(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-07
(45)【発行日】2024-08-16
(54)【発明の名称】ピリダジン化合物および除草剤
(51)【国際特許分類】
C07D 409/04 20060101AFI20240808BHJP
A01P 13/00 20060101ALI20240808BHJP
A01N 47/02 20060101ALI20240808BHJP
A01N 47/06 20060101ALI20240808BHJP
A01N 43/58 20060101ALI20240808BHJP
C07D 409/14 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
C07D409/04 CSP
A01P13/00
A01N47/02
A01N47/06 D
A01N43/58 B
C07D409/14
(21)【出願番号】P 2021548909
(86)(22)【出願日】2020-09-23
(86)【国際出願番号】 JP2020035682
(87)【国際公開番号】W WO2021060236
(87)【国際公開日】2021-04-01
【審査請求日】2023-02-27
(31)【優先権主張番号】P 2019174532
(32)【優先日】2019-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004307
【氏名又は名称】日本曹達株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100194250
【氏名又は名称】福原 直志
(74)【代理人】
【識別番号】100189337
【氏名又は名称】宮本 龍
(72)【発明者】
【氏名】三原 健
(72)【発明者】
【氏名】池田 庸二
(72)【発明者】
【氏名】瀧 ゆきな
(72)【発明者】
【氏名】加登 一成
【審査官】早乙女 智美
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-528960(JP,A)
【文献】米国特許第05723411(US,A)
【文献】国際公開第2013/050421(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A01P
A01N
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で表される化合物またはその塩。
【化1】
式(I)中、
R
1は、置換若しくは無置換のC1~6アルキル基、置換若しくは無置換のC2~6アルケニル基
、または置換若しくは無置換のC3~6シクロアルキル基を示し、
R
2は、水素原子、置換若しくは無置換のC1~6アルキル基
、R
a-CO-で表される基、R
aO-CO-で表される基
、R
a-SO
2-で表される基、R
a-CO-O-CR
b
2-で表される基、またはR
aO-CO-O-CR
b
2-で表される基を示し、
R
aは、それぞれ独立に、置換若しくは無置換のC1~6アルキル基
、置換若しくは無置換のフェニル基
、または置換若しくは無置換の
ピラゾリル基を示し、
R
bは、それぞれ独立に、水素原子、または置換若しくは無置換のC1~6アルキル基を示し、
R
3は、水素原子、置換若しくは無置換のC1~6アルキル基
、または置換若しくは無置換のC3~6シクロアルキル基を示し、
R
4は、ハロゲノ基、置換若しくは無置換のC1~6アルキル基、置換若しくは無置換のC1~6アルコキシ基
、またはシアノ基を示し、
R
5は、水素原子またはハロゲノ基を示し、
R
6は、水素原
子を示し、
Aは、置換若しくは無置換のC1~4アルキレン
基を示し、
X
1は
、スルホニル基を示し、
X
2は
、スルフェニル基、
またはスルホニル
基を示し
、
mは、0または1を示し、nは、0または1を示し、且つ
mとnの和は、1または2であり、且つAが置換若しくは無置換のメチレン基である場合、mとnの和は2である。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物およびその塩からなる群から選ばれる少なくともひとつを有効成分として含有する除草剤。
【請求項3】
有用植物における単子葉類および/または双子葉類の雑草を防除する方法であって、請求項1に記載の化合物若しくはその塩、または前記化合物を含有する除草剤を、前記雑草および/または前記植物および/またはその場所に施用する工程を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピリダジン化合物およびそれを有効成分として含有する除草剤に関する。
本願は、2019年9月25日に、日本に出願された特願2019-174532号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
農園芸作物の栽培において、雑草の防除のために、除草剤を使用することがある。除草剤の有効成分としてこれまでに種々の化合物が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1は式(A)で表されるピリダジン化合物などを開示している。
【化1】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
除草剤は、雑草の防除効果に優れているだけでなく、作物に対して薬害が少ないこと、環境に残留し難く且つ環境を汚染しないことなどが要求される。
本発明の課題は、低薬量でも確実な雑草防除効果を奏し、作物に対する薬害が少なく、且つ環境への安全性が高い、除草剤の有効成分として有用な新規ピリダジン化合物および除草剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を達成すべく検討した結果、以下の形態を包含する本発明を完成するに至った。
【0007】
[1]式(I)で表される化合物またはその塩。
【化2】
式(I)中、
R
1は、置換若しくは無置換のC1~6アルキル基、置換若しくは無置換のC2~6アルケニル基、置換若しくは無置換のC2~6アルキニル基、または置換若しくは無置換のC3~6シクロアルキル基を示し、
R
2は、水素原子、置換若しくは無置換のC1~6アルキル基、置換若しくは無置換のC2~6アルケニル基、置換若しくは無置換のC2~6アルキニル基、R
a-CO-で表される基、R
aO-CO-で表される基、R
aNH-CO-で表される基、R
a
2N-CO-で表される基、R
a-SO
2-で表される基、R
a-CO-O-CR
b
2-で表される基、またはR
aO-CO-O-CR
b
2-で表される基を示し、
R
aは、それぞれ独立に、置換若しくは無置換のC1~6アルキル基、置換若しくは無置換のC2~6アルケニル基、置換若しくは無置換のC2~6アルキニル基、置換若しくは無置換のC3~6シクロアルキル基、置換若しくは無置換のフェニル基、置換若しくは無置換のナフチル基、または置換若しくは無置換の5~6員ヘテロシクリル基を示し、
R
bは、それぞれ独立に、水素原子、または置換若しくは無置換のC1~6アルキル基を示し、
R
3は、水素原子、置換若しくは無置換のC1~6アルキル基、置換若しくは無置換のC2~6アルケニル基、置換若しくは無置換のC2~6アルキニル基、または置換若しくは無置換のC3~6シクロアルキル基を示し、
R
4は、ハロゲノ基、置換若しくは無置換のC1~6アルキル基、置換若しくは無置換のC1~6アルコキシ基、置換若しくは無置換のフェニル基、置換若しくは無置換のナフチル基、置換若しくは無置換の5~6員ヘテロアリール基、またはシアノ基を示し、
R
5は、水素原子またはハロゲノ基を示し、
R
6は、水素原子またはハロゲノ基を示し、
Aは、置換若しくは無置換のC1~4アルキレン基、置換若しくは無置換のC2~3アルケニレン基、または置換若しくは無置換のC1~2アルキレンオキシC1~C2アルキレン基を示し、
X
1は、酸素原子、またはスルホニル基を示し、
X
2は、酸素原子、スルフェニル基、スルフィニル基、スルホニル基、-S(=NR
c)-で表される基、または-S(=O)(=NR
c)-で表される基を示し、
R
cは、それぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換のC1~6アルキル基、置換若しくは無置換のフェニル基、置換若しくは無置換のナフチル基、またはシアノ基を示し、
mは、0または1を示し、nは、0または1を示し、且つ
mとnの和は、1または2であり、且つAが置換若しくは無置換のメチレン基である場合、mとnの和は2である。
【0008】
〔2〕 前記〔1〕に記載の化合物およびその塩からなる群から選ばれる少なくともひとつを有効成分として含有する除草剤。
〔3〕 有用植物における単子葉類および/または双子葉類の雑草を防除する方法であって、前記〔1〕に記載の化合物若しくはその塩、または前記化合物を含有する除草剤を、前記雑草および/または前記植物および/またはその場所に施用する工程を含む、方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明のピリダジン化合物は、低薬量でも確実な雑草防除効果を奏し、作物に対する薬害が少なく、且つ環境への安全性が高いので、除草剤の有効成分として有用である。本発明の除草剤は、農園芸作物の栽培において、雑草の防除のために安心して使用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のピリダジン化合物(以下、簡単のために「本発明化合物」ということがある。)は、式(I)で表される化合物(化合物(I)ということがある。)または化合物(I)の塩である。化合物(I)は、水和物、各種溶媒和物、結晶多形等も含まれる。化合物(I)は、不斉炭素、二重結合などに基づく立体異性体や、互変異性体が存在し得る。このような異性体及びそれらの混合物は全て本発明の技術的範囲に包含される。
【0011】
本明細書において使われる「無置換(unsubstituted)」の用語は、母核となる基のみであることを意味する。「置換」との記載がなく母核となる基の名称のみで記載しているときは、別段の断りがない限り「無置換」の意味である。
一方、「置換(substituted)」の用語は、母核となる基のいずれかの水素原子が、母核と同一または異なる構造の基(置換基)で置換されていることを意味する。従って、「置換基」は、母核となる基に結合した他の基である。置換基は1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。2つ以上の置換基は同じでもよいし、異なってもよい。
「C1~6」などの用語は、母核となる基の炭素原子数が1~6個などであることを表している。この炭素原子数には、置換基の中にある炭素原子の数を含まない。例えば、置換基としてエトキシ基を有するブチル基は、C2アルコキシC4アルキル基に分類する。
【0012】
「置換基」は化学的に許容され、本発明の効果を有する限りにおいて特に制限されない。以下に「置換基」となり得る基を例示する。
メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、i-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基などのC1~6アルキル基;
ビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基(アリル基)、1-ブテニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、1-メチル-2-プロペニル基、2-メチル-2-プロペニル基などのC2~6アルケニル基;
エチニル基、1-プロピニル基、2-プロピニル基、1-ブチニル基、2-ブチニル基、3-ブチニル基、1-メチル-2-プロピニル基などのC2~6アルキニル基;
【0013】
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのC3~6シクロアルキル基;
フェニル基、ナフチル基;
ベンジル基、フェネチル基などのフェニルC1~6アルキル基;
3~6員ヘテロシクリル基;
3~6員へテロシクリルC1~6アルキル基;
【0014】
水酸基;
メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、i-プロポキシ基、n-ブトキシ基、s-ブトキシ基、i-ブトキシ基、t-ブトキシ基などのC1~6アルコキシ基;
ビニルオキシ基、アリルオキシ基、プロペニルオキシ基、ブテニルオキシ基などのC2~6アルケニルオキシ基;
エチニルオキシ基、プロパルギルオキシ基などのC2~6アルキニルオキシ基;
フェノキシ基、ナフトキシ基;
ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基などのフェニルC1~6アルコキシ基;
チアゾリルオキシ基、ピリジルオキシ基などの5~6員ヘテロアリールオキシ基;
チアゾリルメチルオキシ基、ピリジルメチルオキシ基などの5~6員ヘテロアリールC1~6アルキルオキシ基;
【0015】
ホルミル基;
アセチル基、プロピオニル基などのC1~6アルキルカルボニル基;
ホルミルオキシ基;
アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基などのC1~6アルキルカルボニルオキシ基;
ベンゾイル基;
メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n-プロポキシカルボニル基、i-プロポキシカルボニル基、n-ブトキシカルボニル基、t-ブトキシカルボニル基などのC1~6アルコキシカルボニル基;
メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、n-プロポキシカルボニルオキシ基、i-プロポキシカルボニルオキシ基、n-ブトキシカルボニルオキシ基、t-ブトキシカルボニルオキシ基などのC1~6アルコキシカルボニルオキシ基;
カルボキシル基;
【0016】
フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などのハロゲノ基;
クロロメチル基、クロロエチル基、トリフルオロメチル基、1,2-ジクロロ-n-プロピル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、1-フルオロ-n-ブチル基などのC1~6ハロアルキル基;
2-クロロ-1-プロペニル基、2-フルオロ-1-ブテニル基などのC2~6ハロアルケニル基;
4,4-ジクロロ-1-ブチニル基、4-フルオロ-1-ペンチニル基、5-ブロモ-2-ペンチニル基などのC2~6ハロアルキニル基;
トリフルオロメトキシ基、2,2,2-トリフルオロエトキシ基、2,3-ジクロロブトキシ基などのC1~6ハロアルコキシ基;
2-クロロプロペニルオキシ基、3-ブロモブテニルオキシ基などのC2~6ハロアルケニルオキシ基;
クロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、トリクロロアセチル基などのC1~6ハロアルキルカルボニル基;
【0017】
アミノ基;
メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などのC1~6アルキル置換アミノ基;
アニリノ基、ナフチルアミノ基;
ベンジルアミノ基、フェネチルアミノ基などのフェニルC1~6アルキルアミノ基;
ホルミルアミノ基;
アセチルアミノ基、プロパノイルアミノ基、ブチリルアミノ基、i-プロピルカルボニルアミノ基などのC1~6アルキルカルボニルアミノ基;
メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、n-プロポキシカルボニルアミノ基、i-プロポキシカルボニルアミノ基などのC1~6アルコキシカルボニルアミノ基;
アミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、N-フェニル-N-メチルアミノカルボニル基などの無置換若しくは置換基を有するアミノカルボニル基;
イミノメチル基、(1-イミノ)エチル基、(1-イミノ)-n-プロピル基などのイミノC1~6アルキル基;
N-ヒドロキシ-イミノメチル基、(1-(N-ヒドロキシ)-イミノ)エチル基、(1-(N-ヒドロキシ)-イミノ)プロピル基、N-メトキシ-イミノメチル基、(1-(N-メトキシ)-イミノ)エチル基などの置換若しくは無置換のN-ヒドロキシイミノC1~6アルキル基;
アミノカルボニルオキシ基;
エチルアミノカルボニルオキシ基、ジメチルアミノカルボニルオキシ基などのC1~6アルキル置換アミノカルボニルオキシ基;
【0018】
メルカプト基;
メチルチオ基、エチルチオ基、n-プロピルチオ基、i-プロピルチオ基、n-ブチルチオ基、i-ブチルチオ基、s-ブチルチオ基、t-ブチルチオ基などのC1~6アルキルチオ基;
トリフルオロメチルチオ基、2,2,2-トリフルオロエチルチオ基などのC1~6ハロアルキルチオ基;
フェニルチオ基;
チアゾリルチオ基、ピリジルチオ基などの5~6員ヘテロアリールチオ基;
【0019】
メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、t-ブチルスルフィニル基などのC1~6アルキルスルフィニル基;
トリフルオロメチルスルフィニル基、2,2,2-トリフルオロエチルスルフィニル基などのC1~6ハロアルキルスルフィニル基;
フェニルスルフィニル基;
チアゾリルスルフィニル基、ピリジルスルフィニル基などの5~6員ヘテロアリールスルフィニル基;
メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、t-ブチルスルホニル基などのC1~6アルキルスルホニル基;
トリフルオロメチルスルホニル基、2,2,2-トリフルオロエチルスルホニル基などのC1~6ハロアルキルスルホニル基;
フェニルスルホニル基;
チアゾリルスルホニル基、ピリジルスルホニル基などの5~6員ヘテロアリールスルホニル基;
メチルスルホニルオキシ基、エチルスルホニルオキシ基、t-ブチルスルホニルオキシ基などのC1~6アルキルスルホニルオキシ基;
トリフルオロメチルスルホニルオキシ基、2,2,2-トリフルオロエチルスルホニルオキシ基などのC1~6ハロアルキルスルホニルオキシ基;
【0020】
トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t-ブチルジメチルシリル基などのトリC1~6アルキル置換シリル基;
トリフェニルシリル基;
ペンタフルオロスルファニル基;
シアノ基;ニトロ基;
【0021】
また、これらの「置換基」は、前記置換基中のいずれかの水素原子が、異なる構造の基で置換されていてもよい。その場合の「置換基」としては、C1~6アルキル基、C1~6ハロアルキル基、C1~6アルコキシ基、C1~6ハロアルコキシ基、ハロゲノ基、シアノ基、ニトロ基などを挙げることができる。
【0022】
また、上記の「3~6員ヘテロシクリル基」とは、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選ばれる1~4個のヘテロ原子を環の構成原子として含む、3員環、4員環、5員環または6員環の基をいう。ヘテロシクリル基は、単環および多環のいずれであってもよい。多環ヘテロシクリル基は、少なくとも一つの環がヘテロ環であれば、残りの環が飽和脂環、不飽和脂環または芳香環のいずれであってもよい。「3~6員ヘテロシクリル基」としては、3~6員飽和ヘテロシクリル基、5~6員ヘテロアリール基、5~6員不飽和ヘテロシクリル基などを挙げることができる。
【0023】
3~6員飽和ヘテロシクリル基としては、アジリジニル基、エポキシ基、アゼチジニル基、ピロリジニル基、テトラヒドロフラニル基、ジオキソラニル基、テトラヒドロピラニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、ジオキサニル基などを挙げることができる。
5~6員不飽和ヘテロシクリル基としては、ピロリニル基、ジヒドロフラニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリニル基、オキサゾリニル基、イソオキサゾリニル基、チアゾリニル基、イソチアゾリニル基、ジヒドロピラニル基、ジヒドロオキサジニル基などを挙げることができる。
【0024】
5員ヘテロアリール基としては、ピロリル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、トリアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、テトラゾリル基などを挙げることができる。
6員ヘテロアリール基としては、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基などを挙げることができる。
【0025】
〔R1〕
R1は、置換若しくは無置換のC1~6アルキル基、置換若しくは無置換のC2~6アルケニル基、置換若しくは無置換のC2~6アルキニル基、または置換若しくは無置換のC3~6シクロアルキル基を示す。
【0026】
R1における「C1~6アルキル基」は、直鎖であってもよいし、分岐鎖であってもよい。R1における「C1~6アルキル基」としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、i-プロピル基、i-ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、i-ペンチル基、ネオペンチル基、2-メチルブチル基、i-ヘキシル基などを挙げることができる。
【0027】
R1における「C2~6アルケニル基」としては、ビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、1-メチル-2-プロペニル基、2-メチル-2-プロペニル基、1-ペンテニル基、2-ペンテニル基、3-ペンテニル基、4-ペンテニル基、1-メチル-2-ブテニル基、2-メチル-2-ブテニル基、1-ヘキセニル基、2-ヘキセニル基、3-ヘキセニル基、4-ヘキセニル基、5-ヘキセニル基などを挙げることができる。
【0028】
R1における「C2~6アルキニル基」としては、エチニル基、1-プロピニル基、2-プロピニル基、1-ブチニル基、2-ブチニル基、3-ブチニル基、1-メチル-2-プロピニル基、2-メチル-3-ブチニル基、1-ペンチニル基、2-ペンチニル基、3-ペンチニル基、4-ペンチニル基、1-メチル-2-ブチニル基、2-メチル-3-ペンチニル基、1-ヘキシニル基、1,1-ジメチル-2-ブチニル基などを挙げることができる。
【0029】
R1における「C1~6アルキル基」、「C2~6アルケニル基」、または「C2~6アルキニル基」上の置換基として、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などのハロゲノ基; 水酸基; メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、i-プロポキシ基、n-ブトキシ基、s-ブトキシ基、i-ブトキシ基、t-ブトキシ基などのC1~6アルコキシ基; 2-クロロ-n-プロポキシ基、2,3-ジクロロブトキシ基、トリフルオロメトキシ基などのC1~6ハロアルコキシ基; フェニル基、ナフチル基; 4-クロロフェニル基、4-トリフルオロメチルフェニル基、4-トリフルオロメトキシフェニル基などの、ハロゲノ基置換、C1~6ハロアルキル基置換若しくはC1~6ハロアルコキシ基置換のフェニル基; ハロゲノ基置換、C1~6ハロアルキル基置換若しくはC1~6ハロアルコキシ基置換のナフチル基; またはシアノ基; が好ましい。
【0030】
R1における「C3~6シクロアルキル基」としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。
【0031】
R1における「C3~8シクロアルキル基」上の置換基として、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などのハロゲノ基; メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、i-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基などのC1~6アルキル基; クロロメチル基、クロロエチル基、トリフルオロメチル基、1,2-ジクロロ-n-プロピル基、1-フルオロ-n-ブチル基などのC1~6ハロアルキル基; 水酸基; メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、i-プロポキシ基、n-ブトキシ基、s-ブトキシ基、i-ブトキシ基、t-ブトキシ基などのC1~6アルコキシ基; 2-クロロ-n-プロポキシ基、2,3-ジクロロブトキシ基、トリフルオロメトキシ基などのC1~6ハロアルコキシ基; またはシアノ基; が好ましい。
【0032】
本発明においては、R1は、置換若しくは無置換のC1~6アルキル基、置換若しくは無置換のC2~6アルケニル基、または置換若しくは無置換のC3~6シクロアルキル基であることが好ましい。
C1~6アルキル基上の置換基は、ハロゲノ基、またはC1~6アルコキシ基が好ましい。
【0033】
〔R2〕
R2は、水素原子、置換若しくは無置換のC1~6アルキル基、置換若しくは無置換のC2~6アルケニル基、置換若しくは無置換のC2~6アルキニル基、Ra-CO-で表される基、RaO-CO-で表される基、RaNH-CO-で表される基、Ra
2N-CO-で表される基、Ra-SO2-で表される基、Ra-CO-O-CRb
2-で表される基、またはRaO-CO-O-CRb
2-で表される基を示す。
【0034】
R2における置換若しくは無置換のC1~6アルキル基、置換若しくは無置換のC2~6アルケニル基、置換若しくは無置換のC2~6アルキニル基の具体例としては、R1において例示したものと同じものを挙げることができる。
【0035】
R2における「Ra-CO-で表される基」、「RaNH-CO-で表される基」、「Ra
2N-CO-で表される基」、「Ra-SO2-で表される基」、「Ra-CO-O-CRb
2-で表される基」、または「RaO-CO-O-CRb
2-で表される基」中、Raは、それぞれ独立して、置換若しくは無置換のC1~6アルキル基、置換若しくは無置換のC2~6アルケニル基、置換若しくは無置換のC2~6アルキニル基、置換若しくは無置換のC3~6シクロアルキル基、置換若しくは無置換のフェニル基、置換若しくは無置換のナフチル基、または置換若しくは無置換の5~6員ヘテロシクリル基を示す。
【0036】
Raにおける「C1~6アルキル基」としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、i-プロピル基、i-ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、i-ペンチル基、ネオペンチル基、2-メチルブチル基、i-ヘキシル基などを挙げることができる。
