(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-07
(45)【発行日】2024-08-16
(54)【発明の名称】共界面活性剤、界面活性剤組成物、及び油回収用組成物
(51)【国際特許分類】
C09K 23/38 20220101AFI20240808BHJP
C07C 43/13 20060101ALI20240808BHJP
C09K 8/584 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
C09K23/38
C07C43/13 D
C09K8/584
(21)【出願番号】P 2021522879
(86)(22)【出願日】2020-05-28
(86)【国際出願番号】 JP2020021194
(87)【国際公開番号】W WO2020241779
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2023-03-10
(31)【優先権主張番号】P 2019099445
(32)【優先日】2019-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019099462
(32)【優先日】2019-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2020042161
(32)【優先日】2020-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2020042327
(32)【優先日】2020-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】亀ノ上 翔吾
(72)【発明者】
【氏名】堀 寛
(72)【発明者】
【氏名】若狭 崇志
(72)【発明者】
【氏名】高力 駿介
(72)【発明者】
【氏名】溝奥 隆司
(72)【発明者】
【氏名】阿良田 龍哉
(72)【発明者】
【氏名】木村 彰克
(72)【発明者】
【氏名】長沼 純
(72)【発明者】
【氏名】司馬 寛也
【審査官】井上 恵理
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2007/062112(WO,A1)
【文献】特表2008-506810(JP,A)
【文献】特表2012-506895(JP,A)
【文献】特表2015-501363(JP,A)
【文献】特開昭62-235487(JP,A)
【文献】特開昭55-105632(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K 23/00- 23/56
C07C 43/13
C10M101/00-177/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式(1)で表される化合物を少なくとも1種含有する共界面活性剤。
【化1】
(式中、R
1
は炭素数1以上33以下の脂肪族炭化水素基であり、R
2は炭素数1以上33以下の脂肪族炭化水素基であり、R
1とR
2の合計炭素数は6以上34以下であり、
R
1
及びR
2
はいずれも置換基を有さず、Xは単結合又は炭素数1以上5以下の脂肪族炭化水素基であり、A
1及びA
2のいずれか一方は-OHであり、他方は-O-CH
2-CH(OH)-CH
2OH又は-O-CH(-CH
2-OH)
2である。)
【請求項2】
前記化学式(1)で表される化合物において、Xは単結合である、請求項1に記載の共界面活性剤。
【請求項3】
前記化学式(1)においてA
1及びA
2のいずれか一方は-OHであり、他方は-O-CH
2-CH(OH)-CH
2OHである化合物、及び前記化学式(1)においてA
1及びA
2のいずれか一方は-OHであり、他方は-O-CH(-CH
2-OH)
2である化合物を含有する、請求項1
又は2に記載の共界面活性剤。
【請求項4】
界面活性剤及び請求項1~
3のいずれかに記載の共界面活性剤を含有する界面活性剤組成物。
【請求項5】
請求項1~
3のいずれかに記載の共界面活性剤を含有する油回収用組成物。
【請求項6】
さらに界面活性剤を含有する請求項
5に記載の油回収用組成物。
【請求項7】
EOR用組成物である、請求項
5又は
6に記載の油回収用組成物。
【請求項8】
請求項
4に記載の界面活性剤組成物の油回収用組成物としての使用。
【請求項9】
請求項
4に記載の界面活性剤組成物のEOR用組成物としての使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、共界面活性剤、及び当該共界面活性剤を含有する界面活性剤組成物及び油回収用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
洗浄力や泡立ちの向上等を目的として、洗浄剤組成物中に、界面活性剤と共に共界面活性剤が添加される場合がある。
【0003】
例えば、特許文献1には、アニオン性界面活性剤と共界面活性剤とを含み、前記共界面活性剤が、アミンオキシド界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択されるものである、洗浄組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、界面活性剤と共に用いることにより、界面活性剤ミセルの小粒径化、及びマイクロエマルション形成能の発現等の界面活性剤の機能を向上させることができる共界面活性剤を提供する。また、本発明は、界面活性剤と前記共界面活性剤を含有する界面活性剤組成物及び油回収用組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は鋭意検討を重ねた結果、以下の共界面活性剤により、上記課題を解決しうることを見出した。
【0007】
すなわち、本発明は、下記化学式(1)で表される化合物を少なくとも1種含有する共界面活性剤、に関する。
【化1】
(式中、R
1は水素原子又は炭素数1以上33以下の脂肪族炭化水素基であり、R
2は炭素数1以上33以下の脂肪族炭化水素基であり、R
1とR
2の合計炭素数は6以上34以下であり、Xは単結合又は炭素数1以上5以下の脂肪族炭化水素基であり、A
1及びA
2のいずれか一方は-OHであり、他方は-O-CH
2-CH(OH)-CH
2OH又は-O-CH(-CH
2-OH)
2である。)
【発明の効果】
【0008】
本発明の共界面活性剤は、界面活性剤と共に用いることにより、界面活性剤ミセルの小粒径化、及びマイクロエマルション形成能の発現等の界面活性剤の機能を向上させることができる。そのため、本発明の共界面活性剤を用いることにより、優れた洗浄性とミセル安定性を有するマイクロエマルションを得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0010】
<共界面活性剤>
本発明において、共界面活性剤とは、界面活性剤と共に用いる剤であり、好ましくは、界面活性剤の機能(作用効果)を向上させるための助剤である。本発明の共界面活性剤は、下記化学式(1)で表される化合物を少なくとも1種含有する。また、本発明の共界面活性剤は、下記化学式(1)で表される化合物からなるものであってよい。また、本発明の共界面活性剤は、下記化学式(1)で表される化合物の1種以上からなるものであってよい。
【化2】
(式中、R
1は水素原子又は炭素数1以上33以下の脂肪族炭化水素基であり、R
2は炭素数1以上33以下の脂肪族炭化水素基であり、R
1とR
2の合計炭素数は6以上34以下であり、Xは単結合又は炭素数1以上5以下の脂肪族炭化水素基であり、A
1及びA
2のいずれか一方は-OHであり、他方は-O-CH
2-CH(OH)-CH
2OH又は-O-CH(-CH
2-OH)
2である。)
