IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱電機ビルテクノサービス株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-空気調和システム 図1
  • 特許-空気調和システム 図2
  • 特許-空気調和システム 図3
  • 特許-空気調和システム 図4
  • 特許-空気調和システム 図5
  • 特許-空気調和システム 図6
  • 特許-空気調和システム 図7
  • 特許-空気調和システム 図8
  • 特許-空気調和システム 図9
  • 特許-空気調和システム 図10
  • 特許-空気調和システム 図11
  • 特許-空気調和システム 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-08
(45)【発行日】2024-08-19
(54)【発明の名称】空気調和システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/54 20180101AFI20240809BHJP
   F24F 11/76 20180101ALI20240809BHJP
   F24F 11/52 20180101ALI20240809BHJP
   F24F 11/79 20180101ALI20240809BHJP
   F24F 11/63 20180101ALI20240809BHJP
【FI】
F24F11/54
F24F11/76
F24F11/52
F24F11/79
F24F11/63
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021081014
(22)【出願日】2021-05-12
(65)【公開番号】P2022174949
(43)【公開日】2022-11-25
【審査請求日】2023-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 拓弥
【審査官】奥隅 隆
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2008/087959(WO,A1)
【文献】特開2016-103388(JP,A)
【文献】特開2020-181525(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/00-11/89
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の玄関に通じる空間を空調するための空気調和システムであって、
前記空間は、前記建物への入館者の歩行経路を想定して設定された第1の領域と、前記第1の領域に対向するように設けられた第2の領域とを有しており、
少なくとも前記第1の領域の空気を調和するための第1室内機と、
少なくとも前記第2の領域の空気を調和するための第2室内機と、
前記建物への前記入館者を検知するとともに、前記入館者の前記空間からの退室とを検知するための検知手段と、
前記第1室内機および前記第2室内機の運転を制御するコントローラとを備え、
前記コントローラは、前記入館者の入館から前記退室までの第1の期間において、前記第1室内機の吹出温度が前記第2室内機の吹出温度よりも低くなるように、前記第1室内機および前記第2室内機を制御する、空気調和システム。
【請求項2】
前記第1の期間において、前記入館者を前記第1の領域に誘導するための第1の表示装置と、
前記第1の期間において、前記入館者を前記第2の領域に誘導するための第2の表示装置とをさらに備える、請求項1に記載の空気調和システム。
【請求項3】
前記第1の表示装置は、前記第1の領域の床面に設置され、前記第1の期間において、前記歩行経路を点灯して表示する第1の表示灯を含み、
前記第2の表示装置は、前記第2の領域の床面に設置され、前記第1の期間において、前記歩行経路を点灯して表示する第2の表示灯を含む、請求項2に記載の空気調和システム。
【請求項4】
前記第1の表示装置は、前記第1の領域の床面に、前記第1室内機の吹出温度に基づいた情報を表示する第1の表示部を含み、
前記第2の表示装置は、前記第2の領域の床面に、前記第2室内機の吹出温度に基づいた情報を表示する第2の表示部を含む、請求項2または3に記載の空気調和システム。
【請求項5】
前記第1室内機は、前記第1の領域に向けて前記空気を吹き出すための第1の吹出口を有しており、
前記第1の吹出口は、長方形状を有しており、その長辺が入館者の歩行経路に沿って延びるように形成されている、請求項1から4のいずれか1項に記載の空気調和システム。
【請求項6】
前記第2室内機は、前記第2の領域に向けて前記空気を吹き出すための第2の吹出口を有しており、
前記第2の吹出口は、長方形状を有しており、その長辺が第1のの吹出口に対し平行に延びるように形成されている、請求項5に記載の空気調和システム。
【請求項7】
前記コントローラは、前記空間の室内温度と、前記建物の外部の温湿度および前記建物が存在する地域の温湿度を含む第1の情報と、前記空間の室内負荷を含む第2の情報とに基づいて、前記第2室内機の目標吹出温度を設定するとともに、前記第2室内機の前記目標吹出温度よりも低くなるように前記第1室内機の前記目標吹出温度を設定する、請求項1から6のいずれか1項に記載の空気調和システム。
【請求項8】
前記建物の前記玄関付近を撮影するための撮影部をさらに備え、
前記第1の情報は、前記撮影部により撮影された画像から推定される前記入館者の体感温度および前記外部の日射強度をさらに含む、請求項7に記載の空気調和システム。
【請求項9】
前記第1の情報は、前記入館者が前記建物に到着するまでの推定歩行時間をさらに含む、請求項7に記載の空気調和システム。
【請求項10】
前記コントローラは、前記第1の期間以外の第2の期間において、前記空間の設定温度を、前記第1の期間における前記空間の前記設定温度よりも高くなるように設定する、請求項1から9のいずれか1項に記載の空気調和システム。
【請求項11】
前記第2の期間における前記空間の前記設定温度は、前記第1の期間における前記第1室内機の目標吹出温度との温度差が所定温度範囲内になるように設定される、請求項10に記載の空気調和システム。
【請求項12】
前記入館者の識別情報と、前記第1室内機および前記第2室内機の目標吹出温度と、前記空間における前記入館者の歩行経路とを紐づけたログを記録するための記憶部をさらに備え、
前記コントローラは、前記ログを参照することにより、前記入館者の前記識別情報に基づいて、前記第1の期間における前記第1室内機および前記第2室内機の前記目標吹出温度を設定する、請求項1に記載の空気調和システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空気調和システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2007-139243号公報(特許文献1)には、1階から2階に吹き抜け空間を有する建物の玄関ホール天井に送風機を設けた空調システムが記載されている。この空調システムは、吹き抜け空間の室温が設定された温度領域にあり、かつ、玄関への人の到来が検出されたときに、送風機を稼働させるように構成されている。さらに、空調システムは、稼働時間が経過した後に送風機を停止させるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-139243号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
