(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-08
(45)【発行日】2024-08-19
(54)【発明の名称】分散型制御システム構成要素のサージ保護のための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H02J 13/00 20060101AFI20240809BHJP
G05B 19/042 20060101ALI20240809BHJP
H02H 9/02 20060101ALI20240809BHJP
H02H 9/04 20060101ALI20240809BHJP
【FI】
H02J13/00 301A
H02J13/00 301D
G05B19/042
H02H9/02
H02H9/04
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018144847
(22)【出願日】2018-08-01
【審査請求日】2021-07-28
【審判番号】
【審判請求日】2023-06-13
(32)【優先日】2017-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512132022
【氏名又は名称】フィッシャー-ローズマウント システムズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブレッド ジェフリー ウィルソン
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ヘイズ トルイット
【合議体】
【審判長】高野 洋
【審判官】稲葉 崇
【審判官】寺谷 大亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-143415(JP,A)
【文献】特開平4-308678(JP,A)
【文献】実開平2-95191(JP,U)
【文献】特開2003-37932(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/04-19/05
H01C 7/02-7/22
H02H 7/00
H02H 7/10-7/20
H02H 9/00-9/08
H02J 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィールドデバイスに電気的に結合されるための端子ブロックであって、前記端子ブロックが、
入力電圧が第1の閾値を満たしたときに前記入力電圧を動作電圧に下げるためのサージプロテクタと、
前記入力電圧が前記第1の閾値を満たしたときに状態メッセージを発生させるための通信インターフェースと、を備える
端子ブロックを含む装置。
【請求項2】
前記サージプロテクタが、前記入力電圧が前記第1の閾値を満たしたときに、前記入力電圧で電力供給される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の閾値が、第2の閾値を満たす前記入力電圧の振幅、または、何回、前記入力電圧の前記振幅が前記第2の閾値を満たしたかに対応する計数器に基づいている、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記状態メッセージが、前記サージプロテクタの健康状態を含み、前記健康状態が前記端子ブロックまたは前記サージプロテクタの取り替えを示す、請求項1から3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記端子ブロックに接続されるI/Oモジュールと、前記I/Oモジュールの入力電流が第2の閾値を満たしたときに、前記I/Oモジュールの前記入力電流を下げるための電流制限モジュールと、前記入力電流が前記第2の閾値を満たしたときに、前記状態メッセージを制御装置に送信するための前記通信インターフェースであって、前記状態メッセージが前記入力電流の値を含む、通信インターフェースと、をさらに含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
電流制限モジュールであって、
前記端子ブロックの漏れ電流を測定し、
前記漏れ電流を第2の閾値と比較するための、電流制限モジュールと、
前記漏れ電流が前記第2の閾値を満たしたときに、前記状態メッセージを制御装置に送信するための前記通信インターフェースであって、前記状態メッセージが前記漏れ電流の値を含む、通信インターフェースと、をさらに含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
I/Oモジュール及びフィールドデバイスに電気的に結合された端子ブロックに埋め込まれたサージプロテクタへの入力電圧を測定することと、
前記入力電圧が第1の閾値を満たしたときに、前記サージプロテクタにより、前記入力電圧を動作電圧に下げることと、
前記入力電圧が前記第1の閾値を満たしたときに、状態メッセージを発生させることと、を含む、方法。
【請求項8】
前記入力電圧が前記第1の閾値を満たしたときに、前記入力電圧で前記サージプロテクタに電力供給を行うことをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の閾値を満たすことが、前記入力電圧の振幅を基準電圧振幅と比較することを含む、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
前記入力電圧が前記第1の閾値を満たすことに応じて、計数器の値を第2の閾値と比較することをさらに含み、前記値が、何回、前記入力電圧の振幅が前記第1の閾値を満たしたかに対応する、請求項7から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記状態メッセージが、前記サージプロテクタの健康状態を含み、前記健康状態が前記端子ブロックまたは前記サージプロテクタの取り替えを示す、請求項7から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
入力電流が第2の閾値を満たしたときに、前記I/Oモジュールの前記入力電流を下げることと、前記入力電流が前記第2の閾値を満たしたときに、前記状態メッセージを制御装置に送信することであって、前記状態メッセージが前記入力電流の値を含む、送信することと、をさらに含む、請求項7から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記端子ブロックの漏れ電流を測定することと、
前記漏れ電流を第2の閾値と比較することと、
前記漏れ電流が前記第2の閾値を満たしている場合、前記状態メッセージを制御装置に送信することであって、前記状態メッセージが前記漏れ電流の値を含む、送信することと、をさらに含む、請求項7から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
実行されると、機械に、少なくとも以下
I/Oモジュール及びフィールドデバイスに電気的に結合された端子ブロックに埋め込まれたサージプロテクタへの入力電圧を測定することと、
前記入力電圧が第1の閾値を満たしたときに、前記サージプロテクタにより、前記入力電圧を動作電圧に下げることと、
前記入力電圧が前記第1の閾値を満たしたときに、状態メッセージを発生させることと、を行わせる命令を含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項15】
実行されると、前記機械に、前記入力電圧が前記第1の閾値を満たしたときに、前記入力電圧での前記サージプロテクタへの電力供給を少なくとも行わせる命令をさらに含む、請求項14に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項16】
前記第1の閾値を満たすことが、前記入力電圧の振幅を基準電圧振幅と比較することを
含む、請求項14または15に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項17】
前記命令は、実行されると、前記機械に、前記入力電圧が前記第1の閾値を満たすことに応じて、計数器の値を第2の閾値と比較することをさらに行わせ、前記値が、何回、前記入力電圧の振幅が前記第1の閾値を満たしたかに対応する、請求項14から16のいずれか1項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項18】
前記状態メッセージが、前記サージプロテクタの健康状態を含み、前記健康状態が、前記端子ブロックまたは前記サージプロテクタの取り替えを示す、請求項14から17のいずれか1項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項19】
実行されると、前記機械に、入力電流が第2の閾値を満たしたときに、少なくとも前記I/Oモジュールの前記入力電流を下げさせ、前記入力電流が前記第2の閾値を満たしたときに前記状態メッセージを制御装置に送信させる命令をさらに含み、前記状態メッセージが前記入力電流の値を含む、請求項14から18のいずれか1項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項20】
実行されると、前記機械に、少なくとも、以下
前記端子ブロックの漏れ電流を測定することと、
前記漏れ電流を第2の閾値と比較することと、
前記漏れ電流が前記第2の閾値を満たしている場合、前記状態メッセージを制御装置に送信することであって、前記状態メッセージが前記漏れ電流の値を含む、送信することと、を行わせる命令をさらに含む、請求項14から19のいずれか1項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、プロセス制御システムに関し、より具体的には、分散型制御システム構成要素のサージ保護のための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、化学、石油、及び/または他のプロセスで使用されるシステムのようなプロセス制御システムは、それらの先行のものよりも多い処理電力を含むフィールドデバイスの激増に従って次第に複雑さを増してきている。現世代のプロセス制御システムは、プロセス制御環境の異なる側面を測定しかつ/または制御するための、より多数の、かつより多くの種類のフィールドデバイスまたは器具を含む。プロセス制御システム内のデバイスも、早期故障を引き起こす可能性のある、水分、広温度範囲、電力品質の乱れ、落雷などに晒される状態の困難な屋外環境にあることがある。
【発明の概要】
【0003】
分散型制御システム構成要素のサージ保護のための方法、装置、及び製品が開示される。例示的な装置は、フィールドデバイスに電気的に結合されるための端子モジュールであって、入力電圧が閾値を満たしたときに入力電圧を動作電圧に下げるためのサージプロテクタを含む、端子モジュールと、入力電圧が閾値を満たしたときに状態メッセージを発生させるためのサージ保護論理解析器と、を含む。
【0004】
例示的な方法は、I/Oモジュール及びフィールドデバイスに電気的に結合された端子ブロックに埋め込まれたサージプロテクタへの入力電圧を測定することと、入力電圧が第1の閾値を満たしたときに入力電圧を動作電圧に下げることと、入力電圧が第1の閾値を満たしたときに状態メッセージを発生させることと、を含む。
【0005】
