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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-08
(45)【発行日】2024-08-19
(54)【発明の名称】撮像装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/146 20060101AFI20240809BHJP
   H04N 25/60 20230101ALI20240809BHJP
   H04N 25/70 20230101ALI20240809BHJP
【FI】
H01L27/146 E
H04N25/60
H04N25/70
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2019164328
(22)【出願日】2019-09-10
(65)【公開番号】P2020077848
(43)【公開日】2020-05-21
【審査請求日】2022-06-20
(31)【優先権主張番号】P 2018210096
(32)【優先日】2018-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004314
【氏名又は名称】弁理士法人青藍国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100107641
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 耕一
(74)【代理人】
【識別番号】100202201
【弁理士】
【氏名又は名称】兒島 淳一郎
(72)【発明者】
【氏名】磯野 俊介
(72)【発明者】
【氏名】百瀬 竜典
(72)【発明者】
【氏名】境田 良太
【審査官】加藤 俊哉
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/104177(WO,A1)
【文献】特開2016-197617(JP,A)
【文献】国際公開第2018/190126(WO,A1)
【文献】特開2015-002247(JP,A)
【文献】特開2008-263119(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/146
H04N 25/60
H04N 25/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1画素と、行方向に沿って前記第1画素に隣接する第2画素と、を含み、行列方向に配置された複数の画素と、
前記第1画素と前記第2画素との間に位置する部分を含むシールド電極と、
前記シールド電極から延びる第1シールドビアと、を備え、
前記第1画素は、
入射光を電荷に変換する第1光電変換層と、
前記第1光電変換層で生成した電荷を収集する第1画素電極と、
前記第1画素電極から延びる第1画素ビアと、
を含み、
前記第2画素は、
入射光を電荷に変換する第2光電変換層と、
前記第2光電変換層で生成した電荷を収集する第2画素電極と、
前記第2画素電極から延びる第2画素ビアと、
を含み、
前記シールド電極は、前記第1画素電極および前記第2画素電極とは電気的に分離されており、
前記第1シールドビアは、平面視において、前記第1画素電極と前記第2画素電極との間に位置し、
前記平面視において、前記第2画素ビアは、前記第1シールドビアに対して前記第1画素ビアと対称な位置にあ
前記シールド電極と前記第1光電変換層を含む光電変換膜との間に位置する絶縁部をさらに備え、
前記平面視において、前記絶縁部は、前記第1画素電極と離間している、
撮像装置。
【請求項2】
前記複数の画素は、列方向に沿って前記第1画素に隣接する第3画素を含み、
前記第3画素は、
入射光を電荷に変換する第3光電変換層と、
前記第3光電変換層で生成した電荷を収集する第3画素電極と、
を含み、
前記シールド電極から延び、前記平面視において、前記第1画素電極と前記第3画素電極との間に位置する第2シールドビアをさらに備える、
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記複数の画素は、前記列方向に沿って前記第2画素と隣接する第4画素を含み、
前記第4画素は、
入射光を電荷に変換する第4光電変換層と、
前記第4光電変換層で生成した電荷を収集する第4画素電極と、
を含み、
前記シールド電極から延び、前記平面視において、前記第1画素電極と前記第4画素電極との間に位置する第3シールドビアをさらに備える、
請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
さらに、第4シールドビアを備え、
前記シールド電極は、前記複数の画素を取り囲む格子を含み、
前記平面視において、前記第4シールドビアは、前記格子における辺と辺とが交わる部分から延びる、
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記平面視において、前記第1シールドビアは、前記第1画素ビアと前記第2画素ビアとの間に位置する、
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項6】
第1配線層をさらに備え、
前記第1シールドビアは、前記シールド電極から前記第1配線層まで延びている、
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記平面視において、前記絶縁部は、前記シールド電極と重ならない部分を含む、
請求項に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記絶縁部は、膜形状を有し、
前記膜形状の厚さは、10nm以上である、
請求項に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記絶縁部の下面と側面とのなす角度は90度より小さい、
請求項に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記絶縁部は、前記シールド電極を覆っている、
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項11】
第1画素と、行方向に沿って前記第1画素に隣接する第2画素と、を含み、行列方向に配置された複数の画素と、
前記第1画素と前記第2画素との間に位置する部分を含むシールド電極と、
前記シールド電極から延びる第1シールドビアと、
前記シールド電極から延びる第2シールドビアと、
を備え、
前記第1画素は、
入射光を電荷に変換する第1光電変換層と、
前記第1光電変換層で生成した電荷を収集する第1画素電極と、
前記第1画素電極から延びる第1画素ビアと、
を含み、
前記第2画素は、
入射光を電荷に変換する第2光電変換層と、
前記第2光電変換層で生成した電荷を収集する第2画素電極と、
を含み、
前記シールド電極は、前記第1画素電極および前記第2画素電極とは電気的に分離されており、
前記第1シールドビアは、平面視において、前記第1画素電極と前記第2画素電極との間に位置し、
前記平面視において、前記第2シールドビアは、前記第1画素ビアに対して前記第1シールドビアと対称な位置にあ
前記シールド電極と前記第1光電変換層を含む光電変換膜との間に位置する絶縁部をさらに備え、
前記平面視において、前記絶縁部は、前記第1画素電極と離間している、
撮像装置。
【請求項12】
第1画素と、行方向に沿って前記第1画素に隣接する第2画素と、列方向に沿って前記第2画素に隣接する第4画素と、を含み、行列方向に配置された複数の画素と、
前記第1画素と前記第4画素との間に位置する部分を含むシールド電極と、
前記シールド電極から延びる第3シールドビアと、を備え、
前記第1画素は、
入射光を電荷に変換する第1光電変換層と、
前記第1光電変換層で生成した電荷を収集する第1画素電極と、
前記第1画素電極から延びる第1画素ビアと、
を含み、
前記第4画素は、
入射光を電荷に変換する第4光電変換層と、
前記第4光電変換層で生成した電荷を収集する第4画素電極と、
前記第4画素電極から延びる第4画素ビアと、
を含み、
前記シールド電極は、前記第1画素電極および前記第4画素電極とは電気的に分離されており、
前記第3シールドビアは、平面視において、前記第1画素電極と前記第4画素電極との間に位置し、
前記平面視において、前記第4画素ビアは、前記第3シールドビアに対して前記第1画素ビアと対称な位置にあり、
前記シールド電極と前記第1光電変換層を含む光電変換膜との間に位置する絶縁部をさらに備え、
前記平面視において、前記絶縁部は、前記第1画素電極と離間している、
撮像装置。
【請求項13】
第1画素と、行方向に沿って前記第1画素に隣接する第2画素と、列方向に沿って前記第2画素に隣接する第4画素と、を含み、行列方向に配置された複数の画素と、
前記第1画素と前記第4画素との間に位置する部分を含むシールド電極と、
前記シールド電極から延びる第3シールドビアと、
前記シールド電極から延びる第4シールドビアと、
を備え、
前記第1画素は、
入射光を電荷に変換する第1光電変換層と、
前記第1光電変換層で生成した電荷を収集する第1画素電極と、
前記第1画素電極から延びる第1画素ビアと、
を含み、
前記第4画素は、
入射光を電荷に変換する第4光電変換層と、
前記第4光電変換層で生成した電荷を収集する第4画素電極と、
を含み、
前記シールド電極は、前記第1画素電極および前記第4画素電極とは電気的に分離されており、
前記第3シールドビアは、平面視において、前記第1画素電極と前記第4画素電極との間に位置し、
前記平面視において、前記第4シールドビアは、前記第1画素ビアに対して前記第3シールドビアと対称な位置にあり、
前記シールド電極と前記第1光電変換層を含む光電変換膜との間に位置する絶縁部をさらに備え、
前記平面視において、前記絶縁部は、前記第1画素電極と離間している、
撮像装置。
【請求項14】
前記平面視において、前記絶縁部は、前記シールド電極と重ならない部分を含む、
請求項11から13のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項15】
前記絶縁部は、膜形状を有し、
前記膜形状の厚さは、10nm以上である、
請求項11から13のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項16】
前記絶縁部の下面と側面とのなす角度は90度より小さい、
請求項11から13のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項17】
前記絶縁部は、前記シールド電極を覆っている、
請求項11から13のいずれか1項に記載の撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
積層型の撮像装置が知られている。積層型の撮像装置では、半導体基板および光電変換層を含む積層構造が構成されている。
【0003】
積層型の撮像装置の一例が、特許文献1および2に記載されている。特許文献1および2の撮像装置では、光電変換層が、対向電極と画素電極との間に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2013/001809号