オフィスビル等の建物の玄関に通じるエントランスホールには、一般的に、階上または階下に移動するためのエレベータが設置されている。玄関から建物内に入館した入館者は、エントランスホール内をエレベータに向かって歩行し、エレベータを利用して目的の部屋に移動する。夏場などの気温の高い時期には、外気温や日差しの影響により、入館直後の入館者の体感温度が高くなっている。そのため、当該入館者が目的の部屋に入室した際に、快適性を得るために、当該部屋の空気調和機の冷房の設定温度を下げる場合がある。このような場合、設定温度を低下させたことによって空気調和機の消費電力が増加することが懸念される。また、当該部屋の在室者にとっては、室内温度が低下するために、快適性が損なわれることが懸念される。したがって、エントランスホールにて入館者の体感温度を迅速に下げることが必要である。
【0005】
特許文献1に記載される空調システムでは、玄関への人の到来を検出したときに所定時間送風機を稼働させるため、省エネルギー性に優れているが、その一方で、送風機からはエントランスホールの室内温度に近い温度の風が送風されるため、玄関ホールに居る間に人を迅速に冷やすことができない可能性がある。
【0006】
これに対して、エントランスホールに設置した空気調和機を常時運転させて、エントランスホールの室内温度を下げておくことにより、入館者の体感温度を低下させることができる。ただし、エントランスホール内に入館者が居ない期間においても空気調和機を運転させるため、無駄に空気調和機の消費電力を増加させることになる。
【0007】
本開示はこのような問題点を解決するためになされたものであって、本開示の目的は、建物内のエントランスホールの空調制御において、入館者の快適性の向上とともに、省エネルギー化を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に係る空気調和システムは、建物の玄関に通じる空間を空調するための空気調和システムである。空間は、建物への入館者の歩行経路を想定して設定された第1の領域と、第1の領域に対向するように設けられた第2の領域とを有している。空気調和システムは、少なくとも第1の領域の空気を調和するための第1室内機と、少なくとも第2の領域の空気を調和するための第2室内機と、建物への入館者を検知するとともに、入館者の空間からの退室とを検知するための検知手段と、第1室内機および第2室内機の運転を制御するコントローラとを備える。コントローラは、入館者の入館から退室までの第1の期間において、第1室内機の吹出温度が第2室内機の吹出温度よりも低くなるように、第1室内機および第2室内機を制御する。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、建物内のエントランスホールの空調制御において、入館者の快適性の向上とともに、省エネルギー化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】エントランスホールを天井から見た平面図である。
図2】エントランスホールを天井から見た平面図である。
図3図2に示されるIII-III線における断面図である。
図4】コントローラの機能構成の一例を示す図である。
図5】コントローラによる空気調和システムの空調モードの切り替え処理を説明するためのフローチャートである。
図6】局所空調モードにおける空気調和システムの動作について説明する。
図7】通常空調モードおよび局所空調モードにおける空気調和システムの動作例を示す波形図である。
図8】局所空調モード時にエントランスホール内に形成される温度分布を模式的に示す図である。
図9】局所空調モードにおけるコントローラの空調制御を説明するためのフローチャートである。
図10】通常空調モードにおけるコントローラの空調制御を説明するためのフローチャートである。
図11】本実施の形態に係る空気調和システムの変更例を説明するための図である。
図12】局所空調モードにおけるコントローラの空調制御の変更例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下では、図中の同一または相当部分について同一符号を付して、その説明は原則的に繰返さないものとする。
【0012】
<空調システムの構成>
最初に、図1を参照して、実施の形態に係る空気調和システムの構成例について説明する。本実施の形態に係る空気調和システム100は、オフィスビル等の建物200の玄関に通じる空間208(以下、「エントランスホール」とも称する)の空気を調和するための空気調和システムに適用することができる。
【0013】
図1は、エントランスホール208を天井から見た平面図である。
図1に示すように、建物200の玄関には、入館者が建物200内に出入りするための開閉ドア204と、入館者がエントランスホール208内に出入りするための開閉ドア206とが設けられている。開閉ドア204と開閉ドア206との間には、エントランスホール208への外気の流入や風の吹き付けを緩和するための風除室205が設けられている。
【0014】
エントランスホール208には、エントランスホール208と階上または階下との間を移動するためのエレベータ202が設置されている。建物200への入館者は、玄関から開閉ドア204および開閉ドア206を順に通ってエントランスホール208に入室する。そして、入館者は、エントランスホール208内をエレベータ202に向かって歩行し、エレベータ202を利用して目的の階に移動する。
【0015】
エントランスホール208は、入館者の一般的な歩行経路を想定して設定された第1の領域(以下、「領域I」とも称する)と、第1の領域(領域I)に離間して設けられた第2の領域(以下、「領域II」とも称する)と、第1の領域(領域I)と第2の領域(領域II)との間に設けられた第3の領域(以下、「領域III」とも称する)とを有している。図1の例では、領域Iは、開閉ドア206からエレベータ202までの入館者の歩行経路の大部分を含むように設定されている。領域IIは、領域Iと対向するように設けられている。
【0016】
空気調和システム100は、第1室内機10と、第2室内機20と、室外機30と、表示灯72,74と、表示部76,78と、撮影部40,42と、温度センサ60と、温湿度センサ62と、コントローラ80とを備える。
【0017】
第1室内機10は、領域I内の天井部分に設置されており、少なくとも領域Iの空気を調和するように構成される。第2室内機20は、領域IIの天井部分に設置されており、少なくとも領域IIの空気を調和するように構成される。第1室内機10と第2室内機20とは、吹出温度および吹出風量を互いに独立して制御可能に構成されている。なお、室内機10,20は、天井部分に限定されず、エントランスホール208の壁面に設置することができる。
【0018】
図2および図3を用いて、図1に示した第1室内機10および第2室内機20の構成例を説明する。図2は、エントランスホール208を天井から見た平面図である。図3は、図2に示されるIII-III線における断面図である。
【0019】
図3に示すように、第1室内機10および第2室内機20は、天井裏209に設置されている。天井裏209は、エントランスホール208に天井を設けることによって形成された空間である。
【0020】
図2に示すように、第1室内機10は、吸込ダクト11と、室内機本体13と、吹出ダクト14とを有する。吸込ダクト11には、エントランスホール208に向けて開口する吸込口12が形成されている。第1室内機10は、エントランスホール208の天井付近の空気を吸込口12から吸い込む(図3の矢印F0参照)。吸込口12から吸い込まれた空気は、吸込ダクト11を経由して室内機本体13に送られる。室内機本体13に送られた空気は、冷媒との熱交換によって冷却または加熱されて吹出ダクト14に送られる。吹出ダクト14には、領域Iに向けて線状に開口する吹出口15が形成されている。第1室内機10は、吹出口15から領域Iに向けて下向きに空気を吹き出す(図3の矢印F1参照)。