例示的な非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、実行されると、機械に、少なくとも、I/Oモジュール及びフィールドデバイスに電気的に結合された端子ブロックに埋め込まれたサージプロテクタへの入力電圧を測定させ、入力電圧が第1の閾値を満たしたときに入力電圧を動作電圧に下げさせ、かつ入力電圧が第1の閾値を満たしたときに状態メッセージを発生させる命令を含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本開示の教示による、例示的な分散型制御システム制御装置に含まれている例示的サージプロテクタ装置の概略図である。
【
図2】本開示の教示による、別の例示的分散型制御システム制御装置に含まれている例示的なサージプロテクタ装置の別の概略図である。
【
図3】本開示の教示による、さらに別の例示的な分散型制御システム制御装置に含まれている例示的なサージプロテクタ装置のさらに別の概略図である。
【
図4】
図1~3の例示的なサージプロテクタ装置の例示的な実装形態のブロック図である。
【
図5】分散型制御システム構成要素のサージ保護のために
図1~4の例示的なサージ保護プロテクタ装置を使って行われ得る例示的な方法を表すフローチャートである。
【
図6】分散型制御システム構成要素のサージ保護のために
図1~4の例示的なサージ保護プロテクタ装置を使って行われ得る例示的な方法を表すフローチャートである。
【
図7】分散型制御システム構成要素のサージ保護のために
図1~4の例示的なサージ保護プロテクタ装置を使って行われ得る例示的な方法を表すフローチャートである。
【
図8】機械可読命令を実行して、
図5~7の方法を実施するように構造化された例示的なプロセッサプラットフォーム、及び
図1~4の例示的なサージプロテクタ装置のブロック図である。
【0007】
図は、正確な縮尺で描かれていない。可能な限り、図面及び付随する書面による「発明を実施するための形態」全体を通して、同じ参照番号が、同じまたは同様の部分を指すように使用されることになる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
分散型制御システムなどのプロセス制御システムは、データ取得分解能、処理電力、及び信号調整が高められた個々の構成要素が開発されるにつれて、益々、複雑になっている。分散型制御システム(DCS:Distributed Control System)は、動作の様々な側面が、例えば、構成要素を製造すること、化学原料を処理することなどのプロセス制御環境において実施されるようにモニタしかつ/または制御するのに使用される。DCSは、通常、制御装置が、様々な入力フィールドデバイス及び/または器具から信号を取得し、かつ様々な出力フィールドデバイス及び/または器具を制御することを可能にする、付随する入力/出力(I/O:Input/Output)モジュールを備える複数の制御装置(例えば、電子制御装置、プログラマブルコントローラなど)を含む。I/Oモジュールは、入力、出力、及び/またはそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0009】
本明細書で使用される際、「フィールドデバイス」または「器具」という用語は、プロセス制御システム全体にわたって、プロセス制御システムの様々な態様(例えば、他のプロセス制御デバイスなど)を測定しかつ/または制御するのに使用され得る、例えば、作動装置、作動装置組立体、作動装置制御装置、作動装置位置決め装置、センサ、送信装置、バルブ組立体などの制御デバイスを指す。
【0010】
典型的なDCSは、プロセス制御環境の近くに制御機能を局在化させることによって、確実性を高め、設置費用を縮小するように、プロセス制御環境全体にわたって分散されているが、プロセス制御環境のモニタリング及び監視制御を遠隔で有効にする制御装置を含む。いくつかの例において、プロセス制御環境に近い、DCS制御装置及び/または遠隔I/Oモジュールは、電流スパイク、電圧スパイクなどの電気スパイクを含む、困難な環境条件及び/または動作条件に晒されることにより、瞬間のまたは早められた障害に見舞われる可能性がある。
【0011】
電気スパイクとは、電気回路内の、電圧(例えば、電圧スパイクなど)、電流(例えば、電流スパイクなど)、または移動エネルギー(例えば、エネルギースパイクなど)における速く短い持続時間の電気的過渡現象である。電気スパイクとは、直接結合(例えば、直撃雷など)または誘導結合のいずれかを通した、電磁パルス(EMP:ElectoroMagnetic Pulse)の結果である。誘導結合の例は、単線に誘導的に結合された照明システム下方導体の下方への稲妻に端を発するEMP移動を含んでもよく、この場合、単線の近くの並列導体が、EMPに対応する電圧を引き上げる。電圧スパイクの影響は、対応する電流の上昇をもたらすことにある(例えば、電流スパイクなど)。結果として、電圧のかなりの上昇が、電流スパイクを引き起こし、ヒューズが開く、バイポーラトランジスタが故障するなどの結果をもたらすことがある。あるいは、電流スパイクが、電圧スパイクを誘導する場合がある。例えば、誘導子に蓄えられた初期放電電流が、電圧をもたらす場合がある。結果として、電流のかなりの上昇が、電界効果トランジスタ、コンデンサなどの電気構成要素に損傷をもたらす可能性がある電圧レベルを誘導することがある。
【0012】
電気スパイクは、DCS制御装置、DCS I/Oモジュールなどの損傷を引き起こし
、かつ/またはそれの故障を早める可能性がある。例えば、落雷が、フィールドデバイス(例えば、作動装置、センサなど)に結合された金属構造物(例えば、管、タンクなど)に接触することがある。落雷は、電圧スパイクを、フィールドデバイスから、フィールドデバイスに電気的に結合されたDCS I/Oモジュールへ移動させることがある。電圧スパイクは、DCS I/Oモジュール、対応するDCS制御装置などに損傷を与えることがある。
【0013】
[先行のDCS実装形態では、DCS制御装置及びDCS I/Oモジュールは、DINレールマウント型サージ保護端子ブロックなどの外部サージ抑制ソリューションによって保護されている。これらの外部サージ抑制ソリューションに対する欠点は、それらが、電気筐体内部にさらなる空間を占めることにある。DINレールマウント型サージ保護端子ブロックは、サージ保護回路網を介して電気的に結合された、入力端子及び出力端子を含む。このような先行の実装形態では、フィールドデバイスは、DINレールマウント型サージ保護端子ブロックの入力に電気的に結合されている。DINレールマウント型サージ保護端子ブロックの出力は、DCS制御装置、DCS制御装置I/Oモジュールなどの入力に電気的に結合されている。
【0014】
本明細書に開示されている例示的サージプロテクタ装置は、DCS制御装置のサージ保護の働きをする。いくつかの本開示の例では、DCS制御装置は、サージプロテクタ装置を含む。例えば、サージプロテクタ装置は、DCS制御装置と同じ機械構造(例えば、ハウジング組立体、ハウジング構造物など)であってもよい。このような例では、サージプロテクタ装置は、同じ機械構造内、DCS制御装置機械構造に結合されたベースプレート機械構造(例えば、DCS制御装置ベースプレートなど)内などで、DCS制御装置に電気的に結合されている。それに加え、または別法として、例示的サージプロテクタ装置は、DCS制御装置I/Oモジュール、DCS制御装置I/Oモジュール端子ブロックなどと同じ機械構造にあってもよい。DCS制御装置、DCS制御装置ベースプレート、DCS I/Oモジュール、DCS I/Oモジュール端子ブロックなどに例示的サージプロテクタ装置を含めることによって、DINレールマウント型サージ保護端子ブロックなどの外部独立型サージ保護モジュールへの必要が減らされる。様々なDCS構成要素(例えば、DCS制御装置、DCS制御装置ベースプレートなど)のうちの1つに例示的サージプロテクタ装置を統合することによって、様々なDCS構成要素の電力品質の状態、及び1つ以上のサージ抑制構成要素の状態をモニタすること、DCS制御装置へデータパケットを送信すること、などの追加の機能性が組み込まれ得る。
【0015】
[いくつかの本開示の例において、サージプロテクタ装置は、入力電圧を安全レベル(例えば、構成要素の標準動作範囲内の電圧など)に下げるための電圧制限モジュールを含む。例えば、サージプロテクタ装置は、過渡電圧抑制装置(例えば、背向ダイオード組立体、金属酸化物バリスタ、ガス放電管など、及び/またはそれらの組み合わせ)を含んでもよい。いくつかの本開示の例において、サージプロテクタ装置は、入力電流を安全レベル(例えば、構成要素の標準動作範囲内の電流など)に下げるための電流制限モジュールを含む。例えば、サージプロテクタ装置は、過渡電流抑制装置(例えば、高速電流制限装置など)を含んでもよい。いくつかの本開示の例において、サージプロテクタ装置は、1つ以上のフィルタを含む。例えば、サージプロテクタ装置は、ローパスフィルタ、バンドパスフィルタ、ハイパスフィルタなど、及び/またはそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0016】
いくつかの本開示の例において、サージプロテクタ装置は、1つ以上の電圧制限モジュール及び1つ以上の電流制限モジュールの両方を含む。電圧制限回路網の非線形クランピング効果により、サージ保護装置に入るエネルギー全体が、分路されることができないことがあり、結果として、残留減衰電圧により、通過電流が通るのを許すことがある。通過
電流が電圧制限回路網を通過するのを受けて、残留電流を、許容可能レベル、非破壊レベルなどに下げるのに、電流制限モジュールが使用されてもよい。
【0017】
いくつかの本開示の例において、サージプロテクタ装置は、1つ以上の機械的及び/または電気的表示器を含む。例えば、サージプロテクタ装置は、説明文付きの色付き面、発光ダイオード(LED:Light-Emmitting Diode)表示器などを含んでもよい。いくつかの本開示の例において、サージプロテクタ装置は、DCS制御装置、フィールドデバイスなどと通信を行うための1つ以上の通信インターフェースを含む。例えば、サージプロテクタ装置は、イーサネットベースインターフェース、光ファイバベースインターフェースなどの有線通信インターフェースを含んでもよい。別の例において、サージプロテクタ装置は、セルラー、近距離無線通信(NFC:Near-Field
Communication)インターフェース、Wi-Fiインターフェース(例えば、Wi-Fi Direct(登録商標)インターフェースなど)、Bluetooth(登録商標)インターフェースなどの無線通信インターフェースを含んでもよい。
【0018】
いくつかの本開示の例において、サージプロテクタ装置は、閾値を満たしている入力信号に基づき、通信メッセージ、状態メッセージなどの警報を発生させる。例えば、サージプロテクタ装置は、入力電圧の振幅が閾値を満たしたときに(例えば、振幅が、30ボルト直流(VDC:Volt Direct Current)、50VDC、100ボルト交流(VAC:Volt Alternating Current)などよりも大きい)、警報を発生させてもよい。別の例において、サージプロテクタ装置は、入力電流、漏れ源流などが閾値を満たしたときに(例えば、入力電流が1.5アンペアよりも大きい、漏れ電流が100ミリアンペアよりも大きい、など)、警報を発生させてもよい。
【0019】
いくつかの本開示の例において、サージプロテクタ装置は、サージプロテクタ装置の健康または状態に基づき、警報を発生させる。例えば、サージプロテクタ装置は、サージプロテクタ装置が作動状態である、サージプロテクタ装置が損傷している、サージプロテクタ装置が低下している、サージプロテクタ装置が非応答状態である、などを示す通信メッセージを発生させ、それを、イーサネットを介してDCS制御装置に送信してもよい。
