(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-08
(45)【発行日】2024-08-19
(54)【発明の名称】アカウント管理方法、アカウント管理システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 21/31 20130101AFI20240809BHJP
【FI】
G06F21/31
(21)【出願番号】P 2020166397
(22)【出願日】2020-09-30
【審査請求日】2023-04-20
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 健
(72)【発明者】
【氏名】分山 大輔
(72)【発明者】
【氏名】尾家 瑶子
(72)【発明者】
【氏名】越智 崇夫
【審査官】平井 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-003509(JP,A)
【文献】特開2005-316660(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/00-88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数台の端末装置のそれぞれにより共用されるアカウントを管理するためのアカウント管理方法であって、
前記アカウントは、前記アカウントに過去にログインしたことがある少なくとも1台の端末装置の情報が記載された端末リスト、および、前記ログインの許否判定に用いる二段階認証の連絡先の情報を少なくとも有し、
前記端末リストに記載されている端末装置から第1のログイン要求を受信した場合に、前記二段階認証の実行を省略し、
前記端末リストに記載されていない端末装置から第2のログイン要求を受信した場合に、前記二段階認証の連絡先の情報を用いて前記二段階認証を実行する、
アカウント管理方法。
【請求項2】
前記第2のログイン要求の受信に基づいて、前記アカウントが保持しているIDおよびパスワードの入力を促すログイン画面を、前記第2のログイン要求を行った端末装置に表示し、
前記ログイン画面に入力されたIDおよびパスワードと前記アカウントが保持しているIDおよびパスワードとが一致していると判定した場合に、前記二段階認証のコードと前記コードの入力を促すメッセージとを前記二段階認証の連絡先に送り、
入力された前記コードと前記二段階認証の連絡先に送られた前記二段階認証のコードとが一致していると判定した場合に、前記第2のログイン要求に応じたログインを許可する、
請求項1に記載のアカウント管理方法。
【請求項3】
前記アカウントに過去にログインしたことがある端末装置に送信されるアクセストークンを用いた前記第1のログイン要求あるいは前記第2のログイン要求の許否判定において、前記アクセストークンの有効期間内でないと判定した場合に、前記二段階認証の連絡先の
情報を用いて前記二段階認証を実行する、
請求項1に記載のアカウント管理方法。
【請求項4】
前記アカウントはIDおよびパスワードの情報をさらに有し、
前記アカウントに過去にログインしたことがある端末装置に送信されるアクセストークンを用いた前記第1のログイン要求あるいは前記第2のログイン要求の許否判定において、前記アクセストークンが有するログイン成功した日時が前記パスワードが更新された日時よりも古いと判定した場合に、前記二段階認証の連絡先の情報を用いて前記二段階認証を実行する、
請求項1に記載のアカウント管理方法。
【請求項5】
複数台の端末装置と、
前記複数台の端末装置のそれぞれにより共用されるアカウントに過去にログインしたことがある少なくとも1台の端末情報の情報が記載された端末リスト、および、前記ログインの許否判定に用いる二段階認証の連絡先の情報を少なくとも有するサーバと、を備え、
前記端末装置は、
自端末が前記端末リストに記載されている旨の前記サーバからの応答を受信した場合に、ユーザ操作によるログイン要求に応じて、前記二段階認証の実行を省略し、
自端末が前記端末リストに記載されていない旨の前記サーバからの応答を受信した場合に、前記ユーザ操作によるログイン要求に応じて、前記二段階認証の連絡先の情報を用いて前記二段階認証を実行する、
アカウント管理システム。
【請求項6】
コンピュータである端末装置に、
複数台の端末装置のそれぞれにより共用されるアカウントに過去にログインしたことがある少なくとも1台の端末装置の情報が記載された端末リスト、および、前記ログインの許否判定に用いる二段階認証の連絡先の情報を少なくとも有するサーバとの間で通信する処理と、
自端末が前記端末リストに記載されている旨の前記サーバからの応答を受信した場合に、ユーザ操作によるログイン要求に応じて、前記二段階認証の実行を省略する処理と、
自端末が前記端末リストに記載されていない旨の前記サーバからの応答を受信した場合に、前記ユーザ操作によるログイン要求に応じて、前記二段階認証の連絡先の情報を用いて前記二段階認証を実行する処理と、を実行させるための、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アカウント管理方法、アカウント管理システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、メイクを施される対象者を撮像した撮像画像から、特定の表情が検出される撮像画像を特定し、メイクが施される場所に配置されたマイクで収音された音声のうち、特定した撮像画像の撮像時刻の近傍で収音された音声を特定し、特定した撮像画像と特定した音声または特定した音声をテキスト変換して得られたデータとを送信する、メイク支援装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、スタッフルームに設置される管理端末と美容師とが対応しているので、この美容師が美容室に在職している間、美容師は管理端末を操作して管理サーバ(メイク支援装置)にアクセス可能となり、過去のメイク時の撮像画像等のデータを閲覧することができる。しかし、特許文献1には、美容師が退職した場合の美容師と管理端末との対応付け(言い換えると、美容師のアカウント)を解除することは想定されていないので、この退職した美容師が退職後に美容室に入って管理端末を操作して管理サーバにアクセスして過去のメイク時の撮像画像等のデータを閲覧できてしまう可能性があった。
【0005】
ここで、例えば美容室等の店舗において、店員(例えば美容師)による来店顧客のヘアアレンジの施術中にヘアアレンジの過程等の様子を店舗カメラで日常的に撮影し、過去に撮影されたカメラ映像を閲覧可能とするために店舗カメラから店舗に設置された端末(以下、「店舗端末」と称する)に配信するというサービスを想定する。このようなサービス運営にあたり、店舗としてのサービスのユーザ登録が済んだ店舗(つまり店舗用のアカウントが設定された店舗)において、アカウントへのログイン時、例えば店舗端末(例えばスマートフォン)は、ログインの実績があるか否かを判定し、過去にログインの実績が無いと判定した場合には二段階認証を動作させる。これにより、アカウントへのログインのセキュリティが担保される。なお、アカウントへのログインの実績があると判定された場合はログインID(IDentification)の入力もしくは二段階認証を省略することで、ユーザの利便性を保つことが考えられる。例えば、店舗端末を紛失してしまった場合、他の店舗端末からアカウントへのログイン用のパスワードを変更することで、紛失された店舗端末からのログインを防ぐことが可能となる。
【0006】
店舗等の法人向けアカウントのように、1つのアカウントを多人数の端末(例えば店舗端末)で共用することがある。ここでいう多人数の店舗端末は、例えば店長の端末、店舗に在職している全ての美容師のそれぞれの端末を指す。例えば1人の美容師が退職した場合、あるいは、1台の店舗端末が紛失した場合、セキュリティ確保のため、過去に店舗用のアカウントへのログインの実績があった店舗端末からのログインを拒否する必要がある。このような場合、店長がアカウントへのログイン時に必要なパスワードを勝手に変更してしまうと、引き続き利用可能な多くの美容師等のユーザのそれぞれが変更後のパスワードの入力を強いられることになり、特定の店舗端末からのログインを拒否するためのアカウントの管理が不便であった。
【0007】
本開示は、上述した従来の事情に鑑みて案出され、煩雑なユーザ操作をさせることなく、複数人で共用される店舗等のアカウントの管理を適切に行い、データのセキュリティ担保を支援するアカウント管理方法、アカウント管理システムおよびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、複数台の端末装置のそれぞれにより共用されるアカウントを管理するためのアカウント管理方法であって、前記アカウントは、前記アカウントに過去にログインしたことがある少なくとも1台の端末装置の情報が記載された端末リスト、および、前記ログインの許否判定に用いる二段階認証の連絡先の情報を少なくとも有し、前記端末リストに記載されている端末装置から第1のログイン要求を受信した場合に、前記二段階認証の実行を省略し、前記端末リストに記載されていない端末装置から第2のログイン要求を受信した場合に、前記二段階認証の連絡先の情報を用いて前記二段階認証を実行する、アカウント管理方法を提供する。
【0009】
また、本開示は、複数台の端末装置と、前記複数台の端末装置のそれぞれにより共用されるアカウントに過去にログインしたことがある少なくとも1台の端末情報の情報が記載された端末リスト、および、前記ログインの許否判定に用いる二段階認証の連絡先の情報を少なくとも有するサーバと、を備え、前記端末装置は、自端末が前記端末リストに記載されている旨の前記サーバからの応答を受信した場合に、ユーザ操作によるログイン要求に応じて、前記二段階認証の実行を省略し、自端末が前記端末リストに記載されていない旨の前記サーバからの応答を受信した場合に、前記ユーザ操作によるログイン要求に応じて、前記二段階認証の連絡先の情報を用いて前記二段階認証を実行する、アカウント管理システムを提供する。
【0010】
また、本開示は、コンピュータである端末装置に、複数台の端末装置のそれぞれにより共用されるアカウントに過去にログインしたことがある少なくとも1台の端末装置の情報が記載された端末リスト、および、前記ログインの許否判定に用いる二段階認証の連絡先の情報を少なくとも有するサーバとの間で通信する処理と、自端末が前記端末リストに記載されている旨の前記サーバからの応答を受信した場合に、ユーザ操作によるログイン要求に応じて、前記二段階認証の実行を省略する処理と、自端末が前記端末リストに記載されていない旨の前記サーバからの応答を受信した場合に、前記ユーザ操作によるログイン要求に応じて、前記二段階認証の連絡先の情報を用いて前記二段階認証を実行する処理と、を実行させるための、プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、煩雑なユーザ操作をさせることなく、複数人で共用される店舗等のアカウントの管理を適切に行え、データのセキュリティ担保を支援できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】ネットワークカメラシステムの機能概要の第1ユースケースを示す図
【
図2】
図1のネットワークカメラシステムの動作手順例を示す図
【
図3】
図1のネットワークカメラシステムの動作手順例を示す図
【
図4】ネットワークカメラシステムの機能概要の第2ユースケースを示す図
【
図5】
図4のネットワークカメラシステムの動作手順例を示す図
【
図6】実施の形態1に係るネットワークカメラシステムの全体構成例を模式的に示す図
【
図7】実施の形態1に係る店舗カメラおよびホームカメラの内部構成例を示すブロック図
【
図8】実施の形態1に係る店舗端末および顧客端末の内部構成例を示すブロック図
【
図9】実施の形態1に係る管理サーバの内部構成例を示すブロック図
【
図10】アカウント管理用ストレージおよび映像データ管理用ストレージの内部構成例を示す図
【
図11】アカウント管理用ストレージに保存される店舗および顧客ごとのアカウントデータの内部構成例を示す図
【
図12】実施の形態1に係るログインの許否判定の動作概要例を示す図
【
図13】実施の形態1に係る店舗端末によるログインの許否判定の動作手順例を示すフローチャート
【
