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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-08
(45)【発行日】2024-08-19
(54)【発明の名称】圧力容器の搭載構造
(51)【国際特許分類】
   B60K 15/07 20060101AFI20240809BHJP
   B60K 15/063 20060101ALI20240809BHJP
【FI】
B60K15/07
B60K15/063 B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020153011
(22)【出願日】2020-09-11
(65)【公開番号】P2022047225
(43)【公開日】2022-03-24
【審査請求日】2023-09-05
(73)【特許権者】
【識別番号】308039414
【氏名又は名称】株式会社FTS
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大地 一明
(72)【発明者】
【氏名】原田 徳義
(72)【発明者】
【氏名】藤井 学
【審査官】中川 隆司
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-188077(JP,A)
【文献】特開2017-149316(JP,A)
【文献】米国特許第06412588(US,B1)
【文献】独国特許出願公開第102018219559(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 15/07
B60K 15/063
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力容器の長手方向が車両の走行方向に沿うように、前記圧力容器を前記車両に取り付ける圧力容器の搭載構造であって、
前記圧力容器の長手方向一端を保持するブラケットを備え、
前記ブラケットは、前記車両に固定される取付部を有し、
前記取付部は、一定の荷重が作用したときに前記車両から前記ブラケットを外れさせる離脱可能部を具備し、
前記ブラケットは、前記圧力容器の前記一端を上下方向から挟むように保持する上側ブラケットおよび下側ブラケットを有し、
前記上側ブラケットおよび前記下側ブラケットは、積層される一対の金属薄板を有することを特徴とする圧力容器の搭載構造。
【請求項2】
前記離脱可能部には、前記車両の走行方向に対して横向きに切り欠かれた切欠部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の圧力容器の搭載構造。
【請求項3】
前記ブラケットは、
前記車両に接して固定される固定部と、
前記圧力容器を保持する容器保持部と、
を有し、
前記ブラケットにおいて、前記固定部と前記容器保持部との間にスリットが設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の圧力容器の搭載構造。
【請求項4】
記上側ブラケットおよび前記下側ブラケットは、
他方の側の前記ブラケットに対してボルトで固定される一対のブラケット固定部と、
前記車両に対して他のボルトで固定される一対の車両固定部と、
を具備し、
一対の前記ブラケット固定部は、前記圧力容器の前記一端を挟んで前記車両の走行方向と交差する横方向に離間して配置され、
一対の前記車両固定部は、前記圧力容器の前記一端を挟んで前記横方向に離間して配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の圧力容器の搭載構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力容器の搭載構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両のフロアパネルの下側に、ガスボンベを固定した燃料容器の車両搭載構造が開示されている。ガスボンベは、長手方向一端側に燃料出入口を備えている。ガスボンベは、車両の前後方向に沿って配置されている。ガスボンベを支持する支持フレームは、車幅方向両端がサイドメンバに固定されている。ガスボンベには、ボンベ支持ベルトが被せられている。ボンベ支持ベルトの両端は、支持フレームを貫通する固定用ボルトおよびナットにより支持フレームに締結されている。これにより、ガスボンベは、支持フレームに固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-185843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような燃料容器の車両搭載構造において、ガスボンベをより安定して車体に固定するために、ブラケットなどを用いて燃料出入口を車体に固定する構成が考えられる。しかしながら、このような構成では、車両の衝突や急減速などによってガスボンベが車両に対して前後方向へ急に移動するような場合に、燃料出入口がブラケットから大きな荷重を受けることになる。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、車両に搭載された圧力容器に加わる荷重を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の圧力容器の搭載構造は、
