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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-08
(45)【発行日】2024-08-19
(54)【発明の名称】肺炎球菌融合タンパク質ワクチン
(51)【国際特許分類】
   C07K 19/00 20060101AFI20240809BHJP
   A61K 39/09 20060101ALI20240809BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20240809BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20240809BHJP
   C07K 14/195 20060101ALI20240809BHJP
   C07K 14/315 20060101ALI20240809BHJP
   C12N 15/31 20060101ALI20240809BHJP
   C12N 15/62 20060101ALI20240809BHJP
【FI】
C07K19/00 ZNA
A61K39/09
A61P31/04
A61P37/04
C07K14/195
C07K14/315
C12N15/31
C12N15/62 Z
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2021513863
(86)(22)【出願日】2019-09-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-04
(86)【国際出願番号】 US2019050800
(87)【国際公開番号】W WO2020056127
(87)【国際公開日】2020-03-19
【審査請求日】2022-09-12
(31)【優先権主張番号】62/730,199
(32)【優先日】2018-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】596115687
【氏名又は名称】ザ チルドレンズ メディカル センター コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】マリー, リチャード
(72)【発明者】
【氏名】ルー, インジェ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン, ファン
【審査官】山▲崎▼ 真奈
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-509011(JP,A)
【文献】国際公開第2017/192801(WO,A1)
【文献】特表2014-517835(JP,A)
【文献】特表2002-521058(JP,A)
【文献】特表2001-505415(JP,A)
【文献】Zhen Gong et al.,PLOS ONE,2015年,Vol. 10, No. 8, Article No. e0136507
【文献】Fan Zhang et al.,PNAS,2013年,Vol. 110, No. 33,pp. 13564-13569
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07K
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
GenBank/EMBL/DDBJ/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
融合タンパク質であって、N末端からC末端へ順に、
(i)ビオチン結合部分あって、前記ビオチン結合部分が、配列番号2と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、ビオチン結合部分
(ii)SP1500ポリペプチドあって、前記SP1500ポリペプチドが、配列番号7と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、SP1500ポリペプチド
(iii)SP0785ポリペプチドあって、前記SP0785ポリペプチドが、配列番号4と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、SP0785ポリペプチド
を含む、融合タンパク質であって、ここで、前記融合タンパク質は、前記SP0785ポリペプチド単独または前記SP1500ポリペプチド単独と比較して、肺炎球菌のコロニー形成を低減する、融合タンパク質
【請求項2】
前記ビオチン結合部分が、配列番号2と少なくとも98%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項3】
前記SP1500ポリペプチドが、配列番号7と少なくとも98%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項1または請求項2に記載の融合タンパク質。
【請求項4】
前記SP0785ポリペプチドが、配列番号4と少なくとも98%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
【請求項5】
(i)前記ビオチン結合部分前記SP1500ポリペプチドの間に配置された第1のリンカー、および/または(ii)前記SP1500ポリペプチド前記SP0785ポリペプチドの間に配置された第2のリンカーをさらに含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
【請求項6】
前記第1のリンカーが、アミノ酸配列GGGGSSS(配列番号37)を含む、請求項5に記載の融合タンパク質。
【請求項7】
前記第2のリンカーが、アミノ酸配列AAA(配列番号38)を含む、請求項5または請求項6に記載の融合タンパク質。
【請求項8】
前記ビオチン結合部分が、配列番号2のアミノ酸配列を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
【請求項9】
前記SP1500ポリペプチドが、配列番号7のアミノ酸配列を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
【請求項10】
前記SP0785ポリペプチドが、配列番号4のアミノ酸配列を含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
【請求項11】
配列番号23と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
【請求項12】
配列番号23と少なくとも98%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
【請求項13】
前記融合タンパク質が、配列番号23のアミノ酸配列を有する、請求項1~12のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか1項に記載の融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む核酸であって、前記ヌクレオチド配列が、
(i)ビオチン結合部分コードする第1の部分;
(ii)前記SP1500ポリペプチドコードする第2の部分;および
(iii)前記SP0785ポリペプチドコードする第3の部分を含む、核酸。
【請求項15】
前記ヌクレオチド配列の前記第1の部分が、配列番号10と少なくとも95%同一である、請求項14に記載の核酸。
【請求項16】
前記ヌクレオチド配列の前記第1の部分が、配列番号10と少なくとも98%同一である、請求項15に記載の核酸。
【請求項17】
前記ヌクレオチド配列の前記第2の部分が、配列番号14と少なくとも95%同一である、請求項14~16のいずれか1項に記載の核酸。
【請求項18】
前記ヌクレオチド配列の前記第2の部分が、配列番号14と少なくとも98%同一である、請求項17に記載の核酸。
【請求項19】
前記ヌクレオチド配列の前記第3の部分が、配列番号12と少なくとも95%同一である、請求項14~18のいずれか1項に記載の核酸。
【請求項20】
前記ヌクレオチド配列の前記第3の部分が、配列番号12と少なくとも98%同一である、請求項19に記載の核酸。
【請求項21】
前記融合タンパク質をコードする前記ヌクレオチド配列が、配列番号33と少なくとも95%同一である、請求項14~20のいずれか1項に記載の核酸。
【請求項22】
前記融合タンパク質をコードする前記ヌクレオチド配列が、配列番号33と少なくとも98%同一である、請求項21に記載の核酸。
【請求項23】
前記融合タンパク質をコードする前記ヌクレオチド配列が、配列番号33のヌクレオチド配列を有する、請求項21または請求項22に記載の核酸。
【請求項24】
請求項14~23のいずれか1項に記載の核酸を含む、発現ベクター。
【請求項25】
前記核酸が、発現タグをコードするヌクレオチド配列をさらに含み、前記融合タンパク質が、前記発現タグを含む、請求項24に記載の発現ベクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年9月12日に出願された米国仮出願第62/730,199号の利益を主張するものであり、その仮出願の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
Streptococcus pneumoniaeは、依然として、全世界的に小児及び成人における菌血症、敗血症、髄膜炎及び肺炎をはじめとする重篤な疾病の主な原因となっている。乳児、幼児、高齢者及び特定の基礎疾患を有する対象における罹患率及び死亡率は高い。
【0003】
S.pneumoniaeは、健康成人の約5~10%及び健康小児の20~40%で鼻咽頭にコロニー形成する、グラム陽性の莢膜型球菌である。S.pneumoniaeが耳管、副鼻腔、肺、血流、髄膜、関節腔、骨及び腹膜腔に運ばれると、正常なコロニー形成が感染性となる。S.pneumoniae感染症は、菌血症、肺炎、髄膜炎、副鼻腔炎及び急性中耳炎の最も頻度の高い原因である[CDC,2010]。
【0004】
肺炎球菌疾患は、侵襲性または非侵襲性であり得る。非侵襲性疾患の最も一般的な形態である非菌血症性肺炎球菌性肺炎は、依然として、肺炎による入院の最も頻度の高い原因の1つである。侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)は、通常は無菌である部位(例えば、脳脊髄液、血液、関節液、胸膜液または腹膜液)から単離されたS.pneumoniaeとして定義される。最も高いIPDの発生率は、両極端の年齢において、すなわち高齢者及び2歳未満の幼児に見られる。米国では、最初の肺炎球菌ワクチンの登場前に、S.pneumoniaeは、5歳未満の小児において毎年700例の髄膜炎及び200件の死亡を含むおよそ17,000例の侵襲性疾患を引き起こした[CDC,2000]。最も高い罹患率及び死亡率は開発途上国で報告されているが、先進国における疾病負荷も相当大きい。
【0005】
S.pneumoniaeは、この生物が免疫系を回避することを可能にするいくつかの病原性因子を有する。例として、宿主免疫細胞による食作用を阻止する多糖莢膜、補体媒介性のオプソニン化を抑制するプロテアーゼ、及び宿主細胞の溶解を引き起こすタンパク質などが挙げられる。多糖莢膜では、複合多糖の存在により、肺炎球菌を様々な血清型に分類するための基礎が形成される。これまで、100種に近いS.pneumoniaeの血清型が同定されている。
【0006】
S.pneumoniaeに対する2つのワクチン、すなわち、肺炎球菌コンジュゲートワクチン(PCV13またはPrevnar13(登録商標))及び肺炎球菌多糖ワクチン(PPSV23またはPneumovax(登録商標))が、現在米国で利用可能である。PCV13は、S.pneumoniaeの既知の血清型の大半に対して保護を与えることができない。PPSV23は、PCV13よりも多くのS.pneumoniaeの血清型の多糖成分を含むが、持続性がなく、後続の曝露の際に既往反応を示さない免疫応答を誘導する。PPSV23は、成人及び高齢者を侵襲性肺炎球菌感染症から保護するが、しかしながら、肺炎の予防における安定した効果は観察されていない[Gruber et al,2008]。
【0007】
したがって、S.pneumoniaeの広範囲にわたる血清型に対してT細胞依存性免疫を提供するワクチンに対する、医療ニーズが存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、肺炎球菌感染症の予防及び/または処置のための適切な技術の欠如に対処する。とりわけ、本開示は、侵襲性肺炎球菌感染症及び肺炎から保護するのに十分な免疫原性をワクチンに提供する上での課題に対処する。本明細書に記載の技術は、T細胞応答及びB細胞応答を誘導し、及び/または市販のワクチン、例えば、PCV13もしくはPPSV23に含まれていない1種以上の血清型を含む、広範囲にわたるS.pneumoniae血清型に対する免疫を提供することができる。
【0009】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質は、対象に投与されたとき、融合タンパク質の個々の抗原成分により誘導されるTh17応答と比較して、例えば、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%または少なくとも98%以上を含む、少なくとも25%以上高いTh17応答を誘導することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質は、対象に投与されたとき、融合タンパク質の個々の抗原成分により誘導されるTh17応答と比較して、例えば、少なくとも1.2倍、少なくとも1.3倍、少なくとも1.4倍、少なくとも1.5倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍または少なくとも10倍以上を含む、少なくとも1.1倍以上高いTh17応答を誘導することができる。
【0010】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質は、対象に投与されたとき、市販のワクチン、例えば、PCV13またはPPSV23に含まれていない1つ以上の代表的な非ワクチン肺炎球菌血清型(複数可)に対する免疫応答を誘導することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質は、対象に投与されたとき、6B、16F、15A及び35Bからなる群から選択される1つ以上の非ワクチン肺炎球菌血清型に対する免疫応答を誘導することができる。
【0011】
本明細書に記載の本教示は、添付図面と一緒に読むと、様々な例示的な実施形態の以下の記載からより完全に理解されるであろう。以下に記載の図面は、例示目的に過ぎず、いかなる意味においても本教示の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】例示的なCP1融合タンパク質の模式図である。このような例示的なCP1融合タンパク質は、例えば、トランケート型リザビジン(rhizavidin)タンパク質などのビオチン結合タンパク質(例えば、野生型リザビジンタンパク質のアミノ酸45~179(Rhaviと表記))、第1のリンカー(例えば、GGGGSSSリンカー)、SP1500ポリペプチド(例えば、S.pneumoniaeタンパク質SP1500のアミノ酸27~278)、第2のリンカー(例えば、アミノ酸配列またはリンカーAAA)、及びSP0785ポリペプチド(例えば、S.pneumoniaeタンパク質SP0785のアミノ酸33~399)を含む。いくつかの実施形態では、CP1融合タンパク質は、Hisタグをさらに含み得る。GGGGSSSリンカーについては、SSSアミノ酸配列はPET21/24bプラスミドのSac I部位からのものであり得、GGGGアミノ酸配列を追加して立体障害が最小限である可撓性リンカーを生成することができる。あるいは、GGGGSSSリンカーを合成することができる。AAAアミノ酸配列は、PET21/24bプラスミドのNot I部位からのものであり得、またはこの配列を合成することができる。
図2】例示的な融合タンパク質CP1のSP1500及びSP0785ポリペプチド成分に対する免疫応答を示す。左パネルは、例示的な融合タンパク質CP1のSP1500ポリペプチド及びSP0785ポリペプチドに対するTh17応答を示す。Th17応答を、コレラ毒素単独で、またはコレラ毒素でアジュバントしたSP1500もしくはSP0785ポリペプチドで免疫化したマウスの末梢血試料の刺激後に、培地中に分泌されるIL-17Aの幾何平均濃度として示す。グラフの各点は、1匹のマウスにつき分泌されたIL-17Aを表す。右パネルは、コレラ毒素単独、またはコレラ毒素でアジュバントしたSP1500もしくはSP0785ポリペプチドによる免疫化後、及びS.pneumoniaeによる鼻腔内曝露後の、S.pneumoniaeによるコロニー形成からの保護を示す。グラフの各点は、1匹のマウスの鼻洗浄ごとのS.pneumoniae CFUを表す。両方のパネルの横棒は、それぞれ、分泌されたIL-17Aの幾何平均(左パネル)及び各群についての鼻洗浄ごとのCFUの幾何平均(右パネル)を表す。データを、マン・ホイットニーのU検定によって統計学的に分析した。CT:コレラ毒素;CFU:コロニー形成単位;ELISA:酵素結合免疫吸着測定法;IL-17A:インターロイキン17A。**p<0.01;***p<0.001。
図3】例示的な融合タンパク質CP1に対する免疫応答を示す。左パネルは、例示的な融合タンパク質CP1に対するTh17応答を示す。Th17応答を、トランケート型リザビジンタンパク質(Rhavi)またはCP1(両方ともコレラ毒素でアジュバントしたもの)で免疫化したマウスの末梢血試料の刺激後に、培地中に分泌されるIL-17の幾何平均濃度として示す。グラフの各点は、1匹のマウスにつき分泌されたIL-17Aを表す。右パネルは、コレラ毒素でアジュバントした、トランケート型リザビジンタンパク質(Rhavi)、CP1または死滅(不活化)した肺炎球菌全細胞(WCC)による免疫化後、及びS.pneumoniaeによる鼻腔内曝露後の、S.pneumoniaeによるコロニー形成からの保護を示す。グラフの各点は、1匹のマウスの鼻洗浄ごとのS.pneumoniae CFUを表す。両方のパネルの横棒は、それぞれ、分泌されたIL-17Aの幾何平均(左パネル)及び各群についての鼻洗浄ごとのCFUの幾何平均(右パネル)を表す。データを、マン・ホイットニーのU検定によって統計学的に分析した。CT:コレラ毒素;CFU:コロニー形成単位;IL-17A:インターロイキン17A;rhavi:トランケート型リザビジンタンパク質(完全長リザビジンタンパク質のアミノ酸45~179)。***p<0.001。
図4】CP1免疫血清における代表的なS.pneumoniae血清型(例えば、血清型6B)に対する機能的抗体の存在を示す。S.pneumoniae血清型6Bを、改変濃縮オプソニン作用アッセイ(COPA)において、リン酸アルミニウムでアジュバントしたCP1で免疫化した2匹のウサギ(87及び88)それぞれからの熱不活化した免疫前(P0)血清及び免疫(P3)血清とともに、様々な希釈度でインキュベートした。希釈度と血清のそれぞれの組み合わせについてのコロニー形成単位(CFU)を、一晩インキュベートした後、血液寒天プレート上で数えた。機能的抗体の存在は、S.pneumoniaeの死滅によって、すなわち、免疫血清とのインキュベーション後のCFUの低減によって示される。グラフの各縦棒は、示された時点(グラフの下部)における、示されたCP1血清及び希釈度の各試料についてのCFU/mlを表す。
図5】CP1免疫血清における代表的なS.pneumoniae血清型(例えば、血清型15A)に対する機能的抗体の存在を示す。S.pneumoniae血清型15Aを、改変濃縮オプソニン作用アッセイ(COPA)において、リン酸アルミニウムでアジュバントしたCP1で免疫化した2匹のウサギ(87及び88)それぞれからの熱不活化した免疫前(P0)血清及び免疫(P3)血清とともに、1/2希釈でインキュベートした。各血清についてのコロニー形成単位(CFU)を、一晩インキュベートした後、血液寒天プレート上で数えた。機能的抗体の存在は、S.pneumoniaeの死滅によって、すなわち、免疫血清とのインキュベーション後のCFUの低減によって示される。グラフの各縦棒は、示された時点(グラフの下部)における、示されたCP1血清の各試料についてのCFU/mlを表す。
図6】CP1免疫血清における代表的なS.pneumoniae血清型(例えば、血清型35B)に対する機能的抗体の存在を示す。S.pneumoniae血清型35Bを、改変濃縮オプソニン作用アッセイ(COPA)において、リン酸アルミニウムでアジュバントしたCP1で免疫化した2匹のウサギ(87及び88)それぞれからの熱不活化した免疫前(P0)血清及び免疫(P3)血清とともに、1/2希釈でインキュベートした。各血清についてのコロニー形成単位(CFU)を、一晩インキュベートした後、血液寒天プレート上で数えた。機能的抗体の存在は、S.pneumoniaeの死滅によって、すなわち、免疫血清とのインキュベーション後のCFUの低減によって示される。グラフの各縦棒は、示された時点(グラフの下部)における、示されたCP1血清の各試料についてのCFU/mlを表す。
図7-1】代表的なS.pneumoniae血清型に対する機能的抗体の存在を示す。S.pneumoniae血清型6B(パネルA)、16F(パネルD)、15A(パネルB)及び35B(パネルC)を、改変濃縮オプソニン作用アッセイ(COPA)において、リン酸アルミニウムでアジュバントしたCP1で免疫化したウサギ(87、88及び1762)からの熱不活化した免疫前(P0)血清及び免疫(P3)血清とともに、様々な希釈度で、別々にインキュベートした。機能的抗体の存在は、S.pneumoniaeの死滅によって示される。結果は、殺傷活性パーセント、すなわち、免疫(P3)血清とのインキュベーション後の、対応する免疫前(P0)血清とのインキュベーションと比較した、S.pneumoniaeコロニー形成単位(CFU)の低減パーセントとして表される。パネルA~Dの各縦棒は、示されたS.pneumoniae血清型(各グラフの上部)に対する、示されたCP1血清(各グラフの下部)の示された希釈度で観察された殺傷活性パーセントを表す。
図7-2】同上。
図8】SP1500またはSP0785ポリペプチドと比較した、例示的な融合タンパク質CP1に対する免疫応答(例えば、Th17応答)を示す。マウスを、コレラ毒素でアジュバントしたCP1、SP1500もしくはSP0785ポリペプチドで免疫化するか、またはコレラ毒素でアジュバントしたRhaviタンパク質(対照)で免疫化した。Th17応答を、精製したSP0785ポリペプチド(パネルA)、精製したSP1500ポリペプチド(パネルB)または死滅(不活化)した肺炎球菌全細胞(WCV、パネルC)で免疫化したマウスの末梢血試料を刺激した後に培地中に分泌された、IL-17Aの幾何平均濃度として示す。グラフの各点は、1匹のマウスにつき分泌されたIL-17Aを表す。横棒は、各群につき分泌されたIL-17Aの幾何平均を表す。CT:コレラ毒素。
図9】融合タンパク質SP0785-リンカー(SSSGG)-SP1500-リンカー(SSVDKL)-PdTと比較した、例示的な融合タンパク質CP1に対する免疫応答(例えば、Th17応答)を示す。マウスを、コレラ毒素でアジュバントしたCP1もしくはSP0785-リンカー(SSSGG)-SP1500-リンカー(SSVDKL)-PdTで免疫化するか、またはコレラ毒素でアジュバントしたRhaviタンパク質(対照)で免疫化した。Th17応答を、精製したSP0785ポリペプチド(パネルA)または精製したSP1500ポリペプチド(パネルB)で免疫化したマウスの末梢血試料を刺激した後の培地中に分泌された、IL-17Aの幾何平均濃度として示す。グラフの各点は、1匹のマウスにつき分泌されたIL-17Aを表す。横棒は、各群につき分泌されたIL-17Aの幾何平均を表す。CT:コレラ毒素。
図10】SP0785、SP1500及びRhaviポリペプチドの混合物(非コンジュゲート)と比較した、例示的な融合タンパク質CP1に対する免疫応答(例えば、Th17応答)を示す。マウスを、コレラ毒素でアジュバントしたCP1もしくはSP0785、SP1500及びRhaviポリペプチドの混合物(非コンジュゲート)で免疫化するか、またはコレラ毒素でアジュバントしたRhaviタンパク質(対照)で免疫化した。Th17応答を、精製したSP0785ポリペプチド(パネルA)、精製したSP1500ポリペプチド(パネルB)または死滅(不活化)した肺炎球菌全細胞(WCV、パネルC)で免疫化したマウスの末梢血試料を刺激した後の培地中に分泌された、IL-17Aの幾何平均濃度として示す。グラフの各点は、1匹のマウスにつき分泌されたIL-17Aを表す。横棒は、各群につき分泌されたIL-17Aの幾何平均を表す。CT:コレラ毒素;混合物:SP0785、SP1500及びRhaviポリペプチドの混合物(非コンジュゲート)。
図11】ヒツジ赤血球に対する、例示的な融合タンパク質CP1及び融合タンパク質SP0785-リンカー(SSSGG)-SP1500-リンカー(SSVDKL)-PdT(PdT融合体)の溶血活性を示す。ヒツジ赤血球を、陽性対照タンパク質であるニューモリシン(Ply)、ニューモリソイド(pneumolysoid)PdT、CP1、または融合タンパク質SP0785-リンカー(SSSGG)-SP1500-リンカー(SSVDKL)-PdTとともに、x軸に示された濃度でインキュベートした。上清のOD420によって測定した溶血活性は、y軸上にプロットされている。
【発明を実施するための形態】
【0013】
特定の定義
本出願では、文脈から別途明確でない限り、(i)「a」という用語は、「少なくとも1つ」を意味すると理解され得、(ii)「または」という用語は、「及び/または」を意味すると理解され得、(iii)「含む(comprising)」及び「含む(including)」という用語は、それ自体で提示されるか1つ以上の追加の構成要素またはステップと一緒に提示されるかにかかわらず、項目別の構成要素またはステップを包含すると理解され得、(iv)「約」及び「およそ」という用語は、当業者によって理解されるであろう標準偏差を許容すると理解され得、(v)範囲が提供されている場合、端点が含まれる。
【0014】
約:値に関して本明細書で使用する場合、「約」という用語は、参照される値に対する文脈における類似の値を指す。一般に、その文脈を熟知している当業者は、その文脈における「約」に包含される適切な変動の程度を理解するであろう。例えば、いくつかの実施形態では、「約」という用語は、参照される値の25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%または1%以下以内の値の範囲を含み得る。
【0015】
投与:本明細書で使用する場合、「投与」という用語は、通常、組成物である作用物質、または組成物に含まれる作用物質の送達を達成するための、対象または系への組成物の投与を指す。当業者は、適切な状況において、対象、例えばヒトへの投与に利用され得る様々な経路を認識しているであろう。例えば、いくつかの実施形態では、投与は、眼球、経口、非経口、局所などであり得る。いくつかの特定の実施形態では、投与は、気管支(例えば、気管支点滴注入によるもの)、頬側、皮膚(例えば、真皮、皮内、皮間(interdermal)、経皮などへの局所のうちの1つ以上であり得るか、またはそれを含み得る)、経腸、動脈内、皮内、胃内、髄内、筋肉内、鼻腔内、腹腔内、髄腔内、静脈内、脳室内、特定の器官内(例えば、肝内)、粘膜、経鼻、経口、直腸、皮下、舌下、局所、気管(例えば、気管内点滴注入によるもの)、膣、硝子体などであり得る。いくつかの実施形態では、投与は、単回用量のみを含み得る。いくつかの実施形態では、投与は、一定数の用量の適用を含み得る。いくつかの実施形態では、投与は、断続的な(例えば、時間で区切られた複数の用量の)投与及び/または周期的な(例えば、共通の期間によって分けられた個々の用量の)投与である投与を含み得る。いくつかの実施形態では、投与は、少なくとも選択された期間の連続投与(例えば、灌流)を含み得る。
【0016】
作用物質:一般に、本明細書で使用する場合、「作用物質」という用語は、例えば、ポリペプチド、核酸、糖類、脂質、小分子、金属、またはそれらの組み合わせもしくは複合体を含む、任意の化学的クラスの化合物または実体を指すために使用され得る。適切な状況では、当業者には文脈から明らかであるように、この用語は、細胞もしくは生物、またはその画分、抽出物もしくは構成成分である実体、あるいはそれらを含む実体を指すために使用され得る。その代わりに、またはさらに、文脈から明らかになるように、この用語は、自然界に見出される、及び/または自然界から得られるという点で、天然産物を指すために使用され得る。場合によっては、同様に文脈から明らかとなるように、この用語は、人工的行為によって設計、操作及び/または生成され、及び/または自然界に見出されないという点で人工である、1つ以上の実体を指すために使用され得る。いくつかの実施形態では、作用物質は、単離された形態または純粋な形態で利用され得、いくつかの実施形態では、作用物質は、粗製形態で利用され得る。いくつかの実施形態では、潜在的な作用物質は、例えば、それらの中の活性作用物質を同定または特性決定するためにスクリーニングされ得るコレクションまたはライブラリーとして提供され得る。場合によっては、「作用物質」という用語は、ポリマーであるかまたはポリマーを含む化合物または実体を指すことがあり、場合によっては、この用語は、1つ以上のポリマー部分を含む化合物または実体を指すことがある。いくつかの実施形態では、「作用物質」という用語は、ポリマーではない、及び/またはいかなるポリマー及び/または1つ以上の特定のポリマー部分を実質的に含まない、化合物または実体を指し得る。いくつかの実施形態では、この用語は、ポリマー部分を欠いているか、またはいかなるポリマー部分も実質的に含まない化合物または実体を指し得る。
【0017】
アミノ酸:本明細書で使用する場合、「アミノ酸」という用語は、その最も広い意味において、例えば、1つ以上のペプチド結合の形成を介してポリペプチド鎖内に組み込まれ得る、任意の化合物及び/または物質を指す。いくつかの実施形態では、アミノ酸は、一般的構造HN-C(H)(R)-COOHを有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸は、天然に存在するアミノ酸である。いくつかの実施形態では、アミノ酸は非天然アミノ酸であり、いくつかの実施形態では、アミノ酸はD-アミノ酸であり、いくつかの実施形態では、アミノ酸はL-アミノ酸である。「標準アミノ酸」は、天然に存在するペプチドに一般的に見られる20種の標準L-アミノ酸のいずれかを指す。「非標準アミノ酸」は、標準アミノ酸以外の任意のアミノ酸を指し、それが合成的に調製されるか、または自然源から得られるかを問わない。いくつかの実施形態では、ポリペプチド中のカルボキシ末端及び/またはアミノ末端アミノ酸を含むアミノ酸は、上記の一般的構造と比較して、構造的修飾を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、アミノ酸は、一般的構造と比較して、メチル化、アミド化、アセチル化、ペグ化、グリコシル化、リン酸化、及び/または置換(例えば、アミノ基、カルボン酸基、1つ以上のプロトン及び/またはヒドロキシル基の置換)によって修飾され得る。いくつかの実施形態では、そのような修飾は、例えば、修飾アミノ酸を含有するポリペプチドの循環半減期を、他の点では同一である非修飾アミノ酸を含有するポリペプチドと比較して変化させることができる。いくつかの実施形態では、そのような修飾は、修飾アミノ酸を含有するポリペプチドの関連する活性を、他の点では同一である非修飾アミノ酸を含有するポリペプチドと比較して、大幅に変化させない。文脈から明らかなように、いくつかの実施形態では、「アミノ酸」という用語は、遊離アミノ酸を指すために使用され得、いくつかの実施形態では、この用語は、ポリペプチドのアミノ酸残基を指すために使用され得る。
【0018】
抗体:本明細書で使用する場合、「抗体」という用語は、特定の標的抗原への特異的結合を与えるのに十分な、標準的な免疫グロブリン配列要素を含むポリペプチドを指す。当該技術分野において既知のように、天然に産生されたインタクト抗体は、2つの同一の重鎖ポリペプチド(それぞれ約50kDa)及び2つの同一の軽鎖ポリペプチド(それぞれ約25kDa)から構成され、「Y字型」構造と一般的に称されるものへと互いに会合する、およそ150kDaの四量体の作用物質である。各重鎖は、アミノ末端可変(VH)ドメイン(Y構造の先端に位置する)の後に、CH1、CH2及びカルボキシ末端CH3(Y字の幹に位置する)の3つの定常ドメインが続く、少なくとも4つのドメイン(それぞれ約110アミノ酸長)から構成される。「スイッチ」として知られている短い領域は、重鎖可変領域と定常領域とを連結させる。「ヒンジ」は、CH2ドメイン及びCH3ドメインを抗体の残部に連結させる。このヒンジ領域中の2つのジスルフィド結合は、インタクト抗体中の2つの重鎖ポリペプチドを互いに連結させる。各軽鎖は、別の「スイッチ」によって互いに分離された、アミノ末端可変(VL)ドメインとそれに続くカルボキシ末端定常(CL)ドメインの2つのドメインから構成される。インタクト抗体四量体は、単一のジスルフィド結合により重鎖及び軽鎖が互いに連結した、2つの重鎖-軽鎖二量体から構成され、2つの他のジスルフィド結合は、重鎖ヒンジ領域を互いに連結させ、これにより二量体が互いに連結されて四量体が形成される。天然に産生された抗体はまた、(通常はCH2ドメイン上で)グリコシル化される。天然抗体の各ドメインは、圧縮された逆平行βバレル中に互いに接して密集した、2つのβシート(例えば、3ストランド、4ストランドまたは5ストランドのシート)から形成される「免疫グロブリンフォールド」を特徴とする構造を有する。各可変ドメインは、「相補性決定領域」(CDR1、CDR2及びCDR3)として知られている3つの超可変ループ、ならびにある程度不変である4つの「フレームワーク」領域(FR1、FR2、FR3及びFR4)を含有する。天然抗体がフォールディングする際、FR領域は、ドメインに構造的フレームワークを提供するβシートを形成し、重鎖及び軽鎖の両方に由来するCDRループ領域は、Y構造の先端に位置する単一の超可変抗原結合部位を生成するように三次元空間に集められる。天然に存在する抗体のFc領域は、補体系の要素に結合し、また、例えば細胞傷害作用を媒介するエフェクター細胞を含む、エフェクター細胞上の受容体にも結合する。当該技術分野において既知のように、Fc受容体に対するFc領域の親和性及び/または他の結合特質を、グリコシル化または他の修飾を通じて調節することができる。いくつかの実施形態では、本発明に従って生成及び/または利用される抗体は、グリコシル化されたFcドメイン(修飾または操作された、そのようなグリコシル化を有するFcドメインを含む)を含む。本発明の目的において、いくつかの実施形態では、天然抗体において見出されるような十分な免疫グロブリンドメイン配列を含む任意のポリペプチドまたはポリペプチドの複合体を、そのようなポリペプチドが天然で生成されようと(例えば、抗原に反応する生物によって産生されようと)、あるいは、組換え操作、化学合成、または他の人工的な系もしくは方法論によって生成されようと、「抗体」と称することができ、及び/または「抗体」として使用することができる。いくつかの実施形態では、抗体はポリクローナルであり、いくつかの実施形態では、抗体はモノクローナルである。いくつかの実施形態では、抗体は、マウス、ウサギ、霊長類またはヒトの抗体に特徴的な定常領域配列を有する。いくつかの実施形態では、抗体配列要素は、当該技術分野において既知のように、ヒト化、霊長類化、キメラ化などがされている。さらに、本明細書で使用する場合、「抗体」という用語は、適切な実施形態では、代替の提示において抗体の構造的及び機能的特徴を利用するための、当該技術分野で既知であるか、または開発されたコンストラクトまたはフォーマットのいずれかを(別段に記載されない限り、または文脈から明らかでない限り)指すことができる。例えば、いくつかの実施形態では、本発明に従って利用される抗体は、インタクトなIgA、IgG、IgEまたはIgM抗体;二重特異性または多重特異性抗体(例えば、Zybody(登録商標)など);抗体断片、例えば、Fab断片、Fab’断片、F(ab’)2断片、Fd’断片、Fd断片及び単離されたCDR、またはそれらのセット;一本鎖Fv;ポリペプチド-Fc融合体;単一ドメイン抗体(例えば、IgNARなどのサメ単一ドメイン抗体またはその断片);ラクダ科抗体;マスク(masked)抗体(例えば、Probody(登録商標));小モジュラー免疫薬(Small Modular ImmunoPharmaceutical)(「SMIP(商標)」);一本鎖またはタンデムダイアボディ(TandAb(登録商標));VHH;Anticalin(登録商標);Nanobody(登録商標);ミニボディ;BiTE(登録商標);アンキリンリピートタンパク質またはDARPIN(登録商標);Avimer(登録商標);DART;TCR様抗体;Adnectin(登録商標);Affilin(登録商標);Trans-body(登録商標);Affibody(登録商標);TrimerX(登録商標);微小タンパク質;Fynomer(登録商標);Centyrin(登録商標);ならびにKALBITOR(登録商標)から選択されるが、これらに限定されないフォーマットで存在する。いくつかの実施形態では、抗体は、天然に産生される場合に有するであろう共有結合修飾(例えば、グリカンの付加)を欠いていてもよい。いくつかの実施形態では、抗体は、共有結合修飾(例えば、グリカンの付加、ペイロード(例えば、検出可能な部分、治療部分、触媒部分など)、または他のペンダント基(例えば、ポリエチレングリコールなど))を含み得る。
【0019】
抗原:本明細書で使用する場合、「抗原」という用語は、(i)免疫応答を誘導する作用物質、及び/または(ii)T細胞受容体(例えば、MHC分子によって提示される場合)もしくは抗体に結合する作用物質を指す。いくつかの実施形態では、抗原は、体液性応答(例えば、抗原特異的抗体の産生を含むもの)を誘導し、いくつかの実施形態では、抗原は、細胞性応答(例えば、その受容体が抗原と特異的に相互作用するT細胞が関与するもの)を誘導する。いくつかの実施形態では、抗原は、体液性応答及び細胞性応答を誘導する。いくつかの実施形態では、抗原は抗体に結合し、生物中で特定の生理学的応答を誘導する場合もあれば、誘導しない場合もある。一般に、抗原は、任意の化学的実体、例えば、小分子、核酸、ポリペプチド、炭水化物、脂質、ポリマー(いくつかの実施形態では、生物学的ポリマー以外(例えば、核酸もしくはアミノ酸ポリマー以外))などであり得るか、またはそれを含み得る。いくつかの実施形態では、抗原は、ポリペプチドであるか、またはポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、抗原は、多糖であるか、または多糖を含む。当業者は、一般に、抗原は、単離された形態もしくは純粋な形態で提供され得るか、またはその代わりに、粗製形態で(例えば、他の物質とともに、例えば、細胞抽出物もしくは他の比較的粗製の抗原含有源の調製物などの抽出物で)提供され得ることを理解するであろう。いくつかの実施形態では、本発明に従って利用される抗原は、粗製形態で提供される。いくつかの実施形態では、抗原は、組換え抗原である。いくつかの実施形態では、抗原は、ポリペプチドまたは多糖であり、対象に投与されると、そのようなポリペプチドまたは多糖に対する特異的及び/または臨床的に意義のある免疫応答を誘導する。いくつかの実施形態では、抗原は、そのようなポリペプチドまたは多糖に対する特異的及び/または臨床的に意義のある免疫応答を誘導するように選択される。
