(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-08
(45)【発行日】2024-08-19
(54)【発明の名称】加工条件管理装置、搬送システム、加工条件管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
F26B 25/00 20060101AFI20240809BHJP
F26B 13/00 20060101ALI20240809BHJP
【FI】
F26B25/00 Z
F26B13/00 Z
(21)【出願番号】P 2020150523
(22)【出願日】2020-09-08
【審査請求日】2023-08-18
(31)【優先権主張番号】P 2019165898
(32)【優先日】2019-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000107907
【氏名又は名称】セーレン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100148149
【氏名又は名称】渡邉 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100111464
【氏名又は名称】齋藤 悦子
(74)【代理人】
【識別番号】100173462
【氏名又は名称】宮本 一浩
(74)【代理人】
【識別番号】100202957
【氏名又は名称】金森 毅
(72)【発明者】
【氏名】美濃 大樹
(72)【発明者】
【氏名】加藤 佳一郎
【審査官】岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-038914(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F26B 25/00
F26B 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送中に加工処理された物体
である生地の種類
と幅と単位面積当たりの重さとを示す物体情報と、搬送中の加工処理の種類
が乾燥処理である旨を示す加工処理情報と、前記物体の加工条件を示す加工条件情報
とを含む学習情報を用いた機械学習によって生成された学習済モデルに基づいて、新たに搬送中に加工処理される物体
である濡れた状態の生地の種類と
幅と単位面積当たりの重さと、新たな搬送中の加工処理の種類
が乾燥処理である旨を示す情報とから新たに搬送中に加工処理される物体の加工条件を算出する加工条件算出部と、
前記加工条件算出部によって算出された加工条件を搬送装置に出力する加工条件出力部と、
を備える加工条件管理装置。
【請求項2】
前記加工処理情報には、乾燥処理の強度として前記
搬送装置の搬送路上に設けられた乾燥処理部の内部の温度を示す情報が含まれ、
前記加工条件算出部は、前記学習済モデルに基づいて、新たに搬送中に乾燥処理される前記生地の種類と幅と単位面積当たりの重さと、新たな搬送中の乾燥処理における前記乾燥処理部の内部の温度とから新たに搬送中に乾燥処理される生地の加工条件を算出する、
請求項1に記載の加工条件管理装置。
【請求項3】
前記物体情報には、乾燥処理された前記生地の液体吸収の度合いを示す情報が更に含まれ、
前記加工条件算出部は、前記学習済モデルに基づいて、新たに搬送中に乾燥処理される前記生地の種類と幅と単位面積当たりの重さと液体吸収の度合いと、新たな搬送中の乾燥処理における前記乾燥処理部の内部の温度とから新たに搬送中に乾燥処理される生地の加工条件を算出する、
請求項2に記載の加工条件管理装置。
【請求項4】
前記学習情報を用いた機械学習によって前記学習済モデルを生成する学習済モデル生成部を更に備える、
請求項1乃至3の何れか1項に記載の加工条件管理装置。
【請求項5】
搬送中に加工処理された物体
である生地の種類
と幅と単位面積当たりの重さとを示す物体情報と、搬送中の加工処理の種類
が乾燥処理である旨を示す加工処理情報と、前記物体の加工条件を示す加工条件情報
とを含む学習情報を記憶する学習情報記憶部と、
前記学習情報記憶部が記憶している前記学習情報を用いた機械学習によって学習済モデルを生成する学習済モデル生成部と、
前記学習済モデル生成部によって生成された前記学習済モデルに基づいて、新たに搬送中に加工処理される物体
である濡れた状態の生地の種類と
幅と単位面積当たりの重さと、新たな搬送中の加工処理の種類
が乾燥処理である旨を示す情報とから新たに搬送中に加工処理される物体の加工条件を算出する加工条件算出部と、
前記加工条件算出部によって算出された加工条件を出力する加工条件出力部と、
前記加工条件出力部によって出力された加工条件で物体を搬送する搬送装置と、
を備える搬送システム。
【請求項6】
搬送中に加工処理された物体
である生地の種類
と幅と単位面積当たりの重さとを示す物体情報と、搬送中の加工処理の種類
が乾燥処理である旨を示す加工処理情報と、前記物体の加工条件を示す加工条件情報とを含む学習情報を用いた機械学習によって生成された学習済モデルに基づいて、新たに搬送中に加工処理される物体
である濡れた状態の生地の種類と
幅と単位面積当たりの重さと、新たな搬送中の加工処理の種類
が乾燥処理である旨を示す情報とから新たに搬送中に加工処理される物体の加工条件を算出する加工条件算出ステップと、
前記加工条件算出ステップで算出された加工条件を搬送装置に出力する加工条件出力ステップと、
を含む加工条件管理方法。
【請求項7】
コンピュータを、
搬送中に加工処理された物体
である生地の種類
と幅と単位面積当たりの重さとを示す物体情報と、搬送中の加工処理の種類
が乾燥処理である旨を示す加工処理情報と、前記物体の加工条件を示す加工条件情報とを含む学習情報を用いた機械学習によって生成された学習済モデルに基づいて、新たに搬送中に加工処理される物体
である濡れた状態の生地の種類と
幅と単位面積当たりの重さと、新たな搬送中の加工処理の種類
が乾燥処理である旨を示す情報とから新たに搬送中に加工処理される物体の加工条件を算出する加工条件算出部、
前記加工条件算出部によって算出された加工条件を搬送装置に出力する加工条件出力部、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工条件管理装置、搬送システム、加工条件管理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
予め設定された加工条件に基づいて物体を搬送する搬送装置が知られている。
【0003】
このような搬送装置の一例として、特許文献1には、予め設定されている搬送速度でウエブをドライヤー内に搬送して乾燥させるドライヤー内ウエブ乾燥制御装置が開示されている。このドライヤー内ウエブ乾燥制御装置では、ドライヤー内におけるウエブの表面温度、ドライヤー内の熱風の温度及び湿度を測定し、測定されたウエブの表面温度、熱風の温度及び湿度に基づいて供給する熱風の温度及び風量を調整することでウエブの未乾燥又は過乾燥を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、ドライヤー内を搬送されるウエブの搬送速度が予め設定されているが、当該搬送速度は、予め設定された熱風の温度、湿度、風量、ウエブの種類等に基づいてドライヤー内ウエブ乾燥制御装置の使用者であるウエブの加工業者の経験則によってウエブの種類毎に決定される。このため、新たな種類のウエブを乾燥する度に加工業者が適切な搬送速度を決定する必要があり、加工業者の作業負荷が大きいという問題がある。
