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特許7536074端末との結合に適する線量検出装置および線量検出方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-08
(45)【発行日】2024-08-19
(54)【発明の名称】端末との結合に適する線量検出装置および線量検出方法
(51)【国際特許分類】
   G01T 1/20 20060101AFI20240809BHJP
   G01T 1/17 20060101ALI20240809BHJP
【FI】
G01T1/20 A
G01T1/20 E
G01T1/20 D
G01T1/20 L
G01T1/17 C
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022208369
(22)【出願日】2022-12-26
(65)【公開番号】P2023099331
(43)【公開日】2023-07-12
【審査請求日】2022-12-26
(31)【優先権主張番号】202111680495.3
(32)【優先日】2021-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503414751
【氏名又は名称】同方威視技術股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183265
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 剣一
(72)【発明者】
【氏名】李 荐民
(72)【発明者】
【氏名】朱 国平
(72)【発明者】
【氏名】阮 明
(72)【発明者】
【氏名】趙 崑
(72)【発明者】
【氏名】▲デン▼ 艷麗
(72)【発明者】
【氏名】李 君利
(72)【発明者】
【氏名】苗 斉田
【審査官】今井 彰
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-532850(JP,A)
【文献】特開2013-072682(JP,A)
【文献】特開2021-043081(JP,A)
【文献】特開平07-174855(JP,A)
【文献】特開2013-145186(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01T 1/00-1/16、1/167-7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末との結合に適する線量検出装置であって、
収容空間および窓を有し、前記収容空間と前記窓とが連通しているケースと、
放射線を受信し、受信された放射線を可視光に変換するシンチレータであって、前記収容空間に位置し、かつ前記窓を覆い、外面が第1の外面および第2の外面を含み、前記第1の外面が端末のカメラとフィットするシンチレータと、
外部環境における可視光が前記シンチレータに照射することを遮るものであって、前記シンチレータの前記第2の外面に設けられている遮光層と、
を含み、
前記線量検出装置は、前記シンチレータおよび前記窓が前記端末のカメラに正対するように前記端末に実装可能であり、外部環境における放射線を、前記端末のカメラに受信されることに適する可視光を変換し、
前記線量検出装置は、外部環境における可視光が前記シンチレータに照射することを遮る遮光パッドをさらに含み、
前記遮光パッドは、前記ケースに対して前記シンチレータと反対側に設けられ、前記窓の周縁までに延びている、
線量検出装置。
【請求項2】
前記シンチレータの前記第2の外面と前記遮光層との間には、反光層がさらに設けられており、
前記反光層は、前記シンチレータによって変換された可視光を反射するものである、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ケースと前記シンチレータとは、一体または別体に設けられる、
請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記端末は、携帯電話を含み、
前記ケースは、携帯電話ケースを含む、
請求項1または2に記載の装置。
【請求項5】
請求項1または2に記載の端末との結合に適する線量検出装置により、外部環境における放射線を、端末のカメラに受信されることに適する可視光に変換したことに応答して、前記端末のカメラの感光部品をトリガーすることと、
