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  • 特許-部品装着装置および部品装着方法 図1
  • 特許-部品装着装置および部品装着方法 図2
  • 特許-部品装着装置および部品装着方法 図3
  • 特許-部品装着装置および部品装着方法 図4
  • 特許-部品装着装置および部品装着方法 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-08
(45)【発行日】2024-08-19
(54)【発明の名称】部品装着装置および部品装着方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20240809BHJP
【FI】
H05K13/04 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020146567
(22)【出願日】2020-09-01
(65)【公開番号】P2022041400
(43)【公開日】2022-03-11
【審査請求日】2023-07-05
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】大和 大
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-203081(JP,A)
【文献】特開2012-199474(JP,A)
【文献】特開2007-36163(JP,A)
【文献】特開2006-210722(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を作業位置に位置決めする基板位置決め部と、
部品を供給するパーツフィーダと、
水平面内方向に移動自在に設けられ、複数のノズルを有し、前記パーツフィーダにより供給される複数の部品を前記複数のノズルに各々吸着させてピックアップする装着ヘッドと、
前記装着ヘッドがピックアップした前記複数の部品の状態の良否を判定する判定部と、
前記装着ヘッドがピックアップした前記複数の部品には前記判定部により状態が良好であると判定された部品と前記判定部により状態が不良であると判定された部品とが存在する場合に、前記判定部により状態が良好であると判定された部品前記作業位置に位置決めされた前記基板に装着された後、前記判定部により状態が不良であると判定された部品は所定の部品投棄部に投棄されるように前記装着ヘッドを作動させる作動制御部と、を備え、
前記作動制御部は、前記装着ヘッドに部品を投棄させる際、前記装着ヘッドを横方向に微小振動させる、部品装着装置。
【請求項2】
前記装着ヘッドは前記判定部により状態が不良であると判定された部品を投棄する際、前記ノズルの下端からエアを吹き出させる、請求項1に記載の部品装着装置。
【請求項3】
前記装着ヘッドがピックアップした部品を撮像するカメラを備え、前記判定部は、前記カメラが撮像により取得した部品の画像に基づいて部品の状態の良否を判定する、請求項1または2に記載の部品装着装置。
【請求項4】
基板を作業位置に位置決めする基板位置決め工程と、
パーツフィーダにより供給される複数の部品を複数のノズルを有する装着ヘッドが前記複数のノズルに各々吸着させてピックアップする部品ピックアップ工程と、
前記装着ヘッドが前記部品ピックアップ工程でピックアップした前記複数の部品の状態の良否を判定する判定工程と、
前記部品ピックアップ工程で前記装着ヘッドがピックアップした前記複数の部品には前記判定工程で状態が良好であると判定された部品と前記判定工程により状態が不良であると判定された部品とが存在する場合に、前記判定工程で状態が良好であると判定された部品が前記作業位置に位置決めされた前記基板に装着されるように前記装着ヘッドを作動させる部品装着工程と、
前記部品装着工程の後、前記判定工程で状態が不良であると判定された部品が所定の部品投棄部に投棄されるように前記装着ヘッドを作動させる部品投棄工程と、を含み、
前記部品投棄工程において前記装着ヘッドに部品を投棄させる際、前記装着ヘッドを横方向に微小振動させて前記ノズルから部品を振り落とす、部品装着方法。
【請求項5】
前記部品投棄工程において、前記ノズルの下端からエアを吹き出させて前記ノズルの下端から前記判定工程で状態が不良であると判定された部品を下方に押し出す、請求項4に記載の部品装着方法。
【請求項6】
