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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-07
(45)【発行日】2024-08-16
(54)【発明の名称】支援システム、方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/015 20230101AFI20240808BHJP
   G06Q 30/06 20230101ALI20240808BHJP
【FI】
G06Q30/015
G06Q30/06
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023202696
(22)【出願日】2023-11-30
【審査請求日】2023-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】594103301
【氏名又は名称】三井住友カード株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 真司
【審査官】関 博文
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-25479(JP,A)
【文献】降旗 淳平,国内企業インサイド Inside iBeacon利用しビールの売り子を呼ぶサービス オリックス・バファローズが京セラドームで実現,日経デジタルマーケティング 第84号 NIKKEI Digital Marketing,日本,日経BP社 Nikkei Business Publications,Inc.,2014年09月24日,第18頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スタッフ呼び出しのための支援システムであって、
消費者端末で取得された位置情報を含む消費者位置情報を受信する受信手段と、
呼び出した消費者の位置から最も近いスタッフエリアを認識して、前記スタッフエリアのポータブルな決済端末を含む決済端末に前記消費者の前記消費者位置情報を送信し、スタッフが前記消費者の前記位置に向かうように前記ポータブルな決済端末を含む前記決済端末に通知するスタッフ通知手段と、
前記スタッフが前記消費者の前記位置に向かうように前記ポータブルな決済端末を含む前記決済端末に通知することを含む場合に前記消費者位置情報の消込を行う消込手段と、
前記ポータブルな決済端末が決済処理を行って決済データを送信する決済手段と、
を備えた支援システム。
【請求項2】
前記消費者の前記消費者位置情報は、前記スタッフエリアごとに前記ポータブルな決済端末を含む前記決済端末に一覧として表示され、前記表示される内容は、前記消費者の前記位置と前記スタッフエリアとの距離を含む場合がある、請求項1に記載の支援システム。
【請求項3】
前記消費者位置情報はサーバに記憶され、同一の消費者から同一エリアにて再度前記消費者位置情報の送信があっても同一の前記消費者位置情報として統合される、請求項1に記載の支援システム。
【請求項4】
前記スタッフ通知手段は、スタッフが前記消費者の前記位置に向かうように前記ポータブルな決済端末を含む前記決済端末に通知する際、前記スタッフの位置と、前記消費者の前記位置との距離感を反映するように表示する、請求項1に記載の支援システム。
【請求項5】
スタッフ呼び出しのための支援システムで実行される方法であって、
消費者端末で取得された位置情報を含む消費者位置情報を受信するステップと、
呼び出した消費者の位置から最も近いスタッフエリアを認識して前記スタッフエリアのポータブルな決済端末を含む決済端末に前記消費者の前記消費者位置情報を送信し、スタッフが前記消費者の前記位置に向かうように前記ポータブルな決済端末を含む前記決済端末に通知するステップと、
前記スタッフが前記消費者の前記位置に向かうように前記ポータブルな決済端末を含む前記決済端末に通知することを含む場合に前記消費者位置情報の消込を行うステップと、
前記ポータブルな決済端末が決済処理を行って決済データを送信するステップと、
を備える方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スタッフ呼び出しのための支援システム、方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コストカットなどの理由で店舗の省人化が見られる。顧客が予約なしで入店した際、他の顧客に対応しているなどの理由で店員がすぐに応対できず、顧客は相当の待ち時間を強いられる場合がある。
【0003】
