(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-08
(45)【発行日】2024-08-19
(54)【発明の名称】BTKおよびその変異体の阻害剤
(51)【国際特許分類】
C07D 487/04 20060101AFI20240809BHJP
A61K 31/4985 20060101ALI20240809BHJP
A61P 11/06 20060101ALI20240809BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20240809BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20240809BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20240809BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240809BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20240809BHJP
A61P 37/06 20060101ALI20240809BHJP
A61P 37/08 20060101ALI20240809BHJP
【FI】
C07D487/04 140
A61K31/4985
A61P11/06
A61P19/02
A61P25/00
A61P29/00
A61P29/00 101
A61P35/00
A61P35/02
A61P37/06
A61P37/08
C07D487/04 CSP
(21)【出願番号】P 2020566200
(86)(22)【出願日】2019-02-15
(86)【国際出願番号】 US2019018139
(87)【国際公開番号】W WO2019161152
(87)【国際公開日】2019-08-22
【審査請求日】2022-02-14
(32)【優先日】2018-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521072722
【氏名又は名称】グアンジョウ・ルペン・ファーマシューティカル・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100163784
【氏名又は名称】武田 健志
(72)【発明者】
【氏名】チェン,イ
【審査官】▲来▼田 優来
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-535764(JP,A)
【文献】特表2017-502933(JP,A)
【文献】特表2014-532762(JP,A)
【文献】特表2013-528595(JP,A)
【文献】Cosme Sandoval et al.,Two-Step Synthesis of 3,4-Dihydropyrrolopyrazinones from Ketones and Piperazin-2-ones,Organic Letters,2018年02月06日,Volume 20, Issue 4,pp. 1252-1255
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(
III):
【化1】
(式中
、
Xは
、C(R
a)またはNであり、
R
1
は、それぞれ独立してH、D、アルキル、スピロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、スピロヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、ニトロ、オキソ、シアノ、OR
a、SR
a、アルキル-R
a、NH(CH
2)
pR
a、C(O)R
a、S(O)R
a、SO
2R
a、C(O)OR
a、OC(O)R
a、NR
bR
c、C(O)N(R
b)R
c、N(R
b)C(O)R
c、-P(O)R
bR
c、-アルキル-P(O)R
bR
c、-S(O)(=N(R
b))R
c、-N=S(O)R
bR
c、=NR
b、SO
2N(R
b)R
c、またはN(R
b)SO
2R
cであり、前記シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールが、1つまたは複数のR
dで任意選択で置換されており、
R
2は、Hまたはアルキルであり、
R
3は、H、ハロ、アルキル、ハロアルキル、またはヒドロキシアルキルであり、
R
4は、H、ハロ、またはC
1~4アルキルであり、
R
1基のうちの2つは、それらが結合している原子と共に、1つまたは複数のR
dで任意選択で置換されているシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルを、任意選択で形成してもよく
、
R
a、R
b、R
c、およびR
dは、独立してH、D、アルキル、スピロアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、シアノ、アミン、ニトロ、ヒドロキシ、=O、-P(O)R
bR
c、-アルキル-P(O)R
bR
c、-S(O)(=N(R
b))R
c、-N=S(O)R
bR
c、=NR
b、C(O)NHOH、C(O)OH、C(O)NH
2、アルコキシ、アルコキシアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アルキルアミノ、オキソ、ハロ-アルキルアミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、スピロヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、アリール、またはヘテロアリールであり、前記アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールが、1つまたは複数のR
eで任意選択で置換されており、
R
eは、H、D、アルキル、スピロアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、シアノ、アミン、ニトロ、ヒドロキシ、=O、C(O)NHOH、アルコキシ、アルコキシアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アルキルアミノ、オキソ、ハロ-アルキルアミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、スピロヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、アリール、またはヘテロアリールであり、
mおよびpは、それぞれ独立して0、1、2、3、または4であり、
kは、0、1、または2であり、
sは、0、1、2、または3であり、
rは、0、1、2、または3である)
の化合物もしくはそのN-オキシド、または式(
III)の前記化合物もしくはそのN-オキシドの薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体。
【請求項2】
式(IV):
【化2】
(式中、
kは、1または2であり、
rは、1または2である)
によって示される、請求項
1に記載の化合物もしくはそのN-オキシド、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体。
【請求項3】
式(IV):
【化3】
(式中、
R
1
は、それぞれ独立してH、D、C
1
~C
10
アルキル、C
2
~C
10
アルケニル、C
2
~C
10
アルキニル、C
3
~C
6
シクロアルキル、C
5
~C
8
ヘテロシクロアルキル、ハロ、ニトロ、シアノ、OR
a
、SR
a
、C
1
~C
10
アルキル-R
a
であり、R
1
によって示される前記C
3
~C
6
シクロアルキルまたはC
5
~C
8
ヘテロシクロアルキルが、1つまたは複数のR
d
で任意選択で置換されており、
R
3
は、H、ハロ、C
1
~C
4
アルキル、ハロC
1
~C
4
アルキル、またはヒドロキシC
1
~C
4
アルキルであり、
R
a
およびR
d
は、独立してH、D、C
1
~C
10
アルキル、C
2
~C
10
アルケニル、C
2
~C
10
アルキニル、C
3
~C
6
シクロアルキル、C
5
~C
8
ヘテロシクロアルキル、ハロ、ニトロ、シアノ、=O、C
1
~C
10
アルコキシ、ハロC
1
~C
10
アルキル、ヒドロキシC
1
~C
10
アルキル、またはアミノC
1
~C
10
アルキルであり、R
a
またはR
d
によって示される前記C
1
~C
10
アルキル、C
3
~C
6
シクロアルキル、またはC
5
~C
8
ヘテロシクロアルキルが、1つまたは複数のR
e
で任意選択で置換されており、
R
e
は、H、D、C
1
~C
10
アルキル、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、C
1
~C
10
アルコキシ、C
3
~C
6
シクロアルキル、またはC
5
~C
8
ヘテロシクロアルキルであり、
mは、0、1、2、3、または4であり、
kは、1であり、
sは、0、1、2、または3であり、
rは、1である)
によって示される、請求項1に記載の化合物もしくはそのN-オキシド、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体。
【請求項4】
R
1
は、それぞれ独立してC
5
~C
8
ヘテロシクロアルキルであり、R
1
によって示される前記C
5
~C
8
ヘテロシクロアルキルが、1つまたは2つのN原子を有する単環式ヘテロシクロアルキルであり、前記C
5
~C
8
ヘテロシクロアルキルが、1つまたは2つのR
d
で任意選択で置換されており、
R
3
は、ヒドロキシC
1
~C
4
アルキルであり、
R
d
は、それぞれ独立してH、D、C
1
~C
10
アルキル、C
5
~C
8
ヘテロシクロアルキル、またはアミノC
1
~C
10
アルキルであり、R
d
によって示される前記C
1
~C
10
アルキルまたはC
5
~C
8
ヘテロシクロアルキルが、1つまたは複数のR
e
で任意選択で置換されており、R
d
が(R
d
)
s
によって示される場合、R
d
はC
1
~C
10
アルキルであり、
R
e
は、H、D、またはC
1
~C
10
アルキルであり、
mは、1であり、
kは、1であり、
sは、2であり、
rは、1である、
請求項3に記載の化合物もしくはそのN-オキシド、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体。
【請求項5】
R
1
は、それぞれ独立してC
5
~C
8
ヘテロシクロアルキルであり、前記C
5
~C
8
ヘテロシクロアルキルが、1つまたは2つのN原子を有する単環式ヘテロシクロアルキルであり、R
1
によって示される前記C
5
~C
8
ヘテロシクロアルキルが、1つまたは2つのR
d
で任意選択で置換されており、
R
3
は、ヒドロキシC
1
~C
4
アルキルであり、
R
d
は、それぞれ独立してH、D、C
1
~C
10
アルキル、C
5
~C
8
ヘテロシクロアルキル、またはアミノC
1
~C
10
アルキルであり、R
d
によって示される前記C
5
~C
8
ヘテロシクロアルキルが、OおよびNから選択される1つまたは複数のヘテロ原子を有する単環式ヘテロシクロアルキルであり、R
d
によって示される前記C
1
~C
10
アルキルまたはC
5
~C
8
ヘテロシクロアルキルが、1つまたは複数のR
e
で任意選択で置換されており、R
d
が(R
d
)
s
によって示される場合、R
d
は-CH
3
であり、
R
e
は、H、D、またはC
1
~C
10
アルキルであり、
mは、1であり、
kは、1であり、
sは、2であり、
rは、1である、
請求項3に記載の化合物もしくはそのN-オキシド、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体。
【請求項6】
R
1
は、それぞれ独立してC
5
~C
8
ヘテロシクロアルキルであり、R
1
によって示される前記C
5
~C
8
ヘテロシクロアルキルが、1つまたは2つのN原子を有する単環式ヘテロシクロアルキルであり、R
1
によって示される前記C
5
~C
8
ヘテロシクロアルキルが、2つのR
d
で任意選択で置換されており、
R
3
は、ヒドロキシCH
2
-であり、
R
d
は、それぞれ独立して-CH
3
またはC
5
~C
8
ヘテロシクロアルキルであり、R
d
によって示される前記C
5
~C
8
ヘテロシクロアルキルが、OおよびNから選択される1つまたは複数のヘテロ原子を有する単環式ヘテロシクロアルキルであり、R
d
によって示される前記-CH
3
またはC
5
~C
8
ヘテロシクロアルキルが、1つまたは複数のR
e
で任意選択で置換されており、R
d
が(R
d
)
s
によって示される場合、R
d
は-CH
3
であり、
R
e
は、Hであり、
mは、1であり、
kは、1であり、
sは、2であり、
rは、1である、
請求項3に記載の化合物もしくはそのN-オキシド、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体。
【請求項7】
R
1
は、ピペラジニルであり、R
1
によって示される前記ピペラジニルが、2つのR
d
で置換されており、
R
3
は、ヒドロキシCH
2
-であり、
R
d
は、それぞれ独立して-CH
3
またはC
5
~C
8
ヘテロシクロアルキルであり、R
d
によって示される前記C
5
~C
8
ヘテロシクロアルキルが、1つのO原子を有する単環式ヘテロシクロアルキルであり、R
d
によって示される前記-CH
3
またはC
5
~C
8
ヘテロシクロアルキルが、1つまたは複数のR
e
で任意選択で置換されており、R
d
が(R
d
)
s
によって示される場合、R
d
は-CH
3
であり、
R
e
は、Hであり、
mは、1であり、
kは、1であり、
sは、2であり、
rは、1である、
請求項3に記載の化合物もしくはそのN-オキシド、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体。
【請求項8】
R
1
は、それぞれ独立してC
1
~C
10
アルキル、C
5
~C
8
ヘテロシクロアルキル、ハロ、シアノ、SR
a
、またはC
1
~C
10
アルキル-R
a
であり、R
1
によって示される前記C
5
~C
8
ヘテロシクロアルキルが、1つまたは複数のR
d
で任意選択で置換されており、
R
3
は、C
1
~C
4
アルキルであり、
R
d
は、それぞれ独立してC
1
~C
10
アルキル、C
3
~C
6
シクロアルキル、またはC
5
~C
8
ヘテロシクロアルキルであり、R
d
によって示される前記C
1
~C
10
アルキルまたはC
5
~C
8
ヘテロシクロアルキルが、1つまたは複数のR
e
で任意選択で置換されており、R
d
が(R
d
)
s
によって示される場合、R
d
はC
1
~C
10
アルキルであり、
R
e
は、H、D、C
1
~C
10
アルキル、またはハロであり、
mは、1または2であり、
kは、1であり、
sは、2であり、
rは、1である、
請求項3に記載の化合物もしくはそのN-オキシド、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体。
【請求項9】
R
1
は、それぞれ独立してC
5
~C
8
ヘテロシクロアルキルであり、R
1
によって示される前記C
5
~C
8
ヘテロシクロアルキルが、1つまたは2つのN原子を有する単環式ヘテロシクロアルキルであり、R
1
によって示される前記C
5
~C
8
ヘテロシクロアルキルが、1つまたは複数のR
d
で任意選択で置換されており、
R
3
は、-CH
3
であり、
R
d
は、それぞれ独立してC
1
~C
10
アルキルまたはC
5
~C
8
ヘテロシクロアルキルであり、R
d
によって示される前記C
5
~C
8
ヘテロシクロアルキルが、OおよびNから選択される1つまたは複数のヘテロ原子を有する単環式ヘテロシクロアルキルであり、R
d
によって示される前記C
1
~C
10
アルキルまたはC
5
~C
8
ヘテロシクロアルキルが、1つまたは複数のR
e
で任意選択で置換されており、R
d
が(R
d
)
s
によって示される場合、R
d
は-CH
3
であり、
R
e
は、Hであり、
mは、1であり、
kは、1であり、
sは、2であり、
rは、1である、
請求項3に記載の化合物もしくはそのN-オキシド、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体。
【請求項10】
式(IV):
【化4】
(式中、
R
1
は、ピペラジニルであり、R
1
によって示される前記ピペラジニルが、2つのR
d
で置換されており、
R
d
は、それぞれ独立して-CH
3
またはC
4
~C
6
ヘテロシクロアルキルであり、R
d
によって示される前記C
4
~C
6
ヘテロシクロアルキルが、1つのO原子を有する単環式ヘテロシクロアルキルであり、R
d
によって示される前記-CH
3
またはC
4
~C
6
ヘテロシクロアルキルが、1つまたは複数のR
e
で任意選択で置換されており、R
d
が(R
d
)
s
によって示される場合、R
d
は-CH
3
であり、
R
e
は、Hであり、
R
3
は、ヒドロキシCH
2
-であり、
mは、1であり、
kは、1であり、
sは、2であり、
rは、1である)
によって示される、請求項1に記載の化合物もしくはそのN-オキシド、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体。
【請求項11】
式(IV):
【化5】
(式中、
R
1
は、ピペラジニルであり、R
1
によって示される前記ピペラジニルが、2つのR
d
で置換されており、
R
d
は、それぞれ独立して-CH
3
またはC
4
ヘテロシクロアルキルであり、R
d
によって示される前記C
4
ヘテロシクロアルキルが、1つのO原子を有する単環式ヘテロシクロアルキルであり、R
d
によって示される前記-CH
3
またはC
4
ヘテロシクロアルキルが、1つまたは複数のR
e
で任意選択で置換されており、R
d
が(R
d
)
s
によって示される場合、R
d
は-CH
3
であり、
R
e
は、Hであり、
R
3
は、ヒドロキシCH
2
-であり、
mは、1であり、
kは、1であり、
sは、2であり、
rは、1である)
によって示される、請求項1に記載の化合物もしくはそのN-オキシド、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体。
【請求項12】
式(IV):
【化6】
(式中、
R
1
は、C
5
~C
8
ヘテロシクロアルキルであり、R
1
によって示される前記C
5
~C
8
ヘテロシクロアルキルが、1つまたは2つのN原子を有する単環式ヘテロシクロアルキルであり、R
1
によって示される前記C
5
~C
8
ヘテロシクロアルキルが、2つのR
d
で置換されており、
R
d
は、それぞれ独立して-CH
3
またはC
5
ヘテロシクロアルキルであり、R
d
によって示される前記C
5
ヘテロシクロアルキルが、OおよびN原子から選択される1つのヘテロ原子を有する単環式ヘテロシクロアルキルであり、R
d
によって示される前記-CH
3
またはC
5
ヘテロシクロアルキルが、1つまたは複数のR
e
で任意選択で置換されており、R
d
が(R
d
)
s
によって示される場合、R
d
は-CH
3
であり、
R
e
は、Hまたはハロであり、
R
3
は、ヒドロキシCH
2
-であり、
mは、1であり、
kは、1であり、
sは、2であり、
rは、1である)
によって示される、請求項1に記載の化合物もしくはそのN-オキシド、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体。
【請求項13】
式(IV):
【化7】
(式中、
R
1
は、ピペラジニルであり、R
1
によって示される前記ピペラジニルが、2つのR
d
で置換されており、
R
d
は、それぞれ独立して-CH
3
またはC
6
ヘテロシクロアルキルであり、R
d
によって示される前記C
6
ヘテロシクロアルキルが、1つのO原子を有する単環式ヘテロシクロアルキルであり、R
d
によって示される前記-CH
3
またはC
6
ヘテロシクロアルキルが、1つまたは複数のR
e
で任意選択で置換されており、R
d
が(R
d
)
s
によって示される場合、R
d
は-CH
3
であり、
R
e
は、Hであり、
R
3
は、ヒドロキシCH
2
-であり、
mは、1であり、
kは、1であり、
sは、2であり、
rは、1である)
によって示される、請求項1に記載の化合物もしくはそのN-オキシド、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体。
【請求項14】
式(IV):
【化8】
(式中、
R
1
は、C
5
~C
8
ヘテロシクロアルキルであり、R
1
によって示される前記C
5
~C
8
ヘテロシクロアルキルが、2つのR
d
で置換されており、
R
d
は、それぞれ独立してC
1
~C
10
アルキルまたはC
4
~C
6
ヘテロシクロアルキルであり、R
d
によって示される前記C
1
~C
10
アルキルまたはC
4
~C
6
ヘテロシクロアルキルが、1つまたは複数のR
e
で任意選択で置換されており、R
d
が(R
d
)
s
によって示される場合、R
d
は-CH
3
であり、
R
e
は、H、D、ハロ、またはC
1
~C
10
アルキルであり、
R
3
は、-CH
3
であり、
mは、1であり、
kは、1であり、
sは、2であり、
rは、1である)
によって示される、請求項1に記載の化合物もしくはそのN-オキシド、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体。
【請求項15】
式(IV):
【化9】
(式中、
R
1
は、ピペラジニルであり、R
1
によって示される前記ピペラジニルが、2つのR
d
で置換されており、
R
d
は、それぞれ独立してC
1
~C
10
アルキルまたはC
4
ヘテロシクロアルキルであり、R
d
によって示される前記C
4
ヘテロシクロアルキルが、1つのO原子を有する単環式ヘテロシクロアルキルであり、R
d
によって示される前記C
1
~C
10
アルキルまたはC
4
ヘテロシクロアルキルが、1つまたは複数のR
e
で任意選択で置換されており、R
d
が(R
d
)
s
によって示される場合、R
d
は-CH
3
であり、
R
e
は、Hであり、
R
3
は、-CH
3
であり、
mは、1であり、
kは、1であり、
sは、2であり、
rは、1である)
によって示される、請求項1に記載の化合物もしくはそのN-オキシド、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体。
【請求項16】
式(IV):
【化10】
(式中、
R
1
は、ピペラジニルであり、R
1
によって示される前記ピペラジニルが、2つのR
d
で置換されており、
R
d
は、それぞれ独立してC
1
~C
10
アルキルまたはC
6
ヘテロシクロアルキルであり、R
d
によって示される前記C
6
ヘテロシクロアルキルが、1つのO原子を有する単環式ヘテロシクロアルキルであり、R
d
によって示される前記C
1
~C
10
アルキルまたはC
6
ヘテロシクロアルキルが、1つまたは複数のR
e
で任意選択で置換されており、R
d
が(R
d
)
s
によって示される場合、R
d
は-CH
3
であり、
R
e
は、Hであり、
R
3
は、-CH
3
であり、
mは、1であり、
kは、1であり、
sは、2であり、
rは、1である)
によって示される、請求項1に記載の化合物もしくはそのN-オキシド、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体。
【請求項17】
(S)-N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド、
(S)-N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(2-メチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピペラジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド、
N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(2-メチル-4-モルホリノピペリジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド、
(S)-N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド、
(S)-N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(2-メチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピペラジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド、
(S)-N-(2-(4-(4,4-ジフルオロシクロヘキシル)-2-メチルピペラジン-1-イル)-5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)フェニル)アクリルアミド、
N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-((2S)-2-メチル-4-モルホリノピペリジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド、
N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(4-モルホリノピペリジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド、
N-(2-(4,4-ジフルオロ-[1,4’-ビピペリジン]-1’-イル)-5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)フェニル)アクリルアミド、
N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド、
(S)-N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-3-メチル-2-(2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド、
(S)-N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-3-フルオロ-2-(2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド、
(S)-N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル)アクリルアミド、
(S)-N-(3-シアノ-5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド、
(S)-N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-3-(イソプロピルスルホニル)-2-(2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド、
(S)-N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)-3-((トリフルオロメチル)スルホニル)フェニル)アクリルアミド、
N-(2-((2’S)-4,4-ジフルオロ-2’-メチル-[1,4’-ビピペリジン]-1’-イル)-5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)フェニル)アクリルアミド、
N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-((2S)-2-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド
である、請求項1に記載の化合物もしくはそのN-オキシド、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体。
【請求項18】
N-(3-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)フェニル)アクリルアミドである、請求項1に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩。
【請求項19】
(S)-N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(2-メチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピペラジン-1-イル)フェニル)アクリルアミドである、請求項1に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩。
【請求項20】
(S)-N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン
-2-イル)-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)フェニル)アクリルアミドである、請求項1に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩。
【請求項21】
(S)-N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)フェニル)アクリルアミドである、請求項1に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩。
【請求項22】
N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-((2S)-2-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アクリルアミドである、請求項1に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩。
【請求項23】
請求項1で定義された式(
III)の化合物もしくはそのN-オキシド、または式(
III)の前記化合物もしくはそのN-オキシドの薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体、および薬学的に許容される希釈剤または担体を含む医薬組成物。
【請求項24】
腫瘍性疾患、自己免疫疾患、および炎症性障害を治療するための医薬組成物であって、請求項1で定義された式(
III)の化合物もしくはそのN-オキシド、または式(
III)の前記化合物もしくはそのN-オキシドの薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体を含む、上記医薬組成物。
【請求項25】
前記自己免疫疾患および炎症性障害が、尋常性天疱瘡、関節リウマチ(RA)、喘息、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、またはアレルギーである、請求項
24に記載の医薬組成物。
【請求項26】
前記腫瘍性疾患が、B細胞悪性腫瘍(B-cell maligance)または固形腫瘍である、請求項
24に記載の医薬組成物。
【請求項27】
前記腫瘍性疾患が、慢性リンパ性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)、または多発性骨髄腫(MM)である、請求項
26に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)の下で、2018年2月19日に出願された米国特許仮出願第62/631,945号の出願日の利益を主張し、その全体の内容が参照によって本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
ブルトン型チロシンキナーゼ(Btk)は、Tecファミリー非受容体プロテインキナーゼであり、T細胞ではなく、B細胞、肥満細胞、およびマクロファージなどの大半の造血細胞、ナチュラルキラー細胞、ならびに形質細胞において発現される[Smith、C.I.ら、Journal of Immunology(1994)、152(2)、557~65]。Btkは、BCRおよびFcRシグナル伝達経路の決定的な役割を担っており、Btkの標的化阻害は、B細胞悪性腫瘍、自己免疫疾患、および炎症性障害など、多くの異なるヒト疾患を治療するための新たなアプローチである[Uckun、Fatih M.ら、Anti-Cancer Agents in Medicinal Chemistry(2007)、Shinoharaら、Cell132(2008)794~806頁;Pan、Zhengying、Drug News&Perspectives(2008)、21(7);7(6)、624~632頁;Gilfillanら、Immunological Reviews288(2009)149~169頁;Davisら、Nature、463(2010)88~94頁]。
【0003】
イブルチニブおよびアカラブルチニブを含む共有結合性ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤は、慢性リンパ性白血病、ワルデンストロームマクログロブリン血症、マントル細胞リンパ腫、および辺縁帯リンパ腫を含む複数のBTK依存性のB細胞悪性腫瘍の治療状況を一変した。B細胞悪性腫瘍に対するイブルチニブの臨床的応答が顕著であるにもかかわらず、一次耐性および二次耐性を示して転帰不良となる症例が出現し、治療の選択肢が制限されている。イブルチニブのような不可逆的BTK阻害剤に対して耐性を示すCLL患者の大多数は、BTK-C481S変異を生じている。CLLを再発する患者の80%がC481S変異を有するであろうことが報告されている[Maddocks KJら、JAMA Oncol.2015;1:80~87]。オハイオ州立大学の別の研究グループは、4年目に、イブルチニブ投与中の患者のおよそ20%が臨床的に進行したことを、Journal of Clinical Oncology[35巻、13号、2017年、1437頁]で報告した。再発したこれらの患者のうち、85%は、C481S変異を獲得していた。さらに、これらの変異は,平均して、再発前の9カ月間にわたって検出された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
イブルチニブのようなBTK阻害剤およびACP-196は、当該技術分野に大きく貢献しているが、WT BTKを不可逆的に阻害するだけではなく、C481S変異BTKを可逆的に阻害することができる、非常に強力で選択的なBTK阻害剤に関するこの技術分野における研究の継続が強く必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、WT BTKを不可逆的に阻害するだけでなく、C481S変異BTKを可逆的に阻害するよう論理的に設計された強力で選択的なBtk阻害剤のクラスに関する。このため、本発明の化合物は、特にBTKにC481S変異を有し、イブルチニブおよびACP-196(アカラブルチニブ)のような第一世代BTK阻害剤に耐性を示す患者/第一世代BTK阻害剤が無効である患者を治療する際に有用である可能性がある。本発明の化合物は、自己免疫疾患のような疾患または炎症性障害を有する患者を治療する際に有用である可能性がある。
【0006】
一態様において、本発明は、式(I):
【0007】
【0008】
(式中、
Q1は、5~6員のアリールまたはヘテロアリールであり、
Q2は、5~7員のヘテロシクロアルキルまたはヘテロアリールであり、
Q3は、5員のヘテロアリールであり、
W、X、Y、Z1は、それぞれ独立してC(Ra)またはNであり、
R1およびR5は、それぞれ独立してH、D、アルキル、スピロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、スピロヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、ニトロ、オキソ、シアノ、ORa、SRa、アルキル-Ra、NH(CH2)pRa、C(O)Ra、S(O)Ra、SO2Ra、C(O)ORa、OC(O)Ra、NRbRc、C(O)N(Rb)Rc、N(Rb)C(O)Rc、-P(O)RbRc、-アルキル-P(O)RbRc、-S(O)(=N(Rb))Rc、-N=S(O)RbRc、=NRb、SO2N(Rb)Rc、またはN(Rb)SO2Rcであり、前記シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールが、1つまたは複数のRdで任意選択で置換されており、
R2は、Hまたはアルキルであり、
R3は、H、ハロ、アルキル、ハロアルキル、またはヒドロキシアルキルであり、
R4は、H、ハロ、または低級アルキルであり、
R1基のうちの2つは、それらが結合している原子と共に、1つまたは複数のRdで任意選択で置換されているシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルを、任意選択で形成してもよく、
R5基のうちの2つは、それらが結合している原子と共に、1つまたは複数のRdで任意選択で置換されているシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルを、任意選択で形成してもよく、
Ra、Rb、Rc、およびRdは、独立してH、D、アルキル、スピロアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、シアノ、アミン、ニトロ、ヒドロキシ、=O、-P(O)RbRc、-アルキル-P(O)RbRc、-S(O)(=N(Rb))Rc、-N=S(O)RbRc、=NRb、C(O)NHOH、C(O)OH、C(O)NH2、アルコキシ、アルコキシアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アルキルアミノ、オキソ、ハロ-アルキルアミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、スピロヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、アリール、またはヘテロアリールであり、前記アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールが、1つまたは複数のReで任意選択で置換されており、
Reは、H、D、アルキル、スピロアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、シアノ、アミン、ニトロ、ヒドロキシ、=O、C(O)NHOH、アルコキシ、アルコキシアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アルキルアミノ、オキソ、ハロ-アルキルアミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、スピロヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、アリール、またはヘテロアリールであり、
m、n、p、およびqは、それぞれ独立して0、1、2、3、または4であり、
弾頭部は、
【0009】
【0010】
である)
の化合物もしくはそのN-オキシド、または式(I)の前記化合物もしくはそのN-オキシドの薬学的に許容される塩、溶媒和物、多形体、互変異性体、立体異性体、同位体、もしくはプロドラッグに関する。
【0011】
好ましい実施形態において、前記化合物は、式(II):
【0012】
【0013】
(式中、
kは、0、1、または2であり、
sは、0、1、2、または3であり、
Q4は、5~7員のシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、またはヘテロシクロアルケニルであり、残りの可変基は、式(I)で定義されたとおりである)
によって示される。
【0014】
より好ましい実施形態において、前記化合物は、式(III):
【0015】
【0016】
(式中、
rは、0、1、2、または3であり、残りの可変基は、式(I)または式(II)で定義されたとおりである)
によって示される。
【0017】
より好ましい実施形態において、前記化合物は、式(IV):
【0018】
【0019】
(式中、
kは、1または2であり、
rは、1または2であり、残りの可変基は、式(I)または式(II)で定義されたとおりである)
によって示される。
【0020】
本発明の化合物は、1つまたは複数の不斉炭素原子を含有してもよい。したがって、前記化合物は、ジアステレオマー、エナンチオマー、またはその混合物として存在することがある。前記不斉炭素原子は、それぞれRまたはS立体配置であってもよく、これらの立体配置はいずれも本発明の範囲内である。
【0021】
修飾されていない化合物と比較して、薬剤の溶解度、安定性、バイオアベイラビリティ、および/または治療指数が改善される(例えば、増強する、増大する)修飾を含めて、このような化合物のうちの任意の1つの修飾された化合物も検討される。例示的な修飾物には、(以下に限定されないが)適用可能なプロドラッグ誘導体および重水素富化化合物が含まれる。
【0022】
本発明の化合物は、塩または溶媒和物の形態で存在する場合があり、塩または溶媒和物の形態で任意選択で投与される場合があることは、認識されるべきである。本発明は、上記の化合物およびその修飾物のうちの任意の1つの薬学的に許容される任意の塩および溶媒和物を包含する。
【0023】
腫瘍性疾患、自己免疫疾患、および炎症性障害の治療に使用するための上記の化合物、その修飾物、および/または塩のうちの1種または複数を含有する医薬組成物、その治療的使用、ならびに前記疾患/障害を治療するための薬剤の製造のための前記化合物の使用も本発明の範囲内である。
【0024】
