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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-08
(45)【発行日】2024-08-19
(54)【発明の名称】紫外光照射システム
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/13 20200101AFI20240809BHJP
   F21S 8/04 20060101ALI20240809BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20240809BHJP
   H05B 47/125 20200101ALI20240809BHJP
   A61L 2/10 20060101ALI20240809BHJP
   A61L 9/20 20060101ALI20240809BHJP
   F21Y 101/00 20160101ALN20240809BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240809BHJP
【FI】
H05B47/13
F21S8/04 440
F21V23/00 115
H05B47/125
A61L2/10
A61L9/20
F21Y101:00 300
F21Y115:10
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021003785
(22)【出願日】2021-01-13
(65)【公開番号】P2022108662
(43)【公開日】2022-07-26
【審査請求日】2023-10-11
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】舩越 正司
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-009698(JP,A)
【文献】特開2003-347070(JP,A)
【文献】特表2019-536492(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0193501(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 39/00-39/10
H05B 45/00-45/59
H05B 47/00-47/29
F21K 9/00- 9/90
F21S 2/00-45/70
F21V 23/00-99/00
A61L 2/10
A61L 9/20
F21Y 101/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物内部の第1空間に居る人を検知可能な第1センサと、
前記第1空間に隣接し、互いに人が出入り可能な第2空間に居る人を検知可能な第2センサと、
前記第1空間に紫外光を照射する第1光源と、
前記第1空間に可視光である照明光を照射する第2光源と、
前記第1光源及び前記第2光源を連動させて制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記第2センサが人を検知せず、かつ、前記第1センサが人を検知しない場合に、前記第1光源に前記紫外光を照射させる、
紫外光照射システム。
【請求項2】
建物内部の第1空間に居る人を検知可能な第1センサと、
前記第1空間に紫外光を照射する第1光源と、
前記第1空間に可視光である照明光を照射する第2光源と、
前記第1光源及び前記第2光源を連動させて制御する制御装置と、を備え、
前記第1センサは、さらに、前記第1空間に隣接し、互いに人が出入り可能な第2空間に居る人を検知可能であり、
前記制御装置は、前記第1センサが人を検知しない場合に、前記第1光源に前記紫外光を照射させ、前記第2空間に居る人が検知された場合に、前記第1光源に前記紫外光の照射を停止させる、
紫外光照射システム。
【請求項3】
前記制御装置は、前記第1センサが人を検知しない場合に、さらに、前記第2光源に前記照明光の照射を停止させる、
請求項1又は2に記載の紫外光照射システム。
【請求項4】
前記制御装置は、前記第1センサが人を検知した場合に、前記第1光源に前記紫外光の照射を停止させ、かつ、前記第2光源に前記照明光を照射させる、
請求項1~3のいずれか1項に記載の紫外光照射システム。
【請求項5】
前記制御装置は、前記第2空間に居る人が検知された場合に、前記第1光源に前記紫外光の照射を停止させる、
請求項に記載の紫外光照射システム。
【請求項6】
前記第2光源は、さらに、前記第2空間に前記照明光を照射する、
請求項1~5のいずれか1項に記載の紫外光照射システム。
【請求項7】
さらに、前記第2空間に照明光を照射する第3光源を備える、
請求項1~5のいずれか1項に記載の紫外光照射システム。
【請求項8】
前記制御装置は、前記第1光源に対して、前記紫外光を予め設定された期間照射させた後、前記紫外光の照射を停止させる、
請求項1~のいずれか1項に記載の紫外光照射システム。
【請求項9】
さらに、前記第1光源の動作状態を周囲に報知する報知装置を備える、
請求項1~のいずれか1項に記載の紫外光照射システム。
【請求項10】
さらに、前記第1光源の動作状態を示す動作情報を、予め設定された送信先に送信する送信装置を備える、