Raにおける「C2~6アルケニル基」としては、ビニル基、1-プロペニル基などを挙げることができる。
Raにおける「C2~6アルキニル基」としては、エチニル基、1-プロピニル基などを挙げることができる。
Raにおける「C1~6アルキル基」、「C2~6アルケニル基」、または「C2~6アルキニル基」上の置換基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などのハロゲノ基; 水酸基; メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、i-プロポキシ基、n-ブトキシ基、s-ブトキシ基、i-ブトキシ基、t-ブトキシ基などのC1~6アルコキシ基; 2-クロロ-n-プロポキシ基、2,3-ジクロロブトキシ基、トリフルオロメトキシ基などのC1~6ハロアルコキシ基; シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのC3~6シクロアルキル基; フェニル基、ナフチル基; 4-クロロフェニル基、4-トリフルオロメチルフェニル基、4-トリフルオロメトキシフェニル基などの、ハロゲノ基置換、C1~6ハロアルキル基置換若しくはC1~6ハロアルコキシ基置換のフェニル基; ハロゲノ基置換、C1~6ハロアルキル基置換若しくはC1~6ハロアルコキシ基置換のナフチル基; またはシアノ基; が好ましい。
【0037】
Raにおける「C3~6シクロアルキル基」としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。
【0038】
Raにおける「5~6員ヘテロシクリル基」とは、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選ばれる1、2、3または4個のヘテロ原子を環の構成原子として含む5員環または6員環の基である。ヘテロ原子が2個以上であるとき、それらは同じでもよいし、異なってもよい。「5~6員ヘテロシクリル基」としては、5~6員飽和ヘテロシクリル基、5~6員ヘテロアリール基、5~6員不飽和ヘテロシクリル基などを挙げることができる。
5~6員飽和ヘテロシクリル基としては、ピロリジニル基、テトラヒドロフラニル基、ジオキソラニル基、テトラヒドロピラニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、ジオキサニル基などを挙げることができる。
5員不飽和へテロシクリル基としては、ピロリニル基、ジヒドロフラニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリニル基、オキサゾリニル基、イソオキサゾリニル基、チアゾリニル基、イソチアゾリニル基などを挙げることができる。
6員不飽和ヘテロシクリル基としては、ジヒドロピラニル基、ジヒドロオキサジニル基などを挙げることができる。
5員ヘテロアリール基としては、ピロリル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、トリアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、テトラゾリル基などを挙げることができる。
6員ヘテロアリール基として、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基などを挙げることができる。
【0039】
Raにおける「C3~6シクロアルキル基」、「フェニル基」、「ナフチル基」または「5~6員ヘテロシクリル基」上の置換基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などのハロゲノ基; メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、i-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基などのC1~6アルキル基; クロロメチル基、クロロエチル基、トリフルオロメチル基、1,2-ジクロロ-n-プロピル基、1-フルオロ-n-ブチル基などのC1~6ハロアルキル基; 水酸基; メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、i-プロポキシ基、n-ブトキシ基、s-ブトキシ基、i-ブトキシ基、t-ブトキシ基などのC1~6アルコキシ基; 2-クロロ-n-プロポキシ基、2,3-ジクロロブトキシ基、トリフルオロメトキシ基などのC1~6ハロアルコキシ基; フェニル基、ナフチル基、; 4-クロロフェニル基、4-トリフルオロメチルフェニル基、4-トリフルオロメトキシフェニル基などの、ハロゲノ基置換、C1~6ハロアルキル基置換若しくはC1~6ハロアルコキシ基置換のフェニル基、 ハロゲノ基置換、C1~6ハロアルキル基置換若しくはC1~6ハロアルコキシ基置換のナフチル基; またはシアノ基; が好ましい。
【0040】
R2における「Ra-CO-で表される基」の具体例としては、アセチル基などを挙げることができる。
【0041】
R2における「RaO-CO-で表される基」の具体例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などを挙げることができる。
【0042】
R2における「RaNH-CO-で表される基」の具体例としては、N-メチルアミノカルボニル基、N-(i-プロピル)アミノカルボニル基などを挙げることができる。
【0043】
R2における「Ra
2N-CO-で表される基」の具体例としては、N,N-ジメチルアミノカルボニル基、N-(i-プロピル)-N-メチルアミノカルボニル基などを挙げることができる。
【0044】
R2における「Ra-SO2-で表される基」の具体例としては、メタンスルホニル基などを挙げることができる。
【0045】
R2における「Ra-CO-O-CRb
2-で表される基」または「RaO-CO-O-CRb
2-で表される基」中、Rbは、それぞれ独立に、水素原子、または置換若しくは無置換のC1~6アルキル基を示す。
Rbにおける「C1~6アルキル基」の具体例は、Raにおいて例示したものと同じものを挙げることができる。Rbにおける「C1~6アルキル基」上の置換基の具体例についても、Raにおいて例示したものと同じものを挙げることができる。
【0046】
R2における「Ra-CO-O-CRb
2-で表される基」の具体例としては、アセトキシメチル基、イソプロピルカルボニルオキシメチル基、1-アセトキシエチル基、1-イソプロピルカルボニルオキシエチル基などを挙げることができる。
【0047】
R2における「RaO-CO-O-CRb
2-で表される基」の具体例としては、メトキシカルボニルオキシメチル基、イソプロピルオキシカルボニルオキシメチル基、1-(メチルオキシカルボニルオキシ)エチル基、1-(イソプロピルオキシカルボニルオキシ)エチル基などを挙げることができる。
【0048】
本発明においては、R2は、水素原子、置換若しくは無置換のC1~6アルキル基、Ra-CO-で表される基、RaO-CO-で表される基、Ra-SO2-で表される基、Ra-CO-O-CRb
2-で表される基、またはRaO-CO-O-CRb
2-で表される基であることが好ましい。
Raは、置換若しくは無置換のC1~6アルキル基、置換若しくは無置換のフェニル基、または置換若しくは無置換の5~6員ヘテロシクリル基であることが好ましい。
Rbは、水素原子または置換若しくは無置換のC1~6アルキル基であることが好ましい。
R2における「C1~6アルキル基」上の置換基としては、ハロゲノ基、C1~6アルコキシ基、C1~6ハロアルコキシ基、フェニル基; ハロゲノ基置換、C1~6ハロアルキル基置換若しくはC1~6ハロアルコキシ基置換のフェニル基; またはシアノ基が好ましい。特には、C1~6アルコキシ基、フェニル基; またはハロゲノ基置換、C1~6ハロアルキル基置換若しくはC1~6ハロアルコキシ基置換のフェニル基;が好ましい。
【0049】
〔R3〕
R3は、水素原子、置換若しくは無置換のC1~6アルキル基、置換若しくは無置換のC2~6アルケニル基、置換若しくは無置換のC2~6アルキニル基、または置換若しくは無置換のC3~6シクロアルキル基を示す。
R3における置換若しくは無置換のC1~6アルキル基、置換若しくは無置換のC2~6アルケニル基、置換若しくは無置換のC2~6アルキニル基、または置換若しくは無置換のC3~6シクロアルキル基の具体例としては、R1において例示したものと同じものを挙げることができる。
【0050】
本発明においては、R3は、水素原子、置換若しくは無置換のC1~6アルキル基、または置換若しくは無置換のC3~6シクロアルキル基であることが好ましい。
C1~6アルキル基上の置換基は、ハロゲノ基が好ましい。
C3~6シクロアルキル基上の置換基は、ハロゲノ基またはC1~6アルキル基が好ましい。
【0051】
〔R4〕
R4は、ハロゲノ基、置換若しくは無置換のC1~6アルキル基、置換若しくは無置換のC1~6アルコキシ基、置換若しくは無置換のフェニル基、置換若しくは無置換のナフチル基、置換若しくは無置換の5~6員ヘテロアリール基、またはシアノ基を示す。
【0052】
R4における「ハロゲノ基」としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などを挙げることができる。
【0053】
R4における「C1~6アルキル基」は、直鎖であってもよいし、分岐鎖であってもよい。R4における「C1~6アルキル基」としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、i-プロピル基、i-ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、i-ペンチル基、ネオペンチル基、2-メチルブチル基、i-ヘキシル基などを挙げることができる。
【0054】
R4における「C1~6アルコキシ基」としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、n-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、i-プロポキシ基、i-ブトキシ基、s-ブトキシ基、t-ブトキシ基、i-ヘキシルオキシ基などを挙げることができる。
【0055】
R4における「C1~6アルキル基」または「C1~6アルコキシ基」上の置換基として、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などのハロゲノ基; 水酸基; メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、i-プロポキシ基、n-ブトキシ基、s-ブトキシ基、i-ブトキシ基、t-ブトキシ基などのC1~6アルコキシ基; 2-クロロ-n-プロポキシ基、2,3-ジクロロブトキシ基、トリフルオロメトキシ基などのC1~6ハロアルコキシ基; フェニル基、ナフチル基; 4-クロロフェニル基、4-トリフルオロメチルフェニル基、4-トリフルオロメトキシフェニル基などの、ハロゲノ基置換、C1~6ハロアルキル基置換若しくはC1~6ハロアルコキシ基置換のフェニル基; ハロゲノ基置換、C1~6ハロアルキル基置換若しくはC1~6ハロアルコキシ基置換のナフチル基; またはシアノ基; が好ましい。
【0056】
R4における「5~6員ヘテロアリール基」は、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選ばれる1、2,3または4個のヘテロ原子を環の構成原子として含む5員芳香環または6員芳香環の基である。ヘテロ原子が2個以上であるとき、それらは同じでもよいし、異なってもよい。
【0057】
5員ヘテロアリール基としては、ピロリル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、トリアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、テトラゾリル基などを挙げることができる。
6員ヘテロアリール基としては、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基などを挙げることができる。
【0058】
R4における「フェニル基」、「ナフチル基」または「5~6員ヘテロアリール基」上の置換基として、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などのハロゲノ基; メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、i-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基などのC1~6アルキル基; クロロメチル基、クロロエチル基、トリフルオロメチル基、1,2-ジクロロ-n-プロピル基、1-フルオロ-n-ブチル基などのC1~6ハロアルキル基; 水酸基; メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、i-プロポキシ基、n-ブトキシ基、s-ブトキシ基、i-ブトキシ基、t-ブトキシ基などのC1~6アルコキシ基; 2-クロロ-n-プロポキシ基、2,3-ジクロロブトキシ基、トリフルオロメトキシ基などのC1~6ハロアルコキシ基; またはシアノ基; が好ましい。
