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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-08
(45)【発行日】2024-08-19
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20240809BHJP
【FI】
A63F5/04 611A
A63F5/04 652
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2022184403
(22)【出願日】2022-11-17
(65)【公開番号】P2024073286
(43)【公開日】2024-05-29
【審査請求日】2023-12-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390031772
【氏名又は名称】株式会社オリンピア
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100206612
【弁理士】
【氏名又は名称】新田 修博
(74)【代理人】
【識別番号】100209749
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 和輝
(74)【代理人】
【識別番号】100217755
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 淳史
(72)【発明者】
【氏名】川田 亨
(72)【発明者】
【氏名】位田 雄祐
【審査官】木村 隆一
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-179119(JP,A)
【文献】特開2011-250898(JP,A)
【文献】特開2020-031853(JP,A)
【文献】特開2019-076491(JP,A)
【文献】特開2020-096698(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スタートレバーと、
複数のリールと、
前記複数のリールのそれぞれに対応するストップボタンと、
遊技の進行を制御する制御手段と、
エラーを報知可能な報知手段と、を備え、
前記制御手段は、前記スタートレバーが操作されたことに基づき、遊技の進行に係る処理を特定期間停止させる処理を実行することが可能であり、当該処理の開始とともに前記特定期間を管理する計時手段による計時を開始し、
前記制御手段は、前記特定期間に、前記複数のリールを特定の態様で回転させる演出を実行し、前記ストップボタンが操作されたことに基づき前記演出に係る前記リールの回転を停止させることが可能であり、
前記制御手段は、前記演出に係る前記リールの回転中に所定のエラーが検出された場合であっても前記リールの回転を継続させ、
前記報知手段は、前記所定のエラーの検出に基づき当該エラーを報知し、
前記制御手段は、当該エラーが報知されている間、前記ストップボタンが操作された場合であっても前記演出に係る前記リールの回転を停止させず、
前記制御手段は、当該エラーが報知されている間、前記計時手段による計時を継続する、遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機として、遊技球(遊技価値)が移動する遊技領域や、遊技球を遊技領域に発射する発射装置等を備えた、パチンコ遊技機が知られている。パチンコ遊技機は、遊技領域に設けられた始動口を備え、始動口への遊技球の進入が検出されると、特別図柄抽選が行われる。特別図柄抽選の結果が大当たりである場合、遊技状態が特別遊技状態に移行し、特別遊技状態において複数回の特別遊技が実行される。各特別遊技では遊技領域に設けられている大入賞口が開状態に動作し、大入賞口への遊技球の進入に基づいて遊技球が払い出される。
【0003】
また、遊技機として、外周面に複数の図柄が配列された複数のリール、スタートレバーおよびストップボタン等を備えた、スロットマシンが知られている。スロットマシンでは、遊技開始操作に基づきリールの回転が開始するとともに、抽選テーブルを用いた内部抽選が行われる。各リールが停止したときに内部抽選に当選した当選役に対応する図柄組合せが表示され、当選役が入賞となると、入賞した当選役に対応する処理として、例えば、メダル(遊技価値)を払い出すメダル払出処理や、メダルを新たに消費することなく再度の遊技を可能とする再遊技処理等が行われる。
【0004】
このような遊技機には、フリーズが実行されるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2022-126498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、遊技機では、品質を向上させることが求められている。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、品質が向上した遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明に係る遊技機は、
複数のリール(例えばリール20a~20c)と、
前記複数のリールのそれぞれに対応するストップボタン(例えばストップボタン26a~26c)と、
遊技の進行を制御する制御手段(例えばメイン制御基板31)と、
エラーを報知可能な報知手段(例えば第1メイン表示器17a)と、を備え、
前記制御手段は、遊技の進行に係る処理を特定期間停止させる処理を実行可能であり、
前記特定期間にエラーが検出された場合、
前記報知手段は、当該エラーを報知可能であり、
前記制御手段は、当該エラーが報知されている間、前記特定期間を管理する計時手段の更新は継続する。
【0009】
このような構成によれば、特定期間であっても、エラーが検出された場合には、エラーを報知できる。また、仮に、当該エラーが報知されている間、計時手段の更新が停止(中断)されるようにした場合、例えば、中断した時点の計時手段の値を記憶させ、エラーの解除に基づき中断した時点から更新を再開させる等の処理を設けることが考えられるが、その場合、処理が複雑となり、それに起因して不具合が生じる可能性が高まる。本発明によれば、特定期間にエラーが発生し、当該エラーを報知している間であっても、特定期間を管理する計時手段の更新が継続される。このため、処理を簡略化し、当該更新を中断・再開させるようにして処理が複雑になることに起因する不具合の発生を抑制し、遊技機の品質を向上させることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、品質が向上した遊技機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、正面側から見た斜視図である。
図2】同、筐体内部の構成を示す斜視図である。
図3】同、受皿とキャンセルシュートについて説明するための図であり、(a)は受皿とキャンセルシュートを近接させた状態を示し、(b)は受皿とキャンセルシュートを離間させた状態を示す。
図4】同、キャンセルシュートについて説明するための図であり、(a)はキャンセルシュートを前方から見たもので、(b)はキャンセルシュートを後方から見たものである。
図5】同、ホッパーユニットを前方から見た図である。
図6】同、下扉の背面を示す斜視図である。
図7】同、キャンセルシュートについて説明するための図であり、(a)はキャンセルシュートを上方から見た図であり、(b)はキャンセルシュートを左側方から見た図である。
図8】同、キャンセルシュートについて説明するための図であり、(a)はキャンセルシュートの前部材を透視した状態を示し、(b)はキャンセルシュートの後部材のみを示す。
図9】同、キャンセルシュートについて説明するための図であり、第1仮想直線を示す。
図10】同、キャンセルシュートについて説明するための図であり、第2仮想直線を示す。
図11】同、キャンセルシュートについて説明するための図であり、第3仮想直線を示す。
図12】同、キャンセルシュートについて説明するための図であり、第1仮想直線の一端を示す。
図13】同、キャンセルシュートについて説明するための図であり、第1仮想直線の他端を示す。
図14】本発明の第2の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、その斜視図である。
図15】同、リールの図柄配列を示す図である。
図16】同、遊技機の概略的な構成を示すブロック図である。
図17】同、内部抽選テーブルを説明するための図である。
図18】同、各当選エリアの当選時における停止操作の態様と入賞役との関係を説明するための図である。
図19】同、入賞役と図柄組合せとの関係を説明するための図である。
図20】同、入賞役と図柄組合せとの関係を説明するための図である。
図21】同、遊技状態の状態遷移図である。
図22】同、遊技区間および演出状態の状態遷移図である。
図23】同、エラーについて説明するための図である。
図24】同、本発明を適用可能な別の遊技機を示す図である。
図25】同、メイン処理ついて説明するための図である。
図26】同、疑似遊技管理処理を示すフローチャートである。
図27】同、変形例に係る疑似遊技管理処理を示すフローチャートである。
図28】同、液晶ディスプレイの変形例について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下では遊技機の1つであるスロットマシンについて説明するが、本発明に係る遊技機は、スロットマシンに限ることなく、パチンコ遊技機やメダルレス遊技機等の遊技機であってもよい。
また、以下の説明においては、基本的に「前後」とは、スロットマシンの前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、スロットマシン側が「後」を意味し、「上下」とはスロットマシンの上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とはスロットマシンを遊技する遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各構成の自由な組み合わせ、あるいは各構成の任意の変形、もしくは各構成の省略が可能である。
【0013】
図1は、スロットマシン100を示す斜視図である。また、図2は、スロットマシン100の筐体1の内部を示す斜視図である。このスロットマシン100は、筐体(遊技機筐体)1を備えている。また、筐体1は、天板2、背板3、底板4および左右の側板5,6を備え、当該筐体1の前面側に開口する前面開口部を有する箱形に形成されている。なお、背板3は、天板2、底板4および左右の側板5,6よりも板厚が薄くなっていてもよい。
【0014】
以下では、天板2の下面、背板3の前面、底板4の上面、左側の側板5の右面および右側の側板6の左面、すなわち天板2、背板3、底板4、側板5または側板6における筐体1の内側を向く板面を「内面」と呼ぶことがある。また、天板2の上面、背板3の背面、底板4の下面、左側の側板5の左面および右側の側板6の右面、すなわち天板2、背板3、底板4、側板5または側板6における筐体1の外側を向く板面を「外面」と呼ぶことがある。筐体1は、木製、合成樹脂製、または金属製等となっている。また、筐体1の材料は1種類に限らず、例えば一部(天板2)が木製であり、その他(背板3、底板4および左右の側板5,6)が樹脂製となっていてもよい。また、例えば天板2が2種類の材料(樹脂と金属)で構成されていてもよい。
【0015】
筐体1の正面側には、筐体1の前面開口部を開閉可能に閉塞する前扉20が設けられている。前扉20は、筐体1にヒンジ29を介して回動可能に連結されており、筐体1の開口部を開閉するようになっている。なお、前扉20は、上側部分(上扉)と下側部分(下扉)とで分かれている等、複数の扉に分かれているものであってもよい。また、スロットマシン100は、遊技場における機種の交換時に筐体1、前扉20の下側部分および筐体1内の電源ユニット10やホッパーユニット11等が遊技場の島設備に取り付けられたままで、前扉20の上側部分およびリールユニット14等が交換可能な、いわゆる分離型筐体タイプのものであってもよい。前扉20が、上扉と下扉とに分割されている場合、上扉および下扉はそれぞれ筐体1に対して開閉自在となっている。すなわち、上扉は、ヒンジ29を介して回動可能に連結され、筐体1の開口上部を開閉するようになっている。また、下扉は、ヒンジ29を介して回動可能に連結され、筐体1の開口下部を開閉するようになっている。
【0016】
前扉20の上部側には、平板状のパネル21が設けられている。パネル21の背面(奥側)には演出装置としての表示装置(表示手段、液晶ディスプレイ)が設けられている。液晶ディスプレイには、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像(演出画像)が表示される。
【0017】
また、前扉20の中央部には、透明な表示窓(窓部)22が設けられている。表示窓22の奥には、3個のリール15a~15c(図2参照)が横一列に設けられている。そして、表示窓22を介してリール15a~15cの一部が視認可能となっている。各リール15a~15cの外周面には、複数種類の図柄が周方向に沿って一列に配列されており、リール15a~15cが停止すると、表示窓22を介して1リール当たり3個の連続する図柄(上段図柄、中段図柄および下段図柄)が表示される。また、表示窓22には、リール15a~15cの図柄を視認するための表示位置として、上段、中段、下段が設けられており、リール15a~15cの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。本実施形態の遊技機では、第1リール15aの中段と、第2リール15bの中段と、第3リール15cの中段と、によって有効ラインが構成されている。
【0018】
本実施形態の遊技機では、1回の遊技に関して必要なメダルの数(規定枚数)が「3」に設定されており、規定枚数のメダルが投入されると、有効ラインが有効化されるようになっている。3個のリール15a~15cが停止したときに、表示窓22を介して表示される図柄の組合せによって当選役が入賞したか否かが表示される。スロットマシン100では、遊技開始に伴ってリール15a~15cが回転を開始するとともに、内部抽選が実行され、当選役のいずれかの当選またはハズレ(不当選)が決定される。そして、リール15a~15cが停止したときに、内部抽選で当選した当選役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されると、この当選役が入賞となり、入賞した当選役に対応する処理(入賞処理)が実行される。
【0019】
前扉20には、演出(報知)等を行う演出装置としての照明装置(照明手段)24,25、スピーカ(音出力手段)等が設けられている。照明装置24は、前扉20のパネル21の上部側に設けられている。また、照明装置25,25は、前扉20の左右両端部に設けられている。これらの照明装置24,25を含む、発光性または非発光性の立体的形状を有する装飾部材26が前扉20の所定部分に設けられ、遊技機の前面側の外形は凹凸を有するものとなっている。すなわち装飾部材26によって、遊技機が装飾されている。
【0020】
スピーカ(図示せず)は、前扉20に複数設けられ、例えば上部および下部に設けられている。スピーカは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種演出用の音(音楽、BGM、効果音、音声等)を出力する。なお、演出装置として、液晶ディスプレイ、照明装置24,25およびスピーカの他に、アクチュエータ等で動作可能な可動役物等が設けられていてもよい。
【0021】
前扉20の上下方向中央部には、スロットマシン100を操作するための操作部30が設けられている。この操作部30には、メダル(遊技メダル、遊技媒体、遊技価値)を精算する際に操作される精算ボタン60、遊技を開始させる際に操作されるスタートレバー32、3個のリール15a~15cのそれぞれの回転を停止させる際に操作されるストップボタン33(3個のストップボタン33a,33b,33c)、メダルを投入するためのメダル投入口34、メダル投入口34の下方で発生したメダル詰まりを解消する際に操作されるリジェクトボタン70、クレジットされたメダルをベット(投資)する際に操作される(最大の賭数を設定する際に操作される)MAXベットボタン35(ベットボタン)、等が設けられている。なお、ベットボタンとして、3枚(規定枚数)のメダルをベットする際に操作されるMAXベットボタン35(第1ベットボタン)の他に、1枚のメダルをベットする際に操作される1ベットボタン(第2ベットボタン)が設けられていてもよい。また、前扉20には、演出を進行させる(演出の態様を変化させる)際等に操作される演出ボタン36(演出操作部)が設けられている。
【0022】
また、操作部30には、遊技の演出等を選択する際に操作される操作盤57や、遊技情報が表示される表示ユニット58等が設けられている。操作盤57は操作部30の幅方向(左右方向)の略中央部に設けられており、表示ユニット58は、メダル投入口34の右側に設けられている。なお、操作盤57は、例えば、十字キー、決定ボタンおよびキャンセルボタン等を備えている。
【0023】
また、前扉20の下部には、スロットマシン100の内部よりメダルを排出する(送り出す)ための払出口50と、払出口50から排出された(払い出された)メダルを溜めておくことが可能な受皿38と、が設けられている。また、操作部30と受皿38との間には遊技機の外観を装飾するための下パネル39が設けられている。この下パネル39の背面側には、照明用の光源(LED)が設けられており、この光源からの光によって下パネル39が背後から照らされるようになっている。なお、下パネル39は、押し込み可能に形成され、演出ボタンと同等の機能を有する演出操作部となっていてもよい。
【0024】
図2に示すように、筐体1の内部には、リールユニット14が設けられている。リールユニット14は、周囲に複数の図柄を表示した3個のリール15a,15b,15cや、リール15a~15cを回転させるための駆動モータ(ステッピングモータ)等を備えている。なお、各リールは、各ステッピングモータの出力軸に固定されている。
【0025】
また、筐体1の内部における、底板4の上面には、各部品に電力を供給する電源ユニット(電源手段)10、メダルを貯蔵するとともにメダルを払い出す払い出し装置としてのホッパーユニット(メダル払出装置11)11(払出装置)、メダル払出装置11に貯蔵されたメダルが一定量に達した際に余剰メダルが送り出されるキャッシュボックス12等が設けられている。なお、筐体1の内部(内側)に電源ユニット10等の部品が配置されたものを、裏箱ユニットと称してもよい。電源ユニット10は、電源スイッチを備えており、電源スイッチがON状態になると、電源ユニット10から各部品に電力が供給される。なお、一部の部品には、電源ユニット10がOFF状態でも電力が供給されるようになっていてもよい。
【0026】
前扉20には、ドアキーシリンダ66が設けられており、ドアキーをドアキーシリンダ66に挿入して前扉20を解錠することができるようになっている。具体的には、ドアキーシリンダ66に挿入されたドアキーを初期位置から時計回りに回転させる(捻る)ことにより、前扉20の解錠が行えるようになっている。また、ドアキーシリンダ66に挿入されたドアキーを初期位置から反時計回りに回転させる(捻る)ことにより、エラーの解除操作が行えるようになっている。
【0027】
スロットマシン100は、メダル投入口34にメダルが投入されると、規定枚数(規定投入数)を限度として、投入されたメダルが投入状態に設定される。また、スロットマシン100は、最大で50枚分のメダルをクレジット記憶(貯留記憶)することが可能となっており、メダルがクレジット記憶された状態でMAXベットボタン35が操作されると、規定枚数を限度として、クレジット記憶されたメダルが投入状態に設定される。
【0028】
スロットマシン100では、メダル投入口34を介してメダルが投入され、またはMAXベットボタン35が操作されて規定枚数のメダルがベットされると、スタートレバー32の操作が有効化され、遊技を開始することが可能な状態となる。また、有効化されたスタートレバー32が操作されると遊技が開始される。遊技が開始されると、各リールが回転を開始し、各リールの回転速度が一定速度に到達して定常回転となるとストップボタン33の操作が有効化される。また、有効化されたストップボタン33が操作されると、操作されたストップボタン33に対応するリールの回転が停止する。すべてのリールが停止すると、遊技の結果に応じてメダルを払い出す処理やメダルを新たに消費することなく再度遊技を開始可能な状態とする処理等が行なわれ、1回の遊技が終了する。
【0029】
スロットマシン100の内部には、主制御基板(主制御手段)と、副制御基板(副制御手段)と、が設けられている。副制御基板は、前扉20の背面側に設けられていてもよい。主制御基板は、MAXベットボタン35、スタートレバー32、ストップボタン33等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット14や、ホッパーユニット11等の出力手段の制御を行う。また、副制御基板は、主制御基板から送られてくる信号(情報)を受けて、演出を実行するための各種演算を行い、演算結果に基づいて液晶ディスプレイおよびスピーカ等の各種演出装置の制御を行う。
【0030】
また、主制御基板と副制御基板とは電気的に接続されており、主制御基板から副制御基板へは遊技状態を示す情報など各種情報(信号)の送信が可能となっているが、副制御基板から主制御基板へは情報を送信できないようになっている。また、主制御基板や副制御基板等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSP等)、IC、あるいはROMやRAM等の情報記憶媒体等のハードウェアや、ROM等に予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0031】
主制御基板には、設定変更キーシリンダ(図示せず)や設定変更ボタン(図示せず)等が設けられている。なお、設定変更キーシリンダや設定変更ボタンは、例えば、電源ユニット10に設けられていてもよい。
【0032】
図1で示したように、前扉20の下部には、受皿38と、払出口50と、が設けられている。また、図3(a)に示すように、受皿38の後方側にはキャンセルシュート40が設けられている。図示を省略するが、キャンセルシュート40の後方側(背面側)に、ホッパーユニット11(図2)が配置されている。
【0033】
図3(b)は、受皿38とキャンセルシュート40を離間させた状態を示す図である。受皿38は、左右方向に長尺な略四角形状(略長方形状)の皿状に形成されている。受皿38は、底部381と、底部381を囲むように起立して形成された(立設された)縁部(壁部)382と、後方側の縁部382に形成された払出口50と、を主に備えている。なお、本実施形態では、受皿38は、メダル等を収容可能な凹状の収容部383を備えているが、収容部383は設けられていなくてもよい。換言すると、収容部383が設けられておらず、底部381がより大きく確保されていてもよい。
【0034】
縁部382は、払出口50から払い出されたメダルが受皿38からこぼれ落ちるのを防ぐ機能を有している。縁部382は、底部381の前側に設けられている前側縁部(前壁部382a)と、底部381の右側に設けられている右側縁部と、底部381の左側に設けられている左側縁部と、底部381の後ろ側に設けられている後側縁部と、からなっている。本実施形態では、前側縁部の高さ(底部381からの高さ)が最も低くなっているが、その高さは、メダルの直径以上の寸法となっている。
