(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-08
(45)【発行日】2024-08-19
(54)【発明の名称】配達物通知システム、及び、配達物通知方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0836 20230101AFI20240809BHJP
【FI】
G06Q10/0836
(21)【出願番号】P 2020143767
(22)【出願日】2020-08-27
【審査請求日】2023-04-17
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 亮輔
【審査官】阿部 潤
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-051820(JP,A)
【文献】特開2019-144796(JP,A)
【文献】特開2003-143304(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非住宅施設に設けられた配達物収容部における配達物の有無に関する第一情報を取得する配達物情報取得部と、
前記配達物の宛先に関する第二情報を取得する宛先情報取得部と、
前記非住宅施設における業務に従事する人に関する第三情報を取得する人情報取得部と、
取得された前記第一情報が前記配達物収容部に前記配達物が有ることを示す場合に、取得された前記第二情報
が示す前記宛先に相当するユーザーの、前記第三情報に基づいて定まる通知先に前記配達物に関する通知を行う通知部とを備え
、
前記第三情報には、前記非住宅施設内の所定の領域に入場するために必要な識別情報が含まれ、
前記通知部は、前記所定の領域への入場の際、又は、前記所定の領域からの退場の際に認証を行う第一認証部が、前記識別情報の認証に成功したことを契機に、前記通知を行う
配達物通知システム。
【請求項2】
前記通知部は、さらに、前記配達物が前記配達物収容部から取り出されたことを契機に、前記配達物の受け取りが完了したことを示す受取通知を行う
請求項1に記載の配達物通知システム。
【請求項3】
さらに、前記通知先を設定する通知先設定部を備え、
前記通知部は、前記通知先設定部によって設定された前記通知先であって、取得された前記第三情報に基づいて定まる前記通知先に前記通知を行う
請求項1
又は2に記載の配達物通知システム。
【請求項4】
前記通知先設定部は、前記非住宅施設における業務に従事する人のうち前記配達物の宛先に相当する人以外の人を前記通知先として設定可能である
請求項
3に記載の配達物通知システム。
【請求項5】
さらに、前記配達物収容部から前記配達物を取り出すための条件を設定する取出条件設定部を備える
請求項1~
4のいずれか1項に記載の配達物通知システム。
【請求項6】
前記配達物収容部は、第二認証部が前記配達物収容部によって取得された識別情報の照合に成功した場合に解錠され、
前記取出条件設定部は、前記条件として、前記第二認証部による識別情報の照合に用いられる照合用識別情報を設定する
請求項
5に記載の配達物通知システム。
【請求項7】
非住宅施設に設けられた配達物収容部における配達物の有無に関する第一情報を取得する配達物情報取得部と、
前記配達物の宛先に関する第二情報を取得する宛先情報取得部と、
前記非住宅施設における業務に従事する人に関する第三情報を取得する人情報取得部と、
取得された前記第一情報が前記配達物収容部に前記配達物が有ることを示す場合に、取得された前記第二情報が示す前記宛先に相当するユーザーの、前記第三情報に基づいて定まる通知先に前記配達物に関する通知を行う通知部と、
前記配達物収容部から前記配達物を取り出すための条件を設定する取出条件設定部とを備え、
前記配達物収容部は、第二認証部が前記配達物収容部によって取得された識別情報の照合に成功した場合に解錠され、
前記取出条件設定部は、前記条件として、前記第二認証部による識別情報の照合に用いられる照合用識別情報を設定し、
前記取出条件設定部は、前記非住宅施設における業務に従事する人のうち前記配達物の宛先に相当する人以外の人の識別情報を、前記照合用識別情報として設定可能である
配達物通知システム。
【請求項8】
非住宅施設に設けられた配達物収容部における配達物の有無に関する第一情報を取得する配達物情報取得部と、
前記配達物の宛先に関する第二情報を取得する宛先情報取得部と、
前記非住宅施設における業務に従事する人に関する第三情報を取得する人情報取得部と、
取得された前記第一情報が前記配達物収容部に前記配達物が有ることを示す場合に、取得された前記第二情報が示す前記宛先に相当するユーザーの、前記第三情報に基づいて定まる通知先に前記配達物に関する通知を行う通知部と、
前記配達物情報取得部、前記宛先情報取得部、前記人情報取得部、及び、前記通知部を含む第一サーバ
とを備え、
前記人情報取得部は、前記非住宅施設内の所定の領域への入場、及び、前記所定の領域からの退場を管理する第二サーバから提供される、前記第二サーバにあらかじめ記憶された前記第三情報を取得する
配達物通知システム。
【請求項9】
コンピュータシステムが実行する配達物通知方法であって、
非住宅施設に設けられた配達物収容部における配達物の有無に関する第一情報を取得する配達物情報取得ステップと、
前記配達物の宛先に関する第二情報を取得する宛先情報取得ステップと、
前記非住宅施設における業務に従事する人に関する第三情報を取得する人情報取得ステップと、
取得された前記第一情報が前記配達物収容部に前記配達物が有ることを示す場合に、取得された前記第二情報
が示す前記宛先に相当するユーザーの、前記第三情報に基づいて定まる通知先に前記配達物に関する通知を行う通知ステップとを含み、
前記第三情報には、前記非住宅施設内の所定の領域に入場するために必要な識別情報が含まれ、
前記通知ステップにおいては、前記所定の領域への入場の際、又は、前記所定の領域からの退場の際に認証を行う第一認証部が、前記識別情報の認証に成功したことを契機に、前記通知を行う
配達物通知方法。
【請求項10】
コンピュータシステムが実行する配達物通知方法であって、
非住宅施設に設けられた配達物収容部における配達物の有無に関する第一情報を取得する配達物情報取得ステップと、
前記配達物の宛先に関する第二情報を取得する宛先情報取得ステップと、
前記非住宅施設における業務に従事する人に関する第三情報を取得する人情報取得ステップと、
取得された前記第一情報が前記配達物収容部に前記配達物が有ることを示す場合に、取得された前記第二情報
が示す前記宛先に相当するユーザーの、前記第三情報に基づいて定まる通知先に前記配達物に関する通知を行う通知ステップと
、
前記配達物収容部から前記配達物を取り出すための条件を設定する取出条件設定ステップとを含み、