特許文献1では、顧客が入店待ちを行っている際、スマートフォンで店舗コードを読み取り、予約情報や店舗の待ち状態、注文などをスマートフォン上でやり取りすることで、店舗から離れた場所で顧客の待ち時間を有効に使用することができる店舗管理補助システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2022-43574号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の発明では、店員や料理人を顧客が呼び出して応対してもらうことは開示されていない。広い店舗や販売スペース、あるいは売り場に対して顧客が多い場合は、顧客が店員の対応を待っていたり、従業員を探し続けていると商品やサービスの購入まで時間がかかりすぎる場合がある。これにより顧客は購入を見合わせたり、再度入店しないなど顧客の店舗離れにつながるおそれがある。このような場合は、消費者である顧客が店員を呼び出して応対してもらう必要が生じる。
【0006】
本発明は上記実情に鑑みて提案され、消費者からの呼び出しに応じて応対可能なスタッフを適切に選択し、迅速かつ効率的な消費者応対および商品やサービスの購入につながるスタッフ呼び出しのための支援システム、方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る支援システムは、スタッフ呼び出しのための支援システムであって、消費者端末で取得された位置情報を含む消費者位置情報を受信する受信手段と、呼び出した消費者の位置から最も近いスタッフエリアを認識して、スタッフエリアのポータブルな決済端末を含む決済端末に消費者の消費者位置情報を送信し、スタッフが消費者の位置に向かうようにポータブルな決済端末を含む決済端末に通知するスタッフ通知手段と、スタッフが消費者の位置に向かうようにポータブルな決済端末を含む前記決済端末に通知することを含む場合に消費者位置情報の消込を行う消込手段と、ポータブルな決済端末が決済処理を行って決済データを送信する決済手段と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、広い販売スペース、あるいは売り場に対して消費者が多い場合であってもスタッフの呼び出し、消費者応対および購入までを効率的、迅速かつ適切に行うことができるようになり、スタッフの人員効率化や消費者満足度の向上に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る支援システムの構成図である。
図2】本発明の実施形態に係るカード会社サーバ、および消費者端末の構成例を示す図である。
図3】本発明の実施形態に係る消費者位置情報データのデータ構造の一例を示す図である。
図4】本発明の実施形態に係る支援システムの受信手段を説明するためのフローチャートである。
図5】本発明の実施形態に係る支援システムの消費者通知手段を説明するためのフローチャートである。
図6】本発明の実施形態に係る支援システムのスタッフ通知手段を説明するためのフローチャートである。
図7】本発明の実施形態に係る支援システムの消込手段を説明するためのフローチャートである。
図8】本発明の実施形態に係る支援システムの決済手段を説明するためのフローチャートである。
図9】本発明の実施形態に係る支援システムの消費者位置情報データを説明するための説明図である。
図10】本発明の実施形態に係る支援システムの消費者位置情報データを説明するための画面図である。
図11】本発明の実施形態に係る支援システムのスタッフ通知手段を説明するための説明図である。
図12】本発明の実施形態に係る支援システムの消費者通知手段を説明するための画面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る実施形態を図面とともに説明する。
【0011】
図1を参照して、本発明に係る実施形態における支援システム100の全体的な構成の例を説明する。支援システム100は、クレジットカード会社105内のカード会社サーバ101と、消費者端末103と、複数の決済端末104a、104b・・・(以下、「決済端末104」)とを含む。
【0012】
図1では便宜上、消費者端末103と、決済端末104a、および104bのみそれぞれ記載しているが、消費者端末103と、決済端末104との数が限定されることはない。カード会社サーバ101と、消費者端末103と、決済端末104とは、ネットワーク102を介して相互に接続される。ここで、ネットワーク102は、インターネットであっても、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)であってもよく、特に限定されない。
【0013】
カード会社サーバ101は、本実施形態に係る処理を実施するコンピュータデバイスである。カード会社サーバ101は、クレジットカード会社105によって管理されるサーバコンピュータである。したがって、カード会社サーバ101は、従来から存在するカード会社のシステムに実装されても良い。カード会社サーバ101は、単独のコンピュータデバイスによって実装されても良く、または複数のコンピュータデバイスによって実装されても良い。カード会社サーバ101の構成要素および機能については後述する。