【0006】
本発明は、上述のような事情に鑑みてなされたものであり、搬送装置の使用者の作業負荷を低減できるようにすることを目的とする。また、本発明は、搬送中に加工処理された物体の評価を高くするために最適な加工条件を算出できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る加工条件管理装置は、加工条件算出部、加工条件出力部を備える。加工条件算出部は、搬送中に加工処理された物体である生地の種類と幅と単位面積当たりの重さとを示す物体情報と、搬送中の加工処理の種類が乾燥処理である旨を示す加工処理情報と、物体の加工条件を示す加工条件情報とを含む学習情報を用いた機械学習によって生成された学習済モデルに基づいて、新たに搬送中に加工処理される物体である濡れた状態の生地の種類と幅と単位面積当たりの重さと、新たな搬送中の加工処理の種類が乾燥処理である旨を示す情報とから新たに搬送中に加工処理される物体の加工条件を算出する。加工条件出力部は、加工条件算出部によって算出された加工条件を搬送装置に出力する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、物体情報と加工処理情報と加工条件情報と評価情報とを含む学習情報を用いた機械学習によって生成された学習済モデルに基づいて、新たに搬送中に加工処理される物体の種類と新たな搬送中の加工処理の種類及び強度とから新たに搬送中に加工処理される物体の加工条件を算出して搬送装置に出力する。この結果、本発明に係る加工条件管理装置を用いない搬送装置の使用者よりも作業負荷を低減できる。したがって、新たに搬送中に加工処理される物体の加工条件の算出に適した学習情報を用いた機械学習によって学習済モデルが生成されれば、算出された加工条件で搬送中に加工処理された物体の評価を高くすることができる。この結果、搬送中に加工処理された物体の評価を高くするために最適な加工条件を算出できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施の形態に係る搬送システムの説明図
【
図2】本実施の形態に係る搬送システムの機能構成を示すブロック図
【
図3】本実施の形態に係る加工条件管理装置のハードウェア構成を示すブロック図
【
図5】本実施の形態に係る学習済モデル生成処理を示すフローチャート
【
図6】本実施の形態に係る加工条件算出処理を示すフローチャート
【
図7】本実施の形態に係る加工条件調整処理を示すフローチャート
【
図8】本実施の形態に係る学習情報生成処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明を実施するための形態に係る加工条件管理装置、搬送システム、加工条件管理方法及びプログラムについて図面を参照して詳細に説明する。なお、図中同一又は相当する部分には同じ符号を付す。
本発明の実施の形態に係る加工条件管理装置、加工条件管理方法及びプログラムは、搬送中に加工処理の一例として乾燥処理が行われる物体の加工条件を管理するものである。また、本発明の実施の形態に係る搬送システムは、加工条件管理装置が搬送中に乾燥処理が行われる物体の加工条件を算出し、搬送装置が算出された加工条件で物体を搬送し、搬送中の物体に加工処理の一例として乾燥処理が行われるものである。なお、搬送中に乾燥処理される物体は、例えば、染色されて濡れた状態の生地である。また、物体の加工条件とは、例えば、物体の搬送速度である。なお、本実施の形態では、加工条件として搬送速度を例示するが、これに限定されず、例えば、後述する各区間の乾燥処理部(2B1、2B2、…、2Bn)内部の機内温度であってもよく、搬送速度と各区間の機内温度とを組み合わせた条件であってもよい。
【0011】
図1は、本実施の形態に係る搬送システムの説明図である。
図1に示すように、本実施の形態に係る搬送システム1は、物体6を搬送する搬送装置2、物体6の加工条件を算出するための機械学習に用いられる学習情報を記憶する学習情報記憶装置3を備える。また、搬送システム1は、学習情報を用いた機械学習によって物体6の加工条件を算出するための学習済モデル(推論モデル)を生成する学習済モデル生成装置4、学習済モデルに基づいて物体6の加工条件を管理する加工条件管理装置5を備える。搬送システム1では、搬送装置2と学習情報記憶装置3と学習済モデル生成装置4と加工条件管理装置5とがネットワークを介して互いに接続されている。
【0012】
搬送システム1では、学習済モデル生成装置4は、学習情報記憶装置3に記憶されている学習情報を用いた機械学習によって学習済モデルを生成する。また、加工条件管理装置5は、学習済モデル生成装置4によって生成された学習済モデルに基づいて新たに物体6を搬送するときの物体6の加工条件を算出して搬送装置2に出力する。そして、搬送装置2は、加工条件管理装置5から出力された加工条件で物体6を新たに搬送する。なお、搬送中の物体6には乾燥処理が行われる。
【0013】
図1に示すように、搬送装置2は、物体6を載せて搬送する搬送路2Aと、搬送路2A上に設けられた乾燥処理部2Bとを備える。乾燥処理部2Bは、n個の区間に分けて設けられている。すなわち、乾燥処理部2Bは、第1区間の乾燥処理部2B1、第2区間の乾燥処理部2B2、…、第n区間の乾燥処理部2Bnを備える。
【0014】
図2は、本実施の形態に係る搬送システムの機能構成を示すブロック図である。
図2に示すように、搬送装置2は、搬送路2A上の物体6の加工条件を設定する加工条件設定部201、物体6の搬送中に加工条件を調整する加工条件調整部202、加工条件の調整に関する情報を出力する情報出力部203を備える。また、乾燥処理部2Bは、各区間の乾燥処理部2B1、2B2、…、2Bnの内部の温度を測定する機内温度測定部2B11、2B21、…、2Bn1を備える。また、乾燥処理部2Bは、各区間の乾燥処理部2B1、2B2、…、2Bnの内部搬送中の物体6の温度を測定する物体温度測定部2B12、2B22、…、2Bn2を備える。すなわち、第1区間の乾燥処理部2B1は、第1区間機内温度測定部2B11と第1区間物体温度測定部2B12を備える。また、第2区間の乾燥処理部2B2は、第2区間機内温度測定部2B21と第2区間物体温度測定部2B22を備え、…、第n区間の乾燥処理部2Bnは、第n区間機内温度測定部2Bn1と第n区間物体温度測定部2Bn2を備える。なお、本実施の形態では、各区間の物体温度測定部2B12、2B22、…、2Bn2は、各区間の搬出部まで搬送された物体6の温度を測定する。
【0015】
学習情報記憶装置3は、例えば、データベース管理ソフトウェアが搭載されたコンピュータ、所謂データベースサーバである。
図2に示すように、学習情報記憶装置3は、学習情報を記憶する学習情報記憶部301を備える。
【0016】
図4は、本実施の形態に係る学習情報の一例を示す図である。
図4に示すように、学習情報は、搬送中に加工処理された物体6の種類と幅と単位面積当たりの重さである所謂目付と液体吸収の度合であるピックアップ率とを示す情報を含む物体情報を含む。ここで、物体6の幅とは、