【0021】
図2に示すように、吹出口15は、長方形状を有しており、その長辺が入館者の歩行経路に沿って延びるように形成されている。これによると、領域I内を歩行する入館者に向けて空気を吹き出すことができるため、歩行中の入館者に直接的に空気を当てることができる。言い換えると、領域Iは、第1室内機10が吹出口15から吹き出す空気が直接的に届く範囲に対応している。吹出口15は「第1の吹出口」の一実施例に対応する。
【0022】
第2室内機20は、吸込ダクト21と、室内機本体23と、吹出ダクト24とを有する。吸込ダクト21には、エントランスホール208に向けて線状に開口する吸込口22が形成されている。第2室内機20は、エントランスホール208の天井付近の空気を吸込口22から吸い込む(図3の矢印F0参照)。吸込口22から吸い込まれた空気は、吸込ダクト21を経由して室内機本体23に送られる。室内機本体23に送られた空気は、冷媒との熱交換によって冷却または加熱されて吹出ダクト24に送られる。吹出ダクト24には、領域IIに向けて開口する吹出口25が形成されている。第2室内機10は、吹出口25から領域IIに向けて下向きに空気を吹き出す(図3の矢印F2参照)。
【0023】
図2に示すように、吹出口25は、長方形状を有しており、その長辺が第1室内機10の吹出口25に対し略平行に延びるように形成されている。これによると、領域II内を歩行する入館者に向けて空気を吹き出すことができるため、歩行中の入館者に直接的に空気を当てることができる。言い換えると、領域IIは、第2室内機20が吹出口25から吹き出す空気が直接的に届く範囲に対応している。吹出口25は「第2の吹出口」の一実施例に対応する。
【0024】
領域Iと領域IIとは互いに対向するように配置されており、領域Iと領域IIとの間に領域IIIが配置されている。領域IIIは、第1室内機10から空気が供給される領域Iと、第2室内機20から空気が供給される領域IIとによって挟まれた領域であり、室内機10,20のいずれからも直接的に空気が届かない領域となっている。すなわち、入館者が領域III内を歩行する場合、歩行中の入館者には直接的に空気が当たらない。
【0025】
上記構成によると、第1室内機10と第2室内機20との間で吹出温度を異ならせた場合において、エントランスホール208内に温度分布を形成することができる。図1の例では、第1室内機10により空調される領域Iと、第2室内機20により空調される領域IIと、領域Iと領域Iiとの間に、領域Iの空気と領域IIの空気とが混じり合った領域IIIを形成することができる。領域IIIの領域は、領域Iの温度と領域IIの温度との中間の温度となる。このようにエントランスホール208内に少なくとも3つの温度領域からなる温度分布が形成される。
【0026】
室外機30は、建物200の外部(例えば建物200の屋上)に設置される。第1室内機10、第2室内機20および室外機30の間には冷媒配管32が接続されている。第1室内機10および第2室内機20は、同一冷媒系統で運転される。第1室内機10、第2室内機20および室外機30は1つの空気調和機を構成する。
【0027】
空気調和システム100は、冷房運転時の空調モードとして、「通常空調モード」および「局所空調モード」を有している。通常空調モードでは、エントランスホール208全体の空気が均一な温度になるように、第1室内機10および第2室内機20の冷房運転が制御される。第1室内機10の吹出温度と第2室内機20の吹出温度とは、基本的に同じ温度に設定される。なお、通常空調モードでは、第1室内機10および第2室内機20のいずれか一方のみを運転することができる。
【0028】
これに対して、局所空調モードでは、エントランスホール208内の領域Iの温度が、領域IIの温度よりも低くなるように、第1室内機10および第2室内機20の冷房運転が制御される。第1室内機10の吹出温度は、第2室内機20の吹出温度よりも低くなるように設定される。また、局所空調モードにおける第1室内機10の吹出温度は、通常空調モードにおける第1室内機10の吹出温度以下となるように設定される。
【0029】
局所空調モードは、通常空調モードと比較して、空気調和機の設定温度が低くなる反面、空気調和機の消費電力が大きくなる。本実施の形態では、通常空調モードおよび局所空調モードを、エントランスホール208内における入館者の有無に応じて選択的に適用する。これにより、入館者の快適性を損なうことなく、省エネルギーを実現する。空調モードの切り替え処理については後述する。
【0030】
表示灯72,74は、エントランスホール208の床面210に設置されている。表示灯72は、領域I内に配置されている。表示灯74は、領域II内に配置されている。表示灯72,74の各々は、例えば、直線状に並べて配置された複数の発光素子(例えば、発光ダイオード)を有している。当該複数の発光素子は、入館者の歩行経路に沿って配置されており、点灯状態において歩行経路を表示するように構成されている。表示灯72は、入館者を領域Iに誘導するための誘導灯として機能する。表示灯74は、入館者を領域IIに誘導するための誘導灯として機能する。
【0031】
表示部76は、領域Iに対応して設置されている。表示部78は、領域IIに対応して設置されている。表示部76は、第1室内機10の吹出温度に関する情報を、領域Iの床面に表示するように構成されている。表示部78は、第2室内機20の吹出温度に関する情報を、領域IIの床面に表示するように構成されている。表示部76,78は、例えばプロジェクタであり、対応する室内機の吹出温度に関する情報を示す画像を、対応する床面に投影するように構成されている。
【0032】
温度センサ60は、エントランスホール208の室内温度を検出し、検出した室内温度を示す信号をコントローラ80に送信する。温湿度センサ62は、建物200の外気温度および湿度を検出し、検出した外気温度および湿度を示す信号をコントローラ80に送信する。
【0033】
撮影部40は、建物200の外部に設置されており、建物200の玄関付近を撮影する。撮影部40により撮影された画像はコントローラ80に送信される。撮影部42は、エントランスホール208内に設置される。撮影部42は、エントランスホール208内を撮影する。撮影部42により撮影された画像はコントローラ80に送信される。
【0034】
コントローラ80は、空気調和システム100全体を制御する。コントローラ80は、室内機10,20、室外機30、表示灯72,74、表示部76,78、撮影部40,42、温度センサ60および温湿度センサ62と通信接続されている。コントローラ80とこれら各部との通信接続は、無線通信で実現されてもよいし、有線通信で実現されてもよい。
【0035】
コントローラ80は、プロセッサ82と、メモリ84と、入出力インターフェイス(I/F)86と、通信I/F88とを有する。これらの各部は、図示しないバスを介して互いに通信可能に接続される。
【0036】
プロセッサ82は、典型的には、CPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)などの演算処理部である。プロセッサ82は、メモリ84に記憶されたプログラムを読み出して実行することで、空気調和システム100の各部の動作を制御する。具体的には、プロセッサ82は、当該プログラムを実行することによって、後述する空気調和システム100の処理の各々を実現する。なお、図1の例では、プロセッサが単数である構成を例示しているが、コントローラ80は複数のプロセッサを有する構成としてもよい。
【0037】
メモリ84は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびフラッシュメモリなどの不揮発性メモリによって実現される。メモリ84は、プロセッサ82によって実行されるプログラム、またはプロセッサ82によって用いられるデータなどを記憶する。
