(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-07
(45)【発行日】2024-08-16
(54)【発明の名称】中央気流用および周辺気流用の空気吸込み口を備えるエアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/40 20200101AFI20240808BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20240808BHJP
A24F 40/465 20200101ALI20240808BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/20
A24F40/465
(21)【出願番号】P 2022514208
(86)(22)【出願日】2020-09-16
(86)【国際出願番号】 EP2020075881
(87)【国際公開番号】W WO2021053023
(87)【国際公開日】2021-03-25
【審査請求日】2022-03-02
(32)【優先日】2019-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】バティスタ ルイ ヌーノ
(72)【発明者】
【氏名】カリ リカルド
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/206616(WO,A1)
【文献】特表2018-534926(JP,A)
【文献】特表2017-515486(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/40
A24F 40/20
A24F 40/465
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置であって、
エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を受容するための空洞と、
前記空洞と流体接続された、かつ周囲空気を前記空洞の中に引き出すことを可能にする、第一の空気吸込み口と、
前記空洞と流体接続された、かつ周囲空気を前記空洞の中に引き出すことを可能にする、第二の空気吸込み口と、を備え、
前記第一の空気吸込み口が、前記空洞の中央部分と流体接続されるように構成されていて、かつ前記第二の空気吸込み口が、前記空洞の周辺部分と流体接続されるように構成されている、エアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記エアロゾル発生装置が誘導加熱配設をさらに備え、前記誘導加熱配設が誘導コイルおよびサセプタ組立品を備え、前記サセプタ組立品が、前記空洞内で中央に配設された中央サセプタ配設と、前記中央サセプタ配設から距離を置いて、かつ前記中央サセプタ配設の周りに配設された周辺サセプタ配設とを備える、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記中央サセプタ配設および前記周辺サセプタ配設のうちの一方または両方が、細長いサセプタを備える、請求項2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記中央サセプタ配設および前記周辺サセプタ配設のうちの一方または両方が、前記空洞の中央長軸方向軸の周りに配設されている、請求項2または3に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記中央サセプタ配設および前記周辺サセプタ配設のうちの一方または両方が、前記空洞の一部を画定する、請求項2~4のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記中央サセプタ配設および前記周辺サセプタ配設が同軸に配設されている、請求項2~5のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記空洞の前記中央部分が、前記中央サセプタ配設内に配設されている、請求項2~6のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記空洞の前記周辺部分が、前記中央サセプタ配設の周りおよび前記周辺サセプタ配設内に配設されている、請求項2~7のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記エアロゾル発生装置が、前記第一の空気吸込み口を前記空洞の前記中央部分と流体接続する第一の気流チャネルを備える、請求項1~8のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記第一の気流チャネルが、前記空洞の上流に配設されている、請求項9に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
前記エアロゾル発生装置が、前記第二の空気吸込み口を前記空洞の前記周辺部分と流体接続する第二の気流チャネルを備える、請求項
9または10に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項12】
前記第二の気流チャネルが、前記空洞の上流部分に隣接して配設されている、請求項11に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項13】
前記第一の気流チャネルが、前記第二の気流チャネルから距離を置いて配設されている、請求項11または12に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項14】
前記第一の気流チャネルが、前記第二の気流チャネルから流体的に分離されて構成されている、請求項11~13のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項15】
請求項1~14のいずれかに記載のエアロゾル発生装置と、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品とを備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエアロゾル発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
吸入可能なベイパーを発生するためのエアロゾル発生装置を提供することは周知である。こうした装置は、エアロゾル形成基体を燃焼することなく、エアロゾル形成基体の一つ以上の構成要素が揮発する温度にエアロゾル形成基体を加熱してもよい。エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品の一部として提供されてもよい。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置の空洞(加熱チャンバーなど)の中へのエアロゾル発生物品の挿入のためにロッド形状を有してもよい。発熱体は、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の加熱チャンバーの中に挿入された後に、エアロゾル形成基体を加熱するために、加熱チャンバーの中に、またはその周りに配設されてもよい。発熱体は抵抗発熱体であってもよい。最近、エアロゾル形成基体を加熱するために誘導加熱を使用することが提案されている。エアロゾル形成基体を通る気流は、不均一である場合がある。これは望ましくない場合がある。空洞の中への気流は、不均一である場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
エアロゾル発生が改善されたエアロゾル発生装置を有することが望ましいことになる。気流が改善されたエアロゾル発生装置を有することが望ましいことになる。気流がより均一なエアロゾル発生装置を有することが望ましいことになる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一実施形態によると、エアロゾル形成基体を備えるエアロゾル発生物品を受容するための空洞を備えるエアロゾル発生装置が提供されている。装置は、空洞と流体接続された、かつ周囲空気を空洞の中に引き出すことを可能にする、第一の空気吸込み口をさらに備える。装置は、空洞と流体接続された、かつ周囲空気を空洞の中に引き出すことを可能にする、第二の空気吸込み口をさらに備える。第一の空気吸込み口は、空洞の中央部分と流体接続されるように構成されている。第二の空気吸込み口は、空洞の周辺部分と流体接続されるように構成されている。
【0005】
二つの空気吸込み口からの空気は、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体の異なる部分に方向付けることができるため、二つの空気吸込み口を提供することは、エアロゾル発生を改善する。
【0006】
エアロゾル発生装置は、誘導加熱配設をさらに備えてもよい。誘導加熱配設は、誘導コイルおよびサセプタ組立品を備えてもよい。サセプタ組立品は、空洞内で中央に配設された中央サセプタ配設と、中央サセプタ配設から距離を置いて、かつその周りに配設された周辺サセプタ配設とを備えてもよい。
【0007】
エアロゾル発生物品を中央サセプタ配設と周辺サセプタ配設の間に挟むことができるように、エアロゾル発生物品は中空のエアロゾル発生物品として構成されていることが好ましい。エアロゾル発生物品は、内層を構成する第一の管状エアロゾル形成基体層と、第一の管状エアロゾル形成基体層を包囲して配設された、かつ外層を構成する第二の管状エアロゾル形成基体層とを備える基体部分を備えてもよい。中央サセプタ配設は、第一の管状エアロゾル形成基体層を加熱するように構成されてもよい。周辺サセプタ配設は、第二の管状エアロゾル形成基体層を加熱するように構成されてもよい。エアロゾル発生物品について下記に、より詳細に説明する。
【0008】
