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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-08
(45)【発行日】2024-08-19
(54)【発明の名称】部品撮像装置および部品実装装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/08 20060101AFI20240809BHJP
   H05K 13/04 20060101ALI20240809BHJP
【FI】
H05K13/08 Q
H05K13/04 M
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021002535
(22)【出願日】2021-01-12
(65)【公開番号】P2022107877
(43)【公開日】2022-07-25
【審査請求日】2023-11-06
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡田 康一
(72)【発明者】
【氏名】森 秀雄
(72)【発明者】
【氏名】松田 鷹則
(72)【発明者】
【氏名】秦 純一
(72)【発明者】
【氏名】韓 猛
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/011853(WO,A1)
【文献】特開2010-262981(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品を撮像する第1カメラと、
前記第1カメラの光軸を挟んで配置され、前記部品を撮像する第2カメラおよび第3カメラと、
前記第1カメラ、前記第2カメラ、および前記第3カメラのそれぞれの撮像視野内で、かつ、前記第1カメラ、前記第2カメラ、および前記第3カメラがそれぞれ前記部品を撮像する際の撮像範囲の外に設けられたマークと、を備える、部品撮像装置。
【請求項2】
前記第1カメラ、前記第2カメラ、および前記第3カメラがそれぞれ前記マークを撮像した撮像結果に基づいて、前記第1カメラ、前記第2カメラ、および前記第3カメラの撮像視野の位置ずれ量を算出する位置ずれ量算出部と、を備える、請求項1に記載の部品撮像装置。
【請求項3】
部品を前記第1カメラが撮像した撮像結果と、前記位置ずれ量算出部が算出した前記第1カメラの撮像視野の位置ずれ量に基づいて、前記部品の位置を算出する部品位置算出部を、さらに備える、請求項2に記載の部品撮像装置。
【請求項4】
部品を前記第2カメラおよび第3カメラが撮像した撮像結果と、前記位置ずれ量算出部が算出した前記第2カメラおよび前記第3カメラの撮像視野の位置ずれ量に基づいて、前記部品までの距離を算出する距離算出部を、さらに備える、請求項2または3に記載の部品撮像装置。
【請求項5】
前記マークは、前記撮像範囲を挟んで配置された複数の図形を含んで構成されている、請求項1から4のいずれかに記載の部品撮像装置。
【請求項6】
前記マークは、前記第1カメラ、前記第2カメラ、および前記第3カメラと前記部品との間に配置された透明板に設けられている、請求項1から5のいずれかに記載の部品撮像装置。
【請求項7】
前記マークを照らす照明部を備える、請求項1から6のいずれかに記載の部品撮像装置。
【請求項8】
部品をノズルで保持して基板に実装する部品実装装置であって、
ノズルが保持した部品を撮像する第1カメラと、
前記第1カメラの光軸を挟んで配置され、前記部品を撮像する第2カメラおよび第3カメラと、
前記第1カメラ、前記第2カメラ、および前記第3カメラのそれぞれの撮像視野内で、かつ、前記第1カメラ、前記第2カメラ、および前記第3カメラがそれぞれ前記部品を撮像する際の撮像範囲の外に設けられたマークと、を備える、部品実装装置。
【請求項9】
前記第1カメラ、前記第2カメラ、および前記第3カメラがそれぞれ前記マークを撮像した撮像結果に基づいて、前記第1カメラ、前記第2カメラ、および前記第3カメラの撮像視野の位置ずれ量を算出する位置ずれ量算出部と、を備える、請求項8に記載の部品実装装置。
【請求項10】
ノズルが保持した部品を前記第1カメラが撮像した撮像結果と、前記位置ずれ量算出部が算出した前記第1カメラの撮像視野の位置ずれ量に基づいて、前記ノズルが保持した部品の位置を算出する部品位置算出部を、さらに備え、
前記ノズルが保持した部品の位置に基づいて、前記部品を基板に実装する、請求項9に記載の部品実装装置。
【請求項11】
ノズルが保持した部品を前記第2カメラおよび第3カメラが撮像した撮像結果と、前記位置ずれ量算出部が算出した前記第2カメラおよび前記第3カメラの撮像視野の位置ずれ量に基づいて、前記ノズルが保持した部品までの距離を算出する距離算出部を、さらに備え、
