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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-08
(45)【発行日】2024-08-19
(54)【発明の名称】英語教材
(51)【国際特許分類】
   G09B 19/06 20060101AFI20240809BHJP
【FI】
G09B19/06
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2024062438
(22)【出願日】2024-04-09
【審査請求日】2024-04-09
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1.ウェブサイトの掲載日令和5年5月6日、6月17日、7月1日、8月12日、令和6年2月3日、2月6日、2月10日、2月12日、3月9日、3月15日、3月21日、3月24日、3月31日2.出願人のウェブサイトhttps://www.yukohamaya.com/,https://www.yukohamay.com/youtube,https://youtu.be/KBVw7xRQsWM,https://youtu.be/dIgZMZQneu4,https://glowbalenglish.com/,https://youtu.be/KBVw7xRQsWM,https://www.instagram.com/yuko.hamaya/,https://www.instagram.com/hatsuon_phonics?igsh=MWQ2MXdsZjJjeHRkMw%3D%3D&utm_source=qr,https://x.com/hatsuonfon48770?s=21&t=jmeqdAP--gTmIIT08ZhJhQ
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 https://www.facebook.com/yuko.watabehamaya,httos://www.tiktok.com/@happyzmjyxw?_t=81GmyRj3RLd&_r=1,https://youtu.be/SY9WxNY4-OA?si=ad3of0s3npRmn_38,https://youtu.be/5UPaKDAoKLQ?si=8J9DY-acX48SGZeY,https://youtu.be/0QA8XT1nugk?si=sGFIvSb7H1pub4nU,https://youtu.be/-4LzR2uHvTc?si=roQ2Y8ZrRINH1MHX,https://youtube.com/watch?v=oC3wYpT40M0,https://vimeo.com/921636113?share=copy
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523183242
【氏名又は名称】▲浜▼家 優子
(74)【代理人】
【識別番号】100190274
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 滋之
(72)【発明者】
【氏名】▲浜▼家 優子
【審査官】鈴木 崇雅
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3021657(JP,U)
【文献】特開2014-066793(JP,A)
【文献】特開2012-098753(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2011-0108835(KR,A)
【文献】登録実用新案第3230975(JP,U)
【文献】特開2007-328806(JP,A)
【文献】特開平06-348297(JP,A)
【文献】発音学ぶ英語カード寄贈へ,神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙 タウンニュース[online],2021年04月09日,[2024年5月30日検索]、インターネット:<URL:https://www.townnews.co.jp/0602/2021/04/09/569636.html>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 1/00-9/56、17/00-19/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人の両顎部分の側面断面を概略的に表した両顎表示と、前記両顎表示に対応づけられ、発音時における舌先の複数の位置それぞれを識別させる複数の識別子と、を含む位置識別部材と、
互いに異なる英語の母音に対応づけられた複数の母音カードと、を有し、
複数の前記母音カードは、それぞれの一方の面に、
人の顔を模し、対応する母音を発音する際の口の形を図形化した口型図形を含む顔表示と、複数の前記識別子それぞれと同様の態様である複数の識別表示のうちの1つ又は2つと、を有し、
前記母音カードにおいて、1つ又は2つの前記識別表示は単独で示される、英語教材。
【請求項2】
人の両顎部分の側面断面を概略的に表した両顎表示と、前記両顎表示に対応づけられ、発音時における舌先の複数の位置それぞれを識別させる複数の識別子と、を含む位置識別部材と、
互いに異なる英語の母音に対応づけられた複数の母音カードを表示する表示部を備えた情報端末と、有し、
複数の前記母音カードは、それぞれの一方の面に、
人の顔を模し、対応する母音を発音する際の口の形を図形化した口型図形を含む顔表示と、複数の前記識別子それぞれと同様の態様である複数の識別表示のうちの1つ又は2つと、を有し、
前記母音カードにおいて、1つ又は2つの前記識別表示は単独で示される、英語教材。
【請求項3】
人の両顎部分の側面断面を概略的に表した両顎表示と、前記両顎表示に対応づけられ、発音時における舌先の複数の位置それぞれを識別させる複数の識別子と、を含む位置識別部材と、互いに異なる英語の母音に対応づけられた複数の母音カードと、を表示する表示部を備えた情報端末を有し、
複数の前記母音カードは、それぞれの一方の面に、
人の顔を模し、対応する母音を発音する際の口の形を図形化した口型図形を含む顔表示と、複数の前記識別子それぞれと同様の態様である複数の識別表示のうちの1つ又は2つと、を有し、
前記母音カードにおいて、1つ又は2つの前記識別表示は単独で示される、英語教材。
【請求項4】
人の両顎部分の側面断面を概略的に表した両顎表示と、前記両顎表示に対応づけられ、発音時における舌先の複数の位置それぞれを識別させる複数の識別子と、を含む位置識別部材と、
互いに異なる系統の英語の母音に対応づけられた複数の母音カードと、を有し、
複数の前記母音カードは、それぞれの一方の面に、
人の顔を模し、対応する母音を発音する際の口の形を図形化した口型図形を含む顔表示と、複数の前記識別子それぞれと同様の態様である複数の識別表示のうちの1つ又は2つと、を有し、
複数の前記母音カードのうちの少なくとも1枚は、
他方の面に、一方の面の母音と同系統の母音に対応する前記顔表示及び前記識別表示のうちの1つ又は2つを有する両面仕様であり、
両面仕様の前記母音カードは、
一方の面と他方の面の前記口型図形が、互いに同類の形状で大きさが異なっている、英語教材。
【請求項5】
人の両顎部分の側面断面を概略的に表した両顎表示と、前記両顎表示に対応づけられ、発音時における舌先の複数の位置それぞれを識別させる複数の識別子と、を含む位置識別部材と、
互いに異なる系統の英語の母音に対応づけられた複数の母音カードを表示する表示部を備えた情報端末と、有し、
複数の前記母音カードは、それぞれの一方の面に、
人の顔を模し、対応する母音を発音する際の口の形を図形化した口型図形を含む顔表示と、複数の前記識別子それぞれと同様の態様である複数の識別表示のうちの1つ又は2つと、を有し、
複数の前記母音カードのうちの少なくとも1枚は、
他方の面に、一方の面の母音と同系統の母音に対応する前記顔表示及び前記識別表示のうちの1つ又は2つを有する両面仕様であり、
両面仕様の前記母音カードは、
一方の面と他方の面の前記口型図形が、互いに同類の形状で大きさが異なっている、英語教材。
【請求項6】
人の両顎部分の側面断面を概略的に表した両顎表示と、前記両顎表示に対応づけられ、発音時における舌先の複数の位置それぞれを識別させる複数の識別子と、を含む位置識別部材と、互いに異なる系統の英語の母音に対応づけられた複数の母音カードと、を表示する表示部を備えた情報端末を有し、
複数の前記母音カードは、それぞれの一方の面に、
人の顔を模し、対応する母音を発音する際の口の形を図形化した口型図形を含む顔表示と、複数の前記識別子それぞれと同様の態様である複数の識別表示のうちの1つ又は2つと、を有し、
複数の前記母音カードのうちの少なくとも1枚は、
他方の面に、一方の面の母音と同系統の母音に対応する前記顔表示及び前記識別表示のうちの1つ又は2つを有する両面仕様であり、
両面仕様の前記母音カードは、
一方の面と他方の面の前記口型図形が、互いに同類の形状で大きさが異なっている、英語教材。
【請求項7】
複数の前記母音カードは、
系統ごとに前記口型図形の色彩が異なっている、請求項4~6の何れか一項に記載の英語教材。
【請求項8】
複数の前記母音カードのうちの少なくとも1つは、
前記顔表示において、
異なる系統の2つの前記母音カードそれぞれの前記口型図形が横並びに配置され、かつ、当該各口型図形それぞれに対応する前記識別表示が横並びに配置されている、請求項4~6の何れか一項に記載の英語教材。
【請求項9】
互いに異なる英語の二重母音に対応づけられた複数の二重母音カードを有し、
複数の前記二重母音カードは、それぞれの一方の面に、
異なる系統の2つの前記母音カードの前記顔表示を横並びで組み合わせた複合顔表示と、当該複合顔表示に対応する1つ又は2つの前記識別表示と、を有する、請求項1~の何れか一項に記載の英語教材。
【請求項10】
互いに異なる英語の子音に対応づけられた複数の子音カードを有し、
複数の前記子音カードは、
それぞれの一方の面に、英語の子音に関連する英文字を想起させる画像であるイメージ画像を有し、
