IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ スタンダード エナジー カンパニー リミテッドの特許一覧

特許7535603バッテリの温度制御可能な電気自動車の充電システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-07
(45)【発行日】2024-08-16
(54)【発明の名称】バッテリの温度制御可能な電気自動車の充電システム
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/44 20060101AFI20240808BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20240808BHJP
   H01M 10/615 20140101ALI20240808BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20240808BHJP
   H01M 10/633 20140101ALI20240808BHJP
   H01M 10/657 20140101ALI20240808BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240808BHJP
   H02J 7/04 20060101ALI20240808BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20240808BHJP
   B60M 7/00 20060101ALI20240808BHJP
   B60L 5/00 20060101ALI20240808BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20240808BHJP
   B60L 53/12 20190101ALI20240808BHJP
   B60L 58/12 20190101ALI20240808BHJP
   B60L 58/16 20190101ALI20240808BHJP
   B60L 58/26 20190101ALI20240808BHJP
   B60L 58/27 20190101ALI20240808BHJP
【FI】
H01M10/44 A
H01M10/48 301
H01M10/44 Q
H01M10/615
H01M10/625
H01M10/48 P
H01M10/633
H01M10/657
H02J7/00 P
H02J7/00 301D
H02J7/04 L
H02J50/10
B60M7/00 X
B60L5/00 B
B60L50/60
B60L53/12
B60L58/12
B60L58/16
B60L58/26
B60L58/27
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022578744
(86)(22)【出願日】2021-05-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-14
(86)【国際出願番号】 US2021034983
(87)【国際公開番号】W WO2021257270
(87)【国際公開日】2021-12-23
【審査請求日】2022-12-27
(31)【優先権主張番号】63/041,415
(32)【優先日】2020-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517019603
【氏名又は名称】スタンダード エナジー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100166338
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 正夫
(72)【発明者】
【氏名】イ ドンユン
(72)【発明者】
【氏名】キム ブギ
【審査官】佐藤 匡
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-016078(JP,A)
【文献】特表2013-520955(JP,A)
【文献】特開2019-062712(JP,A)
【文献】特開2018-147705(JP,A)
【文献】特開平11-341698(JP,A)
【文献】特表2017-523756(JP,A)
【文献】特開2018-038133(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0363550(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/44
H01M 10/48
H01M 10/615
H01M 10/625
H01M 10/633
H01M 10/657
H02J 7/00
H02J 7/04
H02J 50/10
B60M 7/00
B60L 5/00
B60L 50/60
B60L 53/12
B60L 58/12
B60L 58/16
B60L 58/26
B60L 58/27
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次電池のバッテリ温度を感知する前に、非接触式エネルギー伝達手段により電磁エネルギーを、電気自動車に外部から印加し、18kWを超える高い充電電力未満の充電電力で前記二次電池の充電を開始するステップ、
前記二次電池のバッテリ温度を感知するステップ、
前記二次電池のバッテリ温度が、前記高い充電電力による前記二次電池の充電に適した所定の下限温度未満であると判断する時、前記電磁エネルギーを熱に変換し、前記二次電池を、前記下限温度を超える温度に加熱するステップ、及び、
前記下限温度を超えると判断する時、少なくとも部分的には、前記電磁エネルギーの大きさを制御することにより、前記バッテリ温度を、前記下限温度と上限温度との間に維持しつつ、前記高い充電電力で前記二次電池を充電するステップを含む、
電気自動車のバッテリの充電方法。
【請求項2】
前記下限温度は、前記二次電池のバッテリのサイクル寿命及び/又はバッテリ容量のうち一つ又は両方とも、25℃での前記二次電池の対応するバッテリのサイクル寿命及び/又は対応するバッテリ容量と比較して、50%以下だけ減る温度に対応する、
請求項1に記載の電気自動車のバッテリの充電方法。
【請求項3】
前記下限温度と前記上限温度との差は、40℃以下である、
請求項1に記載の電気自動車のバッテリの充電方法。
【請求項4】
前記非接触式エネルギー伝達手段は、対流又は伝導手段を含む、
請求項1に記載の電気自動車のバッテリの充電方法。
【請求項5】
前記電磁エネルギーを外部から印加するステップは、前記電気自動車の外部に設けられたエネルギー伝達コイルを介して電流を印加するステップを含む、
請求項1に記載の電気自動車のバッテリの充電方法。
【請求項6】
前記電磁エネルギーを外部から印加するステップは、前記電気自動車の外部に設けられたマイクロ波発生器を使用して、マイクロ波エネルギーを前記電気自動車に印加するステップを含む、
請求項1に記載の電気自動車のバッテリの充電方法。
【請求項7】
前記電磁エネルギーを外部から印加するステップは、前記電気自動車の外部に設けられた光子放射発生器を使用して、光子放射エネルギーを印加するステップを含む、
請求項1に記載の電気自動車のバッテリの充電方法。
【請求項8】
前記二次電池を充電するステップは、前記下限温度よりも高い温度に至る前に発生しない、
請求項1に記載の電気自動車のバッテリの充電方法。
【請求項9】
記電磁エネルギーを外部から印加する間、前記高い充電電力未満の充電電力で前記二次電池を充電するステップをさらに含む、
請求項1に記載の電気自動車のバッテリの充電方法。
【請求項10】
前記バッテリ温度を、前記下限温度と前記上限温度との間に維持するステップは、
前記高い充電電力で前記二次電池を充電する間、前記バッテリ温度が25℃よりも高いと判断するステップ、及び
前記電磁エネルギーを外部から印加することを中断して、前記電磁エネルギーを変換することを中断するステップを含む、
請求項1に記載の電気自動車のバッテリの充電方法。
【請求項11】
前記バッテリ温度を維持するステップは、前記バッテリ温度が、前記上限温度を超えるとき、前記二次電池を能動的に冷却させるステップを含む、
請求項1に記載の電気自動車のバッテリの充電方法。
【請求項12】
電気自動車の二次電池に充電エネルギーを提供するバッテリ充電モジュール、
電磁エネルギーを発生させて、非接触式エネルギー伝達手段により前記電気自動車に伝達する電磁エネルギージェネレータ、
前記電気自動車から前記二次電池のバッテリ温度を受信する通信インターフェース、及び、
前記二次電池のバッテリ温度が、18kWを超える高い充電電力による前記二次電池の充電に適した所定の下限温度未満であると判断する時、前記電磁エネルギージェネレータを活性化して、前記二次電池が加熱されるように前記電磁エネルギーを発生させて、前記電気自動車に伝達する制御ユニットを含み、
前記制御ユニットは、前記二次電池のバッテリ温度を感知する前に、前記非接触式エネルギー伝達手段により前記電磁エネルギーを、前記電気自動車に外部から印加し、前記高い充電電力未満の充電電力で前記二次電池の充電を開始し、前記二次電池のバッテリ温度が、前記下限温度を超えると判断する時、前記高い充電電力で前記二次電池の充電を開始するように、前記バッテリ充電モジュールを活性化する、
電気自動車の充電ステーション。
【請求項13】
前記制御ユニットは、少なくとも部分的には、前記電磁エネルギージェネレータによって発生して伝達される電磁エネルギーの大きさを制御することにより、前記バッテリ温度を、前記下限温度と上限温度との間に維持しつつ、前記高い充電電力で前記二次電池を充電する、
請求項12に記載の電気自動車の充電ステーション。
【請求項14】
