(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-07
(45)【発行日】2024-08-16
(54)【発明の名称】画像認識モデルのトレーニング方法、紡糸口金検査方法、画像認識モデルのトレーニングデバイス、紡糸口金検査デバイス、電子デバイス及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06T 7/00 20170101AFI20240808BHJP
G06V 10/14 20220101ALI20240808BHJP
G06V 10/70 20220101ALI20240808BHJP
【FI】
G06T7/00 350B
G06V10/14
G06V10/70
(21)【出願番号】P 2024100541
(22)【出願日】2024-06-21
【審査請求日】2024-06-21
(31)【優先権主張番号】202311564507.5
(32)【優先日】2023-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523443995
【氏名又は名称】チョーチアン ヘンイー ペトロケミカル カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ポン ワン
(72)【発明者】
【氏名】シエンタオ ポン
(72)【発明者】
【氏名】イーポー チウ
(72)【発明者】
【氏名】ミンイー リウ
(72)【発明者】
【氏名】ターコー リー
(72)【発明者】
【氏名】タンタン ワン
(72)【発明者】
【氏名】チュン シェン
【審査官】藤原 敬利
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第112730437(CN,A)
【文献】特開2021-009645(JP,A)
【文献】特開2011-058871(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/00- 7/90
G06V 10/00-20/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像認識モデルのトレーニング方法であって、
紡糸口金サンプル画像を第1画像認識モデルにおける第1サブモデルに入力して、各細孔の第1情報セットを得ることであって、前記第1情報セットは前記各細孔の第1状態情報と、前記各細孔の第1位置情報と、前記各細孔の第1状態情報に対応する第1信頼度とを含む、ことと、
前記紡糸口金サンプル画像を前記第1画像認識モデルにおける第2サブモデルに入力して、前記各細孔の第2情報セットを得ることであって、前記第2情報セットは前記各細孔の第2状態情報と、前記各細孔の第2位置情報と、前記各細孔の第2状態情報に対応する第2信頼度とを含む、ことと、
前記第1情報セットと前記第2情報セットとに基づいて、前記各細孔のラベル状態情報を決定することと、ここで、前記紡糸口金サンプル画像は光源から発射された光が紡糸口金サンプルの各細孔を通過して拡大部材によって拡大された後、イメージング部材上に形成された投影画像であり、前記各細孔のラベル状態情報は対応する各細孔の形状状態を表すために用いら
れ、
前記紡糸口金サンプル画像及び前記各細孔のラベル状態情報に基づいて、予め設定された画像認識モデルをトレーニングして目標画像認識モデルを得ることであって、前記目標画像認識モデルは紡糸口金投影画像を処理して紡糸口金における各細孔の状態情報を得るために用いられる、ことと、を含む、
画像認識モデルのトレーニング方法。
【請求項2】
前記第1情報セットと前記第2情報セットとに基づいて、前記各細孔のラベル状態情報を決定することは、
前記第1情報セットにおける第1位置情報と、前記第2情報セットにおける第2位置情報とに基づいて、前記各細孔の状態情報サブセットを決定することと、前記状態情報サブセットは同じ細孔の第1状態情報と第2状態情報とを含む、ことと、
前記各細孔における第1細孔の状態情報サブセットについて、前記第1細孔の第1状態情報と前記第1細孔の第2状態情報とがマッチしない場合に、前記第1状態情報に対応する第1信頼度と、前記第2状態情報に対応する第2信頼度とに基づいて、前記第1細孔の総合信頼度を決定することと、
前記第1細孔の総合信頼度及び信頼度閾値に基づいて、前記第1細孔のラベル状態情報を決定することと、
少なくとも前記第1細孔のラベル状態情報に基づいて、前記各細孔のラベル状態情報を決定することと、を含む、
請求項
1に記載の画像認識モデルのトレーニング方法。
【請求項3】
前記紡糸口金サンプル画像及び前記各細孔のラベル状態情報に基づいて、予め設定された画像認識モデルをトレーニングして目標画像認識モデルを得ることは、
予め設定された画像認識モデルに基づいて、前記紡糸口金サンプル画像を処理して、各細孔の予測状態情報を得ることと、
前記各細孔の予測状態情報及び前記各細孔のラベル状態情報に基づいて、第1損失関数を決定することと、
前記第1損失関数に温度スカラーを加えて第2損失関数を得ることであって、前記温度スカラーは異なる形状状態の細孔間の差異に対する予め設定された画像検査モデルの敏感度を平衡させることと、
前記第2損失関数に基づいて、前記予め設定された画像認識モデルのパラメータを調整して、前記目標画像認識モデルを得ることと、を含む、
請求項1に記載の画像認識モデルのトレーニング方法。
【請求項4】
前記第1損失関数に温度スカラーを加えて第2損失関数を得ることは、
温度スカラーに基づいて、前記温度スカラーの時間に伴う変化関係を表すための動的温度関数を決定することと、
前記第1損失関数に前記動的温度関数を加えて前記第2損失関数を得ることと、を含む、
請求項
3に記載の画像認識モデルのトレーニング方法。
【請求項5】
前記各細孔の予測状態情報及び前記各細孔のラベル状態情報に基づいて、第1損失関数を決定することは、
前記各細孔の予測状態情報と、前記各細孔のラベル状態情報と、前記第1画像認識モデルの損失関数とに基づいて、第1損失関数を決定することを含む、
請求項
3に記載の画像認識モデルのトレーニング方法。
【請求項6】
画像認識モデルのトレーニングデバイスであって、
紡糸口金サンプル画像を第1画像認識モデルにおける第1サブモデルに入力して、各細孔の第1情報セットを得ることであって、前記第1情報セットは前記各細孔の第1状態情報と、前記各細孔の第1位置情報と、前記各細孔の第1状態情報に対応する第1信頼度とを含む、ことと、前記紡糸口金サンプル画像を前記第1画像認識モデルにおける第2サブモデルに入力して、前記各細孔の第2情報セットを得ることであって、前記第2情報セットは前記各細孔の第2状態情報と、前記各細孔の第2位置情報と、前記各細孔の第2状態情報に対応する第2信頼度と、を含む、ことと、前記第1情報セットと前記第2情報セットとに基づいて、前記各細孔のラベル状態情報を決定することと、に用いられる処理ユニットであって、ここで、前記紡糸口金サンプル画像は光源から発射された光が紡糸口金サンプルの各細孔を順次通過して拡大部材によって拡大された後、イメージング部材上に形成された投影画像であり、前記各細孔のラベル状態情報は対応する各細孔の形状状態を表すために用いられる、処理ユニットと、
前記紡糸口金サンプル画像及び前記各細孔のラベル状態情報に基づいて、予め設定された画像認識モデルをトレーニングして目標画像認識モデルを得るトレーニングユニットであって、前記目標画像認識モデルは紡糸口金投影画像を処理して紡糸口金における各細孔の状態情報を得るために用いられる、トレーニングユニットと、を備える、
画像認識モデルのトレーニングデバイス。
【請求項7】
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサと通信接続されるメモリと、を備え、