【0020】
関連付けられる:この用語を本明細書で使用するとき、2つの実体は、一方の存在、レベル及び/または形態が他方の存在、レベル及び/または形態と相関する場合、互いに「関連付けられる」。いくつかの実施形態では、2つ以上の実体は、それらが直接または間接的に相互作用し、それにより、それらが互いに物理的に近接している及び/または互いに物理的に近接したままとなる場合、互いに物理的に「関連付けられる」。いくつかの実施形態では、互いに物理的に関連付けられる2つ以上の実体は、互いに共有結合している。いくつかの実施形態では、互いに物理的に関連付けられる2つ以上の実体は、互いに共有結合していないが、例えば、親和性相互作用、静電相互作用、水素結合、ファンデルワールス相互作用、疎水性相互作用、磁気作用及びそれらの組み合わせによって非共有結合的に関連付けられる。
【0021】
結合:本明細書で使用する場合、「結合」という用語は、通常、2つ以上の実体間における非共有結合的会合を指すことが理解されよう。「直接」結合には、実体または部分間の物理的接触が含まれ、間接的結合には、1つ以上の介在する実体との物理的な接触による物理的相互作用が含まれる。2つ以上の実体間の結合は、通常、相互作用する実体または部分を単離状態で、またはより複雑な系の状況において(例えば、担体実体に及び/または生物学的系または細胞内で、共有結合またはその他の方法で関連付けられている間に)試験する場合を含む、任意の様々な状況において評価することができる。
【0022】
キャリアタンパク質:本明細書で使用する場合、「キャリアタンパク質」という用語は、ハプテン(例えば、小ペプチドもしくは小脂質)または免疫原性が比較的低い抗原(例えば、多糖)と連結されるか、複合体化されるか、または他の方法で関連付けられ、そのような連結されるか、複合体化されるか、または他の方法で関連付けられるハプテン(例えば、小ペプチドもしくは小脂質)または免疫原性が比較的低い抗原(例えば、多糖)に対する免疫応答を誘導または改善する、タンパク質またはペプチドを指す。いくつかの実施形態では、そのような免疫応答は、そのようなキャリアタンパク質と連結されるか、複合体化されるか、もしくは他の方法で関連付けられるハプテンもしくは免疫原性が比較的低い抗原に対する応答であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、そのような免疫応答は、キャリアタンパク質に対する応答と、そのようなキャリアタンパク質と連結されるか、複合体化されるか、もしくは他の方法で関連付けられるハプテンもしくは免疫原性が比較的低い抗原に対する応答の両方であるか、またはそれら応答の両方を含む。いくつかの実施形態では、キャリアタンパク質自体に対する顕著な免疫応答は生じない。いくつかの実施形態では、キャリアタンパク質に対する免疫応答を検出することができ、いくつかのそのような実施形態では、そのようなキャリアタンパク質に対する免疫応答は強力である。いくつかの実施形態では、キャリアタンパク質は、1つ以上の他の分子と連結されるか、複合体化されるか、または他の方法で関連付けられる。
【0023】
コロニー形成:本明細書で使用する場合、「コロニー形成」という用語は、一般に、標的部位または表面で増殖する微生物の能力を指す。例えば、「コロニー形成」という用語は、宿主の解剖学的部位(例えば、粘膜、消化管、損傷部位、器官など)で増殖する微生物(例えば、細菌)の能力を指す。
【0024】
併用療法:本明細書で使用する場合、「併用療法」という用語は、対象が2つ以上の治療レジメン(例えば、2つ以上の治療用作用物質)に曝露される状況を指す。いくつかの実施形態では、2つ以上のレジメンを同時に投与することができ、いくつかの実施形態では、そのようなレジメンを連続して投与してもよく(例えば、第1のレジメンのすべての「用量」を、第2のレジメンの任意の用量の投与の前に投与してもよく)、いくつかの実施形態では、そのような作用物質を、重複する投与レジメンで投与する。いくつかの実施形態では、併用療法の「投与」は、他の作用物質(複数可)またはモダリティ(複数可)を投与されている対象へ、1つ以上の作用物質(複数可)またはモダリティ(複数可)を組み合わせて投与することを含み得る。明確にするために、併用療法では、個々の作用物質を単一の組成物で一緒に(またはさらには必ずしも同時に)投与する必要はないが、いくつかの実施形態では、2つ以上の作用物質またはその活性部分を、組み合わせ組成物で、またはさらに、組み合わせ化合物で(例えば、単一の化学的複合体もしくは共有結合実体の一部として)一緒に投与することができる。
【0025】
誘導体:本明細書で使用する場合、「誘導体」という用語、またはその文法的等価物は、参照物質の構造的類似体を指す。すなわち、「誘導体」は、例えば、中心的なまたは共通の構造を共有するなど、参照物質と顕著な構造的類似性を示すのみならず、また、ある個別の点で異なる物質である。そのような物質は、前記参照物質から「誘導された」と言えるであろう。いくつかの実施形態では、誘導体は、化学的操作によって参照物質から生成することができる物質である。いくつかの実施形態では、誘導体は、参照物質を生成する合成プロセスと実質的に同様の(例えば、それと複数のステップを共有する)合成プロセスの実施を通じて、生成することができる物質である。
【0026】
ドメイン:本明細書で使用する場合、「ドメイン」という用語は、実体のセクションまたは一部を指す。いくつかの実施形態では、「ドメイン」は、実体の特定の構造的及び/または機能的特徴に関連付けられ、それにより、ドメインは、その親の実体の残部から物理的に分離されるとき、その特定の構造的及び/または機能的特徴を実質的にまたは完全に保持する。その代わりに、またはさらに、ドメインは、その(親の)実体から分離されて異なる(レシピエントの)実体と連結したときに、親実体中で特徴付けられた1つ以上の構造的及び/または機能的特徴をレシピエント実体上に実質的に保持する、及び/または付与する実体の一部であり得るか、またはそれを含み得る。いくつかの実施形態では、ドメインは、分子(例えば、小分子、炭水化物、脂質、核酸またはポリペプチド)のセクションまたは一部である。いくつかの実施形態では、ドメインはポリペプチドのセクションであり、いくつかのそのような実施形態では、ドメインは、特定の構造要素(例えば、特定のアミノ酸配列もしくは配列モチーフ、αヘリックス特性、βシート特性、コイルドコイル特性、ランダムコイル特性など)によって、及び/または特定の機能的特徴(例えば、結合活性、酵素活性、フォールディング活性、シグナル伝達活性など)によって特徴付けられる。
【0027】
剤形または単位剤形:当業者は、「剤形」という用語が、対象に投与するための活性作用物質(例えば、治療用作用物質または診断用作用物質)の物理的に別個の単位を指すために使用され得ることを理解するであろう。通常、そのような各単位は、所定量の活性作用物質を含有する。いくつかの実施形態では、そのような量は、関連する集団に投与されたとき(すなわち、治療用投与レジメンを用いて)、所望のまたは有益な結果と相関することが判明している、投与レジメンに従う投与に適切な単位投与量(またはその全体の小部分)である。当業者は、特定の対象に投与される治療用組成物または作用物質の総量は、1名以上の主治医によって決定され、複数の剤形の投与を含み得ることを理解している。
【0028】
投与レジメン:当業者は、「投与レジメン」という用語が、通常、期間で区切って対象に個別に投与する単位用量のセット(通常は2つ以上)を指すために使用され得ることを理解するであろう。いくつかの実施形態では、所与の治療用作用物質は、1回以上の用量を含み得る推奨投与レジメンを有する。いくつかの実施形態では、投与レジメンは、それぞれが他の用量と時間で区切られた複数の用量を含む。いくつかの実施形態では、個々の用量は、同じ長さの期間によって互いに区切られており、いくつかの実施形態では、投与レジメンは、複数の用量、及び個々の用量を区切る少なくとも2つの異なる期間を含む。いくつかの実施形態では、投与レジメン内のすべての用量は、同じ単位用量の量である。いくつかの実施形態では、投与レジメン内の異なる用量は、異なる量である。いくつかの実施形態では、投与レジメンは、初回用量の量での初回投与、続いて初回用量の量と異なる第2の用量の量での1回以上の追加の投与を含む。いくつかの実施形態では、投与レジメンは、初回用量の量での初回投与、続いて初回用量の量と同じ第2の用量の量での1回以上の追加の投与を含む。いくつかの実施形態では、投与レジメンは、関連する集団全体に投与されたとき、所望のまたは有益な結果と相関する(すなわち、治療用投与レジメンである)。
【0029】
断片:本明細書に記載の物質または実体の「断片」は、分離した全体の一部を含むが、全体に見られる1つ以上の部分を欠く構造を有する。いくつかの実施形態では、断片は、そのような分離した一部からなる。いくつかの実施形態では、断片は、分離した全体の一部を含み、その分離した一部は、全体に見られる1つ以上の機能的特性を共有する。いくつかの実施形態では、断片は、そのような分離した一部からなる。いくつかの実施形態では、断片は、全体に見られる特徴的な構造的要素または部分からなるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、ポリマー、例えば、ポリペプチドまたは多糖の断片は、完全なポリマーに見出される少なくとも3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、25個、30個、35個、40個、45個、50個、55個、60個、65個、70個、75個、80個、85個、90個、95個、100個、110個、120個、130個、140個、150個、160個、170個、180個、190個、200個、210個、220個、230個、240個、250個、275個、300個、325個、350個、375個、400個、425個、450個、475個または500個以上のモノマー単位(例えば、残基)を含むか、またはそれからなる。いくつかの実施形態では、ポリマー断片は、完全なポリマーに見出されるモノマー単位(例えば、残基)の少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、25%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%を含むか、またはそれからなる。全物質または全実体は、いくつかの実施形態では、全体の「親」と称される場合がある。
【0030】
相同性:本明細書で使用する場合、「相同性」という用語は、ポリマー分子間、例えば、核酸分子(例えば、DNA分子及び/またはRNA分子)間、及び/またはポリペプチド分子間の全体的な関連性を指す。いくつかの実施形態では、ポリマー分子は、それらの配列が少なくとも25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%同一である場合、互いに「相同」であると見なされる。いくつかの実施形態では、ポリマー分子は、それらの配列が少なくとも25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%類似している(例えば、対応する位置において関連する化学的特徴を有する残基を含有する)場合、互いに「相同」であると見なされる。例えば、当業者に周知のように、特定のアミノ酸は、通常、「疎水性」もしくは「親水性」アミノ酸として、及び/または「極性」もしくは「非極性」側鎖を有するものとして、互いに類似しているものに分類される。あるアミノ酸を同じタイプの別のアミノ酸に置換することは、しばしば、「相同」置換と見なされる場合がある。
【0031】
同一性:本明細書で使用する場合、「同一性」という用語は、ポリマー分子間、例えば、核酸分子(例えば、DNA分子及び/またはRNA分子)間、及び/またはポリペプチド分子間の全体的な関連性を指す。いくつかの実施形態では、ポリマー分子は、それらの配列が少なくとも25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%同一である場合、互いに「実質的に同一」であると見なされる。2つの核酸またはポリペプチド配列の同一性パーセントの計算は、例えば、最適な比較を目的として2つの配列をアラインメントすることにより実施することができる(例えば、最適なアラインメントのために、第1の配列及び第2の配列の一方または両方にギャップを導入することができ、比較目的のために、非同一配列を無視することができる)。いくつかの実施形態では、比較のためにアラインメントした配列の長さは、参照配列の長さの少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%または実質的に100%である。次に、対応する位置のヌクレオチドを比較する。第1の配列における位置が、第2の配列における対応する位置と同じ残基(例えば、ヌクレオチドまたはアミノ酸)によって占有される場合、分子は、その位置で同一である。2つの配列間の同一性パーセントは、2つの配列の最適なアラインメントのために導入する必要があるギャップの数、及び各ギャップの長さを考慮した配列によって共有される、同一の位置の数の関数である。配列の比較及び2つの配列間の同一性パーセントの決定は、数学的アルゴリズムを使用して実行することができる。例えば、2つのヌクレオチド配列間の同一性パーセントは、ALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み込まれているMeyers and Miller,1989のアルゴリズムを使用して決定することができる。いくつかの例示的な実施形態では、ALIGNプログラムによって行う核酸配列比較は、PAM120加重残基表、ギャップ長ペナルティ12、及びギャップペナルティ4を使用する。2つのヌクレオチド配列間の同一性パーセントは、あるいは、NWSgapdna.CMPマトリックスを使用するGCGソフトウェアパッケージ中のGAPプログラムを使用して決定することができる。
【0032】
改善する、増加する、抑制する、または低減させる:本明細書で使用する場合、「改善する」、「増加する」、「抑制する」、「低減させる」という用語またはそれらの文法的等価物は、ベースラインまたは他の参照測定値に対する値を示す。いくつかの実施形態では、適切な参照測定値は、特定の作用物質もしくは処置が存在しない以外は同等な条件下(例えば、それらの前及び/または後)での、または適切な同等な参照作用物質の存在下での、特定の系(例えば、単一の対象)における測定値であり得るか、またはそれを含み得る。いくつかの実施形態では、適切な参照測定値は、関連する作用物質または処置の存在下で、特定の方法で応答することが知られているかまたは予期される、同等の系における測定値であり得るか、またはそれを含み得る。
【0033】
免疫学的有効量または免疫学的有効用量:本明細書で使用する場合、「免疫学的有効量」または「免疫学的有効用量」は、単回用量または一連の用量の一部として対象に投与されたとき、後続の病原体への曝露に対する対象自身の免疫応答を増強するのに十分である、抗原物質または免疫原性物質、例えば、抗原、免疫原、免疫原性複合体、免疫原性組成物、ワクチンまたは医薬組成物の量を指す。いくつかの実施形態では、病原体は、S.pneumoniaeである。いくつかの実施形態では、免疫応答は、S.pneumoniaeの1種以上の異なる血清型に対するものである。いくつかの実施形態では、免疫応答は、S.pneumoniaeの2種以上の異なる血清型に対するものである。いくつかの実施形態では、免疫応答は、S.pneumoniaeの9種以上の異なる血清型に対するものである。いくつかの実施形態では、免疫応答は、S.pneumoniaeの13種以上の異なる血清型に対するものである。いくつかの実施形態では、免疫応答は、S.pneumoniaeの15種以上の異なる血清型に対するものである。いくつかの実施形態では、免疫応答は、S.pneumoniaeの23種以上の異なる血清型に対するものである。いくつかの実施形態では、免疫応答は、S.pneumoniaeの24種以上の異なる血清型に対するものである。免疫学的有効量は、処置される対象、対象の種、誘導することが望まれる免疫応答の程度などによって変化し得る。いくつかの実施形態では、免疫学的有効量は、疾患を有しているか、または有するリスクがある対象の処置または保護に十分である。いくつかの実施形態では、免疫学的有効量は、任意の対象における、感染症及び/または疾患(例えば、細菌感染症、肺炎球菌感染症、細菌のコロニー形成、肺炎球菌のコロニー形成、細菌感染症に関連付けられる合併症、肺炎球菌感染症に関連付けられる合併症など)を処置、弱毒化、または予防するための量であり得る、無毒性であるが十分な量を指す。いくつかの実施形態では、免疫学的有効量は、対象に投与した際に免疫防御応答を誘導するのに十分である。
【0034】
免疫防御応答または防御応答:本明細書で使用する場合、「免疫防御応答」または「防御応答」は、抗原または免疫原が誘導する免疫記憶を媒介する免疫応答を指す。いくつかの実施形態では、免疫防御応答は、物質、例えば、抗原、免疫原、免疫原性複合体、免疫原性組成物、ワクチンまたは医薬組成物の対象への投与によって誘導される。いくつかの実施形態では、免疫防御は、能動的な免疫監視、ナイーブ対象で観察される応答と比較した免疫活性化時のより迅速かつ効果的な応答、活性化作用物質または病原体の効率的な排除、それに続く炎症の迅速な消散のうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、免疫防御応答は、適応免疫応答である。いくつかの実施形態では、免疫防御応答は、免疫化した対象を、ワクチンが対象とする特定の病原体(複数可)による増殖性感染(例えば、S.pneumoniae感染)から保護するのに十分である。
【0035】
免疫化:本明細書で使用する場合、「免疫化」またはその文法的等価物は、対象における感染性生物または作用物質に対する免疫応答を誘導するプロセス(「能動免疫化」)、あるいは、感染性生物または作用物質に対する免疫系成分を対象に提供するプロセス(「受動免疫化」)を指す。いくつかの実施形態では、免疫化には、1つ以上の抗原、免疫原、免疫原性複合体、ワクチン、抗体などの免疫分子、免疫血清、T細胞もしくはB細胞などの免疫細胞、または医薬組成物の対象への投与が含まれる。いくつかの実施形態では、免疫化は、免疫学的有効量の物質、例えば、抗原、免疫原、免疫原性複合体、免疫原性組成物、ワクチン、抗体などの免疫分子、免疫血清、T細胞もしくはB細胞などの免疫細胞、または医薬組成物を対象へ投与することにより実施される。いくつかの実施形態では、免疫化は、対象において免疫防御応答をもたらす。いくつかの実施形態では、能動免疫化は、抗原物質または免疫原性物質、例えば、抗原、免疫原、免疫原性複合体、ワクチンまたは医薬組成物を対象へ投与することにより実施される。いくつかの実施形態では、受動免疫化は、免疫系成分、例えば、抗体などの免疫分子、免疫血清、またはT細胞もしくはB細胞などの免疫細胞を対象へ投与することにより実施される。
【0036】
単離された:本明細書で使用する場合、「単離された」という用語またはその文法的等価物は、(1)(自然界においてであれ、及び/または実験環境においてであれ)当初生成されたときに関連付けられていた成分の少なくともいくつかから分離された、及び/または(2)人工的に設計、生成、調製及び/または製造された、物質及び/または実体を指す。単離された物質及び/または実体は、それらが当初関連付けられていた他の成分の約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、または約99%超から分離され得る。いくつかの実施形態では、単離された作用物質の純度は、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%または約99%超である。本明細書で使用する場合、物質は、実質的に他の成分を含まない場合、「純粋」である。いくつかの実施形態では、当業者によって理解されるように、物質を、例えば、1つ以上の担体または賦形剤など(例えば、緩衝液、溶媒、水など)の特定の他の成分と組み合わせた後でも、依然として「単離された」またはさらには「純粋」と見なすことができ、そのような実施形態では、物質の単離パーセントまたは純度パーセントを、そのような担体または賦形剤を含まずに算出する。一例を挙げると、いくつかの実施形態では、自然界に存在するポリペプチドまたは多糖などの生物学的ポリマーは、a)その起源または派生物の供給源を理由として、自然界にて天然状態でそれに付随する成分の一部またはすべてに関連付けられていない場合、b)自然界にてそれを産出する種に由来する同じ種の他のポリペプチドまたは核酸を実質的に含まない場合、c)自然界にてそれを産出する種のものではない細胞または他の発現系に由来する成分によって発現されるか、またはそうでなければそれと関連付けられている場合、「単離された」と見なされる。したがって、例えば、いくつかの実施形態では、化学的に合成されるポリペプチドもしくは多糖、または自然界にてそれを産出するものとは異なる細胞系で合成されるポリペプチドもしくは多糖は、「単離された」ポリペプチドまたは多糖であると見なされる。その代わりに、またはさらに、いくつかの実施形態では、1つ以上の精製法に供されているポリペプチドまたは多糖は、a)自然界でそれが関連付けられている他の成分から分離されている、及び/またはb)当初生成されたときに関連付けられていた他の成分から分離されている限り、「単離された」ポリペプチドまたは多糖であると見なされ得る。
【0037】
リンカー:本明細書で使用する場合、「リンカー」という用語は、2つ以上の要素を連結させて複数要素の作用物質を形成する実体を指すために使用される。例えば、当業者には、2つ以上の機能的または組織的ドメインをその構造に含むポリペプチドが、しばしばそのようなドメイン間に、それらを互いに連結する一続きのアミノ酸を含むことが理解される。いくつかの実施形態では、リンカー要素を含むポリペプチドは、一般形態S1-L-S2の全体構造を有する(式中、S1及びS2は、同じであってもまたは異なっていてもよく、リンカー(L)によって互いに関連付けられる2つのドメインを表す)。いくつかの実施形態では、ポリペプチドリンカーは、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95または100以上のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは、剛性の三次元構造をとらない傾向にあり、むしろ、ポリペプチドに可撓性をもたらすことを特徴とする。ポリペプチド(例えば、融合ポリペプチド)を操作するときに適切に使用することができる様々な異なるリンカー要素が、当該技術分野において既知である(Holliger et al,1993、Poljak,1994)。
【0038】
医薬組成物:本明細書で使用する場合、「医薬組成物」という用語は、活性作用物質が1つ以上の薬学的に許容可能な担体と一緒に製剤化される組成物を指す。いくつかの実施形態では、活性作用物質は、関連する集団に投与されたときに所定の治療効果を達成する、統計学的に有意な確率を示す治療レジメンでの投与に適切な単位用量の量で存在する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、固体または液体形態で投与するために特別に製剤化することができ、以下、すなわち、経口投与、例えば、水薬(水性もしくは非水性の溶液もしくは懸濁液)、錠剤(例えば頬側、舌下及び体内吸収を目的とするもの)、ボーラス、粉剤、顆粒剤、舌に適用するためのペースト;非経口投与、例えば、滅菌溶液もしくは懸濁液、もしくは徐放性製剤としての、例えば、皮下注射、筋肉内注射、静脈内注射もしくは硬膜外注射によるもの;例えば、皮膚、肺もしくは口腔に適用するクリーム、軟膏、制御放出パッチ、もしくはスプレーとしての局所適用;例えば、ペッサリー、クリームもしくは泡としての膣内もしくは直腸内;舌下;眼球;経皮;または経鼻、経肺、及び他の粘膜表面に適合するものを含む。
【0039】
薬学的に許容可能な:本明細書で使用する場合、本明細書に開示される組成物を製剤化するために使用される担体、希釈剤または賦形剤に適用される「薬学的に許容可能な」という用語は、担体、希釈剤または賦形剤が、組成物の他の成分と適合性があり、かつそのレシピエントに無害でなければならないことを意味する。
【0040】
多糖:本明細書で使用する「多糖」という用語は、グリコシド結合、ホスホジエステル結合または他の結合によってともに結合された単糖単位の長鎖から構成され、加水分解の際に構成成分の単糖またはオリゴ糖を生じる、ポリマー性炭水化物分子を指す。多糖の構造は、直鎖状から高度に分枝したものにまで及ぶ。例としては、デンプン及びグリコーゲンなどの貯蔵多糖、セルロース及びキチン及び微生物多糖などの構造多糖、ならびに、莢膜多糖(CPS)、O多糖(OPS)、コアO多糖(COPS)及びリポ多糖(LPS)が含まれるがこれらに限定されない、微生物中に見出される抗原性多糖が挙げられる。
【0041】
ポリペプチド:本明細書で使用する場合、「ポリペプチド」という用語は、一般に、例えば、ペプチド結合により互いに連結した少なくとも3つのアミノ酸のポリマーという、当該技術分野で認識されている意味を有する。当業者は、「ポリペプチド」という用語が、本明細書中に列挙された完全な配列を有するポリペプチドを包含するのみならず、そのような完全なポリペプチドの機能的断片(すなわち少なくとも1つの活性を保持する断片)を示すポリペプチドをも包含するほど、十分に概括的であることを意図していることを理解するであろう。さらに、当業者は、タンパク質配列が一般に、活性を消失させることなく、いくらかの置換を許容することを理解している。したがって、活性を保持し、かつ同じクラスの別のポリペプチドと、少なくとも約30~40%、多くの場合、約50%、60%、70%、または80%超の全体的な配列同一性を共有し、さらに通常、一般に少なくとも3~4つ及び多くの場合最大20個以上のアミノ酸を包含する1つ以上の高度に保存された領域における、多くの場合90%超またはさらには95%、96%、97%、98%もしくは99%であるはるかに同一性の高い少なくとも1つの領域を含む任意のポリペプチドが、本明細書で使用する場合、関連用語「ポリペプチド」の範囲内に包含される。ポリペプチドは、L-アミノ酸、D-アミノ酸、またはその両方を含み得、当該技術分野で既知の任意の様々なアミノ酸修飾または類似体を含み得る。有用な修飾には、例えば、末端アセチル化、アミド化、メチル化などが含まれる。いくつかの実施形態では、タンパク質は、天然アミノ酸、非天然アミノ酸、合成アミノ酸及びそれらの組み合わせを含み得る。
【0042】
予防:疾患、障害及び/または病状に関連して本明細書で使用する「予防する」または「予防」という用語は、疾患、障害及び/または状態が発症するリスクを低減させること、及び/または発病の遅延、及び/または特定の疾患、障害または状態の1つ以上の特徴または症状の頻度及び/または重症度の低減を指す。いくつかの実施形態では、予防は、疾患、障害または状態に罹患しやすい集団において、疾患、障害または状態の1つ以上の症状の発症、頻度及び/または強度に統計学的に有意な減少が観察された場合、作用物質が、特定の疾患、障害または状態を「予防」すると見なされるように、集団ベースで評価される。いくつかの実施形態では、予防は、疾患、障害または状態の発病が所定の期間遅延された場合、完全であると見なされ得る。
【0043】
タンパク質:本明細書で使用する場合、「タンパク質」という用語は、ポリペプチドを包含する。タンパク質は、アミノ酸以外の部分を含んでよく(例えば、糖タンパク質、プロテオグリカンなどであってよく)、及び/または別の方法でプロセシングもしくは修飾されていてもよい。当業者は、「タンパク質」が、細胞によって産生された(シグナル配列を有するか、もしくは有さない)完全なポリペプチド鎖であり得るか、またはその特徴的部分であり得ることを理解するであろう。当業者は、タンパク質が、例えば、1つ以上のジスルフィド結合によって連結するかまたは他の手段によって会合する、2つ以上のポリペプチド鎖を時には含み得ることをさらに理解するであろう。ポリペプチドは、l-アミノ酸、d-アミノ酸、またはその両方を含み得、当該技術分野で既知の任意の様々なアミノ酸修飾または類似体を含み得る。有用な修飾には、例えば、末端アセチル化、アミド化、メチル化などが含まれる。いくつかの実施形態では、タンパク質は、天然アミノ酸、非天然アミノ酸、合成アミノ酸及びそれらの組み合わせを含み得る。「ペプチド」という用語は、一般に、約100アミノ酸未満、約50アミノ酸未満、20アミノ酸未満、または10アミノ酸未満の長さを有するポリペプチドを指すために使用される。いくつかの実施形態では、タンパク質は、抗体、抗体断片、それらの生物学的に活性な部分、及び/またはそれらの特徴的部分である。
【0044】
組換え体:本明細書で使用する場合、「組換え体」という用語は、組換え手段によって設計、操作、調製、発現、生成、製造、及び/または単離されたポリペプチド、例えば、宿主細胞にトランスフェクトされた組換え発現ベクターを使用して発現されたポリペプチド;組換えコンビナトリアルヒトポリペプチドライブラリーから単離されたポリペプチド;ポリペプチドもしくはその1つ以上の成分(複数可)、部分(複数可)、要素(複数可)もしくはドメイン(複数可)の発現をコード及び/または指示する遺伝子(複数可)もしくは遺伝子成分を発現するように遺伝子導入されているか、または他の方法で操作されている動物(例えば、マウス、ウサギ、ヒツジ、魚など)から単離されたポリペプチド;及び/または選択された核酸配列要素を互いにスプライシングもしくはライゲーションすること、選択された配列要素を化学的に合成すること、及び/またはその他の方法で、ポリペプチドもしくはその1つ以上の成分(複数可)、部分(複数可)、要素(複数可)もしくはドメイン(複数可)の発現をコード及び/または指示する核酸を生成することを含む、任意の他の手段によって調製、発現、生成または単離されたポリペプチドを指すことを意図している。いくつかの実施形態では、そのような選択された配列要素のうちの1つ以上は、自然界に見出される。いくつかの実施形態では、そのような選択された配列要素のうちの1つ以上は、in silicoで設計される。いくつかの実施形態では、1つ以上のそのような選択された配列要素は、例えば、天然または合成の供給源、例えば、目的とする供給源生物の(例えば、ヒト、マウスなどの)生殖系列におけるものなどからの既知の配列要素の、(例えば、in vivoまたはin vitroの)変異導入から生じる。
【0045】
参照:本明細書で使用する場合、「参照」という用語は、比較が行われる基準または対照を説明する。例えば、いくつかの実施形態では、目的の作用物質、動物、対象、集団、試料、配列または値は、参照または対照の作用物質、動物、対象、集団、試料、配列または値と比較される。いくつかの実施形態では、参照または対照は、目的の試験または測定と実質的に同時に試験及び/または測定される。いくつかの実施形態では、参照または対照は、ヒストリカル参照または対照であり、任意で、有形媒体に具現化される。通常、当業者によって理解されるように、参照または対照は、評価中のものと同等の条件または状況下で決定されるか、または特徴付けられる。当業者は、特定の考えられる参照または対照への信頼及び/またはそれらとの比較を正当なものにするのに十分な類似性が、どのような場合に存在するかを理解するであろう。
【0046】
応答:本明細書で使用する場合、処置に対する「応答」は、処置の結果として、または処置と相関して生じる、対象の状態における任意の有益な変化を指し得る。そのような変化は、状態の安定化(例えば、処置がなされなかった場合に発生したであろう悪化の予防)、状態の症状の軽減、及び/または状態の治癒の見込みの改善などを含み得る。応答は、対象の応答または腫瘍応答を指す場合がある。対象または腫瘍の応答は、臨床基準及び客観的基準を含む多種多様な基準に従って測定することができる。応答を評価するための手法としては、臨床検査、ポジトロン放出断層撮影、胸部X線CTスキャン、MRI、超音波、内視鏡検査、腹腔鏡検査、対象から得た試料中のバイオマーカーの存在もしくはレベル、細胞診断及び/または組織診断が挙げられるが、これらに限定されない。正確な応答基準は、対象及び/または腫瘍の群を比較するときに、比較される群が応答率を決定するための同じまたは同等の基準に基づいて評価される限り、任意の適切な方法で選択することができる。当業者は、適切な基準を選択することができるであろう。
【0047】
リスク:文脈から理解されるように、疾患、障害及び/または状態の「リスク」は、特定の対象が疾患、障害及び/または状態を発症する可能性を指す。いくつかの実施形態では、リスクはパーセンテージとして表される。いくつかの実施形態では、リスクは、0%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%から最大で100%である。いくつかの実施形態では、リスクは、参照試料または参照試料の群に関連付けられるリスクに対するリスクとして表される。いくつかの実施形態では、参照試料または参照試料の群は、疾患、障害、状態及び/または事象の既知のリスクを有する。いくつかの実施形態では、参照試料または参照試料の群は、特定の対象と同等の対象からのものである。いくつかの実施形態では、相対リスクは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10以上である。
【0048】
血清型:本明細書で使用する場合、「血清型(serotype)」という用語は、血清型(serovar)とも称され、細菌もしくはウイルスの種内で、または異なる対象の免疫細胞間で異なる変種を指す。これらの微生物、ウイルスまたは細胞は、それらの細胞表面抗原に基づいてともに分類され、これにより、生物の亜種レベルへの疫学的分類が可能となる。共通の抗原を有する血清型の群を、血清群または時には血清型複合体と称する場合がある。
【0049】
対象:本明細書で使用する場合、「対象」という用語は、生物、通常は哺乳動物(例えば、ヒト、いくつかの実施形態では、出生前のヒト形態を含む)を指す。いくつかの実施形態では、対象は、関連する疾患、障害または状態に罹患している。いくつかの実施形態では、対象は、疾患、障害または状態に罹患しやすい。いくつかの実施形態では、対象は、疾患、障害または状態の1つ以上の症状または特徴を呈する。いくつかの実施形態では、対象は、疾患、障害または状態の一切の症状または特徴を呈さない。いくつかの実施形態では、対象は、疾患、障害もしくは状態への易罹患性、または疾患、障害もしくは状態のリスクに特有である1つ以上の特性を有する者である。いくつかの実施形態では、対象は、患者である。いくつかの実施形態では、対象は、診断及び/または治療が施される及び/または施されている対象である。
【0050】
~に罹患しやすい:疾患、障害または状態「に罹患しやすい」対象は、疾患、障害または状態を発症するリスクがある。いくつかの実施形態では、疾患、障害または状態に罹患しやすい対象は、疾患、障害または状態の一切の症状を呈さない。いくつかの実施形態では、疾患、障害または状態に罹患しやすい対象は、疾患、障害及び/または状態を有すると診断されていない。いくつかの実施形態では、疾患、障害または状態に罹患しやすい対象は、疾患、障害または状態の発症に関連付けられる状態に曝露された対象である。いくつかの実施形態では、疾患、障害及び/または状態を発症するリスクは、集団ベースのリスク(例えば、疾患、障害または状態に罹患している対象の家族の構成員)である。
【0051】
症状が低減される:本明細書で使用する場合、特定の疾患、障害または状態の1つ以上の症状の程度(例えば、強度、重症度など)及び/または頻度が、例えば、統計学的及び/または臨床的に有意なまたは適切なレベルまで低減した場合、「症状が低減される」。明確にするために、特定の症状の発病の遅延は、その症状の頻度を低減させる1つの形式と見なされる。
【0052】
処置:本明細書で使用する場合、「処置」という用語(「処置する」または「処置すること」も同様)は、特定の疾患、障害及び/または状態の1つ以上の症状、特徴または原因を部分的にもしくは完全に緩和、改善、軽減、抑制し、その発病を遅延させ、その重症度を低減させ、及び/またはその発生率を低減させる、任意の治療を施すことを指す。いくつかの実施形態では、そのような処置は、関連する疾患、障害及び/または状態の徴候を呈していない対象の処置であり得、及び/または疾患、障害及び/または状態の初期徴候のみを呈している対象の処置であり得る。その代わりに、またはさらに、そのような処置は、1つ以上の関連する疾患、障害及び/または状態の確立された徴候を呈する対象の処置であり得る。いくつかの実施形態では、処置は、関連する疾患、障害及び/または状態に罹患していると診断された対象の処置であり得る。いくつかの実施形態では、処置は、関連する疾患、障害及び/または状態の発症のリスクの増加と統計学的に相関する1つ以上の易罹患性因子を有していることが知られている対象の処置であり得る。
【0053】
ワクチン接種:本明細書で使用する場合、「ワクチン接種」という用語は、例えば、疾患原因作用物質に対する免疫応答を生じさせることを目的とした組成物の投与を指す。本発明の目的において、ワクチン接種を、疾患原因作用物質への曝露前、曝露中及び/または曝露後に施すことができ、いくつかの実施形態では、その作用物質への曝露前、曝露中及び/または曝露直後に施すことができる。いくつかの実施形態では、ワクチン接種は、適切な時間間隔でのワクチン接種組成物の複数回の投与を含む。いくつかの実施形態では、ワクチン接種は免疫化を開始させる。
[発明を実施するための形態]
【0054】
本開示は、一般に、例えば、免疫防御応答を誘導する及び/または増加させるため、または肺炎球菌感染症のリスクがあるかもしくは肺炎球菌感染症に罹患している対象における肺炎球菌のコロニー形成を低減させるために使用することができる、S.pneumoniaeの新規免疫原性融合タンパク質に関する。
【0055】
S.pneumoniaeに対する2つのワクチンが現在米国で入手可能である。13価コンジュゲートワクチンであるPCV13は、小児における、ワクチンに含有される13種の血清型により引き起こされる侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)の予防、ならびに成人における、肺炎及びIPDの予防を対象に承認されている。このワクチンでは、13種の肺炎球菌血清型の糖類のCRM197タンパク質への共有結合性コンジュゲーションにより、糖類-タンパク質コンジュゲートが生じ、これは、糖類によって表される13種の肺炎球菌血清型の1つ以上に対して、T細胞依存性免疫応答を誘導することができる[PREVNAR13 prescribing information,2017]。PCV13に含まれる多剤耐性血清型のS.pneumoniaeによる感染は、このワクチンの承認後に減少するように思われたが、PCV13に含まれていない84種を超える既知のS.pneumoniae血清型のうちのほんの一部にすぎない、多剤耐性血清型35B、23A、23B及び15Bによる感染の増加が認められた。また、PCV13は、血清型3の有病率が集団内で持続することから、血清型3に対してごくわずかな活性を有することが報告された[Richter et al,2014]。
【0056】