空洞の中央部分は、中央サセプタ配設内に配設されてもよい。中央サセプタ配設は、中空であってもよい。中央サセプタ配設は、中央サセプタ間に中空空洞を画定する少なくとも二つの中央サセプタを備えてもよい。中央サセプタ配設の中空構成は、中空の中央サセプタ配設の中への気流を可能にしてもよい。間隙が、少なくとも二つの中央サセプタの間に提供されてもよい。結果として、中央サセプタ配設を通る気流が可能である場合がある。気流は、空洞の長軸方向中心軸に平行な方向、またはそれに沿った方向で可能である場合がある。好ましくは、間隙によって、横方向の気流が可能である場合がある。横方向気流は、中央サセプタ間の間隙を通した、入ってくる空気と、エアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体との間の接触に起因して、エアロゾル発生を可能にする場合がある。中央サセプタ配設の加熱は、エアロゾル発生物品が空洞の中に挿入されている時に、中空の中央サセプタ配設内のエアロゾル発生をもたらしてもよい。中央サセプタ配設は、エアロゾル発生物品の第一の管状エアロゾル形成基体層を加熱するように構成されてもよい。中央サセプタ配設は、エアロゾル発生物品の内部を加熱するように構成されてもよい。エアロゾルは、中空の中央サセプタ配設を通して下流方向に引き出されてもよい。
【0009】
空洞の中央部分は、中央サセプタ配設の内部体積であってもよい。空洞の中央部分は、中央サセプタ配設の体積に対応する場合がある。空洞の中央部分は、円筒形状を有してもよい。空洞の中央部分は、細長くてもよい。空洞の中央部分は、空洞の長軸方向中心軸に沿って延びてもよい。空洞の中央部分の外径は、エアロゾル発生物品の基体部分の内径に対応してもよい。
【0010】
中央部分は基部を有してもよい。基部は、中央部分の上流端または遠位端に配設されてもよい。第一の空気吸込み口は、中央部分の基部と流体接続されてもよい。中央部分は、空気が中央部分の中に流れることを可能にするための一つ以上の空気開口を備えてもよい。
【0011】
空洞の周辺部分は、中央サセプタ組立品の周りに、および周辺サセプタ組立品内に配設されてもよい。エアロゾル発生物品が空洞の中に挿入されている時、エアロゾル発生物品の基体部分は、空洞の周辺部分内に配設されてもよい。空洞の周辺部分は、管状であってもよい。周辺部分の内径は、エアロゾル発生物品の基体部分の内径に対応してもよい。周辺部分の外径は、エアロゾル発生物品の基体部分の外径に対応してもよい。周辺サセプタ配設は、空洞の周辺部分を包囲して配設されてもよい。周辺サセプタ配設は、空洞の周辺部分内に配設されてもよい。
【0012】
エアロゾル発生装置は、第一の空気吸込み口を空洞の中央部分と流体接続する第一の気流チャネルを備えてもよい。第一の空気吸込み口と空洞の中央部分の基部との間に、第一の気流チャネルが配設されてもよい。第一の気流チャネルは、第一の空気吸込み口を基部と流体接続してもよい。第一の空気吸込み口は、エアロゾル発生装置のハウジング内に提供されてもよい。第一の空気吸込み口は、複数の個別の空気吸込み口を備えてもよい。個別の空気吸込み口は、エアロゾル発生装置のハウジングの対向する両側面上に配設されてもよい。第一の空気吸込み口は、円形断面を有してもよい。第一の空気吸込み口は、長方形断面を有してもよい。第一の空気吸込み口は、長円形または楕円形断面を有してもよい。第一の空気吸込み口は、エアロゾル発生装置の長軸方向軸に対して直角を成す延長方向を有してもよい。
【0013】
エアロゾル発生装置は、第二の空気吸込み口を空洞の周辺部分と流体接続する第二の気流チャネルを備えてもよい。第二の空気吸込み口は、エアロゾル発生装置のハウジング内に提供されてもよい。第二の空気吸込み口は、複数の個別の空気吸込み口を備えてもよい。個別の空気吸込み口は、エアロゾル発生装置のハウジングの対向する両側面上に配設されてもよい。第二の空気吸込み口は、円形断面を有してもよい。第二の空気吸込み口は、長方形断面を有してもよい。第二の空気吸込み口は、長円形または楕円形断面を有してもよい。第二の空気吸込み口は、エアロゾル発生装置の長軸方向軸に対して直角を成す延長方向を有してもよい。
【0014】
第一の空気吸込み口は、第二の空気吸込み口から距離を置いて配設されてもよい。第一の空気吸込み口は、第二の空気吸込み口から流体的に分離されて構成されてもよい。第一の気流チャネルは、第二の気流チャネルから距離を置いて配設されてもよい。第一の気流チャネルは、第二の気流チャネルから流体的に分離されて構成されてもよい。
【0015】
第一の気流チャネルは、空洞の上流に配設されてもよい。第一の気流チャネルは、空洞の遠位に配設されてもよい。第一の気流チャネルは、第二の気流チャネルの上流に配設されてもよい。第一の気流チャネルは、第二の気流チャネルの遠位に配設されてもよい。第一の気流チャネルは、第一の空気吸込み口の下流の空洞の長軸方向中心軸に対して本質的に直角を成して延びてもよい。直角を成す部分の下流で、第一の空気吸込み口の方向は、空洞の長軸方向中心軸に沿うように、好ましくは長軸方向中心軸上に直接あるように変化してもよい。空洞の中央部分の上流に配設された基部は、空洞の長軸方向中心軸上に配設されてもよい。周囲空気は、第一の空気吸込み口と、空洞の中央部分を中央で通る第一の気流チャネルとを通して引き出されてもよい。
【0016】
第二の気流チャネルは、空洞の上流部分に隣接して配設されてもよい。第二の気流チャネルは、空洞の上流端に隣接して配設されてもよい。第二の気流チャネルは、第二の空気吸込み口の下流の空洞の長軸方向中心軸に対して実質的に直角を成してもよい。第一の気流チャネルの代わりに、第二の気流チャネルは、空洞の長軸方向中心軸の周りの周辺、より具体的には空洞の周辺部分に向かって空気を方向付けるように配設されてもよい。第二の気流チャネルは、空気が空洞の中心に、または空洞の長軸方向中心軸に沿って引き出されることを防止するように構成されてもよい。
【0017】
中央サセプタ組立品および周辺サセプタ組立品のうちの一方または両方は、細長いサセプタを備えてもよい。
【0018】
中央サセプタ配設は、中央サセプタを備えてもよい。中央サセプタ配設は、少なくとも二つの中央サセプタを備えてもよい。中央サセプタ配設は、三つ以上の中央サセプタを備えてもよい。中央サセプタ配設は、四つの中央サセプタを備えてもよい。中央サセプタ配設は、四つの中央サセプタから成ってもよい。中央サセプタ(複数可)のうちの少なくとも一つ、好ましくはすべては、細長くてもよい。
【0019】
中央サセプタは、空洞の長軸方向中心軸に平行に配設されてもよい。複数の中央サセプタが提供される場合、各中央サセプタは、空洞の長軸方向中心軸に平行に等距離で配設されてもよい。
【0020】
周辺サセプタ配設は、細長い、好ましくはブレード形状のサセプタ、または円筒形状のサセプタを備えてもよい。周辺サセプタ配設は、少なくとも二つのブレード形状のサセプタを備えてもよい。ブレード形状のサセプタは、空洞を包囲して配設されてもよい。ブレード形状のサセプタは、空洞の長軸方向中心軸に平行に配設されてもよい。ブレード形状のサセプタは、空洞の内部に配設されてもよい。ブレード形状のサセプタは、エアロゾル発生物品が空洞の中に挿入されている時にエアロゾル発生物品を保持するために配設されてもよい。ブレード形状のサセプタは、ブレード形状のサセプタの中へのエアロゾル発生物品の挿入を容易にするために、裾が広がった下流端を有してもよい。空気は、ブレード形状のサセプタの間の空洞の中に流れてもよい。個別のブレード形状のサセプタの間に間隙が提供されてもよい。空気はその後、エアロゾル発生物品と接触してもよく、またはエアロゾル発生物品の中に入ってもよい。空気によるエアロゾル発生物品の均一な貫通は、このようにして達成されてもよく、それによってエアロゾル発生を最適化する。周辺サセプタ配設は、エアロゾル発生物品の第二の管状エアロゾル形成物質層を加熱するように構成されてもよい。周辺サセプタ配設は、エアロゾル発生物品の外側を加熱するように構成されてもよい。
【0021】
中央サセプタ組立品および周辺サセプタ組立品のうちの一方または両方は、空洞の中央長軸方向軸の周りに配設されてもよい。複数の中央サセプタが提供される場合、中央サセプタは、空洞の中央長軸方向軸の周りにリング形状の向きで配設されてもよい。エアロゾル発生物品が空洞の中に挿入されている時、エアロゾル発生物品は、中央サセプタ配設の配設によって空洞内で中心に置かれてもよい。周辺サセプタ配設は、中央サセプタ配設の周りに配設されてもよい。周辺サセプタ配設が複数の周辺サセプタを備える場合、各周辺サセプタは、空洞の中央長軸方向軸に平行に等距離で配設されてもよい。
【0022】
中央サセプタ配設はリング形状の断面を有してもよい。中央サセプタ配設は、リング形状の断面を有する中空空洞を画定する少なくとも二つの中央サセプタを備えてもよい。中央サセプタ配設は管状であってもよい。中央サセプタ配設が少なくとも二つの中央サセプタを備える場合、中央サセプタは管状中央サセプタ配設を形成するように配設されてもよい。気流は、中央サセプタ間の間隙を通して中央サセプタ配設を通して可能であることが好ましい。
【0023】
周辺サセプタはリング形状の断面を有してもよい。周辺サセプタ配設は、リング形状の断面を有する中空空洞を画定する少なくとも二つの周辺サセプタを備えてもよい。周辺サセプタ配設は管状であってもよい。
【0024】
周辺サセプタ配設は、中央サセプタ配設の外径よりも大きい内径を有してもよい。周辺サセプタ配設と中央サセプタ配設の間に、空洞が配設されてもよい。空洞は、環状の中空の円筒形状の空洞として構成されてもよい。
【0025】
中央サセプタ組立品および周辺サセプタ組立品のうちの一方または両方は、空洞の一部を画定してもよい。空洞は、中央サセプタ組立品および周辺サセプタ組立品のうちの一方または両方を備えてもよい。中央サセプタ組立品は、空洞の中央部分内に配設されてもよい。周辺サセプタ組立品は、空洞の周辺部分内に配設されてもよい。周辺サセプタ組立品は、空洞の外周を画定してもよい。
【0026】
中央サセプタ組立品および周辺サセプタ組立品は、同軸で配設されてもよい。
【0027】
エアロゾル発生装置は電源を備えてもよい。電源は直流(DC)電源であってもよい。電源は誘導コイルに電気的に接続されてもよい。一実施形態において、電源は、約2.5ボルト~約4.5ボルトの範囲のDC供給電圧と、約1アンペア~約10アンペアの範囲のDC供給電流とを有するDC電源(約2.5ワット~約45ワットの範囲のDC電源に相当)である。エアロゾル発生装置は有利なことに、DC電源によって供給されたDC電流を交流電流に変換するための直流から交流への(DC/AC)インバータを備えてもよい。DC/ACコンバータは、クラスD、クラスCまたはクラスEの電力増幅器を備えてもよい。電源は交流電流を提供するように構成されてもよい。
【0028】