図14】実施の形態1に係る管理サーバによるアクセストークンを用いたログインの成否判定の動作手順例を示すフローチャート
【
図15】実施の形態2に係る顧客端末に表示されるカメラ登録画面例を示す図
【
図16】実施の形態2に係るホームカメラへの顧客端末の登録の動作手順例を示すシーケンス図
【
図17】実施の形態2に係るホームカメラへの顧客端末の登録の動作手順例を示すシーケンス図
【
図18】実施の形態2に係るホームカメラからのカメラ映像の視聴の動作手順例を示すシーケンス図
【
図19】実施の形態2に係るホームカメラからのカメラ映像の視聴の動作手順例を示すシーケンス図
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施の形態1に至る経緯)
ここで、例えば美容室等の店舗において、店員(例えば美容師)による来店顧客のヘアアレンジの施術中にヘアアレンジの過程等の様子を店舗カメラで日常的に撮影し、過去に撮影されたカメラ映像を閲覧可能とするために店舗カメラから店舗に設置された端末(以下、「店舗端末」と称する)に配信するというサービスを想定する。このようなサービス運営にあたり、店舗としてのサービスのユーザ登録が済んだ店舗(つまり店舗用のアカウントが設定された店舗)において、アカウントへのログイン時、例えば店舗端末(例えばスマートフォン)は、ログインの実績があるか否かを判定し、過去にログインの実績が無いと判定した場合には二段階認証を動作させる。これにより、アカウントへのログインのセキュリティが担保される。なお、アカウントへのログインの実績があると判定された場合はログインID(IDentification)の入力もしくは二段階認証を省略することで、ユーザの利便性を保つことが考えられる。例えば、店舗端末を紛失してしまった場合、他の店舗端末からアカウントへのログイン用のパスワードを変更することで、紛失された店舗端末からのログインを防ぐことが可能となる。
【0014】
店舗等の法人向けアカウントのように、1つのアカウントを多人数の端末(例えば店舗端末)で共用することがある。ここでいう多人数の店舗端末は、例えば店長の端末、店舗に在職している全ての美容師のそれぞれの端末を指す。例えば1人の美容師が退職した場合、あるいは、1台の店舗端末が紛失した場合、セキュリティ確保のため、過去に店舗用のアカウントへのログインの実績があった店舗端末からのログインを拒否する必要がある。このような場合、店長がアカウントへのログイン時に必要なパスワードを勝手に変更してしまうと、引き続き利用可能な多くの美容師等のユーザのそれぞれが変更後のパスワードの入力を強いられることになり、特定の店舗端末からのログインを拒否するためのアカウントの管理が不便であった。
【0015】
そこで、以下の実施の形態1では、煩雑なユーザ操作をさせることなく、複数人で共用される店舗等のアカウントの管理を適切に行い、データのセキュリティ担保を支援するアカウント管理方法、アカウント管理システムおよびプログラムの例を説明する。
【0016】
以下、適宜図面を参照しながら、本開示に係るアカウント管理方法、アカウント管理システムおよびプログラムを具体的に開示した実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるものであり、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0017】
先ず、本開示に係るアカウント管理システムの一例としてのネットワークカメラシステムの機能概要を2つのユースケースを参照して説明する(
図1および
図4参照)。以下、ネットワークカメラシステムが設置される店舗として美容室を例示するが、美容室に限定されず、例えば着物の着付け教室、理容室でもよい。
【0018】
(ネットワークカメラシステムの機能概要:第1ユースケース)
図1は、ネットワークカメラシステムの機能概要の第1ユースケースを示す図である。
図1のネットワークカメラシステムは、店舗BS(例えば美容室)に設置された少なくとも1台の店舗カメラMP1および店舗端末P1と、管理サーバS1と、顧客CS1(例えばAAAさん)の顧客端末CP1とを少なくとも有する。店舗端末および顧客端末は端末装置の一例である。顧客端末CP1は、顧客CS1の自宅CH1内あるいは自宅CH1外で使用されてよい。
【0019】
ネットワークカメラシステムの第1ユースケースでは、美容室に設置された店舗カメラMP1により、店舗BS(例えば美容室)に来店した顧客CS1が店員SF1(例えば美容師)による後ろ髪の施術(例えばヘアアレンジ)中の様子が撮像される。なお、以降の説明では、後ろ髪に施術される処理はヘアアレンジに限らず、ヘアセットであってもよい。この撮像された映像(以下、「カメラ映像」と称する)は、店舗カメラMP1から無線で店舗端末P1に送られ、店舗端末P1においてリアルタイム視聴が可能となる。また、カメラ映像は、店舗カメラMP1から管理サーバS1に送られて管理サーバS1において記録(つまり録画)される。さらに、管理サーバS1に録画されたカメラ映像が店員SF1の操作により顧客端末CP1との間で共有されると、顧客CS1は、自宅CH1に帰宅した後、自らの顧客端末CP1(例えばスマートフォン)で、共有されたカメラ映像をダウンロードして視聴(再生)もしくはストリーミング再生できる。これにより、顧客CS1は、自身でヘアアレンジを行うためにカメラ映像を視聴することで店舗BSでのヘアアレンジの復習を行えるので、顧客CS1自身によるヘアアレンジの利便性が向上する。
【0020】
図2および
図3は、
図1のネットワークカメラシステムの動作手順例を示す図である。
図2において、顧客CS1は自宅CH1を出発して目的の店舗BS(例えば美容室)に来店する(Step U1)。店員SF1が顧客CS1を出迎える。店舗BS(例えば美容室)には、
図1のネットワークカメラシステムを構成する店舗カメラMP1および店舗端末P1が設置されている。
【0021】
顧客CS1が初めて来店した場合、店員SF1によるネットワークカメラシステムのサービス内容(上述した第1ユースケース参照)の紹介がなされる。顧客CS1は、このサービスを受けることに同意した場合に、ネットワークカメラシステムの顧客端末CP1向けの専用アプリケーション(以下、「顧客端末アプリ」と称する)を自身の顧客端末CP1にインストールする。このインストールの際に、顧客CS1は自身の氏名等の個人情報を入力してユーザ登録を済ませる(Step U2)。
【0022】
顧客CS1のヘアアレンジの施術が店員SF1により実際に開始されると、店舗カメラMP1は、店員SF1による電源ONを経て、顧客CS1の後ろ髪のヘアアレンジの様子を映すカメラ映像の撮像を開始する。店員SF1(例えば店員SF1の指FG1)により店舗カメラMP1のカメラボタン16(
図7参照)が押下されると、店舗カメラMP1は、撮像されている現在のカメラ映像(いわゆるライブ映像)のデータを店舗端末P1および管理サーバS1のそれぞれに配信する(Step U3)。店舗端末P1が顧客CS1の近くに配置されれば、顧客CS1は、店舗端末P1に表示されたライブ映像をリアルタイムに視聴することができる。
【0023】
図3において、顧客CS1は、顧客端末CP1にインストールされた顧客端末アプリへの自身の操作に基づいて顧客端末CP1に表示された認証コード(認証情報の一例)を、店舗カメラMP1のレンズに向かってにかざす(Step U4)。認証コードは、例えばQRコード(登録商標)である。これは、店舗カメラMP1により撮像されているカメラ映像のデータをどの人物と紐付けするかを特定するために行われる。これにより、店舗カメラMP1は、撮像されているカメラ映像(いわゆるライブ映像)のデータを顧客CS1に紐付けて管理サーバS1に配信できる。管理サーバS1は、店舗BS(例えば美容室)の店舗カメラMP1と店舗カメラMP1から配信されたカメラ映像のデータと顧客CS1とを紐付けて記録(録画)できる。
【0024】
ヘアアレンジの施術が終了した後、店員SF1は、店舗カメラMP1のカメラボタン16を押下する(Step U5)。これにより、店舗カメラMP1は、カメラ映像(いわゆるライブ映像)の店舗端末P1および管理サーバS1のそれぞれへの配信を停止する。店員SF1は、店舗カメラMP1により撮像されたカメラ映像を顧客CS1の顧客端末CP1との間で共有するために、該当するカメラ映像を選択する操作(いわゆる共有操作)を指FG1で行う(Step U5)。なお、顧客CS1は店舗BSへの会計を済ませて顧客端末CP1を所持して自宅CH1に向かって帰宅する。
【0025】
顧客CS1は、自宅CH1に帰宅した後、顧客端末CP1にインストールされた顧客端末アプリを操作する。顧客端末CP1は、顧客CS1の操作に基づいて、店員SF1により共有操作がなされた共有映像のリストを表示する(Step U6)。顧客端末CP1は、顧客CS1の操作(例えば指FG2での操作)により、選択されたカメラ映像(いわゆる共有映像)を再生する(Step U6)。これにより、顧客CS1は、自身が気になったヘアアレンジのカメラ映像を簡易に視聴できる。
【0026】
(ネットワークカメラシステムの機能概要:第2ユースケース)
図4は、ネットワークカメラシステムの機能概要の第2ユースケースを示す図である。
図4のネットワークカメラシステムは、管理サーバS1と、顧客CS1(例えばAAAさん)の自宅CH1に設置されたホームカメラMH1および顧客端末CP1とを少なくとも有する。なお、ネットワークカメラシステムは、店舗BS(例えば美容室)に設置された少なくとも1台の店舗カメラMP1および店舗端末P1(
図1参照)をさらに有する構成としてもよい。
【0027】
ネットワークカメラシステムの第2ユースケースでは、顧客CS1の自宅CH1にホームカメラMH1が設置されることで、顧客CS1が自身でヘアアレンジを行う間の様子がホームカメラMH1により撮像される。つまり、この撮像されたカメラ映像は、ホームカメラMH1から無線で顧客端末CP1に送られ、顧客端末CP1においてリアルタイム視聴が可能となる上に、顧客端末CP1において保存することも可能である。また、詳細は後述するが、顧客端末CP1は、店舗BS(例えば美容室)の店舗カメラMP1により撮像されたカメラ映像と、ホームカメラMH1により撮像されているカメラ映像(つまりライブ映像)とを並べて表示することができる。これにより、顧客CS1は、過去に店舗BSで施術されたヘアアレンジの様子と、現在自身で行っているヘアアレンジの様子とを見比べることができ、店舗BSで施術されたヘアアレンジの再現性を高めることができる。
【0028】
図5は、
図4のネットワークカメラシステムの動作手順例を示す図である。
図5において、顧客CS1は、ネットワークカメラシステムのサービス内容(上述した第2ユースケース参照)を確認し、このサービスを受けることに同意した場合に、ネットワークカメラシステムの顧客端末CP1向けの専用アプリケーション(顧客端末アプリ)を自身の顧客端末CP1にインストールする。このインストールの際に、顧客CS1は自身の氏名等の個人情報を入力してユーザ登録を済ませる(Step V1)。顧客CS1により顧客端末アプリがインストールされた後、ホームカメラMH1は、顧客CS1による電源ONを経て、顧客CS1の自身による後ろ髪のヘアアレンジの様子を映すカメラ映像の撮像を開始する。
【0029】
ホームカメラMH1により撮像されている現在のカメラ映像(いわゆるライブ映像)のデータは、顧客CS1の顧客端末CP1への操作により、ホームカメラMH1から顧客端末CP1に配信される(Step V2)。顧客端末CP1は、ホームカメラMH1から配信されているライブ映像のデータを表示することができる。これにより、顧客CS1は、現在自身で行っている後ろ髪のヘアアレンジの様子を簡易に把握できる。なお、このライブ映像のデータは、顧客端末CP1のメモリ22に記憶(録画)されてもよいし、さらに、ホームカメラMH1から管理サーバS1に配信されて管理サーバS1において記録(録画)されてもよい。顧客端末CP1にライブ映像のデータが録画されることで、顧客CS1は、顧客端末CP1の操作により、例えば過去の自身で行ったヘアアレンジの様子を映すカメラ映像を簡易に視聴できる。また、顧客端末CP1は、顧客CS1の顧客端末アプリへの操作により、過去に店舗BS(例えば美容室)の店舗カメラMP1により撮像されたカメラ映像(いわゆる共有映像)と、ホームカメラMH1により撮像されているカメラ映像(つまりライブ映像)とを並べて表示する(Step V2)。これにより、顧客CS1は、過去に店舗BSで施術されたヘアアレンジの様子と、現在自身で行っているヘアアレンジの様子とを見比べることができ、店舗BSで施術されたヘアアレンジの再現性を高めることができる。