【0035】
キャンセルシュート40は、内側(内部)に空間を有するように形成されており、内側をメダルが通過可能となっている。キャンセルシュート40は、内部に侵入したメダルを受皿38に導くメダル通路(案内通路)として機能する。本実施形態では、キャンセルシュート40を「メダル通路」と言う場合がある。キャンセルシュート40は、複数の開口部(後述する)を備えている。換言すると、キャンセルシュート40は、メダルの入口部と出口部とを備えている。本実施形態では、キャンセルシュート40は、第1部材(前部材)と第2部材(後部材)とを前後から合わせて2部材で構成されているが、これに限らず1部材で構成されていてもよく、2部材以上の部材で構成されていてもよい。
【0036】
メダル通路(すなわちキャンセルシュート40)は、通路内でのメダル詰まりを防止する観点から、メダルをスムーズに流下(通過)可能に形成することが求められている。しかし、メダル詰まりを防止するため、メダル通路を、メダルのスムーズな流下を優先し過ぎた形状としてしまうと、後方に位置するホッパーユニット11等に対する不正行為を行いやすくなるという問題が生じる(不正対策性能が低下する)。また、不正対策性能を向上させるため、メダル通路の形状を複雑な形状とした場合には、メダルのスムーズな流下が実現されにくいものとなり、さらに、複雑な形状となる分、前扉20への他の部材の設置(配置)の妨げとなる(他の部材の設置スペースを圧迫する)という問題が生じる。
【0037】
本実施形態では、メダルのスムーズな流下の実現と、不正対策性能の向上と、他部材の設置の妨げの抑制と、をバランスよく達成(実現)することが可能なメダル通路の形状について説明する。
【0038】
(第2開口部402)
図3(b)に示すように、キャンセルシュート40の前方側下部には、前後方向に開口する第2開口部402(受皿側開口部)が設けられている。図4(a)は、キャンセルシュート40を前方側から見た図である。第2開口部402は、前方から見て略四角形状となっている。図3(a)に示すように、第2開口部402は、受皿38の払出口50と接している。なお、接しているとは、近接している場合と当接している場合とを含む。第2開口部402は、払出口50に対応(対向)する位置に設けられている。前後方向において、第2開口部402と払出口50とが重なるように形成されていると言うこともできる。第2開口部402は、キャンセルシュート40からのメダルの出口部となっている。
【0039】
キャンセルシュート40は、前後方向において、受皿38とメダル払出装置11(図2)との間に設けられており、メダル払出装置11から送り出されたメダルを受皿38へ導くことが可能となっている(詳細は後述する)。
【0040】
図5は、メダル払出装置11(ホッパー)を前方側から見た図である。メダル払出装置11の前方側(前面側)には、メダル払い出し部111(払出部、発射口部)が設けられている。メダル払い出し部111は、メダルを通過させることが可能に形成されており、例えば、小役が入賞した場合や、クレジットされたメダルが存在する状態で精算ボタン60が押下された場合等に、メダル払い出し部111からメダルが送り出される(発射される)。メダル払い出し部111の開口は、略長方形状となっており、前方から見た場合に、斜め右下がりとなっている。
【0041】
メダル払い出し部111の周辺には周辺壁部112が設けられている。周辺壁部112は、メダル払出装置11の前面のうち、メダル払い出し部111の周辺の所定範囲の部分(壁部分)となっている。所定範囲とは、少なくとも、次に説明する第1開口部401(第1開口部401の開口面積)と対向する範囲を含む範囲(例えば、図5における破線Qの内側の範囲)となっている。周辺壁部112は、前後方向に対して垂直または略垂直な面となっている。
【0042】
(第1開口部401)
図4(b)は、キャンセルシュート40を後方側(背面側)から見た図である。キャンセルシュート40の後方側には、前後方向に開口する第1開口部401(ホッパー側開口部)が設けられている。第1開口部401は、略長方形状となっており、後方から見た場合には左下がり(前方から見た場合には右下がり)となっている。第1開口部401は、前扉20を閉じた状態で、メダル払出装置11のメダル払い出し部111と接している。なお、接しているとは、近接している場合と当接している場合とを含む。
【0043】
前扉20を閉じた状態で、第1開口部401とメダル払い出し部111とは互いに向かい合った状態となる。開口の大きさは、第1開口部401の方が、メダル払い出し部111(の開口)よりも大きくなっている。第1開口部401は、メダル払い出し部111に対応(対向)する位置に設けられている。前後方向において、第1開口部401とメダル払い出し部111とが重なるように形成されていると言うこともできる。第1開口部401は、キャンセルシュート40へのメダルの入口部(第1の入口部)となっている。
【0044】
図6は、前扉20(下扉)を背面側から見た図である。前扉20におけるメダル投入口34(図1)の下方には、メダルセレクタ(セレクタ)90が設けられている。メダルセレクタ90は、キャンセルシュート40よりも上方に設けられている。メダルセレクタ90は、メダル投入口34から投入されたメダルを選別する機能を有している。例えば、投入されたメダルが正規のメダルではない場合や、メダルの投入タイミングが適切なタイミングでない場合等に、メダルセレクタ90は、投入されたメダルを下方のキャンセルシュート40へ導く(下方のキャンセルシュート40に向けてメダルを落下させる)。
【0045】
(第3開口部403)
図7(a)は、キャンセルシュート40を上方から見た図である。キャンセルシュート40の上方側(上方の右側)には、第3開口部403(セレクタ側開口部)が設けられている。第3開口部403は、上下方向に開口している。第3開口部403は、メダルセレクタ90の下端部と接している。なお、接しているとは、近接している場合と当接している場合とを含む。第3開口部403は、略四角形状となっている。第3開口部403は、キャンセルシュート40へのメダルの入口部(第2の入口部)となっている。
【0046】
(各開口部の位置関係)
図7(b)は、キャンセルシュート40を左側から見た図(左側面図)である。第1開口部401と第2開口部402とは、上下方向において、異なる高さ(ずれた高さ)に設けられている。第1開口部401は、第2開口部402よりも上方に設けられている。
第3開口部403と第2開口部402とは、上下方向において、異なる高さに設けられている。第3開口部403は、第2開口部402よりも上方に設けられている。
第1開口部401と第3開口部403とは、上下方向において、異なる高さに設けられている。第3開口部403は、第1開口部401よりも上方に設けられている。
【0047】
メダル払出装置11のメダル払い出し部111から発射されたメダルは、第1開口部401を介してキャンセルシュート40(メダル通路)の内部に入る。そして、キャンセルシュート40は、第1開口部401から内部へ侵入したメダルを、前方へ導く(案内する)。第1開口部401からキャンセルシュート40の内部に入ったメダルは、キャンセルシュート40の内部を通過(流下、スライド)して進み、第2開口部402からキャンセルシュート40の外に出るようになっている。
【0048】
また、メダルセレクタ90から送り出された(メダルセレクタ90を通過した)メダルは、第3開口部403を介してキャンセルシュート40の内部に入る。そして、キャンセルシュート40は、第3開口部403から内部へ侵入したメダルを、下方へ導く(案内する)。第3開口部403からキャンセルシュート40の内部に入ったメダルは、キャンセルシュート40の内部を通過して進み、第2開口部402からキャンセルシュート40の外に出るようになっている。
【0049】
図8(a)は、キャンセルシュート40を前方から見た図であって、キャンセルシュート40の前方側を構成する部材を透視(透明化)したものである。第1開口部401と第2開口部402とは、左右方向において、異なる位置(ずれた位置)に設けられている。第1開口部401は、第2開口部402よりも左側に設けられている。また、第3開口部403と第2開口部402とは、左右方向において、異なる位置(ずれた位置)に設けられている。第3開口部403は、第2開口部402よりも右側に設けられている。また、第1開口部401と第3開口部403とは、左右方向において、異なる位置(ずれた位置)に設けられている。
【0050】
本実施形態では、第1開口部401の左端は、第2開口部402の左端よりも左側に位置しているが、第1開口部401の右端は、第2開口部402の左端と第2開口部402の右端との間に位置している。第1開口部401と第2開口部402とは、前方から見た場合における、左右方向のずれ量が比較的小さいが、上下方向(高さ方向)のずれ量が比較的大きいため、前方から見た場合に、重複する範囲(重なる部分)が存在していない。本実施形態では、第1開口部401と第2開口部402は、前方から見て重ならない位置に設けられている。
【0051】
第3開口部403の左端は、第2開口部402の右端よりも右側に設けられている。第3開口部403と第2開口部402とは、左右方向および上下方向(高さ方向)のずれ量が比較的大きく、前方から見た場合に重複する範囲(重なる部分)が存在しない。なお、第3開口部403と第2開口部402とは、開口方向(開口の向き)が異なっている。本実施形態では、第3開口部403と第2開口部402は、前方から見て重ならない位置に設けられている。
【0052】
第1開口部401と第3開口部403とは、左右方向および上下方向(高さ方向)のずれ量が比較的大きく、前方から見た場合に重複する範囲(重なる部分)が存在しない。なお、第1開口部401と第3開口部403とは、開口方向(開口の向き)が異なっている。本実施形態では、第1開口部401と第3開口部403は、前方から見て重ならない位置に設けられている。
【0053】
図8(b)は、キャンセルシュート40の後方側を構成する部材(のみ)を示す図である。キャンセルシュート40の内側の面(メダル通路を構成している面)には、第1傾斜面411と、第2傾斜面412と、第3傾斜面413と、が含まれる。
【0054】
第1傾斜面411は、左右方向において、右側ほど下方となるように傾斜する面(右下がりの傾斜面)となっている。第1傾斜面411は、第1開口部401から入ったメダルと接触し得るように形成されており、メダルが接触した場合には、そのメダルを右下(第2傾斜面412)に導く。
【0055】
第3傾斜面413は、左右方向において、左側に向かうほど下方となるように傾斜する面(左下がりの傾斜面)となっている。第3傾斜面413は、第3開口部403から入ったメダルと接触し得るように形成されており、メダルが接触した場合には、そのメダルを左下(第2傾斜面412)に導く。
【0056】
第2傾斜面412は、第1傾斜面411および第3傾斜面413よりも下方に設けられている。第2傾斜面412は、前後方向において、前側ほど下方となるように傾斜する面となっている。なお、本実施形態では、第2傾斜面412は、勾配(傾き)が異なる2つの斜面からなり、手前側の斜面の方が後方側の斜面よりも傾斜(水平面に対する傾斜)が大きくなっている。
【0057】
第2傾斜面412は、上方から落下してきたメダルと接触し得るように形成されており、接触したメダルを前方側(すなわち第2開口部402)へ導く。第2傾斜面412は、第2開口部402へ続くように形成されており、斜面を下って第2開口部402に到達したメダルは、第2開口部402から外(すなわち受皿38)へ排出される。
【0058】
ここで、第1開口部401から第2開口部402に至る(第1開口部401と第2開口部402を結ぶ)メダル通路を第1通路F1とし、第3開口部403から第2開口部402に至る(第3開口部403と第2開口部402とを結ぶ)メダル通路を第2通路F2とする。
【0059】
第1通路F1は、メダルが進む方向(進行方向)を変更させることが可能な形状を有している。第1通路F1は、少なくとも1つの曲がり部(屈曲部)を有していると言うこともできる。換言すると、第1通路F1は、クランク状となっている。
第2通路F2は、メダルが進む方向(進行方向)を変更させることが可能な形状を有している。第2通路F2は、少なくとも1つの曲がり部(屈曲部)を有していると言うこともできる。換言すると、第2通路F2は、クランク状となっている。
【0060】
第1開口部401から第2開口部402に至る第1通路F1は、矢印F1に示すように、後方から前方に進み、曲がり部(第1曲がり部)で曲がって右側(右下側)に進み、次の曲がり部(第2曲がり部)で曲がって前方側(前方下側)に進む通路となっている。
第1開口部401を介して後方から前方に発射されたメダルは、通路内の平面状の前面(図12で符号Pを付した面)に衝突し得る。そして、メダルが衝突する前面には、メダル衝突による衝撃を緩和するための、金属板(緩衝部材)が配置されていてもよい。換言すると、メダル通路の(内面の)一部が金属板で形成されていてもよい。金属板を配置することで、メダルの衝突によって通路の内面が変形、破損等するのを防止できる。金属板は、例えば厚さ約0.4mmのステンレス鋼板であってもよい。なお、緩衝部材として金属板の代わりゴム(弾性体)を用いてもよい。
上記では、後方から前方に発射されたメダルが、通路内の平面状の前面に衝突するとしたが、これに限らず、当該メダルが通路内の曲面状の前面に衝突するようになっていてもよい。換言すると、当該前面が湾曲していてもよい。曲面状とは、例えば、前方に向かって凹となっている(窪んでいる)形状であってもよい。メダルが衝突する前面が曲面状となっている場合、平面状である場合に比べてメダル衝突による衝撃が緩和される。これにより、メダルを受皿38へ、よりスムーズに案内できる。
【0061】
第3開口部403から第2開口部402に至る第2通路F2は、矢印F2に示すように、上方から下方に進み、曲がり部(第3曲がり部)で曲がって左側(左下側)に進み、次の曲がり部(第2曲がり部)で曲がって前方側(前方下側)に進む通路となっている。
【0062】
また、第3開口部403から第1開口部401に至る通路を第3通路F3とする。図示を省略するが、第3通路F3は、第1通路F1および第2通路F2と同様に、少なくとも1つの曲がり部を有している。
【0063】
仮に、第1通路F1および第2通路F2が、メダルが進む方向を変更させることが可能な形状となっておらず、直線状である場合(曲がり部が設けられていない場合)、遊技者側から器具(棒状の部材)等を差し込み、不正(いたずら)を行うことが容易となる。本実施形態では、上述のとおり、第1通路F1および第2通路F2が、メダルが進む方向を変更させることが可能な形状となっているため(曲がり部を有しているため)、遊技者側からの器具(部材)等の差し込みが困難となっている。これにより、不正対策性能を向上させることができる。なお、不正対策性能を向上できるとは、器具等の差し込みにより部品が壊されるリスクが低減されていることを含む。
【0064】
ここで、図9に示すように、第1開口部401と第2開口部402とを通過する(通る)仮想直線を第1仮想直線Xとする。本実施形態では、第1仮想直線Xを、メダル通路(第1通路F1)の内面と接触することなく引く(描出する)ことが可能となっている。換言すると、第1仮想直線Xは、メダル通路の内面に接触することなく描出することが可能な線である。さらに換言すると、第1開口部401と第2開口部402とを、メダル通路の内面と接触しない直線(第1仮想直線X)で結ぶことができる。
このような構成によれば、メダル通路(第1通路F1)は、メダル通路の内面と接触することなく第1仮想直線Xを引くことが可能な形状(直線状に連通する空間を有する形状)となっているため、メダルのスムーズな通過(払い出し)を実現できる。また、メダル通路(第1通路)を、第1仮想直線Xを引くことができないほどの複雑な形状とした場合に比べるとシンプルな形状である分、他部材の設置の妨げとなるのを防止できる。
【0065】
図10に示すように、第1開口部401と第3開口部403とを通過する(通る)仮想直線を第3仮想直線Zとする。本実施形態では、第3仮想直線Zを、メダル通路(第3通路F3)の内面と接触することなく引く(描出する)ことは不可能となっている。換言すると、第3仮想直線Zは、メダル通路の内面に接触することなく描出することが不可能な線である。さらに換言すると、第1開口部401と第3開口部403とを、メダル通路の内面と接触しない直線(第3仮想直線Z)で結ぶことができない。第3仮想直線Zは、メダル通路の内面と接触する(当該直線上にメダル通路の内面が存在する)と言うこともできる。
このような構成によれば、メダル通路(第3通路F3)は、第3仮想直線Zを引くことができない形状となっているため、例えば、第3開口部403から器具(棒状の部材)等を差し込み、第1開口部401(メダル払い出し部111)にアクセスすることが困難となっている。これにより、不正対策性能を向上させることができる。
また、第3仮想直線Zを引くことができない形状となっているので(直線状ではないため)、第3開口部403からキャンセルシュート40内に入ったメダルが、第1開口部401に向かって流下するという変則的な移動を防止できる。
【0066】
図11に示すように、第2開口部402と第3開口部403とを通過する(通る)仮想直線を第2仮想直線Yとする。本実施形態では、第2仮想直線Yを、メダル通路(第2通路F2)の内面と接触することなく引く(描出する)ことは不可能となっている。換言すると、第2仮想直線Yは、メダル通路の内面に接触することなく描出することが不可能な線である。さらに換言すると、第2開口部402と第3開口部403とを、メダル通路の内面と接触しない直線(第2仮想直線Y)で結ぶことができない。第2仮想直線Yは、メダル通路の内面と接触する(当該直線上にメダル通路の内面が存在する)と言うこともできる。
このような構成によれば、メダル通路(第2通路F2)は、第2仮想直線Yを引くことができない形状となっているため、第2開口部402から器具(棒状の部材)等を差し込み、第3開口部403(メダルセレクタ90)にアクセスすることが困難となっている。これにより、不正対策性能を向上させることができる。
【0067】
本実施形態では、第1通路F1の方が、第2通路F2よりもメダルが通過する頻度が高いものとなっている。第1通路F1は、不正対策を強化しつつ、メダルが高頻度で通過することを踏まえ、第1仮想直線Xを引くことができる形状とし、メダルのスムーズな通過を実現している。一方、第2通路F2は、メダルが通過する頻度が低い分、不正対策をより強化させ、第2仮想直線Yを引くことができない形状としている、と言える。
【0068】
図12に示すように、第1仮想直線Xにおける前方側(手前側)の端部を一端X1(一端部)とする。第1仮想直線Xは、一端X1が、受皿38の前側縁部(前壁部382a)に接触せず、受皿38の底部381に接触するように引くことが可能となっている。換言すると、第1仮想直線Xは、一端X1が、受皿38の前壁部382aに接触することなく、底部381に接触することが可能な線となっている。
このような構成によれば、一端X1が前壁部382aではなく底部381に接触するため、メダル通路を通過したメダルは、前壁部382aではなく底部381に接触する。これにより、メダルが前壁部382aを乗り越えて受皿38の外にこぼれ落ちるのをより確実に防止できる。
また、一端X1が前壁部382aに接触する場合よりも底部381に接触する場合の方(一旦X1がより奥側に位置している方)が、底部381が妨げとなるため、手前側から第1通路に器具(棒状の部材)等を差し込むことがより困難となる。これにより不正対策性能を向上させることができる。
【0069】
図13に示すように、第1仮想直線Xにおける後方側(奥側)の端部を他端X2(他端部)とする。第1仮想直線Xは、他端X2が、メダル払出装置11のメダル払い出し部111に接触せず、周辺壁部112(図5)に接触するように引くことが可能となっている。換言すると、第1仮想直線Xは、他端X2が、メダル払出装置11のメダル払い出し部111に接触することなく、周辺壁部112に接触することが可能な線となっている。
このような構成によれば、他端X2がメダル払い出し部111ではなく周辺壁部112に接触するため、仮に第1通路F1に器具(棒状の部材)等が差し込まれた場合であっても、その先端がメダル払い出し部111に接触するのを(メダル払い出し部111にアクセスすることを)(その先端がメダル払い出し部111内に挿入されるのを)困難にすることができる。これにより、不正対策性能をさらに向上させることができる。
【0070】
(部材G)
ここで、所定の直径(例えば約5mm)を有し、かつ、所定の長さを有する棒状の部材を部材Gとする。所定の長さは、例えば、第3開口部403から第2開口部402までの直線距離よりも長い長さとする。
【0071】
前扉20が開いた状態で、背面側から第1開口部401に部材Gを差し込んだ場合、部材Gを第1通路F1に、第1通路F1の内面に接触することなく挿し通すことができ、第2開口部402から出た部材Gの先端は、受皿38の底部381に接触する。
また、前扉20が閉じた状態で、かつ受皿38が存在していない状態において、第2開口部402に部材Gを差し込んだ場合、部材Gを第1通路F1に、第1通路F1の内面に接触することなく挿し通すことができ、第1開口部401から出た部材Gの先端は、メダル払出装置11の周辺壁部112に接触する。なお、実際には受皿38の存在が妨げとなるため、手前側から第1通路F1に部材Gを差し込むことは困難である。
【0072】
また、前扉20が開いた状態で、背面側の第3開口部403に部材Gを差し込んだ場合、部材Gの先端を、第2開口部402から出すことはできない。換言すると、部材Gを第2通路F2に挿し通すことはできない。
また、前扉20が閉じた状態で、かつ受皿38が存在していない状態において、第2開口部402に部材Gを差し込んだ場合、部材Gの先端を、第3開口部403から出すことはできない。換言すると、部材Gを第2通路F2に挿し通すことはできない。
また、前扉20が開いた状態で、背面側の第3開口部403に部材Gを差し込んだ場合、部材Gの先端を、第1開口部401から出すことはできない。換言すると、部材Gを第3通路F3に挿し通すことはできない。
【0073】
本実施形態の遊技機は、
筐体(例えば筐体1)と、前扉(例えば前扉20)と、を備える遊技機であって、
前記筐体は、ホッパー(例えばホッパーユニット11)を備え、
前記前扉は、受皿(例えば受皿38)と、案内通路(例えばキャンセルシュート40)と、を備え、
前記ホッパーは、遊技価値が発射される発射口部(例えばメダル払い出し部111)と、前記発射口部の周辺壁部(例えば周辺壁部112)と、を備え、
前記受皿は、底部(例えば底部381)と、前記底部の前側に設けられた前壁部(例えば前壁部382a)と、を備え、
前記案内通路は、ホッパー側開口部(例えば第1開口部401)と、受皿側開口部(例えば第2開口部402)と、を備え、
前記ホッパー側開口部から前記受皿側開口部に至る通路を第1通路(例えば第1通路F1)とすると、
前記第1通路は、前記発射口部から発射された遊技価値を前記受皿に案内可能であり、
前記第1通路は、遊技価値が進む方向を変更させることが可能な形状を有しており、
前記ホッパー側開口部と前記受皿側開口部とを通る仮想直線を第1仮想直線(例えば第1仮想直線X)とすると、
前記第1仮想直線は、前記第1通路の内面に接触することなく描出することが可能な線である。
このような構成によれば、第1通路が、遊技価値が進む方向を変更させることが可能な形状となっているため、遊技者側からの器具等の差し込みが困難となっている。これにより、不正対策性能を向上させることができる。換言すると、器具等の差し込みにより部品が破損するリスクを低減できる。
