(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-08
(45)【発行日】2024-08-19
(54)【発明の名称】ピペット操作によって吸引する方法およびピペット操作装置
(51)【国際特許分類】
G01N 1/00 20060101AFI20240809BHJP
B01L 3/02 20060101ALI20240809BHJP
G01N 35/10 20060101ALI20240809BHJP
【FI】
G01N1/00 101K
B01L3/02 D
G01N35/10 D
(21)【出願番号】P 2022204142
(22)【出願日】2022-12-21
(62)【分割の表示】P 2018013631の分割
【原出願日】2018-01-30
【審査請求日】2022-12-21
(32)【優先日】2017-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501442699
【氏名又は名称】テカン・トレーディング・アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】TECAN Trading AG
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ホースリー
(72)【発明者】
【氏名】ケヴィン・トリュンピ
(72)【発明者】
【氏名】スケシュ・ゴピナタン
【審査官】中村 泰三
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-015248(JP,A)
【文献】特許第2711215(JP,B2)
【文献】特表2011-519035(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0273951(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 4/02
B01L 3/02
G01N 1/00-02、10-20
G01N 35/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸引サイクルにおけるピペット操作によって1用量の液体を吸引する方法、または該吸引
する方法を含む1用量の液体を製造する方法であって、
a)作動流体を含むピペットが吸引位置に到達した後、
b)或る時点で前記作動流体に対する吸引動作を開始する開始ステップと、
c)前記吸引動作の影響に依存する、少なくとも1つの主だった第1パラメータをセンサ配置によって検知
する検知ステップであって、前記第1パラメータは、前記作動流体中の圧力
の時間経過または前記作動流体中の流量
の時間経過であ
る、検知ステップと、
前記
吸引動作が開始された後の第1のタイムスパン内に
、少なくとも1つの主だった
前記第1パラメータを分析する
分析ステップであって、前記分析は
、主だった
前記第1パラメータの第1の時間微分の極値(EXTR)の発生を検出し、前記第1の時間微分の極値を前記分析
の少なくとも1つの結果として決定することを含む、
分析ステップと、
d)前記分析の少なくとも1つの結果に依存して、少なくとも1つのテスト基準を決定する
決定ステップであって、前記テスト基準は、前記作動流体中の圧力
の時間経過または前記作動流体中の流量
の時間経過の第1の時間微分の値の範囲(R)であり、前記範囲(R)は、前記極値(EXTR)に依存して決定される、
決定ステップと、
e)少なくとも1つの主だった第2パラメータをチェックする
チェックステップであって、主だった前記第2パラメータは、前記
範囲の決定後の第2のタイムスパンにおいて、前記作動流体中の圧力
の時間経過または前記作動流体中の流量
の時間経過のモニタされた
前記第1の時間微分であり、
前記第2パラメータである前記第1の時間微分の値が第2のタイムスパン中に前記範囲(R)内に留まるかどうか
をチェックする、チェックステップと、
f)前記チェッ
クステップの結果に応じて受け入れ可能または受け入れ不可として、前記吸引サイクルを同定する同定ステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記作動流体は、液体であるか、または少なくとも1つの気体部分を含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1つの
前記圧力または前記流量は、
・前記第1の時間微分は、前記時点以降、瞬間に発生する極値に向かって変化し、前記時点以降、ある程度まで戻り、
・前記決定は、前記時点と前記瞬間との間のタイムスパン(後者を含む)で実行される、
上記の主だった時間経過を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記チェックは、前記瞬間に続く時間に行われる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記チェックは、前記主だった第2パラメータが前記範囲(R)に初めて入った後に行われる、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つのピペット(1)のためのピペット・アプリケータ配置(3)と、前記ピペット・アプリケータ配置の内部空間(2)と流体連通している吸引源(5)と、前記内部空間に動作可能に接続されているセンサ配置(11、103)とを含むピペッティング装置であって、前記センサ配置の出力は、吸引サイクル試験装置(13、15、17、18、19、20、21、23、25、106、108、110)に動作可能に接続されていると共に、
