(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-08
(45)【発行日】2024-08-19
(54)【発明の名称】容器内で所定量のパスタを調理するための機械
(51)【国際特許分類】
A47J 27/16 20060101AFI20240809BHJP
【FI】
A47J27/16 D
(21)【出願番号】P 2021561785
(86)(22)【出願日】2020-04-16
(86)【国際出願番号】 IB2020053610
(87)【国際公開番号】W WO2020212904
(87)【国際公開日】2020-10-22
【審査請求日】2023-03-29
(31)【優先権主張番号】102019000005918
(32)【優先日】2019-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】520407079
【氏名又は名称】パスティフィッチョ・ラナ・エッセ・ピ・ア
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジャン・ルカ・ラナ
(72)【発明者】
【氏名】アルベルト・ルイジ・コローニ
(72)【発明者】
【氏名】マッティア・デ・サンティス
【審査官】西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0256287(US,A1)
【文献】特開平06-304067(JP,A)
【文献】特開2003-070644(JP,A)
【文献】国際公開第01/052669(WO,A1)
【文献】特開平07-031443(JP,A)
【文献】特開2018-201692(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/14-27/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器内で所定量のパスタを調理するための機械であって、前記機械(2)は、
- 上方構造部(10)と、前記上方構造部(10)に面する下方構造部(11)と、を備えるフレーム(4)と、
- ディスペンサー(5)であって、蒸気を送達するための少なくとも1つの第1の開口部(35)と、熱湯を送達するための少なくとも1つの第2の開口部(38)と、を備え、前記上方構造部(10)により支持され、前記上方構造部(10)と前記下方構造部(11)との間の空間において、前記上方構造部(10)から前記下方構造部(11)に向かって長手方向軸(A1)に沿って延在する、ディスペンサー(5)と、
- 基準要素(6)であって、前記下方構造部(11)により支持され、頂開口部(25)を前記ディスペンサー(5)に対応させて前記容器(3)を位置付けるように構成される、基準要素(6)と、
を備え
、
前記ディスペンサー(5)は、前記機械(2)に一体である固定本体(18)と、前記長手方向軸(A1)に沿って延在する中央突起(31)を備えるノズル本体(19)と、蓋(20)と、を備え、前記蓋(20)は、前記下方構造部(11)に向かって折り曲げられた外縁部(21)を備え、前記ノズル本体(19)および前記容器(3)とともに、熱湯および蒸気が導入される閉鎖区画を区切るように構成され、
前記ノズル本体(19)は、前記中央突起(31)の周りで延在しかつ前記容器(3)内に熱湯を送るための複数の第2の開口部(38)を有する第1の壁(36)および第2の壁(37)を備える、機械。
【請求項2】
前記下方構造部(11)は、前記容器(3)を支持するように構成される支持壁(16)を備え、前記基準要素(6)は、前記支持壁(16)に固定される、請求項1に記載の機械。
【請求項3】
前記支持壁(16)は、前記長手方向軸(A1)に沿って移動可能である、請求項2に記載の機械。
【請求項4】
前記下方構造部(11)は、前記支持壁(16)を前記長手方向軸(A1)に沿って移動させるガイド装置(15)と、前記支持壁(16)を前記ディスペンサー(5)に向かって押すように構成される少なくとも1つの弾性要素(17)と、を備える、請求項3に記載の機械。
【請求項5】
前記ディスペンサー(5)は、前記容器(3)のための蓋を規定するように形成される、請求項1から4のいずれか1項に記載の機械。
【請求項6】
前記ディスペンサー(5)は、前記下方構造部(11)に向かって折り曲げられた外縁部(21)を備える、請求項5に記載の機械。
【請求項7】
前記フレーム(4)は、前記下方構造部(11)を支持する基部(14)と、前記基部(14)から延在しかつ前記上方構造部(10)を支持する垂直構造部(12)と、を備える、請求項1から6のいずれか1項に記載の機械。
【請求項8】
