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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-08
(45)【発行日】2024-08-19
(54)【発明の名称】イソインドール誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07D 209/48 20060101AFI20240809BHJP
   A61K 9/06 20060101ALI20240809BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20240809BHJP
   A61K 9/12 20060101ALI20240809BHJP
   A61K 9/16 20060101ALI20240809BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20240809BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20240809BHJP
   A61K 9/70 20060101ALI20240809BHJP
   A61K 31/4035 20060101ALI20240809BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20240809BHJP
   A61P 11/02 20060101ALI20240809BHJP
   A61P 11/06 20060101ALI20240809BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20240809BHJP
   A61P 17/06 20060101ALI20240809BHJP
   A61P 31/08 20060101ALI20240809BHJP
   A61P 33/00 20060101ALI20240809BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20240809BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240809BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20240809BHJP
【FI】
C07D209/48 CSP
A61K9/06
A61K9/08
A61K9/12
A61K9/16
A61K9/20
A61K9/48
A61K9/70 401
A61K31/4035
A61P11/00
A61P11/02
A61P11/06
A61P17/00
A61P17/06
A61P31/08
A61P33/00
A61P37/08
A61P43/00 111
C07B61/00 300
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2021506028
(86)(22)【出願日】2019-04-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-30
(86)【国際出願番号】 CN2019082943
(87)【国際公開番号】W WO2019201255
(87)【国際公開日】2019-10-24
【審査請求日】2022-01-26
(31)【優先権主張番号】201810341153.0
(32)【優先日】2018-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】520407596
【氏名又は名称】天津合美医▲薬▼科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】TIANJIN HEMAY PHARMACEUTICAL CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】張和▲勝▼
【審査官】高橋 直子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05605914(US,A)
【文献】米国特許第06214857(US,B1)
【文献】特表2006-515310(JP,A)
【文献】REGISTRY(STN)[online],検索日2023年2月22日:2015.5.15 RN:1705492-81-4,2001.06.21 RN:342777-65-5
【文献】Org. Lett.,2015年,17,4476-4478
【文献】Bioorg. Med. Chem. Lett.,2006年,16,6073-6077
【文献】Chinese Journal of Organic Chemistry,2007年,Vol.27,No.9,1110-1115
【文献】Bioorg. Med. Chem. ,2006年,14,6874-6885
【文献】Bioorg. Med. Chem. Lett.,1998年,8(19),2669-2674
【文献】J. Med. Chem.,1996年,39,3238-3240
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 209/48
A61K 9/20
A61K 9/08
A61K 9/16
A61K 9/06
A61K 9/48
A61K 9/12
A61K 9/70
A61P 17/00
A61P 17/06
A61P 37/08
A61P 11/06
A61P 11/00
A61P 11/02
A61P 31/08
A61P 33/00
A61P 43/00
A61K 31/4035
C07B 61/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(II)の化合物、式(II)の化合物の立体異性体、またはそれらの薬学的に許容される塩であって、
【化1】
式中、
は、アセトアミドであり;
は、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、およびプロポキシカルボニルからなる群から選択され;
は、メトキシおよびエトキシからなる群から選択され;
は、メトキシおよびエトキシからなる群から選択され;
Xは、-CR -であり;
は、水素であり;
は、水素であり;および
nは、1である、
式(II)の化合物、式(II)の化合物の立体異性体、またはそれらの薬学的に許容される塩。
【請求項2】
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3,4-ジメトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3,4-ジエトキシフェニル)プロピオネート;
エチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル(R)-3-(4-アミノ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル(S)-3-(4-アミノ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル(R)-3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル(S)-3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
プロピル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
イソプロピル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
ブチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-(2-クロロアセトアミノ)-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-(2-(ジメチルアミノ)アセトアミド)-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-(ジメチルアミノ)-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-(2-(ヒドロキシアセトアミド)-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-イソプロポキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-フルオロ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-シクロペンチルオキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-メチル-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(5-フルオロ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4,7-ジクロロ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-(N-メチルアセトアミド)-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(5-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-(ベンジルオキシ)-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-(N-メチル-tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-(メチルアミノ)-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-プロポキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-プロポキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-ヒドロキシ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトキシ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アミノ-7-ヒドロキシ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アミノ-5-ヒドロキシ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-(ベンジルオキシ)フェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-メトキシ-4-(ベンジルオキシ)フェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-フェニルプロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-クロロフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(4-エトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(4-クロロフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-(tert-ブチルオキシカルボニルアミノ)-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-イソプロポキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(4-ジフルオロメトキシ)-3-エトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-(ジフルオロメトキシ)-4-メトキシフェニル))プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(4-メトキシ-3-(トリフルオロメトキシ)フェニル))プロピオネート;
エチル(R)-3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
エチル(S)-3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル(R)-3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-イソプロポキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル(S)-3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-イソプロポキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-6-イル)プロピオネート;
からなる群から選択される、化合物、化合物の立体異性体、または化合物の薬学的に許容可能な塩。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の化合物、請求項1または請求項2に記載の化合物の立体異性体またはそれらの薬学的に許容可能な塩、および薬学的に許容可能な担体、希釈剤または賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項4】
非経口、経皮、粘膜、経鼻、頬、舌下または経口経路を介して投与される錠剤、溶液、顆粒、パッチ、軟膏、ゲル、カプセル、エアロゾルまたは坐剤として製剤化される、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項5】
免疫グロブリンE(IgE)に関連する疾患を治療または予防するための医薬の製造における、請求項1または請求項2に記載の化合物、請求項1または請求項2に記載の化合物の立体異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩、または治療有効量の請求項3または請求項4に記載の医薬組成物の使用。
【請求項6】
対象は、哺乳動物である、請求項5に記載の使用。
【請求項7】
前記疾患は、皮膚病、乾癬、湿疹、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、喘息、喘息-慢性閉塞性肺疾患(COPD)重複症候群(ACOS)、アレルギー性鼻炎、季節性アレルギー性鼻炎、薬物誘発性間質性肺疾患、気管支肺アスペルギルス症、ハンセン病、類天疱瘡および寄生虫感染症、からなる群から選択される、請求項5または請求項6に記載の使用。
【請求項8】
請求項1または請求項2に記載の化合物、請求項1または請求項2に記載の化合物の立体異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩の調製工程であって:
(1)式(B-I)の化合物をマロン酸および酢酸アンモニウムと反応させ、式(B-II)の化合物を得ること、
【化2】
ここで、式(B-I)および式(B-II)においてR’およびR’によって表される基は、式(II)におけるRおよびRと同じ定義を有し、
(2)式(B-II)の化合物を、アルコールとエステル化反応させ、式(B-III)の化合物を得ること、
【化3】
ここで、式(B-II)および式(B-III)においてR’およびR’によって表される基は、式(II)におけるRおよびRと同じ定義を有し、およびR’は、ヒドロカルビルであり;および
(3)式(B-IV)の化合物を式(B-III)の化合物と反応させ、式(II)の化合物を得ること、
【化4】
ここで、式(B-III)および式(B-IV)においてR’、R’およびR’によって表される基は、式(II)におけるR、RおよびRと同じ定義を有し、およびR’は、水素およびヒドロカルビル、からなる群から選択され;
式中、Xは、-CR-であり、式中、Rは水素であり、Rは、水素であり、およびnは1である、調製工程。
【請求項9】
請求項8に記載の工程であって、式(B-I)の化合物、マロン酸および酢酸アンモニウムは、溶媒中で反応し、式(B-II)の化合物を得る、工程。
【請求項10】
請求項8または請求項9に記載の工程であって、式(B-II)の化合物は、有機溶媒中で、アルコールを用いてエステル化され、式(B-III)の化合物を得る、工程。
【請求項11】
エステル化剤は、塩化スルホキシド、塩化オキサリル、HClガス、塩化アセチル、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項8~請求項10のいずれか一項に記載の工程。
【請求項12】
請求項8~請求項11のいずれか一項に記載の工程であって、触媒を、式(II)の化合物を得るために、式(B-IV)の化合物と式(B-III)の化合物との反応中に添加する、工程。
【請求項13】
前記疾患は、免疫グロブリンE(IgE)によって媒介される、請求項5に記載の使用。
【請求項14】
前記哺乳動物は、ヒトである、請求項6に記載の使用。
【請求項15】
前記溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、水およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項9に記載の工程。
【請求項16】
前記反応は、50℃~130℃で実行される、請求項9に記載の工程。
【請求項17】
前記有機溶媒は、アルコール、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、酢酸エチル、メチルtert-ブチルエーテル、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項10に記載の工程。
【請求項18】
前記反応は、-20℃~30℃で行われる、請求項10に記載の工程。
【請求項19】
前記アルコールは、メタノール、エタノール、イソプロパノール、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項17に記載の工程。
【請求項20】
前記触媒は、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項12に記載の工程。
【請求項21】
前記反応は、50℃~180℃で行われる、請求項12に記載の工程。
【請求項22】
前記反応は有機溶媒中で行われる、請求項12に記載の工程。
【請求項23】
前記有機溶媒は、酢酸、ギ酸、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項22に記載の工程。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[関連出願への参照]
本開示は、2018年4月17日より前に中華人民共和国の国家知識産権局に提出され、「抗炎症効果を有するイソインドール誘導体、並びにそれらの調製および適用」と題された特許出願第201810341153.0号のすべての利益を主張し、それらは参照により当該全体が本明細書に組み込まれる。
[分野]
本開示は、有機化学および医薬品化学の分野に一般的に関する。
[背景]
免疫グロブリンE(IgE)は、2つの軽鎖および2つの重鎖からなる分泌性免疫グロブリンである。免疫グロブリンE(IgE)は、鼻咽頭、扁桃腺、気管支、胃粘膜などの固有層において形質細胞によって生産される。免疫グロブリンE(IgE)は、I型アレルギーを引き起こす主な抗体である。この種の抗体の量は、ヒト血清中で最も低いけれども、免疫グロブリンE(IgE)は、アレルギー性疾患において重要な役割を果たし、様々な組織および臓器で炎症性免疫反応を引き起こすことができる。IgE関連疾患の臨床症状は、軽度の症状から生命を脅かす事象まで、患者の心身の健康に大きな影響を及ぼし、そのことは生活の質の低下につながるため、ますます注目されている。
【0002】
湿疹は、慢性、再発性、および炎症性皮膚疾患であり、乳児や子供に頻繁に発生し、成人にも発生する可能性がある。研究によると、西側諸国における湿疹の有病率は、10%以上であり、米国では10.7%に達している。近年の疫学的研究は、中国の一般人口におけるこの病気の有病率が、西側諸国の有病率に近づいていることを示している。有病率は、最近20年の間に、先進工業国で今もなお上昇している。中国は、工業化過程を前進し続けていると同時に、人々の生活水準は大幅に向上している。中国における感染性皮膚病の有病率は、徐々に減少している、一方、アレルギー性皮膚病の有病率は徐々に増加している。病因は、複雑であり、主に遺伝的背景、環境刺激、表皮バリア欠損、免疫障害、および他の要因に関連している。表皮バリアの破壊は炎症反応を刺激する。B細胞は、急性期にIgEを生産し、肥満細胞および好塩基球の脱顆粒を引き起こす。急性期には、表皮が厚くなり、神経線維が増殖し、およびケモカインの発現が増加する。アレルギー性皮膚病は、重度の掻痒、および軽度から重度の状況の反復発作を頻繁に伴う。病気の経過は長引き、治癒することは困難である。アレルギー性皮膚病は、臨床的に慢性、再発性、および炎症性皮膚症であり、数か月、数年、数十年さえも続く可能性がある。最も明白な症状は、重度の掻痒症であり、掻痒症は、患者の勉強、仕事、および生活に重大な影響を及ぼすことができる。掻痒症は、重症の場合において睡眠の質に影響を及ぼすこともできる。この種のアレルギー性皮膚病が患者と患者の家族の生活の質に与える影響および社会における経済的負担の増大は、病気の病原性因子および病因に関する研究を緊急に必要とし、社会レベルで適切な対応を確立し、臨床症状を緩和し、または排除し、誘発因子および/または悪化因子を排除し、再発を低減および予防し、患者の生活の質を改善し、および症状の解決または改善し、そうすることで患者は通常の生活を楽しむことができる。
【0003】
アトピー性皮膚炎の患者の80%を超える患者は、血清中の総IgEが正常な人よりも有意に高い(Zhang Jintao et al.Guangdong Medicine,2007,28(10),1688-1690)。血清中の総IgE濃度は、アトピー性皮膚炎患者の疾患の重症度と正の相関があり、血清中のIgE濃度は、アトピー性皮膚炎の活性の指標であることを示す。アトピー性皮膚炎の病因において、IgEは、非常に重要な役割を果たす。外部抗原がIgEに結合した後、次の2つの方法によって血中の好酸球増多症の増加を促進する:(1)抗原は、肥満細胞におけるIgE受容体に結合し、肥満細胞を刺激し、好酸球ケモカインを放出する。(2)抗原は、表皮のランゲルハンス細胞によって貪食され、T細胞に提示される。T細胞は活性化され、好酸球ケモカインを含む様々なサイトカインを生産する。多数の好酸球の脱顆粒によって放出されるアルカリ性タンパク質は、組織の損傷を引き起こす。
【0004】
気管支喘息としても知られる喘息は、気管のけいれんを主な病理学的特徴とする慢性気管疾患である。喘息は、複数の細胞および細胞成分が関与する慢性気道炎症である。気道の炎症は、ほとんど全ての型の喘息における共通の特徴であり、臨床症状でもあり、気道の高い反応性の基礎でもある。IgEは、喘息の炎症性反応において非常に重要な役割を果たす(Zhao Xinyu et al.,Journal of Clinical Pulmonology,2018,23(7),ページ1325-1328)。アレルゲンが初めて体内に入ると、一連の炎症性カスケードが、樹状細胞の提示によって引き起こされる。B細胞は、大量のIgEを生産し、IgEは、肥満細胞および好塩基球の表面におけるIgEの高親和性受容体(FcεRI)に結合し、FcεRI-IgE複合体を形成する。アレルゲンが再び体に入ると、アレルゲンは、当該複合体にすばやく結合し、そのことは、大量のヒスタミン、ロイコトリエン、プロスタグランジン等の炎症性メディエータの放出につながり、粘液分泌、気道平滑筋収縮、および血管透過性の増加を引き起こす。炎症性細胞は、上記の炎症性メディエータの作用下でIgEの生産を拡大するためにカスケードすることができ、遅延型アレルギーを引き起こすことができ、喘息の進行を速めることができる。他の研究は、特定のIgE分子が樹状細胞にも結合することができ、樹状細胞の抗原提示を高め、肥満細胞および好塩基球の表面におけるFcεRI受容体の発現を上方調節することを指摘する。いくつかの研究は、IgEは、細胞外マトリックス(ECM)を増加させることにより気道リモデリングにつながることができ、喘息のウイルス-誘発性の急性発作に関与することもできることを示す。
【0005】
喘息-慢性閉塞性肺疾患(COPD)重複症候群(ACOS)は、喘息およびCOPDの両方を含む閉塞性気道疾患である(He Zhong et al.,International Journal of Respiratory Medicine,2017,37(16),1207-1210ページ)。通常、次の3つの一般的な病態生理学的変化があり、すなわち:気道炎症、気道閉塞(AO)、および気道過敏性(AHR)である。スペインの専門家の意見は、COPD患者が強い陽性の気管支拡張試験、痰中の好酸球、総IgE含有量の増加、40歳未満の喘息、および個々のアレルギー歴を有する場合、ACOSの診断を行うことができると結論を出す。
【0006】
一般的に「風疹ブロック(rubella block)」として知られる蕁麻疹(Xu Yawei et a.,Journal of Shanghai Second Medical University,Vol.14,Suppl.1994,118-120)は、皮膚および粘膜小血管の拡張、並びに増加した透過性によって発生される限定された浮腫反応である。臨床症状は、掻痒を伴う様々なサイズの膨疹である。退行は、一般的に2~24時間以内に起こるが、新しい発疹は、一般的に繰り返し発生する。慢性蕁麻疹は、掻痒を伴う上記の膨疹がほぼ毎日発生し、6週間以上続くことを指す。蕁麻疹の病因は、非常に複雑であるけれども、肥満細胞の活性化に全て関連している。肥満細胞は、免疫的方法または非免疫的方法によって活性化される。前者に関しては、皮膚浮腫膨疹は、IgE-依存性免疫応答で、または補体系-媒介免疫応答のどちらかで発生する。
【0007】
鼻アレルギーとも呼ばれるアレルギー性鼻炎は、鼻粘膜の非感染性炎症性疾患であり、アトピー性の個人がアレルゲンと接触した後のIgE-媒介体(主にヒスタミン)の放出に関連し、様々な免疫-活性細胞およびサイトカインが関与する。アレルギー性鼻炎は、多年生で、季節性であり、あらゆる年齢で発生し、最も一般的には青年期に見られる。患者の症状は、くしゃみ、涙、鼻をすっきりすること(clearing the nose)、鼻の掻痒、および嗅覚の減退などである。IgE-媒介I型アレルギーは、アレルギー反応の発生の基礎である。Li Zhaohuiらは(Li Zhaohui et al.,Preventive Medicine Journal of the PLA,2018,36(10),13-15)、アレルギー性鼻炎を有する患者は、正常な人々よりも有意に高いIgEレベルを有したことを明らかにした。IgEは、アレルギー性鼻炎の病因において重要な役割を果たす。すなわち、IgEは、アレルギー性鼻炎の免疫原性機構に関与する。IgEは、アレルギー性鼻炎の効果的なモニタリング指標として使用することができ、重要な臨床的意義を有する。
【0008】
IgEレベルの上昇に関連する一般的な疾患は:季節性アレルギー性鼻炎(Holgate S,World Allergy Organisation Journal,2014,7,17、およびWang Hanmei,Sun Renshan,Journal of Clinical Military Medicine,2017(8),872-874)、薬物-誘発性間質性肺疾患(Yin Wenjieなど,China Pharmaceutical Congress and Chinese Pharmacist Week,2010)、気管支肺アスペルギルス症(Holgate S,T,World Allergy Organisation Journal,2014,7,17)、ハンセン病(He Haomingなど、Chinese Journal of Leprosy and Skin Diseases,1989(4),210-211)、類天疱瘡(Yin Yue,Li Li,Chinese Journal of Laboratory Medicine,2018,41(3)、242-245)、およびいくつかの寄生虫感染症など、も含む。
【0009】
IgE分子の作用機序の徹底的な理解は、IgE炎症性過程を治療標的とする薬物の開発を促進している。抗-IgE治療は、遊離IgEのレベルを減少させることにより、肥満細胞、好塩基球、および樹状細胞で発現される高親和性IgE受容体(FcεRI)のレベルを減少させて、炎症性マーカーを減少させ、これによって治療効果を発揮する。オマリズマブ(Omalizumab)は、IgEを標的とする最初のヒト化IgE単クローン抗体である。オマリズマブは、重症で持続性のアレルギー性喘息を有する6歳又は12歳以上の子供、青年、および成人などの患者の治療に使用されることができ、喘息の急性発作の数を減らし、吸入ホルモンの使用を減らし、喘息関連の生活の質を改善し、並びに患者の入院の頻度および緊急治療の頻度を減らす。オマリズマブは、良好な安全性も有する。最も一般的な副作用は、一過性の注射部位反応である。しかしながら、タンパク質-抗体薬として、オマリズマブは生産することが難しく、製造工程が複雑であるだけでなく、保管および輸送の面でも非常に困難である。さらに重要なことに、オマリズマブは、治療用タンパク質として潜在的な免疫原性を持たなければならない。小分子IgE阻害剤は、アレルギー性疾患の医薬品開発方向である。小分子化合物は、良好な薬理学的特性、より良い安全性、低価格、および良好な患者コンプライアンスを有する。
[概要]
一つの態様において、本開示は、式(I)の化合物、および式(I)の化合物の立体異性体に関し:
【0010】
【化1】
【0011】
式中、
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C~Cヒドロカルビル、アミノ、C~Cヒドロカルビルカルボニルアミノ、C~Cヒドロカルビルオキシカルボニルアミノ、1つ以上のC~Cヒドロカルビルを用いて置換されたアミノ、および置換されたアミノカルボニルC~Cヒドロカルビル、からなる群から選択される1つ以上の置換基を表し;
は、カルボキシル基およびエステル基からなる群から選択され;
は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、C~Cヒドロカルビルオキシ、C~C12アリールオキシ、およびC~C12シクロアリールオキシ、からなる群から選択され;および
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C~Cヒドロカルビルオキシ、およびC~C12アリールオキシ、からなる群から選択される。
【0012】
他の態様において、本開示は、式(I)の化合物、式(I)の化合物の立体異性体、および薬学的に許容可能な担体を含む医薬組成物に関し:
【0013】
【化2】
【0014】
式中、
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C~Cヒドロカルビル、アミノ、C~Cヒドロカルビルカルボニルアミノ、C~Cヒドロカルビルオキシカルボニルアミノ、1つ以上のC~Cヒドロカルビルを用いて置換されたアミノ、および置換されたアミノカルボニルC~Cヒドロカルビル、からなる群から選択される1つ以上の置換基を表し;
は、カルボキシル基およびエステル基からなる群から選択され;
は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、C~Cヒドロカルビルオキシ、C~C12アリールオキシ、およびC~C12シクロアリールオキシ、からなる群から選択され;および
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C~Cヒドロカルビルオキシ、およびC~C12アリールオキシ、からなる群から選択される。
【0015】
更に他の態様において、本開示は、皮膚病、乾癬、湿疹、アトピー性皮膚炎を治療するための薬剤の調製において、式(I)の化合物もしくは式(I)の化合物の立体異性体の使用、または式(I)の化合物もしくは式(I)の化合物の立体異性体、および薬学的に許容可能な担体を含む医薬組成物の使用に関し;
【0016】
【化3】
【0017】
式中、
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C~Cヒドロカルビル、アミノ、C~Cヒドロカルビルカルボニルアミノ、C~Cヒドロカルビルオキシカルボニルアミノ、1つ以上のC~Cヒドロカルビルを用いて置換されたアミノ、および置換されたアミノカルボニルC~Cヒドロカルビル、からなる群から選択される1つ以上の置換基を表し;
