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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-08
(45)【発行日】2024-08-19
(54)【発明の名称】情報処理システム、機器、およびサーバ
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/44 20130101AFI20240809BHJP
   H04L 9/32 20060101ALI20240809BHJP
【FI】
G06F21/44
H04L9/32 100B
H04L9/32 200F
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021564875
(86)(22)【出願日】2021-06-14
(86)【国際出願番号】 JP2021022548
(87)【国際公開番号】W WO2022180877
(87)【国際公開日】2022-09-01
【審査請求日】2023-06-19
(31)【優先権主張番号】P 2021027995
(32)【優先日】2021-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】西村 英樹
【審査官】辻 勇貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-081266(JP,A)
【文献】特開2003-131950(JP,A)
【文献】特開2005-318572(JP,A)
【文献】特開2014-075970(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/44
H04L 9/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器と、端末と、前記機器と通信を行うサーバとを備え、
前記機器は、前記機器に固有の機器情報を記憶可能でありかつ交換可能である第1記憶部材と、電子証明書を記憶しかつ交換可能である第2記憶部材と、前記機器情報および前記電子証明書に固有の証明書情報を前記サーバに送信する機器制御部とを有し、
前記端末は、前記機器から前記機器情報を取得するための取得部と、前記機器を制御するためのユーザによる操作を受け付ける操作受付部と、前記取得部を用いて取得された前記機器情報および前記ユーザに固有のユーザ情報を前記サーバに送信する端末制御部とを有し、
前記サーバは、前記機器から送信された前記機器情報および前記証明書情報、ならびに前記端末から送信された前記機器情報および前記ユーザ情報を受信するサーバ制御部と、前記サーバ制御部が受信した前記機器情報および前記証明書情報を関連付けて記憶し、前記サーバ制御部が受信した前記機器情報および前記ユーザ情報を関連付けて記憶するサーバ記憶部とを有する、
情報処理システム。
【請求項2】
前記機器制御部は、前記第2記憶部材が交換された場合、前記機器情報および交換後の前記第2記憶部材に記憶されている前記電子証明書に固有の前記証明書情報を前記サーバに送信し、
前記サーバ記憶部は、前記サーバ制御部が受信した前記機器情報および前記証明書情報の組み合わせと、前記サーバ制御部が受信した前記機器情報と同一の前記機器情報を含みかつ前記サーバ記憶部に記憶されている前記機器情報および前記証明書情報の組み合わせとが一致しない場合、前記サーバ制御部が受信した前記機器情報と同一の前記機器情報を含みかつ前記サーバ記憶部に記憶されている前記機器情報および前記証明書情報の組み合わせにおける前記機器情報および前記証明書情報の関連付けを解除する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記第2記憶部材は、前記機器情報を記憶可能な記憶領域を有し、前記機器情報を前記第1記憶部材から取得して前記記憶領域に記憶する、
請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記第1記憶部材が交換された場合、交換後の前記第1記憶部材は、前記機器情報を前記第2記憶部材から取得して記憶する、
請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記サーバ記憶部は、前記サーバ制御部が受信した前記機器情報および前記証明書情報の組み合わせと、前記サーバ制御部が受信した前記機器情報と同一の前記機器情報を含みかつ前記サーバ記憶部に記憶されている前記機器情報および前記証明書情報の組み合わせとが一致しない場合であって、前記サーバ制御部が受信した前記機器情報と同一の前記機器情報を含みかつ前記サーバ記憶部に記憶されている前記機器情報および前記ユーザ情報の組み合わせがある場合、前記サーバ制御部が受信した前記機器情報と同一の前記機器情報を含みかつ前記サーバ記憶部に記憶されている前記機器情報および前記ユーザ情報の組み合わせにおける前記機器情報および前記ユーザ情報の関連付けを解除する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記サーバ制御部は、前記サーバ制御部が受信した前記機器情報および前記証明書情報の組み合わせと、前記サーバ制御部が受信した前記機器情報と同一の前記機器情報を含みかつ前記サーバ記憶部に記憶されている前記機器情報および前記証明書情報の組み合わせとが一致しない場合であって、前記サーバ制御部が受信した前記機器情報と同一の前記機器情報を含みかつ前記サーバ記憶部に記憶されている前記機器情報および前記ユーザ情報の組み合わせがある場合、所定の通知を行う、
請求項1から5のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記端末は、前記ユーザが前記機器に関連する機器関連情報を入力するための入力画面を表示する表示部をさらに有し、
前記端末制御部は、前記ユーザによって入力された前記機器関連情報を前記サーバに送信し、
前記サーバ制御部は、前記端末から送信された前記機器関連情報を受信し、
前記サーバ記憶部は、前記サーバ制御部が受信した前記機器関連情報を前記機器情報および前記ユーザ情報に関連付けて記憶し、
前記表示部は、
前記機器情報および前記ユーザ情報に関連付けて記憶されている前記機器関連情報がない場合、初期状態の前記入力画面を表示し、
前記機器情報および前記ユーザ情報に関連付けて記憶されている前記機器関連情報がある場合、記憶されている前記機器関連情報が入力された状態の前記入力画面を表示する、または前記入力画面の表示をスキップする、
請求項からのいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
サーバと通信を行う機器であって、