圧力容器の長手方向が車両の走行方向に沿うように、前記圧力容器を前記車両に取り付ける圧力容器の搭載構造であって、
前記圧力容器の長手方向一端を保持するブラケットを備え、
前記ブラケットは、前記車両に固定される取付部を有し、
前記取付部は、一定の荷重が作用したときに前記車両から前記ブラケットを外れさせる離脱可能部を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
車両が衝突した場合や過大な急減速を行った場合には、圧力容器の長手方向一端とブラケットとの接触部分に大きな荷重がかかる。このとき、ブラケット側からの反力によって圧力容器が変形する虞があるため、その対策として、ブラケットに離脱可能部を設けた。圧力容器に一定の荷重が作用すると、離脱可能部によってブラケットが車両から外れるので、圧力容器は、ブラケットとともに車両に対して前後方向へ相対移動することができる。これにより、圧力容器の長手方向一端への荷重が軽減される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例1の圧力容器が搭載された車両を下方側から見た底面図
図2】実施例1の圧力容器の一部、ブラケット、センターピースを含む分解斜視図
図3】実施例1のブラケットが圧力容器の口金に組み付けられた状態を示す平面図
図4】実施例1のブラケットがフロアパネルに組み付けられた状態を示す後方側から見た断面図
図5図4のA-A断面図
図6】実施例2のブラケットが圧力容器の口金に組み付けられた状態を示す平面図
図7】実施例3のブラケットの取付部を示す平面図
図8】実施例4の圧力容器の一部、ブラケット、センターピースを含む分解斜視図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明において、前記離脱可能部に、前記車両の走行方向に対して横向きに切り欠かれた切欠部が設けられていてもよい。切欠部が車両の走行方向に沿って切り欠かれる構成では、圧力容器からの荷重によって離脱可能部が過度に離脱し易くなるおそれがある。しかしながら、離脱可能部は、車両の走行方向に対して横向きに切り欠かれる構成とすることで、適当な強度を保ちつつ、圧力容器からの荷重によって適度に離脱し易い構成とすることができる。
【0010】
本発明において、前記ブラケットは、前記車両に接して固定される固定部と、前記圧力容器を保持する容器保持部と、を有し、前記ブラケットにおいて、前記固定部と前記容器保持部との間にスリットが設けられていてもよい。このような構成では、ブラケットは、スリットを起点にして破断し易くなる。スリットが固定部と容器保持部との間に設けられているため、ブラケットがスリットを起点にして破断することで、固定部と容器保持部とを分断することができる。
【0011】
本発明において、前記ブラケットは、前記圧力容器の前記一端を上下方向から挟むように保持する上側ブラケットおよび下側ブラケットを有し、前記上側ブラケットおよび前記下側ブラケットは、他方の側の前記ブラケットに対してボルトで固定される一対のブラケット固定部と、前記車両に対して他のボルトで固定される一対の車両固定部と、を具備し、一対の前記ブラケット固定部は、前記圧力容器の前記一端を挟んで前記車両の走行方向と交差する横方向に離間して配置され、一対の前記車両固定部は、前記圧力容器の前記一端を挟んで前記横方向に離間して配置されていてもよい。上側ブラケットおよび下側ブラケットのうち一方のみが車両固定部を具備する構成では、他方のブラケットがブラケット固定部を起点に一方のブラケットに対して回転するおそれがある。そこで、上側ブラケットおよび下側ブラケットの両方が車両固定部を具備することで、両ブラケットを一体化させてブラケットの強度が低下することを防ぐことができる。
【0012】
<実施例1>
以下、本発明を具体化した実施例1を図1図5を参照して説明する。尚、以下の説明において、上下の方向については、図2,4,5にあらわれる向きを、そのまま上方、下方と定義する。また、前後の方向については、図2にあらわれる向きを、そのまま前方、後方と定義する。
【0013】
本実施例1の圧力容器の搭載構造は、車両1および圧力容器20を備える構成に用いられる。図1に示す車両1は、例えば燃料電池自動車として構成されている。図1に示す圧力容器20は、車両1に搭載され、例えば高圧の水素ガスの充填容器として用いられる。圧力容器20内の燃料は、例えば車両1に搭載された燃料電池に供給される。
【0014】
車両1は、図1に示すように、車体10と、フレーム(図示略)と、を備えている。車体10は、車両1の本体である。車体10は、車室の床面を形成するフロアパネル12を有している。フレームは、車体10を支持する板状の金属(例えば、サイドメンバ)である。フロアパネル12は、フレームに取り付けられている。
【0015】
