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特許7535625車両用24ボルトスーパーキャパシタ昇圧救援装置及びその制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-07
(45)【発行日】2024-08-16
(54)【発明の名称】車両用24ボルトスーパーキャパシタ昇圧救援装置及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
   F02N 11/08 20060101AFI20240808BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240808BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
F02N11/08 L
H02J7/00 P
B60R16/02 645D
F02N11/08 U
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023080378
(22)【出願日】2023-05-15
(65)【公開番号】P2023171311
(43)【公開日】2023-12-01
【審査請求日】2023-05-15
(31)【優先権主張番号】111118785
(32)【優先日】2022-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】516007825
【氏名又は名称】低▲炭▼動能開發股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】陳 ▲フ▼▲ジエ▼
【審査官】稲本 遥
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-034515(JP,A)
【文献】特開平05-321798(JP,A)
【文献】特開平05-321797(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2022/0094196(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02N 11/08
11/14
B60W 16/033
H02J 7/00
7/345
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用24ボルトスーパーキャパシタ昇圧救援装置であって、前記救援装置が、車両用バッテリーパックと車両用電子制御装置が並列に接続されている回路システムに電気的に接続され、前記車両用バッテリーパックが、直列に接続されている第1の蓄電池と第2の蓄電池とを含み、前記救援装置が、
昇圧モジュールと、スーパーキャパシタモジュールと、第1のリレーと、第2のリレーと、第3のリレーと、救援制御モジュールと、を含み、
前記昇圧モジュールの出力電極と前記スーパーキャパシタモジュールが並列に接続され、
前記車両用電子制御装置の正極、前記第1の蓄電池の正極、前記第1のリレー、及び、前記スーパーキャパシタモジュールの正極が電気的に接続されて第1の正極回路を構成し、
前記第2のリレーが前記第1の蓄電池の正極及び前記昇圧モジュールの入力正極と電気的に接続され、それにより前記第1の正極回路に電気的に接続され、
前記第1の蓄電池の負極、前記第2の蓄電池の正極、前記第3のリレー、及び、前記昇圧モジュールの入力正極が電気的に接続されて第2の正極回路を構成し、
前記車両用電子制御装置の負極、前記第2の蓄電池の負極、前記昇圧モジュールの入力負極、及び、前記スーパーキャパシタモジュールの負極が電気的に接続されて負極回路を構成し、
前記救援制御モジュールが、マイクロプロセッサにより指揮、制御、命令、管理される検出ユニットと制御ユニットとを含み、前記検出ユニットが前記第1の蓄電池、前記第2の蓄電池、前記第1の正極回路、前記第2の正極回路、前記スーパーキャパシタモジュールの電圧を検出し、前記検出ユニットが前記第1の蓄電池と前記第2の蓄電池の電圧合計も検出し、前記制御ユニットが前記検出ユニットの検出結果に基づいて前記第1のリレー、前記第2のリレー、前記第3のリレーの導通または開離を選択的に制御し、前記マイクロプロセッサが無線通信モジュールを介して電力救援アプリケーションプログラムと通信接続され、前記電力救援アプリケーションプログラムがスマート携帯端末に内蔵される、