前記ノズルが保持した部品まで距離に基づいて、前記部品を基板に実装する、請求項9または10に記載の部品実装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品を撮像する部品撮像装置および部品撮像装置を備える部品実装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
部品実装装置は、部品供給部が供給する部品を水平方向に移動する実装ヘッドが有するノズルで取り出し、基板搬送コンベアに保持された基板に実装する。このような部品実装装置には、部品の実装精度を向上するためにノズルが保持する部品の位置を撮像する部品認識カメラ(部品撮像装置)と、実装ヘッドと一体となって移動して基板上に形成されたマークを撮像する基板認識カメラを備えるものが知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1では、着脱可能な実装ヘッドのノズルと基板認識カメラの位置関係を補正して部品の実装精度を確保するため、部品認識カメラの上面に、基準マークが形成されたガラス板を基準マークが部品認識カメラの視野内に入るように載置し、さらにこの視野内にノズルが入るように実装ヘッドを移動している。そして、この状態で部品認識カメラによってノズルと基準マークの位置を検出し、基板認識カメラによって撮像した基準マークと基板認識カメラの光軸の位置からノズルと基板認識カメラの位置関係を算出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-179636号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、部品認識カメラは、カメラの光軸の位置からノズルが保持する部品の位置を検出しているが、継続して実装基板を生産する過程において、部品認識カメラが備える撮像素子の発熱などによる経時変化によってカメラの光軸がずれる(歪む)ことがあり、部品の実装精度を維持するためには部品認識カメラの光軸のずれを定期的に検出して適切に補正する必要がある。しかしながら特許文献1を含む従来技術では、実装基板の生産中に部品認識カメラの光軸のずれを検出する方法は開示されておらず、部品の実装精度を向上するためにはさらなる改善の余地があった。
【0006】
そこで本発明は、部品を撮像するカメラの光軸のずれを補正することができる部品撮像装置および部品実装装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の部品撮像装置は、部品を撮像する第1カメラと、前記第1カメラの光軸を挟んで配置され、前記部品を撮像する第2カメラおよび第3カメラと、前記第1カメラ、前記第2カメラ、および前記第3カメラのそれぞれの撮像視野内で、かつ、前記第1カメラ、前記第2カメラ、および前記第3カメラがそれぞれ前記部品を撮像する際の撮像範囲の外に設けられたマークと、を備える。
【0008】
本発明の部品実装装置は、部品をノズルで保持して基板に実装する部品実装装置であって、ノズルが保持した部品を撮像する第1カメラと、前記第1カメラの光軸を挟んで配置され、前記部品を撮像する第2カメラおよび第3カメラと、前記第1カメラ、前記第2カメラ、および前記第3カメラのそれぞれの撮像視野内で、かつ、前記第1カメラ、前記第2カメラ、および前記第3カメラがそれぞれ前記部品を撮像する際の撮像範囲の外に設けられたマークと、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、部品を撮像するカメラの光軸のずれを補正することができることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施の形態の部品実装装置の平面図
図2】本発明の一実施の形態の部品実装装置の構成説明図
図3】本発明の一実施の形態の部品実装装置が備える(a)部品認識カメラの透過部材の平面図(b)部品認識カメラの構成説明図
図4】本発明の一実施の形態の部品実装装置が備える部品認識カメラによるノズルが保持する部品の撮像の説明図
図5】本発明の一実施の形態の部品実装装置の制御系の構成を示すブロック図
図6】(a)(b)本発明の一実施の形態の部品実装装置が備える部品認識カメラの光軸のずれの説明図
図7】本発明の一実施の形態の部品実装装置が備える部品認識カメラの右側カメラユニットによって撮像されたマークの撮像画像の例を示す図
図8】本発明の一実施の形態の部品実装装置が備える部品認識カメラの中央カメラユニットによって撮像されたノズルが保持する部品の撮像画像の例を示す図