【0059】
本発明においては、R4は、ハロゲノ基、置換若しくは無置換のC1~6アルキル基、置換若しくは無置換のC1~6アルコキシ基、またはシアノ基が好ましい。
C1~6アルキル基またはC1~6アルコキシ基上の置換基は、ハロゲノ基が好ましい。
【0060】
〔R5、R6〕
R5は、水素原子またはハロゲノ基を示す。
R6は、水素原子またはハロゲノ基を示す。R6は水素原子が好ましい。
【0061】
〔A〕
Aは、置換若しくは無置換のC1~4アルキレン基、置換若しくは無置換のC2~3アルケニレン基、または置換若しくは無置換のC1~2アルキレンオキシC1~C2アルキレン基を示す。
「C1~4アルキレン基」としては、メチレン基、ジメチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、などを挙げることができる。
「C2~3アルケニレン基」としては、ビニレン基(-CH=CH-)、プロペニレン基(-CH=CH-CH2-、-CH2-CH=CH-)などを挙げることができる。
「C1~2アルキレンオキシC1~C2アルキレン基」としては、メチレンオキシメチレン基(-CH2-O-CH2-)、メチレンオキシジメチレン基(-CH2-O-CH2CH2-)、ジメチレンオキシメチレン基(-CH2CH2-O-CH2-)、ジメチレンオキシジメチレン基(-CH2CH2-O-CH2CH2-)などを挙げることができる。
【0062】
「C1~4アルキレン基」、「C2~3アルケニレン基」、または「C1~2アルキレンオキシC1~C2アルキレン基」上の置換基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などのハロゲノ基; メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、i-ブチル基、t-ブチル基などのC1~6アルキル基; クロロメチル基、クロロエチル基、トリフルオロメチル基、1,2-ジクロロ-n-プロピル基、1-フルオロ-n-ブチル基などのC1~6ハロアルキル基; 水酸基; メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、i-プロポキシ基、n-ブトキシ基、s-ブトキシ基、i-ブトキシ基、t-ブトキシ基などのC1~6アルコキシ基; 2-クロロ-n-プロポキシ基、2,3-ジクロロブトキシ基、トリフルオロメトキシ基などのC1~6ハロアルコキシ基; メトキシメチル基などのC1~6アルコキシC1~6アルキル基; フェニル基、ナフチル基; 4-クロロフェニル基、4-トリフルオロメチルフェニル基、4-トリフルオロメトキシフェニル基などの、ハロゲノ基置換、C1~6ハロアルキル基置換若しくはC1~6ハロアルコキシ基置換のフェニル基; ハロゲノ基置換、C1~6ハロアルキル基置換若しくはC1~6ハロアルコキシ基置換のナフチル基; またはシアノ基; が挙げられる。
【0063】
本発明においては、Aは、置換若しくは無置換のC1~4アルキレン基が好ましい。
C1~4アルキレン基上の置換基としては、C1~6アルキル基、またはハロゲノ基が好ましい。
【0064】
〔X1、X2、Rc、m、n〕
X1は、酸素原子、またはスルホニル基を示す。
X2は、酸素原子、スルフェニル基、スルフィニル基、スルホニル基、-S(=NRc)-で表される基、または-S(=O)(=NRc)-で表される基を示す。
Rcは、それぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換のC1~6アルキル基、置換若しくは無置換のフェニル基、置換若しくは無置換のナフチル基、またはシアノ基を示す。Rcにおける「C1~6アルキル基」の具体例としては、Raにおいて例示したものと同じものを挙げることができる。
【0065】
mは、0または1を示し、nは、0または1を示す。mとnの和は、1または2である。Aが、置換若しくは無置換のメチレン基である場合、mとnの和は2である。
本発明においては、X1は、酸素原子、またはスルホニル基が好ましく、X2は、酸素原子、スルフェニル基、またはスルホニル基が好ましい。
【0066】
本発明においては、Aがトリメチレン基であり、mが0であり、且つnが1である、式(I-2)で表される化合物が好ましい。
【0067】
【0068】
式(I-2)中、X2、R1~R6は、式(I)中のそれらと同じ意味を示す。
【0069】
本発明においては、Aがトリメチレン基であり、R5とR6が水素原子であり、mが0であり、且つnが1である、(式(I-1)で表される化合物がさらに好ましい。
【0070】
【0071】
式(I-1)中、X2、R1~R4は、式(I)中のそれらと同じ意味を示す。
【0072】
〔塩〕
化合物(I)の塩としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属の塩;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属の塩;鉄、銅等の遷移金属の塩;アンモニウム塩;トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、ヒドラジン等の有機塩基の塩;等を挙げることができる。
【0073】
化合物(I)または化合物(I)の塩の構造は、NMRスペクトル、IRスペクトル、MSスペクトル等で決定することができる。
【0074】
化合物(I)は、その製造方法によって特に限定されない。また、化合物(I)の塩は、化合物(I)から公知の手法によって得ることができる。化合物(I)は、例えば、特許文献1に記載の製法によって得られる化合物をその製造中間体として用い、実施例等に記載した方法により製造することができる。
【0075】
(反応スキーム1)
例えば、化合物(I)のうち、R2が、水素原子または低級アルキル基以外の化合物(式(I-a)の化合物)は、以下の反応スキーム1に示されるように、式(I-b)の化合物から調製され得る。なお、式(I-b)は、化合物(I)のうち、R2が水素原子の化合物を示す。式(I-a)および式(I-b)中の記号は式(I)中のそれらと同様の意味を示す。式(2)中のXaは、クロロ基、ブロモ基などのハロゲノ基を示す。式(2)中のR2aは、水素原子または低級アルキル基以外のR2を示す。
【0076】
【0077】
式(I-a)の化合物は、好適な塩基(例えば、炭酸カリウムなどの無機塩基)の存在下、式(I-b)の化合物と、式(2)の化合物を反応させることで調製され得る。
【0078】
(反応スキーム2)
式(I-b)の化合物は、以下の反応スキーム2に示されるように、式(I-c)の化合物から調製され得る。なお、式(I-c)中の記号は式(I)中のそれらと同様の意味を示す。R2aは、低級アルキル基、例えばメチル基を示す。以下R2aは、同じ意味を示す。
【0079】
【0080】
式(I-b)の化合物は、式(I-c)の化合物をモルホリンと共に加熱することで調製され得る。
【0081】
(反応スキーム3)
式(I-c)の化合物は、以下の反応スキーム3に示すように、式(4)の化合物と式(5)の化合物を縮合させることで調製され得る。
なお、式(4)中の記号は式(I)中のそれらと同様の意味を示す。Ryは、低級アルキル基、例えばメチル基、エチル基などを示す。また、Ry同士が結合して、1,3,2-ジオキサボロラン環を形成してもよい。式(5)中のQは式(I)中の置換基R4を有するベンゼン環部分を意味する。Xbはハロゲノ基を示す。
【0082】
【0083】
式(I-c)の化合物は、好適な塩基(例えば、リン酸カリウムまたはフッ化セシウムなどの無機塩基)、金属触媒(例えば、Pd(OAc)2などのパラジウム触媒)および場合により、リガンド(例えばホスフィンリガンド)の存在下、式(4)の化合物と式(5)の化合物を反応させることで調製され得る。
金属触媒およびリガンドは、予め形成された錯体(例えば、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリドまたは[1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリドジクロロメタン付加物などのパラジウム/ホスフィン錯体)として加えられ得る。
【0084】
(反応スキーム4)
式(4)の化合物は、以下の反応スキーム4に示すように、式(6)の化合物から調製され得る。なお、式(6)中の記号は式(I)中のそれらと同様の意味を示す。
【0085】
【0086】
式(4)の化合物は、好適な塩基(例えば、リン酸カリウムまたはフッ化セシウムなどの無機塩基)、金属触媒(例えば、Pd2(dba)3、(Pd(OAc)2などのパラジウム触媒)および場合により、リガンド(例えばホスフィンリガンド)の存在下、式(6)の化合物と、ボロン酸またはボロン酸のエステル、例えば、ビス(ピナコラト)ジボロンを反応させることで調製され得る。
金属触媒およびリガンドは、予め形成された錯体(例えば、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリドまたは[1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリドジクロロメタン付加物などのパラジウム/ホスフィン錯体)として加えられ得る。
【0087】
(反応スキーム5)
式(6)の化合物は、以下の反応スキーム5に示すように、式(7)の化合物から調製され得る。なお、式(7)中の記号は式(I)中のそれらと同様の意味を示す。
【0088】
【0089】
式(6)の化合物は、式(7)の化合物を、好適な金属アルコキシド、例えばナトリウムメトキシドとの反応させることで調製され得る。
式(7)の化合物は、公知の方法により調製され得る。
【0090】
(反応スキーム3A)
式(I-c)の化合物は、以下の反応スキーム3Aに示すように、式(6)の化合物と式(8)の化合物を縮合させることで調製され得る。
式(8)中のQは式(I)中の置換基R4を有するベンゼン環部分を意味する。Xbはハロゲノ基を示す。Ryは、低級アルキル基、例えばメチル基、エチル基などを示す。また、Ry同士が結合して、1,3,2-ジオキサボロラン環を形成してもよい。
【0091】
【0092】
式(I-c)の化合物は、好適な塩基(例えば、リン酸カリウムまたはフッ化セシウムなどの無機塩基)、金属触媒(例えば、Pd(OAc)2などのパラジウム触媒)および場合により、リガンド(例えばホスフィンリガンド)の存在下、式(6)の化合物と式(8)の化合物を反応させることで調製され得る。
金属触媒およびリガンドは、予め形成された錯体(例えば、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリドまたは[1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリドジクロロメタン付加物などのパラジウム/ホスフィン錯体)として加えられ得る。
【0093】
本発明化合物は、畑作条件で、土壌処理、茎葉処理のいずれの方法でも高い除草活性を示す。
本発明化合物は、各種畑雑草に有効で、トウモロコシ、コムギ等の作物に選択性を示すことがある。
本発明の除草剤は、化合物(I)および化合物(I)の塩からなる群から選ばれる少なくともひとつを有効成分として含有するものである。
すなわち、本発明の態様のひとつは、化合物(I)およびその塩からなる群から選ばれる少なくともひとつを有効成分として含有する除草剤である。
本発明の除草剤は、畑作条件で、土壌処理、茎葉処理のいずれの方法でも高い除草活性を示す。
また、本発明の除草剤は、水田雑草のノビエ、タマガヤツリ、オモダカ、ホタルイ等に対し、優れた殺草効力を有し、イネに選択性を示すことがある。
更に本発明の除草剤は、果樹園、芝生、線路端、空き地等の雑草の防除にも適用することができる。
【0094】
本発明の除草剤が使用され得る有用植物は、穀物、例えば大麦および小麦、綿花、アブラナ、ヒマワリ、トウモロコシ、米、ダイズ、テンサイ、サトウキビおよび芝生などの作物を含む。
作物は、果樹、ヤシの木、ココヤシの木または他の木の実などの木も含み得る。ブドウ、果実の低木、果実植物および野菜などのつる植物も含まれる。
【0095】
防除対象となる畑雑草としては、以下に示す雑草が挙げられる。
(A)単子葉類の雑草
(1)カヤツリグサ科(Cyperaceae)の雑草
カヤツリグサ属(Cyperus)の雑草、例えばショクヨウガヤツリ(Cyperus esculentus)、コゴメガヤツリ(Cyperus iria)、カヤツリグサ(Cyperus microiria)、ハマスゲ(Cyperus rotundus)。
(2)イネ科(Poaceae)の雑草
スズメノテッポウ属(Alopecurus)の雑草、例えばスズメノテッポウ(Alopecurus aequalis)、ブラックグラス(ノスズメノテッポウ(Alopecurus myosuroides));
セイヨウヌカボ属(Apera)の雑草、例えばセイヨウヌカボ(Apera spica-venti);
カラスムギ属(Avena)の雑草、例えばエンバク(Avena sativa);
スズメノチャヒキ属(Bromus)の雑草、例えばスズメノチャヒキ(Bromus japonicus)、アレチノチャヒキ(Bromus sterilis);
メヒシバ属(Digitaria)の雑草、例えばメヒシバ(Digitaria ciliaris)、オニメヒシバ(Digitaria sanguinalis);
ヒエ属(Echinochloa)の雑草、例えばイヌビエ(Echinochloa crus-galli);
