(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-08
(45)【発行日】2024-08-19
(54)【発明の名称】蓋体を備えたエアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/40 20200101AFI20240809BHJP
A24F 40/51 20200101ALI20240809BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/51
(21)【出願番号】P 2021564272
(86)(22)【出願日】2020-04-30
(86)【国際出願番号】 EP2020062065
(87)【国際公開番号】W WO2020225102
(87)【国際公開日】2020-11-12
【審査請求日】2023-02-02
(32)【優先日】2019-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2019-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100186613
【氏名又は名称】渡邊 誠
(72)【発明者】
【氏名】メイソン,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】リエル,ネイサン
(72)【発明者】
【氏名】プレブニク,マルコ
【審査官】柳本 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第207383538(CN,U)
【文献】中国実用新案第206687163(CN,U)
【文献】特表2022-522781(JP,A)
【文献】特開2021-023137(JP,A)
【文献】中国実用新案第208783785(CN,U)
【文献】国際公開第2018/122177(WO,A1)
【文献】中国実用新案第207613193(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/40
A24F 40/51
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置(100)であって、
エアロゾル基質(148)が前記エアロゾル発生装置内に受け入れられる開口(104)を有する本体(102)と、
蓋体(106)が前記開口(104)を覆う閉鎖位置と前記開口(104)が前記蓋体(106)によって実質的に塞がれない開放位置との間で前記開口(104)に対して移動可能な前記蓋体(106)と、
前記蓋体(106)を前記閉鎖位置と前記開放位置との間の第1の位置範囲から前記閉鎖位置に向けて付勢し且つ前記蓋体(106)を前記閉鎖位置と前記開放位置との間の第2の位置範囲から前記開放位置に向けて付勢するように構成された弾性要素(114)であって、前記蓋体(106)の前記第1の位置範囲は、前記第2の位置範囲よりも前記閉鎖位置に近接し、且つ前記蓋体(106)の前記第2の位置範囲は、前記第1の位置範囲よりも前記開放位置に近接し、前記弾性要素(114)の第1の端部(116)は、前記蓋体(106)と協働して前記蓋体(106)が前記閉鎖位置にあるときの第1の位置と前記蓋体(106)が前記開放位置にあるときの第2の位置との間で第1の方向(D)に移動するように構成され、前記弾性要素(114)は、前記弾性要素(114)の前記第1の端部(116)が前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動するときに付勢を与えるように前記蓋体(106)に対して前記本体(102)に向かう及び/又は前記本体(102)から離れる、前記第1の方向(D)を横断する前記第2の方向(E)に変形するような向きに配置される、前記弾性要素(114)と
を含
み、
前記蓋体(106)は、前記エアロゾル発生装置(100)が作動信号を開始するように動作可能である作動位置に更に移動可能である、エアロゾル発生装置(100)。
【請求項2】
前記第1の位置範囲は、前記第2の位置範囲に実質的に隣接する、請求項1に記載のエアロゾル発生装置(100)。
【請求項3】
前記弾性要素(114)は、前記閉鎖位置から離れる前記蓋体(106)の移動に抵抗するように構成される、請求項1又は2に記載のエアロゾル発生装置(100)。
【請求項4】
前記弾性要素(114)は、前記蓋体(106)が前記第1の位置範囲にあるときに前記閉鎖位置から離れる移動に抵抗するように構成される、請求項3に記載のエアロゾル発生装置(100)。
【請求項5】
前記弾性要素(114)は、前記開放位置から離れる前記蓋体(106)の移動に抵抗するように構成される、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置(100)。
【請求項6】
前記弾性要素(114)は、前記蓋体(106)が前記第2の位置範囲にあるときに前記開放位置から離れる移動に抵抗するように構成される、請求項5に記載のエアロゾル発生装置(100)。
【請求項7】
前記蓋体(106)は、前記閉鎖位置及び前記開放位置の各々において安定している、請求項1に記載のエアロゾル発生装置(100)。
【請求項8】
前記弾性要素(114)は、前記弾性要素(114)の前記第1の端部(116)が前記第1の位置にあるときに前記閉鎖位置から離れる移動に抵抗する付勢力を与えるように構成され、且つ前記弾性要素(114)は、前記弾性要素(114)の前記第1の端部(116)が前記第2の位置にあるときに前記開放位置から離れる移動に抵抗する付勢力を与えるように構成される、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置(100)。
【請求項9】
前記弾性要素(114)は、ば
ねである、請求項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置(100)。
【請求項10】
前記弾性要素(114)は、前記開口(104)によって画定された平面から外れた方向、前記開口(104)の軸線(A-A)と整合された方向、及び/又は前記エアロゾル基質(148)が受け入れられる方向(B)と整合された方向のうちの少なくとも一方向に変形するように構成される、請求項1~9のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、蓋体を有するエアロゾル発生装置に関する。蓋体は、閉鎖位置と開放位置との間で移動可能であるように構成され得る。本開示は特に、排他的ではないが、自己完結型且つ低温であり得る、携帯型エアロゾル発生装置に適用可能である。そのような装置は、タバコ又は他の好適な材料を、燃やすよりはむしろ、伝導、対流、及び/又は放射によって加熱して吸入用のエアロゾルを発生させ得る。
【背景技術】
【0002】
(気化器としても知られる)リスク低減装置又はリスク修正装置の人気と使用は、紙巻きタバコ、葉巻、シガリロ、及びローリングタバコなどの従来のタバコ製品の喫煙を止めようと望む常習的喫煙者を支援するための手助けとして、ここ数年で急速に成長してきた。従来のタバコ製品のようにタバコを燃やすのとは対照的に、エアロゾル基質を加熱又は攪拌して吸入用のエアロゾル及び/又は蒸気を生成する様々な装置及びシステムが利用可能である。
【0003】
1つのタイプのリスク低減装置又はリスク修正装置は、加熱式基質エアロゾル発生装置、又は加熱非燃焼式装置である。このタイプの装置は、固体エアロゾル基質、典型的には湿った葉タバコを、典型的には150℃~300℃の範囲の温度に加熱することによってエアロゾル及び/又は蒸気を発生させる。エアロゾル基質を燃焼させる又は燃やすのではなく加熱することによって、ユーザが求める成分を含むが、燃焼及び燃やすことによる有毒で発癌性の副生成物は含まないエアロゾル及び/又は蒸気が放出される。更に、エアロゾル基質、例えばタバコを加熱することによって生成されたエアロゾル及び蒸気は、典型的には、ユーザにとって不快であり得る、燃焼させる及び燃やすことで生じる焦げた味又は苦い味を含まない。このことは、エアロゾル基質が、典型的には煙及び/又は蒸気をユーザにとってより口当たりの良いものにするために従来のタバコ製品のタバコに加えられる糖又は他の添加物を必要としないことを意味する。
【0004】
既存のエアロゾル発生装置は使いにくい可能性があり、且つ所要の構成要素は利便性に欠ける可能性がある。例えば、使用のためにエアロゾル基質が提供される装置の領域を保護できるカバーを設けることが役立つ。このカバーを装置のユーザが頻繁に動かすので、利便性に欠けるカバーは望ましくない。
【0005】
欧州特許第3003073B1号明細書では、長尺の電子ニコチン供給システム又は他の風味付け蒸気供給システム用の容器が説明されている。容器は、閉鎖位置において蓋がインサートにおける第1の開口部及び補助開口部を覆うように本体に枢動可能に取り付けられる蓋を有する。
【0006】
中国実用新案第206687163号明細書は、ケーシング上に移動可能に装着され且つ第1の位置と第2の位置との間で移動可能であるように構成されたカバー本体を含む、低温喫煙物品を説明している。トリガスイッチは、電源回路を作動又は導通させるために設けられる。
【0007】
従来技術の公報のどちらにおいても、蓋は簡単なものであり、蓋の移動を効果的に制御するための機構は開示されていない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の態様は、添付の特許請求の範囲に記載される。
【0009】
本開示の第1の態様によれば、エアロゾル発生装置であって、
エアロゾル基質がエアロゾル発生装置内に受け入れられる開口を有する本体と、
蓋体が開口を覆う閉鎖位置と開口が蓋体によって実質的に塞がれない開放位置との間で開口に対して移動可能な蓋体と、
蓋体を閉鎖位置と開放位置との間の第1の位置範囲から閉鎖位置に向けて付勢し且つ蓋体を閉鎖位置と開放位置との間の第2の位置範囲から開放位置に向けて付勢するように構成された弾性要素であって、蓋体の第1の位置範囲は、第2の位置範囲よりも閉鎖位置に近接し、且つ蓋体の第2の位置範囲は、第1の位置範囲よりも開放位置に近接し、弾性要素の第1の端部は、蓋体と協働して蓋体が閉鎖位置にあるときの第1の位置と蓋体が開放位置にあるときの第2の位置との間で第1の方向に移動するように構成され、弾性要素は、第1の端部が第1の位置と第2の位置との間で移動するときに付勢を与えるように蓋体に対して本体に向かう及び/又は本体から離れる、第1の方向を横断する第2の方向に変形するような向きに配置される、弾性要素と
を含む、エアロゾル発生装置が提供される。
【0010】
説明する構成によって弾性要素が蓋体を開放位置と閉鎖位置の両方に付勢することが可能となり得ることが理解されるであろう。その上、ケーシングに向かって又はケーシングから離れるように変形するように弾性部材を構成することによって、弾性部材は、典型的には、ユーザが蓋体と相互作用するときに蓋体をユーザの手に向けて又は手から離れるように押しやる傾向がある。これにより、蓋体の感触が著しく改善され、且つ/又は、例えば、粗悪な製造公差などに起因する、蓋体の望ましくない移動自由度等が打ち消され得る。
【0011】
任意選択的に、第1の位置範囲は、第2の位置範囲に隣接するか又は実質的に隣接する。
【0012】
任意選択的に、弾性要素は、閉鎖位置から離れる移動に抵抗するように構成される。任意選択的に、弾性要素は、蓋体が第1の位置範囲にあるときに閉鎖位置から離れる移動に抵抗するように構成される。
【0013】
任意選択的に、弾性要素は、開放位置から離れる移動に抵抗するように構成される。任意選択的に、弾性要素は、蓋体が第2の位置範囲にあるときに開放位置から離れる移動に抵抗するように構成される。
【0014】
任意選択的に、蓋体は、閉鎖位置及び開放位置の各々において安定している。
【0015】
任意選択的に、弾性要素は、第1の端部が第1の位置にあるときに閉鎖位置から離れる移動に抵抗する付勢力を与えるように構成され、且つ/又は弾性要素は、第1の端部が第2の位置にあるときに開放位置から離れる移動に抵抗する付勢力を与えるように構成される。
【0016】
任意選択的に、弾性要素は、ばね、好ましくはねじりばね、より好ましくはねじりコイルばねであり、例えば、弾性要素は、ばね、ねじりばね又はねじりコイルばねの少なくとも1つである。
【0017】
任意選択的に、弾性要素は、開口によって画定された平面から外れた方向に変形するように構成される。
【0018】
任意選択的に、弾性要素は、開口の軸線と整合された方向及び/又はエアロゾル基質が受け入れられる方向と整合された方向に変形するように構成される。
【0019】
任意選択的に、弾性要素の第1の端部は、蓋体に取り付けられる。
【0020】
任意選択的に、弾性要素の第2の端部は、本体に取り付けられる。
【0021】
任意選択的に、エアロゾル発生装置はガイドを含み、弾性要素の第1の端部、及び/又は弾性要素の第1の端部と相互作用する構成要素は、弾性要素の第1の端部を第1の位置と第2の位置との間で移動させるようにガイドに沿って移動するように構成される。好ましくは、ガイドは、円弧状案内経路又は直線経路を有する。好ましくは、ガイドに沿った弾性要素の第1の端部の移動方向は、本体に対して接線方向である。
【0022】
任意選択的に、閉鎖位置から開放位置への蓋体の移動方向は、本体に対して接線方向である。
【0023】
任意選択的に、閉鎖位置から開放位置への蓋体の移動方向は、例えば、本体に向かう又は本体から離れる、本体の方向にある。