フロアパネル12には、図示しないセンタトンネルが設けられている。センタトンネルは、圧力容器20のタンク本体22を収容している。センタトンネルは、フロアパネル12における車幅方向(図1の左右方向)の中央に位置している。センタトンネルは、車両1の走行方向(前後方向)に延びている。フロアパネル12には、図4に示すように、一対の膨出部14が設けられている。一対の膨出部14は、センタトンネルの後方に設けられている。膨出部14は、下方に膨出している。膨出部14は、後述するボルト83が挿通する貫通孔16が形成されている。貫通孔16は、膨出部14において上下方向(板厚方向)に貫通している。
【0016】
圧力容器20は、図1,2に示すように、タンク本体22と、口金部23と、を備えている。タンク本体22は、例えば内部に車両1の燃料となる水素などを貯留する。タンク本体22は、円筒カプセル形状である。タンク本体22は、樹脂材料や金属材料などによって形成されている。タンク本体22は、図1に示すように、胴体部24と、第1ドーム部25と、第2ドーム部26と、を備えている。胴体部24は、軸方向に長い円筒状である。第1ドーム部25は、胴体部24の長手方向一端に連なる半球状の部分である。第1ドーム部25は、胴体部24から離れるにつれて縮径している。第2ドーム部26は、長手方向において胴体部24の他端に連なる半球状の部分である。第2ドーム部26は、胴体部24から離れるにつれて縮径している。
【0017】
口金部23は、図2に示すように、長手方向において圧力容器20の一端に位置する。口金部23は、第1ドーム部25の頂部に設けられている。口金部23は、円筒状である。口金部23は、タンク本体22の一端に形成された開口に挿通されている。口金部23は、外部とタンク本体22の内部とを連通させる連通孔(図示略)を形成する。口金部23は、例えばバルブ28(図1参照)が取り付けられる。バルブ28は、口金部23によって構成される連通孔を開閉させる。バルブ28は、口金部23よりも外側(タンク本体22の径方向外側)に突出している。
【0018】
圧力容器20は、図1に示すように、車両1に取り付けられている。圧力容器20の長手方向は、車両1の走行方向に沿っている。口金部23が車両1の後方側を向くように、圧力容器20が車両1に取り付けられている。胴体部24は、バンド30を用いてフロアパネル12に固定されている。バンド30は、胴体部24の外周を取り囲んで保持した状態でフロアパネル12に固定されている。バンド30は、樹脂材料や金属材料などによって形成されている。
【0019】
口金部23は、図4に示すように、ブラケット40を用いてフロアパネル12に固定されている。ブラケット40は、センターピース90を介して圧力容器20の長手方向一端(口金部23)を保持している。ブラケット40は、センターピース90を介して口金部23の外周を取り囲んで保持した状態でフロアパネル12に固定されている。
【0020】
センターピース90は、図2に示すように、円筒状である。センターピース90の外周には、凹部92が設けられている。凹部92は、センターピース90の外周に沿って内側に凹んでいる。センターピース90は、口金部23によって挿通される。
【0021】
ブラケット40は、図2に示すように、上側ブラケット50と、下側ブラケット60と、を有している。上側ブラケット50および下側ブラケット60は、圧力容器20の一端(口金部23)を上下方向から保持する。ブラケット40は、図3に示すように、容器保持部42と、取付部44と、を有している。容器保持部42は、圧力容器20を保持する部分である。容器保持部42は、後述する上側保持部53および下側保持部63によって構成される。取付部44は、後述する上側取付部54および下側取付部64によって構成される。取付部44は、フロアパネル12に対して後述するボルト83で固定される部分である。
【0022】
上側ブラケット50は、図2に示すように、一対の薄板51,52を備えている。薄板51,52は、板金加工された金属薄板(例えば鋼板など)である。薄板51は、薄板52上に積層されている。
【0023】
上側ブラケット50は、図2に示すように、上側保持部53と、一対の上側取付部54と、を備えている。上側保持部53は、センターピース90の外周面に接する部分である。上側保持部53は、センターピース90の外周面に対応して湾曲している。上側保持部53の内周面には、凸部55が形成されている。凸部55は、上側保持部53の内側に向かって突出している。凸部55は、上側保持部53の周方向に沿って形成されている。凸部55は、薄板52の一部によって構成されている。凸部55の周方向に直交する断面は、半円状である。
【0024】
一対の上側取付部54は、図2に示すように、上側ブラケット50の両端部分をそれぞれ構成している。一対の上側取付部54は、後述する下側ブラケット60の一対の下側取付部64にそれぞれ取り付けられる。一対の上側取付部54は、上側保持部53の両端からそれぞれ上側保持部53から離れる方向に水平に延びている。上側取付部54は、上側固定部(ブラケット固定部)56を有している。上側固定部56は、後述する下側ブラケット60の下側取付部64に、ボルト81およびナット82で固定される。上側固定部56には、貫通孔57が形成されている。貫通孔57には、ボルト81が挿通される。貫通孔57は、上側固定部56を厚み方向に貫通している。
