(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-07
(45)【発行日】2024-08-16
(54)【発明の名称】ゼロ重力シート及びそれを含む自動車
(51)【国際特許分類】
B60N 2/22 20060101AFI20240808BHJP
B60N 2/18 20060101ALI20240808BHJP
B60N 2/68 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
B60N2/22
B60N2/18
B60N2/68
(21)【出願番号】P 2022513217
(86)(22)【出願日】2020-03-05
(86)【国際出願番号】 CN2020077922
(87)【国際公開番号】W WO2021036221
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2022-04-22
(31)【優先権主張番号】201910782504.6
(32)【優先日】2019-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522073146
【氏名又は名称】延鋒汽車飾件系統有限公司
【氏名又は名称原語表記】YANFENG AUTOMOTIVE TRIM SYSTEMS CO., LTD
【住所又は居所原語表記】399 Liuzhou Road, Xuhui District Shanghai 200235, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】張 武
(72)【発明者】
【氏名】唐 勲
(72)【発明者】
【氏名】銭 大海
【審査官】岡▲さき▼ 潤
(56)【参考文献】
【文献】実開平02-022137(JP,U)
【文献】特開2018-187977(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0022248(US,A1)
【文献】特開平07-144564(JP,A)
【文献】実開昭62-060435(JP,U)
【文献】特開2015-016851(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0079333(US,A1)
【文献】実開平01-068948(JP,U)
【文献】特表2016-538182(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/22
B60N 2/18
B60N 2/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートベース、シートバック、前ブラケット及び後ブラケットを含み、前記前ブラケットと前記後ブラケットの上端はそれぞれ前記シートベースの前後両端にヒンジで連結され、前記前ブラケットと前記後ブラケットの下端はそれぞれシート装着座にヒンジで連結されるゼロ重力シートであって、前記シートバックの下端は前記シートベースの後端部を回って回転することができ、且つ前記シートバックの回転センターは前記シートベースの上端面の下方に位置し、
前記シートバックの回転センターは前記後ブラケットの上端ヒンジ連結センターと重なり、且つ前記後ブラケットの上端は前記シートバックに固定され、
前記シートバックの回転センターに角度調整器が設けられており、前記角度調整器の回転センターと前記シートバックの回転センターとが重なり、且つ、前記角度調整器の回転センターと前記後ブラケットの上端ヒンジ連結センターとが重な
り、
前記シートベースは対向して設けられた2つの側壁板を含み、前記シートバックは対向して設けられた2つの後壁板を含み、各前記側壁板と前記後壁板との間にいずれも1つの前記角度調整器が設けられており、前記角度調整器の固定部と回動部の側接続面はそれぞれ前記側壁板と前記後壁板に溶接固定され、
前記角度調整器にはいずれも前記回動部を駆動するための駆動機構が設けられており、2つの前記側壁板の間に第1リンクが設けられており、前記第1リンクの両端はそれぞれ2つの前記角度調整器の回動部に固定的に接続されることを特徴とするゼロ重力シート。
【請求項2】
前記後ブラケットの下端ヒンジ連結センターは前記シートバックの回転センターの前側に位置し、前記前ブラケットの下端ヒンジ連結センターは前記前ブラケットの上端ヒンジ連結センターの後側に位置する、ことを特徴とする請求項1に記載のゼロ重力シート。
【請求項3】
