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特許7536033ディスプレイ用に低電力の共通電極電圧を生成するシステム及び方法
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  • 特許-ディスプレイ用に低電力の共通電極電圧を生成するシステム及び方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-08
(45)【発行日】2024-08-19
(54)【発明の名称】ディスプレイ用に低電力の共通電極電圧を生成するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/36 20060101AFI20240809BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20240809BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20240809BHJP
   G05F 1/56 20060101ALI20240809BHJP
【FI】
G09G3/36
G09G3/20 611A
G09G3/20 624C
G09G3/20 624A
G09G3/20 624D
G02F1/133 505
G05F1/56
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021553140
(86)(22)【出願日】2020-07-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-05
(86)【国際出願番号】 US2020040468
(87)【国際公開番号】W WO2021003253
(87)【国際公開日】2021-01-07
【審査請求日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】62/869,432
(32)【優先日】2019-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523185970
【氏名又は名称】スナップ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】テイラー,スチュアート,エス.
【審査官】小野 博之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0174285(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0109158(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0238146(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00-3/38
G02F 1/133
G05F 1/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示するディスプレイシステムであって、
ディスプレイパネルであって、
複数の画素を有し、
前記複数の画素はそれぞれ、画素電極電圧が印加される画素電極と共通電極電圧が印加される共通電極とを有する、ディスプレイパネルと、
デジタル駆動デバイスであって、
該デジタル駆動デバイスは、前記ディスプレイパネルに結合されており、
該デジタル駆動デバイスは、
前記複数の画素それぞれの前記画素電極電圧を、前記複数の画素それぞれの輝度又は色に応じて切り換えるためのデータを提供するビットプレーンメモリと、
記共通電極電圧を提供するために前記ディスプレイパネルに結合されている共通電極回路と、
最大画素電圧を生成するように構成されており且つ前記ディスプレイパネルに結合されている少なくとも1つの第一増幅器とを有するデジタル駆動デバイスと
を備え、
記画素電極電圧は、前記複数の画素のうちの少なくとも1つが前記ビットプレーンメモリから受け取る前記データにしたがって、最大画素電圧から所定の最小画素電圧に切り換わり、
前記共通電極回路は、所定の電圧を生成するように構成されている少なくとも1つの第二増幅器をさらに有し、
前記共通電極電圧の値は、i)前記最小画素電圧から前記所定の電圧を引いた値と、ii)前記最大画素電圧前記所定の電圧を足した値との間で切り換わり、
前記共通電極電圧は、前記ディスプレイパネル全体に亘ってDC電圧バランスを維持する値を有する
ディスプレイシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のディスプレイシステムであって、
前記最大画素電圧は、1.2V~4Vの範囲の値を有し、
前記最小画素電圧は、0V~-2.8Vの範囲の値を有する
ディスプレイシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のディスプレイシステムであって、
前記所定の電圧は、約0~2Vの範囲の値を有する
ディスプレイシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のディスプレイシステムであって、
前記ディスプレイパネルは、液晶ディスプレイパネルである
ディスプレイシステム。
【請求項5】
請求項1に記載のディスプレイシステムであって、
制御回路をさらに備え、
前記制御回路は、クロック制御出力CSを前記共通電極回路に供給するために、前記共通電極回路に結合されている
ディスプレイシステム。
【請求項6】
請求項5のディスプレイシステムであって、
前記共通電極回路は、前記クロック制御出力CSを受け取る複数のスイッチをさらに有する
ディスプレイシステム。
【請求項7】
請求項6に記載のシステムであって、
前記複数のスイッチのうちの少なくとも1つは、複数の金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)トランジスタを有する
システム。
【請求項8】
請求項1に記載のディスプレイシステムであって、
前記共通電極回路は、前記ディスプレイパネルとは別個の集積回路チップ上に位置する
ディスプレイシステム。
【請求項9】
請求項1に記載のディスプレイシステムであって、
前記最小画素電圧は、ゼロであり、
前記共通電極電圧の値は、ゼロ未満と前記最大画素電圧超との間で切り換わる
ディスプレイシステム。
【請求項10】
画素電圧の複数の画素を有するディスプレイパネルのための共通電極電圧を生成する方法であって、
少なくとも1つの第一コンデンサと少なくとも1つの第二コンデンサとを有する共通電極回路を、前記ディスプレイパネルに結合するステップと、
第一フェーズの間に、前記共通電極電圧の低い値を所定の電圧の負の値に基づいて生成するために、制御回路を用いて前記共通電極回路を選択的に制御するステップと、
第二フェーズの間に、前記共通電極電圧の高い値を生成するために、前記制御回路を用いて前記共通電極回路を選択的に制御するステップと、
最大画素電圧及び最小画素電圧を生成するように構成されている少なくとも1つの第一増幅器を、前記ディスプレイパネルに結合するステップと
を含み、
前記共通電極電圧の値は、i)前記最小画素電圧から前記所定の電圧を引いた値と、ii)前記最大画素電圧前記所定の電圧を足した値との間で切り換わり、
前記共通電極電圧は、前記ディスプレイパネル全体に亘ってDC電圧バランスを維持する値を有する
方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、
前記共通電極回路内の、前記少なくとも1つの第一コンデンサと前記少なくとも1つの第二コンデンサとを、前記所定の電圧に充電するステップをさらに含む
方法。
【請求項12】
請求項10に記載の方法であって、
前記方法は、前記所定の電圧を生成するように構成されている少なくとも1つの第二増幅器を、前記共通電極回路に結合するステップをさらに含む
方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、
前記最大画素電圧は、1.2V~4Vの範囲の値を有し、
前記最小画素電圧は、0V~-2.8Vの範囲の値を有する
方法。
【請求項14】
請求項12に記載の方法であって、
前記所定の電圧は、0~2Vの範囲の値を有する
方法。
【請求項15】
請求項12に記載の方法であって、
前記ディスプレイパネルは、反射型液晶(Liquid Crystal on Silicon、LCoS)方式ディスプレイパネルである
方法。
【請求項16】
画像を表示するディスプレイシステムであって、
ディスプレイパネルであって、
複数の画素を有し、
前記複数の画素はそれぞれ、画素電極電圧が印加される画素電極と共通電極電圧が印加される共通電極とを有する、ディスプレイパネルと、
デジタル駆動デバイスであって、
該デジタル駆動デバイスは、前記ディスプレイパネルに結合されており、
該デジタル駆動デバイスは、
前記複数の画素それぞれの前記画素電極電圧を、前記複数の画素それぞれの輝度又は色に応じて切り換えるためのデータを提供するビットプレーンメモリと、
前記共通電極電圧を提供するために前記ディスプレイパネルに結合されている共通電極回路と、
最大画素電圧を生成するように構成されており且つ前記ディスプレイパネルに結合されている少なくとも1つの第一増幅器と
を有するデジタル駆動デバイスと
を備え、
前記画素電極電圧は、前記複数の画素のうちの少なくとも1つが前記ビットプレーンメモリから前記データにしたがって、前記最大画素電圧から所定の最小画素電圧に切り換わり、
前記共通電極回路は、所定の電圧を生成するように構成されている少なくとも1つの第二増幅器をさらに有し、
前記共通電極電圧の値は、i)前記最小画素電圧から前記所定の電圧を引いた値と、ii)前記最大画素電圧前記所定の電圧を足した値との間で切り換わり、
