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特許7536071情報処理システム、方法、プログラム、記憶媒体及び情報処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-08
(45)【発行日】2024-08-19
(54)【発明の名称】情報処理システム、方法、プログラム、記憶媒体及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/30 20230101AFI20240809BHJP
【FI】
G06Q10/30
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022205475
(22)【出願日】2022-12-22
(65)【公開番号】P2024089926
(43)【公開日】2024-07-04
【審査請求日】2022-12-22
(73)【特許権者】
【識別番号】320005501
【氏名又は名称】株式会社電通
(73)【特許権者】
【識別番号】317002995
【氏名又は名称】株式会社電通プロモーションプラス
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】100106840
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【弁理士】
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【弁理士】
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 裕史
(74)【代理人】
【識別番号】100220423
【弁理士】
【氏名又は名称】榊間 城作
(72)【発明者】
【氏名】堀田 峰布子
(72)【発明者】
【氏名】倉澤 博行
(72)【発明者】
【氏名】大瀧 貴寛
(72)【発明者】
【氏名】津田 まや
(72)【発明者】
【氏名】小野 悠太郎
(72)【発明者】
【氏名】左奈田 佑
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼濱 彰人
(72)【発明者】
【氏名】石井 天平
【審査官】平井 嗣人
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-140473(JP,A)
【文献】特開2020-052531(JP,A)
【文献】特開2002-073902(JP,A)
【文献】特開2004-227312(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品を製造するメーカーの端末装置と、前記メーカーから前記製品を仕入れて販売する流通業者の端末装置と、前記流通業者から前記製品を購入し、前記製品を使用する生活者の端末装置と、前記生活者から使用済みの前記製品を回収し、リサイクルするリサイクラーの端末装置と、前記各装置がアクセス可能なサーバと、を含む情報処理システムであって、
前記メーカーの端末装置から前記製品の製品情報を取得する製品情報取得部と、
前記流通業者の端末装置から前記製品の販売情報を取得する販売情報取得部と、
前記生活者の端末装置から生活者情報を取得する生活者情報取得部と、
前記生活者の端末装置から前記製品の回収情報を取得する回収情報取得部と、
前記リサイクラーの端末装置から前記製品のリサイクル情報を取得するリサイクル情報取得部と、
前記生活者情報と、前記製品情報、前記販売情報、前記回収情報及び前記リサイクル情報のうちの少なくとも一つの情報と、を用いて算出された統計量に関する統計情報を生成する統計情報生成部と、
を有し、
前記製品情報は、前記製品の製造量に関する情報と、前記製品の卸売量に関する情報とを含み、
前記販売情報は、前記製品の小売量に関する情報を含み、
前記回収情報は、前記製品の回収量に関する情報を含み、
前記リサイクル情報は、回収後にリサイクルされた前記製品の量を示すリサイクル量に関する情報を含み、
前記統計情報生成部は、前記製造量から、前記卸売量と、前記小売量と、前記回収量と、前記リサイクル量と、を減算した統計量に関する統計情報を生成することを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記生活者情報は、前記生活者の年齢、性別、居住地、職業、製品の回収履歴、嗜好のうち少なくとも一つに関する情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記回収情報は、前記製品の回収場所に関する情報と、前記回収場所ごとの前記製品の回収量に関する情報とを含むことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記統計情報生成部は、前記回収場所ごとに前記回収量を集計した統計量に関する統計情報を生成し、
前記統計情報生成部が生成した統計情報を可視化した情報を出力する出力部をさらに有することを特徴とする請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記製品情報は、前記製品の出荷日時に関する第1時間情報を含み、
前記回収情報は、前記生活者によって前記製品が前記回収場所に置かれた日時に関する第2時間情報を含み、
前記統計情報生成部は、前記回収場所ごとに前記第1時間情報と前記第2時間情報との差分に関する統計情報を生成することを特徴とする請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記製品情報は、前記製品の製造量に関する情報を含み、
前記販売情報は、前記製品の小売量に関する情報を含み、
前記統計情報生成部は、前記小売量を前記製造量で除算した統計量に関する統計情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記製品情報は、前記製品の製造量に関する情報を含み、
前記回収情報は、前記製品の回収量に関する情報を含み、
前記統計情報生成部は、前記回収量を前記製造量で除算した統計量に関する統計情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記製品情報は、前記製品の製造量に関する情報を含み、
リサイクル情報は、回収後にリサイクルされた前記製品の量を示すリサイクル量に関する情報を含み、
前記統計情報生成部は、前記リサイクル量を前記製造量で除算した統計量に関する統計情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記製品情報は、前記製品の製造量に関する情報を含み、
前記回収情報は、前記製品の回収量に関する情報を含み、
前記リサイクル情報は、回収後にリサイクルされた前記製品のうちの再資源化された量を示す再資源化量に関する情報を含み、
前記統計情報生成部は、前記再資源化量を前記回収量で除算し、さらに、前記製造量で除算した統計量に関する統計情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記製品情報は、前記製品をリサイクルすることにより削減される前記製品一個あたりの二酸化炭素の削減量に関する情報を含み、