【0030】
(実施の形態1)
次に、実施の形態1に係るネットワークカメラシステム100の構成および動作を順に説明する。
図6は、実施の形態1に係るネットワークカメラシステム100の全体構成例を模式的に示す図である。ネットワークカメラシステム100は、1台以上の店舗カメラMP1,MP2,…と、1台以上の店舗端末P1,P2,…と、無線ルータC1と、管理サーバS1と、基地局BST1と、無線ルータC2と、ホームカメラMH1と、顧客端末CP1とを少なくとも含む。
【0031】
ネットワークカメラシステム100では、店舗BS(例えば美容室)内に設置された1台以上の店舗カメラMP1,MP2,…のそれぞれは、担当の店員(例えば美容師)によって施される来店顧客のヘアアレンジの施術中の後ろ姿を撮像する。この撮像されている映像(いわゆるライブ映像)は、それぞれの店舗カメラ(例えば店舗カメラMP1)から、配信先として決定された店舗端末(例えば店舗端末P1)に配信される。また、ネットワークカメラシステム100では、上述した第1ユースケースのステップStep U5の処理に関する店舗端末の動作手順を主に説明する。
【0032】
なお、
図6の説明を簡易化するため、美容室は1店舗分、顧客は1人のみ例示しているが、店舗は複数でもよく、同様に顧客も複数でもよい。
【0033】
店舗BSには、少なくとも1台以上の店舗カメラMP1,MP2,…と、少なくとも1台以上の店舗端末P1,P2,…と、無線ルータC1と、が設置される。
【0034】
複数の店舗カメラMP1,…のそれぞれは、例えばパン回転およびチルト回転のうち少なくとも一方によって姿勢(言い換えると、内蔵されるレンズの光軸方向)を変更可能であり、かつズーム処理によってズーム倍率を変更可能なPTZ(Pan Tilt Zoom)カメラである。なお、複数の店舗カメラMP1,…のそれぞれは、PTZカメラに限定されず、画角が固定となる固定カメラであっても構わない。複数の店舗カメラMP1,…のそれぞれは、店舗BSに来店したそれぞれの顧客の背後に配置され、ヘアアレンジの施術中の顧客の後ろ姿(後頭部)を撮像し、撮像されているカメラ映像のデータを、無線ルータC1を介して複数の店舗端末P1,…のうちいずれか1台の店舗端末に配信したり、無線ルータC1を介して管理サーバS1に配信したりする。なお、複数の店舗カメラMP1,…のそれぞれは、店舗BS内に配置されたキャスタに取り付けられて店舗BS内を移動可能であってもよい。なお、複数の店舗カメラMP1,…のうち少なくとも一部は、例えば美容師の頭もしくは胸元等の身体に装着可能なカメラでもよい。
【0035】
複数の店舗端末P1,…のそれぞれは、店舗BSの店員(例えば美容師)が携帯可能な通信端末(例えばスマートフォンもしくはタブレット端末)であり、店員により操作される。複数の店舗端末P1,…のそれぞれは、無線ルータC1を介して複数の店舗カメラMP1,…のそれぞれとの間で無線通信可能に接続され、店舗カメラMP1,…のうちいずれかから配信されたカメラ映像のデータを受信して表示操作部23(
図8参照)に表示する。なお、ここでいう無線通信は、例えば無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)などの無線通信規格に準じて提供される通信方式である。
【0036】
無線ルータC1は、店舗BS内の店舗カメラおよび店舗端末とネットワークNWとの間のデータの送受信を中継する。無線ルータC1は、店舗BS内において、複数の店舗カメラMP1,…のそれぞれと複数の店舗端末P1,…のそれぞれとの間のデータの送受信を中継する。なお、
図6に示す店舗BS内に設置された無線ルータC1の台数は1台であるが、例えば2台以上であってもよい。
【0037】
管理サーバS1は、ネットワークNWを介して、店舗BS内の無線ルータC1および顧客の自宅CH1内の無線ルータC2のそれぞれとの間で、データの送受信を行う。管理サーバS1は、ネットワークカメラシステム100のサービスを提供するために、ユーザ登録がなされたユーザ(例えば顧客CS1)のアカウント情報、および、店舗登録がなされた店舗(例えば店舗BS)のアカウント情報を保存している。また、管理サーバS1は、店舗(例えば店舗BS)内の店舗カメラ(例えば店舗カメラMP1)により撮像されたカメラ映像(例えばライブ映像)のデータを記録(録画)したり、その録画されたカメラ映像のデータを顧客端末(例えば顧客端末CP1)に配信したりする。
【0038】
基地局BST1は、ネットワークNWと顧客の自宅(例えば自宅CH1)内の無線ルータ(例えば無線ルータC2)との間のデータの送受信を中継する。
【0039】
無線ルータC2は、顧客の自宅(例えば自宅CH1)内のホームカメラMH1および顧客端末CP1とネットワークNWとの間のデータの送受信を中継する。無線ルータC2は、顧客の自宅CH1内において、ホームカメラMH1と顧客端末CP1との間のデータの送受信を中継する。なお、
図6に示す自宅CH1内に設置された無線ルータC2の台数は1台であるが、例えば2台以上であってもよい。
【0040】
ホームカメラMH1は、例えばパン回転およびチルト回転のうち少なくとも一方によって姿勢(言い換えると、内蔵されるレンズの光軸方向)を変更可能であり、かつズーム処理によってズーム倍率を変更可能なPTZカメラである。なお、ホームカメラMH1は、PTZカメラに限定されず、画角が固定となる固定カメラであっても構わない。ホームカメラMH1は、自宅CH1内の顧客CS1の背後に配置され、ヘアアレンジを自身で行う顧客の後ろ姿(後頭部)を撮像し、撮像されているカメラ映像のデータを、無線ルータC2を介して顧客端末CP1に配信する。なお、ホームカメラMH1は、自宅CH1内に配置されたキャスタに取り付けられて自宅CH1内を移動可能であってもよい
【0041】
顧客端末CP1は、顧客CS1が携帯可能な通信端末(例えばスマートフォンもしくはタブレット端末)であり、顧客により所持かつ操作される。顧客端末CP1は、無線ルータC2を介してホームカメラMH1との間で無線通信可能に接続され、ホームカメラMH1から配信されたカメラ映像のデータを受信して表示操作部23(
図8参照)に表示する。
【0042】
図7は、実施の形態1に係る店舗カメラMP1,MP2,…およびホームカメラMH1の内部構成例を示すブロック図である。なお、複数の店舗カメラMP1,MP2,…およびホームカメラMH1のそれぞれは同一の構成を有するため、ここでは店舗カメラMP1を例示して説明する。したがって、
図7の説明において、店舗カメラMP1は店舗カメラMP2あるいはホームカメラMH1に読み替えてもよいが、ホームカメラMH1はカメラボタン16の構成を省略してもよい。また、店舗カメラMP1をホームカメラMH1に読み替える場合には、無線ルータC1を無線ルータC2に読み替え、店舗端末を顧客端末に読み替えるものとする。
【0043】
店舗カメラMP1は、無線LAN通信IF10Aと、無線LANコントローラ10Bと、プロセッサ11と、メモリ12と、撮像部13と、音声BUS14Aと、音声入出力コントローラ14Bと、ビデオメモリコントローラ15Aと、ビデオメモリ15Bと、カメラボタン16と、LED(Light Emission Diode)17と、充電池18と、マイクMK1と、スピーカSP1とを含む。なお、
図7~
図9の説明において、インターフェースを「IF」と略記している。
【0044】
無線LAN通信IF10Aは、店舗カメラMP1が備えるアンテナANT1と接続され、無線ルータC1との間で無線LANによる通信を行い、無線ルータC1を介して管理サーバS1あるいは複数の店舗端末P1,…のそれぞれとの間でデータの送受信を実行する。
【0045】
無線LANコントローラ10Bは、プロセッサ11、音声BUS14Aおよびビデオメモリコントローラ15Aのそれぞれと無線LAN通信IF10Aとの間のデータの入出力に関する制御を実行する。無線LANコントローラ10Bは、プロセッサ11から出力された指令、音声BUS14Aを介して入力された音声データ、および、ビデオメモリコントローラ15Aからの映像データを無線LAN通信IF10Aに送る。また、無線LANコントローラ10Bは、複数の店舗端末P1,…のそれぞれから送信された指令をプロセッサ11に送る。
【0046】
プロセッサ11は、例えばCPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)またはFPGA(Field Programmable Gate Array)を用いて構成され、メモリ12と協働して、各種の処理および制御を行う。具体的には、プロセッサ11は、メモリ12に保持されたプログラムおよびデータを参照し、そのプログラムを実行することにより、撮像部13により撮像されたカメラ映像の配信あるいは録画に関する各種の処理を実行する。
【0047】
メモリ12は、例えばプロセッサ11の各処理を実行する際に用いられるワークメモリとしてのRAM(Random Access Memory)と、プロセッサ11の動作を規定したプログラムおよびデータを格納するROM(Read Only Memory)とを有する。RAMには、プロセッサ11により生成あるいは取得されたデータもしくは情報が一時的に保存される。ROMには、プロセッサ11の動作を規定するプログラムが書き込まれている。また、メモリ12は、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)もしくはSSD(Solid State Drive)等のストレージを有してもよい。メモリ12は、例えば撮像部13により撮像されたカメラ映像を配信する配信先として事前に登録された1台以上の店舗端末P1,…のそれぞれの識別情報を有する登録端末リストを記憶する。
【0048】
撮像部13は、少なくともレンズ(図示略)とイメージセンサ(図示略)とを有して構成される。イメージセンサは、例えばCCD(Charged Coupled Device)あるいはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの固体撮像素子であり、撮像面に結像した光学像を電気信号に変換する。撮像部13は、プロセッサ11から出力された指令に基づいて、撮像を開始するとともに、撮像されたカメラ映像のデータをビデオメモリコントローラ15Aに送る。
【0049】
音声BUS14Aは、プロセッサ11、音声入出力コントローラ14B、および、ビデオメモリコントローラ15Aのそれぞれとの間で音声データの入出力を行う。
【0050】
音声入出力コントローラ14Bは、プロセッサ11から出力された指令に基づいて、マイクMK1により収音された音声データを音声BUS14Aを介してプロセッサ11に送ったり、音声BUS14Aを介して入力された音声データをスピーカSP1から出力させたりする。
【0051】
ビデオメモリコントローラ15Aは、プロセッサ11から出力された指令に基づいて、撮像部13により撮像されたカメラ映像のデータおよびマイクMK1により収音された音声データをビデオメモリ15Bに送る。
【0052】
ビデオメモリ15Bは、例えばUSB(Universal Serial Bus)メモリ、SDカード等の記憶媒体であって、撮像部13により撮像されたカメラ映像とマイクMK1により収音された音声データとを記録(録画)する。
【0053】
カメラボタン16は、店舗カメラMP1の筐体外表面に少なくとも2個以上設けられ、店員による操作(押下)を受け付ける。複数のカメラボタン16のそれぞれは、例えばカメラ映像の配信開始もしくは配信終了、カメラ映像の録画開始もしくは録画停止、カメラ映像の録画の一時停止もしくは再開、静止画の撮像等の店員操作による指示を受け付ける。複数のカメラボタン16のそれぞれは、店員操作に基づいて、対応する処理の要求(指令)をプロセッサ11に送る。
【0054】
LED17は、1色以上の色の光を発光可能な1個以上のLEDにより構成され、プロセッサ11から出力された指令に基づいて、所定の色のLEDを点灯させる。例えば、LED17は、店舗カメラMP1が現在いずれか1台の店舗端末にカメラ映像の配信中である場合には青色、店舗カメラMP1が通常動作中(つまり、カメラ映像の配信を行っていない)の場合には緑色等に点灯する。
【0055】
充電池18は、外部の商用電源から供給される電荷を蓄積可能なバッテリ(例えば電池)であり、店舗カメラMP1に電源を供給する。なお、充電池18は、脱着可能な構成であってもよい。充電池18は、外部の商用電源から電源の供給を直接得てもよいし、外部の商用電源から切り離された状態において店舗カメラMP1に電源を供給可能であってもよい。
