(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-07
(45)【発行日】2024-08-16
(54)【発明の名称】イヤーマフ
(51)【国際特許分類】
A61F 11/14 20060101AFI20240808BHJP
A41D 13/005 20060101ALI20240808BHJP
A61F 7/00 20060101ALI20240808BHJP
A61F 7/10 20060101ALI20240808BHJP
H04R 1/10 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
A61F11/14
A41D13/005
A61F7/00 310A
A61F7/10 300E
H04R1/10 102
(21)【出願番号】P 2024063680
(22)【出願日】2024-04-11
【審査請求日】2024-04-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】724004155
【氏名又は名称】七木田 方美
(74)【代理人】
【識別番号】100128277
【氏名又は名称】專徳院 博
(72)【発明者】
【氏名】七木田 方美
【審査官】松山 雛子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第07335222(US,B1)
【文献】特開2016-002427(JP,A)
【文献】登録実用新案第3102454(JP,U)
【文献】米国特許第05809573(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 11/14
A41D 13/005
A61F 7/00
A61F 7/10
H04R 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のイヤーパッドと、前記一対のイヤーパッドをつなぐ弾性体と、ヘッドバンドとを備えるイヤーマフにおいて、
前記イヤーパッド
及び前記ヘッドバンドは、
それぞれ内部に保冷剤を収納する保冷剤収納部を有し、
前記保冷剤は、
前記保冷剤収納部から取外し自在であり、
前記保冷剤に代えて、
前記保冷剤収納部に吸音材又は断熱材を収納可能なことを特徴とす
るイヤーマフ。
【請求項2】
前記ヘッドバンドは、前記イヤーパッド又は前記弾性体に着脱自在に取付けられていることを特徴とする請求項
1に記載のイヤーマフ。
【請求項3】
前記イヤーパッドは、基台と、前記基台に取付けられたパッドと、前記基台を覆うカバーと、を含み、
前記カバーは、前記基台に対して着脱可能なことを特徴とする請求項1又は2に記載のイヤーマフ。
【請求項4】
前記カバーは、外面に飾り体を着脱自在に固定するための固定具を備えることを特徴とする請求項
3に記載のイヤーマフ。
【請求項5】
前記イヤーパッドは、前記弾性体に対し前記イヤーパッドを回転可能に連結する連結具を介して、前記弾性体の両端部に連結されていることを特徴とする請求項
1に記載のイヤーマフ。
【請求項6】
前記イヤーパッドは、吸音材収納部を備え、
又は前記イヤーパッドに吸音材が取付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のイヤーマフ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イヤーマフに関する。
【背景技術】
【0002】
イヤーマフは、防音保護具であり、代表的にはヘッドバンドの両端に防音性を有するイヤーパッドが取付けられてなる。イヤーマフを着用し、イヤーパッドで耳を覆うことで騒音等から耳を守ることができる。
【0003】
このようなイヤーマフは、騒音の大きい場所で作業する作業者や、聴覚過敏な人にとって非常に有用であり、成人向けのみならず聴覚過敏な子供たち向けのイヤーマフも市販されている。特許文献1には、聴覚過敏な人が着用することで、聴覚への過剰な刺激を抑えつつ、学校における授業により集中できる音声出力を制御したイヤーマフが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
