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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-08
(45)【発行日】2024-08-19
(54)【発明の名称】包装用容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 43/08 20060101AFI20240809BHJP
   B65D 43/10 20060101ALI20240809BHJP
   B65D 51/28 20060101ALI20240809BHJP
   B65D 77/08 20060101ALI20240809BHJP
【FI】
B65D43/08 200
B65D43/10
B65D51/28
B65D77/08 G
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019162214
(22)【出願日】2019-09-05
(65)【公開番号】P2021038014
(43)【公開日】2021-03-11
【審査請求日】2022-08-05
(73)【特許権者】
【識別番号】390041058
【氏名又は名称】シーピー化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】平山 学
(72)【発明者】
【氏名】大石 修嗣
(72)【発明者】
【氏名】▲柳▼瀬 知希
【審査官】矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】実開昭56-012041(JP,U)
【文献】登録実用新案第3060898(JP,U)
【文献】実開昭62-076147(JP,U)
【文献】特許第6371023(JP,B1)
【文献】登録実用新案第3052893(JP,U)
【文献】実開平06-069156(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 43/08
B65D 43/10
B65D 51/28
B65D 77/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外容器と、前記外容器に支持された状態で収容される内容器と、前記外容器の上部開口を覆う蓋体と、を備え、シート成形によって形成される包装用容器であって、
前記外容器は、外側底面部と、前記外側底面部から上方に延びる外側周壁部と、前記外側周壁部から外側に延びる外側フランジ部と、前記外側フランジ部よりも周縁側に設けられた外側逆テーパー部と、を有し、
前記内容器は、内側底面部と、前記内側底面部から上方に延びる内側周壁部と、前記内側周壁部から外側に延びる内側フランジ部と、を有し、
前記蓋体は、天面部と、前記天面部から下方に延びる蓋体周壁部と、前記蓋体周壁部から外側に延びる蓋体フランジ部と、前記蓋体フランジ部よりも周縁側に設けられた蓋体逆テーパー部と、を有し、
前記外側フランジ部に載置される前記内側フランジ部を前記外側フランジ部と前記蓋体フランジ部とで上下に挟んだ状態で、前記外側逆テーパー部と前記蓋体逆テーパー部とが嵌合し、
前記外側周壁部は、対向する一対の平板状面と、一対の前記平板状面どうしを接続する一対の湾曲面と、を有し、
前記平板状面と前記湾曲面との境界部に、外方に向かって膨出する膨出部が形成されている包装用容器。
【請求項2】
前記平板状面と前記湾曲面との境界部の前記膨出部は、外方に向かって丸みを帯びた半円柱状に形成されている請求項1に記載の包装用容器。
【請求項3】
前記外容器は、前記外側フランジ部よりも外側に突出する突出片からなる少なくとも1つの外側摘み部をさらに有し、
前記蓋体は、前記蓋体フランジ部よりも外側に突出する突出片からなる少なくとも1つの蓋体摘み部をさらに有し、
前記外側摘み部と前記蓋体摘み部とが重ね合わされている請求項1又は2に記載の包装用容器。
【請求項4】
前記内容器が、前記外容器に内嵌合した状態で支持されている請求項1から3のいずれか一項に記載の包装用容器。
【請求項5】
前記外側逆テーパー部と前記蓋体逆テーパー部とが嵌合する逆テーパー嵌合部が、容器外周に断続的に設けられている請求項1からのいずれか一項に記載の包装用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