前記配達物収容部は、第二認証部が前記配達物収容部によって取得された識別情報の照合に成功した場合に解錠され、
前記取出条件設定ステップにおいては、前記条件として、前記第二認証部による識別情報の照合に用いられる照合用識別情報を設定し、
前記取出条件設定ステップにおいては、前記非住宅施設における業務に従事する人のうち前記配達物の宛先に相当する人以外の人の識別情報を、前記照合用識別情報として設定可能である
配達物通知方法。
【請求項11】
請求項
9又は10に記載の配達物通知方法を
前記コンピュータ
システムに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配達物通知システム、及び、配達物通知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、商品の通信販売の増大とともに宅配便の取扱個数は急伸しており、受け取り手が不在であることにより再配達が生じることが社会問題となっている。このような問題に対し、受け取り手が不在である場合に配送事業者の配達員が荷物を預けることができる宅配ロッカー(以下、宅配ボックスとも記載される)を設置する対策が考えられる。
【0003】
荷物の受け取りに関する技術として、特許文献1には、配送品受取箱と、ユーザが保有するユーザ端末機と、ユーザ端末機とネットワーク接続可能な配送元又は配送業者のサーバとを含む配送システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、ユーザへの配達物に関する通知を実現することができる配達物通知システム等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る配達物通知システムは、非住宅施設に設けられた配達物収容部における配達物の有無に関する第一情報を取得する配達物情報取得部と、前記配達物の宛先に関する第二情報を取得する宛先情報取得部と、前記非住宅施設における業務に従事する人に関する第三情報を取得する人情報取得部と、取得された前記第一情報が前記配達物収容部に前記配達物が有ることを示す場合に、取得された前記第二情報、及び、取得された前記第三情報に基づいて定まる通知先に前記配達物に関する通知を行う通知部とを備える。
【0007】
本発明の一態様に係る配達物通知方法は、非住宅施設に設けられた配達物収容部における配達物の有無に関する第一情報を取得する配達物情報取得ステップと、前記配達物の宛先に関する第二情報を取得する宛先情報取得ステップと、前記非住宅施設における業務に従事する人に関する第三情報を取得する人情報取得ステップと、取得された前記第一情報が前記配達物収容部に前記配達物が有ることを示す場合に、取得された前記第二情報、及び、取得された前記第三情報に基づいて定まる通知先に前記配達物に関する通知を行う通知ステップとを含む。
【0008】
本発明の一態様に係るプログラムは、前記配達物通知方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様に係る配達物通知システム等は、ユーザへの配達物に関する通知を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る配達物通知システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、実施の形態に係る配達物通知システムの初期設定動作のシーケンス図である。
【
図7】
図7は、実施の形態に係る配達物通知システムの、配達物が預け入れられるときの通知動作例1のシーケンス図である。
【
図8】
図8は、宅配ボックスのUI(User Interface)部に表示される初期画面の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、ユーザ選択操作に関する処理の詳細を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、実施の形態に係る配達物通知システムの、配達物が預け入れられるときの通知動作例2のシーケンス図である。
【
図12】
図12は、実施の形態に係る配達物通知システムの、配達物が取り出されるときの通知動作例のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0012】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化される場合がある。
【0013】
(実施の形態)
[構成]
まず、実施の形態に係る配達物通知システムの構成について説明する。
図1は、実施の形態に係る配達物通知システムの機能構成を示すブロック図である。
【0014】
図1に示されるように、配達物通知システム10は、非住宅の施設80において業務に従事するユーザに、当該ユーザ宛ての配達物が届いたことを通知することができるシステムである。施設80は、例えば、オフィスビル又は工場などである。非住宅の施設80内には、宅配ボックス50が設置されており、配達物通知システム10は、宅配ボックス50に当該ユーザ宛ての配達物が収容されていることを通知することができる。
【0015】
一般的に、宅配ボックス50のように不特定多数のユーザが利用する宅配ボックスを利用するためには、ユーザは、事前に利用登録などを行う必要がある。配達物通知システム10は、施設80内の所定の領域81(例えば、施設80内の特定の建物、特定のフロア、特定の部屋などであり、施設80そのものであってもよい)に入場するために必要なIDカードを、宅配ボックス50を解錠するための鍵としても用いる。これにより、施設80において業務に従事するユーザは、普段使用しているIDカードを用いて、事前の利用登録などをしなくても宅配ボックス50を利用することができる。
【0016】
配達物通知システム10は、具体的には、入退管理サーバ20と、入退管理装置30と、宅配管理サーバ40と、宅配ボックス50と、情報端末60とを備える。
【0017】
[入退管理サーバ]
まず、入退管理サーバ20について説明する。入退管理サーバ20は、施設80において業務に従事するユーザの所定の領域81への入場、及び、ユーザの所定の領域81からの退場を管理するサーバである。入退管理サーバ20は、例えば、施設80外に設置されたクラウドサーバであるが、施設80内に設置されたローカルサーバであってもよい。入退管理サーバ20は、第二サーバの一例である。入退管理サーバ20は、具体的には、通信部21と、情報処理部22と、記憶部23とを備える。
【0018】
通信部21は、入退管理サーバ20が、入退管理装置30、及び、宅配管理サーバ40などと、インターネットなどの広域通信ネットワーク70を介して通信を行うための通信回路(言い換えれば、通信モジュール)である。通信部21が行う通信の通信規格については特に限定されない。