それぞれの他方の面に、当該英文字を表記した文字表記と、当該子音を発音する際の口とその周囲の外観を例示した参考画像と、当該子音の発音時の舌先の位置を示す1つ又は2つの前記識別表示と、を有し、
前記子音カードにおいて、1つ又は2つの前記識別表示は単独で示される、請求項1~の何れか一項に記載の英語教材。
【請求項11】
互いに異なる英単語に対応づけられた複数の単語カードを有し、
複数の前記単語カードは、それぞれの一方の面に、
英単語を表記した単語表記と、
当該英単語の発音を表現した発音画像と、を有し、
前記発音画像は、
当該英単語に対応する、1又は複数の前記顔表示と、1又は複数の前記イメージ画像とを、当該英単語に合わせて横に並べ組み合わせたものである、請求項10に記載の英語教材。
【請求項12】
前記子音カードの前記イメージ画像を含み、英文法の一要素の発音及びイメージを表す文法要素カードを有する、請求項10に記載の英語教材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、英語の発音を学ぶための英語教材に関する。
【背景技術】
【0002】
英語の発音を指導・学習する場面では、英語の発音を体系的に表記するために作られた発音記号が用いられており、英語教材には、英文字や英単語に発音記号が添えられたものが多く存在する。こうした発音記号は、英文字等の発音が分からないユーザにチェックさせ、英文字等の読み方を確認させるために付されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の学習用カードは、表面の中央に英文字が表記され、当該英文字の下部に発音記号が表記されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-131975号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、発音記号は、主として英文字やこれを変形したもので構成されているため、特に初学者にとっては馴染みがなく、発音記号から正確な発音を把握することは困難である。そのため、英語の発音を感覚的に身につけさせる英語教材が望まれている。
【0005】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、英語の発音を感覚的に身につけさせる英語教材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る英語教材は、人の両顎部分の側面断面を概略的に表した両顎表示と、両顎表示に対応づけられ、発音時における舌先の複数の位置それぞれを識別させる複数の識別子と、を含む位置識別部材と、互いに異なる英語の母音に対応づけられた複数の母音カードと、を有し、複数の母音カードは、それぞれの一方の面に、人の顔を模し、対応する母音を発音する際の口の形を図形化した口型図形を含む顔表示と、複数の識別子それぞれと同様の態様である複数の識別表示のうちの1つ又は2つと、を有するものである。
【0007】
本発明の一態様に係る英語教材は、人の両顎部分の側面断面を概略的に表した両顎表示と、両顎表示に対応づけられ、発音時における舌先の複数の位置それぞれを識別させる複数の識別子と、を含む位置識別部材と、互いに異なる英語の母音に対応づけられた複数の母音カードを表示する表示部を備えた情報端末と、有し、複数の母音カードは、それぞれの一方の面に、人の顔を模し、対応する母音を発音する際の口の形を図形化した口型図形を含む顔表示と、複数の識別子それぞれと同様の態様である複数の識別表示のうちの1つ又は2つと、を有するものである。
【0008】
本発明の一態様に係る英語教材は、人の両顎部分の側面断面を概略的に表した両顎表示と、両顎表示に対応づけられ、発音時における舌先の複数の位置それぞれを識別させる複数の識別子と、を含む位置識別部材と、互いに異なる系統の英語の母音に対応づけられた複数の母音カードと、を有し、複数の母音カードは、それぞれの一方の面に、人の顔を模し、対応する母音を発音する際の口の形を図形化した口型図形を含む顔表示と、複数の識別子それぞれと同様の態様である複数の識別表示のうちの1つ又は2つと、を有し、複数の母音カードのうちの少なくとも1枚は、他方の面に、一方の面の母音と同系統の母音に対応する顔表示及び識別表示のうちの1つ又は2つを有する両面仕様であり、両面仕様の母音カードは、一方の面と他方の面の口型図形が、互いに同類の形状で大きさが異なっている。
【0009】
本発明の一態様に係る英語教材は、人の両顎部分の側面断面を概略的に表した両顎表示と、両顎表示に対応づけられ、発音時における舌先の複数の位置それぞれを識別させる複数の識別子と、を含む位置識別部材と、互いに異なる系統の英語の母音に対応づけられた複数の母音カードを表示する表示部を備えた情報端末と、有し、複数の母音カードは、それぞれの一方の面に、人の顔を模し、対応する母音を発音する際の口の形を図形化した口型図形を含む顔表示と、複数の識別子それぞれと同様の態様である複数の識別表示のうちの1つ又は2つと、を有し、複数の母音カードのうちの少なくとも1枚は、他方の面に、一方の面の母音と同系統の母音に対応する顔表示及び識別表示のうちの1つ又は2つを有する両面仕様であり、両面仕様の母音カードは、一方の面と他方の面の口型図形が、互いに同類の形状で大きさが異なっている。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、複数の母音カードが、それぞれの一方の面に、人の顔を模した顔表示と、位置識別部材の複数の識別子それぞれと同様の態様である複数の識別表示のうちの1つ又は2つと、を有している。顔表示は、当該母音カードに対応する母音を発音する際の口の形を図形化した口型図形を含んでいる。そのため、母音カードを一見したユーザは、口型図形から発音時の口の形を直感的に捉えると共に、識別表示から発音時の舌の位置を把握することができる。したがって、学習者に、英語の発音を感覚的に身につけさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態1に係る英語教材を例示した構成図である。
図2図1の母音セットの第1系統の母音カードを例示した説明図である。
図3図1の母音セットの第2系統の母音カードを例示した説明図である。
図4図1の母音セットの第3系統の母音カードを例示した説明図である。
図5図1の母音セットの第4系統の母音カードを例示した説明図である。
図6図1の母音セットの第5系統の母音カードを例示した説明図である。
図7図1の母音セットの第6系統の母音カードを例示した説明図である。
図8図1の母音セットの第7系統の母音カードを例示した説明図である。
図9図1の母音セットの第8系統の母音カードを例示した説明図である。
図10図1の母音セットの第9系統の母音カードを例示した説明図である。
図11図1の母音セットの第10系統の母音カードを例示した説明図である。
図12図1の二重母音セットの二重母音auのカードを例示した説明図である。
図13図1の二重母音セットの二重母音ouのカードを例示した説明図である。
図14図1の二重母音セットの二重母音aiのカードを例示した説明図である。
図15図1の二重母音セットの二重母音eiのカードを例示した説明図である。
図16図1の二重母音セットの二重母音oiのカードを例示した説明図である。
図17図1の二重母音セットの二重母音erのカードを例示した説明図である。
図18図1の二重母音セットの二重母音irのカードを例示した説明図である。
図19図1の二重母音セットの二重母音urのカードを例示した説明図である。
図20図1の子音セットの英文字S関連のカードを例示した説明図である。
図21図1の子音セットの英文字Z関連のカードを例示した説明図である。
図22図1の子音セットの英文字W関連のカードを例示した説明図である。
図23図1の子音セットの英文字Y関連のカードを例示した説明図である。
図24図1の子音セットの英文字R関連のカードを例示した説明図である。
図25図1の子音セットの英文字L関連のカードを例示した説明図である。
図26図1の子音セットの英文字M関連のカードを例示した説明図である。
図27図1の子音セットの英文字P関連のカードを例示した説明図である。
図28図1の子音セットの英文字B関連のカードを例示した説明図である。
図29図1の子音セットの英文字T関連のカードを例示した説明図である。
図30図1の子音セットの英文字D関連のカードを例示した説明図である。
図31図1の子音セットの英文字N関連のカードを例示した説明図である。
図32図1の子音セットの英文字F関連のカードを例示した説明図である。
図33図1の子音セットの英文字V関連のカードを例示した説明図である。
図34図1の子音セットの英文字H関連のカードを例示した説明図である。
図35図1の子音セットの英文字th関連のカードを例示した説明図である。
図36図1の子音セットの英文字TH関連のカードを例示した説明図である。
図37図1の子音セットの英文字K関連のカードを例示した説明図である。
図38図1の子音セットの英文字G関連のカードを例示した説明図である。
図39図1の子音セットの英文字SH関連のカードを例示した説明図である。
図40図1の子音セットの英文字CH関連のカードを例示した説明図である。
図41図1の子音セットの英文字J関連のカードを例示した説明図である。
図42図1の子音セットの英文字ng関連のカードを例示した説明図である。
図43図1の子音セットの英文字ts関連のカードを例示した説明図である。
図44図1の子音セットの英文字ds関連のカードを例示した説明図である。
図45図1の単語セットの単語「apple」のカードを例示した説明図である。
図46図1の単語セットの単語「elephant」のカードを例示した説明図である。
図47図1の単語セットの単語「under」のカードを例示した説明図である。
図48図1の文法セットの文法要素カードの一例を示す説明図である。
図49】本発明の実施の形態2に係る英語教材を例示した構成図である。
図50図49の情報端末の機能的な構成を例示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の形態1.