前記機器に固有の機器情報を記憶可能でありかつ交換可能である第1記憶部材と、電子証明書を記憶しかつ交換可能である第2記憶部材と、前記機器情報および前記電子証明書に固有の証明書情報を前記サーバに送信する機器制御部とを備え、
前記第2記憶部材は、前記機器情報を記憶可能な記憶領域を有し、前記機器情報を前記第1記憶部材から取得して前記記憶領域に記憶する、
機器。
【請求項9】
機器と通信を行うサーバであって、
前記機器から送信された前記機器に固有の機器情報および前記機器に記憶されている電子証明書に固有の証明書情報を受信するサーバ制御部と、前記サーバ制御部が受信した前記機器情報および前記証明書情報を関連付けて記憶するサーバ記憶部とを備え、
前記サーバ記憶部は、前記サーバ制御部が受信した前記機器情報および前記証明書情報の組み合わせと、前記サーバ制御部が受信した前記機器情報と同一の前記機器情報を含みかつ前記サーバ記憶部に記憶されている前記機器情報および前記証明書情報の組み合わせとが一致しない場合、前記サーバ制御部が受信した前記機器情報と同一の前記機器情報を含みかつ前記サーバ記憶部に記憶されている前記機器情報および前記証明書情報の組み合わせにおける前記機器情報および前記証明書情報の関連付けを解除前記サーバ制御部が受信した前記機器情報および前記証明書情報の組み合わせと、前記サーバ制御部が受信した前記機器情報と同一の前記機器情報を含みかつ前記サーバ記憶部に記憶されている前記機器情報および前記証明書情報の組み合わせとが一致しない場合であって、前記サーバ制御部が受信した前記機器情報と同一の前記機器情報を含みかつ前記サーバ記憶部に記憶されている前記機器情報およびユーザに固有のユーザ情報の組み合わせがある場合、前記サーバ制御部が受信した前記機器情報と同一の前記機器情報を含みかつ前記サーバ記憶部に記憶されている前記機器情報および前記ユーザ情報の組み合わせにおける前記機器情報および前記ユーザ情報の関連付けを解除する、
サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理システム、機器、およびサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、固有の識別情報が記憶されている記憶手段が他の記憶手段に交換された場合、交換後の記憶手段に記憶されている固有の識別情報に基づいて、交換前の記憶手段に記憶されていた識別情報と同一の識別情報を算出し、当該識別情報を用いて情報処理を行う情報処理装置が開示されている(たとえば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-339258号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の情報処理装置では、電子証明書に固有の情報を用いておらず、安全性を維持することが容易ではない。
【0005】
そこで、本開示は、安全性を容易に維持できる情報処理システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示の一態様に係る情報処理システムは、機器と、前記機器と通信を行うサーバとを備え、前記機器は、前記機器に固有の機器情報を記憶可能でありかつ交換可能である第1記憶部材と、電子証明書を記憶しかつ交換可能である第2記憶部材と、前記機器情報および前記電子証明書に固有の証明書情報を前記サーバに送信する機器制御部とを有し、前記サーバは、前記機器から送信された前記機器情報および前記証明書情報を受信するサーバ制御部と、前記サーバ制御部が受信した前記機器情報および前記証明書情報を関連付けて記憶するサーバ記憶部とを有する。
【0007】
上記目的を達成するために、本開示の一態様に係る機器は、サーバと通信を行う機器であって、前記機器に固有の機器情報を記憶可能でありかつ交換可能である第1記憶部材と、電子証明書を記憶しかつ交換可能である第2記憶部材と、前記機器情報および前記電子証明書に固有の証明書情報を前記サーバに送信する機器制御部とを備える。
【0008】
上記目的を達成するために、本開示の一態様に係るサーバは、機器と通信を行うサーバであって、前記機器から送信された前記機器に固有の機器情報および前記機器に記憶されている電子証明書に固有の証明書情報を受信するサーバ制御部と、前記サーバ制御部が受信した前記機器情報および前記証明書情報を関連付けて記憶するサーバ記憶部とを備え、前記サーバ記憶部は、前記サーバ制御部が受信した前記機器情報および前記証明書情報の組み合わせと、前記サーバ制御部が受信した前記機器情報と同一の前記機器情報を含みかつ前記サーバ記憶部に記憶されている前記機器情報および前記証明書情報の組み合わせとが一致しない場合、前記サーバ制御部が受信した前記機器情報と同一の前記機器情報を含みかつ前記サーバ記憶部に記憶されている前記機器情報および前記証明書情報の組み合わせにおける前記機器情報および前記証明書情報の関連付けを解除する。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、安全性を容易に維持できる情報処理システム等が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施の形態1に係る情報処理システムの概略図である。
図2図2は、第2基板が交換される場合における図1の情報処理システムの動作の一例を説明するための図である。
図3図3は、第1基板が交換される場合における図1の情報処理システムの動作の一例を説明するための図である。
図4図4は、図1の情報処理システムの機能構成を示すブロック図である。
図5図5は、図1の情報処理システムの第2制御部が機器情報および証明書情報をサーバに送信する動作の一例を示すフロー図である。
図6図6は、図1の情報処理システムのサーバ制御部が機器情報および証明書情報を受信した後の動作の一例を示すフロー図である。
図7図7は、図1の情報処理システムが機器情報およびユーザ情報を関連付けて記憶する動作の一例を示すシーケンス図である。
図8図8は、図1の情報処理システムの機器制御部がサーバから送信される制御コマンドを受信した場合の動作の一例を示すフロー図である。
図9図9は、図1の情報処理システムのサーバ制御部が機器に制御コマンドを送信する動作の一例を示すフロー図である。
図10図10は、実施の形態2に係る情報処理システムの概略図である。
図11図11は、図10の情報処理システムが機器関連情報の入力画面を表示する動作の一例を示すフロー図である。
図12図12は、図10の情報処理システムの端末が表示する機器関連情報の入力画面の一例を示す図である。