外容器と、外容器に支持された状態で収容される内容器と、外容器の上部開口を覆う蓋体とを備える包装用容器が利用されている。このような3点式の包装用容器は、例えば外容器に第1の食材を収容し、内容器に第2の食材を収容することができるため、食する直前まで両食材が完全に分離していることが好ましい食品を包装するのに適している。
【0003】
3点式の包装用容器の一例が、例えば登録実用新案第3052893号公報(特許文献1)に開示されている。特許文献1の包装用容器は、下容器10(「外容器」に対応)の水平部分11bの上に中容器20(「内容器」に対応)の水平部分21bが重ねられ、さらにその上に蓋30(「蓋体」に対応)の水平部分31aが重ねられて閉蓋される。この閉蓋状態で、蓋30の垂下部分31bに形成された係止用凸部31cが、下容器10の外縁に設けられた係止部11dよりも下側に位置している。
【0004】
特許文献1の包装用容器の構造では、蓋30に開蓋方向の力が作用すると蓋30の係止用凸部31cが下容器10の係止部11dに下方から係止可能ではあるが、通常時には係止用凸部31cと係止部11dとの間は隙間が存在している(特許文献1の図1を参照)。このため、閉蓋状態での下容器10、中容器20、及び蓋30の相互の固定が不十分で、搬送中に包装用容器の中で内容器が移動してしまう場合があった。中で内容器が移動すると、意図せず開蓋したり内容器に収容された食材が飛散したりする恐れがあり、好ましくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】登録実用新案第3052893号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
外容器と内容器と蓋体とを備える3点式の包装用容器において、閉蓋状態での内容器の移動を効果的に抑制できるようにすることが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る包装用容器は、
外容器と、前記外容器に支持された状態で収容される内容器と、前記外容器の上部開口を覆う蓋体と、を備え、シート成形によって形成される包装用容器であって、
前記外容器は、外側底面部と、前記外側底面部から上方に延びる外側周壁部と、前記外側周壁部から外側に延びる外側フランジ部と、前記外側フランジ部よりも周縁側に設けられた外側逆テーパー部と、を有し、
前記内容器は、内側底面部と、前記内側底面部から上方に延びる内側周壁部と、前記内側周壁部から外側に延びる内側フランジ部と、を有し、
前記蓋体は、天面部と、前記天面部から下方に延びる蓋体周壁部と、前記蓋体周壁部から外側に延びる蓋体フランジ部と、前記蓋体フランジ部よりも周縁側に設けられた蓋体逆テーパー部と、を有し、
前記外側フランジ部に載置される前記内側フランジ部を前記外側フランジ部と前記蓋体フランジ部とで上下に挟んだ状態で、前記外側逆テーパー部と前記蓋体逆テーパー部とが嵌合する。
【0008】
この構成によれば、外側逆テーパー部と蓋体逆テーパー部とが嵌合することで、外容器と蓋体とが強固に固定される。この状態で、外容器の外側フランジ部と蓋体の蓋体フランジ部とで内容器の内側フランジ部を上下に挟み込むので、強固に固定された外容器と蓋体とで、さらに内容器をも強固に固定することができる。よって、閉蓋状態での内容器の移動を効果的に抑制することができる。
【0009】
以下、本発明の好適な態様について説明する。但し、以下に記載する好適な態様例によって、本発明の範囲が限定される訳ではない。
【0010】
一態様として、
前記外容器は、前記外側フランジ部よりも外側に突出する突出片からなる少なくとも1つの外側摘み部をさらに有し、
前記蓋体は、前記蓋体フランジ部よりも外側に突出する突出片からなる少なくとも1つの蓋体摘み部をさらに有し、
前記外側摘み部と前記蓋体摘み部とが重ね合わされていることが好ましい。
【0011】
この構成によれば、蓋体フランジ部よりも外側に突出する突出片からなる蓋体摘み部を摘まんで、容易に開蓋することができる。閉蓋状態では、蓋体摘み部と本体摘み部とが重ね合わされるため、蓋体摘み部に対する引っ掛かり等によって意図せず開蓋されてしまうことが抑制できる。
【0012】
一態様として、
前記内容器が、前記外容器に内嵌合した状態で支持されていることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、内容器の移動をさらに効果的に抑制することができる。
【0014】
一態様として、
前記外側周壁部に、外方に向かって膨出する膨出部が形成されていることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、外容器の剛性を高めて捻じれを抑えることができる。よって、この点からも、内容器の移動を抑制することができる。