【0019】
情報処理部22は、ユーザの所定の領域81への入場、及び、ユーザの所定の領域81からの退場を管理するための情報処理を行う。また、情報処理部22は、配達物に関する通知のための情報処理を行う。情報処理部22は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。
【0020】
情報処理部22は、取得部24と、通知部25と、第一認証部26を備える。取得部24は、着荷情報(後述)、取出情報(後述)、及び、ユーザ情報(後述)などの各種情報を取得する。通知部25は、取得部24によって取得された情報に基づいてユーザへの通知を行う。第一認証部26は、所定の領域81の出入り口に設置された入退管理装置30(カードリーダ31)がIDカードから読み取った識別情報を、通信部21を介して取得し、取得した識別情報が所定の領域81への入退場の権限を有するユーザの識別情報と一致するか否かの判定(つまり、認証)を行う。
【0021】
記憶部23は、情報処理部22が情報処理を行うために必要な各種情報、及び、コンピュータプログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部23は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)によって実現されるが、半導体メモリによって実現されてもよい。
【0022】
記憶部23には、例えば、施設80において業務に従事するユーザのユーザ情報が記憶される。
図2は、ユーザ情報の一例を示す図である。ユーザ情報は、言い換えれば、社員情報である。
図2に示されるように、ユーザ情報においては、ユーザの氏名、ユーザが属する部署、電話番号、メールアドレス、及び、ユーザが所持するIDカードに記録された識別情報などが対応付けられている。ユーザ情報は、施設80において業務に従事する人に関する第三情報の一例である。ユーザ情報は、例えば、あらかじめ登録(記憶)される。
【0023】
[入退管理装置]
次に、入退管理装置30について説明する。入退管理装置30は、所定の領域81の出入り口に設置され、出入り口に設けられた扉の施錠及び解錠を制御する。扉が自動ドアである場合、入退管理装置30は、扉の施錠及び解錠に加えて、または、扉の施錠及び解錠に代えて、扉の開閉を制御してもよい。入退管理装置30は、カードリーダ31と、提示部32とを備える。
【0024】
カードリーダ31は、IDカードから当該IDカードに記憶された識別情報を読み取る。読み取られた識別情報は、入退管理サーバ20へ送信され、入退管理サーバ20が備える第一認証部26が、読み取られた識別情報の認証に成功すると、入退管理装置30は、上記扉を解錠する。認証の成功とは、例えば、読み取った識別情報が、上述のユーザ情報に含まれる識別情報のいずれかに一致することを意味する。カードリーダ31は、例えば、近距離無線通信によってIDカードに内蔵されたICチップから識別情報を読み取るRFID(Radio Frequency IDentifier)リーダによって実現される。
【0025】
提示部32は、カードリーダ31に対してIDカードをかざしたユーザ宛てに配達物が届いている場合に提示(通知)を行う。提示部32は、例えば、LEDなどの発光素子によって実現され、発光により提示を行うが、提示部32は、スピーカ又はブザーなどの出音装置によって実現され、出音により提示を行ってもよい。また、提示部32は、液晶パネル又は有機ELパネルなどの表示パネルによって実現され、画像の提示を行ってもよい。
【0026】
[宅配管理サーバ]
次に、宅配管理サーバ40について説明する。宅配管理サーバ40は、宅配ボックス50の使用状況を管理するサーバである。宅配管理サーバ40は、例えば、施設80外に設置されたクラウドサーバであるが、施設80内に設置されたローカルサーバであってもよい。宅配管理サーバ40は、第一サーバの一例である。宅配管理サーバ40は、通信部41と、情報処理部42と、記憶部43とを備える。
【0027】
通信部41は、宅配管理サーバ40が、入退管理サーバ20、及び、宅配ボックス50などと、広域通信ネットワーク70を介して通信を行うための通信回路(言い換えれば、通信モジュール)である。通信部41が行う通信の通信規格については特に限定されない。
【0028】
情報処理部42は、宅配ボックス50の利用状況を管理するための情報処理を行う。また、情報処理部42は、配達物に関する通知のための情報処理を行う。情報処理部42は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。
【0029】
情報処理部42は、具体的には、通知先設定部44と、取出条件設定部45と、取得部46と、通知部47と、第二認証部48とを備える。これらの構成要素の詳細な機能については後述される。
【0030】
記憶部43は、情報処理部22が上記情報処理を行うために必要な各種情報、及び、コンピュータプログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部43は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)によって実現されるが、半導体メモリによって実現されてもよい。
【0031】
記憶部43には、例えば、宅配ボックス50の使用状態を示す管理情報が記憶される。
図3は、管理情報の一例を示す図である。
図3に示されるように、管理情報においては、宅配ボックス50が備える複数の収容部51の収容部IDと使用状態とが対応付けられている。使用状態には、例えば、「空き」、及び、「使用中」の2つの状態が含まれる。「空き」は、収容部51に配達物が入っていない(つまり、使用されていない)ことを意味し、「使用中」は、収容部51に配達物が入っている(つまり、使用されている)ことを意味する。
【0032】
[宅配ボックス]
次に、宅配ボックス50について説明する。宅配ボックス50は、配達物収容部の一例であり、宅配事業者の配達員が配達物(荷物)を預け入れるための装置である。宅配ボックス50は、言い換えれば、宅配ロッカーである。宅配ボックス50によれば、再配達の発生が抑制される。
図4は、宅配ボックス50の外観図である。
【0033】
図4に示されるように、宅配ボックス50は、複数の収容部51を備える。収容部51は、配達物が収容される1つの区画を規定する構造体であり、言い換えれば、収納庫である。収容部51には配達員又はユーザ(荷受人)によって開閉される扉が含まれる。このような宅配ボックス50は、施設80に設置される。
【0034】
また、
図1及び