前記感光部品によって検出された光データに基づいて、線量数値を特定することと、
を含む、
線量検出方法。
【請求項6】
線量数値が特定されたことに応答して、相応的な時間データ、相応的な前記線量検出装置の位置データ、角度データを特定することと、
端末との結合に適する前記線量検出装置のそれぞれによって検出された前記線量数値に基づいて、端末との結合に適する前記線量検出装置のそれぞれのカバー領域の領域線量データを特定することと、
をさらに含む、
請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記領域線量データは、
前記カバー領域の領域線量強度データと、
前記カバー領域の領域線量強度レオロジーデータと、
を含む、
請求項に記載の方法。
【請求項8】
線量数値が特定されたことに応答して、前記端末のカメラによって画像データを収集することと、
前記線量数値および前記画像データに基づいて、放射線源を特定することと、
をさらに含む、
請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記線量数値と検出閾値とを比較して、異常な線量数値を特定することと、
前記異常な線量数値を再評価することと、
をさらに含む、
請求項に記載の方法。
【請求項10】
環境バックグラウンドの線量数値を校正することをさらに含む、
請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、環境検出の技術分野に関し、具体的に、端末との結合に適する線量検出装置および線量検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
社会の発展に伴い、例えば核廃棄物や、放射性を含む物質の予防制御、検出がますます厳しくなり、放射性物質を測定し、検出することができる設備機器の需要量が大幅に増加する。
【0003】
よく使われる放射線検出装置は、ガス検出器、シンチレータ検出器、半導体検出器などのタイプを含み、放射線検出装置の形態は、手首式(腕時計機能と組み合わせるもの)、手持ち式、バックパック式、バッグ式などを有する。
【0004】
現在の放射線検出装置には、依然として、使用しにくく、汎用性が高くないなどの欠陥が存在する。
【発明の概要】
【0005】
これに鑑みて、本開示の目的は、上述した少なくとも1つの技術課題を解決するように、端末との結合に適する線量検出装置および線量検出方法を提供することにある。
【0006】
本開示の一局面によれば、端末との結合に適する線量検出装置を提供しており、ケース、シンチレータおよび遮光層を含む。ケースは、収容空間および窓を有し、収容空間と窓とが連通している。シンチレータは、放射線を受信し、受信された放射線を可視光に変換するものであって、収容空間に位置しており、かつ窓を覆い、外面が第1の外面および第2の外面を含み、第1の外面と端末のカメラとがフィットする。遮光層は、外部環境における可視光がシンチレータに照射することを遮るものであって、シンチレータの第2の外面に設けられている。線量検出装置は、シンチレータおよび窓が端末のカメラに正対するように端末に実装可能であり、外部環境における放射線を、端末のカメラに受信されることに適する可視光に変換する。
【0007】
本開示の実施例によれば、シンチレータの第2の外面と遮光層との間には、反光層がさらに設けられており、反光層は、シンチレータによって変換された可視光を反射するものである。
【0008】
本開示の実施例によれば、端末との結合に適する線量検出装置は、外部環境における可視光がシンチレータに照射することを遮る遮光パッドをさらに含み、遮光パッドは、ケースに対してシンチレータと反対側に設けられている。
【0009】
本開示の実施例によれば、ケースとシンチレータとは、一体または別体に設けられる。
【0010】
本開示の実施例によれば、端末は携帯電話を含み、ケースは携帯電話ケースを含む。
【0011】
本開示の別の局面によれば、本開示の実施例による端末との結合に適する線量検出装置により、外部環境における放射線を、端末のカメラに受信されることに適する可視光に変換したことに応答して、端末のカメラの感光部品をトリガーすることと、感光部品によって検出された光データに基づいて、線量数値を特定することと、を含む線量検出方法を提供している。
【0012】