【文献】特開2016-127264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
より解像度の高い画像を得る技術が要求されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る撮像装置は、
入射光を電荷に変換する光電変換層と、
前記光電変換層で生成した電荷を収集する第1画素電極と、
前記光電変換層で生成した電荷を収集し、第1方向において前記第1画素電極に隣接する第2画素電極と、
前記第1画素電極および前記第2画素電極とは電気的に分離されたシールド電極と、
前記シールド電極から延び、平面視において、前記第1画素電極と前記第2画素電極との間に位置する第1シールドビアと、
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示は、解像度の高い画像を得る技術を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る撮像装置の断面構造を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る撮像装置の断面構造を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る撮像装置の平面構造を示す図である。
図4A図4Aは、実施形態に係る撮像装置の断面構造を示す図である。
図4B図4Bは、図4Aの部分拡大図である。
図4C図4Cは、図4Bの例とは異なる例に係る絶縁部を示す図である。
図4D図4Dは、絶縁層および光電変換層の作製方法を示す模式図である。
図4E図4Eは、絶縁層および光電変換層の作製方法を示す模式図である。
図5A図5Aは、実施形態に係る撮像装置の断面構造を示す図である。
図5B図5Bは、図5Aの部分拡大図である。
図6図6は、光電変換層の突出部を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る撮像装置の断面構造を示す図である。
図8図8は、実施形態に係る撮像装置の平面構造を示す図である。
図9A図9Aは、実施形態に係る撮像装置の平面構造を示す図である。
図9B図9Bは、図9Aの部分拡大図である。
図9C図9Cは、図9Bの例とは異なる例に係る部分拡大図である。
図9D図9Dは、図9Aの部分拡大図である。
図9E図9Eは、図9Aの部分拡大図である。
図10図10は、カメラシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(本開示に係る一態様の概要)
本開示の第1態様に係る撮像装置は、
入射光を電荷に変換する光電変換層と、
前記光電変換層で生成した電荷を収集する第1画素電極と、
前記光電変換層で生成した電荷を収集し、第1方向において前記第1画素電極に隣接する第2画素電極と、
前記第1画素電極および前記第2画素電極とは電気的に分離されたシールド電極と、
前記シールド電極から延び、平面視において、前記第1画素電極と前記第2画素電極との間に位置する第1シールドビアと、
を備える。
【0010】
第1態様は、解像度の高い画像を得るのに適している。
【0011】
本開示の第2態様において、例えば、第1態様に係る撮像装置は、
前記光電変換層で生成した電荷を収集し、前記第1方向と異なる第2方向において前記第1画素電極に隣接する第3画素電極と、
前記シールド電極から延び、前記平面視において、前記第1画素電極と前記第3画素電極との間に位置する第2シールドビアと、
をさらに備えていてもよい。
【0012】
第2態様は、解像度の高い画像を得るのに適している。
【0013】
本開示の第3態様において、例えば、第1態様に係る撮像装置は、
前記光電変換層で生成した電荷を収集し、前記第1方向と異なる第2方向において前記第1画素電極に隣接する第3画素電極と、
前記光電変換層で生成した電荷を収集し、前記第2方向において前記第2画素電極に隣接し、前記第1方向において前記第3画素電極と隣接する第4画素電極と、
前記シールド電極から延び、前記平面視において、前記第1画素電極と前記第4画素電極との間に位置する第3シールドビアと、
をさらに備えていてもよい。
【0014】
第3態様は、解像度の高い画像を得るのに適している。
【0015】
本開示の第4態様において、例えば、第2態様に係る撮像装置は、
前記光電変換層で生成した電荷を収集し、前記第2方向において前記第2画素電極に隣接し、前記第1方向において前記第3画素電極と隣接する第4画素電極と、
前記シールド電極から延び、前記平面視において、前記第1画素電極と前記第4画素電極との間に位置する第3シールドビアと、
をさらに備えていてもよい。
【0016】
第4態様は、解像度の高い画像を得るのに適している。
【0017】
本開示の第5態様において、例えば、第1から第4態様のいずれか1つに係る撮像装置は、
前記第1画素電極から延びる第1画素ビアと、
前記第2画素電極から延びる第2画素ビアと、
をさらに備えていてもよい。
【0018】
第5態様の第1画素ビアは、第1画素電極を他の要素に電気的に接続できる。第2画素ビアは、第2画素電極を他の要素に電気的に接続できる。
【0019】
本開示の第6態様において、例えば、第5態様に係る撮像装置では、
前記平面視において、前記第1シールドビアは、前記第1画素ビアと前記第2画素ビアとの間に位置していてもよい。
【0020】
第6態様は、解像度の高い画像を得るのに適している。
【0021】
本開示の第7態様において、例えば、第1から第6態様のいずれか1つに係る撮像装置は、
第1配線層をさらに備えていてもよく、
前記第1シールドビアは、前記シールド電極から前記第1配線層まで延びていてもよい。
【0022】
第7態様は、解像度の高い画像を得るのに適している。
【0023】
本開示の第8態様において、例えば、第1から第7態様のいずれか1つに係る撮像装置は、
前記シールド電極と前記光電変換層との間に位置する絶縁部をさらに備えていてもよい。
【0024】
第8態様は、シールド電極に起因する撮像装置の感度の低下を抑制しつつ、シールド電極により解像度の高い画像を得るのに適している。
【0025】
本開示の第9態様において、例えば、第8態様に係る撮像装置では、
前記平面視において、前記絶縁部は、前記シールド電極と重ならない部分を含んでいてもよい。
【0026】
第9態様は、解像度の高い画像を得るのに適している。
【0027】
本開示の第10態様に係る撮像装置は、
入射光を電荷に変換する光電変換層と、
前記光電変換層で生成した電荷を収集する第1画素電極と、
前記第1画素電極とは電気的に分離されたシールド電極と、
前記シールド電極と前記光電変換層との間に位置する絶縁部と、
を備え、
平面視において、前記絶縁部は、前記シールド電極と重ならない部分を含む。
【0028】
第10態様は、シールド電極に起因する撮像装置の感度の低下を抑制しつつ、シールド電極により解像度の高い画像を得るのに適している。
【0029】
本開示の第11態様において、例えば、第9態様または第10態様に係る撮像装置では、
前記平面視において、前記絶縁部は、前記第1画素電極と離間していてもよい。
【0030】
第11態様は、第1画素電極により信号電荷を捕獲し、解像度の高い画像を得るのに適している。
【0031】
本開示の第12態様において、例えば、第8から第11態様のいずれか1つに係る撮像装置では、
前記絶縁部は、膜形状を有していてもよく、
前記膜形状の厚さは、10nm以上であってもよい。
【0032】
第12態様は、シールド電極に起因する撮像装置の感度の低下を抑制するのに適している。
【0033】
本開示の第13態様において、例えば、第1から第12態様のいずれか1つに係る撮像装置では、
前記第1画素電極が有する面と、前記シールド電極が有する面とが、同一平面上にあってもよい。
【0034】
第13態様の撮像装置は、製造し易い。
【0035】
本開示の第14態様において、例えば、第1から第13態様のいずれか1つに係る撮像装置は、カラーのイメージセンサであってもよい。
【0036】
カラーのイメージセンサにおいては、第1態様の技術が、混色の抑制に寄与し得る。
【0037】
本開示の第15態様に係る撮像装置は、
入射光を電荷に変換する光電変換層と、
前記光電変換層で生成した電荷を収集する第1画素電極と、
前記第1画素電極とは電気的に分離されたシールド電極と、
前記シールド電極と前記光電変換層との間に位置する絶縁部と、
を備える。
【0038】
本明細書では、「ビア」という用語を用いることがある。本明細書では、ビアホールおよびその内部の導体をまとめて「ビア」と呼ぶ。
【0039】
本明細書では、「シールドビア」および「画素ビア」という用語を用いることがある。以下に示す例示的な実施形態では、シールドビアは、シールド電極から延びている。画素ビアは、画素電極から延びている。シールドビアおよび画素ビアという用語の使い分けは、説明の便宜上なされているのであって、ビアの特徴を限定的に解釈する目的でなされているわけではない。
【0040】
本明細書では、第1、第2、第3・・・という序数詞を用いることがある。ある要素に序数詞が付されている場合に、より若番の同種類の要素が存在することは必須ではない。必要に応じて序数詞の番号を変更することができる。
【0041】
以下で説明する実施形態は、いずれも包括的または具体的な例を示す。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。本明細書において説明される種々の態様は、矛盾が生じない限り互いに組み合わせることが可能である。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。以下の説明において、実質的に同じ機能を有する構成要素は共通の参照符号で示し、重複する説明については省略または簡略化することがある。
【0042】
包括的または具体的な態様は、素子、デバイス、装置、システム、集積回路、方法またはコンピュータプログラムで実現されてもよい。また、包括的または具体的な態様は、素子、デバイス、装置、システム、集積回路、方法およびコンピュータプログラムの任意の組み合わせによって実現されてもよい。開示された実施形態の追加的な効果および利点は、明細書および図面から明らかになる。効果および/または利点は、明細書および図面に開示の様々な実施形態または特徴によって個々に提供され、これらの1つ以上を得るために全てを必要とはしない。
【0043】
図面に示す各種の要素は、本開示の理解のために模式的に示したにすぎず、寸法比および外観などは実物とは異なり得る。
【0044】
本開示の一態様に係る撮像装置は、光を電気信号に変換する、すなわち光電変換を行う光電変換層を上層に有し、光電変換部にて得られた電気信号を外部に取り出すシリコンベースのCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)回路を含む信号処理回路を下層に有する。このように、本開示の一態様に係る撮像装置では、光電変換部と信号処理回路とが積層されているため、それらは独立に設計可能となる。
【0045】
[実施形態]
図1および2に、実施形態に係る撮像装置100の断面図を示す。
【0046】
撮像装置100は、半導体基板1と、画素部30と、を備える。画素部30は、半導体基板1上に設けられている。
【0047】
画素部30は、複数の画素電極3と、対向電極5と、光電変換層4と、を含む。光電変換層4は、画素電極3と対向電極5の間に配置されている。光電変換層4は、膜形状を有している。