請求項1~のいずれか1項に記載の紫外光照射システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外光照射システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、殺菌目的で紫外線ランプが用いられている。例えば、特許文献1には、紫外線を放射する殺菌ランプと、人の有無を検知する人体センサと、を備える浴室用防かび装置が開示されている。浴室用防かび装置では、人体センサによって人が検知された場合には、殺菌ランプを消灯する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開平2-96143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エネルギー資源の有効利用などの環境意識の高まりに伴い、電力消費を抑えるなどにより、空間の清浄化を効果的に行うことが求められている。
【0005】
本発明は、空間の清浄化を効果的に行うことができる紫外光照射システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る紫外光照射システムは、建物内部の第1空間に居る人を検知可能な第1センサと、前記第1空間に紫外光を照射する第1光源と、前記第1空間に可視光である照明光を照射する第2光源と、前記第1光源及び前記第2光源を連動させて制御する制御装置と、を備える。前記制御装置は、前記第1センサが人を検知しない場合に、前記第1光源に前記紫外光を照射させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る紫外光照射システムによれば、空間の清浄化を効果的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施の形態に係る紫外光照射システムが適用される建物内部の一例を示す平面図である。
図2図2は、実施の形態に係る紫外光照射システムの構成を示すブロック図である。
図3A図3Aは、実施の形態に係る紫外光照射システムの動作を示すフローチャートである。
図3B図3Bは、実施の形態に係る紫外光照射システムの動作の変形例を示すフローチャートである。
図4A図4Aは、対象空間及び隣接空間のいずれにも人が居ない場合の各光源の照射状態を模式的に示す平面図である。
図4B図4Bは、隣接空間に人が居る場合の各光源の照射状態を模式的に示す平面図である。
図4C図4Cは、対象空間に人が居る場合の各光源の照射状態を模式的に示す平面図である。
図5図5は、実施の形態の変形例に係る紫外光照射システムが適用される建物内部の一例を示す平面図である。
図6図6は、実施の形態の変形例に係る紫外光照射システムの構成を示すブロック図である。
図7図7は、実施の形態の変形例に係る紫外光照射システムが適用される集合トイレを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下では、本発明の実施の形態に係る紫外光照射システムについて、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0010】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0011】
また、本明細書において、要素の形状を示す用語、並びに、数値範囲は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度の差異をも含むことを意味する表現である。
【0012】
(実施の形態)
[概要]
まず、実施の形態に係る紫外光照射システムの概要を説明する。
【0013】
図1は、本実施の形態に係る紫外光照射システムが適用される建物10内部の一例を示す図である。図1に示されるように、建物10は、対象空間11と、隣接空間12と、を含んでいる。
【0014】
対象空間11は、建物10内部の第1空間の一例であり、図2に示される紫外光照射システム1によって紫外光が照射される空間である。つまり、対象空間11は、紫外光による清浄化の対象空間である。対象空間11には、紫外光を照射するUV光源40と、可視光である照明光を照射する照明用光源50と、が設けられている。対象空間11は、例えば、浴室、トイレ、キッチン、リビング、寝室又はウォーキングクローゼットなどであるが、人が進入可能な空間であれば、特に限定されない。
【0015】
対象空間11には、人が出入りするための扉13が設けられている。扉13は、対象空間11と隣接空間12とを開閉可能に仕切っている。扉13を開けることにより、対象空間11と隣接空間12とで人が出入り可能になる。なお、扉13は設けられていなくてもよい。
【0016】
隣接空間12は、対象空間11に隣接し、互いに人が出入り可能な第2空間の一例である。隣接空間12には、可視光である照明光を照射する照明用光源51が設けられている。隣接空間12は、例えば、脱衣所、廊下又はリビングなどであるが、人が進入可能な空間であれば、特に限定されない。
【0017】
隣接空間12には、人が出入りするための扉14が設けられている。扉14は、隣接空間12と他の空間とを開閉可能に仕切っている。扉14を開けることにより、隣接空間1
2への出入りが可能になる。扉14の外は、建物10の内部であってもよく、建物10の外部であってもよい。また、隣接空間12は、建物10内部の空間であるが、建物10外部の空間であってもよい。なお、扉14は設けられていなくてもよい。
【0018】
図1に示されるように、建物10内部には、対象空間11に居る人を検知可能な人センサ30が設けられている。本実施の形態に係る紫外光照射システム1は、人センサ30による検知結果に基づいて、対象空間11の清浄化と、対象空間11及び隣接空間12の照明と、を行う。具体的には、紫外光照射システム1は、人の有無に応じて空間の清浄化及び照明を効果的に行うことができる。
【0019】
[構成]