・吸引位置に到達したピペット・アプリケータ配置を代表する制御信号を受信することと、
・前記吸引源による前記内部空間への吸引動作をある時点で開始させることと、
を実現するように構成され、
前記吸引サイクル試験装置は、請求項1から5のいずれか一項に記載の前記方法を実行するように構成されている、ピペッティング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ピペット操作によって1用量の(a dose of)液体を吸引する方法、および記載された(addressed)吸引方法を含む1用量の液体を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ピペット操作によって1用量の液体を吸引するために、一旦ピペットの先端がその吸引位置にあるとともに吸引される液体の中に浸漬されるべきであるならば、吸引源による吸引の動作または効果が、ピペットの内部空間に適用される。
【0003】
吸引の動作または効果は、作動流体によって、吸引源からピペットの先端に伝えられる。作動流体は、液体のセクションまたはカラムから、気体の流体セクションから、または、間に気体のセクションを備えた液体のセクションから、および/または、一端または両端に気体のセクションを備えた液体のセクションから成ることができる。吸引される(being aspired)液体が作動流体の液体の構成要素と接触することを回避するために、気体の流体を吸引するときに液体と接触する作動流体のそのセクションを少なくとも選択することは一般的なことである。作動流体の液体のセクションがピペットにおいておよびその先端まで(down to)利用されることが、この発明の枠組みで排除されないという事実にもかかわらず、この発明は、具体的には、ピペット操作装置のピペット・アプリケータ配置と同様にピペットにおいておよびその先端まで気体の作動流体セクションを扱うものである。
【0004】
一旦、吸引動作が始められ、吸引動作によって調節され、それに依存する(dependent therefrom)と、パラメーター、つまり、例えば圧力、流量、重量などのようなピペット操作装置での物理的実体(entity)が、ピペット操作装置の中に取り上げられる添加材により変化する。
【0005】
概して(generically spoken)、吸引動作の効果に依存する(depend from)、上記の(addressed above)ようなパラメーターに対する基準を確立することによって、正確さ(つまり受容性)、あるいは非正確さ(つまり非受容性)のために吸引サイクルをチェックすることは広く知られている。受け入れ可能であると考えられる、吸引サイクルの間でのそれぞれ主だった(prevailing)パラメーターによって当該基準が満たされなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は、吸引するための、改善された方法および装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
これは、
a) 吸引位置に作動流体を含むピペットを移動する移動ステップと、
b) ある時点で作動流体に対して吸引動作を開始する開始ステップと、
を備える吸引サイクルでのピペット操作によって1用量の液体を吸引する方法、または該吸引方法を含む1用量の液体を製造する方法によって達成される。
【0008】
我々がこの明細書およびクレームを通して「ある時点」を述べるとき、用語「ポイント」は、形状的な定義による「ポイント」として理解されるべきではなく、それぞれ記載された(addressed)技術的な動作を行なうのにちょうど必要な短い時間間隔として理解されることになっている。
【0009】
方法は、
c) 第1のタイムスパン内でおよび記載された(addressed)開始ステップに後続して、吸引動作の効果または結果に依存する(dependent from)、少なくとも1つの主だった第1パラメーターを分析する分析ステップを、さらに備える。
【0010】
この分析ステップでは、少なくとも1つの主だった第1パラメーターが評価される。複数の主だった第1パラメーターが評価されることができる。
【0011】
方法は、
d) 分析ステップの少なくとも1つの結果に応じて(independency of)少なくとも1つのテスト基準を決定する決定ステップをさらに備える。
【0012】
分析ステップは、複数の結果をもたらすことができる。1つのテスト基準は、単一の分析結果、または分析結果の組み合わせに依存することができる。複数のテスト基準は、単一の分析結果に応じて、または分析結果のそれぞれの組み合わせに応じて決定されることができる。
【0013】
少なくとも1つのテスト基準の決定ステップは、例えば、少なくとも1つの分析結果と少なくとも1つのテスト基準との間で陽の(explicit)数学関数(例えば比例)が存在するならば、計算によって、または、分析結果(場合により、その組み合わせ)がそれぞれのテスト基準に起因するルックアップテーブルによって、行われることができる。
【0014】
方法は、
e) 少なくとも1つの主だった第2パラメーターが少なくとも1つのテスト基準を満たすか満たさないかにより、記載された決定ステップに後続する第2のタイムスパン内で、吸引動作の効果または結果に依存する、少なくとも1つの主だった第2パラメーターをチェックするチェックステップをさらに備える。
【0015】
我々が「タイムスパン内」での動作を行なうことを述べるとき、これは、該動作がタイムスパンの時間帯内で1回または複数回で行なわれることを、あるいはタイムスパン全体に沿って行なわれることを意味する。
【0016】
方法は、