本開示の実施例によれば、線量検出方法は、線量数値が特定されたことに応答して、相応的な時間データ、相応的な線量検出装置の位置データ、角度データを特定することと、端末との結合に適する線量検出装置のそれぞれによって検出された線量数値に基づいて、端末との結合に適する線量検出装置のそれぞれのカバー領域の領域線量データを特定することと、をさらに含む。
【0013】
本開示の実施例によれば、領域線量データは、カバー領域の領域線量強度データと、カバー領域の領域線量強度レオロジーデータとを含む。
【0014】
本開示の実施例によれば、線量検出方法は、線量数値が特定されたことに応答して、端末のカメラによって画像データを収集することと、線量数値および画像データに基づいて、放射線源を特定することと、をさらに含む。
【0015】
本開示の実施例によれば、線量検出方法は、線量数値と検出閾値とを比較して、異常な線量数値を特定することと、異常な線量数値を再評価することと、をさらに含む。
【0016】
本開示の実施例によれば、線量検出方法は、環境バックグラウンドの線量数値を校正することをさらに含む、
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本開示の実施例による端末との結合に適する線量検出装置の構成模式図を概略的に示している。
図2図2は、図1に示す本開示の実施例による端末との結合に適する線量検出装置のAにおける構成拡大図を概略的に示している。
図3図3は、本開示の実施例による線量検出方法のフローチャートを概略的に示している。
図4図4は、本開示の別の実施例による線量検出方法のフローチャートを概略的に示している。
図5図5は、本開示のさらに別の実施例による線量検出方法のフローチャートを概略的に示している。
図6図6は、本開示のさらに別の実施例による線量検出方法のフローチャートを概略的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示の目的、技術案および利点をより明らかにするために、以下に具体的な実施例と合わせて、図面を参照しながら本開示をさらに詳細に説明する。以下に図面を参照して本開示の実施形態に対する説明は、本開示の全体的な発明構想を解釈することを目的とし、本開示に対する限定と理解すべきではない。
【0019】
図1は、本開示の実施例による端末との結合に適する線量検出装置の構成模式図を例示的に示しており、図2は、図1のAにおける構成拡大図を例示的に示している。
【0020】
図1に示すように、本開示の実施例による端末との結合に適する線量検出装置100は、ケース1、シンチレータ2および遮光層3を含み、図2に示すように、ケース1は、収容空間11および窓12を有し、収容空間11と窓12とが連通しており、シンチレータ2は、放射線を受信し、受信された放射線を可視光に変換するために用いられ、シンチレータ2が収容空間11に位置し、かつシンチレータ2が窓12を覆い、シンチレータ2の外面は、第1の外面および第2の外面を含み、第1の外面が端末のカメラにフィットしており、遮光層3は、外部環境における可視光がシンチレータ2に照射することを遮るために用いられ、遮光層3がシンチレータの第2の外面に設けられており、放射線量検出装置100は、シンチレータ2およびウィンドウ12が端末のカメラに正対できるように端末に実装可能であり、それにより、外部環境における放射線を、端末のカメラにより受信されることに適する可視光に変換する。
【0021】
本開示の実施例の端末との結合に適する線量検出装置100(表現の簡潔、明確のために、以下に端末との結合に適する線量検出装置を線量検出装置と称する)が使用される場合、放射線検出装置100が端末と接続され、端末のカメラが線量検出装置100の窓12に正対するように、放射線検出装置100のケース1を端末に被ってよい。外部環境に例えばX線、γ線等の放射性物質が存在する場合、放射性物質の放射線がシンチレータ2と作用して、外部環境における放射線を、端末のカメラに受信されることに適する可視光に変換し、それと同時に、外部環境における自然光が遮光層3によって遮られ、即ち、シンチレータ2と作用するのは、外部環境における放射線のみである。シンチレータ2および窓12は、端末のカメラに正対し、シンチレータ2によって変換された可視光は、カメラに受信され、具体的に、シンチレータ2によって変換された可視光は、カメラの感光部品によって検出され得る。感光部品によって検出された可視光の光束等の光データに基づいて、外部環境の線量等のパラメータの数値を特定し、外部環境の線量等のパラメータの数値を量化して、線量数値を得るようにしてもよい。