【0011】
R1は水素原子又は炭素数1以上33以下の脂肪族炭化水素基であり、界面活性剤ミセルの小粒径化、及びマイクロエマルション形成能の発現等の界面活性剤の機能を向上させる観点から、好ましくは炭素数1以上33以下の脂肪族炭化水素基である。R2は炭素数1以上33以下の脂肪族炭化水素基である。前記R1及びR2の脂肪族炭化水素基は、好ましくは直鎖又は分岐アルキル基(分岐鎖アルキル基ともいう)であり、より好ましくは直鎖アルキル基である。前記R1及びR2の脂肪族炭化水素基は、本発明の効果を妨げない限り、ハロゲン基、ヒドロキシ基、ケトン基、カルボキシル基、アリール基、及びアルコキシ基等の置換基を有していてもよい。R1及びR2は、同じ脂肪族炭化水素基であってもよく、異なる脂肪族炭化水素基であってもよい。また、R1及びR2の置換基の数は、界面活性剤ミセルの小粒径化、及びマイクロエマルション形成能の発現等の界面活性剤の機能を向上させる観点から、R1及びR2において合計で、好ましくは5以下、より好ましくは3以下、更に好ましくは1以下、より更に好ましくは0(すなわち置換基を有さない)である。
【0012】
R1とR2の合計炭素数は6以上34以下であり、界面活性剤ミセルの小粒径化、及びマイクロエマルション形成能の発現等の界面活性剤の機能を向上させる観点から、好ましくは8以上、より好ましくは10以上、更に好ましくは12以上、より更に好ましくは14以上であり、好ましくは26以下、より好ましくは22以下、更に好ましくは18以下、より更に好ましくは16以下である。
【0013】
Xは単結合又は炭素数1以上5以下の脂肪族炭化水素基であり、界面活性剤ミセルの小粒径化、及びマイクロエマルション形成能の発現等の界面活性剤の機能を向上させる観点から、好ましくは単結合又は炭素数1以上3以下の脂肪族炭化水素基、より好ましくは単結合又は炭素数1以上2以下の脂肪族炭化水素基、更に好ましくは単結合又は炭素数1の脂肪族炭化水素基、より更に好ましくは単結合である。
【0014】
R1とR2とXの合計炭素数は6以上39以下であり、界面活性剤ミセルの小粒径化、及びマイクロエマルション形成能の発現等の界面活性剤の機能を向上させる観点から、好ましくは8以上、より好ましくは10以上、更に好ましくは12以上、より更に好ましくは14以上であり、好ましくは31以下、より好ましくは28以下、更に好ましくは26以下、より更に好ましくは25以下、より更に好ましくは24以下、より更に好ましくは22以下、より更に好ましくは20以下、より更に好ましくは18以下、より更に好ましくは16以下である。
【0015】
Xが前記脂肪族炭化水素基である場合、界面活性剤ミセルの小粒径化、及びマイクロエマルション形成能の発現等の界面活性剤の機能を向上させる観点から、好ましくは直鎖又は分岐アルキル基であり、より好ましくは直鎖アルキル基である。
【0016】
Xは、界面活性剤ミセルの小粒径化、及びマイクロエマルション形成能の発現等の界面活性剤の機能を向上させる観点から、好ましくは、
*-(CH2)n-* (nは0以上5以下、*は結合部位を示す。)
であり、nは好ましくは0以上であり、好ましくは3以下、より好ましくは2以下、更に好ましくは1以下、より更に好ましくは0、すなわち単結合である。
【0017】
前記共界面活性剤は、界面活性剤ミセルの小粒径化、及びマイクロエマルション形成能の発現等の界面活性剤の機能を向上させる観点から、R1とR2の合計炭素数が同じであり、かつR1とR2のそれぞれの炭素数が異なる2種以上の化合物を含むことが好ましい。
【0018】
前記共界面活性剤は、界面活性剤ミセルの小粒径化、及びマイクロエマルション形成能の発現等の界面活性剤の機能を向上させる観点から、R1とR2とXの合計炭素数が同じであり、かつR1とR2のそれぞれの炭素数が異なる2種以上の化合物を含むことが好ましい。
【0019】
前記共界面活性剤は、界面活性剤ミセルの小粒径化、及びマイクロエマルション形成能の発現等の界面活性剤の機能を向上させる観点から、Xが単結合又は炭素数1以上3以下の脂肪族炭化水素基であり、R1とR2の合計炭素数が同じであり、かつR1とR2のそれぞれの炭素数が異なる2種以上の化合物を含むことが好ましい。
【0020】
前記共界面活性剤は、界面活性剤ミセルの小粒径化、及びマイクロエマルション形成能の発現等の界面活性剤の機能を向上させる観点から、Xが単結合又は炭素数1以上3以下の脂肪族炭化水素基であり、R1とR2とXの合計炭素数が同じであり、かつR1とR2のそれぞれの炭素数が異なる2種以上の化合物を含むことが好ましい。
【0021】
前記共界面活性剤は、界面活性剤ミセルの小粒径化、及びマイクロエマルション形成能の発現等の界面活性剤の機能を向上させる観点から、Xが単結合又は炭素数1以上2以下の脂肪族炭化水素基であり、R1とR2の合計炭素数が同じであり、かつR1とR2のそれぞれの炭素数が異なる2種以上の化合物を含むことがより好ましい。
【0022】
前記共界面活性剤は、界面活性剤ミセルの小粒径化、及びマイクロエマルション形成能の発現等の界面活性剤の機能を向上させる観点から、Xが単結合又は炭素数1以上2以下の脂肪族炭化水素基であり、R1とR2とXの合計炭素数が同じであり、かつR1とR2のそれぞれの炭素数が異なる2種以上の化合物を含むことがより好ましい。
【0023】
前記共界面活性剤は、界面活性剤ミセルの小粒径化、及びマイクロエマルション形成能の発現等の界面活性剤の機能を向上させる観点から、Xが単結合又は炭素数1の脂肪族炭化水素基であり、R1とR2の合計炭素数が同じであり、かつR1とR2のそれぞれの炭素数が異なる2種以上の化合物を含むことが更に好ましい。
【0024】
前記共界面活性剤は、界面活性剤ミセルの小粒径化、及びマイクロエマルション形成能の発現等の界面活性剤の機能を向上させる観点から、Xが単結合又は炭素数1の脂肪族炭化水素基であり、R1とR2とXの合計炭素数が同じであり、かつR1とR2のそれぞれの炭素数が異なる2種以上の化合物を含むことが更に好ましい。
【0025】
前記共界面活性剤は、界面活性剤ミセルの小粒径化、及びマイクロエマルション形成能の発現等の界面活性剤の機能を向上させる観点から、Xが単結合であり、R1とR2の合計炭素数が同じであり、かつR1とR2のそれぞれの炭素数が異なる2種以上の化合物を含むことがより更に好ましい。
【0026】
前記共界面活性剤が、Xが単結合であり、R1とR2の合計炭素数が異なる2種以上の化合物を含有する場合、界面活性剤ミセルの小粒径化、及びマイクロエマルション形成能の発現等の界面活性剤の機能を向上させる観点から、R1とR2の合計炭素数が、12である化合物、14である化合物、及び16である化合物から選択される2種以上の化合物の合計含有量は、好ましくは75質量%以上、より好ましくは85質量%以上、更に好ましくは95質量%以上、より更に好ましくは100質量%である。
【0027】
前記共界面活性剤が、Xが単結合であり、R1とR2の合計炭素数が異なる2種以上の化合物を含有する場合、界面活性剤ミセルの小粒径化、及びマイクロエマルション形成能の発現等の界面活性剤の機能を向上させる観点から、R1とR2の合計炭素数が、14である化合物、及び16である化合物の合計含有量は、好ましくは75質量%以上、より好ましくは85質量%以上、更に好ましくは95質量%以上、より更に好ましくは99質量%以上、より更に好ましくは100質量%である。
【0028】
前記共界面活性剤が、化学式(1)で表される化合物において、R1とR2の合計炭素数が同じであり、かつR1とR2のそれぞれの炭素数が異なる2種以上の化合物を含有する場合、界面活性剤ミセルの小粒径化、及びマイクロエマルション形成能の発現等の界面活性剤の機能を向上させる観点から、R1の炭素数が5以上かつR2の炭素数が5以上の化合物の含有割合は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上であり、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは70質量%以下である。