図4に示されるように、宅配ボックス50は、通信部52と、UI部53と、カードリーダ54と、錠前装置55と、検出部56と、制御部57と、記憶部58とを備える。これらの構成要素のうち、錠前装置55及び検出部56は、複数の収容部51のそれぞれに設けられる。
【0035】
通信部52は、宅配ボックス50が宅配管理サーバ40と広域通信ネットワーク70を介して通信を行うための通信回路(言い換えれば、通信モジュール)である。通信部52が行う通信の通信規格については特に限定されない。
【0036】
UI部53は、ユーザの操作を受け付けるユーザインタフェース装置である。UI部53は、タッチパネル、及び、表示パネルによって実現される。
【0037】
カードリーダ54は、IDカードから当該IDカードに記憶された識別情報を読み取る。読み取った識別情報は、宅配管理サーバ40へ送信され、宅配管理サーバ40が備える第二認証部48が読み取った識別情報の認証に成功すると、制御部57は、複数の収容部51の一部の扉を解錠する。認証の成功とは、例えば、読み取った識別情報が、管理情報に含まれるユーザの識別情報のいずれかに一致することを意味する。カードリーダ54は、例えば、近距離無線通信によってIDカードに内蔵されたICチップから識別情報を読み取るRFIDリーダによって実現される。
【0038】
錠前装置55は、収容部51の扉を施錠及び解錠するための電気錠である。錠前装置55は、制御部57によって制御される。
【0039】
検出部56は、収容部51の扉の開閉を検出するセンサである。検出部56は、例えば、磁気式のセンサ(つまり、マグネットセンサ)であるが、光学式のセンサであってもよい。
【0040】
制御部57は、UI部53への画像の表示制御、及び、錠前装置55の制御などを行う制御装置である。制御部57は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。
【0041】
記憶部58は、制御部57が実行する制御プログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部58は、例えば、半導体メモリによって実現される。
【0042】
[情報端末]
次に、情報端末60について説明する。情報端末60は、ユーザが、配達物の通知に関する設定を行うために使用したり、当該通知を受けるために使用したりする情報端末である。情報端末60は、例えば、ノート型のパーソナルコンピュータ、スマートフォン、及び、タブレット端末などの携帯型の情報端末であるが、デスクトップ型のパーソナルコンピュータなどの据え置き型の情報端末であってもよい。
【0043】
[初期設定動作]
上述のように、配達物通知システム10は、施設80において業務に従事するユーザに、当該ユーザ宛ての配達物が届いたことを通知することができる。まず、この通知先の設定動作、及び、宅配ボックス50から配達物を取り出すための条件の設定動作(つまり、初期設定動作)について説明する。
図5は、初期設定動作のシーケンス図である。
【0044】
宅配管理サーバ40の通信部41は、入退管理サーバ20と定期的に通信し、入退管理サーバ20からユーザ情報(
図2)を取得する(S11)。取得されたユーザ情報は、記憶部43に記憶される(S12)。この通信は、例えば、1日に1回程度の頻度で行われる。つまり、記憶部23に記憶されたユーザ情報と、記憶部43に記憶されたユーザ情報とが毎日同期される。
【0045】
この状態で、ユーザA(施設80において業務に従事するユーザの任意の1人)は、情報端末60に対して通知先の設定操作を行い、情報端末60は、通知先の設定操作をユーザAから受け付ける(S13)。また、ユーザAは、情報端末60に対して宅配ボックス50から配達物を取り出すための条件(以下、取出条件とも記載される)の設定操作を行う。情報端末60は、取出条件の設定操作をユーザAから受け付ける(S14)。
【0046】
その後、情報端末60は、設定要求を宅配管理サーバ40へ送信する(S15)。宅配管理サーバ40の通信部41は、設定要求を受信し、通知先設定部44は、受信された設定要求に基づいて、ユーザA宛ての配達物が宅配ボックス50に収容された場合の通知先を設定する(S16)。通知先設定部44は、具体的には、設定要求が示す通知先の設定内容を設定情報として記憶部43に記憶する。
【0047】
同様に、取出条件設定部45は、受信された設定要求に基づいて、ユーザA宛ての配達物が宅配ボックス50に収容された場合の取出条件を設定する(S17)。取出条件設定部45は、具体的には、設定要求が示す取出条件の設定内容を設定情報として記憶部43に記憶する。
図6は、設定情報の一例を示す図である。上述のように、宅配ボックス50の収容部51は、第二認証部48が宅配ボックス50のカードリーダ54によって取得された識別情報の照合に成功した場合に解錠される。取出条件設定部45は、取出条件として、第二認証部48が、カードリーダ54が取得した識別情報を照合するために用いられる照合用識別情報を設定する。
【0048】
ユーザAは、ユーザA自身だけを通知先に設定することもできるし、ユーザ情報に含まれる任意の1人以上のユーザ(例えば、ユーザAを含めたユーザAと同じ部署に属するユーザ全員、など)を通知先に設定することもできる。つまり、通知先設定部44は、施設80における業務に従事する人のうち配達物の宛先に相当する人以外の人を通知先として設定可能である。
【0049】
また、ユーザAは、ユーザA自身だけが配達物を取り出せる(ユーザAのIDカードだけに宅配ボックス50の解錠権限が付与される)ように設定することもできるし、ユーザ情報に含まれる任意の1人以上のユーザが配達物を取り出せる(任意の1人以上のユーザのそれぞれのIDカードに宅配ボックス50の解錠権限が付与される)ように設定することもできる。つまり、取出条件設定部45は、施設80における業務に従事する人のうち配達物の宛先に相当する人以外の人の識別情報を、照合用識別情報として設定可能である。
【0050】
なお、通知先、及び、取出条件が設定されることは必須ではない。ユーザA宛ての配達物については、ユーザAのみが通知を受け、かつ、ユーザAのみが取り出せるように配達物通知システム10が構成される場合、このような設定は不要である。
【0051】
[配達物が預け入れられるときの通知動作例1]
次に、配達員が配達物を宅配ボックス50に預け入れるときの通知動作例1について説明する。
図7は、配達物が預け入れられるときの通知動作例1のシーケンス図である。
【0052】
宅配管理サーバ40の通信部41は、入退管理サーバ20と定期的に通信し、入退管理サーバ20からユーザ情報(
図2)を取得する(S21)。取得されたユーザ情報は、記憶部43に記憶される(S22)。ステップS21及びステップS22の処理は、ステップS11及びステップS12の処理と同様である。
【0053】
次に、宅配ボックス50のUI部53は、配達員から預入開始操作を受け付ける(S23)。宅配ボックス50のUI部53には、