前記垂直構造部(12)における前記上方構造部(10)および前記下方構造部(11)に対して反対にあるバンドにより前記フレーム(4)内に配置されるボイラーを備える、請求項7に記載の機械。
【請求項9】
前記少なくとも1つの第1の開口部(35)と流体連通する蒸気分配パイプ(9)と、前記少なくとも1つの第2の開口部(38)と流体連通する熱湯分配パイプ(8)と、を備える、請求項1から8のいずれか1項に記載の機械。
【請求項10】
前記上方構造部(10)により支持されるディスプレイおよびインターフェースパネル(7)を備える、請求項1から9のいずれか1項に記載の機械。
【請求項11】
容器内で所定量のパスタを調理するためのシステムであって、前記システム(1)は、
- 請求項1から10のいずれか1項に記載の機械(2)と、
- 頂開口部(25)を有する容器(3)と、
を備える、システム。
【請求項12】
前記容器(3)は、底壁(23)と、側壁(24)と、前記底壁(23)の反対にあり、かつ縁部(26)により境界付けられる前記頂開口部(25)と、を備え、前記側壁(24)に属する2点間の最大距離は、前記底壁(23)と前記頂開口部(25)の前記縁部(26)との間の距離よりも大きく、特に、前記側壁(24)に属する2点間の最大距離は、前記底壁(23)と前記頂開口部(25)の前記縁部(26)との間の距離の2倍よりも大きい、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
防水加工されたボール紙で作られた複数の容器(3)を備える、請求項11または12に記載のシステム。
【請求項14】
前記システムは、複数のパッケージ(43)を備え、前記複数のパッケージ(43)のそれぞれは、前記所定量のパスタ(P)を貯蔵および輸送するように構成され、かつ容器(3)と、所定量のパスタ(P)と、前記容器(3)内の前記所定量のパスタ(P)を密封してシールする少なくとも1つの保護フォイル(44)と、を備える、請求項11から13のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項15】
前記パッケージ(43)の前記容器(3)は、前記所定量のパスタ(P)を調理するために、かつ前記所定量のパスタ(P)を食すために使用されるように構成される、請求項14に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
この特許出願は、2019年4月16日に出願された伊国特許出願番号第102019000005918号からの優先権を主張し、その開示全体は参照により本願に組み込まれる。
【0002】
[技術分野]
本発明は、所定量のパスタを調理するための機械に関する。
【0003】
特に、本発明は、容器内で所定量のパスタを調理するように構成された機械に関する。機械は、一般性を欠くことなく、例えばレストランまたはバーなどの食品サービス分野と自宅との両方で使用されるように構成される。
【背景技術】
【0004】
一般に、所定量のパスタを調理する機械は、蒸気発生器と、所定量のパスタを収容する容器内に蒸気を送るノズルと、を備える。
【0005】
特に、特許文献1は、蒸気発生器と、蒸気を供給するノズルを有するワンドと、を備える、容器内で食品を調理するための器具を開示している。
【0006】
特許文献2および特許文献3は、容器内に蒸気を導入することにより容器内で食品を調理する方法を教示している。
【0007】
現在知られている調理機械は、クイックサービス食品分野で要求される短い時間のうちに所定量のパスタを調理することができず、同時に、所定量のパスタの官能品質を維持することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】米国特許出願公開第2010/0151092号明細書
【文献】国際公開第2018/044160号
【文献】米国特許出願公開第2018/0199748号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、従来技術の欠点を低減し得る機械を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によると、頂開口部を有する容器内で所定量のパスタを調理するための機械が提供され、機械は、
- 上方構造部と、上方構造部に面する下方構造部と、を備えるフレームと、
- ディスペンサーであって、蒸気を送達するために少なくとも第1の開口部と、熱湯を送達するために少なくとも第2の開口部と、を備え、上方構造部により支持され、上方構造部と下方構造部との間の空間において、上方構造部から下方構造部に向かって長手方向軸に沿って延在する、ディスペンサーと、
- 基準要素であって、下方構造部により支持され、ディスペンサーに対応して容器の頂開口部を位置付けるように構成される、基準要素と、