騒音や大きな音は、作業現場、学校等以外にも多くの場面で発生する。例えばサッカー、野球、バスケットボールの試合においては、多数の観客が大きな声で応援するため大きな音が発生する。また、日本は諸外国に比べ、太鼓や拍子木、トランペットなどの鳴り物による応援が欠かせない。この大きな音や声は、脳神経系の発達が未熟な子どもの脳の発達にとって好ましいものではなく、特に罵声は、身体的虐待よりも子供の脳にダメージをもたらすことが明らかになっている。そこで、このようなスポーツ観戦場面において、観戦を楽しみながら子供の脳を守るイヤーマフは、聴覚過敏者への合理的配慮になるだけでなく、脳神経系の発達途上にある全ての子供にとって効果的である。
【0006】
屋内外を問わず、スポーツの観戦等で着用するイヤーマフは、消音性はもちろんのこと熱中症予防の観点も重要である。したがって、暑熱環境下における熱中症対策が施され快適に着用できるものが望ましい。またイヤーマフを応援グッズとして位置づけることにより、観戦者間の一体感が生まれるだけでなく、聴覚過敏な子供たちも含め、家族ぐるみでスポーツを観戦しやすくなる。さらに、副次的な効果として子供の社会問題となっているスクリーンタイムの減少も期待できる。
【0007】
これまでのイヤーマフは、消音性・遮音性の性能向上には力が入れられているが、(1)快適に着用することができる。(2)デザイン等を含め審美性に優れる。(3)スポーツの観戦に適している。等の点については十分とは言えない。
【0008】
本発明の目的は、季節を問わず快適に着用することができ、応援グッズとしての機能も備えるイヤーマフを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、一対のイヤーパッドと、前記一対のイヤーパッドをつなぐ弾性体と、ヘッドバンドとを備えるイヤーマフにおいて、前記イヤーパッド及び前記ヘッドバンドは、それぞれ内部に保冷剤を収納する保冷剤収納部を有し、前記保冷剤は、前記保冷剤収納部から取外し自在であり、前記保冷剤に代えて、前記保冷剤収納部に吸音材又は断熱材を収納可能なことを特徴とするイヤーマフである。
【0010】
本発明に係るイヤーマフにおいて、前記ヘッドバンドは、前記イヤーパッド又は前記弾性体に着脱自在に取付けられていることを特徴とする。
【0011】
本発明に係るイヤーマフにおいて、前記カバーは、外面に飾り体を着脱自在に固定するための固定具を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明に係るイヤーマフにおいて、前記イヤーパッドは、前記弾性体に対し前記イヤーパッドを回転可能に連結する連結具を介して、前記弾性体の両端部に連結されていることを特徴とする。
【0013】
本発明に係るイヤーマフにおいて、前記イヤーパッドは、基台と、前記基台に取付けられたパッドと、前記基台を覆うカバーと、を含み、前記カバーは、前記基台に対して着脱可能なことを特徴とする。
また本発明に係るイヤーマフにおいて、前記イヤーパッドは、吸音材収納部を備え、又は前記イヤーパッドに吸音材が取付けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、季節を問わず快適に着用することができ、応援グッズとしての機能も備えるイヤーマフを提供することができ、特に以下の効果が期待される。
(1)暑熱環境下において熱中症予防となり、親子で安心してスポーツ観戦ができる。
(2)子供がスタジアム等の場で安心して臨場感、一体感を味わえることにより社会問題となっているスクリーンタイムの減少と身体活動時間の増加が期待できる。
(3)頭部に装着する審美性のある応援グッズであるため、場を共にする人々が子供の発達に関心を持つきっかけとなり、政府の掲げる「こどもまんなか社会の実現」に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の第1実施形態のイヤーマフ1の斜視図である。
【
図2】本発明の第1実施形態のイヤーマフ1を収納容器90に収納した状態を示す平面図である。
【