【0020】
図1は、本開示の教示による、例示的DCS制御装置組立体102に含まれている例示的サージプロテクタ100の概略図である。DCS制御装置組立体102は、第1の制御装置104及び第2の制御装置106を含む。図示例において、第1の制御装置104及び第2の制御装置106は、特徴付けモジュール(CHARM:Characterizaion Module)I/Oカード(CIOC:Characterization
module I/O Card)である。別法として、任意の他の個数またはタイプの電気制御装置が、使用されてもよい。第1の制御装置104及び第2の制御装置106は、センサ測定値を得て処理する、センサ測定値を外部制御装置及び/またはDCSに送信するなど、データ取得及び制御動作を行う。図示例において、第2の制御装置106は、第1の制御装置104に対する代替要員である。例えば、第2の制御装置106は、第1の制御装置104が非応答状態(例えば、損傷している、非動作状態であるなど)であるときに、一次データ取得及び制御責任を担ってもよい。
【0021】
図1の図示例において、第1の制御装置104及び第2の制御装置106は、端子ブロック110を介して、I/Oモジュール108に電気的に結合されている。I/Oモジュール108は、ベースプレート112に直脱自在に結合されている端子ブロック110に着脱自在に結合されている。図示例において、第1のフィールドデバイス114は、端子ブロック110のうちの第1の端子ブロックを介して、I/Oモジュール108のうちの第1のI/Oモジュールに電気的に結合されている。
【0022】
図示例において、I/Oモジュール108は、CHARMである。別法として、デーダ取得及び制御用に使用される任意の他のタイプの入力及び/または出力モジュールが使用されてもよい。各CHARMは、第1の制御装置104と第2の制御装置106とのための個々の入力及び/または出力チャネルである。例えば、I/Oモジュール108のそれぞれのI/Oモジュールが、アナログ入力または出力チャネル、デジタル入力または出力チャネル、中継チャネルなどであってもよい。I/Oモジュール108のそれぞれが、アナログ-デジタル(A/D:Analog-to-Digital)変換回路網、信号絶縁回路網などを含んでもよい。例えば、第1のI/Oモジュール108が、第1のフィールドデバイス114から得られた4~20ミリアンペア測定値を、デジタル値(例えば、16ビットA/D変換器の場合は0~65536の範囲の値、など)に変換してもよい。第1の制御装置104及び第2の制御装置106は、第1のI/Oモジュール108からデジタル値を得てもよい。
【0023】
図示例において、端子ブロック110は、CHARM端子ブロックである。別法として、任意の他のタイプの端子ブロックまたは電気的インターフェースが使用されてもよい。各CHARM端子ブロックは、現場配線に端子接続具を提供する直脱自在な端子ブロックである。端子ブロック110は、1つ以上の出力端子に電気的に結合された1つ以上の入力端子を含む。例えば、第1の端子ブロック110は、第1のフィールドデバイス114からの有線接続具で電気的に結合するための、押し込み式端子接続具、ネジ端子接続具、スプリングケージ端子接続具などを含む1つ以上の入力端子を含んでもよい。別の例において、第1の端子ブロック110は、第1のI/Oモジュール108に、第1の制御装置104及び第2の制御装置106に、ベースプレート112に、など、電気的に結合するための1つ以上の出力端子(例えば、押し込み式端子接続具、ネジ端子接続具など)を含んでもよい。
【0024】
図示例において、端子ブロック110は、対応するCHARMに物理的ラッチ機構を提供する。例えば、第1の端子ブロック110は、第1のI/Oモジュール108が所定位置に機械的に固定されるのを確実にするように、1つ以上の機械的ラッチを使って、第1のI/Oモジュール108にラッチ留めされてもよい。さらに別の例において、第1の端子ブロック110は、第1の端子ブロック110からI/Oモジュール108を取り外すのに、1つ以上の機械的ラッチを外すことによって、第1のI/Oモジュール108から外されてもよい。
【0025】
図示例において、ベースプレート112は、CHARMベースプレートである。別法として、任意の他のタイプのベースプレートまたはハードウェア境界面が使用されてもよい。例えば、ベースプレート112は、電源とバス(例えば、通信バスなど)とを交互配置したコネクタまたは接続具を含むDINレールマウント型機械的構造物であってもよい。図示例において、ベースプレート112は、12個のI/Oモジュール108及び12個の端子ブロック110を支持している。別法として、12個よりも少ないまたは多いI/Oモジュール108が支持または使用されてもよい。それに加え、ベースプレート112は、通信インターフェース116及びアドレスプラグ118(例えば、ネットワークトポロジにおいて、第1の制御装置104及び第2の制御装置106のネットワークアドレスを調整することのできるハードウェアデバイスなど)を含む。例えば、通信インターフェース116は、有線通信インターフェース(例えば、イーサネットインターフェース、シリアル通信インターフェース(例えば、RS-232、RS-485など)など)、または無線通信インターフェース(例えば、NFC、Wi-Fi Direct(登録商標)、Bluetooth(登録商標)など)であってもよい。
【0026】
図示例において、第1のフィールドデバイス114は、圧力測定値を4~20ミリアンペア電気出力に変換する圧力変換装置である。別法として、任意の他のタイプのフィール
ドデバイスが使用されてもよい。例えば、第1のフィールドデバイス114は、2線式測定(例えば、4~20ミリアンペア信号など)を介した圧力測定値を、第1の端子ブロック110を介して第1のI/Oモジュール108に送信してもよい。
【0027】
図1の図示例において、サージプロテクタ100は、I/Oモジュール108にある。図示例において、サージプロテクタ100は、I/Oモジュール108内で制御回路網120に電気的に結合されている。制御回路網120は、ベースプレート112において、「+V」で示された電力接続具、及び「-V」で示された電力リターン接続具に、電気的に結合されている。それに加え、または別法として、制御回路網120は、任意の他の個数及び/またはタイプの接続具でベースプレート112に電気的に結合されていてもよい。
【0028】
図示例において、サージプロテクタ100は、第1の端子ブロック110の接続具「2」及び「4」を介して、第1のフィールドデバイス114に電気的に結合されている。いくつかの例において、サージプロテクタ100は、入力電圧が閾値を満たしたときに、第1のフィールドデバイス114からの入力信号の電圧を下げる。例えば、サージプロテクタ100は、入力電圧の振幅を閾値と比較して、振幅が閾値を満たしているかどうか(例えば、振幅が、50VDC、100VACなどよりも大きい)を判断してもよい。例示的サージプロテクタ100は、電圧入力を、制御回路網120、第1のI/Oモジュール108、第1の制御装置104、第2の制御装置106などの標準動作範囲内の電圧などの安全レベルに下げてもよい。
【0029】
いくつかの例において、サージプロテクタ100は、入力電流が閾値を満たしたときに、第1のフィールドデバイス114からの入力信号の電流を下げる。例えば、サージプロテクタ100は、入力電流を閾値と比較して、入力電流が閾値を満たしているかどうか(例えば、入力電流が、0.5アンペア、1.5アンペアなどよりも大きい)を判断してもよい。サージプロテクタ100例は、入力電流を、制御回路網120、第1のI/Oモジュール108、第1の制御装置104、第2の制御装置106などの標準動作範囲内の電流などの安全レベルに下げてもよい。
【0030】
いくつかの例において、サージプロテクタ100は、閾値を満たしている入力電圧、入力電流、漏れ電流など基づき、警報を発生させる。例えば、サージプロテクタ100は、サージプロテクタ100が作動状態である、入力電圧が閾値を満たした、入力電流が閾値を満たした、などのときに、電気的表示器122の作動を指図してもよい。図示例において、電気的表示器122は、発光ダイオード(LED)である。それに加え、または別法として、任意の他のタイプの電気的表示器が使用されてもよい。例えば、電力サージ事象の前、または、サージプロテクタ100が良好な健康または動作状態にあることが分かっている期間中、電気的表示器は、非作動または無給電の状態であってもよい。このような例では、電力サージ事象中もしくはその後、または、サージプロテクタ100が低下している(例えば、損傷しているなど)または非動作であることが分かっている期間中、サージプロテクタ100は、電気的表示器122に電力供給を行ってもよい(例えば、LEDの電源が入る、など)。
【0031】
別法として、電気的表示器122は、第1のLED(例えば、緑LEDなど)が電力サージ事象前に有効にされ得るマルチLED光源などであってもよい。このような例では、電力サージ中またはその後など、第1のLEDが無効にされる一方、第2のLED(例えば、赤LEDなど)が有効にされてもよい。別法として、任意の他の色または個数の電気的表示器が使用されてもよい。それに加え、または別法として、例示的サージプロテクタ100の健康状態または動作状態の変化を明示するのに、任意の他の電気的表示器が使用されてもよい。
【0032】
いくつかの例において、サージプロテクタ100は、サージプロテクタ100が作動状態である、入力電圧が閾値を満たした、入力電流が閾値を満たした、などのときに、作動可能面124(例えば、作動させることができる説明文付きの色付き面など)の作動を指図する。図示例において、作動可能面124は、バネ式機構を介して第1のI/Oモジュール108に動作可能に結合されている。別法として、枢軸支持具(例えば、ジンバルなど)などの任意の他のタイプの機械的機構が使用されてもよい。例えば、作動可能面124は、作動可能面124が第1の色であり、かつ/または第1の説明文を表示する、第1の状態にあってもよい。このような例では、作動可能面124は、緑であってもよく、「OK状態」と表示された文字を表示する。このような例では、作動可能面124は、作動可能面124が、第1の色及び/または第1の説明文の代わりに、第2の色であり、かつ/または第2の説明文を表示する、第2の状態に変わるように作動させられてもよい。このような例では、作動可能面124は、赤であってもよく、「サージ稼働中」と表示された文字を表示する。それに加え、または別法として、任意の他の色、文字などが使用されてもよい。
【0033】
いくつかの例において、サージプロテクタ100は、サージプロテクタ100が作動状態である、入力電圧が第1の閾値を満たした、入力電流が第2の閾値を満たした、などのときに、サージプロテクタ100の動作状態(例えば、サージプロテクタ100が作動状態である、など)、サージプロテクタ100の健康状態(例えば、サージプロテクタ100が損傷している、サージプロテクタが非応答状態である、など)などを含む通信メッセージを発生させる。いくつかの例において、入力電圧が第1の閾値を満たした、入力電流が第2の閾値を満たした、などのときに、サージプロテクタ100は、対応するI/Oモジュール108と一緒に、取り替えられる。
【0034】