【0048】
画素部30は、検出回路12を含む。検出回路12の一部は、半導体基板1内に設けられている。検出回路12は、画素電極3の電位を検出する。
【0049】
画素部30は、絶縁層2を含む。絶縁層2は、光電変換層4と半導体基板1との間に配置されている。
【0050】
画素部30では、半導体基板1および絶縁層2の界面をまたぐように、検出回路12が構成されている。具体的には、複数の画素20のそれぞれに対応する検出回路12が構成されている。
【0051】
以下、説明の便宜上、X軸、Y軸およびZ軸という用語を用いることがある。これらの軸は、互いに直交する軸である。また、説明の便宜上、Z軸方向のプラス側を、上と呼ぶことがある。Z軸方向のプラス側の主面を、上面と呼ぶことがある。この例では、上面は、光の入射側に近い側の面である。下面は、光の入射側から遠い側の面である。この例では、上下方向は、半導体基板1の表面に垂直な方向である。
【0052】
絶縁層2の上面には、画素電極3が形成されている。画素電極3には、画素ビア13が接続されている。画素ビア13は、画素電極3から第1配線層14まで延びている。第1配線層14は、複数の配線層のうち、画素電極3に最も近い層である。画素ビア13は、画素電極3と、配線層と、画素電極3に対応する検出回路12とを、電気的に接続している。
【0053】
複数の画素20のそれぞれは、光電変換部11を含む。光電変換部11は、画素電極3と、対向電極5と、光電変換層4と、を含む。上述のとおり、光電変換層4は、画素電極3と対向電極5の間に配置されている。
【0054】
光電変換層4は、入射光を電荷に変換する。
【0055】
画素電極3は、光電変換層4で生成された電荷を捕集する。
【0056】
画素電極3の材料の例は、窒化チタン(TiN)などの金属化合物である。画素電極3の材料の他の例は、銅(Cu)、タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、アルミニウム(Al)などの金属である。画素電極3の材料は、これらの金属から少なくとも2種を選択して形成される化合物または合金であってもよい。画素電極3は、これらの金属から少なくとも2種を選択して形成される積層構造を含んでいてもよい。積層構造は、例えば、TiN/Ti構造である。TiN/Ti構造は、窒化チタンの層とチタンの層とが接合された積層構造である。
【0057】
一具体例では、複数の画素電極3のそれぞれの膜厚は、均一である。複数の画素電極3のそれぞれの上面は、平坦である。
【0058】
図1の断面図に示すように、複数の画素電極3は、光電変換層4および半導体基板1の間に位置している。
【0059】
図3の平面図に示すように、複数の画素電極3は、X軸方向およびY軸方向に拡がる2次元方向に配列されている。複数の画素電極3は、絶縁層2の上面に配置されている。
【0060】
一具体例では、複数の画素電極3は、行列状に配置されている。ここで、複数の要素が行列状に配置されているという表現は、各要素の中心が格子の交点上に位置していることを意味する。複数の画素電極3は、互いに一定の間隔を有している。
【0061】
画素電極3は、画素20の配置に対応して配置されている。一例では、複数の画素20が行列状に配置されている。複数の画素電極3は、複数の画素20の配置に合わせて行列状に配置されている。
【0062】
再度、図1を参照する。上述のとおり、撮像装置100では、複数の画素20のそれぞれに対応する検出回路12が構成されている。検出回路12は、対応する画素電極3によって捕集された信号電荷を検出し、電荷に応じた信号電圧を出力する。
【0063】
検出回路12は、例えば、MOS(Metal Oxide Semiconductor)回路、TFT(Thin Film Transistor)回路などを含む。検出回路12は、例えば、ゲートが画素電極3に電気的に接続された増幅トランジスタを含み、増幅トランジスタが信号電荷の量に応じた信号電圧を出力する。検出回路12は、絶縁層2の内部などに設けられた遮光層により遮光されていてもよい。遮光層の図示は省略されている。
【0064】
画素ビア13は、各画素20の画素電極3と、配線層と、画素電極3に対応する検出回路12と、を電気的に接続している。
【0065】
画素ビア13の材料の例は、銅(Cu)、タングステン(W)、コバルト(Co)などの導電性材料である。画素ビア13は、絶縁層2に埋め込まれている。
【0066】
絶縁層2は、半導体基板1上に形成されている。絶縁層2は、複数の構成層2a、2b、2c、2dおよび2eを含む。
【0067】
半導体基板1は、例えば、シリコン(Si)などから構成される。複数の構成層2a、2b、2c、2dおよび2eは、例えば、二酸化シリコン(SiO2)、シリコン炭化酸化膜(SiOC)などから構成される。
【0068】
各構成層2a、2b、2c、2dおよび2eには配線層が埋め込まれている。配線層は、配線を有する。配線層と配線層とは、ビアにより接続されている。このため、配線層と配線層の間には絶縁層2の絶縁体が設けられているものの、配線層と配線層とはビアにより電気的に接続されている。なお、絶縁層2内の構成層の層数は、任意に設定可能であり、図1に示す5層の構成層2a、2b、2c、2dおよび2eの例に限定されない。配線層の層数についても同様である。
【0069】
構成層2eには、画素電極3が配置されている。構成層2eおよび画素電極3の上面に、光電変換層4が積層されている。光電変換層4の上面に、対向電極5、緩衝層6および封止層7がこの順で積層されている。封止層7の上面には、各画素20に対応した透過波長域のカラーフィルタ8が配置されている。カラーフィルタ8の上面には、平坦化層9が配置されている。平坦化層9の上面には、マイクロレンズ10が配置されている。なお、隣接する画素電極3の間隙には、絶縁層2の構成層が介挿されている。
【0070】
この例では、撮像装置100は、カラーのイメージセンサである。ただし、カラーフィルタ8を省略することも可能である。つまり、撮像装置100は、モノクロのイメージセンサであってもよい。
【0071】
光電変換層4は、受光した光の強さに応じて電荷を発生する光電変換材料で構成されている。光電変換材料は、例えば、有機半導体材料であり、p型有機半導体およびn型有機半導体の少なくとも一方を含む。一具体例では、光電変換層4は、画素領域30において、膜厚が均一である。別の具体例では、光電変換層4は、画素領域30において、膜厚が互いに異なる2以上の部分を有する。
【0072】
対向電極5は、画素電極3に対向している。具体的には、対向電極5は、画素部30内において、光電変換層4を挟んで、複数の画素電極3および後述するシールド電極61と対向している。対向電極5は、光電変換層4からみて、撮像装置100の光が入射する側に配置されている。対向電極5は、光を光電変換層4に入射させるために透光性を有してもよい。対向電極5の材料としては、ITO(Indium Tin Oxide)またはIZO(Indium Zinc Oxide)などの透明酸化物導電材料が例示される。
【0073】
「第1要素が、第2要素と、第3要素を挟んで対向している」という表現は、第1要素および第2要素が第3要素と接している態様のみを指すと限定解釈されるべきではない。例えば、「対向電極5は、画素電極3およびシールド電極61と、光電変換層4を挟んで対向している」という表現は、シールド電極61と光電変換層4との間に後述する絶縁部62が介在し、この介在によりシールド電極61と光電変換層4との接触が阻止されている態様を包含する。
【0074】
次に、撮像メカニズムについて説明する。
【0075】
上方より撮像装置100に入射した光は、封止層7、緩衝層6および対向電極5を通過し、光電変換層4に入射される。光電変換層4は、画素電極3と対向電極5とにより適正なバイアス電圧が印加された状態で、入射された光を光電変換し、電荷を生成する。バイアス電圧は、対向電極5と画素電極3との間における電位差である。
【0076】
上記のように光電変換層4で生成された電荷は、画素電極3から、画素ビア13を介して、検出回路12における蓄積領域に転送され、一時的に蓄積される。そして、電荷は、検出回路12におけるトランジスタ素子などの開閉動作により、適時に信号として検出回路12の外部に出力される。
【0077】
(シールド電極)
上述の説明に係る積層型の撮像装置100では、光電変換層4は、画素電極3と対向電極5の間に配置されている。図3に示すように、画素電極3と画素電極3の間の領域60には、シールド電極61が配置されている。具体的には、領域60には、絶縁層2およびシールド電極61が配置されている。なお、図3では、絶縁層2の図示は省略されている。図3の例では、平面視において、領域60は格子形状を有している。平面視は、例えば、半導体基板1の表面に垂直な方向に観察することをいう。
【0078】
仮に、シールド電極61が存在しないとする。この場合、平面視において光電変換層4のうち領域60と重なる部分は、画素電極3と重なる部分に比べて印加される電界強度が小さい。このため、光電変換層4のうち領域60と重なる部分では、信号電荷が画素電極3から受ける電界強度が比較的小さい。
【0079】
上記重なる部分においても、信号電荷は存在し得る。その信号電荷が本来到達すべき画素電極3ではなくこれに隣接する画素電極3に到達する可能性がある。隣接する画素電極3に到達した信号電荷が隣接する画素の画素信号として検出されると、解像度が低下する。解像度の低下を抑制する観点から、シールド電極を用いることができる。撮像装置100がカラーのイメージセンサである場合は、シールド電極を用いることにより、混色を抑制できる。
【0080】
以下、シールド電極について、図面を参照しながら説明する。
【0081】
図1の断面図に示すように、シールド電極61は、光電変換層4および半導体基板1の間に配置されている。図3に示すように、シールド電極61は、複数の画素電極3とは電気的に分離されている。
【0082】
この例では、画素電極3と画素電極3の間の領域60に、シールド電極61が配置されている。シールド電極61を配置することによって、互いに隣接する2つの画素電極3の間の領域に電圧を印加することが可能になる。これにより、光電変換層4における平面視で領域60と重なる部分で発生した信号電荷65は、シールド電極61に収集される。これにより、本来であればある画素電極3に到達すべき信号電荷65が、隣接する画素電極3に到達することを抑制できる。つまり、隣接画素間の信号電荷の混合を抑制できる。これにより、解像度の高い画像が得られる。撮像装置100がカラーのイメージセンサである場合は、隣接画素間の混色を抑制できる。
【0083】
シールド電極61の材料としては、銅(Cu)、タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、アルミニウム(Al)などの金属が例示される。シールド電極61の材料は、これらの金属から少なくとも2種を選択して形成される化合物または合金であってもよい。シールド電極61は、これらの金属から少なくとも2種を選択して形成される積層構造を含んでいてもよい。積層構造は、例えばTiN/Ti構造である。
【0084】
一具体例では、シールド電極61のそれぞれの膜厚は、均一である。シールド電極61のそれぞれにおける光電変換層4側の面は、平坦である。
【0085】