図3】本発明の第1実施形態のイヤーマフ1のイヤーパッド10の構成・構造を説明するための図である。
【
図4】本発明の第1実施形態のイヤーマフ1のヘッドバンド50の構成・構造を説明するための図である。
【
図5】本発明の第1実施形態のイヤーマフ1に取付けて使用する飾り体100の構成・構造を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1及び
図2は、本発明の第1実施形態のイヤーマフ1の斜視図、収納容器90に収納した状態を示す平面図である。
図3は、本発明の第1実施形態のイヤーマフ1のイヤーパッド10の構成・構造を説明するための図であり、(A)及び(B)はカバー40の平面図及び断面図、(C)及び(D)は基台20の平面図及び断面図、(E)は保冷剤32の断面図、(F)及び(G)はパッド35の平面図及び断面図である。
図4は、本発明の第1実施形態のイヤーマフ1のヘッドバンド50の構成・構造を説明するための図であり、(A)及び(B)はヘッドバンド50の平面図及び断面図、(C)はヘッドバンド50の変形例を示す平面図である。
【0017】
本発明の第1実施形態のイヤーマフ1は、左右一対のイヤーパッド10と、ヘッドバンド50と、左右一対のイヤーパッド10をつなぐ弾性体70と、を含む(
図1参照)。本発明の第1実施形態のイヤーマフ1は、
図1に示すようにイヤーパッド10が左右に配置され、イヤーパッド10の上方にヘッドバンド50、弾性体70が配置されているものとする。
【0018】
イヤーパッド10は、着用時に着用者の耳をふさぐ部材であり、基台(ベース部)20と、パッド35と、基台20の外側を覆うカバー40とを含む。
【0019】
左右のイヤーパッド10は、同一形状、寸法、構造である。イヤーパッド10の大きさ、形状は、特に限定されるものではないが、カバー40を直径70mm程度の半球状とすれば野球、サッカー、バスケットボール、バレーボールで使用するボールがイメージされ、スポーツ観戦に適する。
【0020】
基台20は、
図3(C)及び(D)に示すように肉厚円板状のリング部22と、リング部22を覆うドーム部25とを含む。基台20は、樹脂製であり、リング部22及びドーム部25が一体成形されている。
【0021】
リング部22は、上面に、カバー40に設けられた突起42が着脱自在に嵌まり込む凹状の係止部23が設けられている。係止部23は、突起42が着脱自在に嵌まり込むことができれば構造は特に限定されない。係止部23の形状及び配置も特に限定されるものではないが、審美性に優れるものがよい。審美性に優れる係止部23とすれば、カバー40にスケルトン素材を用い透明とし外部から係止部23及び突起42を視認可能としたとき、これらをデザインの一部とすることができる。
【0022】
ドーム部25は、底面に吸音材30を収納する凹状の吸音材収納部26が設けられ、上部には保冷剤32を収納する凹状の保冷剤収納部28が設けられている。保冷剤収納部28は、可能な範囲で大きい方が保冷(冷却)時間を長くすることができ好ましい。保冷剤収納部28の形状は、特に限定されるものではないが、凸レンズ形状の保冷剤32の下半分が隙間なく嵌まり込むものが好ましい。
【0023】
吸音材収納部26に嵌め込まれる吸音材は、特に限定されるものではなくスポンジ状の吸音材など、公知の吸音材を使用することができる。
【0024】
保冷剤32は、
図3(E)に示すようにレンズ形状を有する。保冷剤32の形状及び大きさは、保冷剤収納部28とカバー40の内面41とで形成される空間形状とほぼ同じである。保冷剤32は、樹脂製の袋にゲル状の保冷剤が充填された公知の保冷剤などを使用することができる。
【0025】
パッド35は、
図3(F)及び(G)に示すようにリング形状を有する弾性体からなり、基台20の内側に固定されている。
【0026】
カバー40は、
図3(A)及び(B)に示すように基台20のドーム部25と同じ形状の樹脂製の部材であり、基台20に取付けることでドーム部25の全体を覆う。カバー40を基台20に取付けることで、保冷剤収納部28に収納された保冷剤32は、ぐらつくことなく固定される。
【0027】