は、カルボキシル基およびエステル基からなる群から選択され;
は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、C~Cヒドロカルビルオキシ、C~C12アリールオキシ、およびC~C12シクロアリールオキシ、からなる群から選択され;および
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C~Cヒドロカルビルオキシ、およびC~C12アリールオキシ、からなる群から選択される。
【0018】
更に他の態様において、本開示は、式(I)の化合物、または式(I)の化合物の立体異性体の調製工程に関し:
【0019】
【化4】
【0020】
式中、
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C~Cヒドロカルビル、アミノ、C~Cヒドロカルビルカルボニルアミノ、C~Cヒドロカルビルオキシカルボニルアミノ、1つ以上のC~Cヒドロカルビルを用いて置換されたアミノ、および置換されたアミノカルボニルC~Cヒドロカルビル、からなる群から選択される1つ以上の置換基を表し;
は、カルボキシル基およびエステル基からなる群から選択され;
は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、C~Cヒドロカルビルオキシ、C~C12アリールオキシ、およびC~C12シクロアリールオキシ、からなる群から選択され;および
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C~Cヒドロカルビルオキシ、およびC~C12アリールオキシ、からなる群から選択される。
【0021】
ここで、工程は:
(1)式(A-I)の化合物をマロン酸および酢酸アンモニウムと反応させ、式(A-II)の化合物を得ること、
【0022】
【化5】
【0023】
ここで、式(A-I)および式(A-II)においてR’およびR’によって表される基は、式(I)におけるRおよびRと同じ定義を有し、
(2)式(A-II)の化合物を、アルコールとエステル化反応させ、式(A-III)の化合物を得ること、
【0024】
【化6】
【0025】
ここで、式(A-II)および式(A-III)においてR’およびR’によって表される基は、式(I)におけるRおよびRと同じ定義を有し、およびR’は、水素およびC~Cアルキル、からなる群から選択され;および
(3)式(A-IV)の化合物を式(A-III)の化合物と反応させ、式(I)の化合物を得ること、
【0026】
【化7】
【0027】
ここで、式(A-III)および式(A-IV)においてR’、R’およびR’によって表される基は、式(I)におけるR、RおよびRと同じ定義を有し、およびR’は、水素およびC~Cアルキル、からなる群から選択される。
【0028】
他の態様において、本開示は、式(II)の化合物、式(II)の化合物の立体異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩に関し:
【0029】
【化8】
【0030】
式中、
は、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたヒドロカルビル、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたヒドロカルビルカルボニルアミノ、任意に置換されたヒドロカルビルカルボニルオキシ、任意に置換されたヒドロカルビルオキシカルボニルアミノ、および任意に置換されたヒドロカルビルカルボニルアミノ、からなる群から選択される1つ以上の同一または異なる置換基を表し;
は、任意に置換されたヒドロカルビルオキシカルボニルおよびカルボキシルからなる群から選択され;
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたヒドロカルビルオキシ、任意に置換されたアリールヒドロカルビルオキシ、および任意に置換されたシクロヒドロカルビルオキシ、からなる群から選択され;
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたヒドロカルビルオキシ、任意に置換されたアリールヒドロカルビルオキシ、および任意に置換されたシクロヒドロカルビルオキシ、からなる群から選択され;および
Xは、-CR-であり、ここで、Rが、水素、ハロゲン、任意に置換されたヒドロカルビル、任意に置換されたシクロヒドロカルビル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたヘテロアリール、からなる群から選択され;並びにRが、水素、ハロゲン、任意に置換されたヒドロカルビル、任意に置換されたシクロヒドロカルビル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたヘテロアリール、からなる群から選択される場合、nは0、1、2、3または4であり;並びに、RおよびRは、RおよびRが結合される炭素原子と共に、任意に置換されたシクロヒドロカルビルを形成する場合、nは1である。
【0031】
更に他の態様において、本開示は:
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アミノ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3,4-ジメトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3,4-ジエトキシフェニル)プロピオネート;
3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロパノン酸;
エチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル(R)-3-(4-アミノ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル(S)-3-(4-アミノ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル(R)-3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル(S)-3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
プロピル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
イソプロピル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
ブチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-(2-クロロアセトアミド)-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-(2-(ジメチルアミノ)アセトアミド)-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-(ジメチルアミノ)-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-(2-(ヒドロキシアセトアミド)-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-イソプロポキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-フルオロ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-シクロペンチルオキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-メチル-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(5-フルオロ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4,7-ジクロロ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-(N-メチルアセトアミド)-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(5-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-(ベンジルオキシ)-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-(N-メチル-tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-(メチルアミノ)-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-プロポキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-プロポキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-ヒドロキシ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトキシ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アミノ-7-ヒドロキシ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アミノ-5-ヒドロキシ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-(ベンジルオキシ)フェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-メトキシ-4-(ベンジルオキシ)フェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-フェニルプロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-クロロフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(4-エトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(4-クロロフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-(tert-ブチルオキシカルボニルアミノ)-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-イソプロポキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(4-ジフルオロメトキシ)-3-エトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-(ジフルオロメトキシ)-4-メトキシフェニル))プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(4-メトキシ-3-(トリフルオロメトキシ)フェニル))プロピオネート;
エチル(R)-3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
エチル(S)-3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル(R)-3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-イソプロポキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル(S)-3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-イソプロポキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)プロピオネート;および
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-6-イル)プロピオネート;
からなる群から選択される、化合物、化合物の立体異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩に関する。
【0032】
更に他の態様において、本開示は、式(II)の化合物、式(II)の化合物の立体異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩、および薬学的に許容可能な担体、希釈剤または賦形剤、を含む医薬組成物に関し:
【0033】
【化9】
【0034】
式中、
は、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたヒドロカルビル、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたヒドロカルビルカルボニルアミノ、任意に置換されたヒドロカルビルカルボニルオキシ、任意に置換されたヒドロカルビルオキシカルボニルアミノ、および任意に置換されたヒドロカルビルカルボニルアミノ、からなる群から選択される1つ以上の同一または異なる置換基を表し;
は、任意に置換されたヒドロカルビルオキシカルボニル、およびカルボキシルからなる群から選択され;
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたヒドロカルビルオキシ、任意に置換されたアリールヒドロカルビルオキシ、および任意に置換されたシクロヒドロカルビルオキシ、からなる群から選択され;
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたヒドロカルビルオキシ、任意に置換されたアリールヒドロカルビルオキシ、および任意に置換されたシクロヒドロカルビルオキシ、からなる群から選択され;および
Xは、-CR-であり、ここで、Rが、水素、ハロゲン、任意に置換されたヒドロカルビル、任意に置換されたシクロヒドロカルビル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたヘテロアリール、からなる群から選択され;並びにRが、水素、ハロゲン、任意に置換されたヒドロカルビル、任意に置換されたシクロヒドロカルビル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたヘテロアリール、からなる群から選択される場合、nは0、1、2、3または4であり;並びに、RおよびRは、RおよびRが結合される炭素原子と共に、任意に置換されたシクロヒドロカルビルを形成する場合、nは1である。
【0035】
他の態様において、本開示は、免疫グロブリンE(IgE)に関連する、好ましくは免疫グロブリンE(IgE)によって媒介される疾患を治療または予防するための方法に関し、治療有効量の式(II)の化合物、式(II)の化合物の立体異性体、もしくはそれらの薬学的に許容可能な塩を投与すること、または式(II)の化合物、式(II)の化合物の立体異性体、もしくはそれらの薬学的に許容可能な塩、および薬学的に許容可能な担体、希釈剤もしくは賦形剤を含む治療有効量の医薬組成物を、それらを必要な対象に投与すること、を含み:
【0036】
【化10】
【0037】
式中、
は、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたヒドロカルビル、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたヒドロカルビルカルボニルアミノ、任意に置換されたヒドロカルビルカルボニルオキシ、任意に置換されたヒドロカルビルオキシカルボニルアミノ、および任意に置換されたヒドロカルビルカルボニルアミノ、からなる群から選択される1つ以上の同一または異なる置換基を表し;
は、任意に置換されたヒドロカルビルオキシカルボニル、およびカルボキシルからなる群から選択され;
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたヒドロカルビルオキシ、任意に置換されたアリールヒドロカルビルオキシ、および任意に置換されたシクロヒドロカルビルオキシ、からなる群から選択され;
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたヒドロカルビルオキシ、任意に置換されたアリールヒドロカルビルオキシ、および任意に置換されたシクロヒドロカルビルオキシ、からなる群から選択され;および
Xは、-CR-であり、ここで、Rが、水素、ハロゲン、任意に置換されたヒドロカルビル、任意に置換されたシクロヒドロカルビル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたヘテロアリール、からなる群から選択され;並びにRが、水素、ハロゲン、任意に置換されたヒドロカルビル、任意に置換されたシクロヒドロカルビル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたヘテロアリール、からなる群から選択される場合、nは0、1、2、3または4であり;並びに、RおよびRは、RおよびRが結合される炭素原子と共に、任意に置換されたシクロヒドロカルビルを形成する場合、nは1である。
【0038】
更に他の態様において、本開示は、免疫グロブリンE(IgE)に関連する、好ましくは免疫グロブリンE(IgE)によって媒介される疾患を治療または予防するための式(II)の化合物、式(II)の化合物の立体異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩に関し:
【0039】
【化11】
【0040】
式中、
は、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたヒドロカルビル、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたヒドロカルビルカルボニルアミノ、任意に置換されたヒドロカルビルカルボニルオキシ、任意に置換されたヒドロカルビルオキシカルボニルアミノ、および任意に置換されたヒドロカルビルカルボニルアミノ、からなる群から選択される1つ以上の同一または異なる置換基を表し;
は、任意に置換されたヒドロカルビルオキシカルボニル、およびカルボキシルからなる群から選択され;
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたヒドロカルビルオキシ、任意に置換されたアリールヒドロカルビルオキシ、および任意に置換されたシクロヒドロカルビルオキシ、からなる群から選択され;
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたヒドロカルビルオキシ、任意に置換されたアリールヒドロカルビルオキシ、および任意に置換されたシクロヒドロカルビルオキシ、からなる群から選択され;および
Xは、-CR-であり、ここで、Rが、水素、ハロゲン、任意に置換されたヒドロカルビル、任意に置換されたシクロヒドロカルビル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたヘテロアリール、からなる群から選択され;並びにRが、水素、ハロゲン、任意に置換されたヒドロカルビル、任意に置換されたシクロヒドロカルビル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたヘテロアリール、からなる群から選択される場合、nは0、1、2、3または4であり;並びに、RおよびRは、RおよびRが結合される炭素原子と共に、任意に置換されたシクロヒドロカルビルを形成する場合、nは1である。
【0041】
更に他の態様において、本開示は、免疫グロブリンE(IgE)に関連する、好ましくは免疫グロブリンE(IgE)によって媒介される疾患を治療または予防するための医薬組成物に関し、治療有効量の式(II)の化合物、式(II)の化合物の立体異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩、および薬学的に許容可能な担体、希釈剤または賦形剤を含み:
【0042】
【化12】
【0043】
式中、
は、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたヒドロカルビル、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたヒドロカルビルカルボニルアミノ、任意に置換されたヒドロカルビルカルボニルオキシ、任意に置換されたヒドロカルビルオキシカルボニルアミノ、および任意に置換されたヒドロカルビルカルボニルアミノ、からなる群から選択される1つ以上の同一または異なる置換基を表し;
は、任意に置換されたヒドロカルビルオキシカルボニル、およびカルボキシルからなる群から選択され;
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたヒドロカルビルオキシ、任意に置換されたアリールヒドロカルビルオキシ、および任意に置換されたシクロヒドロカルビルオキシ、からなる群から選択され;
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたヒドロカルビルオキシ、任意に置換されたアリールヒドロカルビルオキシ、および任意に置換されたシクロヒドロカルビルオキシ、からなる群から選択され;および
Xは、-CR-であり、ここで、Rが、水素、ハロゲン、任意に置換されたヒドロカルビル、任意に置換されたシクロヒドロカルビル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたヘテロアリール、からなる群から選択され;並びにRが、水素、ハロゲン、任意に置換されたヒドロカルビル、任意に置換されたシクロヒドロカルビル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたヘテロアリール、からなる群から選択される場合、nは0、1、2、3または4であり;並びに、RおよびRは、RおよびRが結合される炭素原子と共に、任意に置換されたシクロヒドロカルビルを形成する場合、nは1である。
【0044】
他の態様において、本開示は、皮膚病、乾癬、湿疹、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、喘息、喘息-慢性閉塞性肺疾患(COPD)重複症候群(ACOS)、アレルギー性鼻炎、季節性アレルギー性鼻炎、薬物誘発性間質性肺疾患、気管支肺アスペルギルス症、ハンセン病、類天疱瘡および寄生虫感染症を治療または予防するための式(II)の化合物、式(II)の化合物の立体異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩に関し:
【0045】
【化13】
【0046】
式中、
は、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたヒドロカルビル、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたヒドロカルビルカルボニルアミノ、任意に置換されたヒドロカルビルカルボニルオキシ、任意に置換されたヒドロカルビルオキシカルボニルアミノ、および任意に置換されたヒドロカルビルカルボニルアミノ、からなる群から選択される1つ以上の同一または異なる置換基を表し;
は、任意に置換されたヒドロカルビルオキシカルボニル、およびカルボキシルからなる群から選択され;
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたヒドロカルビルオキシ、任意に置換されたアリールヒドロカルビルオキシ、および任意に置換されたシクロヒドロカルビルオキシ、からなる群から選択され;
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたヒドロカルビルオキシ、任意に置換されたアリールヒドロカルビルオキシ、および任意に置換されたシクロヒドロカルビルオキシ、からなる群から選択され;および
Xは、-CR-であり、ここで、Rが、水素、ハロゲン、任意に置換されたヒドロカルビル、任意に置換されたシクロヒドロカルビル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたヘテロアリール、からなる群から選択され;並びにRが、水素、ハロゲン、任意に置換されたヒドロカルビル、任意に置換されたシクロヒドロカルビル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたヘテロアリール、からなる群から選択される場合、nは0、1、2、3または4であり;並びに、RおよびRは、RおよびRが結合される炭素原子と共に、任意に置換されたシクロヒドロカルビルを形成する場合、nは1である。
【0047】
更に他の態様において、本開示は、免疫グロブリンE(IgE)に関連する、好ましくは、免疫グロブリンE(IgE)によって媒介される、皮膚病、乾癬、湿疹、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、喘息、喘息-慢性閉塞性肺疾患(COPD)重複症候群(ACOS)、アレルギー性鼻炎、季節性アレルギー性鼻炎、薬物誘発性間質性肺疾患、気管支肺アスペルギルス症、ハンセン病、類天疱瘡および寄生虫感染症を治療または予防するための式(II)の化合物、式(II)の化合物の立体異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩に関し:
【0048】
【化14】
【0049】
式中、
は、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたヒドロカルビル、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたヒドロカルビルカルボニルアミノ、任意に置換されたヒドロカルビルカルボニルオキシ、任意に置換されたヒドロカルビルオキシカルボニルアミノ、および任意に置換されたヒドロカルビルカルボニルアミノ、からなる群から選択される1つ以上の同一または異なる置換基を表し;
は、任意に置換されたヒドロカルビルオキシカルボニル、およびカルボキシルからなる群から選択され;
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたヒドロカルビルオキシ、任意に置換されたアリールヒドロカルビルオキシ、および任意に置換されたシクロヒドロカルビルオキシ、からなる群から選択され;
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたヒドロカルビルオキシ、任意に置換されたアリールヒドロカルビルオキシ、および任意に置換されたシクロヒドロカルビルオキシ、からなる群から選択され;および
Xは、-CR-であり、ここで、Rが、水素、ハロゲン、任意に置換されたヒドロカルビル、任意に置換されたシクロヒドロカルビル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたヘテロアリール、からなる群から選択され;並びにRが、水素、ハロゲン、任意に置換されたヒドロカルビル、任意に置換されたシクロヒドロカルビル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたヘテロアリール、からなる群から選択される場合、nは0、1、2、3または4であり;並びに、RおよびRは、RおよびRが結合される炭素原子と共に、任意に置換されたシクロヒドロカルビルを形成する場合、nは1である。
【0050】
更に他の態様において、本開示は、式(II)の化合物、式(II)の化合物の立体異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩の調製工程に関し:
(1)式(B-I)の化合物をマロン酸および酢酸アンモニウムと反応させ、式(B-II)の化合物を得ること、
【0051】
【化15】
【0052】
ここで、式(B-I)および式(B-II)においてR’およびR’によって表される基は、式(II)におけるRおよびRと同じ定義を有し、
(2)式(B-II)の化合物を、アルコールとエステル化反応させ、式(B-III)の化合物を得ること、
【0053】
【化16】
【0054】
ここで、式(B-II)および式(B-III)においてR’およびR’によって表される基は、式(II)におけるRおよびRと同じ定義を有し、およびR’は、水素およびヒドロカルビル、からなる群から選択され;および
(3)式(B-IV)の化合物を式(B-III)の化合物と反応させ、式(II)の化合物を得ること、
【0055】
【化17】
【0056】
ここで、式(B-III)および式(B-IV)においてR’、R’およびR’によって表される基は、式(II)におけるR、RおよびRと同じ定義を有し、およびR’は、水素およびヒドロカルビル、からなる群から選択され;
式中、Xは、-CR-であり、式中、Rは水素であり、Rは、水素であり、およびnは1である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
図1図1は、本開示の生物学的実施例1におけるモデル動物への誘導および投与の方法を示す。
図2図2は、本開示の生物学的実施例2におけるモデル動物への誘導および投与の方法を示す。
図3図3は、本開示の生物学的実施例3におけるモデル動物への誘導および投与の方法を示す。
図4図4は、本開示の生物学的実施例7の各実験群において雄動物の体重変化の傾向を示す。
図5図5は、本開示の生物学的実施例7の各実験群において雌動物の体重変化の傾向を示す。
図6図6は、本開示の生物学的実施例8の各実験群において雄動物の体重変化の傾向を示す。
図7図7は、本開示の生物学的実施例8の各実験群において雌動物の体重変化の傾向を示す。
図8図8は、本開示の生物学的実施例9の各実験群において雄動物の体重変化の傾向を示す。
図9図9は、本開示の生物学的実施例9の各実験群において雌動物の体重変化の傾向を示す。
【発明を実施するための形態】
【0058】
[詳細な説明]
以下の説明において、特定の具体的な詳細は、様々な開示された実施形態の完全な理解を提供するために示される。しかしながら、関連技術の当業者は、実施形態が、1つ以上のこれらの具体的な詳細ではなく実行され、または他の方法、構成材料などを用いて実行されることができることを認識するだろう。
【0059】
文脈上別段の必要がない限り、明細書および特許請求の範囲全体に従う。用語「含む(comprise)」、および「含む」の変形、例えば「含む(comprises)」および「含む(comprising)」は、「含むが、限定されない」という広く包括的な意味で解釈されるべきである。
【0060】
本明細書全体を通して「一実施形態(one embodiment)」または「実施形態(an embodiment)」または「他の実施形態において」または「いくつかの実施形態において」への参照は、実施形態に関連して説明される特定の参照特徴構造、または特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体の様々な場所において「一実施形態において」、「実施形態において」、「他の実施形態において」、または「いくつかの実施形態において」という句の出現は、必ずしもすべて同じ実施形態を指すとは限らない。さらに、特定の特徴構造または特性を、1つ以上の実施形態において任意の適切な方法で組み合わせることができる。
【0061】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が特に明記しない限り、複数の指示対象を含むことを留意すべきである。したがって、例えば、「式(II)の化合物、式(II)の化合物の立体異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩」を含む医薬組成物は、1つの式(II)の化合物、式(II)の化合物の立体異性体、もしくはそれらの薬学的に許容可能な塩、または2つ以上の式(II)の化合物、式(II)の化合物の立体異性体、もしくはそれらの薬学的に許容可能な塩、を含む。
[定義]
したがって、本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されるように、反対に特定されない限り、以下の用語は、示された意味を有する:
本願において名前が付けられた特定の化学基は、炭素原子の総数を示す簡単表記が付けられ、示された化学基において明らかにされるべきる。例えば、C~Cアルキルは、以下に定義されるように、合計1個から4個の炭素原子を有するアルキル基を表し、C~C10シクロアルキルは、以下に定義されるように、合計3個から10個の炭素原子を有するシクロアルキル基を表す。簡単表記において炭素原子の総数は、記述される基の置換基に存在することができる炭素は含まない。
【0062】
本願に使用される用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を示す。
