(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-08
(45)【発行日】2024-08-19
(54)【発明の名称】抗癌活性及び抗増殖活性を呈する2-アミノピリミジン-6-オン及び類似体
(51)【国際特許分類】
C07D 401/14 20060101AFI20240809BHJP
A61K 31/444 20060101ALI20240809BHJP
A61K 31/513 20060101ALI20240809BHJP
A61P 1/00 20060101ALI20240809BHJP
A61P 3/00 20060101ALI20240809BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20240809BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20240809BHJP
A61P 19/00 20060101ALI20240809BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20240809BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240809BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20240809BHJP
A61P 35/04 20060101ALI20240809BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240809BHJP
C07D 401/12 20060101ALI20240809BHJP
【FI】
C07D401/14 CSP
A61K31/444
A61K31/513
A61P1/00
A61P3/00
A61P9/00
A61P13/12
A61P19/00
A61P25/00
A61P35/00
A61P35/02
A61P35/04
A61P43/00 105
C07D401/12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022173722
(22)【出願日】2022-10-28
(62)【分割の表示】P 2021138625の分割
【原出願日】2014-03-14
【審査請求日】2022-11-25
(32)【優先日】2013-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509102937
【氏名又は名称】デシフェラ ファーマシューティカルズ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】カウフマン,マイケル ディー.
(72)【発明者】
【氏名】フリン,ダニエル エル.
(72)【発明者】
【氏名】アーン,ユ ミ
(72)【発明者】
【氏名】ヴォゲティ,ラクシュミナラヤナ
(72)【発明者】
【氏名】コールドウェル,ティモシー マルコム
【審査官】長谷川 莉慧霞
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0214544(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0255155(US,A1)
【文献】特表2012-507551(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0315917(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY/MARPAT(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式8
【化1】
の化合物であって、
式中、
Zが、ヨウ素または臭素であり、
Wが、C5~C6ヘテロアリール、フェニル、-NHC(O)R6、-NHC(O)R7、-NHC(O)N(R8)R9、または-C(O)N(R8)R9であり、各C5~C6ヘテロアリールまたはフェニルが、1つ、2つ、または3つのR5部分によって任意に置換され、
X1及びX2が、個々に独立して、水素またはC1~C6アルキルであり、
各R5が、個々に独立して、水素、C1~C6アルキル、アルキル鎖が部分的もしくは完全に重水素化された重水素化-C1~C6アルキル、分枝C3~C8アルキル、ハロゲン、シアノ、アルキル鎖が部分的もしくは完全にフッ素化されたフルオロC1~C6アルキル、-(CH
2)
m-C(O)NR8(R9)、-(CH
2)
m-C(O)R7、-(CH
2)
m-OR8、-(CH
2)
m-NR8(R9)、または-(CH
2)
m-R7であり、各アルキレンが、C1~C4アルキルで任意に置換され、
各R6が、個々に独立して、ハロゲン、C1~C6アルキル、分枝C3~C8アルキル、C3~C8シクロアルキル、-(CH
2)
m-CN、-(CH
2)
m-OR8、-(CH
2)
m-NR8(R9)、または-(CH
2)
m-R7であり、各アルキレンが、C1~C4アルキルで任意に置換され、
各R7が、個々に独立して、
【化2】
からなる群から選択され、記号(##)が、R7部分を含有するW、R5、またはR6部分それぞれへの結合点であり、
各R7が、-(R10)
pで任意に置換され、
各R8及びR9が、個々に独立して、水素、C1~C6アルキル、アルキル鎖が部分的もしくは完全にフッ素化されたフルオロ-C1~C6アルキル、または分枝C3~C8アルキルであり、
各R10が、個々に独立して、C1~C6アルキル、-(CH
2)
m-CN、-(CH
2)
m-OR3、又は-(CH
2)
m-NR8(R9)であり、各アルキルまたはアルキレンが、1つまたは2つのC1~C6アルキルで任意に置換され、
各アルキレンが、C1~C4アルキルで任意に置換され、
R3が、水素、C1~C6アルキル、アルキル鎖が部分的または完全に重水素化された重水素化-C1~C6アルキル、分枝C3~C8アルキル、C3~C8シクロアルキル、アルキルが完全にもしくは部分的にフッ素化されたフルオロC1~C6アルキル、または3員~8員複素環式環であり、
各mが、個々に独立して、0、1、2、または3であり、
各pが、0、1、2、または3である、前記化合物。
【請求項2】
X1およびX2のうちの一方がC1~C6アルキルであり、もう一方が水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記化合物が、以下の構造
【化3】
を有する、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
前記化合物が、以下の構造
【化4】
を有する、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項5】
請求項1に記載の式8の化合物を調製するためのプロセスであって、前記プロセスが、
式26
【化5】
の化合物を、テトラブチルアンモニウム臭化物又はヨウ化カリウムと反応させることで、式8の化合物を産生することを含み、W、X1、およびX2が、請求項1で式8の化合物について定義されたとおりである、プロセス。
【請求項6】
ジブロモメタン又はジヨードメタンの存在を含ませることをさらに含む、請求項5に記載のプロセス。
【請求項7】
亜硝酸tert-ブチルの存在を含ませることをさらに含む、請求項5又は6に記載のプロセス。
【請求項8】
式25
【化6】
の化合物を、式6
M-W
6
の化合物と反応させることで、式26の化合物を産生することを含み、
W、X1、およびX2が、請求項1で式8の化合物について定義されたとおりであり、
Mが、トリアルキルスタニル、ボロン酸、およびボロン酸エステルからなる群から選択され、ただし、MがHである場合、Wは、-NHC(O)R6、-NHC(O)R7、または-NHC(O)N(R8)R9である、
請求項5に記載のプロセス。
【請求項9】
式24
【化7】
の化合物を減少させることで、式25の化合物を産生することをさらに含み、X1、およびX2が、請求項1で式8の化合物について定義されたとおりである、
請求項8に記載のプロセス。
【請求項10】
前記減少させることが、亜鉛及び塩化アンモニウムの存在を含む、請求項9に記載のプロセス。
【請求項11】
プロトン性溶媒の存在をさらに含む、請求項9又は10に記載のプロセス。
【請求項12】
(i)式24
【化8】
の化合物を、式6
M-W
6
の化合物と反応させることで、ニトロ部分を含有する中間化合物を産生すること、
ここで、W、X1、およびX2が、請求項1で式8の化合物について定義されたとおりであり、
Mが、トリアルキルスタニル、ボロン酸、およびボロン酸エステルからなる群から選択され、ただし、MがHである場合、Wは、-NHC(O)R6、-NHC(O)R7、または-NHC(O)N(R8)R9である;および
(ii)ニトロ部分を含有する前記中間化合物を減少させることで、式26の化合物を産生すること
をさらに含む、請求項5に記載のプロセス。
【請求項13】
前記減少させることが、亜鉛及び塩化アンモニウムの存在を含む、請求項12に記載のプロセス。
【請求項14】
プロトン性溶媒の存在をさらに含む、請求項12又は13に記載のプロセス。
【請求項15】
式22
【化9】
の化合物を、式23
【化10】
の化合物と反応させることで、式24の化合物を産生することをさらに含み、
X1、およびX2が、請求項1で式8の化合物について定義されたとおりであり、
Yが、ハロゲンである、
請求項9、10、12、および13のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項16】
塩基の存在をさらに含む、請求項15に記載のプロセス。
【請求項17】
X1およびX2のうちの一方がC1~C6アルキルであり、もう一方が水素である、請求項5、6、8~10、12、および13に記載のプロセス。
【請求項18】
式8の化合物が、以下の構造
【化11】
を有する、請求項5に記載のプロセス。
【請求項19】
式8の化合物が、以下の構造
【化12】
を有する、請求項5に記載のプロセス。
【請求項20】
式17
【化13】
の化合物であって、
式中、
Wが、C5~C6ヘテロアリール、フェニル、-NHC(O)R6、-NHC(O)R7、-NHC(O)N(R8)R9、または-C(O)N(R8)R9であり、各C5~C6ヘテロアリールまたはフェニルが、1つ、2つ、または3つのR5部分で任意に置換され、
X1およびX2が、個々に独立して、水素、またはC1~C6アルキルであり、
R1が、C1~C6アルキル、アルキル鎖が部分的または完全に重水素化された重水素化-C1~C6アルキル、または分枝C3~C8アルキルであり、
各R5が、個々に独立して、水素、C1~C6アルキル、アルキル鎖が部分的もしくは完全に重水素化された重水素化-C1~C6アルキル、分枝C3~C8アルキル、ハロゲン、シアノ、アルキル鎖が部分的もしくは完全にフッ素化されたフルオロ-C1~C6アルキル、-(CH
2)
m-C(O)NR8(R9)、-(CH
2)
m-C(O)R7、-(CH
2)
m-OR8、-(CH
2)
m-NR8(R9)、または-(CH
2)
m-R7であり、各アルキレンが、C1~C4アルキルで任意に置換され、
各R6が、個々に独立して、水素、C1~C6アルキル、分枝C3~C8アルキル、C3~C8シクロアルキル、-(CH
2)
m-CN、-(CH
2)
m-OR8、-(CH
2)
m-NR8(R9)、または-(CH
2)
m-R7であり、各アルキレンが、C1~C4アルキルで任意に置換され、
各R7が、独立して個々に、
【化14】
からなる群から選択され、記号(##)が、R7部分を含有するW、R5、またはR6部分それぞれへの結合点であり、
各R7が、-(R10)
pで任意に置換され、
各R8及びR9が、個々に独立して、水素、C1~C6アルキル、アルキル鎖が部分的もしくは完全にフッ素化されたフルオロ-C1~C6アルキル、または分枝C3~C8アルキルであり、
各R10が、個々に独立して、C1~C6アルキル、-(CH
2)
m-CN、-(CH
2)
m-OR3、または-(CH
2)
m-NR8(R9)であり、各アルキルまたはアルキレンが、1つまたは2つのC1~C6アルキルで任意に置換され、
各アルキレンが、C1~C4アルキルで任意に置換され、
R3が、水素、C1~C6アルキル、アルキル鎖が部分的もしくは完全に重水素化された重水素化-C1~C6アルキル、分枝C3~C8アルキル、C3~C8シクロアルキル、アルキルが完全にもしくは部分的にフッ素化されたフルオロC1~C6アルキル、または3員~8員複素環式環であり、
各mが、個々に独立して、0、1、2、または3であり、
各pが、0、1、2、または3である、前記化合物。
【請求項21】
X1およびX2のうちの一方がC1~C6アルキルであり、もう一方が水素である、請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
式17の化合物が、以下の構造
【化15】
を有する、請求項20または21に記載の化合物。
【請求項23】
請求項20に記載の式17の化合物を調製するためのプロセスであって、前記プロセスが、
式8
【化16】
の化合物を、式14または式15
【化17】
の化合物と、パラジウム触媒の存在下で反応させることで、式17の化合物を産生することを含み、
Zが、ヨウ素又は臭素であり、
W、X1、X2、およびR1が、請求項20で式17の化合物について定義されたとおりである、プロセス。
【請求項24】
前記パラジウム触媒が、Pd(PPh
3)
4およびPd
2(dba)
3から選択される、請求項23に記載のプロセス。
【請求項25】
請求項20に記載の式17の化合物を調製するためのプロセスであって、前記プロセスが、
式16
【化18】
の化合物を、式6
M-W
6
の化合物と、第1のパラジウム触媒の存在下で反応させることで、式17の化合物を産生することを含み、
Mが、H、トリアルキルスタニル、ボロン酸、およびボロン酸エステルからなる群から選択され、
W、X1、X2、およびR1が、請求項20で式17の化合物について定義されたとおりであり、ただし、MがHである場合、Wは、-NHC(O)R6、-NHC(O)R7、または-NHC(O)N(R8)R9である、プロセス。
【請求項26】
前記第1のパラジウム触媒が、Pd(PPh
3)
4およびPd
2(dba)
3から選択される、請求項25に記載のプロセス。
【請求項27】
X1およびX2のうちの一方がC1~C6アルキルであり、もう一方が水素である、請求項25または26に記載のプロセス。
【請求項28】
式17の化合物が、以下の構造
【化19】
を有する、請求項25または26に記載のプロセス。
【請求項29】
式2
【化20】
の化合物を、式14または式15
【化21】
の化合物と、第2のパラジウム触媒の存在下で反応させることで、式16の化合物を産生することをさらに含み、
R1、X1、およびX2が、請求項20で式17の化合物について定義されたとおりである、
請求項25に記載のプロセス。
【請求項30】
前記第2のパラジウム触媒が、Pd(PPh
3)
4およびPd
2(dba)
3から選択される、請求項29に記載のプロセス。
【請求項31】
式16の化合物が、以下の構造
【化22】
を有する、請求項25または29に記載のプロセス。
【請求項32】
式20
【化23】
の化合物を、式21
【化24】
の化合物と反応させることで、式2の化合物を産生することさらに含み、
X1およびX2が、請求項20で式17の化合物について定義されたとおりである、
請求項29または30に記載のプロセス。
【請求項33】
以下の構造
【化25】
を有する、化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権
本出願は、2013年3月15日に出願された米国仮特許出願第61/792,812号の利益を主張する。この出願の開示全体が、本出願に依存し、参照により組み込まれる。
【0002】
電子的に提出されたテキストファイルの説明
本明細書とともに電子的に提出されるテキストファイルの内容は、参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる。配列表のコンピューター可読フォーマットのコピー(ファイル名:DECP_062_01US_SeqList_ST25.txt、記録日:2014年3月15日、ファイルサイズ:18キロバイト)。
【0003】
技術分野
c-FMS(CSF-1R)、c-KIT、及び/またはPDGFRキナーゼの阻害による癌、自己免疫疾患、及び骨代謝障害の治療において有用性を見出す化合物が説明される。これらの化合物は、c-FMS、c-KIT、またはPDGFRキナーゼによって媒介される他の哺乳動物の疾患の治療においても有用性を見出す。
【背景技術】
【0004】
背景技術
自己免疫関節炎を含む自己免疫疾患は、高い罹患率及び有病率の重大なヒト疾患を表す。関節リウマチは、世界人口の約0.6%に影響を及ぼしている(Firestein,G.S.,Nature(2003)423:356)。組織抗原と反応する自己抗体の生成を伴う適応免疫応答は、これらの疾患の病因論及び初期進展に関与するが(Edwards,J.C.et al,New England Journal of Medicine(2004)350:2572、Genovese,M.C.et al,New England Journal of Medicine(2005)353:1114)、組織及び関節損傷の慢性兆候は、主に先天性免疫応答によって媒介される細胞的事象によって媒介される(Firestein,G.S.,Nature(2003)423:356、Paniagua,R.T.et al,Arthritis Research&Therapy(2010)12:R32)。慢性組織損傷を媒介する先天性免疫応答からの貢献細胞型には、線維芽細胞様滑膜細胞、マクロファージ、肥満細胞、及び破骨細胞が含まれる。
【0005】
キナーゼは、細胞増殖、生存、運動性、成長因子への応答、ならびにサイトカイン及び他の炎症誘発性、血管新生誘発性、及び免疫調節性物質の分泌を含む、哺乳動物細胞機能において重要な役割を果たすタンパク質ファミリーを表す。したがって、線維芽細胞様滑膜細胞、マクロファージ、肥満細胞、及び破骨細胞においてこれらの事象を媒介するキナーゼの解明は、自己免疫疾患の治療のための新たな療法に対する妥当なアプローチを表す。
【0006】
イマチニブは、癌慢性骨髄性白血病の治療のため(CML,Druker,B.J.et al,New England Journal of Medicine(2001)344:1031)、及び消化管間質腫瘍の治療のため(GIST,Demetri,G.D.,et al,New England Journal of Medicine(2002)347:472)の市販のキナーゼ阻害剤である。イマチニブは、関節リウマチ等の自己免疫疾患と共存する癌患者においても利益を示した(Ihara,M.K.et al,Clinical Rheumatology(2003)22:362、Eklund,K.K.and Joensuu,H.,Ann Medicine(2003)35:362、Ames,P.R.et al,Journal of Rheumatology(2008)35:1682)。CML及びGISTの治療においてその有効性を付与するイマチニブによって阻害されるキナーゼは、それぞれBCR-ABLキナーゼ及びc-KITキナーゼである。これら2つのキナーゼに加えて、イマチニブによって阻害される他のキナーゼには、c-FMS、PDGFR-α、及びPDGFR-βが含まれる(Dewer,A.L.et al,Blood(2005)105:3127、Fabian,M.A.et al,Nature Biotechnology(2005)23:329。
【0007】
最近の研究発表は、c-FMSキナーゼが滑膜マクロファージの活性化と関連付けられ、PDGFRキナーゼが線維芽細胞様滑膜細胞の活性化と関連付けられ、c-KITキナーゼが肥満細胞の活性化と関連付けられることを特定した(Paniagua,R.T.,et al Journal of Clinical Investigation(2006)116:2633)。c-FMSキナーゼは、関節リウマチにおいて関節損傷を媒介するために動員される、単球のマクロファージ及び破骨細胞への増殖及び分化とも関連付けられた(Paniagua,R.T.et al,Arthritis Research&Therapy(2010)12:R32、Yao,Z.et al,Journal of Biological Chemistry(2006)281:11846、Patel,S.and Player,M.R.Current Topics in Medicinal Chemistry(2009)9:599、Pixley,F.J.et al,Trends in Cell Biology(2004)14:628)。
【0008】
最近では、癌の運動性、浸潤、及び転移における腫瘍微小環境の重要性が、より明らかに定義されるようになった。特に、腫瘍進行における腫瘍関連マクロファージ(TAM)の役割が研究されてきた。これらの宿主(間質)マクロファージは、腫瘍環境を修正し、その環境を腫瘍の運動性、浸潤、及び転移を誘導しやすくするように、腫瘍部位または転移前ニッチに動員される。これらのTAMは、c-FMS受容体チロシンキナーゼ(CSF-1Rとしても知られる)をそれらの表面上で発現すること、ならびに活性化リガンドCSF-1(マクロファージコロニー刺激因子、またはMCSFとしても知られる)及びインターロイキン-34(IL-34)に結合することによって、このキナーゼを介したシグナル伝達に依存することが知られている。このc-FMS/MCSF(CSF1-R/CSF-1)シグナル伝達軸の活性化は、単球増殖、腫瘍関連マクロファージへの分化、及びマクロファージ細胞生存の促進を刺激する。腫瘍微小環境のTAM成分を刺激することによって、c-FMSキナーゼの活性化は、腫瘍細胞の移行、浸潤、及び転移と関連付けられる(J.Condeelis and J.W.Pollard,Cell(2006)124:263、S.Patel and M.R.Player,Current Topics in Medicinal Chemistry(2009)9:599)。マウスにおけるc-FMSキナーゼのリガンド、CSF-1の切除は、乳癌のマウスモデルにおいて腫瘍の進行を低減し、転移を著しく低減したが、このモデルではCSF-1の過剰発現が転移を加速させた(E.Y.Lin et al,Journal
of Experimental Medicine(2001)193:727)。さらに、腫瘍細胞とマクロファージとの相互作用が説明されており、腫瘍成長因子EGFのマクロファージ分泌及びCSF-1の腫瘍細胞分泌は、腫瘍の移行及び浸潤を促進するパラクリンループを確立する。このパラクリンループは、c-FMSキナーゼに対する抗体の投与によって遮断された(J.Wyckoff et al,Cancer Research(2004)64:7022)。相関的臨床データは、腫瘍内のCSF-1の過剰発現が、予後不良の予測因子であることも示した(R.D.Leek and A.L.Harris,Journal of Mammary Gland Biology Neoplasia(2002)7:177、E.Y.Lin et al,Journal of Mammary Gland Biology Neoplasia(2002)7:147)。c-FMSキナーゼの活性化は、破骨細胞の分化及び活性化にも必要である。乳癌及び前立腺癌を含む様々な癌の骨転移を媒介することにおけるその関与が報告された(S.Patel and M.R.Player,Current Topics in Medicinal Chemistry(2009)9:599)。CSF-1の高血漿濃度は、骨転移性前立腺癌において報告され、前立腺癌骨転移の活性化を示唆している(H.Ide,et al,Human Cell(2008)21:1)。c-FMS阻害剤は、転移性骨疾患のモデルにおいて評価される場合、放射線学的骨病変を低減することが報告された(C.L.Manthey,et al,Molecular Cancer Therapy(2009)8:3151、H.Ohno et al,Mol.Cancer Therapy(2006)5:2634)。LYVE-1+及びLYVE1-マクロファージの両方のMCSF媒介活性化は、癌のマウスモデルにおける病的血管新生及びリンパ脈管新生も媒介し、c-FMSシグナル伝達の遮断は、腫瘍血管新生/リンパ脈管新生の抑制をもたらした(Y.Kubota et al.,Journal of Experimental Medicine(2009)206:1089)。CSF-1R阻害剤の投与は、骨髄由来TAM及び骨髄由来単球系骨髄系由来抑制細胞(MDSC)の腫瘍部位への動員を遮断し、この遮断が、腫瘍血管新生の著しい減少につながり、抗VEGFR-2療法と併用される場合、腫瘍成長を相乗的に抑制した(S.J.Priceman,et al.Blood(2010)115:1461)。マウスにおける膠芽腫腫瘍の照射は、腫瘍サイズの一時的な減少を引き起こし、CD11b及びF4/80表面抗原を発現する骨髄由来単球の動員によって媒介される反動性腫瘍脈管新生が続くのみであることが示された(M.Kioi et al,Journal of Clinical Investigation(2010)120:694)。CD11b+及びF4/80+単球は、機能的c-FMS受容体を発現することも知られている。したがって、c-FMSキナーゼ阻害剤の使用によってc-FMS+骨髄由来単球を浸潤する腫瘍の遮断は、腫瘍の反動性脈管新生及び膠芽腫腫瘍進行を防ぐ可能性を提供する。CSF-1R遮断は、免疫適格マウス乳癌モデルにおいて、免疫寛容機構を反転させ、CD8+T細胞媒介腫瘍抑制を上方制御することによって、抗腫瘍免疫プログラムの出現を促進することも示された。抗腫瘍免疫プログラムの回復は、TAM媒介プログラム死リガンド-1(PDL-1)免疫寛容のc-FMS阻害剤遮断に機構的に関連していた(D.G.DeNardo,et al.Cancer Discovery(2011)1:OF52)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、c-FMSキナーゼ、c-KITキナーゼ、またはPDGFRキナーゼの小分子阻害剤は、自己免疫疾患の治療のための新たな療法に対する、及び具体的には自然免疫系によって媒介される慢性組織破壊を遮断するための妥当なアプローチを提供する。c-FMSキナーゼの阻害は、癌の治療のため、特に癌浸潤、癌血管新生または脈管新生、癌転移、癌免疫寛容の治療のため、及び骨転移を生じやすい癌の治療のための新たな療法に対する妥当なアプローチも提供する。
【0010】
自己免疫疾患において慢性組織破壊を引き起こすキナーゼ(c-FMS、c-KIT、PDGFR)を、市販の癌治療薬によって標的とされる他のキナーゼ(ABL、BCR-ABL、KDR、SRC、LCK、LYN、FGFR、及び他のキナーゼ)を阻害することなく選択的に阻害するキナーゼ阻害剤を提供する必要性がある。本発明は、ABL、BCR-ABL、KDR、SRC、LCK、LYN、FGFR、MET及び他のキナーゼを含む他のキナーゼを強力に阻害しないことによって選択性も呈する、自己免疫疾患の治療のための、c-FMS、c-KIT、及び/またはPDGFRキナーゼを阻害する新規の阻害剤を開示する。本発明の阻害剤は、c-FMS、c-KIT、またはPDGFRキナーゼによって媒介される、ヒト疾患を含む他の哺乳動物の疾患の治療においても有用性を見出す。そのような疾患には、制限なしに、癌、自己免疫疾患、及び骨吸収性疾患が含まれる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
発明の概要
一態様において、式I
【化1】