前記メモリには、前記少なくとも1つのプロセッサで実行可能な命令が記憶され、前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサに、請求項1
から請求項5のいずれか1項に記載の方法を実行させる、
電子デバイス。
【請求項8】
コンピュータに請求項1
から請求項5のいずれか1項に記載の方法を実行させる命令を記憶するための非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項9】
コンピュータにおいて、プロセッサにより実行されると、請求項1
から請求項5のいずれか1項に記載の方法を実現するためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コンピュータ技術分野、特に画像認識、ディープラーニングの技術分野に関し、具体的には画像認識モデルのトレーニング方法、紡糸口金検査方法及びデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
紡糸製造プロセスにおいて、紡糸口金は、粘度のある流動状態の高分子溶融物または高分子溶液を、細孔を介して特定の断面形状を有する細流に変換し、凝固媒体または凝固浴を経て凝固させて糸条を形成する。溶融物中に存在する機械的不純物、ゲル、炭素繊維、熱亀裂などの微粒子は紡糸口金の細孔を塞ぐ傾向があり、それによって原糸の繊度の不均一をもたらし、ネップ、糸細、糸毛などの欠点が生じるため、定期的に紡糸口金に対して検査を行う必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示は、従来技術における1つ又は複数の技術的問題を解決又は緩和するために、画像認識モデルのトレーニング方法、紡糸口金検査方法、画像認識モデルのトレーニングデバイス、紡糸口金検査デバイス、電子デバイス及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1態様では、本開示は画像認識モデルのトレーニング方法を提供し、当該方法は、
第1画像認識モデルに基づいて紡糸口金サンプル画像を処理して、紡糸口金サンプル画像における各細孔のラベル状態情報を得ることであって、ここで、紡糸口金サンプル画像は光源から発射された光が紡糸口金サンプルの各細孔を通過して拡大部材によって拡大された後、イメージング部材上に形成された投影画像であり、各細孔のラベル状態情報は対応する各細孔の形状状態を表すために用いられる、ことと、
紡糸口金サンプル画像及び各細孔のラベル状態情報に基づいて、予め設定された画像認識モデルをトレーニングして目標画像認識モデルを得ることであって、目標画像認識モデルは紡糸口金投影画像を処理して紡糸口金における各細孔の状態情報を得るために用いられる、ことと、を含む。
【0005】
第2態様では、本開示は紡糸口金検査方法を提供し、当該方法は、
紡糸口金を把持する把持部材と、把持部材の両側にそれぞれ配置された光源及びイメージング部材と、イメージング部材と把持部材との間に配置された拡大部材であって、光源から発射された光は紡糸口金の各検査対象細孔を通過して拡大部材により拡大された後、イメージング部材上に紡糸口金投画像を形成する、拡大部材と、を備える紡糸口金検査装置に用いられる紡糸口金検査方法であって、
イメージング部材上の紡糸口金投影画像を取得することと、
目標画像認識モデルを用いて紡糸口金投影画像を処理して、紡糸口金における各検査対象細孔の状態情報を得ることであって、目標画像認識モデルは上記の実施例におけるいずれか1つのトレーニング方法に基づいてトレーニングされたものである、ことと、
各検査対象細孔の状態情報に基づいて、紡糸口金の検査結果を決定することと、を含む。
【0006】
第3態様では、本開示は画像認識モデルのトレーニングデバイスを提供し、当該デバイスは、
第1画像認識モデルに基づいて紡糸口金サンプル画像を処理して、紡糸口金サンプル画像における各細孔のラベル状態情報を得る処理ユニットであって、ここで、紡糸口金サンプル画像は光源から発射された光が紡糸口金サンプルの各細孔を順次通過して拡大部材によって拡大された後、イメージング部材上に形成された投影画像であり、各細孔のラベル状態情報は対応する各細孔の形状状態を表すために用いられる、処理ユニットと、
紡糸口金サンプル画像及び各細孔のラベル状態情報に基づいて、予め設定された画像認識モデルをトレーニングして目標画像認識モデルを得るトレーニングユニットであって、目標画像認識モデルは紡糸口金投影画像を処理して紡糸口金における各細孔の状態情報を得るために用いられる、トレーニングユニットと、を備える。
【0007】
第4態様では、本開示は紡糸口金検査デバイスを提供し、当該デバイスは、
紡糸口金を把持する把持部材と、把持部材の両側にそれぞれ配置された光源及びイメージング部材と、イメージング部材と把持部材との間に配置された拡大部材であって、光源から発射された光は紡糸口金の各検査対象細孔を通過して拡大部材により拡大された後、イメージング部材上に紡糸口金投画像を形成する、拡大部材と、を備える紡糸口金検査装置に用いられる紡糸口金検査デバイスであって、
イメージング部材上の紡糸口金投影画像を取得するための取得ユニットと、
目標画像認識モデルを用いて紡糸口金投影画像を処理して、紡糸口金における各検査対象細孔の状態情報を得るための予測ユニットであって、目標画像認識モデルは上記のいずれか1つのトレーニング方法に基づいてトレーニングされたものである、予測ユニットと、
各検査対象細孔の状態情報に基づいて、紡糸口金の検査結果を決定するための決定ユニットと、を備える。
【0008】
第5態様では、本開示は電子デバイスを提供し、当該デバイスは、
少なくとも1つのプロセッサと、
該少なくとも1つのプロセッサと通信接続されるメモリと、を備え、
該メモリには、該少なくとも1つのプロセッサで実行可能な命令が記憶され、該命令は、該少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、本開示の実施例におけるいずれか1つの方法を実行させる。
【0009】
第6態様では、本開示の実施例におけるいずれか1つの方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータ命令を記憶した非一時的コンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【0010】
第7様態では、プログラムを提供し、該プログラムは、プロセッサにより実行されると、本開示の実施例におけるいずれか1つの方法を実現する。
【0011】
本開示の実施例に係る画像認識モデルのトレーニング方法、紡糸口金検査方法及びデバイスにより、紡糸口金の各検査対象細孔の状態情報を自動的に検査して紡糸口金の検査結果を決定することができ、人手による検査が不要となり、人手を減らし検査効率の向上を図ることができる。
【0012】
ここに記載された内容は、本開示の実施例のキーポイント又は重要な特徴を記述することを意図せず、また、本開示の範囲を制限することにも用いられないことを理解すべきである。本開示の他の特徴については、下記の明細書を通して理解を促す。
【図面の簡単な説明】
【0013】
添付図面において、別段の定めがない限り、複数の添付図面を通じて同一の図面符号は、同一または類似の構成部品または要素を示す。これらの添付図面は、必ずしも縮尺通りに描かれていない。これらの図面は、本開示により提供されるいくつかの実施例のみを示し、本開示の範囲を限定するものと見なされるべきではないことを理解すべきである。
【
図1】本開示の一実施例による紡糸口金検査装置の構成を示す概略図である。
【
図2】
図1における紡糸口金の構成を示す概略図である。
【
図3】本開示の他の実施例による画像認識モデルのトレーニング方法のフローチャート概略図である。
【
図4】本開示の一実施例による紡糸口金検査方法のフローチャート概略図である。