2番目のワクチンであるPPSV23は、23価の多糖ワクチンであり、50歳を超える成人、または肺炎球菌感染症のリスクが増加した2歳を超える者における肺炎球菌感染症の予防を適応とする。PPSV23は、23種の肺炎球菌血清型から精製された莢膜多糖から構成される。このワクチンは、PCV13と比較した場合、より多くの血清型から保護する可能性があるが、新たな血清型である35B、23A及び23Bに対する保護をもたらさない。さらに、PPSV23は、成熟Bリンパ球を刺激するがTリンパ球は刺激しない、T細胞非依存性の多糖免疫応答を誘発する。したがって、このワクチンは、持続性がなく、後続の曝露の際に既往反応を示さない免疫応答のみを誘導する。PPSV23は、コロニー形成に対して有効ではない。さらに、多糖型ワクチンは、乳児及び2歳未満の小児には使用されない。これは、これらの小児のT細胞非依存性抗原に対する応答が不十分なためである[PNEUMOVAX23 prescribing information,2017、CDC,2010]。データは、PPSV23が成人及び高齢者をIPDから保護し得ることを示唆するが、しかしながら、肺炎の予防における安定した効果は観察されていない[Gruber et al,2008]。
【0057】
本開示の新規免疫原性タンパク質は、肺炎球菌感染症に対する患者の免疫化のための現在利用可能な選択肢に対して、著しい進歩を示す。そのような免疫原性タンパク質は、例えば、免疫防御応答を誘導する及び/または増加させるため、または肺炎球菌感染症のリスクがあるかもしくは肺炎球菌感染症に罹患しているなどの対象における肺炎球菌のコロニー形成を低減させるために使用することができる。
【0058】
融合タンパク質
本開示は、S.pneumoniaeの新規免疫原性融合タンパク質について記載する。WO2014/124228において、本発明者らは、肺炎球菌抗原SP0785及びSP1500がそれぞれ、再刺激したヒトPBMC中及び肺炎球菌に曝露したマウスの脾細胞中で、強力なIL-17想起応答を誘発したことを実証した。コレラ毒素アジュバントを加えたSP0785、またはコレラ毒素アジュバントを加えたSP1500によるマウスの免疫化は、肺炎球菌のコロニー形成を大幅に低減(100倍程度)させた。SP0785のニューモリソイドPdTへの融合体、またはSalmonella typhiの多糖にさらにコンジュゲートさせたSP0785のニューモリソイドPdTへの融合体による免疫化は、S.pneumoniae生菌による致死性の曝露において、マウスの80%を敗血症から保護した。Salmonella typhiの多糖にさらにコンジュゲートさせた、SP0785、SP1500とニューモリソイドPdTの融合体による免疫化もまた、肺炎球菌のコロニー形成を大幅に低減(10倍程度)させた。
【0059】
本明細書に記載される及び/または利用される融合タンパク質は、タンパク質刺激に対する改善された免疫原性及びIL-17応答、ならびにS.pneumoniaeコロニー形成のさらなる低減及び侵襲性疾患からの保護を提供する。
【0060】
融合タンパク質は、T細胞応答を誘発する(例えば、主に誘発する)、またはT細胞応答及びB細胞応答の両方を誘発する1つ、2つまたはそれ以上のポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、表1に記載のポリペプチドのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、表1に記載のポリペプチドのうちの2つを含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、表1に記載のポリペプチドのうちの3つを含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、表1に記載の遺伝子のうちの1つ以上によってコードされるポリペプチドのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、表1に記載の遺伝子のうちの2つ以上によってコードされる2つのポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、表1に記載の遺伝子のうちの3つによってコードされる3つのポリペプチドを含む。
【表1】
【0061】
いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号3~8のいずれかを含むアミノ酸配列を有するS.pneumoniaeの1つ以上の抗原ポリペプチドまたはその抗原断片を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号3~8のいずれかを含むアミノ酸配列を有する2つの抗原ポリペプチドまたはその抗原断片を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、(i)配列番号3~8のいずれかを含むアミノ酸配列を有する2つの抗原ポリペプチドまたはその抗原断片、及び(i)配列番号1もしくは2を含むビオチン結合部分またはそのビオチン結合断片を含む。いくつかのそのような実施形態では、少なくとも1つの抗原ポリペプチドは、SP0785ポリペプチド(例えば、配列番号3~5)であるか、またはそれを含む。いくつかのそのような実施形態では、少なくとも1つの抗原ポリペプチドは、SP1500ポリペプチド(例えば、配列番号6~8)であるか、またはそれを含む。
【0062】
いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、表1に記載のS.pneumoniaeポリペプチドと同種の1つ以上のポリペプチド、例えば、S.pneumoniaeの異なる血清型から単離されたSP0785ポリペプチドまたはSP1500ポリペプチドを含む。S.pneumoniaeの個々の血清型には、互いに関連する多数の変異が含まれており、これらのいくつかは、異なる血清型間で異なるタンパク質配列を生じさせる。当業者は、アミノ酸配列またはその一部を、異なるS.pneumoniae血清型に由来する相同なアミノ酸配列で容易に置換することができる。いくつかの実施形態では、抗原ポリペプチドは、表1に記載のポリペプチドまたはその抗原断片に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または99.5%の同一性を有する。血清型の変動を使用して、表1に記載のポリペプチドのそのような変異体を設計することができる。
【0063】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質は、表1に記載のポリペプチドの1つ以上の断片、例えば、リザビジンのビオチン結合断片、SP0785ポリペプチドの抗原断片(シグナル配列の有無を問わない)、またはSP1500ポリペプチドの抗原断片(シグナル配列の有無を問わない)を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質は、表1に記載のポリペプチドに近いサイズのトランケーション突然変異体を含む。例えば、それらは、一方または両方の末端から最大で1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、10個または20個のアミノ酸を欠いていてもよい(融合タンパク質中の成分ポリペプチドを指す)。いくつかの実施形態では、断片は、配列番号1~8のいずれか1つのN末端、C末端またはその両方から1~5個、1~10個または1~20個のアミノ酸残基を欠いている配列番号1~8のいずれかのトランケート型断片である。いくつかの実施形態では、断片は、配列番号1~8のいずれか1つのN末端、C末端またはその両方から1~10個のアミノ酸残基を欠いている、配列番号1~8のいずれかのトランケート型断片である。例えば、断片は、配列番号1~8のいずれか1つのN末端とC末端の両方で10個のアミノ酸残基を欠いていてもよく、その結果、20個のアミノ酸残基を欠くタンパク質が生じる。例えば、1~10個、11~20個、21~30個、または31~40個のアミノ酸の内部欠失も企図される。
【0064】
いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、N末端ポリペプチド及びC末端ポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、N末端ポリペプチド及びC末端ポリペプチドの一方または両方は、抗原ポリペプチド、例えば、配列番号3~8のうちの1つ以上を含むアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその抗原断片もしくは変異体である。いくつかの実施形態では、N末端ポリペプチド及びC末端ポリペプチドの一方または両方は、ビオチン結合部分、例えば、配列番号1~2を含むアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはそのビオチン結合断片である。いくつかの実施形態では、N末端ポリペプチドまたはC末端ポリペプチドの一方は、ビオチン結合部分、例えば、配列番号1~2を含むアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはそのビオチン結合断片であり、他方の末端ポリペプチドは、抗原ポリペプチド、例えば、配列番号3~8のうちの1つ以上を含むアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその抗原断片もしくは変異体である。
【0065】
いくつかの実施形態では、N末端ポリペプチド及びC末端ポリペプチドは、互いに直接結合している。いくつかの実施形態では、N末端ポリペプチド及びC末端ポリペプチドは、リンカーペプチドを介して連結されている。リンカーの長さ及び/またはアミノ酸は、存在する場合、より可撓性のあるリンカー、半剛性のリンカーまたは剛性のリンカーを得るために調整することができる。例示的な可撓性ペプチドリンカーを、配列番号37~40として示す。一般に、リンカーは、1~40アミノ酸長、例えば、3~10または10~30アミノ酸長、特に、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20アミノ酸長であり得る。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、1つのリンカーを含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、2つのリンカーを含む。いくつかの実施形態では、1つまたは2つのリンカーは、配列番号37(GGGGSSS)及び配列番号38(AAA)から選択される。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号37(GGGGSSS)及び配列番号38(AAA)を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、Not I制限部位からの残存アミノ酸配列AAAを含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号37(GGGGSSS)のリンカー及びNot I制限部位からの残存アミノ酸配列AAAを含む。
【0066】
例示的な融合タンパク質を表2に示す。
【表2】
【0067】
いくつかの実施形態では、本開示は、表2に記載の融合タンパク質に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%または100%の配列同一性を有する融合タンパク質を提供する。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号17~26のいずれか1つに対して少なくとも80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%、99.5%または100%の同一性を有するアミノ酸配列であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号23に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%、99.5%または100%の同一性を有するアミノ酸配列であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、CP1に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%、99.5%または100%の同一性を有するアミノ酸配列であるか、またはそれを含む。
【0068】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質は、表2に示す融合タンパク質の抗原断片を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号17~26のいずれかの抗原断片であるか、またはそれを含む。例えば、融合タンパク質は、配列番号17~26のいずれか1つのN末端、C末端またはその両方から、最大で1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、10個または20個のアミノ酸を欠いていてもよい。いくつかの実施形態では、同じ数の残基がN末端及びC末端から除去され、他の実施形態では、C末端と比較して異なる数の残基がN末端から除去される。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号23の抗原断片であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、CP1の抗原断片であるか、またはそれを含む。
【0069】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質は、ビオチン結合部分を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、ビオチン結合部分、及び1つ以上のポリペプチド抗原を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、ビオチン結合部分、及び2つ以上のポリペプチド抗原を含む。本明細書で使用する場合、「ビオチン結合部分」は、ビオチン結合ポリペプチドもしくはタンパク質、そのビオチン結合断片、またはそのビオチン結合ドメインを指す。いくつかの実施形態では、融合タンパク質のビオチン結合部分は、WO2012/155053(この内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)にさらに記載されているように、リザビジンまたはそのビオチン結合断片を含む。
【0070】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質は、配列番号1(リザビジン)の配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有するポリペプチドであるか、もしくはそれを含むビオチン結合部分、またはそのビオチン結合断片を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号2(リザビジンのアミノ酸45~179、Rhaviと表記)の配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有するポリペプチドであるか、もしくはそれを含むビオチン結合部分、またはそのビオチン結合断片を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号4(S.pneumoniaeのSP0785ポリペプチドのアミノ酸33~399)の配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチド、またはその抗原断片を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号7(S.pneumoniaeのSP1500ポリペプチドのアミノ酸27~278)の配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチド、またはその抗原断片を含む。
【0071】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質は、(a)配列番号1(リザビジン)の配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有するポリペプチドであるか、もしくはそれを含むビオチン結合部分、またはそのビオチン結合断片、(b)配列番号4(S.pneumoniaeのSP0785ポリペプチドのアミノ酸33~399)の配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチド、またはその抗原断片、及び(c)配列番号7(S.pneumoniaeのSP1500ポリペプチドのアミノ酸27~278)の配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチド、またはその抗原断片の各々を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、1つ以上のリンカーをさらに含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のリンカーは、配列番号37(GGGGSSS)及び配列番号38(AAA)から選択される。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、Not I制限部位からの残存アミノ酸配列AAAを含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号37(GGGGSSS)のリンカー及びNot I制限部位からの残存アミノ酸配列AAAを含む。
【0072】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質は、(a)配列番号2(リザビジンのアミノ酸45~179、Rhaviと表記)の配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有するポリペプチドであるか、もしくはそれを含むビオチン結合部分、またはそのビオチン結合断片、(b)配列番号4(S.pneumoniaeのSP0785ポリペプチドのアミノ酸33~399)の配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチド、またはその抗原断片、及び(c)配列番号5(S.pneumoniaeのSP1500ポリペプチドのアミノ酸27~278)の配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチド、またはその抗原断片の各々を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、1つ以上のリンカーをさらに含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のリンカーは、配列番号37(GGGGSSS)及び配列番号38(AAA)から選択される。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、Not I制限部位からの残存アミノ酸配列AAAを含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号37(GGGGSSS)のリンカー及びNot I制限部位からの残存アミノ酸配列AAAを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質は、配列番号23の配列に対して少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号23のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号23(CP1)のアミノ酸配列からなる。
【0073】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質は、表1に記載のポリペプチドの変異体または断片を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質は、表1に記載の遺伝子の変異体または断片によってコードされたポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質に含まれる断片は、完全長ポリペプチドまたは表1に記載のポリペプチドに近いサイズである。例えば、それらは、一方または両方の末端から最大で1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、10個、20個または30個のアミノ酸を欠いていてもよい。いくつかの実施形態では、断片は、25~50アミノ酸長、または50~100アミノ酸長、または100~150アミノ酸長、または150~200アミノ酸長、または200~250アミノ酸長、または250~300アミノ酸長、または300~350アミノ酸長である。いくつかの実施形態では、断片は、発現宿主、例えば、E.coli、昆虫細胞株(例えば、バキュロウイルス発現系)、または哺乳動物(例えば、ヒトもしくはチャイニーズハムスター卵巣)細胞株によるシグナル配列のプロセシングまたは部分的プロセシングから生じる。前述の断片またはそのサブ断片(例えば、8~50個、8~30個もしくは8~20個のアミノ酸残基の断片)は、好ましくは、以下に記載する生物学的活性のうちのいずれか1つ、例えば、放出されるIL-17の量の少なくとも1.5倍または2倍以上の増加(例えば、絶対尺度または対照タンパク質との比較のいずれかとして)を有する。
【0074】
各遺伝子及びポリペプチドのDNA及びタンパク質配列は、公的に利用可能なデータベース、例えば、Entrez Gene(ワールドワイドウェブのNCBI NIHウェブサイト上のwww.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez?db=gene)において、Streptococcus pneumoniae TIGR4ゲノム中のLocus Tagを検索することによって同定することができ、示された配列はまた、本開示の範囲内に含まれる。
【0075】
表1の特定のポリペプチド、その変異体、ならびに融合タンパク質の様々な実施形態の構成要素を構成する追加の例示的なポリペプチド及びリンカーを、以下にさらに詳細に説明する。
【0076】
SP0785ポリペプチド(例えば、配列番号3~5)及びその変異体
SP0785は、WO2014/124228に記載されている、保存された仮想のS.pneumoniaeタンパク質である。いくつかの実施形態では、SP0785ポリペプチドは、S.pneumoniae株全体にわたり保存されている排出トランスポータータンパク質である。いくつかの実施形態では、SP0785ポリペプチドは、完全長SP0785ポリペプチドであるか、またはそれを含む。例えば、いくつかの実施形態では、完全長SP0785ポリペプチドは、399個のアミノ酸(38kDa)を有し、配列番号3に記載のアミノ酸配列によって表される。配列番号3のアミノ酸1~32は、SP0785ポリペプチドのシグナル配列及び膜貫通ドメイン(完全長タンパク質のアミノ酸1~32)であると予測されている。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、S.pneumoniaeのSP0785ポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、少なくとも7つ、8つ、9つ、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、25個、30個、35個、45個、50個、60個、65個、70個、75個、80個、85個、90個、95個、100個、150個、200個、250個、300個、350個、367個または399個のSP0785ポリペプチドの連続したアミノ酸を含む。
【0077】
いくつかの実施形態では、融合タンパク質のSP0785ポリペプチドは、配列番号3[完全長]に示される配列の少なくとも7つ、8つ、9つ、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、25個、30個、35個、45個、50個、60個、65個、70個、75個、80個、85個、90個、95個、100個、150個、200個、250個、300個、350個、367個または399個の連続したアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質のSP0785ポリペプチドは、配列番号3[完全長]に示される配列の少なくとも7つ、8つ、9つ、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、25個、30個、35個、45個、50個、60個、65個、70個、75個、80個、85個、90個、95個、100個、150個、200個、250個、300個、350個、367個または399個の連続したアミノ酸と、少なくとも60%以上(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%を含む)同一であるアミノ酸配列を含む。
【0078】
いくつかの実施形態では、融合タンパク質のSP0785ポリペプチドは、配列番号4[シグナル配列及び膜貫通ドメインを除いたもの]に示される配列の少なくとも7つ、8つ、9つ、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、25個、30個、35個、45個、50個、60個、65個、70個、75個、80個、85個、90個、95個、100個、150個、200個、250個、300個、350個または367個の連続したアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質のSP0785ポリペプチドは、配列番号4[シグナル配列及び膜貫通ドメインを除いたもの]に示される配列の少なくとも7つ、8つ、9つ、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、25個、30個、35個、45個、50個、60個、65個、70個、75個、80個、85個、90個、95個、100個、150個、200個、250個、300個、350個または367個の連続したアミノ酸と、少なくとも60%以上(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%を含む)同一であるアミノ酸配列を含む。
【0079】
配列変動は、異なるS.pneumoniae血清型間のタンパク質レベルで生じ、異なるS.pneumoniae血清型に由来するSP785配列の組み合わせを示すコンセンサス配列は、配列番号5として提供される。したがって、いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号5を含むか、もしくはそれからなるアミノ酸配列を有するポリペプチド、またはその抗原断片を(例えば、配列番号3または4のいずれか1つを含むアミノ酸配列を有するポリペプチドの代わりに)含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質のSP0785ポリペプチドは、配列番号5[コンセンサス]に示される配列の少なくとも7つ、8つ、9つ、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、25個、30個、35個、45個、50個、60個、65個、70個、75個、80個、85個、90個、95個、100個、150個、200個、250個、300個、350個または367個の連続したアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質のSP0785ポリペプチドは、配列番号5[コンセンサス]に示される配列の少なくとも7つ、8つ、9つ、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、25個、30個、35個、45個、50個、60個、65個、70個、75個、80個、85個、90個、95個、100個、150個、200個、250個、300個、350個または367個の連続したアミノ酸と、少なくとも60%以上(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%を含む)同一であるアミノ酸配列を含む。
【0080】
SP0785ポリペプチドをコードする例示的なヌクレオチド配列は、本明細書にて配列番号11として提供される。
【0081】
SP1500ポリペプチド(例えば、配列番号6~8)及びその変異体
SP1500は、WO2014/124228に記載されている。いくつかの実施形態では、SP1500ポリペプチドは、S.pneumoniae株全体にわたり保存されているアミノ酸結合ポリペプチドであるアミノ酸ABCトランスポーターである。いくつかの実施形態では、SP1500ポリペプチドは、完全長SP1500ポリペプチドであるか、またはそれを含む。例えば、いくつかの実施形態では、完全長SP1500ポリペプチドは、278個のアミノ酸(28kDa)を有し、配列番号6に記載のアミノ酸配列によって表される。配列番号6のアミノ酸1~26は、SP1500ポリペプチドのシグナル配列(完全長タンパク質のアミノ酸1~26)であると予測されている。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、S.pneumoniaeのSP1500ポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、少なくとも7つ、8つ、9つ、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、25個、30個、35個、45個、50個、60個、65個、70個、75個、80個、85個、90個、95個、100個、150個、200個、252個または278個のSP1500ポリペプチドの連続したアミノ酸を含む。
【0082】
いくつかの実施形態では、融合タンパク質のSP1500ポリペプチドは、配列番号6[完全長]に示される配列の少なくとも7つ、8つ、9つ、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、25個、30個、35個、45個、50個、60個、65個、70個、75個、80個、85個、90個、95個、100個、150個、200個、252個または278個の連続したアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質のSP1500ポリペプチドは、配列番号6[完全長]に示される配列の少なくとも7つ、8つ、9つ、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、25個、30個、35個、45個、50個、60個、65個、70個、75個、80個、85個、90個、95個、100個、150個、200個、252個または278個の連続したアミノ酸と、少なくとも60%以上(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%を含む)同一であるアミノ酸配列を含む。
【0083】
いくつかの実施形態では、融合タンパク質のSP1500ポリペプチドは、配列番号7[シグナル配列を除いたもの]に示される配列の少なくとも7つ、8つ、9つ、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、25個、30個、35個、45個、50個、60個、65個、70個、75個、80個、85個、90個、95個、100個、150個、200個または252個の連続したアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質のSP1500ポリペプチドは、配列番号7[シグナル配列を除いたもの]に示される配列の少なくとも7つ、8つ、9つ、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、25個、30個、35個、45個、50個、60個、65個、70個、75個、80個、85個、90個、95個、100個、150個、200個または252個の連続したアミノ酸と、少なくとも60%以上(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%を含む)同一であるアミノ酸配列を含む。
【0084】
配列変動は、異なるS.pneumoniae血清型間のタンパク質レベルで生じ、異なるS.pneumoniae血清型に由来するSP1500配列の組み合わせを示すコンセンサス配列は、配列番号8として提供される。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号8を含むか、もしくはそれからなるアミノ酸配列を有するポリペプチド、またはその抗原断片を(例えば、配列番号6または7のいずれか1つを含むアミノ酸配列を有するポリペプチドの代わりに)含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質のSP1500ポリペプチドは、配列番号8[コンセンサス]に示される配列の少なくとも7つ、8つ、9つ、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、25個、30個、35個、45個、50個、60個、65個、70個、75個、80個、85個、90個、95個、100個、150個、200個または252個の連続したアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質のSP1500ポリペプチドは、配列番号8[コンセンサス]に示される配列の少なくとも7つ、8つ、9つ、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、25個、30個、35個、45個、50個、60個、65個、70個、75個、80個、85個、90個、95個、100個、150個、200個または252個の連続したアミノ酸と、少なくとも60%以上(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%を含む)同一であるアミノ酸配列を含む。
【0085】
SP1500ポリペプチドをコードする例示的なヌクレオチド配列は、本明細書にて配列番号14として提供される。
【0086】
リザビジン
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質は、非共有結合性の多重抗原提示系(MAPS)免疫原性複合体の成分である。いくつかの実施形態では、MAPS複合体は、ビオチンまたはビオチン誘導体と、予測される顕著なヒトタンパク質との相同性を有さないビオチン結合タンパク質であるリザビジンとの間の高親和性(解離定数[K]約10-15M)非共有結合性結合を利用する。
【0087】
リザビジンは、アビジンタンパク質ファミリー内の天然に存在する二量体タンパク質であり、インゲンマメの共生細菌であるRhizobium etli中で最初に発見された。リザビジンは、卵に一般的に見出されるタンパク質であるニワトリアビジンとは22%のアミノ酸同一性しか有さないが、ビオチン結合に関与するアミノ酸残基が高度に保存されている[Helppolainen et al,2007]。いくつかの実施形態では、リザビジンのヌクレオチド配列は、配列番号9に示されている。いくつかの実施形態では、リザビジンのアミノ酸配列は、配列番号1に示されている。配列番号1のアミノ酸1~44は、リザビジンのシグナル配列(複数可)(全長タンパク質のアミノ酸1~44)であると予測されている。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、リザビジンを含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、少なくとも7つ、8つ、9つ、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、25個、30個、35個、45個、50個、60個、65個、70個、75個、80個、85個、90個、95個、100個、150個または179個のリザビジンポリペプチドの連続したアミノ酸を含む。
【0088】
いくつかの実施形態では、融合タンパク質のリザビジンポリペプチドは、配列番号1[完全長]に示される配列の少なくとも7つ、8つ、9つ、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、25個、30個、35個、45個、50個、60個、65個、70個、75個、80個、85個、90個、95個、100個、150個または179個の連続したアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質のリザビジンポリペプチドは、配列番号1[完全長]に示される配列の少なくとも7つ、8つ、9つ、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、25個、30個、35個、45個、50個、60個、65個、70個、75個、80個、85個、90個、95個、100個、150個または179個の連続したアミノ酸と、少なくとも60%以上(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%を含む)同一であるアミノ酸配列を含む。
【0089】
いくつかの実施形態では、融合タンパク質のリザビジンポリペプチドは、配列番号2[シグナル配列を除いたもの]に示される配列の少なくとも7つ、8つ、9つ、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、25個、30個、35個、45個、50個、60個、65個、70個、75個、80個、85個、90個、95個、100個または135個の連続したアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質のリザビジンポリペプチドは、配列番号2[シグナル配列を除いたもの]に示される配列の少なくとも7つ、8つ、9つ、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、25個、30個、35個、45個、50個、60個、65個、70個、75個、80個、85個、90個、95個、100個または135個の連続したアミノ酸と、少なくとも60%以上(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%を含む)同一であるアミノ酸配列を含む。
【0090】
いくつかの実施形態では、融合タンパク質のリザビジンポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸50~179であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質のリザビジンポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸55~179であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質のリザビジンポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸60~179であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質のリザビジンポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸65~179であるか、またはそれを含む。
