(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-07
(45)【発行日】2024-08-16
(54)【発明の名称】医療注射システム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61M 5/20 20060101AFI20240808BHJP
【FI】
A61M5/20 510
A61M5/20 550
(21)【出願番号】P 2022523737
(86)(22)【出願日】2020-06-22
(86)【国際出願番号】 IB2020055874
(87)【国際公開番号】W WO2020255105
(87)【国際公開日】2020-12-24
【審査請求日】2023-04-25
(32)【優先日】2019-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521559027
【氏名又は名称】プレシヘルス エスアー
(74)【代理人】
【識別番号】100131853
【氏名又は名称】澤邉 由美子
(72)【発明者】
【氏名】マルガイラス, フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ダ シルバ, カルロス
(72)【発明者】
【氏名】マフリ, リュック
(72)【発明者】
【氏名】ジャカール, アラン
(72)【発明者】
【氏名】ヴィラモウズ, ルシアン
【審査官】佐藤 智弥
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0133395(US,A1)
【文献】米国特許第04738660(US,A)
【文献】特表2010-510000(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/142
A61M 5/145
A61M 5/20
A61M 5/24
A61M 5/28
A61M 5/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体への筋肉内および/または皮下注射に適した流体注入装置(1)であって、
前記装置はトリガ以外、一切の
使用者のアクションなしに操作サイクルを完了させる必要なエネルギーを収容しており、ハウジング(2)に内蔵されるエネルギー貯蔵機構を有し、前記エネルギー貯蔵機構は少なくとも2つのバーストでエネルギーを提供する
第1の予圧ばね(352)と第2の予圧ばね(552)を含み、
前記装置は、前記トリガを発生するトリガ機構(200)と、前記トリガ機構(200)の動作により前記第1の予圧ばね(352)に押されて移動可能な挿入サブアセンブリ(300)と、前記挿入サブアセンブリ(300)を介して前記第1の予圧ばね(352)に押されて移動可能で、少なくとも1つの針(452)を含む針サブアセンブリ(400)と、前記第2の予圧ばね(552)に押されて移動可能な注入サブアセンブリ(500)と、前記注入サブアセンブリ(500)を介して前記第2の予圧ばね(552)に押されて移動可能で、所定の粘度の流体を収容する容器(602)および該容器(602)に保密摺動する隔壁(604)を備えたリザーバサブアセンブリ(600)と、を有し、
前記第1の予圧ばね(352)は、前記挿入サブアセンブリ(300)を介して前記針サブアセンブリ(400)を前記注入サブアセンブリ(500)に向かう第1の方向に押すことができるように配置され、
前記第2の予圧ばね(552)は、前記注入サブアセンブリ(500)を前記第1の予圧ばね(352)が前記挿入サブアセンブリ(300)を押す方向と反対方向である第2の方向に押すことができるように配置され、
第1のバーストは、少なくとも1つの針(
452)を十分な距離まで伸ばすのに適した第1のエネルギー量を第1の予圧ばねから提供
するものであって、前記挿入サブアセンブリ(300)を介して前記針サブアセンブリ(400)を前記第1の方向に移動させて、前記針(452)の抽出端が前記隔壁(604)を貫通するとともに、前記針(452)の注入端が前記生体の皮膚を貫通し、前記皮膚のさらなる距離まで挿入して注射部位に到達するようにし、第2のバーストは
、前記流体を、少なくとも1つの
前記容器(602)から前記生体に押し出し、前記少なくとも1つの針を前記生体から退避するのに適した第2のエネルギー量を第2の予圧ばねから提供する
ものであって、前記注入サブアセンブリ(500)を前記第2の方向に移動させて、前記針サブアセンブリ(400)による前記隔壁(604)の前記容器(602)に対する相対運動を生成して前記流体を押し出し、前記注入サブアセンブリ(500)が一定の位置まで移動したら、前記リザーバサブアセンブリ(600)とともに前記針サブアセンブリ(400)を前記第2の方向に移動させて、前記針(452)の注入端を前記生体から退避させる装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの針(452)は第1の端と第2の端とを有し、該第1の端と第2の端は、使用の際に、前記少なくとも1つの針の前記第1の端が動く方向は患者の皮膚に平行な方向に、前記少なくとも1つの針の前記第2の端が動く方向は前記患者の皮膚にほぼ非直交な方向になるように、一緒に並進しながらそれぞれの表面を