いくつかの例において、サージプロテクタ100は、漏れ電流が閾値を満たしたときに、電気的表示器122の作動、作動可能面124の作動、警報メッセージの発生などを指図する。例えば、サージプロテクタ100は、サージプロテクタ100の回路網内の漏れ電流量を測定してもよい。例えば、サージプロテクタ100は、サージプロテクタ100の1つ以上の構成要素が低下するのにつれて増加する漏れ電流量を測定してもよい。結果として、例示的サージプロテクタ100は、漏れ電流の値をモニタするのに基づき、サージプロテクタ100の健康状態を判断してもよい。いくつかの例において、サージプロテクタ100は、漏れ電流を閾値と比較して、漏れ電流が閾値を満たしているかどうか(例えば、漏れ電流が、10ミリアンペア、100ミリアンペアなどより大きい)を判断する。場合によっては、漏れ電流が閾値を満たしたときに、サージプロテクタ100が、対応するI/Oモジュール108と一緒に、取り替えられる。
【0035】
図2は、本開示の教示による、
図1の例示的DCS制御装置組立体102に含まれている、
図1の例示的サージプロテクタ100の別の概略図である。図示例において、サージプロテクタ100は、端子ブロック110にある。図示例において、サージプロテクタ100は、制御回路網120がI/Oモジュール108にある、
図1の制御回路網120に電気的に結合されている。例示的サージプロテクタ100は、
図1に関連して上に説明されているように、
図1の第1のフィールドデバイス114からの入力電圧、入力電流などを安全レベルに下げてもよい。例えば、サージプロテクタ100は、入力電圧が第1の閾値を満たした、入力電流が第2の閾値を満たした、漏れ電流量が第3の閾値を満たした、などのときに、
図1に関連して上に説明されているように、
図1の電気的表示器122を作動させる、
図1の作動可能面124を作動させる、警報メッセージをさせる、などを行ってもよい。いくつかの例において、入力電圧が第1の閾値を満たした、入力電流が第2の閾値を満たした、漏れ電流量が第3の閾値を満たした、などのときに、サージプロテクタ100が、対応する端子ブロック110と一緒に、取り替えられる。
【0036】
図3は、本開示の教示による、
図1及び2の例示的DCS制御装置組立体102に含まれている、
図1及び2の例示的サージプロテクタ100のさらに別の概略図である。図示例において、サージプロテクタ100は、ベースプレート112にある。図示例において、サージプロテクタ100は、
図1及び2の制御回路網120に電気的に結合され、この場合、制御回路網120は、I/Oモジュール108にある。図示例において、制御回路網120は、「FD+」及び「FD-」で指し示されている第1のフィールドデバイス114から入力信号を得る。図示例において、サージプロテクタ100は、「CC
out+」及び「CC
out-」で指し示されている制御回路網120から処理済み入力信号を得る。例示的サージプロテクタ100は、
図1及び2に関連して上に説明されているように、処理済み入力信号からの入力電圧、入力電流などを安全レベルに下げてもよい。例えば、サージプロテクタ100は、入力電圧が第1の閾値を満たした、入力電流が第2の閾値を満たした、漏れ電流が第3の閾値を満たした、などのときに、
図1及び2に関連して上に説明されているように、
図1及び2の電気的表示器122を作動させる、
図1及び2の作動可能面124を作動させる、警報メッセージを発生させる、などを行ってもよい。いくつかの例において、入力電圧が第1の閾値を満たした、入力電流が第2の閾値を満たした、漏れ電流が第3の閾値を満たした、などのときに、サージプロテクタ100が、ベースプレート112と一緒に、取り替えられる。
【0037】
図4は、
図1~3の第1のフィールドデバイス114からの、または制御回路網120を介して第1のフィールドデバイス114からの入力信号400をモニタし、入力信号400が1つ以上の閾値を満たしたときに(例えば、入力電圧が第1の閾値を満たした、入力電流が第2の閾値を満たしたなど、かつ/またはそれらの組み合わせ)、入力信号400を安全レベルに下げる、
図1~3の例示的サージプロテクタ100の実装形態例のブロック図である。図示例において、第1のフィールドデバイス114は、入力信号400及び入力信号リターン402に電気的に結合されている。いくつかの例において、第1のフィールドデバイス114は、接地接続具404に電気的に結合され、この場合、接地接続具404は、保護アース接続具406に電気的に結合されている。
【0038】
図4の図示例において、サージプロテクタ100は、例示的電圧制限モジュール408、例示的フィルタモジュール410、第1の例示的電流制限モジュール412、第2の例示的電流制限モジュール414、及び例示的サージ保護管理部416を含む。図示例において、サージ保護管理部416は、例示的電力モジュール418、例示的サージ保護論理解析器420、例示的表示器モジュール422、例示的通信インターフェース424、及び例示的データベース426を含む。別法として、例示的データベース426は、例示的サージ保護管理部416から、かつ/または例示的サージプロテクタ100から分離していてもよい。例示的通信インターフェース424は、例示的ネットワーク428に通信可能に結合されている。例示的DCS構成要素430、第2の例示的フィールドデバイス432、例示的出力信号434、及び例示的出力信号リターン436がさらに示されている。
【0039】
図4の図示例において、サージプロテクタ100は、入力電圧をモニタしかつ/または下げるための電圧制限モジュール408を含む。本明細書で使用される際、「入力電圧」という用語は、入力信号リターン402に関する入力信号400及び/または接地接続具404の電圧を指す。図示例において、電圧制限モジュール408は、ガス排出管、金属酸化物バリスタ、過渡電圧抑制装置など、及び/またはそれらの組み合わせである。例えば、電圧制限モジュール408は、入力電圧(例えば、入力電圧の振幅など)を基準電圧(例えば、基準電圧の振幅、基準電圧振幅など)と比較してもよい。このような例では、電圧制限モジュール408は、入力電圧が閾値を満たしたときに、入力電圧を安全レベルに下げてもよい。例えば、電圧制限モジュール408は、入力電圧の振幅が閾値を満たし
たときに(例えば、入力電圧が、50VDC、100VACなどよりも大きい)、入力電圧を下げてもよい。例えば、電圧制限モジュール408は、入力電圧が50VDCの閾値を満たしたときに、入力電圧を、100VDCから28VDCに下げてもよく、この場合、28VDCは、DCS制御装置組立体102、I/Oモジュール108などの公称(標準)動作電圧である。
【0040】
図4の図示例において、サージプロテクタ100は、電磁干渉、無線周波干渉などによるノイズをフィルタ処理するためのフィルタモジュール410を含む。例えば、フィルタモジュール410は、入力信号400、入力信号リターン402、接地接続具404、及び/または保護アース406にある伝導妨害を抑制してもよい。いくつかの例において、フィルタモジュール410は、コモンモード及び/または差動モード干渉を抑制するための1つ以上のフィルタを含む。例えば、フィルタモジュール410は、ハイパスフィルタ、ローパスフィルタ、バンドパスフィルタなど、及び/またはそれらの組み合わせを含んでもよい。いくつかの例において、フィルタモジュール410は、DC信号、通信信号(例えば、ハイウェイアドレス可能遠隔トランスデューサ(HART:Highway Addressable Remote Transducer)信号、Foundation Fieldbus信号など)などの望ましい信号を変えずにフィルタモジュール410に通過させながら、望まれないノイズを抑制する。
【0041】
図4の図示例において、サージプロテクタ100は、入力信号400の入力電流をモニタしかつ/または下げるための第1の電流制限モジュール412を含む。図示例において、第1の電流制限モジュール412は、過渡電流抑制装置である。別法として、任意の他のタイプの電流制限装置が使用されてもよい。例えば、第1の電流制限モジュール412は、入力電流を基準電流と比較してもよい。このような例では、第1の電流制限モジュール412は、入力電流が閾値を満たしたときに、入力電流を安全レベルに下げてもよい。例えば、第1の電流制限モジュール412は、入力電流を閾値と比較して、入力電流が閾値を満たしているかどうか(例えば、入力電流が、0.5アンペア、1.5アンペアなどよりも大きい、など)を判断してもよい。入力電流が閾値を満たしたのを受けて、第1の例示的電流制限モジュール412は、入力電流を安全レベルに下げてもよい。例えば、第1の電流制限モジュール412は、入力電流が0.5アンペアの閾値を満たしたときに、入力電流を0.6アンペアから0.2アンペアに下げてもよい。
【0042】
いくつかの例において、第1の電流制限モジュール412は、第1の電流制限モジュール412の負荷に基づき、電力サージ事象を特徴付けする。例えば、第1の電流制限モジュール412は、全負荷、最大能力などで動作している第1の電流制限モジュール412に基づき、電力サージ事象が、重大な電力サージ事象である、第一階級の電力サージ事象である、などを判断して、入力電流を安全レベルに下げてもよい。別の例において、第1の電流制限モジュール412は、全負荷よりも低いレベル、最大能力よりも低いレベルなどで動作している第1の電流制限モジュール412に基づき、電力サージ事象が、深刻ではない電力サージ事象である、第二階級の電力サージ事象である、などを判断して、入力電流を安全レベルに下げてもよい。別法として、第1の電流制限モジュール412の負荷に基づいた、電力サージ事象の2つより多いまたは少ない特徴付け、階級などがあってもよい。
【0043】
いくつかの例において、第1の電流制限モジュール412は、入力電流が閾値を満たしたときに、第1の電流制限モジュール412の出力を作動させ、この場合、出力は、例示的サージ保護管理部416に動作可能に結合されている。例えば、サージ保護管理部416は、第1の電流制限モジュール412が出力を作動させると、第1の電流制限モジュール412から入力電流に対応する値を、第1の電流制限モジュール412から通信メッセージ(例えば、データパケットなど)を、などと得てもよい。例えば、第1の電流制限モ
ジュール412は、第1の電流制限モジュール412が出力を作動させると、値を含む通信メッセージ、値が閾値を満たしたことを示す表示器などをサージ保護管理部416に送信してもよい。
【0044】
図4の図示例において、サージプロテクタ100は、入力信号リターン402の入力電流をモニタしかつ/または下げるための第2の電流制限モジュール414を含む。図示例において、第2の電流制限モジュール414は、過渡電流抑制装置である。別法として、任意の他のタイプの電流制限装置が使用されてもよい。図示例において、第2の電流制限モジュール414は、第1の電流制限モジュール412に関連して上に説明されているように、入力信号リターン402に対応する入力電流を安全レベルに下げてもよい。
【0045】
いくつかの例において、第2の電流制限モジュール414は、漏れ電流量を測定する。例えば、第2の電流制限モジュール414は、漏れ電流量を閾値と比較して、値が閾値を満たしているかどうか(例えば、漏れ電流量が、10ミリアンペア、100ミリアンペアなどよりも多い)を判断してもよい。
【0046】
いくつかの例において、第2の電流制限モジュール414は、第2の電流制限モジュール414の出力を作動させ、この場合、出力は、漏れ電流が閾値を満たしたときに、サージ保護管理部416に電気的に結合される。例えば、サージ保護管理部416は、第2の電流制限モジュール414が出力を作動させると、第2の電流制限モジュール414から漏れ電流に対応する値を、第2の電流制限モジュール414から通信メッセージ(例えば、データパケットなど)を、など得てもよい。例えば、第2の電流制限モジュール414は、自分が出力を作動させると、値を含む通信メッセージ、値が閾値を満たしたことを示す表示器、などをサージ保護管理部416に送信してもよい。