また、第1通路は、第1仮想直線を第1通路の内面に接触することなく描出可能となっている。これにより、遊技価値のスムーズな通過を実現できる。また、第1通路は、第1仮想直線を描出できないほど複雑な形状とした場合に比べるとシンプルな形状となっている。これにより、他部材の設置の妨げとなるのを防止できる。
【0074】
また、本実施形態の遊技機において、
前記第1仮想直線は、一端(例えば一端X1)が前記底部に接触し、他端(例えば他端X2)が前記周辺壁部に接触するように描出することが可能な線である。
このような構成によれば、案内通路を通過した遊技価値は、前壁部ではなく底部に接触する。これにより、遊技価値が前壁部を乗り越えて受皿の外にこぼれ落ちるのをより確実に防止できる。また、底部が妨げとなるため、手前側から第1通路に器具等を差し込むことがより困難となる。これにより、不正対策性能をより向上させることができる。
また、仮に第1通路に器具等が差し込まれた場合であっても、その先端は発射口部ではなく周辺壁部に接触する。このため、当該先端が発射口部に接触するのを(発射口部にアクセスすることを)(当該先端が発射口部内に挿入されるのを)困難にすることができる。これにより、不正対策性能をさらに向上させることができる。
【0075】
また、本実施形態の遊技機は、
前記前扉は、セレクタ(例えばメダルセレクタ90)をさらに備え、
前記案内通路は、セレクタ側開口部(例えば第3開口部403)をさらに備え、
前記セレクタ側開口部から前記受皿側開口部に至る通路を第2通路(例えば第2通路F2)とすると、
前記第2通路は、前記セレクタから送られた遊技価値を前記受皿に案内可能であり、
前記第2通路は、遊技価値が進む方向を変更させることが可能な形状を有しており、
前記受皿側開口部と前記セレクタ側開口部とを通る仮想直線を第2仮想直線(例えば第2仮想直線Y)とすると、
前記第2仮想直線は、前記第2通路の内面に接触することなく描出することが不可能な線である。
このような構成によれば、第2通路は、第2仮想直線を第2通路の内面に接触することなく描出不可能となっている。このため、受皿側開口部から器具等を差し込み、セレクタ側開口部(セレクタ)にアクセスすることが困難となっている。これにより、不正対策性能を向上させることができる。
【0076】
また、本実施形態の遊技機において、
前記セレクタ側開口部から前記ホッパー側開口部に至る通路を第3通路(例えば第3通路F3)とし、
前記セレクタ側開口部と前記ホッパー側開口部とを通る仮想直線を第3仮想直線(例えば第3仮想直線Z)とすると、
前記第3仮想直線は、前記第3通路の内面に接触することなく描出することが不可能な線である。
このような構成によれば、第3通路は、第3仮想直線を第3通路の内面に接触することなく描出不可能となっている。このため、例えば、セレクタ側開口部から器具等を差し込み、ホッパー側開口部(発射口部)にアクセスすることが困難となっている。これにより、不正対策性能を向上させることができる。
また、第3通路は、第3仮想直線を描出できない形状となっているので(直線状ではないため)、セレクタ側開口部から案内通路内に入った遊技価値が、ホッパー側開口部に向かって流下するという変則的な移動を防止できる。
【0077】
(第2の実施の形態)
以下、本発明の第2の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下では遊技機の1つであるスロットマシンについて説明するが、本発明に係る遊技機は、スロットマシンに限ることなく、パチンコ遊技機やメダルレス遊技機等の遊技機であってもよい。
また、以下の説明においては、基本的に「前後」とは、スロットマシンの前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、スロットマシン側が「後」を意味し、「上下」とはスロットマシンの上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とはスロットマシンを遊技する遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各構成の自由な組み合わせ、あるいは各構成の任意の変形、もしくは各構成の省略が可能である。
【0078】
図14に示すように、本実施形態のスロットマシン(遊技機)10は、遊技者側を向く面である前面側が開口された箱状の筐体11と、当該筐体11の前面側開口を開閉する前面扉(前扉)12とを備えている。前面扉12は、上扉12aと下扉12bとに分割されており、これら上扉12aおよび下扉12bはそれぞれ筐体11に対して開閉自在となっている。なお、前面扉12は、上扉12aと下扉12bとに分かれていない一体の構造であってもよい。筐体11内には、メダル(遊技媒体、遊技価値)を貯蔵するとともにメダルの払い出しを行うホッパーユニット(払出手段)、各部品に電力を供給するための電源装置(電源手段)を内蔵した電源ユニット、ホッパーユニット内のメダルの量が所定量以上となるとホッパーユニットからメダルが送り出されるキャッシュボックス、等が設けられている。電源ユニットは、電源スイッチを備えており、電源スイッチがON状態になると、電源ユニットから各部品に電力が供給されるようになっている。なお、一部の部品には、電源ユニットがOFF状態でも電力が供給されるようになっていてもよい。
また、筐体11内には、回転自在な第1リール20a、第2リール20bおよび第3リール20cがユニット化されたリールユニット、後述するメイン制御基板31、後述するサブ制御基板32、等が設けられている。なお、リールユニットは、リール20a~20cを回転させるための駆動モータ(ステッピングモータ)を有している。
【0079】
上扉12aの上部中央には(表示窓16の上方には)、演出装置としての液晶ディスプレイ(表示手段)13が設けられている。液晶ディスプレイ13には、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像(演出画像)が表示される。また、上扉12a(および下扉12b)には、演出装置としてのスピーカ(音出力手段)14が設けられている。スピーカ14からは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の演出音(音楽、効果音、音声等)が出力される。また、前扉12には、報知や演出などを行うためのランプ(照明装置、照明手段、外周ランプ)38が設けられている。なお、演出装置として、アクチュエータ等で動作可能な可動役物などが設けられていてもよい。
【0080】
また、上扉12aには表示窓16が設けられている。表示窓16の奥には、リールユニットが、その一部を表示窓16の外から視認可能に配置されている。各リール20a~20cは、外周面が一定の間隔で20コマ(20の領域)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配置されている。換言すると、各リール20a~20cの外周面には、複数種類の図柄が一列に配置されている。また、各リール20a~20cが停止すると表示窓16を通して1リール当たり3個の図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)が表示される。また、表示窓16には、各リール20a~20cの図柄を視認するための表示位置として、上段、中段、下段が設けられており、各リール20a~20cの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。なお、本実施形態では、第1リール20aの下段と、第2リール20bの中段と、第3リール20cの上段とによって有効ラインが構成されている。
【0081】
本実施形態では、1回の遊技に関して必要なメダルの数(規定数、規定枚数)が、3枚に設定されており、規定数のメダルが投入されると、有効ラインが有効化される。遊技開始に伴って各リール20a~20cが回転を開始するとともに内部抽選が実行されて当選役のいずれかの当選またはハズレ(不当選)が決定される。次いで、リール20a~20cが停止したときに、内部抽選で当選した当選役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されると、この当選役が入賞となり、入賞した当選役に対応する処理(入賞処理)が実行される。
【0082】
各リール20a~20cの外周面には、図15に示すように、白7図柄「白7」、紫7図柄A「紫7A」、紫7図柄B「紫7B」、紫7図柄C「紫7C」、紫7図柄D「紫7D」、黄7図柄「黄7」、赤7図柄「赤7」、黒BAR図柄「黒BAR」、赤BAR図柄「赤BAR」およびブランク図柄「BK」、の各図柄が配列されている。また、各リール20a~20cの各図柄には、図柄番号0~19が対応付けられている。
【0083】
表示窓16の下方には、遊技情報表示部17が設けられている。遊技情報表示部17は、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、エラー情報等の各種遊技情報が表示される。遊技情報表示部17は、第1メイン表示器17a、第2メイン表示器17b、サブ表示器17cおよび有利区間表示器を備えている。
【0084】
下扉12bには、メダルを投入するためのメダル投入口22、クレジットされたメダルをベット(投入)する際に操作されるベットボタン23、遊技を開始させる際に操作されるスタートレバー(遊技開始操作手段)24、回転しているリールを停止させる際に操作されるトップボタン(停止操作手段)26(26a,26b,26c)、メダルを精算する際に操作される精算ボタン、メダル投入口22の下方のメダル通路内で発生したメダル詰まりを解消する際に操作されるリジェクトボタン、演出を進行させる際等に操作される演出ボタン(演出操作手段)25、等が設けられている。また、メダル投入口22の奥には、メダル投入口22から投入されたメダルの通過を検知するメダルセンサ29(図16参照)が設けられている。本実施形態では、ベットボタン23として、3枚(規定枚数)のメダルをベットする際に操作されるMAXベットボタン(第1ベットボタン)と、1枚のメダルをベットする際に操作される1ベットボタン(第2ベットボタン)と、が設けられている。演出ボタン25は、演出を進行させる(演出の態様を変化させる)際等に操作される。演出ボタン25は、押下操作可能に形成されており、押下されると、例えば液晶ディスプレイ13に表示される演出画像の態様が変化する。演出ボタン25を設け、所定の契機でその操作を有効にすることで、遊技者の遊技への参加意識を高めるとともに、遊技の興趣を向上させることができる。演出ボタン25は、例えば、遊技者にとって有利な状態に移行することを期待させる演出の実行中に操作が有効な状態となり、その操作を指示する画像が液晶ディスプレイ13に表示される。そして、演出ボタン25が操作されると、遊技の結果(例えば有利な状態へ移行するか否か)が報知される。なお、演出ボタン25は、ボタン状に限るものではなく、遊技者の操作を検知可能に構成されていればよい。
【0085】
また、下扉12bには、ドアキーシリンダ69が設けられている。ドアキーをドアキーシリンダ69に挿入することで下扉12b(前扉12)を解錠することができるようになっている。具体的には、ドアキーシリンダ69に挿入されたドアキーを初期位置から時計回りに回転させる(捻る)ことにより、下扉12bの解錠が行えるようになっている。また、ドアキーシリンダ69に挿入されたドアキーを初期位置から反時計回りに回転させる(捻る)ことにより、エラーの解除操作が行えるようになっている。
また、下扉12bには、ホッパー装置(ホッパーユニット)から送られたメダルを払い出す払出口27、払出口27から払い出されたメダルを受ける(溜める)メダル受け皿28、等が設けられている。
また、下扉12bにおけるメダル受け皿28の上方には、下パネル91が設けられている。なお、下パネル91の背面側には、照明用の光源(LED)が設けられており、この光源から照射される光によって下パネル91が背後から照らされるようになっている。
【0086】
スロットマシン10では、(1)メダル投入口22にメダルが投入、または、ベットボタン23が操作され規定枚数のメダルがベットされると、スタートレバー24の操作が有効化され、遊技を開始可能な状態となる。(2)有効化されたスタートレバー24が操作(押下)されると、遊技が開始され、各リール20a~20cが回転を開始する。(3)各リール20a~20cの回転速度が一定速度に到達して定常回転状態となると、ストップボタン26a~26cの操作が有効化される。(4)有効化されたストップボタン26a~26cが操作(押下)されると、操作されたストップボタン26a~26cに対応するリール20a~20cの回転が停止する。(5)すべてのリール20a~20cの回転が停止すると、遊技の結果に応じて、メダルを払い出す処理や、メダルを新たに消費することなく再度遊技を開始可能な状態とする処理等が行なわれ、1回の遊技が終了する。
【0087】
スロットマシン10は、メダル投入口22にメダルが投入されると、規定枚数を限度として、投入されたメダルが投入状態に設定される。また、スロットマシン10は、最大で50枚分のメダルをクレジット記憶(貯留記憶)することが可能となっており、メダルがクレジット記憶された状態でベットボタン23が操作されると、規定枚数を限度として、クレジット記憶されたメダルが投入状態に設定される。
【0088】
メダル投入口22から投入されたメダルは、メダルセレクタを通過した後に、メダルシュートを経由してホッパーユニットに入るようになっている。ただし、遊技を開始した後などの所定の条件下では、メダルセレクタに内蔵されたメダルブロッカーが作動して、メダルシュートへ向かう流路が閉塞され、投入されたメダルが払出口27から返却されるようになっている。
また、メイン制御手段31には、設定変更キーシリンダや設定変更ボタン等が設けられている。なお、設定変更キーシリンダや、設定変更ボタンは、例えば、電源ユニット等の、他の部分に設けられていてもよい。設定変更キーシリンダ(設定キースイッチ)は、OFF状態とON状態との2つの状態を有している。換言すると、OFF状態とON状態とを切り替え可能となっている。設定変更キーシリンダは、設定キーを挿入可能に形成されている。設定変更キーシリンダは、初期状態ではOFF状態となっている。挿入された設定キーが初期位置から時計回りに90度回転されると、設定変更キーシリンダの状態がOFF状態からON状態に切り替わる。設定変更キーシリンダの状態がON状態となる位置から初期位置となるように設定キーが反時計回りに90度回転されると、ON状態からOFF状態に切り替わるようになっている。また、設定変更ボタンは、押下操作が可能となっている。
【0089】
図16に示すように、スロットマシン10は、メイン制御基板(主制御手段)31と、サブ制御基板(副制御手段)32と、を備えている。メイン制御基板31は、ベットボタン23、スタートレバー24、ストップボタン26a~26c、メダルセンサ29等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニットや、ホッパー装置等の出力手段の制御を行う。また、サブ制御基板32は、メイン制御基板31から送られてくる信号や演出ボタン25等の入力手段からの入力信号を受けて、演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出用の装置の制御を行う。
【0090】
また、メイン制御基板31とサブ制御基板32とは電気的に接続されており、メイン制御基板31からサブ制御基板32へは遊技状態を示す情報など各種情報(信号)の送信が可能となっているが、サブ制御基板32からメイン制御基板31へは情報を送信できないようになっている。
また、メイン制御基板31やサブ制御基板32等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSP等)、IC、あるいはROMやRAM等の情報記憶媒体等のハードウェアや、ROM等に予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0091】
メイン制御基板31は、投入受付手段40と、乱数発生手段41と、内部抽選を行って役の当否を決定する内部抽選手段42と、リールの回転を制御するリール制御手段43と、全てのリールが停止したときに当選役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段44と、払出制御手段45と、リプレイ制御手段46と、設定変更手段47と、初期化手段48と、遊技状態制御手段49と、指示機能制御手段51と、演出メイン制御手段52と、記憶手段60(主記憶手段)と、を備えている。また、記憶手段60は、ROMとRAMとを備えている。
また、サブ制御基板32は、演出サブ制御手段70と、サブ側記憶手段(サブメモリ)72と、を備えている。また、サブ側記憶手段72は、ROMとRAMとを備えている。
【0092】
また、演出メイン制御手段52と演出サブ制御手段70とによって、演出制御手段100が構成されている。演出メイン制御手段52は、遊技状態や演出状態等に基づき演出サブ制御手段70へ指示を出す。また、演出サブ制御手段70は、演出メイン制御手段52から送信される遊技状態、演出状態に関する情報、あるいは指示演出を行うか否かの情報に基づき、サブ側記憶手段72に記憶された演出用データを用いて、演出用の装置の制御を行う。なお、本実施形態において説明する演出メイン制御手段52で行う制御は、演出サブ制御手段70で行ってもよく、演出サブ制御手段70で行う制御は、演出メイン制御手段52で行ってもよい。また、本実施形態において説明する演出制御手段100で行う制御は、指示機能制御手段51で行ってもよく、指示機能制御手段51で行う制御は演出制御手段100で行ってもよい。
【0093】
投入受付手段40は、遊技ごとにメダルの投入を受け付けて、規定数のメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバー24に対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。具体的には、メダル投入口22にメダルが投入されると、メダルセンサ29がメダルを検知することに伴って、投入受付手段40が、規定数を限度として、投入されたメダルを投入状態(ベット状態)に設定する。また、投入受付手段40は、メダルがクレジットされた状態でベットボタン23が押下されると、規定数を限度として、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。なお、本実施形態では、規定数のメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバー24に対する最初の押下操作が、遊技開始操作として受け付けられ、当該操作を契機としてリール20a~20cの回転が開始されるとともに、内部抽選等の抽選が行われる。
【0094】
また、投入受付手段40は、リプレイが入賞した遊技の次回の遊技では遊技者の所有するメダルを新たに投入状態に設定しないように制御する。具体的には、前回の遊技でリプレイが入賞した場合には、メダルの投入を受け付けている状態でメダル投入口22にメダルが投入されても投入されたメダルを投入状態に設定することなく、クレジット上限数(例えば、50枚)を限度として、投入されたメダルをクレジットする。また、メダルの投入を受け付けている状態においてベットボタン23に対する操作を受け付けないようにして、ベットボタン23が押下されてもクレジットされたメダルを投入状態に設定しないようにする。
【0095】
乱数発生手段41は、抽選用の乱数値を発生させるものである。乱数値は、例えばインクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお、本実施形態において、「乱数」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【0096】
内部抽選手段42は、有効化されたスタートレバー24が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に基づいて内部抽選テーブルを用いた内部抽選を行う。
内部抽選テーブルは、複数の乱数(例えば、0~65535の65536個の乱数)のそれぞれに対して、小役、リプレイおよびボーナスを含む各種の当選役やハズレ(不当選)が対応付けられたものであり、記憶手段60のROMに設けられた内部抽選テーブル記憶領域61に複数格納されている。本実施形態では、後述するように、遊技状態として、一般中状態、RBB内部中状態およびRBB作動中状態が設定可能とされ、設定値として、設定1~設定6までの6つの設定値が設定可能とされており、内部抽選手段42は、遊技状態および設定値に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行う。
なお、小役とは、入賞することにより、入賞した小役に応じた所定枚数のメダルの払い出しを受けることができる役である。また、リプレイとは、入賞(作動)することにより、メダルを新たに消費することなく、再度遊技を行うことができる役である。リプレイが入賞すると、遊技者のメダルを使うことなくスタートレバー24の操作が有効化され、スタートレバー24の操作により遊技を開始することが可能な状態となる。
【0097】
内部抽選では、乱数発生手段41から抽選用の乱数値を取得し、この乱数値を内部抽選テーブルに照合して当選役に当選したか否かを判定し、当該乱数値に対応付けられた当選役が当選となる。具体的には、内部抽選テーブルには、図17に示すような複数の当選エリアが設けられており、乱数発生手段41から取得される乱数値のそれぞれがいずれかの当選エリアに対応付けられている。また、当選エリアには、1または複数の当選役が含まれる(当選役が対応付けられた)当選エリアと、いずれの当選役も含まれない(ハズレが対応付けられた)当選エリアとがある。また、各当選エリア同士は、含まれる当選役の組み合わせが異なっている。そして、乱数発生手段41から取得された乱数値に対応付けられた当選エリアに属する全ての当選役が、内部抽選の結果として当選となるようになっている。以下では、内部抽選において、当選エリアに属する役が当選することを「当選エリアが当選」ともいうこととする。また、いずれの役にも当選しない場合を「当選エリア「不当選」が当選」ともいうこととする。
【0098】
図17に示すように、本実施形態では、小役として、小役1~小役33が用意されている。また、小役が含まれる当選エリアとして「小役ALL」、「8枚ALL」、「3枚ALL」、「1枚ALL」、「4択黄7A」~「4択黄7H」、「4択3枚A」~「4択3枚D」、「目押し打順A」~「目押し打順D」、「共通3枚A」、「共通3枚B」、「チャンス目A」、「チャンス目B」、「右上がり黄7」、「中段黄7」、「黒BAR揃い」および「共通1枚」が用意されている。また、小役1~小役3は入賞すると15枚のメダルが払い出される15枚役となっている。また、小役4~小役8は入賞すると8枚のメダルが払い出される8枚役となっている。また、小役9~小役14は入賞すると3枚のメダルが払い出される3枚役となっている。また、小役15~小役33は入賞すると1枚のメダルが払い出される1枚役となっている。
なお、以下では、当選エリア「4択黄7A」~「4択黄7H」をまとめて「4択黄7」と呼ぶことがある。また、当選エリア「4択3枚A」~「4択3枚D」をまとめて「4択3枚役」と呼ぶことがある。また、当選エリア「目押し打順A」~「目押し打順D」をまとめて「目押し打順役」と呼ぶことがある。なお、本実施形態においては、基本的に打順ベルとは4択黄7の当選エリアのことを指すが、打順ベルは4択3枚役の当選エリア等を指すものであってもよい。