前記リサイクル情報は、回収後にリサイクルされた前記製品の量を示すリサイクル量に関する情報を含み、
前記統計情報生成部は、前記リサイクル量に前記製品一個あたりの二酸化炭素の削減量を乗算した統計量に関する統計情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記製品又は前記製品の部品のトレーサビリティに関する情報を前記各装置のうちの少なくとも一つの装置の表示部に表示する表示制御部をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項12】
製品を製造するメーカーの端末装置と、前記メーカーから前記製品を仕入れて販売する流通業者の端末装置と、前記流通業者から前記製品を購入し、前記製品を使用する生活者の端末装置と、前記生活者から使用済みの前記製品を回収し、リサイクルするリサイクラーの端末装置と、前記各装置がアクセス可能なサーバと、を含む情報処理システムが実行する方法であって、
前記メーカーの端末装置から前記製品の製品情報を取得するステップと、
前記流通業者の端末装置から前記製品の販売情報を取得するステップと、
前記生活者の端末装置から生活者情報を取得するステップと、
前記生活者の端末装置から前記製品の回収情報を取得するステップと、
前記リサイクラーの端末装置から前記製品のリサイクル情報を取得するステップと、
前記生活者情報と、前記製品情報、前記販売情報、前記回収情報及び前記リサイクル情報のうちの少なくとも一つの情報と、を用いて算出された統計量に関する統計情報を生成するステップと、
を有し、
前記製品情報は、前記製品の製造量に関する情報と、前記製品の卸売量に関する情報とを含み、
前記販売情報は、前記製品の小売量に関する情報を含み、
前記回収情報は、前記製品の回収量に関する情報を含み、
前記リサイクル情報は、回収後にリサイクルされた前記製品の量を示すリサイクル量に関する情報を含み、
前記統計情報を生成するステップにおいて、前記製造量から、前記卸売量と、前記小売量と、前記回収量と、前記リサイクル量と、を減算した統計量に関する統計情報を生成することを特徴とする方法。
【請求項13】
コンピュータに、請求項12に記載の方法を実行させるためのプログラム。
【請求項14】
請求項13に記載のプログラムを格納したコンピュータで読み取り可能な記憶媒体。
【請求項15】
製品を製造するメーカーの端末装置から前記製品の製品情報を取得する製品情報取得部と、
前記メーカーから前記製品を仕入れて販売する流通業者の端末装置から前記製品の販売情報を取得する販売情報取得部と、
前記流通業者から前記製品を購入し、前記製品を使用する生活者の端末装置から生活者情報を取得する生活者情報取得部と、
前記生活者の端末装置から前記製品の回収情報を取得する回収情報取得部と、
前記生活者から使用済みの前記製品を回収し、リサイクルするリサイクラーの端末装置から前記製品のリサイクル情報を取得するリサイクル情報取得部と、
前記生活者情報と、前記製品情報、前記販売情報、前記回収情報及び前記リサイクル情報のうちの少なくとも一つの情報と、を用いて算出された統計量に関する統計情報を生成する統計情報生成部と、
を有し、
前記製品情報は、前記製品の製造量に関する情報と、前記製品の卸売量に関する情報とを含み、
前記販売情報は、前記製品の小売量に関する情報を含み、
前記回収情報は、前記製品の回収量に関する情報を含み、
前記リサイクル情報は、回収後にリサイクルされた前記製品の量を示すリサイクル量に関する情報を含み、
前記統計情報生成部は、前記製造量から、前記卸売量と、前記小売量と、前記回収量と、前記リサイクル量と、を減算した統計量に関する統計情報を生成することを特徴とする情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、方法、プログラム、記憶媒体及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、製品を製造してから廃棄あるいはリサイクルするまでの流れの全体的なライフサイクルを管理し、該製品あるいはその部品をリサイクルしたり、廃棄したりする場合の判断や処理手順を合理化できる技術が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2000-48066号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来、サーキュラーエコノミー(循環経済)において、製品のライフサイクルに関与する生活者の情報を考慮に入れた情報の分析を行うことについては、何ら提案されていない。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、生活者情報を含む複数の情報を用いてサーキュラーエコノミーにおける製品リサイクルの効率化に資する情報を生成することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様に係る情報処理システムは、製品を製造するメーカーの端末装置と、前記メーカーから前記製品を仕入れて販売する流通業者の端末装置と、前記流通業者から前記製品を購入し、前記製品を使用する生活者の端末装置と、前記生活者から使用済みの前記製品を回収し、リサイクルするリサイクラーの端末装置と、前記各装置がアクセス可能なサーバと、を含む情報処理システムであって、前記メーカーの端末装置から前記製品の製品情報を取得する製品情報取得部と、前記流通業者の端末装置から前記製品の販売情報を取得する販売情報取得部と、前記生活者の端末装置から生活者情報を取得する生活者情報取得部と、前記生活者の端末装置から前記製品の回収情報を取得する回収情報取得部と、前記リサイクラーの端末装置から前記製品のリサイクル情報を取得するリサイクル情報取得部と、前記生活者情報と、前記製品情報、前記販売情報、前記回収情報及び前記リサイクル情報のうちの少なくとも一つの情報と、を用いて算出された統計量に関する統計情報を生成する統計情報生成部と、を有する。
【0007】
上記態様によれば、生活者情報を含む複数の情報を用いてサーキュラーエコノミーにおける製品リサイクルの効率化に資する情報を生成することができる。
【0008】
第2態様に係る情報処理システムは、上記第1態様に係る情報処理システムにおいて、前記生活者情報は、前記生活者の年齢、性別、居住地、職業、製品の回収履歴、嗜好のうち少なくとも一つに関する情報を含む。
【0009】
上記構成によれば、生活者情報として生活者の年齢、性別、居住地、職業、製品の回収履歴、嗜好のうち少なくとも一つに関する情報を統計量の生成に用いるので、サーキュラーエコノミーにおける製品リサイクルの効率化により資する情報を生成することができる。
【0010】
第3態様に係る情報処理システムは、上記第1又は第2態様に係る情報処理システムにおいて、前記回収情報は、前記製品の回収場所に関する情報と、前記回収場所ごとの前記製品の回収量に関する情報とを含む。
【0011】
上記構成によれば、製品の回収場所に関する情報と、回収場所ごとの前記製品の回収量に関する情報を含む回収情報を統計量の生成に用いるので、サーキュラーエコノミーにおける製品リサイクルの効率化により資する情報を生成することができる。