【0014】
消費者端末103は、支援システム100を使用する消費者107が用いる端末を表す。例として消費者端末103は、二次元コードなどを読み取るためのカメラ機能のついたスマートフォンやタブレット端末などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。消費者端末103の構成要素および機能については後述する。
【0015】
決済端末104は、加盟店に設置されているカード決済端末機である。例として店舗のスタッフが持ち運ぶことができるポータブルタイプのものでもよく、クレジットカードリーダを備え、消費者107のクレジットカードを読み取り、利用データをカード会社サーバ101に送信する。決済端末104は、通信回線を介してPOSシステムと連携し得る。
【0016】
消費者107は、例として店舗や販売スペースで商品やサービスの購入を行う者であり、消費者端末103を用いて二次元コード106を読み込んで位置情報などをカード会社サーバ101に送信する。当該処理については後述する。
【0017】
次に、図2を参照して、カード会社サーバ101および消費者端末103の詳細な構成要素の例を説明する。
【0018】
カード会社サーバ101は、制御部110、入力部111、出力部112、メモリ部113、送受信部114、および記憶部116を含み、それらの各要素がシステムバス115によって結合されている。記憶部116の各構成要素については後述する。
【0019】
制御部110はプロセッサとも称され、例えばCPUなどを指す。制御部110は、上記各構成要素の制御やデータの演算を実行する。制御部110は、本実施形態に係る各処理を実行するため、プログラムをメモリ部113に読みだして実行する。プログラムとは、支援システム100が実行する機能について実装するためのプログラムであり、記憶部116に格納されている。
【0020】
入力部111は、外部からの操作指示などを受け付ける。入力部111は、例としてキーボードやタッチパネルなどが挙げられる。出力部112は、記憶部116に記憶されたデータや演算処理の結果を出力する。出力部112の例として、ディスプレイやプリンタなどが挙げられる。
【0021】
メモリ部113は、カード会社サーバ101上のデータ、コンピュータ実行可能な命令などを記憶する揮発性データ記憶装置である。メモリ部113は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)などのRAMにより実装される。
【0022】
送受信部114は、ネットワーク102を介して、カード会社サーバ101と、消費者端末103と、決済端末104との間で相互に通信を行う。例えば、消費者端末103は、送受信部114に対して消費者位置情報データ300の送信を行う。消費者位置情報データ300については後述する。
【0023】
記憶部116は、例えばROM、HDD、SSDなどの任意の記憶装置によって実装される。記憶部116は、支援システム100で実行される処理に係る受信手段120、消費者通知手段121、スタッフ通知手段122、消込手段123、および決済手段124を備える。さらに記憶部116は、支援システム100で取り扱うデータを格納する位置情報記憶部130、売上情報記憶部131、および決済情報記憶部132を備える。
【0024】
次に、消費者端末103は、制御部140、記憶部141、通信部142、撮像部143、表示部144、および操作部145を備える。
【0025】
制御部140はCPUであって、システムバス146を介して接続された各構成要素を制御する。また、制御部140は記憶部141に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各構成要素の情報処理などを行う。記憶部141は、例としてROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)などにより構成され、制御部140が本実施形態に係る処理を実行するためのデータなどを記憶する。例えば本実施形態においては、記憶部141は、読み取られた図1の二次元コード106のデータを記憶する。
【0026】
通信部142は、例えば消費者端末103とカード会社サーバ101との間でデータを送受信する際、ネットワーク102に接続するためのインターフェースとなる。
【0027】
撮像部143は、消費者端末103のカメラ機能を提供する。撮像部143は、レンズやCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサまたはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサを含んで構成される。例として、撮像部143を用いて、本実施形態の図1の二次元コード106が消費者107により撮影される。