ことを特徴とする、車両用24ボルトスーパーキャパシタ昇圧救援装置。
【請求項2】
接続端子を含み、前記接続端子の正極が前記第2の蓄電池の正極及び前記第3のリレーに電気的に接続され、前記接続端子の負極が前記負極回路電気的に接続される、ことを特徴とする、請求項1に記載の車両用24ボルトスーパーキャパシタ昇圧救援装置。
【請求項3】
外付け12V電池が前記接続端子に並列に接続されている、ことを特徴とする、請求項2に記載の車両用24ボルトスーパーキャパシタ昇圧救援装置。
【請求項4】
請求項1に記載の車両用24ボルトスーパーキャパシタ昇圧救援装置の制御方法であって、
前記第1の蓄電池と前記第2の蓄電池の電圧合計閾値より大きいことを前記検出ユニットが検出すると、前記制御ユニットが前記第1のリレーを開離、前記第2のリレーを開離、前記第3のリレーを導通に制御し、前記第2の正極回路を介して前記第1の蓄電池と前記第2の蓄電池から電力を取得し、前記昇圧モジュールを介して出力電圧を上昇させ、前記スーパーキャパシタモジュールに対して充電を行う工程と、
前記スーパーキャパシタモジュールが動作電圧に達したことを前記検出ユニットが検出すると、前記制御ユニットが前記第1のリレーを導通、前記第2のリレーを開離、前記第3のリレーを開離に制御し、前記第1の正極回路を介して、前記スーパーキャパシタモジュールと前記車両用バッテリーパックが共同で動作し、前記車両用電子制御装置に給電して正常に始動させる工程と、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の車両用24ボルトスーパーキャパシタ昇圧救援装置の制御方法。

【請求項5】
請求項1に記載の車両用24ボルトスーパーキャパシタ昇圧救援装置の制御方法であって、
前記第1の蓄電池と前記第2の蓄電池の電圧合計が閾値以上であることを前記検出ユニットが検出すると、前記制御ユニットが、前記第1のリレーを開離、前記第2のリレーを開離、前記第3のリレーを導通に制御し、前記第2の正極回路を介して、前記第1の蓄電池と前記第2の蓄電池から電力を取得し、前記昇圧モジュールを介して昇圧して前記スーパーキャパシタモジュールに対して充電を行う工程と、
前記スーパーキャパシタモジュールの電圧が動作電圧に達したことを前記検出ユニットが検出すると、前記制御ユニットが前記第1のリレーを導通、前記第2のリレーを開離、前記第3のリレーを開離に制御し、満充電された前記スーパーキャパシタモジュールが大電流を出力して、前記第1のリレーを介して前記第1の正極回路から給電し、前記車両用電子制御装置を起動する工程と、
を含む、ことを特徴とする、請求項1に記載の車両用24ボルトスーパーキャパシタ昇圧救援装置の制御方法。
【請求項6】
請求項1に記載の車両用24ボルトスーパーキャパシタ昇圧救援装置の制御方法であって、
前記第1の蓄電池と前記第2の蓄電池の電圧合計が閾値未満であるが、下限値より大きいことを前記検出ユニットが検出すると、前記制御ユニットが前記第1のリレーを開離、前記第2のリレーを導通、前記第3のリレーを開離に制御し、前記第1の正極回路を介して電圧が正常な前記第1の蓄電池または前記第2の蓄電池から電力を取得し、前記昇圧モジュールにより昇圧して、前記スーパーキャパシタモジュールに対して充電を行う工程と、
前記スーパーキャパシタモジュールの電圧が動作電圧に達したことを前記検出ユニットが検出すると、前記制御ユニットが前記第1のリレーを導通、前記第2のリレーを開離、前記第3のリレーを開離に制御し、満充電された前記スーパーキャパシタモジュールが大電流を出力し、前記第1のリレーを介して第1の正極回路から給電し、前記車両用電子制御装置を起動する工程と、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の車両用24ボルトスーパーキャパシタ昇圧救援装置の制御方法。
【請求項7】
請求項3に記載の車両用24ボルトスーパーキャパシタ昇圧救援装置の制御方法であって、
前記第1の蓄電池と前記第2の蓄電池の電圧合計が下限値未満であることを前記検出ユニットが検出すると、前記制御ユニットが前記第1のリレーを開離、前記第2のリレーを開離に制御し、前記第3のリレーを導通させ、前記第2の正極回路を介して前記外付け12V電池から電力を取得し、前記昇圧モジュールを昇圧させて前記スーパーキャパシタモジュールに対して充電を行う工程と、
