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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-08
(45)【発行日】2024-08-19
(54)【発明の名称】セグメント判定システム
(51)【国際特許分類】
   E21D 9/093 20060101AFI20240809BHJP
   E21D 11/40 20060101ALI20240809BHJP
   E21D 9/06 20060101ALI20240809BHJP
【FI】
E21D9/093 G
E21D11/40 B
E21D9/06 301Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020201102
(22)【出願日】2020-12-03
(65)【公開番号】P2022088954
(43)【公開日】2022-06-15
【審査請求日】2023-09-27
(73)【特許権者】
【識別番号】303057365
【氏名又は名称】株式会社安藤・間
(74)【代理人】
【識別番号】110001335
【氏名又は名称】弁理士法人 武政国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 真人
(72)【発明者】
【氏名】粥川 幸司
(72)【発明者】
【氏名】荒東 伸一
【審査官】荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-211257(JP,A)
【文献】土木学会,シールドトンネル施行時荷重,日本,土木学会,2006年10月12日,72-73頁、104-107頁、112-113頁、158-161頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21D 9/093
E21D 11/40
E21D 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シールドマシン掘進時に設置されるセグメントの状態を、横断方向危険領域及び縦断方向危険領域を用いて判定するシステムであって、
シールドマシンのジャッキ推力を第1軸とし旋回モーメントを第2軸とする平面座標系に設定される前記横断方向危険領域及び前記縦断方向危険領域を記憶する危険領域記憶手段と、
トンネル掘進中の施工時ジャッキ推力に基づいて、既設のセグメントに作用する施工時旋回モーメントを算出する旋回モーメント算出手段と、
前記施工時ジャッキ推力及び前記施工時旋回モーメントと、前記横断方向危険領域及び前記縦断方向危険領域と、を照らし合わせる照合手段と、
前記照合手段によって照らし合わせた結果、前記施工時ジャッキ推力及び前記施工時旋回モーメントが、前記横断方向危険領域内にあるとき、又は前記縦断方向危険領域内にあるとき、既設のセグメントに不具合が生じる警告情報を出力する警報出力手段と、を備え、
シールドマシンと既設セグメントとの競り荷重に基づいて設定される前記横断方向危険領域及び既設セグメントから得られるジャッキ反力に基づいて設定される前記縦断方向危険領域は、計画ジャッキ推力に基づいてそれぞれ算出される限界旋回モーメントを前記平面座標系に散布することによって設定され、
前記限界旋回モーメントは、前記計画ジャッキ推力が作用したときにセグメントに不具合が生じない限界の旋回モーメントである、
ことを特徴とするセグメント判定システム
【請求項2】
シールドマシン掘進時に設置されるセグメントの状態を、横断方向危険領域及び縦断方向危険領域を用いて判定するシステムであって
シールドマシンのジャッキ推力を第1軸とし旋回モーメントを第2軸とする平面座標系に設定される前記横断方向危険領域及び前記縦断方向危険領域を記憶する危険領域記憶手段と、
トンネル掘進中の施工時ジャッキ推力に基づいて、既設のセグメントに作用する施工時旋回モーメントを算出する旋回モーメント算出手段と、
前記施工時ジャッキ推力及び前記施工時旋回モーメントと、前記横断方向危険領域及び前記縦断方向危険領域と、を照らし合わせる照合手段と、を備え、
シールドマシンと既設セグメントとの競り荷重に基づいて設定される前記横断方向危険領域、及び既設セグメントから得られるジャッキ反力に基づいて設定される前記縦断方向危険領域は、計画ジャッキ推力に基づいてそれぞれ算出される限界旋回モーメントを前記平面座標系に散布することによって設定され、
前記限界旋回モーメントは、前記計画ジャッキ推力が作用したときにセグメントに不具合が生じない限界の旋回モーメントであり、
前記照合手段は、前記横断方向危険領域が配置された前記平面座標系に、前記施工時ジャッキ推力及び前記施工時旋回モーメントからなる現状推進座標をプロットした図を表示手段に表示するとともに、前記縦断方向危険領域が配置された該平面座標系に、該現状推進座標をプロットした図を該表示手段に表示し、