【0047】
図4の図示例において、サージプロテクタ100は、電力サージ事象の評価を管理し、かつ対応するサージ保護動作を調整するためのサージ保護管理部416を含む。図示例において、サージ保護管理部416は、サージ保護管理部416、及びサージ保護管理部416の対応する下位モジュール(例えば、サージ保護論理解析器420、通信インターフェース424など)に電力供給を行うための電力モジュール418を含む。いくつかの例において、電力モジュール418は、電源(例えば、AC-DC変換器、DC-DC変換器など)を使って、電力を提供する。別法として、例示的電力モジュール418は、バッテリー源(例えば、リチウム-イオンバッテリなど)、熱電子発生器、エネルギーファーミング装置、誘導性電力源、電磁電力源などを使って、電力を提供してもよい。
【0048】
いくつかの例において、電力モジュール418は、電力サージ事象電力を使って、電力を提供する。例えば、電力モジュール418は、電力サージ事象(例えば、落雷、短絡など)中、入力電圧を使って、電力を提供してもよい。このような例では、電力モジュール418は、電力サージ事象の前に、サージ保護管理部416を無給電状態、低給電状態(例えば、スリープモードなど)などに維持してもよい。電力サージ事象を受けて、例示的電力モジュール418は、電力サージ事象からの電力を使って、例示的サージ保護管理部416に電力供給を行ってもよい。ある期間が経過した後、電力モジュール418は、サージ保護管理部416を無給電状態、低給電状態などに戻してもよい。例えば、サージ保護管理部416の下位モジュールが、1つ以上の作業を完了してもよい(例えば、通信インターフェース424が、サージプロテクタ100の健康状態を、ネットワーク428を介してDCS構成要素430に送信してもよい、など)。このような例では、例示的サージ保護管理部416の下位モジュールが1つ以上の作業を完了したのを受けて、例示的電力モジュール418は、サージ保護管理部416を、無給電状態、低給電状態などに戻してもよい。場合によっては、電力モジュール418は、いつ電力モジュール418がサージ保護管理部416に電力供給を行ったかに対応するタイプスタンプ、何回、電力モジュ
ール418がサージ保護管理部416に電力供給を行ったかに対応する計数器の値、などの情報をデータベース426に格納する。
【0049】
図4の図示例において、サージ保護管理部416は、サージプロテクタ100の健康状態及び/または電力サージ事象の動作状態をモニタするためのサージ保護論理解析器420を含む。いくつかの例において、サージ保護論理解析器420は、電圧制限モジュール408の入力信号400、入力信号リターン402、及び出力、また第1の電流制限モジュール412及び第2の電流制限モジュール414の出力などに基づき、サージプロテクタ100の健康状態をモニタする。
【0050】
いくつかの例において、サージ保護論理解析器420は、漏れ電流を1つ以上の閾値と比較して、漏れ電流が1つ以上の閾値を満たしているかどうかを判断することによって、サージプロテクタ100の健康状態を判断する。例えば、サージ保護論理解析器420は、漏れ電流を第1の閾値と比較して、漏れ電流が第1の閾値を満たしているかどうか(例えば、漏れ電流が、500ミリアンペア、750ミリアンペアなどよりも大きい)を判断してもよい。このような例では、第1の閾値は、サージプロテクタ100が第1の低下状態にあるのに対応していてもよく、この場合、第1の低下状態は、サージプロテクタ100が取り替えを必要とするのに対応する(例えば、サージプロテクタ100が故障している、非応答状態である、など)。例えば、サージ保護論理解析器420は、漏れ電流を第2の閾値と比較して、漏れ電流が第2の閾値を満たしているかどうか(例えば、入力電流が、10ミリアンペア、100ミリアンペアなどよりも大きい)を判断してもよい。このような例では、第2の閾値は、サージプロテクタ100が第2の低下状態にあるのに対応していてもよく、この場合、第2の低下状態は、サージプロテクタ100が動作中であるが、低下した状態にあるのに対応する。
【0051】
いくつかの例において、サージ保護論理解析器420は、入力電圧の値、入力電流の値などに基づき、サージプロテクタ100の健康状態を判断する。場合によっては、サージ保護論理解析器420は、入力電圧、入力電流などが閾値を満たしているかどうかに基づき、サージプロテクタ100の健康状態を判断する。例えば、サージ保護論理解析器420は、入力電圧の上昇する値、入力電流の上昇する値などに基づき、例示的サージプロテクタ100が低下している、また、閾値を満たしている入力電圧、入力電流などに基づき、サージプロテクタ100が非動作または非応答の健康状態を有する、などを判断してもよい。
【0052】
いくつかの例において、サージ保護論理解析器420は、入力信号400(例えば、入力電圧、入力電流など)を閾値と比較して、入力信号400が閾値を満たしているかどうかを判断するのに基づいて、電力サージ事象の動作状態を判断する。例えば、サージ保護論理解析器420は、入力電圧の振幅を閾値と比較して、振幅が閾値を満たしているかどうか(例えば、振幅が、50VDC、100VACなどよりも大きい)を判断してもよい。別の例において、サージ保護論理解析器420は、入力電流を閾値と比較して、入力電流が閾値を満たしているかどうか(例えば、入力電流が、0.5アンペア、1.5アンペアなどよりも大きい)を判断してもよい。例示的サージ保護論理解析器420は、電力サージ事象が起こっていることを、満たされている上述の例示的閾値のうちの1つ以上に基づき、判断してもよい。
【0053】
いくつかの例において、サージ保護論理解析器420は、入力信号400(例えば、入力電圧、入力電流など)を1つ以上の閾値と比較するのに基づき、電力サージ事象を特徴付ける。例えば、サージ保護論理解析器420は、入力電流を第1の閾値と比較して、入力電流が第1の閾値を満たしているかどうか(例えば、入力電流が、1.5アンペア、2.5アンペアなどよりも大きい)を判断してもよく、この場合、第1の閾値は、入力電流
が、重大な電力サージ事象、一次階級のサージ事象、第一階級の電力サージ事象などに対応しているかどうかに基づいている。このような例では、サージ保護論理解析器420は、入力電流を第2の閾値と比較して、入力電流が第2の閾値を満たしているかどうか(例えば、入力電流が、100ミリアンペア、500ミリペアなどよりも大きい)を判断してもよく、この場合、第2の閾値は、入力電流が、大したことのない電力サージ事象、二次階級の電力サージ事象、第二階級の電力サージ事象などに対応しているかどうかに基づいている。別法として、任意の個数の閾値によって判断される、任意の個数の電力サージ事象特徴付けがあってもよい。
【0054】
いくつかの例において、サージ保護論理解析器420は、電力サージ事象を特徴付けるのに基づき、計数器をインクリメントさせる。例えば、サージ保護論理解析器420は、いくつかの大したことのない電力サージ事象、二次階級の電力サージ事象(例えば、第二階級、第三階級など)などに対応して、計数器をインクリメントさせて、電力品質状態を判断すること、サージプロテクタ100の残存耐用年数測定基準を計算すること、サージプロテクタ100の健康状態を判断すること、などを行ってもよい。場合によっては、サージ保護論理解析器420は、閾値を満たしている電力サージ事象に対応する入力信号400の測定値に基づき、計数器をインクリメントさせる。例えば、サージ保護論理解析器420は、入力電圧が第1の閾値を満たしたときに、第1のカウンタをインクリメントさせてもよい。別の例において、サージ保護論理解析器420は、入力電流が第2の閾値を満たしたときに、第2の計数器をインクリメントさせてもよい。第1及び第2の閾値は、二次階級の電力サージ事象中の、入力電圧の値、入力電流の値などに対応してもよい。
【0055】
いくつかの例において、サージ保護論理解析器420は、計数器の値を閾値と比較して、値が閾値を満たしているかどうか(例えば、値が、3、10、30などよりも大きい)を判断する。計数器の値が閾値を満たしたのを受けて、例示的サージ保護論理解析器420は、例示的表示器モジュール422に、
図1~3の電気的表示器122、
図1~3の作動可能面124などを作動させるよう指図し、例示的通信インターフェース424に、警報メッセージなどを送信するよう指図してもよい。
【0056】
いくつかの例において、サージ保護論理解析器420は、入力信号400、入力信号リターン402などの電力品質状態をモニタする。例えば、サージ保護論理解析器420は、電力サージ事象の頻度が、低電力品質を示している(例えば、いくつかの二次階級の電力サージ事象がある期間起こっている、など)と判断してもよい。別の例において、サージ保護論理解析器420は、第1の電流制限装置412及び第2の電流制限装置414が最大能力で動作する頻度が、低電力品質を示している(例えば、いくつかの一次階級の電力サージ事象がある期間起こっている、など)と判断してもよい。
【0057】
いくつかの例において、サージ保護論理解析器420は、表示器モジュール422及び/または通信インターフェース424に、動作を行うのを可能にさせる。例えば、サージ保護論理解析器420は、表示器モジュール422に、電気的表示器122、作動可能面124などを作動させるよう指図してもよい。このような例では、サージ保護論理解析器420は、1つ以上の閾値が満たされていると自分が判断すると、表示モジュール422に指図してもよい。例えば、サージ保護論理解析器420は、入力電圧が閾値を満たしたときに(例えば、入力電圧が、50VDC、100VACなどよりも大きい)、表示器モジュール422に、電気的表示器122を作動させるよう指図してもよい。
【0058】
別の例において、サージ保護論理解析器420は、通信インターフェース424に、動作を行うよう指図してもよい。例えば、サージ保護論理解析器420は、通信インターフェース424に、警報メッセージ、状態メッセージなどを発生させること、警報メッセージ、状態メッセージなどを送信すること、などを指図してもよい。このような例では、サ
ージ保護論理解析器420は、1つ以上の閾値が満たされていると自分が判断すると、通信インターフェース424に指図してもよい。例えば、サージ保護論理解析器420は、漏れ電流が閾値を満たしたときに(例えば、漏れ電流が、50ミリアンペア、200ミリアンペアなどよりも大きい)、通信インターフェース424に、警報メッセージを発生させ、それをインターネット428を介してDCS構成要素430に送信するよう指図してもよい。
【0059】
いくつかの例において、サージ保護論理解析器420は、いつ、入力信号400、入力信号リターン402などをモニタすることを継続すべきかを判断する。例えば、サージ保護論理解析器420は、無給電状態である第1のフィールドデバイス114に対応して、入力信号400の値、入力信号リターン402の値などが、無視できるものである(例えば、値が、約0ボルト、約0アンペアなどである)と判断してもよい。
【0060】
いくつかの例において、サージ保護論理解析器420は、計数器の値(例えば、第1の計数器の値、第2の計数器の値など)、入力信号400の値(例えば、入力電圧の値、入力電流の値など)、漏れ電流の値、サージプロテクタ100の健康状態などの情報を、データベース426に格納する。場合によっては、サージ保護論理解析器420は、計数器の値(第1の計数器の値、第2の計数器の値など)などの情報をデータベース426から検索する。
【0061】
