(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-08
(45)【発行日】2024-08-19
(54)【発明の名称】操向ツール
(51)【国際特許分類】
A61M 25/01 20060101AFI20240809BHJP
【FI】
A61M25/01
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022126984
(22)【出願日】2022-08-09
(62)【分割の表示】P 2019522796の分割
【原出願日】2017-11-06
【審査請求日】2022-08-09
(32)【優先日】2016-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516170886
【氏名又は名称】ベンディット テクノロジーズ リミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(72)【発明者】
【氏名】カビリ,オズ
【審査官】竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/095475(WO,A1)
【文献】特表2000-503225(JP,A)
【文献】国際公開第2016/089202(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/00
A61M 25/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部チューブの内部に配設された内部チューブを備える操向ツールであって、前記内部チューブおよび前記外部チューブが、互いに対する長手軸方向移動のために配置され、前記内部チューブの遠位部分が、接合領域において溶接、超音波溶接、熱結合、接着結合または成形により前記外部チューブの遠位部分に固定的に接合され、前記内部チューブおよび前記外部チューブのうちの少なくとも一方には、その遠位端の近くで前記接合領域の近位に横方向スロットが形成され、前記長手軸方向移動によって前記外部および内部チューブの前記遠位端の曲げが生じ、
前記外部および内部チューブのうちの少なくとも一方のチューブが、
溶接、超音波溶接、熱結合、接着結合または成形により固定的に接合された前記接合領域の遠位にある可撓性遠位部分を備え、前記可撓性遠位部分には、溝が形成されている、
操向ツール。
【請求項2】
前記可撓性遠位部分には、らせん溝が形成されている、請求項1に記載の操向ツール。
【請求項3】
前記可撓性遠位部分を覆うカバーをさらに備える、請求項1に記載の操向ツール。
【請求項4】
前記カバーが送信機または受信機を備える、請求項3に記載の操向ツール。
【請求項5】
前記外部および内部チューブのうちの少なくとも一方のチューブが、最近位部分と、中間部分と、最遠位部分とを備え、前記最遠位部分が、前記中間部分および前記最近位部分よりも高い可撓性を有し、前記最近位部分が、前記中間部分および前記最遠位部分よりも高い軸方向の剛性を有する、請求項1に記載の操向ツール。
【請求項6】
前記外部および内部チューブのうちの少なくとも一方のチューブが、その長さの少なくとも一部にわたって、長手方向間隙によって互いから分離された固体材料の2つの連続する長手方向領域を備え、前記長手方向間隙が、分離線と、前記分離線に沿って長手方向に互いから軸方向に分離された開口とを備える、請求項1に記載の操向ツール。
【請求項7】
前記外部および内部チューブのうちの少なくとも一方のチューブが、その長さの少なくとも一部にわたって、長手方向間隙によって互いから分離された固体材料の2つの連続する長手方向領域を備え、前記長手方向間隙が、互いから軸方向に離間された開口を備える、請求項1に記載の操向ツール。
【請求項8】