の化合物、及びその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、立体異性体、及び互変異性体が説明され、
式中、
Aが、-N(R2)R3及びGからなる群から取られ、
Gが、
【化2】
からなる群から選択され、記号(
**)が、ピリミジン環への結合点であり、
各G部分が、1つ、2つ、または3つのR4部分でさらに置換されてよく、
Wが、C5~C6ヘテロアリール、フェニル、-NHC(O)R6、-NHC(O)R7、-NHC(O)N(R8)R9、または-C(O)N(R8)R9であり、各C5~C6ヘテロアリールまたはフェニルが、1つ、2つ、または3つのR5部分によって任意に置換され、
X1及びX2が、個々に独立して、水素またはC1~C6アルキルであり、
R1が、水素、C1~C6アルキル、アルキル鎖が部分的もしくは完全に重水素化された重水素化-C1~C6アルキル、または分枝C3~C8アルキルであり、
R2が、水素、C1~C6アルキル、アルキル鎖が部分的もしくは完全に重水素化された重水素化-C1~C6アルキル、分枝C3~C8アルキル、C3~C8シクロアルキル、アルキルが完全にもしくは部分的にフッ素化されたフルオロC1~C6アルキル、-(CH
2)
m-OR8、または3員~8員複素環式環であり、各アルキレンが、C1~C4アルキルで任意に置換され、
R3が、水素、C1~C6アルキル、アルキル鎖が部分的または完全に重水素化された重水素化-C1~C6アルキル、分枝C3~C8アルキル、C3~C8シクロアルキル、アルキルが完全にもしくは部分的にフッ素化されたフルオロC1~C6アルキル、または3員~8員複素環式環であり、
各R4が、個々に独立して、水素、ハロゲン、C1~C6アルキル、アルキル鎖が部分的もしくは完全にフッ素化されたフルオロ-C1~C6アルキル、分枝C3~C8アルキル、C3~C8シクロアルキル、-(CH
2)
m-OR8、-(CH
2)
m-NR8(R9)、-(CH
2)
m-R7、またはシアノであり、各アルキレンが、C1~C4アルキルで任意に置換され、
各R5が、個々に独立して、水素、C1~C6アルキル、アルキル鎖が部分的もしくは完全に重水素化された重水素化-C1~C6アルキル、分枝C3~C8アルキル、ハロゲン、シアノ、アルキル鎖が部分的もしくは完全にフッ素化されたフルオロ-C1~C6アルキル、-(CH
2)
m-C(O)NR8(R9)、-(CH
2)
m-C(O)R7、-(CH
2)
m-OR8、-(CH
2)
m-NR8(R9)、または-(CH
2)
m-R7であり、各アルキレンが、C1~C4アルキルで任意に置換され、
各R6が、個々に独立して、水素、C1~C6アルキル、分枝C3~C8アルキル、C3~C8シクロアルキル、-(CH
2)
m-CN、-(CH
2)
m-OR8、-(CH
2)
m-NR8(R9)、または-(CH
2)
m-R7であり、各アルキレンが、C1~C4アルキルで任意に置換され、
各R7が、独立して個々に、
【化3】
からなる群から選択され、記号(##)が、R7部分を含有するW、R5、またはR6部分それぞれへの結合点であり、
各R7が、-(R10)
pで任意に置換され、
各R8及びR9が、個々に独立して、水素、C1~C6アルキル、アルキル鎖が部分的もしくは完全にフッ素化されたフルオロ-C1~C6アルキル、または分枝C3~C8アルキルであり、
各R10が、個々に独立して、C1~C6アルキル、-(CH
2)
m-CN、-(CH
2)
m-OR3、-(CH
2)
m-NR8(R9)、または-(CH
2)
m-C(O)-R6であり、各アルキルまたはアルキレンが、1つまたは2つのC1~C6アルキルで任意に置換され、
各アルキレンが、C1~C4アルキルで任意に置換され、
各mが、個々に独立して、0、1、2、または3であり、
各pが、0、1、2、または3である。
【0012】
式Iの一実施形態において、Aは、-N(R2)R3である。
【0013】
式Iの一実施形態において、Aは、Gである。
【0014】
式Iの一実施形態において、Wは、1つ、2つ、または3つのR5によって任意に置換されるC5~C6ヘテロアリールである。
【0015】
式Iの一実施形態において、Wは、-NHC(O)R6、-NHC(O)R7、または-NHC(O)N(R8)R9である。
【0016】
式Iの一実施形態において、Wは、-NHC(O)R6である。
【0017】
式Iの一実施形態において、Wは、-NHC(O)R7である。
【0018】
式Iの一実施形態において、Wは、-NHC(O)N(R8)R9である。
【0019】
式Iの一実施形態において、Wは、-C(O)N(R8)R9である。
【0020】
式Iの一実施形態において、Wは、1つ、2つ、または3つのR5によって任意に置換されるフェニルである。
【0021】
式Iの一実施形態において、X1及びX2は、個々に独立して、水素またはC1~C6アルキルである。
【0022】
式Iの一実施形態において、X1及びX2は、水素である。
【0023】
式Iの一実施形態において、X1及びX2のうちの一方が水素であり、もう一方がC1~C6アルキルである。
【0024】
式Iの一実施形態において、R1は、水素、C1~C6アルキル、アルキル鎖が部分的または完全に重水素化された重水素化-C1~C6アルキル、または分枝C3~C8アルキルである。
【0025】
式Iの一実施形態において、R1は、水素である。
【0026】
式Iの一実施形態において、R1は、C1~C6アルキルである。
【0027】
一実施形態において、式Iの化合物は、式Iaの化合物であって、式中、Wが、C5~C6ヘテロアリール、フェニル、-NHC(O)R6、-NHC(O)R7、-NHC(O)N(R8)R9、または-C(O)N(R8)R9であり、各C5~C6ヘテロアリールまたはフェニルが、1つ、2つ、または3つのR5部分によって任意に置換される、化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体である。
【化4】
【0028】
式Iaの一実施形態において、Wは、1つ、2つ、または3つのR5によって任意に置換されるC5~C6ヘテロアリールである。
【0029】
式Iaの一実施形態において、Wは、ピラゾリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、またはピリジニルであり、各Wは、1つ、2つ、または3つのR5によって任意に置換される。
【0030】
式Iaの一実施形態において、Wは、1つ、2つ、または3つのR5によって任意に置換されるピラゾリルである。
【0031】
式Iaの一実施形態において、Wは、1つ、2つ、または3つのR5によって任意に置換されるイミダゾリルである。
【0032】
式Iaの一実施形態において、Wは、1つまたは2つのR5によって任意に置換されるイソキサゾリルである。
【0033】
式Iaの一実施形態において、Wは、1つまたは2つのR5によって任意に置換されるオキサゾリルである。
【0034】
式Iaの一実施形態において、Wは、1つまたは2つのR5によって任意に置換されるチアゾリルである。
【0035】
式Iaの一実施形態において、Wは、1つまたは2つのR5によって任意に置換されるトリアゾリルである。
【0036】
式Iaの一実施形態において、Wは、1つ、2つ、または3つのR5によって任意に置換されるピリジニルである。
【0037】
式Iaの一実施形態において、Wは、-NHC(O)R6、-NHC(O)R7、または-NHC(O)N(R8)R9である。
【0038】
式Iaの一実施形態において、Wは、-NHC(O)R6である。
【0039】
式Iaの一実施形態において、Wは、-NHC(O)R7である。
【0040】
式Iaの一実施形態において、Wは、-NHC(O)N(R8)R9である。
【0041】
式Iaの一実施形態において、Wは、-C(O)N(R8)R9である。
【0042】
式Iaの一実施形態において、Wは、1つ、2つ、または3つのR5によって任意に置換されるフェニルである。
【0043】
式Iaの一実施形態において、X1及びX2は、個々に独立して、水素またはC1~C6アルキルである。
【0044】
式Iaの一実施形態において、X1及びX2は、水素である。
【0045】
式Iaの一実施形態において、X1及びX2のうちの一方が水素であり、もう一方がC1~C6アルキルである。
【0046】
式Iaの一実施形態において、R1は、水素、C1~C6アルキル、アルキル鎖が部分的または完全に重水素化された重水素化-C1~C6アルキル、または分枝C3~C8アルキルである。
【0047】
式Iaの一実施形態において、R1は、水素である。
【0048】
式Iaの一実施形態において、R1は、C1~C6アルキルである。
【0049】
式Iaの一実施形態において、R2は、水素、C1~C6アルキル、アルキル鎖が部分的もしくは完全に重水素化された重水素化-C1~C6アルキル、分枝C3~C8アルキル、C3~C8シクロアルキル、アルキルが完全にもしくは部分的にフッ素化されたフルオロC1~C6アルキル、-(CH2)m-OR8、または3員~8員複素環式環であり、各アルキレンは、C1~C4アルキルで任意に置換される。
【0050】
式Iaの一実施形態において、R2は、C1~C6アルキル、分枝C3~C8アルキル、C3~C8シクロアルキル、-(CH2)m-OR8、または3員~8員複素環式環であり、各アルキレンは、C1~C4アルキルで任意に置換される。
【0051】
式Iaの一実施形態において、R2は、C1~C6アルキルである。
【0052】
式Iaの一実施形態において、R2は、分枝C3~C8アルキルである。
【0053】
式Iaの一実施形態において、R2は、C3~C8シクロアルキルである。
【0054】
式Iaの一実施形態において、R2は、-(CH2)m-OR8であり、各アルキレンは、C1~C4アルキルで任意に置換される。
【0055】
式Iaの一実施形態において、R2は、3員~8員複素環式環である。
【0056】
式Iaの一実施形態において、R3は、水素、C1~C6アルキル、アルキル鎖が部分的または完全に重水素化された重水素化-C1~C6アルキル、分枝C3~C8アルキル、C3~C8シクロアルキル、アルキルが完全にもしくは部分的にフッ素化されたフルオロC1~C6アルキル、または3員~8員複素環式環である。
【0057】
式Iaの一実施形態において、R3は、水素である。
【0058】
式Iaの一実施形態において、R3は、C1~C6アルキルである。
【0059】
式Iaの一実施形態において、R1は、水素であり、R2は、C1~C6アルキル、分枝C3~C8アルキル、またはC3~C8シクロアルキルであり、R3は、水素である。
【0060】
式Iaの一実施形態において、R1は、C1~C6アルキルであり、R2は、C1~C6アルキル、分枝C3~C8アルキル、またはC3~C8シクロアルキルであり、R3は、水素である。
【0061】
式Iaの一実施形態において、R1は、メチルであり、R2は、C1~C6アルキル、分枝C3~C8アルキルまたはC3~C8シクロアルキルであり、R3は、水素である。
【0062】
一実施形態において、式Iの化合物は、式Ibの化合物であって、式中、X1及びX2が、個々に独立して、水素またはC1~C6アルキルである、化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体である。
【化5】
【0063】
式Ibの一実施形態において、X1及びX2は、水素である。
【0064】
式Ibの一実施形態において、X1及びX2のうちの一方が水素であり、もう一方がC1~C6アルキルである。
【0065】
式Ibの一実施形態において、R1は、水素、C1~C6アルキル、アルキル鎖が部分的または完全に重水素化された重水素化-C1~C6アルキル、または分枝C3~C8アルキルである。
【0066】
式Ibの一実施形態において、R1は、水素である。
【0067】
式Ibの一実施形態において、R1は、C1~C6アルキルである。
【0068】
式Ibの一実施形態において、R2は、水素、C1~C6アルキル、アルキル鎖が部分的もしくは完全に重水素化された重水素化-C1~C6アルキル、分枝C3~C8アルキル、C3~C8シクロアルキル、アルキルが完全にもしくは部分的にフッ素化されたフルオロC1~C6アルキル、-(CH2)m-OR8、または3員~8員複素環式環であり、各アルキレンは、C1~C4アルキルで任意に置換される。
【0069】
式Ibの一実施形態において、R2は、C1~C6アルキル、分枝C3~C8アルキル、C3~C8シクロアルキル、-(CH2)m-OR8、または3員~8員複素環式環であり、各アルキレンは、C1~C4アルキルで任意に置換される。
【0070】
式Ibの一実施形態において、R2は、C1~C6アルキルである。
【0071】
式Ibの一実施形態において、R2は、分枝C3~C8アルキルである。
【0072】
式Ibの一実施形態において、R2は、C3~C8シクロアルキルである。
【0073】
式Ibの一実施形態において、R2は、-(CH2)m-OR8であり、各アルキレンは、C1~C4アルキルで任意に置換される。
【0074】
式Ibの一実施形態において、R2は、3員~8員複素環式環である。
【0075】
式Ibの一実施形態において、R1は、水素であり、R2は、C1~C6アルキル、分枝C3~C8アルキル、またはC3~C8シクロアルキルである。
【0076】
式Ibの一実施形態において、R1は、C1~C6アルキルであり、R2は、C1~C6アルキル、分枝C3~C8アルキル、またはC3~C8シクロアルキルである。
【0077】
式Ibの一実施形態において、R1は、メチルであり、R2は、C1~C6アルキル、分枝C3~C8アルキル、またはC3~C8シクロアルキルである。
【0078】
式Ibの一実施形態において、R5は、水素、C1~C6アルキル、アルキル鎖が部分的もしくは完全に重水素された重水素化-C1~C6アルキル、分枝C3~C8アルキル、ハロゲン、シアノ、アルキル鎖が部分的もしくは完全にフッ素化されたフルオロ-C1~C6アルキル、-(CH2)m-C(O)NR8(R9)、-(CH2)m-C(O)R7、-(CH2)m-OR8、-(CH2)m-NR8(R9)、または-(CH2)m-R7であり、各アルキレンは、C1~C4アルキルで任意に置換される。
【0079】
式Ibの一実施形態において、R5は、水素、C1~C6アルキル、またはアルキル鎖が部分的もしくは完全に重水素化された重水素化-C1~C6アルキル、または分枝C3~C8アルキルである。
【0080】
式Ibの一実施形態において、R5は、C1~C6アルキル、またはアルキル鎖が部分的もしくは完全に重水素化された重水素化-C1~C6アルキルである。
【0081】
式Ibの一実施形態において、R5は、C1~C6アルキルである。
【0082】
一実施形態において、式Iの化合物は、式Icの化合物であって、式中、Wが、C5~C6ヘテロアリール、フェニル、-NHC(O)R6、-NHC(O)R7、-NHC(O)N(R8)R9、または-C(O)N(R8)R9であり、各C5~C6ヘテロアリールまたはフェニルが、1つ、2つ、または3つのR5部分によって任意に置換される、化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体である。
【化6】
【0083】
式Icの一実施形態において、Wは、1つ、2つ、または3つのR5によって任意に置換されるC5~C6ヘテロアリールである。
【0084】
式Icの一実施形態において、Wは、ピラゾリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、またはピリジニルであり、各Wは、1つ、2つ、または3つのR5によって任意に置換される。
【0085】
式Icの一実施形態において、Wは、1つ、2つ、または3つのR5によって任意に置換されるピラゾリルである。
【0086】
式Icの一実施形態において、Wは、1つ、2つ、または3つのR5によって任意に置換されるイミダゾリルである。
【0087】
式Icの一実施形態において、Wは、1つまたは2つのR5によって任意に置換されるイソキサゾリルである。
【0088】
式Icの一実施形態において、Wは、1つまたは2つのR5によって任意に置換されるオキサゾリルである。
【0089】
式Icの一実施形態において、Wは、1つまたは2つのR5によって任意に置換されるチアゾリルである。
【0090】
式Icの一実施形態において、Wは、1つまたは2つのR5によって任意に置換されるトリアゾリルである。
【0091】
式Icの一実施形態において、Wは、1つ、2つ、または3つのR5によって任意に置換されるピリジニルである。
【0092】
式Icの一実施形態において、Wは、-NHC(O)R6、-NHC(O)R7、または-NHC(O)N(R8)R9である。
【0093】
式Icの一実施形態において、Wは、-NHC(O)R6である。
【0094】
式Icの一実施形態において、Wは、-NHC(O)R7である。
【0095】
式Icの一実施形態において、Wは、-NHC(O)N(R8)R9である。
【0096】
式Icの一実施形態において、Wは、-C(O)N(R8)R9である。
【0097】
式Icの一実施形態において、Wは、1つ、2つ、または3つのR5によって任意に置換されるフェニルである。
【0098】
式Icの一実施形態において、X1及びX2は、個々に独立して、水素またはC1~C6アルキルである。
【0099】
式Icの一実施形態において、X1及びX2は、水素である。
【0100】
式Icの一実施形態において、X1及びX2のうちの一方が水素であり、もう一方がC1~C6アルキルである。
【0101】
式Icの一実施形態において、R1は、水素、C1~C6アルキル、アルキル鎖が部分的もしくは完全に重水素化された重水素化-C1~C6アルキル、または分枝C3~C8アルキルである。
【0102】
式Icの一実施形態において、R1は、水素である。
【0103】
式Icの一実施形態において、R1は、C1~C6アルキルである。
【0104】
式Icの一実施形態において、Gは、
【化7】
からなる群から選択され、記号(
**)は、ピリミジン環への結合点であり、
各G部分は、1つ、2つ、または3つのR4部分でさらに置換され得る。
【0105】
式Icの一実施形態において、R1は、水素であり、Gは、
【化8】
からなる群から選択され、記号(
**)は、ピリミジン環への結合点であり、
各G部分は、1つ、2つ、または3つのR4部分でさらに置換され得る。
【0106】
式Icの一実施形態において、R1は、C1~C6アルキルであり、Gは、
【化9】
からなる群から選択され、記号(
**)は、ピリミジン環への結合点であり、
各G部分は、1つ、2つ、または3つのR4部分でさらに置換され得る。
【0107】
式Icの一実施形態において、R1は、メチルであり、Gは、
【化10】
からなる群から選択され、記号(
**)は、ピリミジン環への結合点であり、
各G部分は、1つ、2つ、または3つのR4部分でさらに置換され得る。
【0108】
一実施形態において、式Iの化合物は、式Idの化合物であって、式中、X1及びX2が、個々に独立して、水素またはC1~C6アルキルである、化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体である。
【化11】
【0109】
一実施形態において、式Idの化合物は、式中、X1及びX2が、水素である、化合物である。
【0110】
一実施形態において、式Idの化合物は、X1及びX2のうちの一方が水素であり、もう一方がC1~C6アルキルである、化合物である。
【0111】
一実施形態において、式Idの化合物は、式中、R1が、水素、C1~C6アルキル、アルキル鎖が部分的もしくは完全に重水素化された重水素化-C1~C6アルキル、または分枝C3~C8アルキルである、化合物である。
【0112】
一実施形態において、式Idの化合物は、式中、R1が、水素である、化合物である。
【0113】
一実施形態において、式Idの化合物は、式中、R1が、C1~C6アルキルである、化合物である。
【0114】
一実施形態において、式Idの化合物は、式中、Gが、
【化12】
からなる群から選択され、記号(
**)が、ピリミジン環への結合点であり、
各G部分が、1つ、2つ、または3つのR4部分でさらに置換され得る、化合物である。
【0115】
一実施形態において、式Idの化合物は、式中、R1が、水素であり、Gが、
【化13】
からなる群から選択され、記号(
**)が、ピリミジン環への結合点であり、
各G部分が、1つ、2つ、または3つのR4部分でさらに置換され得る、化合物である。
【0116】
一実施形態において、式Idの化合物は、式中、R1が、C1~C6アルキルであり、Gが、
【化14】
からなる群から選択され、記号(
**)が、ピリミジン環への結合点であり、
各G部分が、1つ、2つ、または3つのR4部分でさらに置換され得る、化合物である。
【0117】
一実施形態において、式Idの化合物は、式中、R1が、メチルであり、Gが、
【化15】
からなる群から選択され、記号(
**)が、ピリミジン環への結合点であり、
各G部分が、1つ、2つ、または3つのR4部分でさらに置換され得る、化合物である。
【0118】
一実施形態において、式Idの化合物は、式中、R5が、水素、C1~C6アルキル、アルキル鎖が部分的もしくは完全に重水素された重水素化-C1~C6アルキル、分枝C3~C8アルキル、ハロゲン、シアノ、アルキル鎖が部分的もしくは完全にフッ素化されたフルオロ-C1~C6アルキル、-(CH2)m-C(O)NR8(R9)、-(CH2)m-C(O)R7、-(CH2)m-OR8、-(CH2)m-NR8(R9)、または-(CH2)m-R7であり、各アルキレンが、C1~C4アルキルで任意に置換される、化合物である。
【0119】
一実施形態において、式Idの化合物は、式中、R5が、水素、C1~C6アルキル、またはアルキル鎖が部分的もしくは完全に重水素化された重水素化-C1~C6アルキル、または分枝C3~C8アルキルである、化合物である。
【0120】
一実施形態において、式Idの化合物は、式中、R5が、C1~C6アルキル、またはアルキル鎖が部分的もしくは完全に重水素化された重水素化-C1~C6アルキルである、化合物である。
【0121】
一実施形態において、式Idの化合物は、式中、R5が、C1~C6アルキルである、化合物である。
【0122】
いくつかの実施形態において、本発明は、2-(エチルアミノ)-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オン、2-(ジメチルアミノ)-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オン、2-(イソプロピルアミノ)-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オン、2-(エチルアミノ)-5-(6-メチル-5-((6′-メチル-[2,3′-ビピリジン]-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オン、2-(エチルアミノ)-5-(6-メチル-5-((2-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オン、2-((2-メトキシエチル)アミノ)-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オン、5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-2-(メチルアミノ)ピリミジン-4(3H)-オン、2-(エチルアミノ)-5-(5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オン、5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-2-(ピロリジン-1-イル)ピリミジン-4(3H)-オン、2-(イソプロピルアミノ)-3-メチル-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オン、4-((6-(2-(イソプロピルアミノ)-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-5-イル)ピリジン-3-イル)オキシ)-N-メチルピコリンアミド、5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-2-モルホリノピリミジン-4(3H)-オン、5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-2-(ピペリジン-1-イル)ピリミジン-4(3H)-オン、2-(シクロプロピルアミノ)-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オン、2-(シクロペンチルアミノ)-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オン、3-メチル-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-2-(ピロリジン-1-イル)ピリミジン-4(3H)-オン、2-(シクロプロピルアミノ)-3-メチル-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オン、2-(イソプロピルアミノ)-5-(4-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オン、N-(4-((6-(2-(イソプロピルアミノ)-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-5-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)アセトアミド、5-(4-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-2-(ピロリジン-1-イル)ピリミジン-4(3H)-オン、5-(5-((2-(1-エチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)-6-メチルピリジン-2-イル)-2-(
イソプロピルアミノ)ピリミジン-4(3H)-オン、(R)-2-((1-メトキシプロパン-2-イル)アミノ)-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オン、(R)-2-(2-(メトキシメチル)ピロリジン-1-イル)-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オン、(S)-2-(3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル)-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オン、2-(エチルアミノ)-3-メチル-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オン、2-((2-メトキシエチル)アミノ)-3-メチル-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オン、5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ピリミジン-4(3H)-オン、2-(tert-ブチルアミノ)-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オン、5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-2-(ネオペンチルアミノ)ピリミジン-4(3H)-オン、及び2-(3,3-ジフルオロピロリジン-1-イル)-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オンからなる群から選択される化合物を含む。