オヒシバ属(Eleusine)の雑草、例えばオヒシバ(Eleusine indica);
ドクムギ属(Lolium)の雑草、例えばイタリアンライグラス(ネズミムギ(Lolium multiflorum Lam.));
キビ属(Panicum)の雑草、例えばオオクサキビ(Panicum dichotomiflorum);
イチゴツナギ属(Poa)の雑草、例えばスズメノカタビラ(Poa annua);
エノコログサ属(Setaria)の雑草、例えばアキノエノコログサ(Setaria faberi)、キンエノコロ(Setaria pumila)、エノコログサ(Setaria viridis);
モロコシ属(Sorghum)の雑草、例えばモロコシ(Sorghum bicolor);
ニクキビモドキ属(Urochloa)の雑草、例えばメリケンニクキビ(Urochloa platyphylla)。
【0096】
(B)双子葉類の雑草
(1)ヒユ科(Amaranthaceae)の雑草
ヒユ属(Amaranthus blitum)の雑草、例えばイヌビユ(Amaranthus blitum)、オオホナガアオゲイトウ(Amaranthus palmeri)、アオゲイトウ(Amaranthus retroflexus)、ホソバイヌビユ(Amaranthus rudis);
アカザ属(Chenopodium)の雑草、例えばシロザ(Chenopodium album);
バッシア属(Bassia)の雑草、例えばホウキギ(Bassia scoparia)。
(2)キク科(Asteraceae)の雑草
ブタクサ属(Ambrosia)の雑草、例えばブタクサ(Ambrosia artemisiifolia)、オオブタクサ(Ambrosia trifida);
イズハハコ属(Conyza)の雑草、例えばヒメムカシヨモギ(Conyza canadensis)、オオアレチノギク(Conyza sumatrensis);
ムカシヨモギ属(Erigeron)の雑草、例えばヒメジョオン(Erigeron annuus);
シカギク属(Matricaria)の雑草、例えばイヌカミツレ(Matricaria inodora)、カミツレ(Matricaria recutita);
オナモミ属(Xanthium)の雑草、例えばオオオナモミ(Xanthium occidentale)。
(3)ナデシコ科(Caryophyllaceae)の雑草
ツメクサ属(Sagina)の雑草、例えば ツメクサ(Sagina japonica);
ハコベ属(Stellaria)の雑草、例えばコハコベ(Stellaria media)。
(4)ヒルガオ科(Convolvulaceae)の雑草
ヒルガオ属(Calystegia)の雑草、例えばヒルガオ(Calystegia japonica);
サツマイモ属(Ipomoea)の雑草、例えばマルバルコウ(Ipomoea coccinea)、アメリカアサガオ(Ipomoea hederacea)、マメアサガオ(Ipomoea lacunosa)、ホシアサガオ(Ipomoea triloba)。
(5)シソ科(Lamiaceae)の雑草
オドリコソウ属(Lamium)の雑草、例えばオドリコソウ(Lamium album var. barbatum)、ホトケノザ(Lamium amplexicaule)、ヒメオドリコソウ(Lamium purpureum)。
(6)アオイ科(Malvaceae)の雑草
イチビ属(Abutilon)の雑草、例えばイチビ(Abutilon theophrasti);
キンゴジカ属(Sida)の雑草、例えばアメリカキンゴジカ(Sida spinosa)。
(7)オオバコ科(Plantaginaceae)の雑草
クワガタソウ属(Veronica)の雑草、例えばオオイヌノフグリ(Veronica persica)。
(8)タデ科(Polygonaceae)の雑草
ソバカズラ属(Fallopia)の雑草、例えばソバカズラ(Fallopia convolvulus)。
イヌタデ属(Persicaria)の雑草、例えばオオイヌタデ(Persicaria lapathifolia)、イヌタデ(Persicaria longiseta)。
(9)アカネ科(Rubiaceae)の雑草
ヤエムグラ属(Galium)の雑草、例えばヤエムグラ(Galium spurium var. echinospermon)。
【0097】
防除対象となる水田雑草としては、以下に示す雑草が挙げられる。
(A)単子葉類の雑草
(1)オモダカ科(Alismataceae)の雑草
オモダカ属(Sagittaria)の雑草、例えばウリカワ(Sagittaria pygmaea Miq.)、オモダカ(Sagittaria trifolia)。
(2)カヤツリグサ科(Cyperaceae)の雑草の雑草
カヤツリグサ属(Cyperus)の雑草、例えばミズガヤツリ(Cyperus serotinus)、タマガヤツリ(Cyperus difforis);
ハリイ属(Eleocharis)の雑草、例えばクログワイ(Eleocharis kuroguwai Ohwi);
ホソガタホタルイ属(Schoenoplectiella)の雑草、例えばホタルイ(Schoenoplectiella hotarui)、イヌホタルイ(Schoenoplectiella juncoides Roxb.)。
アブラガヤ属(Scirpus)の雑草、例えばコウキヤガラ(Scirpus martimus)、シズイ(Scirpus nipponicus)。
(3)イネ科(Poaceae)の雑草
ヒエ属(Echinochloa)の雑草(いわゆるノビエ)の雑草、例えばタイヌビエ(Echinochloa oryzoides)、イヌビエ(Echinochloa crus-galli);
サヤヌカグサ属(Leersia)の雑草、例えばアシカキ(Leersia japonica);
スズメノヒエ属(Paspalum)の雑草、例えばキシュウスズメノヒエ(Paspalum distichum)。
(4)ミズアオイ科(Pontederiaceae)の雑草
ミズアオイ属(Monochoria)の雑草、例えばミズアオイ(Monochoria korsakowii)、
コナギ(Monochoria vaginalis var. plantaginea)。
【0098】
(B)双子葉類の雑草
(1)セリ科(Apiaceae)の雑草
セリ属(Oenanthe)の雑草、例えばセリ(Oenanthe javanica)。
(2)ミゾハコベ科(Elatinaceae)の雑草
ミゾハコベ属(Elatine)の雑草、例えばミゾハコベ(Elatine triandra)。
(3)アゼナ科(Linderniaceae)の雑草
アゼナ属(Lindernia)の雑草、例えば アメリカアゼナ(Lindernia dubia subsp. major)、タケトアゼナ(Lindernia dubia subsp. dubia)、アゼナ(Lindernia procumbens)。
(4)ミソハギ科(Lythraceae)の雑草
キカシグサ属(Rotala)の雑草、例えばキカシグサ(Rotala indica var. uliginosa)。
【0099】
さらに、本発明は、有用植物における単子葉類および/または双子葉類の雑草を防除する方法であって、化合物(I)若しくはその塩、または化合物(I)を含有する除草剤を、前記雑草および/または前記植物および/またはその場所に施用する工程を含む、方法である。
本発明方法を用いることで、有用植物および/または雑草を含む場所においても、雑草を選択的に防除することが可能である。
さらに、有用植物が成長している場所以外にも、有用植物が成長する予定である場所においても、雑草の防除が可能である。
施用方法は、一般に、除草剤を剤型にあわせて、噴霧、散粉、点滴、灌注、混和などの方法によって行うことができる。
【0100】
本発明の除草剤は、本発明化合物のみからなるものであってもよいし、農薬として一般にとり得る剤形、例えば、水和剤、粒剤、粉剤、乳剤、水溶剤、懸濁剤、フロアブル等に製剤化したものであってもよい。
【0101】
製剤化に当たって公知の添加剤または担体を用いることができる。
すなわち、本発明の態様のひとつは、農芸化学的に許容できる固体担体、および/または液体担体を含む、除草剤である。
固体の剤形を目的とする場合は、大豆粉、小麦粉等の植物性粉末、珪藻土、燐灰石、石こう、タルク、ベントナイト、パイロフィライト、クレイ等の鉱物性微粉末、安息香酸ソーダ、尿素、芒硝等の有機及び無機化合物などの固体担体を用いることができる。
液体の剤形を目的とする場合は、ケロシン、キシレン及びソルベントナフサ等の石油留分、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アルコール、アセトン、トリクロルエチレン、メチルイソブチルケトン、鉱物油、植物油、水などの液体担体を用いることができる。
【0102】
製剤化において、必要に応じて、界面活性剤を添加することができる。界面活性剤としては、ポリオキシエチレンが付加したアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンが付加したアルキルエーテル、ポリオキシエチレンが付加した高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンが付加したソルビタン高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンが付加したトリスチリルフェニルエーテル等の非イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンが付加したアルキルフェニルエーテルの硫酸エステル塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ポリカルボン酸塩、リグニンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩のホルムアルデヒド縮合物、イソブチレン-無水マレイン酸の共重合体等を挙げることができる。
【0103】
本発明の除草剤は、剤形に応じて、有効成分濃度を適宜設定することができる。例えば、水和剤における有効成分濃度は、好ましくは5~90重量%、より好ましくは10~85重量%である。乳剤における有効成分濃度は、好ましくは3~70重量%、より好ましくは5~60重量%である。粒剤における有効成分濃度は、好ましくは0.01~50重量%、より好ましくは0.05~40重量%である。
【0104】
このようにして得られた水和剤若しくは乳剤は水で所定の濃度に希釈して懸濁液或いは乳濁液として、粒剤はそのまま雑草の発芽前又は発芽後に土壌に散布処理もしくは混和処理することができる。本発明の除草剤を圃場に適用するに当たっては1ヘクタール当たり有効成分0.1g以上の適当量を施用することができる。
【0105】
また、本発明の除草剤は、公知の殺菌剤、殺菌活性成分、殺虫剤、殺虫活性成分、殺ダニ剤、殺ダニ活性成分、除草剤、除草活性成分、植物成長調整剤、肥料、薬害軽減剤(セーフナー)などと混合して使用することもできる。特に、除草剤と混合使用することにより、使用薬量を減少させることが可能である。また、省力化をもたらすのみならず、混合薬剤の相乗作用により一層高い効果も期待できる。その場合、複数の公知除草剤との組合せも可能である。
すなわち、本発明の態様のひとつは、1つ以上のさらなる除草活性成分を含む除草剤である。
また、本発明の態様のひとつは、1つ以上のさらなる薬害軽減剤を含む除草剤である。
【0106】
本発明に用いられるその他の除草活性成分としては、特に制約されないが、例えば、次のようなものを挙げることができる。
(a) クロジナホッププロパルギル(clodinafop-propargyl)、シハロホップブチル(cyhalofop-butyl)、ジクロホップメチル(diclofop-methyl)、フェノキサプロップP エチル(fenoxaprop-P-ethyl)、フルアジホップP(fluazifop-P)、フルアジホップ-P-ブチル(fluazifop-P-butyl)、ハロキシホップメチル(haloxyfop-methyl)、ピリフェノップナトリウム(pyriphenop-sodium)、プロパキザホップ(propaquizafop)、キザロホップP エチル(quizalofop-P-ethyl)、メタミホップ(metamifop)等のアリ-ルオキシフェノキシプロピオン酸エステル系;アロキシジム(alloxydim)、ブトロキシジム(butroxydim)、クレトジム(clethodim)、シクロキシジム(cycloxydim)、プロホキシジム(profoxydim)、セトキシジム(sethoxydim)、テプラロキシジム(tepraloxydim)、トラルコキシジム(tralkoxydim)等のシクロヘキサンジオン系;ピノキサデン(pinoxaden)等のフェニルピラゾリン系;その他の植物のアセチルCoAカルボキシラーゼを阻害することで除草効力を示すとされているもの。
【0107】