前記内部チューブおよび前記外部チューブの各々に、接合および組立中の前記内部チューブおよび前記外部チューブの正確な軸方向および回転方向位置合わせのための1つまたは複数の位置合わせ穴が形成された、請求項1に記載の操向ツール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、体内管腔を通る医療デバイスを操向するための操向ツールに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明者に対する、PCT特許出願PCT/US2013/040691が、体内管腔を通る医療デバイスを操向するための操向ツールについて説明する。操向ツールは、外部チューブの内部に配設された内部チューブを有する。内部チューブおよび外部チューブは、互いに対する長手軸方向移動のために配置される。内部チューブの遠位端が、外部チューブの遠位端に固定的に接合(join)される。内部チューブおよび外部チューブの一方または両方には、それの遠位端の近くにスロットがつけられる。長手軸方向移動は、チューブの遠位端の曲げを引き起こす。内部チューブおよび外部チューブの一方または両方には、それの遠位端の近くにスロットがつけられる。操向ツールは、操向可能性と柔軟性とトルク性とを組み合わせた、遠位先端を提供する。上記ツールは、引き/押しワイヤの必要をなくす。
【0003】
上記操向ツールの利点のうちのいくつかとしては、断面の低減、異なる方向における(2つまたはそれ以上の側に向かう)曲げの一様な安定性のための各方向における丸い断面、極めて薄い壁厚、および極めて小さいチューブ(たとえば、直径0.2~3mm)に適用可能であること、がある。操向ツールは、より大きいチューブでも良好に動作する。操向ツールは、製造を簡略化し、医療および工業分野における任意の操向可能なツールのための部品の数を低減する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、以下でより詳細に説明されるように、体内管腔を通る医療デバイスを操向するための上記操向ツールにさらなる改善を与えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
したがって、本発明の一実施形態によれば、外部チューブの内部に配設された内部チューブを含む操向ツールが与えられ、内部チューブおよび外部チューブは、互いに対する長手軸方向移動のために配置され、内部チューブの遠位部分が、接合領域において外部チューブの遠位部分に固定的に接合され、内部チューブおよび外部チューブのうちの少なくとも一方には、その遠位端の近くに横方向スロットが形成され、長手軸方向移動によって、外部および内部チューブの遠位端の曲げが生じ、チューブのうちの少なくとも一方が、その長さの少なくとも一部にわたって、長手方向間隙によって互いから分離された固体材料の2つの連続する長手方向領域を含む。
【0006】
本発明の一実施形態によれば、チューブのうちの少なくとも一方が、接合領域の遠位にある可撓性遠位部分を含み、可撓性遠位部分は、そのチューブの他の部分よりも高い可撓性を有する。可撓性遠位部分には、らせん溝が形成され得る。
【0007】
本発明の一実施形態によれば、可撓性遠位部分を覆うカバーが提供される。カバーは、可撓性遠位部分よりも柔らかいことも柔らかくないこともある。
本発明の一実施形態によれば、カバーは送信機または受信機を含む。
【0008】
本発明の一実施形態によれば、チューブのうちの少なくとも一方が、最近位部分と、中
間部分と、最遠位部分とを含み、最遠位部分は、中間部分および最近位部分よりも高い可撓性を有し、最近位部分は、中間部分および最遠位部分よりも高い軸方向の剛性を有する。
【0009】
本発明の一実施形態によれば、長手方向間隙は、分離線と、間隙に沿って長手方向に互いから軸方向に分離された、間隙を通って形成された開口とを含む。開口は、たとえば、スタジアム(丸みのある端部を有する矩形)の形状であり得る。
【0010】
本発明の一実施形態によれば、内部チューブおよび外部チューブには各々、接合および組立中の内部チューブおよび外部チューブの正確な軸方向および回転方向位置合わせのための1つまたは複数の位置合わせ穴が形成される。
【0011】
本発明の一実施形態によれば、外部チューブの内部に配設された内部チューブを含む操向ツールも与えられ、内部チューブおよび外部チューブは、互いに対する長手軸方向移動のために配置され、内部チューブの遠位部分が、接合領域において外部チューブの遠位部分に固定的に接合され、内部チューブおよび外部チューブのうちの少なくとも一方には、その遠位端の近くに横方向スロットが形成され、長手軸方向移動によって外部および内部チューブの遠位端の曲げが生じ、チューブのうちの少なくとも一方が、接合領域の遠位にある可撓性遠位部分を含み、可撓性遠位部分は、そのチューブの他の部分よりも高い可撓性を有する。