図1に示す搬送方向と直交する幅方向の長さである。また、学習情報は、搬送中の加工処理の種類及び強度を示す情報を含む加工処理情報を含む。なお、上述したように、搬送システム1における搬送中の加工処理が乾燥処理部2Bによる乾燥処理のみである。このため、加工処理情報が示す搬送中の処理の種類は「乾燥」のみであり、加工処理情報が示す搬送中の加工処理の強度は各区間の機内温度測定部2B11、2B21、…、2Bn1が測定する各区間の機内温度である。さらに、学習情報は、物体6が加工処理されたときの物体6の加工条件を示す加工条件情報と、当該加工条件で搬送中に加工処理された物体6の評価を示す評価情報とを含む。すなわち、学習情報は、物体情報、加工処理情報、加工条件情報、評価情報を含む情報であり、これらの情報が1回の試行毎に分類されている。なお、本実施の形態では、1回の搬送で搬送中に加工処理された物体6の評価が高くなるまで複数回の試行が行われることがあり、学習情報は、全ての搬送において行われた全ての試行毎に分類された情報である。よって、学習情報記憶部301は、これまで行われた全ての搬送について1回の試行毎に学習情報が記憶されている。
【0017】
例えば、
図4の第1行の学習情報は、搬送中に加工処理された物体6の「種類」が「生地A」であり、物体6の「幅」が「WA1」であり、「目付」が「MA1」であり、「ピックアップ率」が「PA1」である。また、
図4の第1行の学習情報は、搬送中の加工処理の「種類」が「乾燥」であり、搬送中の加工処理の強度としての第1区間の機内温度が「TA11」、第2区間の機内温度が「TA21」、…、第n区間の機内温度が「TAn1」である。また、
図4の第1行の学習情報は、搬送中に加工処理された物体6の「加工条件」が「SA1」であり、加工条件「SA1」で搬送された「生地A」の評価が「○」である。
【0018】
学習済モデル生成装置4は、例えば、GPU(Graphics Processing Unit)が搭載されたコンピュータ、所謂GPUマシンである。なお、学習済モデル生成装置4は、GPUマシンに限定されず、学習情報を用いた機械学習によって物体6の加工条件を算出するための学習済モデルを生成するための演算が可能なその他の計算機であってもよい。例えば、学習済モデル生成装置4は、CPU(Central Processing Unit)が搭載されたパーソナルコンピュータ、スーパーコンピュータ、ワークステーション等であってもよい。
【0019】
図2に示すように、学習済モデル生成装置4は、学習済モデルを生成する学習済モデル生成部401、生成した学習済モデルを記憶する学習済モデル記憶部402を備える。なお、生成した学習済モデルは、搬送中に加工処理された物体6の種類と幅と目付とピックアップ率と、搬送中の加工処理の種類と各区間の機内温度と、物体6の加工条件と、当該加工条件で搬送中に加工処理された物体6の評価との関係性を示す数理モデルである。
【0020】
具体的には、生成した学習済モデルは、新たに搬送中に加工処理される物体6の種類と幅と目付とピックアップ率と、搬送中の加工処理の種類と各区間の機内温度との組合せから新たに搬送中に加工処理された物体6の評価が高い(例えば、第n区間を搬送中の物体6の温度が目標温度になる)と予測される物体6の加工条件を算出するためのアルゴリズムである。
【0021】
学習済モデル生成部401は、学習情報記憶部301に記憶されているこれまで行われた全ての搬送についての試行毎の学習情報を全て取得し、取得した全ての学習情報を用いた機械学習によって学習済モデルを生成する。なお、学習済モデル生成部401が行う機械学習の手法は、例えば、再帰型ニューラルネットワーク(RNN:Recurrent Neural Network)であり、学習モデルの形式は、例えば、LSTM(Long Short-Term Memory)、DeepRNN等の再帰型ニューラルネットワークの一般的なモデルの形式である。なお、学習済モデル生成部401が行う機械学習の手法は、再帰型ニューラルネットワークに限定されず、畳み込みニューラルネットワーク(CNN:Convolution Neural Network)、確率的ニューラルネットワーク(PNN: Probabilistic Neural Network)等のその他のニューラルネットワーク、強化学習、相関ルール学習等のその他の手法であってもよい。
【0022】
加工条件管理装置5は、例えば、搬送装置2の使用者が個人で使用するデスクトップPC(パーソナルコンピュータ)、ノートPC、タブレットPC等のコンピュータ、所謂クライアントマシンである。加工条件管理装置5は、搬送装置2の使用者が複数人存在するときには人数分の台数のクライアントマシンであり、例えば、
図1に示すように、搬送装置2の使用者がn人であればn台のクライアントマシン5A1、5A2、…、5Anが設けられる。以下、n台のクライアントマシン5A1、5A2、…、5Anについては、それぞれを単に加工条件管理装置5と記載する。なお、クライアントマシンの台数は使用者と同数でなくてもよく、例えば、n≠mが成立するときに、n人の使用者に対してm台のクライアントマシン5A1、5A2、…、5Amが設けられてもよい。
【0023】
図2に示すように、加工条件管理装置5は、物体6の加工条件を算出する加工条件算出部501、物体6の加工条件を搬送装置2に出力する加工条件出力部502、新たな学習情報を生成する学習情報生成部503、新たな学習情報を加工条件管理装置5に出力する学習情報出力部504を備える。
【0024】
加工条件算出部501は、新たな搬送における物体情報、加工処理情報を取得したときに、学習済モデル生成装置4の学習済モデル記憶部402に記憶されている学習済モデルを取得する。そして、加工条件算出部501は、取得した学習済モデルに基づいて、上述した情報から特定した新たに搬送中に加工処理される物体6の種類と幅と目付とピックアップ率と、搬送中の加工処理の種類と各区間の機内温度との組合せから新たに搬送中に加工処理される物体6の評価が高いと予測される物体6の加工条件を算出する。
【0025】
例えば、新たな搬送における上述した組合せが機械学習した学習情報に含まれる組合せであれば、加工条件算出部501は、取得した学習済モデルにより、この組合せで尚且つ評価情報の評価が「○」の学習情報に含まれる加工条件情報の加工条件と同一の加工条件を算出する。ここで、取得した新たな搬送における物体情報、加工処理情報が
図4の第1行、第2行、…、第4行の学習情報に含まれる物体情報、加工処理情報と同一であるとする。この場合、
図4の第1行及び第4行の学習情報に含まれる評価情報の評価がそれぞれ「○」であるため、加工条件算出部501は、取得した学習済モデルにより、
図4の第1行の学習情報に含まれる加工条件情報の加工条件「SA1」、又は、
図4の第4行の学習情報に含まれる加工条件情報の加工条件「SAn」を新たに搬送中に加工処理される物体6の加工条件として算出する。
【0026】
また、例えば、新たな搬送における上述した組合せが機械学習した学習情報に含まれない新たな組合せであれば、加工条件算出部501は、取得した学習済モデルにより、この組合せと近似する組合せの学習情報、例えば、一部が共通する組合せの学習情報に基づいて、評価情報の評価が「○」の学習情報に含まれる加工条件情報の加工条件と同一又は近似する加工条件を算出する。ここで、取得した新たな搬送における加工処理情報が
図4の第1行、第2行、…、第4行の学習情報に含まれる加工処理情報と同一であるとする。一方、取得した新たな搬送における物体情報が