前記共通電極回路は、前記ディスプレイパネルのバックプレーンチップ内に集積される
ディスプレイシステム。
【請求項17】
請求項16に記載のディスプレイシステムであって、
前記共通電極電圧は、前記ディスプレイパネル全体に亘ってDC電圧バランスを維持する値を有する
ディスプレイシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本出願は、2019年7月1日に出願された米国特許仮出願第62/869,432号に対する優先権を主張する。
【0002】
一般に、LCoSディスプレイは、シリコンバックプレーンの上に液晶層を使用する。ほとんどのLCoSディスプレイは、各画素に関連する電圧(VPIX)を制御するCMOSチップを有する。これらのディスプレイは、各セルへの共通電極用に所定の電圧を要する。全画素に対するこの共通電圧は、通常、カバーガラス上に酸化インジウムスズを載置して作製される透明な伝導層によって供給される。
【0003】
公知の共通電極電圧(VCOM)生成用電圧生成回路は、高いブレークダウン電圧を有するトランジスタを利用する。その結果、ダイ面積が大きくなり、それによりサーキットリのコストが増大する。共通電極電圧を生成するための電圧生成回路の多くは、より大きな電源電圧を要する線形増幅器として動作するトランジスタを利用するため、電力消費が増大する。例えば、電圧生成回路によっては、約9~10Vの高電圧を要するものもある。現在の回路設計者らは、電力散逸が大きい線形増幅器を用いてこれらの回路を実現しており、この線形増幅器は、高電流(約2~3mA)で動作するものであり、所要電力は20mW~30mWの範囲となる。加えて、従来の回路は高いブレークダウン電圧を有するため、他の回路や機能と集積する機会が少ない。特に、共通電極電圧を生成するための最もよく知られた実施態様は、高レベルの集積に適さないトランジスタを利用する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
低~中程度のブレークダウン電圧のトランジスタを有する空間位相変調器やディスプレイ(LCoSディスプレイ等)用に出力される低電力共通電極電圧を実現するためのシステム、回路及び方法の実施形態が提供される。本実施形態は、プロセス、装置、システム、デバイス、方法などの多数のやり方で実施されうることが理解されねばならない。
【0005】
一部の実施形態では、共通電極電圧生成用のサーキットリを有するディスプレイシステムを提供する。システムは、以下のような第一低電圧増幅器を備えることができる。この第一低電圧増幅器は、所定の電圧を生成するように構成されたものであり、この所定の電圧は、共通電極電圧(VCOM)を、接地又はVPIX 又はその両方に対して設定し、且つ、LCoSディスプレイに関連する画素電圧(VPIX )に対して設定するためのものである。システムは、画素電圧VPIX を生成するように構成された第二低電圧増幅器も備える。さらに、共通電極回路は、所定の電圧及び画素電圧に基づいて共通電極電圧を生成するために、第一低電圧増幅器及び第二低電圧増幅器に結合されてもよい。実施形態の一つにおいては、一方又は両方の増幅器が回路の一部と考えられる。特に、制御回路を共通電極回路に結合することができ、第一フェーズの間に、制御回路は、所定の電圧の負の値に基づいて、低共通電極電圧を生成するように共通電極回路を選択的に制御する。さらに、第二フェーズの間に、制御回路は、所定の電圧と画素電圧との和に基づいて、高共通電極電圧を生成するように共通電極回路を選択的に制御することができる。実施形態の一つにおいては、第二フェーズは、第一フェーズの前に生じてもよい。
【0006】
一部の実施形態では、より低いブレークダウン電圧のトランジスタを有するLCoSディスプレイ用の共通電極駆動電圧を確立する方法を提供する。この方法は、共通電極電圧を設定するための所定の電圧を生成するステップを含むことができ、この所定の電圧は、共通電極電圧を、接地及びLCoSディスプレイに関連する画素電圧VPIXに対して設定するためのものである。この方法は、第一コンデンサ及び第二コンデンサをそれぞれ、第一フェーズ及び第二フェーズの間に所定の電圧まで断続的に充電するステップをさらに含むことができる。第一フェーズの間に、この方法は、接地より所定の電圧だけ小さい低共通電極電圧を生成するために、第二コンデンサを共通電極ノードと接地との間に結合するステップをさらに含むことができる。この方法は、画素電圧より所定の電圧だけ大きい高共通電極電圧を生成するために、第二フェーズの間に、第一コンデンサを画素電圧ノードと共通電極ノードとの間に結合するステップをさらに含むことができる。
【0007】
ある実施形態においては、画像を表示するディスプレイシステムである。該ディスプレイシステムは、複数の画素を有するディスプレイパネルであって、複数の画素はそれぞれ画素電極電圧(VPEV)と共通電極電圧(VCOM)とを有するディスプレイパネルと、ディスプレイパネルに結合されたデジタル駆動デバイスであって、複数の画素それぞれにVPEVを提供するビットプレーンメモリと、VCOMを提供するためにディスプレイパネルに結合されている共通電極回路と、最大画素電圧(VPIX )と最小画素電圧(VPIX )とを生成するように構成されており且つディスプレイパネルに結合されている少なくとも1つの第一増幅器とを有するデジタル駆動デバイスとを備える。VPEVは、複数の画素のうちの少なくとも1つがビットプレーンメモリから受け取る電圧にしたがってVPIX からVPIX に切り換わる。共通電極回路は、所定の電圧VDAC_COMを生成するように構成されている少なくとも1つの第二増幅器をさらに有する。VCOMの値は、i)VPIX からVDAC_COMを引いた値と、ii)VPIX にVDAC_COMを足した値との間で切り換わる。
【0008】
実施形態の一つにおいては、VPIX+は1.2V~4Vの範囲の値を有し、VPIX は0V~-2.8Vの範囲の値を有する。実施形態の一つにおいては、請求項1に記載のディスプレイシステムであって、VDAC_COMは、約0~2Vの範囲の値を有する。実施形態の一つにおいては、請求項1に記載のディスプレイシステムであって、共通電極電圧VCOMは、ディスプレイパネル全体に亘ってDC電圧バランスを維持する。実施形態の一つにおいては、ディスプレイパネルは、液晶ディスプレイパネルである。
【0009】
実施形態の一つにおいては、ディスプレイシステムは制御回路をさらに備え、該制御回路は、クロック制御出力CSを共通電極回路に供給するために、共通電極回路に結合されている。実施形態の一つにおいては、共通電極回路は、クロック制御出力CSを受け取る複数のスイッチをさらに有する。実施形態の一つにおいては、複数のスイッチのうちの少なくとも1つは、複数のMOSFETトランジスタを有する。実施形態の一つにおいては、共通電極回路は、ディスプレイパネルとは別個の集積回路チップ上に位置する。実施形態の一つにおいては、共通電極回路は、ディスプレイパネルと同じ集積回路チップに集積される。
【0010】
実施形態の一つにおいては、VPIX はゼロであり、VCOMの値はVPIX (例えば0V)未満~VPIX 超との間で変動する。本明細書の実施形態は、このVCOM電圧振幅を、既知のシステムに比べて、低コスト、低電力、省スペース、高集積度で可能にする利点を有する。実施形態の一つにおいては、画素電圧VPIXの複数の画素を有するディスプレイパネルのための共通電極駆動電圧VCOMを生成する方法を提供する。実施形態の一つにおいては、この方法は、少なくとも1つの第一コンデンサと少なくとも1つの第二コンデンサとを有する共通電極回路をディスプレイパネルに結合するステップと、第一フェーズの間に、VCOMの低い値を所定の電圧VDAC_COMの負の値に基づいて生成するために、制御回路を用いて共通電極回路を選択的に制御するステップと、第二フェーズの間に、VCOMの高い値を生成するために制御回路を用いて共通電極回路を選択的に制御するステップと、最大画素電圧(VPIX )及び最小画素電圧(VPIX )を生成するように構成されている少なくとも1つの第一増幅器をディスプレイパネルに結合するステップとを含み、VCOMの値は、a)VPIX からVDAC_COMを引いた値と、ii)VPIX にVDAC_COMを足した値との間で切り換わる。実施形態の一つにおいては、この方法は、共通電極回路内の、少なくとも1つの第一コンデンサと少なくとも1つの第二コンデンサとを、所定の電圧VDAC_COMに充電するステップをさらに含む。
【0011】
実施形態の一つにおいては、この方法は、所定の電圧VDAC_COMを生成するように構成されている少なくとも1つの第二増幅器を、共通電極回路に結合するステップをさらに含む。実施形態の一つにおいては、VPIX は1.2V~4Vの範囲の値を有し、VPIX は0V~-2.8Vの範囲の値を有する。実施形態の一つにおいては、VDAC_COMは、0~2Vの範囲の値を有する。実施形態の一つにおいては、VCOMの値は、ディスプレイパネル全体に亘ってDC電圧バランス(即ち0V)を維持する。実施形態の一つにおいては、ディスプレイシステムは、LCoSディスプレイシステムである。
【0012】
本実施形態のその他の態様及び利点は、記載される実施形態の原理を例として示す添付の図面と併せた以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0013】
記載された実施形態及びその利点は、添付の図面と併せて以下の説明を参照することによって最もよく理解されうる。これらの図面は、記載された実施形態の要旨及び範囲から逸脱することなく、記載された実施形態に対して当業者が加えうる形態及び詳細のいかなる変更も、決して限定しない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態の一つにおけるディスプレイシステムのブロック図である。