【0022】
本開示の実施例のシンチレータ2が外部環境における放射線を可視光に変換し得る原理は、例えば、放射線(放射線が不可視光である)の高エネルギー粒子の衝突により、シンチレータ2が高エネルギー粒子の運動エネルギーを光エネルギーに変換して、可視光を発することができることである。
【0023】
例示的に、外部環境の放射線がX線、γ線を含む場合、シンチレータ2は、例えば、X線、γ線に敏感なシンチレーション結晶、透明または半透明のセラミック材料および粉末増感紙材料等を含んでもよく、例えば、シンチレータ2は、NaI(ヨウ化ナトリウム)結晶を含んでもよい。
【0024】
例示的に、シンチレータ2に対して適応的な前処理を行ってもよい。例えば、NaI結晶は、潮解しやすい特性を有し、適応的に除湿、密封包装の前処理を行ってもよく、除湿、密封包装は、適応的な前処理である。
【0025】
例示的に、遮光層3は、アルミニウム膜または黒色の塗料材料によって製作される。
【0026】
本開示の実施例の端末との結合に適する線量検出装置100は、少なくとも以下の利点のいずれかを有する。
【0027】
1)ケース1を設けることで、線量検出装置100が端末に接続可能であり、線量検出装置100と端末との構造上の結合を実現し、携帯しやすくなり、端末を使用するとともに外部環境における線量を検出することができ、使用がより便利になる。
【0028】
2)収容空間11内に位置するシンチレータ2、および、端末のカメラに正対する窓12を設けることで、外部環境における放射性物質の放射線がシンチレータ2によって可視光に変換され、可視光が窓12を介して端末のカメラと作用して、線量を特定することができる。カメラを含む端末と放射線検出機器100とを合理的かつ巧妙に結合して、両者は共同で線量検出を実現する。
【0029】
3)シンチレータ2の第2の表面に位置する遮光層3を設けることで、シンチレータ2が外部環境における放射線のみを可視光に変換し、外部環境における可視光で線量数値を特定して線量検出に誤りがあることを回避する。
【0030】
なお、本開示の実施例の端末との結合に適する線量検出装置100は端末に接続された後、外部環境における線量を検出可能になるが、シンチレータ2でカメラに正対する窓12を覆い、かつシンチレータ2の第2の外面に遮光層がさらに設けられているため、端末と線量検出装置100とが接続された場合、正常にカメラを用いて撮影などの操作を行うことができず、線量検出装置100を取り外した後にカメラを正常に用いることができる。
【0031】
なお、シンチレータ2は立体的な構成であり、例えば、直方体、立方体等であってよく、シンチレータ2の外面とは、立体構造の外面を指し、端末のカメラとフィットする第1の外面を除いて、他の表面がいずれも第2の外面である。第1の外面が端末のカメラとフィットすることは、第1の外面と端末のカメラとが正対する場合、両者の面積が同一であり、外郭が一致することと理解されてよい。
【0032】
例示的に、図2に示すように、シンチレータ2の第2の外面と遮光層3との間に反光層4がさらに設けられてもよく、反光層4は、シンチレータ2によって変換された可視光を反射するために用いられ、シンチレータ2によって生成されたフォトンが、できるだけ窓12を介して端末のカメラに出力することに寄与する。
【0033】
本開示の実施例の線量検出装置100は、シンチレータ2によって外部環境における放射線を可視光に変換して線量を特定するものであり、外部環境には、放射性物質の放射線だけではなく、例えば太陽光、ランプ光等の可視光がさらに含まれ、可視光がシンチレータ2を介して端末のカメラに受信されると、検出線量に干渉することになる。そのため、理想の状態では、外部環境における可視光が完全に遮られ、外部環境における可視光がシンチレータ2を介して端末のカメラに受信されることがない。上述した実施例において、シンチレータ2の第2の外面に遮光層3を設けることで、外部環境における可視光を遮ることができ、外部環境における可視光をよりよく遮るために、本開示の実施例において、さらにシンチレータ2の第2の外面と遮光層3との間に反光層4を設けている。反光層4は、シンチレータ2によって変換された可視光が遮光層3に吸収されないように、シンチレータ2によって変換された可視光を反射するために用いられ、シンチレータ2によって変換された可視光は窓12を介して端末のカメラに出力され、測定の感度を増加させ、外部環境における可視光を遮る効果を向上させて、線量検出装置100の線量検出の正確性を向上させる。
