(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-08
(45)【発行日】2024-08-19
(54)【発明の名称】ポイント管理装置、ポイント管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0207 20230101AFI20240809BHJP
G06Q 10/105 20230101ALI20240809BHJP
【FI】
G06Q30/0207
G06Q10/105
(21)【出願番号】P 2020177472
(22)【出願日】2020-10-22
【審査請求日】2023-08-21
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)https://asiansmileclub.com/(掲載日:令和1年11月1日) (2)https://asiansmileclub.com/point_asc(掲載日:令和1年12月1日) (3)https://asiansmileclub.com/xmas/(掲載日:令和1年12月22日) (4)https://asiansmileclub.com/newyear/(掲載日:令和2年1月5日) (5)https://asiansmileclub.com/jdream/(掲載日:令和2年2月1日) (6)https://tsmile-tech.com/(掲載日:令和2年8月7日) (7)https://tsmile-tech.com/about_points(掲載日:令和2年8月7日)(8)https://asiansmileclub.com/point_asc(掲載日:令和2年8月24日)
(73)【特許権者】
【識別番号】500473601
【氏名又は名称】株式会社テクノスマイル
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】馬見塚 讓
【審査官】前田 侑香
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-200700(JP,A)
【文献】特開2020-086798(JP,A)
【文献】特開2018-124944(JP,A)
【文献】特開2001-297211(JP,A)
【文献】特開2003-076889(JP,A)
【文献】特開2017-228124(JP,A)
【文献】特開2004-037562(JP,A)
【文献】特開2006-146540(JP,A)
【文献】“Yahoo!知恵袋”,[online],日本,2016年12月09日,[2024年5月20日検索],インターネット<URL:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10167776745>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
求人情報を提供するサービスの利用を申し込んだ求職者を登録者として登録する登録部と、
ポイントが付与された履歴と前記ポイントが換金された履歴とを示す情報が従業員ごとに登録されたデータベースを記憶する記憶部と、
前記求職者による前記サービスの利用の申込みに応じて、又は前記登録者による前記サービスを利用した企業への入社の決定に応じて、前記登録者に入社前ポイントを付与するポイント付与部と、
前記登録者の入社日を取得する情報取得部と、
前記情報取得部が取得した前記入社日に基づいて、前記登録者が前記サービスを利用して入社が決定した企業での就業を開始してから第1所定期間が経過した
と判定した後に、前記ポイント付与部が前記登録者に付与した前記入社前ポイントの一部又は全部
に相当する金銭を前記登録者の銀行口座に振り込むための換金処理を可能にするポイント管理部と、
を有
し、
前記ポイント付与部は、前記登録者が前記企業に入社した時点で前記企業において勤務している既存勤務者に対して、既存勤務ポイントを付与した履歴を前記データベースに登録することにより既存勤務ポイントを付与し、
前記ポイント管理部は、前記既存勤務者が前記既存勤務ポイントを付与されてから前記第1所定期間よりも短い期間が経過した後に、前記既存勤務ポイントを前記登録者の銀行口座に振り込むための換金処理を可能にする、
ポイント管理装置。
【請求項2】
前記ポイント管理部は、前記登録者が就業を開始してから前記第1所定期間が経過した後に、前記登録者から換金の要求を受けた場合に、前記入社前ポイントに対応する換金額を出力する、
請求項1に記載のポイント管理装置。
【請求項3】
前記ポイント管理部は、前記登録者が就業を開始してから経過した期間の長さに応じて、前記入社前ポイントを換金可能な上限額を決定する、
請求項1又は2に記載のポイント管理装置。
【請求項4】
前記ポイント管理部は、前記登録者が就業を開始してから経過した期間が長くなればなるほど、前記上限額を大きくする、
請求項3に記載のポイント管理装置。
【請求項5】
前記ポイント管理部は、前記登録者が就業を開始してから一定期間が経過するたびに、一定額以内の範囲で前記入社前ポイントを換金可能とする、
請求項1から4のいずれか一項に記載のポイント管理装置。
【請求項6】
前記ポイント付与部は、前記登録者が前記企業で勤務を開始してから一定の期間が経過するたびに勤続ポイントを付与し、
前記ポイント管理部は、前記勤続ポイントが前記登録者に付与されてから第2所定期間が経過した後に、前記勤続ポイントを換金可能にする、
請求項1から5のいずれか一項に記載のポイント管理装置。
【請求項7】
前記登録部は、前記サービスを求職者に紹介した紹介者をさらに登録し、
前記ポイント付与部は、当該求職者による前記サービスの利用の申込みに応じて、又は当該求職者による前記サービスを利用した企業への入社の決定に応じて、前記紹介者に紹介ポイントを付与し、
前記ポイント管理部は、当該求職者が前記サービスを利用して入社が決定した企業での就業を開始してから所定の期間が経過した後に、前記ポイント付与部が前記紹介者に付与した前記紹介ポイントを換金可能にする、
請求項1から6のいずれか一項に記載のポイント管理装置。
【請求項8】
前記ポイント付与部は、前記企業で就業した前記登録者の前記企業の退職に応じて退職ポイントを付与し、