【0091】
いくつかの実施形態では、融合タンパク質のリザビジンポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸45~175であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質のリザビジンポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸45~171であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質のリザビジンポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸45~167であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質のリザビジンポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸45~163であるか、またはそれを含む。
【0092】
リンカーまたはスペーサー
いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、1つ以上のリンカーを含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、1つ以上のアミノ酸であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、リンカーによってビオチン結合部分に連結された抗原ポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、第1の抗原ポリペプチド、第2の抗原ポリペプチド、ビオチン結合部分及び少なくとも1つのリンカーを含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原ポリペプチド及び第2の抗原ポリペプチドは、リンカーによって連結される。いくつかの実施形態では、第1の抗原ポリペプチドまたは第2の抗原ポリペプチドは、リンカーによってビオチン結合部分に連結される。いくつかの実施形態では、第1の抗原ポリペプチド及び第2の抗原ポリペプチドは、第1のリンカーによって連結され、第1の抗原ポリペプチドまたは第2の抗原ポリペプチドは、第2のリンカーによってビオチン結合部分に連結される。
【0093】
いくつかの実施形態では、リンカーは、2つのタンパク質部分の間に構造を挿入する。いくつかの実施形態では、構造は、αヘリックスであるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、構造は、βストランドであるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、構造は、コイル/ベンドであるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、構造は、ターンであるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、リンカーによって連結された2つのタンパク質部分間の立体障害を減少させる。いくつかの実施形態では、リンカーは、リンカーによって連結された2つのタンパク質部分間の好ましくない相互作用を減少させる。いくつかの実施形態では、リンカーは、グリシン残基及びセリン残基の混合物を含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、トレオニン残基、プロリン残基及び/またはアラニン残基をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、リンカーは、親水性である。いくつかの実施形態では、リンカーは、疎水性である。いくつかの実施形態では、リンカーは、リンカーを含む融合タンパク質の安定性を増加させる。
【0094】
いくつかの実施形態では、リンカーは、それが連結される抗原ポリペプチドのフォールディングに干渉しない。いくつかの実施形態では、リンカーは、それが連結される抗原ポリペプチドの抗原性に干渉しない。いくつかの実施形態では、リンカーは、それが連結される抗原ポリペプチドの抗原性を低減させない。いくつかの実施形態では、リンカーは、それが連結される抗原ポリペプチドの抗原性を除去しない。いくつかの実施形態では、リンカーの影響は、ポリペプチドを、リンカーに連結されたポリペプチドと比較することによって決定される。
【0095】
いくつかの実施形態では、リンカーは、それが連結されるビオチン結合部分のフォールディングに干渉しない。いくつかの実施形態では、リンカーは、それが連結されるビオチン結合部分のビオチン結合能に干渉しない。いくつかの実施形態では、リンカーは、それが連結されるビオチン結合部分のビオチン結合能を低減させない。いくつかの実施形態では、リンカーは、それが連結されるビオチン結合部分のビオチン結合能を除去しない。いくつかの実施形態では、リンカーの影響は、ビオチン結合部分を、リンカーに連結されたビオチン結合部分と比較することによって決定される。
【0096】
いくつかの実施形態では、リンカーは抗原性ではない。いくつかの実施形態では、リンカーは、T細胞応答を誘発しない。いくつかの実施形態では、リンカーは、B細胞応答を誘発しない。いくつかの実施形態では、リンカーは、T細胞応答またはB細胞応答を誘導しない。
【0097】
いくつかの実施形態では、リンカーは、2つ以上のアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、3~100、5~100、10~100、20~100 30~100、40~100、50~100、60~100、70~100、80~100、90~100、5~55、10~50、10~45、10~40、10~35、10~30、10~25、10~20、10~15、3~10、3~9、3~8、3~7、3~6、3~5、3~4または2~3アミノ酸長であり得る。いくつかの実施形態では、リンカーは、10~100個、10~90個、10~80個、10~70個、10~60個、10~50個、10~40個、10~30個、10~20個、10~15個のアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、少なくとも10個、15個、20個、25個、30個、35個、40個、45個、50個、55個、60個、65個、70個、75個、80個、85個、90個または95個のアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10個、15個、20個、25個、30個、35個、40個、45個、50個、55個、60個、65個、70個、75個、80個、85個、90個、95個または100個のアミノ酸であるか、またはそれを含む。
【0098】
いくつかの実施形態では、リンカーは、可撓性リンカーである。可撓性リンカーは、ある程度の動きまたは相互作用を必要とするドメインを連結するのに有用であり得、小さな非極性アミノ酸(例えば、Gly)または極性アミノ酸(例えば、SerまたはThr)を含み得る。SerまたはThrの組み込みはまた、水分子と水素結合を形成することにより水溶液中のリンカーの安定性を維持することもでき、これにより、リンカーとタンパク質部分との間の好ましくない相互作用を低減させることができる。いくつかの実施形態では、リンカーは、小さな非極性アミノ酸(例えば、Gly)または極性アミノ酸(例えば、SerもしくはThr)を含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、Gly-Serリンカーである。
【0099】
いくつかの実施形態では、リンカーは、GGGGSSS(配列番号37)のアミノ酸配列であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、(GGGGS)(配列番号39)(式中、nは、反復GGGGSユニットの数を表しており、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25または30以上である)であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、ポリペプチドリンカーは、GGGGSGGGGSGGGGS(配列番号41)(すなわち、(GGGGS))またはGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGS(配列番号42)(すなわち、(GGGGS))であるか、またはそれを含むアミノ酸配列を有し得る。いくつかの実施形態では、リンカーは、Gly、Ser、Thr、Ala、Lys及びGluのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、KESGSVSSEQLAQFRSLD(配列番号43)であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、EGKSSGSGSESKST(配列番号44)であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、(Gly)(配列番号45)(式中、nは、反復Gly残基の数を表しており、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25または30以上である)であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、GGGであるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、(Gly)(配列番号40)であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、(Gly)(配列番号46)であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、GSAGSAAGSGEF(配列番号47)であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、AAA(配列番号38)のアミノ酸配列であるか、またはそれを含む。
【0100】
いくつかの実施形態では、リンカーは、剛性リンカーである。剛性リンカーは、ドメイン間の距離を一定に保ち、それらの独立した機能を維持するのに有用である。剛性リンカーは、融合体中の1つ以上の成分の安定性または生理活性を保持するために、ドメインの空間的分離が不可欠である場合にもまた有用であり得る。いくつかの実施形態では、リンカーは、(EAAAK)(配列番号48)(式中、nは、反復EAAAKユニットの数を表しており、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25または30以上である)であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、A(EAAAK)A(配列番号49)(式中、nは、反復EAAAKユニットの数を表しており、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25または30以上である)であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、A(EAAAK)A(式中、nは、反復EAAAKユニットの数を表しており、2、3、4または5である)であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、A(EAAAK)ALEA(EAAAK)A(配列番号50)であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、[A(EAAAK)A](配列番号51)(式中、nは2、3または4であり、mは1または2である)であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、AEAAAKEAAAKA(配列番号52)であるか、またはそれを含む。
【0101】
いくつかの実施形態では、リンカーは、Xが任意のアミノ酸を示している(X-Pro)(配列番号53)(式中、nは、反復X-Proユニットの数を表しており、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25または30以上である)であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、(Ala-Pro)(配列番号54)(式中、nは、反復Ala-Proユニットの数を表しており、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25または30以上である)であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、(Ala-Pro)(式中、nは、反復Ala-Proユニットの数を表しており、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16または17である)であるか、またはそれを含む。
【0102】
いくつかの実施形態では、リンカーは、(Lys-Pro)(配列番号55)(式中、nは、反復Lys-Proユニットの数を表しており、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25または30以上である)であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、(Glu-Pro)(配列番号56)(式中、nは、反復Glu-Proユニットの数を表しており、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25または30以上である)であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、(Ala-Pro)(配列番号57)であるか、またはそれを含む。
【0103】
いくつかの実施形態では、リンカーは、GAPGGGGGAAAAAGGGGGGAP(GAGリンカー、配列番号58)であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、GAPGGGGGAAAAAGGGGGGAPGGGGGAAAAAGGGGGGAP(GAG2リンカー、配列番号59)であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、GAPGGGGGAAAAAGGGGGGAPGGGGGAAAAAGGGGGGAPGGGGGAAAAAGGGGGGAP(GAG3リンカー、配列番号60)であるか、またはそれを含む。
【0104】
好適なリンカーまたはスペーサーには、前述の例示的なリンカーと少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%以上相同または同一であるアミノ酸配列を有するものも含まれる。
【0105】
いくつかの実施形態との使用に好適な追加のリンカーは、2012年3月2日に出願された米国特許公開第2012/0232021号、及び[Chen,2013]に見出すことができ、これらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0106】
タグ付き融合タンパク質
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質は、タグを含み得る。タグは、N末端またはC末端であり得る。例えば、タグを(コードするDNA配列上への付加または修飾を介して)ポリペプチドに追加して、精製、検出、溶解性を促進させるか、またはタンパク質に他の望ましい特性を付与することができる。いくつかの実施形態では、タグは、アフィニティー精製に使用され得るペプチド、オリゴペプチドまたはポリペプチドであり得る。いくつかの実施形態では、タグは、ポリヒスチジン(His)、グルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)、タンデムアフィニティー精製(TAP)、FLAG、myc、ヒトインフルエンザヘマグルチニン(HA)、マルトース結合タンパク質(MBP)、水疱性口内炎ウイルス糖タンパク質(VSV-G)、チオレドキシン、V5、アビジン、ストレプトアビジン、ビオチンカルボキシルキャリアタンパク質(BCCP)、カルモジュリン、Nus、Sタグ、リポタンパク質D及びガラクトシダーゼのうちの1つ以上であるか、それらを含むか、またはそれらに由来する。いくつかの実施形態では、Hisタグは、H(式中、nは2~10の整数である)のアミノ酸配列であるか、またはそれを含む。例示的なHisタグには、HHHHHH(配列番号15)及びMSYYHHHHHH(配列番号16)が含まれる。他の実施形態では、融合タンパク質は、タンパク質精製タグなどのタグを含まず、精製タグに対する親和性に依存しない方法によって精製される。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、表1のポリペプチドまたは表2の融合タンパク質の一方または両方の末端に、1つ以下、2つ以下、3つ以下、4つ以下、5つ以下、10個以下または20個以下の追加のアミノ酸を含む。
【0107】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質は、哺乳動物細胞への融合タンパク質の導入及び後続の細胞性免疫応答の刺激を促進するために、膜移行配列(MTS)を含み得る。例示的な膜移行配列としては、カポジ線維芽細胞成長因子のシグナル配列内の疎水性領域、シヌクレインのMTS、アンテナペディアホメオドメインの第3ヘリックス、SN50、インテグリン3 h領域、HIV Tat、pAntp、PR-39、アバエシン(abaecin)、アピデシン、Bac5、Bac7、P.bergheiのCSタンパク質、ならびに米国特許第6,248,558号、同第6,432,680号及び同第6,248,558号に記載されているもののMTSが挙げられる。
【0108】
核酸
いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載のポリペプチド及び/または融合タンパク質のうちの1つ以上をコードする核酸、例えば、DNA、RNAまたはそれらの類似体を提供する。本明細書に記載のポリペプチドの基礎となるDNA配列を、タンパク質産物の配列に影響を及ぼさない方法で修飾することができ、そのような配列は本発明に含まれる。いくつかの実施形態では、DNA配列をコドン最適化して、宿主、例えば、E.coliなどの細菌細胞株、昆虫細胞株(例えば、バキュロウイルス発現系の使用)、または哺乳動物(例えば、ヒトもしくはチャイニーズハムスター卵巣)細胞株中の発現を改善することができる。
【0109】
いくつかの実施形態では、本開示は、表1もしくは表2に提供される核酸配列、またはその変異体もしくは一部と少なくとも70%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%、99.5%または100%同一である核酸、例えば、DNA、RNAまたはそれらの類似体を提供する。いくつかの実施形態では、核酸は、600~2000ヌクレオチド長、800~1800ヌクレオチド長、1000~1600ヌクレオチド長、1200~1400ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態では、核酸は、600~1600ヌクレオチド長、800~1800ヌクレオチド長、1000~2000ヌクレオチド長、2000~3000ヌクレオチド長または3000~4000ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態では、核酸は、表1もしくは表2のポリペプチドもしくは融合タンパク質、またはその抗原断片の組換え産生のために使用され得る。いくつかの実施形態では、核酸は、ワクチンとして使用され得る。
【0110】
SP0785(配列番号3及び4)の変異体をコードする核酸配列は、配列番号11及び12として提供される。SP1500(配列番号6及び7)の変異体をコードする核酸配列は、配列番号13及び14として提供される。異なる融合タンパク質(配列番号17~26)をコードする核酸配列は、配列番号27~36として提供される。すべての場合において、遺伝暗号の縮重に起因して、そのようなポリペプチド及び融合タンパク質をコードするために、他のDNA配列(複数のコドン最適化配列を含む)が、当業者によって企図され得る。
【0111】
表1もしくは表2のポリペプチドもしくは融合タンパク質をコードする核酸、またはその断片を、様々な調節エレメントの制御下で、任意の様々な発現ベクターにクローニングすることができ、融合体を、他の目的の配列とともに生成することができる。核酸をクローニングする方法は、当該技術分野では日常的であり一般に行われている。本出願で言及される分子生物学の方法、例えば、核酸及び/またはタンパク質の単離、クローニング、修飾、標識、操作、配列決定及び他の方法での処理または分析を説明する一般的な参照文献については、例えば、Sambrook et al,1989、Ausubel et al,1995、Davis et al,1986、Hames et al,1985、Dracopoli et al,2018、及びColigan et al,2018を参照されたい。
【0112】
融合タンパク質の使用
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質は、溶血活性を有さないか、またはごくわずかな溶血活性を有する。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質の溶血活性を、赤血球の50%が溶解するタンパク質濃度を決定するために、融合タンパク質を異なる希釈度で赤血球(例えば、ヒツジ赤血球)とともにインキュベートした後に、比濁法(OD420)により明らかにすることができる。いくつかのそのような実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質の溶血活性は、例えば、所与のタンパク質濃度について0.3未満、0.25未満、0.2未満またはそれ以下を含む、0.4未満またはそれ以下のOD420によって特徴付けることができる。
【0113】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のS.pneumoniaeのポリペプチド及び融合タンパク質、ならびにそれらの断片及び変異体は、免疫原性である。これらのポリペプチド及び融合タンパク質は、哺乳動物、例えば、マウス、ラット、モルモットまたはヒトにおいて免疫原性であり得る。抗原ポリペプチドまたは融合タンパク質は、通常、アッセイまたは対象において顕著な免疫応答を生じさせることができるものである。免疫応答は、自然免疫、体液性免疫、細胞性免疫、または粘膜免疫(自然免疫、体液性免疫及び細胞性免疫の要素の組み合わせ)であり得る。例えば、抗原ポリペプチドまたは融合タンパク質は、T細胞によって産生されるIL-17の量を増加させ得る。その代わりに、またはさらに、抗原ポリペプチドまたは融合タンパク質は、(i)ポリペプチド及び/または全細菌に結合する抗体、例えば中和抗体の産生の誘導、(ii)Th17免疫の誘導、(iii)例えば、CD4+ T細胞の数を増加させること、及び/または感染もしくは再感染部位へのCD4+ T細胞の局在化を増加させることによる、CD4+ T細胞応答の活性化、(iv)例えば、CD8+ T細胞の数を増加させること、及び/または感染もしくは再感染部位へのCD8+ T細胞の局在化を増加させることによる、CD8+ T細胞応答の活性化、(v)CD4+応答及びCD8+応答の両方の活性化、(vi)CD4-/CD8-免疫の活性化、(vii)Th1免疫の誘導、(viii)抗菌ペプチドの誘導、(ix)自然免疫の活性化、または前述の任意の組み合わせが可能である。いくつかの実施形態では、抗原ポリペプチドまたは融合タンパク質は、その抗原に特異的な検出可能な量の抗体の産生を誘発する。
【0114】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質は、抗原であるか、または抗原特性を有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質は、キャリアタンパク質であるか、またはキャリア特性を有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質は、抗原及びキャリアタンパク質の両方である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質は、キャリア特性及び抗原特性の両方を有する。
【0115】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質は、免疫原性複合体(例えば、そのすべての内容が本明細書に示される目的のために参照により本明細書に組み込まれるWO2012/155007に記載されているような、多重抗原提示系(MAPS)複合体)の抗原である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質は、免疫原性複合体のキャリアタンパク質である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質は、キャリアタンパク質及び免疫原性複合体の抗原の両方である。
【0116】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質のポリペプチドは、ヒト自己抗原及び/または腸共生細菌(例えば、特定のBacteroides、Clostridium、Fusobacterium、Eubacterium、Ruminococcus、Peptococcus、Peptostreptococcus、Bifidobacterium、Escherichia及びLactobacillus種)に対して、20%未満、30%未満、40%未満、50%未満、60%未満または70%未満の同一性を有する。ヒト自己抗原の例としては、インスリン、増殖性細胞核抗原、シトクロムP450及びミエリン塩基性タンパク質が挙げられる。
【0117】
本明細書に記載の融合タンパク質に含まれるポリペプチドは、1つ以上の免疫原性部分及び1つ以上の非免疫原性部分を含み得る。免疫原性部分は、タンパク質マイクロアレイ、ELISPOT/ELISA技術、及び/または当該ポリペプチドの異なる欠失突然変異体(例えば、断片)に対する特異的なアッセイを含む様々な方法によって同定することができる。免疫原性部分はまた、コンピュータアルゴリズムによって同定することができる。EpiMatrix(EpiVaxにより作成)のようないくつかのそのようなアルゴリズムは、計算マトリックスアプローチを使用する。抗原エピトープを同定するための他の計算ツールには、PEPVAC(Dana Farber Cancer Instituteによりワールドワイドウェブ上でimmunax.dfci.harvard.edu/PEPVACにおいてホストされる、Promiscuous EPitope-based VACcine)、MHCPred(部分最小二乗法を使用し、The Jenner Instituteによりワールドワイドウェブでwww.jenner.ac.uk/MHCPredにおいてホストされる)、及びワールドワイドウェブ上のtools.immuneepitope.orgにおけるImmune Epitope Databaseアルゴリズムが含まれる。本明細書に記載のポリペプチドの抗原断片は、実験的に測定するか、またはアルゴリズム(例えば、www.syfpeithi.deで見られるSYFPEITHIアルゴリズム)によって同定する場合に、少なくとも1つの免疫原性部分を含む。
【0118】
SP0785及びSP1500の代表的な予測エピトープをそれぞれ表3及び表4に示す。
【表3-1】
【表3-2】
【表4-1】
【表4-2】
【0119】
免疫原性組成物及びワクチン組成物
本開示はまた、本明細書に記載の1つ以上の融合タンパク質の免疫原性組成物(例えば、ワクチン組成物)、または本明細書に記載の1つ以上の融合タンパク質を含む免疫原性組成物を提供する。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物は、表2に記載の融合タンパク質に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%または100%の配列同一性を有する1つ以上の融合タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物は、配列番号17~26のいずれか1つに対して少なくとも80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%、99.5%または100%の同一性を有するアミノ酸配列であるか、またはそれを含む融合タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物は、配列番号23に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%、99.5%または100%の同一性を有するアミノ酸配列であるか、またはそれを含む融合タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物は、CP1(例えば、図1に記載の通りのCP1)に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%、99.5%または100%の同一性を有するアミノ酸配列であるか、またはそれを含む融合タンパク質を含む。
【0120】
いくつかの実施形態では、免疫原性組成物はまた、本明細書に記載の融合タンパク質の一部、例えば、内部欠失突然変異体、トランケーション突然変異体及び断片を含み得る。いくつかの実施形態では、前記融合タンパク質の一部は、免疫原性である。融合タンパク質の一部の免疫原性は、完全長融合タンパク質の免疫原性を決定するために使用されるのと同じアッセイを使用して容易に決定される。いくつかの実施形態では、融合タンパク質の一部は、完全長融合タンパク質と実質的に同じ免疫原性を有する。いくつかの実施形態では、免疫原性は、表2の融合タンパク質の免疫原性の10%以上、20%以上、30%以上、40%以上または50%以上である。
【0121】
多成分免疫原性組成物及びワクチン組成物
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の免疫原性組成物(例えば、ワクチン組成物)は、本明細書に記載の融合タンパク質に加えて、1つ以上または2つ以上の既知のS.pneumoniae抗原を含む。場合によっては、既知のS.pneumoniae抗原が、主に抗体の標的である。場合によっては、既知のS.pneumoniae抗原は、多糖である。場合によっては、既知のS.pneumoniae抗原は、S.pneumoniaeのコロニー形成から、あるいはS.pneumoniae誘発性の敗血症、肺炎、髄膜炎、中耳炎、副鼻腔炎、またはS.pneumoniaeによる他の部位もしくは器官の感染から保護する。
【0122】
当該技術分野で認められているS.pneumoniae抗原の適切なクラスの1つは、肺炎球菌表面タンパク質A(PspA)及びPspAの誘導体である。PspAの誘導体には、非プロリンブロックを有するプロリンリッチセグメント(PR+NPB、またPRNと称されることもあり、Daniels et al,2010にさらに記載されている)、ならびにPspAのプロリンリッチ領域(例えば、配列PAPAP、PKP、PKEPEQ及びPEKPのうちの1つ以上を含み、任意で非プロリンブロックを含む領域)のすべてまたは断片を含む関連のコンストラクトが含まれる。いくつかの実施形態では、PspAの断片または変異体は、非プロリンブロックを有するプロリンリッチセグメント、及びPspA配列の10個、20個、30個または40個以上の追加のアミノ酸を含む。NPBを含むペプチドは特に免疫原性があり、NPBが重要なエピトープであり得ることが示唆される。
【0123】
当該技術分野で認められているS.pneumoniae抗原の別の適切なクラスは、ニューモリソイドである。ニューモリソイドは、S.pneumoniaeタンパク質ニューモリシン(PLYまたはPly)と相同性を有するが、ニューモリシンと比較して毒性が低減している。ニューモリソイドは、ニューモリシンの天然に存在する誘導体、または操作された誘導体であり得る。いくつかの実施形態では、ニューモリソイドは、ニューモリシンに対して少なくとも70%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ニューモリソイドは、赤血球に対する溶血活性及び多形核白血球の抑制の一方または両方のアッセイにおいて、ニューモリシンの1/2未満、1/10未満、1/20未満、1/50未満、1/100未満、1/200未満、1/500未満または1/1000未満の毒性を示す。両方のアッセイは、Saunders et al,1989に記載されている。例示的なニューモリソイドには、Berry et al,1995にさらに記載されている三重突然変異であるPdT;Paton et al,1991にさらに記載されているPd-A及びPd-B;Ferreira et al,2006にさらに記載されているrPd2及びrPd3;例えば、US2009/0285846及びL.Mitchell,2011にさらに記載されているPly8、MPLY及びL460D;またはそれらの変異体が含まれる。いくつかの実施形態では、ニューモリシンは、アミノ酸428もしくは433またはその近傍などの触媒中心に突然変異を有する。
【0124】
他の適切なS.pneumoniae抗原には、コリン結合タンパク質A(CbpA)及びその誘導体(Ogunniyi et al,2001);肺炎球菌表面アドヘシンA(PsaA);カゼイン分解プロテアーゼ;ソルターゼA(SrtA);線毛1 RrgAアドヘシン;PpmA;PrtA;PavA;LytA;Stk-PR;PcsB;RrgB及びその誘導体が含まれる。CpbA誘導体は、WO2012/134975に記載されているコンストラクトを含む。そのようなコンストラクトは、CpbAのR2ドメイン、R21及び/またはR22サブドメイン、またはそれらの活性変異体及び断片、またはそれらの任意の組み合わせの1つ以上のコピーを含み得る。そのようなコンストラクトは、ニューモリソイドをさらに含み得る。
【0125】
いくつかの実施形態では、免疫原性組成物(例えば、ワクチン組成物)は、本明細書に記載の1つ以上の融合タンパク質を、表1の1つ以上のポリペプチド、またはその抗原断片もしくは変異体と組み合わせて混合物中に含む。いくつかの実施形態では、混合物は、発現宿主、例えば、E.coli、昆虫細胞株(例えば、バキュロウイルス発現系)、または哺乳動物細胞株(例えば、ヒトもしくはチャイニーズハムスター卵巣)によるシグナル配列のプロセシングまたは部分的プロセシングから生じる、完全長ポリペプチド及び断片の両方を含む。
【0126】
いくつかの実施形態では、免疫原性組成物は、あらゆる他の抗原の非存在下で、配列番号17~26のいずれかの1つ以上の融合タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物は、あらゆる他の抗原の非存在下で、配列番号23の融合タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物は、他の抗原の非存在下で、配列番号17~26のいずれかの1つ以上の融合タンパク質を、配列番号1~8のいずれかの1つ以上の追加のタンパク質と組み合わせて含む。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物は、あらゆる他の抗原の非存在下で、配列番号23の融合タンパク質を、配列番号1~8のいずれかの1つ以上の追加のタンパク質と組み合わせて含む。
【0127】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質は、S.pneumoniae多糖にコンジュゲートされ得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質は、S.pneumoniae多糖と、非共有結合的に複合体化され得る。S.pneumoniae多糖は、例えば、米国特許第5,623,057号、米国特許第5,371,197号またはPCT/US2011/023526に記載されているようなものであり得る。非共有結合複合体は、例えば、PCT/US2012/037412、PCT/US2012/037541、及びZhang et al,2013に記載されているような、多重抗原提示系(MAPS)のものであり得る。
【0128】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質は、別の分子と共有結合している。これによって、例えば、融合タンパク質の半減期、溶解性、バイオアベイラビリティ、または免疫原性が増加し得る。融合タンパク質と共有結合することができる分子には、炭水化物、ビオチン、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、ポリシアル酸、N-プロピオニル化ポリシアル酸、核酸、多糖及びPLGAが含まれる。PEGには、分子量が300g/mol未満から10,000,000g/mol超にわたる、多くの異なるタイプが存在する。PEG鎖は、直鎖状、分枝状、または櫛型もしくは星型の形状を有するものであり得る。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、免疫系を刺激する部分に共有結合している。そのような部分の例は、脂質部分である。場合によっては、脂質部分はTLR2またはTLR4などのToll様受容体(TLR)によって認識され、自然免疫系を活性化する。
【0129】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質及び1つ以上の追加の成分を、既知の方法を使用して一緒に混合し、多成分免疫原性組成物を形成する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質及び1つ以上の追加の成分を、既知の方法を使用してナノカプセル化する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質及び1つ以上の追加の成分を、既知の方法を使用してナノ粒子または微粒子に成形する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質及び1つ以上の追加の成分を、既知の方法を使用して共有結合を通じてコンジュゲートし、多成分免疫原性組成物を形成する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質及び1つ以上の追加の成分を、既知の方法を使用して非共有結合的に連結させ、多成分免疫原性組成物を形成する。融合タンパク質と1つ以上の追加の成分とを組み合わせるさらなる方法は、例えば、PCT/US2012/37412及びPCT/US2009/44956に記載されている。
【0130】
核酸ベースの免疫原性組成物及びワクチン
