(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-08
(45)【発行日】2024-08-19
(54)【発明の名称】医療処置において眼の1つ以上の画像を利用するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 3/15 20060101AFI20240809BHJP
A61F 9/008 20060101ALI20240809BHJP
A61B 3/113 20060101ALI20240809BHJP
【FI】
A61B3/15
A61F9/008 130
A61F9/008 120E
A61B3/113
(21)【出願番号】P 2021552672
(86)(22)【出願日】2020-03-10
(86)【国際出願番号】 IB2020052062
(87)【国際公開番号】W WO2020194096
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2023-02-28
(32)【優先日】2019-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】319008904
【氏名又は名称】アルコン インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ヨハネス レーナー
【審査官】増渕 俊仁
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-520362(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0276677(US,A1)
【文献】特表2014-525286(JP,A)
【文献】特開2015-195921(JP,A)
【文献】特開2016-214781(JP,A)
【文献】米国特許第07377643(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 3/00-3/18
A61F 9/008
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療システムであって、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに結合されたディスプレイと、
前記少なくとも1つのプロセッサに結合された少なくとも1つの画像センサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに結合されるメモリ媒体であって、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記医療システムに、
前記少なくとも1つの画像センサを介して人の少なくとも眼の画像を取得することと、
前記少なくとも眼の画像から前記眼の虹彩の位置を判定することと、
前記少なくとも眼の画像から吸引リングの位置を判定することと、
前記ディスプレイを介して前記少なくとも眼の画像を表示することと、
前記ディスプレイを介して、前記眼の前記虹彩の前記位置を示す第1のグラフィックオーバーレイを前記少なくとも眼の画像上に表示することと、
前記ディスプレイを介して、
前記吸引リングが前記眼に対してZ方向に移動した場合の前記吸引リングの前記位置を示す第2のグラフィックオーバーレイを前記少なくとも眼の画像上に表示することと、
前記少なくとも眼の画像から複数の虹彩構造を判定することと、
前記少なくとも眼の画像から、少なくとも前記複数の虹彩構造に基づいて前記眼の向きを判定することと、
前記ディスプレイを介して、前記眼の前記向きを示す情報を表示することと
を行わせる命令を含むメモリ媒体と
を含む医療システム。
【請求項2】
前記眼の前記向きを示す前記情報は、前記眼の前記向きに関連付けられた第1のレチクルを表す第3のグラフィックオーバーレイを含む、請求項1に記載の医療システム。
【請求項3】
前記命令は、前記医療システムに、
前記ディスプレイを介して、前記吸引リングの向きに関連付けられた第2のレチクルを表す第4のグラフィックオーバーレイを表示すること
を更に行わせる、請求項2に記載の医療システム。
【請求項4】
前記命令は、前記医療システムに、
前記少なくとも眼の画像から前記眼の瞳孔の位置を判定することと、
前記ディスプレイを介して、前記眼の前記瞳孔の前記位置を示す第3のグラフィックオーバーレイを前記少なくとも眼の画像上に表示することと
を更に行わせる、請求項1に記載の医療システム。
【請求項5】
前記人の前記少なくとも眼の画像を取得するために、前記命令は、前記医療システムに、前記眼の複数の画像を取得することを更に行わせ、
前記人の前記少なくとも眼の画像は、前記眼の前記複数の画像を含む、請求項1に記載の医療システム。
【請求項6】
前記命令は、前記医療システムに、
前記少なくとも眼の画像から、少なくとも前記複数の虹彩構造に基づいて少なくとも1つの切開部位を判定することと、
前記ディスプレイを介して、前記少なくとも1つの切開部位を示す第3のグラフィックオーバーレイを表示することと
を更に行わせる、請求項1に記載の医療システム。
【請求項7】
前記命令は、前記医療システムに、
前記眼の瞳孔の中心に対する、前記複数の虹彩構造のうちの虹彩構造からの角度測定値を判定すること
を更に行わせ、
前記ディスプレイを介して前記第3のグラフィックオーバーレイを表示するために、前記命令は、前記システムに、少なくとも前記角度測定値に基づいて前記第3のグラフィックオーバーレイを表示することを更に行わせる、請求項6に記載の医療システム。
【請求項8】
前記少なくとも1つの切開部位を示す前記第3のグラフィックオーバーレイを表示するために、前記命令は、前記医療システムに、前記少なくとも1つの切開部位をそれぞれ示す少なくとも円弧を表示することを更に行わせる、請求項6に記載の医療システム。
【請求項9】
前記第1のグラフィックオーバーレイ及び前記第2のグラフィックオーバーレイの少なくとも1つは、円の形状を含む、請求項1に記載の医療システム。
【請求項10】
方法であって、
医療システムが、前記医療システムの少なくとも1つの画像センサを介して人の少なくとも眼の画像を取得するステップと、
前記医療システムが、前記少なくとも眼の画像から前記眼の虹彩の位置を判定するステップと、
前記医療システムが、前記少なくとも眼の画像から吸引リングの位置を判定するステップと、
前記医療システムが、前記医療システムのディスプレイを介して前記少なくとも眼の画像を表示するステップと、
前記医療システムが、前記ディスプレイを介して、前記眼の前記虹彩の前記位置を示す第1のグラフィックオーバーレイを前記少なくとも眼の画像上に表示するステップと、
前記医療システムが、前記ディスプレイを介して、
前記吸引リングが前記眼に対してZ方向に移動した場合の前記吸引リングの前記位置を示す第2のグラフィックオーバーレイを前記少なくとも眼の画像上に表示するステップと、
前記医療システムが、前記少なくとも眼の画像から複数の虹彩構造を判定するステップと、
前記医療システムが、前記少なくとも眼の画像から、少なくとも前記複数の虹彩構造に基づいて前記眼の向きを判定するステップと、
前記医療システムが、前記ディスプレイを介して、前記眼の前記向きを示す情報を表示するステップと
を含む方法。
【請求項11】
前記眼の前記向きを示す前記情報は、前記眼の前記向きに関連付けられた第1のレチクルを表す第3のグラフィックオーバーレイを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記医療システムが、前記ディスプレイを介して、前記吸引リングの向きに関連付けられた第2のレチクルを表す第4のグラフィックオーバーレイを表示するステップを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記医療システムが、前記少なくとも眼の画像から前記眼の瞳孔の位置を判定するステップと、
前記医療システムが、前記ディスプレイを介して、前記眼の前記瞳孔の前記位置を示す第3のグラフィックオーバーレイを前記少なくとも眼の画像上に表示するステップと
を更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記医療システムが前記人の前記少なくとも眼の画像を取得するステップは、前記医療システムが前記眼の複数の画像を取得するステップを含み、
前記人の前記少なくとも眼の画像は、前記眼の前記複数の画像を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記医療システムが、前記少なくとも眼の画像から、少なくとも前記複数の虹彩構造に基づいて少なくとも1つの切開部位を判定するステップと、
前記医療システムが、前記ディスプレイを介して、前記少なくとも1つの切開部位を示す第3のグラフィックオーバーレイを表示するステップと
を更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記医療システムが、前記眼の瞳孔の中心に対する、前記複数の虹彩構造のうちの虹彩構造からの角度測定値を判定するステップを更に含み、