【0012】
第4態様に係る情報処理システムは、上記第3態様に係る情報処理システムにおいて、前記統計情報生成部は、前記回収場所ごとに前記回収量を集計した統計量に関する統計情報を生成し、前記統計情報生成部が生成した統計情報を可視化した情報を出力する出力部をさらに有する。
【0013】
上記構成によれば、回収場所ごとに回収量を集計した統計量に関する統計情報を可視化した情報を出力するので、サーキュラーエコノミーにおける製品リサイクルの効率化により資する情報を生成することができる。
【0014】
第5態様に係る情報処理システムは、上記第3又は第4態様に係る情報処理システムにおいて、前記製品情報は、前記製品の出荷日時に関する第1時間情報を含み、前記回収情報は、前記生活者によって前記製品が前記回収場所に置かれた日時に関する第2時間情報を含み、前記統計情報生成部は、前記回収場所ごとに前記第1時間情報と前記第2時間情報との差分に関する統計情報を生成する。
【0015】
上記構成によれば、前記回収場所ごとに前記第1時間情報と前記第2時間情報との差分に関する統計情報を生成するので、この統計情報を回収場所ごとの回収タームに関する情報として回収業者又はリサイクラーが利用することにより円滑な製品回収を行うことができる。
【0016】
第6態様に係る情報処理システムは、上記第1から第5態様のいずれかに係る情報処理システムにおいて、前記製品情報は、前記製品の製造量に関する情報を含み、前記販売情報は、前記製品の小売量に関する情報を含み、前記統計情報生成部は、前記小売量を前記製造量で除算した統計量に関する統計情報を生成する。
【0017】
上記構成によれば、統計情報生成部が、販売量を製造量で除算した統計量に関する統計情報を生成するので、サーキュラーエコノミーを循環する製品の量をコントロールするための指標として統計情報を利用することができる。これにより、過剰な製品の流通が抑制されることにより製品のリサイクルを効率化することができる。
【0018】
第7態様に係る情報処理システムは、上記第1から第6態様のいずれかに係る情報処理システムにおいて、前記製品情報は、前記製品の製造量に関する情報を含み、前記回収情報は、前記製品の回収量に関する情報を含み、前記統計情報生成部は、前記回収量を前記製造量で除算した統計量に関する統計情報を生成する。
【0019】
上記構成によれば、統計情報生成部が、回収量を製造量で除算した統計量に関する統計情報を生成するので、当該統計情報をライフサイクルアセスメントに利用することができる。
【0020】
第8態様に係る情報処理システムは、上記第1から第7態様のいずれかに係る情報処理システムにおいて、前記製品情報は、前記製品の製造量に関する情報を含み、リサイクル情報は、回収後にリサイクルされた前記製品の量を示すリサイクル量に関する情報を含み、前記統計情報生成部は、前記リサイクル量を前記製造量で除算した統計量に関する統計情報を生成する。
【0021】
上記構成によれば、リサイクルの効率化に資する情報として、リサイクル量を製造量で除算した統計量に関する統計情報を生成することができる。
【0022】
第9態様に係る情報処理システムは、上記第1から第8態様のいずれかに係る情報処理システムにおいて、前記製品情報は、前記製品の製造量に関する情報を含み、前記回収情報は、前記製品の回収量に関する情報を含み、前記リサイクル情報は、回収後にリサイクルされた前記製品のうちの再資源化された量を示す再資源化量に関する情報を含み、前記統計情報生成部は、前記再資源化量を前記回収量で除算し、さらに、前記製造量で除算した統計量に関する統計情報を生成する。
【0023】
上記構成によれば、リサイクルの効率化に資する情報として、再資源化量を回収量で除算し、さらに、製造量で除算した統計量に関する統計情報を生成することができる。
【0024】
第10態様に係る情報処理システムは、上記第1から第9態様のいずれかに係る情報処理システムにおいて、前記製品情報は、前記製品の製造量に関する情報と、前記製品の卸売量に関する情報とを含み、前記販売情報は、前記製品の小売量に関する情報を含み、前記回収情報は、前記製品の回収量に関する情報を含み、前記リサイクル情報は、回収後にリサイクルされた前記製品の量を示すリサイクル量に関する情報を含み、前記統計情報生成部は、前記製造量から、前記卸売量と、前記小売量と、前記回収量と、前記リサイクル量と、を減算した統計量に関する統計情報を生成する。
【0025】
上記構成によれば、リサイクルの効率化に資する情報として、製造量から、卸売量と、小売量と、回収量と、リサイクル量と、を減算した統計量に関する統計情報を生成することができる。
【0026】
第11態様に係る情報処理システムは、上記第1から第10態様のいずれかに係る情報処理システムにおいて、前記製品情報は、前記製品をリサイクルすることにより削減される前記製品一個あたりの二酸化炭素の削減量に関する情報を含み、前記リサイクル情報は、回収後にリサイクルされた前記製品の量を示すリサイクル量に関する情報を含み、
前記統計情報生成部は、前記リサイクル量に前記製品一個あたりの二酸化炭素の削減量を乗算した統計量に関する統計情報を生成する。
【0027】
上記構成によれば、リサイクルの効率化に資する情報として、リサイクル量に製品一個あたりの二酸化炭素の削減量を乗算した統計量に関する統計情報を生成することができる。
【0028】
第12態様に係る情報処理システムは、上記第1から第11態様のいずれかに係る情報処理システムにおいて、前記製品又は前記製品の部品のトレーサビリティに関する情報を前記各装置のうちの少なくとも一つの装置の表示部に表示する表示制御部をさらに有する。
【0029】
上記構成によれば、情報処理システムを利用するメーカー、流通業者、生活者又はリサイクラーが製品又は製品の部品のトレーサビリティに関する情報を容易に確認することができる。
【0030】
第13態様に係る方法は、製品を製造するメーカーの端末装置と、前記メーカーから前記製品を仕入れて販売する流通業者の端末装置と、前記流通業者から前記製品を購入し、前記製品を使用する生活者の端末装置と、前記生活者から使用済みの前記製品を回収し、リサイクルするリサイクラーの端末装置と、前記各装置がアクセス可能なサーバと、を含む情報処理システムを用いた方法であって、前記メーカーの端末装置から前記製品の製品情報を取得するステップと、前記流通業者の端末装置から前記製品の販売情報を取得するステップと、前記生活者の端末装置から生活者情報を取得するステップと、前記生活者の端末装置から前記製品の回収情報を取得するステップと、前記リサイクラーの端末装置から前記製品のリサイクル情報を取得するステップと、前記生活者情報と、前記製品情報、前記販売情報、前記回収情報及び前記リサイクル情報のうちの少なくとも一つの情報と、を用いて算出された統計量に関する統計情報を生成するステップと、を有することを特徴とする方法である。
【0031】
上記構成によれば、生活者情報を含む複数の情報を用いてサーキュラーエコノミーにおける製品リサイクルの効率化に資する情報を生成することができる
第14態様に係るプログラムは、コンピュータに、上記第13態様に係る方法を実行させるためのプログラムである。
【0032】
上記構成によれば、生活者情報を含む複数の情報を用いてサーキュラーエコノミーにおける製品リサイクルの効率化に資する情報を生成することができるプログラムを提供できる。
