(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-07
(45)【発行日】2024-08-16
(54)【発明の名称】耐腐食性が改善された導管加熱装置および方法
(51)【国際特許分類】
C03B 5/167 20060101AFI20240808BHJP
C03B 5/225 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
C03B5/167
C03B5/225
(21)【出願番号】P 2021547185
(86)(22)【出願日】2020-01-29
(86)【国際出願番号】 US2020015644
(87)【国際公開番号】W WO2020167472
(87)【国際公開日】2020-08-20
【審査請求日】2023-01-24
(32)【優先日】2019-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】ゴラー,マーティン ハーバート
(72)【発明者】
【氏名】ライアン,ニコラス スコット
(72)【発明者】
【氏名】シュヴェンケ,ジョージ クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】チョ,ヨンデ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジンス
(72)【発明者】
【氏名】イ,ソン-グク
(72)【発明者】
【氏名】マーフィー,ジェイムズ パトリック
(72)【発明者】
【氏名】パーマー,ブライアン マイケル
【審査官】永田 史泰
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第107935360(CN,A)
【文献】特開2018-83739(JP,A)
【文献】特表2011-513173(JP,A)
【文献】特開2011-173787(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03B5/00-5/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導管加熱装置において、
導管の少なくとも一部を周囲から取り囲む環状加熱素子であって、中に冷却流体を流すように作られた環状通路を含む環状加熱素子、
を備え、
前記環状加熱素子は、雰囲気中に含まれる耐火セラミック材料により少なくとも部分的に取り囲まれており、
前記雰囲気の露点は、前記冷却流体の温度より高く、
前記加熱素子は、金属または金属合金から作られた
環状リングと界面領域
とを含み、該界面領域は、前記環状通路と前記耐火セラミック材料との間に延在し、該界面領域と該耐火セラミック材料との間の境界での該界面領域の温度は、前記雰囲気の露点よりも高い、導管加熱装置。
【請求項2】
前記環状リングが、前記環状通路の少なくとも一部と前記耐火セラミック材料との間に
設けられている、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記金属または金属合金が、ニッケル、銅、パラジウム、または白金もしくはその合金から選択される、請求項1
または2記載の装置。
【請求項4】
前記冷却流体が液体を含む、請求項1から
3いずれか1項記載の装置。
【請求項5】
導管を加熱する方法において、
環状加熱素子で導管の少なくとも一部を周囲から取り囲む工程であって、該環状加熱素子は、環状通路およびその中を流れる冷却流体を含む、工程、
を有してなり、
前記環状加熱素子は、雰囲気中に含まれる耐火セラミック材料により少なくとも部分的に取り囲まれており、
前記雰囲気の露点は、前記冷却流体の温度より高く、
前記加熱素子は、金属または金属合金から作られた
環状リングと界面領域
とを含み、該界面領域は、前記環状通路と前記耐火セラミック材料との間に延在し、該界面領域と該耐火セラミック材料との間の境界での該界面領域の温度は、前記雰囲気の露点よりも高い、方法。
【請求項6】
前記環状リングが、前記環状通路の少なくとも一部と前記耐火セラミック材料との間に
設けられている、請求項
5記載の方法。
【請求項7】
前記金属または金属合金が、ニッケル、銅、パラジウム、または白金もしくはその合金から選択される、請求項
5または6記載の方法。
【請求項8】
前記冷却流体が液体を含む、請求項
5から7いずれか1項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【優先権】
【0001】
本出願は、その内容が依拠され、ここに全て引用される、2019年2月14日に出願された米国仮特許出願第62/805332号の米国法典第35編第119条の下での優先権の恩恵を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本開示は、広く、ガラス溶融システムに使用される金属製導管などの導管の加熱に関し、より詳しくは、耐腐食性が改善された導管の加熱に関する。
【背景技術】
【0003】