本開示はまた、本明細書に記載の融合タンパク質をコードする1つ以上の核酸の免疫原性組成物(例えば、ワクチン組成物)、または本明細書に記載の融合タンパク質をコードする1つ以上の核酸を含む免疫原性組成物を提供する。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物は、表2に記載の融合タンパク質に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%または100%の配列同一性を有する融合タンパク質をコードする1つ以上の核酸を含む。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物は、配列番号17~26のいずれか1つに対して少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%または100%の同一性を有するアミノ酸配列であるか、またはそれを含む融合タンパク質をコードする核酸を含む。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物は、配列番号23に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または99.5%の同一性を有するアミノ酸配列であるか、またはそれを含む融合タンパク質をコードする核酸を含む。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物は、CP1に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%または100%の同一性を有するアミノ酸配列であるか、またはそれを含む融合タンパク質をコードする核酸を含む。
【0131】
いくつかの実施形態では、免疫原性組成物は、配列番号27~36のいずれか1つに対して少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%または100%の同一性を有する1つ以上の核酸を含む。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物は、配列番号33に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%または100%の同一性を有する核酸を含む。すべての場合において、遺伝暗号の縮重に起因して、他のDNA配列(複数のコドン最適化配列を含む)は、そのような融合タンパク質をコードすることができる。いくつかの実施形態では、これらの核酸は、免疫化された個体内で発現され、コードされたS.pneumoniae融合タンパク質を産生し、このようにして産生されたS.pneumoniae融合タンパク質は、免疫化された個体において免疫刺激効果または免疫防御効果を有する。
【0132】
そのような核酸含有免疫刺激性組成物は、例えば、複製起点、及び/または配列番号27~36の1つ以上の融合タンパク質をコードする1つ以上の核酸の発現を推進するプロモーターを含み得る。そのような組成物はまた、プロモーター(場合により、強力なウイルスプロモーター)が挿入された細菌プラスミドベクター、配列番号17~26の1つ以上の融合タンパク質をコードする1つ以上の核酸、及びポリアデニル化/転写終結配列を含み得る。場合によっては、核酸はDNAである。場合によっては、核酸はRNAである。
【0133】
免疫原性組成物及びワクチン組成物の使用
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の融合タンパク質を含む免疫原性組成物またはワクチンは、ELISA及び/または機能的抗体アッセイによって測定した場合に、1つ以上の融合タンパク質に対するオプソニン化能力または免疫応答のうちの1つ以上が所定のレベルと比較して増加することを特徴とする。いくつかの実施形態では、1つ以上の融合タンパク質に対するオプソニン化能力または免疫応答のうちの1つ以上は、ELISA及び/または機能的抗体アッセイによって測定した場合に、所定のレベルと比較して、例えば、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%または少なくとも90%以上を含む、少なくとも30%以上増加する。いくつかの実施形態では、1つ以上の融合タンパク質に対するオプソニン化能力または免疫応答のうちの1つ以上は、ELISA及び/または機能的抗体アッセイによって測定した場合に、所定のレベルと比較して、少なくとも1倍、2倍、3倍、4倍または5倍増加する。いくつかの実施形態では、所定のレベルは、免疫前レベル(例えば、対象が免疫化されていない場合、または本明細書に記載の1つ以上の融合タンパク質の非存在下で免疫化されている場合に観察されるレベル)である。
【0134】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の融合タンパク質を含む免疫原性組成物またはワクチンは、対象に投与されると、S.pneumoniaeに対する免疫応答を誘導する。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物またはワクチンは、対象に投与されると、S.pneumoniaeの1種以上の血清型に対する免疫応答を誘導する。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物またはワクチンは、対象に投与されると、S.pneumoniaeの1種以上の血清型に対する防御免疫応答を誘導する。いくつかの実施形態では、免疫応答は、抗体応答またはB細胞応答である。いくつかの実施形態では、免疫応答は、T細胞応答である。いくつかの実施形態では、免疫応答は、自然免疫応答である。いくつかの実施形態では、免疫応答は、Th1、Th2もしくはTh17応答を含むCD4+ T細胞応答、またはCD8+ T細胞応答、またはCD4+及びCD8+ T細胞応答、またはCD4-/CD8- T細胞応答である。いくつかの実施形態では、免疫応答は、抗体応答またはB細胞応答及びT細胞応答である。いくつかの実施形態では、免疫応答は、抗体応答またはB細胞応答、T細胞応答及び自然免疫応答である。
【0135】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の融合タンパク質を含む免疫原性組成物またはワクチンは、S.pneumoniaeの予防的及び/または治療的処置のために使用され得る。したがって、本開示は、S.pneumoniae感染症に罹患しているか、またはそれに罹患しやすい対象を免疫化するための方法であって、本明細書に記載の1つ以上の融合タンパク質を含む、免疫学的有効量の任意の免疫原性組成物またはワクチンを投与することを含む方法を提供する。免疫化を受ける対象は、男性であっても女性であってもよく、乳児、小児、青年または成人であってもよい。いくつかの実施形態では、処置される対象は、ヒトである。他の実施形態では、対象は、非ヒト動物である。
【0136】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質を含む免疫原性組成物またはワクチンは、対象に投与されると、S.pneumoniaeによる感染症を処置または予防する。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物またはワクチンは、対象に投与されると、S.pneumoniaeによる感染に起因する侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)を処置または予防する。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物またはワクチンは、対象に投与されると、S.pneumoniaeによる感染に起因する菌血症を処置または予防する。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物またはワクチンは、対象に投与されると、S.pneumoniaeによる感染に起因する敗血症を処置または予防する。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物またはワクチンは、対象に投与されると、S.pneumoniaeによる感染に起因する器官損傷を処置または予防する。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物またはワクチンは、対象に投与されると、S.pneumoniaeによる感染に起因する髄膜炎を処置または予防する。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物またはワクチンは、対象に投与されると、S.pneumoniaeによる感染に起因する肺炎を処置または予防する。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物またはワクチンは、対象に投与されると、S.pneumoniaeによる感染に起因する中耳炎を処置または予防する。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物またはワクチンは、対象に投与されると、S.pneumoniaeによる感染に起因する副鼻腔炎を処置または予防する。
【0137】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質を含む免疫原性組成物またはワクチンは、対象に投与されると、S.pneumoniaeによる感染症の発生率を抑制または低減させる。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物またはワクチンは、対象に投与されると、S.pneumoniaeによる感染に起因する侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)の発生率を抑制または低減させる。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物またはワクチンは、対象に投与されると、S.pneumoniaeによる感染に起因する菌血症の発生率を抑制または低減させる。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物またはワクチンは、対象に投与されると、S.pneumoniaeによる感染に起因する敗血症の発生率を抑制または低減させる。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物またはワクチンは、対象に投与されると、S.pneumoniaeによる感染に起因する器官損傷の発生率を抑制または低減させる。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物またはワクチンは、対象に投与されると、S.pneumoniaeによる感染に起因する髄膜炎の発生率を抑制または低減させる。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物またはワクチンは、対象に投与されると、S.pneumoniaeによる感染に起因する肺炎の発生率を抑制または低減させる。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物またはワクチンは、対象に投与されると、S.pneumoniaeによる感染に起因する中耳炎の発生率を抑制または低減させる。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物またはワクチンは、対象に投与されると、S.pneumoniaeによる感染に起因する副鼻腔炎の発生率を抑制または低減させる。
【0138】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質を含む免疫原性組成物またはワクチンは、対象に投与されると、S.pneumoniaeによる感染症の重症度を低減させる。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物またはワクチンは、対象に投与されると、S.pneumoniaeによる感染に起因する侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)の重症度を低減させる。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物またはワクチンは、対象に投与されると、S.pneumoniaeによる感染に起因する菌血症の重症度を低減させる。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物またはワクチンは、対象に投与されると、S.pneumoniaeによる感染に起因する敗血症の重症度を低減させる。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物またはワクチンは、対象に投与されると、S.pneumoniaeによる感染に起因する器官損傷の重症度を低減させる。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物またはワクチンは、対象に投与されると、S.pneumoniaeによる感染に起因する髄膜炎の重症度を低減させる。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物またはワクチンは、対象に投与されると、S.pneumoniaeによる感染に起因する肺炎の重症度を低減させる。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物またはワクチンは、対象に投与されると、S.pneumoniaeによる感染に起因する中耳炎の重症度を低減させる。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物またはワクチンは、対象に投与されると、S.pneumoniaeによる感染に起因する副鼻腔炎の重症度を低減させる。
【0139】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質を含む免疫原性組成物またはワクチンは、対象に投与されると、対象から別の対象へのS.pneumoniaeの伝播を抑制する。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物またはワクチンは、対象に投与されると、対象におけるS.pneumoniaeによるコロニー形成を抑制する。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物またはワクチンは、対象に投与されると、対象の鼻咽頭におけるS.pneumoniaeによるコロニー形成を抑制する。
【0140】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質を含む免疫原性組成物またはワクチンは、対象に投与されると、対照組成物よりも高いレベルで、対象におけるS.pneumoniaeに対する免疫応答を誘導する。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物またはワクチンは、対象に投与されると、対照組成物よりも高いレベルで、S.pneumoniaeの1種以上の血清型に対する免疫応答を誘導する。いくつかの実施形態では、レベルは、対照組成物のレベルよりも約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%または約95%高い。
【0141】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質を含む免疫原性組成物またはワクチンは、対象に投与されると、対照組成物よりも高いレベルで、S.pneumoniaeの定着からの保護を促進することができる免疫応答を誘導する。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物またはワクチンは、対照組成物よりも高いレベルで、コロニー形成から保護する。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物またはワクチンは、対照組成物よりも高いレベルで、コロニー形成されていないかまたは感染していない対象におけるS.pneumoniaeによる感染症を抑制する。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物またはワクチンは、対照組成物よりも高いレベルで、既にコロニー形成されている対象におけるS.pneumoniaeによるコロニー形成の持続期間を低減させる。いくつかの実施形態では、レベルは、対照組成物のレベルよりも約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%または約95%高い。
【0142】
抗体組成物
いくつかの実施形態は、本明細書に記載の融合タンパク質を含む免疫原性組成物またはワクチンで免疫化した哺乳動物中で産生された抗体を含む、抗体組成物を提供する。いくつかの実施形態では、抗体は、モノクローナルAb(mAb)及び抗イディオタイプ抗体からなる群から選択される少なくとも1つの抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体組成物は、単離されたガンマグロブリン画分を含む。いくつかの実施形態では、抗体組成物は、ポリクローナル抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体組成物は、対象に投与される。
【0143】
ワクチン製剤
本明細書に記載の融合タンパク質を含む特定のワクチンの成分の最適量は、対象における適切な免疫応答の観察を含む標準的試験によって確認することができる。最初の免疫化の後、対象は、適切な時間間隔で1回または複数回の追加免疫化を受けることができる。
【0144】
本明細書に記載の融合タンパク質を含む免疫原性組成物またはワクチン、及び/またはその調製物を、投与を容易にするため、及び投与量を均一にするために、単位剤形で製剤化することができる。任意の特定の対象または生物に対する特定の治療有効用量レベルは、感染の重症度またはリスクの程度;用いられる特定のワクチンまたはワクチン組成物の活性;用いられる特定のワクチンまたはワクチン組成物の他の特性;対象の年齢、体重、全体的な健康状態、性別、対象の食事、対象の薬物動態の状態、投与時間(例えば、食事、睡眠、他のワクチン用量を含む他の医薬品の服用などの、対象の他の活動に関連して)、投与経路、用いられる特定のワクチンまたはワクチン組成物の排出速度;用いられるワクチン組成物と併用してまたは同時に使用されるワクチン;及び医療分野において周知の類似の要因を含む、様々な要因に依存し得る。
【0145】
本開示に従って使用するための本明細書に記載の融合タンパク質を含む免疫原性組成物またはワクチンは、既知の技術に従って組成物(例えば、医薬組成物)に製剤化することができる。ワクチンの調製は、概して、Vaccine Design(Powell and Newman,1995)に記載されている。例えば、免疫学的量のワクチン生成物は、1つ以上の有機または無機、液体または固体の、薬学的に適切な担体材料と一緒に製剤化することができる。
【0146】
一般に、薬学的に許容可能な担体(複数可)には、薬学的投与と適合性のある溶媒、分散媒などが含まれる。例えば、薬学的に許容可能な担体として機能し得る材料としては、ラクトース、グルコース、ブドウ糖及びスクロースなどの糖類;トウモロコシデンプン及びジャガイモデンプンなどのデンプン;セルロースならびにその誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース及び酢酸セルロース;粉末トラガカント;麦芽;ゼラチン;タルク;カカオ脂及び坐剤用ワックスなどの賦形剤;ピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油及び大豆油などの油;グリセロール、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコールなどのポリオール;オレイン酸エチル及びラウリン酸エチルなどのエステル;寒天;水酸化マグネシウムなどの緩衝作用物質;アルギン酸;パイロジェンフリー水;等張生理食塩水;リンゲル液;エチルアルコールならびにリン酸塩緩衝溶液、加えて、ラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムなどの無毒性で適合性のある他の滑沢剤が挙げられるが、これらに限定されず、加えて、保存剤及び抗酸化剤も、製剤者の判断に従って組成物中に存在してもよい(Martin,1975)。
【0147】
ワクチンは、例えば、従来の混合、造粒、溶解、凍結乾燥または類似のプロセスを含む任意の利用可能な手段によって、本明細書に記載の1つ以上の融合タンパク質を、担体及び/または他の任意成分と組み合わせることによって製剤化され得る。
【0148】
本明細書に記載の1つ以上の融合タンパク質を含むワクチンは、使用される直前まで凍結乾燥される場合があり、その時点で、それらは希釈剤で即時再構成される。いくつかの実施形態では、ワクチン成分または組成物は、1つ以上の他の成分(例えば、アジュバント)の存在下で凍結乾燥され、生理食塩水で即時再構成される。あるいは、個々の成分、または成分のセットを別々に凍結乾燥及び/または保管し(例えば、ワクチン接種キット中に)、成分を再構成して、使用前に混合するかまたは対象に別々に投与することができる。
【0149】
凍結乾燥は、(例えば、多糖抗原の分解を防止または低減することにより)より安定した組成物を生成することができる。ワクチンまたはワクチン成分の凍結乾燥は当該技術分野で周知である。通常、液体ワクチンまたはワクチン成分は、(多くは、固化防止作用物質(例えば、スクロースまたはラクトースなどの糖など)の存在下で)凍結乾燥される。いくつかの実施形態では、固化防止作用物質は、例えば、10~200mg/mlの初期濃度で存在する。凍結乾燥は通常、一連のステップにわたって行い、例えば、サイクルを-69℃で開始し、3時間かけて-24℃まで徐々に調整し、次にこの温度を18時間保持し、次に1時間かけて-16℃まで徐々に調整し、次にこの温度を6時間保持し、次に3時間かけて徐々に+34℃に調整し、最後にこの温度を9時間にわたり保持する。
【0150】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質を含むワクチンは、液体である。いくつかの実施形態では、この液体は、再構成された凍結乾燥物(lyophylate)である。いくつかの実施形態では、ワクチンは、約5、約6、約7または約8のpHを有する。いくつかの実施形態では、ワクチンは、約5~約7.5のpHを有する。いくつかの実施形態では、ワクチンは、5~7.5のpHを有する。いくつかの実施形態では、ワクチンは、約5.3~約6.3のpHを有する。いくつかの実施形態では、ワクチンは、5.3~6.3のpHを有する。いくつかの実施形態では、ワクチンは、約5.0、約5.1、約5.2、約5.3、約5.4、約5.5、約5.6、約5.7、約5.8、約5.9、約6.0、約6.1、約6.2、約6.3、約6.4、約6.5、約6.6、約6.7、約6.8、約6.9、約7.0、約7.1、約7.2、約7.3、約7.4または約7.5のpHを有する。
【0151】
本開示に従って使用するためのワクチンまたはワクチン成分は、リポソーム、コクリエート、生分解性ポリマー、例えば、ポリラクチド、ポリグリコリド及びポリラクチド-コ-グリコリド、または免疫刺激複合体(ISCOMS)に組み込まれる場合がある。
【0152】
特定の状況においては、例えば、1つ以上のワクチン成分の吸収を遅延させることによって、本発明に従って使用するためのワクチンの作用または放出を延長することが望ましい場合がある。そのような吸収の遅延は、例えば、難水溶性の結晶材料または非晶質材料の液体懸濁液を使用することにより実現することができる。次に、生成物の吸収速度はその溶解速度に依存し、そして次に、サイズ及び形態に依存し得る。その代わりに、またはさらに、吸収遅延は、1つ以上のワクチン成分を油性溶媒中に溶解または懸濁させることにより実現することができる。注射用デポー形態を使用して、吸収を遅延させることもできる。そのようなデポー形態は、生分解性ポリマーネットワークに、1つ以上のワクチン成分のマイクロカプセルマトリックスを形成することによって調製することができる。ポリマーのワクチン成分に対する比、及び用いられる特定のポリマー(複数可)の性質に応じて、放出速度を制御することができる。
【0153】
本開示に従って使用することができる生分解性ポリマーの例には、例えば、ポリ(オルトエステル)及びポリ(無水物)が含まれる。1つの特定の例示的なポリマーは、ポリラクチド-ポリグリコリドである。
【0154】
デポー注射用製剤を、体組織と適合性のあるリポソームまたはマイクロエマルションの中に生成物を封入することによっても調製することができる。
【0155】
ポリマー送達系はまた、例えば、経口製剤を含む非デポー製剤で用いることができる。例えば、エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル及びポリ乳酸などの生分解性の生体適合性ポリマーを、経口製剤に使用することができる。多糖抗原またはコンジュゲートを、例えば、有用な製剤(例えば、経口製剤)の調製を容易にする目的で、粒子、微粒子、押出物、固体分散体、混合物または他の組み合わせを調製するために、そのようなポリマーとともに製剤化することができる。
【0156】
本開示に従って使用するための本明細書に記載の1つ以上の融合タンパク質を含むワクチンは、免疫原性組成物を含み、さらに、1つ以上の追加の活性作用物質(すなわち、不活性成分ではなく、生物学的作用を及ぼす作用物質)を含み得る。例えば、ワクチン調製において、1つ以上のアジュバントを含めることは一般的である。そのような追加の作用物質を、1つ以上の他のワクチン成分と一緒に製剤化してもよく、または別々に維持して、投与時もしくはそれに近い時間に組み合わせてもよいことが理解されるであろう。いくつかの実施形態では、そのような追加の成分は、関連する効果を得るための適切な時間ウィンドウ内で、他のワクチン成分の一部またはすべてとは別に投与され得る。
【0157】
アジュバント
本明細書に記載の融合タンパク質を含むワクチン製剤及び免疫原性組成物は、アジュバントを含み得る。一般に、アジュバントは、抗原に対する免疫応答を増強する作用物質である。アジュバントは、その主な作用機序に基づいて、ワクチン送達系及び免疫刺激性アジュバントの2つのクラスに大きく分けることができる(例えば、Singh et al,2003を参照されたい)。ほとんどのワクチン製剤では、アジュバントは、免疫系が抗原に対する応答を生じるように免疫系にシグナルを提供し、抗原は、病原体に対する応答の特異性を促進するために必要とされる。ワクチン送達系は、多くの場合、粒子状製剤、例えば、エマルション、微粒子、免疫刺激複合体(ISCOM)、ナノ粒子(例えば、粒子及び/またはマトリックスであり得る)、ならびにリポソームである。対照的に、免疫刺激性アジュバントは、時として病原体に由来するかまたはそれから誘導され、自然免疫系の細胞を活性化する病原体関連分子パターン(PAMP)、例えば、リポ多糖(LPS)、モノホスホリルリピドA(MPL)、またはCpG含有DNAを示すことができる。
【0158】
あるいは、アジュバントは、有機及び無機として分類され得る。無機アジュバントには、リン酸アルミニウム、非晶質ヒドロキシリン酸アルミニウム硫酸塩、水酸化アルミニウムなどのミョウバン塩が含まれ、これらは、ヒトのワクチンで一般的に使用されている。有機アジュバントには、高分子を含む有機分子が含まれる。有機アジュバントの非限定的な例としては、コレラ毒素/トキソイド、グラム陰性菌の他のエンテロトキシン/トキソイドまたは不安定毒素/トキソイド、インターロイキン(例えば、IL-1、IL-2、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-12、IL-15、IL-18など)、インターフェロン(例えば、ガンマインターフェロン)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)及び腫瘍壊死因子(TNF)が挙げられる。
【0159】
アジュバントは、それらが誘導する応答によっても分類され得る。いくつかの実施形態では、アジュバントは、Th1細胞またはTh2細胞の産生、増殖または活性化を誘導する。他の実施形態では、アジュバントは、B細胞の産生、増殖または活性化を誘導する。さらに他の実施形態では、アジュバントは、抗原提示細胞の活性化を誘導する。これらの分類は相互に排他的ではなく、場合によっては、アジュバントは、2つ以上のタイプの細胞を活性化する。
【0160】
いくつかの実施形態では、アジュバントは、Th17細胞の産生、増殖または活性化を誘導する。アジュバントは、IL-17を分泌するようにCD4+ T細胞またはCD8+ T細胞を促進することができる。いくつかの実施形態では、Th17細胞の産生、増殖または活性化を誘導するアジュバントは、以下のアッセイにおいて、少なくとも2倍、場合によっては10倍の、対照に対する実験試料の比を生じさせるものである。アッセイでは、実験者は、2つの細胞集団:(1)アジュバント及びTh17の産生、増殖または活性化を誘導することが知られているポリペプチドで免疫化した動物からの細胞、ならびに(2)アジュバント及び無関係な(対照の)ポリペプチドで処置した動物からの細胞によって分泌されるIL-17レベルを比較する。Th17細胞の産生、増殖または活性化を誘導するアジュバントは、集団(1)の細胞に、集団(2)の細胞より2倍超または10倍超多くのIL-17を生じさせ得る。IL-17は、例えば、ELISAまたはELISPOTによって測定することができる。特定の毒素、例えば、コレラ毒素及び不安定毒素(腸管毒素原性E.coli、またはETECによって産生される)は、Th17応答を活性化する。したがって、いくつかの実施形態では、アジュバントは毒素またはトキソイドである。コレラ毒素は、マウスモデルにおいて表1の特定のポリペプチドと組み合わせて防御免疫を誘導するのに問題なく使用された。不安定毒素の1つの形態は、Intercellによって生産される。アジュバントとして活性であるが毒性が著しく低い不安定毒素(トキソイド)の突然変異誘導体も、同様に使用することができる。例示的な不安定毒素の無毒化突然変異誘導体には、ADP-リボシルトランスフェラーゼ活性を欠く突然変異体が含まれる。不安定毒素の特定の無毒化突然変異誘導体には、LTK7(Douce et al,1995)及びLTK63(Williams et al,2004)、LT-G192(Douce et al,1999)及びLTR72(Giuliani et al,1998)が含まれる。
【0161】
いくつかの実施形態では、アジュバントは、VLP(ウイルス様粒子)を含む。そのようなアジュバントプラットフォームの1つであるアルファウイルスレプリコンは、アルファウイルスを使用してTh17細胞の活性化を誘導し、アルファウイルスレプリコンは、Alphavaxによって生産される。アルファウイルスレプリコン系のいくつかの実施形態では、アルファウイルスを、目的の抗原、目的のサイトカイン(例えば、IL-17もしくはIL-17産生を刺激するサイトカイン)、またはその両方を発現するように操作することができ、ヘルパー細胞株中で産生させることができる。より詳細な情報は、米国特許第5,643,576号及び同第6,783,939号に見ることができる。いくつかの実施形態では、ワクチン製剤は、サイトカインをコードする核酸と組み合わせて対象に投与される。
【0162】
特定のクラスのアジュバントは、Th17応答を活性化するために、Toll様受容体(TLR)を活性化する。TLRは、白血球膜に見出すことができる周知のタンパク質であり、外来抗原(微生物抗原を含む)を認識する。既知のTLRリガンドを目的の抗原と一緒に(例えば、融合タンパク質として)投与すると、目的の抗原に特異的な免疫応答の発生を促進することができる。TLRを活性化する1つの例示的なアジュバントは、モノホスホリルリピドA(MPL)を含む。従来、MPLは、S.minnesotaなどのグラム陰性菌から得られる無毒化リポ多糖(LPS)エンドトキシンとして生産されてきた。具体的には、LPSの連続的な酸及び塩基の加水分解により、免疫活性のリピドA画分(これがMPLである)が生成され、LPSに存在する糖基及び1つを除くすべてのリン酸が欠如する。いくつかの合成TLRアゴニスト(特に、TLR-4アゴニスト)がEvans et al,2003に開示されている。MPLアジュバントと同様に、これらの合成化合物は、TLRを介して自然免疫系を活性化する。別のタイプのTLRアゴニストは、合成リン脂質二量体、例えばE6020である(Ishizaka et al,2007)。様々なTLRアゴニスト(TLR-4アゴニストを含む)は、例えば、Infectious Disease Research Institute(IRDI)、Corixa、Esai、Avanti Polar Lipids,Inc.及びSigma Aldrichによって生産及び/または販売されている。TLRを活性化する別の例示的なアジュバントには、MPL、トレハロースジコイノミコレート(Trehalose Dicoynomycolate)(TDM)及びジオクタデシルジメチルアンモニウムブロミド(DDA)の混合物が含まれる。別のTLR活性化アジュバントは、R848(レシキモド)である。
【0163】
いくつかの実施形態では、アジュバントはサポニンであるか、またはそれを含む。通常、サポニンは、Quillaja saponariaの木の樹皮から単離されたものなどのトリテルペングリコシドである。生物学的供給源からのサポニン抽出物を、(例えば、クロマトグラフィーによって)さらに分画し、最良のアジュバント活性及び許容可能な毒性を有する抽出物の一部に単離することができる。アジュバントとして使用されるQuillaja saponariaの木からの典型的な抽出物画分は、画分A及び画分Cとして知られている。
【0164】
いくつかの実施形態では、アジュバントの組み合わせが使用される。アジュバントの3つの例示的な組み合わせは、MPLとミョウバン、E6020とミョウバン、及びMPLとISCOMである。
【0165】
アジュバントは、抗原に共有結合することができ、または非共有結合的に結合することができる。いくつかの実施形態では、アジュバントは、抗原提示細胞(APC)の活性化を介して炎症応答を誘導するタンパク質を含み得る。いくつかの実施形態では、これらのタンパク質の1つ以上を、選択した抗原と組換え的に融合させることができ、それにより生じた融合分子が、樹状細胞の成熟を促進し、樹状細胞を活性化してサイトカイン及びケモカインを産生させ、最終的に、T細胞への抗原提示及びT細胞応答の惹起を強化する(例えば、Wu et al,2005を参照されたい)。
【0166】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質を含む免疫原性組成物またはワクチンは、アジュバントと組み合わせて製剤化及び/または投与される。いくつかの実施形態では、アジュバントは、リン酸アルミニウム、水酸化アルミニウム及びリン酸アルミニウム水酸化物からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、アジュバントは、リン酸アルミニウムを含む。いくつかの実施形態では、アジュバントは、リン酸アルミニウムである。
【0167】
通常、同じアジュバントまたはアジュバントの混合物が、ワクチンの各用量に存在する。しかしながら、任意選択で、アジュバントをワクチンの初回用量とともに投与し、後続の用量(すなわち、ブースターショット)とともには投与しなくてもよい。あるいは、強力なアジュバントをワクチンの初回用量とともに投与することができ、比較的弱いアジュバント、または比較的低用量の強力なアジュバントを後続の用量とともに投与することができる。アジュバントを、対象への抗原の投与前、抗原の投与と同時に、または抗原の投与後に(1時間、2時間、6時間または12時間以内の場合もあれば、1日間、2日間または5日間以内の場合もある)投与することができる。特定のアジュバントは、ヒト対象、非ヒト動物またはその両方に適している。
【0168】
本開示に従って使用するためのワクチンは、抗菌薬を含み得るか、またはそれと同時に投与され得る。例えば、そのようなワクチンは、病原体を殺傷するか、もしくは病原体の増殖を遅延させる1つ以上の作用物質を含み得るか、またはそれとともに投与され得る。そのような作用物質には、例えば、ペニシリン、バンコマイシン、エリスロマイシン、アジスロマイシン、及びクラリスロマイシン、セフォタキシム、セフトリアキソン、レボフロキサシン(levoflaxin)、ガチフロキサシンが含まれる。
【0169】
その代わりに、またはさらに、本発明に従って使用するためのワクチンは、1つ以上の他のワクチンもしくは治療薬を含み得るか、またはそれとともに投与され得る。例えば、1つ以上の非肺炎球菌抗原がワクチンに含まれ得るか、またはワクチンとともに投与され得る。
【0170】
追加の成分及び賦形剤
本明細書に記載の融合タンパク質及び上述のアジュバントに加えて、ワクチン製剤または免疫原性組成物は、1つ以上の追加の成分を含み得る。
【0171】
いくつかの実施形態では、ワクチン製剤または免疫原性組成物は、1つ以上の安定剤、例えば、糖(例えば、スクロース、グルコース、もしくはフルクトース)、リン酸塩(例えば、二塩基性リン酸ナトリウム、一塩基性リン酸カリウム、二塩基リン酸カリウムもしくはリン酸一ナトリウム)、グルタミン酸(例えば、L-グルタミン酸一ナトリウムなど)、ゼラチン(例えば、加工ゼラチン、加水分解ゼラチンもしくはブタゼラチンなど)、アミノ酸(例えば、アルギニン、アスパラギン、ヒスチジン、L-ヒスチジン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、リシン、フェニルアラニン、チロシン、及びそれらのアルキルエステル)、イノシン、またはホウ酸ナトリウムを含み得る。
【0172】
いくつかの実施形態では、ワクチン製剤または免疫原性組成物は、1つ以上の緩衝液、例えば、炭酸水素ナトリウムとアスコルビン酸との混合物を含む。いくつかの実施形態では、ワクチン製剤は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)などの生理食塩水、または蒸留水で投与され得る。
【0173】
いくつかの実施形態では、ワクチン製剤または免疫原性組成物は、1つ以上の界面活性剤、例えば、これらに限定されないが、ポリソルベート80(TWEEN(登録商標)80)、ポリソルベート20(TWEEN(登録商標)20)、ポリエチレングリコールp-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-フェニルエーテル(TRITON(登録商標) X-100)、ならびにホルムアルデヒド及びオキシラン含有4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノールポリマー(TYLOXAPOL)を含む。界面活性剤は、イオン性または非イオン性であり得る。
【0174】
いくつかの実施形態では、ワクチン製剤または免疫原性組成物は、1つ以上の塩、例えば、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、塩化カルシウムまたは塩化カリウムを含む。
【0175】
いくつかの実施形態では、ワクチンまたは免疫原性組成物中に保存剤が含まれる。他の実施形態では、保存剤は使用されない。保存剤は、複数回用量ワクチンバイアルに最も多く使用され、単回用量ワクチンバイアルにはそれほど多く必要とされない。いくつかの実施形態では、保存剤は、2-フェノキシエタノール、メチルパラベン及びプロピルパラベン、ベンジルアルコール及び/またはソルビン酸である。