図4の第1行、第2行、…、第4行の物体情報と異なり、搬送中に加工処理された物体6の「種類」が「生地A」であり、物体6の「幅」が「WA2」であり、「目付」が「MA2」であり、「ピックアップ率」が「PA2」であるとする。
【0027】
この場合、
図4の第1行及び第4行の学習情報に含まれる評価情報の評価がそれぞれ「○」である一方、
図4の第2行の学習情報に含まれる評価情報の評価が「×」である。このため、加工条件算出部501は、取得した学習済モデルにより、
図4の第1行の学習情報に含まれる加工条件情報の加工条件「SA1」又は近似する加工条件「SA1′」、
図4の第4行の学習情報に含まれる加工条件情報の加工条件「SAn」又は近似する加工条件「SAn′」、を新たに搬送中に加工処理される物体6の加工条件として算出する。なお、この場合における加工条件「SA1」、「SAn」と近似する加工条件「SA1′」、「SAn′」との差分値SA1-SA1′、SAn-SAn′は、「生地A」の「幅」の差分値WA1-WA2と「生地A」の「目付」の差分値MA1-MA2と「生地A」の「ピックアップ率」の差分値PA1-PA2とに基づいて算出されている。
【0028】
加工条件出力部502は、加工条件算出部501が算出した物体6の加工条件を示す情報を新たな搬送における加工条件情報として出力する。
【0029】
なお、加工条件設定部201は、加工条件出力部502が出力した加工条件を設定する。例えば、加工条件出力部502から上述した加工条件「SA1」が出力された場合、加工条件設定部201は、加工条件「SA1」を設定する。また、加工条件調整部202は、第n区間物体温度測定部2Bn2から出力される第n区間を搬送中の物体6の温度が予め定められた目標温度、例えば、105[℃]になっているか否かを判定する。加工条件調整部202は、第n区間を搬送中の物体6の温度が目標温度になっていれば、乾燥処理された物体6の評価が「○」であるとの評価を与えて評価情報を生成する。また、情報出力部203は、生成した評価情報と入力された加工条件情報とを加工条件管理装置5に入力する。
【0030】
一方、加工条件調整部202は、第n区間を搬送中の物体6の温度が目標温度になっていなければ、設定された加工条件を調整する。具体的には、加工条件調整部202は、第n区間を搬送中の物体6の温度が目標温度よりも低ければ、設定された加工条件の一例としての搬送速度の数値から予め定められた数値を減算して搬送速度を調整することで加工条件を再設定する。一方、加工条件調整部202は、第n区間を搬送中の物体6の温度が目標温度よりも高ければ、設定された加工条件の一例としての搬送速度の数値に予め定められた数値を加算して搬送速度を調整することで加工条件を再設定する。また、加工条件調整部202は、乾燥処理された物体6の評価が「×」であるとの評価を与えて評価情報を生成し、情報出力部203は、生成した評価情報と再設定前の加工条件を示す加工条件情報とを加工条件管理装置5に入力する。そして、加工条件調整部202は、第n区間を搬送中の物体6の温度が目標温度になるまで上述した処理を繰り返す。
【0031】
学習情報生成部503は、情報出力部203から出力された新たな搬送における評価情報及び加工条件情報を取得したときに、新たな搬送における取得済の物体情報、加工処理情報と、新たに取得した評価情報及び加工条件情報とを含む学習情報を生成する。
学習情報出力部504は、生成された新たな搬送における学習情報を学習情報記憶装置3に出力して学習情報記憶部301に記憶させる。なお、このとき、学習情報記憶装置3は、学習情報出力部504が出力した学習情報が学習情報記憶部301に既に記憶されている学習情報と同一であれば重複した学習情報であると判定して学習情報記憶部301に記憶しなくてもよい。
【0032】
なお、学習済モデル生成装置4は、学習情報記憶装置3の学習情報記憶部301から不定期に学習情報を取得しており、学習情報記憶部301に新たな学習情報が記憶されると、学習済モデル生成部401が新たな学習済モデルを生成して学習済モデル記憶部402に記憶している。なお、頻繁に学習が行われ、学習済モデルが更新されると加工条件を管理する精度が低下する虞もあり、学習済モデルの適用には慎重を期す必要がある。このため、本実施の形態のように、学習済モデル生成装置4は、学習情報記憶装置3の学習情報記憶部301から不定期に学習情報を取得することが好ましいが、これに限定されず、定期的に学習情報を取得してもよい。
【0033】
図3は、本実施の形態に係る加工条件管理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3に示すように、加工条件管理装置5は、制御プログラム59に従って処理を実行する制御部51を備える。制御部51は、CPU(Central Processing Unit)、GPU等の演算装置を備える。制御部51は、制御プログラム59に従って、加工条件管理装置5の加工条件算出部501、加工条件出力部502、学習情報生成部503、学習情報出力部504として機能する。
【0034】
また、加工条件管理装置5は、制御プログラム59をロードし、制御部51の作業領域として用いられる主記憶部52を備える。主記憶部52は、RAM(Random-Access Memory)を備える。
【0035】
また、加工条件管理装置5は、制御プログラム59を予め記憶する外部記憶部53を備える。外部記憶部53は、制御部51の指示に従って、このプログラムが記憶するデータを制御部51に供給し、制御部51から供給されたデータを記憶する。外部記憶部53は、フラッシュメモリ、ハードディスク、DVD(Digital Versatile Disc)-RAM、DVD-RW(ReWritable)等の不揮発性メモリを備える。
【0036】
また、加工条件管理装置5は、ユーザに操作される操作部54を備える。操作部54を介して、入力された情報が制御部51に供給される。操作部54は、キーボード、マウス等の情報入力部品を備える。
【0037】
また、加工条件管理装置5は、操作部54を介して入力された情報及び制御部51が出力した情報を表示する表示部55を備える。表示部55は、LCD(Liquid Crystal Display)を備える。
【0038】
また、加工条件管理装置5は、情報を送受信する送受信部56を備える。送受信部56は、ネットワークに接続する網終端装置、無線通信装置等の情報通信部品を備える。
【0039】
また、加工条件管理装置5では、主記憶部52、外部記憶部53、操作部54、表示部55及び送受信部56はいずれも内部バス50を介して制御部51に接続されている。
【0040】
なお、図示は省略するが、学習情報記憶装置3及び学習済モデル生成装置4についても加工条件管理装置5と同様に、主記憶部52、外部記憶部53、操作部54、表示部55及び送受信部56を備え、これらは内部バス50を介して制御部51に接続されている。学習情報記憶装置3において、外部記憶部53は学習情報記憶部301として機能する。また、学習済モデル生成装置4において、制御部51は制御プログラム59に従って学習済モデル生成部401として機能するとともに、外部記憶部53は学習済モデル記憶部402として機能する。
【0041】
図5は、本実施の形態に係る学習済モデル生成処理を示すフローチャートである。
図5に示すフローチャートを用いて学習済モデル生成装置4が学習済モデルを生成する動作について説明する。学習済モデル生成部401は、加工条件管理装置5によって学習情報記憶装置3の学習情報記憶部301に新たな学習情報が記憶されると、学習済モデル生成処理の実行を開始する。先ず、