テレビや、電話およびタブレットなどの携帯型機器を含む、ディスプレイ用途のためのガラスシートなどのガラス物品の製造において、溶融材料は、典型的に、白金などの貴金属からなる導管など、1つ以上の導管を通して運ばれる。そのような導管は、例えば、導管を周囲から取り囲む金属材料から作られた、電力が供給されるフランジによって、直接加熱することができる。水冷通路は、フランジの温度を管理するのに役立ち得る。
【0004】
そのようなシステムにおいて、導管は、典型的に、雰囲気制御カプセル内にさらに収容されることのある耐火セラミック材料などの耐火材料で覆われている。その雰囲気制御カプセルは、典型的に、流体冷却通路の温度より実質的に高い露点を有する、比較的湿った環境である。その通路の外部が耐火材料と直接接触している場合、水が、通路と耐火材料の界面に沿って凝縮し、これにより、通路の材料の腐食が著しく加速され、それによって、通路だけでなく、フランジの耐用年数が短くなり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
システムの操作パラメータまたは能力に実質的に悪影響を与えない、この問題に対する解決策を見つけることが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ここに開示された実施の形態は、導管加熱装置を含む。その導管加熱装置は、導管の少なくとも一部を周囲から取り囲む環状加熱素子を備える。この環状加熱素子は、中に冷却流体を流すように作られた環状通路を含む。この環状加熱素子は、雰囲気中に含まれる耐火セラミック材料により少なくとも部分的に取り囲まれている。その雰囲気の露点は、冷却流体の温度より高い。その加熱素子は、金属または金属合金から作られた界面領域を含む。その界面領域は、環状通路と耐火セラミック材料との間に延在する。その界面領域と耐火セラミック材料との間の境界での界面領域の温度は、その雰囲気の露点よりも高い。
【0007】
ここに開示された実施の形態は、導管を加熱する方法も含む。その方法は、環状加熱素子で導管の少なくとも一部を周囲から取り囲む工程を含む。その環状加熱素子は、環状通路およびその中を流れる冷却流体を含む。その環状加熱素子は、雰囲気中に含まれる耐火セラミック材料により少なくとも部分的に取り囲まれている。その雰囲気の露点は、冷却流体の温度より高い。その加熱素子は、金属または金属合金から作られた界面領域を含む。その界面領域は、環状通路と耐火セラミック材料との間に延在する。その界面領域と耐火セラミック材料との間の境界での界面領域の温度は、その雰囲気の露点よりも高い。
【0008】
ここに開示された実施の形態の追加の特徴および利点は、以下の詳細な説明に述べられており、一部には、その説明から当業者に容易に明白となるか、または以下の詳細な説明、特許請求の範囲、並びに添付図面を含む、ここに記載されたように開示された実施の形態を実施することによって、認識されるであろう。
【0009】
先の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方とも、請求項に記載された実施の形態の性質および特性を理解するための概要または骨子を与える意図がある実施の形態を提示していることを理解すべきである。添付図面は、さらなる理解を与えるために含まれ、本明細書に包含され、その一部を構成する。図面は、本開示の様々な実施の形態を示しており、その記載とともに、その原理および作動を説明する働きをする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】例示のフュージョンダウンドローガラス製造装置および過程の概略図
【
図2】導管の一部を周囲から取り囲む環状加熱素子の斜視図
【
図3】導管を周囲から取り囲み、雰囲気中に含まれる耐火セラミック材料により取り囲まれた環状加熱素子の概略正面切断図
【
図4】環状冷却流体通路を含む環状加熱素子の一部の概略側面切断図
【
図5】環状冷却流体通路を取り囲む環状シェルおよび環状冷却流体通路と環状シェルとの間に延在する流体間隙を含む、環状加熱素子の一部の概略側面切断図
【
図6】代わりに作られた環状冷却流体通路を取り囲む環状シェルおよび環状冷却流体通路と環状シェルとの間に延在する流体間隙を含む、環状加熱素子の一部の概略側面切断図
【
図7】代わりに作られた環状冷却流体通路を取り囲む環状シェルおよび環状冷却流体通路と環状シェルとの間に延在する流体間隙を含む、環状加熱素子の一部の概略側面切断図
【
図8】環状冷却流体通路の少なくとも一部と耐火セラミック材料との間に環状リングを含む、環状加熱素子の一部の概略側面切断図
【
図9A】環状シェルを含む環状加熱素子の一部の拡大側面切断図
【
図9B】環状リングを含む環状加熱素子の一部の拡大側面切断図
【
図10A】環状冷却流体通路の少なくとも一部と耐火セラミック材料との間に環状リングの代わりの実施の形態を含む環状加熱素子の一部の概略側面切断図
【
図10B】環状冷却流体通路の少なくとも一部と耐火セラミック材料との間に環状リングの代わりの実施の形態を含む環状加熱素子の一部の拡大側面切断図
【
図11】環状加熱素子の中心が導管の中心からずれている、導管を周囲から取り囲み、耐火セラミック材料により取り囲まれた環状加熱素子の概略正面切断図