【0028】
表示部144は、液晶ディスプレイや有機ELなどにより構成されるディスプレイ装置である。例として、表示部144には、撮像部143で撮影された図1の二次元コード106が表示される。また、表示部144には、カード会社サーバ101から送信された図10の消費者データ入力画面1000などが例として表示される。消費者データ入力画面1000については後述する。
【0029】
操作部145は、消費者端末103に設置されたボタン、スイッチ、タッチパネル、およびタッチパッドなどから構成される。図1の消費者107は、操作部145を介して消費者端末103を操作できる。
【0030】
なお、上記実施形態で説明したハードウェアの構成要素は例示的なものにすぎず、その他の構成も可能である。
【0031】
図2に示したシステム構成要素のうち、カード会社サーバ101の記憶部116内の位置情報記憶部130、売上情報記憶部131、および決済情報記憶部132が格納するデータについてそれぞれ説明する。
【0032】
位置情報記憶部130は、消費者位置情報である図3の消費者位置情報データ300が格納されているデータベースである。図2図3図9、および図10を参照して、消費者位置情報データ300について説明する。
【0033】
消費者位置情報データ300は、例として、店舗や販売エリアでの消費者107の位置情報やスタッフの応対状況などについて示すデータである。
【0034】
例として、図9の店舗である加盟店Cの棚A900a付近にいる消費者107は、スタッフを呼び出したいときに、棚A900aのエリア902aに記載されている二次元コード903aを消費者端末103で取り込む。この二次元コード903aには、加盟店を識別する識別子である加盟店IDと棚A900aの場所とに紐づけたURLとが埋め込まれている。二次元コード903aを取り込んだ後、表示画面901には加盟店Cと棚A900aの位置情報とを示すURLが表示される。
【0035】
消費者107が棚B900b付近にいる場合、棚B900b(以下棚900)のエリア902b(以下、エリア902)の二次元コード903b(以下二次元コード903)を消費者端末103で取り込むと加盟店Cと棚B900bの位置情報を示すURLが表示画面901に表示される。二次元コード903に埋め込まれるURLは、場所に応じて異なる引数を付してもよい。
【0036】
なお、二次元コード903を示す場所は任意であり、例えばイベントが行われているスタジアムなどでもよい。
【0037】
消費者107が表示画面901に表示された加盟店Cと棚A900aの位置情報とのURLをクリックすると、消費者107が加盟店Cの棚A900a付近にいることが図2のカード会社サーバ101に通知される。
【0038】
通知を受けたカード会社サーバ101は、表示画面901に図10の消費者データ入力画面1000を送信する。
【0039】
消費者データ入力画面1000には、加盟店情報1007に「加盟店C」、呼び出し位置1001に「棚A」エリアがそれぞれ表示され、消費者107の位置情報が示される。
【0040】
消費者107は、スタッフを呼びたい場合にスタッフ呼び出しボタン1002をクリックする。消費者107は、氏名エリア1003に氏名を入力する。例として、氏名エリア1003では氏名のカナ入力を行っているが漢字など任意の形態で入力してもよい。
【0041】
消費者107は、携帯電話などの電話番号を電話番号エリア1004に入力する。消費者107は店舗内だけでなく、屋外や店外などからでもスタッフを呼び出すことができ、その際の呼び出したい場所などについてその他エリア1005に記載してもよい。なお、その他エリア1005の記載項目は任意であり、場所などに限定されない。消費者107は、入力完了後に送信ボタン1006をクリックする。
【0042】
加盟店情報1007、氏名エリア1003、呼び出し位置1001、電話番号エリア1004,その他エリア1005に入力された項目は、それぞれ消費者位置情報データ300の加盟店ID301、氏名データ304、位置情報データ305、電話番号データ303、その他データ308に対応する。
【0043】
図3の消費者位置情報データ300は、氏名データ304、位置情報データ305、消費者の待機状況を示す消費者ステータスデータ306、スタッフの応対状況を示す応対ステータスデータ307、その他データ308、および申し込み時からの待ち時間を示す待機時間データ309を含むデータが、加盟店ID301、入力された日である日付データ302および電話番号データ303に対応づけられたデータを指す。
【0044】
加盟店ID301による加盟店の位置や位置情報データ305の名称は、例として、消費者107とスタッフエリアとの距離を算定するために座標軸で表してカード会社サーバ101上に予め登録しておいてもよい。消費者107とスタッフエリアとの距離を算定することについては後述する。
【0045】