【0176】
投与方法
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質を含む免疫原性組成物またはワクチンは、肺炎球菌感染症を発症するリスクのある対象、例えば、乳児、幼児、若年または高齢者に投与される。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物またはワクチンは、肺炎球菌感染症を発症するリスクが高い対象、例えば、免疫不全状態の対象、鎌状赤血球症もしくは他の異常ヘモグロビン症、先天性もしくは後天性無脾症、脾臓機能不全、慢性腎不全もしくはネフローゼ症候群、免疫抑制薬もしくは放射線療法による処置に関連付けられる疾患(悪性新生物、白血病、リンパ腫、ホジキン病、もしくは実質臓器移植を含む)、先天性もしくは後天性免疫不全、HIV感染症、脳脊髄液漏出症、人工内耳(複数可)、慢性心疾患、慢性肺疾患、糖尿病、アルコール依存症、慢性肝疾患、喫煙、喘息、全身性悪性腫瘍、多発性骨髄腫、または実質臓器移植を有する対象に投与される。対象は、疾患の何らかの症状であると診断されていなくても、疾患を発症するリスクがあると見なされ得ることが理解されよう。例えば、対象が、感染のリスクが比較的高い状況に置かれていることが知られているか、またはその状況に置かれることが予定されている場合、その対象は、疾患を発症するリスクがあると見なされる。
【0177】
任意の有効な投与経路、例えば、経口、経鼻、経腸、非経口、筋肉内もしくは静脈内、皮下、経皮、皮内、直腸、膣、局所、眼球、経肺または接触適用などを利用することができる。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物またはワクチンを(例えば、筋肉内、腹腔内、皮内及び/または皮下経路を介して)注射することができ、または粘膜を介して(例えば、口道(oral tract)/消化管、気道及び/または尿生殖器に)送達することができる。鼻腔内投与は、例えば、肺炎または中耳炎の処置など、いくつかの状況において特に有用であり得る(肺炎球菌の鼻咽頭保菌をより効果的に予防できるため、それにより、感染をその初期段階で減弱させることができる)。いくつかの実施形態では、異なる経路によって異なる用量の免疫原性組成物またはワクチンを投与することが望ましい場合があり、いくつかの実施形態では、異なる経路を介して1回用量の異なる成分を投与することが望ましい場合がある。
【0178】
いくつかの実施形態では、医薬組成物(例えば、免疫原性組成物またはワクチン)は皮内投与される。皮内注射の従来技術である「マントー法」(Mantoux procedure)は、皮膚を消毒し、次に片手で引き伸ばし、細いゲージ針(26~31ゲージ)の斜端を上方に向けて針を10~15°の角度で挿入するステップを含む。針の斜端が挿入されたら針の胴部を下げ、わずかな圧力を加えて針を皮膚の下で持ち上げながら、さらに前進させる。次に、液体を非常にゆっくりと注入し、それによって皮膚表面に水疱または膨隆を形成させ、その後、針をゆっくり引き抜く。
【0179】
液体作用物質を皮膚内または皮膚を通して投与するために特別に設計されたデバイスが記載されており、それらとしては、例えば、WO99/34850及びEP1092444に記載されているデバイス、また例えば、WO01/13977、米国特許第5,480,381号、米国特許第5,599,302号、米国特許第5,334,144号、米国特許第5,993,412号、米国特許第5,649,912号、米国特許第5,569,189号、米国特許第5,704,911号、米国特許第5,383,851号、米国特許第5,893,397号、米国特許第5,466,220号、米国特許第5,339,163号、米国特許第5,312,335号、米国特許第5,503,627号、米国特許第5,064,413号、米国特許第5,520,639号、米国特許第4,596,556号、米国特許第4,790,824号、米国特許第4,941,880号、米国特許第4,940,460号、WO97/37705及びWO97/13537に記載されているジェット注射デバイスである。免疫原性組成物またはワクチンの皮内投与の他の方法には、従来の注射器及び針、または固形ワクチンの弾道的(ballistic)送達用に設計されたデバイス(WO99/27961)、もしくは経皮パッチ(WO97/48440;WO98/28037);または皮膚表面への適用(経皮的(transdermal)もしくは経皮的(transcutaneous)送達、WO98/20734;WO98/28037)が含まれ得る。
【0180】
前述の通り、医薬組成物(例えば、免疫原性組成物またはワクチン)は、単回用量または複数回用量として投与することができる。関連するすべての成分が、ある時間ウィンドウ内で対象に投与される限り、投与は単回の「用量」であることが理解されよう。すべての成分が、単一の組成物に存在する必要はない。例えば、24時間未満の期間内で2つの異なる免疫原性組成物またはワクチンを投与することは、単回用量と見なされる。一例を挙げると、異なる抗原成分を有する免疫原性組成物またはワクチンを、別々の組成物で、しかしながら単回用量の一部として、投与することができる。前述の通り、そのような別個の組成物を、異なる経路を介して、または同じ経路を介して投与することができる。その代わりに、またはさらに、免疫原性組成物またはワクチンが追加的なタイプの活性作用物質と組み合わされる実施形態では、免疫原性組成物またはワクチンを、1つの経路を介して投与することができ、第2の活性作用物質を、同じ経路または異なる経路によって投与することができる。
【0181】
医薬組成物(例えば、免疫原性組成物またはワクチン)は、所望の結果を得るために必要な量及び時間で投与される。本発明のいくつかの実施形態では、免疫原性組成物またはワクチンは、免疫学的有効量の少なくとも免疫原性組成物を含む。免疫学的有効量を得るために必要な正確な量は、免疫原性組成物に応じて、ならびに、対象間で対象の種、年齢、及び全身状態、疾患の病期、特定の医薬混合物、その投与方法などに応じて異なり得る。
【0182】
各医薬組成物(例えば、免疫原性組成物またはワクチン)用量中の本明細書に記載の融合タンパク質(複数可)の量は、ワクチンが本明細書に記載の通りに投与されたとき、重大な有害な副作用なしに、適切な免疫防御応答を誘導することが可能となるように選択される。
【0183】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質を含む医薬組成物は、対象に投与されると、Th1及び/またはTh17細胞応答を誘導する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、対象に投与されると、S.pneumoniaeに対するオプソニン/殺菌応答を誘導する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される融合タンパク質を含む医薬組成物は、対象に投与されると、Streptococcus pneumoniaeによる伝播率及び/または粘膜表面のコロニー形成を低減させる。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、伝播時に、S.pneumoniaeによる伝播率及び/または鼻咽頭もしくは肺のコロニー形成を低減させる。
【0184】
いくつかの実施形態は、対象をS.pneumoniae感染症に対して免疫化する方法であって、免疫学的有効量の本明細書に記載の融合タンパク質を含む免疫原性組成物を、対象に投与することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態は、対象をS.pneumoniae感染症に対して免疫化する方法であって、免疫学的有効量の本明細書に記載の融合タンパク質を含むワクチン組成物を、対象に投与することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態は、対象をS.pneumoniae感染症に対して免疫化する方法であって、免疫学的有効量の本明細書に記載の融合タンパク質を含む医薬組成物を、対象に投与することを含む方法を提供する。
【0185】
併用予防または併用療法
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質を含む免疫原性組成物またはワクチンは、別の作用物質と組み合わせて投与され得る。いくつかの実施形態では、作用物質は、PCV13であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、作用物質は、PPSV23であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、作用物質は、抗生物質であるか、またはそれを含む。
【0186】
投与
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質を含む免疫原性組成物またはワクチンの投与は、単回用量の送達を含み得る。いくつかの実施形態では、投与は、適切な間隔で、初回用量とそれに続く1回または複数回の追加の免疫化用量を含み得る。免疫化スケジュールは、対象の1つ以上の特定の年齢において、1つ以上の特定の投与経路によって、1つ以上の特定の肺炎球菌ワクチンの1つ以上の特定の用量を投与するためのプログラムである。
【0187】
本開示は、乳児対象に少なくとも1回用量のワクチンを投与することを含む、免疫化方法を提供する。いくつかの実施形態では、乳児対象は、18ヶ月齢以下である。いくつかの実施形態では、乳児対象は、12ヶ月齢以下である。いくつかの実施形態では、乳児対象は、以前にコンジュゲート型肺炎球菌多糖ワクチンの1回以上の用量を受けたことがあり、他の実施形態では、乳児対象は、肺炎球菌ワクチンに対してナイーブである。いくつかの実施形態では、乳児対象は、以前にS.pneumoniaeに感染したことがあるか、S.pneumoniaeによる感染に曝露されたことがある。
【0188】
本開示は、幼児対象に少なくとも1回用量のワクチンを投与することを含む、免疫化方法を提供する。いくつかの実施形態では、幼児対象は、5歳以下である。いくつかの実施形態では、幼児対象は、4歳以下である。いくつかの実施形態では、幼児対象は、以前にコンジュゲート型肺炎球菌多糖ワクチンの1回以上の用量を受けたことがあり、他の実施形態では、幼児対象は、肺炎球菌ワクチンに対してナイーブである。いくつかの実施形態では、幼児対象は、以前にS.pneumoniaeに感染したことがあるか、S.pneumoniaeによる感染に曝露されたことがある。
【0189】
本開示は、若年対象に少なくとも1回用量のワクチンを投与することを含む、免疫化方法を提供する。いくつかの実施形態では、若年対象は、18歳以下である。いくつかの実施形態では、若年対象は、15歳以下である。いくつかの実施形態では、若年対象は、以前にコンジュゲート型肺炎球菌多糖ワクチンの1回以上の用量を受けたことがあり、他の実施形態では、若年対象は、肺炎球菌ワクチンに対してナイーブである。いくつかの実施形態では、若年対象は、以前にS.pneumoniaeに感染したことがあるか、S.pneumoniaeによる感染に曝露されたことがある。
【0190】
本開示は、成人対象に少なくとも1回用量のワクチンを投与することを含む、免疫化方法を提供する。いくつかの実施形態では、成人対象は、約50歳より高齢である。いくつかの実施形態では、成人対象は、約65歳より高齢である。いくつかの実施形態では、成人対象は、以前にコンジュゲート型肺炎球菌多糖ワクチンの1回以上の用量を受けたことがあり、他の実施形態では、成人対象は、肺炎球菌ワクチンに対してナイーブである。いくつかの実施形態では、成人対象は、以前にS.pneumoniaeに感染したことがあるか、S.pneumoniaeによる感染に曝露されたことがある。
【0191】
本開示の免疫化スケジュールは、対象(複数可)の集団及び/または亜集団における、少なくとも1つの感染症、疾患または障害の発生率、有病率、頻度及び/または重症度、及び/または感染症、疾患または障害の少なくとも1つの代用マーカーからなる群から選択される少なくとも1つの基準を低減させるのに十分な、対象における免疫応答(例えば、免疫防御応答)を誘導するように提供される。追加の免疫化スケジュールは、このスケジュールが補う標準スケジュールと比較して、この効果を有するものである。追加スケジュールは、標準スケジュールに見られる、本明細書に開示される免疫原性組成物またはワクチンの追加投与及び/または免疫原性が非常に高い用量を必要とし得るか、あるいは標準スケジュールの一部ではない免疫原性組成物またはワクチンの投与を必要とし得る。本発明の完全な免疫化スケジュールは、標準スケジュールと追加スケジュールの両方を含み得る。例示的なサンプルの免疫化スケジュールは、例示目的で提供されている。本明細書で論じられる免疫原性応答を評価するための方法の詳細な説明により、過度の実験を行うことなく、サンプルの免疫化スケジュールに対する変更を策定することが可能となる。
【0192】
本開示の一実施形態では、肺炎球菌ワクチンの初回投与は、一般に、対象が約2週齢超、約5週齢超、約1歳超、約2歳超、約15歳超、または約18歳超であるときに行われる。
【0193】
本開示の一実施形態では、肺炎球菌ワクチンの初回投与は、一般に、対象が約50歳超、約55歳超、約60歳超、約65歳超、または約70歳超であるときに行われる。
【0194】
本開示のいくつかの実施形態では、ワクチンの単回投与が用いられる。本発明の目的を、特に、1つ以上の利用するワクチンポリペプチド、多糖(複数可)及び/またはコンジュゲート(複数可)またはそれらの組み合わせが強力である場合、単回投与により満足させることができ、そのような状況においては、単回用量スケジュールは、持続性の免疫防御応答を誘導するのに十分である。
【0195】
いくつかの実施形態では、より高い免疫防御効力及びより広い適用範囲のために、2回以上の用量のワクチンを投与することが望ましい。したがって、いくつかの実施形態では、用量の数は、少なくとも2回、少なくとも3回またはそれ以上の用量である。最大用量数は設定されていないが、所望の効果を得るために、必要以上に多く免疫化しないことは優れた臨床行為である。
【0196】
理論に束縛されるものではないが、本開示に従って投与されるワクチンの初回用量は、「プライミング」用量と見なされ得る。いくつかの実施形態では、2回以上の用量が免疫化スケジュールに含まれる。このようなシナリオでは、後続の用量は「追加免疫」用量と見なされ得る。
【0197】
プライミング用量は、ナイーブ対象(これまでコンジュゲート型多糖ワクチンを受けたことのない対象)に投与され得る。いくつかの実施形態では、プライミング用量は、本発明による初回ワクチン用量の投与の少なくとも5年以上前に、コンジュゲート型多糖ワクチンを既に受けたことのある対象に投与され得る。他の実施形態では、プライミング用量は、本発明によるプライミングワクチンの投与の少なくとも20年以上前に、コンジュゲート型多糖ワクチンを既に受けたことのある対象に投与され得る。
【0198】
免疫化スケジュールで2回以上の分割用量が必要となる場合は、用量間の間隔が考慮される。2回の連続する用量間の間隔は、免疫化スケジュール全体にわたり同じである場合もあれば、または対象の加齢とともに変化する場合もある。本発明の免疫化スケジュールでは、初回ワクチン用量が投与されると、後続の用量の投与まで第1の間隔がある。第1の間隔は、一般に、少なくとも約2週間、1ヶ月、6週間、2ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月または12ヶ月以上である。2回以上の後続の用量(複数可)が投与される場合、そのような後続の用量の間に第2の(またはそれ以上の)間隔が設けられ得る。いくつかの実施形態では、後続の用量間のすべての間隔は同じ長さであり、他の実施形態では、第2の間隔の長さは変化し得る。いくつかの実施形態では、後続の用量間の間隔は、少なくとも約12ヶ月、少なくとも約15ヶ月、少なくとも約18ヶ月、少なくとも約21ヶ月または少なくとも約2年であり得る。いくつかの実施形態では、用量間の間隔は、最大3年、最大約4年、または最大約5年または10年以上であり得る。いくつかの実施形態では、後続の用量間の間隔は、対象の加齢とともに縮小し得る。
【0199】
初回投与のタイミング、最短間隔、最大間隔、及び総投与回数(絶対期間または一定期間内におけるもの)の様々な条件の、考えられる様々な組み合わせ及び副次的組み合わせが存在すること、ならびにこれらの組み合わせ及び副次的組み合わせのすべてが、ここに明示的に列挙されていないとしても、本発明者の企図内であると考えられるべきであることが当業者には理解されるであろう。
【0200】
免疫応答を測定するためのアッセイ
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質を含む医薬組成物、免疫原性組成物またはワクチンの免疫原性を評価する方法は、ELISAによる抗体レベル、マルチプレックスELISA、MSD、Luminex、フローサイトメトリー、Th1/Th17細胞応答、サイトカインレベル測定及びOPKにより測定される機能的抗体レベルなどのB細胞応答及びT細胞応答、血清殺菌(serum bactericidal killing)(SBA)、凝集、運動性、細胞傷害性または接着性を含む1つ以上のin vitroバイオアッセイ;ならびに肺炎球菌感染症(例えば、肺炎、菌血症、髄膜炎、敗血症、中耳炎、鼻咽頭コロニー形成)の動物モデルにおけるin vivoアッセイを使用して、免疫応答を評価、測定及び/または比較することを含む。in vivoアッセイのパラメータには、免疫原性組成物の標的である肺炎球菌病原体による曝露後の、粘膜表面または血流からの細菌の除去、菌血症、髄膜炎、敗血症または中耳炎の低減または予防、鼻咽頭のコロニー形成の低減または予防、死亡率の低減、ならびに受動的保護及び能動的保護が含まれる。いくつかの実施形態では、免疫応答を、対照組成物と比較する。
【0201】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質を含む医薬組成物、免疫原性組成物またはワクチンの効力を評価する方法は、ELISAによる抗体レベル、マルチプレックスELISA、MSD、Luminex、フローサイトメトリー、Th1/Th17細胞応答、サイトカインレベル測定及びOPKにより測定される機能的抗体レベルなどのB細胞応答及びT細胞応答、血清殺菌(SBA)、内部移行、活性中和、凝集、運動性、細胞傷害性または接着性を含む1つ以上のin vitroバイオアッセイ;ならびに肺炎球菌感染症(例えば、肺炎、菌血症、髄膜炎、敗血症、中耳炎、鼻咽頭コロニー形成)の動物モデルにおけるin vivoアッセイを使用して、免疫応答を評価、測定及び/または比較することを含む。パラメータには、免疫原性組成物の標的である肺炎球菌病原体による曝露後の、粘膜表面または血流からの細菌の除去または低減、菌血症、髄膜炎、敗血症または中耳炎の低減または予防、鼻咽頭のコロニー形成の低減または予防、死亡率の低減、ならびに受動的保護及び能動的保護が含まれる。いくつかの実施形態では、免疫応答を、対照組成物と比較する。
【0202】
一般的に言えば、体液性応答、細胞性応答及び/またはこの2つの間の相互作用を評価することが望ましい場合がある。体液性応答を評価する場合、特定の病原体抗原(例えば、血清型特異的であるか、または2種以上の血清型にわたって保存されているかのいずれかであるポリペプチドまたは多糖)に対する抗体の力価及び/または型(例えば、総IgG、総IgG1、総IgG2、総IgM、総IgAなど)を、例えば、ワクチンの初回用量または追加免疫用量の投与前及び/または投与後に(及び/または抗原刺激の非存在下での抗体レベルと比較して)、測定することができる。細胞性応答を、抗原に対する遅延型過敏性応答などの応答をモニタリングすることにより評価することができる。細胞性応答を、目的の抗原による刺激に対する末梢血単核細胞(PBMC)単球の応答を評価することにより、直接測定することもできる。前駆体B細胞集団及びメモリーB細胞集団を、特定の病原体抗原に対する酵素結合イムノスポット(ELISpot)アッセイで評価することができる。
【0203】
RIA法は、血清を懸濁液中の放射標識した多糖またはポリペプチドとインキュベートすることにより、特定の抗体を検出する(例えば、Schiffiman et al,1980)。次に、抗原-抗体複合体を硫酸アンモニウムで沈殿させ、放射標識したペレットのカウント毎分(cpm)をアッセイする。
【0204】
ELISA検出法では、ワクチン接種された対象の血清からの特異的抗体を、固体支持体に吸着している抗原(例えば、血清型特異的であるか、または2種以上の血清型にわたって保存されているかのいずれかであるポリペプチドまたは多糖)とのインキュベーションにより定量化する(例えば、Koskela and Leinonen(1981)、Kojima et al,1990、Concepcion and Frasch,2001)。結合した抗体を、酵素結合二次検出抗体を使用して検出する。ELISAはまた、アイソタイプ特異的またはサブクラス特異的な二次抗体を使用することによる、免疫応答のアイソタイピング及びサブクラス化(すなわち、IgM対IgGまたはIgG1対IgG2)を可能とし、ELISAを、抗体の結合活性を評価するように適合させることができる(Anttila et al,1998、Romero-Steiner et al,2005)。マルチプレックスアッセイ(例えば、Luminex)は、複数の抗原に対する抗体の同時検出を容易にする。抗原を、血清と混合してインキュベートしたスペクトル的に異なるマイクロスフェアにコンジュゲートさせる。コーティングされたマイクロスフェア上の抗原に結合した抗体を、二次抗体(例えば、R-フィコエリトリンコンジュゲートヤギ抗ヒトIgG)を使用して検出する。
【0205】
血清中の機能的抗体を評価するためのアプローチは、細菌をオプソニン化し、細菌の摂取及び殺傷をもたらすことのできる抗体のみを定量化するオプソニン作用アッセイ(OPA)である。標準的アッセイは、ヒト食作用性エフェクター細胞、補体供給源、細菌及び希釈血清を利用する。アッセイの読み取りは、補体及びヒト細胞のみとインキュベートした細菌と比較して殺傷が50%以上である地点での、血清終点力価である(Romero-Steiner et al,1997)。この殺傷OPAは、異なる抗生物質耐性マーカーを保有する病原体の標的株を利用することにより、マルチプレックス化することもできる(Kim et al,2003)。別のタイプのマルチプレックスオプソニンアッセイは、封入された蛍光染色病原体、または補体源を加えた希釈血清の存在下で標的病原体に由来する抗原とコンジュゲートした蛍光マイクロスフェアの、食作用性エフェクター細胞による取り込みがFCによって評価される、非殺傷アッセイである(Martinez et al, 1999)。補体を加えた血清抗体のオプソニン活性は、摂取した病原体に対する食作用性ヒトエフェクター細胞の酸化応答を測定することによっても評価することができる(Munro et al.1985、Ojo-Amaize et al.1995)。
【0206】
特定のin vivoモデル系を使用して、本明細書に記載の融合タンパク質を含む免疫原性組成物またはワクチンにより誘導される、血清抗体によってもたらされる保護を評価することができる。このような受動的保護システムでは、マウスまたはラットを希釈血清を加えた病原体に曝露させ、肺炎、菌血症、器官もしくは組織のコロニー形成、または死亡率に対する保護を提供する血清の終点力価を測定する(Stack et al.1998、Saeland et al.2000)。
【0207】
いくつかの実施形態では、免疫化の効力を、免疫化後の対象からのT細胞を刺激することにより、1つ以上のサイトカインレベルをアッセイすることによって測定することができる。1つ以上のサイトカインレベルは、免疫化前の同じ対象における1つ以上のサイトカインレベルと比較することができる。1つ以上のサイトカインのレベルの増加、例えば、免疫化前のサイトカインレベルに対する1.5倍、2倍、5倍、10倍、20倍、50倍または100倍以上の増加は、免疫原性組成物またはワクチンに対する応答の増加を示す。いくつかの実施形態では、1つ以上のサイトカインは、GM-CSP、IL-1α、IL-1β、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-8、IL-10、IL-12、IL-17A、IL-17FもしくはIL-17ファミリーの他のメンバー、IL-22、IL-23、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、MIP-1α、MIP-1β、TGF-β、TNFα、またはTNF-βから選択される。非限定的な例では、免疫化の効力を、免疫化後の対象からのT細胞を刺激することにより、IL-17レベル(特に、IL-17A)をアッセイすることによって測定することができる。IL-17レベルは、免疫化前の同じ対象におけるIL-17レベルと比較することができる。IL-17(例えば、IL-17A)レベルの増加、例えば、1.5倍、2倍、5倍、10倍、20倍、50倍または100倍以上の増加は、免疫原性組成物またはワクチンに対する応答の増加を示す。
【0208】
いくつかの実施形態では、肺炎球菌の死滅について、患者からのT細胞または抗体の存在下で好中球をアッセイすることができる。肺炎球菌の死滅の増加、例えば、1.5倍、2倍、5倍、10倍、20倍、50倍または100倍以上の増加は、免疫原性組成物またはワクチンに対する応答の増加を示す。例えば、Th17細胞活性化を測定することができ、Th17細胞活性化の増加、例えば、1.5倍、2倍、5倍、10倍、20倍、50倍または100倍以上の増加は、免疫原性組成物またはワクチンに対する応答の増加と相関する。別の非限定的な例では、Th1細胞活性化を測定することができ、Th1細胞活性化の増加、例えば、1.5倍、2倍、5倍、10倍、20倍、50倍または100倍以上の増加は、免疫原性組成物またはワクチンに対する応答の増加と相関する。また、免疫原性組成物またはワクチンに特異的な抗体のレベルも測定することができ、特異的抗体のレベルの増加、例えば、1.5倍、2倍、5倍、10倍、20倍、50倍または100倍以上の増加は、効力の増加と相関する。いくつかの実施形態では、これらのアッセイのうちの2つ以上を使用する。例えば、IL-17レベル及び免疫原性組成物特異的抗体またはワクチン特異的抗体のレベルを測定することができる。あるいは、疫学的マーカー、例えば、ワクチン非接種個体と比較した、ワクチン接種個体における肺炎球菌感染症の発生率、重症度または持続期間などに従ってもよい。
【0209】
免疫原性組成物またはワクチンの効力はまた、マウス曝露モデルなどの様々なモデル系でアッセイすることができる。例えば、マウスのBALB/cまたはC57BL/6系統を使用してもよい。試験免疫原性組成物またはワクチンを対象に投与後(単回用量または複数回用量として)、実験者は、S.pneumoniaeの曝露用量を投与する。場合によっては、鼻腔内投与された曝露用量は、ワクチン非接種動物においてS.pneumoniaeのコロニー形成(特に鼻コロニー形成)を引き起こすのに十分であり、場合によっては、吸引を介して投与された曝露用量は、ワクチン非接種動物において敗血症及び高い致死率を引き起こすのに十分である。場合によっては、腹腔内注射を介して投与された曝露用量は、ワクチン非接種動物において敗血症及び高い致死率を引き起こすのに十分である。場合によっては、静脈内注射を介して投与された曝露用量は、ワクチン非接種動物において敗血症及び高い致死率を引き起こすのに十分である。続いて、ワクチン接種動物におけるコロニー形成の低減または致死率の低減を測定することができる。
【0210】
特定のin vivoモデル系を使用して、本発明のワクチンにより誘導される血清抗体によってもたらされる保護を評価することができる。このような受動的保護システムでは、マウスまたはラットを希釈血清を加えた病原体に曝露させ、菌血症、器官もしくは組織のコロニー形成、または死亡率に対する保護を提供する血清の終点力価を測定する(Stack et al.1998、Saeland et al.2000)。
【実施例
【0211】
実施例1:融合タンパク質CP1のSP0785及びSP1500成分によって媒介される、マウスにおけるTh17応答の誘導及び肺炎球菌の鼻コロニー形成からの保護
目的:
本実施例は、アジュバントであるコレラ毒素(CT)による経鼻免疫化後の、個々のStreptococcus pneumoniaeタンパク質SP0785及びSP1500と例示的な融合タンパク質CP1の、Th17応答を刺激しマウスをS.pneumoniaeによる鼻コロニー形成から保護する能力を比較する。例示的な融合タンパク質CP1は、トランケート型リザビジン(アミノ酸[45~179]、Rhaviと表記)、SP0785ポリペプチド及びSP1500ポリペプチドを含む融合タンパク質である。いくつかの実施形態では、融合タンパク質CP1は、Rhavi-リンカー(GGGGSSS)-SP1500-リンカー(AAA)-SP0785であるか、またはこれを含む。
概要:
1.S.pneumoniaeタンパク質SP0785及びSP1500、ならびに融合タンパク質CP1は、アジュバントであるコレラ毒素(CT)とともに鼻腔内免疫化した後のインターロイキン17A(IL-17A)の分泌から実証されるように、マウスにおいてそれぞれ強力なTh17応答を生じさせることができる。
2.S.pneumoniaeの鼻コロニー形成は、SP1500もしくはSP0785及びCTで、またはCP1及びCTで、別々にマウスを鼻腔内免疫化した後に大幅に低減した。
【0212】
材料及び方法:
組換えタンパク質の生成
ヒスチジンタグ付き組換えタンパク質をEscherichia coli中で発現させ、Ni-ニトリロ三酢酸アフィニティークロマトグラフィーを使用して精製した。Superdex200カラムを使用したサイズ排除クロマトグラフィーにより、2回目の精製を実施した。ビシンコニン酸(BCA)タンパク質アッセイキット(Bio-Rad)を使用して、タンパク質濃度を測定した。
【0213】
処方
コレラ毒素(CT)を鼻腔内免疫化用のアジュバントとして使用して、単独でタンパク質に対するT細胞応答の誘導を促進した。タンパク質または肺炎球菌全細胞ワクチン(表5に示されている量)を、投与前に1用量あたり20μlの最終容量で、生理食塩水溶液中の1μgのCTと混合した。
【0214】
マウス鼻腔内免疫化プロトコル
CTアジュバントしたタンパク質及びクロロホルムで不活化した肺炎球菌全細胞ワクチン(WCC)による鼻腔内免疫化のために、C57BL/6マウス(n=10の群)に1週間間隔で2回の免疫化を行った。末梢血試料を、刺激物質としての適切な抗原(複数可)の存在下におけるex vivoのIL-17A刺激のために、最終免疫化の3週間後に採取した。
【表5-1】
【表5-2】
略語:CP1:融合タンパク質1(Rhavi-リンカー(GGGGSSS)-SP1500-リンカー(AAA)-SP0785);Rhavi:トランケート型リザビジン、アミノ酸[45~179];WCC:肺炎球菌全細胞ワクチン(クロロホルム不活化);CT:コレラ毒素
注:すべての組換えタンパク質はHisタグ付きである。
【0215】
全血からのIL-17Aの誘導及び測定
最終鼻腔内免疫化の3週間後に採取した末梢血試料のex vivo刺激を、96ウェル丸底プレートで実施した。すべての刺激物質を、刺激培地(DMEM F-12;10%FBS、50μM 2-メルカプトエタノール、10μg/mlシプロフロキサシン)で最終濃度10μg/mlで希釈した。各ウェルにて、25μlのヘパリン添加血を、示した刺激物質を含有する刺激培地225μlに添加後、37℃、5%COで6日間インキュベートした。遠心分離後に上清を採取し、IL-17AをELISAキット(R&D systems)で分析した。
【0216】
鼻咽頭S.pneumoniae感染症及びコロニー形成の測定
採血の1~2週間後、10CFUの6B型肺炎球菌(603株)でマウスを鼻腔内曝露させた。安楽死させたマウスの鼻咽頭洗浄を、感染の7日後に実施した。鼻洗浄ごとのS.pneumoniaeのCFUを、血液寒天プレート上で増殖させた後に算出した。
【0217】
統計学的分析
統計学的分析を、PRISM(GraphPad Software)を使用して実施した。IL-17Aの濃度及び鼻咽頭コロニー形成の密度に関するすべてのデータを、マン・ホイットニーのU検定を使用して分析した。IL-17Aの幾何平均濃度を各群について算出し、コロニー形成の幾何平均密度を各群について算出した。
【0218】
結果及び考察:
SP1500、SP0785またはCP1による鼻腔内免疫化後のIL-17A応答、及びコロニー形成の低減。
図2の左パネルに見られるように、CTでアジュバントしたSP0785またはSP1500のいずれかによる鼻腔内免疫化は、精製したSP0785またはSP1500で末梢血をex vivoで刺激した後のIL-17A産生の増加によって示されているように、CT単独での免疫化と比較して、強力な抗原特異的Th17応答を誘導した。IL-17A分泌の増加は、免疫化マウスの曝露の7日後に鼻咽頭洗浄から回収したS.pneumoniaeのCFUにおける、対応する統計学的に有意な低減と相関した(図2、右パネル)。
【0219】
図3の左パネルに見られるように、CTによる鼻腔内免疫化後に、Rhaviタンパク質をRhavi-リンカー(GGGGSSS)-SP1500-リンカー(AAA)-SP0785(CP1)のタンパク質融合体と比較した場合、CP1は、IL-17Aの抗原特異的誘導を保持した。これらのマウスをS.pneumoniaeに曝露させ、肺炎球菌全細胞ワクチンの鼻腔内免疫化と比較した場合、Rhavi単独は、肺炎球菌のCFUにより測定した場合に保護作用を有さなかったが、一方CP1は、死滅(不活化)肺炎球菌全細胞に匹敵する保護作用を有していた(図3、右パネル)。
【0220】
実施例2:融合タンパク質CP1に対する抗血清の殺傷活性
材料及び方法:
細菌の増殖
S.pneumoniae株6B、15A、16F及び35Bを、酵母抽出物を含むTodd Hewitt Broth(THB)の培養物10mLに接種した。培養物を、OD600が0.5~0.8(対数増殖期中期)に達するまで、5%CO中、37℃で4~7時間インキュベートした。細菌を4℃、3,000gで7分間スピンさせることにより回収し、細菌ペレットを10%グリセロールを含む10mLのTHBに再懸濁させ、-80℃で保管した。コロニー形成単位(CFU)の推定値を、5%ヒツジ血液を含むTrypticase soy寒天培地(Becton,Dickenson,and Company)上で凍結ストックを段階希釈し、37℃、5%CO中で18~24時間インキュベートすることにより測定した。
【0221】
濃縮オプソニン作用アッセイ(COPA)
S.pneumoniae凍結ストックを解凍し、アッセイ緩衝液(10%熱不活化FBSを含むハンクス緩衝生理食塩水)中に2×10CFU/mlで再懸濁させた。96ウェルプレートに対し、10μlの細菌懸濁液を各ウェルに添加し、次に、アッセイ緩衝液で希釈した20μlの熱不活化ウサギ血清をアッセイで試験した。細菌及びウサギ血清を、振盪しながら室温で30分間インキュベートした。10μlのベビーウサギ補体(Pel-Freeze Biologicals)を各ウェルに添加し、次に、振盪しながら室温で30分間インキュベートした。HL60細胞(ATCC)をアッセイ緩衝液で洗浄し、1×10細胞/mlまで再懸濁させた。HL60懸濁液40μlを各ウェルへ添加し(200:1のHL60対細菌比)、次に、振盪しながら37℃、5%COで1時間インキュベートした。プレートを氷に移し、20分間インキュベートした。次に、各試料(未希釈、水で1/5希釈及び1/25希釈)を5%血液寒天プレートに播種した。37℃、5%COで一晩インキュベートした後、各試料及び希釈度についてCFUを計数した。
【0222】
ウサギ血清
ニュージーランド白ウサギ(n=3)を、1用量あたり100ugのRhavi-リンカー(GGGGSSS)-SP1500-リンカー(AAA)-SP0785(CP1、Hisタグ付き)及びAlPOに由来する0.625mgの元素アルミニウムで、各免疫化の間を2週間あけて、合計3回の用量で免疫化した(ウサギ87、88及び1762)。免疫化前(P0)及び3回目の免疫(P3)の2週間後に血清を採取し、-80℃で保管した。
【0223】
結果及び考察:
CP1を対象とする抗体のS.pneumoniaeのオプソニン作用活性
S.pneumoniaeのタンパク質抗体媒介性殺傷を調査するために、改変濃縮オプソニン作用アッセイ(COPA)を確立した。CP1で免疫化した2匹のウサギからの血清(ウサギ87及び88からのP3)を、免疫前血清(P0)と比較してアッセイした。市販のPrevnar13ワクチンに組み込まれている型であるS.pneumoniae血清型6Bに対して、両方のウサギについて試験したすべての希釈度で、免疫前血清(P0)とのインキュベーションと比較して、P3免疫血清とのインキュベーションによりCFUの低減が生じ(図4)、または同じ結果の代替的な表示では、殺傷活性パーセントの増加が生じた(図7、パネルA)。免疫血清の殺傷活性は、HL60細胞及び活性補体の両方に依存した(データは示さず)。同じ血清を、市販のワクチンに組み込まれていない2種の血清型である、S.pneumoniae血清型15A(図5及び図7、パネルB:1/2希釈)及び血清型35B(図6及び図7、パネルC:1/2希釈)でアッセイした。CP1で免疫化した3番目のウサギの血清(ウサギ1762のP3)を、市販のワクチンに組み込まれていないさらなる血清型である、S.pneumoniae血清型16Fに対する免疫前血清(P0)と比較してアッセイした(図7、パネルD:1/2、1/6、1/18、1/54希釈)。試験したすべてのウサギ及び非ワクチン血清型について、免疫前血清(P0)とのインキュベーションと比較して、P3免疫血清とのインキュベーションによりCFUの低減が生じたか、あるいは、殺傷活性パーセントの増加を示した。免疫血清の殺傷活性は、HL60細胞及び活性補体の両方に依存した(データは示さず)。
【0224】
実施例3:SP0785、SP1500及びトランケート型リザビジンタンパク質Rhaviの混合物(非コンジュゲート)、または融合タンパク質CP1もしくはSP0785-リンカー(SSSGG)-SP1500-リンカー(SSVDKL)-PdTによる免疫化後のマウスにおけるTh17応答の誘導の比較
材料及び方法:
組換えタンパク質の生成
ヒスチジンタグ付き組換えタンパク質をEscherichia coli中で発現させ、Ni-ニトリロ三酢酸アフィニティークロマトグラフィーを使用して精製した。Superdex200カラムを使用したサイズ排除クロマトグラフィーにより、2回目の精製を実施した。ビシンコニン酸(BCA)タンパク質アッセイキット(Bio-Rad)を使用して、タンパク質濃度を測定した。
【0225】
処方
コレラ毒素(CT)を鼻腔内免疫化用のアジュバントとして使用して、単独でタンパク質に対するT細胞応答の誘導を促進した。タンパク質(表6に示されている量)を、投与前に1用量あたり20μlの最終容量まで、生理食塩水溶液中の1μgのCTと混合した。
【0226】
マウス鼻腔内免疫化プロトコル
CTアジュバントしたタンパク質による鼻腔内免疫化のために、C57BL/6マウス(n=15の群)に1週間間隔で2回の免疫化を行った。末梢血試料を、刺激物質としての適切な抗原(複数可)の存在下におけるex vivoのIL-17A刺激のために、最終免疫化の3週間後に採取した。
【表6】