前記前ブラケットと前記後ブラケットはいずれも2つ設けられ、2つの前記前ブラケットはそれぞれ2つの前記側壁板の先端部に設けられ、2つの前記後ブラケットはそれぞれ前記側壁板の後端部に設けられる、ことを特徴とする請求項
1に記載のゼロ重力シート。
【請求項4】
2つの前記側壁板の間に第2リンクが更に設けられており、前記第2リンクの両端はそれぞれ2つの前記側壁板の先端部に固定的に接続される、ことを特徴とする請求項
1に記載のゼロ重力シート。
【請求項5】
前記シート装着座にそれぞれ前ヒンジ連結座及び後ヒンジ連結座が設けられており、前記前ブラケット及び前記後ブラケットはそれぞれ前記前ヒンジ連結座及び前記後ヒンジ連結座にヒンジで連結される、ことを特徴とする請求項1~
4のいずれか一項に記載のゼロ重力シート。
【請求項6】
前記後ブラケットと前記シートバックは一体成形構造又は組み合わせ組み立て構造である、ことを特徴とする請求項1~
4のいずれか一項に記載のゼロ重力シート。
【請求項7】
前記駆動機構は手動駆動又は電動駆動によって制御し、それによって前記角度調整器の回動部を駆動して回動させ、前記シートバックが前記シートバックの回転センターを回って回動することを実現する、ことを特徴とする請求項
1~
4のいずれか一項に記載のゼロ重力シート。
【請求項8】
請求項1~
7のいずれか一項に記載のゼロ重力シートを含む、ことを特徴とする自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本願は、出願日が2019年8月23日である中国特許出願2019107825046の優先権を主張している。本願はこの中国特許出願の全文を引用する。
【0002】
本発明は自動車の技術分野に関し、具体的には、ゼロ重力シート及びそれを含む自動車に関する。
【背景技術】
【0003】
ゼロ重力技術は、家具及び自動車シートの産業にいずれも応用されている。従来のゼロ重力の自動車シートは、その原理の概略図を
図1~2に示すように、シートベース1、前ブラケット3、後ブラケット4及びシート装着座5は1組の四リンク機構を構成し、角度調整器によってシートバック2を調節する時、シートバック2は後方へ回動すると同時に、角度調整器は接続板202によって後ブラケット4の回動を駆動してシートベース1も同期回動させ、シートバック2 の回転センターCがシートベース1の上方に設けられるため、シートバック2が後方へ回動する過程でシートバック2の下端部とシートベース1の上端面とに1つの段差Sが形成され、且つシートバック2が後方へ調節する角度が大きいほど、段差Sが大きくなる。これにより乗客の体幹は後方へ回動する過程で背中がシートバックの下端部のバンプAに押圧され、背中がシートバック2に貼り合わせることができず、乗車の快適性に影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的問題は、従来技術において、ゼロ重力シートがシートベースとシートバックの同期調節を行う場合、シートバックの下端部が乗員の背中に押圧し、乗車の快適性に影響を及ぼすという欠陥を克服するために、ゼロ重力シート及びそれを含む自動車を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は下記技術的解決手段により上記技術的問題を解決する。
ゼロ重力シートであって、シートベース、シートバック、前ブラケット及び後ブラケットを含み、前記前ブラケットと前記後ブラケットの上端はそれぞれ前記シートベースの前後両端にヒンジで連結され、前記前ブラケットと前記後ブラケットの下端はそれぞれシート装着座にヒンジで連結され、その特徴は、前記シートバックの下端は前記シートベースの後端部を回って回転することができ、且つ前記シートバックの回転センターは前記シートベースの上端面の下方に位置し、
前記回転センターは前記後ブラケットの上端ヒンジ連結センターと重なり、且つ前記後ブラケットの上端は前記シートバックに固定されることである。
【0006】
本解決手段において、シートバックの回転センターを下へ移してシートベース後端のブラケットのヒンジ連結センターと重なるようにさせ、且つシートバックの回転センターをシートベースの上端面の下方に位置させることにより、このように、シートバックとシートベースが共に連動して回動する時に、シートバックの下端部とシートベースの上端面とに非常に小さい段差を形成させ、ひいては段差がないようにさせる。このように、シートバックの下端部が基本的には乗員の背中に押圧しないように保証し、乗員の背中とシートバックとの貼り合わせ性を高め、乗車の快適性を保証する。
【0007】