【0056】
マイクMK1は、店舗カメラMP1の周囲の音声(例えばヘアアレンジの施術中の店員の声)を収音して音声信号に変換し、変換後の音声信号(音声データ)を音声入出力コントローラ14Bに出力する。マイクMK1により収音された音声データは、音声入出力コントローラ14Bに送られ、音声BUS14Aおよびビデオメモリコントローラ15Aを経由してビデオメモリ15Bに出力されて記憶されたり、音声BUS14Aから無線LANコントローラ10Bおよび無線LAN通信IF10Aを経由して店舗端末に送信されたりする。
【0057】
スピーカSP1は、音声入出力コントローラ14Bからの音声データを音響的に出力する。
【0058】
なお、
図7には図示していないが、店舗カメラMP1は、撮像部13をパン回転およびチルト回転が可能に支持し、プロセッサ11からの指令に基づいて店舗カメラMP1のパン制御、チルト制御あるいはズーム制御を実現可能な駆動部(図示略)を備えてもよい。
【0059】
図8は、実施の形態1に係る店舗端末P1,P2,…および顧客端末CP1の内部構成例を示すブロック図である。なお、複数の店舗端末P1,P2,…および顧客端末CP1のそれぞれは同一の構成を有するコンピュータであるため、ここでは店舗端末P1を例示して説明する。したがって、
図8の説明において、店舗端末P1は店舗端末P2あるいは顧客端末CP1に読み替えてもよい。また、店舗端末P1を顧客端末CP1に読み替える場合には、無線ルータC1を無線ルータC2に読み替え、店舗カメラをホームカメラに読み替え、店舗端末アプリを顧客端末アプリに読み替えるものとする。
【0060】
店舗端末P1は、無線LAN通信IF20Aと、無線LANコントローラ20Bと、プロセッサ21と、メモリ22と、表示操作部23と、BUS24Aと、音声入出力コントローラ24Bと、充電池25と、公衆回線通信IF26Aと、公衆回線コントローラ26Bと、マイクMK2と、スピーカSP2とを含む。なお、公衆回線通信IF26Aおよび公衆回線コントローラ26Bは、店舗端末P1,P2,…のそれぞれの構成として省略されてよい。
【0061】
無線LAN通信IF20Aは、店舗端末P1が備えるアンテナANT2と接続され、無線ルータC1との間で無線LANによる通信を行い、無線ルータC1を介して管理サーバS1あるいは複数の店舗カメラMP1,MP2,…のそれぞれとの間でデータの送受信を実行する。
【0062】
無線LANコントローラ20Bは、プロセッサ21とBUS24Aと無線LAN通信IF20Aとの間のデータの入出力に関する制御を実行する。無線LANコントローラ20Bは、いずれか1台の店舗カメラから配信されたカメラ映像(つまり音声データおよび映像データ)をBUS24Aに送る。また、無線LANコントローラ20Bは、プロセッサ21から出力された指令(例えばカメラ映像の配信要求)を、無線LAN通信IF20Aを介して店舗カメラに送信する。
【0063】
プロセッサ21は、例えばCPU、DSPまたはFPGAを用いて構成され、メモリ22と協働して、各種の処理および制御を行う。具体的には、プロセッサ21は、メモリ22に保持されたプログラムおよびデータを参照し、そのプログラムを実行することにより、各部の機能を実現する。ここでいう各部は、OS(Operating System)処理部21Aおよびアプリケーション処理部21Bを含む。プロセッサ21は、OS処理部21Aおよびアプリケーション処理部21Bのそれぞれにより、カメラ映像の配信を要求する機能、店舗カメラから配信されたカメラ映像を表示操作部23に表示する機能等を実現する。
【0064】
OS処理部21Aは、店舗端末P1で行う各種の処理に関する基本的なオペレーションに関する処理ならびに制御を実行する。
【0065】
アプリケーション処理部21Bは、ネットワークカメラシステム100の店舗端末P1向けの専用アプリケーション(以下、「店舗端末アプリ」と称する)を含む各種のアプリケーションの処理を実行する。
【0066】
メモリ22は、例えばプロセッサ21の各処理を実行する際に用いられるワークメモリとしてのRAMと、プロセッサ21の動作を規定したプログラムおよびデータを格納するROMとを有する。RAMには、プロセッサ21により生成あるいは取得されたデータもしくは情報が一時的に保存される。ROMには、プロセッサ21の動作を規定するプログラムが書き込まれている。また、メモリ22は、フラッシュメモリ、HDDもしくはSSD等のストレージを有してもよい。メモリ22は、例えばカメラ映像の配信先として事前に登録された1台以上の店舗カメラMP1,MP2,…のそれぞれの識別情報を有する登録カメラリストを記憶する。
【0067】
表示操作部23(ディスプレイあるいは操作部の一例)は、例えば店員もしくは顧客の操作を受け付けたり、プロセッサ21により生成されたデータを表示したりするタッチパネルを用いて構成され、いわゆるユーザインターフェースを形成する。表示操作部23は、店舗端末アプリもしくは顧客端末アプリの起動中にプロセッサ21によって生成される各種の画面を表示する。また、表示操作部23は、表示された各種の画面に対する店員もしくは顧客の操作を受け付けて入力信号を生成してプロセッサ21に送る。
【0068】
BUS24Aは、無線LANコントローラ20Bおよびプロセッサ21のそれぞれとの間で音声データおよび映像データの入出力を行い、音声入出力コントローラ24Bとの間で音声データの入出力を行う。また、BUS24Aは、撮像部29が設けられている場合に、撮像部29により撮像された映像データを入力してプロセッサ21に送ってもよい。
【0069】
音声入出力コントローラ24Bは、プロセッサ21から出力された指令に基づいて、マイクMK2により収音された音声データをBUS24Aを介してプロセッサ21に送ったり、BUS24Aを介して入力された音声データをスピーカSP2から出力させたりする。
【0070】
充電池25は、外部の商用電源から供給される電荷を蓄積可能なバッテリ(例えば電池)であり、店舗端末P1に電源を供給する。なお、充電池25は、脱着可能な構成であってもよい。充電池25は、外部の商用電源から電源の供給を直接得てもよいし、外部の商用電源から切り離された状態において店舗端末P1に電源を供給可能であってもよい。
【0071】
公衆回線通信IF26Aは、顧客端末CP1が備えるアンテナANT3と接続され、基地局BST1との間で公衆回線を用いた無線通信を行い、ネットワークNWとの間でデータの送受信を実行する。例えば、公衆回線通信IF26Aは、管理サーバS1から送られた認証コード(例えばQRコード(登録商標))もしくは管理サーバS1に録画された過去のカメラ映像のデータを、アンテナANT3を介して受信して公衆回線コントローラ26Bに送る。
【0072】
公衆回線コントローラ26Bは、プロセッサ21とBUS24Aと公衆回線通信IF26Aとの間のデータの入出力に関する制御を実行する。公衆回線コントローラ26Bは、公衆回線通信IF26Aから送られた認証コード(例えばQRコード(登録商標))もしくは管理サーバS1に録画された過去のカメラ映像のデータを取得してプロセッサ21に送る。
【0073】
マイクMK2は、顧客端末CP1を使用する顧客CS1の発した音声を収音して音声信号に変換し、変換後の音声信号(音声データ)を音声入出力コントローラ24Bに出力する。マイクMK2により収音された音声データは、音声入出力コントローラ24Bに送られ、BUS24Aを経由してプロセッサ21に入力される。プロセッサ21は、この入力された音声データに音声認識処理を行い、音声認識処理結果に応じたカメラ映像の出力に関する各種の処理を実行する。ここで、音声認識処理結果に応じたカメラ映像の出力に関する各種の処理は、例えば顧客端末CP1に保存された、過去に録画されたカメラ映像の再生、一時停止、一定時間早送り、一定時間巻戻しである。これにより、たとえ顧客CS1がヘアアレンジを自身で行って両手が塞がっても、顧客端末CP1に自身の音声を入力させることで、簡単にカメラ映像の出力操作を行えて利便性が向上する。
【0074】
スピーカSP2は、音声入出力コントローラ24Bからの音声データを音響的に出力する。
【0075】
図9は、実施の形態1に係る管理サーバS1の内部構成例を示すブロック図である。管理サーバS1は、インターネット回線通信IF30Aと、インターネット回線コントローラ30Bと、プロセッサ31と、メモリ32と、BUS33と、HDD34と、電源部35とを含む。
【0076】
インターネット回線通信IF30Aは、ネットワークNWとの間で通信を行い、それぞれの店舗内の店舗端末および店舗カメラとそれぞれの顧客の顧客端末との間でデータの送受信を実行する。
【0077】
インターネット回線コントローラ30Bは、プロセッサ31およびBUS33とインターネット回線通信IF30Aとの間のデータの入出力に関する制御を実行する。インターネット回線コントローラ30Bは、プロセッサ31から出力された指令、BUS33を介して入力された音声データおよび映像データをインターネット回線通信IF30Aに送る。また、インターネット回線コントローラ30Bは、それぞれの店舗内の店舗端末および店舗カメラ、あるいは、それぞれの顧客の顧客端末から送信された指令をプロセッサ31に送り、それぞれの店舗カメラあるいはそれぞれの顧客のホームカメラから送信された音声データおよび映像データをBUS33に送る。
【0078】
プロセッサ31は、例えばCPU、DSPまたはFPGAを用いて構成され、メモリ32と協働して、各種の処理および制御を行う。具体的には、プロセッサ31は、メモリ32に保持されたプログラムおよびデータを参照し、そのプログラムを実行することにより、それぞれの店舗内の店舗端末および店舗カメラ、あるいは、それぞれの顧客の顧客端末およびホームカメラから配信された各種のデータ(例えばカメラ映像のデータ)の配信あるいは録画に関する各種の処理を実行する。
【0079】
OS処理部31Aは、管理サーバS1で行う各種の処理に関する基本的なオペレーションに関する処理ならびに制御を実行する。
【0080】
アカウント管理制御部31Bは、ネットワークカメラシステム100のサービス提供に先立って予めユーザ登録がなされたユーザ(例えば顧客CS1)のアカウントのデータ(アカウントデータ)、および、予め店舗登録がなされた店舗(例えば店舗BS)のアカウントのデータ(アカウントデータ)を生成、制御および管理する。ユーザごとのアカウントデータならびに店舗ごとのアカウント情報はHDD34もしくはメモリ32に保存される。ユーザごとのアカウントデータはユーザ1人に紐づくので、個々のユーザごとに異なるアカウントデータが生成される。一方、店舗ごとのアカウントデータは店舗1店に紐づくので、店舗(例えば美容室)に在職する複数の店員(例えば美容師)のそれぞれの店舗端末により共用されるアカウントデータが生成される。例えば、アカウント管理制御部31Bは、カメラ映像のデータをHDD34に記録(録画)する際、使用中のアカウントデータに対応する店舗用あるいは顧客用のデータフォルダを生成してそのデータフォルダ内に記録(録画)する。
【0081】
また、アカウント管理制御部31Bは、店舗端末もしくは顧客端末からの要求に応じて、店舗端末もしくは顧客端末からのネットワークカメラシステム100のサービス提供を受けるためのログインの許否判定を行う(詳細は後述する
図14参照)。アカウント管理制御部31Bは、店舗端末もしくは顧客端末からのログインが成功した場合に、ログインに成功した店舗端末もしくは顧客端末に関する情報を含むアクセストークン(後述参照)を生成し、このアクセストークンを店舗端末もしくは顧客端末に送る。アクセストークンは、例えばログインに成功した店舗端末もしくは顧客端末に関する情報(例えば名称、ID)、ログインに成功した日時の情報、ログインの成功を判定した管理サーバS1に関する情報(例えば名称、ID、IPアドレス)を有するデータである。また、アカウント管理制御部31Bは、店舗(例えば店舗BS)の管理者(例えば店長)の店舗端末の操作により、店舗BSに紐づくアカウントデータに含まれるパスワードが変更された場合、変更後のパスワードをそのアカウントデータに反映するよう設定するとともに、パスワードの変更があった旨のログを生成してHDD34に保存する。
【0082】
映像データ管理制御部31Cは、それぞれの店舗カメラあるいはそれぞれの顧客のホームカメラからのカメラ映像の記録(録画)を制御および管理し、さらに、それぞれの店舗端末あるいはそれぞれの顧客の顧客端末への録画されたカメラ映像の配信を制御および管理する。