続いて、本実施の形態に係る紫外光照射システム1の具体的な構成について、図2を用いて説明する。
【0020】
図2は、本実施の形態に係る紫外光照射システム1の構成を示すブロック図である。図2に示されるように、紫外光照射システム1は、人センサ30と、UV光源40と、照明用光源50及び51と、制御装置60と、報知装置70と、送信装置80と、を備える。
【0021】
人センサ30は、対象空間11に居る人を検知可能な第1センサの一例である。本実施の形態では、人センサ30は、さらに、隣接空間12に居る人を検知可能である。つまり、人センサ30の検知範囲には、対象空間11の少なくとも一部と隣接空間12の少なくとも一部とが含まれる。
【0022】
人センサ30は、対象空間11及び隣接空間12のいずれかに人が存在する場合に、人が検知されたことを示す検知結果を出力する。このとき、人センサ30は、対象空間11と隣接空間12とを区別して検知可能であってもよい。つまり、検知結果には、検知された人が対象空間11及び隣接空間12のいずれに居るかを示す情報が含まれてもよい。人センサ30は、例えば、赤外光を利用した人感センサである。あるいは、人センサ30は、可視光を受光するイメージセンサ、又は、熱画像センサであってもよい。
【0023】
UV光源40は、対象空間11に紫外光を照射する第1光源の一例である。紫外光は、殺菌効果を有する波長範囲にピークを有する光である。具体的には、紫外光は、200nm以上280nm以下の波長範囲にピークを有するUV-C光である。例えば、紫外光のピーク波長は、250nmであるが、これに限定されない。UV光源40は、LED(Light Emitting Diode)又は放電ランプである。
【0024】
UV光源40は、対象空間11を形成する壁面、床面及び天井面、並びに、対象空間11に配置された家具などに対して紫外光を照射することで、これらに付着した菌及び/又はウイルスを無害化する。無害化の対象となる菌は、例えば、大腸菌、レジオネラ菌又はサルモネラ菌などである。また、無害化の対象となるウイルスは、コロナウイルス、インフルエンザウイルス又はノロウイルスなどである。紫外光の照射によって、カビなどの真菌類の発生も抑制することができる。
【0025】
なお、「無害化」とは、完全に菌及び/又はウイルスを除去することを意味するだけでなく、菌及び/又はウイルスの数を減らすことも意味し、単に「殺菌」又は「除菌」とも記載される。「99.9%殺菌」とは、除菌率が99.9%以上であることを意味し、菌数(又はウイルス数)を0.1%以下に減らすことを意味する。
【0026】
UV光源40は、例えば、対象空間11の天井に設置されており、床面に向けて紫外光を照射する。あるいは、UV光源40は、対象空間11の壁又は床に設置されていてもよ
く、扉13に取り付けられていてもよい。また、UV光源40は、対象空間11の全体に紫外光を照射してもよく、対象空間11の一部に局所的に紫外光を照射してもよい。
【0027】
照明用光源50は、対象空間11に照明光を照射する第2光源の一例である。照明光は、例えば白色光である。照明用光源50は、LED又は放電ランプである。
【0028】
照明用光源51は、隣接空間12に照明光を照射する第3光源の一例である。照明光は、例えば白色光である。照明用光源51は、LED又は放電ランプである。
【0029】
照明用光源50及び51はそれぞれ、例えば、対象空間11又は隣接空間12の天井に設置されており、床面に向けて照明光を照射する。照明用光源50及び51は、シーリングライト、ペンダントライト又はベースライトであるが、ダウンライト又はスポットライトであってもよい。また、照明用光源50及び51は、壁に設置されるブラケットライトであってもよく、床に設置されるフロアライトであってもよい。
【0030】
制御装置60は、UV光源40及び照明用光源50を連動させて制御する。本実施の形態では、制御装置60は、UV光源40並びに照明用光源50及び51を連動させて制御する。「連動」とは、複数の光源の制御内容の変更が実質的に同じタイミングで行われることを意味する。例えば、制御装置60は、一の光源の点灯又は消灯と他の光源の点灯又は消灯とを実質的に同じタイミングで行う。ここでの同じタイミングには、数秒程度のずれが生じていてもよい。
【0031】
なお、「点灯」とは、光源から光を照射(出射)させることであり、「消灯」とは、光源からの光の照射(出射)を停止することである。また、「照射の停止」は、点灯状態から消灯状態に切り替える動作を意味するだけでなく、光が照射されない状態(すなわち、消灯状態)を維持することも意味する。
【0032】
本実施の形態では、制御装置60は、人センサ30の検知結果に基づいて、UV光源40並びに照明用光源50及び51を連動させて制御する。具体的には、制御装置60は、人センサ30が人を検知しない場合に、UV光源40に紫外光を照射させる。また、制御装置60は、人センサ30が人を検知しない場合に、照明用光源50及び51に照明光の照射を停止させる。例えば、制御装置60は、人センサ30が対象空間11に人を検知しない場合に、照明用光源50に照明光の照射を停止させる。制御装置60は、人センサ30が隣接空間12に人を検知しない場合に、照明用光源51に照明光の照射を停止させる。
【0033】
例えば、制御装置60は、UV光源40を点灯させた後、予め定められた所定期間経過後に、UV光源40を消灯する。例えば、制御装置60は、UV光源40に、1W/m以上の放射照度で30秒以上の時間、紫外光を照射させる。これにより、主な菌及びウイルスに対する99.9%殺菌が可能になる。なお、放射照度及び照射時間は一例にすぎず、殺菌ができる程度であれば特に限定されない。制御装置60は、UV光源40の紫外光の照射エネルギー及び照射時間を変更可能であってもよい。