前記表示手段を確認した作業者は、前記現状推進座標が前記横断方向危険領域、又は前記縦断方向危険領域の内側にあるとき、既設セグメントに不具合が生じることを予測することができる、
ことを特徴とするセグメント判定システム。
【請求項3】
前記旋回モーメント算出手段は、シールドマシンと既設セグメントとの競り荷重に基づいて施工時における横断旋回モーメントを算出するとともに、既設セグメントから得られるジャッキ反力に基づいて施工時における縦断旋回モーメントを算出し、
前記照合手段は、前記施工時ジャッキ推力及び前記横断旋回モーメントと前記横断方向危険領域を照らし合わせるとともに、該施工時ジャッキ推力及び前記縦断旋回モーメントと前記縦断方向危険領域を照らし合わせる、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のセグメント判定システム。
【請求項4】
前記危険領域記憶手段には、横断方向注意領域と縦断方向注意領域とが記憶され、
前記横断方向注意領域は、前記横断方向危険領域に基づき、該横断方向危険領域よりも広い領域で設定され、
前記縦断方向注意領域は、前記縦断方向危険領域に基づき、該縦断方向危険領域よりも広い領域で設定され、
前記警報出力手段は、前記施工時ジャッキ推力及び前記施工時旋回モーメントが、前記横断方向危険領域外かつ前記縦断方向危険領域外であって、前記横断方向注意領域内にあるとき、又は前記縦断方向注意領域内にあるとき、前記警告情報とは異なる注意情報を出力する、
ことを特徴とする請求項1記載のセグメント判定システム。
【請求項5】
トンネル掘進中におけるシールドマシンと既設セグメントとの施工時競り荷重を算出する競り荷重算出手段を、さらに備え、
前記危険領域記憶手段には、シールドマシンと既設セグメントの競り荷重の程度に応じた複数種類の前記横断方向危険領域が記憶され、
前記照合手段は、前記施工時競り荷重に応じた前記横断方向危険領域と、前記施工時ジャッキ推力及び前記施工時旋回モーメントと、を照らし合わせる、
ことを特徴とする請求項4記載のセグメント判定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、シールドマシンの掘進時に設置されるセグメントに関する技術であり、より具体的には、掘進中に得られる掘進情報に基づいて事前にセグメントの不具合を検出することができるセグメント判定システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
シールド工法は、トンネル切羽の安定を図りつつシールドマシンで地中を掘進し、セグメントで覆工することによって、地下に鉄道トンネルや道路トンネル、上下水道用のトンネル、共同溝や電力通信用のトンネルなどを構築する工法である。掘進中、切羽を安定させる手法にはいくつか種類があり、古くは圧気方式(開放型)が用いられ、その後は密閉型の泥水式シールド工法が採用されるようになり、近年では密閉型のうち特に土圧式シールド工法が多用されている。
【0003】
泥水式シールド工法は、それまでの圧気に代えて泥水圧を利用して切羽の安定を図る工法であり、一方の土圧式シールド工法は、文字どおり土圧によって切羽の安定を図る工法である。なお土圧式シールド工法は、さらに土圧シールド工法と泥土圧シールド工法に2分され、このうち現在では泥土圧シールド工法(特に、泥土加圧シールド工法)が主流となっており、泥水式シールド工法を含めたシールド工法全体でも相当の割合を占めている。
【0004】
このように切羽の安定手法にはいくつか種類があるものの、シールドマシンで掘進していく手順はいずれの工法も概ね同様である。すなわち、シールドマシンで所定長だけ掘進するとその掘削部分に永久構造物であるセグメントを組み立て、そして自身で組み立てたセグメントに自身の反力を確保しつつさらに掘進を行っていく。そのためシールドマシンによる掘進においては、セグメントの構造安定性が最も重要な項目の1つとされる。特に急曲線のトンネルを施工する場合、シールドマシンの偏った反力、あるいはシールドマシンとセグメントの位置関係(特に、シールドテール内でのセグメントリングの偏心、偏向)に起因するセグメントへの影響、つまりセグメントの構造安定性が重視される。
【0005】
シールドマシンが曲線区間を掘進していく際、一部のジャッキを使用しながら進んでいくことがある。例えば図8(a)では、シールドマシンSHが内側のジャッキを使用することなく外側(図では上方)のジャッキのみを使用することで右側にカーブしながら掘進しており、その結果、既設のセグメントSGには図8(b)に示すように右側にのみジャッキ推力が与えられている。本来であればセグメントSGはリング全体でジャッキ推力に抵抗すべきところ、この場合は曲線外側のセグメントSGにジャッキ推力が集中することとなり、そのためセグメントSGの縦断方向に損傷(例えば縦リブの変形や座屈など)が生じるおそれもある。