【0063】
本願に使用される用語「ヒドロキシ」は、-OH基を示す。
【0064】
本願に使用される用語「アミノ」は、-NH基を示す。
【0065】
本願に使用される用語「カルボキシル」は、-COOH基を示す。
【0066】
本願に使用される用語「ヒドロカルビル」は、脂肪族ヒドロカルビル基を示す。ヒドロカルビル部分は、「飽和ヒドロカルビル」基であることができ、これはアルケン部分またはアルキン部分を含まないことを意味する。ヒドロカルビル部分は「不飽和ヒドロカルビル」部分であることもでき、これは、少なくとも1つのアルケン部分またはアルキン部分を含むことを意味する。「アルケン」部分は、2~8個の炭素原子および少なくとも1個の炭素-炭素二重結合、例えば、エテニル、プロプ-1-エニル、ブト-1-エニル、ペント-1-エニル、ペンタ-1,4-ジエニル、などからなる基を示し、これらは、単結合によって分子の残りの部分に結合される。「アルキン」部分は、2~8個の炭素原子および少なくとも1つの炭素-炭素三重結合からなる直鎖または分岐炭化水素鎖基を示し、これらは、単結合によって分子の残りの部分に結合される。ヒドロカルビル基は、飽和であっても不飽和であっても、分岐または直鎖であってもよい。
【0067】
ヒドロカルビル基は、1~8個の炭素原子を有してもよい(本願に現れるときはいつでも、「1~8」などの数値範囲は、与えられた数範囲内の各整数を示し;例えば、「1~8」は、ヒドロカルビル基が、1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子、4個の炭素原子など、最大8個の炭素原子を含むことを意味し、しかしながら、本定義は、数値範囲が指定されない用語「ヒドロカルビル」の出現も包含する)。
【0068】
ヒドロカルビル基は、任意に置換されてもよい、すなわち、置換または非置換であってもよい。置換される場合、置換基は、シクロヒドロカルビル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリシクリル、ヒドロキシ、ヒドロカルビルオキシ、アリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、シアノ、ハロ、カルボニル、チオカルボニル、O-カルバミル、N-カルバミル、O-チオカルバミル、N-チオカルバミル、C-アミド、N-アミド、S-スルフィナミド、N-スルフィナミド、C-カルボキシル、O-カルボキシル、イソシアナート、チオシアノ、イソチオシアナート、ニトロ、シリル、トリハロメタンスルホニル、-NR’R’’(R’およびR’’は、本願に定義されるヒドロカルビル基であり)または一置換および二置換アミノ基を含むアミノ、並びにそれらの保護された誘導体、からなる群から個々におよび独立して選択される。一般的なヒドロカルビル基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t-ブチル、ペンチル、ヘキシル、エテニル、プロペニル、ブテニル、エチニル、プロピニルおよびブチニルを含むが、限定されない。置換基が「任意に置換される」と記述される場合はいつでも、その置換基は、上記の置換基の1つを用いて置換されてもよい。
【0069】
いくつかの実施形態において、「C~Cヒドロカルビル」は、1個から4個の炭素原子を含む上記で定義されたヒドロカルビル基を示す。C~Cヒドロカルビル基は、ヒドロカルビル基について定義されるように、任意に置換されてもよい。
【0070】
いくつかの実施形態において、「C~Cヒドロカルビル」は、1個から6個の炭素原子を含む上記で定義されたヒドロカルビル基を示す。C~Cヒドロカルビル基は、ヒドロカルビル基について定義されるように、任意に置換されてもよい。
【0071】
いくつかの実施形態において、「C~C12ヒドロカルビル」は、1個から12個の炭素原子を含む上記で定義されたヒドロカルビル基を示す。C~C12ヒドロカルビル基は、ヒドロカルビル基について定義されるように、任意に置換されてもよい。
【0072】
いくつかの実施形態において、「C~Cヒドロカルビル」は、2個から6個の炭素原子を含む上記で定義されたヒドロカルビル基を示す。C~Cヒドロカルビル基は、ヒドロカルビル基について定義されるように、任意に置換されてもよい。
【0073】
いくつかの実施形態において、「C~Cヒドロカルビル」は、3個から6個の炭素原子を含む上記で定義されたヒドロカルビルを示す。C~Cヒドロカルビル基は、ヒドロカルビル基について定義されるように、任意に置換されてもよい。
【0074】
いくつかの実施形態において、「C~C12ヒドロカルビル」は、3個から12個の炭素原子を含む上記で定義されたヒドロカルビルを示す。C~C12ヒドロカルビル基は、ヒドロカルビル基について定義されるように、任意に置換されてもよい。
いくつかの実施形態において、「C~C12ヒドロカルビル」は、6個から12個の炭素原子を含む上記で定義されたヒドロカルビルを示す。C~C12ヒドロカルビル基は、ヒドロカルビル基について定義されるように、任意に置換されてもよい。
【0075】
いくつかの実施形態において、「C~C12ヒドロカルビル」は、7個から12個の炭素原子を含む上記で定義されたヒドロカルビルを示す。C~C12ヒドロカルビル基は、ヒドロカルビル基について定義されるように、任意に置換されてもよい。
【0076】
本願に使用される用語「ヒドロカルビルオキシ」は、式-O-ヒドロカルビルを示し、ここで、ヒドロカルビル基は、本願に定義される。ヒドロカルビルオキシの例示的な例は、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、1-メチルエトキシ(イソプロポキシ)、n-ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、t-ブトキシ、アモキシ、およびt-アモキシを含むが、限定されない。
【0077】
本願に使用される用語「アリール」は、炭素環(完全炭素)または2つ以上の縮合環(2つの隣接する炭素原子を用いて共有している環)を示し、完全に非局在化されたパイ電子系を有する。アリール基の例は、フルオレニル、フェニルおよびナフチルを含むが、限定されない。アリール基は、例えば、5個から12個の炭素原子を有してもよい。本開示のアリール基は、置換、または非置換であってもよい。置換される場合、水素原子は、ヒドロカルビル、シクロヒドロカルビル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリシクリル(heteroalicyclyl)、ヒドロキシ、保護されたヒドロキシ、ヒドロカルビルオキシ、アリールオキシ、メルカプト、ヒドロカルビルチオ、アリールチオ、シアノ、ハロ、カルボニル、チオカルボニル、O-カルバミル、N-カルバミル、O-チオカルバミル、N-チオカルバミル、C-アミド、N-アミド、S-スルフィナミド、N-スルフィナミド、C-カルボキシル、保護されたC-カルボキシル、O-カルボキシル、イソシアナート、チオシアノ、イソチオシアナート、ニトロ、シリル、トリハロメタンスルホニル、-NR’R’’(R’およびR’’は、本願に定義されるヒドロカルビル基である)、および保護されたアミノ、からなる群から独立して選択される1つ以上の置換基を用いて置換される。置換基が、「任意に置換される」と記述される場合はいつでも、置換基は、上記の置換基の1つを用いて置換されてもよい。
【0078】
本願使用される用語「アリールヒドロカルビルオキシ」は、式-O-ヒドロカルビルアリール基を示し、ここで、アリールおよびヒドロカルビルは、本願に定義される通りである。アリールヒドロカルブリオキシの例は、ベンジルオキシ、フェネチルオキシ、およびフェニルプロピルオキシを含むが、限定されない。
【0079】
いくつかの実施形態において、「C~C16アリールヒドロカルビルオキシ」は、6個から16個の炭素原子を含む上記で定義されたアリールヒドロカルビルオキシを示す。C~C16アリールヒドロカルビルオキシ基は、アリール基およびヒドロカルビル基について上記に定義されるように、任意に置換されてもよい。
【0080】
いくつかの実施形態において、「C~C18アリールヒドロカルビルオキシ」は、6個から18個の炭素原子を含む上記で定義されたアリールヒドロカルビルオキシを示す。C~C18アリールヒドロカルビルオキシ基は、アリール基およびヒドロカルビル基について上記に定義されるように、任意に置換されてもよい。
【0081】
いくつかの実施形態において、「C~C18アリールヒドロカルビルオキシ」は、7個から18個の炭素原子を含む上記で定義されたアリールヒドロカルビルオキシを示す。C~C18アリールヒドロカルビルオキシ基は、アリール基およびヒドロカルビル基について上記に定義されるように、任意に置換されてもよい。
【0082】
いくつかの実施形態において、「C~C18アリールヒドロカルビルオキシ」は、8個から18個の炭素原子を含む上記で定義されたアリールヒドロカルビルオキシを示す。C~C18アリールヒドロカルビルオキシ基は、アリール基およびヒドロカルビル基について上記に定義されるように、任意に置換されてもよい。
【0083】
いくつかの実施形態において、「C~C24アリールヒドロカルビルオキシ」は、8個から24個の炭素原子を含む上記で定義されたアリールヒドロカルビルオキシを示す。C~C24アリールヒドロカルビルオキシ基は、アリール基およびヒドロカルビル基について上記に定義されるように、任意に置換されてもよい。
【0084】
いくつかの実施形態において、「C11~C24アリールヒドロカルビルオキシ」は、11個から24個の炭素原子を含む上記で定義されたアリールヒドロカルビルオキシを示す。C11~C24アリールヒドロカルビルオキシ基は、アリール基およびヒドロカルビル基について上記に定義されるように、任意に置換されてもよい。
【0085】
いくつかの実施形態において、「C12~C24アリールヒドロカルビルオキシ」は、12個から24個の炭素原子を含む上記で定義されたアリールヒドロカルビルオキシを示す。C12~C24アリールヒドロカルビルオキシ基は、アリール基およびヒドロカルビル基について上記に定義されるように、任意に置換されてもよい。
【0086】
いくつかの実施形態において、「C~C24アリールヒドロカルビルオキシ」は、6個から24個の炭素原子を含む上記で定義されたアリールヒドロカルビルオキシを示す。C~C24アリールヒドロカルビルオキシ基は、アリール基およびヒドロカルビル基について上記に定義されるように、任意に置換されてもよい。
【0087】
本願に使用される用語「ヘテロアリール」は、5員環から18員環の芳香環基を示し、1個から17個の炭素原子、および窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個から10個のヘテロ原子を含む。いくつかの実施形態において、ヘテロアリールは、単環式、二環式、三環式、または四環式環系であってもよく、これらは、縮合環系または架橋環系を含んでもよい。さらに、ヘテロアリール基における窒素、炭素または硫黄原子は、任意に酸化されてもよく、および窒素原子は、任意に四級化されてもよい。ヘテロアリールの例示的な例は、アゼピニル、アクリジニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾインドリル、ベンゾジオキソラニル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾ[b][1,4]ジオキセパニル、1,4-ベンゾジオキサニル、ベンゾナフトフラニル、ベンゾジオキソラニル、ベンゾジオキサペンテニル、ベンゾジオキサヘキセニル、ベンゾピラニル、ベンゾピロニル、ベンゾフラニル、ベンゾフラノニル、ベンゾチエニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾ[4,6]イミダゾ[1,2-a]ピリジル、カルバゾリル、シノリニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチエニル、フラニル、フラノニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリル、インダゾリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、イソキノリル、インドリジニル、イソキサゾリル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、2-オキソアゼピニル、オキサゾリル、オキシラニル、1-フェニル-1H-ピロリル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピロリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリル、キヌクリジニル、イソキノリル、テトラヒドロキノリル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニルおよびチオフェニル、を含むが、限定されない。本開示のアリール基は、置換または非置換であってもよい。置換される場合、水素原子は、ヒドロカルビル、シクロヒドロカルビル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリシクリル、(heteroalicyclyl)、ヒドロキシ、保護されたヒドロキシ、ヒドロカルビルオキシ、アリールオキシ、メルカプト、ヒドロカルビルチオ、アリールチオ、シアノ、ハロ、カルボニル、チオカルボニル、O-カルバミル、N-カルバミル、O-チオカルバミル、N-チオカルバミル、C-アミド、N-アミド、S-スルフィナミド、N-スルフィナミド、C-カルボキシル、保護されたC-カルボキシル、O-カルボキシル、イソシアナート、チオシアノ、イソチオシアナート、ニトロ、シリル、トリハロメタンスルホニル、-NR’R’’(R’およびR’’は、本願に定義されるヒドロカルビル基である)、および保護されたアミノ、からなる群から独立して選択される1つ以上の置換基を用いて置換される。置換基が、「任意に置換される」と記述される場合はいつでも、置換基は、上記の置換基の1つを用いて置換されてもよい。
【0088】
本願に使用される用語「シクロヒドロカルビル」は、炭素原子および水素原子のみから構成され、3個から15個の炭素原子、およびいくつかの実施形態において3個から12個の炭素原子を有し、飽和または不飽和であり、単結合を介して分子の残りの部分に結合される、安定した非芳香族の単環式ヒドロカルビルまたはビシクロヒドロカルビルを示す。例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロデシルなどが挙げられる。本明細書において特に明記しない限り、用語「シクロヒドロカルビル」は、上記に定義されるようなシクロヒドロカルビル基を含むことを意味し、シクロヒドロカルビルは、シクロヒドロカルビル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリシクリル、ヒドロキシ、ヒドロカルビルオキシ、アリールオキシ、メルカプト、ヒドロカルビルチオ、アリールチオ、シアノ、ハロ、カルボニル、チオカルボニル、O-カルバミル、N-カルバミル、O-チオカルバミル、N-チオカルバミル、C-アミド、N-アミド、S-スルフィナミド、N-スルフィナミド、C-カルボキシル、O-カルボキシル、イソシアナート、チオシアノ、イソチオシアナート、ニトロ、シリル、トリハロメタンスルホニル、-NR’R’’(R’およびR’’は、本開示に定義されるヒドロカルビル基である)または一置換アミノ基および二置換アミノ基を含むアミノ、およびそれらの保護された誘導体、からなる群から選択される1つ以上の置換基を用いて、任意に置換されてもよい。
【0089】
いくつかの実施形態において、「C~Cシクロヒドロカルビル」は、3個から6個の炭素原子を含む上記で定義されたシクロヒドロカルビルを示す。C~Cシクロヒドロカルビル基は、シクロヒドロカルビル基について上記に定義されるように、任意に置換されてもよい。
【0090】
いくつかの実施形態において、「C~C10シクロヒドロカルビル」は、3個から10個の炭素原子を含む上記で定義されたシクロヒドロカルビルを示す。C~C10シクロヒドロカルビル基は、シクロヒドロカルビル基について上記に定義されるように、任意に置換されてもよい。
【0091】
いくつかの実施形態において、「C~C12シクロヒドロカルビル」は、3個から12個の炭素原子を含む上記で定義されたシクロヒドロカルビルを示す。C~C12シクロヒドロカルビル基は、シクロヒドロカルビル基について上記に定義されるように、任意に置換されてもよい。
【0092】
本明細書に使用される用語「シクロヒドロカルビルオキシ」は、式-O-シクロヒドロカルビルを示し、ここで、シクロヒドロカルビル基は、本願に定義される。シクロヒドロカルビルオキシルの例示的な例は、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、およびシクロデシルオキシを含むが、限定されない。
【0093】
本願に使用される用語「ヒドロカルビルカルボニルアミノ」は、式-NHC(=O)-ヒドロカルビルを示し、ここで、ヒドロカルビル基は、本願に定義される。ヒドロカルビルカルボニルアミノの例示的な例は、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチリルアミノ、およびバレリルアミノを含むが、限定されない。
【0094】
本願に使用される用語「ヒドロカルビルカルボニルオキシ」は、式-OC(=O)-ヒドロカルビルを示し、ここで、ヒドロカルビル基は、本願に定義される。ヒドロカルビルカルボニルオキシの例示的な例は、アセトキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、およびバレリルオキシを含むが、限定されない。
【0095】
本願に使用される用語「ヒドロカルビルオキシカルボニルアミノ」は、式-NHC(=O)-ヒドロカルビルを示し、ここで、ヒドロカルビル基は、本願に定義される。ヒドロカルビルオキシカルボニルアミノの例示的な例は、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、プロポキシカルボニルアミノ、およびtert-ブトキシカルボニルアミノを含むが、限定されない。
【0096】
本願に使用される用語「ヒドロカルビルオキシカルボニル」は、式-C(=O)O-ヒドロカルビルを示し、ここで、ヒドロカルビル基は、本願に定義される。ヒドロカルビルオキシカルボニルの例示的な例は、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、およびブトキシカルボニルを含むが、限定されない。
【0097】
本願に使用される用語「本開示の化合物、本開示の化合物の立体異性体またはそれらの薬学的に許容可能な塩」は、本開示の式(I)の化合物、式(I)の化合物の立体異性体、およびそれらの薬学的に許容可能な塩、式(II)の化合物、式(II)の化合物の立体異性体、およびそれらの薬学的に許容可能な塩、並びに式(I)および式(II)に含まれる任意の特定の化合物、および式(I)および式(II)に含まれる任意の特定の化合物の立体異性体、およびそれらの薬学的に許容可能な塩、を示す。
【0098】
本願に使用される用語「哺乳動物」は、例えば、犬、猫、牛、羊、馬、およびヒトを含む動物を意味する。いくつかの実施形態において、哺乳動物は、ヒトを含む。
【0099】
本願に使用される用語「患者(対象)」は、ヒトなどの動物、犬、猫、馬などのコンパニオン動物、および牛、豚、羊などの家畜を意味する。いくつかの実施形態において、患者は、雄および雌の両方を含む哺乳動物である。いくつかの実施形態において、患者はヒトである。
【0100】
本願に使用される用語「薬学的に許容可能」は、担体、ビヒクル、希釈剤、賦形剤、および/または塩が、製剤の他の成分と適合性でなければならず、それらの受容者に対して有害であってはならないことを意味する。
【0101】
本願に使用される用語「任意の」または「任意に」は、後に記述される状況の事象が発生し得る、または発生し得ないことを意味し、その上、明細書は、前記事象または状況が発生する場合の例、および発生しない場合の例を含む。
【0102】
本願に使用される用語「薬学的に許容可能な担体、希釈剤または賦形剤」は、任意のアジュバント、担体、賦形剤、流動促進剤、甘味剤、希釈剤、保存剤、染料/着色剤、香味増強剤、界面活性剤、湿潤剤、分散剤、懸濁剤、安定剤、等浸透圧剤、溶媒、または乳化剤など、を含むが限定されず、これらは、米国食品医薬品局によって、ヒトまたは動物における使用が許容可能であると承認されており、医薬組成物を調製することへの副作用がない。
【0103】
本願に使用される用語「担体」は、細胞または組織への化合物の導入を容易にするものとして定義される。例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)は、特定の有機化合物を生物の細胞や組織に導入することを容易にするため、一般的に担体として使用される。
【0104】
本願に使用される用語「薬学的に許容可能な塩」は、「薬学的に許容可能な酸付加塩」および「薬学的に許容可能な塩基付加塩」の両方を含む。
【0105】
本願に使用される用語「薬学的に許容可能な酸付加塩」は、遊離塩基の生物学的有効性および特性を保持する塩、生物学的に、またはその他の望ましくないものではない塩、並びに、例えば、限定されないが、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、および例えば、限定されないが、酢酸、2,2-ジクロロ酢酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4-アセトアミド安息香酸、カンファン酸、カンファー-10-スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリリン酸、炭酸、桂皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、グルタル酸、2-オキソ-グルタル酸、グリセロリン酸、グリコール酸、ヒプリン酸、イソ酪酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、ニコチン酸、オレイン酸、オロチン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモイン酸、プロピオン酸、ピログルタミン酸、ピルビン酸、サリチル酸、4-アミノサリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、酒石酸、チオシアン酸、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、ウンデシレン酸などのような有機酸、を用いて形成される塩を示す。
【0106】
本願に使用される用語「薬学的に許容可能な塩基付加塩」は、遊離酸の生物学的有効性および特性を保持する塩、生物学的にまたはその他の望ましくないものではない塩を示す。これらの塩は、遊離酸への無機塩基または有機塩基の付加から調製される。無機塩基に由来する塩は、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウム塩などを含むが、限定されない。いくつかの実施形態において、無機塩は、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、およびマグネシウム塩である。有機塩基に由来する塩は、一級、二級および三級アミンの塩、天然に存在する置換されたアミンを含む置換されたアミン、環状アミン、および塩基性イオン交換樹脂、例えば、アンモニア、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、2-ジメチルアミノエタノール、2-ジエチルアミノエタノール、ジシクロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、ベネタミン、ベンザチン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルコサミン、テオブロミン、トリエタノールアミン、トロメタノール、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N-エチルピペリジン、ポリアミン樹脂など、を含むが限定されない。いくつかの実施形態において、有機塩基は、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、コリン、およびカフェインである。
【0107】
本願に使用される用語「溶媒または溶媒混合物」は、ありとあらゆる溶媒を示す。いくつかの実施形態において、溶媒または溶媒混合物は、有機溶媒および水であり、これらは、水、メタノール、エタノール、2-プロパノール、n-ブタノール、イソ-ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、1,4-ジオキサン、ジエチルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、N,N-ジメチルホルムアミド、シクロヘキサン、シクロペンタン、n-ヘキサン、n-ヘプタン、n-ペンタン、トルエン、o-キシレン、p-キシレン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ピリジン、酢酸、アニソール、酢酸ブチル、クメン、ギ酸エチル、ギ酸、イソ-酢酸ブチル、イソ-酢酸プロピル、酢酸メチル、3-メチル-1-ブタノール、メチルイソブチルケトン、2-メチル-1-プロパノール、1-ペンタノール、酢酸プロピル、エチレングリコール、および1-メチル-2-ピロリドン、および2つ以上の当該溶媒のありとあらゆる混合物、を含むが限定されない。いくつかの実施形態において、溶媒または溶媒混合物は、単一の溶媒および二成分の混合物である。いくつかの実施形態において、溶媒または溶媒混合物は、水、および有機溶媒の単一溶媒、並びに水および有機溶媒の二成分混合物である。
【0108】
本願に使用される用語「医薬組成物」は、本開示の化合物と、生物活性化合物を哺乳動物、例えばヒトに送達するための当技術分野で一般的に許容可能な媒体との製剤を示す。当該媒体は、そのために全ての薬学的に許容可能な担体、希釈剤または賦形剤を含む。
【0109】
本願に使用される用語「治療有効量」は、特定の疾患もしくは状態、または特定の疾患もしくは状態の徴候を改善、弱毒化または排除する化合物または化合物の組み合わせの量、または特定の疾患もしくは状態、または特定疾患もしくは状態の徴候の発症を予防または遅延させる化合物または化合物の組み合わせの量を示す。「治療有効量」を構成する本開示の化合物の量は、化合物、疾患状態および当該重症度、並びに治療される哺乳動物の年齢、体重等に応じて変化するだろうが、当業者自身の知識およびこの開示を考慮して、当業者によって常に決定されることができる。
【0110】
本願に使用される用語「治療する」または「治療」は、対象の疾患または病気を有するヒトなどの哺乳動物における対象の疾患または病気の治療を包含し、および:
(i)哺乳動物において疾患または状態が発生するのを防ぐこと、特に、当該哺乳動物がその状態になりやすいが、まだそれを有すると診断されていない場合;
(ii)疾患または状態を阻害する、すなわち当該発症を阻止すること;または
(iii)疾患または状態を緩和する、すなわち、疾患または状態の退行を引き起こすこと、
を含む。
【0111】
本願に使用される用語「疾患」および「状態」は、交換可能に使用されてもよく、または特定の病気または状態が既知の原因物質を有さない可能性がある(したがって、病因はまだ解明されていない)という点で異なっていてもよく、したがって、まだ病気として認識されないが、望ましくない状態または徴候としてのみ認識され、ここで、多かれ少なかれ特定の一連の徴候は、臨床医によって特定されている。
【0112】
本願に使用される用語「生理学的に許容可能」は、化合物の生物学的活性および特性を排除しない担体または希釈剤を示す。
【0113】
本開示の化合物、またはそれらの薬学的に許容可能な塩は、1つ以上の非対象中心を含んでもよく、したがって、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、および他の立体異性体型を生じてもよい。絶対立体化学の観点において、(R)-もしくは(S)-、または(D)-もしくは(L)-アミノ酸と定義してもよい、。本開示は、全ての当該可能な異性体、並びにそれらのラセミ体および光学的に純粋な型を含むことを意味する。光学活性(+)および(-)、(R)-および(S)-、または(D)-および(L)-異性体は、キラルシントンまたはキラル試薬を使用して調製されてもよく、キラルカラムを用いるHPLCなどの、従来の技術を使用して分離されてもよい。本願に記述される化合物が、オレフィン二重結合または他の幾何学的非対称中心を含む場合、特に明記されない限り、本願に記述される化合物は、EおよびZの両方の幾何異性体を含むことが意図される。同様に、全ての互変異性型も含まれることを意図される。
【0114】
本願に使用される用語「立体異性体」は、同じ結合によって結合される同じ原子からなるが、互換性のない異なる三次元構造を有する化合物を示す。本開示は、様々な立体異性体およびそれらの混合物を熟慮する。
[特定の実施形態]
一つの態様において、本開示は、式(I)の化合物、および式(I)の化合物の立体異性体に関し:
【0115】
【化18】
【0116】
式中、
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C~Cヒドロカルビル、アミノ、C~Cヒドロカルビルカルボニルアミノ、C~Cヒドロカルビルオキシカルボニルアミノ、1つ以上のC~Cヒドロカルビルを用いて置換されたアミノ、および置換されたアミノカルボニルC~Cヒドロカルビル、からなる群から選択される1つ以上の置換基を表し;
は、カルボキシル基およびエステル基からなる群から選択され;
は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、C~Cヒドロカルビルオキシ、C~C12アリールオキシ、およびC~C12シクロアリールオキシ、からなる群から選択され;および
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C~Cヒドロカルビルオキシ、およびC~C12アリールオキシ、からなる群から選択される。
【0117】
いくつかの実施形態において、Rは、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C~Cアルキル、アミノ、C~Cアルキルカルボニルアミノ、C~Cアルキルオキシカルボニルアミノ、1つ以上のC~Cアルキルを用いて置換されたアミノ、および置換されたアミノカルボニルC~Cアルキル、からなる群から選択される1つ以上の置換基を表し;
いくつかの実施形態において、Rは、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、C~Cアルキルオキシ、C~C12アリールオキシ、およびC~C12シクロアリールオキシ、からなる群から選択される。
【0118】
いくつかの実施形態において、Rは、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、C~Cアルキルオキシ、C~C12アリールオキシ、およびC~C12シクロアリールオキシからなる群から選択される。
【0119】
いくつかの実施形態において、Rは、-OH、-F、-Cl、-CH、-CHCH、-CHCHCH、-NH、-NHCH、-N(CH、-NHCOCH、-NHCOOCH、-NHCOCHOH、-NHCOCHCl、-NHCOCHF、および-NCHCOCHからなる群から選択される。
【0120】
いくつかの実施形態において、Rは、-COOH、-COOCH、-COOCHCH、-COOCHCHCH、および-COOCH(CHからなる群から選択される。
【0121】
いくつかの実施形態において、Rは、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、ベンジルオキシ、C~Cアルキルオキシ、C~C12アリールオキシ、およびC~C12シクロアリールオキシからなる群から選択される。
【0122】
いくつかの実施形態において、Rは、-H、-OH、-Cl、-F、-OCH、-OCHCH、-OCHCHCH、-OCH(CH、およびベンジルオキシからなる群から選択される。
【0123】
いくつかの実施形態において、Rは、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C~Cヒドロカルビルオキシ、ベンジルオキシ、およびC~C12アリールオキシからなる群から選択される。
【0124】
いくつかの実施形態において、Rは、-H、-Cl、-F、-OH、-OCH、-OCHCH、-OCHCHCH、-OCH(CH、およびベンジルオキシからなる群から選択される。
【0125】
他の態様において、本開示は、式(I)の化合物または式(I)の化合物の立体異性体、および薬学的に許容可能な担体を含む医薬組成物に関し:
【0126】
【化19】
【0127】
式中、
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C~Cヒドロカルビル、アミノ、C~Cヒドロカルビルカルボニルアミノ、C~Cヒドロカルビルオキシカルボニルアミノ、1つ以上のC~Cヒドロカルビルを用いて置換されたアミノ、および置換されたアミノカルボニルC~Cヒドロカルビル、からなる群から選択される1つ以上の置換基を表し;
は、-COOH、-COOCH、-COOCHCH、-COOCHCHCH、および-COOCH(CHからなる群から選択され;
は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、ベンジルオキシ、C~Cアルキルオキシ、C~C12アリールオキシ、およびC~C12シクロアリールオキシ、からなる群から選択され;および
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C~Cヒドロカルビルオキシ、ベンジルオキシ、およびC~C12アリールオキシ、からなる群から選択される。
【0128】
更に他の態様において、皮膚病、乾癬、湿疹およびアトピー性皮膚炎を治療するための薬剤の調製において、式(I)の化合物または式(I)の化合物の立体異性体の使用、または式(I)の化合物または式(I)の化合物の立体異性体、およびそれらの薬学的に許容可能な担体を含む医薬組成物の使用に関し:
【0129】
【化20】
【0130】
式中、
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C~Cヒドロカルビル、アミノ、C~Cヒドロカルビルカルボニルアミノ、C~Cヒドロカルビルオキシカルボニルアミノ、1つ以上のC~Cヒドロカルビルを用いて置換されたアミノ、および置換されたアミノカルボニルC~Cヒドロカルビル、からなる群から選択される1つ以上の置換基を表し;
は、-COOH、-COOCH、-COOCHCH、-COOCHCHCH、および-COOCH(CHからなる群から選択され;
は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、ベンジルオキシ、C~Cアルキルオキシ、C~C12アリールオキシ、およびC~C12シクロアリールオキシ、からなる群から選択され;および
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C~Cヒドロカルビルオキシ、ベンジルオキシ、およびC~C12アリールオキシ、からなる群から選択される。
【0131】
更に他の態様において、本開示は、式(I)の化合物、または式(I)の化合物の立体異性体を調整する工程に関し:
【0132】
【化21】
【0133】
式中、
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C~Cヒドロカルビル、アミノ、C~Cヒドロカルビルカルボニルアミノ、C~Cヒドロカルビルオキシカルボニルアミノ、1つ以上のC~Cヒドロカルビルを用いて置換されたアミノ、および置換されたアミノカルボニルC~Cヒドロカルビル、からなる群から選択される1つ以上の置換基を表し;
は、-COOH、-COOCH、-COOCHCH、-COOCHCHCH、および-COOCH(CHからなる群から選択され;
は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、ベンジルオキシ、C~Cアルキルオキシ、C~C12アリールオキシ、およびC~C12シクロアリールオキシ、からなる群から選択され;および
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C~Cヒドロカルビルオキシ、ベンジルオキシ、およびC~C12アリールオキシ、からなる群から選択され;
ここで、工程は:
(1)式(A-I)の化合物をマロン酸および酢酸アンモニウムと反応させ、式(A-II)の化合物を得ること、
【0134】
【化22】
【0135】
ここで、式(A-I)および式(A-II)においてR’およびR’によって表される基は、式(I)におけるRおよびRと同じ定義を有し、
(2)式(A-II)の化合物を、アルコールとエステル化反応させ、式(A-III)の化合物を得ること、
【0136】
【化23】
【0137】
ここで、式(A-II)および式(A-III)においてR’およびR’によって表される基は、式(I)におけるRおよびRと同じ定義を有し、およびR’は、水素およびC~Cアルキル、からなる群から選択され;および
(3)式(A-IV)の化合物を式(A-III)の化合物と反応させ、式(I)の化合物を得ること、
【0138】
【化24】
【0139】
ここで、式(A-III)および式(A-IV)においてR’、R’およびR’によって表される基は、式(I)におけるR、RおよびRと同じ定義を有し、およびR’は、水素およびC~Cアルキル、からなる群から選択される、
を含む。
【0140】
いくつかの実施形態において、式(A-I)の化合物を、マロン酸および酢酸アンモニウムと反応させて式(A-II)の化合物を得ることは、有機溶媒中で行われる。
【0141】
いくつかの実施形態において、式(A-I)の化合物を、マロン酸および酢酸アンモニウムと反応させて式(A-II)の化合物を得るために、本開示において使用されることができる適切な有機溶媒の例示的な例は、メタノール、エタノール、イソプロパノールおよび水を含むが、限定されない。
【0142】
いくつかの実施形態において、式(A-I)の化合物を、マロン酸および酢酸アンモニウムと約50℃~約130℃で反応させて、式(A-II)の化合物を得る。
【0143】
いくつかの実施形態において、式(A-III)の化合物を式(A-II)の化合物を用いて調製するために使用されることができる適切なエステル化剤の例示的な例は、塩化チオニル、塩化オキサリル、HClガス、および塩化アセチルを含むが、限定されない。
【0144】
いくつかの実施形態において、式(A-II)の化合物をアルコール化合物と反応させて式(A-III)の化合物を得ることは、有機溶媒中で行われる。
【0145】
いくつかの実施形態において、式(A-II)の化合物をアルコール化合物と反応させて式(A-III)の化合物を得るために、本開示において使用されることができる適切な有機溶媒の例示的な例は、アルコール、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、酢酸エチル、およびメチルtert-ブチルエーテルを含むが、限定されない。
【0146】
いくつかの実施形態において、式(A-II)の化合物をアルコール化合物と反応させて式(A-III)の化合物を得るために、本開示において使用されることができる適切なアルコールの例示的な例は、メタノール、エタノール、およびイソプロパノールなどを含むが、限定されない。
【0147】
いくつかの実施形態において、式(A-II)の化合物を約-20℃~約30℃でアルコール化合物と反応させて、式(A-III)の化合物を得る。
【0148】
いくつかの実施形態において、触媒は、式(A-IV)の化合物を式(A-III)の化合物と反応させることによって式(I)の化合物を調製するための工程に添加される。
【0149】
いくつかの実施形態において、式(A-IV)の化合物を式(A-III)の化合物と反応させて式(I)の化合物を得るために本開示において使用されることができる適切な触媒の例示的な例は、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、炭酸ナトリウム、および炭酸カリウムを含むが、限定されない。
【0150】
いくつかの実施形態では、式(A-IV)の化合物を式(A-III)の化合物と反応させて式(I)の化合物を得ることは、有機溶媒中で行われる。
【0151】
いくつかの実施形態において、式(A-IV)の化合物を式(A-III)の化合物と反応させて式(I)の化合物を得るために本開示において使用されることができる適切な有機溶媒の例示的な例は、酢酸、ギ酸、ジメチルホルムアミドおよびジメチルアセトアミドを含むが、限定されない。
【0152】
いくつかの実施形態において、式(A~IV)の化合物を、約50℃~約180℃で式(A~III)の化合物と反応させて、式(I)の化合物を得る。
【0153】
他の態様において、本開示は、式(II)の化合物、式(II)の化合物の立体異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩に関し:
【0154】
【化25】
【0155】
式中、
は、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたヒドロカルビル、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたヒドロカルビルカルボニルアミノ、任意に置換されたヒドロカルビルカルボニルオキシ、任意に置換されたヒドロカルビルオキシカルボニルアミノ、および任意に置換されたヒドロカルビルカルボニルアミノ、からなる群から選択される1つ以上の同一または異なる置換基を表し;
は、任意に置換されたヒドロカルビルオキシカルボニルおよびカルボキシルからなる群から選択され;
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたヒドロカルビルオキシ、任意に置換されたアリールヒドロカルビルオキシ、および任意に置換されたシクロヒドロカルビルオキシ、からなる群から選択され;
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたヒドロカルビルオキシ、任意に置換されたアリールヒドロカルビルオキシ、および任意に置換されたシクロヒドロカルビルオキシ、からなる群から選択され;および
Xは、-CR-であり、ここで、Rが、水素、ハロゲン、任意に置換されたヒドロカルビル、任意に置換されたシクロヒドロカルビル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたヘテロアリール、からなる群から選択され;並びにRが、水素、ハロゲン、任意に置換されたヒドロカルビル、任意に置換されたシクロヒドロカルビル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたヘテロアリール、からなる群から選択される場合、nは0、1、2、3または4であり;並びに、RおよびRは、RおよびRが結合される炭素原子と共に、任意に置換されたシクロヒドロカルビルを形成する場合、nは1である。
【0156】
いくつかの実施形態において、Rは、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたC~Cヒドロカルビル、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたC~Cヒドロカルビルカルボニルアミノ、任意に置換されたC~Cヒドロカルビルカルボニルオキシ、任意に置換されたC~Cヒドロカルビルオキシカルボニルアミノ、および任意に置換されたC~Cヒドロカルビルカルボニルアミノ、からなる群から選択される1つ以上の同一または異なる置換基を表す。
【0157】
いくつかの実施形態において、Rは、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたアルキルカルボニルアミノ、任意に置換されたアルキルカルボニルオキシ、任意に置換されたアルキルオキシカルボニルアミノ、および任意に置換されたアルキルカルボニルアミノ、からなる群から選択される1つ以上の同一または異なる置換基を表す。
【0158】
いくつかの実施形態において、Rは、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたC~Cアルキル、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたC~Cアルキルカルボニルアミノ、任意に置換されたC~Cアルキルカルボニルオキシ、任意に置換されたC~Cアルキルオキシカルボニルアミノ、および任意に置換されたC~Cアルキルカルボニルアミノ、からなる群から選択される1つ以上の同一または異なる置換基を表す。
【0159】
いくつかの実施形態において、Rは、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたメチル、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたアセトアミド、任意に置換されたアセチルオキシ、および任意に置換されたtert-ブトキシカルボニルアミノからなる群から選択される1つ以上の同一または異なる置換基を表す。
【0160】
いくつかの実施形態において、Rは、フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、メチル、アミノ、C~Cアルキルを用いて置換されたアミノ、アセトアミド、ハロアセトアミド、C~Cアルキルを用いて置換されたアセトアミド、ヒドロキシを用いて置換されたアセトアミド、C~Cアルキルを用いて置換されたアミノを用いて置換されたアセトアミド、N-C~Cアルキルを用いて置換されたアセチルアミノ、アセトキシ、tert-ブトキシカルボニルアミノ、およびC~Cアルキルを用いて置換されたtert-ブトキシカルボニルアミノ、からなる群から選択される1つ以上の同一または異なる置換基を表す。
【0161】
いくつかの実施形態において、Rは、フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、メチル、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アセトアミド、2-クロロアセトアミド、2-ヒドロキシアセトアミド、N-メチルアセトアミド、2-(ジメチルアミノ)アセトアミド、アセトキシ、tert-ブトキシカルボニルアミノ、およびN-メチル-tert-ブトキシカルボニルアミノ、からなる群から選択される1つ以上の同一または異なる置換基を表す。
【0162】
いくつかの実施形態において、Rはアセトアミドである。
【0163】
いくつかの実施形態において、Rは、任意に置換されたC~Cヒドロカルビルオキシカルボニルおよびカルボキシルからなる群から選択される。
【0164】
いくつかの実施形態において、Rは、任意に置換されたアルキルオキシカルボニルおよびカルボキシルからなる群から選択される。
【0165】
いくつかの実施形態において、Rは、任意に置換されたC~Cアルキルオキシカルボニルおよびカルボキシルからなる群から選択される。
【0166】
いくつかの実施形態において、Rは、任意に置換されたメトキシカルボニル、任意に置換されたエトキシカルボニル、任意に置換されたプロポキシカルボニル、任意に置換されたブトキシカルボニル、任意に置換されたイソプロポキシカルボニルおよびカルボキシルからなる群から選択される。
【0167】
いくつかの実施形態において、Rは、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソプロポキシカルボニルおよびカルボキシルからなる群から選択される。
【0168】
いくつかの実施形態において、Rは、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、およびプロポキシカルボニルからなる群から選択される。
【0169】
いくつかの実施形態において、Rは、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたアルキルオキシ、任意に置換されたアリールアルキルオキシ、および任意に置換されたシクロアルキルオキシからなる群から選択される。
【0170】
いくつかの実施形態において、Rは、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたC~Cヒドロカルビルオキシ、任意に置換されたC~C18アリールヒドロカルビルオキシ、および任意に置換されたC~C10シクロヒドロカルビルオキシルからなる群から選択される。
【0171】
いくつかの実施形態において、Rは、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたアルキルオキシ、任意に置換されたアリールアルキルオキシ、および任意に置換されたシクロアルキルオキシからなる群から選択される。
【0172】
いくつかの実施形態において、Rは、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたC~Cアルキルオキシ、任意に置換されたC~C18アリールアルキルオキシ、および任意に置換されたC~C10シクロアルキルオキシからなる群から選択される。
【0173】
いくつかの実施形態において、Rは、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたメトキシ、任意に置換されたエトキシ、任意に置換されたプロポキシ、任意に置換されたイソプロポキシ、任意に置換されたベンジルオキシ、および任意に置換されたシクロペンチルオキシからなる群から選択される。
【0174】
いくつかの実施形態において、Rは、水素、クロロ、ヒドロキシ、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ベンジルオキシ、およびシクロペンチルオキシからなる群から選択される。
【0175】
いくつかの実施形態において、Rは、メトキシおよびエトキシからなる群から選択される。
【0176】
いくつかの実施形態において、Rは、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたアルキルオキシ、任意に置換されたアリールアルキルオキシ、および任意に置換されたシクロアルキルオキシからなる群から選択される。
【0177】
いくつかの実施形態において、Rは、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたC~Cヒドロカルビルオキシ、任意に置換されたC~C18アリールヒドロカルビルオキシ、および任意に置換されたC~C10シクロヒドロカルビルオキシルからなる群から選択される。
【0178】
いくつかの実施形態において、Rは、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたアルキルオキシ、任意に置換されたアリールアルキルオキシ、および任意に置換されたシクロアルキルオキシからなる群から選択される。
【0179】
いくつかの実施形態において、Rは、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたC~Cアルキルオキシ、任意に置換されたC~C18アリールアルキルオキシ、および任意に置換されたC~C10シクロアルキルオキシからなる群から選択される。
【0180】
いくつかの実施形態において、Rは、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたメトキシ、任意に置換されたエトキシ、任意に置換されたプロポキシ、任意に置換されたイソプロポキシ、任意に置換されたベンジルオキシ、および任意に置換されたシクロペンチルオキシからなる群から選択される。
【0181】
いくつかの実施形態において、Rは、水素、塩素、ヒドロキシ、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ベンジルオキシ、およびシクロペンチルオキシからなる群から選択される。
【0182】
いくつかの実施形態において、Rは、メトキシおよびエトキシからなる群から選択される。
【0183】
いくつかの実施形態において、Rは、水素、ハロゲン、任意に置換されたヒドロカルビル、任意に置換されたシクロヒドロカルビル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたヘテロアリールからなる群から選択される。
【0184】
いくつかの実施形態において、Rは、水素、ハロゲン、任意に置換されたC~Cヒドロカルビル、任意に置換されたC~C10シクロヒドロカルビル、任意に置換されたC~C12アリール、および任意に置換されたヘテロアリールからなる群から選択される。
【0185】
いくつかの実施形態において、Rは、水素、ハロゲン、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたC~C12アリール、および任意に置換されたヘテロアリールからなる群から選択される。
【0186】
いくつかの実施形態において、Rは、水素、ハロゲン、任意に置換されたC~Cアルキル、任意に置換されたC~C10シクロアルキル、任意に置換されたC~C12アリール、および任意に置換されたヘテロアリールからなる群から選択される。
【0187】
いくつかの実施形態において、Rは、水素、ハロゲン、任意に置換されたヒドロカルビル、任意に置換されたシクロヒドロカルビル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたヘテロアリールからなる群から選択される。
【0188】
いくつかの実施形態において、Rは、水素、ハロゲン、任意に置換されたC~Cヒドロカルビル、任意に置換されたC~C10シクロヒドロカルビル、任意に置換されたC~C12アリール、および任意に置換されたヘテロアリールからなる群から選択される。
【0189】
いくつかの実施形態において、Rは、水素、ハロゲン、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたC~C12アリール、および任意に置換されたヘテロアリールからなる群から選択される。
【0190】
いくつかの実施形態において、Rは、水素、ハロゲン、任意に置換されたC~Cアルキル、任意に置換されたC~C10シクロアルキル、任意に置換されたC~C12アリール、および任意に置換されたヘテロアリールからなる群から選択される。
【0191】
いくつかの実施形態において、nは0、1、2、3、または4である。
【0192】
いくつかの実施形態において、RおよびRは、RおよびRが結合される炭素原子と共に、任意に置換されたシクロヒドロカルビル基を形成し、およびnは1である。
【0193】
いくつかの実施形態において、RおよびRは、RおよびRが結合される炭素原子と共に、任意に置換されたC~C12シクロヒドロカルビル基を形成し、およびnは1である。
【0194】
いくつかの実施形態において、RおよびRは、RおよびRが結合される炭素原子と共に、任意に置換されたシクロアルキル基を形成し、およびnは1である。
【0195】
いくつかの実施形態において、RおよびRは、RおよびRが結合される炭素原子と共に、任意に置換されたC~C12シクロアルキル基を形成し、およびnは1である。
【0196】
いくつかの実施形態において、RおよびRは、RおよびRが結合される炭素原子と共に、C~C12シクロアルキル基を形成し、およびnは1である。
【0197】
いくつかの実施形態において、Rは、水素、ハロゲンおよびC~Cヒドロカルビルからなる群から選択される。
【0198】
いくつかの実施形態において、Rは、水素、ハロゲン、およびC~Cヒドロカルビルからなる群から選択される。
【0199】
いくつかの実施形態において、nは1または2である。
【0200】
いくつかの実施形態において、Rは、水素、ハロゲン、およびC~Cヒドロカルビルからなる群から選択され;Rは、水素、ハロゲン、およびC~Cヒドロカルビルからなる群から選択され、nは1または2である。
【0201】
いくつかの実施形態において、Rは水素である。
【0202】
いくつかの実施形態において、Rは水素である。
【0203】
いくつかの実施形態において、nは1である。
【0204】
いくつかの実施形態において、Rは水素であり、Rは水素であり、およびnは1である。
【0205】
いくつかの実施形態において、本開示の化合物は、免疫グロブリンE(IgE)阻害活性を有する。
【0206】
いくつかの実施形態において、本開示の化合物は、毒性が低い。
【0207】
いくつかの実施形態において、本開示の化合物は、良好な安全性を有する。
【0208】
いくつかの実施形態において、本開示の化合物は、良好な耐性を有する。
【0209】
更に他の態様において、本開示は:
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アミノ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3,4-ジメトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3,4-ジエトキシフェニル)プロピオネート;
3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロパノン酸;
エチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル(R)-3-(4-アミノ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル(S)-3-(4-アミノ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル(R)-3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル(S)-3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
プロピル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
イソプロピル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
ブチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-(2-クロロアセトアミノ)-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-(2-(ジメチルアミノ)アセトアミド)-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-(ジメチルアミノ)-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-(2-(ヒドロキシアセトアミド)-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-イソプロポキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-フルオロ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート
メチル3-(4-フルオロ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-シクロペンチルオキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-メチル-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(5-フルオロ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4,7-ジクロロ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-(N-メチルアセトアミド)-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(5-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-(ベンジルオキシ)-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-(N-メチル-tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-(メチルアミノ)-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-プロポキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-プロポキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-ヒドロキシ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトキシ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アミノ-7-ヒドロキシ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アミノ-5-ヒドロキシ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-(ベンジルオキシ)フェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-メトキシ-4-(ベンジルオキシ)フェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-フェニルプロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-クロロフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(4-エトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(4-クロロフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-(tert-ブチルオキシカルボニルアミノ)-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-イソプロポキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(4-ジフルオロメトキシ)-3-エトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-(ジフルオロメトキシ)-4-メトキシフェニル))プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(4-メトキシ-3-(トリフルオロメトキシ)フェニル))プロピオネート;
エチル(R)-3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
エチル(S)-3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル(R)-3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-イソプロポキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;および
メチル(S)-3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-イソプロポキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート;
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)プロピオネート;および
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-6-イル)プロピオネート;
からなる群から選択される、化合物、化合物の立体異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩に関する。
【0210】
更に他の態様において、本開示は、一般式(II)の化合物、一般式(II)の化合物の立体異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩、および薬学的に許容可能な担体、希釈剤または賦形剤、を含む医薬組成物に関し:
【0211】
【化26】
【0212】
式中、
は、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたヒドロカルビル、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたヒドロカルビルカルボニルアミノ、任意に置換されたヒドロカルビルカルボニルオキシ、任意に置換されたヒドロカルビルオキシカルボニルアミノ、および任意に置換されたヒドロカルビルカルボニルアミノ、からなる群から選択される1つ以上の同一または異なる置換基を表し;
は、任意に置換されたヒドロカルビルオキシカルボニル、およびカルボキシルからなる群から選択され;
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたヒドロカルビルオキシ、任意に置換されたアリールヒドロカルビルオキシ、および任意に置換されたシクロヒドロカルビルオキシ、からなる群から選択され;