図2A】本発明の実施形態の一つにおける、共通電極電圧生成のための回路を備えるディスプレイシステムの回路図である。
図2B】本発明の実施形態の一つにおける、図2Aのディスプレイシステム内で使用可能な共通電極回路の回路図である。
図2C】本発明の実施形態の一つにおける、図2Bに示される共通電極回路の動作例を示すタイミング図である。
図2D】本発明の実施形態の一つにおける、画素電圧VPIXと共通電極電圧VCOMとの間の電圧比較を示す、電圧とデータの図である。
図3】本発明の実施形態の一つにおける、共通電極電圧生成のための回路を備えるディスプレイシステムの別の実施形態の回路図である。
図4】本発明の実施形態の一つにおける、共通電極電圧VCOMを生成する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の実施形態は、共通電極電圧を生成するディスプレイシステム(LCoSディスプレイシステム等)、関連するサーキットリ及び方法を説明する。当業者は、実施形態がこれらの特定の詳細の一部又は全部を用いずに実践されうることを理解しうる。その他の例では、実施形態を不必要に曖昧にしないため、周知のプロセス動作は、詳細に記載されていない。
【0016】
一部の実施形態では、ディスプレイシステムはLCoSディスプレイシステムであり、且つ、以下のような第一低電圧増幅器を有する共通電極電圧VCOM生成用の回路を備えることができる。この第一低電圧増幅器は、所定の電圧を生成するように構成されたものであり、この所定の電圧は、共通電極電圧VCOMを、接地に対する値及びLCoSディスプレイに関連する画素電圧VPIXに対する値に設定するために実現すべき電圧である。システムは、画素電圧VPIXを生成するように構成された第二低電圧増幅器も備える。さらに、共通電極回路は、所定の電圧及び画素電圧VPIXに基づいて共通電極電圧を生成するために、第一低電圧増幅器及び第二低電圧増幅器に結合されてもよい。特に、制御回路を共通電極回路に結合することができ、第一フェーズの間に、制御回路は、所定の電圧の負の値に基づいて、低共通電極電圧を生成するように共通電極回路を選択的に制御する。さらに、第二フェーズの間に、制御回路は、所定の電圧と画素電圧VPIXとの和に基づいて、高共通電極電圧を生成するように共通電極回路を選択的に制御することができる。本明細書の実施形態にしたがって生成された共通電極電圧VCOMは、本発明のLCoSディスプレイシステムの液晶ディスプレイパネル全体に亘って、約0Vの電圧(例えばDC電圧)バランスを維持する。
【0017】
共通電極電圧VCOMを生成する方法は、LCoSディスプレイに関連する画素電圧VPIXに対して所定の電圧を生成するステップと、第一コンデンサ及び第二コンデンサをそれぞれ、第一フェーズ及び第二フェーズの間に所定の電圧まで断続的に充電するステップとを含むことができる。特に、第一フェーズの間に、この方法は、接地より所定の電圧だけ小さい低共通電極電圧を生成するために、第二コンデンサを共通電極ノードと接地との間に結合するステップを含むことができる。この方法は、画素電圧VPIXより所定の電圧だけ大きい高共通電極電圧を生成するために、第二フェーズの間に、第一コンデンサを画素電圧ノードと共通電極ノードとの間に結合するステップをさらに含むことができる。
【0018】
本明細書に記載の低電力共通電極電圧を実現するシステム、回路及び方法は、有利には、既知のトランジスタであり且つディスプレイ(LCoSディスプレイ等)内で現在利用されているトランジスタよりも、ブレークダウン電圧がより低いトランジスタを採用しているLCoSイメージャやバックプレーンの共通電極電圧VCOMを実現するために使用可能である。共通電極電圧生成プロセス又は共通電極回路又はその両方が、集積回路上に単独で実現してもよく、又は、その代わりに、ディスプレイパネルやイメージャの集積回路等の別の集積回路の一部として実現してもよい。本発明の実施形態では、既知のシステムと比べ、共通電極駆動電圧の実現に必要とされるトランジスタの必要なブレークダウン電圧が低減する。本明細書に記載の共通電極電圧生成回路及び方法では、必要なダイサイズが小さくなることにより、サーキットリ実装のコストも低下する。さらに、本明細書に開示されるシステム及び方法では、LCoSバックプレーン/ディスプレイと同じダイ上に集積した場合、集積のレベルが高めることができる。実施形態の一つにおいては、VCOM回路は、ディスプレイとは別個のダイ上に集積されるか、又は、他のアナログ機能(例えば温度感知、光フィードバック等)と集積される。このように、VCOM生成回路(本明細書においては、その全部又は一部を共通電極回路と称してもよい)は、LCoSディスプレイシステムのバックプレーンチップと集積されてもよく、又は、その代わりに、バックプレーンチップに電気的に接続された別個のチップ上に位置してもよい。本発明によるディスプレイシステム(LCoSディスプレイシステム等)の実施形態は、電力消費もより少なくなっているため、バッテリ動作により適したものになっており、そのため、生成する熱はより少なくなる。供給電圧が小さいほど、電力散逸は少なくなる。本発明の実施形態では、約9~10Vの値より小さい又は約半分の電源電圧により稼働する増幅器を利用することによって電力散逸が低減される。従来技術のサーキットリは、通常約25mWを散逸させるが、これに対して、本発明の一部の実施形態は、約5mWしか散逸させない利益及び利点を有する。
【0019】
以下の説明では、多数の詳細を記載する。しかし、本発明がこれらの具体的詳細を用いなくても実践されうることが、当業者には明らかであろう。場合によっては、周知の構造体及びデバイスは、本発明を曖昧にすることを避けるために、詳細ではなくブロック図の形式で示される。
【0020】
明細書において「実施形態の一つ」又は「ある実施形態」と述べた場合は、実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造、特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書の様々な箇所にある「実施形態の一つにおいては」の文言は、必ずしも同じ実施形態を指すものではない。同様の参照番号は、図の説明全体を通して同様の要素を示す。
【0021】
図1では、本発明によるLCoSディスプレイシステム2の実施形態のブロック図が示されている。図に示すように、本発明によるディスプレイシステム2は、デジタル駆動デバイス40に結合されたグラフィックス処理デバイス10と、デジタル駆動デバイス40に結合された光学エンジン50とを備えることができる。実施形態の一つにおいては、グラフィックス処理デバイス10は、生成及びブレンド(生成/ブレンド)モジュール12を備えてもよい。生成/ブレンドモジュール12は、オブジェクトの生成又はブレンド又はその両方を行うことができる。例えば、複合現実及び没入型拡張現実用途において、ブレンドモジュール12は、生成されたオブジェクトを、カメラを介して得られた画像とブレンドしたり又はオブジェクト(現実のオブジェクト等)の他の視覚的表現とブレンドしたりしてもよい。生成/ブレンドモジュール12は、データ、例えばビデオや画像データ出力を生成する。本発明の実施形態においては、生成/ブレンドモジュール12は、代替現実のシステム、デバイス又は方法(例えば、拡張現実(AR)又は仮想現実(VR)又は複合現実(MR)又はこれらの組み合わせ)において、データ、例えばビデオや画像データ出力を生成する。本発明のある実施形態においては、生成/ブレンドモジュール12は、AR画像、例えばヘッドマウントディスプレイ(Head‐Mounted Display、HMD)システム入力部で(例えばRGB)ビデオフレームを生成する。本発明の実施形態において、生成/ブレンドモジュール12は、画像(AR画像等)を生成する駆動部又はシステム、例えばHMDデバイス又はシステムに組み込まれてもよい。場合によっては、生成された画像は、カメラからの画像とブレンドしてもよい。
【0022】
本発明の実施形態の一つにおいては、グラフィックス処理デバイス10は、プロセッサ30を有するか又はプロセッサ30に関連する。プロセッサ30は、グラフィックス処理デバイス10の内部にあってもよく、外部にあってもよい。本発明のある実施形態において、プロセッサ30は、グラフィックス処理デバイス10のソフトウェアモジュールやプログラムや命令を実行してもよい。例えば、プロセッサ30は、ディザモジュール33、チェックボードモジュール34、コマンドスタッファ37等のソフトウェアモジュールを実行してもよい。前述のモジュールの実行時に、プロセッサ30は、1つ又は複数のルックアップテーブル(Look‐Up Table、LUT)(色LUT32及びビットプレーンLUT35等)に記憶されたデータにアクセスしてもよい。色LUT32及びビットプレーンLUT35は、図1ではプロセッサとは別のものとして示されているが、メモリブロック21に位置してもよい。メモリブロック21は、グラフィックス処理デバイス10の内部にあってもよく、外部にあってもよい。
【0023】
本発明のある実施形態においては、本発明による位置及び時間ディザモジュール33は、ビット深度を、ネイティブディスプレイビット深度を超えて知覚的に拡張するために使用してもよい。ディザモジュール33は、例えば高速照射「ディザリング」デジタル光処理(Digital Light Processing、DLP)プロジェクタを活用することによって、高速移動するシーンを復元する際に利用してもよい。チェッカーボード34モジュールは、本発明にしたがってチェッカーボード法を行ってもよい。プロセッサ30は、本発明の範囲から逸脱することなく、より多い又はより少ない数のモジュールを実行可能であることが、当業者によって認識されるであろう。