本発明は、腫瘍性疾患、特に、以下に限定されないが、B細胞性リンパ腫、リンパ腫(ホジキンリンパ腫および非ホジキンリンパ腫を含む)、ヘアリー細胞リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、およびびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)を含むB細胞悪性腫瘍、多発性骨髄腫、慢性および急性骨髄性白血病、ならびに慢性および急性リンパ性白血病を、上記の化合物、その修飾物、および/または塩、ならびにその組成物のうちの1種または複数を有効量で、それを必要とする対象に投与することによって治療する方法にも関する。
【0025】
本発明に記載の化合物および組成物の使用で影響され得る自己免疫疾患および/または炎症性疾患には、以下に限定されないが、乾癬、アレルギー、クローン病、過敏性腸症候群、シェーグレン病、組織移植片拒絶反応、移植された臓器の超急性拒絶反応、喘息、全身性エリテマトーデス(および関連する糸球体腎炎)、皮膚筋炎、多発性硬化症、強皮症、血管炎(ANCA関連血管炎および他の血管炎)、自己免疫性溶血状態および自己免疫性血小板減少状態、グッドパスチャー症候群(ならびに関連する糸球体腎炎および肺出血)、アテローム性動脈硬化症、関節リウマチ、慢性の特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、アジソン病、パーキンソン病、アルツハイマー病、糖尿病、敗血症性ショック、ならびに重症筋無力症が含まれる。
【0026】
本発明の1つまたは複数の実施形態の詳細は、以下の説明に明記される。本発明の他の特徴、目的、利点は、説明および特許請求の範囲から明らかとなるであろう。実施例および出願当初の特許請求の範囲に記載されている任意の具体的な特徴を含む、本明細書に記載されている本発明の全ての実施形態/特徴(化合物、医薬組成物、生成/使用の方法など)は、適用不可能ではない限り、または明確に否認されない限り、相互に組み合わせることが可能であることは、理解されるべきである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本明細書に記載されている例示的な化合物には、以下に限定されないが、以下のものが含まれる:
N-(3-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)フェニル)アクリルアミド、
(E)-N-(3-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)フェニル)-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エンアミド、
(R)-N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド、
N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド、
N-(5-((6-(3-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-2-(ヒドロキシメチル)フェニル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド、
N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド、
N-(5-((6-(3-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-2-(ヒドロキシメチル)フェニル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド、
(S)-N-(5-((6-(3-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-2-(ヒドロキシメチル)フェニル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド、
(S)-N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド、
(S)-N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(2-メチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピペラジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド、
(S)-N-(2-(4-(4,4-ジフルオロシクロヘキシル)-2-メチルピペラジン-1-イル)-5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)フェニル)アクリルアミド、
N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-((2S)-4-(2,6-ジメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド、
N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(2-メチル-4-モルホリノピペリジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド、
N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(2-メチル-4-(メチル(オキセタン-3-イル)アミノ)ピペリジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド、
N-(2-((2’S)-4,4-ジフルオロ-2’-メチル-[1,4’-ビピペリジン]-1’-イル)-5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)フェニル)アクリルアミド、
N-(2-((2S)-4-(3,3-ジフルオロピロリジン-1-イル)-2-メチルピペリジン-1-イル)-5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)フェニル)アクリルアミド、
N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-((2S)-2-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド、
N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-((2S)-4-(ジメチルアミノ)-2-メチルピペリジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド、
N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(1-(オキセタン-3-イル)ピペリジン-4-イル)フェニル)アクリルアミド、
N-(5-((6-(3-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-2-(ヒドロキシメチル)フェニル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(1-(オキセタン-3-イル)ピペリジン-4-イル)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-5-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド、
N-(3-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-5-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)フェニル)アクリルアミド、
N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)ブタ-2-インアミド、
N-(5-((6-(3-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-2-(ヒドロキシメチル)フェニル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)ブタ-2-インアミド、
N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)フェニル)ブタ-2-インアミド、
N-(5-((6-(3-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-2-(ヒドロキシメチル)フェニル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)フェニル)ブタ-2-インアミド、
(S)-N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)フェニル)ブタ-2-インアミド、
(S)-N-(5-((6-(3-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-2-(ヒドロキシメチル)フェニル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)フェニル)ブタ-2-インアミド、
(Z)-2-シアノ-N-(3-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)フェニル)-4-メチル-4-(4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)ペンタ-2-エンアミド、
(Z)-2-シアノ-N-(3-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)フェニル)-4-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ペンタ-2-エンアミド、
(Z)-2-シアノ-N-(3-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)フェニル)-4-メチル-4-(メチル(オキセタン-3-イル)アミノ)ペンタ-2-エンアミド、
N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパン-2-イル)フェニル)アクリルアミド、
N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(2-モルホリノプロパン-2-イル)フェニル)アクリルアミド、
N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(2-(メチル(オキセタン-3-イル)アミノ)プロパン-2-イル)フェニル)アクリルアミド、
N-(2-(2-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)プロパン-2-イル)-5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)フェニル)アクリルアミド、
N-(2-(2-(3,3-ジフルオロピロリジン-1-イル)プロパン-2-イル)-5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)フェニル)アクリルアミド、
N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(2-(4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)プロパン-2-イル)フェニル)アクリルアミド、
N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(2-メチル-1-モルホリノプロパン-2-イル)フェニル)アクリルアミド、
N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(2-メチル-1-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパン-2-イル)フェニル)アクリルアミド、
N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(ピペリジン-3-イル)フェニル)アクリルアミド、
N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(4-メチルピペラジン-1-カルボニル)フェニル)アクリルアミド、
(S)-N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド、
(S)-N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(2-メチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピペラジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド、
(S)-N-(2-(4-(4,4-ジフルオロシクロヘキシル)-2-メチルピペラジン-1-イル)-5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)フェニル)アクリルアミド、
N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-((2S)-2-メチル-4-モルホリノピペリジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド、
N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(4-モルホリノピペリジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド、
N-(2-(4,4-ジフルオロ-[1,4’-ビピペリジン]-1’-イル)-5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)フェニル)アクリルアミド、
N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド、
(S)-N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-3-フルオロ-2-(2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド、
(S)-N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-3-メチル-2-(2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド、
(S)-N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル)アクリルアミド、
(S)-N-(3-シアノ-5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド、
(S)-N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-3-(イソプロピルスルホニル)-2-(2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド、
(S)-N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)-3-((トリフルオロメチル)スルホニル)フェニル)アクリルアミド、
N-(2-((2’S)-4,4-ジフルオロ-2’-メチル-[1,4’-ビピペリジン]-1’-イル)-5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)フェニル)アクリルアミド、
N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-((2S)-2-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド。
【0028】
本発明の化合物は、1つまたは複数の不斉炭素原子を含有してもよい。したがって、前記化合物は、ジアステレオマー、エナンチオマー、またはその混合物として存在することがある。前記化合物の合成には、出発物質または中間体として、ラセミ体、ジアステレオマー、またはエナンチオマーを採用してもよい。ジアステレオマー化合物は、クロマトグラフ法または晶析法によって分離されてもよい。同様に、エナンチオマー混合物は、同じ技術または当該分野で知られている他の技術を使用して分離されてもよい。前記不斉炭素原子は、それぞれRまたはS立体配置であってもよく、これらの立体配置は、いずれも本発明の範囲内である。
【0029】
修飾されていない化合物と比較して、薬剤の溶解度、安定性、バイオアベイラビリティ、および/または治療指数が改善される(例えば、増強する、増大する)修飾を含めて、このような化合物のうちの任意の1つの修飾された化合物も検討される。修飾物の例には、以下に限定されないが、プロドラッグ誘導体および重水素富化化合物が含まれる。例えば:
- プロドラッグ誘導体:プロドラッグは、対象への投与において、in vivoで本発明の活性な化合物に変換されるものである[Nature Reviews of Drug Discovery、2008年、第7巻、255頁]。尚、多くの場合、プロドラッグは、それ自体も本発明に記載の化合物の範囲内である。本発明の化合物のプロドラッグは、標準的な有機反応、例えば、カルバミル化剤(例えば、1,1-アシルオキシアルキルカルボノクロリデート、パラ-ニトロフェニルカーボネートなど)またはアシル化剤と反応させることによって調製され得る。プロドラッグを作製する方法および戦略のさらなる例は、Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters、1994年、第4巻、1985頁に記載されている。
- 重水素富化化合物:重水素(Dまたは2H)は、水素の安定した非放射性同位体であり、原子量が2.0144である。水素は、同位体であるXH(水素または軽水素)、D(2Hまたは重水素)、およびT(3Hまたはトリチウム)の混合物として天然に存在する。重水素の天然存在比は、0.015%である。当業者は、H原子を有する全ての化学物質において、そのH原子は、HおよびDの混合物であり、Dが約0.015%を占めることを実際には示していると認識している。このため、富化されて、0.015%のその天然存在比よりも高くなったレベルの重水素を有する化合物は、非天然のものとみなされるべきであり、結果として、富化されていないその対応物に対して新規のものとみなされるべきである。
【0030】
本発明の化合物は、塩または溶媒和物の形態で存在する場合があり、塩または溶媒和物の形態で任意選択で投与される場合があることは、認識されるべきである。例えば、本発明の化合物を、薬学的に許容される塩の形態に変換することおよび薬学的に許容される塩の形態で使用することは、本発明の範囲内であり、この薬学的に許容される塩は、当該分野で公知の手順に従って、様々な有機および無機の酸および塩基から得られる。
【0031】
本発明の化合物が遊離塩基の形態を持つ場合、この化合物は、この化合物の遊離塩基の形態を、薬学的に許容される無機酸または有機酸、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩などのハロゲン酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩などの他の鉱酸、エタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、およびベンゼンスルホン酸塩などのアルキルおよびモノアリールスルホン酸塩、ならびに酢酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、およびアスコルビン酸塩などの他の有機酸およびその対応する塩と反応させることによって、薬学的に許容される酸付加塩として調製され得る。さらなる本発明の酸付加塩には、以下に限定されないが、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アルギニン酸塩、アスパラギン酸塩、重硫酸塩、重亜硫酸塩、臭化物、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、カプリル酸塩、塩化物、クロロ安息香酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、リン酸二水素塩、ジニトロ安息香酸塩、ドデシル硫酸塩、フマル酸塩、ガラクタル酸塩(ムチン酸由来)、ガラクトウロン酸塩、グルコヘプトン酸塩(glucoheptaoate)、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミコハク酸塩、半硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、馬尿酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ヨウ化物、イセチオン酸塩、イソ酪酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタリン酸塩、メタンスルホン酸塩、メチル安息香酸塩、リン酸一水素塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、オレイン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、フェニル酢酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、ホスホン酸塩、およびフタル酸塩が含まれる。遊離塩基の形態は、通常、極性溶媒に対する溶解度のような物理的性質において、それぞれの塩の形態とは多少異なるであろうが、その他の点では、これらの塩は、本発明の目的において、それぞれの遊離塩基の形態と同等であることは、認識されるべきである。
【0032】
本発明の化合物が遊離酸の形態を持つ場合、薬学的に許容される塩基付加塩は、この化合物の遊離酸の形態を、薬学的に許容される無機塩基または有機塩基と反応させることによって調製され得る。このような塩基の例は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、および水酸化リチウムを含むアルカリ金属水酸化物、水酸化バリウムおよび水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物、カリウムエタノレートおよびナトリウムプロパノレートなどのアルカリ金属アルコキシド、ならびに水酸化アンモニウム、ピペリジン、ジエタノールアミン、およびN-メチルグルタミンなどの様々な有機塩基である。本発明の化合物のアルミニウム塩も含まれる。さらなる本発明の塩基塩には、以下に限定されないが、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、第二マンガン、第一マンガン、カリウム、ナトリウム、および亜鉛の塩が含まれる。有機塩基塩には、以下に限定されないが、天然に存在する置換されたアミン、環状アミン、および塩基性イオン交換樹脂、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、クロロプロカイン、コリン、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン(ベンザチン)、ジシクロヘキシルアミン、ジエタノールアミン、2-ジエチルアミノエタノール、2-ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N-エチルモルホリン、N-エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リドカイン、リジン、メグルミン、N-メチル-D-グルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、およびトリス-(ヒドロキシメチル)-メチルアミン(トロメタミン)を含む置換されたアミンである第一級、第二級、および第三級アミンの塩が含まれる。遊離酸の形態は、通常、極性溶媒に対する溶解度のような物理的性質において、それぞれの塩の形態とは多少異なるであろうが、その他の点では、これらの塩は、本発明の目的において、それぞれの遊離酸の形態と同等であることは、認識されるべきである。
【0033】
一態様において、薬学的に許容される塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、メタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、リン酸塩、マレイン酸塩、硝酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩(biocarbonate)、炭酸塩、水酸化ナトリウム塩、水酸化カルシウム塩、水酸化カリウム塩、トロメタミン塩、またはその混合物である。
【0034】
第三級窒素含有基を含む本発明の化合物は、メチル、エチル、イソプロピル、およびtert-ブチルの塩化物、臭化物、およびヨウ化物などのハロゲン化(C1~4)アルキル、ジメチル、ジエチル、およびジアミルの硫酸塩などの硫酸ジ(C1~4)アルキル、デシル、ドデシル、ラウリル、ミリスチル、およびステアリルの塩化物、臭化物、およびヨウ化物などのハロゲン化アルキル、塩化ベンジルおよび臭化フェネチルなどのハロゲン化アリール(C1~4)アルキルのような薬剤を用いて四級化され得る。このような塩は、水溶性および油溶性の本発明の化合物の両方の調製を可能にする。
【0035】
第三級窒素原子を有する抗癌剤であり、アミン-N-オキシドおよびN-オキシドとしても知られているアミンオキシドは、プロドラッグとして開発された[Mol Cancer Therapy、2004年3月、3(3):233~44]。第三級窒素原子を含む本発明の化合物は、アミンオキシドを形成するために、過酸化水素(H2O2)、カロ酸、またはメタ-クロロ過安息香酸(mCPBA)のような過酸のような薬剤によって酸化され得る。
【0036】
本発明は、本発明の化合物および医薬賦形剤、加えて他の従来の薬学的に不活性な薬剤を含む医薬組成物を包含する。糖、多価アルコール、可溶性ポリマー、塩、および脂質など、担体または希釈剤として一般的に使用される任意の不活性な賦形剤は、本発明の組成物に使用されてもよい。採用され得る糖および多価アルコールには、ラクトース、スクロース、マンニトール、およびソルビトールが含まれるが、これらに限定されるものではない。採用され得る可溶性ポリマーの例示となるのは、ポリオキシエチレン、ポロキサマー、ポリビニルピロリドン、およびデキストランである。有用な塩には、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、および塩化カルシウムが含まれるが、これらに限定されるものではない。採用され得る脂質には、脂肪酸、グリセロール脂肪酸エステル、糖脂質、およびリン脂質が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0037】
さらに、前記医薬組成物は、結合剤(例えば、アカシアゴム、コーンスターチ、ゼラチン、カルボマー、エチルセルロース、グアーガム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポビドン)、崩壊剤(例えば、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、アルギン酸、二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、グアーガム、デンプングリコール酸ナトリウム、Primogel)、様々なpHおよびイオン強度の緩衝剤(例えば、tris-HCL、酢酸塩、リン酸塩)、表面への吸収を防ぐためのアルブミンもしくはゼラチンのような添加剤、デタージェント(例えば、Tween20、Tween80、Pluronic F68、胆汁酸塩)、プロテアーゼ阻害剤、界面活性剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)、透過促進剤、可溶化剤(例えば、グリセロール、ポリエチレングリセロール、シクロデキストリン)、流動促進剤(例えば、コロイド状二酸化ケイ素)、抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸、メタ重亜硫酸ナトリウム、ブチル化ヒドロキシアニソール)、安定剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、増粘剤(例えば、カルボマー、コロイド状二酸化ケイ素、エチルセルロース、グアーガム)、甘味剤(例えば、スクロース、アスパルテーム、クエン酸)、香味剤(例えば、ペパーミント、サリチル酸メチル、またはオレンジ香料)、保存剤(例えば、チメロサール、ベンジルアルコール、パラベン)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム)、流動助剤(例えば、コロイド状二酸化ケイ素)、可塑剤(例えば、フタル酸ジエチル、クエン酸トリエチル)、乳化剤(例えば、カルボマー、ヒドロキシプロピルセルロース、ラウリル硫酸ナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム)、高分子コーティング剤(例えば、ポロキサマーまたはポロキサミン)、コーティング剤およびフィルム形成剤(例えば、エチルセルロース、アクリル酸塩、ポリメタクリル酸塩)、ならびに/またはアジュバントをさらに含んでもよい。
【0038】
一実施形態において、前記医薬組成物は、インプラントおよびマイクロカプセル化送達システムを含む、放出制御製剤のような、前記化合物が身体から速やかに排泄されることを防ぐであろう担体を用いて調製される。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、およびポリ乳酸などの生分解性、生体適合性ポリマーが使用され得る。このような製剤を調製するための方法は、当業者には明白であろう。これらの物質は、Alza CorporationおよびNova Pharmaceuticals、Incから市販でも入手可能である。リポソーム懸濁液(感染した細胞を標的とし、ウイルス抗原に対するモノクローナル抗体を有するリポソームを含む)も、薬学的に許容される担体として使用され得る。これらは、例えば、米国特許第4,522,811号に記載されるような、当業者に知られている方法に従って調製され得る。
【0039】
さらに、本発明は、任意の固体または液体といった物理的形態である本発明の化合物を含む医薬組成物を包含する。例えば、前記化合物は、結晶形態および非晶質形態であることが可能であり、任意の粒径を有する。この粒子は、微粒子化されるか、または凝集化されてもよく、粒状顆粒、粉末、油、油性懸濁液、または固体もしくは液体といった物理的形態の任意の他の形態であってもよい。
【0040】
本発明に記載の化合物が不十分な溶解度を示す場合、この化合物を可溶化するための方法が使用されることがある。このような方法は、当業者に知られており、以下に限定されないが、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール(PEG)300、PEG400、DMA(10~30%)、DMSO(10~20%)、NMP(10~20%)などの共溶媒の使用、ポリソルベート80、ポリソルベート20(1~10%)、cremophor EL、Cremophor RH40、Cremophor RH60(5~10%)、Pluronic F68/ポロキサマー188(20~50%)、Solutol HS15(20~50%)、ビタミンE TPGS、およびd-α-トコフェリルPEG1000コハク酸塩(20~50%)などの界面活性剤の使用、HPβCDおよびSBEβCD(10~40%)などの複合体形成の使用、ならびにミセル、ポリマーの添加、ナノ粒子懸濁液、およびリポソーム形成などの先進的なアプローチの使用によるpH調整および塩形成を含む。
【0041】
多岐にわたる投与方法は、本発明の化合物と併せて使用されてもよい。本発明の化合物は、経口的に、非経口的に、腹腔内に、静脈内に、動脈内に、経皮的に、舌下に、筋肉内に、直腸内に、経頬的に(transbuccally)、鼻腔内に、リポソームとして(liposomally)、吸入によって、腟内に、眼内に(intraoccularly)、局所送達によって(例えば、カテーテルまたはステントによって)、皮下に、脂肪組織内に、関節内に、または髄腔内に投与されてもよいし、または併用投与されてもよい。本発明に記載の化合物は、徐放性剤形としても投与されてもよいし、または併用投与されてもよい。化合物は、気体形態、液体形態、半液体形態、または固体形態であってもよく、使用される投与経路に適した方法で製剤化されてもよい。経口投与のための、適当な固体経口製剤には、錠剤、カプセル、丸薬、顆粒、ペレット、小袋剤、および発泡粉末などが含まれる。適当な液体経口製剤には、液剤、懸濁剤、分散液、乳剤、油剤などが含まれる。非経口投与のための、凍結乾燥粉末の再構成は、通常使用される。
【0042】
本明細書で使用する場合、「アシル」は、式-C(O)-Rによって示される置換基を含有するカルボニルを意味し、式中、Rは、H、アルキル、炭素環、複素環、炭素環置換アルキル、または複素環置換アルキルであり、ここで、前記アルキル、アルコキシ、炭素環、および複素環は、本明細書で定義されるとおりである。アシル基には、アルカノイル(例えば、アセチル)、アロイル(例えば、ベンゾイル)、およびヘテロアロイルが含まれる。
【0043】
「脂肪族」は、構成炭素原子の直鎖または分枝鎖の配列を特徴とする部分を意味し、飽和されているか、または1つもしくは複数の二重結合もしくは三重結合で部分的に不飽和であってもよい。
【0044】
「アルキル」という用語は、1~20個の炭素原子(例えば、C1~C10)を含有する直鎖状または分枝状の炭化水素を指す。アルキルの例には、以下に限定されないが、メチル、メチレン、エチル、エチレン、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、およびt-ブチルが含まれる。好ましくは、前記アルキル基は、1~10個の炭素原子を有する。より好ましくは、前記アルキル基は、1~4個の炭素原子を有する。
【0045】
「アルケニル」という用語は、2~20個の炭素原子(例えば、C2~C10)および1つまたは複数の二重結合を含有する直鎖状または分枝状の炭化水素を指す。アルケニルの例には、以下に限定されないが、エテニル、プロペニル、およびアリルが含まれる。好ましくは、前記アルキレン基は、2~10個の炭素原子を有する。より好ましくは、前記アルキレン基は、2~4個の炭素原子を有する。
【0046】
「アルキニル」という用語は、2~20個の炭素原子(例えば、C2~C10)および1つまたは複数の三重結合を含有する直鎖状または分枝状の炭化水素を指す。アルキニルの例には、以下に限定されないが、エチニル、1-プロピニル、1-および2-ブチニル、ならびに1-メチル-2-ブチニルが含まれる。好ましくは、前記アルキニル基は、2~10個の炭素原子を有する。より好ましくは、前記アルキニル基は、2~4個の炭素原子を有する。
【0047】
「アルキルアミノ」という用語は、-N(R)-アルキルを指し、式中、Rは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、アリール、またはヘテロアリールであり得る。
【0048】
「アルコキシ」は、さらにアルキル置換基を有する酸素部分を意味する。
「アルコキシカルボニル」は、カルボニル基に結合したアルコキシ基を意味する。
「オキソアルキル」は、さらにカルボニル基を置換されたアルキルを意味する。前記カルボニル基は、アルデヒド、ケトン、エステル、アミド、酸、または酸塩化物であってもよい。
【0049】
「シクロアルキル」という用語は、3~30個の炭素原子(例えば、C3~C12、C3~C8、C3~C6)を有する飽和炭化水素環系を指す。シクロアルキルの例には、以下に限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルが含まれる。「シクロアルケニル」という用語は、3~30個の炭素(例えば、C3~C12)および1つまたは複数の二重結合を有する非芳香族炭水化物環系を指す。例には、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、およびシクロヘプテニルが含まれる。
【0050】
「ヘテロシクロアルキル」という用語は、1つまたは複数のヘテロ原子(O、N、S、P、またはSeなど)を有する非芳香族の5~8員の単環式、8~12員の二環式、または11~14員の三環式環系を指す。ヘテロシクロアルキル基の例には、以下に限定されないが、ピペラジニル、ピロリジニル、ジオキサニル、モルホリニル、およびテトラヒドロフラニルが含まれる。
【0051】
「ヘテロシクロアルケニル」という用語は、1つまたは複数のヘテロ原子(O、N、S、P、またはSeなど)および1つまたは複数の二重結合を有する非芳香族の5~8員の単環式、8~12員の二環式、または11~14員の三環式環系を指す。
【0052】
「アリール」という用語は、6-炭素単環式、10-炭素二環式、14-炭素三環式芳香族環系を指す。アリール基の例には、以下に限定されないが、フェニル、ナフチル、およびアントラセニルが含まれる。「ヘテロアリール」という用語は、1つまたは複数のヘテロ原子(O、N、S、P、またはSeなど)を有する芳香族の5~8員の単環式、8~12員の二環式、または11~14員の三環式環系を指す。ヘテロアリール基の例には、ピリジル、フリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ピリミジニル、チエニル、キノリニル、インドリル、およびチアゾリルが含まれる。
【0053】
上記のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、アルキルアミノ、アリール、およびヘテロアリールには、置換部分および非置換部分のいずれも含まれる。アルキルアミノ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、アリール、およびヘテロアリールの置換基として可能なものには、以下に限定されないが、C1~C10アルキル、C2~C10アルケニル、C2~C10アルキニル、C3~C20シクロアルキル、C3~C20シクロアルケニル、C1~C20ヘテロシクロアルキル、C1~C20ヘテロシクロアルケニル、C1~C10アルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、アミノ、C1~C10アルキルアミノ、アリールアミノ、ヒドロキシ、ハロ、オキソ(O=)、チオキソ(S=)、チオ、シリル、C1~C10アルキルチオ、アリールチオ、C1~C10アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アシルアミノ、アミノアシル、アミノチオアシル、アミジノ、メルカプト、アミド、チオウレイド、チオシアン酸、スルホンアミド、グアニジン、ウレイド、シアノ、ニトロ、アシル、チオアシル、アシルオキシ、カルバミド、カルバミル、カルボキシル、およびカルボン酸エステルが含まれる。一方、アルキル、アルケニル、またはアルキニルの置換基として可能なものには、C1~C10アルキル以外の上で列挙した全ての置換基が含まれる。シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、アリール、およびヘテロアリールは、互いに縮合(fused)していてもよい。
【0054】
「アミノ」は、各置換基の窒素に水素原子または炭素原子がα結合しているところに、さらに2つの置換基を有する窒素部分を意味する。別段の指定がない限り、アミノ部分を含有する本発明の化合物には、その保護誘導体が含まれてもよい。アミノ部分に対する適当な保護基には、アセチル、tert-ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルなどが含まれる。
【0055】
「芳香族」は、構成原子が不飽和環系を形成している部分を意味し、この環系の全ての原子はsp2混成であり、π電子の総数は4n+2に等しい。芳香族環は、その環原子が炭素原子のみであるようなものでもよく、または炭素原子と非炭素原子を含んでもよい(ヘテロアリール参照)。
【0056】
「カルバモイル」は、遊離基-OC(O)NRaRbを意味し、式中、RaおよびRbは、それぞれ独立して、さらなる2つの置換基であり、ここで、水素原子または炭素原子はその窒素に対してα位である。尚、カルバモイル部分には、その保護誘導体が含まれてもよい。カルバモイル部分に対する適当な保護基の例には、アセチル、tert-ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルなどが含まれる。尚、非保護誘導体および保護誘導体のいずれも本発明の範囲内である。
【0057】
「カルボニル」は、遊離基-C(O)-を意味する。尚、カルボニル遊離基は、酸、酸ハロゲン化物、アミド、エステル、およびケトンを含む異なるカルボニル基を形成するため、様々な置換基でさらに置換されてもよい。
【0058】
「カルボキシ」は、遊離基-C(O)O-を意味する。尚、カルボキシ部分を含有する本発明の化合物には、その保護誘導体が含まれてもよく、すなわち、その酸素が保護基で置換されている。カルボキシ部分に対する適当な保護基には、ベンジル、tert-ブチルなどが含まれる。
【0059】
「シアノ」は、遊離基-CNを意味する。
「ホルミル」は、遊離基-CH=Oを意味する。
「ホルムイミノ」は、遊離基-HC=NHを意味する。
【0060】
「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードを意味する。
単離された基またはより大きい基の一部としての「ハロ置換アルキル」は、このような用語が本出願で定義されるとおり、1つまたは複数の「ハロ」原子によって置換された「アルキル」を意味する。ハロ置換アルキルには、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、ペルハロアルキルなどが含まれる。
【0061】
「ヒドロキシ」は、遊離基-OHを意味する。
「イミン誘導体」は、-C(=NR)-部分を含む誘導体を意味し、式中、Rは、窒素に対してα位の水素原子または炭素原子を含む。
【0062】