【0099】
当選エリア「小役ALL」は、全ての小役(小役1~小役33)が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「8枚ALL」は、小役4~小役33が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「3枚ALL」は、小役9~小役33が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「1枚ALL」は、小役15~小役33が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「4択黄7A」~「4択黄7H」は、1種類の8枚役と複数種類の1枚役とが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「4択3枚A」~「4択3枚D」は、1種類の3枚役と複数種類の1枚役とが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「目押し打順A」~「目押し打順D」は、15枚役と複数種類の1枚役とが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「共通3枚A」は、複数種類の3枚役が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「共通3枚B」は、複数種類の3枚役と1種類の1枚役(小役25)とが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「チャンス目A」は、3枚役(小役11)が単独で当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「チャンス目B」は、複数種類の3枚役が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「右上がり黄7」は、8枚役(小役6)が単独で当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「中段黄7」は、8枚役(小役4)が単独で当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「黒BAR揃い」は、複数種類の8枚役が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「共通1枚」は、複数種類の1枚役が重複して当選する当選エリアとなっている。
【0100】
また、本実施形態では、リプレイとして、リプレイ1~リプレイ6が用意されている。また、リプレイが含まれる当選エリアとして「リプレイA」、「リプレイB」、「打順7揃いリプ」、「中段リプレイ」、「赤7フェイクリプ」、「赤7揃い」および「BAR揃い」が用意されている。
【0101】
当選エリア「リプレイA」、「リプレイB」、「打順7揃いリプ」、「赤7揃い」および「BAR揃い」は、複数種類のリプレイが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「中段リプレイ」および「赤7フェイクリプレイ」は、1種類のリプレイが単独で当選する当選エリアとなっている。
【0102】
また、本実施形態では、ボーナスとして、ビッグボーナス(RBB:特別役)が用意されている。また、ボーナスが対応付けられた当選エリアとして、ビッグボーナスが単独で当選する当選エリア「RBB」が用意されていると共に、当選エリア「赤7揃い」、「BAR揃い」、「黒BAR揃い」および「共通1枚」はビッグボーナスが重複して当選するように設定されている。また、当選エリア「赤7揃い」、「BAR揃い」、「黒BAR揃い」および「共通1枚」は、遊技状態が一般中状態の場合には、ビッグボーナスが重複して当選する一方、遊技状態がRBB内部中状態の場合には、ビッグボーナスが重複して当選しないようにとなっている。
なお、本実施形態では、ボーナスとしていわゆる第一種特別役物に係る役物連続作動装置を想定しているが、これ以外のボーナスを用いてもよい。また、他のボーナスも併せて搭載することとしてもよい。また、搭載するボーナスは、それぞれ単独で当選するように設定されていてもよく、リプレイや小役と重複して当選するように設定されていてもよい。
【0103】
また、ハズレが対応付けられた当選エリアとして「不当選」が用意されている。
【0104】
各当選エリアは、遊技状態に応じて当選する場合としない場合とが設定されている。換言すると、内部抽選手段42は、遊技状態に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行うようになっており、これにより当選し得る役が変化するようになっている。さらに換言すると、各遊技状態においては、各遊技状態において当選し得る当選エリアが抽選対象に含まれる内部抽選テーブルを用いて内部抽選が行われる。
図17では、各遊技状態において各当選エリアが当選し得るか否かを「〇」印によって示している。すなわち、当選エリア「不当選」、「小役ALL」、「8枚ALL」、「3枚ALL」および「1枚ALL」は、遊技状態がRBB作動中状態の場合に当選し、一般中状態またはRBB内部中状態では当選しないようになっている。また、当選エリア「リプレイA」、「リプレイB」、「打順7揃いリプ」、「中段リプレイ」、「赤7フェイクリプ」、「4択黄7A」~「4択黄7H」、「4択3枚A」~「4択3枚D」、「目押し打順A」~「目押し打順D」、「共通3枚A」、「共通3枚B」、「チャンス目A」、「チャンス目B」、「右上がり黄7」、「中段黄7」、「赤7揃い」、「BAR揃い」、「黒BAR揃い」および「共通1枚」は、遊技状態が一般中状態またはRBB内部中状態の場合に当選し、RBB作動中状態では当選しないようになっている。また、当選エリア「RBB」は、遊技状態が一般中状態の場合に当選し、RBB内部中状態またはRBB作動中状態では当選しないようになっている。
【0105】
また、本実施形態では、一般中状態とRBB内部中状態とで小役の当選確率が同一となっている。また、RBB作動中状態ではリプレイに当選しないようになっている。換言すると、一般中状態およびRBB内部中状態では、RBB作動中状態よりもリプレイの当選確率が高くなっている。
【0106】
内部抽選手段42は、内部抽選の結果当選した役に対応する当選フラグを非当選状態(オフ状態)から当選状態(オン状態)に設定する。また、複数の当選役が重複して当選した場合には、重複して当選したそれぞれの役に対応する当選フラグを非当選状態から当選状態に設定する。また、当選フラグの設定情報は、記憶手段60のRAMに設けられた当選フラグ記憶領域62に格納される。
【0107】
また、当選フラグには、入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な当選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態が持ち越されず、非当選状態にリセットされる当選フラグ(持越不可フラグ)とがある。持越可能フラグが対応づけられる役としては、ビッグボーナスがある。また、持越不可フラグが対応づけられる役としては、小役およびリプレイがある。例えば、内部抽選手段42は、内部抽選でビッグボーナスに当選すると、ビッグボーナスの当選フラグの当選状態を、ビッグボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき内部抽選手段42は、ビッグボーナスの当選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、小役およびリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち、ビッグボーナスの当選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているビッグボーナスの当選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの当選フラグとの、2種類以上の役に対応する当選フラグを当選状態に設定する。
【0108】
また、スロットマシン10は、設定1~設定6までの6つの設定値について、設定値の違いによって、役の当選確率が異なるようになっている。具体的には、設定が変わると、遊技状態に応じて選択される複数の内部抽選テーブルからなる内部抽選テーブル群が、各設定に対応付けられた内部抽選テーブル群に変更されるようになっており、設定によって小役、リプレイ、ボーナスの当選確率が異なる内部抽選テーブル群に変わるようになっている。
【0109】
設定変更手段47は、記憶手段60のRAMに設けられた設定値記憶領域63に記憶されている設定値を変更する制御を行う。具体的には、スロットマシン10の内部に設けられた設定変更キーシリンダに設定変更キーが挿入され、設定変更キー(設定変更キーシリンダ)が初期位置から時計回りに90度回された状態でスロットマシン10の電源が投入されると、設定変更手段47は、スロットマシン10を設定変更モードで起動する。設定値は、設定1~設定6までの6段階の設定値の中から選択できるようになっている。本実施形態では、設定1から設定6に向かって順番に出玉率の期待値が高くなるように、内部抽選の当選確率が変動するようになっている。設定変更手段47は、設定変更モードにおいてスロットマシン10の内部に設けられた設定変更ボタンが押下される毎に、設定1→設定2→設定3→・・・設定6→設定1→・・・の順序で設定値を変更し、スタートレバー24が押下されると、設定値を確定させて、確定された設定値を設定値記憶領域63に記憶させる。また、設定変更キーシリンダに挿入された設定変更キーを初期位置に戻すことによって設定変更モードから遊技モードへ移行させることができるようになっている。本実施形態では、設定変更モードにおいて第1メイン表示器17aに選択中の設定値が表示されるようになっている。
なお、本実施形態では、設定1<設定2<設定3<設定4<設定5<設定6の順で設定値の高低を表現する。
【0110】
また、設定変更キーシリンダが初期位置にある状態で電源が投入されると、スロットマシン10を遊技モードで起動する。本実施形態では、遊技モードでは遊技を行うことができるが、設定値の変更を行うことはできず、設定変更モードでは設定値の変更を行うことはできるが、遊技を行うことはできないようになっている。
メイン制御基板31は、設定確認手段を備えていてもよい。設定確認手段は、電源が投入された状態における遊技モードにおいて、設定変更キーシリンダに設定キーが挿入され、設定キーが初期位置から時計回りに90度だけ回転されると、遊技機(スロットマシンX)を遊技モードから設定確認モードへ移行させ、液晶ディスプレイ13や遊技情報表示部17等を介して現在の設定値を報知する処理(設定報知処理)を行う。設定確認モードでは、液晶ディスプレイ13に設定確認モードである旨を報知する画像(例えば「設定参照中」という文字)が表示される。また、設定確認モードでは、遊技情報表示部17における第1メイン表示器17aに、現在設定されている設定値が表示される。設定確認モードでは現在の設定値を参照(報知)することはできるが、遊技を行うことはできないようになっている。また、設定確認モードでは設定値を参照することはできるが、設定値の変更を行うことはできないようになっている。
【0111】
初期化手段48は、設定値が変更されると記憶手段60のRAMに記憶されている情報の少なくとも一部を初期化する初期化処理を行う。具体的には、設定値が変更されると初期化手段48は、後述する遊技状態、遊技区間および演出状態を初期状態に戻す処理を行う。すなわち、設定値が変更されると、遊技状態が一般中状態となり、遊技区間が非有利区間となり、演出状態が非有利区間演出状態となり、これらの状態が工場出荷後最初に電源を入れたときと同様の状態となる。また、初期化手段48は、初期化処理において、他にも記憶手段60のRAMに記憶された演出に関する情報等を初期化する。また、サブ制御基板32も初期化手段(図示せず)を備えており、設定値が変更されたことを知らせる信号がメイン制御基板31から送信されると、サブ制御基板32の初期化手段はサブ側記憶手段72のRAMに記憶された演出に関する情報を初期化する。
なお、設定値が変更されても、遊技状態や遊技区間や演出状態が初期状態に戻らないようにしてもよい。
【0112】
リール制御手段43は、メイン制御基板31による制御のもと有効化されたスタートレバー24が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に伴って各リール20a~20cの回転を開始させるとともに、有効化されたストップボタン26a~26cが操作されると、操作されたストップボタンに対応するリールの停止制御を行う。
【0113】
すなわち、リール制御手段43は、ストップボタン26a~26cの各ボタンが操作される毎に、第1リール20a~第3リール20cのうち、操作されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行う。スロットマシン10では、ストップボタン26aが操作されると、第1リール20aの回転が停止され、ストップボタン26bが操作されると、第2リール20bの回転が停止され、ストップボタン26cが操作されると、第3リール20cの回転が停止される。したがって、ストップボタン26a~26cの操作順序(打順)によって、第1リール20a~第3リール20cの停止順序が変化する。
【0114】
なお、以下では、停止操作の順序(ストップボタン26a~26cの操作順序)について、ストップボタン26a~26cのうちの全てのストップボタンを操作する1まとまりの停止操作の順序を「打順」とする。また、打順を構成する各停止操作のうち、最初に行う停止操作を「第1停止操作」、2番目に行う停止操作を「第2停止操作」、3番目に行う停止操作を「第3停止操作」とする。
【0115】
また、以下では、第1リール20a、第2リール20b、第3リール20cの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順1」とし、第1リール20a、第3リール20c、第2リール20bの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順2」とし、第2リール20b、第1リール20a、第3リール20cの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順3」とし、第2リール20b、第3リール20c、第1リール20aの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順4」とし、第3リール20c、第1リール20a、第2リール20bの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順5」とし、第3リール20c、第2リール20b、第1リール20aの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順6」とする。また、「打順1」と「打順2」とをまとめて「左押し」と呼び、「打順3」と「打順4」とをまとめて「中押し」と呼び、「打順5」と「打順6」とをまとめて「右押し」と呼ぶ。また、「中押し」と「右押し」とをまとめて「変則押し」と呼ぶことがある。
【0116】
また、本実施形態では、第1リール20a~第3リール20cについて、ストップボタン26a~26cが操作された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールが停止するようになっている。また、各ストップボタン26a~26cの操作時点から各リール20a~20cが停止するまでに最大で4コマ分(4図柄分)リールが回転可能となっている。そして、リール制御手段43は、停止操作が行われたストップボタン26a~26cに対応するリール20a~20cの外周面上において、当選フラグが当選状態に設定されている役に対応する図柄が、停止操作が行われた時点で有効ライン上の表示位置に対して0コマ~4コマの範囲(所定の引き込み範囲)内に位置する場合に、当選状態に設定されている役に対応する図柄が有効ライン上に表示されるように、停止操作が行われたストップボタン26a~26cに対応するリール20a~20cを停止させる制御を行う。換言すると、リール制御手段43は、停止操作が行われたストップボタン26a~26cに対応するリール20a~20cを、停止操作が行われた時点で有効ライン上に位置している図柄から4個隣にある図柄までのいずれかの図柄が有効ライン上に表示されるように停止させる。
【0117】
また、ストップボタン26a~26cが操作された際の停止制御において、リール制御手段43は、当選フラグが当選状態に設定されている当選役が入賞するように、各リール20a~20cを停止させる。具体的には、1つの当選役の当選フラグが当選状態に設定されている状態では、この当選役が入賞するように各リール20a~20cの停止制御を行う。また、複数の当選役の当選フラグが重複して当選状態に設定されている状態では、役毎に定められた優先順位に従って、所定の当選役が入賞するように、各リール20a~20cを停止させる。本実施形態においては、当該優先順位は、「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で定められている。そして、リール制御手段43は、優先順位の高い役の入賞形態を示す図柄組合せを構成する図柄が、優先順位が低い役の入賞形態を示す図柄組合せを構成する図柄に優先して有効ライン上に表示されるように、リール20a~20cを停止させる。
【0118】
また、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補についての優先順位は、有効ライン上に表示可能な図柄組合せの数に応じて優先順位を求める方法(個数優先制御)と、メダルの払出数に応じて優先順位を求める方法(枚数優先制御)とが存在する。有効ライン上に表示可能な図柄組合せの数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める個数優先制御を実行する場合には、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの数が多くなる停止位置(図柄)ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先順位を求める。メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める枚数優先制御を実行する場合には、有効ライン上の表示位置に表示されている図柄に対応する小役の配当に基づくメダルの払出数が多くなる停止位置(配当が多い小役を入賞させることができる停止位置)ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先順位を求める。なお、メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補についての優先順位はそれぞれ同一のものとして扱われる。
【0119】
図18は、RBB内部中状態において各当選エリアが当選した場合の、停止操作の態様と入賞する役との関係を示したものである。
図18に示すように、4択黄7には、それぞれ正解打順と不正解打順とが設定されている。4択黄7の各当選エリアは、RBB内部中状態において当選した場合に、正解打順で操作がされると8枚役(正解役)が入賞するようになっており、不正解打順で操作がされると1枚役(不正解役)が入賞し得るようになっている。換言すると、RBB内部中状態においていずれかの4択黄7が当選した場合に、正解打順でストップボタン26a~26cが押下されると、小役4~小役7を入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められ、不正解打順でストップボタン26a~26cが押下されると、小役15、小役17~小役28、小役31を入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められる。
【0120】
各4択黄7の正解打順は1通りに定められており、他の5通りの打順は不正解打順とされている。また、当選エリア「4択黄7A」~「4択黄7D」は、互いに異なる打順が正解打順に設定されており、当選エリア「4択黄7E」~「4択黄7H」は互いに異なる打順が正解打順に設定されている。また、当選エリア「4択黄7A」~「4択黄7D」は、打順3から打順6のいずれかが正解打順に設定されており、打順1および打順2は、不正解打順に設定されている。また、当選エリア「4択黄7E」~「4択黄7H」は、打順3から打順6のいずれかが正解打順に設定されており、打順1および打順2は、不正解打順に設定されている。
【0121】
なお、図18における括弧書きの内容は、その打順で停止操作が行われた場合における、1枚役の入賞率を示している。例えば、「1枚(1/2)」という表記は、1/2の確率で1枚役が入賞し、1/2の確率で1枚役を取りこぼす(1枚役が入賞しない)ことを示している。また、「1枚(1/4)」という表記は、1/4の確率で1枚役が入賞し、3/4の確率で1枚役を取りこぼす(1枚役が入賞しない)ことを示している。
【0122】
当選エリア「4択黄7A」~「4択黄7H」は、正解打順で操作がされると、8枚役が入賞するようになっている。また、当選エリア「4択黄7A」~「4択黄7H」は、不正解打順で操作がされると、1枚役が入賞するかあるいはいずれの役も入賞しないようになっている。
【0123】
また、4択黄7の各当選エリアは、一般中状態において当選したときには、RBB内部中状態であれば8枚役が入賞する打順(正解打順)で停止操作がされても8枚役は入賞せず、1枚役が1/2の確率で入賞し、1/2の確率で1枚役を取りこぼす(1枚役が入賞しない)ようになっている。
【0124】
図18に示すように、4択3枚役には、それぞれ正解打順と不正解打順とが設定されている。4択3枚役の各当選エリアは、RBB内部中状態において当選した場合に、正解打順で操作がされると3枚役(正解役)が入賞するようになっており、不正解打順で操作がされると1枚役(不正解役)が入賞するようになっている。換言すると、RBB内部中状態においていずれかの4択3枚役が当選した場合に、正解打順でストップボタン26a~26cが押下されると、小役9~小役10を入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められ、不正解打順でストップボタン26a~26cが押下されると、小役15~小役28、小役31を入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められる。
【0125】
各4択3枚役の正解打順は1通りに定められており、他の5通りの打順は不正解打順とされている。また、当選エリア「4択3枚A」~「4択3枚D」は、互いに異なる打順が正解打順に設定されている。また、当選エリア「4択3枚A」~「4択3枚D」は、打順3から打順6のいずれかが正解打順に設定されており、打順1および打順2は不正解打順に設定されている。
【0126】
当選エリア「4択3枚A」~「4択3枚D」は、正解打順で操作がされると、3枚役が入賞するようになっている。また、当選エリア「4択3枚A」~「4択3枚D」は、不正解打順で操作がされると、1枚役が入賞するようになっている。
【0127】