図1図48に基づき、本発明の実施の形態1に係る英語教材について説明する。各図では、煩雑化を避ける等の目的で画像や符号を適宜省略する。なお、図1では、各種カードの表面の画像を省略又は簡略化している。各種カードの枚数や形状などは例示に過ぎない。
【0013】
まず、図1を参照して、英語教材100の全体的な構成例について説明する。図1に示すように、英語教材100は、位置識別部材10と、母音セット20と、二重母音セット30と、子音セット40と、単語セット50と、文法セット60と、を有している。
【0014】
位置識別部材10は、カードやポスターなどの印刷物であり、人の両顎部分の側面断面を概略的に表した両顎表示18と、両顎表示18に対応づけられ、発音時における舌先の複数の位置それぞれを識別させる複数の識別子(11~15)と、を含む。図1に例示する両顎表示18は、人の口腔の部分(口腔内の空間19を含む)、唇、前歯などの概略的な図を含む。舌先とは、主に、舌の前側の部分(舌の先の部分)の表側であって、舌の先端部分を除く領域を指すが、発音対象の英文字や英単語によっては、舌の先端部分を指すこともある。
【0015】
位置識別部材10は、複数の識別子(11~15)として、第1識別子11、第2識別子12、第3識別子13、第4識別子14、及び第5識別子15を有している。第1識別子11は、下の前歯と歯茎との境界部分に対応づけて配置されている。第2識別子12は、上の前歯と歯茎との境界部分に対応づけて配置されている。第3識別子13は、第2識別子12と後ろ側で隣接する歯茎の箇所に対応づけて配置されている。第4識別子14は、空間19内における前側の領域を指す。図1では、2つの数字で双方矢印を挟んだ態様の第4識別子14を例示しているが、当該領域を示すことができれば、その態様は問わない。第5識別子15は、前歯に対し外側に隣接する箇所(上下の前歯をやや外側に超えた箇所)に対応づけて配置されている。図1では、数字の1~5を表した複数の識別子(11~15)を例示している。位置識別部材10は、紙製であってもよく、樹脂製であってもよく、紙の表面にコーティングが施されたもの等であってもよい。もっとも、位置識別部材10は、タブレット端末などに表示されるデジタルデータであってもよい。
【0016】
母音セット20は、互いに異なる系統の英語の母音に対応づけられた複数の母音カード2により構成されている。複数の母音カード2は、それぞれの一方の面に、人の顔を模し、対応する母音を発音する際の口の形を図形化(イメージ化)した口型図形Mを含む顔表示Fと、複数の識別子(11~15)それぞれと同様の態様である複数の識別表示(21~25)のうちの1つ又は2つと、を有している。以下、識別表示(21~25)を区別せずに指す場合は符号を省略することがある。
【0017】
複数の母音カード2のうちの少なくとも1枚は、他方の面に、一方の面の母音と同系統の母音に対応する顔表示F及び識別表示(21~25)のうちの1つ又は2つを有する両面仕様となっている。両面仕様の母音カード2は、一方の面と他方の面の口型図形Mが、互いに同類の形状で大きさが異なっている。そして、複数の母音カード2は、系統ごとに口型図形Mの色彩が異なっている。複数の母音カード2の具体例については、図2図11をもとに後述する。
【0018】
二重母音セット30は、互いに異なる英語の二重母音に対応づけられた複数の二重母音カード3を有している。複数の二重母音カード3は、それぞれの一方の面に、異なる系統の2つの母音カード2の顔表示Fを横並びで組み合わせた複合顔表示Wと、当該複合顔表示Wに対応する1つ又は2つの識別表示と、を有している。複数の二重母音カード3の具体例については、図12図19をもとに後述する。
【0019】
子音セット40は、互いに異なる英語の子音に対応づけられた複数の子音カード4を有している。複数の子音カード4は、それぞれの一方の面に、英語の子音に関連する英文字を想起させる画像であるイメージ画像7を有している。複数の子音カード4は、それぞれの他方の面に、当該英文字を表記した文字表記8と、当該子音を発音する際の口とその周囲の外観を例示した参考画像9と、当該子音の発音時の舌先の位置を示す識別表示(21~26)と、を有している。複数の子音カード4の具体例については、図20図44をもとに後述する。
【0020】
単語セット50は、互いに異なる英単語に対応づけられた複数の単語カード5により構成されている。複数の単語カード5は、それぞれの一方の面に、英単語を表記した単語表記Tと、当該英単語の発音を表現した発音画像Hと、を有している。発音画像Hは、当該英単語に対応する、1又は複数の母音カード2に係る顔表示Fと、1又は複数の子音カード4に係るイメージ画像7とを、当該英単語に合わせて横に並べ組み合わせたものである。複数の単語カード5の具体例については、図45図47をもとに後述する。
【0021】
文法セット60は、1又は複数の文法要素カード6により構成されている。文法要素カード6は、子音カード4のイメージ画像7を含み、英文法の一要素の発音及びイメージを表すものである。母音カード2、二重母音カード3、子音カード4、単語カード5、及び文法要素カード6は、紙製であってもよく、樹脂製であってもよく、紙の表面にコーティングが施されたもの等であってもよい。複数の文法要素カード6の具体例については、図48をもとに後述する。
【0022】
次に、図2図11を参照し、複数の母音カード2の具体例について説明する。図2の母音カード2aの顔表示Faは、口をうっすらと開いている状態(口が自然と半開きになったような状態)を想起させる薄い楕円状の口型図形Maを含んでいる。母音カード2aは、第1識別子11と同様の態様である識別表示21を有している。図2のように、母音カード2aは、口型図形Maに対応する発音記号Paを有していてもよい。口型図形Maは、例えば紫色で描かれる。
【0023】
図3の母音カード2bの顔表示Fbは、口先をやや突き出したような状態を想起させる菱形状の口型図形Mbを含んでいる。口型図形Mbは、角に丸みを帯びた正方形状とし、各角部がそれぞれ上下左右に位置するよう配置するとよい。母音カード2bは、第1識別子11と同様の態様である識別表示21と、第4識別子14と同様の態様である識別表示24と、有している。母音カード2bにおいて、識別表示21と識別表示24は横並びに配置されている。横並びの識別表示21と識別表示24は、母音カード2bに係る母音を発音する際に、舌先が第1識別子11の位置から第4識別子14の位置に変化することを示している。図3のように、母音カード2bは、口型図形Maに対応する発音記号Pbを有していてもよい。加えて、母音カード2bは、当該母音の発音に関連する関連画像28を有していてもよい。図3では、関連画像28として、母音カード2bに係る母音の発音を想起させる子ライオンの画像を例示している。子ライオンの画像は、後述する図24のイメージ画像7e(ライオンの画像)との対比で、相対的に弱い(やさしい)音を想起させる。口型図形Maは、例えば茶色で描かれる。
【0024】
図4の母音カード2cは、(a)に示す表面に顔表示Fc1を有し、(b)に示す裏面に顔表示Fc2を有している。顔表示Fc1は、下顎を下げて口を大きく丸く開いた状態を想起させる、上下に長い楕円状の口型図形Mc1を含む。顔表示Fc2は、口型図形Mc1の上下方向の長さを短くしたような楕円状の口型図形Mc2を含む。口型図形Mc1と口型図形Mc2とは、互いに同類の形状で大きさが異なっている。母音カード2cは、表面と裏面の双方に識別表示21を有している。図4のように、母音カード2cは、表面に、口型図形Mc1に対応する発音記号Pc1を有していてもよく、裏面に、口型図形Mc2に対応する発音記号Pc2を有していてもよい。口型図形Mc1及び口型図形Mc2は、同一の色彩により描くとよく、例えばオレンジ色で描かれる。
【0025】
図5の母音カード2dの顔表示Fdは、口を逆三角形状に開いた状態を想起させる口型図形Mdを含んでいる。図5の口型図形Mdには、上の歯が見える状態を意識させるため、逆三角形の上部に、上の各歯の境界を想起させる複数の縦線と、上の各歯の下端を想起させる横線とが描かれている。母音カード2dは識別表示21を有している。図5のように、母音カード2dは、口型図形Mdに対応する発音記号Pdを有していてもよい。口型図形Mdは、例えば山吹色で描かれる。
【0026】