「異性体」は、同一の分子式を有するが、その原子の結合の性質もしくは配列が異なるか、または空間におけるその原子の配置が異なる任意の化合物を意味する。空間におけるその原子の配置が異なる異性体は、「立体異性体」と呼ばれる。互いの鏡像でない立体異性体は、「ジアステレオマー」と呼ばれ、重ね合わせることができない鏡像である立体異性体は、「エナンチオマー」と呼ばれるか、時に「光学異性体」と呼ばれる。4つの同一ではない置換基に結合する炭素原子は、「キラル中心」と呼ばれる。1つのキラル中心を有する化合物は、反対のキラリティである2つのエナンチオマー形態を有する。2つのエナンチオマー形態の混合物は、「ラセミ混合物」と呼ばれる。
【0063】
「ニトロ」は、遊離基-NO2を意味する。
「保護誘導体」は、反応部位が保護基で遮断されている化合物の誘導体を意味する。保護誘導体は、薬剤の調製に有用であるか、またはそれ自体が阻害剤として活性であり得る。適当な保護基の包括的な一覧は、T.W.Greene、Protecting Groups in Organic Synthesis、第3版、Wiley&Sons、1999に見出すことができる。
【0064】
「置換された」という用語は、1つの原子または原子団が、別の原子団に結合する置換基として、水素と置き換わっていることを意味する。アリールおよびヘテロアリール基において、「置換された」という用語は、こうした置換が許容される場合、任意のレベルの置換、すなわち、モノ-、ジ-、トリ-、テトラ-、またはペンタ-置換を指す。置換基は、独立して選択され、置換は、化学的に接近可能な任意の位置であってよい。「非置換の」という用語は、所与の部分が、利用可能な(非置換の)原子価を介した水素置換基のみからなってもよいことを意味する。
【0065】
官能基が、「任意選択で置換された」と記載されている場合、その官能基は、(1)置換されていないか、または(2)置換されているかのいずれかであり得る。官能基の炭素が、置換基の一覧のうちの1つまたは複数で任意選択で置換されたと記載されている場合、この炭素上の水素原子のうちの1つまたは複数(存在する限りにおいて)は、独立して選択された任意の置換基で個別に、かつ/または一緒に置き換えられてもよい。
【0066】
「スルフィド」は、-S-Rを意味し、式中、Rは、H、アルキル、炭素環、複素環、カルボシクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである。特定のスルフィド基は、メルカプト、例えば、メチルスルフィド(-S-Me)などのアルキルスルフィド、例えば、フェニルスルフィドなどのアリールスルフィド、例えば、ベンジルスルフィドなどのアラルキルスルフィドである。
【0067】
「スルフィニル」は、遊離基-S(O)-を意味する。尚、スルフィニル遊離基は、スルフィン酸、スルフィンアミド、スルフィニルエステル、およびスルホキシドを含む異なるスルフィニル基を形成するため、様々な置換基でさらに置換されてもよい。
【0068】
「スルホニル」は、遊離基-S(O)(O)-を意味する。尚、スルホニル遊離基は、スルホン酸、スルホンアミド、スルホンエステル、およびスルホンを含む異なるスルホニル基を形成するため、様々な置換基でさらに置換されてもよい。
【0069】
「チオカルボニル基」は、遊離基-C(S)-を意味する。尚、チオカルボニル遊離基は、チオ酸、チオアミド、チオエステル、およびチオケトンを含む異なるチオカルボニル基を形成するため、様々な置換基でさらに置換されてもよい。
【0070】
「動物」には、ヒト、ヒト以外の哺乳動物(例えば、ヒト以外の霊長類、げっ歯類、マウス、ラット、ハムスター、イヌ、ネコ、ウサギ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、シカなど)、および非哺乳動物(例えば、鳥類など)が含まれる。
【0071】
本明細書で使用する場合、「バイオアベイラビリティ」は、未変化のまま体循環に到達する薬物または医薬組成物の投与量に対する割合または百分率である。一般に、医薬品が静脈内に投与される場合、そのバイオアベイラビリティは100%である。しかし、医薬品が他の経路を介して(例えば、経口で)投与される場合、そのバイオアベイラビリティは低下する(例えば、不完全な吸収および初回通過代謝による)。このバイオアベイラビリティを改善するための方法には、プロドラッグアプローチ、塩合成、粒径の縮小、複合体形成、物理的形態の変更、固体分散体、噴霧乾燥、およびホットメルト押出が含まれる。
【0072】
「疾患」には、具体的に、動物またはその一部のあらゆる不健康な状態が含まれ、その動物に施された医学的療法または獣医学的療法によって生じ得るか、または医学的療法または獣医学的療法に付随し得る不健康な状態、すなわち、このような療法の「副作用」が含まれる。
【0073】
「薬学的に許容される」は、一般的に安全で、非毒性であり、生物学的にもその他の点でも望ましくないものではない医薬組成物を調製するのに有用であるものを意味し、獣医学的使用に加えて、ヒト医薬的使用に許容されるものを含む。
【0074】
「薬学的に許容される塩」は、上記で定義されたとおりに薬学的に許容され、望ましい薬理活性を有する、本発明の化合物の有機または無機塩を意味する。このような塩には、無機酸または有機酸を用いて形成された酸付加塩が含まれる。薬学的に許容される塩には、存在する酸性プロトンが無機または有機塩基と反応する能力がある場合に形成され得る塩基付加塩も含まれる。例示的な塩には、以下に限定されないが、硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、イソニコチン酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸塩、重酒石酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチシン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、糖酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩「メシル酸塩」、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸塩、パモ酸塩(すなわち、1,1’-メチレン-ビス-(2-ヒドロキシ-3-ナフトエ酸))塩、アルカリ金属(例えば、ナトリウムおよびカリウム)塩、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム)塩、およびアンモニウム塩が含まれる。薬学的に許容される塩は、酢酸イオン、コハク酸塩イオン、または他の対イオンなどの別の分子の包含を伴ってもよい。対イオンは、親化合物の電荷を安定化する任意の有機または無機部分であってもよい。さらに、薬学的に許容される塩は、その構造内に2つ以上の電荷を帯びた原子を有してもよい。複数の電荷を帯びた原子が薬学的に許容される塩の一部である場合は、複数の対イオンを有することができる。このため、薬学的に許容される塩は、1つまたは複数の電荷を帯びた原子および/または1つまたは複数の対イオンを有することができる。
【0075】
「薬学的に許容される担体」は、医薬組成物、すなわち、患者への投与が可能な剤形を形成するために本発明の化合物と混合される非毒性の溶媒、分散剤、賦形剤、アジュバント、または他の物質を意味する。薬学的に許容される担体の例には、適当なポリエチレングリコール(例えば、PEG400)、界面活性剤(例えば、Cremophor)、または環状多糖(例えば、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンまたはスルホブチルエーテルβ-シクロデキストリン)、ポリマー、リポソーム、ミセル、ナノスフェアなどが含まれる。
【0076】
国際純正応用化学連合によって定義された「ファーマコフォア」は、特定の生物学的標的との至適な超分子相互作用を確実にし、その生物学的反応を引き起こす(または遮断する)ために必要な立体的および電子的特徴の集合体である。例えば、カンプトテシンは、公知の薬物であるトポテカンおよびイリノテカンのファーマコフォアである。メクロレタミンは、メルファラン、シクロホスファミド、ベンダムスチンなどのような広く使用されているナイトロジェンマスタード薬の一覧のファーマコフォアである。
【0077】
「プロドラッグ」は、in vivoで、本発明に記載の活性薬剤に代謝的に変換可能な化合物を意味する。例えば、水酸基を含む阻害剤は、in vivoで、加水分解によってヒドロキシル化合物に変換されるエステルとして投与されてもよい。
【0078】
「安定性」は、概して、薬物が効力を損なうことなく、その性質を維持する期間の長さを指す。時に、これは貯蔵寿命といわれる。薬物の安定性に影響を及ぼす因子には、とりわけ、その薬物の化学構造、その製剤中の不純物、pH、含水量に加えて、温度、酸化、光、および相対湿度などの環境因子が含まれる。安定性は、適当な化学的および/または結晶修飾(例えば、水和動力学(hydration kinetics)を変え得る表面修飾、異なる性質を持ち得る異なる結晶)、賦形剤(例えば、剤形中の有効成分以外の全て)、包装条件、保存条件などを提供することによって改善され得る。
【0079】
本明細書に記載されている組成物の「治療上有効な量」は、任意の医学的治療に適用できる妥当な利益/リスク比のもと、治療される対象に治療効果をもたらす組成物の量を意味する。治療効果は、客観的(すなわち、何らかの試験またはマーカーで測定可能)、または主観的(すなわち、対象が効果について示唆するか、または効果を感じる)であってもよい。上記の組成物の有効量は、約0.1mg/kg~約500mg/kg、好ましくは、約0.2~約50mg/kgの範囲であってよい。有効用量は、投与経路に加えて、他の薬剤との共使用(co-usage)の可能性に応じても変化するであろう。しかし、本発明の組成物の合計の1日使用量は、医学的良識の範囲内で主治医によって決定されるであろうことは理解されるであろう。任意の特定の患者のための具体的な治療上有効な用量レベルは、治療される障害および障害の重症度、採用された特定の化合物の活性、採用された特定の組成物、患者の年齢、体重、一般的健康状態、性別、および食事、採用された特定の化合物の投与時点、投与経路、および排泄速度、治療期間、採用された特定の化合物と組み合わせてか、または同時に使用される薬物、医療技術分野で公知の同様の因子を含む、様々な因子によって左右されるであろう。
【0080】
本明細書で使用する場合、「治療すること」という用語は、腫瘍性障害もしくは免疫障害を有するか、またはその障害の症状もしくはその障害に対する素因を有する対象に、前記障害、その障害の症状、またはその障害に対する素因を治すか、癒すか、軽減するか、緩和するか、変えるか、矯正するか、改善する(ameliorate)か、改善する(improve)か、影響を与える目的で、化合物を投与することを指す。「有効量」という用語は、前記対象に、意図した治療効果をもたらすために必要とされる活性薬剤の量を指す。有効量は、当業者に認識されているとおり、投与経路、賦形剤の使用量、および他の薬剤との共使用の可能性に応じて変化することがある。
【0081】
「対象」は、ヒトおよびヒト以外の動物を指す。ヒト以外の動物の例には、全ての脊椎動物、例えば、ヒト以外の霊長類(特に、高等霊長類)、イヌ、げっ歯類(例えば、マウスまたはラット)、モルモット、ネコなどの哺乳動物、および鳥類、両生類、爬虫類などの非哺乳動物が含まれる。好ましい実施形態において、対象は、ヒトである。別の実施形態において、対象は、実験動物または疾患モデルとして適当な動物である。
【0082】
「組合せ療法」には、他の生物学的に活性な成分(以下に限定されないが、2つ目の異なる抗腫瘍剤など)および非薬物療法(以下に限定されないが、手術または放射線治療など)とさらに組み合わせた本発明の対象化合物の投与が含まれる。例として、本発明の化合物は、他の薬学的に活性な化合物または非薬物療法、好ましくは、本発明の化合物の効果を増強することができる化合物と組み合わせて使用され得る。本発明の化合物は、他の療法と同時に(単一調製または個別の調製として)、または他の療法に続けて投与され得る。一般に、療法の組合せは、療法の1サイクルまたはコースの間に、2種以上の薬物/治療の投与を想定している。
【0083】
一実施形態において、本発明の化合物は、従来の化学療法剤のうちの1種または複数と組み合わせて投与される。従来の化学療法剤は、腫瘍学の分野における広範囲の治療上の処置を包含する。これらの薬剤は、腫瘍を縮小させる目的、術後に残った残存癌細胞を破壊する目的、寛解をもたらす目的、寛解を維持する目的、および/または癌もしくはその治療に関連する症状を軽減する目的のため、疾患の様々な段階で投与される。このような薬剤の例には、以下に限定されないが、ニトロジェンマスタード(例えば、ベンダムスチン、シクロホスファミド、メルファラン、クロラムブシル、イソホスファミド)、ニトロソウレア(例えば、カルムスチン、ロムスチン、およびストレプトゾシン)、エチレンイミン(例えば、チオテパ、ヘキサメチルメラミン(hexamethylmelanine))、アルキルスルホン酸塩(例えば、ブスルファン)、ヒドラジンおよびトリアジン(例えば、アルトレタミン、プロカルバジン、ダカルバジン、およびテモゾロミド)などのアルキル化剤;白金製剤(例えば、カルボプラチン、シスプラチン、およびオキサリプラチン);ポドフィロトキシン(例えば、エトポシドおよびテニポシド(Tenisopide))、タキサン(例えば、パクリタキセルおよびドセタキセル)、ビンカアルカロイド(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、およびビノレルビン)などの植物アルカロイド;クロモマイシン(例えば、ダクチノマイシンおよびプリカマイシン)、アントラサイクリン(例えば、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、ミトキサントロン、およびイダルビシン)、ならびにマイトマイシンおよびブレオマイシンなどの多岐にわたる抗生物質などの抗腫瘍抗生物質;葉酸拮抗剤(例えば、メトトレキサート)、ピリミジン拮抗薬(例えば、5-フルオロウラシル、フロクスウリジン(Foxuridine)、シタラビン、カペシタビン、およびゲムシタビン)、プリン拮抗薬(例えば、6-メルカプトプリンおよび6-チオグアニン)、およびアデノシンデアミナーゼ阻害剤(例えば、クラドリビン、フルダラビン、ネララビン、およびペントスタチン)などの代謝拮抗薬;トポイソメラーゼI阻害剤(トポテカン、イリノテカン)、トポイソメラーゼII阻害剤(例えば、アムサクリン、エトポシド、エトポシドリン酸塩、テニポシド)などのトポイソメラーゼ阻害剤、ならびにリボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤(ヒドロキシウレア)、副腎皮質ステロイド阻害剤(ミトタン)、抗微小細管剤(エストラムスチン)、およびレチノイド(ベキサロテン、イソトレチノイン、トレチノイン(ATRA))などの多岐にわたる抗新生物薬が含まれる。
【0084】
本発明の一態様において、前記化合物は、様々な疾患状態に関与するプロテインキナーゼを調節する1種または複数の標的化抗癌剤と組み合わせて投与されてもよい。このようなキナーゼの例には、以下に限定されないが、ABL1、ABL2/ARG、ACK1、AKT1、AKT2、AKT3、ALK、ALK1/ACVRL1、ALK2/ACVR1、ALK4/ACVR1B、ALK5/TGFBR1、ALK6/BMPR1B、AMPK(A1/B1/G1)、AMPK(A1/B1/G2)、AMPK(A1/B1/G3)、AMPK(A1/B2/G1)、AMPK(A2/B1/G1)、AMPK(A2/B2/G1)、AMPK(A2/B2/G2)、ARAF、ARK5/NUAK1、ASK1/MAP3K5、ATM、オーロラA、オーロラB、オーロラC、AXL、BLK、BMPR2、BMX/ETK、BRAF、BRK、BRSK1、BRSK2、BTK、CAMK1a、CAMK1b、CAMK1d、CAMK1g、CAMKIIa、CAMKIIb、CAMKIId、CAMKIIg、CAMK4、CAMKK1、CAMKK2、CDC7-DBF4、CDK1-サイクリンA、CDK1-サイクリンB、CDK1-サイクリンE、CDK2-サイクリンA、CDK2-サイクリンA1、CDK2-サイクリンE、CDK3-サイクリンE、CDK4-サイクリンD1、CDK4-サイクリンD3、CDK5-p25、CDK5-p35、CDK6-サイクリンD1、CDK6-サイクリンD3、CDK7-サイクリンH、CDK9-サイクリンK、CDK9-サイクリンT1、CHK1、CHK2、CK1a1、CK1d、CK1イプシロン、CK1g1、CK1g2、CK1g3、CK2a、CK2a2、c-KIT、CLK1、CLK2、CLK3、CLK4、c-MER、c-MET、COT1/MAP3K8、CSK、c-SRC、CTK/MATK、DAPK1、DAPK2、DCAMKL1、DCAMKL2、DDR1、DDR2、DLK/MAP3K12、DMPK、DMPK2/CDC42BPG、DNA-PK、DRAK1/STK17A、DYRK1/DYRK1A、DYRK1B、DYRK2、DYRK3、DYRK4、EEF2K、EGFR、EIF2AK1、EIF2AK2、EIF2AK3、EIF2AK4/GCN2、EPHA1、EPHA2、EPHA3、EPHA4、EPHA5、EPHA6、EPHA7、EPHA8、EPHB1、EPHB2、EPHB3、EPHB4、ERBB2/HER2、ERBB4/HER4、ERK1/MAPK3、ERK2/MAPK1、ERK5/MAPK7、FAK/PTK2、FER、FES/FPS、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、FGR、FLT1/VEGFR1、FLT3、FLT4/VEGFR3、FMS、FRK/PTK5、FYN、GCK/MAP4K2、GRK1、GRK2、GRK3、GRK4、GRK5、GRK6、GRK7、GSK3a、GSK3b、ハスピン、HCK、HGK/MAP4K4、HIPK1、HIPK2、HIPK3、HIPK4、HPK1/MAP4K1、IGF1R、IKKa/CHUK、IKKb/IKBKB、IKKe/IKBKE、IR、IRAK1、IRAK4、IRR/INSRR、ITK、JAK1、JAK2、JAK3、JNK1、JNK2、JNK3、KDR/VEGFR2、KHS/MAP4K5、LATS1、LATS2、LCK、LCK2/ICK、LKB1、LIMK1、LOK/STK10、LRRK2、LYN、LYNB、MAPKAPK2、MAPKAPK3、MAPKAPK5/PRAK、MARK1、MARK2/PAR-1Ba、MARK3、MARK4、MEK1、MEK2、MEKK1、MEKK2、MEKK3、MELK、MINK/MINK1、MKK4、MKK6、MLCK/MYLK、MLCK2/MYLK2、MLK1/MAP3K9、MLK2/MAP3K10、MLK3/MAP3K11、MNK1、MNK2、MRCKa/、CDC42BPA、MRCKb/、CDC42BPB、MSK1/RPS6KA5、MSK2/RPS6KA4、MSSK1/STK23、MST1/STK4、MST2/STK3、MST3/STK24、MST4、mTOR/FRAP1、MUSK、MYLK3、MYO3b、NEK1、NEK2、NEK3、NEK4、NEK6、NEK7、NEK9、NEK11、NIK/MAP3K14、NLK、OSR1/OXSR1、P38a/MAPK14、P38b/MAPK11、P38d/MAPK13、P38g/MAPK12、P70S6K/RPS6KB1、p70S6Kb/、RPS6KB2、PAK1、PAK2、PAK3、PAK4、PAK5、PAK6、PASK、PBK/TOPK、PDGFRa、PDGFRb、PDK1/PDPK1、PDK1/PDHK1、PDK2/PDHK2、PDK3/PDHK3、PDK4/PDHK4、PHKg1、PHKg2、PI3Ka、(p110a/p85a)、PI3Kb、(p110b/p85a)、PI3Kd、(p110d/p85a)、PI3Kg(p120g)、PIM1、PIM2、PIM3、PKA、PKAcb、PKAcg、PKCa、PKCb1、PKCb2、PKCd、PKCイプシロン、PKCエータ、PKCg、PKCイオタ、PKCミュー/PRKD1、PKCニュー/PRKD3、PKCシータ、PKCゼータ、PKD2/PRKD2、PKG1a、PKG1b、PKG2/PRKG2、PKN1/PRK1、PKN2/PRK2、PKN3/PRK3、PLK1、PLK2、PLK3、PLK4/SAK、PRKX、PYK2、RAF1、RET、RIPK2、RIPK3、RIPK5、ROCK1、ROCK2、RON/MST1R、ROS/ROS1、RSK1、RSK2、RSK3、RSK4、SGK1、SGK2、SGK3/SGKL、SIK1、SIK2、SLK/STK2、SNARK/NUAK2、SRMS、SSTK/TSSK6、STK16、STK22D/TSSK1、STK25/YSK1、STK32b/YANK2、STK32c/YANK3、STK33、STK38/NDR1、STK38L/NDR2、STK39/STLK3、SRPK1、SRPK2、SYK、TAK1、TAOK1、TAOK2/TAO1、TAOK3/JIK、TBK1、TEC、TESK1、TGFBR2、TIE2/TEK、TLK1、TLK2、TNIK、TNK1、TRKA、TRKB、TRKC、TRPM7/CHAK1、TSSK2、TSSK3/STK22C、TTBK1、TTBK2、TTK、TXK、TYK1/LTK、TYK2、TYRO3/SKY、ULK1、ULK2、ULK3、VRK1、VRK2、WEE1、WNK1、WNK2、WNK3、YES/YES1、ZAK/MLTK、ZAP70、ZIPK/DAPK3、KINASE、MUTANTS、ABL1(E255K)、ABL1(F317I)、ABL1(G250E)、ABL1(H396P)、ABL1(M351T)、ABL1(Q252H)、ABL1(T315I)、ABL1(Y253F)、ALK (C1156Y)、ALK(L1196M)、ALK (F1174L)、ALK (R1275Q)、BRAF(V599E)、BTK(E41K)、CHK2(I157T)、c-Kit(A829P)、c-KIT(D816H)、c-KIT(D816V)、c-Kit(D820E)、c-Kit(N822K)、C-Kit(T670I)、c-Kit(V559D)、c-Kit(V559D/V654A)、c-Kit(V559D/T670I)、C-Kit(V560G)、c-KIT(V654A)、C-MET(D1228H)、C-MET(D1228N)、C-MET(F1200I)、c-MET(M1250T)、C-MET(Y1230A)、C-MET(Y1230C)、C-MET(Y1230D)、C-MET(Y1230H)、c-Src(T341M)、EGFR(G719C)、EGFR(G719S)、EGFR(L858R)、EGFR(L861Q)、EGFR(T790M)、EGFR、(L858R,T790M)、EGFR(d746-750/T790M)、EGFR(d746-750)、EGFR(d747-749/A750P)、EGFR(d747-752/P753S)、EGFR(d752-759)、FGFR1(V561M)、FGFR2(N549H)、FGFR3(G697C)、FGFR3(K650E)、FGFR3(K650M)、FGFR4(N535K)、FGFR4(V550E)、FGFR4(V550L)、FLT3(D835Y)、FLT3(ITD)、JAK2 (V617F)、LRRK2 (G2019S)、LRRK2 (I2020T)、LRRK2 (R1441C)、p38a(T106M)、PDGFRa(D842V)、PDGFRa(T674I)、PDGFRa(V561D)、RET(E762Q)、RET(G691S)、RET(M918T)、RET(R749T)、RET(R813Q)、RET(V804L)、RET(V804M)、RET(Y791F)、TIF2(R849W)、TIF2(Y897S)、およびTIF2(Y1108F)が含まれてもよい。
【0085】
本発明の別の態様において、対象化合物は、キナーゼ以外の生物学的標的、経路、または過程を調節する1種または複数の標的化抗癌剤と組み合わせて投与されてもよい。このような標的経路または過程には、以下に限定されないが、熱ショックタンパク質(例えば、HSP90)、ポリ-ADP(アデノシン二リン酸)-リボースポリメラーゼ(PARP)、低酸素誘導因子(HIF)、プロテオソーム、Wnt/ヘッジホッグ/ノッチシグナル伝達タンパク質、TNF-α、マトリックスメタロプロテイナーゼ、ファルネシルトランスフェラーゼ、アポトーシス経路(例えば、Bcl-xL、Bcl-2、Bcl-w)、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)、ヒストンアセチルトランスフェラーゼ(HAT)、およびメチルトランスフェラーゼ(例えば、ヒストンリジンメチルトランスフェラーゼ、ヒストンアルギニンメチルトランスフェラーゼ、DNAメチルトランスフェラーゼなど)が含まれる。
【0086】
本発明の別の態様において、本発明の化合物は、以下に限定されないが、遺伝子療法、RNAi癌療法、化学的保護剤(例えば、アミホスチン(amfostine)、メスナ、およびデクスラゾキサン)、薬物抗体コンジュゲート(例えば、ブレンツキシマブベドチン、イブリツモマブチウケセタン(tioxetan))、インターロイキン-2、癌ワクチン(例えば、シプリューセル-T)、またはモノクローナル抗体(例えば、ベバシズマブ、アレムツズマブ、リツキシマブ、トラスツズマブなど)のような癌免疫療法を含む他の抗癌剤のうちの1種または複数と組み合わせて投与される。
【0087】
本発明の別の態様において、対象化合物は、放射線療法または手術と組み合わせて投与される。放射線は、一般的に、内部で(癌部位付近への放射性物質の移植)か、または光子(X線またはγ線)もしくは粒子線を用いる機械による外部から送達される。組合せ療法が、さらに放射線治療を含む場合、この放射線治療は、治療剤と放射線治療の組合せによる相互作用からの有益な効果が得られる限りの任意の適当な期間に実施されてもよい。例えば、適切な症例では、放射線治療が治療剤の投与から一時的に切り離された場合、おそらく数日または数週間でさえ、この有益な効果は、依然として得られる。
【0088】
特定の実施形態において、本発明の化合物は、放射線療法、手術、または以下に限定されないが、DNA損傷剤、代謝拮抗剤、トポイソメラーゼ阻害剤、抗微小管剤、キナーゼ阻害剤、エピジェネティック剤、HSP90阻害剤、PARP阻害剤、BCL-2阻害剤、薬物抗体コンジュゲート、およびVEGF、HER2、EGFR、CD50、CD20、CD30、CD33などを標的とする抗体を含む抗癌剤のうちの1つまたは複数と組み合わせて投与される。
【0089】
特定の実施形態において、本発明の化合物は、アバレリクス、アビラテロン酢酸塩、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アルトレタミン、アナストロゾール、アスパラギナーゼ、ベンダムスチン、ベバシズマブ、ベキサロテン、ビカルタミド、ブレオマイシン、ボルテゾミブ(bortezombi)、ブレンツキシマブベドチン、ブスルファン、カペシタビン、カルボプラチン、カルムスチン、セツキシマブ、クロラムブシル、シスプラチン、クラドリビン、クロファラビン、クロミフェン、クリゾチニブ、シクロホスファミド、ダサチニブ、リポソームダウノルビシン、デシタビン、デガレリクス、デニロイキンジフチトクス、デニロイキンジフチトクス、デノスマブ、ドセタキセル、ドキソルビシン、リポソームドキソルビシン、エピルビシン、エリブリンメシル酸塩、エルロチニブ、エストラムスチン、エトポシドリン酸塩、エベロリムス、エキセメスタン、フルダラビン、フルオロウラシル、フォテムスチン、フルベストラント、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ゲムツズマブオゾガマイシン、ゴセレリン酢酸塩、ヒストレリン酢酸塩、ヒドロキシウレア、イブリツモマブチウキセタン、イダルビシン、イホスファミド、イマチニブメシル酸塩、インターフェロンα2a、イピリムマブ、イクサベピロン、ラパチニブ二トシル酸塩、レナリドミド、レトロゾール、ロイコボリン、ロイプロリド酢酸塩、レバミゾール、ロムスチン、メクロレタミン、メルファラン、メトトレキサート、マイトマイシンC、ミトキサントロン、ネララビン、ニロチニブ、オキサリプラチン、パクリタキセル、パクリタキセルタンパク質結合粒子、パミドロン酸塩、パニツムマブ、ペガスパルガーゼ、ペグインターフェロンα-2b、ペメトレキセド二ナトリウム、ペントスタチン、ラロキシフェン、リツキシマブ、ソラフェニブ、ストレプトゾシン、スニチニブマレイン酸塩、タモキシフェン、テムシロリムス、テニポシド、サリドマイド、トレミフェン、トシツモマブ、トラスツズマブ、トレチノイン、ウラムスチン、バンデタニブ、ベムラフェニブ、ビノレルビン、ゾレドロン酸塩、放射線療法、または手術のうちの1つまたは複数と組み合わせて投与される。
【0090】
特定の実施形態において、本発明の化合物は、1種または複数の抗炎症剤と組み合わせて投与される。抗炎症剤には、以下に限定されないが、NSAID、非特異的およびCOX-2特異的シクロオキシゲナーゼ(cyclooxgenase)酵素阻害剤、金化合物、副腎皮質ステロイド、メトトレキサート、腫瘍壊死因子(TNF)受容体拮抗薬、免疫抑制剤、およびメトトレキサートが含まれる。NSAIDの例には、以下に限定されないが、イブプロフェン、フルルビプロフェン、ナプロキセンおよびナプロキセンナトリウム、ジクロフェナク、ジクロフェナクナトリウムとミソプロストールの組合せ、スリンダク、オキサプロジン、ジフルニサル、ピロキシカム、インドメタシン、エトドラク、フェノプロフェンカルシウム、ケトプロフェン、ナトリウムナブメトン、スルファサラジン、トルメチンナトリウム、ならびにハイドロキシクロロキンが含まれる。NSAIDの例には、セレコキシブ、バルデコキシブ、ルミラコキシブ、および/またはエトリコキシブなどのCOX-2特異的阻害剤も含まれる。
【0091】
いくつかの実施形態において、前記抗炎症剤は、サリチル酸塩である。サリチル酸塩には、以下に限定されないが、アセチルサリチル酸すなわちアスピリン、サリチル酸ナトリウム、ならびにサリチル酸コリンおよびマグネシウムが含まれる。前記抗炎症剤は、副腎皮質ステロイドであってもよい。例えば、前記副腎皮質ステロイドは、コルチゾン、デキサメタゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、プレドニゾロンリン酸エステルナトリウム、またはプレドニゾンであってもよい。
【0092】
追加の実施形態において、前記抗炎症剤は、金チオリンゴ酸ナトリウムまたはオーラノフィンなどの金化合物である。
本発明は、前記抗炎症剤が、メトトレキサートのようなジヒドロ葉酸レダクターゼ阻害剤またはレフルノミドのようなジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼ阻害剤などの代謝阻害剤である実施形態も含む。
【0093】
本発明の他の実施形態は、少なくとも1種の抗炎症性化合物が、抗C5モノクローナル抗体(エクリズマブまたはペキセリズマブなど)、エタネルセプト(entanercept)のようなTNF拮抗薬、または抗TNFαモノクローナル抗体であるインフリキシマブである組合せに関する。
【0094】
特定の実施形態において、本発明の化合物は、1種または複数の免疫抑制剤と組み合わせて投与される。
いくつかの実施形態において、前記免疫抑制剤は、糖質コルチコイド、メトトレキサート、シクロホスファミド、アザチオプリン、メルカプトプリン、レフルノミド、シクロスポリン、タクロリムス、およびミコフェノール酸モフェチル、ダクチノマイシン、アントラサイクリン、マイトマイシンC、ブレオマイシン、またはミトラマイシン、またはフィンゴリモドである。
【0095】
本発明は、腫瘍性疾患、自己免疫疾患、および/または炎症性疾患の予防または治療のための方法をさらに提供する。一実施形態において、本発明は、治療を必要としている対象における腫瘍性疾患、自己免疫疾患、および/または炎症性疾患を治療する方法であって、前記対象に本発明の化合物の治療上有効な量を投与することを含む方法に関する。一実施形態において、本発明は、腫瘍性疾患、自己免疫疾患、および/または炎症性疾患の進行を停止させるか、または減退させるための薬剤の製造における本発明の化合物の使用をさらに提供する。
【0096】
一実施形態において、腫瘍性疾患は、以下に限定されないが、B細胞性リンパ腫、リンパ腫(ホジキンリンパ腫および非ホジキンリンパ腫を含む)、ヘアリー細胞リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、およびびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)を含むB細胞悪性腫瘍、多発性骨髄腫、慢性および急性骨髄性白血病、ならびに慢性および急性リンパ性白血病である。
【0097】
本発明に記載の化合物および組成物を使用することで、影響を受ける可能性のある自己免疫疾患および/または炎症性疾患には、以下に限定されないが、アレルギー、アルツハイマー病、急性散在性脳脊髄炎、アジソン病、強直性脊椎炎、抗リン脂質抗体症候群、喘息、アテローム性動脈硬化症、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性溶血性および血小板減少性状態、自己免疫性肝炎、自己免疫性内耳疾患、水疱性類天疱瘡、セリアック病、シャーガス病、慢性閉塞性肺疾患、慢性特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、チャーグ・ストラウス症候群、クローン病、皮膚筋炎、糖尿病1型、子宮内膜症、グッドパスチャー症候群(ならびに関連する糸球体腎炎および肺出血)、グレーブス病、ギラン・バレー症候群、橋本病、化膿性汗腺炎、特発性血小板減少性紫斑病、間質性膀胱炎、過敏性腸症候群、エリテマトーデス、限局性強皮症、多発性硬化症、重症筋無力症、ナルコレプシー、神経性筋強直症、パーキンソン病、尋常性天疱瘡、悪性貧血、多発性筋炎、原発性胆汁性肝硬変、乾癬、乾癬性関節炎、関節リウマチ、統合失調症、敗血症性ショック、強皮症、シャーグレン病、全身性エリテマトーデス(および関連する糸球体腎炎)、側頭動脈炎、組織移植片拒絶反応および移植された臓器の超急性拒絶反応、血管炎(ANCA関連血管炎および他の血管炎)、白斑、ならびにウェゲナー肉芽腫症が含まれる。
【0098】
本発明は、本明細書に示され、記載されている特定の実施形態に限定されるものではないが、様々な変更および修正は、特許請求の範囲によって定義される本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく行われ得ることは理解されるべきである。
【0099】
本発明に記載の化合物は、様々な反応スキームに従って合成され得る。必然の出発物質は、有機化学の標準的な手順によって入手してもよい。本発明の化合物およびプロセスは、例示としてのみ意図され、本発明の範囲を制限するものではない以下の代表的な合成スキームおよび実施例に関連してより良く理解されるであろう。開示された実施形態に対する様々な変更および修正は、当業者にとって明白あると考えられ、以下に限定されないが、本発明の化学構造、置換基、誘導体、および/または方法に関連するものを含むこのような変更および修正は、本発明の趣旨および添付した特許請求の範囲のから逸脱することなく行われ得る。
【0100】
スキームAにおいて、反応物5は、3,5-ジブロモ-1-メチルピラジン-2(1H)-オンと適切なアニリンとの反応によって調製され得る。反応物5のニトロ基は、保護されたアミン基のような他の基、または-NHC(O)-弾頭部であり得る。
【0101】
【0102】
典型的な出発物質(CAS1346674-23-4)は、市販されている。しかし、例えば、WO2013067274で報告されているこの中間体までの経路は、少なくとも7つの合成ステップを必要とする。この合成は、単に長いだけではなく、毒性または危険性のある複数の試薬および溶媒も含み、環境責任を示している。本発明者らは、スキーム1における、サステイナブルケミストリーの使用に重点を置いた新規の、より効率的な、費用対効果の優れた経路(3つの合成ステップ)を本明細書に記載している。
【0103】
【0104】
スキーム1において、出発物質3-メチルシクロペンタ-2-エン-1-オンは、標準的な有機反応によって、高収率で3,3-ジメチルシクロペンタン-1-オンに変換され、これはさらに中間体3に変換され得る。最終的に、中間体3は、ピペラジン-2-オンと反応して、標的分子のCAS1346674-23-4を生じ得る。
【0105】
【0106】
この中間体は、異なる出発物質および試薬を使用することによって、スキーム1と同様の方法で生成され得る。
【0107】
【0108】
この中間体は、異なる出発物質および試薬を使用することによってか、または標準的な有機反応によって、スキーム1と同様の方法で生成され得る。
【0109】
【0110】
この中間体は、異なる出発物質および試薬を使用することによってか、または標準的な有機反応によって、スキーム1と同様の方法で生成され得る。
式(IV)の化合物を合成するための典型的なアプローチ
【0111】
【0112】
(式中、R3は、-CH2OHである)は、スキームAに記載されている。一般的なスキームAにおけるR1、R4、X、弾頭部、およびmは、上記の発明の概要の項に記載されたものと同じである。
【0113】
【0114】
スキームAにおいて、適切な出発物質1は、2と反応して、中間体3を形成し、これは、標準的な有機反応によって、高収率で4に変換され得る。一方、中間体5は、市販の3,5-ジブロモ-1-メチルピラジン-2(1H)-オン(CAS87486-34-8)と適切な4-置換3-ニトロアニリンとの反応によって入手することができる。次に、4と5とのカップリング反応は、ニトロ中間体6を生じると考えられ、これは、還元されてアミン中間体7となり得る。最終的に、7は、還元されてアルコール中間体8となり得て、これは、適切な塩化アクリロイルと反応して式(IV)が得られる。
【0115】
【0116】
式(III)の化合物は、異なる出発物質および試薬を使用することによって、スキームAと同様の方法で生成され得る。
【0117】
【0118】
式(II)の化合物は、異なる出発物質および試薬を使用することによって、スキームAと同様の方法で生成され得る。
【0119】
【0120】
式(I)の化合物は、異なる出発物質および試薬を使用することによって、スキームAと同様の方法で生成され得る。
本発明の化合物およびプロセスは、例示としてのみ意図され、本発明の範囲を制限するものではない以下の実施例に関連してより良く理解されるであろう。開示された実施形態に対する様々な変更および修正は、当業者にとって明白あると考えられ、以下に限定されないが、本発明の化学構造、置換基、誘導体、および/または方法に関連するものを含むこのような変更および修正は、本発明の趣旨および添付した特許請求の範囲から逸脱することなく行われ得る。
【0121】
NMRデータが示される場合、1Hスペクトルは、XL400(400MHz)で得られ、捕捉的に示されたヘルツにおける陽子の数、多重度、および結合定数と共に、Me4Siからのppm低磁場として報告される。HPLCデータが示される場合、分析は、Agilent1100システムを使用して実施された。LC/MSデータが示される場合、分析は、Applied Biosystems API-100質量分析計およびShimadzu SCL-10A LCカラムを使用して実施された:
実施例1
7,7-ジメチル-3,4,7,8-テトラヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-1(6H)-オンの調製。
【0122】
窒素の不活性雰囲気を用いてパージされ、維持された1000mLの丸底フラスコに、CuI(47.6g、249.93mmol、1.20当量)のエーテル溶液(500mL)を入れた。この溶液に、0℃でMeLi(286mL/2M、2.20当量)を加え、この混合物を、同じ温度で2時間撹拌した。この溶液に、同じ温度で3-メチルシクロペンタ-2-エン-1-オン(20g、208.06mmol、1.00当量)を加えた。得られた溶液を、水/氷浴にて0℃で2時間撹拌した。次に、500mLのNH4Cl(水溶液)を加えて、この反応をクエンチし、この時、SMが消失していることはTLCによって示された(PE:EA=1:1)。得られた溶液を、200mLのエーテルで3回抽出し、有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。これによって、無色の油状物として21g(90%)の3,3-ジメチルシクロペンタン-1-オンが得られた。
【0123】
窒素の不活性雰囲気を用いてパージされ、維持された500mLの丸底フラスコに、N、N-ジメチルホルムアミド(41.6g、569.16mmol、3.00当量)のジクロロメタン溶液(200mL)を入れた。この溶液に、0℃でPOCl3(57.3g、373.70mmol、2.00当量)を加え、次に、この反応混合物を、室温で1.5時間撹拌した。この溶液に、同じ温度で3,3-ジメチルシクロペンタン-1-オン(21.0g、187.22mmol、1.00当量)を加えた。得られた溶液を、油浴にて55℃で一晩撹拌した。次に、200mLのNaAcO水溶液を加えて、この反応をクエンチし、この時、反応が終了していることはTLCによって示された(PE:EA=1:1)。得られた溶液を、200mLのジクロロメタンで3回抽出し、有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。これによって、褐色の油状物として30g(粗物)の2-クロロ-4,4-ジメチルシクロペント-1-エン-1-カルバルデヒドが得られた。
【0124】
窒素の不活性雰囲気を用いてパージされ、維持された250mLの丸底フラスコに、ピペラジン-2-オン(18.7g、186.78mmol、1.00当量)およびDIEA(24.2g、187.25mmol、1.00当量)のNMP溶液(45mL)を入れ、次に、この溶液に、100℃で2-クロロ-4,4-ジメチルシクロペント-1-エン-1-カルバルデヒド(29.7g、187.23mmol、1.00当量)を滴下して加えた。得られた溶液を、油浴にて100℃で30分間撹拌した。次に、200mLの水を加えて、この反応をクエンチし、この時、反応が終了していることはTLCによって示された(EA)。固体を、濾過によって回収した。これによって、類白色の固体として20g(52%)の4,4-ジメチル-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-9-オンが得られた。LC-MS:(ES、m/z):205[M+H]+。1H-NMR:(300 MHz, d6-DMSO, ppm): δ7.38(s, 1H), 6.36(s, 1H), 3.92(t, J=5.9Hz, 2H), 3.45(m, 2H), 2.50(s, 2H), 2.38(s, 2H), 1.19(s, 6H).