略語:CP1:融合タンパク質1(Rhavi-リンカー(GGGGSSS)-SP1500-リンカー(AAA)-SP0785);Rhavi:トランケート型リザビジン、アミノ酸[45~179];CT:コレラ毒素
注:すべての組換えタンパク質はHisタグ付きである。
【0227】
全血からのIL-17Aの誘導及び測定
最終鼻腔内免疫化の3週間後に採取した末梢血試料のex vivo刺激を、96ウェル丸底プレートで実施した。すべての刺激物質(精製タンパク質または死滅(不活化)した肺炎球菌全細胞)を、刺激培地(DMEM F-12;10%FBS、50μM 2-メルカプトエタノール、10μg/mlシプロフロキサシン)で最終濃度10μg/mlで希釈した。各ウェルにて、25μlのヘパリン添加血を、示した刺激物質を含有する刺激培地225μlに添加後、37℃、5%COで6日間インキュベートした。遠心分離後に上清を採取し、IL-17AをELISAキット(R&D systems)で分析した。
【0228】
統計学的分析
統計学的分析を、PRISM(GraphPad Software)を使用して実施した。IL-17Aの濃度に関するすべてのデータを、マン・ホイットニーのU検定を使用して分析した。IL-17Aの幾何平均濃度を各群について算出した。
【0229】
結果及び考察:
SP1500、SP0785及びRhaviタンパク質の混合物、またはCP1もしくはSP0785-リンカー(SSSGG)-SP1500-リンカー(SSVDKL)-PdTによる鼻腔内免疫化後のIL-17A応答。
図8に見られるように、CTでアジュバントしたCP1による鼻腔内免疫化は、CTでアジュバントしたSP0785もしくはSP1500、またはCT単独(対照)による免疫化と比較して、より強力な抗原特異的Th17応答を誘導した。このTh17応答は、精製したSP0785(パネルA)、精製したSP1500(パネルB)または死滅(不活化)した肺炎球菌全細胞(WCV、パネルC)で免疫化したマウスの末梢血をex vivoで刺激した後のIL-17A産生の増加によって示される。
【0230】
図9に見られるように、CTでアジュバントしたCP1による鼻腔内免疫化は、また、CTでアジュバントした融合タンパク質SP0785-リンカー(SSSGG)-SP1500-リンカー(SSVDKL)-PdT、またはCT単独(対照)による免疫化と比較して、より強力な抗原特異的Th17応答を誘導した。このTh17応答は、精製したSP0785(パネルA)または精製したSP1500(パネルB)で免疫化したマウスの末梢血をex vivoで刺激した後のIL-17A産生の増加によって示される。
【0231】
図10に見られるように、CTでアジュバントしたCP1による鼻腔内免疫化は、CTでアジュバントしたSP0785、SP1500及びRhaviの組み合わせ(混合物)、またはCT単独(対照)による免疫化と比較して、より強力な抗原特異的Th17応答を誘導した。このTh17応答は、精製したSP0785(パネルA)、精製したSP1500(パネルB)または死滅(不活化)した肺炎球菌全細胞(WCV、パネルC)で免疫化したマウスの末梢血をex vivoで刺激した後のIL-17A産生の増加によって示される。
【0232】
実施例4:CP1とSP0785-リンカー(SSSGG)-SP1500-リンカー(SSVDKL)-PdTの溶血活性の比較
材料及び方法:
組換えタンパク質の生成
ヒスチジンタグ付き組換え融合タンパク質であるCP1及びSP0785-リンカー(SSSGG)-SP1500-リンカー(SSVDKL)-PdTを、Escherichia coli中で発現させ、Ni-ニトリロ三酢酸アフィニティークロマトグラフィーを使用して精製した。Superdex200カラムを使用したサイズ排除クロマトグラフィーにより、2回目の精製を実施した。ビシンコニン酸(BCA)タンパク質アッセイキット(Bio-Rad)を使用して、タンパク質濃度を測定した。
【0233】
融合タンパク質の溶血活性のアッセイ
Benton et al,1997によるアッセイを適用した。アッセイ緩衝液は、10mMジチオスレイトール、pH7.4のPBS中の0.1%ウシ血清アルブミン、及び2%ヒツジ赤血球を含有していた。ヒツジ赤血球を以下のように調製した:200μlのヒツジ血液+1mlのPBS(pH7.4)を添加し、十分に混合し、ペレット化して、8,000rpmで3回、それぞれ30秒間洗浄し、最後に血球を10mlの冷却PBSに再懸濁させ、使用時まで氷上で保持する。ニューモリシン標準物質(Ply)、ニューモリソイドPdT及び試験する融合タンパク質(CP1及びSP0785-リンカー(SSSGG)-SP1500-リンカー(SSVDKL)-PdT)を、プレート全体にわたり100μl/ウェルで示した濃度で希釈して、次いで、すべてのウェルに50μlの2%ヒツジ赤血球を添加することによりアッセイを実施した。プレートを、37℃で30分間インキュベートした。インキュベーション後、プレートを室温、2000rpmで5分間遠心分離し、上清100μlを空の96ウェルプレートに移して、OD420での吸光度を測定した[Benton,K.A.,J.C.Paton,and D.E.Briles.1997.Differences in virulence for mice among Streptococcus pneumoniae strains of capsular types 2,3,4,5,and 6 are not attributable to differences in pneumolysin production.Infect Immun.65:1237-44]。
【0234】
結果及び考察:
図11に見られるように、融合タンパク質CP1とのヒツジ赤血球のインキュベーションは、試験した濃度のいずれにおいても溶血を生じさせなかった。融合タンパク質SP0785-リンカー(SSSGG)-SP1500-リンカー(SSVDKL)-PdTまたはニューモリソイドPdT単独との、それぞれ1mg/ml及び0.5mg/mlを超える濃度でのインキュベーションにより、ヒツジ赤血球のほぼ完全な溶血が生じた。これらの結果は、2つの融合タンパク質のSP0785部分及びSP1500部分が、溶血活性に寄与しないことを示す。融合タンパク質SP0785-リンカー(SSSGG)-SP1500-リンカー(SSVDKL)-PdTの溶血活性は、その代わりに、ニューモリソイドPdTに起因する。
【0235】
配列
配列番号1、完全長リザビジンタンパク質[アミノ酸1~179]:
MIITSLYATFGTIADGRRTSGGKTMIRTNAVAALVFAVATSALAFDASNFKDFSSIASASSSWQNQSGSTMIIQVDSFGNVSGQYVNRAQGTGCQNSPYPLTGRVNGTFIAFSVGWNNSTENCNSATGWTGYAQVNGNNTEIVTSWNLAYEGGSGPAIEQGQDTFQYVPTTENKSLLKD
【0236】
配列番号2、トランケート型リザビジンタンパク質、Rhaviと表記[アミノ酸45~179]:
FDASNFKDFSSIASASSSWQNQSGSTMIIQVDSFGNVSGQYVNRAQGTGCQNSPYPLTGRVNGTFIAFSVGWNNSTENCNSATGWTGYAQVNGNNTEIVTSWNLAYEGGSGPAIEQGQDTFQYVPTTENKSLLKD
【0237】
配列番号3、完全長SP0785タンパク質[アミノ酸1~399]、TIGR4株:
【化1】
【0238】
配列番号4、シグナル配列を欠くSP0785タンパク質[アミノ酸33~399]:
注:SP0785 NCBI配列ABJ54007.1及びYP816180と1箇所のT394Aミスマッチ
FRQPSQTALKDEPTHLVVAKEGSVASSVLLSGTVTAKNEQYVYFDASKGDLDEILVSVGDKVSEGQALVKYSSSEAQAAYDSASRAVARADRHINELNQARNEAASAPAPQLPAPVGGEDATVQSPTPVAGNSVASIDAQLGDARDARADAAAQLSKAQSQLDATTVLSTLEGTVVEVNSNVSKSPTGASQVMVHIVSNENLQVKGELSEYNLANLSVGQEVSFTSKVYPDKKWTGKLSYISDYPKNNGEAASPAAGNNTGSKYPYTIDVTGEVGDLKQGFSVNIEVKSKTKAILVPVSSLVMDDSKNYVWIVDEQQKAKKVEVSLGNADAENQEITSGLTNGAKVISNPTSSLEEGKEVKADEATN
【0239】
配列番号5、コンセンサスSP0785タンパク質[アミノ酸1~399]:
【化2-1】
【化2-2】
【化2-3】
【0240】
配列番号6、完全長SP1500タンパク質[アミノ酸1~278]、TIGR4株:
MKKWMLVLVSLMTALFLVACGKNSSETSGDNWSKYQSNKSITIGFDSTFVPMGFAQKDGSYAGFDIDLATAVFEKYGITVNWQPIDWDLKEAELTKGTIDLIWNGYSATDERREKVAFSNSYMKNEQVLVTKKSSGITTAKDMTGKTLGAQAGSSGYADFEANPEILKNIVANKEANQYQTFNEALIDLKNDRIDGLLIDRVYANYYLEAEGVLNDYNVFTVGLETEAFAVGARKEDTNLVKKINEAFSSLYKDGKFQEISQKWFGEDVATKEVKEGQ
【0241】
配列番号7、シグナル配列を欠くSP1500タンパク質[アミノ酸27~278]:
TSGDNWSKYQSNKSITIGFDSTFVPMGFAQKDGSYAGFDIDLATAVFEKYGITVNWQPIDWDLKEAELTKGTIDLIWNGYSATDERREKVAFSNSYMKNEQVLVTKKSSGITTAKDMTGKTLGAQAGSSGYADFEANPEILKNIVANKEANQYQTFNEALIDLKNDRIDGLLIDRVYANYYLEAEGVLNDYNVFTVGLETEAFAVGARKEDTNLVKKINEAFSSLYKDGKFQEISQKWFGEDVATKEVKEGQ
【0242】
配列番号8、コンセンサスSP1500タンパク質[アミノ酸1~278]:
【化3-1】
【化3-2】
【化3-3】
【0243】
配列番号9、完全長リザビジンタンパク質をコードするリザビジン遺伝子:
TTGATTATTACGAGTTTATATGCAACCTTCGGTACGATCGCCGACGGTCGGCGCACATCAGGAGGAAAAACCATGATCCGTACTAATGCAGTTGCAGCACTTGTGTTTGCTGTAGCAACCTCAGCTCTTGCTTTCGATGCAAGCAACTTCAAGGATTTTTCAAGCATCGCATCGGCTTCCAGCAGTTGGCAGAACCAGTCCGGCTCGACGATGATCATTCAAGTCGACTCGTTCGGAAATGTCTCCGGCCAATATGTAAACAGAGCCCAGGGCACCGGATGCCAGAACTCGCCCTATCCGCTAACAGGAAGGGTAAACGGGACGTTCATCGCATTTTCGGTCGGCTGGAACAATTCGACGGAGAACTGCAATTCCGCAACCGGATGGACCGGCTACGCACAGGTCAACGGCAACAACACTGAGATAGTCACGAGCTGGAACCTCGCTTACGAAGGCGGCTCCGGTCCGGCCATTGAGCAAGGACAAGACACTTTCCAGTACGTGCCGACGACTGAGAACAAAAGCCTCTTGAAGGATTAA
【0244】
配列番号10、トランケート型リザビジンタンパク質(Rhaviと表記)[アミノ酸45~179]をコードするリザビジン遺伝子:
TTTGATGCGAGTAACTTTAAAGATTTCAGCTCTATTGCGAGCGCCAGTAGCTCTTGGCAGAATCAGAGTGGCAGCACCATGATTATCCAGGTGGATTCTTTCGGCAACGTTAGTGGCCAGTATGTTAATCGTGCGCAGGGCACGGGTTGCCAGAACTCTCCGTACCCGCTGACCGGCCGCGTGAATGGCACGTTTATCGCCTTCAGCGTTGGCTGGAACAATTCTACCGAAAACTGTAATAGTGCAACCGGCTGGACGGGTTATGCGCAGGTGAACGGTAACAATACCGAAATTGTTACGAGCTGGAATCTGGCCTATGAAGGCGGTTCTGGCCCGGCAATCGAACAGGGTCAGGATACCTTTCAGTACGTTCCGACCACGGAAAACAAAAGCCTGCTGAAAGAT
【0245】
配列番号11、完全長SP0785タンパク質[アミノ酸1~399]、TIGR4株をコードするSP0785遺伝子:
【化4】
【0246】
配列番号12、シグナル配列を欠くSP0785タンパク質[アミノ酸33~399]をコードするSP0785遺伝子:
TTTAGACAACCTTCTCAGACTGCTCTAAAAGATGAGCCTACTCATCTTGTTGTTGCCAAGGAAGGAAGCGTGGCCTCCTCTGTTTTATTGTCAGGGACAGTAACAGCAAAAAATGAACAATATGTTTATTTTGATGCTAGTAAGGGTGATTTAGATGAAATCCTTGTTTCTGTGGGCGATAAGGTCAGCGAAGGGCAGGCTTTAGTCAAGTACAGTAGTTCAGAAGCGCAGGCGGCCTATGATTCAGCTAGTCGAGCAGTAGCTAGGGCAGATCGTCATATCAATGAACTCAATCAAGCACGAAATGAAGCCGCTTCAGCTCCGGCTCCACAGTTACCAGCGCCAGTAGGAGGAGAAGATGCAACGGTGCAAAGCCCAACTCCAGTGGCTGGAAATTCTGTTGCTTCTATTGACGCTCAATTGGGTGATGCCCGTGATGCGCGTGCAGATGCTGCGGCGCAATTAAGCAAGGCTCAAAGTCAATTGGATGCAACAACTGTTCTCAGTACCCTAGAGGGAACTGTGGTCGAAGTCAATAGCAATGTTTCTAAATCTCCAACAGGGGCGAGTCAAGTTATGGTTCATATTGTCAGCAATGAAAATTTACAAGTCAAGGGAGAATTGTCTGAGTACAATCTAGCCAACCTTTCTGTAGGTCAAGAAGTAAGCTTTACTTCTAAAGTGTATCCTGATAAAAAATGGACTGGGAAATTAAGCTATATTTCTGACTATCCTAAAAACAATGGTGAAGCAGCTAGTCCAGCAGCCGGGAATAATACAGGTTCTAAATACCCTTATACTATTGATGTGACAGGCGAGGTTGGTGATTTGAAACAAGGTTTTTCTGTCAACATTGAGGTTAAAAGCAAAACTAAGGCTATTCTTGTTCCTGTTAGCAGTCTAGTAATGGATGATAGTAAAAATTATGTCTGGATTGTGGATGAACAACAAAAGGCTAAAAAAGTTGAGGTTTCATTGGGAAATGCTGACGCAGAAAATCAAGAAATCACTTCTGGTTTAACGAACGGTGCTAAGGTCATCAGTAATCCAACATCTTCCTTGGAAGAAGGAAAAGAGGTGAAGGCTGATGAAGCAACTAAT
【0247】
配列番号13、完全長SP1500タンパク質[アミノ酸1~278]、TIGR4株をコードするSP1500遺伝子:
【化5】
【0248】
配列番号14、シグナル配列を欠くSP1500タンパク質[アミノ酸27~278]をコードするSP1500遺伝子:
ACTAGTGGAGATAATTGGTCAAAGTACCAGTCTAACAAGTCTATTACTATTGGATTTGATAGTACTTTTGTTCCAATGGGATTTGCTCAGAAAGATGGTTCTTATGCAGGATTTGATATTGATTTAGCTACAGCTGTTTTTGAAAAATACGGAATCACGGTAAATTGGCAACCGATTGATTGGGATTTGAAAGAAGCTGAATTGACAAAAGGAACGATTGATCTGATTTGGAATGGCTATTCCGCTACAGACGAACGCCGTGAAAAGGTGGCTTTCAGTAACTCATATATGAAGAATGAGCAGGTATTGGTTACGAAGAAATCATCTGGTATCACGACTGCAAAGGATATGACTGGAAAGACATTAGGAGCTCAAGCTGGTTCATCTGGTTATGCGGACTTTGAAGCAAATCCAGAAATTTTGAAGAATATTGTCGCTAATAAGGAAGCGAATCAATACCAAACCTTTAATGAAGCCTTGATTGATTTGAAAAACGATCGAATTGATGGTCTATTGATTGACCGTGTCTATGCAAACTATTATTTAGAAGCAGAAGGTGTTTTAAACGATTATAATGTCTTTACAGTTGGACTAGAAACAGAAGCTTTTGCGGTTGGAGCCCGTAAGGAAGATACAAACTTGGTTAAGAAGATAAATGAAGCTTTTTCTAGTCTTTACAAGGACGGCAAGTTCCAAGAAATCAGCCAAAAATGGTTTGGAGAAGATGTAGCAACCAAAGAAGTAAAAGAAGGACAG
【0249】
配列番号15、Hisタグ1:
HHHHHH
【0250】
配列番号16、Hisタグ2:
MSYYHHHHHH
【0251】
配列番号17、融合タンパク質SP1500-SP0785:
【化6】
【0252】
配列番号18、融合タンパク質SP0785-SP1500:
MFRQPSQTALKDEPTHLVVAKEGSVASSVLLSGTVTAKNEQYVYFDASKGDLDEILVSVGDKVSEGQALVKYSSSEAQAAYDSASRAVARADRHINELNQARNEAASAPAPQLPAPVGGEDATVQSPTPVAGNSVASIDAQLGDARDARADAAAQLSKAQSQLDATTVLSTLEGTVVEVNSNVSKSPTGASQVMVHIVSNENLQVKGELSEYNLANLSVGQEVSFTSKVYPDKKWTGKLSYISDYPKNNGEAASPAAGNNTGSKYPYTIDVTGEVGDLKQGFSVNIEVKSKTKAILVPVSSLVMDDSKNYVWIVDEQQKAKKVEVSLGNADAENQEITSGLTNGAKVISNPTSSLEEGKEVKADEATNTSGDNWSKYQSNKSITIGFDSTFVPMGFAQKDGSYAGFDIDLATAVFEKYGITVNWQPIDWDLKEAELTKGTIDLIWNGYSATDERREKVAFSNSYMKNEQVLVTKKSSGITTAKDMTGKTLGAQAGSSGYADFEANPEILKNIVANKEANQYQTFNEALIDLKNDRIDGLLIDRVYANYYLEAEGVLNDYNVFTVGLETEAFAVGARKEDTNLVKKINEAFSSLYKDGKFQEISQKWFGEDVATKEVKEGQ
【0253】
配列番号19、融合タンパク質Rhavi-SP1500-SP0785:
【化7】
【0254】
配列番号20、融合タンパク質Rhavi-SP0785-SP1500:
【化8】
【0255】
配列番号21、融合タンパク質SP1500-SP0785-Rhavi:
【化9】
【0256】
配列番号22、融合タンパク質SP0785-SP1500-Rhavi:
【化10】
【0257】
配列番号23、融合タンパク質CP1、Rhavi-リンカー(GGGGSSS)-SP1500-リンカー(AAA)-SP0785:
【化11】
【0258】
配列番号24、融合タンパク質Rhavi-GGGGSSS-SP0785-AAA-SP1500:
【化12】
【0259】
配列番号25、融合タンパク質SP1500-GGGGSSS-SP0785-AAA-Rhavi:
MTSGDNWSKYQSNKSITIGFDSTFVPMGFAQKDGSYAGFDIDLATAVFEKYGITVNWQPIDWDLKEAELTKGTIDLIWNGYSATDERREKVAFSNSYMKNEQVLVTKKSSGITTAKDMTGKTLGAQAGSSGYADFEANPEILKNIVANKEANQYQTFNEALIDLKNDRIDGLLIDRVYANYYLEAEGVLNDYNVFTVGLETEAFAVGARKEDTNLVKKINEAFSSLYKDGKFQEISQKWFGEDVATKEVKEGQGGGGSSSFRQPSQTALKDEPTHLVVAKEGSVASSVLLSGTVTAKNEQYVYFDASKGDLDEILVSVGDKVSEGQALVKYSSSEAQAAYDSASRAVARADRHINELNQARNEAASAPAPQLPAPVGGEDATVQSPTPVAGNSVASIDAQLGDARDARADAAAQLSKAQSQLDATTVLSTLEGTVVEVNSNVSKSPTGASQVMVHIVSNENLQVKGELSEYNLANLSVGQEVSFTSKVYPDKKWTGKLSYISDYPKNNGEAASPAAGNNTGSKYPYTIDVTGEVGDLKQGFSVNIEVKSKTKAILVPVSSLVMDDSKNYVWIVDEQQKAKKVEVSLGNADAENQEITSGLTNGAKVISNPTSSLEEGKEVKADEATNAAAFDASNFKDFSSIASASSSWQNQSGSTMIIQVDSFGNVSGQYVNRAQGTGCQNSPYPLTGRVNGTFIAFSVGWNNSTENCNSATGWTGYAQVNGNNTEIVTSWNLAYEGGSGPAIEQGQDTFQYVPTTENKSLLKD
【0260】
配列番号26、融合タンパク質SP0785-リンカー(GGGGSSS)-SP1500-リンカー(AAA)-Rhavi:
【化13】
【0261】
配列番号27、融合タンパク質SP1500-SP0785をコードするコドン最適化核酸配列
ATGACCAGCGGCGACAATTGGTCCAAATACCAGAGCAACAAGAGCATCACGATCGGCTTCGACAGCACTTTTGTGCCGATGGGTTTCGCGCAAAAAGACGGTAGCTACGCGGGTTTCGATATTGACCTGGCGACCGCTGTCTTTGAGAAATACGGCATTACGGTTAATTGGCAGCCGATTGATTGGGACCTGAAAGAGGCCGAACTCACCAAAGGCACCATCGACCTGATCTGGAATGGTTACTCCGCAACCGATGAGCGTCGCGAAAAAGTTGCCTTCAGCAACAGCTATATGAAGAATGAACAAGTGTTGGTAACCAAGAAATCTAGCGGCATTACGACCGCGAAAGACATGACCGGTAAGACGCTGGGTGCGCAGGCCGGTAGCTCTGGCTATGCGGATTTCGAGGCGAATCCTGAGATTCTGAAAAACATCGTTGCGAATAAAGAGGCGAACCAGTACCAGACCTTTAACGAAGCACTGATCGACCTGAAAAACGATCGCATTGACGGTCTGCTGATCGATCGTGTGTACGCGAACTATTATCTGGAAGCCGAGGGCGTTCTGAACGATTATAATGTTTTTACCGTGGGTCTGGAGACTGAGGCATTCGCGGTTGGTGCGCGCAAGGAAGATACCAACCTGGTTAAAAAGATTAATGAGGCATTTAGCTCACTGTACAAGGACGGCAAGTTCCAAGAAATTAGCCAGAAGTGGTTCGGTGAAGATGTTGCGACGAAAGAGGTTAAAGAGGGCCAATTTCGCCAACCGAGCCAGACTGCGTTGAAAGATGAGCCGACCCATCTGGTTGTTGCGAAAGAGGGCAGCGTGGCATCGAGCGTGCTGCTGAGCGGTACGGTTACTGCCAAAAACGAACAATACGTGTACTTCGATGCTAGCAAGGGTGATCTGGATGAAATTCTGGTGAGCGTGGGTGACAAAGTTAGCGAAGGCCAGGCACTGGTGAAGTATTCATCCTCCGAGGCACAGGCAGCGTACGACAGCGCAAGCCGCGCAGTGGCGCGTGCCGACCGTCACATTAACGAATTGAACCAAGCGCGTAACGAGGCCGCAAGCGCGCCAGCACCGCAGCTGCCGGCTCCGGTGGGTGGCGAAGATGCGACGGTGCAGAGCCCGACCCCGGTTGCGGGTAATTCGGTCGCCAGCATCGATGCGCAGCTGGGTGACGCGCGTGATGCCCGTGCGGATGCGGCTGCTCAACTGAGCAAGGCTCAGAGCCAACTGGACGCGACGACGGTGCTGAGCACCTTGGAGGGTACCGTTGTCGAAGTCAACAGCAATGTGAGCAAGAGCCCAACGGGTGCGAGCCAGGTTATGGTCCACATTGTGAGCAATGAAAACTTACAGGTCAAGGGTGAGCTGAGCGAGTATAACCTGGCGAATCTGAGCGTTGGTCAAGAGGTCAGCTTTACCAGCAAGGTCTACCCGGATAAGAAATGGACCGGCAAGTTGAGCTACATCAGCGACTACCCGAAGAACAATGGCGAGGCAGCCTCCCCGGCAGCCGGCAACAATACCGGCTCTAAGTATCCGTACACCATCGACGTAACCGGTGAGGTCGGCGACCTGAAACAGGGTTTTAGCGTGAATATCGAAGTGAAGTCCAAGACCAAGGCAATTTTGGTTCCGGTTAGCTCCCTGGTGATGGACGATAGCAAGAATTATGTGTGGATTGTCGACGAGCAACAGAAAGCGAAAAAAGTTGAAGTGAGCCTGGGCAATGCTGATGCCGAGAACCAAGAAATCACGTCTGGTCTGACCAACGGTGCGAAAGTTATTAGCAACCCGACCAGCAGCCTGGAAGAGGGTAAAGAGGTCAAAGCCGACGAAGCTACGAAC
【0262】
配列番号28、融合タンパク質SP0785-SP1500をコードするコドン最適化核酸配列
ATGTTTCGCCAACCGAGCCAGACTGCGTTGAAAGATGAGCCGACCCATCTGGTTGTTGCGAAAGAGGGCAGCGTGGCATCGAGCGTGCTGCTGAGCGGTACGGTTACTGCCAAAAACGAACAATACGTGTACTTCGATGCTAGCAAGGGTGATCTGGATGAAATTCTGGTGAGCGTGGGTGACAAAGTTAGCGAAGGCCAGGCACTGGTGAAGTATTCATCCTCCGAGGCACAGGCAGCGTACGACAGCGCAAGCCGCGCAGTGGCGCGTGCCGACCGTCACATTAACGAATTGAACCAAGCGCGTAACGAGGCCGCAAGCGCGCCAGCACCGCAGCTGCCGGCTCCGGTGGGTGGCGAAGATGCGACGGTGCAGAGCCCGACCCCGGTTGCGGGTAATTCGGTCGCCAGCATCGATGCGCAGCTGGGTGACGCGCGTGATGCCCGTGCGGATGCGGCTGCTCAACTGAGCAAGGCTCAGAGCCAACTGGACGCGACGACGGTGCTGAGCACCTTGGAGGGTACCGTTGTCGAAGTCAACAGCAATGTGAGCAAGAGCCCAACGGGTGCGAGCCAGGTTATGGTCCACATTGTGAGCAATGAAAACTTACAGGTCAAGGGTGAGCTGAGCGAGTATAACCTGGCGAATCTGAGCGTTGGTCAAGAGGTCAGCTTTACCAGCAAGGTCTACCCGGATAAGAAATGGACCGGCAAGTTGAGCTACATCAGCGACTACCCGAAGAACAATGGCGAGGCAGCCTCCCCGGCAGCCGGCAACAATACCGGCTCTAAGTATCCGTACACCATCGACGTAACCGGTGAGGTCGGCGACCTGAAACAGGGTTTTAGCGTGAATATCGAAGTGAAGTCCAAGACCAAGGCAATTTTGGTTCCGGTTAGCTCCCTGGTGATGGACGATAGCAAGAATTATGTGTGGATTGTCGACGAGCAACAGAAAGCGAAAAAAGTTGAAGTGAGCCTGGGCAATGCTGATGCCGAGAACCAAGAAATCACGTCTGGTCTGACCAACGGTGCGAAAGTTATTAGCAACCCGACCAGCAGCCTGGAAGAGGGTAAAGAGGTCAAAGCCGACGAAGCTACGAACACCAGCGGCGACAATTGGTCCAAATACCAGAGCAACAAGAGCATCACGATCGGCTTCGACAGCACTTTTGTGCCGATGGGTTTCGCGCAAAAAGACGGTAGCTACGCGGGTTTCGATATTGACCTGGCGACCGCTGTCTTTGAGAAATACGGCATTACGGTTAATTGGCAGCCGATTGATTGGGACCTGAAAGAGGCCGAACTCACCAAAGGCACCATCGACCTGATCTGGAATGGTTACTCCGCAACCGATGAGCGTCGCGAAAAAGTTGCCTTCAGCAACAGCTATATGAAGAATGAACAAGTGTTGGTAACCAAGAAATCTAGCGGCATTACGACCGCGAAAGACATGACCGGTAAGACGCTGGGTGCGCAGGCCGGTAGCTCTGGCTATGCGGATTTCGAGGCGAATCCTGAGATTCTGAAAAACATCGTTGCGAATAAAGAGGCGAACCAGTACCAGACCTTTAACGAAGCACTGATCGACCTGAAAAACGATCGCATTGACGGTCTGCTGATCGATCGTGTGTACGCGAACTATTATCTGGAAGCCGAGGGCGTTCTGAACGATTATAATGTTTTTACCGTGGGTCTGGAGACTGAGGCATTCGCGGTTGGTGCGCGCAAGGAAGATACCAACCTGGTTAAAAAGATTAATGAGGCATTTAGCTCACTGTACAAGGACGGCAAGTTCCAAGAAATTAGCCAGAAGTGGTTCGGTGAAGATGTTGCGACGAAAGAGGTTAAAGAGGGCCAA
【0263】
配列番号29、融合タンパク質Rhavi-SP1500-SP0785をコードするコドン最適化核酸配列:
ATGTTCGACGCATCCAACTTTAAAGACTTTAGCAGCATCGCGTCCGCAAGCTCTAGCTGGCAGAATCAATCTGGTAGCACCATGATTATCCAAGTGGACAGCTTTGGTAACGTCAGCGGTCAATATGTTAATCGTGCACAGGGTACGGGTTGTCAGAATTCTCCGTACCCGCTGACCGGTCGTGTTAACGGCACGTTCATCGCTTTCAGCGTCGGTTGGAACAATTCTACTGAAAATTGCAACAGCGCGACCGGTTGGACGGGCTATGCACAAGTGAATGGCAATAACACCGAAATCGTCACGTCCTGGAATCTGGCGTATGAGGGTGGCAGCGGTCCGGCTATTGAACAGGGCCAGGATACCTTCCAATACGTCCCTACGACCGAGAATAAGTCCCTTCTGAAAGACACCAGCGGCGACAATTGGTCCAAATACCAGAGCAACAAGAGCATCACGATCGGCTTCGACAGCACTTTTGTGCCGATGGGTTTCGCGCAAAAAGACGGTAGCTACGCGGGTTTCGATATTGACCTGGCGACCGCTGTCTTTGAGAAATACGGCATTACGGTTAATTGGCAGCCGATTGATTGGGACCTGAAAGAGGCCGAACTCACCAAAGGCACCATCGACCTGATCTGGAATGGTTACTCCGCAACCGATGAGCGTCGCGAAAAAGTTGCCTTCAGCAACAGCTATATGAAGAATGAACAAGTGTTGGTAACCAAGAAATCTAGCGGCATTACGACCGCGAAAGACATGACCGGTAAGACGCTGGGTGCGCAGGCCGGTAGCTCTGGCTATGCGGATTTCGAGGCGAATCCTGAGATTCTGAAAAACATCGTTGCGAATAAAGAGGCGAACCAGTACCAGACCTTTAACGAAGCACTGATCGACCTGAAAAACGATCGCATTGACGGTCTGCTGATCGATCGTGTGTACGCGAACTATTATCTGGAAGCCGAGGGCGTTCTGAACGATTATAATGTTTTTACCGTGGGTCTGGAGACTGAGGCATTCGCGGTTGGTGCGCGCAAGGAAGATACCAACCTGGTTAAAAAGATTAATGAGGCATTTAGCTCACTGTACAAGGACGGCAAGTTCCAAGAAATTAGCCAGAAGTGGTTCGGTGAAGATGTTGCGACGAAAGAGGTTAAAGAGGGCCAATTTCGCCAACCGAGCCAGACTGCGTTGAAAGATGAGCCGACCCATCTGGTTGTTGCGAAAGAGGGCAGCGTGGCATCGAGCGTGCTGCTGAGCGGTACGGTTACTGCCAAAAACGAACAATACGTGTACTTCGATGCTAGCAAGGGTGATCTGGATGAAATTCTGGTGAGCGTGGGTGACAAAGTTAGCGAAGGCCAGGCACTGGTGAAGTATTCATCCTCCGAGGCACAGGCAGCGTACGACAGCGCAAGCCGCGCAGTGGCGCGTGCCGACCGTCACATTAACGAATTGAACCAAGCGCGTAACGAGGCCGCAAGCGCGCCAGCACCGCAGCTGCCGGCTCCGGTGGGTGGCGAAGATGCGACGGTGCAGAGCCCGACCCCGGTTGCGGGTAATTCGGTCGCCAGCATCGATGCGCAGCTGGGTGACGCGCGTGATGCCCGTGCGGATGCGGCTGCTCAACTGAGCAAGGCTCAGAGCCAACTGGACGCGACGACGGTGCTGAGCACCTTGGAGGGTACCGTTGTCGAAGTCAACAGCAATGTGAGCAAGAGCCCAACGGGTGCGAGCCAGGTTATGGTCCACATTGTGAGCAATGAAAACTTACAGGTCAAGGGTGAGCTGAGCGAGTATAACCTGGCGAATCTGAGCGTTGGTCAAGAGGTCAGCTTTACCAGCAAGGTCTACCCGGATAAGAAATGGACCGGCAAGTTGAGCTACATCAGCGACTACCCGAAGAACAATGGCGAGGCAGCCTCCCCGGCAGCCGGCAACAATACCGGCTCTAAGTATCCGTACACCATCGACGTAACCGGTGAGGTCGGCGACCTGAAACAGGGTTTTAGCGTGAATATCGAAGTGAAGTCCAAGACCAAGGCAATTTTGGTTCCGGTTAGCTCCCTGGTGATGGACGATAGCAAGAATTATGTGTGGATTGTCGACGAGCAACAGAAAGCGAAAAAAGTTGAAGTGAGCCTGGGCAATGCTGATGCCGAGAACCAAGAAATCACGTCTGGTCTGACCAACGGTGCGAAAGTTATTAGCAACCCGACCAGCAGCCTGGAAGAGGGTAAAGAGGTCAAAGCCGACGAAGCTACGAAC
【0264】
配列番号30、融合タンパク質Rhavi-SP0785-SP1500をコードするコドン最適化核酸配列:
ATGTTCGACGCATCCAACTTTAAAGACTTTAGCAGCATCGCGTCCGCAAGCTCTAGCTGGCAGAATCAATCTGGTAGCACCATGATTATCCAAGTGGACAGCTTTGGTAACGTCAGCGGTCAATATGTTAATCGTGCACAGGGTACGGGTTGTCAGAATTCTCCGTACCCGCTGACCGGTCGTGTTAACGGCACGTTCATCGCTTTCAGCGTCGGTTGGAACAATTCTACTGAAAATTGCAACAGCGCGACCGGTTGGACGGGCTATGCACAAGTGAATGGCAATAACACCGAAATCGTCACGTCCTGGAATCTGGCGTATGAGGGTGGCAGCGGTCCGGCTATTGAACAGGGCCAGGATACCTTCCAATACGTCCCTACGACCGAGAATAAGTCCCTTCTGAAAGACTTTCGCCAACCGAGCCAGACTGCGTTGAAAGATGAGCCGACCCATCTGGTTGTTGCGAAAGAGGGCAGCGTGGCATCGAGCGTGCTGCTGAGCGGTACGGTTACTGCCAAAAACGAACAATACGTGTACTTCGATGCTAGCAAGGGTGATCTGGATGAAATTCTGGTGAGCGTGGGTGACAAAGTTAGCGAAGGCCAGGCACTGGTGAAGTATTCATCCTCCGAGGCACAGGCAGCGTACGACAGCGCAAGCCGCGCAGTGGCGCGTGCCGACCGTCACATTAACGAATTGAACCAAGCGCGTAACGAGGCCGCAAGCGCGCCAGCACCGCAGCTGCCGGCTCCGGTGGGTGGCGAAGATGCGACGGTGCAGAGCCCGACCCCGGTTGCGGGTAATTCGGTCGCCAGCATCGATGCGCAGCTGGGTGACGCGCGTGATGCCCGTGCGGATGCGGCTGCTCAACTGAGCAAGGCTCAGAGCCAACTGGACGCGACGACGGTGCTGAGCACCTTGGAGGGTACCGTTGTCGAAGTCAACAGCAATGTGAGCAAGAGCCCAACGGGTGCGAGCCAGGTTATGGTCCACATTGTGAGCAATGAAAACTTACAGGTCAAGGGTGAGCTGAGCGAGTATAACCTGGCGAATCTGAGCGTTGGTCAAGAGGTCAGCTTTACCAGCAAGGTCTACCCGGATAAGAAATGGACCGGCAAGTTGAGCTACATCAGCGACTACCCGAAGAACAATGGCGAGGCAGCCTCCCCGGCAGCCGGCAACAATACCGGCTCTAAGTATCCGTACACCATCGACGTAACCGGTGAGGTCGGCGACCTGAAACAGGGTTTTAGCGTGAATATCGAAGTGAAGTCCAAGACCAAGGCAATTTTGGTTCCGGTTAGCTCCCTGGTGATGGACGATAGCAAGAATTATGTGTGGATTGTCGACGAGCAACAGAAAGCGAAAAAAGTTGAAGTGAGCCTGGGCAATGCTGATGCCGAGAACCAAGAAATCACGTCTGGTCTGACCAACGGTGCGAAAGTTATTAGCAACCCGACCAGCAGCCTGGAAGAGGGTAAAGAGGTCAAAGCCGACGAAGCTACGAACACCAGCGGCGACAATTGGTCCAAATACCAGAGCAACAAGAGCATCACGATCGGCTTCGACAGCACTTTTGTGCCGATGGGTTTCGCGCAAAAAGACGGTAGCTACGCGGGTTTCGATATTGACCTGGCGACCGCTGTCTTTGAGAAATACGGCATTACGGTTAATTGGCAGCCGATTGATTGGGACCTGAAAGAGGCCGAACTCACCAAAGGCACCATCGACCTGATCTGGAATGGTTACTCCGCAACCGATGAGCGTCGCGAAAAAGTTGCCTTCAGCAACAGCTATATGAAGAATGAACAAGTGTTGGTAACCAAGAAATCTAGCGGCATTACGACCGCGAAAGACATGACCGGTAAGACGCTGGGTGCGCAGGCCGGTAGCTCTGGCTATGCGGATTTCGAGGCGAATCCTGAGATTCTGAAAAACATCGTTGCGAATAAAGAGGCGAACCAGTACCAGACCTTTAACGAAGCACTGATCGACCTGAAAAACGATCGCATTGACGGTCTGCTGATCGATCGTGTGTACGCGAACTATTATCTGGAAGCCGAGGGCGTTCTGAACGATTATAATGTTTTTACCGTGGGTCTGGAGACTGAGGCATTCGCGGTTGGTGCGCGCAAGGAAGATACCAACCTGGTTAAAAAGATTAATGAGGCATTTAGCTCACTGTACAAGGACGGCAAGTTCCAAGAAATTAGCCAGAAGTGGTTCGGTGAAGATGTTGCGACGAAAGAGGTTAAAGAGGGCCAA