前記スーパーキャパシタモジュールの電圧が動作電圧に達したことを前記検出ユニットが検出すると、前記制御ユニットが前記第1のリレーを導通、前記第2のリレーを開離、前記第3のリレーを開離に制御し、満充電された前記スーパーキャパシタモジュールが大電流を出力し、前記第1のリレーを介して第1の正極回路から給電し、前記車両用電子制御装置を起動する工程と、
を含むことを特徴とする、請求項2に記載の車両用24ボルトスーパーキャパシタ昇圧救援装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用24ボルトバックアップ電力の分野に用いられる車両用24ボルトスーパーキャパシタ昇圧救援装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の産業車両や大型車両は、一般的に24Vのバッテリーを搭載している。
24Vのバッテリーは、2つの12Vバッテリーを直列に接続して構成され、車両モーターの起動に必要な電力は単純にバッテリーに依存している。
漏電やどちらかのバッテリーに破損が生じると、2つのバッテリーの合計電圧が低下し、スターターモーターにエンジンを始動させることができなくなる。
【0003】
バッテリーの電圧が低下した時にもエンジンを始動可能とさせるために、従来、特許文献1及び特許文献2に記載のような救援装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】台湾特許公告第I745228B号明細書
【文献】米国特許公開第US2020/0169114A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的な車両用スターターモーターの救援装置は、例えば、12V電池で電圧12Vのスターターモーターを始動させるなど、同じ電圧で救援を行っていた。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、車両用バッテリーパックの電圧が低下した時にも、確実にエンジンを始動させることができる車両用24ボルトスーパーキャパシタ昇圧救援装置及びその制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の車両用24ボルトスーパーキャパシタ昇圧救援装置は、車両用バッテリーパックと車両用電子制御装置が並列に接続されている回路システムに電気的に接続され、前記車両用バッテリーパックが、直列に接続されている第1の蓄電池と第2の蓄電池とを含み、前記救援装置が、昇圧モジュールと、スーパーキャパシタモジュールと、第1のリレーと、第2のリレーと、第3のリレーと、救援制御モジュールと、を含み、前記昇圧モジュールの出力電極と前記スーパーキャパシタモジュールが並列に接続され、前記車両用電子制御装置の正極、前記第1の蓄電池の正極、前記第1のリレー、及び、前記スーパーキャパシタモジュールの正極が電気的に接続されて第1の正極回路を構成し、前記第2のリレーが前記第1の蓄電池の正極及び前記昇圧モジュールの入力正極と電気的に接続され、それにより前記第1の正極回路に電気的に接続され、前記第1の蓄電池の負極、前記第2の蓄電池の正極、前記第3のリレー、及び、前記昇圧モジュールの入力正極が電気的に接続されて第2の正極回路を構成し、前記車両用電子制御装置の負極、前記第2の蓄電池の負極、前記昇圧モジュールの入力負極、及び、前記スーパーキャパシタモジュールの負極が電気的に接続されて負極回路を構成し、前記救援制御モジュールが、マイクロプロセッサにより指揮、制御、命令、管理される検出ユニットと制御ユニットとを含み、前記検出ユニットが前記第1の蓄電池、前記第2の蓄電池、前記第1の正極回路、前記第2の正極回路、前記スーパーキャパシタモジュールの電圧を検出し、前記検出ユニットが前記第1の蓄電池と前記第2の蓄電池の電圧合計も検出し、前記制御ユニットが前記検出ユニットの検出結果に基づいて前記第1のリレー、前記第2のリレー、前記第3のリレーの導通または開離を選択的に制御し、前記マイクロプロセッサが無線通信モジュールを介して電力救援アプリケーションプログラムと通信接続され、前記電力救援アプリケーションプログラムがスマート携帯端末に内蔵される。
【0008】
救援制御モジュールが、車両用バッテリーパックの低電圧状態に応じて、第2の正極回路を介して車両用バッテリーパックから電力を取得し、昇圧モジュールを介して昇圧し、スーパーキャパシタモジュールに対して充電を行う。充電が完了した当該スーパーキャパシタモジュールが、第1の正極回路を介して給電し、車両用電子制御装置を始動させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、低下した蓄電池の電圧を昇圧させてスーパーキャパシタモジュールに保存し、スーパーキャパシタモジュールの大電流放電を利用して確実にエンジンを始動させることができる。