実施例2
N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アクリルアミドの調製
4-フルオロ-3-ニトロアニリン(100g、0.64mol)およびN-メチルピペラジン(256g、2.56mol)の混合物を、エタノールに溶解する。
この混合物を、24時間還流し続け、次に、この混合物を、室温まで冷却させ、その反応物を、減圧下で濃縮して濾過し、赤色の固体として4-(4-メチルピペラジン-1-イル)-3-ニトロアニリン(131g、86%)を得た。1H-NMR (300MHZ, CDCl3) 7.11(d,1H), 7.02(d,1H), 6.807-6.845(m,1H), 3.76(s,2H), 2.98(m,4H), 2.557(m,4H), 2.35(s,3H).
得られた懸濁液に窒素を30分間バブリングして通した後の4-(4-メチルピペラジン-1-イル)-3-ニトロアニリン(14.53g、0.0615mol)、3,5-ジブロモ-1-メチルピラジン-2(1H)-オン(16.5g、0.0615mol)、炭酸セシウム(40.1g、0.123mol)、DMF(14mL)、および1,4-ジオキサン(200mL)の混合物に、キサントホス(Xantphons)(3.5g、0.00615mol)およびtris(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(6.3g、0.00615mol)を加えた。この反応混合物を、100℃で2時間加熱し、その後、この混合物を、室温まで冷却させ、90:10の塩化メチレン/メタノール(500mL)および水(300mL)で希釈し、層を分離させ、その水層を、90:10の塩化メチレン/メタノール(500mL)で抽出し、合わせた有機層を、ブラインを用いて洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過によって乾燥剤を除去し、濾液を、減圧下で濃縮し、得られた残留物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(90:10の塩化メチレン/メタノール)によって精製してDを得た(12g、46%)。1H-NMR (300MHZ, CDCl3), 8.31(d,2H), 7.85(m,1H), 7.23(d,1H), 6.82(s,1H), 3.55(s,3H), 3.08(m,4H), 2.59(m,4H), 2.38(s,3H).
1,4-ジオキサン(150mL)中の市販の出発物質4-クロロ-2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)ニコチンアルデヒド(CAS#1434050-55-1、1.5g、4.37mmol、1.0当量)、Pin2B2(2.8g、11mmol、2.5当量)、Pd(dppf)Cl2(356mg、0.44mmol、0.1当量)、およびKOAc(1.3g、13mmol、3.0当量)の混合物を、N2雰囲気下で4時間還流した。この混合物を、室温まで冷却させて濾過した。この濾液を濃縮して、褐色の油状物として(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-ホルミルピリジン-4-イル)ボロン酸(3.0g)を得て、これを、さらに精製することなく次のステップに使用した。ESI-MS(M+H)+:354.2。
【0125】
ジオキサン(50mL)およびH2O(5mL)中の(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-ホルミルピリジン-4-イル)ボロン酸(先行ステップからの粗物、4.37mmol、1.0当量)、5-ブロモ-1-メチル-3-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)-3-ニトロフェニル)アミノ)ピラジン-2(1H)-オン(実施例1、900mg、2.2mmol、0.5当量)、Pd(dppf)Cl2(360mg、0.44mmol、0.1当量)、およびK2CO3(1.5g、13mmol、3.0当量)の混合物を、N2雰囲気下、90℃で4時間撹拌した。この混合物を、室温まで冷却させて濃縮し、その残留物を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製し(DCM:MeOH=30:1)、褐色の固体として2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-4-(4-メチル-6-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)-3-ニトロフェニル)アミノ)-5-オキソ-4,5-ジヒドロピラジン-2-イル)ニコチンアルデヒド(600mg、2つのステップY:40%)を得た。ESI-MS(M+H)+:652.1。
【0126】
MeOH(20mL)中の2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-4-(4-メチル-6-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)-3-ニトロフェニル)アミノ)-5-オキソ-4,5-ジヒドロピラジン-2-イル)ニコチンアルデヒド(600mg、0.92mmol、1.0当量)およびPd/C(120mg、20質量%)の混合物を、H2圧雰囲気下、室温で16時間水素化した。セライトパッドを通して触媒を濾去し、濾液を濃縮し、褐色の固体として4-(6-((3-アミノ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロピラジン-2-イル)-2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)ニコチンアルデヒド(600mg)を得た。ESI-MS(M+H)+:622.1。
【0127】
4-(6-((3-アミノ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロピラジン-2-イル)-2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)ニコチンアルデヒド(先行するステップからの粗物、0.92mmol、1.0当量)のMeOH溶液(10mL)に、0℃でNaBH4(70mg、1.8mmol、2.0当量)のMeOH溶液(10mL)を加えた。この溶液を、室温で16時間撹拌した。濃縮し、その残留物を、Pre-HPLC(A:H2O、0.05%NH3.H2O、B:MeCN)によって精製し、褐色の固体として2-(4-(6-((3-アミノ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロピラジン-2-イル)-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-2-イル)-7,7-ジメチル-3,4,7,8-テトラヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-1(6H)-オン(150mg、2つのステップY:56%)を得た。ESI-MS(M+H)+:624.1。
【0128】
DMF(5mL)中の2-(4-(6-((3-アミノ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロピラジン-2-イル)-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-2-イル)-7,7-ジメチル-3,4,7,8-テトラヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-1(6H)-オン(150mg、0.24mmol、1.0当量)、アクリル酸(26mg、0.36mmol、1.5当量)、およびHATU(123mg、0.36mmol、1.5当量)の混合物に、TEA(73mg、0.72mmol、3.0当量)を加えた。この混合物を、室温で4時間撹拌した。この反応混合物を、Pre-HPLC(A:H2O、0.05%NH3.H2O、B:MeCN)によって精製し、褐色の固体としてN-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド(38mg、Y:23%)を得た。ESI-MS(M+H)+:678.1。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 9.24 (s, 1H), 9.06 (s, 1H), 8.88 (s, 1H), 8.46 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 7.88 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 7.75 (s, 1H), 7.63 (dd, J = 2.0 Hz, 4.4 Hz, 1H), 7.12 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.66-6.56 (m, 1H), 6.57 (s, 1H), 6.33-6.28 (m, 1H), 5.79-5.76 (m, 1H), 5.04 (br s, 1H), 4.60-4.46 (m, 2H), 4.26-4.18 (m, 3H), 3.86-3.83 (m, 1H), 3.55 (s, 3H), 2.79-2.75 (m, 4H), 2.67-2.57 (m, 6H), 2.43 (s, 2H), 2.24 (s, 3H), 1.22(s, 6H).
実施例3
(S)-N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)フェニル)アクリルアミドの調製
窒素の不活性雰囲気を用いてパージされ、維持された1000mLの丸底フラスコに、4-フルオロ-3-ニトロアニリン(50g、320.28mmol、1.00当量)、CH3CN(500mL)、NMM(64.7g、639.64mmol、2.00当量)、Cbz-Cl(87.4g、512.34mmol、1.60当量)を入れた。得られた溶液を、室温で一晩撹拌した。得られた混合物を、減圧下で濃縮した。この残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(1:1)を用いてシリカゲルカラムに通した。これによって、黄色の固体として45g(48%)のベンジルN-(4-フルオロ-3-ニトロフェニル)カルバメートが得られた。LC-MS:(ES、m/z):[M+H]+=291。1H-NMR:(300 MHz, CDCl3, ppm): δ8.15(m, 1H), 7.65(m, 1H), 7.42-7.32(m, 5H), 7.22(m, 1H), 6.80(s, 2H), 5.22(s, 2H).
窒素の不活性雰囲気を用いてパージされ、維持された250mLの丸底フラスコに、ベンジルN-(4-フルオロ-3-ニトロフェニル)カルバメート(10g、34.45mmol、1.00当量)のDMSO溶液(100mL)、tert-ブチル(3S)-3-メチルピペラジン-1-カルボキシレート(7.58g、37.85mmol)、DIEA(6.67g、51.61mmol、1.50当量)を入れた。得られた溶液を、油浴にて110℃で一晩撹拌した。得られた溶液を、水で希釈した。得られた溶液を、酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせて減圧下で濃縮した。この残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(1:1)を用いてシリカゲルカラムに通した。これによって、褐色の油状物として10g(62%)のtert-ブチル(3S)-4-(4-[[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ]-2-ニトロフェニル)-3-メチルピペラジン-1-カルボキシレートが得られた。LC-MS:(ES、m/z):[M+H]+=471。1H-NMR:(300 MHz, CDCl3, ppm): δ7.86(s, 1H), 7.60(m, 1H), 7.44-7.31(m, 7H), 5.21(s, 2H), 3.90(t, J=11.4Hz, 2H), 3.21-3.02(m, 3H), 2.79-2.72(m, 2H), 1.49(s, 9H), 0.80(d, J=6.3Hz ,3H).
窒素の不活性雰囲気を用いてパージされ、維持された250mLの丸底フラスコに、tert-ブチル(3S)-4-(4-[[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ]-2-ニトロフェニル)-3-メチルピペラジン-1-カルボキシレート(12.5g、26.57mmol、1.00当量)のジオキサン溶液(100mL)、塩化水素ジオキサン(25mL)を入れた。得られた溶液を、室温で30分間撹拌した。得られた混合物を、減圧下で濃縮した。これによって、褐色の油状物として12.5g(粗物)のベンジルN-[4-[(2S)-2-メチルピペラジン-1-イル]-3-ニトロフェニル]カルバメートが得られた。LC-MS:(ES、m/z):371[M+H]+。
【0129】
窒素の不活性雰囲気を用いてパージされ、維持された250mLの丸底フラスコに、ベンジルN-[4-[(2S)-2-メチルピペラジン-1-イル]-3-ニトロフェニル]カルバメート(12.5g、33.75mmol、1.00当量)のエタノール溶液(100mL)、オキセタン-3-オン(2.2g、30.53mmol、1.20当量)、NaBH3CN(1.67g、26.58mmol、1.00当量)を入れた。得られた溶液を、室温で2時間撹拌した。得られた混合物を、減圧下で濃縮した。この残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(1:1)を用いてシリカゲルカラムに通した。これによって、褐色の油状物として5g(35%)のベンジルN-[4-[(2S)-2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]-3-ニトロフェニル]カルバメートが得られた。LC-MS:(ES、m/z):427[M+H]+。1H-NMR (300 MHz, CD3OD, ppm): δ7.86(s, 1H), 7.60(m, 1H), 7.48-7.31(m, 6H), 5.21(s, 2H), 4.75-4.55(m, 5H), 3.55(m, 1H), 3.26-3.10(m, 2H), 2.97-2.72(m, 3H), 2.30-2.11(m, 3H),1.80(t, J=4.7Hz, 1H), 1.49(s, 9H), 0.80(d, J=6.3Hz ,3H).
窒素の不活性雰囲気を用いてパージされ、維持された100mLの丸底フラスコに、ベンジルN-[4-[(2S)-2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]-3-ニトロフェニル]カルバメート(5.0g、11.72mmol、1.00当量)のエタノール溶液(50mL)、AcOH(7.0g、116.57mmol、10.00当量)を入れた。続けて、Zn粉末(4.6g、6.00当量)を加えた。得られた溶液を、室温で1時間撹拌した。固体を濾去した。得られた混合物を、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムに通した。これによって、褐色の油状物として1.0g(22%)のベンジルN-[3-アミノ-4-[(2S)-2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]フェニル]カルバメートが得られた。LC-MS:(ES、m/z):397[M+H]+ 1H-NMR(300 MHz, CD3OD, ppm): δ7.46-7.31(m, 5H), 7.02(m, 2H), 6.75(d, J=8.4, 1H), 5.20(s, 2H), 4.85-4.64(m, 4H), 3.67-3.55 (m, 3H),3.17(m, 1H), 2.92-2.78(m, 4H), 2.25(m, 1H), 1.95(m, 1H), 0.80(d, J=6.0Hz ,3H).
窒素の不活性雰囲気を用いてパージされ、維持された25mLの丸底フラスコに、ベンジルN-[3-アミノ-4-[(2S)-2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]フェニル]カルバメート(1.0g、2.52mmol、1.00当量)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)、NMM(510mg、5.04mmol、2.00当量)、(Boc)2O(820mg、3.76mmol、1.50当量)を入れた。得られた溶液を、室温で一晩撹拌した。得られた混合物を、減圧下で濃縮した。この残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(1:1)を用いてシリカゲルカラムに通した。これによって、褐色の油状物として0.9g(72%)のベンジルN-(3-[[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ]-4-[(2S)-2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]フェニル)カルバメートが得られた。LC-MS:(ES、m/z):497[M+H]+。
【0130】
H2の不活性雰囲気を用いてパージされ、維持された50mLの丸底フラスコに、ベンジルN-(3-[[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ]-4-[(2S)-2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]フェニル)カルバメート(900mg、1.81mmol、1.00当量)のメタノール溶液(10mL)、パラジウム炭素(0.1g、0.10当量)を入れた。得られた溶液を、室温で1時間撹拌した。この固体を濾去した。得られた混合物を、減圧下で濃縮した。これによって、褐色の油状物として0.6g(91%)のtert-ブチルN-[5-アミノ-2-[(2S)-2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]フェニル]カルバメートが得られた。LC-MS:(ES、m/z):363[M+H]+。1H-NMR-PH-:(300 MHz, CD3OD, ppm): δ7.46-7.31(m, 5H), 7.02(m, 2H), 6.75(d, J=8.4, 1H), 4.78-4.64(m, 4H), 3.60 (m, 1H), 3.10-2.70(m, 5H), 2.22(m, 1H), 1.95(m, 1H), 0.77(d, J=6.0Hz ,3H).
窒素の不活性雰囲気を用いてパージされ、維持された50mLの丸底フラスコに、tert-ブチルN-[5-アミノ-2-[(2S)-2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]フェニル]カルバメート(1.2g、3.31mmol、1.00当量)のIPA溶液(10mL)、3,5-ジブロモ-1-メチル-1,2-ジヒドロピラジン-2-オン(980mg、3.66mmol、1.00当量)、DIEA(640mg、4.95mmol、1.50当量)を入れた。得られた溶液を、油浴にて80℃で一晩撹拌した。得られた混合物を、減圧下で濃縮した。この残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(1:1)を用いてシリカゲルカラムに通した。これによって、褐色の油状物として1.2g(66%)のtert-ブチルN-[5-[(6-ブロモ-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ]-2-[(2S)-2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]フェニル]カルバメートが得られた。LC-MS:(ES、m/z):551[M+H]+。1H-NMR:(300 MHz, CDCl3, ppm): δ8.31(s, 1H), 8.20(s, 1H), 7.99(s, 1H), 7.20(d, J=8.7, 1H), 6.95(d, J=8.7, 1H), 6.75(s, 1H), 4.78-4.64(m, 5H), 3.60 (m, 1H), 3.20-2.72(m, 7H), 2.22(m, 1H), 1.95(m, 1H), 0.79(d, J=6.0Hz ,3H).
窒素の不活性雰囲気を用いてパージされ、維持された50mLの丸底フラスコに、tert-ブチルN-[5-[(6-ブロモ-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ]-2-[(2S)-2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]フェニル]カルバメート(600mg、1.09mmol、1.00当量)のジクロロメタン溶液(6mL)、トリフルオロ酢酸(1.2mL)を入れた。得られた溶液を、室温で1時間撹拌した。得られた混合物を、減圧下で濃縮した。これによって、褐色の油状物として500mg(粗物)の3-([3-アミノ-4-[(2S)-2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]フェニル]アミノ)-5-ブロモ-1-メチル-1,2-ジヒドロピラジン-2-オンが得られた。LC-MS:(ES、m/z):451[M+H]+。
【0131】
窒素の不活性雰囲気を用いてパージされ、維持された25mLの丸底フラスコに、3-([3-アミノ-4-[(2S)-2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]フェニル]アミノ)-5-ブロモ-1-メチル-1,2-ジヒドロピラジン-2-オン(500mg、1.11mmol、1.00当量)のジオキサン(15mL)/H2O(1mL)溶液、(2-[4,4-ジメチル-9-オキソ-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-10-イル]-3-[(オキサン-2-イルオキシ)メチル]ピリジン-4-イル)ボロン酸(431mg、0.98mmol、1.10当量)、Pd(dppf)Cl2(50mg、0.07mmol、0.10当量)、炭酸カリウム(307mg、2.22mmol、2.00当量)を入れた。得られた溶液を、油浴にて100℃で1時間撹拌した。得られた混合物を、減圧下で濃縮し、H2Oで希釈し、EAで抽出した。これによって、褐色の油状物として500mg(59%)の10-[4-[6-([3-アミノ-4-[(2S)-2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]フェニル]アミノ)-4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロピラジン-2-イル]-3-[(オキサン-2-イルオキシ)メチル]ピリジン-2-イル]-4,4-ジメチル-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-9-オン(粗物)が得られた。LC-MS:(ES、m/z):764[M+H]+。
【0132】
窒素の不活性雰囲気を用いてパージされ、維持された50mLの丸底フラスコに、10-[4-[6-([3-アミノ-4-[(2S)-2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]フェニル]アミノ)-4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロピラジン-2-イル]-3-[(オキサン-2-イルオキシ)メチル]ピリジン-2-イル]-4,4-ジメチル-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-9-オン(500mg、0.65mmol、1.00当量)のジクロロメタン溶液(5mL)、トリフルオロ酢酸(1mL)を入れた。得られた溶液を、油浴にて40℃で15分間撹拌した。得られた混合物を、減圧下で濃縮した。この粗生成物を、Prep-HPLCによって精製した。これによって、褐色の固体として80mg(18%)の10-[4-[6-([3-アミノ-4-[(2S)-2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]フェニル]アミノ)-4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロピラジン-2-イル]-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-2-イル]-4,4-ジメチル-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-9-オンが得られた。LC-MS:(ES、m/z):680[M+H]+。
【0133】
窒素の不活性雰囲気を用いてパージされ、維持された25mLの丸底フラスコに、10-[4-[6-([3-アミノ-4-[(2S)-2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]フェニル]アミノ)-4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロピラジン-2-イル]-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-2-イル]-4,4-ジメチル-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-9-オン(80mg、0.12mmol、1.00当量)のCH3CN溶液(1mL)、プロパ-2-エン酸(10mg、0.14mmol、1.20当量)、HATU(49.2mg、0.13mmol、1.10当量)、NMM(17.7mg、0.17mmol、1.50当量)を入れた。得られた溶液を、室温で1時間撹拌した。この粗生成物を、Prep-HPLCによって精製した。これによって、類白色の固体として27mg(31%)のN-(5-[[6-(2-[4,4-ジメチル-9-オキソ-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-10-イル]-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル]アミノ]-2-[(2S)-2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]フェニル)プロパ-2-エンアミドが得られた。LC-MS:(ES、m/z):734[M+H]+。1H-NMR:(300 MHz, d6-DMSO, ppm): δ9.25(s, 1H), 9.19(s, 1H), 9.11(s, 1H), 8.49(d, J=5.1Hz, 1H), 7.95(d, J=5.1Hz, 1H), 7.77(s, 1H), 7.60(d, J=8.7, 1H), 7.25(d, J=8.7, 1H), 6.63-6.57(m, 2H), 6.30(m, 1H), 5.80(d, J=3.9Hz,1H), 5.02(m, 1H), 4.65-4.41(m, 6H), 4.35-4.15(m, 3H), 3.85(m, 1H), 3.60-3.43 (m, 4H), 3.10(m, 1H), 2.85-2.54(m, 6H), 2.45(m, 2H), 2.22(m, 1H), 1.95(t, J=6.6Hz, 1H), 1.25(s, 6H), 0.76(d, J=6.0Hz ,3H).
実施例4
(S)-N-(5-((6-(3-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-2-(ヒドロキシメチル)フェニル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)フェニル)アクリルアミドの調製
窒素の不活性雰囲気を用いてパージされ、維持された50mLの丸底フラスコに、4,4-ジメチル-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-9-オン(3.0g、14.69mmol、1.00当量)のジオキサン溶液(30mL)、2,6-ジブロモベンズアルデヒド(4.65g、17.62mmol、1.20当量)、Cs2CO3(9.6g、29.46mmol、2.00当量)、Pd2(dba)3(300mg、0.33mmol、0.10当量)、キサントホス(300mg、0.52mmol、0.10当量)を入れた。得られた溶液を、油浴にて100℃で1時間撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却した。固体を濾去した。得られた混合物を、減圧下で濃縮した。この残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(1:1)を用いてシリカゲルカラムに通した。これによって、類白色の固体として4.0g(70%)の2-ブロモ-6-[4,4-ジメチル-9-オキソ-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-10-イル]ベンズアルデヒドが得られた。(ES、m/z):387[M+H]+。1H-NMR:(300 MHz, CD3OD, ppm): δ10.36(s, 1H), 7.43(d, J=7.8Hz, 1H),7.25(m, 2H), 6.60(s, 1H), 3.99(t, J=6.0Hz, 2H), 3.63(t, J=6.0Hz, 3H), 2.55(s, 2H), 2.45(s, 2H), 1.24(s, 6H).
窒素の不活性雰囲気を用いてパージされ、維持された50mLの丸底フラスコに、2-ブロモ-6-[4,4-ジメチル-9-オキソ-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-10-イル]ベンズアルデヒド(1.0g、2.58mmol、1.00当量)のジオキサン溶液(10mL)、Pin2B2(1.64g、2.50当量)、Pd(dppf)Cl2(100mg、0.14mmol、0.10当量)、KOAc(760mg、7.74mmol、3.00当量)を入れた。得られた溶液を、油浴にて100℃で30分間撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却した。固体を濾去した。得られた混合物を、減圧下で濃縮した。これによって、褐色の固体として400mg(44%)の(3-[4,4-ジメチル-9-オキソ-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-10-イル]-2-ホルミルフェニル)ボロン酸が得られた。LC-MS:(ES、m/z):353[M+H]+。
【0134】
窒素の不活性雰囲気を用いてパージされ、維持された50mLの丸底フラスコに、(3-[4,4-ジメチル-9-オキソ-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-10-イル]-2-ホルミルフェニル)ボロン酸(346mg、0.98mmol、1.00当量)、3-([3-アミノ-4-[(2S)-2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]フェニル]アミノ)-5-ブロモ-1-メチル-1,2-ジヒドロピラジン-2-オン(441mg、0.98mmol、1.00当量)のジオキサン(10mL)/H2O(1mL)溶液、Pd(dppf)Cl2(30mg、0.04mmol、0.10当量)、炭酸カリウム(271mg、1.96mmol、2.00当量)を入れた。得られた溶液を、油浴にて100℃で1時間撹拌した。固体を濾去した。得られた混合物を、減圧下で濃縮した。これによって、褐色の油状物として500mg(75%)の2-[6-([3-アミノ-4-[(2S)-2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]フェニル]アミノ)-4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロピラジン-2-イル]-6-[4,4-ジメチル-9-オキソ-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-10-イル]ベンズアルデヒドが得られた。LC-MS:(ES、m/z):677[M+H]+。
【0135】
窒素の不活性雰囲気を用いてパージされ、維持された25mLの丸底フラスコに、2-[6-([3-アミノ-4-[(2S)-2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]フェニル]アミノ)-4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロピラジン-2-イル]-6-[4,4-ジメチル-9-オキソ-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-10-イル]ベンズアルデヒド(500mg、0.74mmol、1.00当量)のエタノール溶液(10mL)、NaBH4(16.8mg、0.44mmol、0.60当量)を入れた。得られた溶液を、室温で30分間撹拌した。得られた混合物を、減圧下で濃縮した。この粗生成物を、Prep-HPLCによって精製した。これによって、淡褐色の固体として240mg(48%)の10-[3-[6-([3-アミノ-4-[(2S)-2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]フェニル]アミノ)-4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロピラジン-2-イル]-2-(ヒドロキシメチル)フェニル]-4,4-ジメチル-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-9-オンが得られた。LC-MS:(ES、m/z):679[M+H]+。
【0136】
窒素の不活性雰囲気を用いてパージされ、維持された10mLの丸底フラスコに、10-[3-[6-([3-アミノ-4-[(2S)-2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]フェニル]アミノ)-4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロピラジン-2-イル]-2-(ヒドロキシメチル)フェニル]-4,4-ジメチル-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-9-オン(240mg、0.35mmol、1.00当量)のCH3CN溶液(10mL)、プロパ-2-エン酸(30.5mg、0.42mmol、1.20当量)、HATU(147.7mg、0.39mmol、1.10当量)、NMM(71.4mg、0.71mmol、2.00当量)を入れた。得られた溶液を、室温で1時間撹拌した。この粗生成物を、Prep-HPLCによって精製した。これによって、類白色の固体として60mg(23%)のN-(5-[[6-(3-[4,4-ジメチル-9-オキソ-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-10-イル]-2-(ヒドロキシメチル)フェニル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル]アミノ]-2-[(2S)-2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]フェニル)プロパ-2-エンアミドが得られた。LC-MS:(ES、m/z):733[M+H]+。1H-NMR:(300 MHz, d6-DMSO, ppm): δ9.17(m, 2H), 8.91(s, 1H), 7.82-7.63(m, 2H), 7.49-7.42(m, 2H), 7.40-7.23(m, 2H), 6.67-6.49(m, 2H), 6.25(m, 1H), 5.80(d, J=10.5Hz, 1H), 4.81(m, 1H), 4.62-4.40(m, 6H), 4.25-4.02(m, 3H), 3.93(m, 1H), 3.60-3.40(m, 4H), 3.10(m, 1H), 2.80-2.60(m, 4H), 2.55(s, 2H), 2.45(s, 2H), 2.22(m, 1H), 1.95(t, J=6.8Hz, 1H), 1.22(s, 6H), 0.73(d, J=6.0Hz, 3H).
実施例5
N-(3-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)フェニル)アクリルアミドの調製
250mLの丸底フラスコに、tert-ブチルN-(3-アミノフェニル)カルバメート(5g、24.01mmol、1.00当量)、3,5-ジブロモ-1-メチル-1,2-ジヒドロピラジン-2-オン(5.8g、21.65mmol、1.50当量)、DIEA(4.9g、37.98mmol、2.00当量)、i-プロパノール(50mL)を入れた。得られた溶液を、80℃で一晩撹拌した。得られた混合物を、減圧下で濃縮した。この粗生成物を、30分以内にPE:EA=100/20をPE:EA=100/50まで増加させるフラッシュによって精製した。これによって、淡黄色の固体として7.4g(78%)のtert-ブチルN-[3-[(6-ブロモ-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ]フェニル]カルバメートが得られた。LC-MS:(ES、m/z):[M+H]+=395。1H-NMR-:(300 MHz, CDCl3, ppm): δ9.32(s, 1H), 9.28(s, 1H),7.91(s, 1H), 7.52(d, J=5.4Hz, 1H), 7.16-7.09(m, 2H), 3.45(s, 3H), 1.47(s, 9H).