【発明を実施するための形態】
【0011】
ここで、その例が添付図面に示されている、本開示の現在好ましい実施の形態を詳しく参照する。できるときはいつでも、同じまたは同様の部分を称するために、図面に亘り同じ参照番号が使用される。しかしながら、本開示は、多くの異なる形態で具体化されることがあり、ここに述べられた実施の形態に限定されるものと解釈すべきではない。
【0012】
範囲は、「約」ある特定の値から、および/または「約」別の特定の値まで、としてここに表すことができる。そのような範囲が表された場合、別の実施の形態は、そのある特定の値から、および/または他方の特定の値までを含む、同様に、例えば、「約」という先行詞を使用して、値が近似として表されている場合、特定の値は別の実施の形態を形成することが理解されよう。範囲の各々の端点が、他方の端点に関してと、他方の端点と関係なくの両方で有意であることがさらに理解されよう。
【0013】
ここに用いられているような方向を示す用語-例えば、上、下、右、左、前、後ろ、上部、底部-は、描かれた図面に関してのみ用いられ、絶対的な向きを暗示する意図はない。
【0014】
特に明記のない限り、ここに述べられたどの方法も、その工程が特定の順序で行われることを必要とする、またはどの装置についても、特定の向きが要求されると解釈されることは決して意図されていない。したがって、方法の請求項が、その工程が従うべき順序を実際に列挙していない場合、または装置の請求項が、個々の構成要素に関する順序または向きを実際に列挙していない場合、もしくは請求項または記載に、工程が特定の順序に限定されること、または装置の構成要素に対する特定の順序または向きが列挙されていない場合、どの点に関しても、順序または向きが暗示されることは決して意図されていない。このことは、工程の配列、操作の流れ、構成要素の順序、または構成要素の向き;文法構成または句読法に由来する明白な意味;および明細書に記載された実施の形態の数またはタイプに関する論理事項を含む、解釈に関するどの可能性のある非表現基準にも適用される。
【0015】
ここに用いられているように、名詞は、内容が明白に他に示していない限り、複数の対象を含む。それゆえ、例えば、コンポーネントに対する言及は、内容が明白に他に示していない限り、そのようなコンポーネントを2つ以上有する態様を含む。
【0016】
図1に、例示のガラス製造装置10が示されている。いくつかの例では、ガラス製造装置10は、溶融槽14を含むことのできるガラス溶融炉12を備え得る。溶融槽14に加え、ガラス溶融炉12は、必要に応じて、原材料を加熱し、その原材料を溶融ガラスに転化する加熱素子(例えば、燃焼バーナまたは電極)などの1つ以上の追加の構成要素を含み得る。さらなる例において、ガラス溶融炉12は、その溶融槽の近傍から失われる熱を減少させる熱管理器具(例えば、断熱構成要素)を含むことがある。またさらなる例において、ガラス溶融炉12は、原材料のガラス溶融物への溶融を促進させる電子装置および/または電気機械装置を含むことがある。さらにまた、ガラス溶融炉12は、支持構造(例えば、支持シャーシ、支持部材など)または他の構成要素を含むことがある。
【0017】
ガラス溶融槽14は、典型的に、耐火セラミック材料、例えば、アルミナまたはジルコニアから作られた耐火セラミック材料などの耐火材料からなる。いくつかの例において、ガラス溶融槽14は、耐火セラミックレンガから構成されることがある。ガラス溶融槽14の具体的な実施の形態が、下記により詳しく記載されている。
【0018】
いくつかの例において、前記ガラス溶融炉は、ガラス基板、例えば、連続長のガラスリボンを製造するためのガラス製造装置の構成要素として組み込まれることがある。いくつかの例において、本開示のガラス溶融炉は、スロットドロー装置、フロート浴装置、フュージョン法などに使用するためのダウンドロー装置、アップドロー装置、圧延装置、管引き抜き装置またはここに開示された態様から恩恵を受けるであろう任意の他のガラス製造装置を含むガラス製造装置の構成要素として組み込まれることがある。例として、
図1は、個々のガラスシートに後で加工されるためのガラスリボンをフュージョンドローするためのフュージョンダウンドローガラス製造装置10の構成要素としてのガラス溶融炉12を概略示す。
【0019】
ガラス製造装置10(例えば、フュージョンダウンドロー装置10)は、必要に応じて、ガラス溶融槽14に対して上流に位置付けられた上流ガラス製造装置16を備えることができる。いくつかの例において、上流ガラス製造装置16の一部または全部は、ガラス溶融炉12の一部として組み込まれることがある。
【0020】
図示された例に示されるように、上流ガラス製造装置16は、貯蔵容器18、原材料送達装置20およびその原材料送達装置に接続されたモータ22を備え得る。貯蔵容器18は、矢印26で示されるように、ガラス溶融炉12の溶融槽14に供給できる多量の原材料24を貯蔵するように作られることがある。原材料24は、典型的に、1種類以上のガラス形成金属酸化物および1種類以上の改質剤を含む。いくつかの例において、原材料送達装置20は、原材料送達装置20が貯蔵容器18から溶融槽14に所定量の原材料24を送達するようにモータ22により駆動することができる。さらなる例では、モータ22は、原材料送達装置20に動力を供給して、溶融槽14の下流で検出された溶融ガラスのレベルに基づく制御速度で原材料24を導入する。溶融槽14内の原材料24は、その後、加熱されて、溶融ガラス28を形成することができる。