消費者ステータスデータ306にはデフォルト値として、消費者107がスタッフを待機していることを示す「待機中」が入力されている。応対ステータスデータ307にはデフォルト値として、スタッフの応対がまだ行われていないことを示す「未応対」が入力されている。
【0046】
図10の消費者データ入力画面1000を用いず、加盟店情報および位置情報を示すWebサイトに電話番号を割り当てして消費者107が電話をすることで、例としてAIによる電話自動応答システムなどを用いて、加盟店情報、氏名、位置情報、電話番号などをカード会社サーバ101に通知することもできる。または、加盟店情報および位置情報を示すWebサイトに共通電話番号を割り振って消費者の名前や電話番号などを、例として、AIによる音声認識を用いて登録してもらい、さらに消費者の位置を番号としてプッシュボタンなどで入力してもらうこともできる。
【0047】
売上情報記憶部131は、店舗などで販売される商品やサービスの売上データが格納されているデータベースであり、後述するレジアプリ使用の際に用いる。売上データは、例として、決済ID、売上日時、売上商品名、単価、決済金額などがレシート番号に対応づけられたデータを指す。
【0048】
決済情報記憶部132は、商品やサービスの決済データが格納されているデータベースであり、後述するレジアプリ使用の際に用いる。決済データは、例として、決済日時、加盟店ID、決済金額、支払手段などが決済IDに対応づけられたデータを指す。
【0049】
次に、図2図9図11および図12を参照しながら、カード会社サーバ101の記憶部116内の受信手段120、消費者通知手段121、スタッフ通知手段122、消込手段123,および決済手段124の各処理について説明する。
【0050】
図4を参照して受信手段120の処理について説明する。
【0051】
受信手段120は、図2の消費者端末103から図3の消費者位置情報データ300を受信する(ステップS401)。
【0052】
受信手段120は位置情報記憶部130を読み込んで、受信した消費者位置情報データ300のうち、加盟店ID301、日付データ302、電話番号データ303および位置情報データ305などについて位置情報記憶部130内に同じデータがないか判定する(ステップS402)。
【0053】
ステップS402において、位置情報記憶部130内に加盟店ID301、日付データ302、電話番号データ303および位置情報データ305などについて同じデータが存在しない場合はステップS403に移行する。一方、位置情報記憶部130内に加盟店ID301、日付データ302、電話番号データ303および位置情報データ305などについて既に同じデータが存在する場合は、同一の呼び出しが既にあるとしてステップS401に戻る。
【0054】
ステップS403に移行した場合、受信手段120は、位置情報記憶部130内に受信した消費者位置情報データ300を格納する(ステップS403)。
【0055】
受信手段120は格納した消費者位置情報データ300を順次決済端末104に表示し(ステップS404)、スタッフが決済端末104から消費者107の待機状況がわかるようにする。
【0056】
図5を参照して消費者通知手段121の処理について説明する。
【0057】
消費者通知手段121は、図2の位置情報記憶部130を読み込んで図3の消費者位置情報データ300を取得する(ステップS501)。
【0058】
消費者通知手段121は、電話番号データ303に対応する消費者端末103に図12の待ち状況通知画面1200を送信する(ステップS502)。例として、図12では、スタッフ待ちの順番1201や待ち時間1202が表示されている。
【0059】
消費者107は待ち状況通知画面1200を確認し、待ち時間1202が長いなどの理由でスタッフの待機をキャンセルする場合はキャンセルボタン1203をクリックする。
【0060】
キャンセルボタン1203がクリックされた場合は消費者端末103からカード会社サーバ101にその旨が送信され、消費者通知手段121により、消費者位置情報データ300の消費者ステータスデータ306が「待機中」から「キャンセル」に変更される。消費者ステータスデータ306が「キャンセル」に変更された場合は、スタッフが応対する必要がないため、消費者通知手段121は、応対ステータスデータ307を「未応対」から「応対終了」に変更する。
【0061】
一方、消費者107がその後もスタッフを待つ場合は、消費者通知手段121は消費者ステータスデータ306および応対ステータスデータ307に変更を加えない(ステップS503)ため、それぞれ「待機中」、「未応対」のままとなる。
【0062】
図6を参照してスタッフ通知手段122の処理について説明する。
【0063】
スタッフ通知手段122は、図2の位置情報記憶部130を読み込んで図3の消費者位置情報データ300を取得する(ステップS601)。
【0064】