図8のような初期画面が表示されており、預入開始操作には、初期画面に表示された「預入」を選択する操作が含まれる。
図8は、宅配ボックス50のUI部53に表示される初期画面の一例を示す図である。
【0054】
制御部57は、UI部53によって預入開始操作が受け付けられると、通信部52を用いて宅配管理サーバ40にユーザ情報を要求し、通信部52を介してユーザ情報を取得する(S24)。取得したユーザ情報は、記憶部58に記憶される。
【0055】
次に、UI部53は、配達員から配達物の宛先に相当するユーザの選択操作を受け付ける(S25)。この選択操作は、言い換えれば、配達物の荷札に記載された氏名を有するユーザをUI部に表示される画面上で選択する操作である。
図9は、ユーザ選択操作に関する処理の詳細を示すフローチャートである。
【0056】
UI部53によって宛先の指定方法を選択する操作が受け付けられると(S25a)、制御部57は、宛先の指定方法を判定する(S25b)。制御部57は、ステップS25aにおいて「五十音順(英語のアルファベット順に相当)」が選択されたと判定すると(S25aで「五十音順」)、ステップS24で取得されたユーザ情報のうち少なくともユーザの氏名を五十音順に並べて表示した選択画面をUI部53に表示させる(S25c)。これにより、配達員は、配達物の荷札に記載された氏名を有するユーザを選択することができる。つまり、UI部53は、配達員から配達物の宛先に相当するユーザの選択を受け付けることができる(S25f)。
【0057】
一方、制御部57は、ステップS25aにおいて「部署から指定」が選択されたと判定すると(S25aで「部署から指定」)、部署の一覧画面をUI部53に表示させる(S25d)。部署の一覧画面は階層構造を有している。配達員は、部署を順番に選択することで、最終的な部署に属するユーザの氏名の一覧画面に到達することにより、配達物の荷札に記載された氏名を有するユーザを選択することができる。つまり、UI部53は、配達員から配達物の宛先に相当するユーザの選択を受け付けることができる(S25f)。
【0058】
また、制御部57は、ステップS25aにおいて「検索」が選択されたと判定すると(S25aで「検索」)、検索画面(氏名、電話番号などの入力画面)をUI部53に表示させる(S25e)。配達員は、配達物の荷札に記載された氏名、電話番号などを検索画面に入力することで、配達物の荷札に記載された氏名を有するユーザを選択することができる。つまり、UI部53は、配達員から配達物の宛先に相当するユーザの選択を受け付けることができる(S25f)。
【0059】
以上のようなステップS25の処理の後、配達員は、宅配ボックス50が有する、使用されていない収容部51の扉を開けて配達物を入れ、扉を閉める。検出部56によってこのような扉の開閉が検出されると(S26)、制御部57は、扉の開閉が行われた収容部51の錠前装置55に扉を施錠させる(S27)。
【0060】
また、制御部57は、扉の開閉が行われた収容部51の収容部IDとその収容部51に収容されている配達物の宛先(つまり、ステップS25で選択されたユーザ)とを対応付けた着荷情報を生成し、生成した着荷情報を通信部52に宅配管理サーバ40へ送信させる(S28)。
【0061】
宅配管理サーバ40の通信部41は、着荷情報を受信し、取得部46は、受信された着荷情報を取得する(S29)。着荷情報は、宅配ボックス50に配達物があることを示す情報であることから、宅配ボックス50における配達物の有無に関する第一情報に相当する。また、着荷情報は、配達物の宛先に関する第二情報にも相当する。さらに、取得部46は、ユーザ情報(第三情報の一例)、及び、設定情報を記憶部43から取得する(S30)。
【0062】
次に、情報処理部42は、取得された着荷情報、ユーザ情報、及び、設定情報に基づいて、管理情報(
図3)を更新する(S31)。情報処理部42は、具体的には、着荷情報に含まれる収容部IDを特定し、管理情報において、特定した収容部IDに対応付けられた使用状態を「空き」から「使用中」に変更する。また、情報処理部42は、着荷情報によって特定される配達物の宛先に相当するユーザと、設定情報と、ユーザ情報とを互いに参照することにより、この配達物を取り出す権限を有する1以上のユーザの識別情報を、照合用識別情報として特定した収容部IDに対応付けて記憶する。
【0063】
例えば、収容部ID001に対応する収容部51にユーザA宛ての配達物が収容された場合、
図6の設定情報においてユーザAに対応する取出条件は「ユーザAと同じ部署のユーザ(ユーザAを含む)」である。このため、ユーザ情報によって特定される、ユーザAと同じ部署のユーザの識別情報が、収容部ID001に対応付けられる。この結果、
図3の管理情報は、
図10のように更新される。
図10は、更新後の管理情報の一例を示す図である。
【0064】
次に、通知部47は、取得された着荷情報、ユーザ情報、及び、設定情報に基づいて、着荷通知を行う(S32)。着荷通知は、配達物に関する通知であり、より詳細には、配達物が宅配ボックス50に収容されていること(配達物が届いたこと)の通知である。通知部47は、具体的には、着荷情報によって特定される配達物の宛先に相当するユーザと、設定情報と、ユーザ情報とを互いに参照することにより、着荷通知を行うべきユーザのメールアドレスを特定し、特定したメールアドレスに着荷通知を送信する。
【0065】
例えば、収容部ID001にユーザA宛ての配達物が収容された場合、
図6の設定情報においてユーザAに対応する通知先は「ユーザAと同じ部署のユーザ(ユーザAを含む)」である。このため、ユーザ情報によって特定される、ユーザAと同じ部署のユーザのメールアドレスのそれぞれに着荷通知が送信される。ユーザAと同じ部署のユーザのそれぞれは、例えば、情報端末60を介してメールを確認することにより、着荷通知を受けることができる。
【0066】
以上説明したように、配達物通知システム10は、取得された着荷情報が宅配ボックス50に配達物が有ることを示す場合に、取得された着荷情報、及び、取得されたユーザ情報に基づいて定まる通知先に配達物に関する通知を行う。配達物通知システム10は、入退管理システム(入退管理サーバ20、及び、入退管理装置30)においてあらかじめ登録されているユーザ情報を使用して、配達物に関する通知を実現することができる。つまり、ユーザは、配達物に関する通知を受けるための手続き(利用登録など)を省略又は簡略化することができ、手軽に通知を受けることができる。
【0067】
なお、宅配管理サーバ40により、着荷情報、及び、設定情報が入退管理サーバ20へ提供(送信)されれば、入退管理サーバ20が同様の着荷通知を行うこともできる。この場合、ステップS29及びステップS30と実質的に同一の処理が取得部24によって行われ、ステップS32の処理は、通知部47に代えて通知部25によって行われる。
