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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-08
(45)【発行日】2024-08-19
(54)【発明の名称】工具保持装置及び電動工具
(51)【国際特許分類】
   B25B 21/00 20060101AFI20240809BHJP
【FI】
B25B21/00 Q
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019074388
(22)【出願日】2019-04-09
(65)【公開番号】P2020171981
(43)【公開日】2020-10-22
【審査請求日】2021-12-13
【審判番号】
【審判請求日】2023-03-06
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 敦
(72)【発明者】
【氏名】石橋 威史
(72)【発明者】
【氏名】大川 敦司
(72)【発明者】
【氏名】山根 剛志
【合議体】
【審判長】刈間 宏信
【審判官】大山 健
【審判官】菊地 牧子
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-248210(JP,A)
【文献】特開2012-245611(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25B 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端部に先端工具が挿入可能な軸方向孔が設けられると共に前記軸方向孔を囲む周壁部に球体保持孔が設けられた軸部と、
前記球体保持孔内の嵌合位置に位置する状態で前記軸方向孔の内部に突出して、前記軸方向孔に挿入された前記先端工具の凹部に嵌る球体と、
前記軸部の外周に配置され、前記軸部の軸方向に沿って規制位置と規制解除位置との間を移動可能であり、前記規制位置では、前記球体が前記嵌合位置から前記軸部の径方向の外側に移動することを規制し、前記規制解除位置では、前記球体が前記嵌合位置から前記軸部の径方向の外側に移動することを許容する工具ホルダと、
前記工具ホルダを前記規制解除位置の側から前記規制位置へと付勢する第1弾性体と、
前記球体における前記先端部の側とは反対側に配置され、前記軸部の軸方向に移動可能なスライド板と、
付勢力によって、前記嵌合位置に位置する前記球体に前記スライド板を常に押し付けることで、前記スライド板によって前記球体を前記嵌合位置に保持させる第2弾性体と、を備え、
前記球体保持孔は、前記周壁部の厚さ方向に貫通しており、前記球体保持孔は、前記軸部の内周面に形成された内側開口と、前記軸部の外周面に形成された外側開口とを有し、
前記スライド板は、前記先端部の側の面と前記軸部の側の面とで構成される角部を有し、
前記球体が前記嵌合位置に位置する状態では、前記スライド板は、前記スライド板の前記角部が前記球体の表面に接触することで、前記球体に押し付けられており、この押し付けによって、前記球体は、前記軸方向において前記角部と前記球体保持孔の内周側面における前記軸部の前記先端部の側の面との間に挟み込まれ、前記径方向において前記角部と前記球体保持孔の前記内側開口の周縁との間に挟み込まれる、
工具保持装置。
【請求項2】
前記嵌合位置に位置する前記球体に前記スライド板を常に押し付ける力は、前記軸部の軸方向の力成分を含む、
請求項1に記載の工具保持装置。
【請求項3】
前記嵌合位置に位置する前記球体に前記スライド板を常に押し付ける力は、前記軸部の径方向の内向きの力成分を含む、
請求項1又は2に記載の工具保持装置。
【請求項4】
前記第1弾性体と前記第2弾性体は、別部材である
請求項1~3の何れか1項に記載の工具保持装置。
【請求項5】
前記スライド板は、前記第2弾性体と前記球体との間に挟まれる、
請求項1~4の何れか1項に記載の工具保持装置。
【請求項6】
前記工具ホルダは、前記球体が前記嵌合位置から前記軸部の径方向外側への移動を規制する移動規制部を有し、
前記球体保持孔は、前記軸部の軸方向に長い長孔であり、
前記球体は、前記軸方向孔に挿入された前記先端工具によって、前記球体保持孔の長手方向に沿って前記移動規制部よりも前記軸方向孔の奥側に移動されてから前記軸部の径方向外側に移動される、
請求項1~5の何れか1項に記載の工具保持装置。
【請求項7】
前記球体保持孔は、前記周壁部の周方向に並ぶように複数設けられ、
前記球体は、前記複数の球体保持孔の各々に1つずつ配置されている、