25mLの丸底フラスコに、tert-ブチルN-[3-[(6-ブロモ-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ]フェニル]カルバメート(400mg、0.51mmol、1.00当量)、塩化水素/ジオキサン(10mL)を入れた。得られた溶液を、室温で30分間撹拌した。得られた混合物を、減圧下で濃縮した。これによって、黄色の固体として300mg(90%)の3-[(3-アミノフェニル)アミノ]-5-ブロモ-1-メチル-1,2-ジヒドロピラジン-2-オンが得られた。LC-MS:(ES、m/z):[M+H]+=295。
【0137】
窒素の不活性雰囲気を用いてパージされ、維持された50mLの丸底フラスコに、3-[(3-アミノフェニル)アミノ]-5-ブロモ-1-メチル-1,2-ジヒドロピラジン-2-オン(200mg、0.68mmol、1.00当量)、(2-4,4-ジメチル-9-オキソ-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^2,6]ドデカ-2(6),7-ジエン-10-イル-3-[(オキサン-2-イルオキシ)メチル]ピリジン-4-イル)ボロン酸(298mg、0.68mmol、1.00当量)、Pd(dppf)Cl2(58mg、0.07mmol、0.10当量)、炭酸カリウム(281mg、2.04mmol、3.00当量)、ジオキサン(12mL)、水(2mL)を入れた。得られた溶液を、100℃で30分間撹拌した。得られた混合物を、冷却後に減圧下で濃縮した。得られた溶液を、メタノールで希釈した。この粗生成物を、13分以内にMeCN:H2O=25/75をMeCN:H2O=50/50まで増加させるフラッシュによって精製した。これによって、褐色の固体として280mg(68%)の10-(4-[6-[(3-アミノフェニル)アミノ]-4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロピラジン-2-イル]-3-[(オキサン-2-イルオキシ)メチル]ピリジン-2-イル)-4,4-ジメチル-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-9-オンが得られた。LC-MS(ES、m/z):[M+H]+=610。
【0138】
50mLの丸底フラスコに、10-(4-[6-[(3-アミノフェニル)アミノ]-4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロピラジン-2-イル]-3-[(オキサン-2-イルオキシ)メチル]ピリジン-2-イル)-4,4-ジメチル-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-9-オン(230mg、0.38mmol、1.00当量)、トリフルオロ酢酸(1mL)、ジクロロメタン(20mL)を入れた。得られた溶液を、室温で30分間撹拌した。得られた混合物を、減圧下で濃縮した。得られた溶液を、酢酸エチルで希釈した。この溶液のpH値を、炭酸水素ナトリウムの飽和溶液を用いて8に調整した。固体を濾去した。得られた混合物を、減圧下で濃縮した。これによって、無色の油状物として150mg(76%)の10-(4-[6-[(3-アミノフェニル)アミノ]-4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロピラジン-2-イル]-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-2-イル)-4,4-ジメチル-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-9-オンが得られた。LC-MS--714-4:(ES、m/z):[M+H]+=526。
【0139】
25mLの丸底フラスコに、10-(4-[6-[(3-アミノフェニル)アミノ]-4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロピラジン-2-イル]-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-2-イル)-4,4-ジメチル-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-9-オン(150mg、0.28mmol、1.00当量)、プロパ-2-エン酸(20.1mg、0.28mmol、1.00当量)、NMM(58mg、0.38mmol、2.00当量)、HATU(141mg、0.25mmol、1.30当量)、MeCN(5mL)を入れた。得られた溶液を、室温で30分間撹拌した。この粗生成物を、Prep-HPLCによって精製した。これによって、類白色の固体として32.4mg(18%)のN-(3-[[6-(2-[4,4-ジメチル-9-オキソ-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-10-イル]-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル]アミノ]フェニル)プロパ-2-エンアミドが得られた。LC-MS:(ES、m/z):[M+H]+=580。1H-NMR:(300 MHz, CDCl3, ppm): δ9.99(s, 1H), 9.24(s, 1H), 8.47(m, 2H), 7.84-7.73(m, 2H), 7.60(d, J=7.5Hz, 1H), 7.30-7.20(m, 2H), 6.58(s, 1H), 6.55-6.25(m, 2H), 5.76(d, J=9.9Hz, 1H), 4.97(m, 1H), 4.64-4.45(m, 2H), 4.33-4.15(m, 3H), 3.88(m, 1H), 3.57(s, 3H), 2.59(d, J=5.1Hz, 2H), 2.42(d, J=5.1Hz, 2H), 1.22(s, 6H).
実施例7
N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(1-(オキセタン-3-イル)ピペリジン-4-イル)フェニル)アクリルアミドの調製
窒素の不活性雰囲気を用いてパージされ、維持された250mLの丸底フラスコに、4-ブロモ-3-ニトロアニリン(5g、23.04mmol、1.00当量)、tert-ブチル4-(テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-1-カルボキシレート(14g、45.28mmol、2.00当量)、Pd(dppf)Cl2(2g、2.33mmol、0.10当量)、炭酸カリウム(19g、137.47mmol、6.00当量)、ジオキサン(80mL)、水(20mL)を入れた。得られた溶液を、90℃で一晩撹拌した。固体を濾去した。得られた混合物を、減圧下で濃縮した。この粗生成物を、30分以内にPE:EA=50/50をPE:EA=20/80まで増加させるフラッシュによって精製した。これによって、淡黄色の油状物として5.7g(77%)のtert-ブチル4-(4-アミノ-2-ニトロフェニル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-1-カルボキシレートが得られた。LC-MS--1:(ES、m/z):[M+H]+=320。1H-NMR-PH--1:(300 MHz, d6-DMSO, ppm): δ7.05(m, 2H), 6.80(d, J=8.1Hz, 1H),5.74(s, 2H), 5.49(s, 1H), 3.88(m, 2H), 3.46(t, J=10.8Hz, 2H), 2.17(s, 2H).
250mLの丸底フラスコに、tert-ブチル4-(4-アミノ-2-ニトロフェニル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-1-カルボキシレート(7g、21.92mmol、1.00当量)、水(10mL)、炭酸ナトリウム(4.6g、43.40mmol、2.00当量)、ジクロロメタン(50mL)を入れた。得られた混合物を、0℃で30分間撹拌した。続けて、0℃で5分間撹拌しながら、Cbz-Cl(4.5g、26.47mmol、1.20当量)を滴下して加えた。得られた溶液を、室温で一晩撹拌した。得られた混合物を、100mLのブラインを用いて2回洗浄した。得られた混合物を、減圧下で濃縮した。これによって、黄色の油状物として7g(70%)のtert-ブチル4-(4-[[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ]-2-ニトロフェニル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-1-カルボキシレートが得られた。LC-MS--2:(ES、m/z):[M+H]+=454。1H-NMR-PH--2:(300 MHz, d6-DMSO, ppm): δ10.27(s, 1H), 8.13(s, 1H), 7.68(d, J=8.4Hz, 1H), 7.46-7.32(m, 7H),5.62(s, 1H), 5.19(s, 2H), 3.92(m, 2H), 3.53(t, J=10.8Hz, 2H), 2.24(s, 2H).
250mLの丸底フラスコに、tert-ブチル4-(4-[[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ]-2-ニトロフェニル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-1-カルボキシレート(5g、11.03mmol、1.00当量)、塩化水素/ジオキサン(40mL)を入れた。得られた溶液を、室温で1.5時間撹拌した。得られた混合物を、減圧下で濃縮した。これによって、淡黄色の固体として4.5g(粗物)のベンジルN-[3-ニトロ-4-(1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)フェニル]カルバメートが得られた。LC-MS--3:(ES、m/z):[M+H]+=354。
【0140】
250mLの丸底フラスコに、ベンジルN-[3-ニトロ-4-(1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)フェニル]カルバメート(4.5g、25.47mmol、1.00当量)、オキセタン-3-オン(1.35g、37.47mmol、1.50当量)、NaCNBH3(1.6g、50.79mmol、2.00当量)、メタノール(30mL)を入れた。得られた溶液を、50℃で4時間撹拌した。得られた溶液を、酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせた。得られた混合物を、100mLの塩化ナトリウムを用いて2回洗浄した。この固体を、減圧下のオーブンで乾燥させ、減圧下で濃縮した。これによって、白色の固体として3.6g(61%)のベンジルN-[3-ニトロ-4-[1-(オキセタン-3-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル]フェニル]カルバメートが得られた。LC-MS--4:(ES、m/z):[M+H]+=410。1H-NMR-PH--4:(300 MHz, d6-DMSO, ppm): δ10.27(s, 1H), 8.09(s, 1H), 7.67(d, J=8.4Hz, 1H), 7.46-7.32(m, 6H),5.59(s, 1H), 5.19(s, 2H), 4.56(t, J=9Hz, 2H), 4.49(t, J=9Hz, 2H), 3.60(m, 1H), 2.92(s, 2H), 2.48(m, 2H), 2.26(s, 2H).
50mLの丸底フラスコに、ベンジルN-[3-ニトロ-4-[1-(オキセタン-3-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル]フェニル]カルバメート(3.6g、8.79mmol、1.00当量)、酢酸(5.25g、87.42mmol、10.00当量)、エタノール(25mL)、亜鉛(2.8g、42.81mmol、5.00当量)を入れた。得られた溶液を、室温で30分間撹拌した。固体を濾去する。得られた混合物を、減圧下で濃縮した。得られた溶液を、酢酸エチルで希釈した。このpHを、炭酸ナトリウム(1mol/L)を用いて8に調整した。得られた混合物を、200mLのH2Oを用いて2回洗浄した。この混合物を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。この粗生成物を、45分以内にPE:EA=100/30をPE:EA=100/50まで増加させるフラッシュによって精製した。これによって、黄色の油状物として2.5g(75%)のベンジルN-[3-アミノ-4-[1-(オキセタン-3-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル]フェニル]カルバメートが得られた。LC-MS--5:(ES、m/z):[M+H]+=380。1H-NMR-PH--5:(300 MHz, d6-DMSO, ppm): δ9.61(s, 1H), 7.52-7.28(m, 5H), 6.87(s, 1H), 6.77(d, J=7.8Hz, 1H), 6.61(d, J=8.1Hz, 1H), 5.60(s, 1H), 5.13(s, 2H), 4.74(s, 2H), 4.57(t, J=9Hz, 2H), 4.50(t, J=9Hz, 2H), 3.52(m, 1H), 2.92(s, 2H), 2.48(m, 2H), 2.28(s, 2H).
250mLの丸底フラスコに、ベンジルN-[3-アミノ-4-[1-(オキセタン-3-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル]フェニル]カルバメート(2.5g、13.18mmol、1.00当量)、TEA(2g、39.53mmol、3.00当量)、二炭酸ジ-tert-ブチル(1.75g、16.04mmol、1.30当量)、テトラヒドロフラン(30mL)を入れた。得られた溶液を、65℃で一晩撹拌した。得られた混合物を、減圧下で濃縮した。この粗生成物を、25分以内にPE:EA=100/30をPE:EA=100/50まで増加させるフラッシュによって精製した。これによって、黄色の油状物として2g(63%)のベンジルN-(3-[[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ]-4-[1-(オキセタン-3-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル]フェニル)カルバメートが得られた。LC-MS--6:(ES、m/z):[M+H]+=480。1H-NMR-PH--6:(300 MHz, d6-DMSO, ppm): δ9.74(s, 1H), 8.20(s, 1H), 7.47-7.28(m, 6H), 7.24(d, J=8.1Hz, 1H), 7.05(d, J=8.4Hz, 1H), 5.75(s, 1H), 5.14(s, 2H), 4.57(s, 2H), 4.57(t, J=9Hz, 2H), 4.50(t, J=9Hz, 2H), 3.54(m, 1H), 2.92(s, 2H), 2.48(m, 2H), 2.28(s, 2H), 1.22(s, 9H).
H2の不活性雰囲気を用いてパージされ、維持された250mLの丸底フラスコに、ベンジルN-(3-[[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ]-4-[1-(オキセタン-3-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル]フェニル)カルバメート(1.4g、2.92mmol、1.00当量)、パラジウム炭素(140mg、0.10当量)、酢酸エチル(40mL)を入れた。得られた溶液を、室温で一晩撹拌した。固体を濾去した。得られた混合物を、減圧下で濃縮した。これによって、淡黄色の固体として610mg(60%)のtert-ブチルN-[5-アミノ-2-[1-(オキセタン-3-イル)ピペリジン-4-イル]フェニル]カルバメートが得られた。LC-MS--7:(ES、m/z):[M+H]+=348。1H-NMR-PH--7:(300 MHz, d6-DMSO, ppm): δ8.26(s, 1H), 6.90(d, J=7.8Hz, 1H), 6.40(m, 2H), 4.87(s, 2H), 4.54(t, J=7.2Hz, 2H), 4.46(t, J=7.2Hz, 2H), 3.37(m, 1H), 2.78(d, J=10.8Hz, 2H), 2.60(m, 1H), 1.80-1.45(m, 6H), 1.21(s, 9H).
窒素の不活性雰囲気を用いてパージされ、維持された50mLの丸底フラスコに、tert-ブチルN-[5-アミノ-2-[1-(オキセタン-3-イル)ピペリジン-4-イル]フェニル]カルバメート(600mg、2.30mmol、1.00当量)、3,5-ジブロモ-1-メチル-1,2-ジヒドロピラジン-2-オン(550mg、2.74mmol、1.20当量)、DIEA(435mg、4.50mmol、2.50当量)、i-プロパノール(25mL)を入れた。得られた溶液を、80℃で一晩撹拌した。得られた混合物を、減圧下で濃縮した。この粗生成物を、PE:EA=100/85を用いたフラッシュによって精製した。これによって、淡黄色の固体として600mg(65%)のtert-ブチルN-[5-[(6-ブロモ-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ]-2-[1-(オキセタン-3-イル)ピペリジン-4-イル]フェニル]カルバメートが得られた。LC-MS--8:(ES、m/z):[M+H]+=534。1H-NMR-PH--8:(300 MHz, d6-DMSO, ppm): δ9.40(s, 1H), 8.57(s, 1H), 7.79(s, 1H), 7.72(d, J=8.4Hz, 1H), 7.32(s, 1H), 7.23(d, J=8.4Hz, 1H), 4.54(t, J=6.3Hz, 2H), 4.46(t, J=6.3Hz, 2H), 3.45-3.37(m, 5H), 2.83-2.70(m, 3H), 1.83-1.52(m, 6H), 1.38(s, 9H).
250mLの丸底フラスコに、tert-ブチルN-[5-[(6-ブロモ-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ]-2-[1-(オキセタン-3-イル)ピペリジン-4-イル]フェニル]カルバメート(600mg、1.12mmol、1.00当量)、トリフルオロ酢酸(2mL)、ジクロロメタン(20mL)を入れた。得られた溶液を、室温で3時間撹拌した。得られた混合物を、減圧下で濃縮した。得られた溶液を、メタノールで希釈し、pHを、炭酸カリウムを用いて8に調整した。固体を濾去した。得られた混合物を、減圧下で濃縮した。これによって、淡黄色の固体として410mg(84%)の3-([3-アミノ-4-[1-(オキセタン-3-イル)ピペリジン-4-イル]フェニル]アミノ)-5-ブロモ-1-メチル-1,2-ジヒドロピラジン-2-オンが得られた。LC-MS--9:(ES、m/z):[M+H]+=434。
【0141】
窒素の不活性雰囲気を用いてパージされ、維持された50mLの丸底フラスコに、3-([3-アミノ-4-[1-(オキセタン-3-イル)ピペリジン-4-イル]フェニル]アミノ)-5-ブロモ-1-メチル-1,2-ジヒドロピラジン-2-オン(300mg、0.7mmol、1.00当量)、(2-[4,4-ジメチル-9-オキソ-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-10-イル]-3-[(オキサン-2-イルオキシ)メチル]ピリジン-4-イル)ボロン酸(350mg、0.8mmol、1.10当量)、Pd(dppf)Cl2(60mg、0.03mmol、0.10当量)、K2CO3(286mg、2.03mmol、3.00当量)、ジオキサン(20mL)、水(2mL)を入れた。得られた溶液を、100℃で30分間撹拌した。得られた混合物を、減圧下で濃縮した。得られた溶液を、メタノールで希釈した。この粗生成物を、12分以内にMeCN:H2O=20/80をMeCN:H2O=55/45まで増加させるフラッシュによって精製した。これによって、淡黄色の固体として210mg(81%)の10-[4-[6-([3-アミノ-4-[1-(オキセタン-3-イル)ピペリジン-4-イル]フェニル]アミノ)-4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロピラジン-2-イル]-3-[(オキサン-2-イルオキシ)メチル]ピリジン-2-イル]-4,4-ジメチル-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-9-オンが得られた。LC-MS--10:(ES、m/z):[M+H]+=749。
【0142】
25mLの丸底フラスコに、10-[4-[6-([3-アミノ-4-[1-(オキセタン-3-イル)ピペリジン-4-イル]フェニル]アミノ)-4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロピラジン-2-イル]-3-[(オキサン-2-イルオキシ)メチル]ピリジン-2-イル]-4,4-ジメチル-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-9-オン(210mg、0.28mmol、1.00当量)、ジクロロメタン(10mL)、トリフルオロ酢酸(1mL)を入れた。得られた溶液を、室温で1時間撹拌した。得られた混合物を、減圧下で濃縮し、pHを、炭酸水素ナトリウム溶液を用いて8に調整した。得られた混合物を、EAで抽出し、ブラインを用いて洗浄した。この混合物を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。これによって、淡黄色の固体として135mg(72%)の10-[4-[6-([3-アミノ-4-[1-(オキセタン-3-イル)ピペリジン-4-イル]フェニル]アミノ)-4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロピラジン-2-イル]-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-2-イル]-4,4-ジメチル-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-9-オンが得られた。LC-MS--11:(ES、m/z):[M+H]+=665。1H-NMR-PH--11:(300 MHz, CDCl3, ppm): δ8.55(d, J=5.1Hz, 1H), 8.20(s, 1H), 8.00(s, 1H), 7.76(d, J=5.1Hz, 1H), 7.29(s, 1H), 7.23(d, J=5.7Hz, 1H), 7.23(d, J=5.4Hz, 1H), 6.85(s, 1H), 5.02(m, 1H), 4.82-4.37(m, 7H), 4.20(m, 2H), 3.92(m, 1H), 3.70-3.50(m, 5H), 2.98(m, 2H), 2.62-2.47(m, 5H), 2.07-1.82(m, 6H), 1.73-1.45(m, 5H), 1.28(s, 6H).
25mLの丸底フラスコに、10-[4-[6-([3-アミノ-4-[1-(オキセタン-3-イル)ピペリジン-4-イル]フェニル]アミノ)-4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロピラジン-2-イル]-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-2-イル]-4,4-ジメチル-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-9-オン(135mg、0.23mmol、1.00当量)、プロパ-2-エン酸(17mg、0.23mmol、1.00当量)、HATU(94mg、0.25mmol、1.10当量)、NMM(54mg、0.53mmol、2.50当量)、MeCN(5mL)を入れた。得られた溶液を、室温で30分間撹拌した。この粗生成物を、Prep-HPLCによって精製した。これによって、白色の固体として15.2mg(11%)のN-(5-[[6-(2-[4,4-ジメチル-9-オキソ-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-10-イル]-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル]アミノ]-2-[1-(オキセタン-3-イル)ピペリジン-4-イル]フェニル)プロパ-2-エンアミドが得られた。LC-MS--0:(ES、m/z):[M+H]+=719。1H-NMR-PH--0:(300 MHz, CDCl3, ppm): δ9.54(s, 1H), 9.32(s, 1H), 8.45(d, J=4.8Hz, 1H), 8.32(m, 1H), 7.79-7.70(m, 3H), 7.25(d, J=8.7Hz, 1H), 6.61-6.44(m, 2H), 6.27(m, 1H), 5.75(d, J=10.8Hz, 1H), 5.01(m, 1H), 4.67-4.42(m, 6H), 4.35-4.15(m, 3H), 3.87(m, 1H), 3.57(s, 3H), 3.40(m, 1H), 2.85-2.57(m, 5H), 2.45(m, 2H), 1.84-1.55(m, 6H), 1.23(s, 6H).
実施例8
N-(5-((6-(3-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-2-(ヒドロキシメチル)フェニル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(1-(オキセタン-3-イル)ピペリジン-4-イル)フェニル)アクリルアミドの調製
窒素の不活性雰囲気を用いてパージされ、維持された25mLの丸底フラスコに、3-([3-アミノ-4-[1-(オキセタン-3-イル)ピペリジン-4-イル]フェニル]アミノ)-5-ブロモ-1-メチル-1,2-ジヒドロピラジン-2-オン(300mg、0.69mmol、1.00当量)、(3-[4,4-ジメチル-9-オキソ-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-10-イル]-2-ホルミルフェニル)ボロン酸(260mg、0.74mmol、1.10当量)、Pd(dppf)Cl2(35mg、0.05mmol、0.10当量)、炭酸カリウム(286mg、2.07mmol、3.00当量)、ジオキサン(15mL)、水(2mL)を入れた。得られた溶液を、2時間100℃で40分間撹拌した。得られた混合物を、減圧下で濃縮した。得られた溶液を、メタノールで抽出し、有機層を合わせた。この粗生成物を、12分以内にMeCN:H2O=30/70をMeCN:H2O=65/35まで増加させるフラッシュによって精製した。これによって、淡黄色の固体として268mg(59%)の2-[6-([3-アミノ-4-[1-(オキセタン-3-イル)ピペリジン-4-イル]フェニル]アミノ)-4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロピラジン-2-イル]-6-[4,4-ジメチル-9-オキソ-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-10-イル]ベンズアルデヒドが得られた。LC-MS--1:(ES、m/z):662[M+H]+。
【0143】
25mLの丸底フラスコに、2-[6-(3-アミノ-4-[1-(オキセタン-3-イル)ピペリジン-4-イル]フェニルアミノ)-4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロピラジン-2-イル]-6-4,4-ジメチル-9-オキソ-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^2,6]ドデカ-2(6),7-ジエン-10-イルベンズアルデヒド(240mg、0.36mmol、1.00当量)、NaBH4(7mg、0.18mmol、0.50当量)、エタノール(8mL)を入れた。得られた溶液を、室温で30分間撹拌した。得られた溶液を濃縮し、メタノールで希釈した。このpHを、炭酸カリウムを用いて8に調整した。固体を濾去し、濾液を、減圧下で濃縮した。これによって、淡黄色の油状物として132mg(55%)の10-[3-[6-([3-アミノ-4-[1-(オキセタン-3-イル)ピペリジン-4-イル]フェニル]アミノ)-4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロピラジン-2-イル]-2-(ヒドロキシメチル)フェニル]-4,4-ジメチル-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-9-オンが得られた。LC-MS--2:(ES、m/z):664[M+H]+。1H-NMR-PH--2:(300 MHz, d6-DMSO, ppm): δ8.71(s, 1H), 7.53-7.25(m, 5H), 7.04(d, J=8.4Hz, 1H), 6.90(d, J=8.4Hz, 1H), 6.53(s, 1H), 4.81(m, 3H), 4.62-4.40(m, 6H), 4.25-4.02(m, 3H), 3.93(m, 1H), 3.55(s, 1H), 3.35(m, 1H),2.80(m, 2H), 2.55(s, 2H), 2.45(s, 2H), 1.95-1.4(m, 7H), 1.22(s, 6H).
25mLの丸底フラスコに、10-[3-[6-([3-アミノ-4-[1-(オキセタン-3-イル)ピペリジン-4-イル]フェニル]アミノ)-4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロピラジン-2-イル]-2-(ヒドロキシメチル)フェニル]-4,4-ジメチル-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-9-オン(100mg、0.15mmol、1.00当量)、プロパ-2-エン酸(12mg、0.17mmol、1.10当量)、HATU(68mg、0.18mmol、1.20当量)、NMM(30mg、0.30mmol、2.00当量)、MeCN(4mL)を入れた。得られた溶液を、室温で30分間撹拌した。この粗生成物を、Prep-HPLCによって精製した。これによって、白色の固体として20.5mg(20%)のN-(5-[[6-(3-[4,4-ジメチル-9-オキソ-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-10-イル]-2-(ヒドロキシメチル)フェニル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル]アミノ]-2-[1-(オキセタン-3-イル)ピペリジン-4-イル]フェニル)プロパ-2-エンアミドが得られた。LC-MS--0:(ES、m/z):718[M+H]+。1H-NMR-PH--0:(300 MHz, CDCl3, ppm): δ8.28(s, 1H), 7.95(s, 1H), 7.70-7.20(m, 7H), 6.80(s, 1H), 6.45-6.25(m, 2H), 5.73(s, 1H), 4.70(m, 4H), 4.62-4.37(m, 3H), 4.25-4.10(m, 3H), 3.95(m, 1H), 3.65(s, 3H), 3.55(m, 1H), 2.90(m, 2H), 2.70-2.45(m, 6H), 2.04-1.80(m, 5H), 1.26(s, 6H).
実施例9
N-(3-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-5-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アクリルアミドの調製
窒素の不活性雰囲気を用いてパージされ、維持された250mLの丸底フラスコに、1-ブロモ-3,5-ジニトロベンゼン(5.5g、22.27mmol、1.00当量)のジオキサン溶液(50mL)、1-メチルピペラジン(2.64g、26.36mmol、1.20当量)、Cs2CO3(14.5g、44.50mmol、2.00当量)を入れた。続けて、Pd2(dba)3(550mg、0.60mmol、0.10当量)、BINAP(770mg、1.24mmol、0.15当量)を加えた。得られた溶液を、油浴にて100℃で一晩撹拌した。この反応混合物を、25℃まで冷却した。固体を濾去した。得られた混合物を、減圧下で濃縮した。この残留物を、酢酸エチル/ヘキサン(1:1)を用いてシリカゲルカラムに通した。これによって、黄色の固体として4.0g(67%)の1-(3,5-ジニトロフェニル)-4-メチルピペラジンが得られた。LC-MS-1:(ES、m/z):267[M+H]+。
【0144】
H2の不活性雰囲気を用いてパージされ、維持された25mLの丸底フラスコに、1-(3,5-ジニトロフェニル)-4-メチルピペラジン(1.3g、4.88mmol、1.00当量)のメタノール溶液(10mL)、パラジウム炭素(0.1g、0.10当量)を入れた。得られた溶液を、室温で2時間撹拌した。固体を濾去した。得られた混合物を、減圧下で濃縮した。これによって、褐色の油状物として1.0g(99%)の5-(4-メチルピペラジン-1-イル)ベンゼン-1,3-ジアミンが得られた。LC-MS-2:(ES、m/z):207[M+H]+。1H-NMR-PH-1:(300 MHz, d6-DMSO, ppm): δ5.44(s, 2H), 5.38(s, 1H), 4.49(s, 4H), 2.95(t, J=6.5Hz, 4H), 2.38(t, J=6.5Hz , 4H), 2.19(s, 3H).
窒素の不活性雰囲気を用いてパージされ、維持された50mLの丸底フラスコに、3,5-ジブロモ-1-メチル-1,2-ジヒドロピラジン-2-オン(1.0g、3.73mmol、1.00当量)のIPA溶液(10mL)、5-(4-メチルピペラジン-1-イル)ベンゼン-1,3-ジアミン(1.0g、4.85mmol、1.00当量)、DIEA(530mg、4.10mmol、1.10当量)を入れた。得られた溶液を、油浴にて40℃で1時間撹拌した。この反応混合物を、25℃まで冷却した。固体を、濾過によって回収した。これによって、褐色の固体として0.5g(34%)の3-[[3-アミノ-5-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル]アミノ]-5-ブロモ-1-メチル-1,2-ジヒドロピラジン-2-オンが得られた。LC-MS-3:(ES、m/z):392[M+H]+。
【0145】
窒素の不活性雰囲気を用いてパージされ、維持された25mLの丸底フラスコに、3-[[3-アミノ-5-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル]アミノ]-5-ブロモ-1-メチル-1,2-ジヒドロピラジン-2-オン(300mg、0.76mmol、1.00当量)のジオキサン(10mL)/H2O(1mL)溶液、(2-[4,4-ジメチル-9-オキソ-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-10-イル]-3-[(オキサン-2-イルオキシ)メチル]ピリジン-4-イル)ボロン酸(300mg、0.68mmol、1.00当量)、炭酸カリウム(240mg、1.74mmol、2.00当量)を入れた。続けて、Pd(dppf)Cl2(30mg、0.04mmol、0.10当量)を加えた。得られた溶液を、油浴にて100℃で1時間撹拌した。得られた混合物を、減圧下で濃縮した。この残留物を、CH3CN:H2O(1:1)を用いてカラムに通した。これによって、褐色の固体として190mg(35%)の10-[4-(6-[[3-アミノ-5-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル]アミノ]-4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロピラジン-2-イル)-3-[(オキサン-2-イルオキシ)メチル]ピリジン-2-イル]-4,4-ジメチル-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-9-オンが得られた。LC-MS-4:(ES、m/z):708[M+H]+。
【0146】
窒素の不活性雰囲気を用いてパージされ、維持された25mLの丸底フラスコに、10-[4-(6-[[3-アミノ-5-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル]アミノ]-4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロピラジン-2-イル)-3-[(オキサン-2-イルオキシ)メチル]ピリジン-2-イル]-4,4-ジメチル-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-9-オン(190mg、0.27mmol、1.00当量)のジクロロメタン溶液(5mL)、トリフルオロ酢酸(1mL)を入れた。得られた溶液を、油浴にて40℃で20分間撹拌した。得られた混合物を、減圧下で濃縮した。これによって、褐色の油状物として190mg(粗物)の10-[4-(6-[[3-アミノ-5-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル]アミノ]-4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロピラジン-2-イル)-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-2-イル]-4,4-ジメチル-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-9-オンが得られた。LC-MS-5:(ES、m/z):624[M+H]+。
【0147】
窒素の不活性雰囲気を用いてパージされ、維持された25mLの丸底フラスコに、プロパ-2-エン酸(21mg、0.29mmol、1.10当量)、HATU(122.5mg、0.32mmol、1.20当量)、NMM(54mg、0.53mmol、2.00当量)を入れた。得られた混合物を10分間撹拌した。この混合物に、10-[4-(6-[[3-アミノ-5-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル]アミノ]-4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロピラジン-2-イル)-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-2-イル]-4,4-ジメチル-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-9-オン(190mg、0.30mmol、1.00当量)を加えた。得られた溶液を、室温で1時間撹拌した。この粗生成物を、フラッシュ-Prep-HPLCによって精製した。これによって、淡褐色の固体として23mg(11%)のN-(3-[[6-(2-[4,4-ジメチル-9-オキソ-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-10-イル]-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル]アミノ]-5-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)プロパ-2-エンアミドが得られた。LC-MS-0:(ES、m/z):678[M+H]+。1H-NMR-PH-1:(300 MHz, d6-DMSO, ppm): δ9.88(s, 1H), 9.02(s, 1H), 8.49(d, J=5.1Hz, 1H), 7.80-7.74(m, 3H), 7.50(s, 1H), 6.97(s, 1H), 6.57(s, 1H), 6.52-6.25(m, 2H), 5.75(d, J=9.6H, 1H), 5.02(m, 1H), 4.67-4.49(m, 2H), 4.32-4.15(m, 3H), 3.90(m, 1H), 3.55(s, 3H), 3.13(m, 4H), 2.60(m, 2H), 2.45(m, 6H), 2.25(s, 3H), 1.23(s, 3H).