【
図5】本開示の一実施例による画像認識モデルのトレーニングデバイスを示す概略ブロック図である。
【
図6】本開示の他の実施例による紡糸口金検査デバイスを示す概略ブロック図である。
【
図7】本開示の実施例による画像認識モデルのトレーニング方法または紡糸口金検査方法を実現するための電子デバイスのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して本開示についてさらに詳細に説明する。添付図面において、同一の図面符号は、同一または類似の要素を表す。また、添付図面において、実施例の様々な態様が示されているが、別段説明がない限り、これらの添付図面は、必ずしも縮尺通りに描かれていない。
【0015】
さらに、本開示をよりよく説明するために、以下の具体的な実施形態にて多くの具体的な詳細を記載している。当業者は、いくつかの詳細がなくても本開示は同様に実施され得ることを理解すべきである。いくつかの実施例では、本開示の主旨が明瞭となるように、当業者によく知られている方法、手段、構成要素、及び回路などは詳細に説明していない。
【0016】
関連技術では、紡糸口金の検査は人手で行う必要があり、作業員は紡糸口金上の各細孔に詰まりやひび割れがないかなどの問題を検査する必要があるが、紡糸口金上の細孔の数が多く、細孔のサイズが比較的に小さいため、紡糸口金の検査に手間がかかる。
【0017】
上記課題の少なくとも1つを解決するために、本開示の実施例では、画像認識モデルのトレーニング方法、紡糸口金検査方法、画像認識モデルのトレーニングデバイス、紡糸口金検査デバイス、電子デバイス及びプログラムを提供し、第1画像認識モデルに基づいて紡糸口金サンプル画像を処理して、紡糸口金サンプル画像における各細孔のラベル状態情報を得、ここで、紡糸口金サンプル画像は光源から発射された光が紡糸口金サンプル及び拡大部材を順次通過した後、イメージング部材上に形成された投影画像であり、各細孔のラベル状態情報は対応する各細孔の形状状態を表すために用いられる。紡糸口金サンプル画像及び各細孔のラベル状態情報に基づいて、予め設定された画像認識モデルをトレーニングして目標画像認識モデルを得、目標画像認識モデルは糸口金投影画像を処理して紡糸口金における各細孔の状態情報を得るために用いられる。目標画像認識モデルを用いることで紡糸口金の各細孔の状態情報を自動的に検査することができるため、紡糸口金の検査結果を決定することができ、人手による検査が不要となり、人手を減らし検査効率の向上を図ることができる。
【0018】
以下、本開示の実施例について、添付図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1は、本開示の一実施例による紡糸口金検査装置の構成を示す概略図である。
図2は
図1における紡糸口金の構成を示す概略図である。
【0020】
図1及び
図2を参照すると、本開示の実施例は、把持部材110と、光源120と、イメージング部材130と、拡大部材140と、を備える紡糸口金検査装置を提供し、把持部材110は紡糸口金200を把持することに用いられ、光源120及びイメージング部材130は把持部材110の両側にそれぞれ配置され、拡大部材140はイメージング部材130と把持部材110との間に配置され、光源120から発射された光が紡糸口金200の各検査対象細孔210を通過して拡大部材140により拡大された後、イメージング部材130上に紡糸口金投画像を形成することができる。
【0021】
なお、紡糸口金200は、細孔と略称される複数の微小の孔を有していてもよく、検査対象紡糸口金の細孔は検査対象細孔210と称され、検査対象細孔210の形状は、円形、三角形、米字形、一文字状、毛虫形等の様々な形状であってもよい。
【0022】
紡糸製造プロセスにおいて、紡糸口金は、粘度のある流動状態の高分子溶融物または高分子溶液を、細孔を介して特定の断面形状を有する細流に変換し、凝固媒体または凝固浴を経て凝固させて糸条を形成する。溶融物中に存在する機械的不純物、ゲル、炭素繊維、熱亀裂などの微粒子は紡糸口金の細孔を塞ぐ(細孔の形状が不規則で、面積が縮小する)傾向があり、あるいは細孔のひび割れ(細孔の形状が不規則で、面積が拡大する)などの問題をもたらし、これらの問題は細孔の形状を変化させ、さらに形成される繊維フィラメントの品質に影響を及ぼす。
【0023】
本開示の実施例の解決策に係る繊維フィラメントの主要なタイプは、プレ配向フィラメント(Partially Oriented Yarns、POY)、フルドラフトフィラメント(Fully Drawn Yarns、FDY)、ポリエステル短繊維(Polyester Staple Fiber)等の1つ以上を含むことができる。フィラメントの種類としては、例えば、ポリエステルプレ配向糸(Polyester Partially Oriented Yarns)、ポリエステルフルドラフト糸(Polyester Fully Drawn Yarns)、ポリエステルドラフト糸(Polyester Drawn Yarns)、ポリエステル短繊維(Polyester Staple Fiber)などが具体的に挙げられる。
【0024】
紡糸口金検査装置の把持部材110は、紡糸口金を把持または固定するために用いられることができ、これは、グリップのような構造であってもよい。
【0025】
光源120は、光ビームを発射することができる構造であり、例えば、発光ダイオードなどであってもよく、いくつかの実施例では、光源120は平行光を発射することができ、光源の直径は紡糸口金の直径よりも大きく、両者の中心線は重なっていてもよい。
【0026】
拡大部材140は、光信号の増幅を可能にする一般的な装置、例えば凸レンズのような構造であってもよい。
【0027】
イメージング部材130は、幕等の画像を呈することが可能な構造等であってもよく、光源から発射された光の軸線に対して垂直であってもよい。
【0028】
光源120から発射された光は、紡糸口金200を透過することができ、紡糸口金200の検査対象細孔210を透過してイメージングビームを形成することができ、イメージングビームは、拡大部材140を通過して拡大された後、イメージング部材130に照射されてイメージングされることにより、各検査対象細孔の形状がイメージング部材130に拡大投影されて呈されることが理解され得る。紡糸口金検査装置を通じて紡糸口金サンプルを検査する際に、イメージング部材130上の投影画像を紡糸口金サンプル画像とすることができ、予め設定された画像認識モデルをトレーニングすることにより、紡糸口金における各検査対象細孔の状態情報を正確に出力することができる目標画像認識モデルを得ることができる。
【0029】
以下、画像認識モデルのトレーニング方法について説明する。
図3は、本開示の他の実施例による画像認識モデルのトレーニング方法のフローチャート概略図である。
図3を参照すると、本開示の実施例は、以下のステップS301からステップS302を含む画像認識モデルのトレーニング方法300をさらに提供する。
【0030】
ステップS301では、第1画像認識モデルに基づいて紡糸口金サンプル画像を処理して、紡糸口金サンプル画像における各細孔のラベル状態情報を得、ここで、紡糸口金サンプル画像は光源から発射された光が紡糸口金サンプルの各細孔を通過して拡大部材によって拡大された後、イメージング部材上に形成された投影画像であり、各細孔のラベル状態情報は対応する各細孔の形状状態を表すために用いられる。
【0031】
ステップS302では、紡糸口金サンプル画像及び各細孔のラベル状態情報に基づいて、予め設定された画像認識モデルをトレーニングして目標画像認識モデルを得、目標画像認識モデルは紡糸口金投影画像を処理して紡糸口金における各細孔の状態情報を得るために用いられる。
【0032】