図6の母音カード2eは、(a)に示す表面に顔表示Fe1を有し、(b)に示す裏面に顔表示Fe2を有している。顔表示Fe1は、両唇の間をあけて口を横に大きく開いた状態を想起させる長丸状の口型図形Me1を含む。顔表示Fe2は、口型図形Me1を全体的に小さくしたような形状の口型図形Me2を含む。口型図形Me1と口型図形Me2とは、互いに同類の形状で大きさが異なっている。図6の口型図形Me1及び口型図形Me2には、歯が見える状態を意識させるため、上下の歯間の隙間を示す二重の横線と、左右の歯間の境界を思わせる複数の縦線とが描かれている。母音カード2eは、表面と裏面の双方に識別表示21を有している。図6のように、母音カード2eは、表面に、口型図形Me1に対応する発音記号Pe1を有していてもよく、裏面に、口型図形Me2に対応する発音記号Pe2を有していてもよい。口型図形Me1及び口型図形Me2は、同一の色彩により描くとよく、例えば緑色で描かれる。
【0027】
図7の母音カード2fの顔表示Ffは、口を丸く開いた状態を想起させる円状の口型図形Mfを含んでいる。母音カード2fは識別表示21を有している。図7のように、母音カード2fは、口型図形Mfに対応する発音記号Pfを有していてもよい。口型図形Mfは、例えば青色で描かれる。
【0028】
図8の母音カード2gは、(a)に示す表面に顔表示Fg1を有し、(b)に示す裏面に顔表示Fg2を有している。顔表示Fg1は、口を尖らせて口先を開いた状態を想起させるハート状の口型図形Mg1を含む。顔表示Fg2は、口型図形Mg1を全体的に小さくしたような形状の口型図形Mg2を含む。口型図形Mg1と口型図形Mg2とは、互いに同類の形状で大きさが異なっている。母音カード2gは、表面と裏面の双方に識別表示21を有している。母音カード2gは、図8のように、表面に、口型図形Mg1に対応する発音記号Pg1を有していてもよく、裏面に、口型図形Mg2に対応する発音記号Pg2を有していてもよい。口型図形Mg1及び口型図形Mg2は、同一の色彩により描くとよく、例えばピンク(桃色)で描かれる。
【0029】
図9の母音カード2hの顔表示Fhは、口を逆三角形状に開いた状態を想起させる口型図形Mhを含んでいる。図9の口型図形Mhは、図5の口型図形Mdと概ね同形状であり、上の歯が見える状態を意識させるため、上部に、上の各歯の境界を想起させる複数の縦線と、上の各歯の下端を想起させる横線とが描かれている。口型図形Mhには、鼻から空気と音が抜けることをイメージさせるため、三角形状の鼻画像Nhが描かれている。母音カード2hは識別表示21を有している。図9のように、母音カード2hは、口型図形Mhに対応する発音記号Phを有していてもよい。口型図形Mhは、例えば山吹色で描かれる。
【0030】
図10の母音カード2mの顔表示Fmは、口型図形Mc1と口型図形Mbとを有している。図10に例示する顔表示Fmは、2つの円の中央部を重ねて組み合わせた形状となっている。母音カード2mに係る母音「ar」を発音する際は、口の形を、口型図形Mc1のような形から口型図形Mbのような形に変化させるとよい。そのため、顔表示Fmでは、母音カード2mを視認したユーザが口の形の変化をイメージしやすいよう、口型図形Mc1と口型図形Mbとを左右に並べている。母音カード2mは、口型図形Mc1に対応する識別表示21と、口型図形Mbに対応する識別表示24と、を有している。図10の母音カード2mでは、これを視認したユーザが舌先の位置変化を容易にイメージできるよう、識別表示21と識別表示24との間に右向き矢印Sが描かれている。右向き矢印Sは、口型図形Mc1から口型図形Mbへの変化に対しても視覚的に作用する。図10のように、母音カード2mは、顔表示Fmに対応する発音記号Pmを有していてもよい。
【0031】
図11の母音カード2nの顔表示Fnは、口型図形Mfと口型図形Mbとを有している。図11に例示する顔表示Fnは、2つの円の中央部を重ねて組み合わせた形状となっている。母音カード2nに係る母音「or」を発音する際は、口の形を、口型図形Mfのような形から口型図形Mbのような形に変化させるとよい。そのため、顔表示Fnでは、母音カード2nを視認したユーザが口の形の変化をイメージしやすいよう、口型図形Mfと口型図形Mbとを左右に並べている。母音カード2nは、口型図形Mfに対応する識別表示21と、口型図形Mbに対応する識別表示24と、を有している。図11の母音カード2nは、図10の母音カード2mと同様、識別表示21と識別表示24との間に右向き矢印Sを有している。右向き矢印Sは、口型図形Mfから口型図形Mbへの変化に対しても視覚的に作用する。図11のように、母音カード2nは、顔表示Fnに対応する発音記号Pnを有していてもよい。
【0032】
本実施の形態1では、両面仕様の母音カード2における表面の母音と裏面の母音とを同系統と定義する。なお、図4の母音カード2cと、図6の母音カード2eと、図8の母音カード2gとが、両面仕様の母音カード2である。本実施の形態1の母音セット20では、系統の異なる母音ごとに1枚の母音カード2が割り当てられている。すなわち、母音セット20は、10枚の母音カード2により、10系統13音の母音に関する情報を備えている。
【0033】
図3の母音カード2bの顔表示Fbは、横並びの識別表示21と識別表示24に対応づけて、口型図形Maと口型図形Mbを横並びに配置してもよい。このように、母音カード2bに口型図形Maを追加した方が、より正確な発音に近づく。ただし、口の形の変化を初学者に意識させるハードルの高さを考慮すると、母音カード2bは、図3のように、口型図形Mbだけを含むよう構成してもよい。母音カード2m(図10)及び母音カード2n(図11)は、母音カード2b(図3)と同様、子ライオンの関連画像28が表記されていてもよい。
【0034】
上記のように、母音カード2a~2hは、口型図形Mの色彩が互いに異なるようにするとよい。両面仕様の母音カード2c、2e、2gについては、一方の面と他方の面とで、口型図形Mの色彩が同じとなるようにするとよい。そして、母音カード2m、2nそれぞれに関しても、2つの口型図形Mについて総合的にみると、複数の母音カード2は、系統ごとに口型図形Mの色彩が異なっていると解釈することができる。つまり、母音カード2において、口型図形Mの色彩が異なることには、口型図形Mの色彩の組み合わせが異なることも含まれる。
【0035】
ここで、図10の母音カード2m及び図11の母音カード2nについて整理する。母音カード2m及び母音カード2nは、顔表示Fにおいて、異なる系統の2つの母音カード2それぞれの口型図形Mが横並びに配置され、かつ、当該各口型図形Mそれぞれに対応する識別表示(21、24)が横並びに配置されている。なお、図3に係る母音と、図10に係る母音と、図11に係る母音とは、「r」を含む母音として組み合わせて説明されることもある。母音カード2m及び母音カード2nは、口の形と舌先の位置を変化させる母音に対応しており、他の母音カード2の母音に比べると発音の難易度が幾分か上がるため、母音セット20は、母音カード2m及び母音カード2nを含めずに構成してもよく、何れか一方だけを含むよう構成してもよい。
【0036】
次いで、図12図19を参照し、複数の二重母音カード3の具体例について説明する。図12の二重母音カード3aは、顔表示Fc1と顔表示Fg2とを横並びで組み合わせた複合顔表示Waを有している。すなわち、二重母音カード3aは、口型図形Mc1と口型図形Mg2とが横並びで配置されており、口型図形Mc1と口型図形Mg2との双方に対応する識別表示21を有している。図12のように、二重母音カード3aは、複合顔表示Waに対応する発音記号Raを有していてもよい。
【0037】
図13の二重母音カード3bは、顔表示Ffと顔表示Fg2とを横並びで組み合わせた複合顔表示Wbを有している。すなわち、二重母音カード3bは、口型図形Mfと口型図形Mg2とが横並びで配置されており、口型図形Mfと口型図形Mg2との双方に対応する識別表示21を有している。図13のように、二重母音カード3bは、複合顔表示Wbに対応する発音記号Rbを有していてもよい。
【0038】
図14の二重母音カード3cは、顔表示Fc1と顔表示Fe2とを横並びで組み合わせた複合顔表示Wcを有している。すなわち、二重母音カード3cは、口型図形Mc1と口型図形Me2とが横並びで配置されており、口型図形Mc1と口型図形Me2との双方に対応する識別表示21を有している。図14のように、二重母音カード3cは、複合顔表示Wcに対応する発音記号Rcを有していてもよい。
【0039】