前記下限温度は、前記二次電池のバッテリのサイクル寿命及び/又はバッテリ容量のうち一つ又は両方とも、25℃での前記二次電池の対応するバッテリのサイクル寿命及び/又は対応するバッテリ容量と比較して、50%以下だけ減る温度に対応する、
請求項12に記載の電気自動車の充電ステーション。
【請求項15】
前記非接触式エネルギー伝達手段は、対流又は伝導手段を含む、
請求項12に記載の電気自動車の充電ステーション。
【請求項16】
前記電磁エネルギージェネレータは、エネルギー伝達コイルを含み、
前記エネルギー伝達コイルは、前記エネルギー伝達コイルを介して電流を印加することで、前記電磁エネルギーを発生させて伝達する、
請求項12に記載の電気自動車の充電ステーション。
【請求項17】
前記電磁エネルギージェネレータは、光子を発生させて伝達する光子発生器を含む、
請求項12に記載の電気自動車の充電ステーション。
【請求項18】
電気自動車に電力を供給するための二次電池、
前記二次電池のバッテリ温度をモニタリングする温度感知モジュール、
エネルギー変換モジュールであって、前記エネルギー変換モジュールは、
充電ステーションの電磁エネルギージェネレータに電磁的に結合して、非接触式エネルギー伝達手段により電磁エネルギージェネレータから電磁エネルギーを受信し、
前記電磁エネルギーを熱に変換し、かつ、
前記熱で前記二次電池を加熱する、エネルギー変換モジュール、及び、
制御ユニットを含み、
前記制御ユニットは、
前記二次電池のバッテリ温度を感知する前に、前記非接触式エネルギー伝達手段により前記電磁エネルギーを、前記電気自動車に外部から印加し、18kWを超える高い充電電力未満の充電電力で前記二次電池の充電を開始し、
前記温度感知モジュールから前記バッテリ温度を受信して、通信インターフェースを通じて前記バッテリ温度を充電ステーションに伝達
前記二次電池のバッテリ温度が、前記高い充電電力による充電に適した所定の下限温度未満であると判断する時、前記電磁エネルギーを受信して、前記二次電池が加熱されるように前記エネルギー変換モジュールを活性化し、かつ、
前記二次電池のバッテリ温度が、前記二次電池の下限温度を超えると判断する時、前記高い充電電力で前記二次電池の充電を開始するように前記二次電池を活性化する、
電気自動車に電力を供給するための電力供給システム。
【請求項19】
前記制御ユニットは、少なくとも部分的には、前記エネルギー変換モジュールで熱に変換された電磁エネルギーの大きさを制御することにより、前記バッテリ温度を、前記下限温度と上限温度との間に維持しつつ、前記高い充電電力で前記二次電池を充電する、
請求項18に記載の電気自動車に電力を供給するための電力供給システム。
【請求項20】
電気自動車に電力を供給するための電力供給システムであって、前記電力供給システムは、
前記電気自動車に電力を供給するための二次電池、
前記二次電池のバッテリ温度をモニタリングする温度感知モジュール、
非接触式エネルギー伝達手段により電磁エネルギーを受信して、電磁エネルギーを熱に変換し、二次電池を加熱するエネルギー変換モジュール、
前記温度感知モジュールから前記バッテリ温度を受信して、通信インターフェースを通じて前記バッテリ温度を充電ステーションに伝達する制御ユニットを含む電力供給システム、及び、
前記電気自動車の充電ステーションを含む、電気自動車の充電システムであって、
前記電気自動車の充電ステーションは、
前記二次電池に充電エネルギーを提供するバッテリ充電モジュール、
前記電磁エネルギーを発生させて、前記非接触式エネルギー伝達手段により前記エネルギー変換モジュールに伝達する電磁エネルギージェネレータ、
前記バッテリ温度が、18kWを超える高い充電電力による前記二次電池の充電に適した所定の下限温度未満であると判断する時、前記電磁エネルギージェネレータを活性化して、前記二次電池が加熱されるように前記電磁エネルギーを発生させて、前記エネルギー変換モジュールに伝達する制御ユニットを含み、
前記制御ユニットは、前記二次電池のバッテリ温度を感知する前に、前記非接触式エネルギー伝達手段により前記電磁エネルギーを、前記電気自動車に外部から印加し、前記高い充電電力未満の充電電力で前記二次電池の充電を開始し、前記二次電池のバッテリ温度が、前記二次電池の下限温度を超えると判断する時、前記高い充電電力で前記二次電池の充電を開始するように前記バッテリ充電モジュールを活性化する、
電気自動車の充電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示される技術は、一般に電気自動車の充電システムに関し、より具体的には、バッテリの温度制御可能な電気自動車の充電システム、及びこれを用いた二次電池の充電方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車の急発展は、それに相応する二次電池及びバッテリ管理技術の急発展へ繋がってきたが、二次電池の充電に関連した速度及び安全性は、依然として関心事である。二次電池を充電する速度が改善しつつあることから、二次電池の充電に関連した信頼性及び安全性の側面を改善する必要性が増えている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一実施形態において、電気自動車のバッテリの充電方法は、二次電池のバッテリ温度が、18kWを超える高い充電電力で二次電池の充電に適した所定の下限温度未満であると判断するステップを含む。上記方法は、非接触式エネルギー伝達手段により電磁エネルギーを、電気自動車に外部から印加するステップをさらに含む。上記方法は、電磁エネルギーを熱に変換して、二次電池を、下限温度を超える温度に加熱するステップをさらに含む。上記方法は、少なくとも部分的には、電磁エネルギーの大きさを制御することにより、バッテリ温度を下限温度と上限温度との間に維持しつつ、高い充電電力で二次電池を充電するステップをさらに含む。
【0004】
他の実施形態において、電気自動車の充電ステーションは、電気自動車の二次電池に充電エネルギーを提供するバッテリ充電モジュールを含む。前記充電ステーションは、電磁エネルギーを発生させて、非接触式エネルギー伝達手段により電気自動車に伝達する電磁エネルギージェネレータをさらに含む。前記充電ステーションは、電気自動車から二次電池のバッテリ温度を受信する通信インターフェースをさらに含む。前記充電ステーションは、二次電池のバッテリ温度が、18kWを超える高い充電電力で二次電池の充電に適した所定の下限温度未満であると判断する時、電磁エネルギージェネレータを活性化して、二次電池が加熱されるように電磁エネルギーを発生させて、電気自動車に伝達する制御ユニットをさらに含む。前記制御ユニットはさらに、二次電池のバッテリ温度が下限温度を超えると判断する時、高い充電電力で二次電池の充電を開始するようにバッテリ充電モジュールを活性化する。
【0005】
他の実施形態において、電気自動車に電力を供給するための電力供給システムは、電気自動車に電力を供給するための二次電池を含む。前記電力供給システムは、二次電池のバッテリ温度をモニタリングする温度感知モジュールをさらに含む。前記電力供給システムは、エネルギー変換モジュールをさらに含む。前記エネルギー変換モジュールは、充電ステーションの電磁エネルギージェネレータに電磁的に結合し、非接触式エネルギー伝達手段により電磁エネルギージェネレータから電磁エネルギーを受信して、電磁エネルギーを熱に変換し、熱で二次電池を加熱する。前記電力供給システムは、制御ユニットをさらに含む。制御ユニットは、温度感知モジュールからバッテリ温度を受信して、通信インターフェースを通じてバッテリ温度を充電ステーションに伝達する。前記制御ユニットはさらに、二次電池のバッテリ温度が、18kWを超える高い充電電力で充電に適した所定の下限温度未満であると判断する時、エネルギー変換モジュールを活性化して、二次電池が加熱されるように電磁エネルギーを受信する。前記制御ユニットはさらに、二次電池のバッテリ温度が、二次電池の下限温度を超えると判断する時、高い充電電力で二次電池の充電を開始するように二次電池を活性化する。
【0006】
他の実施形態において、電気自動車の充電システムは、電気自動車に電力を供給するための電力供給システム及び電気自動車の充電ステーションを含む。前記電力供給システムは、電気自動車に電力を供給するための二次電池と、二次電池のバッテリ温度をモニタリングする温度感知モジュールと、を含む。前記電力供給システムは、非接触式エネルギー伝達手段により電磁エネルギーを受信して、電磁エネルギーを熱に変換し、二次電池を加熱するエネルギー変換モジュールをさらに含む。前記電力供給システムは、温度感知モジュールからバッテリ温度を受信して、通信インターフェースを通じてバッテリ温度を充電ステーションに伝達する制御ユニットをさらに含む。電気自動車の充電ステーションは、二次電池に充電エネルギーを提供するバッテリ充電モジュールを含む。前記充電ステーションは、電磁エネルギーを発生させて、非接触式エネルギー伝達手段によりエネルギー変換モジュールに伝達する電磁エネルギージェネレータをさらに含む。前記充電ステーションは、バッテリ温度が、18kWを超える高い充電電力で二次電池の充電に適した所定の下限温度未満であると判断する時、電磁エネルギージェネレータを活性化して、二次電池が加熱されるように電磁エネルギーを発生させて、エネルギー変換モジュールに伝達する制御ユニットをさらに含む。前記制御ユニットはさらに、二次電池のバッテリ温度が、二次電池の下限温度を超えると判断する時、18kWを超える充電電力で二次電池の充電を開始するようにバッテリ充電モジュールを活性化する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、様々な実施形態に従って、電磁エネルギーを使用するバッテリの温度制御を用いて、電気自動車に設けられた二次電池を充電するように構成された電気自動車の充電システムを示す図面である。
図1a】幾つかの実施形態に従って、電磁誘導によって、電磁エネルギーが充電ステーションから電気自動車に伝達されて、二次電池の加熱を引き起こす電気自動車の充電システムを示す図面である。