【0033】
第15態様に係る記憶媒体は、上記第14態様に係るプログラムを格納したコンピュータで読み取り可能な記憶媒体。
【0034】
上記構成によれば、生活者情報を含む複数の情報を用いてサーキュラーエコノミーにおける製品リサイクルの効率化に資する情報を生成することができるプログラムを格納した記憶媒体を提供できる。
【0035】
第16態様に係る情報処理装置は、製品を製造するメーカーの端末装置から前記製品の製品情報を取得する製品情報取得部と、前記メーカーから前記製品を仕入れて販売する流通業者の端末装置から前記製品の販売情報を取得する販売情報取得部と、前記流通業者から前記製品を購入し、前記製品を使用する生活者の端末装置から生活者情報を取得する生活者情報取得部と、前記生活者の端末装置から前記製品の回収情報を取得する回収情報取得部と、前記生活者から使用済みの前記製品を回収し、リサイクルするリサイクラーの端末装置から前記製品のリサイクル情報を取得するリサイクル情報取得部と、前記生活者情報と、前記製品情報、前記販売情報、前記回収情報及び前記リサイクル情報のうちの少なくとも一つの情報と、を用いて算出された統計量に関する統計情報を生成する統計情報生成部と、を有する。
【0036】
上記構成によれば、生活者情報を含む複数の情報を用いてサーキュラーエコノミーにおける製品リサイクルの効率化に資する情報を生成することができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、生活者情報を含む複数の情報を用いてサーキュラーエコノミーにおける製品リサイクルの効率化に資する情報を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】本実施形態に係る情報処理システムのシステム構成の一例を示す図である。
図2】本実施形態に係るメーカー端末とサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3】本実施形態に係る生活者端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4】本実施形態に係る情報処理システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
図5】本実施形態に係る情報処理システムのサーバの記憶部に格納されたデータベースの一例を示すブロック図である。
図6】本実施形態に係る情報処理システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下に、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、各図において同等の機能を有する構成要素には同一の符号を付し、同一符号の構成要素の詳しい説明は繰り返さない。
【0040】
(情報処理システムの構成)
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の概略的な構成を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る情報処理システム1は、製品を製造するメーカーの端末装置であるメーカー端末2と、メーカーから製品を仕入れて販売する流通業者の端末装置である流通業者端末3と、流通業者から製品を購入し、製品を使用する生活者の端末装置である生活者端末4と、生活者から使用済みの製品を回収し、リサイクルするリサイクラーの端末装置であるリサイクラー端末5と、各装置がアクセス可能なサーバ6と、を含む。各端末とサーバ6とはインターネット等のネットワーク7を介して互いに通信可能に接続されている。ネットワーク7は、有線回線と無線回線のいずれでもよく、回線の種類や形態は問わない。各端末およびサーバ6の少なくとも一部は、コンピュータ(情報処理装置)により実現される。各端末は、情報処理システム1のユーザが使用するものであり、例えば、パーソナルコンピュータやスマートフォン、タブレット端末などのモバイル端末である。各端末は、情報処理システム1を利用するユーザの数に応じて、多数存在しているものとする。
【0041】
(ハードウェア構成)
次に、本実施形態に係る情報処理システム1のハードウェア構成について説明する。図2は、本実施形態に係る情報処理システム1のハードウェア構成の一例をブロック図であって、メーカー端末2とサーバ6のハードウェア構成の一例を示す図である。なお、流通業者端末3とリサイクラー端末5のハードウェア構成はメーカー端末2と同様であるため説明を省略する。
【0042】
メーカー端末2において、CPU201は、このメーカー端末2全体の動作を制御する処理装置である。ROM202は、CPU201が実行する制御プログラムや各種のデータを格納する不揮発性メモリである。RAM203は、CPU201が実行するプログラムのロード領域やワーク領域に使用する揮発性メモリである。記憶装置204は、各種の情報を記憶するための記憶手段であり、メーカー端末2本体に内蔵されているものでも、記憶媒体が着脱可能なものでもよい。入力装置205は、メーカー端末2のユーザが情報を入力するための装置であり、例えば、タッチパネルやマイクロフォン等である。ディスプレイ206は、各種の情報(ユーザインタフェース等)を表示する表示装置である。通信I/F(インタフェース)207は、サーバ6と接続するためのインタフェースである。バス208は、上記各構成要素を相互に接続するバスラインである。
【0043】
サーバ6において、CPU601は、このサーバ6全体の動作を制御する処理装置である。ROM602は、CPU601が実行する制御プログラムや各種のデータを格納する不揮発性メモリである。RAM603は、CPU601が実行するプログラムのロード領域やワーク領域に使用する揮発性メモリである。記憶装置604は、各種の情報を記憶するための記憶手段であり、サーバ6本体に内蔵されているものでも、記憶媒体が着脱可能なものでもよい。通信I/F(インタフェース)605は、サーバ6と接続するためのインタフェースである。バス606は、上記各構成要素を相互に接続するバスラインである。
【0044】
次に、本実施形態に係る生活者端末4のハードウェア構成について説明する。図3は、本実施形態に係る生活者端末4のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0045】
生活者端末4において、CPU401は、この生活者端末4全体の動作を制御する処理装置である。ROM402は、CPU401が実行する制御プログラムや各種のデータを格納する不揮発性メモリである。RAM403は、CPU401が実行するプログラムのロード領域やワーク領域に使用する揮発性メモリである。記憶装置404は、各種の情報を記憶するための記憶手段であり、生活者端末4本体に内蔵されているものでも、記憶媒体が着脱可能なものでもよい。入力装置405は、生活者端末4のユーザが情報を入力するための装置であり、例えば、タッチパネルやマイクロフォン等である。ディスプレイ406は、各種の情報(ユーザインタフェース等)を表示する表示装置である。撮像素子407は、被写体の像を撮像する光電変換素子である。通信I/F(インタフェース)408は、サーバ6と接続するためのインタフェースである。バス409は、上記各構成要素を相互に接続するバスラインである。