電源は再充電可能なリチウムイオン電池などの電池であってもよい。別の方法として、電源はコンデンサーなど別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電源は再充電を必要とする場合がある。電源は、エアロゾル発生装置の一回以上の使用のために十分なエネルギーの蓄積を可能にする容量を有してもよい。例えば、電源は従来の紙巻たばこ1本を喫煙するのにかかる典型的な時間に対応する約6分間、または6分の倍数の時間にわたるエアロゾルの連続的な発生を可能にするのに十分な容量を有してもよい。別の実施例において、電源は所定の吸煙回数、または不連続的な起動を可能にするのに十分な容量を有してもよい。
【0029】
誘導コイルへの電源は高周波で動作するように構成されてもよい。高周波で動作するために、クラスEの電力増幅器が好ましい。本明細書で使用される「高周波振動電流」という用語は、500キロヘルツ~30メガヘルツの周波数を有する振動電流を意味する。高周波振動電流は、約1メガヘルツ~約30メガヘルツの周波数を有してもよく、約1メガヘルツ~約10メガヘルツの周波数を有することが好ましく、約5メガヘルツ~約8メガヘルツの周波数を有することがより好ましい。
【0030】
別の実施形態において、電力増幅器のスイッチング周波数は、より低いkHz範囲、例えば100kHz~400KHzであってもよい。クラスDまたはクラスCの電力増幅器が使用される実施形態において、このkHz範囲のスイッチング周波数は特に有利である。スイッチングトランジスタは、ランプアップおよびランプダウンタイム、ダウンタイム、およびオンタイムを有する。従って、クラスDの電力増幅器において、一組の二つまたは四つの(対で動作する)スイッチングトランジスタを使用する場合、より低いkHz範囲におけるスイッチング周波数は、電力増幅器の破壊を避けるために、次のトランジスタがランプアップする前に一つのトランジスタに必要なダウンタイムを考慮に入れることになる。
【0031】
誘導加熱配設は、誘導によって熱を発生するように構成されてもよい。誘導加熱配設は、誘導コイルおよびサセプタ組立品を備える。単一の誘導コイルが提供されてもよい。単一のサセプタ組立品が提供されてもよい。単一の誘導コイルよりも多い誘導コイルが提供されていることが好ましい。第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルが提供されてもよい。単一のサセプタ組立品よりも多いサセプタ組立品が提供されていることが好ましい。本明細書に記載の通り、サセプタ組立品は、中央サセプタ配設および周辺サセプタ配設を備える。誘導コイルはサセプタ組立品を包囲してもよい。第一の誘導コイルは、サセプタ組立品の第一の領域を包囲してもよい。第二の誘導コイルは、サセプタ組立品の第二の領域を包囲してもよい。誘導コイルによって包囲された領域は、以下でより詳細に説明する通り、加熱ゾーンとして構成されてもよい。
【0032】
エアロゾル発生装置は磁束集中器を備えてもよい。磁束集中器は、高い透磁率を有する材料から作製されてもよい。磁束集中器は、誘導加熱配設を包囲して配設されてもよい。磁束集中器は、磁力線を磁束集中器の内部に集中させ、それによって誘導コイルによるサセプタ組立品の加熱効果を増大させる場合がある。
【0033】
エアロゾル発生装置はコントローラを備えてもよい。コントローラは誘導コイルに電気的に接続されてもよい。コントローラは、第一の誘導コイルに、および第二の誘導コイルに電気的に接続されてもよい。コントローラは、誘導コイル(複数可)に供給された電流、およびそれ故に誘導コイル(複数可)によって発生された磁界強度を制御するように構成されてもよい。
【0034】
電源およびコントローラは、誘導コイル、好ましくは第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルに接続されて、かつ誘導コイルの各々に互いに独立して交流電流を提供するように構成されてもよく、これによって使用時に、誘導コイルは各々、交番磁界を発生する。これは、電源およびコントローラが、第一の誘導コイルに単独で、または第二の誘導コイルに単独で、または両方の誘導コイルに同時に交流電流を提供することができてもよいことを意味する。異なる加熱プロファイルは、そのようにして達成されてもよい。加熱プロファイルは、それぞれの誘導コイルの温度を指してもよい。高温に加熱するために、交流電流を両方の誘導コイルに同時に供給してもよい。より低い温度に加熱するために、またはエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体の一部分のみを加熱するために、交流電流を第一の誘導コイルのみに供給してもよい。その後、交流電流は第二の誘導コイルのみに供給されてもよい。
【0035】
コントローラは、誘導コイルおよび電源に接続されてもよい。コントローラは、電源から誘導コイルへの電力の供給を制御するように構成されてもよい。コントローラはマイクロプロセッサを備えてもよく、これはプログラマブルマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、または特定用途向け集積回路チップ(ASIC)、もしくは制御を提供する能力を有する他の電子回路であってもよい。コントローラは、さらなる電子構成要素を備えてもよい。コントローラは、誘導コイル(複数可)への電流供給を調節するよう構成されてもよい。電流はエアロゾル発生装置の起動後、誘導コイル(複数可)に連続的に供給されてもよく、または断続的(例えば毎回の吸煙ごと)に供給されてもよい。
【0036】
電源およびコントローラは、第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルの各々に供給された交流電流の振幅を独立して変化させるように構成されてもよい。この構成を用いて、第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルによって発生された磁界の強度を、各コイルに供給された電流の振幅を変化させることによって独立して変化させてもよい。これは、都合よく変えられる加熱効果を容易にする場合がある。例えば、コイルのうちの一方または両方に提供された電流の振幅は、起動中に増大されて、エアロゾル発生装置の開始時間を減少させてもよい。
【0037】
コントローラは、DC/ACコンバータの入力側の電流供給をチョップすることができるように構成されてもよい。このように、誘導コイル(複数可)に供給された電力は、負荷サイクル管理の従来の方法によって制御されてもよい。
【0038】
エアロゾル発生装置の第一の誘導コイルは、第一の回路の一部を形成してもよい。第一の回路は共鳴回路であってもよい。第一の回路は第一の共鳴周波数を有してもよい。第一の回路は第一のコンデンサーを備えてもよい。第二の誘導コイルは第二の回路の一部を形成してもよい。第二の回路は共鳴回路であってもよい。第二の回路は第二の共鳴周波数を有してもよい。第一の共鳴周波数は第二の共鳴周波数と異なってもよい。第一の共鳴周波数は第二の共鳴周波数と同一であってもよい。第二の回路は第二のコンデンサーを備えてもよい。共鳴回路の共鳴周波数は、それぞれの誘導コイルのインダクタンスと、それぞれのコンデンサーの静電容量とに依存する。
【0039】
エアロゾル発生装置の空洞は開放端を有してもよく、エアロゾル発生物品はその中に挿入される。開放端は近位端であってもよい。空洞は、開放端の反対側に閉鎖端を有してもよい。閉鎖端は空洞の基部であってもよい。閉鎖端は、基部内に配設された空気開口の提供を除いて閉鎖されていてもよい。空洞の基部は平坦であってもよい。空洞の基部は円形状であってもよい。空洞の基部は空洞の上流に配設されてもよい。開放端は空洞の下流に配設されてもよい。空洞は細長い延長を有してもよい。空洞は長軸方向中心軸を有してもよい。長軸方向は、長軸方向中心軸に沿って開放端と閉鎖端の間に延びる方向であってもよい。空洞の長軸方向中心軸は、エアロゾル発生装置の長軸方向軸と平行であってもよい。
【0040】
空洞は加熱チャンバーとして構成されてもよい。空洞は円筒形状を有してもよい。空洞は中空円筒形状を有してもよい。空洞は円形断面を有してもよい。空洞は、楕円形または長方形の断面を有してもよい。空洞は、エアロゾル発生物品の外径に対応する内径を有してもよい。
【0041】
本明細書で使用される「長さ」という用語は、エアロゾル発生装置の、またはエアロゾル発生物品の、またはエアロゾル発生装置もしくはエアロゾル発生物品の構成要素の長軸方向における主要な寸法を指す。
【0042】
本明細書で使用される「幅」という用語は、エアロゾル発生装置の、またはエアロゾル発生物品の、またはエアロゾル発生装置もしくはエアロゾル発生物品の構成要素の、その長さに沿った特定の場所での、横断方向における主要な寸法を指す。「厚さ」という用語は、幅と直角を成す横断方向での寸法を指す。
【0043】
本明細書で使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体に関する。こうした揮発性化合物は、エアロゾル形成基体を加熱することによって放出されてもよい。エアロゾル形成基体はエアロゾル発生物品の一部である。
【0044】
本明細書で使用される「エアロゾル発生物品」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有するエアロゾル形成基体を含む物品を指す。例えば、エアロゾル発生物品は、システムの近位端またはユーザー端でマウスピースを吸うまたは吸煙するユーザーによって直接吸入可能なエアロゾルを発生する物品であってもよい。エアロゾル発生物品は使い捨てであってもよい。たばこを含むエアロゾル形成基体を含む物品は、たばこスティックと称される。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置の空洞の中に挿入可能であってもよい。
【0045】
本明細書で使用される「エアロゾル発生装置」という用語は、エアロゾル発生物品と相互作用してエアロゾルを発生させる装置を指す。
【0046】
本明細書で使用される「エアロゾル発生システム」という用語は、本明細書でさらに説明および図示される通りのエアロゾル発生物品と、本明細書でさらに説明および図示される通りのエアロゾル発生装置との組み合わせを指す。システムにおいて、エアロゾル発生物品およびエアロゾル発生装置は協働して、吸入可能なエアロゾルを発生する。
【0047】
本明細書で使用される「近位」という用語は、ユーザー端(またはエアロゾル発生装置の口側端)を指し、また「遠位」という用語は、近位端の反対側の端を指す。空洞に言及する時、「近位」という用語は、空洞の開放端に最も近い領域を指し、また「遠位」という用語は、閉鎖端に最も近い領域を指す。
【0048】