図1b】他の幾つかの実施形態に従って、電磁誘導によって、電磁エネルギーが充電ステーションから電気自動車に伝達されて、二次電池の加熱を引き起こす電気自動車の充電システムを示す図面である。
図1c】他の幾つかの実施形態に従って、電磁エネルギーが、マイクロ波エネルギーの形態で充電ステーションから電気自動車に伝達されて、二次電池の加熱を引き起こす電気自動車の充電システムを示す図面である。
図1d】他の幾つかの実施形態に従って、電磁エネルギーが、光子放射エネルギーの形態で充電ステーションから電気自動車に伝達されて、二次電池の加熱を引き起こす電気自動車の充電システムを示す図面である。
図1e】実施形態に従って、図1dの電気自動車の充電システムの光子発生器に向かって強化した光子吸収構造を示す図面である。
図1f】実施形態に従って、図1dの電気自動車の充電システムの光子発生器に向かって強化した光子吸収構造を示す図面である。
図1g】実施形態に従って、図1dの電気自動車の充電システムの光子発生器に向かって強化した光子吸収構造を示す図面である。
図2a】様々な実施形態に従って、電磁エネルギーを使用するバッテリの温度制御を用いて、電気自動車の二次電池を充電する方法を示す図面である。
図2b】幾つかの実施形態に従って、電磁エネルギーを使用するバッテリの温度制御を用いて、電気自動車の二次電池を充電する方法を示す流れ図である。
図2c】他の幾つかの実施形態に従って、電磁エネルギーを使用するバッテリの温度制御を用いて、電気自動車の二次電池を充電する方法を示す流れ図である。
図2d】他の幾つかの実施形態に従って、電磁エネルギーを使用するバッテリの温度制御を用いて、電気自動車の二次電池を充電する方法を示す流れ図である。
図2e】他の幾つかの実施形態に従って、電磁エネルギーを使用するバッテリの温度制御を用いて、電気自動車の二次電池を充電する方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
最近、自動車産業は、電気自動車の爆発的な成長に伴い、根本的な変化を経験している。電気自動車の改善した安全性、より低い騷音及び環境親和性は、内燃機関に基づく自動車と伝統的に関連した多くの問題を解決するか緩和すると予想される。しかし、電気自動車のインフラ構造に対する最大障害物の一つは、比較的に長い充電時間である。略15分程、或いはそれ未満に継続するガソリン自動車を再給油(refuel)することとは対照的に、電気自動車の充電時間は、他の要因の中でも、バッテリの充電レベル、使用される充電技術、使用される充電ケーブル、および充電ステーションによっては、例えば、10時間位などと、もっと長くかかり得る。
【0009】
国際標準であるIEC61851は、相異する4個の充電モードを分類する(IEC、2003)。例えば、北米では、充電レベルによって充電器が分類される。最も遅い充電は、レベル1の充電器からである。12~16程のアンペアの充電電流及び1~3kW程の充電電力、並びに標準(110V)プラグソケットを使用して、レベル1の充電器が10時間(h)超えて、例えば、24時間程以内に100マイルの範囲でプラグイン電気自動車(PEV:plug-in electric vehicle)を充電することができ、ほとんどは、家で一晩中充電するために使用される。16~40程のアンペアの充電電流及び1~7kW程の充電電力を使用して、レベル2の充電は、4~12h程以内に100マイルの範囲でPEVを充電することができる。最大43.5kW程の充電電力を使用して、レベル3の充電は、0.5~1.5h程以内に100マイルの範囲でPEVを充電することができる。50~150kW程の充電電力を使用して、レベル4の充電は、15分未満内に100マイルの範囲でPEVを充電することができる。本明細書で用われたように、高速充電は、高い充電電力、例えば、レベル2の充電の充電電力よりも、実質的により大きい充電電力で充電することを意味する。
【0010】
充電ステーション及び高速充電技術の利用可能性は、数年にわたって大変発展してきたが、電気自動車の充電は、一部の固有な再給油の難題があって、今だに困難である。固有な難題の一つは、一部二次電池の安全性及び信頼性に関連する。ガソリン車両に対する再給油時間は、周辺温度によらないものの、電気自動車に対する再給油時間は、周辺温度によるか、周辺温度によって制限され得る。特に、ガソリン再給油と違って、Li系二次電池の充電速度は、より低い温度で深刻に制限され得る。
【0011】
より低い温度でのLi系二次電池の充電に関連した産業において認識される一つの問題は、リチウムメッキである。Liメッキは、Liイオンバッテリのアノード側における好ましくない副反応を意味し、ここで、Liイオンは、アノード結晶構造内に挿入される代わりに、金属性Liに還元される。他の有害な影響のうち、金属性Liは、ある状況下では、デンドライト(dendrite)を形成することができ、これは、Liイオンバッテリの性能及び信頼性を深刻に低下させ得る。どの理論にも関わることなく、局所的なアノード電位が、約0V対Li/Li+未満に降下するとき、Liメッキが発生し得る。一部のLiイオンバッテリのアノードは、100mV対Li/Li+内の平衡電位を有する黒煙を含有する。その結果、特定の状況、例えば、比較的に低い温度及び高い電流下で、大きいアノード分極は、Liイオンバッテリにおけるリチウムメッキに対する臨界値未満に黒煙電位を押し出すことができる。さらに、Liイオンバッテリの様々な異なる特徴は、LiイオンバッテリにおけるLiメッキの原因となり得る。例えば、Liメッキは、原因となる要因を幾つか言うと、黒煙アノード表面における局所的な非均質性の存在、比較的に遅いインターカレーション(intercalation)動力学、アノードにおける比較的に高い固体電解質界面(SEI:solid electrolyte interface)膜抵抗、およびアノードにおける遅いリチウムの拡散によって悪化し得る。アノード材料タイプはまた、平衡電位の相違によって、Liメッキの挙動に影響を及ぼし得る。同様に、電解質組成はまた、Liイオンバッテリの低温性能に影響を及ぼし得る。蒸着した金属性Liは、酸化によって可逆的であってもよいが、酸化中にLiデンドライトが活性材料から分離されて、セルにおける「デッド(dead)Li」に繋がり得る。しかも、メッキされた金属性Liは、反応性が非常に高くて、電解質と非可逆的なSEIを形成することができる。
【0012】
Liメッキのこのような影響は、バッテリのサイクル寿命及び/又は容量の急速な減少に繋がり得、また、相当な安全リスクを提起することができる。急速な性能減少は、例えば、温度に対してLiメッキに影響を及ぼす様々なプロセスの指数的依存性に関連し得る。例えば、黒煙/LiNi1/3Mn1/3Co1/3セルを含む一部二次電池は、5℃で、1-C充電で、50サイクルにおける75%の容量を失い得るが、同じセルが25℃では、4,000サイクルに耐えられることが観察された。同様、黒煙/LiFePOセルを含む二次電池において、10℃の温度でのセル寿命は、25℃でのセル寿命の単に半分程であることが観察された。バッテリのサイクル寿命及び/又は容量のそのような劣化を防止するために、より低い温度での充電レートが相当減少して、充電時間の増加に繋がり得る。アメリカの50州のうち47州が、冬期に10℃未満の平均温度である事実を考慮すれば、充電ステーションの利用可能性が、給油所だけに偏在する場合も、低い温度でのLiイオンバッテリの性能及び信頼性の低下は、電気自動車のさらなる商用化における制限要素となり得る。低い温度での高速充電に関連する性能、信頼性、および安全問題、並びに他の要求を解決するために、開示される技術は、充電の前に又は充電中に高速充電のため二次電池を安全な温度で迅速かつ効率良く加熱すること、並びに充電中にバッテリ温度を安全範囲内に維持することに関する。
【0013】
電磁エネルギーを使用するバッテリの温度制御可能な電気自動車の充電システム
上述したような二次電池の性能及び/又はサイクル寿命の低下を含み、低い温度で電気自動車の二次電池の充電に関連した様々なリスクを減少させるために、開示される技術の実施形態は、電磁エネルギーを使用するバッテリの温度制御が備えられた電気自動車の充電システムに関する。充電システムは、非接触式エネルギー伝達手段を用いて電磁エネルギーを電気自動車に伝達して、二次電池を加熱するための熱に電磁エネルギーを変換することで、二次電池の充電を開始する前に、二次電池の温度を高速充電に適した温度に上昇させるように構成される。有利には、非接触式エネルギー伝達手段は、周辺温度が比較的に低いとき、二次電池の性能及び/又は信頼性が損傷しないことを保障するために、二次電池の局所的な加熱を可能にする。
【0014】
図1は、実施形態に従って、充電の前に、及び/又は充電中に電気自動車に設けられた二次電池の温度を管理するように構成された電気自動車の充電システム100を例示する。電気自動車の充電システム100は、充電ステーション110及び電気自動車150を含む。
【0015】
電気自動車150は、パワートレイン154によって電気自動車150に電力を供給するための電力供給システム160を含む。電力供給システム160は、電気自動車150に電力を供給するための二次電池158、及び二次電池158に熱的に結合された温度感知モジュール162を含む。温度感知モジュール162は、二次電池158のバッテリ温度をモニタリングするための温度センサ、例えば、熱電対、測温抵抗体(RTD:resistance temperature detector)、サーミスタ(thermistor)、又は半導体に基づく集積回路を含む。温度感知モジュール162は、バッテリ温度をモニタリングすることから温度データを生成するように構成される。温度感知モジュール162はまた、履歴温度情報を含んでいてもよい温度データを貯蔵することができる。
【0016】