【0021】
ガラス製造装置10は、必要に応じて、ガラス溶融炉12に対して下流に位置する下流ガラス製造装置30も備え得る。いくつかの例において、下流ガラス製造装置30の一部が、ガラス溶融炉12の一部として組み込まれることがある。下記に述べられる第1の接続導管32、または下流ガラス製造装置30の他の部分が、ガラス溶融炉12の一部として組み込まれることがある。第1の接続導管32を含む、その下流ガラス製造装置の要素は、貴金属から形成されることがある。適切な貴金属としては、白金、イリジウム、ロジウム、オスミウム、ルテニウムおよびパラジウム、またはその合金からなる金属の群より選択される白金族金属が挙げられる。例えば、そのガラス製造装置の下流構成要素は、約70質量%から約90質量%の白金および約10質量%から約30質量%のロジウムを含む白金・ロジウム合金から形成されることがある。しかしながら、他の適切な金属として、モリブデン、パラジウム、レニウム、タンタル、チタン、タングステン、およびその合金が挙げられる。
【0022】
下流ガラス製造装置30は、溶融槽14の下流に位置し、上述した第1の接続導管32により溶融槽14に連結された、清澄槽34などの第1の状態調節(すなわち、処理)容器を含み得る。いくつかの例において、溶融ガラス28は、第1の接続導管32により溶融槽14から清澄槽34に重力供給されることがある。例えば、重力は、第1の接続導管32の内部通路を通って溶融槽14から清澄槽34に溶融ガラス28を通過させることがある。しかしながら、他の状態調節容器を、溶融槽14の下流、例えば、溶融槽14と清澄槽34との間に、配置してもよいことを理解すべきである。いくつかの実施の形態において、状態調節容器は、溶融槽と清澄槽との間で利用されることがあり、ここで、主要溶融槽からの溶融ガラスは、さらに加熱されて溶融過程を継続するか、または清澄槽に入る前に、溶融槽内の溶融ガラスの温度より低い温度に冷却される。
【0023】
様々な技術によって、清澄槽34内の溶融ガラス28から気泡を除去することができる。例えば、原材料24は、加熱されたときに、化学還元反応を経て、酸素を放出する酸化スズなどの多価化合物(すなわち、清澄剤)を含むことがある。他の適切な清澄剤としては、制限なく、ヒ素、アンチモン、鉄およびセリウムが挙げられる。清澄槽34は、溶融槽の温度より高い温度に加熱され、それによって、溶融ガラスおよび清澄剤を加熱する。清澄剤の温度により誘発する化学的還元により生じる酸素バブルは、清澄槽内の溶融ガラス中を上昇し、そこで、溶融炉内で生成された溶融ガラス中の気体は、清澄剤により生じた酸素バブル中に拡散するまたはまとまることができる。次いで、拡大した気泡は、清澄槽中の溶融ガラスの自由表面まで上昇し、その後、清澄槽から放出され得る。酸素バブルは、清澄槽中の溶融ガラスの機械的混合をさらに誘発し得る。
【0024】
下流ガラス製造装置30は、溶融ガラスを混合するための混合槽36などの別の状態調節容器をさらに含み得る。混合槽36は、清澄槽34より下流に位置付けられることがある。混合槽36は、均質なガラス溶融組成物を提供し、それによって、そうでなければ、清澄槽を出る清澄済みの溶融ガラス内に存在するであろう化学的または熱的不均一性のすじを減少させるために使用することができる。図から分かるように、清澄槽34は、第2の接続導管38により混合槽36に連結されることがある。いくつかの例において、溶融ガラス28は、第2の接続導管38により清澄槽34から混合槽36に重力供給されることがある。例えば、重力は、第2の接続導管38の内部通路を通って清澄槽34から混合槽36に溶融ガラス28を通過させることがある。混合槽36が、清澄槽34の下流に示されているが、混合槽36は、清澄槽34の上流に位置していてもよいことに留意すべきである。いくつかの実施の形態において、下流ガラス製造装置30は、多数の混合槽、例えば、清澄槽34の上流の混合槽と、清澄槽34の下流の混合槽とを含むことがある。これらの多数の混合槽は、同じ設計のものであっても、または異なる設計のものであってもよい。
【0025】
下流ガラス製造装置30は、混合槽36の下流に配置されることがある供給槽40などの別の状態調節容器をさらに含み得る。供給槽40は、下流の成形装置に供給すべき溶融ガラス28を状態調節することがある。例えば、供給槽40は、溶融ガラス28の一貫した流れを調節する、および/または出口導管44により成形体42に提供するための滞留装置および/または流量調整器として機能できる。図から分かるように、混合槽36は、第3の接続導管46により供給槽40に連結されることがある。ある場合には、溶融ガラス28は、第3の接続導管46により混合槽36から供給槽40に重力供給されることがある。例えば、重力は、第3の接続導管46の内部通路を通って混合槽36から供給槽40に溶融ガラス28を運ぶことがある。