【0046】
(機能構成)
次に、本実施形態に係る情報処理システム1の機能構成について説明する。図4は、本実施形態に係る情報処理システム1の機能構成の一例を示す図である。
【0047】
まず、メーカー端末2の機能構成について説明する。図4に示すように、メーカー端末2は、メーカー端末2をネットワーク7に接続する通信部21と、メーカー端末2の全体の動作を制御する制御部22と、メーカー端末2のユーザが各種情報を入力する入力部23と、各種情報を不図示のティスプレイやスピーカー等から出力する出力部24と、各種情報を記憶する記憶部25と、を備えている。
【0048】
通信部21は、メーカー端末2とネットワーク7との間の通信インタフェースである。通信部21は、ネットワーク7を介してメーカー端末2とサーバ6との間で情報を送受信する。
【0049】
入力部23は、メーカー端末2のユーザが情報を入力するための要素であり、例えば、タッチパネルやマイクロフォン等である。メーカー端末2のユーザは、入力部23を介して、製品情報等のデータを入力する。製品情報としては、例えば、製品の識別情報(例えば、JANコード)、製品名、製品又は当該製品を構成する部品の素材情報、素材情報に対応する回収ボックスの識別情報(番号、名称、記号、図形、模様、色彩等)、製造量、卸売量、製品リサイクルによる二酸化炭素(CO2)の削減量等のLCA(Life Cycle Assessment)に関する情報、及び、製品の構造、部品の取り外し方法、部品の交換方法、製品又は部品の修理方法、製品の取扱説明書等の製品特徴に関する情報等である。入力された製品情報は、通信部21によりネットワーク7を介してサーバ6に送信される。
【0050】
出力部24は、メーカー端末2のユーザに対して各種情報を出力するインタフェースであり、例えば、液晶ディスプレイ等の映像表示デバイス(表示部)やスピーカー等の音声出力デバイスである。出力部24は、ユーザからの操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)を出力(表示)してもよい。
【0051】
記憶部25は、例えば、内蔵メモリや外部メモリ(SDメモリカード等)などのデータストレージである。記憶部25には、制御部22が取り扱う各種データや通信部21がネットワーク7を介してサーバ6からダウンロードした各種情報等が記憶される。なお、記憶部25は、必ずしもメーカー端末2内に設けられていなくてもよく、記憶部25の一部または全部は、ネットワーク7を介してメーカー端末2と通信可能に接続された別の装置内に設けられていてもよい。
【0052】
次に、流通業者端末3の機能構成について説明する。流通業者端末3は、流通業者端末3をネットワーク7に接続する通信部31と、流通業者端末3の全体の動作を制御する制御部32と、流通業者端末3のユーザが各種情報を入力する入力部33と、各種情報を不図示のティスプレイやスピーカー等から出力する出力部34と、各種情報を記憶する記憶部35と、を備えている。
【0053】
通信部31は、流通業者端末3とネットワーク7との間の通信インタフェースである。通信部21は、ネットワーク7を介して流通業者端末3とサーバ6との間で情報を送受信する。
【0054】
入力部33は、流通業者端末3のユーザが情報を入力するための要素であり、例えば、タッチパネルやマイクロフォン等である。流通業者端末3のユーザは、入力部33を介して、販売情報等のデータを入力する。販売情報としては、例えば、販売した製品名、当該製品識別情報(JANコード等)、当該製品の販売日時、販売価格、販売個数、購入者(生活者)の属性(ユーザID(識別情報)、年齢、生年月日、性別、居住地(都道府県情報)、職業等)、購入者(生活者)が利用した電子マネー、ポイント及びクーポン、店舗名、店舗の住所、経度及び緯度等の位置情報等である。入力された販売情報は、通信部31によりネットワーク7を介してサーバ6に送信される。
【0055】
出力部34は、流通業者端末3のユーザに対して各種情報を出力するインタフェースであり、例えば、液晶ディスプレイ等の映像表示デバイス(表示部)やスピーカー等の音声出力デバイスである。出力部34は、ユーザからの操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)を出力(表示)してもよい。
【0056】
記憶部35は、例えば、内蔵メモリや外部メモリ(SDメモリカード等)などのデータストレージである。記憶部35には、制御部32が取り扱う各種データや通信部31がネットワーク7を介してサーバ6からダウンロードした各種情報等が記憶される。なお、記憶部35は、必ずしもメーカー端末2内に設けられていなくてもよく、記憶部35の一部または全部は、ネットワーク7を介して流通業者端末3と通信可能に接続された別の装置内に設けられていてもよい。
【0057】
次に、生活者端末4の機能構成について説明する。生活者端末4は、通信部41と、生活者端末4の全体の動作を制御する制御部42と、ユーザが各種情報を入力する入力部43と、各種情報を出力する出力部44と、被写体の像を撮像する撮像部45と、生活者端末4の現在位置を検出する位置検出部46と、各種情報を記憶する記憶部47と、を有している。
【0058】
通信部41は、生活者端末4とネットワーク7との間の通信インタフェースである。通信部41は、ネットワーク7を介して生活者端末4とサーバ6との間で情報を送受信する。
【0059】
制御部42は、物体検出部42aと、コード読取部42bと、を有している。
【0060】
物体検出部42aは、撮像部45が撮像した画像から物体を検出する。例えば、物体検出部42aは、撮像部45が撮像した画像から回収される製品を検出する。物体検出には、どのようなアルゴリズムを用いてもよい。例えば、HoGやHaar-likeなどの画像特徴とブースティングを組み合わせた識別器を用いてもよいし、R-CNN、Fast R-CNN、YOLO、SSD等のディープラーニングによる人体認識を用いてもよい。物体検出部42aが、回収される製品を検出した場合には、当該製品の画像情報が製品識別情報として通信部41により、ネットワーク7を介してサーバ6に送信される。
【0061】
コード読取部42bは、撮像部45が撮像した画像からコードを読み取る。例えば、コード読取部42bは、撮像部45が撮像した製品の画像から製品コード(例えば、JANコード)を読み取る。コード読取部42bが読み取った製品コードは、製品識別情報として通信部41により、ネットワーク7を介してサーバ6に送信される。
【0062】
入力部43は、生活者端末4のユーザが情報を入力するための要素であり、例えば、タッチパネルやマイクロフォン等である。生活者端末4のユーザは、入力部43を介して、生活者情報や回収情報等のデータを入力する。生活者情報としては、例えば、ユーザID(識別情報)、年齢、生年月日、性別、居住地(都道府県情報)、職業、嗜好等のユーザアカウント情報、回収履歴、獲得ポイント数及び獲得日時、保有ポイント数、累計獲得ポイント数、ポイント使用数及び日時、保有クーポン、クーポン使用数及び日時、配信広告情報、閲覧広告情報(配信された広告のうち、ユーザが当該広告をタップ/クリック等して詳細を確認した広告に関する情報)、広告閲覧数(ユーザが広告をタップ/クリックした回数)等である。また、回収情報としては、例えば、回収製品の使用者の属性(年齢、生年月日、性別、居住地、職業、嗜好等)、製品識別情報(例えば、JANコード)、製品名、製品又は当該製品の部品の素材情報、回収個数、製品が回収場所に置かれた日時(回収ボックスに投入された日時)、回収場所(回収店舗)である。入力された生活者情報や回収情報は、通信部41によりネットワーク7を介してサーバ6に送信される。
