(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-08
(45)【発行日】2024-08-19
(54)【発明の名称】収穫物回収支援システム
(51)【国際特許分類】
A01D 41/127 20060101AFI20240809BHJP
A01F 12/60 20060101ALI20240809BHJP
【FI】
A01D41/127
A01F12/60
(21)【出願番号】P 2020203505
(22)【出願日】2020-12-08
【審査請求日】2023-09-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱マヒンドラ農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085394
【氏名又は名称】廣瀬 哲夫
(74)【代理人】
【識別番号】100165456
【氏名又は名称】鈴木 佑子
(72)【発明者】
【氏名】木村 敦
(72)【発明者】
【氏名】石橋 俊之
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 康仁
【審査官】星野 浩一
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-084667(JP,A)
【文献】特開2004-258877(JP,A)
【文献】特開2002-186348(JP,A)
【文献】特開2020-120586(JP,A)
【文献】特開2018-033407(JP,A)
【文献】特開2017-195804(JP,A)
【文献】特開2015-073440(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0128737(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 41/127
A01F 12/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収穫物をタンクに貯留する複数のコンバインから受信した稼働情報に基づいて、運搬車による複数の前記コンバインの収穫物回収順番を決定する外部端末を備える収穫物回収支援システムであって、
前記外部端末は、前記収穫物回収順番を決定するための基準を有し、
前記基準には、複数の前記コンバインの単位時間当たりの収穫量である収穫能率要素が含まれ
、
前記外部端末は、前記収穫物回収順番を、タンク満杯予測時刻が早い順番に決定し、前記タンク満杯予測時刻が早いコンバインが複数ある場合は、前記収穫能率が高い方のコンバインに決定することを特徴とする収穫物回収支援システム。
【請求項2】
収穫物をタンクに貯留する複数のコンバインから受信した稼働情報に基づいて、運搬車による複数の前記コンバインの収穫物回収順番を決定する外部端末を備える収穫物回収支援システムであって、
前記外部端末は、前記収穫物回収順番を決定するための基準を有し、
前記基準には、複数の前記コンバインの単位時間当たりの収穫量である収穫能率要素が含まれ、
さらに、前記基準には、複数の前記コンバインのタンク満杯予測時刻から運搬車到着予測時刻までに経過するロス時間と、複数の前記コンバインの収穫能率と、に基づいて算出される収穫ロスが含まれることを特徴とす
る収穫物回収支援システム。
【請求項3】
複数の前記収穫物回収順番毎に前記収穫ロスを算出し、前記収穫ロスが小さい前記収穫物回収順番に決定することを特徴とする請求項2に記載の収穫物回収支援システム。
【請求項4】
前記収穫能率は、複数の前記コンバインで計測される実際の稼働情報に基づいて算出されることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の収穫物回収支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運搬車による複数のコンバインの収穫物回収を支援する収穫物回収支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のコンバインから受信した稼働情報に基づいて、運搬車による複数のコンバインの収穫物回収順番を決定する収穫物回収支援システムが知られている。例えば、特許文献1~3には、貯留タンクが満杯になるタイミングが早いコンバインから優先的に収穫物を回収するようにした収穫物回収支援システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-186348号公報