【0123】
ある特定の実施形態において、本発明は、c-FMS、PDGFR-β、またはc-KITキナーゼのキナーゼ活性によって少なくとも部分的に媒介される哺乳動物疾患の治療方法を含み、キナーゼは、野生型形態、突然変異発癌性形態、異常融合タンパク質形態、またはそれらの多形体であり、該方法は、それを必要とする哺乳動物に、有効量の式Iの化合物を投与することを含む。
【0124】
他の実施形態において、本発明は、式Iの化合物及び薬学的に許容される担体を含む、薬学的組成物を含む。
【0125】
ある特定の実施形態において、組成物は、補助剤、賦形剤、希釈剤、または安定剤から選択される添加剤を含む。
【0126】
いくつかの実施形態において、本発明は、癌、消化管間質腫瘍、過剰増殖性疾患、代謝性疾患、神経変性疾患、固形腫瘍、黒色腫、膠芽腫、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、肺癌、乳癌、腎臓癌、肝臓癌、骨肉種、多発性骨髄腫、子宮頸癌、原発腫瘍部位の転移、骨に転移性の癌、甲状腺乳頭癌、非小細胞肺癌、大腸癌、関節リウマチ、変形性関節炎、多発性硬化症、自己免疫性腎炎、ループス、クローン病、喘息、慢性閉塞性肺疾患、骨粗鬆症、肥満細胞症、または肥満細胞性白血病の治療方法を含み、該方法は、それを必要とする患者に、有効量の式Iの化合物を投与することを含む。
【0127】
いくつかの実施形態において、本発明は、膠芽腫、乳癌、膵臓癌、原発腫瘍部位の転移、または骨に転移性の癌の治療方法を含み、該方法は、それを必要とする患者に、有効量の式1の化合物を投与することを含む。
【0128】
本方法のある特定の実施形態において、化合物は、経口的、非経口的、吸入によって、または皮下的に投与される。
【0129】
いくつかの実施形態において、本発明は、癌、消化管間質腫瘍、過剰増殖性疾患、代謝性疾患、神経変性疾患、固形腫瘍、黒色腫、膠芽腫、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、肺癌、乳癌、腎臓癌、肝臓癌、骨肉種、多発性骨髄腫、子宮頸癌、原発腫瘍部位の転移、骨に転移性の癌、甲状腺乳頭癌、非小細胞肺癌、大腸癌、関節リウマチ、変形性関節炎、多発性硬化症、自己免疫性腎炎、ループス、クローン病、喘息、慢性閉塞性肺疾患、骨粗鬆症、肥満細胞症、または肥満細胞性白血病の治療における、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の使用を提供し、該方法は、それを必要とする患者に、有効量の式Iの化合物を投与することを含む。
【0130】
いくつかの実施形態において、本発明は、膠芽腫、乳癌、膵臓癌、原発腫瘍部位の転移、または骨に転移性の癌の治療における、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の使用を提供し、該方法は、それを必要とする患者に、有効量の式1の化合物を投与することを含む。
【0131】
いくつかの実施形態において、本発明は、癌、消化管間質腫瘍、過剰増殖性疾患、代謝性疾患、神経変性疾患、固形腫瘍、黒色腫、膠芽腫、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、肺癌、乳癌、腎臓癌、肝臓癌、骨肉種、多発性骨髄腫、子宮頸癌、原発腫瘍部位の転移、骨に転移性の癌、甲状腺乳頭癌、非小細胞肺癌、大腸癌、関節リウマチ、変形性関節炎、多発性硬化症、自己免疫性腎炎、ループス、クローン病、喘息、慢性閉塞性肺疾患、骨粗鬆症、肥満細胞症、または肥満細胞性白血病の治療のための薬剤の製造のための、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
【0132】
ある特定の実施形態において、本発明は、膠芽腫、乳癌、膵臓癌、原発腫瘍部位の転移、または骨に転移性の癌の治療のための薬剤の製造のための、式1の化合物、またはその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
【0133】
本発明の詳細は、下記添付の説明に記載される。本明細書に記載されるものと類似または同等の方法及び材料が本発明の実施または試験において使用され得るが、例示の方法及び材料がここで説明される。本発明の他の特性、目的、及び利点は、説明及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。本明細書及び添付の特許請求の範囲において、文脈が別途明確に指示しない限り、単数形は複数形も含む。特に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術的及び科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
【0134】
本開示全体で、様々な特許、特許出願、及び刊行物が参照される。これらの特許、特許出願、及び刊行物のそれら全体の開示は、本開示の日付現在、当業者に知られている技術的現状をより完全に説明するために参照により本開示に組み込まれる。特許、特許出願、及び刊行物と本開示との間に何らかの不一致がある場合は、本開示が優先する。
【0135】
便宜上、本明細書、実施例、及び特許請求の範囲で用いられる、ある特定の用語がここに集められる。特に定義されない限り、本開示で使用される全ての技術的及び科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本開示で提供される群または用語に提供される最初の定義は、特に指示されない限り、本開示全体を通してその群または用語に個々に適用するか、または別の群の一部として適用する。
【0136】
本開示の化合物には、任意及び全ての可能な異性体、立体異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、及び薬学的に許容される塩が含まれる。したがって、本開示で使用される「化合物」、「化合物(複数)」、「試験化合物」、または「試験化合物(複数)」という用語は、本開示の化合物、ならびに任意及び全ての可能なその異性体、立体異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、及び薬学的に許容される塩を指す。
【発明を実施するための形態】
【0137】
定義
本明細書で使用される「アルキル」という用語は、直鎖アルキルを指し、アルキル鎖の長さは、ある範囲の数によって示される。例示的な実施形態において、「アルキル」は、1個、2個、3個、4個、5個、または6個の炭素を含有する上記で定義したアルキル鎖(すなわち、C1~C6アルキル)を指す。アルキル基の例として、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、及びヘキシルを含むがこれらに限定されない。
【0138】
本明細書で使用される「分枝アルキル」という用語は、鎖内に分枝点が存在するアルキル鎖を指し、鎖内の炭素の総数は、ある範囲の数によって示される。例示的な実施形態において、「分枝アルキル」は、3個、4個、5個、6個、7個、または8個の炭素を含有する上記で定義したアルキル鎖(すなわち、分枝C3~C8アルキル)を指す。分枝アルキル基の例として、イソプロピル、イソブチル、第2ブチル、及び第3ブチル、2-ペンチル、3-ペンチル、2-ヘキシル、及び3-ヘキシルを含むがこれらに限定されない。
【0139】
本明細書で使用される「アルコキシ」という用語は、-O-(アルキル)を指し、「アルキル」は、上記で定義した通りである。
【0140】
本明細書で使用される「分枝アルコキシ」という用語は、-O-(分枝アルキル)を指し、「分枝アルキル」は、上記で定義した通りである。
【0141】
本明細書で使用される「アルキレン」という用語は、2つの他の原子間に介在するアルキル部分を指す。例示的な実施形態において、「アルキレン」は、1個、2個、または3個の炭素を含有する上記で定義したアルキル部分を指す。アルキレン基の例として、-CH2-、-CH2CH2-、及び-CH2CH2CH2-を含むがこれらに限定されない。例示的な実施形態において、アルキレン基は分枝している。
【0142】
本明細書で使用される「アルキニル」という用語は、1つの炭素-炭素三重結合を含有する炭素鎖を指す。例示的な実施形態において、「アルキニル」は、2個または3個の炭素を含有する上記で定義した炭素鎖(すなわち、C2~C3アルキニル)を指す。アルキニル基の例として、エチン及びプロピンを含むがこれらに限定されない。
【0143】
本明細書で使用される「アリール」という用語は、環式炭化水素を指し、環は、環員間で共有される非局在化π電子(芳香族性)を特徴とし、環原子の数は、ある範囲の数によって示される。例示的な実施形態において、「アリール」は、6個、7個、8個、9個、または10個の環原子を含有する上記で定義した環式炭化水素(すなわち、C6~C10アリール)を指す。アリール基の例として、ベンゼン、ナフタレン、テトラリン、インデン、及びインダンを含むがこれらに限定されない。
【0144】
本明細書で使用される「シクロアルキル」という用語は、単環式飽和炭素環を指し、環原子の数は、ある範囲の数によって示される。例示的な実施形態において、「シクロアルキル」は、3個、4個、5個、6個、7個、または8個の環原子を含有する上記で定義した炭素環(すなわち、C3~C8シクロアルキル)を指す。シクロアルキル基の例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、及びシクロオクチルを含むがこれらに限定されない。
【0145】
本明細書で使用される「ハロゲン」または「ハロ」という用語は、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素を指す。
【0146】
本明細書で使用される「複素環」または「ヘテロシクリル」という用語は、環式炭化水素を指し、環原子のうちの少なくとも1つは、O、N、またはSであり、環原子の数は、ある範囲の数によって示される。本明細書で定義されるヘテロシクリル部分は、それを介してヘテロシクリル環が隣接した部分に接続される、CまたはN結合手を有する。例えば、いくつかの実施形態において、ヘテロシクリルからの環N原子は、複素環式部分の結合原子である。例示的な実施形態において、「ヘテロシクリル」は、4個、5個、6個、7個、または8個の環原子を含有する単環式炭化水素(すなわち、C4~C8ヘテロシクリル)を指す。複素環基の例として、アジリジン、オキシラン、チイラン、アゼチジン、オキセタン、チエタン、ピロリジン、テトラヒドロフラン、ピラン、チオピラン、チオモルホリン、チオモルホリンS-オキシド、チオモルホリンS-ジオキシド、オキサゾリン、テトラヒドロチオフェン、ピペリジン、テトラヒドロピラン、チアン、イミダゾリジン、オキサゾリジン、チアゾリジン、ジオキソラン、ジチオラン、ピペラジン、オキサジン、ジチアン、及びジオキサンを含むがこれらに限定されない。
【0147】
本明細書で使用される「ヘテロアリール」という用語は、環式炭化水素を指し、環原子のうちの少なくとも1つは、O、N、またはSであり、環は、環員間で共有される非局在化π電子(芳香族性)を特徴とし、環原子の数は、ある範囲の数によって示される。本明細書で定義されるヘテロアリール部分は、それを介してヘテロアリール環が隣接した部分に接続される、CまたはN結合手を有する。例えば、いくつかの実施形態において、ヘテロアリールからの環N原子は、ヘテロアリール部分の結合原子である。例示的な実施形態において、「ヘテロアリール」は、5個または6個の環原子を含有する上記で定義した環式炭化水素(すなわち、C5~C6ヘテロアリール)を指す。ヘテロアリール基の例として、ピロール、フラン、チエン、オキサゾール、チアゾール、イソキサゾール、イソチアゾール、イミダゾール、ピラゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、及びトリアジンを含むがこれらに限定されない。
【0148】
本明細書で使用される部分との関連で「置換された」という用語は、該部分の任意の許容される場所で該部分に結合される、さらなる置換基を指す。特に指示されない限り、部分は、炭素、窒素、酸素、硫黄、または任意の他の許容される原子を介して結合することができる。
【0149】
本明細書で使用される「塩」という用語は、遊離酸のアルカリ金属塩を形成するため、及び遊離塩基の付加塩を形成するために一般的に使用される薬学的に許容される塩を包含する。塩の性質は重要でないが、但し、それが薬学的に許容されることを条件とする。適した薬学的に許容される酸付加塩は、無機酸から、または有機酸から調製され得る。例示的な薬学的塩は、Stahl,P.H.,Wermuth,C.G.,Eds.Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection and Use;Verlag Helvetica Chimica Acta/Wiley-VCH:Zurich,2002において開示され、その内容は、参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる。無機酸の特定の非限定例は、塩化水素酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、カルボン酸、硫酸、及びリン酸である。適切な有機酸として、制限なしに、脂肪族酸、シクロ脂肪族酸、芳香族酸、アリール脂肪族酸、及びヘテロシクリル含有カルボン酸及びスルホン酸、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、マレイン酸、フマル酸、ピルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、安息香酸、アントラニル酸、メシル酸、ステアリン酸、サリチル酸、p-ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボン酸(パモ酸)、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パントテン酸、トルエンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、スルファニル酸、シクロヘキシルアミノスルホン酸、アルゲン酸、3-ヒドロキシブチル酸、ガラクタル酸、またはガラクツロン酸を含む。本明細書で開示される遊離酸含有化合物の適した薬学的に許容される塩として、制限なしに、金属塩及び有機塩を含む。例示的な金属塩として、適切なアルカリ金属(Ia群)塩、アルカリ土類金属(IIa群)塩、及び他の生理学的に許容される金属を含むがこれらに限定されない。そのような塩は、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、及び亜鉛から作製され得る。例示的な有機塩は、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、及び第4級アンモニウム塩、例えば、トロメタミン、ジエチルアミン、テトラ-N-メチルアンモニウム、N,N′-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N-メチルグルカミン)、及びプロカインから作製され得る。
【0150】
本明細書で使用される「投与する」、「投与すること」、または「投与」という用語は、化合物もしくは該化合物の薬学的に許容される塩、または組成物のいずれかを対象に直接投与することを指す。
【0151】
本明細書で使用される「担体」という用語は、担体、賦形剤、及び希釈剤を包含し、身体のある器官または部分から身体の別の器官または部分への薬剤の担持または輸送に関与する液体もしくは固体の充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒、または封止材料等の材料、組成物、またはビヒクルを意味する。
【0152】
「障害」という用語は、本開示において、特に指示されない限り、疾患、状態、または病気という用語を意味するように使用され、それらと交換可能に使用される。
【0153】
「有効量」及び「治療上有効な量」という用語は、本開示において交換可能に使用され、対象に投与された場合に、対象における障害の症状を低減することができる化合物の量を指す。「有効量」または「治療上有効な量」を含む実際の量は、治療される特定の障害、該障害の重症度、患者の体格及び健康、ならびに投与経路を含むがこれらに限定されない多くの条件に応じて異なる。熟練した医師であれば、当該医療分野で周知の方法を使用して適量を容易に決定することができる。
【0154】
本明細書で使用される「単離された」及び「精製された」という用語は、反応混合物または天然源の他の成分から分離された成分を指す。ある特定の実施形態において、単離物は、該単離物の少なくとも約50重量%、少なくとも約55重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約65重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約75重量%、少なくとも約80重量%、少なくとも約85重量%、少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、または少なくとも約98重量%の化合物、または該化合物の薬学的に許容される塩を含有する。
【0155】
本明細書で使用される「薬学的に許容される」という語句は、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症のないヒト及び動物の組織と接触させて使用するのに適した、安全な医学的判断の範囲内にあり、妥当な利益/リスク比に見合う、化合物、材料、組成物及び/または剤形を指す。
【0156】
本開示で使用される場合、「患者」または「対象」という用語として、制限なしに、ヒトまたは動物を含む。例示的な動物として、マウス、ラット、モルモット、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、サル、チンパンジー、ヒヒ、またはアカゲザル等の哺乳動物を含むがこれらに限定されない。
【0157】
「治療」、「治療する」、及び「治療すること」という用語は、患者が患っている癌に対する全範囲の介入、例えば、症状のうちの1つ以上を改善、遅延、または反転させるため、及び癌が実際に排除されない場合でも癌の進行を遅延させるための活性化合物の投与を含むことが企図される。治療は、障害を治癒すること、改善すること、または少なくとも部分的に緩和することであり得る。
【0158】
構造的、化学的、及び立体化学的定義は、IUPAC推奨から、より具体的にはMuller,P.Pure Appl.Chem.1994,66,pp.1077-1184によってまとめられた物理有機化学で使用される用語集(IUPAC推奨1994)、及びMoss,G.P.Pure Appl.Chem.1996,68,pp.2193-2222によってまとめられた立体化学の基本用語(IUPAC推奨1996)から広く取られる。
【0159】
アトロプ異性体は、別個の化学種として単離され得、単一結合を中心とした制限回転に起因する配座異性体のサブクラスとして定義される。
【0160】
位置異性体または構造異性体は、異なる配置の同じ原子を必要とする異性体として定義される。
【0161】
エナンチオマーは、互いの鏡像であり、重畳することができない一対の分子実体のうちの1つとして定義される。
【0162】
ジアステレオマーまたはジアステレオ異性体は、エナンチオマー以外の立体異性体として定義される。ジアステレオマーまたはジアステレオ異性体は、鏡像と関連しない立体異性体である。ジアステレオ異性体は、物理特性の差、及びアキラル試薬ならびにキラル試薬に対する化学的挙動のいくらかの差を特徴とする。
【0163】
本明細書で使用される「互変異性体」という用語は、分子の1つの原子のプロトンが別の原子に移行する現象によって産生された化合物を指す。March,Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms and Structures,4th Ed.,John Wiley&Sons,pp.69-74(1992)を参照されたい。互変異性は、一般式
【数1】
の異性として定義され、異性体(互変異性体と呼ばれる)は、容易に相互変換可能であり、X基、Y基、及びZ基を接続する原子は、通常C、H、O、またはSのうちのいずれかであり、Gは、異性体化中に電子脱離基または核脱離基になる基である。電子脱離基がH
+である、最も一般的な例は、「プロトトロピー」としても知られている。互変異性体は、異性体が単離可能であるか否かに関わらず、互変異性に起因する異性体として定義される。
【0164】
本発明の例示された化合物は、好ましくは、薬学的に許容される担体を使用して薬学的組成物として配合され、様々な経路によって投与される。好ましくは、そのような組成物は、経口投与用である。そのような薬学的組成物及びそれらを調製するためのプロセスは、当該技術分野において周知である。例えば、REMINGTON:THE SCIENCE AND PRACTICE OF PHARMACY(A.Gennaro,et al.,eds.,19th ed.,Mack Publishing Co.,1995)を参照されたい。
【0165】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩は、当該技術分野において周知の種々の手順、ならびに下記で説明されるものによって調製することができる。特定の合成ステップを異なる方法で組み合わせ、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩を調製することができる。
【0166】
式Iaの化合物の合成において初期出発物質として用いられる化合物は、周知であり、商業的に入手可能でない程度に、提供される特定基準を使用し、当業者によって一般に用いられる標準手順によって容易に合成されるか、または一般的な参考書に見出される。
【0167】
周知の手順及び方法の例として、Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers Inc,1989、Compendium of Organic Synthetic Methods,Volumes 1-10,1974-2002,Wiley Interscience、Advanced Organic Chemistry,Reactions Mechanisms,and Structure,5th Edition,Michael B.Smith and Jerry March,Wiley Interscience,2001、Advanced Organic Chemistry,4th Edition,Part B,Reactions and Synthesis,Francis A.Carey and Richard J.Sundberg,Kluwer Academic/Plenum Publishers,2000等の一般参考書、ならびにそこで引用される参照文献に記載されるものを含む。
【0168】
ChemDrawバージョン10または12(CambridgeSoft Corporation,Cambridge,MA)を使用して、中間体及び例示の化合物の構造を列挙した。
【0169】
以下の省略形が本開示で使用され、以下の定義を有する。「ADP」はアデノシン二リン酸塩であり、「conc.」は濃縮された状態であり、「DBU」は1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]undec-7-eneであり、「DCE」は1,2-ジクロロエタンであり、「DCM」はジクロロメタンであり、「DIEA」はN,N-ジイソプロピルエチルアミンであり、「DMA」はN,N-ジメチルアセトアミドであり、「DMAP」は4-(ジメチルアミノ)ピリジンであり、「DMF」はN,N-ジメチルホルムアミドであり、「dppf」は1,1′-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンであり、「DMEM」はダルベッコ改変イーグル培地であり、「DMSO」はジメチルスルホキシドであり、「DPPA」はジフェニルホスフリルアジドであり、「ESI」はエレクトロスプレーイオン化であり、「Et2O」はジエチルエーテルであり、「EtOAc」は酢酸エチルであり、「EtOH」はエタノールであり、「GST」はグルタチオンS-トランスフェラーゼであり、「h」は時間(複数可)であり、「Hex」はヘキサンであり、「IC50」は半最大阻害濃度であり、「LiMHDS」はリチウムビス(トリメチルシリル)アミドであり、「mCPBA」は3-クロロ過安息香酸であり、「MeCN」はアセトニトリルであり、「MeOH」はメタノールであり、「Me4tBuXPhos」は、ジ-tert-ブチル(2′,4′,6′-トリイソプロピル-3,4,5,6-テトラメチル-[1,1′-ビフェニル]-2-イル)ホスフィンであり、「MHz」はメガヘルツであり、「min」は分(複数可)であり、「MS」は質量分析であり、「MTBE」はメチルtert-ブチルエーテルであり、「NADH」はニコチンアミドアデニンジヌクレオチドであり、「NBS」はN-ブロモスクシンイミドであり、「NMR」は核磁気共鳴であり、「PBS」はリン酸緩衝生理食塩水であり、「Pd/C」は炭素上のパラジウムであり、「Pd2(dba)3」はトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)であり、「Pd(PPh3)4」はテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、「分取HPLC」は分取高性能液体クロマトグラフィーであり、「RT」は15~25℃の範囲の通常実験室温度の範囲からなると理解される「周囲温度」としても知られる室温であり、「satd.」は飽和状態であり、「TEA」はトリエチルアミンであり、「TFA」はトリフルオロ酢酸であり、「THF」はテトラヒドロフランであり、「トリス」はトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンであり、「Xantphos」は4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテンであり、「X-Phos」は2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2′,4′,6′-トリイソプロピルビフェニルである。
一般化学
【0170】
式Iの化合物は、下記スキーム及び添付の実施例に示される一般合成方法によって調製される。これらのスキームのステップに適した反応条件は、当該技術分野において周知であり、溶媒及び共試薬の適切な代替物は当該技術の範囲内である。当業者であれば、合成中間体が必要または所望に応じて周知の技法により単離及び/または精製され得ること、及び様々な中間体をほとんどまたは全く精製せずに後次合成ステップで直接使用可能になることを理解するであろう。さらに、当業者であれば、場合によって、部分が導入される順序が重要でないことを理解するであろう。式Iの化合物を産生するために必要なステップの特定順序は、通常の技術を有する化学者によって十分に理解されるように、合成される特定の化合物、出発化合物、及び置換部分の相対不安定性に依存する。特に指示されない限り、全ての代替物は上に定義される通りである。
【0171】
式Iの化合物は、W位置及びA位置に-NH部分または-OH部分を含有し得る。場合によって、合成中にアミン保護基を使用して、1つ以上の-NH部分または-OH部分を一時的にマスクすることが有利であり得ることは、当業者によって理解されるであろう。該保護基は、該保護基の除去を生じる標準条件を使用して、合成シーケンスの任意の後次中間体から除去され得、該条件は、当業者によく知られている。スキームにおいて特定されていない場合、下記スキームに表されるW部分及びA部分が、合成シーケンス中に適時除去され得る、標準アミノ保護基またはヒドロキシル保護基を任意に含有し得ることは当業者によって理解されるであろう。