【0063】
出力部44は、生活者端末4からユーザに対して各種情報を出力するインタフェースであり、例えば、液晶ディスプレイ等の映像表示デバイス(表示部)やスピーカー等の音声出力デバイスである。出力部44は、ユーザからの操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)を出力(表示)してもよい。
【0064】
撮像部45は、生活者端末4の撮像素子を含むカメラモジュールにより、被写体の像を撮像する。撮像部45により撮像した画像は、制御部42に出力され、各種画像処理が施され、出力部44により出力される。
【0065】
位置検出部46は、生活者端末4の現在位置(位置情報)を検出する。例えば、GPS(Global Positioning System)、Wi-Fi(登録商標)、CID(Cell ID)、RFID等を用いることにより、位置検出部46は生活者端末4の位置情報を検出する。
【0066】
記憶部47は、例えば、内蔵メモリや外部メモリ(SDメモリカード等)などのデータストレージである。記憶部47には、制御部42が取り扱う各種データや通信部41がネットワーク7を介してサーバ6からダウンロードした各種情報、撮像部45が撮像した画像等が記憶される。なお、記憶部47は、必ずしも生活者端末4内に設けられていなくてもよく、記憶部47の一部または全部は、ネットワーク7を介して生活者端末4と通信可能に接続された別の装置内に設けられていてもよい。
【0067】
次に、リサイクラー端末5の機能構成について説明する。リサイクラー端末5は、リサイクラー端末5をネットワーク7に接続する通信部51と、リサイクラー端末5の全体の動作を制御する制御部52と、リサイクラー端末5のユーザが各種情報を入力する入力部53と、各種情報を不図示のティスプレイやスピーカー等から出力する出力部54と、各種情報を記憶する記憶部55と、を備えている。
【0068】
通信部51は、リサイクラー端末5とネットワーク7との間の通信インタフェースである。通信部51は、ネットワーク7を介してリサイクラー端末5とサーバ6との間で情報を送受信する。
【0069】
入力部53は、リサイクラー端末5のユーザが情報を入力するための要素であり、例えば、タッチパネルやマイクロフォン等である。リサイクラー端末5のユーザは、入力部53を介して、リサイクル情報等のデータを入力する。リサイクル情報としては、例えば、リサイクルした製品名、回収した素材及びその量、回収場所(エリア)、回収日時、再資源化に関する情報、再生素材量等の情報である。入力されたリサイクル情報は、通信部51によりネットワーク7を介してサーバ6に送信される。
【0070】
出力部54は、リサイクラー端末5のユーザに対して各種情報を出力するインタフェースであり、例えば、液晶ディスプレイ等の映像表示デバイス(表示部)やスピーカー等の音声出力デバイスである。出力部54は、ユーザからの操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)を出力(表示)してもよい。
【0071】
記憶部55は、例えば、内蔵メモリや外部メモリ(SDメモリカード等)などのデータストレージである。記憶部55には、制御部52が取り扱う各種データや通信部51がネットワーク7を介してサーバ6からダウンロードした各種情報等が記憶される。なお、記憶部55は、必ずしもメーカー端末2内に設けられていなくてもよく、記憶部55の一部または全部は、ネットワーク7を介してリサイクラー端末5と通信可能に接続された別の装置内に設けられていてもよい。
【0072】
次に、サーバ6の機能構成について説明する。図4に示すように、サーバ6は、通信部61と、サーバ6の全体の動作を制御する制御部62と、各種情報を記憶する記憶部63と、を有する。
【0073】
通信部61は、サーバ6とネットワーク7との間の通信インタフェースである。通信部61は、ネットワーク7を介しサーバ6と各端末(メーカー端末2、流通業者端末3、生活者端末4及びリサイクラー端末5)との間で情報を送受信する。
【0074】
制御部62は、生活者情報取得部62aと、製品情報取得部62bと、販売情報取得部62cと、回収情報取得部62dと、リサイクル情報取得部62eと、統計情報生成部62fと、を有している。
【0075】
生活者情報取得部62aは、生活者端末4のユーザが入力部43を介して入力した生活者情報を、通信部61によりネットワーク7を介して取得する。生活者情報取得部62aが取得した生活者情報は、記憶部63に記憶される。
【0076】
製品情報取得部62bは、メーカー端末2のユーザが入力部23を介して入力した製品情報を、通信部61によりネットワーク7を介して取得する。製品情報取得部62bが取得した製品情報は、記憶部63に記憶される。
【0077】
販売情報取得部62cは、流通業者端末3のユーザが入力部33を介して入力した販売情報を、通信部61によりネットワーク7を介して取得する。販売情報取得部62cが取得した販売情報は、記憶部63に記憶される。
【0078】
回収情報取得部62dは、生活者端末4のユーザが入力部43を介して入力した回収情報を、通信部61によりネットワーク7を介して取得する。回収情報取得部62dが取得した回収情報は、記憶部63に記憶される。
【0079】
リサイクル情報取得部62eは、生活者端末4のユーザが入力部43を介して入力したリサイクル情報を、通信部61によりネットワーク7を介して取得する。リサイクル情報取得部62eが取得したリサイクル情報は、記憶部63に記憶される。
【0080】
記憶部63は、例えば、内蔵メモリや外部メモリ(SDメモリカード等)などのデータストレージである。記憶部63には、制御部62が取り扱う各種データや通信部61がネットワーク7を介して取得した各種情報等が記憶される。
【0081】
図5は、サーバ6の記憶部63に格納されたデータベースの一例を示す図である。図5に示すように、記憶部63には、生活者情報取得部62aが取得した生活者情報が含まれる生活者情報DB63aと、製品情報取得部62bが取得した製品情報が含まれる製品情報DB63bと、販売情報取得部62cが取得した販売情報が含まれる販売情報DB63cと、回収情報取得部62dが取得した回収情報が含まれる回収情報DB63dと、リサイクル情報取得部62eが取得したリサイクル情報が含まれるリサイクル情報DB63eとが含まれている。
【0082】
なお、記憶部63は、必ずしもサーバ6内に設けられていなくてもよく、記憶部63の一部または全部は、ネットワーク7を介してサーバ6と通信可能に接続された別の装置内に設けられていてもよい。
【0083】
図4に戻って、統計情報生成部62fは、記憶部63に記憶された生活者情報と、製品情報、販売情報、回収情報及びリサイクル情報のうちの少なくとも一つの情報と、を用いて算出された統計量に関する統計情報を生成する。