図5に示すように、学習済モデル生成部401は、学習情報記憶部301に記憶されている全ての学習情報を取得する(ステップS101)。学習情報取得後、学習済モデル生成部401は、取得した全ての学習情報を用いた機械学習によって学習済モデルを生成し(ステップS102)、生成した学習済モデルを学習済モデル記憶部402に記憶させ(ステップS103)、処理を終了する。
【0042】
図6は、本実施の形態に係る加工条件算出処理を示すフローチャートである。
図6に示すフローチャートを用いて加工条件管理装置5が新たに搬送中に加工処理される物体6の加工条件を算出する動作について説明する。加工条件算出部501は、搬送装置2の使用者によって生成された新たな搬送についての物体情報、加工処理情報が加工条件管理装置5に入力されると、加工条件算出処理の実行を開始する。先ず、
図6に示すように、加工条件算出部501は、使用者によって入力された新たな搬送についての物体情報、加工処理情報を取得する(ステップS201)。このとき、加工条件算出部501は、取得したこれらの情報から新たに搬送中に加工処理される物体6の種類と幅と目付とピックアップ率と、搬送中の加工処理の種類と各区間の機内温度とを特定する。
【0043】
また、加工条件算出部501は、学習済モデル生成装置4の学習済モデル記憶部402に記憶されている学習済モデルを取得する(ステップS202)。また、加工条件算出部501は、取得した学習済モデルに基づいて、特定した物体6の種類と幅と目付とピックアップ率と、加工処理の種類と各区間の機内温度とから新たに搬送中に加工処理された物体6の評価が高いと予測される物体6の加工条件を算出する(ステップS203)。そして、加工条件出力部502は、加工条件算出部501が算出した加工条件を搬送装置2に出力し(ステップS204)、処理を終了する。
【0044】
図7は、本実施の形態に係る加工条件調整処理を示すフローチャートである。
図7に示すフローチャートを用いて搬送装置2が新たな搬送において加工条件を調整する動作について説明する。加工条件設定部201は、加工条件出力部502から加工条件情報が搬送装置2に入力されると、加工条件調整処理の実行を開始する。先ず、
図7に示すように、加工条件設定部201は、加工条件出力部502から入力された加工条件情報を取得して加工条件を設定し、物体6の搬送を開始する(ステップS301)。また、加工条件調整部202は、第n区間物体温度測定部2Bn2が物体6の温度を測定、出力することで、第n区間の搬出部を搬送中の物体6の温度を取得したか否かを判定する(ステップS302)。
【0045】
加工条件調整部202は、第n区間の搬出部を搬送中の物体6の温度を取得していない場合(ステップS302;NO)、物体6の温度を取得するまでステップS302の処理を繰り返す。また、加工条件調整部202は、第n区間の搬出部を搬送中の物体6の温度を取得した場合(ステップS302;YES)、取得した物体6の温度が目標温度であるか否かを判定する(ステップS303)。
【0046】
加工条件調整部202は、取得した物体6の温度が目標温度でない場合(ステップS303;NO)、再設定前の加工条件を示す加工条件情報及び「×」の評価を示す評価情報を生成する(ステップS304)。評価情報生成後、情報出力部203は、生成した加工条件情報及び評価情報を加工条件管理装置5に出力する(ステップS305)。情報出力後、加工条件調整部202は、加工条件を自動調整、再設定して物体6の搬送を継続し(ステップS306)、ステップS302の処理に戻る。一方、加工条件調整部202は、取得した物体6の温度が目標温度である場合(ステップS303;YES)、設定後の加工条件を示す加工条件情報及び「○」の評価を示す評価情報を生成する(ステップS307)。ここで、設定後の加工条件を示す加工条件情報とは、ステップS306において加工条件が再設定されていれば再設定後の加工条件を示す加工条件情報であり、ステップS306において加工条件が再設定されていなければステップS301において最初に設定した加工条件を示す加工条件情報である。そして、情報出力部203は、生成した加工条件情報及び評価情報を加工条件管理装置5に出力し(ステップS308)、処理を終了する。
【0047】
図8は、本実施の形態に係る学習情報生成処理を示すフローチャートである。
図8に示すフローチャートを用いて加工条件管理装置5が新たな学習情報を生成する動作について説明する。学習情報生成部503は、加工条件出力部502が加工条件を搬送装置2に出力すると、学習情報生成処理の実行を開始する。先ず、
図8に示すように、学習情報生成部503は、情報出力部203によって加工条件管理装置5に出力された新たな搬送についての評価情報及び加工条件情報を取得したか否かを判定する(ステップS401)。
【0048】
学習情報生成部503は、評価情報及び加工条件情報を取得していない場合(ステップS401;NO)、評価情報及び加工条件情報を取得するまでステップS401の処理を繰り返す。また、学習情報生成部503は、評価情報及び加工条件情報を取得した場合(ステップS401;YES)、新たな搬送における取得済の物体情報及び加工処理情報と、新たに取得した評価情報及び加工条件情報とを含む新たな学習情報を生成する(ステップS402)。そして、学習情報出力部504は、生成した新たな学習情報を学習情報記憶装置3に出力して学習情報記憶部301に記憶させ(ステップS403)、処理を終了する。
【0049】
以上説明したように、本実施の形態に係る搬送システム1によれば、加工条件算出部501は、取得した学習済モデルに基づいて、新たに搬送中に加工処理される物体6の種類と新たな搬送中の加工処理の種類とから新たに搬送中に加工処理される物体6の加工条件を算出する。また、加工条件出力部502は、算出された加工条件を搬送装置2に出力する。ここで、学習済モデル生成部401は、少なくとも物体情報と加工処理情報と加工条件情報と評価情報とを含む学習情報を用いて学習済モデルを生成している。すなわち、学習済モデルを生成するための機械学習に用いられる学習情報は、これまで行われた全ての搬送について1回の試行毎の物体6の種類、搬送中の加工処理の種類及び各区間の機内温度、物体6の加工条件、当該加工条件で搬送中に加工処理された物体6の評価を含む情報である。よって、新たに搬送中に加工処理される物体6の種類と新たな搬送中の加工処理の種類及び各区間の機内温度との組合せと同一又は近似する組合せが機械学習した学習情報に含まれていれば、加工条件算出部501は、取得した学習済モデルにより、これらの組合せが含まれ且つ搬送中に加工処理された物体6の評価が高かった学習情報に含まれる加工条件と同一又は近似する加工条件を算出することができる。
【0050】
このようにすることで、搬送装置2の使用者は、新たな搬送が行われる度に物体情報及び加工処理情報を取得すれば加工条件管理装置5を用いて加工条件を算出して搬送装置2に出力できる。この結果、本発明に係る加工条件管理装置5を用いない搬送装置2の使用者よりも作業負荷を低減できる。また、このようにすることで、新たに搬送中に加工処理される物体6の加工条件の算出に適した学習情報を用いた機械学習によって学習済モデルが生成されれば、算出された加工条件で新たに搬送中に加工処理された物体6の評価を高くすることができる。このため、搬送装置2の使用者の経験則に頼ることなく、物体6の加工条件を算出することが可能となり、搬送中に加工処理された物体の評価を高くするために最適な加工条件を算出できる。