また、車両用バッテリーパックの低電圧状態の違いに応じて第1のリレー、第2のリレー、第3のリレーの開閉を制御することにより、的確に車両用電子制御装置に給電してエンジンを始動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施例に係る車両用24ボルトスーパーキャパシタ昇圧救援装置のシステムブロック図である。
図2】本発明の実施例に係るスーパーキャパシタモジュールを車両電力系統に新たに設置した簡略な回路図である。
図3】本発明の実施例に係るスーパーキャパシタモジュールと車両用バッテリーパックの並列接続による車両電力系統の動作補助を示す簡略な回路図である。
図4】本発明の実施例に係り、シナリオ1におけるスーパーキャパシタモジュールに対する充電バックアップを示す簡略な回路図である。
図5】本発明の実施例に係り、シナリオ2におけるスーパーキャパシタモジュールに対する充電バックアップを示す簡略な回路図である。
図6】本発明の実施例に係り、シナリオ3におけるスーパーキャパシタモジュールに対する充電バックアップを示す簡略な回路図である。
図7】本発明の実施例に係り、満充電されたスーパーキャパシタモジュールの大電流出力による車両のエンジン始動を示す簡略な回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態につき図面を参照する等して説明する。
なお、本発明は、実施形態に限定されないことはいうまでもない。
また、以下の説明において、「第1の」、「第2の」という用語は、構成要素を説明するためだけのものであり、相対的な重要性や順序を示す、あるいは示唆するものではない。
【0012】
図1に示すように、本発明の車両用24ボルトスーパーキャパシタ昇圧救援装置1は、車両用バッテリーパック10と車両用電子制御装置13が並列に接続されている回路システムに電気的に接続される。
車両用バッテリーパック10は、直列に接続された第1の蓄電池11と第2の蓄電池12とを含む。車両用バッテリーパック10は、鉛蓄電池またはリチウムイオン電池を含むが、これらに限定されるものではない。
車両用電子制御装置13は、発電機、スターターモーター、その他の電子制御装置(例えば、電子制御ドア、コンピューター)を含むが、これらに限定されるものではない。
【0013】
車両用24ボルトスーパーキャパシタ昇圧救援装置1は、昇圧モジュール14と、スーパーキャパシタモジュール15と、第1のリレー16と、第2のリレー17と、第3のリレー18と、接続端子19と、救援制御モジュール30と、を含む。
【0014】
昇圧モジュール14の出力電極とスーパーキャパシタモジュール15が並列に接続される。
【0015】
車両用電子制御装置13の正極、第1の蓄電池11の正極、スーパーキャパシタモジュール15の正極が並列に接続され、第1のリレー16がスーパーキャパシタモジュール15の正極及び第1の蓄電池11の正極と電気的に接続される。
これに基づき、車両用電子制御装置13の正極、第1の蓄電池11の正極、第1のリレー16、及び当該スーパーキャパシタモジュール15の正極が電気的に接続されて第1の正極回路21を構成する。
【0016】
第2のリレー17が、第1の蓄電池11の正極及び昇圧モジュール14の入力正極と電気的に接続され、それにより第1の正極回路21に電気的に接続される。
【0017】
第1の蓄電池11の負極、第2の蓄電池12の正極、及び第3のリレー18が電気的に接続される。第3のリレー18が昇圧モジュール14の入力正極に電気的に接続される。 これに基づき、第1の蓄電池11の負極、第2の蓄電池12の正極、第3のリレー18及び昇圧モジュール14の入力正極が電気的に接続されて第2の正極回路22を構成する。
【0018】
車両用電子制御装置13の負極、第2の蓄電池12の負極、昇圧モジュール14の出力負極、及びスーパーキャパシタモジュール15の負極が電気的に接続され、負極回路23を構成する。
【0019】
接続端子19の正極が第2の蓄電池12の正極及び第3のリレー18に電気的に接続される。
また、接続端子19の負極が負極回路23に電気的に接続される。
【0020】