図13図13は、図10の情報処理システムの端末が表示する機器関連情報の入力画面の他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ならびに、ステップおよびステップの順序等は、一例であって本開示を限定する主旨ではない。
【0012】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。なお、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化する。
【0013】
(実施の形態1)
実施の形態1に係る情報処理システム10について説明する。
【0014】
図1は、実施の形態1に係る情報処理システム10の概略図である。
【0015】
図1に示すように、情報処理システム10は、機器12と、端末14と、サーバ16とを備えている。
【0016】
機器12は、サーバ16と通信を行う。たとえば、機器12は、洗濯機、冷蔵庫、空調機器、または照明機器等の家電機器、あるいは分電盤等の設備機器であり、サーバ16と通信可能なIoT(Internet of Things)機器である。機器12は、第1基板18と、第2基板20とを有している。
【0017】
第1基板18は、機器12に固有の機器情報を記憶可能でありかつ交換可能である第1記憶部材の一例である。たとえば、機器情報は、機器12のID(識別子)である。ここでは、機器情報(ID)は、A001である。第1基板18は、機器情報を第2基板20に送信する。
【0018】
第2基板20は、電子証明書を記憶しかつ交換可能である第2記憶部材の一例である。たとえば、電子証明書は、デジタル署名された証明書であり、機器12とサーバ16との間で暗号化通信等を行うための証明書である。電子証明書は、当該電子証明書に固有の証明書情報を含んでいる。たとえば、証明書情報は、認証局の鍵がないと改ざんできない情報であり、たとえば、CN(Common Name)である。なお、たとえば、証明書情報は、CN以外にもシリアルNoなど、他の項目であっても良い。ここでは、証明書情報(CN)は、X001である。第2基板20は、機器情報を記憶可能な記憶領域22を有しており、機器情報を第1基板18から取得して記憶する。たとえば、第2基板20は、第1基板18から送信された機器情報を受信し、受信した機器情報を記憶領域22に記憶する。第2基板20は、記憶領域22に記憶されている機器情報および証明書情報をサーバ16に送信する。
【0019】
端末14は、サーバ16と通信を行う。たとえば、端末14は、スマートフォンまたはタブレット等の通信端末である。詳細は後述するが、端末14は、機器12から機器情報を取得し、機器12を制御するためのユーザによる操作を受け付け、取得した機器情報およびユーザに固有のユーザ情報をサーバ16に送信する。たとえば、ユーザ情報は、ユーザのメールアドレス等である。ここでは、ユーザ情報(USER)は、U001である。
【0020】
サーバ16は、機器12および端末14と通信を行う。サーバ16は、機器12から送信された機器情報および証明書情報を受信し、受信した機器情報および証明書情報を関連付けて、証明書・機器テーブルに記憶する。また、サーバ16は、端末14から送信された機器情報およびユーザ情報を受信し、受信した機器情報およびユーザ情報を関連付けて、端末・機器テーブルに記憶する。
【0021】
図2は、第2基板20が交換される場合における図1の情報処理システム10の動作の一例を説明するための図である。
【0022】
図2に示すように、第2基板20が交換された場合、交換後の第2基板20は、第1基板18から機器情報を取得して記憶領域22に記憶し、記憶領域22に記憶されている機器情報および交換後の第2基板20に記憶されている電子証明書に固有の証明書情報をサーバ16に送信する。ここでは、交換前の第2基板20に記憶されている電子証明書に固有の証明書情報(CN)はX001であり、交換後の第2基板20に記憶されている電子証明書に固有の証明書情報(CN)はX999である。
【0023】
サーバ16は、サーバ16が受信した機器情報および証明書情報の組み合わせと、サーバ16が受信した当該機器情報と同一の機器情報を含みかつ証明書・機器テーブルに記憶されている機器情報および証明書情報の組み合わせとが一致しない場合、当該組み合わせにおける機器情報および証明書情報の関連付けを解除する。そして、サーバ16は、サーバ16が受信した機器情報および証明書情報の組み合わせを証明書・機器テーブルに記憶する。
【0024】
ここでは、A001およびX001の組み合わせは証明書・機器テーブルに記憶されているが、A001およびX999の組み合わせは証明書・機器テーブルに記憶されていない。したがって、交換後の第2基板20からA001およびX999の組み合わせが送信された場合、サーバ16は、サーバ16が受信したA001およびX999の組み合わせと、A001を含みかつ証明書・機器テーブルに記憶されているA001およびX001の組み合わせとが一致しないので、当該組み合わせにおけるA001およびX001の関連付けを解除する。そして、サーバ16は、サーバ16が受信したA001およびX999を関連付けて、証明書・機器テーブルに記憶する。このように、サーバ16は、機器情報に対する証明書情報の関連付けを変更する。
【0025】
図3は、第1基板18が交換される場合における図1の情報処理システム10の動作の一例を説明するための図である。
【0026】
図3に示すように、第1基板18が交換される場合、第2基板20は、交換前の第1基板18から機器情報を取得して記憶領域22に記憶し、記憶領域22に記憶されている機器情報および証明書情報をサーバ16に送信する。
【0027】
また、第1基板18が交換された場合、交換後の第1基板18は、機器情報を第2基板20から取得して記憶する。たとえば、第2基板20は、記憶領域22に記憶されている機器情報を交換後の第1基板18に送信し、交換後の第1基板18は、第2基板20から送信された機器情報を受信し、受信した機器情報を記憶する。
【0028】
たとえば、交換後の第1基板18に機器情報が記憶されている場合であって、記憶領域22に記憶されている機器情報と、交換後の第1基板18に記憶されている機器情報とが一致していない場合、第2基板20は、当該第2基板20に記憶されている電子証明書に固有の証明書情報と同一の証明書情報に関連付けて証明書・機器テーブルに記憶されている機器情報をサーバ16から取得し、当該機器情報を交換後の第1基板18に送信する。交換後の第1基板18は、第2基板20から送信された機器情報を受信し、当該第1基板18に記憶されている機器情報に代えて第2基板20から送信された機器情報を記憶する。
【0029】
図4は、図1の情報処理システム10の機能構成を示すブロック図である。
【0030】