【0025】
下側ブラケット60は、図2に示すように、一対の薄板61,62を備えている。薄板61,62は、板金加工された金属薄板(例えば鋼板など)である。薄板61は、薄板62上に積層されている。
【0026】
下側ブラケット60は、図2に示すように、下側保持部63と、一対の下側取付部64と、を備えている。下側保持部63は、センターピース90の外周面に接する部分である。下側保持部63は、センターピース90の外周面に対応して湾曲している。下側保持部63の内周面には、凸部65が形成されている。凸部65は、下側保持部63の内側に向かって突出している。凸部65は、下側保持部63の周方向に沿って形成されている。凸部65は、薄板61の一部によって構成されている。凸部65は、断面半円状である。
【0027】
一対の下側取付部64は、図2に示すように、下側ブラケット60の両端部分をそれぞれ構成している。一対の下側取付部64には、上側ブラケット50の一対の上側取付部54がそれぞれ取り付けられる。一対の下側取付部64は、フロアパネル12の一対の膨出部14にそれぞれ取り付けられる。一対の下側取付部64は、下側保持部63の両端からそれぞれ下側保持部63から離れる方向に水平に延びている。下側取付部64は、薄板62の一部によって構成されている。下側取付部64がフロアパネル12に取り付けられた状態で、下側取付部64の前後方向の中央部分が上方に突出している。尚、前後方向は、下側取付部64の延び方向および板厚方向に直交する方向である。
【0028】
下側取付部64は、図2に示すように、下側第1固定部(ブラケット固定部)66と、下側第2固定部(固定部、車両固定部)67と、を有している。下側第1固定部66は、上側ブラケット50の上側取付部54に、ボルト81およびナット82で固定される。下側第1固定部66には、貫通孔68が形成されている。貫通孔68には、ボルト81が挿通される。貫通孔68は、図4に示すように、薄板61,62にそれぞれ設けられる貫通孔68A,68Bによって構成されている。貫通孔68A,68Bは、それぞれ薄板61,62を厚み方向に貫通している。
【0029】
下側第2固定部67は、図4に示すように、フロアパネル12の膨出部14に、ボルト83およびナット84で固定される。下側第2固定部67には、貫通孔69が形成されている。貫通孔69には、ボルト83が挿通される。貫通孔69は、下側第2固定部67を厚み方向に貫通している。
【0030】
下側取付部64は、図2に示すように、離脱可能部70を具備している。離脱可能部70は、例えば、下側取付部64において下側第2固定部67と同程度の範囲を占める部分である。なお、離脱可能部70は、下側取付部64の全体や、下側第2固定部67よりも小さい範囲を占める部分であってもよい。離脱可能部70は、一定の荷重が作用したときに破断することで、フロアパネル12からブラケット40を外れさせるように機能する。離脱可能部70には、図3に示すように、破断可能部70Aが含まれている。破断可能部70Aは、一定の荷重が作用したときに亀裂が入る部分である。破断可能部70Aは、例えば、離脱可能部70において貫通孔69から前方(図3の右方向)に延びる部分である。なお、破断可能部70Aの位置は、このような位置に限らない。例えば、離脱可能部70において貫通孔69から後方(図3の左方向)等に延びる部分であってもよい。例えば、圧力容器20からセンターピース90を介してブラケット40に一定の荷重が加わり、ボルト83がフロアパネル12に固定されたままの状態であり、貫通孔69を起点にして破断可能部70Aに亀裂が生じる。これにより、離脱可能部70は、破断可能部70Aを境に下側第1固定部66側と下側第2固定部67側とに分断する。そのため、ブラケット40の容器保持部42側の部分がフロアパネル12から離れることになる。
【0031】
離脱可能部70には、図2に示すように、切欠部72が形成されている。切欠部72は、図3に示すように、車両1の走行方向に対して横向き(左右方向)に切り欠かれている。切欠部72は、下側第2固定部67の前後方向(図3における左右方向)の中央部分に形成されている。切欠部72は、貫通孔69に連なっている。切欠部72は、下側第2固定部67の外側端部(図3における上下方向外側の端部)で、外側に開放されている。切欠部72の前後方向の幅は、例えば貫通孔69の前後方向の幅よりも小さい。切欠部72の前後方向の幅は、例えば貫通孔68の前後方向の幅と同程度である。
【0032】
以下の説明は、ブラケット40を用いた圧力容器20のフロアパネル12への取り付け手順である。下側ブラケット60は、図4に示すように、センターピース90に下側から組み付けられる。下側ブラケット60の凸部65は、図5に示すように、センターピース90の凹部92に下側から嵌まる。上側ブラケット50は、図4に示すように、センターピース90に上側から組み付けられる。上側ブラケット50の凸部55は、図5に示すように、センターピース90の凹部92に上側から嵌まる。ボルト81は、図4に示すように、上側固定部56の貫通孔57、および下側第1固定部66の貫通孔68に挿通される。ナット82は、貫通孔57および貫通孔68に挿通されたボルト81に組み付けられる。上側ブラケット50および下側ブラケット60は、センターピース90の外周を取り囲むように配置され、センターピース90を挟み込んで保持する。センターピース90には、圧力容器20の口金部23が挿通する。これにより、圧力容器20の口金部23は、センターピース90を介してブラケット40に保持される。