図15の二重母音カード3dは、顔表示Fdと顔表示Fe2とを横並びで組み合わせた複合顔表示Wdを有している。すなわち、二重母音カード3dは、口型図形Mdと口型図形Me2とが横並びで配置されており、口型図形Mdと口型図形Me2との双方に対応する識別表示21を有している。図15のように、二重母音カード3dは、複合顔表示Wdに対応する発音記号Rdを有していてもよい。
【0040】
図16の二重母音カード3eは、顔表示Ffと顔表示Fe2とを横並びで組み合わせた複合顔表示Weを有している。すなわち、二重母音カード3eは、口型図形Mfと口型図形Me2とが横並びで配置されており、口型図形Mfと口型図形Me2との双方に対応する識別表示21を有している。図16のように、二重母音カード3eは、複合顔表示Weに対応する発音記号Reを有していてもよい。
【0041】
図17の二重母音カード3fは、顔表示Fdと顔表示Fbとを横並びで組み合わせた複合顔表示Wfを有している。すなわち、二重母音カード3fは、口型図形Mdと口型図形Mbとが横並びで配置されており、口型図形Mdに対応する識別表示21と、口型図形Mbに対応する識別表示24と、有している。図17の二重母音カード3fでは、これを視認したユーザが舌先の位置変化を一見して把握できるよう、識別表示21と識別表示24との間に右向き矢印Sが描かれている。右向き矢印Sは、口型図形Mdから口型図形Mbへの変化に対しても視覚的に作用する。図17のように、二重母音カード3fは、複合顔表示Wfに対応する発音記号Rfを有していてもよい。
【0042】
図18の二重母音カード3gは、顔表示Fe2と顔表示Fbとを横並びで組み合わせた複合顔表示Wgを有している。すなわち、二重母音カード3gは、口型図形Me2と口型図形Mbとが横並びで配置されており、口型図形Me2に対応する識別表示21と、口型図形Mbに対応する識別表示24と、有している。図18の二重母音カード3gにおいても、識別表示21と識別表示24との間に右向き矢印Sが描かれている。右向き矢印Sは、口型図形Me2から口型図形Mbへの変化に対しても視覚的に作用する。図18のように、二重母音カード3gは、複合顔表示Wgに対応する発音記号Rgを有していてもよい。
【0043】
図19の二重母音カード3hは、顔表示Fg2と顔表示Fbとを横並びで組み合わせた複合顔表示Whを有している。すなわち、二重母音カード3hは、口型図形Mg2と口型図形Mbとが横並びで配置されており、口型図形Mg2に対応する識別表示21と、口型図形Mbに対応する識別表示24と、有している。図19の二重母音カード3hにおいても、識別表示21と識別表示24との間に右向き矢印Sが描かれている。右向き矢印Sは、口型図形Mg2から口型図形Mbへの変化に対しても視覚的に作用する。図19のように、二重母音カード3hは、複合顔表示Whに対応する発音記号Rhを有していてもよい。
【0044】
続いて、図20図44を参照し、複数の子音カード4の具体例について説明する。図20の子音カード4aは、表面に、英文字Sを想起させるイメージ画像7aを有しており、裏面に、英文字Sを表記した文字表記8aと、英文字Sに関連する子音を発音する際の口とその周囲の外観を例示した参考画像9aと、当該子音の発音時における舌先の位置を示す識別表示21と、を有している。図20では、イメージ画像7aとして蛇(snake)をS字状に表した画像を例示している。図21の子音カード4bは、表面に、英文字Zを想起させるイメージ画像7bを有しており、裏面に、英文字Zを表記した文字表記8bと、英文字Zに関連する子音を発音する際の口とその周囲の外観を例示した参考画像9bと、当該子音の発音時における舌先の位置を示す識別表示21と、を有している。図21では、イメージ画像7bとして「zipper」の画像を例示している。
【0045】
図22の子音カード4cは、表面に、英文字Wを想起させるイメージ画像7cを有しており、裏面に、英文字Wを表記した文字表記8cと、英文字Wに関連する子音を発音する際の口とその周囲の外観を例示した参考画像9cと、当該子音の発音時における舌先の位置を示す識別表示21と、を有している。図23の子音カード4dは、表面に、英文字Yを想起させるイメージ画像7dを有しており、裏面に、英文字Yを表記した文字表記8dと、英文字Yに関連する子音を発音する際の口とその周囲の外観を例示した参考画像9dと、当該子音の発音時における舌先の位置を示す識別表示21と、を有している。
【0046】
図24の子音カード4eは、表面に、英文字Rを想起させるイメージ画像7eを有しており、裏面に、英文字Rを表記した文字表記8eと、英文字Rに関連する子音を発音する際の口とその周囲の外観を例示した参考画像9eと、当該子音の発音時における舌先の位置を示す識別表示24と、を有している。図25の子音カード4fは、表面に、英文字Lを想起させるイメージ画像7fを有しており、裏面に、英文字Lを表記した文字表記8fと、英文字Lに関連する子音を発音する際の口とその周囲の外観を例示した参考画像9fと、当該子音の発音時における舌先の位置を示す識別表示22と、を有している。図25では、イメージ画像7fとしてレモン(Lemon)の画像を例示している。
【0047】
図26の子音カード4gは、表面に、英文字Mを想起させるイメージ画像7gを有しており、裏面に、英文字Mを表記した文字表記8gと、英文字Mに関連する子音を発音する際の口とその周囲の外観を例示した参考画像9gと、当該子音の発音時における舌先の位置を示す識別表示21と、を有している。図26では、イメージ画像7gとしてメロン(Melon)の画像を例示している。図27の子音カード4hは、表面に、英文字Pを想起させるイメージ画像7hを有しており、裏面に、英文字Pを表記した文字表記8hと、英文字Pに関連する子音を発音する際の口とその周囲の外観を例示した参考画像9hと、当該子音の発音時における舌先の位置を示す識別表示21と、を有している。図27では、イメージ画像7hとしてポップコーン(Popcorn)の画像を例示している。
【0048】
図28の子音カード4iは、表面に、英文字Bを想起させるイメージ画像7iを有しており、裏面に、英文字Bを表記した文字表記8iと、英文字Bに関連する子音を発音する際の口とその周囲の外観を例示した参考画像9iと、当該子音の発音時における舌先の位置を示す識別表示21と、を有している。図29の子音カード4jは、表面に、英文字Tを想起させるイメージ画像7jを有しており、裏面に、英文字Tを表記した文字表記8jと、英文字Tに関連する子音を発音する際の口とその周囲の外観を例示した参考画像9jと、当該子音の発音時における舌先の位置を示す識別表示23と、を有している。
【0049】
図30の子音カード4kは、表面に、英文字Dを想起させるイメージ画像7kを有しており、裏面に、英文字Dを表記した文字表記8kと、英文字Dに関連する子音を発音する際の口とその周囲の外観を例示した参考画像9kと、当該子音の発音時における舌先の位置を示す識別表示23と、を有している。図31の子音カード4lは、表面に、英文字Nを想起させるイメージ画像7lを有しており、裏面に、英文字Nを表記した文字表記8lと、英文字Nに関連する子音を発音する際の口とその周囲の外観を例示した参考画像9lと、当該子音の発音時における舌先の位置を示す識別表示23と、を有している。図31では、イメージ画像7lとして鼻(Nose)の画像を例示している。
【0050】
図32の子音カード4mは、表面に、英文字Fを想起させるイメージ画像7mを有しており、裏面に、英文字Fを表記した文字表記8mと、英文字Fに関連する子音を発音する際の口とその周囲の外観を例示した参考画像9mと、当該子音の発音時における舌先の位置を示す識別表示21と、を有している。図32では、イメージ画像7mとしてファン(Fan)の画像を例示している。図33の子音カード4nは、表面に、英文字Vを想起させるイメージ画像7nを有しており、裏面に、英文字Vを表記した文字表記8nと、英文字Vに関連する子音を発音する際の口とその周囲の外観を例示した参考画像9nと、当該子音の発音時における舌先の位置を示す識別表示21と、を有している。図33では、イメージ画像7nとして、スマートフォンのバイブレーション(vibration)の様子を例示している。
【0051】
図34の子音カード4oは、表面に、英文字Hを想起させるイメージ画像7oを有しており、裏面に、英文字Hを表記した文字表記8oと、英文字Hに関連する子音を発音する際の口とその周囲の外観を例示した参考画像9oと、当該子音の発音時における舌先の位置を示す識別表示21と、を有している。図35の子音カード4pは、表面に、英文字thを想起させるイメージ画像7pを有しており、裏面に、英文字thを表記した文字表記8pと、英文字thに関連する子音を発音する際の口とその周囲の外観を例示した参考画像9pと、当該子音の発音時における舌先の位置を示す識別表示25と、を有している。