本明細書で使用される「上流」および「下流」という用語は、エアロゾル発生装置の使用中にユーザーがエアロゾル発生装置を吸う方向に対する、エアロゾル発生装置の構成要素または構成要素の部分の相対的な位置を説明するために使用される。
【0049】
本明細書で使用される「サセプタ組立品」は、変化する磁界に供される時に加熱する導電性要素を意味する。これはサセプタ組立品内で誘導される渦電流、またはヒステリシス損失、または渦電流とヒステリシス損失の両方の結果であってもよい。使用中に、サセプタ組立品は、エアロゾル発生装置の空洞の中に受容されたエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体と熱的に接触して、または密接に熱的に近接して位置する。このように、エアロゾル形成基体は、エアロゾルが形成されるように、サセプタ組立品によって加熱される。
【0050】
サセプタ組立品は、対応する誘導コイルの形状に対応する形状を有してもよい。サセプタ組立品は、サセプタ組立品を誘導コイルの内部に配設することができるように、対応する誘導コイルの直径よりも小さい直径を有してもよい。
【0051】
「加熱ゾーン」という用語は、加熱ゾーン内、または加熱ゾーンの周りに定置されたサセプタ組立品が誘導コイルによって誘導加熱可能であるように、誘導コイルによって少なくとも部分的に包囲されている空洞の長さの一部分を指す。加熱ゾーンは、第一の加熱ゾーンおよび第二の加熱ゾーンを備えてもよい。加熱ゾーンは、第一の加熱ゾーンおよび第二の加熱ゾーンに分割されてもよい。第一の加熱ゾーンは、第一の誘導コイルによって包囲されてもよい。第二の加熱ゾーンは、第二の誘導コイルによって包囲されてもよい。三つ以上の加熱ゾーンが提供されてもよい。複数の加熱ゾーンが提供されてもよい。誘導コイルは、各加熱ゾーンに対して提供されてもよい。一つ以上の誘導コイルは、加熱ゾーンを包囲するように移動可能に配設されてもよく、また加熱ゾーンのセグメント化された加熱のために構成されてもよい。
【0052】
本明細書で使用される「コイル」という用語は全体を通して、「誘導コイル(inductive coil)」または「誘導コイル(induction coil)」または「インダクタ」または「インダクタコイル」という用語と互換可能である。コイルは、電源に接続された被駆動(一次)コイルであってもよい。
【0053】
加熱効果は、第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルを独立して制御することによって変化する場合がある。異なる構成を有する第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルを提供することによって、同じ印加電流下で各コイルによって発生された磁界は異なり、そのため加熱効果は変化する場合がある。例えば、異なるタイプのワイヤから第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルを形成することによって、同じ印加電流下で各コイルによって発生された磁界は異なり、そのため加熱効果は変化する場合がある。第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルを独立して制御することによって、および第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルに異なる構成を提供することによって、同じ印加電流下で各コイルによって発生された磁界は異なり、そのため加熱効果は変化する場合がある。
【0054】
誘導コイル(複数可)は各々、少なくとも部分的に加熱ゾーンの周りに配置されている。誘導コイルは、加熱ゾーンの領域内の空洞の周囲の周りに部分的にのみ延びてもよい。誘導コイルは、加熱ゾーンの領域内の空洞の周囲全体の周りに延びてもよい。
【0055】
誘導コイル(複数可)は、空洞の周囲の一部の周りに、または空洞の周囲の周り全体に配置された平面状コイルであってもよい。本明細書で使用される「平面状コイル」は、コイルが置かれた表面に対して垂直である巻線の軸を有する、スパイラル状に巻かれたコイルを意味する。平面状コイルは、平坦なユークリッド平面内に置かれてもよい。平面状コイルは、曲面上に置かれてもよい。例えば、平面状コイルは、平坦なユークリッド平面内で巻かれ、その後曲げられて曲面上に置かれてもよい。
【0056】
有利なことに、誘導コイル(複数可)はらせん状である。誘導コイルは、らせん状であってもよく、また空洞が中に位置付けられている中央空間の周りに巻かれてもよい。誘導コイルは、空洞の周囲全体の周りに配置されてもよい。
【0057】
誘導コイル(複数可)は、らせん状かつ同心であってもよい。第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルは、異なる直径を有してもよい。第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルは、らせん状かつ同心であってもよく、また異なる直径を有してもよい。こうした実施形態において、二つのコイルのうちの小さい方は、第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルのうちの大きい方の中に少なくとも部分的に位置付けられてもよい。
【0058】
第一の誘導コイルの巻線は、第二の誘導コイルの巻線から電気的に絶縁されてもよい。
【0059】
エアロゾル発生装置は、一つ以上の追加的な誘導コイルをさらに備えてもよい。例えば、エアロゾル発生装置は第三の誘導コイルおよび第四の誘導コイルをさらに備えてもよく、これらのコイルは追加的なサセプタと関連付けられていることが好ましく、これらのサセプタは異なる加熱ゾーンと関連付けられていることが好ましい。
【0060】
有利なことに、第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルは異なるインダクタンス値を有する。第一の誘導コイルは、第一のインダクタンスを有してもよく、第二の誘導コイルは、第一のインダクタンスよりも小さい第二のインダクタンスを有してもよい。これは、第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルによって発生された磁界が、所与の電流に対して異なる強度を有することになることを意味する。これは、第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルによる異なる加熱効果を容易にする一方で、同じ振幅の電流を両方のコイルに適用する場合がある。これは、エアロゾル発生装置の制御要件を低減する場合がある。第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルが独立して起動される場合、より大きいインダクタンスを有する誘導コイルは、より小さいインダクタンスを有する誘導コイルと異なる時間に起動されてもよい。例えば、より大きいインダクタンスを有する誘導コイルは、吸煙中などの動作中に起動されてもよく、より小さいインダクタンスを有する誘導コイルは、吸煙間などの動作と動作の間に起動されてもよい。これは有利なことに、通常の使用と同じ電力を必要とすることなく、使用と使用の間の空洞内の高温の保守を容易にする場合がある。この「予熱」は、エアロゾル発生装置の使用の動作が再開されると、空洞が望ましい使用温度に戻るためにかかる時間を低減する場合がある。別の方法として、第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルは、同じインダクタンス値を有してもよい。
【0061】
第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルは、同じタイプのワイヤから形成されてもよい。有利なことに、第一の誘導コイルは第一のタイプのワイヤから形成されていて、また第二の誘導コイルは、第一のタイプのワイヤと異なる第二のタイプのワイヤから形成されている。例えば、ワイヤの組成または断面は異なってもよい。このように、第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルのインダクタンスは、全体的なコイルの幾何学的形状が同じである場合でさえも異なってもよい。これは、同じまたは類似のコイルの幾何学的形状を第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルに対して使用することを可能にしてもよい。これは、よりコンパクトな配設を容易にする場合がある。
【0062】
第一のタイプのワイヤは、第一のワイヤ材料を含んでもよく、第二のタイプのワイヤは、第一のワイヤ材料と異なる第二のワイヤ材料を含んでもよい。第一のワイヤ材料の電気特性と第二のワイヤ材料の電気特性は異なってもよい。例えば、第一のタイプのワイヤは、第一の抵抗率を有してもよく、また第二のタイプのワイヤは、第一の抵抗率と異なる第二の抵抗率を有してもよい。
【0063】
誘導コイル(複数可)のための適切な材料としては、銅、アルミニウム、銀、および鋼が挙げられる。誘導コイルは、銅またはアルミニウムから形成されていることが好ましい。
【0064】
第一の誘導コイルが第一のタイプのワイヤから形成されていて、また第二の誘導コイルが、第一のタイプのワイヤと異なる第二のタイプのワイヤから形成されている場合、第一のタイプのワイヤは、第二のタイプのワイヤと異なる断面を有してもよい。第一のタイプのワイヤは、第一の断面を有してもよく、第二のタイプのワイヤは、第一の断面と異なる第二の断面を有してもよい。例えば、第一のタイプのワイヤは、第一の断面形状を有してもよく、第二のタイプのワイヤは、第一の断面形状と異なる第二の断面形状を有してもよい。第一のタイプのワイヤは、第一の太さを有してもよく、第二のタイプのワイヤは、第一の太さと異なる第二の太さを有してもよい。第一のタイプのワイヤおよび第二のタイプのワイヤの断面形状および太さは異なってもよい。
【0065】