【0024】
本発明の実施形態の一つにおいては、ビット回転モジュール15を介してビット回転が生じる。ビット回転モジュール15及び関連するプロセスは、プロセッサ(プロセッサ30等)によって特定のビット数、例えば最上位ビット(MSB:most significant bit)を抽出するステップを含んでもよい。結果として生じるビットプレーンは、ビットプレーンの入力として使用されるか又はビットプレーンのLUT(1つ又は複数の)35に記憶されるか又はその両方が行われる。本発明の実施形態の一つにおいては、ビットプレーンLUT35は、グラフィックス処理デバイス10のメモリ21からアクセスされ、プロセッサ30がビットプレーンLUT35にアクセスする(即ち、各画素のデジタルレベル値及び時間とした場合の、光学エンジン50内における、空間位相変調器56の全ての出力バイナリ画素電極ロジックの瞬間状態)。本発明のある実施形態においては、プロセッサ30は、ビットプレーンを生成するモジュール(例えばビットプレーンLUT35)を実行してもよい。本発明の実施形態の一つにおいては、ビットプレーンLUT35は、図1に示すようにグラフィックス処理デバイス10に位置してもよい。別の実施形態では、ビットプレーンLUT35は、デジタル駆動デバイス40内にあってもよい。
【0025】
デジタル駆動デバイス40は、グラフィックス処理デバイス10からデータ(コマンド36、38等)を受信し、画像データを光学エンジン50に通信する前に、受信されたデータを準備(例えば圧縮)する。デジタル駆動デバイス40は、メモリ41を有してもよい(メモリ41は、該デバイスの内部にあってもよく外部にあってもよく、又は、他のデバイスと共有されてもよく、又は、その両方でもよい)。デジタル駆動デバイス40は、様々なプログラムを有してもよく、例えば、プロセッサ30によって実行されたときにデジタル駆動デバイス40により受信されたデータの解析又は処理又はその両方を行うコマンドパーサモジュール44を有することができる。デジタル駆動デバイス40は、静的データ又は動的データ又はその両方(例えばビットプレーンメモリ42、コマンドパーサ44、光源制御部46等)を有してもよい。本発明の実施形態の一つにおいては、コマンドスタッファ37は、エンドユーザには見られないエリアで、ビデオパスにコマンドを挿入する。本発明のある実施形態においては、これらのコマンドは、例えば(1つ又は複数の)レーザ等の(1つ又は複数の)光源52や駆動電圧(例えばVCOM及びVPIX等)を、例えば光源制御モジュール46及びVCOM+VPIX制御モジュール48を介して、直接的又は間接的に制御する。本発明のある実施形態においては、光源制御モジュール46及びVCOM+VPIX制御モジュール48は、ハードウェア又はソフトウェア又はその両方で実現してもよい。デジタル駆動デバイス40は、例えば、コンピューティングシステムや、ヘッドマウントデバイスや、LCoSディスプレイを利用する他のデバイスの、コンポーネントであってもよい。
【0026】
実施形態の一つにおいては、デジタル駆動デバイス40は、コマンドパーサ44も有する。コマンドパーサ44は、コマンドスタッファ37から受信されたコマンド38を解析する。本発明の実施形態の一つにおいては、DAC、デジタルオンオフ制御部等を介して、アナログ入力(電圧又は電流等)を制御することによって、光源制御部46は、レーザ又はLED等の(1つ又は複数の)光源52を制御する。実施形態の一つにおいては、VCOM+VPIX制御モジュール48は、VCOM及びVPIX電圧を制御する。本発明のある実施形態においては、光学エンジン50は、図1に示すディスプレイシステム2を完成させるために必要なディスプレイコンポーネント及び他の全ての光学デバイスを有する。本発明のある実施形態においては、これには、(1つ又は複数の)光源52と、光学系54(レンズ、偏光子等)と、空間位相変調器56とが含まれてもよい。
【0027】
本発明のある実施形態においては、図2A図2B、及び図3に示される制御回路110、210、共通電極回路150a、150b、250、及び、関連する増幅器は、VCOM+VPIX制御モジュール48内にあってもよい。図2Aのコマンドパーサ44は、コンポーネント116(DAC等)と、コンポーネント118(DAC等)と、制御回路110(同様に、図3のコンポーネント218、216及び制御回路210)とに接続される。これらのコンポーネントは、以下でさらに詳細に説明される。増幅器108及び106によって生成される所望の電圧と適切なクロック制御出力CSとを得るために、コマンドパーサ44は、コンポーネント116、118及び制御回路100にロジック制御出力(デジタル電圧等)を送信する。実施形態の一つにおいては、コマンドパーサ44によって送信される電圧及び電流は、ディスプレイパネル180を駆動するための電圧及び電流に対応し、ディスプレイの画素の出力強度を最終的に決定する。
【0028】
特に、実施形態の一つにおいては、コマンドパーサ44は、制御回路110とコンポーネント116・118とに、個々の電圧入力を提供する。これらの入力は、デジタル制御入力(即ち、電圧、ロジックレベル)である。コマンドパーサ44によってコンポーネント116(DAC等)に供給される電圧入力は、増幅器106への所望の入力電圧に対応するデジタルワードを表す。このコンポーネント116の出力は、増幅器106によって増幅され、電圧VPIX を生成する。コマンドパーサ44によってコンポーネント118(DAC等)に供給される電圧入力は、増幅器108への必要な入力電圧に対応するデジタルワードを表す。コンポーネント118の出力は、増幅器108によって増幅され、VDAC_COMを生成する。コマンドパーサ44によって制御回路110に供給される電圧入力は、制御出力CSの周波数、デューティサイクル及び位相を確立する1つ又は複数のロジックレベル入力を表す。制御回路110の出力はクロック出力CSである。
【0029】
図2Aでは、共通電極電圧VCOMを生成するためのサーキットリを備えるLCoSディスプレイシステム100の回路図が示されている。図2Aのシステム100は、制御回路110(デジタル制御回路等)と、共通電極回路150aと、生成されるVCOMに接続された画素の配列有するイメージャ又はディスプレイパネル又はその両方180を備える。ディスプレイパネル180は、列セレクタ182及び行セレクタ184も有する。共通電極回路150aは、スイッチS1~S4及び第一低電圧増幅器108を有する。増幅器108は、コンポーネント118(例えばデジタルアナログ変換器(Digital to Analog Converter、DAC))に接続されており、このコンポーネント118は、所望の電圧出力を生成してそれを増幅器108の入力に提供する。システム100は、第二低電圧増幅器106も備える。増幅器106は、コンポーネント116(DAC等)に結合されており、このコンポーネント116は、所定のVPIXを生成するために、増幅器106に所望の入力電圧を供給する。増幅器106の出力は、VPIX+(画素電極電圧VPEVの正の値)であり、共通電極回路150及びディスプレイパネル180に接続されている。画素電極電圧VPEVは、ディスプレイパネル180及び280内の画素186a~nの画素電極に給電するために用いられる。
【0030】
画素電極電圧VPEVは、ディスプレイパネル180内の複数の画素それぞれの画素電極の値である。実施形態の一つにおいては、画素電極電圧VPEVは、VPIX-からVPIX+に切り換わるが、この切り換わりは、デジタル駆動デバイス40内のビットプレーンメモリ42から受信される、ディスプレイパネル180内の各画素のデータ(例えばデータビット)の値にしたがって行われる。図2A及び図3に示されるように、ディスプレイパネル180には、複数の画素(例えば画素186a~n)がある。(ディスプレイシステムにおいて、通常、画素数は変動し、例えば100万~800万画素が可能である。)ディスプレイパネル180の各画素186a~nによって受信されるデータは、所与の画素186a~nによって表示される所望の輝度又は色に応じて、図1のデジタル駆動デバイス40内のビットプレーンメモリ42から受信し且つ供給される。実施形態の一つにおいては、ディスプレイパネル180は、光学エンジン50内に位置する。図2A及び3のディスプレイパネル180、280は、図1の空間位相変調器56と同じコンポーネント又は同じコンポーネントの一部と考えてもよい。
【0031】
制御回路110は、例えばシステム100のディスプレイパネル180のバックプレーンチップ内の集積回路上に位置してもよい。あるいは、制御回路は、共通電極回路150aに電気的に接続された別個のチップ上に位置してもよい。制御回路110は、共通電極回路150aにクロック制御出力CSを提供(例えばバスを介して伝送)するように構成された少なくとも1つのフリップフロップデバイス112を有する装置を備えてもよい。一部の実施形態では、制御回路150aは、第一及び第二制御出力(図示せず)を提供するバッファ114に結合されたフリップフロップ112を有してもよい。共通電極回路150a内のスイッチのオンオフ切り換えをずらす目的で、第二制御出力は第一制御出力に対して遅延される。したがって、重複しない制御出力(即ち制御出力CSはオン又はオフのいずれか)が実現されうる。
【0032】