前記判定工程において、前記装着ヘッドがピックアップした部品をカメラが撮像により取得した部品の画像に基づいて部品の状態の良否を判定する、請求項4または5に記載の部品装着方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装着ヘッドがノズルに吸着させてピックアップした部品を基板に装着する部品装着装置および部品装着方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基板に部品を装着する部品装着装置は、装着ヘッドがパーツフィーダにより供給される部品をノズルに吸着させてピックアップし、そのピックアップした部品を基板位置決め部により作業位置に位置決めされた基板に装着する構成となっている。このような部品装着装置では、装着ヘッドがピックアップした部品をカメラによって撮像等することによって、その部品の状態の良否が判定される。そして、状態が良好であると判定された部品については基板に装着し、状態が不良であると判定された部品については、予め用意した不良品回収箱に落下させて回収するようになっている(例えば、下記の特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平6-177593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ノズルによる部品の吸着を解除しても、部品とノズルとの間にペースト等の粘着質の物質が付着していると、ノズルから部品が容易に離脱しない場合がある。このような場合には、部品装着装置の動作を停止させたうえで、作業者が手作業でノズルから部品を引き離す必要があり、その間は部品装着装置による作業を中断せざるを得ないために生産性が低下するという問題点があった。
【0005】
そこで本発明は、投棄しようとする部品をノズルから確実に離脱させることができ、作業の中断による生産性の低下を防止できる部品装着装置および部品装着方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の部品装着装置は、基板を作業位置に位置決めする基板位置決め部と、部品を供給するパーツフィーダと、水平面内方向に移動自在に設けられ、複数のノズルを有し、前記パーツフィーダにより供給される複数の部品を前記複数のノズルに各々吸着させてピックアップする装着ヘッドと、前記装着ヘッドがピックアップした前記複数の部品の状態の良否を判定する判定部と、前記装着ヘッドがピックアップした前記複数の部品には前記判定部により状態が良好であると判定された部品と前記判定部により状態が不良であると判定された部品とが存在する場合に、前記判定部により状態が良好であると判定された部品前記作業位置に位置決めされた前記基板に装着された後、前記判定部により状態が不良であると判定された部品は所定の部品投棄部に投棄されるように前記装着ヘッドを作動させる作動制御部と、を備え、前記作動制御部は、前記装着ヘッドに部品を投棄させる際、前記装着ヘッドを横方向に微小振動させる。
【0007】
本発明の部品装着方法は、基板を作業位置に位置決めする基板位置決め工程と、パーツフィーダにより供給される複数の部品を複数のノズルを有する装着ヘッドが前記複数のノズルに各々吸着させてピックアップする部品ピックアップ工程と、前記装着ヘッドが前記部品ピックアップ工程でピックアップした前記複数の部品の状態の良否を判定する判定工程と、前記部品ピックアップ工程で前記装着ヘッドがピックアップした前記複数の部品には前記判定工程で状態が良好であると判定された部品と前記判定部により状態が不良であると判定された部品とが存在する場合に、前記判定工程で状態が良好であると判定された部品が前記作業位置に位置決めされた前記基板に装着されるように前記装着ヘッドを作動させる部品装着工程と、前記部品装着工程の後、前記判定工程で状態が不良であると判定された部品が所定の部品投棄部に投棄されるように前記装着ヘッドを作動させる部品投棄工程と、を含み、前記部品投棄工程において前記装着ヘッドに部品を投棄させる際、前記装着ヘッドを横方向に微小振動させて前記ノズルから部品を振り落とす。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、投棄しようとする部品をノズルから確実に離脱させることができ、作業の中断による生産性の低下を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施の形態における部品装着装置の要部斜視図
図2】本発明の一実施の形態における部品装着装置の要部平面図
図3】本発明の一実施の形態における部品装着装置の制御系統を示すブロック図
図4】本発明の一実施の形態における部品装着装置が備える装着ヘッドを横方向に微小振動させている状態を示す図