【0083】
メモリ32は、例えばプロセッサ31の各処理を実行する際に用いられるワークメモリとしてのRAMと、プロセッサ31の動作を規定したプログラムおよびデータを格納するROMとを有する。RAMには、プロセッサ31により生成あるいは取得されたデータもしくは情報が一時的に保存される。ROMには、プロセッサ31の動作を規定するプログラムが書き込まれている。
【0084】
BUS33は、インターネット回線コントローラ30Bおよびプロセッサ31のそれぞれとの間で音声データおよび映像データの入出力を行い、また、HDD34との間でも音声データおよび映像データの入出力を行う。
【0085】
HDD34は、BUS33を介して入力されたカメラ映像のデータ(具体的には、映像データおよび音声データ)を記録(録画)する。このカメラ映像のデータは、例えば、それぞれの店舗内の店舗カメラあるいはそれぞれの顧客のホームカメラから配信されたカメラ映像(静止画を含む)のデータである。HDD34に録画されたカメラ映像のデータは属性情報ATTを有する(
図10参照)。属性情報ATTについては、
図10を参照して後述する。また、HDD34の代わりに、フラッシュメモリ、もしくは、SSD等のストレージが設けられてもよい。
【0086】
電源部35は、管理サーバS1の各部に必要な電力を供給する。電源部35は、例えば外部の商用電源から供給される電力を管理サーバS1の各部に供給する。
【0087】
図10は、アカウント管理用ストレージSTACおよび映像データ管理用ストレージSTVの内部構成例を示す図である。アカウント管理用ストレージSTACおよび映像データ管理用ストレージSTVは、管理サーバS1のHDD34を構成する。なお、
図10に示す各種データは一例であって、これに限定されないことは言うまでもない。
【0088】
アカウント管理用ストレージSTACは、店舗ごとのアカウントデータのデータ格納領域SLTと、顧客ごとのアカウントデータのデータ格納領域CLTとを有して構成される。データ格納領域SLTには、ネットワークカメラシステム100のサービス提供を受けるための店舗登録がなされた各店舗(例えば店舗AA(美容室),店舗BB(美容室),店舗CC(美容室),店舗DD(理髪店),店舗EE(着付け教室),…)のアカウントデータ(
図11参照)が格納されている。同様に、データ格納領域CLTには、ネットワークカメラシステム100のサービス提供を受けるためのユーザ登録がなされた各顧客(例えば顧客AAA,顧客BBB,顧客CCC,顧客DDD,…)のアカウントデータ(
図11参照)が格納されている。アカウントデータの詳細については、
図11を参照して後述する。
【0089】
映像データ管理用ストレージSTVは、店舗ごとのカメラ映像のデータ格納領域を有して構成される。このデータ格納領域には、ネットワークカメラシステム100のサービス提供を受けるための店舗登録がなされた各店舗(例えば店舗AA(美容室),店舗BB(美容室),店舗CC(美容室),店舗DD(理髪店),店舗EE(着付け教室),…)ごとに生成された、カメラ映像の記録(録画)用の店舗データフォルダSTVA,STVB,STVC,STVD,STVEのそれぞれを有する。なお、
図10に示す店舗データフォルダSTVA,STVB,STVC,STVD,STVEは一例であり、これらに限定されない。
【0090】
店舗データフォルダSTVAは、店舗AAで撮像されたカメラ映像または静止画のデータを録画するためのフォルダ(言い換えると、格納領域)である。店舗データフォルダSTVAは、顧客AAAが撮像されたカメラ映像のデータを録画するための録画データフォルダST11と、顧客BBBが撮像されたカメラ映像のデータを録画するための録画データフォルダST12と、顧客DDDが撮像されたカメラ映像のデータを録画するための録画データフォルダST13と、を有する。
【0091】
店舗データフォルダSTVBは、店舗BBで撮像されたカメラ映像または静止画のデータを録画するためのフォルダ(言い換えると、格納領域)である。店舗データフォルダSTVBは、顧客CCCが撮像されたカメラ映像のデータを録画するための録画データフォルダST21を有する。
【0092】
店舗データフォルダSTVCは、店舗CCで撮像されたカメラ映像または静止画のデータを録画するためのフォルダ(言い換えると、格納領域)である。店舗データフォルダSTVCは、顧客BBBが撮像されたカメラ映像のデータを録画するための録画データフォルダST31と、顧客DDDが撮像されたカメラ映像のデータを録画するための録画データフォルダST32と、を有する。
【0093】
店舗データフォルダSTVDは、店舗DDで撮像されたカメラ映像または静止画のデータを録画するためのフォルダ(言い換えると、格納領域)である。店舗データフォルダSTVDは、顧客BBBが撮像されたカメラ映像のデータを録画するための録画データフォルダST41と、顧客CCCが撮像されたカメラ映像のデータを録画するための録画データフォルダST42と、を有する。
【0094】
店舗データフォルダSTVEは、店舗EEでカメラ映像または静止画のデータを録画するためのフォルダ(言い換えると、格納領域)である。店舗データフォルダSTVEは、顧客AAAが撮像されたカメラ映像のデータを録画するための録画データフォルダST51を有する。
【0095】
また、店舗データフォルダSTVA~STVEのそれぞれは、店舗カメラおよび店舗端末のそれぞれで特定されていない顧客のカメラ映像および静止画(スクリーンショット)のデータを録画するための名無しフォルダを有していてもよい。
【0096】
図11は、アカウント管理用ストレージSTACに保存される店舗および顧客ごとのアカウントデータの内部構成例を示す図である。
図11の説明において、
図10中に示す要素と重複するものについては同一の符号を付与して説明を簡略化あるいは省略し、
図10中に示す要素と異なる内容について説明する。
【0097】
各店舗のアカウントデータは、例えば、ログインID1H1、パスワード1H2、名称1H3、二段階認証用連絡先1H4、登録カメラリスト1H5、ログイン実績あり端末リスト1H6、顧客リスト1H7の各データを含む構成である。
【0098】
ログインID1H1は、店舗端末がネットワークカメラシステム100のサービス提供を受けるためのログインを行うために必要となるIDである。ログインID1H1は、後述するログイン画面WD2(
図12参照)において、店舗端末のログイン時に店員(例えば美容室)により入力される。
【0099】
パスワード1H2は、店舗端末がネットワークカメラシステム100のサービス提供を受けるためのログインを行うために必要となるパスワードである。パスワード1H2は、後述するログイン画面WD2(
図12参照)において、店舗端末のログイン時に店員(例えば美容室)により入力される。
【0100】
名称1H3は、対応するアカウントデータに紐づく店舗の名称(例えば美容室である店舗AA)である。
【0101】
二段階認証用連絡先1H4は、店舗端末がネットワークカメラシステム100のサービス提供を受けるためのログインを行う際、店舗端末のログインを許可してよいか否かの認証のために管理サーバS1(例えばアカウント管理制御部31B)により発行される認証コードの送信先(宛先)の情報である。例えば、二段階認証用連絡先1H4は、店舗端末が使用される店舗の代表のメールアドレス(言い換えると、店舗に在職中の店員の誰もがアクセス可能なメールアドレス)である。
【0102】
登録カメラリスト1H5は、ネットワークカメラシステム100のサービス提供を受けるために店舗に設置された1台以上の店舗カメラの登録リストであり、例えばそれぞれの店舗カメラの名称および識別情報(例えば機器ID)を少なくとも有する情報により構成される。
【0103】
ログイン実績あり端末リスト1H6は、ネットワークカメラシステム100のサービス提供を受けるためのログインの実績がある少なくとも1台の店舗端末のリストであり、例えばそれぞれの店舗端末の名称および識別情報(例えば機器ID)を少なくとも有する情報により構成される。例えば、店舗(例えば美容室)に在職中の店員(例えば美容師)の一人が退職した場合、その退職した美容師に紐づくように登録された店舗端末(例えばその退職した美容師が使用していたスマートフォン等の店舗端末)の情報が管理者(例えば店舗の店長)の操作に基づいて管理サーバS1においてログイン実績あり端末リスト1H6から削除される(
図12参照)。このように、店舗のアカウントデータのログイン実績あり端末リスト1H6によれば、最新の店舗内の在職中の店員により利用可能な店舗端末の一覧の詳細が容易に判明となる。
【0104】
顧客リスト1H7は、店舗に来店したことのある1人以上の顧客のログインID1J1等の個人情報のリストである。
【0105】
同様に、各顧客のアカウントデータは、例えば、ログインID1J1、パスワード1J2、名称1J3、二段階認証用連絡先1J4、登録カメラリスト1J5、ログイン実績あり端末リスト1J6、訪れたことのある店舗リスト1J7の各データを含む構成である。
【0106】
ログインID1J1は、顧客端末がネットワークカメラシステム100のサービス提供を受けるためのログインを行うために必要となるIDである。ログインID1J1は、後述するログイン画面WD2(
図12参照)において、顧客端末のログイン時に顧客により入力される。
【0107】
パスワード1J2は、顧客端末がネットワークカメラシステム100のサービス提供を受けるためのログインを行うために必要となるパスワードである。パスワード1J2は、後述するログイン画面WD2(
図12参照)において、顧客端末のログイン時に顧客により入力される。
【0108】
名称1J3は、対応するアカウントデータに紐づく顧客の名称(例えば顧客の氏名であるAAA)である。
【0109】
二段階認証用連絡先1J4は、顧客端末がネットワークカメラシステム100のサービス提供を受けるためのログインを行う際、顧客端末のログインを許可してよいか否かの認証のために管理サーバS1(例えばアカウント管理制御部31B)により発行される認証コードの送信先(宛先)の情報である。例えば、二段階認証用連絡先1J4は、顧客端末を使用する顧客が独自に設定した個人用のメールアドレスである。
【0110】
登録カメラリスト1J5は、ネットワークカメラシステム100のサービス提供を受けるために顧客の自宅CH1(
図6参照)内に設置されたホームカメラの登録リストであり、例えばホームカメラの名称および識別情報(例えば機器ID)を少なくとも有する情報により構成される。
【0111】
ログイン実績あり端末リスト1J6は、ネットワークカメラシステム100のサービス提供を受けるためのログインの実績がある少なくとも1台の顧客端末のリストであり、例えばそれぞれの顧客端末の名称および識別情報(例えば機器ID)を少なくとも有する情報により構成される。
【0112】
訪れたことのある店舗リスト1J7は、顧客(AAAさん)が過去に来店したことのある店舗のログインID1H1、名称、等の店舗情報のリストである。なお、名称は、訪れたことのある店舗リスト1J7を構成する要素として省略されてもよい。
【0113】
図12は、実施の形態1に係るログインの許否判定の動作概要例を示す図である。
図12では、端末装置の一例として店舗端末P1(
図6参照)を例示し、店舗端末P1がネットワークカメラシステム100のサービス提供を受けるためのアカウントにログインする動作の概要を説明する。
【0114】
図12において、店舗端末P1(例えばプロセッサ21)は、店員(例えば美容師(山田さん))の操作により、端末アプリ(例えば店舗端末アプリ)を起動する(St1)。美容師(山田さん)は店舗BSに在職中の美容師である。プロセッサ21は、次の3条件を全て満たすか否かを判定する(St2)。具体的には、プロセッサ21は、以前に同一の店舗端末P1でログインして管理サーバS1から送られたアクセストークンを保持しているか否か(条件1)、かつ、店舗の管理者(例えば店長)の操作によりパスワードが変更されていないか否か(条件2)、かつ、店舗のアカウントデータ(
図11参照)に店舗端末P1が登録されているか否か(条件3)をそれぞれ判定する。
【0115】
プロセッサ21は、管理サーバS1からのアクセストークンを保持し、かつ、パスワードが変更されておらず、かつ、店舗のアカウントデータに店舗端末P1が登録されていると判定した場合(St2、YES)、(条件1)~(条件3)の全てを充足したことでログインが成功した旨のログを生成してメモリ22に保存するとともに、ネットワークカメラシステム100のサービス提供を受けるためのホーム画面WD1を表示操作部23に表示する(St3)。