【0026】
下流ガラス製造装置30は、上述した成形体42および入口導管50を備えた成形装置48をさらに備え得る。出口導管44は、溶融ガラス28を供給槽40から成形装置48の入口導管50に供給するように位置付けることができる。例えば、例において、出口導管44は、入口導管50内に入れ子にされ、その内面から間隔が開けられ、それによって、出口導管44の外面と入口導管50の内面との間に位置付けられた溶融ガラスの自由表面を提供することがある。フュージョンダウンロード式ガラス製造装置における成形体42は、その成形体の上面に位置付けられた樋52、およびその成形体の底部エッジ56に沿って延伸方向に集束する集束成形面54を含み得る。供給槽40、出口導管44および入口導管50を介して成形体の樋に供給された溶融ガラスは、その樋の側壁を溢れ、溶融ガラスの別々の流れとして集束成形面54に沿って下降する。この溶融ガラスの別々の流れは、底部エッジ56に沿ってその下で結合して、ガラスの単一リボン58を生成し、これは、ガラスが冷め、ガラスの粘度が増加するときのガラスリボンの寸法を制御するために、重力、エッジロール72および牽引ロール82などにより、ガラスリボンに張力を印加することによって、底部エッジ56から延伸または流動方向60に延伸される。したがって、ガラスリボン58は、粘弾性転移を経て、ガラスリボン58に安定した寸法特徴を与える機械的性質を獲得する。ガラスリボン58は、いくつかの実施の形態において、ガラスリボンの弾性領域にあるときに、ガラス分割装置100により個々のガラスシート62に分割されることがある。次いで、ロボット64が、把持器具65を使用して、個々のガラスシート62を搬送システムに移送することがあり、その後すぐ、個々のガラスシートは、さらに加工されることがある。
【0027】
図2は、導管の一部を周囲から取り囲む環状加熱素子100の斜視図を示しており、この導管は、
図2において、接続導管38として示されているが、1つ以上の環状加熱素子100が、
図1に示された導管のいずれを周囲から取り囲んでもよいことを理解すべきである。特定の例示の実施の形態において、環状加熱素子100は、接続導管38と同じまたは類似の材料から作られることがある。例えば、接続導管が白金から作られている場合、環状加熱素子100も白金から作られることがある。環状加熱素子100は、他の材料、例えば、ニッケル;銅;およびニッケル、銅、ロジウム、パラジウム、および白金の少なくとも1つを含む合金;の少なくとも1つから作られることもある。それに加え、環状加熱素子100は、当業者に公知のように、電源など、他の動力源(図示せず)に接続されることがある。これは、次に、環状加熱素子100の抵抗加熱を生じることができ、これは、次に、接続導管38、並びに接続導管38を流れる、溶融ガラス28などの溶融材料を所望の温度に加熱することができる。
【0028】
図3は、導管(すなわち、接続導管38)を周囲から取り囲み、雰囲気300内に収容された耐火セラミック材料200により取り囲まれている環状加熱素子100の概略正面切断図を示す。環状加熱素子100は、比較的厚い領域104により周囲から取り囲まれた比較的薄い領域102を備え、この比較的厚い領域は、次に、中に冷却流体を流すように作られた環状通路106により周囲から取り囲まれている。
【0029】
比較的薄い領域102、比較的厚い領域104、および環状通路106は、互いに同じまたは異なる材料から作られることがある。例えば、特定の実施の形態において、比較的薄い領域102、比較的厚い領域104、および環状通路106の各々は、ニッケル;銅;およびニッケル、銅、ロジウム、パラジウム、および白金の少なくとも1つを含む合金;の少なくとも1つから作られている。
【0030】
耐火セラミック材料200は、どの特定の材料にも限定されないが、例えば、アルミナ、ジルコン、アルミン酸カルシウム、ジルコニア、およびカルシウム、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、およびジルコニウムの少なくとも1つを含む酸化物セラミックの少なくとも1つから作られることがある。例えば、ここに開示された実施の形態に、その全ての開示がここに引用される、国際公開第2009/058330号に開示されたような、導管を取り囲み、例えば、溶融ジルコニアから作られたクレドールシェル、およびそのシェル内の少なくとも1つの不定形耐火材料を含むシステム内に耐火セラミック材料200が含まれているものがある。
【0031】
雰囲気300は、導管(すなわち、接続導管38)および耐火セラミック材料200を含む、ガラス製造装置30の少なくとも一部の周りの環境を制御するシステム内に含まれ、維され得る。そのシステムは、例えば、個々のガラスシート62におけるガス状含有物および表面膨れの形成を抑制するように、ガラス製造装置30の少なくとも一部の周りの水素のレベルを制御するために使用される制御システムおよびカプセルを備えることができる。そのシステムは、溶融ガラス28がガラス製造装置30内の複数の容器間を移動している間に溶融ガラス28を冷却するのに役立たせるために使用することもできる。そのシステムは、容器の貴金属の酸化を減少させるように、容器の周りに最小の酸素を含むために雰囲気300を維持するために使用することもできる。例示のシステムが、その全ての開示がここに引用される、国際公開第2006/115972号に示され、記載されている。