【0052】
図36の子音カード4qは、表面に、英文字THを想起させるイメージ画像7qを有しており、裏面に、英文字THを表記した文字表記8qと、英文字THに関連する子音を発音する際の口とその周囲の外観を例示した参考画像9qと、当該子音の発音時における舌先の位置を示す識別表示25と、を有している。図37の子音カード4rは、表面に、英文字Kを想起させるイメージ画像7rを有しており、裏面に、英文字Kを表記した文字表記8rと、英文字Kに関連する子音を発音する際の口とその周囲の外観を例示した参考画像9rと、当該子音の発音時における舌先の位置を示す識別表示21と、を有している。
【0053】
図38の子音カード4sは、表面に、英文字Gを想起させるイメージ画像7sを有しており、裏面に、英文字Gを表記した文字表記8sと、英文字Gに関連する子音を発音する際の口とその周囲の外観を例示した参考画像9sと、当該子音の発音時における舌先の位置を示す識別表示21と、を有している。図39の子音カード4tは、表面に、英文字SHを想起させるイメージ画像7tを有しており、裏面に、英文字SHを表記した文字表記8tと、英文字SHに関連する子音を発音する際の口とその周囲の外観を例示した参考画像9tと、当該子音の発音時における舌先の位置を示す識別表示26と、を有している。図39では、識別表示26として、数字の0を丸で囲んだものを例示しており、図1では、識別表示26に対応する識別子を例示していない。図1の位置識別部材10に、識別表示26に対応する識別子を示すとすれば、当該識別子は、口腔内の空間19の内部に配置されることになる。位置識別部材10は、識別表示26に対応する識別子を有していてもよい。
【0054】
図40の子音カード4uは、表面に、英文字CHを想起させるイメージ画像7uを有しており、裏面に、英文字CHを表記した文字表記8uと、英文字CHに関連する子音を発音する際の口とその周囲の外観を例示した参考画像9uと、を有している。子音カード4uは、さらに裏面に、横並びの識別表示23と識別表示21を有している。図40の子音カード4uでは、これを視認したユーザに、舌先の位置を変化させるべきことを把握させるため、識別表示23と識別表示21との間に右向き矢印Sが描かれている。横並びの識別表示23及び識別表示21は、英文字CHに関連する子音の発音時における舌先の位置を示すものである。図41の子音カード4vは、表面に、英文字Jを想起させるイメージ画像7vを有しており、裏面に、英文字Jを表記した文字表記8vと、英文字Jに関連する子音を発音する際の口とその周囲の外観を例示した参考画像9vと、を有している。子音カード4vは、さらに裏面に、横並びの識別表示23と識別表示21を有している。図41の子音カード4vにも、識別表示23と識別表示21との間に右向き矢印Sが描かれている。横並びの識別表示23及び識別表示21は、英文字Jに関連する子音の発音時における舌先の位置を示すものである。
【0055】
図42の子音カード4wは、表面に、英文字ngを想起させるイメージ画像7wを有しており、裏面に、英文字ngを表記した文字表記8wと、英文字ngに関連する子音を発音する際の口とその周囲の外観を例示した参考画像9wと、当該子音の発音時の舌先の位置を示す識別表示21と、を有している。図43の子音カード4xは、表面に、英文字tsを想起させるイメージ画像7xを有しており、裏面に、英文字tsを表記した文字表記8xと、英文字tsに関連する子音を発音する際の口とその周囲の外観を例示した参考画像9xと、当該子音の発音時の舌先の位置を示す識別表示23と、を有している。図44の子音カード4yは、表面に、英文字dsを想起させるイメージ画像7yを有しており、裏面に、英文字dsを表記した文字表記8yと、英文字dsに関連する子音を発音する際の口とその周囲の外観を例示した参考画像9yと、当該子音の発音時の舌先の位置を示す識別表示23と、を有している。
【0056】
次に、図45図47を参照し、複数の単語カード5の具体例について説明する。図45の単語カード5aは、英単語「apple」を表記した単語表記T1と、当該英単語の発音を表現した発音画像H1と、を有している。発音画像H1は、顔表示Fhと、イメージ画像7hと、顔表示Faと、イメージ画像7fとを、英単語「apple」に合わせ横に並べて組み合わせたものである。顔表示Fh、イメージ画像7h、顔表示Fa、及びイメージ画像7fは、それぞれの相対的なサイズが、英単語「apple」を発音する際の強弱に応じたものとなっている。
【0057】
図46の単語カード5bは、英単語「elephant」を表記した単語表記T2と、当該英単語の発音を表現した発音画像H2と、を有している。発音画像H2は、顔表示Fdと、イメージ画像7fと、顔表示Faと、イメージ画像7mと、顔表示Faと、イメージ画像7lと、イメージ画像7jとを、英単語「elephant」に合わせ横に並べて組み合わせたものである。顔表示Fd、イメージ画像7f、顔表示Fa、イメージ画像7m、顔表示Fa、イメージ画像7l、及びイメージ画像7jは、それぞれの相対的なサイズが、英単語「elephant」を発音する際の強弱に応じたものとなっている。
【0058】
図47の単語カード5cは、英単語「under」を表記した単語表記T3と、当該英単語の発音を表現した発音画像H3と、を有している。発音画像H3は、顔表示Fc2と、イメージ画像7lと、イメージ画像7kと、顔表示Fbとを、英単語「under」に合わせ横に並べて組み合わせたものである。顔表示Fc2、イメージ画像7l、イメージ画像7k、及び顔表示Fbは、それぞれの相対的なサイズが、英単語「under」を発音する際の強弱に応じたものとなっている。
【0059】
単語セット50を構成する各単語カード5は、上記のように構成されているため、母音セット20と子音セット40の学習を終えたユーザであれば、発音画像Hを一見するだけで、これに対応する英単語を正確に発音することができる。
【0060】
次いで、図48を参照し、文法要素カード6の具体例について説明する。図48の文法要素カード6aは、イメージ画像7wを含み、現在進行形に係る「~ing」の発音及びイメージを表すものである。より具体的に、文法要素カード6aは、文法に関する情報を含む説明部G1と、歩いているキャラクターの鼻にイメージ画像7wが当て嵌められた画像である複合画像Z1と、を有している。図48の説明部G1には、「~ing」の文字が表記されている。文法要素カード6は、現在進行形に限らず、種々の文法に対応づけて創作することができる。文法要素カード6を用いれば、種々の文法の一要素の発音を、当該文法のイメージと共に、正確に把握させることができる。
【0061】
以上のように、本実施の形態1の英語教材100は、複数の母音カード2が、それぞれの一方の面に、人の顔を模した顔表示Fと、位置識別部材10の複数の識別子(11~15)それぞれと同様の態様である複数の識別表示(21~25)のうちの1つ又は2つと、を有している。顔表示Fは、当該母音カード2に対応する母音を発音する際の口の形を図形化した口型図形Mを含んでいる。そのため、母音カード2を一見したユーザは、口型図形Mから発音時の口の形を直感的に捉え、識別表示(21~25)から発音時の舌の位置を把握することができる。したがって、英語の発音を感覚的に身につけさせることができる。
【0062】
また、複数の母音カード2のうちの少なくとも1枚は、他方の面に、一方の面の母音と同系統の母音に対応する顔表示F及び識別表示のうちの1つ又は2つを有する両面仕様となっている。そして、両面仕様の母音カード2は、一方の面と他方の面の口型図形Mが、互いに同類の形状で大きさが異なるよう構成されている。したがって、同系統の母音を系統立てて説明し、あるいは系統立てて学習することができる。
【0063】
複数の母音カード2は、系統ごとに口型図形Mの色彩が異なっている。したがって、ユーザは、異なる系統の口型図形Mを、形状だけでなく、色彩からも区別することができる。つまり、ユーザに対し、個々の口型図形Mを強く印象づけ、記憶として鮮明に残すことができる。複数の母音カード2のうちの少なくとも1つは、顔表示Fにおいて、異なる系統の2つの母音カード2それぞれの口型図形Mが横並びに配置され、かつ、当該各口型図形Mそれぞれに対応する識別表示21と識別表示24とが横並びに配置されている。このように、口の形と舌の位置が変化する母音の発音についても、視覚的に分かりやすく伝えることができる。