【0116】
なお、ホーム画面WD1には、端末登録アイコンIC14が配置される。例えば管理者(例えば店舗の店長)は、自身の店舗端末(例えば店長スマートフォン)を操作してログインした後、店舗端末アプリのホーム画面WD1が表示された状態で端末登録アイコンIC14をタップする。店長の店舗端末は、店長による端末登録アイコンIC14のタップにより、店舗BSに紐づくアカウントデータに含まれる「ログイン実績あり端末リスト」を管理サーバS1に要求し、管理サーバS1から送られた「ログイン実績あり端末リスト」を掲載した端末登録解除画面WD4を表示操作部23に表示する。
【0117】
図12の端末登録解除画面WD4には、例えば店舗BSに紐づくアカウントデータに含まれる「ログイン実績あり端末リスト」に掲載される店舗端末として、タブレットTLT1,TLT2,TLT3、店長スマートフォン、美容師(田中さん)の端末(例えばスマートフォン)、美容師(山田さん)の端末(例えばスマートフォン)がそれぞれ登録されている。
【0118】
ここで、美容師(田中さん)が店舗BSを退職したとする。
【0119】
店長は、美容師(田中さん)の退職を受けて、セキュリティ担保のために美容師(田中さん)の端末からログインさせないように、店舗BSのアカウントデータに含まれる「ログイン実績あり端末リスト」から田中さんの端末の情報を削除する必要がある。そこで、店長は、端末登録解除画面WD4の「美容師(田中さん)」の選択肢RSG1を選択し、登録削除の操作を行う。店長スマートフォン(店長の店舗端末)は、「美容師(田中さん)」の端末の情報削除を管理サーバS1に要求する。管理サーバS1は、店長スマートフォン(店長の店舗端末)からの要求に応じて、店舗BSのアカウントデータに含まれる「ログイン実績あり端末リスト」から田中さんの端末の情報を削除する。これにより、店長スマートフォン(店長の店舗端末)は、美容師(田中さん)の端末からのログインが成功しないように店舗BSに紐づくアカウントデータを適正に管理できる。
【0120】
プロセッサ21は、上述した(条件1)~(条件3)のうち一つでも充足しない条件が存在すると判定した場合には(St2、NO)、ログインIDおよびパスワードを入力させるためのログイン画面WD2を表示操作部23に表示する(St4)。
【0121】
店員(例えば美容師(山田さん))の操作によりログインIDおよびパスワードが入力されると、プロセッサ21は、入力されたログインIDおよびパスワードが正しいか否かを管理サーバS1に問い合わせる。プロセッサ21は、入力されたログインIDおよびパスワードが正しい(つまり、入力されたログインIDおよびパスワードが店舗BSに紐づくアカウントデータに含まれるログインID1H1およびパスワード1H2と一致している)旨の通知を管理サーバS1から受信した場合、管理サーバS1から二段階認証用連絡先1H4(例えば店舗BSの連絡先メールアドレス)に送られた認証コードの入力を促すための二段階認証画面WD3を生成して表示操作部23に表示する(St5)。
【0122】
二段階認証画面WD3の入力欄FLD1に店員(例えば美容師(山田さん))の操作によって認証コードが入力されると、プロセッサ21は、入力された認証コードが正しい(つまり、入力された認証コードが店舗BSに紐づくアカウントデータに含まれる二段階認証用連絡先1H4に送られた認証コードと一致している)旨の通知を管理サーバS1から受信した場合、二段階認証が成功したとしてホーム画面WD1を生成して表示操作部23に表示する(St3)。これにより、店員(例えば美容師(山田さん))の店舗端末において、店舗端末アプリのホーム画面が正常に表示されることになる。
【0123】
なお、仮に美容師(田中さん)が退職後に美容師(田中さん)の端末からログインしようとしても、美容師(田中さん)が退職した時点で、店長の操作により、美容師(田中さん)の端末の情報は店舗BSに紐づくアカウントデータの「ログイン実績あり端末リスト」から削除されている。このため、美容師(田中さん)の端末について、ステップSt2の(条件3)が満たされない。したがって、美容師(田中さん)の端末には、ログイン画面WD2が表示されるが、美容師(田中さん)はログインIDおよびパスワードを記憶している可能性があるので、その場合(つまりログインIDおよびパスワードを正確に覚えている場合)にはログイン画面WD2での入力は成功する。しかし、後続する二段階認証の時点では美容師(田中さん)は既に退職後なので、美容師(田中さん)の端末から、管理サーバS1からの認証コードが送られる連絡先メールアドレス(例えば店舗BSの代表のメールアドレス)にはもうアクセスできない。これにより、ネットワークカメラシステム100によれば、美容師(田中さん)の端末からのログインを拒否できるようにセキュリティを担保することが可能となる。
【0124】
次に、実施の形態1に係るネットワークカメラシステム100によるログインの許否判定の動作手順を、
図13および
図14を参照して説明する。
図13は、実施の形態1に係る店舗端末P1によるログインの許否判定の動作手順例を示すフローチャートである。
図14は、実施の形態1に係る管理サーバS1によるアクセストークンを用いたログインの成否判定の動作手順例を示すフローチャートである。
【0125】
図13において、店舗端末P1(例えばプロセッサ21)は、ネットワークカメラシステム100のサービス提供を受けるためのログインをしたことがあるか否かを示すアクセストークンをメモリ22に保持しているか否かを判定する(St101)。アクセストークンが保持されていないと判定された場合(St101、NO)、プロセッサ21の処理はステップSt104に進む。
【0126】
一方、プロセッサ21は、アクセストークンをメモリ22に保持していると判定した場合には(St101、YES)、アクセストークンを用いたログインの可否の判定要求を管理サーバS1に行う(St102)。ステップSt102の判定要求に伴う管理サーバS1の処理の詳細について
図14を参照して説明する。
【0127】
図14において、管理サーバS1(例えばプロセッサ31)は、現在時刻がステップSt102において店舗端末P1から送られた判定要求に含まれるアクセストークンの有効期間であるか否かを判定する(St111)。プロセッサ31は、現在時刻がステップSt102において店舗端末P1から送られた判定要求に含まれるアクセストークンの有効期間でないと判定した場合には(St111、NO)、店舗端末P1から送られたアクセストークンを用いたログインは失敗した旨の応答メッセージを生成して店舗端末P1に送る(St115)。
【0128】
プロセッサ31は、現在時刻がステップSt102において店舗端末P1から送られた判定要求に含まれるアクセストークンの有効期間であると判定した場合には(St111、YES)、店舗BSに紐づくアカウントデータに含まれるパスワードが変更されているか否かを判定する(St112)。例えば、プロセッサ31は、店舗BSに紐づくアカウントデータのパスワードが変更された旨のログがHDD34に保存されているか否かに応じて、パスワードの変更の有無を判別可能である。プロセッサ31は、店舗BSに紐づくアカウントデータに含まれるパスワードが変更されたと判定した場合には(St112、NO)、店舗端末P1から送られたアクセストークンを用いたログインは失敗した旨の応答メッセージを生成して店舗端末P1に送る(St115)。
【0129】
プロセッサ31は、店舗BSに紐づくアカウントデータに含まれるパスワードが変更されていないと判定した場合には(St112、YES)、店舗BSに紐づくアカウントデータに含まれるログイン実績あり端末リスト1H6に店舗端末P1が登録されているか否かを判定する(St113)。プロセッサ31は、店舗BSに紐づくアカウントデータに含まれるログイン実績あり端末リスト1H6に店舗端末P1が登録されていないと判定した場合には(St113、NO)、店舗端末P1から送られたアクセストークンを用いたログインは失敗した旨の応答メッセージを生成して店舗端末P1に送る(St115)。上述したように、店舗BSを退職した店員(例えば美容師(田中さん))の端末の情報は、退職後に店舗BSに紐づくアカウントデータのログイン実績あり端末リストから削除されている。これにより、ステップSt113の処理により美容師(田中さん)の端末からのログインは失敗することになる。
【0130】
プロセッサ31は、店舗BSに紐づくアカウントデータに含まれるログイン実績あり端末リスト1H6に店舗端末P1が登録されていると判定した場合(St113、YES)、店舗端末P1から送られたアクセストークンを用いたログインは成功した旨の応答メッセージを生成して店舗端末P1に送る(St114)。
【0131】
図13において、店舗端末P1(例えばプロセッサ21)は、ステップSt102での判定要求に応じた管理サーバS1のログインの成否の判定結果を受信して取得する。アクセストークンを用いたログインが成功したと判定された場合には(St103、YES)、店舗端末P1の店舗端末アプリが正常に起動するので
図13の処理が終了する。
【0132】
一方、アクセストークンを用いたログインが失敗したと判定された場合には(St103、NO)、プロセッサ21は、ログイン画面WD2(
図12参照)を生成して表示操作部23に表示する(St104)。店舗BSの店員(例えば美容師)の操作によりログイン画面WD2に入力されたログインIDおよびパスワードが正しくない(つまり、ログイン画面WD2に入力されたログインIDおよびパスワードと、店舗BSに紐づくアカウントデータに含まれるログインID1H1およびパスワード1H2とが一致していないと管理サーバS1に判定された)場合(St105、NO)、プロセッサ21は、その判定結果を管理サーバS1から受信してログインエラー画面(図示略)を生成して表示操作部23に表示する(St106)。ステップSt106の後、プロセッサ21の処理はステップSt104に戻り、正しいログインIDおよびパスワードが入力されるまでステップSt104~ステップSt106の処理が繰り返される。
【0133】
店舗BSの店員(例えば美容師)の操作によりログイン画面WD2に入力されたログインIDおよびパスワードが正しい(つまり、ログイン画面WD2に入力されたログインIDおよびパスワードと、店舗BSに紐づくアカウントデータに含まれるログインID1H1およびパスワード1H2とが一致したと管理サーバS1に判定された)場合(St105、YES)、プロセッサ21は、二段階認証画面WD3(
図12参照)を生成して表示操作部23に表示する(St107)。例えば、管理サーバS1は、ログイン画面WD2に入力されたログインIDおよびパスワードが正しいと判定したことで、店舗BSに紐づくアカウントデータに含まれる二段階認証用連絡先1H4を用いて、そのアカウントデータに含まれる名称1H3の人物宛に認証コードを通知するためのメッセージを送る。店舗BSに在職中の店員(例えば美容師)であれば、二段階認証用連絡先1H4の連絡用メールアドレスにアクセス可能となるので、二段階認証用の認証コードを把握できる。
【0134】
店舗BSの店員(例えば美容師)の操作により二段階認証画面WD3に入力された認証コードが正しくない(つまり、二段階認証画面WD3に入力された認証コードと、二段階認証用連絡先1H4に送られた認証コードとが一致していないと管理サーバS1に判定された)場合(St108、NO)、プロセッサ21は、その判定結果を管理サーバS1から受信してログインエラー画面(図示略)を生成して表示操作部23に表示する(St109)。ステップSt109の後、プロセッサ21の処理はステップSt104に戻り、正しいログインIDおよびパスワードが入力され、かつ、正しい認証コードが入力されるまでステップSt104~ステップSt109の処理が繰り返される。
【0135】
店舗BSの店員(例えば美容師)の操作により二段階認証画面WD3に入力された認証コードが正しい(つまり、二段階認証画面WD3に入力された認証コードと、二段階認証用連絡先1H4に送られた認証コードとが一致したと管理サーバS1に判定された)場合(St108、YES)、店舗端末P1の店舗端末アプリが正常に起動するので
図13の処理が終了する。
【0136】