を備える。
【0011】
本発明のおかげで、調理時間および品質を最適化するために、蒸気および熱湯を別々にまたは同時におよび/または任意の順序に従って送達することにより、所定量のパスタは、ディスペンサーの下に位置付けられた容器内で調理され得る。
【0012】
さらに、基準要素は、簡単に、迅速に、かつ反復可能に、容器が、ディスペンサーに対して所定の位置に位置付けられることを可能にする。ディスペンサーと容器との間の相対的な位置は、容器内の蒸気および熱湯のより良くより均一な分配を可能にし、所定量のパスタの均一な調理を得るという利点を有する。
【0013】
非常に短い調理時間を考慮すると、蒸気および熱湯の均一な分配は、均一な調理を得るために、非常に重要である。
【0014】
特に、下方構造部は、容器を支持するように構成される支持壁を備え、前記基準要素は、支持壁に固定される。
【0015】
このように、容器は、ディスペンサーの下の支持壁上の所定の位置に位置付けられ得る。
【0016】
特に、支持壁は長手方向軸に沿って移動可能である。
【0017】
このように、長手方向軸に沿って測定された、ディスペンサーと支持壁との間の相対的な距離を変更することが可能である。
【0018】
ディスペンサーは下向きに突出しているので、調理位置への容器の挿入は、ディスペンサーと干渉しないように支持壁を下向きに押すことを必要とする。
【0019】
より詳細には、下方構造部は、支持壁を長手方向軸に沿って移動させるガイド装置と、支持壁をディスペンサーに向かって押すように構成される少なくとも1つの弾性要素と、を備える。
【0020】
このように、ディスペンサーからの容器の距離は、機械的な方法で制御され得る。
【0021】
特に、少なくとも1つの弾性要素により支持壁に加えられる、長手方向軸に沿ってディスペンサーの方向に方向づけられる力は、長手方向軸に沿って測定された、ディスペンサーと支持壁との間の距離が増加するにつれて増加する。
【0022】
特に、ディスペンサーは、容器のための蓋を規定するように形成される。
【0023】
このように、ディスペンサーは、蓋としての役割も果たしており、その結果、ディスペンサーと容器との間の相対的な位置決めは、熱湯および蒸気が導入されかつ容器の外側の周囲圧力に対して軽い超過圧力に保たれた、閉鎖区画の規定を可能にする。
【0024】
閉鎖区画内の蒸気の圧力が高くなりすぎると、過剰な蒸気の放出を可能にするように容器と支持面とがわずかに下げられ、したがって、閉鎖区画内の圧力を低下させる。
【0025】
特に、ディスペンサーは、下方構造部に向かって折り曲げられた外縁部を備える。
【0026】
このように、ディスペンサーと容器との間の相対的な位置決めにより規定される閉鎖区画のシールが向上する。
【0027】
特に、フレームは、下方構造部を支持する基部と、基部から延在しかつ上方構造部を支持する垂直構造部と、を備える。
【0028】
このように、機械は、頑丈である。
【0029】
特に、機械は、垂直構造部における上方構造部および下方構造部に対して反対側でフレーム内に配置されるボイラーを備える。
【0030】
このように、機械のかさ容積の寸法は、縮小される。
【0031】
特に、機械は、少なくとも第1の開口部と流体連通する蒸気分配パイプと、少なくとも第2の開口部と流体連通する熱湯分配パイプと、を備える。
【0032】
このように、蒸気および熱湯は、独立して容器内に導入され得る。
【0033】
特に、機械は、上方構造部により支持されるディスプレイおよびインターフェースパネルを備える。
【0034】
このように、人間のオペレータは、調理パラメータを表示し手動で設定し得、調理パラメータは、例えば、容器への熱湯または蒸気の導入が行われる時間間隔、ならびに容器への熱湯および蒸気の導入の順序などを含む。
【0035】
本発明の別の課題は、容器内で所定量のパスタを調理するためのシステムを提供することであり、システムは、
- 上記の機械と、
- 頂開口部を有する容器と、
を備える。
【0036】
システムのおかげで、熱湯および蒸気は、別々に独立して、所定量のパスタを収容する容器内に導入され得る。
【0037】
特に、容器は、底壁と、側壁と、底壁の反対にあり、かつ縁部により区切られる頂開口部と、を備え、側壁に属する2点間の最大距離は、底壁と開口部の縁部との間の距離よりも大きく、特に、側壁に属する2点間の最大距離は、底壁と開口部の縁部との間の距離の2倍よりも大きい。
【0038】
このように、容器内に送達される熱湯および蒸気は、均一に分配され得る。
【0039】
より詳細には、所定量のパスタの調理を容易にするために、容器内に収容される所定量のパスタは、均一かつ広範囲に熱湯で濡らされ得る。
【0040】
特に、システムは、防水加工されたボール紙で作られた複数の容器を備える。