f) チェックステップの結果に応じて受け入れ可能なものとしてまたは受け入れ不可なものとして、吸引サイクルを同定する同定ステップをさらに備える。
【0017】
我々が「吸引動作の効果」のことを述べるとき、吸引動作を開始および維持することによって引き起こされる吸引効果を理解する。該効果は、一旦開始されると、ピペットでの吸引動作の効果に依存するのと同様に、それ自体吸引動作の挙動に依存する(dependent from)。
【0018】
発明者は、以下のことを見出している。
a) 吸引動作の効果または結果を決定する複数の条件およびそれらの組み合わせは、吸引動作の開始ステップに後続する第1のタイムスパンの間に少なくとも1つの主だった第1パラメーターの同じ挙動ヘ導く。
【0019】
吸引動作の効果(effect)または結果を決定する条件は、例えば、吸引サイクルの異なるフェーズにおける吸引ポンプの加速および減速、吸引される液体の量、吸引が開始されるときの作動流体の開始圧力、吸引される液体の粘性および密度、ピペットの内部空間の体積及び形状、ピペットフィルタの有無、ピペットオリフィスの形状およびサイズ、吸引される液体の中へのピペットチップの浸漬深さなどの条件であり、それらは、場合により知られている。前もって知られている該条件のほかに、公差のような該条件の変形例は、通常知られていない。
【0020】
b) 上述されるような条件および場合によってはそれらの組み合わせから大部分独立している、少なくとも1つの主だった第1パラメーターの初期の挙動は、全体的な吸引サイクルの受容性に関して決定するために少なくとも1つの主だった第2パラメーターに適用される、少なくとも1つのそれぞれ選択されたテスト基準によって考慮に入れられることができる。
【0021】
したがって、テスト基準をセットする目標で吸引効果に影響を及ぼす条件を知ることが必要である。吸引効果の初期化に後続するタイムスパンの間に主だった第1パラメーターであれば、その挙動を知ることで十分である。
【0022】
これは、吸引サイクルの間でのシステムの挙動をチェックするために考慮されるために、実体の数、記載された条件およびそれらの組み合わせを著しく減らすことを可能にする。例えば、分析結果をテスト基準に関連付けるルックアップテーブルにおけるデータの量は、すべての影響を及ぼす条件およびその組み合わせを別々に考慮する必要がある場合、インストールされなければならないルックアップテーブルと比較して、著しく低減されることができる。
【0023】
簡単な例として、例えば、条件の2つのセットまたは組み合わせが考慮されなければならない場合、等しいかまたは異なることができる2つのテスト基準が確立されなければならない。この発明によれば、条件の2つのセットが初めに主だった第1パラメーターの同じ挙動に結びつくと認められて、少なくとも1つのテスト基準のセッティングには決定的なものとしてこの挙動が得られる場合、条件用の2つのデータセットの代わりに、第1パラメーター挙動用の1つのデータセットだけが前もって知られていて、それぞれ保存されなければならない。
【0024】
この発明に係る方法の変形例では、少なくとも1つの主だった第1パラメーターは、作動流体での少なくとも1つの圧力および少なくとも1つの主だった圧力に依存する流量、液体である作動流体、または少なくとも1つの気体のセクションを少なくとも備えることの少なくとも1つを備える(comprises at least one of at least one pressure and of a flow dependent from at least one prevailing pressure in the work fluid, the work fluid being a liquid or at least comprising at least one a gaseous section)。
【0025】
我々が「少なくとも1つの圧力」のことを述べるとき、これは、例えば2つの圧力値の差を含むものとする。
【0026】
この発明に係る方法の変形例では、少なくとも1つの主だった第1パラメーターは、作動流体の少なくとも1つの圧力および流量、液体である作動流体、または少なくとも1つの気体のセクションを少なくとも備えることの少なくとも1つである(is at least one of at least one pressure and of a flow of the work fluid, the work fluid being a liquid or at least comprising at least one gaseous section)。
【0027】
この発明に係る方法の変形例では、少なくとも1つの主だった第2パラメーターは、作動流体での少なくとも1つの圧力および少なくとも1つの主だった圧力に依存する流量、液体である作動流体、または少なくとも1つの気体のセクションを少なくとも備えることの少なくとも1つを備える。
【0028】
この発明に係る方法の変形例では、少なくとも1つの主だった第2パラメーターは、作動流体の少なくとも1つの圧力および流量、液体である作動流体、または少なくとも1つの気体のセクションを少なくとも備えることの少なくとも1つである。
【0029】
この発明に係る方法の変形例では、少なくとも1つの主だった第1パラメーターは、作動流体での少なくとも1つの圧力および少なくとも1つの主だった圧力に少なくとも依存する流量、液体である作動流体、または少なくとも1つの気体のセクションを少なくとも備えることの少なくとも1つを備えるとともに、少なくとも1つの主だった第2パラメーターは、作動流体での少なくとも1つの圧力および少なくとも1つの主だった圧力に少なくとも依存する流量の少なくとも1つを備える。