図4に示すように、第1基板18は、第1制御部24と、第1記憶部26と、第1通信部28とを有しており、たとえば、機器12を制御するための制御基板である。第1制御部24は、第1記憶部26に記憶されている機器情報を第2基板20に送信する。第1記憶部26は、機器情報を記憶する。たとえば、工場にて第1記憶部26に機器情報が書き込まれることによって、第1記憶部26に機器情報が記憶される。第1通信部28は、第1基板18が第2基板20と通信を行うための通信回路である。
【0031】
第2基板20は、第2制御部30と、第2記憶部32と、第2通信部34とを有しており、たとえば、通信モジュール基板である。第2制御部30は、機器情報および証明書情報をサーバ16に送信する機器制御部の一例である。なお、たとえば、第1基板18が当該機器制御部を有していてもよいし、第1基板18および第2基板20以外の部材が当該機器制御部を有していてもよい。第2記憶部32は、電子証明書を記憶する。また、第2記憶部32は、記憶領域22を有している。第2通信部34は、第2基板20がサーバ16、端末14および第1基板18と通信を行うための通信回路である。
【0032】
端末14は、取得部35と、操作受付部36と、端末制御部38と、端末記憶部40と、端末通信部42とを有している。取得部35は、機器12から機器情報を取得するための取得部である。たとえば、取得部35は、機器12に設けられているQRコード(登録商標)等を読み取るためのカメラであり、取得部35でQRコード(登録商標)を読み取ることによって機器情報が取得される。操作受付部36は、機器12を制御するためのユーザによる操作を受け付ける。たとえば、操作受付部36は、タッチパネルまたはハードウェアボタン等である。端末制御部38は、取得部35を用いて取得された機器情報およびユーザ情報をサーバ16に送信する。端末記憶部40は、機器情報およびユーザ情報を記憶する。たとえば、ユーザ情報は、ユーザによって入力されて端末記憶部40に記憶される。端末通信部42は、端末14がサーバ16および機器12と通信を行うための通信回路である。
【0033】
サーバ16は、サーバ制御部44と、サーバ記憶部46と、サーバ通信部48とを有している。サーバ制御部44は、機器12から送信された機器情報および証明書情報を受信する。また、サーバ制御部44は、端末14から送信された機器情報およびユーザ情報を受信する。サーバ記憶部46は、サーバ制御部44が受信した機器情報および証明書情報を関連付けて記憶する。この実施の形態では、サーバ記憶部46は、証明書・機器テーブルに機器情報および証明書情報を関連付けて記憶する。また、サーバ記憶部46は、サーバ制御部44が受信した機器情報およびユーザ情報を関連付けて記憶する。この実施の形態では、サーバ記憶部46は、端末・機器テーブルに機器情報およびユーザ情報を関連付けて記憶する。サーバ通信部48は、サーバ16が機器12および端末14と通信を行うための通信回路である。
【0034】
図5は、図1の情報処理システム10の第2制御部30が機器情報および証明書情報をサーバ16に送信する動作の一例を示すフロー図である。
【0035】
たとえば、ユーザが端末14を用いて機器12を制御しようとした場合、機器情報およびユーザ情報の関連付けを行う必要がある。この場合、端末14は、機器12に対して、サーバ16に機器情報および証明書情報を送信するように指示を行う。たとえば、第2制御部30は、当該指示を受けた場合、以下の動作を行って機器情報および証明書情報をサーバ16に送信する。
【0036】
図5に示すように、第2制御部30は、記憶領域22が未定であるか否かを判定する(ステップS1)。言い換えると、第2制御部30は、記憶領域22に機器情報が記憶されているか否かを判定する。第2制御部30は、記憶領域22に機器情報が記憶されている場合、記憶領域22が未定でないと判定する。一方、第2制御部30は、記憶領域22に機器情報が記憶されていない場合、記憶領域が未定であると判定する。
【0037】
第2制御部30は、記憶領域22が未定であると判定した場合(ステップS1でYes)、第1記憶部26から機器情報を取得する(ステップS2)。第2制御部30は、第1記憶部26から機器情報を取得すると、取得した機器情報を記憶領域22に記憶する(ステップS3)。
【0038】
第2制御部30は、記憶領域22が未定でないと判定した場合(ステップS1でNo)、および第1記憶部26から取得した機器情報を記憶領域22に記憶した場合(ステップS3)、第2記憶部32から証明書情報を取得する(ステップS4)。
【0039】
第2制御部30は、第2記憶部32から証明書情報を取得すると、記憶領域22から機器情報を取得する(ステップS5)。
【0040】
第2制御部30は、記憶領域22から機器情報を取得すると、機器情報および証明書情報を含むregisterコマンドをサーバ16に送信する(ステップS6)。
【0041】
たとえば、第2基板20が交換された場合、交換後の第2基板20の第2制御部30は、上述した動作を行うことによって、機器情報および交換後の第2基板20に記憶されている電子証明書に固有の証明書情報をサーバ16に送信する。
【0042】
図6は、図1の情報処理システム10のサーバ制御部44が機器情報および証明書情報を受信した後の動作の一例を示すフロー図である。
【0043】
図6に示すように、サーバ制御部44は、機器12から機器情報および証明書情報を含むregisterコマンドを受信すると(ステップS11)、受信した機器情報および証明書情報を特定し、受信した機器情報と同一の機器情報を含む組み合わせが証明書・機器テーブルにあるか否かを判定する(ステップS12)。つまり、サーバ制御部44は、サーバ制御部44が受信した機器情報と同一の機器情報を含みかつサーバ記憶部46に記憶されている機器情報および証明書情報の組み合わせがあるか否かを判定する。たとえば、A001およびX001の組み合わせがサーバ記憶部46に記憶されている場合であって、サーバ制御部44が機器12から受信した機器情報がA001であった場合、サーバ制御部44は、サーバ制御部44が受信した機器情報と同一の機器情報を含みかつサーバ記憶部46に記憶されている機器情報および証明書情報の組み合わせがあると判定する。
【0044】
サーバ制御部44は、受信した機器情報と同一の機器情報を含む組み合わせが証明書・機器テーブルにない場合(ステップS12でNo)、受信した機器情報および証明書情報を関連付けて証明書・機器テーブルに記憶させる(ステップS13)。つまり、サーバ記憶部46は、サーバ制御部44が受信した機器情報および証明書情報を関連付けて記憶する。
【0045】