【0034】
また、制御装置60は、人センサ30が人を検知した場合に、UV光源40に紫外光の照射を停止させ、かつ、照明用光源50に照明光を照射させる。例えば、制御装置60は、人センサ30が対象空間11に人を検知した場合に、UV光源40に紫外光の照射を停止させ、かつ、照明用光源50に照明光を照射させる。また、例えば、制御装置60は、人センサ30が隣接空間12に人を検知した場合に、UV光源40に紫外光の照射を停止させ、かつ、照明用光源51に照明光を照射させる。
【0035】
制御装置60は、例えば、建物10の壁面に取り付けられた操作パネルに含まれるが、これに限らない。制御装置60は、壁、床又は天井の内部に埋め込まれていてもよい。
【0036】
制御装置60は、例えば、集積回路(IC:Integrated Circuit)であるLSI(Large Scale Integration)によって実現される。なお、集積回路は、LSIに限られず、専用回路又は汎用プロセッサであってもよい。例えば、制御装置60は、マイクロコントローラであってもよい。プロセッサ又はマイクロコントローラは、例えば、プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、入出力ポート、プログラムを実行するプロセッサなどを含んでいる。また、制御装置60は、プログラム可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又は、LSI内の回路セルの接続及び設定が再構成可能なリコンフィギュラブルプロセッサであってもよい。制御装置60が実行する機能は、ソフトウェアで実現されてもよく、ハードウェアで実現されてもよい。
【0037】
報知装置70は、UV光源40の動作状態を周囲に報知する。例えば、報知装置70は、可視光を出射する光源であり、図1に示されるように、隣接空間12内の扉13の近傍に取り付けられている。なお、報知装置70は、隣接空間12の外側で扉14の近傍に取り付けられていてもよい。
【0038】
報知装置70は、UV光源40が点灯している場合に、可視光を出射する。これにより、報知装置70は、隣接空間12に居る人、又は、隣接空間12に入ろうとする人に対して、対象空間11内に紫外光が照射されている状態であることを知らせることができる。なお、報知装置70は、スピーカであってもよく、音声又はアラーム音などによって紫外光の照射状態を知らせてもよい。
【0039】
送信装置80は、UV光源40の動作状態を示す動作情報を、予め設定された送信先に送信する。送信装置80は、例えば、建物10の壁面に取り付けられた操作パネルに含まれるが、これに限らない。送信装置80は、壁、床又は天井の内部に埋め込まれていてもよい。
【0040】
送信先は、例えば、対象空間11の利用者のメールアドレスである。これにより、利用者は、携帯電話、タブレット端末又はPCなどの通信機器を利用して動作情報を取得することができ、動作状態を知ることができる。建物10内に設けられた照明用光源50及び51のコントロールパネルであってもよい。送信装置80は、無線又は有線で通信可能である。
【0041】
[動作]
続いて、紫外光照射システム1の動作について説明する。
【0042】
図3Aは、紫外光照射システム1の動作を示すフローチャートである。図3Aは、紫外光照射システム1における制御装置60の主な動作を示している。
【0043】
図3Aに示されるように、人センサ30が隣接空間12に人を検知しない場合(S10でNo)、制御装置60は、隣接空間12の照明光の照射を停止する(S11)。具体的には、制御装置60は、照明用光源51に照明光の照射を停止させる。
【0044】
さらに、人センサ30が対象空間11に人を検知しない場合(S12でNo)、制御装置60は、対象空間11の照明光の照射を停止する(S13)。具体的には、制御装置60は、照明用光源50に照明光の照射を停止させる。次に、制御装置60は、UV光源40に紫外光を照射させる(S14)。このように、照明光の照射の停止(S13)と紫外
光の照射(S14)とが連動して行われる。なお、照明光の照射の停止(S13)と、紫外光の照射(S14)とは、同時に行われてもよい。あるいは、紫外光の照射(S14)が照明光の照射の停止(S13)よりも先に行われてもよい。
【0045】
制御装置60は、所定期間経過するまで待機する(S15でNo)。この所定期間中、UV光源40は、紫外光を照射し続ける。所定期間が経過した場合(S15でYes)、制御装置60は、UV光源40に紫外光の照射を停止させる(S16)。ここでの所定期間は、紫外光の照射期間であり、例えば、30秒以上の期間である。一例として、照射期間は、1分であるが、これに限定されない。なお、紫外光の照射期間中、制御装置60は、報知装置70を点灯させる。また、制御装置60は、紫外光の照射を開始した時点で、送信装置80に、UV光源40が点灯中であることを示す情報を送信させる。また、制御装置60は、紫外光の照射を終了した時点で、送信装置80に、UV光源40の点灯が終了したことを示す情報を送信させてもよい。
【0046】
人センサ30が対象空間11に人を検知した場合(S12でYes)、制御装置60は、UV光源40に紫外光の照射を停止させる(S17)。次に、制御装置60は、照明用光源50に対して、対象空間11に照明光を照射させる(S18)。このように、紫外光の照射の停止(S17)と照明光の照射(S18)とが連動して行われる。なお、紫外光の照射の停止(S17)と照明光の照射(S18)とは、同時に行われてもよい。あるいは、照明光の照射(S18)が紫外光の照射の停止(S17)よりも先に行われてもよい。
【0047】