【0084】
具体的には、例えば、統計情報生成部62fは、記憶部63の回収情報DB63dから、回収場所ごとの回収量を読み出し、回収場所ごとに回収量を集計した統計量に関する統計情報を生成してもよい。
【0085】
また、例えば、統計情報生成部62fは、記憶部63の製品情報63bから、製品の出荷日時に関する情報(第1時間情報)を読み出し、回収情報63dから、生活者によって製品が回収場所に置かれた日時に関する情報(第2時間情報)を読み出し、第1時間情報と第2時間情報との差分(第2時間情報-第1時間情報)に関する統計情報を生成してもよい。これにより、製品を出荷してから生活者によって使用済みの製品が回収場所に置かれるまでに要する時間に関する情報を統計情報として生成することができる。
【0086】
また、例えば、統計情報生成部62fは、記憶部63の製品情報DB63bから、製品の製造量に関する情報を読み出し、販売情報DB63cから、製品の小売量に関する情報を読み出し、小売量を製造量で除算した統計量(小売量/製造量)に関する統計情報を生成してもよい。
【0087】
また、例えば、統計情報生成部62fは、記憶部63の製品情報DB63bから、製品の製造量に関する情報と、製品の卸売量に関する情報を読み出し、卸売量を製造量で除算した統計量(卸売量/製造量)に関する統計情報を生成してもよい。
【0088】
また、例えば、統計情報生成部62fは、記憶部63の製品情報DB63bから、製品の製造量に関する情報を読み出し、回収情報DB63dから、製品の回収量に関する情報を読み出し、回収量を製造量で除算した統計量(回収量/製造量)に関する統計情報を生成してもよい。
【0089】
また、例えば、統計情報生成部62fは、記憶部63の製品情報DB63bから、製品の製造量に関する情報を読み出し、リサイクル情報DB63eから、回収後にリサイクルされた製品の量を示すリサイクル量に関する情報を読み出し、リサイクル量を製造量で除算した統計量(リサイクル量/製造量)に関する統計情報を生成してもよい。
【0090】
また、例えば、統計情報生成部62fは、記憶部63の製品情報DB63bから、製品の製造量に関する情報を読み出し、回収情報DB63dから、製品の回収量に関する情報を読み出し、リサイクル情報DB63eから回収後にリサイクルされた製品のうちの再資源化された量を示す再資源化量に関する情報を読み出し、再資源化量を回収量で除算し、さらに、製造量で除算した統計量(再資源化量/回収量/製造量)に関する統計情報を生成してもよい。
【0091】
また、例えば、統計情報生成部62fは、記憶部63の製品情報DB63bから、製品の製造量に関する情報と製品の卸売量に関する情報とを読み出し、販売情報DB63cから、製品の小売量に関する情報を読み出し、回収情報DB63dから製品の回収量に関する情報を読み出し、リサイクル情報DB63eから回収後にリサイクルされた製品の量を示すリサイクル量に関する情報を読み出し、製造量から、卸売量と、小売量と、回収量と、リサイクル量と、を減算した統計量(製造量-卸売量-小売量-回収量-リサイクル量)に関する統計情報を生成してもより。これにより、サーキュラーエコノミーにおける製品の循環量に関する統計情報を生成することができる。
【0092】
また、例えば、統計情報生成部62fは、記憶部63の製品情報DB63bから製品をリサイクルすることにより削減される製品一個あたりの二酸化炭素の削減量に関する情報を読み出し、リサイクル情報DB63eから、回収後にリサイクルされた製品の量を示すリサイクル量に関する情報を読み出し、リサイクル量に製品一個あたりの二酸化炭素の削減量を乗算した統計量(リサイクル量×CO2削減量)に関する統計情報を生成してもよい。これにより、サーキュラーエコノミー全体における二酸化炭素の削減量に関する統計情報を生成することができる。
【0093】
統計情報生成部62fが生成した統計情報を可視化した情報を各端末の出力部により出力するようにしてもよい。例えば、生活者の属性(年齢、性別、居住地、職業、製品の回収履歴、嗜好等)や回収場所、回収店舗、回収製品ごとに統計量を分けて視覚的に表示したグラフやチャート、マップ(例えば、ヒートマップ)を各端末の出力部により出力してもよい。これにより、情報処理システム1の各端末のユーザは、統計情報を視覚的に容易に理解することができる。
【0094】
(動作の一例)
次に、情報処理システム1の動作の一例について説明する。図5は、情報処理システム1の動作の一例を示すフローチャートである。
【0095】
まず、メーカー端末2において、メーカー端末2のユーザが入力部23を介して入力した製品情報を制御部22が通信部21を介してサーバ6に送信する(ステップS101)。
【0096】
メーカー端末2から製品情報を通信部61により受信したサーバ6は、受信した製品情報を記憶部63の製品情報DB63bに格納する(ステップS102)。
【0097】
次に、メーカーから製品を仕入れた流通業者の流通業者端末3において、流通業者端末3のユーザが入力部33を介して入力した販売情報を制御部32が通信部31を介してサーバ6に送信する(ステップS103)。
【0098】
流通業者端末3から販売情報を通信部61により受信したサーバ6は、受信した販売情報を記憶部63の製品情報DB63bに格納する(ステップS104)。
【0099】
次に、流通業者(店舗)から製品を購入した生活者の生活者端末4において、生活者端末4のユーザ(生活者)が入力部43を介して入力した生活者情報を制御部42が通信部41を介してサーバ6に送信する(ステップS105)。
【0100】
生活者端末4から生活者情報を通信部61により受信したサーバ6の制御部62は、受信した生活者情報を記憶部63の製品情報DB63bに格納する(ステップS106)。
【0101】
そして、サーバ6の制御部62には、製品コード(製品識別情報)の送信のリクエストを通信部61により生活者端末4に送信する(ステップS107)。
【0102】
生活者端末4において、サーバ6から製品コードの送信のリクエストを受信すると、制御部42は、出力部44により製品コードの読み取りをユーザに促す情報を出力する。例えば、生活者端末4のディスプレイに「JANコードをスキャンしてください」等のメッセージを表示させてもよい。そして、生活者端末4のユーザ操作に応じて、制御部42はコード読取部42bにより製品コードを読み取る(ステップS108)。
【0103】
次に、生活者端末4の制御部42は、コード読取部42bにより読み取った製品コードを通信部41によりサーバ6に送信する(ステップS109)。
【0104】
生活者端末4から製品コードを受信したサーバ6の制御部62は、受信した製品コードをクエリとして記憶部63の製品情報DB63bから製品を検索する(ステップS110)。
【0105】
そして、サーバ6の制御部62は、該当する製品の素材に関する情報や回収ボックスの識別情報を含む製品情報を生活者端末4に送信する(ステップS111)。
【0106】
次に、生活者端末4において、生活者によって製品が回収ボックスに投入(回収)された後、生活者端末4のユーザ(生活者)によって、入力部43を介して、回収製品の製品名、個数、回収場所等の情報を含む回収情報の入力が行われる。そして、生活者端末4の制御部42は、ユーザによって入力された回収情報をサーバ6に送信する(ステップS112)。