前記医療システムが前記ディスプレイを介して前記第3のグラフィックオーバーレイを表示するステップは、少なくとも前記角度測定値に基づいている、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記医療システムが、前記ディスプレイを介して、前記少なくとも1つの切開部位を示す前記第3のグラフィックオーバーレイを表示するステップは、前記医療システムが、前記少なくとも1つの切開部位をそれぞれ示す少なくとも円弧を表示するステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のグラフィックオーバーレイ及び前記第2のグラフィックオーバーレイの少なくとも1つは、円の形状を含む、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、眼科手術及び手術用設備に関し、より具体的には、医療処置において眼の1つ以上の画像を利用することに関連付けられたシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
眼科手術は、毎年、数万人の患者の視力を保護し且つ向上させる。しかし、眼の僅かな変化に対しても視力が敏感であり、多くの眼構造の特性が微細且つ精緻であるため、眼科手術は、実行が困難であり、些細若しくは稀な手術ミスを減らすか、又は手術スキルの精度が僅かに向上するのみで手術後の患者の視力に顕著な差が生じる場合がある。
【0003】
眼科手術は、眼又は眼の任意の部分に対して実行される手術である。眼科手術は、通常、網膜欠損の修復、眼筋の修復、白内障若しくは癌の切除又は視力の維持若しくは向上のために実行される。例えば、屈折眼手術は、眼鏡又はコンタクトレンズへの依存度を下げるか又はなくす目的で眼の屈折状態の向上に用いる眼科手術の種類である。屈折手術の処置は、角膜及び/又は白内障手術を外科的に再モデル化することを含み得、いずれも1つ以上のレーザーにより実行され得る。
【0004】
各種の眼科手術の処置において、レーザーは、光破壊を用いて切開を行うことができる。レーザーを用いて眼科手術を実行する場合、外科的処置は、典型的には、ドッキング、撮像、解析及びレーザー治療を含む。ドッキングの実行中、患者の眼は、患者の角膜を平坦にする圧力を加えて(圧平として知られる)、レーザー治療のために所定の位置に保つように吸引コーンとドッキングされる。ドッキングは、敏感な過程であり、吸引リングをZ方向並びにX及びY方向に適切に配置することが眼科手術の成功のために重要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、少なくとも1つの画像センサを介して人の少なくとも眼の画像を取得することが可能なシステムを提供する。一例において、少なくとも1つの画像センサは、少なくとも1つのカメラを含み得る。第2の例において、少なくとも1つの画像センサは、複数の画像センサを含み得る。別の例において、眼の少なくとも1つの画像は、眼の複数の画像を含み得る。本システムは、少なくとも眼の画像から眼の虹彩の位置を更に判定することができ、且つ少なくとも眼の画像から吸引リングの位置を更に判定することができる。例えば、本システムは、吸引リングを眼とドッキングさせる前に、少なくとも眼の画像から吸引リングの位置を判定することができる。吸引リングは、医療処置のために眼とドッキングされ得る。本システムは、ディスプレイを介して少なくとも眼の画像を更に表示することができる。例えば、顕微鏡と一体化されたディスプレイがそのディスプレイを含み得る。本システムは、顕微鏡と一体化されたディスプレイを含み得る。本システムは、ディスプレイを介して、眼の虹彩の位置を示す第1のグラフィックオーバーレイを少なくとも眼の画像上に更に表示することができ、且つディスプレイを介して、吸引リングの位置を示す第2のグラフィックオーバーレイを少なくとも眼の画像上に更に表示することができる。例えば、第2のグラフィックオーバーレイは、吸引リングを眼とドッキングさせる際に内科医又は外科医を誘導することができる。本システムは、少なくとも眼の画像から複数の虹彩構造を更に判定することができる。一例において、複数の虹彩構造は、眼が1つ以上の方向を向く1つ以上のベースになり得る。別の例において、複数の虹彩構造は、眼が1つ以上の測定値を有する1つ以上のベースになり得る。本システムは、少なくとも眼の画像から、少なくとも複数の虹彩構造に基づいて眼の向きを更に判定することができ、且つディスプレイを介して、眼の向きを示す情報を更に表示することができる。例えば、眼の向きを示す情報は、眼の向きに関連付けられたレチクルを表すグラフィックオーバーレイを含み得る。
【0006】
本システムは、ディスプレイを介して、吸引リングの向きに関連付けられたレチクルを表すグラフィックオーバーレイを更に表示することができる。例えば、吸引リングの向きに関連付けられたレチクルは、吸引リングを眼とドッキングさせる際に内科医又は外科医を誘導することができる。本システムは、少なくとも眼の画像から、少なくとも複数の虹彩構造に基づいて少なくとも1つの切開部位を更に判定することができ、且つディスプレイを介して、少なくとも1つの切開部位を示すグラフィックオーバーレイを更に表示することができる。少なくとも1つの切開部位の判定は、複数の切開部位を判定することを含み得る。本システムは、ディスプレイを介して、それぞれの複数の切開部位を示す複数のグラフィックオーバーレイを更に表示することができる。例えば、本システムは、ディスプレイを介して、それぞれの複数の切開部位を示す複数のグラフィックオーバーレイを同時に表示することができる。本システムは、眼の瞳孔の中心に対する、複数の虹彩構造のうちの虹彩構造からの角度測定値を更に判定することができる。例えば、本システムは、ディスプレイを介して、少なくとも角度測定値に基づいて少なくとも1つの切開部位を示すグラフィックオーバーレイを表示することができる。
【0007】
本開示は、本システムのプロセッサによって実行されると、本システムに上述のステップを実行させる命令を有する非一時的コンピュータ可読メモリ装置を更に含む。本開示は、明らかに相互排他的でなければ相互に組み合わせて用い得る以下の特徴の1つ以上を有する、上述のようなシステム又は非一時的コンピュータ可読メモリ装置を更に含む。i)少なくとも1つの画像センサを介して人の少なくとも眼の画像を取得し、ii)少なくとも眼の画像から眼の虹彩の位置を判定し、iii)少なくとも眼の画像から吸引リングの位置を判定し、iv)ディスプレイを介して少なくとも眼の画像を表示し、vi)ディスプレイを介して、眼の虹彩の位置を示す第1のグラフィックオーバーレイを少なくとも眼の画像上に表示し、vii)ディスプレイを介して、吸引リングの位置を示す第2のグラフィックオーバーレイを少なくとも眼の画像上に表示し、viii)少なくとも眼の画像から複数の虹彩構造を判定し、ix)少なくとも眼の画像から、少なくとも複数の虹彩構造に基づいて眼の向きを判定し、x)ディスプレイを介して、眼の向きを示す情報を表示し、xi)ディスプレイを介して、眼の向きに関連付けられたレチクルを表すグラフィックオーバーレイを表示し、xii)ディスプレイを介して、吸引リングの向きに関連付けられたレチクルを表すグラフィックオーバーレイを表示し、xiii)少なくとも眼の画像から眼の瞳孔の位置を判定し、xiv)ディスプレイを介して、眼の瞳孔の位置を示すグラフィックオーバーレイを少なくとも眼の画像上に表示し、xv)少なくとも眼の画像から、少なくとも複数の虹彩構造に基づいて少なくとも1つの切開部位を判定し、xvi)ディスプレイを介して、少なくとも1つの切開部位を示すグラフィックオーバーレイを表示し、xvii)眼の瞳孔の中心に対する、複数の虹彩構造のうちの虹彩構造からの角度測定値を判定する。
【0008】
上述のシステムのいずれも、上述の方法の任意のものを実行可能であり得、上述の非一時的コンピュータ可読メモリ装置のいずれも、上述の方法の任意のものをシステムに実行させることが可能であり得る。上述の方法のいずれも、上述のシステムの任意のものにおいて又は上述の非一時的コンピュータ可読メモリ装置の任意のものを用いて実行され得る。
【0009】
上述の概要及び以下の詳細な説明の両方は、例であり、且つ本質的に例示的なものであり、本開示の範囲を限定することなく本開示の理解を提供することを意図していることを理解されたい。この点に関して、本開示の更なる態様、特徴及び利点が以下の詳細な記述から当業者に明らかになるであろう。
【0010】
本開示の内容及び特徴並びに利点のより詳細な理解のため、添付の図面と合わせて以下の記述を参照するが、図面は、必ずしも一定の縮尺で描画されていない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1E】
図1Eは、x方向において中心から外れた吸引リングの一例を示す。
【
図1F】
図1Fは、y方向において中心から外れた吸引リングの一例を示す。
【
図1G】
図1Gは、適切に配置された吸引リングの一例を示す。
【
図1H】
図1Hは、適切に配置された吸引リングの別の例を示す。
【
図1J】
図1Jは、傾けられて適切に配置された吸引リング及び吸引コーンの一例を示す。
【
図2B】
図2Bは、顕微鏡と一体化されたディスプレイの一例を示す。