【0030】
この発明に係る方法の変形例では、
・少なくとも1つの主だった第1パラメーターは、作動流体の少なくとも1つの圧力および流量、液体である作動流体、または少なくとも1つの気体のセクションを少なくとも備えることの少なくとも1つである、および、
・少なくとも1つの主だった第2パラメーターは、作動流体の少なくとも1つの圧力および流量の少なくとも1つである。
【0031】
この発明に係る方法の変形例では、分析ステップは、少なくとも1つの主だった第1パラメーターの経時的な(over time)少なくとも1つの第1の特性を分析することを備える。
【0032】
この発明に係る方法の変形例では、分析ステップは、少なくとも1つの主だった第1パラメーターの経時的な少なくとも1つの第1の特性を分析することを備える。
・前記少なくとも1つの主だった第1パラメーターは、前記作動流体での少なくとも1つの圧力および少なくとも1つの主だった圧力に少なくとも依存する流量、液体である前記作動流体、または少なくとも1つの気体のセクションを少なくとも備えることの少なくとも1つを備えること、
・前記少なくとも1つの主だった第1パラメーターは、作動流体の少なくとも1つの圧力および流量、液体である前記作動流体または少なくとも1つの気体のセクションを少なくとも備えることの少なくとも1つであること、
・前記少なくとも1つの主だった第2パラメーターは、前記作動流体での少なくとも1つの圧力および少なくとも1つの主だった圧力に少なくとも依存する流量、液体である前記作動流体、または少なくとも1つの気体のセクションを少なくとも備えることの少なくとも1つを少なくとも備えること、
の少なくとも1つが優先する(there prevail)。
【0033】
前記少なくとも1つの主だった第2パラメーターは、作動流体の少なくとも1つの圧力および流量、液体である前記作動流体、または少なくとも1つの気体のセクションを少なくとも備えることの少なくとも1つである。
【0034】
この発明に係る方法の変形例では、少なくとも1つのテスト基準を決定するステップは、前記少なくとも1つの主だった第2パラメーターについて経時的な、少なくとも1つの定格の(rated)第2の特性を決定することを備える。
【0035】
この発明に係る方法の1つの変形例では、少なくとも1つのテスト基準を決定するステップは、少なくとも1つの主だった第2パラメーターについての経時的な、少なくとも1つの定格の第2の特性を決定することを備える。そして、
・前記少なくとも1つの主だった第1パラメーターは、前記作動流体での少なくとも1つの圧力および少なくとも1つの主だった圧力に少なくとも依存する流量、液体である前記作動流体、または少なくとも1つの気体のセクションを少なくとも備えることの少なくとも1つを少なくとも備えること、
・前記少なくとも1つの主だった第1パラメーターは、作動流体の少なくとも1つの圧力および流量、液体である前記作動流体、または少なくとも1つの気体のセクションを少なくとも備えることの少なくとも1つであること、
・前記少なくとも1つの主だった第2パラメーターは、前記作動流体での少なくとも1つの圧力および少なくとも1つの主だった圧力に少なくとも依存する流量、液体である前記作動流体、または少なくとも1つの気体のセクションを少なくとも備えることの少なくとも1つを少なくとも備えること、
・前記少なくとも1つの主だった第2パラメーターは、作動流体の少なくとも1つの圧力および流量、液体である前記作動流体、または少なくとも1つの気体のセクションを少なくとも備えることの少なくとも1つであること、
・分析ステップは、前記少なくとも1つの主だった第1パラメーターの経時的な少なくとも1つの第1の特性を決定するステップを備えること、
の少なくとも1つが優先する。
【0036】
この発明に係る方法の1つの変形例では、分析ステップは、少なくとも1つの圧力、および、前記吸引動作の前記効果に依存する流量の少なくとも1つの第1の時間微分を分析することを備える。
【0037】
この発明に係る方法の1つの変形例では、前記分析ステップは、少なくとも1つの圧力、および、前記吸引動作の前記効果に依存する流量の少なくとも1つの第1の時間微分を分析することを備える。そして、
・作動流体は、液体であるかまたは少なくとも1つの気体のセクションを少なくとも備えること、
・少なくとも1つの主だった第1パラメーターは、作動流体の少なくとも1つの圧力および流量、液体である作動流体、または少なくとも1つの気体のセクションを少なくとも備えることの少なくとも1つであること、
・少なくとも1つの主だった第2パラメーターは、作動流体での少なくとも1つの圧力および少なくとも1つの主だった圧力に少なくとも依存する流量、液体である作動流体、または少なくとも1つの気体のセクションを少なくとも備えることの少なくとも1つを少なくとも備えること、
・少なくとも1つの主だった第2パラメーターは、作動流体の少なくとも1つの圧力および流量、液体である作動流体、または少なくとも1つの気体のセクションの少なくとも1つであること、
・分析ステップは、少なくとも1つの主だった第1パラメーターの経時的な少なくとも1つの第1の特性を決定するステップを備えること、
・少なくとも1つのテスト基準を決定するステップは、少なくとも1つの主だった第2パラメーターの経時的な、少なくとも1つの定格の第2の特性を決定することを備えること、
の少なくとも1つが優先する。
【0038】
この発明に係る方法の1つの変形例では、分析ステップは、少なくとも1つの圧力、および、前記吸引動作の前記効果に依存する流量の少なくとも1つの第1の時間微分を分析することを備える。少なくとも1つの圧力、あるいは流量は、以下の主だった時間経過(time course)を有して、