前記ポイント管理部は、前記退職ポイントを付与された前記登録者が前記企業への再度の入社が決定した後に、前記退職ポイントを換金可能にする、
請求項1から7のいずれか一項に記載のポイント管理装置。
【請求項9】
前記ポイント管理部は、前記登録者が前記入社前ポイントを使って研修を受けた場合に、前記登録者が受けた研修の内容又は回数の少なくともいずれかに対応して定められる数の前記入社前ポイントを換金対象から除外する、
請求項1から
8のいずれか一項に記載のポイント管理装置。
【請求項10】
前記ポイント付与部は、前記登録者が前記入社前ポイントを使って研修を受けた場合に、研修の結果に応じた研修ポイントを付与する、
請求項1から
9のいずれか一項に記載のポイント管理装置。
【請求項11】
前記ポイント管理部は、前記登録者が派遣先企業に転職することが決まった場合に、前記入社前ポイントを換金可能にする、
請求項1から
10のいずれか一項に記載のポイント管理装置。
【請求項12】
コンピュータが実行する、
求人情報を提供するサービスの利用を申し込んだ求職者を登録者として登録するステップと、
前記登録者による前記サービスの利用の申込みに応じて、又は前記登録者による前記サービスを利用した企業への入社の決定に応じて、前記登録者に入社前ポイントを付与するステップと、
前記登録者の入社日を取得するステップと、
取得した前記入社日に基づいて、前記登録者が前記サービスを利用して入社が決定した企業での就業を開始してから第1所定期間が経過した
と判定した後に、前記登録者に付与した前記入社前ポイントの一部又は全部
に相当する金銭を前記登録者の銀行口座に振り込むための換金処理を可能にするステップと、
前記登録者が前記企業に入社した時点で前記企業において勤務している既存勤務者に対して、既存勤務ポイントを付与した履歴を、ポイントが付与された履歴と前記ポイントが換金された履歴とを示す情報が従業員ごとに登録されたデータベースに登録することにより既存勤務ポイントを付与するステップと、
前記既存勤務者が前記既存勤務ポイントを付与されてから前記第1所定期間よりも短い期間が経過した後に、前記既存勤務ポイントを前記登録者の銀行口座に振り込むための換金処理を可能にするステップと、
を有するポイント管理方法。
【請求項13】
コンピュータに、
求人情報を提供するサービスの利用を申し込んだ求職者を登録者として登録するステップと、
前記登録者による前記サービスの利用の申込みに応じて、又は前記登録者による前記サービスを利用した企業への入社の決定に応じて、前記登録者に入社前ポイントを付与するステップと、
前記登録者の入社日を取得するステップと、
取得した前記入社日に基づいて、前記登録者が前記サービスを利用して入社が決定した企業での就業を開始してから第1所定期間が経過した
と判定した後に、前記登録者に付与した前記入社前ポイントの一部又は全部
に相当する金銭を前記登録者の銀行口座に振り込むための換金処理を可能にするステップと、
前記登録者が前記企業に入社した時点で前記企業において勤務している既存勤務者に対して、既存勤務ポイントを付与した履歴を、ポイントが付与された履歴と前記ポイントが換金された履歴とを示す情報が従業員ごとに登録されたデータベースに登録することにより既存勤務ポイントを付与するステップと、
前記既存勤務者が前記既存勤務ポイントを付与されてから前記第1所定期間よりも短い期間が経過した後に、前記既存勤務ポイントを前記登録者の銀行口座に振り込むための換金処理を可能にするステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポイントを管理するポイント管理装置、ポイント管理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、勤務実績に応じてポイントを付与するシステムが知られている。特許文献1には、勤務実績に応じたポイントを付与する企業を求職者に紹介する求職・求人サイトを提供するためのシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の求職・求人サイトを利用することで、求職者は、ポイントを付与する企業に就職した場合にポイントが付与されるので、ポイントを付与する企業に就職するように動機づけられる場合がある。しかしながら、他の求職・求人サイトを経由して同じ企業に就職した場合にもポイントを付与されるという場合には、求職者が他の求職・求人サイトを利用してしまうおそれがあるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、求職者が特定の求職・求人サイトを利用して就職しやすくし、求職者に対する利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様のポイント管理装置は、求人情報を提供するサービスの利用を申し込んだ求職者を登録者として登録する登録部と、前記求職者による前記サービスの利用の申込みに応じて、又は前記登録者による前記サービスを利用した企業への入社の決定に応じて、前記登録者に入社前ポイントを付与するポイント付与部と、前記登録者が前記サービスを利用して入社が決定した企業での就業を開始してから第1所定期間が経過した後に、前記ポイント付与部が前記登録者に付与した前記入社前ポイントの一部又は全部を換金可能にするポイント管理部と、を有する。
【0007】
前記ポイント管理部は、前記登録者が就業を開始してから前記第1所定期間が経過した後に、前記登録者から換金の要求を受けた場合に、前記入社前ポイントに対応する換金額を出力してもよい。
【0008】
前記ポイント管理部は、前記登録者が就業を開始してから経過した期間の長さに応じて、前記入社前ポイントを換金可能な上限額を決定してもよい。
【0009】
前記ポイント管理部は、前記登録者が就業を開始してから経過した期間が長くなればなるほど、前記上限額を大きくしてもよい。
【0010】
前記ポイント管理部は、前記登録者が就業を開始してから一定期間が経過するたびに、一定額以内の範囲で前記入社前ポイントを換金可能としてもよい。
【0011】
前記ポイント付与部は、前記登録者が前記企業で勤務を開始してから一定の期間が経過するたびに勤続ポイントを付与し、前記ポイント管理部は、前記勤続ポイントが前記登録者に付与されてから第2所定期間が経過した後に、前記勤続ポイントを換金可能にしてもよい。