【0051】
また、本実施の形態に係る搬送システム1によれば、搬送中に加工処理される物体6の種類には、濡れた状態の生地が含まれ、搬送中の加工処理の種類には、搬送装置2の搬送路2A上に設けられた乾燥処理部2Bによる乾燥処理が含まれる。また、学習済モデル生成部401は、物体6の幅及び目付を示す情報が更に含まれる物体情報を含む学習情報を用いて学習済モデルを生成している。すなわち、学習済モデルを生成するための機械学習に用いられる学習情報は、これまで行われた全ての搬送について1回の試行毎の物体6の幅及び目付を更に含む情報である。よって、新たに搬送中に乾燥処理される物体6の種類と幅と目付と新たな搬送中の乾燥処理における各区間の機内温度との組合せと同一又は近似する組合せが機械学習した学習情報に含まれていれば、加工条件算出部501は、取得した学習済モデルにより、これらの組合せが含まれ且つ搬送中に乾燥処理された物体6の評価が高かった学習情報に含まれる加工条件と同一又は近似する加工条件を算出することができる。
【0052】
このようにすることで、物体情報に物体6の幅及び目付を示す情報が含まれない学習情報を用いて生成された学習済モデルに基づいて加工条件が算出される加工条件管理装置よりも算出された加工条件で新たに搬送中に乾燥処理された物体6の評価を高くし易くすることができる。
なお、本実施の形態のように、新たに搬送中に乾燥処理された物体6の評価を高くし易くするために、物体情報に物体6の幅及び目付を示す情報が含まれる学習情報を用いて学習済モデルを生成することが好ましいが、物体情報に物体6の種類を示す情報が含まれている限りにおいて、物体情報に物体6の幅及び目付を示す情報が含まれる学習情報を用いて学習済モデルを生成しなくてもよい。
【0053】
また、本実施の形態に係る搬送システム1によれば、学習済モデル生成部401は、物体6のピックアップ率を示す情報が更に含まれる物体情報を含む学習情報を用いて学習済モデルを生成している。すなわち、学習済モデルを生成するための機械学習に用いられる学習情報は、これまで行われた全ての搬送について1回の試行毎の物体6のピックアップ率を更に含む情報である。よって、新たに搬送中に乾燥処理される物体6の種類と幅と目付とピックアップ率と新たな搬送中の乾燥処理における各区間の機内温度との組合せと同一又は近似する組合せが機械学習した学習情報に含まれていれば、加工条件算出部501は、取得した学習済モデルにより、これらの組合せが含まれ且つ搬送中に乾燥処理された物体6の評価が高かった学習情報に含まれる加工条件と同一又は近似する加工条件を算出することができる。
【0054】
このようにすることで、物体情報に物体6のピックアップ率を示す情報が含まれない学習情報を用いて生成された学習済モデルに基づいて加工条件が算出される加工条件管理装置よりも算出された加工条件で新たに搬送中に乾燥処理された物体6の評価を高くし易くすることができる。
なお、本実施の形態のように、新たに搬送中に乾燥処理された物体6の評価を高くし易くするために、物体情報に物体6のピックアップ率を示す情報が含まれる学習情報を用いて学習済モデルを生成することが好ましいが、物体情報に物体6の種類を示す情報が含まれている限りにおいて、物体情報に物体6のピックアップ率を示す情報が含まれる学習情報を用いて学習済モデルを生成しなくてもよい。
【0055】
また、本実施の形態に係る搬送システム1によれば、学習情報生成部503は、情報出力部203から新たな搬送についての評価情報及び加工条件情報が入力されると、新たな搬送における学習情報を生成する。そして、学習情報出力部504は、生成した新たな学習情報を学習情報記憶装置3に出力して学習情報記憶部301に記憶させる。
【0056】
このようにすることで、算出された加工条件で新たな搬送を行ったときの搬送中に加工処理された物体6の評価を含む新たな学習情報を生成し、機械学習に用いる新たな学習情報としてフィードバックすることができる。また、このようにすることで、学習済モデル生成部401は、フィードバックされた新たな学習情報を更に用いた機械学習によって学習済モデルを更新することができる。この結果、フィードバックされた新たな学習情報を更に用いた機械学習によって学習済モデルを更新しない学習済モデル生成装置よりも搬送中に加工処理された物体6の評価が高くなる適切な加工条件を算出し易くすることができる。
【0057】
特に、本実施の形態に係る搬送システム1によれば、加工条件調整部202は、加工条件設定部201が設定した加工条件、すなわち、加工条件算出部501が算出した加工条件で搬送中に加工処理される物体6の第n区間の搬出部の温度が目標温度でなければ加工条件を調整し、新たな加工条件を再設定する。また、加工条件調整部202は、再設定前の加工条件を示す加工条件情報と「×」の評価を示す評価情報を生成し、情報出力部203は、生成した加工条件情報と評価情報とを加工条件管理装置5に出力する。また、加工条件調整部202は、再設定された加工条件で搬送中に加工処理される物体6の第n区間の搬出部の温度が目標温度になるまで上述した加工条件の調整及び再設定と、加工条件情報及び評価情報の生成及び出力を繰り返す。そして、加工条件調整部202は、再設定された加工条件で搬送中に加工処理される物体6の第n区間の搬出部の温度が目標温度になると再設定後の加工条件を示す加工条件情報と「○」の評価を示す評価情報を生成し、情報出力部203は、生成した加工条件情報と評価情報とを加工条件管理装置5に出力する。
【0058】
このようにすることで、学習情報生成部503は、新たな搬送を行ったときに「○」の評価を示す評価情報を含む学習情報だけでなく「×」の評価を示す評価情報を含む学習情報も生成できる。また、学習情報出力部504は、これらの新たな学習情報を機械学習に用いる新たな学習情報としてフィードバックすることができる。この結果、フィードバックされた学習情報に新たな搬送を行ったときの「○」の評価を示す評価情報を含む学習情報と「×」の評価を示す評価情報を含む学習情報とが含まれない搬送システムよりも搬送中に加工処理された物体6の評価が高くなる適切な加工条件を更に算出し易くすることができる。
【0059】
なお、本実施の形態では、各区間の物体温度測定部2B12、2B22、…、2Bn2は、各区間の搬出部まで搬送された物体6の温度を測定したが、これに限定されない。例えば、各区間の物体温度測定部2B12、2B22、…、2Bn2は、各区間の搬入部に搬送された物体6の温度を測定してもよく、各区間の乾燥処理部2B1、2B2、…、2Bnの内部における搬送方向の中間地点まで搬送された物体6の温度を測定してもよい。
【0060】
なお、本実施の形態では、加工条件調整部202は、第n区間の搬出部まで搬送された物体6の温度が目標温度でなければ加工条件を調整したが、これに限定されない。例えば、加工条件調整部202は、第n区間よりも前の区間の搬出部まで搬送された物体6の温度が目標温度でなければ加工条件を調整してもよい。具体的には、第(n-1)区間の搬出部まで搬送された物体6の温度が目標温度でなければ加工条件を調整してもよく、第(n-1)区間よりも前の区間の搬出部まで搬送された物体6の温度が目標温度でなければ加工条件を調整してもよい。これらの場合、第n区間よりも前の区間における目標温度は、本実施の形態における第n区間の目標温度とは異なる温度であってもよい。さらに、加工条件調整部202は、複数の区間における物体6の温度がそれぞれの目標温度でなければ加工条件を調整するようにしてもよい。例えば、加工条件調整部202は、第(n-1)区間の物体6の温度が目標温度でなければ加工条件を調整してもよく、第(n-1)区間の物体6の温度が目標温度であったとしても第n区間の物体6の温度が目標温度でなければ加工条件を調整してもよい。また、例えば、第1区間から第n区間まで目標温度をそれぞれ設けて各区間の搬出部まで搬送された物体6の温度が各区間の目標温度にならなければ加工条件を調整してもよい。