請求項1~6の何れか1項に記載の工具保持装置。
【請求項8】
請求項1~7の何れか1項に記載の工具保持装置と、
前記工具保持装置を駆動させる電動機と、を備える
電動工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、工具保持装置及び電動工具に関し、より詳細には、先端部に先端工具が挿入可能な軸部を有する工具保持装置、及び、この工具保持装置を備える電動工具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の作業工具(電動工具)は、ビット保持部材(軸部)、係合部材(球体)、筒状の操作部材(工具ホルダ)、及び、付勢部材(第1弾性体)を有する。工具ビット(先端工具)のビット装着孔(軸方向孔)への挿入時には、係合部材は、付勢部材の付勢力に抗して、操作部材を規制位置から規制解除位置側へと移動させる。これにより、工具ビットの更なる挿入動作が許容される。そして、工具ビットがビット装着孔内の所定位置まで挿入されると、付勢部材の付勢力によって、操作部材が規制解除位置側から規制位置に戻される。これに伴って、係合部材が工具ビットのロック溝(凹部)に係合する。この係合状態では、係合部材が操作部材と係合することで、工具ビットの引き抜きが規制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-198755
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の作業工具では、作業工具が発生する振動によって、操作部材が意図せずに規制位置から規制解除位置に移動して、工具ビットがビット装着孔から抜ける場合がある。
【0005】
本開示は、工具ホルダが意図せずに規制解除位置に移動しても、先端工具が工具保持装置から不用意に外れることを抑制できる工具保持装置及び電動工具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る工具保持装置は、軸部と、球体と、工具ホルダと、第1弾性体と、スライド板と、第2弾性体と、を備える。前記軸部は、先端部に先端工具が挿入可能な軸方向孔が設けられると共に前記軸方向孔を囲む周壁部に球体保持孔が設けられている。前記球体は、前記球体保持孔内の嵌合位置に位置する状態で前記軸方向孔の内部に突出して、前記軸方向孔に挿入された前記先端工具の凹部に嵌る。前記工具ホルダは、前記軸部の外周に配置され、前記軸部の軸方向に沿って規制位置と規制解除位置との間を移動可能である。前記工具ホルダは、前記規制位置では、前記球体が前記嵌合位置から前記軸部の径方向の外側に移動することを規制し、前記規制解除位置では、前記球体が前記嵌合位置から前記軸部の径方向の外側に移動することを許容する。前記第1弾性体は、前記工具ホルダを前記規制解除位置の側から前記規制位置へと付勢する。前記スライド板は、前記球体における前記先端部の側とは反対側に配置され、前記軸部の軸方向に移動可能である。前記第2弾性体は、付勢力によって、前記嵌合位置に位置する前記球体に前記スライド板を常に押し付けることで、前記スライド板によって前記球体を前記嵌合位置に保持させる。前記球体保持孔は、前記周壁部の厚さ方向に貫通している。前記球体保持孔は、内側開口と、外側開口とを有する。前記内側開口は、前記軸部の内周面に形成されている。前記外側開口は、前記軸部の外周面に形成されている。前記スライド板は、前記先端部の側の面と前記軸部の側の面とで構成される角部を有する。前記球体が前記嵌合位置に位置する状態では、前記スライド板は、前記スライド板の前記角部が前記球体の表面に接触することで、前記球体に押し付けられている。この押し付けによって、前記球体は、前記軸方向において前記角部と前記球体保持孔の内周側面における前記軸部の前記先端部の側の面との間に挟み込まれ、前記径方向において前記角部と前記球体保持孔の前記内側開口の周縁との間に挟み込まれる。
【0007】
本開示の一態様の電動工具は、上記の一態様の工具保持装置と、前記工具保持装置を駆動させる電動機と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、工具ホルダが意図せずに規制解除位置に移動しても、先端工具が工具保持装置から不用意に外れることを抑制できる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る電動工具の構成を模式的に示す構成概略図である。
図2図2は、同上の電動工具のチャックを示す断面図である。
図3図3は、図2の部分拡大図である。
図4図4A及び図4Bは、同上の電動工具において先端工具を装着するときの動作を説明する断面図である。