図5】本発明の一実施の形態における部品装着装置による部品装着作業の流れを示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。先ず、図1および図2に基づいて部品装着装置1の構造を説明する。図1および図2において、部品装着装置1は基板KBに部品BHを装着する装置であり、基台11、搬送コンベア12、複数のパーツフィーダ13、ヘッド移動機構14、装着ヘッド15、部品認識カメラ16、投棄部品収容箱17および制御装置18を備えている。
【0011】
図1および図2において、搬送コンベア12は基台11の中央部を左右方向(X軸方向)に延びており、前後方向(Y軸方向)に対向して配置された一対の搬送ベルト12aによって、基板KBの両端部を下方から支持して搬送する。搬送コンベア12は上流側から送られてきた基板KBを受け取って基台11の中央部側へ搬送し、所定の作業位置に位置決めする。すなわち本実施の形態において、搬送コンベア12は、基板KBを作業位置に位置決めする基板位置決め部となっている。
【0012】
図1および図2において、複数のパーツフィーダ13は、作業者OPから見た搬送コンベア12の手前側に設けられたフィーダベース11Fに、X軸方向に並んで取り付けられている。各パーツフィーダ13は、基板KBに装着される部品BHを搬送コンベア12側の端部に設けられた部品供給口13Kに供給する。
【0013】
図1および図2において、ヘッド移動機構14は、基台11に固定されてY軸方向に延びて設けられた固定ビーム14Aと、固定ビーム14Aに一端側が支持されてX軸方向に延びた移動ビーム14Bを備えている。装着ヘッド15は移動ビーム14Bに取り付けられている。
【0014】
固定ビーム14Aと移動ビーム14Bの間にはビーム移動リニアモータ14Cが設けられており、移動ビーム14Bはビーム移動リニアモータ14Cの作動によって、固定ビーム14A上をY軸方向に移動する。移動ビーム14Bと装着ヘッド15の間にはヘッド移動リニアモータ14Dが設けられており、装着ヘッド15はヘッド移動リニアモータ14Dの作動によって、移動ビーム14B上をX軸方向に移動する。装着ヘッド15は、ビーム移動リニアモータ14Cの作動によるY軸方向の移動と、ヘッド移動リニアモータ14Dの作動によるX軸方向への移動との組み合わせによって、基台11の上方領域を水平面内(XY面内)方向に自在に移動することができる。
【0015】
図1において、装着ヘッド15は下方に延びた複数のノズル15Nを備えている。各ノズル15Nは、装着ヘッド15内に設けられたノズル駆動部15Aに駆動されて、装着ヘッド15に対する昇降動作と、Z軸まわりの回動動作を行う。各ノズル15Nには、装着ヘッド15に設けられたバルブユニット15Bを通じて真空圧を供給することができ、これにより各ノズル15Nの下端に吸着力を発生させることができる。また、バルブユニット15Bを通じてノズル15N内に正圧を付与することもでき、これにより各ノズル15Nの下端からエアを吹き出させることができる。
【0016】
図1および図2において、部品認識カメラ16は基台11の搬送コンベア12とパーツフィーダ13との間の領域に設けられている。部品認識カメラ16は撮像光軸を上方に向けており、装着ヘッド15がノズル15Nに吸着させてピックアップした部品BHを下方から撮像する。
【0017】
投棄部品収容箱17は上方に開口した容器であり、部品認識カメラ16の側方に、基台11に対して着脱自在に設けられている。投棄部品収容箱17には、装着ヘッド15がピックアップした部品BHのうち、部品認識カメラ16によって認識された結果、状態が不良であって基板KBに装着するべきでないと判断された部品BHが投棄される。投棄部品収容箱17に投棄された部品BHは、適切な時期に投棄部品収容箱17が取り外されることによって回収される。
【0018】
図3において、制御装置18は、部品装着装置1が備える各部の動作の制御を行う。具体的には、制御装置18は、搬送コンベア12を作動させて基板KBの搬送と作業位置への位置決めを行い、各パーツフィーダ13を作動させて部品供給口13Kに部品BHを供給させる。また制御装置18は、ビーム移動リニアモータ14Cとヘッド移動リニアモータ14Dを作動させて、装着ヘッド15を水平面内で移動させる。また制御装置18は、ノズル駆動部15Aを作動させて各ノズル15Nを昇降および回転させる。また、バルブユニット15Bを作動させて各ノズル15Nの下端に吸着力を発生させ、あるいはノズル15Nの下端からエアを吹き出させる。また制御装置18は、装着ヘッド15がノズル15Nに吸着させてピックアップした部品BHを部品認識カメラ16に撮像させて、その部品BHの認識を行う。