【0172】
本発明の化合物1(R1がHである式I)は、スキーム1に示される通り調製され得る。一実施形態において、ジピリジン2は、ボロン酸塩3またはボロン酸4と反応して中間体5を提供することができる。2と3または4との反応は、一般に、パラジウム触媒、例えば例えばPd(PPh3)4、及び塩基、例えば炭酸カリウムの存在下で加熱しながら行われる。5から7へのさらなる変換は、5と試薬M-W(6)との反応によって生じ、式中、Mは、トリアルキルスタニルもしくはボロン酸もしくはボロン酸エステルであるか(Wがヘテロアリールである場合)、またはMは、Hである(Wが-NHC(O)R6、-NHC(O)R7、-NHC(O)N(R8)R9である場合)。5から7への変換のための条件は、W部分の性質に依存するが、一般に、任意に追加のリガンド、例えば、キサントフォスの存在下での、パラジウム触媒、例えば、Pd(PPh3)4またはPd2(dba)3の使用を含む。これらの変換を実現するための一般条件は、当業者に周知であり、添付の実施例においてさらに説明される。最後に、例えば、HBrまたはトリメチルシリルヨウ化物での処理による7のメチルエーテルの開裂は、R1がHである式1の化合物を提供する。
【0173】
スキーム1の別の実施形態において、化合物7は、3または4との反応によって8(Zは臭素またはヨウ素である)から直接調製され得る。
【0174】
スキーム1の別の実施形態において、中間体7は、2と9または10との反応で始まるシーケンスによって2から調製され、11を提供することができる。上記の11とM-W(6)との反応は、12を提供する。別の実施形態において、8と9または10との反応は、12を直接付与する。12とアミンA-H13との反応は、7を提供する。一実施形態において、12から7への変換は、m-クロロペルオキシ安息香酸等の酸化物での連続処理によって実現され、12のチオメチル部分のメチルスルホキシドまたはメチルスルホン中間体への酸化を生じ、該中間体のA-H13による処理が続く。
【化16】
【0175】
スキーム2は、式18の化合物の調製を示す(R1がアルキルまたは分枝アルキルである、式I)。スキーム1と同様の方法で、化合物2は、14または15及びパラジウム触媒と反応して16を生じ得る。上記の16とM-W(6)とのさらなる反応は、17を提供する。中間体17は、8(Zは臭素またはヨウ素である)と14または15及びパラジウム触媒との反応によって調製することもできる。17とアミンA-H(13)との反応は、18を生じる。一実施形態において、17のチオメチル部分は、アミンA-H13による処理前にメチルスルホキシドまたはメチルスルホンに酸化される。
【化17】
【0176】
一般中間体2は、スキーム3に示される通り調製される。炭酸塩基の存在下でのヒドロキシピリジン19のヨードによる処理は、ヨウ化物20を生じる。塩基、例えば、炭酸カリウムの存在下での20の2,4-ジクロロピリジン(21)によるさらなる処理は、2を提供する。
【化18】
スキーム3
【0177】
一般中間体8は、スキーム4に示される通り調製される。したがって、中間体22(Yはハロゲンである)は、塩基、例えば、炭酸カリウムの存在下で2-クロロ-4-ヒドロキシピリジン(23)と反応し、ニトロエーテル24を提供する。24のニトロ部分の還元は、アミン25を提供する。24から25への変換を生じさせる条件は、当業者に周知であり、メタノール等のプロトン性溶媒中、塩化アンモニウムの存在下での亜鉛粉末の使用を含む。上記の25とM-W(6)とのさらなる反応は、26を提供する。一実施形態において、24から26への変換のためのステップの順序は、24が最初にM-W6と反応するように反転される。次にニトロ部分を含有する該反応の産生物を還元し、26を提供する。アミン26から8への変換は、26のアミノ部分のジアゾニウム塩への変換によって、及びジアゾニウム部分のハロゲンでの原位置置換によって実現される。26から8(Zは臭素である)への変換を生じさせる条件は、ジブロモメタン中の26及びテトラブチルアンモニウム臭化物の混合物の亜硝酸tert-ブチルによる処理を含む。26から8(Zはヨードである)への変換を生じさせる条件は、ジヨードメタン中の26及びヨウ化カリウムの混合物の亜硝酸tert-ブチルによる処理を含む。
【化19】
【0178】
スキーム5は、ボロン酸エステル/ボロン酸が3/4、9/10、及び14/15の合成を示す。スキーム5の一実施形態において、クロロ-ピリミジン27は、アミンA-H13と反応して28を生じる。変換のための条件は、溶媒、例えばTHF中で27及び13を複合することと、混合物を加熱して反応を生じさせることと、を含む。パラジウム触媒、例えば、PdCl
2(dppf)及び弱い塩基、例えば、酢酸カリウムの存在下、加熱による28とビス(ピナコルト)ジボロン(34)とのさらなる反応は、感受性ボロン酸塩3及び/またはボロン酸4を提供する。実際に、3及び4の可能性のある混合物をさらなる使用のために分離する必要はなく、28及び34の反応の産生物(複数可)は、通常さらなる精製なしに粗製形態で使用される。別の実施形態において、29及び34は、同じ条件下で反応して9及び/または10を提供する。実際に、29及び34の反応の産生物(複数可)は、さらなる精製なしに粗製形態で使用され得る。
【化20】
【0179】
スキーム5の別の実施形態において、ピリミジノン30は、R1-X(31、Xはハロゲンである)でアルキル化され、32を提供することができる。一実施形態において、該アルキル化は、強い塩基、例えば、リチウムビス(トリメチルシリル)アミドを含むTHFまたはDMF等の溶媒中の29の処理に続いて31の付加によって生じる。32の臭素化は、33を提供する。一実施形態において、30から33への変換のためのステップの順序は、30がR1-X31とのアルキル化の前に臭素化されるように反転される。最後に、33と34との反応は、ボロン酸塩14及び/またはボロン酸15を提供する。実際に、33及び34の反応の産生物(複数可)は、さらなる精製なしに粗製形態で使用され得る。
【0180】
一般中間体38、実施例8(式中、Wは-C(O)N(R8)R9である)は、スキーム6に示される通り調製される。したがって、ヒドロキシピリジン35は、塩基、例えば、tert-ブトキシドカリウムの存在下でクロロピコリンアミド36と反応し、エーテル37を提供する。ヨウ化物の存在下での37のアミノ部分のジアゾ化は、ヨードピリジン38を生じる。
【化21】
【0181】
本明細書に記載されている合成手順及び方法、ならびに当業者に周知の方法を使用して、以下の化合物を作製した。2-(エチルアミノ)-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オン、2-(ジメチルアミノ)-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オン、2-(イソプロピルアミノ)-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オン、2-(エチルアミノ)-5-(6-メチル-5-((6′-メチル-[2,3′-ビピリジン]-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オン、2-(エチルアミノ)-5-(6-メチル-5-((2-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オン、2-((2-メトキシエチル)アミノ)-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オン、5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-2-(メチルアミノ)ピリミジン-4(3H)-オン、2-(エチルアミノ)-5-(5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オン、5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-2-(ピロリジン-1-イル)ピリミジン-4(3H)-オン、2-(イソプロピルアミノ)-3-メチル-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オン、4-((6-(2-(イソプロピルアミノ)-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-5-イル)ピリジン-3-イル)オキシ)-N-メチルピコリンアミド、5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-2-モルホリノピリミジン-4(3H)-オン、5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-2-(ピペリジン-1-イル)ピリミジン-4(3H)-オン、2-(シクロプロピルアミノ)-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オン、2-(シクロペンチルアミノ)-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オン、3-メチル-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-2-(ピロリジン-1-イル)ピリミジン-4(3H)-オン、2-(シクロプロピルアミノ)-3-メチル-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オン、2-(イソプロピルアミノ)-5-(4-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オン、N-(4-((6-(2-(イソプロピルアミノ)-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-5-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)アセトアミド、5-(4-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-2-(ピロリジン-1-イル)ピリミジン-4(3H)-オン、5-(5-((2-(1-エチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)-6-メチルピリジン-2-イル)-2-(イソプロピルアミノ)ピリミジン-4(3H)-オン、(R)-2-((1-メトキシプロパン-2-イル)アミノ)-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オン、(R)-2-(2-(メトキシメチル)ピロリジン-1-イル)-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オン、(S)-2-(3―(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル)-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オン、2-(エチルアミノ)-3-メチル-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オン、2-((2-メトキシエチル)アミノ)-3-メチル-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オン、5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ピリミジン-4(3H)-オン、2-(tert-ブチルアミノ)-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オン、5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-2-(ネオペンチルアミノ)ピリミジン-4(3H)-オン、及び2-(3,3-ジフルオロピロリジン-1-イル)-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オン。
実施例
【0182】
本開示は、以下の実施例によってさらに説明されるが、範囲または趣旨において本開示を本明細書に記載される特定の手順に制限すると解釈してはならない。実施例は、ある特定の実施形態を説明するために提供されること、及びそれによって本開示の範囲に対するいかなる制限も企図されないことを理解されたい。本開示の趣旨及び/または添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、それら自体を当業者に示唆し得る、様々な他の実施形態、修正、及びその同等物に対する手段が取られ得ることをさらに理解されたい。
【化22】
実施例A1。H
2O(320mL)及びMeOH(200mL)中の3-ヒドロキシ-2-メチルピリジン(20.0g、183mmol)及びNa
2CO
3(38.8g、367mmol)の溶液を、I
2(46.5g、183mmol)で処理し、室温で1時間撹拌した。混合物をHCl(2M)で酸性化し、EtOAc(2回)で抽出して、複合有機物をブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させて濃縮乾固した。材料を1:1のEtOAc/Hex中に懸濁し、音波処理し、固体を濾過によって回収して乾燥させた。濾液を濃縮乾固し、DCMで処理し、固体を濾過によって回収し、第1の固体と複合して6-ヨード-2-メチルピリジン-3-オル(20.5g、48%)を得た。MS(ESI)m/z:236.0(M+H
+)。
【0183】
DMA(50mL)中の6-ヨード-2-メチルピリジン-3-オル(6.8g、28.9mmol)、2,4-ジクロロピリジン(8.56g、57.9mmol)、及びK
2CO
3(4.00g、28.9mmol)の混合物を、110℃で、16時間アルゴン下で加熱した。混合物を室温に冷却し、H
2Oで処理し、EtOAc(2回)で抽出し、複合有機物をH
2O、次にブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濃縮乾固し、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/Hex)によって精製して3-((2-クロロピリジン-4-イル)オキシ)-6-ヨード-2-メチルピリジン(7.35g、73%)を白色固体として得た。MS(ESI)m/z:346.9(M+H
+)。
【化23】
実施例A2。H
2SO
4(12mL)の0℃の溶液を、H
2O
2(9.72mL、95mmol)で処理し、10分間撹拌し、H
2SO
4(8mL)中の2-アミノ-5-フルオロ-4-メチルピリジン(2g、15.86mmol)の溶液で処理し、15分間撹拌した後、室温に温めて3時間撹拌した。混合物を0℃に再冷却し、固体NaHCO
3で徐々に中和して、得られた固体を濾過によって回収し、乾燥させて5-フルオロ-4-メチル-2-ニトロピリジン(2g、81%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ 8.57(s,1H),8.42(d,J=5.3Hz,1H),2.42(d,J=1.9Hz,3H);MS(ESI)m/z:157.1(M+H
+)。
【0184】
DMF(26mL)中の5-フルオロ-4-メチル-2-ニトロピリジン(2g、12.81mmol)及び2-クロロ-4-ヒドロキシピリジン(1.66g、12.81mmol)の混合物にArを散布し、K2CO3(2.66g、19.22mmol)で処理し、88℃で24時間、次に50℃で2日間加熱した。混合物を水で処理し、得られた固体を濾過によって回収し、乾燥させて5-((2-クロロピリジン-4-イル)オキシ)-4-メチル-2-ニトロピリジン(2.72g、80%)を得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ 8.49(s,1H),8.47(s,1H),8.35(d,J=5.7Hz,1H),7.24(d,J=2.3Hz,1H),7.12(dd,J=5.7,2.3Hz,1H),2.32(s,3H);MS(ESI)m/z:266.0(M+H+)。
【0185】
ジオキサン(20mL)中の5-((2-クロロピリジン-4-イル)オキシ)-4-メチル-2-ニトロピリジン(1.5g、5.65mmol)及び1-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピアゾール(1.527g、7.34mmol)の溶液にArを散布し、水(5mL)及びPd(PPh3)4(0.326g、0.282mmol)中のK2CO3(1.171g、8.47mmol)の溶液で処理し、80℃で終夜加熱した。混合物を室温に冷却し、水で処理し、DCM(4回)で抽出し、複合有機物をNa2SO4上で乾燥させ、濃縮乾固し、シリカゲルクロマトグラフィー(MeOH/DCM)によって精製して4-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)-2-ニトロピリジン(2.3g、75%)を得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ 8.48(s,1H),8.43-8.42(m,2H),8.27(s,1H),7.98(s,1H),7.30(d,J=2.4Hz,1H),6.83(dd,J=5.7,2.4Hz,1H),3.84(s,3H),2.34(s,3H);MS(ESI)m/z:312.1(M+H+)。
【0186】
MeOH(37mL)及びTHF(37mL)中の4-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)-2-ニトロピリジン(2.3g、7.39mmol)の溶液を、NH
4Cl(11.86g、222mmol)で処理し、続いて亜鉛塵(4.83g、73.9mmol)を滴下添加して、混合物を室温で終夜撹拌した。混合物をEtOAcで希釈し、固体を珪藻土に通して濾過により除去し、濾液を濃縮乾固し、シリカゲルクロマトグラフィー(MeOH/DCM)によって精製して4-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-アミン(1.4g、67%)を得た。MS(ESI)m/z:282.1(M+H
+)。
【化24】
実施例A3。ジブロモメタン(5mL)中の実施例A2(0.2g、0.71mmol)の溶液を、テトラブチルアンモニウム臭化物(0.92g、2.84mmol)及びt-亜硝酸ブチル(0.7g、7.11mmol)で処理し、室温で4時間撹拌した。混合物をEtOAcで希釈し、飽和NaHCO
3、水、及びブラインで連続的に洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濃縮乾固して2-ブロモ-4-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジンをオフホワイトの固体(0.21g、86%)として得た。MS(ESI)m/z:345.1(M+H
+)。
【化25】
実施例A4。実施例A2(0.62g、2.2mmol)、KI(3.7g、22.3mmol)、及びジヨードメタン(5mL、62mmol)の懸濁液をt-亜硝酸ブチル(1.4mL、11.7mmol)で処理し、室温で12時間撹拌した。混合物をEtOAcで処理し、飽和NaHCO
3(3回)、10% Na
2S
2O
3(2回)、及びブライン(2回)で連続的に洗浄し、複合水性洗浄液をEtOAc(2回)で逆抽出した。複合有機物をMgSO
4上で乾燥させ、濃縮乾固し、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/DCM)によって精製して2-ヨード-4-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン(0.51g、59%)を得た。MS(ESI)m/z:393.0(M+H
+)。
【化26】
実施例A5。DMF(300mL)中の5-ブロモ-2-ニトロピリジン(15g、73.9mmol)の溶液にArを散布し、Cs
2CO
3(48.2g、148mmol)及び2-クロロ-4-ヒドロキシピリジン(10.53g、81mmol)で処理し、Arを再度散布して85℃で終夜加熱した。混合物を室温に冷却し、シリカゲル床に通して濾過し、EtOAcで完全に洗浄し、濾液を5% LiClで処理して終夜撹拌した。層を分離し、水性層を追加のEtOAc(4回)で抽出し、複合有機物をNa
2SO
4上で乾燥させて濃縮乾固した。残渣をEtOAc中に溶解し、5% LiClで処理し、1時間撹拌して層を分離し、水性層をEtOAc(3回)で抽出した。複合有機物をNa
2SO
4上で乾燥させ、濃縮乾固し、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/Hex)によって精製した。材料をMTBE中に懸濁し、音波処理し、得られた固体を濾過によって回収して2-クロロ-4-((6-ニトロピリジン-3-イル)オキシ)ピリジン(6.06g、33%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ 8.62(d,J=2.4,1H),8.43-8.39(m,2H),8.06(dd,J=8.8,2.8Hz,1H),7.36(d,J=2.0 Hz,1H),7.23(dd,J=5.6,2.0Hz,1H);MS(ESI)m/z:252.0(M+H+)。
【0187】
MeOH(40mL)中の2-クロロ-4-((6-ニトロピリジン-3-イル)オキシ)ピリジン(20.0g、79mmol)の溶液を、ラネーニッケル(2.00g、34.1mmol)の存在下、40psiで3時間水素化した。触媒を濾過によって除去し、MeOHで洗い流し、濾液を濃縮乾固して5-((2-クロロピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-アミン(18.52g、105%)を茶色固体として得た。MS(ESI)m/z:222.0(M+H+)。
【0188】
DCM(15mL)中の5-((2-クロロピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-アミン(1.00g、4.51mmol)及びヨウ化カリウム(3.74g、22.5mmol)の混合物を、t-亜硝酸ブチル(4.65g、45.1mmol)で滴下処理し、混合物を終夜室温で撹拌した。混合物をEtOAc(75mL)で希釈し、10% Na
2CO
3(50mL)、次に水(50mL)、及び最後にブライン(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒を減圧で蒸発させて粘度のある油性溶液を得た。EtOAc(100mL)を添加し、溶液を0.1Mのチオ硫酸ナトリウム(75mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒を減圧で蒸発させ、残留油をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して2-クロロ-4-((6-ヨードピリジン-3-イル)オキシ)ピリジン(695mg、46%)を提供した。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ 8.80(d,J=3.0Hz,1H),8.73(d,J=5.8Hz,1H),8.35(d,J=8.6Hz,1H),7.91(dd,J=8.6,3.1Hz,1H),7.61(d,J=2.3Hz,1H),7.48(dd,J=5.8,2.3Hz,1H)。
【化27】
実施例A6。DMF(25mL)をSOCl
2(125mL)で徐々に処理し、40~50℃の温度を維持した。次に混合物をピリジン-2-カルボン酸(25g、0.2mol)で0.5時間かけて滴下処理し、次に還流で16時間加熱し、室温に冷却し、トルエン(80mL)で希釈して濃縮乾固した(このプロセスを3回繰り返した)。得られた残渣をトルエンで洗浄し、減圧下で乾燥させて4-クロロ-ピリジン-2-塩化カルボニル(27.6g、収率79%)を得て、これを精製なしに次のステップで使用した。
【0189】
THF(100mL)中の4-クロロ-ピリジン-2-塩化カルボニル(27.6g、0.16mol)の0℃の溶液を、EtOH中のMeNH2の溶液で滴下処理し、3℃で4時間撹拌した後、濃縮乾固した。材料をEtOAc中に懸濁し、固体を濾過によって除去し、濾液をブライン(2回)で洗浄し、濃縮して4-クロロ-N-メチルピコリンアミド(16.4g、60%)を黄色固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.78(br s,1H),8.55(d,J=5.2Hz,1H),7.97(d,J=2.0Hz,1H),7.66(m,1H),2.82(d,J=4.8Hz,3H);MS(ESI)m/z:171.0(M+H+)。
【0190】
DMA(15mL)中の2-アミノ-5-ヒドロキシピリジン(0.968g、8.79mmol)の溶液を、tert-ブトキシド(0.987g、8.79mmol)で処理し、室温で3時間撹拌し、4-クロロ-N-メチルピコリンアミド(1.5g、8.79mmol)で処理して室温で2日間撹拌した。混合物を濃縮乾固し、水で処理し、EtOAc(3回)で抽出し、複合有機物をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濃縮乾固し、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc、MeOH/DCM)によって精製して4-((6-アミノピリジン-3-イル)オキシ)-N-メチルピコリンアミド(1.3g、61%)を得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ 8.75(m,1H),8.46(d,J=5.6Hz,1H),7.82(d,J=2.9Hz,1H),7.34(d,J=2.6Hz,1H),7.30(dd,J=8.9,3.0Hz,1H),7.10(dd,J=5.6,2.7Hz,1H),6.53(d,J=8.9Hz,1H),6.07(s,2H),2.77(d,J=4.8Hz,3H);MS(ESI)m/z:245.1(M+H+)。
【0191】
ヨウ化メチレン(5.46mL)中の4-((6-アミノピリジン-3-イル)オキシ)-N-メチルピコリンアミド(0.4g、1.64mmol)及びヨウ化カリウム(1.36g、8.19mmol)の混合物を、t-亜硝酸ブチル(1.95mL、16.4mmol)で滴下処理した。混合物を室温で終夜撹拌し、EtOAc(75mL)で希釈して、10%炭酸ナトリウム(50mL)、10%チオ硫酸塩(50mL)、及びブライン(50mL)で洗浄した。有機物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸発乾固し、シリカゲルクロマトグラフィー((EtOAc/Hex)によって精製して4-((6-ヨードピリジン-3-イル)オキシ)-N-メチルピコリンアミド(0.214g、36.8%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ 8.78(br d,J=5.6Hz,1H),8.54(d,J=5.6Hz,1H),8.40(d,J=3.0Hz,1H),7.95(d,J=8.6Hz,1H),7.50(dd,J=8.6,3.1Hz,1H),7.45(d,J=2.6Hz,1H),7.23(dd,J=5.6,2.7Hz,1H),2.78(d,J=4.9Hz,3H);MS(ESI)m/z:356.0(M+H