【0032】
図4は、環状冷却流体通路106を備えた環状加熱素子100の一部の概略側面切断図を示す。
図3に示された実施の形態について、環状加熱素子100は、比較的厚い領域104により周囲から取り囲まれた比較的薄い領域102を備え、この比較的厚い領域は、次に、中に冷却流体150を流すように作られた環状通路106により周囲から取り囲まれている。環状通路106を備えた環状加熱素子100は、耐火セラミック材料200により取り囲まれている。
【0033】
特定の例示の実施の形態において、冷却流体150は、例えば、水などの液体を含み得る。冷却流体150は、油および/または耐腐食性添加剤も含むことがある。冷却流体150は、例えば、空気、窒素、酸素、ヘリウム、水素、およびネオンから選択される少なくとも1種類の気体などの気体を含むことがある。
【0034】
冷却流体150の温度は、どの特定の値にも限定されないが、特定の例示の実施の形態において、約0℃から約60℃、さらに、約10℃から約50℃、またさらに、約20℃から約40℃、なおまたさらに、約25℃から約35℃など、約60℃以下であり得る。
【0035】
ここに開示された実施の形態は、雰囲気300の露点が冷却流体150の温度より高い実施の形態を含む。雰囲気300の露点は、どの特定の値にも限定されないが、特定の例示の実施の形態において、少なくとも約65℃、さらに少なくとも約70℃、約60℃から約100℃、さらに約65℃から約95℃、またさらに約70℃から約90℃など、少なくとも約60℃であり得る。
【0036】
特定の例示の実施の形態において、雰囲気300の露点は、冷却流体150の温度より、約5℃から約70℃、約10℃から約60℃、さらに約15℃から約50℃、またさらに約20℃から約40℃高いを含む、少なくとも約10℃、さらに少なくとも約15℃、またさらに少なくとも約20℃、またさらには少なくとも約25℃、なおさらにまた少なくとも約30℃高いなど、少なくとも約5℃高い。
【0037】
図5は、中に冷却流体150を流すように作られた環状通路106および環状冷却流体通路106と環状シェル108との間に延在する流体間隙160を取り囲む環状シェル108を含む、環状加熱素子100の一部の拡大側面切断図を示す。環状シェル108を含む、環状加熱素子100は、耐火セラミック材料200により取り囲まれている。環状シェル108および流体間隙160は、環状通路106と耐火セラミック材料200との間に延在する界面領域(
図9AにIとして示されている)を含む。
【0038】
図6は、中に冷却流体150を流すように作られた、比較的厚い領域104との接触度合いが大きい、代わりに作られた環状通路106および環状冷却流体通路106と環状シェル108との間に延在する流体間隙160を取り囲む環状シェル108を含む、環状加熱素子100の一部の拡大側面切断図を示す。環状シェル108を含む、環状加熱素子100は、耐火セラミック材料200により取り囲まれている。環状シェル108および流体間隙160は、環状通路106と耐火セラミック材料200との間に延在する界面領域(
図9AにIとして示されている)を含む。
【0039】
図7は、中に冷却流体150を流すように作られた、D形断面を有する、代わりに作られた環状通路106および環状冷却流体通路106と環状シェル108との間に延在する流体間隙160を取り囲む環状シェル108を含む、環状加熱素子100の一部の拡大側面切断図を示す。環状シェル108を含む、環状加熱素子100は、耐火セラミック材料200により取り囲まれている。環状シェル108および流体間隙160は、環状通路106と耐火セラミック材料200との間に延在する界面領域(
図9AにIとして示されている)を含む。
【0040】
図8は、中に冷却流体150を流すように作られた環状通路106の少なくとも一部と、耐火セラミック材料200との間に環状リング110を含む、環状加熱素子100の一部の拡大側面切断図を示す。環状リング110を含む、環状加熱素子100は、耐火セラミック材料200により取り囲まれている。環状リング110は、環状通路106と耐火セラミック材料200との間に延在する界面領域(
図9BにIとして示されている)を含む。特定の例示の実施の形態において、環状リング110は、ニッケル;銅;およびニッケル、銅、ロジウム、パラジウム、および白金の少なくとも1つを含む合金;の少なくとも1つから作られ得る。
【0041】
図9Aおよび9Bは、それぞれ、環状シェル108(
図9A)または環状リング110(
図9B)を含む、環状加熱素子100の一部の拡大側面切断図を示す。界面領域Iと耐火セラミック材料200との間の境界Bでの界面領域Iの温度は、雰囲気(
図3に300として示されている)の露点より高い。
【0042】