【0034】
例示的に、図2に示すように、端末との結合に適する線量検出装置100は、外部環境における可視光がシンチレータ2に照射することを遮る遮光パッド5をさらに含んでもよく、遮光パッド5がケース1に対してシンチレータ2と反対側に設けられる。
【0035】
本開示の実施例の線量検出装置は、遮光パッド5を設けることで、外部環境における可視光を遮る効果をさらに向上させて、線量検出装置100の線量検出の正確性を向上させる。
【0036】
例示的に、図2に示すように、遮光パッド5は、ケース1に対してシンチレータ2と反対側に設けられ、窓12の周縁までに延びる。
【0037】
本開示の実施例の線量検出装置100によれば、ケース1とシンチレータ2とは、一体または別体に設けられてもよい。
【0038】
本開示の実施例の線量検出装置100は、一体に設けられるケース1およびシンチレータ2または別体に設けられるケース1およびシンチレータ2によって、線量検出装置100の使用がより柔軟になり、異なる応用場面に適応することができる。
【0039】
例示的に、端末は、携帯電話を含んでもよく、ケースは、携帯電話ケースを含んでもよい。現在、大衆による携帯電話の使用頻度が高く、携帯電話も携帯しやすい等の特点を有し、線量検出装置100と携帯電話とを結合して線量検出を行うと、より便利になり、大衆日常の線量検出の需要を満たすことができる。当然ながら、端末は、タブレットなどのデバイスを含んでもよく、ここでは具体的に限定されず、カメラが配置されている端末は、いずれも本開示の実施例の線量検出装置100と結合して線量を検出することができる。
【0040】
本開示の実施例の別の局面によれば、線量検出方法をさらに提供している。
【0041】
図3に示すように、本開示の実施例による線量検出方法200は、操作S210~操作S220を含む。
【0042】
操作S210において、端末との結合に適する線量検出装置により、外部環境における放射線を、端末のカメラに受信されることに適する可視光に変換したことに応答して、端末のカメラの感光部品をトリガーする。
【0043】
操作S220において、感光部品によって検出された光データに基づいて、線量数値を特定する。
【0044】
本開示の実施例の線量検出方法200は、端末自体に配置されたカメラおよび感光部品を、線量を検出する部品として使用することができ、本開示の実施例の線量検出装置と端末とが結合された後、線量検出を便利に行うことができる。
【0045】
例示的に、カメラの感光部品を用いて光データの数値を特定した後に、換算することで線量数値を特定することができる。
【0046】
なお、カメラ自体に感光部品が配置されており、感光部品は、例えばCCD(Charge-coupled Device)、電荷カップリング素子を含み、感光素子は、光データを検出するために用いられる。
【0047】
例示的に、本開示の実施例の線量検出方法の光データは、例えば光束を含み、即ち、光束の数値を、線量数値を特定する基礎としてもよいが、光束というパラメータに限定されず、例えば、光強度というパラメータの数値を、線量数値を特定する基礎としてもよい。ここで、光束とは、人の目で感じされる放射パワーを指し、光束の数値は、単位時間内のある波長帯域の放射エネルギーとその波長帯域の相対的な視感度との積に等しい。
【0048】
例示的に、端末機器において、ソフトウェアを用いて光データを取得し、線量数値等を表示してもよい。
【0049】
図4に示すように、本開示の別の実施例による線量検出方法300は、操作S310~操作S320をさらに含んでもよい。
【0050】
操作S310において、線量数値が特定されたことに応答して、相応的な時間データ、相応的な線量検出装置の位置データ、角度データを特定する。
【0051】
例示的に、時間軸で線量数値に対応する時間データを特定してもよい。端末自体に配置された測位装置によって線量数値に対応する位置データを特定してもよく、さらに、端末自体に配置されたジャイロ等などの装置によって線量数値に対応する角度データを特定してもよい。
【0052】
操作S320において、端末との結合に適する線量検出装置のそれぞれによって検出された線量数値に基づいて、端末との結合に適する線量検出装置のそれぞれのカバー領域の領域線量データを特定する。
【0053】