【文献】特開2004-258877号公報
【文献】特許第6087258号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1~3の収穫物回収支援システムでは、貯留タンクが満杯になるタイミングだけで収穫物回収順番を決定しているため、改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、収穫物をタンクに貯留する複数のコンバインから受信した稼働情報に基づいて、運搬車による複数の前記コンバインの収穫物回収順番を決定する外部端末を備える収穫物回収支援システムであって、前記外部端末は、前記収穫物回収順番を決定するための基準を有し、前記基準には、複数の前記コンバインの単位時間当たりの収穫量である収穫能率要素が含まれ、前記外部端末は、前記収穫物回収順番を、タンク満杯予測時刻が早い順番に決定し、前記タンク満杯予測時刻が早いコンバインが複数ある場合は、前記収穫能率が高い方のコンバインに決定することを特徴とする。
請求項2の発明は、収穫物をタンクに貯留する複数のコンバインから受信した稼働情報に基づいて、運搬車による複数の前記コンバインの収穫物回収順番を決定する外部端末を備える収穫物回収支援システムであって、前記外部端末は、前記収穫物回収順番を決定するための基準を有し、前記基準には、複数の前記コンバインの単位時間当たりの収穫量である収穫能率要素が含まれ、さらに、前記基準には、複数の前記コンバインのタンク満杯予測時刻から運搬車到着予測時刻までに経過するロス時間と、複数の前記コンバインの収穫能率と、に基づいて算出される収穫ロスが含まれることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2に記載の収穫物回収支援システムであって、複数の前記収穫物回収順番毎に前記収穫ロスを算出し、前記収穫ロスが小さい前記収穫物回収順番に決定することを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1~3のいずれか1項に記載の収穫物回収支援システムであって、前記収穫能率は、複数の前記コンバインで計測される実際の稼働情報に基づいて算出されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、複数のコンバインの収穫能率に基づいて収穫物回収順番を決定するので、全体の収穫効率を考慮しつつ効率の良い収穫物回収を行うことができる。
請求項2の発明によれば、ロス時間による収穫ロスを考慮して収穫物回収順番を決定するので、さらに効率の良い収穫物回収を行うことができる。
請求項3の発明によれば、複数の収穫物回収順番毎に収穫ロスを算出し、収穫ロスが小さい収穫物回収順番に決定するので、収穫ロスの小さい効率の良い収穫物回収を行うことができる。
請求項4の発明によれば、収穫能率は、複数のコンバインで計測される実際の稼働情報に基づいて算出されるので、設計値に基づいて算出する場合に比べ、実際の稼働に則した収穫能率を取得できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施形態に係る収穫物回収支援システムの全体構成を示す図である。
【
図2】収穫物回収支援システムの概略構成を示すブロック図である。
【
図3】コンバインの制御構成を示すブロック図である。
【
図4】複数のコンバインの収穫能率を示すグラフである。
【
図5】収穫物回収の優先順位判断項目を示す表である。
【
図6】トータル収穫ロスの算出手順を示す説明図である。
【
図7】回収ルートパターン毎のトータル収穫ロスを示す説明図である。
【
図8】回収ルートパターン決定手順を示すフローチャートである。
【