図1および2に示す例では、シールド電極61が有する面と画素電極3が有する面とが、同一平面上にある。具体的には、シールド電極61における半導体基板1に対向する面と画素電極3における半導体基板1に対向する面とが、同一平面上にある。このような構成を有する撮像装置は、製造し易い。ただし、シールド電極61が有する面と画素電極3が有する面とが、同一平面上になくてもよい。具体的には、シールド電極61における半導体基板1に対向する面と画素電極3における半導体基板1に対向する面とが、同一平面上になくてもよい。
【0086】
シールド電極61の材料と画素電極3の材料は、同じであってもよい。この場合、シールド電極61と画素電極3とを、別々の製造工程を必要とすることなく形成できる。このようにすれば、シールド電極61および画素電極3を、同一の製造工程で、かつ、同一マスクで形成できる。このため、合わせずれを考慮する必要がない。ここで、合わせずれは、シールド電極61および画素電極3の相対的な位置関係が適切な範囲から逸脱することを指す。
【0087】
画素電極3とシールド電極61の間の離間幅71は、例えば、0.1μm以上1μm以下である。
【0088】
(シールド電極61と光電変換層4との間の絶縁部)
図1および図2で示すようにシールド電極61を配置した場合、光電変換層4で発生した信号電荷65の一部がシールド電極61に収集される。この収集により、画素電極3で捕獲可能な信号電荷が少なくなると、撮像装置の感度が低下する場合がある。撮像装置の感度の低下を抑制する観点から、シールド電極61と光電変換層4との間に絶縁部を設けてもよい。以下、そのように絶縁部が設けられた構成例について、図4A、4B、4C、4D、4E、5A、5Bおよび6を参照しながら説明する。
【0089】
図4Aおよび4Bの例では、シールド電極61と光電変換層4との間に、絶縁部62が設けられている。絶縁部62は、絶縁体である。このような絶縁部62を設けることにより、互いに隣接する2つの画素電極3の間の領域と対向電極5との間に電界を印加した状態を保ちつつ、シールド電極61への信号電荷の流入を抑制することで撮像装置の感度の低下を抑制できる。このため、この例は、シールド電極61に起因する撮像装置の感度の低下を抑制しつつ、シールド電極61により解像度の高い画像を得るのに適している。
【0090】
図4Aおよび4Bの例では、絶縁部62は、シールド電極61を覆っている。絶縁部62は、具体的には、シールド電極61における光電変換層4側の面全体を覆っている。
【0091】
図4Aおよび4Bの例では、絶縁部62は、シールド電極61に接している。絶縁部62は、具体的には、シールド電極61における光電変換層4側の面全体に接している。絶縁部62により、シールド電極61と光電変換層4との接触が阻止されている。
【0092】
図4Cに示すように、平面視において、絶縁部62は、シールド電極61からはみ出ており、シールド電極61と重ならない部分を含んていてもよい。このようにすれば、平面視において、絶縁部62の輪郭の一部または全部を、シールド電極61の輪郭の外側とすることができる。このようにすれば、シールド電極61の端部から光電変換層4に向かう斜め上方向の電界を抑制できる。このことは、例えば、シールド電極61と画素電極3との間の絶縁性を確保する観点から有利である。また、平面視において絶縁部62がシールド電極61からはみ出ていることは、信号電荷が絶縁部62を側方から回り込んでシールド電極61に流入することを抑制する観点から有利である。このため、図4Cの形態は、解像度の高い画像を得るのに適している。
【0093】
なお、平面視において絶縁部62がシールド電極61からはみ出ているとは、平面視において絶縁部62がシールド電極61の輪郭よりも外側に存する部分を含むことを意味する。平面視において、シールド電極61が、絶縁部62の輪郭よりも内側に存する部分を含んでいるとも言える。より詳細に説明すると、平面視において絶縁部62がシールド電極61からはみ出ているとは、平面視において絶縁部62の輪郭の全てがシールド電極61の輪郭よりも外側に存在する場合のみならず、平面視において絶縁部62の輪郭の一部のみがシールド電極61の輪郭よりも外側に存在する場合を包含する概念である。平面視において、絶縁部62の輪郭の全てがシールド電極61の輪郭よりも外側に存在してもよく、絶縁部62の輪郭の一部のみがシールド電極61の輪郭よりも外側に存在してもよい。
【0094】
一具体例では、平面視において、絶縁部62は、各画素電極3から離間している。このようにすれば、画素電極3による信号電荷の捕獲が絶縁部62によって妨げられ難い。このことは、解像度の高い画像を得るのに適している。
【0095】
絶縁部62は、画素電極3の一部を覆っていてもよい。
【0096】
図4Aおよび4Bの例では、画素電極3と光電変換層4とは、電気的に接続されている。具体的には、画素電極3と光電変換層4とは接している。ただし、画素電極3と光電変換層4との間にブロッキング層を設けてもよい。ブロッキング層は、光電変換層4における光電変換によって発生した電荷対のうち、信号電荷を通すが、信号電荷でない方の電荷が画素電極3から注入されることを阻止する。このことにより、信号電荷を効率的に画素電極3に輸送することができる。ブロッキング層は、選択的な電荷輸送性を示し、したがって絶縁体には該当しない。
【0097】
絶縁部62の材料の例は、二酸化シリコン(SiO2)、シリコン酸炭化物(SiOC)、シリコン窒化物(SiN)、シリコン炭窒化物(SiCN)などである。絶縁部62の材料の他の例は、銅(Cu)の化合物、チタン(Ti)の化合物、タンタル(Ta)の化合物、アルミニウム(Al)の化合物などである。絶縁部62は、これらの材料から少なくとも2種を選択して形成される積層構造を含んでいてもよい。
【0098】
絶縁部62の材料は、絶縁層2の材料と同じであってもよく、絶縁層2の材料とは異なっていてもよい。
【0099】
典型的には、絶縁部62は、膜形状を有している。この例では、膜形状の厚さ方向は、半導体基板1の表面に垂直な方向に一致している。
【0100】
膜形状の厚さは、例えば、10nm以上である。膜形状の厚さをこの程度に大きくすることにより、信号電荷がトンネル効果によって絶縁部62を通り抜けることを抑制できる。したがって、信号電荷がシールド電極61に捕集されることを抑制できる。このため、膜形状の厚さを10nm以上とすることは、シールド電極61に起因する撮像装置の感度の低下を抑制するのに適している。膜形状の厚さは、20nm以上であってもよい。
【0101】
膜形状の厚さは、例えば、500nm以下である。膜形状の厚さをこの程度に小さくすることにより、シールド電極61に電圧を印加した場合に、シールド電極61周辺に信号電荷を集め易い。画素電極3間で生じた信号電荷がシールド電極61付近に集められると、信号電荷が所望の画素電極3以外に捕集されることを抑制できる。このため、膜形状の厚さを500nm以下とすることは、シールド電極61により解像度の高い画像を得るのに適している。膜形状の厚さは、300nm以下であってもよい。
【0102】
膜形状の厚さが適切な範囲に調整されていると、シールド電極61に捕集される信号電荷を実質的に無視できるレベルに下げつつ、画素電極間で生じた信号電荷をシールド電極61付近に集められるため、信号電荷が所望の画素電極3以外で捕集されることを抑制し易い。このため、シールド電極61に起因する撮像装置の感度の低下を抑制しつつ、解像度の高い画像を得易い。
【0103】
膜形状の厚さは、周知の手法により特定できる。膜形状の厚さは、例えば、以下のように特定できる。まず、膜形状断面の電子顕微鏡像を取得する。次に、その像を用いて、膜形状の任意の複数の測定点(例えば5点)について、厚さを測定する。それら複数の測定点の厚さの平均値を、膜形状の厚さとして採用する。
【0104】
なお、後述する図5Aおよび5Bの例に上記の例示的な特定手法を適用する場合、側面62cの部分は測定点から除外され、上面62aの部分に、測定点が設定される。
【0105】
絶縁部62の形成方法は、特に限定されない。
【0106】
一例では、絶縁部62は、以下のようにして形成される。シールド電極61に(典型的には、シールド電極61の上面全体に)、絶縁部62の材料の層を形成する。次に、この層の一部を除去する。こうして、絶縁部62が得られる。このようにすれば、膜形状の絶縁部62を得ることも可能である。
【0107】
絶縁部62の材料の層は、例えば、化学気相堆積(CVD)により形成できる。絶縁部62の材料の層の一部は、例えば、リソグラフィー、エッチングなどにより除去できる。
【0108】
平面視において、絶縁部62が、シールド電極61の上面全体と、画素電極3とシールド電極61との間の絶縁層2の上面全体と、画素電極3の一部と、を覆っていてもよい。このようにすれば、絶縁部62の端部で形成される段差の位置を、画素電極3上とすることができる。段差の位置の画素電極3上とすることにより得られる利点について、図4Dおよび図4Eを参照しながら説明する。図4Dおよび図4Eは、絶縁層2および光電変換層4の作製方法を示す模式図である。
【0109】
図4Dの部分(a)および図4Eの部分(a)では、画素電極3およびシールド電極61が、絶縁部62の材料の層62xにより覆われている。層62xの一部が、マスク81により覆われている。層62xのうち、マスク81で覆われていない部分が、エッチングにより除去される。
【0110】
なお、図4Dの部分(a)および図4Eの部分(a)では、絶縁層2の図示を省略している。図4Dおよび図4Eに関する説明では、画素電極3とシールド電極61との間の位置に絶縁層2があるものとする。また、図4Dおよび図4Eに関する説明では、エッチングの実施前において、上記位置にある絶縁層2の上面は、画素電極3の上面およびシールド電極61の上面と面一であるものとする。
【0111】
図4Dの部分(a)では、マスク81は、シールド電極61の上面全体を覆っている。しかし、マスク81は、画素電極3とシールド電極61との間の絶縁層2の上面を覆っていない。また、マスク81は、画素電極3の上面を覆っていない。一方、図4Eの部分(a)では、マスク81は、シールド電極61の上面全体と、画素電極3とシールド電極61との間の絶縁層2の上面全体と、を覆っている。図4Eの部分(a)では、マスク81は、さらに、画素電極3の上面を部分的に覆っている。
【0112】
図4Dの部分(a)のマスク81を用いてエッチングを行うことにより、シールド電極61の上面全体だけを覆う絶縁部62が得られる。一方、図4Eの部分(a)のマスク81を用いてエッチングを行うことにより、シールド電極61の上面全体と、画素電極3とシールド電極61との間の絶縁層2の上面全体と、画素電極3の上面の一部と、を覆う絶縁部62が得られる。
【0113】
図4Dの部分(b)および図4Eの部分(b)は、エッチングにより、層62xのうちマスク81で覆われていない部分が除去された様子を表している。この除去により、層62xが絶縁部62へと加工される。
【0114】
現実には、エッチングにより層62xのみを削ることは難しい。図4Dの部分(a)のようにマスク81を配置すると、マスク81によって覆われていない画素電極3および絶縁層2もある程度削られる。画素電極3と絶縁層2とでは、エッチングレートが異なり、削られる程度が異なる。このため、図4Dの部分(b)の点線84で囲った領域内に示されているように、画素電極3と絶縁層2とで、上面の高さに差が生じる。また、点線85で囲った領域内に示されているように、絶縁部62と絶縁層2とで、上面の高さに差が生じる。この上面の高さの差は、マスク81によって覆われていた部分と覆われていない部分との境目に生じるものである。図4Dの部分(b)の一点鎖線82は、画素電極3および絶縁層2の上面の位置を表している。
