある。一般的に、電極密度が高くなるほど、及び/又は集電体20の厚さが薄くなるほど、集電体20の変形または破断が発生する確率は大きくなり得る。電極密度は、スラリー30の密度を意味し得る。
【0029】
そのため、圧延工程での歩留まり(yield)および稼働率(operating rate)が低下するが、この問題を解決するために、圧延工程に先立ち、無地部50を加熱して引張強度(tensile strength)を下げることにより、塗布部40と無地部50の境界部位での集電体20の変形及び/又は破断を抑制することができる。
【0030】
しかし、無地部50の温度をあまりにも高く上げると、無地部50と電極タブを超音波溶接によって接合する過程で無地部50が超音波加熱金型にくっつく、焼着が発生することがある。
【0031】
無地部50の温度を相対的に低く上げると、無地部50と電極タブを超音波溶接によって接合する過程で焼着が発生する確率は減少するが、圧延工程で集電体20の変形及び/又は破断が発生する確率は高くなり得る。
【0032】
無地部50を加熱する加熱装置70(図2参照)の出力パワー(output power)および形態(configuration)を最適化することにより、圧延工程での電極10の破断および電極タブ接続工程での焼着を同時に解決することができる。
【0033】
電極10の電極密度は3.6g/cc~3.8g/ccであってもよい。電極密度はスラリー30の質量密度であり、圧延工程を通過したスラリー30の質量密度(mass density)を意味し得る。
【0034】
スラリー30は、活物質(active material)、バインダー(binder)、および導電剤(conductive agent)の混合物(mixture)であってもよい。活物質は、陽極(positive electrode)に用いられる陽極活物質(active material for cathode)と、陰極(negative electrode)に用いられる陰極活物質(active material for anode)とに区分することができる。活物質は、陽極活物質および陰極活物質の少なくとも一つを意味し得る。
【0035】
スラリー30は、陽極スラリーおよび陰極スラリーの少なくとも一つを意味し得る。陽極スラリーは陽極活物質を含むことができる。陰極スラリーは陰極活物質を含むことができる。
【0036】
集電体20は、陽極集電体および陰極集電体の少なくとも一つを意味し得る。陽極集電体は、陽極(positive electrode)で用いられる集電体であってもよい。陰極集電体は、陰極(negative electrode)で用いられる集電体であってもよい。集電体20は、金属薄板(metal foil)で構成することができる。
【0037】
無地部50は、第1無地部51と第2無地部52とを含むことができる。第1無地部51は、塗布部40に接続することができる。第2無地部52は、塗布部40に離隔することができる。第1無地部51は、塗布部40と第2無地部52との間に配置できる。第1無地部51は、塗布部40と第2無地部52を接続することができる。
【0038】
第1無地部51は、塗布部40から延長して形成することができる。第1無地部51は、設定された引張強度を持つように構成できる。例えば、第2無地部52に熱を加えることにより、第1無地部51は、設定された引張強度を持つことができる。第1無地部51の引張強度は17kgf/mm~24kgf/mmであってもよい。例えば、第1無地部51の引張強度は17kgf/mmであってもよい。
【0039】
第2無地部52は、第1無地部51から延長して形成することができる。第2無地部52は、電極タブ80(図5参照)に結合することができる。第1無地部領域51が設定された引張強度を持つことができるように、第2無地部52は熱処理をすることができる。加熱工程による熱処理によって、無地部50の引張強度は、第1無地部51から第2無地部52に行くほど順次小さくなり得る。
【0040】
第2無地部52は、タブ接続部52aと切断部52bとを含むことができる。タブ接続部52aは、第1無地部51に接続され、電極タブ80(図5参照)に結合することができる。タブ接続部52aは、設定された引張強度を持つように構成できる。第1無地部51の設定された引張強度を第1引張強度、タブ接続部52aの設定された引張強度を第2引張強度と称することができる。
【0041】
タブ接続部52aは、第2無地部52の熱処理によって第2引張強度を持つことができる。無地部50の引張強度は、第1無地部51から第2無地部52の端部に向かうほど小さくなり得る。第1無地部51は、設定された引張強度を持つように構成できる。