電力供給システム160はさらに、二次電池158に電気的に、かつ、熱的に結合されたエネルギー変換モジュール166を含む。エネルギー変換モジュール166は、充電ステーション110の電磁エネルギージェネレータ118に電磁的に結合するように、かつ、非接触式エネルギー伝達手段により電磁エネルギージェネレータ118から電磁エネルギー120を受信して、電磁エネルギーを熱に変換し、熱で二次電池を加熱するように構成される。
【0017】
エネルギー変換モジュール166は、複数の方式で二次電池158と熱的に連通して、これらの間に効率良く熱を伝達することができる。例えば、エネルギー変換モジュール166は、二次電池158と直接に接触するか、効率の良い熱伝導媒体、言わば、高い熱伝導率を有する材料、例えば、金属を介して二次電池158と間接に接触することができる。
【0018】
電力供給システム160はさらに、電力供給システム160の各々のコンポーネントに通信可能に結合された制御ユニット170を含む。制御ユニット170は、本明細書で開示されたような電力供給システム160の様々なコンポーネントを制御するため、様々な命令を行うように構成されたプロセッシングロジッグデバイスを含む。制御ユニット170は、本明細書で開示されたような電力供給システム160の様々なコンポーネントに制御信号を提供するため、様々な命令をローディングしたメモリ及び/又は貯蔵デバイスをさらに含む。制御ユニット170は、二次電池158、温度感知モジュール162、およびエネルギー変換モジュール166に電気的にかつ通信可能に結合される。制御ユニット170は、温度感知モジュール162から温度データを受信し、通信インターフェース174を通じて温度データを充電ステーション110に伝達するように構成される。制御ユニット170はさらに、温度感知モジュール162から温度データを受信するように、かつ、充電ステーション110の電磁エネルギージェネレータ118からの非接触式エネルギー伝達手段により電磁エネルギー120を受信して、電磁エネルギーを熱に変換し、熱を二次電池158に伝達して、二次電池の温度を上昇させるために、エネルギー変換モジュール166を活性化及び非活性化するように構成される。エネルギー変換モジュール166は、図1a~図1dについて説明したように、電磁誘導又はマイクロ波エネルギーによって電磁エネルギー120を伝達するように構成されてもよい。
【0019】
幾つかの実施形態において、エネルギー変換モジュール166は、上述の機能を行うため個別コンポーネントを含むことができる。これら実施形態において、エネルギー変換モジュール166は、充電ステーション110の電磁エネルギージェネレータ118に物理的に接触せず、電磁的に結合するように構成されたエネルギー受信モジュール164を含むことができる。エネルギー受信モジュール164は、非接触式エネルギー伝達手段により電磁エネルギージェネレータ118から電磁エネルギー120を受信するように構成される。エネルギー変換モジュール166はさらに、エネルギー受信モジュール164とは別のコンポーネントとして熱発生器168を含むことができ、熱発生器168は、電磁エネルギーを熱に変換するように、かつ、熱を二次電池158に伝達して、その温度を上昇させるように構成される。
【0020】
制御ユニット170は、二次電池158のバッテリ温度が、高速充電に、例えば、18kWを超える充電レートでの充電に適した所定の下限温度未満であると判断する時、制御ユニット170は、エネルギー変換モジュール166を活性化して、充電ステーション110の電磁エネルギージェネレータ118から、例えば、エネルギー受信モジュール164を通じて電磁エネルギー120を受信することができるように、かつ、熱発生器168によって発生した熱を使用して、二次電池158が加熱されるように構成される。
【0021】
加熱後、制御ユニット170はさらに、二次電池158のバッテリ温度が、二次電池の下限温度を超えると判断する時、二次電池158を活性化して、例えば、18kW程を超える充電電力で二次電池158の高速充電を開始するように構成される。
【0022】
制御ユニット170は、少なくとも部分的には、エネルギー変換モジュール166によって熱に変換される電磁エネルギー120の大きさを制御することにより、バッテリ温度を下限温度と上限温度との間に維持しつつ、例えば、18kW程を超える充電電力で二次電池158を高速充電するようにさらに構成される。
【0023】
さらに図1を参照すると、充電ステーション110は、二次電池158に電気的に接続して、充電エネルギーを提供するように構成されたバッテリ充電モジュール114を含む。充電ステーション110はさらに、電磁エネルギー120を発生させて、非接触式エネルギー伝達手段によりエネルギー変換モジュール166に伝達するように構成された電磁エネルギージェネレータ118を含む。バッテリ充電モジュール114及び電磁エネルギージェネレータ118には、それぞれ電源122によって電力が供給される。電磁エネルギージェネレータ118は、図1a~図1dについて後述するように、誘導性エネルギージェネレータ又はマイクロ波エネルギージェネレータのうち一つ以上を含むことができる。
【0024】
充電ステーション110は、充電ステーション110の各々のコンポーネントに通信可能に結合された制御ユニット128をさらに含む。制御ユニット128は、本明細書で開示されたような充電ステーション110の様々なコンポーネントを制御するため、様々な命令を行うように構成されたプロセッシングロジッグデバイスを含む。制御ユニット128は、本明細書で開示されたような充電ステーション110の様々なコンポーネントに制御信号を提供するため、様々な命令をローディングしたメモリ及び/又は貯蔵デバイスをさらに含む。制御ユニット128は、電力供給システム160の通信インターフェース174に通信可能に結合された通信インターフェース132を通じて、電力供給システムの制御ユニット170から温度データを受信するように構成される。
【0025】
制御ユニット128は、温度データに基づいて、二次電池のバッテリ温度が高速充電に、例えば、18kW程を超える充電電力で充電に適した所定の下限温度未満であるか否かを判断するように構成される。制御ユニット128はさらに、バッテリ温度が、所定の下限温度未満であると判断する時、電磁エネルギージェネレータ118を活性化して、電磁エネルギー120を発生させ、エネルギー変換モジュール166に伝達して、二次電池158が加熱されるように構成される。
【0026】
加熱後、制御ユニット128は、さらに、二次電池158のバッテリ温度が、バッテリの下限温度を超えると判断する時、バッテリ充電モジュール114を活性化して、高速充電レートで、例えば、18kW程を超える充電電力で二次電池158の充電を開始するように構成される。
【0027】
制御ユニット128は、少なくとも部分的には、電磁エネルギージェネレータ118によって発生して伝達される電磁エネルギー120の大きさを制御することにより、バッテリの温度を下限温度と上限温度との間に維持しつつ、例えば、18kW程を超える充電電力で二次電池158を高速充電するようにさらに構成される。
【0028】
さらに図1を参照すると、通信インターフェース132,174は、本明細書で説明される動作を行うため、任意の適宜なプロトコル、例えば、幾つかを言うと、IEEE802.11プロトコル、ブルートゥース(登録商標)、SPI(Serial Peripheral Interface)、IC(Inter-Integrated Circuit)、USB(Universal Serial Port)、CAN(Controller Area Network)、Modbusプロトコル、セルラデータプロトコル(例えば、3G、4G、LTE(登録商標)、5G)、光通信ネットワーク、インターネットサービス提供者(ISP:Internet Service Provider)、P2Pネットワーク、近距離ネットワーク(LAN:Local Area Network)、広域ネットワーク(WAN:Wide Area Network)、公共ネットワーク(例えば、「インターネット」)、私設ネットワーク、および衛星ネットワークを用いる有線又は無線通信のために構成されてもよい。
【0029】
制御ユニット128,170は、本明細書で開示の様々な動作を実行するためのプロセッサ、マイクロプロセッサ、マルチコアプロセッサ、及び/又はプログラミング可能なゲートアレイ(FPGA:field programmable gate array)といったデジタル及び/又はアナログ回路を含む一以上のロジックデバイスを含むことができる。しかも、例示していないものの、制御ユニット128,170は、静的ランダムアクセスメモリデバイス、動的ランダムアクセスメモリデバイス、非揮発性メモリデバイス、及び/又はディスクドライブといった、一以上のメモリ及び/又は貯蔵デバイスを含むことができる。メモリ及び/又は貯蔵デバイスは、様々な動作を実行するために命令を貯蔵し、及び/又はデータを貯蔵する。
【0030】
本明細書で開示の様々な実施形態によれば、電気自動車の二次電池158は、Liイオンバッテリである。本明細書で説明するように、Liイオンバッテリは、リチウムイオンが、電荷担体として作用する両電極からいずれも挿入反応に頼るエネルギー貯蔵デバイスを意味する。様々な具現化によれば、Liイオンバッテリは、例えば、炭素(例えば、黒煙)又はリチウムチタネート(LiTi12)を含む負電極を含む。Liイオンバッテリはさらに、イオン伝達を可能にするために、例えば、リチウム塩(例えば、LiPF)と有機溶媒(例えば、ジエチルカーボネート)の混合物を含む電解質を含む。内部短絡を防止しつつ、リチウムイオンが電極の間を通過できるようにするため分離膜が使用される。エネルギーソース又は放電モードとして動作するとき、電子は、負電極から正電極に移動し、Li+イオンは、電気的中性を維持するように、負電極から電解質を介して正電極に移動する。システムが充電モードで動作するとき、電子電流及びLi+イオンの流れは、反転する。
【0031】