【0006】
また図9に示すように、セグメントSGに対してシールドマシンSHが偏心あるいは偏向した状態になると、シールドテール内でセグメントSGとの「競り」が生じることもある。すなわち、シールドマシンSHの偏心や偏向に伴ってシールドテールエンドとセグメント切羽面(最も切羽側のセグメントリングの切羽側の面)とのテールクリアランス分布が不均等になり、そしてこの不均等が顕著になるとシールドテール内でセグメントSGとの競りが生じ、その「競り荷重」によってセグメントSG本体や継手などに損傷や不具合が発生するおそれもある。
【0007】
セグメントSGの構造安定性に関する設計は、当然ながら工事の計画時に実施される。一方、シールドマシンSHによる掘進中は、特にセグメントSGの構造安定性を検討することはなく、通常はセグメントSGや継手を目視することによってその不具合(セグメント本体のひび割れや継手の目開き、ずれ)を確認している。
【0008】
これまで、シールドマシンSHの掘進中における確認作業を、品質的にあるいは効率化のために改善しようとする取り組みも行われてきた。例えば特許文献1では、携帯入力端末のカメラを用いてセグメントの状態を撮影し、その画像と点検情報を関連付けて記憶することで、セグメント状態を定量的に管理する技術について提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2018-9314号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
既述したように、特許文献1をはじめ従来技術では、施工中にセグメントSGや継手の不具合を目視で確認するものの、施工中にセグメントSGの構造安定性を検討することはなかった。したがって、セグメントSGなどに不具合が生じたことを事後的に把握するにとどまっていたわけである。このような不具合を事前に回避するには、シールドマシンSHのオペレータの豊富な経験に基づくよりほかなかった。施工中、頻繁に計測することでセグメントSGや継手に生じるひずみや応力度などを把握することでセグメントSG等の不具合を予測することも考えられるが、多大な労力がかかるうえに掘進を止めることにもつながり現実的な手法とはいえない。
【0011】
本願発明の課題は、従来技術が抱える問題を解決することであり、すなわち施工中にセグメントの構造安定性を定量的に評価することによってその不具合を事前に把握することができるセグメント判定システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願発明は、あらかじめセグメントの構造安定性を示す指標(横断方向危険領域と縦断方向危険領域)を設定し、その指標を利用して施工時にセグメントの構造安定性を評価する、という点に着目してなされたものであり、これまでにない発想に基づいて行われた発明である。
【0013】
本願発明のセグメント判定システムは、掘進時に設置されるセグメントの状態を判定するシステムであって、危険領域記憶手段と旋回モーメント算出手段、照合手段を備えたものである。このうち危険領域記憶手段は、シールドマシンの横断方向危険領域と縦断方向危険領域を記憶する手段であり、また旋回モーメント算出手段は、「施工時ジャッキ推力(トンネル掘進中に実際に付与するジャッキ推力)」に基づいて既設セグメントに作用する「施工時旋回モーメント」を算出する手段、そして照合手段は、施工時ジャッキ推力及び施工時旋回モーメントからなる組み合わせと横断方向危険領域及び縦断方向危険領域とを照らし合わせる手段である。なお横断方向危険領域と縦断方向危険領域は、ジャッキ推力を第1軸とし旋回モーメントを第2軸とする平面座標系に設定される領域であり、その平面座標系に「限界旋回モーメント」を散布することによって設定されるものである。また限界旋回モーメントは、「計画ジャッキ推力(設計計画時に設定されるジャッキ推力)」に基づいて算出されるもので、計画ジャッキ推力が作用したときにセグメントに不具合が生じない限界の旋回モーメントである。
【0014】
本願発明のセグメント判定システムは、警報出力手段をさらに備えたものとすることもできる。この警報出力手段は、照合手段によって照らし合わせた結果、施工時ジャッキ推力と施工時旋回モーメントからなる組み合わせが、横断方向危険領域内あるいは縦断方向危険領域内にあるときに、既設のセグメントに不具合が生じる旨の警告情報を出力する手段である。
【0015】
本願発明のセグメント判定システムは、危険領域記憶手段に横断方向注意領域と縦断方向注意領域が記憶されたものとすることもできる。この横断方向注意領域は、横断方向危険領域に基づき横断方向危険領域よりも広い領域で設定され、縦断方向注意領域は、縦断方向危険領域に基づき縦断方向危険領域よりも広い領域で設定される。この場合、警報出力手段は、施工時ジャッキ推力と施工時旋回モーメントからなる組み合わせが横断方向危険領域外かつ縦断方向危険領域外であって横断方向注意領域内あるいは縦断方向注意領域内にあるときに、警告情報とは異なる注意情報を出力する。