【0042】
すなわち、第1無地部51の引張強度は、タブ接続部52aの引張強度より大きくてもよく、タブ接続部52aの引張強度は、切断部52bの引張強度より大きくてもよい。切断部52bは、熱処理が施された後、切断してタブ接続部52aから分離することができる(図5参照)。タブ接続部52aは「第2無地部領域」と称することができる。切断部52bは「第3無地部領域」と称することができる。第1無地部51は「第1無地部領域」と称することができる。
【0043】
図2は、本発明の一実施形態に係る電極および加熱装置を示す図である。図2では、説明の都合上、無地部50は、各領域を区画して示しているが、無地部50に関する本発明の範囲は図2に限定されない。無地部50の各領域は、区画される構成なしに連続して連結され得る。
【0044】
図2を参照すると、加熱装置70は電極10を加熱することができる。加熱装置70は、電極10の圧延が行われる前に無地部50を加熱することができる。加熱装置70は、誘導加熱方式(Induction Heating Annealing、IHA)で無地部50を加熱することができる。誘導加熱(induction heating)とは、電磁誘導を利用して金属製の物体を加熱する方法を意味し得る。加熱装置70は、出力パワーを調整することによって無地部50の温度を制御することができる。
【0045】
加熱装置70は、電極10を圧延する装置(以下、「圧延装置」)と制御的に連動することができる。例えば、加熱装置70の出力パワーは、圧延装置の工程速度に依存することができる。また、加熱装置70の出力パワーは、電極10の材質および態様によって異なり得る。
【0046】
加熱装置70は、誘導加熱ユニット72と遮蔽部材74とを含むことができる。
【0047】
誘導加熱ユニット72は、電磁誘導作用を利用して、電極10に誘導電流を流すことができる。電極10に誘導電流が流れると、電極10で熱を発生させることができる。誘導加熱ユニット72は、コイル(coil)を含むことができる。誘導加熱ユニット72は、高周波の電流を形成することができる。
【0048】
遮蔽部材74の少なくとも一部は、誘導加熱ユニット72と電極10との間に配置できる。例えば、遮蔽部材74の少なくとも一部は、誘導加熱ユニット72と塗布部40との間に配置できる。例えば、遮蔽部材74の少なくとも一部は、誘導加熱ユニット72と第1無地部51との間に配置できる。例えば、遮蔽部材74の少なくとも一部は、誘導加熱ユニット72とタブ接続部52aとの間に配置できる。
【0049】
遮蔽部材74は、誘導加熱ユニット72で発生した磁束(magnetic flux)を遮蔽する機能を持つことができる。例えば、遮蔽部材74に入射された磁束(または磁場)の少なくとも一部は、遮蔽部材74によってそれ以上進行しなくなり得る。例えば、誘導加熱ユニット72で発生して塗布部40に向かう磁束の少なくとも一部は、遮蔽部材74によって遮蔽することができる。例えば、誘導加熱ユニット72で発生して第1無地部51に向かう磁束の少なくとも一部は、遮蔽部材74によって遮蔽することができる。例えば、誘導加熱ユニット72で発生してタブ接続部52aに向かう磁束の少なくとも一部は、遮蔽部材74によって遮蔽することができる。
【0050】
電極10における既に設定された部分は、誘導加熱ユニット72によって加熱することができる。例えば、切断部52bは、誘導加熱ユニット72によって加熱することができる。誘導加熱ユニット72は、主に切断部52bを加熱することができる。遮蔽部材74の比透磁率(relative permeability)は10以上であってもよい。例えば、遮蔽部材74は、強磁性物質(ferromagnetic material)を含む材料で形成することができる。
【0051】
遮蔽部材74は、露出部76を含むことができる。露出部76は、露出スペース78を形成することができる。誘導加熱ユニット72は、露出スペース78を介して無地部50に露出することができる。例えば、露出スペース78は、切断部52bと誘導加熱ユニット72との間に位置することができる。露出部76は「磁場露出部」と称することができる。
【0052】
誘導加熱ユニット72で発生した磁束(magnetic flux)は、露出部76を通過して集電体20に入射することができる。例えば、露出スペース78を通過した磁束(magnetic flux)は、無地部50の少なくとも一部に入射することができる。このような構成によって、加熱装置70は、電極10における特定の領域を主に加熱することができる。
【0053】