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたヒドロカルビルオキシ、任意に置換されたアリールヒドロカルビルオキシ、および任意に置換されたシクロヒドロカルビルオキシ、からなる群から選択され;および
Xは、-CR-であり、ここで、Rが、水素、ハロゲン、任意に置換されたヒドロカルビル、任意に置換されたシクロヒドロカルビル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたヘテロアリール、からなる群から選択され;およびRが、水素、ハロゲン、任意に置換されたヒドロカルビル、任意に置換されたシクロヒドロカルビル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたヘテロアリール、からなる群から選択され、nは0、1、2、3または4であり;並びに、RおよびRは、RおよびRが結合される炭素原子と共に、任意に置換されたシクロヒドロカルビルを形成する場合、nは1である。
【0213】
更に他の態様において、本開示は、免疫グロブリンE(IgE)に関連する、好ましくは免疫グロブリンE(IgE)によって媒介される疾患を治療または予防するための方法に関し、治療有効量の式(II)の化合物、式(II)の化合物の立体異性体、もしくはそれらの薬学的に許容可能な塩を投与すること、または式(II)の化合物、式(II)の化合物の立体異性体、もしくはそれらの薬学的に許容可能な塩、および薬学的に許容可能な担体、希釈剤もしくは賦形剤を含む治療有効量の医薬組成物を、それらを必要な患者に投与すること、を含み:
【0214】
【化27】
【0215】
式中、
は、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたヒドロカルビル、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたヒドロカルビルカルボニルアミノ、任意に置換されたヒドロカルビルカルボニルオキシ、任意に置換されたヒドロカルビルオキシカルボニルアミノ、および任意に置換されたヒドロカルビルカルボニルアミノ、からなる群から選択される1つ以上の同一または異なる置換基を表し;
は、任意に置換されたヒドロカルビルオキシカルボニル、およびカルボキシルからなる群から選択され;
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたヒドロカルビルオキシ、任意に置換されたアリールヒドロカルビルオキシ、および任意に置換されたシクロヒドロカルビルオキシ、からなる群から選択され;
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたヒドロカルビルオキシ、任意に置換されたアリールヒドロカルビルオキシ、および任意に置換されたシクロヒドロカルビルオキシ、からなる群から選択され;および
Xは、-CR-であり、ここで、Rが、水素、ハロゲン、任意に置換されたヒドロカルビル、任意に置換されたシクロヒドロカルビル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたヘテロアリール、からなる群から選択され;およびRが、水素、ハロゲン、任意に置換されたヒドロカルビル、任意に置換されたシクロヒドロカルビル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたヘテロアリール、からなる群から選択される場合、nは0、1、2、3または4であり;並びに、RおよびRは、RおよびRが結合される炭素原子と共に、任意に置換されたシクロヒドロカルビルを形成する場合、nは1である。
【0216】
いくつかの実施形態において、免疫グロブリンE(IgE)に関連する、好ましくは免疫グロブリンE(IgE)によって媒介される疾患を治療または予防するための方法は、1mg~10gの本開示の化合物、本開示の化合物の立体異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩を、それらを必要な患者に投与することを含む。
【0217】
いくつかの実施形態において、免疫グロブリンE(IgE)に関連する、好ましくは免疫グロブリンE(IgE)によって媒介される疾患を治療または予防するための方法は、10mg~3000mgの本開示の化合物、本開示の化合物の立体異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩を、それらを必要な患者に投与することを含む。
【0218】
いくつかの実施形態において、免疫グロブリンE(IgE)に関連する、好ましくは免疫グロブリンE(IgE)によって媒介される疾患を治療または予防するための方法は、100mg~1000mgの本開示の化合物、本開示の化合物の立体異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩を、それらを必要な患者に投与することを含む。
【0219】
いくつかの実施形態において、免疫グロブリンE(IgE)に関連する、好ましくは免疫グロブリンE(IgE)によって媒介される疾患を治療または予防するための方法は、100mg、200mg、250mg、300mg、350mg、400mg、450mg、500mg、550mg、650mg、700mg、750mg、800mg、850mg、900mg、または1000mgの本開示の化合物、本開示の化合物の立体異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩を、それらを必要な患者に投与することを含む。
【0220】
更に他の態様において、本開示は、免疫グロブリンE(IgE)に関連する、好ましくは免疫グロブリンE(IgE)によって媒介される疾患を治療または予防するための、式(II)の化合物、式(II)の化合物の立体異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩に関し:
【0221】
【化28】
【0222】
式中、
は、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたヒドロカルビル、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたヒドロカルビルカルボニルアミノ、任意に置換されたヒドロカルビルカルボニルオキシ、任意に置換されたヒドロカルビルオキシカルボニルアミノ、および任意に置換されたヒドロカルビルカルボニルアミノ、からなる群から選択される1つ以上の同一または異なる置換基を表し;
は、任意に置換されたヒドロカルビルオキシカルボニル、およびカルボキシルからなる群から選択され;
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたヒドロカルビルオキシ、任意に置換されたアリールヒドロカルビルオキシ、および任意に置換されたシクロヒドロカルビルオキシ、からなる群から選択され;
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたヒドロカルビルオキシ、任意に置換されたアリールヒドロカルビルオキシ、および任意に置換されたシクロヒドロカルビルオキシ、からなる群から選択され;および
Xは、-CR-であり、ここで、Rが、水素、ハロゲン、任意に置換されたヒドロカルビル、任意に置換されたシクロヒドロカルビル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたヘテロアリール、からなる群から選択され;およびRが、水素、ハロゲン、任意に置換されたヒドロカルビル、任意に置換されたシクロヒドロカルビル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたヘテロアリール、からなる群から選択される場合、nは0、1、2、3または4であり;並びに、RおよびRは、RおよびRが結合される炭素原子と共に、任意に置換されたシクロヒドロカルビルを形成する場合、nは1である。
【0223】
更に他の態様において、本開示は、免疫グロブリンE(IgE)に関連する、好ましくは免疫グロブリンE(IgE)によって媒介される疾患を治療または予防するための医薬組成物に関し、治療有効量の式(II)の化合物、式(II)の化合物の立体異性体またはそれらの薬学的に許容可能な塩、および薬学的に許容可能な担体、希釈剤または賦形剤を含み:
【0224】
【化29】
【0225】
式中、
は、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたヒドロカルビル、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたヒドロカルビルカルボニルアミノ、任意に置換されたヒドロカルビルカルボニルオキシ、任意に置換されたヒドロカルビルオキシカルボニルアミノ、および任意に置換されたヒドロカルビルカルボニルアミノ、からなる群から選択される1つ以上の同一または異なる置換基を表し;
は、任意に置換されたヒドロカルビルオキシカルボニル、およびカルボキシルからなる群から選択され;
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたヒドロカルビルオキシ、任意に置換されたアリールヒドロカルビルオキシ、および任意に置換されたシクロヒドロカルビルオキシ、からなる群から選択され;
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたヒドロカルビルオキシ、任意に置換されたアリールヒドロカルビルオキシ、および任意に置換されたシクロヒドロカルビルオキシ、からなる群から選択され;および
Xは、-CR-であり、ここで、Rが、水素、ハロゲン、任意に置換されたヒドロカルビル、任意に置換されたシクロヒドロカルビル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたヘテロアリール、からなる群から選択され;およびRが、水素、ハロゲン、任意に置換されたヒドロカルビル、任意に置換されたシクロヒドロカルビル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたヘテロアリール、からなる群から選択される場合、nは0、1、2、3または4であり;並びに、RおよびRは、RおよびRが結合される炭素原子と共に、任意に置換されたシクロヒドロカルビルを形成する場合、nは1である。
【0226】
他の態様において、本開示は、皮膚病、乾癬、湿疹、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、喘息、喘息-慢性閉塞性肺疾患(COPD)重複症候群(ACOS)、アレルギー性鼻炎、季節性アレルギー性鼻炎、薬物誘発性間質性肺疾患、気管支肺アスペルギルス症、ハンセン病、類天疱瘡および寄生虫感染症を治療または予防するための式(II)の化合物、式(II)の化合物の立体異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩に関し:
【0227】
【化30】
【0228】
式中、
は、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたヒドロカルビル、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたヒドロカルビルカルボニルアミノ、任意に置換されたヒドロカルビルカルボニルオキシ、任意に置換されたヒドロカルビルオキシカルボニルアミノ、および任意に置換されたヒドロカルビルカルボニルアミノ、からなる群から選択される1つ以上の同一または異なる置換基を表し;
は、任意に置換されたヒドロカルビルオキシカルボニル、およびカルボキシルからなる群から選択され;
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたヒドロカルビルオキシ、任意に置換されたアリールヒドロカルビルオキシ、および任意に置換されたシクロヒドロカルビルオキシ、からなる群から選択され;
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたヒドロカルビルオキシ、任意に置換されたアリールヒドロカルビルオキシ、および任意に置換されたシクロヒドロカルビルオキシ、からなる群から選択され;および
Xは、-CR-であり、ここで、Rが、水素、ハロゲン、任意に置換されたヒドロカルビル、任意に置換されたシクロヒドロカルビル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたヘテロアリール、からなる群から選択され;およびRが、水素、ハロゲン、任意に置換されたヒドロカルビル、任意に置換されたシクロヒドロカルビル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたヘテロアリール、からなる群から選択される場合、nは0、1、2、3または4であり;並びに、RおよびRは、RおよびRが結合される炭素原子と共に、任意に置換されたシクロヒドロカルビルを形成する場合、nは1である。
【0229】
更に他の態様において、本開示は、免疫グロブリンE(IgE)に関連する、好ましくは、免疫グロブリンE(IgE)によって媒介される、皮膚病、乾癬、湿疹、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、喘息、喘息-慢性閉塞性肺疾患(COPD)重複症候群(ACOS)、アレルギー性鼻炎、季節性アレルギー性鼻炎、薬物-誘発性間質性肺疾患、気管支肺アスペルギルス症、ハンセン病、類天疱瘡および寄生虫感染症を治療または予防するための式(II)の化合物、式(II)の化合物の立体異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩に関し:
【0230】
【化31】
【0231】
式中、
は、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたヒドロカルビル、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたヒドロカルビルカルボニルアミノ、任意に置換されたヒドロカルビルカルボニルオキシ、任意に置換されたヒドロカルビルオキシカルボニルアミノ、および任意に置換されたヒドロカルビルカルボニルアミノ、からなる群から選択される1つ以上の同一または異なる置換基を表し;
は、任意に置換されたヒドロカルビルオキシカルボニル、およびカルボキシルからなる群から選択され;
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたヒドロカルビルオキシ、任意に置換されたアリールヒドロカルビルオキシ、および任意に置換されたシクロヒドロカルビルオキシ、からなる群から選択され;
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、任意に置換されたヒドロカルビルオキシ、任意に置換されたアリールヒドロカルビルオキシ、および任意に置換されたシクロヒドロカルビルオキシ、からなる群から選択され;および
Xは、-CR-であり、ここで、Rが、水素、ハロゲン、任意に置換されたヒドロカルビル、任意に置換されたシクロヒドロカルビル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたヘテロアリール、からなる群から選択され;およびRが、水素、ハロゲン、任意に置換されたヒドロカルビル、任意に置換されたシクロヒドロカルビル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたヘテロアリール、からなる群から選択される場合、nは0、1、2、3または4であり;並びに、RおよびRは、RおよびRが結合される炭素原子と共に、任意に置換されたシクロヒドロカルビルを形成する場合、nは1である。
[医薬組成物]
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、本開示の化合物、本開示の化合物の立体異性体またはそれらの薬学的に許容可能な塩、および薬学的に許容可能な担体、希釈剤または賦形剤、を含む。
【0232】
いくつかの実施形態において、免疫グロブリンE(IgE)に関連する、好ましくは免疫グロブリンE(IgE)によって媒介される疾患を治療または予防するための、本開示の化合物、本開示の化合物の立体異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩の哺乳動物への投与経路は、経口経路または非経口経路であることができる。
【0233】
いくつかの実施形態において、免疫グロブリンE(IgE)に関連する、好ましくは免疫グロブリンE(IgE)によって媒介される疾患を治療または予防するための、本開示の化合物、本開示の化合物の立体異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩の哺乳動物への投与経路は、経口経路であることができる。
【0234】
いくつかの実施形態において、免疫グロブリンE(IgE)に関連する、好ましくは免疫グロブリンE(IgE)によって媒介される疾患を治療または予防するための、本開示の化合物、本開示の化合物の立体異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩の哺乳動物への投与経路は、直腸内経路であることができる。 本願に記載される化合物は、錠剤、カプセル、粉末、経口溶液、懸濁液、直腸ゲル、直腸泡状物質、直腸浣腸、または直腸坐剤などの任意の適切な形態で得られてもよい。錠剤における例示的な例は、素錠剤、糖被覆錠剤およびフィルム被覆錠剤を含むが、限定されない。
【0235】
本願における医薬組成物において使用されることができる薬学的に許容可能な担体の例は、任意のアジュバント、担体、賦形剤、流動促進剤、甘味剤、希釈剤、保存剤、染料/着色剤、調味料、界面活性剤、湿潤剤、分散剤、懸濁剤、安定剤、等浸透圧剤、溶媒、または乳化剤などを含むが、限定されず、これらは、米国食品医薬品局によって、ヒトまたは動物における使用が許容可能であると承認されており、医薬組成物を調製することへの副作用がない。治療的使用のための許容可能な担体または希釈剤は、製薬分野においてよく知られており、レミントンの医薬品(Remington’s Pharmaceuticals)、第18版、マック出版社(Mack Publishing Co.),イーストン,ペンシルベニア州(1990)を例として挙げる。本開示は、当該内容全体を参照とする。
【0236】
本開示における医薬組成物は、それらの意図された目的を達成する任意の手段によって投与されてもよい。例えば、投与は、経口、非経口、局所、経腸、静脈内、筋肉内、吸入、鼻、関節内、脊椎内、経気管、眼、皮下、腹膜内、経皮、または舌下の経路によるものであってもよい。投与経路は、非経口経路、経口経路、または直腸内経路であることができる。投与される量は、受容者の年齢、健康および体重、さらに同時治療の場合、同時治療の種類、治療の頻度、および所望される効果の性質に依存するであろう。
【0237】
適切な剤形は、カプセル、錠剤、ペレット、糖衣錠、半固体製剤、粉末、顆粒、坐剤、軟膏、クリーム、ローション、吸入剤、注射剤、ハップ剤(cataplasma)、ゲル、テープ、点眼薬、溶液、シロップ、エアロゾル、懸濁液、およびエマルジョンを含むが、限定されず、これらは、当技術分野において公知の方法に従って調製されることができる。
【0238】
経口使用に特に適しているのは、通常の錠剤(素錠)、糖衣錠剤、フィルム被覆錠剤、ピル、カプセル、粉末、顆粒、シロップ、ジュースおよびドロップであり;直腸使用に適しているのは坐剤であり;非経口使用に適しているのは、溶液、または油性もしくは水性溶液、さらに懸濁液、エマルジョン、およびインプラントであり;局所使用に適しているのは、軟膏、クリーム、粉末である。本開示の生成物は、凍結乾燥されてもよく、結果的に生じた凍結乾燥物は、例えば、注射剤の調製のために使用されてもよい。示された調製物は、滅菌されてもよく、並びに/または、例えば、湿潤剤、防腐剤、安定剤および/もしくは湿潤剤、乳化剤、浸透圧を修正するための塩、緩衝物質、染料、香味剤および/もしくは複数の更なる活性成分、例えば、一つ以上のビタミンなどの助剤を含んでもよい。
【0239】
いくつかの実施形態において、本開示の医薬組成物は、非経口、経皮、粘膜、鼻、頬、舌下または経口経路を介する錠剤、溶液、顆粒、パッチ、軟膏、カプセル、エアロゾルまたは坐剤として製剤化される。
【0240】
防腐剤、安定剤、染料、甘味料、香料、香辛料などは、医薬組成物中に提供されてもよい。例えば、安息香酸ナトリウム、アスコルビン酸、およびp-ヒドロキシ安息香酸のエステルを防腐剤として添加してもよい。さらに、酸化防止剤および懸濁剤を使用してもよい。
【0241】
様々な実施形態において、アルコール、エステル、硫酸化脂肪族アルコールなどを、界面活性剤として使用してもよく;スクロース、グルコース、ラクトース、デンプン、結晶セルロース、マンニトール、軽無水ケイ酸塩、アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸水素カルシウム、リン酸水素カルシウム、ヒドロキシメチルセルロースカルシウムなどを、賦形剤として使用してもよく;ステアリン酸マグネシウム、タルク、硬化油などを、平滑剤として使用してもよく;ココナッツオイル、オリーブオイル、ゴマ油、ピーナッツオイル、および大豆を、懸濁剤または潤滑剤として使用してもよく;セルロースまたは糖などの糖系の誘導体として酢酸セルロース、またはポリエチレンの誘導体としての酢酸メチル-メタクリル酸エステル共重合体を、懸濁剤として使用してもよく;およびフタル酸エステルのような可塑剤を、懸濁剤として使用してもよい。
【0242】
適切な投与経路は、例えば、経口、直腸、経粘膜、局所または腸投与;筋肉内注射、皮下注射、静脈内注射、髄内注射注射、および髄腔内、直接心室内、腹膜内、鼻腔内または眼内注射を含む非経口送達、を含んでもよい。化合物は、蓄積注射、浸透圧ポンプ、ピル、および経皮(エレクトロマイグレーションを含む)パッチなどを含む持続放出または制御放出剤形で、長期および/または時限の、所定の速度でのパルス投与のために投与されることができる。
【0243】
本開示の医薬組成物は、例えば、従来の混合、溶解、造粒、錠剤製造、粉末化(levigating)、乳化、カプセル化、封入化(entrapping)、または錠剤化工程の方法によって、それ自体が知られている方法で製造されてもよい。
【0244】
したがって、本開示によると、使用される医薬組成物は、賦形剤およびアジュバントを含む1つ以上の生理学的に許容可能な担体を使用して、従来の方法で製剤化されることができる。賦形剤およびアジュバントは、活性化合物の薬学的に使用可能な調製物への加工を容易にする。適切な調製物は、選択した投与経路に依存する。任意の公知の技術、担体および賦形剤を、当技術分野で適切であり、および理解されるように、使用することができる。
【0245】
注射剤は、以下の従来の形態:注射前の溶液または懸濁液に適した溶液、懸濁液、または固体剤形として、またはエマルジョンとして、調製することができる。適切な賦形剤は、水、生理食塩水、グルコース、マンニトール、ラクトース、レシチン、アルブミン、グルタミン酸ナトリウム、塩酸システイン、などを含む。さらに、必要に応じて、注射可能な医薬組成物は、例えば、湿潤剤、pH緩衝剤などの少量の非毒性の補助物質を含むことができる。生理学的に適切な緩衝液は、ハンクス液、リンゲル液、または生理食塩水緩衝液を含むが、限定されない。必要な場合、吸収増強調製物(例えば、リポソーム)を使用することができる。
【0246】
経口投与のために、化合物は、活性化合物を当技術分野で公知の薬学的に許容可能な担体と混合することによって容易に製剤化することができる。治療される患者による経口摂取のために、当該担体は、本開示の化合物が、錠剤、ピル、トローチ剤、カプセル、液体、ゲル、シロップ、軟膏、懸濁液、溶液、粉末などとして製剤化されることを可能にする。経口投与のための医薬製剤は、活性化合物を固体賦形剤と混合し、結果的に生じた混合物を任意に粉砕し、および顆粒の混合物を加工することによって得ることができる。必要な場合、適切なアジュバントを添加し、その後、それを加工して錠剤コアまたはトローチ剤コアを得た後に得ることができる。適切な賦形剤は、特に、例えば、ラクトース、スクロース、マンニトール、およびソルビトールを含む糖などの充填剤であり;セルロース調製物は、コーンスターチ、小麦デンプン、米デンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントガム、メルチセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、および/またはポリビニルピロリドン(PVP)を含む。必要な場合、例えば、架橋ポリビニルピロリドン、寒天またはアルギン酸、またはアルギン酸ナトリウムなどのアルギン酸塩などの崩壊剤を添加することができる。錠剤コアは適切に被覆される。この目的のために、濃縮糖溶液を使用することができ、濃縮糖溶液は、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール、および/または二酸化チタン、セラック塗料溶液、および適切な有機溶媒、または溶媒混合物を任意に含むことができる。活性化合物量の様々な組み合わせを特定する、または特徴付けるために、染料または顔料を、錠剤または糖衣錠被覆に加えることができる。この目的のために、濃縮糖溶液を使用することができ、濃縮糖溶液は、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール、および/または二酸化チタン、セラックラッカー溶液、および適切な有機溶媒または溶媒混合物を、任意に含むことができる。
【0247】
経口投与に使用されることができる医薬品は、ゼラチン製の押し込み型(push-fit)カプセル、並びに例えばグリセリンまたはソルビトールなどのゼラチンと、可塑剤とで製造される柔らかく密封されたカプセル、を含む。押し込み型カプセルは、ラクトースのような充填剤、デンプンのような結合剤、および/またはタルクもしくはステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、および任意の安定剤と混合された活性成分を含むことができる。軟カプセルにおいて、活性成分は、例えば、脂肪油、液体パラフィン、または液体ポリエチレングリコールなどの適切な液体に溶解または懸濁することができる。さらに、安定剤を加えることができる。経口投与のための全ての調製物は、当該投与に適した用量に達するべきである。
【0248】
いくつかの実施形態において、本開示の医薬組成物は、本開示の化合物、本開示の化合物の立体異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩を0.1%~95%を含んでもよい。
【0249】
いくつかの実施形態において、本開示の医薬組成物は、本開示の化合物、本開示の化合物の立体異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩を1%~70%を含んでもよい。
【0250】
いずれの場合も、投与されるための組成物または製剤は、治療される患者の疾患/状態を効果的に治療するための、ある量の本開示の化合物、本開示の化合物の立体異性体、またはそれらの薬学的に許容される塩を含む。
[投与方法]
少なくとも1つの本開示の化合物、本開示の化合物の立体異性体、もしくはそれらの薬学的に許容可能な塩、または本開示の化合物、本開示の化合物の立体異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩を少なくとも1つ含む医薬組成物は、本開示の化合物、本開示の化合物の立体異性体、またはそれらの薬学的に許容される塩を系統的及び/または局所的に送達する任意の適切な方法によって、患者に投与されてもよい。投与方法の非限定的な例は、とりわけ、(a)経口経路を介した投与を含み、この投与は、カプセル、錠剤、顆粒、スプレー、シロップ、または他の当該形態での投与を含み;(b)非経口経路、例えば、直腸、膣、尿道内、眼内、鼻腔内、または耳介内など、を介した投与を含み、この投与は、水性懸濁液、油性調製物等、または点滴、スプレー、坐剤、軟膏(salve)、軟膏(ointment)、もしくは同種のものとしての投与を含み;(c)皮下注射、腹膜内注射、静脈内注射、筋肉内注射、皮内注射、眼窩内注射、被膜内注射、脊髄内注射、胸骨内注射などを介する投与、輸液ポンプ送達を含む;(d)例えば、腎臓または心臓領域への直接注射などによる、例えば、デポー移植による局所投与を含み;および(e)局所投与;本開示の化合物を生体組織と接触させるための当業者によって適切であるとみなされる投与を含む。
【0251】
最適なルートは、治療される状態の性質および重症度に依存する。当業者は、投与方法(頬、静脈内、皮下吸入、直腸など)の決定、剤形、適切な医薬賦形剤、および化合物、化合物の立体異性体またはそれらの薬学的に許容される塩を、それらを必要な患者に送達することに関する他の事象、も知っている。
【0252】
投与に適した医薬組成物は、組成物を含み、ここで有効成分は、当該意図された目的を達成するために有効な量で含まれる。用量として必要とされる本願に開示される医薬組成物の治療有効量は、投与経路、治療されるヒトを含む動物の種類、および検討中の特定の動物の身体的特徴に依存するであろう。用量は、所望の効果を達成するように調整することができるが、体重、食事、併用薬、および医学技術の当業者が認識するだろう他の要因、のような当該要因に依存するだろう。より具体的には、治療有効量は、疾患の徴候を予防、緩和または改善するために、または治療される患者の生存を延長するために有効な化合物の量を意味する。治療上有効な量の決定は、特に本願に提供される詳細な開示に照らして、十分に当業者の能力の範囲内である。
【0253】
当業者にとって容易に明らかであるように、投与される有用なインビボ(invivo)投与量および特定の投与様式は、年齢、体重および治療される哺乳動物種、使用される特定の化合物、およびこれらの化合物が使用されるための特定の用途に応じて変化するだろう。有効な投与量レベル、すなわち、所望の結果を達成するために必要な投与量レベルの決定は、慣例の薬理学的方法を使用して当業者によって達成することができる。通常、製品のヒトでの臨床応用は、より低い投与量レベルで開始され、所望の効果が達成されるまで投与量レベルが増加される。代替的に、許容可能なインビトロ(in vitro)研究を、確立された薬理学的方法を使用する本方法によって同定された組成物の有用な用量および投与経路を確立するために使用することができる。
【0254】
非ヒト動物実験において、潜在的製品の適用は、より高い投与量レベルで開始され、望ましい効果がもはや達成されない、または有害な副作用がなくなるまで投与量を減少させる。投与量は、所望の影響および治療指標に応じて、広範囲に及んでもよい。一般的に、投与量は、約10μg/kg体重~1000mg/kg体重であってもよく、いくつかの実施形態において、約100μg/kg体重~300mg/kg体重であってもよい。代替的に、当業者によって理解されるように、投与量は、患者の表面積に対して基づかれ計算されてもよい。
【0255】
本開示の医薬組成物のための正確な処方、投与経路、および投与量は、患者の状態を考慮して個々の医師によって選択されることができる。一般的に、患者に投与される組成物の用量範囲は、患者の体重の約0.5mg/kg患者の体重~1000mg/kg患者の体重であることができる。投与量は、患者によって必要とされるように、1日以上の間に与えられる単一の量、または一連の2つ以上の量であってもよい。化合物のヒト投与量が、少なくともいくつかの条件のために確立されている場合、本開示は、それらの同じ投与量、または確立されたヒト投与量の約0.1%~500%の投与量、いくつかの実施形態において、約25%~250%の投与量を使用するだろう。ヒトの投与量が確立されていない場合、新たに発見された医薬化合物の場合のように、適切なヒトの投与量は、ED50値またはID50値、または動物での毒性研究および有効性研究によって認定されるような、インビトロ(in vitro)もしくはインビボ(in vivo)研究から得られる他の適切な値、から推測されることができる。
【0256】
主治医は、毒性または臓器機能不全のために投与を終了、中断、または調節する方法および時期を知っているということ注目すべきである。逆に、主治医は、臨床反応が適切でなかった場合(毒性を排除する場合)、治療をより高いレベルに調節することも知っているだろう。関心のある疾患の管理において投与量の程度は、治療される状態の重症度および投与経路によって異なるだろう。状態の重症度は、例えば、標準的な予後評価方法によって部分的に評価されてもよい。さらに、用量、およびおそらく用量頻度も、個々の患者の年齢、体重、および反応に応じて変化するだろう。上述のプログラムに匹敵するプログラムを、獣医学で使用してもよい。
【0257】