【0029】
前記化学式(1)で表される化合物の製造方法は特に制限されず、例えば、内部又は末端オレフィンの二重結合を過酸化水素、過ギ酸、過酢酸等の過酸化物により酸化して内部又は末端エポキシドを合成し、得られた内部又は末端エポキシドにグリセリンを反応させることにより製造することができる。なお、内部又は末端オレフィンの総炭素数が一定で、異なる位置に二重結合を有する混合物の場合、前記製造方法により得られる前記化学式(1)で表される化合物は、Xが単結合であり、R1とR2の合計炭素数が同じであり、かつR1とR2のそれぞれの炭素数が異なる複数の化合物の混合物である。また、前記製造方法により得られる前記化学式(1)で表される化合物は、通常、A1及びA2のいずれか一方は-OHであり、他方は-O-CH2-CH(OH)-CH2OHである化合物1(以下、エーテルアルコール1ともいう)と、A1及びA2のいずれか一方は-OHであり、他方は-O-CH(-CH2-OH)2である化合物2(以下、エーテルアルコール2ともいう)の混合物である。
【0030】
前記化学式(1)で表される化合物の製造に用いられる内部オレフィンは、末端オレフィンを含有していてもよい。その場合、オレフィン中に含まれる末端オレフィンの含有量は、例えば、0.1質量%以上、0.2質量%以上、また、5質量%以下、3質量%以下、2質量%以下、1質量%以下、0.5質量%以下などである。
【0031】
前記共界面活性剤が、前記エーテルアルコール1と前記エーテルアルコール2を含有する場合、前記エーテルアルコール1の含有量は、界面活性剤ミセルの小粒径化、及びマイクロエマルション形成能の発現等の界面活性剤の機能を向上させる観点から、前記エーテルアルコール1と前記エーテルアルコール2の合計に対し、好ましくは1質量%以上、より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは40質量%以上、より更に好ましくは50質量%以上であり、好ましくは99質量%以下、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは80質量%以下である。また、同様の観点から、好ましくは1~99質量%、より好ましくは30~99質量%、更に好ましくは40~90質量%、より更に好ましくは50~80質量%である。
【0032】
前記共界面活性剤は、前記化学式(1)で表される化合物1種、或いは、前記化学式(1)で表される化合物2種以上の混合物、或いは、これらと原料オレフィンに含まれるオレフィン以外の微量成分及びその誘導体との混合物として得ることができる。
【0033】
<界面活性剤組成物>
本発明の界面活性剤組成物は、少なくとも界面活性剤(但し、前記共界面活性剤を除く)及び前記共界面活性剤を含有する。
【0034】
前記界面活性剤は特に制限されず、例えば、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤、及びカチオン界面活性剤が挙げられる。これらは1種用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0035】
アニオン界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩等の硫酸エステル塩;スルホコハク酸アルキルエステル塩、ポリオキシアルキレンスルホコハク酸アルキルエステル塩、アルカンスルホン酸塩、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩、アルケンスルホン酸塩、アシルイセチオネート、アシルメチルタウレート等のスルホン酸塩;炭素数8~24の高級脂肪酸塩;アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩等のリン酸エステル塩;アシルグルタミン酸塩、アラニン誘導体、グリシン誘導体、アルギニン誘導体等のアミノ酸塩等が挙げられる。これらの塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩等が挙げられる。これらは1種用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0036】
ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレン(硬化)ヒマシ油等のポリエチレングリコール型;ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリンアルキルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、アルキルグリコシド、アシル化アルキルグルカミド等の多価アルコール型;脂肪酸アルカノールアミド等が挙げられる。具体的には、例えば、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸N-メチルモノエタノールアミド等の脂肪酸モノアルカノールアミドが挙げられる。これらは1種用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0037】
両性界面活性剤としては、例えば、イミダゾリン系ベタイン、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン、スルホベタイン等のベタイン系界面活性剤;アルキルジメチルアミンオキシド等のアミンオキシド型界面活性剤等が挙げられる。具体的には、例えば、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルカルボベタイン、ラウラミドプロピルジメチルカルボベタイン、ラウリルカルボキシメチルヒドロキシイミダゾリウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、及びラウリルヒドロキシスルホベタイン等が挙げられる。これらは1種用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0038】
カチオン界面活性剤としては、例えば、アミド基、エステル基又はエーテル基で分断されていてもよい炭素数12以上28以下の炭化水素基を有する第4級アンモニウム塩;ピリジニウム塩;3級アミンの鉱酸又は有機酸の塩等が挙げられる。具体的には、例えば、オクチルトリメチルアンモニウム塩、デシルトリメチルアンモニウム塩、ラウリルトリメチルアンモニウム塩、ミリスチルトリメチルアンモニウム塩、セチルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、ベヘニルトリメチルアンモニウム塩、オクダデシロキシプロピルトリメチルアンモニウム塩等のモノ長鎖アルキルトリメチルアンモニウム塩;ジオクチルジメチルアンモニウム塩、ジデシルジメチルアンモニウム塩、ジラウリルジメチルアンモニウム塩、ジミリスチルジメチルアンモニウム塩、ジセチルジメチルアンモニウム塩、ジステアリルジメチルアンモニウム塩、ジイソテトラデシルジメチルアンモニウム塩等のジ長鎖アルキルジメチルアンモニウム塩;ステアリルジメチルアミン、ベヘニルジメチルアミン、オクタデシロキシプロピルジメチルアミン、ジメチルアミノプロピルステアリン酸アミド等のモノ長鎖アルキルジメチルアミンの、塩酸、クエン酸又は乳酸塩が挙げられる。前記アンモニウム塩は各アンモニウムの塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン塩であってよい。これらは1種用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0039】