+)。
【化28】
実施例B1。THF(10mL)中の5-ブロモ-2-クロロ-4-メトキシピリミジン(0.6g、2.69mmol)の溶液を、エチルアミン(THF中2.0M、6.71mL、13.43mmol)で処理し、60℃で1時間加熱し、室温に冷却して水で希釈した。混合物をEtOAc(2回)で抽出し、複合有機物をブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濃縮乾固し、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/Hex)によって精製して5-ブロモ-N-エチル-4-メトキシピリミジン-2-アミンを白色固体(0.54g、87%)として得た。MS(ESI)m/z:232.03(M+H
+)。
【0192】
ジオキサン(25mL)中の5-ブロモ-N-エチル-4-メトキシピリミジン-2-アミン(0.73g、3.15mmol)の溶液にArを散布し、ビス(ピナコラート)ジボラン(1.04g、4.1mmol)、KOAc(0.62g、6.29mmol)、PdCl
2(dppf)(0.23g、0.315mmol)で処理し、100℃で20時間加熱した。混合物を室温に冷却し、粗製(2-(エチルアミノ)-4-メトキシピリミジン-5-イル)ボロン酸(推定収率50%)を得て、それをさらなる精製なしに使用した。MS(ESI)m/z:198.1(M+H
+)。
【化29】
実施例B2。ジオキサン(10mL)中の5-ブロモ-4-メトキシ-2-(メチルチオ)ピリミジン(1.0g、4.25mmol)、ビス(ピナコラート)ジボラン(1.30g、5.10mmol)、及びKOAc(1.25g、12.76mmol)の溶液にArを散布し、PdCl
2(dppf)-DCM付加物(0.17g、0.21mmol)で処理し、Arを再度散布して85℃で終夜加熱した。混合物を室温に冷却し、飽和NaHCO
3で処理し、EtOAc(3回)で抽出し、複合有機物をNa
2SO
4上で乾燥させ、濃縮乾固し、シリカゲルクロマトグラフィー(MeOH/EtOAc)によって精製して(4-メトキシ-2-(メチルチオ)ピリミジン-5-イル)ボロン酸ピナコールエステル(推定収率100%)を得て、それをさらなる精製なしに使用した。MS(ESI)m/z:201.1(M+H
+)。
【化30】
実施例B3。THF(20mL)中の5-ブロモ-2-クロロ-4-メトキシピリミジン(1.2g、5.37mmol)の溶液を、TEA(1.57mL、10.74mmol)及びイソプロピルアミン(0.7mL、8.1mmol)で処理し、60℃で5時間加熱した。混合物を室温に冷却し、水で処理し、EtOAc(2回)で抽出し、複合有機物をブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濃縮乾固し、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/Hex)によって精製して5-ブロモ-N-イソプロピル-4-メトキシピリミジン-2-アミン(0.84g、634%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ 8.10(s,1H),7.17(br s,1H),3.96-3.94(m,1H),3.87(s,3H),1.12(d,J=6.5Hz,6H);MS(ESI)m/z:246.0(M+H
+)。
【0193】
ジオキサン(20mL)中の5-ブロモ-N-イソプロピル-4-メトキシピリミジン-2-アミン(0.84g、3.41mmol)の溶液にArを散布し、ビス(ピナコラート)ジボラン(1.127g、4.44mmol)、KOAc(0.502g、5.12mmol)、及びPdCl2(dppf)-DCM付加物(0.279g、0.341mmol)で処理し、95℃で16時間加熱した。混合物を室温に冷却し、濃縮乾固して粗製N-イソプロピル-4-メトキシ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリミジン-2-アミン(推定収率60%)を得て、それをさらなる精製なしに使用した。MS(ESI)m/z:212.1(M+H
+)[対応するボロン酸のイオン]。
【化31】
実施例B4。DMA(40mL)中の2-(メチルチオ)ピリミジン-4(3H)-オン(2.0g、14.1mmol)の0℃の懸濁液を、固体LiHMDS(3.06g、18.3mmol)、続いてヨウ化メチル(1.14mL、18.3mmol)で処理し、室温に温めて終夜撹拌した。混合物を水で反応停止させ、EtOAc(3回)で抽出し、複合有機物をNa
2SO
4上で乾燥させ、濃縮乾固し、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/Hex)によって精製して3-メチル-2-(メチルチオ)ピリミジン-4(3H)-オン(1.37g、62%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ 7.83(d,J=6.5Hz,1H),6.17(d,J=6.5Hz,1H),3.39(s,3H),2.54(s,3H);MS(ESI)m/z:157.1(M+H
+)。
【0194】
CHCl3(15mL)中の3-メチル-2-(メチルチオ)ピリミジン-4(3H)-オン(1.37g、8.77mmol)の0℃の溶液を、ブロミン(0.54mL、10.5mmol)で処理し、0℃で1時間撹拌し、飽和NaHCO3(15mL)で反応停止させ、室温に徐々に温めて終夜撹拌した。混合物をDCM(3回)で抽出し、複合有機物をNa2SO4上で乾燥させ、濃縮乾固して5-ブロモ-3-メチル-2-(メチルチオ)ピリミジン-4(3H)-オン(2.0g、収率97%)を得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ 8.24(s,1H),3.45(s,3H),2.55(s,3H);MS(ESI)m/z:235.0(M+H+)。
【0195】
ジオキサン(10mL)中の5-ブロモ-3-メチル-2-(メチルチオ)ピリミジン-4(3H)-オン(1.0g、4.25mmol)、ビス(ピナコラート)ジボラン(1.30g、5.10mmol)、及びKOAc(1.25g、12.7mmol)の混合物にArを散布し、PdCl
2(dppf)-DCM付加物(0.17g、0.21mmol)で処理し、Arを再度散布して85℃で終夜加熱した。混合物を室温に冷却し、飽和NaHCO
3で反応停止させ、EtOAc(3回)で抽出し、複合有機物をNa
2SO
4上で乾燥させ、濃縮乾固して3-メチル-2-(メチルチオ)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オン(推定収率100%)を得た。MS(ESI)m/z:202.1(ボロン酸+H
+の質量)。
【化32】
実施例C1。ジオキサン(25mL)中の粗製実施例B1(0.310g、1.574mmol)の溶液を、水(4mL)中のK
2CO
3(0.65g、4.72mmol)、実施例A1(0.55g、1.58mmol)、及びPd(PPh
3)
4(0.18g、0.16mmol)の脱気溶液で処理し、90℃で16時間加熱した。混合物を室温に冷却し、水で希釈し、EtOAc(3回)で抽出し、複合有機物をブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濃縮乾固し、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/DCM)によって精製して5-(5-((2-クロロピリジン-4-イル)オキシ)-6-メチルピリジン-2-イル)-N-エチル-4-メトキシピリミジン-2-アミン(350mg、60%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ 8.73(s,1H),8.29(d,J=5.8Hz,1H),7.77(d,J=8.9Hz,1H),7.61(d,J=8.6Hz,1H),7.38(br s,1H),7.06(d,J=2.3Hz,1H),6.94(dd,J=5.8,2.3Hz,1H),4.01-3.91(m,3H),3.36-3.34(m,2H),2.33(s,3H),1.15(t,J=7.4Hz,3H);MS(ESI)m/z:372.1(M+H
+)。
【化33】
実施例C2。5:1ジオキサン/H
2O(6mL)中のB2(0.63g、2.25mmol)、実施例A1(0.65g、1.88mmol)、及びK
2CO
3(0.78g、5.63mmol)の混合物にArを散布し、Pd(PPh
3)
4(0.22g、0.19mmol)で処理し、再度Arを散布して、90℃で終夜加熱した。混合物を室温に冷却し、飽和NaHCO
3で処理し、EtOAc(3回)で抽出し、複合有機物をNa
2SO
4上で乾燥させ、濃縮乾固し、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/Hex)によって精製して5-(5-((2-クロロピリジン-4-イル)オキシ)-6-メチルピリジン-2-イル)-4-メトキシ-2-(メチルチオ)ピリミジン(0.49g、70%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ 8.91(s,1H),8.31(d,J=5.8Hz,1H),7.89(d,J=8.5Hz,1H),7.72(d,J=8.5Hz,1H),7.11(d,J=2.3Hz,1H),6.99(dd,J=5.8,2.3Hz,1H),4.06(s,3H),2.58(s,3H),2.39(s,3H);MS(ESI)m/z:375.1(M+H
+)。
【0196】
5:1ジオキサン/水(18mL)中の1-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(0.30g、1.44mmol)、5-(5-((2-クロロピリジン-4-イル)オキシ)-6-メチルピリジン-2-イル)-4-メトキシ-2-(メチルチオ)ピリミジン(0.49g、1.31mmol)、及びK
2CO
3(0.54g、3.92mmol)の混合物にArを散布し、Pd(PPh
3)
4(0.15g、0.13mmol)で処理し、再度Arを散布して、90℃で4時間加熱した。混合物を室温に冷却し、飽和NaHCO
3で処理し、EtOAc(3回)で抽出し、複合有機物をNa
2SO
4上で乾燥させ、濃縮乾固し、シリカゲルクロマトグラフィー(MeOH/DCM)によって精製して4-メトキシ-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-2-(メチルチオ)ピリミジン(0.54g、98%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ 8.93(s,1H),8.39(d,J=5.7Hz,1H),8.28(s,1H),7.99(d,J=0.7Hz,1H),7.88(d,J=8.5Hz,1H),7.65(d,J=8.6Hz,1H),7.30(d,J=2.4Hz,1H),6.66(dd,J=5.7,2.4Hz,1H),4.06(s,3H),3.85(s,3H),2.58(s,3H),2.42(s,3H);MS(ESI)m/z:421.1(M+H
+)。
【化34】
実施例C3。5:1ジオキサン/水(12mL)中の実施例B4(0.35g、1.73mmol)、実施例A1(0.50g、1.44mmol)、及びK
2CO
3(0.60g、4.33mmol)の混合物に、Arを散布し、Pd(PPh
3)
4(0.17g、0.14mmol)で処理し、再度Arを散布して、90℃で終夜加熱した。混合物を飽和NaHCO
3で反応停止させ、EtOAc(3回)で抽出し、複合有機物をNa
2SO
4上で乾燥させ、濃縮乾固し、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/Hex)によって精製して5-(5-((2-クロロピリジン-4-イル)オキシ)-6-メチルピリジン-2-イル)-3-メチル-2-(メチルチオ)ピリミジン-4(3H)-オン(0.52g、67%)を得た。MS(ESI)m/z:375.1(M+H
+)。
【0197】
5:1ジオキサン/水(6mL)中の5-(5-((2-クロロピリジン-4-イル)オキシ)-6-メチルピリジン-2-イル)-3-メチル-2-(メチルチオ)ピリミジン-4(3H)-オン(0.52g、0.97mmol)、1-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(0.22g、1.07mmol)、及びK
2CO
3(0.40g、2.9mmol)の混合物にArを散布し、Pd(PPh
3)
4(0.12g、0.10mmol)で処理し、再度Arを散布して、90℃で終夜加熱した。固体を濾過によって除去し、濾液を飽和NaHCO
3で処理し、EtOAc(3回)で抽出し、複合有機物をNa
2SO
4上で乾燥させ、濃縮乾固し、シリカゲルクロマトグラフィー(MeOH/DCM)によって精製して3-メチル-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-2-(メチルチオ)ピリミジン-4(3H)-オン(140mg、34%)を得た。MS(ESI)m/z:421.1(M+H
+)。
【化35】
実施例C4。ジオキサン(20mL)中の実施例B3(0.698g、2.381mmol)の溶液を、実施例A1(0.7g、2.4mmol)、水(6mL)中のK
2CO
3(0.22g、1.6mmol)の溶液、及びPd(PPh
3)
4(0.18g、0.16mmol)で処理し、Arを散布して、90℃で終夜加熱した。混合物を室温に冷却し、水で処理し、EtOAc(2回)で抽出し、複合有機物をブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濃縮乾固し、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/Hex)によって精製して5-(5-((2-クロロピリジン-4-イル)オキシ)-6-メチルピリジン-2-イル)-N-イソプロピル-4-メトキシピリミジン-2-アミン(0.48g、55%)を得た。MS(ESI)m/z:386.2(M+H
+)。
【化36】
実施例1。ジオキサン(4mL)中の実施例C1(0.12g、0.26mmol)及び1-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(0.070g、0.35mmol)の溶液にArを散布し、水(1mL)中のK
2CO
3(0.07g、0.51mmol)の溶液、Pd(PPh
3)
4(0.03g、0.026mmol)の溶液で処理し、90℃で2時間加熱した。混合物を室温に冷却し、水で希釈し、EtOAc(2回)で抽出し、複合有機物をブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濃縮乾固し、カラムクロマトグラフィー(MeOH/DCM)によって精製してN-エチル-4-メトキシ-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-2-アミンを白色固体(77mg、71%)として得た。
1H NMR(400 MHz,DMSO-d
6):δ 8.74(s,1H),8.36(d,J=5.7Hz,1H),8.26(s,1H),7.97(d,J=0.7Hz,1H),7.76(d,J=8.5Hz,1H),7.55(d,J=8.6Hz,1H),7.36(br s,1H),7.25(d,J=2.4Hz,1H),6.61(dd,J=5.7,2.4Hz,1H),3.96(s,3H),3.84(s,3H),3.40-3.30(m,2H),2.37(s,3H),1.14(br m,3H);MS(ESI)m/z:418.2(M+H
+)。
【0198】
酢酸(5mL)中のN-エチル-4-メトキシ-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-2-アミン(0.29g、0.7mmol)及び48%水性HBr(0.32mL、2.78mmol)の混合物を、90℃で6時間加熱した。混合物を室温に冷却し、水(60mL)で希釈し、固体NaHCO
3で塩基性にし、1:1 EtOAc/THF(3回)で抽出し、複合有機物をブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させて濃縮乾固した。残渣をMeCNで1時間撹拌し、得られた固体を濾過によって回収して2-(エチルアミノ)-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オンを白色固体(210mg、75%)として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ 11.20(br s,1H),8.67(s,1H),8.35(d,J=5.7Hz,1H),8.24-8.26(m,2H),7.96(s,1H),7.50(d,J=8.6Hz,1H),7.21(d,J=2.4Hz,1H),6.88(br s,1H),6.60(dd,J=5.7,2.4Hz,1H),3.84(s,3H),3.34-3.32(m,2H),2.34(s,3H),1.12(t,J=7.2Hz,3H);MS(ESI)m/z:404.2(M+H
+)。
【化37】
実施例2。DCM(5mL)中の実施例C2(0.13g、0.309mmol)の溶液を、mCPBA(0.09g、0.37mmol)で滴下処理し、室温で終夜撹拌し、TEA(0.5mL)及びN,N-ジメチルアミンHCl塩(500mg)で処理して、室温で2時間撹拌した。混合物を飽和NaHCO
3で処理し、DCM(2回)で抽出し、複合有機物をNa
2SO
4上で乾燥させ、濃縮乾固し、シリカゲルクロマトグラフィー(MeOH/DCM)によって精製して4-メトキシ-N,N-ジメチル-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-2-アミン(60mg、47%)を得た。MS(ESI)m/z:418.2(M+H
+)。
【0199】
酢酸(5mL)中の4-メトキシ-N,N-ジメチル-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-2-アミン(0.060g、0.144mmol)の溶液を、HBr(0.065mL、0.575mmol)で処理し、90℃で6時間加熱し、室温に冷却して氷水で反応停止させた。溶液をNaHCO
3及びNaClで処理し、1:1 THF/EtOAc(3回)で抽出し、複合有機物をNa
2SO
4上で乾燥させて濃縮乾固した。材料をMeCN(1mL)で処理し、室温で放置し、得られた固体を濾過によって回収して2-(ジメチルアミノ)-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オン(43mg、71%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ 11.23(s,1H),8.73(s,1H),8.36(d,J=5.7Hz,1H),8.30(m,1H),8.26(s,1H),7.97(s,1H),7.51(m,1H),7.23(d,J=2.4Hz,1H),6.62(br s,1H),3.85(s,3H),3.12(s,6H),2.35(s,3H);MS(ESI)m/z:404.2(M+H
+)。
【化38】
実施例3。DCM(5mL)中の実施例C2(0.13g、0.309mmol)の溶液を、mCPBA(0.09g、0.37mmol)で滴下処理し、室温で終夜撹拌し、イソプロピルアミン(0.5mL)で処理して、室温で終夜撹拌した。混合物を飽和NaHCO
3で処理し、DCM(2回)で抽出し、複合有機物をNa
2SO
4上で乾燥させ、濃縮乾固し、シリカゲルクロマトグラフィー(MeOH/DCM)によって精製してN-イソプロピル-4-メトキシ-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-2-アミン(63mg、47%)を得た。MS(ESI)m/z:432.2(M+H
+)。
【0200】
酢酸(5mL)中のN-イソプロピル-4-メトキシ-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-2-アミン(0.063g、0.14mmol)の溶液を、HBr(0.066mL、0.58mmol)で処理し、90℃で4時間加熱し、室温に冷却して氷水で反応停止させた。溶液をNaHCO
3及びNaClで処理し、1:1 THF/EtOAc(3回)で抽出し、複合有機物をNa
2SO
4上で乾燥させて濃縮乾固した。材料をMeCN(1mL)で処理して室温で放置し、得られた固体を濾過によって回収して2-(イソプロピルアミノ)-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オン(25mg、38%)として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ 10.8(br s,1H),8.68(s,1H),8.36(d,J=5.7Hz,1H),8.27(s,1H),8.26(s,1H),7.96(s,1H),7.51(d,J=8.6Hz,1H),7.22(d,J=2.4Hz,1H),6.67(br s,1H),6.61(d,J=5.6Hz,1H),4.07(m,1H),3.85(s,3H),2.34(s,3H),1.17(d,J=6.5Hz,6H);MS(ESI)m/z:418.2(M+H
+)。
【化39】
実施例4。ジオキサン(4mL)中の実施例C1(0.15g、0.4mmol)及び2-メチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン(0.13g、0.57mmol)の溶液にArを散布し、水(1mL)中のK
2CO
3(0.11g、0.8mmol)の溶液で処理し、90℃で2時間加熱した。混合物を室温に冷却し、水で希釈し、EtOAc(3回)で抽出し、複合有機物をブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濃縮乾固し、シリカゲルクロマトグラフィー(MeOH/DCM)によって精製してN-エチル-4-メトキシ-5-(6-メチル-5-((6′-メチル-[2,3′-ビピリジン]-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-2-アミンをオレンジ色の発泡体(0.106g、61%)として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ 9.11(d,J=2.4Hz,1H),8.74(s,1H),8.54(d,J=5.7Hz,1H),8.29(dd,J=8.1,2.4Hz,1H),7.77(d,J=8.6Hz,1H),7.65(d,J=2.4Hz,1H),7.59(d,J=8.6Hz,1H),7.34(d,J=8.2Hz,1H),7.02(d,J=1.9Hz,1H),6.79(dd,J=5.7,2.4Hz,1H),3.96(s,3H),3.36-3.34(m,2H),2.51(s,3H),2.38(s,3H),1.15(s,3H);MS(ESI)m/z:429.2(M+H
+)。
【0201】
実施例1の手順を使用して、N-エチル-4-メトキシ-5-(6-メチル-5-((6′-メチル-[2,3′-ビピリジン]-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-2-アミン(0.13g、0.3mmol)及び48% HBr(0.66mL、12mmol)を複合し、2-(エチルアミノ)-5-(6-メチル-5-((6′-メチル-[2,3′-ビピリジン]-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オンを白色固体(0.09g、73%)として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ 11.08(s,1H),9.10(s,1H),8.68(s,1H),8.53(d,J=5.7Hz,1H),8.28(d,J=8.3Hz,2H),7.62(s,1H),7.54(d,J=8.7Hz,1H),7.34(d,J=8.2Hz,1H),6.82(br s,1H),6.78(d,J=5.7Hz,1H),3.35-3.32(m,2H),2.50(s,3H),2.35(s,3H),1.12(t,J=7.2Hz,3H);MS(ESI)m/z:415.2(M+H
+)。
【化40】
実施例5。ジオキサン(1mL)中のMe
4tBuXPhos(0.018g、0.043mmol)及びPd
2(dba)
3(0.020g、0.022mmol)の混合物にArを散布し、100℃で数分間加熱し、実施例C1(0.16g、0.43mmol)、4-メチル-1H-イミダゾール(0.1g、1.3mmol)、及びK
3PO4(0.18g、0.86mmol)で処理し、100℃で20時間加熱した。混合物を室温で冷却し、EtOAcで希釈し、固体を珪藻土に通して濾過により除去し、EtOAcで洗浄した。濾液を水、次にブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濃縮乾固し、シリカゲルクロマトグラフィー(MeOH/DCM)によって精製してN-エチル-4-メトキシ-5-(6-メチル-5-((2-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-2-アミンを白色固体(0.12g、67%)として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ 8.75(s,1H),8.40(d,J=1.4Hz,1H),8.32(d,J=5.8Hz,1H),7.77(d,J=8.7Hz,1H),7.65(s,1H),7.59(d,J=8.6Hz,1H),7.49(br s,1H),7.42(d,J=2.2Hz,1H),6.74(dd,J=5.8,2.2Hz,1H),3.96(s,3H),3.36-3.34(m,2H),2.37(s,3H),2.13(s,3H),1.14(s,3H);MS(ESI)m/z:418.2(M+H
+)。
【0202】
実施例1の手順を使用して、N-エチル-4-メトキシ-5-(6-メチル-5-((2-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-2-アミン(0.12g、0.29mmol)及び48% HBr(0.63mL、11.5mmol)を複合し、2-(エチルアミノ)-5-(6-メチル-5-((2-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オンを白色固体(0.06g、51%)として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ 10.60(br s,1H),8.68(s,1H),8.40(d,J=1.3Hz,1H),8.31-8.30(m,2H),7.64(s,1H),7.54(d,J=8.6Hz,1H),7.39(d,J=2.2Hz,1H),6.93(br s,1H),6.73(dd,J=5.8,2.2Hz,1H),3.35-3.33(m,2H),2.35(s,3H),2.13(s,3H),1.12(t,J=7.1Hz,3H);MS(ESI)m/z:404.2(M+H
+)。
【化41】
実施例6。DCM(5mL)中の実施例C2(0.15g、0.36mmol)の溶液を、mCPBA(0.11g、0.43mmol)で滴下処理し、室温で終夜撹拌し、2-メトキシエタンアミン(0.5mL)で処理して、室温で4時間撹拌した。混合物を飽和NaHCO