正確な投与量は薬剤ごとに決定されるだろうが、ほとんどの場合、投与量に関するいくつかの一般化を行うことができる。成人のヒト患者のための毎日の投与計画は、例えば、0.1mg~2000mgの各活性成分、いくつかの実施形態において、1mg~2000mg、例えば、5mg~1500mgの各活性成分の経口用量であってもよい。他の実施形態において、0.01mg~1000mg、いくつかの実施形態において、0.1mg~1000mg、例えば、1mg~800mgの各活性成分の静脈内、皮下、または筋肉内用量を使用する。薬学的に許容可能な塩の投与の場合、投与量は遊離塩基に基づいて計算されてもよい。いくつかの実施形態において、組成物は、1日1~4回投与される。代替的に、本開示の組成物は、いくつかの実施形態において、1日あたり最大2000mgの各活性成分の用量で、連続静脈内注入によって投与されてもよい。当業者によって理解されるように、特定の状況において、特に侵攻性疾患または感染症を、効果的に、および積極的に治療するために、上記の投与量範囲を超える、またははるかに超える量で本願に開示される化合物を投与する必要があり得る。いくつかの実施形態において、化合物は、連続治療の期間、例えば、1週間以上、または数ヶ月または数年投与されるだろう。
【0258】
投与量および間隔は、調節効果や最小有効濃度(MEC)を維持するのに十分な活性部分の血漿レベルを提供するために、個々に調節されてもよい。MECは化合物ごとに異なるだろうが、インビトロ(in vitro)データから推定されることができる。MECを達成するために必要な投与量は、個々の特性および投与経路に依存するだろう。しかしながら、HPLC分析または生物学的検定を、血漿濃度を決定するために使用することができる。
【0259】
投与間隔は、MEC値を使用して決定することもできる。組成物は、例えば10%~90%の時間、いくつかの実施形態において30%~90%の時間、およびいくつかの実施形態において50%~90%の時間MECを超える血漿レベルを維持する投与計画を用いて投与されるべきである。
【0260】
局所投与または選択的取り込みの場合、薬物の有効局所濃度は、血漿濃度に関連しない可能性がある。
【0261】
投与される組成物の量は、もちろん、治療される対象に、対象の体重に、苦痛の重症度、投与の方法、および処方する医師の判断に依存するだろう。
【0262】
本願に開示される化合物は、既知の方法を使用して有効性および毒性を評価することができる。例えば、特定の化合物、または特定の化学部分を共有する化合物の一部の毒物学は、哺乳動物などの細胞株、およびいくつかの実施形態においてヒトの細胞株に対するインビトロ(in vitro)毒性を決定することによって確立されてもよい。このような研究の結果は、動物、例えば哺乳類など、より具体的にはヒト、の毒性を予測する。代替的に、動物モデル、例えば、マウス、ラット、ウサギ、またはサルなどにおける特定の化合物の毒性は、既知の方法を使用して決定されてもよい。特定の化合物の有効性は、いくつかの認められた方法、例えば、インビトロ(in vitro)法、動物モデル、またはヒト臨床試験など、を使用して確立されてもよい。認識されたインビトロ(in vitro)モデルは、癌、心血管疾患、および様々な免疫機能障害など、を含むがこれらに限定されない、ほぼ全てのクラスの状態に存在する。同様に、許容可能な動物モデルを、当該状態を治療するための化学薬物の有効性を確立するために使用してもよい。有効性を決定するためにモデルを選択する場合、当業者は、従来技術のもとで、適切なモデル、用量、および投与経路、および投与治療計画を選択することができる。もちろん、ヒト臨床試験は、ヒトにおける化合物の有効性を決定するために使用することもできる。
【0263】
組成物は、所望される場合、活性成分を含む1つ以上の単位剤形を含み得るパックまたはディスペンサー装置で提示されてもよい。パックは、例えば、ブリスターパックなどの金属またはプラスチックホイルを含んでもよい。パックまたはディスペンサー装置は、投与説明書が添付されてもよい。パックまたはディスペンサーは、医薬品の製造、使用、または販売を規制する政府機関によって規定された形式の容器に関連する通知が添付されてもよく、この通知は、ヒトまたは動物投与のための薬剤の型における機関による承認を反映する。当該通知は、例えば、中華人民共和国の国家食品薬品監督管理局(the State Food and Drug Administration)または米国食品医薬品局(the U.S.Food and Drug Administration)によって処方薬のために承認されたラベル、または承認された製品の説明書であってもよい。適切な容器において、適合性のある医薬担体で製剤化された本開示の化合物、本開示の化合物の立体異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩を含む組成物を調製したり、入れたりして、特定の疾患状態の治療に用いられることを標識化してもよい。
【0264】
更に他の態様において、本開示は、式(II)の化合物、式(II)の化合物の立体異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩の調製工程に関し:
(1)式(B-I)の化合物をマロン酸および酢酸アンモニウムと反応させ、式(B-II)の化合物を得ること、
【0265】
【化32】
【0266】
ここで、式(B-I)および式(B-II)においてR’’およびR’’によって表される基は、式(II)におけるRおよびRと同じ定義を有し、
(2)式(B-II)の化合物を、アルコールとエステル化反応させ、式(B-III)の化合物を得ること、
【0267】
【化33】
【0268】
ここで、式(B-II)および式(B-III)においてR’’およびR’’によって表される基は、式(II)におけるRおよびRと同じ定義を有し、およびR’は、水素およびヒドロカルビル、からなる群から選択され;および
(3)式(B-IV)の化合物を式(B-III)の化合物と反応させ、式(II)の化合物を得ること、
【0269】
【化34】
【0270】
ここで、式(B-III)および式(B-IV)においてR’’、R’’およびR’’によって表される基は、式(II)におけるR、RおよびRと同じ定義を有し、およびR’は、水素およびヒドロカルビル、からなる群から選択され;
式中、Xは、-CR-であり、式中、Rは水素であり、Rは、水素であり、およびnは1である、
を含む。
【0271】
いくつかの実施形態において、式(B-I)の化合物を、マロン酸および酢酸アンモニウムと反応させて式(B-II)の化合物を得ることは、有機溶媒中で行われる。
【0272】
いくつかの実施形態において、式(B-I)の化合物を、マロン酸および酢酸アンモニウムと反応させて式(B-II)の化合物を得るために、本開示において使用されることができる適切な有機溶媒の例示的な例は、メタノール、エタノール、イソプロパノールおよび水を含むが限定されない。
【0273】
いくつかの実施形態において、式(B-I)の化合物を、マロン酸および酢酸アンモニウムと約50℃~約130℃で反応させて、式(B-II)の化合物を得る。
【0274】
いくつかの実施形態において、式(B-III)の化合物を式(B-II)の化合物を用いて調製するために使用されることができる適切なエステル化剤の例示的な例は、塩化チオニル、塩化オキサリル、HClガス、および塩化アセチルを含むが、限定されない。
【0275】
いくつかの実施形態において、式(B-II)の化合物をアルコール化合物と反応させて式(B-III)の化合物を得ることは、有機溶媒中で行われる。
【0276】
いくつかの実施形態において、式(B-II)の化合物をアルコール化合物と反応させて式(B-III)の化合物を得るために、本開示において使用されることができる適切な有機溶媒の例示的な例は、アルコール、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、酢酸エチル、およびメチルtert-ブチルエーテルを含むが、限定されない。
【0277】
いくつかの実施形態において、式(B-II)の化合物をアルコール化合物と反応させて式(B-III)の化合物を得るために、本開示において使用されることができる適切なアルコールの例示的な例は、メタノール、エタノール、およびイソプロパノールを含むが、限定されない。
【0278】
いくつかの実施形態において、式(B-II)の化合物を約-20℃~約30℃でアルコール化合物と反応させて、式(B-III)の化合物を得る。
【0279】
いくつかの実施形態において、触媒は、式(B-IV)の化合物を式(B-III)の化合物と反応させて式(II)の化合物を得るために添加される。
【0280】
いくつかの実施形態において、式(B-IV)の化合物を式(B-III)の化合物と反応させて式(II)の化合物を得るために本開示において使用されることができる適切な触媒の例示的な例は、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、炭酸ナトリウム、および炭酸カリウムを含むが、限定されない。
【0281】
いくつかの実施形態において、式(B-IV)の化合物を式(B-III)の化合物と反応させて式(II)の化合物を得ることは、有機溶媒中で行われる。
【0282】
いくつかの実施形態において、式(B-IV)の化合物を式(B-III)の化合物と反応させて式(II)の化合物を得るために本開示において使用されることができる適切な有機溶媒の例示的な例は、酢酸、ギ酸、ジメチルホルムアミドおよびジメチルアセトアミドを含むが、限定されない。
【0283】
いくつかの実施形態において、式(B~IV)の化合物を、約50℃~約180℃で式(B~III)の化合物と反応させて、式(II)の化合物を得る。
【0284】
以下、本開示の様々な態様および利点をもっとよく理解するために、本開示は、以下の実施例によって詳細に説明される。しかしながら、以下の実施例は、非限定的であり、本出願のいくつかの実施形態を説明するためにのみ使用されることを理解されるべきである。
[実施例]
略語:
DMF:N,N-ジメチルホルムアミド
DCM:ジクロロメタン
THF:テトラヒドロフラン
PE:石油エーテル
EA:酢酸エチル
AcOH:酢酸
DMAP:4-ジメチルアミノピリジン
CDCl:重水素化クロロホルム
HPLC:高速液体クロマトグラフィー
TLC:薄層クロマトグラフィー
実施例1
メチル3-(4-アセトアミドー1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート
反応フラスコに、3-ニトロフタル酸(10.0g)、パラジウム炭素(1.0g、Pd含有量:10%)、およびテトラヒドロフラン(200mL)を加えた。空気を、水素気球を用いて3回交換した。混合物を室温で16時間撹拌した。反応を、高速液体クロマトグラフィーを用いて完了するまで観察した。反応溶液を濾過した。濾液を、水ポンプを用いて減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を、ジクロロメタンを用いてパルプ化し、精製して黄色固体、すなわち3-アミノフタル酸(4.0g)(HPLC純度:81.88%)を得た。収率:47%。MS(m/e):182.24(m+H)。
【0285】
反応フラスコに、3-アミノフタル酸(1.0g)および無水酢酸(2.5mL)を加えた。混合物を105℃に加熱し2時間反応させた。TLCは反応が完了したことを示した。反応液を室温に冷却し、減圧下濾過した。ろ過ケーキを集めた。ろ過ケーキをエーテルを用いてパルプ化し、精製した。結果的に生じた混合物を減圧下で吸引濾過した。ろ過ケーキを集めて、黄色固体、すなわち、N-(1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-4-イル)アセトアミド(0.67g)(HPLC純度:98.94%)を得た。収率:59%。
【0286】
反応フラスコに、3-エトキシ-4-メトキシベンズアルデヒド(200g)、酢酸アンモニウム(171g)、およびマロン酸(150g)を加えた。エタノール(1235mL)、および水(65mL)を混合物に加えた。結果的に生じた混合物を撹拌下、加熱還流した(80℃の内部温度を用いて)。結果的に生じた混合物を還流温度で16時間撹拌して、大量の固体を沈殿させた。反応を、HPLCを用いて完了まで観察した。反応溶液を減圧下で吸引濾過し、濾過ケーキを集めた。濾過ケーキを、酢酸エチルを用いてパルプ化し、精製した。スラリーを濾過して濾過ケーキを集めた。濾過ケーキを真空オーブン(40℃)で乾燥し、白色固体、すなわち、3-アミノ-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオン酸(168g)(HPLC純度:80.48%)を得た。収率:65.5%。MS(m/e):240.12(M+H)。
【0287】
反応フラスコに3-アミノ-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオン酸(83g)およびメタノール(581mL)を加えた。混合物を0℃に冷却した。塩化チオニル(53.65g)を撹拌しながらゆっくりと滴下した。滴下が完了した後、混合物をゆっくりと室温に温め、一晩撹拌した。反応を、HPLCを用いて完了するまで観察した。反応溶液に、メチルtert-ブチルエーテル(2.9L)を加えた。混合物を、室温で一晩撹拌した。大量の沈殿した固体を、減圧下で吸引濾過した。濾過ケーキを集め、真空オーブン(45℃)で乾燥し、白色の固体、すなわちメチル3-アミノ-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート塩酸塩(86g)(HPLC純度:99.36%)を得た。収率:87%。MS(m/e):254.13(M+H)。
【0288】
反応フラスコに、メチル3-アミノ-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート塩酸塩(50.73g)、N-(1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-4-イル)アセトアミド(30g)、酢酸ナトリウム(24g)、およびAcOH(300mL)を加えた。反応フラスコを油浴に入れ、140℃に加熱した。混合物を撹拌して6時間反応させた。反応を、HPLCを用いて完了するまで観察した。反応溶液を、水ポンプを用いて減圧下で連続して濃縮し、粗生成物を得た。DCMおよび水を、粗生成物に加えた。粗生成物を溶解して抽出した。有機相を集め、飽和食塩水を用いて2回洗浄した。有機相を、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、水ポンプを用いて、減圧下で濃縮した。結果的に生じた粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液は石油エーテル:酢酸エチル=15:1~1:1であった)で精製して、表題化合物(41.3g)(HPLC純度:99.24%)を得た。収率:64.1%。
【0289】
HNMR(CDCl,400MHz)δ9.519(bs,1H)、8.750-8.729(d,1H)、7.651-7.612(dd,1H)、7.476-7.456(dd,1H)、7.081-7.054(m,2H)、6.832-6.810(d,1H)、5.734-5.695(q,1H)、4.130-4.078(q,2H)、3.840(s,3H)、3.812-3.745(q,1H)、3.648(s,3H)、3.217-3.162(q,1H)、2.258(s,3H)、1.475-1.440(t,3H)。MS(m/e):441.16(M+H)。
実施例2
メチル3-(4-アミノ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート
メチル3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-(4-ニトロ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)プロピオネート(16.2g、HPLC純度:95.15%)を、実施例1の調製工程に従って、メチル3-アミノ-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート塩酸塩および3-ニトロフタル酸無水物を反応させて調製した。収率:75%。MS(m/e):429.12(M+H)。
【0290】
反応フラスコに、メチル3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-(4-ニトロ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)プロピオネート(6.0g)、パラジウム炭素(3.0g、パラジウム含有量:10%)、およびテトラヒドロフラン(200mL)を加えた。空気を、水素気球を用いて3回交換した。混合物を室温で16時間撹拌した。TLCは、反応が完了したことを示した。反応溶液を濾過した。濾液を、水ポンプを用いて減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:PE:EA=3:1)を用いて精製し、表題化合物を黄色固体(3.87g、HPLC純度:96.49%)として得た。収率:74.1%。MS(m/e):399.15(M+H)。
実施例3
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3,4-ジメトキシフェニル)プロピオネート
反応フラスコに、3-ヒドロキシ-4-メトキシベンズアルデヒド(5.0g)および炭酸カリウム(4.56g)を加えた。混合物を、DMFを用いて溶解した。ヨードメタン(3.1mL)を混合物に加えた。反応フラスコを油浴に移し、混合物を65℃で15時間撹拌した。HPLCは、反応が完了したことを示した。反応溶液を、酢酸エチルで希釈した。結果的に生じた混合物を、飽和食塩水で洗浄し、抽出した。有機相を集め、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、水ポンプを用いて40℃で濃縮乾燥し、粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:PE:EA=8:1)で精製して、無色の油性生成物、すなわち(3,4-ジメトキシベンズアルデヒド)(4.95g、HPLC純度:99.94%)を得た。収率:90%。
【0291】
3-アミノ-3-(3,4-ジメトキシフェニル)プロピオン酸(4.28g、HPLC純度:98.54%)を、実施例1の調製工程に従って、3,4-ジメトキシベンズアルデヒド(4.9g)を用いて調製した。収率:79%。MS(M/e):226.10(M+H)。
【0292】
メチル3-アミノ-3-(3,4-ジメチルオキシフェニル)プロピオン酸塩酸塩(4.4g、HPLC純度:99.89%)を、実施例1の調製工程にしたがって3-アミノ-3-(3,4-ジメトキシフェニル)プロピオン酸(4.28g)を用いて調製した。収率:96.7%。MS(m/e):240.12(M+H)。
【0293】
表題化合物(0.68g、HPLC純度:96.49%)を、実施例1の調製工程にしたがって、メチル3-アミノ-3-(3,4-ジメトキシフェニル)プロピオネート塩酸塩(1.16g)およびN-(1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-4-イル)アセトアミド(1.0g)を用いて調製した。収率:32.6%。MS(m/e):427.14(M+H)。
実施例4
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3,4-ジエトキシフェニル)プロピオネート
(3,4-ジエトキシベンズアルデヒド)(3.48g、HPLC純度:98.99%)の油性化合物生成物を、実施例3の調製プロセスにしたがって、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(3.0g)およびヨウ化エチルを用いて調製した。収率:99.3%。
【0294】
3-アミノ-3-(3,4-ジエトキシフェニル)プロピオン酸(4.0g、HPLC純度:97.68%)を、実施例3の調製工程にしたがって、3,4-ジエトキシベンズアルデヒド(3.48g)を用いて調製した。収率:88.1% MS(m/e):254.13(M+H)。
【0295】
メチル3-アミノ-3-(3,4-ジエトキシフェニル)プロピオネート塩酸塩(2.9g、HPLC純度:99.26%)を、実施例1の調製工程にしたがって、3-アミノ-3-(3,4-ジエトキシフェニル)プロピオン酸(4.0g)を用いて調製した。収率:60.9%。MS(m/e):268.15(M+H)。
【0296】
表題化合物(0.38g、HPLC純度:98.79%)を、実施例1の調製工程にしたがって、メチル3-アミノ-3-(3,4-ジエトキシフェニル)プロピオネート塩酸塩(1.48g)およびN-(1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-4-イル)アセトアミド(1.0g)を用いて調製した。収率:17.2%。MS(m/e):455.17(M+H)。
実施例5
3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオン酸
表題化合物(2.73g)、HPLC純度:98.81%)を、3-アミノ-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオン酸(2.1g)およびN-(1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-4-イル)アセトアミド(2.05g)を用いて調製した。収率:76.7%。MS(m/e):425.14(M-H)。
実施例6
エチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート
反応フラスコに、3-(4-アセチルアミノ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオン酸(0.3g)、6-クロロ-1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.18g)および1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(0.2g)を加えた。DCM(4mL)を混合物に加えた。結果的に生じた混合物を室温で完全に溶解した後、エタノール(0.25mL)を加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。HPLCは、反応が完了したことを示した。反応をクエンチするために水を加えた。反応溶液を、水ポンプを用いて減圧下で濃縮した。結果的に生じた粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液はDCM:EA=30:1~20:1)で精製して、淡黄色の表題化合物(0.17g、HPLC純度:99.65%)を得た。収率:54.4%。MS(m/e):477.28(M+Na)。
実施例7
メチル(R)-3-(4-アミノ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート
メチル3-アミノ-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート塩酸塩(5.0g)を水(100mL)に溶解した。pHを、炭酸ナトリウムの飽和水溶液でpH9に調整した。水相をDCM(50mL×4)で抽出した。有機相を合わせ、塩化ナトリウムの飽和水溶液(40mL)を用いて1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を、水ポンプを用いて減圧下で濃縮し、油性生成物、すなわち、メチル3-アミノ-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート(4.4g、次の反応で直接使用した)を得た。収率:100%。
【0297】
反応フラスコに、メチル3-アミノ-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート(14.0g)およびN-(tert-ブトキシカルボニル)-L-ロイシン一水和物(7.15g)を加えた。メチルtert-ブチルエーテル(490mL)を混合物に加えた。結果的に生じた混合物を、35℃に加熱し、1時間撹拌した。結果的に生じた混合物をゆっくりと室温に冷却し、一晩撹拌して、大量の白色固体を沈殿させた。反応溶液を減圧吸引濾過した。濾過ケーキを、メチルtert-ブチルエーテル(30L)を用いて1回洗浄した。濾過ケーキを集め、空気中で乾燥し、白色の固体生成物、すなわちメチル(R)-3-アミノ-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネートN-(tert-ブトキシカルボニル)-L-ロイシン塩(11g、光学純度:98.64%)を得た。収率:41.1%。
【0298】
メチル(R)-3-アミノ-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネートN-(tert-ブトキシカルボニル)-L-ロイシン塩(12.1g)を、水(100mL)に溶解した。pHを、炭酸ナトリウムの飽和水溶液を用いてpH9に調節した。水相を、酢酸エチル(50mL×4)を用いて抽出した。有機相を合わせ、塩化ナトリウムの飽和水溶液(60mL)を用いて1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を、水ポンプ(35℃)を用いて減圧下で濃縮し、油性生成物、すなわちメチル(R)-3-アミノ-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート(5.62g、旋光度を測定し[α]D20=-14.5℃(C=0.02、EtOH)、次の反応で直接使用した)を得た。収率:100%。
【0299】
メチル(R)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-(4-ニトロ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)プロピオネート(5.28g、HPLC純度:98.62%)を、メチル(R)-3-アミノ-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート(4.9g)および3-ニトロフタル酸無水物(4.48g)を用いて、実施例1の調製工程に従って調製した。収率:63.7%。MS(m/e):429.12(M+H)。
【0300】
表題化合物(3.2g、HPLC純度:97.26%、光学純度:99.05%)を、メチル(R)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-(4-ニトロ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)プロピオネート(5.06g)を用いて、実施例2の調製工程にしたがって調製した。旋光度を測定した[α]D20=+12.55゜(C=0.02、アセトニトリル)。収率:69%。MS(m/e):399.15(M+H)。
実施例8
メチル(S)-3-(4-アミノ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート。
【0301】
メチル(S)-3-アミノ-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネートN-(tert-ブトキシカルボニル)-D-ロイシン塩(10g、HPLC純度:98.83%、光学純度:99.15%)を、実施例7の調製工程に従って、メチル3-アミノ-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート(14.0g)およびN-(tert-ブトキシカルボニル)-D-ロイシン一水和物(7.15g)を用いて調製した。収率:37.3%。
【0302】
油性生成物、すなわちメチル(S)-3-アミノ-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート(5.3g、旋光度を測定し[α]D20=+14.1゜(C=0.02、エタノール)、次の反応で直接使用した)を、実施例7の調製工程にしたがって、メチル(S)-3-アミノ-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネートN-(tert-ブトキシカルボニル)-D-ロイシン塩(10g)を用いて調製した。
【0303】
メチル(S)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-(4-ニトロ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)プロピオネート(3.84g、HPLC純度:98.13%)を、実施例1の調製工程にしたがって、メチル(S)-3-アミノ-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート(3.92g)、および3-ニトロフタル酸無水物(3.1g)を用いて調製した。収率:58%。MS(m/e):429.12(M+H)。
【0304】
表題化合物(1.92g、HPLC純度:99.32%、光学純度:99.25%;旋光度[α]D20=-11.93゜(C=0.02、アセトニトリル)を測定した。)を、実施例2の調製工程にしたがって、メチル(S)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-(4-ニトロ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)プロピオネート(2.63g)を用いて調製した。収率:48%。MS(m/e):399.15(M+H)。
実施例9
メチル(R)-3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート
表題化合物(12.0g、HPLC純度:99.40%、光学純度:99.60%)を、実施例1の調製工程にしたがって、メチル(R)-3-アミノ-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート(10.44g)およびN-(1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-4-イル)アセトアミド(8.5g)を用いて調製した。旋光度を測定した[α] 20=+11.2゜(C=0.02、アセトニトリル)。収率:66.1%。
【0305】
HNMR(CDCl,400MHz)δ9.519(bs,1H)、8.750-8.729(d,1H)、7.651-7.612(dd,1H)、7.476-7.456(dd,1H)、7.081-7.054(m,2H)、6.832-6.810(d,1H)、5.734-5.695(q,1H)、4.130-4.078(q,2H)、3.840(s,3H)、3.812-3.745(q,1H)、3.648(s,3H)、3.217-3.162(q,1H)、2.258(s,3H)、1.475-1.440(t,3H)。MS(m/e):441.16(M+H)。
実施例10
メチル(S)-3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート
表題化合物(6.6g、HPLC純度:98.83%、光学純度:99.73%)を、実施例1の調製工程にしたがって、メチル(S)-3-アミノ-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート、およびN-(1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-4-イル)アセトアミド(4.1g)を反応させて得た。旋光度を測定した[α] 20=-11.6゜(C=0.02、ACN)。収率:76.1%。
【0306】
HNMR(CDCl,400MHz)δ9.519(bs,1H)、8.750-8.729(d,1H)、7.651-7.612(dd,1H)、7.476-7.456(dd,1H)、7.081-7.054(m,2H)、6.832-6.810(d,1H)、5.734-5.695(q,1H)、4.130-4.078(q,2H)、3.840(s,3H)、3.812-3.745(q,1H)、3.648(s,3H)、3.217-3.162(q,1H)、2.258(s,3H)、1.475-1.440(t,3H)。MS(m/e):441.16(M+H)。
実施例11
プロピル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート
表題化合物(0.12g、HPLC純度:99.32%)を、実施例6の調製工程にしたがって、3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオン酸(0.3g)、およびn-プロパノールを用いて調製した。収率:36%。MS(m/e):491.17(M+Na)。