図9】回収ルートパターン決定手順の他例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[収穫物回収支援システム]
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1及び
図2において、1は収穫物回収支援システムであって、該収穫物回収支援システム1は、複数のコンバイン2(以下、各コンバイン2を特定するためにコンバインA、B、Cという場合がある。)と、複数のコンバイン2の収穫物を回収する運搬車3と、通信ネットワーク(図示せず)を介して複数のコンバイン2及び運搬車3と通信可能な外部端末4と、を備える。なお、収穫物回収支援システム1は、複数の運搬車3を含んでもよい。また、収穫物回収支援システム1は、収穫物回収支援を補助する補助者の携帯端末5を含んでもよい。
【0009】
[運搬車]
図2に示すように、運搬車3は、コンバイン2から回収した収穫物を貯留するタンク6と、タンク6の貯留状況を検出する貯留センサ(図示せず)と、車両の位置情報を検出するGPSなどのGNSS(図示せず)と、車両位置情報及びタンク貯留状況を外部端末4に送信し、かつ外部端末4から回収ルート情報を受信する通信部7と、回収ルート情報を車両の運転者に報知する回収ルート報知部(図示せず)と、を備える。
【0010】
[コンバイン]
図1に示すように、コンバイン2は、穀稈を刈取る刈取部8と、刈取った穀稈から穀粒を脱穀して選別する脱穀部(図示せず)と、選別された穀粒を貯留するタンク9と、タンク9内の穀粒を機外に搬出するオーガ10と、運転者が乗車する操縦部11と、クローラ式の走行部12と、を備える。
【0011】
また、
図3に示すように、コンバイン2は、各種の制御を実行する制御部13を備える。制御部13には、コンバイン2の車速を検出する車速センサ14と、刈取動力及び脱穀動力を断接する刈脱クラッチの断接状態を検出する刈脱クラッチセンサ15と、穀稈搬送で刈取穀稈の有無を検出する穀稈センサ16と、コンバイン2の機体位置を検出するGPSなどのGNSS17と、タンク9内の穀粒量を検出する収量センサ18と、運転者が視認可能な表示を行う表示部19と、外部端末4と通信を行う通信部20と、を備える。
【0012】
制御部13は、ハードウェアとソフトウェアとの協働により実現する機能的な構成として収穫能率算出部21を備える。収穫能率算出部21は、コンバイン2の単位時間あたりの収穫量である収穫能率を算出する。具体的に説明すると、収穫能率算出部21は、車速センサ14、刈脱クラッチセンサ15、穀稈センサ16等の検出信号に基づいてコンバイン2の作業状態を判断し、刈取作業中であると判断したら、車速センサ14、GNSS17、収量センサ18等の検出データ値を読み込み、その実測値に基づいてコンバイン2の収穫能率を算出する。つまり、実測値に基づき、刈取走行速度と収穫量との相関関係を求め、平均刈取走行速度により収穫能率を求める。
【0013】
また、収穫能率算出部21は、収穫能率に基づいてタンク9の満杯予定時刻(以下、満杯予想時刻という場合がある。)を算出する。収穫能率は、刈取走行速度によって変化するので、刈取走行速度が変化した場合は、その都度タンク満杯予定時刻が補正される。なお、コンバイン2の収穫能率やタンク満杯予定時刻の算出は、コンバイン2側、外部端末4側のいずれで計算してもよい。
【0014】
また、収穫能率算出部21は、算出した収穫能率及びタンク満杯予定時刻に加え、コンバイン2の位置情報(機体位置、圃場位置)とタンク貯留状況を外部端末4に送信する。
【0015】
[外部端末]
外部端末4は、通信部41を介して複数のコンバイン2から受信した稼働情報に基づいて、運搬車3による複数のコンバイン2の収穫物回収順番を決定する。そして、外部端末4は、収穫物回収順番を決定するための基準を有しており、この基準には、複数のコンバイン2の単位時間当たりの収穫量である収穫能率要素が含まれる。このようにすると、複数のコンバイン2の収穫物を回収するにあたり、全体の収穫効率を考慮しつつ効率の良い収穫物回収を行うことができる。
【0016】
図4は、複数のコンバインの収穫能率を示すグラフである。この図は、X軸を時間、Y軸を収量としたグラフ上で複数のコンバインA、B、Cの収穫効率を示しており、収穫効率が大きいほど傾きが大きい一次関数となる。