3で処理し、DCM(3回)で抽出し、複合有機物をNa
2SO
4上で乾燥させ、濃縮乾固し、シリカゲルクロマトグラフィー(MeOH/DCM)によって精製して4-メトキシ-N-(2-メトキシエチル)-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-2-アミン(100mg、63%)を得た。MS(ESI)m/z:448.2(M+H
+)。
【0203】
酢酸(5mL)中の4-メトキシ-N-(2-メトキシエチル)-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-2-アミン(0.10g、0.22mmol)の溶液を、HBr(0.10mL、0.90mmol)で処理し、90℃で4時間加熱し、室温に冷却して氷水で反応停止させた。溶液をNaHCO
3及びNaClで処理し、EtOAc(3回)で抽出し、複合有機物をNa
2SO
4上で乾燥させて濃縮乾固した。材料をMeCN(3mL)で処理し、得られた固体を濾過によって回収して2-((2-メトキシエチル)アミノ)-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オン(65mg、61%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ 11.02(br s,1H),8.67(s,1H),8.35(d,J=5.7Hz,1H),8.29-8.23(m,2H),7.96(d,J=0.7Hz,1H),7.50(d,J=8.6Hz,1H),7.22(d,J=2.4Hz,1H),6.85(br s,1H),6.60(dd,J=5.7,2.4Hz,1H),3.84(s,3H),3.53-3.44(m,4H),3.28(s,3H),2.34(s,3H);MS(ESI)m/z:434.2(M+H
+)。
【化42】
実施例7。DCM(5mL)中の実施例C2(0.15g、0.357mmol)の溶液を、mCPBA(0.11g、0.43mmol)で滴下処理し、室温で終夜撹拌し、メチルアミン(THF中2.0M、3.6mL、7.2mmol)で処理して、室温で4時間撹拌した。混合物を飽和NaHCO
3で処理し、DCM(3回)で抽出し、複合有機物をNa
2SO
4上で乾燥させ、濃縮乾固し、シリカゲルクロマトグラフィー(MeOH/DCM)によって精製して4-メトキシ-N-メチル-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-2-アミン(100mg、70%)を得た。MS(ESI)m/z:404.2(M+H
+)。
【0204】
酢酸(5mL)中の4-メトキシ-N-メチル-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-2-アミン(0.10g、0.25mmol)の溶液を、HBr(0.12mL、1.0mmol)で処理し、90℃で4時間加熱した。混合物を室温に冷却し、氷水で反応停止させ、NaHCO
3及びNaClで処理して、EtOAc(3回)で抽出した。複合有機物をNa
2SO
4上で乾燥させ、濃縮乾固し、得られた材料をMeCN(3mL)で処理し、固体を濾過によって回収して5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-2-(メチルアミノ)ピリミジン-4(3H)-オン(52mg、53%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ 11.26(s,1H),8.70(s,1H),8.36(d,J=5.7Hz,1H),8.28(m,1H),8.26(s,1H),7.97(s,1H),7.51(d,J=8.6Hz,1H),7.22(d,J=2.4Hz,1H),6.70(br s,1H),6.61(dd,J=5.7,2.4Hz,1H),3.85(s,3H),2.85(d,J=4.7Hz,3H),2.35(s,3H);MS(ESI)m/z:390.2(M+H
+)。
【化43】
実施例8。ジオキサン(6mL)及び水(1.5mL)中の実施例B1(0.20g、0.51mmol)、実施例A5(0.17g、0.51mmol)、及びK
2CO
3(0.21g、1.52mmol)の混合物にArを散布し、Pd(PPh
3)
4(0.06g、0.051mmol)で処理し、再度Arを散布して、90℃で7時間加熱した。混合物を室温に冷却し、飽和NaHCO
3で処理し、EtOAc(3回)で抽出し、複合有機物をブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濃縮乾固し、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/Hex)によって精製して5-(5-((2-クロロピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-N-エチル-4-メトキシピリミジン-2-アミン(90mg、50%)を得た。MS(ESI)m/z:358.1(M+H
+)。
【0205】
5:1ジオキサン/水(6mL)中の5-(5-((2-クロロピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-N-エチル-4-メトキシピリミジン-2-アミン(0.090g、0.25mmol)、1-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(0.060g、0.28mmol)、及びK2CO3(0.10g、0.76mmol)の混合物にArを散布し、Pd(PPh3)4(0.03g、0.025mmol)で処理し、再度Arを散布して、90℃で7時間加熱した。混合物を室温に冷却し、飽和NaHCO3で反応停止させ、EtOAc(3回)で抽出し、複合有機物をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濃縮乾固し、シリカゲルクロマトグラフィー(MeOH/DCM)によって精製してN-エチル-4-メトキシ-5-(5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-2-アミン(80mg、79%)を得た。MS(ESI)m/z:404.2(M+H+)。
【0206】
実施例7の手順を使用して、N-エチル-4-メトキシ-5-(5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-2-アミン(0.080g、0.20mmol)を酢酸(3mL)及びHBr(0.090mL、0.79mmol)と複合し、2-(エチルアミノ)-5-(5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オン(40mg、51%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ 11.12(s,1H),8.66(s,1H),8.43(m,2H),8.38(d,J=5.7Hz,1H),8.26(s,1H),7.97(d,J=0.7Hz,1H),7.62(dd,J=8.8,2.9Hz,1H),7.28(d,J=2.4Hz,1H),63.80(br s,1H),6.72(dd,J=5.7,2.4Hz,1H),3.85(s,3H),3.35(m,2H),1.12(t,J=7.2Hz,3H);MS(ESI)m/z:390.2(M+H
+)。
【化44】
実施例9。DCM(5mL)中の実施例C2(0.15g、0.36mmol)の溶液を、mCPBA(0.11g、0.43mmol)で処理し、室温で2時間撹拌し、ピロリジン(0.5mL)で処理して、室温で終夜撹拌した。混合物を飽和NaHCO
3で処理し、DCM(3回)で抽出し、複合有機物をNa
2SO
4上で乾燥させ、濃縮乾固し、シリカゲルクロマトグラフィー(MeOH/DCM)によって精製して4-メトキシ-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-2-(ピロリジン-1-イル)ピリミジン(100mg、63%)を得た。MS(ESI)m/z:444.2(M+H
+)。
【0207】
酢酸(3mL)中の4-メトキシ-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-2-(ピロリジン-1-イル)ピリミジン(0.1g、0.22mmol)の溶液を、HBr(0.1mL、0.90mmol)で処理し、90℃で6.5時間加熱した。混合物を室温に冷却し、氷水で反応停止させ、NaHCO
3でpH8に中和してEtOAc(3回)で抽出した。複合有機物をNa
2SO
4上で乾燥させ、濃縮乾固し、得られた材料をMeCNで処理し、固体を濾過によって回収して5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-2-(ピロリジン-1-イル)ピリミジン-4(3H)-オン(89mg、91%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ 11.21(s,1H),8.73(s,1H),8.36(d,J=5.7Hz,1H),8.31(m,1H),8.26(s,1H),7.97(d,J=0.7Hz,1H),7.52(m,1H),7.22(d,J=2.4Hz,1H),6.61(d,J=5.6Hz,1H),3.85(s,3H),3.50(m,4H),2.35(s,3H),1.91(m,4H);MS(ESI)m/z:430.2(M+H
+)。
【化45】
実施例10。実施例C3(0.14g、0.33mmol)及びイソプロピルアミン(3mL、35.0mmol)の混合物を、100℃で2日間、密閉管内で加熱した。混合物を室温に冷却し、固体を濾過によって除去し、濾液を濃縮乾固し、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製して2-(イソプロピルアミノ)-3-メチル-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オン(88mg、59%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ 8.68(s,1H),8.36(d,J=5.7Hz,1H),8.28(d,J=8.7Hz,1H),8.25(s,1H),7.96(d,J=0.7Hz,1H),7.52(d,J=8.6Hz,1H),7.23(d,J=2.4Hz,1H),7.05(d,J=7.6Hz,1H),6.60(dd,J=5.7,2.4Hz,1H),4.33(m,1H),3.85(s,3H),3.37(s,3H),2.35(s,3H),1.23(d,J=6.6Hz,6H);MS(ESI)m/z:432.2(M+H
+)。
【化46】
実施例11。ジオキサン(6mL)中のPdCl
2(dppf)・CH
2Cl
2(0.048g、0.059mmol)、KOAc(0.086g、0.879mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(0.186g、0.732mmol)、及び5-ブロモ-N-イソプロピル-4-メトキシピリミジン-2-アミン(0.144g、0.586mmol)の懸濁液にArを散布して90℃で20時間加熱した。混合物を室温に冷却し、追加のPdCl
2(dppf)・CH
2Cl
2(0.048g、0.059mmol)、KOAc(0.086g、0.879mmol)、及びビス(ピナコラート)ジボロン(0.186g、0.732mmol)で処理し、Arを散布して100℃で20時間加熱した。混合物を室温に冷却し、Pd(PPh
3)
4(0.034g、0.029mmol)、K
2CO
3(0.121g、0.879mmol)、実施例A6(0.104g、0.293mmol)、及び水(1.5mL)で処理し、Arを散布し、85℃で18時間加熱した後、室温に冷却した。混合物を飽和NaHCO
3で処理し、EtOAc(4回)で抽出し、複合有機物をブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濃縮乾固し、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/DCM)によって精製して4-((6-(2-(イソプロピルアミノ)-4-メトキシピリミジン-5-イル)ピリジン-3-イル)オキシ)-N-メチルピコリンアミド(72mg、62%)を得た。MS(ESI)m/z:395.2(M+H
+)。
【0208】
DCE(10mL)中の4-((6-(2-(イソプロピルアミノ)-4-メトキシピリミジン-5-イル)ピリジン-3-イル)オキシ)-N-メチルピコリンアミド(0.072g、0.183mmol)の溶液を、ヨードトリメチルシラン(0.497mL、3.65mmol)で処理し、50℃で20時間加熱し、追加のヨードトリメチルシラン(0.25mL、1.84mmol)で処理して60℃で20時間加熱した。混合物を室温で冷却し、DCM/THF(5:1)で処理し、飽和NaHCO
3、10%重亜硫酸ナトリウム、次にブラインで洗浄した。複合水性洗浄液をDCM/THF(5:1)(1回)で逆抽出し、複合有機物をNa
2SO
4上で乾燥させ、濃縮乾固し、分取TLC(EtOAc)によって精製して4-((6-(2-(イソプロピルアミノ)-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-5-イル)ピリジン-3-イル)オキシ)-N-メチルピコリンアミド(16mg、23%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ 10.89(br s,1H),8.79(d,J=5.2Hz,1H),8.66(s,1H),8.52(d,J=5.6Hz,1H),8.47(d,J=2.9Hz,1H),8.44(d,J=8.8Hz,1H),7.67(dd,J=8.8,2.9Hz,1H),7.42(d,J=2.6Hz,1H),7.21(dd,J=5.6,2.6Hz,1H),6.74(br s,1H),4.08(m,1H),2.77(d,J=4.8Hz,3H),1.16(d,J=6.5Hz,6H);MS(ESI)m/z:381.2(M+H
+)。
【化47】
実施例12。実施例6の手順を使用して、実施例C2(0.15g、0.357mmol)、mCPBA(0.106g、0.428mmol)、及びモルホリン(0.5mL、5.78mmol)を複合し、4-(4-メトキシ-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-2-イル)モルホリン(127mg、77%)を得た。MS(ESI)m/z:460.2(M+H
+)。
【0209】
実施例6の手順を使用して、4-(4-メトキシ-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)ピリミジン-2-イル)モルホリン(0.127g、0.276mmol)及びHBr(0.126mL、1.106mmol)を酢酸(3mL)中で複合し、5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-2-モルホリノピリミジン-4(3H)-オン(75mg、59%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ 11.57(br s,1H),8.77(s,1H),8.36(d,J=5.7Hz,1H),8.27-8.22(m,2H),7.97(s,1H),7.59(m,1H),7.24(d,J=2.4Hz,1H),6.63(dd,J=5.7,2.4Hz,1H),3.84(s,3H),3.68-3.63(m,8H),2.36(s,3H);MS(ESI)m/z:446.2(M+H
+)。
【化48】
実施例13。実施例6の手順を使用して、実施例C2(0.15g、0.357mmol)、mCPBA(0.106g、0.428mmol)、及びピペリジン(0.6mL、6.07mmol)を複合し、4-メトキシ-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-2-(ピペリジン-1-イル)ピリミジン(134mg、82%)を得た。MS(ESI)m/z:458.2(M+H
+)。
【0210】
実施例6の手順を使用して、4-メトキシ-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-2-(ピペリジン-1-イル)ピリミジン(0.134g、0.293mmol)及びHBr(0.133mL、1.172mmol)を酢酸(3mL)中で複合し、4-メトキシ-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-2-(ピペリジン-1-イル)ピリミジン(103mg、79%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ 11.33(br s,1H),8.71(br s,1H),8.35(d,J=5.7Hz,1H),8.31-8.18(m,2H),7.96(s,1H),7.53(br s,1H),7.23(d,J=2.4Hz,1H),6.61(m,1H),3.84(s,3H),3.68(m,4H),2.35(s,3H),1.61(m,2H),1.53(m,4H);MS(ESI)m/z:444.2(M+H
+)。
【化49】
実施例14。実施例6の手順を使用して、実施例C2(0.100g、0.238mmol)、mCPBA(0.070g、0.285mmol)、及びシクロプロピルアミン(0.300mL、4.33mmol)を複合し、N-シクロプロピル-4-メトキシ-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-2-アミン(82mg、80%)を得た。MS(ESI)m/z:430.2(M+H
+)。
【0211】
酢酸(2mL)中のN-シクロプロピル-4-メトキシ-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-2-アミン(0.082g、0.191mmol)の溶液を、HBr(0.087mL、0.764mmol)で処理し、90℃で4時間加熱した。混合物を室温に冷却し、氷で処理し、飽和NaHCO3で中和して、EtOAc(3回)で抽出した。複合有機物をブラインで洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濃縮乾固し、MeCNで処理し、音波処理して沸点近くまで加熱し、室温で終夜放置した。得られた固体を濾過によって回収した。複合水性洗浄液を濾過し、固体を水で洗浄し、乾燥させ、上記の単離された固体と複合して2-(シクロプロピルアミノ)-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オン(35mg、44%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ 11.09(br s,1H),8.68(s,1H),8.35(d,J=5.7Hz,1H),8.28(m,1H),8.25(s,1H),7.96(d,J=0.8Hz,1H),7.66(br s,1H),7.52(d,J=8.6Hz,1H),7.22(d,J=2.4Hz,1H),6.60(dd,J=5.7,2.4Hz,1H),3.84(s,3H),2.73-2.68(m,1H),2.34(s,3H),0.75(m,2H),0.55-0.53(m,2H);MS(ESI)m/z:416.2(M+H
+)。
【化50】
実施例15。実施例6の手順を使用して、実施例C2(0.100g、0.238mmol)、mCPBA(0.070g、0.285mmol)、及びシクロペンチルアミン(0.400mL、4.04mmol)を複合し、N-シクロペンチル-4-メトキシ-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-2-アミン(85mg、78%)を得た。MS(ESI)m/z:458.2(M+H
+)。
【0212】
実施例6の手順を使用して、N-シクロペンチル-4-メトキシ-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリミジン-2-アミン(0.085g、0.186mmol)及びHBr(0.085mL、0.743mmol)を酢酸(2mL)中で複合し、2-(シクロペンチルアミノ)-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オン(58mg、70%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ 10.78(br s,1H),8.67(s,1H),8.35(d,J=5.7Hz,1H),8.29-8.23(m,2H),7.96(s,1H),7.50(d,J=8.6Hz,1H),7.22(d,J=2.4Hz,1H),6.94(br s,1H),6.60(dd,J=5.7,2.4Hz,1H),4.21-4.18(m,1H),3.84(s,3H),2.34(s,3H),1.92-1.89(m,2H),1.68-1.64(m,2H),1.58-1.54(m,2H),1.49-1.40(m,2H);MS(ESI)m/z:444.2(M+H
+)。
【化51】
実施例16。ピロリジン(1.75mL、21.31mmol)中の実施例C3(0.087g、0.207mmol)の溶液を、100℃で、密閉容器内で終夜加熱し、室温に冷却し、濃縮乾固し、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc、MeOH/DCM)によって精製した。材料をMeCNで処理し、音波処理して、得られた固体を濾過によって回収し、乾燥させて3-メチル-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-2-(ピロリジン-1-イル)ピリミジン-4(3H)-オン(62mg、67%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ 8.65(s,1H),8.35(d,J=5.7Hz,1H),8.30(d,J=8.6Hz,1H),8.25(s,1H),7.96(s,1H),7.54(d,J=8.6Hz,1H),7.24(d,J=2.4Hz,1H),6.60(dd,J=5.7,2.4Hz,1H),3.84(s,3H),3.58(m,4H),3.45(s,3H),2.35(s,3H),1.87(m,4H);MS(ESI)m/z:444.2(M+H
+)。
【化52】
実施例17。実施例16の手順を使用して、実施例C3(0.087g、0.207mmol)、及びシクロプロピルアミン(1.5mL、21.65mmol)を複合し、2-(シクロプロピルアミノ)-3-メチル-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オン(49mg、55%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ 8.70(s,1H),8.35(d,J=5.7Hz,1H),8.29-8.25(m,2H),7.96(s,1H),7.52(d,J=8.6Hz,1H),7.48(d,J=3.1Hz,1H),7.23(d,J=2.4Hz,1H),6.60(dd,J=5.7,2.4Hz,1H),3.84(s,3H),3.33(s,3H),2.88-2.87(m,1H),2.35(s,3H),0.77-0.71(m,2H),0.65-0.61(m,2H);MS(ESI)m/z:430.2(M+H
+)。
【化53】
実施例18。ジオキサン(4mL)中の実施例B3(0.13g、0.44mmol)の溶液を、実施例A3(0.09g、0.26mmol)、Pd(PPh
3)
4(0.03g、0.026mmol)、水(1mL)中のK
2CO
3(0.036g、0.26mmol)の溶液で処理し、90℃で終夜加熱した。混合物を室温に冷却し、水で処理し、EtOAc(2回)で抽出し、複合有機物をブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濃縮乾固し、シリカゲルクロマトグラフィー(MeOH/DCM)によって精製してN-イソプロピル-4-メトキシ-5-(4-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-2-アミン(55mg、49%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ 8.69(s,1H),8.35(d,J=5.7Hz,2H),8.26(s,1H),7.97(s,1H),7.84(s,1H),7.25(d,J=2.4Hz,1H),6.59(dd,J=5.7Hz,2.5Hz,1H),4.15-4.12(m,1H),3.97(s,3H),3.84(s,3H),2.17(s,3H),1.175(d,J=6.4Hz,6H);MS(ESI)m/z:432.2(M+H
+)。
【0213】
実施例3の手順を使用して、N-イソプロピル-4-メトキシ-5-(4-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-2-アミン(0.053g、0.12mmol)及びHBr(0.2mL)を酢酸(3mL)中で複合し、2-(イソプロピルアミノ)-5-(4-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オン(0.03g、59%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ 10.86(s,1H),8.65(s,1H),8.34(m,2H),8.30(s,1H),8.25(s,1H),7.96(s,1H),7.21(d,J=2.4Hz,1H),6.63(br s,1H),6.58(dd,J=5.7,2.4Hz,1H),4.09-4.07(m,1H),3.84(s,3H),2.14(s,3H),1.16(d,J=6.5Hz,6H);MS(ESI)m/z:418.2(M+H
+)。
【化54】
実施例19。ジオキサン(3mL)中の実施例C4の溶液を、アセトアミド(0.06g、1.0mmol)、Cs
2CO
3(0.11g、0.34mmol)、X-Phos(0.03g、0.077mmol)、及びPd
2(dba)
3(0.03g、0.034mmol)で処理し、80℃で終夜加熱した。混合物をEtOAcで希釈し、固体を珪藻土に通して濾過により除去し、EtOAcで洗浄し、濾液を水、次にブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濃縮乾固し、シリカゲルクロマトグラフィー(MeOH/DCM)によって精製してN-(4-((6-(2-(イソプロピルアミノ)-4-メトキシピリミジン-5-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)アセトアミド(60mg、36%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ 10.56(s,1H),8.73(s,1H),8.18(d,J=5.7Hz,1H),7.76(d,J=8.4Hz,1H),7.62(s,1H),7.55(d,J=8.6Hz,1H),7.44-7.18(br m,1H),6.63(dd,J=5.7,2.4Hz,1H),4.10(m,1H),3.95(s,3H),2.33(s,3H),2.02(s,3H),1.17(d,J=6.4Hz,6H);MS(ESI)m/z:409.2(M+H
+)。
【0214】