前記界面活性剤のうち、界面活性剤ミセルの小粒径化、及びマイクロエマルション形成能の発現等の界面活性剤の機能を前記共界面活性剤により向上させる観点から、好ましくはイオン性または非イオン界面活性剤であり、マイクロエマルション形成能の観点から、より好ましくは非イオン界面活性剤であり、また、後述の助剤効果の観点から、より好ましくはイオン性界面活性剤である。
【0040】
前記界面活性剤組成物中の前記界面活性剤の含有量は特に制限されないが、界面活性剤ミセルの小粒径化、及びマイクロエマルション形成能の発現等の界面活性剤の機能を前記共界面活性剤により向上させる観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは1質量%以上であり、また、好ましくは80質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。
【0041】
前記界面活性剤組成物中の前記共界面活性剤の含有量は特に制限されないが、界面活性剤ミセルの小粒径化、及びマイクロエマルション形成能の発現等の界面活性剤の機能を向上させる観点から、界面活性剤と共界面活性剤の合計含有量に対して、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上であり、また、好ましくは90質量%以下、より好ましくは70質量%以下、更に好ましくは50質量%以下である。
【0042】
本発明の界面活性剤組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、溶剤、香料、染料、保存料、保湿剤、抗菌剤、抗フケ剤、パール化剤、ビタミン剤、増粘剤、pH調整剤、漂白剤、キレート剤、水溶性塩類、及び油剤等の洗浄剤に用いられる成分等を任意に含有することができる。
【0043】
本発明の界面活性剤組成物は、低温安定性や洗浄性能を高める等の目的で、溶剤を含有することができる。溶剤としては、例えば、アルコールやグリコールエーテル、アルキレングリコールアルキルエーテル等が挙げられる。アルコールとしては、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等の1価アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール(2-メチル-2,4-ペンタンジオール)、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール及びグリセリン等の多価アルコール、ベンジルアルコール等の芳香族アルコールが挙げられる。アルキレングリコールエーテルとしては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールが挙げられる。アルキレングリコールアルキルエーテルとしては、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、1-メトキシ-2-プロパノール及び1-エトキシ-2-プロパノール、2-フェノキシエタノール、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、トリエチレングリコールモノフェニルエーテルが挙げられる。これらは1種用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0044】
本発明において、サステナビリティ、環境負荷、及び安全性等の観点から、界面活性剤組成物中の溶剤の含有量は、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは10質量%以下、より更に好ましくは5質量%以下、より更に好ましくは1質量%以下、より更に好ましくは0質量%、即ち、溶剤を含有しないことが好ましい。
【0045】
前記界面活性剤組成物は、乳化剤組成物、濡れ剤組成物、浸透剤組成物、油回収用組成物、又は洗浄剤組成物であってよい。すなわち、本発明の界面活性剤組成物は、前記界面活性剤と前記化学式(1)で表される化合物を1種以上含有する、乳化剤組成物、濡れ剤組成物、浸透剤組成物、油回収用組成物、又は洗浄剤組成物であってよい。前記油回収用組成物は、好ましくは原油回収用組成物、より好ましくはEOR(Enhanced Oil Recovery、以下同様)用組成物、更に好ましくはケミカルEOR用組成物である。
【0046】
本発明の界面活性剤組成物は、例えば、衣料用液体洗剤、食器用洗剤、毛髪用洗浄料、身体用洗浄料、精密部品用洗浄剤、及び硬質表面用洗浄剤等の洗浄剤として用いられる。本発明の界面活性剤組成物は、水に添加して溶解させることにより、上記各洗浄用途に用いることができる。
【0047】
<油回収用組成物>
本発明の油回収用組成物は、少なくとも前記共界面活性剤を含有する。
【0048】
本発明の油回収用組成物は、好ましくは界面活性剤を含有する。前記界面活性剤は特に制限されず、例えば、上記の界面活性剤が挙げられる。
【0049】
前記油回収用組成物中の前記界面活性剤の含有量は特に制限されないが、界面活性剤ミセルの小粒径化、及びマイクロエマルション形成能の発現等の界面活性剤の機能を前記共界面活性剤により向上させる観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは1質量%以上であり、また、好ましくは80質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。
【0050】
前記油回収用組成物中の前記共界面活性剤の含有量は特に制限されないが、界面活性剤ミセルの小粒径化、及びマイクロエマルション形成能の発現等の界面活性剤の機能を向上させる観点から、界面活性剤と共界面活性剤の合計含有量に対して、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上であり、また、好ましくは90質量%以下、より好ましくは70質量%以下、更に好ましくは50質量%以下である。
【0051】
本発明の油回収用組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、溶剤、不活性化剤(例えば、アルカリ金属塩など)、及びポリマー類(例えば、キサンタンゴム、ポリアクリルアミド(PAM)、及び部分加水分解ポリアクリルアミド(HPAM)など)などを任意に含有することができる。
【0052】
本発明の油回収用組成物は、好ましくは原油回収用組成物、より好ましくはEOR用組成物、更に好ましくはケミカルEOR用組成物である。
【0053】
本発明の油回収用組成物は、水に添加して溶解させることにより、各種油の回収用途に用いることができる。
【0054】
以下に、本発明及び本発明の好ましい実施態様を示す。
<1>
下記化学式(1)で表される化合物を少なくとも1種含有する共界面活性剤。
【化3】
(式中、R
1は水素原子又は炭素数1以上33以下の脂肪族炭化水素基であり、R
2は炭素数1以上33以下の脂肪族炭化水素基であり、R
1とR
2の合計炭素数は6以上34以下であり、Xは単結合又は炭素数1以上5以下の脂肪族炭化水素基であり、A
1及びA
2のいずれか一方は-OHであり、他方は-O-CH
2-CH(OH)-CH
2OH又は-O-CH(-CH
2-OH)
2である。)
<2>
下記化学式(1)で表される化合物を少なくとも1種含有する共界面活性剤。
【化4】
(式中、R
1は水素原子又は炭素数1以上33以下の脂肪族炭化水素基であり、R
2は炭素数1以上33以下の脂肪族炭化水素基であり、Xは単結合又は炭素数1以上5以下の脂肪族炭化水素基であり、R
1とR
2とXの合計炭素数は6以上39以下であり、A
1及びA
2のいずれか一方は-OHであり、他方は-O-CH
2-CH(OH)-CH
2OH又は-O-CH(-CH
2-OH)
2である。)
<3>
前記共界面活性剤は、上記化学式(1)で表される化合物からなるものである、<1>又は<2>に記載の共界面活性剤。