図5図5A及び図5Bは、同上の電動工具において先端工具を取り外すときの動作を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態に係る電動工具について、図面を用いて説明する。ただし、下記の実施形態は、本開示の様々な実施形態の1つに過ぎない。下記の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、下記の実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0011】
(1)電動工具
図1に示すように、本実施形態に係る電動工具10は、先端工具105を着脱可能に装着するチャックを構成する工具保持装置1を備えている。また、電動工具10は、モータ104(電動機)と、電源101と、駆動伝達部102と、出力部103と、先端工具105と、トリガスイッチ106と、制御回路107とを更に備えている。電動工具10は、先端工具105をモータ104の駆動力で駆動(回転駆動又はインパクト駆動)する工具である。回転駆動とは、先端工具105をその軸周りに回転させる駆動である。インパクト駆動とは、先端工具105に対してその軸方向に衝撃を与える駆動である。
【0012】
モータ104は、先端工具105を駆動する駆動源である。モータ104は、例えばブラシレスモータである。モータ104の駆動力が駆動伝達部102及び出力部103を介して工具保持装置1に伝達することで、工具保持装置1は、モータ104の駆動力で駆動される。電源101は、モータ104を駆動する電流を供給する直流電源である。電源101は、例えば、1又は複数の2次電池を含む。駆動伝達部102は、モータ104の出力(駆動力)を調整して出力部103に出力する。出力部103は、駆動伝達部102から出力された駆動力で駆動される部分である。工具保持装置1は、出力部103に同軸上に固定されており、先端工具105が着脱自在に取り付けられる部分である。先端工具(ビットとも言う)105は、例えば、ドライバ、ソケット又はドリル等である。各種の先端工具105のうち用途に応じた先端工具105が、工具保持装置1に取り付けられて用いられる。
【0013】
トリガスイッチ106は、モータ104の回転を制御するための操作を受け付ける操作部である。トリガスイッチ106を引き込む操作により、モータ104のオンオフが切替可能である。また、トリガスイッチ106を引き込む操作の操作量で、出力部103の回転速度、つまりモータ104の回転速度が調整可能である。制御回路107は、トリガスイッチ106に入力された操作に応じて、モータ104を回転又は停止させ、また、モータ104の回転速度を制御する。この電動工具10では、先端工具105が工具保持装置1に取り付けられる。そして、トリガスイッチ106への操作によってモータ104の回転速度が制御されることで、先端工具105が駆動される。
【0014】
(2)工具保持装置
図2図5を参照して、工具保持装置1について説明する。図2図5では、アンビル2の軸方向L1を紙面左右方向とし、アンビル2の径方向L2を紙面上下方向としている。アンビルの先端部2a側を工具保持装置1の前側とし、アンビル2の基端部側(先端部2a側とは反対側)を工具保持装置1の後側としている。なお、このような方向及び向きの設定は、工具保持装置1の機能を限定するものではない。
【0015】
図2に示すように、工具保持装置1は、アンビル2(軸部)、鋼球3(球体)、工具ホルダ4、第1スライド板5、第2スライド板6(スライド板)、第1弾性体7、第2弾性体8、及び、係止リング9を備えている。
【0016】
アンビル2は、先端工具105が挿入される部材である。アンビル2は、出力軸103に同軸上に固定される。アンビル2は、例えば有底の筒状である。アンビル2は、軸方向孔21、鋼球保持孔22(球体保持孔)、及びストッパー部23を有する。
【0017】
先端工具105は、例えば断面6角形の棒状である。先端工具105の外周面には、先端工具105の周方向全体にわたって、凹部105aが設けられている。
【0018】
軸方向孔21は、先端工具105が挿脱可能に挿入される有底の孔である。軸方向孔21は、アンビル2の先端部2aに設けられている。軸方向孔21は、アンビル2の軸方向L1に沿って一定の深さに形成されている。軸方向孔21における軸方向L1に直交する断面は、先端工具105の断面形状(例えば6角形)と同形同大の形状である。
【0019】