【0024】
任意選択的に、弾性要素は、第1の端部をガイドの側部に向けて付勢するように構成される。好ましくは、側部は、蓋体から最も遠く離れた又は蓋体に最も近接する側部である。
【0025】
任意選択的に、弾性要素は、弾性要素の第1の端部を本体から離れるように蓋体に向けて直接押しやるように構成される。
【0026】
任意選択的に、弾性要素は、弾性要素の第1の端部を蓋体から離れるように本体に向けて直接付勢するように構成される。
【0027】
任意選択的に、弾性要素は、弾性要素の第1の端部が第1の位置と第2の位置との中間にあるときに最大限に変形するように構成される。
【0028】
任意選択的に、弾性要素は、弾性要素の第1の端部が第1の位置と第2の位置との中間からずれた位置にあるときに最大限に変形するように構成される。
【0029】
任意選択的に、蓋体は、エアロゾル発生装置が作動信号を開始するように動作可能である作動位置に更に移動可能である。
【0030】
任意選択的に、蓋体は、作動位置に達するように摺動可能である。
【0031】
任意選択的に、蓋体は、開放位置から、エアロゾル発生装置が作動信号を開始するように動作可能である作動位置に更に移動可能であり、弾性要素は、蓋体が開放位置から作動位置に移動するにつれて変形するように構成される。
【0032】
任意選択的に、弾性要素の第1の端部は、第2の位置と第3の位置との間で移動可能であるように構成され、第3の位置では、蓋体は作動位置にある。
【0033】
任意選択的に、弾性要素の第1の端部は、変形方向に平行な方向に第2の位置と第3の位置との間で移動可能であるように構成される。
【0034】
任意選択的に、開放位置から作動位置への蓋体の更なる移動方向は、閉鎖位置と開放位置との間の蓋体の移動方向を横断する。
【0035】
任意選択的に、開放位置から作動位置への蓋体の更なる移動方向は、エアロゾル発生装置に向かう方向である。
【0036】
任意選択的に、開放位置から作動位置への蓋体の更なる移動方向は、閉鎖位置から開放位置への蓋体の摺動方向と同じであり、作動位置は、閉鎖位置に対して開放位置を越えた箇所にある。
【0037】
任意選択的に、エアロゾル発生装置は、作動ガイドであって、それに沿って第2の位置から第3の位置への第1の端部の更なる移動が行われる作動ガイドを含む。
【0038】
任意選択的に、ガイド及び作動ガイドは各々、ガイド及び作動ガイドが互いに隣接する接合点から延び、接合点は開放位置に関連付けられる。
【0039】
任意選択的に、エアロゾル発生装置は、作動信号を開始するために、作動位置への蓋体の移動を検出するように構成された作動検出器を含む。
【0040】
任意選択的に、エアロゾル発生装置は、蓋体が閉鎖位置から開放位置に到達したときに状態信号を開始するために、閉鎖位置から開放位置への蓋体の移動を検出するように構成された開放検出器を含む。
【0041】
任意選択的に、作動検出器及び開放検出器の少なくとも一方は、押しボタン、割出し歯車、電気接点、ホール効果センサ、光学センサ、スイッチ、撓みセンサ、歪みゲージ、誘導センサ又は超音波センサである。
【0042】
任意選択的に、変形するような向きに配置される弾性要素は、圧縮されるように構成される弾性要素を含む。
【0043】
任意選択的に、変形するような向きに配置される弾性要素は、伸張するように構成される弾性要素を含む。
【0044】
任意選択的に、蓋体は、装置が第2の作動信号を開始するように動作可能である第2の作動位置に更に移動可能である。蓋体は、開放位置から第2の作動位置に、閉鎖位置から第2の作動位置に、又は作動位置から第2の作動位置に移動可能であり得る。任意選択的に、第2の作動位置は、作動位置とは異なる場所にある。
【0045】
任意選択的に、蓋体は、開放位置、閉鎖位置及び/又は作動位置から複数の異なる作動位置に移動可能である。蓋体は、開放位置と複数の開放作動位置との間、閉鎖位置と複数の閉鎖作動位置との間及び/又は作動位置と複数の更なる作動位置との間で移動可能であり得る。
【0046】
任意選択的に、蓋体は、第2の作動位置及び/又は複数の作動位置の各作動位置に達するように摺動可能である。
【0047】
任意選択的に、開放位置から第2の作動位置への蓋体の更なる移動方向は、エアロゾル発生装置の本体に向かう方向である。
【0048】
任意選択的に、開放位置から第2の作動位置への蓋体の更なる移動方向は、閉鎖位置から開放位置への蓋体の移動方向と同じである。
【0049】
任意選択的に、開放位置から第2の作動位置への蓋体の更なる移動方向は、閉鎖位置と開放位置との間の蓋体の移動方向を横断する
【0050】
任意選択的に、装置は、複数の作動位置の各々に対して異なる作動信号を開始するように構成される。
【0051】
任意選択的に、蓋体は、第2の作動位置及び/又は複数の作動位置の1つ若しくは複数から離れるように付勢される。任意選択的に、弾性要素は、蓋体を第2の作動位置及び/又は複数の作動位置の1つ若しくは複数から離れるように付勢するように構成される。任意選択的に、エアロゾル発生装置は、蓋体を第2の作動位置から離れるように付勢するように構成された第2の弾性要素を含む。
【0052】
任意選択的に、弾性要素は、作動位置、第2の作動位置、及び/又は複数の作動位置のうちの2つ以上に対して異なる付勢力が生じるように構成される。
【0053】
任意選択的に、弾性要素の第1の端部は、第1の構成要素に装着され、且つ弾性要素の第2の端部は、第2の構成要素に装着され、第1の構成要素の少なくとも一部は、第2の構成要素によって画定された容積内に位置する。
【0054】
任意選択的に、第2の構成要素は、第1の部分と第2の部分とを含み、第1の部分及び第2の部分は互いに嵌合するように構成される。好ましくは、第1の部分及び第2の部分は、第1の構成要素の周囲で互いに嵌合するように構成される。
【0055】
任意選択的に、弾性要素の第1の端部は、第1の構成要素によって画定された空洞内に嵌合するように構成される。任意選択的に、弾性要素の第2の端部は、第2の構成要素によって画定された空洞内に嵌合するように構成される。
【0056】
任意選択的に、第2の構成要素はガイドを含み、第1の構成要素の突出部は、蓋体を閉鎖位置と開放位置との間で移動させるときにガイドに沿って移動するように構成される。好ましくは、ガイドは、円弧状案内経路又は直線経路を有する。
【0057】
任意選択的に、弾性要素は、弾性要素の第1の端部をガイドの側部に向けて付勢するように構成され、側部は、蓋体から最も遠く離れた又は蓋体に最も近接する側部である。好ましくは、弾性要素は、弾性要素の第1の端部を本体から離れるように蓋体に向けて直接押しやるように構成される。
【0058】
任意選択的に、蓋体は、開放位置から、エアロゾル発生装置が作動信号を開始するように動作可能である作動位置に更に移動可能である。好ましくは、弾性要素は、蓋体が開放位置から作動位置に移動するにつれて変形するように構成される。
【0059】
任意選択的に、第1の構成要素の突出部は、蓋体が開放位置と作動位置との間で移動するときにセンサガイドに沿って移動するように構成される。
【0060】
任意選択的に、第1の部分の構成要素は、蓋体が開放位置と作動位置との間で移動するときに作動検出器と相互作用するように構成される。
【0061】
本開示の第2の態様によれば、
本体であって、エアロゾル基質がエアロゾル発生装置内に受け入れられる開口を有する本体と、
蓋体であって、蓋体が開口を覆う閉鎖位置と開口が蓋体によって実質的に塞がれない開放位置との間で開口に対して移動可能である蓋体と、
弾性要素であって、弾性要素は、蓋体を閉鎖位置と開放位置との間の第1の位置範囲から閉鎖位置に向けて付勢し且つ蓋体を閉鎖位置と開放位置との間の第2の位置範囲から開放位置に向けて付勢するように構成され、蓋体の第1の位置範囲は、第2の位置範囲よりも閉鎖位置に近接し、且つ蓋体の第2の位置範囲は、第1の位置範囲よりも開放位置に近接する、弾性要素と
を有するエアロゾル発生装置を動作させる方法であって、
弾性要素の第1の端部を第1の位置と第2の位置との間で第1の方向に移動させることであって、蓋体は、第1の端部が第1の位置にあるときの閉鎖位置と第1の端部が第2の位置にあるときの開放位置との間で移動するように構成される、移動させることを含み、
弾性要素は、第1の端部が第1の位置と第2の位置との間で移動するときに付勢を与えるように蓋体に対して本体に向かう及び/又は本体から離れる、第1の方向を横断する第2の方向に変形するような向きに配置される、
方法が提供される。
【0062】
上記の態様の各々は、上記の他の態様に関して述べた任意の1つ又は複数の特徴を含み得る。
【0063】
本開示は、本明細書において説明及び/又は例示する任意の新規な態様又は特徴に及ぶ。本開示の更なる特徴は、他の独立請求項及び従属請求項によって特徴付けられる。
【0064】
「機器」、「装置」、「プロセッサ」、「モジュール」などの単語の使用は、具体的であるよりはむしろ一般的であるように意図されている。本開示のこれらの特徴は、コンピュータ又は中央処理装置(CPU)などの、個々の構成要素を使用して実施され得るが、他の好適な構成要素又は構成要素の組み合わせを使用して等しく良好に実施することができる。例えば、これらの特徴は、1つ又は複数のハードワイヤード回路、例えば集積回路を使用して、及び組み込みソフトウェアを使用して実施することができる。
【0065】
本明細書で使用される「含む(comprising)」という用語は、「から少なくとも部分的になる(consisting at least in part of)」を意味することに留意されたい。そのため、「含む(comprising)」という用語を含む、本明細書における記載を解釈する場合、この用語が前置きされた単数又は複数の特徴以外の特徴も存在し得る。「含む(comprise)」及び「含む(comprises)」などの関連用語も、同じように解釈されるべきである。本明細書で使用される場合、名詞の後に続く「(s)」は、名詞の複数形及び/又は単数形を意味する。
【0066】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル」という用語は、ミスト、霧、又は煙など、空気又はガス中に分散された粒子系を意味するものとする。よって、「エアロゾル化する(aerosolise)」(又は「エアロゾル化する(aerosolize)」)という用語は、エアロゾルにすること、及び/又はエアロゾルとして分散させることを意味する。エアロゾル/エアロゾル化するという意味は、上記で定義した揮発する、噴霧する、及び気化させる、の各々と整合することに留意されたい。誤解を回避するために、エアロゾルは、噴霧された、揮発された、又は気化された粒子を含むミスト又は液滴を一貫して説明するために使用される。エアロゾルはまた、噴霧された、揮発された、又は気化された粒子の任意の組み合わせを含むミスト又は液滴も含む。
【0067】
ここで、好ましい実施形態を、ほんの一例として、添付の図面を参照して以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【
図1】エアロゾル発生装置の第1の実施形態の概略斜視図である。
【
図2】本開示の第1の実施形態によるエアロゾル発生装置の蓋体の構成要素図である。
【
図3a】蓋体が閉鎖位置にある、蓋体の第1の実施形態の側面からの概略断面図である。
【
図3b】蓋体が開放位置にある、蓋体の第1の実施形態の側面からの概略断面図である。
【
図3c】蓋体が、任意選択的に与えられる、作動位置にある、蓋体の第1の実施形態の側面からの概略断面図である。
【
図3d】蓋体が作動位置にある、蓋体の第1の実施形態の側面からの別の概略断面図である。
【
図4】使用中のエアロゾル発生装置の第1の実施形態の構成を示す。
【
図5】本開示の第1の実施形態の一部を形成する弾性要素の動作を図示する。
【
図6】本開示の第2の実施形態によるエアロゾル発生装置の蓋体の構成要素図である。
【
図7a】蓋体が閉鎖位置にある、蓋体の第2の実施形態の側面からの概略断面図である。
【
図7b】蓋体が開放位置にある、蓋体の第2の実施形態の側面からの概略断面図である。
【
図7c】蓋体が作動位置にある、蓋体の第2の実施形態の側面からの概略断面図である。
【
図7d】蓋体が作動位置にある、蓋体の第2の実施形態の側面からの別の概略断面図である。
【
図8】蓋体の第3の実施形態の側面からの断面図である。
【
図9】本開示の第4の実施形態によるエアロゾル発生装置の蓋体の構成要素図である。
【
図10a】蓋体が閉鎖位置にある、蓋体の第4の実施形態の側面からの概略断面図である。
【
図10b】蓋体が開放位置にある、蓋体の第4の実施形態の側面からの概略断面図である。
【
図10c】蓋体が作動位置にある、蓋体の第4の実施形態の側面からの概略断面図である。
【
図10d】蓋体が作動位置にある、蓋体の第4の実施形態の側面からの別の概略断面図である。
【
図11】本開示の第5の実施形態によるエアロゾル発生装置の蓋体の構成要素図である。
【
図12a】蓋体が閉鎖位置にある、蓋体の第5の実施形態の側面からの概略断面図である。
【
図12b】蓋体が開放位置にある、蓋体の第5の実施形態の側面からの概略断面図である。
【
図12c】蓋体が作動位置にある、蓋体の第5の実施形態の側面からの概略断面図である。
【
図12d】蓋体が作動位置にある、蓋体の第5の実施形態の側面からの別の概略断面図である。
【
図13】本開示の第6の実施形態によるエアロゾル発生装置の蓋体の構成要素図である。
【