紡糸口金サンプル画像は、上記紡糸口金検査デバイスを通過して得られた紡糸口金投影画像であってもよく、この投影画像には紡糸口金サンプルにおける各細孔の形状が含まれており、一般に細孔のサイズが小さいため、紡糸口金画像をそのままサンプル画像として利用すると、サンプルの品質が悪く、最終的なトレーニングして得られるモデルの精度に影響を与えやすい。一方、本実施例では、紡糸口金投影画像を拡大部材で拡大しているため、サンプルの品質を向上させることができ、目標画像認識モデルの精度を向上させることができる。
【0033】
第1画像認識モデルは、画像認識、物体検出または画像分割モデルであってもよく、例えば、セグメント・エニシング・モデル(Segment Anything,SA)であってもよく、あるいはYOLOv8モデル(you only look once version 8,見るのは一度だけバージョン8)などであってもよい。これらのモデルを利用すると画像における細孔及び細孔のラベル状態情報を比較的迅速に識別することができ、この細孔のラベル状態情報は細孔の形状状態を表すのに用いることができ、円形細孔を例にすると、そのラベル状態情報は正円形であり、詰まり或いは割れた細孔を例にすると、そのラベル状態情報は非正円形であることができる。もちろん、細孔は他の形状であってもよく、これによって類推することができる。
【0034】
第1画像認識モデルは関連技術においてトレーニング済みモデルであり、細孔のラベル状態情報を比較的正確に得ることができることが理解され得る。
【0035】
ステップS301では、紡糸口金サンプル画像を第1画像認識モデルに入力して、各細孔のラベル状態情報を得ることができる。
【0036】
第1画像認識モデルにより、紡糸口金サンプル画像における各細孔のラベル状態情報を人手によるラベル付けなしで迅速に得ることができる。
【0037】
ステップS302では、紡糸口金サンプル画像とラベル状態情報を用いて予め設定された画像認識モデルをトレーニングし、トレーニングされた画像認識モデル、即ち目標画像認識モデルを得ることができる。
【0038】
目標画像認識モデルは、紡糸口金検査装置を用いて得られた紡糸口金投影画像を処理することに用いられることができ、これにより各細孔の状態情報を得、さらに、この紡糸口金の合否を検査することができ、このプロセスでは人手による検査が不要であり、手間と時間が省け、検査効率及び精確性がより高いことが理解され得る。
【0039】
いくつかの実施例では、ステップS301において、第1画像認識モデルに基づいて紡糸口金サンプル画像を処理して、紡糸口金サンプル画像における各細孔のラベル状態情報を得ることは、
紡糸口金サンプル画像を第1画像認識モデルにおける第1サブモデルに入力して、各細孔の第1情報セットを得ることであって、第1情報セットは各細孔の第1状態情報と、各細孔の第1位置情報と、各細孔の第1状態情報に対応する第1信頼度とを含む、ことと、
紡糸口金サンプル画像を第1画像認識モデルにおける第2サブモデルに入力して、各細孔の第2情報セットを得ることであって、第2情報セットは各細孔の第2状態情報と、各細孔の第2位置情報と、各細孔の第2状態情報に対応する第2信頼度とを含む、ことと、
第1情報セットと第2情報セットとに基づいて、各細孔のラベル状態情報を決定する、ことと、を含む。
【0040】
本実施例では、第1画像認識モデルは、第1サブモデルと第2サブモデルのような2つのサブモデルを含むことができ、両者は異なるモデルであってもよい。
【0041】
第1サブモデルを用いて紡糸口金サンプル画像を処理することにより、第1情報セットを得ることができ、この第1情報セットは、各細孔の第1状態情報と、第1位置情報と、第1信頼度とを含むことができる。
【0042】
ここで、第1状態情報は、この細孔の形状状態を表すために用いられ、第1位置情報は、即ち紡糸口金サンプル画像におけるこの細孔の位置であり、紡糸口金における細孔の数が多いため、第1位置情報によって各細孔を識別することができると理解され得る。第1信頼度は、第1状態情報の確率であり、第1状態情報が正円形である場合、第1信頼度はその正円形の確率である。
【0043】
同様に、第2サブモデルを用いて紡糸口金サンプル画像を処理することにより、第2情報セットを得ることができ、この第2情報セットは、各細孔の第2状態情報と、第2位置情報と、第2信頼度とを含むことができる。
【0044】
ここで、第2状態情報は、この細孔の形状状態を表すために用いられ、第2位置情報は、即ち紡糸口金サンプル画像における細孔の位置であり、紡糸口金における細孔の数が多いため、第2位置情報によって各細孔を識別することができると理解され得る。第2信頼度は、第2状態情報の確率であり、第2状態情報が正円形である場合、第2信頼度はその正円形の確率である。
【0045】
第1情報セットと第2情報セットとにより、各細孔のラベル状態情報を得ることができる。
【0046】
異なるモデルを通して紡糸口金サンプル画像を認識し、両者の結果を総合して各細孔のラベル状態情報を得ることで、ラベル状態情報の精確性を高め、サンプル品質を向上させることができると理解され得る。
【0047】
一実施例では、第1サブモデルは、例えば、セグメント・エニシング・モデルとすることができ、第1情報セットのより高い精確性を得ることができ、第2サブモデルは、例えば、YOLOv8モデルとすることができ、第2情報セットをより迅速に得ることができる。
【0048】
他の実施例では、第1画像認識モデルは、人工的にラベリングされたサンプルを用いてトレーニングされた、細孔のラベル状態情報を出力することができるモデルであってもよい。
【0049】
いくつかの実施例では、第1情報セットと第2情報セットとに基づいて、各細孔のラベル状態情報を決定することは、
第1情報セットにおける第1位置情報と、第2情報セットにおける第2位置情報とに基づいて、各細孔の状態情報サブセットを決定することであって、状態情報サブセットは同じ細孔の第1状態情報と第2状態情報とを含む、ことと、
各細孔における第1細孔の状態情報サブセットについて、第1細孔の第1状態情報が第1細孔の第2状態情報とマッチしない場合に、第1状態情報に対応する第1信頼度と、第2状態情報に対応する第2信頼度とに基づいて、第1細孔の総合信頼度を決定することと、
第1細孔の総合信頼度及び信頼度閾値に基づいて、第1細孔のラベル化状態情報を決定することと、
少なくとも第1細孔のラベル状態情報に基づいて、各細孔のラベル状態情報を決定することと、を含む。
【0050】
第1サブモデルと第2サブモデルは、ともに紡糸口金サンプル画像を処理しているため、両者から得られる位置情報は同一の座標系に位置することができると理解され得る。
【0051】
細孔の第1位置情報と細孔の第2位置情報とをマッチさせることにより、2つの細孔が同じ細孔に属するか否かを判定することができ、両者が同じ細孔に属する場合、この細孔の第1状態情報と第2状態情報とをこの細孔の状態情報サブセットに加えることを決定することができ、これにより、各細孔に1つの状態情報サブセットを決定することができる。
【0052】
また、各細孔における第1細孔を例に挙げ、この第1細孔の状態情報サブセットにおいて、第1細孔における第1状態情報と第2状態情報とがマッチしている場合(両者の意味が同一である)、この第1状態情報を第1細孔のラベル状態情報とする。 第1細孔における第1状態情報と第2状態情報とがマッチしない場合(一方が正円形で他方が非正円形であるなど、両者の意味が異なる)、第1細孔の第1信頼度と第2信頼度とを取得し、第1信頼度と第2信頼度とから第1細孔の総合信頼度を決定することができる。
【0053】
例えば、第1信頼度はこの第1細孔が正円形である確率が85%であることを示し、第2信頼度はこの第1細孔が非正円形である確率が65%であることを示し、1-65%=35%を利用して、第1細孔が正円形である確率が35%であることを得ることができ、85%と35%とに基づいて、累乗足し算の方式により第1細孔の総合信頼度を得ることができ、総合信頼度はこの第1細孔が正円形である総合的な確率を決定することができ、この方式は総合的に各信頼度を考慮し、得られる総合信頼度は比較的正確である。次いで、統合信頼度閾値と信頼度閾値とを比較して、この第1細孔の最終状態情報、即ちラベル状態情報を決定する。