【0016】
本願発明のセグメント判定システムは、シールドマシンと既設セグメントとの「競り荷重」に基づいて設定された横断方向危険領域と、既設セグメントから得られる「ジャッキ反力」に基づいて設定された縦断方向危険領域を用いるものとすることもできる。
【0017】
本願発明のセグメント判定システムは、競り荷重算出手段をさらに備えたものとすることもできる。この競り荷重算出手段は、トンネル掘進中におけるシールドマシンと既設セグメントとの「施工時競り荷重(トンネル掘進中に実際に生じた競りに伴う荷重)」)を算出する手段である。この場合、危険領域記憶手段にはシールドマシンと既設セグメントの競り荷重の程度に応じた複数種類の横断方向危険領域が記憶される。そして照合手段は、施工時競り荷重に応じた横断方向危険領域と、施工時ジャッキ推力と施工時旋回モーメントからなる組み合わせとを照らし合わせる。
【発明の効果】
【0018】
本願発明のセグメント判定システムには、次のような効果がある。
(1)掘進中、即時的(リアルタイム)にセグメントの構造安定性を評価することができる。その結果、セグメントの破損や変形,目開きに伴う漏水などを事前に予測することができ、適切な対策を講じることによってこれらの不具合を抑制することができる。
(2)構造安定性を定量的に評価することができることから、従来実施されていた人による目視確認を省略することができ、ひいては工事全体における省力化を図ることができる。
(3)セグメント等の不具合を未然に抑制することができることから、トンネル線形を適切に確保するとともに、トンネル覆工の品質向上に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本願発明のセグメント判定システムの主な構成を示すブロック図。
図2】危険領域を設定する手順を示すフロー図。
図3】セグメントの構造安定性に関する設計手順例を示すフロー図。
図4】(a)は横断方向危険領域を設定する場合における限界推力座標の散布図、(b)は横断方向危険領域を示すグラフ図。
図5】(a)は縦断方向危険領域を設定する場合における限界推力座標の散布図、(b)は縦断方向危険領域を示すグラフ図。
図6】(a)は横断方向危険領域が配置された推進力平面座標系に4点の現状推進座標がプロットされた横断方向セグメント構造安定判定図、(b)は縦断方向危険領域が配置された推進力平面座標系に同じ4点の現状推進座標がプロットされた縦断方向セグメント構造安定判定図。
図7】セグメント判定システムの主な処理の流れを示すフロー図。
図8】(a)は上方側のみのジャッキを使用して推進するシールドマシンを模式的に示す平面図、(b)は右側のみのジャッキ推力が与えられたセグメントを模式的に示す正面図。
図9】セグメントに対して偏心、偏向したシールドマシンを模式的に示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本願発明のセグメント判定システムの実施の例を図に基づいて説明する。
【0021】
1.全体概要
本願発明は、シールドマシン掘進時に設置されたセグメント(以下、「既設セグメント」という。)の状態を、リアルタイムで判定することができるシステムである。また、作業者など人の目視判断に依存することなく、定量的に既設セグメントの状態を判定することができる。なお、既設セグメントの状態を判定するにあたっては、「横断方向危険領域」と「縦断方向危険領域」を利用する。これら横断方向危険領域と縦断方向危険領域(以下、これらを総称して「危険領域」という。)は、後に詳しく説明するように、いずれもシールドマシンのジャッキ推力を第1軸、旋回モーメントを第2軸とする平面座標系(以下、便宜上ここでは「推進力平面座標系」という。)に設定される領域である。
【0022】
通常、シールドマシンによる掘進中には、ジャッキパターン(使用するジャッキとそれぞれのジャッキ油圧)やジャッキ推力(使用ジャッキの総推力)、テールクリアランス(シールドテール内における既設セグメントとの離隔)といった種々の情報(以下、「掘進情報」という。)が得られる。また、ジャッキパターンとジャッキ推力から偏心量を求めることができ、さらに偏心量とジャッキ推力から旋回モーメントを求めることができる(図8(a)や図9)。
【0023】