人センサ30が隣接空間12に人を検知した場合(S10でYes)、制御装置60は、UV光源40に紫外光の照射を停止させる(S19)。次に、制御装置60は、照明用光源51に対して、隣接空間12に照明光を照射させる(S20)。このように、紫外光の照射の停止(S19)と照明光の照射(S20)とが連動して行われる。なお、紫外光の照射の停止(S19)と照明光の照射(S20)とは、同時に行われてもよい。あるいは、照明光の照射(S20)が紫外光の照射の停止(S19)よりも先に行われてもよい。
【0048】
紫外光の照射が停止され、照明光が照射された後(S16、S18又はS20の後)、制御装置60は、所定期間経過するまで待機する(S21でNo)。所定期間が経過した場合(S21でYes)、ステップS10から処理を繰り返す。ここでの所定期間は、紫外光の照射の繰り返しの待機期間であり、例えば1時間である。つまり、対象空間11及び隣接空間12のいずれにも人が検知されない場合、1時間毎に自動的に紫外光が繰り返し照射される。これにより、対象空間11を常に清浄な状態で保つことができる。なお、図3Aに示される処理は、人からの指示に基づいて手動で開始されてもよい。
【0049】
なお、人センサ30は、常時、人の検知処理を行っている。例えば、ステップS15において紫外光を照射したまま待機している期間に、人センサ30が人を検知した場合、ステップS10又はS12でYesの場合と同様に、紫外光の照射の停止(S17又はS19)と照明光の照射(S18又はS20)とが行われる。これにより、人に紫外光が照射される可能性を十分に低くすることができる。
【0050】
図1に示される例では、対象空間11に出入り可能な入り口が扉13のみである。つまり、対象空間11に人が出入りするためには、必ず隣接空間12を通ることになる。以下では、扉14を通って隣接空間12に入り、扉13を通って対象空間11に入るという人の一例の動作に沿って、各光源の照明状態について図4A図4Cを用いて説明する。
【0051】
まず、人20が隣接空間12の外部に存在している場合について、図4Aを用いて説明
する。図4Aは、対象空間11及び隣接空間12のいずれにも人が居ない場合の各光源の照射状態を模式的に示す平面図である。
【0052】
図4Aに示されるように、対象空間11及び隣接空間12のいずれにも人20が存在していない。この場合、人センサ30が人20を検知しないので(図3AのS10でNo、かつ、S12でNo)、照明用光源50及び51はいずれも照明光の照射が停止され、かつ、UV光源40が紫外光を照射している。なお、図4A図4Cでは、光を照射中の光源(すなわち、点灯中の光源)を「ON」で表し、光の照射が停止されている光源(すなわち、消灯中の光源)を「OFF」で表している。
【0053】
このように、人20が居ない対象空間11及び隣接空間12では照明光の照射が停止されているので、無駄な電力消費を減らすことができる。また、対象空間11では紫外光が照射されているので、人20に紫外光が照射されることを回避しながら対象空間11の清浄化を行うことができる。
【0054】
なお、紫外光が照射されていることを周囲に報知するため、報知装置70は点灯している。例えば、人20は、扉14を開けた場合に、報知装置70が点灯していることを目視により確認することができ、対象空間11で紫外光が照射されていることを知ることができる。
【0055】
次に、人20が扉14を通って隣接空間12に入った場合について、図4Bを用いて説明する。図4Bは、隣接空間12に人が居る場合の各光源の照射状態を模式的に示す平面図である。
【0056】
人センサ30が隣接空間12に居る人20を検知するので(図3AのS10でYes)、隣接空間12の照明用光源51は照明光を照射する。この場合、UV光源40は、紫外光の照射を停止する。また、対象空間11の照明用光源50は消灯状態が維持されている。
【0057】
このように、人20が居る隣接空間12では照明光が照射されるので、人20に快適な照明空間を提供することができる。人20が居ない対象空間11では照明光の照射が停止されているので、無駄な電力消費を減らすことができる。また、隣接空間12に人20が入った場合に、対象空間11で照射されていた紫外光の照射が停止される。このため、仮に、扉13が開いていて紫外光が隣接空間12に漏れ出ていたような場合であっても、人20に紫外光が照射される前に紫外光の照射を停止することができる。よって、人20に紫外光が照射されることが抑制され、人20にとっての安全を確保しながら対象空間11の清浄化を行うことができる。
【0058】
なお、紫外光の照射が停止されているので、報知装置70は消灯している。このため、隣接空間12に居る人20は、報知装置70が点灯していないことを目視により確認することで、対象空間11に照明光が照射されていないことを知ることができる。よって、人20は、安心して対象空間11に入ることができる。
【0059】
次に、人20が扉13を通って対象空間11に入った場合について、図4Cを用いて説明する。図4Cは、対象空間11に人20が居る場合の各光源の照射状態を模式的に示す平面図である。
【0060】
人センサ30が対象空間11に居る人20を検知するので(図3AのS12でYes)、対象空間11の照明用光源50は照明光を照射する。この場合、UV光源40は、紫外光の消灯状態が維持されている。
【0061】
このように、人20が居る対象空間11では照明光が照射されるので、人20に快適な照明空間を提供することができる。なお、制御装置60は、隣接空間12の照明用光源51による照明光の照射を停止してもよい。これにより、人20が居ない隣接空間12では照明光の照射を停止できるので、無駄な電力消費を減らすことができる。