【0016】
一態様として、
前記外側逆テーパー部と前記蓋体逆テーパー部とが嵌合する逆テーパー嵌合部が、容器外周に断続的に設けられていることが好ましい。
【0017】
この構成によれば、逆テーパー嵌合部が容器の全周に亘って設けられる構成に比べて、外容器と蓋体とが必要以上に強固に嵌合されることを抑制できる。よって、意図されない開蓋を効果的に抑制しながらも、必要時における開蓋のしやすさを損なうことがない。
【0018】
一態様として、
少なくとも対向する一対の対向辺部とそれらを接続する接続辺部とを有する平面視形状に形成され、
一対の前記対向辺部の中央部に、前記逆テーパー嵌合部が独立して設けられていることが好ましい。
【0019】
この構成によれば、各対向辺部において外容器と蓋体との嵌合力を適度に高めることができる。
【0020】
一態様として、
一対の前記対向辺部の両端部に、前記逆テーパー嵌合部がさらに独立して設けられていることが好ましい。
【0021】
この構成によれば、各対向辺部において外容器と蓋体との嵌合力をさらに適度に高めることができる。
【0022】
一態様として、
前記接続辺部の中央部に、前記逆テーパー嵌合部が独立して設けられていることが好ましい。
【0023】
この構成によれば、各接続辺部において外容器と蓋体との嵌合力を適度に高めることができる。
【0024】
本発明のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】包装用容器の分解斜視図
図2】包装用容器の分解正面図
図3】外容器の側面図
図4】外容器の平面図
図5】閉蓋状態での包装用容器の断面図
図6】別態様の包装用容器の断面図
【発明を実施するための形態】
【0026】
包装用容器の実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態では、弁当や惣菜等の食品を被収容物としてその内部に収容する包装用容器(食品包装用容器)1を例として説明する。本実施形態の包装用容器1は、食する直前まで完全に分離していることが好ましい2種の食材を含む食品を包装するのに適している。
【0027】
なお、以下では、包装用容器1の内部側に向かう方向(外縁側から中央側に向かう方向)を「内方」と言い、包装用容器1の外部側に向かう方向(中央側から外縁側に向かう方向)を「外方」と言う。
【0028】
図1図3に示すように、包装用容器1は、外容器2と内容器3と蓋体4とを備えている。包装用容器1は、シート成形によって形成されている。包装用容器1を構成する外容器2、内容器3、及び蓋体4が、それぞれ、シート成形によって形成されている。
【0029】
外容器2、内容器3、及び蓋体4は、例えば厚みが0.1mm~3mm(好ましくは0.2mm~1.5mm)の合成樹脂シートを熱成形(例えば真空成形、圧空成形、真空圧空成形、及び熱板成形等)して形成することができる。外容器2と内容器3と蓋体4とで、シート厚が互いに異なっても良い。
【0030】
外容器2、内容器3、及び蓋体4を構成する合成樹脂シートとしては、例えばポリオレフィン系樹脂シート、ポリスチレン系樹脂シート、及びポリエステル系樹脂シート等の熱可塑性樹脂シートを用いることができる。これらは、発泡シートであっても良いし、非発泡シートであっても良い。また、積層シートを用いることもでき、積層シートとしては、例えば発泡シートにフィルムをラミネートしたフィルムラミネート発泡シート、共押出ラミネートシート、及び押出ラミネートシート等を用いることができる。
【0031】
外容器2及び内容器3は、例えば黒色や白色等の有色であっても良いし、無色透明であっても良い。本実施形態の蓋体4は、無色透明に形成されている。蓋体4を無色透明とすることで、被収容物たる食品を外から視認しやすくできる。なお、外容器2、内容器3、及び蓋体4の少なくとも1つには、模様等のデザインが付されていても良い。
【0032】
包装用容器1は、少なくとも対向する一対の対向辺部Soと、それら一対の対向辺部Soどうしを接続する接続辺部Scとを有する平面視形状に形成されている。図1及び図4に示すように、本実施形態の包装用容器1は、平面視長円状に形成されている。包装用容器1は、一対の直線状の対向辺部Soと、一対の半円状に湾曲する接続辺部Scとを有している。
【0033】