刺すように適合された請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの針は、前記少なくとも1つの針の並進方向を、患者の皮膚に対して典型的には平行な1つの向きから、患者の皮膚に対して非直交な角度に変化させるマンドレルを通過する請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記マンドレル(702)は、前記針(452)が通過する際に前記針(452)を変形するように適合されている請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記マンドレル(702)は、前記針の弾性限界を超えて前記針を変形させるように適合されており、それによって前記装置の再利用を防ぐ請求項3に記載の装置。
【請求項6】
注射のための作動時に前記少なくとも1つの針が貫通し延在する前記装置内の少なくとも1つの開口(706)を被覆し封止するように、前記ハウジング(2)に少なくとも1つの不浸透性薄膜(704)が貼り付けられている請求項1~5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記流体を導く前記針(452)の内部流路の少なくとも一部(754)が、前記針の前記内部流路の別の一部(756)の直径と異なる直径を有する請求項1~6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
少なくとも2つの針が1つのハウジング内で同時に使用されて前記流体を前記生体へ導入する請求項1~
7のいずれか1項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本発明は、2019年6月21日に出願された米国仮出願第62/864,572「医療用注射システム及び方法」の便益を主張し、その内容は参照として組み込まれると共に、それに依拠する。
【著作権および法的告知】
【0002】
本特許文書に開示されるものの一部には、著作権保護の対象となる資料が含まれている。出願人は、特許商標庁の記録として特許開示されている特許文書に関しては、第三者によるファクシミリ複製に異論はないが、そうでない場合はいかなる場合も、すべての著作権を留保する。また、本願に記載される第三者の特許又は記事は、先行技術を理由として、本発明がその資料を先行する権利がないことを承認するものとして考慮すべきでない。
【技術分野】
【0003】
本発明は、任意で薬液を含む流体を、制御され自動化された様式で、生体に注入する装置に関する。
【背景技術】
【0004】
測定量の流体を、好ましくは生体の筋肉に、通常、筋肉内に注入するのに適した、流体注入装置を提供する。また、前記流体注入装置は、測定量の流体を生体の皮内または皮下に注入するのに適している。前記装置は、少なくとも2つのバーストでエネルギーを提供するエネルギー貯蔵機構を有する。第1のバーストは、第1のエネルギー源から提供され、前記生体の皮膚を貫通し針を該注射部位に挿入するのに必要なものである。第2のバーストは、第2のエネルギー源から提供され、前記流体を該リザーバから吸い出して前記生体に注入し、前記針を前記生体から退避するために必要なものである。前記装置の所定の操作手順とともに、前記装置に収容される該2つのエネルギー源の利用が、前記少なくとも2つのエネルギーのバーストに最適化される。
【0005】
流体注入装置は、該装置の操作部品を包囲する主ハウジングを有し、流体リザーバは主ハウジング内部に位置し、注射アセンブリは針とトリガ機構とを含む。本明細書に記載の流体リザーバは通常、カートリッジだが、その他のリザーバを用いることもできる。針は第1の端と第2の端とを有し、第1の端は、注入用流体を収容する前記リザーバに配置されている隔壁に結合するのに適しており、第2の端は、生体に挿入するのに適している。前記機構は、前記針を前記生体に挿入し、前記流体を注入し、前記針を退避させるのに必要なエネルギーを収容し、(通常、装置を強固に保持しながら達成される)トリガ以外、一切の使用者のアクションなしに、操作サイクルの完了を保証する。前記針の前記第1の端は前記皮膚に平行な方向へ、前記針の前記第2の端は前記生体の皮膚の表面にほぼ非直交な方向へ、ともに並進しながら、針の前記第1の端と前記第2の端とは、それぞれ表面を貫通する。前記隔壁を貫通すると、前記針は前記流体リザーバと流体連通し、前記装置は前記針を介して前記流体を前記生体に吐出する。
【0006】
本明細書において、本発明は3つの主要な実施形態として開示される。第2および第3の実施形態は第1の実施形態の代替的実施形態である。第2の実施形態の特徴は
図8A、
図8B、
図10A、
図10B、および
図12に示されている。そうでなければ、特定の操作ステップについて、第2の実施形態に特定の特徴が具体的に本特徴またはステップが開示される場合、第1の実施形態に対応する図面が、その他の実施形態における本特徴またはステップをサポートするすべての実施形態の代替である。第1および第2の実施形態は主に機械的な大きさにおいて異なる。第1の実施形態は筋肉内、つまり患者の軟組織の通常2~3cmへ注射を実行する用途を意図しているのに対し、第2の実施形態は皮下、つまり患者の軟組織の通常1~2mmへ注射を実行する用途を意図している。したがって、第1の実施形態は通常、長針を含み、該長針は該患者の軟組織の2~3cmを貫通するのに適した長さを有している一方で、第2の実施形態は通常、短針を含み、該短針は該患者の軟組織の1~2mmを貫通するのに適した長さを有している。第1および第2の実施形態は、それぞれカートリッジを含む。(約1mlの流体を収容する)第1の実施形態のカートリッジは高濃度薬液を収容するのに適しているのに対し、(約3mlの流体を収容する)第2の実施形態のカートリッジは標準濃度の薬液を収容するのに適している。
【0007】