図4の図示例において、サージ保護管理部416は、サージプロテクタ100の健康状態、電力サージ事象の動作状態などに基づき、警報、警報メッセージなどを発生させるための通信インターフェース424を含む。例えば、通信インターフェース424は、サージプロテクタ100の健康状態、電力サージ事象の動作状態などに対応する情報を含む1つ以上のデータパケットを発生させ、送信してもよい。このような例では、通信インターフェース424は、サージプロテクタ100が損傷している、低下している、非動作状態である、非応答状態である、などを示す状態を含むデータパケットを発生させ、それをネットワーク428を介してDCS構成要素430に送信してもよい。別の例において、通信インターフェース424は、サージプロテクタ100が電力サージ事象(例えば、一次の電力サージ事象など)に見舞われている、あるいは、最近、電力サージ事象に見舞われた、かつ/またはそれから回復している、を示す状態を含むデータパケットを発生させ、それをネットワーク428を介して第2のフィールドデバイス432に送信してもよい。
【0062】
[いくつかの例において、通信インターフェース424は、1つ以上の通信プロトコルに対応している、イーサネット、シリアル(例えば、RS-232、RS-485など)など、及び/またはそれらの組み合わせなどの1つ以上の有線インターフェースを含む。別法として、例示的通信インターフェース424は、光リンクインターフェース、光ファイバインターフェースなどの1つ以上の光インターフェースを含んでもよい。それに加え、または別法として、任意の他のタイプの有線通信インターフェースが使用されてもよい。場合によっては、1つ以上の有線インターフェースは、ガルバニック絶縁式、光絶縁式などである。例えば、通信インターフェース424は、ネットワーク428、DCS構成要素430、第2のフィールドデバイス432などからガルバニック絶縁されていてもよい。
【0063】
いくつかの例において、通信インターフェース424は、NFC、Wi-Fi、Wi-Fi Direct(登録商標)、Bluetooth(登録商標)などの1つ以上の無線インターフェースを含む。場合によっては、通信インターフェース424は、1つ以上の通信プロトコルに対応している、1つ以上の無線周波数インターフェース(例えば、無線周波数識別タグ、セルラーアンテナなど)、電磁インターフェース、赤外線インターフェースなど、及び/またはそれらの組み合わせを含む。それに加え、または別法として、
任意の他のタイプの無線通信インターフェースが使用されてもよい。
【0064】
図4の図示例において、サージ保護管理部416は、データ(例えば、計数器の値、漏れ電流の値、サージプロテクタ100の健康状態など)を記録するためのデータベース426を含む。例示的データベース426は、揮発性メモリ(例えば、シンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM:Synchronous Dymanic
Random Access Memory)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM:Dymanic Random Access Memory)、RAMBUSダイナミックランダムアクセスメモリ(RDRAM:RAMBUS Dynamic
Random Access Memory)など)及び/または不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリ)によって実装されていてもよい。例示的データベース426は、それに加え、または別法として、DDR、DDR2、DDR3、DDR4、モバイルDDR(mDDR)などの1つ以上のダブルデータレート(DDR:Double Data Rate)メモリによって実装されていてもよい。例示的データベース426は、それに加え、または別法として、ハードディスクドライブ、コンパクトディスクドライブ、デジタルバーサタイルディスクドライブ、ソリッドステートディスクドライブなどの1つ以上の大容量記憶デバイスによって実装されていてもよい。例示的データベース426は、それに加え、または別法として、抵抗変化型メモリ(ReRAM:Resistive
RAM)、グラフェンベースメモリチップなどの1つ以上のシリコンベースメモリデバイスによって実装されていてもよい。図示例では、データベース426は、ただ1つのデータベースとして示されているが、データベース426は、任意の個数及び/またはタイプのデータベースによって実装されていてもよい。さらに、データベース426に格納されているデータは、例えば、バイナリデータ構造、コンマ区切りデータ構造、タブ区切りデータ構造、構造化照会言語(SQL:Structured Query Language)構造などの任意のデータ形式であってもよい。
【0065】
[
図4の図示例において、ネットワーク428は、バス及び/またはコンピュータネットワークである。例えば、ネットワーク428は、内部制御装置バス、プロセス制御ネットワークなどであってもよい。いくつかの例において、ネットワーク428は、インターネットに通信可能に結合される能力を備えたネットワークである。しかしながら、ネットワーク428は、例えば、1つ以上のデータバス、1つ以上のローカルエリアネットワーク(LAN:Local Area Network)、1つ以上の無線LAN、1つ以上のセルラーネットワーク、1つ以上の光ファイバネットワーク、1つ以上の衛星ネットワーク、1つ以上のプライベートネットワーク、1つ以上のパブリックネットワークなどを含む、任意の適切な有線及び/または無線ネットワークを使って実装されていてもよい。図示例において、ネットワーク428は、サージプロテクタ100に、DCS構成要素430及び第2のフィールドデバイス432と通信することを可能にさせる。例えば、通信インターフェース424は、
図1~3のDCS制御装置組立体102、
図1~3のDCS制御装置組立体102の外部のDCS制御装置組立体、遠隔I/Oモジュール、センサ、作動装置、バルブ、安全デバイスなどに、ネットワーク428を介してメッセージを送信してもよい。本明細書で使用される際、それの変化形を含む「in communication(通信している)」という言い回しは、直接通信、及び/または1つ以上の中間構成要素を通した間接通信に及び、直接物理的(例えば、有線)通信及び/または常時通信を必要とせず、むしろ、周期的または非周期的な間隔とともに、一回限りの事象における選択的な通信を含む。別法として、例示的ネットワーク428は、例示的通信インターフェース424からDCS構成要素430及び/または第2のフィールドデバイス432への直接有線接続であってもよい。
【0066】
図4の図示例において、DCS構成要素430は、
図1~3のDCS制御装置組立体102である。例えば、通信インターフェース424は、警報メッセージを、ネットワーク
428(例えば、DCS制御装置組立体102への内部通信バスなど)を介して、第1の制御装置104及び第2の制御装置106に送信してもよい。それに加え、または別法として、DCS構成要素430は、
図1~3のDCS制御装置組立体102に対する外部DCS制御装置組立体、
図1~3のDCS制御装置組立体102に通信可能に結合された遠隔I/Oモジュールなど、及び/または任意の他のタイプのDCS構成要素(例えば、制御装置、I/Oモジュールなど)であってもよい。
【0067】
図示例において、第2のフィールドデバイス432は、バルブなどの安全デバイスに電気的に結合された作動装置制御装置である。例えば、通信インターフェース424は、サージプロテクタ100の非応答健康状態を含む警報メッセージを作動装置制御装置に送信してもよい。作動装置制御装置が警報メッセージを得たのを受けて、作動装置制御装置は、安全デバイスを作動させてもよい(例えば、バルブを開く、バルブを閉じる、など)。
【0068】
図4の図示例において、サージプロテクタ100は、
図1~3のDCS制御装置組立体102の第1の制御装置104及び第2の制御装置106と電気的に結合するための出力信号434及び出力信号リターン436を含む。例えば、サージプロテクタ100は、第1のフィールドデバイス114からの測定値を、第1の制御装置104及び第2の制御装置106に送信してもよく、この場合、測定値は、電圧制限モジュール408、フィルタモジュール410、ならびに第1の電流制限モジュール412及び第2の電流制限モジュール414によって処理されている。例えば、出力信号434及び出力信号リターン436は、第1の電圧から第2の電圧に下げられていることがあり、この場合、第1の電圧は、第1のフィールドデバイス114からのサージ電圧(例えば、電力サージ事象などによる)であり、第2の電圧は、安全電圧(例えば、第1の制御装置104及び第2の制御装置106の標準動作範囲内の電圧など)である。別の例において、出力信号434及び出力信号リターン436は、第1の電流から第2の電流に下げられていることがあり、この場合、第1の電流は、第1のフィールドデバイス114からのサージ電流(例えば、電力サージ事象などによる)であり、第2の電流は、安全電流(例えば、第1のI/Oモジュール108の標準動作範囲内の電流など)である。
【0069】
図1~3のサージプロテクタ100を実装するやり方例が
図4に示されているが、
図4に示されている要素、プロセス、及び/またはデバイスのうちの1つ以上が、任意の他の方法で、組み合わせ、分割、再配置、除外、取り除き、かつ/または実装がなされてもよい。さらに、例示的電圧制限モジュール408、例示的フィルタモジュール410、第1の例示的電流制限モジュール412、第2の例示的電流制限モジュール414、例示的サージプロテクタ管理部416、例示的電力モジュール418、例示的サージ保護論理解析器420、例示的表示器モジュール422、例示的通信インターフェース424、例示的データベース426、及び/または、より全体的には、
図1~3の例示的サージプロテクタ100は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、及び/またはハードウェア、ソフトウェア、及び/またはファームウェアの任意の組み合わせによって実装されていてもよい。したがって、例えば、例示的電圧制限モジュール408、例示的フィルタモジュール410、第1の例示的電流制限モジュール412、第2の例示的電流制限モジュール414、例示的サージプロテクタ管理部416、例示的電力モジュール418、例示的サージ保護論理解析器420、例示的表示器モジュール422、例示的通信インターフェース424、例示的データベース426、及び/または、より全体的には、
図1~3の例示的サージプロテクタ100のいずれも、1つ以上のアナログまたはデジタル回路、論理回路、プログラマブルプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)、プログラマブルロジックデバイス(PLD:Programmable Logic Device)、及び/またはフィールドプログラマブルロジックデバイス(FPLD:Field Programmable Logic Device)によって実装されている可能性があ
る。全くのソフトウェア及び/またはファームウェア実装形態に及ぶように、本特許の装置またはシステムの請求項のいずれを読む場合も、例示的電圧制限モジュール408、例示的フィルタモジュール410、第1の例示的電流制限モジュール412、第2の例示的電流制限モジュール414、例示的サージプロテクタ管理部416、例示的電力モジュール418、例示的サージ保護論理解析器420、例示的表示器モジュール422、例示的通信インターフェース424、及び/または例示的データベース426のうちの少なくとも1つは、ソフトウェア及び/またはファームウェアを含む、メモリ、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、コンパクトディスク(CD)、ブルーレイディスクなどの非一時的コンピュータ可読記憶デバイスまたは記憶ディスクを含むように、本明細書に明示的に定義されている。またさらに、