カバー40は、内面41に断熱材が取付けられ、又は断熱層が設けられたものが好ましい。カバー40に断熱材又は断熱層を設ける代わりに、断熱材で保冷剤収納部28に収納された保冷剤32の上面を覆い、カバー40と保冷剤28とで断熱材を挟み込むようにしてもよい。これによりカバー40を介して冷気が逃げることを抑制することができる。
【0028】
カバー40の底面には、基台20に設けられた凹部23に着脱可能に嵌まり込む突起42が設けられている。本実施形態のイヤーマフ1では、基台20に設けられた凹部23と、カバー40に設けられた突起42とで着脱自在な係止機構を形成する。これにより基台20に対してカバー40を、ワンタッチで着脱することができる。
【0029】
カバー40に設ける突起42は、審美性に優れる形状・配置が好ましい。審美性に優れる突起42とすれば、カバー40にスケルトン素材を用い透明とし外部から視認可能な状態としたとき突起42をデザインの一部とすることができる。
【0030】
カバー40は、外面に飾り体100を装着するための固定座46を備える。固定座46は、間隔をあけて設けられた2個又は3個の凹部からなる。固定座46の配置は、特に限定されるものではないが、イヤーパッド10に取り付ける飾り体100の位置、向きは、固定座46の配置により決まるため、この点を考慮し固定座46の配置を決める。
【0031】
ヘッドバンド50は、布製の本体52を有し、本体52の両端部に係止具60を備える(
図4参照)。本体52は、柔軟性あるいは可撓性を有する素材であれば、特に限定されるものではないが、本体52を布製にすれば洗濯が可能となり好ましい。ヘッドバンド50は、係止具60を弾性体70に設けられたヘッドバンド取付具76に係止させ使用する。
【0032】
本体52は、
図4(A)及び
図4(B)に示すように細長い形状を有し、中央部に保冷剤を収納する保冷剤収納部54が設けられている。保冷剤収納部54には、上面側に保冷剤65を出し入れするための出入口56が設けられている。出入口56には、図示を省略したラインファスナが取付けられ、出入口56が開閉可能となっている。
【0033】
保冷剤収納部54の上面58の裏側59には、断熱材が取付けられ又は断熱層を設けることが好ましい。保冷剤収納部54の上面58の裏側に断熱材又は断熱層を設ける代わりに、保冷剤収納部54に収納された保冷剤65の上面を断熱材で覆ってもよい。これにより保冷剤収納部54の上面58側から冷気が逃げることを抑制することができる。
【0034】
保冷剤収納部54の形状及び内部空間の大きさは、保冷剤65の外観形状・寸法と略同一であるのがよい。これにより保冷剤収納部54に保冷剤65を無理なく、またぐらつかせることなく安定的に収納することができる。
【0035】
保冷剤収納部54は、
図4(A)に示すように平面視において本体52の端部と同じ幅であってもよく、
図4(C)に示すように平面視において本体52の端部と比較して幅広であってもよい。保冷剤収納部54を大きくすれば長時間にわたり冷却機能を発揮することができる。
【0036】
本実施形態の保冷剤収納部54は、出入口56の開閉機構にラインファスナを用いるが、保冷剤収納部54の出入口56の形態はこれに限定されるものではない。例えば、保冷剤収納部54の上面58の布材を上下方向に重ね合わせるようにして出入口56を設けてもよい。また本体52全体を袋状として、本体52全体を保冷剤収納部54としてもよい。
【0037】
保冷剤65は、柔軟性を有する細長い形状の保冷剤である。保冷剤65は、樹脂製の袋にゲル状の保冷剤が充填された公知の保冷剤などを使用することができる。
【0038】
係止具60は、U字のフックであり、一端部62が本体52の端部に回動自在に取付けられている。係止具60の構造は、U字のフックに限定されるものではないが、弾性体70に設けられたヘッドバンド取付具76に簡単に取付け、取外すことができるものが好ましい。
【0039】
弾性体70は、3本の湾曲した弾力性を有する棒材72a、72b、72cと、それらをつなぐ下連結棒73及び上連結棒74を備える。弾性体70を構成する湾曲した弾力性を有する棒材は、1本又は2本であってもよいが、3本用いることで強度と軽量化を両立させることができる。
【0040】