図4において、「●」は現在の収穫量を示し、t1、t2、t3は、各コンバインA、B、Cのタンク満杯までの時間を示し、t1、t2、t3の関係は、下記の式が成立すると仮定する。
t2≒t3 t2(t3)<t1
【0017】
図4に示すように、コンバインAとコンバインBが略同時刻に満杯になる場合は、収穫能率の良いコンバインBの回収を優先した方がトータルの生産性が高くなる。つまり、コンバインBのダウンタイムを減らして稼働時間を増やした方がトータルの生産性は高くなるからである。
【0018】
コンバインAがコンバインCより早く満杯になる場合でも、時間差の大小によってコンバインCの回収を優先した方が生産性は高くなる。つまり、コンバインCのダウンタイムを極力減らした方が生産性高くなるからである。
【0019】
本実施形態の外部端末4は、上記のような前提条件を踏まえ、
図5に示すような優先順位判断項目に基づいて、複数のコンバイン2の収穫物回収順番を決定する。優先順位判断項目には、前述した各コンバイン2の収穫能率及びタンク満杯予想時刻の他に、収穫終了予想時刻と、運搬車3から各圃場までの距離を算出するための位置情報と、各圃場に対する運搬車到着予想時刻と、タンク満杯時刻から運搬車到着時刻までに経過する各コンバイン2のロス時間であるダウンタイムと、ダウンタイム及び収穫能率に基づいて算出される各コンバイン2の収穫ロスと、が含まれる。このような優先順位判断項目によれば、収穫ロスが大きいコンバイン2から優先的に収穫物を回収することにより、効率の良い収穫物回収を行うことが可能になる。
【0020】
また、本実施形態の外部端末4は、
図6及び
図7に示すように、複数の収穫物回収順番(例えば、回収ルートパターン1~6)を想定し、収穫物回収順番毎にトータルの収穫ロスを算出し、トータルの収穫ロスが小さい収穫物回収順番に決定することができる。
【0021】
具体的に説明すると、外部端末4は、
図6に示すように、運搬車3の現在位置から1番目に収穫物を回収する圃場までの距離に基づいて、1番目の圃場の到着予想時刻を算出するとともに、到着予想時刻及びタンク満杯予想時刻に基づいてダウンタイムを算出し、ダウンタイム及び収穫効率に基づいて1番目のコンバイン2の収穫ロスを算出する。
【0022】
つぎに、外部端末4は、1番目の圃場から2番目の圃場までの距離に基づいて、2番目の圃場の到着予想時刻を算出するとともに、到着予想時刻及びタンク満杯予想時刻に基づいてダウンタイムを算出し、ダウンタイム及び収穫効率に基づいて2番目のコンバイン2の収穫ロスを算出する。
【0023】
続いて、外部端末4は、2番目の圃場から3番目の圃場までの距離に基づいて、3番目の圃場の到着予想時刻を算出するとともに、到着予想時刻及びタンク満杯予想時刻に基づいてダウンタイムを算出し、ダウンタイム及び収穫効率に基づいて3番目のコンバイン2の収穫ロスを算出する。
【0024】
その後、外部端末4は、1番目~3番目の収穫ロスを合計してトータルの収穫ロスを算出する。このようなトータル収穫ロスの演算をすべての収穫物回収順番(パターン1~6)に当てはめて実行し、トータル収穫ロスの小さい収穫物回収順番を選択する。
【0025】
つぎに、外部端末4の具体的な処理手順を
図8に沿って説明する。
図8に示すように、外部端末4は、まず、各コンバイン2からの情報を読み込む(S101)。この情報には、各コンバイン2の位置情報(機体位置又は圃場位置)と、各コンバイン2の収穫能率と、各コンバイン2のタンク貯留状況と、各コンバイン2のタンク満杯予定時刻と、が含まれる。
【0026】
つぎに、外部端末4は、運搬車3からの情報を読み込む(S102)。この情報には、運搬車3の位置情報と、運搬車3のタンク貯留状況と、が含まれる。
【0027】
つぎに、外部端末4は、複数の回収ルートパターンについて、各コンバイン2及び運搬車3からの情報を基に、それぞれのトータル収穫ロスを算出するとともに、複数の回収ルートパターンの中から一番トータル収穫ロスが小さいものを決定する(S103)。
【0028】