第1のリレー16、第2のリレー17、第3のリレー18は、MOS(MOSFET、Metal-Oxide―Semiconductor Field―Effect Transistor、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタとも呼ばれる)で置き換えられてもよい。
【0021】
制御ユニット33は検出ユニット32の検出結果に基づいて第1のリレー16、第2のリレー17及び第3のリレー18の導通または開離を選択的に制御する。
マイクロプロセッサ31は無線通信モジュール34を介して電力救援アプリケーションプログラム35と通信接続される。電力救援アプリケーションプログラム35はスマート携帯端末(図示しない)に内蔵される。
無線通信モジュール34に適用する無線通信は、LoRa、NB―IoT、ZigBee、WI―FI、Bluetooth、衛星通信を含むが、これらに限定されるものではない。
【0022】
以上の救援装置の実施例において、車両用バッテリーパック10は、それぞれ12Vの第1の蓄電池11と第2の蓄電池12とが直列に接続されて構成されている。
昇圧モジュール14は、9V~15Vの入力電圧を28Vの出力電圧に上昇させることができる。スーパーキャパシタモジュール15の動作電圧既定値は24Vである。
【0023】
図2図3に示すように、スーパーキャパシタモジュール15を新たに設置した給電方法は以下の通りである。
【0024】
図2に示すように、第1の蓄電池11と第2の蓄電池12の電圧合計とそれが閾値15Vより大きいこと(例えば、図2に示すように2つの蓄電池の電圧がいずれも12Vの場合)を検出ユニット32が検出すると、制御ユニット33が第1のリレー16を開離(OFF)、第2のリレー17を開離(OFF)、第3のリレー18を導通(ON)に制御し、第2の正極回路22を介して第1の蓄電池11と第2の蓄電池12から電力を取得し、昇圧モジュール14を介して昇圧し、28Vの電圧を出力してスーパーキャパシタモジュール15に対し充電を行う。
【0025】
図3に示すように、スーパーキャパシタモジュール15が動作電圧24Vに達したことを検出ユニット32が検出すると、制御ユニット33が第1のリレー16を導通(ON)、第2のリレー17を開離(OFF)、第3のリレー18を開離(OFF)に制御し、第1の正極回路21を介して、スーパーキャパシタモジュール15と車両用バッテリーパック10が共同で動作し、車両エンジンの正常な始動を補助する。
【0026】
以上が本発明の救援装置のシステム配置に関する説明である。
以下で、異なるシナリオに基づく救援制御方法を説明する。
【0027】
シナリオ1では、図4図7に示すように、車両用バッテリーパック10が低電圧の場合、救援制御方法は次の通りとなる。
【0028】
図4に示すように、第1の蓄電池11と第2の蓄電池12の電圧合計が閾値15V以上であること(例えば、図4の2つの蓄電池の電圧がいずれも10V)を検出ユニット32が検出すると、制御ユニット33が第1のリレー16を開離(OFF)、第2のリレー17を開離(OFF)、第3のリレー18を導通(ON)に制御し、第2の正極回路22を介して第1の蓄電池11と第2の蓄電池12から電力を取得し、昇圧モジュール14を介して28Vに昇圧させ、スーパーキャパシタモジュール15に対して充電を行う。
【0029】
図7に示すように、スーパーキャパシタモジュール15の電圧が動作電圧24Vに達したことを検出ユニット32が検出すると、制御ユニット33が第1のリレー16を導通(ON)、第2のリレー17を開離(OFF)、第3のリレー18を開離(OFF)に制御し、満充電されたスーパーキャパシタモジュール15が大電流を出力して、第1のリレー16を介し第1の正極回路21から車両用電子制御装置13に給電して車両を始動させ、救援の目的を達成する。
【0030】
シナリオ1の救援方法は、電力救援アプリケーションプログラム35のユーザーインターフェイスに表示される。
使用者は、当該ユーザーインターフェイスから車両用バッテリーパック10が低電圧状態にあることを把握することができ、同時に、使用者は当該ユーザーインターフェイスからスーパーキャパシタモジュール15の充電状態を把握し、かつスーパーキャパシタモジュール15が満充電されたときに手動で、または電力救援アプリケーションプログラム35を介して車両を始動させることができる。
【0031】
シナリオ2では、図5図7に示すように、車両用バッテリーパック10が低電圧の場合、救援方法は次の通りとなる。
【0032】