また、当選エリア「4択3枚A」~「4択3枚D」は、一般中状態において当選したときには、正解打順で操作がされると3枚役が入賞し、不正解打順で操作がされると1枚役が入賞するようになっている。一般中状態における当選エリア「4択3枚A」~「4択3枚D」の正解打順は2通りに定められており、他の4通りの打順は不正解打順とされている。また、一般中状態における当選エリア「4択3枚A」~「4択3枚D」は、打順3から打順6のうちのいずれか2通りが正解打順に設定されており、打順1および打順2は不正解打順に設定されている。具体的には、一般中状態における当選エリア「4択3枚A」および「4択3枚B」は、打順3および打順4が正解打順に設定され、打順1、打順2、打順5および打順6が不正解打順に設定されている。また、一般中状態における当選エリア「4択3枚C」および「4択3枚D」は、打順5および打順6が正解打順に設定され、打順1~打順4が不正解打順に設定されている。すなわち、当選エリア「4択3枚A」~「4択3枚D」は、一般中状態の方がRBB内部中状態に比べ正解打順の数が多く設定されており、当選した場合に3枚役を入賞させることができる確率(メダルの獲得に対する期待値)が高くされている。
【0128】
図18に示すように、目押し打順役には、それぞれ正解打順と不正解打順とが設定されている。目押し打順役の各当選エリアは、RBB内部中状態において当選した場合に、正解打順で操作がされると15枚役(正解役)が入賞し得るようになっており、不正解打順で操作がされると1枚役(不正解役)が入賞するようになっている。換言すると、RBB内部中状態においていずれかの目押し打順役が当選した場合に、正解停止操作態様でストップボタン26a~26cが押下されると、小役1~3を入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められ、不正解停止操作態様でストップボタン26a~26cが押下されると、小役15~小役20、小役22、小役31~小役33を入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められる。
【0129】
各目押し打順役の正解打順は1通りに定められており、他の5通りの打順は不正解打順とされている。また、当選エリア「目押し打順A」~「目押し打順D」は、互いに異なる打順が正解打順に設定されている。また、当選エリア「目押し打順A」~「目押し打順D」は、打順3から打順6のいずれかが正解打順に設定されており、打順1および打順2は、不正解打順に設定されている。
【0130】
当選エリア「目押し打順A」~「目押し打順D」は、正解打順で操作がされ、かつ、所定のタイミング(第1所定タイミング)で所定の停止操作がされた場合、15枚役が入賞するようになっている。第1所定タイミングで所定の停止操作がされた場合とは、例えば、最初に停止されるリール20a~20cにおける特定図柄(例えば赤BAR図柄「赤BAR」)が含まれる所定範囲内の図柄が所定の表示位置(例えば有効ライン上)に位置しているときに第1停止操作がされた場合、としてもよい。換言すると、正解打順で操作をし、かつ、特定図柄を狙って第1停止操作を行うことで、15枚役を入賞させることが可能となっている。
また、当選エリア「目押し打順A」~「目押し打順D」は、不正解打順で操作がされた場合、および、正解打順で操作がされ、かつ所定のタイミング(第2所定タイミング)で所定の停止操作がされた場合、1枚役が入賞するようになっている。第2所定タイミングで所定の停止操作がされた場合とは、例えば、最初に停止されるリール20a~20cにおける前記特定図柄が含まれない所定範囲内の図柄が所定の表示位置(例えば有効ライン上)に位置しているときに第1停止操作がされた場合、としてもよい。
【0131】
4択黄7は、当選した場合に正解打順で操作がされると8枚役が入賞する当選エリアとなっており、目押し打順役は、当選した場合に正解打順で操作がされ、かつ、所定のタイミング(第1所定タイミング)で所定の停止操作がされると15枚役が入賞する当選エリアとなっている。本実施形態では、当選した場合に払い出され得るメダル枚数が4択黄7よりも多い当選エリアとして目押し打順役が設けられている。
【0132】
また、当選エリア「目押し打順A」~「目押し打順D」は、一般中状態において当選したときには、正解打順で操作がされ、かつ、所定のタイミング(第1所定タイミング)で所定の停止操作がされた場合、15枚役が入賞するようになっている。また、当選エリア「目押し打順A」~「目押し打順D」は、一般中状態において当選したときには、不正解打順で操作がされた場合、および、正解打順で操作がされ、かつ所定のタイミング(第2所定タイミング)で所定の停止操作がされた場合、1枚役が入賞するようになっている。一般中状態における当選エリア「目押し打順A」~「目押し打順D」の正解打順は2通りに定められており、他の4通りの打順は不正解打順とされている。一般中状態における当選エリア「目押し打順A」~「目押し打順D」は、打順3から打順6のうちのいずれか2通りが正解打順に設定されており、打順1および打順2は不正解打順に設定されている。具体的には、当選エリア「目押し打順A」および「目押し打順順B」は、打順3および打順4が正解打順に設定され、打順1、打順2、打順5および打順6が不正解打順に設定されている。当選エリア「目押し打順C」および「目押し打順D」は、打順5および打順6が正解打順に設定され、打順1~打順4が不正解打順に設定されている。すなわち、当選エリア「目押し打順A」~「目押し打順D」は、一般中状態の方がRBB内部中状態に比べ正解打順の数が多く設定されており、当選した場合に15枚役を入賞させることができる確率(メダルの獲得に対する期待値)が高くされている。
【0133】
入賞判定手段44は、リール20a~20cの回転が停止されると作動され、リール20a~20cの停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する。具体的には、リール20a~20cが停止することによって有効ライン上に表示(停止表示)された図柄組合せを、記憶手段60のROMに記憶されている入賞判定テーブルに照合する。入賞判定テーブルには、各当選役のそれぞれの入賞形態(停止表示された場合に入賞となる図柄組合せ)が記憶されており、前述した照合により、入賞の有無や入賞した当選役の種類が判明する。本実施形態における有効ライン上に表示される図柄組合せと入賞となる役との対応関係を図19図20に示す。図19図20に示すように、例えば、第1リール20aの下段に黒BAR図柄「黒BAR」が停止し、第2リール20bの中段に赤7図柄「赤7」または白7図柄「白7」が停止し、第3リール20cの上段に黄7図柄「黄7」が停止した場合には、小役1が入賞となる。
【0134】
メイン制御基板31は、当選役が入賞した場合、入賞した当選役に対応する入賞処理を実行する。入賞処理としては、具体的には、小役が入賞した場合には払出処理を行い、リプレイが入賞(作動)した場合にはリプレイ処理(再遊技処理)を行い、ボーナスが入賞(作動)した場合には遊技状態を移行させる処理(遊技状態移行制御処理)を行う。
【0135】
ここで、払出処理は、小役が入賞した場合に、役毎に定められている配当に基づいて決定された枚数のメダルを払い出す処理であり、払出制御手段45が行う。払出制御手段45は、小役が入賞した場合に、役毎に定められている配当に基づいてメダルの払出数を決定し、決定された払出数のメダルをホッパー装置に払い出させる。なお、クレジットが許可されている場合には、ホッパー装置によって実際にメダルを払い出す代わりに、記憶手段60のRAMに設けられたクレジット記憶領域に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して、払出数を加算するクレジット加算処理を行って、仮想的にメダルを払い出す。
【0136】
本実施形態では、小役1~小役3に入賞すると15枚のメダルが払い出され、小役4~小役8に入賞すると8枚のメダルが払い出され、小役9~小役14に入賞すると3枚のメダルが払い出され、小役15~小役33に入賞すると1枚のメダルが払い出されるようになっている。
【0137】
また、リプレイ処理は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ遊技開始待機状態に設定する処理であり、リプレイ制御手段46が行う。リプレイが入賞した場合には、前回の遊技(当該リプレイが入賞した遊技)において投入状態に設定された枚数と同じ枚数分のメダルを、遊技者の手持ちのメダル(クレジットされたメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、自動投入処理によって投入されたメダルの数に対応する有効ラインを設定した状態で次回のスタートレバー24に対する遊技開始操作を待機する。また、自動投入処理が行なわれた場合、メダルを追加投入することはできないようになっている。
【0138】
遊技状態制御手段49は、図21に示すように、一般中状態、RBB内部中状態(ボーナス成立状態)およびRBB作動中状態(ボーナス状態)の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したことに基づいて遊技状態を移行させてもよく、複数の予め定められた条件の複数あるいは全てが成立したことに基づいて、遊技状態を移行させてもよい。
【0139】
また、上述のように、内部抽選手段42は、遊技状態に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行う。具体的には、一般中状態では、ビッグボーナスが抽選対象に設定されている内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。また、RBB内部中状態では、ビッグボーナスが抽選対象から除外された内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。また、RBB作動中状態では、ビッグボーナスが抽選対象から除外された内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。
【0140】
遊技状態は、初期状態においては、一般中状態となっている。一般中状態においては、当選エリア「不当選」、「小役ALL」、「8枚ALL」、「3枚ALL」および「1枚ALL」を除く全ての当選エリアが抽選対象に設定された内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。また、一般中状態からはRBB内部中状態への移行が可能となっている。遊技状態制御手段49は、一般中状態においてビッグボーナスが当選した場合に、遊技状態をRBB内部中状態へ移行させる。
【0141】
RBB内部中状態(第1遊技状態)は、内部抽選でビッグボーナス(特別役)に当選したことを契機として移行する遊技状態である。RBB内部中状態では、当選エリア「不当選」、「小役ALL」、「8枚ALL」、「3枚ALL」、「1枚ALL」および「RBB」を除く全ての当選エリアが抽選対象に設定された内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。また、RBB内部中状態では、ビッグボーナスが入賞するまでビッグボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持され、ビッグボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されると、遊技状態制御手段49は、遊技状態をRBB内部中状態からRBB作動中状態へ移行させる。
【0142】
RBB作動中状態(第2遊技状態)は、ビッグボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。RBB作動中状態では、当選エリア「不当選」、「小役ALL」、「8枚ALL」、「3枚ALL」および「1枚ALL」が抽選対象に設定された内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。また、RBB作動中状態では、RBB作動中状態において払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、予め定められた所定枚数を超えるメダルが払い出されると、遊技状態制御手段49は、RBB作動中状態を終了させて、遊技状態を一般中状態へ移行させる。
なお、本実施形態では、RBB作動中状態の終了条件がメダルの払出数の合計によって定められているが、RBB作動中状態での遊技回数や小役の入賞回数等によって終了条件が定められていてもよい。またRBB作動中状態は、1回の遊技で終了するように終了条件が定められたものであってもよい。
【0143】
図16に示すように、指示機能制御手段51は、遊技区間制御手段80と、演出状態制御手段81と、特典付与手段82と、を備えている。指示機能制御手段51は、有利区間において特定の役の入賞を補助する指示機能の作動に係る処理を行う。具体的には、指示機能制御手段51は、所定の役が当選した場合に、この役の入賞を補助する指示演出を行うか否かを決定する。より具体的には、指示機能制御手段51は、例えば4択黄7が当選した場合に、正解打順を報知して8枚役の入賞を補助する指示演出(打順ナビ演出)を行うか否かを決定する。指示機能制御手段51が打順ナビ演出を行うと決定すると、演出制御手段100が、打順ナビ演出を液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出装置に実行させるようになっている。なお、打順ナビ演出を行う場合には、遊技情報表示部17の7セグメント表示器にも正解打順を示す情報が表示される。
【0144】
遊技区間制御手段80は、図22に示すように、遊技の進行状況に応じて、非有利区間と有利区間との間で遊技区間を移行させる遊技区間移行制御処理を行う。非有利区間は、複数種類の遊技区間の中で初期状態に相当する遊技区間となっている。非有利区間においては、特典付与手段82が有利区間移行抽選を行い、有利区間移行抽選に当選すると、遊技区間制御手段80が遊技区間を有利区間へ移行させる。また、有利区間は、遊技を行うことが可能な回数に上限値(ここでは、3000回とする)が設けられた遊技区間となっている。また、遊技区間が非有利区間に設定されている状態では指示演出を行うことができず、有利区間に設定されている場合に限り指示演出を行うことができるようになっている。遊技区間制御手段80は、有利区間において遊技を行った回数が上限値である3000回に達すると有利区間を終了させ、遊技区間を非有利区間へ移行させる。
【0145】
特典付与手段82は、非有利区間においては、所定契機で有利区間への移行の可否を決定する抽選(有利区間移行抽選)を行う。具体的には、特典付与手段82は、内部抽選の結果(所定の役(当選エリア)の当選)に基づいて、有利区間への移行の可否を決定する抽選(有利区間移行抽選)を行う。そして、有利区間移行抽選に当選すると、遊技区間制御手段80は、遊技区間を非有利区間から有利区間へ移行させる。
【0146】
また、遊技区間制御手段80は、有利区間において1回の遊技が行われる毎に、スタートレバー24に対する遊技開始操作を契機として、記憶手段60のRAMに設けられた有利区間遊技数カウンタ65の記憶値に1回分の遊技に相当する値として「1」を加算するインクリメント処理を行う。なお、遊技区間制御手段80は、非有利区間においては、有利区間遊技数カウンタ65への加算を行わない。また、非有利区間から有利区間へ移行した時点においては、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値は「0」となっている。そして、遊技区間制御手段80は、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値がしきい値(上限値)「3000」に達すると、有利区間の終了条件が成立したとして、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。すなわち、有利区間における遊技回数は、上限値が3000回に設定されており、有利区間において3000回を超える遊技が連続して行なわれないようになっている。
【0147】
また、遊技区間制御手段80は、有利区間において、記憶手段60のRAMに設けられた第1差枚数カウンタ64の記憶値をメダルの差枚数によって更新し、メダルの払出数に相当する値(例えば、8枚のメダルの払い出しがあった場合には「8」とし、いずれの役も入賞せずに払い出しがなかった場合には「0」とする)から遊技に使用されたメダルの投入数に相当する値(例えば、3枚の投入があった場合には「3」とする)を減算して当該遊技における差枚数の演算結果を求めて、この演算結果を第1差枚数カウンタ64の記憶値に加算する更新処理を行う。なお、遊技区間制御手段80は、非有利区間においては、第1差枚数カウンタ64への加算を行わない。また、非有利区間から有利区間へ移行した時点においては、第1差枚数カウンタ64の記憶値は「0」となっている。そして、遊技区間制御手段80は、第1差枚数カウンタ64の記憶値がしきい値(例えば、「2400」)を超えた場合に有利区間の終了条件が成立したとして、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。なお、第1差枚数カウンタ64の記憶値は初期値「0」を下回らないように制御され、例えば、遊技開始時における第1差枚数カウンタ64の記憶値が「2」であり、遊技を行った結果、いずれの役も入賞せずにメダルの払い出しがなかった場合には、その遊技における差枚数の演算結果が「-3」となり、第1差枚数カウンタ64の記憶値に差枚数の演算結果を加算すると初期値「0」を下回ってしまうが、更新後の第1差枚数カウンタ64の記憶値は初期値「0」を下限値としてカウントストップされるようになっている。すなわち、有利区間において獲得可能なメダル数には、上限値が設定されており、有利区間においてメダルが最も減少したときを基準「0」として、当該基準からのメダルの増加数が2400枚を超えた場合に有利区間が終了するようになっている。また、遊技においてリプレイの入賞があった場合には、リプレイの入賞した遊技で当該遊技の規定投入数に相当するメダルの払い出しがあったものとして取り扱って差枚数を求め、リプレイの入賞によって無償で提供される次回の遊技については実際のメダルの投入は行われていなくても当該遊技の規定投入数に相当するメダルの投入が行われたものとして扱い、差枚数を求めることとしてもよい。
【0148】
また、有利区間表示器は、非有利区間において消灯し、有利区間において点灯するようになっている。なお、有利区間表示器は、有利区間に移行すると同時に点灯させる必要はなく、最初の指示演出を行うまでに点灯させればよい。また、一度点灯させると、有利区間が終了するまでは、消灯しないようになっている。
【0149】
演出状態制御手段81は、図22に示すように、非有利区間演出状態、通常演出状態、特別演出状態、チャンス演出状態およびAT演出状態(指示演出状態)を含む複数種類の演出状態の間で演出状態を移行させる演出状態移行制御処理を行う。また、AT演出状態には、通常AT演出状態および特別AT演出状態が含まれる。演出状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したことによって演出状態を移行させてもよく、複数の予め定められた条件の複数あるいは全てが成立したことに基づいて、演出状態を移行させてもよい。
【0150】
非有利区間演出状態は、複数種類の演出状態の中で初期状態に相当する演出状態である。非有利区間においては、演出状態制御手段81は、演出状態を非有利区間演出状態に設定している。非有利区間演出状態(非有利区間)においては、上述のように特典付与手段82が有利区間移行抽選を行っており、有利区間移行抽選において有利区間への移行が決定されると、演出状態制御手段81は、演出状態を通常演出状態に移行させる。
【0151】
通常演出状態は、有利区間が開始される際に基本的に移行する演出状態であり、有利区間の開始時については、通常演出状態に移行する確率が他の演出状態に移行する確率よりも高く設定されている。また、通常演出状態は、特別演出状態やAT演出状態に比べ、打順ナビ演出が実行される頻度が低く、打順ナビ演出がほぼ行われないか、あるいは全く行われないようになっている。本実施形態では、通常演出状態は、打順ナビ演出が実行されない期間となっている。通常演出状態では、特典付与手段82は、内部抽選の結果(例えば所定の役(当選エリア)の当選)に応じて、特別演出状態へ移行させるか否かを決定する抽選(特別抽選)を行う。通常演出状態において、特別抽選に当選した場合、演出状態制御手段81は、演出状態を特別演出状態へ移行させる。
【0152】
以下、通常演出状態を第1演出状態と称する場合がある。なお、第1演出状態には、前術の非有利区間演出状態が含まれてもよい。
【0153】
特別演出状態(疑似ボーナス演出状態)では、所定回数(例えば25回)の遊技が行われるようになっている。換言すると、演出状態制御手段81は、特別演出状態において所定回数の遊技が行われると、特別演出状態を終了させる。特別演出状態は、打順ナビ演出が実行され得る区間となっている。換言すると、特別演出状態では、指示機能制御手段51は、打順ベル(所定の役(当選エリア):4択黄7)が当選すると、正解打順を報知する打順ナビ演出の実行を決定する。打順ナビ演出の実行が決定されると、演出制御手段100は、正解打順を報知して8枚役の入賞を補助する打順ナビ演出を、液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出装置に実行させる。打順ベルが当選し、打順ナビ演出で報知された正解打順に沿ってストップボタン26a~26cが押下されると、8枚役が入賞して8枚のメダルを獲得することができる。打順ナビ演出が実行される特別演出状態は、第1演出状態よりも遊技者にとって有利な状態となっている。演出状態制御手段81は、特別演出状態の終了に基づき、演出状態をチャンス演出状態へ移行させる。
なお、本実施形態では、通常演出状態での特別抽選の当選に基づき特別演出状態へ移行し、特別演出状態を経由してチャンス演出状態へと移行するが、通常演出状態からチャンス演出状態へ直接移行することがあってもよい。
【0154】
チャンス演出状態では、所定回数(例えば10回)の遊技が行われるようになっている。換言すると、演出状態制御手段81は、チャンス演出状態において所定回数の遊技が行われると、チャンス演出状態を終了させる。チャンス演出状態は、特別演出状態やAT演出状態に比べ、打順ナビ演出が実行される頻度が低く、打順ナビ演出がほぼ行われないか、あるいは全く行われないようになっている。本実施形態では、チャンス演出状態は、打順ナビ演出が実行されない期間となっている。
【0155】
チャンス演出状態では、特典付与手段82が、AT演出状態へ移行させるか否かを決定する抽選(AT抽選)を行う。具体的には、チャンス演出状態では、特典付与手段82は、内部抽選の結果(例えば所定の役(当選エリア)の当選)に応じて、AT抽選を行う。このAT抽選に当選すると、遊技者にとって有利となる特典としてのAT演出状態へ移行する権利が付与される。なお、チャンス演出状態において、AT演出状態へ移行する権利が複数付与されることがあってもよい。
【0156】
チャンス演出状態は、AT抽選が実行され得る期間であり、AT演出状態への移行が決定される期待度(指示演出に関する所定の特典の付与に対する期待度)が、第1演出状態よりも高く設定されている。すなわち、チャンス演出状態を第2演出状態とすると、第2演出状態は、第1演出状態よりも遊技者にとって有利な状態となっている。
なお、第1演出状態において、内部抽選の結果に基づきAT抽選が実行されることがあってもよいが、その場合であっても、チャンス演出状態(第2演出状態)の方が第1演出状態よりもAT演出状態への移行が決定される期待度が高くなっており、遊技者にとって有利な状態となっている。
【0157】