【
図4F】
図4Fは、それぞれの複数の切開部位を示す複数のオーバーレイの表示の一例を示す。
【
図5】
図5は、コンピュータシステムの一例を示す。
【
図6B】
図6Bは、システムを動作させる方法の別の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の記述において、開示する主題に関する議論を進めるうえでの例として詳細を示している。しかし、開示する実施形態は、例に過ぎず、あらゆる可能な実施形態を網羅していないことが当業者に明らかなはずである。
【0013】
本明細書で用いる参照番号は、対象のクラス又は種類を指定し、そのような参照番号に付与された文字は、そのクラス又は種類の特定の対象の特定の例を指定するものである。従って、例えば、「12A」によって参照される仮想対象は、特定のクラス/種類の特定の例を指定し、参照「12」は、特定のクラス/種類に属する例の集団又は一般にそのクラス/種類の任意の1つの例を指定し得る。
【0014】
医療処置(例えば、眼科手術処置)の開始時点において、患者は、上向きの支持台に乗せられ得る。例えば、支持台は、特にカウチ、テーブル又はベッドであり得るか、又はそれを含み得る。医療処置前に、ドッキング装置の1つ以上の構成要素が患者の眼とドッキングされ得る。例えば、ドッキング装置の1つ以上の構成要素は、特に吸引リング、吸引コーン及びレンズの1つ以上を含み得る。レーザー眼科手術システムは、特に吸引コーン及びレンズを含み得る。例えば、レーザー眼科手術システムは、フェムト秒レーザーを含み得、レーザーは、特に吸引コーン及びレンズを含み得る。
【0015】
外科医は、手動で吸引リングを眼の位置に合わせることができる。例えば、外科医は、誘導システムからの支援なしに吸引リングを眼の上に配置することができる。吸引リングが不正確に配置されると、眼が傾く場合がある。例えば、眼が傾いているt、吸引リングの中心が眼の光軸からずれているため、医療処置(例えば、外科的処置)が完全に効果的でない場合がある。医療処置が1つ以上の屈折切開を含む場合、眼が傾いていると、医療処置が完全に効果的でない場合がある。
【0016】
内科医は、誘導システムを用いて吸引リングを眼の上に配置することができる。例えば、誘導システムは、吸引リングが眼の光軸に整合又は略整合するように、内科医が吸引リングを眼の上に配置することを支援し得る。眼の光軸は、眼の瞳孔の中心に関連付けられ得る。例えば、誘導システムを用いて吸引リングを眼の上に配置することは、特に、内科医が吸引リングを眼の光軸に整合又は略整合するように配置する際及び吸引リングを眼と回転整合又は略回転整合するように配置する際に誘導することを含み得る、1つ以上の利点をもたらすことができる。
【0017】
患者の眼は、静止していない場合がある。例えば、患者の眼は、ドッキングプロセス中に動く場合がある。患者の眼は、ドッキングプロセス中に左及び/若しくは右に動く場合があり、ドッキングプロセス中に上及び/若しくは下に動く場合があり、且つ/又はドッキングプロセス中に時計回り及び/若しくは反時計回りに回転する場合がある。誘導システムは、ドッキングプロセス中の患者の眼の1つ以上の動きを判定することができる。例えば、誘導システムは、患者の眼を追跡することができる。患者の眼を追跡することは、患者の眼の1つ以上の移動中及び/又後、患者の眼の1つ以上の位置を判定することを含み得る。例えば、誘導システムは、患者の眼の1つ以上の移動中及び/又は後、患者の眼の1つ以上の位置を示す情報を表示することができる。患者の眼の1つ以上の移動中及び/又は後の患者の眼の1つ以上の位置を示す情報は、患者の眼に吸引リングをドッキングさせる際に内科医を支援及び/又は誘導することができる。例えば、患者の眼の1つ以上の移動中及び/又は後の患者の眼の1つ以上の位置を示す情報を患者の眼の1つ以上の画像の上に表示することができる。誘導システムは、患者の眼の1つ以上の画像を、患者の眼の1つ以上の移動中及び/又は後の患者の眼の1つ以上の位置を示す情報により補強することができる。例えば、誘導システムは、拡張現実(AR)システム、AR方法及び/又はAR処理の1つ以上の構造及び/又は1つ以上の機能を含み得る。以下に詳述するように、医療システムは、誘導システムの1つ以上の構造及び/又は機能を含み得る。例えば、医療システムは、吸引リングを患者の眼とドッキングさせる際に内科医を支援及び/又は誘導することができる。
【0018】
ここで、
図1Aを参照すると、医療システムの第1の例が示されている。図示するように、医療システム110は、コンピュータシステム112を含み得る。図示するように、医療システム110は、生体測定装置114を含み得る。図示するように、生体測定装置114は、コンピュータシステム112に通信可能に接続され得る。図示するように、医療システム110は、真空システム130を含み得る。図示するように、真空システム130は、コンピュータシステム112に通信可能に接続され得る。例えば、コンピュータシステムは、真空システム130を制御することができる。真空システム130は、1つ以上の導線132及び134を介して1つ以上の低圧を生成することができる。例えば、真空システム130は、導線134を介して1つ以上の低圧を生成して、吸引リング140を患者の眼122に接着及び/又は封止することができる。図示するように、医療システム110は、導線132及び134並びに吸引リング140を含み得る。
【0019】
ここで、
図1Bを参照すると、生体測定装置の一例が示されている。図示するように、生体測定装置114は、画像センサ160A~160Cを含み得る。例えば、画像センサ160は、カメラを含み得る。図示するように、生体測定装置114は、光投射器162A~162Cを含み得る。一例において、光投射器162は、可視光を投射することができる。別の例において、光投射器162は、赤外光を投射することができる。光投射器162は、患者の眼に円形及び/又は点を投射することができる。画像センサ160は、患者の眼に投射された円形及び/又は点の反射を受光することができる。コンピュータシステムは、少なくとも患者の眼に投射された円形及び/又は点の反射に基づいて、患者の眼に関連付けられた1つ以上の位置及び/又は1つ以上のテンプレートを判定することができる。図示するように、生体測定装置114は、深さセンサ164A~164Cを含み得る。深さセンサ164は、光投射器162を含み得る。深さセンサ164は、光学センサを含み得る。図示するように、生体測定装置114は、光低コヒーレンス反射率計(OLCR)装置166を含み得る。図示するように、生体測定装置114は、波面装置168を含み得る。
【0020】
波面装置168は、特に1つ以上の光源及び波面センサを含み得る。光源は、第1の光波を眼122に送ることができる。波面センサは、少なくとも第1の光波に基づいて第1の摂動光波を眼122から受光することができる。一例において、波面装置168は、少なくとも第1の摂動光に基づいて第1の光学的補正を判定することができる。別の例において、コンピュータシステムは、少なくとも第1の摂動光に基づいて第1の光学的補正を判定することができる。波面装置168は、少なくとも第1の摂動光波に基づいてコンピュータシステムにデータを提供することができる。例えば、コンピュータシステムは、少なくとも波面装置168からのデータに基づいて第1の光学的補正を判定することができる。
【0021】
画像センサ160、光投射器162、深さセンサ164、OLCR装置166及び波面装置168の任意の2つ以上を組み合わせることができる。特に、1つ以上の画像センサ160A~160C、1つ以上の光投射器162A~162C、1つ以上の深さセンサ164A~164C、OLCR装置166及び/又は波面装置168は、コンピュータシステムで利用可能なデータを生成することができる。
【0022】
ここで、
図1Cを参照すると、x方向に傾いた眼の一例が示されている。図示するように、眼122は、x方向に対して傾いている場合がある。例えば、吸引リング140がz方向に直接降下された場合、吸引リング140が適切に眼122に配置されない場合がある。
【0023】
ここで、
図1Dを参照すると、y方向に傾いた眼の一例が示されている。図示するように、眼122は、y方向に対して傾いている場合がある。例えば、吸引リング140がz方向に直接降下された場合、吸引リング140が適切に眼122に配置されない場合がある。
【0024】
ここで、
図1Eを参照すると、x方向において中心から外れた吸引リングの一例が示されている。図示するように、吸引リング140がx方向において眼122の光軸150から外れている場合がある。例えば、吸引リング140がz方向に直接降下された場合、吸引リング140が適切に眼122に配置されない場合がある。
【0025】
ここで、
図1Fを参照すると、y方向において中心から外れた吸引リングの一例が示されている。図示するように、吸引リング140がy方向において眼122の光軸150から外れている場合がある。例えば、吸引リング140がz方向に直接降下された場合、吸引リング140が適切に眼122に配置されない場合がある。
【0026】
ここで、