様々な実施形態によれば、二次電池158は、低下した温度での高速充電が、バッテリ容量とサイクル寿命のうち、一つ又は両方とも減少する相当な確率に繋がるように構成される。例えば、二次電池158は、25℃での容量及び/又はサイクル寿命に比べて、低下した温度での二次電池158の対応するサイクル寿命及び/又は容量が、20℃で10%、20%、30%、40%、50%、又はこれら値のうち任意の値によって定義された範囲内の百分率を超えるだけ、15℃で20%、30%、40%、50%、60%、又はこれら値のうち任意の値によって定義された範囲内の百分率を超えるだけ、10℃で30%、40%、50%、60%、70%、又はこれら値のうち任意の値によって定義された範囲内の百分率を超えるだけ、5℃で40%、50%、60%、70%、80%、又はこれら値のうち任意の値によって定義された範囲内の百分率を超えるだけ、そして、0℃で50%、60%、70%、80%、90%、又はこれら値のうち任意の値によって定義された範囲内の百分率を超えるだけ減少するように構成されてもよい。実施形態によれば、二次電池のバッテリのサイクル寿命及び/又はバッテリ容量のうち一つ又は両方の劣化は、二次電池158におけるリチウムメッキのリスクに関連し得る。
【0032】
さらに図1を参照すると、充電ステーション110の電磁エネルギージェネレータ118は、電磁エネルギー120を発生させて、非接触式エネルギー伝達手段により電磁エネルギー120を電力供給システム160のエネルギー変換モジュール166に印加するように構成される。エネルギー変換モジュール166は、二次電池158を加熱するために、電磁エネルギー120を熱に変換するように構成される。本明細書で説明するように、非接触式エネルギー伝達手段は、対流又は伝導のほか、他の手段を含む。電磁エネルギー120は、実施形態に従って、誘導性エネルギー、光子放射エネルギー、又はマイクロ波エネルギーを含む。
【0033】
図1a~図1dは、実施形態に従って、充電の前に及び/又は充電中に、電気自動車に設けられた二次電池を加熱するために、充電ステーションから電気自動車への電磁エネルギーを伝達するため、それぞれ構成された電気自動車の充電システム100A,100B,100C,100Dを例示する。電気自動車の充電システム100A,100B,100C,100Dは、それぞれ電気自動車150A,150B,150C,150D、及び図1について上述したエネルギー変換モジュール166の相異する例を含む。以下では、電気自動車の充電システム100A,100B,100C,100Dは、図1について上述した電気自動車の充電システムに類似する特徴を含み、これらの詳細事項は、簡潔性のため本明細書では繰り返さない。
【0034】
図1aは、実施形態に従って、電磁エネルギー120Aが、一対の誘導コイルを用いる電磁誘導によって、充電ステーション110Aから電気自動車150Aに伝達されて、二次電池の加熱を引き起こす電気自動車の充電システム100Aを例示する。充電ステーション110Aは、エネルギー伝達コイルを含む電磁エネルギージェネレータ118Aを備える。エネルギー伝達コイルは(不図示)、ドライバ回路に電気的に接続されて、ドライバ回路によって駆動されてもよく、ドライバ回路は結局、RF増幅器を含むことができる。電磁エネルギージェネレータ118Aには、電源122によって電力が供給される。電源122はまた、図1について上述したのと同様の方式でバッテリ充電モジュール114に電力を供給する。
【0035】
電気自動車150Aは、エネルギー変換モジュール166Aを含む。エネルギー変換モジュール166Aは、エネルギー受信コイルを含むエネルギー受信モジュール164Aを備える。エネルギー受信コイルは、整流器及び/又は電力調節器に電気的に接続されてもよい。エネルギー変換モジュール166Aは、エネルギー受信コイルによって受信された無線エネルギーを熱エネルギーに変換するように構成された抵抗性発熱体(heating element)を含む熱発生器168Aをさらに含み、熱エネルギーは、例えば、熱発生器168Aを介した伝導又は対流によって二次電池158に伝達される。
【0036】
例示のように、車両充電システム100Aは、エネルギー伝達コイルからエネルギー受信コイルに伝達される無線エネルギーを使用して、熱発生器168Aを加熱するように構成される。様々な実施形態によれば、エネルギー伝達コイル及びエネルギー受信コイルは、それぞれ適宜な数の巻線を有し、適宜な領域を占有するように平面で拡張する。エネルギー伝達コイルとエネルギー受信コイルは、エネルギー伝達コイルとエネルギー受信コイルの拡張する平面が、約60度、45度、30度、15度、又はこれら値のうち任意の値によって定義された範囲内の値未満の角を形成するように、実質的に互いに対面することができる。エネルギー伝達コイルとエネルギー受信コイルは、これらが拡張する平面におけるエネルギー伝達コイルとエネルギー受信コイルの投射した領域が、30%、45%、60%、75%、又はこれら値のうち任意の値によって定義された範囲の値を越えて重畳するように、実質的に互いに重畳し得る。
【0037】
エネルギー伝達コイルとエネルギー受信コイルは、二次電池を加熱するために、これらの間に無線エネルギーを伝達するように構成されると認識することができる。幾つかの実施形態において、エネルギー伝達コイル及びエネルギー受信コイルは、二次電池を加熱するために専用されて、他の目的で、例えば、二次電池158の充電のためのエネルギー伝達のためには構成されない。
【0038】
図1bは、実施形態に従って、電磁エネルギー120Bが、充電ステーション110Bから電気自動車150Bに伝達されて、二次電池の加熱を引き起こす電気自動車の充電システム100Bを例示する。充電ステーション110Bは、エネルギー伝達コイルを含む電磁エネルギージェネレータ118Bを備える。エネルギー伝達コイルは(不図示)、ドライバ回路によって電気的に接続されて、ドライバ回路によって駆動されてもよく、ドライバ回路は結局、RF増幅器を含むことができる。電磁エネルギージェネレータ118Bには、電源122によって電力が供給される。電源122はまた、図1について上述したのと同様の方式でバッテリ充電モジュール114に電力を供給する。
【0039】
電気自動車150Bは、エネルギー変換モジュール166Bを含む。エネルギー変換モジュール166Bは、伝導体を含むエネルギー受信モジュール/熱発生器164B/168Bを含む。伝導体は、エネルギー伝達コイルに隣接して、又はエネルギー伝達コイル内に配置されてもよい。エネルギー受信モジュール/熱発生器164B/168Bの伝導体は、エネルギー伝達コイルからの電磁エネルギー120Bを伝導体を介して流れる渦電流に変換するように構成され、渦電流は結局、例えば、伝導又は対流によって二次電池158に伝達される熱エネルギーに変換される。
【0040】
例示のように、電気自動車の充電システム100Bは、誘導加熱によって二次電池158を加熱するように構成される。本明細書で説明するように、誘導加熱は、電気伝導体が時変磁場の区域に配置されることで、ボディーに電流を誘導する効果を意味する。結局、電気伝導体に誘導された電流は、電気伝導体における熱発電を引き起こす。例示の電気自動車の充電システム100Bでは、電源122に接続されて、誘導コイルにおける適宜な時変電流、例えば、ACを提供するように構成された電磁エネルギージェネレータ118B内の伝導体、例えば、誘導コイルの適宜な配列によって磁場が生成される。よって、誘導コイル118Bに供給される電力は、電磁エネルギージェネレータ118Bと、エネルギー受信モジュール/熱発生器164B/168Bとの間の物理的接続を使用せずに、電磁場を介してエネルギー受信モジュール/熱発生器164B/168Bの電気伝導体における熱電力に変換される。電源122は、伝導体の構成及び材料によって、適宜な周波数で誘導コイルに交流を提供することができる。
【0041】
誘導された渦電流の強さは、伝導体の表面においてより大きくてもよく、伝導体の厚さと表皮の深さとの比の関数で、その中心に向かって減少し得る。比が増加することによって、表皮効果と称する現象によって、総電力のより大きい割合が表面の周辺で消散する。表皮の深さ(δ)は、δ= と表され得、ここで、ρは、電気抵抗率(Ωm)であり、ω=2πf(rad/s)は、誘導コイルでの電流の角周波数であり、絶対磁気透磁率(μ)は、μμであり、ここで、μ=4π・10-7(H/m)である。誘導電力量は、表皮の深さに反比例し、よって、比較的に小さい表皮の深さを有する材料を選択することで増加し得る。
【0042】
実施形態によれば、伝導体の材料及び形状は、電気自動車の充電システム100Bの電力及び効率に対して最適化し得る。エネルギー受信モジュール/熱発生器164B/168Bの伝導体は、任意の適宜な形状、例えば、円筒状棒又はチューブ及び長方形スラブ(slab)を有してもよい。伝導体の形状及び材料によって、誘導電力量は、伝導体の特徴的寸法を調整することで調整することができる。例えば、円筒状を有する伝導体の場合、誘導電力は、直径の特徴的寸法に比例し、スラブ状を有する伝導体の場合、誘導電力は、厚さの特徴的寸法に比例し得る。一方では、誘導電力を増加させるために、特徴的寸法が増加し得る。しかし、特徴的寸法は、熱質量が高すぎないように制限することができるが、これは効率を低下させ得る。様々な実施形態によれば、表皮の深さに対する特徴的寸法、例えば、円筒状伝導体の直径又はスラブ伝導体の厚さの比は、1、3、5、7、および9を超えるか、これら値のうち任意の値によって定義された範囲内の値を有してもよい。
【0043】
図1cは、実施形態に従って、電磁エネルギー120Cが、マイクロ波エネルギーの形態で充電ステーション110Cから電気自動車150Cに伝達されて、二次電池の加熱を引き起こす電気自動車の充電システム100Cを例示する。充電ステーション110Cは、マイクロ波発生器を含む電磁エネルギージェネレータ118Cを備える。マイクロ波発生器には、電源122によって電力が供給される。電源122はまた、図1について上述したのと同様の方式でバッテリ充電モジュール114に電力を供給する。
【0044】