【0062】
本実施の形態では、隣接空間12を介さずに対象空間11には入れない例を示したが、対象空間11に直接入る入り口が設けられていてもよい。この場合であっても、対象空間11に人20が検知された場合(図3AのS12でYes)に紫外光の照射が停止されるので、人20に紫外光が照射される可能性を十分に低くすることができる。
【0063】
なお、照明用光源51が設けられていない場合には、図3AにおいてステップS11及びS20の処理が省略される。また、照明用光源50及び51の代わりに、対象空間11及び隣接空間12の両方を照明する照明用光源(例えば、後述する図7で示される照明用光源150)が設けられている場合には、ステップS11が省略される。
【0064】
また、人センサ30が対象空間11及び隣接空間12を区別できない場合の動作を図3Bに示す。図3Bは、本実施の形態に係る紫外光照射システム1の動作の変形例を示すフローチャートである。図3Bに示されるように、対象空間11及び隣接空間12のいずれかで人センサ30が人を検知しない場合(S30でNo)、制御装置60は、対象空間11と隣接空間12との両方の照明光の照射を停止する(S31)。以降の処理は、図3Aに示される処理と同じである。また、対象空間11及び隣接空間12のいずれかで人センサ30が人を検知した場合(S30でYes)、制御装置60は、UV光源40に紫外光の照射を停止させる(S17)。次に、制御装置60は、対象空間11と隣接空間12との両方の照明光を照射する(S32)。
【0065】
[効果など]
以上のように、本実施の形態に係る紫外光照射システム1は、建物内部の対象空間11に居る人を検知可能な人センサ30と、対象空間11に紫外光を照射するUV光源40と、対象空間11に可視光である照明光を照射する照明用光源50と、UV光源40及び照明用光源50を連動させて制御する制御装置60と、を備える。制御装置60は、人センサ30が人を検知しない場合に、UV光源40に紫外光を照射させる。
【0066】
これにより、UV光源40だけでなく、照明用光源50も連動して制御されるので、人20の検知結果に基づいて電力消費が減るような制御が可能になる。また、人20が検知されない場合には対象空間11に紫外光が照射されるので、対象空間11の清浄化を効果的に行うことができる。
【0067】
また、例えば、制御装置60は、人センサ30が人を検知しない場合に、さらに、照明用光源50に照明光の照射を停止させる。
【0068】
これにより、人20が検知されない場合には、照明用光源50からの照明光の出射を停止することで、無駄な電力消費を抑えることができる。
【0069】
また、例えば、制御装置60は、人センサ30が人を検知した場合に、UV光源40に紫外光の照射を停止させ、かつ、照明用光源50に照明光を照射させる。
【0070】
これにより、人20が検知された場合には紫外光の照射が停止されるので、人20に紫外光が照射されるのを抑制することができる。よって、人体への安全性を確保しながら、対象空間11の清浄化を行うことができる。
【0071】
また、例えば、人センサ30は、さらに、対象空間11に隣接し、互いに人が出入り可能な隣接空間12に居る人を検知可能である。
【0072】
これにより、対象空間11に人20が入らなくても隣接空間12に人20が入った時点で、UV光源40及び照明用光源50を制御することができる。
【0073】
また、例えば、制御装置60は、隣接空間12に居る人が検知された場合に、UV光源40に紫外光の照射を停止させる。
【0074】
これにより、対象空間11に人20が入る前の時点で紫外光の照射を停止することができる。人20が紫外光に照射される可能性を十分に低くすることができるので、より安全な状態で対象空間11の清浄化を行うことができる。
【0075】
また、例えば、紫外光照射システム1は、さらに、隣接空間12に照明光を照射する照明用光源51を備える。
【0076】
これにより、UV光源40及び照明用光源50だけでなく、照明用光源51も連動して制御されるので、人20の検知結果に基づいて電力消費が減るような制御が可能になる。
【0077】
また、例えば、制御装置60は、UV光源40に対して、紫外光を予め設定された期間照射させた後、紫外光の照射を停止させる。
【0078】
これにより、殺菌に十分な期間のみ紫外光を照射することができるので、電力消費を抑制することができる。
【0079】
また、例えば、紫外光照射システム1は、UV光源40の動作状態を周囲に報知する報知装置70を備える。
【0080】
これにより、紫外光の照射状況を外部から分かりやすくすることができる。
【0081】
また、例えば、紫外光照射システム1は、UV光源40の動作状態を示す動作情報を、予め設定された送信先に送信する送信装置80を備える。
【0082】
これにより、紫外光の照射状況を所定の送信先に知らせることができる。
【0083】
[変形例]
続いて、実施の形態の変形例について説明する。以下の説明では、実施の形態との相違点を中心に説明を行い、共通点の説明を省略又は簡略化する。
【0084】
実施の形態では、対象空間11と隣接空間12との両方を検知範囲とする1つの人センサ30を示したが、これに限らない。人を検知するセンサが空間毎に設けられていてもよい。
【0085】
図5は、変形例に係る紫外光照射システムが適用される建物内部の一例を示す図である。図5に示されるように、対象空間11には、対象空間11に居る人を検知可能な第1人センサ130が設けられている。隣接空間12には、隣接空間12に居る人を検知可能な第2人センサ135が設けられている。
【0086】
図6は、変形例に係る紫外光照射システム101の構成を示すブロック図である。図6