掘進情報として得られるトンネル掘進中のジャッキ推力(以下、「施工時ジャッキ推力」という。)と、掘進中に求められる旋回モーメント(以下、「施工時旋回モーメント」という。)からなる組み合わせは、上記した推進力平面座標系にプロットすることができる。つまり、施工時ジャッキ推力と施工時旋回モーメントを推進力平面座標系に配置した座標(以下、現状の推進状態を表すことから「現状推進座標」という。)と、同じく推進力平面座標系に配置した危険領域とを照らし合わせることができる。そして、現状推進座標と危険領域との関係から、既設セグメントの状態を定量的にしかもリアルタイムで判定することができるわけである。なお本願発明のセグメント判定システムは、急曲線を含む平面線形のトンネルや急勾配を含む縦断線形のトンネルに特に有効であるが、もちろん通常の平面線形や縦断線形のトンネルにも適用することができる。
【0024】
2.対象物状態推定システム
図1は、本願発明のセグメント判定システム100の主な構成を示すブロック図である。この図に示すように本願発明のセグメント判定システム100は、旋回モーメント算出手段101と照合手段102、危険領域記憶手段106を含んで構成され、さらに警報出力手段103や競り荷重算出手段104、表示手段105、推進情報記憶手段107を含んで構成することもできる。
【0025】
セグメント判定システム100を構成する主な要素のうち、旋回モーメント算出手段101と照合手段102、警報出力手段103、競り荷重算出手段104は、専用のものとして製造することもできるし、汎用的なコンピュータ装置を利用することもできる。このコンピュータ装置は、CPU等のプロセッサ、ROMやRAMといったメモリ、マウスやキーボード等の入力手段や液晶ディスプレイを具備するもので、パーソナルコンピュータ(PC)やサーバ、iPad(登録商標)といったタブレット型PC、スマートフォンを含む携帯端末などによって構成することができる。液晶ディスプレイを具備したコンピュータ装置を利用する場合は、その液晶ディスプレイを表示手段105として利用するとよい。
【0026】
また、危険領域記憶手段106や推進情報記憶手段107は、汎用的コンピュータの記憶装置を利用することもできるし、データベースサーバに構築することもできる。データベースサーバに構築する場合、ローカルなネットワーク(LAN:Local Area Network)に置くこともできるし、インターネット経由(つまり無線通信)で保存するクラウドサーバとすることもできる。
【0027】
以下、セグメント判定システム100を構成する主な要素ごとに詳しく説明する。
【0028】
(危険領域記憶手段)
危険領域記憶手段106は、横断方向危険領域と縦断方向危険領域を記憶する手段である。横断方向危険領域と縦断方向危険領域は、複数段階のジャッキ推力を設定するとともに、設定したジャッキ推力(以下、「計画ジャッキ推力」という。)ごとに「限界旋回モーメント」を算出し、計画ジャッキ推力と限界旋回モーメントからなる座標(以下、「限界推力座標」という。)を推進力平面座標系に散布していくことで設定される。ここで限界旋回モーメントとは、計画ジャッキ推力が作用したときにセグメントに不具合が生じない限界(最小)の旋回モーメントであり、横断方向危険領域を設定する場合はシールドマシンと既設セグメントとの競り荷重に基づいて算出され(図9)、縦断方向危険領域を設定する場合はジャッキ反力に基づいて算出される(図8(a))。なお、競り荷重に基づく旋回モーメント(以下、「横断旋回モーメント」という。)と、ジャッキ反力に基づく旋回モーメント(以下、「縦断旋回モーメント」という。)は、従来知られている手法によって算出することができる。以下、図2を参照しながら、横断方向危険領域と縦断方向危険領域の設定手順について詳しく説明する。
【0029】
図2は、危険領域(横断方向危険領域や縦断方向危険領域)を設定する手順を示すフロー図である。この図に示すように、まずはトンネル線形やセグメント仕様、地盤定数、種々の許容値や閾値など種々の設計条件を設定する(Step101)。そして、複数の値で計画ジャッキ推力を設定する(Step102)。なお、ここで設定される計画ジャッキ推力の数だけ、限界推力座標(計画ジャッキ推力と限界旋回モーメント)が推進力平面座標系にプロットされる。
【0030】
計画ジャッキ推力を設定すると、その計画ジャッキ推力を実現するようなジャッキバランスを設定する(Step103)とともに、偏心量を算出する(Step104)。なお、横断方向危険領域を設定する場合は、計画ジャッキ推力の作用位置から競り荷重の作用位置までの縦断方向距離(モーメント算出時の腕の長さ)を偏心量として算出し、縦断方向危険領域を設定する場合は、計画ジャッキ推力の作用位置からシールドマシン中心までの横断方向距離(モーメント算出時の腕の長さ)を偏心量として算出する。また、横断方向危険領域を設定する場合、設定したジャッキバランスやテールクリアランスに基づいて、シールドマシンと既設セグメントとの競り荷重も求められる。
【0031】