図14a】蓋体が閉鎖位置にある、蓋体の第6の実施形態の側面からの概略断面図である。
【
図14b】蓋体が開放位置にある、蓋体の第6の実施形態の側面からの概略断面図である。
【
図14c】蓋体が作動位置にある、蓋体の第6の実施形態の側面からの概略断面図である。
【
図14d】蓋体が作動位置にある、蓋体の第6の実施形態の側面からの別の概略断面図である。
【
図16a】蓋体の様々な実施形態で使用可能なセンサの図である。
【
図16b】蓋体の様々な実施形態で使用可能なセンサの図である。
【
図16c】蓋体の様々な実施形態で使用可能なセンサの図である。
【
図16d】蓋体の様々な実施形態で使用可能なセンサの図である。
【
図17】エアロゾル発生装置の第7の実施形態の概略斜視図である。
【
図18】エアロゾル発生装置の第8の実施形態の概略斜視図である。
【
図19】エアロゾル発生装置の第9の実施形態の概略斜視図である。
【
図20】様々な組立段階における蓋体の第9の実施形態の蓋体の構成要素図である。
【
図21】様々な組立段階における蓋体の第9の実施形態の蓋体の構成要素図である。
【
図22】様々な組立段階における蓋体の第9の実施形態の蓋体の構成要素図である。
【
図23】様々な組立段階における蓋体の第9の実施形態の蓋体の構成要素図である。
【発明を実施するための形態】
【0069】
第1の実施形態
図1を参照すると、本開示の第1の実施形態によれば、エアロゾル発生装置100は、エアロゾル発生装置100の様々な構成要素を収容する本体102を含む。本体102は、エアロゾル発生装置100において説明する構成要素に嵌合するような大きさとされる限り、任意の形状とすることができる。本体102は、任意の好適な材料、又は実際には材料の層で形成することができる。
【0070】
図1の頂部側に示す、蓋体106の近傍の端部であるエアロゾル発生装置100の第1の端部は、便宜上、エアロゾル発生装置100の頂部又は上端部として説明される。
図1の底部側に示す、蓋体106から遠く離れた端部であるエアロゾル発生装置100の第2の端部は、便宜上、エアロゾル発生装置100の底部、基部又は下端部として説明される。エアロゾル発生装置100の頂部からエアロゾル発生装置100の底部への移動は、便宜上、下方への移動として説明され、その一方で、エアロゾル発生装置100の底部からエアロゾル発生装置100の頂部への移動は、便宜上、上方への移動として説明される。使用中、ユーザは、典型的には、エアロゾル発生装置100を、第1の端部を下向きに及び/又はユーザの口に対して先端位置に、並びに第2の端部を上向きに及び/又はユーザの口に対して近接位置に向ける。
【0071】
エアロゾル発生装置100は、エアロゾル発生装置100の第1の端部側に位置する加熱チャンバ108を含む。加熱チャンバ108の一端部には、本体102を貫通する開口104が設けられる。開口104は、本体102の外側から加熱チャンバ108へのアクセスを提供し、その結果、エアロゾル基質が、開口104を通して加熱チャンバ108に入れられる。
【0072】
加熱チャンバ108が本体102に近接する、開口104では、加熱チャンバ108を所定の位置に装着するために、ワッシャなどの、1つ又は複数の間隔保持要素が設けられる。間隔保持要素は、加熱チャンバ108から本体への熱伝導を低減する。典型的には、それ以外の場所では、加熱チャンバ108を取り囲む空隙が生じ、その結果、間隔保持要素を介しての熱伝達以外の、加熱チャンバ108から本体102への熱伝達も低減される。
【0073】
加熱チャンバ108の断熱性を更に高めるために、加熱チャンバ108も絶縁体で取り囲まれる(図示せず)。いくつかの実施形態では、絶縁体は、繊維状材料又は発泡材料、例えばウールである。いくつかの実施形態では、絶縁体は、空洞を間に囲む一対の入れ子になった管又はカップを含む。空洞には、断熱材料、例えば、繊維、発泡体、ゲル、又は(例えば、低圧の)ガスを充填することができ、且つ/又は空洞は真空を有し得る。有利には、真空は、高い断熱性を達成するのに非常に小さい厚みしか必要としない。
【0074】
開口104は、典型的には、軸線A-Aを中心とする円形開口である。軸線A-Aが開口104の中心を通過する場合、任意の形状の開口、例えば正方形又は三角形の開口が使用され得ることが理解されるであろう。軸線A-Aは、開口104によって形成された平面、例えば開口104が位置する平面に直交する軸線とみなすことができる。より具体的には、2次元形状、典型的には円形は、開口104の方を向いて見たときの開口104の周縁部から形成することができる。この2次元形状は、開口104によって画定された平面である、平面上に位置する。
【0075】
加熱チャンバ108は、典型的には、深絞りによって形成される。深絞りは、加熱チャンバ108を形成するための効果的な方法であり、薄い側壁を設けるために使用することができる。深絞り工程は金属薄板ブランクをパンチツールで加圧成形して成形ダイの中へと押し込むことを含む。一連の徐々に小さくなるパンチツールとダイを使用することによって、管状構造が形成され、この管状構造は、一端部に基部を有するとともに、管を横断する距離よりも大きい深さの管を有する(管が幅よりも相対的に大きい長さを有することから、「深絞り」という用語になっている)。同様に、この方法で形成された基部は、最初の金属薄板ブランクと同じ厚さである。フランジは、管状壁の基部とは反対側の端部において外向きに延びる、元の金属薄板ブランクの周縁部を残すことによって(すなわち、管及び基部を形成するのに必要な量よりも多くの材料をブランクに含めて開始して)、管の端部に形成することができる。代替的に、フランジは後で、切断、曲げ、圧延、延伸などのうちの1つ又は複数を含む別個のステップで形成することができる。深絞りによって形成される加熱チャンバ108によって、深絞り工程中に形成される開口104が得られる。
【0076】
エアロゾル発生装置100は、少なくとも、材料が加熱チャンバ108内に入ることができないように蓋体が開口104を塞いでいる閉鎖位置と、加熱チャンバ108へのアクセスを可能にするために開口104が覆われていない開放位置との間で移動可能であるように構成された蓋体106を含む。蓋体106は、外部カバー112を含み得、外部カバー112は、エアロゾル発生装置100の本体102の外部に設けられ、それにより、ユーザとの相互作用のために利用可能である。エアロゾル発生装置100は、蓋体106が移動するにつれて変形するように構成された弾性要素114を含み、且つ弾性要素114の第1の端部116が沿って移動するように構成されるガイド120を含む。
【0077】
蓋体106は、典型的には、本体102に対して摺動することによって閉鎖位置と開放位置との間で移動可能であるように構成される。典型的には、弾性要素114の第1の端部116は、蓋体106が閉鎖位置と開放位置との間で摺動するときにガイド120に沿って移動する。いくつかの実施形態では、蓋体106は、閉鎖位置と開放位置との間で回転するように構成される。これらの実施形態では、回転は任意の平面内での回転であり得、例えば、回転は、開口104によって形成された平面内での回転であり得るか、又は開口104によって形成された平面に直交するか若しくはこの平面を横断する回転であり得る。
【0078】
典型的には、弾性要素114は、コイルばね又はねじりばねなどの、ばねである。ばねを弛緩位置から離れるように変形させると、ばねは、弾性要素114の第1の端部116と弾性要素114の第2の端部118とによって画定された軸線に沿って圧縮力又は伸張力を及ぼす。ばねによって及ぼされる力は変形に依存し、及ぼされる力の大きさは、弛緩位置からの変形の大きさが増加するにつれて増加する。
【0079】
弾性要素114の第1の端部116は、蓋体106を開放位置と閉鎖位置との間で移動させるときに蓋体106と相互作用して第1の位置と第2の位置との間で移動するように構成される。典型的には、弾性要素は、ガイド120に沿って第1の位置と第2の位置との間で移動するように構成される。弾性要素114の第2の端部118は、蓋体106が閉鎖位置から開放位置に移動するときに弾性要素114の第1の端部116が移動する、例えば回転するように、本体102に取り付けられる。ガイド120は、典型的には、第1の端部116がガイド120に沿って移動するにつれて弾性要素114の第1の端部116と第2の端部118との間の距離が変化し、そのため、弾性要素114が変形されて弾性要素114が第1の端部116に力を及ぼすように構成される。典型的には、これは、閉鎖位置から離れる蓋体106の変位に弾性要素114が抵抗するように、蓋体106が閉鎖位置から離れるように移動するにつれて圧縮される弾性要素114を含む。
【0080】
第2の端部118は、典型的には、本体102に装着される蓋体106の構成要素に取り付けられる。蓋体106が閉鎖位置から開放位置に移動するときに、第2の端部118が本体102に対して適所に固定され、その一方で、第1の端部116が本体102に対して移動するように、第2の端部118の装着によって、弾性要素114が及ぼす力と釣り合う力が及ぼされる。
【0081】
弾性要素114は、開放位置及び閉鎖位置が両方とも「安定」位置となるように構成される。例えば、蓋体106が開放位置又は閉鎖位置にあるときに蓋体106に作用する正味の力はゼロである。いくつかの実施形態では、閉鎖位置及び開放位置の各々において、弾性要素114は、弾性要素114が弾性要素114の第1の端部116又は第2の端部118に力を全く及ぼさないか、又は無視できる程度の力しか及ぼさないように、実質的に弛緩位置にある。典型的には、弾性要素114は、蓋体が閉鎖位置又は開放位置のいずれかにあるときに変形位置にあるように構成される。ここでは、弾性要素114は、蓋体が閉鎖位置又は開放位置のいずれかにあるときに力を及ぼす。弾性要素114によって及ぼされる力は、ガイド120の壁によって及ぼされる力と釣り合っている。換言すれば、開放位置及び閉鎖位置は、安定平衡位置である。これらの実施形態では、蓋体106を閉鎖位置及び開放位置のいずれかから変位させるのに閾値力が必要とされる。弾性要素114は、典型的には、偶発的な接触(例えば、ユーザのポケット内での位置ずれ)に起因して蓋体106がいずれかの位置から離れるように移動するのを防止するために閾値力が十分であるが、位置間での移動が困難であるほど高くならないように構成される。蓋体を安定位置のいずれかから離れるように移動させるのに必要な閾値力の典型的な値は、0.1N~10Nの範囲内、例えば3Nである。
【0082】
弾性要素114の第1の端部116が、第1の位置でも第2の位置でもない、ガイド120上の位置にあるときに、第1の端部116に正味の力が加わり、その結果、第1の端部116が、第1の位置及び第2の位置のうちの一方に向けて付勢され、蓋体106が、それに応じて、閉鎖位置及び開放位置のうちの一方に向けて付勢される。
【0083】
第1の端部116が第2の端部118の「左側」にあるときに、弾性要素114が、第1の端部を左方向に移動させるように作用する力を及ぼし、第1の端部116が第2の端部118の「右側」にあるときに、弾性要素114が、第1の端部116を右方向に移動させるように作用する力を及ぼすように、第1の端部116が付勢される方向は、第1の端部116と第2の端部118との相対位置によって決まる。弾性要素114は、蓋体106を閉鎖位置から開放位置に移動させるにつれて第1の端部116が第2の端部118に対して移動して弾性要素114によって及ぼされる力の方向が変化するように構成される。より具体的には、弾性要素は、弾性要素114によって及ぼされる力が蓋体106を閉鎖位置と開放位置との間の第1の位置範囲から閉鎖位置に向けて付勢し且つ蓋体106を閉鎖位置と開放位置との間の第2の位置範囲から開放位置に向けて付勢するように作用するように構成される。第1の位置範囲は、第2の位置範囲が閉鎖位置に近接するよりも閉鎖位置に近接する。同様に、第2の位置範囲は、第1の位置範囲が開放位置に近接するよりも開放位置に近接する。
【0084】
典型的には、弾性要素114は、第1の位置範囲が第2の位置範囲に実質的に隣接するように構成される。それゆえ、閉鎖位置と開放位置との間の蓋体の全ての位置(又は実質的に全ての位置)において、蓋体106は、閉鎖位置又は開放位置のいずれかに向けて付勢される。より具体的には、弾性要素114が蓋体106に正味の力を及ぼさないという意味において、第1の位置範囲と第2の位置範囲との間の部分(例えば、開放位置と閉鎖位置との間の途中)に位置する不安定平衡位置(又は領域)が存在し得る。この位置(又は領域)は通常、開放位置に向けての蓋体106の付勢と閉鎖位置に向けての蓋体106の付勢との間で弾性要素114が変化する、行程部分に生じる。不安定平衡領域は、任意の方向への小さい変位によって蓋体が不安定平衡領域から離れるように駆動される領域である。典型的には、弾性要素114は、そのような不安定平衡領域が可能な限り小さくなるように構成される。
【0085】
弾性要素114は、閉鎖位置と開放位置との間の蓋体106の実質的に各位置において、弾性要素114の変形の成分及び弾性要素114によって及ぼされる力の成分が蓋体106の移動方向にあるように構成される。弾性要素114は、蓋体106が閉鎖位置又は開放位置のいずれかにあるときに、この力の成分がそれぞれ閉鎖位置又は開放位置から離れる移動に抵抗するように構成される。弾性要素114は更に、弾性要素114の変形の成分、及び弾性要素114によって及ぼされる力の成分が、蓋体106の移動方向を横断するように構成される。この力の成分は、弾性要素114の第1の端部116をガイド120の側部に押し付けるように作用する。典型的には、弾性要素114の変形の成分、及び弾性要素114によって及ぼされる力の成分は、蓋体106に対して本体102に向かう方向及び/又は本体102から離れる方向、例えば、エアロゾル発生装置100の頂部又は底部に向かう方向にある。この力は、蓋体106を閉鎖位置から開放位置に移動させるときに、弾性要素114の第1の端部116をガイド120の側部、典型的には頂部側に押し当てられた状態に保つように作用する。これにより、ユーザにとって心地良い蓋体106の円滑な摺動移動がもたらされる。