図5に示すように、第1の蓄電池11と第2の蓄電池12の電圧合計が閾値15V未満であるが、下限値9Vより大きい、即ち第1の蓄電池11または第2の蓄電池12のいずれか1つが破損していること(例えば、図5のいずれか1つの蓄電池の電圧が2Vで、他方の蓄電池の電圧が12Vなど)を検出ユニット32が検出すると、制御ユニット33が第1のリレー16を開離(OFF)、第2のリレー17を導通(ON)、第3のリレー18を開離(OFF)に制御し、第1の正極回路21を介して電圧が正常な蓄電池から電力を取得し、昇圧モジュール14を介して28Vに昇圧させ、スーパーキャパシタモジュール15に対して充電を行う。
【0033】
図7に示すように、スーパーキャパシタモジュール15の電圧が動作電圧24Vに達したことを検出ユニット32が検出すると、制御ユニット33が第1のリレー16を導通(ON)、第2のリレー17を開離(OFF)、第3のリレー18を開離(OFF)に制御し、満充電されたスーパーキャパシタモジュール15が大電流を出力して、第1のリレー16を介し第1の正極回路21から車両用電子制御装置13に給電して車両を始動させ、救援の目的を達成する。
【0034】
シナリオ2の救援方法は、電力救援アプリケーションプログラム35のユーザーインターフェイスに表示される。
使用者は、当該ユーザーインターフェイスから車両用バッテリーパック10が低電圧状態にあることを把握することができ、同時に、使用者は当該ユーザーインターフェイスからスーパーキャパシタモジュール15の充電状態を把握し、かつスーパーキャパシタモジュール15が満充電されたときに手動で、または電力救援アプリケーションプログラム35を介して車両を始動させることができる。
【0035】
シナリオ3では、図6図7に示すように、車両用バッテリーパック10が低電圧の場合、救援方法は次の通りとなる。
図6に示す例では、接続端子19に外付け12V電池40が並列に接続されている。
【0036】
図6に示すように、第1の蓄電池11と第2の蓄電池12の電圧合計が下限値9V未満である、即ち第1の蓄電池11と第2の蓄電池12のいずれも破損していること(例えば、図6の2つの蓄電池の電圧が4Vの場合)を検出ユニット32が検出すると、制御ユニット33が第1のリレー16を開離(OFF)、第2のリレー17を開離(OFF)に制御し、電力救援アプリケーションプログラム35が電池の外部接続を行うように通知を行い、その後、接続端子19にすでに外付け12V電池40が接続されているか否かを判断し、接続されていれば第3のリレー18を導通(ON)させ、第2の正極回路22を介して外付け12V電池40から電力を取得し、昇圧モジュール14を介して28Vに昇圧し、スーパーキャパシタモジュール15に対して充電を行う。
【0037】
図7に示すように、スーパーキャパシタモジュール15の電圧が動作電圧24Vに達したことを当該検出ユニット32が検出すると、制御ユニット33が当該第1のリレー16を導通(ON)、第2のリレー17を開離(OFF)、第3のリレー18を開離(OFF)に制御し、満充電されたスーパーキャパシタモジュール15により大電流を出力して、第1のリレー16を介し第1の正極回路21から車両用電子制御装置13に給電して車両を始動させ、救援の目的を達成する。
【0038】
シナリオ3の救援方法は、電力救援アプリケーションプログラム35のユーザーインターフェイスに表示される。
使用者は、当該ユーザーインターフェイスから車両用バッテリーパック10が低電圧の破損状態にあることを把握し、外付け12V電池40の接続を操作することができる。同時に、使用者は当該ユーザーインターフェイスからスーパーキャパシタモジュール15の充電状態を把握し、かつスーパーキャパシタモジュール15が満充電されたときに手動で、または電力救援アプリケーションプログラム35を介して車両を始動させることができる。
【符号の説明】
【0039】
1 救援装置
10 車両用バッテリーパック
11 第1の蓄電池
12 第2の蓄電池
13 車両用電子制御装置
14 昇圧モジュール
15 スーパーキャパシタモジュール
16 第1のリレー
17 第2のリレー
18 第3のリレー
19 接続端子
21 第1の正極回路
22 第2の正極回路
23 負極回路
30 救援制御モジュール
31 マイクロプロセッサ
32 検出ユニット
33 制御ユニット
34 無線通信モジュール
35 電力救援アプリケーションプログラム
40 外付け12V電池
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7