<4>
前記共界面活性剤は、上記化学式(1)で表される化合物の1種以上からなるものである、<1>又は<2>に記載の共界面活性剤。
<5>
前記R
1は、炭素数1以上33以下の脂肪族炭化水素基である、<1>~<4>のいずれかに記載の共界面活性剤。
<6>
前記R
1及びR
2の脂肪族炭化水素基は、好ましくは直鎖又は分岐アルキル基であり、より好ましくは直鎖アルキル基である、<1>~<5>のいずれかに記載の共界面活性剤。
<7>
前記R
1及びR
2の置換基の数は、R
1及びR
2において合計で、好ましくは5以下、より好ましくは3以下、更に好ましくは1以下、より更に好ましくは0(すなわち置換基を有さない)である、<1>~<6>のいずれかに記載の共界面活性剤。
<8>
前記R
1とR
2の合計炭素数は、好ましくは8以上、より好ましくは10以上、更に好ましくは12以上、より更に好ましくは14以上であり、好ましくは26以下、より好ましくは22以下、更に好ましくは18以下、より更に好ましくは16以下である、<1>~<7>のいずれかに記載の共界面活性剤。
<9>
前記Xは、好ましくは単結合又は炭素数1以上3以下の脂肪族炭化水素基、より好ましくは単結合又は炭素数1以上2以下の脂肪族炭化水素基、更に好ましくは単結合又は炭素数1の脂肪族炭化水素基、より更に好ましくは単結合である、<1>~<8>のいずれかに記載の共界面活性剤。
<10>
好ましくは、前記R
1とR
2の合計炭素数は、8以上26以下であり、前記Xは、単結合又は炭素数1以上3以下の脂肪族炭化水素基であり、
より好ましくは、前記R
1とR
2の合計炭素数は、10以上22以下であり、前記Xは、単結合又は炭素数1以上2以下の脂肪族炭化水素基であり、
更に好ましくは、前記R
1とR
2の合計炭素数は、12以上18以下であり、前記Xは、単結合又は炭素数1の脂肪族炭化水素基であり、
更に好ましくは、前記R
1とR
2の合計炭素数は、14以上16以下であり、前記Xは、単結合である、<1>~<7>のいずれかに記載の共界面活性剤。
<11>
前記R
1とR
2とXの合計炭素数は、好ましくは8以上、より好ましくは10以上、更に好ましくは12以上、より更に好ましくは14以上であり、好ましくは31以下、より好ましくは28以下、更に好ましくは26以下、より更に好ましくは25以下、より更に好ましくは24以下、より更に好ましくは22以下、より更に好ましくは20以下、より更に好ましくは18以下、より更に好ましくは16以下である、<1>~<10>のいずれかに記載の共界面活性剤。
<12>
前記Xが前記脂肪族炭化水素基である場合、好ましくは直鎖又は分岐アルキル基であり、より好ましくは直鎖アルキル基である、<1>~<11>のいずれかに記載の共界面活性剤。
<13>
前記Xは、好ましくは、
*-(CH
2)
n-* (nは0以上5以下、*は結合部位を示す。)
であり、nは好ましくは0以上であり、好ましくは3以下、より好ましくは2以下、更に好ましくは1以下、より更に好ましくは0、すなわち単結合である、<1>~<11>のいずれかに記載の共界面活性剤。
<14>
前記共界面活性剤は、Xが単結合又は炭素数1以上3以下の脂肪族炭化水素基であり、R
1とR
2の合計炭素数が同じであり、かつR
1とR
2のそれぞれの炭素数が異なる2種以上の化合物を含む、<1>~<13>のいずれかに記載の共界面活性剤。
<15>
前記共界面活性剤は、Xが単結合又は炭素数1以上3以下の脂肪族炭化水素基であり、R
1とR
2とXの合計炭素数が同じであり、かつR
1とR
2のそれぞれの炭素数が異なる2種以上の化合物を含む、<1>~<13>のいずれかに記載の共界面活性剤。
<16>
前記共界面活性剤は、Xが単結合又は炭素数1以上2以下の脂肪族炭化水素基であり、R
1とR
2の合計炭素数が同じであり、かつR
1とR
2のそれぞれの炭素数が異なる2種以上の化合物を含む、<1>~<13>のいずれかに記載の共界面活性剤。
<17>
前記共界面活性剤は、Xが単結合又は炭素数1以上2以下の脂肪族炭化水素基であり、R
1とR
2とXの合計炭素数が同じであり、かつR
1とR
2のそれぞれの炭素数が異なる2種以上の化合物を含む、<1>~<13>のいずれかに記載の共界面活性剤。
<18>
前記共界面活性剤は、Xが単結合又は炭素数1の脂肪族炭化水素基であり、R
1とR
2の合計炭素数が同じであり、かつR
1とR
2のそれぞれの炭素数が異なる2種以上の化合物を含む、<1>~<13>のいずれかに記載の共界面活性剤。
<19>
前記共界面活性剤は、Xが単結合又は炭素数1の脂肪族炭化水素基であり、R
1とR
2とXの合計炭素数が同じであり、かつR
1とR
2のそれぞれの炭素数が異なる2種以上の化合物を含む、<1>~<13>のいずれかに記載の共界面活性剤。
<20>
前記共界面活性剤は、Xが単結合であり、R
1とR
2の合計炭素数が同じであり、かつR
1とR
2のそれぞれの炭素数が異なる2種以上の化合物を含む、<1>~<13>のいずれかに記載の共界面活性剤。
<21>
前記共界面活性剤が、Xが単結合であり、R
1とR
2の合計炭素数が異なる2種以上の化合物を含有する場合、R
1とR
2の合計炭素数が、12である化合物、14である化合物、及び16である化合物から選択される2種以上の化合物の合計含有量は、75質量%以上である、<1>~<13>のいずれかに記載の共界面活性剤。
<22>
前記共界面活性剤が、Xが単結合であり、R
1とR
2の合計炭素数が異なる2種以上の化合物を含有する場合、R
1とR
2の合計炭素数が、12である化合物、14である化合物、及び16である化合物から選択される2種以上の化合物の合計含有量は、85質量%以上である、<1>~<13>のいずれかに記載の共界面活性剤。
<23>
前記共界面活性剤が、Xが単結合であり、R
1とR
2の合計炭素数が異なる2種以上の化合物を含有する場合、R
1とR
2の合計炭素数が、12である化合物、14である化合物、及び16である化合物から選択される2種以上の化合物の合計含有量は、95質量%以上である、<1>~<13>のいずれかに記載の共界面活性剤。
<24>
前記共界面活性剤が、Xが単結合であり、R
1とR
2の合計炭素数が異なる2種以上の化合物を含有する場合、R
1とR
2の合計炭素数が、12である化合物、14である化合物、及び16である化合物から選択される2種以上の化合物の合計含有量は、100質量%である、<1>~<13>のいずれかに記載の共界面活性剤。
<25>
前記共界面活性剤が、Xが単結合であり、R
1とR
2の合計炭素数が異なる2種以上の化合物を含有する場合、R
1とR
2の合計炭素数が、14である化合物、及び16である化合物の合計含有量は、75質量%以上である、<1>~<13>のいずれかに記載の共界面活性剤。
<26>
前記共界面活性剤が、Xが単結合であり、R
1とR
2の合計炭素数が異なる2種以上の化合物を含有する場合、R
1とR
2の合計炭素数が、14である化合物、及び16である化合物の合計含有量は、85質量%以上である、<1>~<13>のいずれかに記載の共界面活性剤。
<27>
前記共界面活性剤が、Xが単結合であり、R
1とR
2の合計炭素数が異なる2種以上の化合物を含有する場合、R
1とR
2の合計炭素数が、14である化合物、及び16である化合物の合計含有量は、95質量%以上である、<1>~<13>のいずれかに記載の共界面活性剤。
<28>
前記共界面活性剤が、Xが単結合であり、R
1とR
2の合計炭素数が異なる2種以上の化合物を含有する場合、R
1とR
2の合計炭素数が、14である化合物、及び16である化合物の合計含有量は、99質量%以上、より好ましくは100質量%である、<1>~<13>のいずれかに記載の共界面活性剤。
<29>
前記共界面活性剤が、化学式(1)で表される化合物において、R
1とR
2の合計炭素数が同じであり、かつR
1とR
2のそれぞれの炭素数が異なる2種以上の化合物を含む場合、R