サーバ制御部44は、受信した機器情報と同一の機器情報を含む組み合わせが証明書・機器テーブルにある場合(ステップS12でYes)、受信した機器情報および証明書情報の組み合わせと証明書・機器テーブルにある機器情報および証明書情報の組み合わせとが一致しているか否かを判定する(ステップS14)。つまり、サーバ制御部44は、サーバ制御部44が受信した機器情報および証明書情報の組み合わせと、サーバ制御部44が受信した機器情報と同一の機器情報を含みかつサーバ記憶部46に記憶されている機器情報および証明書情報の組み合わせとが一致しているか否かを判定する。たとえば、サーバ制御部44は、サーバ制御部44が受信した組み合わせがA001およびX999であり、サーバ記憶部46に記憶されている組み合わせがA001およびX001である場合、一致していないと判定する。
【0046】
サーバ制御部44は、受信した機器情報および証明書情報の組み合わせと証明書・機器テーブルにある機器情報および証明書情報の組み合わせとが一致していない場合(ステップS14でNo)、受信した機器情報と同一の機器情報を含む組み合わせが端末・機器テーブルにあるか否かを判定する(ステップS15)。つまり、サーバ制御部44は、サーバ制御部44が受信した機器情報と同一の機器情報を含みかつサーバ記憶部46に記憶されている機器情報およびユーザ情報の組み合わせがあるか否かを判定する。たとえば、A001およびU001が関連付けてサーバ記憶部46に記憶されている場合であって、サーバ制御部44が機器12から受信した機器情報がA001であった場合、サーバ制御部44は、サーバ制御部44が受信した機器情報と同一の機器情報を含みかつサーバ記憶部46に記憶されている機器情報およびユーザ情報の組み合わせがあると判定する。
【0047】
なお、サーバ記憶部46は、サーバ制御部44が受信した機器情報および証明書情報の組み合わせと証明書・機器テーブルにある機器情報および証明書情報の組み合わせとが一致していない場合(ステップS14でNo)、つまりサーバ制御部44が受信した機器情報および証明書情報の組み合わせと、サーバ制御部44が受信した当該機器情報と同一の機器情報を含みかつサーバ記憶部46に記憶されている機器情報および証明書情報の組み合わせとが一致していない場合、当該組み合わせにおける機器情報および証明書情報の関連付けを解除する。
【0048】
サーバ制御部44は、受信した機器情報と同一の機器情報を含む組み合わせが端末・機器テーブルにある場合(ステップS15でYes)、当該組み合わせを端末・機器テーブルから削除させる(ステップS16)。つまり、サーバ記憶部46は、サーバ制御部44が受信した機器情報および証明書情報の組み合わせと、サーバ制御部44が受信した当該機器情報と同一の機器情報を含みかつサーバ記憶部46に記憶されている機器情報および証明書情報の組み合わせとが一致しない場合であって、サーバ制御部44が受信した当該機器情報と同一の機器情報を含みかつサーバ記憶部46に記憶されている機器情報およびユーザ情報の組み合わせがある場合、当該組み合わせにおける機器情報およびユーザ情報の関連付けを解除する。当該組み合わせが複数ある場合には、複数の組み合わせの全てにおいて、機器情報およびユーザ情報の関連付けを解除する。
【0049】
サーバ制御部44は、受信した機器情報と同一の機器情報を含む組み合わせが端末・機器テーブルにない場合(ステップS15でNo)、および受信した機器情報と同一の機器情報を含む組み合わせが端末・機器テーブルにあって当該組み合わせを端末・機器テーブルから削除させた場合(ステップS16)、受信した機器情報および証明書情報を関連付けて証明書・機器テーブルに記憶させる(ステップS17)。
【0050】
なお、たとえば、サーバ記憶部46は、サーバ制御部44が受信した機器情報および証明書情報の組み合わせと、サーバ制御部44が受信した当該機器情報と同一の機器情報を含みかつサーバ記憶部46に記憶されている機器情報および証明書情報の組み合わせとが一致しない場合であって、サーバ制御部44が受信した当該機器情報と同一の機器情報を含みかつサーバ記憶部46に記憶されている機器情報およびユーザ情報の組み合わせがある場合、ユーザに対して所定の通知を行うとしてもよい。たとえば、所定の通知は、端末14に表示されるエラーが発生した旨の通知である。
【0051】
この場合、たとえば、サーバ制御部44は、受信した機器情報および証明書情報の組み合わせを、それ以降有効な組み合わせとみなさないことで、セキュリティを維持してもよい。なお、このとき、たとえば、機器12に初期化ボタンが装備され、ユーザが初期化ボタンを押すことによって、サーバ制御部44が受信した機器情報と同一の機器情報を含みかつサーバ記憶部46に記憶されている機器情報およびユーザ情報の組み合わせにおける機器情報およびユーザ情報の関連付けを解除してもよい。
【0052】
図7は、図1の情報処理システム10が機器情報およびユーザ情報を関連付けて記憶する動作の一例を示すシーケンス図である。
【0053】
図7に示すように、ユーザが機器12に設けられている登録ボタンを押すと(ステップS21)、第2制御部30は、機器情報をサーバ16に送信し(ステップS22)、登録を受け付ける登録状態であることをサーバ16に通知する(ステップS23)。たとえば、ユーザが機器12に設けられている登録ボタンを押すと、機器12は、10分間登録状態となる。
【0054】
サーバ制御部44は、典型的にはこのタイミングで図6に示す処理が行われ、所定の通知が行われて終了するのでなければ、機器12が登録状態であることを端末・機器テーブルにおいて記憶する(ステップS24)。
【0055】
ユーザが端末14を用いて機器情報を読み取ると(ステップS25)、端末制御部38は、読み取った機器情報およびユーザ情報をサーバ16に送信する(ステップS26)。たとえば、ユーザは、ユーザ情報を端末14に入力した後に、機器12に印字されているQRコード(登録商標)を端末14のカメラで読み取り、端末制御部38は、ユーザによって入力されたユーザ情報および読み取った機器情報をサーバ16に送信する。
【0056】
サーバ記憶部46は、機器12から送信されてサーバ制御部44が受信した機器情報と、端末14から送信されてサーバ制御部44が受信した機器情報およびユーザ情報とを用いて、機器情報およびユーザ情報を関連付けて端末・機器テーブルに記憶する(ステップS27)。具体的には、サーバ記憶部46は、登録状態の機器12から送信されてサーバ制御部44が受信した機器情報と、端末14から送信されてサーバ制御部44が受信した機器情報とが一致しているかを確認し、一致していれば端末14から送信されてサーバ制御部44が受信したユーザ情報および機器情報を関連付けて記憶する。
【0057】
図8は、図1の情報処理システム10の第2制御部30がサーバ16から送信される制御コマンドを受信した場合の動作の一例を示すフロー図である。
【0058】
図8に示すように、第2制御部30は、第2記憶部32から証明書情報を取得し(ステップS31)、記憶領域22から機器情報を取得し(ステップS32)、取得した機器情報および証明書情報を含むconnectコマンドをサーバ16に送信する(ステップS33)。