【0012】
本発明の方法によれば、操向ツールは、カメラ、電気エネルギーデバイス、照明デバイス、血栓摘出デバイス、光ファイバーデバイスまたはレーザーデバイスを治療部位に対して押すか、引くか、または誘導するために使用され得る。
【0013】
操向ツールは、体内管腔を通るツールまたは物質の送達における多くの適用例を有する。1つの例示的な適用例は、脳動脈瘤を治療するための血管内コイル塞栓術(endovascular coiling)の適用例である。従来技術では、動脈瘤を封止しおよび/または血管壁への圧力を低減するように、コイルの周りの血液凝固を促進しようとして、コイルが動脈瘤に送達される。従来技術では、コイルは、マイクロカテーテルの遠位端から送達される。多くの動脈瘤は、高いパッキング密度を達成するために、2つ以上のコイルを送達することを必要とする。2つ以上のコイルを送達する際にいくつかの課題がある。たとえば、動脈瘤をふさぐために、正確に狙いを定め、コイル送達ツールの先端を動脈瘤の内部に配置することが困難である。別の例では、コイルを動脈瘤に注入しながら送達ツールの先端を安定に維持し、同時に、先端のキックバック影響を回避することが困難である。また別の例では、送達ツールを引っ込めることなしに、残りの開いた空間に別のコイルを送達するために先端を動脈瘤の内部で再配置することが困難である。従来技術では、送達ツール(カテーテル)は、引っ込められ、次いで、異なるカテーテル角度で再び入れられなければならない。従来技術とは対照的に、本発明の操向ツールでは、操向ツールは、引っ込められる必要はなく、むしろ、所定の位置にとどまり、オペレータは、ただ、正確に先端の狙いを定めるために先端を回転させ、先端は安定したままである。
【0014】
別の例として、従来技術では、カテーテルを大動脈弓から総頸動脈に誘導し、そこから頸動脈動脈分岐に誘導して、脳に誘導することが困難である。これは、石灰化などで、大動脈弓が遮断された患者の場合、または、高齢患者などにおいて、大動脈弓が弱く、変形した患者の場合、特に困難であることがある。対照的に、本発明の操向ツールは、多くの曲がりがある管腔を通って操向可能であり、それらの曲がり全体にわたってより良好なレベルのトルクと押し込み性(pushability)とを維持し、その結果、操向ツールは、石灰化の存在下でさえ、大動脈弓から総頸動脈および頸動脈動脈分岐までの必要とされる曲がりを通り抜けることができる。
【0015】
本発明は、添付の図面とともに与えられる以下の詳細な説明から、より十分に理解および認識されよう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の非限定的な実施形態による、操向ツールの遠位部分の簡略図である。
【
図2】本発明の非限定的な実施形態による、チューブのうちの一方(たとえば、内部チューブ)の遠位部分を示す、操向ツールの簡略図である。
【
図3】チューブが、長手方向間隙によって互いから分離された固体材料の2つの連続する長手方向領域を含むことを示す、
図3の遠位部分の別の簡略図である。
【
図5】操向ツールの最遠位部分と、中間部分と、最近位部分とを示す、操向ツールの簡略画像図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明の非限定的な一実施形態による、操向ツール10を示す
図1が参照される。
操向ツール10は、外部チューブ14の内部に配設された内部チューブ12を含む。内部チューブ12の遠位部分が、接合領域16において外部チューブ14の遠位部分に固定的に接合される(「接合」は以下で定義される)。接合領域は、実施形態のいずれについても、チューブの遠位先端から離れていることがあるか、またはチューブの遠位先端にあることがある。内部チューブ12および外部チューブ14は、(互いに接合されたそれらの遠位部分を除いて)互いに対する長手軸方向移動のために配置され、長手軸方向移動は、チューブ12および14の遠位端の曲げを引き起こす。内部チューブ12および外部チューブ14の一方または両方には、それらの遠位端の近くに横方向スロット18が形成され得る。