好ましくは、前記後ブラケットの下端ヒンジ連結センターは前記回転センターの前側に位置し、前記前ブラケットの下端ヒンジ連結センターは前記前ブラケットの上端ヒンジ連結センターの後側に位置する。
【0008】
本解決手段において、上記構造の設置により、更にシートバックを後方へ回動させる時、後ブラケットの上端は上から下に向かって後方へ偏向し、前ブラケットは下から上に向かって後方へ偏向し、このように、前ブラケットと後ブラケットの上端の間の距離を大きくすることができ、より大きな角度でシートベースの後傾角度を変更することができ、乗員が後ろへ寄りかかる過程において、太腿はシートベースによりよく貼り合わせることができ、乗員の乗車快適性を更に向上させる。
【0009】
好ましくは、前記シートバックの回転センターに角度調整器が設けられており、前記角度調整器の固定部は前記シートベースに固定され、前記角度調整器の回動部は前記回転センターに固定される。
【0010】
本解決手段において、角度調整器を介してシートベースとシートバックとの間の角度を調節し、角度調整器自身が有するロック機構はシートベースとシートバックの角度が調節完了後に変化しないことを保持することができる。
【0011】
好ましくは、前記シートベースは対向して設けられた2つの側壁板を含み、前記シートバックは対向して設けられた2つの後壁板を含み、各前記側壁板と前記後壁板との間にいずれも1つの前記角度調整器が設けられており、前記角度調整器の固定部と回動部の側接続面はそれぞれ前記側壁板と前記後壁板に溶接固定される。
【0012】
本解決手段において、シートベース及びシートバックはいずれも骨格構造を用いて組み立てられ、シンプルな側壁板及び後壁板によってシートの組み立てを実現し、シートの重さを減少させるだけでなく、更に生産コストを低減する。角度調整器はシートベースの側壁板とシートバックの後壁板との間に設けられ、且つ溶接の方式により固定される。
【0013】
好ましくは、前記前ブラケットと前記後ブラケットはいずれも2つ設けられ、2つの前記前ブラケットはそれぞれ2つの前記側壁板の先端部に設けられ、2つの前記後ブラケットはそれぞれ前記側壁板の後端部に設けられる。
【0014】
本解決手段において、シートベースの側壁板の先端にそれぞれ1つの前ブラケットを採用し、側壁板の後端にそれぞれ1つの後ブラケットを採用することにより、このように、側壁板、シート装着座及び前ブラケット、後ブラケットは共同で2組の四リンク機構を構成し、2組の四リンク機構はシートの両側に設けられ、シートを調節する時の安定性を保証することができる。
【0015】
好ましくは、2つの前記側壁板の間に第1リンクが設けられており、前記第1リンクの両端はそれぞれ2つの前記角度調整器の回動部に固定的に接続される。
【0016】
本解決手段において、第1リンクを介して2つの角度調整器の回動部を接続させ、そのうちの1つの角度調整器を駆動して作動させる時、他の角度調整器を連れて作動させることができ、同時に2つの角度調整器を別々で駆動する必要がない。
【0017】
好ましくは、2つの前記側壁板の間に第2リンクが更に設けられており、前記第2リンクの両端はそれぞれ2つの前記側壁板の先端部に固定的に接続される。
【0018】
本解決手段において、第2リンクは2つの側壁板の先端部を接続し、シートベースの回動調節時の安定性を向上させることができる。
【0019】
好ましくは、前記シート装着座にそれぞれ前ヒンジ連結座及び後ヒンジ連結座が設けられており、前記前ブラケット及び前記後ブラケットはそれぞれ前記前ヒンジ連結座及び前記後ヒンジ連結座にヒンジで連結される。
【0020】
本解決手段において、前ブラケット及び後ブラケットの下端部のヒンジ連結を便利にするために、シート装着座にヒンジ連結座を設けることにより、同時にシートの組み立て及びその後の装着位置の調節にも便利である。
【0021】
好ましくは、前記後ブラケットと前記シートバックは一体成形構造又は組み合わせ組み立て構造である。
【0022】
本解決手段において、後ブラケットとシートバックは一体成形の方式で加工することができ、それぞれ加工した後に組み立てて装着することもできる。後ブラケットは大きな作動強度を負担する必要があって高性能の材料を必要とし、相対的にシートバックは人体の一部の圧力を負担するだけでよいため、シートバックの材料に対する要求は後ブラケットより非常に低い。そのため、浪費を回避するために、一般的には、後ブラケットを高性能の材料で単独に加工し、続いてシートバックと組み立てる。
【0023】
好ましくは、前記角度調整器に駆動機構が設けられており、前記駆動機構は手動駆動又は電動駆動によって制御し、それによって前記角度調整器の回動部を駆動して回動させ、前記シートバックが前記回転センターを回って回動することを実現する。