演出状態制御手段81は、チャンス演出状態の終了時にAT演出状態へ移行する権利が付与されているか否かを判定し、当該権利が付与されている場合、演出状態をAT演出状態(特別AT演出状態)へ移行させる。一方、当該権利が付与されていない場合、演出状態を非有利区間演出状態へ移行させる。このとき、遊技区間制御手段80は、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。なお、チャンス演出状態の終了時に有利区間の終了条件が成立していない場合、演出状態を通常演出状態へ移行させ、有利区間が継続される(非有利区間へ移行させない)ことがあってもよい。
【0158】
AT演出状態では、指示機能制御手段51は、打順ベル(所定の役(当選エリア):4択黄7)が当選すると、正解打順を報知する打順ナビ演出(指示演出)の実行を決定する。打順ナビ演出の実行が決定されると、演出制御手段100は、正解打順を報知する打順ナビ演出を実行する。打順ナビ演出が実行されるAT演出状態は、第1演出状態よりも遊技者にとって有利な状態となっている。
なお、本実施形態では、AT演出状態における通常AT演出状態および特別AT演出状態のいずれの演出状態においても、打順ベルが当選した際に、打順ナビ演出が実行されるようになっているが、特別AT演出状態における打順ナビ演出の発生頻度を、通常AT演出状態よりも低くしてもよく高くしてもよい。なお、ここで、頻度が低いとは打順ナビ演出が全く行われない場合を含む。
【0159】
本実施形態では、AT演出状態の継続は、AT演出状態において獲得したメダルの差枚数により管理されている。具体的には、AT演出状態の継続は、記憶手段60のRAMに設けられたAT終了判定カウンタ67の記憶値に基づき管理されている。特典付与手段82は、AT演出状態の開始時に移行する特別AT演出状態において、AT終了判定カウンタ67に設定する値を決定する。換言すると、特典付与手段82は、特別AT演出状態において、AT終了判定カウンタ67の記憶値を増加させる上乗せを実行する。本実施形態では、特典付与手段82は、AT演出状態の開始時に移行する特別AT演出状態において、AT終了判定カウンタ67の記憶値に設定する所定の差枚数に相当する値(初期値)を決定する。換言すると、特典付与手段82は、特別AT演出状態において、AT終了判定カウンタ67の記憶値を増加させる。なお、AT演出状態の開始時に特別AT演出状態を経由しない場合があってもよく、その場合には、AT演出状態の開始時にAT終了判定カウンタ67の記憶値に所定の差枚数に相当する値が設定されるとしてもよい。また、当該値は、抽選等により決定されるものであってもよい。
【0160】
特別AT演出状態は、AT演出状態の継続に係る値(AT終了判定カウンタ67の記憶値)の初期値を決定する演出状態となっている。演出状態制御手段81は、特別AT演出状態の終了に基づき、演出状態を通常AT演出状態へ移行させる。特別AT演出状態では、所定回数(例えば3回)の遊技が行われ、毎遊技、AT終了判定カウンタ67の記憶値に加算する値が抽選(上乗せ抽選)によって決定される。なお、上乗せ抽選ではAT終了判定カウンタ67の記憶値に加算する値を「0」とすることが決定されてもよい。本実施形態では、特別AT演出状態において、AT終了判定カウンタ67の記憶値が所定の値(例えば30)以上増加するようになっている。
なお、特別AT演出状態への移行はAT演出状態の開始時に限るものではない。例えば、AT演出状態において、所定の役(当選エリア)の当選に基づき抽選が行われ、当該抽選に当選して特典としての特別AT演出状態へ移行する権利が付与され、それに基づき特別AT演出状態へ移行することがあってもよい。また、特別AT演出状態以外の演出状態において、所定の役(当選エリア)の当選に基づき、特典としてのAT終了判定カウンタ67の記憶値を増加させる上乗せ(上乗せ抽選)が実行されることがあってもよい。
【0161】
演出状態制御手段81は、特別AT演出状態の終了に基づき、演出状態を通常AT演出状態へ移行させる。換言すると、特別AT演出状態において所定回数(例えば3回)の遊技が行われると、通常AT演出状態が開始される。
【0162】
演出状態制御手段81は、通常AT演出状態において遊技が行われるごとに、AT終了判定カウンタ67の記憶値から、当該遊技の差枚数に相当する値を減算する処理を行う。当該遊技(1回の遊技)の差枚数は、メダルの払出数に相当する値(例えば、8枚のメダルの払い出しがあった場合には「8」とし、いずれの役も入賞せずに払い出しがなかった場合には「0」とする)から、遊技に使用されたメダルの投入数に相当する値(例えば、3枚の投入があった場合には「3」とする)を減算して求められる。そして、演出状態制御手段81は、通常AT演出状態においてAT終了判定カウンタ67の記憶値がしきい値「0」に達すると、AT演出状態の終了条件(終了条件のうちの1つ)が成立したとして、AT演出状態(通常AT演出状態)を終了させ、演出状態を非有利区間演出状態へ移行させる。このとき、遊技区間制御手段80は、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。なお、AT演出状態の終了時に、有利区間の終了条件が成立していない場合、演出状態を通常演出状態へ移行させ、有利区間が継続される(非有利区間へ移行させない)ことがあってもよい。本実施形態では、AT演出状態(通常AT演出状態)において獲得したメダルの差枚数が、所定の差枚数(特別AT演出状態で設定された差枚数)に達したことに基づき、AT演出状態が終了するようになっている。
【0163】
なお、通常AT演出状態においてAT終了判定カウンタ67の記憶値がしきい値「0」に達した際に、AT演出状態へ移行する権利(または特別AT演出状態へ移行する権利)を有している場合には、演出状態制御手段81は、AT演出状態(または特別AT演出状態)を開始させてもよい。
【0164】
本実施形態では、AT演出状態の継続をAT演出状態において獲得したメダルの差枚数により管理するものとしたが、AT演出状態において獲得したメダルの枚数に基づき管理してもよく、また、AT演出状態の継続をAT演出状態における遊技回数、AT演出状態で実行される打順ナビ演出の回数等に基づき管理してもよい。AT終了判定カウンタ67の記憶値は、例えば、AT演出状態において実行可能な遊技の回数を表すものであってもよく、AT演出状態において実行可能な打順ナビ演出の回数(打順ナビ回数)を表すものであってもよい。換言すると、特別AT演出状態において実行可能な遊技回数や実行可能な打順ナビ回数等に相当する値をAT終了判定カウンタ67に設定するとともに、通常AT演出状態において、遊技あるいは打順ナビ演出が行われる毎にAT終了判定カウンタ67の記憶値を更新し、AT終了判定カウンタ67の記憶値がしきい値に達したことに基づき、AT演出状態を終了させることとしてもよい。
【0165】
また、本実施形態において、非有利区間演出状態からAT演出状態へ直接移行することがあってもよい。例えば、有利区間移行抽選において、単に有利区間(通常演出状態)への移行の可否を決定するのではなく、演出状態をAT演出状態に移行させるか、通常演出状態へ移行させるか、それとも非有利区間演出状態のまま移行させないか抽選することとしてもよい。換言すると、AT抽選を非有利区間演出状態において行ってもよい。
また、通常演出状態からAT演出状態へ直接移行することがあってもよい。例えば、特別抽選において、単に特別演出状態への移行の可否を決定するのではなく、演出状態をAT演出状態に移行させるか、特別演出状態へ移行させるか、それとも通常演出状態のまま移行させないか抽選することとしてもよい。換言すると、AT抽選を通常演出状態において行ってもよい。
【0166】
また、AT演出状態は、ボーナスの当選あるいは入賞に基づいて移行する遊技状態に応じて設定されるものであってもよい。例えば、遊技状態がRBB内部中状態である場合にAT演出状態への移行を可能とし、一般中状態やRBB作動中状態においてはAT演出状態への移行を不可能としてもよい。換言すると、一般中状態やRBB作動中状態においては、例えば、AT抽選に当選したとしてもAT演出状態に移行させないこととしてもよく、また、AT抽選を行わないようにしてもよい。
【0167】
また、演出状態がAT演出状態であって遊技状態がRBB内部中状態であるときにボーナスに入賞した場合、このボーナスの入賞により移行するRBB作動中状態の終了後に一般中状態を経由して再びRBB内部中状態に移行するまでの間、AT演出状態を中断することとしてもよい。すなわち、ボーナスに入賞すると打順ナビ演出を止め、再びRBB内部中状態に移行すると打順ナビ演出を再開させるようにしてもよい。
【0168】
指示機能制御手段51は、有利区間が終了し、遊技区間が非有利区間に移行する際に、指示機能に係る情報として記憶手段60のRAMに記憶されている情報を初期化する指示機能情報初期化処理を行う。具体的には、指示機能制御手段51は、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値、第1差枚数カウンタ64の記憶値、指示機能に係る抽選に関するフラグ(抽選結果)およびAT終了判定カウンタ67の記憶値等を初期化する。すなわち、指示機能に係る情報は、複数の有利区間を跨いで持ち越されることがないようになっている。また、初期化手段48が、設定値が変更された際に行う上述の初期化処理を行うと、ここで示した指示機能(指示演出)に係る情報も初期化されるようになっている。
【0169】
本実施形態では、指示機能制御手段51(演出制御手段100)は、遊技状態がRBB内部中状態である場合には、指示機能に係る抽選(例えばAT演出状態への移行に関する抽選)や、打順ナビ演出に関する特典(例えばAT演出状態への移行確率を上昇させる特典)の付与や、打順ナビ演出等の指示機能に係る処理を行うが、遊技状態が一般中状態またはRBB作動中状態である場合には、指示機能に係る抽選や、打順ナビ演出に関する特典の付与や、打順ナビ演出等の指示機能に係る処理を行わないようになっている。本実施形態では、基本的に遊技者はRBB内部中状態において遊技を行うようにされているため、以下では、基本的に遊技状態はRBB内部中状態であることを前提として説明する。
【0170】
図16に示すように、サブ制御基板32は、演出サブ制御手段70と、サブメモリ72と、を備えている。
演出サブ制御手段70は、サブメモリ72に記憶されている演出データに基づいて、液晶ディスプレイ13を用いて行う演出や、スピーカ14を用いて行う演出や、照明装置38を用いて行う演出に関する制御を行う。例えば、メダルの投入、ベットボタン23、スタートレバー24およびストップボタン26a~26cに対する操作や、遊技状態の変動等の遊技イベントの発生に応じて照明装置38を点灯あるいは点滅させたり、液晶ディスプレイ13の表示内容を変化させたり、スピーカ14から音を出力させたりすることにより、遊技の進行状況に応じて、遊技を盛り上げたり、遊技を補助するための演出の実行制御を行う。
【0171】
遊技において実行される演出の内容は、遊技状態、演出状態および内部抽選の結果等に対応してメイン制御基板31から送信されるコマンドに応じて、サブメモリ72に記憶されている演出抽選テーブルを用いて決定される。本実施形態では、サブメモリ72のROMに記憶されている画像データをサブメモリ72に設けられたイメージバッファに読み込んで、イメージバッファに読み込まれた画像データに基づく画像が液晶ディスプレイ13に出力(表示)される。また、サブメモリ72のROMに記憶されているサウンドデータをサブメモリ72に設けられたサウンドバッファに読み込んで、サウンドバッファに読み込まれたサウンドデータに基づく音がスピーカ14から出力される。
【0172】
(エラー)
図16に示すように、メイン制御基板31は、メインエラー検出手段106と、メインエラー管理手段107と、を備えている。メインエラー検出手段106は、各種センサの信号状態を監視し、エラー検出条件を満たしているかを判定し、エラー検出条件を満たしていることに基づき発生しているメインエラーを特定し、メインエラーを検出する。
【0173】
メインエラー検出手段106は、各種センサの信号状態に基づいて、逆流エラー、エンプティエラー、払出詰まりエラー、払出異常エラー、オーバーエラー、滞留エラー、バックアップエラー、投入異常エラー、表示判定異常エラー、RWM異常エラーおよび設定値異常エラー等を検出する。メインエラー検出手段106は、所定のメインエラーを検出すると、記憶手段60(主記憶手段)に、対応するエラー検出フラグを設定する。
【0174】
逆流エラーは、メダルが流路において逆流していることに起因するエラーである。
エンプティエラーは、ホッパーユニットに貯蔵されているメダルがなくなったことに起因するエラーである。
払出詰まりエラーは、ホッパーユニットにおいて払い出されるべきメダルが詰まって排出されていないことに起因するエラーである。
払出異常エラーは、メダルの払い出しを行うべきではない状況でメダルの払い出しがあったことに起因するエラーである。
オーバーエラーは、キャッシュボックスに貯蔵されている余剰メダルが所定量を超えたことに起因するエラーである。
滞留エラーは、メダルセレクタ内でメダルが詰まっていることに起因するエラーである。
バックアップエラーは、RWMのバックアップに不具合が生じたことに起因するエラーである。具体的には、電源投入時において、RWMのバックアップ異常を検出した場合に検出されるエラーである。
投入異常エラーは、ブロッカーを作動させてメダルシュートへの流路を閉塞したことによってメダルの流路が切り替えられたにも関わらずに、メダルが正規の流路(ここではメダル払出口に返却される流路)とは異なる流路を通過していることに起因するエラーである。また、投入異常エラーには、シュートエラーがある。シュートエラーは、メダルセレクタを通過したメダルの数とメダルシュートを通過したメダルの数とに一定以上の差が生じたことに起因するエラーである。また、投入異常エラーには投入検知エラーがある。投入検知エラーは、メダル投入口22付近でメダルが詰まっていることに起因するエラーである。
表示判定異常エラーは、当選役でない図柄が表示された場合に検出されるエラーである。
RWM異常エラーは、RWMの読み書きが正常に行われなかった場合に検出されるエラーである。
設定値異常エラーは、内部抽選時において、設定値が許容範囲外の場合に検出されるエラーである。
【0175】
また、図16に示すように、サブ制御基板32は、サブエラー検出手段202と、サブエラー管理手段203と、を備えている。サブエラー検出手段202は、メイン制御基板31から送信されたコマンドに基づきエラー検出条件を満たしているか否かを判定し、エラー検出条件を満たしていることに基づき発生しているサブエラーを特定し、サブエラーを検出する。
【0176】
サブエラー検出手段202は、ドア開放エラー、通信エラー等を検出する。ドア開放エラーは、下扉12b(前扉12)が開いていることに起因するエラーである。具体的には、下扉12bが開くことによって作動するドア開閉スイッチの信号状態がオン状態(下扉12bが開いていることを示す信号状態)で一定期間(約48ms)以上継続した場合に検出されるエラーである。通信エラーは、メイン制御基板31とサブ制御基板32との間の通信ケーブルの断線等による通信不良に起因するサブエラーであって、メイン制御基板31から定期的に送信される断線監視コマンドの受信から一定期間(例えば20ms)以上経過した場合に検出される。
【0177】
メインエラー管理手段107は、記憶手段60にいずれかのエラー検出フラグが設定されると、エラーウェイト処理を行って所定の解除操作が行われるのを待機し、このエラーウェイト処理において、メインエラー検出手段106によって検出されたメインエラー(エラーコード)を、第1メイン表示器17aを介して報知するとともに、所定の解除操作が行われたことに基づいてエラー検出フラグ等をクリアする解除処理(エラー解除処理)を行う。各エラーには、図23に示すように、エラーの種類に応じてエラーコードが割り当てられている。所定の解除操作(エラー解除操作)としては、例えば、ドアキーシリンダ69にドアキーを挿入し、ドアキーを反時計回りに回転させる(捻る)という操作と、設定変更ボタンを押下するという操作とがある。図23に示すように、エラーの種類ごとに、エラー解除操作が設定されている。
【0178】
メインエラー管理手段107は、エラーウェイト処理において、解除操作を受け付けて、記憶手段60に記憶されている検出フラグやタイマ(エラー管理タイマ)の計時情報等のエラー関連情報をクリア(消去)する解除処理(エラー解除処理)を行う。
【0179】
本実施形態では、メイン制御基板31からサブ制御基板32への情報の送信はシリアル通信によってコマンドを送信することによって実現されているが、メイン制御基板31からサブ制御基板32へ送信されるコマンドに含まれる情報としては、設定値、遊技状態、メダルの投入数や払出数、内部抽選の結果、各種スイッチ等の信号状態、リールの停止制御の内容、入賞判定の結果および発生したメインエラーに関するもの等がある。
【0180】
本実施形態では、メインエラーが発生した場合に、メイン制御基板31が、エラー検出フラグが設定されているエラー種別に対応するエラー発生コマンドや、解除操作が行われたことを示すエラー解除コマンドを、サブ制御基板32に送信する。また、メイン制御基板31は、ドア開閉スイッチの信号状態が変化した場合、信号状態がOFF状態(前扉12が閉まっていることを示す信号状態)からON状態(前扉12が開いていることを示す信号状態)へ変化したことに基づきドア開コマンドをサブ制御基板32に送信し、信号状態がON状態からOFF状態へ変化したことに基づきドア閉コマンドをサブ制御基板32に送信する。本実施形態では、前扉12が開放されていても、それ自体はメインエラーとしては取り扱わずに他のメインエラーが発生していなければ後述するメインループ処理は続行可能となっている。
【0181】
サブエラー検出手段202は、メイン制御基板31から送信されたエラー発生コマンドを受信すると、エラー発生コマンドによって特定されるメインエラーに対応するエラー検出フラグをサブメモリ72に設定する。
【0182】
サブエラー検出手段202は、サブエラーを検出すると、サブメモリ72(副記憶手段)に、対応するエラー検出フラグを設定する。サブエラー管理手段203は、サブメモリ72にサブエラーに対応するエラー検出フラグが設定されている場合、エラー検出フラグの種類に対応したエラーコードをサブ表示器17cに表示させる。ドア開放エラーは、前扉12が閉まると(ドア閉コマンドが送られると)解除されるようになっている。なお、ドア開放エラーはメインエラーでもよい。換言すると、ドア開放エラーは、メインエラー検出手段106において検出されるエラーであってもよい。通信エラーは、電断復帰によるサブメモリ72の初期化のみによって復帰可能となっている。
本実施形態において、サブエラーとして説明したエラーはメインエラーであってもよく、メインエラーとして説明したエラーはサブエラーであってもよい。
【0183】
サブエラー管理手段203は、サブメモリ72にエラー検出フラグが設定されると、報知対象のエラーを決定し、当該エラーに対応した演出態様で演出装置(液晶ディスプレイ13、ランプ38、スピーカ14)を制御しエラー報知処理(エラー報知演出)を行う。なお、本実施形態において、エラーの報知という場合、各種演出装置を介して実行されるものに限らず、第1メイン表示器17aやサブ表示器17cを介して実行されるものが含まれるものとする。
【0184】
また、サブエラー管理手段203は、エラー報知処理において報知対象のエラーを報知するとともに、メイン制御基板31からエラー解除コマンドやドア閉コマンドが送信されるのを待機し、エラーの復帰条件が成立したことに基づきサブメモリ72に設定されているエラー検出フラグ等をクリアして演出装置の状態を元に戻すエラー復帰処理(エラー解除処理)を行う。換言すると、サブエラー管理手段203は、設定変更ボタンの押下操作やドアキーシリンダ69に挿入されたドアキーを反時計回りに回転させる(捻る)操作等に基づき、エラー復帰処理を行う。
なお、本実施形態では、サブ制御基板32からメイン制御基板31へは何らの情報も送信されないようになっており、サブエラーの発生がメイン制御基板31でのメインループ処理の進行に影響を与えることはなく、メインエラーが発生していなければサブエラーが発生している状況でもメインループ処理を続行可能となっている。
【0185】
本実施形態では、遊技を行う際にメダル(遊技媒体)を投入し、所定の役の入賞に基づきメダルがメダル受け皿28に払い出されるスロットマシン10について示したが、これに限らず、遊技機は、遊技媒体を用いずに電子的情報としての遊技価値を用い、遊技価値が消費されたり、遊技価値が付与されたりすることによって遊技が行われるものであってもよい(いわゆるメダルレス遊技機)。メダルレス遊技機では、メダルの投入の代わりに遊技価値が消費され、メダルの払い出しの代わりに遊技価値が付与される。
【0186】
ここで、図24を用いて、メダルレス遊技機1000について説明する。なお、スロットマシン10と同様の構成については、その説明を省略または簡略化する。図24は、メダルレス遊技機1000を正面側から見た斜視図である。図示を省略しているが、メダルレス遊技機1000の側方(右側)にはカードユニット(遊技価値貸出装置、遊技メダル貸出装置)が設けられている。メダルレス遊技機1000は、スロットマシン10と異なり、メダル投入口、メダル払出口、メダル受け皿等の構成や、メダルセレクタ、ホッパーユニット等の投入されたメダルを制御する装置を備えていない。
【0187】
メダルレス遊技機1000では、カードユニットに対する貸出操作等に基づき、所定数の遊技価値に相当する値がクレジット(記憶手段60におけるクレジット記憶領域の記憶値)に設定される。記憶手段60におけるクレジット記憶領域の記憶値は、クレジット数(貯留数)と言うことができる。クレジット数(遊技に使用可能な遊技メダル数)は、遊技メダル数表示装置111に表示される。メダルレス遊技機1000では、スロットマシン10のようにクレジット数の上限が「50」に設定されておらず、上限の数は、例えば、遊技メダル数表示装置111に表示可能な数の範囲内で設定されていてもよい。
【0188】
メダルレス遊技機1000の操作領域50には、遊技メダル数表示装置111が設けられている。遊技メダル数表示装置111は、7セグメント式のLEDディスプレイで構成され、本実施形態では5桁の数字が表示可能となっている。また、操作領域50には、計数ボタン112が設けられている。計数ボタン112は、所定数のクレジット(クレジット数の全部または一部)に相当する値を示す情報をカードユニットへ送信(返却)する際に操作されるボタンである。計数ボタン112は押圧部を備えており、押圧部が押下操作可能に形成されている。以下、計数ボタン112の押圧部を押下することを、計数ボタン112を操作するという。
【0189】
図示を省略しているが、筐体10の内部には電源ユニット(電源ボックス)が設けられており、電源ユニットの前面に、設定変更キーシリンダや設定変更ボタン等が設けられている。
【0190】
ここで、メダルレス遊技機1000での基本的な遊技の流れについて説明する。まず、カードユニットでの貸出操作に基づき所定数の遊技メダルが付与される(クレジット数が加算される)。次に、MAXベットボタン23が操作されると、規定数を限度として遊技メダルが投入状態に設定され、投入状態に設定された遊技メダル数に相当する値が、クレジット数から減算される(遊技メダル数表示装置111に表示される遊技メダル数が減少する)。
【0191】