【0038】
入出力I/F86は、プロセッサ82と、室内機10,20、室外機30、表示灯72,74、表示部76,78、撮影部40,42、温度センサ60および温湿度センサ62との間で各種データを遣り取りするためのインターフェイスである。入出力I/F86は、図示しない操作部に接続される。操作部は、ユーザの指示を含む入力を受け付ける。操作部は、キーボードおよびマウスなどを含む。ユーザ入力は、通信I/F88を介して外部機器から受け付けることも可能である。
【0039】
通信I/F88は、コントローラ80と他の装置との間で各種データをやり取りするための通信インターフェイスであり、アダプタまたはコネクタなどによって実現される。なお、通信方式は、無線LAN(Local Area Network)などによる無線通信方式であってもよいし、USB(Universal Serial Bus)などを利用した有線通信方式であってもよい。
【0040】
<コントローラの機能構成>
図4は、コントローラ80の機能構成の一例を示す図である。図4中の各ブロックの機能は、コントローラ80が予め格納されたプログラムを実行するソフトウェア処理によって実現することができる。あるいは、専用の電子回路を用いたハードウェア処理によって各ブロックの一部または全部を実現することができる。
【0041】
図4に示すように、コントローラ80は、取得部110と、判定部120と、設定部130と、制御部140と、送信部150と、記憶部160と、操作部92とを有する。
【0042】
取得部110は、温度センサ60によって検出された室内温度を、入出力I/F86を介して取得する。取得部110は、温湿度センサ62によって検出された建物200の外気温度および湿度を、入出力I/F86を介して取得する。
【0043】
取得部110は、撮影部40により撮影された玄関付近の画像を示す画像データを、入出力I/F86を介して取得する。取得部110は、撮影部42により撮影されたエントランスホール208内の画像を示す画像データを、入出力I/F86を介して取得する。
【0044】
取得部110は、インターネット90を経由して、他の装置から建物200が存在する地域の温度および湿度に関する情報を取得する。他の装置は、例えば、気象庁などの気象情報提供者である。
【0045】
判定部120は、取得部110により取得された情報に基づいて、上述した通常空調モードおよび局所空調モードのいずれを適用するかを判定する。具体的には、判定部120は、撮影部40により撮影された玄関付近の画像データに基づいて、建物200への入館者を検知する。さらに、判定部120は、撮影部42により撮影されたエントランスホール208内の画像データに基づいて、当該入館者のエントランスホール208からの退室を検知する。判定部120は、これらの検知結果に基づいて、入館者が建物200内に入館してからエントランスホール208から退室するまでの期間において、局所空調モードを適用すると判定する。判定部120は、上記期間以外の期間において、通常空調モードを適用すると判定する。入館者が建物200内に入館してからエントランスホール208から退室するまでの期間は「第1の期間」に対応し、当該期間以外の期間は「第2の期間」に対応する。
【0046】
設定部130は、判定部120により判定された空調モードにおける、第1室内機10および第2室内機20の目標吹出温度および目標風量を設定する。以下では、各空調モードにおける目標吹出温度および目標風量の設定方法について説明する。
【0047】
(局所空調モードにおける目標吹出温度および目標風量の設定)
局所空調モードが適用される場合、設定部130は、温湿度センサ62によって検出された建物200の外気温度および湿度、建物200が存在する地域の温度および湿度に関する情報、および、撮影部40により撮影された玄関付近の画像データに基づいて、外部要因情報を取得する。取得された外部要因情報は、建物200への入館時に入館者が感じている暑さの度合いを示す指標として用いられる。
【0048】
外部要因情報には、外気温度および湿度ならびに地域の温度および湿度に関する情報とともに、入館者の体感温度および日射強度に関する推測情報が含まれる。設定部130は、撮影部40により撮影された画像データに基づいて、入館者の体感温度および日射強度を推測する。
【0049】
具体的には、設定部130は、撮影部40による撮影画像に含まれる入館者の画像から、入館者の服装の色および入館者の体格を検出し、その検出結果に基づいて入館者の体感温度を推測する。例えば、入館者の服装の色が黒色などの熱を吸収しやすい色である場合には、入館者の体感温度が高いと推測される。反対に、服装の色が白色などの熱を吸収しにくい色である場合には、入館者の体感温度が低いと推測される。また、撮影画像に占める入館者の画像の面積の比率が大きい場合、入館者の体格が大きいため、体感温度が高いと推測される。一方、撮影画像に占める入館者の画像の面積の比率が小さい場合には、入館者の体格が小さいため体感温度が低いと推測される。
【0050】
また、設定部130は、撮影部40による撮影画像に基づいて、建物200の外部の日射強度を推測する。具体的には、設定部130は、入館者の周囲の画像の明度および/または彩度に基づいて、日射強度を推測する。画像の明度および/または彩度が高くなるほど、日射強度が強いと推測される。
【0051】
外部要因情報には、これらの情報以外に、入館者が最寄りの駅などから建物200に到着するまでに歩行する時間を示す情報を含めることができる。歩行時間が長くなるに従い、入館者の体温が上昇して暑さを感じ易くなることを考慮したものである。なお、歩行時間は、建物200周辺の地図情報などから予め取得し、操作部92を用いて記憶部160に格納しておくことができる。
【0052】
設定部130はさらに、記憶部160に予め格納されている空調負荷情報を取得する。空調負荷情報とは、エントランスホール208内の空調負荷に関する情報である。空調負荷情報には、エントランスホール208内で発生する熱負荷(室内負荷)に関する情報と、エントランスホール208の壁面などから侵入する熱負荷(外皮負荷)に関する情報と、エントランスホール208内に導入される空気(外気)による熱負荷(外気負荷)に関する情報とが含まれる。
【0053】
室内負荷には、エントランスホール208内に設置された照明などの機器による熱負荷が含まれる。外皮負荷には、日射や隙間風による熱負荷が含まれる。外気負荷には、開閉ドア206の開放時に風除室205から導入される外気による熱負荷が含まれる。なお、空調負荷情報は、建物200、エントランスホール208および開閉ドア206の構造などに基づいて予め算出して、記憶部160に格納しておくことができる。
【0054】
設定部130は、温度センサ60により検出される室内温度が予め定められた設定温度Tr*に一致するように、取得された空調負荷情報および外部要因情報に基づいて、室内機10,20の目標吹出温度および目標風量を設定する。
【0055】
具体的には、設定部130は、最初に、取得された空調負荷情報および外部要因情報に基づいて、局所空調モードにおけるエントランスホール208内の空調負荷を算出する。ここでは、設定部130は、外部要因情報に含まれる外気温度および湿度、地域の温度および湿度、入館者の体感温度、日射強度および歩行時間などに基づいて、エントランスホール208内に入室した入館者が発生する熱負荷を算出する。設定部130は、空調負荷情報が示すエントランスホール208内の空調負荷を、外部要因情報から算出される入館者が発生する熱負荷を用いて補正することにより、局所空調モードにおける空調負荷を算出する。局所空調モードにおける空調負荷は、エントランスホール208内の空調負荷に対して、入館者が発生する熱負荷相当分を加算したものとなる。