その後、外部端末4は、各コンバイン2、運搬車3及び携帯端末5に回収ルート情報を送信する(S104)。なお、本実施形態では、各コンバイン2の通信部20及び運搬車3の通信部7に対して回収ルート情報を送信し、該回収ルート情報を各コンバイン2に設けられる表示部19に表示したり、運搬車3に設けられる表示部(図示せず)に表示することを想定しているが、各コンバイン2の運転者が所持する携帯端末(図示せず)や、運搬車3の運転者が所持する携帯端末(図示せず)に対して回収ルート情報を送信し、該回収ルート情報を各携帯端末に表示させるようにしてもよい。
【0029】
[実施形態の効果]
叙述の如く構成された本実施形態によれば、収穫物をタンク9に貯留し、かつ稼働情報を送信する複数のコンバイン2と、複数のコンバイン2から受信した稼働情報に基づいて、運搬車3による複数のコンバイン2の収穫物回収順番を決定する外部端末4と、を備える収穫物回収支援システム1であって、外部端末4は、収穫物回収順番を決定するための基準を有し、この基準には、複数のコンバイン2の単位時間当たりの収穫量である収穫能率要素が含まれるので、全体の収穫効率を考慮しつつ効率の良い収穫物回収を行うことができる。
【0030】
また、前記基準には、複数のコンバイン2のタンク満杯予測時刻から運搬車到着予測時刻までに経過するロス時間と、複数の前記コンバインの収穫能率と、に基づいて算出される収穫ロスが含まれるので、ロス時間による収穫ロスを考慮して収穫物回収順番を決定し、さらに効率の良い収穫物回収を行うことができる。
【0031】
また、外部端末4は、複数の収穫物回収順番毎に収穫ロスを算出し、収穫ロスが小さい収穫物回収順番に決定するので、収穫ロスの小さい効率の良い収穫物回収を行うことができる。
【0032】
また、収穫能率は、複数のコンバイン2で計測される実際の稼働情報に基づいて算出されるので、設計値に基づいて算出する場合に比べ、実際の稼働に則した収穫能率を取得できる。
【0033】
[他例]
つぎに、回収ルートパターン決定手順の他例について、
図9を参照して説明する。
図9に示す回収ルートパターン決定手順では、収穫ロスを算出することなく、収穫能率を利用して回収ルートパターンを決定する。具体的に説明すると、他例の外部端末4は、
図8のステップS101及びステップS102と同様に各コンバイン2及び運搬車3の情報を読み込んだ後(S201、S202)、各コンバイン2のタンク満杯予定時刻を算出し、最もタンク満杯予定時刻が早いコンバイン2を特定する(S203)。
【0034】
つぎに、外部端末4は、タンク満杯予定時刻が早いコンバイン2が複数あるか否かを判断し(S204)、この判断結果がNOの場合は、最もタンク満杯予定時刻が早いコンバイン2を回収1番目に決定するが(S205)、判断結果がYESの場合は、収穫能率が高い方のコンバイン2を回収1番目に決定する(S206)。
【0035】
つぎに、外部端末4は、残りのコンバイン2の中から2番目にタンク満杯予定時刻が早いコンバイン2を特定した後(S207)、タンク満杯予定時刻が早いコンバイン2が複数あるか否かを判断し(S208)、この判断結果がNOの場合は、2番目にタンク満杯予定時刻が早いコンバイン2を回収2番目に決定するが(S209)、判断結果がYESの場合は、収穫能率が高い方のコンバイン2を回収2番目に決定する(S210)。
【0036】
その後、外部端末4は、残りのコンバイン2を回収3番目に決定するとともに(S211)、回収ルートパターンを決定し(S212)、決定した回収ルート情報を各コンバイン2、運搬車3及び携帯端末5に送信する(S213)。
【0037】
なお、前述した実施形態は、適宜、変形、改良、等が可能である。例えば、前述した実施形態では、回収対象のコンバイン2が3台の場合について説明しているが、回収対象のコンバイン2が4台以上の場合にも適用できる。また、収穫能率は、実測値ではなく、設計値に基づいて算出してもよい。
【符号の説明】
【0038】
1 収穫物回収支援システム
2 コンバイン
3 運搬車
4 外部端末
5 携帯端末
8 刈取部
9 タンク
11 操縦部
12 走行部
13 制御部
14 車速センサ
15 刈脱クラッチセンサ
16 穀稈センサ
17 GNSS
18 収量センサ
19 表示部
20 通信部
21 収穫能率算出部