以上により、実施の形態1に係るネットワークカメラシステム100で行われるアカウント管理方法は、複数台の端末装置(例えば店舗BSの店舗端末P1,P2,…)のそれぞれにより共用されるアカウントを管理する。具体的には、アカウント管理方法において、アカウント(例えばアカウントデータ)は、アカウントに過去にログインしたことがある少なくとも1台の端末装置(例えば店舗端末)の情報が記載された端末リスト(例えばログイン実績あり端末リスト1H6)、および、ログインの許否判定に用いる二段階認証の連絡先(例えば二段階認証用連絡先1H4)の情報を少なくとも有する。管理サーバS1は、ログイン実績あり端末リスト1H6に記載されている端末装置(例えば
図12に示す在職中の美容師(山田さん)の店舗端末)からのログイン要求(第1のログイン要求の一例)を受信した場合に、二段階認証の実行を省略する。管理サーバS1は、端末リストに記載されていない端末装置(例えば
図12に示す退職済の美容師(田中さん)の端末)からログイン要求(第2のログイン要求の一例)を受信した場合に、二段階認証用連絡先1H4の情報を用いて二段階認証を実行する。
【0137】
これにより、ネットワークカメラシステム100によれば、例えば店舗BSを退職した店員は自身の端末を用いてネットワークカメラシステム100のサービス提供を受けるためのログインができなくなり、一方で、店舗BSに在職中の店員は自身の端末を用いて同様のログインを行える。したがって、ログインを行うために店員に煩雑なユーザ操作をさせることなく、店舗BSに紐づくアカウントのように複数人(例えば店長、店員)で共用される店舗等のアカウントの管理を適切に行える。また、店舗BSを退職した店員からのログインを効果的に防ぐことで、ネットワークカメラシステム100が取り扱っているデータのセキュリティ担保を支援できる。
【0138】
また、管理サーバS1は、第2のログイン要求の受信に基づいて、店舗BSに紐づくアカウントが保持しているIDおよびパスワードの入力を促すログイン画面WD2を店舗端末(言い換えると、第2のログイン要求を行った端末装置)に表示させる。管理サーバS1は、ログイン画面WD2に入力されたIDおよびパスワードと店舗BSに紐づくアカウントが保持しているIDおよびパスワードとが一致していると判定した場合に、二段階認証のコード(例えば認証コード)とコードの入力を促すメッセージとを店舗BSに紐づくアカウントデータに含まれる二段階認証用連絡先1H4に送る。管理サーバS1は、入力されたコードと二段階認証用連絡先1H4に送られた二段階認証のコードとが一致していると判定した場合に、第2のログイン要求に応じたログインを許可する。これにより、ログイン画面WD2に入力されたIDおよびパスワードが正しかったとしても二段階認証用連絡先1H4に送られた認証コードを知らなければログインが許可されないので、例えば店舗BSを退職した店員が不正にログインを図ろうとしてもそのログインを効果的に防止できる。
【0139】
また、管理サーバS1は、店舗BSに紐づくアカウントに過去にログインしたことがある店舗端末に送信されるアクセストークンを用いた第1のログイン要求あるいは第2のログイン要求の許否判定において、現在時刻がアクセストークンの有効期間内でないと判定した場合に、店舗BSに紐づくアカウントデータに含まれる二段階認証用連絡先1H4の情報を用いて二段階認証を実行する。これにより、ネットワークカメラシステム100によれば、アクセストークンの有効期間が過ぎた後のログインのように不正なログイン(例えば定期的に行われていない端末からのログイン)の存在を効果的に取り締まることができる。
【0140】
また、アカウントはIDおよびパスワードの情報をさらに有する。管理サーバS1は、アカウントに過去にログインしたことがある店舗端末に送信されるアクセストークンを用いた第1のログイン要求あるいは第2のログイン要求の許否判定において、アクセストークンに含まれる過去のログイン時のパスワードと現在入力されたパスワードとが異なると判定した場合に、店舗BSに紐づくアカウントデータに含まれる二段階認証用連絡先1H4の情報を用いて二段階認証を実行する。これにより、ネットワークカメラシステム100によれば、店員が退職した場合等の理由で店舗BSの管理者(例えば店長)がパスワードを変更しても、在職中の店員の端末からログインは許可できて利便性を高めることができつつも、退職した店員の端末からのログインを効果的に取り締まることができる。
【0141】
また、実施の形態1に係るネットワークカメラシステム100は、複数台の端末装置(例えば店舗端末)と、複数台の端末装置(例えば店舗端末)のそれぞれにより共用されるアカウントに過去にログインしたことがある少なくとも1台の端末情報(例えば店舗端末)の情報が記載された端末リスト(例えばログイン実績あり端末リスト1H6)、および、ログインの許否判定に用いる二段階認証の連絡先(例えば二段階認証用連絡先1H4)の情報を少なくとも有するサーバ(例えば管理サーバS1)と、を備える。端末装置は、自端末が端末リストに記載されている旨の管理サーバS1からの応答を受信した場合に、ユーザ操作(例えば店員の操作)によるログイン要求に応じて、二段階認証の実行を省略する。端末装置は、自端末が端末リストに記載されていない旨の管理サーバS1からの応答を受信した場合に、ユーザ操作によるログイン要求に応じて、二段階認証の連絡先の情報を用いて二段階認証を実行する。
【0142】
これにより、ネットワークカメラシステム100によれば、例えば店舗BSを退職した店員は自身の端末を用いてネットワークカメラシステム100のサービス提供を受けるためのログインができなくなり、一方で、店舗BSに在職中の店員は自身の端末を用いて同様のログインを行える。したがって、ログインを行うために店員に煩雑なユーザ操作をさせることなく、店舗BSに紐づくアカウントのように複数人(例えば店長、店員)で共用される店舗等のアカウントの管理を適切に行える。また、店舗BSを退職した店員からのログインを効果的に防ぐことで、ネットワークカメラシステム100が取り扱っているデータのセキュリティ担保を支援できる。
【0143】
(実施の形態2に至る経緯)
例えば
図4を参照して説明した第2のユースケースにおいて、自宅CH1内に複数人のユーザがユーザ登録して個々にアカウントデータ(
図11参照)が生成されて個別のログインが可能であることを想定する。例えば、複数人のユーザは自宅CH1内に同居している母と娘である。母も娘もそれぞれユーザ登録(
図5参照)を済ませることで、母のアカウントデータ(
図11参照)および娘のアカウントデータ(
図11参照)のそれぞれが生成されて管理サーバS1に保存される。母、娘は自宅CH1内で同居しているので同時刻にそれぞれヘアアレンジを行うことがある。
【0144】
しかし、ホームカメラMH1が1台しか自宅CH1内に設置されておらず、かつ、ホームカメラMH1が1つのアカウントデータ(例えば母のアカウントデータ)にしか紐づかない場合には、他のアカウントデータ(例えば娘のアカウントデータ)の利用ができない。このような場合、娘のアカウントデータに紐付けできるようにもう1台のホームカメラMH1を購入設置する必要があり、ユーザによる設備導入費のコストアップが避けられず普及の障害となる可能性が高かった。
【0145】
そこで、以下の実施の形態2では、限られた複数のアカウントをカメラに登録可能とし、映像配信先としてカメラに認識されたアカウントのユーザを撮像したカメラ映像のデータを混在することなく、データの保存先を適切に振り分けて保存するアカウント管理システムの例を説明する。
【0146】
(実施の形態2)
実施の形態2に係るネットワークカメラシステムの構成(
図6~
図9参照)は、実施の形態1に係るネットワークカメラシステム100の構成と同一である。したがって、実施の形態2に係るネットワークカメラシステム100の構成の説明において、実施の形態1に係るネットワークカメラシステム100の構成と同一のものには同一の符号を付与して説明を簡略化あるいは省略し、異なる内容について説明する。
【0147】
実施の形態2では、ホームカメラMH1(
図6参照)は、複数の異なるアカウントデータとの間で紐付けが可能となる。例えば自宅CH1の母のアカウントデータ(
図11参照)とその娘のアカウントデータ(
図11参照)とがそれぞれ管理サーバS1に登録されている。このアカウントデータの管理サーバS1への登録は、例えば
図5のステップStepV1のユーザ登録が済まされた時点で行われる。つまり、ホームカメラMH1は、1台でありながら、母のアカウントデータに紐づいて動作することもできるし、娘のアカウントデータに紐づいて動作することもできる。但し、ホームカメラMH1は、動作中はいずれか1人のユーザ(例えば母あるいは娘)のアカウントデータとしか紐づかない。管理サーバS1は、ホームカメラMH1がいずれのユーザ(例えば母あるいは娘)のアカウントデータと紐づいているかを管理しており、ホームカメラMH1から送られた録画用のカメラ映像のデータを記録(録画)する際、紐づいている(つまり利用中)のユーザに応じたデータ保存先を選択して録画する。
【0148】
次に、実施の形態2に係るネットワークカメラシステム100の動作手順について、
図15~
図19を参照して説明する。
図15は、実施の形態2に係る顧客端末CP11,CP12に表示されるカメラ登録画面例を示す図である。
図16および
図17は、実施の形態2に係るホームカメラMH1への顧客端末の登録の動作手順例を示すシーケンス図である。
図16および
図17の説明において、必要に応じて
図15を参照する。また、顧客端末CP11,CP12はいずれも
図8に示す顧客端末CP1と同一の構成を有する。顧客端末CP11は母(顧客の一例。以下同様。)が所持しており、顧客端末CP12は娘(顧客の一例。以下同様。)が所持しているとする。また、実施の形態2において、母のアカウントをアカウントAと称し、娘のアカウントをアカウントBと称する。
【0149】
図16の説明の前提として、母の顧客端末CP11はアカウントAでログイン済(つまりログイン中)であり、娘の顧客端末CP12はアカウントBでログイン済(つまりログイン中)である。また、
図17に示す処理は、
図16に示す処理の後に実行が開始される。
【0150】
図16において、顧客端末CP11は、アカウントAのアカウントデータ(
図11参照)にホームカメラMH1を登録するため、アカウントAのアカウントデータ(
図11参照)にホームカメラが登録可能か否かの判定要求を生成して管理サーバS1に送る(St121)。
【0151】
管理サーバS1は、ステップSt121で送られた判定要求に応じて、アカウントAのアカウントデータに含まれる登録カメラリスト1J5の登録台数を参照してホームカメラの登録が可能か否かを確認する(St122)。ここで、アカウントAのアカウントデータにホームカメラの登録が可能であるとの確認結果が得られたとする。管理サーバS1は、ステップSt122の確認結果(登録可否応答)を顧客端末CP11に送る(St123)。顧客端末CP11は、ステップSt123で送られた登録可否応答に基づいて、カメラ登録画面WD5(
図15参照)を表示操作部23に表示する(St124)。
【0152】
図15において、カメラ登録画面WD5は、例えばログイン中の母のアカウントAにホームカメラMH1を登録するためにホームカメラMH1の登録ボタン(例えば
図7のカメラボタン16参照)を押下する旨のメッセージMSG1を表示する。顧客端末CP11は、カメラ登録画面WD5を表示することで、ホームカメラMH1からの登録応答(後述参照)の待ち受けを開始する(St125)。
【0153】
母によりホームカメラMH1の登録ボタンが押下されると(St126)、ホームカメラMH1は、登録応答(つまり登録ボタンが押下された旨の確認メッセージ)を生成してブロードキャストで全ての無線接続中の顧客端末(例えば顧客端末CP11,CP12)に送る(St127)。この時点では娘は自身のアカウントBへのホームカメラMH1の登録を要求していないので、顧客端末CP12もステップSt127で送られた登録応答を受信するが、特に何の処理もしないで無視する。
【0154】
顧客端末CP11は、ステップSt127で送られた登録応答を受信すると(St128)、ホームカメラMH1の登録アカウント数の判定要求を生成してホームカメラMH1に送る(St129)。例えばホームカメラMH1は、最大4台の顧客端末を映像配信先として登録可能とする。なお、ホームカメラMH1の登録可能な顧客端末数は最大4台に限定されなくてよいことは言うまでもない。ここで、顧客端末CP11はホームカメラMH1において映像配信先として登録可能であるとする。ホームカメラMH1はステップSt129で送られた判定要求の結果として、顧客端末CP11の映像配信先としての登録が可能である旨の登録可否応答を生成して顧客端末CP11に送る(St130)。