【0068】
[配達物が預け入れられるときの通知動作例2]
上記通知動作例1では、情報端末60を介して通知が行われたが、入退管理装置30を介して通知が行われてもよい。
図11は、配達物が預け入れられるときの通知動作例2のシーケンス図である。
【0069】
まず、通知動作例1と同様にステップS21~ステップS31までの処理が行われる。その後、宅配管理サーバ40の情報処理部42は、取得部46によって取得された着荷情報を、通信部41に入退管理サーバ20へ送信させる(S33)。つまり、宅配管理サーバ40は、着荷情報を中継する。
【0070】
入退管理サーバ20の通信部21は、着荷情報を受信し、取得部24は、受信された着荷情報を取得する(S34)。着荷情報は、宅配ボックス50に配達物があることを示す情報であることから、宅配ボックス50における配達物の有無に関する第一情報に相当する。また、着荷情報は、配達物の宛先に関する第二情報にも相当する。さらに、取得部24は、ユーザ情報を記憶部23から取得する(S35)。
【0071】
次に、通知部25は、取得された着荷情報、及び、取得されたユーザ情報に基づいて、通知先のユーザを特定する(S36)。通知部25は、例えば、ユーザ情報において、着荷情報によって特定される配達物の宛先に相当するユーザ(以降、説明のためにユーザAとする)に対して、通知フラグ(通知の要否を示すフラグ)を立てておく。
【0072】
その後、このユーザAが入退管理装置30のカードリーダ31に自身のIDカードをかざすと、カードリーダ31は、IDカードに記録された識別情報を読み取り(S37)、入退管理装置30は、読み取った識別情報を含む認証要求を入退管理サーバ20へ送信する(S38)。
【0073】
入退管理サーバ20の通信部21は、認証要求を受信する。第一認証部26は、受信された認証要求に基づいて、認証を行う(S39)。第一認証部26は、具体的には、記憶部23に記憶されたユーザ情報に、認証要求に含まれる識別情報(ユーザAの識別情報)が含まれるかを判定する。この場合、ユーザ情報にユーザAの識別情報が含まれるので、第一認証部26は認証成功と判定し、解錠指令を通信部21に入退管理装置30へ送信させる(S40)。このとき、通知部25は、ユーザ情報においてユーザAに対して通知フラグがオンされていることから、通知指令を通信部21に入退管理装置30へ送信させる(S40)。
【0074】
入退管理装置30は、解錠指令、及び、通知指令を受信する。提示部32は、受信された通知指令に基づいて、着荷通知を行う(S41)。着荷通知は、配達物に関する通知であり、より詳細には、配達物が宅配ボックス50に収容されていること(配達物が届いたこと)の通知である。提示部32は、発光、出音、及び、画像の表示などにより、出入り口を通過しようとするユーザAに対して配達物が届いたことを通知(提示)する。
【0075】
また、入退管理装置30は、受信した解錠指令に基づいて所定の領域81の出入り口の扉を解錠する(S42)。
【0076】
以上説明したように、配達物通知システム10(通知部25)は、所定の領域81への入場の際、又は、所定の領域81からの退場の際に認証を行う第一認証部26が、識別情報の認証に成功したことを契機に、着荷通知を行うことができる。言い換えれば、配達物通知システム10(通知部25)は、ユーザが所定の領域81の出入り口を通過する際に配達物に関する通知を行うことができる。
【0077】
なお、宅配管理サーバ40により、設定情報が入退管理サーバ20へ提供(送信)されれば、入退管理装置30(通知部25)は、設定情報に基づいてユーザA以外のユーザ(例えば、ユーザAと同じ部署のユーザ全員)に対しても通知を行うことができる。
【0078】
また、通知動作例1及び通知動作例2は組み合わされてもよい。つまり、情報端末60を介しての通知と、入退管理装置30を介しての通知とが両方(並行して)行われてもよい。
【0079】
[取り出し時の通知動作例]
次に、ユーザが配達物を宅配ボックス50から取り出すときの通知動作例について説明する。
図12は、取り出し時の通知動作例のシーケンス図である。以下では、ユーザAが配達物を取り出すものとして説明が行われる。
【0080】
宅配ボックス50のUI部53は、ユーザAから取出開始操作を受け付ける(S51)。宅配ボックス50のUI部53には、
図8のような初期画面が表示されており、取出開始操作には、初期画面に表示された「取出」を選択する操作が含まれる。
【0081】
次に、ユーザAは、自身のIDカードをカードリーダ54にかざし、カードリーダ54は、IDカードからIDカードに記録されたユーザAの識別情報を読み取る(S52)。制御部57は、読み取った識別情報を含む認証要求を、通信部52に入退管理サーバ20へ送信させる(S53)。
【0082】
宅配管理サーバ40の通信部41は、認証要求を受信する。第二認証部48は、受信された認証要求に基づいて、認証を行う(S54)。第二認証部48は、管理情報(
図10)に含まれる識別情報に、認証要求に含まれる識別情報(ユーザAの識別情報)が含まれるかを判定する。言い換えれば、第二認証部48は、認証要求に含まれる識別情報と、管理情報に含まれる照合用識別情報とを照合する。
図10の管理情報において、収容部ID001にユーザAの識別情報が対応付けられているので、管理情報は、認証要求に含まれる識別情報を含んでいる。
【0083】
よって、第二認証部48は、認証成功と判定し、解錠指令を通信部21に宅配ボックス50へ送信させる(S55)。解錠指令には、解錠すべき収容部51の収容部ID(
図10の例では、収容部ID001)が含まれる。なお、管理情報において、ユーザAの識別情報が複数の収容部IDのそれぞれと対応付けられている(ユーザAが取り出すことができる配達物が複数ある)場合には、解錠指令には、複数の収容部IDが含まれる。
【0084】
宅配ボックス50の通信部52は、解錠指令を受信する。制御部57は、受信された解錠指令に含まれる収容部IDに対応する収容部51の錠前装置55に、扉を解錠させる(S56)。解錠指令に複数の収容部IDが含まれる場合には、複数の収容部51の扉が解錠される。
【0085】
ユーザAは、収容部51の扉を開けて配達物を取り出し、扉を閉める。検出部56によってこのような扉の開閉が検出されると(S57)、制御部57は、扉の開閉が行われた収容部51の収容部IDを含む取出情報を、通信部52に宅配管理サーバ40へ送信させる(S58)。
【0086】
宅配管理サーバ40の通信部41は、取出情報を受信し、取得部46は、受信された取出情報を取得する(S59)。取出情報は、宅配ボックス50に配達物があることを示す情報であることから、宅配ボックス50における配達物の有無に関する第一情報に相当する。