第3の実施形態では、流体注入装置は、(使用者、弾性バンド、または粘着パッドを介して)生体の皮膚に抗して保持され、手動、自動、または遠隔で流体を生体に注入するよう操作されてもよい。第3の実施形態のこういった特徴は、第1および第2の実施形態に、容易に一体化できる。
【0008】
第4の実施形態では、装置は積層化されている(
図2参照)。第4の実施形態のこういった特徴も、第1から第3の実施形態に、容易に一体化できる。
【0009】
第5の実施形態では、交換可能カートリッジの代わりに、該リザーバを該装置内の専用リザーバに流体で充填してもよく、こういった特徴も本明細書に記載のその他の特徴に、容易に一体化できる。
【0010】
本発明の目的は、どんな人、患者自身であっても、流体、特に着目されるのは新型コロナウィルスワクチンの注射を、医療関係者の介在なしに実行でき、世界の医療体制の負担を軽減する、使いやすくユーザフレンドリな装置を提供することにある。
【0011】
本発明の別の目的は、使用者が自身を突き刺すような攻撃的な身振りをする必要なしに、自身に注射をすることができる、ユーザフレンドリな装置を提供することにある。
【0012】
本発明の別の目的は、管理オプションを別様に制限しないという特徴を持つ高粘度流体など、新しい分子治療のイノベーションという困難に近づくことのできる装置を提供することにある。
【0013】
利点としては、1つ以上の針を用いる本発明の実施形態により、1回の大容量の代わりに複数回の小容量の流体を生体に同時注射することができ、局所組織損傷を少なくし、したがって患者の注射による痛みを軽減できる。
【0014】
本発明の別の目的は、延長された製品ライフサイクルを有する装置を提供することにある。
【0015】
本発明の別の目的は、露出した針によって万が一、不注意に傷つくことがないように針を退避させる装置を提供することにある。
【0016】
本発明の別の目的は、針がマンドレルを通過する角度で注射するという選択肢を提供することにある。
【0017】
本発明の別の目的は、装置の不衛生、または不注意な可能性の再使用を防止し、流体を注射する、より安全な手段を提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の装置の第1の実施形態の斜視図である。
【
図2A】本発明の装置の第2の実施形態の斜視図である。
【
図2B】本発明の第2の実施形態の装置が2つ、互いに取り付けられた図である。
【
図3】使用可能な本発明の第1の実施形態の一部立体分解斜視図である。
【
図4】使用可能な本発明の第2の実施形態の一部立体分解斜視図である。
【
図6A】本発明の針サブアセンブリの一部斜視図である。
【
図6B】本発明の挿入サブアセンブリおよび針サブアセンブリの一部斜視図である。
【
図6C】
図6Bのサブアセンブリを第1の後方から見た一部斜視図である。
【
図6D】
図6Bのサブアセンブリを下部から見た一部斜視図である。
【
図7A】本発明の注射サブアセンブリの斜視図である。
【
図7B】本発明の内部リザーバサブアセンブリを示す
図7Aの注射サブアセンブリの断面図である。
【
図8A】本発明の
図6Aおよび
図6Bに示される注射サブアセンブリの代替的実施形態の断面図である。
【
図9A】本発明の機構をステップ6で使用する際の断面図である。
【
図9B】本発明の機構をステップ7で使用する際の断面図である。
【
図9C】本発明の機構をステップ7で使用する際の断面図である。
【
図9D】本発明の機構をステップ7で使用する際の断面図である。
【
図10A】本発明の代替的実施形態の機構をステップ7で使用する際の断面図である。
【
図10B】本発明の代替的実施形態の機構をステップ7で使用する際の断面図である。
【
図11】本発明の機構をステップ8で使用する際の断面図である。
【
図12】本発明の代替的実施形態の機構をステップ8で使用する際の断面図である。
【
図13】本発明の機構をステップ9で使用する際の断面図である。
【
図14A】本発明の機構をステップ10で使用する際の断面図である。
【
図14B】本発明の機構をステップ10で使用する際の断面図である。
【0019】
図面に示される要素は単純化及び明確性のために開示され、必ずしも正寸で描かれていないことは当業者には明らかである。例えば本発明の様々な実施形態の理解をより深めるために、寸法はその他の要素に対して強調して描かれていることもある。さらに、本件で用いられる「第1」、「第2」やその類の用語はとりわけ類似する要素を区別するために使用され、必ずしも順次的または時系的な順番を示すものではない。また、明細書及び/又は請求項における「正面」、「背面」、「平面」、「底面」やその類の用語は便宜的な目的で使用され、必ずしも限定的な相対位置を総合的に表わすものではない。このような用語は例えば本願で開示される様々な実施形態が明確に図示又は説明される以外の配向でも操作可能であるような適切な状況下では置き換えられてもよいことを当業者は理解されたい。
【好適な実施形態の詳細な説明】
【0020】
以下の説明は本質的に例示的であり、本願が出願された時点で発明者が知り得た本発明の最良の態様を説明するもので、本発明の範囲をいかなる意味でも制限するものではない。その結果として、本願で開示される例示的な実施形態における全ての要素の配置及び/又は機能は、本願発明の精神および範疇から逸脱することなく変更を加えることが可能である。
【0021】
次に、
図1、
図2A、
図2Bに示される本発明の装置1は、財布やポケットに入れて持ち運びやすい狭い形状を有する。任意で、便宜上、1対の装置が互いに取り付けられて提供されてもよい。
【0022】
次に、
図3および