図1Gを参照すると、適切に配置された吸引リングの一例が示されている。図示するように、吸引リング140を適切に眼122に配置することができる。例えば、吸引リング140を光軸150に対して適切に眼122に配置することができる。図示するように、吸引リング140を眼122とドッキングさせることができる。
【0027】
ここで、
図1Hを参照すると、適切に配置された吸引リングの別の例が示されている。図示するように、吸引リング140を適切に眼122に配置することができる。一例において、眼122がx方向に傾いている場合がある。別の例において、眼122がy方向に傾いている場合がある。吸引リング140は、眼122がx方向に傾けられ得、且つ/又はy方向に傾けられ得るとしても、適切に眼122に配置することができる。例えば、図示するように、吸引リング140が光軸150に対して配置されている場合、吸引リング140を適切に眼122に配置することができる。図示するように、吸引リング140を眼122とドッキングさせることができる。
【0028】
ここで、
図1Iを参照すると、医療システムの第2の例が示されている。図示するように、医療システム110は、吸引コーン170を含み得る。例えば、吸引コーン170は、圧平コーンであり得るか、又はそれを含み得る。図示するように、コンピュータシステム112は、吸引コーン170の制御装置174に結合され得る。例えば、コンピュータシステム112は、制御装置174を介して吸引コーン170を制御することができる。吸引リング140が眼122とドッキングされた後、吸引コーン170を吸引リング140とドッキングさせることができる。図示するように、吸引コーン170は、レンズ172を含み得る。レンズ172は、平坦又は平面であるように描かれているが、レンズ172は、凹面形状及び/又は凸面形状を含み得る。
【0029】
ここで、
図1Jを参照すると、傾けられて適切に配置された吸引リング及び吸引コーンの一例が示されている。図示するように、吸引リング140を適切に眼122に配置することができる。一例において、眼122がx方向に傾いている場合がある。別の例において、眼122がy方向に傾いている場合がある。吸引リング140は、眼122がx方向に傾けられ得、且つ/又はy方向に傾けられ得るとしても、適切に眼122に配置することができる。例えば、図示するように、吸引リング140が光軸150に対して配置されている場合、吸引リング140を適切に眼122に配置することができる。図示するように、吸引リング140を眼122とドッキングさせることができる。図示するように、吸引リング140及び吸引コーン170の両方が光軸150に整合するように、吸引コーン170を吸引リング140とドッキングさせることができる。
【0030】
ここで、
図2Aを参照すると、医療システムの別の例が示されている。図示するように、外科医210は、医療システム110を用いることができる。例えば、外科医210は、患者120の眼122に関わる手術にシステム110を用いることができる。システム110は、複数のシステムを含み得る。図示するように、システム110は、切開システム215Aを含み得る。例えば、外科医210は、眼122の切開にシステム215Aを用いることができる。眼122は、患者120の眼の角膜にフラップを含み得る。図示するように、システム110は、成形システム215Bを含み得る。例えば、外科医210は、患者120の角膜の内側部分の切除を実行する際に成形システム215Bを用いることができる。
【0031】
図示するように、システム215Aは、ディスプレイ116Aを含み得る。図示するように、システム215Aは、顕微鏡ディスプレイ250Aを含み得る。例えば、顕微鏡ディスプレイ250Aは、顕微鏡と一体化されたディスプレイ(MID)を含み得る。システム215Aは、特に1つ以上の画像センサ160A~160C、1つ以上の光投射器162A~162C、1つ以上の深さセンサ164A~164C、OLCR装置166及び/又は波面装置168を含み得る。システム215Aは、特に1つ以上の吸引リング150、吸引コーン170及び真空システム130を含み得る。図示するように、システム215Bは、ディスプレイ116Bを含み得る。図示するように、システム215Bは、顕微鏡ディスプレイ250Bを含み得る。例えば、顕微鏡ディスプレイ250Bは、MIDを含み得る。システム215Bは、特に1つ以上の画像センサ160A~160C、1つ以上の光投射器162A~162C、1つ以上の深さセンサ164A~164C、OLCR装置166及び/又は波面装置168を含み得る。
【0032】
システム215Aは、フェムト秒レーザー等のレーザーを含み得、レーザーは、短レーザパルスを用いて角膜組織の一連の小さい部分を切除して、角膜の内側部分を露出するために持ち上げられ得るフラップを形成することができる。フラップは、切断装置ディスプレイ116A及び250Aの一方又は両方を制御装置及びコンピュータシステム112Aと共に用いて計画及び切断され得る。図示するように、システム215Aは、コンピュータシステム112Aを含み得る。例えば、コンピュータシステム112Aは、特にシステム215Aの1つ以上の画像センサ160A~160C、1つ以上の光投射器162A~162C、1つ以上の深さセンサ164A~164C、OLCR装置166及び/又は波面装置168に結合され得る。図示するように、システム215Bは、コンピュータシステム112Bを含み得る。例えば、コンピュータシステム112Bは、特にシステム215Bの1つ以上の画像センサ160A~160C、1つ以上の光投射器162A~162C、1つ以上の深さセンサ164A~164C、OLCR装置166及び/又は波面装置168に結合され得る。
【0033】
システム215A及び215Bは、
図2Bに示すように物理的に分離され得る。患者120は、システム215A及び215B間を移動する場合がある。代替的に、患者120は、静止したままであり得、システム215A及び215Bを患者120の方に移動させることができる。システム215A及び215Bは、システム215A及び215Bを切り替える際、装置及び患者120のいずれも位置を変えないように物理的に単一の一体的装置に組み合わされ得る。
【0034】
システム110は、システム215A及び215Bを制御するための1つ以上の制御装置を含み得る。例えば、1つ以上の制御装置は、タッチスクリーンディスプレイ、キーボード、マウス、タッチパッド、ボタン、ジョイスティック、フットペダル、ヘッドアップディスプレイ及び仮想現実眼鏡又は医療従事者等のユーザーと対話可能な他の装置等、1つ以上の対話型ディスプレイを含み得る。
【0035】
システム110は、特に少なくとも1つのディスプレイ116A、250A、116B及び250Bに提示された画像を生成するように構成された少なくとも1つのコンピュータシステムを含み得る。例えば、少なくとも1つのコンピュータシステムは、1つ以上のコンピュータシステム112A及び112Bを含み得る。1つ以上のコンピュータシステム112A及び112Bは、顕微鏡、カメラ、光干渉断層撮影(OCT)装置若しくはディスプレイ等の観察装置又は手術中の眼の位置を測定可能な別の装置に結合され得る。1つ以上のコンピュータシステム112A及び112Bが1つ以上の制御装置に結合され得る。
【0036】
一例において、切断装置コンピュータシステム112Aは、i)患者120がシステム215Aと位置を合わせた場合に眼122を観察する観察装置に結合され得、ii)計画されたフラップ位置及び計画された切除領域に関するグラフィック情報を1つ以上のディスプレイ116A及び250Aに提供し得、iii)システム215Aの1つ以上の制御装置に結合され得る。第2の例において、成形装置コンピュータ112Bは、i)患者120が成形装置の位置に置かれた場合に眼122を観察する観察装置に結合され得、ii)計画されたフラップ位置及び計画された切除領域に関するグラフィック情報を1つ以上のディスプレイ1160B及び250Bに提供し得、iii)システム215Bの1つ以上の制御装置に結合され得る。別の例において、コンピュータシステムは、コンピュータシステム112A及び112Bに関して上で述べた特性及び/又は属性を含み得る。
【0037】
システム110のコンピュータシステムは、システム110の別の部分に有線又は無線で結合され得る。システム110の1つ以上のコンピュータシステムのデータは、患者データ、治療計画並びに/又は医療処置及び/若しくはシステム110に関連付けられた他の情報を保存するデータベース、ローカル機器、リモートコンピュータシステム及び/又はリモートデータセンタに保存され得る。一例において、データベースは、リレーショナルデータベースを含み得る。第2の例において、データベースは、グラフデータベースを含み得る。別の例において、データベースは、「Not Only SQL」(NoSQL)データベースを含み得る。
【0038】
システム110は、患者及びその患者に施されるか又は実際に施された治療に関する情報を入力することができる。システム110は、ユーザーが患者及びその患者に施される治療に関する情報を入力及び閲覧できるようにし得る。このようなデータは、特に患者に関する情報、例えば識別情報、患者の医療履歴及び/又は治療中の眼122に関する情報を含み得る。このようなデータは、特に治療計画、例えば角膜切開の形状及び位置、切除の形状及び/又は位置に関する情報を含み得る。