実施例12
イソプロピル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート
表題化合物(0.14g、HPLC純度:98.93%)を、実施例6の調製工程にしたがって、3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオン酸(0.3g)、およびイソプロパノールを用いて調製した。収率:42%。MS(m/e):491.16(M+Na)。
実施例13
ブチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート
表題化合物(0.22g、HPLC純度:99.46%)を、実施例6の調製工程にしたがって、3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオン酸(0.3g)、およびn-ブタノールを用いて調製した。収率:61%。MS(m/e):505.20(M+Na)。
実施例14
メチル3-(4-(2-クロロアセトアミノ)-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート
反応フラスコに、メチル3-(4-アミノ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート(700mg)、クロロアセチルクロリド(218mg)、炭酸カリウム(486mg)、およびDCM(12mL)を加えた。混合物を、室温で一晩撹拌した。HPLCは、反応が完了したことを示した。水(30mL)およびDCM(50mL)を反応溶液に加えた。混合物を抽出した。水相を、DCM(2×50mL)を用いて逆抽出した。DCMを合わせた。NaClの飽和水溶液を用いて洗浄し、抽出し、無水MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮乾燥し、粗生成物、すなわちメチル3-(4-(2-クロロアセトアミド)-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネートを得た。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:PE:EA=10:1~4:1)を用いて精製し、表題化合物の純粋な生成物(220mg、HPLC純度:99.78%)を得た。収率:26%。MS(m/e):497.19(M+Na)。
実施例15
メチル3-(4-(2-(ジメチルアミノ)アセトアミド)-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート
反応フラスコに、メチル3-(4-(2-クロロアセトアミド)-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート(200mg)、ジメチルアミン塩酸塩(52mg)、炭酸カリウム(116mg)、およびアセトン(10mL)を加えた。混合物を、室温で50時間撹拌した。HPLCは、反応が完了したことを示した。水(40mL)およびEA(40mL)を、反応溶液に加え、混合物を抽出した。水相を、EA(30mL)を用いて逆抽出した。有機相を合わせ、NaClの飽和水溶液を用いて洗浄し、抽出し、無水MgSOで乾燥し、濾過し、および濃縮乾燥して、粗生成物、すなわちメチル3-(4-(2-(ジメチルアミノ)アセトアミド)-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネートを得た。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:DCM:MeOH=200:1)を用いて精製し、表題化合物の純粋な生成物(100mg、HPLC純度:96.44%)を得た。収率:49%。MS(m/e):484.27(M+H)。
実施例16
メチル3-(4-(ジメチルアミノ)-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート
反応フラスコに、3-(4-アミノ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート(500mg)、ホルムアルデヒド水溶液(9mL)、Pd/C(50mg、Pd含有量:10%)、およびメタノール(20mL)を加えた。空気を水素気球で3回交換した。反応溶液を室温で100時間撹拌した。TLCは反応が完了したことを示した。反応溶液を濾過した。濾液を、水ポンプを用いて減圧下で濃縮し、粗生成物、すなわちメチル3-(4-(ジメチルアミノ)-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネートを得た。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:PE:EA=4:1)を用いて精製し、表題化合物の純粋な生成物(176mg、HPLC純度:96.67%)を得た。収率:32.9%。MS(m/e):427.18(M+H)。
実施例17
メチル3-(4-(2-ヒドロキシアセトアミド)-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート。
【0307】
反応フラスコに、2-(ベンジルオキシ)酢酸(318mg)およびDCM(10mL)を加えた。塩化スルホキシド(0.27mL)、次いでDMF(1mL)を、室温で撹拌しながら、混合物に加えた。結果的に生じた混合物を室温で18時間撹拌した。反応溶液を、水ポンプおよび油ポンプを用いて減圧下濃縮し、油性生成物として2-(ベンジルオキシ)アセチルクロリド(347mg)を得て、2-(ベンジルオキシ)アセチルクロリドを、次の反応に直接使用した。
【0308】
反応フラスコに、2-(ベンジルオキシ)アセチルクロリド(347mg)、メチル3-(4-アミノ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート(500mg)、炭酸カリウム(191mg)、およびDCM(10mL)を加えた。混合物を、室温で18時間撹拌した。HPLCは、反応が完了したことを示した。水(40mL)およびDCM(100mL)を、反応溶液に加えた。混合物を抽出した。水相を、DCM(2×30mL)を用いて逆抽出した。DCMを合わせた。NaClの飽和水溶液を用いて洗浄し、抽出し、無水MgSOで乾燥し、濾過し、および濃縮乾燥して、粗生成物を得た。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:PE:EA=4:1)を用いて精製し、メチル3-(4-(2-(ベンジルオキシ)アセトアミド)-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート(234mg、HPLC純度:95.88%)を得た。収率:34.2%。MS(m/e):569.21(M+Na)。
【0309】
反応フラスコに、メチル3-(4-(2-(ベンジルオキシ)アセトアミド)-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシベンゼン)プロピオネート(234mg)、Pd/C(24mg、Pd含有量:10%)、メタノール(17mL)およびEA(7mL)を加えた。空気を水素気球で3回交換した。混合物を室温で撹拌して40時間反応させた。HPLCは、反応が完了したことを示した。反応溶液を濾過した。濾液を、水ポンプを用いて減圧下で濃縮し、粗生成物、すなわちメチル3-(4-(2-ヒドロキシアセトアミド)-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネートを得た。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:PE:EA=2:1)を用いて精製し、表題化合物(89mg、HPLC純度:98.70%)を得た。収率:45.6%。MS(m/e):479.17(M+Na)。
実施例18
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-イソプロポキシフェニル)プロピネート
3-エトキシ-4-イソプロポキシベンズアルデヒド(2.8g、HPLC純度:98.56%)を、実施例3の調製工程に従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(3.0g)およびブロモイソプロパンを用いて調製した。収率:76%。
【0310】
3-アミノ-3-(3-エトキシ-4-イソプロポキシフェニル)プロピオン酸(2.7g)(HPLC純度:99.43%)を、実施例1の調製工程に従って3-エトキシ-4-イソプロポキシベンズアルデヒド(2.8g)を用いて調製した。収率:74%。MS(m/e):268.15(M+H)。
【0311】
メチル3-アミノ-3-(3-エトキシ-4-イソプロポキシフェニル)プロピオネート塩酸塩(2.4g、HPLC純度:98.69%)を、実施例1の調製工程にしたがって、3-アミノ-3-(3-エトキシ-4-イソプロポキシフェニル)プロパン酸(2.7g)を用いて調製した。収率:75%。MS(m/e):282.16(M+H)。
【0312】
表題化合物(237mg、HPLC純度:97.30%)を、実施例1の調製工程にしたがって、メチル3-アミノ-3-(3-エトキシ-4-イソプロポキシフェニル)プロピオネート塩酸塩(1.5g)およびN-(1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-4-イル)アセトアミド(1.0g)を用いて調製した。収率:10.4%。MS(m/e):491.20(M+Na)。
実施例19
メチル3-(4-フルオロ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート
表題化合物(546mg、HPLC純度:99.85%)を、実施例1の調製工程にしたがって、3-フルオロフタル酸無水物(275mg)およびメチル3-アミノ-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート塩酸塩(526Mg)を用いて調製した。収率:82%。MS(m/e):424.16(M+Na)。
実施例20
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-シクロペンチルオキシフェニル)プロピオネート
3-エトキシ-4-シクロペンチルベンズアルデヒド(4.2g、HPLC純度:96.97%)を、実施例3の調製工程に従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(3.0g)、およびブロモシクロペンタンを用いて調製した。収率:99%。
【0313】
3-アミノ-3-(3-エトキシ-4-シクロペントキシフェニル)プロピオン酸(2.78g、HPLC純度:99.60%)を、実施例1の調製工程に従って、3-エトキシ-4-シクロペントキシベンズアルデヒド(4.2g)を用いて調製した。収率:52.9%。MS(m/e):294.16(M+H)。
【0314】
メチル3-アミノ-3-(3-エトキシ-4-シクロペンチルオキシフェニル)プロピオネート塩酸塩(3.25g、HPLC純度:99.60%)を、実施例1の調製工程にしたがって、3-アミノ-3-(3-エトキシ-4-シクロペンチルオキシフェニル)プロパン酸(2.78g)を用いて調製した。収率:100%。MS(m/e):308.18(M+H)。
【0315】
表題化合物(606mg、HPLC純度:94.97%)を、実施例1の調製工程にしたがって、メチル3-アミノ-3-(3-エトキシ-4-シクロペンチルオキシフェニル)プロピオネート塩酸塩(1.8g)、およびN-(1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-4-イル)アセトアミド(1.0g)を用いて調製した。収率:25.1%。MS(m/e):517.23(M+Na)。
実施例21
メチル3-(4-メチル-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート
表題化合物(609mg、HPLC純度:99.58%)を、実施例1の調製工程にしたがって、3-メチルフタル酸無水物(330mg)、およびメチル3-アミノ-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート塩酸塩(648mg)を用いて調製した。収率:75%。MS(m/e):420.16(M+Na)。
実施例22
メチル3-(5-フルオロ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート
表題化合物(350mg、HPLC純度:98.02%)を、実施例1の調製工程にしたがって、4-フルオロフタル酸無水物(271mg)、およびメチル3-アミノ-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート塩化水素(526mg)を用いて調製した。収率:53%。MS(m/e):424.14(M+Na)。
実施例23
メチル3-(4,7-ジクロロ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート
表題化合物(100mg、HPLC純度:99.20%)を、実施例1の調製工程にしたがって、3,6-ジクロロフタル酸無水物(500mg)およびメチル3-アミノ-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート塩酸塩(666mg)を用いて調製した。収率:7.2%。
【0316】
HNMR(CDCl,400MHz)δ7.530-7.527(d,2H)、7.123-7.092(m,2H)、6.825-6.804(d,1H)、5.767-5.728(q、1H)、4.133-4.081(q,2H)、3.840(s,3H)、3.816-3.774(q、1H)、3.651(s,3H)、3.237-3.181(q、1H)、1.478-1.443(t,3H)。MS(m/e):474.12(M+Na)。
実施例24
メチル3-(4-(N-メチルアセトアミド)-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート
反応フラスコに、メチル3-(4-アセチルアミノ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート(505mg)、ヨードメタン(177mg)および炭酸カリウム(314mg)を加えた。DMF(5mL)を混合物に加えた。結果的に生じた混合物を、室温で100時間撹拌した。HPLCは、反応が完了したことを示した。水(30mL)およびDCM(200mL)を反応溶液に加えた。溶液を抽出した。有機相を集め、減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。結果的に生じた粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:PE:EA=20:1~1:1)を用いて精製し、表題化合物(410mg、HPLC純度:98.12%)を得た。収率:79.5%。MS(m/e):477.25(M+Na)。
実施例25
メチル3-(5-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート
反応フラスコに、4-ニトロフタル酸(1.5g)および無水酢酸(15mL)を加えた。混合物を125℃で2時間撹拌した。次に、反応溶液を水ポンプおよび油ポンプを用いて減圧下で濃縮し、4-ニトロフタル酸無水物(1.4g)を得て、4-ニトロフタル酸無水物を、次の反応に直接使用した。
【0317】
メチル3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-(5-ニトロ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)プロピオネート(2.2g、HPLC純度:97.65%)を、実施例1の調製工程にしたがって、4-ニトロフタル酸無水物(1.4g)およびメチル3-アミノ-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート塩酸塩(1.58g)を用いて調製した。収率:94%。MS(m/e):429.12(M+H)。
【0318】
メチル3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-(5-アミノ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)プロピオネート(500mg、HPLC純度:98.25%)を、実施例2の調製工程にしたがって、メチル3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-(5-ニトロ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)プロピオネート(678mg)を用いて調製した。収率:79.2%。MS(m/e):421.25(M+Na)。
【0319】
反応フラスコに、メチル3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-(5-アミノ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)プロピオネート(250mg)、無水酢酸(83mg)、トリエチルアミン(190mg)、DMAP(8mg)およびDCM(2.5mL)を加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。HPLCは、反応が完了したことを示した。水滴を反応溶液に加え、反応をクエンチした。次に、反応溶液を、水ポンプを用いて減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:PE:EA=1:1)を用いて精製し、表題化合物(170mg、HPLC純度:98.39%)を得た。収率:61.6%。MS(m/e):463.22(M+Na)。
実施例26
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-(ベンジルオキシ)-4-メトキシフェニル)プロピオネート
表題化合物(806mg、HPLC純度:99.46%)を、実施例3の調製工程に従って、ヨードメタンをブロモベンジルで置き換えることにより、3-ヒドロキシ-4-メトキシベンズアルデヒド(5.0g)を用いて調製した。MS(m/e):525.14。(M+Na)。
実施例27
メチル3-(4-(N-メチル-tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート
反応フラスコに、メチル3-(4-アミノ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート(500mg)、BocO(958mg)、およびDMAP(31mg)を加えた。THF(15mL)を混合物に加えた。反応溶液を室温で一晩撹拌した。TLCは原料反応が完了したことを示した。反応溶液を、水ポンプを用いて減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:PE:EA=15:1~5:1)を用いて精製し、メチル3-(4-(ジ-tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート(634mg、HPLC純度:98.28%)を得た。収率:84.4%。MS(m/e):599.25(M+H)。
【0320】
メチル3-(4-(ジ-tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート(634mg)を、DCM(200mL)に溶解した。トリフルオロ酢酸(1mL)を、混合物に加えた。反応溶液を室温で15分間撹拌した。TLCは反応が完了したことを示した。飽和NaHCO(30mL)を、反応溶液に加えて反応をクエンチし、混合物を10分間撹拌した。溶液を、分液漏斗を用いて抽出した。有機相を、無水MgSOで乾燥し、濾過した。濾液を集め、減圧下で水ポンプおよび油ポンプを用いて順に濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:PE:EA=15:1~5:1)を用いて精製し、メチル3-(4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート(354mg、HPLC純度:99.41%)を得た。収率:67%。
【0321】
反応フラスコに、メチル3-(4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート(300mg)、ヨウ化メチル(171mg)、および炭酸カリウム(250mg)を加えた。DMF(6mL)を混合物に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。HPLCは、反応が完了したことを示した。反応溶液を、EA(250mL)を用いて希釈した。最初に、有機相を、水(40mL)を用いて洗浄した。その後、有機相を、NaClの飽和水溶液(30mL×4)を用いて洗浄した。有機相を、無水MgSOで乾燥し、濾過した。濾液を集め、水ポンプおよび油ポンプを用いて順に減圧下で濃縮し、表題化合物(201mg、HPLC純度95.54%)を得た。収量:65.3%。MS(m/e):513.22(M+H)。
実施例28
メチル3-(4-(メチルアミノ)-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート
メチル3-(4-(N-メチルtert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート(201mg)を、DCM(2mL)に溶解した。トリフルオロ酢酸(2mL)を、混合物に加えた。反応溶液を室温で2時間撹拌した。TLCは反応が完了したことを示した。反応溶液を、水ポンプを用いて減圧下で濃縮し粗生成物を得た。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:PE:EA=10:1~5:1)を用いて精製し、表題化合物(120mg、HPLC純度:99.95%)を得た。収率:74%。MS(m/e):435.14(M+Na)。
実施例29
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-プロポキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート
表題化合物(886mg、HPLC純度98.496%)を、実施例3の調製工程に従って、3-ヒドロキシ-4-メトキシベンズアルデヒド(5.0g)およびn-ブロモプロパンを用いて調製した。MS(m/e):477.14(M+Na)。
実施例30
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート
表題化合物(1.086g、HPLC純度:98.51%)を、実施例3の調製工程に従って、3-ヒドロキシ-4-メトキシベンズアルデヒド(5.0g)およびブロモシクロペンタンtheを用いて調製した。
【0322】
HNMR(CDCl,400MHz)δ9.537(bs,1H)、8.751-8.730(d,1H)、7.655-7.616(t,1H)、7.483-7.464(d,1H)、7.089-7.084(d,1H)、7.054-7.028(q,1H)、6.818-6.797(d、1H)、5.732-5.693(q,1H)、4.794-4.764(m,1H)、3.813(s,3H)、3.824-3.756(q,1H)、3.651(s,3H)、3.210-3.155(q,1H)、2.261(s,3H)、1.979-1.799(m,6H)、1.616-1.593(m,2H)。MS(m/e):503.17(M+Na)。
実施例31
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-プロポキシフェニル)プロピオネート
表題化合物(227mg、HPLC純度:96.34%)を、実施例3の調製工程に従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド)(3.0g)およびn-ブロモプロパンを用いて調製した。
【0323】
HNMR(CDCl,400MHz)δ9.529(bs,1H)、8.750-8.729(d、1H)、7.652-7.613(t,1H)、7.476-7.457(d,1H)、7.065-7.031(m,2H)、6.831-6.810(d、1H)、5.725-5.686(q,1H)、4.111-4.058(q,2H)、3.952-3.919(t,2H)、3.823-3.755(q,1H)、3.647(s,3H)、3.202-3.147(q,1H)、2.261(s,3H)、1.846-1.793(m,2H)、1.447-1.412(t,3H)、1.029-0.992(t,3H)。MS(m/e):491.21(M+Na)。
実施例32
メチル3-(4-ヒドロキシ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート
表題化合物(340mg、HPLC純度:97.97%)を、実施例1の調製工程にしたがって、3-ヒドロキシフタル酸無水物(300mg)およびメチル3-アミノ-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート塩酸塩(580mg)を用いて調製した。収率:46%。MS(m/e):422.16(M+Na)。
実施例33
メチル3-(4-アセトキシ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート
反応フラスコに、メチル3-(4-ヒドロキシ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート(300mg)、塩化アセチル(177mg)、トリエチルアミン(228mg)およびDCM(5mL)を加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。HPLCは、反応が完了したことを示した。1N水溶液の塩酸(30mL)およびDCM(100mL)を反応溶液に加えた。混合物を抽出した。有機相をNaClの飽和水溶液を用いて洗浄し、抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、および濃縮乾燥して、粗生成物を得た。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:PE:EA=10:1~2:1)を用いて精製して、表題化合物(179mg、HPLC純度:97.95%)を得た。収率:53.9%。MS(m/e):464.14(M+Na)。
実施例34
メチル3-(4-アミノ-7-ヒドロキシ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート
反応フラスコに、3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-6-ヒドロキシフタレート(2.0g)、メチル3-アミノ-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート塩酸塩(3.56g)およびピリジン(40mL)を加えた。フラスコを油浴に入れ、100℃に加熱した。混合物を38時間撹拌した。反応溶液を室温に冷却し、水ポンプを用いて減圧下で濃縮し粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:PE:EA=5:1)を用いて精製し、メチル3-(4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-7-ヒドロキシ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート(2.149g、HPLC純度99.22%)を得た。収率67.9%。MS(m/e):515.20(M+H)。
【0324】
メチル3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-(4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-7-ヒドロキシ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)プロピオネート(2.148g)を、ジクロロメタン(50mL)に溶解した。トリフルオロ酢酸(6mL)を混合物に加えた。反応溶液を室温で6時間撹拌した。TLCは反応が完了したことを示した。反応溶液を、水ポンプを用いて減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を、PE/DCM=1:1(10mL)を用いてパルプ化し、精製し、表題化合物(1.28g、HPLC純度:99.36%)を得た。収率:74%。MS(m/e):437.21(M+Na)。
実施例35
メチル3-(4-アミノ-5-ヒドロキシ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート
反応フラスコに、4-ヒドロキシフタル酸ジメチル(125g)および濃HSO(600mL)を加えた。混合物を撹拌しながら0℃に冷却した。発煙HNO(39.44g)を、ゆっくりと混合物に滴下した。混合物の温度を5℃未満に制御した。滴下添加は約1時間で完了した。氷浴を除去し、温度を室温に上げた。反応溶液を22時間撹拌した。HPLCは、反応が完了したことを示した。反応溶液を氷水(1.4kg)にゆっくり注ぎ、反応をクエンチした。水相を、EA(600mL×5)を加えることによって抽出した。有機相を合わせ、無水MgSO(25g)で乾燥し、濾過した。濾液を集め、水ポンプおよび油ポンプを用いて減圧下で順に濃縮し、粗生成物、すなわち、4-ヒドロキシ-3-ニトロフタレートジメチル(169g、HPLC純度:36.54%)を得て、4-ヒドロキシ-3-ニトロフタレートジメチルを、次の反応に直接使用した。MS(m/e):254.07(M-H)。
【0325】
反応フラスコに、4-ヒドロキシ-3-ニトロフタレートジメチル(164g)、臭化ベンジル(135.9g)、炭酸カリウム(400g)、およびアセトン(1730L)を加えた。反応フラスコを油浴に入れ、70℃に加熱した。混合物を23時間撹拌した。TLCは反応が完了したことを示した。混合物を室温に冷却した。反応溶液を減圧下で吸引濾過した。濾過ケーキを、DCM(2000mL)を用いて洗浄した。濾液を集めた。濾液を減圧下で濃縮した。DCM(2000mL)およびNaClの飽和水溶液(1000mL)を濃縮物に加えた。結果的に生じた混合物を抽出した。有機相を無水MgSO(100g)で乾燥し、濾過し、水ポンプを用いて減圧下で濃縮し、粗黄色固体を得た。粗生成物を、EAを用いて再結晶化することにより精製し、白色固体生成物、すなわち、4-ベンジルオキシ-3-ジメチルニトロフタレート(40g、HPLC純度:96.96%)を得た。収率:18.1%。MS(m/e):346.14(M+H)。
【0326】
反応フラスコに、4-ベンジルオキシ-3-ニトロフタレートジメチルエステル(1.335g)およびEtOH(14mL)を加えた。事前に調製されたNaOH水溶液(7mLの水に1.089gのNaOH)も反応フラスコに加えた。フラスコを油浴に入れ、70℃に加熱した。混合物を7時間撹拌した。TLCは反応が完了したことを示した。反応系を室温に冷却した。反応溶液を、EtOHの大部分が除去されるまで、水ポンプを用いて減圧下で濃縮した。室温で、4モル/LのHCl水溶液を濃縮物に加え、pH=2になるまで酸性化した。大量の白色固体が沈殿した。混合物を減圧下で吸引濾過した。濾過ケーキを集め、油ポンプを用いて減圧下で乾燥し、白色固体生成物、すなわち、4-ベンジルオキシ-3-ニトロフタル酸(1.089g、HPLC純度:99.72%)を得た。収率:88.8%。MS(m/e):316.15(M-H)。
【0327】
反応フラスコに、4-ベンジルオキシ-3-ニトロフタル酸(1.089g)および無水酢酸(11mL)を加えた。フラスコを油浴に入れ、140℃に加熱した。混合物を6時間撹拌した。反応溶液を室温に冷却し、水ポンプを用いて減圧下で濃縮し、1.02gの粗生成物、すなわち4-ベンジルオキシ-3-ニトロフタル酸無水物を得て、4-ベンジルオキシ-3-ニトロフタル酸無水物を次の反応に直接使用した。
【0328】
メチル3-(4-ニトロ-5-ベンジルオキシ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート(1.48g、HPLC純度:97.92%)を、実施例1の調製工程にしたがって、4-ベンジルオキシ-3-ニトロフタル酸無水物(1.02g)およびメチル3-アミノ-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート塩酸塩(1.09g)を用いて調製した。収率:78.1%。MS(m/e):557.21(M+Na)。