DCE(3mL)中のN-(4-((6-(2-(イソプロピルアミノ)-4-メトキシピリミジン-5-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)アセトアミド(0.05g、0.12mmol)の溶液を、TMS-I(0.5mL、3.67mmol)で処理し、50℃で4時間加熱した。混合物を10% Na
2S
2O
3及び1:1 THF/EtOAcで希釈し、数分間撹拌して層を分離し、水性層をEtOAc(1回)で抽出した。複合有機物をブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濃縮乾固し、シリカゲルクロマトグラフィー(MeOH/EtOAc)によって精製してN-(4-((6-(2-(イソプロピルアミノ)-4-メトキシピリミジン-5-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)アセトアミド(0.018g、37%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ 10.79(s,1H),10.51(s,1H),8.61(s,1H),8.20(d,J=8.6Hz,1H),8.12(d,J=5.7Hz,1H),7.54(s,1H),7.47-7.46(m 1H),6.64(br s,1H),6.58(dd,J=5.8,2.4Hz,1H),4.03-3.99(m,1H),2.26(s,3H),1.97(s,3H),1.11(d,J=6.5Hz,6H);MS(ESI)m/z:395.2(M+H
+)。
【化55】
実施例20。ジオキサン(5mL)及び水(1mL)中の実施例A4(0.25g、0.64mmol)、実施例B2(0.22g、0.78mmol)、及びK
2CO
3(0.27g、2.0mmol)の懸濁液にArを散布し、Pd(PPh
3)
4(0.070g、0.061mmol)で処理して、90℃で16時間加熱した。混合物を室温に冷却し、飽和NaHCO
3で処理し、EtOAc(4回)で抽出し、複合有機物をMgSO
4上で乾燥させ、濃縮乾固し、シリカゲルクロマトグラフィー(MeOH/DCM)によって精製して4-メトキシ-5-(4-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-2-(メチルチオ)ピリミジン(0.28g、99%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ 8.89(s,1H),8.47(s,1H),8.37(d,J=5.7Hz,1H),8.27(s,1H),7.98(d,J=5.7Hz,2H),7.28(d,J=2.4Hz,1H),6.63(dd,J=5.7,2.5Hz,1H),4.07(s,3H),3.85(s,3H),2.58(s,3H),2.22(s,3H);MS(ESI)m/z:421.1(M+H
+)。
【0215】
DCM(10mL)中の4-メトキシ-5-(4-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-2-(メチルチオ)ピリミジン(0.28g、0.67mmol)の溶液を、mCPBA(0.20g、0.80mmol)で処理し、室温で3時間撹拌し、ピロリジン(0.50mL、6.1mmol)で処理して、室温で終夜撹拌した。混合物を飽和NaHCO3で処理し、DCM(3回)で抽出し、複合有機物をMgSO4上で乾燥させ、濃縮乾固し、シリカゲルクロマトグラフィー(MeOH/DCM)によって精製して4-メトキシ-5-(4-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-2-(ピロリジン-1-イル)ピリミジン(0.19g、64%)を得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ 8.76(s,1H),8.37(s,1H),8.35(d,J=5.7Hz,1H),8.27(s,1H),7.97(s,1H),7.85(s,1H),7.25(d,J=2.4Hz,1H),6.60(dd,J=5.7,2.5Hz,1H),4.00(s,3H),3.84(s,3H),3.55(s,5H),2.18(s,3H),1.93-1.92(m,4H);MS(ESI)m/z:444.2(M+H+)。
【0216】
酢酸(2.5mL)中の4-メトキシ-5-(4-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-2-(ピロリジン-1-イル)ピリミジン(0.19g、0.43mmol)の溶液を、HBr(48%、0.10mL、1.8mmol)で処理し、90℃で16時間加熱した。混合物を氷(10g)の上に注ぎ、飽和NaHCO
3で中和し、得られた固体を濾過によって回収し、水及びMeCNで洗浄し、乾燥させて5-(4-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-2-(ピロリジン-1-イル)ピリミジン-4(3H)-オン(0.11g、58%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ 11.22(bs,1H),8.68(s,1H),8.38(s,1H),8.34(d,J=5.7Hz,1H),8.30(d,J=1.3Hz,1H),8.26(s,1H),7.96(s,1H),7.22(d,J=2.4Hz,1H),6.60-6.58(m,1H),3.84(s,3H),3.50(bs,4H),2.15(s,3H),1.91(bs,4H);MS(ESI)m/z:430.2(M+H
+)。
【化56】
実施例21。実施例C4(0.30g、0.778mmol)、1-エチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(0.19g、0.85mmol)、及び炭酸カリウム(0.32g、2.33mmol)を、ジオキサン:H2(4:1、10mL)の混合物中に複合した。混合物にArを散布し、次にテトラキシ(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.090g、0.078mmol)を添加した。混合物にArを再度散布し、90℃で終夜加熱した。混合物をNaHCO3で反応停止させ、EtOAc(3回)で抽出した。有機物をNa
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、濃縮して粗生物を得た。粗生物をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)によって精製し、5-(5-((2-(1-エチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)-6-メチルピリジン-2-イル)-N-イソプロピル-4-メトキシピリミジン-2-アミン(0.25g、収率72.2%)を得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ 8.75(s,1H),8.37(d,J=5.7Hz,1H),8.32(s,1H),7.99(s,1H),7.77(m,1H),7.56(d,J=8.6Hz,1H),7.27(d,J=2.4Hz,1H),6.61(dd,J=5.7,2.4Hz,1H),4.14(q,J=7.3Hz,2H),4.01(s,1H),3.95(m,3H),2.37(s,3H),1.38(t,J=7.3Hz,3H),1.18(d,J=6.5Hz,6H);MS(ESI)m/z:446.3(M+H+)。
【0217】
5-(5-((2-(1-エチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)-6-メチルピリジン-2-イル)-N-イソプロピル-4-メトキシピリミジン-2-アミン(0.25g、0.56mmol)をAcOH(5mL)中に溶解し、48%臭化水素酸(0.25mL、2.24mmol)を添加した。混合物を90℃で5時間加熱した。混合物を高真空下で蒸発させた。残渣をNaHCO
3溶液で処理し、溶液をEtOAc(3回)で抽出した。有機物をNa
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を熱いMeCNで処理した。固体を濾過し、真空下で乾燥させて5-(5-((2-(1-エチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)-6-メチルピリジン-2-イル)-2-(イソプロピルアミノ)ピリミジン-4(3H)-オン(185mg、収率73.1%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ 10.81(s,1H),8.68(s,1H),8.36(d,J=5.7Hz,1H),8.31(s,1H),8.26(d,J=8.6Hz,1H),7.98(s,1H),7.51(d,J=8.6Hz,1H),7.24(d,J=2.4Hz,1H),6.60(dd,J=5.7,2.4Hz,1H),4.14(q,J=7.3Hz,2H),4.07(m,1H),2.34(s,3H),1.37(t,J=7.3Hz,3H),1.17(d,J=6.5Hz,6H);MS(ESI)m/z:432.2(M+H+)。
【化57】
実施例22。実施例C2(0.15g、0.36mmol)をDCM(5mL)中に溶解し、次にmCPBA(0.11g、0.43mmol)を分割添加した。混合物を室温で3時間撹拌した。(S)-(+)-1-メトキシ-2-プロピルアミン(0.45mL)を添加し、混合物を室温で2日間撹拌した。混合物をNaHCO
3溶液で反応停止させ、溶液をDCM(2回)で抽出した。有機物をNa
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、濃縮して粗生物を得た。材料をシリカゲルクロマトグラフィー(MeOH/DCM)によって精製し、(R)-4-メトキシ-N-(1-メトキシプロパン-2-イル)-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-2-アミン(98mg、収率59.5%)を得た。MS(ESI)m/z:462.2(M+H
+)。
【0218】
(R)-4-メトキシ-N-(1-メトキシプロパン-2-イル)-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-2-アミン(98mg、0.21mmol)をAcOH(3mL)中に溶解し、次に臭化水素酸(0.1mL、0.85mmol)を添加した。混合物を90℃で3.5時間加熱した。混合物を濃縮し、残渣をNaHCO
3溶液で処理した。溶液をEtOAc(3回)で抽出した。有機物をNaHCO
3で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、濃縮して粗生物を得た。粗生物を熱いMeCNで処理し、室温で保持した。固体を濾過し、MeCNで洗浄し、真空下で乾燥させて(R)-2-((1-メトキシプロパン-2-イル)アミノ)-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オン(67mg、収率59.2%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ 10.85(s,1H),8.67(s,1H),8.36(d,J=5.7Hz,1H),8.25(m,2H),7.97(s,1H),7.51(d,J=8.6Hz,1H),7.23(d,J=2.4Hz,1H),6.75(br s,1H),6.60(dd,J=5.7,2.4Hz,1H),4.19(m,1H),3.85(s,3H),3.38(m,2H),3.30(s,3H),2.34(s,3H),1.15(d,J=6.7Hz,3H);MS(ESI)m/z:448.2(M+H
+)。
【化58】
実施例23。実施例C2(0.10g、0.24mmol)をDCM(5mL)中に溶解し、次にmCPBA(60mg、0.24mmol)を分割添加した。混合物を室温で2時間撹拌した。(R)-2-(メトキシメチル)ピロリジン(0.28g、2.38mmol)を添加し、次に混合物を室温で終夜撹拌した。混合物をNaHCO
3溶液で反応停止させ、溶液をDCM(2回)で抽出した。有機物をNa
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、濃縮して粗生物を得た。材料をシリカゲルクロマトグラフィー(MeOH/DCM)によって精製し、(R)-4-メトキシ-2-(2-(メトキシメチル)ピロリジン-1-イル)-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン(96mg、収率83%)を得た。MS(ESI)m/z:488.3(M+H
+)。
【0219】
(R)-4-メトキシ-2-(2-(メトキシメチル)ピロリジン-1-イル)-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン(96mg、0.20mmol)をAcOH(3mL)中に溶解し、次に48%臭化水素酸(0.1mL)を添加した。混合物を90℃で3.5時間加熱した。混合物を濃縮し、残渣をNaHCO
3溶液で処理した。溶液をEtOAc(3回)で抽出し、有機物をNaHCO
3で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、濃縮して粗生物を得た。材料をエーテルで処理し、音波処理した。固体を濾過し、エーテルで洗浄し、真空下で乾燥させて(R)-2-(2-(メトキシメチル)ピロリジン-1-イル)-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オン(58mg、収率60.1%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ 11.15(br s,1H),8.73(s,1H),8.36(d,J=5.7Hz,1H),8.28(br s,1H),8.26(s,1H),7.97(s,1H),7.53(m,1H),7.23(d,J=2.4Hz,1H),6.62(m,1H),4.34(m,1H),3.85(s,3H),3.52-3.40(m,4H),3.28(s,3H),2.35(s,3H),1.95(br d,J=27.5Hz,4H);MS(ESI)m/z:474.3(M+H
+)。
【化59】
実施例24。実施例C2(0.10g、0.24mmol)をDCM(5mL)中に溶解し、次にmCPBA(60g、0.24mmol)を添加した。混合物を室温で2.5時間撹拌した。(3S)-(-)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン(0.27g、2.37mmol)を添加し、次に混合物を室温で終夜撹拌した。混合物をNaHCO
3で反応停止させ、DCM(2回)で抽出した。有機物をNa
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、濃縮して粗生物を得た。材料をシリカゲルクロマトグラフィー(MeOH/DCM)によって精製し、(S)-1-(4-メトキシ-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-2-イル)-N,N-ジメチルピロリジン-3-アミン(100mg、収率86%)を得た。MS(ESI)m/z:487.3(M+H
+)。
【0220】
(S)-1-(4-メトキシ-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-2-イル)-N,N-ジメチルピロリジン-3-アミン(0.10g、0.21mmol)をAcOH(3mL)中に溶解し、次に48%臭化水素酸(0.1mL)を添加した。混合物を90℃で3.5時間加熱した。混合物を濃縮し、残渣をNaHCO
3溶液で処理した。溶液をEtOAc(3回)で抽出し、有機物をNaHCO
3で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、濃縮して粗生物を得た。粗生物を熱いMeCNで処理し、室温で保持した。固体を濾過し、MeCNで洗浄し、真空下で乾燥させて(S)-2-(3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル)-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オン(62mg、収率62.8%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ 8.73(s,1H),8.36(d,J=5.7Hz,1H),8.29(m,1H),8.26(s,1H),7.97(s,1H),7.53(d,J=8.6Hz,1H),7.23(d,J=2.4Hz,1H),6.62(dd,J=5.7,2.4Hz,1H),3.85(s,3H),3.74(m,2H),3.44(m,1H),3.31(s,3H),3.22(m,1H),2.75(m,1H),2.35(s,3H),2.18(s,6H),2.11(m,1H),1.77(m,1H)one proton is missing;MS(ESI)m/z:473.3(M+H
+)。
【化60】
実施例25。マイクロ波容器に、実施例C3(0.11g、0.26mmol)を添加し、次にTHF(10mL、20.00mmol)中の2.0Mエチルアミンを添加した。混合物を100℃で2日間加熱した。混合物を濃縮して粗生物を得た。粗生物をシリカゲルクロマトグラフィー(MeOH/DCM)によって精製し、2-(エチルアミノ)-3-メチル-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オン(90mg、収率82%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ 8.69(s,1H),8.39(d,J=5.9Hz,1H),8.29(m,2H),8.01(s,1H),7.56(m,2H),7.30(br s,1H),6.68(br s,1H),3.86(s,3H),3.45(m,2H),3.36(s,4H),2.36(s,3H),1.18(t,J=7.1Hz,3H);MS(ESI)m/z:418.2(M+H
+)。
【化61】
実施例26。マイクロ波容器に、実施例C3(0.11g、0.26mmol)を添加し、次に2-メトキシエタンアミン(3mL、34.5mmol)を添加した。混合物を100℃で2日間加熱した。混合物を濃縮して粗生物を得た。粗生物をシリカゲルクロマトグラフィー(MeOH/DCM)によって精製し、2-((2-メトキシエチル)アミノ)-3-メチル-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オン(98mg、収率84%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ 8.68(s,1H),8.37(d,J=5.8Hz,1H),8.28(m,2H),7.99(s,1H),7.57(t,J=5.6Hz,1H),7.54(d,J=8.6Hz,1H),7.27(s,1H),6.64(m,1H),3.85(s,3H),3.56-3.54(m,4H),3.37(s,3H),3.28(s,3H),2.35(s,3H);MS(ESI)m/z:448.2(M+H
+)。
【化62】
実施例27。DCM(5mL)中の実施例C2(0.200g、0.476mmol)の溶液を、mCPBA(0.141g、0.571mmol)で処理し、室温で3時間撹拌し、4-アミノテトラヒドロピラン塩酸塩(0.524g、3.81mmol)及びTEA(0.530mL、3.81mmol)で処理して、室温で終夜撹拌した。追加の4-アミノテトラヒドロピラン塩酸塩(0.524g、3.81mmol)及びTEA(0.530mL、3.81mmol)を添加し、混合物を室温でさらに24時間撹拌した。混合物を濃縮乾固し、DMF(10mL)を含む密閉容器に移し、追加の4-アミノテトラヒドロピラン塩酸塩(0.524g、3.81mmol)及びTEA(0.530mL、3.81mmol)で処理して、60℃で終夜加熱した。混合物を室温に冷却し、固体を濾過によって除去して、DCMで洗浄した。濾液を飽和NaHCO
3で処理し、DCM(3回)で抽出し、複合有機物を5% LiCl(3回)、次にブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濃縮乾固し、シリカゲルクロマトグラフィー(MeOH/DCM)によって精製して4-メトキシ-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-N-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピリミジン-2-アミン(125mg、56%)を得た。MS(ESI)m/z:474.2(M+H
+)。
【0221】
DCE(3mL)中の4-メトキシ-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-N-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピリミジン-2-アミン(0.125g、0.264mmol)の溶液を、TMS-I(1.078mL、7.92mmol)で処理し、60℃で5時間加熱し、次に室温に冷却して終夜撹拌した。混合物を10% Na
2S
2O
3及び1:1のTHF/EtOAcで処理し、0.5時間撹拌して層を分離し、水性層をEtOAc(1回)で抽出し、複合有機物をブラインで洗浄し、MgSO
4上で乾燥させて濃縮乾固した。材料をMeCNで処理し、還流近くまで加熱し、室温で週末にかけて放置した。固体を濾過によって除去し、濾液を濃縮乾固し、シリカゲルクロマトグラフィー(MeOH/EtOAc)によって精製した。得られた材料を10% MeOH/DCMで処理し、濾過して固体を除去し、濃縮乾固して5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ピリミジン-4(3H)-オン(7.7mg、6%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ10.96(br s,1H),8.67(s,1H),8.35(d,J=5.7Hz,1H),8.29-8.24(m,2H),7.96(s,1H),7.51(d,J=8.6Hz,1H),7.22(d,J=2.4Hz,1H),7.00(br s,1H),6.60(dd,J=5.7,2.4Hz,1H),3.98(m,1H),3.87-3.80(m,5H),3.39(m,2H),2.34(s,3H),1.85(m,2H),1.47(m,2H);MS(ESI)m/z:460.2(M+H
+)。
【化63】
実施例28。DCM(5mL)中の実施例C2(0.100g、0.238mmol)の溶液を、mCPBA(0.059g、0.238mmol)で処理し、室温で2時間撹拌し、t-ブチルアミン(0.4mL、3.81mmol)で処理して、室温で終夜撹拌した。追加のt-ブチルアミン(0.4mL、3.81mmol)を添加し、混合物を室温でさらに24時間撹拌した。混合物を濃縮乾固し、DMF(5mL)を含む密閉容器に移し、追加のt-ブチルアミン(0.4mL、3.81mmol)で処理して、60℃で終夜加熱した。混合物を室温に冷却し、固体を濾過によって除去して、DCMで洗浄した。濾液を飽和NaHCO
3で処理し、DCM(3回)で抽出し、複合有機物を5% LiCl(3回)、次にブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濃縮乾固し、シリカゲルクロマトグラフィー(MeOH/DCM)によって精製してN-(tert-ブチル)-4-メトキシ-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-2-アミン(69mg、65%)を得た。MS(ESI)m/z:446.3(M+H
+)。
【0222】
酢酸(1.5mL)中のN-(tert-ブチル)-4-メトキシ-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-2-アミン(0.069g、0.155mmol)の溶液を、HBr(48%水性、0.071mL、0.623mmol)で処理し、90℃で4時間加熱した。混合物を熱から除去し、氷及びEtOAcで処理し、飽和NaHCO
3で中和し、1:1のEtOAc/THF(3回)で抽出し、複合有機物をブラインで洗浄し、MgSO
4上で乾燥させて濃縮乾固した。得られた材料をMeCNで処理し、還流近くまで加熱して、室温で終夜放置した。固体を濾過によって除去し、濾液を濃縮乾固し、シリカゲルクロマトグラフィー(MeOH/DCM、次にMeOH/EtOAc)によって精製して2-(tert-ブチルアミノ)-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オン(11mg、15%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ 10.59(s,1H),8.67(s,1H),8.37(d,J=5.6Hz,1H),8.27-8.22(m,2H),7.97(s,1H),7.52(d,J=8.9Hz,1H),7.23(d,J=2.6Hz,1H),6.60(dd,J=6.1,2.6Hz,1H),6.52(s,1H),3.84(s,3H),2.34(s,3H),1.41(s,9H);MS(ESI)m/z:432.2(M+H
+)。
【化64】
実施例29。THF(100mL)中の2,2,2-トリメチルアセトアミド(1.0g、9.89mL)の溶液を、LiAIH
4(THF中2.0M、14.83mL、29.7mmol)で徐々に処理し、Ar下、室温で終夜撹拌した。混合物を水(1.125mL)、20% KOH(1.125mL)、及び水(2.25mL)で徐々に反応停止させ、10分間激しく撹拌し、Na
2SO
4で処理し、固体をセライトに通して濾過により除去し、フィルターパッドをTHFで洗浄した。濾液をMeOH(15mL)中の1M HClで処理し、濃縮乾固して2,2-ジメチルプロパン-1-アミン塩酸塩(413mg、34%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ 7.88(br s,2H),2.57(s,2H),0.93(s,9H)。
【0223】
DCM(5mL)中の実施例C2(0.100g、0.238mmol)の溶液を、mCPBA(0.059g、0.238mmol)で処理し、室温で2時間撹拌し、2,2-ジメチルプロパン-1-アミン塩酸塩(0.410g、3.32mmol)及びTEA(0.464mL、3.33mmol)で処理して、室温で5日間撹拌した。混合物を飽和NaHCO3で処理し、DCM(3回)で抽出し、複合有機物をNa2SO4上で乾燥させ、濃縮乾固し、シリカゲルクロマトグラフィー(MeOH/DCM)によって精製して4-メトキシ-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-N-ネオペンチルピリミジン-2-アミン(81mg、74%)を得た。MS(ESI)m/z:460.3(M+H+)。
【0224】
酢酸(2mL)中の4-メトキシ-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-N-ネオペンチルピリミジン-2-アミン(0.081g、0.176mmol)の溶液を、HBr(48%水性、0.080mL、0.705mmol)で処理し、80℃で6時間加熱した後、室温に終夜冷却した。混合物を氷及びEtOAcで処理し、飽和NaHCO
3で中和し、EtOAc(3回)で抽出し、複合有機物をブラインで洗浄し、MgSO