図10Aおよび10Bは、それぞれ、中に冷却流体150を流すように作られた環状通路106の少なくとも一部と耐火セラミック材料200との間に環状リング110の代わりの実施の形態を含む、環状加熱素子100の一部の拡大側面切断図および拡大側面切断図を示す。環状リング110を含む、環状加熱素子100は、耐火セラミック材料200により取り囲まれている。環状リング110は、環状通路106と耐火セラミック材料200との間に延在する界面領域(
図10BにIとして示されている)を含む。界面領域Iと耐火セラミック材料200との間の境界Bでの界面領域Iの温度は、雰囲気(
図3に300として示されている)の露点より高い。特定の例示の実施の形態において、環状リング110は、ニッケル;銅;およびニッケル、銅、ロジウム、パラジウム、および白金の少なくとも1つを含む合金:の少なくとも1つから作られ得る。
【0043】
したがって、ここに開示された実施の形態は、界面領域Iと耐火セラミック材料200との間の境界Bでの界面領域Iの温度が、雰囲気300の露点より高く、雰囲気300の露点は、環状通路106を流れる冷却流体150の温度より高い実施の形態を含む。例えば、特定の実施の形態において、界面領域Iと耐火セラミック材料200との間の境界Bでの界面領域Iの温度は、雰囲気300の露点より、約10℃から約50℃など、約5℃から約100℃高いを含む、少なくとも約10℃、さらに少なくとも約15℃高いなど、少なくとも約5℃高く、雰囲気300の露点は、環状通路106を流れる冷却流体150の温度より、約10℃から約60℃、さらに約15℃から約50℃、またさらに約20℃から約40℃など、約5℃から約70℃高いを含む、少なくとも約10℃、さらに少なくとも約15℃、またさらに少なくとも約20℃、さらにまた少なくとも約25℃、なおさらにまた少なくとも約30℃高いなど、少なくとも約5℃高い。
【0044】
特定の例示の実施の形態において、界面領域Iと耐火セラミック材料200との間の境界Bでの界面領域Iの温度は、約75℃から約150℃、さらに約85℃から約125℃を含む、約65℃から約200℃など、少なくとも約75℃、さらに少なくとも約85℃など、少なくとも約65℃である。一方で、界面領域Iと耐火セラミック材料200との間の境界Bでの界面領域Iの温度は、雰囲気300の露点より高く、雰囲気300の露点は、冷却流体150の温度より高く、ここで、冷却流体150の温度は、約0℃から約60℃、さらに約10℃から約50℃、またさらに約20℃から約40℃、なおまたさらに約25℃から約35℃など、約60℃以上である。
【0045】
特定の例示の実施の形態において、雰囲気300の露点は、約60℃から約100℃、さらに約65℃から約95℃、またさらに約70℃から約90など、少なくとも約65℃、さらに少なくとも約70℃など、少なくとも約60℃である。一方で、界面領域Iと耐火セラミック材料200との間の境界Bでの界面領域Iの温度は、雰囲気300の露点より高く、雰囲気300の露点は、冷却流体150の温度より高い。
【0046】
界面領域Iが、例えば、
図5~7および9Aに示されたものなど、流体間隙160を含む場合、流体間隙160は、例えば、空気などの気体を含み得る。それに加え、流体間隙160中の気体の温度および露点は、所定の温度および露点の範囲内にあるように制御することができる。例えば、流体間隙160中の気体の温度は、雰囲気300の露点より高いように制御することができる。それに加え、流体間隙160中の気体の露点は、環状通路106を流れる冷却流体150の温度より低いように制御することができる。
【0047】
例えば、流体間隙160中の気体の温度は、界面領域Iと耐火セラミック材料200との間の境界Bでの界面領域Iの温度を雰囲気300の露点より高くするのに役立つように制御することができる。特定の例示の実施の形態において、流体間隙160中の気体の温度は、約70℃から約100℃を含む、約60℃から約120など、少なくとも約60℃であり得る。一方で、流体間隙160中の気体の露点は、約-15℃から約15℃を含む、約-25℃から約25℃など、例えば、約15℃未満など、約25℃未満であり得る。
【0048】
特定の例示の実施の形態において、流体間隙160は、例えば、油などの疎水性液体などの液体も含むことがある。流体間隙は、耐腐食性添加剤を含む水性液体など、親水性液体を含むこともある。
【0049】
図11は、導管38を周囲から取り囲み、耐火セラミック材料200により取り囲まれた環状加熱素子100の概略正面切断図を示し、環状加熱素子100の中心Xが、導管38の中心Yからずれている。
図3に示された実施の形態に関するように、環状加熱素子100は、比較的厚い領域104により周囲から取り囲まれた比較的薄い領域102を備え、この比較的厚い領域は、次に、中に冷却流体を流すように作られた環状通路106により周囲から取り囲まれている。いくつかの例において、環状加熱素子100を導管38からずらすことにより、導管材料を通るより均一に分布した流れを可能にすることができる。
【0050】
先の実施の形態は、フュージョンダウンドロー法に関して記載してきたが、そのような実施の形態は、フロート法、スロットドロー法、アップドロー法、管引き抜き法、および圧延法など、他のガラス成形過程にも適用できる。
【0051】