サセプタ組立品は、エアロゾル形成基体をエアロゾル化するのに十分な温度に誘導加熱されることができる任意の材料から形成されてもよい。サセプタ組立品に関する以下の実施例および特徴は、中央サセプタ配設および周辺サセプタ配設のうちの一方または両方に適用されてもよい。サセプタ組立品のために適切な材料としては、黒鉛、モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス鋼、ニオブ、アルミニウム、ニッケル、ニッケル含有化合物、チタン、および金属材料の複合体が挙げられる。好ましいサセプタ組立品は、金属または炭素を含む。有利なことに、サセプタ組立品は、例えばフェライト鉄、強磁性合金(強磁性鋼またはステンレス鋼など)、強磁性粒子、フェライトなどの強磁性材料を含んでもよく、またはそれらから成ってもよい。適切なサセプタ組立品はアルミニウムであってもよく、またはアルミニウムを含んでもよい。サセプタ組立品は、5パーセント超の強磁性材料もしくは常磁性材料を含んでもよく、20パーセント超の強磁性材料もしくは常磁性材料を含むことが好ましく、50パーセント超または90パーセント超の強磁性材料もしくは常磁性材料を含むことがより好ましい。好ましいサセプタ組立品は、摂氏250度を超える温度に加熱されてもよい。
【0066】
サセプタ組立品は、単一の材料層から形成されてもよい。単一の材料層は、鋼層であってもよい。
【0067】
サセプタ組立品は、非金属コア上に配置された金属層を有する非金属コアを備えてもよい。例えば、サセプタ組立品は、セラミックコアまたはセラミック基板の外表面上に形成された金属トラックを備えてもよい。
【0068】
サセプタ組立品は、オーステナイト鋼の層から形成されてもよい。ステンレス鋼の一つ以上の層は、オーステナイト鋼の層上に配設されてもよい。例えば、サセプタ組立品は、その上面および下面の各々上にステンレス鋼の層を有するオーステナイト鋼の層から形成されてもよい。サセプタ組立品は、単一のサセプタ材料を含んでもよい。サセプタ組立品は、第一のサセプタ材料および第二のサセプタ材料を含んでもよい。第一のサセプタ材料は第二のサセプタ材料と密接に物理的に接触して配置されてもよい。第一のサセプタ材料および第二のサセプタ材料は密接に接触して、分解できない単一のサセプタを形成してもよい。ある特定の実施形態において、第一のサセプタ材料はステンレス鋼であり、第二のサセプタ材料はニッケルである。サセプタ組立品は二層構造を有してもよい。サセプタ組立品は、ステンレス鋼層およびニッケル層から形成されてもよい。
【0069】
第一のサセプタ材料と第二のサセプタ材料の間の密接な接触は、任意の適切な手段によってなされてもよい。例えば、第二のサセプタ材料は、第一のサセプタ材料上にメッキ、堆積、被覆、クラッディング、または溶接されてもよい。好ましい方法としては、電気メッキ、亜鉛メッキ、およびクラッディングが挙げられる。
【0070】
第二のサセプタ材料は摂氏500度よりも低いキュリー温度を有してもよい。第一のサセプタ材料は、サセプタが交番電磁場内に定置されている時に、サセプタを加熱するために主に使用されてもよい。任意の適切な材料が使用されてもよい。例えば、第一のサセプタ材料はアルミニウムであってもよく、またはステンレス鋼などの鉄系材料であってもよい。第二のサセプタ材料は、サセプタが特定の温度(第二のサセプタ材料のキュリー温度である温度)に達した時を示すために主に使用されていることが好ましい。動作中にサセプタ全体の温度を調節するために、第二のサセプタ材料のキュリー温度を使用することができる。それ故に、第二のサセプタ材料のキュリー温度はエアロゾル形成基体の発火点を下回るべきである。第二のサセプタ材料にとって適切な材料は、ニッケルおよびある特定のニッケル合金を含んでもよい。第二のサセプタ材料のキュリー温度は、好ましくは摂氏400度よりも低くなるように、または好ましくは摂氏380度よりも低くなるように、または摂氏360度よりも低くなるように選択されてもよい。第二のサセプタ材料は所望の最高加熱温度と実質的に同じであるキュリー温度を有するように選択された磁性材料であることが好ましい。すなわち、第二のサセプタ材料のキュリー温度は、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生させるためにサセプタが加熱されるべき温度とほぼ同じであることが好ましい。第二のサセプタ材料のキュリー温度は、例えば摂氏200度~摂氏400度の範囲内、または摂氏250度~摂氏360度の範囲内であってもよい。一部の実施形態において、第一のサセプタ材料と第二のサセプタ材料が共積層されていることが好ましい場合がある。共積層は任意の適切な手段によって形成されてもよい。例えば、第一のサセプタ材料の細片は第二のサセプタ材料の細片に溶接または拡散接合されてもよい。別の方法として、第二のサセプタ材料の層は第一のサセプタ材料の細片上に堆積またはメッキされてもよい。
【0071】
エアロゾル発生装置は携帯型であることが好ましい。エアロゾル発生装置は、従来の葉巻たばこまたは紙巻たばこに匹敵するサイズを有してもよい。システムは電気的に作動する喫煙システムであってもよい。システムは手持ち式エアロゾル発生システムであってもよい。エアロゾル発生装置は、およそ30ミリメートル~およそ150ミリメートルの全長を有してもよい。エアロゾル発生装置は、およそ5ミリメートル~およそ30ミリメートルの外径を有してもよい。
【0072】
エアロゾル発生装置はハウジングを備えてもよい。ハウジングは細長くてもよい。ハウジングは、任意の適切な材料または材料の組み合わせを含んでもよい。適切な材料の例としては、金属、合金、プラスチック、もしくはこれらの材料のうちの一つ以上を含有する複合材料、または食品もしくは医薬品用途に適切な熱可塑性樹脂、例えばポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、およびポリエチレンが挙げられる。材料は軽く、かつ脆くないことが好ましい。
【0073】
ハウジングはマウスピースを備えてもよい。ハウジングは、少なくとも一つの空気吸込み口を備えてもよい。ハウジングは、二つ以上の空気吸込み口を備えてもよい。マウスピースは、少なくとも一つの空気吸込み口と、少なくとも一つの空気出口とを備えてもよい。マウスピースは、二つ以上の空気吸込み口を備えてもよい。空気吸込み口のうちの一つ以上は、エアロゾルがユーザーに送達される前にエアロゾルの温度を低減してもよく、またエアロゾルがユーザーに送達される前にエアロゾルの濃度を低減してもよい。
【0074】
別の方法として、マウスピースはエアロゾル発生物品の一部として提供されてもよい。ユーザーは、エアロゾル発生物品、好ましくはエアロゾル発生物品の近位端を直接吸ってもよい。
【0075】
本明細書で使用される「マウスピース」という用語は、ハウジングの空洞の中に受容されたエアロゾル発生物品からエアロゾル発生装置によって発生したエアロゾルを直接吸入するためにユーザーの口の中に入れられるエアロゾル発生装置の一部分を指す。
【0076】
第一の空気吸込み口および第二の空気吸込み口のうちの一つ以上は、半開放入口として構成されてもよい。半開放入口は、空気がエアロゾル発生装置に入ることを可能にすることが好ましい。空気または液体は、半開放入口を通してエアロゾル発生装置から出るのを防止されてもよい。半開放入口は、例えば半透過性の膜であってもよく、空気については一方向のみで透過性であるが、反対方向で気密および液密である。半開放入口はまた、例えば一方向弁であってもよい。半開放入口は、例えばエアロゾル発生装置の最小限の押圧、または弁もしくは膜を通過する空気の量といった特定の条件が満たされる場合にのみ、空気が入口を通過することを可能にすることが好ましい。
【0077】
好ましい一実施形態において、エアロゾル発生装置は、空洞と流体接続された、かつ周囲空気が空洞の中に引き出されることを可能にする第一の空気吸込み口と、空洞と流体接続された、かつ周囲空気が空洞の中に引き出されることを可能にする第二の空気吸込み口とをさらに備えてもよい。第一の空気吸込み口は、周囲空気を第一の空気吸込み口を通して中央サセプタ配設の中空内部の中に引き出すことができるように、中央サセプタ配設の中空内部と流体接続されるように構成されてもよい。第二の空気吸込み口は、空洞の周辺部分と流体接続されるように構成されてもよい。第一の空気吸込み口および第二の空気吸込み口は、少なくともエアロゾル発生物品が空洞の中に挿入されている時に、エアロゾル発生装置内で流体接続されない場合がある。エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の空洞の中に挿入されている時、第一の空気吸込み口は、周囲空気がエアロゾル発生物品の中空の管状内部を通して引き出されることを可能にしてもよい。エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の空洞の中に挿入されている時、第二の空気吸込み口は、周囲空気がエアロゾル発生物品の周辺に引き出されることを可能にしてもよい。周辺サセプタ配設は、エアロゾル発生物品の周辺の周りに配設されてもよい。二つの別個の空気吸込み口によって、別個の気流が、エアロゾル発生物品の管状の中空内部を通して、およびエアロゾル発生物品の周辺からエアロゾル発生物品の中に提供される。
【0078】
第一の空気吸込み口および第二の空気吸込み口を通る気流のうちの一方または両方は、別々に制御可能であってもよい。第一の空気吸込み口を通る気流と第二の空気吸込み口を通る気流との間の比は、制御可能であってもよい。第一の空気吸込み口および第二の空気吸込み口のうちの一方または両方は、コントローラによって制御可能であってもよい。第一の空気吸込み口および第二の空気吸込み口のうちの一方または両方の断面積は、コントローラによって制御可能であってもよい。
【0079】
加熱配設の動作は、吸煙検出システムによってトリガされてもよい。別の方法として、加熱配設は、オンオフボタンを押すことによってトリガされ、ユーザーの吸煙の持続時間の間保持されてもよい。吸煙検出システムはセンサーとして提供されてもよく、これは気流センサーとして構成されて、気流速度を測定してもよい。気流速度は、ユーザーによってエアロゾル発生装置の気流経路を通して引き出される時間当たりの空気の量を特徴付けるパラメータである。吸煙の開始は、気流が所定の閾値を超える時に、気流センサーによって検出されてもよい。開始はまた、ユーザーがボタンを起動後に検出されてもよい。
【0080】
センサーはまた、吸煙中にユーザーによって装置の気流経路を通して引き出される、エアロゾル発生装置内部の空気の圧力を測定するための圧力センサーとして構成されてもよい。センサーは、エアロゾル発生装置の外側の周囲空気の圧力と、ユーザーによって装置を通して引き出される空気の圧力との間の圧力差または圧力降下を測定するように構成されてもよい。空気の圧力は、空気吸込み口、装置のマウスピース、空洞(加熱チャンバーなど)、または空気が通って流れるエアロゾル発生装置内の任意の他の通路もしくはチャンバーにて検出されてもよい。ユーザーがエアロゾル発生装置を吸う時、装置内部に陰圧または真空が発生し、この陰圧は圧力センサーによって検出されてもよい。「陰圧」という用語は、周囲空気の圧力よりも相対的に低い圧力として理解される。言い換えれば、ユーザーが装置を吸う時、装置を通して引き出される空気は、装置の外側の周囲空気の圧力よりも低い圧力を有する。吸煙の開始は、圧力差が所定の閾値を超える場合、圧力センサーによって検出されてもよい。