【0061】
また、本実施の形態に係る搬送システム1によれば、学習済モデル生成部401は、学習情報記憶部301に記憶されている学習情報を用いた機械学習によって学習済モデルを生成する。
このようにすることで、学習済モデル生成装置4において、搬送中に加工処理された物体6の種類と、搬送中の加工処理の種類と、搬送中に加工処理された物体6の加工条件と、搬送中に加工処理された物体6の評価との関係性を学習できる。また、このようにすることで、学習情報記憶装置3において、これまで行われた全ての搬送についての1回の試行毎の学習情報を記憶できる。
【0062】
なお、本実施の形態では、学習済モデル生成装置4が学習済モデル生成部401及び学習済モデル記憶部402を備えているが、これに限定されず、例えば、加工条件管理装置5が学習済モデル生成部401及び学習済モデル記憶部402を備えていてもよい。この場合、加工条件管理装置5が学習情報記憶部301に記憶されている学習情報を用いた機械学習によって学習済モデルを生成するための演算処理能力を備えている必要がある。このため、例えば、加工条件管理装置5をクライアントマシン5A1、5A2、…、5Anに替えて上述したGPUマシン、パーソナルコンピュータ、スーパーコンピュータ、ワークステーション等としてもよい。
【0063】
なお、本実施の形態では、学習情報記憶装置3が学習情報記憶部301を備えているが、これに限定されず、例えば、学習済モデル生成装置4が学習情報記憶部301を備えていてもよい。すなわち、学習済モデル生成装置4が学習情報記憶装置3と一体となったデータベースサーバであってもよい。また、例えば、加工条件管理装置5が学習情報記憶部301を備えていてもよい。すなわち、搬送装置2の使用者が使用する加工条件管理装置5が学習情報記憶装置3のデータベースの機能を備えていてもよい。これらの場合、学習済モデル生成装置4又は加工条件管理装置5がこれまで行われた全ての染色についての1回の染色毎の学習情報を記憶可能な記憶領域を有する大容量の記憶装置を備えている必要がある。
【0064】
なお、本実施の形態では、搬送システム1は、搬送装置2と学習情報記憶装置3と学習済モデル生成装置4と加工条件管理装置5とを備えているが、これに限定されず、例えば、搬送システム1は、搬送装置2と加工条件管理装置5とを備え、加工条件管理装置5が学習情報記憶部301と学習済モデル生成部401と学習済モデル記憶部402とを更に備えていてもよい。
【0065】
なお、本実施の形態では、物体情報に含まれる物体6の種類として乾燥処理される前の濡れた状態の生地を例示したが、これに限定されず、例えば、乾燥処理される前のすき上げた状態の和紙、加熱処理される前のパン、乾麺、干物等の食材、塗装処理やコーティング処理や乾燥処理される前の車両の外装部分、プリント処理される前のプリント用紙やプリント用の布、ラッピング処理される前の商品や商品を収容した箱やトレー、感光処理される前の感光材料、折り畳み処理される前のシートや織物や編物や衣類等であってもよい。
【0066】
なお、本実施の形態では、物体情報は、物体6の種類と幅と目付とピックアップ率とを含む情報としたが、例えば、物体6の搬送方向の長さ、厚さ、重さ、物体6の材料の種類及び混合した割合等を更に含む情報であってもよい。また、例えば、物体情報が示す物体6の種類が乾燥処理される前の濡れた状態の生地や和紙や加熱処理される前の食材であれば、乾燥前の物体6に含まれる残水分や水分率を更に含む情報であってもよい。また、例えば、物体情報が示す物体6の種類が乾燥処理される前の車両の外装部分であれば、乾燥前の塗装やコーティング材に含まれる残水分や水分率を更に含む情報であってもよい。また、例えば、物体情報が示す物体6の種類がプリント処理される前のプリント用の紙や布やラッピング処理される前の商品や箱やトレーや感光処理される前の感光材料や折り畳み処理される前のシートや織物や編物や衣類等であれば、サイズの規格名を更に含む情報であってもよい。
【0067】
なお、本実施の形態のように、搬送中に加工処理された物体6の評価が高くなる適切な加工条件を算出し易くするために、加工処理情報は加工処理の強度を含む情報であることが好ましいが、加工処理情報は加工処理の種類を含む情報である限りにおいて加工処理の強度を含まない情報であってもよい。例えば、加工処理の強度が常に一定となる加工処理部を備えた搬送装置における加工条件を算出する場合には、学習済モデルを生成するための機械学習に用いられる学習情報は、これまで行われた全ての搬送について1回の試行毎の物体6の種類、加工処理の種類、物体6の加工条件、搬送中に加工処理された物体6の評価を含む情報であってもよい。この場合、新たに搬送中に加工処理される物体6の種類と新たな搬送中の加工処理の種類との組合せと同一又は近似する組合せが機械学習した学習情報に含まれていれば、加工条件算出部501は、取得した学習済モデルにより、これらの組合せが含まれ且つ搬送中に加工処理された物体6の評価が高かった学習情報に含まれる加工条件と同一又は近似する加工条件を算出することができる。
【0068】
なお、本実施の形態では、加工処理情報に含まれる加工処理の種類として乾燥処理を例示したが、これに限定されず、例えば、上述した加熱処理、塗装処理、コーティング処理、プリント処理、ラッピング処理、感光処理、折り畳み処理等であってもよい。
【0069】
なお、本実施の形態では、加工処理情報に含まれる加工処理の強度として各区間の機内温度を例示したが、これに限定されず、例えば、加工処理の種類が乾燥処理であれば各区間の熱風を出力するダクトからの単位時間当たりの風量や風速等であってもよい。また、例えば、加工処理の種類が加熱処理であれば火力の度合いであってもよく、加工処理の種類が塗装処理やコーティング処理であればノズルから塗装やコーティング材を吹き付ける噴射の圧力等であってもよい。また、例えば、加工処理の種類がプリント処理であれば画像出力の強度としての解像度やインクジェットのノズルからのインクの噴射の圧力等であってもよい。また、例えば、加工処理の種類がラッピング処理であればラッピングの強度の一例としての梱包材料や緩衝材の材質や厚さ等であってもよく、加工処理の種類が感光処理であれば物体6に照射する光の輝度であってもよく、加工処理の種類が折り畳み処理であれば物体6を折り畳むときに物体6及び搬送路2Aにかかる重量であってもよい。
【0070】