【0056】
次に、設定部130は、設定温度Tr*と温度センサ60によって検出された室内温度との温度差と、算出された局所空調モードにおける空調負荷とに基づいて、室内機10,20に要求される冷房能力を求める。設定温度Tr*に対して室内温度が高い場合、空調負荷に対して冷房能力が不足していることを示すため、設定部130は、冷房能力を増加させる必要があると判断する。冷房能力の変更量は、空調負荷と現在の冷房能力との差分によって求められる。設定部130は、要求される冷房能力に基づいて、室内機10,20の目標吹出温度および目標風量を設定する。
【0057】
次に、設定部130は、設定した目標吹出温度および目標風量を、第2室内機20の目標吹出温度および目標風量に設定する。さらに、設定部130は、設定した目標吹出温度よりも所定温度(以下、A℃とする)だけ低い温度を、第1室内機10の目標吹出温度に設定する。A℃は、例えば5℃である。すなわち、第1室内機10の目標吹出温度は、第2室内機20の目標吹出温度よりもA℃低くなるように設定される。
【0058】
なお、本実施の形態では、第1室内機10の目標風量を第2室内機20の目標風量と同量とするが、第1室内機10の目標風量を第2室内機20の目標風量よりも多くなるように設定してもよい。
【0059】
(通常空調モードにおける目標吹出温度および目標風量の設定)
通常空調モードが適用される場合には、設定部130は、設定温度Tr*を、局所空調モードにおける設定温度Tr*よりも高い温度に設定する。ただし、通常空調モードから局所空調モードへ遷移されると、第1室内機10は、通常空調モードにおける設定温度Tr*に調整された空気を吸込口12から吸い込み、吸い込んだ空気を目標吹出温度に調整して吹出口15から吹き出す必要がある。第1室内機10が、吸い込んだ空気を予め定められた所定時間内に、目標吹出温度に調整することができるように、通常空調モードにおける設定温度Tr*は、局所空調モードにおける第1室内機10の目標吹出温度との温度差が所定温度範囲内となるように設定される。
【0060】
次に、設定部130は、温度センサ60により検出される室内温度が設定温度Tr*に一致するように、取得された空調負荷情報に基づいて、室内機10,20の目標吹出温度および目標風量を設定する。
【0061】
具体的には、設定部130は、取得された空調負荷情報に基づいて、通常空調モードにおけるエントランスホール208内の空調負荷を算出する。なお、通常空調モードでは、上述した局所空調モードとは異なり、エントランスホール208内に入館者が不在のため、エントランスホール208内の空調負荷の算出に、入館者に関する外部要因情報を用いない。
【0062】
次に、設定部130は、設定温度Tr*と温度センサ60によって検出された室内温度との温度差と、算出された通常空調モードにおける空調負荷とに基づいて、室内機10,20に要求される冷房能力を求める。そして、設定部130は、要求される冷房能力に基づいて、室内機10,20の目標吹出温度および目標風量を設定する。
【0063】
通常空調モードにおいては、第1室内機10の目標吹出温度および目標風量と、第2室内機20の目標吹出温度および目標風量とは基本的に同じに設定される。なお、通常空調モードにおいては、室内機10,20のいずれか一方のみを運転する構成としてもよい。
【0064】
制御部140は、各空調モードにおいて、室内機10,20の各々の吹出温度および吹出風量が目標吹出温度および目標風量にそれぞれ一致するように、室内機10,20および室外機30の運転を制御するための制御信号を生成する。制御部140は、生成した制御信号を、送信部150を介して室外機30および室内機10,20に送信する。
【0065】
また、制御部140は、局所空調モードが適用されているときには、表示装置70を駆動するための駆動指令を生成する。表示装置70は、表示灯72,74および表示部76,78を含む。一方、通常空調モードが適用されているときには、制御部140は、表示装置70の運転を停止するための停止指令を生成する。表示灯72,74および表示部76,78は、駆動状態においてコントローラ80から停止指令を受信すると、運転を停止する。
【0066】
<空気調和システムの動作>
(空調モードの切り替え処理)
図5は、コントローラ80による空気調和システム100の空調モードの切り替え処理を説明するためのフローチャートである。図5に示すフローチャートによる切り替え処理は、空気調和システム100の冷房運転時において、コントローラ80により一定の制御周期毎に実行することができる。
【0067】
図5に示すように、ステップS01において、コントローラ80は、建物200への入館者が検知されたか否かを判定する。ステップS01の判定は、撮影部40により撮影された玄関付近の画像データに基づいて行うことができる。
【0068】
建物200への入館者が検知された場合(S01のYES判定時)、コントローラ80は、ステップS02により、局所空調モードを実行する。局所空調モードの実行中、コントローラ80は、ステップS03により、エントランスホール208から入館者が退室したか否かを判定する。ステップS03の判定は、撮影部42により撮影されたエントランスホール208内の画像データに基づいて行うことができる。
【0069】
エントランスホール208からの退室が検知されない場合(S03のNO判定時)、コントローラ80は、ステップS02に戻り、局所空調モードを継続する。一方、エントランスホール208から入館者が退室したことが検知された場合(S03のYES判定時)には、コントローラ80は、局所空調モードの実行を終了し、ステップS05により、通常空調モードへの遷移を実行する。
【0070】
以上のように、冷房運転時には、建物200への入館者が検知されてから当該入館者がエントランスホール208から退室するまでの期間において、局所空調モードが適用される。一方で、エントランスホール208内に入館者が不在である期間において、通常空調モードが適用される。
【0071】
(通常空調モードにおける空気調和システムの動作)
次に、図1を参照して、通常空調モードにおける空気調和システム100の動作について説明する。通常空調モードは、エントランスホール208内に入館者が不在である期間に適用することができる。
【0072】
第1室内機10は、吸込口12からエントランスホール208内の空気を吸い込み(図3の矢印F0参照)、吸込ダクト11、室内機本体13および吹出ダクト14を通過させて吹出口15から領域Iへ送風する(図3の矢印F1参照)。第1室内機10は、吹出口15から吹き出される空気が、コントローラ80により設定された目標吹出温度および目標風量となるように空調制御を行う。
【0073】
第2室内機20は、吸込口22からエントランスホール208内の空気を吸い込み(図3の矢印F0参照)、吸込ダクト21、室内機本体23および吹出ダクト24を通過させて吹出口25から領域IIへ送風する(図3の矢印F2参照)。第2室内機20は、吹出口25から吹き出される空気が、コントローラ80により設定された目標吹出温度および目標風量となるように空調制御を行う。
【0074】
通常空調モードにおいては、第1室内機10の目標吹出温度と第2室内機20の目標吹出温度とは基本的に同じ温度に設定される。また、第1室内機10の目標風量と第2室内機20の目標風量とは基本的に同じ風量に設定される。すなわち、通常空調モードにおいては、エントランスホール208全体の空気が均一な温度になるように室内機10,20を運転する。そのため、領域Iと領域IIとの間に基本的に温度差が生じない。
【0075】
通常空調モードにおいては、表示灯72,74は消灯状態に制御される。表示部76,78は停止状態に制御される。なお、通常空調モードにおいては、室内機10,20のいずれか一方のみを運転する構成としてもよい。
【0076】