【0081】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置を起動するためのユーザーインターフェース、例えばエアロゾル発生装置の加熱を開始するボタン、またはエアロゾル発生装置またはエアロゾル形成基体の状態を示すディスプレーを含んでもよい。
【0082】
エアロゾル発生システムは、エアロゾル発生装置と、エアロゾル発生装置で使用する一つ以上のエアロゾル発生物品との組み合わせである。しかしながら、エアロゾル発生システムは、例えば電気的に作動するまたは電気式のエアロゾル発生装置内の搭載型電力供給源を再充電するための充電ユニットなど、追加的な構成要素を含んでもよい。
【0083】
本発明は、本明細書に記載の通りのエアロゾル発生装置と、本明細書に記載の通りのエアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品とを備えるシステムにさらに関する。
【0084】
エアロゾル発生物品は実質的に円筒状の形状であってもよい。エアロゾル発生物品は実質的に細長くてもよい。エアロゾル発生物品、好ましくはエアロゾル発生物品の基体部分は、第一の管状エアロゾル形成基体層を備えてもよい。第一の管状エアロゾル形成基体層は、円筒状の中空中央コアを画定してもよい。エアロゾル発生物品、好ましくはエアロゾル発生物品の基体部分は、第二の管状エアロゾル形成基体層を備えてもよい。第二の管状エアロゾル形成基体層は、第一の管状エアロゾル形成基体層の周りに配設されてもよい。
【0085】
エアロゾル発生物品の基体部分は、エアロゾル発生装置の空洞の中に挿入されてもよい。基体部分の挿入中に、基体部分は、中央サセプタ配設と周辺サセプタ配設の間に挟まれてもよい。基材部分の挿入後、中央サセプタ配設は、エアロゾル発生物品の基体部分の円筒状の中空中心コア内に配設されてもよい。中央サセプタ配設は、第一の管状エアロゾル形成基体層と接触してもよい。中央サセプタ配設は、第二の管状エアロゾル形成基体層と接触しなくてもよい。第一の気流チャネルを通して中央サセプタ配設の中に引き出された周囲空気は、中央サセプタ配設によって加熱されてもよい。さらに、中央サセプタ配設は、第一の管状エアロゾル形成基体層を加熱してもよい。第一の管状エアロゾル形成基体層の基体を揮発させることによって、エアロゾルが発生してもよい。エアロゾルは、エアロゾル発生物品、特にエアロゾル発生物品の均質化部分およびフィルター部分を通して下流に引き出されてもよい。エアロゾルは、中央サセプタ配設の中央サセプタ間に提供された間隙を通して引き出されてもよい。
【0086】
周辺サセプタ配設は、エアロゾル発生装置の空洞の中へのエアロゾル発生物品部分の基体部分の挿入後に、エアロゾル発生物品の基体部分を包囲して配設されてもよい。周辺サセプタ配設は、第二の管状エアロゾル形成基体層と接触してもよい。周辺サセプタ配設は、第一の管状エアロゾル形成基体層と接触しなくてもよい。周囲空気は、第二の気流チャネルを通してエアロゾル発生物品の周辺に、および周辺サセプタ配設に向かって引き出されてもよい。この空気は、周辺サセプタ配設によって加熱されてもよい。さらに、周辺サセプタ配設は、第二の管状エアロゾル形成基体層を加熱してもよい。第二の管状エアロゾル形成基体層の基体を揮発させることによって、エアロゾルが発生してもよい。このエアロゾルは、エアロゾル発生物品、特に第二の管状エアロゾル形成基体層、およびその後エアロゾル発生物品の均質化部分とフィルター部分を通して下流に引き出されてもよい。
【0087】
第一の管状エアロゾル形成基体層の中央サセプタ配設の加熱作用によって発生したエアロゾルは、第二の管状エアロゾル形成基体層の周辺サセプタ配設の加熱作用によって発生したエアロゾルと混合してもよい。エアロゾルは、エアロゾル発生物品の基体部分の下流で混合してもよい。エアロゾルは、エアロゾル発生物品の均質化部分で混合してもよい。
【0088】
第一の管状エアロゾル形成基体層は、第二の管状エアロゾル形成基体層と異なってもよい。二つの層は、組成、構造、または厚さにおいて異なっていてもよい。組成は、エアロゾル形成基体の風味、またはたばこなどのエアロゾル形成基体の材料のうちの一方または両方を含んでもよい。構造は、多孔性、連続気泡発泡体、押出成形、およびキャストリーフであるエアロゾル形成基体のうちの一つ以上を含んでもよい。
【0089】
第一の管状エアロゾル形成基体層および第二の管状エアロゾル形成基体層は、同軸に整列されてもよい。
【0090】
第一の管状エアロゾル形成基体層は、ニコチン含有層であってもよい。第一の管状エアロゾル形成基体層は、たばこを含まなくてもよい。第二の管状エアロゾル形成基体層は、たばこ含有層であってもよい。第二の管状エアロゾル形成基体層は、ニコチンを含まなくてもよく、または無視できる量のみのニコチンを含んでもよい。
【0091】
第一の管状エアロゾル形成基体層は、ゲル層であってもよい。第二の管状エアロゾル形成基体層は、ゲル層であってもよい。
【0092】
第一の管状エアロゾル形成基体層の融点は、第二の管状エアロゾル形成基体層の融点と異なってもよい。
【0093】
第一の管状エアロゾル形成基体層のエアロゾル形成基体は、第二の管状エアロゾル形成基体層のエアロゾル形成基体と異なってもよい。第一の管状エアロゾル形成基体層は、ニコチン層および風味層のうちの一方または両方として構成されていることが好ましい。第二の管状エアロゾル形成基体層は、たばこおよびエアロゾル形成体を含む一次エアロゾル形成層として構成されていることが好ましい。結果として、第二の管状エアロゾル形成基体層は、吸入可能なエアロゾルを発生するように構成されてもよく、その一方で第一の管状エアロゾル形成基体層は、エアロゾルの風味またはニコチン含有量などの特性に影響を与えるように構成されてもよい。
【0094】
第一の管状エアロゾル形成基体は、風味剤、好ましくはメントールを含んでもよい。
【0095】
膜は、第一の管状エアロゾル形成基体層と第二の管状エアロゾル形成基体層との間に配設されてもよい。膜はフィルムとして構成されてもよい。膜は箔として構成されてもよい。膜は蒸気透過性、気体透過性、またはエアロゾル透過性のいずれかであってもよい。膜は、エアロゾル透過性で構成されていることが好ましい。膜は、フィルターとして構成されてもよい。膜は、エアロゾル中に含有されるより大きい粒子をフィルタリングするが、より小さい粒子に対しては透過性であるように構成されてもよい。
【0096】
物品は、第一の管状エアロゾル形成基体および第二の管状エアロゾル形成基体の下流に均質化部分をさらに備えてもよい。均質化部分は、フィルター部分であってもよい。均質化部分は、中空フィルター部分であってもよい。均質化部分は、中空アセテート管であってもよい。均質化部分は、エアロゾルの冷却のために構成されてもよい。均質化部分は、第一の管状エアロゾル形成基体層および第二の管状エアロゾル形成基体層のうちの一方または両方に直接当接してもよい。均質化部分は、第一の管状エアロゾル形成基体層および第二の管状エアロゾル形成基体層のうちの一方または両方と整列されてもよい。均質化部分は中空であり、均質化部分の内径は、第一の管状エアロゾル形成基体層の内径と同一であるか、または実質的に同一であることが好ましい。均質化部分は風味剤を含んでもよい。均質化部分はカプセルまたはディスクを備えてもよい。カプセルまたはディスクは、風味剤を含んでもよい。カプセルまたはディスクは、均質化部分内で中央に配設されてもよい。
【0097】
エアロゾル発生物品は、均質化部分の下流にマウスピースフィルターをさらに備えてもよい。マウスピースフィルターは、アセテートフィルターであってもよい。マウスピースフィルターは、アセテートトウから作製されてもよい。マウスピースフィルターは、円筒状フィルターであってもよい。マウスピースフィルターは、中空フィルターでなくてもよい。マウスピースフィルターは、繊維、好ましくは直線状の長軸方向の低密度繊維を含んでもよい。
【0098】
第二の管状エアロゾル形成基体層は、ラッパーによって囲まれてもよい。ラッパーは、ラッピングペーパーから作製されてもよい。ラッパーは、シガレットラッピングペーパーから作製されてもよい。ラッパーは、標準的なシガレットラッピングペーパーから作製されてもよい。別の方法として、ラッパーはたばこ紙であってもよい。たばこ紙は、望ましくないやり方で味覚に影響を与えることを回避するという利点を有する場合がある。ラッパーは二つの開放端を有してもよい。二つの開放端は、ラッパーが第二の管状エアロゾル形成基体層の周りに巻かれた時に、重なり合ってもよい。二つの端は、重なり合う領域内で接着剤によって結合されてもよい。ラッパーは空気透過性であってもよい。
【0099】
本発明は、エアロゾル発生物品を製造する方法にさらに関し、方法は、
第一のエアロゾル形成基体の第一のシートを提供することと、
第一のシート上に第二のエアロゾル形成基体の第二のシートを提供することと、
第一のシートおよび第二のシートを丸め、それによって中空の管状エアロゾル発生物品を形成することと、を含む。
【0100】
第一のエアロゾル形成基体を第一のシートとして提供することと、第一のシート上に第二のエアロゾル形成基体を第二のシートとして提供し、かつシートを丸めることとのうちの一方または両方の代替として、押出成形プロセスが採用されてもよい。押出成形プロセスにおいて、第一のエアロゾル形成基体は、第二のエアロゾル形成基体と別々に、または第二のエアロゾル形成基体と一緒に押出成形されてもよい。押出成形プロセスにおいて、第一のエアロゾル形成基体を押出成形して、第一の管状エアロゾル形成基体層を形成してもよい。押出成形プロセスにおいて、第二のエアロゾル形成基体を押出成形して、第二の管状エアロゾル形成基体層を形成してもよい。第二のエアロゾル形成基体層は、第一の管状エアロゾル形成基体層を包囲して配設されてもよい。押出成形プロセスによってエアロゾル発生物品を製造することは、第一のエアロゾル形成基体および第二のエアロゾル形成基体のうちの一方または両方がゲルとして提供される場合、特に有益である場合がある。
【0101】