本開示の実施例の線量検出方法は、線量数値と相応的な時間、位置、角度とを関連付けることができ、複数の端末を使用して、各端末が本開示の実施例の線量検出装置と結合した後、線量検出装置のそれぞれによって検出された線量数値を統合して処理し、領域化かつメッシュ化された線量検出を実現することができる。
【0054】
本開示の実施例の線量検出方法において、例えば、各線量検出装置が所在する位置によって、各線量検出装置を含む領域をカバー領域として特定することができる。例示的に、カバー領域内のある時刻の各線量検出装置によって検出された線量数値の平均値を、カバー領域の当該時刻の領域線量データとすることができる。
【0055】
例示的に、領域線量データは、カバー領域の領域線量強度データと、カバー領域の領域線量強度レオロジーデータとを含んでもよい。
【0056】
例示的に、カバー領域の線量検出装置のそれぞれによって検出された線量数値の平均値をカバー領域の領域線量強度データとしてもよく、または、予め領域線量データに対して数値セグメント分けを行って、各数値セグメントの領域線量強度を設定し、後で、あるカバー領域の線量検出装置のそれぞれによって検出された線量数値の均値が所在する数値セグメントによって、当該カバー領域の領域線量強度データを特定してもよい。
【0057】
カバー領域の領域線量強度レオロジーデータは、時間に伴って変化するあるカバー領域の領域線量強度データを表すために用いられる。理解されるべきこととして、時間を表すデータの値は連続的なものであり、カバー領域の領域線量強度レオロジーデータを効率的に特定するために、例えば、ある時間帯をカバー領域の領域線量強度データ変化の単位としてもよく、例えば、10分間をカバー領域の領域線量強度データ変化の単位として設定してもよい。
【0058】
本開示の実施例の線量検出方法は、複数の方面からカバー領域の領域線量データを処理して、カバー領域の放射性物質と相関するパラメータを全面的に評価することができる。例えば、カバー領域の領域線量強度データ、カバー領域の領域線量強度レオロジーデータといったパラメータは、カバー領域の放射性物質の危害程度および放射性物質の危害程度の変化を評価するために用いられる。
【0059】
図5に示すように、本開示のさらに別の実施例による線量検出方法400は、操作S410~操作S420をさらに含んでもよい。
【0060】
操作S410において、線量数値が特定されたことに応答して、端末のカメラによって画像データを収集する。
【0061】
操作S420において、線量数値および画像データに基づいて、放射線源を特定する。
【0062】
なお、本開示の実施例の線量検出装置によって現在環境の線量数値を検出する時、カメラがシンチレータによって覆われ、かつシンチレータの第2の外面に遮光層、反光層等の構成が設けられている。したがって、線量検出装置によって現在環境の線量数値を検出する時、端末の同一カメラによって画像データを収集するとともに外部環境の可視光を変換することができない。
【0063】
本開示の実施例の線量検出方法は、操作S410の線量数値が特定されたことに応答して、端末のカメラによって画像データを収集することは、線量数値が特定された後、端末と結合する線量検出装置を取り外して、端末のカメラによって画像データを収集し、または、端末に複数のカメラが含まれる場合、別のカメラを用いて画像データを収集することと理解されてよい。
【0064】
本開示の実施例の線量検出方法は、端末のカメラによって画像データを収集して放射線源を特定することができ、即ち、放射線遡り(トレーシング)を行うことができ、後で、例えば線量検出装置を使用するユーザに放射線源の位置を提示することができ、ユーザが放射線源から離れる等の決定を行うことができ、ユーザ体験を向上させることができる。
【0065】
図6に示すように、本開示のさらに別の実施例による線量検出方法500は、操作S510~操作S520をさらに含んでもよい。
【0066】
操作S510において、線量数値と検出閾値とを比較して、異常な線量数値を特定する。
【0067】
操作S520において、異常な線量数値を再評価する。
【0068】
例示的に、検出閾値を予め設定してもよい。
【0069】
例示的に、線量数値と検出閾値とを比較して、検出閾値を超える線量数値を異常な線量数値として特定する。
【0070】
なお、本開示の実施例の線量検出方法は、本開示の実施例の線量検出装置に基づいて検出を行い、線量検出装置は、外部の可視光を遮って検出正確性を確保する必要があり、例えば、線量検出装置が何らかの原因で外部環境における可視光を透過させた場合、検出された線量数値が大幅に増加し、線量検出に誤りがあることを招く。例示的に、本開示の実施例による線量検出方法は、線量数値が合理的な閾値を超えたことに応答して、提示信号を送信することをさらに含んでもよい。