ジャッキバランスを設定し、偏心量を算出すると、セグメントの構造安定性に関する設計計算を行う(Step105)。例えば、横断方向危険領域を設定する場合は、リング継手のせん断破壊の判定や、セグメント継手の曲げ破壊の判定、セグメント主桁の降伏と座屈の判定、セグメント主断面の曲げ破壊と降伏の判定などを行うとよい。一方、縦断方向危険領域を設定する場合は、リング継手の目開きと曲げ破壊の判定や、鋼製セグメントの縦リブの降伏と座屈の判定、RC(あるいは合成)セグメント主断面の縦断曲げ破壊の判定などを行うとよい。なお、セグメントの構造安定性に関する設計計算は、従来用いられている種々の手法を採用することができ、例えば図3に示す解析手順で実施することができる。
【0032】
セグメントの構造安定性に関する設計計算を行うと、算出された応力度や変位量、地盤強度などと、事前に設定した各種要件(許容値や閾値など)を照らし合わせる(Step106)。その結果、いずれかの要件を満足しない場合(Step106のNo)、ジャッキパターンを変更したうえで改めて設計計算を実施する。一方、全ての要件を満足する場合(Step106のYes)、ここでの計画ジャッキ推力と偏心量から得られる旋回モーメントを暫定的な限界旋回モーメントとして設定する。そしてジャッキパターンを変更し、別のジャッキパターンで設計計算を繰り返し実施する。
【0033】
設定した計画ジャッキ推力を維持しつつジャッキパターンを変えながら上記手順(Step103~Step107)を繰り返し行うと、複数の暫定的な限界旋回モーメントが得られる。そのうち最小の値を示す旋回モーメントを、ここで設定した計画ジャッキ推力における「限界旋回モーメント」として決定する(Step108)。そして、今度は計画ジャッキ推力を変えながら、「計画ジャッキ推力の設定(Step102)」~「限界旋回モーメントの決定(Step108)」を繰り返し行い、それぞれの計画ジャッキ推力における限界旋回モーメントを決定していく。なお、横断方向危険領域を設定する場合はもちろん横断旋回モーメントによって限界旋回モーメントが求められ、縦断方向危険領域を設定する場合はもちろん縦断旋回モーメントによって限界旋回モーメントが求められる。
【0034】
設定したすべての計画ジャッキ推力について限界旋回モーメントが得られると、それぞれ限界推力座標(計画ジャッキ推力と限界旋回モーメント)を推進力平面座標系にプロットしていく(Step109)。図4(a)に横断方向危険領域を設定する場合における限界推力座標の散布図を示し、図5(a)に縦断方向危険領域を設定する場合における限界推力座標の散布図を示す。
【0035】
限界推力座標の散布図が得られると、この散布図に基づいて横断方向危険領域を設定するとともに、縦断方向危険領域を設定する(Step110)。横断方向危険領域を設定するにあたっては、図4(b)に示すように限界推力座標を結ぶライン(以下、「限界推力ライン」という。)の外側(図では右側)の領域を横断方向危険領域とすることができる。あるいは、限界推力ラインを左右に平行移動したうえでその外側の領域を横断方向危険領域とすることもできる。例えば、左側に平行移動した限界推力ラインの外側を横断方向危険領域とする場合、図4(b)に示す横断方向危険領域よりも広い領域となり、すなわち安全側で横断方向危険領域を設定することができる。なお横断方向危険領域は、シールドマシンと既設セグメントとの競り荷重の程度に応じて複数パターンで設定することもできる。つまり、競り荷重を複数のレンジに分け、それぞれレンジごとに異なる横断方向危険領域を設定するわけである。
【0036】
一方、縦断方向危険領域を設定するにあたっては、図5(b)に示すように「最小旋回モーメントライン」より上方となる領域を縦断方向危険領域とすることができる。この最小旋回モーメントラインは、図5(a)でプロットされた限界推力座標のうち最小となる限界旋回モーメントを基準に設定される。なお図5のケースにおいて、最も右寄りの2点の限界推力座標に関してはいずれのジャッキパターンでも要件を満足する(Step106のYes)ことから、最小限界旋回モーメントの選出から除外している。もちろん図4(b)のケースと同様、限界推力ラインの外側(図では上側)の領域を縦断方向危険領域とすることができるし、限界推力ラインを上下に平行移動したうえでその外側の領域を縦断方向危険領域とすることもできる。
【0037】
また、横断方向危険領域と縦断方向危険領域に加えて、「横断方向注意領域」と「縦断方向注意領域」を設定することもできる。この横断方向注意領域は、横断方向危険領域に基づいて設定され、しかも横断方向危険領域よりも広い領域で設定される。同様に、縦断方向注意領域は、縦断方向危険領域に基づいて設定され、しかも縦断方向危険領域よりも広い領域で設定される。つまり、横断方向注意領域と縦断方向注意領域は、横断方向危険領域と縦断方向危険領域よりも安全側で設定されるわけである。例えば、図4(b)のケースでは、限界推力ラインを左側に平行移動したうえで、その外側(図では右側)の領域を横断方向注意領域とすることができる。また、図5(b)のケースでは、最小旋回モーメントラインを上側に平行移動したうえで、その外側(図では上側)の領域を縦断方向注意領域とすることができる。横断方向注意領域と縦断方向注意領域は、危険領域記憶手段106に記憶される。