(b) アミドスルフロン(amidosulfuron)、アジムスルフロン(azimsulfuron)、ベンスルフロンメチル(bensulfuron-methyl)、クロリムロンエチル(chlorimuron-ethyl)、クロルスルフロン(chlorsulfuron)、シノスルフロン(cinosulfuron)、シクロスルファムロン(cyclosulfamuron)、エタメトスルフロンメチル(ethametsulfuron-methyl)、エトキシスルフロン(ethoxysulfuron)、フラザスルフロン(flazasulfuron)、フルピルスルフロン(flupyrsulfuron)、ホラムスルフロン(foramsulfuron)、ハロスルフロンメチル(halosulfuron-methyl)、イマゾスルフロン(imazosulfuron)、ヨードスルフロン(iodosulfuron-methyl)、メソスルフロン(mesosulfuron)、メソスルフロンメチル(mesosulfuron-methyl)、メトスルフロンメチル(metsulfuron-methyl)、ニコスルフロン(nicosulfuron)、オキサスルフロン(oxasulfuron)、プリミスルフロン(primisulfuron)、プロスルフロン(prosulfuron)、ピラゾスルフロンエチル(pyrazosulfuron-ethyl)、リムスルフロン(rimsulfuron)、スルホメツロンメチル(sulfometuron-methyl)、スルホスルフロン(sulfosulfuron)、チフェンスルフロンメチル(thifensulfuron-methyl)、トリアスルフロン(triasulfuron)、トリベヌロンメチル(tribenuron-methyl)、トリフルオキシスルフロン(trifloxysulfuron)、トリフルスルフロンメチル(triflusulfuron-methyl)、トリトスルフロン(tritosulfuron)、オルソスルファムロン(orthosulfamuron)、プロピリスルフロン(propyrisulfuron)、フルセトスルフロン(flucetosulfuron)、メタゾスルフロン(metazosulfuron)、メチオピルスルフロン(methiopyrsulfuron)、モノスルフロンメチル(monosulfuron-methyl)、オルソスルフロン(orsosulfuron)、イオフェンスルフロン(iofensulfuron)等のスルホニルウレア系;イマザピック(imazapic)、イマザメタベンズ(imazamethabenz)、イマザモックスアンモニウム(imazamox-ammonium)、イマザピル(imazapyr)、イマザキン(imazaquin)、イマゼタピル(imazethapyr)等のイミダゾリノン系;クロランスラムメチル(cloransulam-methyl)、ジクロスラム(diclosulam)、フロラスラム(florasulam)、フルメツラム(flumetsulam)、メトスラム(metosulam)、ペノキススラム(penoxsulam)、ピロキスラム(pyroxsulam)、メトスルファム(metosulfam)等のトリアゾロピリミジンスルホンアミド系;ビスピリバック-ナトリウム(bispyribac-sodium)、ピリベンゾキシム(pyribenzoxim)、ピリフタリド(pyriftalid)、ピリチオバック-ナトリウム(pyrithiobac-sodium)、ピリミノバックメチル(pyriminobac-methyl)、ピリミスルファン(pyrimisulfan)等のピリミジニル(チオ)ベンゾエート系;フルカルバゾン(flucarbazone)、プロポキシカルバゾン(propoxycarbazone)、チエンカルバゾンメチル(thiencarbazone-methyl)等のスルホニルアミノカルボニルトリアゾリノン系;トリアファモン(triafamone)等のスルホンアニリド系;その他の植物のアセト乳酸合成酵素(ALS) (アセトヒドロキシ酸合成酵素(AHAS)) を阻害することで除草効力を示すとされているもの。
【0108】
(c) アメトリン(ametryn)、アトラジン(atrazine)、シアナジン(cyanazine)、デスメトリン(desmetryne)、ジメタメトリン(dimethametryn)、プロメトン(prometon)、プロメトリン(prometryn)、プロパジン系(プロパジン(propazine))、CAT(シマジン(simazine))、シメトリン(simetryn)、テルブメトン(terbumeton)、テルブチラジン(terbuthylazine)、テルブトリン(terbutryne)、トリエタジン(trietazine)、アトラトン(atratone)、シブトリン(cybutryne)等のトリアジン系;ヘキサジノン(hexazinone)、メタミトロン(metamitron)、メトリブジン(metribuzin)等のトリアジノン系;アミカルバゾン(amicarbazone)等のトリアゾリノン系;ブロマシル(bromacil)、レナシル(lenacil)、ターバシル(terbacil)等のウラシル系;PAC(クロリダゾン(chloridazon))等のピリダジノン系;デスメディファム(desmedipham)、フェンメディファム(phenmedipham)、スエップ(swep)等のカーバメート系;クロルブロムロン(chlorobromuron)、クロロトルロン(chlorotoluron)、クロロクスロン(chloroxuron)、ジメフロン(dimefuron)、DCMU(ジウロン(diuron))、エチジムロン(ethidimuron)、フェニュロン(fenuron)、フルオメツロン(fluometuron)、イソプロツロン(isoproturon)、イソウロン(isouron)、リニュロン(linuron)、メタベンズチアズロン(methabenzthiazuron)、メトブロムロン(metobromuron)、メトキスロン(metoxuron)、モノリニュロン(monolinuron)、ネブロン(neburon)、シデュロン(siduron)、テブチウロン(tebuthiuron)、メトベンズロン(metobenzuron)、カルブチレート(karbutilate)等の尿素系;DCPA(プロパニル(propanil))、CMMP(ペンタノクロール(pentanochlor))等のアミド系;シプロミッド(cypromid)等のアニリド系;ブロモフェノキシム(bromofenoxim)、ブロモキシニル(bromoxynil)、アイオキシニル(ioxynil)等のニトリル系;ベンタゾン(bentazone)等のベンゾチアジアジノン系;ピリデート(pyridate)、ピリダフォル(pyridafol)等のフェニルピリダジン系;その他メタゾール(methazole)等の植物の光合成を阻害することで除草効力を示すとされているもの。
【0109】
(d) ジクワット(diquat)、パラコート(paraquat)等のビピリジリウム系;その他のそれ自身が植物体中でフリーラジカルとなり、活性酸素を生成させて速効的な除草効力を示すとされているもの。
【0110】
(e) アシフルオルフェンナトリウム(acifluorfen-sodium)、ビフェノックス(bifenox)、クロメトキシニル(クロメトキシフェン(chlomethoxyfen))、フルオログリコフェン(fluoroglycofen)、ホメサフェン(fomesafen)、ハロサフェン(halosafen)、ラクトフェン(lactofen)、オキシフローフェン(oxyfluorfen)、ニトロフェン(nitrofen)、エトキシフェンエチル(ethoxyfen-ethyl)等のジフェニルエーテル系;フルアゾレート(fluazolate)、ピラフルフェンエチル(pyraflufen-ethyl)等のフェニルピラゾール系;シニドンエチル(cinidon-ethyl)、フルミオキサジン(flumioxazin)、フルミクロラックペンチル(flumiclorac-pentyl)、クロルフタリム(chlorphthalim)等のN-フェニルフタルイミド系;フルチアセットメチル(fluthiacet-methyl)、チジアジミン(thidiazimin)等のチアジアゾール系;オキサジアゾン(oxadiazon)、オキサジアルギル(oxadiargyl)等のオキサジアゾール系;アザフェニジン(azafenidin)、カルフェントラゾンエチル(carfentrazone-ethyl)、スルフェントラゾン(sulfentrazone)、ベンカルバゾン(bencarbazone)等のトリアゾリノン系;ペントキサゾン(pentoxazone)等のオキサゾリジンジオン系;ベンズフェンジゾン(benzfendizone)、ブタフェナシル(butafenacil)等のピリミジンジオン系;サフルフェナシル(saflufenacil)等のスルホニルアミド系;フルフェンピルエチル(flufenpyr-ethyl)等のピリダジン系;その他ピラクロニル(pyrachlonil)、プロフルアゾール(profluazol)、チアフェナシル(tiafenacil)、トリフルジモキサジン(trifludimoxazin)等の植物のクロロフィル生合成を阻害し、光増感過酸化物質を植物体中に異常蓄積させることで除草効力を示すとされているもの。
【0111】
(f) ノルフルラゾン(norflurazon)、メトフルラゾン(metflurazon)等のピリダジノン系;ジフルフェニカン(diflufenican)、ピコリナフェン(picolinafen)等のピリジンカルボキサミド系;メソトリオン(mesotrione)、スルコトリオン(sulcotrione)、テフリルトリオン(tefuryltrione)、テンボトリオン(tembotrione)、ビシクロピロン(bicyclopyrone)、フェンキノトリオン(fenquinotrione)等のトリケトン系;イソキサクロルトール(isoxachlortole)、イソキサフルトール(isoxaflutole)等のイソオキサゾール系;ベンゾフェナップ(benzofenap)、ピラゾレート(ピラゾリネート(pyrazolynate))、ピラゾキシフェン(pyrazoxyfen)、トプラメゾン(topramezone)、ピラスルフォトール(pyrasulfotole)、トルピラレート(tolpyralate)等のピラゾール系;ATA(アミトロール(amitrol))等のトリアゾール系;クロマゾン(clomazone)等のイソオキサゾリジノン系;アクロニフェン(aclonifen)等のジフェニルエーテル系;その他ベフルブタミド(beflubutamid)、フルリドン(fluridone)、フルロクロリドン(flurochloridone)、フルルタモン(flurtamone)、ベンゾビシクロン(benzobicyclone)、メトキシフェノン(methoxyphenone)、ケトスピラドックス(ketospiradox)等のカロチノイド等の植物の色素生合成を阻害し、白化作用を特徴とする除草効力を示すとされているもの。
【0112】
(g) グリホサート(glyphosate)、グリホサートアンモニウム(glyphosate-ammonium)、グリホサートイソプロピルアミン(glyphosate-isopropylamine)、グリホサートトリメシウム(スルホサート(sulfosate))等のグリシン系;その他のEPSP 合成酵素阻害
(h) グルホシネート(glufosinate)、グルホシネートアンモニウム(glufosinate-ammonium)、ビアラホス(ビラナホス(bilanafos))等のホスフィン酸系等のグルタミン合成酵素阻害
その他の植物のアミノ酸生合成を阻害することで除草効力を示すとされているもの。
【0113】
(I) アシュラム(asulam)等のカーバメート系;その他のDHP(ジヒドロプテロイン酸)合成酵素阻害
【0114】
(j) ベスロジン(ベンフルラリン(benfluralin))、ブトルアリン(butralin)、ジニトラミン(dinitramine)、エタルフルラリン(ethalfluralin)、オリザリン(oryzalin)、ペンディメタリン(pendimethalin)、トリフルラリン(trifluralin)、ニトラリン(nitralin)、プロジアミン(prodiamine)等のジニトロアニリン系;アミプロホスメチル(amiprofos-methyl)、ブタミホス(butamifos)等のホスホロアミデート系;ジチオピル(dithiopyr)、チアゾピル(thiazopyr)等のピリジン系;プロピザミド(propyzamide)、テブタム(tebutam)等のベンズアミド系;クロルタール(chlorthal)、TCTP(クロルタールジメチル(chlorthal-dimethyl))等の安息香酸系;IPC(クロルプロファム) (chlorpropham)、プロファム(propham)、カルベタミド(carbetamide)、バーバン(barban)等のカーバメート系;フラムプロップ-M(flamprop-M)、フラムプロップ-M-イソプロピル(flamprop-M-isopropyl)等のアリールアラニン系; アセトクロール(acetochlor)、アラクロール(alachlor)、ブタクロール(butachlor)、ジメタクロール(dimethachlor)、ジメテナミド(dimethenamid)、ジメテナミド-P(dimethenamid-P)、メタザクロール(metazachlor)、メトラクロール(metolachlor)、S-メトラクロール(S-metolachlor)、ペトキサミド(pethoxamid)、プレチラクロール(pretilachlor)、プロパクロール(propachlor)、プロピソクロール(propisochlor)、テニルクロール(thenylchlor)等のクロロアセトアミド系;ジフェナミド(diphenamid)、ナプロパミド(napropamide)、ナプロアニリド(naproanilide)等のアセトアミド系;フルフェナセット(flufenacet)、メフェナセット(mefenacet)等のオキシアセトアミド系;フェントラザミド(fentrazamide)等のテトラゾリノン系;その他アニロホス(anilofos)、インダノファン(indanofan)、カフェンストロール(cafenstrole)、ピペロホス(piperophos)、メチオゾリン(methiozolin)、フェノキサスルフォン(fenoxasulfone)、ピロキサスルホン(pyroxasulfone)、イプフェンカルバゾン(ipfencarbazone)等の植物の微小管重合や微小管形成、細胞分裂を阻害することあるいは超長鎖脂肪酸(Very Long Chain Fatty Acid:VLCFA)生合成を阻害することで除草効力を示すとされているもの。