規定数の遊技メダルが投入状態に設定されると、スタートレバー24の操作が有効な状態、すなわち遊技が開始可能な状態となる。次に、有効化されたスタートレバー24に対する遊技開始操作が行われると、リール20a~20cの回転が開始される。次に、リール20a~20cの回転速度が所定の速度まで上昇して定常回転状態となると、ストップボタン26a~26cの操作が有効な状態となる。次に、いずれかのストップボタン26a~26cが操作されると、対応するリール20a~20cの回転が停止する。次に、すべてのリール20a~20cの回転が停止すると、遊技の結果に応じて、所定数の遊技メダルを付与する(クレジットに加算する)処理や、遊技メダルを新たに消費することなく再度遊技を開始可能な状態とする処理(リプレイ処理)等が行なわれる。
【0192】
また、計数ボタン112が操作されると、所定数のクレジット(遊技メダル)がカードユニットへ送信(返却)される。そして、カードユニットにおいてカード返却操作が行われると、所定の値が記憶されたカードがカードユニットから排出される。
【0193】
メダルレス遊技機1000において、メインエラー検出手段106は、各種センサの信号状態に基づいて、メインエラーとしての、バックアップエラー、ドア開放エラー、RWMエラー、設定値(異常)エラー、メダルオーバーエラー、貸出装置接続エラー、メダル数制御エラー等を検出可能である。メダルオーバーエラーは、クレジット数が所定の値(例えば16369)以上であることに起因するエラーである。貸出装置接続エラーは、貸出ユニット(カードユニット)が未接続であることに起因するエラーである。メダル数制御エラーは、メイン制御基板31とメダル数制御基板との通信に異常があったことに起因するエラーである。また、メダルレス遊技機1000においても、エラーが検出されると、スロットマシン10と同様に、エラーの報知が行われる。
【0194】
(メイン処理)
スロットマシン10(またはメダルレス遊技機1000)が備えるメイン制御基板31は、遊技を進行させるメイン処理(メインループ処理)を行う。ここで、図25に示すフローチャートを用いて、メインループ処理について説明する。
メイン制御基板31は、遊技を行うために必要な数のメダルの投入を受け付ける投入受付処理を行う(ステップS100)。投入受付処理では、遊技者がメダルをメダル投入口22に投入したことに基づき投入されたメダル、あるいはベットボタン23が押下されたことに基づき遊技機内にクレジットされたメダル、が投入状態に設定される。また、前回の遊技でリプレイが入賞した場合には、前回の遊技で投入された枚数と同数のメダル(前回の遊技と同じ投入数のメダル)が自動的に投入状態に設定される。
【0195】
次に、メイン制御基板31は、遊技開始条件として設定されている規定枚数(3枚)のメダルの投入を受け付けたか否かを判定する(ステップS101)。
【0196】
ステップS101において、規定枚数のメダルの投入を受け付けたと判定した場合(規定投入数のメダルが投入状態に設定されたと判定した場合)(ステップS101:YES)、メイン制御基板31は、スタートレバー24の操作を有効化する(ステップS102)。一方、ステップS101において、規定投入数のメダルの投入を受け付けていないと判定した場合(ステップS101:NO)、ステップS100に戻る。
【0197】
次に、メイン制御基板31は、スタートレバー24が操作されたか否かを判定する(ステップS103)。ステップS103において、スタートレバー24が操作されたと判定した場合(ステップS103:YES)、メイン制御基板31は、内部抽選を行う(ステップS104)とともに、第1リール20a~第3リール20cの回転を開始させる(ステップS105)。一方、ステップS103において、スタートレバー24が操作されていないと判定した場合(ステップS103:NO)、ステップS103の処理を繰り返す。
【0198】
次に、メイン制御基板31は、各リールの回転速度が所定速度以上となっているか否かを判定する(ステップS106)。ステップS106において、各リールの回転速度が所定速度以上となっていると判定した場合(ステップS106:YES)、メイン制御基板31は、ストップボタン26a~26cの操作を有効化する(ステップS107)。一方、ステップS106において、各リールの回転速度が所定速度以上となっていないと判定した場合(ステップS106:NO)、ステップS106の処理を繰り返す。
【0199】
次に、メイン制御基板31は、所定のストップボタンが操作されたか否かを判定する(ステップS108)。ステップS108において、所定のストップボタンが操作されたと判定した場合(ステップS108:YES)、メイン制御基板31は、当該ストップボタンに対応するリールの回転を停止させ(ステップ109)、全てのリールが停止したか否かを判定する(ステップS110)。ステップS108において、所定のストップボタンが操作されていないと判定された場合(ステップS108:NO)、ステップS108の処理を繰り返す。
【0200】
ステップS110において、メイン制御基板31は、全てのリールが停止していないと判定した場合(ステップS110:NO)、ステップS108に戻る。一方、ステップS110において、全てのリールが停止したと判定した場合(ステップS110:YES)、メイン制御基板31は、各リールの停止状態(停止態様)に基づき、内部抽選で当選した役に入賞したか否かを判定する(ステップS111)。
【0201】
ステップS111において、内部抽選で当選した役に入賞したと判定した場合(ステップS111:YES)、メイン制御基板31は、入賞した役に対応する処理(入賞処理)を実行し(ステップS112)、一連の処理(1遊技)を終了する。一方、ステップS111において、内部抽選で当選した役に入賞しなかったと判定した場合(あるいは内部抽選の結果がハズレ(不当選)であった場合)(ステップS111:NO)、メイン制御基板31は、リール20a~20cが全て停止したことをもって一連の処理(1遊技)を終了する。
【0202】
以下、遊技が開始され、内部抽選が実行され、入賞判定手段44による、役が入賞したか否かの判定が実行される1遊技(つまり1度の遊技価値の払い出し(付与)を受け得る1遊技)を、後述する疑似遊技と区別して通常遊技(本遊技)とする。本実施形態の遊技機では、通常遊技が単独で実効される場合と、通常遊技と疑似遊技とが組み合わせて実行される場合と、がある。なお、いずれの場合であっても、通常遊技の終了をもって1遊技の終了とする。
【0203】
リール制御手段43は、遊技の間隔を調整するウェイト処理を実行する。リール制御手段43は、第1リール20a~第3リール20cの回転の開始間隔を計測(計時)しており、スタートレバー24に対する遊技開始操作が行われた際に、前回の遊技における第1リール20a~第3リール20cの回転の開始からウェイト期間(例えば4.1秒)が経過していない場合、第1リール20a~第3リール20cの回転の開始をウェイト期間が経過するまで待機させるウェイト処理を実行する。上述のステップS105において、リール制御手段43は、スタートレバー24に対する遊技開始操作が行われた際に、ウェイト期間が経過していることを条件として、第1リール26a~第3リール26cの回転を開始させる。
【0204】
図16に示すように、メイン制御基板31は、フリーズ制御手段90を備えている。また、メイン制御基板31の記憶手段60は、タイマ66(計時手段)を備えている。
【0205】
(回胴演出)
フリーズ制御手段90は、例えば、所定の当選エリアの当選に基づき、回胴演出(リール演出)の実行可否を決定する抽選(回胴演出抽選)を行う。フリーズ制御手段90は、回胴演出抽選に当選したことに基づき、回胴演出の実行を決定する。回胴演出を実行する遊技では、上述のステップS105の処理において、フリーズ制御手段90が、通常遊技の進行を特定期間(所定時間)停止(中断)させるフリーズを発生させるフリーズ処理を実行する。フリーズ処理が実行された場合、スタートレバー24に対する遊技開始操作が行われてから、ストップボタン26a~26cの停止操作(通常遊技に係る停止操作)が有効化されるまでの期間が長期化される。
なお、通常遊技では、スタートレバー24に対する遊技開始操作後、各リール20a~20cの回転の加速処理が実行され、その回転の速度が一定速度(所定速度)に到達するとストップボタン26a~26cの停止操作が有効化される。このことから、フリーズ処理が実行された場合、リールの回転速度が一定速度に到達してストップボタン26a~26cの停止操作が有効化されるまでの期間が長期化すると言うこともできる。
【0206】
以下、フリーズ処理が実行された場合における、通常遊技の進行(遊技の進行に係る処理)が停止(中断)している期間をフリーズ期間(特定期間)という。フリーズ期間が終了すると、通常遊技の進行が再開される。具体的には、通常遊技に係るリール20a~20cの回転が開始される。フリーズ期間中は、通常遊技に係るストップボタン26a~26cの停止操作が無効となっている。
なお、通常遊技に係るストップボタン26a~26cの停止操作とは、内部抽選の結果(当選役)に応じた態様でリールが停止する停止操作のことをいう。また、通常遊技に係るリール20a~20cの回転とは、通常遊技に係るストップボタンの停止操作が有効となるリールの回転と言うことができる。
【0207】
なお、フリーズ期間の長さとして複数種類の長さが用意されており、抽選によっていずれの長さとするかが決定されるように構成されていてもよい。その場合に、フリーズ期間の長さが相対的に長いフリーズをロングフリーズと称してもよい。
【0208】
回胴演出を実行する遊技では、上述のステップS105の処理において、フリーズ制御手段90は、フリーズ処理を実行するとともに、フリーズ期間の間に、リール制御手段43に回胴演出を実行させる。この場合、リール制御手段43は、ウェイト期間内にスタートレバー24に対する遊技開始操作が行われた場合であっても、ウェイト期間の経過を契機として、通常遊技に係るリール20a~20cの回転を開始させない。リール制御手段43は、回胴演出を実行し、第1リール20a~第3リール20cを特定の態様で回転させる。
なお、フリーズ期間に実行される回胴演出は、特典の付与を示唆する演出であってもよい。換言すると、回胴演出は、遊技者に対し、特典が付与されたかもしれないという期待感を抱かせることが可能な演出であってもよい。特典としては、例えば、有利な演出状態(例えば疑似ボーナス演出状態)へ移行する権利等がある。また、回胴演出が実行される期間(フリーズ期間)が長いほど、特典が付与される期待度が高くなるように設定されていてもよい。
【0209】
本実施形態では、回胴演出として、疑似遊技(疑似遊技演出)が実行される場合がある。疑似遊技は、通常遊技を模して疑似的に行われる遊技であり、第1リール20a~第3リール20cが回転し、ストップボタン26a~26cの停止操作に基づいて第1リール20a~第3リール20cの回転を停止させることが可能となっている。なお、疑似遊技の結果に基づいて入賞処理(払出処理やリプレイ処理)が実行されることはない。疑似遊技は、遊技者に対し、通常遊技を実行しているかのような感覚を与えることができる。
【0210】
以下、回胴演出として疑似遊技が実行される場合について説明するが、回胴演出は、疑似遊技に限るものではなく、ストップボタン26a~26cの停止操作に基づき第1リール20a~第3リール20cの回転を停止させることができない演出であってもよい。回胴演出は、第1リール20a~第3リール20cが回転し始め、例えば所定の図柄が横一列に揃うように回転が停止(自動的に停止)し、その状態が所定時間維持される演出であってもよく、すべてのリールが逆方向に回転する演出等であってもよい。換言すると、リールロック演出であってもよい。
【0211】
上述のステップS105の処理において、疑似遊技の実行が決定されている場合、リール制御手段43は、疑似遊技を開始し、疑似遊技に係る第1リール20a~第3リール20cの回転を開始させる。なお、当該回転を疑似回転と称してもよい。
【0212】
次いで、疑似遊技に係るストップボタン26a~26cの停止操作(仮停止操作、疑似停止操作)が行われると、リール制御手段43は、当該ストップボタン26a~26cの停止操作に基づき第1リール20a~第3リール20cの回転を停止(仮停止、疑似停止)させる。リール制御手段43は、疑似遊技では、通常遊技と異なる規則に基づいてリール(第1リール20a~第3リール20c)を停止させる制御を行う。なお、リール制御手段43は、疑似遊技に係るストップボタン26a~26cの停止操作(仮停止操作)に基づき、第1リール20a~第3リール20cにおける所定の図柄を有効ライン上に仮停止させるが、この疑似遊技では、通常遊技(最大4コマ)よりも多くのコマ数を引き込み可能に設定されてもよい。また、疑似遊技において有効ライン上に停止させる図柄組合せは、抽選により決定されるものであってもよい。
【0213】
本実施形態では、フリーズ制御手段90は、すべてのリールの回転(疑似回転)が停止(仮停止)したことに基づき疑似遊技(フリーズ期間)を終了させる。この仕様の場合に、疑似遊技においてストップボタン26a~26cの停止操作が行われないことにより疑似遊技(フリーズ期間)が終了しない(次のステップに進まない)ことを防ぐため、次のように構成されている。フリーズ制御手段90は、疑似遊技(フリーズ期間)の開始時にタイマ66(フリーズ管理タイマ、計時手段)による計時を開始させ、疑似遊技を継続可能な最大時間(例えば60秒)が経過した時点で少なくとも1つのリールが回転している場合には、回転しているリールを停止(仮停止)させる。すべてのリールの回転が停止し、疑似遊技が終了すると、通常遊技に係る第1リール20a~第3リール20cの回転が開始される(すなわちステップS105の処理が実行される)。換言すると、通常遊技(メイン処理)が再開される。
【0214】
ここで、図26を参照して、フリーズ制御手段90が行う疑似遊技管理処理について説明する。図26は、疑似遊技管理処理の流れを示すフローチャートである。
フリーズ制御手段90は、疑似遊技の開始とともにタイマ66での計時を開始させる(ステップS1)。具体的には、タイマ66の記憶値(計時情報)として、第1の値(例えば60)を設定し、時間の経過とともに(毎秒)1ずつ減算する(タイマを更新する)。この第1の値は、疑似遊技においてすべてのリールを仮停止させるまでの時間(最大時間)と言うことができる。
【0215】
次に、フリーズ制御手段90は、ストップボタン26a~26cの停止操作に基づきすべてのリールの回転が停止(仮停止)しているか否かを判定する(ステップS2)。ステップS2において、すべてのリールの回転が停止していると判定した場合(ステップS2:YES)、フリーズ制御手段90は、疑似遊技を終了させる(ステップS3)。一方、ステップS2において、すべてのリールの回転が停止していない(回転中のリールが存在する)と判定した場合(ステップS2:NO)、フリーズ制御手段90は、タイマ66の記憶値が「0」(特定の値)であるか否かを判定する(ステップS4)。
【0216】
ステップS4において、タイマ66の記憶値が「0」でないと判定すると(ステップS4:NO)、ステップS2の処理に戻る。一方、ステップS4において、タイマ66の記憶値が「0」であると判定すると(ステップS4:YES)、フリーズ制御手段90は、ストップボタンの停止操作に依らずに、すべてのリールの回転を停止させ(すべてのリールの回転が停止した状態とし)、疑似遊技を終了させる(ステップS5)。これは、タイマ66の記憶値が特定の値となったことに基づき、リールの回転が自動的に停止(仮停止)すると言える。なお、フリーズ制御手段90がリールの回転を停止(仮停止)させるとは、具体的には、フリーズ制御手段90がリール制御手段43にリールの回転の停止を指示し、その指示に基づいてリール制御手段43がリールの回転を停止させるものである。
【0217】
本実施形態では、すべてのリールの回転の停止に基づき疑似遊技が終了するものとしたが、疑似遊技は、スタートレバー24の操作に基づき終了し得るものであってもよい。ここで、図27を参照して、その場合(変形例)の疑似遊技管理処理について説明する。図27は、当該疑似遊技管理処理の流れを示すフローチャートである。
フリーズ制御手段90は、疑似遊技の開始とともにタイマ66での計時を開始させる(ステップS11)。具体的には、タイマ66の記憶値として、第1の値(例えば60)を設定し、毎秒1ずつ減算する。
【0218】
次に、フリーズ制御手段90は、ストップボタン26a~26cの停止操作に基づきすべてのリールの回転が停止(仮停止)しているか否かを判定する(ステップS12)。ステップS12において、すべてのリールの回転が停止していると判定した場合(ステップS12:YES)、後述するステップS15の処理に進む。一方、ステップS12において、すべてのリールの回転が停止していない(回転中のリールが存在する)と判定した場合(ステップS12:NO)、フリーズ制御手段90は、タイマ66の記憶値が「0」(特定の値)であるか否かを判定する(ステップS13)。
【0219】
ステップS13において、タイマ66の記憶値が「0」でないと判定すると(ステップS13:NO)、ステップS12の処理に戻る。一方、ステップS13において、タイマ66の記憶値が「0」であると判定すると(ステップS13:YES)、フリーズ制御手段90は、ストップボタンの停止操作に依らずに、すべてのリールの回転を停止させる(ステップS14)。
【0220】
次に、フリーズ制御手段90は、すべてのリールの回転が停止したことに基づき、再びタイマ66での計時を開始させる(ステップS15)。具体的には、フリーズ制御手段90は、タイマ66の記憶値として新たに第2の値(例えば10)を設定し、毎秒1ずつ減算する。
【0221】
次に、フリーズ制御手段90は、スタートレバー24が操作されたか否かを判定する(ステップS16)。ステップS16において、スタートレバー24が操作されたと判定した場合(ステップS16:YES)、フリーズ制御手段90は、疑似遊技を終了させる(ステップS17)。一方、ステップS16において、スタートレバー24が操作されていないと判定した場合(ステップS16:NO)、フリーズ制御手段90は、タイマ66の記憶値が「0」(特定の値)であるか否かを判定する(ステップS18)。
【0222】
ステップS18において、タイマ66の記憶値が「0」でないと判定すると(ステップS18:NO)、ステップS16の処理に戻る。一方、ステップS18において、タイマ66の記憶値が「0」であると判定すると(ステップS18:YES)、フリーズ制御手段90は、スタートレバー24の操作に依らずに、疑似遊技を終了させる(ステップS19)。
【0223】
疑似遊技(フリーズ)が終了すると、有効ライン上に所定の図柄組合せが表示されている。この場合に、フリーズ直後の各リールの回転開始タイミングが同期していると(同時であると)、役の入賞が補助され、遊技の公正が害されてしまうおそれがある。本実施形態では、フリーズが実行された場合、リール制御手段43は、フリーズ直後の各リールの回転を開始させるタイミングをランダムに遅延させるランダム遅延処理を実行する。なお、各リールについてどの程度回転の開始タイミングを遅延させるかは抽選により決定されるものであってもよい。フリーズが実行された場合にランダム遅延処理が実行されることで、各リールの回転開始タイミングが同期しない。換言すると、フリーズ直後における各リールの回転開始タイミングは、ずれたものとなる。これにより、フリーズ(疑似遊技)が実行された場合であっても遊技の公正が担保されるようになっている。
【0224】
(エラーの報知)
図16に示すように、メインエラー検出手段106とサブエラー検出手段202とをまとめて、エラー検出手段300とする。また、メインエラー管理手段107とサブエラー管理手段203とをまとめてエラー管理手段400とする。エラー管理手段400は、エラー検出手段300によってエラーが検出されると、上述のとおり、当該エラーの報知を行う。エラーの報知は、報知手段としての、各種演出装置(液晶ディスプレイ13、ランプ38、スピーカ14)、第1メイン表示器17a、サブ表示器17cのうちの少なくとも1つを介して実行される。また、エラー管理手段400(メインエラー管理手段107)が、エラー(メインエラー)の検出に基づきエラーウェイト処理を実行している間(所定の解除操作が実行されるのを待機している間)、メイン処理(の実行)は中断される。メイン処理は、エラーの解除処理が実行されたことに基づき再開される。
なお、本実施形態において、エラーが報知されている間(状態)とは、当該エラーに対応するエラー検出フラグが記憶手段に設定されている間(状態)、と言うことができる。
【0225】
本実施形態では、フリーズ期間では、フリーズの進行に係る処理は行われるが、遊技(通常遊技)の進行に係る処理(メイン処理)が停止する。なお、遊技の進行に係る処理には、例えば、所定の演出状態(例えばAT演出状態)に滞在している間に実行する演出(例えばAT演出)を進行させる処理が含まれてもよい。
【0226】
ここで、フリーズ期間(疑似遊技中)にエラーが発生した場合における制御について説明する。スロットマシン10では、フリーズ期間中に、例えば、メダルの投入・払出に関連するエラーと、ドア開放エラーと、が発生し得る。また、メダルレス遊技機1000では、フリーズ期間中に、例えば、貸出装置接続エラーと、メダル数制御エラーと、ドア開放エラーと、が発生し得る。本実施形態では、エラー管理手段400は、フリーズ期間であっても、エラー(メインエラーまたはサブエラー)が検出された場合には、当該エラーを報知する。換言すると、本実施形態の遊技機は、フリーズ期間(疑似遊技の実行中)であっても、エラーの報知が可能となっている。例えば、疑似遊技に係るリールの回転中に投入異常エラーが発生した場合、投入異常エラーに対応するエラーの報知が実行される。また、疑似遊技に係るリールの回転中にドア開放エラーが発生した場合、ドア開放エラーに対応するエラーの報知が実行される。
【0227】
本実施形態では、フリーズ期間、すなわち疑似遊技が開始されてから疑似遊技が終了するまでの間(疑似遊技中に)、疑似遊技管理処理が実行され、タイマ66の記憶値が更新される。この疑似遊技中(フリーズ期間)にエラーが検出された場合であっても、フリーズ制御手段90は、そのエラーの検出に基づき(そのエラーが検出されている間)タイマ66による計時を中断(停止)しない。換言すると、エラーが検出された場合であっても、タイマ66による計時を継続させる(タイマ66の記憶値を更新させる)。
【0228】
疑似遊技管理処理では、フリーズ制御手段90は、リールが回転している状態でタイマ66の記憶値が「0」(特定の値)となったことに基づき、すべてのリールの回転を停止させた状態とするが、エラーの報知中(エラーが検出されている間)に、タイマ66の記憶値が「0」(特定の値)となった場合には、次のように制御する。フリーズ制御手段90は、報知(検出)しているエラーの種類(種別)に応じて、異なる制御を実行する。
【0229】
(メインエラーを報知している場合)
フリーズ制御手段90は、リールが回転(疑似回転)しており、かつメインエラーの報知中(メインエラーが検出されている間)にタイマ66の記憶値が「0」(特定の値)となった場合には、当該リールの回転を継続させ(疑似遊技を終了させず)、当該メインエラーが解除されたことに基づき、当該リールの回転を停止させる。換言すると、当該メインエラーが解除(解消)されるまで、当該リールの回転が維持される。
【0230】
(サブエラーを報知している場合)
フリーズ制御手段90は、リールが回転(疑似回転)しており、かつサブエラーの報知中(サブエラーが検出されている間)にタイマ66の記憶値が「0」(特定の値)となった場合には、すべてのリールの回転を停止させる。本実施形態では、当該すべてのリールの回転の停止に基づき疑似遊技が終了し、通常遊技に係るリールの回転が開始される。
【0231】