本開示の精神および範囲から逸脱せずに、本開示の実施の形態に様々な改変および変更を行えることが当業者に明白であろう。それゆえ、本開示は、そのような改変および変更を、それらが付随の特許請求の範囲およびその等価物の範囲に入るという条件で、包含することが意図されている。
【0052】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0053】
実施形態1
導管加熱装置において、
導管の少なくとも一部を周囲から取り囲む環状加熱素子であって、中に冷却流体を流すように作られた環状通路を含む環状加熱素子、
を備え、
前記環状加熱素子は、雰囲気中に含まれる耐火セラミック材料により少なくとも部分的に取り囲まれており、
前記雰囲気の露点は、前記冷却流体の温度より高く、
前記加熱素子は、金属または金属合金から作られた界面領域を含み、該界面領域は、前記環状通路と前記耐火セラミック材料との間に延在し、該界面領域と該耐火セラミック材料との間の境界での該界面領域の温度は、前記雰囲気の露点よりも高い、導管加熱装置。
【0054】
実施形態2
前記界面領域が、前記環状通路を取り囲む環状シェルおよび該環状通路と該環状シェルとの間に延在する流体間隙を含む、実施形態1に記載の装置。
【0055】
実施形態3
前記流体間隙が空気を含む、実施形態2に記載の装置。
【0056】
実施形態4
前記流体間隙が気体を含み、該気体の温度および露点が、所定の温度および露点の範囲内にあるように制御される、実施形態2に記載の装置。
【0057】
実施形態5
前記気体の温度が前記雰囲気の露点より高いように制御され、該気体の露点が前記冷却流体の温度より低いように制御される、実施形態4に記載の装置。
【0058】
実施形態6
前記界面領域が、前記環状通路の少なくとも一部と前記耐火セラミック材料との間に環状リングを含む、実施形態1に記載の装置。
【0059】
実施形態7
前記金属または金属合金が、ニッケル、銅、パラジウム、または白金もしくはその合金から選択される、実施形態1に記載の装置。
【0060】
実施形態8
前記冷却流体が液体を含む、実施形態1に記載の装置。
【0061】
実施形態9
前記液体が水を含む、実施形態8に記載の装置。
【0062】
実施形態10
前記冷却流体が、空気、窒素、酸素、ヘリウム、水素、およびネオンから選択された少なくとも1種類の気体を含む、実施形態1に記載の装置。
【0063】
実施形態11
導管を加熱する方法において、
環状加熱素子で導管の少なくとも一部を周囲から取り囲む工程であって、該環状加熱素子は、環状通路およびその中を流れる冷却流体を含む、工程、
を有してなり、
前記環状加熱素子は、雰囲気中に含まれる耐火セラミック材料により少なくとも部分的に取り囲まれており、
前記雰囲気の露点は、前記冷却流体の温度より高く、
前記加熱素子は、金属または金属合金から作られた界面領域を含み、該界面領域は、前記環状通路と前記耐火セラミック材料との間に延在し、該界面領域と該耐火セラミック材料との間の境界での該界面領域の温度は、前記雰囲気の露点よりも高い、方法。
【0064】
実施形態12
前記界面領域が、前記環状通路を取り囲む環状シェルおよび該環状通路と該環状シェルとの間に延在する流体間隙を含む、実施形態11に記載の方法。
【0065】
実施形態13
前記流体間隙が空気を含む、実施形態12に記載の方法。
【0066】
実施形態14
前記流体間隙が気体を含み、該気体の温度および露点が、所定の温度および露点の範囲内にあるように制御される、実施形態12に記載の方法。
【0067】
実施形態15
前記気体の温度が前記雰囲気の露点より高いように制御され、該気体の露点が前記冷却流体の温度より低いように制御される、実施形態14に記載の方法。
【0068】
実施形態16
前記界面領域が、前記環状通路の少なくとも一部と前記耐火セラミック材料との間に環状リングを含む、実施形態11に記載の方法。
【0069】
実施形態17
前記金属または金属合金が、ニッケル、銅、パラジウム、または白金もしくはその合金から選択される、実施形態11に記載の方法。
【0070】
実施形態18
前記冷却流体が液体を含む、実施形態11に記載の方法。
【0071】
実施形態19
前記液体が水を含む、実施形態18に記載の方法。
【0072】
実施形態20
前記冷却流体が、空気、窒素、酸素、ヘリウム、水素、およびネオンから選択された少なくとも1種類の気体を含む、実施形態11に記載の方法。
【符号の説明】
【0073】
10 ガラス製造装置
12 ガラス溶融炉
14 溶融槽
16 上流ガラス製造装置
18 貯蔵容器
20 原材料送達装置
22 モータ
24 原材料
28 溶融ガラス
30 下流ガラス製造装置
32 第1の接続導管
34 清澄槽
36 混合槽
38 第2の接続導管
40 供給槽
42 成形体
44 出口導管
46 第3の接続導管
48 成形装置
50 入口導管
52 樋
54 成形面
56 底部エッジ
58 単一リボン
62 ガラスシート
64 ロボット
65 把持器具
100 環状加熱素子
102 比較的薄い領域
104 比較的厚い領域
106 環状通路
108 環状シェル
150 冷却流体
160 流体間隙
200 耐火セラミック材料
300 雰囲気