【0115】
(k) DBN(ジクロベニル(dichlobenil))、DCBN(クロルチアミド(chlorthiamid))等のニトリル系;イソキサベン(isoxaben)等のベンズアミド系;フルポキサム(flupoxam)等のトリアゾロカルボキサミド系;キンクロラック(quinclorac)等のキノリンカルボン酸系;その他トリアジフラム(triaziflam)、インダジフラム(indaziflam)等の細胞壁(セルロース)合成を阻害することで除草効力を示すとされているもの。
【0116】
(l) DNOC、DNBP(ジノセブ(dinoseb))、ジノテルブ(dinoterb)等のジニトロフェノール系;その他のアンカップリング(膜破壊) により除草効力を示すとされているもの。
【0117】
(m) ブチレート(butylate)、ヘキシルチオカルバム(シクロエート(cycloate))、ジメピペレート(dimepiperate)、EPTC、エスプロカルブ(esprocarb)、モリネート(molinate)、オルベンカルブ(orbencarb)、ペブレート(pebulate)、プロスルホカルブ(prosulfocarb)、ベンチオカーブ(チオベンカルブ(thiobencarb))、チオカルバジル(tiocarbazil)、トリアレート(triallate)、バーナレート(vernolate)、ジアレート(diallate)等のチオカーバメート系;SAP(ベンスリド(bensulide))等のホスホロジチオエート系;ベンフレセート(benfuresate)、エトフメセート(ethofumesate)等のベンゾフラン系;TCA、DPA(ダラポン(dalapon))、テトラピオン(フルプロパネート(flupropanate))等のクロロ炭酸系; その他の植物の脂質生合成を阻害することで除草効力を示すとされているもの。
【0118】
(n) クロメプロップ(clomeprop)、2,4-PA(2,4-D)、2,4-DB、ジクロルプロップ(dichlorprop)、MCPA、MCPB、MCPP(メコプロップ(mecoprop))等のフェノキシカルボン酸系;クロランベン(chloramben)、MDBA(ジカンバ(dicamba))、TCBA(2,3,6-TBA)等の安息香酸系;クロピラリド(clopyralid)、アミノピラリド(aminopyralid)、フルロキシピル(fluroxypyr)、ピクロラム(picloram)、トリクロピル(triclopyr)、ハロウキシフェン(halauxifen)等のピリジンカルボン酸系;キンクロラック(quinclorac)、キンメラック(quinmerac)等のキノリンカルボン酸系;NPA(ナプタラム(naptalam))、ジフルフェンゾピル(diflufenzopyr)等のフタラメートセミカルバゾン系;その他ベナゾリン(benazolin)、ダイフルフェンゾピル(diflufenzopyr)、フルオキシピル(fluroxypyr)、クロロフルレノール(chlorflurenol)、アミノシクロピラクロール(aminocyclopyrachlor)、DAS534等の植物のホルモン作用を攪乱することで除草効力を示すとされているもの。
【0119】
(o) フランプロップMメチル/イソプロピル(flamprop-isopropyl)等のアリールアミノプロピオン酸系;ジフェンゾコート(difenzoquat)等のピラゾリウム系;DSMA、MSMA等の有機ヒ素系;その他ブロモブチド(bromobutide)、(クロル)-フルレノール(chlorflurenol)、シンメチリン(cinmethylin)、クミルロン(cumyluron)、ダゾメット(dazomet)、ダイムロン(daimuron)、メチルダイムロン(methyl-dymron)、エトベンザニド(etobenzanid)、ホサミン(fosamine)、オキサジクロメホン(oxaziclomefone)、オレイン酸(oleic acid)、ペラルゴン酸(pelargonicacid)、ピリブチカルブ(pyributicarb)、エンドタール(endothall)、塩素酸塩(sodiumchlorate)、メタム(metam)、キノクラミン(quinoclamine)、シクロピリモレート(cyclopyrimorate)、トリディファン(tridiphane)、クラシフォス(clacyfos)等の除草剤。
【0120】
本発明に用いることができる薬害軽減剤(セーフナー)としては、例えば、ベノキサコール(benoxacor)、クロキントセット(cloquintocet)、クロキントセットメキシル(cloquintocet-mexyl)、シオメトリニル(cyometrinil)、シプロスルファミド(cyprosulfamide)、ジクロルミド(dichlormid)、ジシクロノン(dicyclonon)、ジエトレート(dietholate)、フェンクロラゾール(fenchlorazole)、フェンクロラゾールエチル(fenchlorazole-ethyl)、フェンクロリム(fenclorim)、フルラゾール(flurazole)、フルキソフェニム(fluxofenim)、フリラゾール(furilazole)、イソキサジフェン(isoxadifen)、イソキサジフェンエチル(isoxadifen-ethyl)、メフェンピル(mefenpyr)、メフェンピルジエチル(mefenpyr-diethyl)、メフェナート(mephenate)、ナフタリックアンヒドライド(naphthalic anhydride)、オキサベトリニル(oxabetrinil)等を挙げることができる。
【実施例】
【0121】
〔製剤例〕
本発明の除草剤に関する製剤例を若干示すが、本発明化合物(有効成分)、添加物及び添加割合は、本実施例にのみ限定されることなく、広い範囲で変更可能である。製剤実施例中の部は重量部を示す。
【0122】
(製剤実施例1)水和剤
本発明化合物 20部
ホワイトカーボン 20部
ケイソウ土 52部
アルキル硫酸ソーダ 8部
以上を均一に混合、微細に粉砕して、有効成分20%の水和剤を得る。
【0123】
(製剤実施例2)乳剤
本発明化合物 20部
キシレン 55部
ジメチルホルムアミド 15部
ポリオキシエチレンフェニルエーテル 10部
以上を混合、溶解して有効成分20%の乳剤を得る。
【0124】
(製剤実施例3)粒剤
本発明化合物 5部
タルク 40部
クレイ 38部
ベントナイト 10部
アルキル硫酸ソーダ 7部
以上を均一に混合して微細に粉砕後、直径0.5~1.0mmの粒状に造粒して有効成分5%の粒剤を得る。
【0125】
次に、合成実施例を示す。ただし、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【0126】
(実施例1)
5-(1,1-ジオキサド-8-(トリフルオロメチル)チオクロマン-5-イル)-4-メトキシ-2-メチルピリダジン-3(2H)-オン〔5-(1,1-dioxido-8-(trifluoromethyl)thiochroman-5-yl)-4-methoxy-2-methylpyridazin-3(2H)-one〕の合成:(化合物番号A-1)
(工程1)
3-(6-ブロモ-2-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)プロピオン酸の合成
【0127】
【0128】
500mLの四つ口フラスコにギ酸(58.2g)、トリエチルアミン(18.3g)、6-ブロモ-2-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド48.7g)およびメルドラム酸(26.0g)を0℃にて順次加えた。その後、4時間加熱還流した。
得られた液に塩酸を加え、析出固形物を濾別した。得られた固形物を乾燥させることによって目的化合物53.8gを得た。
【0129】
(工程2)
3-(6-ブロモ-2-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)プロパン-1-オールの合成
【0130】
【0131】
3-(6-ブロモ-2-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)プロピオン酸(30g)をテトラヒドロフラン(191mL)に溶解させて、0℃で撹拌した。これにボラン・テトラヒドロフラン錯体(0.9M, 127mL)を加え、室温で1時間撹拌した。
得られた液を塩酸に注ぎ、次いで酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧濃縮した。得られた濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することによって目的化合物28.9gを得た。
【0132】
(工程3)
1-ブロモ-2-(3-クロロプロピル)-3-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)ベンゼンの合成
【0133】
【0134】
3-(6-ブロモ-2-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)プロパン-1-オール(15.3g)をジクロロエタン(102mL)に溶解させて、室温で撹拌した。これに塩化チオニル(9.1g)およびN,N-ジメチルホルムアミド(0.2g)を加え、2時間加熱還流した。
得られた液を減圧濃縮した。得られた濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することによって目的化合物16.4gを得た。
【0135】
(工程4)
5-ブロモ-8-(トリフルオロメチル)チオクロマンの合成
【0136】
【0137】
1-ブロモ-2-(3-クロロプロピル)-3-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン(14.4g)をN,N-ジメチルホルムアミド(158mL)に溶解させて、室温で撹拌した。これに硫化ナトリウム(4.2g)を加え、60℃で一晩加熱還流した。
得られた液を水に注ぎ、次いで酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧濃縮した。得られた濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することによって目的化合物6.8gを得た。
【0138】
(工程5)
5-ブロモ-8-(トリフルオロメチル)チオクロマン 1,1-ジオキシドの合成
【0139】
【0140】
5-ブロモ-8-(トリフルオロメチル)チオクロマン(2.0g)をメタノール27mL、水7mLに溶解させて、室温で撹拌した。これにオキソン(8.3g)を加え、48時間室温で撹拌した。
得られた液をろ過した。ろ液を減圧濃縮した。これに水を注ぎ、次いで酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧濃縮した。得られた濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することによって目的化合物2.0gを得た。
【0141】
(工程6)
5-(1,1-ジオキサド-8-(トリフルオロメチル)チオクロマン-5-イル)-4-メトキシ-2-メチルピリダジン-3(2H)-オン〔5-(1,1-dioxido-8-(trifluoromethyl)thiochroman-5-yl)-4-methoxy-2-methylpyridazin-3(2H)-one〕の合成(化合物番号:A-1)
【0142】
【0143】
5-ブロモ-8-(トリフルオロメチル)チオクロマン 1,1-ジオキシド(0.36g)をジオキサン(10mL)に溶解させて、室温で撹拌した。これに、4-メトキシ-2-メチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリダジン-3(2H)-オン(0.27g)、炭酸カリウム(0.41g)、および[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド-ジクロロメタン付加物(0.04g)を順次加え、90℃にて一晩撹拌した。
得られた液をろ過した。ろ液を減圧濃縮した。得られた濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することによって目的化合物0.22gを得た。
化合物A-1:1H-NMR(400MHz, CDCl3): δ 2.40-2.48(m, 2H), 2.72-2.80(m, 1H), 2.86-2.95(m, 1H), 3.40(t, 2H), 3.83(s, 3H), 4.12(s, 3H), 7.41(d, 1H), 7.44(s, 1H), 7.84(d, 1H).