【0039】
ここで、
図2Bを参照すると、顕微鏡と一体化されたディスプレイの一例が示されている。図示するように、MID 250は、ディスプレイ262A及び262Bを含み得る。例えば、外科医210は、複数の接眼レンズを覗き込むことができ、ディスプレイ262A及び262Bは、外科医210に対して情報を表示することができる。MID 250を複数のディスプレイと共に示しているが、MID 250は、単一のディスプレイ262を含み得る。例えば、MID 250は、1つ以上のディスプレイ262で実装され得る。ディスプレイ262は、ディスプレイ116が表示し得る任意の画像及び/又は任意の情報を表示し得る。図示するように、MID 250は、画像センサ272A及び272Bを含み得る。一例において、画像センサ272A及び272Bは、画像を取得することができる。第2の例において、画像センサ272A及び272Bは、カメラを含み得る。別の例において、画像センサ272は、特に可視光、赤外光及び紫外光の1つ以上を介して画像を取得することができる。1つ以上の画像センサ272A及び272Bは、画像のデータをコンピュータシステム112に提供することができる。MID 250を複数の画像センサと共に示しているが、MID 250は、単一の画像センサ272を含み得る。例えば、MID 250は、1つ以上の画像センサ272で実装され得る。
【0040】
図示するように、MID 250は、距離センサ274A及び274を含み得る。例えば、距離センサ274は、外科ツーリング設備220との距離を判定することができる。距離センサ274は、z軸に関連付けられた距離を判定することができる。MID 250を複数の画像センサと共に示しているが、MID 250は、単一の距離センサ274を含み得る。一例において、MID 250は、1つ以上の距離センサ274で実装され得る。別の例において、MID 250は、距離センサで実装してなくてよい。図示するように、MID 250は、レンズ276A及び276Bを含み得る。MID 250を複数のレンズ276A及び276Bと共に示しているが、MID 250は、単一レンズ276を含み得る。例えば、MID 250は、1つ以上のレンズ276で実装され得る。図示するように、MID 250は、照射器278A及び278Bを含み得る。例えば、照射器278は、特に可視光、赤外光及び紫外光の1つ以上を供給及び/又は生成することができる。MID 250を複数の照射器と共に示しているが、MID 250は、単一の照射器278を含み得る。例えば、MID 250は、1つ以上の照射器278で実装され得る。
【0041】
照射器278は、赤外光を提供することができる。コンピュータシステム112は、少なくとも反射された赤外光に基づいて画像データを受信することができる。例えば、画像センサ272は、反射された赤外光を受光して、少なくとも反射された赤外光に基づいてコンピュータシステム112にデータを提供することができる。照射器278は、白色光を提供することができる。コンピュータシステム112は、少なくとも反射された白色光に基づいて画像データを受信することができる。例えば、画像センサ272は、反射された白色光を受光して、少なくとも反射された白色光に基づいてコンピュータシステム112にデータを提供することができる。照射器278は、紫外光を提供することができる。コンピュータシステム112は、少なくとも反射された紫外光に基づいて画像データを受信することができる。例えば、画像センサ272は、反射された紫外光を受光して、少なくとも反射された紫外光に基づいてコンピュータシステム112にデータを提供することができる。MID 250は、生体測定装置114に関して記述したものと同様に、1つ以上の構造及び/又は1つ以上の機能を含み得る。一例において、MID 250は、OLCR装置166を含み得る。別の例において、MID 250は、波面装置168を含み得る。
【0042】
一例として、外科ツーリング設備は、1つ以上のパターンでマーキングされ得る。1つ以上のパターンを用いて外科ツーリング設備を識別することができる。1つ以上のパターンは、特にハッシュパターン、ストライプパターン及びフラクタルパターンの1つ以上を含み得る。別の例として、外科ツーリング設備は、染料及び/又は塗料でマーキングされ得る。染料及び/又は塗料は、特に可視光、赤外光及び紫外光の1つ以上を反射することができる。一例において、照射器278は、紫外光を提供することができ、画像センサ272は、外科ツーリング設備から反射された紫外光を受光することができる。コンピュータシステム112は、少なくとも外科ツーリング設備から反射された紫外光に基づいて、画像センサ272から画像データを受信し、少なくとも外科ツーリング設備から反射された紫外光に基づいて、画像データを用いて、画像センサ272により提供された他の画像データから外科ツーリング設備を識別することができる。別の例において、照射器278は、赤外光を提供することができ、画像センサ272は、外科ツーリング設備から反射された赤外光を受光することができる。コンピュータシステム112は、少なくとも外科ツーリング設備から反射された赤外光に基づいて、画像センサ272から画像データを受信し、少なくとも外科ツーリング設備から反射された赤外光に基づいて、画像データを用いて、画像センサ272により提供された他の画像データから外科ツーリング設備を識別することができる。
【0043】
ここで、
図3Aを参照すると、眼の虹彩のオーバーレイの一例が示されている。図示するように、ディスプレイ116は、眼122の画像310を表示することができる。システム110は、眼122の虹彩の画像314を判定することができる。図示するように、ディスプレイ116は、オーバーレイ320を表示することができる。例えば、オーバーレイ320は、眼122の虹彩の画像314の外側境界をマーキングすることができる。オーバーレイ320は、眼122の瞳孔の画像312に中心が合わせられ得る。システム110は、特にコンピュータ視覚方法、コンピュータ視覚処理及びコンピュータ視覚システムの1つ以上を介してオーバーレイ320を判定することができる。オーバーレイ320の1つ以上の位置は、少なくとも眼122の1つ以上の動きに基づいて変更及び/又は更新することができる。
【0044】
ここで、
図3Bを参照すると、眼のオーバーレイの第2の例が示されている。図示するように、オーバーレイ322は、オーバーレイ320を囲み得る。例えば、オーバーレイ322は、オーバーレイ320を補強することができる。オーバーレイ322の1つ以上の位置は、少なくとも眼122の1つ以上の動きに基づいて変更及び/又は更新することができる。
【0045】
ここで、
図3Cを参照すると、眼のオーバーレイの第3の例が示されている。図示するように、ディスプレイ116は、オーバーレイ330Aを表示することができる。例えば、オーバーレイ330Aは、吸引リング140の整合を表すことができる。オーバーレイ330Aは、吸引リング140が眼122に対してz方向に移動した場合の吸引リング140の整合を表すことができる。図示するように、オーバーレイ330Aは、吸引リング140が適切に整合していない可能性を示す。一例において、
図1Cに示すように、眼122がx方向に傾いている場合がある。別の例において、
図1Eに示すように、吸引リング140がx方向において眼122の光軸150から外れている場合がある。オーバーレイ330Aの1つ以上の位置は、少なくとも吸引リング140の1つ以上の動きに基づいて変更及び/又は更新することができる。
【0046】
ここで、
図3Dを参照すると、眼のオーバーレイの第4の例が示されている。図示するように、ディスプレイ116は、オーバーレイ330Bを表示することができる。例えば、オーバーレイ330Bは、吸引リング140の整合を表すことができる。オーバーレイ330Bは、吸引リング140が眼122に対してz方向に移動した場合の吸引リング140の整合を表すことができる。図示するように、オーバーレイ330Bは、吸引リング140が適切に整合していない可能性を示す。一例において、
図1Dに示すように、眼122がy方向に傾いている場合がある。別の例において、
図1Fに示すように、吸引リング140がy方向において眼122の光軸150から外れている場合がある。オーバーレイ330Bの1つ以上の位置は、少なくとも吸引リング140の1つ以上の動きに基づいて変更及び/又は更新することができる。
【0047】
ここで、
図3Eを参照すると、眼のオーバーレイの第5の例が示されている。図示するように、ディスプレイ116は、オーバーレイ324Aを表示することができる。例えば、オーバーレイ324Aは、特に眼122の瞳孔の画像312及び眼122の虹彩の画像314の1つ以上に整合し得る。オーバーレイ324Aは、眼122の瞳孔の画像312の中心に整合し得る。オーバーレイ324Aは、眼122の虹彩の画像314の1つ以上の構造に整合し得る。オーバーレイ324Aは、吸引リング140の配置及び/又は位置を伝達及び/又は誘導することができる。
【0048】