【0024】
自動車であって、その特徴は、前記自動車は前に記載のゼロ重力シートを含むことである。
【0025】
本分野の常識に合致する上で、上記各好ましい条件を、任意に組み合わせることができ、すなわち本発明の各好ましい実施例を得る。
【発明の効果】
【0026】
本発明のゼロ重力シートは、シートバックの回転センターを下へ移してシートベース後端のブラケットのヒンジ連結センターと重なるようにさせ、且つシートバックの回転センターをシートベースの上端面の下方に位置させることにより、このように、シートバックとシートベースを共に連動して回動させ、人の体幹と太腿との間の角度を1回で所定位置まで調節させ、且つシートバックの下端部とシートベースの上端面とに非常に小さい段差を形成させ、ひいては段差がないようにさせる。このように、シートバックの下端部が基本的には乗員の背中に押圧しないように保証し、乗員の背中とシートバックとの貼り合わせ性を高め、乗車の快適性を保証する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】従来技術におけるシートの構造概略図である。
【
図2】従来技術におけるシート調節後の構造概略図である。
【
図3】本発明の好ましい実施例におけるシートの骨格の構造概略図である。
【
図4】本発明の好ましい実施例におけるシートの骨格の局所的な構造概略図である。
【
図5】本発明の好ましい実施例におけるシートの骨格の局所的な構造の爆発概略図である。
【
図6】本発明の好ましい実施例におけるシートの構造概略図である。
【
図7】本発明の好ましい実施例におけるシートの連動調節使用時の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下は実施例の態様によって本発明を更に説明するが、それによって本発明を以下の実施例の範囲に限定するものではない。
【0029】
図3~7に示すように、本発明のゼロ重力シートは、シートベース1、シートバック2、前ブラケット3及び後ブラケット4を含み、前ブラケット3と後ブラケット4の上端はそれぞれシートベース1の前後両端にヒンジで連結され、前ブラケット3と後ブラケット4の下端はそれぞれシート装着座5にヒンジで連結され、シートバック2の下端はシートベース1の後端部を回って回転することができ、且つシートバック2の回転センターはシートベース1の上端面の下方に位置し、回転センターは後ブラケット4の上端ヒンジ連結センターと重なり、且つ後ブラケット4の上端はシートバック2に固定される。
【0030】
本実施例において、シートバック2の回転センターを下へ移してシートベース1後端のブラケットのヒンジ連結センターと重なるようにさせ、且つシートバック2の回転センターをシートベース1の上端面の下方に位置させることにより、このように、シートバック2とシートベース1が共に連動して回動する時に、シートバック2の下端部とシートベース1の上端面とに非常に小さい段差を形成させ、ひいては段差がないようにさせる。このように、シートバック2の下端部が基本的には乗員の背中に押圧しないように保証し、乗員の背中とシートバック2との貼り合わせ性を高め、乗車の快適性を保証する。
【0031】
後ブラケット4の下端ヒンジ連結センターは回転センターの前側に位置し、前ブラケット3の下端ヒンジ連結センターは前ブラケット3の上端ヒンジ連結センターの後側に位置する。
【0032】
本実施例において、上記構造の設置により、更にシートバック2を後方へ回動させる時、後ブラケット4の上端は上から下に向かって後方へ偏向し、前ブラケット3は下から上に向かって後方へ偏向し、このように、前ブラケット3と後ブラケット4の上端の間の距離を大きくすることができ、より大きな角度でシートベース1の後傾角度を変更することができ、乗員が後ろへ寄りかかる過程において、太腿はシートベース1によりよく貼り合わせることができ、乗員の乗車快適性を更に向上させる。
【0033】
本実施例において、シートバック2の回転センターに角度調整器8が設けられており、角度調整器8の固定部はシートベース1に固定され、角度調整器8の回動部は回転センターに固定される。角度調整器8を介してシートベース1とシートバック2との間の角度を調節し、角度調整器8自身が有するロック機構はシートベース1とシートバック2の角度が調節完了後に変化しないことを保持することができる。
【0034】