【0155】
顧客端末CP11は、使用者である母のアカウントAの情報(例えばログインID1J1、名称1J3)をメモリ22から読み出してホームカメラMH1に送る(St131)。ホームカメラMH1は、ステップSt131で送られたアカウントAの情報を用いてアカウントAを映像配信先として登録し(St132)、その登録結果を示す登録可否応答を生成して顧客端末CP11に送る(St133)。
【0156】
また、ホームカメラMH1は、ステップSt132でのアカウントAの登録に基づいて、アカウントAを登録した旨の通知を生成して管理サーバS1に送る(St134)。管理サーバS1は、HDD34に保存されているアカウントAのアカウントデータ(
図11参照)に、ホームカメラMH1を登録カメラリスト1J5に追加(登録)するように更新する(St135)。これにより、母のアカウントAがホームカメラMH1に登録されるとともに、管理サーバS1が保存しているアカウントAのアカウントデータに含まれる登録カメラリスト1J5にホームカメラMH1が追加されたことになる。
【0157】
図17において、顧客端末CP12は、アカウントBのアカウントデータ(
図11参照)にホームカメラMH1を登録するため、アカウントBのアカウントデータ(
図11参照)にホームカメラが登録可能か否かの判定要求を生成して管理サーバS1に送る(St136)。
【0158】
管理サーバS1は、ステップSt136で送られた判定要求に応じて、アカウントBのアカウントデータに含まれる登録カメラリスト1J5の登録台数を参照してホームカメラの登録が可能か否かを確認する(St137)。ここで、アカウントBのアカウントデータにホームカメラの登録が可能であるとの確認結果が得られたとする。管理サーバS1は、ステップSt137の確認結果(登録可否応答)を顧客端末CP12に送る(St138)。顧客端末CP12は、ステップSt138で送られた登録可否応答に基づいて、カメラ登録画面WD5(
図15参照)を表示操作部23に表示する(St139)。顧客端末CP12は、カメラ登録画面WD5を表示することで、ホームカメラMH1からの登録応答(後述参照)の待ち受けを開始する(St140)。
【0159】
娘によりホームカメラMH1の登録ボタンが押下されると(St141)、ホームカメラMH1は、登録応答(つまり登録ボタンが押下された旨の確認メッセージ)を生成してブロードキャストで全ての無線接続中の顧客端末(例えば顧客端末CP11,CP12)に送る(St142)。この時点では母は自身のアカウントAへのホームカメラMH1の登録を要求していないので、顧客端末CP11もステップSt142で送られた登録応答を受信するが、特に何の処理もしないで無視する。
【0160】
顧客端末CP12は、ステップSt142で送られた登録応答を受信すると(St143)、ホームカメラMH1の登録アカウント数の判定要求を生成してホームカメラMH1に送る(St144)。ここで、ステップSt132において母のアカウントAがホームカメラMH1に登録されたので、例えばホームカメラMH1にとって母のアカウントAが第1番目に登録された場合には、娘のアカウントBは第2番目に登録されることになる。このため、娘のアカウントBがホームカメラMH1に登録される順番「2」はホームカメラMH1の登録可能な顧客端末数「4」以下となるので、顧客端末CP12はホームカメラMH1において映像配信先として登録可能となる。ホームカメラMH1はステップSt144で送られた判定要求の結果として、顧客端末CP12の映像配信先としての登録が可能である旨の登録可否応答を生成して顧客端末CP12に送る(St145)。
【0161】
顧客端末CP12は、使用者である娘のアカウントBの情報(例えばログインID1J1、名称1J3)をメモリ22から読み出してホームカメラMH1に送る(St146)。ホームカメラMH1は、ステップSt146で送られたアカウントBの情報を用いてアカウントBを映像配信先として登録し(St147)、その登録結果を示す登録可否応答を生成して顧客端末CP12に送る(St148)。
【0162】
また、ホームカメラMH1は、ステップSt147でのアカウントBの登録に基づいて、アカウントBを登録した旨の通知を生成して管理サーバS1に送る(St149)。管理サーバS1は、HDD34に保存されているアカウントBのアカウントデータ(
図11参照)に、ホームカメラMH1を登録カメラリスト1J5に追加(登録)するように更新する(St150)。これにより、娘のアカウントBがホームカメラMH1に登録されるとともに、管理サーバS1が保存しているアカウントBのアカウントデータに含まれる登録カメラリスト1J5にホームカメラMH1が追加されたことになる。
【0163】
図18および
図19は、実施の形態2に係るホームカメラMH1からのカメラ映像の視聴の動作手順例を示すシーケンス図である。
図18の説明の前提として、母の顧客端末CP11はアカウントAでログイン済(つまりログイン中)であって顧客端末アプリが起動済であり、娘の顧客端末CP12はアカウントBでログイン済(つまりログイン中)であって顧客端末アプリが起動済であり、
図16および
図17に示す処理が事前に行われている。また、
図19に示す処理は、
図18に示す処理の後に実行が開始される。
【0164】
図18において、顧客端末CP11は、母の操作によりカメラ視聴画面(図示略)を表示操作部23に表示する(St151)。顧客端末CP11は、母の操作によりカメラ映像の配信をホームカメラMH1に要求する(St152)。ホームカメラMH1は、母のアカウントAからのカメラ映像の配信要求を受信すると、アカウントAに応じた各種のパラメータ(例えば画質のパラメータ)を設定する(St153)。ホームカメラMH1は、母が撮像されているカメラ映像のデータの顧客端末CP11への配信を開始し(St154)、カメラ映像のデータを顧客端末CP11に配信する(St155)。これにより、母は、自身の顧客端末CP11において自身が撮像されているカメラ映像(例えばライブ映像)を簡易に視聴できる。
【0165】
母の操作によりカメラ視聴画面(図示略)の録画開始アイコンがタップされると(St156)、顧客端末CP11は、カメラ映像のデータの録画開始をホームカメラMH1に要求する(St157)。ホームカメラMH1は、母のアカウントAでのカメラ映像のデータの録画を開始すると決定し(St158)、そのカメラ映像のデータを管理サーバS1に送信する(St159)。管理サーバS1は、ステップSt159で送信された母のアカウントAに紐づくカメラ映像のデータの保存先(例えばアカウントAのデータフォルダ)を設定し、そのデータフォルダにカメラ映像のデータを記録(録画)する(St160)。これにより、母の簡易な操作により、母のアカウントAに紐づくカメラ映像のデータが管理サーバS1において録画される。
【0166】
母の操作によりカメラ視聴画面(図示略)の録画停止アイコンがタップされると(St161)、顧客端末CP11は、カメラ映像のデータの録画停止をホームカメラMH1に要求する(St162)。ホームカメラMH1は、母のアカウントAでのカメラ映像のデータの録画を停止すると決定し(St163)、そのカメラ映像のデータの録画停止の指示(停止通知)を管理サーバS1に送信する(St164)。管理サーバS1は、ステップSt164で送信された母のアカウントAに紐づくカメラ映像のデータの記録(録画)を停止する(St165)。これにより、母の簡易な操作により、母のアカウントAに紐づくカメラ映像のデータの録画が管理サーバS1において停止される。
【0167】
ここで、ホームカメラMH1が顧客端末CP11に母のアカウントAのカメラ映像の配信中である時に、娘のアカウントBでその配信中のカメラ映像の配信要求が顧客端末CP12からホームカメラMH1に割り込んできたとする。
【0168】
顧客端末CP12は、娘の操作によりカメラ視聴画面(図示略)を表示操作部23に表示する(St166)。顧客端末CP12は、娘の操作によりカメラ映像の配信をホームカメラMH1に要求する(St167)。ホームカメラMH1は、娘のアカウントBから現在配信中のカメラ映像の配信要求を受信すると、現在は母のアカウントAのカメラ映像の配信中であるため娘のアカウントBからのカメラ映像の配信要求を拒否し(St168)、その拒否の旨の通知(拒否通知)を生成して顧客端末CP12に送る(St169)。顧客端末CP12は、ホームカメラMH1からの拒否通知(言い換えると、娘のアカウントBで母のアカウントAのカメラ映像のデータの視聴は不可である旨の通知)を生成して表示操作部23に表示する(St170)。これにより、ホームカメラMH1は、現在配信中のステータスを有している母のアカウントAとは異なる他のアカウント(例えばアカウントB)からの配信中のカメラ映像の視聴を割り込む要求があったとしても、その割込み要求を排除してアカウントAのカメラ映像のデータのセキュリティを担保できる。
【0169】
図19において、母の操作によりカメラ視聴画面(図示略)の表示終了が指示されると(St171)、顧客端末CP11は、カメラ映像のデータの配信停止をホームカメラMH1に要求する(St172)。ホームカメラMH1は、母のアカウントAでのカメラ映像のデータの配信を停止すると決定する(St173)。
【0170】
ここで、ホームカメラMH1が顧客端末CP11に母のアカウントAのカメラ映像の配信していない時に、娘のアカウントBでカメラ映像の配信要求が顧客端末CP12からホームカメラMH1に送られたとする。
【0171】
顧客端末CP12は、娘の操作によりカメラ視聴画面(図示略)を表示操作部23に表示する(St174)。顧客端末CP12は、娘の操作によりカメラ映像の配信をホームカメラMH1に要求する(St175)。ホームカメラMH1は、娘のアカウントBからのカメラ映像の配信要求を受信すると、アカウントBに応じた各種のパラメータ(例えば画質のパラメータ)を設定する(St176)。ホームカメラMH1は、娘が撮像されているカメラ映像のデータの顧客端末CP12への配信を開始し(St177)、カメラ映像のデータを顧客端末CP12に配信する(St178)。これにより、娘は、自身の顧客端末CP12において自身が撮像されているカメラ映像(例えばライブ映像)を簡易に視聴できる。ステップSt178以降、ステップSt156~ステップSt173までの処理において、アカウントAをアカウントBに読み替え、母を娘に読み替え、顧客端末CP11を顧客端末CP12に読み替えた内容の処理が同様に実行される。
【0172】
以上により、実施の形態2に係るネットワークカメラシステム100によれば、限られた複数のアカウント(例えば母のアカウントA、娘のアカウントB)をカメラ(例えばホームカメラMH1)に登録可能となる。これにより、ネットワークカメラシステム100は、映像配信先としてカメラ(例えばホームカメラMH1)に認識されたアカウント(例えばアカウントA)のユーザを撮像したカメラ映像のデータを混在することなく、管理サーバS1の保存先を適切に振り分けて保存できる。
【0173】
また、ホームカメラMH1は、現在配信中のステータスを有している母のアカウントAとは異なる他のアカウント(例えばアカウントB)からの配信中のカメラ映像の視聴を割り込む要求があったとしても、その割込み要求を排除してアカウントAのカメラ映像のデータのセキュリティを担保できる。
【0174】
以上、添付図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても本開示の技術的範囲に属すると了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した各種の実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0175】
本開示は、煩雑なユーザ操作をさせることなく、複数人で共用される店舗等のアカウントの管理を適切に行い、データのセキュリティ担保を支援するアカウント管理方法、アカウント管理システムおよびプログラムとして有用である。
【符号の説明】
【0176】
11,21,31 プロセッサ
12,22,32 メモリ
13、29 撮像部
16 カメラボタン
23 表示操作部
31B アカウント管理制御部
34 HDD
100 ネットワークカメラシステム
C1、C2 無線ルータ
NW ネットワーク
P1,P2 店舗端末
CP1 顧客端末
S1 管理サーバ