・第1の時間微分は、或る瞬間で生じる極値に向かう時点の後に変化して、前記瞬間の後に或る程度まで戻る。決定ステップは、時点と瞬間と(後者を含む(latter inclusive))の間のタイムスパン内で行なわれる。
【0039】
この発明に係る方法の1つの変形例では、前記分析ステップは、少なくとも1つの圧力、および、前記吸引動作の前記効果に依存する流量の少なくとも1つの第1の時間微分を分析することを備え、前記少なくとも1つの圧力または前記流量が、以下の主だった時間経過を有する、
・第1の時間微分は、或る瞬間に生じる極値に向かう時点の後に変化して、前記瞬間の後に或る程度まで戻る。決定ステップは、時点と瞬間と(後者を含む)の間のタイムスパン内で行なわれる。そして、
・前記少なくとも1つの主だった圧力または流量は、それぞれ前記作動流体の圧力または流量であり、前記作動流体が、液体であるかまたは少なくとも1つの気体のセクションを少なくとも備えること、
・前記少なくとも1つの主だった第2パラメーターは、前記作動流体での少なくとも1つの圧力および少なくとも1つの主だった圧力に少なくとも依存する流量の少なくとも1つを少なくとも備え、前記作動流体が液体であるかまたは少なくとも1つの気体のセクションの少なくとも備えること、
・前記少なくとも1つの主だった第2パラメーターは、作動流体の少なくとも1つの圧力および流量、液体である作動流体、または少なくとも1つの気体のセクションの少なくとも1つを少なくとも備えること、
・前記分析ステップは、少なくとも1つの圧力、および、前記吸引動作の前記効果に依存する流量の少なくとも1つの第1の時間微分を分析することを備えること、
・前記少なくとも1つのテスト基準を決定するステップは、前記少なくとも1つの主だった第2パラメーターの経時的な、少なくとも1つの定格の特性を決定することを備えること、
・前記チェックは、前記瞬間に続いて同時に(at a time)行なわれること、
の少なくとも1つが優先する。
【0040】
もし矛盾しなければ既に記載されたあらゆる変形例と結合することができるこの発明に係る方法の変形例では、分析ステップは、
・少なくとも1つの圧力値、
・少なくとも1つの流量値、
・圧力コースの第1の時間微分の少なくとも1つの値、
・流量コースの第1の時間微分の少なくとも1つの値、
・圧力コースの第2の時間微分の少なくとも1つの値、
・流量コースの第2の時間微分の少なくとも1つの値、
の少なくとも1つを評価するステップを備える。
【0041】
もし矛盾しなければ既に記載されたあらゆる変形例と結合することができるこの発明に係る方法の変形例では、少なくとも1つのテスト基準は、
・圧力値、
・流量値、
・圧力コースの第1の時間微分、
・流量コースの第1の時間微分、
・圧力コースの第2の時間微分、
・流量コースの第2の時間微分、
の少なくとも1つに対する範囲を備える。
【0042】
もし矛盾しなければ既に記載されたあらゆる変形例と結合することができるこの発明に係る方法の変形例では、分析ステップは、
・少なくとも1つの圧力値、
・少なくとも1つの流量値、
・圧力コースの第1の時間微分の少なくとも1つの値、
・流量コースの第1の時間微分の少なくとも1つの値、
・圧力コースの第2の時間微分の少なくとも1つの値、
・流量コースの第2の時間微分の少なくとも1つの値、
の少なくとも1つを評価するステップを備えるとともに、
前記少なくとも1つのテスト基準は、
・圧力値、
・流量値、
・圧力コースの第1の時間微分、
・流量コースの第1の時間微分、
・圧力コースの第2の時間微分、
・流量コースの第2の時間微分、
の少なくとも1つに対する範囲を備える。
【0043】
もし矛盾しなければ既に記載されたあらゆる変形例と結合することができるこの発明に係る方法の変形例では、前記テスト基準が範囲であり、前記チェックステップは、主だった第2パラメーターが第1の時間に対する前記範囲に入った後に行われる。
【0044】
例えば、信号ノイズおよび時間/信号値のスケーリングに応じて、極値の検出がシャープではないことがあるので、我々は、「時点で」の極値というよりも、「瞬間で」の極値の発生を扱っている(address)。
【0045】
総括的なポイントの扱い:
この発明に係る方法は、主だった吸引サイクルが受け入れ可能か否かをチェックする、唯一の手順ではないことがあると考えられなければならない。例えば、我々は、ピペットが吸引位置に移動されると記載している。この位置で、ピペットの先端が、吸引される液体に浸漬されるか否かは、例えば、ピペットでの主だった圧力コースから瞬間的に認識される。吸引動作は、先端が液体に浸漬されるときよりもはるかに小さく変化する作動流体の主だった圧力をもたらすであろう。これは、この発明に係る方法を利用せずに、吸引サイクルを開始した直後に検出されることができる。したがって、この実施例から分かるように、受け入れ時に吸引サイクルをチェックするために、追加のテストを行うことができる。
【0046】
上述されるようなテスト基準の範囲は、一定であることができ、またはその幅および/またはその平均値に関して経時的に(over time)変化することができる。
【0047】
それらが矛盾しない場合、この発明に係る方法の全ての変形例(それらは記載された)が、組み合わせられることができる。
【0048】
この発明は、少なくとも1つのピペットに対するピペット・アプリケータ配置と、ピペット・アプリケータ配置の内部空間と流れ連通する吸引源と、内部空間に作動的に接続されているセンサ配置と、を備え、センサ配置の出力が吸引サイクルのテストユニットに作動的に接続されているピペット操作装置に関する。吸引サイクルのテストユニットは、