図1~3の例示的サージプロテクタ100は、
図4に示されているそれらに加えて、またはそれらの代わりに、1つ以上の要素、プロセス、及び/またはデバイスを含んでもよく、かつ/または示されている要素、プロセス、及びデバイスのいずれかまたはすべてのうちの1つより多くを含んでもよい。
【0070】
図1~4の例示的サージプロテクタ100を実施するための例示的な方法を表すフローチャートが
図5~7に示されている。これらの例において、方法は、
図8に関連して以下に述べられる例示的プロセッサプラットフォーム800に示されているプロセッサ812などのプロセッサによる実行用のプログラムを含む機械可読命令を使って、実施されてもよい。プログラムは、CD-ROM、フロッピーディスク、ハードドライブ、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、ブルーレイディスク、またはプロセッサ812に関連しているメモリなどの非一時的コンピュータ可読記憶媒体に格納されたソフトウェアに埋め込まれていてもよいが、プログラム全体及び/またはそれの一部は、別法として、プロセッサ812以外の、かつ/またはファームウェアまたは専用のハードウェアに埋め込まれているデバイスによって実行される可能性がある。さらに、例示的プログラムは、
図5~7に示されているフローチャートに関連して説明されているが、例示的サージプロテクタ100を実施する多くの他の方法が、別法として使用されてもよい。例えば、ブロックの実行順番が変えられてもよく、かつ/または、説明されているブロックのいくつかが、変えられても、取り除かれても、または組み合わされてもよい。それに加え、または別法として、ブロックのいずれかまたはすべてが、ソフトウェアまたはファームウェアを実行することなく、対応する動作を行うように構造化された、1つ以上のハードウェア回路(例えば、離散及び/または集積アナログ及び/またはデジタル回路網、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:Field Programmable Gate Arrey)、特定用途向け集積回路(ASIC)、コンパレータ、演算増幅器(op-amp)、論理回路など)によって実施されてもよい。
【0071】
上述のように、
図5~7の例示的なプロセスは、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ、コンパクトディスク、デジタルバーサタイルディスク、キャッシュ、ランダムアクセスメモリ、及び/または、情報が任意の持続時間(例えば長期間、永続的に、短いインスタンス中、一時的なバッファリング中、かつ/または情報の捕捉中、)で格納される、任意の他の記憶デバイスまたは記憶ディスクなど、非一時的コンピュータ及び/または機械可読媒体に格納されているコード化命令(例えば、コンピュータ及び/または機械可読命令)を使って、実施されてもよい。本明細書で使用される際、「非一時的コンピュータ可読媒体」という用語は、任意のタイプのコンピュータ可読記憶デバイス及び/または記憶ディスクを含み、伝播信号を除外し、かつ伝送媒体を除外するように明示的に定義されている。「including(含む)」及び「comprising(含む、備える)」(ならびに、それらのすべての形式及び時制)は、本明細書では、オープンエンド形式用語であるように使用されている。したがって、請求項が任意の形式の「including(含む)」または「comprising(含む、備える)」(例えば、備える、含む、備えている、含んでいるなど)に続いて、何かを列挙するときはいつでも、追加の要素、項目などが、対応する請求項の範囲の外側にあることなく、
存在してもよいことが理解されるべきである。本明細書で使用される際、「少なくとも」という言い回しが、請求項の前置きにおいて移行語として使用されている場合、「少なくとも」は、「including(含む)」及び「comprising(含む、備える)」がオープンエンド形式であるのと同様にオープン形式である。
【0072】
図5は、
図1~3のDCS制御装置組立体102に対してサージ保護を行うために、
図1~4の例示的サージ保護プロテクタ100によって行われ得る例示的方法500を表すフローチャートである。例示的方法500は、例示的サージプロテクタ100が入力信号を測定するブロック502において始まる。例えば、電圧制限モジュール408が入力信号400、入力信号リターン402、接地接続具404などに対応する入力電圧を測定してもよい。別の例において、第1の電流制限モジュール412が、入力信号400に対応する入力電流を測定してもよい。さらに別の例において、第2の電流制限モジュール414が、漏れ電流を測定してもよい。
【0073】
ブロック504において、例示的サージプロテクタ100は、入力電圧が第1の閾値を満たしているかどうかを判断する。例えば、電圧制限モジュール408が、入力電圧を第1の閾値と比較して、入力電圧が第1の閾値を満たしているかどうか(例えば、入力電圧が、50VDC、100VACなどよりも大きい)を判断してもよい。第1の閾値は、重大な電力サージ事象、大したことのない電力サージ事象などに対応していてもよい。
【0074】
ブロック504において、入力電圧が第1の閾値を満たしていると例示的サージプロテクタ100が判断した場合、制御は、ブロック510に進み、警報を発生させる。ブロック504において、入力電圧が第1の閾値を満たしていないと例示的サージプロテクタ100が判断した場合、ブロック506において、サージプロテクタ100は、入力電流が第2の閾値を満たしているかどうかを判断する。例えば、第1の電流制限モジュール412が、入力電流を第2の閾値と比較して、入力電流が第2の閾値を満たしているかどうか(例えば、入力電流が、0.5アンペア、1.5アンペアなどよりも大きい)を判断してもよい。第2の閾値は、重大な電力サージ事象、大したことのない電力サージ事象などに対応していてもよい。
【0075】
ブロック506において、入力電流が第2の閾値を満たしていると例示的サージプロテクタ100が判断した場合、制御は、ブロック510に進み、警報を発生させる。ブロック506において、入力電流が第2の閾値を満たしていないと例示的サージプロテクタ100が判断した場合、ブロック508において、サージプロテクタ100は、漏れ電流が第3の閾値を満たしているかどうかを判断する。例えば、第2の電流制限モジュール414が、漏れ電流を第3の閾値と比較して、漏れ電流が第3の閾値を満たしているかどうか(例えば、漏れ電流が、10ミリアンペア、100ミリアンペアなどよりも大きい)を判断してもよい。第3の閾値は、例示的サージプロテクタ100が、損傷しているかどうか、低下しているかどうか、非動作状態であるかどうか、非応答状態であるかどうか、などを判断するのに対応していてもよい。
【0076】
ブロック508において、漏れ電流が第3の閾値を満たしていないと例示的サージプロテクタ100が判断した場合、制御は、ブロック512に進み、入力信号を測定するのを継続すべきかどうかを判断する。ブロック508において、漏れ電流が第3の閾値を満たしていないと例示的サージプロテクタ100が判断した場合、ブロック510において、サージプロテクタ100は、警報を発生させる。例えば、表示器モジュール422が、電気的表示器122、作動可能面124などを作動させてもよい。別の例において、通信インターフェース424が、サージプロテクタ100の健康状態、漏れ電流の値などを含む警報メッセージを発生させ、それを送信してもよい。
【0077】
ブロック512において、例示的サージプロテクタ100は、入力信号を測定するのを継続すべきかどうかを判断する。例えば、サージ保護論理解析器420が、無給電状態である第1のフィールドデバイス114に対応して、入力信号400の値が無視できるものである(例えば、おおよそ0ボルト、おおよそ0アンペアなど)と判断してもよい。ブロック510において、例示的サージプロテクタ100が、入力信号を測定するのを継続すべきと判断した場合、制御は、ブロック502に戻り、入力信号を測定し、そうでなければ、例示的方法500は、終了する。
【0078】
図6は、
図1~3のDCS制御装置組立体102に対してサージ保護を行うために、
図1~4の例示的サージプロテクタ100によって行われ得る例示的方法600を表すフローチャートである。例示的方法600は、例示的サージプロテクタ100が入力信号を測定するブロック602において始まる。例えば、電圧制限モジュール408が、入力信号400、入力信号リターン402、接地接続具404などに対応する入力電圧を測定してもよい。別の例において、第1の電流制限モジュール412が、入力信号400に対応する入力電流を測定してもよい。さらに別の例において、第2の電流制限モジュール414が、漏れ電流を測定してもよい。
【0079】
ブロック604において、例示的サージプロテクタ100は、入力信号が第1の閾値を満たしているかどうかを判断する。例えば、サージ保護論理解析器420が、入力電流を第1の閾値と比較して、入力電流が第1の閾値を満たしているかどうか(例えば、入力電流が、1.5アンペア、2.5アンペアなどよりも大きい)を判断してもよい。このような例では、第1の閾値は、重大な電力サージ事象、第一階級の電力サージ事象などに対応していてもよい。
【0080】
ブロック604において、入力信号が第1の閾値を満たしていると例示的サージプロテクタ100が判断した場合、制御は、ブロック612に進み、警報を発生させる。ブロック604において、入力信号が第1の閾値を満たしていないと例示的サージプロテクタ100が判断した場合、ブロック606において、サージプロテクタ100は、入力信号が第2の閾値を満たしているかどうかを判断する。例えば、サージ保護論理解析器420が、入力電流を第2の閾値と比較して、入力電流が第2の閾値を満たしているかどうか(例えば、入力電流が、500ミリアンペア、750ミリアンペアなどよりも大きい)を判断してもよい。このような例では、第2の閾値は、大したことのない電力サージ事象、二次階級の電力サージ事象などに対応していてもよい。
【0081】
ブロック606において、入力信号が第2の閾値を満たしていないと例示的サージプロテクタ100が判断した場合、制御は、ブロック614に進み、入力信号を測定するのを継続するべきかどうかを判断する。ブロック606において、入力信号が第2の閾値を満たしていると例示的サージプロテクタ100が判断した場合、ブロック608において、サージプロテクタ100は、計数器をインクリメントさせる。例えば、サージ保護論理解析器420が、何回、大したことのない電力サージが起こったかに対応して、計数器の値をインクリメントさせてもよい。
【0082】
ブロック610において、例示的サージプロテクタ100は、計数器が閾値を満たしているかどうかを判断する。例えば、サージ保護論理分析器420が、計数器の値を閾値と比較して、値が閾値を満たしているかどうかを(例えば、値が、3、10、30などよりも大きい)を判断してもよい。
【0083】
ブロック610において、例示的サージプロテクタ100が、計数器が閾値を満たしていないと判断した場合、制御は、ブロック614に進み、入力信号を測定するのを継続するべきかどうかを判断する。ブロック610において、計数器が閾値を満たしていると例