【0059】
第2制御部30は、機器情報および証明書情報を含むconnectコマンドをサーバ16に送信すると、制御コマンドが送信されてくるのを待ち(ステップS34)、制御コマンドを受信すると(ステップS35)、制御コマンドを実行する(ステップS36)。
【0060】
第2制御部30は、制御コマンドを受信する度に、制御コマンドを実行する。
【0061】
図9は、図1の情報処理システム10のサーバ制御部44が機器12に制御コマンドを送信する動作の一例を示すフロー図である。
【0062】
図9に示すように、サーバ制御部44は、機器12からconnectコマンドを受信すると(ステップS41)、connectコマンドに含まれている機器情報および証明書情報を特定する(ステップS42)。
【0063】
サーバ制御部44は、特定した機器情報および証明書情報つまり機器12から受信した機器情報および証明書情報の組み合わせが証明書・機器テーブルに記憶されているか否かを判定する(ステップS43)。
【0064】
サーバ制御部44は、特定した機器情報および証明書情報の組み合わせが証明書・機器テーブルに記憶されていない場合(ステップS43でNo)、処理を終了する。
【0065】
サーバ制御部44は、特定した機器情報および証明書情報の組み合わせが証明書・機器テーブルに記憶されている場合(ステップS43でYes)、端末14から機器12に対する制御コマンドが送信されてくるのを待ち(ステップS44)、端末14から制御コマンドを受信すると(ステップS45)、制御コマンドに含まれている機器情報およびユーザ情報の組み合わせが端末・機器テーブルに既に記憶されているか否かを判定する(ステップS46)。つまり、サーバ制御部44は、制御コマンドに含まれているユーザ情報が機器12に対して登録済であるか否かを判定する。
【0066】
サーバ制御部44は、制御コマンドに含まれている機器情報およびユーザ情報の組み合わせが端末・機器テーブルに記憶されていない場合(ステップS46でNo)、端末14から機器12に対する制御コマンドが送信されてくるのを再度待つ(ステップS44)。
【0067】
サーバ制御部44は、制御コマンドに含まれている機器情報およびユーザ情報の組み合わせが端末・機器テーブルに記憶されている場合(ステップS46でYes)、機器12に制御コマンドを送信する(ステップS47)。
【0068】
サーバ制御部44は、サーバ16を介した機器12および端末14の接続が切断するまで、端末14から機器12に対する制御コマンドを受信する度に、制御コマンドを機器12に送信する。
【0069】
以上、実施の形態1に係る情報処理システム10について説明した。
【0070】
以上のような情報処理システム10は、機器12と、機器12と通信を行うサーバ16とを備え、機器12は、機器12に固有の機器情報を記憶可能でありかつ交換可能である第1基板18と、電子証明書を記憶しかつ交換可能である第2基板20と、機器情報および電子証明書に固有の証明書情報をサーバ16に送信する第2制御部30とを有し、サーバ16は、機器12から送信された機器情報および証明書情報を受信するサーバ制御部44と、サーバ制御部44が受信した機器情報および証明書情報を関連付けて記憶するサーバ記憶部46とを有する。
【0071】
これによれば、機器12は、機器情報を記憶可能な第1基板18と、電子証明書を記憶する第2基板20とを有しているので、第2基板20が交換された場合であっても、第1基板18に記憶されている機器情報を用いてサーバ16と通信できるとともに、交換後の第2基板20に記憶されている電子証明書を用いてサーバ16と通信することができるので、安全性を容易に維持できる。
【0072】
また、以上のような情報処理システム10において、第2制御部30は、第2基板20が交換された場合、機器情報および交換後の第2基板20に記憶されている電子証明書に固有の証明書情報をサーバ16に送信し、サーバ記憶部46は、サーバ制御部44が受信した機器情報および証明書情報の組み合わせと、サーバ制御部44が受信した機器情報と同一の機器情報を含みかつサーバ記憶部46に記憶されている機器情報および証明書情報の組み合わせとが一致しない場合、サーバ制御部44が受信した機器情報と同一の機器情報を含みかつサーバ記憶部46に記憶されている機器情報および証明書情報の組み合わせにおける機器情報および証明書情報の関連付けを解除する。
【0073】
これによれば、機器情報と交換後の第2基板20に記憶されている証明書情報とを関連付けて記憶できるとともに、機器情報と交換前の第2基板20に記憶されていた証明書情報との関連付けを解除できるので、機器情報および証明書情報の組み合わせから機器12を容易に特定でき、安全性をさらに容易に維持できる。
【0074】
また、以上のような情報処理システム10において、第2基板20は、機器情報を記憶可能な記憶領域22を有し、機器情報を第1基板18から取得して記憶領域22に記憶する。
【0075】
これによれば、第2基板20は機器情報を記憶できるので、第1基板18が交換された場合であっても、交換前の第1基板18に記憶されていた機器情報を予め第2基板20に記憶しておくことによって、交換前の第1基板18に記憶されていた機器情報を用いてサーバ16と通信を行うことができる。したがって、第1基板18が交換された場合であっても、サーバ16は、機器情報および証明書情報の関連付けを変更することなく機器12を特定できるので、安全性をさらに容易に維持できる。
【0076】
また、以上のような情報処理システム10において、第1基板18が交換された場合、交換後の第1基板18は、機器情報を第2基板20から取得して記憶する。
【0077】
これによれば、第1基板18が交換された場合であっても、交換前の第1基板18に記憶されていた機器情報を交換後の第1基板18に記憶させることができ、交換前の第1基板18に記憶されていた機器情報を用いてサーバ16と通信を行うことができる。したがって、第1基板18が交換された場合であっても、サーバ16は、機器情報および証明書情報の関連付けを変更することなく機器12を特定できるので、安全性をさらに容易に維持できる。
【0078】
また、以上のような情報処理システム10において、機器12から機器情報を取得するための取得部35と、機器12を制御するためのユーザによる操作を受け付ける操作受付部36と、取得部35を用いて取得された機器情報およびユーザに固有のユーザ情報をサーバ16に送信する端末制御部38とを有する端末14をさらに備え、サーバ制御部44は、端末14から送信された機器情報およびユーザ情報を受信し、サーバ記憶部46は、サーバ制御部44が受信した機器情報およびユーザ情報を関連付けて記憶する。