【0038】
(推進情報記憶手段)
推進情報記憶手段107(図1)は、掘進情報を記憶する手段である。既述したとおり、一般的なシールドマシンで掘進する場合、施工中にジャッキパターンや施工時ジャッキ推力(つまり、施工時ジャッキ推力)、テールクリアランスといった掘進情報がリアルタイムで得られる。そして、リアルタイムで得られるたびに、その掘進情報は推進情報記憶手段107に記憶される。
【0039】
(旋回モーメント算出手段)
旋回モーメント算出手段101(図1)は、推進情報記憶手段107から掘進情報(特に、施工時ジャッキ推力と施工時ジャッキパターン)を読み出し、施工時における横断旋回モーメント(図9)と縦断旋回モーメントを(図8(a))を算出する手段である。なお、施工時の横断旋回モーメントを算出するにあたっては、施工時におけるシールドマシンと既設セグメントとの競り荷重が用いられる。この競り荷重は、競り荷重算出手段104(図1)が推進情報記憶手段107から読み出した掘進情報(特に、施工時ジャッキ推力と施工時のジャッキパターン)に基づいて算出する。
【0040】
(照合手段)
照合手段102(図1)は、横断方向危険領域や縦断方向危険領域が配置された推進力平面座標系に、現状推進座標をプロットする手段である。具体的には、推進情報記憶手段107から読み出した施工時ジャッキ推力と、旋回モーメント算出手段101によって算出された旋回モーメント(横断旋回モーメントと縦断旋回モーメント)からなる現状推進座標を、推進力平面座標系にプロットする。ただし、シールドマシンと既設セグメントとの競り荷重の程度に応じて複数パターンの横断方向危険領域が設定されているときは、照合手段102は、競り荷重の程度に応じた横断方向危険領域を読み出したうえで現状推進座標をプロットする。
【0041】
図6(a)は、横断方向危険領域が配置された推進力平面座標系に現状推進座標がプロットされた図(以下、「横断方向セグメント構造安定判定図」という。)であり、図6(b)は、縦断方向危険領域が配置された推進力平面座標系に現状推進座標がプロットされた図(以下、「縦断方向セグメント構造安定判定図」という。)である。なお、図6(a)に示す横断方向セグメント構造安定判定図と、図6(b)に示す縦断方向セグメント構造安定判定図には、それぞれ同じ4点(P1~P4)の現状推進座標がプロットされている。
【0042】
掘進中に、横断方向セグメント構造安定判定図と縦断方向セグメント構造安定判定図を液晶ディスプレイなどの表示手段105に表示すると、トンネル内にいる作業者は既設セグメントの構造安定性を定量的かつリアルタイムに評価することができる。具体的には、現状推進座標が横断方向危険領域あるいは縦断方向危険領域の内側にある場合に、既設セグメントに不具合が生じることを予測する。例えば図6に示す現状推進座標P1は、横断方向危険領域の外側あってしかも縦断方向危険領域の外側にあることから不具合のおそれがないと推測することができる。一方、図6に示す現状推進座標P2は、横断方向危険領域外にあるものの縦断方向危険領域の内側にあることから不具合のおそれがあると推測し、また図6に示す現状推進座標P3は、縦断方向危険領域外にあるものの横断方向危険領域の内側にあることから不具合のおそれがあると推測し、さらに図6に示す現状推進座標P4は、横断方向危険領域と縦断方向危険領域の内側にあることからやはり不具合のおそれがあると推測する。このように、既設セグメントの構造安定性を事前に評価することができるため、適切な対策を講ずることができ、未然に不具合を回避することができるわけである。
【0043】
また、危険領域記憶手段106に横断方向注意領域と縦断方向注意領域が記憶されているときは、照合手段102は、横断方向注意領域と縦断方向注意領域が配置された推進力平面座標系に、現状推進座標をプロットすることもできる。そして、横断方向注意領域が示された横断方向セグメント構造安定判定図を表示手段105に表示するとともに、縦断方向注意領域が示された縦断方向セグメント構造安定判定図を表示手段105に表示することによって、トンネル内にいる作業者は既設セグメントの構造安定性を定量的かつリアルタイムに評価することができる。ただしこの場合は、直ちに既設セグメントに不具合が生じると予測するのではなく、不具合が生じる可能性があるといった程度の予測をすることになる。
【0044】
(警報出力手段)