【0115】
マスク81によって、シールド電極61の上面全体を覆い、画素電極3とシールド電極61との間の絶縁層2の上面を部分的に覆う場合も同様である。その場合には、画素電極3と絶縁層2とで、エッチングレートの違いに由来する上面の高さの差が生じる。また、絶縁層2上に、絶縁部62が位置している部分と位置していない部分とで、上面の高さの差が生じる。この上面の高さの差は、絶縁層2上の絶縁層62xがマスク81に覆われていた部分と覆われていない部分との境目に生じるものである。
【0116】
これに対し、図4Eの部分(a)のようにマスク81を配置すると、図4Eの部分(b)の点線86内に示されているように、画素電極3上で上面の高さに差が生じる。この差は、マスク81で覆われていた部分と覆われていない部分との境目に生じるものである。しかし、絶縁層2は絶縁部62に完全に覆われるため、絶縁層2上で、上面の高さに差が生じることがない。このため、図4Dの場合に比べて、マスク81を用いたエッチングにより形成される上面における、段差の数を減らすことができる。
【0117】
図4Dの部分(c)および図4Eの部分(c)は、エッチングにより形成された上面上に、光電変換層4が形成された様子を表している。エッチングにより形成された上面上に光電変換層4を形成すると、該上面の形状が光電変換層4の上面の形状にも反映される。図4Dおよび図4Eの部分(c)の二点鎖線83は、光電変換層4の上面の位置を表している。
【0118】
以上の説明から理解されるように、図4Eの形態は、図4Dの形態に比べ、光電変換層4の形状をフラットにする観点から有利である。このことから、絶縁部62が、シールド電極61の上面全体と、画素電極3とシールド電極61との間の絶縁層2の上面全体と、画素電極3の上面の一部と、を覆う構成は、光電変換層4のフラットにする観点から有利であると言える。
【0119】
図4A、4Bおよび4Cに示す具体例では、絶縁部62は、膜形状を有する。図4Bおよび4Cに示すように、膜形状は、上面62aと、下面62bと、側面62cと、を有する。側面62cは、下面62bから上面62aに延びている。上面62aと側面62cとにより、角62dが形成されている。下面62bと側面62cとの間には、角度θが形成されている。角度θは、比較的大きい。具体的は、角度θは、約90°である。このため、角62dは、尖っている。
【0120】
図5Aおよび5Bに示す別の具体例でも、絶縁部62は、膜形状を有する。図5Aおよび5Bの具体例では、図4A、4Bおよび4Cの具体例に比べ、角度θが小さい。このようにすれば、角62dの尖りが緩和され、光電変換層4の形成時に角62dでのクラックが発生し難くなる。これにより、絶縁部62との接触部において光電変換層4が劣化し難くなる。
【0121】
角度θを小さくする、あるいは角62dの尖りを緩和することは、例えば、プラズマ中のイオンにより絶縁部の角が削られる逆スパッタリング効果、絶縁部をCMP(Chemical Mechanical Polishing)によって平坦化する際に角が削られることなどにより、実現できる。
【0122】
現実には、図6に示すように、光電変換層4における平面視で絶縁部62と重複する位置に、突出部4pが形成され得る。光電変換層4において、突出部4pは、突出部4pの周囲の部分に比べ、絶縁部62の膜形状の厚さ方向に突出している。
【0123】
突出部4pの突出幅PWは、絶縁部62の膜形状の厚さTHと同じであり得る。ただし、図6に示すように、突出幅PWを、厚さTHに比べて小さくすることは可能である。別の言い方をすると、光電変換層4における平面視で絶縁部62と重複する部分の厚さを、その部分の周囲の厚さに比べて薄くすることができる。例えば、光電変換層4に対して熱処理を実施することで、突出幅PWを小さくすることができる。なお、突出幅PWが厚さTHに比べて小さいとは、突出幅PWがゼロである場合を含む概念である。
【0124】
上述の説明から理解されるように、絶縁部62を設けつつ、突出部4pの突出幅PWが小さいまたは突出部4pが存在しない光電変換層4を実現することが可能である。光電変換層4の上面が高い平坦性を有していると、光電変換層4の上側の層を作製し易い。
【0125】
図6の例では、光電変換層4における平面視で画素電極3と重複する部分の厚さが、光電変換層4における平面視でシールド電極61と重複する部分の厚さに比べ、大きい。このことは、前者の部分における光電変換を促進して画素電極3により多くの信号電荷を捕獲し、後者の部分における光電変換を抑制してシールド電極61による信号電荷の捕獲を抑制するのに適している。
【0126】
なお、光電変換層4における突出部4pは、絶縁部62が図4Bに示す態様である場合にも、図4Cに示す態様である場合にも、形成され得る。これらの場合においても、PW=THまたはPW<THとすることができる。これらの場合においても、突出部4pが存在しない光電変換層4を実現できる。これらの場合においても、光電変換層4における平面視で画素電極3と重複する部分の厚さを、光電変換層4における平面視でシールド電極61と重複する部分の厚さに比べ、大きくできる。
【0127】
図7に示す具体例も採用され得る。図7の具体例でも、絶縁部62は、膜形状を有する。この具体例では、半導体基板1から光電変換層4に向かって順に、画素ビア13と、画素電極3と、ビア68と、画素電極69とが接続されている。このため、これらは電気的に接続されている。画素電極69に到達した信号電荷は、ビア68、画素電極3および画素ビア13をこの順に流れていく。
【0128】
図7に示す具体例では、絶縁部62は、平面視で画素電極69を取り囲んでいる。絶縁部62の上面と画素電極69の上面とは、面一である。絶縁部62は、画素電極3と画素電極69の間にも存在する。
【0129】
図7に示す具体例では、シールド電極61の上面は、絶縁部62によって覆われている。画素電極3の上面も、絶縁部62によって覆われている。
【0130】
図7の具体例のようにビア68および画素電極69を設けることは、光電変換層4の下面を平坦にしつつ、シールド電極61と光電変換層4との間に絶縁部62を設ける観点から有利である。そのため、この構成は、光電変換層4においてクラックの発生を抑制する観点から有利である。特に、絶縁部62が厚い場合には、絶縁部62上あるいは画素電極69上に、絶縁部62に由来する大きな段差が形成されうる。その場合には、平坦でない表面上に光電変換層4を形成することになるため、光電変換層4にクラックが生じ易い。したがって、そのような場合には図7の構成を用いることで、クラック抑制効果を発揮することができる。なお、図7の具体例では、絶縁部62の膜形状の厚さは、絶縁部62のうち平面視でシールド電極61と重なる部分の厚さを指す。上記測定点は、当該部分に設定される。
【0131】
図7の例では、画素電極3とシールド電極61との間に、絶縁体67が設けられている。絶縁体67の材料と絶縁部62の材料とは、同じであってもよく、異なっていてもよい。絶縁体67は、絶縁層2の絶縁体であり得る。なお、図4B、4Cおよび5Bでも、図示は省略されているが、画素電極3とシールド電極61との間に絶縁体である絶縁層2が位置している。
【0132】
(シールド電極61に接続されたビアによるシールド構造)
積層型の撮像装置100では、光電変換層4とは別に電荷の蓄積領域が設けられている。蓄積領域は、検出回路12における半導体基板1内の部分に設けられている。光電変換層4で発生した電荷は、画素電極3から、画素ビア13を介して、蓄積領域に輸送される。
【0133】
積層型の撮像装置100においては、ある画素電極3に接続された画素ビア13と、その画素電極3に隣接する画素電極3に接続された画素ビア13と、の間に、寄生容量が生じる場合がある。この寄生容量は、画素間のクロストークの原因となり得る。
【0134】
寄生容量に起因するクロストークを抑制するには、シールド電極61にビアを接続し、そのビアによって画素ビア13間をシールドすることが考えられる。このようにすれば、画素ビア13間の寄生容量を低減できるため、寄生容量に由来するクロストークを抑制できる。
【0135】
上述のとおり、撮像装置100は、複数の配線層を備える。複数の配線層は、シールド電極と半導体基板1の間に配置されている。複数の配線層は、半導体基板1の表面に垂直な方向について、互いに異なる位置にある。第1配線層14は、複数の配線層のうち画素電極3に最も近い層である。第1配線層14よりも画素電極3側に位置する領域に比べ、第1配線層14よりも半導体基板1側に位置する領域では、クロストークを抑制するシールドとして機能し得る配線が配置されていることが多い。よって、シールド電極61に接続されたビアによるシールド効果は、第1配線層14よりも画素電極3側の領域において現れやすい。また、シールド電極61に接続されたビアによるシールド効果は、画素電極3と第1配線層14との間隔が大きい場合には、現れやすい。
【0136】
一例では、撮像装置100は、カラーのイメージセンサである。カラーのイメージセンサの一例では、RGBに対応する画素が隣接して配置されている。つまり、異なる色に対応する画素が隣接して配置されている。このため、画素間のクロストークが生じると、混色が生じる。カラーのイメージセンサにシールド構造を適用することで、クロストークが抑制され、混色による画質の低下が抑制される。
【0137】
以下、シールド電極61に接続されたビアを利用する技術について説明する。以下では、シールド電極61から延びるビアを、シールドビアと称することがある。
【0138】
本実施形態では、図1から7により理解されるように、シールド電極61に、シールドビア63,63Cが接続されている。シールドビア63,63Cは、シールド電極61から半導体基板1に向かって延びている。具体的には、シールドビア63,63Cは、シールド電極61から第1配線層14まで延びている。
【0139】
第1配線層14よりも半導体基板1側に、シールド電極61と電気的に接続されているビアがあってもよい。
【0140】
図3の例では、平面視において、個々の画素電極3は、シールド電極61に含まれた枠状部によって取り囲まれている。シールド電極61に接続されているシールドビア63Cは、上記枠状部の四隅に配置されている。さらに、シールドビア63は、四隅と四隅の間にも配置されている。なお、図3では、図示中央の画素電極3を取り囲む枠状部の四隅に位置するシールドビア63Cに、符号63Cを付している。
【0141】
図3の例よりも、シールドビア63,63Cの個数を増やしてもよい。平面視で1つの画素電極3を取り囲むシールドビア63,63Cの数が多いほど、クロストーク低減の効果が大きくなる。数多くのシールドビア63,63Cを設け、隣接するシールドビア63,63Cが互いに接するようにしてもよい。このように設けられた複数のシールドビア63,63Cの集合を、ラインビアと称することができる。
【0142】
以上説明したように、シールド電極61にシールドビア63,63Cを接続し、シールドビア63,63Cを半導体基板1に向かって延ばすことによって、画素20間のクロストークを抑制できる。
【0143】
撮像装置100がカラーのイメージセンサである場合は、上記のようにクロストークを抑制することにより、混色を抑制できる。
【0144】