シートベース1は対向して設けられた2つの側壁板101を含み、シートバック2は対向して設けられた2つの後壁板201を含み、各側壁板101と後壁板201との間にいずれも1つの角度調整器8が設けられており、角度調整器8の固定部と回動部の側接続面はそれぞれ側壁板101と後壁板201に溶接固定される。本実施例において、シートベース1及びシートバック2はいずれも骨格構造を用いて組み立てられ、シンプルな側壁板101及び後壁板201によってシートの組み立てを実現し、シートの重さを減少させるだけでなく、更に生産コストを低減する。角度調整器8はシートベース1の側壁板101とシートバック2の後壁板201との間に設けられ、且つ溶接の方式により固定される。
【0035】
本実施例において、前ブラケット3及び後ブラケット4はいずれも2つ設けられ、2つの前ブラケット3はそれぞれ2つの側壁板101の先端部に設けられ、2つの後ブラケット4はそれぞれ側壁板101の後端部に設けられる。シートベース1の側壁板101の先端にそれぞれ1つの前ブラケット3を採用し、側壁板101の後端にそれぞれ1つの後ブラケット4を採用することにより、このように、側壁板101、シート装着座5及び前ブラケット3、後ブラケット4は共同で2組の四リンク機構を構成し、2組の四リンク機構はシートの両側に設けられ、シートを調節する時の安定性を保証することができる。
【0036】
本実施例において、2つの側壁板101の間には第1リンク6が設けられており、第1リンク6の両端はそれぞれ2つの角度調整器8の回動部に固定的に接続される。第1リンク6を介して2つの角度調整器8の回動部を接続させることにより、そのうちの1つの角度調整器8を駆動して作動させる時、他の角度調整器8を連れて作動させることができ、同時に2つの角度調整器8を別々で駆動する必要がない。シートベース1の回動調節時の安定性を向上させるために、2つの側壁板101の間には更に第2リンク7が設けられており、第2リンク7の両端はそれぞれ2つの側壁板101の先端部に固定的に接続される。
【0037】
シート装着座5にそれぞれ前ヒンジ連結座10及び後ヒンジ連結座11が設けられており、前ブラケット3及び後ブラケット4はそれぞれ前ヒンジ連結座10及び後ヒンジ連結座11にヒンジで連結される。これは前ブラケット3及び後ブラケット4の下端部のヒンジ連結を便利にするためであり、シート装着座5にヒンジ連結座を設けることにより、同時にシートの組み立て及びその後の装着位置の調節にも便利である。
【0038】
後ブラケット4とシートバック2は一体成形構造又は組み合わせ組み立て構造である。後ブラケット4とシートバック2は一体成形の方式で加工することができ、それぞれ加工した後に組み立てて装着することもできる。後ブラケット4は大きな作動強度を負担する必要があって高性能の材料を必要とし、相対的にシートバック2は人体の一部の圧力を負担するだけでよいため、シートバック2の材料に対する要求は後ブラケット4より非常に低い。そのため、本実施例において、浪費を回避するために、後ブラケット4を高性能の材料で単独に加工し、続いてシートバック2と組み立てる。
【0039】
角度調整器8に駆動機構9が設けられており、駆動機構9は手動駆動又は電動駆動によって制御し、それによって角度調整器8の回動部を駆動して回動させ、シートバック2が回転センターを回って回動させることを実現する。顧客は自分のニーズに応じて自由に選択することができる。シートの自動化制御を満たすために、本実施例において、駆動機構9は電動駆動制御を採用する。またシートに手動駆動制御又は電動駆動制御を同時に使用することもでき、そのうち一方の駆動機構制御を使用する時、他方の駆動機構は角度調整器の運動に干渉しないことを満たせばよい。
【0040】
本発明は、更に自動車を開示し、当該自動車は前に記載のゼロ重力シートを含む。
【0041】
以上、本発明の具体的な実施形態を説明したが、当業者であれば理解されるように、これは例示的なものに過ぎず、本発明の保護範囲は添付の特許請求の範囲によって限定される。当業者は本発明の原理及び実質から逸脱しない前提で、これらの実施形態に対して様々な変更又は修正を行うことができるが、これらの変更及び修正はいずれも本発明の保護範囲に属する。
【符号の説明】
【0042】
A シートバックの下端部のバンプ
B 乗員の臀部の下端とシートベースとの接触点
C 従来技術におけるシートバックの回転センター
D 従来技術におけるシートベースの回転センター
F 本発明におけるシートベースとシートバックの連動回動センター
1 シートベース
101 側壁板
2 シートバック
201 後壁板
202 接続板
3 前ブラケット
4 後ブラケット
5 シート装着座
6 第1リンク
7 第2リンク
8 角度調整器
9 駆動機構
10 前ヒンジ連結座
11 後ヒンジ連結座