例えば、加熱装置70は、第2無地部52を主に加熱するように構成できる。例えば、切断部52bで発生する熱は、第1無地部51に伝達され得る。例えば、加熱装置70は、切断部52bを主に加熱するように構成できる。
【0054】
誘導加熱ユニット72は、露出スペース78を介して切断部52bと向き合うことができる。他の例として、誘導加熱ユニット72は、露出スペース78を介して切断部52bの外側スペースと向き合うことができる。加熱装置70は、誘導加熱によって切断部52bを局部的に加熱することができる。切断部52bで発生する熱は、第1無地部51に熱伝導(heat-conduction)され得る。
【0055】
以下では、加熱工程による電極10の引張強度などの変化を調べる実験について説明する。図1図3及び表1を参照して説明する。図3は、圧延工程を経た後の電極10を電極密度および引張強度によって示す写真である。図3に示す引張強度は、第1無地部51の引張強度を意味し得る。
【0056】
図1図3を参照すると、第1無地部51の長さは「第1長さL1」であり、タブ接続部52aの長さは「第2長さL2」であり、切断部52bの長さは「第3長さL3」であり得る。無地部50の長さは、無地部50が塗布部40から延長される方向を基準にして測定することができる。
【0057】
例えば、無地部50の全長は15mmであってもよい。第1長さL1は5mmであってもよい。第2無地部52の長さは、第2長さL2と第3長さL3の合計であり、10mmであってもよい。例えば、第2長さL2は7mmであってもよく、第3長さL3は3mmであってもよい。第1長さL1、第2長さL2、および第3長さL3は、前記例示に限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で変更可能である。
【0058】
【表1】
【0059】
表1は、無地部50の集中加熱領域および最大加熱温度を変化したとき、圧延工程後の無地部50の引張強度及びしわの状態、超音波溶接工程で発生した焼着の回数(超音波溶接10回当たり)、および圧延工程後の電極10の破断回数(電極を500m搬送する過程での破断回数)を示すものである。表1において、無地部50が加熱される前の無地部50の引張強度は25kgf/mmである。表1において、圧延工程後の電極10の電極密度は3.65g/ccである。表1において、加熱される前の無地部50の引張強度は、加熱される前の塗布部40の集電体20の引張強度と同じであってもよい。
【0060】
図1図3及び表1を参照すると、無地部50の特定の領域だけを選択的に加熱する場合でも、無地部50の領域別の引張強度がすべて変化し得る。これは無地部50の熱伝導性に起因し得る。
【0061】
無地部50のしわは、直接圧力を受ける塗布部40の延伸率と、圧力を受けない無地部50の延伸率との間の差によって、塗布部40と無地部50の境界に隣接する第1無地部51で発生し得る。このとき、第1無地部51の引張強度は、しわの発生程度に影響を与えることができる。
【0062】
実施例1と比較例4を対比してみると、実施例1の場合は、無地部50の端部である切断部52bを集中加熱し、第1無地部51の引張強度が19kgf/mmであり、比較例4の場合は、第1無地部51を集中加熱し、第1無地部51の引張強度が10kgf/mmである。比較例4における第1無地部51の引張強度が実施例1における第1無地部51の引張強度より非常に低いにもかかわらず、実施例1のしわの状態は比較例4のしわの状態よりも良好である。
【0063】
比較例4のように、第1無地部51を集中加熱する場合には、第1無地部51で発生した熱が塗布部40の集電体20に伝達され、塗布部40における集電体20の引張強度と第1無地部51の引張強度との間の差が大きくない。塗布部40における集電体20の引張強度と第1無地部51の引張強度との間の差が大きくないと、圧延工程で第1無地部51の変形が発生する可能性は高くなり得る。比較例4と比較例1を比較してみると、比較例1における第1無地部51の引張強度(14kgf/mm)が比較例4における第1無地部51の引張強度(10kgf/mm)より高いにも関わらず、比較例1のしわの状態は比較例4のしわの状態よりも良好である。
【0064】
比較例1の集中加熱領域は無地部50全体であり、比較例4の集中加熱領域は第1無地部51であるので、比較例1で塗布部40の集電体20に伝達される熱は、比較例4で塗布部40の集電体20に伝達される熱よりも小さい。そのため、比較例1における塗布部40の集電体20と第1無地部51との間の引張強度の差は、比較例4における塗布部40の集電体20と第1無地部51との間の引張強度の差よりも大きくなるので、比較例1のしわの状態が比較例4のしわの状態よりも良好であると考えられる。