【0087】
次に、情報処理部42は、取得された取出情報に基づいて、管理情報(
図10)を更新する(S60)。情報処理部42は、具体的には、取出情報に含まれる収容部IDを特定し、管理情報において、特定した収容部IDに対応付けられた使用状態を「使用中」から「空き」に変更する。例えば、収容部ID001に対応する収容部51からユーザA宛ての配達物が取り出された場合、収容部ID001に対応付けられた使用状態が「使用中」から「空き」に変更される。この結果、
図10の管理情報は、
図3のように更新される。
【0088】
次に、通知部47は、取得された取出情報に基づいて、受取通知を行う(S61)。受取通知は、配達物に関する通知であり、より詳細には、配達物の受け取りが完了したことの通知である。
【0089】
通知部47は、例えば、収容部ID001に対応する配達物が預け入れられたときに着荷通知を送信したメールアドレスを記憶部43に記憶しておき、このメールアドレスに受取通知を送信する。例えば、ユーザAと同じ部署のユーザのメールアドレスのそれぞれに受取通知が送信される。ユーザAと同じ部署のユーザのそれぞれは、例えば、情報端末60を介してメールを確認することにより、受取通知を受けることができる。
【0090】
なお、設定情報においては、着荷通知の通知先の設定と同様の方法により、受取通知の通知先が設定されていてもよい。この場合、例えば、上記ステップS32において、通知部47は、着荷情報によって特定される配達物の宛先に相当するユーザと、設定情報と、ユーザ情報とを互いに参照することにより、受取通知を行うべきユーザのメールアドレスを特定しておき、記憶部43に記憶しておく。通知部47は、ステップS61においてこの情報を参照することで、設定された通知先に受取通知を行うことができる。
【0091】
以上説明したように、配達物通知システム10(通知部47)は、配達物が宅配ボックス50から取り出されたことを契機に、配達物の受け取りが完了したことを示す受取通知を行うことができる。
【0092】
なお、宅配管理サーバ40により、取出情報が入退管理サーバ20へ提供(送信)されれば、入退管理サーバ20が同様の受取通知を行うこともできる。この場合、ステップS59の処理は、取得部46に代えて取得部24によって行われ、ステップS60の処理は、通知部47に代えて通知部25によって行われる。
【0093】
[変形例1]
上記実施の形態では、認証用媒体としてIDカードが用いられたが、他の認証用媒体が用いられてもよい。他の認証用媒体としては、スマートフォン、又は、識別情報を発信するビーコン発信器などが例示される。また、認証には、顔認証、静脈認証、又は、声紋認証などの生体認証が使用されてもよい。例えば、顔認証が適用される場合、識別情報としては顔画像が使用される。
【0094】
認証用媒体がスマートフォンである場合、上記実施の形態における着荷通知等は、スマートフォンを介して行われてもよい。例えば、上記通知動作例2において、入退管理装置30が無線通信によってスマートフォンから識別情報を読み取る場合、入退管理装置30は、この無線通信を使用してスマートフォンに着荷通知を行うことができる。この場合の無線通信の通信規格としては、Bluetooth(登録商標)などが例示される。
【0095】
[変形例2]
宅配ボックス50の収容部51には、画像センサ(カメラ)及び重量センサなどが設けられていてもよい。この場合、制御部57は、収容部51に預け入れられた配達物の重量及び大きさの情報を着荷情報に含めることができ、通知部47は、着荷通知において配達物の重量及び大きさを通知することができる。また、画像センサ及び重量センサは、配達員が配達物を入れずに収容部51の扉を開閉してしまい、扉が施錠されてしまうことのフェールセーフにも適用できる。
【0096】
[効果等]
以上説明したように、配達物通知システム10は、非住宅の施設80に設けられた宅配ボックス50における配達物の有無に関する第一情報、配達物の宛先に関する第二情報、及び、非住宅の施設80における業務に従事する人に関する第三情報を取得する取得部46と、取得された第一情報が宅配ボックス50に配達物が有ることを示す場合に、取得された第二情報、及び、取得された第三情報に基づいて定まる通知先に配達物に関する通知(着荷通知)を行う通知部47とを備える。宅配ボックス50は、配達物収容部の一例であり、取得部46は、配達物情報取得部、宛先情報取得部、及び、人情報取得部の一例である。
【0097】
このような配達物通知システム10は、ユーザ(非住宅の施設80における業務に従事する人)への配達物に関する通知を実現することができる。
【0098】
また、例えば、第三情報には、非住宅の施設80における業務に従事する人に関する識別情報が含まれ、識別情報は、非住宅の施設80内の所定の領域に入場するために必要な情報である。
【0099】
このような配達物通知システム10は、非住宅の施設80内の所定の領域に入場するために必要な情報を利用して、ユーザへの配達物に関する通知を行うことができる。
【0100】
また、上述の通知動作例2で説明したように、配達物通知システム10は、非住宅の施設80に設けられた宅配ボックス50における配達物の有無に関する第一情報、配達物の宛先に関する第二情報、及び、非住宅の施設80における業務に従事する人に関する第三情報を取得する取得部24と、取得された第一情報が宅配ボックス50に配達物が有ることを示す場合に、取得された第二情報、及び、取得された第三情報に基づいて定まる通知先に配達物に関する通知を行う通知部25とを備える。通知部25は、所定の領域81への入場の際、又は、所定の領域81からの退場の際に認証を行う第一認証部26が、識別情報の認証に成功したことを契機に、通知を行う。
【0101】
このような配達物通知システム10は、ユーザが所定の領域81の出入り口を通過する際に配達物に関する通知を行うことができる。
【0102】
また、例えば、通知部47は、さらに、配達物が宅配ボックス50から取り出されたことを契機に、配達物の受け取りが完了したことを示す受取通知を行う。
【0103】
このような配達物通知システム10は、配達物の受け取りが完了したことを通知することができる。
【0104】
また、例えば、配達物通知システム10は、さらに、通知先を設定する通知先設定部44を備える。通知部47は、通知先設定部44によって設定された通知先であって、取得された第三情報に基づいて定まる通知先に通知を行う。
【0105】
このような配達物通知システム10は、ユーザが設定した通知先に配達物に関する通知を行うことができる。
【0106】
また、例えば、通知先設定部44は、非住宅の施設80における業務に従事する人のうち配達物の宛先に相当する人以外の人を通知先として設定可能である。
【0107】
このような配達物通知システム10は、配達物の宛先に相当するユーザ以外のユーザに配達物に関する通知を行うことができる。