【0265】
配列番号31、融合タンパク質SP1500-SP0785-Rhaviをコードするコドン最適化核酸配列:
ATGACCAGCGGCGACAATTGGTCCAAATACCAGAGCAACAAGAGCATCACGATCGGCTTCGACAGCACTTTTGTGCCGATGGGTTTCGCGCAAAAAGACGGTAGCTACGCGGGTTTCGATATTGACCTGGCGACCGCTGTCTTTGAGAAATACGGCATTACGGTTAATTGGCAGCCGATTGATTGGGACCTGAAAGAGGCCGAACTCACCAAAGGCACCATCGACCTGATCTGGAATGGTTACTCCGCAACCGATGAGCGTCGCGAAAAAGTTGCCTTCAGCAACAGCTATATGAAGAATGAACAAGTGTTGGTAACCAAGAAATCTAGCGGCATTACGACCGCGAAAGACATGACCGGTAAGACGCTGGGTGCGCAGGCCGGTAGCTCTGGCTATGCGGATTTCGAGGCGAATCCTGAGATTCTGAAAAACATCGTTGCGAATAAAGAGGCGAACCAGTACCAGACCTTTAACGAAGCACTGATCGACCTGAAAAACGATCGCATTGACGGTCTGCTGATCGATCGTGTGTACGCGAACTATTATCTGGAAGCCGAGGGCGTTCTGAACGATTATAATGTTTTTACCGTGGGTCTGGAGACTGAGGCATTCGCGGTTGGTGCGCGCAAGGAAGATACCAACCTGGTTAAAAAGATTAATGAGGCATTTAGCTCACTGTACAAGGACGGCAAGTTCCAAGAAATTAGCCAGAAGTGGTTCGGTGAAGATGTTGCGACGAAAGAGGTTAAAGAGGGCCAATTTCGCCAACCGAGCCAGACTGCGTTGAAAGATGAGCCGACCCATCTGGTTGTTGCGAAAGAGGGCAGCGTGGCATCGAGCGTGCTGCTGAGCGGTACGGTTACTGCCAAAAACGAACAATACGTGTACTTCGATGCTAGCAAGGGTGATCTGGATGAAATTCTGGTGAGCGTGGGTGACAAAGTTAGCGAAGGCCAGGCACTGGTGAAGTATTCATCCTCCGAGGCACAGGCAGCGTACGACAGCGCAAGCCGCGCAGTGGCGCGTGCCGACCGTCACATTAACGAATTGAACCAAGCGCGTAACGAGGCCGCAAGCGCGCCAGCACCGCAGCTGCCGGCTCCGGTGGGTGGCGAAGATGCGACGGTGCAGAGCCCGACCCCGGTTGCGGGTAATTCGGTCGCCAGCATCGATGCGCAGCTGGGTGACGCGCGTGATGCCCGTGCGGATGCGGCTGCTCAACTGAGCAAGGCTCAGAGCCAACTGGACGCGACGACGGTGCTGAGCACCTTGGAGGGTACCGTTGTCGAAGTCAACAGCAATGTGAGCAAGAGCCCAACGGGTGCGAGCCAGGTTATGGTCCACATTGTGAGCAATGAAAACTTACAGGTCAAGGGTGAGCTGAGCGAGTATAACCTGGCGAATCTGAGCGTTGGTCAAGAGGTCAGCTTTACCAGCAAGGTCTACCCGGATAAGAAATGGACCGGCAAGTTGAGCTACATCAGCGACTACCCGAAGAACAATGGCGAGGCAGCCTCCCCGGCAGCCGGCAACAATACCGGCTCTAAGTATCCGTACACCATCGACGTAACCGGTGAGGTCGGCGACCTGAAACAGGGTTTTAGCGTGAATATCGAAGTGAAGTCCAAGACCAAGGCAATTTTGGTTCCGGTTAGCTCCCTGGTGATGGACGATAGCAAGAATTATGTGTGGATTGTCGACGAGCAACAGAAAGCGAAAAAAGTTGAAGTGAGCCTGGGCAATGCTGATGCCGAGAACCAAGAAATCACGTCTGGTCTGACCAACGGTGCGAAAGTTATTAGCAACCCGACCAGCAGCCTGGAAGAGGGTAAAGAGGTCAAAGCCGACGAAGCTACGAACTTCGACGCATCCAACTTTAAAGACTTTAGCAGCATCGCGTCCGCAAGCTCTAGCTGGCAGAATCAATCTGGTAGCACCATGATTATCCAAGTGGACAGCTTTGGTAACGTCAGCGGTCAATATGTTAATCGTGCACAGGGTACGGGTTGTCAGAATTCTCCGTACCCGCTGACCGGTCGTGTTAACGGCACGTTCATCGCTTTCAGCGTCGGTTGGAACAATTCTACTGAAAATTGCAACAGCGCGACCGGTTGGACGGGCTATGCACAAGTGAATGGCAATAACACCGAAATCGTCACGTCCTGGAATCTGGCGTATGAGGGTGGCAGCGGTCCGGCTATTGAACAGGGCCAGGATACCTTCCAATACGTCCCTACGACCGAGAATAAGTCCCTTCTGAAAGAC
【0266】
配列番号32、融合タンパク質SP0785-SP1500-Rhaviをコードするコドン最適化核酸配列:
ATGTTTCGCCAACCGAGCCAGACTGCGTTGAAAGATGAGCCGACCCATCTGGTTGTTGCGAAAGAGGGCAGCGTGGCATCGAGCGTGCTGCTGAGCGGTACGGTTACTGCCAAAAACGAACAATACGTGTACTTCGATGCTAGCAAGGGTGATCTGGATGAAATTCTGGTGAGCGTGGGTGACAAAGTTAGCGAAGGCCAGGCACTGGTGAAGTATTCATCCTCCGAGGCACAGGCAGCGTACGACAGCGCAAGCCGCGCAGTGGCGCGTGCCGACCGTCACATTAACGAATTGAACCAAGCGCGTAACGAGGCCGCAAGCGCGCCAGCACCGCAGCTGCCGGCTCCGGTGGGTGGCGAAGATGCGACGGTGCAGAGCCCGACCCCGGTTGCGGGTAATTCGGTCGCCAGCATCGATGCGCAGCTGGGTGACGCGCGTGATGCCCGTGCGGATGCGGCTGCTCAACTGAGCAAGGCTCAGAGCCAACTGGACGCGACGACGGTGCTGAGCACCTTGGAGGGTACCGTTGTCGAAGTCAACAGCAATGTGAGCAAGAGCCCAACGGGTGCGAGCCAGGTTATGGTCCACATTGTGAGCAATGAAAACTTACAGGTCAAGGGTGAGCTGAGCGAGTATAACCTGGCGAATCTGAGCGTTGGTCAAGAGGTCAGCTTTACCAGCAAGGTCTACCCGGATAAGAAATGGACCGGCAAGTTGAGCTACATCAGCGACTACCCGAAGAACAATGGCGAGGCAGCCTCCCCGGCAGCCGGCAACAATACCGGCTCTAAGTATCCGTACACCATCGACGTAACCGGTGAGGTCGGCGACCTGAAACAGGGTTTTAGCGTGAATATCGAAGTGAAGTCCAAGACCAAGGCAATTTTGGTTCCGGTTAGCTCCCTGGTGATGGACGATAGCAAGAATTATGTGTGGATTGTCGACGAGCAACAGAAAGCGAAAAAAGTTGAAGTGAGCCTGGGCAATGCTGATGCCGAGAACCAAGAAATCACGTCTGGTCTGACCAACGGTGCGAAAGTTATTAGCAACCCGACCAGCAGCCTGGAAGAGGGTAAAGAGGTCAAAGCCGACGAAGCTACGAACACCAGCGGCGACAATTGGTCCAAATACCAGAGCAACAAGAGCATCACGATCGGCTTCGACAGCACTTTTGTGCCGATGGGTTTCGCGCAAAAAGACGGTAGCTACGCGGGTTTCGATATTGACCTGGCGACCGCTGTCTTTGAGAAATACGGCATTACGGTTAATTGGCAGCCGATTGATTGGGACCTGAAAGAGGCCGAACTCACCAAAGGCACCATCGACCTGATCTGGAATGGTTACTCCGCAACCGATGAGCGTCGCGAAAAAGTTGCCTTCAGCAACAGCTATATGAAGAATGAACAAGTGTTGGTAACCAAGAAATCTAGCGGCATTACGACCGCGAAAGACATGACCGGTAAGACGCTGGGTGCGCAGGCCGGTAGCTCTGGCTATGCGGATTTCGAGGCGAATCCTGAGATTCTGAAAAACATCGTTGCGAATAAAGAGGCGAACCAGTACCAGACCTTTAACGAAGCACTGATCGACCTGAAAAACGATCGCATTGACGGTCTGCTGATCGATCGTGTGTACGCGAACTATTATCTGGAAGCCGAGGGCGTTCTGAACGATTATAATGTTTTTACCGTGGGTCTGGAGACTGAGGCATTCGCGGTTGGTGCGCGCAAGGAAGATACCAACCTGGTTAAAAAGATTAATGAGGCATTTAGCTCACTGTACAAGGACGGCAAGTTCCAAGAAATTAGCCAGAAGTGGTTCGGTGAAGATGTTGCGACGAAAGAGGTTAAAGAGGGCCAATTCGACGCATCCAACTTTAAAGACTTTAGCAGCATCGCGTCCGCAAGCTCTAGCTGGCAGAATCAATCTGGTAGCACCATGATTATCCAAGTGGACAGCTTTGGTAACGTCAGCGGTCAATATGTTAATCGTGCACAGGGTACGGGTTGTCAGAATTCTCCGTACCCGCTGACCGGTCGTGTTAACGGCACGTTCATCGCTTTCAGCGTCGGTTGGAACAATTCTACTGAAAATTGCAACAGCGCGACCGGTTGGACGGGCTATGCACAAGTGAATGGCAATAACACCGAAATCGTCACGTCCTGGAATCTGGCGTATGAGGGTGGCAGCGGTCCGGCTATTGAACAGGGCCAGGATACCTTCCAATACGTCCCTACGACCGAGAATAAGTCCCTTCTGAAAGAC
【0267】
配列番号33、融合タンパク質CP1 Rhavi-リンカー(GGGGSSS)-SP1500-リンカー(AAA)-SP0785をコードするコドン最適化核酸配列:
ATGTTCGACGCATCCAACTTTAAAGACTTTAGCAGCATCGCGTCCGCAAGCTCTAGCTGGCAGAATCAATCTGGTAGCACCATGATTATCCAAGTGGACAGCTTTGGTAACGTCAGCGGTCAATATGTTAATCGTGCACAGGGTACGGGTTGTCAGAATTCTCCGTACCCGCTGACCGGTCGTGTTAACGGCACGTTCATCGCTTTCAGCGTCGGTTGGAACAATTCTACTGAAAATTGCAACAGCGCGACCGGTTGGACGGGCTATGCACAAGTGAATGGCAATAACACCGAAATCGTCACGTCCTGGAATCTGGCGTATGAGGGTGGCAGCGGTCCGGCTATTGAACAGGGCCAGGATACCTTCCAATACGTCCCTACGACCGAGAATAAGTCCCTTCTGAAAGACGGCGGTGGCGGTTCGAGCTCGACCAGCGGCGACAATTGGTCCAAATACCAGAGCAACAAGAGCATCACGATCGGCTTCGACAGCACTTTTGTGCCGATGGGTTTCGCGCAAAAAGACGGTAGCTACGCGGGTTTCGATATTGACCTGGCGACCGCTGTCTTTGAGAAATACGGCATTACGGTTAATTGGCAGCCGATTGATTGGGACCTGAAAGAGGCCGAACTCACCAAAGGCACCATCGACCTGATCTGGAATGGTTACTCCGCAACCGATGAGCGTCGCGAAAAAGTTGCCTTCAGCAACAGCTATATGAAGAATGAACAAGTGTTGGTAACCAAGAAATCTAGCGGCATTACGACCGCGAAAGACATGACCGGTAAGACGCTGGGTGCGCAGGCCGGTAGCTCTGGCTATGCGGATTTCGAGGCGAATCCTGAGATTCTGAAAAACATCGTTGCGAATAAAGAGGCGAACCAGTACCAGACCTTTAACGAAGCACTGATCGACCTGAAAAACGATCGCATTGACGGTCTGCTGATCGATCGTGTGTACGCGAACTATTATCTGGAAGCCGAGGGCGTTCTGAACGATTATAATGTTTTTACCGTGGGTCTGGAGACTGAGGCATTCGCGGTTGGTGCGCGCAAGGAAGATACCAACCTGGTTAAAAAGATTAATGAGGCATTTAGCTCACTGTACAAGGACGGCAAGTTCCAAGAAATTAGCCAGAAGTGGTTCGGTGAAGATGTTGCGACGAAAGAGGTTAAAGAGGGCCAAGCGGCCGCATTTCGCCAACCGAGCCAGACTGCGTTGAAAGATGAGCCGACCCATCTGGTTGTTGCGAAAGAGGGCAGCGTGGCATCGAGCGTGCTGCTGAGCGGTACGGTTACTGCCAAAAACGAACAATACGTGTACTTCGATGCTAGCAAGGGTGATCTGGATGAAATTCTGGTGAGCGTGGGTGACAAAGTTAGCGAAGGCCAGGCACTGGTGAAGTATTCATCCTCCGAGGCACAGGCAGCGTACGACAGCGCAAGCCGCGCAGTGGCGCGTGCCGACCGTCACATTAACGAATTGAACCAAGCGCGTAACGAGGCCGCAAGCGCGCCAGCACCGCAGCTGCCGGCTCCGGTGGGTGGCGAAGATGCGACGGTGCAGAGCCCGACCCCGGTTGCGGGTAATTCGGTCGCCAGCATCGATGCGCAGCTGGGTGACGCGCGTGATGCCCGTGCGGATGCGGCTGCTCAACTGAGCAAGGCTCAGAGCCAACTGGACGCGACGACGGTGCTGAGCACCTTGGAGGGTACCGTTGTCGAAGTCAACAGCAATGTGAGCAAGAGCCCAACGGGTGCGAGCCAGGTTATGGTCCACATTGTGAGCAATGAAAACTTACAGGTCAAGGGTGAGCTGAGCGAGTATAACCTGGCGAATCTGAGCGTTGGTCAAGAGGTCAGCTTTACCAGCAAGGTCTACCCGGATAAGAAATGGACCGGCAAGTTGAGCTACATCAGCGACTACCCGAAGAACAATGGCGAGGCAGCCTCCCCGGCAGCCGGCAACAATACCGGCTCTAAGTATCCGTACACCATCGACGTAACCGGTGAGGTCGGCGACCTGAAACAGGGTTTTAGCGTGAATATCGAAGTGAAGTCCAAGACCAAGGCAATTTTGGTTCCGGTTAGCTCCCTGGTGATGGACGATAGCAAGAATTATGTGTGGATTGTCGACGAGCAACAGAAAGCGAAAAAAGTTGAAGTGAGCCTGGGCAATGCTGATGCCGAGAACCAAGAAATCACGTCTGGTCTGACCAACGGTGCGAAAGTTATTAGCAACCCGACCAGCAGCCTGGAAGAGGGTAAAGAGGTCAAAGCCGACGAAGCTACGAAC
【0268】
配列番号34、融合タンパク質Rhavi-リンカー(GGGGSSS)-SP0785-リンカー(AAA)-SP1500をコードするコドン最適化核酸配列:
ATGTTCGACGCATCCAACTTTAAAGACTTTAGCAGCATCGCGTCCGCAAGCTCTAGCTGGCAGAATCAATCTGGTAGCACCATGATTATCCAAGTGGACAGCTTTGGTAACGTCAGCGGTCAATATGTTAATCGTGCACAGGGTACGGGTTGTCAGAATTCTCCGTACCCGCTGACCGGTCGTGTTAACGGCACGTTCATCGCTTTCAGCGTCGGTTGGAACAATTCTACTGAAAATTGCAACAGCGCGACCGGTTGGACGGGCTATGCACAAGTGAATGGCAATAACACCGAAATCGTCACGTCCTGGAATCTGGCGTATGAGGGTGGCAGCGGTCCGGCTATTGAACAGGGCCAGGATACCTTCCAATACGTCCCTACGACCGAGAATAAGTCCCTTCTGAAAGACGGCGGTGGCGGTTCGAGCTCGTTTCGCCAACCGAGCCAGACTGCGTTGAAAGATGAGCCGACCCATCTGGTTGTTGCGAAAGAGGGCAGCGTGGCATCGAGCGTGCTGCTGAGCGGTACGGTTACTGCCAAAAACGAACAATACGTGTACTTCGATGCTAGCAAGGGTGATCTGGATGAAATTCTGGTGAGCGTGGGTGACAAAGTTAGCGAAGGCCAGGCACTGGTGAAGTATTCATCCTCCGAGGCACAGGCAGCGTACGACAGCGCAAGCCGCGCAGTGGCGCGTGCCGACCGTCACATTAACGAATTGAACCAAGCGCGTAACGAGGCCGCAAGCGCGCCAGCACCGCAGCTGCCGGCTCCGGTGGGTGGCGAAGATGCGACGGTGCAGAGCCCGACCCCGGTTGCGGGTAATTCGGTCGCCAGCATCGATGCGCAGCTGGGTGACGCGCGTGATGCCCGTGCGGATGCGGCTGCTCAACTGAGCAAGGCTCAGAGCCAACTGGACGCGACGACGGTGCTGAGCACCTTGGAGGGTACCGTTGTCGAAGTCAACAGCAATGTGAGCAAGAGCCCAACGGGTGCGAGCCAGGTTATGGTCCACATTGTGAGCAATGAAAACTTACAGGTCAAGGGTGAGCTGAGCGAGTATAACCTGGCGAATCTGAGCGTTGGTCAAGAGGTCAGCTTTACCAGCAAGGTCTACCCGGATAAGAAATGGACCGGCAAGTTGAGCTACATCAGCGACTACCCGAAGAACAATGGCGAGGCAGCCTCCCCGGCAGCCGGCAACAATACCGGCTCTAAGTATCCGTACACCATCGACGTAACCGGTGAGGTCGGCGACCTGAAACAGGGTTTTAGCGTGAATATCGAAGTGAAGTCCAAGACCAAGGCAATTTTGGTTCCGGTTAGCTCCCTGGTGATGGACGATAGCAAGAATTATGTGTGGATTGTCGACGAGCAACAGAAAGCGAAAAAAGTTGAAGTGAGCCTGGGCAATGCTGATGCCGAGAACCAAGAAATCACGTCTGGTCTGACCAACGGTGCGAAAGTTATTAGCAACCCGACCAGCAGCCTGGAAGAGGGTAAAGAGGTCAAAGCCGACGAAGCTACGAACCGGCCGCAACCAGCGGCGACAATTGGTCCAAATACCAGAGCAACAAGAGCATCACGATCGGCTTCGACAGCACTTTTGTGCCGATGGGTTTCGCGCAAAAAGACGGTAGCTACGCGGGTTTCGATATTGACCTGGCGACCGCTGTCTTTGAGAAATACGGCATTACGGTTAATTGGCAGCCGATTGATTGGGACCTGAAAGAGGCCGAACTCACCAAAGGCACCATCGACCTGATCTGGAATGGTTACTCCGCAACCGATGAGCGTCGCGAAAAAGTTGCCTTCAGCAACAGCTATATGAAGAATGAACAAGTGTTGGTAACCAAGAAATCTAGCGGCATTACGACCGCGAAAGACATGACCGGTAAGACGCTGGGTGCGCAGGCCGGTAGCTCTGGCTATGCGGATTTCGAGGCGAATCCTGAGATTCTGAAAAACATCGTTGCGAATAAAGAGGCGAACCAGTACCAGACCTTTAACGAAGCACTGATCGACCTGAAAAACGATCGCATTGACGGTCTGCTGATCGATCGTGTGTACGCGAACTATTATCTGGAAGCCGAGGGCGTTCTGAACGATTATAATGTTTTTACCGTGGGTCTGGAGACTGAGGCATTCGCGGTTGGTGCGCGCAAGGAAGATACCAACCTGGTTAAAAAGATTAATGAGGCATTTAGCTCACTGTACAAGGACGGCAAGTTCCAAGAAATTAGCCAGAAGTGGTTCGGTGAAGATGTTGCGACGAAAGAGGTTAAAGAGGGCCAA
【0269】
配列番号35、融合タンパク質SP1500-リンカー(GGGGSSS)-SP0785-リンカー(AAA)-Rhaviをコードするコドン最適化核酸配列:
ATGACCAGCGGCGACAATTGGTCCAAATACCAGAGCAACAAGAGCATCACGATCGGCTTCGACAGCACTTTTGTGCCGATGGGTTTCGCGCAAAAAGACGGTAGCTACGCGGGTTTCGATATTGACCTGGCGACCGCTGTCTTTGAGAAATACGGCATTACGGTTAATTGGCAGCCGATTGATTGGGACCTGAAAGAGGCCGAACTCACCAAAGGCACCATCGACCTGATCTGGAATGGTTACTCCGCAACCGATGAGCGTCGCGAAAAAGTTGCCTTCAGCAACAGCTATATGAAGAATGAACAAGTGTTGGTAACCAAGAAATCTAGCGGCATTACGACCGCGAAAGACATGACCGGTAAGACGCTGGGTGCGCAGGCCGGTAGCTCTGGCTATGCGGATTTCGAGGCGAATCCTGAGATTCTGAAAAACATCGTTGCGAATAAAGAGGCGAACCAGTACCAGACCTTTAACGAAGCACTGATCGACCTGAAAAACGATCGCATTGACGGTCTGCTGATCGATCGTGTGTACGCGAACTATTATCTGGAAGCCGAGGGCGTTCTGAACGATTATAATGTTTTTACCGTGGGTCTGGAGACTGAGGCATTCGCGGTTGGTGCGCGCAAGGAAGATACCAACCTGGTTAAAAAGATTAATGAGGCATTTAGCTCACTGTACAAGGACGGCAAGTTCCAAGAAATTAGCCAGAAGTGGTTCGGTGAAGATGTTGCGACGAAAGAGGTTAAAGAGGGCCAAGGCGGTGGCGGTTCGAGCTCGTTTCGCCAACCGAGCCAGACTGCGTTGAAAGATGAGCCGACCCATCTGGTTGTTGCGAAAGAGGGCAGCGTGGCATCGAGCGTGCTGCTGAGCGGTACGGTTACTGCCAAAAACGAACAATACGTGTACTTCGATGCTAGCAAGGGTGATCTGGATGAAATTCTGGTGAGCGTGGGTGACAAAGTTAGCGAAGGCCAGGCACTGGTGAAGTATTCATCCTCCGAGGCACAGGCAGCGTACGACAGCGCAAGCCGCGCAGTGGCGCGTGCCGACCGTCACATTAACGAATTGAACCAAGCGCGTAACGAGGCCGCAAGCGCGCCAGCACCGCAGCTGCCGGCTCCGGTGGGTGGCGAAGATGCGACGGTGCAGAGCCCGACCCCGGTTGCGGGTAATTCGGTCGCCAGCATCGATGCGCAGCTGGGTGACGCGCGTGATGCCCGTGCGGATGCGGCTGCTCAACTGAGCAAGGCTCAGAGCCAACTGGACGCGACGACGGTGCTGAGCACCTTGGAGGGTACCGTTGTCGAAGTCAACAGCAATGTGAGCAAGAGCCCAACGGGTGCGAGCCAGGTTATGGTCCACATTGTGAGCAATGAAAACTTACAGGTCAAGGGTGAGCTGAGCGAGTATAACCTGGCGAATCTGAGCGTTGGTCAAGAGGTCAGCTTTACCAGCAAGGTCTACCCGGATAAGAAATGGACCGGCAAGTTGAGCTACATCAGCGACTACCCGAAGAACAATGGCGAGGCAGCCTCCCCGGCAGCCGGCAACAATACCGGCTCTAAGTATCCGTACACCATCGACGTAACCGGTGAGGTCGGCGACCTGAAACAGGGTTTTAGCGTGAATATCGAAGTGAAGTCCAAGACCAAGGCAATTTTGGTTCCGGTTAGCTCCCTGGTGATGGACGATAGCAAGAATTATGTGTGGATTGTCGACGAGCAACAGAAAGCGAAAAAAGTTGAAGTGAGCCTGGGCAATGCTGATGCCGAGAACCAAGAAATCACGTCTGGTCTGACCAACGGTGCGAAAGTTATTAGCAACCCGACCAGCAGCCTGGAAGAGGGTAAAGAGGTCAAAGCCGACGAAGCTACGAACCGGCCGCATTCGACGCATCCAACTTTAAAGACTTTAGCAGCATCGCGTCCGCAAGCTCTAGCTGGCAGAATCAATCTGGTAGCACCATGATTATCCAAGTGGACAGCTTTGGTAACGTCAGCGGTCAATATGTTAATCGTGCACAGGGTACGGGTTGTCAGAATTCTCCGTACCCGCTGACCGGTCGTGTTAACGGCACGTTCATCGCTTTCAGCGTCGGTTGGAACAATTCTACTGAAAATTGCAACAGCGCGACCGGTTGGACGGGCTATGCACAAGTGAATGGCAATAACACCGAAATCGTCACGTCCTGGAATCTGGCGTATGAGGGTGGCAGCGGTCCGGCTATTGAACAGGGCCAGGATACCTTCCAATACGTCCCTACGACCGAGAATAAGTCCCTTCTGAAAGAC
【0270】
配列番号36、融合タンパク質SP0785-リンカー(GGGGSSS)-SP1500-リンカー(AAA)-Rhaviをコードするコドン最適化核酸配列:
ATGTTTCGCCAACCGAGCCAGACTGCGTTGAAAGATGAGCCGACCCATCTGGTTGTTGCGAAAGAGGGCAGCGTGGCATCGAGCGTGCTGCTGAGCGGTACGGTTACTGCCAAAAACGAACAATACGTGTACTTCGATGCTAGCAAGGGTGATCTGGATGAAATTCTGGTGAGCGTGGGTGACAAAGTTAGCGAAGGCCAGGCACTGGTGAAGTATTCATCCTCCGAGGCACAGGCAGCGTACGACAGCGCAAGCCGCGCAGTGGCGCGTGCCGACCGTCACATTAACGAATTGAACCAAGCGCGTAACGAGGCCGCAAGCGCGCCAGCACCGCAGCTGCCGGCTCCGGTGGGTGGCGAAGATGCGACGGTGCAGAGCCCGACCCCGGTTGCGGGTAATTCGGTCGCCAGCATCGATGCGCAGCTGGGTGACGCGCGTGATGCCCGTGCGGATGCGGCTGCTCAACTGAGCAAGGCTCAGAGCCAACTGGACGCGACGACGGTGCTGAGCACCTTGGAGGGTACCGTTGTCGAAGTCAACAGCAATGTGAGCAAGAGCCCAACGGGTGCGAGCCAGGTTATGGTCCACATTGTGAGCAATGAAAACTTACAGGTCAAGGGTGAGCTGAGCGAGTATAACCTGGCGAATCTGAGCGTTGGTCAAGAGGTCAGCTTTACCAGCAAGGTCTACCCGGATAAGAAATGGACCGGCAAGTTGAGCTACATCAGCGACTACCCGAAGAACAATGGCGAGGCAGCCTCCCCGGCAGCCGGCAACAATACCGGCTCTAAGTATCCGTACACCATCGACGTAACCGGTGAGGTCGGCGACCTGAAACAGGGTTTTAGCGTGAATATCGAAGTGAAGTCCAAGACCAAGGCAATTTTGGTTCCGGTTAGCTCCCTGGTGATGGACGATAGCAAGAATTATGTGTGGATTGTCGACGAGCAACAGAAAGCGAAAAAAGTTGAAGTGAGCCTGGGCAATGCTGATGCCGAGAACCAAGAAATCACGTCTGGTCTGACCAACGGTGCGAAAGTTATTAGCAACCCGACCAGCAGCCTGGAAGAGGGTAAAGAGGTCAAAGCCGACGAAGCTACGAACGGCGGTGGCGGTTCGAGCTCGACCAGCGGCGACAATTGGTCCAAATACCAGAGCAACAAGAGCATCACGATCGGCTTCGACAGCACTTTTGTGCCGATGGGTTTCGCGCAAAAAGACGGTAGCTACGCGGGTTTCGATATTGACCTGGCGACCGCTGTCTTTGAGAAATACGGCATTACGGTTAATTGGCAGCCGATTGATTGGGACCTGAAAGAGGCCGAACTCACCAAAGGCACCATCGACCTGATCTGGAATGGTTACTCCGCAACCGATGAGCGTCGCGAAAAAGTTGCCTTCAGCAACAGCTATATGAAGAATGAACAAGTGTTGGTAACCAAGAAATCTAGCGGCATTACGACCGCGAAAGACATGACCGGTAAGACGCTGGGTGCGCAGGCCGGTAGCTCTGGCTATGCGGATTTCGAGGCGAATCCTGAGATTCTGAAAAACATCGTTGCGAATAAAGAGGCGAACCAGTACCAGACCTTTAACGAAGCACTGATCGACCTGAAAAACGATCGCATTGACGGTCTGCTGATCGATCGTGTGTACGCGAACTATTATCTGGAAGCCGAGGGCGTTCTGAACGATTATAATGTTTTTACCGTGGGTCTGGAGACTGAGGCATTCGCGGTTGGTGCGCGCAAGGAAGATACCAACCTGGTTAAAAAGATTAATGAGGCATTTAGCTCACTGTACAAGGACGGCAAGTTCCAAGAAATTAGCCAGAAGTGGTTCGGTGAAGATGTTGCGACGAAAGAGGTTAAAGAGGGCCAACGGCCGCATTCGACGCATCCAACTTTAAAGACTTTAGCAGCATCGCGTCCGCAAGCTCTAGCTGGCAGAATCAATCTGGTAGCACCATGATTATCCAAGTGGACAGCTTTGGTAACGTCAGCGGTCAATATGTTAATCGTGCACAGGGTACGGGTTGTCAGAATTCTCCGTACCCGCTGACCGGTCGTGTTAACGGCACGTTCATCGCTTTCAGCGTCGGTTGGAACAATTCTACTGAAAATTGCAACAGCGCGACCGGTTGGACGGGCTATGCACAAGTGAATGGCAATAACACCGAAATCGTCACGTCCTGGAATCTGGCGTATGAGGGTGGCAGCGGTCCGGCTATTGAACAGGGCCAGGATACCTTCCAATACGTCCCTACGACCGAGAATAAGTCCCTTCTGAAAGAC
【0271】
配列番号37、リンカー配列[7アミノ酸]:
GGGGSSS
【0272】
配列番号38、リンカー配列[3アミノ酸]:
AAA
【0273】
配列番号39、リンカー配列[5アミノ酸反復]:
(GGGGS)
【0274】
配列番号40、リンカー配列[6アミノ酸]:
GGGGGG
【0275】
配列番号41、リンカー配列[15アミノ酸]:
GGGGSGGGGSGGGGS
【0276】
配列番号42、リンカー配列[30アミノ酸]:
GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGS
【0277】
配列番号43、リンカー配列[18アミノ酸]:
KESGSVSSEQLAQFRSLD
【0278】
配列番号44、リンカー配列[14アミノ酸]:
EGKSSGSGSESKST
【0279】
配列番号45、リンカー配列:
(Gly)
【0280】
配列番号46、リンカー配列[8アミノ酸]:
GGGGGGGG
【0281】
配列番号47、リンカー配列[12アミノ酸]:
GSAGSAAGSGEF
【0282】
配列番号48、リンカー配列[5アミノ酸反復]:
(EAAAK)
【0283】
配列番号49、リンカー配列:
A(EAAAK)
【0284】
配列番号50、リンカー配列:
A(EAAAK)ALEA(EAAAK)
【0285】
配列番号51、リンカー配列:
[A(EAAAK)A]
【0286】
配列番号52、リンカー配列[12アミノ酸]:
AEAAAKEAAAKA
【0287】
配列番号53、リンカー配列[2アミノ酸反復]:
(XP)
【0288】
配列番号54、リンカー配列:
(AP)
【0289】
配列番号55、リンカー配列:
(KP)
【0290】
配列番号56、リンカー配列:
(QP)
【0291】
配列番号57、リンカー配列[14アミノ酸]:
APAPAPAPAPAPAP
【0292】
配列番号58、GAGリンカー配列[21アミノ酸]:
GAPGGGGGAAAAAGGGGGGAP
【0293】
配列番号59、GAG2リンカー配列[39アミノ酸]:
GAPGGGGGAAAAAGGGGGGAPGGGGGAAAAAGGGGGGAP
【0294】
配列番号60、GAG3リンカー配列[57アミノ酸]:
GAPGGGGGAAAAAGGGGGGAPGGGGGAAAAAGGGGGGAPGGGGGAAAAAGGGGGGAP
【0295】
参照文献
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WO2012/155007
WO2012/155053
US2009/0285846
【0296】
等価物
当業者は、単なる日常的な実験を使用して、本明細書に記載される本発明の特定の実施形態に対する多くの等価物を認識するか、または確認することができるであろう。本発明の範囲は、上記説明に限定されることを意図するものではなく、むしろ添付の特許請求の範囲に記載される通りである。
特定の実施形態では、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
(i)ビオチン結合部分、
(ii)SP1500ポリペプチドまたは断片、及び
(iii)SP0785ポリペプチドまたは断片
を含む、融合タンパク質。
(項目2)
(i)配列番号2と少なくとも80%、85%、90%同一であるアミノ酸配列を含むビオチン結合部分またはそのビオチン結合部、
(ii)配列番号7と少なくとも80%、85%、90%同一であるアミノ酸配列を含むポリペプチドまたはその抗原部、及び
(iii)配列番号4と少なくとも80%、85%、90%同一であるアミノ酸配列を含むポリペプチドまたはその抗原部
を含む、融合タンパク質。
(項目3)
(i)配列番号2と少なくとも80%、85%、90%同一であるアミノ酸配列を含むビオチン結合部分またはそのビオチン結合部、
(ii)配列番号7と少なくとも80%、85%、90%同一であるアミノ酸配列を含む第1のポリペプチドまたはその抗原部、
(iii)配列番号4と少なくとも80%、85%、90%同一であるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドまたはその抗原部、ならびに
(iv)前記ビオチン結合部分と前記第1のポリペプチドとの間に配置された第1のリンカー及び/または前記第1のポリペプチドと前記第2のポリペプチドとの間に配置された第2のリンカー
を含む、融合タンパク質。
(項目4)
前記第1のリンカーが、アミノ酸配列GGGGSSSを含む、項目3に記載の融合タンパク質。
(項目5)
前記第2のリンカーが、アミノ酸配列AAAを含む、項目3または4に記載の融合タンパク質。
(項目6)
前記ビオチン結合部分が、前記第1のポリペプチドにC末端で連結している、項目1~5のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
(項目7)
前記ビオチン結合部分が、前記第1のポリペプチドにN末端で連結している、項目1~5のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
(項目8)
前記第1のポリペプチドが、前記第2のポリペプチドにC末端で連結している、項目1~7のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
(項目9)
前記第1のポリペプチドが、前記第2のポリペプチドにN末端で連結している、項目1~7のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
(項目10)
前記第2のポリペプチドが、前記ビオチン結合部分にC末端で連結している、項目1~9のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
(項目11)
前記第2のポリペプチドが、前記ビオチン結合部分にN末端で連結している、項目1~9のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
(項目12)
配列番号2のアミノ酸配列を含む、項目1~11のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
(項目13)
配列番号7のアミノ酸配列を含む、項目1~12のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
(項目14)
配列番号4のアミノ酸配列を含む、項目1~13のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
(項目15)
配列番号23と少なくとも80%、85%、90%同一であるアミノ酸配列を含む、項目1~14のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
(項目16)
前記融合タンパク質が、CP1である、項目1~15のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7-1】
図7-2】
図8
図9
図10
図11
【配列表】
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