【0012】
前記登録部は、前記サービスを求職者に紹介した紹介者をさらに登録し、前記ポイント付与部は、当該求職者による前記サービスの利用の申込みに応じて、又は当該求職者による前記サービスを利用した企業への入社の決定に応じて、前記紹介者に紹介ポイントを付与し、前記ポイント管理部は、当該求職者が前記サービスを利用して入社が決定した企業での就業を開始してから所定の期間が経過した後に、前記ポイント付与部が前記紹介者に付与した前記紹介ポイントを換金可能にしてもよい。
【0013】
前記ポイント付与部は、前記企業で就業した前記登録者の前記企業の退職に応じて退職ポイントを付与し、前記ポイント管理部は、前記退職ポイントを付与された前記登録者が前記企業への再度の入社が決定した後に、前記退職ポイントを換金可能にしてもよい。
【0014】
前記ポイント付与部は、前記登録者が前記企業に入社した時点で前記企業において勤務している既存勤務者に対して、既存勤務ポイントを付与し、前記ポイント管理部は、前記既存勤務者が前記既存勤務ポイントを付与されてから前記第1所定期間よりも短い期間が経過した後に前記既存勤務ポイントを換金可能にしてもよい。
【0015】
前記ポイント管理部は、前記登録者が前記入社前ポイントを使って研修を受けた場合に、前記登録者が受けた研修の内容又は回数の少なくともいずれかに対応して定められる数の前記入社前ポイントを換金対象から除外してもよい。
【0016】
前記ポイント付与部は、前記登録者が前記入社前ポイントを使って研修を受けた場合に、研修の結果に応じた研修ポイントを付与してもよい。そして、前記ポイント管理部は、前記登録者が派遣先企業に転職することが決まった場合に、前記入社前ポイントを換金可能にしてもよい。
【0017】
本発明の第2の態様のポイント管理方法は、コンピュータが実行する、求人情報を提供するサービスの利用を申し込んだ求職者を登録者として登録するステップと、前記登録者による前記サービスの利用の申込みに応じて、又は前記登録者による前記サービスを利用した企業への入社の決定に応じて、前記登録者に入社前ポイントを付与するステップと、前記登録者が前記サービスを利用して入社が決定した企業での就業を開始してから第1所定期間が経過した後に、前記登録者に付与した前記入社前ポイントの一部又は全部を換金可能にするステップと、を有する。
【0018】
本発明の第3の態様のプログラムは、コンピュータに、求人情報を提供するサービスの利用を申し込んだ求職者を登録者として登録するステップと、前記登録者による前記サービスの利用の申込みに応じて、又は前記登録者による前記サービスを利用した企業への入社の決定に応じて、前記登録者に入社前ポイントを付与するステップと、前記登録者が前記サービスを利用して入社が決定した企業での就業を開始してから第1所定期間が経過した後に、前記登録者に付与した前記入社前ポイントの一部又は全部を換金可能にするステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、求職者が特定の求職・求人サイトを利用して就職しやすくなるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】ポイント管理装置1を利用して提供されるポイント付与サービスの概要を説明するための図である。
【
図2】ポイント付与サービスを提供するためのポイント管理システムSの構成を示す図である。
【
図5】登録者データベースに登録されたポイント付与と換金の履歴の一例を示す図である。
【
図6】ポイント管理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[ポイント付与サービスの概要]
図1は、ポイント管理装置1を利用して提供されるポイント付与サービスの概要を説明するための図である。ポイント付与サービスは、求職者と、求人をしている企業(以下、「求人企業」という)とをマッチングさせるための求職・求人サイトに登録した人に対してポイントを付与するサービスである。ポイント付与サービスは、例えば、求職・求人サイトを運営する事業者により提供される。ポイント付与サービスは、求職・求人サイトを運営する事業者と求人企業とが連携することにより提供されてもよい。
【0022】
求職者は、企業での就業を希望している人である。求職者の属性は任意であるが、例えば、エンジニア、生産スタッフ、海外人材、スーパーキャリア人材、アルバイト、パート、又はシニア人材である。スーパーキャリア人材は、資格を有する専門職や特殊なスキルの保有者である。求職・求人サイトは、例えば、求人企業が求人情報を登録し、求職・求人サイトに登録した求職者が求人情報を閲覧することができるウェブサイトである。求職者は、求職・求人サイトを閲覧できるようにするために、氏名、連絡先、経歴及び希望職種等を含む求職者情報を登録する。求職者が求職者情報を登録すると、求職者は、所定のログインID及びパスワードを入力することにより、求職・求人サイトに掲載された求人情報を閲覧することができるようになる。
【0023】
求職者が求職・求人サイトに求職者情報を登録すると、ポイント管理装置1は求職者を登録者として登録し、登録した求職者に対してポイントが付与される。ポイントには、求職者が求人企業に入社してから所定の条件が満たされた場合に金銭に交換することができる価値が与えられている。このポイントは、ポイント管理装置1により管理されている。具体的には、ポイント管理装置1は、求職・求人サイトに登録した求職者を識別するための登録者識別情報(以下、「登録者ID」という)に関連付けて、登録者に付与されたポイントの数、及び登録者が換金したポイントの数を管理する。
【0024】
求職・求人サイトを閲覧した求職者が、他の求職・求人サイトや人材紹介会社を経由して求人企業に入社してしまうと、求職・求人サイトを運営する事業者の収益につながらない。そこで、本実施形態に係るポイント管理装置1は、求職者が求人企業に入社した後にポイントが換金可能になるように、求職者に付与したポイントを管理する。
【0025】
また、求職・求人サイトを介して求人企業に入社した求職者が短期間で退社してしまうと、求人企業にとっても、求職・求人サイトを運営する事業者(人材紹介事業者)にとっても損失である。そこで、本実施形態に係るポイント管理装置1は、求職者が求人企業に入社してからの在籍期間に応じてさらにポイントを付与したり、所定の在籍期間が経過するたびに換金可能な額を増やしたりする。なお、ポイント管理装置1は、求職者にポイントを付与するだけでなく、求人企業の従業員にもポイントを付与し、求職者及び従業員等の登録者に付与したポイントを管理してもよい。