シールドビア63,63Cの材料として、銅(Cu)、タングステン(W)、コバルト(Co)などの導電性材料が例示される。
【0145】
シールドビア63,63Cは、絶縁層2に埋め込ことにより形成され得る。
【0146】
複数のシールドビア63,63Cを、画素ビア13と同一の製造工程で形成してもよい。
【0147】
シールド電極61と光電変換層4との間に絶縁部62を設けることなく、シールド電極61に接続されたシールドビアによるシールド構造を設けてもよい。
【0148】
以下、図8を参照しつつ、シールドビアによるシールドについてさらに説明する。
【0149】
以下では、シールドビアに序数詞をつけて説明をすることがある。図8において、シールドビア63である第1シールドビアの位置が、点P1によって表されている。シールドビア63である第2シールドビアの位置が、点P2によって表されている。シールドビア63である第3シールドビアの位置が、点P3によって表されている。シールドビア63である第4シールドビアの位置が、点P4によって表されている。シールドビア63Cである第5シールドビアの位置が、点P5によって表されている。シールドビア63Cである第6シールドビアの位置が、点P6によって表されている。シールドビア63Cである第7シールドビアの位置が、点P7によって表されている。シールドビア63Cである第8シールドビアの位置が、点P8によって表されている。シールドビア63である第9シールドビアの位置が、点P9によって表されている。シールドビア63である第10シールドビアの位置が、点P10によって表されている。シールドビア63である第11シールドビアの位置が、点P11によって表されている。シールドビア63である第12シールドビアの位置が、点P12によって表されている。シールドビア63である第13シールドビアの位置が、点P13によって表されている。シールドビア63である第14シールドビアの位置が、点P14によって表されている。
【0150】
以下では、第1部分X1、第2部分X2、第3部分X3、第4部分X4、第5部分X5、第6部分X6、第7部分X7および第8部分X8という用語を用いることがある。図8では、これらの部分の各々に、ハッチングが付されている。なお、図8では、絶縁層2の図示は省略している。
【0151】
以下では、平面視という用語を用いることがある。平面視は、例えば、半導体基板1の表面に垂直な方向に観察することをいう。
【0152】
図8の例では、複数の画素電極3は、第1画素電極3Aと、第1隣接画素電極3B1と、第2隣接画素電極3B2と、第3隣接画素電極3B3と、第4隣接画素電極3B4と、を含む。第1隣接画素電極3B1、第2隣接画素電極3B2、第3隣接画素電極3B3および第4隣接画素電極3B4は、第1画素電極3Aに隣接している。
【0153】
また、図8の例では、複数の画素電極3は、第1特定画素電極3C1と、第2特定画素電極3C2と、第3特定画素電極3C3と、第4特定画素電極3C4と、を含む。第1特定画素電極3C1は、第1隣接画素電極3B1および第2隣接画素電極3B2に隣接している。第2特定画素電極3C2は、第2隣接画素電極3B2および第3隣接画素電極3B3に隣接している。第3特定画素電極3C3は、第3隣接画素電極3B3および第4隣接画素電極3B4に隣接している。第4特定画素電極3C4は、第4隣接画素電極3B4および第1隣接画素電極3B1に隣接している。
【0154】
シールド電極61は、第1部分X1と、第2部分X2と、第3部分X3と、第4部分X4と、を含む。少なくとも1つのシールドビアは、第1シールドビアと、第2シールドビアと、第3シールドビアと、第4シールドビアと、を含む。第1シールドビアは、第1部分X1から半導体基板1に向かって延びている。第2シールドビアは、第2部分X2から半導体基板1に向かって延びている。第3シールドビアは、第3部分X3から半導体基板1に向かって延びている。第4シールドビアは、第4部分X4から半導体基板1に向かって延びている。
【0155】
平面視において、第1画素電極3Aは、第1辺S1と、第2辺S2と、第3辺S3と、第4辺S4と、がこの順に接続された四角形Qである。平面視において、第1部分X1は、第1辺S1と第1隣接画素電極3B1との間に位置する。平面視において、第2部分X2は、第2辺S2と第2隣接画素電極3B2との間に位置する。平面視において、第3部分X3は、第3辺S3と第3隣接画素電極3B3との間に位置する。平面視において、第4部分X4は、第4辺S4と第4隣接画素電極3B4との間に位置する。
【0156】
図8の例では、具体的には、平面視において、第1辺S1は、第1部分X1を挟んで第1隣接画素電極3B1と対向している。平面視において、第2辺S2は、第2部分X2を挟んで第2隣接画素電極3B2と対向している。平面視において、第3辺S3は、第3部分X3を挟んで第3隣接画素電極3B3と対向している。平面視において、第4辺S4は、第4部分X4を挟んで第4隣接画素電極3B4と対向している。
【0157】
図8の例では、シールド電極61は、第5部分X5と、第6部分X6と、第7部分X7と、第8部分X8と、を含む。少なくとも1つのシールドビアは、第5シールドビアと、第6シールドビアと、第7シールドビアと、第8シールドビアと、を含む。第5シールドビアは、第5部分X5から半導体基板1に向かって延びている。第6シールドビアは、第6部分X6から半導体基板1に向かって延びている。第7シールドビアは、第7部分X7から半導体基板1に向かって延びている。第8シールドビアは、第8部分X8から半導体基板1に向かって延びている。
【0158】
平面視において、複数の画素電極3は、複数の交差部Yを含む格子状領域60を介して互いに離間している。平面視において、シールド電極61は、格子状領域60に位置する。
【0159】
平面視において、四角形Qは、第1頂点V1と、第2頂点V2と、第3頂点V3と、第4頂点V4と、を含む。第1頂点V1は、第1辺S1と第2辺S2とが接する頂点である。第2頂点V2は、第2辺S2と第3辺S3とが接する頂点である。第3頂点V3は、第3辺S3と第4辺S4とが接する頂点である。第4頂点V4は、第4辺S4と第1辺S1とが接する頂点である。
【0160】
平面視において、複数の交差部Yは、第1交差部Y1と、第2交差部Y2と、第3交差部Y3と、第4交差部Y4と、を含む。平面視において、第1交差部Y1は、複数の交差部Yにおいて第1頂点V1に最も近い。平面視において、第2交差部Y2は、複数の交差部Yにおいて第2頂点V2に最も近い。第3交差部Y3は、複数の交差部Yにおいて第3頂点V3に最も近い。第4交差部Y4は、複数の交差部Yにおいて第4頂点V4に最も近い。
【0161】
平面視において、第5部分X5は、第1交差部Y1に位置する。平面視において、第6部分X6は、第2交差部Y2に位置する。平面視において、第7部分X7は、第3交差部Y3に位置する。平面視において、第8部分X8は、第4交差部Y4に位置する。
【0162】
さらに、図8の例では、上記少なくとも1つのシールドビアは、第9シールドビアと、第10シールドビアと、第11シールドビアと、第12シールドビアと、第13シールドビアと、第14シールドビアと、を含む。第9シールドビアおよび第10シールドビアは、第1部分X1から半導体基板1に向かって延びている。第11シールドビアは、第2部分X2から半導体基板1に向かって延びている。第12シールドビアおよび第13シールドビアは、第3部分X3から半導体基板1に向かって延びている。第14シールドビアは、第4部分X4から半導体基板1に向かって延びている。
【0163】
シールド電極61に接続されたビアは、解像度の高い画像を得ることに寄与する。具体的には、このように第1シールドビアから第14シールドビアを設けると、平面視において1つの画素電極3を取り囲むシールドビア63、63Cの数が多くなり、クロストーク低減の効果が大きくなる。また、斜め方向に並ぶ画素間でのクロストークも低減することができる。したがって、より解像度の高い画像を得易い。なお、斜め方向は、図8の例では、平面視で四角形Qの対角線が延びる方向である。
【0164】
上記の説明に係るシールド電極61に接続されたシールドビア63、63Cの一部を省略してもよい。シールド電極61から半導体基板1に向かって延びるシールドビア63、63Cを追加してもよい。
【0165】
図8の例では、撮像装置100は、画素ビア13を含む。画素ビア13は、第1画素電極3Aに接続されている。画素ビア13は、第1画素電極3Aから半導体基板1に向かって延びている。図8において、画素ビア13の位置は、点PAによって表されている。なお、図示は省略しているが、図8の例では、図示中央の画素電極3Aのみならず、他の8つの画素電極3B1から3B4および3C1から3C4からも、画素ビア13が半導体基板1に向かって延びている。
【0166】
このような撮像装置100においては、第1画素電極3Aに接続された画素ビア13を流れる信号電荷への、該画素ビア13と隣接画素電極に接続された画素ビアとの寄生容量に由来するノイズの重畳が、シールド電極61に接続されたシールドビア63、63Cによって抑制され得る。このため、このような撮像装置100は、解像度の高い画像を得るのに適している。
【0167】
一具体例では、平面視において、第1画素電極3Aに接続された画素ビア13は、第1シールドビアと、第2シールドビアと、第3シールドビアと、第4シールドビアと、第5シールドビアと、によって取り囲まれている。
【0168】
具体的には、平面視において、第1画素電極3Aに接続された画素ビア13は、第1シールドビアと、第2シールドビアと、第3シールドビアと、第4シールドビアと、第5シールドビアと、第6シールドビアと、第7シールドビアと、第8シールドビアと、によって取り囲まれている。
【0169】
より具体的には、平面視において、第1画素電極3Aに接続された画素ビア13は、第1シールドビアと、第2シールドビアと、第3シールドビアと、第4シールドビアと、第5シールドビアと、第6シールドビアと、第7シールドビアと、第8シールドビアと、第9シールドビアと、第10シールドビアと、第11シールドビアと、第12シールドビアと、第13シールドビアと、第14シールドビアと、によって取り囲まれている。
【0170】
図8の例では、上記少なくとも1つのシールドビアは、シールド電極61から第1配線層14まで延びている。このようにすることは、解像度の高い画像を得るのに適している。
【0171】
図8の例では、四角形Qは、長方形である。四角形Qは、正方形であってもよい。
【0172】
図8の例では、平面視において、第1隣接画素電極3B1、第2隣接画素電極3B2、第3隣接画素電極3B3および第4隣接画素電極3B4は、四角形である。典型的には、平面視において、第1隣接画素電極3B1、第2隣接画素電極3B2、第3隣接画素電極3B3および第4隣接画素電極3B4は、四角形Qと同じ形状および寸法を有する。
【0173】
図8の例では、平面視において、第1隣接画素電極3B1および第3隣接画素電極3B3は、第1画素電極3Aと、第2辺S2および第4辺S4が延びる方向に隣接している。第2隣接画素電極3B2および第4隣接画素電極3B4は、第1画素電極3Aと、第1辺S1および第3辺S3が延びる方向に隣接している。
【0174】
図8の例では、単一の導電体であるシールド電極61が、複数の画素電極3をシールドする。具体的には、単一の導電体は、平面視において、格子形状を有している。ただし、別の形態を採用することもできる。例えば、シールド電極61が複数の部分に電気的に分離されており、複数の部分のそれぞれが個別に対応する画素電極3をシールドしていてもよい。