警報出力手段103(図1)は、既設セグメントに不具合が生じると予測されるときに警告情報を出力する手段である(図1)。具体的には、「現状推進座標が横断方向危険領域あるいは縦断方向危険領域の内側にある(図6ではP2~P4)」という状況を、警報出力手段103が検知すると、自動的に警告情報を出力する。この警告情報は、音声や振動、照明、表示手段105への文字表示など、様々な形式とすることができる。また、現状推進座標が危険領域(横断方向危険領域と縦断方向危険領域)のうちいずれか一方の内側にある(図6ではP2とP3)ときと、現状推進座標が危険領域の両方の内側にある(図6ではP4)ときでは、警告情報を変えることもできる。例えば、現状推進座標が一方の危険領域内にあるときは比較的小さな警告音(警告情報)を出力し、現状推進座標が両方の危険領域内にあるときはより大きな警告音を出力して警戒を喚起するわけである。
【0045】
また、危険領域記憶手段106に横断方向注意領域と縦断方向注意領域が記憶されている場合、警報出力手段103は、警告情報とは異なる注意情報を出力することもできる。具体的には、「現状推進座標が横断方向危険領域の外側であって縦断方向危険領域の外側にあるものの、横断方向注意領域あるいは縦断方向注意領域の内側にある」という状況を、警報出力手段103が検知すると、自動的に注意情報を出力する。
【0046】
次に、図7を参照しながら本願発明のセグメント判定システム100を使用したときの主な処理の流れについて説明する。図7は、セグメント判定システム100の主な処理の流れを示すフロー図であり、中央の列に実施する処理を示し、左列にはその処理に必要な入力情報を、右列にはその処理から生まれる出力情報を示している。
【0047】
あらかじめ危険領域(横断方向危険領域と縦断方向危険領域)や注意領域(横断方向注意領域と縦断方向注意領域)を設定し、これらを危険領域記憶手段106に記憶させたうえでシールドマシンによる掘進を開始する。掘進中は、適宜、推進情報が取得され、その都度、推進情報記憶手段107に記憶される。
【0048】
定期的に、あるいは作業者のオペレーションをトリガとして、推進情報(特に、施工時ジャッキバランスや施工時ジャッキ推力)に基づいて横断旋回モーメント用の偏心量(縦断方向距離)と縦断旋回モーメント用の偏心量(横断方向距離)が算出される(Step301)。また、競り荷重算出手段104が、推進情報(特に、ジャッキバランスやテールクリアランス)に基づいてシールドマシンと既設セグメントとの競り荷重を算出する(Step302)。そして旋回モーメント算出手段101が、偏心量や競り荷重に基づいて横断旋回モーメントと縦断旋回モーメントを算出する(Step303)。
【0049】
横断旋回モーメントと縦断旋回モーメントが算出されると、照合手段102が横断方向セグメント構造安定判定図と縦断方向セグメント構造安定判定図を生成する(Step304)。なお、シールドマシンと既設セグメントとの競り荷重の程度に応じて複数パターンの横断方向危険領域が設定されているときは、照合手段102は、競り荷重の程度に応じた横断方向危険領域を読み出したうえで横断方向セグメント構造安定判定図を生成する。そして、現状推進座標(施工時ジャッキ推力と施工時旋回モーメント)が横断方向危険領域と縦断方向危険領域のうちいずれか一方の内側にあるとき(Step305のYes)は、警報出力手段103が警告情報を出力し、これにより作業者が適切な処置を施す。このとき、危険領域記憶手段106に横断方向注意領域と縦断方向注意領域が記憶されている場合、警報出力手段103が注意情報を出力することもできる。一方、現状推進座標が横断方向危険領域と縦断方向危険領域の外側にあるとき(Step305のNo)は、そのまま掘進を継続していく。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本願発明のセグメント判定システムは、地下に構築される道路トンネルのほか、鉄道トンネルや、上下水道用のトンネル、共同溝や電力通信用のトンネルの構築に際して利用することができる。また、小口径から大口径のシールドマシンによる掘進、あるいは泥水式シールド工法や土圧式シールド工法でも利用することができ、広範囲の土質に対応することもできる。なお本願発明は、急曲線を含む平面線形のトンネルや急勾配を含む縦断線形のトンネルに特に有効であり、もちろん通常の平面線形や縦断線形のトンネルでも利用することができる。本願発明によれば効率的かつ安全にトンネル構造物という社会基盤(社会インフラストラクチャ)を構築することができることを考えると、産業上利用できるばかりでなく社会的にも大きな貢献を期待し得る発明といえる。
【符号の説明】
【0051】
100 本願発明のセグメント判定システム
101 (セグメント判定システムの)旋回モーメント算出手段
102 (セグメント判定システムの)照合手段
103 (セグメント判定システムの)警報出力手段
104 (セグメント判定システムの)競り荷重算出手段
105 (セグメント判定システムの)表示手段
106 (セグメント判定システムの)危険領域記憶手段
107 (セグメント判定システムの)推進情報記憶手段
SH シールドマシン
SG セグメント
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9