【0065】
実施例1のように、無地部50の端部である切断部51bを集中加熱する場合には、切断部51bで発生した熱は、タブ接続部51aを経て第1無地部51に到達することができる。熱伝導によって第1無地部51に熱が提供されるので、第1無地部51におけるタブ接続部51aに隣接する部分の温度が、第1無地部51dにおける塗布部40に隣接する部分の温度よりも高くなり得る。つまり、比較例4に比べて、第1無地部51の引張強度が低くなっても、塗布部40の集電体20の引張強度は相対的に僅かに低くなり得る。
【0066】
第1無地部51の温度を上げて第1無地部51の引張強度を下げる一方、塗布部40で集電体20の引張強度を維持させることが、第1無地部51の変形を抑制する方法になり得る。実施例1のように、第1無地部51における塗布部40の向かい側の部分で熱が伝導されるようにすると、しわの状態を良好にすることができる。
【0067】
第1無地部51における塗布部40の向かい側の部分から塗布部40に向かって熱が伝導されるので、塗布部40において集電体20の引張強度は、第1無地部51の引張強度よりも大きく、第1無地部51の引張強度は、タブ接続部52aの引張強度よりも大きく、タブ接続部52aの引張強度は、切断部52bの引張強度よりも大きくなり得る。
【0068】
比較例2と比較例3を対比してみると、比較例2では、第1無地部51の引張強度は16kgf/mmであり、しわの状態は少し厳しい状態であり、比較例3では、第1無地部51の引張強度は17kgf/mmであり、しわの状態は良好な状態である。比較例2及び3で無地部50全体が集中加熱されたとしても、第1無地部51で塗布部40の集電体20に伝達される熱によって、比較例2における塗布部40の集電体20の引張強度と第1無地部51の引張強度との間の差は、比較例3における塗布部40の集電体20の引張強度と第1無地部51の引張強度との間の差よりも小さくなり得る。
【0069】
表1から確認できるように、電極密度が3.65g/ccの電極10において、第1無地部51の引張強度が17kgf/mmよりも小さい場合には、無地部50のしわの発生程度が厳しくなることが確認できる。すなわち、表1を参照すると、比較例1、比較例2、及び比較例4において、第1無地部51の引張強度は17kgf/mmよりも小さく、しわの状態は良好ではなかった。
【0070】
これに対して、比較例3、実施例1、実施例2、実施例3では、第1無地部51の引張強度は17kgf/mm以上24kgf/mm以下であり、しわの状態は良好である。すなわち、第1無地部51の引張強度が17kgf/mm~24kgf/mmであると、無地部50のしわの改善に効果があることを確認することができる。
【0071】
表1で示す引張強度としわの相関関係から、第1無地部51での引張強度が一定水準以下に減少すると、無地部50は軟質化されてしわの発生に弱くなることを理解することができる。
【0072】
ただし、図3から分かるように密度が3.55g/ccと低い電極の場合には、塗布部40に加わる圧力が減少するにつれて塗布部40と無地部50との間の延伸率の差が減少し、これにより、第1無地部領域51の引張強度によるしわの差異も密度の高い電極10に比べて相対的に減少することを確認することができる。
【0073】
図3を参照すると、電極密度が3.55g/ccの電極10は、電極密度が3.65g/ccの電極10に比べて、圧延工程で相対的に少ない圧力を受けることができる。そのため、電極密度が3.55g/ccである電極10における塗布部40と無地部50との間の延伸率の差は、電極密度が3.65g/ccである電極10における塗布部40と無地部50との間の延伸率の差よりも小さくなり得る。
【0074】
この理由で、電極密度が低い電極10で発生するしわの状態は、電極密度が高い電極10で発生するしわの状態よりも良好になり得る。
【0075】
第1無地部51の引張強度が一定の範囲であり、第1無地部51の引張強度がタブ接続部52aの引張強度よりも大きいと、無地部50のしわの状態は良好になり得る。例えば、実施例1、2、3及び比較例3と比較例1、2、4を対比してみると、第1無地部51の引張強度が16.5kgf/mmよりも大きく、20.5kgf/mmよりも小さい範囲では、無地部50のしわの状態が良好になり得る。言い換えれば、塗布部40の集電体20の引張強度に対する第1無地部51の引張強度の割合が0.65~0.85であると、無地部50のしわの状態は良好になり得る。
【0076】