【0079】
これによれば、機器情報およびユーザ情報を関連付けて記憶しておくことによって、機器12を制御するユーザを容易に特定でき、他のユーザが機器12を制御することを抑制できるので、安全性をさらに容易に維持できる。
【0080】
また、以上のような情報処理システム10において、サーバ記憶部46は、サーバ制御部44が受信した機器情報および証明書情報の組み合わせと、サーバ制御部44が受信した機器情報と同一の機器情報を含みかつサーバ記憶部46に記憶されている機器情報および証明書情報の組み合わせとが一致しない場合であって、サーバ制御部44が受信した機器情報と同一の機器情報を含みかつサーバ記憶部46に記憶されている機器情報およびユーザ情報の組み合わせがある場合、サーバ制御部44が受信した機器情報と同一の機器情報を含みかつサーバ記憶部46に記憶されている機器情報およびユーザ情報の組み合わせにおける機器情報およびユーザ情報の関連付けを解除する。
【0081】
これによれば、他のユーザが機器12の機器情報と他の証明書情報とを用いて機器12の制御を行うことを抑制でき、安全性をさらに容易に維持できる。
【0082】
また、以上のような情報処理システム10において、サーバ制御部44は、サーバ制御部44が受信した機器情報および証明書情報の組み合わせと、サーバ制御部44が受信した機器情報と同一の機器情報を含みかつサーバ記憶部46に記憶されている機器情報および証明書情報の組み合わせとが一致しない場合であって、サーバ制御部44が受信した機器情報と同一の機器情報を含みかつサーバ記憶部46に記憶されている機器情報およびユーザ情報の組み合わせがある場合、所定の通知を行う。
【0083】
これによれば、他のユーザが機器12の機器情報と他の証明書情報とを用いて機器12の制御を行おうとした場合に、所定の通知を行えるので、受信した機器情報および証明書情報の組み合わせが正当なものと扱われることがないため安全性をさらに容易に維持できる。
【0084】
(実施の形態2)
実施の形態2に係る情報処理システム10aについて説明する。以下の説明では、実施の形態1に係る情報処理システム10との相違点を主に説明する。
【0085】
図10は、実施の形態2に係る情報処理システム10aを示す概略図である。
【0086】
図10に示すように、情報処理システム10aは、Myテーブルに機器情報、ユーザ情報、および機器12に関する機器関連情報を関連付けて記憶している点において、情報処理システム10と主に異なっている。たとえば、機器関連情報は、ユーザによって入力された機器12の名前(ニックネーム)、購入日、購入店、およびメモ等である。
【0087】
端末14は、ユーザが機器12に関連する機器関連情報を入力するための入力画面を表示する表示部50をさらに有している。ユーザは、端末14を用いて機器関連情報を入力する。端末制御部38は、ユーザによって入力された機器関連情報をサーバ16に送信する。たとえば、端末制御部38は、ユーザによって入力された機器関連情報を機器情報およびユーザ情報とともにサーバ16に送信する。サーバ制御部44は、端末14から送信された機器関連情報を受信する。たとえば、サーバ制御部44は、端末14から送信された機器情報、ユーザ情報、および機器関連情報を受信する。サーバ記憶部46は、サーバ制御部44が受信した機器関連情報を機器情報およびユーザ情報に関連付けて記憶する。
【0088】
図11は、図10の情報処理システム10aが機器関連情報の入力画面を表示する動作の一例を示すフロー図である。図12は、図10の情報処理システム10aの端末14が表示する機器関連情報の入力画面の一例を示す図である。図13は、図10の情報処理システム10aの端末14が表示する機器関連情報の入力画面の他の一例を示す図である。
【0089】
図11に示すように、サーバ制御部44は、機器情報およびユーザ情報を取得する(ステップS51)。たとえば、ユーザが端末14を用いて機器関連情報を入力する場合、端末制御部38は、取得部35によって読み取った機器情報およびユーザによって入力されたユーザ情報をサーバ16に送信し、サーバ制御部44は、端末14から送信された機器情報およびユーザ情報を受信する。
【0090】
サーバ制御部44は、機器情報およびユーザ情報を取得すると、取得した機器情報およびユーザ情報と同一の機器情報およびユーザ情報を含む組み合わせがMyテーブルに記憶されているか否かを判定する(ステップS52)。つまり、サーバ制御部44は、取得した機器情報およびユーザ情報と同一の機器情報およびユーザ情報に関連付けて記憶されている機器関連情報があるか否かを判定する。たとえば、A001、U001、および寝室用エアコン(機器12の名前)が関連付けてサーバ記憶部46に記憶されている場合であって、サーバ制御部44がA001およびU001を取得した場合、サーバ制御部44は、取得した機器情報およびユーザ情報と同一の機器情報およびユーザ情報に関連付けて記憶されている機器関連情報があると判定する。
【0091】
サーバ制御部44が、取得した機器情報およびユーザ情報と同一の機器情報およびユーザ情報を含む組み合わせがMyテーブルに記憶されていないと判定した場合(ステップS52でNo)、表示部50は、初期状態の入力画面を表示する(ステップS53)。つまり、表示部50は、機器情報およびユーザ情報に関連付けて記憶されている機器関連情報がない場合、初期状態の入力画面を表示する。たとえば、図12に示すように、表示部50は、機器12のニックネーム等がまだ入力されていない状態の入力画面を表示する。
【0092】
サーバ制御部44が、取得した機器情報およびユーザ情報と同一の機器情報およびユーザ情報を含む組み合わせがMyテーブルに記憶されていると判定した場合(ステップS52でYes)、表示部50は、Myテーブルに記憶されている機器関連情報が入力されている状態の入力画面を表示する(ステップS54)。つまり、表示部50は、機器情報およびユーザ情報に関連付けて記憶されている機器関連情報がある場合、記憶されている機器関連情報が入力された状態の入力画面を表示する。たとえば、図13に示すように、表示部50は、既にユーザによって入力されている機器12のニックネーム等が入力されている状態の入力画面を表示する。
【0093】
なお、すでに機器関連情報は登録済みであるとして、たとえば、表示部50は、Myテーブルに記憶されている機器関連情報の表示をスキップし、Myテーブルに記憶されていない機器関連情報の入力を省略しても良い。つまり、たとえば、表示部50は、機器情報およびユーザ情報に関連付けて記憶されている機器関連情報がある場合、入力画面の表示をスキップしてもよい。言い換えると、たとえば、表示部50は、機器情報およびユーザ情報に関連付けて記憶されている機器関連情報がある場合、入力画面を表示させなくてもよい。
【0094】