【0054】
上記の処理を各細孔に対して行うことにより、各細孔のラベル状態情報を得ることができる。本実施例では、第1状態情報と第2状態情報とがマッチしない場合、総合信頼度を決定することにより、より正確なラベル状態情報を得ることができ、サンプルの品質を向上させ、トレーニングされたモデルの精度を向上させるのに有利である。
【0055】
いくつかの実施例では、ステップS302において、紡糸口金サンプル画像及び各細孔のラベル状態情報に基づいて、予め設定された画像認識モデルをトレーニングして目標画像認識モデルを得ることは、
予め設定された画像認識モデルに基づいて、紡糸口金サンプル画像を処理して、各細孔の予測状態情報を得ることと、
各細孔の予測状態情報及び各細孔のラベル状態情報に基づいて、第1損失関数を決定することと、
第1損失関数に温度スカラーを加えて第2損失関数を得ることであって、温度スカラーは異なる形状状態の細孔間の差異に対する予め設定された画像検査モデルの敏感度を平衡させることと、
第2損失関数に基づいて、予め設定された画像認識モデルのパラメータを調整して、目標画像認識モデルを得ることと、を含む。
【0056】
本実施例では、予め設定された画像認識モデルに紡糸口金サンプル画像を入力することにより、各細孔の予測状態情報、即ち、各細孔の予測形状状態を得ることができる。
【0057】
そして各細孔の予測状態情報及びラベル状態情報に基づいて、第1損失関数を決定することができる。
【0058】
温度スカラーは、異なる形状カテゴリの細孔間の差異に対する予め設定された画像検査モデルの敏感度を平衡させるために、前記第1損失関数における温度パラメータを調整するために用いられ、分類及び認識の精度を向上させる。温度パラメータは、カテゴリ間の相対距離を制御するパラメータである。
【0059】
本実施例では、第1損失関数は、以下の公式を用いて実現することができる。
【数1】
ここで、loss
1(x,y)は第1損失関数を表し、x
iはi番目の紡糸口金サンプル画像の予測状態情報、即ちi番目の紡糸口金サンプル画像における各細孔の予測状態情報を表し、xは各紡糸口金サンプル画像における各細孔の予測状態情報のセットを表し、x={x
1,x
2,・・・,x
N}である。y
iはi番目の紡糸口金サンプル画像におけるラベル状態情報、即ちi番目の紡糸口金サンプル画像における各細孔のラベル状態情報を表し、yは各紡糸口金サンプル画像における各細孔のラベル状態情報のセットを表し、y={y
1,y
2,・・・,y
N}であり、f(x
i,y
i)はi番目の紡糸口金サンプル画像における予測状態情報の信頼度を表し、f(x
i,y)はi番目の金サンプル画像におけるラベル状態情報の信頼度を表し、Nは紡糸口金サンプル画像数を表し、iは1以上N以下の正の整数である。
【0060】
温度スカラーwを第1損失関数loss
1(x,y)に加える、即ち、温度スカラーwを第2損失関数における調整可能な変数として第2損失関数に加え、得られた第2損失関数loss
2(x,y,w)は、以下の公式を用いて実現することができる。
【数2】
【0061】
上記実施例の第2損失関数により、予め設定された画像認識モデルのパラメータを調整して目標損失関数を得ることができる。温度スカラーは損失関数の柔軟性を高め、モデルのパフォーマンスをさらに向上するのに有利である。
【0062】
いくつかの実施例では、第1損失関数に温度スカラーを加えて第2損失関数を得ることは、
温度スカラーに基づいて、温度スカラーの時間に伴う変化関係を表すための動的温度関数を決定することと、
第1損失関数に動的温度関数を加えて第2損失関数を得ることと、を含む。
【0063】
本実施例では、温度スカラーwによって、動的温度関数f
w(t)を導入することもでき、
【数3】
ここで、w=(a,b,c)は多項式係数の係数セットであり、a,b,cは多項式の係数であり、tは時間と正の相関を有する正規化微調整反復指標を表し、0以上1以下であることができる。
【0064】
動的温度関数を第1損失関数に加え、得られる第2損失関数loss
2(x,y,w)は以下のようになる。
【数4】
【0065】
ここで、δ(yi)はyi対応の分類スケーリング係数であり、δ(y)はy対応の分類スケーリング係数である。
【0066】
温度は時間とともに上昇または下降することができるので、動的温度関数を有する第2損失関数は、予測分布をより滑らかにまたはよりシャープにすることができ、第2損失関数の収束を容易にすることができる。
【0067】
いくつかの実施例では、各細孔の予測状態情報及び各細孔のラベル状態情報に基づいて、第1損失関数を決定することは、各細孔の予測状態情報と、各細孔のラベル状態情報と、第1画像認識モデルの損失関数とに基づいて、第1損失関数を決定することを含む。
【0068】
本実施例では、第1画像認識モデルの損失関数と結びつけて第1損失関数を得ることもでき、例えば、第1画像認識モデルの損失関数を第1損失関数の1つの参照項として用いることにより、第1画像認識モデルを参照することと結びつけて、第1損失関数を得ることができ、損失関数の決定プロセスを簡略化することができる。
【0069】
図4は、本開示の一実施例による紡糸口金検査方法のフローチャート概略図である、
図1、
図2及び
図4を参照して、本開示の実施例は、紡糸口金200を把持する把持部材110と、把持部材110の両側にそれぞれ配置された光源120及びイメージング部材130と、イメージング部材130と把持部材110との間に配置された拡大部材140であって、光源120から発射された光は紡糸口金200の各検査対象細孔210を通過して拡大部材140により拡大された後、イメージング部材130上に紡糸口金投画像を形成する、拡大部材140と、を備える紡糸口金検査装置に用いられる紡糸口金検査方法400を提供する。方法400は、ステップS401~ステップS403を含む。
【0070】
ステップS401では、イメージング部材上の紡糸口金投影画像を取得する。
【0071】
ステップS402では、目標画像認識モデルを用いて紡糸口金投影画像を処理して、紡糸口金における各検査対象細孔の状態情報を得、目標画像認識モデルは上記のいずれかのトレーニング方法に基づいてトレーニングされたものである。
【0072】
ステップS403では、各検査対象細孔の状態情報に基づいて、紡糸口金の検査結果を決定する。
【0073】
紡糸口金検査デバイスの構成については、上記実施例の説明を参照することができるため、繰り返し説明しないが、ステップS401では、紡糸口金検査デバイスにおけるカメラ等の撮像部品によりイメージング部材上の投影画像を撮像し、紡糸口金投影画像を得ることができる。
【0074】
次に、上記トレーニング方法を用いてトレーニングされた目標画像認識モデルを用いて、紡糸口金投影画像を処理することができ、紡糸口金における各検査対象細孔の状態情報、即ち各検査対象細孔の形状状態を出力することができる。
【0075】
ステップS403では、各検査対象細孔の状態情報に基づいて、紡糸口金の検査結果を得ることができる。
【0076】
本実施例の検査方法では、目標画像認識モデルを用いて、紡糸口金投影画像を処理することにより、各検査対象細孔の状態情報を得ることができ、さらに、この紡糸口金の合否を検査することができ、人手による検査が不要であり、手間が省け、検査効率及び精確性がより高いことを理解することができる。
【0077】
いくつかの実施例では、ステップS403において、各検査対象細孔の状態情報に基づいて、紡糸口金の検査結果を決定することは、
各検査対象細孔の状態情報に基づいて、状態情報が予め設定された状態とマッチしている検査対象細孔の数が検査対象細孔の総数に占める割合である、細孔合格率を決定することと、