【0175】
以下、図9Aから図9Eを参照して、撮像装置の特徴を説明する。以下の説明は、上述の説明と重複することがある。以下の説明内容と上述の説明内容とを組み合わせてもよい。以下の説明における用語と上述の説明における用語の読み替えも可能である。なお、図9Aから図9Eでは、絶縁層2の図示は省略している。
【0176】
図9Aの第1シールドビアSV1は、図8の点P1における第1シールドビアに対応する。図9Aの第2シールドビアSV2は、図8の点P2における第2シールドビアに対応する。図9Aの第3シールドビアSV3は、図8の点P5における第5シールドビアに対応する。図9Aの第4シールドビアSV4は、図8の点P3における第3シールドビアに対応する。図9Aの第5シールドビアSV5は、図8の点P6における第6シールドビアに対応する。図9Aの第6シールドビアSV6は、図8の点P4における第4シールドビアに対応する。図9Aの第7シールドビアSV7は、図8の点P7における第7シールドビアに対応する。図9Aの第8シールドビアSV8は、図8の点P8における第8シールドビアに対応する。図9Aの第9シールドビアSV9は、図8の点P9における第9シールドビアに対応する。図9Aの第10シールドビアSV10は、図8の点P10における第10シールドビアに対応する。図9Aの第11シールドビアSV11は、図8の点P11における第11シールドビアに対応する。図9Aの第12シールドビアSV12は、図8の点P12における第12シールドビアに対応する。図9Aの第13シールドビアSV13は、図8の点P13における第13シールドビアに対応する。図9Aの第14シールドビアSV14は、図8の点P14における第14シールドビアに対応する。
【0177】
シールドビアSV1からSV14は、シールド電極61から延びている。具体的には、シールドビアSV1からSV14は、シールド電極61から、光の入射面から遠ざかる方向に延びている。シールドビアSV1からSV14は、シールド電極61から下方に延びているとも言える。この例では、シールドビアSV1からSV14は、第1配線層14まで延びている。
【0178】
図9Aの第1画素電極PE1は、図8の第1画素電極3Aに対応する。図9Aの第2画素電極PE2は、図8の第1隣接画素電極3B1に対応する。図9Aの第3画素電極PE3は、図8の第2隣接画素電極3B2に対応する。図9Aの第4画素電極PE4は、図8の第1特定画素電極3C1に対応する。図9Aの第5画素電極PE5は、図8の第3隣接画素電極3B3に対応する。図9Aの第6画素電極PE6は、図8の第2特定画素電極3C2に対応する。図9Aの第7画素電極PE7は、図8の第4隣接画素電極3B4に対応する。図9Aの第8画素電極PE8は、図8の第3特定画素電極3C3に対応する。図9Aの第9画素電極PE9は、図8の第4特定画素電極3C4に対応する。第1画素電極PE1から第9画素電極PE9は、電荷を収集する。第1画素電極PE1から第9画素電極PE9は、シールド電極61とは電気的に分離されている。
【0179】
第1画素電極PE1は、第2画素電極PE2、第3画素電極PE3、第5画素電極PE5および第7画素電極PE7と隣接している。第4画素電極PE4は、第2画素電極PE2および第3画素電極PE3と隣接している。第6画素電極PE6は、第3画素電極PE3および第5画素電極PE5と隣接している。第8画素電極PE8は、第5画素電極PE5および第7画素電極PE7と隣接している。第9画素電極PE9は、第7画素電極PE7および第2画素電極PE2と隣接している。
【0180】
具体的には、第1画素電極PE1および第2画素電極PE2は、第1方向に隣接している。第1画素電極PE1および第3画素電極PE3は、第2方向に隣接している。第1画素電極PE1および第5画素電極PE5は、第1方向に隣接している。第1画素電極PE1および第7画素電極PE7は、第2方向に隣接している。第4画素電極PE4および第2画素電極PE2は、第2方向に隣接している。第4画素電極PE4および第3画素電極PE3は、第1方向に隣接している。第6画素電極PE6および第3画素電極PE3は、第1方向に隣接している。第6画素電極PE6および第5画素電極PE5は、第2方向に隣接している。第8画素電極PE8および第5画素電極PE5は、第2方向に隣接している。第8画素電極PE8および第7画素電極PE7は、第1方向に隣接している。第9画素電極PE9および第7画素電極PE7は、第1方向に隣接している。第9画素電極PE9および第2画素電極PE2は、第2方向に隣接している。
【0181】
ここで、第1方向および第2方向は、互いに異なる方向である。図示の例では、第1方向および第2方向は、互いに直交する方向である。図示の例では、第1方向は、行方向である。第2方向は、列方向である。また、図示の例では、第1方向は、X軸方向に対応する。第2方向は、Y軸方向に対応する。
【0182】
第1画素電極PE1と第2画素電極PE2とが隣接しているという表現について、図9Bおよび図9Cを参照しながら説明する。この表現は、平面視において、第1画素電極PE1を収容する最小の長方形RT1が有する辺Sjと第2画素電極PE2を収容する最小の長方形RT2が有する辺Skとが互いに対向していることを意味する。長方形は、正方形を含む概念である。具体的には、第1画素電極PE1と第2画素電極PE2とが隣接しているとは、平面視において、辺Sjの法線が辺Skを通り、かつ、辺Skの法線が辺Sjを通ることを意味する。辺Sjの法線は、辺Sjにおけるいずれかの点を通る線であればよい。辺Skの法線は、辺Skにおけるいずれかの点を通る線であればよい。一具体例では、平面視において、辺Sjの垂直二等分線が辺Skの中点を通り、かつ、辺Skの垂直二等分線が辺Sjの中点を通る。第1画素電極PE1と第3画素電極PE3とが隣接している等といった、他の画素電極間の隣接に関する表現およびその具体例についても同様である。
【0183】
図3図8図9Aおよび図9Bに示す例では、平面視において、第1画素電極PE1を収容する最小の長方形RT1は、第1画素電極PE1の輪郭と同じである。第2画素電極PE2等の他の画素電極についても同様である。
【0184】
ただし、図9Cに示すように、平面視において、第1画素電極PE1の輪郭は、丸みを帯びていることがあり得る。図9Cの例では、第1画素電極PE1を収容する最小の長方形RT1は、第1画素電極PE1の輪郭とは異なる。第2画素電極PE2等の他の画素電極も、図9Cに示す形状を有し得る。現実において、画素電極のサイズが小さい場合等には、画素電極が平面視において丸みを帯び易い傾向にある。
【0185】
図3図8および図9Aに示す例では、複数の画素は、行列状に配置されることによって、画素アレイを構成している。このように画素アレイが構成されている場合において、ある画素電極と別の画素電極が隣接しているとは、これらの画素電極が行方向または列方向に隣り合うことを指すのであって、これらの画素が行方向及び列方向に対して傾斜する斜め方向に並ぶことを指すのではない。図3図8および図9Aに示す例では、行方向は左右方向に対応し、列方向は上下方向に対応する。
【0186】
図9Aに戻って、第1画素電極PE1から、第1画素ビアPV1が延びている。図9Aの第1画素ビアPV1は、図8の点PAにおける画素ビア13に対応する。第2画素電極PE2から、第2画素ビアPV2が延びている。第3画素電極PE3から、第3画素ビアPV3が延びている。第4画素電極PE4から、第4画素ビアPV4が延びている。第5画素電極PE5から、第5画素ビアPV5が延びている。第6画素電極PE6から、第6画素ビアPV6が延びている。第7画素電極PE7から、第7画素ビアPV7が延びている。第8画素電極PE8から、第8画素ビアPV8が延びている。第9画素電極PE9から、第9画素ビアPV9が延びている。第1画素ビアPV1から第9画素ビアPV9は、第1画素電極PE1から第9画素電極PE9を他の要素に電気的に接続できる。他の要素の具体例は、配線層、検出回路12等である。
【0187】
平面視において、第1シールドビアSV1は、第1画素電極PE1と第2画素電極PE2との間に位置している。平面視において、第2シールドビアSV2は、第1画素電極PE1と第3画素電極PE3との間に位置している。平面視において、第4シールドビアSV4は、第1画素電極PE1と第5画素電極PE5との間に位置している。平面視において、第6シールドビアSV6は、第1画素電極PE1と第7画素電極PE7との間に位置している。平面視において、第9シールドビアSV9は、第1画素電極PE1と第2画素電極PE2との間に位置している。平面視において、第10シールドビアSV10は、第1画素電極PE1と第2画素電極PE2との間に位置している。平面視において、第11シールドビアSV11は、第1画素電極PE1と第3画素電極PE3との間に位置している。平面視において、第12シールドビアSV12は、第1画素電極PE1と第5画素電極PE5との間に位置している。平面視において、第13シールドビアSV13は、第1画素電極PE1と第5画素電極PE5との間に位置している。平面視において、第14シールドビアSV14は、第1画素電極PE1と第7画素電極PE7との間に位置している。平面視においてこのように2つの画素電極間にシールドビアが存在することは、解像度の高い画像を得るのに適している。
【0188】
平面視において第1シールドビアSV1が第1画素電極PE1と第2画素電極PE2との間に位置するとは、平面視において、上記辺Sjにおけるいずれかの点を一端とし上記辺Skにおけるいずれかの点を他端とする線分上に第1シールドビアSV1が存在することを意味する。一具体例では、平面視において、上記線分上にシールド電極61と第1シールドビアSV1との接続部が存在する。平面視において第2シールドビアSV2が第1画素電極PE1と第3画素電極PE3との間に位置する等といった、他の2つの隣接する画素電極間のシールドビアの配置に関する表現およびその具体例についても同様である。平面視において2つの隣接する画素電極間にシールドビアが位置することにより、シールドビアは、画素電極間の電気力線の少なくとも一部を遮蔽できる。
【0189】
図示の例では、平面視において第1画素電極PE1と第2画素電極PE2との間に位置するシールドビアの数と、平面視において第1画素電極PE1と第3画素電極PE3との間に位置するシールドビアの数とは、異なる。平面視において第1画素電極PE1と第3画素電極PE3との間に位置するシールドビアの数と、平面視において第1画素電極PE1と第5画素電極PE5との間に位置するシールドビアの数とは、異なる。平面視において第1画素電極PE1と第5画素電極PE5との間に位置するシールドビアの数と、平面視において第1画素電極PE1と第7画素電極PE7との間に位置するシールドビアの数とは、異なる。平面視において第1画素電極PE1と第7画素電極PE7との間に位置するシールドビアの数と、平面視において第1画素電極PE1と第2画素電極PE2との間に位置するシールドビアの数とは、異なる。
【0190】
図示の例では、平面視において第1画素電極PE1と第2画素電極PE2との間に位置するシールドビアの数と、平面視において第1画素電極PE1と第5画素電極PE5との間に位置するシールドビアの数とは、同じである。平面視において第1画素電極PE1と第3画素電極PE3との間に位置するシールドビアの数と、平面視において第1画素電極PE1と第7画素電極PE7との間に位置するシールドビアの数とは、同じである。