第一のシートおよび第二のシートは、シートの対向する縁が接触するように丸められてもよい。第一のシートおよび第二のシートを丸める間、または丸めた後、エアロゾル形成基体の第二のシートの周りにラッピングペーパーが巻かれてもよい。ラッピングペーパーは空気透過性であってもよい。
【0102】
第一のシートを提供した後、第一のシート上に膜が定置されてもよい。第二のシートは膜上に提供されてもよい。膜はフィルムまたは箔であってもよい。
【0103】
方法は、第一の管状エアロゾル形成基体および第二の管状エアロゾル形成基体の下流に、本明細書に記載の通りの均質化部分を提供するさらなる工程を含んでもよい。
【0104】
方法は、均質化部分の下流に、本明細書に記載の通りのマウスピースフィルターを提供するさらなる工程を含んでもよい。
【0105】
以下に記載されるエアロゾル形成基体は、第一の管状エアロゾル形成基体層のエアロゾル形成基体および第二の管状エアロゾル形成基体層のエアロゾル形成基体のうちの一方または両方であってもよい。好ましくは、第一の管状エアロゾル形成基体層内に、ニコチンまたは風味/風味剤含有エアロゾル形成基体が採用されてもよく、その一方で第二の管状エアロゾル形成基体層内に、たばこ含有エアロゾル形成基体が採用されてもよい。
【0106】
エアロゾル形成基体はニコチンを含んでもよい。ニコチン含有エアロゾル形成基体は、ニコチン塩マトリクスであってもよい。
【0107】
エアロゾル形成基体は植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、たばこを含んでもよい。エアロゾル形成基体は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含むたばこ含有材料を含んでもよい。別の方法として、エアロゾル形成基体は非たばこ材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、均質化した植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料を含んでもよい。均質化したたばこ材料は、粒子状たばこを凝集することによって形成されてもよい。特に好ましい一実施形態において、エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料の捲縮したシートの集合体を含んでもよい。本明細書で使用される「捲縮したシート」という用語は、複数の実質的に平行な隆起または波形を有するシートを意味する。
【0108】
エアロゾル形成基体は、少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成体は、使用時に高密度の安定したエアロゾルの形成を容易にし、かつシステムの動作温度にて熱分解に対して実質的に抵抗性である任意の適切な周知の化合物または化合物の混合物である。適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、これには多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。好ましいエアロゾル形成体は、多価アルコールまたはその混合物(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオールなど)である。エアロゾル形成体はグリセリンであることが好ましい。存在する場合、均質化したたばこ材料は、乾燥重量基準で5重量パーセント以上のエアロゾル形成体含有量を有してもよく、また乾燥重量基準で5重量パーセント~30重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を有することが好ましい。エアロゾル形成基体は、他の添加物および成分(風味剤など)を含んでもよい。
【0109】
エアロゾル発生物品とエアロゾル発生装置の空洞とは、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の空洞内に部分的に受容されるように配設されてもよい。エアロゾル発生装置の空洞とエアロゾル発生物品とは、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の空洞内に完全に受容されるように配設されてもよい。
【0110】
エアロゾル発生物品は、長さと、その長さに対して実質的に直角を成す円周とを有してもよい。エアロゾル形成基体は、エアロゾル形成基体を含有するエアロゾル形成セグメントとして提供されてもよい。エアロゾル形成セグメントは実質的に円筒状の形状であってもよい。エアロゾル形成セグメントは実質的に細長くてもよい。エアロゾル形成セグメントはまた、長さと、その長さに対して実質的に直角を成す円周とを有してもよい。
【0111】
エアロゾル発生物品は、およそ30ミリメートル~およそ100ミリメートルの全長を有してもよい。一実施形態において、エアロゾル発生物品は、およそ45ミリメートルの全長を有する。エアロゾル発生物品は、およそ5ミリメートル~およそ12ミリメートルの外径を有してもよい。一実施形態において、エアロゾル発生物品は、およそ7.2ミリメートルの外径を有してもよい。
【0112】
エアロゾル形成基体は、約7ミリメートル~約15ミリメートルの長さを有するエアロゾル形成セグメントとして提供されてもよい。一実施形態において、エアロゾル形成セグメントは、およそ10ミリメートルの長さを有してもよい。別の方法として、エアロゾル形成セグメントは、およそ12ミリメートルの長さを有してもよい。
【0113】
エアロゾル発生セグメントは、エアロゾル発生物品の外径にほぼ等しい外径を有することが好ましい。エアロゾル形成セグメントの外径は、およそ5ミリメートル~およそ12ミリメートルであってもよい。一実施形態において、エアロゾル形成セグメントは、およそ7.2ミリメートルの外径を有してもよい。
【0114】
エアロゾル発生物品はフィルタープラグを備えてもよい。フィルタープラグは、マウスピースフィルターとして構成されてもよい。フィルタープラグはエアロゾル発生物品の下流端に位置してもよい。フィルタープラグはセルロースアセテートフィルタープラグであってもよい。フィルタープラグは中空セルロースアセテートフィルタープラグであってもよい。一実施形態において、フィルタープラグはおよそ7ミリメートルの長さであるが、およそ5ミリメートル~およそ10ミリメートルの長さを有してもよい。
【0115】
エアロゾル発生物品は外側紙ラッパーを備えてもよい。外側紙ラッパーは、本明細書に記載のラッピングペーパーとして構成されてもよい。外側紙ラッパーは、エアロゾル発生物品全体に延びてもよい。外側紙ラッパーは、エアロゾル発生物品の異なる要素を接続および保持するよう構成されてもよい。
【0116】
さらに、エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体とフィルタープラグの間に分離部を備えてもよい。分離部は、およそ18ミリメートルであってもよいが、およそ5ミリメートル~およそ25メートルの範囲内であってもよい。
【0117】
エアロゾル発生装置は、弾力性のあるシール要素を備えてもよい。弾力性のあるシール要素は、空洞の下流端に配設されてもよい。弾力性のあるシール要素は、空洞の下流端を包囲して配設されてもよい。弾力性のあるシール要素は、円形状を有してもよい。弾力性のあるシール要素は、エアロゾル発生物品の挿入を容易にする漏斗形状を有してもよい。弾力性のあるシール要素は、エアロゾル発生物品の挿入後に、エアロゾル発生物品に圧力を印加して、エアロゾル発生物品を定位置に保持してもよい。弾力性のあるシール要素は、空洞の中へのエアロゾル発生物品の挿入後、エアロゾル発生物品に当接してもよい。弾力性のあるシール要素は、エアロゾル発生物品を通して漏れ出ることを除いて、空気が空洞から漏れ出ることを防止するために空気貫通不能であってもよい。
【0118】
エアロゾル発生物品は断熱要素を備えてもよい。断熱要素は、空洞を包囲して配設されてもよい。断熱要素は、エアロゾル発生装置のハウジングと空洞の間に配設されてもよい。断熱要素は管状であってもよい。断熱要素は、誘導加熱組立品と同軸に整列されてもよく、好ましくは、周辺サセプタ配設と同軸に整列されてもよい。
【0119】
一実施形態に関して説明される特徴は、本発明の他の実施形態にも等しく適用されてもよい。
【0120】
例証としてのみであるが、添付図面を参照しながら本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【
図1】
図1は、本発明によるエアロゾル発生装置およびエアロゾル発生物品の断面図を示す。
【
図2】
図2は、エアロゾル発生物品を挿入するためのエアロゾル発生装置の空洞の断面図を示す。
【
図3】
図3は、エアロゾル発生物品の一実施形態を示す。
【
図4】
図4は、エアロゾル発生装置を通る気流を示す。
【
図5】
図5は、第一の気流チャネルおよび第二の気流チャネルのより詳細な図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0122】
図1は、エアロゾル発生装置10およびエアロゾル発生物品12を示す。言い換えれば、
図1は、エアロゾル発生装置10とエアロゾル発生物品12とを備えるエアロゾル発生システムを示す。
【0123】
エアロゾル発生装置10は、エアロゾル発生物品12の挿入のための空洞14を備える。エアロゾル発生物品12が空洞14の中に挿入されている時、エアロゾル発生物品12の基体部分16は空洞14の中に挿入されている。エアロゾル発生物品12のフィルター部分18は空洞14から突き出て、ユーザーはエアロゾル発生物品12のフィルター部分18を直接吸ってもよい。
【0124】
弾力性のあるシール要素20は、空洞14の下流端22に配設されている。弾力性のあるシール要素20は、空洞14の中へのエアロゾル発生物品12の挿入と、空洞14の中へのエアロゾル発生物品12の挿入後のエアロゾル発生物品12の保持とを補助するように構成されている。弾力性のあるシール要素20は、漏斗形状を有する。弾力性のあるシール要素20は、空洞14の下流端22を包囲する円形状の形状を有する。
【0125】
エアロゾル発生装置10は誘導組立品を備える。誘導組立品は誘導コイル24を備える。誘導組立品は、サセプタ組立品をさらに備える。サセプタ組立品は、中央サセプタ配設26および周辺サセプタ配設28を備え、好ましくは、これらから成る。中央サセプタ配設26は、周辺サセプタ配設28内に配設されている。中央サセプタ配設26と周辺サセプタ配設28の間に、エアロゾル発生物品12の挿入のための空洞14が提供されている。空洞14は、中空の管状円筒形状体積を有する。