電気自動車150Cは、エネルギー変換モジュール166Cを含む。エネルギー変換モジュール166Cは、マイクロ波エネルギーを受信するように、マイクロ波発生器118Cに向かってマイクロ波透過窓180を有する流体貯蔵所を含むエネルギー受信モジュール164Aを備える。エネルギー変換モジュール166Cはさらに、より高い消散係数を有する流体を含む熱発生器168Cを備える。流体貯蔵所は、流体が循環する導管188の網に接続される。導管188の網は、流体の循環を補助するためポンプ184を含むことができる。マイクロ波透過窓180を有する流体貯蔵所は、流体貯蔵所に含まれた熱発生器168Cとして機能する流体が、マイクロ波発生器118Cからのマイクロ波エネルギーによって加熱されるように構成される。
【0045】
マイクロ波透過窓180は、石英、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等といった、適宜なマイクロ波透過材料で形成されてもよい。
【0046】
熱発生器168Cとして機能する流体は、高効率で、マイクロ波加熱に適した誘電体特性を有する。マイクロ波エネルギーを吸収する流体の容量は、流体におけるマイクロ波の浸透程度に関連すると認識することができる。吸収が発生するとき、電磁エネルギーを熱に変換することは、与えられた材料に対する誘電損失係数(ε”)と誘電定数(ε’)との関係による。この関係は、消散係数(又は損失正接、tanδ)と知られている。流体に対する消散容量が高いほど、同じサンプルへのマイクロ波の浸透がより少ない。よって、比(ε”/ε’)は、特定の温度及び周波数における電磁エネルギー(マイクロ波)を熱に変換する各々の材料の能力を提案する。様々な実施形態によれば、熱発生器168Cとして機能する流体は、例えば、3GHzのマイクロ波エネルギー下の25℃で、水と同様であるかより高い、例えば、0.157、0.2、0.4、0.6、0.8、1.0、又はこれら値のうち任意の値によって定義された値を超えるtanδを有する。
【0047】
図1dは、実施形態に従って、電磁エネルギー120Dが、光子放射エネルギーによって充電ステーション110Dから電気自動車150Dに伝達されて、二次電池の加熱を引き起こす電気自動車の充電システム100Dを例示する。充電ステーション110Dは、光子放射発生器を含む電磁エネルギージェネレータ118Dを備える。光子放射発生器は(不図示)、ドライバ回路に電気的に接続されて、例えば、強さ及び持続期間を制御するように、ドライバ回路によって駆動されてもよい。電磁エネルギージェネレータ118Dには、電源122によって電力が供給される。電源122はまた、図1について上述したのと同様の方式でバッテリ充電モジュール114に電力を供給する。
【0048】
電気自動車150Dは、エネルギー変換モジュール166Dを含む。エネルギー変換モジュール166Dは、光子吸収体を含むエネルギー受信モジュール/熱発生器164D/168Dを備える。エネルギー受信モジュール/熱発生器164D/168Dの光子吸収体は、光子形態の電磁エネルギー120Dを、例えば、伝導又は対流によって二次電池158に伝達される熱エネルギーに変換するように構成される。光子吸収体は、光子放射エネルギーの効率良い吸収に適した材料で形成されてもよく、及び/又は適した形状を有してもよい。例えば、光子吸収体は、二次電池158及び/又は光子放射発生器の少なくとも一部と側方向に重畳するように、例えば、示されたようなシート又はスラブ構造を有してもよい。どの理論にも関わることなく、光子吸収体は、電子及び/又は正孔がより低いエネルギーレベルからより高いエネルギーレベルに励起して、脱励起(de-excitation)時は、熱を発生させるために光子に変換できるように、光子のエネルギーよりもより小さい光学レベル、例えば、エネルギーギャップを有する材料で成されてもよい。
【0049】
光子放射発生器は、黒体輻射体(a black body radiation element)又は放熱体(radiating element)、言わば、金属ワイヤ、金属フィラメント、炭素発熱体、石英タングステン発熱体、セラミック発熱体、ハロゲンランプ等を含むことができる。放熱体は、近赤外線(NIR:near infrared)範囲(例えば、0.65~1.4μm)、短波長赤外線範囲(例えば、1.4~3μm)、中波長赤外線範囲(例えば、3~8μm)、長波長赤外線範囲(8~15μm)、及び/又は遠赤外線範囲(例えば、15~1000μm)のうち一つ以上で光を放出するように構成されてもよい。
【0050】
光子吸収体は、図1e、図1f及び図1gにそれぞれ例示した、強化した光子吸収構造172E,172F,172Gによって、例示されたような強化した光子吸収構造を含むことができる。強化した光子吸収構造172E,172F,172Gは、それぞれエネルギー受信モジュール/熱発生器164D/168Dの少なくとも一部を形成することができるか、それともそれに付着することができ、強化した光子吸収構造によって反射するか散乱する光子の相当な部分を再吸収するように構成された、強化した光子吸収構造を用いて、光子放射発生器からの光子を吸収することで、光子放射発生器118Dからの光子放射、例えば、赤外線光子放射を受信するように構成される。
【0051】
図1eを参照すると、強化した光子吸収構造172Eは、実施形態に従って、例えば、複数の空洞を使用して、反射した光子の再吸収のために構成される。空洞の開口は、光子放射発生器118Dに向かう。例示の構成において、強化した光子吸収構造172Eに入射する光子放射120Dの光線のうち一部は、空洞の底表面に入射する代わりに、光線が空洞の側壁に入射し得る角度で入射する。空洞は、それぞれ側壁のうち一つによって反射するか散乱する光子の相当な部分が、側壁のうち他の一つによって吸収するように構成される側壁を有する。
【0052】
図1fを参照すると、強化した光子吸収構造172Fは、実施形態に従って、例えば、複数の突出部を使用して、反射した光子の再吸収のために構成される。例示の実施形態において、突出部は、ファセット(facet)表面を有し、突出部の尖った端部は、光子放射発生器118Dに向かう。例示の構成において、強化した光子吸収構造172Fに入射する光子放射120Dの光線のうち一部は、谷(valley)の底に入射する代わりに、光線が突出部の側壁に入射し得る角度で入射する。突出部の各々は、側壁のうち一つによって反射するか散乱する光子の相当な部分が、側壁のうち他の一つによって吸収するように構成される側壁を有する。
【0053】
図1gを参照すると、強化した光子吸収構造172Gは、実施形態に従って、例えば、複数の突出部を使用して、反射した光子の再吸収のために構成される。突出部の配列は、尖った端部を有する突出部の代わりに、光子吸収構造172Gの突出部が丸くなることを除いては、図1fについて上述したのと同様であってもよい。突出部は、突出部のうち一つの突出部の側壁によって反射するか散乱する光子の相当な部分が、突出部のうち他の一つの突出部の側壁によって吸収するように、側方向に波状を成すか正弦波に変化する表面を形成する。
【0054】
強化した光子吸収構造172E,172F,172Gの構成は、単に例として例示されるものであり、様々な他の構成が可能であると認識することができる。例えば、強化した光子吸収構造172E,172F,172Gは、空洞又は突出部のアレイを形成する空洞又は突出部を有するものの、実施形態はそれに制限されず、空洞又は突出部は、不規則であるかランダムな配列を有してもよい。さらに、空洞又は突出部の特定の例示的形状が示されるものの、様々な同等な形状が可能であると認識することができる。例えば、光子吸収構造172Eの空洞は、六角形開口を含むハニコム(honeycomb)状を有するものの、実施形態はそれに制限されない。様々な実施形態によれば、空洞は、任意の多角形状又は円錐状セクションを含む任意の適宜な形状を形成することができる。
【0055】
同様、光子吸収構造172F,172Gの突出部は、断面視、ファセット又は正弦波状を有するものの、実施形態はそれに制限されない。様々な実施形態によれば、突出部は、幾つかのみ例を挙げると、円筒、円錐、ピラミッド、プリズム、多面体、および回転楕円体を含む、任意の適宜な3次元形状を有してもよい。
【0056】
さらに図1e、図1f及び図1gを参照すると、空洞又は突出部は、波長を有する光子放射120Dが、上述したように、側壁によって反射するように適宜な寸法を有してもよいと認識することができる。例えば、空洞又は突出部の間の空間の開口は、少なくとも光子放射120の平均又はピーク波長よりもより大きくてもよいが、例えば、0.5μm、1μm、5μm、10μm、50μm、100μm、500μm、1mm、5mm、10mm、50mm、100mm、又はこれら値のうち任意の値によって定義された範囲内の値よりもより大きくてもよい。
【0057】
図1a~図1dを参照すると、少なくとも電磁ジェネレータ118A,118B,118C,118Dは、家庭用又は商業用充電ステーションの一部として設置することができる。例示したように、少なくとも電磁ジェネレータ118A,118B,118C,118Dは、バッテリ充電中に、電気自動車が充電ステーションの底上に又はその下に設置されてもよい。さらに、エネルギー変換モジュール166A,166B,166C,166Dは、電磁ジェネレータ118A,118B,118C,118Dに向かうように、電気自動車の底に配置することができる。このように構成されると、電磁ジェネレータ118A,118B,118C,118Dは、非接触式エネルギー伝達手段により電磁エネルギーを、電気自動車のエネルギー変換モジュール166A,166B,166C,166Dに伝達して、二次電池158に熱を提供するように構成されてもよい。一部の構成において、二次電池158はまた、エネルギー変換モジュール166A,166B,166C,166Dから二次電池158への迅速な熱伝達のため、電気自動車の底に位置してもよい。
【0058】