【0191】
具体的には、平面視において第1画素電極PE1と第2画素電極PE2との間に位置するシールドビアは、第1シールドビアSV1、第9シールドビアSV9および第10シールドビアSV10の3本である。平面視において第1画素電極PE1と第3画素電極PE3との間に位置するシールドビアは、第2シールドビアSV2および第11シールドビアSV11の2本である。平面視において第1画素電極PE1と第5画素電極PE5との間に位置するシールドビアは、第4シールドビアSV4、第12シールドビアSV12および第13シールドビアSV13の3本である。平面視において第1画素電極PE1と第7画素電極PE7との間に位置するシールドビアは、第6シールドビアSV6および第14シールドビアSV14の2本である。
【0192】
図示の例では、平面視において、第3シールドビアSV3は、第1画素電極PE1および第4画素電極PE4の間に位置している。平面視において、第5シールドビアSV5は、第1画素電極PE1および第6画素電極PE6の間に位置している。平面視において、第7シールドビアSV7は、第1画素電極PE1および第8画素電極PE8の間に位置している。平面視において、第8シールドビアSV8は、第1画素電極PE1および第9画素電極PE9の間に位置している。このようにすると、斜め方向に並ぶ画素間でのクロストークも低減することができる。したがって、より解像度の高い画像を得易い。なお、図9Aの例では、平面視で第1画素電極PE1の輪郭が四角形であり、斜め方向は、その四角形の対角線が延びる方向である。
【0193】
平面視において第3シールドビアSV3が第1画素電極PE1および第4画素電極PE4の間に位置するという表現について、図9Dを参照しながら説明する。この表現は、平面視において、第1画素電極PE1を収容する最小の長方形RT1の頂点と、第4画素電極PE4を収容する最小の長方形RT4の頂点と、の2つの対向する頂点を結ぶ線分を対角線とする正方形Sx2内に第3シールドビアSV3が位置することを意味する。2つの対向する頂点は、正方形Sx2が最小となるように選択される。一具体例では、平面視において、正方形Sx2内にシールド電極61と第3シールドビアSV3との接続部が存在する。平面視において第5シールドビアSV5が第1画素電極PE1および第6画素電極PE6の間に位置する等といった、他の2つの画素電極間のシールドビアの配置に関する表現およびその具体例についても同様である。平面視において2つの画素電極間にシールドビアが位置することにより、シールドビアは、それら2つの画素電極間の電気力線の少なくとも一部を遮蔽できる。
【0194】
図示の例では、平面視において、第3シールドビアSV3は、第1画素電極PE1、第2画素電極PE2、第3画素電極PE3および第4画素電極PE4の間に位置している。平面視において、第5シールドビアSV5は、第1画素電極PE1、第3画素電極PE3、第5画素電極PE5および第6画素電極PE6の間に位置している。平面視において、第7シールドビアSV7は、第1画素電極PE1、第5画素電極PE5、第7画素電極PE7および第8画素電極PE8の間に位置している。平面視において、第8シールドビアSV8は、第1画素電極PE1、第7画素電極PE7、第2画素電極PE2および第9画素電極PE9の間に位置している。平面視においてこのように4つの画素電極間にビアが存在することは、解像度の高い画像を得るのに適している。
【0195】
平面視において第3シールドビアSV3が第1画素電極PE1、第2画素電極PE2、第3画素電極PE3および第4画素電極PE4の間に位置するという表現について、図9Eを参照しながら説明する。この表現は、平面視において、第1画素電極PE1を収容する最小の長方形RT1の頂点と、第2画素電極PE2を収容する最小の長方形RT2の頂点と第3画素電極PE3を収容する最小の長方形RT3の頂点と、第4画素電極PE4を収容する最小の長方形RT4の頂点と、の4つの対向する頂点によって規定される四角形Sx4内に第3シールドビアSV3が位置することを意味する。4つの対向する頂点は、四角形Sx4が最小となるように選択される。一具体例では、平面視において、四角形Sx4内にシールド電極61と第3シールドビアSV3との接続部が存在する。平面視において第5シールドビアSV5が第1画素電極PE1、第3画素電極PE3、第4画素電極PE5および第6画素電極PE6の間に位置する等といった、他の4つの画素電極間のシールドビアの配置に関する表現およびその具体例についても同様である。平面視において4つの画素電極間にシールドビアが位置することにより、シールドビアは、それら4つの画素電極間の電気力線の少なくとも一部を遮蔽できる。
【0196】
図9Eの四角形Sx4は、図9Dの正方形Sx2に対応し得る。図9Dの正方形Sx2および図9Eの四角形Sx4は、図8の第1交差部Y1に対応し得る。図9Dを用いた上記の説明および図9Eを用いた上記の説明は、図9Cのように平面視において画素電極が丸みを帯びている場合においても成立し得る。
【0197】
図9Aに戻って、平面視において、第1シールドビアSV1は、第1画素ビアPV1と第2画素ビアPV2との間に位置している。平面視において、第3シールドビアSV3は、第1画素ビアPV1と第4画素ビアPV4との間に位置している。平面視において、第4シールドビアSV4は、第1画素ビアPV1と第5画素ビアPV5との間に位置している。平面視において、第5シールドビアSV5は、第1画素ビアPV1と第6画素ビアPV6との間に位置している。平面視において、第7シールドビアSV7は、第1画素ビアPV1と第8画素ビアPV8との間に位置している。平面視において、第8シールドビアSV8は、第1画素ビアPV1と第9画素ビアPV9との間に位置している。
【0198】
平面視において第1シールドビアSV1が第1画素ビアPV1と第2画素ビアPV2との間に位置するとは、平面視において、第1画素ビアPV1を一端とし第2画素ビアPV2を他端とする線分上に、第1シールドビアSV1が存在することを意味する。一具体例では、平面視において、第1画素電極PE1および第1画素ビアPV1の接続部を一端とし第2画素電極PE2および第2画素ビアPV2の接続部を他端とする線分上に、シールド電極61および第1シールドビアSV1の接続部が存在する。平面視において第3シールドビアSV3が第1画素ビアPV1と第4画素ビアPV4との間に位置する等といった、他の画素ビア間のビアの配置に関する表現およびその具体例についても同様である。平面視において画素ビア間にシールドビアを配置することによって、シールドビアは画素ビア間の電気力線の少なくとも一部を遮蔽できる。
【0199】
図9Aでは図示を省略しているが、平面視において、絶縁部62は、第1画素電極PE1、第2画素電極PE2、第3画素電極PE3、第4画素電極PE4、第5画素電極PE5、第6画素電極PE6、第7画素電極PE7、第8画素電極PE8および第9画素電極PE9から離間している。
【0200】
平面視において、シールド電極61は、第1画素電極PE1および第2画素電極PE2の間を延びている。平面視において、シールド電極61は、第1画素電極PE1および第3画素電極PE3の間を延びている。平面視において、シールド電極61は、第1画素電極PE1および第5画素電極PE5の間を延びている。平面視において、シールド電極61は、第1画素電極PE1および第7画素電極PE7の間を延びている。平面視において、シールド電極61は、第4画素電極PE4および第2画素電極PE2の間を延びている。平面視において、シールド電極61は、第4画素電極PE4および第3画素電極PE3の間を延びている。平面視において、シールド電極61は、第6画素電極PE6および第3画素電極PE3の間を延びている。平面視において、シールド電極61は、第6画素電極PE6および第5画素電極PE5の間を延びている。平面視において、シールド電極61は、第8画素電極PE8および第5画素電極PE5の間を延びている。平面視において、シールド電極61は、第8画素電極PE8および第7画素電極PE7の間を延びている。平面視において、シールド電極61は、第9画素電極PE9および第7画素電極PE7の間を延びている。平面視において、シールド電極61は、第9画素電極PE9および第2画素電極PE2の間を延びている。
【0201】
(カメラシステム)
以下、上述の撮像装置100が適用されたカメラシステムについて、図10を参照しつつ説明する。
【0202】
図10の例では、カメラシステム604は、撮像装置100と、光学系601と、カメラ信号処理部602と、システムコントローラ603と、を備える。
【0203】
光学系601は、光を集光する。光学系601は、例えば、レンズを含む。
【0204】
カメラ信号処理部602は、撮像装置100で撮像したデータを信号処理し、画像またはデータとして出力する。
【0205】
システムコントローラ603は、撮像装置100およびカメラ信号処理部602を制御する。
【産業上の利用可能性】
【0206】
本開示に係る撮像装置は、デジタルスチルカメラ、医療用カメラ、監視用カメラ、車載用カメラ、デジタル一眼レフカメラ、デジタルミラーレス一眼カメラなど、様々なカメラシステムおよびセンサシステムへの利用が可能である。
【0207】
以上、本開示の撮像装置について、実施形態に基づいて説明してきたが、本開示に係る撮像装置およびその製造方法は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態における任意の構成要素を組み合わせて実現される別の実施形態、上記実施形態に対して本開示の主旨を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例、および本開示の固体撮像装置を内蔵した各種機器も本開示に含まれる。
【符号の説明】
【0208】
1 半導体基板
2 絶縁層
2a,2b,2c,2d,2e 構成層
3,3A,3B1,3B2,3B3,3B4,3C1,3C2,3C3,3C4,PE1,PE2,PE3,PE4,PE5,PE6,PE7,PE8,PE9,69 画素電極
4 光電変換層
4p 突出部
5 対向電極
6 緩衝層
7 封止層
8 カラーフィルタ
9 平坦化層
10 マイクロレンズ
11 光電変換部
12 検出回路
13,PV1,PV2,PV3,PV4,PV5,PV6,PV7,PV8,PV9 画素ビア
63,63C,SV1,SV2,SV3,SV4,SV5,SV6,SV7,SV8,SV9,SV10,SV11,SV12,SV13,SV14 シールドビア
14 第1配線層
20 画素
30 画素部
60 領域
61 シールド電極
62 絶縁部
62a 上面
62b 下面
62c 側面
62d 角
62x 層
65 信号電荷
67 絶縁体
68 ビア
71 離間幅
81 マスク
100 撮像装置
601 光学系
602 カメラ信号処理部
603 システムコントローラ
604 カメラシステム
S1,S2,S3,S4 辺
P1,P2,P3,P4,P5,P6,P7,P8,P9,P10,P11,P12,P13,P14,PA 点
Q、Sx4 四角形
Sx2 正方形
RT1,RT2,RT3,RT4 長方形
Sk,Sj 辺
V1,V2,V3,V4 頂点
X1,X2,X3,X4,X5,X6,X7,X8 部分
Y,Y1,Y2,Y3,Y4 交差部
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図10