1の炭素数が5以上かつR
2の炭素数が5以上の化合物の含有割合は、10質量%以上90質量%以下である、<1>~<13>のいずれかに記載の共界面活性剤。
<30>
前記共界面活性剤が、化学式(1)で表される化合物において、R
1とR
2の合計炭素数が同じであり、かつR
1とR
2のそれぞれの炭素数が異なる2種以上の化合物を含む場合、R
1の炭素数が5以上かつR
2の炭素数が5以上の化合物の含有割合は、20質量%以上80質量%以下である、<1>~<13>のいずれかに記載の共界面活性剤。
<31>
前記共界面活性剤が、化学式(1)で表される化合物において、R
1とR
2の合計炭素数が同じであり、かつR
1とR
2のそれぞれの炭素数が異なる2種以上の化合物を含む場合、R
1の炭素数が5以上かつR
2の炭素数が5以上の化合物の含有割合は、30質量%以上70質量%以下である、<1>~<13>のいずれかに記載の共界面活性剤。
<32>
前記共界面活性剤は、前記化学式(1)においてA
1及びA
2のいずれか一方は-OHであり、他方は-O-CH
2-CH(OH)-CH
2OHである化合物1、及び前記化学式(1)においてA
1及びA
2のいずれか一方は-OHであり、他方は-O-CH(-CH
2-OH)
2である化合物2を含有する、<1>~<31>のいずれかに記載の共界面活性剤。
<33>
前記化合物1の含有量は、前記化合物1と前記化合物2の合計に対し、好ましくは1質量%以上、より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは40質量%以上、より更に好ましくは50質量%以上であり、好ましくは99質量%以下、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは80質量%以下である、<32>に記載の共界面活性剤。
<34>
前記化合物1の含有量は、前記化合物1と前記化合物2の合計に対し、好ましくは1~99質量%、より好ましくは30~99質量%、更に好ましくは40~90質量%、より更に好ましくは50~80質量%である、<32>に記載の共界面活性剤。
<35>
界面活性剤及び<1>~<34>のいずれかに記載の共界面活性剤を含有する界面活性剤組成物。
<36>
前記界面活性剤は、イオン性または非イオン界面活性剤である、<35>に記載の界面活性剤組成物。
<37>
前記界面活性剤組成物中の前記界面活性剤の含有量は、0.01質量%以上80質量%以下である、<35>又は<36>に記載の界面活性剤組成物。
<38>
前記界面活性剤組成物中の前記界面活性剤の含有量は、0.1質量%以上50質量%以下である、<35>又は<36>に記載の界面活性剤組成物。
<39>
前記界面活性剤組成物中の前記界面活性剤の含有量は、1質量%以上30質量%以下である、<35>又は<36>に記載の界面活性剤組成物。
<40>
前記界面活性剤組成物中の前記共界面活性剤の含有量は、界面活性剤と共界面活性剤の合計含有量に対して、10質量%以上90質量%以下である、<35>~<39>のいずれかに記載の界面活性剤組成物。
<41>
前記界面活性剤組成物中の前記共界面活性剤の含有量は、界面活性剤と共界面活性剤の合計含有量に対して、20質量%以上70質量%以下である、<35>~<39>のいずれかに記載の界面活性剤組成物。
<42>
前記界面活性剤組成物中の前記共界面活性剤の含有量は、界面活性剤と共界面活性剤の合計含有量に対して、30質量%以上50質量%以下である、<35>~<39>のいずれかに記載の界面活性剤組成物。
<43>
前記界面活性剤組成物は、溶剤を含有する、<35>~<42>のいずれかに記載の界面活性剤組成物。
<44>
前記界面活性剤組成物中の前記溶剤の含有量は、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは10質量%以下、より更に好ましくは5質量%以下、より更に好ましくは1質量%以下である、<43>に記載の界面活性剤組成物。
<45>
前記界面活性剤組成物は、乳化剤組成物、濡れ剤組成物、浸透剤組成物、油回収用組成物、又は洗浄剤組成物である、<35>~<44>のいずれかに記載の界面活性剤組成物。
<46>
前記油回収用組成物は、好ましくは原油回収用組成物、より好ましくはEOR(Enhanced Oil Recovery)用組成物、更に好ましくはケミカルEOR用組成物である、<45>に記載の界面活性剤組成物。
<47>
前記界面活性剤組成物は、洗浄剤として用いられる、<35>~<44>のいずれかに記載の界面活性剤組成物。
<48>
前記界面活性剤組成物は、衣料用液体洗剤、食器用洗剤、毛髪用洗浄料、身体用洗浄料、精密部品用洗浄剤、又は硬質表面用洗浄剤として用いられる、<35>~<44>のいずれかに記載の界面活性剤組成物。
<49>
<1>~<34>のいずれかに記載の共界面活性剤を含有する油回収用組成物。
<50>
さらに界面活性剤を含有する、<49>に記載の油回収用組成物。
<51>
前記界面活性剤は、イオン性または非イオン界面活性剤である、<50>に記載の油回収用組成物。
<52>
前記油回収用組成物中の前記界面活性剤の含有量は、0.01質量%以上80質量%以下である、<50>又は<51>に記載の油回収用組成物。
<53>
前記油回収用組成物中の前記界面活性剤の含有量は、0.1質量%以上50質量%以下である、<50>又は<51>に記載の油回収用組成物。
<54>
前記油回収用組成物中の前記界面活性剤の含有量は、1質量%以上30質量%以下である、<50>又は<51>に記載の油回収用組成物。
<55>
前記油回収用組成物中の前記共界面活性剤の含有量は、界面活性剤と共界面活性剤の合計含有量に対して、10質量%以上90質量%以下である、<50>~<54>のいずれかに記載の油回収用組成物。
<56>
前記油回収用組成物中の前記共界面活性剤の含有量は、界面活性剤と共界面活性剤の合計含有量に対して、20質量%以上70質量%以下である、<50>~<54>のいずれかに記載の油回収用組成物。
<57>
前記油回収用組成物中の前記共界面活性剤の含有量は、界面活性剤と共界面活性剤の合計含有量に対して、30質量%以上50質量%以下である、<50>~<54>のいずれかに記載の油回収用組成物。
<58>
前記油回収用組成物は、好ましくは原油回収用組成物、より好ましくはEOR(Enhanced Oil Recovery)用組成物、更に好ましくはケミカルEOR用組成物である、<49>~<57>のいずれかに記載の油回収用組成物。
<59>
<35>~<44>のいずれかに記載の界面活性剤組成物の油回収用組成物としての使用。
<60>
<35>~<44>のいずれかに記載の界面活性剤組成物のEOR用組成物としての使用。
【実施例】
【0055】
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明する。なお、表中に特に示さない限り、各成分の含有量は質量%を示す。また、各種測定方法は以下のとおりである。
【0056】
<オレフィンの二重結合分布の測定方法>
オレフィンの二重結合分布は、ガスクロマトグラフィー(以下、GCと省略)により測定した。具体的には、オレフィンに対しジメチルジスルフィドを反応させることでジチオ化誘導体とした後、各成分をGCで分離した。それぞれのピーク面積よりオレフィンの二重結合分布を求めた。なお、測定に使用した装置および分析条件は次の通りである。
GC装置:商品名HP6890(HEWLETT PACKARD社製)
カラム:商品名Ultra-Alloy-1HTキャピラリーカラム30m×250μm×0.15μm(フロンティア・ラボ株式会社製)
検出器:水素炎イオン検出器(FID)
インジェクション温度:300℃
ディテクター温度:350℃
オーブン:60℃(0min.)→2℃/min.→225℃→20℃/min.→350℃→350℃(5.2min.)