実施例10
N-(3-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-5-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)フェニル)アクリルアミドの調製
1-[(3,5-ジニトロフェニル)メチル]-4-メチルピペラジンの合成:250mLの丸底フラスコに、1-(クロロメチル)-3,5-ジニトロベンゼン(3g、13.85mmol、1.00当量)、1-メチルピペラジン(1.38g、13.78mmol、1.00当量)、炭酸カリウム(4.8g、34.73mmol、2.50当量)、テトラヒドロフラン(30mL)を入れた。得られた溶液を、70℃で一晩撹拌した。この反応混合物を、室温まで冷却した。固体を濾去した。この濾液を、減圧下で濃縮した。この粗生成物を、エーテルからの再結晶化によって精製した。これによって、黄色の固体として3g(77%)の1-[(3,5-ジニトロフェニル)メチル]-4-メチルピペラジンが得られた。LC-MS--718-1:(ES、m/z):281[M+H]+。1H-NMR-PH--718-1:(300 MHz, d6-DMSO, ppm): δ 8.73 (s, 1H) , 8.56 (s, 2H), 3.74 (s, 2H), 2.44 (br s, 4H) , 2.34 (br s, 4H), 2.16 (s, 3H).
5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]ベンゼン-1,3-ジアミンの合成:H2の不活性雰囲気を用いてパージされ、維持された250mLの丸底フラスコに、1-[(3,5-ジニトロフェニル)メチル]-4-メチルピペラジン(2.0g、7.14mmol、1.00当量)、パラジウム炭素(0.2g、0.10当量)、メタノール(40mL)を入れた。得られた溶液を、室温で3時間撹拌した。固体を濾去した。この濾液を、減圧下で濃縮した。これによって、無色の油状物として1.1g(70%)の5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]ベンゼン-1,3-ジアミンが得られた。LC-MS--718-2:(ES、m/z):221[M+H]+。1H-NMR-PH--718-2:(300 MHz, d6-DMSO, ppm): δ 5.76 (s, 2H) , 5.70 (s, 1H), 4.61 (s, 4H) , 3.12 (s, 2H), 2.30 (br s, 8H), 2.15 (s, 3H).
3-([3-アミノ-5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]フェニル]アミノ)-5-ブロモ-1-メチル-1,2-ジヒドロピラジン-2-オンの合成:50mLの丸底フラスコに、3,5-ジブロモ-1-メチル-1,2-ジヒドロピラジン-2-オン(1.0g、1.00当量)、5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]ベンゼン-1,3-ジアミン(0.7g、1.00当量)、DIEA(1.0g、7.74mmol、2.50当量)、i-プロパノール(15mL)を入れた。得られた溶液を、80℃で一晩撹拌した。この反応混合物を、室温まで冷却した。得られた混合物を、減圧下で濃縮した。この粗生成物を、Prep-HPLCによって精製した。これによって、淡黄色の固体として153mg(14%)の3-([3-アミノ-5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]フェニル]アミノ)-5-ブロモ-1-メチル-1,2-ジヒドロピラジン-2-オンが得られた。LC-MS--718-3:(ES、m/z):407[M+H]+。1H-NMR-PH--718-3:(300 MHz, d6-DMSO, ppm): δ 8.92 (s, 1H) , 7.28 (s, 1H), 6.95-6.93 (m, 2H), 6.28 (s, 1H) , 5.01 (s, 2H), 3.44 (s, 3H), 3.27 (s, 2H), 2.39-2.36 (m, 8H), 2.15 (s, 3H).
10-[4-[6-([3-アミノ-5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]フェニル]アミノ)-4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロピラジン-2-イル]-3-[(オキサン-2-イルオキシ)メチル]ピリジン-2-イル]-4,4-ジメチル-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-9-オンの合成:窒素の不活性雰囲気を用いてパージされ、維持された50mLの丸底フラスコに、3-([3-アミノ-5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]フェニル]アミノ)-5-ブロモ-1-メチル-1,2-ジヒドロピラジン-2-オン(100mg、0.25mmol、1.00当量)、(2-[4,4-ジメチル-9-オキソ-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-10-イル]-3-[(オキサン-2-イルオキシ)メチル]ピリジン-4-イル)ボロン酸(120mg、0.27mmol、1.10当量)、Pd(dppf)Cl2(20mg、0.03mmol、0.10当量)、炭酸カリウム(68mg、0.49mmol、2.00当量)、ジオキサン(10mL)、水(1mL)を入れた。得られた溶液を、80℃で30分間撹拌した。この反応混合物を、室温まで冷却した。固体を濾去した。この濾液を、減圧下で濃縮した。この粗生成物を、Prep-HPLCによって精製した。これによって、褐色の固体として30mg(17%)の10-[4-[6-([3-アミノ-5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]フェニル]アミノ)-4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロピラジン-2-イル]-3-[(オキサン-2-イルオキシ)メチル]ピリジン-2-イル]-4,4-ジメチル-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-9-オンが得られた。LC-MS--718-4:(ES、m/z):722[M+H]+。
【0148】
10-[4-[6-([3-アミノ-5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]フェニル]アミノ)-4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロピラジン-2-イル]-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-2-イル]-4,4-ジメチル-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-9-オンの合成:25mLの丸底フラスコに、ジクロロメタン(2mL)、トリフルオロ酢酸(0.2mL)、10-4-[6-(3-アミノ-5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]フェニルアミノ)-4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロピラジン-2-イル]-3-[(オキサン-2-イルオキシ)メチル]ピリジン-2-イル-4,4-ジメチル-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^2,6]ドデカ-2(6),7-ジエン-9-オン(30mg、0.03mmol、1.00当量)を入れた。得られた溶液を、室温で30分間撹拌した。得られた混合物を、減圧下で濃縮した。これによって、黄色の油状物として20mg(74%)の10-[4-[6-([3-アミノ-5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]フェニル]アミノ)-4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロピラジン-2-イル]-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-2-イル]-4,4-ジメチル-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-9-オンが得られた。
LC-MS--718-5:(ES、m/z):638[M+H]+。
【0149】
N-(3-[[6-(2-[4,4-ジメチル-9-オキソ-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-10-イル]-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル]アミノ]-5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]フェニル)プロパ-2-エンアミドの合成:25mLの丸底フラスコに、プロパ-2-エン酸(20mg、0.28mmol、1.00当量)、10-4-[6-(3-アミノ-5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]フェニルアミノ)-4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロピラジン-2-イル]-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-2-イル-4,4-ジメチル-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^2,6]ドデカ-2(6),7-ジエン-9-オン(2.7mg、1.20当量)、HATU(14mg、1.20当量)、NMM(8mg、2.50当量)、MeCN(2mL)を入れた。得られた溶液を、室温で30分間撹拌した。この粗生成物を、Prep-HPLCによって精製した。これによって、褐色の固体として5mg(3%)のN-(3-[[6-(2-[4,4-ジメチル-9-オキソ-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-10-イル]-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル]アミノ]-5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]フェニル)プロパ-2-エンアミドが得られた。LC-MS--718-0:(ES、m/z):692[M+H]+。1H-NMR-PH--718-0:(300 MHz, d6-DMSO, ppm): δ 8.56-8.52 (m, 2H), 8.33 (s, 1H), 7.83-7.78 (m, 3H), 7.30 (s, 2H), 6.82 (s, 1H ), 6.44 (d, J = 15.3 Hz, 1H), 6.30 (dd, J = 17.1, 9.9 Hz, 1H), 5.74 (dd, J = 9.9, 1.5 Hz, 1H), 4.84-4.79 (m, 1H), 4.54-4.50 (m, 2H), 4.16-4.12 (m, 2H), 3.93-3.90 (m, 1H), 3.65 (s, 3H), 3.49 (s, 2H), 2.56-2.51 (m, 13H), 2.32 (s, 3H), 1.27 (s, 6H).
実施例11
(S)-N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)フェニル)アクリルアミドの調製
2,4-ジブロモ-3-メチルピリジンの合成:窒素の不活性雰囲気を用いてパージされ、維持された250mLの三つ口丸底フラスコに、(i-Pr)2NH(3.19g、1.50当量)のテトラヒドロフラン溶液(50mL)を入れた。続けて、-30℃でn-C4H9Li(10mL、1.5当量)を加え、この混合物を、同じ温度で30分間撹拌した。続けて、-70℃で2,4-ジブロモピリジン(5g、21.11mmol、1.00当量)を加え、この混合物を、同じ温度で30分間撹拌した。上記の溶液に、-70℃でヨードメタン(4.5g、1.50当量)を加えた。得られた溶液を、-70℃で30分間撹拌した。次に、100mLのNH4Cl水溶液を加えて、この反応をクエンチした。得られた溶液を、50mLの酢酸エチルで3回抽出し、有機層を合わせてNa2SO4で乾燥させた。固体を濾去した。この濾液を、減圧下で濃縮した。この残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(1:1)を用いてシリカゲルカラムに通した。これによって、白色の固体として3.0g(57%)の2,4-ジブロモ-3-メチルピリジンが得られた。LC-MS--727-1:(ES、m/z):252[M+H]+。1H-NMR-PH--727-1:(300 MHz, CDCl3, ppm): δ 7.99 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 7.45 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 2.58 (s, 3H).
10-(4-ブロモ-3-メチルピリジン-2-イル)-4,4-ジメチル-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-9-オンの合成:窒素の不活性雰囲気を用いてパージされ、維持された50mLの丸底フラスコに、4,4-ジメチル-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-9-オン(1.0g、4.90mmol、1.00当量)のジオキサン溶液(10mL)を入れた。次に、2,4-ジブロモ-3-メチルピリジン(1.59g、6.34mmol、1.30当量)、Pd2(dba)3(100mg、0.11mmol、0.10当量)、キサントホス(100mg、0.17mmol、0.10当量)、Cs2CO3(3.19g、9.79mmol、2.00当量)を、この混合物に加えた。得られた溶液を、油浴にて100℃で1.5時間撹拌した。この反応混合物を、室温まで冷却した。固体を濾去した。この濾液を、減圧下で濃縮した。この残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(1:1)を用いてシリカゲルカラムに通した。これによって、褐色の固体として1.0g(55%)の10-(4-ブロモ-3-メチルピリジン-2-イル)-4,4-ジメチル-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-9-オンが得られた。LC-MS--727-2(ES、m/z):374[M+H]+。1H-NMR-PH--727-1:(300 MHz, CDCl3, ppm): δ 8.10 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 7.41 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 6.79 (s, 1H), 4.44-4.41 (m, 1H), 4.15-4.09 (m, 2H), 3.90-3.86 (m, 1H), 2.54 (s, 2H), 2.49 (s, 2H), 2.34 (s, 3H), 1.25 (s, 6H).
(2-[4,4-ジメチル-9-オキソ-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-10-イル]-3-メチルピリジン-4-イル)ボロン酸の合成:窒素の不活性雰囲気を用いてパージされ、維持された25mLの丸底フラスコに、10-(4-ブロモ-3-メチルピリジン-2-イル)-4,4-ジメチル-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-9-オン(500mg、1.34mmol、1.00当量)のジオキサン溶液(5mL)を入れ、次に、この溶液に、Pin2B2(850mg、2.50当量)、KOAc(400mg、4.08mmol、3.00当量)、Pd(dppf)Cl2(50mg、0.07mmol、0.10当量)を加えた。得られた溶液を、油浴にて100℃で1時間撹拌した。この反応混合物を、室温まで冷却した。固体を濾去した。この濾液を、減圧下で濃縮した。この残留物を、CH3CN:H2O(1:1)を用いたフラッシュ-Prep-HPLCによって精製した。これによって、褐色の固体として150mg(33%)の(2-[4,4-ジメチル-9-オキソ-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-10-イル]-3-メチルピリジン-4-イル)ボロン酸が得られた。LC-MS--727-3:(ES、m/z):340[M+H]+。
【0150】
10-[4-[6-([3-アミノ-4-[(2S)-2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]フェニル]アミノ)-4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロピラジン-2-イル]-3-メチルピリジン-2-イル]-4,4-ジメチル-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-9-オンの合成:窒素の不活性雰囲気を用いてパージされ、維持された25mLの丸底フラスコに、(2-[4,4-ジメチル-9-オキソ-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-10-イル]-3-メチルピリジン-4-イル)ボロン酸(120mg、0.35mmol、1.00当量)のジオキサン溶液(1mL)を入れ、次に、この溶液に、3-([3-アミノ-4-[(2S)-2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]フェニル]アミノ)-5-ブロモ-1-メチル-1,2-ジヒドロピラジン-2-オン(100mg、0.22mmol、1.10当量)、Pd(dppf)Cl2(10mg、0.01mmol、1.00当量)、炭酸カリウム(73mg、0.53mmol、2.00当量)を加えた。得られた溶液を、油浴にて100℃で1時間撹拌した。この反応混合物を、室温まで冷却した。得られた混合物を、減圧下で濃縮した。この残留物を、フラッシュ-Prep-HPLCによって精製した。これによって、褐色の固体として120mg(51%)の10-[4-[6-([3-アミノ-4-[(2S)-2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]フェニル]アミノ)-4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロピラジン-2-イル]-3-メチルピリジン-2-イル]-4,4-ジメチル-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-9-オンが得られた。LC-MS--727-4:(ES、m/z):664[M+H]+。
【0151】
N-(5-[[6-(2-[4,4-ジメチル-9-オキソ-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-10-イル]-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル]アミノ]-2-[(2S)-2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]フェニル)プロパ-2-エンアミドの合成:窒素の不活性雰囲気を用いてパージされ、維持された25mLの丸底フラスコに、10-[4-[6-([3-アミノ-4-[(2S)-2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]フェニル]アミノ)-4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロピラジン-2-イル]-3-メチルピリジン-2-イル]-4,4-ジメチル-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-9-オン(200mg、0.30mmol、1.00当量)のCH3CN溶液(1mL)を入れ、次に、この溶液に、プロパ-2-エン酸(21.7mg、0.30mmol、1.00当量)、HATU(115mg、0.30mmol、1.00当量)、NMM(61mg、0.60mmol、2.00当量)を加えた。得られた溶液を、室温で4時間撹拌した。得られた混合物を、減圧下で濃縮した。この粗生成物を、フラッシュ-Prep-HPLCによって精製した。これによって、淡黄色の固体として21.1mg(10%)のN-(5-[[6-(2-[4,4-ジメチル-9-オキソ-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-10-イル]-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル]アミノ]-2-[(2S)-2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]フェニル)プロパ-2-エンアミドが得られた。LC-MS--727-0:(ES、m/z):718[M+H]+。1H-NMR-PH--727-1:(300 MHz, d6-DMSO3, ppm): δ 8.88 (d, J = 5.7 Hz, 1H), 8.32 (d, J = 5.7 Hz, 1H), 7.67-7.59 (m, 2H), 7.33-7.27 (m, 2H), 6.64-6.55 (m, 2H), 6.24 (d, J = 16.5 Hz, 1H), 5.76 (d, J = 11.4 Hz, 1H), 4.72-4.65 (m, 4H), 4.19-4.09 (m, 4H), 3.90-3.83 (m, 2H), 3.54 (s, 3H), 3.30-3.12 (m, 3H), 3.00-2.83 (m, 3H), 2.51 (s, 2H), 2.40 (s, 2H), 2.26 (s, 3H), 1.18 (s, 6H), 0.74-0.71 (m, 3H).
実施例12
N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(2-メチル-4-モルホリノピペリジン-1-イル)フェニル)アクリルアミドの調製:
tert-ブチル2-メチル-4-(モルホリン-4-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートの合成:500mLの丸底フラスコに、tert-ブチル2-メチル-4-オキソピペリジン-1-カルボキシレート(18g、84.40mmol、1.00当量)、モルホリン(8g、91.83mmol、1.10当量)、NaCNBH3(10g、2.00当量)、エタノール(200mL)を入れた。得られた溶液を、50℃で一晩撹拌した。得られた混合物を、減圧下で濃縮した。この粗生成物を、フラッシュ-Prep-HPLCによって精製した。これによって、無色の油状物として9.4g(39%)のtert-ブチル2-メチル-4-(モルホリン-4-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートが得られた。LC-MS--729-1:(ES、m/z):285[M+H]+。1H-NMR-PH--729-1:(300 MHz, CDCl3, ppm): δ 4.01-3.94 (m, 1H), 3.75-3.72 (m, 4H), 3.17-3.07 (m, 1H), 2.56-2.51 (m, 4H), 2.42-2.37 (m, 1H), 1.89-1.83 (m, 2H), 1.68-1.53 (m, 3H), 1.48 (s, 9H), 1.27(d, J = 6.3 Hz, 3H).
4-(2-メチルピペリジン-4-イル)モルホリンの合成:250mLの丸底フラスコに、tert-ブチル2-メチル-4-(モルホリン-4-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(5g、17.58mmol、1.00当量)、塩化水素/ジオキサン(50mL)を入れた。得られた溶液を、室温で30分間撹拌した。得られた混合物を、減圧下で濃縮した。得られた混合物を、MeCNで希釈し、炭酸カリウムを用いて塩基化した。この混合物を濾過し、濾液を濃縮した。これによって、白色の固体として3g(93%)の4-(2-メチルピペリジン-4-イル)モルホリンが得られた。LC-MS--729-2:(ES、m/z):185[M+H]+。
【0152】
ベンジルN-[4-[2-メチル-4-(モルホリン-4-イル)ピペリジン-1-イル]-3-ニトロフェニル]カルバメートの合成:250mLの丸底フラスコに、4-(2-メチルピペリジン-4-イル)モルホリン(3g、16.28mmol、1.00当量)、ベンジルN-(4-フルオロ-3-ニトロフェニル)カルバメート(5.6g、19.29mmol、1.20当量)、炭酸カリウム(6.75g、48.91mmol、3.00当量)、MeCN(60mL)を入れた。得られた溶液を、90℃で一晩撹拌した。固体を、濾過によって回収した。得られた混合物を、減圧下で濃縮し、酢酸エチル/石油エーテル(75:25)を用いてシリカゲルカラムに通した。この粗生成物を、12分以内にMeCN:0.1%TFA/H2O=20/80をMeCN:0.1%TFA/H2O=45/55まで増加させるフラッシュ-Prep-HPLCによって精製した。これによって、黄色の固体として1.5g(21%)のベンジルN-[4-[2-メチル-4-(モルホリン-4-イル)ピペリジン-1-イル]-3-ニトロフェニル]カルバメートが得られた。LC-MS--729-3:(ES、m/z):455[M+H]+。1H-NMR-PH--729-3: (300 MHz, d6-DMSO, ppm): δ 10.21 (s, 1H), 9.90 (br s, 1H), 7.87 (s, 1H), 7.64-7.52 (m, 2H), 7.50-7.30 (m, 5H), 5.18 (s, 2H), 4.10-3.96 (m, 2H), 3.80-3.60 (m, 2H), 3.55-3.30 (m, 3H), 3.20-2.97 (m, 4H), 2.69 (t, J = 11.1 Hz, 1H), 2.25-2.10 (m, 2H), 1.75-1.55 (m, 1H), 1.40-1.30 (m, 1H), 0.74 (d, J = 6.0 Hz, 3H).
ベンジルN-[3-アミノ-4-[2-メチル-4-(モルホリン-4-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル]カルバメートの合成:100mLの丸底フラスコに、ベンジルN-[4-[2-メチル-4-(モルホリン-4-イル)ピペリジン-1-イル]-3-ニトロフェニル]カルバメート(1.2g、2.64mmol、1.00当量)、Zn(1.0g、15.38mmol、6.00当量)、NH4Cl(1.7g、31.78mmol、12.00当量)、MeOH(15mL)を入れた。得られた溶液を、室温で1時間撹拌した。固体を、濾過によって回収した。この濾液を、減圧下で濃縮した。この残留物を、ジクロロメタン/メタノール(15:1)を用いてシリカゲルカラムに通した。これによって、褐色の固体として0.84g(75%)のベンジルN-[3-アミノ-4-[2-メチル-4-(モルホリン-4-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル]カルバメートが得られた。LC-MS--729-4:(ES、m/z):425[M+H]+。
【0153】
ベンジルN-(3-[[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ]-4-[2-メチル-4-(モルホリン-4-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル)カルバメートの合成:250mLの丸底フラスコに、ベンジルN-[3-アミノ-4-[2-メチル-4-(モルホリン-4-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル]カルバメート(0.5g、3.53mmol、1.00当量)、Boc2O(0.38g、5.28mmol、1.50当量)、DIEA(0.38g、8.84mmol、2.50当量)、テトラヒドロフラン(15mL)を入れた。得られた溶液を、75℃で一晩撹拌した。この反応混合物を、室温まで冷却した。得られた混合物を、減圧下で濃縮した。この残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(75:25)を用いてシリカゲルカラムに通した。これによって、淡黄色の固体として0.5g(80%)のベンジルN-(3-[[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ]-4-[2-メチル-4-(モルホリン-4-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル)カルバメートが得られた。LC-MS--729-5:(ES、m/z):252[M+H]+。1H-NMR-PH--729-5:(300 MHz, d6-DMSO, ppm): δ 9.69 (s, 1H), 8.19 (s, 1H), 8.05 (s, 1H), 7.46-7.30 (m, 5H), 7.18-7.15 (m, 1H), 7.10-7.06 (m, 1H), 5.14 (s, 2H), 3.59 (br s, 4H), 2.90-2.47 (m, 4H), 2.42-2.25 (m, 2H), 2.0-1.82 (m, 2H), 1.72-1.60 (m, 1H), 1.50-1.32 (m, 12H), 0.71 (d, J = 6.0 Hz, 3H).
tert-ブチルN-[5-アミノ-2-[2-メチル-4-(モルホリン-4-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル]カルバメートの合成:H2の不活性雰囲気を用いてパージされ、維持された250mLの丸底フラスコに、ベンジルN-(3-[[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ]-4-[2-メチル-4-(モルホリン-4-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル)カルバメート(500mg、1.52mmol、1.00当量)、パラジウム炭素(50mg)、メタノール(30mL)を入れた。得られた溶液を、25℃で3時間撹拌した。この混合物を、減圧下で濃縮した。これによって、無色の油状物として381mg(粗物)のtert-ブチルN-[5-アミノ-2-[2-メチル-4-(モルホリン-4-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル]カルバメートが得られた。LC-MS--729-6:(ES、m/z):391[M+H]+。
【0154】
tert-ブチルN-[5-[(6-ブロモ-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ]-2-[2-メチル-4-(モルホリン-4-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル]カルバメートの合成:100mLの丸底フラスコに、tert-ブチルN-[5-アミノ-2-[2-メチル-4-(モルホリン-4-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル]カルバメート(300mg、1.54mmol、1当量)、3,5-ジブロモ-1-メチル-1,2-ジヒドロピラジン-2-オン(250mg、1.87mmol、1.21当量)、DIEA(250mg、3.87mmol、2.52当量)、i-PrOH(10mL)を入れた。得られた溶液を、80℃で一晩撹拌した。この反応混合物を、室温まで冷却した。得られた混合物を濃縮した。この残留物を、酢酸エチルを用いてシリカゲルカラムに通した。これによって、黄色の固体として265mg(59.73%)のtert-ブチルN-[5-[(6-ブロモ-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ]-2-[2-メチル-4-(モルホリン-4-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル]カルバメートが得られた。LC-MS--729-7:(ES、m/z):577[M+H]+。1H-NMR-PH--729-7:(300 MHz, d6-DMSO, ppm): δ 9.38 (s, 1H), 8.41 (s, 1H), 8.04 (s, 1H), 7.59-7.55 (m, 1H), 7.32 (s, 1H), 7.23 (d, J = 0.9 Hz, 1H), 3.65-3.55 (m, 4H), 3.44 (s, 3H), 2.92-2.52 (m, 4H), 2.42-2.28 (m, 2H), 2.00-1.82 (m, 2H), 1.50-1.30 (m, 13H), 0.73-0.69 (m, 3H).
3-([3-アミノ-4-[2-メチル-4-(モルホリン-4-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル]アミノ)-5-ブロモ-1-メチル-1,2-ジヒドロピラジン-2-オンの合成:25mLの丸底フラスコに、tert-ブチルN-[5-[(6-ブロモ-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ]-2-[2-メチル-4-(モルホリン-4-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル]カルバメート(200mg、0.31mmol、1当量)、HCl/ジオキサン(5mL)を入れた。得られた溶液を、室温で4時間撹拌した。得られた混合物を濃縮した。これによって、淡黄色の固体として160mg(96.45%)の3-([3-アミノ-4-[2-メチル-4-(モルホリン-4-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル]アミノ)-5-ブロモ-1-メチル-1,2-ジヒドロピラジン-2-オンが得られた。LC-MS--729-8:(ES、m/z):477[M+H]+。
【0155】
10-(4-[6-[(3-アミノフェニル)アミノ]-4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロピラジン-2-イル]-3-[(オキサン-2-イルオキシ)メチル]ピリジン-2-イル)-4,4-ジメチル-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-9-オンの合成:窒素の不活性雰囲気を用いてパージされ、維持された25mLの丸底フラスコに、3-([3-アミノ-4-[2-メチル-4-(モルホリン-4-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル]アミノ)-5-ブロモ-1-メチル-1,2-ジヒドロピラジン-2-オン(160mg、0.34mmol、1当量)、(2-[4,4-ジメチル-9-オキソ-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-10-イル]-3-[(オキサン-2-イルオキシ)メチル]ピリジン-4-イル)ボロン酸(147mg、0.33mmol、1.00当量)、Pd(dppf)Cl2(30mg、0.03mmol、0.10当量)、K2CO3(116mg、0.84mmol、2.50当量)、ジオキサン(5mL、無限大(Infinity)mmol、無限大当量)、H2O(0.5mL)を入れた。得られた溶液を、90℃で40分間撹拌した。この反応混合物を、室温まで冷却した。得られた混合物を濃縮し、フラッシュ-Prep-HPLCによって精製した。これによって、固体として210mg(79.12%)の10-(4-[6-[(3-アミノフェニル)アミノ]-4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロピラジン-2-イル]-3-[(オキサン-2-イルオキシ)メチル]ピリジン-2-イル)-4,4-ジメチル-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-9-オンが得られた。LC-MS--729-9:(ES、m/z):792[M+H]+。
【0156】
10-(4-[6-[(3-アミノフェニル)アミノ]-4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロピラジン-2-イル]-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-2-イル)-4,4-ジメチル-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-9-オンの合成:50mLの丸底フラスコに、10-(4-[6-[(3-アミノフェニル)アミノ]-4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロピラジン-2-イル]-3-[(オキサン-2-イルオキシ)メチル]ピリジン-2-イル)-4,4-ジメチル-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-9-オン(200mg、0.38mmol、1.00当量)、トリフルオロ酢酸(1mL)、ジクロロメタン(20mL)を入れた。得られた溶液を、室温で30分間撹拌した。得られた混合物を、減圧下で濃縮した。得られた溶液を、酢酸エチルで希釈し、炭酸水素ナトリウム水溶液を用いて塩基化した。固体を濾去し、濾液を、減圧下で濃縮した。これによって、無色の油状物として130mg(76%)の10-(4-[6-[(3-アミノフェニル)アミノ]-4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロピラジン-2-イル]-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-2-イル)-4,4-ジメチル-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-9-オンが得られた。LC-MS--729-10:(ES、m/z):708[M+H]+。
【0157】
N-(3-[[6-(2-[4,4-ジメチル-9-オキソ-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-10-イル]-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル]アミノ]フェニル)プロパ-2-エンアミドの合成:25mLの丸底フラスコに、10-(4-[6-[(3-アミノフェニル)アミノ]-4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロピラジン-2-イル]-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-2-イル)-4,4-ジメチル-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-9-オン(100mg、0.19mmol、1.00当量)、プロパ-2-エン酸(13.7mg、0.19mmol、1.00当量)、NMM(38.5mg、0.38mmol、2.00当量)、HATU(94mg、0.25mmol、1.30当量)、MeCN(5mL)を入れた。得られた溶液を、室温で30分間撹拌した。この粗生成物を、Prep-HPLCによって精製した。これによって、類白色の固体として19.7mg(18%)のN-(3-[[6-(2-[4,4-ジメチル-9-オキソ-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-10-イル]-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル]アミノ]フェニル)プロパ-2-エンアミドが得られた。LC-MS--729-0:(ES、m/z):762[M+H]+。1H-NMR-PH--729-0:(300 MHz, DMSO, ppm): δ 9.23 (s, 2H), 9.14 (s, 1H), 8.49 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 7.96-7.95 (m, 1H), 7.77 (s, 1H), 7.61 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.23 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 6.68-6.62 (m, 1H), 6.57 (s, 1H), 6.30 (d, J = 17.1 Hz, 1H), 5.80 (d, J = 11.7 Hz, 1H), 5.03-5.00 (m, 1H), 4.65-4.40 (m, 2H), 4.32-4.16 (m, 4H), 3.85-3.83 (m, 1H), 3.68-3.55 (m, 7H), 3.01-2.72 (m, 2H), 2.71-2.52 (m, 4H), 2.48-2.25 (m, 4H), 1.98-1.78 (m, 2H), 1.72-1.52 (m, 1H), 1.46-1.30 (m, 1H), 1.23 (s, 6H), 0.76 (d, J = 5.7 Hz, 3H).
実施例13
(R)-N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル)フェニル)アクリルアミドの調製
黄色の固体としてのベンジルN-[4-[(3R)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]-3-ニトロフェニル]カルバメートの合成:250mLの丸底フラスコに、(3R)-N、N-ジメチルピロリジン-3-アミン二塩酸塩(5g、26.72mmol、1当量)、ベンジルN-(4-フルオロ-3-ニトロフェニル)カルバメート(9.3g、32.07mmol、1.20当量)、TEA(10.8g、106.89mmol、4.00当量)、DMF(80mL)を入れた。得られた溶液を、100℃で一晩撹拌した。この反応混合物を、室温まで冷却した。次に、200mLの水を加えて、この反応をクエンチした。得られた溶液を、200mLの酢酸エチルで2回抽出した。この有機混合物を、200mLのブラインを用いて2回洗浄した。この有機相を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。固体を濾去した。この濾液を、減圧下で濃縮した。この粗生成物を、MeCNからの再結晶化によって精製した。これによって、黄色の固体として5.2g(50.62%)のベンジルN-[4-[(3R)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]-3-ニトロフェニル]カルバメートが得られた。LC-MS--729-C-1:(ES、m/z):385[M+H]+。1H-NMR-PH--729-C-1:(300 MHz, d6-DMSO, ppm): δ 9.78 (s, 1H), 7.96 (s, 1H), 7.52-7.37 (m, 6H), 7.06 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 5.15 (s, 2H), 3.30-3.27 (m,1H), 3.13-3.01 (m,3H), 2.71-2.68 (m, 1H), 2.17 (s, 6H), 1.83-1.71 (m, 1H).