図示するように、ディスプレイ116は、オーバーレイ334Aを表示することができる。例えば、オーバーレイ334Aは、吸引リング140の整合を表すことができる。オーバーレイ334Aは、吸引リング140が眼122に対してz方向に移動した場合の吸引リング140の整合を表すことができる。例えば、オーバーレイ334Aは、レチクル(例えば、十字線)を表すことができる。図示するように、オーバーレイ334Aは、吸引リング140が適切に整合していない可能性を示す。一例において、
図1Cに示すように、眼122がx方向に傾いている場合がある。第2の例において、
図1Dに示すように、眼122がy方向に傾いている場合がある。第3の例において、
図1Eに示すように、吸引リング140がx方向において眼122の光軸150から外れている場合がある。別の例において、
図1Fに示すように、吸引リング140がy方向において眼122の光軸150から外れている場合がある。オーバーレイ324Aの1つ以上の位置は、少なくとも眼122の1つ以上の動きに基づいて変更及び/又は更新することができる。オーバーレイ334Aの1つ以上の位置は、少なくとも吸引リング140の1つ以上の動きに基づいて変更及び/又は更新することができる。
【0049】
ここで、
図3Fを参照すると、眼のオーバーレイの第6の例が示されている。図示するように、ディスプレイ116は、オーバーレイ324Aを表示することができる。例えば、オーバーレイ324Aは、特に眼122の瞳孔の画像312及び眼122の虹彩の画像314の1つ以上に整合し得る。オーバーレイ324Aは、眼122の瞳孔の画像312の中心に整合し得る。オーバーレイ324Aは、眼122の虹彩の画像314の1つ以上の構造に整合し得る。オーバーレイ324Aは、吸引リング140の配置及び/又は位置を伝達及び/又は誘導することができる。
【0050】
図示するように、ディスプレイ116は、オーバーレイ334Bを表示することができる。例えば、オーバーレイ334Bは、吸引リング140の整合を表すことができる。オーバーレイ334Bは、吸引リング140が眼122に対してz方向に移動した場合の吸引リング140の整合を表すことができる。例えば、オーバーレイ334Bは、レチクル(例えば、十字線)を表すことができる。図示するように、オーバーレイ334Bは、吸引リング140が適切に整合していない可能性を示す。一例において、
図1Cに示すように、眼122がx方向に傾いている場合がある。第2の例において、
図1Dに示すように、眼122がy方向に傾いている場合がある。第3の例において、
図1Eに示すように、吸引リング140がx方向において眼122の光軸150から外れている場合がある。第4の例において、
図1Fに示すように、吸引リング140がy方向において眼122の光軸150から外れている場合がある。別の例において、吸引リング140は、回転することができる。オーバーレイ324Aの1つ以上の位置は、少なくとも眼122の1つ以上の動きに基づいて変更及び/又は更新することができる。オーバーレイ334Bの1つ以上の位置は、少なくとも吸引リング140の1つ以上の動きに基づいて変更及び/又は更新することができる。
【0051】
ここで、
図3Gを参照すると、眼のオーバーレイの別の例が示されている。図示するように、ディスプレイ116は、オーバーレイ324Bを表示することができる。例えば、オーバーレイ324Bは、特に眼122の瞳孔の画像312及び眼122の虹彩の画像314の1つ以上に整合し得る。オーバーレイ324Bは、眼122の瞳孔の画像312の中心に整合し得る。オーバーレイ324Bは、眼122の虹彩の画像314の1つ以上の構造に整合し得る。オーバーレイ324Bは、吸引リング140の配置及び/又は位置を伝達及び/又は誘導することができる。
【0052】
眼122は、光軸150の周りを回転することができる。一例において、眼122は、ねじれ運動を行うことができる。別の例において、眼122は、円形回転を行うことができる。オーバーレイ324Bは、眼122の1つ以上の回転を示すことができる。例えば、オーバーレイ324Bは、光軸150の周りの眼122の1つ以上の回転を示すことができる。オーバーレイ324Bは、特に光軸150の周りの眼122の回転、x方向における眼122の傾き及びy方向における眼122の傾きの1つ以上を示すことができる。
【0053】
図示するように、ディスプレイ116は、オーバーレイ334Aを表示することができる。例えば、オーバーレイ334Aは、吸引リング140の整合を表すことができる。オーバーレイ334Aは、吸引リング140が眼122に対してz方向に移動した場合の吸引リング140の整合を表すことができる。例えば、オーバーレイ334Aは、レチクル(例えば、十字線)を表すことができる。図示するように、オーバーレイ334Aは、吸引リング140が適切に整合していない可能性を示す。一例において、
図1Cに示すように、眼122がx方向に傾いている場合がある。第2の例において、
図1Dに示すように、眼122がy方向に傾いている場合がある。第3の例において、
図1Eに示すように、吸引リング140がx方向において眼122の光軸150から外れている場合がある。第4の例において、
図1Fに示すように、吸引リング140がy方向において眼122の光軸150から外れている場合がある。別の例において、吸引リング140は、回転することができる。オーバーレイ324Bの1つ以上の位置は、少なくとも眼122の1つ以上の動きに基づいて変更及び/又は更新することができる。オーバーレイ334Aの1つ以上の位置は、少なくとも吸引リング140の1つ以上の動きに基づいて変更及び/又は更新することができる。
【0054】
ここで、
図4A及び4Bを参照すると、複数の虹彩構造の例が示されている。図示するように、眼122の虹彩400は、虹彩構造434A~434Cを含み得る。例えば、システム110は、虹彩構造434A~434Cを判定することができる。虹彩構造434A~434Cに関連付けられた1つ以上の測定値を判定することができる。一例において、1つ以上の測定値410~414を判定することができる。別の例において、1つ以上の測定値θ
1、θ
2を判定することができる。システム110は、特に1つ以上の測定値410~414及び/又は1つ以上の測定値θ
1、θ
2を判定することができる。例えば、システム110は、特に眼122の瞳孔405に対する1つ以上の測定値410~414及び/又は1つ以上の測定値θ
1、θ
2を判定することができる。システム110は、特に、図示するように、眼122の瞳孔405の中心に対する1つ以上の測定値410~414及び/又は1つ以上の測定値θ
1、θ
2を判定することができる。
【0055】
1つ以上の虹彩構造434A~434C用いて、特に1つ以上のオーバーレイ320、322、324A、324B、330A、330B、334A及び334Bの1つ以上の位置を判定することができる。一例において、システム110は、特に1つ以上のオーバーレイ320、322、324A、324B、330A、330B、334A及び334Bの1つ以上の位置の判定に1つ以上の虹彩構造434A~434Cを用いることができる。別の例において、システム110は、特に1つ以上の測定値410~414及び/又は1つ以上の測定値θ1、θ2の判定に1つ以上の虹彩構造434A~434Cを用いることができる。それぞれの1つ以上の虹彩構造434A~434Cの1つ以上の位置は、特に1つ以上のオーバーレイ320、322、324A、324B、330A、330B、334A及び334Bの1つ以上の位置の判定に際して、それぞれの1つ以上の基準位置として用いることができる。
【0056】
図示するように、測定値410は、瞳孔405の中心から虹彩構造434Aまでの距離測定値を含み得る。図示するように、測定値412は、瞳孔405の中心から虹彩構造434Bまでの距離測定値を含み得る。図示するように、測定値414は、瞳孔405の中心から虹彩構造434Cまでの距離測定値を含み得る。図示するように、θ1は、瞳孔405の中心に対する虹彩構造434A及び虹彩構造434Bからの角度測定値を含み得る。例えば、θ1は、瞳孔405の中心に対する、虹彩構造434Aと虹彩構造434Bとの間の角度測定値を含み得る。図示するように、θ2は、瞳孔405の中心に対する虹彩構造434A及び虹彩構造434Cからの角度測定値を含み得る。例えば、θ2は、瞳孔405の中心に対する、虹彩構造434Aと虹彩構造434Cとの間の角度測定値を含み得る。システム110は、特に1つ以上の測定値410~414及び/又は1つ以上の測定値θ1、θ2を用いて、特に1つ以上のオーバーレイ320、322、324A、324B、330A、330B、334A及び334Bの1つ以上の位置を判定することができる。
【0057】
ここで、
図4C~4Eを参照すると、切開部位を表す例が示されている。
図4Cに示すように、ディスプレイ116は、第1の切開の部位を示し得るオーバーレイ440を表示することができる。一例において、オーバーレイ440は、眼122の瞳孔405の中心に対する虹彩構造434Aからの角度測定値θ
3に位置し得る。別の例において、オーバーレイ440は、眼122の瞳孔405の中心から距離測定値450に位置し得る。
図4Dに示すように、ディスプレイ116は、第2の切開の部位を示し得るオーバーレイ442を表示することができる。一例において、オーバーレイ442は、眼122の瞳孔405の中心に対する虹彩構造434Aからの角度測定値θ
4に位置し得る。別の例において、オーバーレイ442は、眼122の瞳孔405の中心から距離測定値452に位置し得る。