【0057】
<構造異性体の含有量比の測定方法>
アルキルグリセリルエーテル0.05g、トリフルオロ酢酸無水物0.2g、重クロロホルム1gを混合し、1H-NMRにて測定を行った。測定条件は以下のとおりである。
核磁気共鳴装置:Agilent 400-MR DD2、アジレント・テクノロジー株式会社製
観測範囲:6410.3Hz
データポイント:65536
測定モード:Presat
パルス幅:45°
パルス遅延時間:10sec
積算回数:128回
【0058】
<内部オレフィンの製造>
製造例A1
(炭素数16の内部オレフィン(内部オレフィン1)の製造)
撹拌装置付きフラスコに1-ヘキサデカノール(製品名:カルコール6098、花王株式会社製)7000g(28.9モル)、固体酸触媒としてγ―アルミナ(STREMChemicals,Inc社)700g(原料アルコールに対して10wt%)を仕込み、撹拌下、280℃にて系内に窒素(7000mL/分)を流通させながら32時間反応を行った。反応終了後のアルコール転化率は100%、C16オレフィン純度は99.6%であった。得られた粗C16内部オレフィンを蒸留器に移し、136~160℃/4.0mmHgで蒸留することでオレフィン純度100%の内部オレフィン1を得た。得られた内部オレフィン1の二重結合分布はC1位0.2%、C2位15.8%、C3位14.5%、C4位15.7%、C5位17.3%、C6位16.5%、C7位、8位の合計が20.0%であった。
【0059】
製造例A2
(炭素数18の内部オレフィン(内部オレフィン2)の製造)
撹拌装置付き反応器に1-オクタデカノール(製品名:カルコール8098、花王株式会社製)800kg(3.0キロモル)、固体酸触媒として活性アルミナGP-20(水澤化学工業株式会社)80kg(原料アルコールに対して10wt%)を仕込み、撹拌下、280℃にて系内に窒素(15L/分)を流通させながら16時間反応を行った。反応終了後のアルコール転化率は100%、C18オレフィン純度は98.7%であった。得られた粗C18内部オレフィンを蒸留器に移し、163~190℃/4.6mmHgで蒸留することでオレフィン純度100%の内部オレフィン2を得た。得られた内部オレフィン2の二重結合分布はC1位0.3%、C2位13.3%、C3位12.6%、C4位13.9%、C5位14.8%、C6位13.7%、C7位12.6、C8位、9位の合計が18.8%であった。
【0060】
製造例A3
(炭素数14の内部オレフィン(内部オレフィン3)の製造)
製造例A1の1-ヘキサデカノール(製品名:カルコール6098、花王株式会社製)28.9モルに代えて、1-テトラデカノール(製品名:カルコール4098、花王株式会社製)28.9モルを用いた以外は、製造例A1と同様の製造方法で、内部オレフィン3を得た。得られた内部オレフィン3の二重結合分布はC1位1.3%、C2位31.8%、C3位23.8%、C4位21.0%、C5位8.5%、C6位、7位の合計が13.6%であった。
【0061】
<内部エポキシドの製造>
製造例B1
(炭素数16の内部エポキシド(内部エポキシド1)の製造)
撹拌装置付きフラスコに製造例A1で得た内部オレフィン1(800g、3.56モル)、酢酸(和光純薬工業株式会社製)107g(1.78モル)、硫酸(和光純薬工業株式会社製)15.6g(0.15モル)、35%過酸化水素(和光純薬工業株式会社製)415.7g(4.28モル)、硫酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)25.3g(0.18モル)を仕込み、50℃で4時間反応した。その後、70℃に昇温し更に2時間反応を行った。反応後、分層して水層を抜出し、油層をイオン交換水、飽和炭酸ナトリウム水溶液(和光純薬工業株式会社製)、飽和亜硫酸ナトリウム水溶液(和光純薬工業株式会社製)、1%食塩水(和光純薬工業株式会社製)にて洗浄を行いエバポレーターにて濃縮し、内部エポキシド1を820g得た。
【0062】
製造例B2
(炭素数18の内部エポキシド(内部エポキシド2)の製造)
撹拌装置付きフラスコに製造例A2で得た内部オレフィン2(595g、2.38モル)、酢酸(和光純薬工業株式会社製)71.7g(1.20モル)、硫酸(和光純薬工業株式会社製)9.8g(0.10モル)、35%過酸化水素(和光純薬工業株式会社製)324g(4.00モル)を仕込み、50℃で4時間反応した。その後、80℃に昇温し更に5時間反応を行った。反応後、分層して水層を抜出し、油層をイオン交換水、飽和炭酸ナトリウム水溶液(和光純薬工業株式会社製)、飽和亜硫酸ナトリウム水溶液(和光純薬工業株式会社製)、イオン交換水にて洗浄を行いエバポレーターにて濃縮し、内部エポキシド2を629g得た。
【0063】
製造例B3
(炭素数14の内部エポキシド(内部エポキシド3)の製造)
製造例A1で得た内部オレフィン1(3.56モル)に代えて、製造例A3で得た内部オレフィン3(3.56モル)を用いた以外は製造例B1と同様にして、内部エポキシド3を得た。
【0064】
<エポキシドとグリセリンの反応物(アルキルグリセリルエーテル、AGE)の製造>
以下、アルキルグリセリルエーテルをAGEと記載する。また、AGE1、AGE2、AGE3、などは、それぞれ、アルキルグリセリルエーテル1、アルキルグリセリルエーテル2、アルキルグリセリルエーテル3、などを表す。
【0065】
製造例C1
(内部エポキシド1とグリセリンの反応物(AGE1)の製造)