示的サージプロテクタ100が判断した場合、ブロック612において、サージプロテクタ100は、警報を発生させる。例えば、表示器モジュール422が、電気的表示器122、作動可能面124などを作動させてもよい。別の例において、通信インターフェース424が、サージプロテクタ100の健康状態、入力電流の値などを含む警報メッセージを発生させ、送信してもよい。
【0084】
ブロック614において、例示的サージプロテクタ100は、入力信号を測定するのを継続すべきかどうかを判断する。例えば、サージ保護論理解析器420が、無給電状態である第1のフィールドデバイス114に対応して、入力信号400の値が無視できるものである(例えば、おおよそ0ボルト、おおよそ0アンペアなど)と判断してもよい。ブロック614において、例示的サージプロテクタ100が、入力信号を測定するのを継続すべきと判断した場合、制御は、ブロック602に戻り、入力信号を測定し、そうでなければ、例示的方法600は、終了する。
【0085】
図7は、サープロテクタ100の健康状態を判断するために、
図1~4の例示的サージプロテクタ100によって行われ得る例示的方法700を表すフローチャートである。例示的方法700は、例示的サージプロテクタ100が漏れ電流を測定するブロック702において始まる。例えば、第2の電流制御モジュール414が、漏れ電流を測定してもよい。
【0086】
ブロック704において、例示的サージプロテクタ100は、漏れ電流が第1の閾値を満たしているかどうかを判断する。例えば、サージ保護論理解析器420が、漏れ電流を第1の閾値と比較して、漏れ電流が第1の閾値を満たしているかどうか(例えば、漏れ電流が、500ミリアンペア、750ミリペアなどよりも大きい)を判断してもよい。このような例では、第1の閾値は、サージプロテクタ100が第1の低下状態にあるのに対応していてもよく、この場合、第1の低下状態は、サージプロテクタ100が取り替えを必要としているのに対応している(例えば、サージプロテクタ100が、故障した、非応答状態である、など)。
【0087】
ブロック704において、漏れ電流が第1の閾値を満たしていると例示的サージプロテクタ100が判断した場合、制御は、ブロック712に進み、警報を発生させる。ブロック704において、漏れ電流が第1の閾値を満たしていないと例示的サージプロテクタ100が判断した場合、ブロック706において、サージプロテクタ100は、漏れ電流が第2の閾値を満たしているかどうかを判断する。例えば、サージ保護論理解析器420が、漏れ電流を第2の閾値と比較して、漏れ電流が第2の閾値を満たしているかどうか(例えば、入力電流が、10ミリアンペア、100ミリアンペアなどよりも大きい)を判断してもよい。このような例では、第2の閾値は、サージプロテクタ100が第2の低下状態にあるのに対応していてもよく、この場合、第2の低下状態は、サージプロテクタ100が動作中であるが、低下した状態にあるのに対応する。
【0088】
ブロック706において、漏れ電流が第2の閾値を満たしていないと例示的サージプロテクタ100が判断した場合、制御は、ブロック714に進み、漏れ電流を測定するのを継続すべきかどうかを判断する。ブロック706において、漏れ電流が第2の閾値を満たしていると例示的サージプロテクタ100が判断した場合、ブロック708において、サージプロテクタ100は、計数器をインクリメントさせる。例えば、サージプ保護論理解析器420が、何回、漏れ電流が第2の閾値を満たしたかに対応して、計数器の値をインクリメントさせてもよい。
【0089】
ブロック710において、例示的サージプロテクタ100は、計数器が閾値を満たしているかどうかを判断する。例えば、サージ保護論理分析器420が、計数器の値を閾値と
比較して、値が閾値を満たしているかどうかを(例えば、値が、3、10、30などよりも大きい)を判断してもよい。
【0090】
ブロック710において、計数器が閾値を満たしていないと例示的サージプロテクタ100が判断した場合、制御は、ブロック714に進み、漏れ電流を測定するのを継続すべきかどうかを判断する。ブロック710において、計数器が閾値を満たしていると例示的サージプロテクタ100が判断した場合、ブロック712において、サージプロテクタ100は、警報を発生させる。例えば、表示器モジュール422が、電気的表示器122、作動可能面124などを作動させてもよい。別の例において、通信インターフェース424が、サージプロテクタ100の健康状態、漏れ電流の値などを含む警報メッセージを発生させ、送信してもよい。
【0091】
ブロック714において、例示的サージプロテクタ100は、漏れ電流を測定するのを継続すべきかどうかを判断する。例えば、無給電状態である第1のフィールドデバイス114に対応して、入力信号400の値が無視できるものである(例えば、おおよそ0ボルト、おおよそ0アンペアなど)と、サージ保護論理解析器420が判断してもよい。ブロック714において、例示的サージプロテクタ100が、漏れ電流を測定するのを継続すべきと判断した場合、制御は、ブロック702に戻り、漏れ電流を測定し、そうでなければ、例示的方法700は、終了する。
【0092】
図8は、
図5~7の方法を実施する命令を実行して、
図1~4の例示的サージプロテクタ100を実施することのできる例示的プロセッサプラットフォーム800のブロック図である。プロセッサプラットフォーム800は、例えば、プログラマブル論理回路、制御装置など、または任意の他のタイプのコンピューティングデバイスとすることができる。
【0093】
図示される例のプロセッサプラットフォーム800は、プロセッサ812を含む。図示される例のプロセッサ812は、ハードウェアである。例えば、プロセッサ812は、任意の望ましいファミリまたは製造者からの1つ以上の集積回路、論理回路、マイクロプロセッサ、または制御装置によって実装されている可能性がある。ハードウェアプロセッサは、半導体ベース(例えば、シリコンベース)デバイスであってもよい。この例では、プロセッサは、例示的電圧制限モジュール408、例示的フィルタモジュール410、第1の例示的電流制限モジュール412、及び第2の例示的電流制限モジュール414を実装している。プロセッサは、例示的電力モジュール418、例示的サージ保護論理解析器420、例示的表示器モジュール422、例示的通信インターフェース424、及び/または、より全体的には、例示的サージ保護管理部416を実装している。
【0094】
図示される例のプロセッサ812は、ローカルメモリ813(例えば、キャッシュ)を含む。図示される例のプロセッサ812は、バス818を介して、揮発性メモリ814及び不揮発性メモリ816を含む主メモリと通信している。揮発性メモリ814は、シンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、RAMBUSダイナミックランダムアクセスメモリ(RDRAM)、及び/または任意の他のタイプのランダムアクセスメモリデバイスによって実装されていてもよい。不揮発性メモリ816は、フラッシュメモリ及び/または任意の他の望ましいタイプのメモリデバイスによって実装されていてもよい。主メモリ814、816へのアクセスは、メモリ制御装置によって制御される。
【0095】
図示される例のプロセッサプラットフォーム800は、インターフェース回路820も含む。インターフェース回路820は、イーサネットインターフェース、ユニバーサルシリアルバス(USB:Universal Serial Bus)、及び/またはPCI Expressインターフェースなど、任意のタイプのインターフェース規格によっ
て実装されていてもよい。
【0096】
図示される例において、1つ以上の入力デバイス822が、インターフェース回路820に接続されている。入力デバイス822は、ユーザー、またはフィールドデバイスが、データ及び/またはコマンドをプロセッサ1012に入力することを可能にする。入力デバイスは、例えば、ボタン、キーボード、マウス、センサ、タッチスクリーン、トラックパッド、トラックボール、第1のフィールドデバイス114、ISO-point、及び/または音声認識システムによって実装されている可能性がある。入力デバイス1022は、入力信号400、入力信号リターン402、接地接続具404、及び保護アース接続具406を実装している
【0097】
図示される例のインターフェース回路820には、1つ以上の出力デバイス824も接続されている。出力デバイス1024は、例えば、表示デバイス(例えば、発光ダイオード(LED)、有機発光ダイオード(OLED:Organic Light Emitting Diode)、液晶ディスプレイ、陰極線管ディスプレイ(CRT:Cathode Ray Tube display)、タッチスクリーン、触覚出力デバイス、プリンタ、及び/またはスピーカ)によって実装されている可能性がある。1つ以上の出力デバイス824は、出力信号434及び出力信号リターン436を実装している。図示される例のインターフェース回路820は、したがって、通常、グラフィックドライバカード、グラフィックドライバチップ、及び/またはグラフィックドライバプロセッサを含む。
【0098】
[図示される例のインターフェース回路820は、ネットワーク826(例えば、イーサネット接続、デジタル加入者線(DSL:Digital Subscriber Line)、電話回線、同軸ケーブル、セルラー電話システムなど)を介した、外部機械(例えば、任意の種類のコンピューティングデバイス)とのデータ交換を容易にするための送信装置、受信装置、送受信装置、モデム、及び/またはネットワークインターフェースカードなどの通信デバイスも含む。ネットワーク826は、
図4の例示的ネットワーク428を実装している。
【0099】
[図示される例のプロセッサプラットフォーム800は、ソフトウェア及び/またはデータを格納するための1つ以上の大容量記憶デバイス828も含む。このような大容量記憶デバイス828の例は、フロッピーディスクドライブ、ハードドライブディスク、コンパクトディスクドライブ、ブルーレイディスクドライブ、RAIDシステム、及びデジタルバーサタイルディスク(DVD)ドライブを含む。例示的大容量記憶デバイス828は、例示的データベース426を実装している。
【0100】
図5~7の方法を実施するためのコード化命令832が、大容量記憶デバイス828に、揮発性メモリ814に、不揮発性メモリ816に、かつ/または、CDもしくはDVDなどのリムーバブル非一時的コンピュータ可読記憶媒体に、格納されていてもよい。
【0101】
上述から、分散型制御システム(DCS)制御装置及び対応するI/Oモジュールに対してサージ保護を行う、例示的方法、例示的装置、及び例示的製品が開示されていることが察せられるであろう。上に開示されたサージプロテクタ装置は、それが、DCS制御装置組立体のDCS制御装置、I/Oモジュール、またはI/Oモジュール端子ブロック内に組み込まれていることから、外部DINレールマウント型サージ抑制デバイスへの必要を少なくする。外部サージ抑制ハードウェアの低減は、追加の構成要素が外部サージ抑制ハードウェアの代わりに加えられ得るにつれて、プロセス制御システムの能力及び性能を高める。それに加え、上に開示されているサージプロテクタ装置と一体化されたDCS構成要素は、入力信号の保護強化及び電力品質向上による性能向上から恩恵を受ける。
【0102】
本明細書において、特定の例示的方法、例示的装置、及び例示的製品が開示されてきたが、本特許の適用範囲は、それらに限定されない。反対に、本特許は、本特許の請求項の範囲内に正にあるすべての方法、装置、及び製品に及ぶ。