表示された入力画面を介してユーザが機器関連情報を入力すると(ステップS55)、端末制御部38は、入力された機器関連情報を機器情報およびユーザ情報とともにサーバ16に送信し、サーバ記憶部46は、端末14から送信された機器情報、ユーザ情報、および機器関連情報を関連付けてMyテーブルに記憶する(ステップS56)。
【0095】
以上、実施の形態2に係る情報処理システム10aについて説明した。
【0096】
以上のような情報処理システム10aにおいて、端末14は、ユーザが機器12に関連する機器関連情報を入力するための入力画面を表示する表示部50をさらに有し、端末制御部38は、ユーザによって入力された機器関連情報をサーバ16に送信し、サーバ制御部44は、端末14から送信された機器関連情報を受信し、サーバ記憶部46は、サーバ制御部44が受信した機器関連情報を機器情報およびユーザ情報に関連付けて記憶し、表示部50は、機器情報およびユーザ情報に関連付けて記憶されている機器関連情報がない場合、初期状態の入力画面を表示し、機器情報およびユーザ情報に関連付けて記憶されている機器関連情報がある場合、記憶されている機器関連情報が入力された状態の入力画面を表示する、または入力画面の表示をスキップする。
【0097】
これによれば、表示部50は、機器情報およびユーザ情報に関連付けて記憶されている機器関連情報がない場合、初期状態の入力画面を表示するので、ユーザは機器関連情報を容易に入力できる。また、表示部50は、機器情報およびユーザ情報に関連付けて記憶されている機器関連情報がある場合、記憶されている機器関連情報が入力された状態の入力画面を表示するので、ユーザは一度入力した機器関連情報を再度入力する必要がなく、効率よく機器関連情報を入力できる。また、表示部50は、機器情報およびユーザ情報に関連付けて記憶されている機器関連情報がある場合、入力画面の表示をスキップするので、何度も入力画面を表示することなく処理を効率よく行える。
【0098】
以上、本開示に係る情報処理システム等について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態に限定されるものではない。
【0099】
上述した実施の形態では、サーバ記憶部46が、サーバ制御部44が受信した機器情報および証明書情報の組み合わせと、サーバ制御部44が受信した機器情報と同一の機器情報を含みかつサーバ記憶部46に記憶されている機器情報および証明書情報の組み合わせとが一致しない場合、当該組み合わせにおける機器情報および証明書情報の関連付けを解除する場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、サーバ記憶部は、当該組み合わせにおける機器情報および証明書情報の関連付けを解除しなくてもよい。
【0100】
上述した実施の形態では、第2基板20が、記憶領域22を有している場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、第2記憶部材は、記憶領域を有していなくてもよい。この場合、たとえば、第2記憶部材に記憶されている電子証明書に固有の証明書情報と同一の証明書情報に関連付けて記憶されている機器情報をサーバから機器に送信し、交換後の第1記憶部材は、サーバから受信した当該機器情報を記憶してもよい。つまり、交換後の第1記憶部材は、機器情報をサーバから取得して記憶してもよい。
【0101】
上述した実施の形態では、サーバ記憶部46が、サーバ制御部44が受信した機器情報および証明書情報の組み合わせと、サーバ制御部44が受信した機器情報と同一の機器情報を含みかつサーバ記憶部46に記憶されている機器情報および証明書情報の組み合わせとが一致しない場合であって、サーバ制御部44が受信した機器情報と同一の機器情報を含みかつサーバ記憶部46に記憶されている機器情報およびユーザ情報の組み合わせがある場合、当該組み合わせにおける機器情報およびユーザ情報の関連付けを解除する場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、サーバ記憶部は、当該組み合わせにおける機器情報およびユーザ情報の関連付けを解除しなくてもよい。
【0102】
上述した実施の形態では、サーバ制御部44が、サーバ制御部44が受信した機器情報および証明書情報の組み合わせと、サーバ制御部44が受信した機器情報と同一の機器情報を含みかつサーバ記憶部46に記憶されている機器情報および証明書情報の組み合わせとが一致しない場合であって、サーバ制御部44が受信した機器情報と同一の機器情報を含みかつサーバ記憶部46に記憶されている機器情報およびユーザ情報の組み合わせがある場合、所定の通知を行う場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、サーバ制御部は、所定の通知を行わなくてもよい。
【0103】
本開示は、上記実施の形態に係る情報処理システム等として実現できるだけでなく、情報処理システムが備える機器、端末、および/またはサーバが有する機能を実現するプログラムとしても実現できる。さらに、本開示は、そのプログラムを記録したDVD等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体として実現することもできる。
【0104】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0105】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。たとえば、各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0106】
その他、上記各実施の形態に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態や、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素および機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本開示は、安全性を容易に維持できる情報処理システム等に有用である。
【符号の説明】
【0108】
10,10a 情報処理システム
12 機器
14 端末
16 サーバ
18 第1基板
20 第2基板
22 記憶領域
24 第1制御部
26 第1記憶部
28 第1通信部
30 第2制御部
32 第2記憶部
34 第2通信部
35 取得部
36 操作受付部
38 端末制御部
40 端末記憶部
42 端末通信部
44 サーバ制御部
46 サーバ記憶部
48 サーバ通信部
50 表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13