・ピペット・アプリケータ配置が吸引位置に到達していることを表す(representative for)制御信号を受け取る受取ステップと、
・前記制御信号に基づいて、或る時点で前記吸引源によって吸引動作を前記内部空間に適用することを開始する開始ステップと、
・前記開始ステップに続いて前記センサ配置の出力信号に依存する信号を分析する分析ステップと、
・前記分析ステップの結果に応じて(in dependency of)少なくとも1つのテスト基準を決定する決定ステップと、
・前記決定ステップに続いて、前記センサ配置の出力信号に依存する信号が、前記少なくとも1つのテスト基準を満たすか否かを、第2のタイムスパンにおいてチェックするチェックステップと、
・前記チェックステップの結果に応じて前記吸引サイクルが受け入れ可能か否かの表示を生成する生成ステップと、を実行するように構成される。
【0049】
この発明に係る装置の一実施形態は、この発明に係る方法を行なうように、または、その変形例の1つまたは複数の方法を行なうように構成される。
【0050】
この発明は、図面の助けを借りてさらに例示される。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【
図1】総括的な信号-流量/機能-ブロックの図によってこの発明の原理を示す。
【
図2】信号-流量/機能-ブロックの図によって模式的に且つ単純化された、この発明に係る方法および装置を示す。
【
図3】
図1のものと類似の表現で、この発明に係る方法の変形例、およびこの発明に係る装置の実施形態である。
【
図4】
図3の実施例に係る方法および装置によって利用されるおよびそれらから生じる異なる吸引サイクルの特性である。
【
図5】
図3の実施例に係る方法および装置によって利用されるおよびそれらから生じる異なる吸引サイクルの特性である。
【
図6】
図3の実施例に係る方法および装置によって利用されるおよびそれらから生じる異なる吸引サイクルの特性である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図1は、機能-ブロック/信号-流量の図によって、この発明の原理を最も模式的に示す。
【0053】
スタート信号STARTによって、ピペット配置101上のポンプ設備100によって吸引動作が開始される。センサ配置103は、吸引動作を開始して維持する、ピペット配置101での効果に依存する少なくとも1つの主だった第1パラメーターP1stを感知する。ポンプ設備100、ピペット配置101、センサ配置103は、
図1のハードウェア・ブロック104に表わされる。吸引設備、吸引される液体、およびピペットにおける(as of)複数の条件CONは、吸引動作を開始して維持する効果に影響を及ぼす。少なくとも1つの主だった第1パラメーターP1stは、分析段階106において分析される。少なくとも1つの分析結果RAが、センサ配置103で感知された少なくとも1つの第2パラメーターP2ndに対する少なくとも1つのテスト基準TCを決定段階108において決定する。テスト基準が決定された後に主だった少なくとも1つの第2パラメーターP2ndは、それが少なくとも1つのテスト基準TCを満たすかどうかを、チェック段階110においてチェックされる。少なくとも1つの主だった第2パラメーターP2ndが、少なくとも1つのテスト基準TCを満たす場合、吸引サイクルは受け入れ可能であると考えられ、少なくとも1つの主だった第2パラメーターP2ndが少なくとも1つのテスト基準TCを満たさない場合、吸引サイクルは受け入れられない。これは、
図1においてa/naで表わされる。
【0054】
図2は、信号流量/機能ブロックの図によって、この発明に係る方法の、およびこの発明の該実施例に係る装置の構造の、さらに具体的な実施例を、最も模式的に且つ単純化して示す。
【0055】
ピペット1は、ピペット・アプリケータ配置3に取り付けられる。ピペット・アプリケータ配置3は、1つまたは複数のピペット1を受け入れるために適合されることができる。1つまたは複数のピペット1と通じているピペット・アプリケータ配置3の内部空間2は、プランジャー・ポンプとして
図2に示された吸引設備あるいは吸引源5と動作的に流れ連通状態にある。吸引源5は、例えば、吸引サイクルが開始されるとき、スタート信号STを生成するドライブ7によって制御されて駆動される。
【0056】
ピペット・アプリケータ3は、両方向矢印Zで示されるように上下に、そして、x/y平面において慣習的に追加的に、ドライブ9によって制御されて駆動される。
【0057】
図2の実施形態によれば、ピペット・アプリケータ配置3の内部空間2は、気体の作動流体セクションで、特にエアで満たされる。
【0058】
圧力センサ配置11は、ピペット1上で動作するピペット・アプリケータ3の内部空間2における圧力p(t)をモニターする。圧力センサ配置の代わりに、あるいは、圧力センサ配置に加えて、流量センサ配置が設けられることができる(
図2には示されない)。圧力センサ配置11の出力11oでは、信号S(p(t))が生成される。信号S(p(t))は、例えば作動流体の気体のセクションにおける主だった圧力p(t)を表わすデジタル信号である。圧力センサ配置11の出力11oは、分析段階13にまず動作的に供給される。スイッチングユニット15によって模式的に示されるように、これは、例えば、タイマー段階17によって、ピペットチップが吸引位置に到達したとき、例えば、ドライブ7で生成されたスタート信号STによってトリガーされて、開始される。
【0059】
タイムスパンτ1内で、信号S(p(t))および圧力p(t)の時間経過が、ピペット・アプリケータ配置3での作動流体におけるこのタイムスパンτ1の間で優勢である、主だった第1パラメーターとして、分析される。