第二低電圧増幅器106は、画素電圧VPIX の生成に使用してもよい。VPIX の値は、コマンドパーサ44と連動してビットプレーンメモリ42から出力される色シーケンスに基づいて、動的に変化することができ、ディスプレイパネル180の複数の画素によって表示される画像の表示色及び強度に対応している。これに対し、第一低電圧増幅器108(「低電圧」は例えば約5V以下で動作する増幅器を表す)は、電圧VDAC_COMを生成するために使用してもよい。本発明の実施形態の一つにおいては、電圧VDAC_COMは、増幅器108による出力で実現される所定の電圧である。電圧VDAC_COM(即ちVCOMを確立するために使用される電圧)を実現するためにコンポーネント118(デジタルアナログ変換器(DAC)等)に供給される電圧入力は、コマンドパーサ44から得られる。電圧VDAC_COMは、ディスプレイパネルの画素電極電圧振幅(VPIX ~VPIX )と比べて比較的小さい。この所定の電圧VDAC_COMは、コマンドパーサ44からコンポーネント118に供給される入力を調整することによってプログラム可能である。また、電圧VDAC_COMは、共通電極回路150aの第一及び第二コンデンサ(C1、C2)を交互に充電するために使用可能であり、この第一及び第二コンデンサ(C1、C2)の充電は、対応する第一及び第二フェーズの間に(以下に記載する通り)行われる。
【0033】
実施形態の一つにおいては、低電圧増幅器108は、5mWの演算増幅器を用いて実現してもよく、画素電圧VPIX は4.0Vであり、所定の電圧VDAC_COMは1.5Vである。所定の電圧VDAC_COMの値は、液晶材料の要件及びディスプレイシステムの所望の用途(振幅や位相特性等)の関数として選択してもよい。そのため、正の画素電圧VPIX+及び共通電極電圧VCOMの範囲/スパン及びステップサイズは、様々であってもよい。一部の実施形態では、DACには範囲/スパン及びステップサイズがあり、ビット数は、ステップサイズで除算した範囲の、2を底とした対数値(log)であるので、各DACから1ビット除いて、画素電圧VPIX及び共通電極電圧VCOMのステップサイズを2倍に増やしてもよい。
【0034】
一部の実施形態では、共通電極回路150aは、第一低電圧増幅器108及び第二低電圧増幅器106の出力電圧を使用して、所定の電圧VDAC_COMと画素電極電圧VPIX 及びVPIX とに基づいて、共通電極電圧VCOMを生成してもよい。特に、制御回路110は共通電極回路150aに結合可能である。第一フェーズの間に、制御回路110は、所定の電圧VDAC_COMの負の値及び画素電極電圧VPIX に基づいて低共通電圧V COMを生成するように、共通電極回路150aを選択的に制御することができ、さらに、第二フェーズの間に、制御回路110は、所定の電圧VDAC_COMと画素電圧VPIXとの和に基づいて高共通電圧V COMを生成するように、共通電極回路150aを選択的に制御することができる。
【0035】
特に、一部の実施形態では、共通電極回路150aは、コンデンサC1を所定の電圧VDAC_COMに充電するために、スイッチ対(S1及びS2)を有することができ、このスイッチ対は、第一コンデンサC1の両側に結合されて第一コンデンサC1を接地と第一増幅器108の出力との間に結合している。あるいは、スイッチ対(S1及びS2)は、高共通電極電圧値又は最大共通電極電圧値(V COM)を提供するために、第一コンデンサC1を第二増幅器106の出力と共通電極ノードVCOMとの間に結合することができる。
【0036】
さらに、共通電極回路150aは、コンデンサC2を所定の電圧VDAC_COMに充電するために、第二スイッチ対(S3及びS4)を有することができ、この第二スイッチ対は、第二コンデンサC2の両側に結合されて第二コンデンサC2を接地と第一増幅器108の出力との間に結合している。あるいは、スイッチ対(S3及びS4)は、低共通電圧V COMを提供するために、第二コンデンサC2を共通電極ノードVCOMと接地との間に結合することができる。
【0037】
動作時に、制御回路110は、制御出力CSを提供する。この制御出力CSによって、第一及び第二スイッチ対(S1~S4)を選択的に切り換え、二つの動作フェーズを提供する。特に、第一フェーズの間には、制御回路110からのクロッキング制御出力CSが、第一スイッチ対S1及びS2を切り換え、第一コンデンサC1を接地と第一増幅器108の出力との間に結合して、コンデンサC1を所定の電圧VDAC_COMに充電できる。例えば、所定の電圧VDAC_COMが0.8Vに設定される場合、コンデンサC1は0.8Vに充電される。第一フェーズの間に、制御回路110からのクロッキング制御出力CSは、同時に、第二コンデンサC2が共通電極ノードVCOMと接地との間に結合するように第二スイッチ対S3及びS4を切り換え可能である。その結果、共通電極ノードVCOMには低共通電圧V COMが供給される。この電圧は、第二コンデンサが前のサイクルで最初に充電されたときに-VDAC_COMに設定されている。同様の例にしたがうと、低共通電圧V COMは-0.8Vに設定可能である。
【0038】
動作時に、第二フェーズの間に、制御回路110からのクロッキング制御出力CSは、第一コンデンサC1を第二増幅器106の出力と共通電極ノードVCOMとの間に結合するように、第一スイッチ対S1及びS2を切り換え可能である。その結果、共通電圧ノードは高共通電圧V COMに設定され、電圧V COMは、画素電圧VPIX+と所定の電圧VDAC_COMとの和となる。例えば、所定の電圧VDAC_COMが0.8Vに設定される場合、高共通電圧V COMはVPIX +0.8Vの和になる。第二フェーズの間に、制御回路110からのクロッキング制御出力CSは、同時に、第二コンデンサC2が接地と第一増幅器108の出力との間に結合するように第二スイッチ対S3及びS4を切り換え可能である。したがって、第二コンデンサC2は、第一増幅器108の出力電圧VDAC_COMに充電される。例えば、所定の電圧VDAC_COMが0.8Vに設定される場合、第二コンデンサC2は0.8Vに充電される。実施形態の一つにおいては、C1及びC2を充電するために使用される電圧は異なっており、実施形態の一つにおいては、使用される電圧はほぼ同じである。
【0039】
一部の実施形態では、実施態様の一例では、画素電圧VPIX+が2.8V~4.336Vの間(両端値を含む)に設定されてもよく、この場合、電圧は、12mVステップサイズの7ビットDACを使用して実現できる。この例は本発明の概念を限定するものではないことに留意しなければならない。範囲/ビット数及びステップサイズは、より大きくてもよく又はより小さくてもよい。本発明の実施形態の一つにおいては、使用するビット数が少なくなれば、使用するハードウェアがより少なくなり、本発明によるシステム又はデバイスの製造コストがより下がる。本発明のある実施形態においては、低電圧増幅器108によって生成される電圧VDAC_COMは、例えば0.8V~2.08Vの間(両端値を含む)でもよく、この場合、電圧は、10mVステップサイズの7ビットDACを使用して実現できる。最終的には、提供される高共通電極電圧V COMは、(VPIX +0.8V)~(VPIX +2.08V)でもよく、この場合、電圧は、10mVステップサイズの7ビットDAC等を使用して実現できる。したがって、生成される低共通電極電圧V COMは、-2.08V~-0.8V(両端値を含む)を取り得る。しかし、DACのビット数、DAC電圧の最小値及び最大値(範囲/スパン)、ステップサイズは変動しうることを、当業者は理解するはずである。また、ある実施形態においては演算増幅器108がDACに結合されなくてもよいことを、当業者は理解するはずである。これらの例は、本発明の実施形態を例示するために提示されるものである。しかし、本発明は記載されたこれらの例又は実施形態に限定されず、本発明の主旨及び範囲内で修正及び改変を加えて実践されうることが認識されねばならない。
【0040】
図2Bでは、図2Aのシステムの共通電極回路150aの代わりに使用可能な共通電極回路150b(の一部)の実施形態が示されている。共通電極回路150bの関連する増幅器は示されていないことに留意されたい。しかし、当業者であれば、増幅器及び関連する電圧入力コンポーネントは、図2Aに設けられているものと同様に設けられてよいことを理解するであろう。実施形態の一つにおいては、図2Bに示すように、スイッチ対S1及びS2は、トランジスタT~Tから構成されてもよい。(例えばMOSFETトランジスタ)。特に、複数のp型トランジスタ(T、T)及び複数のn型トランジスタ(T、T)のゲートが、クロッキング制御出力CSを受け取るように結合されてもよい。制御出力CSは、トランジスタ(T~T)のそれぞれのオンオフを、効果的に切り換える。実施形態の一つにおいては、トランジスタTのドレインが第一コンデンサC1に結合される一方で、トランジスタTのソースは電圧画素ノードVPIXに結合可能である。さらに、トランジスタTのドレインがコンデンサC1に結合される一方で、第二トランジスタTのソースは接地に結合可能である。トランジスタTのソースが共通電極ノードVCOMに結合される一方で、トランジスタTのソースは所定の電圧(即ち第一演算増幅器の出力電圧)VDAC_COMを受け取るために結合可能である。一部の実施形態では、トランジスタT及びTのドレインはいずれも、第一コンデンサC1に結合可能である。
【0041】
同様に、スイッチ対S3及びS4は、MOSFETトランジスタT~Tから構成されてもよい。n型トランジスタT及びp型トランジスタTのゲートが、制御出力CSを受け取るように結合されてもよい。制御出力CSは、トランジスタ(T、T)のそれぞれのオンオフを、効果的に切り換える。一部の実施形態では、トランジスタTのドレインが第二コンデンサC2に結合される一方で、トランジスタTのソースは共通電極ノードVCOMに結合可能である。さらに、トランジスタTのドレインがコンデンサC2に結合される一方で、トランジスタTのソースは接地に結合可能である。トランジスタTのソースは接地に結合される一方で、トランジスタTのソースは、所定の電圧VDAC_COMを受け取るために結合可能である。一部の実施形態では、トランジスタT及びTのドレインはいずれも、第二コンデンサC2に結合可能である。一部の実施形態では、スイッチ(S1~S4)を実現する各トランジスタ対が、直列に結合された複数のトランジスタ(図示せず)によって表されうる。直列のトランジスタは、より大きな電圧を共有/収容しうるスイッチを形成することに留意されたい。