【0086】
エアロゾル発生装置100は任意の向きに保持され得ることが理解されるであろう。概して、
図1を参照して「上方」又は「下方」として説明される変形及び/又は力の成分は、開口104を通る材料の受け入れ方向にあり、開口104の軸線に沿った、開口104によって画定された平面に直交するか若しくはこの平面を横断する、蓋体106の移動方向に直交するか若しくはこの移動方向を横断する、蓋体106に対して本体102に向かう/本体102から離れる、及び/又はエアロゾル発生装置100の長軸線に沿った、変形及び/又は力の成分とみなされ得る。
【0087】
第1の位置範囲及び第2の位置範囲は、典型的には、同程度の大きさであり、例えば、いくつかの実施形態では、第1の位置範囲は、弾性要素114の第1の端部116が第1の位置とガイド120の中心点との間にある位置範囲であり、第2の位置範囲は、弾性要素114の第1の端部116がガイド120の中心点と第2の位置との間にある位置範囲である。いくつかの実施形態では、第1の位置範囲及び第2の位置範囲は、異なる大きさとされ、例えば、弾性要素114は、弾性要素114の第2の端部118がガイド120の一端部のより近傍に、例えば、第2の位置よりも第1の位置の近傍に(例えば、ガイド120の第1の端部のほぼ「下方」及び僅かに「右側」に)位置するように構成され得、この場合、第2の位置範囲は第1の位置範囲よりも大きく、弾性要素114が蓋体106を開放位置に向けて付勢するように作用する前に、閉鎖位置から離れる僅かな移動のみが必要となる。
【0088】
いくつかの実施形態では、弾性要素114は、第1の端部116が第1の位置にあるときには第1の端部116が第2の位置にあるときと比較して付勢力が異なるように構成される。したがって、蓋体106を閉鎖位置から離れるように開放位置に向けて移動させるのに必要な力は、蓋体106を開放位置から離れるように閉鎖位置に向けて移動させるのに必要な力とは異なる。これは、例えば、弾性要素の第2の端部118をガイド120の他端部よりもガイド120の一端部に近接させることによって達成され得る。
【0089】
いくつかの実施形態では、ガイド120は直線状である。典型的には、弾性要素114は、第1の端部116が第1の位置範囲を通って移動するにつれてますます圧縮されるように構成され、そのため、直線状ガイドでは、弾性要素によって及ぼされる力の大きさは、第1の端部116が第1の位置範囲を通って移動するにつれて増加する。第1の実施形態では、ガイド120は、弾性要素114の第1の端部116がガイド120に沿って第1の位置範囲を通って移動するにつれて、抵抗要素114の変形の増加率が低下する(よって、及ぼされる力の大きさの増加率が低下する)ように、円弧状である。したがって、第1の実施形態のこの円弧状ガイドによって、第1の位置範囲を通って閉鎖位置から離れる蓋体106の移動中に僅かに増加する(但し、直線状ガイドに比べて小さい)力が及ぼされる。
【0090】
いくつかの実施形態では、ガイド120は、第1の位置範囲及び/又は第2の位置範囲を通って移動するときに一定の大きさの力が弾性要素114の第1の端部116に加わるように構成された円弧である。より具体的には、いくつかの実施形態では、ガイド120は、弾性要素114の第1の端部116と第2の端部118との間の距離がガイドに沿った第1の端部116の移動を通じて一定のままであるように構成される。これらの実施形態では、弾性要素114の変形方向が変化するので、弾性要素114の第1の端部116が移動するにつれて弾性要素114の変形も変化する。したがって、弾性要素の第1の端部116に及ぼされる力の方向が変化し114(且つ付勢方向が変化する)。
【0091】
いくつかの実施形態では、ガイド120は、第1の端部116が第1の位置範囲及び/又は第2の位置範囲を通って移動するときに減少する力が弾性要素の第1の端部116に加わるように構成される。これは、例えば、蓋体106が閉鎖位置にあるときに弾性要素114が圧縮され、第1の位置範囲を通して第1の端部116を移動させるときに弾性要素114の圧縮の大きさが低減されるように、弾性要素114及びガイド120を構成することによって達成することができる。
【0092】
弾性要素114の第1の端部116がガイド120に沿って移動するにつれて、弾性要素114によって及ぼされる力の方向が変化する。平衡点では、閉鎖位置の方向にも開放位置の方向にも力の成分がない。例えば、力が「上向き」方向にあり、「左方向」又は「右方向」には成分がない。平衡点に至る前(平衡点の閉鎖側)では、弾性要素114によって及ぼされる付勢力は、蓋体106を閉鎖位置に向けて移動させるように作用する。平衡点に至った後(平衡点の開放側)では、弾性要素114によって及ぼされる付勢力は、蓋体を開放位置に移動させるように作用する。平衡点がガイド120における一地点であることが理解されるであろう。実際には、第1の端部を平衡点に配置することは困難であるので、第1の位置範囲及び第2の位置範囲は実質的に隣接する。更に、実際には、蓋体106が開放位置と閉鎖位置との間で移動するときの蓋体106の慣性によって、平衡位置を越えて弾性要素の第1の端部116が運ばれ、その結果、典型的には、蓋体106が閉鎖位置と開放位置の間に安定して静止する可能性が低い。
【0093】
いくつかの実施形態では、蓋体106は、開放位置から作動位置に更に移動可能であるように構成される。様々な実施形態では、開放位置から作動位置への移動は、閉鎖位置から開放位置への移動方向への移動、閉鎖位置から開放位置への移動方向を横断する移動、及び/又は蓋体106に対して本体102に向かう移動を含む。
【0094】
いくつかの実施形態では、エアロゾル発生装置100は、作動位置を有しない。そして、典型的には、蓋体106は、開放位置と閉鎖位置との間でのみ移動可能であるように構成される。
【0095】
典型的には、弾性要素114は、蓋体106を開放位置から作動位置に移動させるときに変形されるように構成される。典型的には、弾性要素114は、蓋体106が作動位置から離れるように開放位置に向けて付勢されるように構成される。
【0096】
弾性要素114は、蓋体106を閉鎖位置と開放位置との間で移動させたときに及び/又は蓋体106を開放位置と作動位置との間で移動させたときに変形するように構成され得る。
【0097】
典型的には、弾性要素114は、開放位置から作動位置への移動が閉鎖位置から開放位置への移動とは異なる方向に少なくとも部分的に生じるように構成される。このように、第1の端部116を第1の位置から第2の位置に移動させるのに必要な力は、第1の端部を第2の位置から第3の位置に移動させるのに必要な力とは異なり得、第3の位置は、蓋体106が作動位置にあるときの第1の端部116の位置である。第1の端部116の移動は、典型的には、主にばねの変形方向を、例えば「左」から「右」に横断する、第1の位置から第2の位置への移動と、ばねの変形方向に、例えば「上」から「下」に実質的な成分を有する、第2の位置から第3の位置への移動とを含む。したがって、第1の位置から第2の位置への移動は、力、例えば、弾性要素114によって及ぼされる力の比較的小さい成分に抗して作用する、エアロゾル発生装置100のユーザによって与えられる力を必要とし、力の大部分は、ガイド120の側部によって抵抗され、その一方で、第2の位置から第3の位置への移動は、典型的には、弾性要素114によって及ぼされる力の相対的に大きい成分に抗して作用する力を必要とする。いくつかの実施形態では、弾性要素114の第1の端部116が第1の位置から第2の位置に移動するときに、弾性要素114は主に回転し、第1の端部116が第2の位置から第3の位置に移動するときに、弾性要素114は主に圧縮される。
【0098】
いくつかの実施形態では、第2の弾性要素(図示せず)は、蓋体を作動位置から開放位置に向けて付勢するように構成される。第2の弾性要素は、弾性要素114とは異なる剛性を有し得るか又は異なる変形力を必要とし得る。
【0099】
典型的には、作動位置は一時的位置であり、この位置では、連続的な力、例えば、エアロゾル発生装置100のユーザによって与えられる力が、蓋体106を作動位置に保つのに必要とされる。弾性要素114又は第2の弾性要素の付勢力は、力が除去された場合に、蓋体106を開放位置に戻すように作用する。
【0100】
いくつかの実施形態では、作動位置はまた、安定位置であり、例えば、蓋体106は、作動位置から離れるように付勢されない。これらの実施形態では、弾性要素114は、蓋体106を開放位置と作動位置との間の第3の位置範囲から開放位置に向けて付勢し、蓋体106を開放位置と作動位置の間の第4の位置範囲から作動位置に向けて付勢するように作用する。第3の位置範囲は、第4の位置範囲よりも開放位置に近接し、且つ第4の位置範囲は、第3の位置範囲よりも作動位置に近接する。典型的には、第4の位置範囲は、第3の位置範囲よりも実質的に小さく、例えば、弾性要素114の第1の端部116は、作動位置において凹部内に嵌合するように且つ第1の端部116が凹部内にない場合に任意の場所から開放位置に向けて付勢されるように構成され得、例えば、第1の端部116は、作動位置「にカチッと音を立てて収まり」且つ「からカチッと音を立てて離脱し」得る。
【0101】
エアロゾル発生装置100は、加熱チャンバ108を加熱する加熱器に電力を供給する、バッテリ110を更に含む。
図2を参照すると、蓋体106の第1の実施形態の構成要素図が示されている。
【0102】
蓋体106の外部カバー112は、ガード122の上に配置され、外部カバー112だけでなくガード122も、蓋体106が閉鎖位置にあるときに開口104を覆うように構成される。外部カバー112は、蓋体106と相互作用するユーザ体験を向上させるための、ボタン又は柔軟な材料などの、触覚要素を含み得る。
【0103】
外部カバー112とガード122の両方は、エアロゾル発生装置100が組み立てられたときに本体102の外部に位置するように構成される。ガード122は、蓋体106の内部に位置する構成要素の1つ又は複数に接続される手段を収容し、その結果、ユーザが、外部カバー112と相互作用することによって、蓋体106の内部構成要素と相互作用することができる。この実施形態では、ガード122は、ガード122が蓋体106の内部構成要素に接続されることを可能にするために、ガード122上に位置するガード開口124を含む。
【0104】
開口カバー126は、カバー開口128の軸線が開口104の軸線A-Aと一致した状態で、開口104内に嵌合するように構成される。開口カバー126は、閉鎖位置において蓋体106がカバー開口128と開口104とを覆うように、蓋体を本体102上に位置させるように構成される。
【0105】
開口カバー126は、チャネル130であって、それを通して本体102の内部の蓋体106の構成要素が本体102の外部の蓋体106の構成要素に接続可能である、チャネル130を含む。
【0106】
ガイド120は、本体102に固定されるガイド構成要素132内に位置する。固定手段は、スナップ嵌め、接着剤、ねじ、ピン、又は他の固定手段を含み得る。ガイド要素132は、弾性要素114の第2の端部118を取り付けることができる装着点134を更に含み、それにより、第2の端部118を本体102に対して適所に固定する。装着点134は、第2の端部118を本体102に対して適所に保持するように構成される。典型的には、装着点134は、第2の端部118が周囲に配置される突出部である。突出部の軸線は、弾性要素114の変形方向に直交し、その結果、第2の端部118は、使用中には突出部から離れるように移動しないが、第2の端部118は、分解又は清掃のために突出部から容易に取り外される。
【0107】
ガイド120は、典型的には、ガイド構成要素132の両側に沿って延びる、ガイド部の頂部及び底部が材料によって囲まれた、2つのガイド部を含む。2つのガイド部の間には、典型的には、切り欠きがある。それゆえ、移動ピン136をガイド部の各々に通すことができる。移動ピン136はまた、ガイド構成要素132の1つ又は複数の側部まで延び得る。
【0108】
弾性要素114の第1の端部116は、移動ピン136と相互作用するように構成される。典型的には、弾性要素114の第1の端部116は、移動ピン136に取り付けられるか、又は移動ピン136とともに移動する構成要素に取り付けられる。いくつかの実施形態では、第1の端部116は、移動ピン136によって押圧されるか又は引っ張られるように構成される。移動ピン136は、弾性要素116の第1の端部116と相互作用するように構成されるので、ガイド120に沿った弾性要素114の第1の端部116の移動についての以下の言及は、ガイド120に沿った移動ピン136の移動も示し、その逆も然りである。
【0109】
移動ピン136は、ガイド120の第1の端部とガイド120の第2の端部との間で移動可能であるように構成される。移動ピン136は更に、チャネル130を通る移動ピン136の移動が抵抗されるようにガイド120の「頂部」及び「底部」側においてガイド要素132に当接するように構成され、それにより、移動ピン136がガイド120内に留まることを確実にする。