【0041】
このように、所定量のパスタは、パスタが調理されたのと同じ使い捨て容器から食べられ得る。
【0042】
特に、システムは、複数のパッケージを備え、複数のパッケージのそれぞれは、所定量のパスタを貯蔵および輸送するように構成され、かつ容器と、所定量のパスタと、容器内の所定量のパスタを密封してシールする少なくとも1つの保護フォイルと、を備える。
【0043】
このように、調理前に所定量のパスタを適量に分ける操作は、回避され、その結果として時間の面で節約し得る。
【0044】
特に、パッケージの容器は、所定量のパスタを調理するために、かつ所定量のパスタを食すために使用されるように構成される。
【0045】
このように、所定量のパスタは、同じ容器を使用して調理されかつ食べられ得、調理後に所定量のパスタを別の容器に移す必要がない。
【0046】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図を参照して、その非限定的な実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1】明確にするために部品が取外され、かつ簡略化された部品を有する、本発明による所定量のパスタを調理するためのシステムの斜視図である。
【
図2】
図1の所定量のパスタを調理するためのシステムの容器の側面図である。
【
図3】
図1の所定量のパスタを調理するためのシステムの機械の詳細部の斜視図である。
【
図4】明確にするために部品が取外された、動作構成における
図1のシステムのディスペンサーおよび容器の断面図である。
【
図5】明確にするために部品が取外された、
図4のディスペンサーの斜視図である。
【
図6】明確にするために部品が取外された、本発明のシステムによる所定量のパスタのためのパッケージの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1を参照すると、符号1は、全体として、所定量のパスタP(
図4)を調理するためのシステムを示す。
【0049】
システム1は、所定量のパスタPを調理するための機械2と、所定量のパスタP(
図4)を収容するように構成された容器3と、を備える。
【0050】
図4を参照すると、所定量のパスタPは、単一パスタ要素間に空間が存在するように容器3の内部に位置付けられた複数の単一パスタ要素を備える。
【0051】
図1を参照すると、機械2は、フレーム4と、ディスペンサー5と、基準要素6と、ディスプレイおよびインターフェースパネル7と、熱湯分配パイプ8と、蒸気分配パイプ9と、を備える。
【0052】
フレーム4は、上方構造部10と、上方構造部10に面する下方構造部11と、下方構造部11から延在しかつ上方構造部10を支持する垂直構造部12と、を備える。
【0053】
図1に示される例では、上方構造部10は、ディスペンサー5が突出する下方壁13を備える。下方構造部11は、ガイド装置15および支持壁16を支持する基部14を備え、支持壁16は、ディスペンサー5の下に容器3の支承および支持面を規定するように構成される。
【0054】
特に、支持壁16は、支持壁16が垂直に並進することを可能にするように弾性的に支持される。より詳細には、ガイド装置15は、角柱状に結合された2つの本体と、支持壁16を上向きに押す少なくとも1つの弾性要素17と、を備える。支持壁16の上方高さを制限する機能を果たす、添付の図には示されないストローク停止部が提供され得る。ストローク停止部がない場合、上方高さは、弾性要素17により規定される。
【0055】
図1に示される例では、複数の弾性要素17が示される。
【0056】
熱湯分配パイプ8および蒸気分配パイプ9は、ディスペンサー5に液圧的に接続され、ディスペンサー5は、上方構造部10と下方構造部11との間に含まれる空間において、支持壁16から下方壁13に向かって長手方向軸A1に沿って延在する。
【0057】
特に、ディスペンサー5は、機械2に一体である固定本体18と、ノズル本体19(
図4および
図5)と、蓋20と、を備え、蓋20は、下方構造部11に向かって折り曲げられた外縁部21を備え、ノズル本体19および容器3とともに、熱湯および蒸気が導入される閉鎖区画を区切るように構成される。
【0058】
支持壁16上の、およびディスペンサー5に対する容器3の所定の位置を決定するように、基準要素6は、支持壁16に一体であり、容器3の側方外形に従うように形成される。
【0059】
ディスプレイおよびインターフェースパネル7は、上方構造部10により支持されており、人間のオペレータが調理パラメータを表示し手動で設定し得るタッチスクリーン22を備え、調理パラメータは、例えば、容器3への熱湯または蒸気の導入が行われる時間間隔、ならびに容器3への熱湯および蒸気の導入の順序などを含む。