構成されたように、様々な実施形態によれば、電磁ジェネレータ118及びエネルギー変換モジュール166は、例えば、電気自動車150の外部から二次電池158に熱を直接に提供する伝導性又は対流手段と比較して、二次電池158に目標及び局所加熱を提供するように効率良く結合される。目標加熱は、エネルギー効率を提供することができ、局所加熱は、二次電池158以外の部品の好ましくない加熱を防止するのに有利である。図2a及び図2bは、実施形態に従って、電気自動車の二次電池を充電する方法200A,200Bを例示する。方法200Aは、方法200Bと類似であるが、方法200Bは、決定ツリーフォーマットとして例示される。方法200A,200Bは、図1及び図1a~図1dについて上述した電気自動車の充電システムのうち、任意の電気自動車の充電システムを用いて具現化することができる。様々な実施形態による方法200A,200Bは、電気自動車を充電ステーションに電気的に結合するステップ(205)(図2b)を含む。電気的に結合するステップ(205)は、図1について上述したように、電気自動車150の二次電池158を充電ステーション110のバッテリ充電モジュール114にプラグインするステップを含むことができる。電気的に結合するステップ(205)はさらに、図1に示したように、電気自動車150を充電ステーション110と通信可能に結合して、制御及びデータ信号、例えば、温度データを送信するために、通信インターフェース132,174の間に通信リンクを設定するステップを含むことができる。
【0059】
電気的に結合するステップ(205)(図2b)後、方法200A,200Bは、二次電池のバッテリ温度が、例えば、18kW程のような高速充電電力で高速充電に適した所定の下限温度未満であると判断するステップ(210)(図2a)に進行する。幾つかの実施形態において、判断するステップ(210)(図2a)は、温度感知モジュール162(図1)を用いて、バッテリ温度を感知するステップ(210A)(図2b)、及び電気自動車の制御ユニット170(図1)を使用して、バッテリ温度を所定の下限温度と比較するステップを含む。他の幾つかの実施形態において、判断するステップ(210)(図2a)は、温度感知モジュール162(図1)を用いて、バッテリ温度を感知するステップ(210A)(図2b)、及び充電ステーション110の制御ユニット128(図1)を使用して、バッテリ温度を所定の下限温度と比較するステップを含む。制御ユニット128、及び/又は制御ユニット170のメモリ、及び/又は貯蔵デバイスに貯蔵され得る所定の下限温度は、高速充電電力で、例えば、18kWを超える充電電力で充電に適するように、例えば、バッテリ製造社の規格に基づいて、所定の最低温度制限であってもよく、この値は、メモリデバイスに貯蔵されてもよい。
【0060】
バッテリ温度が、下限温度未満であると判断する時、方法200A/200Bは、充電ステーション110(図1)の電磁エネルギージェネレータ118を使用して、非接触式エネルギー伝達手段により電磁エネルギーを、電気自動車150のエネルギー変換モジュール166(図1)に外部から印加する(220)ために進行する。
【0061】
方法200A/200Bはさらに、電磁エネルギーを熱に変換し(230)、高速充電のため、二次電池を下限温度よりも高い温度に加熱するために進行する。方法200A/200Bは、少なくとも部分的には、非接触式エネルギー伝達手段により伝達される電磁エネルギーの大きさを制御することにより、バッテリ温度を下限と上限との間に維持しつつ、充電レートで二次電池を充電するステップ(240)をさらに含む。
【0062】
さらに図2aを参照すると、実施形態に従って、バッテリ温度が、高速充電レートで充電に適した所定の下限温度未満であると判断するステップ(210)は、温度感知モジュール162(図1)を用いて、二次電池158(図1)から温度データを獲得するステップを含む。温度データは、バッテリ温度が、所定の下限温度未満であると判断するために、制御ユニット128と制御ユニット170(図1)のうち一つ又は両方に伝達することができる。下限温度は、二次電池のバッテリのサイクル寿命及び/又はバッテリ容量のうち一つ又は両方とも、25℃での二次電池の対応するバッテリのサイクル寿命及び/又は対応するバッテリ容量と比較して、30%、40%、50%、60%、70%、又はこれら値のうち任意の値によって定義された範囲内の値を超えるだけ減る温度であってもよい。下限温度は、20℃、15℃、10℃、5℃、0℃、-5℃、-10℃、-15℃、-20℃、又はこれら値のうち任意の値によって定義された範囲内の温度よりも低い温度であってもよい。
【0063】
実施形態に従って、バッテリ温度が、高速充電レート又は高い充電電力で充電に適した所定の下限温度未満であると判断するステップ(210)は、バッテリ温度が、上述のレベル2の充電で、又はそれよりも実質的により高い高速充電モードで充電に適すると判断するステップを含む。開示の技術の流れから、高速充電又は高い充電電力は、上記で開示のLiメッキの上昇したリスクに関連し得、これらリスクは、二次電池が二次電池に対して規定された所定の下限温度よりもより低い温度で充電される際に上昇し得ると認識することができる。所定の下限温度は、本明細書で説明するように、二次電池が高い充電電力で充電されるとき、二次電池のバッテリ容量及び/又はバッテリのサイクル寿命のうち一つ又は両方とも、例えば、25℃での同一又は類似の二次電池の対応するバッテリ容量及び/又は対応するバッテリのサイクル寿命と比較して、10%以上減ってもよい温度に対応する。高速充電レート又は高い充電電力は、幾つか例を挙げると、充電電力、充電時間、充電電流、及び/又はCレートを含む複数の方式のうち一つに定義することができる。例えば、本開示内容の時間を基準に、レベル2の充電内で、6kW程の標準充電電力に対して、高い充電電力は、標準充電電力に比べて約3倍以上、例えば、18kW程であってもよい。しかし、バッテリ技術が発展することによって、この値は、変更し得ると理解することができる。例えば、高速充電レートは、電気自動車の二次電池を例えば、100マイル以上の範囲で10時間、8時間、6時間、4時間、2時間、1時間、0.5時間、0.25時間、0.1時間、又はこれら値のうち任意の値によって定義された範囲内の値未満内に18kW、20kW、50kW、100kW、150kW、200kW、250kW、又はこれら値のうち任意の値によって定義された範囲内の値を超える充電電力で、全体容量の10%未満から全体容量の少なくとも50%、又は代案として、全体容量の50%未満から全体容量の80%まで充電するに足りる充電電力に対応する。実施形態による二次電池は、10kWh、100kWh、200kWh、500kWh、1000kWh、又はこれら値のうち任意の値によって定義された範囲内の値を超える100%容量を有してもよい。代案として、高速充電レートは、0.5C、1C、2C、5C、10C、又はこれら値のうち任意の値によって定義された範囲内の値を超えるCレートに対応する。
【0064】
さらに図2a及び図2bを参照すると、バッテリ温度が、所定の下限温度よりもより高いと判断する時210/210B、方法200A/200Bは、高速充電電力で二次電池を高速充電するために進行する。
【0065】
他方、バッテリ温度が、所定の下限温度未満であると判断する時210(図2a)/210B(図2b)、充電ステーション110(図1)の制御ユニット128は、非接触式エネルギー伝達手段により電磁エネルギー120(図1)を、電気自動車150(図1)のエネルギー変換モジュール166(図1)に外部から印加する(220)ために、電磁ジェネレータ118(図1)を活性化する。さらに、電気自動車150(図1)の制御ユニット170(図1)は、電磁エネルギーを熱に変換し(230)、二次電池を、下限温度を超える温度に加熱するために、エネルギー変換モジュール166を活性化する。
【0066】
電磁エネルギーを外部から印加するステップ(220)及び電磁エネルギーを変換するステップ(230)は、図1a~図1dについて本明細書で説明した電磁ジェネレータ118及びエネルギー変換モジュール166の例のうち、任意の例を用いて行うことができる。
【0067】
図1aについて上述した電気自動車の充電システム100Aを用いる実施形態によれば、電磁エネルギーを印加するステップ(220)は、電磁エネルギージェネレータ118A(図1a)のエネルギー伝達コイルを活性化するように、電源122(図1a)から電力を供給することで、これによってAC電流を流すことを含む。エネルギー伝達コイルを介して流れるAC電流は、エネルギー伝達コイルの周りに電磁場(変化する磁場)を生成する。これら実施形態において、電磁エネルギーを変換するステップ(230)は、エネルギー受信モジュール164Aのエネルギー受信コイルが、電磁エネルギージェネレータのエネルギー伝達コイルに十分近づくとき、エネルギー受信コイル内に電流を発生させるステップを含む。エネルギー受信コイルを介して流れるACは、エネルギー変換モジュール166A(図1a)の回路によってDCに変換されてもよい。次いで、発生されたDCは、熱発生器168Aの抵抗性発熱体を用いて熱を発生させるために使用される。しかし、実施形態はそれに制限されず、ACが熱を発生させるために直接に使用さてもよい。
【0068】
図1bについて上述した電気自動車の充電システム100Bを用いる実施形態によれば、電磁エネルギーを印加するステップ(220)は、エネルギー伝達コイルを活性化するように、電源122(図1b)から電力を供給することで、これによってAC電流を流すことを含む。エネルギー伝達コイルを介して流れるAC電流は、エネルギー受信モジュール/熱発生器164B/168Bの伝導体内に渦電流を生成する。これら実施形態において、電磁エネルギーを変換するステップ(230)は、AC電流が伝達コイルを介して印加されるとき、エネルギー伝達コイル内に配置された伝導体内に渦電流を生成するステップを含む。渦電流によって消散する電力は、二次電池(158A)を加熱するための熱として消散する。
【0069】