図9】本発明の一実施の形態の部品実装方法のフロー図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に図面を用いて、本発明の一実施の形態を詳細に説明する。以下で述べる構成、形状等は説明のための例示であって、部品実装装置、部品認識カメラの仕様に応じ、適宜変更が可能である。以下では、全ての図面において対応する要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。図1、及び後述する一部では、水平面内で互いに直交する2軸として、基板搬送方向のX軸(図1における左右方向)、基板搬送方向に直交するY軸(図1における上下方向)が示される。図2、及び後述する一部では、水平面と直交する高さ方向としてZ軸(図2における上下方向)が示される。
【0012】
まず図1図2を参照して、部品実装装置1の構成を説明する。なお図2は、図1における部品実装装置1の一部を模式的に示している。部品実装装置1は、部品供給部から供給された部品を基板に装着する部品実装作業を実行する機能を有する。基台1aの中央には、基板搬送機構2がX軸に沿って配置されている。基板搬送機構2は、上流側から搬送された基板3を、実装作業位置に搬入して位置決めして保持する。また、基板搬送機構2は、部品実装作業が完了した基板3を下流側に搬出する。
【0013】
基板搬送機構2の両側(Y軸の前後方向)には、部品供給部4が配置されている。それぞれの部品供給部4には、複数のテープフィーダ5がX軸に沿って並列に装着されている。テープフィーダ5は、部品Dを格納するポケットが形成された部品テープを部品供給部4の外側から基板搬送機構2に向かう方向(テープ送り方向)にピッチ送りすることにより、以下に説明する実装ヘッドによって部品Dが取り出される部品供給位置5aに部品Dを供給する。
【0014】
図1図2において、基台1a上面においてX軸における両端部には、リニア駆動機構を備えたY軸テーブル6がY軸に沿って配置されている。Y軸テーブル6には、同様にリニア駆動機構を備えたビーム7が、Y軸に沿って移動自在に結合されている。ビーム7はX軸に沿って配置されている。ビーム7には、実装ヘッド8がX軸に沿って移動自在に装着されている。実装ヘッド8は、部品Dを吸着保持して昇降可能な吸着ユニット8aを備えている。吸着ユニット8aのそれぞれの下端部には、部品Dを吸着保持するノズル8bが装着されている。
【0015】
図1において、Y軸テーブル6およびビーム7は、実装ヘッド8をX軸およびY軸に沿って移動させるヘッド移動機構9を構成する。ヘッド移動機構9および実装ヘッド8は、部品供給部4に配置されたテープフィーダ5の部品供給位置5aから部品Dをノズル8bによって吸着して取り出して、基板搬送機構2に位置決めされた基板3の実装位置に装着する実装ターンを実行する。すなわち、Y軸テーブル6、ビーム7および実装ヘッド8は、テープフィーダ5の部品供給位置5aに供給される部品Dをノズル8bで保持して基板3に装着する部品実装手段を構成する。
【0016】
図1図2において、部品供給部4と基板搬送機構2との間には、部品認識カメラ20が配置されている。部品供給部4から部品Dを取り出した実装ヘッド8が部品認識カメラ20の上方を移動する際に、部品認識カメラ20は実装ヘッド8に保持された状態の部品Dを撮像して部品Dの保持姿勢を認識する。実装ヘッド8が取り付けられたプレート7aには基板認識カメラ10が取り付けられている。基板認識カメラ10は、実装ヘッド8と一体的に移動する。
【0017】
実装ヘッド8が移動することにより、基板認識カメラ10は基板搬送機構2に位置決めされた基板3の上方に移動し、基板3に設けられた基板マーク3aを撮像して基板3の位置を認識する。実装ヘッド8による基板3への部品実装動作においては、部品認識カメラ20による部品Dの認識結果と、基板認識カメラ10による基板位置の認識結果とを加味して実装位置の補正が行われる。
【0018】
図2において、部品供給部4にはフィーダベース11aに予め複数のテープフィーダ5が装着された状態の台車11がセットされる。台車11には、部品Dを保持した部品テープ12を巻回状態で収納するテープリール13が保持されている。テープリール13から引き出された部品テープ12は、テープフィーダ5によって部品供給位置5aまでピッチ送りされる。
【0019】
図1において、部品実装装置1の前面で作業者が作業する位置には、作業者が操作するタッチパネル14が設置されている。タッチパネル14は、その表示部に各種情報を表示し、また表示部に表示される操作ボタンなどを使って作業者がデータ入力や部品実装装置1の操作を行う。
【0020】
次に図3を参照して、部品認識カメラ20の構成について説明する。図3(b)において、部品認識カメラ20は、筐体21の内部に中央カメラユニット22、右側カメラユニット23、左側カメラユニット24が設置されている。中央カメラユニット22、右側カメラユニット23、左側カメラユニット24は、ノズル8bに保持されて部品認識高さHaに下面Daが位置する部品Dを撮像できるように設置されている(図4も参照)。