【0108】
また、例えば、配達物通知システム10は、さらに、宅配ボックス50から配達物を取り出すための条件を設定する取出条件設定部45を備える。
【0109】
このような配達物通知システム10は、配達物の取出しに関して、ユーザが設定した条件を反映することができる。
【0110】
また、例えば、宅配ボックス50は、第二認証部48が宅配ボックス50によって取得された識別情報の照合に成功した場合に解錠され、取出条件設定部45は、条件として、第二認証部48による識別情報の照合に用いられる照合用識別情報を設定する。
【0111】
このような配達物通知システム10は、配達物の宛先に相当するユーザ以外のユーザに配達物を取り出す権限を与えることができる。
【0112】
また、例えば、取出条件設定部45は、非住宅の施設80における業務に従事する人のうち配達物の宛先に相当する人以外の人の識別情報を、照合用識別情報として設定可能である。
【0113】
このような配達物通知システム10は、配達物の宛先に相当するユーザ以外のユーザに配達物を取り出す権限を与えることができる。
【0114】
また、例えば、配達物通知システム10は、さらに、取得部46及び通知部47を含む宅配管理サーバ40を備える。取得部46は、非住宅の施設80内の所定の領域81への入場、及び、所定の領域81からの退場を管理する入退管理サーバ20から提供される、入退管理サーバ20にあらかじめ記憶された第三情報を取得する。宅配管理サーバ40は、第一サーバの一例であり、入退管理サーバ20は、第二サーバの一例である。
【0115】
このような配達物通知システム10は、入退管理サーバ20においてあらかじめ記憶(登録)されている第三情報を使用して、配達物に関する通知を行うことができる。つまり、ユーザは、配達物に関する通知を受けるための手続きを省略又は簡略化することができ、手軽に通知を受けることができる。
【0116】
また、配達物通知システム10などのコンピュータが実行する配達物通知方法は、非住宅の施設80に設けられた宅配ボックス50における配達物の有無に関する第一情報を取得する配達物情報取得ステップ(S29)と、配達物の宛先に関する第二情報を取得する宛先情報取得ステップ(S29)と、非住宅の施設80における業務に従事する人に関する第三情報を取得する人情報取得ステップ(S30)と、取得された第一情報が宅配ボックス50に配達物が有ることを示す場合に、取得された第二情報、及び、取得された第三情報に基づいて定まる通知先に配達物に関する通知(着荷通知)を行う通知ステップ(S32)とを含む。
【0117】
このような配達物通知方法は、ユーザ(非住宅の施設80における業務に従事する人)への配達物に関する通知を実現することができる。
【0118】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0119】
例えば、上記実施の形態において、非住宅の施設において業務に従事する人とは、単一の事業主体(会社等)に属する人とは限らない。例えば、1つの施設において、第一事業主体に属する人と、第一事業主体と異なる第二事業主体に属する人とが混在するような場合、非住宅の施設において業務に従事する人には、第一事業主体に属する人、及び、第二事業主体に属する人の両方が含まれる。配達通知システムにおいては、第一事業主体に属する人宛ての配達物に関する通知を、第二事業主体に属する人が受けることができてもよいし、第一事業主体に属する人宛ての配達物を第二事業主体に属する人が取り出すことができてもよい。
【0120】
また、上記実施の形態において、配達物通知システムは、複数の装置によって実現されたが、単一の装置として実現されてもよい。例えば、配達物通知システムは、宅配管理サーバに相当する単一の装置として実現されてもよいし、入退管理サーバに相当する単一の装置として実現されてもよい。また、配達物通知システムは、宅配管理サーバの機能と入退管理サーバの機能とを統合した単一のサーバによって実現されてもよい。また、配達物通知システムが複数の装置によって実現される場合、配達物通知システムが備える構成要素は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。
【0121】
また、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。例えば、宅配管理サーバによって行われる情報処理の一部又は全部が、入退管理サーバによって行われてもよい。入退管理サーバによって行われる情報処理の一部又は全部が、宅配管理サーバによって行われてもよい。
【0122】
また、上記実施の形態における装置間の通信方法については特に限定されるものではない。上記実施の形態において2つの装置が通信を行う場合、2つの装置間には図示されない中継装置が介在してもよい。
【0123】
また、上記実施の形態で説明された処理の順序は、一例である。複数の処理の順序は変更されてもよいし、複数の処理は並行して実行されてもよい。
【0124】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU又はプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0125】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(又は集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0126】
また、本発明の全般的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。例えば、本発明は、配達物通知システムなどのコンピュータが実行する配達物通知方法として実行されてもよいし、このような配達物通知方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよい。また、本発明は、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0127】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、又は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0128】
10 配達物通知システム
20 入退管理サーバ(第二サーバ)
24、46 取得部(配達物情報取得部、宛先情報取得部、及び、人情報取得部)
25、47 通知部
26 第一認証部
40 宅配管理サーバ(第一サーバ)
44 通知先設定部
45 取出条件設定部
48 第二認証部
50 宅配ボックス(配達物収容部)
80 施設(非住宅施設)
81 所定の領域