【0033】
センターピース90に組み付けられたブラケット40は、図4に示すように、フロアパネル12に取り付けられる。ブラケット40の一対の取付部44は、一対の膨出部14にそれぞれ下方から接触する。ボルト83は、下側第2固定部67の貫通孔69、および膨出部14の貫通孔16に挿通される。ナット84は、貫通孔69および貫通孔16に挿通されたボルト83に組み付けられる。これにより、ブラケット40の一対の取付部44は、一対の膨出部14に取り付けられる。図1に示すように、圧力容器20の長手方向は、車両1の走行方向(前後方向)に沿っている。一対の上側固定部56は、図4に示すように、圧力容器20の口金部23を挟んで左右方向(車両1の走行方向と交差する横方向)に離間して配置される。一対の下側第1固定部66は、圧力容器20の口金部23を挟んで左右方向に離間して配置される。一対の下側第2固定部67は、圧力容器20の口金部23を挟んで一対の下側第1固定部66の外側で、左右方向に離間して配置される。
【0034】
以上のように構成されるブラケット40は、圧力容器20に加わる通常域の衝撃(例えば通常の急発進や急停車時の衝撃)では、離脱可能部70が破断することなく圧力容器20を車両1に対して安定して保持することができる。一方で、ブラケット40は、圧力容器20に過大な衝撃が加わる場合、離脱可能部70が破断することで、圧力容器20の破損を防止することができる。例えば、車両1が前方衝突した場合、剛性の高い圧力容器20は変形することなく、車両1の前端側が変形して圧力容器20に対して全体的に前方に移動する。また、ボルト83は、フロアパネル12に固定されたままの状態であるため、破断可能部70Aを破断して圧力容器20に対して前方に移動する。各離脱可能部70は、貫通孔69を起点にして破断可能部70Aに亀裂が生じ、破断可能部70Aを境に下側第1固定部66側と下側第2固定部67側とに分断する。これにより、ブラケット40の容器保持部42側の部分がフロアパネル12から離れる。なお、ボルト83が貫通孔69から切欠部72を介して抜け出ていくことで、ブラケット40が車両1から外れてもよい。また、ブラケット40の両端のいずれか一方のみが車両1から外れてもよい。
【0035】
以下、本実施例1の効果について説明する。車両1が衝突した場合や過大な急減速を行った場合には、圧力容器20の口金部23とブラケット40との接触部分に大きな荷重がかかる。このとき、ブラケット40側からの反力によって圧力容器20が変形する虞があるため、その対策として、ブラケット40に離脱可能部70を設けた。圧力容器20に一定の荷重が作用すると、離脱可能部70によってブラケット40が車両1から外れるので、圧力容器20は、ブラケット40とともに車両1に対して前後方向へ相対移動することができる。これにより、圧力容器20の口金部23への荷重が軽減される。
【0036】
また、ブラケット40は、板金加工された金属薄板によって構成されている。そのため、ブラケット40は、鍛造加工によって形成される構成に比べて、コストの低減を図ることができる。また、ブラケット40は、重量を低減することができる。
【0037】
また、離脱可能部70は、車両1の走行方向に対して横向きに切り欠かれた切欠部72が設けられている。切欠部72が車両1の走行方向に沿って切り欠かれる構成では、圧力容器20からの荷重によって離脱可能部70が過度に離脱し易くなるおそれがある。しかしながら、離脱可能部70は、車両1の走行方向に対して横向きに切り欠かれる構成とすることで、適当な強度を保ちつつ、圧力容器20からの荷重によって適度に離脱し易い構成とすることができる。
【0038】
<実施例2>
以下、実施例2を図6を参照して説明する。実施例2は、上側ブラケット50の上側取付部54に上側第2固定部が設けられている点が実施例1と異なっている。尚、以下の説明において、実施例1と同様の構成については、実施例1と同様の符号を付して説明を省略する。
【0039】
ブラケット40は、図6に示すように、圧力容器20の口金部23を上下方向から挟むように保持する上側ブラケット50および下側ブラケット60を有している。上側ブラケット50は、上側保持部53と、一対の上側取付部54と、を備えている。上側取付部54は、上側固定部56と、上側第2固定部(固定部、車両固定部)258と、を備えている。上側固定部56は、下側ブラケット60に対してボルト81で固定される。上側第2固定部258は、車両1に対してボルト83で固定される。上側第2固定部258は、フロアパネル12の膨出部14に、ボルト83およびナット84で、下側第2固定部67に対して共締めされる。上側第2固定部258には、貫通孔259が形成されている。貫通孔259には、ボルト83が挿通される。貫通孔259は、上側第2固定部258を厚み方向に貫通している。