【0110】
蓋体は、蓋体106の外部要素、例えば、ガード22及び外部カバー112を、蓋体106の内部要素、例えば、移動ピン136及びガイド部132に接続するように構成される、リンク機構138を更に含む。リンク機構138は、リンク機構138をガード122に接続するように構成されるガード取付具142を含む。この実施形態では、ガード取付具142は、開口とピンとを含み、ピンは、ガード取付具142とガード開口124とに挿通して、ガード122をリンク機構138に接続することができる。いくつかの実施形態では、ガード取付具142は、ねじ、接着剤、又は他の取付手段を含む。
【0111】
リンク機構138はまた、弾性要素114の第1の端部116と相互作用するように構成されたガイド取付具140を含む。第1の実施形態のガイド取付具140は、移動ピン136に嵌合するように構成された孔を含む。移動ピン136は、ガイド120とガイド取付具140とに挿通することができ、その結果、ガード122の移動によって、リンク機構138の移動がもたらされ、それにより、ガイド120に沿った移動ピン136の移動がもたらされる。
【0112】
より一般的には、ユーザが外部カバー112に加える力によって、ガード122に力が加わり、ひいては、移動ピン136に力が加わり、且つ弾性要素114の第1の端部116に力が加わる。
【0113】
リンク機構138は、リンク機構138の本体の少なくとも一部が開口カバー126のチャネル130を通過できるような大きさとされる。
【0114】
蓋体106を組み立てるために、リンク機構138は、ガード取付具142を使用してガード122に接続される。次に、リンク機構138は、ガイド取付具140の場所がガイド構成要素132のガイド120の場所と一致するように、開口カバー要素126のチャネル130に通される。次いで、移動ピン136は、第1のガイド部とガイド取付具140と第2のガイド部とに挿通される。移動ピン136は、ガイド120の側部に当接して、開口カバー126のチャネル130からのリンク機構138の取り外しを防止する。弾性要素114の第1の端部116は、移動ピン136に直接又は間接的に取り付けられ、且つ弾性要素114の第2の端部118は、装着点134に取り付けられる。ガード122は、リンク機構138を介して、移動ピン136に、ひいては弾性要素の第1の端部116に接続される。したがって、ユーザは、蓋体106の外部カバーを移動させることによって弾性要素の第1の端部116を移動させることができる。次いで、蓋体106は、開口の本体102内に配置され、例えばスナップ嵌めによって、適所に固定される。
【0115】
図3を参照すると、蓋体106が各位置にあるときの蓋体106の構成要素が示されている。
【0116】
図3aを参照すると、閉鎖位置にある蓋体106が示されている。この位置では、蓋体106は、エアロゾル発生装置100の開口104を覆う。弾性要素114は、蓋体106が閉鎖位置にあるときに閉鎖位置から離れる蓋体106の移動に弾性要素114が抵抗するように構成される。第1の実施形態では、弾性要素114は、ねじりばねを含む。弾性要素の第1の端部116をガイド120に沿って第1の位置から離れるように移動させるときに、弾性要素114は、弾性要素の第1の端部116と第2の端部118とを結ぶ軸線に沿って作用する圧縮力を及ぼす。圧縮力の成分は、蓋体106を閉鎖位置に移動させるように作用する。
【0117】
図3bを参照すると、蓋体106が開放位置にあるときに、弾性要素114は、閉鎖位置から離れる移動に対する抵抗に関して説明したのと同等の方法で開放位置から離れる蓋体106の移動に抵抗するように構成される。
【0118】
蓋体106が閉鎖位置と開放位置との間にあるときに、弾性要素114の第1の端部116に加わる力の方向は、第1の端部116の場所によって決まる。まず、蓋体106を閉鎖位置から離れるように移動させると、弾性要素114は、蓋体106を閉鎖位置に向けて付勢するように作用する。蓋体106を閉鎖位置から離れるように開放位置に向けて更に移動させるときに、弾性要素114の第1の端部116が、第1の位置から離れるように第2の位置に向かって移動する。弾性要素114の第1の端部116が平衡点を通過した時点で、第1の端部116に加えられる力の方向が変化し、弾性要素114が、蓋体106を開放位置に向けて付勢するように作用する。
【0119】
図3cを参照すると、作動位置にある蓋体106が示されている。全てではないがいくつかの実施形態では、蓋体106は、開放位置から、作動位置に達するように更に移動可能である。典型的には、蓋体106は、好ましくは、弾性要素114の第1の端部114が、ガイドを横断する方向に位置決めされた専用の作動ガイドに沿って移動することによって、エアロゾル発生装置100の本体102に向かって作動位置に達するように移動可能であるように構成される。蓋体106を本体102に向けて移動させるときに、移動ピン136は、蓋体106又は本体上に位置する作動検出器146に向かって移動するように構成される。具体的には、移動ピン136は、この実施形態では押しボタンである、作動検出器146によって画定されたセンサガイド144に沿って移動するように構成される。移動ピン136がセンサガイド144に沿って移動するときに、押しボタンが押下される。押しボタンの押下によって、例えば、加熱器の動作を開始するために使用可能である、作動信号が開始される。
【0120】
図3dを参照すると、作動位置にある蓋体106の更なる図が示されており、この図では、作動検出器146の押下がより明確に示されている。
【0121】
図3~
図5を参照すると、蓋体106の動作が説明されている。
図5は、弾性要素114の第2の端部118の周りを枢動する線形圧縮ばねを使用するエアロゾル発生装置100の一実施形態において、弾性要素114によって蓋体106に及ぼされる力を図示する。弾性要素114がねじりばねである、第1の実施形態と同様に、この例では、弾性要素114によって蓋体106に同様の力が及ぼされることが理解されるであろう。それゆえ、
図5は、必ずしもねじりばねではない場合がある弾性要素114を備えた装置の一般化を表している。
【0122】
エアロゾル発生装置100のいくつかの実施形態は、作動位置を有しない。いくつかの実施形態では、蓋体106は、開放位置と閉鎖位置との間で、例えば、直線経路又は湾曲経路に沿って移動する。それにもかかわらず、本明細書で説明する方式で付勢される弾性要素114は、ユーザが蓋体106を摺動させたときに、ユーザに滑らかで快適な感触をもたらすことができる。例えば、弾性要素114がもたらす付勢によって、移動ピン136がガイド120に沿って進み、ガイド120の上縁部に向けて付勢される。ガイド120は、ガイド120に沿った移動ピン136の動きが円滑であり妨げられないように、移動ピン136の直径よりも少し大きい間隙を有することが一般的である。そのような場合、ユーザは、弾性部材114の付勢に起因して、蓋体106が、付勢力に抗して作用することによって可能な僅かな程度の横断方向の動きに伴う心地良い滑走感をもたらすことに気付くであろう。
【0123】
典型的には、エアロゾル発生装置100は、加熱チャンバ134内への望ましくない材料の侵入を防止するために、閉鎖位置において始動する。ユーザがエアロゾル発生装置100を使用しようと望む場合、ユーザは、蓋体106を開放位置に向けて移動させるように作用する力を外部カバー112に及ぼす。
【0124】
より具体的には、ユーザは、蓋体106を閉鎖位置から開放位置の方向に開放方向(A)に移動させるように作用する開放力を蓋体の外部カバー112に(例えば、
図5a~
図5cの右方向に)加える。開放力は、蓋体106が第1の位置範囲を越えて移動する前にユーザが蓋体106を解放する場合には、蓋体106が閉鎖位置に戻るように、
図5aに示すように、最初は弾性要素114によって抵抗される。
【0125】
ユーザが蓋体106に開放力を加えると、弾性要素114の第1の端部116は、閉鎖位置から開放位置に向かって第1の方向(D)に移動し、第1の端部116は最終的に、
図5bに示すように、平衡点に達する。
図5cに示すように、弾性要素114の第1の端部116が平衡点を通過した時点で、弾性要素114によって及ぼされる力が、蓋体106を開放位置に向けて移動させるように作用する。
【0126】
弾性要素114の第1の端部116が第1の方向(D)に移動するにつれて、弾性要素114は、第2の方向(E)に変形される。第2の方向、及び/又は第2の方向(E)の成分は第1の方向(D)を横断し、その結果、例えば、蓋体106が閉鎖位置から開放位置に水平方向に移動するにつれて、弾性要素114が垂直方向に変形される。
【0127】
第2の方向(E)が第1の方向(D)を完全に横断しなくてもよく、例えば、第2の方向(D)が第1の方向(D)の成分を横断し且つ第1の方向(E)の成分と整合され得ることが理解されるであろう。
【0128】
典型的には、蓋体106が閉鎖位置と開放位置との間で移動するときに、第1の方向(D)、すなわち、弾性要素114の第1の端部116の移動方向は、開放方向(A)、すなわち、蓋体106の移動方向と同じである。蓋体106が開放位置に達した時点で、蓋体106は、ガイド120の端部に接触され、これにより、蓋体106の更なる移動が防止される。
【0129】
蓋体106が開放位置にある状態で、ユーザは、開口104を通してエアロゾル基質148を加熱チャンバ108に挿入する。より具体的には、エアロゾル基質148の第1の端部は、加熱チャンバ108に挿入方向(B)に挿入され、その一方で、エアロゾル基質148の第2の端部は、エアロゾル発生装置100の外部に留まり、それにより、ユーザが触れることができる。
【0130】
エアロゾル発生装置100が作動位置を有する実施形態では、エアロゾル基質148が加熱チャンバ108内に位置する状態で、ユーザは、蓋体106を作動位置に向けて作動方向(C)に移動させる。この実施形態では、ユーザは、蓋体106をエアロゾル発生装置100の本体102に向けて移動させる。蓋体106が本体102に向かって移動するときに、移動ピン136は、センサガイド144に沿って移動し、作動検出器146の押しボタンを押下する。押しボタンの押下によって、加熱器の動作を(直接又は間接的に)もたらす作動信号が動作する。加熱器は、加熱チャンバ108を加熱し、それにより、エアロゾル基質148を加熱する。エアロゾル基質148の加熱によって蒸気が生成され、次いで、ユーザは、エアロゾル基質148の露出した端部を通して蒸気を吸入することができる。作動位置のない実施形態では、ユーザは、典型的には、エアロゾル発生装置100上に配置されたボタンを押すなど、加熱器を作動させる別の制御手段を動作させる。
【0131】
弾性要素114は、第1の移動ピン136を作動位置から離れるように開放位置に向けて付勢するように作用し、その結果、ユーザは、蓋体106を作動位置に保つために外部カバー112への圧力を維持する必要がある。
【0132】
エアロゾル基質148が十分に加熱された時点で、ユーザは、蓋体106から圧力を除去し得る。圧力が除去された時点で、弾性要素114によって及ぼされる力は、移動ピンをセンサガイド144に沿って作動検出器146から離れるように移動させるように作用し、押しボタンが持ち上がる。これにより、加熱器の動作を停止させるために、停止信号が送信され得るか、又は作動信号の送信が中止され得る。
【0133】
蒸気の吸入中に、ユーザは、蓋体106を開放位置と作動位置との間で移動させて、加熱器をオン及びオフにするために、外部カバー112を繰り返し押下し且つ解放し得る。
【0134】
いくつかの例では、ユーザは、装置100を作動させるために完全な加熱サイクルにわたって蓋体106を第3の位置に保持する必要がない場合がある(又は第3の位置がない例では、ボタンを押したままにするか若しくは他の作動手段を連続的に起動する必要がない場合がある)。むしろ、装置100は、蓋体106が単に第3の位置に位置した(又はボタン若しくは他の手段が起動された)こと、或いは完全な加熱サイクルの時間よりも短い時間にわたって第3の位置に保持されたことを検出するように構成され得、この検出時に、完全な加熱サイクルが開始する。この構成は、ユーザの手から細かい制御を奪うとともに、経験の浅いユーザが加熱器を長時間にわたって保持してエアロゾル基質148を過熱する可能性を低減する。
【0135】
ユーザは、エアロゾル基質148を使い果たしたときに、エアロゾル基質148を加熱チャンバ108から取り出し、エアロゾル基質148を廃棄する。次いで、ユーザは、蓋体106の外部カバー112に開放位置から閉鎖位置の方向に(例えば、
図5a~
図5cの左方向に)閉鎖力を加える。閉鎖力は、蓋体106が実質的に移動する前にユーザが蓋体106を解放する場合には、蓋体106が開放位置に戻るように、
図5cに示すように、最初は弾性要素114によって抵抗される。
【0136】
ユーザが蓋体106の外部カバー112に閉鎖力を加え続けると、弾性要素114の第1の端部116は最終的に、
図5bに示すように、平衡点に達する。
図5aに示すように、弾性要素114の第1の端部116が平衡点を通過した時点で、弾性要素114によって及ぼされる力が、蓋体106を閉鎖位置に向けて移動させるように作用する。この工程は、蓋体106を閉鎖位置から開放位置に移動させるために上記で説明した動きのほぼ逆である。
【0137】