【0026】
求職者は、求職・求人サイトを介して、ポイント管理装置1が管理するポイントの数を確認することができる。また、求職者が求人企業に入社した後には、求人企業も、求職・求人サイトを介して、求職者に付与されたポイントの数を確認することができる。ポイント付与サービスにおいては、求人企業がポイント管理装置1に直接アクセスしてポイントの数を確認することができるようにされていてもよい。
【0027】
図2は、ポイント付与サービスを提供するためのポイント管理システムSの構成を示す図である。ポイント管理システムSは、ポイント管理装置1と、求職・求人サイト求職・求人登録サーバ2と、複数の情報端末3と、複数の企業端末4と、を備える。
【0028】
ポイント管理装置1は、ネットワークN(例えばインターネット)を介して、求職・求人サイト求職・求人登録サーバ2、情報端末3及び企業端末4との間でデータを送受信するコンピュータである。ポイント管理装置1は、予め登録された求職者又は求人企業の従業員等の登録者に付与したポイントを管理する。ポイント管理システムSは、求人企業ごとに設けられた複数のポイント管理装置1を備えていてもよい。
【0029】
求職・求人サイト求職・求人登録サーバ2は、求職・求人サイトを提供するためのサーバである。求職・求人サイト求職・求人登録サーバ2は、求人企業から提供された求人情報を記憶し、求人情報を求職者が閲覧することができるように情報端末3に送信する。求職・求人サイト求職・求人登録サーバ2は、求職者が求職・求人サイトに登録すると、登録した求職者を識別するための情報である登録者識別情報(以下、「登録者ID」という)とともに、求職者が登録されたことをポイント管理装置1に通知する。また、求職・求人サイト求職・求人登録サーバ2は、求職者又は求人企業から、求職者が求人企業に入社したという通知を受けると、求職者が入社したことをポイント管理装置1に通知する。
【0030】
情報端末3は、登録者が個人で使用する端末であり、例えばスマートフォン、タブレット又はコンピュータである。求職中の登録者は、情報端末3を用いて求職・求人サイトに掲載された求人情報を閲覧する。また、登録者は、情報端末3を用いて、自身に付与されたポイント数を確認することもできる。情報端末3は、登録者が自身に付与されたポイント数を確認するための操作を行うと、登録者IDとともに、ポイント数を要求するメッセージをポイント管理装置1に送信する。情報端末3は、ポイント管理装置1から受信したポイント数を表示する。
【0031】
企業端末4は、求人企業の従業員(求人企業に入社した後の求職者を含む)又は管理者が使用する企業の端末であり、例えばコンピュータである。企業端末4は、スマートフォン又はタブレットであってもよい。企業端末4は、求職・求人サイトに求人情報を登録する操作を従業員が行うと、求人情報を求職・求人サイト求職・求人登録サーバ2に送信する。また、企業端末4は、ポイント管理装置1に登録されている従業員が自身に付与されたポイント数を確認するための操作を行うと、従業員の登録者IDとともに、ポイント数を要求するメッセージをポイント管理装置1に送信する。企業端末4は、ポイント管理装置1から受信したポイント数を表示する。労務管理をする管理者が企業端末4を使用する場合、企業端末4は、各従業員の入社日や退職日の入力を受け付けて、入社日及び退職日をポイント管理装置1に送信する。
【0032】
以上の構成により、ポイント管理システムSは、求職・求人サイトに登録した求職者にポイントを付与し、求職者が求人企業に入社する前に付与されたポイントを、入社前及び入社後に管理する。求職者は、自身に付与されたポイント数を把握し、入社後にポイント残高を確認したりポイントを換金したりすることができるので、登録した求職・求人サイトを介して求人企業に入社するように動機づけられる。
以下、ポイント管理装置1の構成及び動作を詳細に説明する。
【0033】
[ポイント管理装置1の構成]
図3は、ポイント管理装置1の構成を示す図である。ポイント管理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13と、を有する。制御部13は、情報取得部131と、登録部132と、ポイント付与部133と、ポイント管理部134と、を有する。
【0034】
通信部11は、ネットワークNを介して求職・求人サイト求職・求人登録サーバ2、情報端末3又は企業端末4との間でデータを送受信するための通信インターフェースを有する。通信部11は、例えば、求職者に関する情報を求職・求人サイト求職・求人登録サーバ2から受信する。また、通信部11は、求職者が使用する情報端末3及び従業員が使用する企業端末4から、ポイント数を確認するための要求を受信する。通信部11は、受信した情報を情報取得部131に通知する。
【0035】
また、通信部11は、ポイント管理部134から通知された、求職者又は従業員に付与されたポイント数を示す情報を情報端末3又は企業端末4に送信する。通信部11は、ポイント数を示す情報を求職・求人サイト求職・求人登録サーバ2に送信してもよい。この場合、求職者又は従業員は、求職・求人サイトにアクセスすることによりポイント数を確認することができる。
【0036】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びハードディスク等の記憶媒体を有する。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを記憶している。また、記憶部12は、ポイントを管理するために必要な各種の情報を記憶している。記憶部12は、例えば、ポイントを付与する条件に関する情報、及びポイントを換金することができる条件に関する情報を含むポイント規程情報を記憶している。
【0037】
また、記憶部12は、ポイント付与サービスに登録している求職者又は従業員等の登録者に関する情報が登録された登録者データベースを記憶している。登録者データベースには、登録者IDに関連付けて、登録者の氏名、連絡先、求職・求人サイトに登録された日、求職中であるかどうかのステータス、求人企業で勤務中であるかどうかのステータス、求人企業での就業開始日、ポイント付与履歴、ポイント換金履歴、ポイント残高等が登録されている。