【0042】
動作時には、制御出力が高い第一フェーズの間に、n型トランジスタT、T、T、及びTの全てがオンになる。以下により詳細に記載されるように、これらのトランジスタがオンになる結果、第一コンデンサC1が接地と所定の電圧VDAC_COMとの間に接続される一方で、第二コンデンサC2が共通電極ノードVCOMと接地との間に結合される。制御出力が低い第二フェーズの間においては、p型トランジスタ(T、T、T、T)がオンになる。その結果、第一コンデンサC1が画素電圧ノードVPIXと共通電極ノードVCOMとの間に結合される一方で、第二コンデンサC2が接地と所定の電圧VDAC_COMとの間に結合される。
【0043】
制御出力CSが低い第二フェーズの間に、p型トランジスタTがオンになり、画素電圧ノードVPIX から第一コンデンサC1までの回路が効果的に接続される。制御出力CSが低いとき、同時に、n型トランジスタTがオフになり、トランジスタTのドレインを接続するノードから接地までの回路が効果的に開かれる。即ち、制御出力CSが低いときには、コンデンサCは画素電圧VPIXを有するノードに結合される。
【0044】
また、制御出力CSが高い第一フェーズの間に、p型トランジスタTがオフになり、画素電圧を含むノードと第一トランジスタTのドレインとの間の回路が効果的に開かれる。制御出力CSが高いことにより、同時に、n型トランジスタTがオンになり、トランジスタTのドレインが接地に効果的に結合される。即ち、制御出力CSが高いときには、コンデンサC1は接地に結合される。これにより、MOSFETトランジスタを使用したスイッチの実施態様は、第一コンデンサC1を接地/VPIX-又は画素電圧ノードVPIXのいずれかに効果的に結合する。
【0045】
第二スイッチSでは、MOSFETトランジスタを使用した実施態様は、反対になる。スイッチSは、n型トランジスタT及びp型トランジスタTを用いて実現されており、トランジスタのゲートは、クロッキング制御出力CSに結合しており、これらのトランジスタのオンオフが切り換えられる。特に、前述のように、p型トランジスタTのソースが共通電極ノードVCOMに結合される一方で、n型トランジスタTのソースは第一増幅器108の出力に結合される。トランジスタT及びTのドレインはいずれも、第一コンデンサC1に結合される。動作時に、制御出力CSが低い第二フェーズの間には、n型トランジスタTがオフになり、第一増幅器108の出力から第一コンデンサCまでの回路が効果的に開かれる。制御出力CSが低いとき、同時に、p型トランジスタTがオンになり、コンデンサC1を接続するノードから共通電極ノードVCOMの回路が効果的に短絡する。即ち、制御出力CSが低いときには、コンデンサC1は共通電極ノードVCOMに結合される。
【0046】
また、制御出力CSが高い第一フェーズの間に、n型トランジスタTがオンになり、増幅器108の出力ノードとコンデンサC1との間の回路が効果的に短絡し、これによりコンデンサC1が所定の電圧VDAC_COMに結合される。制御出力CSが高いことにより、同時に、p型トランジスタTがオフになり、トランジスタTのドレインから共通電極ノードVCOMまでの回路が効果的に開かれる。即ち、制御出力CSが高いときには、コンデンサC1は、所定の電圧VDAC_COMを受け取るように結合される。それにより、MOSFETトランジスタ(T~T)を使用したスイッチS及びSのスイッチの実施態様は、第一コンデンサを、画素電圧ノードと共通電極ノードVCOMとの間に又は接地と所定の電圧VDAC_COMを有するノードとの間に、効果的に結合する。
【0047】
同様に、スイッチ対S3及びS4は、MOSFETトランジスタT~Tから構成されてもよい。制御出力CSが低い第二フェーズの間に、トランジスタT~Tのオンオフが切り換わって、所定の電圧VDAC_COMを有する出力ノードと接地との間にコンデンサC2が結合され、コンデンサC2は所定の電圧VDAC_COMまで効果的に充電される。逆に、制御出力CSが高い第一フェーズの間に、スイッチトランジスタT~Tがオンからオフに切り換わって、共通電極ノードVCOMと接地との間にコンデンサC2が結合され、共通電極ノードVCOMで所定の電圧VDAC_COMの負の値を印加する(図2Aを参照して詳述した通り)。
【0048】
一実施形態において、スイッチ(S~S)としてのMOSFETトランジスタ(T~T)の実施態様は、必要なオーバーヘッド電圧を低減する利益及び利点を有する。しかし、従来の実施態様では、V COM及びV COMの上下にそれぞれ、約±1Vの余分の供給電圧が必要である。ここで、供給電圧は、全ての可能な供給電圧値で正しい動作を保証するように選択可能である。さらに、本発明の実施形態の一つにおいては、スイッチトランジスタS1~S4のいずれか一つが経験する最大電圧は、VCOM=-1V~5Vであるとき約又はちょうど6Vであり、VCOM=-1.5V~5.5Vであるとき約又はちょうど7Vである。これに加えて、負電圧V COMは約-1.5Vであってもよく、この場合、スイッチトランジスタS1~S4(デジタルトランジスタ等)が接地から絶縁され且つ-1.5Vからも絶縁されることが必要である。
【0049】
共通電極電圧VCOMを生成するための本発明によるディスプレイシステム(例えばシステム100)は、共通電極電圧VCOMを実現するために使用されるトランジスタの必要なブレークダウン電圧を低下させ、共通電極電圧VCOMサーキットリの電力散逸を低下させる。ブレークダウン電圧が低くなると、トランジスタが小さくて済むため、ダイ面積が効果的に縮小する。これに加えて、ブレークダウン電圧が低いと、サイズや電力やコスト削減のために将来のスケーリングされたノードへの共通電極電圧VCOMの集積が可能となる。
【0050】
既知のシステムでは、共通電極回路の共通電極電圧VCOMトランジスタのブレークダウン電圧は20Vであり、VCOM増幅器の電力散逸は20~30mWである。しかし、本明細書に開示される高(V COM)及び低(V COM)共通電極電圧生成のシステム、回路及び方法は、より低い電圧の増幅器(例えば増幅器108)を使用する利益及び利点を有する。この低電圧増幅器は、第一及び第二コンデンサ(C、C)の電圧を確立することによって共通電極電圧VCOMを生み出すために用いることができ、これらの第一及び第二コンデンサ(C、C)は、低共通電極電圧V COM用に接地(又はVPIX )に接続されているか又は高共通電極電圧V COM用に画素電圧VPIX に接続されている。ある実施形態においては、より低電圧の増幅器108は、例えば0V~1.6Vの範囲の出力値を有してもよい。実施形態の一つにおいては、このようなより低い電圧を生み出す増幅器108の供給電圧は、例えば3.3~5Vの範囲でもよい。したがって、動作中は、コンデンサ(C、C)の一方が高共通電極電圧V COM又は低共通電極電圧V COMのいずれかを確立し、他方は充電されたり補充されたりする。したがって、コンデンサの充電は、スイッチS1~S4を使用してスワップ・切り換え・変更される。
増幅器108
【0051】
さらなる利益として、ディスプレイシステムの実施形態(例えばシステム100、200)の共通電極回路(例えば150a、150b、250)は、共通電極電圧VCOMを生成し、且つ、必要な電力供給は、大きな電力供給(例えば約9~10V)を要する従来のディスプレイと比べて、低減される(例えば約5V)。また、本発明の実施形態の一つにおいては、増幅器108は、約1mAの低めの電流で動作し(これに対して、従来のシステムでは約2~3mA)、電力を例えば約20~30mWから約5mWに低下させることができる。本明細書に開示されるこの共通電極電圧生成のシステム及び方法のさらなる利益は、外部電源電圧及びそれらの関連する調整器サーキットリの必要性を低減又は排除することである。その結果、本発明によるデバイス応用例又はディスプレイシステム又はその両方のコストが低下し、サイズ/面積及び電力が低減される。
【0052】
一部の実施形態では、第一及び第二コンデンサ(C1、C2)ならびに共通VCOM静電容量の間の電荷共有のため、コンデンサC1及びC2は、約0.1uF~10uFの間(両端値を含む)の値を取り得る。本発明のある実施形態においては、コンデンサC1及びC2は、約1uFの値を取り得る。この結果、共通電極電圧VCOMがそのプログラムされた/所望の電圧から約5~10mV逸脱しうる。一部の実施形態では、この結果は十分に小さい場合には、無視してもよい。他の実施形態では、この結果の影響は、より大きなコンデンサを用いてコンデンサC1及びC2を実装することによって低減可能であり、例えばC1及びC2は2~5uFの間(両端値を含む)を取り得る。本発明の実施形態の一つにおいては、VCOMの逸脱は、コンデンサ(C1、C2)の電圧を共通電極電圧VCOMの最終所望値よりも若干、例えば1~10mVだけ大きく又は小さくなるようにプログラムすることによって補償されうる。
【0053】
図2Bに示される前述の例は、説明のために提示したものである。これは、網羅的であることや、本システム及び方法を本明細書に開示した形態そのままに限定することを、意図したものではない。コンデンサのうち1つ又は複数のコンデンサを充電するために所望される正確な電圧に応じて、(トランジスタの本体の接続のほかに)トランジスタの種類及び必要な電圧振幅が、動作する回路に対して慎重に選択されねばならないことが、当業者に理解される。スイッチS1~S4の最終的実施態様及びそれらの対応するクロッキング制御出力CS詳細は、様々なスイッチトランジスタのゲート電圧と同様に、異なっていてもよく、又は、回路の機能性又は動作を改善するような特定の方法で選択してもよい。
【0054】