鋼球保持孔22は、鋼球3が保持される孔である。鋼球保持孔22は、軸方向L1に長い長孔である。鋼球保持孔22は、軸方向孔21を囲む周壁部24に設けられている。鋼球保持孔22は、周壁部24の厚さ方向(すなわちアンビル2の径方向L2)に貫通している。鋼球保持孔22の内側開口22aは、アンビル2の内周面(すなわち軸方向孔21の内周面)で開口し、鋼球保持孔22の外側開口22bは、アンビル2の外周面で開口している。鋼球保持孔22の内側開口22aの周方向幅は、鋼球3の直径よりも小さく、鋼球保持孔22の外側開口22bの周方向幅は、鋼球3の直径よりも大きい。これにより、鋼球3は、鋼球保持孔22の外側開口22bから鋼球保持孔22内に出入り可能であり、鋼球保持孔22から軸方向孔21に落ちることが防止される。なお、上記の周方向幅の周方向は、アンビル2の周方向である。
【0020】
本実施形態では、鋼球保持孔22は2つ設けられている。2つの鋼球保持孔22は、アンビル2の周方向に等間隔に並ぶように設けられている。なお、鋼球保持孔22の個数は、2つであるが、1つであっても3つ以上であってもよい。
【0021】
鋼球3は、鋼球保持孔22内に保持された状態で、軸方向孔21に挿入された先端工具105の凹部105aに嵌り合うことで、先端工具105を軸方向孔21から抜けなくする部材である。より詳細には、鋼球3は、鋼球保持孔22内の嵌合位置P1に位置する状態で、鋼球保持孔22の内側開口22aから軸方向孔21の内部に突出して、軸方向孔21に挿入された先端工具105の凹部105aに嵌り合う。本実施形態では、嵌合位置P1は、鋼球3が鋼球保持孔22の内周側面の前面22cに接触するときの鋼球3の中心Q1の位置である。
【0022】
ストッパー部23は、工具ホルダ4及び第2弾性体8がアンビル2の基端部側(先端部2aとは反対側)に移動することを規制する部分である。ストッパー部23は、アンビル2の外周面において、アンビル2の外周側に突出するように設けられている。ストッパー部23は、アンビル2の周方向全体にわたって設けられている。
【0023】
工具ホルダ4は、手動で、工具保持装置1の状態を工具固定状態又は固定解除状態に切り替えるための部材である。工具固定状態は、先端工具105を軸方向孔21に固定する状態(すなわち先端工具105を軸方向孔21から抜けなくする状態)である。固定解除状態は、軸方向孔21に対する先端工具105の固定を解除する状態(すなわち先端工具105を軸方向孔21から抜けるようにする状態)である。なお、先端工具105を軸方向孔21に固定するとは、軸方向孔21が形成される周壁部24に先端工具105を固定することである。
【0024】
工具ホルダ4は、ホルダ本体41と移動規制部42とを有する。
【0025】
ホルダ本体41は、工具ホルダ4の本体であり、筒状である。移動規制部42は、鋼球3が嵌合位置P1から径方向L2の外側に移動することを規制する部分である。移動規制部42は、ホルダ本体41の内周面からホルダ本体41の内部に突出するように、ホルダ本体41の内周面に設けられている。移動規制部42は、ホルダ本体41の内周面の周方向全体にわたって設けられている。移動規制部42の内周面42cは軸方向L1に平行である。
【0026】
ホルダ本体41は、アンビル2の外周を囲むように配置されている。ホルダ本体41は、手動で、アンビル2の軸方向L1に沿って、規制位置P3と規制解除位置P4(図5参照)との間を移動可能である。
【0027】
規制位置P3は、鋼球3が嵌合位置P1から径方向L2の外側に移動することを規制する位置である。より詳細には、規制位置P3は、移動規制部42が、径方向L2において嵌合位置P1と重なる位置である。ホルダ本体41が規制位置P3に位置する状態では、移動規制部42の内端面42cが、嵌合位置P1に位置する鋼球3における径方向L2の外側の最端部に接触する。これにより、鋼球3が嵌合位置P1から径方向L2の外側に移動することが規制される。本実施形態では、ホルダ本体41が規制位置P3に位置する状態では、ホルダ本体41の基端部41dはストッパー部23に接触する。
【0028】
規制解除位置P4は、鋼球3が嵌合位置P1から径方向L2の外側に移動することを許容する位置である。より詳細には、規制解除位置P4は、移動規制部42が、径方向L2において嵌合位置P1に位置する鋼球3と重ならない位置である(図5参照)。本実施形態では、規制解除位置P4は、軸方向L1において、規制位置P3から先端部2a側に一定距離離れた位置である。ホルダ本体41が規制解除位置P4に位置する状態では、嵌合位置P1に位置する鋼球3は、移動規制部42から径方向L2の規制を受けない。このため、鋼球3は、嵌合位置P1から径方向L2の外側に移動可能である。
【0029】
ホルダ本体41が規制位置P3に移動すると、工具保持装置1の状態が工具固定状態になり、ホルダ本体41が規制解除位置P4に移動すると、工具保持装置1の状態が固定解除状態になる。