【0064】
英語教材100は、互いに異なる英語の二重母音に対応づけられた複数の二重母音カード3を有していてもよい。複数の二重母音カード3は、それぞれの一方の面に、異なる系統の2つの母音カード2の顔表示Fを横並びで組み合わせた複合顔表示Wと、当該複合顔表示Wに対応する1又は複数の識別表示と、を有している。複数の二重母音カード3を用いれば、口の形の変化を伴う二重母音についても直感的に捉えることができるため、英語の発音学習の効率を高めることができる。
【0065】
英語教材100は、互いに異なる英語の子音に対応づけられた複数の子音カード4を有していてもよい。複数の子音カード4は、それぞれの一方の面に、英語の子音に関連する英文字を想起させる画像であるイメージ画像7を有している。また、複数の子音カード4は、それぞれの他方の面に、当該英文字を表記した文字表記8と、当該子音を発音する際の口とその周囲の外観を例示した参考画像9と、当該子音の発音時の舌先の位置を示す識別表示と、を有してる。かかる構成の子音カード4によれば、イメージ画像7により実用的なインスピレーションを膨らませつつ、参考画像9と識別表示とにより口の形と舌先の位置を認識させることができるため、正確な発音を促し、定着させることができる。なお、子音カード4は、文字表記8を設けずに構成してもよい。
【0066】
英語教材100は、互いに異なる英単語に対応づけられた複数の単語カード5を有していてもよい。複数の単語カード5は、それぞれの一方の面に、英単語を表記した単語表記Tと、当該英単語の発音を表現した発音画像Hと、を有している。発音画像Hは、当該英単語に対応する、1又は複数の顔表示Fと、1又は複数のイメージ画像7とを、当該英単語に合わせ横に並べて組み合わせたものである。したがって、母音セット20と子音セット40の学習を終えたユーザであれば、発音画像Hを一見するだけで、これに対応する英単語を正確に発音することができる。さらに、発音画像Hにおいて、顔表示F及びイメージ画像7それぞれのサイズは、当該英単語を発音する際の強弱に対応づけられている。そのため、学習者に、英単語をより正確に発音させることができる。
【0067】
英語教材100は、子音カード4のイメージ画像7を含み、英文法の一要素の発音及びイメージを表す文法要素カード6を有していてもよい。文法要素カード6によれば、発音に対する意識が欠落しがちな文法の要素についても、イメージと共に、正確な発音を意識させることができる。
【0068】
英語教材100は、位置識別部材10と複数の母音カード2とにより構成され、他のカードを有しなくてもよい。英語教材100は、位置識別部材10と、母音セット20と、二重母音セット30、子音セット40、単語セット50、及び文法セット60のうちの少なくとも1つとにより構成してもよい。もっとも、英語教材100は、複数の母音カード2だけで構成してもよい。
【0069】
上記の説明では、母音セット20が両面仕様の母音カード2を有する例を示したが、これに限定されない。母音セット20は、全てが片面仕様の母音カード2により構成されてもよい。この場合、両面仕様の母音カード2は、2枚の母音カード2に分けられる。つまり、かかる構成を採った場合、母音セット20は、互いに異なる英語の母音に対応づけられた複数の母音カード2により構成される。そして、複数の母音カード2は、それぞれの一方の面に、口型図形Mを含む顔表示Fと、複数の識別表示(21~25)のうちの1つ又は2つと、を有することになる。
【0070】
実施の形態2.
図49及び図50を参照し、本発明の実施の形態2に係る英語教材200について説明する。上述した実施の形態1の英語教材200と同様の構成については同一の符号を付して重複する説明は省略又は簡略化する。
【0071】
本実施の形態2の英語教材200は、位置識別部材10と、情報端末80と、により構成されている。情報端末80は、種々の情報を表示する表示部84bを有している。すなわち、英語教材200では、情報端末80の表示部84bに、実施の形態1の各種カードと同様の画像(仮想カード)が表示されるよう構成されている。表示部84bは、例えば、互いに異なる系統の英語の母音に対応づけられた複数の母音カード2を表示するものである。
【0072】
情報端末80は、例えば、英語の発音の指導者又は英語の発音の学習者などが使用するPC(Personal Computer)である。PCには、タブレットPC、スマートフォン、ノートPC、デスクトップ型PCなどが含まれる。本実施の形態2では、複数の母音カード2、複数の二重母音カード3、複数の子音カード4、複数の単語カード5、及び1又は複数の文法要素カード6につき、仮想カードと総称する。情報端末80の表示部84bに表示される仮想カードは、Web会議システムの使用中に、画面共有等で表示されるものであってもよい。
【0073】
次に、図50を参照し、情報端末80の機能的な構成例について説明する。情報端末80は、例えば、通信部81と、情報処理部82と、記憶部83と、入出力部84と、により構成される。通信部81は、情報端末80が外部機器との間で有線又は無線による通信を行うためのインタフェースである。記憶部83には、情報処理部82の動作プログラムの他、種々の情報が記憶される。記憶部83には、複数の母音カード2の情報の他に、複数の二重母音カード3の情報、複数の子音カード4の情報、複数の単語カード5の情報、少なくとも1つの文法要素カード6の情報などが格納される。記憶部83に格納される種々の仮想カードの情報の型式は問わない。記憶部83は、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、eMMC(embedded Multi Media Card)、SSD(Solid State Drive)、又はHDD(Hard Disk Drive)などにより構成される。
【0074】
入出力部84は、例えば、入力部84aと表示部84bとが積層されたタッチパネルにより構成される。入力部84aは、ユーザによる入力操作を受け付け、入力操作に応じた信号を情報処理部82へ出力する。より具体的に、入力部84aは、ユーザによってタッチされた位置等を検出し、検出した位置等の情報を情報処理部82へ出力する。表示部84bは、例えば液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)からなり、文字又は画像などを表示するものである。もっとも、入出力部84は、タッチパネルに限定されない。例えば、入力部84aは、マウスなどのポインティングデバイス又はキーボード等であってよく、すなわち、入力部84aと表示部84bとは互いに分離した構成であってもよい。
【0075】
情報処理部82は、入力部84aに対するユーザの操作に応じて、記憶部83から仮想カードの情報を読み出し、当該仮想カードを表示部84bに表示させる。図49の表示部84bには、情報処理部82が英語学習プログラムに基づく動作を行う前提での表示画面84Gを例示している。英語学習プログラムは、種々の仮想カードの情報が組み込まれた動作プログラムであり、記憶部83等に格納される。情報処理部82は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、又はGPU(Graphics Processing Unit)などにより構成される。
【0076】
情報処理部82が表示させる表示画面84Gは、仮想カードが表示される領域であるカード領域CEを有している。表示画面84Gは、表示中の仮想カードのカテゴリを示す種別表示部C1を有していてもよい。表示画面84Gは、仮想カードの左側への切替が可能であることを示す左遷移ボタンB1と、仮想カードの右側への遷移が可能であることを示す右遷移ボタンB2と、を有していてもよい。例えば、情報処理部82は、入出力部84に対する左方向へのスワイプ動作を受け付けると、英語学習プログラム上での順序が後の仮想カードを表示部84bに表示させる。情報処理部82は、入出力部84に対する右方向へのスワイプ動作を受け付けると、英語学習プログラム上での順序が前の仮想カードを表示部84bに表示させる。
【0077】
図49に例示する表示画面84Gは、両面仕様の母音カード2cに係るものである。そのため、表示画面84Gは、表示中の母音カード2と同系統の他の母音カード2が存在すること、つまり、表示中の母音カード2が両面仕様であることを示す系統遷移ボタンB3を有している。ユーザは、系統遷移ボタンB3を見て、当該母音カード2が両面仕様であることを確認することができる。情報処理部82は、入出力部84に対する上方向又は下方向のスワイプ動作を受け付けると、母音カード2の表示同系統内で切り替える。