図2Cでは、一部の実施形態における図2Bに示した回路の動作例を示すタイミング図を示している。上述の図2Bで述べたように、制御出力CSが高いときには、n型トランジスタT、T、T、及びTはオンである一方で、p型トランジスタT、T、T及びTがオフである。これは、第一フェーズの間に、第一コンデンサC1を所定のノードと接地との間に結合するようにスイッチS1及びS2がシフトし、第一コンデンサが所定の電圧VDAC_COMに効果的に充電されることを意味する。同時に、スイッチS3及びS4は、第二コンデンサC2を共通電極ノードVCOMと接地との間に結合する。図のように、共通電極ノードでの電圧は、所定の電圧VDAC_COMの負の値となる。
【0055】
また、制御出力CSが低い第二フェーズの間に、n型トランジスタT、T、T、及びTはオフである一方で、p型トランジスタT、T、T、Tがオンである。これは、第二フェーズの間に、第一コンデンサCを画素電圧ノードVPIXと共通電極ノードVCOMとの間に結合するようにスイッチS1及びS2が切り換わり、画素電圧VPIXと所定の電圧VDAC_COMとの電圧和が、共通電極ノードVCOMで効果的に供給されることを意味する。同時に、スイッチS3及びS4は、所定の電圧VDAC_COMを有する出力ノードと接地との間に、第二コンデンサCを結合し、第二コンデンサC2を所定の電圧VDAC_COMまで効果的に充電する。したがって、図2Cのタイミング図に示すように、この第二フェーズの間には、共通電極ノードVCOMの電圧は、画素電圧VPIXと所定の電圧VDAC_COMとの和と等しい。
【0056】
図2Dでは、一部の実施形態における、画素電圧VPIXと共通電極電圧VCOMとの間の電圧比較を示す、電圧とデータの図が示されている。図に示すように、高共通電極電圧V COMは、画素電圧VPIXより大きい電圧に設定可能である。共通電極の電圧は、接地よりも又はVPIX-よりも同じ量だけ小さい電圧に設定可能な低共通電極電圧V COMに断続的に切り換えられうる。この特定の例では、画素電圧VPIXが4Vである場合、高共通電極電圧V COMは5.5Vに設定可能であり、低共通電極電圧V COMは-1.5Vに設定可能である。一部の実施形態では、示される電圧は、実施態様及び応用例に応じて、さらに正にシフトされるか又はさらに負にシフトされうる。例えば、画素電圧VPIX は1.2Vであってもよく、接地電圧(VPIX-)は-2.8Vであってもよく、このとき、その差は4Vとなる。一部の実施形態では、50%のデューティサイクルが存在する。
【0057】
一部の実施形態では、共通電極電圧VCOMと画素電圧VPIXとの間の好ましい電圧差は、ゼロに近くなりうる。これの代わりに、画素電圧VPIXは1.5V~4.5Vとすることができ、赤緑青(RGB)色モデルなどの色シーケンシャル(時間多重応用例)のための不均一なデューティサイクルを有することができる。本発明の実施形態の一つにおいては、電圧の極性は反転されてもよい。本発明の実施形態の一つにおいては、電源は例えばVddであり且つ正の接地として機能してもよく、VPIXは負の電圧値を有してもよい。例えば、本発明のある実施形態においては、Vddは1.2Vであり、VPIXは-2.8Vである。当業者は、電圧値が変動しうることを理解するはずである。
【0058】
図3では、一部の実施形態による共通電極電圧生成のための回路の第二実施形態の回路図が示されている。システム200は、制御回路210と、第一低電圧増幅器208を有する共通電極回路250と、第二低電圧増幅器206と、LCoSディスプレイ又はパネル又はイメージャ280とを備える。ここで言及される低電圧は、例えば約5V以下の値が取り得る。増幅器208は、コンポーネント218(DAC等)に接続されており、このコンポーネント218は、所望の出力電圧VDAC_COMを達成するために、所定の/予め選択された電圧を供給するためのものである。同様に、コンポーネント216(DAC等)が増幅器206に結合されており、この増幅器206は、所望の出力電圧VPIX を達成するために所定の/予め選択された電圧を供給するためのものである。
【0059】
図2Aに関して同様に論じたように、コマンドパーサ44は、以下のように、コンポーネント218・216と制御回路210とに、入力を供給する。特に、実施形態の一つにおいては、コマンドパーサ44は、制御回路210とコンポーネント216・218とに、個々の電圧入力を提供する。これらの電圧入力は、デジタル制御出力(即ち電圧、ロジックレベル)である。コマンドパーサ44によってコンポーネント216(DAC等)に供給される電圧入力は、増幅器206への所望の入力電圧に対応するデジタルワードを表す。このコンポーネント216の出力は、増幅器106に入力されて増幅され、電圧VPIX を生成する。
【0060】
コマンドパーサ44によってコンポーネント218(DAC等)に供給される電圧入力は、増幅器208への必要な入力電圧に対応するデジタルワードを表す。コンポーネント218の出力は、増幅器208によって増幅され、VDAC_COMを生成する。コマンドパーサ44によって制御回路210に供給される電圧入力は、制御出力CSの周波数、デューティサイクル及び位相を確立する1つ又は複数のロジックレベル入力を表す。制御回路210の出力は制御出力CSである。
【0061】
第一実施形態と同様に、制御回路210は、少なくとも1つのクロッキング制御出力CSを提供するために結合されたフリップフロップデバイス212を有する装置を備えてもよい。一部の実施形態では、制御回路210は、第一及び第二クロッキング制御出力を与えるためにバッファ214に結合されたフリップフロップ212を備えてもよく、この場合、第二クロッキング制御出力は、第一及び第二フェーズの間にトランジスタのオンオフを切り換えるタイミングが重複するように、第一クロッキング制御出力に対して遅延する。第二低電圧増幅器206は、画素電圧VPIXの生成のために用いられてもよく、第一低電圧増幅器208は、LCoSディスプレイパネル280の画素電圧VPIXに比べて比較的小さい所定の電圧VDAC_COMを生成するために用いられてもよい。例えば、低電力増幅器208は、1~5mWの演算増幅器を用いて実現可能であり、この場合、画素電圧VPIXは4.0Vであり、所定の電圧VDAC_COMは1.6Vである。
【0062】
一部の実施形態では、共通電極回路250は、第一低電圧増幅器208及び第二低電圧増幅器206の出力電圧を使用して、所定の電圧VDAC_COM及び画素電圧VPIXに基づいて、共通電極電圧VCOMを生成してもよい。特に、制御回路210を共通電極回路250に結合してもよく、この場合、第一フェーズの間には、制御回路210は、共通電極回路250を選択的に制御可能であり、抵抗器R、R、RDACを用いて実現される分圧器ネットワークによって決定される電圧の負の値に基づいて、低共通電圧V COMが生成される。ここでは、抵抗器RDACは、所定のオフセットを加えるために使用されうる可変抵抗器である。さらに、第二フェーズの間には、制御回路210は、共通電極回路250を選択的に制御可能であり、抵抗器R、R、及びRDACの分圧器ネットワークからの電圧と所定の電圧VDAC_COMと画素電圧VPIXとの和に基づいて、高共通電圧V COMが生成される。
【0063】
一部の実施形態では、共通電極回路250は、接地と第一増幅器208の出力との間に第一コンデンサC3を結合するように、第一コンデンサC3の両側に結合されたスイッチ対(S5及びS6)を有してもよい。または、スイッチ対(S5及びS6)は、第二増幅器206の出力と共通電極ノードVCOMPPとの間に第一コンデンサC3を結合してもよい。さらに、共通電極回路250は、共通電極ノードVCOMPPと接地との間に結合される別のスイッチS7を有してもよい。前述のように、可変抵抗器RDACは、ミスマッチやDBR/仕事関数に対してDACをオフセットするために使用してもよい。特に、抵抗器R、R、RDACは分圧器ネットワークを実現しており、共通電極電圧VCOMは約(VPIX/2)(1±α)であってもよい。ここでは、αは可変抵抗器RDACを用いて加えられるオフセット補正のための調整を表す。
【0064】
動作時に、制御回路210は、クロッキング制御出力CSを提供する。このクロッキング制御出力CSによって、スイッチS5~S7を選択的に切り換え、二つの動作フェーズを提供する。特に、第一フェーズの間には、制御回路210からの制御出力CSが、第一スイッチ対S5及びS6を切り換え、第一コンデンサC3を接地と第一増幅器208の出力との間に結合して、コンデンサC3を所定の電圧VDAC_COMに充電できる。例えば、所定の電圧VDAC_COMが1.6Vに設定される場合、コンデンサは1.6Vに充電される。第一フェーズの間に、制御回路210からの制御出力CSは、同時に、第二コンデンサC4が共通電極ノードVCOMと接地との間に結合するようにスイッチS7を切り換え可能である。その結果、共通電極ノードVCOMには、第二コンデンサC4の充電電圧が供給される。この電圧は、抵抗器R、R、及びRDACの分圧器ネットワークによって供給される電圧である。
【0065】
第二フェーズの間に、制御回路210からの制御出力CSは、第一コンデンサC3を第二増幅器206の出力(VPIX)と予備共通電極ノードVCOMPPとの間に結合するように、第一スイッチ対S5及びS6を切り換え可能である。その結果、予備共通電圧ノードVCOMPPは高共通電圧V COMに設定され、電圧V COMは電圧VPIXとVDAC_COMとの和となる。
【0066】
同時に、第二フェーズの間に、制御回路210からのクロッキング制御出力CSは、スイッチS7を切り換えて回路を開き、共通電極電圧ノードVCOMを効果的に設定可能であり、抵抗器R、R、RDACの分圧器ネットワークによって供給される電圧と予備共通電圧ノードのVCOMPP電圧との和に設定される。この値は、約(VPIX/2)(1±α)である。
【0067】