【0021】
中央カメラユニット22は、2次元CMOSセンサなどの撮像素子を有する中央撮像部22aと、撮像対象の部品Dと中央撮像部22aとの間に位置する中央レンズ22bを備えている。右側カメラユニット23は、2次元CMOSセンサなどの撮像素子を有する右側撮像部23aと、撮像対象の部品Dと右側撮像部23aとの間に位置する右側レンズ23bを備えている。左側カメラユニット24は、2次元CMOSセンサなどの撮像素子を有する左側撮像部24aと、撮像対象の部品Dと左側撮像部24aとの間に位置する左側レンズ24bを備えている。
【0022】
図3(b)において、中央カメラユニット22は、光軸22cを上方に向けて設置されており、撮像対象の部品Dを下方から撮像する。右側カメラユニット23は、中央カメラユニット22のX軸に沿う方向の右側(図3(b)における右側)に配置されている。右側カメラユニット23は、光軸23cを左上方に向けて設置されており、撮像対象の部品Dを右下方から撮像する。左側カメラユニット24は、中央カメラユニット22のX軸に沿う方向の左側(図3(b)における左側)に配置されている。左側カメラユニット24は、光軸24cを右上方に向けて設置されており、撮像対象の部品Dを左下方から撮像する。
【0023】
中央カメラユニット22の光軸22c、右側カメラユニット23の光軸23c、左側カメラユニット24の光軸24cは、部品認識高さHaに位置する部品Dの下面Daの計測点SDで交わるように設定されている。計測点SDで光軸23cと光軸24cが交わる右側カメラユニット23と左側カメラユニット24は、同一の被写体(部品D)を同時に撮像して被写体(計測点SD)までの距離情報(高さ情報)を取得する3次元カメラ(ステレオカメラ)を構成する。
【0024】
このように、部品認識カメラ20には、X軸に沿って右側から右側カメラユニット23、中央カメラユニット22、左側カメラユニット24が配置されている。すなわち、部品認識カメラ20は、ノズル8bが保持した部品Dを撮像する中央カメラユニット22(第1カメラ)と、中央カメラユニット22の光軸22c(第1カメラの光軸)を挟んで配置され、その部品Dを撮像する右側カメラユニット23(第2カメラ)および左側カメラユニット24(第3カメラ)を備えている。
【0025】
図3(b)において、筐体21の上部21aには、筐体21の一部を切り欠いて透明板25が設置されている。図3(a)、図3(b)において、透明板25は、光を透過する板状のガラスなどで形成されている。透明板25の中央部には、中央カメラユニット22、右側カメラユニット23、左側カメラユニット24がノズル8bに保持された部品Dを撮像する際の部品撮像視野26が設定されている。部品撮像視野26の外の右側に設定されている右側マーク撮像視野27Rの中には、複数の右側マーク28Rが形成されている。部品撮像視野26の外の左側に設定されている左側マーク撮像視野27Lの中には、複数の左側マーク28Lが形成されている。
【0026】
図3(a)、図3(b)において、部品撮像視野26、右側マーク撮像視野27R、左側マーク撮像視野27Lは、中央カメラユニット22の撮像視野22d、右側カメラユニット23の撮像視野23d、ならびに左側カメラユニット24の撮像視野24dの範囲内に設定されている。右側マーク28Rおよび左側マーク28Lは、透明板25の上面25aのマーク認識高さHbに形成されている。右側マーク28Rおよび左側マーク28Lは、中央カメラユニット22の撮像視野22d(光軸22c)、右側カメラユニット23の撮像視野23d(光軸23c)、左側カメラユニット24の撮像視野24d(光軸24c)のずれの検出に使用される。
【0027】
この例では、右側マーク撮像視野27Rの中に、右側マーク28Rとして、光を透過しない金属薄膜で形成された円板がY軸に沿って等間隔に5個配置されている。また、左側マーク撮像視野27Lの中に、左側マーク28Lとして、光を透過しない金属薄膜で形成された円板がY軸に沿って等間隔に5個配置されている。なお、図3(a)に示す右側マーク28Rと左側マーク28Lの形状、数、配置は一例であり、この例に限定されることはない。
【0028】
以下、マーク認識高さHbに位置する透明板25の上面25aにおいて、中央カメラユニット22の光軸22c(撮像視野22dの中心)が透明板25の上面25aと交差する位置を中央交差点SCと称する。同様に、右側カメラユニット23の光軸23c(撮像視野23dの中心)が透明板25の上面25aと交差する位置を右側交差点SRと称する。また、左側カメラユニット24の光軸24c(撮像視野24dの中心)が透明板25の上面25aと交差する位置を左側交差点SLと称する。
【0029】