【0107】
生活者端末4から回収情報を通信部61により受信したサーバ6は、受信した回収情報を記憶部63の回収情報DB63dに格納する(ステップS113)。
【0108】
リサイクラー端末5において、リサイクラー端末5の制御部52は、回収情報のリクエストをサーバ6に送信する(ステップS114)。
【0109】
リサイクラー端末5から回収情報のリクエストを受信したサーバ6は、受信したリクエストに含まれる製品コード等の識別情報をクエリとして、記憶部63の回収情報DB63dから回収情報を検索し、該当の回収情報をリサイクラー端末5に送信する(ステップS115)。
【0110】
なお、リサイクラーは、受信した回収情報に含まれる回収製品の使用者の属性(年齢、生年月日、性別、居住地、職業、嗜好等)、製品識別情報(例えば、JANコード)、製品名、製品又は当該製品の部品の素材情報、回収個数、製品が回収場所に置かれた日時(回収ボックスに投入された日時)、回収場所(回収店舗)等の情報を利用して、効率的に製品の回収を行うことができる。
【0111】
サーバ6から送信された回収情報をリサイクラー端末5が受信し、当該回収情報に基づいてリサイクラー(回収業者)が製品の回収を行った後、リサイクラー端末5の制御部52は、製品情報のリクエストをサーバ6に送信する(ステップS116)。
【0112】
リサイクラー端末5から製品情報のリクエストを受信したサーバ6は、受信したリクエストに含まれる製品コード等の識別情報をクエリとして、記憶部63の製品情報DB63bから製品情報を検索し、該当の製品情報をリサイクラー端末5に送信する(ステップS117)。
【0113】
なお、リサイクラーは、受信した製品情報に含まれる製品の構造、部品の取り外し方法、部品の交換方法、製品又は部品の修理方法、製品の取扱説明書等の製品特徴に関する情報等の情報を利用して、効率的に製品のリサイクルを行うことができる。
【0114】
サーバ6から送信された製品情報をリサイクラー端末5が受信し、当該製品情報に基づいてリサイクラーが製品のリサイクルを行った後、リサイクラー端末5の制御部52は、リサイクル情報をサーバ6に送信する(ステップS118)。
【0115】
リサイクラー端末5からリサイクル情報を通信部61により受信したサーバ6は、受信したリサイクル情報を記憶部63のリサイクル情報DB63eに格納する(ステップS119)。
【0116】
そして、サーバ6において、制御部62の統計情報生成部62fは、記憶部63に記憶された生活者情報と、製品情報、販売情報、回収情報及びリサイクル情報のうちの少なくとも一つの情報と、を用いて算出された統計量に関する統計情報を生成する(ステップS120)。
【0117】
以上説明したとおり、本実施形態によれば情報処理システム1は、製品を製造するメーカーの端末装置(メーカー端末2)と、メーカーから製品を仕入れて販売する流通業者の端末装置(流通業者端末3)と、流通業者から製品を購入し、製品を使用する生活者の端末装置(生活者端末4)と、生活者から使用済みの製品を回収し、リサイクルするリサイクラーの端末装置(リサイクラー端末5)と、各装置がアクセス可能なサーバ6と、を含む情報処理システム1であって、メーカーの端末装置から製品の製品情報を取得する製品情報取得部62bと、流通業者の端末装置から製品の販売情報を取得する販売情報取得部62cと、生活者の端末装置から生活者情報を取得する生活者情報取得部62aと、生活者の端末装置から製品の回収情報を取得する回収情報取得部62dと、リサイクラーの端末装置から製品のリサイクル情報を取得するリサイクル情報取得部62eと、生活者情報と、製品情報、販売情報、回収情報及びリサイクル情報のうちの少なくとも一つの情報と、を用いて算出された統計量に関する統計情報を生成する統計情報生成部62fと、を有するので、生活者情報を含む複数の情報を用いてサーキュラーエコノミーにおける製品リサイクルの効率化に資する情報を生成することができる。
【0118】
なお、上記実施形態において、情報処理システム1に、各端末装置(メーカー端末、流通業者端末、生活者端末、リサイクラー端末)のうちの少なくとも一つの表示部(出力部)に、製品又は製品の部品のトレーサビリティに関する情報(トレーサビリティ情報)を表示する表示制御部を設けてもよい。これにより、各端末装置の利用者(メーカー、流通業者、生活者、リサイクラー)は、各端末装置の表示部に表示されたトレーサビリティ情報を参照することにより、製品又は製品の部品が、いつ生産され、販売され、回収され、リサイクル又は再資源化されたかを容易に認識することが可能となる。
【0119】
本明細書で述べた各機能部の任意の一部または全部をプログラムによって実現するようにしてもよい。本明細書で言及したプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に非一時的に記録して頒布されてもよいし、インターネットなどの通信回線(無線通信も含む)を介して頒布されてもよいし、任意の端末にインストールされた状態で頒布されてもよい。
【0120】
上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加の効果や種々の変形例を想到できるかもしれないが、本発明の態様は、上述した個々の実施形態には限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
【0121】
例えば、本明細書において1台の装置(あるいは部材、以下同じ)として説明されるもの(図面において1台の装置として描かれているものを含む)を複数の装置によって実現してもよい。逆に、本明細書において複数の装置として説明されるもの(図面において複数の装置として描かれているものを含む)を1台の装置によって実現してもよい。あるいは、ある装置(例えばサーバ)に含まれるとした手段や機能の一部または全部が、他の装置(例えばユーザ端末)に含まれるようにしてもよい。
【0122】
また、本明細書に記載された事項の全てが必須の要件というわけではない。特に、本明細書に記載され、特許請求の範囲に記載されていない事項は任意の付加的事項ということができる。
【0123】
なお、本出願人は本明細書の「先行技術文献」欄の文献に記載された文献公知発明を知っているにすぎず、本発明は必ずしも同文献公知発明における課題を解決することを目的とするものではないことにも留意されたい。本発明が解決しようとする課題は本明細書全体を考慮して認定されるべきものである。例えば、本明細書において、特定の構成によって所定の効果を奏する旨の記載がある場合、当該所定の効果の裏返しとなる課題が解決されるということもできる。ただし、必ずしもそのような特定の構成を必須の要件とする趣旨ではない。
【符号の説明】
【0124】
1 情報処理システム
2 メーカー端末
3 流通業者端末
4 生活者端末
5 リサイクラー端末
6 サーバ
62 制御部
62a 生活者情報取得部
62b 製品情報取得部
62c 販売情報取得部
62d 回収情報取得部
62e リサイクル情報取得部
62f 統計情報生成部
7 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6