塗布部40の集電体20の引張強度は、加熱工程によって変化しない。例えば、表3において、集中加熱領域が切断部52bである場合には、熱がタブ接続部52aと第1無地部51を経て塗布部40に伝達されるので、塗布部40に伝達される熱は僅かであり、塗布部40の集電体20の引張強度は、加熱工程によって変化しなくなり得る。
【0077】
超音波溶接工程で発生する焼着の場合には、超音波溶接がタブ接続部52aで行われるので、タブ接続部52aの引張強度が重要である。表1から確認できるように、タブ接続部52aの引張強度が15kgf/mm以上である実施例1~3及び比較例3、4の場合は、10回のテストで焼着が発生しなかった。これに対して、タブ接続部52aの引張強度が15kgf/mm未満である比較例1及び2の場合は、焼着が発生した。このことから、タブ接続部52aの引張強度が低いと、焼着回数が多くなることが分かる。
【0078】
タブ接続部52aの引張強度が第1無地部51の引張強度より大きくない場合には、無地部50のしわの状態が非常に厳しい状態ではないので、タブ接続部52aの引張強度が20kgf/mmよりも小さいことが無地部50のしわの状態が良好になる必要条件になり得る。すなわち、タブ接続部52aの引張強度が14.5kgf/mm以上19.5kgf/mm以下である条件は、焼着回数が少なく、無地部50のしわの状態が良好になる必要条件になり得る。言い換えれば、塗布部40の集電体20の引張強度に対するタブ接続部52aの引張強度の割合が0.55~0.8であると、焼着を抑制することができる。
【0079】
圧延過程で発生する破断には、切断部52bの引張強度が最も大きな影響を与えることができる。表1に示すように、切断部52bの引張強度が13kgf/mm以下である実施例1、2、及び比較例1の場合は、破断が発生しなかった。この理由は、圧延工程で発生する破断は、応力が集中する切断部52bから始まり、切断部52bの引張強度を下げると、破断確率が減少するからである。
【0080】
実施例2と実施例3を対比してみると、実施例2では、タブ接続部52aの引張強度が18kgf/mmであり、破断が発生していないのに対し、実施例3では、タブ接続部52aの引張強度が19kgf/mmであり、破断が4回発生した。このことから、タップ接続部52aの引張強度が18.5kgf/mm以下である条件が、破断の観点から有利なことが分かる。
【0081】
前記結果をまとめると、電極密度が3.65g/ccである電極10において、切断部52bを集中加熱する一方、第1無地部51の引張強度が16.5kgf/mm以上20.5kgf/mm以下であり、タブ接続部52aの引張強度が14.5kgf/mm以上18.5kgf/mm以下になると、無地部50のしわ、焼着および破断を改善することができる。
【0082】
言い換えれば、電極密度が3.65g/ccの電極10において、切断部52bを集中加熱する一方、塗布部40の集電体20の引張強度に対する第1無地部51の引張強度の割合が0.65~0.85であり、塗布部40の集電体20の引張強度に対するタブ接続部52aの引張強度の割合が0.55~0.75であると、無地部50のしわ、焼着および破断を改善することができる。
【0083】
第1無地部51の引張強度をタブ接続部52aの引張強度よりも大きくし、タブ接続部52aの引張強度を切断部52bの引張強度よりも大きくすることが、無地部50のしわ、焼着および破断を防止するのに最も有利な条件になり得る。
【0084】
タブ接続部52aの長さである第2長さL2は、第1無地部51の長さである第1長さL1よりも大きくてもよい。第2長さL2が第1長さL2よりも大きいと、切断部52bを主に集中加熱してタブ接続部52aの引張強度と第1無地部51の引張強度との間の差を効果的に形成することができる。
【0085】
切断部52bは、電極タブ80(図5参照)の付着前に除去されるので、切断部52bは、バッテリーセルの性能に直接的な影響を与えない。しかし、切断部52bは、圧延過程での破断を改善するのに影響を与えることができる。
【0086】
以下、バッテリーセルの電極を加工する過程について説明する。本発明の一実施形態に係る電極の製造方法(S100)は、「リチウム二次電池用電極の製造方法」と称することができる。
【0087】
図1図4を参照すると、本発明の一実施形態に係る電極の製造方法(S100)は、スラリー塗布ステップ(S110)を含むことができる。このステップ(S110)では、スラリー30は、集電体20の少なくとも一つの面に塗布することができる。
【0088】
集電体20は、導電性の金属薄板で形成することができる。集電体20は、金属薄板を含むことができる。例えば、金属薄板はアルミニウムで形成することができる。スラリー30は、集電体20の一面または両面に塗布することができる。このステップ(S110)によって、電極10は塗布部40と無地部50とに区分することができる。