スタッフ通知手段122は、消費者107の位置情報データ305の位置に最も近いスタッフエリアを認識する(ステップS602)。スタッフ通知手段122は、最も近いスタッフエリアを認識するために、例えば、座標軸で表された消費者107の位置情報データ305と、座標軸で表された各スタッフエリアの位置情報とに基づいて距離を算定して記憶装置に格納する。各スタッフエリアの位置情報を座標軸で表す方法については後述する。
【0065】
例として、図11の加盟店Cの棚A1102a~棚D1102d(以下棚1102)付近、レジエリア1100やバックスペース1101などスタッフ1103a~1103e(以下スタッフ1103)がいる場所をスタッフエリアとして、カード会社サーバ101に予め登録しておく。その際、座標軸などを用いてスタッフエリアの位置情報を登録してもよい。各スタッフエリアに所属しているスタッフ1103a~1103eについての情報を登録しておくこともできる。消費者107の位置情報データ305が棚Bである場合、棚C1102cのスタッフエリアが消費者107から最も近いため、スタッフ通知手段122は、棚C1102cを最も近いスタッフエリアとして決定する。スタッフエリアとして登録する場所は任意であり、例えば「野球の3塁スタジアム側」などでもよい。
【0066】
スタッフ通知手段122は、ブルートゥース(登録商標)などの無線と、スタッフ1103の有するポータブルな決済端末104とを使用することで、スタッフエリア内を移動するスタッフ1103の位置情報を座標軸で把握し、消費者107の位置に最も近いスタッフエリアを決定してもよい。また、スタッフの情報として、「スタジアムの1塁側」などの位置情報を持たせ、消費者107の位置情報データ305の位置と一致した場合に、スタッフ通知手段122はスタッフの位置情報を消費者107の位置に最も近いスタッフエリアとして決定してもよい。
【0067】
スタッフ通知手段122は、消費者107から最も近いスタッフエリアのスタッフ1103のポータブルな決済端末104に消費者位置情報データ300を送信する。ポータブルな決済端末104には、送信された消費者位置情報データ300の一覧が表示され(ステップS603)、スタッフ1103は、待機時間データ309など各自のスタッフエリアにおける消費者107の待機状況をそれぞれ見ることができる。なお、スタッフ1103は、他のスタッフエリアの消費者107の待機状況を必要に応じて表示することもできる。スタッフ通知手段122は、ポータブルな決済端末104の他に加盟店に設置されている決済端末104に消費者位置情報データ300を送信してもよい。また、消費者位置情報データ300の一覧は消費者107とスタッフエリアとの距離もさらに表示することができ、消費者107とスタッフエリアとの距離、待機時間データ309などでソートされてもよい。
【0068】
ポータブルな決済端末104、または加盟店の決済端末104上の消費者位置情報データ300を見たスタッフ1103は、応対可能な消費者107が存在する場合、応対する消費者107の消費者位置情報データ300を指定して応対可能な旨の通知をスタッフ通知手段122に送信する(ステップS604)
【0069】
ステップS604において、スタッフ通知手段122が、応対可能な旨の通知を受信した場合はステップS605に移行する。一方、スタッフエリアのスタッフ1103全員が他の応対をしているなどの理由で消費者107の応対ができず、スタッフ通知手段122が応対可能な旨の通知をどのスタッフからも受信しない場合はステップS606に移行する。
【0070】
ステップS605に移行した場合、スタッフ通知手段122は応対可能なスタッフ1103に、応対する消費者107の位置情報データ305の位置に向かうように決済端末104上で通知する(ステップS605)。通知する決済端末104は、スタッフが有するポータブルな決済端末104の他に加盟店に設置されている決済端末104が含まれてもよい。
【0071】
スタッフ通知手段122は、決済端末104上で消費者107の位置に向かうように通知する際に応対可能なスタッフ1103の位置と、消費者107の位置との距離感を決済端末104上に表示することができる。
【0072】
例として、図11では、スタッフ1103dが消費者107に応対可能である場合、スタッフ通知手段122は、消費者107から近いことを示すハッチングを表示する。一方、スタッフ1103eが応対可能である場合、消費者107から遠いことを示すハッチングを表示する。ハッチングは一例であり、色分けなど任意の手段を用いることができる。また、スタッフ通知手段122は、応対可能なスタッフ1103と、消費者107との距離を計測して決済端末104上に表示してもよい。
【0073】
一方、ステップS606に移行した場合、スタッフ通知手段122は、例として、混雑のためすぐに対応できない旨などを消費者端末103に通知する(ステップS606)。消費者端末103への通知は、例として、カード会社サーバ101から自動的にSMS発信することなどで行う。また、カード会社サーバ101から消費者端末103にSMSを使用してURLを通知し、消費者107の待ち状況が分かるウェブサイトを提供することなどもできる。