図4に示される装置1は、本体2と、使用者が押しボタン14を使えるように取り外しできるカバー4とを有する。インジケータ16により、使用者は、装置がすでに使用されているか、あるいは使用可能な状態かを、チェックすることができる。カバー4が取り外されると、使用者は装置本体2を生体の皮膚に当てる。任意の感圧安全解除機構12は、生体の皮膚に加わる圧力が所定の閾値を超える場合にのみ押しボタン14を解除し、押しボタン14がトリガのために押下される前に、装置が最適に操作されるための正しい配置/保持を保証する。
【0023】
次に、
図5Aおよび
図5Bに示される本発明の医療装置1の機構100は、主構造102に収容される5つの主サブアセンブリ、すなわちトリガ機構200と、挿入サブアセンブリ300と、針サブアセンブリ400と、注入サブアセンブリ500と、リザーバサブアセンブリ600と、からなる(
図7Bに図示)。主構造は、注入ポリマー、またはその他の好適な材料からなってもよい。
【0024】
次に、
図6Aに示される針サブアセンブリ400は構造402からなり、注入ポリマー、またはその他の好適な材料からなってもよい。針サブアセンブリ構造402は針452を保持し、該針452は、それを介して流体が生体へ注入される注入端454と、それを介して流体がリザーバから抽出される抽出端456と、を有する。構造402は、機構100内でガイドされて方向づけられ、かつ機構100を操作するためのラッチおよびロック特徴部を提供するのに、適切な形状を有する。針452は、ステンレス鋼またはその他の好適な材料からなる。
【0025】
次に、
図6B~
図6Dに示される挿入サブアセンブリ300は、機構100の操作サイクル開始前に、針サブアセンブリ400に取り付けられる。挿入サブアセンブリ300は構造302からなり、注入ポリマー、またはその他の好適な材料からなってもよい。構造302は挿入ばね352を収容し、該挿入ばね352は、(例えば、アセンブリ上の)装置操作前に圧縮される。ばねは、ステンレス鋼、またはその他の好適な材料からなってもよい。構造302は、構造100内でガイドされて方向づけられ、かつ機構100を操作するためのラッチおよびロック特徴部332、334を提供するのに、適切な形状を有する。また、構造は、機構100の操作ステップ10で針サブアセンブリ400を挿入サブアセンブリ300から解除するためのリリース特徴部336を含む。
【0026】
次に、
図7Aおよび
図7Bに示される注入アセンブリ500は、リザーバサブアセンブリ600を収容する。注入アセンブリ500は、構造502と中間部512と、からなり、注入ポリマー、またはその他の好適な材料からなってもよい。構造502および中間部512は、隣接する部品に対して機構100をガイドし、かつ機構100を操作するためのラッチ特徴部、ロック特徴部、トリガ特徴部504、506、514を提供するのに、適切な形状を有する。リザーバサブアセンブリ600は、容器602と、隔壁604と、からなり、装置1を操作して生体に注入することを意図した流体606を収容する。リザーバ容器602は、ガラス、またはその他の好適な材料からなってもよい。隔壁604は、ゴム状の弾性自己シール材料、またはその他の好適な材料からなり、針抽出端456により貫通し、かつ容器602に保密摺動するために必要な特徴を含み、機構100の操作ステップ7で求められるピストンとして作用する。隔壁604内で一体化して、意図する挙動を保証する特徴は、剛性もしくは半剛性構造、または当該構造の混合を含む。
【0027】
次に、代替的実施形態である
図8Aおよび
図8Bに示される装置は、カスタムリザーバ600の代わりに、広く市販される標準カートリッジ601を収容する。カートリッジ601は、容器603と、ピストンとして作用し、該カートリッジを充填および完了ライン(図示せず)まで充填するストッパ605と、隔壁607と、からなる。カートリッジ601は、生体に注入する流体606を収容する。ステップ7で、ストッパ605は注入する流体606を押し出すピストンとして用いられ、隔壁607は針抽出端456により貫通される。
装置の操作シーケンスは以下の通りである。
1.装置1が第2の装置1と対になって取り付けられている場合(
図2参照)、一度に1つの装置を使用できるように使用者は装置1を取り外す。
2.使用者はカバー4を取り外す(
図3および
図4参照)。
3.使用者は装置本体2を生体の皮膚に当てる。
4.注射のための皮膚への安定した並置が得られるまで、または任意の検出器12が押しボタン14を解除する(
図3および
図4、ある所定の圧力の大きさの際に)ように十分になるまで、生体の皮膚に加える圧力を大きくする。代替的に、任意の検出器12はトリガ機構200を作動させ、その場合ステップ6に進む。
5.使用者は押しボタン14を押下し、トリガ機構200を作動させる。
6.トリガ機構200は挿入サブアセンブリ300を解除する(
図9A)。
7.針注入端454が注入深さまで生体に挿入できるまで、挿入サブアセンブリ300は針サブアセンブリ400を押下し、針抽出端456はリザーバ隔壁604を貫通する(
図9B~
図9D)。
8.この位置に到達すると、挿入サブアセンブリ300はラッチシステム334、134によって主構造102にロックされる。その結果、挿入サブアセンブリ300に取り付けられている針サブアセンブリ400も、ロックされる。同時に、注入アセンブリ500が解除され、流体リザーバサブアセンブリ600を針サブアセンブリ400に押し出す(
図11および
図12)。
9.隔壁604は流体リザーバ602の底面方向に変位し、ピストンとして作用して、流体606を、針抽出端456、針452、針注入端434を介して生体に注入する(
図13)。