に示されるように、紫外光照射システム101は、図2に示される紫外光照射システム1と比較して、人センサ30の代わりに、第1人センサ130及び第2人センサ135を備える。
【0087】
第1人センサ130は、対象空間11に居る人を検知可能な第1センサの一例である。第1人センサ130の検知範囲には、対象空間11の少なくとも一部が含まれる。第1人センサ130の検知範囲には、隣接空間12が含まれない。
【0088】
第2人センサ135は、隣接空間12に居る人を検知可能な第2センサの一例である。第2人センサ135の検知範囲には、隣接空間12の少なくとも一部が含まれる。第2人センサ135の検知範囲には、対象空間11が含まれない。
【0089】
変形例では、制御装置60は、検知範囲が異なる第1人センサ130及び第2人センサ135の各々の検知結果を取得する。制御装置60は、人を検知したセンサがいずれのセンサであるかを判定することで、対象空間11と隣接空間12とのいずれで人が検知されたのかを簡単に判定することができる。
【0090】
以上のように、変形例に係る紫外光照射システム101は、対象空間11に隣接し、互いに人が出入り可能な隣接空間12に居る人を検知可能な第2人センサ135を備える。制御装置60は、第2人センサ135が人を検知せず、かつ、第1人センサ130が人を検知しない場合に、UV光源40に紫外光を照射させる。
【0091】
これにより、対象空間11と隣接空間12とのいずれで人が検知されたかを容易に判定することができる。人が検出された空間を精度良く判別することができ、照明光及び紫外光の各々の照射及び停止を精度良く制御することができる。
【0092】
また、対象空間11と隣接空間12とは、扉13以外に繋がった空間であってもよい。例えば、対象空間11と隣接空間12とは、壁で分離されていなくてもよく、天井及び床の近傍で互いに繋がっていてもよい。一例として、紫外光照射システム101は、図7に示されるように、集合トイレに利用可能である。
【0093】
図7は、実施の形態の変形例に係る紫外光照射システムが適用される集合トイレ110を示す平面図である。図7に示される例では、集合トイレ110は、3つの個室111a~111cと、手洗い空間112と、を含んでいる。3つの個室111a~111cがそれぞれ、対象空間の一例である。手洗い空間112は、隣接空間の一例である。手洗い空間112は、扉113a~113cを介して3つの個室111a~111cの各々と隣接している。手洗い空間112に出入りするための扉114が設けられている。なお、個室の個数及び配置は、特に限定されない。
【0094】
個室111a~111cにはそれぞれ、対応する個室に居る人を検知可能な第1人センサ130a~130cが設けられている。これにより、個室毎に人の有無を判定することができる。また、手洗い空間112には、第2人センサ135が設けられている。第2人センサ135は、手洗い空間112に居る人を検知可能である。
【0095】
また、個室111a~111cの各々の天井には、UV光源140a~140cが設けられている。UV光源140a~140cは、対応する個室内に向けて紫外光を照射する。なお、1つのUV光源が全ての個室に向けて紫外光を照射してもよい。
【0096】
扉113a~113cの近傍には、報知装置170a~170cが設けられている。報知装置170a~170cはそれぞれ、対応するUV光源140a~140cの動作状態
を報知する。これにより、どの個室で紫外光が照射されているのかを周囲に知らせることができる。なお、3つのUV光源140a~140cの少なくとも1つが点灯している場合に周囲に報知する報知装置が1つのみ設けられていてもよい。
【0097】
また、照明用光源150は、手洗い空間112の天井に設けられており、手洗い空間112だけでなく、個室111a~111cにも照明光を照射する。例えば、個室111a~111cと手洗い空間112とは、天井近くでは分離されずに繋がっている。このため、照明用光源150から発せられた照明光は、個室111a~111cにも照射される。
【0098】
このように、照明用光源150は、さらに、対象空間だけでなく、隣接空間に照明光を照射してもよい。これにより、1つの照明用光源150で集合トイレ110の全体を照明することができる。なお、個室111a~111cの各々に照明用光源が設けられていてもよい。
【0099】
図7に示される例では、第2人センサ135が手洗い空間112に居る人を検知した場合、照明用光源150が点灯され、UV光源140a~140cが消灯される。第1人センサ130a~130cが個室111a~111cのいずれかに居る人を検知した場合、UV光源140a~140cが消灯される。
【0100】
なお、個室111aを対象空間としたときに、手洗い空間112だけでなく、個室111bを個室111aの隣接空間とみなすことができる。例えば、第1人センサ130b及び第2人センサ135が人を検知しない場合、すなわち、個室111b及び手洗い空間112には人が居ない場合、個室111aのUV光源140aは、紫外光を照射してもよい。このとき、第1人センサ130cが個室111cに居る人を検知したとしても、UV光源140aは、個室111a内に紫外光を照射してもよい。個室111cは、個室111b及び手洗い空間112とは隣接しているが、個室111aとは隣接していないためである。個室111aのみで人が検知された場合も同様に、個室111cでは、UV光源140cが紫外光を照射してもよい。
【0101】
また、個室111a~111cを隔てる壁に隙間がない場合、つまり、個室111aのUV光源140aが照射する紫外光が個室111bに漏れ出る恐れがない場合には、個室111aと個室111bとは互いに直接出入りできないので、一方が他方の隣接空間とはみなさなくてよい。この場合、個室111bに人が居たとしても、個室111aのUV光源140a及び個室111cのUV光源140cはそれぞれ、紫外光を照射してもよい。