【0126】
エアロゾル発生物品12は、中央サセプタ配設26と周辺サセプタ配設28の間に挟まれている。中央サセプタ配設26および周辺サセプタ配設28は、エアロゾル発生物品12を空洞14内に保持するように、相互に距離を置いて配設されてもよい。中央サセプタ配設26と周辺サセプタ配設28の間の距離は、エアロゾル発生物品12の外径とエアロゾル発生物品12の内径との間の距離と同一であってもよく、またはそれよりわずかに小さくてもよい。エアロゾル発生物品12の基体部分16は、中空の管状基体部分16であることが好ましい。結果として、エアロゾル発生物品12の基体部分16を、中央サセプタ配設26の外側に押し付けることができる。この場合において、中央サセプタ配設26は、エアロゾル発生物品12の基体部分16の中空の管状体積の中に貫通する。同時に、周辺サセプタ配設28は、エアロゾル発生物品12の基体部分16の周辺に当接する。
【0127】
図1は、第一の空気吸込み口30および第二の空気吸込み口32をさらに示す。第一の空気吸込み口30は、中央サセプタ配設26と流体接続されている。中央サセプタ配設26は中空であることが好ましい。気流は、第一の空気吸込み口30から、中央サセプタ配設26の中空内部に向かって、エアロゾル発生装置10の空洞14を出て下流になることが可能にされてもよい。第二の空気吸込み口32は、周辺サセプタ配設28の周辺と流体接続されている。エアロゾル発生物品12が空洞14の中に挿入されている時、二つの別個の気流が提供される。第一の空気吸込み口30からの第一の気流は、エアロゾル発生物品12の中空内部体積を通して流れる。第二の空気吸込み口32からの第二の気流は、エアロゾル発生物品12の周辺から、エアロゾル発生物品12の中に、そしてさらにエアロゾル発生装置10の空洞14を出て下流に流れる。
【0128】
図3に示すエアロゾル発生物品12の基体部分16は、第一の管状エアロゾル形成基体層38および第二の管状エアロゾル形成基体層40を備えることが好ましい。第一の管状エアロゾル形成基体層38は、基体部分16の内部に配設されていて、かつ第二の管状エアロゾル形成基体層40によって包囲されている。第一の管状エアロゾル形成基体層38は、ニコチンおよび風味基体のうちの一方または両方を含むことが好ましい。第二の管状エアロゾル形成基体層40は、たばこエアロゾル発生基体を含むことが好ましい。二つの別個の気流を提供することによって、第一の気流は、発生されたエアロゾルのニコチンおよび風味のうちの一方または両方に影響を与えるように調整されてもよく、第二の気流は、たばこ基体から所望のエアロゾルを発生するように調整されてもよい。
【0129】
第一の空気吸込み口30および第二の空気吸込み口32は、調整可能に構成されてもよい。特に、第一の空気吸込み口30および第二の空気吸込み口32のうちの一方または両方の断面積は、調整可能に構成されてもよい。このようにして、ニコチン含有量および風味などの発生したエアロゾルの特性は、第一の空気吸込み口30および第二の空気吸込み口32のうちの一方または両方を通る気流を調整することによって調整されてもよい。
【0130】
第一の空気吸込み口30および第二の空気吸込み口32のうちの一方または両方を調整するために、エアロゾル発生装置10は、コントローラ42を備えてもよい。コントローラ42は、誘導組立品の動作を制御するようにさらに構成されてもよい。特に、コントローラ42は、電源から誘導コイル24への電気エネルギーの供給を制御するように構成されてもよい。電源44は電池として構成されてもよい。
【0131】
図2は、エアロゾル発生装置10の近位部分をより詳細に示す。
図2において、エアロゾル発生装置10の挿入のための空洞14が明瞭に見える。空洞14内に、個別の中央サセプタ34を備える中央サセプタ配設26が配設されている。複数の裾が広がったブレード形状周辺サセプタ36を備える周辺サセプタ配設28が、中央サセプタ配設26を包囲して配設されている。
【0132】
サセプタ配設を包囲して、誘導コイル24が配設されている。誘導コイル24は空洞14を包囲する。空洞14の上流領域において、第一の気流チャネル46が配設されている。第一の気流チャネル46は、第一の空気吸込み口30を中央サセプタ配設26の中空内部と流体接続する。第一の気流チャネル46に隣接して、第二の気流チャネル48が配設されている。第二の気流チャネル48は、第二の空気吸込み口32を周辺サセプタ配設28の周辺と流体接続する。
【0133】
図3は、エアロゾル発生物品12、より具体的にエアロゾル発生物品12の基体部分16の一実施形態を示す。エアロゾル発生物品12の基体部分16は、第一の管状エアロゾル形成基体層38を備える。第一の管状エアロゾル形成基体層38は、エアロゾル発生物品12の中空内部に隣接して配設されている。第一の管状エアロゾル形成基体層38は、ニコチン層および風味層のうちの一方または両方として構成されている。第一の管状エアロゾル形成基体層38を包囲して、第二の管状エアロゾル形成基体層40が配設されている。第二の管状エアロゾル形成基体層40は、たばこ含有エアロゾル形成層として構成されている。第一の管状エアロゾル形成基体層38と第二の管状エアロゾル形成基体層40の間に、フィルムまたは箔などの膜が提供されてもよい。第二の管状エアロゾル形成基体層40を囲んで、ラッピングペーパーが配設されてもよい。
【0134】
図4は、エアロゾル発生装置10を通る気流をより詳細に示す。気流は矢印によって示されている。二つの別個の気流チャネル46、48が提供されている。第一の気流チャネル46は、第一の空気吸込み口30にて開始し、中央サセプタ配設26の中空内部を第一の空気吸込み口30と流体接続する。第一の気流チャネル46からの空気は、中央サセプタ配設26の基部にて中央サセプタ配設26に入る。中央サセプタ配設26の内部で、エアロゾルが形成されてもよい。エアロゾルは、第一の管状エアロゾル形成基体層38と、中央サセプタ配設26による中央サセプタ配設26の内部の空気との加熱によって形成されてもよい。第一の管状エアロゾル形成基体層38の基体は、中央サセプタ配設26の加熱によって揮発される。空気と第一の管状エアロゾル形成基体層38の間の接触面積は、個別の中央サセプタ34の間の間隙によって、および中央サセプタ34を多孔性サセプタとして提供することによって最適化されてもよい。揮発された基体は、中央サセプタ配設26を通して流れる空気によって同伴される。発生されたエアロゾルは、中央サセプタ配設26を通して、エアロゾル発生物品12のフィルター部分18に向かって下流に流れる。フィルター部分18は、基体部分16に直接隣接する、かつその下流にあるエアロゾルを冷却するための均質化部分50(中空アセテート管など)を備えてもよい。均質化部分の下流には、アセテートトウフィルター52が、エアロゾル発生物品12内に提供されてもよい。
【0135】
第二の気流チャネル48は、第二の空気吸込み口32にて開始する。第二の気流チャネル48は、空洞14の中へのエアロゾル発生物品12の挿入後に、第二の空気吸込み口32をエアロゾル発生物品12の基体部分16の周辺と流体接続する。基体部分16の周辺は、空洞14の一部であってもよい。周辺サセプタ配設28は、基体部分16の周辺に配設されていて、また基体部分16と接触していることが好ましい。空気と第二の管状エアロゾル形成基体層40との間の接触面積は、個別の周辺サセプタ36の間の間隙によって、および周辺サセプタ36を多孔性サセプタとして提供することによって最適化されてもよい。第二の気流チャネル48からの空気は、周辺サセプタ配設28によって加熱された第二の管状エアロゾル形成基体層40の揮発された基体を同伴してもよい。エアロゾルは、第二の管状エアロゾル形成基体層40を通して下流に引き出されてもよい。その後、エアロゾルは、エアロゾル発生物品12のフィルター部分18の中に引き出されてもよい。エアロゾル発生物品12のフィルター部分18において、中央サセプタ配設26の加熱によってエアロゾル発生物品12内に発生したエアロゾルは、第二の管状エアロゾル形成基体層40を加熱することによって周辺サセプタ配設28によって発生したエアロゾルと混合してもよい。ラッパーは、エアロゾル発生物品12の基体部分16の周りに配設されてもよい。ラッパーは、第二の気流チャネル48からの空気が第二の管状エアロゾル形成基体層40の中に入ることができるように、空気透過性であることが好ましい。
【0136】
図5は、第一の空気吸込み口30、第二の空気吸込み口32、第一の気流チャネル46、および第二の気流チャネル48をより詳細に示す。第一の空気吸込み口30および第二の空気吸込み口32は、エアロゾル発生装置のハウジング内に配設されている。
図5に図示の通り、第一の空気吸込み口30は、エアロゾル発生装置10のハウジングの対向する両側面上に二つの別個の空気吸込み口を備えてもよい。同様に、第二の空気吸込み口32は、エアロゾル発生装置10のハウジングの対向する両側面上に二つの別個の空気吸込み口を備える。第一の空気吸込み口30から、周囲空気をエアロゾル発生装置10の中に引き出すことができる。周囲空気は、第一の気流チャネル46によってエアロゾル発生装置10の中に引き出される。第一の気流チャネル46は、第一の空気吸込み口30に隣接する空洞の長軸方向中心軸に対して直角を成して延びる。第一の気流チャネル46は、空洞14の中央部分54に向かって空気を導く。空洞14の中央部分54は、空洞14の長軸方向中心軸に沿って延びる。第一の気流チャネル46は、空洞14の中央部分54の上流に配設された基部56にて、空洞14の中央部分54に空気を方向付ける。
【0137】
第二の気流チャネル48は、基部56によって第一の気流チャネル46から分離されている。基部56は、エアロゾル発生装置10のハウジングに接続されてもよい。さらに、周辺サセプタ配設28および中央サセプタ配設26は、基部56に取り付けられてもよい。第二の気流チャネル48は、第二の空気吸込み口32からの空気を、空洞14の中に挿入されたエアロゾル発生物品12の周辺に向かって方向付ける。
図5の矢印によって分かる通り、第一の気流チャネル46は、別個の第一の空気吸込み口30と、第二の空気吸込み口32と、基部56と、挿入されたエアロゾル発生物品12の基体部分18とによって、第二の気流チャネル48から流体的に分離されている。挿入されたエアロゾル発生物品12なしで、第一の気流チャネル46は、少なくとも空洞14の上流で第二の気流チャネル48から流体的に分離されている。