【0030】
ホルダ本体41は、第1収容部411と第2収容部412とを有する。
【0031】
第1収容部411は、移動規制部42の前面42aとホルダ本体41の内周面の前半部41aとで構成される。第1収容部411は、第1弾性体7及び第1スライド板5を収容する。
【0032】
第2収容部412は、移動規制部42の後面42bとホルダ本体41の内周面の後半部41bとで構成される。第2収容部412は、第2弾性体8及び第2スライド板6を収容する。第2収容部412は、鋼球収容部S1を有する。鋼球収容部S1は、第2収容部412の一部であり、鋼球保持孔22から押し出された鋼球3を収容する。鋼球収容部S1は、移動規制部42の後面42bに隣接する鋼球1個分の空間である。鋼球3が鋼球収容部S1内に収容された状態での鋼球3の中心Q1の位置を非嵌合位置P2と記載する(図4参照)。すなわち、工具ホルダ4は、嵌合位置P1及び非嵌合位置P2の何れかの位置に鋼球3を保持可能に構成されている。なお、鋼球収容部S1が鋼球3を収容するとは、鋼球3の全体又は大部分が鋼球収容部S1に入る必要はなく、鋼球3の少なくとも一部が鋼球収容部S1に入ればよい。
【0033】
係止リング9は、第1弾性体7がアンビル2の先端部2a側に移動することを規制する部材であり、例えばC字形のリングである。係止リング9は、アンビル2の外周面の先端部2a付近に設けられている。アンビル2の外周面には、環状の位置決め溝が周方向に沿って設けられている。係止リング9は、位置決め溝に嵌められることで、アンビル2の外周面の先端部2a付近に設けられている。
【0034】
第1弾性体7は、工具ホルダ4を規制解除位置P4の側から規制位置P3へと付勢する部材である。これにより、手動で工具ホルダ4が規制解除位置P4まで移動された後、工具ホルダ4から手が離されると、第1弾性体7によって、工具ホルダ4が規制位置P3に自動的に戻る。本実施形態では、第1弾性体7は、工具ホルダ4を、アンビル2の先端部2a側からストッパー部23に接触させるように付勢する。
【0035】
第1弾性体7は、例えば圧縮コイルばねである。第1弾性体7は、鋼球3の前側においてアンビル2の外周を囲むように配置されている。第1弾性体7は、工具ホルダ4の第1収容部411内に収容されている。第1弾性体7は、移動規制部42の前面42aと係止リング9との間に圧縮反発状に配置されている。第1弾性体7と係止リング9との間には、第1スライド板5が配置されている。第1スライド板5は、円環板状である。第1スライド板5は、アンビル2の外周を囲むように配置されている。第1弾性体7の圧縮反発力(付勢力)によって、移動規制部42の前面42aが後方に押されることで、工具ホルダ4が規制位置P3へと付勢される。
【0036】
第2スライド板6は、第2弾性体8の付勢力を鋼球3に効果的に伝搬するための部材である。第2スライド板6は、例えば円環板状である。第2スライド板6は、鋼球3の後側においてアンビル2の外周を囲むように配置されている。第2スライド板6は、工具ホルダ4の第2収容部412内に配置されている。第2スライド板6は、アンビル2の軸方向L1に移動可能である。第2スライド板6は、第2弾性体8と鋼球3との間に挟まれている。
【0037】
第2弾性体8は、第2スライド板6を鋼球3に常に押し付ける部材である。第2弾性体8は、例えば圧縮巻きばねである。第2弾性体8は、鋼球3の後側においてアンビル2の外周を囲むように配置されている。第2弾性体8は、第1弾性体7とは別部材である。第2弾性体8は、工具ホルダ4の第2収容部412内に収容されている。第2弾性体8は、ストッパー部23と第2スライド板6との間に圧縮反発状に配置されている。第2弾性体8は、その圧縮反発力(付勢力)によって、第2スライド板6を軸方向L1の前方に付勢する。これにより、第2スライド板6が、嵌合位置P1に位置する鋼球3に押し付けられる。
【0038】
第2弾性体8は、その圧縮反発力によって、嵌合位置P1に位置する鋼球3に第2スライド板6を常に押し付ける。これにより、第2スライド板6によって、嵌合位置P1に位置する鋼球3が、常に、鋼球保持孔22の前面22cとの間で挟み込まれて嵌合位置P1に保持される。鋼球3が嵌合位置P1に位置する状態では、第2スライド板6は、その前側内角部6aが鋼球3の表面に接触することで、鋼球3に押し付けられる(図3参照)。前側内角部6aは、第2スライド板6の内周面と前面とが成す角部である。
【0039】