【0060】
分析段階13における分析結果が作動流体におけるτ1の間で優勢であるとき、分析段階13における分析結果は、圧力p(t)の時間経過の1つまたは複数の特性値である。
【0061】
当該特性値は、例えば、
・選択されたタイムスパンにわたって平均された可能性がある(possibly averaged)それぞれ選択された瞬間での、1つまたは複数の圧力値、
・選択されたタイムスパンにわたって平均された可能性がある圧力の極値の圧力値、
・圧力が極値を達成するときの時間または時間帯、
・選択されたタイムスパンにわたって平均された可能性がある、それぞれ選択された瞬間での圧力の時間経過の第1の時間微分の1つまたは複数の値、
・圧力の時間経過の第1の時間微分の極値、
・圧力の第1の時間微分が極値を達成するときの時間または時間帯、
・選択されたタイムスパンにわたって平均された可能性がある、それぞれ選択された瞬間での圧力の時間経過の第2の時間微分の1つまたは複数の値、
・特定の特性値が生じる時間系列など、である。
【0062】
吸引のスタートで開始されたタイムスパンτ
1は、選択ユニット18によって
図2に示されるような所定の期間、または、主だった圧力p(t)の主だった時間経過の選択された挙動によって、例えば、後で説明される実施例における(as of)主だった圧力p(t)の主だった時間経過の第1の時間微分の極値の発生によってセットされるτ
1の終端(end)、のいずれかを有する。このように、τ
1の終端は、E(τ
1)で
図2において破線で示されるように、分析段階13における分析結果によってトリガーされることができる。タイムスパンτ
1の終端において、分析が終了する。
【0063】
分析段階13における分析プロセスの結果データは、
図2においてVnで記載される。結果データは、決定段階19に供給される。決定段階19において、1つまたは複数のテスト基準Cmは、分析段階13の分析の1つまたは複数の結果値Vnに応じて決定される。決定段階19によって決定されたテスト基準の数mは、分析ステップの結果値の数nから独立している。
【0064】
テスト基準は、例えば、
・吸引サイクルの1つまたは複数のタイムスパンにおける圧力値に対する1つまたは複数の範囲(それによって該範囲はそれぞれのタイムスパンにわたって一定であることができる)は、それぞれのタイムスパンに沿って幅において変化することがある、および/または、範囲の平均値に関して変化することができる、
・吸引サイクルの1つまたは複数のタイムスパンにおける圧力の時間経過の第1の時間微分および/または第2の時間微分に対する1つまたは複数の範囲(それによって該範囲はそれぞれのタイムスパンにわたって一定であることができる)は、それぞれのタイムスパンに沿って幅において変化することができる、および/または、範囲の平均値に関して変化することができる、
とすることができる。
【0065】
分析の単一の結果値V1から、1つのテスト基準C1または複数のテスト基準C1,C2…は、決定段階19によって決定されることができる。
【0066】
他方で、分析段階13における分析の複数の結果値V1,V2...は、単一のテスト基準Cx(V1,V2...)を決定するために決定段階19によって組み合わせられることができる。
【0067】
テスト基準を決定するステップは、計算によって、またはルックアップテーブルの利用によって、行なわれることができる。分析結果Vnおよびその組み合わせの可能性およびそれぞれのテスト基準Cmは、互いに照合される。
【0068】
タイムスパンτ1を分析した後およびテスト基準が決定されている後、センサ配置11の出力信号S(p(t))は、スイッチングユニット15で模式的に示されるように、主だった第2パラメーターとして、チェック段階21への入力として供給される。テスト基準Cmも、チェック段階21への入力である。
【0069】
チェック段階21によって、主だった圧力p(t)の主だった時間経過は、それがテスト基準Cmを満たすかどうかをチェックされる。
【0070】
より一般的な考察下で、分析される第1パラメーター、および、
図1におけるチェックされる第2パラメーターは、同じパラメーターとすることができることが明白になる。
【0071】
テスト基準が決定段階21によって確立されていることに依存して、それぞれの主だった特性は、モニタリング段階20において、信号S(p(t))に応じて、主だった圧力の主だった時間経過でモニターされる。したがって、例えば、1つのテスト基準が圧力の時間経過の第1の時間微分に関するならば、該テスト基準に基づいてチェック操作を行なう前に、圧力の主だった時間経過での主だった第1の時間微分は、モニタリング段階20でモニターされる。
【0072】
分析ステップの完了直後に、τ1の終了直後に、及び段階19で1つまたは複数のテスト基準を決定することが完了した直後に、チェック操作が開始されることができるが、チェックが重要であると考えられる瞬間またはタイムスパンは、別個に考慮されるべきである。
【0073】
図2に示されるように、チェック結果RCは、最初に検証段階23に渡される(passed to)。検証段階23は、制御されたスイッチのように働く。制御信号Scを検証段階23に適用した後にまたは適用する間に、チェック結果RCは、その受容性または非受容性に関して吸引サイクルの有効な資格(valid qualification)とみなされる。
【0074】
制御信号Scは、例えば、吸引サイクルの所定の瞬間でおよび/または所定のタイムスパンの間に、例えば、タイマー段階17によって制御されるとき、または、例えばテスト基準のうちの1つが、満たされるとき、例えば例示されるように最初に満たされるときに生成されることができる。