【0038】
図4は、ポイント規程情報の一例を示す図である。ポイント規程情報は、ポイント付与部133がポイントを付与する際、及びポイント管理部134がポイントの換金処理を行う際に参照される。
【0039】
図4においては、各種のポイントそれぞれの名称と、付与される際のポイント数と、ポイントが付与される条件と、ポイントが換金可能な条件と、ポイントが付与される対象者と、が関連付けられている。ポイント付与の対象者の欄における〇はポイントが付与されることを示しており、×はポイントが付与されないことを示している。
【0040】
「登録ポイント」は、求職者が求職・求人サイトに登録した際に付与されるポイントである。「入社ポイント」は、求職・求人サイトに登録している求職者が求人企業に入社した際に付与されるポイントである。「既存スタッフポイント」は、ポイント付与サービスの提供が開始される前から求人企業に在籍していた従業員に付与されるポイントである。入社時にポイントが付与される新規の従業員との公平性を保つために、「既存スタッフポイント」が既存の従業員に付与される。
【0041】
「永年勤続ポイント」は、企業において一定の在籍期間が経過した時点で付与されるポイントである。「永年勤続ポイント」は、例えば所定の期間ごとに一定数のポイントが付与されてもよく、勤続年数が長くなればなるほど多くのポイントが付与されてもよい。
【0042】
「登録ポイント」、「入社ポイント」、「既存スタッフポイント」及び「永年勤続ポイント」は、求人企業における所定の在籍期間が経過した後に換金することができる。ポイントと換金後の額との関係は任意であるが、例えば1ポイントが1円に換金される。
【0043】
図4に示す例においては、長く勤務し続けるように従業員を動機づけるために、在籍期間ごとに換金が可能な額が定められている。具体的には、在籍期間が長くなればなるほど、一時に換金可能な額が増えるように設定されており、入社して6ヵ月が経過した時点で、50,000ポイントまでの換金が可能になり、入社して12カ月が経過した時点で、100,000ポイントまでの換金が可能になり、入社して24カ月が経過した時点で、150,000ポイントまでの換金が可能になる。入社して36か月が経過した時点で、換金可能なポイント数の制限がなくなり、従業員は、付与されているポイントの全てを換金することができる。
【0044】
「紹介ポイント」は、登録者である求職者又は従業員が、求職中の他の人(被紹介者)に求職・求人サイトを紹介し、被紹介者が求職・求人サイトに登録した際に紹介者に付与されるポイントである。「紹介入社ポイント」は、求職・求人サイトに登録した被紹介者が求人企業に入社した際に付与されるポイントである。「紹介ポイント」及び「紹介入社ポイント」は、被紹介者が求人企業に入社してから所定の期間(例えば1年間)在籍したことを条件として換金が可能になる。このように換金条件が設定されていることで、紹介者は、入社した被紹介者が長く勤務し続けるべくサポートするように動機づけられる。
【0045】
「退職ポイント」は、従業員が退職した際に付与されるポイントである。「退職ポイント」として付与されるポイントは、一定のポイント数であってもよく、勤続年数が長くなればなるほどポイント数が多くなってもよい。「退職ポイント」は、退職して所定の期間(例えば1ヵ月)が経過した後に付与される。そして、「退職ポイント」は、退職後に再度同じ企業に入社した場合に換金可能になる。このような「退職ポイント」が退職する従業員に付与されることで、退職した従業員は再度同じ企業に就職するように動機づけられるので、企業内で経験を積んだ貴重な人材に再度働いて欲しいという企業に好適である。
【0046】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)を有する。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、情報取得部131、登録部132、ポイント付与部133及びポイント管理部134として機能する。
【0047】
情報取得部131は、通信部11を介して各種のデータを取得する。通信部11は、求職・求人サイトに登録した求職者に関する情報を求職・求人サイト求職・求人登録サーバ2から取得し、取得した情報を登録部132に通知する。求職者に関する情報には、求職者の氏名、連絡先、求職・求人サイトに登録された日等の情報が含まれている。また、情報取得部131は、従業員の入社日及び退職日を企業端末4から取得する。情報取得部131は、入社日及び退職日を従業員IDに関連付けて記憶部12に記憶させる。情報取得部131は、従業員が入社したことを示す情報を取得した場合、当該情報をポイント付与部133に通知してもよい。
【0048】
また、情報取得部131は、登録者である求職者又は従業員が持っているポイント数を確認する要求を取得する。情報取得部131は、当該要求を取得したことをポイント管理部134に通知する。
【0049】
登録部132は、求人情報を提供するサービスの利用を申し込んだ求職者を登録者として登録する。具体的には、登録部132は、求職・求人サイトに登録した求職者に関する情報を情報取得部131を介して求職・求人サイト求職・求人登録サーバ2から取得すると、当該求職者の登録者IDに関連付けて、記憶部12が記憶している登録者データベースに、求職者に関する情報を登録する。
【0050】
登録部132は、求職・求人サイトで提供されているサービスを求職者に紹介した紹介者をさらに登録してもよい。登録部132は、紹介者に登録者IDを付与して、紹介者の氏名、連絡先、求職者に紹介した年月日、紹介した求職者の登録者IDを登録者データベースに登録する。
【0051】
ポイント付与部133は、
図4に示したポイント規程情報を参照することにより、ポイント付与サービスに登録している求職者及び従業員等の登録者に各種のポイントを付与する。ポイント付与部133は、登録者にポイントを付与した履歴を登録者データベースに登録する。
【0052】