このように、部品認識カメラ20は、中央カメラユニット22(第1カメラ)、右側カメラユニット23(第2カメラ)、および左側カメラユニット24(第3カメラ)のそれぞれの撮像視野22d,23d,24d内で、かつ、中央カメラユニット22、右側カメラユニット23、および左側カメラユニット24が、それぞれノズル8bが保持した部品Dを撮像する際の撮像範囲(部品撮像視野26)の外に設けられたマーク28(右側マーク28R、左側マーク28L)を有している。
【0030】
すなわち、マーク28は、撮像範囲(部品撮像視野26)を挟んで配置された複数の図形(右側マーク28R、左側マーク28L)を含んで構成されている。また、マーク28は、中央カメラユニット22、右側カメラユニット23、および左側カメラユニット24と部品Dとの間に配置された透明板25の上面25aに設けられている。
【0031】
図3(b)において、中央カメラユニット22、右側カメラユニット23、左側カメラユニット24の上方であって、中央カメラユニット22の撮像視野22d、右側カメラユニット23の撮像視野23d、左側カメラユニット24の撮像視野24dと干渉しない位置には、照明部29が設置されている。照明部29は、複数のLEDチップなどを備えて構成されており、下方から部品認識高さHaに位置する撮像対象物(部品Dなど)、または、右側マーク28Rと左側マーク28Lを照らす光を照射する。なお、照明部29は、下方から光を照射する照明の他、側方から光を照射する照射照明(図示省略)を備えていてもよい。
【0032】
次に図4を参照して、部品認識カメラ20による部品Dの撮像について説明する。部品Dをノズル8bで保持した実装ヘッド8は、部品Dの下面Daを部品認識高さHaに位置させて、部品Dが部品認識カメラ20の部品撮像視野26(撮像範囲)の上を通過するようにX方向に移動させる(矢印a)。この間、照明部29が部品Dを照明し、部品認識カメラ20の中央カメラユニット22(第1カメラ)、右側カメラユニット23(第2カメラ)、左側カメラユニット24(第3カメラ)がそれぞれ撮像した撮像結果は、部品実装装置1が備える制御部30(図5参照)に送信される。
【0033】
次に図5を参照して、部品実装装置1の制御系の構成について説明する。部品実装装置1は、制御部30、基板搬送機構2、テープフィーダ5、実装ヘッド8、ヘッド移動機構9、部品認識カメラ20、基板認識カメラ10、タッチパネル14を備えている。制御部30は、撮像処理部31、位置ずれ量算出部32、吸着部品位置算出部33、距離算出部34、実装動作処理部35、実装記憶部36を備えている。実装記憶部36は記憶装置であり、実装データ37、撮像結果データ38、撮像視野位置ずれ量39、実装補正値データ40などが記憶されている。
【0034】
実装データ37には、基板3の種類(基板種)毎に、基板3のサイズ、実装される部品Dの種類と実装位置(XY座標)など、部品実装作業に必要な情報が記憶されている。撮像処理部31は、部品認識カメラ20の中央カメラユニット22(第1カメラ)、右側カメラユニット23(第2カメラ)、左側カメラユニット24(第3カメラ)と照明部29を制御して、マーク28または部品Dを撮像する。
【0035】
撮像処理部31は、部品認識カメラ20の撮像視野を補正する場合は、照明部29で透明板25上に形成されたマーク28(右側マーク28R、左側マーク28L)を照らしながら中央カメラユニット22、右側カメラユニット23、左側カメラユニット24でマーク28をそれぞれ撮像させる。また、撮像処理部31は、ノズル8bが保持した部品Dを撮像する場合は、照明部29で部品Dを照らしながら中央カメラユニット22、右側カメラユニット23、左側カメラユニット24で部品Dをそれぞれ撮像させる。撮像処理部31は、撮像結果を撮像結果データ38として実装記憶部36に記憶させる。
【0036】
ここで図6図7を参照して、撮像視野の補正の際の部品認識カメラ20によるマーク28の撮像について説明する。ここでは、右側カメラユニット23によるマーク28の撮像の例について説明する。部品認識カメラ20の中央カメラユニット22、右側カメラユニット23、左側カメラユニット24は、部品実装作業においてノズル8bに保持された部品Dの撮像を繰り返し実行する過程において、撮像素子の発熱や照明部29の発熱に起因して、筐体21や各ユニットを保持する保持具(図示省略)などに経時的な歪が発生することがある。
【0037】
図6(a)、図6(b)は、このような経時的な変化によって右側カメラユニット23が位置ずれし、右側カメラユニット23の光軸23c(撮像視野23dの中心)が位置ずれのない理想の状態からずれた状態(ΔXR、ΔXD)を示している。図6(b)は、図6(a)に示す円A内の拡大図である。ここで、部品認識カメラ20に歪がない理想状態における右側交差点SRの位置を理想右側交差点SR0、計測点SDの位置を理想計測点SD0と定義する。