より詳細には、第2スライド板6は、鋼球3の表面のうち、鋼球3の中心Q1よりも上の位置に接触する(図3参照)。これにより、嵌合位置P1に位置する鋼球3に第2スライド板6が押し付けられる力F1は、軸方向L1前向きの力成分F2と径方向L2内向きの力成分F3とを含む。すなわち、第2弾性体8は、第2スライド板6を、嵌合位置P1に位置する鋼球3に対して、軸方向L1の前向きに押し付けると共に径方向L2の内向きに押し付ける。なお、力F1が力成分F3を含むのは、鋼球3から径方向L2の外向きの力を受け、それに抗して鋼球3に押し付けられるからである。上記のように第2スライド板6が鋼球3に対して軸方向L1の前向きに押し付けられることで、第2スライド板6によって、鋼球3が、鋼球保持孔22の前面22cとの間で挟み込まれて、効果的に嵌合位置P1に保持される。また、上記のように第2スライド板6が鋼球3に対して径方向L2の内向きに押し付けられることで、第2スライド板6によって、鋼球3が、鋼球保持孔22の下側開口(すなわち径方向L2の内側の開口)22aの周縁との間で挟み込まれる。これにより、更に効果的に嵌合位置P1に保持される。
【0040】
第2弾性体8は、その圧縮反発力によって、非嵌合位置P2に位置する鋼球3に第2スライド板6を常に押し付ける。これにより、第2スライド板6によって、鋼球3が非嵌合位置P2から嵌合位置P1に戻される。
【0041】
次に図2図4A及び図4Bを参照して、工具保持装置1における先端工具105の着脱方法を説明する。
【0042】
まず、工具保持装置1に先端工具105を装着する場合の動作を説明する。図2に示すように、工具保持装置1では、先端工具105が装着されていない状態で、鋼球3は嵌合位置P1に位置し、工具ホルダ4は規制位置P3に位置し、第2スライド板6は、第2弾性体8の圧縮反発力によって鋼球3に常に押し付けられている。この状態で、先端工具105がアンビル2の軸方向孔21に挿入される。
【0043】
そして、図4Aに示すように、先端工具105が軸方向孔21に挿入されると、先端工具105が、軸方向孔21の内部に突出した鋼球3に接触して、更に軸方向孔21の奥に挿入される。これにより、鋼球3は、先端工具105によって、第2弾性体8の圧縮反発力に抗して、嵌合位置P1から、鋼球保持孔22の長手方向(軸方向L1)に沿って、移動規制部42よりも後方に移動される。さらに、鋼球3は、先端工具105によって、径方向L2の外側に持ち上げられて、第2収容部412内の非嵌合位置P2に移動させる。
【0044】
そして、図4Bに示すように、先端工具105が更に軸方向孔21の奥に挿入されて、径方向L2において、先端工具105の凹部105aと嵌合位置P1とが重なると、第2弾性体8の圧縮反発力によって、鋼球3が非嵌合位置P2から嵌合位置P1に戻される。そして、鋼球3が軸方向孔21の内部に突出して、先端工具105の凹部105aに嵌る。これにより、先端工具105が工具保持装置1に装着される。
【0045】
この装着状態では、鋼球3は、移動規制部42によって、径方向L2外向きの移動が規制されている。また、第2弾性体8の圧縮反発力によって、嵌合位置P1に位置する鋼球3に第2スライド板6が常に押し付けられることで、第2スライド板6によって鋼球3が嵌合位置P1に常に保持されている。このように鋼球3が規制及び保持されることで、鋼球3が先端工具105の凹部105aに嵌った状態が維持されて、先端工具105が軸方向孔21から抜けなくなる。すなわち、工具保持装置1の状態が工具固定状態になる。
【0046】
また、上記のように、先端工具105を軸方向孔21に挿入するとき、鋼球3は、先端工具105によって、鋼球保持孔22の長手方向(軸方向L1)に沿って移動規制部42よりも後側(すなわち軸方向孔21の奥側)に移動されてから径方向L2の外側に移動される。これにより、工具ホルダ4が規制位置P3から前方に移動することなく、鋼球3が先端工具105の凹部105aから外される。すなわち、工具ホルダ4が規制位置P3から前方に移動することなく、先端工具105が工具保持装置1に装着される。
【0047】
次に、先端工具105が工具保持装置1に装着された状態で、工具保持装置1に振動が加わった場合の動作を説明する。この動作は、例えば、電動工具10が先端工具105にインパクトを与える場合などを想定する。工具保持装置1が振動すると、この振動によって、工具ホルダ4が意図せずに規制位置P3から規制解除位置P4に移動する場合がある(図4A参照)。工具ホルダ4が規制解除位置P4に移動すると、移動規制部42が、嵌合位置P1に位置する鋼球3よりも前方に移動するため、鋼球3が嵌合位置P1から径方向L2の外側に移動可能になる。
【0048】