【0060】
図2を参照すると、容器3は、底壁23と、側壁24と、底壁23の反対にあり、かつ縁部26により区切られる頂開口部25と、を備え、底壁23に沿った側壁24に属する2点間の最大距離D1は、底壁23と頂開口部25の縁部26との間の距離D2よりも大きい。
【0061】
特に、底壁23に沿った側壁24の2点間の最大距離D1は、底壁23と頂開口部25の縁部26との間の距離D2の2倍よりも大きい。
【0062】
換言すると、容器3は、その高さの2倍よりも大きい水平寸法を有する。
【0063】
図2に示される例では、容器3は、円形の底壁23と、わずかにフレア状である側壁24と、を有する。この構成では、底壁23の直径は、底壁23と頂開口部25の縁部26との間の距離の2倍よりも大きい。
【0064】
図3を参照すると、基準要素6は、容器3の頂開口部25を、ディスペンサー5に対応して所定の位置に保つように構成される。
【0065】
特に、基準要素6は、半円周に沿って展開しており、容器3の底壁23の中心を長手方向軸A1と整列させて保つように構成される。
【0066】
換言すると、長手方向軸A1は、前記半円周の中心を通る。
【0067】
図4を参照すると、固定本体18は、長手方向軸A1と実質的に一致する軸A2に沿って延在する蒸気供給チャネル27と、長手方向軸A1に実質的に平行でありかつ軸A2から等間隔に離された2つのそれぞれの軸A3およびA4に沿って延在する2つの熱湯供給チャネル28と、を有する。
【0068】
固定本体18は、ノズル本体19に結合されかつ蒸気供給チャネル27の端部を区切るように構成された円筒壁を備える付属部29を有する。
【0069】
蒸気供給チャネル27は、蒸気分配パイプ9に液圧的に接続され、熱湯供給チャネル28は、熱湯分配パイプ8に液圧的に接続される。
【0070】
ノズル本体19は、長手方向軸A1の周りに展開しており、バヨネット結合による取外し可能に固定本体18に結合されるように形成された円筒壁30を備える。
【0071】
ノズル本体19は、長手方向軸A1に沿って延在する中央突起31を備える。
【0072】
固定本体18およびノズル本体19は、蒸気供給チャネル27と流体連通する中央チャンバ32と、チャンバ32の周りに配置されかつ2つの熱湯供給チャネル28と流体連通するチャンバ33と、を形成するように結合されている。
【0073】
特に、ノズル本体19は、中央突起31の延長部でありかつ付属部29の周りに配置された内側円筒壁34を備え、内側円筒壁34は、付属部29に結合され、液圧的にシールされるようにチャンバ32をチャンバ33から分離する。
【0074】
ノズル本体19は、容器3内に蒸気を送るための複数の開口部35を備え、開口部35は、中央突起31に沿って分布し、それぞれの軸に沿って延在する。
【0075】
特に、長手方向軸A1に沿ってかつ中央突起31の下端に対応して配置される少なくとも1つの開口部35は、長手方向軸A1に平行なそれぞれの軸に沿って延在するが、一方で、残りの開口部35は、長手方向軸A1の周りで、長手方向軸A1に対して傾斜したそれぞれの軸に沿って延在する。
【0076】
複数の開口部35は、チャンバ32と容器3とを液圧的に接続する。
【0077】
蒸気は、外側の周囲圧力よりも高い圧力で容器3内に導入される。より詳細には、本発明を限定しない好ましい実施形態によると、容器3内に導入される蒸気の圧力は、1.1barから3barの間、好ましくは1.1barから1.5barの間に含まれる。
【0078】
さらに、ノズル本体19は、中央突起31の周りで延在しかつ容器3内に熱湯を送るための複数の開口部38を有する壁36および壁37を備える。
【0079】
特に、いくつかの開口部38は、長手方向軸A1に平行なそれぞれの軸に沿って延在し、他の開口部38は、長手方向軸A1に対して傾斜したそれぞれの軸に沿って延在する。
【0080】
複数の開口部38は、チャンバ33と容器3とを液圧的に接続する。
【0081】
熱湯は、50℃を超える温度で容器3内に導入される。より詳細には、本発明を限定しない好ましい実施形態によると、容器3内に導入される熱湯の温度は、94℃から100℃の間、好ましくは96℃から98℃の間に含まれる。
【0082】
開口部35を備える中央突起31の自由端は、所定量のパスタにより占められる高さの下に配置される。
【0083】
蓋20は、ノズル本体19の周りに配置され、容器3を閉鎖するように構成される。換言すると、ディスペンサー5と容器3とは、所定量のパスタPを収容する実質的な閉鎖区画を形成するように結合される。
【0084】
特に、蓋20は、平坦でありかつ容器3の縁部26と接触して位置付けられるように構成された環状壁39と、容器3の周りに位置付けられるように構成された縁部壁40と、実質的に円筒形でありかつノズル本体19に結合されるように構成された接続壁41と、を備える。