【0038】
図7は、図6に示す右側カメラユニット23が位置ずれしている状態において、右側カメラユニット23によって撮像された複数の右側マーク28Rと複数の左側マーク28L(マーク28)を含むマーク撮像画像50を示している。マーク撮像画像50の中心50cは右側カメラユニット23の撮像視野23dの中心であり、右側交差点SRと一致する。マーク撮像画像50に写る5個の右側マーク28Rの位置は、右側カメラユニット23の位置ずれに起因して、点線で示す理想状態から位置ずれしている。以下、5個並んだ右側マーク28Rのうちの3番目(以下「右側中央マーク28RA」と称する。)の中心を右側マーク中心MRと称する。また、理想状態の右側中央マーク28RAの中心を理想右側マーク中心MR0と称する。
【0039】
同様に、マーク撮像画像50に写る5個の左側マーク28Lの位置は、右側カメラユニット23の位置ずれに起因して、点線で示す理想状態から位置ずれしている。以下、5個並んだ左側マーク28Lのうちの3番目(以下「左側中央マーク28LA」と称する。)の中心を左側マーク中心MLと称する。また、理想状態の左側中央マーク28LAの中心を理想左側マーク中心ML0と称する。
【0040】
図7において、位置ずれ量算出部32は、記憶されたマーク撮像画像50に基づいて、右側カメラユニット23の撮像視野23dの理想状態からの位置ずれ量を算出する。具体的には、位置ずれ量算出部32は、右側マーク中心MRを検出し、理想右側マーク中心MR0からの右側マーク中心MRの位置ずれ量であるX軸方向の右側マークずれ量ΔXMRとY軸方向の右側マークずれ量ΔYMRを算出する。さらに、位置ずれ量算出部32は、5個の右側マーク28Rのそれぞれの中心を結ぶ直線の傾きからZ軸を回転軸とする回転の方向であるθ方向の右側マークずれ量ΔθMRを算出する。
【0041】
同様に、位置ずれ量算出部32は、左側マーク中心MLを検出し、理想左側マーク中心ML0からの左側マーク中心MLの位置ずれ量であるX軸方向の左側マークずれ量ΔXMLとY軸方向の左側マークずれ量ΔYMLを算出する。さらに、位置ずれ量算出部32は、5個の左側マーク28Lのそれぞれの中心を結ぶ直線の傾きからZ軸を回転軸とする回転の方向であるθ方向の左側マークずれ量ΔθMLを算出する。
【0042】
図7において、さらに位置ずれ量算出部32は、右側マーク中心MRと左側マーク中心MLから、マーク撮像画像50の中心50c(右側交差点SR)からの理想右側交差点SR0の位置ずれ量であるX軸方向の右側交差点ずれ量ΔXRとY軸方向の右側交差点ずれ量ΔYRを算出する。さらに、位置ずれ量算出部32は、θ方向の右側マークずれ量ΔθMRとθ方向の左側マークずれ量ΔθMLからθ方向の右側交差点ずれ量ΔθRを算出する。例えば、位置ずれ量算出部32は、右側マークずれ量ΔθMRと左側マークずれ量ΔθMLの平均値((ΔθMR+ΔθML)/2)を右側交差点ずれ量ΔθRとして算出する。
【0043】
位置ずれ量算出部32は、このように算出した右側カメラユニット23の撮像視野23dの右側交差点位置ずれ量(ΔXR,ΔYR,ΔθR)を、撮像視野位置ずれ量39として実装記憶部36に記憶させる。同様に、位置ずれ量算出部32は、記憶された中央カメラユニット22のマーク撮像画像に基づいて、中央カメラユニット22の撮像視野22dの中央交差点位置ずれ量(ΔXC,ΔYC,ΔθC)を算出し、撮像視野位置ずれ量39として実装記憶部36に記憶させる。また、位置ずれ量算出部32は、記憶された左側カメラユニット24のマーク撮像画像に基づいて、左側カメラユニット24の撮像視野24dの左側交差点位置ずれ量(ΔXL,ΔYL,ΔθL)を算出し、撮像視野位置ずれ量39として実装記憶部36に記憶させる。
【0044】
このように、位置ずれ量算出部32は、中央カメラユニット22(第1カメラ)、右側カメラユニット23(第2カメラ)、および左側カメラユニット24(第3カメラ)がそれぞれマーク28(右側マーク28R、左側マーク28L)を撮像した撮像結果(マーク撮像画像)に基づいて、中央カメラユニット22の撮像視野22dの中央交差点位置ずれ量(ΔXC,ΔYC,ΔθC)(第1カメラの撮像視野の位置ずれ量)、右側カメラユニット23の撮像視野23dの右側交差点位置ずれ量(ΔXR,ΔYR,ΔθR)(第2カメラの撮像視野の位置ずれ量)および左側カメラユニット24の撮像視野24dの左側交差点位置ずれ量(ΔXL,ΔYL,ΔθL)(第3カメラの撮像視野の位置ずれ量)を算出する。
【0045】
ここで図8を参照して、ノズル8bが保持した部品Dの部品認識カメラ20による撮像結果について説明する。ここでは、撮像視野22dが中央交差点位置ずれ量(ΔXC,ΔYC,ΔθC)だけ位置ずれしている状態の中央カメラユニット22が撮像した部品撮像画像51の例について説明する。
【0046】