図1の図示の実施形態では、内部チューブ12および外部チューブ14の両方に、横方向スロット18が形成される。
【0018】
内部チューブ12および外部チューブ14は、限定はしないが、ステンレス鋼(たとえば、AISI 316)、ニチノール、コバルトクロム合金、ニッケルチタン合金など、ガラスファイバー、プラスチック(たとえば、ナイロン、ポリプロピレン、および多くの他のもの)またはそれらの組合せなど、好適に可撓性を有する、医学的に安全な材料から作られ得る。
【0019】
「接合」という用語は、限定はしないが、溶接、超音波溶接、熱結合、接着結合、成形など、チューブの材料を互いに接続するための任意の方法を包含する。たとえば、接合領域16は、接合処理中に互いに適切な角度および軸配向でチューブの位置を合わせる(register)のを助けるための、チューブの一方または両方において形成された位置合わせ穴であり得る。接合中にチューブを適切に位置合わせされた状態に保つために、位置合わせピン(図示せず)が、位置合わせ穴に挿入され得る。位置合わせ穴は、チューブが誤って不正確に位置合わせされないことを保証するために、偏心している、および/または2つの異なる直径のものであり得る。
【0020】
次に説明されるように、チューブのうちの一方の遠位部分が、可撓性を有し、拡張可能であり得る。このことは、接合処理において有利であり得、すなわち、可撓性を有し拡張可能な部分は、接合中に拡張することができ(特に、溶接または他のタイプの熱接合にとって役立ち)、これは、加熱によるチューブ材料の拡張を補償するか、または接合点における直径の差を補償し、したがって、ワーキングチャネル(working channel)を動きにくくし得る材料を加える必要を低減することができる。
【0021】
内部チューブ12および外部チューブ14の一方または両方は(
図1の図示の実施形態では、それは内部チューブ12である)、接合領域16の遠位にある可撓性遠位部分20を含み得る。可撓性遠位部分20は、そのチューブ(図示の実施形態では、チューブ12)の他の部分よりも高い可撓性を有する。
【0022】
遠位部分20を可撓性にする1つのやり方は、それが(
図2および
図3中で最も良く見られる)らせん溝22を形成することによるものである。らせん溝22は、遠位部分20の弾力性を増加させ、遠位部分20が、接合処理中に放射状に拡張または収縮することを可能にする。
【0023】
(
図1に示されている)可撓性遠位部分20を覆うカバー24が随意に配置され得る。カバー24は、限定はしないが、シリコーン、ゴム、ネオプレン、ラテックスなど、エラストマー材料から作られ得る。カバー24は、可撓性遠位部分20よりも柔らかくてよい。カバー24は、送信機または受信機26を含み得、それらは、体内管腔を通り抜けるとき、操向ツールチューブ組立体の位置データを送信するために使用され得る。カバー24は、操向ツールチューブ組立体上に保たれ得るか、または使用前または使用中に随意に取り外され得る。
【0024】
次に
図3が参照される。内部チューブ12および外部チューブ14の一方または両方は(
図1の図示の実施形態では、それは内部チューブ12である)、それの長さの少なくとも一部にわたって、長手方向間隙(longitudinal gap)によって互いから分離された固体材料の2つの連続する長手方向領域26および28を含み得る。間隙は、単に、チューブの長さの一部分に沿って互いから軸方向に離間された開口32であり得る。代替的に、間隙は、分離線30と、分離線30に沿って長手方向に互いから軸方向に分離された開口32とを含み得る。開口32は、スタジアム形状(すなわち、丸みのある端部を有する矩形)を有し得る。代替的に、開口32は、限定はしないが、卵形、円形、楕円、多角形、不規則など、他の形状を有し得る。別の代替として、間隙は、単に分離線30であり得る。
【0025】