図1図4に示すように、外容器2は、外側底面部21と、外側周壁部22と、外側フランジ部23と、外側スカート部24と、外側逆テーパー部25と、外側摘み部26とを有している。外容器2には、例えば白米やパスタ麺等の第1の食材が収容されると好適である。外側底面部21は、平面視長円状に形成されている。外側周壁部22は、外側底面部21から上方に延びている。外側周壁部22は、外側底面部21の外縁から連続して形成されている。外側周壁部22は、上方に向かうに従って外方に傾斜するように形成されている。
【0034】
本実施形態では、外側周壁部22に、外方に向かって膨出する膨出部27が形成されている。このような膨出部27として、本実施形態では、三角柱状膨出部27A及び半円柱状膨出部27Bの2種が形成されている。三角柱状膨出部27Aは、外方に向かって尖るように形成されている。三角柱状膨出部27Aは、外側周壁部22における湾曲面22a(接続辺部Scに対応する位置にある面)に形成されている。半円柱状膨出部27Bは、外方に向かって丸みを帯びるように形成されている。半円柱状膨出部27Bは、外側周壁部22における平板状面22b(対向辺部Soに対応する位置にある面)と湾曲面22aとの境界付近に形成されている。このような膨出部27を備えることで、外容器2の剛性を高めることができ、それにより外容器2の捻じれを抑えることができる。
【0035】
外側フランジ部23は、外側周壁部22から外側に延びている。外側フランジ部23は、外側周壁部22の上端から水平方向に沿って外側に延びている。この外側フランジ部23には、内容器3に設けられる内側フランジ部33が載置される。外側スカート部24は、外側フランジ部23の外側端部から下方に延びている。この外側スカート部24における下方領域に、外側逆テーパー部25が形成されている。外側逆テーパー部25は、下方に向かうに従って内方に傾斜するように形成されている。本実施形態では、外側スカート部24における下方領域には全周に亘って内向きに窪む凹溝24Gが形成されている。そして、その凹溝24Gの上方側の内壁によって、外側逆テーパー部25が構成されている。これにより、外側逆テーパー部25は、外側フランジ部23よりも周縁側に設けられているとともに、全周に亘って形成されている。外側逆テーパー部25には、後述する蓋体4に設けられる蓋体逆テーパー部45が外方から嵌合する。
【0036】
外側摘み部26は、外側スカート部24の下端から水平方向に沿って外側に延びている。外側摘み部26は、外側フランジ部23よりも外側に突出する突出片で構成されており、外容器2に少なくとも1つ設けられている。本実施形態では、対角の位置関係となる2箇所に、計2つの外側摘み部26が設けられている。外側摘み部26は、平面状に形成された摘み面部26Aと、この摘み面部26Aから上方に突出する上方突起部26Bとを有している。外側摘み部26には、後述する蓋体4に設けられる蓋体摘み部46が重ね合わされる。
【0037】
図1及び図2に示すように、内容器3は、外容器2に支持された状態で当該外容器2に収容される。内容器3は、内側底面部31と、内側周壁部32と、内側フランジ部33とを有している。内容器3には、例えば惣菜やパスタソース等の第2の食材が収容されると好適である。内側底面部31は、平面視長円状に形成されている。内側底面部31には、当該内側底面部31から立ち上がって形成される区画壁37が設けられている。
【0038】
内側周壁部32は、内側底面部31から上方に延びている。内側周壁部32は、内側底面部31の外縁から連続して形成されている。内側周壁部32は、上方に向かうに従って外方に傾斜するように形成されている。内側周壁部32における接続辺部Scの位置にある部分は、外容器2に支持された状態で外容器2よりも上方に突出する上方突出部32Aとなっている。
【0039】
内側フランジ部33は、内側周壁部32から外側に延びている。内側フランジ部33は、水平方向に沿って外側に延びている。内側フランジ部33は、外容器2の外側フランジ部23に載置される。このように、内側フランジ部33が外側フランジ部23に載置された状態で、内容器3が外容器2に支持される。また、内側フランジ部33には、蓋体4に設けられる蓋体フランジ部43が載置される。
【0040】
図1及び図2に示すように、蓋体4は、外容器2の上部開口を覆う。また、蓋体4は、外容器2に支持された内容器3の上部開口を覆う。蓋体4は、天面部41と、蓋体周壁部42と、蓋体フランジ部43と、蓋体スカート部44と、蓋体逆テーパー部45と、蓋体摘み部46とを有している。天面部41は、平面視長円状に形成されている。蓋体周壁部42は、天面部41から下方に延びている。蓋体周壁部42は、天面部41の外縁から連続して形成されている。蓋体周壁部42は、下方に向かうに従って外方に傾斜するように形成されている。