図1cについて上述した電気自動車の充電システム100Cを用いる実施形態によれば、電磁エネルギーを印加するステップ(220)は、電磁エネルギージェネレータ118C(図1c)のマイクロ波発生器を活性化するように、電源122(図1c)から電力を供給することで、マイクロ波透過窓180(図1c)を介してマイクロ波エネルギー120C(図1c)を送信することを含む。これら実施形態において、電磁エネルギーを変換するステップ(230)は、マイクロ波透過窓180を介して送信されたマイクロ波エネルギーを吸収するとき、エネルギー受信モジュール164C(図1c)の流体貯蔵所に含まれた熱発生器168Cとして機能する高い消散係数の流体で熱を発生させるステップを含む。よって、加熱された流体は、二次電池158に熱を伝達するように、導管188を介して循環する。
【0070】
図1dについて上述した電気自動車の充電システム100Dを用いる実施形態によれば、電磁エネルギーを印加するステップ(220)は、電磁エネルギージェネレータ118D(図1d)の光子放射エネルギージェネレータを活性化するように、電源122(図1d)から電力を供給することで、光子吸収体を含む光子放射エネルギー120D(図1d)をエネルギー変換モジュール166Dに送信することを含む。光子吸収体は、図1e~図1gについて上述した、強化した光子吸収構造のうち任意の構造を含むことができる。これら実施形態において、電磁エネルギーを変換するステップ(230)は、光子吸収体を使用して光子放射エネルギーを吸収するとき、エネルギー変換モジュール166D(図1d)の光子吸収体で熱を発生させるステップを含む。よって、加熱された光子吸収体は、二次電池158に熱を伝達する。
【0071】
図2bに示したように、二次電池を加熱するために、電磁エネルギーを外部から印加して(220)、電磁エネルギーを熱に変換する(230)プロセスは、二次電池のバッテリ温度が、電磁エネルギーを印加して(220)、電磁エネルギーを変換した(230)後、高速充電に適した所定の下限温度よりも高い温度に至ったか否かを感知することを含む、フィードバックプロセスルーフの一部であってもよい。図2a及び図2bを参照すると、上述したように、二次電池を加熱するか加熱しないで、バッテリ温度が所定の下限温度よりもより高いと判断する時210/210B、方法200A/200Bは、少なくとも部分的には、非接触式エネルギー伝達手段により伝達される電磁エネルギーの大きさを制御することにより、バッテリ温度を下限と上限との間に維持しつつ、高い充電電力で二次電池を高速充電する(240)ために進行する。上限温度は、より高い場合は、二次電池が、電解質分解及びカソード溶解といった、有害な影響が経験できる温度に対応することができる。実施形態によれば、上限温度は、70℃、60℃、50℃、又はこれら値のうち任意の値によって定義された範囲内の値未満であってもよい。
【0072】
幾つかの実施形態において、バッテリ温度を維持することは、バッテリ温度が上限温度を超えるとき、二次電池を能動的に冷却させることを含む。これら実施形態において、充電システムは、二次電池を冷却させるための冷却手段を備える。幾つかの実施形態において、充電システムは、冷却ファンといった非接触冷却手段を含む。幾つかの実施形態において、冷却手段は、二次電池を冷却させるように構成された接触冷却手段を含むことができ、二次電池は、冷却手段により水冷、油冷、空冷、又は圧電冷却するように構成される。
【0073】
図2c~図2eは、他の幾つかの実施形態に従って、電磁エネルギーを使用するバッテリの温度制御を用いて、電気自動車の二次電池を充電する代案としての方法を示す流れ図である。
【0074】
図2cの方法200Cは、図2bについて上述した方法200Bに進行する前に、遅い充電レートで充電を開始することで、方法200Bに比べて全体充電速度をさらに加速する方法を提供する。図2cの方法200Cは、バッテリ温度210Aを感知する前に、方法200Cがより低い充電電力で二次電池を低速充電するステップ(207)をさらに含むことを除いては、図2bについて上述した方法200Bと同様である。すなわち、二次電池を下限温度よりも高い温度に加熱するために、電磁エネルギーを外部から印加する前に、又は外部から印加する間(220)、二次電池は遅く充電される。低速充電するステップ(207)は、本明細書で説明する高速充電電力よりもより低い、例えば、18kW未満の充電電力、例えば、レベル2の充電又はその未満の任意の電力で行うことができる。幾つかの実施形態において、低速充電207のレートは、比較的に一定した所定のレートであってもよい。他の幾つかの実施形態において、低速充電207のレートは、二次電池の充電状態に基づいて、低速充電207中に動的に調整することができる。例えば、低速充電207のレートは、充電状態に反比例して、動的に調整することができる。反比例は、線形又は超線形(superlinear)、例えば、指数的であってもよい。幾つかの実施形態において、電気自動車に電磁エネルギーを外部から印加するステップ(220)(図2a)、及び電磁エネルギーを変換するステップ(230)(図2a)は、それぞれバッテリ温度が所定の下限温度に至るまで、低速充電と共に行うことができる。その後、方法200Cは、図2a及び図2bについて上述したように、高速充電電力で二次電池を充電するために進行する。
【0075】
図2dの方法200Dは、一応、バッテリ温度が室温に至ると、二次電池に熱を提供することを中断することで、図2bについて上述した方法200Bに従って、高い充電電力で充電240を開始した後、バッテリ温度を維持する方法を提供する。図2dの方法200Dは、二次電池を高速充電した(240)後、方法200Dがバッテリ温度をさらに感知245して、二次電池温度が室温(25℃)よりもより高い温度に至ったか否かを判断するステップ(250)をさらに含むことを除いては、図2bについて上述した方法200Bと同様である。バッテリ温度が室温よりもより高い温度に至ったと判断する時250、電気自動車に電磁エネルギーを外部から印加することを中断する(260)ことで、二次電池をさらに加熱することが中断される。バッテリ温度をさらに感知するステップ(245)、及び二次電池温度が室温よりもより高い温度に至ったかを判断するステップ(250)は、それぞれ高速充電240と共に行われる。
【0076】
図2eの方法200Eは、図2cの方法200Cと図2dの方法200Dを組み合わせる。すなわち、図2eの方法200Eは、バッテリ温度210Aを感知する前に、より低い充電電力で二次電池を低速充電するステップ(207)を含む。方法200Eは、二次電池を高速充電した(240)後、バッテリ温度をさらに感知して(245)、二次電池温度が室温(25℃)よりもより高い温度に至ったか否かを判断するステップ(250)、及びバッテリ温度が室温よりもより高い温度に至ったと判断する時250、電気自動車に電磁エネルギーを外部から印加することを中断する(260)ことで、二次電池をさらに加熱することを中断するステップをさらに含む。
【0077】
文脈が明白に他に要求しない限り、説明及び請求項全般にわたって、「含む(comprise)」、「含み(comprising)」、「包含する(include)」、「包含し(including)」等の単語は、排他的であるか総網羅する意味に反して、包括的な意味、つまり「含むものの、これに限らない」の意味と解釈される。ここで、一般に使われる「結合された」という単語は、直接に連結されるか、一以上の中間エレメントを介して連結されてもよい、二以上のエレメントを示す。同様、ここで一般に使われる「連結された」という単語は、直接に連結されるか、一以上の中間エレメントを介して連結されてもよい、二以上のエレメントを示す。また、「ここに」、「上」、「下に」、及びこれに類似する意味の単語は、本願で用いられるとき、本願の任意の特定部分ではなく、本願を全体的に示す。文脈が許容する場合、単数又は複数を使う上記詳細な説明の単語はまた、それぞれ複数又は単数を含むことができる。二以上の項目のリストを参照して、「又は」という単語は、その単語の次の解釈:リストの項目のうちいずれか、リストの項目をいずれも、およびリストの項目のある組み合わせ、をいずれも含む。
【0078】
また、他の中でも、「することができる」、「することができた」、「することもできた」、「することもできる」、「例えば」、「例を挙げると」、「のような」等のように、ここで使われる条件付き言葉は、特に他に言及されない限り、又は使われた文脈内で他に理解されない限り、一般に特定の実施形態が特定の特徴、エレメント、及び/又は状態を含むものの、他の実施形態は含まないことを伝達するためのものである。よって、これら条件付き言語は、一般に特徴、エレメント、及び/又は状態が、一以上の実施形態についてどの方式でも必要であるか、これらの特徴、エレメント、及び/又は状態が、任意の特定の実施形態に含まれるか行われるか否かを暗示することを意図していない。
【0079】
特定の実施形態を説明したが、これら実施形態は、単に例として提示されており、本開示内容の範囲を制限することを意図していない。実際、本明細書で記述した新しい装置、方法、およびシステムは、様々な他の形態に具現化することができる。さらに、本明細書で記述した方法及びシステムの形態への様々な省略、代替、および変更は、本開示内容の思想を外れずに構成することができる。例えば、ブロックは、与えられた配列として提示されるものの、代案の実施形態は、他のコンポーネント及び/又は回路トポロジーで類似の機能を行うことができ、一部のブロックは、除去、移動、追加、細分化(subdivided)、組み合わせ、及び/又は修正することができる。これらブロックは、それぞれ互いに異なる様々な方式で具現化することができる。上述した様々な実施形態のエレメント及び動作の任意の適宜な組み合わせは、さらに実施形態を提供するように組み合わせることができる。上述した様々な特徴及びプロセスは、互いに独立に具現化されるか、様々な方式で組み合わせることができる。本開示内容の特徴のあらゆる組み合わせ及び下位の組み合わせは、本開示内容の範囲内に属することを意図する。
図1
図1a
図1b
図1c
図1d
図1e
図1f
図1g
図2a
図2b
図2c
図2d
図2e