【0019】
図3において、制御装置18は記憶部21、作動制御部22および判定部23を備えている。記憶部21には部品装着作業の実行手順を定めた部品装着プログラムのほか、基板KBに装着する部品BHの種類や大きさ等の種々のデータが記憶されている。作動制御部22は、記憶部21に記憶された部品装着プログラムに基づいて部品装着装置1の各部を所定の順序で作動させ、基板KB上に定められた各目標装着座標に部品BHを装着させる。
【0020】
判定部23は、装着ヘッド15がピックアップした部品BHの状態の良否を判定する。ここで、「部品BHの状態の良否」とは、部品BHそのものの良否(欠陥部があるか否か)のほか、ノズル15Nに対する部品BHの吸着状態の良否(ノズル15Nに正常な姿勢で吸着されているか否か)等をいう。本実施の形態では、判定部23は、装着ヘッド15がピックアップした部品BHを部品認識カメラ16により撮像して得られる画像に基づいて、部品BHの状態の良否を判定する。
【0021】
制御装置18の作動制御部22は、装着ヘッド15がピックアップした部品BHのうち、判定部23により状態が良好であると判定された部品BHについては、その部品BHが作業位置に位置決めされた基板KBに装着されるように、装着ヘッド15を作動させる。一方、作動制御部22は、装着ヘッド15がピックアップした部品BHのうち、判定部23により状態が不良であると判定された部品BHについては、基板KBに装着することは不適切であるとして、基板KBに装着されることなく所定の部品投棄部(ここでは投棄部品収容箱17)に投棄されるように、装着ヘッド15を作動させる。
【0022】
ここで、作動制御部22は、装着ヘッド15に部品BHを投棄させる際には、装着ヘッド15を投棄部品収容箱17の上方に移動させ、ノズル15Nによる部品BHの吸着を解除する。そして、ヘッド移動リニアモータ14Dを作動させ、装着ヘッド15を横方向(ここでは移動ビーム14Bに沿った方向であるX軸方向)に微小振動させることによって、部品BHをノズル15Nから振り落とすようにする(図4)。このため部品BHとノズル15Nとの間にペースト等の粘着質の物質が付着していたような場合であっても、部品BHをノズル15Nから確実に離脱させることができる。
【0023】
また、作動制御部22は、装着ヘッド15を横方向に微小振動させている間、バルブユニット15Bを作動させ、ノズル15N(少なくとも状態が不良であると判定された部品BHを吸着しているノズル15N)に正圧を付与する。これによりノズル15Nの下端からエアが吹き出され、部品BHはノズル15Nの下端から下方に押し出されるので、部品BHはより確実にノズル15Nから離脱する。
【0024】
次に、部品装着装置1が実行する部品装着作業の流れ(部品装着方法)を図5に示すフローチャートに基づいて説明する。部品装着作業では先ず、搬送コンベア12が上流側から送られてきた基板KBを受け取って搬送し、作業位置に位置決めする(ステップST1の基板位置決め工程)。
【0025】
基板KBが作業位置に位置決めされたら、ヘッド移動機構14が装着ヘッド15をパーツフィーダ13の上方に移動させる。装着ヘッド15は、パーツフィーダ13の上方に移動したら、パーツフィーダ13により供給される部品BHを複数のノズル15Nそれぞれに吸着させてピックアップする(ステップST2の部品ピックアップ工程)。
【0026】
装着ヘッド15が部品BHをピックアップしたら、ヘッド移動機構14は装着ヘッド15にピックアップされた部品BHが部品認識カメラ16の上方を通過するように装着ヘッド15を移動させる。部品認識カメラ16は部品BHが上方を通過するときその部品BHを撮像し、制御装置18は部品認識カメラ16の撮像によって得られた画像に基づいて部品BHの認識を行う(ステップST3の部品認識工程)。
【0027】
制御装置18は、上記のようにして部品BHの認識を行うとき、判定部23において、装着ヘッド15がピックアップした各部品BHの状態の良否を判定する(ステップST4の判定工程)。その結果、状態が不良であると判定された部品BHがなかった場合には、ヘッド移動機構14は装着ヘッド15を基板KBの上方に移動させ、装着ヘッド15はピックアップした部品BHを基板KBに設定されている目標装着座標に装着する(ステップST5の部品装着工程)。装着ヘッド15が部品BHを目標装着座標に装着する際には、部品BHの認識結果に基づいた位置補正がなされる。
【0028】