しかし、本実施形態では、第2弾性体8の圧縮反発力によって、嵌合位置P1に位置する鋼球3に第2スライド板6が常に力F1で押し付けられている。これにより、鋼球3は、第2スライド板6によって常に嵌合位置P1に保持されている。その際、力F1は、軸方向L1の前側の力成分F2を含むため、第2スライド板6によって、鋼球3が、鋼球保持孔22の前面22cとの間に挟み込まれて効果的に嵌合位置P1に保持されている。また、力F1は、径方向L2の内向きの力成分F3を含むため、第2スライド部6によって、鋼球3が、鋼球保持孔22の内側開口22aの周縁との間で挟み込まれて更に効果的に嵌合位置P1に保持されている。
【0049】
このように、工具ホルダ4が意図せずに規制位置P3から規制解除位置P4に移動しても、鋼球3が第2スライド板6によって嵌合位置P1に保持されている。このため、鋼球3が嵌合位置P1から径方向L2の外側に不用意に移動することが抑制される。この結果、先端工具105が軸方向孔21から不用意に抜けることが抑制される。すなわち、工具ホルダ4が意図せずに規制位置P3から規制解除位置P4に移動しても、先端工具105が工具保持装置1から不用意に外れることが抑制できる。
【0050】
次に図2図5A及び図5Bを参照して、工具保持装置1から先端工具105を取り外す場合の動作を説明する。
【0051】
図5Aに示すように、手動で、第1弾性体7の圧縮反発力に抗して、工具ホルダ4を軸方向L1に沿って規制位置P3から規制解除位置P4に移動させる。この移動により、移動規制部42が、嵌合位置P1に位置する鋼球3よりも前側に移動される。
【0052】
そして、図5Bに示すように、工具ホルダ4が規制解除位置P4に位置する状態で、先端工具105を軸方向孔21から一定以上の力で引き出す。これにより、先端工具105によって、第2弾性体8の圧縮反発力に抗して、鋼球3が、嵌合位置P1から径方向L2の外側に持ち上げられて非嵌合位置P2に移動されて、先端工具105の凹部105aから外れる。そして、先端工具105が軸方向孔21から完全に引き抜かれる。このように、工具保持装置1から先端工具105が取り外される。
【0053】
そして、図2に示すように、工具ホルダ4から手を離して工具ホルダ4を解放する。これにより、第2弾性体8の圧縮反発力によって、鋼球が非嵌合位置P2から嵌合位置P1に戻される。また、工具ホルダ4が、第1弾性体7の圧縮反発力によって、規制解除位置P4から規制位置P3に戻される。
【0054】
以上、本実施形態に係る電動工具10によれば、第2弾性体8の圧縮反発力(付勢力)によって、嵌合位置P1に位置する鋼球3に第2スライド板6が常に押し付けられることで、第2スライド板6によって鋼球3が嵌合位置P1に保持される。このため、工具ホルダ4が意図せずに規制解除位置P4に移動しても、先端工具105が工具保持装置1から不用意に外れることを抑制できる。
【0055】
また、第1弾性体7と第2弾性体8は、別部材である。このため、第1弾性体7及び第2弾性体8の各々の圧縮反発力を個別に調整可能である。これにより、工具ホルダ4を軸方向L1に移動させるための操作力(すなわと第1弾性体7の反発圧縮力)を大きくせずに、嵌合位置P1に位置する鋼球3に第2スライド板6を常に押し付ける力F1(すなわち第2弾性体8の圧縮反発力)だけを大きくできる。この結果、工具ホルダ4の操作性を低下させることなく、嵌合位置P1に位置する鋼球3にスライド板6をより強く押し付けることができる。
【0056】
また、第2スライド板6は、第2弾性体8と鋼球3との間に挟まれることで、第2弾性体8及び鋼球3から引っ張り張力を受けない。このため、第2スライド板6が破損することを抑制できる。
【0057】
(まとめ)
第1の態様の工具保持装置(1)は、軸部(2)と、球体(3)と、工具ホルダ(4)と、第1弾性体(7)と、スライド板(6)と、第2弾性体(8)と、を備える。軸部(2)は、先端部(2a)に先端工具(105)が挿入可能な軸方向孔(21)が設けられると共に軸方向孔(21)を囲む周壁部(24)に球体保持孔(22)が設けられている。球体(3)は、球体保持孔(22)内の嵌合位置(P1)に位置する状態で軸方向孔(21)の内部に突出して、軸方向孔(21)に挿入された先端工具(105)の凹部(105a)に嵌る。工具ホルダ(4)は、軸部(2)の外周に配置され、軸部(2)の軸方向(L1)に沿って規制位置(P3)と規制解除位置(P4)との間を移動可能である。工具ホルダ(4)は、規制位置(P3)では、球体(3)が嵌合位置(P1)から軸部(2)の径方向(L2)の外側に移動することを規制し、規制解除位置(P4)では、球体(3)が嵌合位置(P1)から軸部(2)の径方向(L2)の外側に移動することを許容する。第1弾性体(7)は、工具ホルダ(4)を規制解除位置(P4)の側から規制位置(P3)へと付勢する。スライド板(6)は、球体(3)における先端部(2a)の側とは反対側に配置され、軸部(2)の軸方向(L1)に移動可能である。第2弾性体(8)は、付勢力によって、嵌合位置(P1)に位置する球体(3)にスライド板(6)を常に押し付けることで、スライド板(6)によって球体(3)を嵌合位置(P1)に保持させる。