【0085】
さらに、蓋20は、固定要素42によりノズル本体19に結合され、したがって、ノズル本体19から選択的に取外され得る。
【0086】
添付の図には示されない本発明の変形例では、蓋20は、ノズル本体19に一体に固定される。
【0087】
図5を参照すると、ノズル本体19の開口部35および38の分布を、はっきりと見ることができる。
【0088】
特に、開口部35は、中央突起31の自由端に対応して、長手方向軸A1の周りに分布する。
【0089】
長手方向軸A1に平行な軸を有する開口部38は、長手方向軸A1の周りで、中央突起31に隣接する壁36に沿って配置される。
【0090】
長手方向軸A1に対して傾斜した軸を有する開口部38は、長手方向軸A1の周りで、壁36および円筒壁30に隣接する傾斜壁37に沿って配置される。
【0091】
図6を参照すると、システム1は、複数のパッケージ43を備え、複数のパッケージ43のそれぞれは、それぞれの所定量のパスタを貯蔵および輸送するように構成され、かつ容器3と、所定量のパスタPと、容器3内の所定量のパスタPを密封してシールする少なくとも1つの保護フォイル44と、を備える。
【0092】
本明細書に示される例では、保護フォイル44は、閉鎖袋のように形成される。
【0093】
特に、容器3は、所定量のパスタPを調理するために、かつ所定量のパスタPを食べるために使用されるように構成される。
【0094】
使用中、保護フォイル44は、パッケージ43から取外され、容器3およびそれぞれの所定量のパスタPは、ディスペンサー5に結合される。
【0095】
図1を参照すると、蒸気および/または熱湯がディスペンサー5により送達される前に、支持壁16は、支持壁16に小さい圧力を加えることにより、下方壁13から離れる方に移動させられ、支持壁16は、弾性要素17の一時的な短縮を決定し、容器3をディスペンサー5の下に位置決めする間、維持される。
【0096】
前記位置決めは、容器3の側壁24の一部が基準要素6と接触するように、容器3を支持壁16上に位置付けることにより実行される。
【0097】
容器3の位置決めに続いて、支持壁16に加えられた小さい圧力が解放され、したがって、支持壁16上にある容器3をディスペンサー5に押し付ける弾性要素17の伸長を決定する。
【0098】
特に、容器3の縁部26は、蓋20に押し付けられ、容器3の頂開口部25の閉鎖を決定する。
【0099】
容器3内への蒸気の導入は、容器3内の超過圧力を決定し、容器3は、支持壁16のおかげで機械的に制御および制限され、支持壁16は、弾性要素17により支持され、ガイド装置15のおかげで摺動し得る。
【0100】
詳細には、蓋20、ノズル本体19、および底壁23に加えられかつ支持壁16を下方壁13から遠ざけて移動させる傾向がある力は、弾性要素17により支持壁16に加えられかつ下方壁13に向かって方向づけられる力により釣り合わされる。
【0101】
特に、容器3の内側の圧力が増加するにつれて、底壁23、蓋20、およびノズル本体19に加えられる力は、増加する。この力は、下方壁13と支持壁16との間の距離を増加させる傾向があり、したがって、容器3の縁部26と蓋20との間に、スリットを作り出し、スリットから、外部環境に対して超過圧力の蒸気が逃げ、容器3内の圧力の値を低下させる。
【0102】
容器3内の圧力の値が低下すると、弾性要素17により支持壁16に加えられかつ下方壁13に向かって方向づけられる力は、前記スリットを閉鎖するのに役立ち、したがって、容器3の縁部26と蓋20との間の接触を回復させる。
【0103】
特に、
図4を参照すると、容器3とディスペンサー5との間の相対的な位置決めと、容器3内に収容される所定量のパスタPへの複数の開口部35からの蒸気の送達と、容器3の内部に収容される所定量のパスタP上への複数の開口部38からの熱湯の送達と、は、所定量のパスタPにおける熱湯および蒸気の均一な散布を可能にする。
【0104】
所定量のパスタPが調理されると、容器3は、機械2から取外され、所定量のパスタPは、同じ容器3で食べられ得る。
【0105】
添付の特許請求の範囲の保護範囲から逸脱することなく、本発明に変形が加えられ得ることは明らかである。
【符号の説明】
【0106】
2…機械、3…容器、4…フレーム、5…ディスペンサー、6…基準要素、7…ディスプレイおよびインターフェースパネル、8…熱湯分配パイプ、9…蒸気分配パイプ、10…上方構造部、11…下方構造部、12…垂直構造部、14…基部、15…ガイド装置、16…支持壁、17…弾性要素、21…外縁部、23…底壁、24…側壁、25…頂開口部、26…縁部、35…第1の開口部、38…第2の開口部、43…パッケージ、44…保護フォイル、A1…長手方向軸、P…パスタ