【0040】
ブラケット40は、図6に示すように、離脱可能部270を備えている。離脱可能部270は、第1部分(実施例1の離脱可能部70に相当)270Aと、第2部分270Bと、を有している。第2部分270Bは、例えば、上側取付部54において上側第2固定部258と同程度の範囲を占める部分である。なお、第2部分270Bは、上側取付部54の全体や、上側第2固定部258よりも小さい範囲を占める部分であってもよい。第2部分270Bは、第1部分270Aと同様に、一定の荷重で破断することで、フロアパネル12からブラケット40を外れさせるように機能する。離脱可能部270には、破断可能部270Cが含まれている。破断可能部270Cは、一定の荷重が作用したときに亀裂が入る部分である。破断可能部270Cは、例えば、離脱可能部270において貫通孔69および貫通孔259から前方(図6の右方向)に延びる部分である。例えば、圧力容器20からセンターピース90を介してブラケット40に一定の荷重が加わり、貫通孔69および貫通孔259を起点にして破断可能部270Cに亀裂が生じる。これにより、離脱可能部270(第1部分270Aおよび第2部分270B)は、破断可能部270Cを境に容器保持部42側と取付部44側とに分断する。そのため、ブラケット40の容器保持部42側の部分がフロアパネル12から離れることになる。
【0041】
第2部分270Bには、図6に示すように、切欠部258Aが形成されている。切欠部258Aは、切欠部72と同様に、車両1の走行方向に対して横向き(左右方向)に切り欠かれている。切欠部258Aは、上側第2固定部258の前後方向(図6における左右方向)の中央部分に形成されている。切欠部258Aは、貫通孔259に連なっている。切欠部258Aは、上側第2固定部258の外側端部(図6における上下方向外側の端部)で、外側に開放されている。切欠部258Aの前後方向の幅は、貫通孔259の前後方向の幅よりも小さい。切欠部258Aの前後方向の幅は、貫通孔57の前後方向の幅と同程度である。
【0042】
ボルト83は、下側第2固定部67の貫通孔69、上側第2固定部258の貫通孔259、および膨出部14の貫通孔16に挿通される。ナット84は、貫通孔69、貫通孔259、および貫通孔16に挿通されたボルト83に組み付けられる。これにより、ブラケット40の一対の取付部44は、一対の膨出部14に取り付けられる。一対の上側固定部56は、圧力容器20の口金部23を挟んで左右方向(車両1の走行方向と交差する横方向)に離間して配置される。一対の上側第2固定部258は、圧力容器20の口金部23を挟んで左右方向に離間して配置される。
【0043】
本実施例2のブラケット40は、上側ブラケット50は、車両1に対してボルト83で固定される一対の上側第2固定部(車両固定部)258を具備している。一対の上側第2固定部258は、圧力容器20の口金部23を挟んで車両1の走行方向に対して交差する横方向(左右方向)に離間して配置される。上側ブラケット50および下側ブラケット60のうち一方のみが車両固定部を具備する構成では、他方のブラケットがブラケット固定部を起点に一方のブラケットに対して回転するおそれがある。そこで、上側ブラケット50および下側ブラケット60の両方が車両固定部を具備することで、両ブラケット50,60を一体化させてブラケット40の強度が低下することを防ぐことができる。
【0044】
<実施例3>
以下、実施例3を図7を参照して説明する。実施例3において、下側ブラケット60の下側取付部64にスリット364Aが設けられている点が実施例2と異なっている。尚、以下の説明において、実施例2と同様の構成については、実施例2と同様の符号を付して説明を省略する。
【0045】
図7に示すように、ブラケット40において、下側第2固定部67と容器保持部42との間にスリット364Aが設けられている。具体的には、下側取付部64において、下側第1固定部66と下側第2固定部67との間に一対のスリット364Aが設けられている。スリット364Aは、ブラケット40がフロアパネル12に組み付けられた状態で、車両1の走行方向(前後方向)に沿って切り欠かれている。一対のスリット364Aは、下側取付部64の前後方向(図7における左右方向)の両端部からそれぞれ内側に向かって延びている。上側取付部54は、前後方向において、一対のスリット364Aの間に位置している。スリット364Aの左右方向(図7における上下方向)の幅は、例えば切欠部258Aの前後方向の幅と同程度である。
【0046】
離脱可能部270には、図7に示すように、破断可能部270D,270Eが含まれている。破断可能部270D,270Eは、一定の荷重が作用したときに亀裂が入る部分である。破断可能部270Dは、例えば、離脱可能部270において貫通孔69および貫通孔259から前側(図7の右側)のスリット364Aの先端まで延びる部分である。破断可能部270Eは、例えば、離脱可能部270において左右に並ぶ一対のスリット364Aの間の部分である。例えば、圧力容器20からセンターピース90を介してブラケット40に一定の荷重が加わり、貫通孔69および貫通孔259を起点にして破断可能部270Dに亀裂が生じる。あるいは、スリット364Aを起点にして破断可能部270Eに亀裂が生じる。離脱可能部270(第1部分270Aおよび第2部分270B)は、破断可能部270Cまたは破断可能部270Cを境に容器保持部42側と取付部44側とに分断する。そのため、ブラケット40の容器保持部42側の部分がフロアパネル12から離れることになる。