なお、本実施形態では、フリーズ期間(疑似遊技中)にエラーが検出された場合、疑似遊技に係るストップボタン26a~26cの停止操作は不可能となる。換言すると、リールが回転(疑似回転)しており、かつエラーの報知中に(メインエラーを報知している場合にのみ)、ストップボタンを停止操作しても、その停止操作に基づきリールの回転が停止しないようになっている。
【0232】
本実施形態の遊技機は、
複数のリール(例えばリール20a~20c)と、
前記複数のリールのそれぞれに対応するストップボタン(例えばストップボタン26a~26c)と、
遊技の進行を制御する制御手段(例えばメイン制御基板31)と、
エラーを報知可能な報知手段(例えば第1メイン表示器17a)と、を備え、
前記制御手段は、遊技の進行に係る処理を特定期間停止(中断)させる処理を実行可能であり、
前記特定期間にエラーが検出された場合、
前記報知手段は、当該エラーを報知可能であり、
前記制御手段は、当該エラーが報知されている間、前記特定期間を管理する計時手段の更新は継続する。
【0233】
特定期間であっても、エラーが検出された場合には、エラーを報知できる。また、仮に、当該エラーが報知されている間、計時手段の更新が停止(中断)されるようにした場合、例えば、中断した時点の計時手段の値を記憶させ、エラーの解除に基づき中断した時点から更新を再開させる等の処理を設けることが考えられるが、その場合、処理が複雑となり、それに起因して不具合が生じる可能性が高まる。本実施形態によれば、特定期間にエラーが発生し、当該エラーを報知している間であっても、特定期間を管理する計時手段の更新が継続される。このため、処理を簡略化し、当該更新を中断・再開させるようにして処理が複雑になることに起因する不具合の発生を抑制し、遊技機の品質を向上させることができる。
【0234】
また、本実施形態では、特定期間に疑似遊技が実行され、疑似遊技では、疑似遊技に係るリールの回転が開始され、疑似遊技に係るストップボタンの停止操作が可能であるが、エラー(例えばメインエラー)が検出された場合、(1)当該エラーが報知されている間、疑似遊技に係るストップボタンの停止操作は不可能となり、(2)当該エラーが報知されている間に計時手段の値が更新されて特定の値(例えば0)となった場合であっても、当該エラーが解除されるまで、疑似遊技に係るリールの回転が継続される。
換言すると、
前記制御手段は、前記特定期間に疑似遊技を実行し、
前記疑似遊技では、前記疑似遊技に係るリールの回転が開始され、前記疑似遊技に係るストップボタンの停止操作が可能であり、
前記特定期間に当該エラーが検出された場合、
前記制御手段は、当該エラーが報知されている間、前記疑似遊技に係るストップボタンの停止操作を不可能とし、当該エラーが報知されている間に前記計時手段の値が特定の値になった場合であっても、前記疑似遊技に係るリールの回転を継続させる。
【0235】
また、特定期間に疑似遊技が実行され、疑似遊技では、疑似遊技に係るリールの回転が開始され、疑似遊技に係るストップボタンの停止操作が可能であるが、エラーが検出された場合、(1)当該エラーが報知されている間、疑似遊技に係るストップボタンの停止操作は不可能となり、(2)当該エラーが報知されている間に計時手段の値が更新されて特定の値(例えば0)になると、疑似遊技に係るリールの回転が停止するようにしてもよい。
換言すると、
前記制御手段は、前記特定期間に疑似遊技を実行し、
前記疑似遊技では、前記疑似遊技に係るリールの回転が開始され、前記疑似遊技に係るストップボタンの停止操作が可能であり、
前記特定期間に当該エラーが検出された場合、
前記制御手段は、当該エラーが報知されている間、前記疑似遊技に係るストップボタンの停止操作を不可能とし、当該エラーが報知されている間に前記計時手段の値が特定の値になると、前記疑似遊技に係るリールの回転を停止させる、ようにしてもよい。
なお、疑似遊技に係るリールの回転が停止(仮停止)すると、ランダム遅延処理が実行されて通常遊技に係るリールの回転が開始され、当該リールの回転を加速させる加速処理が実行される。そして、当該リールの回転速度が所定速度に達すると、通常遊技に係るストップボタンの停止操作が有効となる。
【0236】
また、本実施形態において、次のように構成されていてもよい。
特定期間に回胴演出(リールロック演出)が実行され、回胴演出が実行されている間に前扉12が開放され、メインエラーとしてのドア開放エラーが報知(検出)されている状態であっても計時手段の更新が継続される。そして、当該ドア開放エラーが報知(検出)されている間に計時手段の値が特定の値(例えば0)になると、特定期間(回胴演出)が終了し、通常遊技に係るリールの回転が開始される。具体的には、ランダム遅延処理が実行されて通常遊技に係るリールの回転が開始され、当該リールの回転を加速させる加速処理が実行される。ただし、この場合、当該リールの回転速度が所定速度に達した場合であっても、ドア開放エラーが検出されている間は(ドア開放エラーが解除されるまでは)、通常遊技に係るストップボタンの停止操作は不可能となっていてもよい。
換言すると、
前記制御手段は、
前記特定期間に回胴演出(リールロック演出)を実行し、
前記回胴演出が実行されている間に前扉が開放され、前記前扉の開放に基づく開放エラーが報知(検出)されている状態であっても前記計時手段の更新を継続し、
前記開放エラーが報知(検出)されている間に前記計時手段の値が特定の値になると、前記特定期間を終了させて前記遊技の進行に係る処理を再開し、前記リールの回転を開始させるが、前記開放エラーが報知(検出)されている間は、前記ストップボタンの停止操作を有効にしない。
【0237】
図16に示すように、メイン制御基板31は、外部信号出力手段91を備えている。外部信号出力手段91は、複数種類の外部信号を、筐体内部に設けられた外部集中端子板を介して外部装置に送信可能である。外部信号とは、遊技機の状態を知らせる信号である。また、外部装置としては、遊技場に設定されている遊技機を集中管理するホールコンピュータや、遊技機に個別に接続されて遊技履歴に関する情報等を表示可能なデータカウンタ等がある。本実施形態では、外部信号として、セキュリティ信号(外部信号4)やドア開放信号(外部信号5)等の信号を出力可能に設定されている。ホールコンピュータは、受信した外部信号に基づき遊技機の異常の発生の有無等を監視している。
【0238】
外部信号出力手段91は、不正行為が行われている(おそれがある)と判定した場合に、セキュリティ信号(外部信号4)を出力する。換言すると、セキュリティ信号は、不正行為が行われていると判定された場合に出力される信号である。本実施形態では、遊技機において、投入異常が検出された場合、払出異常が検出された場合、営業中の設定変更が検出された場合、営業中の設定確認が検出された場合に、セキュリティ信号が出力されるようになっている。また、外部信号出力手段91は、前扉12(下扉12b)が開放されていると判定した場合に、ドア開放信号を出力する。換言すると、ドア開放信号は、前扉12が開放されていると判定された場合に、出力される信号である。
【0239】
上述のとおり、エラー検出手段300は、例えば払出異常エラー(E4)を検出した場合、記憶手段(記憶手段60)に、当該エラーに対応するエラー検出フラグを設定する。これに基づき、エラー管理手段400は、当該エラーに対応するエラーコード(E4)を7セグメント表示器(第1メイン表示器17a)に表示させる。また、外部信号出力手段91は、当該エラーに対応する外部信号(外部信号4:セキュリティ信号)を出力する。
【0240】
上述のとおり、エラー検出手段300は、例えばメインエラーとしてのドア開放エラー(E8)を検出した場合、記憶手段(記憶手段60)に、当該エラーに対応するエラー検出フラグを設定する。これに基づき、エラー管理手段400は、当該エラーに対応するエラーコード(E8)を7セグメント表示器(第1メイン表示器17a)に表示させる。また、外部信号出力手段91は、当該エラーに対応する外部信号(外部信号5:ドア開放信号)を出力する。
【0241】
本実施形態では「遊技の進行に係る処理が実行されている間」にエラー(例えば払出異常エラー)が検出された場合、それに基づき当該エラーに対応するセキュリティ信号が出力され、かつ当該エラーに対応するエラーコードが7セグメント表示器に表示される(当該エラーが報知される)。
一方、「フリーズ処理が実行され、遊技の進行に係る処理が特定期間停止している間(すなわちフリーズ期間)」にエラー(例えば払出異常エラー)が検出された場合、それに基づき当該エラーに対応するセキュリティ信号が出力されるが、当該エラーに対応するエラーコードが7セグメント表示器に表示されない(エラーが報知されない)。この場合、エラーコードは、フリーズ期間(回胴演出)の終了に基づき7セグメント表示器に表示される(エラーが報知される)。
【0242】
外部信号出力手段91は、フリーズ期間中であってもエラー(例えば払出異常エラー)が検出された場合には、その検出に基づき当該エラーに対応するセキュリティ信号を外部装置に出力する。一方、エラー管理手段400は、フリーズ期間中(回胴演出中)にエラー(例えば払出異常エラー)が検出された場合には、その検出に基づき(その検出した時点で)エラーコードを7セグメント表示器に表示せず(エラーを報知せず)、フリーズ期間の終了に基づき(フリーズ期間が終了した時点で)エラーコードを表示させる(エラーを報知する)。
【0243】
このような構成によれば、遊技の進行が特定期間停止され、回胴演出が実行されている間にエラーが発生した場合に、(1)エラーコードが7セグメント表示器に表示されないため、遊技者は回胴演出に集中することができる。換言すると、エラーコードが7セグメント表示器に表示されることにより、遊技者の意識がそちらに向き、回胴演出の演出効果が低下するのを抑制できる。(2)また、検出されたエラーに対応する外部信号(セキュリティ信号)は、回胴演出の終了を待たずに当該エラーの検出を契機として外部装置に出力される。このため、遊技場の店員は、当該エラーが発生した直後に気付くことができる。これにより、回胴演出の実行中にエラーが発生した場合に、すぐに当該エラーが報知されないことを利用して不正行為が行われるのを防止できる。
【0244】
エラー検出手段300は、エラーを検出すると、記憶手段(記憶手段60またはサブメモリ72)に、検出されたエラーに対応するエラー検出フラグを設定する。エラー検出手段300は、例えば、払出異常エラー(E4)を検出した場合、記憶手段に、対応するエラー検出フラグ(エラーの検出に係る情報、エラーの種別に係る情報)を設定する。また、外部信号出力手段91は、エラーが検出されると、記憶手段に、検出されたエラーに対応する外部信号出力フラグ(外部信号の出力に係る情報)を設定する。なお、外部信号出力手段91は、当該エラーが解消されると、外部信号出力フラグをクリアする。外部信号出力手段91は、例えば、払出異常エラー(E4)が検出されると、記憶手段に、外部信号出力フラグとしてのセキュリティ信号出力フラグを設定する。また、外部信号出力手段91は、例えば、ドア開放エラー(E8)が検出されると、記憶手段に、外部信号出力フラグとしてのドア開放信号出力フラグを設定する。また、フリーズ制御手段90は、フリーズ期間の開始時に、タイマ66に第1の値(例えば60)を設定するとともに、記憶手段にフリーズ実行フラグ(フリーズ処理(特定処理)の実行に係る情報)を設定する。なお、フリーズ制御手段90は、フリーズ期間が終了すると、フリーズ実行フラグをクリアする。
【0245】
ここで、フリーズ期間(回胴演出の実行中)にエラーが検出され、さらに電断(電源切断)が発生した場合における制御について説明する。本実施形態において、電断(電源切断)とは、電源ユニットから各部品への電力供給が絶たれている状態を指す。また、電断復帰とは、その状態から、各部品へ電力が供給される状態になる(戻る)ことを指す。
【0246】
本実施形態では電断が発生した場合であっても、記憶手段に記憶(設定)されている、少なくとも、エラー検出フラグ、外部信号出力フラグおよびフリーズ実行フラグ(フリーズの実行に係る情報)が初期化(クリア)されず、電断を跨いで保持される(持ち越される)。なお、フリーズの実行に係る情報には、電断が発生した時点におけるタイマ66の記憶値が含まれる。
【0247】
本実施形態では、電断復帰時に、所定間隔(例えば5.96ms)ごとに実行される割込処理において、外部信号出力手段91は、記憶手段に外部信号出力フラグ(例えばセキュリティ信号出力フラグ)が設定されていることに基づいて、外部信号(例えばセキュリティ信号)を外部装置に出力する。
【0248】
また、電断復帰時に、所定間隔(例えば5.96ms)ごとに実行される割込処理において、フリーズ制御手段90は、記憶手段にフリーズ実行フラグ(回胴演出フラグ)が設定されていることに基づき、フリーズ処理を実行し、回胴演出を開始(再開)させる。このとき、フリーズ制御手段90は、タイマ66の記憶値に基づき、電断によって中断された時点から、フリーズ期間(回胴演出)を再開させる。
【0249】
また、電断復帰時に、所定間隔(例えば5.96ms)ごとに実行される割込処理において、エラー管理手段400は、記憶手段にエラー検出フラグが設定されており、かつフリーズ実行フラグが設定されていることに基づき、フリーズ期間中におけるエラーの検出であると判定し、エラーコードを7セグメント表示器に表示させない。エラー管理手段400は、フリーズ期間(電断復帰後のフリーズ期間)の終了を契機とし、エラーコードを7セグメント表示器に表示させる(エラーを報知する)。
【0250】
本実施形態の遊技機は、
複数のリール(例えばリール20a~20c)と、
前記複数のリールのそれぞれに対応するストップボタン(例えばストップボタン26a~26c)と、
遊技の進行を制御する制御手段(例えばメイン制御基板31)と、
エラーを報知可能な報知手段(例えば第1メイン表示器17a)と、
記憶手段(例えば記憶手段60)と、を備え、
前記制御手段は、遊技の進行に係る処理を特定期間停止(中断)させる処理(特定処理)を実行可能であり、
前記特定期間にエラーが検出された場合、前記制御手段は、当該エラーに対応する外部信号を外部装置に出力するが、前記報知手段を介して当該エラーを報知せず、
前記特定期間に当該エラーが検出されている状態で電断が発生した場合には、
前記記憶手段における、少なくとも、当該エラーの検出に係る情報と、当該エラーに対応する外部信号の出力に係る情報と、が初期化されずに保持され、
前記制御手段は、前記電断から復帰する際に、当該エラーに対応する外部信号の出力に係る情報に基づいて外部信号を出力する。
【0251】
特定期間にエラーが検出された場合、当該エラーに対応する外部信号を外部装置に出力するが、報知手段を介して当該エラーを報知しないため、遊技場の店員が当該エラーの発生にすぐに気付くことができる一方、特定期間中に当該エラーが報知されることによる演出効果の低下を抑制できる。
また、このような仕様において、特定期間に当該エラーが検出されている状態で電断が発生した場合に、当該エラーに対応する外部信号の出力に係る情報が初期化されてしまうと、電断復帰時に、当該エラーに対応する外部信号の出力が実行されない。また、特定期間中であるため、当該エラーが報知手段を介して報知されない。このため、当該エラーに起因して遊技を行うことができない状態であるにも関わらず、遊技場の店員や遊技者が当該エラーの発生に気付くことができないという事態が生じるおそれがある。
本実施形態によれば、特定期間にエラーが検出されている状態で電断が発生した場合に、当該エラーに対応する外部信号の出力に係る情報が初期化されず、電断復帰時の処理において、当該エラーに対応する外部信号が再び出力される。このため、遊技場の店員がエラーの発生に気付き、エラーを解除する操作を行うことができる。このように、特殊な状況で電断が発生した場合に、エラーの発生に気付くことが困難となるのを抑制でき、遊技機の品質を向上させることができる。
【0252】
本実施形態では、フリーズ期間(回胴演出の実行中)にエラーが検出され、さらに電断(電源切断)が発生した場合、その電断からの復帰時に、フリーズ実行フラグが設定されていることに基づきフリーズ(回胴演出)が再開され、外部信号出力フラグが設定されていることに基づき外部信号が出力されるが、外部信号は、フリーズ(回胴演出)が終了するよりも前に出力されるようになっている。
換言すると、
前記特定期間に当該エラーが検出されている状態で電断が発生した場合に、前記記憶手段における、前記特定処理の実行に係る情報が初期化されずに保持され、
前記制御手段は、前記電断から復帰する際に、前記特定処理の実行に係る情報に基づいて前記特定処理を再開させ、前記特定処理が終了するよりも前に、当該エラーに対応する外部信号の出力に係る情報に基づいて外部信号を出力する。
特定処理(フリーズ処理)の終了を待たずに当該外部信号が出力されるため、特定処理が実行されている間に不正行為が行われるのを抑制できる。
【0253】
また、本実施形態において、フリーズ期間(回胴演出の実行中)にエラーが検出され、さらに電断(電源切断)が発生した場合、その電断からの復帰時に、回胴演出が再開(復帰)されるよりも前に、外部信号出力フラグが設定されていることに基づく外部信号の出力を実行可能となっていてもよい。
換言すると、
前記制御手段は、前記電断から復帰する際に、前記特定処理の実行に係る情報に基づいて前記特定処理を再開させるよりも前に、当該エラーに対応する外部信号の出力に係る情報に基づいて外部信号を出力することが可能となっている。
特定処理(フリーズ処理)が再開されるよりも前に当該外部信号が出力されるため、特定処理が実行されている間に不正行為が行われるのを抑制できる。
【0254】
また、本実施形態において、次のように構成されていてもよい。
図14で示した液晶ディスプレイ13は、図28に示すような液晶ディスプレイ99(いわゆる全面液晶)であってもよい。液晶ディスプレイ99は、表示領域として、正面(前方)から見た場合にリール20a~20cと重畳しない表示領域であるリール外表示領域と、正面(前方)から見た場合にリール20a~20cと重畳する表示領域であるリール前表示領域と、を有している。リール前表示領域(透過領域)は、表示物を表示可能であるとともに、その後方側に配置されているリール20a~20cを視認させることが可能となっている。リール外表示領域は、リール前表示領域を囲むように形成されている。
【0255】
通常遊技に係るリールの回転中にエラー(メダルの投入・払出に関するエラー)を検出した場合、7セグメント表示器(第1メイン表示器17a)を介して当該エラーが報知されるとともに、液晶ディスプレイ99を介して当該エラーが報知される。また、当該エラーが検出されている間、通常遊技に係るストップボタンの停止操作は不可能となっている。一方、疑似遊技(フリーズ期間)に係るリールの回転中にエラー(メダルの投入・払出に関するエラー)を検出した場合、7セグメント表示器(第1メイン表示器17a)を介して当該エラーが報知されないが、液晶ディスプレイ99を介して当該エラーが報知される(液晶ディスプレイ99では通常遊技の場合と同様のタイミングで当該エラーが報知される)。また、当該エラーが検出されている間であっても、疑似遊技に係るストップボタン26a~26cの停止操作は可能となっている。
【0256】
なお、エラー検出手段300(サブエラー検出手段202)は、液晶ディスプレイ99を介してのエラー報知時に当該エラーの履歴(エラー情報)を記憶手段(サブメモリ72)に設定(記憶)するのではなく、第1メイン表示器17a(メインセグ)を介してのエラー報知時(具体的には、メイン制御基板31からのエラー発生コマンドの受信時)に、当該エラーの履歴(エラー情報)を記憶手段(サブメモリ72)に設定する。
【0257】
また、疑似遊技(回胴演出)中にエラーが検出され(液晶ディスプレイ99を介してエラーが報知されている状態で)、さらに電断が発生した場合に、設定変更キーシリンダに挿入した設定キー(設定変更キー)を初期位置から時計回りに90度だけ回転させた状態で(ONにした状態で)、電断から復帰させた場合、設定変更モード(設定変更状態)に移行せず(設定値の変更に伴う情報の初期化が実行されず)、中断した疑似遊技(回胴演出)が(中断した時点から)再開される(回胴演出の途中から復帰する)。そして、疑似遊技(回胴演出)に係るすべてのリールが停止した後(疑似遊技に係るストップボタン26a~26cの停止操作の第3停止操作後)、疑似遊技が終了し、通常遊技が開始(再開)されたことを契機として、エラーコードが7セグメント表示器に表示される(エラーが報知される)。
【0258】
回胴演出の実行中にエラーが検出され(液晶ディスプレイ99を介して当該エラーが報知されている状態で)、さらに電断が発生した場合、上述のとおり、電断復帰後、中断した回胴演出が再開されるが、液晶ディスプレイ99は準備中(画面準備中)であり、液晶ディスプレイ99を介してエラーが報知されない。具体的には、液晶ディスプレイ99では、「画面準備中」という文字と、復帰までに要する時間を示す表示物(例えばメータ)と、が表示され、ブラックアウトした状態となっていて、リール20a~20cの視認(回胴演出の視認)が困難となっている。
【0259】
本実施形態では、回胴演出(疑似遊技)の終了時に、所定の音声(例えばキャラクタのセリフ)がスピーカ14を介して出力される。この所定の音声が出力されることで、遊技者は、リール20a~20cを視認することができないが回胴演出が終了したことに気付くことができる。換言すると、当該所定の音声の出力により、回胴演出の終了が示唆される。なお、液晶ディスプレイ99では、画面の準備が完了すると当該エラーが報知される。
【0260】
疑似遊技(フリーズ期間)に係るリールの回転中にエラーが検出され、7セグメント表示器を介して当該エラーが報知されず、液晶ディスプレイ99を介して当該エラーが報知されている状態で電断し、その電断から復帰した場合であっても、記憶手段のエラー検出フラグが保持されるようになっているため、電断復帰後における通常遊技の再開時に、7セグメント表示器を介して当該エラーが報知されるようになっている。
【0261】
なお、当該エラーが解除された後に、設定変更キーがON状態となっていることに基づき、所定の表示(注意喚起)が液晶ディスプレイ99に表示されてもよい。所定の表示は、例えば「設定変更をできない状態です。」という情報(文字)の表示であってもよい。
【0262】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略等が可能である。例えば、スロットマシンの遊技制御形態および構成等は前述した実施の形態のそれに限定されない。また、前述した制御動作は、スロットマシンに限ることなく、遊技者が遊技メダルを用いることなく遊技を行う構造となった管理スロットマシン(メダルレス遊技機)等の他の遊技機にも適用できる。
【符号の説明】
【0263】
1 筐体
11 ホッパーユニット(ホッパー)
20 前扉
38 受皿
40 キャンセルシュート(案内通路)
90 メダルセレクタ(セレクタ)
111 メダル払い出し部(発射口部)
112 周辺壁部
381 底部
382a 前壁部
401 第1開口部(ホッパー側開口部)
402 第2開口部(受皿側開口部)
403 第3開口部(セレクタ側開口部)
F1 第1通路
F2 第2通路
F3 第3通路
X 第1仮想直線
Y 第2仮想直線
Z 第3仮想直線
X1 (第1仮想直線の)一端
X2 (第1仮想直線の)他端
20a 第1リール
20b 第2リール
20c 第3リール
26a ストップボタン
26b ストップボタン
26c ストップボタン
31 メイン制御基板(制御手段)
17a 第1メイン表示器17a(報知手段)
17c サブ表示器(報知手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
図10
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