図3を参照すると、実施形態の一つにおいては、例えば、画素電圧VPIX は2.8V~4.336Vの間であってもよく、この場合、電圧は、12mVステップサイズの7ビットDACを使用して実現できる。低電圧増幅器208によって生成される電圧VDAC_COMは、この例では1.6V~4.16Vの間であってもよく、この場合、電圧VDAC_COMは、6ビットDACを使用して実現できる。最終的に、提供される共通電極電圧VCOMPPは(VPIX 1.6V)~(VPIX 4.16V)であってもよく、この場合、電圧VCOMPPは、40mVステップサイズの6ビットDACを使用して実現できる。これらの例は、本発明の概念をさらに説明するために提示されたものである。本発明は記載されたこれらの例又は実施形態に限定されず、本発明の概念の主旨及び範囲内で修正及び改変を加えて実践されうることが認識されねばならない。
【0068】
図3を再び参照すると、実施形態の一つにおいては、この実施態様は、負の供給電圧からの絶縁の必要性を回避することができ、これはバルクシリコンにより適している。ブロッキングコンデンサとして作用するコンデンサC4の機能のおかげで、負の供給電圧が回避される。電圧VPIX は0以上に制限される。電圧振幅VCOMPPは、回路250においてVPIX からVPIX +VDAC_COMで変動するように確立される。さらに、VCOMのDC平均値は、(VPIX -VPIX-)/2であるように制限される(注:アルファ(α)=0)。DCブロッキングコンデンサC4により、VCOMがVPIX-よりも負になることが可能となる。VCOMの電圧振幅は、(VPIX -(VDAC_COM/2))と(VPIX +(VDAC_COM/2))との間で変動する。なお、ここで、VDAC_COMは正電圧(通常1~4V)であるようにプログラムされる。これは図2Aに提供される実施態様で要求される値の約二倍である。
【0069】
実施形態の一つにおいては、システム200の共通電極回路250は、下方コンデンサC4を約-VDAC_COM/2に予め充電しうる。あるいは、さらなる抵抗器(不図示)を使用して下方コンデンサC4に共通電極電圧VCOMを供給して、放電時間定数を増加させ、VCOM降下を低減してもよい。実施形態の一つにおいては、例えば図2Aに示すように、VPIX はゼロであり、VCOMはゼロ未満とVPIX 超との間で切り換わる。
【0070】
図4では、一部の実施形態における共通電極電圧を生成するための方法300の例示的なフローチャートが示されている。第一アクション310において、方法300は、第一及び第二コンデンサ(C1、C2)をプログラムするための1つ又は複数の所定の(プログラムされた)電圧VDAC_COMを生成するステップを含む。例えば、ある演算増幅器装置が第一プログラム電圧VDAC_COMを生成可能であり、その一方で、別の演算増幅器装備がLCoSディスプレイパネルの要件に対応する画素電圧VPIXを生成可能である。方法300は、アクション320で第一コンデンサC1を所定の電圧で最初に充電するステップを含んでもよい。例えば、コンデンサC2は、第一の所定の電圧VDAC_COMに最初にプログラムされてもよい。
【0071】
決定アクション325において、プロセスが第一フェーズに入っているか否かに関する判断が行われる。例えば、制御回路が制御出力を送信して、第一フェーズの動作用の特定のノードの間にコンデンサを結合する装置における選択スイッチを切り換えてもよい。第一フェーズに入っている場合、方法300は、アクション330において、第一コンデンサを所定の電圧に充電するステップを含む。例えば、第一コンデンサC1は所定の電圧VDAC_COMに充電可能である。
【0072】
加えて、方法300は、アクション340において、0V未満の共通電極電圧(V COM)を生成するために、接地GNDと共通電極VCOMとの間に第二コンデンサを結合するステップを含んでもよい。方法300が第一フェーズに入っていない場合には、プロセスが第二フェーズに入っていることが、アクション327において分かっている。第二フェーズに入っている場合には、方法300は、アクション350において、第二コンデンサを所定の電圧に充電するステップを含んでもよい。これに加えて、方法300は、アクション360において、画素電圧より大きい共通電極電圧(V COM)を生成するために、画素電圧ノードVPIXと共通電極VCOMとの間に第一コンデンサを結合するステップを含んでもよい。アクション330、340、350、360の最後に、プロセスは、コンデンサを断続的に充電及び接続するために決定アクション325に戻り、高共通電極電圧V COM及び低共通電極電圧V COMを二つのフェーズのうち対応するフェーズの間に共通電極ノードに提供する。
【0073】
以上の記載は、説明の目的で、特定の実施形態を参照して記載されている。しかし、上記の例示的な議論は、網羅的であること、又は本システム及び方法を開示された正確な形態に限定することを意図したものではない。上記の教示に鑑みて多数の修正例及びバリエーションが可能である。実施形態は、実施形態の原理及びその実際の応用例を最もよく説明し、それによって他の当業者が企図される特定の用途に適しうるように実施形態及び様々な修正例を最大限に活用できるようにするために選択及び記載された。したがって、本発明の実施形態は例示的であり限定的ではないと考えられねばならず、本発明は、本明細書に与えられた詳細に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲及び等価物の中で修正されうる。
【0074】
特に上記の説明では、多数の詳細が記載される。しかし、当業者には、本発明がこれらの具体的詳細を用いずに実践されうることが明らかであろう。一部の場合には、周知の構造体及びデバイスは、本発明を曖昧にすることを避けるために、詳細ではなくブロック図の形式で示される。
【0075】
さらに、上記の説明を読み理解した当業者には多数の他の実施形態が明らかになりうる。本発明は特定の例示的な実施形態を参照して説明されているが、本発明は、記載された実施形態に限定されず、本開示の精神及び範囲内で修正及び変更を加えて実践されうることが認識されるであろう。実施形態は、多数の代替形態において具現化され得、本明細書に記載された実施形態のみに限定されると考えられてはならない。したがって、明細書及び図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味で考えられねばならない。
【0076】
第一、第二などの用語は、本明細書において様々なステップ又は計算を説明するために使用されうるが、これらのステップ又は計算はこれらの用語によって限定されてはならないことが理解されねばならない。これらの用語は、あるステップ又は計算を別のステップ又は計算から区別するために使用されるにすぎない。例えば、本開示の範囲から逸脱することなく、第一計算が第二計算と呼ばれ得、同様に第二ステップが第一ステップと呼ばれうる。本明細書で使用されるところの、「・・・又は・・・又はその両方」の用語及び「I」の記号は、関連する列挙された項目の1つ又は複数のありとあらゆる組み合わせを含む。本明細書で使用されるところの、単数形「一つの(a)」、「一つの(an)」及び「その(the)」は、文脈により別段の明示がない限り複数形も含むことが意図される。本明細書で使用されるところの、「備える」、「有する」、「含む」等の用語は、記載された特徴、整数、ステップ、動作、要素、及びコンポーネントの少なくとも1つの存在を指定するが、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、コンポーネント、及びそれらのグループの少なくとも1つの存在又は追加を妨げないものとさらに理解される。したがって、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明する目的のためのものにすぎず、限定を意図するものではない。さらに、方法の動作は特定の順序で記載されているが、記載された動作の間に他の動作が行われてもよく、記載された動作はわずかに異なる時間に生じるように調整されてもよく、又は記載された動作は、処理に関連する様々な間隔での処理動作の発生を可能にするシステムに分散されてもよいことが理解されねばならない。
【0077】
様々なユニット、回路、又は他のコンポーネントは、1つ又は複数のタスクを行う「ように構成される」ものとして記載又は請求されうる。このような文脈では、ユニット/回路/コンポーネントが動作中に1つ又は複数のタスクを行う構造体(例えばサーキットリ)を含むことを示すことによって構造体を含意するために「ように構成される」という文言が使用される。そのため、指定されたユニット/回路/コンポーネントが現在動作していない(例えばオンでない)場合でも、ユニット/回路/コンポーネントは、タスクを行うように構成されると言うことができる。「ように構成される」の語とともに使用されるユニット/回路/コンポーネントは、ハードウェア、例えば回路、動作を実施するために実行可能なプログラム命令を記憶するメモリなどを含む。ユニット/回路/コンポーネントが一つ又は複数のタスクを行う「ように構成される」との記述は、そのユニット/回路/コンポーネントについて米国特許法第112条第6段落を発動させないことを明確に意図する。加えて、「ように構成される」は、問題の(1つ又は複数の)タスクを行うことができる様式で動作するようにソフトウェア及びファームウェアの少なくとも一方によって操作される一般的構造体(例えば一般的サーキットリ)(例えばソフトウェアを実行するFPGA又は汎用プロセッサ)を含みうる。「ように構成される」は、1つ又は複数のタスクを実施又は遂行するように適合されたデバイス(例えば集積回路)を製作するために製造プロセス(例えば半導体製作設備)を適応させることも含まれる。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4