【0047】
本実施例3のブラケット40において、下側第2固定部67と容器保持部42との間にスリット364Aが設けられている。このような構成では、ブラケット40は、スリット364Aを起点にして破断し易くなる。ブラケット40がスリット364Aを起点にして破断することで、下側第2固定部67と容器保持部42とを分断することができる。
【0048】
<実施例4>
以下、実施例4を図8を参照して説明する。実施例4は、ブラケット440が鍛造加工および切削加工によって形成される点が実施例1と異なっている。尚、以下の説明において、実施例1と同様の構成については、実施例1と同様の符号を付して説明を省略する。
【0049】
ブラケット440は、図8に示すように、上側ブラケット450と、下側ブラケット460と、を有している。上側ブラケット450および下側ブラケット460は、鍛造加工および切削加工によって形成されている。ブラケット440は、容器保持部442と、取付部444と、を有している。
【0050】
上側ブラケット450は、図8に示すように、上側保持部453と、一対の上側取付部454と、を備えている。上側保持部453は、センターピース90の外周面に接する部分である。上側保持部453は、センターピース90の外周面に対応して湾曲している。上側保持部453の内周面には、凸部455が形成されている。凸部455は、上側保持部453の内側に向かって突出している。凸部455は、上側保持部453の周方向に沿って形成されている。凸部55の周方向に直交する断面は、矩形状である。
【0051】
一対の上側取付部454は、図8に示すように、上側ブラケット450の両端部分をそれぞれ構成している。一対の上側取付部454は、後述する下側ブラケット460の一対の下側取付部464にそれぞれ取り付けられる。一対の上側取付部454は、上側保持部453の両端からそれぞれ上側保持部453から離れる方向に延びている。上側取付部454は、上側固定部(ブラケット固定部)456を有している。上側固定部456は、後述する下側ブラケット460の下側取付部464に、ボルト81(図4参照)およびナット82(図4参照)で固定される。上側固定部456には、貫通孔457が形成されている。貫通孔457には、ボルト81が挿通される。貫通孔457は、上側固定部456を厚み方向に貫通している。
【0052】
下側ブラケット460は、図8に示すように、下側保持部463と、一対の下側取付部464と、を備えている。下側保持部463は、センターピース90の外周面に接する部分である。下側保持部463は、センターピース90の外周面に対応して湾曲している。下側保持部463の内周面は、凸部465が形成されている。凸部465は、下側保持部463の内側に向かって突出している。凸部465は、下側保持部463の周方向に沿って形成されている。凸部465の周方向に直交する断面は、矩形状である。
【0053】
一対の下側取付部464は、図8に示すように、下側ブラケット460の両端部分をそれぞれ構成している。一対の下側取付部464は、下側保持部463の両端からそれぞれ下側保持部463から離れる方向に延びている。下側取付部464は、下側第1固定部(ブラケット固定部)466と、下側第2固定部(車両固定部)467と、を有している。下側第1固定部466は、上側ブラケット450の上側取付部454に、ボルト81およびナット82で固定される。下側第1固定部466には、貫通孔468が形成されている。貫通孔468には、ボルト81が挿通される。貫通孔468は、下側第1固定部466の板厚方向に貫通している。
【0054】
下側第2固定部467は、フロアパネル12の膨出部14に、ボルト83(図4参照)およびナット84(図4参照)で固定される。下側第2固定部467は、下側第1固定部466に対して段差を介して高位置(図8で上方位置)になっている。下側第2固定部467には、貫通孔469が形成されている。貫通孔469には、ボルト83が挿通される。貫通孔469は、下側第2固定部467を厚み方向に貫通している。
【0055】
下側取付部464は、図8に示すように、離脱可能部470を具備している。離脱可能部470は、例えば、下側取付部464において下側第2固定部467と同程度の範囲を占める部分である。なお、離脱可能部470は、下側取付部464の全体や、下側第2固定部467よりも小さい範囲を占める部分であってもよい。離脱可能部470には、実施例1の破断可能部70Aと同様の構成の破断可能部が含まれている。離脱可能部470は、一定の荷重で破断することで、フロアパネル12からブラケット440を外れさせるように機能する。例えば、圧力容器20からセンターピース90を介してブラケット440に一定の荷重が加わり、離脱可能部470が下側第1固定部466側と下側第2固定部467側とに分断する。これにより、ブラケット440の容器保持部442側の部分がフロアパネル12から離れることになる。