前側に位置する棒材72aと後側に位置する棒材72cは、それぞれの端部が下連結棒73に連結し、中央に位置する棒材72bは、端部が棒材72aと棒材72cとに掛け渡された上連結棒74に連結する。このように3本の棒材72a、72b、72cは、下連結棒73及び上連結棒74を介して一体化されている。
【0041】
弾性体70は、ヘッドバンド50を取り付けるためのヘッドバンド取付具76を備える。ヘッドバンド取付具76は、ヘッドバンド50の係止具60であるU字のフックが係止する棒材であり、下連結棒73と上連結棒74との間に位置し、棒材72aと棒材72cとに掛け渡すように固定されている。本実施形態のヘッドバンド取付具76は、左右それぞれに上下2段となっており、これによりヘッドバンド50とイヤーパッド10の上下方向の間隔を変更することができる。
【0042】
弾性体70は、両端がそれぞれ連結具80を介して、左右のイヤーパッド10と連結する。
【0043】
連結具80は、弾性体70の左右それぞれの端部に対して左右それぞれのイヤーパッド10を回転自在に連結する連結具である。本実施形態の連結具80は、球面継手であり、一端がイヤーパッド10の基台20に、他端が弾性体70の下連結棒73に取付けられている。これによりイヤーパッド10は、球面継手を起点として弾性体70に対して前後左右上下に動かし、また回転させることができる。
【0044】
連結具80に球面継手を用い、弾性体70に対してイヤーパッド10を移動、回転可能にすればイヤーマフ1を商品化するときに、包装容器(収納容器)90への収納が容易となる(
図2参照)。
【0045】
連結具80は、球面継手に限定されるものでなく、弾性体70に対してイヤーパッド10を回転自在に連結することができるものであればよい。弾性体70に対するイヤーパッド10の移動、回転は、前後左右上下の3次元方向に移動、回転できるものが好ましいが、イヤーパッド10を回転させイヤーパッド10の向きを前後方向に変えることができるものであってもよい。
【0046】
図5は、本発明の第1実施形態のイヤーマフ1に取付けて使用する飾り体100の構成・構造を説明するための図であり、(A)は飾り体100の平面図、(B)は飾り体100の正面図、(C)は、イヤーパッド10に飾り体100を取付けた状態を示す図である。
【0047】
飾り体100は、イヤーマフ1を応援グッズとして機能させるための部材であり、イヤーパッド10に取付け使用する。飾り体100は、応援グッズ以外にもイヤーマフ1を装飾するために使用することができる。飾り体100は、オプション部品として位置付けられる。
【0048】
本実施形態に示す飾り体100は、
図5(A)に示すように柔軟性を有する細長い部材であり、
図5(B)に示すように両端の裏面102にイヤーパッド10のカバー40に設けられた固定座46に着脱自在に嵌まり込む突起110が設けられている。このようにカバー40に設けられた凹部46と、飾り体100に設けられた突起110で着脱自在な係止機構を形成することで、飾り体100をカバー40に対してワンタッチで着脱することができる。
【0049】
この飾り体100は、スポーツ観戦用のものであり、表面104の色は、応援チームのチームカラーであり、また表面104には、応援チームのスローガン,キャッチフレーズ106が付されている。
【0050】
本実施形態の飾り体100は、
図5(C)に示すように左右のイヤーパッド10に掛け渡すように取り付け、飾り体100が後頭部側に位置するように着用する。
【0051】
飾り体100の形態は、本実施形態に限定されるものではない。本実形態の飾り体100は、左右のイヤーパッド10に掛け渡すように取付け使用するタイプであるが、左右それぞれのイヤーパッド10に取付けるものであってもよい。また飾り体100の数は、1個に限定されるものではなく、イヤーパッド10に複数の固定座46を設け、飾り体100を2個、3個取り付けるようにしてもよい。また飾り体100のイヤーパッド10に対する取付け位置、取付け角度も特に限定されるものではない。
【0052】
次に、本実施形態のイヤーマフ1の使用方法を説明する。但し、イヤーマフ1の使用方法は、これに限定されるものではない。
【0053】