【0089】
電極10の領域は、塗布部40が位置する領域と、無地部50が位置する領域とに区分することができる。塗布部40は「塗布領域」と称することができる。無地部50は「無地領域」と称することができる。例えば、電極10は、塗布領域40と無地領域50とに区分することができる。
【0090】
本発明の一実施形態に係る電極の製造方法(S100)は、加熱ステップ(S120)を含むことができる。このステップ(S120)では、加熱装置70は電極10を加熱することができる。例えば、このステップ(S120)で加熱装置70は、切断部52bを主に加熱することができる。言い換えれば、このステップ(S120)で加熱装置70は、無地部50の端部を主に加熱することができる。すなわち、このステップ(S120)で加熱装置70は、無地領域50の端部を主に加熱することができる。
【0091】
加熱ステップ(S120)は、露出部形成ステップ(S121)を含むことができる。このステップ(S121)では、誘導加熱ユニット72で発生した磁束(magnetic flux)が既に設定された範囲に限定されて進行するように、遮蔽部材74によって露出スペース78を形成することができる。このステップ(S121)では、誘導加熱ユニット72によって形成される磁場(magnetic field)が既に設定された範囲に限定されて分布することができる。
【0092】
加熱ステップ(S120)は、無地部加熱ステップ(S122)を含むことができる。このステップ(S122)では、誘導加熱ユニット72で発生した磁束の一部は、遮蔽部材74によって遮蔽され、他の一部は露出スペース78を通過して無地部50に入射することができる。例えば、このステップ(S122)で誘導加熱ユニット72は、無地部50の端部である切断部52bを主に加熱することができる。
【0093】
加熱ステップ(S120)で誘導加熱ユニット72は、無地部50の一部が、設定された引張強度を持つように、無地部50を加熱することができる。例えば、タブ接続部52aが、設定された引張強度である第2引張強度を持つように、切断部52bを加熱することができる。例えば、第1無地部51が、設定された引張強度である第1引張強度を持つように、切断部52bを加熱することができる。例えば、第1無地部51が第1引張強度を持ち、タブ接続部52aが第2引張強度を持つように、切断部52bを加熱することができる。
【0094】
本発明の一実施形態に係る電極の製造方法(S100)は、圧延ステップ(S130)を含むことができる。圧延ステップ(S130)は、スラリー30と集電体20との間の接着力が増加するように電極10を圧着するステップであってもよい。圧延ステップ(S130)によって、設定された厚さまで電極10を圧着することができる。
【0095】
本発明の一実施形態に係る電極の製造方法(S100)は、切断部52bを切断する切断ステップ(S135)を含むことができる。このステップ(S135)では、切断部52bは、タブ接続部52aから分離することができる。
【0096】
本発明の一実施形態に係る電極の製造方法(S100)は、タブ接続ステップ(S140)を含むことができる。タブ接続ステップ(S140)は、圧延ステップ(S130)の後に行うことができる。タブ接続ステップ(S140)では、無地部50に電極タブ80(図5参照)を接続することができる。タブ接続ステップ(S140)では、無地領域50に電極タブ80(図5参照)を接続することができる。このステップ(S140)でタップ接続部52aは、電極タブ80(図5参照)に接続することができる。
【0097】
図5では、説明を容易にするために無地部50の各領域を点線で区画しているが、無地部50の各領域は、区画されずに連続して連結することができる。
【0098】
図5(a)及び5(b)を参照すると、複数の第2無地部52を積層して溶接することができる。図5(c)を参照すると、切断部52bは、タブ接続部52aから分離して除去することができる。図5(d)を参照すると、第2無地部52から切断部52bが除去された状態で、タップ接続部52aを溶接によって電極タブ80に接続または結合することができる。これにより、電極10と電極タブ80を接続することができる。
【0099】
以上、特定の実施形態について図示して説明した。しかし、本発明は、前記実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、以下の請求の範囲に記載される発明の技術的思想の要旨を逸脱することなく、多様に変更実施できるものである。
図1
図2
図3
図4
図5