【0078】
左遷移ボタンB1、右遷移ボタンB2、及び系統遷移ボタンB3には、仮想カードの切替指示を受け付ける機能を持たせてもよい。つまり、情報処理部82は、左遷移ボタンB1、右遷移ボタンB2、又は系統遷移ボタンB3に対するタップ操作又はクリック操作等に応じて仮想カードの切替処理を行うよう構成してもよい。情報処理部82は、表示する仮想カードの種別を選択させる種別選択画面を表示部84bに表示させ、種別選択画面での選択操作に応じ、選択された種別の仮想カードを表示部84bに表示させてもよい。
【0079】
もっとも、種々の仮想カードの画像は、インターネットなどのネットワークNを介して、サーバなどの管理装置90から情報端末80に提供されてもよい。この場合、管理装置90は、情報端末80との連携により、種々の仮想カードを表示部84bに表示させる。英語教材200は、位置識別部材10と情報端末80と管理装置90とにより構成してもよい。位置識別部材10は、情報端末80の表示部84bに、仮想カードの1つとして表示されてもよい。
【0080】
図49では、表示画面84Gにおいて、片面仕様の母音カード2と、両面仕様の母音カード2とが区別される例を示したが、これに限定されない。複数の母音カード2は、英語学習プログラムにおいて、全てが片面仕様として登録されていてもよい。この場合、同系統の母音カード2の表示も、左右方向に対する操作に応じて切り替わる。つまり、かかる構成を採った場合、母音セット20は、互いに異なる英語の母音に対応づけられた複数の母音カード2により構成される。もっとも、仮想カードの切替方向は、左右方向に限らず、上下方向であってもよい。英語教材200の他の構成・代替構成については、本実施の形態1の英語教材100と同様である。
【0081】
以上のように、本実施の形態2の英語教材200は、複数の母音カード2が、それぞれの一方の面に、人の顔を模した顔表示Fと、位置識別部材10の複数の識別子(11~15)それぞれと同様の態様である複数の識別表示(21~25)のうちの1つ又は2つと、を有している。顔表示Fは、当該母音カード2に対応する母音を発音する際の口の形を図形化した口型図形Mを含んでいる。そのため、母音カード2を一見したユーザは、口型図形Mから発音時の口の形を直感的に捉え、識別表示(21~25)から発音時の舌の位置を把握することができる。したがって、英語の発音を感覚的に身につけさせることができる。
【0082】
複数の母音カード2のうちの少なくとも1枚は、他方の面に、一方の面の母音と同系統の母音に対応する顔表示F及び識別表示のうちの1つ又は2つを有する両面仕様としてもよい。より具体的に、同系統の2つの母音の情報については、表示画面84G上の仮想的な母音カード2において、一方の面(表面)と他方の面(裏面)にそれぞれ振り分けられるよう構成するとよい。このようにすれば、同系統の母音を系統立てて説明し、あるいは系統立てて学習することができる。英語教材200の他の効果等については、本実施の形態1の英語教材100と同様である。
【0083】
ここで、上述した各実施の形態は、英語教材における具体例に過ぎず、本発明の技術的範囲は、これらの態様に限定されるものではない。例えば、母音カード2における発音記号と顔表示Fと識別表示の配置及び大きさは、各図の例に限らず、適宜調整することができる。ただし、顔表示Fはカード全体の中央に比較的大きく描くとよい。また、識別表示については、位置識別部材10における識別子(11~15)の配置にリンクさせるとよい。図1及び図49の位置識別部材10は、口が左側を向いているため、識別表示の左側に配置するのが望ましい。母音カード2、二重母音カード3、子音カード4、単語カード5、及び文法要素カード6の各パーツの配置及び形状も同様、適宜調整することができる。
【0084】
図1及び図49では、ベタ塗りの円に白抜き文字を配した識別子(11~15)を例示しているが、識別子の態様はこれに限定されない。識別子は、数字が丸で囲われた態様であってもよいし、数字ではなく、文字や記号を有するものであってもよい。識別子の外形は、円に限らず、楕円や多角形などであってもよい。識別子は、数字、文字、記号などの単体であってもよい。複数の識別子は、数字、文字、記号などを含まず、形状や色彩によって互いに区別可能な態様としてもよい。ただし、識別子は、数字を含むよう構成した方が、学習者に舌先の位置をより直感的に認識させることができる。なお、各図の例では、英語の発音時に舌先が最も多く配置される箇所に対応する識別子に、数字の「1」が割り当てられている。識別表示(21~26)の態様についても、識別子(11~15)と同様である。
【0085】
顔表示Fは、各図の態様に限定されない。例えば、目の配置及び態様は適宜変更してもよく、眉毛の有無は問わない。子音カード4の参考画像9は、写真に限らず、描画やイラストなどであってもよい。各種カードは、実際にはフルカラーで表現するとよい。本明細書では、淡い色彩をモノクロで表現するため、各種カードに、実際には不要な輪郭のラインなどを入れている。上記の説明では、複数の母音カード2における口型図形Mの色彩バリエーションの一例を示したが、複数の口型図形Mにおける色彩の組み合わせは、適宜調整してもよい。図10では、口型図形Mbを含む顔表示Fbの上に、口型図形Mc1を含む顔表示Fc1を重ねた態様の顔表示Fmを例示しているが、顔表示Fmの態様はこれに限定されない。同様に、図11では、口型図形Mbを含む顔表示Fbの上に、口型図形Mfを含む顔表示Ffを重ねた態様の顔表示Fnを例示しているが、顔表示Fnの態様はこれに限定されない。顔表示Fm及び顔表示Fnにおいて、2つの顔表示Fの重ね具合は、適宜調整することができる。各図に示す右向き矢印Sは、省略してもよい。
【符号の説明】
【0086】
2、2a~2h、2m、2n 母音カード、3、3a~3h 二重母音カード、4、4a~4y 子音カード、5、5a~5c 単語カード、6、6a 文法要素カード、7、7a~7y イメージ画像、8、8a~8y 文字表記、9、9a~9y 参考画像、10 位置識別部材、11 第1識別子、12 第2識別子、13 第3識別子、14 第4識別子、15 第5識別子、18 両顎表示、19 空間、20 母音セット、21~26 識別表示、30 二重母音セット、40 子音セット、50 単語セット、60 文法セット、80 情報端末、81 通信部、82 情報処理部、83 記憶部、84 入出力部、84G 表示画面、84a 入力部、84b 表示部、90 管理装置、100、200 英語教材、B1 左遷移ボタン、B2 右遷移ボタン、B3 系統遷移ボタン、C1 種別表示部、CE カード領域、F、Fa、Fb、Fc1、Fc2、Fd、Fe1、Fe2、Ff、Fg1、Fg2、Fh、Fm、Fn 顔表示、G1 説明部、H、H1~H3 発音画像、M、Ma、Mb、Mc1、Mc2 、Md、Me1、Me2、Mf、Mg1、Mg2、Mh 口型図形、N ネットワーク、Nh 鼻画像、Pa、Pb、Pc1、Pc2、Pd、Pe1、Pe2、Pf、Pg1 、Pg2、Pm、Pn、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rf、Rg、Rh 発音記号、S 右向き矢印、T、T1~T3 単語表記、W、Wa~Wh 複合顔表示、Z1 複合画像。
【要約】
【課題】英語の発音を感覚的に身につけさせる英語教材を提供すること。
【解決手段】位置識別部材と複数の母音カードとを有する英語教材。位置識別部材は、人の両顎部分の側面断面を概略的に表した両顎表示と、発音時における舌先の複数の位置それぞれを識別させる複数の識別子と、を含む。複数の母音カードは、互いに異なる英語の母音に対応づけられている。複数の母音カードは、それぞれの一方の面に、人の顔を模した顔表示と、複数の識別表示のうちの1つ又は2つと、を有している。顔表示は、対応する母音を発音する際の口の形を図形化した口型図形を含む。複数の識別表示は、それぞれ、複数の識別子のうちの何れかと同様の態様である。
【選択図】図1
図1
図2
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図4
図5
図6
図7
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