部品撮像画像51の中心51cは中央カメラユニット22の撮像視野22dの中心であり、中央カメラユニット22が位置ずれしていない理想状態において部品Dを保持したノズル8bの中心と一致する。しかし、中央カメラユニット22の位置ずれにより、部品Dを保持しているノズル8bは部品撮像画像51中に点線で示す位置にある。すなわち、現実のノズル8bの中心の位置(吸着位置)は、理想中央交差点SC0の位置にあり、部品撮像画像51の中心51cから中央交差点位置ずれ量(ΔXC,ΔYC,ΔθC)だけ位置ずれしている。
【0047】
吸着部品位置算出部33は、記憶された部品撮像画像51に基づいて、部品Dの中心Cdを検出する。この例では、部品Dの中心Cdは、現実のノズル8bの中心と一致せず、吸着位置がずれている。吸着部品位置算出部33は、部品撮像画像51の中心51cから見た部品Dの中心Cdの位置(ΔXd,ΔYd)と、部品Dの回転具合Δθd(部品Dの各辺の傾きなど)を算出する。
【0048】
さらに、吸着部品位置算出部33は、中央交差点位置ずれ量(ΔXC,ΔYC,ΔθC)と部品Dの中心Cdの位置および回転具合Δθdから、ノズル8bの中心(吸着位置)から見た部品Dの中心の位置を吸着部品位置Cd0(ΔXd-ΔXC,ΔYd-ΔYC,Δθd-ΔθC)として算出する。吸着部品位置算出部33は、算出した吸着部品位置Cd0を実装補正値データ40として実装記憶部36に記憶させる。なお、部品撮像画像51に示す点線は、位置ずれしていない理想状態の中央カメラユニット22が撮像した場合に部品撮像画像に表示される部品Dの外形である。
【0049】
このように、吸着部品位置算出部33は、ノズル8bが保持した部品Dを中央カメラユニット22(第1カメラ)が撮像した撮像結果(部品撮像画像51)と、位置ずれ量算出部32が算出した中央カメラユニット22の撮像視野22dの中央交差点位置ずれ量(ΔXC,ΔYC,ΔθC)(第1カメラの撮像視野の位置ずれ量)に基づいて、部品Dを保持したノズル8bの中心から見た吸着部品位置Cd0(部品の位置)を算出する部品位置算出部である。
【0050】
図5において、距離算出部34は、ノズル8bが保持した部品Dを右側カメラユニット23が撮像した撮像結果(部品撮像画像)と、左側カメラユニット24が撮像した撮像結果(部品撮像画像)に基づいて、左右の画像の視差を計算して部品Dまでの距離を算出する。その際、距離算出部34は、記憶されている右側カメラユニット23の撮像視野23dの右側交差点位置ずれ量(ΔXR,ΔYR,ΔθR)と、左側カメラユニット24の撮像視野24dの左側交差点位置ずれ量(ΔXL,ΔYL,ΔθL)に基づいて、部品認識高さHaの計測点SDにおいて右側カメラユニット23の光軸23cと左側カメラユニット24の光軸24cが交わるように左右の画像の位置ずれを補正して距離を算出する。
【0051】
距離算出部34は、算出した部品Dまでの距離を実装補正値データ40として実装記憶部36に記憶させる。このように、距離算出部34は、ノズル8bが保持した部品Dを右側カメラユニット23(第2カメラ)および左側カメラユニット24(第3カメラ)が撮像した撮像結果(部品撮像画像)と、位置ずれ量算出部32が算出した右側カメラユニット23の撮像視野23dの右側交差点位置ずれ量(ΔXR,ΔYR,ΔθR)(第2カメラの撮像視野の位置ずれ量)および左側カメラユニット24の撮像視野24dの左側交差点位置ずれ量(ΔXL,ΔYL,ΔθL)(第3カメラの撮像視野の位置ずれ量)に基づいて、部品までの距離を算出する。
【0052】
図5において、実装動作処理部35は、実装データ37に基づいて部品実装装置1の各部を制御して、テープフィーダ5が供給する部品を実装ヘッド8のノズル8bで保持して、部品認識カメラ20でノズル8bが保持した部品Dを撮像し、実装作業位置に保持された基板3に実装する部品実装作業を制御する。その際、実装動作処理部35は、算出された部品Dの吸着部品位置Cd0と部品Dまでの距離(実装補正値データ40)に基づいて、ノズル8bの位置(X軸方向、Y軸方向)と下降量(Z軸方向)を補正して、ノズル8bが保持した部品Dを基板3に実装する。
【0053】
撮像処理部31によるマーク28(右側マーク28R、左側マーク28L)の撮像は、実装ヘッド8によるテープフィーダ5からの部品Dの取り出しや基板3への部品Dの実装の間、すなわち、実装ヘッド8が部品認識カメラ20の上方にない空き時間に、実装ヘッド8の動作などとは独立して実行することができる。すなわち、空き時間に撮像処理部31がマーク28を撮像して最新の撮像視野位置ずれ量39に更新することできる。これにより、部品実装作業の効率を落とすことなく部品Dを撮像するカメラ(部品撮像カメラ20)の光軸のずれ(撮像視野位置ずれ量39)を補正して、部品Dを高精度に実装位置に装着することができる。なお、ノズル8bが保持した部品Dを撮像する際に、同時にマーク28も撮像して撮像視野の位置ずれ量を算出してもよい。