ベンジルN-[3-アミノ-4-[3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]フェニル]カルバメートの合成:250mLの丸底フラスコに、ベンジルN-[4-[3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]-3-ニトロフェニル]カルバメート(5g、13.01mmol、1当量)、亜鉛(5.1g、78.04mmol、6.00当量)、NH4Cl(8.3g、156.07mmol、12.00当量)、MeOH(100mL)を入れた。得られた溶液を、室温で1時間撹拌した。得られた混合物を濃縮した。これによって、灰色の固体として3.9g(84.60%)のベンジルN-[3-アミノ-4-[3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]フェニル]カルバメートが得られた。LC-MS--729-C-2:(ES、m/z):365[M+H]+。
【0158】
ベンジルN-(3-[[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ]-4-[3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]フェニル)カルバメートの合成:250mLの丸底フラスコに、ベンジルN-[3-アミノ-4-[3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]フェニル]カルバメート(3g、16.93mmol、1当量)、二炭酸ジ-tert-ブチル(2.2mg、20mmol)、DIEA(2.73g、40mmol)、THF(50mL)を入れた。得られた溶液を、75℃で一晩撹拌した。この反応混合物を、室温まで冷却した。得られた混合物を濃縮した。この残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(50:50)を用いてシリカゲルカラムに通した。これによって、黄色の固体として2.6g(68%)のベンジルN-(3-[[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ]-4-[3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]フェニル)カルバメートが得られた。LC-MS--729-C-3:(ES、m/z):465[M+H]+。1H-NMR-PH--729-C-3:(300 MHz, DMSO, ppm): δ 9.51(s, 1H), 8.06 (s, 1H), 7.54 (s, 1H), 7.41-7.33 (m, 5H), 7.14-7.11 (m, 1H), 6.89 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 5.13 (s, 2H), 3.21-3.12 (m, 1H), 3.09-2.99 (m, 3H), 2.79-2.69 (m, 1H), 2.17 (s, 6H), 2.09-2.00 (m, 1H),1.78-1.65 (m,1H) ,1.44 (s, 9H).
tert-ブチルN-[5-アミノ-2-[(3S)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]フェニル]カルバメートの合成:H2の不活性雰囲気を用いてパージされ、維持された250mLの丸底フラスコに、ベンジルN-(3-[[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ]-4-[(3S)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]フェニル)カルバメート(2g、0.44mmol、1当量)、Pd/C(200mg)、MeOH(50mL)を入れた。得られた溶液を、室温で2時間撹拌した。固体を濾去した。この濾液を、減圧下で濃縮した。得られた混合物を濃縮した。これによって、褐色の油状物として1.15gのtert-ブチルN-[5-アミノ-2-[(3S)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]フェニル]カルバメートが得られた。LC-MS--729-C-4:(ES、m/z):321[M+H]+。
【0159】
tert-ブチルN-[5-[(6-ブロモ-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ]-2-[(3S)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]フェニル]カルバメートの合成:250mLの丸底フラスコに、tert-ブチルN-[5-アミノ-2-[(3S)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]フェニル]カルバメート(1g、1当量)、3,5-ジブロモ-1-メチル-1,2-ジヒドロピラジン-2-オン(1g、1.20当量)、DIEA(1g、2.49当量)、i-PrOH(10mL)を入れた。得られた溶液を、80℃で一晩撹拌した。この反応混合物を、室温まで冷却した。得られた混合物を濃縮した。この残留物を、EA/PE(50:50)を用いてシリカゲルカラムに通した。これによって、黄色の固体として1g(60.62%)のtert-ブチルN-[5-[(6-ブロモ-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ]-2-[(3S)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]フェニル]カルバメートが得られた。LC-MS--729-C-5:(ES、m/z):507[M+H]+。
【0160】
3-([3-アミノ-4-[(3S)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]フェニル]アミノ)-5-ブロモ-1-メチル-1,2-ジヒドロピラジン-2-オンの合成:25mLの丸底フラスコに、tert-ブチルN-[5-[(6-ブロモ-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ]-2-[(3S)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]フェニル]カルバメート(1g、0.39mmol、1当量)、HCl/ジオキサン(10mL)を入れた。得られた溶液を、室温で30分間撹拌した。得られた混合物を濃縮した。これによって、淡黄色の固体として750mg(93.43%)の3-([3-アミノ-4-[(3S)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]フェニル]アミノ)-5-ブロモ-1-メチル-1,2-ジヒドロピラジン-2-オンが得られた。LC-MS--729-C-6:(ES、m/z):407[M+H]+。
【0161】
N-[5-[(6-ブロモ-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ]-2-[3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]フェニル]プロパ-2-エンアミドの合成:50mLの丸底フラスコに、3-([3-アミノ-4-[3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]フェニル]アミノ)-5-ブロモ-1-メチル-1,2-ジヒドロピラジン-2-オン(600mg、1.96mmol、1当量)、プロパ-2-エン酸(127.2mg、2.36mmol、1.2当量)、HATU(672mg、2.36mmol、1.2当量)、NMM(596mg、7.86mmol、4.0当量)、MeCN(15mL)を入れた。得られた溶液を、室温で30分間撹拌した。得られた混合物を濃縮した。この粗生成物を、Prep-HPLCによって精製した。これによって、淡黄色の固体として307mg(45.25%)のN-[5-[(6-ブロモ-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ]-2-[3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]フェニル]プロパ-2-エンアミドが得られた。LC-MS--729-C-1:(ES、m/z):461[M+H]+。
【0162】
N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル)フェニル)アクリルアミドの合成:窒素の不活性雰囲気を用いてパージされ、維持された25mLの丸底フラスコに、N-[5-[(6-ブロモ-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ]-2-[(3S)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]フェニル]プロパ-2-エンアミド(50mg、0.11mmol、1当量)、(2-[4,4-ジメチル-9-オキソ-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-10-イル]-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)ボロン酸(50.0mg、0.14mmol、1.3当量)、Pd(dppf)Cl2(9.3mg、0.01mmol、0.1当量)、K2CO3(37.4mg、0.27mmol、2.5当量)、ジオキサン(5mL)、H2O(0.5mL)を入れた。得られた溶液を、90℃で1時間撹拌した。この反応混合物を、室温まで冷却した。固体を濾去した。この濾液を濃縮した。この粗生成物を、Prep-HPLCによって精製した。これによって、白色の固体として14mg(18.67%)のN-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル)フェニル)アクリルアミドが得られた。LC-MS--729-C-0:(ES、m/z):692[M+H]+。1H-NMR-PH--729-C-0:(300 MHz, DMSO, ppm): δ 9.38 (d, J = 5.1Hz,1H), 9.17 (s, 1H), 8.44 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 8.34-8.32 (m, 1H), 7.76-7.63 (m, 3H), 6.86 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 6.62-6.48 (m, 2H), 6.27 (d, J = 16.2 Hz, 1H), 5.73 (d, J = 11.4 Hz, 1H), 5.05-4.95 (m, 1H), 4.70-4.38 (m, 2H), 4.29-4.20 (m, 3H), 3.89-3.84 (m, 1H), 3.55 (s, 3H), 3.14-3.07 (m, 3H), 2.74-2.49 (m, 6H), 2.15 (s, 6H), 2.05 (m, 1H), 1.75-1.69 (m, 1H), 1.23 (s, 6H).
実施例14
N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(ピペリジン-3-イル)フェニル)アクリルアミドの調製
tert-ブチル3-(4-アミノ-2-ニトロフェニル)-5,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボキシレートの合成:窒素の不活性雰囲気を用いてパージされ、維持された500mLの丸底フラスコに、tert-ブチル3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-5,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボキシレート(8.55g、27.647mmol、1.20当量)、4-ブロモ-3-ニトロアニリン(5.00g、23.039mmol、1.00当量)、Pd(dppf)Cl2 CH2Cl2(1.88g、2.304mmol、0.10当量)、K2CO3(6.37g、46.091mmol、2.00当量)、ジオキサン(80.00mL)、H2O(20.00mL)を入れた。得られた溶液を、100℃で2時間撹拌した。固体を濾去した。合わせた有機層を濃縮した。この残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(60:40)を用いてシリカゲルカラムに通した。これによって、白色の固体として7g(95.14%)のtert-ブチル3-(4-アミノ-2-ニトロフェニル)-5,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボキシレートが得られた。LC-MS--751-1:(ES、m/z):320[M+H]+。
【0163】
tert-ブチル3-(4-[[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ]-2-ニトロフェニル)-5,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボキシレートの合成:250mLの三つ口丸底フラスコに、tert-ブチル3-(4-アミノ-2-ニトロフェニル)-5,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボキシレート(7.00g、21.919mmol、1.00当量)、Na2CO3(4.65g、43.838mmol、2.00当量)、DCM(50.00mL)を入れた。続けて、H2O(10.00mL)を加えて0℃で撹拌した。これに、0℃でクロロギ酸ベンジル(4.49g、26.303mmol、1.20当量)を加えた。得られた溶液を、室温で一晩撹拌した。次に、水を加えて、この反応をクエンチした。この混合物を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて濃縮した。これによって、淡黄色の油状物として9gのtert-ブチル3-(4-[[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ]-2-ニトロフェニル)-5,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボキシレートが得られた。LC-MS--751-2:(ES、m/z):454[M+H]+。
【0164】
tert-ブチル3-(2-アミノ-4-[[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ]フェニル)-5,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボキシレートの合成:100mLの丸底フラスコに、tert-ブチル3-(4-[[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ]-2-ニトロフェニル)-5,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボキシレート(5.00g、11.025mmol、1.00当量)、Fe(3.08g、55.127mmol、5.00当量)、CH3COOH(20.00mL)、H2O(2.00mL)を入れた。得られた溶液を、60℃で1時間撹拌した。得られた混合物を濃縮した。得られた溶液を、酢酸エチルで抽出した。この溶液のpH値を、NaHCO3を用いて7に調整した。得られた混合物を、ブラインを用いて洗浄した。この混合物を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて濃縮した。この残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(60:40)を用いてシリカゲルカラムに通した。これによって、黄色の固体として4g(85.66%)のtert-ブチル3-(2-アミノ-4-[[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ]フェニル)-5,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボキシレートが得られた。LC-MS--751-3:(ES、m/z):424[M+H]+。1H NMR--751-3: (300 MHz, DMSO-d6, ppm): δ 9.49 (s, 1H), 7.49-7.32 (m, 5H), 6.88 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 6.76 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 6.61 (dd, J = 8.2, 2.1 Hz, 1H), 5.78-5.70 (s, 1H), 5.13 (s, 2H), 4.84 (s, 2H), 3.89 (d, J = 2.7 Hz, 2H), 3.48 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 2.25-2.13 (s, 2H), 1.42 (s, 9H).
tert-ブチル3-(4-[[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ]-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]フェニル)-5,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボキシレートの合成:250mLの丸底フラスコに、tert-ブチル3-(2-アミノ-4-[[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ]フェニル)-5,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボキシレート(4.00g、9.445mmol、1.00当量)、二炭酸ジ-tert-ブチル(4.12g、18.890mmol、2.00当量)、K2CO3(2.61g、18.885mmol、2.00当量)、ジオキサン(80.00mL)、H2O(40.00mL)を入れた。得られた溶液を、室温で一晩撹拌した。次に、水を加えて、この反応をクエンチした。得られた溶液を、酢酸エチルで抽出した。得られた混合物を、ブラインを用いて洗浄した。この混合物を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて濃縮した。この残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(40:60)を用いてシリカゲルカラムに通した。これによって、白色の固体として5g(101.10%)のtert-ブチル3-(4-[[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ]-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]フェニル)-5,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボキシレートが得られた。LC-MS--751-4:(ES、m/z):524[M+H]+。1H NMR--751-4: (300 MHz, DMSO-d6, ppm): δ 9.79 (s, 1H), 8.31 (s, 1H), 7.51 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.50-7.31 (m, 5H), 7.25 (dd, J = 8.4, 2.2 Hz, 1H), 7.07 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.69 (s, 1H), 5.16 (s, 2H), 3.97 (s, 2H), 3.45 (t, J = 5.7 Hz, 2H), 2.18 (s, 2H), 1.42 (s, 18H).
tert-ブチル3-[4-アミノ-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]フェニル]ピペリジン-1-カルボキシレートの合成:窒素の不活性雰囲気を用いてパージされ、維持された250mLの丸底フラスコに、tert-ブチル3-(4-[[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ]-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]フェニル)-5,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-カルボキシレート(5.00g、9.549mmol、1.00当量)、Pd/C(500.00mg)、MeOH(100mL)、EA(50.00mL)を入れた。得られた溶液を、室温で一晩撹拌した。固体を、濾過によって回収した。合わせた有機層を濃縮した。これによって、無色の油状物として3.4g(90.95%)のtert-ブチル3-[4-アミノ-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]フェニル]ピペリジン-1-カルボキシレートが得られた。LC-MS--751-5:(ES、m/z):392[M+H]+。
【0165】
tert-ブチル3-[4-[(6-ブロモ-4-メチル-3-オキソピラジン-2-イル)アミノ]-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]フェニル]ピペリジン-1-カルボキシレートの合成:250mLの丸底フラスコに、tert-ブチル3-[4-アミノ-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]フェニル]ピペリジン-1-カルボキシレート(3.40g、8.684mmol、1.00当量)、3,5-ジブロモ-1-メチルピラジン-2-オン(2.56g、9.553mmol、1.1当量)、i-PrOH(50.00mL)、DIEA(2.24g、17.369mmol、2.0当量)を入れた。得られた溶液を、90℃で一晩撹拌した。得られた混合物を濃縮した。この残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(40:60)を用いてシリカゲルカラムに通した。これによって、淡黄色の固体として4g(79.62%)のtert-ブチル3-[4-[(6-ブロモ-4-メチル-3-オキソピラジン-2-イル)アミノ]-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]フェニル]ピペリジン-1-カルボキシレートが得られた。
LC-MS--751-6:(ES、m/z):578[M+H]+。
【0166】
3-[[3-アミノ-4-(ピペリジン-3-イル)フェニル]アミノ]-5-ブロモ-1-メチルピラジン-2-オンの合成:250mLの丸底フラスコに、tert-ブチル3-[4-[(6-ブロモ-4-メチル-3-オキソピラジン-2-イル)アミノ]-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]フェニル]ピペリジン-1-カルボキシレート(4.00g)を入れた。上記のものに、HCl(g)/MeOH(80.00mL)を加えた。得られた溶液を、室温で2時間撹拌した。得られた混合物を濃縮した。これによって、白色の固体として2.9gの3-[[3-アミノ-4-(ピペリジン-3-イル)フェニル]アミノ]-5-ブロモ-1-メチルピラジン-2-オンが得られた。LC-MS--751-7:(ES、m/z):378[M+H]+。
【0167】
tert-ブチル3-[2-アミノ-4-[(6-ブロモ-4-メチル-3-オキソピラジン-2-イル)アミノ]フェニル]ピペリジン-1-カルボキシレートの合成:250mLの丸底フラスコに、3-[[3-アミノ-4-(ピペリジン-3-イル)フェニル]アミノ]-5-ブロモ-1-メチルピラジン-2-オン(2.90g、7.666mmol、1.00当量)、Boc2O(1.84g、8.431mmol、1.10当量)、TEA(1.55g、15.333mmol、2.00当量)、DCM(50mL)を入れた。得られた溶液を、室温で一晩撹拌した。得られた混合物を濃縮した。この粗生成物を、エチルエーテルからの再結晶化によって精製した。これによって、白色の固体として2.5g(68.17%)のtert-ブチル3-[2-アミノ-4-[(6-ブロモ-4-メチル-3-オキソピラジン-2-イル)アミノ]フェニル]ピペリジン-1-カルボキシレートが得られた。LC-MS--751-8:(ES、m/z):478[M+H]+。1H NMR--751-8: (300 MHz, DMSO-d6, ppm): δ 8.99 (s, 1H), 7.27 (s, 1H), 7.11-7.01 (m, 2H), 6.92 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 4.90 (s, 2H), 3.98 (s, 2H), 3.43 (s, 3H), 2.84-2.54 (m, 3H), 1.90-1.82 (m, 1H), 1.73-1.64 (m, 1H), 1.60-1.46 (m, 2H), 1.42 (s, 9H).
tert-ブチル3-[4-[(6-ブロモ-4-メチル-3-オキソピラジン-2-イル)アミノ]-2-(プロパ-2-エンアミド)フェニル]ピペリジン-1-カルボキシレートの合成:25mLの丸底フラスコに、tert-ブチル3-[2-アミノ-4-[(6-ブロモ-4-メチル-3-オキソピラジン-2-イル)アミノ]フェニル]ピペリジン-1-カルボキシレート(500.00mg、1.045mmol、1.00当量)、塩化アクリロイル(141.90mg、1.568mmol、1.5当量)、NMM(211.43mg、2.090mmol、2.00当量)、DCM(10mL)を入れた。得られた溶液を、室温で2時間撹拌した。得られた混合物を濃縮した。この残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(70:30)を用いてシリカゲルカラムに通した。これによって、黄色の固体として300mg(53.91%)のtert-ブチル3-[4-[(6-ブロモ-4-メチル-3-オキソピラジン-2-イル)アミノ]-2-(プロパ-2-エンアミド)フェニル]ピペリジン-1-カルボキシレートが得られた。LC-MS--751-9:(ES、m/z):532[M+H]+。1H NMR--751-9: (300 MHz, DMSO-d6, ppm): δ 9.67 (s, 1H), 9.47 (s, 1H), 7.86-7.75 (m, 2H), 7.36-7.25 (m, 2H), 6.58-6.43 (m, 1H), 6.24 (dd, J = 17.0, 2.1 Hz, 1H), 5.75 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 4.10-3.81 (m, 2H), 3.44 (s, 3H), 2.83-2.62 (m, 3H), 1.87-1.76 (m, 1H), 1.70 (d, J = 13.4 Hz, 1H), 1.65-1.50 (m, 1H), 1.37 (s, 9H).
tert-ブチル3-(4-[[6-(2-[4,4-ジメチル-9-オキソ-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-10-イル]-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソピラジン-2-イル]アミノ]-2-(プロパ-2-エンアミド)フェニル)ピペリジン-1-カルボキシレートの合成:窒素の不活性雰囲気で維持された40mLのマイクロ波管に、tert-ブチル3-[4-[(6-ブロモ-4-メチル-3-オキソピラジン-2-イル)アミノ]-2-(プロパ-2-エンアミド)フェニル]ピペリジン-1-カルボキシレート(300.00mg、0.563mmol、1.00当量)、2-[4,4-ジメチル-9-オキソ-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-10-イル]-3-メチルピリジン-4-イルボロン酸(248.46mg、0.732mmol、1.30当量)、Pd(dppf)Cl2 CH2Cl2(46.01mg、0.056mmol、0.10当量)、K2CO3(155.51mg、1.127mmol、2.00当量)、DME(10.00mL)、H2O(2.00mL)を入れた。得られた溶液を、90℃で1時間撹拌した。得られた混合物を濃縮した。この残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(40:60)を用いてシリカゲルカラムに通した。これによって、黄色の固体として240mg(57.03%)のtert-ブチル3-(4-[[6-(2-[4,4-ジメチル-9-オキソ-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-10-イル]-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソピラジン-2-イル]アミノ]-2-(プロパ-2-エンアミド)フェニル)ピペリジン-1-カルボキシレートが得られた。LC-MS--751-10:(ES、m/z):747[M+H]+。
【0168】
N-(5-[[6-(2-[4,4-ジメチル-9-オキソ-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-10-イル]-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソピラジン-2-イル]アミノ]-2-(ピペリジン-3-イル)フェニル)プロパ-2-エンアミドの合成:25mLの丸底フラスコに、tert-ブチル3-(4-[[6-(2-[4,4-ジメチル-9-オキソ-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-10-イル]-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソピラジン-2-イル]アミノ]-2-(プロパ-2-エンアミド)フェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート(150.00mg、0.201mmol、1.00当量)、DCM(8.00mL)、TFA(1.5mL)を入れた。得られた溶液を、室温で2.5時間撹拌した。得られた混合物を濃縮した。次に、NaHCO3を加えて、この反応をクエンチした。得られた溶液を、ジクロロメタンで抽出した。得られた混合物を、ブラインを用いて洗浄した。この混合物を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて濃縮した。この粗生成物を、Prep-HPLCによって精製した。これによって、白色の固体として80mg(61.59%)のN-(5-[[6-(2-[4,4-ジメチル-9-オキソ-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-10-イル]-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソピラジン-2-イル]アミノ]-2-(ピペリジン-3-イル)フェニル)プロパ-2-エンアミドが得られた。LC-MS--751-0:(ES、m/z):647[M+H]+。1H NMR--751-0: (300 MHz, DMSO-d6, ppm): δ 9.61 (s, 1H), 9.29 (s, 1H), 8.32 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 8.16 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.77 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.49 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 7.43 (s, 1H), 7.21 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.60-6.47 (m, 2H), 6.23 (d, J = 16.6 Hz, 1H), 5.70 (d, J = 10.2 Hz, 1H), 4.30-4.11 (m, 3H), 3.84 (d, J = 12.5 Hz, 1H), 3.57 (s, 3H), 2.99-2.73 (m, 3H), 2.58 (d, J = 5.5 Hz, 2H), 2.43 (s, 3H), 2.29 (s, 3H), 1.83-1.69 (m, 1H), 1.69-1.58 (m, 1H), 1.58-1.37 (m, 2H), 1.23 (s, 7H).
実施例15
N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(4-メチルピペラジン-1-カルボニル)フェニル)アクリルアミドの調製
メチル2-アミノ-4-ニトロベンゾエートの合成。100mLの丸底フラスコに、2-アミノ-4-ニトロ安息香酸(2.00g)、SOCl2(4.00mL)、MeOH(20.00mL)を入れた。得られた溶液を、55℃で3時間撹拌した。この反応混合物を冷却した。この粗生成物を、エーテルからの再結晶化によって精製した。固体を、濾過によって回収した。これによって、黄色の固体として1gのメチル2-アミノ-4-ニトロベンゾエートが得られた。LC-MS--752-1:(ES、m/z):197[M+H]+。1H NMR--752-1: (300 MHz, CDCl3, ppm): δ 8.02 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.53 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 7.42 (dd, J = 8.8, 2.2 Hz, 1H), 6.05 (brs, 2H), 3.94 (s, 3H).
メチル2-[ビス(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-4-ニトロベンゾエートの合成:100mLの丸底フラスコに、メチル2-アミノ-4-ニトロベンゾエート(1.00g、5.098mmol、1.00当量)、Boc2O(3.34g、15.293mmol、3.00当量)、TEA(1.03g、10.196mmol、2.00当量)、DMAP(0.06g、0.510mmol、0.10当量)、THF(20.00mL)を入れた。得られた溶液を、室温で4時間撹拌した。次に、水を加えて、この反応をクエンチした。得られた溶液を、酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて濃縮した。これによって、黄色の固体として1.8g(89.08%)のメチル2-[ビス(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-4-ニトロベンゾエートが得られた。LC-MS--752-2:(ES、m/z):397[M+H]+。1H NMR--752-2: (300 MHz, CDCl3, ppm): δ 8.26 (dd, J = 8.6, 2.2 Hz, 1H), 8.17 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 8.10 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 3.94 (s, 3H), 1.42 (s, 18H).
2-[ビス(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-4-ニトロ安息香酸の合成:100mLの丸底フラスコに、メチル2-[ビス(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-4-ニトロベンゾエート(1.80g、1当量)、LiOH(300.00mg)、H2O(4.00mL)、THF(20.00mL)を入れた。得られた溶液を、室温で一晩撹拌した。次に、この反応溶液に加えた1N塩酸水溶液の添加によって、この反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出した。この有機層を、無水Na2SO4で乾燥させて濃縮した。これによって、黄色の固体として1g(57.59%)の2-[ビス(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-4-ニトロ安息香酸が得られた。
LC-MS--752-3:(ES、m/z):383[M+H]+。
【0169】
tert-ブチルN-(tert-ブトキシカルボニル)-N-[2-(4-メチルピペラジン-1-カルボニル)-5-ニトロフェニル]カルバメートの合成:50mLの丸底フラスコに、2-[ビス(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-4-ニトロ安息香酸(1.00g、2.615mmol、1.00当量)、ピペラジン、1-メチル-(0.31g、3.138mmol、1.20当量)、HATU(1.49g、3.923mmol、1.50当量)、NMM(0.53g、5.231mmol、2.00当量)、DCM(15.00mL)を入れた。得られた溶液を、室温で4時間撹拌した。得られた混合物を濃縮した。この残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(100:1)を用いてシリカゲルカラムに通した。これによって、淡黄色の固体として500mg(41.16%)のtert-ブチルN-(tert-ブトキシカルボニル)-N-[2-(4-メチルピペラジン-1-カルボニル)-5-ニトロフェニル]カルバメートが得られた。LC-MS--752-4:(ES、m/z):465[M+H]+。
【0170】
tert-ブチルN-[5-アミノ-2-(4-メチルピペラジン-1-カルボニル)フェニル]-N-(tert-ブトキシカルボニル)カルバメートの合成:H2の不活性雰囲気を用いてパージされ、維持された100mLの丸底フラスコに、tert-ブチルN-(tert-ブトキシカルボニル)-N-[2-(4-メチルピペラジン-1-カルボニル)-5-ニトロフェニル]カルバメート(500.00mg)、MeOH(20.00mL)、Pd/C(500.00mg)を入れた。得られた溶液を、室温で6時間撹拌した。固体を、濾過によって回収した。合わせた有機層を濃縮した。これによって、無色の油状物として400mgのtert-ブチルN-[5-アミノ-2-(4-メチルピペラジン-1-カルボニル)フェニル]-N-(tert-ブトキシカルボニル)カルバメートが得られた。LC-MS--752-5:(ES、m/z):435[M+H]+。
【0171】
tert-ブチルN-[5-[(6-ブロモ-4-メチル-3-オキソピラジン-2-イル)アミノ]-2-(4-メチルピペラジン-1-カルボニル)フェニル]-N-(tert-ブトキシカルボニル)カルバメートの合成:窒素の不活性雰囲気を用いてパージされ、維持された250mLの丸底フラスコに、tert-ブチルN-[5-アミノ-2-(4-メチルピペラジン-1-カルボニル)フェニル]-N-(tert-ブトキシカルボニル)カルバメート(400.00mg、0.921mmol、1.00当量)、3,5-ジブロモ-1-メチルピラジン-2-オン(369.92mg、1.381mmol、1.5当量)、Pd2(dba)3(168.59mg、0.184mmol、0.2当量)、キサントホス(213.05mg、0.368mmol、0.4当量)、Cs2CO3(599.85mg、1.841mmol、2.0当量)、トルエン(25.00mL)を入れた。得られた溶液を、100℃で4時間撹拌した。得られた混合物を濃縮した。この残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(70:30)を用いてシリカゲルカラムに通した。これによって、淡黄色の固体として200mg(34.96%)のtert-ブチルN-[5-[(6-ブロモ-4-メチル-3-オキソピラジン-2-イル)アミノ]-2-(4-メチルピペラジン-1-カルボニル)フェニル]-N-(tert-ブトキシカルボニル)カルバメートが得られた。LC-MS--752-6:(ES、m/z):621[M+H]+。
【0172】
3-[[3-アミノ-4-(4-メチルピペラジン-1-カルボニル)フェニル]アミノ]-5-ブロモ-1-メチルピラジン-2-オンの合成:50mLの丸底フラスコに、tert-ブチルN-[5-[(6-ブロモ-4-メチル-3-オキソピラジン-2-イル)アミノ]-2-(4-メチルピペラジン-1-カルボニル)フェニル]-N-(tert-ブトキシカルボニル)カルバメート(200.00mg)、1,4-ジオキサン(10.00mL)中のHCl(ガス)を入れた。得られた溶液を、室温で2時間撹拌した。得られた混合物を濃縮した。これによって、白色の固体として120mgの3-[[3-アミノ-4-(4-メチルピペラジン-1-カルボニル)フェニル]アミノ]-5-ブロモ-1-メチルピラジン-2-オンが得られた。LC-MS--752-7:(ES、m/z):421[M+H]+。
【0173】
N-[5-[(6-ブロモ-4-メチル-3-オキソピラジン-2-イル)アミノ]-2-(4-メチルピペラジン-1-カルボニル)フェニル]プロパ-2-エンアミドの合成:50mLの丸底フラスコに、3-[[3-アミノ-4-(4-メチルピペラジン-1-カルボニル)フェニル]アミノ]-5-ブロモ-1-メチルピラジン-2-オン(120.00mg、0.285mmol、1.00当量)、塩化アクリロイル(28.36mg、0.313mmol、1.10当量)、NMM(57.62mg、0.570mmol、2.00当量)、DCM(10.00mL)を入れた。得られた溶液を、室温で30分間撹拌した。得られた混合物を濃縮した。この粗生成物を、9分以内に0.1%NH3.H2O:MeCN=30%を0.1%NH3.H2O:MeCN=58%まで増加させるフラッシュ-Prep-HPLCによって精製した。これによって、白色の固体として80mg(59.09%)のN-[5-[(6-ブロモ-4-メチル-3-オキソピラジン-2-イル)アミノ]-2-(4-メチルピペラジン-1-カルボニル)フェニル]プロパ-2-エンアミドが得られた。LC-MS--752-8:(ES、m/z):475[M+H]+。
【0174】
-752-0の合成:窒素の不活性雰囲気を用いてパージされ、維持された8mLのバイアルに、N-[5-[(6-ブロモ-4-メチル-3-オキソピラジン-2-イル)アミノ]-2-(4-メチルピペラジン-1-カルボニル)フェニル]プロパ-2-エンアミド(80.00mg、0.168mmol、1.00当量)、2-[4,4-ジメチル-9-オキソ-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-10-イル]-3-メチルピリジン-4-イルボロン酸(73.00mg、0.219mmol、1.30当量)、Pd(dppf)Cl2 CH2Cl2(13.74mg、0.017mmol、0.10当量)、K2CO3(46.52mg、0.337mmol、2.00当量)、DME(8.00mL)、H2O(2.00mL)を入れた。得られた溶液を、90℃で1時間撹拌した。この粗生成物を、Prep-HPLCによって精製した。これによって、白色の固体として20mg(17.23%)のN-(5-[[6-(2-[4,4-ジメチル-9-オキソ-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-10-イル]-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソピラジン-2-イル]アミノ]-2-(4-メチルピペラジン-1-カルボニル)フェニル)プロパ-2-エンアミドが得られた。LC-MS--752-0:(ES、m/z):690[M+H]+。1H NMR--752-0: (300 MHz, DMSO-d6, ppm): δ 9.76 (s, 1H), 9.52 (s, 1H), 8.48 (s, 1H), 8.34 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 7.81 (dd, J = 8.8, 1.8 Hz, 1H), 7.58-7.47 (m, 2H), 7.20 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.59-6.44 (m, 2H), 6.24 (dd, J = 17.1, 1.8 Hz, 1H), 5.74 (dd, J = 12.2, 2.4 Hz, 1H), 4.29-4.10 (m, 3H), 3.86 (d, J = 11.9 Hz, 1H), 3.59 (s, 3H), 2.68-2.54 (m, 2H), 2.43 (s, 2H), 2.29 (s, 7H), 2.16 (s, 3H), 1.23 (s, 6H).
実施例16
N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(2-メチル-1-モルホリノプロパン-2-イル)フェニル)アクリルアミドの調製
5-ブロモ-1-メチル-3-([4-[2-メチル-1-(モルホリン-4-イル)プロパン-2-イル]-3-ニトロフェニル]アミノ)ピラジン-2-オンの合成:窒素の不活性雰囲気を用いてパージされ、維持された100mLの丸底フラスコに、4-[2-メチル-1-(モルホリン-4-イル)プロパン-2-イル]-3-ニトロアニリン(400.00mg、1.432mmol、1.00当量)、3,5-ジブロモ-1-メチルピラジン-2-オン(498.72mg、1.862mmol、1.30当量)、Pd2(dba)3(131.13mg、0.143mmol、0.10当量)、キサントホス(165.71mg、0.286mmol、0.20当量)、Cs2CO3(933.11mg、2.864mmol、2.00当量)、ジオキサン(20.00mL)を入れた。得られた溶液を、100℃で4時間撹拌した。固体を、濾過によって回収した。合わせた有機層を濃縮した。この粗生成物を、MeCNからの再結晶化によって精製した。これによって、褐色の固体として350mg(52.41%)の5-ブロモ-1-メチル-3-([4-[2-メチル-1-(モルホリン-4-イル)プロパン-2-イル]-3-ニトロフェニル]アミノ)ピラジン-2-オンが得られた。LC-MS--753-1:(ES、m/z):466[M+H]+。1H NMR--753-1: (300 MHz, DMSO-d6, ppm): δ 9.90 (s, 1H), 8.19 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 8.08 (dd, J = 8.9, 2.5 Hz, 1H), 7.62 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.43 (s, 1H), 3.53-3.39 (m, 7H), 2.53-2.47(m, 2H), 2.23 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 1.29 (s, 6H).