10.任意で、注入サブアセンブリ500がリザーバを空にした後、針サブアセンブリ400は、挿入サブアセンブリ300から解除され、開始位置に押し戻されて、針注入端454が完全に主構造102内に退避するまで針452を退避させる(
図14Aおよび
図14B)。
【0028】
本明細書に記載の装置と操作シーケンスとを組み合わせることで、装置に収容され、(ばねが最大に圧縮される際の)最大エネルギーを用いて2つのエネルギーバーストを提供する、2つのエネルギー源(2つのばね)の利用を最大限活用できる、という優位点がもたらされ、第1のバーストは、生体の皮膚を貫通し針を注射部位に挿入するのに必要なものであり、第2のバーストは、流体をリザーバから吸い出し生体に注入するために必要なものである。針の退避は、第2のエネルギー源の残りにより提供される。
【0029】
【0030】
次に、
図9Aに示され、機構100の操作ステップ6に示される挿入サブアセンブリ300のトリガ機構200による解除は、ロック要素232が、適切な形状(主構造102内のラッチ132)と、挿入サブアセンブリ構造302内の別の形状(挿入サブアセンブリ内のラッチ332)と、からなるラッチ特徴部から、取り外されるものとして表される。
【0031】
次に、
図9B~
図9Dに示され、機構100の操作ステップ7に示される挿入サブアセンブリ300は、挿入ばね352により押され、動き始める。針サブアセンブリ400は挿入サブアセンブリ300に取り付けられているため、針サブアセンブリ400は同じ動きを行い、針452の抽出端456を隔壁604に貫通させ(特に
図9D参照)、針452の注入端454を生体の皮膚を貫通させ、生体の皮膚下の注入深さまで貫通させる。
【0032】
次に、
図10Aおよび
図10Bに示される第2の実施形態では、針抽出端456は、(上記実施形態のリザーバの隔壁604に対する)カートリッジの隔壁607を貫通させる。直前の段落に記載の実施形態において、注入深さは(先の段落の実施形態における)生体の「皮下」ではなく、皮膚の表面から1~2mmの皮下深さ等の「皮中または皮下」である。
【0033】
次に、
図11に示される針サブアセンブリ構造402は、機構100の操作ステップ8において、到達すると、注入アセンブリ500の中間部512をスライドし、中間部512の特徴部514と、主構造102のラッチ特徴部154と、注入アセンブリ構造502の特徴部504と、からなるラッチを開放する。この段階で、針注入端454を介する針452を介する針抽出端456を介する流体容器602からの流体接続が開き、注入サブアセンブリのばね552が解放される。同時に、ロック特徴部334(
図6Cに図示)は、主構造102の対応特徴部134をスナップ(snap)し、挿入サブアセンブリ300と取り付けられた針アセンブリ400とを固定し、それらが後方に動かないようにする。
【0034】
次に、
図12に示される第2の実施形態では、注入アセンブリ構造502は、カートリッジの容器603に対して動き、ストッパ605を容器603内に押し込み、流体606を容器603の外部から針抽出端456、針452、針注入端454を介して、生体へと吐出する。
【0035】
なお、寸法x(
図12に図示)またはx’(
図16に図示)は、用途の必要に応じて、1mm以下から40mm以上まで、本明細書に示す全ての実施形態の設計段階において選択されうる。
【0036】
次に、
図13に示される注入ばね552は、機構100の操作ステップ9において、解放されると、リザーバ容器602を針サブアセンブリ構造402に対して押し、隔壁604の容器602の底部への相対運動を生成して、流体606を容器602から針抽出端456、針452、針注入端454を介して、生体へと押し出す。
【0037】
次に、
図14Aおよび
図14Bに示される針サブアセンブリ400は、機構100の操作の任意ステップ10において、注入サブアセンブリ構造502のトリガ特徴部506がリリース特徴部336を押す地点に到達すると、リザーバ容器602を針サブアセンブリ構造402に対して押す注入ばね552が挿入サブアセンブリ300から解放され、操作開始前の位置に戻り始める。後方に動いている間、針サブアセンブリ400は、注入サブスクリプション500に押され、針注入端454が主構造102内に十分に退避されるまで、針452を退避させる。
【0038】
なお、針452は、任意で、マンドレル702を通過し、該マンドレル702は再利用できないように針を変形させる。一実施形態では、針は屈曲するように変形され、針が座屈することで、もはや直線ではなくなるために、マンドレルを再度通過することが不可能となる。
【0039】
次に、
図15は、針452のさらなる詳細を示している。針の第1端は、針抽出端456とも称され、より詳細が示されている。また、針の第2端は、針注入端454とも称され、より詳細が示されている。針452は、針の第1端の領域において、約180°反転を含む。針の当該領域での直径D1が任意の大きさであると、針の他の部分の直径D2は、D1より小さいか、大きいか、または同じでありうる。操作中、直径D1部分はハウジング2の内部に留まる一方で、針の直径D2部分は、操作中、屈曲し、少なくとも一部は患者に挿入するように構成される。針の直径D2部分は、針の注入端454側にある。針452は、針の一方端から他方端へ向かう内部流路(図示せず)を含む。流路の直径は、流体の粘度に適応されてもよい。しかし、1つまたは両方のエネルギー源のエネルギーも、流体の粘度に適応されてもよい。より好ましくは、流路の直径の大きさと、1つまたは両方のエネルギー源のエネルギーとが、流体の粘度に適応される。操作中に、マンドレルを介して針を確実に変形および座屈させるために、流路の直径と直径D2とが適切な変形(屈曲および/または座屈)を確保するように選択される。さらに別の実施形態では、針は、様々な直径D2を有し、適切な屈曲および座屈を確保してもよい。また別の実施形態では、流路は、流量制限器などの制限器を含んでもよい。