【0054】
次に図9のフローに沿って、部品認識カメラ20を備える部品実装装置1による部品実装方法について説明する。ここでは、主に部品Dの基板3への実装工程について説明し、基板搬送機構2による基板3の搬入工程、搬出工程などは省略する。まず、撮像処理部31は、部品認識カメラ20の光軸のずれを補正するタイミングであるか否かを判断する(ST1)。補正のタイミングの場合(ST1においてYes)、撮像処理部31は、照明部29でマーク28(右側マーク28R、左側マーク28L)を照明し、中央カメラユニット22(第1カメラ)、右側カメラユニット23(第2カメラ)、および左側カメラユニット24(第3カメラ)でそれぞれ撮像させる(ST2:マーク撮像工程)。
【0055】
次いで位置ずれ量算出部32は、撮像結果(マーク撮像画像)に基づいて、中央交差点位置ずれ量(ΔXC,ΔYC,ΔθC)、右側交差点位置ずれ量(ΔXR,ΔYR,ΔθR)、および左側交差点位置ずれ量(ΔXL,ΔYL,ΔθL)を算出する(ST3:位置ずれ量算出工程)。次いで位置ずれ量算出部32は、算出した位置ずれ量に基づいて、実装記憶部36に記憶されている撮像視野位置ずれ量39を更新する(ST4:位置ずれ量更新工程)。
【0056】
図9において、補正のタイミングの場合(ST1においてYes)は位置ずれ量更新工程(ST4)の後、補正のタイミングでない場合(ST1においてNo)は撮像視野位置ずれ量39は更新せずに、次の工程に進む。すなわち、実装動作処理部35は、ノズル8bにテープフィーダ5が供給する部品Dを吸着保持させる(ST5:部品吸着工程)。次いで撮像処理部31は、照明部29でノズル8bが保持する部品Dを照明し、中央カメラユニット22、右側カメラユニット23、および左側カメラユニット24でそれぞれ撮像させる(ST6:部品撮像工程)。
【0057】
次いで吸着部品位置算出部33は、部品Dを中央カメラユニット22が撮像した撮像結果(部品撮像画像)と中央交差点位置ずれ量(ΔXC,ΔYC,ΔθC)に基づいて、ノズル8bが保持した部品Dの吸着部品位置Cd0を算出する(ST7:吸着位置算出工程)。次いで距離算出部34は、部品Dを右側カメラユニット23および左側カメラユニット24が撮像した撮像結果(部品撮像画像)と、右側交差点位置ずれ量(ΔXR,ΔYR,ΔθR)および左側交差点位置ずれ量(ΔXL,ΔYL,ΔθL)に基づいて、ノズル8bが保持した部品Dまでの距離(高さ)を算出する(ST8:距離算出工程)。
【0058】
次いで実装動作処理部35は、吸着位置算出工程(ST7)において算出された部品Dの吸着部品位置Cd0と、距離算出工程(ST8)において算出された部品Dまでの距離に基づいて、ノズル8bの位置(X軸方向、Y軸方向)と下降量(Z軸方向)を補正して、ノズル8bが保持した部品Dを基板3に実装させる(ST9:部品実装工程)。次いで生産が終了するまで(ST10においてNo)は(ST1)に戻り、基板3に部品Dを実装させる。このように、定期的に部品認識カメラ20の光軸のずれを補正することで、経時的な変化を補正して部品Dの実装精度を適正に維持することができる。
【0059】
上記説明したように、本実施の形態の部品認識カメラ20(部品撮像装置)は、部品Dを撮像する第1カメラ(中央カメラユニット22)と、第1カメラの光軸22cを挟んで配置され、部品Dを撮像する第2カメラ(右側カメラユニット23)および第3カメラ(左側カメラユニット24)と、第1カメラ、第2カメラ、および第3カメラのそれぞれの撮像視野22d,23d,24d内で、かつ、第1カメラ、第2カメラ、および第3カメラがそれぞれ部品Dを撮像する際の撮像範囲(部品撮像視野26)の外に設けられたマーク28(右側マーク28R、左側マーク28L)と、を備えている。これにより、部品Dを撮像する部品認識カメラ20の光軸のずれを適正に補正することができることができる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明の部品撮像装置および部品実装装置は、部品を撮像するカメラの光軸のずれを補正することができることができるという効果を有し、部品を基板に実装する分野において有用である。
【符号の説明】
【0061】
20 部品認識カメラ(部品撮像装置)
22 中央カメラユニット(第1カメラ)
22d、23d、24d 撮像視野
23 右側カメラユニット(第2カメラ)
24 左側カメラユニット(第3カメラ)
25 透明板
26 部品撮像視野(撮像範囲)
28 マーク
28R 右側マーク
28L 左側マーク
29 照明部
50 マーク撮像画像(撮像結果)
D 部品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9