【0058】
システム110は、特に1つ以上の虹彩構造434A~434Cを用いて1つ以上のオーバーレイ440及び442の1つ以上の位置を判定することができる。一例において、システム110は、オーバーレイ440の表示に虹彩構造434Aからの角度測定値θ3を用いることができる。別の例において、システム110は、オーバーレイ442の表示に虹彩構造434Aからの角度測定値θ4を用いることができる。
【0059】
オーバーレイ440は、特に、
図4Eに示すように、角度測定値θ
5及び距離測定値450の1つ以上に関連付けられ得る。例えば、オーバーレイ440は、円弧であり得るか、又は円弧を含み得る。オーバーレイ442は、特に、
図4Eに示すように、角度測定値θ
6及び距離測定値452の1つ以上に関連付けられ得る。例えば、オーバーレイ442は、円弧であり得るか、又は円弧を含み得る。ディスプレイ416は、
図4Fに示すように、オーバーレイ440及び442を表示することができる。例えば、ディスプレイ416は、オーバーレイ440及び442を同時に表示することができる。1つ以上のオーバーレイ440及び442は、内科医及び/又は外科医が1つ以上のそれぞれの切開部位を見つけることを支援し得る。
【0060】
ここで、
図5を参照すると、コンピュータシステムの一例が示されている。図示するように、コンピュータシステム500は、プロセッサ510、揮発性メモリ媒体520、不揮発性メモリ媒体530及び入力/出力(I/O)装置540を含み得る。図示するように、揮発性メモリ媒体520、不揮発性メモリ媒体530及びI/O装置540は、プロセッサ510に通信可能に結合され得る。
【0061】
用語「メモリ媒体」は、「メモリ」、「記憶装置」、「メモリ装置」、「コンピュータ可読媒体」及び/又は「有形コンピュータ可読記憶媒体」を意味し得る。例えば、メモリ媒体は、非限定的に、ハードディスクドライブを含む直接アクセス記憶装置、テープディスクドライブ等のシーケンシャルアクセス記憶装置、コンパクトディスク(CD)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出専用メモリ(ROM)、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)、電気的消去可能プログラマブル読出専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、非一時的媒体等の記憶媒体及び/又はこれらの1つ以上の組み合わせを含み得る。図示するように、不揮発性メモリ媒体530は、プロセッサ命令532を含み得る。プロセッサ命令532は、プロセッサ510により実行され得る。一例において、プロセッサ命令532の1つ以上の部分が不揮発性メモリ媒体530を介して実行され得る。別の例において、プロセッサ命令532の1つ以上の部分が揮発性メモリ媒体520を介して実行され得る。プロセッサ命令532の1つ以上の部分が揮発性メモリ媒体520に転送され得る。
【0062】
プロセッサ510は、本明細書に記述する1つ以上のシステム、1つ以上のフローチャート、1つ以上の処理及び/又は1つ以上の方法の少なくとも一部の実装に際してプロセッサ命令532を実行することができる。例えば、プロセッサ命令532は、本明細書に記述する1つ以上のシステム、1つ以上のフローチャート、1つ以上の方法及び/又は1つ以上の処理の少なくとも一部に従い、命令により構成、符号化及び/又は暗号化され得る。プロセッサ510を単一プロセッサとして示しているが、プロセッサ510は、複数のプロセッサであり得るか、又は複数のプロセッサを含み得る。記憶媒体及びメモリ媒体の1つ以上がソフトウェア生成物、プログラム生成物及び/又は製品であり得る。例えば、ソフトウェア生成物、プログラム生成物及び/又は製品は、本明細書に記述する1つ以上のシステム、1つ以上のフローチャート、1つ以上の方法及び/又は1つ以上の処理の少なくとも一部に従い、プロセッサにより実行可能な命令により構成、符号化及び/又は暗号化され得る。
【0063】
プロセッサ510は、メモリ媒体に保存された及び/又はネットワークを介して受信されたプログラム命令の解釈及び実行、データの処理又はその両方を行うように動作可能な任意の適当なシステム、機器又は装置を含み得る。プロセッサ510は、1つ以上のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)又はプログラム命令の解釈及び実行、データの処理又はその両方を行うように構成された他の回路を更に含み得る。
【0064】
I/O装置540は、ユーザーからの入力及びユーザーへの出力を促進することにより、ユーザーがコンピュータシステム500及びその関連構成要素と対話することを許可、許諾及び/又は可能にする任意の1つ又は複数の機能を含み得る。ユーザーからの入力を促進することでユーザーがコンピュータシステム500を操作及び/又は制御できるようになり、ユーザーへの出力を促進することでコンピュータシステム500がユーザーの操作及び/又は制御の効果を表示できるようになる。例えば、I/O装置540は、ユーザーがデータ、命令又はその両方をコンピュータシステム500に入力できるように、且つ他にコンピュータシステム500及びその関連構成要素を操作及び/又は制御できるようにする。I/O装置は、ユーザーインターフェース装置、例えばキーボード、マウス、タッチスクリーン、ジョイスティック、ハンドヘルドレンズ、ツールトラッキング装置、座標入力装置又はシステムで用いるのに適した他の任意のI/O装置を含み得る。
【0065】
I/O装置540は、特に、本明細書に記述する1つ以上のシステム、処理及び/又は方法の少なくとも一部をプロセッサ510が実装することを促進及び/又は許可することができる1つ以上のバス、1つ以上のシリアル装置及び/又は1つ以上のネットワークインターフェースを含み得る。一例において、I/O装置540は、プロセッサ510が外部記憶装置と通信することを促進及び/又は許可することができるストレージインターフェースを含み得る。ストレージインターフェースは、特にユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェース、SATA(シリアルATA)インターフェース、PATA(パラレルATA)インターフェース及び小型コンピュータシステムインターフェース(SCSI)の1つ以上を含み得る。第2の例において、I/O装置540は、プロセッサ510がネットワークと通信することを促進及び/又は許可することができるネットワークインターフェースを含み得る。I/O装置540は、無線ネットワークインターフェース及び有線ネットワークインターフェースの1つ以上を含み得る。第3の例において、I/O装置540は、特に周辺構成要素相互接続(PCI)インターフェース、PCIエクスプレス(PCIe)インターフェース、シリアル周辺機器相互接続(SPI)インターフェース及び集積回路間(I2C)インターフェースの1つ以上を含み得る。第4の例において、I/O装置540は、プロセッサ510が1つ以上のセンサとデータを通信することを許可し得る回路を含み得る。第5の例において、I/O装置540は、プロセッサ510が特にディスプレイ550及びMID 560の1つ以上とデータを通信することを促進及び/又は許可することができる。別の例において、I/O装置540は、プロセッサ510が撮像装置570とデータを通信することを促進及び/又は許可することができる。図示するように、I/O装置540は、ネットワーク570に結合され得る。例えば、I/O装置540は、ネットワークインターフェースを含み得る。
【0066】
ネットワーク570は、特に有線ネットワーク、無線ネットワーク、光ネットワーク又は上述の組み合わせを含み得る。ネットワーク570は、各種の通信ネットワークを含み得、且つ/又はそれに結合され得る。例えば、ネットワーク570、特にローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、インターネット、公衆交換電話網(PSTN)、セルラ電話網、衛星電話網又は上述の組み合わせを含み得、且つ/又はそれに結合され得る。WANは、特にプライベートWAN、企業WAN、公共WAN又は上述の組み合わせを含み得る。
【0067】
本明細書に記述するコンピュータシステムは、コンピュータシステム500に関して記述したものと同様の1つ以上の構造及び/又は1つ以上の機能を含み得る。一例において、コンピュータシステム112は、コンピュータシステム500に関して記述したものと同様の1つ以上の構造及び/又は1つ以上の機能を含み得る。別の例において、MID 250のコンピュータシステムは、コンピュータシステム500に関して記述したものと同様の1つ以上の構造及び/又は1つ以上の機能を含み得る。
【0068】
ここで、
図6Aを参照すると、システムを動作させる方法の一例が示されている。610において、少なくとも1つの画像センサを介して人の少なくとも眼の画像を取得することができる。一例において、眼の少なくとも1つの画像は、眼の複数の画像を含み得る。別の例において、少なくとも1つの画像センサは、複数の画像センサを含み得る。画像センサは、カメラであり得るか、又はカメラを含み得る。