細孔合格率及び合格率閾値に基づいて、紡糸口金の検査結果を決定することと、を含む。
【0078】
予め設定された状態は、検査対象細孔の標準的な状態、即ち、詰まりおひび割れもしていない検査対象細孔の形状であってもよい。各検査対象細孔の状態情報から、予め設定された状態にマッチする検査対象細孔の数、即ち形状に変化が生じていない検査対象細孔の数を決定することができる。この数を検査対象細孔の総数で割ることにより、細孔の合格率を求めることができる。
【0079】
合格率閾値は、1や0.98など、実際の状況に応じて設定することができ、具体的には状況に応じて設定することができる。合格率の閾値が1であれば、全ての検査対象細孔に形状変化が生じていないを表し、その紡糸口金が合格であることを表し、それ以外は、その紡糸口金が不合格製品であることを表し、洗浄または交換が必要であることを示している。
【0080】
いくつかの実施例では、方法400は、検査結果が予め設定された合格条件を満たす場合に、合格紡糸口金を載置する第1領域に紡糸口金を移動するように、紡糸口金検査装置におけるロボットアームを制御することをさらに含む。
【0081】
図1を参照すると、紡糸口金検査装置にはロボットアーム150が設けられていてもよく、ロボットアーム150は自由度の高い移動を可能にする一般的な構造であってもよい。
【0082】
検査結果が予め設定された合格条件を満たしている場合、細孔合格率が合格率閾値以上であってもよい。この条件のもとで、ロボットアーム150により、合格紡糸口金の保管領域となり得る第1領域に搬送することもできる。
【0083】
ロボットアームによる紡糸口金の搬送により、紡糸口金検査を実現しつつ、紡糸口金の仕分けを行うことができ、さらに人件費を簡略にすることができる。
【0084】
いくつかの実施例では、方法400は、
検査結果が予め設定された合格条件を満たさない場合には、不合格紡糸口金を載置する第2領域に紡糸口金を移すように、紡糸口金検査装置におけるロボットアームを制御ことと、
紡糸口金が不合格であることを表す第1通知を送信することであって、第1通知は紡糸口金番号を含むことと、をさらに含む。
【0085】
検査結果が予め設定された合格条件を満たさない場合に、ロボットアーム150により紡糸口金を、不合格紡糸口金の保管領域となる第2領域に搬送することができるので、作業者がその部分の清掃等を適時に行うことが容易となる。
【0086】
また、第2領域への搬送中に第1通知を作業者に送信して、第2領域に不合格紡糸口金が存在することを通知することができ、さらに、第1通知において紡糸口金の番号等の情報を含むようにしてもよく、これにより、紡糸口金の管理を容易にすることができる。
【0087】
いくつかの実施例では、
図1を参照して、紡糸口金検査装置は、イメージング部材130の軸線の両側にそれぞれ配置された第1撮像素子161及び第2撮像素子162を備える。
【0088】
ステップS401では、イメージング部材上の紡糸口金投影画像を取得することは、
イメージング部材上の第1投影画像を撮像するように、第1撮像素子を制御することと、
イメージング部材上の第2投影画像を撮像するように第2撮像素子を制御することであって、第1投影画像と第2投影画像とは同じ紡糸口金投影画像である、ことと、
第1投影画像と第2投影画像とに基づいて、紡糸口金投影画像を決定することと、を含む。
【0089】
本実施例では、紡糸口金検査装置は、イメージング部材130の左右両側にそれぞれ配置された2つの撮像素子を備え、イメージング部材130上の紡糸口金の投影像を異なる角度から撮像することができるようにしてもよい。
【0090】
イメージング部材上の紡糸口金投影画像を取得することは、イメージング部材上の第1投影画像を第1撮像素子により取得し、イメージング部材上の第2投影画像を第2撮像素子により取得することができる。第1投影画像と第2投影画像は、同じ紡糸口金に対して異なる角度の投影画像を撮像したものである。
【0091】
そして、第1投影像と第2投影像とに基づいて紡糸口金投画像を得ることができるので、異なる角度の投影像に基づいて紡糸口金投画像の精度を向上させることができる。
【0092】
いくつかの実施例では、第1投影画像及び第2投影画像に基づいて、紡糸口金投影画像を決定することは、
第1投影画像に透視補正を施して第1補正画像を得ることと、
第2投影画像に透視補正を施して第2補正画像を得ることと、
第1矯正画像と第2矯正画像とを融合して紡糸口金投影画像を得ることと、を含む。
【0093】
第1投影画像及び第2投影画像は、それぞれイメージング部材の軸線の両側に位置しているため、画角によって一定の変形が生じることがあるため、第1補正画像及び第2補正画像を得るために、先に透視補正により投影画像をそれぞれ処理することが理解されうる。第1補正画像と第2補正画像とは、イメージング部材130上の紡糸口金の正投影画像と同じ画角であってもよい。
【0094】
次に、第1補正画像と第2補正画像とを、両者が呈する投影のエッジを重ね合わせるなどして融合させることができ、紡糸口金投影画像の鮮明度や精度を向上させることができ、検査結果の精度を向上させることに役立つ。
【0095】
図5は本開示の一実施例による画像認識モデルのトレーニングデバイスを示す概略ブロック図である。
図5を参照し、本開示の実施例により提供される画像認識モデルのトレーニングデバイス500は、
第1画像認識モデルに基づいて紡糸口金サンプル画像を処理して、紡糸口金サンプル画像における各細孔のラベル状態情報を得る処理ユニット501であって、ここで、紡糸口金サンプル画像は光源から発射された光が紡糸口金サンプルの各細孔を順次通過して拡大部材によって拡大された後、イメージング部材上に形成された投影画像であり、各細孔のラベル状態情報は対応する各細孔の形状状態を表すために用いられる、処理ユニット501と、
紡糸口金サンプル画像及び各細孔のラベル状態情報に基づいて、予め設定された画像認識モデルをトレーニングして目標画像認識モデルを得るトレーニングユニット502であって、目標画像認識モデルは紡糸口金投影画像を処理して紡糸口金における各細孔の状態情報を得るために用いられる、トレーニングユニット502と、を備える。
【0096】
いくつかの実施例では、処理ユニット501はさらに、
紡糸口金サンプル画像を第1画像認識モデルにおける第1サブモデルに入力して、各細孔の第1情報セットを得ることであって、第1情報セットは各細孔の第1状態情報と、各細孔の第1位置情報と、各細孔の第1状態情報に対応する第1信頼度とを含む、ことと、
紡糸口金サンプル画像を第1画像認識モデルにおける第2サブモデルに入力して、各細孔の第2情報セットを得ることであって、第2情報セットは各細孔の第2状態情報と、各細孔の第2位置情報と、各細孔の第2状態情報に対応する第2信頼度とを含む、ことと、
第1情報セットと第2情報セットとに基づいて、各細孔のラベル状態情報を決定することと、に用いられる。
【0097】
いくつかの実施例では、処理ユニット501はさらに、
第1情報セットにおける第1位置情報と、第2情報セットにおける第2位置情報とに基づいて、各細孔の状態情報サブセットを決定することと、状態情報サブセットは同じ細孔の第1状態情報と第2状態情報とを含む、ことと、
各細孔における第1細孔の状態情報サブセットについて、第1細孔の第1状態情報と、第1細孔の第2状態情報とがマッチしない場合に、第1状態情報に対応する第1信頼度と、第2状態情報に対応する第2信頼度とに基づいて、第1細孔の総合信頼度を決定することと、
第1細孔の総合信頼度及び信頼度閾値に基づいて、第1細孔のラベル状態情報を決定することと、
少なくとも第1細孔のラベル状態情報に基づいて、各細孔のラベル状態情報を決定することと、に用いられる。
【0098】
いくつかの実施例では、トレーニングユニット502はさらに、