【0040】
図5A、
図5B、
図6A~
図6D、
図7A、
図7B、
図8A、
図8B、
図9A~
図9D、
図10A、
図10B、
図11~
図13、
図14A、
図14B、および
図16に示される(相互に隣接するまたは平行な)1以上の装置を配置、および添付、または1つのハウジングに一体化することで、本明細書に記載の実施形態では、(同時に、任意で隣接して)2以上の針454を平行に収容するように構成してもよく、当該針の第1端456は、同じまたは異なるリザーバのために、同じ隔壁または異なる隔壁を貫通するようにしてもよい。さらに別の実施形態では、2以上の針454を平行に扱うように構成してもよく、当該針の第1端456は、少なくとも2つの隔壁を貫通するようにしてもよく、各隔壁は個々のリザーバに割り当てられる。2以上の針を同時に使用することで、複数の利点が提供される。
ーより小さな針の利用を可能にし、生体の身体に挿入する際の痛みの発生を抑えることができる。
ー流体を、1回大容量注入する代わりに、少量を複数回、同時に生体に注射することで、局所組織損傷の発生を抑え、したがって患者の注射による痛みを低減できる。
ー流体の複数部位への注入を可能にすることで、注入された流体が生体の体内でより容易かつ迅速に拡散するので、患者により効果的な治療を提供することができる。
【0041】
次に、
図16では、別の実施形態が示され、針の注入端454は直線であり、操作中直線であり続ける。操作のために、使用者は装置本体を生体の皮膚に当て、針454の注入端を生体に対し略直角に挿入する。本実施形態では、針は操作中に屈曲しない。加えて、標準的なシリンジの場合、使用者が装置を皮膚から引き抜くことで、針は退避しうる。
【0042】
なお、相対摺動または摩擦力を受ける機構100の全ての可動要素には、その表面に低摩擦を確保するのに適切なコーティングを施してもよい。
【0043】
通常、注入用流体は、ペプチドと、タンパク質と、インスリン、カルシトニン、タンパク質調節カルシトニン遺伝子、心房性ナトリウムタンパク質、コロニー刺激性因子、ベタセロン、エリスロポエチン(EPO)、インターフェロンアルファ、インターフェロンベータ、またはインターフェロンガンマ等のインターフェロン、ソマトロピン、ソマトトロピン、ソマストスタチン、インスリン様成長因子(ソマトメジン)、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)、組織プラスミノーゲン活性化因子(TPA)、成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)、オキシトシン、エストラジオール、成長ホルモン、酢酸リュープロリド、第VIII因子、インターロイキン2、ILー1ra等のそのアンタゴニストまたは類似体等のインターロイキンを含むホルモンと、フェンタニル、スフェンタニル、ブトルファノール、ブプレノルフィン、レボルファノール、モルヒネ、ヒドルモルフォン、ヒドロコドン、オキシモルホン、メタドン、リドカイン、ブピバカイン、ジクロフェナク、ナプロキセン、パベリン、およびその類似体等の鎮痛薬と、スマトリプタン、麦角アルカロイド、およびその類似体等の抗片頭痛薬と、ヘパリン、ヒルジン、およびその類似体等の抗凝固剤と、スコポラミン、オンダンセトロン、ドンペリドン、メトクロプラミド、およびその類似体等の制吐剤と、心血管系薬剤と、抗高血圧剤と、ジルチアゼム、クロニジン、ニフェジピン、ベラパミル、五硝酸イソソルビド、有機硝酸塩、心疾患治療に用いられる薬剤、およびその類似体等の血管拡張剤と、ベンゾジアゼピン、フェノチアジン、およびその類似体等の鎮静剤と、デフェロキサミン、およびその類似体等のキレート剤と、デスモプレシン、バソプレシン、およびその類似体等の抗利尿剤と、フルオロウラシル、ブレオマイシン、およびその類似体等の抗狭心症薬剤と、フルオロウラシル、ブレオマイシン、およびその類似体等の抗悪性腫瘍薬と、プロスタグランジンおよびその類似体と、ビンクリスチン、およびその類似体等の化学療法剤と、注意欠陥障害のための治療薬、メチルフェニデート、フルボキサミン、ビソプロロール、タクロリムス、サクロリムスおよびシクロスポリン、流体キャリア内で懸濁するビタミン、抗毒素、血清、薬、抗体、アクテムラ(トシリズマブ)、アドクレトリス(ブレンツキシマブベドチン)、アーゼラ(オファツムマブ)、アバスチン(ベバシズマブ)、ベンリスタ(ベリムマブ)、シムジア(セルトリズマブ ペゴル)、アービタックス(セツキシマブ)、ハーセプチン(トラスツズマブ)、ヒュミラ(アダリムマブ)、イラリス(カナキヌマブ)、ルセンティス(ラニビズマブ)、マイロターグ(ゲムツズマブオゾガマイシン)、パージェタ(ペルツズマブ)、プロリア(デノスマブ)、レミケード(インフリキシマブ)、シンポニー(ゴリムマブ)、ソリリス(エクリズマブ)、ステラーラ(ウステキヌマブ)、タイサブリ(ナタリズマブ)、ベクティビックス(パニツムマブ)、Xgeva(デノスマブ)、ゾレア(オマリズマブ)、ヤーボイ(イピリムマブ)、ゼヴァリン(イブリツモマブ チウキセタン)と、を含んでなる流体の群から選択される流体である。
【0044】
利点として、本発明は、どんな人、患者自身であっても、流体、特に着目されるのは新型コロナウィルスワクチンの注射を、医療関係者の介在なしに実行でき、世界の医療体制の負担を軽減する、使いやすくユーザフレンドリな装置を提供する。