【0058】
この構成によれば、第2弾性体(8)の付勢力によって、嵌合位置(P1)に位置する球体(3)にスライド板(6)が常に押し付けられることで、スライド板(6)によって球体(3)が嵌合位置(P1)に保持される。このため、工具ホルダ(4)が意図せずに規制位置(P3)から規制解除位置(P4)に移動しても、先端工具(105)が軸方向孔(21)から不用意に抜けること(すなわち先端工具(105)が工具保持装置(1)から不用意に外れること)を抑制できる。
【0059】
第2の態様の工具保持装置(1)では、第1の態様において、嵌合位置(P1)に位置する球体(3)にスライド板(6)を常に押し付ける力(F1)は、軸部(2)の軸方向(L1)の力成分(F2)を含む。
【0060】
この構成によれば、スライド板(6)によって、球体(3)を、球体保持孔(22)の前面(22c)との間で挟み込むことで嵌合位置(P1)に効果的に保持できる。
【0061】
第3の態様の工具保持装置(1)では、第1又は第2の態様において、嵌合位置(P1)に位置する球体(3)にスライド板(6)を常に押し付ける力(F1)は、軸部(2)の径方向(L2)の内向きの力成分(F3)を含む。
【0062】
この構成によれば、スライド板(6)によって、球体(3)を、球体保持孔(22)における径方向(L2)の内側の開口(22a)の縁部との間で挟み込むことで嵌合位置(P1)に効果的に保持できる。
【0063】
第4の態様の工具保持装置(1)では、第1~3の何れか1つの態様において、第1弾性体(7)と第2弾性体(8)は、別部材である。
【0064】
この構成によれば、工具ホルダ(4)を移動させるための操作力(すなわち第1弾性体(7)の付勢力)を大きくさせずに、嵌合位置(P1)に位置する球体(3)にスライド板(6)を押し付ける力(F1)(すなわち第2弾性体(8)の付勢力)だけをより大きくできる。
【0065】
第5の態様の工具保持装置(1)では、第1~4の何れか1つの態様において、スライド板(6)は、第2弾性体(8)と球体(3)との間に挟まれる。
【0066】
この構成によれば、スライド板(6)は、第2弾性体(8)と球体(3)との間に挟まれることで、引っ張り張力を受けない。このため、スライド板(6)が破損することを抑制できる。
【0067】
第6の態様の工具保持装置(1)では、第1~5の何れか1つの態様において、工具ホルダ(4)は、球体(3)が嵌合位置(P1)から軸部(2)の径方向(L2)の外側への移動を規制する移動規制部(42)を有する。球体保持孔(22)は、軸部(2)の軸方向(L1)に長い長孔である。球体(3)は、軸方向孔(21)に挿入された先端工具(105)によって、球体保持孔(22)の長手方向に沿って移動規制部(42)よりも軸方向孔(21)の奥側に移動されてから軸部(2)の径方向(L2)外側に移動される。
【0068】
この構成によれば、工具ホルダ(4)を軸部(2)の軸方向(L1)に移動させない状態で、先端工具(105)を軸方向孔(21)に装着できる。
【0069】
第7の態様の工具保持装置(1)では、第1~6の何れか1つの態様において、球体保持孔(22)は、周壁部(24)の周方向に並ぶように複数設けられている。球体(3)は、複数の球体保持孔(22)の各々に1つずつ配置されている。
【0070】
この構成によれば、先端工具(105)を軸方向孔(21)に安定して固定できる。
【0071】
第8の態様の電動工具(10)は、第1~第7の態様の何れか1つの態様の工具保持装置(1)と、工具保持装置(1)を駆動させるモータ(104)と、を備える。
【0072】
この構成によれば、上記の工具保持装置(1)の効果を奏する電動工具(10)を提供できる。
【符号の説明】
【0073】
1 工具保持装置
2 アンビル(軸部)
2a 先端部
3 鋼球(球体)
4 工具ホルダ
5 第1スライド板
6 第2スライド板(スライド板)
7 第1弾性体
8 第2弾性体
21 軸方向孔
22 鋼球保持孔(球体保持孔)
22c 前面
24 周壁部
104 モータ(電動機)
105 先端工具
105a 凹部
F1 押し付ける力
F2 軸方向の力成分
F3 径方向の力成分
L1 軸方向
L2 径方向
P1 嵌合位置
P2 非嵌合位置
P3 規制位置
P4 規制解除位置
図1
図2
図3
図4
図5