予め設定された画像認識モデルに基づいて、紡糸口金サンプル画像を処理して、各細孔の予測状態情報を得ることと、
各細孔の予測状態情報及び各細孔のラベル状態情報に基づいて、第1損失関数を決定することと、
第1損失関数に温度スカラーを加えて第2損失関数を得ることであって、温度スカラーは異なる形状状態の細孔間の差異に対する予め設定された画像検査モデルの敏感度を平衡させることと、
第2損失関数に基づいて、予め設定された画像認識モデルのパラメータを調整して、目標画像認識モデルを得ることと、に用いられる。
【0099】
いくつかの実施例では、トレーニングユニット502はさらに、
温度スカラーに基づいて、温度スカラーの時間に伴う変化関係を表すための動的温度関数を決定することと、
第1損失関数に動的温度関数を加えて第2損失関数を得ることと、に用いられる。
いくつかの実施例では、トレーニングユニット502はさらに、
各細孔の予測状態情報と、各細孔のラベル状態情報と、第1画像認識モデルの損失関数とに基づいて、第1損失関数を決定することに用いられる。
【0100】
図6は本開示の他の実施例による紡糸口金検査デバイスを示す概略ブロック図である。
図6を参照し、本開示の実施例により提供される紡糸口金検査デバイス600は、紡糸口金を把持する把持部材110と、把持部材110の両側にそれぞれ配置された光源120及びイメージング部材130と、イメージング部材130と把持部材110との間に配置された拡大部材140であって、光源120から発射された光は紡糸口金200の各検査対象細孔210を通過して拡大部材140により拡大された後、イメージング部材130上に紡糸口金投画像を形成する、拡大部材140と、を備える紡糸口金検査装置に用いられる紡糸口金検査デバイス600であって、
イメージング部材上の紡糸口金投影画像を取得するための取得ユニット601と、
目標画像認識モデルを用いて紡糸口金投影画像を処理して、紡糸口金における各検査対象細孔の状態情報を得るための予測ユニットであって、目標画像認識モデルは上記の実施例におけるいずれか1つのトレーニング方法に基づいてトレーニングされたものである、予測ユニット602と、
各検査対象細孔の状態情報に基づいて、紡糸口金の検査結果を決定するための決定ユニット603と、を備える。
【0101】
いくつかの実施例では、決定ユニット603はさらに、
検査結果が予め設定された合格条件を満たす場合に、合格紡糸口金を載置する第1領域に紡糸口金を移すように、紡糸口金検査装置におけるロボットアームを制御することに用いられる。
【0102】
いくつかの実施例では、決定ユニット603はさらに、
検査結果が予め設定された合格条件を満たさない場合に、不合格紡糸口金を載置する第2領域に紡糸口金を移すように、紡糸口金検査装置におけるロボットアームを制御することと、
紡糸口金が不合格であることを表す第1通知を送信することであって、第1通知は紡糸口金の番号を含む、ことと、に用いられる。
【0103】
いくつかの実施例では、紡糸口金検査装置は、イメージング部材の軸線の両側にそれぞれ配置された第1撮像素子及び第2撮像素子を備え、
取得ユニット601はさらに、
イメージング部材上の第1投影画像を撮像するように、第1撮像素子を制御することと、
イメージング部材上の第2投影画像を撮像するように、第2撮像素子を制御することであって、第1投影画像と第2投影画像は同じ紡糸口金投影画像である、ことと、
第1投影画像と第2投影画像とに基づいて、紡糸口金投影画像を決定することと、に用いられる。
【0104】
いくつかの実施例では、取得ユニット601はさらに、
第1投影画像に透視補正を施して第1補正画像を得ることと、
第2投影画像に透視補正を施して第2補正画像を得ることと、
第1補正画像と第2補正画像とを融合して紡糸口金投影画像を得ることと、に用いられる。
【0105】
いくつかの実施例では、決定ユニット603はさらに、
各検査対象細孔の状態情報に基づいて、状態情報が予め設定された状態とマッチしている検査対象細孔の数が検査対象細孔の総数に占める割合である、細孔合格率を決定することと、
細孔合格率及び合格率閾値に基づいて、紡糸口金の検査結果を決定することと、に用いられる。
【0106】
本開示の実施例における装置の各モジュール、サブモジュールの具体的な機能及び例示的な説明は、上記方法の実施例における対応するステップの関連説明を参照することができ、ここでは繰り返し述べない。
【0107】
本開示の実施例により提供される電子デバイスは、
少なくとも1つのプロセッサと、
該少なくとも1つのプロセッサと通信接続されるメモリと、を備え、
該メモリには、該少なくとも1つのプロセッサで実行可能な命令が記憶され、該命令は、該少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、本開示の実施例におけるいずれか1つの方法を実行させる。
【0108】
本開示の実施例では、本開示の実施例におけるいずれか1つの方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータ命令を記憶した非一時的コンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【0109】
本開示の実施例では、プログラムを提供し、該プログラムは、プロセッサにより実行されると、本開示の実施例におけるいずれか1つの方法を実現する。
【0110】
図7は本開示の一実施例による電子デバイスの構造ブロック図である。
図7に示すように、該電子デバイスはメモリ710とプロセッサ720とを含み、メモリ710にはプロセッサ720で実行可能なコンピュータプログラムが記憶される。メモリ710及びプロセッサ720の数は、1つ又は複数であり得る。メモリ710は、1つ又は複数のコンピュータプログラムを記憶することができ、該1つ又は複数のコンピュータプログラムは、該電子デバイスによって実行されると、該電子デバイスに上記の方法の実施例により提供される方法を実行させる。該電子デバイスはさらに以下を含むことができる。通信インターフェース730は、外部デバイスと通信し、データのインタラクション・伝送を行うことに用いられる。
【0111】
メモリ710、プロセッサ720、及び通信インターフェース730が独立して実装される場合、メモリ710、プロセッサ720、及び通信インターフェース730は、バスを介して互いに接続され、相互間の通信を行うことができる。該バスは、ISA(Industry Standard Architecture)バス、PCI(Peripheral Component Interconnect)バス、又はEISA(Extended Industry Standard Architecture)バスなどであり得る。該バスは、アドレスバス、データバス、制御バスなどに分類することができる。説明を容易にするために、
図7に一本の太線のみで示すが、一本のバス又は一種類のバスのみを示すものではない。
【0112】
任意選択で、具体的な実装形態では、メモリ710、プロセッサ720、及び通信インターフェース730が1つのチップ上に集積される場合、メモリ710、プロセッサ720、及び通信インターフェース730は、内部インターフェースを介して相互間の通信を行うことができる。
【0113】
上記プロセッサは中央処理装置(Central Processing Unit,CPU)であってもよく、さらに他の汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processing,DSP)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit,ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array,FPGA)又は他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲート又はトランジスタロジックデバイス、ディスクリートハードウェアアセンブリ等であってもよいことを理解されたい。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサ又は任意の従来のプロセッサなどであり得る。なお、プロセッサは、Advanced RISC Machines(ARM)アーキテクチャをサポートするプロセッサであり得る。