【0041】
蓋体フランジ部43は、蓋体周壁部42から外側に延びている。蓋体フランジ部43は、蓋体周壁部42の下端から水平方向に沿って外側に延びている。蓋体スカート部44は、蓋体フランジ部43の外側端部から下方に延びている。この蓋体スカート部44の内面側における下方領域に、蓋体逆テーパー部45が形成されている。蓋体逆テーパー部45は、下方に向かうに従って内方に傾斜するように形成されている。本実施形態では、外側スカート部24における下方領域に、内向きに突出する線状突起44Pが形成されている。線状突起44Pの上側の表面は、下方に向かうに従って内方に傾斜するように形成されており、その線状突起44Pの上側の表面によって、蓋体逆テーパー部45が構成されている。これにより、蓋体逆テーパー部45は、蓋体フランジ部43よりも周縁側に設けられている。
【0042】
蓋体逆テーパー部45は、蓋体スカート部44の周方向に断続的に設けられている。本実施形態では、計8つの線状突起44P(蓋体逆テーパー部45)が、周方向に断続的に設けられている。蓋体逆テーパー部45は、各対向辺部Soの中央部と、各対向辺部Soの両端部(接続辺部Scとの境界部)と、各接続辺部Scの中央部とに、独立して設けられている。蓋体逆テーパー部45は、外容器2の外側逆テーパー部25に対して外方から嵌合する。
【0043】
蓋体摘み部46は、蓋体スカート部44の下端から水平方向に沿って外側に延びている。蓋体摘み部46は、蓋体フランジ部43よりも外側に突出する突出片で構成されており、蓋体4に少なくとも1つ設けられている。本実施形態では、対角の位置関係となる2箇所であって、外容器2の2つの外側摘み部26に対応する位置に、計2つの蓋体摘み部46が設けられている。蓋体摘み部46は、平面状に形成された摘み面部46Aと、この摘み面部46Aから下方に突出する下方突起部46Bとを有している。蓋体摘み部46は、外容器2の外側摘み部26に重ね合わされる。
【0044】
図5に示すように、外容器2の外側逆テーパー部25と蓋体4の蓋体逆テーパー部45とが嵌合して、逆テーパー嵌合部15が構成されている。逆テーパー嵌合部15は、いずれも下方に向かうに従って内方に傾斜する逆テーパー面どうしが嵌合する部位であるから、嵌合力が大きく、強固に嵌合することができる。よって、外容器2から蓋体4が外れにくい。なお、鉛直線に対する逆テーパー嵌合部15の傾きθは、例えば30°~90°であると好適である。
【0045】
ここで、上述したように、外側逆テーパー部25は全周に亘って形成されており、蓋体逆テーパー部45は周方向に断続的に設けられている。このため、逆テーパー嵌合部15の形成位置は蓋体逆テーパー部45の形成位置に依存することになり、逆テーパー嵌合部15は容器外周に断続的に設けられていることになる。より具体的には、逆テーパー嵌合部15は、各対向辺部Soの中央部と、各対向辺部Soの両端部(接続辺部Scとの境界部)と、接続辺部Scの中央部とに、独立して設けられている。
【0046】
このように、逆テーパー嵌合部15を断続的に設けることで、外容器2と蓋体4とが必要以上に強固に嵌合されることを抑制でき、外容器2と蓋体4との嵌合力を適度に高めることができる。よって、必要時における開蓋のしやすさを損なうことなく、意図されない開蓋を効果的に抑制することができる。
【0047】
外容器2の外側フランジ部23と、内容器3の内側フランジ部33と、蓋体4の蓋体フランジ部43とは、互いに平行となるように形成されている。そして、これらは、図5に示すように、閉蓋状態で、外側フランジ部23と内側フランジ部33とが面接触し、さらに内側フランジ部33と蓋体フランジ部43とが面接触する状態で重ね合わされる。すなわち、外側フランジ部23に内側フランジ部33が載置され、その内側フランジ部33が外側フランジ部23と蓋体フランジ部43とで上下に挟まれる。そしてその状態で、外側逆テーパー部25と蓋体逆テーパー部45とが嵌合する。
【0048】
このような構成では、逆テーパー嵌合部15において外側逆テーパー部25と蓋体逆テーパー部45とが嵌合することで、外容器2と蓋体4とが強固に固定される。この状態で、外容器2の外側フランジ部23と蓋体4の蓋体フランジ部43とで内容器3の内側フランジ部33を上下に挟み込むので、強固に固定された外容器2と蓋体4とで、さらに内容器3をも強固に固定することができる。よって、閉蓋状態での内容器3の移動を効果的に抑制することができる。内容器3が移動しにくくなることで、意図せず開蓋したり内容器3に収容された食材が飛散したりするのを効果的に抑制することができる。