撹拌装置付きフラスコにグリセリン(和光純薬工業株式会社製)2298g(25.0モル)、98%硫酸(和光純薬工業株式会社製)0.122g(1.25ミリモル)を仕込み130℃に昇温した。その後、製造例B1で得た内部エポキシド1(300g、1.25モル)を1時間かけ滴下した後、130℃/8時間反応を行った。この反応により得られた液にヘキサンを加えイオン交換水にて水洗を行った後、エバポレーターにて減圧濃縮を行い、AGE1を400g得た。得られたAGE1は、前記化学式(1)において、R1及びR2はそれぞれ炭素数1~13のアルキル基を含み、R1とR2の合計炭素数が14であり、Xが単結合であり、A1及びA2のいずれか一方は-OHであり、他方は-O-CH2-CH(OH)-CH2OH又は-O-CH(-CH2-OH)2であり、A1又はA2が-O-CH2-CH(OH)-CH2OHであるエーテルアルコール1(グリセリンの1位の水酸基とエポキシ基が反応して得られるAGE)を73%、A1又はA2が-O-CH(-CH2-OH)2であるエーテルアルコール2(グリセリンの2位の水酸基とエポキシ基が反応して得られるAGE)を27%含んでいた。
【0066】
製造例C2
(内部エポキシド2とグリセリンの反応物(AGE2)の製造)
製造例B1で得た内部エポキシド1(1.25モル)に代えて、製造例B2で得た内部エポキシド2(1.25モル)を用いた以外は、製造例C1と同様の製造方法で、AGE2を得た。得られたAGE2は、前記化学式(1)において、R1及びR2はそれぞれ炭素数1~15のアルキル基を含み、R1とR2の合計炭素数が16であり、Xが単結合であり、A1及びA2のいずれか一方は-OHであり、他方は-O-CH2-CH(OH)-CH2OH又は-O-CH(-CH2-OH)2であり、グリセリンの1位の水酸基とエポキシ基が反応して得られるAGEを72%、グリセリンの2位の水酸基とエポキシ基が反応して得られるAGEを28%含んでいた。
【0067】
製造例C3
(内部エポキシド3とグリセリンの反応物(AGE3)の製造)
製造例B1で得た内部エポキシド1(1.25モル)に代えて、製造例B3で得た内部エポキシド3(1.25モル)を用いた以外は、製造例C1と同様の製造方法で、AGE3を得た。得られたAGE3は、前記化学式(1)において、R1及びR2はそれぞれ炭素数1~11のアルキル基を含み、R1とR2の合計炭素数が12であり、Xが単結合であり、A1及びA2のいずれか一方は-OHであり、他方は-O-CH2-CH(OH)-CH2OH又は-O-CH(-CH2-OH)2であり、グリセリンの1位の水酸基とエポキシ基が反応して得られるAGEを74%、グリセリンの2位の水酸基とエポキシ基が反応して得られるAGEを26%含んでいた。
【0068】
実施例1及び2で使用した薬剤は以下の通りである。
界面活性剤1:ラウリル硫酸ナトリウム(エマール10G、花王株式会社製)
界面活性剤2:ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩(ラテムルE-118B、花王株式会社製)
界面活性剤3:オレイン酸カリ石鹸(OSソープ、花王株式会社製)
界面活性剤4:デシルグルコシド(マイドール10、花王株式会社製)
界面活性剤5:ラウリルグルコシド(マイドール12、花王株式会社製)
界面活性剤6:ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド(コータミン24P、花王株式会社製)
共界面活性剤1:製造例C2で得たAGE2
共界面活性剤2:製造例C1で得たAGE1
共界面活性剤3:製造例C3で得たAGE3
共界面活性剤4:イソステアリルグリセリルエーテル(ペネトールGE-IS、花王株式会社製)
比較品1:ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル(エマルゲン103、花王株式会社製)
比較品2:ポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテル(エマルゲン109P、花王株式会社製)
比較品3:2-エチルヘキシルグリセリルエーテル(なお、2-エチルヘキシルグリセリルエーテルは、例えば、特開2008-156289号公報の段落[0002]及び[0003]に記載の方法により製造することができる。)
【0069】
<助剤効果の評価>
実施例1(実施例1-1~1-14、比較例1-1~1-18)
50mLスクリュー管に、表1又は表2に記載の油剤とイオン交換水を体積比1:1で40mL入れ、表1又は表2に記載の各界面活性剤と各共界面活性剤を40mLに対して表1又は表2に記載の割合で添加した。30秒間振とう直後、スライドガラスに液滴を1滴乗せ、カバーガラスで挟み、デジタルマイクロスコープVHX-6000(キーエンス社製)を用いて倍率500倍で観察した。液滴中のミセルの粒径を測定し、ミセル100個の粒径の算術平均として平均粒径(μm)を求めた。助剤効果は下記式で算出した。平均粒径は小さいほど好ましく、助剤効果は値が大きい方が効果が高い。
助剤効果=〔平均粒径(共界面活性剤なし)/平均粒径(共界面活性剤あり)〕/(共界面活性剤の合計質量/界面活性剤と共界面活性剤の合計質量)
【0070】
【0071】
【0072】
<マイクロエマルション形成能の評価>
実施例2(実施例2-1~2-12、比較例2-1~2-8)
NaCl:CaCl2=20:6の質量比で、イオン交換水で調整し、表3又は表4記載の各塩濃度になるように塩水溶液を調製した。50mLスクリュー管に、各油剤と調製した塩水溶液を体積比1:1で40mL入れ、表3又は表4に記載の各界面活性剤と各共界面活性剤を40mLに対して表3又は表4に記載の割合で添加して密閉し、30秒間振とうした。80℃で3日間静置後に外観を観察した。3層に分離している場合に、「マイクロエマルション形成あり」、それ以外は「マイクロエマルション形成なし」とした。結果を表3又は表4に示す。
【0073】
【0074】
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明の共界面活性剤は、界面活性剤ミセルの小粒径化、及びマイクロエマルション形成能の発現等の界面活性剤の機能を向上させるための助剤として有用である。