【0075】
一旦、チェック結果RCが、吸引サイクルの有効表示として有効になれば、受容性y/nは表示段階25で表示される。
【0076】
圧力値として
図2の実施形態に例示されている第1パラメーターおよび/または第2パラメーターは、流量値で実現されることができることに留意すること。これは後続の考察に有効である。
【0077】
実施例:
この発明の方法および装置は、
図3に係る変形例および実施形態、および
図4から
図6に係る特性によってさらに例示されている。
【0078】
図3は
図2と同様の表現である。同じ参照番号は、
図2に照らして既に記載された部分に使用される。
【0079】
スタート信号STに基づいて、タイマー段階17は、スイッチングユニット15によって図式化されるように、信号S(p(t))を分析段階13に切り替える。圧力p(t)は、
図4に定性的に示すように、破線の特性(a)によって低下する。
【0080】
分析段階13は、S(p(t))の第1の時間微分が計算される、微分(differentiating)段階131を備える。(a)における低下圧力に起因するこの第1の時間微分は、特性(b)で
図4に示される。
【0081】
図4から
図6におけるスケーリングが、任意の単位であることに留意すること。
【0082】
分析段階13は、極値検出段階132をさらに備える。極値検出段階132は、第1の時間微分の極値EXTRの発生を検出する。制御信号E(τ1)で示されるように、極値EXTRの検出は、タイムスパンτ1の終了を制御する。一旦極値EXTRが検出されれば、第1の時間微分の極値は分析結果V1として決定される。このとき、関連する分析結果V1(つまりEXTRの値)は、制御信号C132およびスイッチングユニット133で模式的に示されるように、決定段階191に供給される。さらに、スイッチングユニット15で模式的に示されるように、信号S(pt)は、分析段階13への入力から切り離される。
【0083】
V
1に応じて、決定段階19
1は、圧力の時間経過の第1の時間微分の値に対する範囲R(dp/dt)を、テスト基準C
1として決定する。この範囲は、最大限R
uおよび最小限R
lの特性によって
図4に示される。
【0084】
この実施形態または変形例において、分析のタイムスパンτ1の終了が、圧力の時間経過の第1の時間微分の極値EXTRの検出によって制御されているが、スイッチングユニット15およびスイッチングユニット134を介して模式的に表されるように、信号S(p(t))がモニタリング段階20に供給されることは、決定段階191によってテスト基準C1が決定された後である。この実施形態では、信号S(p(t))の第1の時間微分が、第2パラメーターとしてモニターされる。
【0085】
例えば計算でまたはルックアップテーブルの使用で、分析結果V
1に依存して決定されたテスト基準C
1は、
図2のチェック段階21に従って、コンパレーター段階136に供給される。それは、主だった圧力の主だった時間経過の主だった第1の時間微分と比較される。
【0086】
比較結果RCは、コンパレーター段階136の出力nおよび出力yによって
図4に表わされる。圧力の主だった時間経過の主だった第1の時間微分が、テスト範囲R(dp/dt)内にあるならば、信号は、出力yで生成され、そうでなければ出力nで生成される。
【0087】
図3の検証段階23によれば、出力yが初めて(for the first time)作動するとき、つまり、主だった時間微分が第1の時間の間に(for the first time)範囲R(dp/dt)に入るとき、信号Scは、単安定ユニットとして作動するユニット138をトリガーする。そして、この瞬間からおよび
図4に示される後続のタイムスパンτ
2の間に、コンパレーター段階136の出力が、実際の吸引サイクルが有効である(-y-)か、または無効である(-n-)かを、インジケータ段階25で表示することに有効であるとみなされる。
図4から分かるように、圧力p(t)の第1の時間微分の時間経過は、タイムスパンτ
2の間に範囲R(dp/dt)内のままであり、したがって受け入れ可能であるとみなされる。
【0088】
図5は、
図4と同じ表現であり且つ同じスケーリングで、異なる吸引サイクルの特性を示す。吸引は、
図4の実施例よりも著しく速く、つまり、極値EXTRの値は、
図4のそれより著しく大きい。テスト基準R(dp/dt)は、より大きな分析結果に依存して(dependent from)、より大きい。
【0089】
図5に示される吸引サイクルは、受け入れ可能でもある。
【0090】
図6は、さらなる吸引サイクルの特性を示す。拡大して示されるが、スケーリングは
図4および
図5のそれと一致する。
【0091】
EXTRの値は、
図4におけるそれよりも低い。そして、それに依存する範囲R(dp/dt)は小さい。理解されるように、圧力p(t)の第1の時間微分の時間経過は、瞬間Aで、定格特性、すなわちテスト基準の範囲をτ
2内に残す(leave)。その時間経過は、ピペットの閉塞に起因する。
図6における吸引サイクルは、受け入れ可能でないと考えられる。
【0092】
したがって、およびこの発明によれば、吸引サイクルでのピペット操作によって1用量の液体を吸引する方法、または該吸引方法を含む1用量の液体を製造する方法、及びピペット操作装置が、考え出される。それらによって、自動的に、吸引サイクルは、初めに分析されて、分析結果に応じて(in dependency of)受け入れ時にチェックされる。吸引サイクルのテスト基準を支配している(governing)実体の数が、大幅に減少して、該実体の未知の変化が自動的に考慮される。