【0102】
なお、紫外光照射システム101が集合トイレ110に適用される例に挙げたが、これに限定されない。例えば、紫外光照射システム101は、複数のシャワー室が設けられた共同浴場に適用されてもよい。あるいは、紫外光照射システム101は、待合室のような前室(隣接空間)と、複数の個別ブース(対象空間)とが設けられたレンタルオフィス又は自習室のような空間に適用されてもよい。
【0103】
(その他)
以上、本発明に係る紫外光照射システムについて、上記の実施の形態などに基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
【0104】
例えば、上記の実施の形態では、隣接空間12に人が検知された場合に、制御装置60がUV光源40に紫外光の照射を停止させたが、これに限らない。制御装置60は、隣接空間12に居る人の検知結果によらずに、対象空間11に人が検知された場合に紫外光の照射を停止させてもよい。この場合、人センサ30は、隣接空間12に検知範囲を有しなくてもよい。
【0105】
また、例えば、紫外光照射システム1は、報知装置70及び送信装置80の少なくとも1つを備えなくてもよい。
【0106】
また、上記実施の形態で説明した装置間の通信方法については特に限定されるものではない。装置間で無線通信が行われる場合、無線通信の方式(通信規格)は、例えば、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、又は、無線LAN(Local Area Network)などの近距離無線通信である。あるいは、無線通信の方式(通信規格)は、インターネットなどの広域通信ネットワークを介した通信でもよい。また、装置間においては、無線通信に代えて、有線通信が行われてもよい。有線通信は、具体的には、電力線搬送通信(PLC:Power Line Communication)又は有線LANを用いた通信などである。
【0107】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよく、あるいは、複数の処理が並行して実行されてもよい。また、紫外光照射システム1が備える構成要素の複数の装置への振り分けは、一例である。例えば、一の装置が備える構成要素を他の装置が備えてもよい。
【0108】
例えば、上記実施の形態において主に制御装置60が実行する処理は、単一の装置(システム)を用いて集中処理することによって実現してもよく、又は、複数の装置を用いて分散処理することによって実現してもよい。また、上記プログラムを実行するプロセッサは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、又は分散処理を行ってもよい。
【0109】
また、上記実施の形態において、制御装置60などの構成要素の全部又は一部は、専用のハードウェアで構成されてもよく、あるいは、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)又はプロセッサなどのプログラム実行部が、HDD(Hard Disk Drive)又は半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0110】
また、制御装置60などの構成要素は、1つ又は複数の電子回路で構成されてもよい。1つ又は複数の電子回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0111】
1つ又は複数の電子回路には、例えば、半導体装置、IC又はLSIなどが含まれてもよい。IC又はLSIは、1つのチップに集積されてもよく、複数のチップに集積されてもよい。ここでは、IC又はLSIと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又は、ULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれるかもしれない。また、LSIの製造後にプログラムされるFPGAも同じ目的で使うことができる。
【0112】
また、本発明の全般的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路又はコンピュータプログラムで実現されてもよい。あるいは、当該コンピュータプログラムが記憶された光学ディスク、HDD若しくは半導体メモリなどのコンピュータ読み取り可能な非一時的記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0113】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0114】
1、101 紫外光照射システム
10 建物
11 対象空間(第1空間)
12 隣接空間(第2空間)
13、113a、113b、113c 扉
20 人
30 人センサ(第1センサ)
40、140a、140b、140c UV光源(第1光源)
50、150 照明用光源(第2光源)
51 照明用光源(第3光源)
60 制御装置
70、170a、170b、170c 報知装置
80 送信装置
110 集合トイレ
111a、111b、111c 個室(第1空間)
112 手洗い空間(第2空間)
130、130a、130b、130c 第1人センサ(第1センサ)
135 第2人センサ(第2センサ)
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7