【0144】
(実施例2)
5-(1,1-ジオキサド-8-(トリフルオロメチル)チオクロマン-5-イル)-4-ヒドロキシ-2-メチルピリダジン-3(2H)-オン〔5-(1,1-dioxido-8-(trifluoromethyl)thiochroman-5-yl)-4-hydroxy-2-methylpyridazin-3(2H)-one〕の合成(化合物番号A-2)
【0145】
【0146】
5-(1,1-ジオキサド-8-(トリフルオロメチル)チオクロマン-5-イル)-4-メトキシ-2-メチルピリダジン-3(2H)-オン(0.39g)をモルホリン(2mL)に溶解させた。これを110℃で1時間加熱還流した。
得られた液を塩酸に注ぎ、次いで酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧濃縮することで目的物0.31gを得た。
【0147】
(実施例3)
1-((5-(1,1-ジオキシド-8-(トリフルオロメチル)チオクロマン-5-イル)-2-メチル-3-オキソ-2,3-ジヒドロピリダジン-4-イル)オキシ)エチル メチル カーボネート〔1-((5-(1,1-dioxido-8-(trifluoromethyl)thiochroman-5-yl)-2-methyl-3-oxo-2,3-dihydropyridazin-4-yl)oxy)ethyl methyl carbonate〕の合成(化合物番号A-3)
【0148】
【0149】
5-(1,1-ジオキサド-8-(トリフルオロメチル)チオクロマン-5-イル)-4-ヒドロキシ-2-メチルピリダジン-3(2H)-オン(0.10g)をN,N-ジメチルホルムアミド(1mL)に溶解させて、室温で撹拌した。これに炭酸カリウム(0.06g)、1-クロロエチル メチルカーボネート(0.06g)、およびヨウ化ナトリウム(0.01g)を順次加え、室温で3時間撹拌した。
得られた液を減圧濃縮した。得られた濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することによって目的化合物0.11gを得た。
【0150】
前記の合成実施例と同様の方法で製造した本発明化合物の一例を表1に示す。表1は式(I-1)で表される化合物中の置換基を示す。併せて物性値として融点も示す。Meはメチル基を表わし、iPrはi-プロピル基を表し、cPrはシクロプロピル基を表し、Phはフェニル基を表す。以下、表2において同じ意味を表す。
【0151】
【0152】
【0153】
さらに同様の方法で製造した本発明化合物の一例を表2に示す。
【0154】
【0155】
表1および2に記載した化合物のうち、物性値の欄に*を付した化合物は、非晶または粘性オイルの性状を有する化合物であった。その1H-NMRデータを以下に示す。
化合物A-4:1H-NMR(400MHz, DMSO d-6): δ2.20-2.26(m, 2H), 2.78-2.79(m, 2H), 3.68-3.72(m, 5H), 7.65(d, 1H), 7.70(s, 1H), 8.07(d, 1H).
化合物A-7:1H-NMR(400MHz, CDCl3): δ2.25(s, 3H), 2.46-2.52(m, 2H), 2.90-2.96(m, 2H), 3.40-3.43(m, 2H), 3.91(s, 3H), 4.06(s, 3H), 6.63(s, 1H), 7.51(d, 1H), 7.64(s, 1H), 7.86(d, 1H).
化合物A-18:1H-NMR(400MHz, CDCl3): δ2.05-2.17(m, 2H), 2.64(m, 2H), 3.06-3.08(m, 2H), 3.88(s, 3H), 6.87(d, 1H), 7.28(d, 1H), 7.61(s, 1H).
化合物B-1:1H-NMR(400MHz, DMSO d-6): δ2.30-2.36(m, 2H), 3.16-3.19(m, 2H), 3.50-3.58(m, 2H), 3.70(s, 3H), 7.47(d, 1H), 7.62(s, 1H), 8.01(d, 1H).
化合物B-4:1H-NMR(400 MHz,DMSO d-6): δ2.21-2.28(m, 2H), 2.76-2.81(m, 2H), 3.54-3.56(m, 2H), 3.72(s, 3H), 7.77(d, 1H).
【0156】
(除草効果の評価)
次に本発明化合物が除草剤の有効成分として有用であることを以下の試験例で示す。
【0157】
(試験例1)
(1)試験用乳剤の調製
POAアリルフェニルエーテル(4.1重量部)、POE-POPグリコール(1重量部)、POEソルビタンラウレート(0.8重量部)、グリセリン(2.6重量部)、ジメチルホルムアミド(65.9重量部)、N-メチルピロリドン(5.1重量部)、シクロヘキサノン(15.4重量部)、および芳香族炭化水素(5.1重量部)を混合し溶解させて、乳剤を調製した。この乳剤(100μL)に対し、本発明化合物(4mg)を溶解させて、試験用乳剤を調製した。なお、POAは「ポリオキシアルキレン」を、POEは「ポリオキシエチレン」を、POPは「ポリオキシプロピレン」を意味する。
(2)茎葉散布処理
150cm2のポットに土壌を充填し、表層にエンバク(Avena sativa)、カミツレ(Matricaria chamomilla)、アキノエノコログサ(Setaria faberi)、メヒシバ(Digitaria ciliaris)、イチビ(Abutilon theophrasti)およびアオゲイトウ(Amaranthus retroflexus)の種子を播き、軽く覆土した。その後、温室内で生育させた。各植物が2~4cmの草丈に生育した時点で、所定の有効成分量になるように上記の試験用乳剤を水で希釈し、ヘクタール当たり250Lの散布水量にて小型噴霧器で茎葉部に散布した。
(3)評価
3週間後、雑草ごとに無処理区および処理区の地上部生草重を測定し、下記の算出式によって殺草率を算出した。
(4)殺草率の算出式
殺草率 (%) = 〔(無処理区の地上部生草重 - 処理区の地上部生草重) /(無処理区の地上部生草重)〕×100
【0158】
(a)エンバク
表3に示す化合物を、ヘクタール当たり250gの散布量になるように希釈乳剤を散布した。結果、いずれの化合物もエンバクに対し、100%の殺草活性を示した。
【0159】
【0160】
(b)カミツレ
表4に示す化合物を、ヘクタール当たり250gの散布量になるように希釈乳剤を散布した。結果、いずれの化合物もカミツレに対し、80%以上の殺草活性を示した。
【0161】
【0162】
(c)アキノエノコログサ
表5に示す化合物を、ヘクタール当たり250gの散布量になるように希釈乳剤を散布した。結果、いずれの化合物もアキノエノコログサに対し、100%の殺草活性を示した。
【0163】
【0164】
(d)メヒシバ
表6に示す化合物を、ヘクタール当たり250gの散布量になるように希釈乳剤を散布した。結果、いずれの化合物もメヒシバに対し、100%の殺草活性を示した。
【0165】
【0166】
(e)イチビ
表7に示す化合物を、ヘクタール当たり250gの散布量になるように希釈乳剤を散布した。結果、いずれの化合物もイチビに対し、80%以上の殺草活性を示した。
【0167】
【0168】
(f)アオゲイトウ
表8に示す化合物を、ヘクタール当たり250gの散布量になるように希釈乳剤を散布した。結果、いずれの化合物もアオゲイトウに対し、100%の殺草活性を示した。
【0169】
【0170】
(試験例2)茎葉処理試験
(1)試験用乳剤の調製
試験例1と同様に調製した。
(2)茎葉散布処理
150cm2のポットに土壌を充填し、表層にイタリアンライグラス(Loliummultiflorum)、メヒシバ(Digitaria ciliaris)、および飼料用トウモロコシ(Zea mays)の種子を播き、軽く覆土した。その後、温室内で生育させた。イタリアンライグラスおよびメヒシバが2~4cmの草丈に、飼料用トウモロコシが20~30cmの草丈に、生育した時点で、所定の有効成分量になるように上記の試験用乳剤を水で希釈し、ヘクタール当たり250Lの散布水量にて小型噴霧器で茎葉部に散布した。
(3)評価
4週間後、イタリアンライグラス、メヒシバおよび飼料用トウモロコシの無処理区および処理区の地上部生草重を測定し、下記の算出式によって殺草率を算出した。
(4)殺草率の算出式
殺草率 (%) = 〔(無処理区の地上部生草重 - 処理区の地上部生草重) /(無処理区の地上部生草重)〕×100
【0171】
A-2の化合物を、ヘクタール当たり63gの散布量になるように希釈乳剤を散布した。
また、特許文献1に記載の化合物(A)についても同様に散布した。
【0172】
【0173】
各化合物の殺草率を表9に示す。
【0174】
【0175】
(試験例3)
(1)試験用乳剤の調製
試験例1と同様に調製した。
(2)茎葉散布処理
150cm2のポットに土壌を充填し、表層に飼料用トウモロコシ(Zea mays)、スズメノテッポウ(Alopecurus myosuroides)、イタリアンライグラス(Loliummultiflorum)、エンバク(Avena sativa)、メヒシバ(Digitaria ciliaris)、アキノエノコログサ(Setaria faberi)、イチビ(Abutilon theophrasti)およびアオゲイトウ(Amaranthus retroflexus)の種子を播き、軽く覆土した。その後、温室内で生育させた。スズメノテッポウ、イタリアンライグラス、エンバク、メヒシバ、アキノエノコログサ、イチビおよびアオゲイトウが2~4cmの草丈に、飼料用トウモロコシが20~30cmの草丈に、生育した時点で、所定の有効成分量になるように上記の試験用乳剤を水で希釈し、ヘクタール当たり250Lの散布水量にて小型噴霧器で茎葉部に散布した。
(3)評価
3週間後、雑草ごとに無処理区および処理区の地上部生草重を測定し、下記の算出式によって殺草率を算出した。
(4)殺草率の算出式
殺草率 (%) = 〔(無処理区の地上部生草重 - 処理区の地上部生草重) /(無処理区の地上部生草重)〕×100
【0176】
A-2の化合物を、ヘクタール当たり250gまたは63gの散布量になるように希釈乳剤を散布した。
また、特許文献1に記載の化合物(A)についても同様に散布した。
各化合物の殺草率を表10に示す。表10中、「gai」は活性成分(active ingredient)のグラム(g)を示す。
【0177】
【0178】
上記表9および表10に示した結果から明らかなように、本発明化合物は特許文献1に記載の化合物に比べ、低薬量でも茎葉処理における殺草効果が優れている。その一方で、本発明化合物は飼料用トウモロコシに対して、殺草効果を示さなかったことから、本発明化合物が作物により安全であることが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0179】
本発明のピリダジン化合物は、低薬量でも確実な雑草防除効果を奏し、作物に対する薬害が少なく、且つ環境への安全性が高いので、除草剤の有効成分として有用である。発明の除草剤は、農園芸作物の栽培において、雑草の防除のために安心して使用することができる。