ポイント管理部134は、ポイント規程情報が示す所定の条件を満たす場合に、登録者が付与されたポイントを換金可能にする。ポイント管理部134は、例えば、登録者からの要求に応じて、ポイントに相当する金銭を登録者の銀行口座に振り込むための処理を実行する。ポイント管理部134は、登録者が持っているポイントを換金した場合に、換金した履歴を登録者データベースに登録する。
【0053】
図5は、登録者データベースに登録されたポイント付与と換金の履歴の一例を示す図である。
図5は、ある登録者に関連付けられた履歴を示している。以下、
図5を参照しながら、ポイント付与部133及びポイント管理部134の動作を詳細に説明する。
【0054】
[ポイント付与部133の動作]
ポイント付与部133は、求職者によるサービスの利用の申込みに応じて、又は登録者(登録した求職者)によるサービスを利用した企業への入社の決定に応じて、登録者に入社前ポイントを付与する。入社前ポイントには、求職者が求職・求人サイトに登録した場合に付与される登録ポイントと、求職者が求人企業に入社した場合に付与される入社ポイントが含まれる。ポイント付与部133は、求職者の入社が決定した時点で入社ポイントを付与してもよく、求職者が入社した企業で勤務を開始した時点で入社ポイントを付与してもよい。また、ポイント付与部133は、求職者の入社が決定した時点、及び求職者が入社した企業で勤務を開始した時点の両方の時点で入社ポイントを付与してもよい。
【0055】
また、ポイント付与部133は、登録者が企業で勤務を開始してから一定の期間が経過するたびに勤続ポイントを付与する。
図5に示す例においては、求職者が企業で勤務を開始してから1年が経過するたびに勤続ポイントが付与されている。
【0056】
ポイント付与部133は、紹介者が求職・求人サイトを紹介した求職者によるサービスの利用の申込みに応じて、又は当該求職者によるサービスを利用した企業への入社の決定に応じて、紹介者に紹介ポイントを付与してもよい。
図5に示す例においては、既に求人企業で勤務している従業員が、被紹介者である求職者に対して求職・求人サイトを紹介し、2021年10月5日に被紹介者が求職・求人サイトに登録したことにより、紹介ポイントが付与されている。そして、2022年4月1日に被紹介者が求人企業に入社したことにより、紹介入社ポイントが付与されている。
【0057】
図5に示す例においては、求人企業で勤務している従業員が紹介者となっているが、紹介者は、従業員に限らず任意である。例えば、第1求職者が他の第2求職者に求職・求人サイトを紹介した場合、ポイント付与部133は、第1求職者に紹介ポイントを付与する。ポイント付与部133は、退職した登録者が求職者に求職・求人サイトを紹介した場合、退職者に紹介ポイントを付与する。
【0058】
また、ポイント付与部133は、企業で就業した登録者の企業の退職に応じて退職ポイントを付与してもよい。ポイント付与部133は、退職ポイントを付与した後には勤続ポイントの付与を停止する。後述するように、退職ポイントは、退職した人が再び同じ企業に入社したことを条件として換金可能になるので、ポイント付与部133がこのような退職ポイントを付与することで、退職者が同じ企業に再度入社するように動機づけられる。
【0059】
ポイント付与部133は、登録者が企業に入社した時点で企業において勤務している既存勤務者に対して、既存勤務ポイントを付与してもよい。ポイント付与サービスが開始される前から企業に従業員がいる場合、新たに入社する従業員だけに入社前にポイントが付与されると、既存の従業員が不公平感を抱くおそれがある。ポイント付与部133が既存勤務ポイントを付与することで、このような不公平感が生じにくいので、既存の従業員が不満を抱くことを抑制できる。
【0060】
また、ポイント付与部133は、登録者が入社前ポイントを使って研修を受けた場合に、研修の結果に応じた研修ポイントを付与してもよい。ポイント付与部133は、求職者が入社前に研修を受けた場合に、入社してから所定の期間が経過した後に換金が可能な研修ポイントを付与してもよく、登録者が入社後に研修を受けた場合に、研修を受けてから所定の期間が経過した後に換金が可能な研修ポイントを付与してもよい。ポイント付与部133は、研修時の成績に応じた数の研修ポイントを付与してもよい。ポイント付与部133が研修ポイントを付与することで、登録者が研修によりスキルを高めるように動機づけられる。
【0061】
[ポイント管理部134の動作]
ポイント管理部134は、登録者がサービスを利用して入社が決定した企業での就業を開始してから第1所定期間が経過した後に、ポイント付与部133が登録者に付与した入社前ポイントの一部又は全部を換金可能にする。第1所定期間は、企業の管理者が決定することが可能であり、例えば試用期間に基づいて定められる。試用期間が6ヵ月である場合、第1所定期間は6ヵ月であってもよく12ヵ月であってもよい。
【0062】
ポイント管理部134は、登録者が就業を開始してから第1所定期間が経過した後に、登録者から換金の要求を受けた場合に、入社前ポイントに対応する換金額を出力する。ポイント管理部134は、換金の要求をした求職者が使用する情報端末3又は企業端末4に換金額を表示させることにより出力してもよく、送金処理を行うコンピュータに換金額を通知することにより出力してもよい。
【0063】
図5は、登録者が2020年4月1日に入社してから6ヵ月が経過した2020年10月1日に換金が可能になり、その時点で登録者が換金の要求をした場合を例示している。
図4に示す例においては、入社して6ヵ月が経過した時点で換金可能な上限額は50,000ポイントであり、
図5に示す例において、ポイント管理部134は、2020年10月1日に50,000ポイントを換金処理している。ポイント管理部134は、換金処理をした場合、換金処理をする前に登録者が持っていたポイント残高から換金処理をしたポイントの数を減算することによりポイント残高を更新する。
【0064】
ポイント管理部134は、登録者が就業を開始してから経過した期間の長さに応じて、入社前ポイントを換金可能な上限額を決定してもよい。ポイント管理部134は、換金の要求をした登録者の入社日と換金が要求された日とに基づいて在籍期間を算出し、例えば記憶部12に記憶された
図4に示したポイント規程情報を参照することにより、在籍期間に応じた上限額までの換金を許可する。
図4に示したポイント規程情報が示すように、ポイント管理部134は、登録者が就業を開始してから経過した期間が長くなればなるほど、上限額を大きくする。