【0049】
〔その他の実施形態〕
(1)上記の実施形態では、逆テーパー嵌合部15が、各対向辺部Soの中央部と、各対向辺部Soの両端部(接続辺部Scとの境界部)と、接続辺部Scの中央部とに、独立して設けられている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば逆テーパー嵌合部15が、各対向辺部Soの中央部と接続辺部Scの中央部とだけに独立して設けられても良い。或いは、逆テーパー嵌合部15が、各対向辺部Soと各接続辺部Scとの境界部だけに設けられても良い。また、逆テーパー嵌合部15が、各対向辺部So及び各接続辺部Scに、任意の個数で設けられても良い。また、例えば逆テーパー嵌合部15が、少なくとも外側摘み部26及び蓋体摘み部46の形成位置に対応させて設けられても良い。外側摘み部26と蓋体摘み部46とが重ね合わされる領域を「開蓋領域」として、逆テーパー嵌合部15が、開蓋領域の略全域に形成されつつ、開蓋領域以外の領域に断続的に形成されても良い。
【0050】
(2)上記の実施形態では、逆テーパー嵌合部15が周方向に断続的に設けられるにあたり、外側逆テーパー部25が全周に亘って形成され、蓋体逆テーパー部45が周方向に断続的に形成されている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば外側逆テーパー部25も、蓋体逆テーパー部45が形成された位置に対応させて断続的に形成されても良い。
【0051】
(3)上記の実施形態では、逆テーパー嵌合部15が周方向に断続的に設けられている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば逆テーパー嵌合部15が全周に亘って連続して設けられても良い。この場合、蓋体逆テーパー部45も、全周に亘って連続して形成される。
【0052】
(4)上記の実施形態では、外側周壁部22に、外方に向かって膨出する膨出部27として、三角柱状膨出部27A及び半円柱状膨出部27Bの2種が形成されている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば三角柱状膨出部27Aだけが外側周壁部22に形成されても良いし、半円柱状膨出部27Bだけが外側周壁部22に形成されても良い。また、三角柱状や半円柱状に限らず、膨出部27の具体的形状は任意であって良い。また、必ずしも膨出部27が外側周壁部22に形成されていなくても良い。
【0053】
(5)上記の実施形態では、内容器3の内側フランジ部33が外容器2の外側フランジ部23に載置された状態で内容器3が外容器2に支持される構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば図6に示すように、包装用容器1が内嵌合部Fiを備え、内容器3が外容器2に内嵌合した状態で支持されても良い。
【0054】
(6)上記の実施形態では、対角の位置関係となる2箇所に、重なり合う状態で外側摘み部26と蓋体摘み部46とが設けられている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、外側摘み部26及び蓋体摘み部46は、1箇所だけに設けられても良いし、3箇所以上に設けられても良い。また、必ずしも外側摘み部26と蓋体摘み部46とが重なり合う必要はなく、外側摘み部26のない位置に蓋体摘み部46が設けられたり、蓋体摘み部46のない位置に外側摘み部26が設けられたりしても良い。
【0055】
(7)上記の実施形態では、包装用容器1が平面視長円状に形成されている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、包装用容器1が、平面視で例えば多角形状(例えば矩形状、五角形状、六角形状、及び八角形状等)や円形状等に形成されても良い。
【0056】
(8)上述した各実施形態(上記の実施形態及びその他の実施形態を含む;以下同様)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【符号の説明】
【0057】
1 包装用容器
2 外容器
3 内容器
4 蓋体
15 逆テーパー嵌合部
21 外側底面部
22 外側周壁部
23 外側フランジ部
25 外側逆テーパー部
26 外側摘み部
27 膨出部
31 内側底面部
32 内側周壁部
33 内側フランジ部
41 天面部
42 蓋体周壁部
43 蓋体フランジ部
45 蓋体逆テーパー部
46 蓋体摘み部
図1
図2
図3
図4
図5
図6