【0069】
615において、少なくとも眼の画像から眼の虹彩の位置を判定することができる。眼の虹彩の位置は、眼の瞳孔との境界を含み得る。620において、少なくとも眼の画像から吸引リングの位置を判定することができる。625において、ディスプレイを介して少なくとも眼の画像を表示することができる。例えば、少なくとも眼122の画像310を、ディスプレイ116を介して表示することができる。これらの例及び図面は、ディスプレイ116を用いているが、ディスプレイ116が表示できる任意の画像及び/又はグラフィックを、MID 250の1つ以上のディスプレイ262A及び262Bが、ディスプレイ116に加えて又はディスプレイ116の代わりに表示し得る。
【0070】
630において、眼の虹彩の位置を示す第1のグラフィックオーバーレイを少なくとも眼の画像上に表示することができる。例えば、眼の虹彩の位置を示すグラフィックオーバーレイ320を画像310上に表示することができる。第1のグラフィックオーバーレイは、円の形状を含み得る。
【0071】
635において、吸引リングの位置を示す第2のグラフィックオーバーレイを少なくとも眼の画像上に表示することができる。一例において、
図3Cに示すように、吸引リング140の位置を示すグラフィックオーバーレイ330Aを画像310上に表示することができる。第2の例において、
図3Dに示すように、吸引リング140の位置を示すグラフィックオーバーレイ330Bを画像310上に表示することができる。第3の例において、
図3Eに示すように、吸引リング140の位置を示すグラフィックオーバーレイ334Aを画像310上に表示することができる。第4の例において、
図3Fに示すように、吸引リング140の位置を示すグラフィックオーバーレイ334Bを画像310上に表示することができる。別の例において、
図3Gに示すように、吸引リング140の位置を示すグラフィックオーバーレイ334Bを画像310上に表示することができる。第2のグラフィックオーバーレイは、円の形状を含み得る。
【0072】
640において、少なくとも眼の画像から複数の虹彩構造を判定することができる。例えば、複数の虹彩構造434A~434Cを画像310から判定することができる。645において、少なくとも眼の画像から、少なくとも複数の虹彩構造に基づいて眼の向きを判定することができる。例えば、眼122の向きを、少なくとも複数の虹彩構造434A~434Cに基づいて判定することができる。眼122の向きは、傾きを含み得る。例えば、傾きは、x方向及び/又はy方向であり得る。眼122の向きは、眼122の回転を含み得る。例えば、眼122は、円形回転を行うことができる。
【0073】
650において、眼の向きを示す情報を表示することができる。一例において、
図3E及び3Fに示すように、眼122の向きを示す情報は、グラフィックオーバーレイ324Aを含み得る。別の例において、
図3Gに示すように、眼122の向きを示す情報は、グラフィックオーバーレイ324Bを含み得る。
【0074】
眼の向きを示す情報は、目の向きに関連付けられた第1のレチクルを表す第3のグラフィックオーバーレイを含み得る。一例において、眼122の向きを示す情報は、
図3E及び3Fに示すように、眼122の向きに関連付けられた第1のレチクルを表すグラフィックオーバーレイ324Aを含み得る。別の例において、眼122の向きを示す情報は、
図3Gに示すように、眼122の向きに関連付けられた第1のレチクルを表すグラフィックオーバーレイ324Bを含み得る。
【0075】
655において、吸引リングの向きを示す情報を表示することができる。吸引リングの向きを示す情報は、第4のグラフィックオーバーレイを含み得る。一例において、吸引リング140の向きを示す情報は、
図3E及び3Gに示すように、グラフィックオーバーレイ334Aを含み得る。別の例において、吸引リング140の向きを示す情報は、グラフィックオーバーレイ334Bを含み得る。
【0076】
図6Aに関して記述した方法の例は、反復され得る。例えば、眼122は、静止していないか又は静止したままでなくてもよい。眼122は、ドッキングプロセス中に動く場合がある。眼122は、ドッキングプロセス中に左及び/若しくは右に動く場合があり、ドッキングプロセス中に上及び/若しくは下に動く場合があり、且つ/又はドッキングプロセス中に時計回り及び/若しくは反時計回りに回転する場合がある。
図6Aに関して記述した方法の例を用いるシステムは、ドッキングプロセス中に眼122の1つ以上の動きを判定することができる。
図6Aに関して記述した方法の例を用いるシステムは、ドッキングプロセス中の吸引リング140の1つ以上の移動を判定することができる。例えば、システムは、眼122及び/又は吸引リング140を追跡することができる。
【0077】
ここで、
図6Bを参照すると、システムを動作させる方法の別の例が示されている。
図6Bの方法要素610~650は、
図6Aの方法要素610~650に従って実行され得る。660において、少なくとも眼の画像から、少なくとも複数の虹彩構造に基づいて少なくとも1つの切開部位を判定することができる。例えば、少なくとも1つの切開部位を、少なくとも複数の虹彩構造434A~434Cに基づいて判定することができる。1つ以上の切開部位の1つ以上の位置を、メモリ装置を介して保存することができる。例えば、1つ以上の切開部位の1つ以上の位置は、少なくとも複数の虹彩構造434A~434Cに基づき得る。
【0078】
665において、眼の瞳孔の中心に対する、複数の虹彩構造のうちの虹彩構造からの角度測定値を判定することができる。一例において、
図4Cに示すように、虹彩構造434Aからθ
3を判定することができる。別の例において、
図4Dに示すように、虹彩構造434Aからθ
4を判定することができる。
【0079】
670において、少なくとも1つの切開部位を示す第3のグラフィックオーバーレイを、ディスプレイを介して表示することができる。一例において、
図4Cに示すように、少なくとも1つの切開部位を示すグラフィックオーバーレイ440を、ディスプレイ116を介して表示することができる。別の例において、
図4Dに示すように、少なくとも1つの切開部位を示すグラフィックオーバーレイ442を、ディスプレイ116を介して表示することができる。グラフィックオーバーレイ440及び442は、
図4Fに示すように、ディスプレイ116を介して表示することができる。例えば、グラフィックオーバーレイ440及び442は、
図4Fに示すように、ディスプレイ116を介して同時に表示することができる。少なくとも1つの切開部位を示す第3のグラフィックオーバーレイの表示は、少なくとも角度測定値に基づき得る。一例において、グラフィックオーバーレイ440の表示は、
図4Cに示すように、少なくともθ
3に基づき得る。別の例において、グラフィックオーバーレイ442の表示は、
図4Dに示すように、少なくともθ
4に基づき得る。
【0080】
少なくとも1つの切開部位を示す第3のグラフィックオーバーレイの表示は、少なくとも1つの切開部位をそれぞれ示す少なくとも円弧の表示を含み得る。一例において、グラフィックオーバーレイ440は、少なくとも1つの切開部位をそれぞれ示す少なくとも円弧を含み得る。第2の例において、グラフィックオーバーレイ442は、少なくとも1つの切開部位をそれぞれ示す少なくとも円弧を含み得る。別の例において、グラフィックオーバーレイ440及び442は、切開部位をそれぞれ示す複数の円弧を含み得る。
【0081】
図6Bに関して記述した方法の例は、反復され得る。例えば、眼122は、静止していないか又は静止したままでなくてもよい。眼122は、動く場合がある。眼122は、左及び/若しくは右に動く場合があり、上及び/若しくは下に動く場合があり、且つ/又は時計回り及び/若しくは反時計回りに回転する場合がある。
図6Bに関して記述した方法の例を用いるシステムは、眼122の1つ以上の動きを判定することができる。例えば、システムは、眼122及び/又は吸引リング140を追跡することができる。
【0082】
本方法及び/若しくは処理要素の1つ以上並びに/又は方法及び/若しくはプロセッサ要素の1つ以上の部分は、様々な順序で実行されるか、反復されるか、又は省略され得る。更に、必要に応じて追加的、補助的及び/又は重複する方法及び/又は処置要素を実装、インスタンス化及び/又を実行することができる。更に、必要に応じて1つ以上のシステム要素を省略し得、且つ/又は追加的なシステム要素を追加し得る。
【0083】
メモリ媒体は、製品であり得、且つ/又は製品を含み得る。例えば、製品は、ソフトウェア生成物及び/又はプログラム生成物を含み得、且つ/又はそれであり得る。メモリ媒体は、本明細書に記述する1つ以上のフローチャート、システム、方法及び/又は処理に従い、プロセッサ実行可能命令により符号化及び/又は暗号化され得る。
【0084】
上記で開示された主題は、例示的であり、限定的ではなく、添付の請求項は、本開示の真の趣旨及び範囲に含まれるそのような全ての変更態様、改良形態及び他の実装形態を包含することを意図されている。従って、法律が認める限り、本開示の範囲は、以下の請求項及び均等物の可能な最も広い解釈により判定され、上述の詳細な記述により制限又は限定されないものとする。