一方、制御装置18は、ステップST4の判定工程において、状態が不良であると判定された部品BHがあった場合には、装着ヘッド15を基板KBの上方に移動させたうえで、状態が良好であると判定された部品BHのみを基板KBに装着した後(ステップST6。部品装着工程)、装着ヘッド15を投棄部品収容箱17の上方に移動させる(ステップST7。装着ヘッド移動工程)。そして、ノズル15Nによる部品BHの吸着を解除したうえで、装着ヘッド15を横方向(ここでは移動ビーム14Bに沿った方向であるX軸方向)に微小振動させながらノズル15Nの下端からエアを吹き出させることによって、部品BHを投棄部品収容箱17に投棄させる(ステップST8。部品投棄工程)。
【0029】
制御装置18は、ステップST8の部品投棄工程を実行したら、ステップST4の判定工程で状態が不良であると判定された部品BH、すなわち投棄対象となっていた全ての部品BHがノズル15Nから離脱したかどうかを判断する(ステップST9)。この判断は、装着ヘッド15を部品認識カメラ16の上方に移動させ、部品認識カメラ16によって、投棄対象の部品BHをピックアップしていたノズル15Nを撮像することによって行う。あるいは、ノズル15N内の圧力を計測し、その圧力値からノズル15Nから部品BHが脱落したか否かを判断するようにしてもよい。
【0030】
制御装置18は、ステップST9において、投棄対象となっている部品BHのうちの少なくともひとつの部品BHがノズル15Nから離脱していないと判断された場合には、作業者OPが手作業でノズル15Nから部品BHを取り除く作業を実施できるように、部品装着装置1の稼働を一時的に停止させる(ステップST10)。一方、ステップST5の部品装着工程で部品BHを基板KBに装着した場合や、ステップST9において投棄対象となっている全ての部品BHがノズル15Nから離脱したことを確認できた場合には、ステップST11に進む。
【0031】
ステップST11では、現在部品装着の対象としている基板KBに装着すべき部品BHを全て装着したか否かを判断する。その結果、基板KBにまだ装着していない部品BHがある場合にはステップST2に戻ってノズル15Nによる部品BHのピックアップを行う。一方、ステップST11で、基板KBに装着すべき部品BHが全て装着されたと判断された場合には、搬送コンベア12が基板KBを部品装着装置1の下流側に搬出する(ステップST12)。これにより現在部品装着の対象としている基板KBについての部品装着作業が終了する。
【0032】
以上説明したように、本実施の形態における部品装着装置1では、判定部23により状態が不良であると判定された部品BHを部品投棄部(投棄部品収容箱17)に投棄する際、装着ヘッド15を横方向に微小振動させて、ノズル15Nから部品BHを振り落とすようにする。これにより、投棄しようとする部品BHを確実にノズル15Nから離脱させることができるので、部品装着装置1の稼働を停止させて作業者OPが手作業でノズル15Nから部品BHを引き離す必要がなく、作業の中断による生産性の低下を防止できる。
【0033】
これまで本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上述したものに限定されず、種々の変形等が可能である。例えば、上述の実施の形態では、投棄しようとする部品BHをノズル15Nから振り落とす際、併せてノズル15Nの下端からエアを吹き出させるようにしていたが、このエアの吹き出しは必須ではなく、部品BHの吸着を解除したうえで、装着ヘッド15を横方向に微小振動させるのみであってもよい。
【0034】
また、上述の実施の形態では、装着ヘッド15を水平面内方向に自在に移動させるヘッド移動機構14がリニアモータ(ビーム移動リニアモータ14Cおよびヘッド移動リニアモータ14D)を用いた駆動系によって駆動される構成となっていたが、リニアモータに変えて、ボール螺子を用いた駆動系等、他の駆動系によって駆動されるようになっていてもよい。
【0035】
また、上述の実施の形態では、箱状の部材(投棄部品収容箱17)を部品投棄部としていたが、部品投棄部は箱状の部材でなくてもよく、ステージ状の部材やコンベア等であっても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0036】
投棄しようとする部品をノズルから確実に離脱させることができ、作業の中断による生産性の低下を防止できる部品装着装置および部品装着方法を提供する。
【符号の説明】
【0037】
1 部品装着装置
12 搬送コンベア(基板位置決め部)
13 パーツフィーダ
14 ヘッド移動機構
15 装着ヘッド
15N ノズル
16 部品認識カメラ(カメラ)
17 投棄部品収容箱(部品投棄部)
22 作動制御部
23 判定部
BH 部品
KB 基板
図1
図2
図3
図4
図5