(局所空調モードにおける空気調和システムの動作)
次に、図6を参照して、局所空調モードにおける空気調和システム100の動作について説明する。図6に示すように、局所空調モードは、建物200内に入館者Mが入館してから入館者Mがエントランスホール208から退室するまでの期間に適用することができる。
【0077】
開閉ドア206を通過してエントランスホール208内に入室した入館者Mは、通常、エレベータ202を利用するために、エレベータ202に向かって歩行する。上述したように、領域Iは、入館者Mの一般的な歩行経路を想定して設定されている。
【0078】
第1室内機10は、吸込口12からエントランスホール208内の空気を吸い込み(図3の矢印F0参照)、吸込ダクト11、室内機本体13および吹出ダクト14を通過させて吹出口15から領域Iへ送風する(図3の矢印F1参照)第1室内機10は、吹出口15から吹き出される空気が、コントローラ80から指示された目標吹出温度および目標風量となるように空調制御を行う。
【0079】
第2室内機20は、吸込口22からエントランスホール208内の空気を吸い込み(図3の矢印F0参照)、吸込ダクト21、室内機本体23および吹出ダクト24を通過させて吹出口25から領域IIへ送風する(図3の矢印F2参照)。第2室内機20は、吹出口25から吹き出される空気が、コントローラ80から指示された目標吹出温度および目標風量となるように空調制御を行う。
【0080】
局所空調モードにおいては、第1室内機10の目標吹出温度は、第2室内機20の目標吹出温度よりも低い温度に設定される。第1室内機10の目標風量は、第2室内機20の目標風量以上に設定される。
【0081】
図7は、通常空調モードおよび局所空調モードにおける空気調和システム100の動作例を示す波形図である。図7には、室内機10,20の吹出温度の波形と、エントランスホール208の室内温度の波形とが模式的に示されている。Tr*はエントランスホール208の設定温度である。Tb1*は第1室内機10の目標吹出温度であり、Tb2*は第2室内機20の目標吹出温度である。
【0082】
図7に示すように、時刻t0にて通常空調モードが適用されているものとする。通常空調モードにおいては、第1室内機10の目標吹出温度Tb1*と、第2室内機20の目標吹出温度Tb2*とは同じ温度に設定される。そのため、第1室内機10の吹出温度と第2室内機20の吹出温度とはほぼ一致している。第1室内機10および第2室内機20の運転により、エントランスホール208の室内温度は、予め定められた設定温度Tr*に制御されている。
【0083】
時刻t1にて建物200への入館が検知された場合、空気調和システム100は、通常空調モードから局所空調モードに遷移する。局所空調モードの実行が開始されると、設定温度Tr*は、通常空調モードの設定温度Tr*よりも低い温度に変更される。
【0084】
第1室内機10の目標吹出温度Tb1*および第2室内機20の目標吹出温度Tb2*は、通常空調モードにおける目標吹出温度Tb1*よりも低い温度に変更される。第2室内機20の目標吹出温度Tb2*は、時刻t1における室内温度が局所空調モードにおける設定温度Tr*に一致するように、取得された空調負荷情報および外部要因情報に基づいて算出される。
【0085】
第1室内機10の目標吹出温度Tb1*は、第2室内機20の目標吹出温度Tb2*よりも低い温度に設定される。図5では、第1室内機10の目標吹出温度Tb1*と第2室内機20の目標吹出温度Tb2*との温度差をA℃としている。A℃は、例えば5℃程度に設定されている。
【0086】
室内機10,20の各々の吹出温度は、時刻t1以降、目標吹出温度Tb1*,Tb2*に向かってそれぞれ低下する。第1室内機10の吹出温度は、時刻t2にて目標吹出温度Tb1*に到達する。第2室内機20の吹出温度は、時刻t2よりも早い時刻にて目標吹出温度Tb2*に到達する。
【0087】
第1室内機10の吹出温度の低下に伴い、領域Iの温度が低下する。第2室内機20の吹出温度の低下に伴い、領域IIの温度が低下する。ただし、第1室内機10の吹出温度が第2室内機20の吹出温度よりも低いため、領域Iの温度は、領域IIの温度よりも短時間で設定温度Tr*に到達する。
【0088】
なお、局所空調モードでは、エントランスホール208内の室内温度の制御よりも、第1室内機10の吹出温度および第2室内機20の吹出温度の制御を優先的に実行する。これは、入館者がエントランスホール208内を移動する短時間(第1の期間)の間に、室内温度を下げることが難しいため、入館者に向けて冷気を局所的に吹き出すことで、入館者の体感温度を効率的に下げることを図ったものである。そのため、局所空調モード時には、エントランスホール208内の室内温度を必ずしもを設定温度Tr*に到達させる必要はなく、室内温度は成り行きでよい。
【0089】
上述した吹出温度の違いにより、局所空調モードの開始後において、領域Iの温度が領域IIの温度よりも低くなる期間が生じる。さらに、エントランスホール208内には、図8に示すような温度分布が形成される。図8は、局所空調モード時にエントランスホール208内に形成される温度分布を模式的に示す図である。図8は、局所空調モードが適用されているときのエントランスホール208を天井から見た平面図である。
【0090】
図8に示すように、領域Iと領域IIとの間には領域IIIが位置している。領域IIIは、領域Iの温度と領域IIの温度との中間の温度となる。すなわち、領域Iが最も温度が低く、領域III、領域IIの順に温度が高くなる。このようにエントランスホール208内に温度分布が形成されることにより、開閉ドア206からエントランスホール208内に入室した入館者は、領域I、領域IIIおよび領域IIのいずれかを選択して歩行することができる。入館者が領域Iを歩行する場合には、領域II,IIIを歩行する場合に比べて、温度が低いため、入館者の体感温度をより速く下げることができる。なお、図3に示したように、第1室内機10の吹出口15は領域Iに向けて開口しているため、領域I内を歩行する入館者に向けて直接的に空気を吹き付けることができる。よって、入館者の体感温度を急速に下げることができる。
【0091】
なお、局所空調モードにおいては、図8に示すように、エントランスホール208の床面に設置された直線状の表示灯72,74が点灯される。表示灯72は、点灯状態において歩行経路を表示するため、入館者を領域Iに誘導するための誘導灯として機能する。表示灯74は、点灯状態において歩行経路を表示するため、入館者を領域Iに誘導するための誘導灯として機能する。表示灯72は「第1の表示灯」の一実施例に対応し、表示灯74は「第2の表示灯」の一実施例に対応する。
【0092】
さらに、表示部76により、領域Iの床面に、第1室内機10の吹出温度に関する情報760が表示される。このように第1室内機10の吹出温度を表示することにより、表示灯72とともに、領域Iに入館者を誘導することができる。表示部76は「第1の表示部」の一実施例に対応する。表示灯72および表示部76は「第1の表示装置」を構成する。表示部78により、領域IIの床面に、第2室内機20の吹出温度に関する情報780が表示される。このように第2室内機20の吹出温度を表示することにより、表示灯74とともに、領域IIに入館者を誘導することができる。表示部78は「第2の表示部」の一実施例に対応する。表示灯74および表示部78は「第2の表示装置」を構成する。
【0093】
表示灯72,74および表示部76,78は、反対に、急速に体感温度を下げることを望まない入館者に対しては、室内機10,20が吹き出す空気が直接的に当たらない領域III内を歩行するという選択肢を与えることができる。このように、入館者は、体感温度に応じて歩行経路を選択することができる。
【0094】
(局所空調モードでの空調制御)