蓋体106が閉鎖位置にあるときに、エアロゾル発生装置100は、例えばバッグ又はポケット内に収納することができ、且つ蓋体106は、加熱チャンバ108内への材料の侵入を防止する。弾性要素114は、他の物体との偶発的な接触に起因して蓋体106が移動するのを防止するために蓋体106を閉鎖位置に向けて付勢する。
【0138】
第2の実施形態
図6を参照すると、蓋体106の第2の実施形態によるエアロゾル発生装置100は、第2の実施形態のリンク機構138が第1の実施形態のリンク機構138とは異なることを除いて、
図1~
図5を参照して説明した、第1の実施形態のエアロゾル発生装置100と同一である。第2の実施形態では、リンク機構138は、本体部と、リンク機構138の本体の一方側から延びる突起162と、リンク機構138の本体の他方側から延びるガード取付具142とを含む。リンク機構138は、リンク機構138の本体及びリンク機構138の突起162が開口カバー126のチャネル130を通過できるような大きさとされる。
【0139】
リンク機構138は、第1のピン150、第2のピン154、及び第3のピン158、並びに第1のピン孔152、第2のピン孔156、及び第3のピン孔160を更に含む。第1のピン150は、第1のピン孔152内に嵌合するように構成され、第2のピン154は、第2のピン孔156内に嵌合するように構成され、且つ第3のピン158は、第3のピン孔160内に嵌合するように構成される。第1のピン孔152及び第2のピン孔156は、リンク機構138の本体に配置される。第3のピン孔160は、リンク機構138の突起162に配置される。
【0140】
ガード取付具142は、ガード122をリンク機構138に取り付けるように構成される。第1の実施形態との別の相違点は、この実施形態では、ガード取付具142が、ガード122に押し込まれる弾性変形可能なスナップ嵌め要素を収容することである。結果として、この実施形態では、ガード開口はない。いくつかの実施形態では、ガード取付具142は、ねじ、接着剤、又は他の取付手段を含む。
【0141】
第1のピン150及び第2のピン154は、ガイド120を通過できるような大きさとされる。典型的には、第1のピン150及び第2のピン154は、ガイド内にぴったりと嵌合するように構成され、これにより、リンク機構138がガイド構成要素132の内側に固定されたときの蓋体106の望ましくないがたつきが回避される。
【0142】
リンク機構138は、突起162が本体102の内部にあり且つ外部カバー112から離れる方向に向いた状態で、ガイド構成要素132に挿入可能であるように構成される。リンク機構138がガイド構成要素132に挿入された状態で、リンク機構138の本体は、第1のピン150を第1のガイド部に、第1のピン孔152に、次いで第2のガイド部に挿通できるように、2つのガイド構成要素の間にある。同様に、第2のピン154は、第1のガイド部と、第2のピン孔156と、次いで、第2のガイド部とに挿通することができる。それにより、リンク機構138は、ガイド構成要素120内に固定され、外部カバー112の移動によって、ガード122を介して、ガイド120に沿った第1のピン150及び第2のピン154の移動が生じる。この移動は、既に説明したように、弾性要素114が及ぼす力によって対抗される(又は補助される)。
【0143】
第2の実施形態の蓋体106を組み立てるために、ガイド構成要素132は、エアロゾル発生装置100の本体102の内側に配置される。リンク機構138は、ガード取付具142を使用してガード122に接続される。次いで、リンク機構138は、第1のピン孔152及び第2のピン孔156が第2の実施形態のガイド構成要素132のガイド120と一致するように、開口カバー要素126のチャネル130に通される。その後、弾性要素114の第1の端部116は、第3のピン孔160と一致するように構成される。第1のピン150、第2のピン154、及び第3のピン158は、それぞれ、第1のピン孔152、第2のピン孔156、及び第3のピン孔160に入れられる。ピン150、154、158は、ガイド120の縁部と重なるようにガイド120から延び、開口カバー126のチャネル130からのリンク機構138の取り外しを防止する。ガード122は、リンク機構138の第3のピン158を介して弾性要素114の第1の端部116に接続される。したがって、ユーザは、蓋体106の外部カバー112を移動させることによって弾性要素114の第1の端部116を移動させることができる。
【0144】
図7を参照すると、第2の実施形態の蓋体106が、閉鎖位置(
図7a)、開放位置(
図7b)、及び作動位置(
図7c及び
図7d)に示されている。第2の実施形態では、弾性要素114の第1の端部116は、第3のピン158を介して蓋体106と相互作用する。
【0145】
具体的には、蓋体106が閉鎖位置から開放位置に移動するときに、第1のピン150及び第2のピン154は、ガイド120に沿って移動する。第1のピン150及び第2のピン154がガイドに沿って移動するときに、弾性要素114の第1の端部116は、第1の位置と第2の位置との間で移動する。
【0146】
リンク機構138の突起162は、蓋体106が開放位置にあるときに作動検出器146に隣接して位置するように構成される。作動位置に達するように蓋体132が押下されたときに、突起162は、作動信号を動作させるために作動検出器146を押下するように構成される。
【0147】
第3の実施形態
図8を参照すると、蓋体106の第3の実施形態によるエアロゾル発生装置100は、リンク機構138が、開口104から最も遠く離れたガード122の端部の近傍に、チャネル130を通して、取り付けられるように構成されたガード取付具142を含むことを除いて、
図6~
図7を参照して説明した、第2の実施形態のエアロゾル発生装置100と同一である。典型的には、第3の実施形態のガード取付具142はまた、強固な接続を確実にするために、ガード122の大部分に沿って延在する。
【0148】
ガード取付具122は、エアロゾル発生装置100の本体102の外部にある、ガード122に取り付けることができるように、チャネル130を貫通するように構成される。ガード取付具122は開口104から最も遠く離れたガード122の端部に取り付けられるように構成されるので、蓋体106が閉鎖位置にあるときに、ガード取付具142は開口104からずらされ、その一方で、外部カバー112は開口104を覆って延びる。
【0149】
このずれによって、エアロゾル発生装置100がセパレータ164を含むことが可能となる。セパレータ164は、開口104をチャネル130から物理的に分離する。セパレータ164は、チャネル130を通る加熱チャンバ108内への材料の侵入を防止する。
【0150】
セパレータ164は、典型的には、本体102及び/又は加熱チャンバ108の一体部分である。典型的には、加熱チャンバ108の形成は、深絞りを含み、深絞りでは、開口104は、絞り型による元々は平坦であった薄板の変形によって形成される。したがって、セパレータ164は、元々の薄板の一部であるので、加熱チャンバ108と一体である。
【0151】
第4の実施形態
図9を参照すると、蓋体106の第4の実施形態によるエアロゾル発生装置100は、第4の実施形態のリンク機構138の突起162がリンク機構161の本体に直交しないことを除いて、
図6~
図7を参照して説明した、第2の実施形態のエアロゾル発生装置100と同一である。突起162は、むしろ、開口104に向かって傾斜している。これにより、弾性要素114の第2の端部118の装着位置を変更せずに又はガイド120を延長せずに、第3の実施形態にあるようなセパレータを用いた構成が可能となる。突起162とリンク機構138の本体との交差位置(突起162の「基」端部)は、第2の実施形態と比較して変更されているが、各位置における突起162の「先」端部の場所は変わらない。
【0152】
第4の実施形態の別の相違点は、開口カバー126がカバー取付機構166を更に含むことである。
【0153】
第4の実施形態の別の相違点は、ガイド構成要素132が、各構成要素を互いに対して適所に保持するために開口カバー126のカバー取付機構166と相互作用するように構成されるガイド構成要素132の本体からの延長部168を更に含むことである。典型的には、カバー取付機構166及び延長部168は、それぞれ、突出部及び間隙を含み、カバー取付機構166の突出部は、延長部168の間隙内に嵌合するように構成される。
【0154】
図10a~
図10dを参照すると、第4の実施形態は、蓋体106が閉鎖位置から開放位置に移動するときに動作させるように構成される、開放検出器170を更に含む。この実施形態では、開放検出器170は、蓋体106が閉鎖位置にあるときに蓋体106によって押下される、触覚スイッチである。動作時に、蓋体106が開放位置に移動すると、蓋体106が開放位置に達したときに触覚スイッチが覆われずに持ち上げられるように、蓋体106が開放検出器170から離れるように移動する。開放検出器170は、開放検出器170が覆われていない状態になった時点及び/又は蓋体106の移動を検出した時点で、例えば、蓋体106を閉鎖位置から開放位置に移動させたときに状態信号を開始するように構成される。開放検出器は、
図16a~
図16dで説明するセンサのいずれか1つなどの、別のタイプのセンサであり得ることが理解されるであろう。
【0155】
第5の実施形態
図11を参照すると、蓋体106の第5の実施形態によるエアロゾル発生装置100は、第5の実施形態の開口カバー126が比較的幅広のチャネル130を含むことを除いて、
図6~
図7を参照して説明した、第2の実施形態のエアロゾル発生装置100と同一である。
【0156】
第5の実施形態の別の相違点は、リンク機構138のガード取付具142が、ガード122のチャネル130に沿って通過してスナップ嵌め機構を介してガード122の基部に接続するように構成される延出した突起を含むことである。閉鎖位置では、ガード取付具142が開口104を覆い、開放位置では、ガード取付具142が、開口104を覆わないようにずらされる。
【0157】
第5の実施形態の別の相違点は、第5の実施形態のリンク機構138が、リンク機構138の第1の孔174及び第2の孔178内に嵌合するように構成された第1のピン172及び第2のピン176を含むことである。
【0158】
第5の実施形態の別の相違点は、ガイド要素132が第2のガイド180と第3のガイド182とを更に含むことである。第3のガイド182は、第2のガイド180に挿入された構成要素が第2のガイド180の第1の端部から、第3のガイド182の第1の端部と一致する、第2のガイド180の第2の端部に、次いで第3のガイド182の第1の端部から第3のガイド182の第2の端部に移動できるように、第2のガイド180に接続される。第3のガイド182は、作動ガイドであるとみなされ得、これにより、蓋体106は、第3の端部が第3のガイド182の第2の端部にあるときに作動位置にある。
【0159】
弾性要素114の第1の端部116は、第2のピン176に取り付け可能であるように構成され、この第2のピン176は、リンク機構138がガイド構成要素132に挿入されたときに第2のガイド180と整合するように構成される。第2のピン176は、ガイド132のガイド構成要素と第2の孔178とに挿通可能であるように構成される。このように、第2のピン176は、第2のガイド180及び第3のガイド182に沿って移動可能であるように構成される。
【0160】
図12aを参照すると、第5の実施形態では、閉鎖位置において、弾性要素114は、蓋体106を閉鎖位置に向けて付勢する。弾性要素114の第1の端部116(第2のピン176に取り付けられる)は、弾性要素114によって第2のガイド180の第1の端部において保持される。
【0161】
図12bを参照すると、開放位置では、弾性要素114の第1の端部116(第2のピン176に取り付けられる)は、第3のガイド182の第1の端部と一致する、第2のガイド180の第2の端部において弾性要素114によって保持される。
【0162】
図12c及び
図12dを参照すると、作動位置では、弾性要素114の第1の端部116(第2のピン176に取り付けられる)は、第3のガイド182の第2の端部に位置する。この位置では、弾性要素114は、弾性要素114の第1の端部116を第3のガイド182の第2の端部から離れるように第3のガイド182の第1の端部に向けて付勢するように構成される。このように、弾性要素114は、蓋体106を作動位置から離れるように開放位置に向けて付勢するように構成される。
【0163】
作動位置では、作動検出器146は、ユーザが外部カバー112を押下することによってそれ自体が押下される、ガード取付具142によって押下され、弾性要素114の第1の端部116は、第3のガイド182の第2の端部にある。
【0164】
第6の実施形態
図13を参照すると、蓋体106の第6の実施形態によるエアロゾル発生装置100は、第6の実施形態のリンク機構138のガード取付具142がリンク機構138の延出した突起に位置する開口184を貫通して嵌合するように構成されたねじを含むことを除いて、
図11~
図12を参照して説明した、第5の実施形態のエアロゾル発生装置100と同一である。ガード機構は、ねじが受け入れられる対応するねじ山を含む。
【0165】