なお、本実施の形態では、加工処理情報は、加工処理の種類と強度とを含む情報としたが、例えば、加工処理を行う加工処理部の搬送方向や幅方向の長さを更に含む情報であってもよい。また、例えば、加工処理の種類が乾燥処理であればダクトの出力口の面積やダクトの個数等であってもよい。また、例えば、加工処理の種類が加熱処理であればヒーターの個数やこれらが搬送路上に占める面積等であってもよく、加工処理の種類が塗装処理やコーティング処理やプリント処理であれば塗装やコーティング材やインクの種類やこれらを噴射するノズルの個数や配置面積等であってもよい。また、例えば、加工処理の種類がラッピング処理であればラッピング処理部がラッピング可能な搬送路2A上の面積やラッピングの容積やラッピングされた物体6の耐衝撃の強度等であってもよく、加工処理の種類が感光処理であれば感光処理部の個数やシート等を感光させることが可能な搬送路2A上の面積等であってもよい。また、例えば、加工処理の種類が折り畳み処理であれば折り畳み処理部が折り畳み可能な回数や折り畳み方向等であってもよい。
【0071】
なお、本実施の形態では、学習情報は、物体情報、加工処理情報、加工条件情報、評価情報が含まれる情報としたが、例えば、学習情報は、染色された物体6を購入する顧客の名称や業種や購入数等を示す顧客情報が更に含まれる情報であってもよい。
【0072】
なお、本実施の形態では、加工条件は、一定の速度としたが、これに限定されず、例えば、各区間で変化する速度であってもよい。この場合、加工条件情報は、各区間の加工条件を示す情報を含む情報とする必要がある。例えば、
図4の第1行の加工条件「SA1」を「SA11,SA12,…,SA1n」のように第1区間から第n区間までの加工条件を示す情報とする必要がある。
【0073】
なお、本実施の形態では、評価情報は、「○」又は「×」の2段階の評価を示す情報としたが、例えば、3段階以上の評価を示す情報であってもよい。例えば、「優」、「良」、「可」、「不可」の4段階の評価を示す情報であってもよい。
【0074】
なお、本実施の形態のように、搬送中に加工処理された物体6の評価が高くなる適切な加工条件を算出し易くするために、学習情報は評価情報を含む情報であることが好ましいが、学習情報は物体情報と加工処理情報と加工条件情報とを含む情報である限りにおいて評価情報を含まない情報であってもよい。すなわち、学習済モデルを生成するための機械学習に用いられる学習情報は、これまで行われた全ての搬送について1回の試行毎の物体6の種類、加工処理の種類、物体6の加工条件を含む情報であってもよい。この場合、学習済モデル生成部401が搬送中に加工処理された物体6の評価が高かった学習情報のみを用いて学習済モデルを生成することで、新たに搬送中に加工処理される物体6の種類と新たな搬送中の加工処理の種類との組合せと同一又は近似する組合せが機械学習した学習情報に含まれていれば、加工条件算出部501は、取得した学習済モデルにより、これらの組合せが含まれた学習情報に含まれる加工条件と同一又は近似する加工条件を算出することができる。
【0075】
なお、本実施の形態では、加工条件調整部202は、第n区間の搬出部を搬送中の物体6の温度が目標温度でなければ、設定された加工条件の一例としての搬送速度の数値から予め定められた数値に予め定められた数値を加算、減算して搬送速度を調整することで加工条件を再設定しているが、これに限定されない。例えば、情報出力部203は、第n区間の搬出部を搬送中の物体6の温度が目標温度でなければ、学習情報生成部503に再設定前の加工条件を示す加工条件情報と「×」の評価を示す評価情報とをフィードバックするとともに、加工条件管理装置5に対して加工条件出力部502から新たな加工条件情報を出力させる要求情報を出力してもよい。すなわち、加工条件調整部202は、フィードバックした学習情報を用いて再度機械学習された学習済モデルに基づいて算出された新たな加工条件を取得して再設定するようにしてもよい。この場合、搬送装置2は加工条件出力部502から新たな加工条件情報が出力されて加工条件調整部202が加工条件を再設定するまで搬送及び搬送中の加工処理を中断する措置や、引き続き搬送を進めながら再設定後の評価が「○」となるよう加工条件の調整を繰り返す措置等をする必要がある。
【0076】
なお、制御部51、主記憶部52、外部記憶部53、操作部54、表示部55、送受信部56、内部バス50等を備える加工条件管理装置5の加工処理を行う中心となる部分は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。例えば、前記の動作を実行するためのコンピュータプログラムを、加工条件管理装置5が読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、DVD-ROM(Read-Only Memory)等に格納して配布し、当該コンピュータプログラムをコンピュータにインストールすることにより、上記の加工処理を実行する加工条件管理装置5を構成してもよい。また、インターネットなどの通信ネットワーク上のサーバ装置が有する記憶装置に当該コンピュータプログラムを格納しておき、通常のコンピュータシステムがダウンロードなどすることで加工条件管理装置5を構成してもよい。
【0077】
また、加工条件管理装置5の機能を、OS(オペレーティングシステム)とアプリケーションプログラムの分担、又はOSとアプリケーションプログラムとの協働により実現する場合などには、アプリケーションプログラム部分のみを記録媒体又は記憶装置に格納してもよい。
【0078】
また、搬送波にコンピュータプログラムを重畳し、通信ネットワークを介して提供することも可能である。例えば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS、 Bulletin Board System)に前記コンピュータプログラムを掲示し、ネットワークを介して前記コンピュータプログラムを提供してもよい。そして、このコンピュータプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、前記の加工処理を実行してもよい。
【0079】
その他、本実施の形態に係る加工条件管理装置5、搬送システム1、加工条件管理方法及びプログラムの構成は一例であり、本発明が解決しようとする課題を解決可能な限りにおいて任意に変更及び修正が可能である。
【0080】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。つまり、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。
【0081】
本出願は、2019年9月12日に出願された、日本国特許出願特願2019-165898号に基づく。本明細書中に日本国特許出願特願2019-165898号の明細書、特許請求の範囲、図面全体を参照として取り込むものとする。
【符号の説明】
【0082】
1 搬送システム、2 搬送装置、2A 搬送路、2B 乾燥処理部、2B1 第1区間の乾燥処理部、2B11 第1区間機内温度測定部、2B12 第1区間物体温度測定部、2B2 第2区間の乾燥処理部、2B21 第2区間機内温度測定部、2B22 第2区間物体温度測定部、2Bn 第n区間の乾燥処理部、2Bn1 第n区間機内温度測定部、2Bn2 第n区間物体温度測定部、3 学習情報記憶装置、4 学習済モデル生成装置、5 加工条件管理装置、5A1,5A2,…,5An クライアントマシン、6 物体、50 内部バス、51 制御部、52 主記憶部、53 外部記憶部、54 操作部、55 表示部、56 送受信部、59 制御プログラム、201 加工条件設定部、202 加工条件調整部、203 情報出力部、301 学習情報記憶部、401 学習済モデル生成部、402 学習済モデル記憶部、501 加工条件算出部、502 加工条件出力部、503 学習情報生成部、504 学習情報出力部。