【0045】
本発明の別の目的は、患者が自身を突き刺すような攻撃的な身振りをする必要なしに、自身に注射をすることができる、ユーザフレンドリな装置を提供することにある。
【0046】
利点として、本発明は、管理オプションを別様に制限しないという特徴を持つ高粘度流体など、新しい分子治療のイノベーションという困難に近づくことのできる装置を提供する。
【0047】
利点として、1つ以上の針を用いる本発明の実施形態により、1回の大容量の代わりに複数回の小容量の流体を生体に同時注射することができ、局所組織損傷を少なくし、したがって患者の注射による痛みを軽減できる。
【0048】
利点として、本発明は、延長された製品ライフサイクルを有する装置を提供する。
【0049】
利点として、本発明は、露出した針によって万が一、不注意に傷つくことがないように針を退避させる装置を提供する。
【0050】
利点として、本発明は、針がマンドレルを通過する角度で注射するという選択肢を提供する。
【0051】
利点として、本発明は、装置の不衛生、または不注意な可能性の再使用を防止し、流体を注射する、より安全な手段を提供する。
【0052】
本発明は、以下の通り要約できる。
1.生体への筋肉内/皮下注射に適した流体注入装置1であって、ハウジング2に内蔵されるエネルギー貯蔵機構352、552を有し、該エネルギー貯蔵機構は少なくとも2つのバーストでエネルギーを提供し、第1のバーストは、前記生体の皮膚を貫通し、少なくとも1つの針454を該注射部位に挿入するのに必要なものであり、第2のバーストは、前記流体を該リザーバ602から吸い出し前記生体に注入し、任意で、前記針を前記生体から退避するのにするために必要なものである流体注入装置。
2.前記第1のバーストは第1のエネルギー源352によって提供され、前記第2のバーストは第2のエネルギー源552によって提供される、特徴セット1に記載の装置。
3.前記エネルギー貯蔵装置352、552がばねである、上記特徴セットのいずれかに記載の装置。
4.前記少なくとも1つの針452は第1の端と第2の端とを有し、使用の際に、前記少なくとも1つの針の第1の端が動く方向は患者の皮膚に平行に、前記少なくとも1つの針の第2の端が動く方向は生体の皮膚にほぼ非直交な方向になるように、ある方向にともに並進する、上記特徴セットのいずれかに記載の装置。
5.前記少なくとも1つの針は、前記少なくとも1つの針の並進方向を1つの向きから、前記患者の皮膚については通常、非直交な角度に平行にそらすマンドレルを通過する、上記特徴セットのいずれかに記載の装置。
6.前記マンドレル702は、前記針452が通過する際に前記針452を変形するのに適している、上記特徴セットに記載の装置。
7.前記マンドレル702は、前記針の弾性限界を超えて前記針を変形させるのに適しており、それにより前記装置の再利用を防ぐことのできる、上記特徴セットに記載の装置。
8.注射が作動すると前記少なくとも1つの針が貫通し拡張する前記装置内で、少なくとも1つの開口706を被覆し封止するように、前記ハウジング2に少なくとも1つの不浸透性薄膜704が貼り付けられている、上記特徴セットのいずれかに記載の装置。
9.前記装置1を操作する方法は、以下のステップを含む:
a.前記装置1を第2の装置1に1対として取り付ける場合、一度に1つの装置を使用できるように装置1を取り外すステップと、
b.前記少なくとも1つの針454が貫通できる薄膜704を用いて、カバーを必要としない場合に本装置を封止するまで、カバー4を取り外すステップと、
c.前記装置本体2を前記生体の皮膚に押圧するステップと、
d.任意で、次のステップで手動トリガを可能にする前記押しボタン14を任意の前記検出器12が解除するのに、または、代替的に、前記検出器12は前記トリガ機構200を自動で操作するのに十分になるまで前記生体の皮膚に加える圧力を大きくするステップであり、後者の場合はステップfに移るステップと、
e.前記押しボタン14を押下し、それによって、代わりに前記少なくとも1つの挿入サブアセンブリ300を解除するトリガ機構200を操作するステップと、
f.前記針注入端454が注入深さまで前記生体に挿入されるまで前記挿入サブアセンブリ300を使用する、前記少なくとも1つの針サブアセンブリ400を押下し、前記針抽出端456が前記少なくとも1つのリザーバ602の、少なくとも1つの隔壁604を貫通するステップと、
h.この位置に到達すると、前記挿入サブアセンブリ300を前記主構造102にロックするステップと、
i.前記少なくとも1つの挿入サブアセンブリ300に取り付けられている、前記少なくとも1つの針サブアセンブリ400をロックし、同時に、前記注入アセンブリ500を解除し、前記流体リザーバサブアセンブリ600を前記針サブアセンブリ400に押し出すステップと、
j.前記少なくとも1つの隔壁604を前記少なくとも1つの流体リザーバ602の底面方向に変位させ、ピストンとして作用して前記流体606を、前記針抽出端456、前記少なくとも1つの針452、前記少なくとも1つの針注入端434を介して前記生体に注入するステップと、
k.前記装置を前記生体から取り外すステップ。
10.特徴セット9に記載の方法であって、ステップkでの除去に先んじて、前記注入サブアセンブリ500が前記少なくとも1つのリザーバを空にする際に、前記少なくとも1つの針サブアセンブリ400を前記少なくとも1つの挿入サブアセンブリ300から解除し、その後開始位置に押し戻し、それによって前記針注入端454が完全に前記主構造102内に退避するまで前記少なくとも1つの針452を退避させて、露出した針が引き起こしうる害を防ぐ追加ステップを含む方法。