更なる相違点は、第6の実施形態が、リンク機構138の内側に嵌合するように構成される、中間構成要素186を更に含むことである。中間構成要素186は、典型的には、ガイド要素132内に位置する対応するホールセンサと相互作用する磁石の形態の、開放検出器170を収容する。中間構成要素186は、中間構成要素186がリンク機構138の内側に挿入されたときに、中間構成要素186の第1の孔188がリンク機構138の第1の孔174と整合し、且つ中間構成要素186の第2の孔190がリンク機構138の第2の孔178と整合するように構成された、第1の孔188及び第2の孔190を含む。作動検出器146を収容するための中間構成要素186の使用によって、作動検出器146の比較的簡単な取り外し及びメンテナンスと、例えば異なる製品モデルに対して、異なるセンサを使用する同様の蓋体の製造の簡略化とが可能となる。
【0166】
図14aを参照すると、第6の実施形態では、開放位置において、中間構成要素186は、状態信号を開始する位置に開放検出器170が位置するように位置決めされる。この開放検出器170は、典型的には、対応するホールセンサに近接して位置する中間構成要素186内に位置する磁石を含む。
【0167】
図14dを参照すると、作動位置では、中間構成要素186は、作動検出器146と相互作用するように構成される。典型的には、この作動検出器146は、触覚スイッチを押下する中間構成要素186の一部を含む。
【0168】
図15を参照すると、上記で説明した各実施形態では、蓋体106の外部要素、例えば外部カバー112は、開口カバー126のチャネル130を通過するリンク機構138を介して、蓋体106の内部要素、例えば弾性要素114に取り付けられる。
【0169】
図15aを参照すると、いくつかの実施形態では、リンク機構138は、リンク機構138の基部192が、開口カバー126のチャネル130の基部に当接して、開口カバー126のチャネル130からの基部の取り外しを防止するように構成される、スナップ嵌めを含む。チャネル130を通してリンク機構138の基部192をエアロゾル発生装置100の本体102に挿入することを可能にするために、基部192は、典型的には、テーパ状であり、基部192及び/又は開口カバー126は、典型的には、弾性変形可能である。スナップ嵌め構成によって、リンク機構138は、チャネル130を通る移動が抵抗された状態でチャネル130に沿って移動することが可能である。
【0170】
図15bを参照すると、いくつかの実施形態では、リンク機構138は、リンク機構138が蓋体106の内部構成要素にピン止めされる、ピン止め構成を含む。ピン止めは、典型的には、リンク機構138の基部が、同等の、典型的には僅かに小さい直径の孔に押し込まれる、締まり嵌めを含む。ピン止め構成では、リンク機構138は、リンク機構138がピン止めされた内部構成要素と協働して、開口カバー126のチャネル130に沿って移動することが可能であり、蓋体106の内部構成要素は、例えば、蓋体106の第2の実施形態の第1のピン150及び/又は第2のピン154であり得る。
【0171】
スナップ嵌め及びピン嵌め構成に加えて又はそれに代えて、更なる嵌合構成が使用され得る。一例として、リンク機構138をチャネル130内に固定するためにピンが使用され、ピンがガイド120の側部に当接して、本体102からのリンク機構の取り外しを防止することが、第2の実施形態を参照して説明されている。いくつかの実施形態では、磁気及び/又は接着接続が使用される。
【0172】
同様の機構も、ガード取付具142の一部として並びに/又はピンのいずれかを孔及び/若しくはガイドのいずれかに嵌合させるために(例えば、第1のピン150をガイド120内に嵌合させるために)使用され得る。
【0173】
図16a~
図16dを参照すると、作動検出器146及び/又は開放検出器170の一部として使用され得る様々なセンサが示されている。センサは、好ましくは、センサの接触及び/又は移動によって作動する。特に、センサは、以下、すなわち、触覚スイッチ、ロータリエンコーダ、直接電気接触センサ、及び/又は非接触(すなわち、遠隔感知)センサ、特に、以下、すなわち、光検出器(例えば、フォトダイオード、光依存性抵抗センサ、フォトトランジスタ、太陽電池トランジスタ、光電池、及び/又はボロメータ)、赤外線センサ、加速度計、誘導センサ、又は磁気センサ(例えば、ホール効果センサ)のいずれか1つ又は複数から選択されたセンサ、のうちの1つ又は複数として選択され得る。作動検出器146及び開放検出器170は、別個のセンサであり得るか、又は同じセンサであり得、例えば、可動スイッチは、閉鎖位置、開放位置、及び作動位置に関連する3つの位置を有し得る。
【0174】
いくつかの実施形態では、作動検出器146及び/又は開放検出器170は、蓋体106の位置及び/又は蓋体106が位置に留まっている時間を特定することが可能である。典型的には、特定することは、蓋体106が作動位置にどのくらい長く留まっているかを特定することを含む。(任意の位置での)一定時間後に、到達時に送信された信号とは異なる信号が開始され得る。一例として、作動検出器146は、蓋体106の到達を検出して到達時に第1の加熱信号を開始するように構成され得る。作動検出器146は更に、蓋体106が数秒間、例えば1.5秒間にわたって作動位置に留まっていることを検出し、低減された熱に関する第2の加熱信号を開始するように構成され得る。代替的に、作動検出器146は、蓋体106が一定時間にわたって作動位置に留まった後にのみ作動信号を開始するように適合され得る。これは、例えば、加熱器の誤動作又は不注意による動作を回避するための、安全機能として使用され得る。
【0175】
図16に示すセンサのサブセットを考慮して、順番に示す。
・ロータリエンコーダ、蓋体106の移動によってギヤが回転し、それにより、蓋体106の位置を特定するためにギヤの角度位置が使用可能である。ロータリエンコーダが使用される場合、作動位置は、典型的には、閉鎖位置から開放位置への移動方向において開放位置を越えた箇所にある。これにより、各位置を検出するための単一のロータリエンコーダの使用が可能となる。
・直接接点、直接電気接点は、位置のうちの1つ又は複数に配置される。接点において検出される電流によって、蓋体がその位置にあることが示される。
・触覚スイッチ、蓋体が位置のうちの1つ又は複数の位置にあるときに触覚スイッチが押下される。例えば、ロッカスイッチを使用して、蓋体106が開放位置、閉鎖位置、及び作動位置にあることを、単一の触覚スイッチを用いて特定することができる。
・磁石/ホール効果センサ、磁石及び対応するホール効果センサは、蓋体106上に且つ位置のうちの1つ又は複数に配置される。
・LDR(光依存性抵抗器)、LDRは、1つ又は複数の位置に配置される。LDR抵抗の変化は、LDRが蓋体106によって覆われているかどうかを特定し、ひいては、蓋体106の位置を特定するために使用可能である。LDRは、開放位置では覆われず、閉鎖位置では部分的には覆われ、且つ作動位置では完全に覆われるように構成され得る。これにより、単一のLDRを使用して蓋体106の位置を特定することが可能となる。この構成を(例えば、LDRが作動位置では覆われず、閉鎖位置では完全に覆われるように)変更できることが理解されるであろう。
・加速度計、蓋体106の移動は、加速度計を使用して特定される。移動が蓋体106の開放、閉鎖、又は作動位置への移動によるものかどうかが、加速度の特徴(例えば、付勢によって、蓋が作動位置に向かってではなく開放位置又は閉鎖位置に向かって加速する)によって特定可能である。
・赤外線運動センサ、蓋体106によって反射される赤外線の量は、蓋体の位置によって決まる。
・誘導センサ、蓋体106の位置は、蓋体106及び/又は本体102の構成要素中に誘導された電流を測定することによって特定される。
【0176】
エアロゾル発生装置100は、典型的には、作動検出器146又は開放センサ180によって送信された信号によって動作させるコントローラ(図示せず)を更に含む。具体的には、コントローラは、典型的には、蓋体106の位置を示す受信した信号に基づいて、エアロゾル発生装置100の構成要素を動作させる。動作させる典型的な構成要素は、加熱器、状態インジケータ、バッテリインジケータ、及びディスプレイを含む。
【0177】
第7の実施形態
図17を参照すると、蓋体106の第7の実施形態によるエアロゾル発生装置100は、蓋体106が閉鎖位置から第2の作動位置に移動可能であるように構成されることを除いて、
図1~
図5を参照して説明した、第1の実施形態のエアロゾル発生装置100と同一である。
【0178】
具体的には、第7の実施形態は、閉鎖作動ガイド194を含み、弾性要素114の第1の端部116は、蓋体106が閉鎖位置と第2の作動位置との間で移動するときに閉鎖作動ガイド194に沿って移動するように構成される。典型的には、弾性要素114は、閉鎖位置から第2の作動位置への蓋体106の移動に抵抗するように構成され、その結果、第2の作動位置は一時的位置である。蓋体106を第2の作動位置において適所に保持するために連続的な力が必要とされ、この力の除去によって、弾性要素114が、蓋体106を第2の作動位置から閉鎖位置に移動させるように作用する。いくつかの例では、蓋体106を第2の作動位置から閉鎖位置に付勢するために、例えば、蓋体106を第2の作動位置に押しやるのに必要な力を変更するために、別個の弾性部材(図示せず)が提供され得る。
【0179】
いくつかの実施形態では、第2の作動位置は、安定位置である。これらの実施形態では、弾性要素114の第1の端部116は、凹部内に嵌合するように構成され得、例えば、第1の端部116は、第2の作動位置「にカチッと音を立てて収まり」且つ「からカチッと音を立てて離脱し」得る。
【0180】
エアロゾル発生装置100は、第2の作動位置への蓋体106の移動及び/又は第2の作動位置における蓋体106の存在が検出されたときに、第2の作動信号又は閉鎖作動位置信号を開始するように動作可能である。この検出では、典型的には、作動検出器146を参照して又は
図16を参照して説明したセンサのタイプの1つであり得る第2の作動検出器(図示せず)を使用する。いくつかの実施形態では、第2の作動センサは、作動検出器146及び/又は開放検出器170と同じセンサである。
【0181】
第2の作動信号又は閉鎖作動信号は、(第1の実施形態に関して既に作動信号として言及されていた)開放作動信号とは異なる。開放作動信号は、開口104が覆われていない間に開始され、例えば、加熱器を作動させ得る。第2の作動信号は、開口が覆われている間に開始され、例えば、バッテリの表示を与え得るか、又は低い電力で加熱器を使用してチャンバを予熱し得る。
【0182】
使用時に、第2の作動信号を開始するために、ユーザは、蓋体106に力を及ぼして、弾性要素114の第1の端部116を閉鎖作動ガイド194に沿って第1の位置から離れるように、閉鎖作動位置にある蓋体106に関する第4の位置まで移動させる。この移動は、弾性要素114を変形させ、弾性要素114によって抵抗される。弾性要素114の第1の端部116が第4の位置、例えば、閉鎖作動ガイド194の端部に達した時点で、閉鎖作動検出器が作動され、第2の作動信号が開始される。これにより、例えば、バッテリレベルがユーザにとって視認可能であり得る。
【0183】
ユーザが蓋体106から力を除去した時点で、弾性要素114によって及ぼされる力が、弾性要素114の第1の端部116を閉鎖作動ガイド194に沿って第4の位置から離れるように第1の位置まで移動させるように作用し、蓋体106は、それに応じて、閉鎖作動位置から閉鎖位置に移動する。
【0184】
第8の実施形態
図18を参照すると、蓋体106の第8の実施形態によるエアロゾル発生装置100は、蓋体106が開放位置から第1の開放作動位置及び第2の開放作動位置に移動可能であるように構成されることを除いて、
図1~
図5を参照して説明した、第1の実施形態のエアロゾル発生装置100と同一である。
【0185】
具体的には、第8の実施形態は、蓋体106が開放位置と第1の開放作動位置との間で移動するときに、弾性要素114の第1の端部116が沿って移動するように構成される、第1の開放作動ガイド196と、蓋体106が開放位置と第2の開放作動位置との間で移動するときに弾性要素114の第1の端部116が沿って移動するように構成される、第2の開放作動ガイド198とを含む。弾性要素114の第1の端部116は、蓋体を開放位置から離れるようにエアロゾル発生装置100の本体102に向けて且つ閉鎖位置に向けて移動させるときに、第1の開放作動ガイド196に沿って移動する。弾性要素114の第1の端部116は、蓋体を開放位置から離れるようにエアロゾル発生装置100の本体102に向けて且つ閉鎖位置から離れるように移動させるときに、第2の開放作動ガイド196に沿って移動する。
【0186】
エアロゾル発生装置100は、第1若しくは第2の開放作動位置への蓋体106の移動及び/又は第1若しくは第2の開放作動位置における蓋体106の存在が検出されたときに、第1の作動信号及び第2の作動信号を開始するように動作可能である。この検出では、典型的には、作動検出器146を参照して又は
図16を参照して説明したセンサのタイプの1つであり得る1つ又は複数の開放作動センサ(図示せず)を使用する。
【0187】
第1の開放作動信号は、第2の開放作動信号とは異なる。一例として、第1の開放作動信号及び第2の開放作動信号は各々、各開放作動信号が、異なるタイプのエアロゾル基質に適切であり得るように、異なる電力で加熱器を作動させ得る。第1の開放作動信号及び第2の開放作動信号は各々、バッテリレベルの確認、加熱器温度の確認、又は使用時間の監視などの、他の動作を開始し得る。
【0188】