【0056】
離脱可能部470には、図8に示すように、切欠部472が形成されている。切欠部472は、車両1の走行方向(前後方向)に沿って切り欠かれている。切欠部472は、下側第2固定部467の前後方向の後側部分に形成されている。切欠部472は、貫通孔469に連なっている。切欠部472は、下側第2固定部467の外側(前側)端部(図8では後側の端部)で、外側に開放されている。切欠部472の左右方向の幅は、例えば貫通孔469の左右方向の幅よりも小さい。切欠部472の左右方向の幅は、例えば貫通孔468の左右方向の幅と同程度である。
【0057】
本実施例4のブラケット440は、一定の荷重で破断することで車両1からブラケット440を外れさせる離脱可能部470を具備している。そのため、ブラケット440は、車両1に対して圧力容器20とともに前後方向へ移動することができ、圧力容器20の口金部23がブラケット440から大きな荷重を受けることがなく、圧力容器20に加わる荷重を低減することができる。
【0058】
また、ブラケット440は、鍛造加工および切削加工によって形成されているため、剛性を向上させることができる。その上で、ブラケット440は、離脱可能部470に切欠部472を設けることで、圧力容器20からの荷重によって適度に破断し易い構成とすることができる。
【0059】
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例1~4では、ブラケット40,440は、上側ブラケットと下側ブラケットとに分かれていたが、一体的に構成されていてもよい。
(2)上記実施例1~4では、下側第2固定部は、フロアパネル12にボルトで固定されていたが、溶接で固定されていてもよい。また、下側第2固定部は、フロアパネル12に引っ掛けられて固定されていてもよい。
(3)上記実施例1~4では、圧力容器20は、口金部23が車両1の後方側を向くように車両1に取り付けられていたが、口金部23が車両1の前方側を向くように車両1に取り付けられていてもよい。また、圧力容器20の口金部23とは反対側の頂部(第2口金部という)にもブラケット40と同様のブラケットを設けて、両ブラケットが前後方向で並ぶように圧力容器20を車両1に取り付けてもよい。
(4)上記実施例1~4では、一方の離脱可能部に1つの切欠部が形成されていたが、2つ以上の切欠部が形成されていてもよい。
(5)上記実施例1~4では、離脱可能部は、切欠部を有していたが、その他の構成によって破断し易くなる構成であってもよい。例えば、離脱可能部は、板厚の薄い部分を有していたり、1つ又は複数の孔を有していてもよい。
(6)上記実施例1~3では、切欠部は、車両1の走行方向(前後方向)に対して横向き(左右方向)に切り欠かれていたが、その他の方向に切り欠かれていてもよい。例えば、切欠部は、車両1の走行方向に沿う方向や、走行方向および横向きに対して傾斜する方向に切り欠かれていてもよい。
(7)上記実施例4では、切欠部472は、車両1の走行方向(前後方向)に沿って切り欠かれていたが、その他の方向に切り欠かれていてもよい。例えば、切欠部は、車両1の走行方向に対して横向き(左右方向)に切り欠かれていてもよい。
(8)上記実施例1,4では、ブラケット40に、上記実施例3と同様の構成のスリットが設けられていてもよい。
(9)上記実施例2では、上側ブラケット50および下側ブラケット60において、一対の車両固定部の間に一対のブラケット固定部が設けられていたが、一対のブラケット固定部の間に一対の車両固定部が設けられていてもよい。
(10)上記実施例3では、スリット364Aが車両1の走行方向(前後方向)に沿う直線状であったが、形状はこれに限定されない。例えば、スリット364Aは、外側に向かってくさび状に拡がる形状であってもよい。また、スリット364Aの数は、限定されない。また、スリット364Aの代わりに、複数の孔が設けられていてもよい。
(11)上記実施例3では、下側取付部64にスリット364Aが設けられていたが、上側取付部54にもスリットが設けられていてもよい。例えば、上側取付部54は、スリット364Aと前後方向で重なるように、スリット364Aと同様の構成のスリットが設けられていてもよい。
(12)上記実施例1~4において、取付部は、ボルトに限らず、溶接によって車体に固定されていてもよい。この場合、離脱可能部は、溶接部位と容器保持部との間に形成すればよい。
【符号の説明】
【0060】
1…車両
20…圧力容器
22…タンク本体
23…口金部
40,440…ブラケット
42,442…容器保持部
44,444…取付部
50,450…上側ブラケット
56,456…上側固定部(ブラケット固定部)
60,460…下側ブラケット
66,466…下側第1固定部(ブラケット固定部)
67,467…下側第2固定部(固定部、車両固定部)
70,270,470…離脱可能部
72,258A,472…切欠部
258…上側第2固定部(固定部、車両固定部)
364A…スリット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8