【0065】
また、ポイント管理部134は、登録者が就業を開始してから一定期間が経過するたびに、一定額以内の範囲で入社前ポイントを換金可能とする。
図5に示す例においては、入社してから12ヵ月が経過した後の2021年5月31日に100,000ポイントが換金処理され、入社してから24ヵ月が経過した後の2022年4月10日に150,000ポイントが換金処理されている。
【0066】
ポイント管理部134は、勤続ポイントが登録者登録者に付与されてから第2所定期間が経過した後に、勤続ポイントを換金可能にしてもよい。第2所定期間は、勤続ポイントが付与される時間間隔以内であり、例えば勤続ポイントが付与される時間間隔の半分の期間である。
【0067】
図5に示すように、1年ごとに勤続ポイントが付与される場合、ポイント管理部134は、ポイント付与部133が勤続ポイントを付与してから6ヵ月が経過した後に、勤続ポイントを換金可能にする。具体的には、ポイント管理部134は、登録者が換金を要求したポイント数を減算した後のポイント残高が、第2所定期間以内に付与された勤続ポイント未満になる場合、換金を許可せず、換金要求額が多過ぎるという警告を登録者が使用する情報端末3又は企業端末4に通知する。ポイント管理部134がこのように動作することで、登録者が勤務を継続するように動機づけられる。
【0068】
また、ポイント管理部134は、紹介者がサービスを紹介した求職者がサービスを利用して入社が決定した企業での就業を開始してから所定の期間が経過した後に、ポイント付与部133が紹介者に付与した紹介ポイントを換金可能にする。具体的には、ポイント管理部134は、紹介者がサービスを紹介した求職者がサービスを利用して入社が決定した企業での就業を開始してから所定の期間が経過するまでの間は、登録者が換金を要求したポイント数を減算した後のポイント残高が紹介ポイント未満になる場合に換金を許可しない。この場合、ポイント管理部134は、換金要求額が多過ぎるという警告を、換金を要求した登録者が使用する情報端末3又は企業端末4に通知する。ポイント管理部134がこのように動作することで、求職者(被紹介者)に求職・求人サイトを紹介した人は、求職者に対して、求人企業で長く勤務を続けるように促すといった行動をとるように動機づけられる。
【0069】
また、ポイント管理部134は、退職ポイントを付与された登録者が企業への再度の入社が決定した後に、退職ポイントを換金可能にする。ポイント管理部134は、退職ポイントを付与された登録者が企業に再度の入社をしてから第1所定期間が経過した後に退職ポイントを換金可能にしてもよい。ポイント管理部134がこのように動作することで、退職した人は、再び同じ企業で長く勤務をするように動機づけられる。
【0070】
また、ポイント管理部134は、既存勤務者が既存勤務ポイントを付与されてから第1所定期間(例えば6ヵ月)よりも短い期間が経過した後に既存勤務ポイントを換金可能にしてもよい。既存の従業員は、新規に入社した従業員よりも長く勤務しているので、企業への貢献度が新入社員よりも大きいと考えられる。そこで、ポイント管理部134が、このように新入社員がポイントを換金可能になる第1所定期間よりも短い期間で、既存の従業員が付与されたポイントを換金可能にすることにより、既存の従業員のモチベーションを高めることが可能になる。
【0071】
ところで、ポイント付与サービスを提供している企業が派遣会社である場合、従業員が派遣先の企業に転職する場合がある。このような場合に、従業員に付与されたポイントが消滅してしまうと、従業員の転職に支障をきたす場合がある。そこで、ポイント管理部134は、登録者が派遣先企業に転職することが決まった場合に、入社前ポイントを換金可能にしてもよい。ポイント管理部134がこのように動作することで、従業員が安心して派遣先企業に転職することが可能になる。
【0072】
また、ポイント管理部134は、求職者又は従業員が所定の研修を受けたことを条件としてポイントを換金可能にしてもよい。ポイント管理部134は、求職者又は従業員が海外に住んでいる場合、所定の研修を受けた場合に海外への送金処理を実行してもよい。
【0073】
以上の説明においては、ポイントの用途として換金を例示したが、ポイントは他の用途に使用可能であってもよい。例えば、登録者は、求人企業で勤務を開始した後に、研修を受けるためにポイントを利用してもよい。ポイント管理部134は、登録者が入社前ポイントを使って研修を受けた場合に、登録者が受けた研修の内容又は回数の少なくともいずれかに対応して定められる数の入社前ポイントを換金対象から除外する。上記のように、ポイント付与部133が研修ポイントを付与する場合、ポイントを研修に使うことでポイント残高が減少するとしても、研修を受けることにより将来換金が可能なポイントを得ることができるので、登録者が積極的に研修を受けやすくなる。
【0074】
また、ポイントを有する登録者は、各種のカウンセリング(例えば、転職のためのカウンセリング、キャリアプラン作成のためのカウンセリング)を受けるためにポイントを使用してもよい。ポイント管理部134は、初めてカウンセリングを受けた場合にはポイントを減らさず、2回目以降にカウンセリングを受けた場合に、カウンセリングごとに設定されたポイント数を減らすようにしてもよい。
【0075】
[ポイント管理装置1における処理の流れ]
図6は、ポイント管理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。
図6に示すフローチャートは、求職者が求職・求人サイトにアクセスした時点から開始している。
【0076】
求職者が求職・求人サイトにおいて登録する処理をすると、情報取得部131は、例えば求職・求人サイト求職・求人登録サーバ2から求職者を登録するための要求を取得し、登録部132が求職者を登録者データベース(登録者DB)に登録する(S11)。登録部132が求職者を登録者データベースに登録すると、ポイント付与部133は、登録者になった求職者に登録ポイントを付与する(S12)。
【0077】