図9は、局所空調モードにおけるコントローラ80の空調制御を説明するためのフローチャートである。図9に示すフローチャートによる制御処理は、図5のステップS02における局所空調モードの適用中に、コントローラ80により実行することができる。
【0095】
図9を参照して、コントローラ80は、ステップS20により、温度センサ60によって検出されたエントランスホール208の室内温度を示す情報を取得する。
【0096】
また、コントローラ80は、ステップS21により、エントランスホール208内の空調負荷に関する情報である空調負荷情報を取得する。空調負荷情報は、予め算出されたものがメモリ84に格納されている。
【0097】
さらに、コントローラ80は、ステップS22により、温湿度センサ62によって検出された建物200の外気温度および湿度、建物200が存在する地域の温度および湿度に関する情報、および、撮影部40により撮影された玄関付近の画像データに基づいて、外部要因情報を取得する。ステップS22では、コントローラ80は、撮影部40により撮影された画像データに基づいて、入館者の体感温度および建物200の外部の日射強度を推測する。
【0098】
さらに、コントローラ80は、ステップS23により、局所空調モードにおけるエントランスホール208の設定温度Tr*を取得する。局所空調モードにおける設定温度Tr*は、予め設定されたものがメモリ84に格納されている。
【0099】
コントローラ80は、ステップS24により、ステップS20~S23により取得された情報に基づいて、第2室内機20の目標吹出温度Tb2*および目標風量を設定する。ステップS24では、コントローラ80は、取得された空調負荷情報および外部要因情報(外気温度および湿度、地域の温度および湿度、入館者の体感温度および日射強度など)に基づいて、局所空調モードにおけるエントランスホール208内の空調負荷を算出する。そして、コントローラ80は、設定温度Tr*と温度センサ60によって検出された室内温度との温度差と、算出された局所空調モードにおける空調負荷とに基づいて、第2室内機20の目標吹出温度Tb2*および目標風量を設定する。
【0100】
コントローラ80は、ステップS25により、設定した目標吹出温度Tb2*よりも所定温度(A℃)だけ低い温度を、第1室内機10の目標吹出温度Tb1*に設定する。さらに、コントローラ80は、第1室内機10の目標風量を、第2室内機20の目標風量と同量またはそれ以上に設定する。
【0101】
コントローラ80は、ステップS26により、室内機10,20の各々の吹出温度および吹出風量が目標吹出温度Tb1*,Tb2*および目標風量にそれぞれ一致するように、室内機10,20および室外機30の運転を制御するための制御信号を生成する。コントローラ80は、生成した制御信号を室外機30および室内機10,20に送信する。
【0102】
コントローラ80は、ステップS27により、表示灯72,74を点灯するための駆動指令を生成し、生成した駆動指令を表示灯72,74へ送信する。表示灯72,74は、コントローラ80からの駆動指令に応答して点灯する。
【0103】
コントローラ80は、ステップS28により、表示部76,78を駆動するための駆動指令を生成し、生成した駆動指令を表示部76,78へ送信する。表示部76,78は、コントローラ80からの駆動指令に応答して駆動する。
【0104】
(通常空調モードでの空調制御)
図10は、通常空調モードにおけるコントローラ80の空調制御を説明するためのフローチャートである。図10に示すフローチャートによる制御処理は、図5のステップS05における通常空調モードの適用中に、コントローラ80により実行することができる。
【0105】
図10を参照して、コントローラ80は、ステップS50により、温度センサ60によって検出されたエントランスホール208の室内温度を示す情報を取得する。
【0106】
コントローラ80は、ステップS51により、エントランスホール208内の空調負荷に関する情報である空調負荷情報を取得する。空調負荷情報は、予め算出されたものがメモリ84に格納されている。
【0107】
コントローラ80は、ステップS52により、通常空調モードにおける設定温度Tr*を設定する。ステップS51では、コントローラ80は、設定温度Tr*を、局所空調モードにおける第1室内機10の目標吹出温度Tb1*よりも高い温度に設定する。通常空調モードにおける設定温度Tr*は、図4に示した時刻t1から時刻t2までの時間Δt内に、第1室内機10の吹出温度を目標吹出温度Tb1*に低下させることができるように、局所空調モードにおける目標吹出温度Tb1*との温度差が所定温度範囲内となるように設定される。
【0108】
コントローラ80は、ステップS53により、ステップS50,S51により取得された情報に基づいて、室内機10,20の目標吹出温度および目標風量を設定する。コントローラ80は、ステップS52で設定された設定温度Tr*と温度センサ60によって検出された室内温度との温度差と、取得された空調負荷情報とに基づいて、室内機10,20の目標吹出温度Tb1*,Tb2*および目標風量を設定する。なお、第1室内機10の目標吹出温度Tb1*と第2室内機20の目標吹出温度Tb2*とは基本的に同じ温度に設定される。また、第1室内機10の目標風量と第2室内機20の目標風量とは基本的に同じ風量に設定される。
【0109】
コントローラ80は、ステップS54により、室内機10,20の各々の吹出温度および吹出風量が目標吹出温度Tb1*,Tb2*および目標風量にそれぞれ一致するように、室内機10,20および室外機30の運転を制御するための制御信号を生成する。コントローラ80は、生成した制御信号を室外機30および室内機10,20に送信する。
【0110】
コントローラ80は、ステップS55により、表示灯72,74を消灯するための停止指令を生成し、生成した停止指令を表示灯72,74に送信する。表示灯72,74は、コントローラ80からの停止指令に応答して消灯する。
【0111】
コントローラ80は、ステップS56により、表示部76,78を停止するための停止指令を生成し、生成した停止指令を表示部76,78に送信する。表示部76,78は、コントローラ80からの停止指令に応答して停止する。
【0112】
以上説明したように、本実施の形態に係る空気調和システム100によれば、入館者が建物200に入館してからエントランスホール208から退室するまでの期間(第1の期間)において、局所空調モードが適用される。局所空調モードにおいては、入館者の歩行経路を想定して設定された領域I(第1の領域)に空気を吹き出す第1室内機10の吹出温度が、領域Iに対向するように設けられた領域II(第2の領域)に空気を吹き出す第2室内機20の吹出温度よりも低くなるように空調制御が実行される。これによると、領域I内を歩行する入館者の体感温度を速く下げることができる。また、第1室内機10の吹出口15は領域Iに向けて開口しているため、領域I内を歩行する入館者に向けて直接的に空気を吹き付けることができる。よって、入館者の体感温度を急速に冷やすことができる。これにより、入館者がエレベータを利用して目的の部屋に入室したときに、部屋の空気調和機の設定温度を下げることを抑制することができる。そのため、当該部屋の空気調和機の消費電力の増加を抑制するとともに、当該部屋の在室者の快適性が低下することを抑制することができる。
【0113】
なお、領域IIに対する空気の吹出温度は、領域Iに対する空気の吹出温度よりも高いため、開閉ドア206からエントランスホール208内に入室した入館者は、体感温度に応じて領域IIを選択して歩行することができる。さらに、領域Iと領域IIとの間には、領域Iと領域IIとの中間の温度であって、室内機10,20から直接的に空気が吹き付けられない領域IIIが形成されるため、入館者は領域IIIを選択して歩行することもできる。
【0114】