したがって、本発明の一態様では、操向デバイスを作るために2つの完全なチューブ(一方が内部チューブで他方が外部チューブ)の端部においてそれらのチューブを互いに接合する代わりに、チューブのうちの一方(必ずしもそうではないが、好ましくは、内部チューブ)は、完全な360°外周チューブではなく、むしろ、間隙が形成された可撓性部材である。2つのチューブの遠位端が互いに接合される従来技術とは対照的に、この実施形態では、1つのチューブ(外部チューブ)のみがあり、内部チューブがない。内部チューブの代わりに、金属片が、間隙(たとえば、約1~1000ミクロン幅、または、より好ましくは約20~500ミクロン)によって互いから分離された湾曲側部を有する湾曲した(たとえば、筒)形状に、曲げられるか、または圧延されるか、または他の方法で形成される。
【0026】
固体材料の2つの連続する長手方向領域26および28は、操向ツールの曲げ剛性(bending stiffness)を増加させるのを助け、また同時に、間隙により、ひびまたは応力破壊に対するより良好な抵抗を有する。開口32は、ひびまたは応力破壊に対する抵抗を増加させるために応力除去を行い得る。これは、破損の場合、ひびが第2の実線に続かないように、危機管理を行う。
【0027】
次に
図5が参照される。操向ツール10では、チューブ12およびチューブ14の一方または両方が、最近位部分34と、中間部分36と、最遠位部分38とを含む。本発明の非限定的な実施形態によれば、最遠位部分38は、中間部分36および最近位部分34よりも高い可撓性を有する。本発明の非限定的な実施形態によれば、最近位部分34は、中
間部分36および最遠位部分38よりも高い軸方向の剛性を有する。固体材料の2つの連続する長手方向領域(
図3)は、中間部分36中に存在し得、最近位部分34中にも存在し得る。それらは、最遠位部分38中にも存在し得る。
【0028】
中間部分36は、体内管腔を通って操向するために可撓性を有し得るが、最近位部分34は、それが操作ハンドル(図示せず)に接続する部分であるので、より軸方向に高い剛性を有する。操作ハンドルは、PCT特許出願PCT/US2014/071075または米国特許出願第15/057329号に記載されたようなものであり得る。
【0029】
次に、操向ツールの近位部分34を示す
図4が参照される。近位部分34は、連続的に接続されたリンク(換言すれば、連結部)を含み得、リンクは、形状がU字形状と逆(反転した)U字形状との間で交互する。U字形状および逆U字形状の側部は、まっすぐ(換言すれば、垂直)ではなく、代わりに横方向に内側または外側に傾斜している。この形状は、高い軸方向荷重を支えるために良好な軸方向剛性を与え、負荷を複数のリンクにわたって分散し、それにより、破壊の可能性を低減する。形状は、曲げモードに影響を及ぼすことになる、(ばね形状または対角線形状で発生することがある)トルクを生じないように設計される。
【0030】
操向ツールは、限定はしないが、脳への薬の直接注入など、体内の場所に高い精度で流体を送達するために使用され得る。たとえば、操向ツールは、血管を通ってまたは血管内に突き出て、脳、腫瘍または感染した部位中に物質を直接注入するための針として使用され得る。操向ツールは、腫瘍または他の部位を凍結するための冷却された気体を導き、送達するためのカテーテルとして使用され得る。操向ツールは、照明、治療、切除または乾燥あるいは他の使用のための光ファイバーまたはレーザーデバイスを誘導するためのカテーテルとして使用され得る。
【0031】
実施形態のいずれにおいても、内部部材/チューブ、外部チューブおよび/またはツール全体の遠位エッジ形状は、円形だけでなく、電極形状、針形状または他の形状としても形成され得る。
【0032】
実施形態のいずれにおいても、内部部材/チューブおよび外部チューブのいずれか一方または両方が、接合領域の近位にある部分(限定はしないが、
図5の部分36など)を有し得、この部分は、事前形成(pre-shaped)され、形状記憶材料(たとえば、ニチノール)から作られる。操向可能な先端と事前形成された形状記憶部分との組合せが、異なる形状の体内管腔を通り抜ける操向ツールのさらなる可能性を追加し得る。事前形成された形状記憶部分は、最初は、誘導または導入カテーテルの外への展開前に、カテーテルの内部にあるいくぶんまっすぐなまたは収縮した構成であり、次いで、カテーテルの外への展開後に、それの事前形成された構成に戻り得る。同様に、事前形状は、操向ツールを、事前形状を有することが望まれる部分において局所的に熱処理することによって、達成され得る。