3-([3-アミノ-4-[2-メチル-1-(モルホリン-4-イル)プロパン-2-イル]フェニル]アミノ)-5-ブロモ-1-メチルピラジン-2-オンの合成:100mLの丸底フラスコに、5-ブロモ-1-メチル-3-([4-[2-メチル-1-(モルホリン-4-イル)プロパン-2-イル]-3-ニトロフェニル]アミノ)ピラジン-2-オン(350.00mg、0.751mmol、1.00の当量)、CH3COOH(1352.13mg、22.516mmol、30.00当量)、Zn(736.37mg、11.258mmol、15.00当量)、EtOH(30.00mL)を入れた。得られた溶液を、室温で2時間撹拌した。固体を、濾過によって回収した。合わせた有機層を濃縮した。得られた溶液を、酢酸エチルで抽出した。得られた混合物を、ブラインを用いて洗浄した。この混合物を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて濃縮した。これによって、褐色の油状物として300mg(91.60%)の3-([3-アミノ-4-[2-メチル-1-(モルホリン-4-イル)プロパン-2-イル]フェニル]アミノ)-5-ブロモ-1-メチルピラジン-2-オンが得られた。LC-MS--753-2:(ES、m/z):436[M+H]+。
【0175】
N-[5-[(6-ブロモ-4-メチル-3-オキソピラジン-2-イル)アミノ]-2-[2-メチル-1-(モルホリン-4-イル)プロパン-2-イル]フェニル]プロパ-2-エンアミドの合成:100mLの丸底フラスコに、3-([3-アミノ-4-[2-メチル-1-(モルホリン-4-イル)プロパン-2-イル]フェニル]アミノ)-5-ブロモ-1-メチルピラジン-2-オン(300.00mg、0.688mmol、1.00当量)、塩化アクリロイル(74.67mg、0.825mmol、1.20当量)、NMM(139.08mg、1.375mmol、2.00当量)、DCM(10.00mL)を入れた。得られた溶液を、室温で30分間撹拌した。得られた混合物を濃縮した。この粗生成物を、9分以内に0.1%NH4HCO3:MeCN=30%を0.1%NH4HCO3:MeCN=70%まで増加させるフラッシュ-Prep-HPLCによって精製した。これによって、白色の固体として260mg(77.11%)のN-[5-[(6-ブロモ-4-メチル-3-オキソピラジン-2-イル)アミノ]-2-[2-メチル-1-(モルホリン-4-イル)プロパン-2-イル]フェニル]プロパ-2-エンアミドが得られた。LC-MS--753-3:(ES、m/z):490[M+H]+。1H NMR--753-3: (300 MHz, DMSO-d6, ppm): δ 10.75 (s, 1H), 9.40 (s, 1H), 7.95 (s, 1H), 7.77 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.39-7.25 (m, 2H), 6.61-6.44 (m, 1H), 6.27 (dd, J = 16.9, 2.1 Hz, 1H), 5.81 (d, J = 11.0 Hz, 1H), 3.54 (s, 4H), 3.44 (s, 3H), 2.36 (s, 4H), 1.35 (s, 6H).
N-(5-[[6-(2-[4,4-ジメチル-9-オキソ-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-10-イル]-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソピラジン-2-イル]アミノ]-2-[2-メチル-1-(モルホリン-4-イル)プロパン-2-イル]フェニル)プロパ-2-エンアミドの合成:窒素の不活性雰囲気で維持された40mLのマイクロ波管に、N-[5-[(6-ブロモ-4-メチル-3-オキソピラジン-2-イル)アミノ]-2-[2-メチル-1-(モルホリン-4-イル)プロパン-2-イル]フェニル]プロパ-2-エンアミド(200.00mg、0.408mmol、1.00当量)、2-[4,4-ジメチル-9-オキソ-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-10-イル]-3-メチルピリジン-4-イルボロン酸(193.67mg、0.571mmol、1.40当量)、Pd(dppf)Cl2 CH2Cl2(33.30mg、0.041mmol、0.10当量)、K2CO3(112.73mg、0.816mmol、2.00当量)、DME(10.00mL)、H2O(2.00mL)を入れた。得られた溶液を、95℃で2時間撹拌した。この粗生成物を、Prep-HPLCによって精製した。これによって、淡褐色の固体として150mg(52.18%)のN-(5-[[6-(2-[4,4-ジメチル-9-オキソ-1,10-ジアザトリシクロ[6.4.0.0^[2,6]]ドデカ-2(6),7-ジエン-10-イル]-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソピラジン-2-イル]アミノ]-2-[2-メチル-1-(モルホリン-4-イル)プロパン-2-イル]フェニル)プロパ-2-エンアミドが得られた。LC-MS--753-0:(ES、m/z):705[M+H]+。1H NMR--753-0: (300 MHz, DMSO-d6, ppm): δ 10.78 (s, 1H), 9.26 (s, 1H), 8.38 -8.29 (m, 2H), 7.69 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.54 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 7.43 (s, 1H), 7.28 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.58 -6.45 (m, 2H), 6.27 (d, J = 16.8 Hz, 1H), 5.76 (d, J = 10.2 Hz, 1H), 4.31-4.10 (m, 3H), 3.84 (d, J = 12.4 Hz, 1H), 3.57 (s, 3H), 3.57-3.47 (m, 4H), 2.58 (d, J = 5.8 Hz, 2H), 2.43 (s, 2H), 2.34 (d, J = 4.7 Hz, 4H), 2.29 (s, 3H), 1.34 (d, J = 4.2 Hz, 6H), 1.23 (s, 6H).
【0176】
【0177】
【0178】
【0179】
【0180】
生物学的実施例1:結合定数(Kd)決定
化合物のKdは、膨大な数のヒトキナーゼに対して化合物をスクリーニングするための、この業界で最も包括的なハイスループットシステムであるKINOMEscan(商標)アッセイによって決定された。KINOMEscan(商標)アッセイは、化合物が活性部位指向性の固定化リガンドと競合する能力を定量的に測定する競合結合アッセイに基づく。このアッセイは、3つの構成要素である、DNAタグ付きキナーゼ、固定化リガンド、および試験化合物を組み合わせることによって行われる。試験化合物が固定化リガンドと競合する能力は、DNAタグの定量的PCRを介して測定される。キナーゼタグ付きT7ファージ株を、BL21菌株由来の大腸菌宿主内に調製した。大腸菌を、対数期まで増殖させ、T7ファージに感染させて、溶菌するまで32℃で振盪培養した。この溶菌液を遠心分離し、濾過して細胞片を除去した。残りのキナーゼは、HEK-293細胞において産生させ、続いてqPCR検出のため、DNAを用いてタグ付けした。ストレプトアビジンコーティング磁気ビーズを、ビオチン化低分子リガンドを用いて、室温で30分間処理し、キナーゼアッセイのための親和性樹脂を生成した。このリガンド化ビーズを、過剰なビオチンでブロックし、ブロッキング緩衝液(SeaBlock(Pierce、Thermo Fisher Scinentific K.K.)、1%BSA、0.05%Tween20、1mM DTT)を用いて洗浄することで、結合していないリガンドを除去し、非特異的な結合を減少させた。結合反応は、キナーゼ、リガンド化親和性ビーズ、および試験化合物を、1×結合緩衝液(20%SeaBlock、0.17×PBS、0.05%Tween20、6mM DTT)中で組み合わせることによって組み立てられた。全ての反応は、ポリスチレン製96ウェルプレート上で、最終体積0.135mLにて行われた。このアッセイ用プレートを、室温で1時間振盪しながらインキュベートし、親和性ビーズを、洗浄緩衝液(1xPBS、0.05%Tween20)を用いて洗浄した。次に、このビーズを、溶出緩衝液(1×PBS、0.05%Tween20、0.5μM非ビオチン化親和性リガンド)に再懸濁させ、室温で30分間振盪しながらインキュベートした。この溶出液中のキナーゼ濃度を、qPCRによって測定した。各試験化合物について、11点3倍連続希釈液を、100%DMSO中、100×最終試験濃度で調製し、続いて、前記アッセイにおいて1×に希釈した(DMSOの最終濃度=1%)。大半のKdは、化合物の最高濃度=30,000nMを使用して決定された。決定した最初のKdが0.5nM未満(試験された最低濃度)であった場合、より低い最高濃度で連続希釈を開始して、測定を再度行った。Kd値が40,000nMであると報告されることは、Kdが30,000nMを上回ることが決定されたことを示唆する。結合定数(Kd)は、ヒルの式:反応=バックグラウンド+(シグナル-バックグラウンド)/[1+(Kd
ヒルの傾き/用量ヒルの傾き)]を使用し、標準用量反応曲線を用いて算出された。ヒルの傾きを-1に設定した。非線形最小二乗適合を使用し、Levenberg-Marquardtアルゴリズムを用いて、曲線を適合させた。試験化合物の用量の範囲で実施されたこのようなアッセイは、概算のKd値の決定を可能にする。本発明の化合物のKdは、予想どおり構造変化によって異なるが、これらの薬剤によって一般的に示される活性は、Kd=0.1~1000nMの範囲内である。
【0181】
生物学的実施例2:in vitro透析アッセイ(不可逆的アッセイ)
試験化合物のIC50は、0.1nM酵素および40mM ATPの存在下で決定された。0.003mM化合物(39×IC50@40mM ATP)を、ATP非含有のアッセイ用緩衝液中、2nM BTKと共に予めインキュベートした。化合物-酵素複合体を、40mM ATPを添加した同じ緩衝液に対して24時間透析した。累積的な透析係数(daialysis factor)>160,000×。透析後、BTK活性を、40mM ATPおよび1mM基質ペプチドの存在下で測定し、透析を行っていないサンプルにおけるBTK活性と比較した。アッセイ用緩衝液:100mM HEPES、pH7.5;0.1%BSA、0.01%Triton-X100;5mM MgCl2;1mM DTT。本試験において、イブルチニブ(FDA既承認の不可逆的BTK阻害剤)は陽性対照として使用され、スタウロスポリン(Saurosporine)(可逆的BTK阻害剤)は陰性対照として使用された。以下の表は、24時間透析後の回復率を示す。
【0182】
本アッセイにおいて、可逆的BTK阻害剤であるGDC-0853は、参照化合物として使用された。WO2013067274で開示されているGDC-0853は、経口で生物学的に利用可能であり、選択的で、可逆的なブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤であり、全血溶解物中の好塩基球活性化、B細胞受容体活性化、および構成的p-BTK活性に対するそのIC50が、2~9nMの範囲である。1,2ラットでは、7日間より長期間の処置によって、膵毒性を招くが、マウスまたはイヌでは、より高用量においてさえ膵毒性を生じない。GDC-0853を含有する製剤は、第I相臨床試験において忍容性が高く、関節リウマチ、エリテマトーデス、および他の自己免疫疾患に関する追加の臨床試験においてもそうである。
【0183】
WT BTK透析アッセイのデータから、イブルチニブ(Ibrutnib)、実施例2、実施例3、実施例11、実施例12は、WT BTKの不可逆的阻害剤であるが、GDC-0853は、可逆的WT BTK阻害剤であることが明確に示される。
【0184】
【0185】
C481S BTK酵素において、イブルチニブおよび実施例2のような本発明者らの化合物は、そのシステイン残基が、もはや共有結合に利用不可能であるため、C481S BTKに可逆的に結合する。
【0186】
生物学的実施例3:WTおよびC481S BTKに対する生化学的酵素アッセイ(IC50)
Caliper式キナーゼアッセイ(Caliper Life Sciences、Hopkinton、MA)を使用して、本開示の化合物によるWTおよびC481S Btkキナーゼ活性の阻害を測定した。イブルチニブおよびACP-196(ACP=196)は、対照化合物として使用された。試験化合物の連続希釈液を、ヒト組換えWT BTKまたはC481S Btk(0.5nM)、ATP(16μM)、およびホスホアクセプターペプチド基質FAM-GEEPLYWSFPAKKK-NH2(1μM)と共に、室温で3時間インキュベートした。次に、この反応を、EDTAを用いて停止させ、最終濃度が20mMであり、リン酸化された反応生成物を、Caliper Desktop Profiler(Caliper LabChip 3000)で定量した。各化合物の希釈液について、パーセント阻害を算出し、50%阻害を生じる濃度を算出した。
【0187】
以下の表は、イブルチニブ(Ibrunitib)、ACP-196、本開示の特定の化合物について、WT BTKのIC50、C481S BTKのIC50、およびC481S対WT BTKのIC50比を示す。予想どおり、イブルチニブおよびACP-196は共に、C481S BTK酵素に対する結合親和性を大きく喪失しており、イブルチニブは、C481S BTKにおいて、WT BTKに対する結合親和性の990分の1を下回り、ACP-196は、C481S BTKにおいて、WT BTKに対する結合親和性の483分の1を下回る。これに反して、本発明者は、本発明者らの化合物が、WT BTKに対する阻害と比較して、依然としてC481S BTKを強力に阻害することを予想外に見出した。C481S BTKのアッセイにおいて、実施例2は、イブルチニブの64倍を上回って強力であり、ACT-196の477倍を上回って強力である。これらのデータから、実施例2のような本発明者らの化合物は、イブルチニブおよびACP-196のような従来の共有結合性BTK阻害剤とは異なる機序によってBTKと可逆的に結合し、このため、本発明者らの化合物は、C481結合部位における変異のため、イブルチニブおよびACP-196に対する耐性を示す患者のための重要な選択肢になり得ることが示唆される。
【0188】
【0189】
生物学的実施例4:カルシウム流出蛍光(fluoresence)アッセイ
カルシウム流出蛍光(fluoresence)アッセイを、製造業者の使用説明書に従って、FlexStation II384蛍光定量画像化プレートリーダー(Molecular Devices, LLC)にて実施した。要約すると、10%FBS(Invitrogen、Thermo Fisher Scinentific K.K.)を添加したRPMl培地で活発に増殖しているRamos細胞(ATCC)を洗浄し、96ウェルプレート上のウェル毎に、100μLあたり約5×105細胞で、低血清培地に再度播種した。分析する化合物を、DMSOに溶解し、次に、0~10μMの範囲の最終濃度まで低血清培地で希釈した(0.3の希釈係数)。次に、希釈した化合物を各ウェルに加え(DMSOの最終濃度は0.01%)、5%CO2インキュベーター内で、37度にて1時間インキュベートした。その後、(カルシウム3アッセイキット、Molecular Devices, LLCからの)カルシウム感受性色素100μLを各ウェルに加え、さらに1時間インキュベートした。化合物で処理した細胞を、ヤギ抗ヒトIgM抗体(80ug/mL、Jackson ImmunoResearch Inc.)で刺激し、λEx=485nmおよびλEm=538nmを使用したFlexStation II384で200秒間読み取った。相対蛍光単位(RFU)およびIC50を記録し、内蔵SoftMaxプログラム(Molecular Devices, LLC)を使用して分析した。
【0190】
生物学的実施例5:B細胞活性化の阻害-Ramos細胞におけるB細胞FLIPRアッセイ
本発明の化合物によるB細胞活性化の阻害は、抗IgMで刺激されたB細胞の応答に対する試験化合物の作用を決定することによって実証される。B細胞FLIPRアッセイは、抗IgM抗体の刺激による細胞内のカルシウム増加に対する潜在的な阻害剤の作用を決定するための細胞に基づく機能的方法である。Ramos細胞(ヒトバーキットリンパ腫細胞株、ATCC-No.CRL-1596)を、増殖培地(以下に記載)で培養した。アッセイの前日に、Ramos細胞を、新たな増殖培地(上記と同じ)に再懸濁し、組織培養フラスコ内で、0.5×106/mLの濃度に調整した。アッセイ当日、細胞を計数し、組織培養フラスコ内で、1μΜ FLUO-3AM(TEFLabs, Inc. Cat-No.0116、無水DMSOおよび10%Pluronic酸で調製)を添加した増殖培地中1×106/mLの濃度に調整し、37℃(5%CO2)で1時間インキュベートした。細胞外の色素を除去するために、細胞を遠心分離(5分間、1000rpm)によって回収し、FLIPR緩衝液(以下に記載)に再懸濁して1×106細胞/mLとし、次に、ウェルあたり1×105細胞で、96ウェルのポリ-D-リジンコーティング黒色/透明プレート(BD Cat-No.356692)に分注した。試験化合物を、100μΜ~0.03μΜの範囲の様々な濃度(7つの濃度、以下に詳細記載)で加え、細胞と共に室温で30分間インキュベートした。Ramos細胞のCa2+シグナル伝達を、10μg/mL抗IgM(Southern Biotech、Cat-No.2020-01)の添加によって刺激し、FLIPR(Molecular Devices, LLC、480nM励起のアルゴンレーザーと共にCCDカメラを使用して96ウェルプレートの画像を取り込む)にて測定した。
- 増殖培地:L-グルタミン(Invitrogen、Thermo Fisher Scinentific K.K.、Cat-No.61870-010)、10%ウシ胎児血清(FBS、Summit Biotechnology Cat-No.FP-100-05)、1mMピルビン酸ナトリウム(Invitrogen、Thermo Fisher Scinentific K.K.、 Cat.No.11360-070)を含むRPMI1640培地。
- FLIPR緩衝液:HBSS(Invitrogen、Thermo Fisher Scinentific K.K.、Cat-No.141175-079)、2mM CaCl2(Sigma-Aldrich Co.LLC.、 Cat-No.C-4901)、HEPES(Invitrogen、Thermo Fisher Scinentific K.K.、Cat-No.15630-080)、2.5mMプロベネシド(Sigma-Aldrich Co.LLC.、Cat-No.P-8761)、0.1%BSA(Sigma-Aldrich Co.LLC.、Cat-No.A-7906)、11mMグルコース(Sigma-Aldrich Co.LLC.、Cat-No.G-7528)、
- アッセイおよび分析:細胞内のカルシウム増加量は、Molecular Devices, LLC社製FLIPR制御および統計値転送ソフトウェアを使用して、刺激性抗体の添加によって生じたピークから静止ベースラインを減算する、最大-最小統計値を使用して報告された。非線形曲線適合(GraphPad Prism)を使用して、IC50を決定した。
【0191】
生物学的実施例6:in vitro抗増殖アッセイ
細胞の抗増殖性は、PerkinElmer ATPlite(商標)発光アッセイ系によって分析される。要約すると、様々な試験癌細胞株を、ウェルあたり約1×104細胞の密度で、Costar96ウェルプレートに播種し、5%FBSを添加した培地で、異なる濃度の化合物と共に約72時間インキュベートする。次に、1本の凍結乾燥基質溶液バイアルに、5mLの基質緩衝液を加えて再構成し、この溶液が均質になるまで、穏やかに撹拌する。約50μLの哺乳動物細胞溶解液を、マイクロプレートのウェルあたり100μLの細胞懸濁液に加え、このプレートを、オービタルシェーカーで約700rpmにて、約5分間振盪する。この手順を使用して、細胞を溶解し、ATPを安定化する。次に、50μLの基質溶液を、前記ウェルに加えて、マイクロプレートを、オービタルシェーカーで約700rpmにて、5分間振盪する。最後に、発光を、PerkinElmer TopCount(登録商標)マイクロプレートシンチレーションカウンターによって測定する。このようなアッセイは、試験化合物の用量の範囲で実施され、本発明の化合物に関する細胞の抗-抗増殖性IC50の決定を可能にする。
【0192】
生物学的実施例7:in vivo異種移植片試験
通常、6~8週齢の無胸腺ヌードマウス(CD-1 nu/nu)またはSCIDマウスを供給業者から入手し、最短7日間訓化させた。次に、癌細胞をこのヌードマウスに移植する。特定の腫瘍の種類に応じて、腫瘍は、通常、移植後約2週間で検出可能となる。腫瘍サイズが約100~200mm3に達したら、感知可能な腫瘍サイズおよび形状を有する動物を、溶媒対照群を1群および処置群を含む、各々マウス8匹からなる群に無作為に割り付ける。投与は、各試験の目的および期間に応じて変更され、試験は、通常、約3~4週間続行する。腫瘍サイズおよび体重は、通常、1週間に3回測定される。腫瘍サイズの変化の決定に加えて、最終の腫瘍の測定値を使用して、国立癌研究所が開発した異種移植片の腫瘍評価のための標準測定基準である腫瘍サイズの変化率(T/C値)を得る。ほとんどの場合、%T/C値は、以下の式:ΔT>0の場合、%T/C=100×ΔT/ΔCを使用して算出される。しかし、腫瘍退縮が生じている場合(ΔT<0)、以下の式:%T/T0=100×ΔT/T0を使用する。値が<42%の場合、有意であると判断される。
【0193】
生物学的実施例8:マウスコラーゲン誘導関節炎(mCIA)
0日目、マウスの尾の付け根または背中の複数箇所に、完全フロイントアジュバント(CFA)中のII型コラーゲンのエマルジョンを注射する(i.d.)。コラーゲン免疫化後、動物は、およそ21~35日で関節炎を発症するであろう。21日目、不完全フロイントアジュバント(IFA、i.d.)中のコラーゲンの全身投与によって、関節炎の発生は同時となる(ブーストされる)。20日目の後、ブーストのシグナルである軽度関節炎(1または2のスコア、下記のスコア説明を参照)の全ての発生について、動物を毎日検査する。ブースト後、マウスを採点し、所定期間(通常2~3週間)および1日1回(QD)または1日2回(BID)といった投与頻度で、候補治療剤を投与する。足および四肢関節に発症した炎症を、下記の判定基準に従った4つの足の評価に関する採点システムを使用して数値化する:
採点:
1=足または1趾の腫脹および/または発赤。
2=2箇所以上の関節の腫脹。
3=2箇所を上回る関節が関与する足の大きな腫脹。
4=足および趾全体の重度の関節炎。
【0194】
評価は、ベースライン測定値のために0日目に行われ、最初の徴候または腫脹時に、最大週3回で再開し、実験終了まで行われる。各マウスの関節炎の指数は、足別の4つのスコアを加算することによって得られ、これは動物1匹あたり最大16スコアとなる。
【0195】
生物学的実施例9:ラットコラーゲン誘導関節炎(rCIA)
0日目、ラットの背中の複数箇所に、皮内注射(i.d.)される不完全フロイントアジュバント(IFA)中のウシII型コラーゲンのエマルジョンをラットに注射する。コラーゲンエマルジョンのブースター注射を、7日目頃、尾の付け根または背中の代替部位に投与する(i.d.)。関節炎は、最初のコラーゲン注射後の12~14日目に概ね観察される。14日目以降、動物を、下記(関節炎の評価)のとおりに関節炎の発症について評価してよい。動物には、候補治療剤を、予防的方法で第二チャレンジの時点で投与開始し、所定期間(通常2~3週間)および1日1回(QD)または1日2回(BID)といった投与頻度で投与する。足および四肢関節に発症した炎症を、上記の判定基準に従った4つの足の評価に関する採点システムを使用して数値化する。評価は、ベースライン測定値のために0日目に行われ、最初の徴候または腫脹時に、最大週3回で再開し、実験終了まで行われる。各マウスの関節炎の指数は、足別の4つのスコアを加算することによって得られ、これは動物1匹あたり最大16スコアとなる。
【0196】
生物学的実施例10:ラットin vivo喘息モデル
雄のブラウンノルウェーラットを、ミョウバン0.2mL中のOA(卵白アルブミン)100μgを用いて、3週間、週1回の腹腔内注射で感作させる(0、7、および14日目)。21日目(最後の感作後1週間)、ラットに、溶媒または化合物製剤のいずれかを、OAエアロゾルチャレンジ(45分間1%OA)の0.5時間前に1日1回で皮下投与し、チャレンジの4または24時間後にラットを屠殺する。屠殺時に、血清および血漿を、それぞれ血清学および薬物動態学のために、全ての動物から採取する。気管カニューレを挿入し、肺を、PBSで3回洗浄する。このBAL液を、総白血球数および白血球百分率について分析する。細胞の一定量(20~100μi)中の総白血球数を、コールターカウンターによって決定する。白血球百分率のため、50~200μiのサンプルを、Cytospinで遠心分離し、そのスライドを、Diff-Quikで染色する。単球、好酸球、好中球、およびリンパ球の割合を、標準的な形態学的判定基準を使用して光学顕微鏡下で計数し、百分率で表示する。Btkの代表的な阻害剤では、対照のレベルと比較して、OAで感作し、チャレンジしたラットのBAL中の総白血球数の減少が示される。 ある態様において、本発明は以下であってもよい。
[態様1]式(I):
【化16-1】
(式中、
Q
1は、5~6員のアリールまたはヘテロアリールであり、
Q
2は、5~7員のヘテロシクロアルキルまたはヘテロアリールであり、
Q
3は、5員のヘテロアリールであり、
W、X、Y、Z
1は、それぞれ独立してC(R
a)またはNであり、
R
1およびR
5は、それぞれ独立してH、D、アルキル、スピロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、スピロヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、ニトロ、オキソ、シアノ、OR
a、SR
a、アルキル-R
a、NH(CH
2)
pR
a、C(O)R
a、S(O)R
a、SO
2R
a、C(O)OR
a、OC(O)R
a、NR
bR
c、C(O)N(R
b)R
c、N(R
b)C(O)R
c、-P(O)R
bR
c、-アルキル-P(O)R
bR
c、-S(O)(=N(R
b))R
c、-N=S(O)R
bR
c、=NR
b、SO
2N(R
b)R
c、またはN(R
b)SO
2R
cであり、前記シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールが、1つまたは複数のR
dで任意選択で置換されており、
R
2は、Hまたはアルキルであり、
R
3は、H、ハロ、アルキル、ハロアルキル、またはヒドロキシアルキルであり、
R
4は、H、ハロ、または低級アルキルであり、
R
1基のうちの2つは、それらが結合している原子と共に、1つまたは複数のR
dで任意選択で置換されているシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルを、任意選択で形成してもよく、
R
5基のうちの2つは、それらが結合している原子と共に、1つまたは複数のR
dで任意選択で置換されているシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルを、任意選択で形成してもよく、
R
a、R
b、R
c、およびR
dは、独立してH、D、アルキル、スピロアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、シアノ、アミン、ニトロ、ヒドロキシ、=O、-P(O)R
bR
c、-アルキル-P(O)R
bR
c、-S(O)(=N(R
b))R
c、-N=S(O)R
bR
c、=NR
b、C(O)NHOH、C(O)OH、C(O)NH
2、アルコキシ、アルコキシアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アルキルアミノ、オキソ、ハロ-アルキルアミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、スピロヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、アリール、またはヘテロアリールであり、前記アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールが、1つまたは複数のR
eで任意選択で置換されており、
R
eは、H、D、アルキル、スピロアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、シアノ、アミン、ニトロ、ヒドロキシ、=O、C(O)NHOH、アルコキシ、アルコキシアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アルキルアミノ、オキソ、ハロ-アルキルアミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、スピロヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、アリール、またはヘテロアリールであり、
m、n、p、およびqは、それぞれ独立して0、1、2、3、または4であり、
弾頭部は、
【化16-2】
である)
の化合物もしくはそのN-オキシド、または式(I)の前記化合物もしくはそのN-オキシドの薬学的に許容される塩、溶媒和物、多形体、互変異性体、立体異性体、同位体、もしくはプロドラッグ。
[態様2]式(II):
【化16-3】
(式中、
kは、0、1、または2であり、
sは、0、1、2、または3であり、
Q
4は、5~7員のシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、またはヘテロシクロアルケニルである)
によって示される、請求項1に記載の化合物もしくはそのN-オキシド、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、多形体、互変異性体、立体異性体、同位体、もしくはプロドラッグ。
[態様3]式(III):
【化16-4】
(式中、
rは、0、1、2、または3である)
によって示される、請求項2に記載の化合物もしくはそのN-オキシド、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、多形体、互変異性体、立体異性体、同位体、もしくはプロドラッグ。
[態様4]式(IV):
【化16-5】
(式中、
kは、1または2であり、
rは、1または2である)
によって示される、請求項2に記載の化合物もしくはそのN-オキシド、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、多形体、互変異性体、立体異性体、同位体、もしくはプロドラッグ。
[態様5](S)-N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド、
N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(2-メチル-4-モルホリノピペリジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド、
(S)-N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド、
(S)-N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(2-メチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピペラジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド、
(S)-N-(2-(4-(4,4-ジフルオロシクロヘキシル)-2-メチルピペラジン-1-イル)-5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)フェニル)アクリルアミド、
N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-((2S)-2-メチル-4-モルホリノピペリジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド、
N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(4-モルホリノピペリジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド、
N-(2-(4,4-ジフルオロ-[1,4’-ビピペリジン]-1’-イル)-5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)フェニル)アクリルアミド、
N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド、
(S)-N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-3-メチル-2-(2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド、
(S)-N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-3-フルオロ-2-(2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド、
(S)-N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル)アクリルアミド、
(S)-N-(3-シアノ-5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド、
(S)-N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-3-(イソプロピルスルホニル)-2-(2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド、
(S)-N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-(2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)-3-((トリフルオロメチル)スルホニル)フェニル)アクリルアミド、
N-(2-((2’S)-4,4-ジフルオロ-2’-メチル-[1,4’-ビピペリジン]-1’-イル)-5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)フェニル)アクリルアミド、
N-(5-((6-(2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-3-メチルピリジン-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-イル)アミノ)-2-((2S)-2-メチル-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド
である、請求項1に記載の化合物もしくはそのN-オキシド、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、多形体、互変異性体、立体異性体、同位体、もしくはプロドラッグ。
[態様6]請求項1で定義された式(I)の化合物もしくはそのN-オキシド、または式(I)の前記化合物もしくはそのN-オキシドの薬学的に許容される塩、溶媒和物、多形体、互変異性体、立体異性体、同位体、もしくはプロドラッグ、および薬学的に許容される希釈剤または担体を含む医薬組成物。
[態様7]腫瘍性疾患、自己免疫疾患、および炎症性疾患を治療する方法であって、請求項1で定義された式(I)の化合物もしくはそのN-オキシド、または式(I)の前記化合物もしくはそのN-オキシドの薬学的に許容される塩、溶媒和物、多形体、互変異性体、立体異性体、同位体、もしくはプロドラッグを有効量で、それを必要としている対象に投与することを含む方法。
[態様8]前記自己免疫疾患および炎症性障害が、尋常性天疱瘡、関節リウマチ(RA)、喘息、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、またはアレルギーである、請求項7に記載の方法。
[態様9]前記腫瘍性疾患が、B細胞悪性腫瘍(B-cell maligance)または固形腫瘍である、請求項8に記載の方法。
[態様10]前記腫瘍性疾患が、慢性リンパ性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)、または多発性骨髄腫(MM)である、請求項9に記載の方法。
[態様11]
【化16-6】
の調製のためのプロセスであって、標的化合物を作製するために十分な時間および条件下で、
【化16-7】
を
【化16-8】
と接触させることを含むプロセス。