気温が高い時期あるいは室温が高いときには、イヤーパッド10の保冷剤収納部28及びヘッドバンド50の保冷剤収納部54に冷却した保冷剤32,65を収納した上で、着用する。これにより頭部が冷やされ快適に過ごすことができる。またヘッドバンド50を首に掛けるように使用すれば、首筋を冷やすことができる。このときイヤーパッド10のパッド35を胸の方向に回転させることで頸動脈も快適に冷やすことができる。
【0054】
一方、頭部を冷やす必要がない時期又は場所では、イヤーパッド10の保冷剤収納部28に吸音材を収納し、ヘッドバンド50の保冷剤収納部54に断熱材を収納した上で、着用する。これにより消音性が増し快適に過ごすことができる。
【0055】
スポーツ観戦の場合には、イヤーパッド10のカバー40を応援チームのチームカラーのものに付け替えて着用すれば、イヤーマフ1を応援グッズとして使用することができ気分も高まる。さらにイヤーパッド10に飾り体100を装着して着用すれば、より気分が高まる。
【0056】
以上のように第1実施形態のイヤーマフ1は、イヤーパッド10のみならずヘッドバンド50にも保冷剤32,65を収納することができるので気温が高い時期あるいは室温が高いときでも快適に過ごすことができる。
【0057】
また第1実施形態のイヤーマフ1は、イヤーパッド10のカバー40がワンタッチで交換可能であり、さらにイヤーパッド10には飾り体100を装着することも可能なためイヤーマフ1を応援グッズとして使用することができるためスポーツ応援・観戦に好適である。また第1実施形態のイヤーマフ1は、ヘッドバンド50が取外し可能なため洗濯も容易である。
【0058】
このようなイヤーマフ1は、子供がスタジアム等の場で安心して臨場感、一体感を味わえることにより、社会問題となっているスクリーンタイムの減少と身体活動時間の増加が期待できる。また頭部に装着する審美性のある応援グッズであるため、場を共にする人々が子供の発達に関心を持つきっかけとなり、政府の掲げる「こどもまんなか社会の実現」に貢献できる。
【0059】
以上、第1実施形態のイヤーマフを用いて本発明に係るイヤーマフの構成、構造、使用方法を示したが、本発明に係るイヤーマフは、上記実施形態に限定されるものではなく、要旨を変更しない範囲で変更して使用することができる。
【0060】
第1実施形態のイヤーマフ1においては、イヤーパッド10の基台20とカバー40の係止機構に凹部23と突起42とを用いているが、基台20とカバー40の係止機構は、これに限定されるものではない。この係止機構は、カバー40を基台20に確実に固定でるものであり、ワンタッチでカバー40を着脱できるものが好ましい。よってカバー40に爪を設け、爪を基台20に引っ掛けるようにしてもよい。この点は、飾り体100の突起110とカバー40に設けられた固定座46とで形成する係止機構についても同様である。
【0061】
以上のとおり、図面を参照しながら好適なイヤーマフについて説明したが、当業者であれば、本明細書を見て、自明な範囲内で種々の変更及び修正を容易に想定するであろう。従って、そのような変更及び修正は、請求の範囲から定まる発明の範囲内のものと解釈される。
【符号の説明】
【0062】
1 イヤーマフ
10 イヤーパッド
20 基台
23 凹部
28 保冷剤収納部
32 保冷剤
35 パッド
40 カバー
42 突起
46 固定座(凹部)
50 ヘッドバンド
54 保冷剤収納部
60 係止具
65 保冷剤
70 弾性体
76 ヘッドバンド取付具
80 連結具
100 飾り体
【要約】
【課題】季節を問わず快適に着用することができ、応援グッズとしての機能も備えるイヤーマフを提供する。
【解決手段】一対のイヤーパッド10と、前記一対のイヤーパッド10をつなぐ弾性体70と、ヘッドバンド50とを備えるイヤーマフ1において、前記イヤーパッド10は、基台20と、前記基台20の内側に取付けられたパッド35と、前記基台20の外側を覆う着脱自在なカバー40とを備え、内部に保冷剤を収納する保冷剤収納部を有し、前記ヘッドバンド50は、前記イヤーパッド10又は前記弾性体70に着脱自在に取付けられ、内部に保冷剤を収納する保冷剤収納部54を有する。
【選択図】
図1