4上で乾燥させて濃縮乾固した。材料をMeCN中に懸濁し、還流近くに加熱して室温で3時間放置した。得られた固体を濾過によって回収し、5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-2-(ネオペンチルアミノ)ピリミジン-4(3H)-オン(44mg、56%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ 10.84(s,1H),8.68(s,1H),8.35(d,J=6.6Hz,1H),8.28-8.23(m,2H),7.96(s,1H),7.52(d,J=8.6Hz,1H),7.22(d,J=3.0Hz,1H),6.73(br s,1H),6.60(dd,J=5.1,2.3Hz,1H),3.86(s,3H),3.22(d,J=6.2Hz,2H),2.34(s,3H),0.91(s,9H);MS(ESI)m/z:446.2(M+H
+)。
【化65】
実施例30。実施例C2(0.10g、0.24mmol)をDCM(5mL)中に溶解し、次にmCPBA(60mg、0.24mmol)を分割添加した。混合物を室温で5日間撹拌した(反応は非常に遅かった)。混合物をマイクロ波容器に移し、40℃で2日間加熱した。混合物をNaHCO
3で反応停止させ、溶液をDCM(2回)で抽出した。有機物をNa
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、濃縮して粗生物を得た。材料をシリカゲルクロマトグラフィー(MeOH/DCM)によって精製し、2-(3,3-ジフルオロピロリジン-1-イル)-4-メトキシ-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン(80mg、収率70%)を得た。MS(ESI)m/z:480.2(M+H
+)。
【0225】
AcOH(3mL)中の2-(3,3-ジフルオロピロリジン-1-イル)-4-メトキシ-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン(0.080g、0.167mmol)の溶液を48%臭化水素酸(0.1mL)で処理した。混合物を90℃で3時間加熱した。混合物を濃縮し、残渣をNaHCO3及びEtOAcで処理した。混合物を室温で撹拌した。固体を濾過し、水、EtOAcで洗浄し、真空下で乾燥させて2-(3,3-ジフルオロピロリジン-1-イル)-5-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピリミジン-4(3H)-オン(42mg、収率52.3%)を得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ 8.76(br s,1H),8.36(d,J=5.7Hz,1H),8.28(br s,1H),8.27(s,1H),7.97(s,1H),7.58(br s,1H),7.24(d,J=2.4Hz,1H),6.64(s,1H),3.96(m,2H),3.85(s,3H),3.76(m,2H),2.54(m,2H),2.37(s,3H),1つのプロトンが欠失している;MS(ESI)m/z:466.2(M+H+)。
【0226】
以下のアッセイは、式Iのある特定の化合物が、酵素アッセイにおいてc-FMSキナーゼ、c-KITキナーゼ、またはPDGFRβキナーゼのキナーゼ活性を阻害すること、M-NFS-60及びTHP-1細胞株内でc-FMSキナーゼの活性を阻害することも実証する。式Iのある特定の化合物のインビボ評価は、薬力学的モデルにおいてもc-FMSの阻害を実証するか、または前脛骨移植モデル、U-251もしくはGL-261膠芽腫モデルにおいて、またはMDA-MB-231乳癌異種移植モデルにおいても有効性を呈する。
uFMSキナーゼ(配列番号1)アッセイ
【0227】
非ホスホリル化c-FMSキナーゼ(uFMS、配列番号1)の活性は、ピルビン酸塩キナーゼ/乳酸脱水素酵素系との結合による、基質としてのATP及びポリE4YとのFMSキナーゼ反応からのADPの産生に続いて決定した(例えば、Schindler et al.Science(2000)289:1938-1942)。このアッセイにおいて、NADHの酸化(したがって、A340nmでの減少)は、連続して分光光度的に監視した。反応混合物(100μL)は、0.2%オクチル-グルコシド及び1% DMSO、pH7.5を含有する90mMのトリス緩衝液中に、FMS(Milliporeから購入)(10nM)、ポリE4Y(1mg/mL)、MgCl
2(10mM)、ピルビン酸塩キナーゼ(4単位)、乳酸脱水素酵素(0.7単位)、ホスホエノールピルビン酸塩(1mM)、NADH(0.28mM)、及びATP(500μM)を含有していた。阻害反応は、連続希釈した試験化合物を上記反応混合物と混合することによって開始した。340nmでの吸光度を、Synergy2プレートリーダー上で、30℃で4時間連続して監視した。反応速度は、3~4時間の時間枠を使用して計算した。阻害率は、反応速度を対照(すなわち、試験化合物の不在下)のそれとの比較によって得た。IC
50値は、GraphPad Prismソフトウェアパッケージにおいて実装されるように、ソフトウェアルーチンを使用して阻害剤濃度の範囲で決定された一連の阻害率の値から計算した。
スクリーニングに使用されるuFMSキナーゼ配列(Y538~末端)(配列番号1)
【表1】
【0228】
uKitキナーゼ(配列番号2)アッセイ
非ホスホリル化c-KITキナーゼ(uKIT、配列番号2)の活性は、ピルビン酸塩キナーゼ/乳酸脱水素酵素系との結合による、基質としてATP及びポリE4YとのKITキナーゼ反応からのADPの産生に続いて決定した(例えば、Schindler et al.Science(2000)289:1938-1942)。このアッセイにおいて、NADHの酸化(したがって、A340nmでの減少)は、連続して分光光度的に監視した。反応混合物(100μL)は、0.2%オクチル-グルコシド及び1% DMSO、pH7.5を含有する90mMのトリス緩衝液中に、非ホスホリル化KIT(12nM)、ポリE4Y(1mg/mL)、MgCl
2(10mM)、ピルビン酸塩キナーゼ(4単位)、乳酸脱水素酵素(0.7単位)、ホスホエノールピルビン酸塩(1mM)、ならびにNADH(0.28mM)及びATP(2000μM)を含有していた。阻害反応は、連続希釈した試験化合物を上記反応混合物と混合することによって開始した。340nmでの吸光度を、Synergy2プレートリーダー(BioTech)上、30℃で4時間連続して監視した。3~4時間の時間枠での反応速度を使用し、IC
50値が生成された阻害率(%)を計算した。
スクリーニングに使用されるN末端GST融合を持つuKit(配列番号2)
【表2】
【0229】
非ホスホリル化PDGFRβ(uPDGFRβ)キナーゼ(配列番号3)アッセイ
非ホスホリル化PDGFRβキナーゼ(uPDGFRβ、配列番号3)の活性は、ピルビン酸塩キナーゼ/乳酸脱水素酵素系との結合による、基質としてのATP及びポリE4Yとのキナーゼ反応からのADPの産生に続いて決定した(例えば、Schindler et al.Science(2000)289:1938-1942)。このアッセイにおいて、NADHの酸化(したがって、A340nmでの減少)は、連続して分光光度的に監視した。反応混合物(100μL)は、0.2%オクチル-グルコシド及び1% DMSO、pH7.5を含有する90mMのトリス緩衝液中に、PDGFRβ(DeCode,15.7nM)、ポリE4Y(2.5mg/mL)、MgCl
2(10mM)、ピルビン酸塩キナーゼ(4単位)、乳酸脱水素酵素(0.7単位)、ホスホエノールピルビン酸塩(1mM)、ならびにNADH(0.28mM)及びATP(500μM)を含有していた。阻害反応は、連続希釈した試験化合物を上記反応混合物と混合することによって開始した。340nmでの吸光度を、Polarstar OptimaまたはSynergy2プレートリーダー上で、30℃で4時間連続して監視した。反応速度は、1.5~2.5時間の時間枠を使用して計算した。阻害率は、反応速度を対照(すなわち、試験化合物を含まない)のそれとの比較によって得た。IC
50値は、GraphPad Prismソフトウェアパッケージにおいて実装されるように、ソフトウェアルーチンを使用して阻害剤濃度の範囲で決定された一連の阻害率の値から計算した。
スクリーニングに使用されるuPDGFRβキナーゼ配列(残基557~1106)(配列番号3)
【表3】
【0230】
上記の酵素プロトコルを使用して、式Iの化合物は、表1において下記に示されるように、uFMSキナーゼ、uKITキナーゼ、またはuPDGFRβキナーゼのキナーゼ活性を測定するアッセイにおいて阻害剤であることが示された。
表1.uFMSキナーゼ、uKITキナーゼ、またはuPDGFRβキナーゼの酵素アッセイにおける式Iaの化合物の活性。
【表4】
【0231】
M-NFS-60細胞培養
M-NFS-60細胞(カタログ#CRL-1838)は、米国微生物系統保存機関(ATCC,Manassas,VA)から得た。簡潔には、10%特性化ウシ胎仔血清(Invitrogen,Carlsbad,CA)、0.05mM 2-メルカプトエタノール、及び20ng/mLマウス組換えマクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)を補充したRPMI 1640培地中の懸濁液中、37℃、5%CO2、及び湿度95%で細胞を成長させた。飽和に到達するまで細胞を増殖させ、この時点でそれらをアッセイ使用のために継代培養または収穫した。
【0232】
M-NFS-60細胞増殖アッセイ
試験化合物の連続希釈液を384ウェルブラッククリア底プレート(Corning,Corning,NY)に分注した。50μLの完全成長培地中、1ウェル当たり2500個の細胞を添加した。プレートを67時間、37℃、5%CO2、及び湿度95%でインキュベートした。インキュベーション期間の最後に、PBS中10μLのレサズリン(Sigma,St.Louis,MO)の440μM溶液を各ウェルに添加し、追加で5時間、37℃、5%CO2、及び湿度95%でインキュベートした。540nMの励起及び600nMの放出を使用し、Synergy2リーダー(Biotek,Winooski,VT)上でプレートを読んだ。IC50値は、GraphPad Prismソフトウェアパッケージにおいて実装されるように、ソフトウェアルーチンを使用して阻害剤濃度の範囲で決定された一連の阻害率の値から計算した。
【0233】
THP-1細胞培養
THP-1細胞(カタログ#TIB-202)は、ATCCから得た。簡潔には、10%特性化ウシ胎仔血清、1%ピルビン酸ナトリウム、1%ペニシリン-ストレプトマイシン-グルタミン(PSG)、及び55μM 2-メルカプトエタノール(Invitrogen,Carlsbad,CA)を補充したRPMI 1640中、37℃、5%CO2、湿度95%で細胞を成長させた。70~95%の密集度に到達するまで細胞を増殖させ、この時点でそれらをアッセイ使用のために継代培養または収穫した。
ホスホ-FMS ELISAアッセイ
【0234】
試験化合物の連続希釈液を、96ウェルブラッククリア底プレート(Corning,Corning,NY)中、アッセイ培地(10%特性化ウシ胎仔血清を補充したRPMI 1640)中で1:100に希釈した。別個の96ウェルブラッククリア底プレート中、100μLのアッセイ培地中、1ウェル当たり150000個のTHP-1細胞を添加した。次に50μLの希釈化合物を、細胞に添加した。プレートを4時間、37℃、5%CO2、湿度95%でインキュベートした。インキュベーション期間の最後に、アッセイ培地中50μLの組換えヒトM-CSF(カタログ#216-MC,R&D Systems,Minneapolis,MN)の100μM溶液で細胞を刺激し、プレートを5分間、37℃、5%CO2、湿度95%でインキュベートした。製造者によって記載される通り、溶解物を調製し、それを使用してホスホ-FMS ELISAを行った(カタログ#DYC3268,R&D Systems,Minneapolis,MN)。GraphPad Prismを使用し、ELISAアッセイから生成されたデータから得られたIC50値を計算した。
【0235】
破骨細胞酒石酸塩抵抗性酸ホスファターゼアッセイ
試験化合物の連続希釈液を384ウェルブラッククリア底プレート(Nalge Nunc International,Rochester,NY)に分注した。10%特性化ウシ胎仔血清(Invitrogen,Carlsbad,CA)で補充したDMEM培地の添加によって化合物を希釈した。希釈化合物を384ウェルブラッククリア底プレートに移した。核因子κ-β活性化受容体リガンド(RANKL)及びM-CSF(R&D Systems,Minneapolis,MN)を含有する成長培地中、1ウェル当たり2500個の破骨細胞前駆体(Lonza,Walkersville,MD)を添加した。プレートを7~14日間、37℃、5%CO2、湿度95%でインキュベートし、破骨細胞前駆体の分化を可能にした。インキュベーション期間の最後に、各ウェルから10μLの上清をクリア384ウェルプレートに移した。上清試料中の酒石酸塩抵抗性酸ホスファターゼ活性は、酸ホスファターゼアッセイキット(Sigma,St.Louis,MO)を使用して決定した。プレートリーダーを使用し、吸光度を550nmで測定した。Prismソフトウェア(Graphpad,San Diego,CA)を使用してデータを分析し、IC50値を計算した。
【0236】
式Iの化合物は、表2に示される通り、上記の細胞アッセイのうちの1つ以上において機能的阻害剤であることが実証された。
表2.式Iの化合物対M-NFS-60、THP-1、及び破骨細胞の阻害効果
【表5】
【0237】
c-FMSマウス脾臓薬力学的モデルにおけるcFOS mRNA産生の分析
式Iの化合物によるFMS活性のインビボ調節を調べるために、雌DBA/1マウスから脾臓試料を採取し、M-CSF刺激によるcFOS mRNAの産生について分析した。簡潔には、6~7週齢の雌Taconic DBA/1BO J Bom Tacマウスを、ビヒクルまたは化合物のいずれかで単一経口用量(強制飼養による)で処理した。投薬後2時間、4時間、6時間、8時間、12時間、18時間、及び24時間の各時点で、4匹のマウスから血漿及び脾臓試料を採取した。安楽死の15分前に、全てのマウスに1μg(100μL固定量)のM-CSFをIV注入した。M-CSF、組換えマウスマクロファージコロニー刺激因子(36.4kDaホモ二量体、純度≧98%)は、Gibcoから得た。この実験において実行された全ての手順は、国立衛生研究所(NIH)の全ての法令、規制、及びガイドラインに準拠して行った。脾臓抽出物中のcFOS mRNAレベルは、Life Technologiesの定量的逆転写酵素PCRキットを使用して決定した。FMS阻害剤の血漿レベルは、質量分析計分析によって決定した。FMS阻害の程度は、ビヒクルと比較して、治療動物の脾臓試料中のcFOS mRNAレベルにおいて観察された減少量と相関した。
【0238】
このモデルにおいて、実施例3、9、及び10は、30mg/kg用量後8時間までにcFOS mRNAレベルの≧70%阻害を付与した。
【0239】
癌骨転移のPC-3前脛骨移植モデル
式Iの化合物のインビボ抗癌活性を評価するために、骨浸潤性モデルのPC-3 M-luc前脛骨注入モデルを用いた。簡潔には、PC-3 M-luc細胞を、Xenogen Corporation(Caliper Life Sciences)から得て、10%ウシ胎仔血清、1%ペニシリン-ストレプトマイシン-グルタミン、1%非必須アミノ酸、及び1% MEMビタミンを補充したL-グルタミン(Cell Gro(登録商標)#10-045-CV)で改変したMEM培地を使用し、5%CO2雰囲気下、37℃で増殖させた。6~7週齢の雄ヌードマウス(Crl:NU-Foxn1nu)は、Charles River Laboratoriesから得た。試験マウスには、固定28ゲージ針を有するインスリンシリンジを使用して、0日目に1マウス当たり1×106個(0.1mL)の細胞を前脛骨に移植した。針の斜角が膝と足首との間のほぼ中間に到達するまで、脛骨と腓骨との間の足首に針を挿入した。治療は0日目に開始した。研究期間中、動物は、1日2回経口強制飼養によって投薬された。この実験において実行された全ての手順は、国立衛生研究所(NIH)の全ての法令、規制、及びガイドラインに準拠して行った。原発腫瘍が約800mgのサイズに到達した場合、以下の設定を用いてGE RS150小動物マイクロ-CT走査装置を使用し、体外マイクロ-CTを腫瘍担持固定後肢試料上で行った。
X線管電圧=70kVp
X線管電流=25mA
露光時間=20ms
フレーム数=500
フレーム間の角度増分=0.4°
フレーム当たりの平均数=2
獲得方法=Parker
【0240】
次に、画像を高解像度で再構築した(100ミクロン、等方性)。等値面ボリュームレンダリングを使用して、後肢の病変を描写した。定常閾値を使用して、異なる解剖学的部位と試料間の等値面の一貫した表現を生み出した。右後肢の病変は、以下に定義される病変サイズの定性評価に基づいて、0、1、2、3、または4の値で採点した。
0:正常な骨
1:最小病変。等値面のいくらかの荒れ。小面積の明らかな骨吸収。
2:軽度。より多くの病変。著しい等値面の荒れ。明らかな全厚病変。
3:中程度。より大きく多数の全厚病変。
4:顕著。多くの大きな全厚病変。残りの構造の著しい変形。顕著な骨喪失。
【0241】
実施例10を、このモデルにおいて1日2回39日間付与される30mg/kgの経口投与で評価したところ、ビヒクル治療した動物における病変スコア4と比較して、病変スコア2とともに明確な利益を示した。
【0242】
マウスにおけるU251脳室内移植
分割、局所頭部照射と併せて式Iの化合物のインビボ抗癌活性を評価するために、雌非近交系nu/nuマウスにおける同所U251-luc(Luc)ヒト膠芽腫癌モデルを用いる。簡潔には、U251細胞をATCCから得て、ルシフェラーゼ発現するように改変する。10% FBS及び1% PSGを補充したRPMI 1640培地中でそれらを増殖させる。インキュベーター内で5%CO2雰囲気下、37℃で増殖環境を維持する。この研究では、雌Harlanヌードマウス(Hsd:AthymicNude-Fox1nu)8~9週齢を使用する。試験動物に、U251-luc(LucmCherry)細胞を頭蓋内移植する。簡潔には、5mg/kgカルプロフェンを動物に皮下注入し、空気中の2%イソフルランを使用して麻酔する。次に動物を定位フレーム(ASlinstruments,Inc.)に固定し、冠状縫合の2mm右側面、1mm前方に穴を空ける。細胞懸濁液(濡れた氷上に保管)を完全に混合し、50μLシリンジに吸い上げる。シリンジ針を穿頭孔の中心に置き、脳の中に3mm押し下げて1mm引き戻し、細胞懸濁液の沈殿物の「貯留層」を形成する。次に10μLの細胞懸濁液(1マウス当たり1×106個の細胞)を脳組織中に徐々に注入する。腫瘍進行は、IVIS 50光学撮像システム(Xenogen,Alameda,CA)を使用して行われるインビボ生物発光撮像で追跡する。生物発光画像は、腫瘍組織量推定のために定期的間隔で獲得する。この実験において実行された全ての手順は、国立衛生研究所(NIH)の全ての法令、規制、及びガイドラインに準拠して行われる。実験において全群の平均脳生物発光シグナルが、約1.3×109フォトン/秒になる場合(通常、移植後9日)、治療を開始する。全てのマウスは、5日間連続して毎日RadSource RS-2000照射器から2Gyの照射を受ける。追加として、マウスは、経口強制飼養によって投与される試験化合物を受容するか、または任意に尾静脈注入によってベバシズマブを共投与される。生物発光画像は、腫瘍組織量推定のために、一般に移植後8日、10日、14日、17日、21日、22日、24日、28日、及び35日に獲得される。各測定のために、各マウスに150mg/kgのD-ルシフェリン(Promega)を皮下注入し、注入10分後に撮像する。Living Image(Xenogen,Alameda,CA)ソフトウェアを使用して画像を分析する。脳内のBLIシグナルを、固定面積ROIを用いて計算し、腫瘍組織量を推定する。各群の平均BLIシグナルをビヒクル対照と比較して、治療利益を決定する。最初の照射治療の28日後、血液及び脳採取のために二酸化炭素への過剰暴露によってマウスを安楽死させる。全血を末端心穿刺によって採取し、EDTA Microtainer(登録商標)管に入れる。脳を切除し、10%中性緩衝ホルマリンに入れる。
【0243】
GL261頭蓋内移植モデル
式Iの化合物のインビボ抗癌活性を評価するために、GL261-luc2マウス膠芽腫の頭蓋内移植を用いる。簡潔には、GL261-luc2細胞は、Caliper Life Sciences,Incから得て、10% FBS及び1% PSGを補充したダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)中で増殖させる。インキュベーター内で5%CO2雰囲気下、37℃で増殖環境を維持する。増殖に続いて、無血清培地を使用して細胞を再懸濁し、1×108細胞/mLの濃度を生成する。Jackson Labsからの6~7週齢の雌C57BL/6J-Tyrc-2J/Jを、0日目にGL261-luc2細胞とともに頭蓋内移植する。無菌の外科移植の場合、5mg/kgカルプロフェンを動物に皮下注入し、空気中の2%イソフルランを使用して麻酔する。次に動物を定位フレーム(ASlinstruments,Inc.)に固定し、冠状縫合の2mm右側面、1mm前方に穴を空ける。細胞懸濁液(濡れた氷上に保管)を完全に混合し、50μLシリンジに吸い上げる。シリンジ針を穿頭孔の中心に置き、脳の中に3mm押し下げて1mm引き戻し、細胞懸濁液の沈殿物の「貯留層」を形成する。次に10μLの細胞懸濁液(1マウス当たり1×106個の細胞)を脳組織中に徐々に注入する。腫瘍進行は、IVIS 50光学撮像システム(Xenogen,Alameda,CA)を使用して行われるインビボ生物発光撮像で追跡する。生物発光画像は、腫瘍組織量推定のために定期的間隔で獲得する。D-ルシフェリンの全身注入後の腫瘍からの発光量は、腫瘍サイズと相関することが予想される。各マウスに150mg/kgのD-ルシフェリンを皮下注入(IP)し、注入10分後に撮像する。CCDチップの中小ビニングを使用し、暴露時間を調整して(10秒~1分)腫瘍から少なくとも数百カウントを得て、CCDチップの飽和を回避する。Living Image(Xenogen,Alameda,CA)ソフトウェアを使用して画像を分析する。各固有のシグナルに手で丸を付け、群及びマウス番号別にラベル付けする。実験において全群の平均脳生物発光シグナルが、280×106フォトン/秒になる場合、試験化合物の経口強制飼養によって治療を開始する。この実験において実行された全ての手順は、国立衛生研究所(NIH)の全ての法令、規制、及びガイドラインに準拠して行う。
【0244】
研究の最後に、血液及び脳採取のために二酸化炭素への過剰暴露によってマウスを安楽死させる。全血を末端心穿刺によって採取し、EDTA Microtainer(登録商標)管に入れる。脳を切除し、10%中性緩衝ホルマリンに入れる。
MDA-MB-231異種移植片研究
【0245】
式Iの化合物のインビボ抗癌活性を評価するために、MDA-MB-231-luc-D3H2LNヒト乳癌異種移植片を用いる。簡潔には、MDA-MB-231-luc-D3H2LN細胞をXenogenから得て、1% L-グルタミンで改変し、10% FBS、1% PSG、1%非必須アミノ酸、及び1%ピルビン酸ナトリウムを補充したEBSSを含む最小必須培地(MEM)中で増殖させる。インキュベーター内で5%CO2雰囲気下、37℃で増殖環境を維持する。細胞を採取し、50%無血清培地及び50% Matrigel(登録商標)を使用して再懸濁し、5×106細胞/mLのストック濃度を生成する。
【0246】
6~7週齢の雌C.B-17/IcrHsd-PrkdcscidLystbgマウスに、200μLの細胞懸濁液を右腋窩の真下に皮下注入する。この実験において実行された全ての手順は、国立衛生研究所(NIH)の全ての法令、規制、及びガイドラインに準拠して行う。平均腫瘍組織量が約150mgになる場合、治療を開始する。全てのマウスに、試験化合物を経口飼養によって投与する。体重及び腫瘍測定値を週3回記録する。腫瘍組織量(mg)は、以下の単位密度を推定する長球面の体積を求める式によって、キャリパー測定から推定される。腫瘍組織量(mg)=(L×W2)/2、式中、L及びWは、それぞれの直交する腫瘍の長さ及び幅の測定値(mm)である。有効性を評価する一次エンドポイントは、%T/Cである。%T/Cは、治療群の腫瘍質量中央値を対照群の腫瘍質量中央値で割って100を掛けたものとして定義される。体外生物発光撮像は、IVIS 50光学撮像システム(Xenogen,Alameda,CA)を使用し、動物が研究から去るときに行われる。動物に150mg/kgのD-ルシフェリン(Promega)を腹腔内注入し、注入10分後に安楽死させる。原発腫瘍を除去し、さらなる分析のために急速凍結し、マウスを開腹して仰臥位で撮像する。CCDチップの大ビニングを仕様し、曝露時間を調整して(1~2分)腫瘍から少なくとも数百カウントを得て、CCDチップの飽和を回避する。Living Image(Xenogen,Alameda,CA)ソフトウェアを使用して画像を分析する。各固有のシグナルに手で丸を付け、群及びマウス番号別にラベル付けする。総BLIシグナルは腫瘍サイズと相関的であり、ビヒクル対照と比較して、治療利益を決定する。
【0247】
ある特定の2-アミノピリミジン-6-オンは、国際公開第2008/079291号において、VEGFR/KDR及び/またはc-METキナーゼの阻害剤であることが報告されており、下の
図1に示されている。キナーゼ阻害の証拠は、6~87nM(
図1に示される)のK
iの範囲で、国際公開第2008/079291号のある特定の阻害剤対cMETキナーゼについて報告されたのみであった。c-FMSキナーゼの阻害に関するいかなる情報も、国際公開第2008/079291号に開示されていなかった。国際公開第2008/079291号のこれらの化合物は、本発明の式Iのアリールアミノ「A」部分の存在によって、本発明の化合物とは異なる[式中、AはNR2(R3)であり、R2はアリールであり、R3はHである]。
【0248】
国際公開第2008/079291号のこれらの化合物は、本発明の範囲外である。それにもかかわらず、本発明の化合物は、c-MET及びKDRキナーゼの両方に対してスクリーニングされた。予想外に、本発明の化合物は、c-FMSキナーゼ対c-MET及びKDRキナーゼに対して高レベルの選択性を付与することが見出された。c-METアッセイにおける式Iの最も強力な化合物は、u-FMSアッセイにおける0.0016マイクロモルに対し、3.4マイクロモルのIC
50値、2125倍の選択性を呈した。KDRアッセイにおける式Iの最も強力な化合物は、u-FMSアッセイにおける0.0016マイクロモルに対し、1.4マイクロモルのIC
50値、875倍の選択性を呈した。これらのデータは、本発明の化合物(Aは非芳香族部分)は、c-FMSキナーゼを強力に阻害するが、cMET及びKDRキナーゼ活性を容易に阻害しないことを証明する。これらの結果は、国際公開第2008/079291号の先行教示によって予期され得なかった。
【化66】
図1.国際公開第2008/079291号のcMET阻害剤。
同等物
【0249】
当業者であれば、単なるルーチン実験を使用して、本開示において具体的に説明される特定の実施形態に対する多くの同等物を認識するか、または確認することができるであろう。そのような同等物は、以下の特許請求の範囲内に包含されることが企図される。
【配列表】