使用時に、ユーザは、蓋体106に力を及ぼして、蓋体を本体に向けて且つ閉鎖位置に向けて又は閉鎖位置から離れるように移動させる。ユーザによって及ぼされる力の方向に応じて、弾性要素114の第1の端部116は、第1の開放作動ガイド196又は第2の開放作動ガイド198のいずれかに沿って第2の位置から離れるように移動する。この移動は、弾性要素114を変形させ、弾性要素114によって抵抗され、抵抗の程度は、ガイドであって、それに沿って弾性要素114を移動させるガイドに応じて異なる。弾性要素118の第1の端部116が開放作動ガイド196、198のいずれかの端部に達した時点で、作動センサが作動され、作動信号が開始される。開始される作動信号は、第1の端部を開放作動ガイド196、198のどちらに沿って移動させたかによって決まる。
【0189】
ユーザが蓋体106から力を除去した時点で、弾性要素114によって及ぼされる力が、弾性要素114の第1の端部116を選択された開放作動ガイドの端部から離れるように第2の位置まで移動させるように作用し、蓋体106は、それに応じて、選択された開放作動位置から開放位置に移動する。
【0190】
より一般的には、任意の数の作動位置が任意の組み合わせで提供され得、任意選択的に、各々が、弾性要素114及び/又はそれぞれの弾性要素によって調整される動きを伴うことが理解されるであろう。別の例として、任意の複数の異なる作動位置が開放位置からアクセス可能であり得、複数の作動位置のうちの第1の開放作動位置は、蓋体106を開放位置から離れるようにエアロゾル発生装置100の本体102を横断して移動させることによって到達され、第2の開放作動位置は、蓋体を開放位置から離れるようにエアロゾル発生装置100の本体102に向けて移動させることによって到達される。同様に、複数の閉鎖作動位置が提供され得る。作動位置のいずれかに移動することは、弾性要素114を変形させることを含み得、弾性要素114の変形の大きさ及び方向は、蓋体106の移動方向によって決まる。それゆえ、各作動位置に移動するのに異なる力が必要となる場合がある。これは、例えば、より大量の電力を消費する動作に対してより大きな抵抗をもたらすのに有用である(例えば、加熱器を動作させるための作動位置へのアクセスは、バッテリレベルを確認するための作動位置へのアクセスよりも大きな力を必要とする場合がある)。
【0191】
いくつかの実施形態では、蓋体106は、作動位置から1つ又は複数の更なる作動位置に移動可能であり、一例として、エアロゾル発生装置100は、蓋体が開放位置から第1の作動位置に及び第1の作動位置から第2の作動位置に移動可能である、第1の作動位置及び第2の作動位置を含み得る。開放位置と第1の作動位置と間の移動方向と第1の作動位置と第2の作動位置との間の移動方向とは異なり得、その結果、蓋体106は、例えば、第1の作動位置に達するように本体102に向けて移動させ、次いで第2の作動位置に達するように本体102を横断するように移動させ得る。
【0192】
第9の実施形態
図19を参照すると、蓋体106の第9の実施形態によるエアロゾル発生装置100は、第9の実施形態の作動検出器146が第3の実施形態の作動検出器146とは異なる、すなわち、第9の実施形態の作動検出器146がリンク機構138によって押下されることを除いて、
図8を参照して説明した、第3の実施形態のエアロゾル発生装置100と同一である。より具体的には、第9の実施形態のガード取付具142は、ユーザが蓋体106の外部カバー112を押下したときに作動検出器146を押下するように構成される。
【0193】
更に、リンク機構138は、蓋体106が組み立てられた時点で、ガイド120に沿って移動するように構成される少なくとも1つの突出部200を含む。この実施形態では、リンク機構は4つの突出部200を含む。突出部200は、第1の実施形態の移動ピン136に取って代わり、蓋体106を形成するのに必要とされる構成要素の数を減らす。
【0194】
更に、第9の実施形態のガイド構成要素132は、第1のガイド構成部分132-1と第2のガイド構成部分132-2とを含む。2つの構成要素は、互いに嵌合してガイド要素132を形成するように構成される。これにより、簡単な組み立てを可能にするために2つのガイド構成部分132-1及び132-2がリンク機構138の周囲で嵌合されることが可能となる。
【0195】
図20~
図22を参照すると、蓋体106の第9の実施形態の構成要素と、蓋体106の第9の実施形態を作製する方法とが示されている。
【0196】
図20(a)は、リンク機構138と磁石202とを示す。磁石202は、リンク機構138内に嵌合して蓋体106の作製中に弾性要素114を適所に保持するように構成される。
【0197】
図20(b)は、磁石202がリンク機構138に挿入された状態のリンク機構138を示す。
図20(b)は更に、リンク機構138の一体移動ピン200上に装着可能であるように構成される、複数のピン軸受204を示す。ピン軸受204は、ガイド120に沿ったリンク機構138の円滑な移動を確実にする。
【0198】
図20(c)は、ピン軸受204が一体移動ピン200上に装着された状態のリンク機構138を示す。
図20(c)は更に、弾性要素114を示す。
【0199】
リンク機構138は、一体型の第1の端部ホルダ206を含む。弾性要素114の第1の端部116は、第1の端部ホルダ206によって画定された空洞の内側に嵌合するような大きさとされる。
【0200】
図20(d)及び
図20(e)は、第1の端部ホルダ206に挿入された弾性要素114の第1の端部116を示す。実際には、弾性要素114の第1の端部116を第1の端部ホルダ206の軸線B-Bに直交する方向に第1の端部ホルダ206に向けて直接移動させる。弾性要素114の第1の端部116が第1の端部ホルダの孔にぴったりと整合した時点、すなわち、第1の端部116が軸線B-B上に位置した時点で、弾性要素114の第1の端部116を第1の端部ホルダ206の軸線B-Bに沿って移動させる。
【0201】
図20(f)は、組み立てられたリンク機構を示す。弾性要素114の第1の端部116は、第1の端部ホルダ206内に保持されることによってリンク機構106に装着される。弾性要素114は更に、弾性要素114の第2の端部118がホルダ内に容易に位置することができるように、磁石202によって保持されることによってリンク機構138内に保持される。
【0202】
図21(a)及び(b)を参照すると、リンク機構は、第1のガイド構成部分132-1に挿入される。具体的には、リンク機構138の一方側の突出部200が第1のガイド構成部分132-1上のガイド部に挿入される。第1のガイド構成要素132-1は、第2の端部ホルダ208を含む。弾性要素114の第2の端部118は、第2の端部ホルダ208によって画定された空洞の内側に嵌合するような大きさとされる。作製中に、弾性要素114の第2の端部118は、第1のガイド構成部分132-1の第2の端部ホルダ208に挿入される。
【0203】
弾性要素114の第1の端部116は、リンク機構138に装着される。弾性要素114の第2の端部118は、第1のガイド構成要素132-1に装着される。したがって、リンク機構138が、ガイド構成要素132のガイド120に沿って移動する突出部200によって第1のガイド構成要素132-1に対して移動するにつれて、弾性要素114が変形する。
【0204】
図22(a)及び(b)は、第1のガイド構成部分132-1に嵌合される第2のガイド構成部分132-2を示す。第1のガイド構成部分132-1及び第2のガイド構成部分132-2並びにリンク機構138は、第2のガイド要素132-2が第1のガイド構成部分132-1に嵌合されたときにリンク機構138の突出部200が第1のガイド構成部分132-1及び第2のガイド構成部分132-2のガイド部に位置するような大きさとされる。したがって、リンク機構138は、ガイド構成部分132の構成要素によって適所に保持される。
【0205】
様々な実施形態では、第1及び第2のガイド構成部分132-2は、締まり嵌め、スナップ嵌め、及び/又はねじ若しくは化学接着剤などの接着手段を使用して、互いに固定される。
【0206】
図23を参照すると、ガイド構成部分132がリンク機構138の周囲に組み付けられた時点で、開口カバー126は、リンク機構138とガイド要素132との間に配置される。典型的には、これには、リンク機構138の本体が開口カバー126のチャネル130と整合されること、次いで、カバー開口128が開口104と重なるまで開口カバー126をリンク機構138に沿って移動させることが含まれる。
【0207】
次に、外部カバー112などの更なる構成要素が、リンク機構138上に装着され得る。
【0208】
その後、作製された蓋体106が、エアロゾル発生装置100の本体102内に配置される。
【0209】
使用時に、ユーザが外部カバー112に力を加えることによって、リンク機構138に力が伝達される。ユーザが力を及ぼして蓋体106を閉鎖位置から離れるように移動させると、リンク機構の突出部200は、蓋体106が開放位置に達するまでガイド要素のガイド120に沿って移動する。開放位置では、先端側突出部200(開口104に対して先端側)は、ガイド要素132のガイド120の端部に当接する。
【0210】
蓋体106が開放位置にあるときに、ユーザは、蓋体106の外部カバー112に下向きの圧力を及ぼし、その結果、リンク機構138の基端側突出部200がセンサガイド144に沿って移動する。これにより、リンク機構が、ガイド120の縁部によって適所に保持される先端側突出部200を中心に回転する。基端側突出部200がセンサガイド144に沿って移動するときに、リンク機構のガード取付具142が作動検出器146を押下し、作動検出器146が作動信号を開始する。
【0211】
定義及び代替実施形態
上記の説明から、異なる実施形態の多くの特徴が互いに交換可能であることが理解されるであろう。本開示は、具体的に言及されていない形態で一緒に組み合わされた、異なる実施形態からの特徴を含む、更なる実施形態に及ぶ。
【0212】
詳細な説明では、弾性要素114の第1の端部116がガイド120に沿って移動するにつれて圧縮される弾性要素114の使用が主に考慮されているが、弾性要素114は、弾性要素114の第1の端部116がガイド120に沿って移動するにつれて伸張するように構成され得ることが理解されるであろう。これらの実施形態では、伸張力は、閉鎖位置又は開放位置のいずれかにおいて蓋体106が安定したままとなるように、第1の端部116を第1の位置範囲から閉鎖位置に向けて及び第2の位置範囲から開放位置に向けて戻すように同様に構成される。圧縮構成とは対照的に、伸張構成の使用によって、典型的には、弾性要素114の第1の端部が、本体102のより近傍にあるガイド120の側部に向けて押しやられる。圧縮構成では、蓋体106が、典型的には、蓋体106を移動させるユーザの手に押し付けられる一方で、伸張構成では、蓋体106が、典型的には、蓋体106を移動させるユーザの手から離れるように押しやられる。
【0213】
詳細な説明では、ガイド120に沿って移動する弾性要素114の第1の端部116が主に考慮されているが、第1の端部116が、ガイド120に沿って移動する別の要素にも取り付けられ得るか又は別の要素と相互作用し得る(これは考慮される実施形態のサブセットの場合である)ことが理解されるであろう。例えば、第2の実施形態を考慮すると、弾性要素114の第1の端部116は、ガイド120に沿って移動するのではなく、むしろリンク機構138に取り付けられ、このリンク機構138は、ガイド120に沿って移動するピン150、154を含む。このようにして、弾性要素114の第1の端部116は、ガイド120に沿って移動しないとしても、ガイド120に沿って移動する構成要素への第1の端部116の取り付けによってガイドに沿って移動する。更に、第1の端部116はガイド120の側部に直接接触しなくてもよいが、ピン150、154はガイド120の側部に接触するので、弾性要素114の力がガイド120の側部に間接的に伝達される。
【0214】
本明細書で使用する場合、「蒸気(vapour)」(又は「蒸気(vapor)」)という用語は、(i)液体が十分な程度の熱の作用によって自然に変換される形態、又は(ii)大気中に浮遊し、湯気/煙の雲として視認できる液体/湿気の粒子、又は(iii)気体のように空間を満たすが、臨界温度を下回っている時は圧力だけで液化できる流体を意味する。
【0215】
この定義と整合して、「気化させる(vaporise)」(又は「気化させる(vaporize)」)という用語は、(i)蒸気へと変化させるか、又は蒸気への変化を生じさせること、及び(ii)粒子が物理状態を変化させる(すなわち、液体又は固体から気体状態に)場合を意味する。
【0216】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル」という用語は、ミスト、霧、又は煙など、空気又はガス中に分散された粒子系を意味するものとする。よって、「エアロゾル化する(aerosolise)」(又は「エアロゾル化する(aerosolize)」)という用語は、エアロゾルにすること、及び/又はエアロゾルとして分散させることを意味する。エアロゾル/エアロゾル化するという意味は、上記で定義した揮発する、噴霧する、及び気化させる、の各々と整合することに留意されたい。誤解を回避するために、エアロゾルは、噴霧された、揮発された、又は気化された粒子を含むミスト又は液滴を一貫して説明するために使用される。エアロゾルはまた、噴霧された、揮発された、又は気化された粒子の任意の組み合わせを含むミスト又は液滴も含む。