【0114】
さらに、選択的に、上記メモリは読み出し専用メモリ及びランダムアクセスメモリを含んでもよく、さらに不揮発性ランダムアクセスメモリを含んでもよい。該メモリは、揮発性メモリ又は不揮発性メモリのいずれかであり得るか、あるいは揮発性メモリと不揮発性メモリの両方を含み得る。ここで、不揮発性メモリは、ROM(Read-Only Memory)、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、EEPROM(Electrically EPROM)、又はフラッシュメモリを含むことができる。揮発性メモリは、外部キャッシュとして機能するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory,RAM)を含むことができる。限定ではなく例として、多くの形態のRAMが利用可能である。例えば、スタティックランダムアクセスメモリ(Static RAM,SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(Dynamic Random Access Memory,DRAM)、シナリオクロナスDRAM(Synchronous DRAM,SDRAM)、ダブルデータレートSDRAM(Double Data Date SDRAM,DDR SDRAM)、エンハンストSDRAM(Enhanced SDRAM,ESDRAM)、シナリオクリンクDRAM(Synchlink DRAM,SLDRAM)及びダイレクトRAMBUSRAM(Direct RAMBUS RAM,DR RAM)である。
【0115】
上述の実施例では、全体的又は部分的に、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組合せで実装され得る。ソフトウェアで実装される場合に、全体又は一部はコンピュータプログラム製品の形態で実装され得る。コンピュータプログラム製品は、1つ又は複数のコンピュータ命令を含む。コンピュータ命令がロードされ、コンピュータ上で実行されると、本開示の実施例によるプロセス又は機能が全体的又は部分的に生成される。前記コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワーク、又は他のプログラム可能な装置であってもよい。前記コンピュータ命令は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよく、又は1つのコンピュータ可読記憶媒体から別のコンピュータ可読記憶媒体に送信されてもよく、例えば、前記コンピュータ命令は、有線(例えば、同軸ケーブル、光ファイバ、デジタル加入者線(Digital Subscriber Line,DSL))又は無線(例えば、赤外線、Bluetooth(登録商標)、マイクロ波等)を介して、1つのウェブサイトサイト、コンピュータ、サーバ、又はデータセンタから別のウェブサイトサイト、コンピュータ、サーバ、又はデータセンタに送信されてもよい。前記コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体、又は1つもしくは複数の利用可能な媒体と統合されたサーバ、データセンタなどを含むデータ記憶デバイスであり得る。前記使用可能な媒体は、磁気媒体(例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、磁気テープ)、光媒体(例えば、デジタル多用途ディスク(Digital Versatile Disc,DVD))、又は半導体媒体(例えば、ソリッドステートディスク(Solid State Disk,SSD))などであり得る。なお、本開示で言及されるコンピュータ可読記憶媒体は、不揮発性記憶媒体、言い換えれば、非一時的記憶媒体であり得る。
【0116】
当業者は上記実施例を実現する全部又は一部のステップがハードウェアによって実装されてもよく、プログラムによって関連するハードウェアに命令して実装されてもよく、前記プログラムはコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよく、上記記憶媒体は読み出し専用メモリ、磁気ディスク又は光ディスク等であってもよいことを理解することができる。
【0117】
本開示の実施例の説明において、参照用語「1つの実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体的な例」、又は「いくつかの例」等の説明は該実施例又は例に関連して説明された具体的な特徴、構造、材料又は特徴が本開示の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。且つ、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特徴はいずれか1つ又は複数の実施例又は例において適切な方式で組み合わせることができる。さらに、当業者は、本開示に記載された異なる実施形態又は例及び異なる実施形態又は例の特徴を、互いに矛盾しない範囲で組み合わせてもよい。
【0118】
本開示の実施例の説明において、「/」は、別段の説明がない限り、又はという意味を表し、例えば、A/Bは、A又はBのいずれかを表し得る。本開示における「及び/又は」は関連オブジェクトの関連関係を説明することに過ぎず、三種類の関係が存在してもよいことを示し、例えば、A及び/又はBは、以下を示すことができる。Aが単独で存在し、A及びBが同時に存在し、Bが単独で存在するという三種類の状況である。
【0119】
本開示の実施例の説明では、「第1」及び「第2」という用語は、説明の目的のみのために使用され、相対的な重要性を示す又は暗示するものと解釈されるべきではなく、示される技術的特徴の数を暗示するものと解釈されるべきではない。したがって、「第1」及び「第2」として定義される特徴は、明示的又は暗黙的に、そのような特徴のうちの1つ又は複数を含み得る。本開示の実施例の説明において、「複数」とは、別段の説明がない限り、2つ以上を意味する。
【0120】
以上は本開示の例示的な実施例に過ぎず、本開示を限定するものではなく、本開示の精神及び原則の範囲内で、行われた任意の修正、同等置換、改良等は、いずれも本開示の保護範囲内に含まれるべきである。
【要約】
【課題】画像認識モデルのトレーニング方法、紡糸口金検査方法、画像認識モデルのトレーニングデバイス、紡糸口金検査デバイス、電子デバイス及びプログラムを提供し、コンピュータ技術分野、特に画像認識、ディープラーニングの技術分野に関する。
【解決手段】該方法は具体的には、第1画像認識モデルに基づいて紡糸口金サンプル画像を処理して、紡糸口金サンプル画像における各細孔のラベル状態情報を得、ここで、紡糸口金サンプル画像は光源から発射された光が紡糸口金サンプルの各細孔を通過して拡大部材によって拡大された後、イメージング部材上に形成された投影画像であり、各細孔のラベル状態情報は対応する各細孔の形状状態を表すために用いられ、紡糸口金サンプル画像及び各細孔のラベル状態情報に基づいて、予め設定された画像認識モデルをトレーニングして目標画像認識モデルを得、目標画像認識モデルによって紡糸口金における各細孔の状態情報に対して自動的に検査することができ、これにより、紡糸口金の検査結果を決定することができ、人手を減らし検査効率の向上させることができる。
【選択図】
図3