【0071】
ここでの合理的な閾値は、線量検出装置が例えば何らかの原因で外部環境における可視光を透過させた場合、端末のカメラの感光部品が検出できる光データの数値が大幅に増加し、合理的な範囲を超え、例えば露光等の状況が発生すると理解されてよく、この場合、提示信号を送信して、外部環境の自然光を遮っていない等の状況があり得ることを表してもよい。
【0072】
本開示の実施例の線量検出方法は、異常な線量を再評価することで、線量検出エラー率を低減させて線量検出の正確性を向上させることができる。
【0073】
例示的に、図6に示すように、本開示の実施例による線量検出方法500は、操作S530をさらに含んでもよい。
【0074】
操作S530において、環境バックグラウンドの線量数値を校正する。
【0075】
なお、1つの固定の地域では、その環境バックグラウンドの線量変化が比較的に一定であり、天気、季節、温度差等による影響が僅かであり、1つの定数として認定されてもよく、新しい線量検出装置が初めて当該地域に入り、あるいは、長時間にわたって使用され、その内部パラメータ設定が必ずしも合理的でないか、または、ずれている場合、その環境バックグラウンド線量値を校正する必要がある。
【0076】
本開示の実施例の線量検出方法は、環境バックグラウンドの線量数値を校正することで、線量検出正確性を向上させることができる。
【0077】
なお、本開示の実施例による線量検出方法は、ソフトウェアによって実現されてもよく(以下、本開示の実施例の線量検出方法を実現するソフトウェアを線量検出ソフトウェアと称する)、具体的に、線量検出ソフトウェアを線量検出装置と結合する端末に実装してもよい。検出された線量数値、領域線量データ等のデータは、線量検出ソフトウェアによってユーザに提供することができる。当該線量検出ソフトウェアは、データセンターとデータインタラクションを行い、相応的にデータを記憶することができる。
【0078】
本開示の実施例の線量検出方法は、例えば、異常な線量数値に応答して、警報信号を発してもよい。具体的に、警報信号を線量検出ソフトウェアまたはデータセンターに送信してもよい。
【0079】
以下に、携帯電話を端末として例を挙げて、本開示の実施例の線量検出方法を説明する。
【0080】
例示的に、放射線検出装置の位置データおよび角度データによって携帯電話の状態を特定することができ、例えば、携帯電話が移動や回転状態にある場合、当該線量検出ソフトウェアは線量数値を遡り、線量数値の包絡線に対して時間次元(時間ドメイン)で極値を求めて、明らかな数値データが膨張したまたは飛んだ線量数値を異常な線量数値として特定してもよく(線量数値と検出閾値とを比較して、異常な線量数値を特定することに対応する)、異常が発生した線量数値の位置データ、角度データ、時間データ等の情報に従って、カメラによって収集された画像データと合わせて、異常な線量数値が発生した物理的位置を特定し、さらに放射性物質を持っている可能性がある物品、人(放射線源を特定することに対応する)等を見出して、同時に異常な線量数値をデータセンターにアップロードしてもよい。
【0081】
例えば、携帯電話が静止状態にある場合、別のカメラを用いてもよく、当該線量検出ソフトウェアは、携帯電話の前に経過した物体映像を自動的に撮像することでき、放射線検出数値と関連付けて、後で線量数値を遡り、線量数値の包絡線に対して時間次元で極値を求めて、明らかな数値データが膨張したまたは飛んだ線量数値を異常な線量数値として特定してもよく(線量数値と検出閾値とを比較して、異常な線量数値を特定することに対応する)、異常な線量数値をデータセンターにアップロードしてもよい。異常な線量数値が発生していない場合、前期に撮像した映像情報を削除し、線量数値、対応する時間データ、対応する位置データ等のみを保留してもよい。
【0082】
上述した具体的な実施例は、本開示の目的、技術案および有益な効果をさらに詳細に説明しており、理解されるべきこととして、上述したのは単に本開示の具体的な実施例に過ぎず、本開示を限定するものではなく、本開示の精神および原則内になされた如何なる補正、均等置換、改進などは、いずれも本開示の保護範囲内に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6