さらに、局所空調モードによれば、迅速に入館者の体感温度を下げることができるため、エントランスホール208内に入館者が不在となる期間(第2の期間)に実行される通常空調モードにおける設定温度Tr*を、局所空調モードにおける設定温度Tr*よりも高い温度に設定することができる。したがって、空気調和システム100の省エネルギーを実現することができる。
【0115】
さらに、コントローラ80は、外部要因情報に基づいて、体感温度を下げたいという入館者の要求がないと予測される場合には、局所空調モードにおける設定温度Tr*を予め定められている温度よりも高い温度に変更することができる。これによると、局所食う量モード時の消費電力を低減できるため、さらなる省エネルギーを実現することができる。
【0116】
(変更例)
上述した実施の形態に係る空気調和システム100においては、局所空調モードにおける室内機10,20の目標吹出温度を、予め定められた設定温度Tr*と室内温度との温度差に応じて設定する構成について説明したが、入館者の嗜好を予め登録しておくことにより、入館者に応じて室内機10,20の吹出温度を変更する構成とすることができる。
【0117】
具体的には、図11(A)に示すテーブルは、入館者ごとに、局所空調モードにおける室内機10,20の目標吹出温度Tb1*,Tb2*および、エントランスホール208内の歩行経路に関するログを記録したものである。
【0118】
なお、同テーブルにおいて、入館者の識別は、例えば、建物200の玄関に設置されたカードリーダにおいて、入館者が保持するカードから読み取った識別情報(例えば、入館者ID)に基づいて行うことができる。あるいは、撮影部40により撮影された画像データを用いて入館者の顔認証を行うことにより、入館者を識別することができる。
【0119】
また、同テーブルにおいて、エントランスホール208内の歩行経路は、入館者ごとに、撮影部42により撮影された画像データに基づいて特定することができる。
【0120】
図11(A)の例では、入館者IDと、室内機10,20の目標吹出温度Tb1*,Tb2*および歩行経路とが紐付けられて記録されている。これによると、Tb1*=T1-A℃かつTb1*=T1℃のとき、入館者IDが「ID1」である入館者(以下、入館者M1とする)は領域Iを歩行しているのに対して、入館者IDが「ID2」である入館者(以下、入館者M2とする)は領域IIを歩行していることが分かる。
【0121】
上記のような場合、入館者M1にとっては、T1-A℃は快適な吹出温度であると推測することができる。一方で、入館者M2にとっては、T1-A℃は快適な吹出温度よりも低い温度であると推測することができる。この場合、入館者M2に対しては、第1室内機10の目標吹出温度Tb1*をT1-A℃よりも高くすれば、快適性を改善できると判断される。なお、目標吹出温度Tb1*をT1-A℃より高くすることにより、入館者M2の快適性を損なわずに、第1室内機10の消費電力を抑えることができる。
【0122】
さらに図11の例では、Tb1*=T1-A℃かつTb2*=T1℃のとき、入館者IDが「ID3」である入館者(以下、入館者M3とする)は領域IIIを歩行している。よって、入館者M3に対しては、入館者M2よりも、第1室内機10の目標吹出温度Tb1*をさらに高くすることにより、快適性を改善できると判断される。
【0123】
このように入館者ごとに、室内機10,20の目標吹出温度Tb1*,Tb2*および歩行経路を特定することにより、各入館者の嗜好を判断することができる。そして、判断された嗜好に応じて、入館者ごとに室内機10,20の目標吹出温度Tb1*,Tb2*を変更する構成とすることにより、入館者の快適性を保ちつつ、省エネルギーを実現することができる。
【0124】
図11(B)は、図11(A)のテーブルに基づいて、入館者ごとに、局所空調モードにおける室内機10,20の目標吹出温度Tb1*,Tb2*を設定したものである。図11(B)では、入館者M2(入館者ID=ID2)に対して、第1室内機10の目標吹出温度Tb1*は、T1-A℃よりも高いT1-B℃に設定されている(B<A)。また、入館者M3(入館者ID=ID3)に対しては、第1室内機10の目標吹出温度Tb1*は、T1-B℃よりもさらに高いT1-C℃に設定されている(C<B<A)。
【0125】
なお、図11(A)に示すログは、コントローラ80のメモリ84に格納されて適宜更新される。そして、ログの更新に伴い、図11(B)に示すテーブルも適宜更新される。
【0126】
図12は、局所空調モードにおけるコントローラ80の空調制御の変更例を説明するためのフローチャートである。図10に示すフローチャートは、図9に示すフローチャートにステップS22A,S29の処理を追加したものである。図12に示すフローチャートによる制御処理は、図5のステップS02における局所空調モードの適用中に、コントローラ80により実行することができる。
【0127】
図12に示すように、コントローラ80は、図9と同じステップS20~S22により、エントランスホール208の室内温度を示す情報、空調負荷情報および外部要因情報を取得すると、ステップS22Aにより、入館者識別情報が取得されたか否かを判定する。カードリーダまたは撮影部40による画像データから、入館者の識別情報(入館者IDなど)を取得することができた場合、ステップS22AはYES判定とされる。一方、入館者が訪問客などであり、入館者の識別情報が予め登録されていない場合、ステップS22AはNO判定とされる。
【0128】
入館者識別情報が取得されない場合(S22AのNO判定時)には、コントローラ80は、図9と同じステップS23~S25の処理を実行する。一方、入館者識別情報が取得された場合(S22AのYES判定時)には、コントローラ80は、ステップS29に進み、図11(B)に示したテーブルを参照することにより、入館者識別情報に基づいて、室内機10,20の目標吹出温度Tb1*,Tb2*および目標風量を設定する。
【0129】
コントローラ80は、ステップS26により、室内機10,20の各々の吹出温度および吹出風量が目標吹出温度Tb1*,Tb2*および目標風量にそれぞれ一致するように、室内機10,20および室外機30の運転を制御するための制御信号を生成する。コントローラ80は、生成した制御信号を室外機30および室内機10,20に送信する。
【0130】
コントローラ80は、ステップS27により、表示灯72,74を点灯するための駆動指令を生成し、生成した駆動指令を表示灯72,74へ送信する。表示灯72,74は、コントローラ80からの駆動指令に応答して点灯する。
【0131】
コントローラ80は、ステップS28により、表示部76,78を駆動するための駆動指令を生成し、生成した駆動指令を表示部76,78へ送信する。表示部76,78は、コントローラ80からの駆動指令に応答して駆動する。
【0132】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0133】
10 第1室内機、11,21 吸込ダクト、12,22 吸い込み口、13,23 室内機本体、14,24 吹出ダクト、15,25 吹出口、20 第2室内機、30 室外機、32 冷媒、40,42 撮影部、60 温度センサ、62 温湿度センサ、70 表示装置、72,74 表示灯、76,78 表示部、80 コントローラ、82 プロセッサ、84 メモリ、86 入出力I/F、88 通信I/F、90 インターネット、92 操作部、100 空気調和システム、110 取得部、120 判定部、130 設定部、140 制御部、150 送信部、160 記憶部、200 建物、204,206 開閉ドア、205 風除室、208 エントランスホール、M 入館者。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12