【0074】
図7を参照して消込手段123の処理について説明する。
【0075】
スタッフ通知手段122によって消費者107の位置に向かうように通知されたスタッフ1103は、他のスタッフ1103が応対に向かわないように図3の消費者位置情報データ300の消込を行う旨を決済端末104からカード会社サーバ101に通知する。消込手段123はその旨を受信し(ステップS701)、消費者位置情報データ300の応対ステータスデータ307を「未応対」から「応対終了」に変更し、呼び出し待ちの消込処理を行う(ステップS702)。
【0076】
なお、スタッフ1103が消費者位置情報データ300の消込を行う旨をカード会社サーバ101に送信するのは、消費者107の応対を開始する際でもよい。
【0077】
図8を参照して決済手段124の処理について説明する。
【0078】
応対可能なスタッフ1103は消費者107の所に行き、注文を受ける。スタッフ1103のポータブルな決済端末104には既存のレジアプリが搭載されており、注文された商品などのバーコードを読み取り、その場でキャッシュレス決済などの決済処理を行う。消費者107は商品またはサービスを受領する(ステップS801)。
【0079】
決済処理を行った際、売上商品名などの売り上げデータは送信後に売上情報記憶部131に格納され、決済金額や支払手段などの決済データは、送信後に決済情報記憶部132に格納される。
【0080】
上記実施形態で説明した処理の順序は、必ずしも説明した順序で実行される必要がなく、任意の順序で実行されてもよいし、あるいは複数の処理が同時に実行されてもよい。さらに、本発明の基本的な概念から逸脱することなく、追加の処理が新たに加えられてもよい。
【0081】
以上のとおり、本実施形態に係る支援システム100が構成されている。次に、支援システム100の効果を説明する。
【0082】
本実施形態によれば、消費者の消費者位置情報は、スタッフエリアごとにポータブルな決済端末を含む決済端末に一覧として表示され、表示される内容は、消費者の位置とスタッフエリアとの距離を含む場合があるため、スタッフ1103は消費者107を待たせている時間と消費者107までの距離とが一目でわかり、迅速な応対の有無などを瞬時に判断できる。
【0083】
本実施形態によれば、消費者位置情報はサーバに記憶され、同一の消費者から同一エリアにて再度消費者位置情報の送信があっても同一の消費者位置情報として統合されるため、同一の消費者が複数回呼び出しを行っても同一呼び出しとして管理され、同じ消費者に対するスタッフの重複した応対を避けることができ、効率的である。
【0084】
本実施形態によれば、スタッフ通知手段122は、スタッフが消費者の位置に向かうようにポータブルな決済端末を含む決済端末に通知する際、スタッフの位置と、消費者の位置との距離感を反映するように表示するため、スタッフは自分が応対することを確実に知ることができ、効率的かつ迅速に消費者のところに行くことができる。
【0085】
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々なる態様で実施し得ることは言うまでもない。例えば、支援システム100やカード会社サーバ101の記憶部116の各手段120乃至124の役割は、上述の例に限定されない。
【符号の説明】
【0086】
100 支援システム
101 カード会社サーバ
102 ネットワーク
103 消費者端末
104a、104b 決済端末
105 クレジットカード会社
106、903a、903b二次元コード
107 消費者
110 制御部
111 入力部
112 出力部
113 メモリ部
114 送受信部
115 システムバス
116 記憶部
120 受信手段
121 消費者通知手段
122 スタッフ通知手段
123 消込手段
124 決済手段
130 位置情報記憶部
131 売上情報記憶部
132 決済情報記憶部
1000 消費者データ入力画面
1200 待ち状況通知画面
【要約】
【課題】消費者からの呼び出しに応じて応対可能なスタッフを適切に選択し、迅速かつ効率的な消費者応対および商品やサービスの購入につながるスタッフ呼び出しのための支援システム、方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】受信手段120と、スタッフ通知手段122と、消込手段123、決済手段124とを備える支援システム100により、広い販売スペースなどであってもスタッフの呼び出し、消費者応対および購入までを効率的、迅速かつ適切に行うことができるようになり、スタッフの人員効率化や消費者満足度の向上に役立つ。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12