【0329】
表題化合物(950mg、HPLC純度:98.45%)を、実施例2の調製工程にしたがって、メチル3-(4-ニトロ-5-ベンジルオキシ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート(1.48g)を用いて調製した。収率:82.8%。MS(m/e):437.10(M+Na)。
実施例36
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート
反応フラスコに、メチル3-(4-アセチルアミノ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-(ベンジルオキシ)-4-メトキシフェニル)プロピオネート(200mg)、Pd/C(57mg、Pd含有量:10%)およびTHF(10mL)を加えた。空気を水素気球で3回交換した。混合物を室温で16時間撹拌した。TLCは反応が完了したことを示した。反応溶液を濾過した。濾液を、水ポンプを用いて減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:PE:EA=5:1~1:1)を用いて精製し、表題化合物(116mg、HPLC純度:99.81%)を得た。収率:70.7%。MS(m/e):435.13(M+Na)。
実施例37
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-(ベンジルオキシ)フェニル)プロピオネート
表題化合物(881mg、HPLC純度:97.54%)を、実施例3の調製工程に従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(3.0g)を用いて、ヨードメタンをブロモベンジルで置き換えることにより、調製した。MS(m/e):539.21(M+Na)。
実施例38
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート
表題化合物(600mg、HPLC純度:97.25%)を、実施例36の調製工程にしたがって、メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-(ベンジルオキシ)フェニル)プロピオネート(765mg)を用いて調製した。収率:95%。MS(m/e):449.18(M+Na)。
実施例39
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-メトキシ-4-(ベンジルオキシ)フェニル)プロピオネート
表題化合物(1.615g、HPLC純度:96.81%)を、実施例3の調製工程にしたがって、3-メトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(3.0g)を用いて、ヨードメタンをブロモベンジルで置き換えることにより、調製した。MS(m/e):525.18(M+Na)。
実施例40
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート
表題化合物(856mg、HPLC純度:98.37%)を、実施例36の調製工程にしたがって、メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-メトキシ-4-(ベンジルオキシ)フェニル)プロピオネート(1.468g)を用いて調製した。MS(m/e):435.15(M+Na)。
実施例41
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-フェニルプロピオネート
表題化合物(1.46g、HPLC純度:98.71%)を、実施例1の調製工程にしたがって、ベンズアルデヒド(3.0g)を用いて調製した。MS(m/e):389.13(M+Na)。
実施例42
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-クロロフェニル)プロピオネート
表題化合物(263mg、HPLC純度:98.54%)を、実施例1の調製工程にしたがって、3-クロロベンズアルデヒド(500mg)を用いて調製した。MS(m/e):423.14(M+Na)。
実施例43
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(4-エトキシフェニル)プロピオネート
表題化合物(0.86g、HPLC純度:97.83%)を、実施例1の調製工程にしたがって、4-エトキシベンズアルデヒド(1.9g)を用いて調製した。MS(m/e):411.15(M+H)。
実施例44
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(4-クロロフェニル)プロピオネート
表題化合物(260mg、HPLC純度:98.78%)を、実施例1の調製工程にしたがって、4-クロロベンズアルデヒド(500mg)を用いて調製した。MS(m/e):423.14(M+Na)。
実施例45
メチル3-(4-(tert-ブチルオキシカルボニルアミノ)-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート
反応フラスコに、メチル3-(4-アミノ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート(500mg)、BocO(958mg)およびDMAP(31mg)を加えた。THF(15mL)を混合物に加えた。結果的に生じた混合物を、室温で一晩撹拌した。TLCは原料反応が完了したことを示した。反応溶液を、水ポンプを用いて減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:PE:EA=15:1~5:1)を用いて精製し、メチル3-(4-(ジ-tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート(634mg、HPLC純度:98.28%)を得た。収率:84.4%。MS(m/e):599.25(M+H)。
【0330】
メチル3-(4-(ジ-tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート(634mg)を、DCM(200mL)に溶解した。トリフルオロ酢酸(1mL)を混合物に加えた。反応溶液を、室温で15分間撹拌した。TLCは反応が完了したことを示した。飽和NaHCO(30mL)を、反応溶液に加え、反応をクエンチした。反応溶液を、10分間撹拌した。反応液を、分液漏斗を用いて抽出した。有機相を、無水MgSOで乾燥し、濾過した。濾液を集め、水ポンプおよび油ポンプを用いて減圧下で順に濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:PE:EA=15:1~5:1)を用いて精製して、表題化合物(354mg、HPLC純度:99.41%)を得た。収率:67%。MS(m/e):499.20(M+H)。
実施例46
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-イソプロポキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート
表題化合物(403mg、HPLC純度:96.38%)を、実施例3の調製工程にしたがって、3-ヒドロキシ-4-メトキシベンズアルデヒド(5.0g)および臭化イソプロピルを用いて調製した。MS(m/e):477.15(M+Na)。
実施例47
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(4-(ジフルオロメトキシ)-3-エトキシフェニル)プロピオネート
表題化合物(158mg、HPLC純度:95.36%)を、実施例3の調製工程にしたがって、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(5.0g)およびジフルオロヨードメタンを用いて調製した。MS(m/e):477.14(M+H)。
実施例48
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)プロピオネート
表題化合物(105mg、HPLC純度:95.18%)を、実施例3の調製工程にしたがって、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(5.0g)およびトリフルオロヨードメタンを用いて調製した。MS(m/e):495.13(M+H)。
実施例49
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-(ジフルオロメトキシ)-4-メトキシフェニル))プロピオネート
表題化合物(109mg、HPLC純度:96.37%)を、実施例3の調製工程にしたがって、3-ヒドロキシ-4-メトキシベンズアルデヒド(5.0g)およびジフルオロヨードメタンを用いて調製した。MS(m/e):463.12(M+H)。
実施例50
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(4-メトキシ-3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)プロピオネート
表題化合物(116mg、HPLC純度:96.11%)を、実施例3の調製工程にしたがって、3-ヒドロキシ-4-メトキシベンズアルデヒド(5.0g)およびトリフルオロヨードメタンを用いて調製した。MS(m/e):481.11(M+H)。
実施例51
エチル(R)-3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート
反応フラスコに、メチル(R)-3-アミノ-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート塩酸塩(3.0g)を加えた。テトラヒドロフラン(30mL)を加え、メチル(R)-3-アミノ-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート塩酸塩を溶解した。調製された水酸化ナトリウム水溶液(2.5g水酸化ナトリウム、30mL水)を室温で混合物に加えた。結果的に生じた混合物を、室温で3時間撹拌した。TLCは、加水分解反応が完了したことを示した。反応溶液を0℃に冷却し、濃塩酸(12N、5.25mL)を用いてpH=1~2に調節した。反応溶液を減圧下で濃縮した。濃縮物を、水を除去するために、アセトニトリル(25mL)を用いて二回共沸し、粗生成物、すなわち(R)-3-アミノ-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート塩酸塩(6.5g、HPLC純度:98.66%)を得て、(R)-3-アミノ-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート塩酸塩を次の反応で直接使用した。収率:100%。
【0331】
エチル(R)-3-アミノ-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート塩酸塩を、実施例1の調製工程にしたがって、(R)-3-アミノ-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート塩酸塩(6.5g)およびエタノール(25mL)を用いて調製した。白色固体生成物を得た(3.15g、HPLC純度:94.51%、白色固体生成物を、次の反応で直接使用した)。
【0332】
表題化合物(2.227g、HPLC純度:97.75%、光学純度:100%)を、実施例1の調製工程にしたがって、エチル(R)-3-アミノ-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート塩酸塩(3.15g)およびN-(1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-4-イル)アセトアミド(1.8g)を用いて調製した。収率:56.7%。MS(m/e):477.18(M+Na)。
実施例52
エチル(S)-3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート
表題化合物(1.62g、HPLC純度:94.39%)を、実施例51の調製工程にしたがって、メチル(S)-3-アミノ-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート塩酸塩(3.0g)を用いて調製した。MS(m/e):477.20(M+Na)。
実施例53
メチル(R)-3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-イソプロポキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート
表題化合物(1.86g、HPLC純度:96.96%、光学純度:99.03%)を、実施例7の調製工程にしたがって、メチル3-アミノ-3-(3-イソプロポキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート塩酸塩(6.0g)を用いて調製した。MS(m/e):477.18(M+Na)。
実施例54
メチル(S)-3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-イソプロポキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート
表題化合物(1.62g、HPLC純度:96.44%、光学純度:97.82%)を、実施例8の調製工程にしたがって、メチル3-アミノ-3-(3-イソプロポキシ-4-メトキシフェニル)プロピオネート塩酸塩(6.0g)を用いて調製した。MS(m/e):477.18(M+Na)。
実施例55
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)プロピオネート
表題化合物(207mg、HPLC純度:96.32%)を、実施例1の調製工程にしたがって、ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-カルバルデヒド(RSC Advances,2015,5(91),74425-74437で報告された方法に従って調製された)を用いて調製した。MS(m/e):411.14(M+H)。
実施例56
メチル3-(4-アセトアミド-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-6-イル)プロピオネート
表題化合物(235mg、HPLC純度:97.58%)を、実施例1の調製工程にしたがって、2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-6-カルバルデヒド(Journal of Medicine,Chemistry,2007,50(17),4122-4134で報告された方法にしたがって調製された)(492mg)を用いて調製した。MS(m/e):425.18(M+H)。
[生物学的実施例]
生物学的実施例1
Balb/cマウスモデルにおけるDNCB誘発アトピー性皮膚炎の有効性評価試験
1.1試験方法
1.1.1グループ化
それぞれ体重が19~21gであった60匹の健康な雄SPFBalb/cマウスを、体重によって6つのグループに無作為に分けた。各グループに10匹のマウスがあった。
【0333】
【表1】
【0334】
1.1.2 毛をそる
試験の前に、マウスの右耳周りの毛を除去し、毛に対する薬物付着の干渉を減らした。
1.1.3 モデリングおよび投与
試験の開始を1日目として記録した。各グループの投与および導入療法を、図1に示した。耳の厚さを測定するための特定の時間を、図1に基づいてわずかに調節した。最後の試験18日目の後に、各動物から血液を採取し、血清中の免疫グロブリン(IgE)の濃度を検出した(キット説明書に従って)。動物の両耳を切り落とした。耳の固定位置で8mmのパンチによって耳の部分を切り、重さを量った。2つの耳の膨潤度の違いを計算した。
1.2評価指標および統計的方法
異なるグループ間でのマウスの耳の厚さ、および18日目の同じ領域の耳の重量、および血清中のIgE濃度の変化を、SPSS17での一元配置分散分析を用いて分析し、それぞれ統計的に比較した。G検定法を使用して、異常値を削除した。p<0.05は、統計的差異があったことを示した。
【0335】
耳の膨潤度(mg)=右耳の重量(mg)-左耳の重量(mg);
耳の厚さ変化(mm)=右耳の厚さ(mm)-左耳の厚さ(mm);
耳の膨潤度の抑制率(%)=1-(薬物投与グループの耳の膨潤度-空白対照グループの耳の膨潤度)/(モデル対照グループの耳の膨潤度-空白対照グループの耳の膨潤度)×100%;
耳の厚さ変化の抑制率(%)=1-(薬物投与グループの耳の厚さ変化-空白対照グループの耳の厚さ変化)/(モデル対照グループの耳の厚さ変化-空白対照グループの耳の厚さ変化)×100%;
IgEの抑制率(%)=1-(投与グループのIgE濃度-空白対照グループのIgE濃度)/(モデル対照グループのIgE濃度-空白対照グループのIgE濃度)×100%。
1.3 試験結果
【0336】
【表2】
【0337】
【表3】
【0338】
【表4】
【0339】
生物学的実施例2
Balb/cマウスモデルにおけるDNCB誘発アトピー性皮膚炎の有効性評価試験
2.1 試験方法
2.1.1 グループ化
それぞれ体重が19~21gであった70匹の健康な雄SPF Balb/cマウスを、体重によって7つのグループに無作為に分けた。各グループに10匹のマウスがあった。
【0340】
【表5】
【0341】
2.1.2 毛をそる
試験の前に、マウスの右耳周りの毛を除去し、毛に対する薬物付着の干渉を減らした。
2.1.3 モデリングおよび投与
試験の開始を1日目として記録した。各グループの投与および導入療法を、図2に示した。最後の試験18日目の後に、各動物から血液を採取し、血清中の免疫グロブリン(IgE)の濃度を検出した(キット説明書に従って)。動物の両耳を切り落とした。耳の固定位置で8mmのパンチによって耳の部分を切り、重さを量った。2つの耳の膨潤度の違いを計算した。
2.2評価指標および統計的方法
18日目の異なるグループ間での血清中のIgE濃度を、SPSS17での一元配置分散分析を用いて分析、それぞれ統計的に比較した。G検定法を使用して、異常値を削除した。p<0.05は、統計的差異があったことを示した。
【0342】
耳の膨潤度(mg)=右耳の重量(mg)-左耳の重量(mg);
耳の膨潤度の抑制率(%)=1-(薬物投与グループの耳の膨潤度-空白対照グループの耳の膨潤度)/(モデル対照グループの耳の膨潤度-空白対照グループの耳の膨潤度)×100%;
IgEの抑制率(%)=1-(投与グループのIgE濃度-空白対照グループのIgE濃度)/(モデル対照グループのIgE濃度-空白対照グループのIgE濃度)×100%。
2.3 実験結果
【0343】
【表6】
【0344】
【表7】
【0345】
生物学的実施例3
Balb/cマウスモデルにおけるDNCB誘発アトピー性皮膚炎の有効性評価試験
3.1 試験方法
3.1.1 グループ化
それぞれ体重が19~21gであった30匹の健康な雄SPF Balb/cマウスを、体重によって3つのグループに無作為に分けた。各グループに10匹のマウスがあった。
【0346】
【表8】
【0347】
3.1.2 毛をそる
試験の前に、マウスの右耳周りの毛を除去し、毛に対する薬物付着の干渉を減らした。
3.1.3 モデリングおよび投与
試験の開始を1日目として記録した。各グループの投与および導入療法を、図3に示した。耳の厚さ、および体重を測定するための特定の時間を、図3に基づいてわずかに調節した。最後の試験19日目の後に、各動物から血液を採取し、血清中の免疫グロブリン(IgE)の濃度を検出した(キット説明書に従って)。動物の両耳を切り落とした。耳の固定位置で8mmのパンチによって耳の部分を切り、重さを量った。2つの耳の膨潤度の違いを計算した。
3.2 評価指標および統計的方法
異なるグループ間でのマウスの耳の厚さ、および19日目の同じ領域の耳の重量、および血清中のIgE濃度の変化を、SPSS17での一元配置分散分析を用いて分析し、それぞれ統計的に比較した。G検定法を使用して、異常値を削除した。p<0.05は、統計的差異があったことを示した。
【0348】
耳の膨潤度(mg)=右耳の重量(mg)-左耳の重量(mg);
耳の厚さ変化(mm)=右耳の厚さ(mm)-左耳の厚さ(mm);
耳の膨潤度の抑制率(%)=1-(薬物投与グループの耳の膨潤度-空白対照グループの耳の膨潤度)/(モデル対照グループの耳の膨潤度-空白対照グループの耳の膨潤度)×100%;
耳の厚さ変化の抑制率(%)=1-(薬物投与グループの耳の厚さ変化-空白対照グループの耳の厚さ変化)/(モデル対照グループの耳の厚さ変化-空白対照グループの耳の厚さ変化)×100%;
IgEの抑制率(%)=1-(投与グループのIgE濃度-空白対照グループのIgE濃度)/(モデル対照グループのIgE濃度-空白対照グループのIgE濃度)×100%。
3.3 試験結果
【0349】
【表9】
【0350】
【表10】
【0351】
【表11】
【0352】
生物学的実施例4
マウスにおけるホルボールエステル(TPA)誘発性耳膨潤の抑制試験
4.1 試験方法
4.1.1 グループ化
40匹の雄ICRマウスを選択し、5つのグループに分けた。各グループに8匹のマウスがあった。
【0353】
【表12】
【0354】
4.1.2 毛をそる
試験の前に、動物をグループ化し、マウスの右耳周りの毛を除去した。
4.1.3 モデリングおよび投与
20μLの各薬物を、各試験グループの動物の右耳に適用した(ブランク溶媒を、モデル対照群に適用した)。モデリングおよび誘導を、1時間10分後に実行した。空白グループを除いて、125μg/mLの濃度の20μLのTPAを、誘導のために動物の右耳に適用した。10分間の誘導後、20μLの各薬物を各試験群の動物の右耳に適用した(ブランク溶媒をモデル対照群に適用した)。
【0355】
【表13】
【0356】
4.1.4 結果の観察
5時間のモデリング後に、各グループの動物において両側の耳の部分を同じ場所でパンチを用いて採取し、体重を測定し、耳の膨潤度、耳の膨潤度率、および抑制率を計算した。
4.2 評価指標および統計的方法
5時間のモデリングおよび投与後に耳膨潤度を、SPSS17.0での一元配置分散分析複数グループ試験指標を用いて分析し、試験した。P<0.05は、統計的差異があったことを示した。
【0357】
耳の膨潤度(mg)=右耳の重量(mg)-左耳の重量(mg);
耳の膨潤率(%)=(右耳重量-左耳重量)/左耳重量×100%;
耳の膨潤度の抑制率(%)=1-(薬物投与グループの耳の膨潤度-空白対照グループの耳の膨潤度)/(モデル対照グループの耳の膨潤度-空白対照グループの耳の膨潤度)×100%;
4.3 試験結果
【0358】
【表14】
【0359】
生物学的実施例5
マウスにおけるホルボールエステル(TPA)誘発性耳膨潤の抑制試験
5.1 試験方法
5.1.1 グループ化
72匹の雄ICRマウスを選択し、9つのグループに分けた。各グループに8匹のマウスがあった。
【0360】
【表15】
【0361】
5.1.2 毛をそる
試験の前に、動物をグループ化し、マウスの右耳周りの毛を除去した。
5.1.3 モデリングおよび投与
20μLの各薬物を、各試験グループの動物の右耳に適用した(ブランク溶媒を、モデル対照グループに適用した)。モデリングおよび誘導を、1時間10分後に実行した。空白グループを除いて、125μg/mLの濃度の20μLのTPAを、誘導のために動物の右耳に適用した。10分間の誘導後、20μLの各薬物を各試験グループの動物の右耳に適用した(ブランク溶媒をモデル対照グループに適用した)。
【0362】
【表16】
【0363】
5.1.4 結果の観察
5時間のモデリング後に、各グループの動物において両側の耳の部分を同じ場所でパンチを用いて採取し、体重を測定し、耳の膨潤度、耳の膨潤度率、および抑制率を計算した。
5.2 評価指標および統計的方法
5時間のモデリングおよび投与後に耳の膨潤度、および耳の膨潤度率を、SPSS17.0での一元配置分散分析複数グループ試験指標を用いて分析し、試験した。P<0.05は、統計的差異があったことを示した。
【0364】
耳の膨潤度(mg)=右耳の重量(mg)-左耳の重量(mg);
耳の膨潤率(%)=(右耳重量-左耳重量)/左耳重量×100%;
耳の膨潤度の抑制率(%)=1-(薬物投与グループの耳の膨潤度-空白対照グループの耳の膨潤度)/(モデル対照グループの耳の膨潤度-空白対照グループの耳の膨潤度)×100%;
5.3 試験結果
【0365】
【表17】
【0366】
生物学的実施例6
マウスにおけるホルボールエステル(TPA)誘発性耳膨潤の抑制試験
5.1 試験方法
5.1.1 グループ化
72匹の雄ICRマウスを選択し、9つのグループに分けた。各グループに8匹のマウスがあった。
【0367】
【表18】
【0368】
5.1.2 毛をそる
試験の前に、動物をグループ化し、マウスの右耳周りの毛を除去した。
5.1.3 モデリングおよび投与
20μLの各薬物を、各試験グループの動物の右耳に適用した(ブランク溶媒を、モデル対照グループに適用した)。モデリングおよび誘導を、1時間10分後に実行した。空白グループを除いて、125μg/mLの濃度の20μLのTPAを、誘導のために動物の右耳に適用した。10分間の誘導後、20μLの各薬物を各試験グループの動物の右耳に適用した(ブランク溶媒をモデル対照グループに適用した)。
【0369】
【表19】
【0370】
5.1.4 結果の観察
5時間のモデリング後に、各グループの動物において両側の耳の部分を同じ場所でパンチを用いて採取し、体重を測定し、耳の膨潤度、耳の膨潤度率、および抑制率を計算した。
5.2 評価指標および統計的方法
5時間のモデリングおよび投与後に耳の膨潤度、および耳の膨潤度率を、SPSS17.0での一元配置分散分析複数グループ試験指標を用いて分析し、試験した。P<0.05は、統計的差異があったことを示した。
【0371】
耳の膨潤度(mg)=右耳の重量(mg)-左耳の重量(mg);
耳の膨潤率(%)=(右耳重量-左耳重量)/左耳重量×100%;
耳の膨潤度の抑制率(%)=1-(薬物投与グループの膨潤度-空白対照グループの膨潤度)/(モデル対照グループの膨潤度-空白対照グループの膨潤度)×100%;
5.3 試験結果
【0372】
【表20】
【0373】
生物学的実施例7
22日間、マウスへの連続強制経口投与における亜急性毒性試験
7.1 試験方法
7.1.1 グループ化
SPF等級の96匹の健康なSDラットを、性別区分に従って無作為に8つのグループに分け、96匹の健康なSDラットの中で、48匹のマウスが雄であり、48匹のマウスが雌であった。性別ごと、グループごとに6匹のマウスがおり、溶媒対照グループ、および各化合物の投与グループがあった。各グループには12匹のマウスがおり、12匹のマウスの中で、6匹のマウスが雄であり、6匹のマウスが雌であった。
【0374】
【表21】
【0375】
7.1.2 投与
強制経口投与を、22日間連続して1日1回行った。300mg/Kgの対応する化合物を各グループに投与し、等量のカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)を溶媒対照グループに投与した。連続投与を22日間行った。ラットの行動および状態が正常であるかどうか、および投与後に中毒現象があったかどうかを毎日観察した。動物の反応を記録した。22日間の連続投与後、3匹の動物/性別/グループを犠牲にした。マウスを解剖し、一般的に観察した。臓器指標を集めた。1週間の薬物離脱後、残りの3匹の動物/性別/グループを犠牲にした。マウスを一般的に観察し、臓器指標を集めた。
7.1.3 観察指標
体重、外見、呼吸、行動、反射作用、および排便
7.2 試験結果
7.2.1 臨床観察
試験中、動物の体重、外見、呼吸、行動、反射作用および排便の明らかな異常は観察されなかった。
7.2.2 体重
試験中、動物の体重の明らかな異常は観察されなかった。体重変化の傾向を図4および図5に示した。
7.2.3 一般的な解剖学的観察
各グループの動物を、投与の終わり、および回復期の終わりに解剖し、一般的に観察した。化合物に関連する明らかな異常は各臓器において観察されなかった。
7.2.4 臓器指標
動物の臓器指標に明らかな異常は観察されなかった。
7.3 試験結果
上記の化合物を、22日間連続して1日1回強制経口投与を繰り返すことによってSDラットに投与した。明らかな薬物関連の毒性は観察されなかった。
生物学的実施例8
22日間、マウスへの連続強制経口投与における亜急性毒性試験
8.1 試験方法
8.1.1 グループ化
SPF等級の84匹の健康なSDラットを、性別区分に従って無作為に7つのグループに分け、84匹の健康なSDラットの中で、42匹のマウスが雄であり、42匹のマウスが雌であった。性別ごと、グループごとに6匹のマウスがおり、溶媒対照グループ、および各化合物の投与グループがあった。各グループには12匹のマウスがおり、12匹のマウスの中で、6匹のマウスが雄であり、6匹のマウスが雌であった。
【0376】
【表22】
【0377】
8.1.2 投与
強制経口投与を、22日間連続して1日1回行った。300mg/Kgの対応する化合物を各投与グループに投与し、等量のCMC-Naを、溶媒対照グループに投与した。連続投与を22日間行った。ラットの行動および状態が正常であるかどうか、および投与後に中毒現象があったかどうかを毎日観察した。動物の反応を記録した。22日間の連続投与後、3匹の動物/性別/グループを犠牲にした。マウスを解剖し、一般的に観察した。臓器指標を集めた。1週間の薬物離脱後、残りの3匹の動物/性別/グループを犠牲にした。マウスを一般的に観察し、臓器指標を集めた。
8.1.3 観察指標
体重、外見、呼吸、行動、反射作用、および排便
8.2 試験結果
8.2.1 臨床観察
試験中、動物の体重、外見、呼吸、行動、反射作用および排便の明らかな異常は観察されなかった。
8.2.2 体重
試験中、動物の体重の明らかな異常は観察されなかった。体重変化の傾向を図6および図7に示した。
8.2.3 一般的な解剖学的観察
各グループの動物を、投与の終わり、および回復期の終わりに解剖し、一般的に観察した。化合物に関連する明らかな異常は各臓器において観察されなかった。
8.2.4 臓器指標
動物の臓器指標に明らかな異常は観察されなかった。
8.3 試験結果
上記の化合物を、22日間連続して1日1回強制経口投与を繰り返すことによってSDラットに投与した。明らかな薬物関連の毒性は観察されなかった。
生物学的実施例9
マウスへの単回強制経口投与における急性毒性試験
9.1 試験方法
9.1.1 グループ化
SPF等級の30匹の健康なICRマウスを、性別区分に従って無作為に5つのグループに分け、30匹の健康なICRマウスの中で、15匹のマウスが雄であり、15匹のマウスが雌であった。3匹のマウス/性別/グループがあった。各グループには6匹のマウスがおり、6匹のマウスの中で、3匹のマウスが雄であり、3匹のマウスが雌であった。
【0378】
【表23】
【0379】
9.1.2 投与
強制単回投与を行った。全ての動物の症状および反応を、投与後に観察し、正確に記録した。試験を15日間連続して観察した。動物の症状を記録した。試験後、全ての動物の組織および器官の重さを量り、観察し、および記録した。標本を保管した。
9.1.3 観察指標
体重、外見、呼吸、行動、反射作用、および排便
9.2 試験結果
9.2.1 臨床観察
【0380】
【表24】
【0381】
9.2.2 体重
試験中、動物の体重の明らかな異常は観察されなかった。体重変化の傾向を図8および図9に示した。
9.2.3 一般的な解剖学的観察
各グループの動物を、投与の終わり、および回復期の終わりに解剖し、一般的に観察した。化合物に関連する明らかな異常は各臓器において観察されなかった。
9.2.4 臓器指標
動物の臓器指標に明らかな異常は観察されなかった。
9.3 試験結果
上記の化合物を、2000mg/kgの強制単回投与でICRマウスに投与した。明らかな薬物関連の毒性は観察されなかった。
【0382】
本開示において、「第1」および「第2」などの関係用語は、一方の存在または工程を他方の存在または工程から区別するためにのみ使用され、必ずしも実際の関係または順序を必要とする、または暗示するものではない。
【0383】
本開示の特定の実施形態は、例示的目的で記述されてきたけれども、様々な修正または改良を、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、当業者によって行うことができることが上記の説明から、理解されることができる。当該変形または修正は、本開示に添付される特許請求の範囲内に収まるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9