ポイント付与部133は、通信部11を介して、登録者に付与された登録ポイントのポイント数を求職・求人サイト求職・求人登録サーバ2に通知する。求職・求人サイト求職・求人登録サーバ2は、登録者の操作に応じて、付与された登録ポイントのポイント数を登録者が使用する情報端末3に送信する。求職・求人サイト求職・求人登録サーバ2は、ポイント数を確認するために求職・求人サイトにアクセスした場合、ポイント管理装置1にリダイレクトしてもよい。この場合、ポイント管理部134が情報端末3に付与されたポイント数を送信する。
【0078】
その後、情報取得部131が、登録者が求人企業に入社したという通知を情報端末3又は企業端末4から受けた場合(S13においてYES)、ポイント付与部133は、登録者に入社ポイントを付与し(S14)、登録者データベースを更新する。
【0079】
情報取得部131が、ポイントを換金する要求を登録者から受けた場合(S15)、ポイント管理部134は、要求に応じてポイントを換金できるかどうかを判定する(S16)。ポイント管理部134は、登録者が入社してから第1所定期間が経過しており、かつ換金の要求がなされたポイント数が換金可能な上限額以下である場合に(S16においてYES)、換金処理を実行する(S17)。ポイント管理部134は、登録者が入社してから第1所定期間が経過していない場合、又は換金の要求がなされたポイント数が換金可能な上限額よりも大きい場合、要求を送信してきた情報端末3又は企業端末4にエラーメッセージを送信する(S18)。
【0080】
その後、登録者が退職した場合(S19においてYES)、ポイント付与部133は退職ポイントを登録者に付与する(S20)。登録者が退職するまでの間、ポイント付与部133は、S15からS18までの処理を繰り返す。登録者が再入社したという通知を情報取得部131が取得した場合(S21においてYES)、ポイント管理部134はS15に処理を戻し、換金要求を情報取得部131が取得した場合にS16からS18までの処理を実行する。
【0081】
登録者が退職した後に再入社したという通知を情報取得部131が取得しない場合(S21においてNO)、ポイント管理装置1は、情報取得部131が登録者から退会の通知を取得するまで待機する。登録者から退会の通知を情報取得部131が取得した場合(S22においてYES)、ポイント管理装置1は登録者の情報を登録者データベースから削除して、登録者のポイントの管理を終了する。なお、
図6に示す例では、登録者が退職した場合に、退会したかどうかをポイント管理装置1が監視しているが、ポイント管理装置1は、登録者が退会したかどうかを常に監視し、登録者が退会した時点で登録者の情報を登録者データベースから削除してもよい。
【0082】
[他のポイントの付与]
ポイント管理装置1のポイント付与部133は、以上説明したポイント以外にも任意の種類の以下のようなポイントを求職者又は従業員に付与してもよい。
【0083】
(面接ポイント)
ポイント付与部133は、求職者が面接をした場合にポイントを付与してもよい。求職者がこのようなポイントを付与されることで、面接を受けるモチベーションが向上するので、求人企業に就職できる確率が高まる。
【0084】
(ハイスキルポイント)
ポイント付与部133は、所定のレベル以上のスキルを持つ求職者が求人企業に入社する際に、所定のレベル未満のスキルの求職者に付与しない特別なポイントを付与してもよい。ポイント付与部133は、求人企業に入社する求職者が、当該求人企業により設定されたスキルにおいて所定のレベル以上であることを条件として、当該求人企業に入社した際に特別なポイントを付与してもよい。高いスキルを持つ求職者がこのようなポイントを付与されることで、そのような求職者が自身のスキルを求めている求人企業に就職する確率が高まる。
【0085】
(契約更新ポイント)
ポイント付与部133は、雇用契約を更新することになった有期契約の人にポイントを付与してもよい。有期契約の人がこのようなポイントを付与されることで、有期契約の人のモチベーションが高まるとともに、雇用契約を更新してもらえる確率が高まる。
【0086】
[ポイント管理装置1による効果]
以上説明したように、ポイント付与部133は、求職者によるサービスの利用の申込みに応じて、又はサービスに登録した求職者によるサービスを利用した企業への入社の決定に応じて、登録者に入社前ポイントを付与する。そして、ポイント管理部134は、登録者がサービスを利用して入社が決定した企業での就業を開始してから第1所定期間が経過した後に、ポイント付与部133が登録者に付与した入社前ポイントの一部又は全部を換金可能にする。ポイント管理装置1がこのように動作するポイント付与部133及びポイント管理部134を有することで、求職・求人サイトに登録した登録者が、求職・求人サイトを介して提供されるサービスを利用して求人企業に入社するように動機づけられる。その結果、求職者が、ポイント管理装置1を利用してポイント付与サービスを提供する特定の求職・求人サイトを利用して就職しやすくなる。
【0087】
そして、ポイント付与サービスを提供する求職・求人サイトを利用する求職者が増えると、求人企業が休職者を探しやすくなるだけでなく、求職・求人サイトを運営する事業者が、求人企業から求職・求人サイトの利用料を受け取って適正な利益を確保することが可能になり、求職者にポイントを付与することが可能になる。求職者もポイントのメリットを受けられることとなる。このように、求職者、求人企業、求職・求人サイト運営事業者の3者のいずれにとってもメリットが生じるという好循環が生まれるという効果も生じる。
【0088】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【0089】
例えば、以上の説明においては、ポイント管理装置1と求職・求人サイト求職・求人登録サーバ2とが異なるコンピュータにより構成されている場合を例示したが、ポイント管理装置1と求職・求人サイト求職・求人登録サーバ2は、一つのコンピュータにより構成されていてもよい。また、以上の説明においては、求職者の情報と、企業の従業員の情報とが一つの登録者データベースで管理されている場合を例示したが、求職者の情報と、企業の従業員の情報とを異なるデータベースで管理されていてもよい。
【符号の説明】
【0090】
1 ポイント管理装置
2 求職・求人登録サーバ
3 情報端末
4 企業端末
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 情報取得部
132 登録部
133 ポイント付与部
134 ポイント管理部