11.ステップhでのロックがラッチシステム(334)を利用して達成される、特徴セット1に記載の操作方法。
12.前記流体を導く前記針(452)の内部流路の少なくとも一部が、前記針の前記内部流路の別の一部(756)の直径と異なる直径を有する、上記特徴セットのいずれかに記載の装置。
13.1つのハウジング内で少なくとも2つの針が、前記生体へ前記流体を導入するのに同時に使用される、上記特徴セットのいずれかに記載の装置。
【0053】
さらに、本発明は、新規性、進歩性及び産業上の利用性を具備すると考慮される本明細書、添付の特徴セット及び/又は図面において説明された全ての特徴の可能な全ての組み合わせから構成されることを考慮されたい。
【0054】
本願で開示および説明される特定の実施形態は、本発明の代表的および最適な態様を示すものであって、本発明の範囲を制限することを意図したものでは決してないことを理解されたい。
【0055】
当業者には理解されるように、本発明はシステム、装置又は方法として具現化することが可能である。
【0056】
また、本願のシステムは、本願と同様の機能を有するすべての物品、サービス又は情報の使用、販売及び/又は流通を意図したものである。
【0057】
本願の明細書及び図面は限定するためではなく例示的なものとして理解されたく、本願で説明されるすべての改良は、例えそれが出願時に明確に請求されていない場合でも、本願の請求する発明の範囲に包含されることを意図される。従って、本願発明の範囲は、上記された単なる例示案からではなく、添付される請求項、または後で補正あるいは追加される請求項、又はそれに法的に相当する物によって判断されるべきである。すべての方法又は工程の請求項で記載されるステップは、特に記載のない限りどの順番であっても実行可能であり、請求項に記載される特定の順番に限定されるものではない。さらに、装置の請求項で記載される要素及び/又は部品は、本願と本質的に同様の成果をもたらす様々な置換で組立又は操作的に構成されることも可能である。総じて、本願発明は請求項で記載される特定の構成に限定されるものではない。
【0058】
本願で記載される便益、利点や解決法は、請求項の必須、重要あるいは不可欠な特徴又は要素であると考慮されるべきでない。
【0059】
本願で用いられる「からなる」、「から構成される」やその他の同様の言い回しは、要素の非限定的な一覧を表すために用いられ、その要素一覧から構成される本発明の装置、工程、方法、物品、又は構成は記載される要素のみを含むわけではなく、本明細書に記載されるその他の要素を含むことも可能である。また、「を含む」、「を含んでなる」または「本質的に含む」といった言い回しは、別段に指定のない限り、列挙される要素のみに発明の範囲を限定する意図で用いられるものではない。本発明の実施に用いられる上記された要素、材料又は構造の組み合わせまたは改良は、本発明の一般原則から逸脱することなく、当業者によってその他の設計に変更または適応することも可能である。
【0060】
上記で挙げられた特許及び文献は、別段の記載のない限り、本開示に反しない範囲において参照することにより本件に組み入れられる。
【0061】
本発明の他の特徴及び実施形態は添付の請求項において説明される。
【0062】
さらに、本発明は、新規性、進歩性及び産業上の利用性を具備すると考慮される本明細書、添付の特徴セット及び/又は図面において説明された全ての特徴の可能な全ての組み合わせから構成されることを考慮されたい。
【0063】
本発明の付加的な特徴及び機能性は添付の請求項において説明される。それらの請求項は参照として本明細書にそのすべてが組み込まれ、提出された出願の一部と考慮されたい。
【0064】
上述された発明の実施形態において、様々な変更及び改良を加えることが可能である。本発明の特定の具体的な実施形態が開示及び説明されたが、幅広い改良、変更及び置換が上述の実施形態では考慮される。上記の説明には多くの特定事項が含まれるが、発明の範囲を限定するものとしてではなく、むしろ1つ又はその他の好適な実施形態の例示であると考慮されたい。場合によっては、本発明のいくつかの特徴は、対応する他の特徴を使用することなく用いられる。従って、上述の説明は広義に解釈され、単なる実例又は例示として理解され、本発明の精神及び範囲は本出願で最終的に発行される請求項によってのみ限定されるべきである。
【符号の説明】
【0065】
以下の要素は、
図1~
図3に示されている。
1 注入装置
2 前記注入装置の本体/ハウジング
4 カバー
12 患者の皮膚の感存在(任意)/圧安全解除機構の検出器
14 トリガボタン
16 使用可能/使用済インジケータ―装置
【0066】
以下の要素は、
図4~
図14Bに示されている。
100 主機構
102 主構造
132 ラッチ要素
134 突起
154 ラッチ要素
200 トリガ機構
232 ラッチ要素
300 挿入サブアセンブリ
302 挿入サブアセンブリ構造
332 ラッチ要素
334 ラッチ要素
336 ラッチ解除レバー
352 挿入ばね/エネルギー源
400 針サブアセンブリ
402 針サブアセンブリ構造
452 針
454 針注入端
456 針抽出端
500 注入サブアセンブリ
502 注入サブアセンブリ構造
504 ラッチ要素
506 突起
512 中間部
514 ラッチ要素
552 注入および退避ばね/エネルギー源
600 リザーバサブアセンブリ
601 カートリッジ(標準カートリッジまたは市販品カートリッジ)
602 リザーバ本体
604 隔壁
606 流体
702 マンドレル
704 不浸透性膜
706 開口
754 内部流路の一部
756 内部流路の一部